安全な作業(工作)を行うために

安全な作業(工作)を行うために
旭川工業高等専門学校
実習工場
安全への「5S」とは
整理,整頓,清掃,清潔,躾(しつけ)の頭文字 S をとって「5S」と呼ばれて
います。
①整理とは,要るものと要らないものを区分けし,要るもの以外一切置か
ないことです。
②整頓とは,要るものを誰でもが直ぐ取り出せる状態にしておくことです。
③清掃とは,ゴミなし,汚れなしの状態にすることです。
④清潔とは,整理・整頓・清掃を徹底することです。
⑤躾(しつけ)とは,決められたことが決められたとおり正しく実行できる
よう習慣づけることです。
参考資料『工場管理』
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はじめに
・危険と安全は,背中合わせです。文明の利器である機械(道具)は,使い方次第で安全
なものにも危険なものにもなります。
・どんな場合でも自分の身(安全)を守れるのは,あなた自身です。自らの行動に責任と
自覚を持ってください。
・我が身を危険から守るために,保護具を正しく使用しなければなりません。
・後で「危険だと知らなかったから」とか「このくらいは大丈夫だと思った」とか「恥ずか
しくて言えなかった」などと,いくら弁解しても,結局怪我をして「痛い」のは,自分
自身です。だから「思い立った今」やらなくてはなりません。「今」は,すぐに「過去」に
なってしまいます。
・そのために「やらなければならないこと」「やってはいけないこと」の知識を正しく持た
ないといけません。
・「ハッとした」「ヒヤッとした」などの経験は,しない方が良いかもしれませんが,見方
を変えれば,それが今後自分の安全を守るために役立つはずです。でも,同じ過ちを
繰り返していたらいつか大きな事故に遭うかもしれません。二度と過ちを繰り返さな
いように行動しなくてはなりません。
・「あの時やっておけば良かった」などと,後で後悔しないようにしましょう。
保護具について
安全帽(ヘルメット) 危険物が上から落ちてくることが想定される場所で使用。頭部の損傷を
防ぎます。
作業帽
髪の毛が,機械に巻き込まれるのを防ぎます。
保護メガネ
切削の際に飛散する切屑などから眼を保護
します。
遮光眼鏡
遮光眼鏡は,溶接作業や金属溶解作
(ハンドシールド)
業で有害光線から目を保護します。
また,飛散する火花やスパッタから
顔を保護します。
耳栓
騒音のはげしい場所で耳を守ってくれます。
保護マスク
体内に粉塵が入り込むのを防いでくれます。
革手袋
溶接などで手の火傷防止に使いま
す。※切削加工では,切屑で機械に巻き込まれるのを防ぐため使用が禁
止されています。
足カバー
溶接作業などで足の火傷を防ぎます。
安全靴
重いものを取り扱う作業で足の怪我を防いでくれます。
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1.作業の一般心得
1)特に機械加工で単独(1人)作業することは,極力避けるべきだが,やむを得ない
場合(単独で作業をする時)においては,安全に細心の注意をはらうこと。
2)複数で作業する時は,横(お互い)の連携を密にして機械起動時に声を掛け合いな
がら安全作業に努めること。
3)粉塵及び有害ガス等を発生する作業では,換気に十分注意し保護マスクを使用し
なければならない。
4)作業中に停電した場合は,起動(手元)スイッチを確実に切ること。電源復帰時
に回転することがあるので危険である。
5)自分が怪我にあわないように努力するのは当然だが,自分の行動で他人に怪我を
させないように十分注意すること。
6)機械を操作する場合は,事前に取り付け状態など確認し安全作業に心掛ける。
2.服装・保護具等
1)作業服は,作業者の皮膚を直接守ります。動きやすく身体にあったものを正しく
着用すること。
2)常に清潔に心掛けること。特に油の付いたものは,火がつきやすく非常に危険で
ある。万が一,作業服に火がついた場合には,ころがって消すようにして大声で
助けを求めること。
3)工場では落下物・突起物等で頭をぶつけたり,機械の回転部分に頭髪が巻き込ま
れたりする危険がある。それを防ぐためにも,安全帽(ヘルメット),作業帽を正しく
着用すること。
4)作業時の履物は,安全靴か運動靴を履くこと。スリッパ・サンダルは勿論のこと
靴紐の長いものや靴底の厚いものは,危険である。外見よりも自分の安全に気を
配ること。
5)手袋(革手袋・軍手など全ての手袋を指す。以下同じ)は,回転機械を操作する
ときに使用してはならない。手袋は,ドリル(刃物)や切屑に自分が巻き込まれ
たりする危険があるので,使用してはいけない。手袋を使わない場合には,軽傷
で済んだ怪我も,手袋を着用していたために大きな怪我をすることがある。特に
革製品は切れにくいので巻き込まれると大きな怪我となる。機械は,間違いなく
君たちよりパワー(力)がある。材料を移動する時など必要がある場合には,指導
者から指示があるので,それに従うこと。
6)保護具は,粉塵の発生する場所では保護メガネや
保護マスクを,高熱の作業等には耐熱保護具をそれ
ぞれ使用します。これらの保護具を必要とする時には,
指導者から指示があるので,それに従うこと。
7)携帯電話については,マナーモードにしておくこと。
安全作業の妨げにならないようにストラップ等が,はみ出さないようにポケット
内に入れる。
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《問題》
☆もしもの場合です。
《手が少し汚れても,切り傷程度で済む》
《体まで巻き込まれて大事故になる》
さて,あなただったらどちらを選びますか?考えてみてください。
3.整理整頓
1)通路の確保に努め,日頃から避難口を確認しておくこと。そのために整理整頓を
常に心掛けなければならない。床面の状態にも注意を払うこと。少しぐらいであ
っても,こぼれている油は危険なので拭き取る。
2)通路・出入口・階段等には,物を置いてはいけない。障害物のために,緊急時に
逃げ遅れるかもしれない。また,壁や窓にものを立てかけておくことも危険であ
る。作業中は,常に足下を整理し,安全作業を心掛けること。
3)消火栓・消火器具・非常口付近に,物を置いてはいけない。僅かのことが,命取
りとなる場合がある。
4)切屑・紙屑等は,所定の決められた容器に分別して処理すること。
4.災害発生時の対応
1)直ちに電源スイッチを切り,機械を停止
させる。ガスを使用している場合は,元
栓も閉めること。
2)負傷者がいれば応急手当を行いながら周
囲の人に事務室への連絡を依頼し,職員
の到着まで怪我人の救護に努めること。
3)火災発生の場合には,一人で消火にあた
ろうとせず周囲に大声で助けを求め,工
場事務室へ連絡依頼する。
もし,煙に巻き込まれたら,焦らずに口元をハンカチ等で覆い低い地面を這うよ
うにして避難すること。
4)感電している人を救護する場合,必ず電源スイッチを切る。また,掌で触ると無
意識に感電している人を掴むような状態になり,自分が感電する可能性がある。
その時は,手の甲側で救護すること。
5)校内に緊急地震速報が放送された場合も,同様に作業を中断する。電源スイッチ
を切りガスを止め,天井からの落下物や足下に注意しながら,速やかに安全な場
所へ避難すること。
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各作業場所では次のことに注意して,怪我をしない(させない)ように注意すること。
1.機械仕上げ作業(バンドソー,卓上ボール盤)
《バンドソー》
① 材料は正しく挟み,固定する。また,切断を
始める前に再度,材料の固定状態を確認する。
送り速度にも注意すること。
② 使用後は,切削油等を利用し,切屑の残らな
いようにバイス部分を清掃し,切り屑受けの
切り屑も,取り除くこと。
《卓上ボール盤》
① 機械の回転部分には絶対に,手を触れないこと。
② 手袋を使用しないこと。
③ 工作物をベタバイス・ハンドバイス等で確実に
固定し,左手でしっかり掴むこと。
④ 作業中は,必ず保護メガネを着用すること。
⑤ ドリルは,しっかりと固定し,チャックハンド
ルは,使用後必ず抜き取っておくこと。
⑥ 回転数は,早見表を利用して,ドリルの太さに合った適正回転数にセットすること。
⑦ Vベルトは,中心部で約 30~35mm(指 2 本分程度)の余裕を持たせる。
⑧ 椅子に座らずに立って作業し,穴あけ中は,顔を近づけないこと。
2.鋳造作業(鋳込み作業)
《鋳込み事前準備》
① 遮光面付ヘルメット・保護マスク・革手袋・足
カバーを準備する。
② 作業服の袖ボタン・足カバーのバンド(向きに注
意)・靴の紐を再確認する。
③ 鋳込みの練習をして感覚をつかむ。
④ 鋳込みをする場所(鋳型が置かれている場所) の
足下・周囲の安全を確認する。
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おもり
⑤ 鋳型に 錘 を載せる。
《鋳込み作業》
① まず落ち着き,絶対にふざけないこと。
ようとう
とり べ
② 溶湯の入った取鍋をしっかり持ち,ゆっくりと鋳型の近くまで移動し,湯口(湯だ
まり)に狙いを定めて溶湯を注ぐこと。その際,途中で止めないように,かつ溢れ
させないようにする。
③ 上がり一杯に湯がまわったら注ぐのをやめる。
④ 鋳込み作業では指示があるまで,決して革手袋をはずさないこと。溶湯が固まって
赤い色が消失していても,熱いので危険である。
⑤ 鋳型に溶湯を注ごうとする人の妨げにならぬように,全員が一致団結分担協力して
作業をスムーズに行うこと。
《鋳込み後の型ばらし》
しばら
① 暫 く時間をおいた後,遮光面付ヘルメット・保護マスク・革手袋を着用したまま鋳
型をばらす場所まで移動する。
② 上枠のみ持ち上げて鋳型を壊した後,ハシを使って砂から製品を取り出す。
(多少の
砂付は,かまわないので,あまり製品をたたかないこと)ハシは火傷防止のため,
自分だけで使用し,他人との貸し借りをしないこと。
③ 製品をハシで掴んで所定の位置へ移動して,金枠・ハシを片付けて終了。
3.旋盤作業
① 実習中は袖のボタンを必ずとめる。また,作業帽・
保護メガネ・安全靴を使用すること。
② チャックハンドルを使用する場合は,手元電源スイッ
チを切る。チャックハンドルを使用後は,必ず抜き取
っておくこと。
③ 作業中は,手袋を使用しない。また加工中は,機械に
寄りかからないこと。
④ 切屑を除去する際には,素手で掴まないこと。手ぼうき,プライヤなどを使用する
こと。(主軸の回転中は,切屑の除去を行わないこと)
⑤ チャックは,スイッチを切ってもまだ回転しているので,ブレーキを踏んで
確実に止めること。
⑥ バイトの交換や,工作物の測定・給油・清掃などは,必ず機械を停止させ,手元電
源スイッチを切ること。
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⑦ 工作物やバイトは,確実に取り付ける。加工前に必ず固定状態を確認すること。
⑧ チャックの回転中は,よそ見をしたり,機械から離れないこと。
⑨ 機械の上に測定器具や工具類を置かない。測定器具などは,工作台上に整頓して置
くこと。
⑩ 実習終了後は,主軸のレバーをニュートラルにし,チャックの爪は,中心方向に戻
しておくこと。
4.フライス盤作業
① 材料の締付け・取り外し・測定の際には,主軸起動スイッチに触れないこと。
② 自動送りレバーが,中立になっていることを確認すること。
③ 運転中機械等の回転部分(主軸・ハンドル)に
は,絶対に手や顔・ウエスを近づけないこと。
④ 作業服,保護メガネを正しく着用すること。
手袋は,使ってはならない。また,ポケットに
必要のないものを入れない。
⑤ 機械停止時には,切屑を掃き集めて足元を綺
麗にすること。
⑥ 正面フライス作業では,切屑が飛ぶ方向を考
え送り方向を決め,切削中に異常があればすぐに機械を停止できるようにすること。
⑦ 周囲に気を配り安全作業に努める。特に主軸起動時には,他の者の安全を確認し,
また,声をかけ操作を知らせること。
⑧ 機械のハンドル・レバー・スイッチには,必要のないときには手をかけない。また,
そのほかの部分には触れないこと。
5.NCフライス盤
① 材料の締付け・取り外し,測定は主軸が停止して
いることを確認し,必ず「編集モード」で行うこと。
「編集モード」になっているとスイッチを押しても
作動しないので安全である。
② 新しいプログラムで初めて起動する際は,今一度内容
を確認してから起動スイッチを押すこと。
③ プログラムを起動する際,「有効/無効」ボタンがOFFになっていることを確認する
こと。ONになっていると,プログラムで指定した主軸回転数にならない。
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④ 機械を起動するときには,可動範囲に人がいないことを確認すること。
⑤ 刃物の取り付け後,すぐに主軸ロックピン(写真右)
を外すよう心掛け,手動自動を問わず機械を起動する
前にも必ず確認すること。
⑥ ジョグモード,ハンドルモードで操作する場合には,
動く方向,送り速度,倍率を確認して操作を行うこと。
また,操作する軸以外のスイッチは無効にしておくこ
と。
⑦ 加工開始前には,工具,加工物が正しく取り付けられているか必ず確認すること。
⑧ 使用後は必ず機械を停止させてから,切屑の除去・清掃を行うこと。
6.NC旋盤,複合加工機
① 油圧チャックの操作は,ワークの取り付けの
際,偏心しないよう,手(指)等を挟まないよ
うに取り付けること。また,ワークの取り外
しの際,ワークを落とさないよう取り外すこ
と。
② 刃物台の旋回は,X軸+方向の最大位置(最
も奥側)で行うこと。
③ 前面カバー開放時,位置決め作業中など主軸
が回転している場合は,保護メガネを着用す
ること。
④ プログラム運転(加工)の前には,前面カバーを閉じること。
⑤ 切屑の処理は,道具を用い,素手で直接触れないこと。
⑥ 加工を行う前には,必ず,シミュレーション機能を利用し,安全確認を行うこと。(干
渉チェック)
⑦ 初めて(1回目)の加工は,シングルブロック運転で動作を確認しながら行うこと。
そして,起動ボタンを押すときは,オーバーライドつまみを0%にすること。
⑧ プログラム運転中は,緊急時(衝突,バイト破損等)に備え,非常停止できるよう心
掛ける。
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7.切断,折り曲げ,圧延作業(スケヤシャー,ベンディングマシン,折曲げ機,
スポット溶接)
《スケヤシャー》
① 定尺材料を取り出す時は,手袋を着用し,バリなどで
手を切らないように注意すること。また,材料は重い
ので手や足を挟まないように注意すること。
② 使用前に必ず板厚を確認調整してから作業すること。
③ 安全カバーの中に手を入れないこと。また,材料を取
り除く時は,切り刃部分には十分注意すること。
④ 切断する際に,材料の下に手(指)を入れないこと。板押さえが作動して,指を潰す
可能性がある。
⑤ 切断する際に機械の裏側に入らないこと。
⑥ 複数で作業する時は,お互いに様子を確認し,ひと声かけてから切断すること。
《ベンディングマシン》
① ベンディングマシンで曲げる時は,跳ね上がりで手
を挟まないために曲がり始めたら,折曲げ材から手
を離し加圧すること。
② 加工中にレーザーセーフが,反応すると『閉じ操作』
が停止する。閉じフットペダルから足を離し,折り
曲げ材以外のものが挟まれていないか確認した後,再度ペダルを踏むこと。
③ 複数で作業する時は,お互いに様子を確認し,ひと声かけてから加圧する。
《折曲げ機》
① 板厚1mm を超える材料を折曲げてはいけない。1mm を超える場合は,ベンディング
マシンを使用すること。
② 複数で作業する時は,お互いに様子を確認し,ひと
声かけてから折り曲げること。
③ 折曲げ時に指を挟まないように十分注意すること。
《スポット溶接》
① 必ず革手袋・保護メガネを着用すること。
② 電極は,加圧力が強いので,指を挟まないように注
意すること。
③ 溶接中は,強い磁界が発生するので,電極付近に材
料などの鉄製品を置かないこと。
作業終了後は,必ず電源を『切』にすること。
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8.研削盤
① 砥石は,ひびが入ったり割れやすいので,衝撃
を与えないよう丁寧に扱うこと。
② 砥石は,周速度が極めて大きく,少しでもひび
割れが入った場合,遠心力で鉄砲玉のように飛
び散り,非常に危険なのでハンドル操作は慎重
に行うこと。
③ 高速で回転している砥石は,危険である。絶対
に砥石には,手を触れないこと。
④ 研削作業中は,必ず保護メガネを着用すること。
⑤ 砥石交換時は,ひびが入ってないか確認した上で,10 分程度空転させた後,ドレッ
サーをかけ砥石を成形する。
9.溶接作業全般(アーク溶接・ガス溶接・プラズマ切断)
《溶接全般》
① 遮光具を使用して目と顔を保護すること。
また,飛散する火花・スパッタ等から
頭部を守るため,作業帽は,必ずかぶること。
② 材料を移動する時には,必ず革手袋を着用し,
火傷をしないように「ハシ」
「ヤットコ」等の道
具で材料を掴むこと。
③ 材料は,溶接・溶断直後の「赤い色」が消えて通常の色に戻った時点で約 500℃であ
る。革手袋の中で火傷をすることがある。たとえ革手袋を着用していたとしても直
接手を触れないこと。
④ 作業中は,周囲に燃えやすい物を置かないこと。
⑤ 作業服の下には,襟のある服を着用して,火花やスパッタなどの飛散する熱い異物
が,衣服の中に入らないよう気をつけること。
⑥溶接作業では,なるべく素肌の露出を避けた服装で行う。作業を終了しても,後片付
けや掃除が終わるまで全ての保護具は着けたままでいること。
《アーク溶接》
① たとえ電源が切れていたとしても溶接ホルダーを
アースの接続された溶接作業台上に置かないこと。
② アーク溶接機を使わない時は,電源スイッチを切って
おくこと。
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③ アーク溶接のスラグは,目に入らないように十分注意し,飛ぶ方向をよく考えて叩
くこと。
④ 溶接が終わった後,チッピングハンマで叩かなくてもスラグが弾け飛ぶことがある
ので十分注意すること。
⑤アーク溶接中は常に素肌の露出を避けること。(強い紫外線が含まれたアーク光で火
傷をすることがある)
《ガス溶接》
① 溶接器〔トーチ〕のバルブは,使用時のみ開くように
して,火をつけたまま他の人に手渡ししないこと。
② 炎の向きをよく考えて自分にも他人にも向けない
こと。
③ ガスボンベのハンドル〔元栓〕は,使用中必ず付けた
ままにしておくこと。
④ 溶接トーチや、治具等も熱くなっていることがあるので取り扱いに十分注意するこ
と。
《プラズマ切断》
① 切断時は,ハンドシールドなどで目と顔を保護すること。
② トレーサーは,必ず一度空運転してから切断開始すること。
10.研削作業全般(卓上グラインダ,ハンドグラインダ,ディスクグラインダ
,高速切断機)
① グラインダは,砥石が高速で回転している。
巻き込まれる危険があるので安易に手を近づけ
たりしないこと。
② グラインダは,スイッチを切っても,すぐに
は停止しないので特に手が触れないように気を
付けること。
③ 強い衝撃を与えると「ひび」や「割れ」の原因
となるので絶対に,材料をぶつけないこと。割
れると,勢い良く飛散して非常に危険である。
④ 材料は,ワークレスト(支持台)に当てて持ち,ワークレストの上を滑らせるように
して削ること。
⑤ 作業時に発生する切屑は,非常に小さいものである。目にも入りやすいので保護
メガネをかけて目を守ること。また火花の方向にも十分注意すること。
⑥ 加工段階で生成される「バリ」は,非常に鋭利なものである。手が切れるので,間違
っても手(指) で触らないこと。
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⑦ ディスクグラインダを使用する時は,保護メガネ・保護マスク・革手袋,を着用し,
必ず材料を固定して削ること。
⑧ 高速切断機で切断する場合,材料が確実に固定
されていることを確認すること。
また,保護メガネを着用し,切断時に切り刃(砥
石)を材料にぶつけたり押し付け過ぎないこと。
火花の方向にも注意すること。
⑨ 周囲に燃えやすい物を置かないこと。
⑩ 機械の能力以上の作業は,しないこと。
11.レジンダー作業
① 保護メガネ,革手袋を着用して使うこと。
② 使用するときは,材料を回転中心軸よりやや下
に軽く当てて削ること。
③ 上面の平らな部分で削らないこと。
④ 椅子に座って作業しないこと。
⑤ ベルトが,高速回転するので,手が巻き込まれ
ないように十分注意すること。
⑥ ベルトを交換する時は,必ず機械の回転方向とベルトの矢印を一致させること。
12.レーザー加工機
①レーザー光は不可視光で大出力の為,大変
危険である。拡散光を浴びただけで,やけ
どや失明の可能性がある。
②レーザー管理区域に入る際には必ず,レー
ザー用保護メガネを着用すること。
③レーザー光を放出する際には,周囲の状況
を確認し,全員保護メガネを着用している
か確認すること。
④レーザー光を放出しない時は,シャッター切り替えキーを回し,必ず【OFF】にする
こと。
⑤加工終了後の材料は,熱くなり,バリも出ているので,素手で触らないようにする。
13.電子工作,電気回路
① 作業前に,必ず自分の作業スペースをきちんと整理し必要なもの以外は,別の場所
に移動しておく。
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② ハンダ付け作業中は,周りの物を焦がしたり,火傷をしないようにハンダごての
置く場所には十分注意を払う。
③ ハンダ付け作業中以外は,ハンダごてのプラグをコンセントから抜いておく。
④ 作業中,感電の恐れがあるため通電している可能性があるものには絶対に触れない。
⑤ ハンダ付けを終えた後に基板裏側の部品の足をニッパで切るとき,切った足が勢い
良く飛んでいくので,自分や周りの作業者の目に入らないように十分気を付ける。
⑥ 使用する工具(ニッパ,ラジオペンチ,ワイヤストリッパ等)によっては,刃が付
いているものがあるため,怪我をしないよう使用の際は周りにも十分注意を払い,
慎重に使用すること。
⑦ 実習で使用するハンダは,有害な鉛を含まない『鉛フリーハンダ』を使用するが,
作業後は,必ず手を良く洗うこと。
14.シーケンス制御
① 作業盤の配線や修正をする場合,必ず中間スイッチを『切』にすること。
② ドライバは,ネジに合った物を使用し,軽く押し気味に回すこと。
③ ドライバによる締め不足に注意し,配線は,接触不良を起こさないように十分注意
する。
④ エアシリンダを動作させるときには,周囲の安全を確認しながら行うこと。
⑤ 複数で操作する場合には,お互いに声をかけて動作確認を行う。
15.5軸MC
① オペレータドアは閉じるとロックされる。無理にこじ開けないこと。
② オペレータドアを開けた状態ではほとんどの機械動作が制限される。止む終えず,
開けたまま作業する場合は巻き込まれないよう,十分に注意すること。
③ 工具マガジンドアを開ける際は ATC が停止し,手動介入ボタンが点灯していること
を確認して開けること。また,工具取り付けの際は向きに注意すること。
④ 「主軸暖機運転要求」の警告が出ている場合は加工前に 1000rpm で 5 分間の暖機運
転を行うこと。
⑤ 加工室内に工具等を放置しないこと。回転軸動作時に機械を損傷する恐れがある。
⑥ 作成したプログラムは加工前にシミュレーション,ドライラン等で干渉が無いか十
分に確認すること。
⑦ 送り速度,オーバーライドの設定に注意すること。特にドライランでは絞ってから
「サイクルスタート」ボタンを押すこと。
⑧ プログラム運転の際は「フィードホールド」または「非常停止」ボタンに手をかけ,
非常時にはすぐに停止できるようにすること。
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※緊急時の対応について
緊急先電話番号
救急車・消防車
事故発生
→
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機械の電源を切る,ガスの元栓を閉める
↓
はい
けがの程度は切り傷程度か?
→→
工場事務室へ連絡し応急処置を受ける
↓
いいえ↓
↓
大声で周囲に応援を求める
※1.部門担当技術職員は,クラス担当者へ事
↓
↓
実内容を報告する。
2.クラス担当者は,遅滞なく実習担当教員
に連絡し事態に対処をして貰う。
工場事務室に連絡をする
↓
はい
救急車(消防車)が必要か?
→→
↓
総務課に連絡し,救急車の要請を依頼
する。総務課総務係
内線8103
↓
いいえ↓
↓
工場事務室から医務室へ連絡し処置を受けてください
改訂履歴
平成 15 年 3 月作成
平成 18 年 3 月一部改訂
平成 19 年 3 月一部改訂
平成 20 年 3 月一部改訂
平成 21 年 3 月一部改訂
平成 22 年 3 月一部改訂
平成 23 年 2 月一部改訂
平成 24 年 2 月一部改訂
平成 25 年 3 月一部改訂
平成 26 年 3 月一部改定
平成 27 年 4 月一部改定
平成 28 年 3 月一部改訂
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