平成26年度館林市教育行政報告書

平成26年度
館林市教育行政報告書
平成27年9月
館林市教育委員会
Ⅰ
はじめに
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部改正により、教育委員会は毎年、その権限
に属する事務の管理及び執行について点検及び評価を行い、その結果に関する報告書を作成し、
議会に提出するとともに、公表しなければならないこととされました。
この報告書は、同法の規定に基づき、館林市教育委員会が行った点検及び評価を「平成 26 年度
館林市教育行政報告書」としてまとめたものです。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律(抜粋)
(教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価等)
第26条
教育委員会は、毎年、その権限に属する事務(前条第一項の規定により教育長に委任さ
れた事務その他教育長の権限に属する事務(同条第四項の規定により事務局職員等に委任された
事務を含む。
)を含む。
)の管理及び執行の状況について点検及び評価を行い、その結果に関する
報告書を作成し、これを議会に提出するとともに、公表しなければならない。
2
教育委員会は、前項の点検及び評価を行うに当たっては、教育に関し学識経験を有する者の知
見の活用を図るものとする。
Ⅱ
点検及び評価の実施方法
点検及び評価の実施については、館林市教育委員会が平成 26 年度の教育行政方針に基づき、実施
した事務の管理及び執行の状況をもとにして、その事業を次の観点から「点検及び評価」した結果
を記述しています。
1
報告書の体系
・3つの基本目的の設定(幹)
・政策方向や分野の設定(枝)
・政策方向や分野に係る主要項目の設定(小枝)
2
評価項目
【目
標】
達成すべき状態像
【内
容】
事業内容
【点検評価】
Ⅲ
P(Plan)D(Do)C(Check)A(Action)を念頭に評価
学識経験者の知見の活用
点検及び評価の実施にあたっては、その客観性を確保する観点から、教育に関する学識経験を有
する方々に依頼し、点検及び評価の手法や評価内容について、ご意見をいただきました。
氏名
役職
渡
辺
敏 正
関東短期大学学長
橋
本
正 男
関東短期大学こども学科長
館林市の教育施策体系
開かれた教育委員会
教育諸条件の整備
市民の期待に
応えられるよう
教育環境を整
備
就学支援等制度
施設整備
教育施設の整備・充実
設備の改善・充実
(上位目的)
たてばやし市民計画2020
水と緑と人が輝く共創都市
たてばやし
特色ある学校づくり
家庭、地域連携
幼児教育の充実
幼稚園
確かな学力の向上
小中学校
豊かな人間性の育成
小中学校
個性を伸ばす教育の
推進
小中学校
子どもたちが健
やかに成長で
きるまち
館林市の教育
小中学校
体力・運動能力の向上
と食育の推進
学校給食
(前提条件)
市民計画2020の基本目的Ⅳ
及びⅤに、教育環境整備を加
えた3項目を基本目的とする。
分野で言えば、「教育施設や
諸条件などのインフラ整備」、
「学校教育」、そして「生涯学
習」を柱とする。
生涯学習
社会教育
生涯学習の推進
青少年健全育成
図書館
向井千秋記念子ども科学館
学ぶよろこびや
豊かな心を育
むまち
芸術文化活動
文化の振興
文化財
市史編さん
生涯スポーツ
スポーツの振興
競技スポーツ
目
次
基本目的Ⅰ
市民の期待に応えられるよう教育環境を整備 ・・・・・・・・・・・
1
1 教育諸条件の整備
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2 教育施設の整備・充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
基本目的Ⅱ
・・・・・・・・・・・・・・
9
1 特色ある学校づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2 幼児教育の充実
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
4 豊かな人間性の育成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
5 個性を伸ばす教育の推進
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
6 体力・運動能力の向上と食育の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・
18
子どもたちが健やかに成長できるまち
3 確かな学力の向上
基本目的Ⅲ
・・・・・・・・・・・・・・・
21
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
2 文化の振興 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
35
3 スポーツの振興
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
40
学識経験者による全体に対する意見 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
46
学ぶよろこびや豊かな心を育むまち
1 生涯学習の推進
基本目的Ⅰ 市民の期待に応えられるよう教育環境を整備
1 教育諸条件の整備
⑴ 開かれた教育委員会
教育委員会の活動
開かれた教育委員会
広報広聴活動
① 教育委員会の活動
【目 標】
教育振興と教育水準の維持向上を目指して、積極的な教育行政の取組みがなされている。
【内 容】
・定例会、臨時会、協議会の開催 19 回
・国、県等広域委員会活動参加 5回
審議件数 62 件(傍聴人延べ 12 人)
【点検評価】
本市の教育推進に責任を負う立場として、変化する社会、教育改革の動向等を踏まえた教育施策
を推進するため、各種行事や大会へ参加し、定例会等において活発な意見交換が行われた。
② 広報広聴活動
【目 標】
教育委員会活動に関する広報や意見聴取が積極的に行われている。
【内 容】
・委員会開催日の周知(市広報紙、市ホームページ、告示)
・教育委員と語る会の開催(幼稚園長 5人)
【点検評価】
市教育委員会として「館林市教育行政方針」
「館林市教育行政報告書」の広報等を行い、また教
育委員の積極的なイベントへの参加により、
保護者や地域住民の理解と協力を得られるよう努めた。
また、今後の幼稚園運営について市内公立幼稚園長と教育委員による語る会を開催し、出席者か
ら活発に意見が出された。今後も対象や開催方法等を検討して実施する。
⑵ 就学支援等制度
奨学資金貸与事業
就学奨励(援助)事業
就 学 支 援 等 制 度
市立幼稚園第3子以降保育料補助事業
私学振興及び就園奨励事業
1
① 奨学資金貸与事業
【目 標】
経済的理由により進学が困難な者を支援する制度が整備されている。
【内 容】
○貸付状況
・継続 大 学 生
専修専門
高 校 生
・新規 大 学 生
専修専門
高
専
高 校 生
127 人( 39,900 円/月)
12 人( 39,900 円/月)
5 人( 9,000 円/月)
47 人( 39,900 円/月)
5 人( 39,900 円/月)
1 人( 17,500 円/月)
1 人( 9,000 円/月)
【点検評価】
奨学資金制度は、修学の奨励と教育の機会均等などを目的として学生に無利子で貸与し、人材の
育成を進めてきた。更に平成 22 年度からは多様な進路に対応するよう、貸与の対象となる学校の拡
大を図った。また、返還者が未就労や低所得などにより滞納額が増加傾向にあることから、滞納者
及び保証人と密に連絡を取り、一層の返還対策を進めたい。更に、平成 25 年度からは、県外遠隔地
在住の滞納者への直接訪問督促を行い、滞納者の減少に努めた。
② 就学奨励(援助)事業
【目 標】
経済的理由により就学困難な児童生徒の保護者及び東日本大震災により被災し、又は原子力災害
により避難している児童生徒の保護者に対して、学用品費や給食費等相当分を支援する制度が整備
されている。
【内 容】
○要保護及び準要保護援助費の給付者
・小学校 要保護 2 人 準要保護 214 人(当初認定 186 人、追加認定 28 人) 計 216 人
・中学校 要保護 5 人 準要保護 159 人(当初認定 144 人、追加認定 15 人) 計 164 人
○特別支援教育就学奨励費の給付者
・小学校 43 人
・中学校 14 人
○被災児童生徒就学援助事業の給付者
・小学校 6 人 (当初認定 6 人、追加認定 0 人)
・中学校 4 人 (当初認定 4 人、追加認定 0 人)
【点検評価】
就学奨励(援助)制度の主旨により、所得基準をもとに該当児童生徒の日常生活や世帯の諸事情
を考慮し、保護者へ支援を行った。社会経済状況を反映し、年度途中で生活状況が変わり就学困難
な状況にも追加認定を行い、昨年度より多くの保護者を支援することができた。
また、被災児童生徒にも、所得基準をもとに日常生活や世帯の諸事情を考慮し、保護者の経済的な
負担軽減を行うことができた。これからも、制度の趣旨を踏まえ保護者支援を行って行きたい。
2
③ 市立幼稚園第3子以降保育料補助事業
【目 標】
市立幼稚園第3子以降保育料補助事業
市立幼稚園に就園している第3子以降の幼児を扶養している保護者に対して、保育料を支援す
る制度が整備されている。
【内 容】
○市立幼稚園第3子以降保育料補助事業
・北幼稚園 18 人
・南幼稚園
9人
・東幼稚園
3人
・杉並幼稚園 16 人
・西幼稚園 16 人
【点検評価】
子どもを多く持つ保護者が安心して子育てができるよう、子育て支援の一環として、第3子以降
の幼児が市立幼稚園に通う家庭に対して保育料を減免することで、保護者の経済的な負担軽減を行
うことができた。また、平成27年4月からの子ども・子育て支援新制度において、私立幼稚園の
第3子以降の保育料無料化及び公立・私立幼稚園の第2子保育料の軽減を図ることになった。
④ 私学振興及び就園奨励事業
【目 標】
○私学振興
運営費の補助制度があり、私立幼稚園の教育条件の維持向上、保護者負担の軽減、学校(園)経営
の支援が行われている。
○就園奨励事業
保護者の所得状況に応じ、保育料等減免を行った設置者に対する補助制度があり、私立幼稚園の
育成及び保護者の負担軽減が図られている。
○被災幼児就園支援事業
東日本大震災により被災し、又は原子力災害により避難しており、市立幼稚園に在園する幼児の
保護者に対して、保育料、給食費及び教材費等相当分を支援する制度が整備されている。
【内 容】
○私学振興
・補助団体及び補助金額(学校法人富士学園 836,160 円)
(学校法人光楽学園 423,830 円)
○就園奨励事業
・生活保護世帯
2人
・市民税非課税世帯及び市民税所得割非課税世帯
36 人
・市民税所得割課税額 77,100 円以下の世帯
40 人
・市民税所得割課税額 221,200 円以下の世帯
242 人
○被災幼児就園支援事業
・北幼稚園
1 人 ・西幼稚園
1人
3
【点検評価】
○私学振興
少子化による園児数の減少傾向から私立幼稚園を取り巻く状況は引き続き厳しい状況にある。そ
こで、園児数や学級数に応じ、補助金を適切に交付することにより、教育条件の維持向上、保護者
負担の軽減、幼稚園経営の健全化を図ることができた。
○就園奨励事業
平成 26 年度は国の定める補助限度額が改正されたため規則改正を行い、改正内容は幼稚園設置
者及び保護者へ周知した。また、規則改正により増額となった補助金を適切に交付することで、私
立幼稚園の育成、保護者の負担軽減が図られた。
○被災幼児就園支援事業
被災幼児就園支援制度の主旨により、所得額だけでなく該当幼児の世帯の諸事情を考慮し、保護
者へ支援を行ったことで、保護者の経済的な負担軽減が図られた。
2 教育施設の整備・充実
⑴ 施設整備
学校等の施設整備事業
社会教育施設等の維持管理
施
設
整
備
文化施設の維持管理
スポーツ施設等の維持管理
① 学校等の施設整備事業
【目 標】
子どもたちの「学習の場」
「生活の場」としてふさわしい教育環境が整っている。
【内 容】
○第九小学校屋内運動場耐震改修工事(平成 25 年度
建築工事、関連工事、委託費、事業費
屋内運動場
鉄骨造平屋建 面積 643 ㎡
鉄骨ブレース 14 ヶ所
鉄骨造平屋建 面積 62 ㎡
○第十小学校普通教室棟耐震改修工事(平成 25 年度
建築工事、関連工事、委託費、事業費
普通教室棟
RC 造 3 階建 面積 2,580 ㎡
鉄骨ブレース 5 ヶ所
○第一小学校校舎内吊り天井改修工事設計業務委託
○第三小学校校舎内吊り天井改修工事設計業務委託
○第四小学校食堂吊り天井改修工事設計業務委託
○第七小学校校舎内吊り天井改修工事設計業務委託
○美園小学校食堂吊り天井改修工事設計業務委託
4
繰越)
195,231,600 円
耐震改修
増築
繰越)
234,144,000 円
耐震改修
1,242,000 円
378,000 円
367,200 円
388,800 円
626,400 円
○多々良中学校校舎耐震改修工事(平成 25 年度 繰越)
建築工事、関連工事、委託費、事業費
501,260,400 円
管理・教室棟(西) RC 造4階建
面積 4,065 ㎡ 耐震改修
鉄骨ブレース 41 ヶ所
管理・教室棟(東) RC 造 3 階建
面積
440 ㎡
接続廊下改修、外壁改修
○多々良中学校耐震改修工事に伴う仮設校舎賃貸借(平成 25 年度 繰越)
賃貸借費
118,916,640 円
仮設校舎
面積 2,872 ㎡
仮設倉庫
1坪倉庫、2坪倉庫 各1台
○第二中学校校舎内吊り天井改修工事設計業務委託
637,200 円
○第三中学校柔剣道場吊り天井改修工事設計業務委託
594,000 円
○第四中学校柔剣道場等改修工事設計業務委託
2,138,400 円
○多々良中学校柔剣道場吊り天井改修工事設計業務委託
529,200 円
○館林市立学校給食センター基本計画等策定業務委託
3,175,200 円
委託費 新センター整備のための基本計画策定及び施設整備手法の検討
【点検評価】
学校施設の耐震化推進計画に基づき、第九小学校屋内運動場耐震改修工事、第十小学校普通教室
棟耐震改修工事及び多々良中学校校舎耐震改修工事を実施し、小中学校の耐震化率は 98.4%となり
残る 1 棟については解体を実施し耐震化率 100%となる予定である。今後については学校施設の防
災機能強化対策、老朽化対策を計画的に進める必要がある。
また、新たな学校給食センターの整備にあたり、基本計画を策定するとともに、施設整備手法に
ついて比較検討を行い、今後の整備手法の方向性を明確にすることができた。
② 社会教育施設等の維持管理
【目 標】
適切な維持管理がなされ利用に支障がない。
【内 容】
○公民館
・郷谷公民館 別館ホール軒天改修工事 他
・中部公民館 事務室空調設備設置工事 他
・大島公民館 電気湯沸器交換工事
・赤羽公民館 講堂空調設備改修工事 他
・六郷公民館 西側庇下天井他改修工事 他
・多々良公民館 エレベーターバッテリー交換工事 他
・分福公民館 床面張替工事 他
・西公民館 玄関タイル修理及び段差改修工事 他
・城沼公民館 点字ブロック改修工事
・渡瀬公民館 増築工事
・渡瀬公民館 既存改修工事
・渡瀬公民館 増築工事監理業務委託
○図書館
・UVカットフィルム貼付工事
5
565,812 円
2,923,800 円
302,400 円
972,000 円
2,266,200 円
982,800 円
557,772 円
349,272 円
162,000 円
232,046,640 円
2,214,000 円
4,536,000 円
842,400 円
・館内照明器具取替工事(2階閲覧書架・学習席)
・身障者用ブース及びトイレ等改修工事
・正面玄関手すり設置工事
○向井千秋記念子ども科学館
・プラネタリウム機器更新(機器リース)
・トイレ改修工事
2,754,000 円
1,620,000 円
324,000 円
13,503,996 円
2,700,000 円
【点検評価】
公民館では、建設後 25 年以上経過した施設が大半を占めている。緊急性や危険性の高いものか
ら計画的な改修に努めている。特に、平成 26 年度は、渡瀬公民館の増築工事を行い、バリアフリー
化、照明のLED化、エレベーターの設置、多目的トイレの改修等、利用者に配慮した整備を行っ
た。今後計画的な改修を行う。
図書館では、建設後 40 年を経過し、施設・設備の経年劣化が進んでいるが、快適な読書環境を
確保するため、照明の LED 化など計画的な改修を実施している。また、1階トイレの身障者用ブー
スの改修及び2階男子トイレの洋式化、
さらに正面玄関のスロープ部分に手すりを設置することで、
利便性の向上を図ることができた。今後もバリアフリーや安全安心に配慮した施設整備を行ってい
く必要がある。
科学館では、昨年度に引き続きデジタルプラネタリウム機器の更新を図り、7月6日にリニュー
アルオープンした。これにより現在明らかになっている宇宙の姿をデジタル映像とともに臨場感溢
れるサウンドで提供できるようになった。また、トイレを和式から洋式に改修し、利便性の向上を
図ることができた。今後も、計画的に施設・設備の改修等を行い、快適性・利便性の向上に努めた
い。
③ 文化施設の維持管理
【目 標】
芸術文化活動推進のため適切な維持管理がなされ利用に支障がない。
【内 容】
・文化会館、三の丸芸術ホール運営管理
・文化会館大ホール舞台機構設備改修工事
・文化会館会館棟バリアフリー化整備工事
・文化会館会館棟バリアフリー化工事監理業務委託
・文化会館空調設備配管改修工事等
・文化会館大ホール楽屋床張替工事
・三の丸芸術ホール吊り天井調査業務委託
・三の丸芸術ホール舞台機構設備改修工事
・三の丸芸術ホール外壁改修工事
・三の丸芸術ホールトイレ改修工事
100,505,470 円
17,496,000 円
24,954,000 円
1,482,840 円
2,656,800 円
4,320,000 円
291,600 円
669,600 円
2,386,800 円
2,754,000 円
【点検評価】
施設と設備を改修したことにより、快適な施設利用の促進が図られた。老朽化が進んだ施設であ
ることから、今後も、計画的に施設の補修や改修、維持管理を行っていく。
6
④ スポーツ施設等の維持管理
【目 標】
適切な維持管理がなされ利用に支障がない。
【内 容】
○城沼総合体育館
・温水ボイラー№1遮断弁交換修繕ほか 6 件
○城沼陸上競技場
・男子トイレ小便器修繕
○城沼野球場
・照明盤修繕等
○城沼庭球場
・人工芝一部修繕
○城沼市民プール
・ウォータースライダー受けプレート取替工事ほか 8 件
○公園競技施設(高根運動場、東山運動広場)
・東山運動広場夜間照明設備修繕ほか 1 件
○社会体育施設(市民体育館、青少年ひろば)
・市民体育館照明器具修繕ほか 11 件
○小中学校(学校開放事業:第九小、第三中)
・第九小学校夜間照明修繕ほか 3 件
○城沼弓道場
・城沼弓道場新築工事ほか 1 件
855,576 円
25,920 円
394,200 円
105,000 円
6,446,844 円
540,000 円
2,094,800 円
1,972,674 円
43,470,000 円
【点検評価】
施設の老朽化により、突発的に発生する修繕対応が多いが、本来は計画的に施設改修を行ってい
く必要がある。また、今後は、管理者側だけで施設管理を行うのではなく、利用者側にも施設等を
長持ちさせていくための利用法を働きかけていくことも重要である。
城沼弓道場については、平成 12 年に弓道場建設の請願書が出され、平成 25 年度に設計委託、平
成 26 年度にスポーツ振興くじ(toto)から 20,000 千円の補助を受け建設した。
⑵ 設備の改善・充実
① 学校の教材教具の充実
【目 標】
教材教具が充実し、学習環境が整備されている。
【内 容】
・教育用パソコンの更新
タブレットパソコン
小学校 682 台
中学校 310 台
・図書整備率
小学校 128%
中学校 123%
学校図書購入費 9,831,673 円
購入冊数 6,664 冊
理科振興備品費 1,711,810 円
(整備校 3 校:小学校 2 校、中学校 1 校)
7
【点検評価】
教育用パソコンの更新により、ICT環境の整備がなされている。また、小中学校の図書整備率
は標準を達成している。理科振興備品は補助金により、教材教具の更新、充実を図ることができた。
② 公民館設備の充実
【目 標】
公民館設備の充実が図られている。
【内 容】
・印刷機購入(分福公民館・西公民館)
・コピー機購入(西公民館・城沼公民館)
・タイムレコーダー購入(各 11 館)
・渡瀬公民館増築に伴う備品購入
・公用車購入(西公民館)
・その他の公民館備品購入
146,880 円
691,200 円
312,444 円
4,283,316 円
884,845 円
1,745,849 円
【点検評価】
渡瀬公民館では、増築工事を契機に備品の充実が図られた。また、その他の公民館についても備
品の更新・充実を図ることができた。今後も、施設の充実を図るための計画的な備品購入が必要で
ある。
8
基本目的Ⅱ 子どもたちが健やかに成長できるまち
1 特色ある学校づくり
⑴ 家庭、地域連携
家 庭 、 地 域 連 携
地域の教育力の活用
① 地域の教育力の活用
【目 標】
家庭及び地域社会と連携した学校、園の運営が行われている。
【内 容】
・地域の教育力を生かした学校支援体制の充実
・学校関係者評価の実施とその結果を活用した学校づくり
・家庭、地域と連携した読書活動の推進
・家庭、地域と連携した「チャレンジ!飛び出しゼロ運動」の推進
【点検評価】
各学校、園において、地域人材を活用した授業(保育)や行事等が実施され、地域の教育力が生
かされた。また、学校評議員を主体とした「学校関係者評価委員会」により、各学校、園で自己評
価した項目の達成状況や取組等について関係者評価を受け、
学校、
園の運営に生かすことができた。
学校、園において、地域人材のボランティアによる読み聞かせ活動により、本に親しむ機会を設
け、本好きな子どもの育成が図られた。
平成 26 年度交通事故件数は、前年度より減少し、全治1ヶ月以上の重傷事故は1件であった。
今後も引き続き、交通事故の防止には家庭や地域ぐるみで交通ルールの理解と交通マナーの習慣付
けをより一層徹底していきたい。また、通学路の交通安全確保に向けた着実かつ効果的な取組の推
進を図るため、
「館林市通学路交通安全プログラム」に基づき、地域・学校・警察・県・市等の関係
機関が連携しての、合同点検の実施、対策の検討、対策の実施を一連のサイクルとして行った。こ
れにより通学路における安全対策の向上を図ることができた。
2 幼児教育の充実
⑴ 幼稚園
幼
稚
園
発達段階に応じた保育の推進
① 発達段階に応じた保育の推進
【目 標】
発達段階に応じた保育が実践されている。
【内 容】
・幼児の実態に応じた保育の充実
・五園研修会の充実
・幼保小連携の推進
・子育て支援事業の一層の充実
・適切な就学指導の推進
9
・幼稚園巡回相談の実施
【点検評価】
幼稚園訪問において、発達段階に応じた環境の構成と援助のあり方についての指導助言を行った。
また、五園研修会では「特別な支援を必要とする幼児の援助について」の研修会を行い、職員の指
導力の向上を図った。さらに、各地区において、園と小学校の職員同士の情報交換や子ども同士の
交流等が行われ、
その成果を平成 26 年度幼保小連携実践事例集
(第8集)
としてまとめるとともに、
校務支援システムに掲載することにより、だれでもパソコンから閲覧・活用できるようにした。加
えて、各園において子育て相談等が実施され、子育て支援事業の充実が図られるとともに、気にな
る子ども等の適切な教育支援に向けても、園と小学校の連携が図られた。そのほか、教育研究所職
員による幼稚園巡回相談や特別支援教育相談員による相談等、保護者の子育てに関する悩みへの対
応を行った。
3 確かな学力の向上
⑴ 小中学校
授業の評価・改善・充実
教職員の指導力向上
小
中
学
校
少人数指導等への取組
読書好きな児童生徒の育成
地域の産業や地理的環境等の学習
①
授業の評価、改善、充実
【目 標】
確かな学力の向上をめざし、授業の評価、改善、充実が図られている。
【内 容】
○標準学力検査の実施と結果分析の活用
小学校3、4年:国語・算数(平成 27 年 2 月実施)
小学校5、6年:国語・算数・社会・理科(平成 27 年 2 月実施)
中学校1年:国語・社会・数学・理科(平成 27 年 4 月実施)
中学校2、3年:国語・社会・数学・理科・英語(平成 27 年 4 月実施)
学力向上対策会議を年 2 回開催
検査結果をもとにした仮説公開授業の実施(小学校:国・理、中学校:理・英)
○全国学力・学習状況調査の実施と結果分析の活用
小学校6年:国語・算数
中学校3年:国語・数学
各学校の結果分析、改善策、それをもとにした指導・助言
10
【点検評価】
○標準学力検査の実施と結果分析の活用
結果分析を生かした授業の積み重ねと公開研究授業の実施により、本市児童生徒の学力向上と教
師自身の授業改善への意識向上が図られた。しかし、公開研究授業に係る指導に際して、担当指導
主事と教科指導員との間に意識の相違が見られたので、平成 27 年度は、指導方針について今後は十
分に意見交換を図る必要がある。
○全国学力・学習状況調査の実施と結果分析の活用
これまで同様平成 26 年度は、すべての小・中学校で実施。各学校において、つまずきを中心と
した分析を行い、そのつまずきの改善を目指した指導を実施することができた。今後も、つまずき
の改善に向けた指導を継続的に行うことにより、学力向上を図っていく必要がある。
② 教職員の指導力向上
【目 標】
確かな学力の向上をめざし、教職員の指導力向上が図られている。
【内 容】
・「確かな学力」「豊かな心」「健康な体」の育成に向けた10の視点の提示・活用
・学力向上実践推進校の指定(第二小学校:2年次、第五小学校:1年次、第一中学校:1年次)
・教科担任制モデル校の指定(第三小学校:3年次)
・教職員研修会、教育講演会の実施
・学力向上対策紙「のびる」の発行
・教育論文の募集
・校長会委託の教科等研究事業の実施
【点検評価】
「確かな学力」
「豊かな心」
「健康な体」の育成に向けた 10 の視点(指導のポイント)を示すと
ともに、学校訪問の際に活用したことにより、授業づくりなどの面で一定の成果をあげることがで
きた。また、夏季教職員研修会等、職員研修の内容を充実させたことにより、授業改善に向けた意
識の高揚を図ることができた。さらに、県教育委員会発行の「はばたく群馬の指導プラン」
、
「同実
践の手引き」を意図的に活用するよう指導したことにより、思考力・判断力・表現力の育成に向け
た授業づくりが以前よりまして充実してきた。
一方、学力向上実践推進校である第二小学校における「国語科」の取組は、今、国語科の授業で
求められている「単元を貫く言語活動」を取り入れた実践であり、授業づくり、研究体制という点
で、他校にもよき手本となる実践であった。
今後もこのような優れた実践研究を積極的に公開することを通して、授業づくりの活性化を図っ
ていく必要がある。
③ 少人数指導等への取組
【目 標】
指導体制を工夫し、きめ細かな指導が行われている。
【内 容】
○さくらプランの配置
1・2年生 30 人学級
3・4年生 35 人学級
小学校 6 校 8 人を配置(常勤)
小学校 4 校 6 人を配置(常勤)
11
○わかばプランの配置
1年生 35 人学級
○学力向上特配
○教諭補助員の配置
中学校 3 校 3 人を配置(常勤)
小・中学校各1名を配置(常勤)
小学校 3 校 3 人、中学校 4 校 5 人を配置
【点検評価】
○さくらプラン(県費)
ぐんま少人数クラスプロジェクトにより1・2年生 30 人、3・4年生 35 人の学級編制が継続さ
れた。その結果、一人一人の児童にきめ細かな指導が継続可能となり、より一層、児童は「学習内
容がよくわかり、授業が楽しい」と感じるとともに、一定の学力向上を図ることができた。
○わかばプラン (県費)
中学校1年生は、ぐんま少人数クラスプロジェクトにより 35 人学級編制が継続された。その結
果、小学校から入学した生徒が新しい学習環境に適応し、生徒一人一人の興味や理解の状況に応じ
た指導が継続可能となり、より一層、生徒は充実した学校生活を送れるようになった。
○教諭補助員(市費)
小学校は、40 人の学級だけでなく、県費のきめ細かな指導のための特配教員や学級の状況等から、
3校に1名ずつ配置した。その結果、よりきめ細かな指導が行えるようになった。また、中学校で
は、各校に1名ずつ配置したことにより、生徒の興味や理解の状況に応じた指導が充実し、学力の
向上を図ることができた。
上記のように、少人数指導への取組について、人的な配置をしたことにより、小中学校の学習環
境の充実を図ることができた。反面、指導の質の面に関しては、改善の余地が見られる。今後は、
指導内容・指導体制の面において、今まで以上に、改善・充実を図る必要がある。
④ 読書好きな児童生徒の育成
【目 標】
読書に親しむ態度を育て、読書習慣の定着が図られている。
【内 容】
・学校図書館の活用と読書指導の充実
・校内一斉読書等の充実
・家庭、地域、市立図書館との連携
【点検評価】
「子ども読書活動推進計画」に基づき、小中学校だけでなく幼稚園においても読み聞かせや朝読
書が推進されている。その結果、児童生徒が読書に親しむ姿がいままで以上に見られるようになっ
てきた。今後も、地域の教育力を活用し、朝読書の一層の充実を図る必要がある。
⑤ 地域の産業や地理的環境等の学習
【目 標】
自分たちの住む地域や市全体の環境や産業等について観察や調査等を通じて、地域社会への誇り
と郷土愛が育まれている。
【内 容】
・社会科副読本「のびゆく館林」二訂版の活用
12
【点検評価】
市内小学校3・4年生が使用する社会科副読本「のびゆく館林」及び付帯資料の活用を通して、
地域の産業や地理的環境、人々の暮らしやその移り変わり、先人の努力等を学んだことは、児童に
とって、地域社会への誇りや郷土愛をもつよい契機となった。
4 豊かな人間性の育成
⑴ 小中学校
自己有用感をはぐくむ推進
積極的な生徒指導の推進
小
中
学
校
全教育活動をとおした道徳教育の推進
人権尊重の態度を育てる教育の推進
自然を大切にする心の育成
① 自己有用感をはぐくむ教育の推進
【目 標】
きめ細かな児童生徒理解に努めるとともに、自分に誇りのもてる児童生徒がはぐくまれている。
【内 容】
・人とかかわりあう力の涵養
・よりよい人間関係を築く力を育成する学級づくりの推進
・一人一人を生かした体験活動の充実
【点検評価】
人とかかわりあう機会を意図的に設定し、よりよい人間関係の築き方を具体的に指導することに
より、児童生徒が自信をもって体験活動等に取り組むことができた。今後も、小学校社会科での「ス
ーパーマーケットたんけん(探検)学習」や中学校の各種ボランティア活動等、人とかかわりあう
機会を意図的に設定し、よりよい人間関係の築き方を具体的に指導していくとともに、一人一人を
生かした体験活動の充実を図っていく必要がある。
② 積極的な生徒指導の推進
【目 標】
信頼感と心の居場所のもてる指導が図られている。
【内 容】
・あいさつ運動の推進等「ぐんまの子どものためのルールブック 50」の活用
・家庭や地域、関係機関との連携の推進
・問題行動の未然防止と問題傾向をもつ児童生徒への指導・支援の充実
・いじめや不登校減少を目指した指導・援助の充実
・
「館林いじめ防止基本方針」の策定
・
『
【子どもたちを守るための緊急アピール】ケータイ・スマホ・ゲーム機等の安全な使用について
13
(提案)
』を全小中学校保護者あてに発出(小・中校長会、市PTA連合会等関係7団体連名)
・いじめ防止子ども会議の開催
【点検評価】
「ぐんまの子どものためのルールブック 50」を活用したことにより、基本的な生活習慣を身に付
けた児童生徒の育成が図れた。いじめについては、小・中学校において 20 件(小学校8件、中学校
12 件)あった。解消していない件数は年度末で0件だった。また、毎月、全児童生徒を対象に行う
「学校生活に関するアンケート」を今後も引き続き実施し、いじめの早期発見、早期対応を図って
いく必要がある。不登校(年間 30 日以上)については、前年度比でほぼ同数であった。
〔小学校 13
名(±0名)
、中学校 50 人(-1名)
〕
。そこで、人間関係づくりがうまくいかずに不登校になる児
童生徒には、家庭や地域、関係機関との連携を十分に図りながら対応していく必要がある。
一方、いじめ防止等のための対策として、
「館林いじめ防止基本方針」の策定により、
「いじめ問
題対策連絡協議会」といういじめ防止のための組織を設けるとともに、いじめの未然防止、早期発
見、早期解消に向けた対応のあり方等を示し、各学校に対して、いじめ防止に向けて適切な対応を
するよう呼びかけた。
さらに、子どもたちの間で普及している携帯電話・スマートフォーン・ゲーム機等が、学力向上
や健全育成の面で好ましくない影響を与えている現状を鑑み、発出するだけでなく、各学校におい
ては、ケータイ・スマホ・ゲーム機等の安全な使用について、児童会や生徒会の場、学級活動の時
間等において話し合う場を設けたり、いじめ防止子ども会議の議題にしたりするなど、この問題に
対する児童生徒の意識の高揚と、保護者や地域社会への理解と協力に向けて様々な取組をした。
このような取組を行った結果、事後のアンケート調査から、
「9時以降は、ケータイ・スマホ・ゲ
ーム機等を使わなくなった」と回答した小学校児童が約30%、中学校約15%となり、一定の成
果を収めることができた。しかし、未だ過半数の児童生徒は、依然としてスマホ等を9時以降も使
用していることから、継続してこの問題に対して、学校、児童生徒、保護者に対して呼びかけてい
く必要がある。
③ 全教育活動をとおした道徳教育の推進
【目 標】
道徳的実践力を身に付けた児童生徒が育まれている。
【内 容】
・道徳教育実践推進校の指定(第六小学校:2年次)
・学校や日常生活での体験を生かした道徳の授業の推進
・家庭、地域との連携を図った道徳教育の推進
・道徳の時間における指導の充実
・道徳の年間時数の確保
【点検評価】
文部科学省委託道徳教育支援事業実践推進校であった第六小学校の研究発表会では、全県下の小
中学校だけでなく、他県からもたくさんの参加者を迎えて、質の高い研究成果を発表することがで
きた。また、
「望ましい道徳の時間の授業づくり」に向けた協議をするとともに、文部科学省の教科
調査官や県教育委員会の指導主事からの指導等を受けて、
「道徳の時間のよりよい指導の在り方」に
ついて、教員の理解が深まった。
一方、道徳教育推進会議や指導主事訪問等により、全教育活動をとおした道徳教育、家庭、地域
との連携を図った道徳教育の重要性について理解が進み、指導計画の改善・充実が多くの学校で図
14
られてきた。
今後は、第六小学校の実践を他校にいかに広めていくかが課題である。
④ 人権尊重の態度を育てる教育の推進
【目 標】
思いやりの心をもち人権を尊重する児童生徒が育まれている。
【内 容】
・人権にかかわる重要課題に関する学習の工夫や改善(公開授業の実施)
・人権教育年間指導計画の改善
・人権週間にかかわる作品募集と人権擁護作文集の作成
・教職員人権教育全体研修会の開催
・人権教育だよりの発行
・学校人権教育実践事例集の作成
【点検評価】
教職員人権教育全体研修会において「同和問題」に視点をあて、部落解放同盟群馬県連合会副委
員長による「私と同和問題」という演題による講演会を開催した。その結果、教職員の同和問題に
対する見識を高めることができた。また、人権教育だよりや学校人権教育実践事例集では、各校の
具体的な取組を紹介することで、自校の人権教育の推進の一助となった。
今後も、児童生徒が自他を大切にする心をもてるように、人権教育の年間指導計画の見直し、改
善を図りながら、人権教育を一層推進する必要がある。
⑤ 自然を大切にする心の育成
【目 標】
環境問題を理解し、自然を大切にする児童生徒が育まれている。
【内 容】
・環境教育全体計画に基づく授業の実践
・学校エコライフ活動
・尾瀬学校、昆虫の森自然学習教室の実施(希望校)
【点検評価】
各学校において、環境教育全体計画に基づく環境教育の授業が実践され、環境問題を理解し、自
然を大切にする児童生徒の育成が図られた。また、地球環境課との連携により学校エコライフ活動
を実践し、日常生活の中でできる「エコ」に向けて様々な取組を行っている。さらに、尾瀬学校で
は、今年度4校の小中学校が実施し、自然保護や身近な環境問題に対する興味や関心を高めること
ができた。しかし、移動時間に伴う過密な日程など課題もある。
15
5 個性を伸ばす教育の推進
⑴ 小中学校
特別支援教育の充実
キャリア教育の推進
国際理解教育の推進
小
中
学
校
小学校英語活動推進プラン
情報教育の推進
校務支援システムの活用
① 特別支援教育の充実
【目 標】
一人一人の教育的ニーズに応じた指導が行われている。
【内 容】
・適切な就学指導の推進
・特別支援教育介助員の充実(小学校 22 名、中学校 5名)
・特別支援教育に対する啓発活動の推進(啓発紙「ちから」の発行)
・個別の教育支援計画、指導計画の整備と活用
・館林市特別支援学級、特別支援学校入級・入学者の調査、審議並びに就学指導に関する規則、
「通
級による指導」実施要綱等の制定
【点検評価】
実態把握に基づく就学指導の推進と特別支援教育介助員の適切な配置により、一人一人の教育的
ニーズに応じた指導を充実することができた。また、時代の要請を受けて、
「館林市特別支援学級、
特別支援学校入級・入学者の調査、審議並びに就学指導に関する規則」
、
「通級による指導」実施要
綱等を制定して、特別支援教育の環境整備を図った。
今後も、個別の教育支援計画と指導計画のより一層の整備と活用を図っていく必要がある。
② キャリア教育の推進
【目 標】
一人一人の勤労観、職業観が児童生徒に育っている。
【内 容】
・商工会議所と連携した職場体験学習の実施
・小学校における計画的なキャリア教育の推進
・夢カードの作成・活用(小学校6年間・中学校3年間使用)
16
【点検評価】
小学校から継続して「夢カード」を活用したことにより、将来を考えることが大切であるという
意識をもてるようになってきた。今後は、学校だけでなく家庭でも親子で将来について話し合う機
会をもてるように啓発していく必要がある。また、中学校では、商工会議所と連携した職場体験学
習を実施することにより、生徒は、学ぶことや働くことの意義や役割を理解し、夢や希望について
しっかりと考えるようになってきている。今後も、キャリア教育の4つの力(人間関係形成、社会
形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力・キャリアプランニング能力)を各教科・領域
の年間指導計画に視点として位置づけて指導するよう各学校に対して働きかけていく必要がある。
③ 国際理解教育の推進
【目 標】
国際感覚が身についた児童生徒が育っている。
【内 容】
○小学校
複数校に1人の割合で外国語指導助手(ALT)を計画的に配置し、英語活動補助、国際理解教
育等の推進。
( 4 人)
○中学校
語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)によりアメリカ、カナダ、オーストラ
リアより外国語指導助手の配置。
( 5 校、5 人)
【点検評価】
小中学校で外国語指導助手を活用することで、児童生徒の英語への興味・関心が高まり、英語を
用いてコミュニケーションをすることに抵抗感をもたない児童生徒が増えてきた。
今後も引き続き、
授業だけでなく様々な場面でALTを活用していくことが大切である。
④ 小学校英語活動推進プラン
【目 標】
全小学校で英語活動が行われ、児童が英語に親しんでいる。
【内 容】
・英語活動実践推進校の指定(美園小学校)
・コミュニケーション能力の素地の育成
・年間指導計画、レッスンプランの活用
・地域素材集、紙芝居の活用
【点検評価】
実践推進校である美園小学校の学級でのアンケート結果では、ほぼ9割弱の児童が「英語をすす
んで話したり聞いたりしている」と答えるなど、英語を使ったコミュニケーションへの積極的な姿
勢がみられるようになってきた。また、市内小中学校教員の参加による定期的な公開授業(月一研
修)でのよりよい授業づくりに向けた協議や英語指導助手を講師とした研修会をとおして、教師の
指導力の向上がみられた。今後は、系統性を考慮したカリキュラムの作成等、教科「小学校英語」
(5・6年対象)の全面実施に向けた準備をどのように進めていくか考えていく必要がある。また、
「英語にふれる活動」等(1~4年)において、ALTなしで学級担任が授業を進めていく場が増
えることから、教員の英語指導に係る資質向上に向けて、教員に対して、既に継続的に行っている
17
「小学校英語活動ワークショップ」への参加を促すとともに、各校ごとにALTを活用した研修の
場を設けるよう働きかけていく必要がある。
⑤ 情報教育の推進
【目 標】
情報通信技術(ICT)を活用した授業改善と情報モラル教育を推進している。
【内 容】
・ICT機器の活用
・情報モラル教育の実施
【点検評価】
教育の情報化の実態調査から、多くの教師が情報モラル教育やICT機器を活用した指導ができ
る状況である。また、平成 26 年度、教育コンピュータに代わってタブレットが全小・中学校各校に
62 台導入されたことに伴って、電子黒板付プロジェクター等周辺機器も整備され、今まで以上に、
資料や画像などの視聴覚教材等を取り入れた分かりやすい授業が実施されている。情報モラルにつ
いては、技術・家庭科の授業や総合的な学習の時間、学級活動、道徳の時間など、児童生徒の実態
に応じて、計画的に指導が行われている。加えて、全校集会等、様々な場において、警察署職員や
携帯電話会社職員等による講話を含めた指導が行われている。
⑥ 校務支援システムの活用
【目 標】
校務の効率化により教員のゆとりを生み出し、子どもと向き合う時間が増えている。
【内 容】
・出席簿、通知表、指導要録等の作成
・連絡掲示板の活用
・保護者向けの一斉配信メールシステムの活用
【点検評価】
市内小中学校の職員にとって、校務支援システムの活用方法が定着しつつあり、さらに、公簿や
通知票の作成や連絡掲示板、保護者向けの一斉配信メールシステム等の運用についても、校務の効
率化が図られている。しかし、校務の効率化は図られたものの、教員のゆとり及び子どもと向き合
う時間の確保という点については、改善が図られたとは言えない現状にある。今後も、継続して校
務の効率化を図るとともに、データ処理に係る職員の危機管理意識も引き続き高めていく必要があ
る。
6 体力・運動能力の向上と食育の推進
⑴ 小中学校
小
中
学
校
基礎体力と基礎技能の向上
① 基礎体力と基礎技能の向上
【目 標】
児童生徒の基礎体力が向上し、基礎技能が身についている。
18
【内 容】
・部活動外部指導者の活用(全中学校)
・「新体力テスト」結果分析の活用
【点検評価】
市全体で 15 名の部活動へ民間の指導者を派遣することで、部活動の充実とともに生徒の基礎体
力が向上し、基礎技能が身についてきた。
また、
「新体力テスト」の分析結果を踏まえて、本市独自に作成した「体力アップたてばやし 2016
プラン」を有効に活用し、体育・保健体育科の授業改善・充実を図った結果、平成 26 年度において、
小学校では 32 種目中 16 種目が、中学校では 48 種目中 26 種目が群馬県平均を上回った。今後の課
題としては、休み時間や放課後等の有効な活用と家庭・地域との連携を密にした取組を充実させて
いく必要がある。
⑵ 学校給食
食育の推進
学
校
給
食
安心できる給食の安定供給
学校や地域との連携
① 食育の推進
【目 標】
自分自身の健康のために食物や食事に関する理解を深めた児童生徒が育まれている。
【内 容】
・栄養教諭等による学校訪問など食に関する指導の充実
・幼稚園における食育講話の実施
・食育情報の提供(学校給食フェスタ、食育ブログ、広報たてばやし「学校の昼ごはん」掲載など)
・食育標語を通して小中学生の食に対する興味や関心を育成
【点検評価】
給食の時間や各教科・特別活動等を通じて児童生徒一人一人の食事のあり方を指導することによ
り、自ら進んで健康管理をしようとする態度が育成されつつある。
また、幼稚園の保護者に対しては、幼児期における正しい食習慣の確立や生活習慣のあり方につ
いて啓発を行うことにより、保護者の意識改善を図っている。今後も、食育事業や各種広報を通し
た食育情報の提供と併せて、栄養教諭等と連携した食育指導の充実に努める必要がある。
加えて、小中学校の児童生徒を対象に、食に関する俳句「食一句」を募集し、食に対する関心を
高めることができた。
② 安心できる給食の安定供給
【目 標】
保護者や子どもたちにとって安心できる給食を提供している。
【内 容】
・食中毒及び食物アレルギー事故の発生防止と安全確保
19
・給食物資の安全性確認の充実
・給食物資の購入改善
・地場産農産物の活用(館林産米の月 2 回提供など)
・施設設備などの維持管理及び充実
【点検評価】
給食物資の購入改善、民間委託による調理等業務により、徹底した衛生管理と調理指導に努める
とともに、給食物資の放射性物質検査を実施することで、安全で安心な給食供給が図られた。
また、各学校から提出された「食物アレルギー個別取組プラン」を基に、児童生徒に合わせた詳
細な献立表を作成し、学校及び保護者へ提供することで食物アレルギー事故を未然に防ぐことがで
きた。今後も学校及び保護者と連携を図り、食物アレルギー事故の防止に努める。
さらに、館林で栽培された野菜(こどもピーマン、ちぢみほうれんそう)を給食の食材として活
用することで、子どもたちに地場産野菜への関心を持たせることができた。
③ 学校や地域との連携
【目 標】
保護者や子どもたちにとって食への関心が高まり望ましい食習慣がつくられている。
【内 容】
・学校訪問や試食会などの食に関する指導の充実
・食育や食生活に関するアンケート調査の実施
・学校担当者や保護者の意見の活用
【点検評価】
試食会・施設見学等を充実するとともに、ホームページ等により給食への理解を深め、正しい食
育情報が保護者や市民に伝わった。また、栄養教諭等の幼稚園、学校への給食訪問により、給食状
況の実態把握と食の指導が推進された。今後もより積極的な情報発信や訪問活動に取り組み、食へ
の関心が向上するよう努める。
20
基本目的Ⅲ 学ぶよろこびや豊かな心を育むまち
1 生涯学習の推進
⑴ 生涯学習
学習情報の提供
生
涯
学
習
生涯学習ボランティア講師及びふるさとづくり
出前講座の充実
学習成果の発表機会の提供
① 学習情報の提供
【目 標】
学びたい人が求める学習情報を容易に入手できる。
【内 容】
・「たてばやしのまなびぃ情報!」詳細版( 200 部)、チラシ( 1,300 部)
・「ふるさとづくり出前講座」詳細版( 200 部)、チラシ( 2,000 部)
・学習情報の広報紙及び公民館だより(随時)
・市管理以外の情報媒体の活用(随時)
【点検評価】
市及び生涯学習課で管理する情報媒体並びに市管理以外の情報媒体を活用して、学習情報を提
供した。前年とほぼ同様の実績であり、学びたい人への情報提供度は高い。
② 生涯学習ボランティア講師及びふるさとづくり出前講座の充実
【目 標】
学びたい人が学びたいと思う講座がある。
【内 容】
・生涯学習ボランティアによる講座( 11 回、282 人)
・講師登録 (個人 81 人、企業及び団体 7 団体)
・ふるさとづくり出前講座(199 回、7,087 人)
・講座登録(85)
【点検評価】
生涯学習ボランティアによる講座は、回数・参加者数共に減少しているが、これについては、こ
れまで生涯学習課経由でボランティア講師を紹介していた形が減少し、直接公民館が依頼する形が
増加したことに起因すると解される。各公民館において、登録ボランティア講師を中心に多様な講
座が企画・開催されており、生涯学習の輪が拡大している。
また、ふるさとづくり出前講座についても、生涯学習課の仲介がなくとも、積極的に活用する団
体が増加している。その結果として、講座回数、参加者ともに増加しており、身近な学習形態とし
て市民に浸透してきた状況が推察できる。
今後は、更なる活用・発展を目指して、これまで以上に講座の内容や周知方法を検討し、魅力あ
る講師と指導内容についてアピールすることに努めていく。
21
③ 学習成果の発表機会の提供
【目 標】
学んだ人が学習成果を発表できる機会がある。
【内 容】
・ふるさとづくり市民フェスティバル(11,566 人)
・公民館まつり( 10 公民館 、36,782 人)
【点検評価】
ふるさとづくり市民フェスティバルは、毎年参加者とともに工夫を凝らしながら改良を加えてお
り、舞台発表・展示発表など自分たちの手による「学習成果発表の場」であるとの意識付けが定着
してきている。市制施行 60 周年記念として開催された「オープニング講演会」も好評を博した。ま
た、
「子ども会大会」を同日開催していることにより、賑わいの相乗効果が図れている。
公民館まつりについては、渡瀬公民館まつりが公民館増改築工事のため中止となったが、各館と
も創意工夫を凝らしたイベントを実施し、年々参加者は増加している。
今後も、学習成果の発表機会の充実に努めていく。
⑵ 社会教育
社会教育機会(学級講座等)の拡充
人権教育の推進
社
会
教
育
家庭教育の推進
社会教育関係団体の活動支援
公民館ボランティアによる支援
① 社会教育機会(学級講座等)の拡充
【目 標】
社会の課題に対応した学級講座等の学べる機会が提供され、学校教育と社会教育が連携している。
【内 容】
・生涯学習研究集会(171 人)
・市民大学講座( 5 回、2,160 人)
・関東短期大学、東洋大学との連携による公開講座( 6 回、146 人)
・ふれあい稲作体験事業( 4 学級、1,166 人)
・各種学級講座(129 学級講座、22,660 人)
【点検評価】
市民大学講座や大学との連携講座、更に公民館の学級講座等により、多種多様な学習の機会が提
供されている。
生涯学習集会は、一年間の学習成果を学級生同士で共有した上で、課題を追求し、次の活動につ
ながる内容となっている。平成 26 年度は、女性セミナーの部会において、討議方法を工夫すること
で、更なる学習のふりかえりが図られた。
22
市民大学講座は、
「生きるということ」をテーマに各分野で活躍している著名人を招き開催し、
昨年に比べ延べ参加者は増加した。平成 26 年度は、申し込み者に対する当日出席者の割合は、高い
数字を示した。
その他の事業の参加者の数はほぼ横ばいであるが、知的要求を刺激し、新たな分野での講座を数
多く提供できた。
今後も提供する内容を再点検するとともに、市民ニーズや社会課題を的確にとらえた学習プログ
ラムの開発等に努めていく。
② 人権教育の推進
【目 標】
差別をする意識に気づいたり、差別は絶対にいけないことを気づかせる学習機会がある。
【内 容】
・人権教育推進協議会( 2 回、委員 15 人)
・田北東及び野辺集会所運営委員会(各 2 回、委員各 15 人)
・人権教育推進事業( 249 回、6,355 人)
・参加体験型人権教育セミナー( 4 回、223 人)
・社会人権教育指導者養成講座( 3 日、122 人)
【点検評価】
人権教育推進協議会をはじめとする人権教育指導体制の充実を図り、人権教育を推進した。
平成 26 年度の新たな取組みとしては、市内 15 の企業・組合に「社内研修における人権セミナーの
お願い」として、人権教育推進協議会の取組みの紹介と人権セミナーの開催依頼を行った。
今後も本市における人権教育を推進するための改善に努めていく。
③ 家庭教育の推進
【目 標】
子どもを育てるための学習の機会や相談の機会があり、誰でも利用できる。
【内 容】
・家庭教育相談の開催(城沼公民館、月 2 回)
・子育て支援すくすくサポート隊の活動支援と指導( 5 公民館、767 人)
・家庭教育学級、思春期講座、子育て講座の開催と指導( 41 学級講座、5,187 人)
【点検評価】
子どもを育てるための相談を実施するほか、子どもの年齢に応じた家庭教育力の向上を目指し、
親子関係のあり方、子どもを取り巻く家庭環境、社会環境等について学習する機会が、公民館や学
校等で多様に提供されている。
特に、小学校家庭教育学級は、公民館を主たる会場に、講師とのつながりと講座運営のノウハウ
を持つ公民館主事が中心となり実施し、学校との相互協力のもと、子育てに関する情報の共有や子
育ての悩み解消の一翼を担う等の成果を上げている。
今後も、すくすくサポート隊員相互の連携強化を図るとともに、家庭教育学級における学校と公
民館の更なる連携強化に努め、多くの方が参加しやすくなるために、学級生を取り込んだ学習プロ
グラムの一層の研究及び実践が必要である。
23
④ 社会教育関係団体の活動支援
【目 標】
社会教育の目的にかない財源の不足する事業を行う団体に対し、財政支援がある。
【内 容】
・婦人会連絡協議会事業費補助
・小中学校PTA連合会事業費補助
・ユネスコ協会事業費補助
・生涯学習館林市民の会運営費補助
180,000 円
200,000 円
30,000 円
180,000 円
【点検評価】
各団体の決算状況等を勘案しながら、団体の計画した事業が適切に実施できるよう財政支援を行
うとともに、
組織としての活性化をはかり、
自立した活動ができるように育成指導にも努めていく。
⑤ 公民館施設の利用の促進
【目 標】
公民館の利用促進と、利用団体の育成指導が図られている。
【内 容】
利用団体代表者会議の開催 (11 館各 1 回)
【点検評価】
各公民館とも利用団体を対象に、定期団体登録方法や施設利用のルール等の説明を内容とする代
表者会議を開催し、育成指導を行っている。会員が減少傾向にある団体には会員の募集方法等につ
いても説明し、利用促進を図っていく。
⑥ 公民館ボランティアによる支援
【目 標】
公民館活動や清掃などを利用者と協働して行い、社会教育施設として十分に活用される状態を維
持している。
【内 容】
・公民館ボランティアによる施設管理支援(除草、清掃、消毒、樹木剪定等)
・公民館ボランティアによる公民館事業への運営協力
【点検評価】
各公民館とも、公民館職員の要請等に応えて、ボランティア精神に富んだ個人や団体等が、施設
管理の支援や事業の運営協力を行っている。地域住民がボランティアとして公民館運営に協力する
ことは、地域社会の構成員意識を醸成し、地域リーダー育成の契機となると考えられることから、
今後も、積極的な参加を促すための呼びかけや、誰もが気軽に参加しやすい環境づくりに努めてい
く。
24
(3) 青少年健全育成
青少年団体の育成と指導者養成
青少年の健全育成と体験活動の充実
青 少 年 健 全 育 成
地域ぐるみの安全確保及び非行防止活動
青少年をとりまく有害な社会環境対策の推進
相談体制の充実
① 青少年団体の育成と指導者養成
【目 標】
誰でも加入できる青少年団体があり、資格要件を満たす指導者が各地区・各世代にいる。
【内 容】
・青少年指導者養成講座(4 回、15 人)
・青少年カウンセリング入門講座(10 回、36 人)
・子ども会インリーダー養成研修会(国立赤城青少年交流の家、1 泊 2 日、20 人)
・青少年健全育成四団体主催講演会
「セーフネット標語『おぜのかみさま』~子どもをネットの被害から守ろう~」
・青少年団体等の活動支援
子ども会育成団体連絡協議会活動補助
270,000 円
ボーイスカウト館林連合協議会活動補助
20,000 円
ガールスカウト群馬県第 22、66、76 団活動補助
45,000 円
こぶし学級活動補助
40,000 円
館林VYS会活動補助
45,000 円
【点検評価】
青少年健全育成四団体合同事業の講演会は、近年問題となっているインターネット問題への対策
として県が考案したセーフティネット標語を題材とし、広く地域や保護者に警鐘を鳴らすことがで
きた。
青少年カウンセリング入門講座は保護者等にも家庭教育の指針として活用されており、潜在的受
講希望者が多数いると思われることから、開催日程やプログラムに変化を持たせたうえでの継続的
開催が必要である。
今後も各種研修会を継続して実施し、指導者の養成に努めていく。
② 青少年の健全育成と体験活動の充実
【目 標】
青少年期に適した豊かな体験活動に誰でも参加でき、社会体験を深める機会がある。
【内 容】
・中学生対象「少年の主張大会」(参加者 334 人、発表者 10 人)
・青少年育成運動推進大会及び青少年顕彰(参加者 199 人、受賞者 33 人、団体 6 団体)
・夏季教育キャンプ(嬬恋村バラギ高原キャンプ場 2 泊 3 日、65 人)
25
・通学合宿(郷谷公民館 24 人、多々良公民館 28 人、渡瀬公民館 18 人、赤羽公民館 32 人)
・ちびっ子大会( 144 人)
【点検評価】
小中学生を対象に各種体験活動を開催し、多くの子どもたちの参加を得た。特に、公民館を主会
場に地域・学校・家庭が協力して開催される通学合宿事業は4か所で、それぞれ特色ある取組が行
われ、参加児童の人間的成長はもとより、地域住民による運営全般へ参画を通して「地域の中での
子育て」の推進もできた。
年齢に適した社会的体験活動機会の充実は、青少年健全育成に欠かせない重要な要素であること
から、引き続き通学合宿事業等の拡充を推進していくとともに、青少年の居場所づくり対策につい
ても検討を深めていくことが必要である。
③ 地域ぐるみの安全確保及び非行防止活動
【目 標】
地域全体で子どもたちを見守り育て、青少年の非行を防ぐための組織的な体制が整っている。
【内 容】
・子ども安全協力の家(478 戸)
・館林市青少年センター補導員( 100 名、任期 2 年)、補導員会活動費補助
44,000 円
・館林市青少年育成推進員(143 名、任期 3 年)、育成推進員連絡協議会活動費補助 270,000 円
・ゲームセンターや大型店舗及び通学路等の補導防犯パトロール実施
各小学校区ごとに夏、冬、春休みの巡回補導
列車内補導(館林駅 - 花崎駅間、1 回)
、
(館林駅 - 佐野駅間、1 回)
ゲームセンター、カラオケ店等の巡回補導と青少年の利用実態聞き取り調査
・不審者事件情報等に基づく注意啓発
・地域青少年対策委員会の活動支援
【点検評価】
各地域青少年対策委員会の積極的な補導パトロール並びに青少年補導員による定期補導等防犯
活動の実施により、青少年が深刻な犯罪者や被害者となるような事件の発生が抑えられている。
また、児童・生徒が困った時に子どもを手助けして守ってくれる場所として、各地域に子ども安
全協力の家が設置されている。
館林警察署管内において、14 歳未満で罪を犯した少年(触法少年)の検挙者数は前年より増加と
なったが、14 歳以上 20 歳未満で罪を犯した少年(犯罪少年)の検挙者数は前年より減少となり、
飲酒、喫煙、深夜外出等の不良行為も前年より減少となった。特に不良行為少年の減少は著しいも
のがある。
今後も、より一層各地域組織等と連携を深め、補導防犯活動の継続的な取り組みを行っていく。
④ 青少年をとりまく有害な社会環境対策の推進
【目 標】
有害な社会環境に対して効果的な対策が講じられ、青少年の生活環境が健全に保たれている。
【内 容】
・携帯電話、インターネットの安全利用啓発
市広報紙、青少推だより、補導員会だより等による啓発
26
セーフネット標語『おぜのかみさま』リーフレット配布等による啓発
・屋外違法掲示物探知、除去活動
・青少年健全育成啓発パネル展
・「少年の日」、「家庭の日」や「群馬県青少年健全育成条例」の普及啓発
【点検評価】
市内全域での屋外違法掲示物の探知や除却及び携帯電話、スマートフォン、インターネット等の
安全利用の啓発を様々な手段で行っている。その中で特に携帯電話、スマートフォンは、その不適
切な利用によって子ども自身が被害者や加害者となるおそれがある。平成 26 年度は、青少推をネッ
トサポーターとして地域における啓発活動を展開するとともに、各団体の広報紙において、群馬県
のセーフネット標語を『おぜのかみさま』を掲載し、啓発を行った。
今後も学校や関係機関と連携した対策を継続的に推進していく。
⑤ 相談体制の充実
【目 標】
子ども自身の学校生活上の悩みや保護者の子育て上の悩みなどに対応した、相談体制が整ってい
る。
【内 容】
・子ども相談室の運営
電話相談(延 174 件)
来所相談(延 85 件)
Eメール相談(延 15 件)
※相談件数は、青少年センター・教育研究所の合計
【点検評価】
電話相談や来所相談、Eメール相談により、深刻な悩みを持つ青少年の相談に適切に応じること
ができている。また、精神的に不安定な年頃の子どもを持つ保護者の相談にも対応することができ
る経験豊かな相談員による相談体制が整っている。
今後もこの相談体制を維持していく。
27
(4) 図書館
図書資料の充実
郷土資料の充実
視聴覚資料の充実と活用
図
書
館
子ども読書活動の推進
図書館利用が困難な人たちに対する支援
サービスと利便性の向上
協働と参加の促進
① 図書資料の充実
【目 標】
多様な学習ニーズに対応できる資料を蔵書している。
【内 容】
・所蔵資料 360,519 冊、受入冊数 6,591 冊、図書購入費 10,194,938 円
【点検評価】
利用者のニーズに応え、豊富な図書資料を提供することができている。今後とも、利用者の要望
を的確に把握し、より一層のサービス向上に努めていくことが必要である。
また、蔵書数が増え、書庫の収容量が限界にきているため、除籍及び廃棄についても計画的に実
施する必要がある。
② 郷土資料の充実
【目 標】
郷土資料が適切に整理され、また個人所蔵の郷土資料が散逸せずに適切に収集されている。
【内 容】
・所蔵資料 24,562 冊、受入冊数 290 冊、図書購入費 96,676 円
【点検評価】
保有する郷土資料を整理するとともに、
「松野自得句集」や「楫取素彦伝」などの資料を購入す
ることができ、所蔵資料が増加した。今後とも、情報網を駆使してさらなる収集に努めていくこと
が必要である。
なお、収蔵資料の適正な保存管理のため、隔年で実施している書庫のくん蒸を行った。
③ 視聴覚資料の充実と活用
【目 標】
視聴覚収蔵資料が充実し活用もなされている。
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【内 容】
・所蔵資料 14,309 点、受入点数 237 点、資料購入費 1,441,788 円
・映画会 ( 87 回、1,494 人)
・CD朗読鑑賞会( 2 回、10 人)
【点検評価】
音楽や映像資料等の多様なソフトを提供するとともに、所蔵資料を使った映画会や朗読CDを利
用した鑑賞会を開催することで、視聴覚資料の活用が図られた。映画会においては、昨年度に比較
し、1 回あたりの参加者数が増加した。今後も資料の充実と活用を図っていきたい。
④ 子ども読書活動の推進
【目 標】
第二次子ども読書活動推進計画を推進することにより、子どもが自主的に読書を行うようになる。
【内 容】
○ブックスタート事業
・乳幼児からの環境づくり
4か月児健診時( 12 回、557 人) 贈呈絵本 1,033,884 円
○ブックスタートフォローアップ活動
1歳6か月児健診時(12 回、582 人)
○各種イベント
・お話しと紙芝居の会( 43 回、574 人)
・クリスマス会( 100 人)
・人形劇( 78 人)
・図書館たんけん隊( 14 人)
・読書感想文の書き方講座( 38 人)
・親子であそぼ!ニコニコ絵本の広場(18 人)
・子ども読書の日 お話し会 ( 24 人)
・ブックトーク講習会( 10 人)
・自由研究―はじめの一歩( 3 回、12 人)
・納涼きもだめし会( 19 人)
・図書館フェスティバル事業(5 日、179 人)
・読書感想画展(20 点)
○社会体験及び施設見学
・社会体験 ( 5 件、 17 人)
・施設見学 ( 15 件、523 人)
【点検評価】
第二次子ども読書活動推進計画を推進するための各種事業を実施することができた。今後も計画
推進のための積極的な取組が必要である。
秋の読書週間に合わせ、市制施行 60 周年記念事業として、図書館フェスティバルを延べ 5 日間に
わたり開催した。子ども向け事業として、市内の読み聞かせボランティアグループによる読み聞か
せ・バックヤードツアー・クイズラリーを行い、大勢の親子連れの参加があった。図書館に親しむ
良い機会であり、読書への意欲を高めるきっかけづくりとして、次年度以降も読書週間記念事業と
して継続していきたい。
29
⑤ 図書館利用が困難な人たちに対する支援
【目 標】
図書館へ行きたくとも自力で行けない人たちに配本のサービスが行われている。
【内 容】
・在宅高齢者等配本サービス( 24 回、92 人、534 点)
【点検評価】
65 歳以上の高齢者あるいは在宅身体障害者等で、自力で図書館に来館できない人に、ボランティ
アによる配本サービスが行われ活用されている。しかしながら、昨年度に比較して、利用者数が減
少しているため、今後は、配本サービスの周知を図るとともに、対象世帯の増加に対応できるボラ
ンティアの育成を図ることが必要である。
⑥ サービスと利便性の向上
【目 標】
新刊・イベントなどの情報がわかりやすく適時に提供されている。
【内 容】
○情報提供
・ホームページ(アクセス 26,821 件、随時更新)
・広報紙(定期掲載年 12 回、企画時随時掲載)
○企画展
・一般企画 (12 回)
○各種イベント
・図書館フェスティバル落語独演会(47 人)
・著者を囲む会(39 人)
・教養講座(4 回、141 人)
【点検評価】
図書館情報は「広報たてばやし」や公式ホームページを通じて、タイムリーに周知を図っている。
また、ホームページから資料の検索や図書、AV資料の貸出予約が可能となっており、利用者への
利便性が図られている。このほか、群馬県内の公共図書館や大学図書館など 153 施設が加盟する相
互貸借サービスが実施されており、県全体として資料の有効活用が図られている。今後とも、利用
者の要望内容を十分に把握しながら利便性を向上させていく必要がある。
なお、図書館に親しみ、利用者の増加を図るため、各種イベントを開催し、その情報を広く周知
するよう努めた。図書館フェスティバルでは、一般向けの事業として、ブッカーかけサービス・誕
生日の新聞コピーサービス・その他親子で楽しめる諸事業を行った。さらにこの時に落語の独演会
も行い、大変好評であった。今後も内容を精査しながら各種イベントを開催していきたい。
⑦ 協働と参加の促進
【目 標】
ボランティアと協働し、利用者の声を反映した親しまれる図書館となっている。
30
【内 容】
・図書の配架及び整理、修理、蔵書点検(ボランティア会員 55 人)
【点検評価】
図書の配架や資料の修繕等を行うボランティア活動が活発に展開されており、登録者数も増加し
ている。これからも、協働のあり方を念頭に置きながら、ボランティアの意見・要望を図書館運営
に活かし、
多くの人々が気軽に集うことができる使い勝手のよい図書館をめざしていく必要がある。
(5) 向井千秋記念子ども科学館
科学に触れあうきっかけとなる事業の実施
科学に対する学習意欲の向上を図る事業の実施
幼児教育、義務教育の支援
向 井 千 秋 記 念
子 ど も 科 学 館
他地域、他機関との連携
施設運営の充実
適時性のある情報の提供
自立的な支援者の育成
① 科学に触れあうきっかけとなる事業の実施
【目 標】
身近な現象や話題をきっかけとして、自然や星空、宇宙への興味・関心が高められ、利用者増へ
つながっている。
【内 容】
・年間開館日数(300 日、入館者数 58,479 人)
・プラネタリウム投影回数(704 回、観覧者数 18,599 人)
・理科工作教室(11 回、2,252 人)
・サイエンスショー(22 回、1,768 人)
・夜間天体観望会(16 回、528 人)
・公開天文台(24 回、1,048 人)
・公開電子顕微鏡(3 回、172 人)
・えほん de かがく(4 回、384 人)
・特別企画事業
「太陽のふしぎ」
(9,680 人)
市制施行 60 周年・向井千秋宇宙飛行士飛行 20 周年記念事業
プラネタリウムリニューアルオープン記念式典(214 人)
向井千秋宇宙飛行士記念講演会・宇宙サミット(449 人)
宇宙飛行士ゆかりのまち水ロケット大会(283 人)
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【点検評価】
向井千秋宇宙飛行士を招聘し、市制施行 60 周年・向井千秋宇宙飛行士飛行 20 周年の記念事業を
実施した。プラネタリウムリニューアルオープン記念式典では、最新のデジタルシステムに更新し
たプラネタリウムでオリジナル番組を投影し、館林の歴史を紹介するとともに、科学や宇宙への関
心を高めることができた。記念講演会では、誰もが夢を持ち、夢に向かって挑戦することの大切さ
について伝えることができた。また、水ロケット大会では、ゆかりのまちの宇宙少年団の団員同士
の交流を深めることができた。
サイエンスショーや公開天文台等の事業においては、ほぼ昨年同様の参加者数となった。新規メ
ニューの開発や一部リメイク等、これからも内容の工夫に努める必要がある。
プラネタリウム機器更新のため、投影を 2 か月間休止したこともあり、入館者数については、前
年度比 7.8%の減、
プラネタリウム観覧者数は前年度比 17.6%の減であった。
展示物の更新のほか、
展示の見せ方の工夫、デジタルプラネタリウムを生かした番組の選択など利用者拡大につながる事
業展開を図っていく。
② 科学に対する学習意欲の向上を図る事業の実施
【目 標】
ものづくり等の体験を通して科学を学ぼうとする学習意欲が高まっている。
【内 容】
・科学講座(10 回、360 人)
・科学クラブ[3 コース(基礎・応用・発展)
、全 6 クラス]
(60 回、1,349 人)
・自然学習会(7 回、62 人)
・親子いきもの探検隊(10 回、211 人)
・外 4 事業(4 回、108 人)
【点検評価】
各種普及事業では、常に改善、充実に努めることで参加者の満足感が高まっている。普及事業へ
の講師派遣については、小中学校理科部会と連携した取り組みを行っている。さらに、高校や大学、
企業とも連携し、各分野の研究者等を講師に招き、内容の充実を図るとともに、広報活動の工夫改
善も図っている。
しかし、講師の後継者不足が懸念されることから、協力企業や学校等の情報収集に努め、新たな
人材を発掘する必要がある。
③ 幼児教育、義務教育の支援
【目 標】
市内の園児、児童生徒が年に1回は科学館の事業を体験できている。
【内 容】
・市内学校等による来館利用
幼稚園(12 回、 1,049 人) 保育園(17 回、650 人) 小学校(21 回、 1,380 人)
中学校(9 回、835 人) 特別支援学校(1 回、75 人)
高等学校(高等特別支援学校も含む)
(4 回、417 人)
・市内学校等への出前講座
小学校、幼稚園、保育園、公民館等(12 回、558 人)
32
【点検評価】
プラネタリウムリニューアル後は、学習指導要領準拠の番組投影を再開し、例年どおりの利用が
あった。遠方の学校には送迎バスを手配し、科学館を利用しやすいよう配慮した。
プラネタリウムだけでなく、工作やサイエンスショー等と組み合わせた利用が多いことから、よ
り多くの学年に対応したプログラムを準備する必要がある。
さらに、市内の幼稚園、保育園、小中学校、特別支援学校へ新番組等の広報を行うなど、利用向
上にむけ働きかけを行っていく。
出前講座の職員派遣については、今後も市内に重点をおいて進めていく。
④ 他地域、他機関との連携
【目 標】
他地域、他機関と連携した事業の実施により事業の幅を広げ、内容の充実が図られている。
【内 容】
・宇宙飛行士ゆかりのまち交流事業(283 人)
・宇宙の日作文絵画コンテスト(1,274 点)
・職場体験学習受け入れ(6 校、13 人)
・実習等受け入れ(3 校、6 人)
【点検評価】
宇宙飛行士ゆかりのまち交流事業では、ゆかりのまちの代表者と各地の日本宇宙少年団員を招き、
交流を深めることができた。
宇宙の日作文絵画コンテストは作品募集だけでなく、館内に優秀作品の展示を行うことで、より
連携を深めることができた。さらに、関連性を高めるために、同時期に特別展を実施するなどの工
夫を図っていく。
⑤ 施設運営の充実
【目 標】
運営協議会や市民、利用者の意見を参考にして、誰もが安全に活用しやすいよう、適切な施設運
営が図られている。
【内 容】
・運営協議会の開催(2 回 、運営委員 12 人)
・プラネタリウム機器更新
・トイレ改修工事
【点検評価】
事業や施設の運営について、学識経験者、義務教育、幼児教育、社会教育等、各分野の委員と協
議を行い、館の利便性や魅力向上に努めた。
プラネタリウムの機器更新にあわせ、利用者がより多くの事業に参加しやすいよう、投影時間や
各普及事業の実施スケジュールの見直しを行った。トイレ改修工事では、便器を洋式化し、利便性
の向上を図ることができた。今後も計画的に改修を進めていく。
33
⑥ 適時性のある情報の提供
【目 標】
誰もが必要な時に、催し物、講座等の情報を得ることができている。
【内 容】
・ホームページアクセス(53,000 件)
・事業案内パンフレット(4 回発行、各 55,000 部)
・ソーシャルメディアの運用
【点検評価】
催し物、講座等の情報については、適時、ホームページや広報紙に掲載し情報提供を行った。さ
らに、栃木県、茨城県、埼玉県など近隣県からの利用者も多いことから、プラネタリウム等のパン
フレットを、市内の幼稚園、保育園、小中学校、特別支援学校のほか邑楽郡内、栃木県、茨城県、
埼玉県の周辺市町の小学校に配布し、広報に努めた。
さらに、12 月 16 日より、ソーシャルメディア(ツイッター)の運用を開始し、情報をより即時
的に提供できるようになった。
⑦ 自立的な支援者の育成
【目 標】
自らの体験、知識を生かしながら科学館が活動の場として利用されている。
【内 容】
・ボランティア友の会登録者数(個人 46 人、団体4)
・ボランティア友の会フェスティバル開催(友の会 32 人、来館者 677 人)
・ボランティア友の会定例自主事業開催(毎月第1日曜日)
・日本宇宙少年団定例自主事業開催(毎月第 4 日曜日)
・上州竹とんぼの会(毎月第 1・3 日曜日)
・群馬ロボット夢工房(毎月第 2・4 土曜日)
【点検評価】
ボランティア団体や自主グループは、個々の得意分野を生かした活動がより一層充実してきてい
る。記念事業も多くのボランティア会員の協力のもと、実施することができた。各々の団体も、独
自の活動を続けており、館としての育成支援状況は適切と考える。
今後も市民活動が継続するよう、支援を継続する。
34
2 文化の振興
⑴ 芸術文化活動
芸術文化活動の支援
芸術鑑賞事業の実施
芸 術 文 化 活 動
伝統文化の振興
彫刻のまちづくりの推進
① 芸術文化活動の支援
【目 標】
情操を養い、心や生活にゆとりと潤いを生むため芸術文化活動の機会が提供されるとともに、市
民の参加と主体による団体活動が行われている。
【内 容】
○芸術文化活動
・市民芸術文化祭( 14 事業、7,299 人)
・館林市写真公募展( 616 人)
・緑のコンサート( 350 人)
・ピアノフェステイバル( 300 人)
・こども音楽のひろば( 1,300 人)
○文化団体の育成
・館林市少年少女合唱団(活動 49 回、団員 14 人)
・文化協会( 14 部会、85 団体) 他
【点検評価】
市民芸術文化祭は 14 の分野で成果の発表や交流、鑑賞等を行った。館林市写真公募展は高校生
の参加が増え、幅広い年齢層から支持され、好評を博した。芸術文化活動の推進には、今後も練習
や発表の場を確保するなど、活動環境の維持や整備が必要である。
② 芸術鑑賞事業の実施
【目 標】
文化や芸術に対する教養を高め、感受性を育むために、子どもから高齢者までを対象とした優れ
た芸術を鑑賞する機会が設定されている。
【内 容】
・小中学校芸術鑑賞教室( 9 回、6,428 人)
・自主事業( 12 事業、6,917 人)
【点検評価】
小中学校芸術鑑賞教室は、それぞれの年齢層にあった優れた舞台芸術の鑑賞機会を設け、鑑賞能
力の向上と情操育成を図ることができた。また、一般を対象とした自主事業では、国内外のアーテ
ィストの公演や児童劇等の様々なジャンルで鑑賞の機会を設けた。これからも、より感動を与える
35
鑑賞事業を企画していく必要がある。
③ 伝統文化の振興
【目 標】
郷土芸能等の伝統文化を学び発表する場がある。
【内 容】
・三味線教室( 10 回、114 人)
・囲碁教室( 6 回、81 人)
【点検評価】
三味線教室は、幅広い年齢層の参加があり、三味線の習得をとおして日本民謡について知ること
ができた。練習の成果は「市民民謡民舞まつり」で発表することができた。
囲碁教室では、ルールだけでなく、生活文化として親しまれてきた囲碁の歴史についても知るこ
とができ、伝統文化の普及に効果があった。参加者は囲碁級位認定を受けることができた。
今後も引き続き、伝統文化を学ぶ様々な機会を提供していく必要がある。
④ 彫刻のまちづくりの推進
【目 標】
彫刻の小径等、郷土の自然や歴史と調和した豊かな芸術文化環境が整備されている。
【内 容】
・彫刻教室の開催( 4 回、38 人)
・彫刻の小径作品等の補修( 5 点)
・普及事業の推進(彫刻鑑賞会の開催、彫刻の小径案内板の作成)
【点検評価】
「彫刻教室」や「彫刻鑑賞会」を開催し、彫刻作品に触れる機会を多く設けたことで、彫刻に対
する意識の高揚を図ることができた。また作品の補修等を行い、鑑賞環境の整備を図ることができ
た。今後も普及事業の充実を図っていく必要がある。
⑵ 文化財
文化財の保護と管理
文化財の調査と研究
文
化
財
文化財の普及と活用
文化財関連施設の管理と運営
① 文化財の保護と管理
【目 標】
先人の残した文化遺産を後世に伝えるため、文化財の保護と管理が適切に行われている。
36
【内 容】
・文化財保護審議会の運営(年 2 回)
・文化財の定期巡回、状況把握、維持管理(通年)
・指定台帳、遺跡台帳の補完(随時)
指定文化財の維持管理計画の策定( 17 件)
・指定文化財の整備(随時)
文化財の改修
市指定重要文化財「旧館林藩士住宅」
・茂林寺沼及び低地湿原の保護、保全(通年)
北側隣接水路浚渫・整備工事、ヨシ刈り、地元住民との連携事業等
【点検評価】
文化財保護のため、教育委員会の諮問に応じ文化財保護審議会を開催したほか、破損した文化財
の修理を行った。また茂林寺沼湿原環境保護のため、水環境の整備をはじめとして、地元住民と連
携した事業である湿原清掃活動、カキツバタ里親制度を展開した。これからも各文化財の適切な維
持管理を行っていく。
② 文化財の調査と研究
【目 標】
本市に存在する文化財が紛失されることなく把握され、体系だてて整理されている。
【内 容】
・埋蔵文化財緊急調査、整理(調査4遺跡、整理4遺跡)
・茂林寺沼低地湿原環境調査(水質分析、地下水調査、環境復元試験等)
・歴史的遺産保存のための調査(旧館林二業見番組合事務所等)
・館林藩関係資料(
「奏者番手控」の解読)や田山花袋関係資料(日記等)の調査研究
【点検評価】
埋蔵文化財包蔵地における開発行為の前の緊急発掘調査を実施した。また、館林藩主秋元家に関
わる資料の解読調査、茂林寺沼及び低地湿原のモニタリング調査等を継続して行った。自然、民俗
や芸術関係も含め、今後も引き続き調査や研究を進めて行く必要がある。
③ 文化財の普及と活用
【目 標】
誰でも知ろうと思えば、本市の文化財について知ることができ、その内容や価値について理解す
ることができるよう目録や文献が整っている。
【内 容】
・文化財教室等の開催(7 回)
・広報活動、ホームページの充実等(随時)
・レファレンスサービス(随時)
・刊行物やパンフレット等の作成(随時)
【点検評価】
文化財愛護団体やボランティア、学校と連携して文化財及び施設活用を促進した。今年度も、文
37
化財を利用したイベントや講座等を開くとともに、パンフレット等を作成するなど、文化財の周知
を行った。今後も文化財の普及啓発を図っていくことが必要である。
④ 文化財関連施設の管理と運営
【目 標】
資料館、文学館、武鷹館等、文化財関連施設が設置趣旨に則って運営され、その役割を果たして
いる。
【内 容】
・資料の収集と整理(収蔵資料、28,508 点)
・資料の特別利用(24 件)
・文化財関係資料の教材化(12 件)
・特別展や企画展の開催(4 回、7,632 人)
・施設の省エネ対策(LED スポットライト、23 台)
【点検評価】
資料館、田山花袋記念文学館、武鷹館等の利用者は、昨年度より増加した。資料館や文学館につ
いては、市制施行 60 周年に伴う特別展が開催され、市内外の人に館林の歴史や郷土の誇る文豪につ
いて正しく理解する一助になり得た。また、燻蒸の実施により資料の適切な保管整理が行われた。
今後も適切な施設の管理、運営を図っていく。
⑶ 市史編さん
『館林市史』の刊行
市
史
編
さ
ん
市史編さん資料の収集、調査研究
① 『館林市史』の刊行
【目 標】
『館林市史』全 16 巻を順次刊行することで、館林市の歴史・文化・自然を後世に伝える。
【内 容】
・
『通史編1-館林の原始古代・中世-』
(12 冊目)の編集と刊行
【点検評価】
『館林市史』12 冊目を刊行することで、市民へ本市の歴史・文化についての理解をより一層深め
ることができた。今後も計画にそって順次刊行を進める。
② 市史編さん資料の収集、調査研究
【目 標】
市史編さんのための資料の収集や調査研究が行われるとともに各種委員会が趣旨にそって運営
され、編さん事業が円滑に進んでいる。
【内 容】
○各種委員会の運営
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・館林市史編さん委員会の運営(年 2 回)
・館林市史専門委員会の運営(年 4 回)
・調査協力員会の運営(年 2 回)
・専門委員会各部会の調査活動(自然、原始古代、中世、近世、近現代、民俗の 6 部会)
○市史編さん資料の収集・調査研究
・古文書資料の収集(県立文書館等資料 2,000 枚)
・古文書資料の解読と目録作成( 10 件)
・歴史的建造物の調査(3 件)
【点検評価】
各種委員会の運営により、
『館林市史』の編集・刊行を進めている。また、専門委員会各部会の
調査活動により、市内外の館林に関する歴史・文化・自然に関する資料を収集し、市史の編集に活
用することができた。今後も引き続き、資料の収集・調査研究を進める。
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3 スポーツの振興
⑴ 生涯スポーツ
第二次生涯スポーツ振興計画の推進
スポーツ教室等の開催
スポーツ大会の開催
少年スポーツ活動の推進
生 涯 ス ポ ー ツ
スポーツ振興モデル事業の支援
気軽に楽しめるスポーツの普及
学校体育施設の開放
スポーツ情報の提供
① 第二次館林市生涯スポーツ振興計画の推進
【目 標】
第二次館林市スポーツ振興計画を市民、学校、企業などに周知を図り、協働して生涯スポーツの
まち実現を目指す。
【内 容】
○第二次館林市生涯スポーツ振興計画の周知
・冊子、ダイジェスト版を体育館窓口に置いて自由に手にとるようにしてある。
・各種スポーツ会議等において配布、説明(スポーツ懇話会、山形県上山市交流ほか)
○第二次館林市生涯スポーツ振興計画に記載してある数値目標の達成
・振興計画完成後もスポーツレクリエーション祭、市民総合体育祭、体育協会各支部へスポーツ
に関するアンケート実施をしている。
(回収件数 422 件、前年度 318 件)
【点検評価】
この振興計画の取り組みが柱となり、本市スポーツ振興を行っているため、詳細については下記
②スポーツ教室等の開催~⑧スポーツ情報の提供の点検評価となる。
② スポーツ教室等の開催
【目 標】
参加者が種目別の講習等の参加をとおして、スポーツや体力づくりの正しい知識を身に付けられ
る機会がある。
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【内 容】
○スポーツ教室
・パドル体操教室( 5 回、47 人)
・フラフープエクササイズ教室(4 回、56 人)
・アクアビクス教室(5 回、62 人)
・ズンバ&ヨガエクササイズ教室( 5 回、124 人)
・親子スポーツ体験教室( 7 回、483 人)
・聴覚障がい者ヘルスバレーボール体験教室(24 人)
○健康体力づくり事業
・ターゲットバードゴルフ交流会( 64 人)
・水中かるた大会( 124 人)
・市民体力測定( 88 人)
【点検評価】
スポーツ教室においては、市民ニーズを踏まえ、新規開催、実施回数増等を図り、スポーツ人口
の拡大を図った。
ズンバ教室では、教室終了後、自主グループが結成される等の成果がでている。
健康体力づくり事業のターゲットバードゴルフ交流会、市民体力測定については、スポーツ振興
課単独事業とは別に他団体事業とタイアップして開催している。特に市民体力測定では、悪天候に
も関わらず、参加者の増加がみられた。
また、初めて障がい者スポーツ振興事業として、社会福祉課と協働で聴覚障がい者を対象にヘル
スバレーボール体験教室を開催し、参加者から好評を得た。
なお、各事業ともアンケートを実施しているので、その結果を分析し今後の事業開催に反映でき
るよう今後も心がける必要がある。
③ スポーツ大会の開催
【目 標】
スポーツ愛好者が成果を図り交流を深める場がある。
【内 容】
○市民総合体育祭(2,900 人)
○市民総合体育祭支部対抗球技大会(6 種目、731 人)
○体育協会主催(委託)大会(17 事業、6,632 人)
(内訳)
・市民体育行事(駅伝、シャトルマラソンほか 5 事業、4,981 名)
・県民体育大会派遣事業(6 事業、566 名)
・体育協会事業(4 事業、1,085 名)
○体育協会加盟団体主催大会
・春季大会( 25 種目、6,690 人)
・秋季大会( 24 種目、 4,813 人)
○市制施行 60 周年記念事業
・上山市、館林市スポーツ交流協定調印式(5 月 4 日、121 名)
・全日本マスターズレガッタ館林大会(5 月 24.25 日、2,900 名)
・夏休みラジオ体操会(8 月 5 日、500 名)
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【点検評価】
市民総合体育祭及び支部対抗球技大会は、開始 30 年を経過したことから、内容・あり方等につ
いて、協議継続中である。
駅伝、シャトルマラソンでは、大会運営についての懸案事項であった企業協賛を得ることができ
た。今後も、継続して大会運営について検討していく必要がある。
また、市制施行 60 周年事業では、30 年も続いている上山市少年サッカー交流が、両市のスポー
ツ交流協定へと繋がった。全日本マスターズレガッタ大会では、全国から約 1,200 名もの選手・役
員が参集し、広く館林市をPRすることができ、また、大きな経済効果も得ることができた。
④ 少年スポーツ活動の推進
【目 標】
子どもたちがスポーツを通して健康な体と心を養い、ルール意識を育むことができる。
【内 容】
○スポーツ少年団( 34 団体、701 人)
・主催大会( 8 種目、2,291 人)
・「目で見る活動記録展」(3 ヶ所、述べ 79 日間)
【点検評価】
各単位団において活発な活動、競技力の向上を目指した各種大会を継続して行っており、関東大
会や全国大会に出場するなど、競技力の向上の成果は現れてきている。
また、スポーツ少年団活動を広くPRするため、スポーツ少年団加盟団体を紹介した「スポーツ
ジャスト」を作成して小・中学校の児童・生徒へ配布した。
「目でみる活動記録展」については、従来、城沼総合体育館と市庁舎市民ホールにて開催していた
が、アピタ、館林駅へと展示箇所を拡大したため、広くPRすることができた。
⑤ スポーツ振興モデル事業の支援
【目 標】
体育協会各支部と連携した総合型地域スポーツクラブが各支部にあり、誰でも参加できる。
【内 容】
・館林ジョイスポーツクラブの設立準備支援
【点検評価】
美園小学校エリアを拠点とする館林ジョイスポーツクラブも総合型地域スポーツクラブとして
設立準備を進めているため、西スポーツクラブ同様に、クラブが自立運営していくために必要な支
援を行っていく必要がある。
⑥ 気軽に楽しめるスポーツの普及
【目 標】
健康維持や増進のためのスポーツ、レクリエーションの普及活動が行われており誰でも参加でき
る。
【内 容】
○地域スポーツ活動(館林、渡瀬支部を除く 6 支部、16 日間、1,712 人)
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○スポーツ振興モデル地区活動推進事業(館林支部、3 日間、260 人)
○ニュースポーツの普及・振興
・たてばやしスポーツレクリエーション祭(642 人)
(市民体力測定 88 人、大綱引き 486 人。 体験型事業:ヘルスバレーボール 35 人、
タグラグビー33 人)
・たてばやしウォークラリー( 550 人)
・西スポーツクラブ体験教室(ヨガ 14 人、ダーツ 36 人)
・スポーツ普及のための講習会( 医科学講演会、82 人)
【点検評価】
体育協会各支部において、地域におけるスポーツ活動を開催した。また、誰でも参加できる「た
てばやしスポーツレクリエーション祭」を開催し、楽しみながらできるスポーツの普及活動を行っ
た。引き続き事業を開催しながら種目などの工夫に努め、参加者の増加を図る必要がある。
⑦ 学校体育施設の開放
【目 標】
身近な体育施設である学校が開放され利用できるようになっている。
【内 容】
・市内小、中、特別支援学校 17 校(利用 9,399 件、137 団体)
【点検評価】
運営については「学校開放運営委員会」を各学校に設置し、自主運営を行っている。今後の課題
として、屋外照明設備の老朽化に関しては計画的な設備改修が必要である。
⑧ スポーツ情報の提供
【目 標】
市内で行われるスポーツの情報がいつでも見ることができるようになっている。
【内 容】
・大会、教室の募集記事の広報、ホームページ掲載(大会 19 回、教室 37 回)
・スポーツ情報の広報掲載(施設だよりの掲載 12 回、23 事業)
・スポーツ施設等の情報の広報、ホームページ掲載( 17 回)
・ホームページの更新回数( 62 回)
【点検評価】
教室や大会の募集記事、施設の休館日のお知らせを市広報とホームページへ掲載しているが、今
後、公民館だよりへの掲載など、公民館等との連携、情報提供の多様化を図る必要がある。
43
⑵ 競技スポーツ
指導者の育成
各種スポーツ団体の育成と強化
競 技 ス ポ ー ツ
各種スポーツ選手の育成と支援
指導体制の充実
① 指導者の育成
【目 標】
指導力のある指導者がいて力を発揮している。
【内 容】
・普通救命講習( 36 人)
【点検評価】
スポーツ指導者として、活動中の不慮の事故に対処できるよう普通救命講習を行った。
スポーツ活動が多様化・高度化すると、スポーツ指導者に対する多種多様なニーズが求められる。
そのニーズに対応するため、指導者には幅広い教養と専門的知識、そしてより高い指導技術を備え
ることが求められている。今後さらに正しい指導法や専門知識を身につけたスポーツ指導者の育成
を継続的に行う必要がある。
② 各種スポーツ団体の育成と強化
【目 標】
県民体育大会で総合成績の上位入賞を果たし、また、全国大会、関東地区大会で活躍できる選手
や団体が増える。
【内 容】
・体育協会加盟団体への補助( 47 団体)
3,112,000 円
・スポーツ少年団加盟団体への補助( 35 団体) 630,000 円
【点検評価】
県民体育大会上位入賞を狙うべく、選手強化委員会による各競技団体意見交換を行い情報の共有
化を図り、事前に選手強化練習を行う競技団体に対し、会場確保の優先及び会場使用料の減免等を
行う強化支援に努めていく必要がある。
③ 各種スポーツ選手の育成と支援
【目 標】
すべての競技種目にわたって受賞者が増える。
【内 容】
・選手派遣費の交付(県民体育大会 5 事業)
1,432,731 円
栄養費、交通費、参加費等
・県スポーツ少年団大会選手派遣費の交付(7 種目) 180,000 円
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栄養費、交通費
【点検評価】
館林市を代表して大会に臨む選手に対し派遣費を交付している。選手が大会に参加しやすいよう
今後も継続することが必要で、また、選手や指導者の励みとなるよう制度を継続していくことも必
要である。
④ 指導体制の充実
【目 標】
指導力のある指導者が連携して的確な指導を行っている。
【内 容】
・体育協会における専門部会運営
・指導者リーダーバンクの設置準備
【点検評価】
競技により指導内容が異なることや協会の考え方の違いなどがあるが、指導体制を確立するため、
引き続き問題点や指導方法等について協議と研鑚に努めていく必要がある。
また、指導者バンクの整備や指導者を把握した中で、広範な指導者との協議を進め、具体的な指
導体制を構築することも必要である。
45
学識経験者による全体に対する意見
関東短期大学 学 長
同
渡
辺 敏 正
こども学科長 橋 本 正 男
平成26年度館林市教育行政報告書は市教育施策体系に示されたとおり、目的別に事務事業
が体系化され、わかりやすく表現されている。
実施した各事業については、国や県の動向を踏まえるとともに市教育行政方針に基づき目標
を実現するための施策が記述され、限られた予算、人的資源などを最大限に活用し、平成25
年度の「点検評価を」を生かした活動が推進されていると判断できる。また、教育委員会とし
ての継続的な事業はもとより新たな課題にも積極的に取り組むなど、教育環境の整備及び教育
内容の改善に向けた不断の取り組みは評価できる。
なお、各領域に関する意見については下記のとおりである。
基本目的Ⅰ
市民の期待に応えられるよう教育環境を整備
1.教育諸条件の整備
教育委員は、各種行事・大会等への参加をとおして、市民のニーズを把握するなど積極的な
取り組みを推進している。また、語る会については年度ごとに対象を検討し、様々な視点から
広く意見を把握し、教育施策へ反映していると判断できる。
就学奨励制度については、子ども・子育て支援新制度への対応等積極的に保護者の負担軽減
や教育条件の維持向上に努めている。今後とも事業の継続を期待したい。
2.教育施設の整備・充実
各教育施設の整備については、緊急性や危険性を十分考慮し、限られた予算の中で計画的に
補修、改修が進められ、特に、学校施設の耐震化等の対応では大きく改善しており、利用者の
安全・安心及び建物の耐久性が高められた。今後も計画的な対応が必要である。
基本目的Ⅱ
子どもたちが健やかに成長できるまち
1.特色ある学校づくり
地域の教育力を生かした学校支援体制が工夫され、教育活動の充実が継続的に図られてきて
いる。特に、
「学校関係者評価」等を活用し、学校、園の運営改善に取り組んでいることは評価
できる。
児童・生徒の交通事故防止についても保護者をはじめ地域の関係機関と連携し、
「館林市通学
46
路交通安全プログラム」に基づいた一連のサイクルが機能し始め、成果を上げていると判断で
きる。更なる成果を期待したい。
2.幼児教育の充実
五園研修会を通した職員の指導力向上への継続的な取り組みに加え、各地区での幼稚園・小
学校の職員合同研修会の成果が「平成26年度幼保小連携実践事例集」としてまとめられ、そ
の活用も図られている。また、子育て相談等も計画的に実施され、保護者の子育てに対する悩
み等への対応も評価できる。子育て支援事業の充実に向けて継続的な取り組みが必要である。
3.確かな学力の向上
学力検査の結果分析を確実に実施するとともに基礎・基本の確実な定着を図る授業づくりが
継続的に推進されている。また、第二小学校における研究が大きな成果を上げ、本市の国語科
の指導に大きく寄与していると判断できる。
少人数指導への取り組みでは、一人一人の児童・生徒へのきめ細かな指導が継続され、学習
活動や生徒指導の充実が図られ、児童・生徒の安定した学校生活が展開されている。今後も確
かな学力の向上に向けた着実な取り組みが必要である。
4.豊かな人間性の育成
豊かな人間性を身に付けた児童・生徒を育成するため、家庭・地域・関係機関との連携によ
る積極的な生徒指導や全教育活動をとおした道徳教育の実践等が行われている。特に、第六小
学校の道徳教育の実践が大きな成果を上げていることが伺え、本市の道徳教育のますますの充
実に期待したい。また、いじめ防止や携帯電話の使用など対応を迫られた緊急的な課題にも積
極的に取り組んできたと判断できる。保護者・関係機関との連携の下、一層きめ細かな指導・
援助が必要である。
5.個性を伸ばす教育の推進
新たな教育支援に関する規則等を制定し、特別支援教育の環境整備が推進されていると判断
できる。個別の教育支援計画、指導計画の整備と活用とともに今後さらに充実を期待したい。
「夢カード」の活用等を通して一人一人の児童生徒に望ましい勤労観や職業観が育ってきて
いるが、キャリア教育の一層の充実を期待したい。
6.体力・運動能力の向上と食育の推進
「体力アップたてばやし 2016 プラン」を活用し、体育の授業改善・充実に努め、体力・運
動能力の向上が確実に図られていると判断できる。
食育の推進については、食育情報の提供、食育標語など様々な事業をとおして意識改革が図
られ成果を上げていると評価できる。また、近年問題となっている食物アレルギーについても
きめ細かな取り組みが展開され、安全確保が図られている。今後も、家庭・地域との連携を強
化し、推進されることを期待したい。
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基本目的Ⅲ
学ぶよろこびや豊かな心を育むまち
1.生涯学習の推進
(1)生涯学習
生涯学習に関する情報を多様な媒体を通して提供している。ボランティア講座や出前講座は、
公民館や団体等による自立的で積極的な企画が増加しており、身近な学習形態として定着して
いる。また、学習成果は各種イベントを利用するなど発表の機会もある。今後とも魅力ある講
座内容やその周知方法など、更なる検討を期待したい。
(2)社会教育
市民大学講座や公民館の学級講座など、市民ニーズに基づく多種多様な学習機会を提供して
いる。人権教育では、市内の企業等に協力を求める新たな取り組みも行っている。子育てに関
しても、学校や公民館等を利用した学習機会を数多く提供している。今後も関係機関と連携し
ながら魅力ある講座内容の検討や、社会教育施設としての公民館の利用促進が望ましい。
(3)青少年健全育成
青少年団体の育成と活動支援は適切に行われ、年齢に適した行事や体験活動には安定した参
加者がある。地域・学校・家庭が協力して実施する通学合宿は、児童及び地域にとっても有意
義な体験活動といえる。今後は、非行防止や健全育成のため、各組織・団体が連携して組織的
で持続的な活動による社会環境の整備や、子どもの居場所づくりの検討も重要である。
(4)図書館
多様なニーズに応じた図書・郷土資料や視聴覚資料の充実・整備に向けた取り組みがなされ
ている。また、ブックスタート事業やイベントの工夫により、親と子の読書に対する関心を高
めている。イベント情報の提供、利用困難者に対する配本サービス、ボランティアとの協働な
ど、今後とも図書館の利便性向上とともに、親しまれる図書館づくりが望まれる。
(5)向井千秋記念子ども科学館
天体や宇宙、科学に関する常設的な展示のほかに、子どもの学習意欲を高めるため科学講座
や各種の教室を実施しており、市制施行 60 周年の記念事業も実施した。今後は、展示物や企画
の工夫、ボランティア団体との協働、学校との連携による事業実施が必要であり、施設機器の
維持管理を適切に行いながら、一層の利用者拡大を期待したい。
2.文化の振興
(1)芸術文化活動
さまざまな分野で芸術文化活動を支援しており、市民の主体的な活動の場を確保したり、多
様な芸術鑑賞事業も実施している。また、伝統芸能に関する学びや、彫刻のまちとして自然と
調和した芸術環境整備を推進している。今後とも、市民ニーズに基づく芸術文化の振興と芸術
活動への支援が望まれる。
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(2)文化財
文化財の保護と維持管理、関連施設の管理運営は適切で、自然、民俗、芸術関係の調査研究
も計画的に実施している。文化財教室や印刷物等による普及活動とともに、特別展や企画展は
参加者が増加している。今後とも、文化財ボランティアや学校等との連携を強化し、資料整理
や文化財の維持管理、普及啓発活動も継続することが望ましい。
(3)市史編さん
史編さん委員会の編集方針に基づき、専門委員会や調査協力員会による市内外の資料収集、
調査活動によって編集された市史は、
「館林の原始古代・中世」の内容で全 16 巻中 12 冊目と
して刊行した。本市の歴史、文化や自然に関する集大成として、今後とも計画に沿った事業の
継続を期待したい。
3.スポーツの振興
(1)生涯スポーツ
生涯スポーツ振興計画に基づき、市民の多様なニーズ、年齢に合わせた各種スポーツ教室、
健康体力づくり事業やスポーツ大会等を開催している。新たに障がい者を対象とした体験教室
及び市制施行 60 周年事業も開催している。レクリエーションや健康の維持・増進を目指した事
業の推進とともに、総合型地域スポーツクラブ設立支援の継続も望まれる。
(2)競技スポーツ
各種スポーツ団体やスポーツ選手育成のための活動支援とともに、選手の育成と競技力強化
を目指して、専門知識・指導技術の向上のために指導者の育成も行っている。競技選手が良い
結果を出せるよう各種支援の継続は必要であるが、同時に指導者間の協議、連携を深めながら、
指導体制の充実に向けた活動も期待したい。
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