EDIF200 を使用した 標準デザイン・ライブラリのインポート

EDIF200 を使用した
標準デザイン・ライブラリのインポート
本稿では、デフォルトのベンダ・デザイン・ライブラリを用いて
設計された EDIF 200 回路図のインポートについて説明します。
インポートされた回路図の編集プロセスは、まず、EDIF イン
ポート回路図によってインポートされた図面上でインスタンス
Gateway へのインポート
準備した EDIF ファイルを Gateway へ読み込むことが可能です。
1.
少なくとも 1 つのライブラリを含んでいるワークスペースを
Gateway に読み込みます。この例では、spicelib ライブラリ
のみが含まれているワークスペースを読み込みます。
2.
メニューバーから[ファイル]→[インポート]→[EDIF200]を
選択して、[EDIF インポート]ダイアログを開きます。ファイ
ルを指定し、図 2 に示すように適切なチェックボックスをオ
ンに設定します。
3.
[インポート]ボタンをクリックします。
化したシンボルを認識します。analoglib および基本ライブラリ・
プリミティブ・シンボルの多くは、デフォルト Gateway ライブラリ
で同様の表示になります。spicelib とは、Gateway がすべての
アクティブおよびパッシブ SPICE シンボルに使用するプリミティ
ブ・ライブラリです。このライブラリには、グラウンド・ピン、回路
図の入力/出力ピン、電源シンボルなどの特殊シンボルが含
まれています。ここでの目標は、最低限の再描画および編集
でシルバコのシンボルに変更可能な、インポートされた図面上
のシンボルをできるだけ多く検出することです。
ベンダからのエクスポート
こ の例で使用す る 回路例を図 1 に 示し ます 。 回路図は、
current_mirror という名前で、test という名前のライブラリに保存さ
れています。この回路図は、analoglib ライブラリの SmartSpice
view のシンボルを使用して描かれています。Cadence 環境から
EDIF 200 形式の回路図をファイル(拡張子*.eds または*.edn)に
エクスポートします。このファイルは Gateway へインポート可能で
す。
ファイルがインポートされ変換されると、インポートされたライブ
ラリがワークスペースに書き込まれます。この例では、spicelib
が変換前のワークスペースの元のライブラリです。変換後、
analoglib ライブラリと test ライブラリが追加されました。また、
変換中、すべての図面の各インスタンスが処理され、セルがラ
イブラリに書き込まれるとセッション・ウィンドウがスクロールで
きます。セッション・ウィンドウには変換における部分的なレ
ポートが表示されます。セッション・ウィンドウの最後に、次の
メッセージが書き込まれます。
Processing library ‘test’ (EDIF level 0)
Processing cell ‘current_mirror’
WARNING: Signal name ‘GND!’ has been converted to
‘GND’
図 2. インポート設定
図 1. Virtuoso®でキャプチャされた回路図
Application Note 1-012
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図 3. Gateway にインポートされた回路図
図 4. [シンボル置換]ダイアログ
WARNING: Signal name ‘VSS!’ has been converted to
‘VSS’
2.
図 5 に示すように、[変換後のシンボル]の[ライブラリ]に
spicelib を設定します。
WARNING: Signal name ‘VCC!’ has been converted to
‘VCC’
3.
[OK]ボタンをクリックします。
4.
メニューバーから[編集]→[すべてを選択]を選択します。
Phase 3 complete
5.
メニューバーから[編集]→[属性の整列]を選択します。回
路図は図 6 に示すようになります。
6.
回路図チェックを実行します。[エラーを表示]ダイアログ
を図 7 に表示します。
7.
4 つのエラーは同じであり、必須属性に値が割り当てられ
なかったことによるものです。これはいくつかのシンボル
属性名がベンダごとに異なるからです。ここでの例では、
シミュレータ属性 (Spectre®の MODEL)と(SmartSpice の
MNAME)が異なるため、変更する必要があります。
EDIF import completed successfully
この段階で、インポートされた回路図が編集のために開きます。
この例では、TEST ディレクトリの current_mirror.schlr というファイ
ルを開きます。回路図が開くと、[ライブラリ]ペインの analoglib を
クリックします。EDIF の処理中に analoglib ライブラリに書き込ま
れたシンボルは、[ライブラリ]ペインの下の[シンボル]ペインに表
示されます。インポート後に Gateway で開いた回路図を図 3 に示
します。
この時点で、EDIF 変換は完了し、オリジナルの回路図キャプ
チャ環境に存在したとおりセル表示が作成されます。ほとんど
の場合、SmartSpice で読み込み可能なネットリストを出力でき
るように回路図を編集する必要があります。ネットリストを生成
するには、いくつかの基本手順を実行する必要があります。ほ
とんどのシンボルは、オリジナルの Virtuoso 図面のとおりに配
線接続する必要があります。つまり、シンボル・ピンとの接続を
維持したまま移動させます。編集の基本手順は次のとおりで
す。
1.
[シンボル置換]ダイアログを使用してネットリストの
SmartSpice 属性を持つ spicelib シンボルで回路図を更新
します。これにより、analoglib インスタンスを spicelib イン
スタンスで置換します。メニューバーから[ツール]→[シン
ボル置換]を選択するか、図 4 を参照してください。
図 5. インスタンス元のライブラリ変更
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Application Note 1-012
図 7. [エラーを表示]ダイアログ
まとめ
図 6. シンボル置換実行後の回路図
8.
QQ0 BJT インスタンスをダブルクリックして変更します。
図 8 のダイアログを参考にして図 8 に示すように変更して
ください。
9.
[OK]ボタンをクリックします。
回路図のグラフィック・データの変換は、レイアウトのように明
確には定義されていません。GDSII などのファウンドリ・ドリブン
のフォーマットに比べ、EDIF 機能には制限があります。このた
め、各 CAD ベンダは独自のソフトウェアに EDIF インポート/エ
クスポート機能を搭載して、できる限り利便性および生産性を
向上する必要があります。ベンダ間の回路図キャプチャが大
きく異なるため、ほとんどの場合、ネットリスト生成が可能な回
路図に仕上げるために、EDIF インポート後に手修正が必要に
なります。
10. ネットリストを生成し表示します(図 9 参照)。
回路図は、見栄えを良くするためにさらに編集できます。属性の
整列、特定の属性表示の変更やネット名の表示/非表示などの
編集が可能です。編集機能の全一覧については、『Gateway
ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
図 8. [属性: インスタンス]ダイアログ
Appication Note 1-012
図 9. Gateway で生成した SPICE ネットリスト
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