A4PDF - 変動地球惑星学の統合教育研究拠点

NEWS LETTER
東北大学グローバル COE プログラム
『変動地球惑星学の統合教育研究拠点』
August 2009
Tohoku University Global COE Program
"Global Education and Research Center
for Earth and Planetary Dynamics"
Solid Earth Research Group
Dynamics of the Earth and Planetary Interiors Research Subgroup
Earth Environmental Change Researach Group
Origin and Extinction of Life Research Subgroup
Solid Earth Research Group
Dynamics of Earthquakes and Volcanism Research Subgroup
Earth Environmental Change Researach Group
Climate Change Research Subgroup
:: Contents ::
Planetary Evolution Research Group
Event Information イベント開催予定
Focus Group
・・・2
イベント開催報告 ・・・3
Inter view 固体地球惑星深部研究グループ
特集 2008年度の活動
宮原 正明COE 助教
連載 GCOE研究員インタビュー
2008年度の活動
RA・SDC 募集のお知らせ
PD・COE助教募集のお知らせ
(地震・火山研究)
・・・4・5
Activity2008 ・・・6・7
Recruitment PD・COE助教募集のお知らせ
RA・SDC募集のお知らせ ・・・8
「GCOEニュースレターの刊行にあたって」
GCOE地球惑星科学リーダー ・・・3
GCOE 地球惑星科学 2009 年 8 月∼
イベント開催予定
イベント開催予定
Seminar セミナー開催予定
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 8 月 7 日 ( 金 ) 10:00 東京大学海洋科学研究所 佐野 有司教授
Tracing extinct spreading center
in SW Japan by helium-3 emanation
会場 : 地学棟 5 階 503 号 COE セミナー室
問い合わせ : 掛川 武 准教授
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 8 月 7 日 ( 金 ) 11:00
カナダケベック大学
ダニエル ピンティ 教授
Mantle noble gases in a passive
continental margin: What is going on
in Eastern North-America?
会場 : 地学棟 5 階 503 号 COE セミナー室
問い合わせ : 掛川 武 准教授
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 8 月 12 日 ( 水 ) 10:00 - 11:00
フランス地球科学環境研究センター
ルドビッチ マージェリン 博士
地震波の輻射伝達に関するレビュー
会場 : 地震・噴火予知研究観測センター 別館第一会議室
問い合わせ : 中原 恒 助教
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 8 月 18日 ( 火 ) 13:30 - 15:30
(独)産業技術総合研究所 地質情報研究部門
高橋 雅紀 博士
日本海溝に沿う造構性浸食量の見積もり
- 内陸地震の応力蓄積メカニズムの枠組み 会場 : 地震・噴火予知研究観測センター 別館第一会議室
問い合わせ : 中島 淳一 助教
太陽地球惑星系科学モデリング・
シミュレーション関連合同研究集会
2009 年 8 月 4 日 -7 日 (4 日間 )
会場 : 九州大学西新プラザ / 九州大学山の家
問い合わせ : 寺田 直樹 准教授
微化石サマースクール
2009 年 8 月 19 日 -21 日 (3 日間 )
会場 : 東北大学 地学棟
問い合わせ : 鈴木 紀毅 助教
太陽地球惑星系科学シミュレーション研究会
2009 年 10 月 28 日 -31 日 (4 日間 )
会場 : 仙台市戦災復興記念会館
問い合わせ : 加藤 雄人 助教
Special School 特別演習開催予定
GCOE 地球惑星計測スクール
(A) 合成開口レーダー(SAR)
2009 年 7 月 28-29 日 2009 年 8 月 3 日
SAR の基礎 0.5 日 / 干渉 SAR データ処理 1.5 日 /
偏波 SAR データ処理1日
SAR 衛星 ALOS の打ち上げにより,多偏波マイクロ波リ
モートセンシングデータの利用が可能となった.この多偏
波 SAR の機能を理解し,環境科学,海洋学,地球科学な
ど広い分野で応用するための講義を実施する.特に未経験
者を対象に 偏波 SAR の原理を説明した上で,フリーウエ
ア PolSARPro による偏波 SAR データ処理方法,偏波
SAR でできることについて解説する.また,干渉 SAR 解
析技術について解説し,地殻変動の抽出方法についても習
熟する.
実施担当者 ( 所属 ) *問い合わせ教員
佐藤 源之 教授 ( 東北アジア研究センター ) 小澤 拓 主任研究員 ( 防災科学技術研究所 )
*三浦 哲 准教授 ( 地震・噴火予知研究観測センター )
(B) GPS
2009 年 8 月 20-21 日 GPS/GNSS の基礎・原理・応用 1 日
精密測位の基礎・原理・応用 1 日
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 8 月 19日 ( 水 ) 14:00 - 15:00
東京海洋大学
高須 知二 氏
精密単独測位法の技術動向と応用
会場 : 地震・噴火予知研究観測センター 別館第一会議室
問い合わせ : 三浦 哲 准教授
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 8 月 27 日 ( 木 ) 14:30 - 16:00
(独)産業技術総合研究所 地質情報研究部門
風早 康平 博士 有馬型熱水−その起源と意義−
会場 : 地震・噴火予知研究観測センター 別館第一会議室
問い合わせ : 松澤 暢 教授
Symposium シンポジウム開催予定
「地震発生予測モデルの作り方」
2009 年 8 月 4 日 -6 日 (3 日間 )
2009 年 地震学夏の学校
会場 : パイラ松島ユースホステル
問い合わせ : 矢部 康男 助教
2 Event
GPS 観測データを用いて測位,電離層電子密度(TEC)
の変動,湿潤大気による伝搬遅延量変動など目的に応じ
た解析方法を習得する.
実施担当者 ( 所属 ) *問い合わせ教員
高須 知二 氏 ( 東京海洋大学 )
*三浦 哲 准教授 ( 地震・噴火予知研究観測センター )
(C) LabVIEW 計測システム 2009 年 8 月 26−27 日
計測システムの基礎・原理・応用 1 日 /
LabVIEW 計測システム実習 1 日
LabVIEW と DAQ デバイスの紹介,基本的動作について
学習する.また DAQ デバイスの電気回路構成・ハードウェ
ア的な動作原理を理解する.LabVIEW プログラミングに
おけるデータの取り扱い方法やデータファイルの保存方
法について実習する.次に DAQ デバイスを用いてアナ
ログ入力・アナログ出力プログラミングの実習を行なう.
実際に使用されているアナログ入出力の応用例について
述べ,実習する.最後に,ネットワークを介したデータ
送受方法について講義する.
教科書:図解 LabVIEW データ集録プログラミング 計測用 DAQ デバイスによるアナログ入出力、データ保存のすべて
著者:小澤 哲也,定価:3,360 円(本体価格 3,200+税)
,B5 判・
224 頁,ISBN:978-4-627-84821-4,出版社:森北出版
実施担当者 ( 所属 ) *問い合わせ教員
小澤 哲也 准教授 ( 宮城工業高等専門学校 )
*三浦 哲 准教授 ( 地震・噴火予知研究観測センター )
GCOE 地球惑星科学 2009 年度
イベント開催報告
イベント開催報告
Seminar セミナー開催報告
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 7 月 9 日 ( 金 ) 10:30 - 12:00
アラスカ大学 赤祖父 俊一 名誉教授
地球温暖化:大部分自然変動の可能性が高い
会場 : 理学部大講義室 担当教員 : 岡野 章一 教授
【報 告】講演には他研究科からの聴講や一般市民の参
加も多く、このテーマが幅広く興味を持たれているこ
とが示された。
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 7 月 13 日 ( 金 ) 11:00 12:00
グラナダ大学 結晶学研究所
アレキサンダー・バンデリッシュ 博士
In situ observation of crystal growth from solution
会場 : 地学棟 201 号室 担当教員 : 塚本 勝男 教授
Symposium シンポジウム開催報告
日本地球惑星科学連合 2009 年大会 団体展示
2009 年 5 月 16 日 ∼ 5 月 21 日(6日間)
場所 : 幕張メッセ国際会議場
【報 告】東北大学グローバル COE プログラム「変動地球惑星
学の統合教育研究拠点」の活動紹介・情報公開ならびに、人材
(学生・研究者)勧誘を目的として団体展示を行った。事前に、
担当教員を中心として計6回の打ち合わせを行い、ポスター
(6 枚)、パンフレット及び広報動画の準備をした。開催期間中
(5 月16日−21日)
、計6日間で延べ 187 人の来場者
(GCOE 関係者を除く)があった。その内外国人の来場者は1
5人であった。17日は高校生セッションが開催されており、
高校生や高校教師の来場も多かった。会場での来場者に対す
る説明は、GCOE 助教と修士・博士学生で分担して担当した。
6枚のポス
ターの内、特
に来場者(入
学・進学希望
者)の関心が
高かったの
は、学生に対
する経済的支
援、海外渡航
費支援といっ
た活動報告を
載せた2枚で
あった。また
最近、メディ
アで広く取り上げられた生命起源やスプライトの話題に関心を
もつ来場者(研究者・教師・社会人・高校生)も数多くいた。
担当教員 : 中村 美千彦 准教授,古川 善博,宮原 正明,大庭 雅寛,
千代延 俊,木村 勇気,武藤 潤(COE 助教)
シンポジウム名 GCOE フォーカスグループ
「惑星における気相 - 固相相互作用」研究会
日時 :2009 年6月4日 ( 木 )
場所 : 東北大・理学総合棟 3F R303(共通講義室4)
担当教員 : 笠羽 康正 教授
GCOE フロンティアセミナー
2009 年 7 月 22 日 ( 金 ) 10:30 12:00
名古屋大学太陽地球環境研究所
西谷 望 准教授
SuperDARN 北海道 - 陸別 HF レーダー :
今までの観測のまとめ及び将来への展望
会場 : 物理 A 棟 726 号 担当教員 : 三澤 浩昭 准教授
【報告】セミナーには約 30 名の参加があり、世界で最も低
緯度にあるレーダーを用いた、中低緯度∼極域の電磁圏・
熱圏研究に対する関心の高さが感じられた。約1時間の講
演の後に質疑応答の時間が設けられ、特に最新の観測結果
に対する物理的解釈や今後の展開に関する議論が、予定時
間を超過する程活発に行われた。
【報 告】GCOE フォーカスグループ「惑星における気相 - 固
相相互作用」では、学内における標記研究課題を生産的に
進めていくために、年二回程度の研究会を企画していく予
定である。今年度第一回となる本会合は、以下を喚起する
ことを目標として実施したものである。
*中長期GOAL:M/D 論や学術論文につながる院生研究
のクロスオーバーを創造すること。
*「研究発表」ではなく、「課題と質問を提起」すること。
この目標に向け、地球と惑星、固体と気体・プラズマをつ
なぐ境界領域である4つの「潜在的融合テーマ」について、
東北大内の具体的な研究活動をベースとした活発な質疑を
行った。
GCOE ニュースレターの刊行にあたって:
私たちの GCOE が始まり1年を経過し、若手研究者の研究活動も軌道にのりはじめました。また、海
外からのインターンシップの学生、最先端の研究を行っている研究者・教員を招聘し、GCOE 特別スクー
ルなどの教育の企画も始まりました。このニュースレターは、GCOE の若手研究者の間の情報交換、様々
な主張を紹介し、若手研究者の活動をさらに支援するために企画しました。皆さんが、このニュースレター
によって GCOE の活動に、さらに積極的に参加してくださることを、強く期待しています。
東北大学 GCOE 地球惑星科学リーダー 大谷栄治 教授
Report 3
連載スタート 第1弾 ∼隕石を探る∼
固体地球惑星深部研究グループ COE 助教 宮原 正明さん
GCOE
GCOE 研究員インタビュー
研究員インタビュー
GCOE 地球惑星科学の研究内容や活動の様子をより多くの人たちに知って
頂くため、活躍している GCOE 研究員 ( 大学院生・PD・COE 助教 ) にスポッ
トライトをあて、活動の様子について伺います。第1弾は、固体地球惑星
深部研究グループで研究を進めている COE 助教 宮原 正明さん (33 才 ) にお
話を伺いました。
COE 助教 宮原 正明さん (33 才 )
。
はじめに、宮原先生の研究を簡単に紹介してください
Q
A
電子線を利用して様々な鉱物を研究しています。これまで取り
扱った試料は地球 核・下部マントル物質,地球表層物質,そし
て地球外物質にまで及びます。ここ 数年は特に衝撃を受けた隕
石に存在する高圧鉱物の解析を進めています。
私の所属する固体地球惑星深部研究グループでは、「地球や惑星がど
うやって形成されたのか?」、「地球・惑星深部はどのような物質で形
成されているの か?」そして、
「そこでどのような活動が起きているの
か?」を調べています。地球や惑星の深部は超高圧・高温状態となっ
ています。現在の技術では、我々は 地球や惑星の深部物質を直接手に
することは出来ません。そこで我々は、超高圧・高温を発生させるこ
とができる装置を用いて実験室で地球深部物質を人工的に作り出し、
それを詳しく調べています。
一方、地球上で、ごく僅かですが、地球深部物質に相当する試料を
入手することができます。それが、私が研究を行っている天体衝突を
経験した隕石です。隕石はもと もと微惑星の一部です。太陽系が形成
されて間もない頃、無数の微惑星が宇宙空間を漂っており、微惑星同
士の衝突が頻繁に起きていました。衝突の際には、非常に大きな圧力・
温度状態が発生し、地球深部物質に相当する物質が形成されます。そ
のような物質を調べることで、
「地球深部にどのような物質が存在して
いるのか?」、「それが地球深部の活動にどのような影響を与えるの
か?」を知ることができます。しかし、隕石に含まれる地球深部物質
は大変小さいものです。そこで、私の得意とするナノテク技術(電子
顕微鏡等)を駆使して、隕石の研究を行っています。
マルチアンビル
我々の研究室では、マルチアンビルと呼ばれ
る高圧・高温発生装置も利用しています。マル
チアンビルは、地球の上部マントルと下部マン
トルの境界付近までの高圧・高温状態 (20-30
GPa, 2,000℃) を発生させることが出来ます。
上部マントルと下部マントルの境界部は遷移
帯と呼ばれています。常圧で安定に存在する鉱
物が、より高圧・高温状態におかれると、その
条件でより安定な高圧相と呼ばれるものに変化
します。地殻を構成する主要な鉱物としてオリビン [(Mg,Fe)2SiO4] が
あります。オリビンは遷移帯でその高圧相、ワズレアイトやリングウッ
ダイトに転移します。マルチアンビルでオリビンと含水鉱物を遷移帯
に相当する圧力・温度条件で反応させると、ワズレアイトやリングウッ
ダイトに 3%程度の水が含まれることが分かりました。地球深部に沈み
込むスラブと共に水も遷移帯にもたらされます。すなわち、地球の遷
移帯には、水が蓄えられている可能性が明らかとなったのです。水の
存在は岩石の融点を低下させます。故に、地球深部にも融解した岩石(メ
ルト)が存在する可能性があります。マルチアンビルを用いてメルト
の密度を測定し、その挙動を明らかにする試みも行われています。また、
マルチアンビルでダイアモンドを含む岩石、キンバーライトの生成メ
カニズムを解明する研究も行われています。
衝突クレーターの岩石
月隕石
火星隕石
小惑星帯から来る隕石
天体衝突を経験した隕石
Q
A
地球深部物質を人工的に作り出すという「超高圧・高温を発生さ
せる装置」はどのようなものですか?また、どのような研究をさ
れているのでしょうか?
高圧・高温発生装置は、より地球中心部に近い圧力・温度条件
を発生させるために、常に改良が続けられています。現在我々
の研究室では、ダイアモンドアンビルセル(DAC)とレーザー
を用いて圧力:200−300 GPa ( ギガ・パスカル )、温度:2,000-3,000℃
の条件を発生させることに成功しています。これは地球の核に相当す
る圧力・温度条件です。地球は主に金属鉄からなる核とケイ酸塩から
なるマントルに大きく分けられますが、この装置を用いると、地球の
核を構成する金属鉄の結晶構造や核とマントルの化学反応などを知る
ことが出来ます。
超高圧・高温環境では地表では考えられない現象が起きます。例えば、
地震波観測の結果から、地球の核は純鉄に比べて密度が約 10%小さい
ことが知られています。金属鉄と様々なケイ酸塩鉱物を、地球核−マ
ントル境界に相当する圧力・温度条件で反応させると、金属鉄中に様々
な軽元素(O、Si や K 等)が溶け込むことが明らかとなりました。この
軽元素の存在が地球核の密度欠損の原因であり、また一部の元素は地
球核の熱源となり得ることも明らかとなっています。その他にも、
DAC、放射光や電子顕微鏡を利用し、超高圧・高温状態での鉄の酸化・
還元状態や弾性波速度の測定といった大変挑戦的な課題にも取り組ん
でいます。
ダイアモンドとレーザーで
地球の核を構成する金属鉄
の結晶構造や核とマントル
の化学反応などを探る。
DAC ( ダイアモンドアンビルセル )
4 Interview
様々な隕石(岩石)の衝撃組織から様々な天体の衝突の歴史がわかる
Q
現在、隕石を用いて研究していることは何ですか?
A
地球深部の遷移帯で、オリビンからリングウッダイトに転移す
る現象が起きています。その転移のメカニズムとして 2 つのメ
カニズム(コヒーレント・インコヒーレント)が、シミュレーショ
ンと合成実験の結果から提唱されていました。私は L6 コンドライトと
呼ばれる隕石に含まれるオリビンとリングウッダイトを詳しく調べ、
その両方のメカニズムの存在を天然試料中から初めて見出すことに成
功しました。
Q
隕石研究からわかったことを教えてください。
A
最近、私はドイツとフランスの共同研究者と協力してある L6 コ
ンドライトを研究しました。その隕石では、衝撃圧縮でオリビン
がワズレアイトやリングウッダイトに転移していました。そのワ
ズレアイトやリングウッダイトの化学組成を詳しく調べると、それら
はオリビンが高圧・高温下でいったん熔融し、その熔融物(液相)か
ら直接結晶化したことが明らかとなりました。これは驚くべき結果で
した。何故なら、マルチアンビルを用いた合成実験から、オリビンか
らワズレアイトやリングウッダイトへの転移は固相状態のまま進行す
ると考えられていたからです。
L6 コンドライトという隕石から、衝撃圧縮によって「オリ
ビン」が融解し、ワズレアイトやリングウッダイトが直接結
晶化していたことが明らかになった。
*El Goresy 教授 ( 独 ) や Gillet 教授 ( 仏 ) らとの共同研究は、
2008 年 米国科学アカデミー紀要 (PNAS) に掲載された。
Q
A
Q
素晴らしい発見ですね。このような隕石がたくさんあれば、宮原先生
の研究が飛躍的に進歩しますね。
そうですね。近未来には、宇宙空間で太陽系形成当時の物質を直
接採取することが可能になるといわれています。そうなれば、私
たちの研究も飛躍的に進歩すると思います。
宮原先生の得意とされるナノテク技術とはどのようなものです
A
数十マイクロメートルから数ナノメートル程度の試料を光学顕微
鏡や X 線だけで調べるのは容易ではありません。そこで、透過型
電子顕微鏡(TEM)や収束イオンビーム(FIB)加工装置といっ
た最先端のナノテク技術を駆使して研究を進めることになります。ナ
ノテク技術の進歩は日進月歩です。例えば、最新の TEM では、細く絞っ
た電子線と分光器を用いて、原子一つ一つから情報(原子の種類や配
位状態等)を引き出すことも不可能ではありません。東北大学にはそ
うした先端機器が多数設置されており、大変恵まれた研究環境にある
と言えます。
Q
A
先日、フランス・ナンシーで行われた学会からお帰りになられた
ばかりだそうですが、学会が行われたナンシーはどんなところで
したか?
今年隕石学会が行われたナンシーは、アールヌーボーとロココ
美術が共に花開いたとても美しい街です。特に世界遺産である
スタニスラス広場はとても美しい場所でした。会場のすぐ近く
だったので、昼食や休憩がてらに何度も広場のカフェに行きました。
街の中心部にはマルシェがあり、レストランへ行かずとも、素晴らし
い食材をたくさん手に入れることができました。ナンシーからの帰路
には、パリに立ち寄りました。すこし肌寒く感じました。パリに立ち寄っ
たのは初めてで、街中が芸術品であふれており、夢のような世界でした。
今年の 3 月にはドイツのバイロイト大学を訪問しました。バイロイ
トは、ヨーロッパの古い街並みを多く残しており、時間の流れがとて
もゆっくりに感じました。とても静かでよい街でした。
ナンシーのスタニスラス広場
バイロイトの街角
フランスにドイツに素敵な場所で学会が開催されるんですね。
多くの学者の方たちが集まり意見交換がされるのですね。
最後に、東北大学 COE 助教となって、やりたいことは何ですか?また、
Q
DAC からの TEM 用試料切り出し作業
Q
変質した緑泥石の断面 結晶構造はとても美しい
固体地球惑星深部研究サブグループと他のグループとの関わりを
教えてください。
A
隕石に記録された微惑星衝突の記録から、地球深部環境の推定だ
けでなく、衝突の規模、衝突が起きた年代、さらには地球や惑星
の形成史を明らかにしていくことも出来ます。これらは固体地球
惑星深部研究サブグループと惑星進化研究グループの融合研究と言え
るものです。衝突の規模(衝撃時の圧力・温度状態、微惑星の大きさ
や衝突した速度)の推定には、マルチアンビル合成実験で得られた様々
なパラメーターや相平衡図を応用します。しばしば議論の的となるの
は、衝撃時の圧力状態の見積もりです。ある研究グループは、隕石中
の鉱物の組織に注目して、衝撃時の圧力は 70-80 GPa に達したと主張
しています。しかし、我々は隕石に含まれる高圧相の種類と組合せを
マルチアンビル合成実験の結果と対比し、せいぜい 23 GPa 程度である
と主張しています。
我々の研究室には、大谷先生をはじめとした高圧鉱物のエキスパー
トが多数所属しています。常にそのような方達から助言を頂きながら
隕石の研究を進めることができるのは、我々の大きな強みです。最近
では、月や火星起源隕石を利用して、月の形成メカニズムや火星への
巨大惑星衝突説の解明に向けた研究も初めています。
Q
なぜ今の研究に興味を持ったのですか?理学に興味を持つきっかけ
となったエピソードがありましたら、教えてください。
今後どんな行動や活動が必要だと思われますか?
A
東北大学での高圧惑星科学の研究成果を世界に広く知らしめる
ことでしょうか、、、。
残念ながら東北大学での隕石研究は、業界全体でみればまだま
だそれほど知名度がありません。一方で東北大学には、隕石研究を行っ
ている人たちが是非利用したいと思う最先端の装置が多数あり、大変
恵まれた環境です。私自身がこれらの装置を利用して研究成果を上げ
ることはもちろんですが、国内外の研究者の研究にも協力して、世界
的な研究ネットワークが構築できればと思います。研究に終着点はな
いと思っています。ある先生の受け売りですが、 良い研究成果はさら
なる多くの疑問点を生み出す です。
今後の活躍に期待しております。この度はお忙しい中、インタビュー
をありがとうございました。
<< プロフィール >>
宮原 正明(みやはら まさあき)
生年月日 : 昭和 50 年9月 30 日 ( 山口県柳井市 )
所属:地球惑星深部ダイナミクス
学位:博士(理学) 広島大学理学研究科地球惑星システム学専攻
専門分野:高圧惑星科学・電子線鉱物学
所属学会:American Geophysical Union,
日本鉱物科学会、日本粘土学会
A
もともとは野外に出て調査を行うことが好きだったのですが、博
士学生の時に始めた電子線を使って鉱物の結晶構造を直視する研
究の楽しさやその像の美しさにはまりました。納得のいく写真が
取れた時の喜びがモチベーションの1つです。隕石の研究を始めたの
は最近ですが、宇宙から飛来した隕石には地球上では決して入手する
ことのできない物質がたくさん含まれています。未だ人類が手に入れ
ていない、夢の物質・材料が見つかる可能性もありますまた、こうし
た物質は、宇宙空間での惑星衝突などのダイナミックな現象を記録し
ています。このような夢のある物質を研究することに惹かれました。
Q
A
今年度より、大学生一年生の講義を担当されていると聞いています
が、どんなことを教えているのですか?今の学生に求めるものはな
んですか?
現在教えているのは、地学の基礎的な実験手法です。講義はうま
くいくときもあれば、そうでないときもあります。結果は講義後
提出されるレポートでわかります。これが私への通信簿といった
ところでしょうか、、、。
最近の分析機器は何もわからなくてもスイッチひとつでいろいろな
ことができてしまいます。でも、やはり一つ一つの操作の意味を考え
ながら実験操作をしてほしいです。また、分析機器の仕組みや構造に
ももっと興味を持ってほしいです。
宮原 COE 助教の研究内容は、当ホームページ「GCOE 研究員紹介ページ」
に詳しく紹介されています。 http://www.gcoe.es.tohoku.ac.jp/support/pd2008.htm
Interview 5
2008 年度の活動
❶
海外派遣支援
国際学会参加
KHO 観測所内の観測装置 ARS
佐藤 由佳
2008/11/27-12/12(16 日間),
The University Centre in Svalbard,
Longyearbyen, Norway,Fred Sigernes 教授
この度、ノルウェーのスバールバル諸島ロングイ
EISCAT スバールバルレーダー
ヤビンに滞在し、 極域における MF 帯オーロラ
電波の地上観測研究 に関する現地観測を行いま
した。ロングイヤビンは北緯 78 度の北極域に位
置 するため、極夜の中での観測となりました。本
滞在期間中に、現地研究者と交流し議論を 行うこ
とができたことは、今後の研究を進める上で非常
に有益なものとなりました。
Ghosh Sujoy(博士課程後期
Sujoy(博士課程後期 3 年)
2008 /12/14‐19
AGU Fall Meeting 2008, Moscone Convention Center in San
Francisco, CA, USA
Title of Presentation: Effect of Water on topography of 660 km
Seismic Discontinuity: ExperimentalView
Near Union Square, San Francisco, CA
GCOE 特別演習
内田智子(博士課程後期 1 年)
2008 /9 /14-19,the 11th International Conference
on Accelerator Mass Spectrometry,Spazio Etoile
( ローマ,イタリア )
発表タイトル:10Be variations in the Dome Fuji ice
core during the last deglaciation. ; Determination
of 10Be in several-gram-ice samples from the
Dome Fuji ice cores.
前者は、古気候記録の少ない最終退氷期(1 万−1
万 8 千年前)において宇宙線生成核種である 10Be
の詳細な復元結果を報告しました。後者は、分析に
用いる氷試料量を従来の 200 グラムから 7 グラムに
大幅に減少させた手法の開発について報告しました。
国内の学会では、私が行っている研究と直接関係す
る研究は少ないため、本学会のように自分の研究と
直接関係する最新の研究成果を知ることが出来たこ
と、また、そのような研究を行っている研究者達か
ら直接、アドバイスを受けたり、議論したりと貴重
な経験をすることができました。このような経験を
通して、自分の
研究の重要性を
再認識すると共
に、英語力の不
足を痛感しまし
た。
小玉 知央(博士課程後期 3 年)
2008 /12/14 - 19,AGU FALL MEETING,The
Moscone Center, Howard Street, San Francisco, CA,
U.S.A.
発表タイトル:Influence of the Increased SST on
Baroclinic Instability Wave Activity under an Aqua
Planet Condition
私の発表は地球温暖化によるストームトラックの高
緯度シフトに関する内容であり、これは対流圏ジェッ
トの高緯度シフトとも関連が深いようです。従って、
私の発表はセッション全体の方向性にうまく乗るこ
とができました。ポスター発表は当初、朝 8 時から
2 時間行う予定でしたが、午前 11 時半頃までポス
◇赤外分光分析 (測定原理 0.5 日・試料準備 0.5
日・測定と解析 1 日)
鉱物やガラスの含水量測定に関し、バルク分析を補
う赤外分光法による局所分析法を学ぶことができま
す。また受講者数によっては、ラマン分光法の実習
も行い、分光分析の理解と応用力を養います。1日
目に赤外分光法の原理と鉱物やガラスを測定する上
での試料の準備法を学び、実際に試料準備を行いま
す。2日目に分光計を用いた実測とスペクトルの解
析を行います。
水や氷・水蒸気;ガラスや鉱物の同位体を扱っている人が、固体有機物な
どの酸素・炭素・硫黄等の同位体分析を経験できます;合成実験を行って
いる学生が、同位体分別などへ実験テーマを広げ易くなります。1日目が
質量分析計の原理と同位体の表現方法、実測値からデルタ値への変換方法、
2日目が試料の準備、実測です。
トしました。また、その中から特に優秀な院生を特待大学
院生(SDC)として選抜し、約 15 万円 / 月という、21 世紀
(大学院GPと共催)
古地磁気・岩石磁気夏の学校
2008.9.15-17
学術振興会特別
研究員採用人数
COE のときの SDC の 1.5 倍の額で雇用するサポートを行い
日本学術振興会特別研究員の採用人数は次のとおりです。
ました。SDC の選考にあたっては、査読付英文論文(特に
2006 年度
地球物理学専攻 8 人, 地学専攻 6 人
筆頭著者の論文)の質と数、国際会議での発表実績、COE
2007 年度
地球物理学専攻 12 人,地学専攻 11 人
研究への貢献度、将来研究リーダーとして活躍できるか、
2008 年度
地球物理学専攻 12 人,地学専攻 15 人
等を選考基準としました。その結果、2008 年度は RA とし
2009 年度
地球物理学専攻 11 人,地学専攻 11 人
て 36 名、SDC として 8 名のサポートを行いました。
(2009 年 4 月現在 )
6 Activity 2008
大学院生の企画による
スプリングスクール
夏の学校
(リサーチアシスタント)
RA
(特待大学院生)
SDC
博士課程後期 3 年の課程の院生をリサーチ・アシスタント
ターの前から離れることができないほど多くの方々に
足を運んでいただきました。また、事前に用意したポ
スターの別刷り 30 部もほとんどなくなり、投稿中の
論文の原稿は急遽追加コピーを取りに走るほど多くの
方々に興味を持っていただきました。さらに、発表で
意気投合したカリフォルニア工科大学の研究者と昼食
をともにすることができ、収穫が多い発表でした。
参加学生
のポスタ
ー発表
◇安定同位体分析 (測定原理 0.5 日・試料準備 0.5 日・実測 0.5 日)
(RA)として雇用(約5万円 / 月)し、
教育研究の実践をサポー
佐々木 健吉(博士課程後期 1 年)
2008/11/26,同済大学・材料科学工程学院
発表タイトル:Preparation of FGF-2/apatite
Composite Layer on Percutaneous Devices Made of
Polymer to Inhibit Bacterial Infection
この研究報告会は、生体への応用を目指した医療用の
材料の研究者間の意見交換を行うことを目的としたも
ので、交流を深めるとともに研究動向を図るために非
常に良い機会でした。報告者は、これまでに用いられ
ていた材料にコーティングを行うことで、材料の高機
能化を図る手法について紹介しました。海外で行われ
る研究会に参加し、同じ分野の研究の様子を目にする
ことで、日本と外国 での研究の類似点や相違点につい
ての理解が深まり、またよい刺激をえられたことで、
今 後の研究においてもよりよい研究成果が得られると
思います。
2008 年度の活動
❷
グローバルCOE地球惑星科学特別講義では
次のような著名な研究者を 26 名呼びました
研究者の招聘
Dr. Ahmed El Goresy
Dr. Joseph A. Nuth III
Dr. Bjorn Mysen
アーメッド エル ゴレシー 博士
ジョセフ ヌス Ⅲ世 博士
ビヨーン マイセン 博士
バイロイト大学 ( ドイツ )
<講演題目>
普通コンドライト中の自然銅−コバルトに富
む金属鉄−トロイライト集合体:衝撃イベン
トに由来しないペントランド鉱型相(?)か
らの解離生成物
(2008/10/10)
♦ El Goresy 教授は、ハイデルベルク大学で
学位を取得された後、ハーバード大学やカー
ネギー研究所の研究員を経てドイツのマック
ス・プランク研究所で研究員として勤務され
ました。現在は、バイエルン地球科学研究所
で客員教授として研究に従事なさっています。ElGoresy 教授の専門
は、隕石の岩石学・鉱物学です。近年では、衝撃を受けたコンドラ
イト隕石や SNC ( 火星 ) 隕石に
含まれる衝撃で生じた組織や高
圧鉱物の研究に特に力を入れて
おられます。
NASA 宇宙化学研究所 ゴダード宇宙飛行センター
<講演題目>
原始太陽系星雲中での有機物の形成と地球へ
の取り込み
(2008/11/19)
♦ Joseph Nuth 博士は、メリーランド大学
で学位を取得された後、NASA の宇宙化学研
究所において、惑星科学や隕石学分野を中心
に研究されてきました。古くから宇宙ダスト
の類似物としての微粒子を実験室で合成し、
原始太陽系星雲内での珪酸塩鉱物の変成過程
を明らかにされました。最近では、その微粒子を触媒として用いた
有機物の合成実験を行い、惑星系が形成した環境の理解に注力され
ています。
カーネギー地球物理学研究所
<講演題目>
高温高圧下における珪酸塩メルトおよびガラ
ス中の水:地球惑星内部における融解と結晶
化に対する効果
(2008/10/27)
♦ Bjorn Mysen 博士はマグマ(珪酸塩メル
ト)の物性と構造との関係について長年研究
に携わってこられました。特に分光学的手法
を用いた構造解析がご専門で、珪酸塩メルト
の網目構造が温度・圧力・化学組成に応じて
どの様に変化するかを調べていらっしゃいま
す。網目の指標となるのは Qn と呼ばれる値です。これは、酸素が
いくつの網目構成カチオンに結合しているかを
示したものです。また、もう一つの重要な要素
グローバル COE 地球惑星科学特別講義のようす
は非架橋酸素 (Non-bridging oxygen) と網目構
成カチオン (T) の比(NBO/T)で、この比が小
さいほど網目構造が発達していることを表して
います。これは、Mysen 博士が提唱したもので、
マグマの重合度を表す指標として広く用いられ
ています。
ヌス博士の講義
融合フォーカスグループ
「フォーカスグループ」による研究は、この G-COE の複数のサブグループ間にまたがるクロスディシプリンの研
究を推進するために設けたものです。21 世紀 COE プログラムにおいて開始された Water Dynamics は重要な
研究課題の一つです。フォーカスグループを形成して行う融合研究として、以下のような研究を計画しています。
★月 フォーカスグループ=か ぐ や 観
測:月探査・地球化学・岩石磁気学・隕
石学等の融合
★核フォーカスグループ=超高圧、地
震学、磁気圏物理学、惑星探査の融合
★マントルウエッジフォーカスグルー
プ=地震学・岩石学・地質学・気候学の
融合
★水・CO2 フ ォ ー カ ス グ ル ー プ
(Water Dynamics)=岩石水反応・地
球深部の水循環・沈み込み帯と水・海洋
融合シンポジウム
科学・生命起源・環境と生態系の融合
★惑星における気相−固相相互作用=惑星のナトリウム大気の生成、散逸過程と惑星内部・惑星大気進化
新聞報道された成果
◀2008 年 12 月 8 日 河北新報
(古川 善博(大学院生)
・掛川 武・大庭 雅寛
の研究成果)
生命誕生前の地球において、生命の起源
2009 年 1 月 23 日 ▶
河北新報夕刊 1 面,
共同通信社配信 2008 年 6 月 1 日 河北新報朝刊 15 面
▼
物質となるアミノ酸などの有機物が隕石の
海洋衝突で生成することを衝撃銃を用いた
模擬実験で明らかにしまし
た。こ の 研 究 成 果 は 生 命
起源物質の新たな生成説
に対する裏づけとなるも
の で、
Nature Geoscience
に 掲 載 さ れ、国 内 外 の
新聞等で大きく取り上
げられました。
<古川 善博>
私は、国内外の地層をもと
に、約 2 億 5000 万年前に起
きたペルム紀末の大量絶滅時
の環境変動とその余波を研究
しています。野外地質調査や、
地層堆積物の分析をしながら
今は自分しか知らない新事
実 を発見したときは何とも
いえない爽快な気分です。さ
らに、その事実を公表し世間
に認められた瞬間もまた至福
の時です。私たちはこのよう
な好奇心と刺激に満ちた研究 ▲2009 年 2 月 16 日 岩手日報
(高橋 聡
(大学院生)
・海保 邦夫・鈴木 紀毅・
生活を送っています。
永広 昌之の研究成果)
<高橋聡>
こ
れまで衛星開発というと宇宙機関が中心
になって行うもので、時間も予算もかかる
大事業というのが常識でした。今回私たち
の打上げた「雷神」は、衛星搭載観測機器
開発に歴史と実績がある理学研究科のグ
ループと宇宙ロボティクスなどで JAXA プロ
ジェクトに関わってきた工学研究科・航空
宇宙工学専攻を軸に、国内外の大学・研究
機関(東大、スタンフォード大など)の協
力を得て実現しました。飛翔体モデルの製
作期間は約 1 年、予算は通常の観測衛星の
数 10 から 100 分の 1 です。こうした機動力
のある超小型衛星の活用は、同様の研究テー
マを扱う他国の衛星群に対し、打ち上げで 4
年以上のリードに繋がっていおり、世界的
に大きな注目を集めています。
<高橋幸弘>
▲2009 年 1 月 25 日 河北新報朝刊 28 面,
写真提供:JAXA
Activity 2008 7
GCOE 地球惑星科学 2009 年 8 月採用募集要項
採用募集のお知らせ
採用募集のお知らせ
特待大学院生 (SDC) 及びリサーチ・アシスタント (RA) 募集のお知らせ
東北大学グローバル COE プログラム「変動地球惑星学の教育研究拠点」(略称:GCOE 地球惑星科学)では、博士課程後期の
特待生(スーパー DC、略称 SDC)、並びにリサーチ・アシスタント (RA) を、以下の要領で募集いたします。基本的には、有資格者全
員の方に SDC と RA 両方にご応募頂き、そのなかから SDC を選出し、残りの方のなかから RA を採用いたします(ただし SDC のみ
あるいは RA のみというご希望も受け付けます)。応募書類は労働時間割振表以外については SDC、RA とも共通です。奮ってご応募
ください。
なお、平成 21 年 10 月進学・編入学の申請中の方も本募集に応募できますが、SDC/RA に採用されるためには、別途実施さ
れる博士課程への進学・編入学試験にも合格する必要があることにご注意ください。
また、すでに本年度の SDC/RA に採用されている方は、今年の 6 月に採用されたときの条件で本年度末まで継続的に雇用されますので、
改めて SDC での審査を希望する場合以外は、本募集に応募する必要はありません。現在 SDC ではない方が 10 月から SDC としての
雇用を希望する場合、あるいは現在 RA で無い方が 10 月から RA としての雇用を希望する場合のみ、応募してください。
応募締切: 平成 21 年 8 月 21 日(金)17:00 必着
※ただし 8 月 10 日∼ 14 日は夏季休業のため GCOE 事務室がある地学棟が閉館しますのでご注意ください。
支援の内容と対象
・ 対象:平成 21 年 10 月 1 日現在、本 GCOE関係専攻等(末尾注参照)に在籍し、本 GCOEのプロジェクトメンバー
(事業 推進担当者および同協力者)の指導下にある、博士課程後期 1 ∼ 3 年の大学院生に応募資格があります。
博士課程後期在籍 4 年目の院生については、審査の上、採用に値すると判断された場合のみ、在籍 4 年目の末まで RA として
採用される場合があります。研究生、日本学術振興会特別研究員、国費留学生等は応募できません。
・ 採用期間 (SDC, RA いずれも): 平成 21 年 10 月 1 日∼平成 22 年 3 月 31 日
・ 採用予定人数: SDC、RA あわせて 10 名程度
・ 採用者には、SDC 月額 15 万円程度、RA 月額 5 万円程度の給与が支給されます。
申請方法: 詳しくは、GCOE 地球惑星科学ホームページをご参照ください。
http://www.gcoe.es.tohoku.ac.jp/recruit/recruit_rasdc200910.htm
問い合わせ先
GCOE 地球惑星科学 事務室 担当 : 佐藤 弘美・日下 房子
東北大学大学院 理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター
E-mail:[email protected]
松澤 暢 教授 (GCOE 地球惑星科学・教育運営委員長 )
TEL: 022-795-6668
E-mail:[email protected]
※申請書類への記載方法については佐藤にお尋ねください。
注)GCOE 地球惑星科学の関係専攻等名
理学研究科(地学専攻、地球物理学専攻、附属地震・噴火予知研究観測センター、附属大気海洋変動観測研究センター、
附属惑星プラズマ・大気研究センター)、環境科学研究科(環境科学専攻)、工学研究科(附属災害制御研究センター)、東北アジア研究センター
グローバル COE 博士研究員 (PD)・COE 助教 の募集
東北大学グローバル COE プログラム「変動地球惑星学の統合教育研究拠点」では、下記のとおり、博士研究員を募集致します。
奮ってご応募ください。
募集対象分野: 地震・火山研究
一般職の非常勤職員(COE 研究員、または COE 助教)として東北大学グローバル COE プログラム「変動地球惑星学の統
合教育研究拠点」に参加し、下記の研究課題について事業推進担当者と協力して研究を行なえる方.特に研究を進めるにあ
たって理学・工学等の連携など幅広い視野から、研究を推進できる人材を求めます。COE 助教は、研究に取り組むとともに、
COE の先端地球惑星科学拠点大学院コース等に関連する実験・実習等をお願いします。
募集: 地震・火山研究グループでは、下記の研究テーマを積極的に推進できる方を募集します。
・ 火山噴火ダイナミクスや火山活動に伴う諸現象のメカニズム解明に意欲があり、モデリング、地球物理学的観測研究、
実験研究などの素養がある方。
応募資格: すでに博士の学位を有すること。
採用予定人数: 1 名
採用(予定)年月日: 平成 21 年 10 月1日からのできるだけ早い時期(応相談)
任期: 2 年(審査のうえ延長可)給与: 月額 30 ∼ 40 万円程度(総支給額、ボーナス含む)
応募締切: 平成 21 年 8 月 31 日(月)必着
詳しくは、GCOE 地球惑星科学ホームページをご参照ください。 http://www.gcoe.es.tohoku.ac.jp/
問い合わせ先
<公募手続きならびに処遇について>
GCOE 地球惑星科学 事務室
担当 : 日下 房子
E-mail:[email protected]
TEL: 022-795-6668
<研究計画等について>
東北大学大学院 理学研究科 地球物理学専攻 固定地球物理学講座
佐藤 春夫 教授 (GCOE 地球惑星科学・地震火山研究グループリーダー )
E-mail:[email protected]
TEL/FAX:022-795-6531
ニュースレター発行元 :
8 Recruitment
〒980-8578 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 6-3
東北大学大学院理学研究科
グローバル COE 地球惑星科学事務室
TEL: 022-795-6668
E-mail: [email protected]
URL: http://www.gcoe.es.tohoku.ac.jp/