歩行者を対象としたスマートフォン用ナビゲートアプリの開発テーマ：コンピュータシステムの構築教養学部情報科学科指導教員：松本章代 0857135 清水口星也 1 研究背景および目的自分の行ったことのない土地へ，例えば就職活動で東京の会場へ行く場合などに GoogleMap のルート検索機能を使うという人は多いだろう．実際私も就職活動などの際にはスマートフォンのルート検索機能を積極的に利用している．しかし，この地図機能を使って目的地まで行こうとすると，かなりの頻度で地図を見ながら歩かなくてはならない．これでは周囲への注意が散漫になってしまったり，あるいは知らない土地ということで自分が見ている風景と地図を照らし合わせるというのは中々に大変なものである．個人差はあるだろうがそういった不便さ，不自由さを解消するために進むべき道を機械的に判断し，利用者をナビゲートしてくれるアプリがあれば便利であると考える．類似アプリとしては，Google マップナビ [1] とトラベルカメラ [2]，そして Yahoo!ロコ地図 [3] が挙げられる．Google マップナビに関しては今年の 7 月 7 日に徒歩でのナビゲートに対応した．一方，本システムには Google マップナビにはない AR 機能（2 節で詳述）が備わっている．またトラベルカメラには，ナビゲート機能はないもののルート検索と AR 機能がある．だがそのルート検索結果は徒歩ではなく，車での経路である．また，AR に関しても本システムでは進行方向を示すというものに対してトラベルカメラでは目的地の方角や目的地までの距離を表示するというものである． Yahoo!ロコ地図は，歩行者を対象としたナビゲート機能を持つアプリであり，今年の 8 月 1 日に AR でのルート案内機能を追加した．しかし，このアプリには本システムにある音声やバイブレータを使ってのナビゲート機能はない． 2 の HTML では API を使ってルート検索をした後，返ってきたデータを解析し，それを Android のアクティビティへと返す．そして Android はその受け取ったデータを基にして各地点にマーカーを配置し，ルートを線で地図に描画をする，という流れになる．後はその地図上に GPS から取得した現在位置を示し，次の地点との距離の計算をしていき，一定以下に近づいて来たら指示文をアナウンスをする． AR 機能はカメラの起動後，センサーで自分の向いている方向を取得，次の地点あるいは目的地との差を計算し矢印で示す．そのイメージ図が図 1 である．図 1: AR 機能のイメージ 4 現在の進捗状況と今後の予定ナビゲート機能に関してはほぼ完成している．その実行画面が図 2 である． AR 機能に関してはカメラビューの取得やセンサーを使っての方角の取得が完了している．今後は 12 月中に AR 機能を完成させ，ナビゲート機能と組み合わせる作業の後に評価実験に入りたい．システム概要本アプリは GPS 機能のあるスマートフォンでの使用を想定している．使用の際はまず最初に利用者に出発地点と目的地を入力してもらう．この時，出発地点は文字入力だけではなく，GPS からの現在地の取得もできるようにする．入力が終わると，目的地までのルート検索を行い，その結果を地図上に表示する．利用者がその道順に歩いて行き，現在地と次の地点（指示が出る所）の距離が近づいてきたら音声，あるいは振動でアナウンスするという流れで利用者を目的地まで案内していく．また，ナビゲート機能の精度が低い場合，あるいはナビゲート機能だけでは分かりづらい場合などのためにも，AR 機能の実装もする．これはカメラで映した風景の中に進行方向や目的地などを矢印で示すという機能である．図 2: ナビゲート機能実行画面参考文献 [1] Google マップナビ（ベータ版） http://www.google.co.jp/mobile/navigation/ [2] TravelCamerAR -トラベルカメラ- 3 手法要とも言えるルート検索機能が Android 用の Google Maps API にはないため，ルート検索には Google Maps JavaScript API V3 を使うことにする．まずは始点・終点を入力し，検索ボタンを押すと webview に JavaScript の記述されている HTML が読み込まれる．そ https://market.android.com/details?id=tj. main&feature=search result [3] 無料 Android 向け Yahoo!ロコ地図アプリ http://maps.loco.yahoo.co.jp/promo/ androidapp/