参加者報告 - 全日本駐車協会 東京駐車協会

Parking・170号
□ 平成16年度
秋季海外駐車場研修会参加報告
平成16年度(社)全日本駐車協会海外研修会(シンガポール・クアラルンプール)は10月5日
から10日までの6日間に亘り、埼玉・東京・横浜・静岡・名古屋・岡山・福岡の各地区協会会員か
ら29名もの参加を得て実施されました。
この間3日間に亘り、3ケ所の駐車場視察及び1日はシンガポール交通省(LTA)からの
「シンガポールにおけるロード・プライシングをはじめとする交通事情」についてのプレゼン
テ−ション、そして全日本駐車協会からの「日本における交通事情」についてのプレゼンテー
ションがそれぞれ行われました。
視察及びプレゼンテーションには、会員夫人を含め全員が参加、質疑応答もたいへん積極的
に行われ、後々のスケジュール変更を余儀なくされるほどでありました。
滞在中及び帰国後、会員からは「シンガポールはETC・ロードプライシングシステムをは
じめ世界でも最先端をいく交通施策の国であること」「日本は自動車台数が非常に多いこと、地
下鉄等の電車整備網が充実していること、その他交通事情が異なるものの先端技術の導入につ
いてはこれからの段階である」との声が多数出ておりました。
しかしながら、ここにきて日本でも国土交通省のETC普及促進策強化も進み、高速道路で
のETC利用率も平成16年16月末には25%を越え、また名古屋でのDSRC社会実験やDSRCの
具体的導入が一部駐車場で始まっており、徐々に次のステップに入りつつある段階にあります。
今後も駐車業界としては、所轄官庁のご指導のもと、機器メーカー等のご協力を得て駐車場
事業者の立場からそして利用者の立場からより有効なIT技術の導入に向けて前向きに取り組
みたいと考えております。
今回の視察研修については、シンガポール交通省・シンガポールのデイベロッパーであるキ
ャピタランド社・同社不動産運営管理会社プリマス社及びアマノ㈱様のご協力を得まして、た
いへん成功裡に終わることが出来ました。
視察・研修会の報告詳細については、日程順に会員4名の方に、そして技術的立場から㈱アマ
ノさんにそれぞれ下記の通り作成して頂きました。
研修報告①
10月5日(火)∼6日(水)
菱栄ビルマネジメント㈱ 笠井隆司
10月5日(金)よりシンガポール、クアラルンプール5泊6日の日程、29名の参加者にて海
外駐車場視察研修旅行が実施されました。
出発当日、成田空港特別待合室室において結団式をとり行い飛行機に搭乗、当日夕方にシン
ガポール・チャンギ空港に到着しました。専用バスにて宿泊先であるメリディアンホテルへと
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移動しましたが、その車中から外を眺めると走る車は圧倒的に日本製、建設現場には日本のゼ
ネコンの名前と日本とシンガポールの密接な関係を改めて認識すると共に、現地案内人(通称
ジミーちゃん)より税金の関係から日本の代表的某大衆車が約500万円と聞き驚かされました。
宿泊先に到着後は、スイスホテルにおいておいしい食事とすばらしい夜景を楽しみながら参加
者間の親交を深めました。
6日(土)、この日はサンテックシティ駐車場の視察を行い
ました。この駐車場は収容台数約3,000台、出入口13ヶ所、2フ
ロア、24時間稼動を3交代計15名にて管理していますが、この
駐車場の管理には2つの特徴ある手法が採りいれられていま
す。一つはEPS
(Electronic Parking System)と呼ばれるも
のですが、シンガポールにおいては、日本のETCにあたるE
RP(Electronic Road Pricing)が普及しており、ERP車両搭
IU(ERP用車載器)
載機(IU
(In−vehicle Unit))の搭載率がほぼ100%でありかつそれぞれがIUラベルと呼ば
れる固有の番号をもつことから、このIUをERPだけではなくもっと複合利用出来ないかと
の発想のもと考えられたシステムで、入退場管理や課金等をキ
ャッシュレス、ペーパーレス、ストップレスにて行うことが出
来るシステムです(駐車場の出入口に日本でいうETCゲート
があるのをイメージして下さい)。尚、このEPSというシス
テムはERPと同じIUを共用していますが、開発に政府は関
与していないとのことです。もう一つは、2フロアを色と文字
にて48区画にわけて管理していることです。具体的には、1フ
ERPゲート
ロアを赤、黄、緑、青の4色(両フロア共通)にわけ、次にフ
ロアに応じてA∼M(Iを除く)とN∼Z(Xを除く)のアル
ファベット文字を割当ることにより48区画にわけているのです
が、ここで注目すべき点は、利用者が自分の駐車場所に関する
記憶をより確かなものにする為に、各アルファベット文字には
動物の絵が割当られており、その動物の名前は割当られたアル
ファベットで始まる動物であることです。これらの2つの手法
EPS出口での課金表示
に加えて、リアルタイムに空いている駐車場所へと誘導する矢印や各区画の空台数の掲示板等
を設置することによりスムーズな管理が行えるようにすると共に、車を水平移動出来る駐車機
械の導入により、本来デッドスペースとなるべき場所の有効活用がはかられていました。
この日は視察の他にも世界中のランを集めたナショナル オーキッド ガーデンや景色の良いマウ
ントフェーバー、シンガポールのシンボルマーライオンのあるマーライオンパーク、そしてト
ラムカーに乗って夜の動物園内を回るナイトサファリ(一説には運が悪いと山羊と牛しか見ら
れないと言われますが、トラやバクなど無事その他の動物も見ることが出来ました。
)等も楽し
みました。
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研修報告②
10月7日(木)
㈲大宮駐車場 森 一仁
<日 程>
出発 8:30(ル・メリディアンホテル)
午前:プリマス・インターナショナルにて、シンガポール交通省による都市交通システムのプレ
ゼンテーション
キャピタランド(地元デベロッパー)のキャピタルタワーにて、商業施設及び駐車場見
学
キャピタルタワー52階チャイナクラブにて昼食
午後:プリマスオフィスに戻り、プリマスによるプレゼンテーション
ル・メリディアンホテルに戻る
出発 17:55(ル・メリディアンホテル)
マウントフェーバーのシーフードレストランにて夕食
エアリアル・ケーブルカーに乗り、セントーサ島へ
セントーサ・ミュージカル・ファウンテン観覧
ル・メリディアンホテルに戻る
1.プリマスオフィスビル
研修会の3日目となる10月7日、常夏の国シンガポールはこの日も天気に恵まれ、朝から気温
は3 0度近くあったと思われます。研修会の一行3 0名はJ T B現地案内人のジミーさんの案内で、
午前8時30分にバスに乗り込み、ル・メリディアンホテルを出発しました。
この日は、現地デベロッパーのキャピタランドのグループの会社で、不動産管理事業をして
いるプリマス・インターナショナルにおいて、シンガポール交通省とプリマスの方々によるプ
レゼンテーションを受講しました。当初、シンガポール交通省において、公式訪問を行う予定
でしたが、ちょうどブルネイの要人が訪問されているということで、プリマスへ変更となった
ようです。
プリマスがあるオフィスビルの敷地内は植栽の緑がとても美しく、社屋も非常にきれいでし
た。社内に入ると早速、上階にあるプリマスの講堂に通されました。プロジェクターや演壇が
あるプレゼンテーション設備が整った部屋で、我々一行30名とシンガポール交通省(LTA)の
方、プリマスの社員の方々が余裕で入ることができるキャパシティを持った大きな部屋でした。
以下は、今回のプリマス訪問についてまとめたものです。
<進行内容>
午前の部
①プリマスのホー氏(Mr. Hoe Boon Leong)による紹介と挨拶
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②LTA(交通省)のエディ氏(Mr. Eddie Lim)による開会の挨拶及び
都市交通システムのプレゼンテーション
③(社)全日本駐車協会の原副会長の挨拶
④LTAとの質疑応答
⑤(社)全日本駐車協会の岡専務理事による日本における
交通事情のプレゼンテーション
⑥キャピタルタワー(プリマスが駐車場を管理)へ移動
⑦キャピタルタワーの商業施設と駐車場を視察
⑧キャピタルタワー52階のチャイナクラブで昼食
2.(社)全日本駐車協会
原団長の挨拶
午後の部
⑨プリマスのホー氏(Mr. Hoe Boon Leong)によるキャピタランドグループの会社案内と中
央駐車場管理システム(CCMS)についてのプレゼンテーション
⑩プリマスのロバート氏(Mr. Robert Goh)によるCCMSを使った遠隔地の駐車場管理のデモン
ストレーション
⑪プリマスとの質疑応答
⑫閉会の挨拶
LTA出席者紹介
クエック氏(Mr. Quek Teck Beng)(開発・建築管理担当)
エディ氏(Mr. Eddie Lim)(ロードプライシング担当)
レン氏(Mr. Leng Soon Pak)
(ITSセンター担当)
プリマスの主な出席者紹介
ホー氏(Mr. Hoe Boon Leong)(プリマス駐車場管理)
ロバート氏(Mr. Robert Goh)(プリマス駐車場管理)
3.プリマス・インターナショ
ナルのホー氏
ミンチェン氏
シンガポール交通省(LTA)によるプレゼンテーション
※LTAとはLand
Transport Authorityの略称で交通省または陸上交通庁のことである。
シンガポールにおけるERP(Electronic Road Pricing)制度について
1.概要
ERPとはElectronic Road Pricingの略称で、すなわち道路における電子課金制度のことであ
る。シンガポールでは 世界に先駆けて、最新のシステムが導入された。
ERPは市街地での交通渋滞解消を目的とし、市街地への乗り入れを制限するものである。車
種・時間帯・地区によって課金額を変動させ、車の乗り入れを調節している。
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2.シンガポールの交通政策(LTA白書)
シンガポールでは交通渋滞を回避するため、1999年にLTA(交通省)が作られる。
交通省発足にあたり、1996年にその戦略としてLTA白書が公布され、以下の5項目の交通政
策が計画された。
①統合的な計画
LTAだけで開発するのではなく、都市再開発局・住宅開発公社・国立公園局と協力し合い、
毎年委員会が集まって、土地の有効活用を話し合い、20年後のシンガポールを目標とする。
②道路網の拡張
シンガポールは淡路島より若干大きく、東京 2 3区( 6 1 7㎞2 )とほぼ同じ国土(面積:
685.4km2、人口:約419万人(含1年以上在住外国人))で、およそ1/3は埋立地である。
その国土のうち、道路に使用されている割合と共営住宅に使われている割合はともに約
13%であるが、今後の道路の交通量増加を考慮し、現在進行中の高速道路を含め、新たに
道路網を拡大していく。
③進歩した技術によるシステムの導入
シンガポールには現在8本の高速道路が通っており、1800の交差点がある。これらを管理し
ていくため、高度な技術を導入する。グリーン・リンク・デターミング・グラインド・シ
ステムと呼ばれる最新技術のシステムによって、全て自動的に管理する。高速道路や交差
点ではスキャッツシステム(スキャニングシステム)というカメラを利用したシステムを
使用。
また、イーバスという案内表示板を使って交通状況などを案内するシステムを導入。
④公共交通機関の改善
交通渋滞回避のために公共の交通網を改良させる。
バス・電車は、ほとんど冷房完備。バスの乗換所にも冷房完備。
鉄道網の充実を図るため、現在のMRT(Mass Rapid Transit)のほか、より軽便な鉄道
LRT(Light Railway Traffic)の建設を進めていく。
ちなみに現在走っている列車は速くて、中もきれいである。日本製の列車もあり、カワサ
キや三菱重工を採用しているという。
⑤需要管理
交通の需要状況の管理をする。
車は使用状況だけでなく、所有状況も管理する。
3.ERP(電子道路課金)システム
(1)ERPシステムの導入
ERPシステムは1998年に導入されるが、1975年に自動化されていないマニュアル式の課金制
度を中央ビジネス地区(CBD)に導入していたため、導入に伴う抵抗はほとんどなかったと
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いう。これは、市街地(中心地)に車で入る際にライセンス(紙の証明書)を購入し、車のフロン
トガラスに貼っておく、というものである。車の通行量のピーク時とそれ以外の2種類の値段
があり、ピーク時で3S$(シンガポールドル:1ドルあたり約70円)、それ以外では2S$
が課
金された。一度購入すれば、その日は出入りが自由となる。ライセンスを掲示しないものには
罰則があり、70ドルの罰金が科せられる。警察がその取締りにあたり、交通渋滞の解消にかな
り効果があった。
しかし、このシステムでは、高い人材力が要求され、実際の交通状況によって、課金率を変え
ることができず、不便であったことから、車の所有人口増加に伴い、1998年9月にマニュアルシ
ステムから自動化されたERPシステムに切り替えられた。
(2)ガントリーの設置数
ガントリー(Gantry) という課金される入り口は中央ビジネス地
区(CBD)に28箇所あり、高速道路と外郭環状道路(ORR)
に17箇所ある。
これらが管理される時間帯はCBD(Central Business District)
で、午前7:30から午後7:00まで、高速道路とORR(Outer
Ring Roads)は午前7:30から午後9:30までとなっている。
朝の交通渋滞は経済的な意味でも悪影響を及ぼすことになり、 4.ERPガントリ−(by LTA)
細やかな交通量の管理のためにも、柔軟に課金率を設定できる
ERPシステムの導入が不可欠であった。ただし、中心地に入る全ての道路に課金されるわけ
ではなく、混雑しない道路や交通量が管理できる道路は今のところ課金されていないそうであ
る。
(3)ERPシステムの設備
①IU(In-vehicle Unit)
シンガポールのERPシステムの装置は三菱重工によっ
て、1994年から研究・開発が始まった。
シンガポールの車種は通常6種類あり、モーターバイク、
普通自動車、トラック・バス、大型トラック・大型バス、
緊急車両、タクシーに分けられる。それぞれの車種ごと
にIU(In-vehicle Unit)と呼ばれる車載機が作られた。
ERPの課金は車種別に道路占有率が考慮され、PCU
5.IU(車載機)の種類(by LTA)
(Passenger Car Unit)の課金率が決められた。(普通自動
車:1.0、バイク:0.5、トラック・バス:1.5、大型トラック・バス:2.0)
緊急車両(パ
トカー・消防車・救急車等)はERPでは除外車として認識され、課金されないようになっ
ている。タクシーの車載機(IU)のみ、2つのディスプレイがついており、上に累算され
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た金額が表示され、その金額を乗客が支払うことになる。
②キャッシュカード
IUには前払い制のプリペイドカードを使用する。シン
ガポールではこれをキャッシュカードと呼んでおり、I
Cチップの入ったICカードで、銀行のコンソーシアム
が発行している。500ドルまで前払いが可能で、残高が
少なくなったら、各地の自動預金受払機(ATM)・ガ
6.キャッシュカード(by LTA)
ソリンスタンド等でチャージできるようになっている。
また、このカードはERPだけでなく、買い物にも使用でき、駐車場にも使えて、非常に
便利である。待つこともなくなり、大変スピーディーに決済できる。
③運転者のために簡略化された操作手順
IUの表示板に走行する道路が課金時間内か 課金時間外か 表示で案内する。
課金時間内であれば、IUにキャッシュカードを挿入し、IUの動作確認を行う。
ERPのガントリーを通り抜けると直ちに料金が引き落とされ、IUの表示板に差引残高
が表示される。最後にキャッシュカードを引き抜く。
④ERPの工程
車が1番目のガントリーに近づくと車の位置を察知するシ
ステムが働き、ガントリーのアンテナがIUとコミュニ
ケーションを取って、車の識別番号を読み取る。
時間帯・場所・車種によって料金が計算され、キャッシュ
カードから料金を引き落とし、電子領収書を発行する。
そこで、ガントリーの2番目のアンテナに近づくと探知機
7.ERPの工程(その1)
(by LTA)
が車幅を測定し、IUと照合する。
もしも、IUにキャッシュカードを入れていなかったり、
残額が不足していたり、IU未設置車だった場合、1番目
のアンテナに反応しないので、エンフォースメントカメラ
システムが作動し、写真を撮られることになる。ナンバー
プレートが読み取られ、中央の制御システムが自動的に解
析して、3∼4日のうちにそのドライバーのところに通知
8.ERPの工程(その2)
(by LTA)
が届くようになっている。
これらの工程が全て自動的に行われている。
⑤中央コンピューターシステム(Central Computer System)
中央のコンピューターシステムにおいて、ERPシステム
が適切に作動しているか24時間監視している。
5年間にわたり、ERPのガントリーの管理契約を三菱重
工の東南アジア本社が行っている。もともとはフィリップ
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9.ERPの工程(その3)
(by LTA)
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ス大公の仕事であった。
設備のモニタリングと金融取引等の財務的な処理、
違反車両の画像の処理をしている。およそ8,000万S
$がERPで課金されて徴収されるが、このお金は
交通省には入らず、政府の一般会計となる。ただ、
罰金として徴収したお金は交通省のほうで徴収でき
るが、交通省としては、その違反のイメージをなく
したいらしい。
10.中央コンピューターシステ
ム(by LTA)
1日約1200件の違反があり、ほとんどがキャッシュカードの不携帯であるという。
ここで徴収された違反金は ほとんど その管理コストに充てられる。
大体1ヶ月 15,000 S$で、それ以上にはならないそうだ。
(4)ERP実施の準備
①政策変更
シンガポールの車は非常に高価で、全て輸入車ということもあり、多くの税金がかけられ
ていた。例えば、トヨタのカローラで、72,000S$(約500万円)。景気の良かった1990年代
には120,000S$近くまで上がったこともあるという。車には使用料と所有料が課せられたた
めである。
シンガポールではERPを導入した時点で、政策変更を行い、これらの車両税が少し下げ
られ、また、車の所有者に対して、税金の還付措置を行った。特に商業者(トラック業者、
バス・タクシー業者)に対しては優遇措置を行い、最初の4年間は年間に250S$の還付金が
あり、4年間にわたって段階的にPCUレートを引き上げ、一般車に合わせていった。タク
シーは3年に渡って段階的に導入され、2000年10月2日に最終的な課金率で課金される。バ
スとトラックは4年に渡って段階的に導入され、2001年9月24日に最終的な課金率で課金さ
れた。
②車載機(IU)の取り付け計画
ERPシステムを導入する10ヶ月前(1997年9月)に導入時の混乱を避ける為、すべての車
の所有者に対して、10ヶ月間のうちにIUを取り付ける通知が書面で送られた。
国内に300箇所の設置場を設け、期間内に取り付けた場合、費用を無料とし、期間を過ぎる
と約150S$を払うことにした。その結果、国内の車全体の99%以上にIUを導入することが
出来た。
③公表(宣伝・広告)
特設ERP直通電話(ホットライン)を設置し、パンフレットを車の所有者に送る等、広
く公表することで、教育を行った。
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11.パンフレットによる宣伝・
広告(by LTA)
12.IUの機能確認(by LTA)
④運転手のためテスト
ERP実施の4週間前(1998年8月)に運転手のためのテスト期間が設けられた。
IUを試してうまくいかない場合のためにアイクリニック(カスタマーサービスセンター
のようなもの)を設け、技術者が調査し、不良品は無料で交換された。
テスト期間中は課金されなかった。
運転手はIU(車載機)の問題をチェックし、取り付け位置などを変更することができた。
(5)ロードプライシング料金について
ERPでのロードプライシング料金は車種、エントリーの場
所、時間帯によって、課金率を変えることが出来るようにな
った。
今までのマニュアルのシステムでは料金の種類が2種類しか
なかった。それは、交通量のピーク時に3S$とそれ以外に2
S$が課金されるものである。
ERPでは交通量の異なる時間帯によって細かく課金率を変
え、交通量を調整する事が出来るようになった。その結果、
13.ロードプライシング料金
(by LTA)
課金の全体の徴収量は以前のマニュアルの時よりも少なくなっており、かつては33箇所のガン
トリーしかないにもかかわらず、1億S$ぐらいを徴収していたものが、ERPになってから、そ
れが20%ほど減額する結果になった。
つまり、ERPシステムというのは、お金を徴収することが目的ではなく、交通量を管理する
為のものだということである。
(6)違反について
1日あたり1200件の違反事例がある。その中でIUの未設置の場合、罰金は70S$。
キャッシュカードの不携帯や残額不足は手数料として、10S$が課金される。
(7)CBDにおける交通量の変化
CBD(中央ビジネス地区)における交通量の変化を以前と比較してみると、朝の時間帯は以
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前より7.2%減少し、午後のオフピークの時間帯は7.6%下がっ
ている。これは多様な政策(マルティカルエスカレージメン
ト)をとった結果の表れであり、必要のない時に中央に入ら
ないように呼びかけた結果である。
夕方は28%増えているが、朝に比べても交通量が少ないので
問題ではない。
14.CBDにおける交通量の変化
(by LTA)
(8)ERP課金料率の調整
ERP課金料率の調整は使用に適した道路スペースを確保する
ことが最終目標である。
大学との共同調査の結果、実際に道路のキャパシティ能力を最適に使用する為には走行速度を
高速道路で45km/hから65km/hの間を維持し、一般道では20km/hから30km/hの間に保つ必要
があるということである。
交通エンジニアが3ヶ月調査した結果、高速道路において、45km/h以下にスピードが落ちるよ
うな時間帯の場所にはERPの率を上げ、65km/h以上のスピードが出せるような場所ではER
Pの率を下げることにした。
4.電子駐車場システム(EPS)
※EPSとはElectronic Parking Systemの略称です。
(1)ERPシステムの駐車場への適用
シンガポールでは99%以上の車両に IU(車載機)が取り付けられていることから、三菱とその
他の企業が共同作業でERPの技術を駐車場へ拡張することになった。
ERPを使用することによって、バーを使用する必要がなくなるのであるが、カメラ等のERPの
設備投資のコストが非常に高いという問題があり、民間の一般的な駐車場がこれを採用するの
は難しいと考えられる。
このEPSシステムは2年前に開発されたばかりであるが、一部の民間の駐車場業者がEPSシステ
ムを導入してから、シンガポールの公共住宅開発公社が この技術にかなり興味を持ち、昨年2
つの会社によって、パイロット試験が行われた。この結果に基づき、15の公共駐車場に対して、
EPSを導入していくという契約が交わされたという。
(2)EPSの導入過程
まず、ERPのアンテナのサイズを小さくして駐車場でも使えるようにした。
車が駐車場に入ってくると、このアンテナがERPと同様にIUとコミュニケーションをとり、車
の情報と時間をチェックする。駐車場を出る時も同様に作業が行われ、入場時と出場時の時間
差によって、駐車料金が計算され、自動的にキャッシュカードから差し引かれる。こうして、
ドライバーは今までのようにドアを開けて駐車券を抜いたり、料金を支払ったりする作業がな
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くなるのである。
EPSは混雑する駐車場では非常に有効で、今までは車の入出
場時にもたついていると、たちまち交通渋滞を起こしてしま
ったが、ERPではそれが解消されることになった。
(3)その他の代替システム
ある程度、電子機械精算をしている駐車場では、EPSを導入
する以前は 入出場時にキャッシュカードを精算機に入れる
15.EPS用アンテナとERP用の
IU(by LTA)
という方法をとっていた。
そこにERPのアンテナを追加することで、いままでのシステ
ムを使用しても、わざわざ窓を開けてキャッシュカードを精
算機に入れるという作業がなくなるわけである。
また、IUのない車両の為に、入場時にそのまま通過して、出
場時にキャッシュカードを精算機に入れて精算する別の方法
もある。
シンガポールの駐車場には4つぐらいのシステムがあり、紙
の駐車券を使用するシステムはかなり残っている。その他に
16.EPS用の出口とIUのない車
用の出口(byLTA)
キャッシュカードを使用する従来型のキャッシュカードシス
テムの駐車場がまだ多い中で、完全にERPの新技術を取り入れてほしいという要望がかなり高
まってきているということである。
以上が、シンガポール交通省によるプレゼンテーションの内容である。
質疑応答について
ここで、質疑応答の内容を一部紹介いたします。
Q:シンガポールが1990年代に、ここまで高度なシステムを採用した理由は?
A:シンガポールでは土地の有効利用に対する計画が国の政策となっております。
現在、人口は約 400万人ですが、2006年には500万人になると予想され、この人口を支えて
いくだけの交通管理網が必要と1990年代に考え、この時期にITS(Intelligent Transport
System:高度道路交通システム)を導入することが、時期的に良いと考えました。
車の所有者が車を買うだけのコストだけではなくて、道路を使用するためにもコストがか
かることを徐々に認識していただくという意味もありました。
現在は、ある地区に対しての課金をしておりますが、他にも距離やゾーンによって課金す
るという、別のロードプライシング方式を土地の有効活用計画の委員会が考えております。
最終的には、中心部だけでなく、シンガポール全体に この道路課金システムを実施して
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いくことを最終目的としております。
Q:シンガポールの社会的な成功要因のひとつに電子マネー(キャッシュカード)の普及が
大きなサポートになったと思われますが、ローカル銀行のコンソーシアムがこのキャッシ
ュカードの発行運用を行っているということで、このキャッシュカードはERPの導入より
も先立って、一般生活に根付いていたのでしょうか?
A:キャッシュカードシステムはERPシステムを導入する1年前から導入しております。
国の方針として、シンガポールに電子マネー決済を広めていくという方針があります。
イーコマース(電子商取引)が普及し始めていることから、電子マネーの普及の必要性を
認識しておりました。信頼の置ける、安全なキャッシュカードを作ることによって、イン
ターネットでの使用も可能に出来るということです。
しかし、当初はあまり受け入れられず、ERPの導入前の1997年の時点ではイーコマース自
体はそれほど普及しておりませんでした。ERPの計画段階で2つの支払方法を考えており、
1つはプリペイド式という前払いのシステムと、もう1つは後払いのシステムでした。後払
いのシステムでは取り扱いの手数にコストがかかるということで、すでに導入されていた
キャッシュカードを使うことになりました。このERPを導入したことで、キャシュカード
の需要が高くなりました。
(社)全日本駐車協会 岡専務理事によるプレゼンテーション
(社)全日本駐車協会 岡専務理事から、日本における交通事情についてのプレゼンテーションが
ありました。
大きく分けて、次の3項目についての説明がありました。
Ⅰ.駐車場の現状
Ⅱ.TDM(Transportation Demand Management)東京行動プランにおける施策
Ⅲ.東京におけるロードプライシングとETC
1つ目は駐車場の現状として、日本の都市部での駐車場不足
による路上駐車(違法駐車)問題を取り上げ、いかに駐車場
に違法車を入庫させるか、運転手のマナーの指導・教育の問
題提起をしております。また、駐車場整備の現状と国土交通
省における駐車施策の概要についての説明がありました。
2つ目にTDM(交通需要マネジメント)東京行動プランにお
ける施策についても、交通渋滞の要因の1つとなっている路
上駐車の問題を取り上げ、各地の様々な対策例を紹介してお
17.全日本駐車協会 岡専務理
事によるプレゼンテーション
ります。
その他の施策として、自動車利用の自粛を促すこと、自動車利用からの転換を促すことを取り
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上げ、環境問題対策と公共施設・交通機関の利便性の向上の
必要性を訴えております。
自動車交通を抑制する施策についての説明では、ロードプラ
イシングの導入、企業保有車の自宅持ち帰り自粛、物流対策
について言及しております。
3つ目の東京におけるロードプライシングと ETCについては、
東京における慢性的な交通渋滞が都市機能の損失と深刻な大
気汚染問題を引き起こしていることから、その対策として、
18.(社)全日本駐車協会
岡専務理事
ロードプライシングの実施を取り上げ、その実施案と実施による影響予測、法的根拠、課金収
入の使途などの説明がされました。
また、2001年に正式導入されたETCについての説明もありました。
シンガポールと比較すると「その普及と実施の遅れ」が明らかであり、今後の課題として、
「実
施エリアをどこまでにするか」、
「法律の改正」、
「各種関係業界の利害関係をどう調整するのか」
、
「設備投資の負担をどこがするのか」などの調整が必要であることに加え、「公益法人である全
日本駐車協会としてもロードプライシングとETCの導入にあたっては官民双方により効果的な
ものを選択していきたいと考えております。」と述べられ、説明を締めくくられました。
シンガポールの方々からのコメント
これに対し、シンガポールの方々からコメントがありました。
「道路課金制度を導入することは政策的にも非常にセンシティ
ブ(微妙)な問題であると思われます。それを踏まえたうえで、
日本でこのE R Pシステムが成功することを願っております。」
というLTAの方からのコメントを受け、プリマスのホー氏か
ら、「シンガポールは国土が小さいという地の利があることで、
何をするにしても、身軽に早く動けますが、日本の東京は少し
重たい気がします。」(日本でのERPの導入は時間もかかるし、
19.シンガポールLTAのエデ
ィ氏(Mr.Eddie Lim)
簡単ではないでしょう。)というコメントを残されました。
キャピタルタワー 商業施設及び駐車場見学
午前の部が終わり、プリマスが駐車場管理をしているという
キャピタルタワーへ移動し、商業施設と駐車場を見学しまし
た。
キャピタルタワーは地元デベロッパーであるキャピタランド
が所有する超高層ビルで、駐車場はEPSシステムを採用して
20.キャピタルタワー駐車場入口
おります。収容台数は4 3 0台、日中は3人で管理しており、 発券機の横に駐車料金表と規約が書
夕方から翌朝までの夜間は警備会社に委託しているそうで いてある
―81―
Parking・170号
す。
到着すると2班に別れ、ステーション1、ステーション2、ス
テーション3と呼ばれる駐車場の出入り口をそれぞれ見学しま
した。入り口には空き情報の表示板があり、地上4階まである
フロアーごとに空き台数が表示されるようになっております。
精算機にコンプリメンタリーチケット(無料駐車券)やスキャ
ニングチケットを入れると駐車割引が受けられ、「課金されま
せん」と表示されるとのことです。ちなみに駐車料金は以下の
通りです。
平日 (AM 7:00∼PM 4:59)
21.キャピタルタワー駐車場
入口バリアー
奥にフロアーごとの駐車台数が
表示されている。
2.05S$/30分
(PM 5:00∼翌朝AM 6:59)2.10S$/1回
土曜 (AM 7:00∼PM 12:59)
2.05S$/30分
(PM 1:00∼翌朝AM 6:59)2.10S$/1回
日曜祝日 (AM 7:00∼翌朝AM 6:59)2.10S$/1回
22.明るい印象のキャピタル
タワー駐車場内
シーズン(定期)駐車の車両は駐車区画が決められているのが
特徴的で、それぞれの区画にLED表示板があり、RESERVED
FOR(予約車専用)ということで、駐車車両の車両番号が表示
されています。天井にはセンサーがついており、車が駐車する
とこれに反応し、フロアーごとにある車両入口の駐車台数表示
板に自動的に数字が加算される仕組みになっています。
また、駐車料金の高いブロックと安いブロックにフロアーを分
けているのも特徴的です。
23.キャピタルタワー定期契約
専用駐車場
駐車場内がきれいで明るいのが印象的でした。
その後、キャピタルタワー52階にあるチャイナクラブで昼食を
表示板に駐車車両の車両番号が表
示されている
24.車両駐車確認センサー
25.駐車台数表示板
駐車スペースの天井に車両台数を自動
チェックするセンサーがついている
フロアーごとに車両駐車確認センサーと
連動して自動的に台数を表示している
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Parking・170号
とりました。超高層ビルなので、窓から見える景色は壮観で、高層ビル群を見下ろす感じでし
た。貨物の港も近くにあり、大量のコンテナ群が小さく見えました。
27.キャピタルタワー52階から
の眺望(その2)
26.キャピタルタワー52階からの
眺望(その1)
手前はキャピタランド所有のビル
奥には貨物用の港が見える
プリマスによるプレゼンテーション
1. キャピタランドグループの企業プロフィール
プリマスの親会社であるキャピタランドは大きく分けて、次の3つの事業に分かれている。
① 不動産事業
キャピタランド・レジデンタル(住宅向き不動産)
キャピタランド・コマーシャル(商業向き不動産)
② 不動産サービス事業
キャピタランド・ファイナンシャル(金融)
プリマス・インターナショナル(不動産管理サービス)
③ ホスピタル事業
ラッフルズ ホテル
28.キャピタランドグループ組織図
アスコット ホテルグループ
プリスマは不動産サービス事業に属する
以上の事業ユニットの中で、不動産管理サービスを提供しているのが、プリマス・インターナ
ショナルである。不動産管理の中の一部として、駐車場があり、駐車場管理の事業は、およそ
20年の実績がある。プリマスが管理している駐車場は30以上(約11000台)あり、その中で、短
期プロジェクトといわれるものが11箇所ある。短期プロジェクトとは、過去2,3年の間に従来の
駐車場システムから、電子駐車場システムに切り替えたところということである。
プリマスの主要取引先として、シティバンク、シンガポール・チャイニーズ・オーケストラ、
キャピタルランドがある。キャピタルランドは中央商業区の中でも、最も駐車場を持っている
オーナーである。年間に2000万S$以上の歳入を中央商業区の駐車場で上げているという。
2. 中央駐車場管理システム(CCMS)について
―83―
Parking・170号
①中央駐車場管理システム(CCMS:Central Carpark Management System)の概要
中央駐車場管理システムとは1つの場所で、複数の遠隔地の駐車場から出てくる関係データ
を建物所有者やオペレーター会社(管理者)が全て手に入れることが出来るというシステ
30.CCMSの能力についてについ
て(by PREMAS)
29.中央駐車場管理システム
(CCMS)について(by PREMAS)
ムである。
シーズン(定期)駐車契約をしていれば、名前・車両番号等の様々な情報が登録されてお
り、時間貸しの駐車の場合はIU(車載機)のユニットナンバーの情報が得られるようにな
っている。
全てがオンラインで処理され、これらのデータを使用して、シーズン(定期)駐車の管理
をしたり、経理処理や、報告書を出力したりする。
また、サード・パーティ・インターフェイス(第三者に対するインターフェイス)の仕事
として、銀行振込や電子支払いにも使用される。
遠隔地でのビデオモニターを利用した、バリアーのアーム制御が1箇所で出来ることから、
その様子を次のライブ・デモンストレーションにて説明する。
3.ライブ・デモンストレーション
①遠隔地データ
ケインヒル・プレイスという遠隔地にある駐車場のシステムにオンラインでアクセスする。
ウェブブラウザのあるコンピューターならば、このアプリケーション全てにアクセスする
ことが出来るという。
ユーザーIDとパスワードを入力するとケインヒル・プレイスの画面が表示される。
日時統計の項目をクリ
ックし、報告書を開く
と、1時間ごとの車の入
庫数、出庫数がわかる。
このデータを使って、
駐車場の占有率を分析
したり、駐車場の歳入
31.ケイヒンヒル駐車場システ
ムに接続する(by PREMAS)
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32.レポートを出力する(by
PREMAS)
Parking・170号
を細分化したりするのに役立つという。例えば、午前8時から12時までの間の占有率が高く
ないので、この時間帯にもっと駐車してもらうために、この時間帯のレートを下げるなど
の方法をとる。これにより、占有率を最大限まで引き上げることが出来るわけである。
33.ケイヒンヒル駐車場システム
に接続する(by PREMAS)
34.日時統計レポート(by PREMAS)
②ビデオモニタリング遠隔操作
さらにプリマスでは、駐車場で起こることがリアルタ
イムでわかるという、別のシステムが開発された。ビ
デオモニターを時計越しに見ることによって、現場で
起こっていることが、はっきりとわかるのである。こ
の機能により、バリアコントロールを操作することに
よって、バリアーを開けたり閉めたりすることが可能
となった。
35.ビデオモニタリング遠隔操作
(by PREMAS)
③ シナリオ実演
ここでロールプレイングによる説明をする。
設定は朝の午前2時、外は豪雨が降っている。1台の車
がガントリー(出口)のところまで入ってきて、イン
ターホンのボタンを押す。彼は財布を落としてしまい、
キャッシュカードもない。誰も その現場にいないの
で、助けを請うことも出来ない。このような状況でど
のように対処していくのか、というものを紹介するこ
とにする。
36.遠隔操作によるシナリオ実演
(by PREMAS)
(インターホンのブザーが鳴る。
)
管理者:「はい。どうされました?」
運転者:「私、財布をなくしてしまって、クレジットカ ードもないのですけど、どうやってここから出
られるでしょうか?」
管理者:「問題ないですよ。そちらのICの識別番号と名
前と住所を教えて下さい。
」
37.シナリオ実演(by PREMAS)
運転者:「IC番号は73139538です。」
バリアー解除の準備
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Parking・170号
管理者:「73139538ですね?じゃあ、お名前は何です
か?」
運転者:「スティーブ・リムです。」
管理者:「スティーブ・リムさんですね?わかりました。
じゃあ、住所を言ってください。
」
運転者:「************************です。
」
管理者:「じゃあ、携帯番号を言ってください。
」
運転者:「97304027です。」
38.シナリオ実演(by PREMAS)
バリアー解除の方法
管理者:「97304027ですね。問題ないですよ。これから、
こちらからアームを上げますので、そこから出て行ってください。
明日になりまして、こちらの事務のものから連絡いたします。」
運転者:「ありがとうございました。」
(管理者がパソコンモニターに表示されたバリアーのオープンボタンをクリックし、バリアー
のバーが開く。)
管理者:「今開きましたから、どうぞ、よい旅を。」
(車が出場する。
)
以上のように、実際離れた場所から遠隔地の駐車場の管理が出来るわけである。
また、このシステムは このような遠隔操作のほかにモニターの遠隔操作も出来る。
これは、複数の駐車場をまとめて中央で管理することが出来るという1つの例である。
情報がすべてデジタルで蓄積され、これをディスクに記録しておくことも出来、いつでも情報
を取り出し、見ることが出来る。
これが、中央駐車場管理システム(CCMS)による、複数の駐車場を1つの場所で管理する方法
である。
以上がプリマスによるプレゼンテーションの内容である。
質疑応答について(その2)
ここで、再び質疑応答の内容を一部紹介いたします。
Q:このオペレーションシステムは御社が開発したものですか?
A:このシステムの開発にあたっては、コンセプトをプリマスが考え、それをヒューレット
パッカードに委託し、ソフトウェアの開発をお任せしました。また、サンパックというシ
ステムインテグレーターに視覚と音声について、ソフトウェアにインテグレーション(集
積・統合化)する為に手伝っていただきました。
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Parking・170号
Q:シンガポールでは無人のハイテク管理をしていて、車を壊されたり、車の中の貴重品等
を盗まれたり、また車そのものを盗まれるなどということはないのでしょうか? 賠償責
任とか、お客様からの苦情に対して、どのような対応をするのでしょうか?
A:車に落書きや傷を付けられた場合や貴重品を盗まれた場合は、警察システムがしっかり
しているので、警察に任せます。
確かに このようなことはありますが、それほどの頻度はありません。
これは不動産管理の範疇に入ることで、セキュリティの問題です。幸いにも、今のところ
プリマスが管理している駐車場では、車の盗難にあったということは一度もありません。
カメラが捉えている為、盗難は難しくなってきています。最近でも、5ヶ月間、無断で進入
した女性がカメラによって捉えられていたので、その人を捕まえることが出来ました。デ
ータが残っていたので、その分を徴収出来たわけです。
保障に関しまして、シンガポールでは、はっきりした取り決めが存在します。
民間の駐車場に入る際、案内板に契約(規約)が書いてあります。
そこには 「駐車場
に入った場合、私どもには、保証する責任はない」としています。
支払い責任とか賠償責任をこちらにかけてしまいますと、ある人が何かほしい時に、それ
を盗まれたと言われた時にそれを保証しなければならなくなります。
このようなケースがあった場合、全部警察での取り締まりになります。まず、警察に報告
し、その後調査に入ります。
プリマスはウェブサイトを持っております。www.premas.com
をご覧下さい。この中で、オ
ペレーションの管理をしている内容が書かれています。とのことでした。
以上の内容が、プリマスで行われたプレゼンテーションの内容である。
プリマスでの講義終了後について
講義内容が充実し、質疑応答も多かった為か、予定の時間を大幅に過ぎてしまい、当初予定し
たケインヒル駐車場の見学はカットされました。
プリマスの研修講義が終了し、記念撮影後、バスに乗り込み、一行はル・メリディアンホテルに
戻りました。
午後5時5 5分 ル・メリディアンホテルを再び出発し、マ
ウントフェーバーのシーフードレストランにて夕食をとっ
た後、エアリアル・ケーブルカーに乗ってセントーサ島へ
向かいました。エアリアル・ケーブルカーは4人乗りのロ
ープ・ウェーです。シンガポールのベイエリアを望む絶景
ポイントで、夜景を満喫できました。途中ビルの中を通り
抜けるようになっており、そこは中継地の駅になっていま
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39.セントーサ・ミュージカル・
ファウンテン
Parking・170号
す。終点はセントーサ島のケーブルカープラザ駅に到着します。
駅を出ると大きなザ・マーライオンとよばれるタワーを見上げることになります。ザ・マーラ
イオンはライトアップされ、目からはレーザー光線が発せられ、口からは赤い光が灯っており
ました。キラキラと電飾が輝き、池が流れているマーライオン・ウォークを歩いていくと、ミ
ュージカル・ファウンテンの円形劇場が見えてきました。そこで、午後8時40分からのミュージ
カル・ファウンテンを観覧しました。ミュージカル・ファウンテンはコンピューター管理され
た噴水群が音楽に合わせて踊る幻想的なショーで、レーザー光線を駆使して、噴水のスクリー
ンに映し出される様々なキャラクターたちも踊りだします。ラストの水と炎の競演は迫力があ
りました。
こうして、今回のスケジュールが終わり、バスに乗り込み、ホテルへの帰途につきました。
この日は、特に充実した1日となりました。
今回の旅行での貴重な経験をさせていただいた シンガポールLTA関係者の方々、プリマ
ス・インターナショナルの皆様、JTBの関係者の皆様、全日本駐車協会事務局の皆様をはじ
め、多くの関係者の皆様に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
また、今回の旅行に参加いただいた皆様には、大変お世話になりました。皆様の貴重なご意見
や、お話を聞くことが出来て、とても勉強になりました。皆様のご発展を祈りつつ、大変拙い
文章ですが、ここでレポートを終えることに致します。皆様お疲れ様でした。
37.セントーサ・ミュージカルr・ファウンテン
噴水のスクリーンに映像が写し出される
研修報告③
10月8日(金)
丸の内駐車場㈱ 八木 豊
あっという間の3日間が過ぎ、ようやく慣れ親しんだメリディアンシンガポール ホテルを後に
一路、マレーシア クアラルンプールへ。一時間足らずのフライトとはいえ、やはり国際線に
なるので昼過ぎの出発ながら、9時にはホテルを後にする。サービスには定評のある「シンガ
ポール航空」を利用との事で、期待に胸膨らませ搭乗。う∼ん、CMのとおりシンガポールガ
ールは揃いの「バティック模様」のコスチュームで笑顔もなかなかでした。ちなみに男性のキ
―88―
Parking・170号
ャビンアテンダントが、これまた美男子揃いでやはりJALの負
けか?
そうこう感心しているうちにマレーシア国際空港へ無事にランデ
ィング。一同バスにて「Bandar Utama Shopping Center」へ向
け発車オーライ。このショッピングセンターは、クアラルンプー
ル郊外(車で15分との説明だが・・・30分はかかる!)にあり、
郊外型のメガショッピングモールである。核店舗はジャスコを含
めデパートメントストア2店舗、スーパーマーケット2店舗、専
門店600店舗からなる巨大なものである。また7スクリーンを持
全景と駐車場経路案内
つシネマコンプレックスも併設されており、営業時間は10時より
22時までである。
今回は当施設の駐車場を、アマノ株式会社様のご案内により見学
させていただいた。収容台数は、屋内7,000台、野外1,500台で、駐
車料金は終日:RM1(1リンギット=約30円)の均一料金との
事。この料金はクアラルンプール等の都市部との競争上、低価格
に設定してあるそうである。駐車場内の構造は日本とほぼ同一で、
基本的には入庫口で 発券→事前精算機で精算→出庫口で精算済
券の挿入という運用である。特筆すべきは、精算は全て事前精算
市内と空港のほぼ中間に位
置する
機で行い、出口では精算が不可なのである。従って出口では精算
済み券を挿入するだけなので渋滞はほとんど無いそうである。同
時に券紛失、硬貨・札詰まり、釣銭切れ等のトラブルで後続車両
を待たせる事も無い。単純な事ながら、出口でも精算処理を行う
事を「当然」と考えていた我々には、やや衝撃でラッシュ時に出
口で恒常的に「渋滞」となる駐車場においては、意外と効果的か
と思われる。駐車場利用台数は、平日8,000台、休日15,000台で、
事前精算機 アマノ社製
10名のスタッフで運営。スタッフの主な業務は精算機からの呼出
しに対する対応で、車両の誘導等は一切、行わないそうである。
また屋内7,000台のスペースに対し、28台の事前精算機で処理を実
施しており、スペース2 5 0台当たり1台の事前精算機で賄われて
いる。やや精算機の数が少ないように思われたが、均一料金・買
上割引(サービス券)無しという単純なシステムにつき、利用者
ペトロナスツインタワー
が精算機で滞る事も無いそうである。しばらく出口付近で観察を (ホテル部屋より)
するも、全ての車両が「精算済み駐車券」を機械に挿入し、スム
ーズに出庫していた。
「Bandar Utama Shopping Center」での見学を終え再びバスにて、
クアラルンプール市内のホテルへチェックイン。目の前には世界
一の高さを誇るツインタワー(452m、89階)が幻想的にライトア
ップされていた。荷物整理も早々に今宵の食事会場である「レス
マレー民族舞踊ショー
トラン スリ・メラユ」へ向かう。ビュッフェスタイルでのマレー料理が主体で、その数150種
類以上。あまりの数の多さに何を食して良いのやら・・・。一同戸惑いつつも、一人当たり2
―89―
Parking・170号
∼3皿はペロリ。程なく自慢の「マレー民族舞踊ショー」が前方
ステージで始まる。クアラルンプール市内でもショーの充実度は
トップクラスで、音楽も全て生演奏である。マレー料理と共に大
満足なディナータイムであった。やや慌しさはあったものの、大
変充実した一日を無事に終えることができた。
レストラン スリ・メラ
ユにて
研修報告④
10月9日(金)∼帰国 丸ノ内ガラーヂ㈱ 荻野寿人
研修旅行も最終日となった9日、この日は帰国する事もあり、クアラ
ルンプール市内視察のみの多少余裕のある日程でした。
マレーシアは日本の約0.9倍の大きさ(約33万km2)で、まずその首
都であるクアラルンプールの象徴とも言うべきペトロナス・ツイン・
タワーを全貌できる場所でバスを降り見学しました。このツイン・タ
ワーは高さ452m、88階建ての超高層ビルで近くの30階建てのビルがと
ても小さく見えるほどのスケールでした。
次にクアラルンプール市内からはどこからでもその姿を眺めること
ができるKLタワーに向かいました。このタワーは、総工費RM270億
ペト ロナ ス・ ツ イ
ン・タワー
(約8,000億円)をかけて1996年に完成した高さ421mのタワーだそうで
す。世界で4番目に高いタワーで、放送局や電気通信局として使用され
ており、一国の首都にそびえ立っていることから、日本でいえば東京タ
ワーと言った感じでしょうか。高速エレベーターを1分程乗り、タワー
の展望台(276メートル)に到着しました。展望台からは、美しいクラ
ンの丘やクアラルンプールの街が見渡せ、素晴しい眺めでした。KLタ
ワーは、「パイナップルの丘」を意味するブキッ・ナナスという丘の上
に建っているのですが、このブキッ・ナナスはクアラルンプール市内で
唯一の自然熱帯雨林として保護されているそうです。
KLタワー
次にバスで移動後、王宮を見学しました。王宮と言う割に
は「建物が小さいなぁ∼」と思ったら、マレーシアの王様は
各州の王様の持ち回り制(5年)で、この王宮と言うのは仮
住まいで、自分の州に帰ると凄い王宮があるのだそうです。
昼食の後、国家記念碑を見学しにレイクガーデンという場
所に行きました。この、レイクガーデンは1880年代に作られ、
約9 2ヘクタールの広さを誇り、ボート遊びもできる湖の周囲
マレーシア王宮の正面ゲート
にトロピカルフラワーが咲き乱れ、熱帯植物が茂る、市内で最も人気のパークだそうです。国
―90―
Parking・170号
家記念碑は、レイクガーデンの北端にあり、マラヤ連邦の独
立をめぐる闘争の戦死者を悼むためのもので、1 9 6 6年に建立
されたそうです。ここで、簡単にマレーシアの歴史を説明し
ますと、イギリスの植民地時代(1 7 8 6年∼)にゴム園の開発
とスズ鉱山の発掘に取り組み、その労働力確保のために、イ
ンド・中国から大量に労働者が送り込まれ、現在の複合民族
社会ができたそうです。その後、1 9 5 7年イギリスから独立し
て1 9 6 3年マレーシアが成立し、1 9 6 5年シンガポールが分離、
勇敢な7人の戦士の像(レイ
クガーデン)
独立して現在にいたっているそうです。マレーシアの国旗を掲げた勇敢な7人の戦士の像はブ
ロンズ製で、15mの高さがあります。
その後、バスから国立モスク、バツー洞窟などを見学しました。国立モスクは、かなり大き
な建造物で、尖塔の高さは、75mにも及び8,000人の人が同時に礼拝できるそうです。バツー洞
窟は、クアラルンプールから北へ約13kmに位置する鍾乳洞で、ヒンズー教の聖地だそうです。
272段もの急な石灰石の階段があり、タイプーサムという年に一度のお祭りでは、ここに10万人
の信者が集まり、懺悔の儀式を行うそうです。高速道路に乗っているときに気がついたのです
が、高速道路のインターチェンジが丸くなっていて時計回りで車が回っています。これをラウ
ンドアバウトといって回っている車が優先で、空いてるすきに回っている車の流れに合流する
そうです。合流後は自分の行きたい方向で、回っている車の流れから出るという交差点だそう
で、日本の道路交通システムもイギリスがモデルのようですが、日本にはなぜか無いシステム
なので大変目面く思えました。
研修最後の夕食はマレー風寄せ鍋というマレー版おでんの様な鍋料理を楽しみました。帰り
の機内では、皆さんさすがに疲労は隠せずぐっすり寝ているようでした。
私事ではありますが、この日は体調を崩してしまいJTBの添乗員の方をはじめ皆様方に大
変ご迷惑をかけ且つ、気を遣っていただき、申し訳なく思っていました。唯、今回の研修会は
私を除けば体調を崩す人もなく、無事終了することができましたことは、全日本駐車協会の職
員、企画委員各位、JTB及び現地のガイドの方々のおかげと感謝致しております。心より御
礼申し上げます。
研修報告⑤
シンガポールのElectronic Parking System
アマノ㈱ 菅原 昇
シンガポールでは、マリーナ地区にあるコンベンションセンター・ショッピングモール・オフ
ィスビルの複合大型施設のサンテック・シティー(SUNTEC CITY)とダウンタウン地区にあ
る高層オフィスビルのキャピタル・タワー(Captal Tower)のEPS (Electronic Parking
System)を視察した。
EPSは、日本でETC (Electronic Toll Collection )と呼ばれる高速道路通行料金収受システム
―91―
Parking・170号
で使用される車載器と同様のIU(In vehicle Unit )を利用し、チケットレス・キャッシュレス
での駐車場管理システムを実現している。
EPSのシステムレイアウトは、現行の駐車券を使用する駐車場管理システムに比べてシンプル
な機器構成になっている。入口レーンに車両のIUと無線通信する為のアンテナユニットがカー
ゲートのすぐ後ろに車路に向けて設置され、ループコイルがカーゲートの前後に埋設されてい
た。出口レーンには、入口レーンと同様のアンテナユニット、カーゲート、ループコイルに加
え、割引券を読取る為のリーダーがカーゲートから3m程手前に設置されていた。駐車場管理
室には、アンテナユニットを制御するユニットと車両の入出庫を制御する駐車場管理コンピュ
ータが置かれていた。また、駐車場から施設への入出口には、IUに挿入するICカード(プリペ
イド方式キャッシュカード)に銀行口座からプリペイ金額をチャージできるヘルプステーショ
ン(HELP STATION)が設置されていた。このヘルプステーションは、EPSとは連動しておら
ず、プリペイド残額が少ない駐車場利用者の利便性の為に一般に利用されているプリペイドチ
ャージ機を駐車場への通路付近に設置されたと考えられる。
EPSでの入出場処理は、ETCと同様にスムーズでシンプルである。一般利用者の入庫処理は、
①カーゲート前のループコイルで車両が検知されるとアンテナユニットが無線通信を開始し、
車両に装着されたIUからIUラベル(車載器の固有ID番号)を読取る。②アンテナユニットは、
そのIUラベルを駐車場管理コンピュータに送信し、ゲートバーを開ける。出庫処理は、①入口
と同様に車両が検知されるとアンテナユニットが無線通信を開始し、IU ラベルを読取る。②そ
のIUラベルを駐車場管理コンピュータに送信する。③駐車場管理コンピュータはアンテナユニ
ットより送信されたIUラベルを基に、その車両の入庫時刻を検索して駐車料金を計算する。④
駐車場管理コンピュータは、アンテナユニットを経由して車両のIUと通信し、挿入されている
ICカードから駐車料金を引き去り、ゲートバーを開ける。⑥IUは、アンテナユニットを経由し
てICカードから料金を引き去ったことを駐車場管理コンピュータに通知する。
上記の様に駐車場利用者が出入口を通過するだけで駐車料金の支払を行えるEPSは、利点とし
て下記に示すことが考えられる。①駐車場利用者の利便性向上として、ドライバーは窓を開け
て駐車券を取ったり料金を支払ったりする必要が無く、ワンストップする程度で出入口ゲート
の通行が可能である。また、現金を用意する手間を必要としない。②駐車券が必要ない為の消
耗材の削減、システムがシンプルな為の保守工数の削減、現金を取り扱わない為の集金工数の
削減により、駐車場管理者のランニングコストをおさえることができる。③ERPで実績のある
無線通信とセキュリティ技術をベースとしており、システムとして信頼性が高い。④出入口で
の駐車券や現金処理が不要となるため,入出庫処理能力の向上が実現できる。
シンガポールでは、駐車券を使用する従来の駐車場管理システムにかわり、このEPSが普及さ
れて行くと考えられているが、日本でのEPSの導入・普及を考えた場合、技術的要素よりも社
会インフラの整備が重要である。シンガポールでは、日本のETCとほぼ同様のERP(Electronic
Road Pricing)システムが1998年に導入され,政府の意向でシンガポール国内のほぼ全車両に
車載器(IU)が装着されている。また、ICカード(プリペイ式キャッシュカード)は銀行協会
―92―
Parking・170号
が発行しており、ERP以外の利用を想定し運用されている。この様に、ほぼすべての利用者が
EPSを容易に利用できる社会環境のシンガポールに比べ、日本のETC普及率は十分とは言えず、
加えてETCカードの通行料金収受以外での利用は難しい状況にある。日本のこの様な社会環境
中では、シンガポールと全く同じEPSの導入は難しいと考えられる。しかし、日本でもETC車
載器の普及率は急激に伸びている上に、ETCで利用されている無線技術(DSRC)の普及促進
を政府が推進しており、徐々にではあるが社会インフラの整備が進みつつある。はじめから、
完全なチケットレス・キャッシュレスの駐車場管理システムが導入されるのは難しいとしても、
現行のシステムと併用したEPSが日本で今後採用される可能性は高いと考えられる。
○ 表紙説明 ○
【右上段】:国立蘭庭園(The National Orchid Garden)(シンガポール)に咲き誇る、い
かにも熱帯地域らしい鮮やかな赤色の蘭「デンドロビウム」
。
【左上段】:「マーライオン(The Statue of Merlion)」
(シンガポール)
シンガポールリバーの河口に位置するマーライオン像は、高さ8m。まさに
シンガポールの象徴であり、守り神のよう。因みに、シンガポールとは、イ
ンドネシア語で「ライオンの街」を意味するSing Purに由来するそうです。
【右下段】:「ペトロナス・ツインタワービル」(クアラルンプール)
この超高層ツインタワービルは、新都心KLCC(クアラルンプール・シテ
ィ・センター)の中核施設として、平成6年に着工し、平成9年1月に竣工
した。高さは、452m(88階建)を誇り、昨年 12月に竣工した台湾の台北国際
金融センタービル(通称:タイペイ101/101階建)の509mに次ぎ、世界第2
位である。マレーシアの巨大石油会社ペトロナスの所有するビルで、2棟と
も業務ビル。展望室はなく、最上階は、貴賓室となっている。御参考まで
に・・・世界第3位は、米国(シカゴ)のシアーズ・タワービルの442m(昭
和49年竣工)である。これに対して、米国が現在ワールド・トレードセンタ
ー跡地に建設中(平成21年竣工予定)のフリーダム・タワービルは514m(70
階建)となり、竣工時には再び米国に世界一高いビルが誕生することにな
る?
【左下段】:「連邦事務局ビル」(クアラルンプール)
正式名称は、「スルタン・アブドル・サマッドビルディング」今から100年以
上も前の明治30年に建てられた。サラビア・ムーア様式の茶褐色のドームは、
時計台で、ロンドンの国会議事堂の大時計「ビッグベン」同様、クアラルン
プールの象徴である。
―93―