RMFOCUS第20号 - 株式会社インターリスク総研

三井住友海上グループがご提供するリスクマネジメント情報誌
インタ
ンターリスク総研
2007.1 第20号
C ONTENTS
1
わが社のリスクマネジメント
日本郵船グループにおけるCSR活動とリスクマネジメント
9
【特集 1】
途上国における企業の社会的責任(CSR)∼フィリピンにおける事例考察∼
12
【特集 2】
中国の物流事情
15
【特集 3】
未知のリスク予測と事業戦略との連動
ERM(Enterprise Risk Management)∼その要諦と具体的導入イメージ∼
18
災害・事故情報
対象期間:2006年 9月∼ 11月
20
三井住友海上グループからのお知らせ
わが社のリスクマネジメント
わが社の
リ ス ク マ ネ ジ メ ント
日本郵船グループにおけるCSR活動とリスクマネジメント
■ はじめに
とと、安全を確保したサービスを提供
――「信頼に足る」企業を目指して
することです。
1989年にベルリンの壁が崩壊し東
西冷戦が終結した後は、人とモノの行
き来の自由が格段に広がっています。
■【1】当社グループのCSR活動
について
私共モノの輸送に携る者として単に
日本郵船株式会社
CSR推進グループ長
利益をあげれば良いということでは
高瀬 経裕
1.
CSR活動の変遷
なく、各種法令・ルールを守るのは当
然の事ながら、
「ああ、あの会社を使っ
企業は社会の中に存在します。私共
てよかった」と言って頂けるような、例
のあらゆる企業活動が社会の要請に
えば安全性、定時性、サービスの柔軟
きちんと応えているか、
これを一人ひ
性、
トラブル時の即時対応性などを含
とりが常に皮膚感覚でとらえてその対
めた「信頼に足る」企業を目指して参
応策を日々の活動にビルトインしてい
りました。
くことが重要であると考えます。その
当社グループの多くは、輸送を主業
目的は、
社会の持続的発展に資するこ
務とする会社集団から成っています。
ととそれらの活動を通じて企業そのも
海外航路の海上運送業を中心とした
のの価値向上を図ることにあります。
総合物流事業および客船事業を主要
当社の旧社歌(図1参照)には、
「・
・
・
・
・
・
な分野としており、海・陸・空のグルー
我等はつくす公益衆利、
ますます高ま
プ企業を結集して、ロジスティクス・イ
れ地上の文化」という一節があります。
ンテグレーターを目指しています。
1985年に創立100周年を迎えるまで
従って私共が社会に対して役に立てる
使われていたもので、
やや古い感じは
分野は、やはり本業である「モノ運び」
しますが、企業としての社会に対する
を通じて皆さまの暮らしを支えて行く
関わりと貢献の意識は常に企業活動の
ことです。そして持続的にこれを続け
根底にありました。
て行く為には、常に今どういった輸送
しかし、
企業の社会的責任に対する要
が求められているかのニーズを掴むこ
請が高まる中、企業グループとして体系
1
笑
い
て
乗
り
切
る
日
本
郵
船
如
何
な
る
世
に
も
万
里
の
浪
を
か
か
る
使
命
に
生
き
つ
つ
励
む
三
あ
あ
見
よ
す
べ
て
我
等
も
船
も
ま
す
ま
す
高
ま
れ
地
上
の
文
化
我
等
は
竭つく
す
公
益
衆
利
愛
と
誠
に
勇
め
る
表 しる
徴し
二
二
引
の
社
旗
の
真しん
紅く
の
色
は
世
界
に
顕あら
わ
す
日
本
郵
船
明
治
こ
の
か
た
御
国
の
徳
を
海
の
覇は
者しゃ
た
る
名
誉
を
負
う
は
一
東
に
誰
ぞ
と
こ
し
え
高
く
【 図1】日本郵船株式会社 旧社歌(与謝野 寛:選並補 / 辻 順治:作曲)
て従来の組織が整理・移設され、
4グ
ループ体制となりました。これは内部
統制をめぐる社会の要請に効率的、
機
能的に応えるためです。
2.
CSR活動取組みは網羅的なPDCA
次に当社グループのCSR活動につ
いてご説明いたします。従来、当社グ
ループの目指す会社方針は日本経団連
的・網羅的な体制を整える為、
2004年4
意見を経営へフィードバックする体制
のガイドラインを参照して作成した企業
月1日付で経営企画グループ内にCSR
となりました。CSR推進グループの具
行動憲章でした。ただ当社のグループ
室を新設し活動を開始しました。CSR
体的活動は、①組織としては、各部署
企業は地理的にも国内ばかりでなく海
活動を更に推進するため、翌2005年4
が取組むCSR活動プログラムを作成
外にも広がっており、
また業種も多岐に
月1日に社長が本部長を務めるCSRマ
し推進する体制を作り、②社員一人ひ
わたっています。従業員はグループ会
ネジメント本部を設置しました(図2参
とりが社会の変化、要請を感じる気付
社合計33,000名の内、
日本人以外が約
照)。本部の事務局はCSR推進/広報
きを持つよう研修、
発信を含めた啓発
3/4を占めています。そこで企業グ
/IRの3グループが務め、
これが一体
活動を行っています。更に2006年4月
ループとして目指す方向を、
2005年に
となってCSRの意義を社内外へ発信
1日付で、
CSRマネジメント本部にコン
「企業理念」(図3参照)として制定しま
すると共に、社会の声を含めた多くの
プライアンス・リスク管理グループとし
した。当社グループとしての方向性、
理念を外国人も含めた従業員全員が
共有することが共に活動していく基盤
CSRマネジメント本部
であるとの考えによります。
目指すところは、本業をきちんと実
本部長(社長)
本社営業部門
副本部長
(副社長2名)
本部長補佐
(専務2名)
活動に関係する人々とのコミュニケー
ションを保ち、
信頼に応えていくことが
担当役員
(常務1名)
必須だとの認識を示しています。この
本社管理部門
広報グループ
行して世の中に貢献するためには企業
IRグループ
ことがあります。それはこの理念の具
CSR推進グループ
コンプライアンス・リスク管理グループ
企業理念を制定するとともに開始した
体化です。理念を絵に描いた餅に終ら
グループ会社
せないためには不断の努力が必要で
す。具体的なCSR活動は企業毎にさ
まざまですが、私共では広く捉えるこ
【 図2】CSR推進体制
2
とにしています(図4参照)。CSR活動
わが社のリスクマネジメント
日本郵船グループ企業理念
わたくしたちは、海・陸・空にまたがるグローバルな総合物流企業グループとして、安全・確実な
基本理念
「モノ運び」を通じ、人々の生活を支えます。
経営方針
お客様とともに
お客様から選ばれ信頼されるパートナーであり続けるために、現場第一
に徹し、創意工夫に努め、新たな価値の創造を追求します。
株主・投資家の
皆様とともに
公正かつ透明な経営を実践し、
効率的な事業活動を通じて企業価値の増大を目指します。
社会とともに
良き企業市民として積極的に社会の課題に取り組み、
環境の保全をはじめとして、
より良い地球社会の実現に貢献します。
グループ社員と
ともに
グローバル企業として、社員の多様性と挑戦する気概を尊重し、人材育
成に力を注ぎ、夢と誇りを持って働ける日本郵船グループを目指します。
【 図3】日本郵船グループ企業理念
「組織としての取組み」CSR活動のPDCAサイクルの定着
CSR活動 PLAN
プログラム作成
CSR活動プログラム概要
分類
本部会議
での報告
進捗の確認 CHECK
ACTION
プログラム
の承認
DO
CSR活動の実施
項目
経済
●お客さま満足度
●サービスの向上
安全・環境
●安全活動
●環境保全
社会
●人権尊重
●人事制度(採用・育成・支援)
●労働安全衛生
●社会貢献
●情報開示
マネジメント
●コーポレート・ガバナンス
●内部統制
●内部監査
●コンプライアンス
●情報管理・開示
●災害対策
DO
【 図4】CSR推進活動
の範囲は企業活動のあらゆる分野が
要な部署毎に必要な年次計画を立て
対象であり、
内外からの要望、
指摘があ
て実行し、
年度末に見直し、
不足項目に
れば検討し、
必要なものを活動の修正
ついては次年度の計画に組込んで行
案として組込んで行くことを方針とし
く活動を進めています。
ています。ややもすると総花的との批
判を受けますが、
これは決して管理部
(1)守りの分野
企業活動が周囲の社会にマイナス
の影響を与えないよう予防する活動で
す。コーポレートガバナンス、
コンプラ
3.
攻めと守りのCSR活動
門など特定部署だけの活動ではなくグ
イアンス、内部統制、
リスクマネジメン
ト、安全運航、環境保全、人権・労働衛
ループ全社、一人ひとりが取組むべき
敢えてCSR活動を2つの分野に分
活動であるため、
対象分野も網羅的に
けるとすると以下の様になろうかと思
しました。活動は発展途上ですが、主
います。
生の管理等がその具体的分野になる
と思います。
3
参照)
(「ナブ9000」、NAVIGATION
不具合があれば船主もしくは船舶管
版のISO9000の意味)を1998年に策
理会社(船主に代わって安全管理、乗
同様に企業活動が社会にプラスの
定・運用を開始しました。NAV9000の
組員の手配などを行う会社)に改善を
影響を与える活動です。本業で提供
安全基準としては、
基本となる方針、
責
要請し、原因究明や再発防止策を講じ
する高品質の製品、
サービスが中心で
任体制、
安全手順、
教育訓練、
緊急事態
るフォローアップを行います。また、船
すが、それ以外にも本業に関連する活
への対応、
記録管理、
報告手順、
内部監
そのものばかりでなく船を管理する船
動による社会との接点の維持(例えば
査等の実施を規定すると共に過去に
主や船舶管理会社を直接訪問し、
会社
P.5
(4)船員の確保)、
また社会貢献活
経験した事故やトラブルから学んだ
の監査を実施することもあります。監
動等が対象になります。
事、船の運航に際して遵守すべき国際
査の結果は当社の関係部署へ報告さ
条約や各国、
各港ルールを含め毎年修
れ、
様々な活動への有効な情報となり
正を加えています。
ます。
2005年度は、
船舶320隻、
船主/
(2)攻めの分野
下記【2】にて、
上述の守りに当る、
別
のことばで言うと私共の最大のリスク
当社で運航する船の形態には、
自社
船舶管理会社30社に対して監査を実
マネジメントの対象である、安全運航
の保有船(自社船)と他の船主から借
施しました。その結果、
改善点約2,
500
と環境保全活動について具体的に説
りた船(傭船)があります。傭船の場
件の指摘を行ない、
適切な改善の実施
明いたします。
合、安全運航に対する法的責任の多く
を確認しています。
は船主にありますが、当社では自社船
と傭船を区別することなく統一された
■【2】安全運航と環境保全活動
安全基準の遵守を要請しています。
NAV9000に基づく活動として、本船
1.
安全運航
(1)事故の予防活動
私共ではISO9000の手法を取り入
れた独自基準であるNAV9000
(図5
(2)ニアミス
事故やトラブルを未然に防ぐため、
の状況を自ら確認する監査活動を実
原因となりうる要素を早期に発見し改
施しています。この監査は当社の経験
善する「ニアミス活動」(図6参照)を実
豊富な船長あるいは機関長が訪船し、
施しています。「ハインリッヒの法則」に
500項目に及ぶチェックリストを基に、
よれば、
1件の重大事故発生の背景に
安全運航が適切に維持されているか、
は約300件のヒヤリハット(間一髪で事
改善すべき事はないかを確認し、
もし
故やトラブルをまぬがれた事象)があ
ると言われており、一般的なニアミス
活動は、
このヒヤリハット事例を集め、
分析して防止策を講じるものです。当
■ 監査数と改善件数
2003年度
2004年度
2005年度
本船監査数(隻)
260
300
320
会社監査数(社)
28
40
30
2,361
2,691
2,533
改善件数(件)
社では事故発生の前兆をより広くとら
えるため、「不安全状態」(廊下に水が
こぼれて滑りやすくなっている等)、
「不安全行動」
(ヘルメットを着用せず
に作業を行っている等)の一見軽微に
見えるが通常と異なる状態をヒヤリ
【 図5】NAV9000活動
4
ハット以前の段階で発見、
改善する「ニ
わが社のリスクマネジメント
【 図6】ニアミス活動
アミス3000活動」に取組んでいます。
(3)海難対応
【 図7】緊急対応ネットワーク
なっています。また、海難だけではな
関係省庁と協調し積極的に実施してい
く、紛争・テロ・海賊等の保安に関する
く方針です。
情報収集等も行なっています。
不幸にも海難が発生した場合、事故
(4)船員の確保
当社グループでは、約700隻の船舶
対策本部の設置・事故連絡会議の開催
を24時間365日休むことなく世界中で
等、
その海難の規模(海難等級)に応じ
1985年のプラザ合意により、その
運航しています。これらの船舶が、い
た対応を取ることになります。この海
後約1年4ヶ月間に1米ドル=240円か
つどこで沈没・衝突・座礁・火災等のい
難対応を迅速かつ的確に行なう為、
当
ら120円までの120円上昇という想像
わゆる“海難”に遭遇するか分かりませ
社本店ではおよそ月に1回の割合で重
を超えた円高になりました。弊社では
ん。海難による人命・環境等への影響
大事故対応訓練を実施しています。こ
大半の運賃収入が米ドル建てであるた
を最小限にとどめ、
また不幸にも事故
の訓練は、本店内関係者のみならず、
め大きな打撃を受け、
これを克服すべ
が発生した時の対応を迅速に行なうた
訓練の規模により本船・船舶管理会社・
く様々な努力が重ねられました。その
めには、
正確な情報収集とそれに基づ
保険会社・関係省庁等をはじめ、前述
一つとして海外の船社との競争上、
当
く適確な対応が必要です。
の海外6地域のERNメンバー等が参
社船の乗組員をそれまでの日本人か
加するものもあります。
ら、
フィリピン等の外国人船員と日本人
このため当社では、この海難対応
(緊急対応)を全世界でカバーする緊
また、米国同時多発テロ以降その対
急対応ネットワーク(図7参照)
(ERN :
応が海運界でも迫られている“セキュ
Emergency Response Network)
リティ”の面においても、
香港警察との
を構築しています。このERNは、全世
合同テロ対応訓練実施(2005、
2006
界を6地域に分けています。各地域で
年)、海上保安庁との合同海賊対応訓
は、
当社日本人海技者を中心に要員確
練実施等(2006年)に見られるように、
保・連絡網整備・訓練等が行なわれ、
い
当社では、
これらテロ・海賊の対策に主
つでも緊急事態に対応出来る体制に
眼をおいた訓練(図8参照)を全世界の
【 図8】テロ対応訓練
5
の混乗化が進められ、
現在では主要船
については船長、
機関長など数人の日
本人以外は外国人という形態を残しつ
ロシア
Shanghai
Maritime University
Training Center
Maritime University
大連・武漢
8人規模
9人規模
つも、
多くの船で全員外国人船員での
運航に至っています。安全面からの技
中国
日本
ヨーロッパ
Manning Center
術、
ノウハウの伝承とのバランスを図り
フィリピン
・統一Requirementsの設定
・統一した評価、教育・訓練
・各トレーニングセンターの相互協力
・リクルートソースの多様化
Training Center
60人規模
NYK-TDG MARITIME
ACADEMY
つつ進めて参りました。
ところが近年の海上輸送需要の増
加を背景に、また世界的な新造船ラッ
シュもあり、今度は外国人を含めても
クロアチア
・University of Split
シンガポール
インド
Training Center
Manning Center
(open in July 2007)
120人規模
ルーマニア
・Universitatea Maritima
Constanta
50人規模
ムンバイ ・Trani Maritime Institute
マデュライ・RLINS
50人規模
世界的に大幅な船員不足時代の到来
が予測される事態になっています。当
【 図9】NYKマリタイム・カレッジ体制
社においても、今後急速な船隊規模の
取り組んでいます。
拡充が予定されており、安全で効率的
理会社のあるシンガポールにも新た
な運航の担い手となる優秀な船員の
な研修施設を開設し、
操船・荷役・機関
確保とその質の維持・向上を図るた
等、乗船前研修に必要な各種シミュ
め、以下の戦略にもとづく船員の確保
レータや実機を導入した技術研修を
を進めています。
計画しています。また、各国の供給拠
私共のグループで働く外国人船員
点において、統一カリキュラムを使用
(職員・部員)の約70%はフィリピン人
して各地インストラクターによる乗船
であり、
当社では1989年、
トレーニング
前研修を実施することにより、当社の
センターを併設する船員供給会社とし
求める技能水準を持つ船員の育成に
てNYK-FIL社をマニラに設立し、
フィ
①NYK マリタイム・カレッジ体制
これまでの主な船員供給元である、
フィリピン、
インド、西欧に加え、
欧州地
域ではクロアチアに加えルーマニア
を始めとした東欧やロシア、アジア地
域では中国、
ベトナムへも新たな供給
地を広げています。船員供給元の多
様化の一方で、安全運航を維持するた
めには当社の求める技能・適正水準を
満たした均一で良質な人材の確保・育
成が不可欠であり、
そのために全世界
で統一の取れた人材育成体制を整備
しています。当社では、社名ロゴを冠
したNYK マリタイム・カレッジ体制
(図9参照)として、現在日本とフィリピ
ンにある研修施設に加え、当社船舶管
6
【 図10】フィリピンで建設中の当社商船大学
②フィリピン商船大学の設立
(図10参照)
わが社のリスクマネジメント
リピン人船員の確保・育成に取り組ん
ます。優秀な学生を確保し、有能な船
の活動プログラムを作成し定期的にレ
できました。また、同国唯一の国立商
員として育成するため、
中国・インド・ク
ビューを行なうものです。
船大学であるPMMA(Philippine
ロアチア・ルーマニア・ロシアにある商
Merchant Marine Academy)の学
船大学と提携してNYKクラスを開設
生を対象としたキャデット(Cadet、
実
し、
当社運航船での乗船訓練や当社社
習生)システム等により、
同国幹部船舶
員による講習等を通じて、
当社の求め
グループとして統率のとれた環境活
職員の育成に努めてきましたが、
船長・
る知識・技能を習得できるよう取組ん
動を進める為、
世界の70サイトでマル
機関長・一等航海や一等機関士等の上
でいます。また2008年に就航予定の
チサイト方式によりISO14001の認証
級職員への採用は、
従来は極めて少数
新造船4隻(コンテナ船3隻、LNG船1
を受け、約700隻の運航船を含めた環
に留まっています。しかしながら、
英語
隻)をこれら船員の乗船実習用に使用
境活動に力を入れています。
圏・国民性・宗教・船員のステータス・
するため各船20名程度を収容できる
出稼ぎ国家等の国情を考えると、その
施設を増設し、
安全運航を支える人の
採用余地は大きく、当社では同国に商
育成を行なって参ります。
船大学を設立することにしました。寄
宿舎を備えた大学で開校は2007年6
(3)具体的な諸活動
環境マネジメント・プログラムに網羅
2.
環境保全活動
月を予定しています。
マニラ近郊のカンルーバン市に約9
(2)ISO14001統一認証
されている活動から、以下に具体的な
事例をいくつか紹介させて頂きます。
(1)環境マネジメント活動
ヘクタールの土地を購入し、定員は航
①CO2削減(図11参照)
海科・機関科各々一学年60名、カリ
当社グループでは、
環境保全活動を
船を動かす主燃料として重油を使
キュラムは、
3年の座学と1年の乗船実
安全運航や効率運航と表裏一体の活
用しています。そこから発生するCO2
習から成ります。基礎教育段階からの
動として実施しています。その活動は
の削減については、
船体やプロペラの
育成により、そのモチベーションを上
環境方針に沿って、事業の種類、会社
汚れを落とす、
燃焼効率を上げる助燃
げ、将来の上級職員として液化天然ガ
毎にリスクの把握を元に環境負荷軽減
剤を使用するなど地道な活動を継続し
ス運搬船(LNG船)や大型の原油タン
カー(VLCC)等、いわゆるハイリスク
船と呼ばれる危険物積載船への配乗
も視野に船員養成に取り組んでいくこ
ととしています。
③キャデット(Cadet、実習生)制度の
拡充
即戦力となる既存船員の確保・育成
と並行して、幹部候補生として現在年
間50人規模で採用しているキャデット
を、
2006年には200人規模へと拡大し
【 図11】単位輸送当りのCO2 排出量推移
7
わが社のリスクマネジメント
ねました。この独自の仕組を世界に広
げるべく国際海事機関(IMO)に日本
政府案として提案し、
2006年3月に開
催されたIMO海洋環境保護委員会で
国際的なガイドラインとして採択され
ました。
■おわりに
【 図12】原油タンカーのダブルハル化率の推移
当社グループではリスクマネジメン
トの様々な取り組みを積重ねています
が、
大事な点は一人ひとりの本気度に
よることです。過去の事故など原体験
の風化、船上と本社の距離感をなくす
よう今後も努力して参ります。
さて、「今年が日本におけるCSR元
年」と言われたのは2004年でした。当
社のCSR室も同年に発足しましたが、
この年から新聞、
テレビなどのマスコ
ミで毎日CSRという活字や報道を見
【 図13】ビルジシステム概念図
聞きするようになりました。そして今
内部統制の時代が始まりました。数年
ています。その結果、船の大型化によ
物タンク壁面のダブルハル化が義務付
毎に色々なキッカケを元に別の考え方
る輸送効率アップとも相俟って単位輸
けられました。当社ではシングルハル・
が大きな流れとしてやってきます。し
送当たりのCO2排出量を1990年度比
タンカーの売船、
返船を進める一方、
ダ
かし背景は異なるものの各々は全くの
で60.4%(2005年度)まで低減してい
ブルハル・タンカーの新造により、
条約
別物ではなく、
実行段階では作業が重
ます。
規定を前倒しした代替計画により安全
複する場合も多々あります。これら担
性を高める努力をしています。
当部署では、
各活動の目的と本質は明
確に把握する必要がありますが、同時
②原油タンカーのダブルハル化
(図12参照)
8
③ビルジシステムの採用(図13参照)
タンカーの座礁や衝突による油流
船舶の運航に伴い機関室などの底
出事故の被害を最小限にとどめるた
には油水混合物(ビルジ)が溜まりま
め、
1992年改正の国際海洋汚染防止
す。
1996年に独自の仕組を考案し、
こ
条約により、今後タンカーの船底や貨
のビルジの発生量を削減する改良を重
に実行段階をうまく整理・統合して社
内に導入できるかどうかが今後の焦点
になると思います。
【特集1】 途上国における企業の社会的責任(CSR)∼フィリピンにおける事例考察∼
【特集 1】
途上国における企業の社会的責任(CSR)
∼フィリピンにおける事例考察∼
株式会社インターリスク総研
法務・環境部
上席コンサルタント 松井
はじめに
慎哉
国におけるCSRとは何かを考えてみ
困にあえぐといった富の偏在が受け継
たい。
がれている。
1.フィリピン社会の特徴
2.「持つ者」としての企業の
責任
経済のグローバル化がいわれて久
しい。多くの企業が、規模の大小にか
かわらず、国境を越えてマーケットを
拡大し、生産拠点を展開することが
珍しくなくなった。一方で、多国籍企
フィリピンは、
我が国の南西約3千キ
業の行動が度々問題視されるように
ロに位置する。約7,000の島々からな
なった。例えば、発展途上国に進出し
る島嶼(とうしょ)国家に、
約8,800万人
た企業に、児童労働や現地人従業員
の人口を擁し、その大半を紀元前後に
同国では、人口の40%が貧困線以
の搾取的な酷使、大規模な環境破壊
移住してきたマレー系が占める。
16世
下の所得で暮らしている。貧困線と
等への関連が発覚し、国際的な非難
紀に、スペインの植民地となり、その
は、
その国民が最低限の生活をする上
や反対運動につながった例がある。
後、米国による支配、日本軍による占
で必要な食糧等を得るための所得を
そうしたこと等から、途上国で事業活
領を経て、第2次大戦後の1946年に正
指し、
同国の場合は年収数百米ドル程
動を 行う企 業に対 する社 会 的 責 任
式に独立した。
度である。
インタビューに応じた企業
(CSR)の重要性が注目されるよう
になった。
現在に至るフィリピン社会の特徴
は、スペインの植民地支配の遺産に負
「貧困」
は、
フィリピン社会を考える
上で避けて通れない問題である。
の多くが、
貧困を固定化させる同国社
会の構造を次のように説明した。
しかしながら、海外展開する我が国
う部分が大きい。まず、
現在国民の8割
ひとつは、同国社会では、階層が固
の企業の中には、戸惑いも見られる。
が信者で、
同国の国民性や価値観に大
定化されていること。先述の通り、
途上国に進出した企業はどのような
きく影響しているカトリックが持ち込
フィリピン社会は一握りの有力家族
CSR活動を展開すべきか?そもそも
まれた。一方で、
19世紀にはスペイン
(財閥)
が、主要な産業をおさえ、
政治
途上国におけるCSRとは何を意味す
人等による大土地所有が形成。米国
指導者の大半もそうした有力家族出
るのだろうか?こうした 問題につい
統治中や独立後にも本格的な農地改
身者である。そのため、下層に生まれ
て、筆者は同国内で事業を展開する
革は実現されなかったため、
現在でも
た人々が、貧困の連鎖から抜け出し
外資系・現地資本の企業を訪問し、
イ
スペイン系や華僑系等のほんの数百
エリート層に入り込む余地は極めて
ンタビューを行った。本稿では、その
の有力家族(財閥)が政治・経済の両
狭い。
結果をもとに、フィリピンおよび途上
面を支配する一方で、
多数の国民が貧
次に、爆発的な人口増加がある。同
9
【表1】フィリピンの基本データ
人口
代わって貧困層の生活改善に資する
単位
フィリピン
万人
8,786
タイ
日本
役割が期待されることになる。現実に
6,544
12,742
今回インタビューを行った企業の大多
人口増加率
%
1.84
0.87
0.05
出生率
人
3.1
1.9
1.3
面積
万 km2
30
51.4
37.8
一人当たり国民総所得(GNI )
米ドル
1,200
2,490
37,050
数が、
都市部や農村部の貧困地域を対
象にして、
学校施設建設等の教育支援
や子どもや母親を対象にした福祉支
援等のプログラムをCSRの重点施策
として実施していた。
貧困率
%
40
10
N.A.
こうした社会開発支援は、貧困層に
失業率
%
8.7
1.5
4.4
対する慈善的なプログラムである一
*データは2004年。出所は世界銀行および米中央情報局
方で、特に欧米系の企業の多くにとっ
ては、
事業戦略の一環とみなされてい
る。販促重点地域に優先してプログラ
国の出生率
(女性ひとりが生涯に生む
子どもの数)は、東南アジア諸国連合
3.フィリピンにおける企業の
社会的責任
ムを実施したり、
プログラムを通じた
自社ブランドの浸透を図る手段として
活用する例が少なくない。
(アセアン)加盟国の中でも極めて高
い。
階層が固定された同国の社会シス
同国のこうした歴史・文化的背景や
テムの中では、
貧困の圧力を高める結
社会状況を踏まえ、
現地進出企業の活
〈国際ブランドの飲料メーカーのケース〉
果になっている。
動や聞き取り内容をもとに、
フィリピン
自社商品の中心的な消費者に当た
さらには、公的なセーフティネットの
社会において求められるCSRの姿を
る若年層をターゲットに、小学校校舎
機能不全がある。現在に至るまで、同
考えると、
次のようなポイントが浮かび
の建設や教員の養成等を主体とした
国では政情不安が続いている。また、
上がってきた。
教育支援プログラムを全国的に展開し
ている。同プログラムで建設・寄贈さ
汚職・腐敗が蔓延し、徴税機能が弱い
ため財政基盤は、極めて貧弱である。
教 育や福祉といった 基 本 的 な 公共
●CSRは、すなわち社会開発支援の
一環と認識されている
れた学校校舎は、屋根がコーポレート
カラーで統一されている。また、それ
らの学校に対して、定期的に支援物資
サービス等の貧困層の生活を改善す
るためのセーフティネットは、
ほとんど
社会開発支援とは、
貧困を削減し国
を提供しているが、物資を運搬する車
機能していない。そのため、社会開発
民の生活水準を向上させるために、
ソ
両もコーポレートカラーで鮮やかに塗
の主要な部分を、国際援助やNGO等
フト面やハード面で支援や援助を行う
装され、社名を大々的に明示してい
の活動に依存している。さらに、そうし
ことである。先述の通り、
同国の公共セ
る。スポンサーの存在感を生徒達に刷
たサービスを「富める国」から来た外
クターの財政基盤は極めて貧弱だ。そ
り込むのに、十分な演出が施されてい
資系企業への期待する気運が官民双
のため、政府や自治体だけの力では、
る。同プログラムで建設する学校校舎
方に根強い。
生活・社会両面のインフラや最低限必
は当初予定数で終了。プログラムの費
要な公共サービスの提供も十分では
用対効果を綿密に測った結果である。
ない。そこで、
企業に対して、
政府等に
以降はターゲットを大学生に絞ったプ
10
【特集1】 途上国における企業の社会的責任(CSR)∼フィリピンにおける事例考察∼
ログラムに活動の主軸を移行し、対象
中心にプログラムを実施しているが、
の拡大を図っている。
一部異なる地域でも設置を進めてい
4.我が国企業に問われる
グローバルなCSR戦略
る。そこは、
イスラム原理主義の武装
●CSRは、重要ステークホルダーとの
勢力の影響力が強い地域に含まれて
フィリピンにおける有力企業の取組
関係における必須のリスクマネジメ
いる。当時、その地域に自社が施設を
を考察した結果、
同国におけるCSRと
ントである
建設 するなどの具体的な計画はな
は、
積極的な社会開発支援を通じた貧
かった。だが、将来的な進出の可能性
困削減への貢献とともに、地域社会や
を考慮し、現時点から布石を打つ意図
従業員といったステークホルダーとの
留意すべきステークホルダーとして挙
があったという。プログラムを通じて、
トラブルを予防し、
円滑な事業の維持・
げたのが、従業員と地域住民である。
地域社会の信頼を勝ち得ることがで
展開を実現するためのリスクマネジメ
同国の労働組合は、
攻撃性が高いとさ
きれば、
将来その地域に進出した場合
ントとしての側面を見出した。もちろ
れる。一方で、
特に貧困住民において、
でも、
地域社会が武装勢力からの緩衝
ん、
CSRとはさらに広い概念であり、
外資系企業に対する潜在的な反発が
材となることを期待したことが大きな
これらはその中のほんの一面を表わ
存在し、時に騒乱事件に発展する例も
理由だった。
しているにすぎない。ただ、途上国で
インタビューに応じた企業の多くが
は、
「貧困」という同地域社会に共有す
少なくない、
という。さらに、同国特有
の事情として、共産ゲリラ勢力が貧困
〈日系電機メーカーのケース〉
る根源的な問題に対して、
積極的に対
層の不満に支えられ無視できない勢
コンピュータ部品の製造工場で、数
応することが企業の社会的責任とし
力を維持し、
時に外資系企業の役職員
千人の従業員を抱える同社は、
従業員
て極めて重視されることが分かった。
の誘拐や施設への攻撃等の脅威を与
の人権を守り健全な就労環境の確保
そして、現に欧米企業の多くはCSRを
えている現実もある。こうした環境に
を目的にした国際的なマネジメントシ
事業の拡大に向けた戦略に組み込ん
おいては、
CSR活動を通じた地域社会
ステム規格の外部認証を受けた。その
でいた。一方、日系企業に多く見受け
等への支援は、極めて有効なリスク低
主な目的は、働きやすい会社を実現
られたのは、
この「戦略」の不足であ
減策と認識されている。社会開発支援
し、
有能な人材の長期的な勤続を確保
る。日系企業のCSRにおいて、
本社の
を積極的に展開し、
地域社会から「グッ
することにあった。同規格に準じた取
リーダーシップは、極めて希薄であっ
ド・カンパニー」との評価を得ること
組により、
職場環境の改善や労使間の
た。現地拠点が、
地域社会や従業員へ
で、
攻撃的な労働組合の介入や共産ゲ
コミュニケーションが活性化されたと
の対応策として必要に迫られ実践して
リラによる攻撃を回避する効果がある
いう。さらに現地人管理職を積極的に
いるケースが大半であった。我が国企
という。
登用する等の取組により、従業員の
業においても、
今後ともグローバルな
ニーズをくみ上げモチベーションの向
展開が不可避である以上、海外・途上
上につなげることができた。そのた
国におけるCSRにもグローバルな戦
め、結果的に従業員は、労働組合に頼
略が求められている。
〈米系電力会社のケース〉
発電専業の同社は、送電施設が整
備されていない過疎地域や遠隔地域
る必要がなくなった。
を対象に、
太陽光発電用のパネルを無
償で提供するプログラムを継続して
いる。自社の発電施設の周辺地域を
11
特集
中国の物流事情
三井住友海上火災保険株式会社
上海支店 リスクマネジメント部
楊 奥
張 若亭
事業活動を行う上で原材料の納入、半製品・
完成品の出荷等、物流との関わりは切っても切
加とも相まって、物流にかかわる保険金支払
移動や、
トラック荷台への積み込み、ハブ拠点
いも急速に増加傾向にあります。
から個別の輸送手段への移行時等、
様々な場
面で、
まだ人手に依存した輸送が多く、
以下の
れない関係にあります。
陸上輸送・航空輸送・海上輸送共に、輸送用
下のグラフは、
中国の製造業における2003
具・陸海空路などのハード面で目覚しい発展を
∼5年の物流実態(2003年の車による輸送を
遂げている中国ですが、一方、
これらの管理面で
100とした場合の航空・海上・鉄道輸送の比
はリスク要因が数限りなくみられ、輸送途中に発
率、
≠事故件数)を示したものです。
生する事故や荷役作業中の事故等一向に減少し
ていないのが実態です。
ような問題点が数多く見られます。
●重量物の荷役(移動)
重量物であってもフォークリフトや台車(ネ
中国での物流では、車両による輸送が圧倒
コ車)を使わず、人力のみで移動しようとして
的シェアを占めており、二番手の鉄道と合わ
いるケースが多くあります。また、
トラック付
本稿では中国の物流事情、特に車両輸送とこ
せ陸上2系統の運搬手段が物流の大半を占め
近までは台車等で運んできても、
トラック荷台
れに付随する荷役作業などの人力作業に焦点を
ていること、又近年航空輸送が急速に台頭し
上は、
商品を引きずったり、
回転させて移動さ
あてて中国物流の現状の一端をご説明します。
てきていることなどの特徴がお分かり頂ける
せたりするケース等も多くみられます。
かと思います。
●商品の積みおろし時
1.
物流実態
商品自体に大きな衝撃が加わるのは、積替
2.
保険金支払い事例やリスク要因
多く見られます。かなりの高さから投げたり、
中国に出張や駐在しておられる方は、
1日に
何度と無く商品を積載したトラックが高速道
えや床面への仮置き、納置などの作業過程で
当社の保険金支払い事例や、その他リスク
乱暴に置いたりすることが想像以上に頻繁に
路や一般道路上で事故を起こしているのを目
調査で判明した中国国内輸送の代表的なリス
見られ、相当な衝撃が掛かっているものと思わ
撃されていることと思います。また発注した
ク要因をご紹介します。
れます。
商品を受け取る際や、商店で商品を購入する
際にも日本では想像できないほど梱包材が破
(1)ハンドキャリー(人手による輸送)
損しているケースもよく見られます。
(写真1、2)
中国では、
物流事故に関する統計データは、
まだ整備されていませんが、物流量全体の増
機械化・自動化が導入されてきたとは言え、
製造ラインの最終工程から工場内の倉庫への
2003年∼2005年 全製造業における輸送手段
航空輸送
2005年
【写真1】
2004年
海上輸送
2003年
鉄道輸送
陸上輸送
0
20
40
60
Source:《The research report of Logistics Market in China》
By China Association of Warehouse and Storage
12
80
100
【写真2】
特集2
中国の物流事情
(2)トラック輸送(写真3)
●運転の荒さ
らの落下事故も多く発生しています。
●雨天時の走行
中国の運転技術の荒さは、周知のとおりで
平台トラックの場合、晴天時は幌掛けをせ
す。急発進・急ブレーキ、
急な車線変更・割り込
ず走行しているケースが殆どです。急な雨で
み…、等々。
梱包材が濡れ損となったり、降雨中に屋外で
また車のみならず歩行者や自転車の交通
マナーの意識も低く、急な飛び出しや信号無
視をはじめ、高速道路を横切ろうとする地元
住民が多いのも日本では想像できない風景
幌掛けをしていることを見ることも少なくあ
りません。
また、製品のむき出し輸送が貨物の盗難リ
スクを高める要因ともなっています。
ですが、実際に高速道路上での歩行者の交通
事故死傷者が極めて多い実態が歩行者の意
識の現状を表しています。
かに積み過ぎで運搬しているケースが多く見
●車両の不備等
トラックの老朽化で荷台の床が梱包材を傷付
けたり、商品を固定する器具が不備で、確実な
●道路状況
【写真4】
られ、その結果、視界が確保できないことによ
る事故や、
商品の過荷重破損も多く発生してい
ます。
固定が出来ていない状況もよく見られます。
道路拡張工事や電気・ガス・水道工事等、
至
又、エンジンやタイヤ等の整備不良が原因
るところで道路工事が行われ、
また高速道路
で、高速道路上・一般道路上共に場所を構わ
上でも工事表示が不備なまま急に車線が減少
ず急停車してしまうトラックもよく見かけま
したり片側交互通行になったりで、運転者に
す。時速100㎞で走っていたら突然前の車が
破損したパレットの恒常的な使用が多く見
とってはきわめて危険な上に、路面の凸凹の
停車…。考えただけゾッとしますが、
中国の高
られます。破損箇所の突起等により梱包材に
激しい迂回路への通行を余儀なくされるなど
速道路では他人事ではありません。
破口ができたり、荷重耐力の不安定から商品
積荷の損傷につながりかねない環境が多く見
られます。また道路事情を理由に輸送業者が
(4)保管上の問題
●破損パレットの使用(写真4)
の落下事故などにつながる危険があります。
●交通事情の急激な変化
●高積み
無断で輸送ルートを変えた結果、輸送途上で
トラック輸送の急増、
マイカー普及の急速な
積み替え荷役が行われ、
この荷役過程で貨物
進展等に伴い都市部を中心に慢性的な交通
保管スペースの充分な確保は、
どの事業所
の事故が発生した事例も見られます。
●過積載
通常、
商品設計上の耐荷重や梱包材の耐久
性を考慮した段積み(高さ)制限が定められ
ていますが、運賃増収のため、非常識なレベ
渋滞が発生しており、
また道路インフラの整備
でも切実な問題ですが、天井近くまで積み上
が追いつかないまま、道路が未整備・未舗装
げた結果、下段の商品の梱包材が潰れたり、
な地域への物流を拡大しているため、
これら
歪んでいることもよく見られます。
交通事情の著しい変化がもたらす様々なリス
ク要因が派生しつつあります。
プロドライバーとしての技術や知識を持た
ルの過積載が多々行われています。このため
ないトラック運転手の急増も、
リスク要因を大
下段の積載物が、重量に耐え切れず梱包材が
きく増加させていると言われています。
折れ曲がっている事例が多く見受けられま
す。また、許容量を大幅に超過した過重量や
●雨漏り、排水処理機能の不備
大雨が降った翌日には、倉庫内の雨漏り跡
や水たまりがかなりの確率で見られます。
また、倉庫内に大量の商品を保管してし
まったため、
監視員・巡回者が立ち入っていけ
(3)フォークリフトによる移送
高積みにより、
トラックの横転や貨物の荷台か
ず、奥まった所の保管物の漏水による濡れ損
を、
いざ出荷しようとした際に初めて発見する
●違反運転・操作ミス等による事故
といった事態も発生します。
速度違反や、無理なバック走行等により事
故を引きおこし、その結果商品に損害を与え
たり従業員の災害につながることが多く見
(5)下請け運送会社・倉庫業者の起用、マネ
ジメント
られます。また、操作ミスにより、
フォークリ
フトの爪で貨物を傷付けるケースも散見さ
● 二次・三次下請け運送会社・倉庫業者の
れます。
サービス品質
元請け運送会社のマネジメント体制は一定
●過積載による商品への影響
【写真3】
の水準を有していても、各地に商品が分散輸
業務効率化を最優先に考えるあまり、
「一度
送される中で、二次・三次の下請け輸送会社
にたくさんのものを運ぶ」という方針で、明ら
に商品が託されると、元受会社の管理が及ば
13
特集2
中国の物流事情
ず、
各種ラフハンドリングで商品の破損事故が
発生することも多く見受けられます。
3.
リスク低減対策
物流に関する事故は、そのほとんどが人為的
なミスによるもので、要因としては、大きく次の
三つのパターンによるものと考えられます。
●「知らなかった」ことによる事故
【写真5】
●
すべり止めのための手袋を着用して作業を
【写真6】
●
しているか?
(未熟練者に多い)
フォークリフトに貨物を積んで坂道を下
る際、必ずバック走行しているか?
重量物の手作業は二人以上で行い、
動作ご
●
らなかったために、
高積みをしてしまい、
とに声を掛け合い、安全を確かめて行って
●(構造上死角となりやすい)
フォークリフト
上の貨物の重みにより下の方のパレット
いるか?
(例)貨物のパレットを何段まで積めるかを知
が折れた。
●
●
●「面倒だから」とあえてルールを軽視、無視
の爪が完全に入ったかどうか、確認して次
不安定な貨物の取扱い(小さい貨物の上に
大きい貨物を載せて運ぶ等)をしていない
の動作に移っているか?
●
か?
したために発生する事故
について、
ハード対策及び、
注意標識を整備
(2)
トラック荷台への積み付けと輸送中
卸作業をしたり、
フォークリフトの走行ス
ピードが速かったため、破損事故が発生
●
輸送中の荷崩れや移動防止のため、
貨物を
荷敷き・荷仕切り・ネット等で充分に固定し
した。
(例)いつもそうだからと、重量や重心の確認
をしなかったために転倒・転落破損が発
くすための調整装置を付けたり、工夫をし
生した。
ているか?
●
フォークリフトの走行する箇所に、
段差等
はないか?
(4)下請け会社の確認
●
プラットフォーム上およびトラック荷台内の
照明は、作業に充分な明るさを確保してい
リスクの低減対策では、事故(ミス)の真の
●
貨物の積込み前に、
荷台がドライ・クリーンで
あることを確認しているか?
ど)を洗い出し把握することにより、作業員、
●
中国の交通規制に適合しない貨物の輸送
(サイズ・重量・高さ)はないか?
上記2.
で紹介したような事故を防止するた
●
めの具体的な対策について、代表的なものを
●
● 下請け会社の荷役・運搬状況やハブ拠点自体
●
●
必要に応じ、下請け会社から更に先の二
次・三次請けの状況が確認できているか?
● 下請け会社の責任者に対し、
自社の安全方
針・品質方針を理解させているか?
定期的にドライバー向けに安全運転教育を
4.まとめ
ゆとりを持った運行計画が予め策定されて
いるか?
下さい。
を定期的に監査しているか?
整備されたトラックを使用しているか?
実施しているか?
下記に紹介しますので、不安全行動や不安全
下請け会社のロス発生状況を定期的に確
認しているか?
るか?
要因(知識不足、
ルール軽視やルール違反、
慣
状態の発見、対応策の検討・構築にお役立て
●
はないか?)
● トラック荷台とプラットフォームの段差をな
管理者それぞれの立場で、対策を立て実行す
フォークリフトの走行する箇所は、
充分な
空間が確保されているか?
ているか?
(近距離だから大丈夫、
との油断
(熟練者に多い)
ることが重要です。
しているか?
●
●「無意識」による事故
れによる不安全行動、不安全状態の放置な
フォークリフトの衝突防止策として、ラッ
ク・柱・排水口付近等の走行、操作上の障害
(熟練者に多い)
(例)照明を点けずに箱型トラックの荷台で荷
過積載を行っていないか?
ご紹介した中国での物流にみられる特徴
やその対策は、ごく一部にすぎませんが、貴
(1)人力による荷役作業(写真5)
(3)フォークリフトの操作(写真6)
社製品を本来の性能・品質やブランドイメー
ジを維持したままでユーザーにお届けする
●
投げる、
落とす等の乱暴・粗雑な取扱いをし
●
ていないか?
貨物重量の確認、重心位置の確認をしてい
●
るか?
14
●
フォークリフトの運転手は全員が有資格
ため、
本稿が貴社物流のリスク要因を減らす
者か?
きっかけとなれば幸いです。
速度の出しすぎ、
急ハンドル、急ブレーキ
はないか?
【特集3】
未知のリスク予測と事業戦略との連動
ERM(Enterprise Risk Management)
∼その要諦と具体的導入イメージ∼
<2006年10月24日 危機管理産業展2006 ルームプレゼンテーション講演概要>
株式会社インターリスク総研
総合リスクマネジメント部 ERMチーム長
上席コンサルタント 府川
均
災害、
製品事故、
情報漏洩、
重要事実の非
も言えるフレームワークを提供するもの
ズ・リスクマ ネジメントの 統 合的 枠組 み
開示や官製談合に代表される各種法規則
がERM(Enterprise Risk Manage-
(Enterprise Risk Management−
違反行為など、
企業活動を取り巻くリスクの
ment)である。
【1】
である。上
Integrated Framework)」
記レポートでのERMの定義と、弊社におけ
顕在化事例は依然として多発している。特
に昨今では、企業の対応の不備によりその
悪影響が拡大する事例も多く、内部統制の
強化が強く求められている。
る実務的解釈・定義は以下の通りである。
(1)
ERMの定義
今やERMは日本国内のみならず世界的
にも関心が高まっている経営管理手法であ
(2)COSOレポートのERMキューブ
こうした状況を踏まえ、
弊社では3年の社
るが、その実質的なグローバルスタンダー
前述のCOSOレポートでは、
ERMシステ
内検討を経て、
「メガリスク」時代に即した
ドとして位置付けられているものが、
米国公
ムの構築に際して、
図表1に記す構成要素や
先進的な内部統制、
リスク管理のフレーム
認会計士協会などが支援しているCOSO
目的、取組単位を網羅する必要があるとさ
ワークを提供する『ERMコンサルティン
(The Committee of Sponsoring
れている(以下『ERMキューブ』と言う)。
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
具体的に企業がERMに取り組む際には、
グ』のメニューを開発・整備した。本稿は、
弊
Organizations of the Treadway
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
このERMキューブにおいて前面に表記さ
社コンサルティング・メニューの考え方をも
Commission;
トレッドウェイ委員会組織委
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
れる8つの構成要素、
即ち内部環境からモニ
とに、企業におけるERM導入のポイントを
員会)が発表したレポート「エンタープライ
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
解説する。
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
【1】COSO, "Enterprise Risk Management-Integrated Framework", AICPA, 2004
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
1234567890123456789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345
COSOによるERMの定義
弊社におけるERM解釈
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1.
ERM導入の全体像
事業体の取締役会、経営者及び従業員が実
事業運営(枠組み、
方法、
プロセスなど)に支
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行し、全事業を対象とした戦略設定に適用
障や変動をもたらす全ての事象を統合的に
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し、
事業体に影響する潜在的なイベントを特
管理することにより企業価値の最大化を目
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リスクマネジメントは、
1960年代に米国
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定するよう設計し、
リスク選好できるようマ
指し、
全てのステークホルダーに対し責任を
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で形作られた経営管理手法であるといわれ
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ネジメントするプロセス
果たしていくための手法
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ている。日本でも、
21世紀に入り、集団食中
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毒事件やリコール隠蔽事件、粉飾決算や製
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品事故など、様々な名門企業でのリスクが
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相次いで顕在化する中、
CSR強化の旗印の
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もとでコンプライアンスやリスクマネジメン
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子
内部環境
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ト体制を構築する動きが活発化してきた。
事会
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目的設定
事業社
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しかし、
依然として多く顕在化している企業
業単
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事象
(イベン
ト)
の特定
部本位
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リスクは、その大半が内部要因によるもの
・部
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リスク評価
課
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であり、
さらに内部統制機能を強化すべく、
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リスクへの対応
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グローバル標準に基づく先進的なリスクマ
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コントロール活動
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ネジメントシステムの構築が急務といえる。
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情報とコミュニケーション
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【図表1】COSO ERMキューブ
こうした企業の取組みにおいて、道標と
モニタリング
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報
告
コ
ン
プ
ラ
イ
ア
ン
ス
事
業
経
営
戦
略
(弊社試訳)
タリングに至るまでの要素を整備・実行する
ことが求められる。
*事業戦略や業績評価の仕組みと連動して
いないため「ボランティア」的意識が強く
モチベーションが上がらない
(3)
ERMの取組み意義と具体的テーマ
企業においてERMに取り組む意義は
様々なものがある。中でも自社における全
社的リスクマネジメントの仕組みをさらに
一歩前進させ、現場に根付き洗練したシス
テムに昇華させる効果が大きく、ひいては
*経営レベルで網羅的に事業リスクを把握
する仕組みとなっていない
*仕組みだけが先行し現場に根付いたもの
となっていない
*全社ベースでの課題が明確化されていな
い/全社的PDCAサイクルが未構築
①事業戦略との連動
まずリスクマネジメントを独立したシス
テムではなく、様々な経営戦略、事業戦略
と連動させて、
リスクマネジメント戦略が構
築されている姿を目指すことを志向すべ
きである。
例えば、
経営戦略の構築過程において現
状分析手法として行う「SWOT分析」の結
果から、
「“機会”の裏に潜む事業リスクの
経営戦略、事業戦略と連動した仕組みとす
*管理対象リスクが限定されている
把握」
「“脅威”の中から特に重要視すべき
ることにより真に企業価値の最大化を実現
*その他にも様々なマネジメントシステム
事業リスクの見極め」
「“強み”を企業価値
が存在し整合性がとれていない/重複感
向上のためリスクマネジメント上戦略的に
がある
活用していく手段の抽出」
「“弱み”の段階
させる効果が期待できる。
また、
IRなどを通じて株主・投資家をはじ
的強化策」を論議し、
経営計画の中にERM
めとする様々なステークホルダーへの適時
的確な情報開示が求められている。そのよ
ERMは、
まさに上記の各種課題を解決す
うな中、
グローバル標準に基づいたERMシ
るためのフレームワークを提供するものと
ステムの構築は、その活動内容について戦
位置付けられる。
略的に開示することを通じて、ステークホ
ルダーからの信頼を向上させることにも繋
従来型のリスクマネジメントシステムは、
経営戦略や事業戦略から独立したシステム
課題・目標を併記することが有効である。
②リスクの「見える化」の促進
ERM導入時においても、改めて全社
ベースで事業の裏に潜むリスクを抽出、分
として運用されるケースが大半であった。
析評価を行い、
リスクマップを再整備する
がる。
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ERMはそれらを一体的に運用することを
ことが必要である。特に社会的にリスク管
こうした企業の取組み意義を念頭に具体
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志向し、経営レベルでは様々な戦略の意思
理への関心が高まる昨今では、
ステークホ
的取組みをフルサポートすべく、弊社では
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決定の場においてリスクマネジメントを有
ルダーからリスク状況の開示要請を受ける
今般ERMコンサルティング・メニューを開
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効に機能させること(事業の裏に潜むリス
ケースも多くある。こうした開示対応を余
発・整備した。弊社ERMコンサルティング
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クを認識した上での意思決定を行うこと)
儀なくされるケースへの備えとしても、合
は、前述のERMキューブにおける8つの構
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を、
また事業現場では『本業』としてリスク
理的かつ社外にも納得感のある分析プロ
成要素を充足させ、
COSO準拠型のERM
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マネジメントに取り組ませる仕組みの構築
セスを踏まえて、
リスク状況を把握しておく
システム導入をフルサポートすることを目
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を実現させることが主たる目標となる。
必要がある。
的としたものであるが、企業が独自にERM
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具体的には、事業ドメイン別にリスクマッ
このように、
リスクマネジメントを経営管
の考え方での取り組みを活性化させる際に
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プを整備し、
その後全社ベースのマップへ集
理システムと連動させ、
一体のマネジメント
も参考になるものと思われる。こうした観
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約していくこととなる。その過程において、
システムとしての運用を実現することこそ
点から、以下に、弊社コンサルティング・メ
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確率論的アプローチが可能かつ重要なリス
が、
ERMの目指すべき姿であると言える。
ニューの考え方をもとにした企業における
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ク事象を選別した上で、
独自のリスク統合定
ERM導入のポイントを具体的に解説する。
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量化モデルを構築することも検討する。
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3.
企業におけるERM推進策
(なお弊社では、
独自に構築している「リ
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2.
従来型のRMとERMの違い
スク事象データベース」や「リスク分析評
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前述の多くの企業で浮き彫りとなって
価モデル」を使い、企業の取組みを効率的
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2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
現在でも既に多くの企業が、全社的なリ
いる課題を念頭においた場合、特に以下を
にサポートすることが可能である。)
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
スクマネジメントシステムを導入している。
ERMの重点テーマとして掲げ、取組みを
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
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一方で、多くの企業において次のような課
推進されることが有効である。
③リスク対リターンによる意思決定
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2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
題が浮き彫りとなっている事実もある。
リスクの「見える化」を踏まえて、事業ド
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
16
2345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890121234567890123456
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【特集3】未知のリスク予測と事業戦略との連動
ERM(Enterprise Risk Management)
∼その要諦と具体的導入イメージ∼
メイン毎の重要リスクを選別した上でその
めて検討していくことが必要である。
合計リスク量を定性的・定量的に把握する
考え方や仕組みを整える。その上で、
事業ド
メイン別のリスク対リターン分析を行い、
リ
を強化することと併せて、
財務的な手当も
経営存続の観点から極めて重要なテーマ
⑥コミュニケーションの活性化
多様なステークホルダーの関心に応え、
である。
リスク評価の結果、
優先取組みリスクと
スク対比で投資効率や収益性の低い事業
適時適切な手法によるリスクコミュニ
して特定され、
さらには定量化検討がなさ
を見極める管理手法の導入を検討する。
ケーションを行うこと、
並びに組織内で適
れたリスクについて、
そのリスクが顕在化
事業リスクの定量化モデルの構築には相
切にリスク情報が伝達・共有される仕組み
した際の財務力・資金力を評価し、緊急時
応の時間と労力を要する。従って、
最初から
を構築することによって、ステークホル
に不足するキャッシュフローを補う資金
精緻に行うことを目指すのではなく、事業
ダーからの信頼や企業価値は大きく向上
調達についてその具体的手段を金融機関
別評価の際に事業の裏に潜むリスクを経営
する。
と協議しながら検討・確保しておくことも
レベルでレビューしリスク環境を議論する
特に大企業になるほど組織内での縦割
場を設けることからスタートしても良い。
り構造によるコミュニケーション上の弊
害がクローズアップされ、
それが内部要因
④重要な業務プロセスの特定と統制強化
必要である。
事業リスクが益々巨大化、
複雑化する中
型リスクを高めることにも繋がっている。
で、
従来型の経営システム
(含む、
リスクマ
昨今の内部統制強化、
及び事業継続管理
ERMのフレームワークに基づき、
組織内
ネジメントシステム)
が十分に機能しない
(BCM)の重要性の高まりなどを踏まえ
外のリスクコミュニケーション活動の実
事例も多々見受けられる。
ると、各事業現場単位での取組みとして
態を改めて評価し、
新たに必要な仕組みを
は、業務プロセスをフローとして明確化
再構築していくことが望まれる。
し、重要業務を特定してその重要業務フ
ERMについては確立された概念がま
だ存在しない中、
COSOレポートに即し
たERMフレームワークなどを参考にし
ローを中断させるまたは不正行為を生む
⑦緊急時資金の充分性検討
つつ、各企業が自らの事業環境、風土など
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リスクへ適切に対処していくアプローチ
リスクが顕在化した際の対応として、
多
に即し身の丈にあった独自のERMシス
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も必要である。
くの企業が導入済みである危機管理体制
テムを構築していくことが望まれる。
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6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
ERMにおいても、
リスクの
「見える化」
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6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
を行う過程で、
併せて業務の
「見える化」
も
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
行うことにより、
現場に根付いたマネジメ
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ントシステムとすることが望まれる。
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インターリスク総研は、三井住友海上と共同で、
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
10/24(火)∼10/26(木)に東京ビックサイト
(東京
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⑤監査体制・スキルの強化
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
都・江東区)
にて開催された
『危機管理産業展
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
ERMにおいて監査機能の強化は欠か
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
2006』に出展いたしました。
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すことのできない重要テーマである。
ある
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
会期中は前年の37,811人を大きく上回る82,655人
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6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
べきERM監査の役割としては、
単にリス
のお客様にご来場いただき、2倍以上の動員数となり
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
ました。開催の模様は、NHK、
ワールドビジネスサテラ
クを軽減・回避していれば良いとの考え方
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
イ
ト他、
多数のメ
ディ
アによ
り、
報道されました。
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
ではなく、
経営レベルをはじめとした企業
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
当社は15∼20分ほどのショートプレゼンテーション、
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
内での様々な意思決定の場において、
最適
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
パネル展示、
パソコンによるデモの3つのコンテンツを
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
なリスク対リターンの協議・追求がなされ
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
構成、
またERMにつきましては1時間のルームプレゼ
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
ているか、
を検証する機能が求められてい
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
ンテーションを開催し、
ともに好評を得ました。地震リ
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
るといえる。
スク対策、BCM、CSR等をテーマとしたショートプレゼ
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
ンテーションはブースを取り囲むほどの人だかりとなり、
その機能強化に向けて、
既存の監査体制
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
お客様の関心の高さをうかがうことができました。
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をもとにしながら社内外のリソースを活
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ご来場いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。
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用しつつ、
どのような枠組みや手法で監査
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【ショートプレゼンテーション・展示ブースの様子】
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機能を強化していくべきか、
人材育成も含
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6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
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6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
17
17
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6789012345678901212345678901234567890123456789012123456789012345678901234567890
株式会社インターリスク総研
RMFOCUS編集部
対象期間:2006年9月∼11月
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
どで緊急地震速報について事前の周知を行い、
いる人に速報を伝える。その後、同速報に対す
○
○
○
○
○
○
防災無線や各放送設備などを使って地域内に
る認知度、
情報を受け取った時の行動などにつ
いてアンケート調査を行い、
一般向け運用に活
○
○
○
用する。
●北方領土・択捉島沖でM8.1の地震、北海道各
○
○
○
○
○
○
地で津波、広域避難
11月15日夜20:15頃、北方領土・択捉島の東
北東390㎞付近でM(マグニチュード)8.1の地
震があり、気象庁は北海道太平洋沿岸東部か
○
○
らオホーツク海沿岸にかけて津波警報を出し、
同23
:
30に注意報に切り替えた。合衆国ハワイ
○
○
○
観測
州の太平洋津波警報センターなどによると、本
地震によるとみられる津波が15日午前(日本
時間16日未明)、同州オアフ島に到達し、遊泳
中の女性が波に巻き込まれ軽傷を負った。合
衆国本土西海岸でも、
カリフォルニア州北部な
どで津波とみられる高い波が観測され、港湾施
設に被害が出た。
盗 難
○
○
○
○
○
○
○
18
実験地域ではポスター掲示やビラの配布な
○
(2)発生場所付近で強い積乱雲をレーダーで
(3)住民からの聞き取りや撮影された映像で、
○
ろうと状の雲を確認
(4)建物の屋根が上空に吹き飛ばされ、
100−
●パチンコ景品交換所で1,
700万円強奪 朝9時頃、藤沢市内のパチンコ店の景品交
○
○
○
という。
今後実験を行う機関を拡大、
一般向け運用は早
ければ来春に予定している。
○
がっている
○
にはスイッチの元電源を切ることになっていた
市)、愛知工業大学(愛知県豊田市)の3カ所。
○
の通り説明した。
(1)被害が竜巻の通過に伴って起きる帯状に広
○
○
○
○
事業所によると、攪拌機の羽根を動かすスイッ
チはタンクの外にあり、器具取り付け作業の際
○
亡、
1人がアキレス腱を切る重傷を負った。当該
モデル実験を実施するのは宮崎県清武町と
国立病院機構災害医療センター(東京都立川
○
気象庁は竜巻と断定した根拠について、
以下
○
た男性作業員2人が、突然動きだした攪拌(かく
はん)機に巻き込まれ、1人が頭を負傷して死
○
○
の結果、竜巻と断定した。
○
食品素材メーカーの事業所で、アミノ酸の結
晶を精製する製造タンク内で改造作業をしてい
○
○
○
び、
屋根も崩れ落ちた。気象庁は8日、
現地調査
○
●工場で作業中に死傷事故が発生
撃し、壁は無残に破壊され、窓ガラスは吹き飛
○
○
突風は、
竜巻の発生地にあった工事現場を直
○
ら一般客も乗せている。
○
負った。
○
○
○
北海道・佐呂間町で11月7日午後、
竜巻とみら
れる突風が発生し、
9人が死亡、
29人が重軽傷を
○
○
傷29人/100棟以上損壊 過去最大規模
○
に位置し、全長31.8キロと欧州最長。
1983年か
○
事故のあった実験線はオランダとの国境付近
○
あったと述べている。
○
○
○
●北海道佐呂間で「竜巻」−−9人死亡/重軽
○
の広報官は今回の事故は人的ミスが原因で
速報の先行提供を開始しているが、
不特定多数
を対象にする運用実験は今回が初めてとなる。
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録した。
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都ベルリンから事故現場に駆けつけた。独政府
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の地上に散乱した。メルケル首相は事故当日首
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位となる49メートル、
43.5メートルをそれぞれ記
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は原形をとどめないほど大破、
破片が高架周辺
年8月から鉄道会社や建設、研究機関などに同
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メートルを観測。福岡市、
長崎市では観測史上2
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福岡管区気象台によると各地の最大瞬間風速
は、長崎県・雲仙岳で午後4時15分に秒速58.1
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ロメートルで走行中だった。リニアの先頭車両
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31人が試乗中で、
23人が死亡した。時速170キ
急地震速報のモデル実験を今月から順次、
自治
体や病院、大学で開始すると発表した。既に今
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は1人となった。
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となり、
台風13号による死者は9人、
行方不明者
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ドイツ北西部ラーテンで実験走行中のリニア
モーターカーが高架軌道上の作業車両と衝突、
気象庁は11月13日、
住民などを対象にした緊
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岡、大分、広島県で3人が死亡、1人が行方不明
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23人死亡
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●ドイツのリニアモーターカーが衝突
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負傷した。記録的な強風が吹き荒れたため、福
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豊線の特急列車が横転し乗客、運転士計6人が
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事 故
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死亡、
100人以上が重軽傷を負った。またJR日
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なっていた。
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竜巻とみられる突風で多数の建物が倒壊、
損壊
し、倒れた金属製支柱が刺さるなどして3人が
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抜けた。台風の通過に伴い、宮崎県延岡市では
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依頼された業者の作業員が、
溶接工事などを行
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を全焼した。工場はこの日休みで、
リフォームを
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が出た。7時間延焼後、鉄筋2階建て約1,300㎡
200メートル飛ばされているものがある
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佐世保市付近に上陸し、
午後8時ごろ、
玄界灘に
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ルの住民に一時、避難するように消防から指示
開始
換所前の路上で、交換所経営者がに2人組の
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域に巻き込みながら北上、午後6時すぎ長崎県
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の恐れもあるとして、現場から半径約300メート
9月17日、強い台風13号は、九州全域を暴風
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横転
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プラスチックメーカー工場で休日の夕方、
火災
が発生し、一時、大量の黒煙が立ち上った。爆発
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●台風13号で9人死亡、竜巻でJR特急脱線・
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●プラスチックメーカー工場で火災
●緊急地震速報、自治体や病院向けでも実験
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自然災害
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火 災
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本情報はマスコミでの報道をベースに、災害・事故の予防を目的に編集しています。
男(いずれも30歳ぐらいで、頭に白いタオルを
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の支払いを命じたが、2審判決は、海外で取得
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した特許に対する対価を日本の国内法に基づ
いて請求出来るとして、
元社員がかかわった三
つの発明による同社の利益を、
特許のライセン
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ス料など約11億7,970万円と算定。
元社員の貢
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献度を14%と認定した上で、
発明の対価約1億
6,510万円から、
在職時に支払われた報奨金約
230万円を差し引いた約1億6,280万円の支払
いを命じていた。
その他
●フィリピンで狂犬病に感染、
男性が死亡
厚生労働省は11月17日、フィリピンで野良
犬に咬まれ、
帰国後に狂犬病を発症した京都市
在住の60歳代の男性が同日未明、
入院先の京都
市内の病院で死亡したと発表した。
狂犬病によ
る死亡は1970年、
ネパールで犬に咬まれ、
帰国
後に発症した男性が死亡して以来36年ぶりで
ある。狂犬病は通常、人から人には感染しない
が、
念のために男性が接触した可能性のある人
男性は、
課長職になってからの半年間、
2回の
への感染の有無について調査された。
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になっている可能性が高いとみて、作業に携
1審・東京地裁判決は同社側に約3,500万円
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21日分かった。
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療機関ではシステム移行時の作業が流出原因
着することになる。
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時間労働を認め、
労災認定していたことが10月
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した痕跡がないことをあらためて強調。同医
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説明では、同医療機関のシステムから流出
8億4,000万円)
に次ぎ、
過去2番目の高額で決
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働基準監督署がパソコンの接続記録を基に長
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上に流出したと発表した。
オード
(LED)
の約6億円
(遅延損害金を含め約
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日後に虚血性心疾患で死亡した大手事務機器
メーカーの男性(当時42歳)について、
八王子労
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する患者約26万人分の氏名や住所、
生年月日、
カルテ番号などの個人情報がインターネット
職務発明を巡る訴訟で会社側が支払う対価
としては、控訴審で和解した青色発光ダイ
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2005年6月、
東京都内を走る電車内で倒れ5
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高知県は10月30日、県内の医療機関が保有
した。
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男性に労災認定
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●患者26万人の情報がネット上に流出
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●パソコン接続記録で過労を証明し、死亡した
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て廃棄してしまった可能性が高いという。
億6,280万円の支払いを命じた高裁判決が確定
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労 災
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によると、
これらはほかの書類に混じって誤っ
を10月17日に言い渡した。
これで、
同社に約1
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れに取り引き金額を記録した資料など。
銀行側
訴訟で、
最高裁は口頭弁論を開かないまま判決
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撃」として、原告の請求通り慰謝料20万円を含
めた支払い責任を認定した。
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はATMを利用した顧客の名前や口座番号、そ
同社に発明対価として2.5億円を請求していた
○
文書を送付し続けたのは悪質な一方的な攻
○
家財道具や給料などを差し押さえると警告する
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した資料を紛失したと発表した。紛失した情報
大手総合家電メーカーでC D やD V D の光
ディスクの読み取り技術を発明した元社員が、
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送付について「請求額の算定根拠を明示せず、
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なかったことを違法とした上で、
41通の督促状
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出入金伝票など計96万人分の顧客情報を記載
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都内の大手銀行は10月5日、
全国85支店で現
金自動預け払い機(ATM)の利用明細の控えや
億円で確定
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をするため求めた取引履歴の全面開示に応じ
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11日、分かった。同簡裁は、原告側が債務整理
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●大手銀行で96万人分の顧客情報を紛失
●光ディスク関連の特許について発明対価1.6
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訟の判決で高松簡裁が、
過払い分と慰謝料計約
138万円を支払うよう同社に命じたことが11月
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る規定はないという。
知的財産
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て、高松市の男性(43歳・自営業)が起こした訴
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務が課せられているが、名簿の持ち出しを禁じ
たことが証明された。
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状を送り続けられ精神的苦痛を受けたとし
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員から解任した。なお、試験監理員には守秘義
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れたという。同センターは、
同建築士を試験監理
間の平均時間外労働が1ヵ月当たり86時間だっ
○
を請求された上、
約1年半の間に計41回も督促
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鉄の最寄り駅で切符を買う際、封筒ごと置き忘
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大手消費者金融から法定金利を上回る利息
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償命令
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名簿をコピーして封筒に入れて持ち出し、地下
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1級建築士で、自宅で試験の席次表を作ろうと
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督業務などを請け負う愛知建築士会に所属する
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●精神的苦痛を受けたとして消費者金融に賠
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た。実際に紛失したのは、
同センターから試験監
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な勝訴といえる」と話している。
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内の受験者262人の名簿を紛失したと発表し
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は10月4日、今年度の1級建築士試験で愛知県
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いい、
「早期に救済できた意義は大きく、実質的
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交通省の外郭団体、
建築技術教育普及センター
性の電子メール送信履歴や社内サーバーへの
アクセス記録などを収集。男性の死亡前3ヵ月
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をめぐるマンション住民による初の集団訴訟と
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る。また住民側の弁護団によると、
シックハウス
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る相当な金額で勝利的和解だ」と評価してい
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建築士免許の国家試験を実施している国土
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●建築士試験の受験者名簿を紛失
を申し立て、裁判所が2006年1月、会社から男
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額は公表されていないが、原告側は「納得でき
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社が解決金を支払うことで和解が成立した。金
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いという。
3億円の損害賠償を求めていた訴訟で、被告3
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リティー措置を取っており、流出の可能性は低
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月1日にわかった。なお、
磁気テープにはセキュ
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ションの販売会社や建材メーカーの2社に計約
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気テープがトラックごと盗まれていたことが9
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でシックハウス症候群になった」として、マン
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万5千人分の住所や名前などが記録された磁
ンション入居後、床下建材に含まれる化学物質
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大阪市の新築マンションの住民46人が、
「マ
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東京都内の宅急便の集配所で、スポーツ用
品大手メーカーのポイントサービス会員約45
を拒絶したが、
遺族が裁判所に証拠保全手続き
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●シックハウス症候群集団訴訟で和解が成立
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賠償責任
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盗難
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●顧客会員情報が記録された磁気テープが
会社側は、
遺族からの長時間労働の証拠開示
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いている。
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個人情報漏えい
行っていた。
海外出張を交え、平日は朝8時から夜12時まで
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有ソフトを使っていなかったかなど事情を聴
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で逃げた。男性は顔に軽いけがをした。
の労働をほぼ続け、土曜・日曜の休日出勤も
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をインターネットから切り離し、ファイル共
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わった当時の職員3人の個人所有のパソコン
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金約1,700万円の入ったカバンを奪って2輪車
○
巻いていた)が後ろから近づいて顔を殴り、現
19
■ 1.
第4回BCMセミナーを開催します!
好評を博している弊社の第4回BCMセミナーを
以下のとおり開催します。
1 日 程
2007年2月2日(金)
(予定)
2 場 所
三井住友海上・駿河台ビル 1階大会議室
3 全体テーマ
BCMのケーススタディー
BCMの関心が高まっている中、実際のBCMの事例や海外の
最新動向を解説する予定です。
詳細は決まり次第、三井住友海上担当営業からご案内します。
■ 2『
. 事業継続マネジメント
(BCM)構築の実際』出版!
これ1冊でBCM・BCPがわかる!
・BCPの策定・運用のためのノウハウを満載
・初心者でもわかるよう、
やさしく解説
・最短1日でBCPができる
監修:株式会社インターリスク総研 小林 誠
発行:日本規格協会
定価:2,
800円(税別)
※ 詳しい内容や資料につきましては、三井住友海上営業担当者までご照会下さい。
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本号で寄稿して頂いた方(敬称略)
R M F O C U S
高瀬 経裕(たかせ つねひろ)
Risk
リスク Management マネジメント
Find
Observe
1979年 3月 早稲田大学理工学部卒業
同年 4月 日本郵船株式会社入社
経理、総務、開発など管理部門を中心に配属 Control
Undertake
2001年 安全環境グループにて環境マネジメントに配属
2005年 CSR推進グループ長
Solve
リスクの発見
リスクの認識
リスクの制御
リスクの引受
リスクの解決
編 集 後 記
2006年は竜巻発生のニュースが相次ぎ、直下型地震と同様、予測困難な気
象現象の怖さを感じました。自然災害の発生自体を止めることはできませんが、
緊急地震速報など、発生する損害を軽減する方法は、主に情報の分野で発展が
みられた1年といえるでしょう。
最近中国の各都市に出張する機会が多いのですが、
強い発展へのエネルギー
を感じる一方、
満載で疾走するトラックを目の当たりにして、
積荷が心配になりま
した。大きく考えてみると、
本号における日本郵船株式会社様のグローバルな活
動や中国の物流事情にあらわれているように、
モノの動きがより活発に、
より高
速に、
より効率的になり、企業活動がますます国境を越えて展開されています。
これだけ市場が拡大し、
一体化してくると、
モノづくり・サービス業・行政サービス
のいずれについても、成功の鍵は自らの業務が世界に通じる水準であるかにか
かっています。連動するかのように、
リスク管理の分野においてもERM等、世界
標準化の動きが現れてきました。日本もさまざまなリスク経験を経て今がある
わけですが、
これからはリスクを回避しながら、
ともに発展する手法を世界に示
していく役割を担っていると思います。
2007年、みなさまの安心と安全を祈念申し上げます。 (S.S.)
RMFOCUS(第20号)
発行日:2007 年1月1 日
発 行:三井住友海上火災保険株式会社 火災新種保険部
株式会社インターリスク総研
(無断転載はお断り致します。)
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