Uuu カンボジアの子どもたちに教科書を 2012年 6月 N o .4 1 カンボジア訪問報告 ~目 市井秀治 次~ カンボジア訪問報告 リティさんの健康状態 1 リティさんの健康状態と対応策 支援先校長との会合 2 6 月 9 日・1 0 日 の 二 日 間 、プ ノ ン ペ スタッフ紹介 4 ン を 訪 問 し ま し た 。今 回 の 訪 問 の 最 大 ボランティアさんの感想 5 の 目 的 は 、現 地 で 当 会 の 活 動 を 長 年 行 事務報告 6 っているリティさんの健康状態を確 認 す る こ と 、銀 行 口 座 の 管 理・現 地 の 会 計 手 続 き の 確 認 、リ テ ィ さ ん の 助 手 の 採 用 の 検 討 な ど が あ り ま し た 。 今 回 は 日 程 の 関 係 で 土 日 の 訪 問 と な っ た 為 、子 ど も 達 の 姿 を 見 る こ と は か な い ま せ ん で し た が 、現 地 の 状 況 を 十 分 把 握 す る と 共 に 、近 年 に なって当会の支援対象になった学校の校長などとも初めて面会する ことができ、大変有意義な二日間となりました。 20 10 年 末 に 日 本 へ 招 待 し て か ら 、約 1 年 半 ぶ り の 再 会 と な っ た リ テ ィ さ ん で す が 、先 月 突 然 の め ま い か ら 運 転 中 に 気 を 失 っ て し ま い 、交 通 事故にあっています。写真の通り、顔に はその時の傷がまだ残っていますが、今 回訪問に際して行った会議などでも、当 会の活動は問題無く行えています。普段 の生活も大きな支障は無いものの、慢性 的な不眠症とめまいにより気を抜けない 状況ではあります。気を失ったのは昨年 が初めてで、今回が 2 回目ということで リティ さん す 。そ れ 以 来 定 期 的 に 病 院 に 通 っ て い ま し たが、未だに原因が判っていません。 当会としては今のところ見守ることしかできせんが、リティさんの 体調を常に念頭において、今後の活動には助手を採用することなど も、一つの案として検討していきます。 リ テ ィ さ ん に も し も の こ と が あ っ た 場 合 、当 会 の 資 金 が 引 き 出 し 不 1 能 と な っ て し ま う こ と を 避 け る た め 、カ ン ボ ジ ア 現 地 で 当 会 の 銀 行 口 座 を 新 設 し て 、共 同 名 義 人 を 設 定 す る こ と と し ま し た 。共 同 名 義 人 は 現 地 の 人 で あ る 必 要 が あ る た め 、リ テ ィ さ ん と 17 年 間 仕 事 を 共 に し て い る 、最 も 信 頼 が お け る 人 物 に お 願 い す る こ と と な り ま し た 。写 真 右 の チ ン さ ん と い う 方 で 、リ テ ィ さ ん 同 様 国家公務員として仕事をしており、 JI CA の 研 修 を 通 じ て 2 週 間 ほ ど 日 本を訪問したこともあるそうです。 3 人で夕食を一緒にしましたが、人 リ ティ さん とチ ンさん 柄も誠実で信頼がおける人物である ことが感じ取れ、何よりリティさんとの間で固い信頼関係がある為、 共 同 名 義 人 と し て は 最 適 の 人 物 で あ る と 考 え て お り ま す 。 ま た 、チ ン さ ん と は 日 常 の 連 絡 手 段 、ど の よ う な 場 合 に 資 金 の 引 き 出 し を お 願 い す る か な ど を 明 示 し た 、正 式 な 契 約 書 を 締 結 し て あ り ま す 。 教科書支援校の校長・先生とお会いしました 昨 年 か ら ル セ イ サ ン 小 学 校 ・ ワ ッ ト ハ ー 小 学 校 だ け で な く 、そ の 他 9 校 に ま で 拡 大 し た 教 科 書 支 援 で す が 、 今 回 学 校 N o. 1, 4, 5 の 3 校 を 除いて、全校長が出席する中、ミーティングを行いました。今年度 ( 20 11 年 1 0 月 か ら の 年 度 )は 、10 月 1 日 に 教 科 書 支 給 が 間 に 合 い ま せんでした。原因として挙 げられるのが、1年生の登 録が学期の始まった段階で も確定しておらず後から登 録する子供がかなりの数に のぼること、政府による教 科書内容の改訂が毎年ある こと、貧しい家庭が転居を 繰り返すこと、などです。 これらを理由に新学期に各 校何冊の教科書が必要なの か正確に把握するのに時間 小 学 校 校 長 とのミーティング がかかったり、印刷が間に 合 わ な か っ た り し て い る の が 現 状 で す 。せ っ か く の 教 科 書 支 援 で す の で 、新 学 年 の 1 日 目 か ら 全 員 に 教 科 書 が 渡 さ れ る よ う 、今 回 の ミ ー テ ィ ン グ で は そ の 対 策 が 話 し 合 わ れ ま し た 。議 論 は ル セ イ サ ン 小 学 校 の 2 校 長 と リ テ ィ さ ん が 中 心 と な り 活 発 に 行 わ れ 、今 年 使 用 し た 教 科 書 の 回収を 7 月の段階で確実に行い、8 月には教科書購入に向けて早めに 準 備 に 取 り 掛 か る こ と 、購 入 し て あ ま っ た 教 科 書 は 図 書 館 用 と し て も 活 用 で き る の で 、昨 年 ま で の 経 験 に 基 づ き 初 め か ら あ る 程 度 余 裕 を 持 った数の教科書を購入することなどを決定しました。 幼稚園・識字学校の支援も継続しています 全 校 長 と の ミ ー テ ィ ン グ 終 了 後 、識 字 学 校 を 運 営 し て い る 学 校 N o . 9 の 校 長 、 幼 稚 園 を 運 営 し て い る 学 校 No .8 の 校 長 、 ル セ イ サ ン 小 学 校 の 校 長 、前 回 の ニ ュ ー ス レ タ ー で お 知 ら せ し た 当 会 が 給 与 を 支 払 う 形 で採用したルセイサン幼稚園の先生の 4 名と個別にミーティングを行 い ま し た 。 学 校 No .9 の 識 字 学 校 に 関 し て は 、 当 会 で 教 室 の 家 賃 や 文 房 具 ・ 教 科 書 な ど の 支 援 を 行 っ た こ と が 功 を 奏 し 、非 常 に 順 調 な 様 子 が 確 認 さ れ ま し た 。こ の 識 字 学 校 に 子 ど も を 送 っ て い る 親 は 、貧 し い 家 庭 が 多 く 、こ の よ う な 教 育 の 機 会 が あ る こ と に 非 常 に 感 謝 し て お り 、 積 極 的 に 子 ど も を 学 校 に 送 り 出 し て い ま す 。そ の 結 果 、子 ど も の 数 は 常 に 30 人 を 超 え て い ま す 。 学 校 No . 8 の 幼 稚 園 も 常 に 3 0 人 以 上 の 園 児 が 来 て お り 、非 常 に 活 発 な 状 況 が 続 い て い ま す 。こ の 幼 稚 園 の 子 供 と 親 も 教 育 熱 心 な の で 、当 会ではこういう所にこそ何か支援をしてあげるべきと考えています。 今 回 、校 長 と 直 接 話 し て み て 明 確 に な っ た 支 援 の 必 要 な 項 目 と し て は 、 ①黒板、②壊れた床の補修、 ③トイレの補修があります。 トイレに関しては、以前日本 の N GO が 作 っ て く れ た も の の 、 それが故障したため現在学校 にはトイレが無いとのことで す。これはカンボジア全土で 問題になっていることだそう で、特に女子生徒にとっては そもそも学校に来ることをた めらう理由にもなっています。 左 から時 計 回 りに学 校 8、学 校 9の校 修理には250ドルほどかか 長 、 ルセイ サン幼 稚 園 の先 生 、 リテ ィ るため、現状放置している状 さん 況です。それぞれについて、 当会の教育支援という活動の目的に照らし合わせて慎重に支援を行 うかどうか検討していきたいと思っています。 最 後 に 、な か な か 子 ど も の 数 が 増 え な か っ た ル セ イ サ ン 幼 稚 園 で す が 、当 会 で 採 用 し た 元 ア ジ ア 未 来 学 校 の 先 生 が 非 常 に 優 秀 で 、子 供 の 3 数 も 27 人 ま で 増 え て き て い る よ う で す 。た い へ ん 教 育 熱 心 な 先 生 で 、 自発的に家庭を訪問し子どもの通園を促すなど地道な努力が実を結 ん だ 結 果 と 思 わ れ ま す 。当 会 と し て は 、代 わ り の 先 生 を 現 段 階 で 見 つ け る こ と が 困 難 な こ と も あ り 、こ の 先 生 に 引 き 続 き 新 年 度 も 教 え て も らいたいと考えておりますが、当初の計画では学校が休みになる 8 月・9 月に先生と雇用契約を結ぶ予定が無かったため、先生は実質無 職 と な り 他 の 仕 事 を 探 す 必 要 が 出 て き ま す 。先 生 を 今 後 ど の よ う な 形 で引き止めるかについても慎重に検討していきたいと思います。 スタッフ紹介 斉藤乃章(会社員) 皆さん、こんにちは。今年 2 月からお手伝 いさせて頂いております斉藤です。現在金融 機関に勤めています。土日中心の活動になり ますが、微力でもお役に立てればと思いスタ ッフに参加することにしました。どうぞよろ しくお願いします。 ボランティアはこれまでに何回か経験があ り ま す が 、積 極 的 に 参 加 す る よ う に な っ た の は 昨 年 の 東 日 本 大 震 災 か ら で す 。昨 年 か ら 今 年 の 冬 に か け て 瓦 礫 処 理 や 被 災 住 宅 へ の 傾 聴 活 動 な ど を や っ て き ま し た 。そ ん な 中 以 前 か ら 関 心 の あ っ た 国 際 協 力 の ボ ラ ン テ ィ ア の H P を ネ ッ ト で 見 て い る う ち に 、当 会 に 行 き 着 く こ と に な り ま し た 。日 韓 の 歴 史 や 東 南 ア ジ ア に つ い て は 教 科 書 的 な 知 識 と マ ス コ ミ に よ っ て し か 知 ら な い 私 で し た が 、当 会 の 趣 旨 で あ る「 日 韓 の 若 者 が 協 働 し て ア ジ ア の 恵 ま れ な い 人 達 を 支 援 す る・・・ 」に 強 い 共 感 を 覚 え ま し た 。大 げ さ で す が ア ジ ア で の こ れ か ら の 日 本 の 立 ち 位 置 のようなものの一つのあり方が、示されていると感じました。 初めて参加した 2 月の文京フェスタは会の情報宣伝活動と韓国茶の 販 売 が 主 な 目 的 で し た が 、自 分 に と っ て は 販 売 代 金 を 現 地 へ 送 る こ と で直接教科書何十冊に変わるのだという『目に見えるわかり易い支 援』を実感できました。 今 後 の 抱 負 で す が 、① 会 の イ ベ ン ト に は 積 極 的 に 参 加 し 、そ こ か ら 考えまた行動していく、②東南アジア、特にカンボジアの政治経済、 文化からボランティアの実態などあらゆる分野の勉強を自分なりに す る 、の 2 点 で す 。こ れ ま で の 自 分 の 経 験 や 世 代 な ら で は の 考 え 方 を 基 に し て 色 々 ぶ つ か っ て い っ て 、結 果 的 に 当 会 の 発 展 に 何 ら か の 形 で 寄 与 で き れ ば い い な と 思 い ま す 。ま た 近 い 将 来 是 非 カ ン ボ ジ ア に 行 っ て 現 地 を 見 て 感 じ て み た い と 思 い ま す 。志 を 同 じ く す る 若 い 人 を 応 援 しながら、黒子のような活動が出来ればと思っています。 4 ボランティアの感想から 心のつながり 板垣 智絵(会社員) 何か物足りない気持ちを抱えながらも、仕事の忙しさにかまけて 日 々 を 過 ご し て い ま し た 。そ ん な 時 、イ ン タ ー ネ ッ ト で 日 韓 ア ジ ア 基 金 の ボ ラ ン テ ィ ア 募 集 の 広 告 を 見 つ け 、自 分 の 中 に 新 た な「 風 」 を 吹 き込ませたいと思い参加しました。 作 業 は ア ッ ト ホ ー ム な 雰 囲 気 で 、ま た 幅 広 い 年 齢 層 、様 々 な バ ッ ク グラウンドの人達が来ており、とても良い刺激を受けることができ、 貴重な体験をさせて頂いたと思います。 今 回 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 は 、人 と 人 と の つ な が り に つ い て 改 め て 考 え る 良 い き っ か け に な り ま し た 。自 分 た ち で 袋 詰 め し た ニ ュ ー ス レ タ ーが届く先の日韓アジア基金を 応援している人達、そしてカン ボジアにいる子供達、その人達 をつないでいるスタッフのみな さん、住んでいる所は遠く離れ ていてもつながっている、そん な風に感じました。 ほんの少しの行動で、人は人 の役に立つことができる。ただ いつでもその「ほんの少し」の この子 たちとつながっています 一 歩 を 踏 み 出 す の が 難 し い の だ と 思 い ま す 。こ れ か ら も 自 分 に で き る ことを、少しずつでもやっていきたいと思います。 ボランティアに初めて参加して 久 保 寺 美 玖( 学 生 ) 3 月 の 曇 り 空 、肌 寒 い 日 、大 学 受 験 が 何 と か 終 わ り 卒 業 ま で の 空 い た 時 間 を 有 意 義 に 過 ご し た い と 思 っ て 、不 安 を 抱 き な が ら も 母 を 誘 っ て参加しました。作業に集中し ていたため会話は少ないものの、 自己紹介などもあり、初対面の 人同士でも楽しく過ごすことが 出来ました。 ボランティアは学生がほとんど を占めているのではないかと思 っていましたが、忙しい合間を 縫って参加する社会人の方も多 作 業 説 明 。 リピー ター の 方 は余 裕 く、その積極的な姿勢に感銘を の 笑 顔 です 受けました。スタッフから伺っ 5 た 色 々 な お 話 の 中 で 、私 が 最 も 心 に 残 っ た 言 葉 、そ れ は「 恩 送 り 」で す 。恩 返 し と は 異 な り 自 分 が 誰 か の た め に 恩 を 送 り 、恩 を 受 け た 人 は 与 え て く れ た 人 に で は な く 、他 の 誰 か に 恩 を 送 る … … こ れ が ボ ラ ン テ ィアの真髄ではないかと思いました。 今 回 ニ ュ ー ス レ タ ー の 発 送 を す る こ と で 、恩 送 り の 一 端 を 少 し は お 手伝いできたのではないかと思っています。 当 会 イ ベ ン ト に ボ ラ ン テ ィ ア ス タ ッ フ と し て 参 加 下 さ っ た 方 (敬 称 略 ・五 十 音 順 ) 2012 年 3 月 4 日 ニ ュ ー ス レ タ ー 40 号 発 送 作 業 有馬美代・板垣智絵・奥山 和・久保寺美玖・久保寺由起子・田口りさ・ 堤 浩亮・中内彩香・簗田沙紀・山口佳恵・ユー ファヨン 2 0 1 2 年 2 月 2 9 日 ~ 5 月 2 8 日 に会 費 ・ご 寄 付 を 下 さ っ た 方 敬 称 略 ・ 五 十 音 順 ( 別 枠 除 く ) 磯尾 岩見 大塚 小川 彊一 豊子 紀子 友理 小川 英 語ろう会 川辺 寛子 小林栄次郎 柴田 義之 曽根 文子 高木 修 高木 桂子 高橋 周孝 田中 節子 弟子丸佳子 中川 敦司 ボランティア 野菊の会 平塚 千尋 三品 徹 谷池 教子 薬師真理子 矢崎 芽生2件 山越 栄子 山根 寛 兪 和暎 3件 匿名寄付2件 ご 入 会 ・ご 寄 付 の お 願 い 活動会員:年会費 5,000円(学生、未成年者 2,000円) <郵便振替口座> 賛助会員:年会費1口5,000円(学生、未成年者 1口2,000円) 口座番号 00180-2-25153 法人会員:年会費 1 口10万円 口座名 日韓アジア基金 ご寄付:2,000円以上おいくらでも ・活動会員:活動に積極的にご参加頂ける方。総会での議決権があります。 ・賛助会員:定期的にご支援頂ける方。 ご 支 援 下 さ っ た 方 に は 「日 韓 ア ジ ア 基 金 ニ ュ ー ス レ タ ー 」を お 届 け し ま す 。 < お 問 合 せ 先 > (日 本 語 で お 願 い し ま す ) 〒 1 1 3- 0 0 2 1 東 京 都 文 京 区 本 駒 込 2 ‐ 12 ‐ 13 T e l:0 9 0-4 456 -2 942 ( 庶 務 ・ 会 計 担 当 大 澤 ) E-メ ー ル : ア ジ ア 文 化 会 館 (A B K )内 FA X:03 - 39 46- 759 9( A B K ) i l a f @ i l ov e a si a 2 . sa k u ra . n e . j p H P : 検 索 サ イ ト で 「日 韓 ア ジ ア 基 金 」で 検 索 な さ っ て 下 さ い 。 発行人 特定非営利活動法人 日 韓 ア ジ ア 基 金・日 本 6 代表理事 江本 哲也
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