国立大学法人 電気通信大学 独立研究科 大学院情報システム学研究科 Graduate School of Information Systems The University of Electro - Communications Information Systems 『 IS宣言 IS宣言 』 』 『 産 業 革 命によって、 人 類はエネルギーを操作できるようになり、 作できるようになり、 産業革命によって、 人類はエネルギーを操 肉 体 労 働は機 械に代 替させることができるようになった。 肉体労働は機械に代替させることができるようになった。 大 量 生 産システムの確 立は、 会と地球球環環境を大きく変えた。 境を大きく変えた。 大量生産システムの確立は、 人人間間社社会と地 一方、 20世紀なかばに出現したコンピュータにより、 一方、 20世 紀なかばに出 現したコンピュータにより、 人 類は人 工 的に情 報を操 作する手段を獲 段を獲得した。 得した。 人類は人工的に情報を操作する手 コンピュータと通 信ネッ トワークの急速な発 速な発展は、 展は、 コンピュータと通信ネッ トワークの急 社 会にも産 業にも巨 大な力を与え、 社会にも産業にも巨大な力を与え、 今日、 今日、 高高度情報化社会と呼ばれるものをもたらした。 度 情 報 化 社 会と呼ばれるものをもたらした。 IS学 情報システム学)はこのような力をさ )はこのような力をさ らに発展させ、 展させ、 I S学 ((情報システム学 らに発 さまざまな新しい情報システム さまざまな新しい情 報システム --計計算算機機、、 通通信信、、 社社会会、、 生生態態、、 環環境境--をを 創 造 的に構 築するための理論論的・技 的・技術術的的基基盤の先 盤の先駆駆的的開開拓を目指す。 拓を目指す。 創造的に構築するための理 我 々は、 我々は、 先先進的な研究成果を世に問い続け、 進 的な研 究 成 果を世に問い続け、 多くの研 究 機 関との幅 広い連携を深め、 携を深め、 多くの研究機関との幅広い連 IS学の未来を担う優秀な人 来を担う優秀な人材を育て社 材を育て社会に送り出す。 会に送り出す。 I S学の未 いまこそ、 志ある若人達のIS学 への参加を期 加を期待する。 待する。 いまこそ、 志ある若 人 達のIS学 への参 IS 学 で時代 を創造 する… 情報メディアシステム学専攻 社会知能情報学専攻 情報ネットワークシステム学専攻 情報システム基盤学専攻 http://www.is.uec.ac.jp/ 2007年4月、ISは生まれ変わりました! 電気通信大学 大学院情報システム学研究科 (I S) は、 情報システム学の諸分野の教育研究を行う目的で 1992年4月1日に設立されました。設立から15周年を迎えた2007年度、 これまでの専攻組織を再編成し、 4つの専攻から成る新たな研究科へと生まれ変わりました。新たに、 「情報メディアシステム学専攻」、 「社会知 能情報学専攻」、 「情報ネットワークシステム学専攻」、 「情報システム基盤学専攻」の4専攻体制となりました。 1 研究科改編の背景と目的 本研究科が設立された1992年当時の情報システムは、製造、流通、金融、交通などの分野 における大規模な生産システム、物流システム、金融システム、交通システムなどが主なもので あり、 このような情報システムを 「設計」 し、 「ネットワーク」で結合し、 「 運用」するという観点から、 「情報システム設計学専攻」、 「 情報ネットワーク学専攻」、 「 情報システム運用学専攻」 という3つ の専攻が設置されました。 その後の情報技術の飛躍的な発展により、現在、情報システムは個人の 日常生活の隅々にまで行き渡り、人間社会のあらゆる活動に必要不可欠なものとなりました。本研 究科の果たすべき役割もますます大きなものとなってきています。 情報システム学という学問分野の特徴として、急速に変化している情報技術への柔軟な対応が 要求されるというものがあります。近年では、情報システム学の新しい展開、特に、人間および社 会と情報システムに関する教育・研究分野の充実を図ることが新たな課題として特に重要度 を増してきています。 このような時代の変革と要請に応じた教育・研究を推進していくために、本研究科は組 織を再編し、新しいISとして生まれ変わることになりました。新しい専攻は、 それぞれ 「人間と情報システム」、 「社会と情報システム」、 「情報ネットワーク」、 「情報 システム基盤」の4つテーマを中心に据えて、先進的な情報システム 学に関する教育・研究基盤を確立していきます。 4 情報メディア システム学専攻 「人間と情報システム」 をテーマと した専攻です。個人としての人間と 情報システムの関わりに関連 する様々な問題を研究対象 としていきます。 社会知能 情報学専攻 「社会と情報システム」 をテーマと した専攻です。情報システムを 基盤とし、創造的な社会の 構想や実現を図る理論や 方策を研究して いきます。 情報ネットワーク システム学専攻 2 「情報ネットワーク」 をテーマと した専攻です。情報システムに おける多様なコミュニケーション を支える基盤技術の確立を 目指します。 研究科の新しい組織編成 新しい研究科組織は、情報システム学に関する教育・研究領 域を幅広く深く追求することを目指しています。特に情報シ ステムと 「人間」および「社会」 という観点からの教育・ 研究を強化したのが特徴です。具体的には上記の 4専攻体制で教育・研究を行っていきます。 情報システム 基盤学専攻 「情報システム基盤」 をテーマと した専攻です。他の3つの専攻での 教育・研究を展開するための 基盤となる情報システムを、 ハードウェアとソフトウェアの 両側面から追求します。 5 日本唯一、大学院独立研究科。 Information Systemsのニーズ 電気通信大学大学院情報システム学研究科は、広い学際領域と急速に発展しつ つある分野を持つ情報システム学にかかわる高度な教育研究を推進しています。 この分野の第一線で活躍中の優秀な研究者を教授陣に集め、最新の教育研究設 備で、情報システム学における諸問題の解決に取り組める創造的・積極的な人材 の育成をめざしています。 外部機関と連携して最先端の技術を学ぶ キャンパスは都心近くにあり、交通の便にも恵まれています。このような地の利 を活かし、さまざまな研究機関と協力体制を作り上げています。連携研究機関か ら研究者を客員教授として招き、講義や研究指導を通して実社会の情報システム を学ぶことができます。また、これらの連携機関先で実社会を対象とした最先 端の研究を行うこともできます。 現在の連携機関: NHK放送技術研究所、㈱日立製作所中央研究所、 (独)情報通信研究機構、 ㈱東芝、 (公財)鉄道総合技術研究所、NTTソフトウェアイノベーションセン タ、国立情報学研究所、㈱KDDI研究所、 (独)宇宙航空研究開発機構、日 本電気㈱中央研究所クラウドシステム研究所、NTT㈱情報流通プラットフォー ム研究所、NTT㈱サービスインテグレーション基盤研究所 あらゆる人材の幅広い受け入れ 本研究科は学部を持たない独立研究科として、全国の大学学部の卒業生、社会 人、留学生に広く門戸を開放しています。情報システム学の諸問題に取り組もう という熱意と創意にあふれた志願者が、出身学部や学科の専門を問わず入学で きるよう、入学者選抜制度や授業科目に細かな配慮が行われています。例えば、 学生の多様なバックグラウンドに対応するために、博士前期課程 1 年の前学期に は、情報システム学に関する基礎知識を集中的に習得できるカリキュラムが用意 されています。 6 広がりゆく情報システム学 充実した教育・研究環境 本研究科では、学生 3 〜 4 人に対して教員 1 人が指導にあたります。研究指導の実施形態は研究室によって様々ですが、 どの研究室に所属してもこの比率が示すようなきめ細かな研究指導が受けられることは確かです。また、各研究室には 学生個人が使用する計算機が 1 人に 1 台以上用意され、各人に割り当てられた個人ブースにおいて学生一人一人が 研究に専念できるよう配慮がなされています。 豊富な講義科目群 本研究科では、実社会と深く関わった教育研究の場を提供することを、基本方針としています。研究内容に 応じた最先端の科目を講義する専門科目や情報システムに関する基礎知識を講義する基礎科目のほかに、 産業界で活躍する企業等の研究者がその専門分野を幅広く講義する応用科目、外部の研究者が様々な トピックを広くもしくは深く講義する特別科目が用意されています。また、講座間を超えて学際的な 分野や境界領域に対する広範囲な知識の習得を目的とした合同輪講を行います。 求められるグローバルな発想,国際舞台で世界を相手に 情報化の急速な発展に伴う国際社会の変化で、地球規模でものごとを思考するというグローバルな 発想を、これまで以上に求められるようになっています。科学技術の分野では一国の利害を追求す るのではなく、世界を見据えた国際協調や国際貢献に寄与することも、研究活動に求められていま す。本研究科では学生が研究成果を外国の雑誌に投稿することや国際会議で発表することを積極 的に押し進めています。また、諸外国の著明な研究者を招聘し共同研究を行ったり、国際プロジェ クトの推進など活発な海外交流を展開しています。 様々な経済的支援制度 奨学金には、日本学生支援機構、東京都育英会及びその他地方公共団体や民間団体等の育英資金 があり、月額5万円〜13万円程度の奨学金が貸与または給付されます。さらに学生の経済的負担の軽 減を図り、学位取得チャレンジを支援することを目的にティーチング・アシスタント制度、リサーチ ・ アシス タント制度が用意されています。年度の予算等により金額や割合は年によって変動しますが、過去の実 績では、リサーチ・アシスタントとして雇用された学生への支給額48万円(年あたり上限値) 、奨学金 希望者への授与割合、約40%(日本学生支援機構奨学金受給率)および、約85%(外国人留学 生の奨学金受給率)となっています。 7 これが情報システム学だ この表は、"情報システム学"の教育・研究分野の例と専 攻・講座との対応を示しています。皆さんが興味をもっ ●末廣尚士、○工藤俊亮、△冨沢哲雄、 □布施哲治、□高山佳久 生体情報システム学講座 ●中村 整、●樫森与志喜 制御システム学講座 ●木田 隆、●明 愛国 システム設計基礎学講座 ●大須賀昭彦、○田原康之、△清 雄一、 ■折原良平、□川村隆浩 知識創産システム学講座 ●植野真臣、□土屋隆司、□宮地由芽子 社会情報システム学講座 ●栗原 聡、○山本佳世子、△篠田孝祐、 ■鬼塚 真 経営情報システム学講座 ●田中健次、○岩崎 敦、△松野 裕 ■本位田真一、□石川冬樹 政策情報学講座 【選考中】 情報システム管理学講座 ●鈴木和幸 ネットワーク基礎学講座 ●長岡浩司、○小川朋宏、△鈴木 淳 ネットワークアーキテクチャ学講座 ●加藤聰彦、○大坐畠 智、△策力木格、 △山本 嶺、■岡田和則、□Ved Prasad Kafle ネットワークコンピューティング学講座 ●吉永 努、○入江英嗣、△吉見真聡、 ■樫木勘四郎、□荻野長生 応用ネットワーキング学講座 ●森田啓義、○笠井裕之、△眞田亜紀子、 □片山保宏 ネットワークセキュリティ学講座 ○山口和彦 情報システム基礎学講座 ●南 泰浩、○古賀久志、△戸田貴久、 □柳生智彦、□鈴木一哉 基盤ソフトウェア学講座 ●多田好克、○小宮常康、□末田欣子、 □本庄利守 データベース学講座 ●大森 匡、○新谷隆彦、△藤田秀之 高性能コンピューティング学講座 ●本多弘樹、△和田康孝、■李 還幇、 ■田 光江 基盤ハードウェア学講座 ○田中久陽、○小島年春 e-learning 知能システム学講座 教育工学/ ○野嶋琢也、△佐藤俊樹、□栗原恒弥、 □山田隆亮 ソフトウェア工学 対話型システム学講座 情報システム設計 ●田野俊一、○橋山智訓 エンターテインメント・メディアアート 情報システム基盤学 情報メディア学講座 言語・非言語コミュニケーション 情報ネットワークシステム学 ●阪口 豊、○佐藤俊治、△佐藤好幸、 △饗庭絵里子、■岩舘祐一、□比留間伸行 マルチモーダルインタラクション 社会知能情報学 人間情報学講座 ヒューマンインターフェース ●教授、○准教授、△助教 担当教員 ■客員教授、□客員准教授 ロボティクス 情報メディアシステム学 8 講座名 メカトロニクス 専攻 ソフトコンピューティング およびWebページの「教員紹介」を参照してください。 マルチメディア・五感情報処理 い教育・研究内容については、この冊子の各教員の欄 脳情報処理 講座名と担当教員を探し出せます。各教員のさらに詳し 感覚運動システム た分野をキーワードから選び出せば、それが学べる専攻・ http://www.is.uec.ac.jp/ システムモデリングと解析 コンピュータネットワーク コンピュータアーキテクチャ 分散・並列処理 データベース オペレーティングシステム システムソフトウェア 画像処理とコンピュータグラフィクス プログラミング言語 データ構造とアルゴリズム 宇宙通信工学 衛星通信システム 情報セキュリティ Web技術 インターネットストリーミング クラスタコンピューティング 並列分散コンピュータシステム インターネットプロトコル 無線・モバイルネットワーク 量子情報 情報理論 情報ネットワーク政策 医療・災害情報学 信頼性工学/安全マネジメント学 経営システム工学/OR 組織科学 社会システム工学 社会情報学 人工知能と知識処理 9 短縮修了可能。効率的な履修システム。 充実した研究活動と発表の場。 入 学から修了まで 博士前 博士前 ・ ・ 後期 後期 (修士 (修士 ・ ・ 博士) 博士) 課程 課程 修学希望者 修学希望者 博士前期(修士)課程 修学希望者 標準修了 標準修了 修士 修士 1年目 1年目 修士 修士 2年目 2年目 博士 博士 1年目 1年目 博士 博士 2年目 2年目 標準修了 博士 博士 修了 修了 3年目 3年目 短縮修了 短縮修了 修士 修士 1年目 修士 修士 2年目 博士 修了 博士 1年目 修了 修士 修士 1年目 博士 博士 1年目 博士 修了 博士 2年目 修了 1年目 1年目 合計で3年間必要 2年目 1年目 2年目 2年目 修了 修了 1年目 修了 修了 修士 前期(修士)課程必要在籍年数 修士 前期(修士)課程必要在籍年数 博士 後期 後期 (博士) 課程必要在籍年数 (博士) 課程必要在籍年数 博士 科目と単位 ・修得すべき授業科目は、専攻ごとに設定された 30 以上 の科目から履修していきます。修了に必要な単位数は、 前期課程が合計 30 単位以上、後期課程が合計 16 単位 以上です。このうち 12 単位は、指導教員によるゼミを含 めた研究内容に直接関連する授業になります。また、必 要に応じて、入学前や後に他の大学院で履修した科目を 修了に必要な単位数に加えることもできます。 タイム・スケジュール ・博士前期課程 1年次には講義により情報システム学の基礎的事項を中心に学び、各自に割り当 てられたコンピュータを用いて、演習およびレポート作成を効率よく行っていきます。 2年次は研究活動が中心となり、受講する講義も専門の科目に絞られ、研究テー マは指導教員と相談しながら決定します。研究内容については、研究室で行われ るゼミで論議していきます。 研究成果は国内または海外の学会で発表していきま す。そして、最終的に修士論文としてまとめ、2月の論文発表会で発表します。 ・博士後期課程では、指導教員と相談の上、それぞれの方法とスケジュールで 研究活動を進めていき学術論文誌への投稿や国際会議での発表を行いながら 博士論文をまとめます。 10 1年目 1年目 修士 修士 1年目 2年目 ・博士前期課程(修士課程)は標準で2年です。 ・優れた研究業績を上げた人は1年間での短縮修了も可能 です。 ・博士後期課程(博士課程)は標準で3年です。 ・博士前期課程同様、1年間で短縮修了も可能です。 ・前期課程を短縮修了した者は後期課程を1年で修了する ことはできません。前期と後期を併せて3年間が必要です。 修士 修士 短縮修了 短縮修了 1年目 修業年数 修士 修士 就学支援 ・奨学金には、日本学生支援機構、東京都 育英会およびその他、地方公共団体や民 間団体等の育英資金があり、月額 5 万円 〜 13 万円程 度の 奨 学 金が貸与または給 付されます。また、入学料および授業料を 免除する制度があり、これらの納付が困難 であり、かつ学業優秀と認められる場合に は、願い出により選考の上で免除になりま す。 情報メディアシステム学専攻 Department of Human Media Systems 人と情報を結ぶこれからを学ぶ MS 人間情報学講座 情報メディア学講座 対話型システム学講座 知能システム学講座 生体情報システム学講座 制御システム学講座 従来、情報システムは、生産、金融、流通など、個人の日常生活 からは隠れた大規模な事業システムにおける利用が主であった。しか し、近年、コンピュータ技術、ネットワーク技術が急速に発展し、情 報システムは個人の日常生活の中に深く入り込んでいる。そこで、本 専攻では、特に「人間と情報システムの関わり」という観点から情報 システムに関する教育・研究を行なう。 具体的には、情報システム を利用する人間自身の性質(感覚・運動系の性質、脳情報処理な ど) 、インタラクティブなインターフェース(言語・非言語コミュニケーショ ン、知的ユーザインタフェース、人間の創造的活動の支援など) 、効 果的な情報提示手法(グラフィックス、仮想現実感、映像アートなど) 、 人間と協調して機能する知能システム(行動メディア、知能ロボットな ど)を中心領域とし、あわせてそれらを支える基礎的領域(生物・物 質情報処理やシステム理論など)において教育・研究を行なう。 11 情報メディアシステム学専攻 CURRICULUM 人間情報学講座 人間情報学講座では、感覚・知覚・運動制御に関わるヒトの脳や身体の仕組みについて、 情報処理メカニズムの観点から研究する。脳のメカニズムの研究は、医学や生物学だけでなく 心理学、情報科学、工学など多分野の研究者が協力して行なう「総合科学」「学際科学」 である。本講座では「計算モデル」の考え方を軸として、これら多分野で得られた成果や異分 野の研究者をつなぐ架け橋となることをミッションとして活動している。ここでは、脳や身体の仕 組みを知ることだけでなく、それらの仕組みを踏まえたシステムや方式の提案・構築に関する研 究、また、音楽、舞踊、伝統工芸、武術などの身体技能に関する研究も行なっている。 〈連携機関:NHK放送技術研究所〉 情報メディア学講座 情報メディア学講座では、人間と人間、人間と情報システムのインターフェースとしての情報メディ アについて研究する。具体的には、言語(音声やテキスト)および非言語コミュニケーション、 複数の感覚モダリティ(視覚、聴覚、触覚、力覚など)を通じた情報のやりとり、人間の性質 や状態を反映した知的ユーザインタフェースシステム、人間の知的創造的活動を支援する情報 メディアについて研究を行なう。 対話型システム学講座 人間と情報とをつなぐ入出力インタフェースは、情報の利便性を著しく変化させ、日常生活・社 会活動に多大な影響を与えるものである。本講座では画像認識やバーチャルリアリティの技術 を利用することによる、対話型のインタフェースシステムの研究を行っている。具体的には、○ 画像や音声などを利用した情報の入力手法や人間活動の計測手法、○バーチャルリアリティ の技術を利用した感覚 ( 増強 ) 提示手法、○人間の感性や想像力に働きかけるメディアアート / エンターテイメント、の研究を行っている。そしてこれらの活動を通じた、対話メディアと人間と の関わり、その影響を多様な側面から総合的に研究している。 〈連携機関: (株)日立製作所 中央研究所〉 知能システム学講座 知能システム学講座では、従来の計算機の内部で閉じられた情報システムではなく、我々の生 活環境の中で物理的なインタラクションを伴いながら知的に振る舞う情報システムについて研究 を行っています.これに関連する事柄が、我々の教育研究の対象となります。具体的に研究テー マの例を挙げると、ハンドアイ・ロボットによる日常的な物体(特に柔軟物体)の操り、人間と 対戦できるエアホッケー・ロボット、自律移動ロボット、ヒューマノイド・ロボットによる人間動作 の模倣などがあります。これらに加えて、NICTとの連携で、人工衛星の監視や光通信などの 宇宙システムについても研究を行っています。 〈連携機関:情報通信研究機構(NICT)〉 生体情報システム学講座 生体情報システム学講座では、生体における情報処理機構に関して、現代的な分子論的生 物学に基づく研究を目指している。 様々なモデル生物の神経系について、電気生理学や遺 伝子工学など最先端の実験手法を適用し、情報系としての生命や人間を特徴づける物質的、 生物学的基礎について研究する。また、生物をつくる個々の要素から生物全体としてのマクロ な秩序がいかに作り出されるかという複雑系の視点から、感覚情報処理の神経機構、認識と 価値付けの行動への影響、さらに、細胞集団や人間社会などの複雑な系における動的秩序 創発など数理モデルやコンピュータ実験により研究する。これらをあわせて、生物の持つ特徴 的な情報システムの工学的応用をはかる。 制御システム学講座 制御システム学講座では、ヒューマンダイナミックスと運動制御メカニズム及びそのロボッ トへの応用に関する研究、新しい制御理論を使って現実の機械システムとくに宇宙開発に 応用する研究、教育を行う。 12 情報メディアシステム学専攻 ● 教員紹介 教授 阪口 豊 Yutaka Sakaguchi [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/sakaguchi-yutaka.html 現在の専門分野 生体情報論、感覚運動メカニズム、 技能情報学 主な研究課題 感覚・知覚・運動に関わる脳の情報処理メカニ ズムの理解、身体技能の遂行・学習のメカニ ズムの解明、また、それらを支援する方法の開 発、生体からヒントを得た情報処理手法の構築 准教授 佐藤 俊治 Shunji Satoh [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/satoh-shunji.html 現在の専門分野 生体情報処理・画像処理・神経情報学 主な研究課題 画像処理と視覚特性の融合 心理物理実験 脳細胞シミュレーション 助教 佐藤 好幸 Yoshiyuki Sato [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/sato-yoshiyuki.html 現在の専門分野 計算論的認知科学、 感覚運動情報処理 主な研究課題 多感覚情報統合のベイズモデル 適応現象の統計モデル 知覚と注意の計算理論 助教 饗庭 絵里子 Eriko Aiba [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/aiba-eriko.html 現在の専門分野 聴覚心理学、感性情報学 主な研究課題 聴覚の時間情報処理メカニズムの解明 感性の定量化 ある意味究極の画像処理・信号処理研究を行っています。 最近のデジカメには、顔を認識する機能などがついています が、このような高度の画像処理手法は、数千年前からすで に実現されています。それは我々の視覚であり脳細胞による 情報処理です。私は、ヒトの視覚系(一般的には脳情報処 理)を記述・理解するために工学的立場から考察・実験を行っ ています。また、視覚系の性質や機能を工学的に応用する ために、視覚機能を持たせた画像処理プログラミングの開発 なども行っています。「画像処理」「信号処理」「脳科学・ 脳工学」「プログラミング」「心理物理実験」「制御」「デー 人間は外界の情報を感覚器官で受け取り、処理し、それに 基づき行動を起こします。人間は現在まで長い進化の過程を 経てきたわけですから、これらの情報処理は何らかの意味で とても効率の良い、最適な計算になっているのではないでしょ うか。このような立場に立ち、脳はどんな計算をしているのか を明らかにする研究をしています。 私は、人間の知覚やその 適応現象について、ベイズ推定をはじめとした数理的手法を 用いてモデルを構築する理論的研究と、心理実験によりモ デルを検証する実験的研究の両面から研究を行っています。 これにより、人間の知覚や運動の計算理論を明らかにするこ とを目指しています。 研究テーマや課題等の内容について 人間情報学講座 私の研究テーマは、ヒトの脳の情報処理の仕組み、特に、感覚や 知覚、運動制御のメカニズムを理解することである。脳の仕組みは きわめて複雑であるため、その理解に向けて、医学や生物学だけで なく認知科学、心理学、工学などさまざまな分野の研究者が協力し て研究を進めている。その中で、私自身は、ヒトと同じような機能をも つシステムを工学の考え方に基づいて構築する「計算モデル」の手 法と、ヒトの感覚・知覚の性質や身体の動きを実験によって分析する 「行動実験」の手法を組み合わせて研究している。また、このよう な基礎研究に加え、 「技能情報学研究ステーション」の活動を通じて、 身体技能(楽器演奏、ダンス、武術、職人技など)に関する研究 に注力している。ここでは、身体技能の専門家と協力して議論や実 験を行ない、技能を遂行する身体や脳のメカニズムを探求するととも に、技能の習得や教育を支援する方式について研究している。 タベース」「好奇心」が研究のキーワードとなります。 研究テーマや課題等の内容について 人間情報学講座 研究テーマや課題等の内容について 人間情報学講座 研究テーマや課題等の内容について 人間情報学講座 聴覚の時間情報処理メカニズムの解明に向けて、心理物理 実験や、脳機能計測、聴覚抹消モデルによるシミュレーション を用いた研究を行っています。特に、音の情報を物理的な振 動から神経活動へ変換する重要な役割を担っている「蝸牛」 の働きに注目し、音の時間情報処理が、蝸牛、聴神経、脳 幹、聴覚皮質と進められるにつれて、どのように変化するのか を観察しています。 また、ピアニストとしての経験から、訓練よって生じる知覚の変 化にも興味を持って研究を進めています。 この他、音の感性評価や、製品に新しい価値を生み出すため にヒトの感性を定量化したり、同様の感性価値を持つ人々を 分類したりする手法の開発を行っています。 13 情報メディアシステム学専攻 ● 教員紹介 客員教授 岩舘 祐一 〈NHK 放送技術研究所〉 Yuichi Iwadate [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/iwadate-yuichi.html 現在の専門分野 画像処理 主な研究課題 3 次元画像処理 形状モデリング 立体映像 客員准教授 比留間 伸行 〈NHK 放送技術研究所〉 Nobuyuki Hiruma [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/hiruma-nobuyuki.html 現在の専門分野 認知科学 主な研究課題 人間の情報受容特性 メディアコンテンツの認知科学的分析 バリアフリーユーザーインターフェース 教授 田野 俊一 Shunichi Tano [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/tano-shunichi.html 現在の専門分野 知的ユーザインタフェース 主な研究課題 感性・知性・創造性支援ヒューマンインタフェース ソフトコンピューティングに基づく知的アルゴリズム 情報メディアの創造 准教授 橋山 智訓 Tomonori Hashiyama [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/hashiyama-tomonori.html 現在の専門分野 知的情報処理、ソフトコンピューティング 主な研究課題 知的システムの構築 ソフトコンピューティング手法の高度化 の形状を計測してそのモデルを再構成し、任意視点からの 映像を生成する手法などについて研究を行っています。 各 カメラの位置や向き等のカメラパラメータを予め計測し、各 カメラ間の幾何学的な関係を求めることにより被写体の形 状を計測することができます。 一旦、形状が計測できれば 仮想的なカメラを定義してそのカメラに写る映像を生成する ことも可能になります。このような要素技術をベースにして、 映像制作技術や立体映像への応用を図っています。 人間がどのように情報を受容するか、という問題を、主に情 報メディアとの関係という視点から研究しています。放送やネッ トといった情報メディアを考える時、その伝送容量や装置規 模といったシステムからの条件と、受け手である人間の視聴 覚や認知機能の特性とがよく整合した設計を行うことが大切 です。 送り手が意図した情報が、上手く受け手に伝わり理 解されるために必要な要件は何か、伝わらないことがあるの は何が原因なのか、を認知心理学、脳科学などのアプロー チで解明しようとしています。また、視聴覚に障がいをお持ち の方に、 そのハンディを乗り越えて情報をお届けするためには、 仮想世界指向UI(コンピュータの中に世界を作る) 、実世界 指向UI(実世界の中にコンピュータを埋め込む) 、知的エー ジェント指向UI(知性を持ったUI)を融合した新たなコンセプ トに基づく情報メディアの創造を目的として研究を進めていま す。この実現のためには、音声、手書き入力などの認識、 ユー ザ入力への応答の生成、応答のマルチモーダル応答への変 換が必須となります。 記号操作により知能を実現しようとする シンボリズム(例えば、記号を用いたルール推論)と、刺激 反応などの計算により知能を実現しようとするコネクショニズ ム ( 例えば、ファジィ技術、ニューロ技術など ) を融合した知 的アルゴリズムでの実現に取り組んでいます。 研究テーマや課題等の内容について 情報メディア学講座 3 次元画像処理の研究では多視点カメラ映像から被写体 どのような技術的可能性があるか、の研究も行っています。 研究テーマや課題等の内容について 情報メディア学講座 研究テーマや課題等の内容について 人間情報学講座 研究テーマや課題等の内容について 人間情報学講座 知的なコンピュータシステムの構築を目指して研究を進めてい ます。そもそも『知的』とはどういうことでしょうか。そこでは、 機能(アルゴリズム)の実現に加えて、どのように人間と関 わるべきか、適切な実現方法を選択することが大切になりま す。 最近は、理解はできるが納得できない、理性と感性で 反応が異なる、思わず無駄なことをしてしまうなど、非合理的 な人間の振る舞いにも興味があり、いわゆる人間らしさを実 現するシステムの設計に関しての研究も始めています。 使っ ている人間に適切に情報を提供するだけでなく、行動を促す ような知的システムを構築し、人間に楽しさを提供することが できれば良いと考えています。 14 情報メディアシステム学専攻 ● 教員紹介 准教授 野嶋 琢也 Takuya Nojima [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/nojima-takuya.html 現在の専門分野 ヒューマンインタフェース(HI) バーチャルリアリティ(VR) オーグメンテッドリアリティ(AR) 主な研究課題 VR/AR の基礎技術(視覚・触覚提示、感覚増強) VR のエンターテイメントへの応用 航空機パイロットの HI 助教 佐藤 俊樹 Toshiki Sato [email protected] 現在の専門分野 ヒューマン・コンピュータ・インタラクション (HCI)、 オーグメンテッ ドリアリティ(AR)、 エンタテインメントコンピューティング (EC) 主な研究課題 サーフェイスコンピューティング 実世界指向インタフェース 客員准教授 栗原 恒弥 〈 (株)日立製作所 中央研究所〉 Tsuneya Kurihara [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/kurihara-tsuneya.html 現在の専門分野 コンピュータグラフィックス 主な研究課題 医用画像の視覚化、定量化 コンピュータグラフィックスの応用 拡張現実感 客員准教授 山田 隆亮 〈 (株)日立製作所 横浜研究所〉 Takaaki Yamada [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/yamada-takaaki.html 現在の専門分野 コンテンツセキュリティ、マルチメディア応用 主な研究課題 電子透かし、スマートフォン 研究テーマや課題等の内容について 対話型システム学講座 する必要がある.その上で、ある目的を達成するためにはどん な情報をどうやって人に提示すればよいか、と言うことに思考 を巡らす.これにより、より使いやすい、あるいはより楽しい システムを作ることができる.ここでは人間特性理解・情報 提示の方法として、VR の技術を利用している.具体的には 心理物理学的手法による人間の視覚特性評価、周辺視野 特性を利用した速度感覚増強、航空機パイロットの行動計 測などがある.またこれらの応用として、速度感覚増強のエン ターテイメントシステムへの応用や、視覚・触覚提示を利用 人と情報コンテンツ、ゆくゆくは人と人とのより直接的な対話 を実現する新しいユーザインタフェース技術、新しいディスプ レイ技術の研究を行っている。 特に、テーブル型・壁型の大型ディスプレイに対する身振り・ 手振り・実物体を用いた直感的な入力技術の研究、新しい タッチスクリーン技術の研究、さらにディスプレイそのものの 表現能力を拡張する試みとして触覚フィードバック技術・立 体形状表現技術等の研究を行っている。 さらに、これらの技術を積極的にエンタテインメント・メディア アート方面へ応用し、国内外で発表・展示を行うことで技術 を広く・分かり易く・楽しく人に伝える試みも行っている。 研究テーマや課題等の内容について 対話型システム学講座 人に対して情報を提示する場合には,まず人間の特性を理解 したパイロットのための HI の構築といった研究も行っている。 研究テーマや課題等の内容について 対話型システム学講座 研究テーマや課題等の内容について 対話型システム学講座 医用画像処理およびコンピュータグラフィックスの研究を行っ ている。 医用画像関連では、医用画像の視覚化、複数画 像の対応付け(レジストレーション)の研究を行っている。 今後は、コンピュータビジョンの技術を応用 したグラフィック スの研究、拡張現実感に関する研究を推進したいと考えて いる。 画像セキュリティ、マルチメディア応用の研究を行っている。 画像セキュリティ関連では、著作権保護、プライバシー保 護に 興味を持ち、特に電子透かしを用いたコンテンツ追跡、 改ざん 検知に関する研究を行っている。マルチメディア応用 関連では、クライアント側のスマートフォン応用、サーバ側の ID連携に 興味を持ち、画像マーキング、リアルタイム処理 技術に関する 研究を行っている。 15 情報メディアシステム学専攻 ● 教員紹介 教授 末廣 尚士 Takashi Suehiro [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/suehiro-takashi.html 現在の専門分野 ロボット工学、知能システム 主な研究課題 知能ロボットシステム 人間共存ロボット ロボット用ソフトウェア 准教授 工藤 俊亮 Shunsuke Kudoh [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/kudoh-shunsuke.html 現在の専門分野 ロボット工学 コンピュータ・ビジョン 主な研究課題 人間行動観察学習ロボット ハンドアイ・ロボット ロボットによる芸術表現 助教 冨沢 哲雄 Tetsuo Tomizawa [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/tomizawa-tetsuo.html 現在の専門分野 ロボット工学、知能システム 主な研究課題 サービスロボット、自律移動ロボット、 分散ロボットモジュール、 人間とロボットの双方に優しい ユニバーサルデザイン 客員准教授 布施 哲治 〈 (独)情報通信研究機構〉 Tetsuharu Fuse [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/fuse-tetsuharu.html 現在の専門分野 太陽系天文学、天体力学、人工衛星 主な研究課題 ボットシステムは単一の個体とは限らず環境中に分散したセ ンサやアクチュエータが協調して人間を支援するようなロボッ トスペースや遠隔介護システムのようなものも含んでいる。 このようなロボットシステムをより知的で柔軟に人間の役に立 つようにしていくためには多くのセンサ、アクチュエータを巧み に用いる必要がある。それを実現するために今後はロボットの ソフトウェア基盤を構築することが重要となってくると考えてい どのようにすれば人間の持つ「技」をロボットに修得させるこ とができるか。これが研究を通じて明らかにしたいことである。 なかでも,人間のお手本を見て技を自動的に学習する,人間 行動観察学習ロボットについて研究している。 人間の動きを そのままなぞるだけでは「技を修得した」とは呼べない。 人 間の行動を「観察」し, その中にひそむ本質的な構造を「理 解」し,その上で行動を「再現」する。そうなってこそ「技 を修得した」と呼べるようになる。これまで柔軟物操作,舞 踊,全身バランス制御,絵画など,手作業から全身動作,表 現活動まで幅広く取り組んできたが,これからもどんどん新し 太陽系小天体・準惑星の観測・ 軌道力学・人工衛星の観測・軌道力学 家庭やオフィスなどの日常生活環境(=リアルワールド)に おいて、種々な物理的・情報的なサービスを提供することに よって人々の暮らしを豊かにするロボット技術に関する研究を 行っている。 一般の人間とロボットとが密に接する場面を想 定しているため、人に優しいロボットをデザインするのと同時 に、人間とロボットの双方にとって優しい環境構造について 検討することが極めて重要な要素となる。 具体的には、機構設計、電気・電子回路、プログラミング などを基礎とし、その上で知的なセンサ情報処理や新しいロ ボットシステムの概念を展開し、実装とリアルワールドにおけ る実験によりその検証を行うことを主な課題としている。 研究テーマや課題等の内容について 知能システム学講座 の仕事を行ったり、エアホッケーロボットのように人間と対戦 できる知能ロボットシステムを開発する。ここで考えているロ い対象に挑戦していきたいと考えている。 研究テーマや課題等の内容について 知能システム学講座 人間共存ロボットの研究として、家庭やオフィスにおいて種々 る。 研究テーマや課題等の内容について 知能システム学講座 研究テーマや課題等の内容について 知能システム学講座 多種多様な天体を含む広大な宇宙・天文学分野のうち、主 に以下の二つのテーマを扱う。一つ目は、太陽系内天体の中 でも、惑星に次ぐ大きさの準惑星、さらに小さな彗星や小惑星 などの太陽系小天体について、光学望遠鏡等による観測お よび数値計算による軌道力学の研究である。二つ目のテーマ では、地球を周回する静止衛星や低軌道衛星等の人工衛星 の光学望遠鏡等による観測ならびに数値計算を用いた軌道力 学の研究を行う。いずれのテーマにおいても、望遠鏡や CCD カメラ等の周辺機器の技術開発、取得したデータの画像処 理システムや長期間の高精度数値積分アルゴリズムの構築な ど、将来にわたって役立つ研究要素が含まれる。 16 情報メディアシステム学専攻 ● 教員紹介 客員准教授 高山 佳久 〈 (独)情報通信研究機構〉 Yoshihisa Takayama [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/takayama-yoshihisa.html 現在の専門分野 宇宙、衛星、光通信 主な研究課題 レーザ光の捕捉追尾、 光ファイバへの結合、光学機能素子 教授 中村 整 Tadashi Nakamura [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/nakamura-tadashi.html 現在の専門分野 生体情報学 主な研究課題 感覚神経の情報変換機構 感覚神経系の情報処理機構 研究テーマや課題等の内容について 生体情報システム学講座 研究テーマや課題等の内容について 知能システム学講座 衛星と地上とを光で結ぶことを目的として、空間を伝搬した光 を捉え、これを追いかける技術、望遠鏡で集めた光を光ファイ バに結合する技術、大気中を伝搬する光が被る影響の解析な どを研究課題とする。また、微小光学や回折光学など、光の 特性を生かした素子について、光通信装置への適用を検討す る。 これら研究課題を、理論と実験の両方で実施する。理論的な 取り組みでは、数値解析やシミュレーションを行うため、主に 計算機を用いる。一方、実験的な取り組みでは、レンズや光 検出器などを用いた評価系を構築し測定する。 私は本来メカ好きらしく、生物を一種の機械と見なして解析し ているようなところがありそうです。その昔パッチクランプ法を用 いて嗅覚神経の興奮を担うイオンチャンネルを発見したのが縁 で、今は嗅覚・味覚神経を相手にしています。 発見したチャ ンネルは全神経系でも重要な位置を占め、04 年のノーベル 医学生理学賞(分子生物学が神経回路網の解析に使われて います。)とも大いに関係しています。 分子生物学が専門の 仲村厚志・情報理工学部助教と共同で、嗅覚・味覚神経の 細胞内情報伝達システムや神経回路網の解析を目指し、実 時間共焦点レーザー顕微鏡によるイメージングや動物行動学な どまで取り入れ、概日時計や記憶等も視野に入れた様々な研 究を行っています。 教授 樫森 与志喜 Yoshiki Kashimori [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/kashimori-yoshiki.html 現在の専門分野 計算論的神経科学、 生体における非線形複雑系 主な研究課題 異種感覚統合と行動の神経機構 電気魚の電気感覚情報処理の神経機構 生体系における動的秩序創発のメカニズム 教授 木田 隆 Takashi Kida [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/kida-takashi.html 現在の専門分野 制御工学、宇宙工学 主な研究課題 ロバスト制御 非線形制御 宇宙機と機械システムの制御系設計 研究テーマや課題等の内容について 制御システム学講座 研究テーマや課題等の内容について 生体情報システム学講座 (1)脳の情報処理のメ カニズム:各種感覚システム(視覚、 聴覚、触覚、電気感覚)において、外界の情報を階層 的に処理することにより、各情報に含まれる特徴に対応 する脳内マップが形成されるプロセスおよび情報の価値を 判断し認識するプロセスについての神経機構の解明を in silico 的に行っている。各種感覚システムにおける外界の 認識;異種感覚統合のメカニズム。価値判断による適応 行動のメカニズム (2) 生命複雑系における動的秩序創発の機構:捕食者に襲 われた魚群の行動;免疫システムにおける自己・非自己の 識別メカニズム;人間社会におけるつきあいの適応進化。 この 20 年の間に制御理論には目覚しい発展がありました。 これらが実用化されれば大きい成果が得られると確信していま すが、いまのところ、理論の段階に止まっているように思えま す。そこで最新の制御理論を使って、機械システムに、これ までにはできなかったような優れた性能や機能を持たせるため の制御系設計の研究を行なっています。そのためには既存 の理論の見直しも必要であると考えています。また、宇宙工 学への制御理論の適用の研究も行なっています。 17 情報メディアシステム学専攻 ● 教員紹介 教授 明 愛国 Aiguo Ming http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ms/ming-aiguo.html 現在の専門分野 ロボット工学、メカトロニクス 主な研究課題 人間に学ぶハイパーダイナミックロボット の研究開発、生物模倣ソフト水中ロボッ ト・羽ばたきロボットの研究開発、移動 マニピュレータによるホームサービスに関 する研究 18 研究テーマや課題等の内容について 制御システム学講座 人間を含む生物の構造と制御メカニズムを元に、ダイナミク ス特性・非線形特性に着目して、ロボットやメカトロ機器の 機構系、制御系、センサ系などを統合的に研究・開発し、 実験による検証を行います。 人間の機構と運動制御技能に着目して、スマートな構造で 高度なダイナミック動作ができるロボットのユニークな機構と新 しい制御法を研究しています。 魚類と昆虫の柔らかい構造と 滑らかな運動を実現するソフト水中ロボット・羽ばたきロボット の研究開発を行っています。また、移動マニピュレータによ る家具の片付けや人間の動作アシストを行うシステムの開発 も行っています。 社会知能情報学専攻 Department of Social Intelligence and Informatics 人にやさしい情報システムを学ぶ SS システム設計基礎学講座 知識創産システム学講座 社会情報システム学講座 経営情報システム学講座 政策情報学講座 情報システム管理学講座 報通信技術の発達により、個人が生み出す知と組織・社会が 情 生み出す知の融合が進み、新しい社会を創造できる時代になった。 本専攻では、社会や人間の立場から情報システムや情報ネットワー クの効果的な利用方法を追究し、豊かで安心な社会の実現を率 いる専門家の育成を目指している。 このため、知識創造や意思決定を促進するシステム設計と評価 法、知識社会における人材開発の方法論の研究・開発、高度 な情報通信環境下での社会システムの構築理念や方法論、リス クに強い持続的マネジメントの方法論の探求、高品質・高信頼 度な情報システム設計の研究・開発などの領域で、学際的な教育・ 研究を推し進める。 1994 年 1974 年 1984 年 19 社会知能情報学専攻 CURRICULUM システム設計基礎学講座 システム設計基礎学講座は、豊かな高度情報社会を実現するために、社会や組織から見た情報シ ステムと情報ネットワークの使命、役割、貢献などを明らかにすると共に、これらシステムのアーキテ クチャ、構築、その方法論、ソフトウェア工学などを研究する。 具体的には、エージェントや selfadaptive システムなどの柔軟に振舞いや構成を変えることのできるソフトウェアの構築法や、複雑な振 舞いを検証するためのモデル検査などを扱い、高齢者支援などの福祉分野向けシステムや、堅牢なセ キュリティ、安全性、信頼性の要求されるシステムなど実社会と向き合うシステムの実現を目指す。シ ステム全般を対象に捉え、それらを設計・評価できる人材を養成することを使命とする。 〈連携機関: (株)東芝〉 知識創産システム学講座 知識創産システム学講座は、主に 1. ネット上の膨大なビッグデータからの知識の自動発見、2. 情報 システムを用いた人の知識創産活動支援、を扱う。主要な研究分野は人工知能 , 機械学習、統計 学、ベイズ、自然言語処理、e ラーニング、などである。特に、ビッグデータを用いて、数理的基礎 とアルゴリズム、データベースを同時に開発できる統合的な能力が必要となる。 社会情報システム学講座 社会情報システム学講座は、調和のとれた高度情報社会の実現を目指し、社会システムや人間の立 場から、集団や個としての知能創発メカニズムや、ソーシャル・メディア・サイバーフィジカルシステム におけるコミュニケーションやシステムのあり方を検討し、急速に大規模化及び多様化しつつある「動 的複雑システムとしての次世代情報社会システムの理解・制御・構想」を目的として、人工知能、 複雑ネットワーク科学、社会システム工学、組織科学、社会心理学、環境科学、地理情報科学な どを統合し、マルチエージェント、モデリング、実態調査、シミュレーション、データマイニング、ネットワー ク分析、多変量解析、GIS(地理情報システム) 、インタラクション等の方法を活用して多様性の高 い研究を展開させる。 〈連携機関:NTT ソフトウェアイノベーションセンタ〉 経営情報システム学講座 経営情報システム学講座は、情報という切り口から組織における運営・管理を検討し、実践的に 有効なマネジメント手法の設計・提案を目的とする。その対象は、企業のみならず、医療や防災活 動などを含む広義の組織活動である。 具体的には、社会的責任に基づいた適切な意思決定や持 続可能な経営管理・組織運用に欠かせない情報システムを追究するための教育研究を行う。リス クマネジメント、システム工学、金融工学、ソフトウェア工学などの分野横断的な視点から、シミュレー ションや数理解析、認知実験、調査などを駆使した分析と開発を推進する。 〈連携機関:国立情報学研究所〉 政策情報学講座 情報技術の進化により、私たち一人ひとりの意思決定や意味づけ活動の持つ重要性が高まってきている。他方では、そのインパク トはコミュニティや生活日常にまで及び、そのインパクトは多層化している。 当講座では、情報技術の進化を社会的文脈の中で捉えることにより、そのインパクトのトータルな構造を明らかにするとともに、新た な社会システムの構想と実現のために情報技術が果たすべき責務・任務を、社会情報学的視点と方法論に基づき多角的に解明 することを目指す。 情報システム管理学講座 情報システム管理学講座は21世紀の高度技術社会に於けるシステムの品質・信頼性・安全性の向 上の為の研究と教育を行う。高い信頼性と安全性を有する顧客満足度の高いシステムを経済的に創 り出して、これを社会へ提供するためには、品質と信頼性を中核とした科学的管理手法の体系が必 須となる。また、 グローバル経済の下での Warranty dataをはじめとする莫大な市場情報データベース、 開発・設計における知識・技術データベース、そしてデジタルエンジニアリングをはじめとする情報技術 を駆使した各部門を横断し、かつ個々の顧客との情報をつなぐ品質保証のしくみが鍵を握る。本講座 はこれらをささえる品質・信頼性・安全性に関する理論と開発研究を行う。 20 社会知能情報学専攻 ● 教員紹介 教授 大須賀 昭彦 Akihiko Ohsuga [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/ohsuga-akihiko.html 現在の専門分野 人工知能と知識処理、ソフトウェア工学、 Web 情報システム 主な研究課題 エージェント技術 Web サービス セマンティック Web self-adaptive システム 准教授 田原 康之 Tahara Yasuyuki [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/tahara-yasuyuki.html 現在の専門分野 ソフトウェア工学、形式手法、 要求工学 主な研究課題 モデル検査 ゴール指向要求分析 ソフトウェア工学のセキュリティへの応用 助教 清 雄一 Yuichi Sei [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/sei-yuichi.html 現在の専門分野 プライバシ保護、 ユビキタスコンピューティング 主な研究課題 プライバシを保護したデータマイニング ユビキタスコンピューティングにおけるセ キュリティ 〈 (株)東芝〉 良平 Ryohei Orihara [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/orihara-ryohei.html 現在の専門分野 機械学習、データマイニング、テキストマ イニング 主な研究課題 ビジネスデータからの知識発見 コンテンツ推薦 知的ユーザインタフェース 研究テーマや課題等の内容について 客員教授 折原 Web サービス、セマンティック Web、self-adaptiveシステム などの研究を進めている。 来るべき高度情報化社会におけ る情報システムは、利用者にやさしく、実世界の豊富な情報 や多種多様な機能を活用し、柔軟性・信頼性に優れたもの でなければならない。このため、個人の嗜好や状況に合わ せて自律的に動作するエージェント技術、Web 上のさまざま な情報や機能を活用するセマンティック Web/Web サービス 技術、予期せぬ事態や外部からの攻撃に対して自らの機能・ 構成を変更して対処する self-adaptive システムなどが重要 となる。これらの基礎的な研究から応用システムの開発まで 「ソフトウェア工学」とは、科学的基礎から積み上げたソフトウェ ア開発技術の体系である。「形式手法」とは、理論的基礎と して形式論理学とそれに関連する数学理論に基づくソフトウェ ア開発手法であり、その中でも「モデル検査」とは、システ ムの振舞いを網羅的に調べることにより、与えられた性質の成 否を検証する手法である。「要求工学」とは、ソフトウェアへ の要求を抽出・記述・分析・管理する技術分野であり、その 中でも「ゴール指向要求分析」とは、要求項目を抽象レベル と論理的関係に従って整理・分析する手法である。これらの 手法を組み合わせて、特にセキュリティへの応用を中心に高 信頼なシステムの開発を目指して研究を進めている。 研究テーマや課題等の内容について システム設計基礎学講座 システム設計基礎学講座 先進的な情報システムを構築する技術として、エージェント、 を手がけている。 研究テーマや課題等の内容について システム設計基礎学講座 研究テーマや課題等の内容について システム設計基礎学講座 年齢や性別等のユーザ属性と、病歴やクレジットカード利用履 歴等の情報を事業者間で共有することで、新しい知見の獲得 や新サービスの創出につなげることが期待されています。この とき、プライバシを保護するため個人を特定できるユーザ属性 を匿名化しておく必要があり、その匿名化手法の研究を行っ ています。ユビキタスコンピューティングやクラウドコンピューティ ングの進展による環境変化に対応し、ユーザ属性項目の増加、 誤差を含む項目の増加、サーバへの攻撃の多様化や攻撃者 の事前知識の多様化に対応することが求められています。 インターネットやイントラネットの普及により、様々な情報や知 識がネットワークを介してやりとりされるようになってきたことに伴 い、ネットワークによって構成されたサイバー空間における人間 の振る舞いやそこから引き起こされるサイバー空間内の状態変 化もデータとして記録されるケースが増えている。これらのデー タを分析することにより、人間の意思決定の仕組みや無意識 に持っている選好の様子を明らかにできる可能性がある。 本 研究室では、人間の活動を起点に発生する様々なデータの分 析を可能とするための要素技術として、時間粒度を考慮した 時系列データ分析や、確率的意思決定モデル構築を深耕し、 サイバー空間アクセスを通じて人間をより深く理解することを目 指している。 21 社会知能情報学専攻 ● 教員紹介 客員准教授 川村 〈 (株)東芝〉 隆浩 Takahiro Kawamura [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/kawamura-takahiro.html 現在の専門分野 知識処理、 ソフトウェア工学 主な研究課題 エージェント技術 セマンティック Web Web サービス 教授 植野 真臣 Maomi Ueno [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/ueno-maomi.html 現在の専門分野 人工知能、機械学習、統計学、ベイズ、自然言語処理、 e ラーニング、e テスティング、ベイジアンネットワーク、など ビッグデータの処理における理論的研究および応用的研究 主な研究課題 ベイジアン・ネットワーク、人工知能知的 e-Learning システム、テスト理論における理論的研究および応用 的研究、データ・マイニングおよび多変量解析におけ る理論的研究および応用的研究 客員准教授 土屋 隆司 〈 (公財)鉄道総合技術研究所〉 Ryuji Tsuchiya [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/tsuchiya-ryuji.html 現在の専門分野 知識処理、機械学習、分散システム 主な研究課題 公共交通利用者向け移動支援システム 異常時情報配信システム・情報フィルタリング 設備状態監視システム・センサネットワーク 客員准教授 宮地 由芽子 〈 (公財)鉄道総合技術研究所〉 Yumeko Miyachi [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/miyachi-yumeko.html 現在の専門分野 安全工学、ヒューマンファクタ、 産業心理学 主な研究課題 (1)職場の安全風土評価法 (2)ヒューマンファクタの分析法とリスク管理手法 (3)社会や鉄道利用者によるリスク認知の調査研究 22 を行います。 当研究室では、エージェントを自律性や協調 性を備えたソフトウェアロボットと位置付け、エージェントを構 成する要素技術として知識処理、セマンティック Web、分 散システム、サービス指向アーキテクチャ、ユビキタスコン ピューティングなどを幅広く扱っています。エージェントは今 後のコンピュータシステムの在り方に大きな影響を与える新 しいモデルですが、その普及にはまだ多くの技術的課題が 存在します。それらの課題に対して、基礎研究にとどまらず 実践的なアプローチで実用的なシステムを研究・開発する 知識社会に対応した新しい情報システムに関する理論・応 用研究を目指している。 具体的には、ベイジアン・ネットワー ク、人工知能、統計学、ベイズ、機械学習、自然言語処 理、e ラーニング、e テスティング、データ・マイニング、多 変量解析に関する研究を行っている。 特に以上の個々の技 術を融合し、新しい価値を生み出すことによる次世代型情報 システムの開発を目指している。 技術的には、WEBプログ ラミング、数理的アプローチ、アルゴリズム、データベースを 得意とし、理論研究と実践の繰り返しによる「真に社会貢 献できる研究」を目指している。 情 報システムと人、組織、社会とのかかわりを強く意識しつ つ、公共交通の利用者および事業者 ( サービス提供側 ) を 支援するための研究開発に取り組んでいる。 利用者支援に 関しては、特に、異常時 ( 運行ダイヤの乱れが発生した際 ) の情報提供にフォーカスし、提供情報の受容性やその利用 者行動への影響等に関する実証的研究を進めている。 一 方、事業者支援に関しては、列車乗務員や駅員等を対象 に、異常時に大量に発生・配信される運行関連情報のフィ ルタリング技術について、機械学習の各種手法の適用を中 心に検討している。また、鉄道の各種構造物、設備等の状 態監視・異常検出に無線センサネットワークを適用する手法 の検討も進めている。 研究テーマや課題等の内容について 知識創産システム学講座 研究テーマや課題等の内容について 知識創産システム学講座 主にインテリジェントエージェント、マルチエージェントの研究 ことを目指しています。 研究テーマや課題等の内容について 知識創産システム学講座 研究テーマや課題等の内容について システム設計基礎学講座 鉄道システムでは、多くの人、設備、一定のルールが安 全を担い、現在に至る間にも様々な観点から事故防止対策 が行われきたが、これらが十分に機能するためには継続的な 安全マネジメントを実施し、いかに現状の課題を的確にとらえ、 効率的な改善に結びつけるかが重要である。このため、事 故等の背景要因を分析する手法や職場の安全風土の評価 手法を開発してきた。また、これらをリスクマネジメントに活用 する手法の開発に取り組み、さらに、安全性評価に考慮す べき課題の一つとして、鉄道利用者あるいは社会のリスク認 知の構造をとらえる調査研究に取り組んでいる。 社会知能情報学専攻 ● 教員紹介 教授 栗原 聡 Satoshi Kurihara [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/kurihara-satoshi.html 現在の専門分野 人工知能、複雑ネットワーク、創発計算、 インタラクション 主な研究課題 マルチエージェント、ソーシャルメディア、 交通制御、防災・減災、 アンビエント情報処理、脳と意識 准教授 山本 佳世子 Kayoko Yamamoto [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/yamamoto-kayoko.html 現在の専門分野 社会システム工学、空間情報科学、 環境科学、都市・地域計画学 主な研究課題 GISを利用した情報の解析評価の研究 GISとソーシャルメディアを利用した情報提 供・共有化手法についての研究 市民意識・行動や企業活動に関する研究 助教 篠田 孝祐 Kosuke Shinoda [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/shinoda-kosuke.html 現在の専門分野 社会シミュレーション、複雑系ネットワー ク、マルチエージェント 主な研究課題 多階層・時系列ネットワークモデル、学 術情報分析、農業情報システム 客員教授 鬼塚 真 〈NTT ソフトウェアイノベーションセンタ〉 Makoto Onizuka [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/onizuka-makoto.html 現在の専門分野 データ工学、分散データ処理、マイニン グアルゴリズム 主な研究課題 ビッグデータ処理、クエリ最適化、グラフ データ分析処理 研究テーマや課題等の内容について 社会情報システム学講座 ク化が急激に加速します。次世代の社会情報基盤や交通制御シス テム、ソーシャルメディアやアンビエント情報基盤などをデザイン するためには、その基盤である大規模複雑ネットワークを分析・制 御・構築するための方法論を確立する必要があります。人工知能、 マルチエージェント、複雑ネットワーク、創発モデル、構成論型情 報処理、データマイニング、Web 情報処理、大規模シミュレーショ ン、ヒューマンエージェントインタラクションなどの各研究分野を 切り口として、また、脳科学や社会科学といった関連分野とも精 力的に連携しつつ、理論的な展開から実応用までを研究の対象と します。高度高齢化問題や防災・減災だけでなく、日常生活をよ 現代社会では、GISをはじめとする様々な社会情報システム が続々と開発され、これらが私たちと社会をつなぐたいへん 重要な役割を果たしている。また社会において、より良い地 域づくり、環境づくりへの市民参加を進め、公共選択を行う ためには、情報提供・共有化ツール、意志決定支援ツール としての社会情報システムの利用が必要不可欠である。こ のような視点から、GIS を利用した情報の解析評価の研究、 GIS とソーシャルメディアを利用した情報提供・共有化手法 についての研究、市民意識・行動や企業活動に関する研 究を行う。 特に最近では、ソーシャルメディア等を統合した Web-GIS による地域コミュニティ支援、地域間交流、ハザー ドマップ作成に関する研究に重点を置いている。 研究テーマや課題等の内容について 社会情報システム学講座 これからの社会では「人」と「モノ」による大規模複雑ネットワー り豊かなものとする IS ならではの社会基盤の確立を目指します。 研究テーマや課題等の内容について 社会情報システム学講座 研究テーマや課題等の内容について 社会情報システム学講座 社会には、人間関係をはじめとして様々な関係性が存在しま す。そこに、どのような関係性があり、その関係性が生まれ てきて、成長し、維持されていくのかを明らかにすることで、 ソー シャルネットワークでの情報拡散、交通流など社会にある様々 な機能を有効に活用し発展させる手法を研究しております。 その他、ロボカップサッカーやレスキューのシミュレーションを 活用した研究、防災、農業などへの応用も考えている。 ウェブ上のコンテンツや利用者のアクセスログのデータ、あるい は科学計算データなどを対象として、膨大な情報を効率よく管 理し、欲しい情報を的確に探し出し(検索) 、また埋もれた知 識を発見する(マイニング)研究は非常に重要です。身近な 例でもAmazonにおける商品レコメンデーションや Twitterな どのつぶやきを利用した世の中の動向分析等が挙げられます。 このような動向に基づいて、1)クラウド環境におけるビッグデー タ解析技術、2)木構造・グラフ構造データに対するデータ 処理の高速化アルゴリズム、3)Web 検索技術、などの研 究に取り組んでいます 23 社会知能情報学専攻 ● 教員紹介 教授 田中 健次 Kenji Tanaka [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/tanaka-kenji.html 在の専門分野 現 リスクマネジメント、システム安全学 主な研究課題 製品安全と医療安全 ヒューマン・マシン系の高信頼性設計 緊急時の意思決定 失敗からの学習 准教授 岩崎 敦 Atsushi Iwasaki [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/iwasaki-atsushi.html 現在の専門分野 ゲーム理論、組合せ最適化、マーケットデザイン 主な研究課題 ネット上の匿名性を利用した不正行為に頑健なプ ロトコル、医療過疎地域のための研修医配属プ ロトコル、ノイズ付き繰り返しゲームにおいて安定 となるオートマトン設計 助教 松野 裕 Yutaka Matsuno [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/matsuno-yutaka.html 現在の専門分野 ディペンダビリティ、システム保証、 プログラミング言語 主な研究課題 リスクマネジメント、安全・安心学、 ディペンダビリティ技術と保証の統合 客員教授 本位田 真一 < 国立情報学研究所 > Shinichi Honiden [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/honiden-shinichi.html 現在の専門分野 ソフトウェア工学、エージェントシステム 主な研究課題 自己適応システム ソフトウェア進化 エージェントモデリング 24 研究テーマや課題等の内容について 経営情報システム学講座 研究テーマや課題等の内容について 経営情報システム学講座 リスクマネジメ ントを人間の視点からアプローチする。 情報技 術の発展に伴い新たに発生するリスクを予想し、製品安全 や自動化システムの安全設計、医療事故防止、災害時の 情報伝達・意思決定まで様々な分野を対象として、関与す る人間の認知・行動特性を中心に組織・社会特性までも含 む統一的なシステム安全学の確立を目指す。 応用確率論モ デルによる数理解析、シミュレーション実験、運転シミュレー タによる認知工学実験、社会科学アプローチなど多様な手 法を統合し、現実問題の発生メカニズムを捉えてトラブル予 防や軽減を実現するための仕組みを積極的に提言する。 評 論家ではなく、コスト意識を有する安全システムのデザイナー を育成することに重点を置く。 研究テーマや課題等の内容について 経営情報システム学講座 研究テーマや課題等の内容について 経営情報システム学講座 ゲーム理論と情報学(組合せ最適化)の技術を統合/発展 させ、異なる目的を持つ複数の主体が存在する系で意思決 定を行う際に、各主体の価値観が正確に把握できない状況 で、経済的、社会的、環境的等の様々な観点からの要求 をバランスして望ましい決定を行うための意思決定や資源配 分の手続きに関する研究を扱う。 具体的には、ネットオーク ション、研修医マッチング、公共事業入札、電力取引市場、 臓器移植ネットワーク、ワイヤレスネットワーク、避難誘導支 援といった応用分野を対象とし、個々の事例に対応可能な 手続きの理論的設計から実験的検証を中心とする。 高度化、ネットワーク化し、絶え間なく変化する現在・これ からの(様々なレベルの)システムが、たとえ想定外の事象 が起こったとしてもサービスを継続し、利害関係者が安全に、 安心して関わることができるように開発運用されることを目指 す。システム保証、アシュアランスケース、リスク分析、リス クマネジメント、モデリングなどの手法と、プログラミング言語、 形式手法、テスト、シュミレーション、モニタリング、耐故障 性技術などを統合した、新しい安全・安心(ディペンダビリティ) 学の確立を目指し、組込みシステム、自動車、生活支援ロ ボットなど身の回りのシステム、さらには社会システムを対象と して研究開発を行う。 ソフトウェアの活躍できる場が拡がっている。ここ数年でも、 大規模センサデータ、クラウドコンピューティング、Web サー ビス、ユビキタスシステム、サイバーフィジカルシステム(実 世界の状況や問題を的確に把握し、サイバー世界の計算機 パワーを駆使して迅速に解決する仕組み)など、ソフトウェア システムが活躍しなければならない数多くの課題が出現して いる。これらの課題を解決すべく、新しいソフトウェアの作り 方(ソフトウェア工学)の研究を行う。さらに、想定外の状 況にもしなやかに対応できるソフトウェアシステムの在り方の 研究も行う。 社会知能情報学専攻 ● 教員紹介 客員准教授 石川 冬樹 < 国立情報学研究所 > Fuyuki Ishikawa [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/ishikawa-fuyuki.html 現在の専門分野 サービス指向コンピューティング、 ソフトウェア工学 主な研究課題 サービス合成における機能および品質の 適応的な保証、形式仕様記述や要求分 析手法の活用 教授 鈴木 和幸 Kazuyuki Suzuki [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/suzuki-kazuyuki.html 現在の専門分野 信頼性工学・品質管理 主な研究課題 未然防止・オンラインモニタリング・信頼 性寿命データ解析・エラープルーフ・フェ イルセーフ 研究テーマや課題等の内容について 情報システム管理学講座 研究テーマや課題等の内容について 経営情報システム学講座 ソフトウェアの機能や品質に関するモデル化、分析、検証に 取り組んでいる。特に、ソフトウェア開発および、Web サービ スやエージェント間の連携におけるある種の「約束事」 (契約、 SLA、仕様など)を扱っている。具体的な対象問題としては、 Web および実世界のサービス合成、要求や仕様の段階的詳 細化、法解釈の分析などに取り組んでいる。 昨今、信頼性・安全性のトラブルが多発しています。トラブ ルや事故が生じた事後の再発防止も重要ですが、その影響 が大きい場合は事前の未然防止を図る事がより重要です。 この見地より、システムや製品の故障や事故を如何に防ぐ かについての理論とシステムを開発してきました。この際、 ベースとなるのが信頼性工学、品質管理、情報共有の考 え方です。信頼性工学はもともと機械・電子・化学など個 別の分野で検討されてきましたが、それを横断的に品質保 証の点、特に未然防止の視点からの体系化と理論化を目 指しています。未然防止の体系に関しては拙稿 “ 信頼性安 全性の確保と未然防止(2013)、日本規格協会 ”、“ 未 然防止の原理とそのシステム(2004)、日科技連出版 ” を是非お読み下さい。 25 26 情報ネットワークシステム学専攻 Department of Information Network Systems 情報ネットワークの本質を学ぶ NS ネットワーク基礎学講座 ネットワークアーキテクチャ学講座 ネットワークコンピューティング学講座 応用ネットワーキング学講座 ネットワークセキュリティ学講座 イ ンターネットに代表されるネットワーク技術は 20 世紀後半に急速な 発展を遂げ、今世紀に入り、情報システム社会のインフラストラクチャ として欠かせないものとなっている。さらには、情報ネットワークの利用 形態やネットワーク構成が多様化しており、ユビキタス社会に向けたさ まざまなネットワークの検討・導入がますます盛んに行われてきている。 情報ネットワークシステム学専攻は、このような情報ネットワークの多 岐にわたる急速な展開を背景として、「人と社会が関わるさまざまな情 報システムにおける多様なコミュニケーションを支える基盤技術」とい う観点から、情報ネットワークの高機能化・高性能化・高信頼化、 それを支えるコンピュータ技術の高度化、ネットワークを応用した高度 な情報システムの実現、ネットワーク情報通信の基盤となる理論の発 展、に関した教育と研究を行う。 本専攻の目的は、理論から応用、ハードからソフトまで幅広い視野を 備えた、情報ネットワークの本質を理解した情報技術者・研究者の育 成と、世界をリードする研究成果の発信を行うことにある。 27 情報ネットワークシステム学専攻 CURRICULUM ネットワーク基礎学講座 報ネットワーク技術を支える基礎理論として、情報量と符号化に関する 情 学問である情報理論がある。情報理論は確率概念に基づいて構築された 数学的理論であり、統計学や物理学とも深いつながりがある。ネットワーク 基礎学講座では、情報理論とその関連領域に関するさまざまな研究を行 う。具体的には、データ圧縮や通信路符号化などの情報理論固有の問 題、情報スペクトル理論・量子情報理論・情報幾何学などの新しいテー マ、情報理論的な考え方に基づいた暗号システムなどの研究を行う。学 生は研究室ゼミや個別指導を通じ、これらの問題を追求するための基礎 知識や最新の研究成果を学び、自分の研究につなげていく。 ネットワークアーキテクチャ学講座 モ バイル・超高速インターネット、アドホックネットワークなどの種々のネットワークを対象とし て、ネットワーク構成方法、通信プロトコル、ネットワーク運用方法など、ネットワークその ものに関する教育と研究を行う。具体的には、TCP、IP、モバイル IP(v6 も含む) 、リ アルタイムプロトコル、マルチキャスト、ルーチングプロトコル、アドホックネットワークプロト コル、LAN などのレイヤ 2 プロトコル、ピアツーピアシグナリングプロトコルなど、広範囲 の通信プロトコルを対象とし、情報ネットワークの構成全体を鳥瞰した立場からの研究を進 める。なお、本講座は情報通信研究機構(NICT)を連携研究機関とする。 ネットワークコンピューティング学講座 コンピュータとネットワークからなる情報システムに関する教育・研究をソフト ウェアとハードウェアの両面から統合的に行う。ウェアラブルコンピューティン グ、ロボット、パソコン、計算サーバ、アクセラレータなどを広く対象とし、こ れらの高機能化、高信頼化、高性能化を指向する。具体的には、相互結合網、光 ネットワーク、ルーティング方式、コンピュータアーキテクチャ、ビッグデータ 解析に向けた並列分散基盤、リコンフィギャラブルコンピューティング、クラス タ/クラウドコンピューティング、モバイルアプリケーション、システム管理技 術などの研究を進める。なお、本講座はKDDI研究所を連携研究機関とする。 応用ネットワーキング学講座 イ ンターネットやモバイルネットワークをはじめとする高度な情報伝送ネットワーク技術を 駆使して、さまざまなネットワーク応用システムを構築するための方法論から性能評価、 実用化に至までの幅広い応用を視野に入れた教育研究を行う。具体的には、マルチ キャスト通信による音声・映像のネットワーク伝送、多種多様なユーザ要求に応えるス ケーラブル符号化、マルチメディア利用のためのセマンティック Web 技術、MPEG データからの直接画像処理など、アプリケーションユーザの立場から新たなネットワーク の利用方法を編み出していくとともに、それらの性能を評価するために、確率論、情 報理論アルゴリズム解析などの手法を活用して、高信頼・高品質なネットワーク応用 システムの実現を目指す。 〈連携機関: (独)宇宙航空研究開発機構〉 ネットワークセキュリティ学講座 ネ ットワークセキュリティ学講座では、多様化する情報通信システムにおける情報ネットワークの安全性・信頼性を確立する様々な 基盤技術を導くための研究と教育を行う。機密保護・署名認証・鍵管理などの情報セキュリティプロトコル、情報セキュリティの 中核技術である電子透かし、電子指紋、ステガノグラフィ、インターネットに代表されるマルチユーザ環境において必須のネットワー ク符号化を実践的なテーマとし、それらを有意義に実現させるために暗号理論、情報理論、符号理論、数論を基礎において研究 を進める。 28 情報ネットワークシステム学専攻 ● 教員紹介 教授 長岡 浩司 Hiroshi Nagaoka [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/nagaoka-hiroshi.html 現在の専門分野 量子情報理論、情報幾何学、 情報理論 主な研究課題 量子状態の統計的推測、 量子状態空間の微分幾何、 情報源符号化 准教授 小川 朋宏 Tomohiro Ogawa [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/ogawa-tomohiro.html 現在の専門分野 情報理論、量子情報理論、情報理論 的暗号 主な研究課題 量子仮説検定、量子通信路符号化、 量子誤り訂正、量子暗号、量子スピン チェイン、 盗 聴 通 信 路 符 号 化、ネット ワークコーディング 助教 鈴木 淳 Jun Suzuki [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/suzuki-jun.html 現在の専門分野 量子情報理論、量子物性理論、 原子光学 主な研究課題 量子系の測定・制御、量子情報処理プ ロトコル、原子・光学系の量子情報技 術への応用 教授 加藤 聰彦 Toshihiko Kato [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/kato-toshihiko.html 現在の専門分野 ネットワークアーキテクチャ 主な研究課題 通信プロトコル、モバイルインターネット、 アドホックネットワーク、高速インターネット いる。 具体的には、主として量子情報理論(量子力学的不 確定性に関する情報理論的・統計学的研究) 、特に、量子 力学的通信路を通した情報伝送の最適化と限界、量子状態 に関する統計的推定や仮説検定などに関するさまざまな数学 的問題を研究している。また、「情報幾何学」(確率分布や 量子状態を点とするような空間に関する微分幾何学的考察と その応用 )の研究も行っており、特に量子情報との関連に 興味を持っている。量子ではない通常の情報理論についても これまで情報理論の立場から、量子状態の統計的識別や量 子状態を媒体とする情報伝送について、基礎的な理論研究を してきました。最近では、量子誤り訂正や量子秘密分散法と の関連で、可逆な量子状態操作の特徴づけに興味を持って います。また、上記の一環として、統計物理や作用素環論の 手法と共に、量子スピンチェインの解析を行なっています。情 報理論のテーマとしては、ノイズの存在を利用することで、通 信路に盗聴者が介入しても安全な符号化方法の研究をしてい ます。また、ネットワーク上の通信で、途中のルータが効率的 に符号化をすることで通信の効率を高めるネットワークコーディ 量子情報理論を中心に量子物性理論、原子光学、場の量 子論などの研究を行っています。 現在注目されている問題の 一つが量子情報技術を応用し実用化することです。私は原子 と光の物理系を用いて量子情報技術に必要な量子素子構築 に関する理論研究を行っています。量子情報科学には数学、 物理学、工学としての側面がありますが、今後はこれら3つの 研究分野間での相互協力が必要不可欠です。そのために理 論物理学の立場から量子情報理論において理論の根本をな す数学と応用である工学との間の架け橋をつくる研究を目指し ています。最近は、物理現象を情報理論の観点から解析する 研究も行っています。 研究テーマや課題等の内容について ネットワークアーキテクチャ学講座 なる領域・概念が相互に関係するような問題に興味を持って ングについて研究しています。 研究テーマや課題等の内容について ネットワーク基礎学講座 情報理論、数理統計学、量子力学、微分幾何学等の相異 並行して研究を行っている。 研究テーマや課題等の内容について ネットワーク基礎学講座 研究テーマや課題等の内容について ネットワーク基礎学講座 インターネットを中心とするコンピュータネットワークの研究を行っ ています。 特に、データリンクレイヤ、ネットワークレイヤ、ト ランスポートレイヤを中心的に扱い、これらのレイヤの各種 プロトコルを広く対象としています。より具体的には、TCP、 Mobile IP、無線 LAN、マルチキャスト、ルーチングプロトコル、 アドホックネットワークなどに関して研究しています。 高機能な 通信ネットワーク/通信サービスを想定して、その実現方法を 検討しています。高機能なネットワークではその実現にいくつも のプロトコルが必要となるため、 複数のプロトコル機能を活用し、 その上に必要となる新たな機能を追加するというアプローチを 取っています。 29 情報ネットワークシステム学専攻 ● 教員紹介 准教授 大坐畠 智 Satoshi Ohzahata [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/ohzahata-satoshi.html 現在の専門分野 コンピュータネットワーク、 通信性能評価 主な研究課題 オーバレイネットワーク、 通信プロトコル、 モバイル・無線インターネット 助教 策力木格 Wu Celimuge [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/wu-celimuge.html 現在の専門分野 コンピュータネットワーク、 通信・ネットワーク工学 主な研究課題 アドホックネットワーク 高度交通システム 無線通信プロトコル 助教 山本 嶺 Ryou Yamamoto [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/yamamoto-ryo.html 現在の専門分野 コンピュータネットワーク、通信プロトコル 無線通信 主な研究課題 無線アドホックネットワーク 通信プロトコル 通信性能評価 客員教授 岡田 和則 〈 (独)情報通信研究機構〉 Kazunori Okada [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/okada-kazunori.html 現在の専門分野 移動通信ネットワーク、非常時通信 主な研究課題 1.携帯電話の輻輳制御 2.非常時マルチシステムアクセス 3.ロバスト無線統合ネットワーク 30 の部分を占めています。これまで、P2P アプリケーショ ンは、悪者扱いをされていましたが、負荷分散を可能と する有用な技術と考えることができます。P2P 技術を用 いたトラヒックの分散方式を研究するには、レイヤを超 えた視野が必要となっています。P2P ファイル共有ネッ トワーク等のコンテンツ配信ネットワークを対象とし て、より効率の良いオーバレイネットワーク・IP ネット ワークの構築方法や、コンテンツの配信方式について研 携帯電話、無線 LAN システムをはじめ、無線通信技術が様々 なところで幅広く使われており、人々の生活をより快適にしてい ます。これからも様々な無線通信技術を利用したアプリケーショ ンの出現が期待されています。そこで、無線通信をより高速化、 より効率化、より日常化することを目指して、無線通信関連の 研究を幅広くしています。特に高度交通システム(ITS)の実 現に向けて,車両アドホックネットワークを用いた運転支援シス テムのためのプロトコルについて研究しています。また無線セ ンサネットワークのための通信プロトコル,無線ネットワークにお ける高効率 TCP 通信,次世代携帯電話技術などについて研 小型の無線通信端末の普及によって、端末のみで自律分散 的にネットワークを構築可能な技術である無線アドホックネット ワークが注目されています。 無線アドホックネットワークは、災 害時などの一時的な通信手段や車両ネットワークを構築するた めに必要不可欠な技術です。しかし、端末移動や通信環境 の変化によって安定した通信を実現することが困難です。 そこで、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層を中 心に、無線アドホックネットワークで発生する様々な問題につい て研究をしています。 また、その他にも P2P ネットワークや通信品質評価について の研究も行っています。 研究テーマや課題等の内容について ネットワークアーキテクチャ学講座 P2P アプリケーションが生成するトラヒック量がかなり 究しています。 研究テーマや課題等の内容について ネットワークアーキテクチャ学講座 近年、インターネットのトラヒックが増大しその中でも 究を行っています。 研究テーマや課題等の内容について ネットワークアーキテクチャ学講座 研究テーマや課題等の内容について ネットワークアーキテクチャ学講座 大規模災害時には、家族や知人への安否確認等のため通信需要が急増します。 普段携帯し使い慣れている携帯電話は、通信手段としてとても有効です。しかし、 有限な周波数資源を用いるため容量の確保が難しい、また、停電や伝送路断等に より、携帯電話の基地局が停波することもあり、使えなくなることが多いのが現状で す。実際、平成23年3月の東日本大震災では、ある携帯電話事業者の東北エリ アで通常時の約60倍の通信需要が発生し、約90%の発信規制が掛けられ、また、 全携帯電話事業者合計で約29, 000局の基地局が停波し、携帯電話がほとんど 使えない状況になりました。これらの問題は、いつもの事ではなく、言わば、特殊 な場合の事ですが、携帯電話が社会インフラとして安心して使えるための現在及び 将来の携帯電話ネットワークが対応すべき重要な事項であり、輻輳制御、耐災害 性の強い衛星通信システムを含めた複数システムへのアクセス共用、非常時に耐 性のある無線統合ネットワーク等に関する様々な技術の研究に取り組んでいます。 情報ネットワークシステム学専攻 ● 教員紹介 客員准教授 Ved Prasad Kafle 〈 (独)情報通信研究機構〉 Ved Prasad Kafle kafl[email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/ved-prasad-kafle.html 現在の専門分野 ネットワークアーキテクチャ、新世代ネット ワーク 主な研究課題 ネットワークプロトコル設計、実装、評 価、モバイル、無線インターネット、標準 化 教授 吉永 努 Tsutomu Yoshinaga [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/yoshinaga-tsutomu.html 現在の専門分野 分散並列処理、 計算機システム 主な研究課題 相互結合網 クラスタ計算 ヘテロジニアス・コンピューティング 准教授 入江 英嗣 Hidetsugu Irie [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/irie-hidetsugu.html 現在の専門分野 計算機アーキテクチャ、ディペンダブルコ ンピューティング 主な研究課題 高性能汎用プロセッサ アクセラレータ ネットワークアプリケーション 助教 吉見 真聡 Masato Yoshimi [email protected] 現在の専門分野 ・リコンフィギャラブルシステム ・並列計算機 ・クラウドコンピューティング 主な研究課題 ・専用ハードウェア向けアルゴリズム ・大規模データ分散処理計算システム ・サービス指向コンピュータ構成 コンピュータやデジタル情報家電は、ネ ットワークを通じて情報 交換を行い、我々にコミュニケーション手段を提供すると共に、 強力な情報処理能力を支える重要な社会基盤となっています。 これらネットワーク接続された情報システムには、より使いやす く、安全で、高速・安価であることが要求されます。そこで、 コンピュータとネットワークを融合した情報システムの利便性の 追求、セキュリティの向上、価格性能比に優れた次世代並 列分散システム技術に関する研究を行っています。新しいコン ピュータとネットワークの技術課題について、計算機アーキテ クチャとソフトウェア/ミドルウェアの各面から研究に取り組ん 今日の情報化社会では次々に新しく面白いサービスが実現し、 人々の生活を変えています。手持ちの携帯端末で AR を始め としたリッチなサービスを稼働させることが一般化し、ネットワー クシステム、コンピュータシステムに望まれる性能・効率の向 上は留まるところを知りません。 技術階層を越えてシステム全 体のグランドデザインを描く計算機アーキテクチャ技術は、今日 の複雑精緻なコンピュータシステムをデザインする上で重要な 技術です。 研究室では、主にプロセッサアーキテクチャに焦点を当て、ホッ トな課題に取り組んでいます。また、AR など、新しく面白い アプリケーションを運用・開発し、 その負荷傾向の解析を通して、 次世代のアーキテクチャ課題の先取りを狙います。 研究テーマや課題等の内容について ネットワークコンピューティング学講座 The Internet is the most widely used communication network.However,thecurrentInternethasbecomerather complexandsuboptimalbecauseofalotofnewfunctions addedrandomlytotheoriginalarchitecturetoenableitto support a variety of new services. Therefore, in order to developasustainablenetworktoservethefuturesociety, weresearchanddevelopnewtechnologiesforthefuture Internet. Among them, we study ID/locator split based protocols, delay- or disruption-tolerant networking (DTN) protocols, information- or content-centric networking (ICN/CCN) for delivering contents more efficiently, and software-defined networking (SDN) for better control and management of the networks. We also study the standardization of new networking technologies for promotingtheirglobalusage. でいます。 研究テーマや課題等の内容について ネットワークコンピューティング学講座 研究テーマや課題等の内容について ネットワークコンピューティング学講座 研究テーマや課題等の内容について ネットワークアーキテクチャ学講座 豊かな社会と生活を支える情報処理技術において、計算シス テムが担う役割は今まで以上に大きくなってきています。この 実現のために、回路構造が変化するデバイスを使用して、モ バイル端末向けのメディアプロセッサや科学計算の専用ハード ウェアなど、幅広い応用を対象に、目的となる計算をより速く、 より小さなエネルギーで解決するアルゴリズムとハードウェアの 開発に取り組んでいます。また、それらをネットワークで接続し た計算システムを構築し、運用技術と利用方法の開発と提案 を行なっています。 特に、ビッグデータと呼ばれるほどに蓄積 された巨大な非構造型データを対象に、高速ネットワークとスト レージを密結合する FPGA ボードを搭載した PC クラスタや、 必要なときに必要なだけ高速な計算資源を利用できるクラウド システムなど、豊かな社会を活性化させる研究を進めています。 31 情報ネットワークシステム学専攻 ● 教員紹介 客員教授 樫木 勘四郎 〈 (株)KDDI 研究所〉 Kanshiro Kashiki [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/kashiki-kanshiro.html 現在の専門分野 コグニティブ無線システム、へテロジーニ アス無線システム、広帯域無線システ ム、衛星通信システム 主な研究課題 複数の異なる通信方式(へテロジーニア ス無線)を用いたコグニティブ無線システ ム、無線システムの高信頼化 客員准教授 荻野 長生 〈 (株)KDDI 研究所〉 Nagao Ogino [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/ogino-nagao.html 現在の専門分野 情報ネットワーク学、 ネットワークソフトウェア学 主な研究課題 自律分散ネットワーキング技術、トラヒッ ク工学、新世代ネットワークアーキテク チャー技術 教授 森田 啓義 Hiroyoshi Morita [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/morita-hiroyoshi.html 現在の専門分野 情報データ解析学、情報理論 主な研究課題 MPEG シーン検索 反辞書圧縮法の解析 ビデオ平滑化伝送 准教授 笠井 裕之 Hiroyuki Kasai [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/kasai-hiroyuki.html 現在の専門分野 マルチメディア信号処理(認識、符号 化、モデリング) 、メディアネットワーク伝 送・制御、データ解析 主な研究課題 マルチビジョン映像伝送、分散ネットワーク制 御、環境音・楽曲認識、高次元データ解析 32 研究テーマや課題等の内容について 応用ネットワーキング学講座 近年、携帯電話や無線 LAN、Wi-MAX によるインターネットアクセスは、身 近な情報交換・情報入手手段となっています。また、LTE のような新たな無 線通信サービスも開始されようとしています。これらの移動通信システムにとっ て使い勝手のよい 1 〜 6GHz 程度の周波数帯域は、非常にユーザが多く、 深刻な電波不足が生じています。こうした状況の中、ニーズの高い移動通信 に必要な周波数帯域を確保するためには、移動通信システムにおける周波 数の有効利用を実現する研究開発が不可欠です。複数の異なる無線通信 方式(へテロジーニアス無線)を用いると、通信方式や無線環境によりそれ ぞれのシステムの特性は異なります。コグニティブ無線とは、このような無線 環境を認知して、複数の通信システムを切替えたり、あるいは束ねることによ り、回線容量の増加や信頼性の向上を図り、結果的に電波の有効利用を 図るシステムです。上記の目的のため、へテロジーニアス無線システムの試作・ 評価、システムの切替えアルゴリズム等の研究開発を行っています。 将来の新世代ネットワークへと至る通信ネットワークの進展に 伴い、通信事業者による集中的なネットワーク制御・管理か ら、多数の利用者による自律分散的なネットワーク制御・管 理へ移行することが予想されます。この様な通信ネットワーク では、利用者が所望のサービスやコンテンツを効率的に発見・ 組合せることができ、またサービスソフトウェアやコンテンツに 対して、柔軟にネットワーク資源が割り当てられる必要があり ます。この様な仕組みを多数の自律エージェント間の連携に 基づいて実現するために、自律エージェント間の各種連携ア ルゴリズムや連携プラットフォーム技術、更にそれを支えるネッ トワーク基盤技術に関して研究を行っています。 研究テーマや課題等の内容について 応用ネットワーキング学講座 研究テーマや課題等の内容について ネットワークコンピューティング学講座 研究テーマや課題等の内容について ネットワークコンピューティング学講座 計算機やネットワーク上の膨大なディジタル・データ(情報 データ)を解析することを目的として、これまでのデータ解析 学で主として行われていた信号処理や統計学的な手法だけ でなく、データを生成するアルゴリズムや、データを表現する 抽象的な構造を真正面に据えた新たな解析手段の開発・評 価に取り組んでいる。 具体的には、ネットワークビデオ放送システムの構築、多重 ビデオ平滑化、MPEG データを直接利用したシーン分類な どネットワーク応用と、木構造を利用した高能率データ圧縮 や情報セキュリティに関する研究を行っている。 高品質映像・音響・音声信号などの多種多様なメディア情報 を対象として、ネットワークを通じて有機的に結合し処理するこ とで達成される高機能且つ優しい次世代社会サービスの実現 を目的として、要素技術及びシステム技術に関する研究開発 を行っています。 具体的には、メディア理解のためのモデル 化技術、認識技術、分離・合成技術、メディア伝送のため の圧縮符号化・符号変換技術を研究しています。また、メディ アのネットワーク伝送・制御技術や、リッチなユーザインタフェー ス技術についても研究しています。アルゴリズム研究からプロ トタイプ実装、商用システムの開発を行いながら、産学連携 プロジェクトや国際学会活動、展示会出展等を積極的に推進 しています。 情報ネットワークシステム学専攻 ● 教員紹介 助教 眞田 亜紀子 Akiko Manada [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/manada-akiko.html 現在の専門分野 ネットワークコーディング、 制約符号(離散数学) 主な研究課題 Wireless Body Area Network 多次元制約符号の解析 客員准教授 片山 保宏 〈 (独)宇宙航空研究開発機構〉 Yasuhiro Katayama [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/katayama-yasuhiro.html 現在の専門分野 コンピュータビジョン 宇宙探査ロボティクス 主な研究課題 宇宙探査へのコンピュータビジョンの応用、 探査ロボットのビジュアルナビゲーション 准教授 山口 和彦 Kazuhiko Yamaguchi [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ns/yamaguchi-kazuhiko.html 現在の専門分野 符号理論、繰り返し復号、電子透かし 主な研究課題 LDPC 符号、ターボ符号の符号構成とそ れに適する繰り返し復号アルゴリズム、 電子透かし方式全般および誤り訂正符号 を用いる電子透かし方式 Network(WBAN)の研究をしています。WBAN は人体 にセンサーを取り付けることで、健康状態を逐一モニターなど で監視できるシステムです。センサーのバッテリーを極力抑え、 かつ情報を正確に伝達するため、シンプルかつエラーに強い コーディングを、グラフ理論を用いて研究しています。 また最近は膨大なデータを保存するために多次元でデータを 保存する方法があり、それに伴い多次元制約符号の研究需 要も高くなってきています。しかし、一次元の場合に比べ未 解決な問題が多数あります。一次元制約符号の知識を基に、 コンピュータビジョンを応用し、探査機の位置や姿勢、探査対 象地域の地形復元や分類などに関する研究を行っています。 特に、日本の進める月着陸探査で求められる高精度な無人着 陸技術の研究開発を主なテーマとしています。探査機の自己 位置同定や、障害物検知回避の実現手段の候補として、ス テレオ視を含む高度なコンピュータビジョンの応用が期待されお り、高高度からの広範囲の処理や、計測・認識精度の向上、 処理速度の高速化などの実現に向けた研究開発に取り組んで います。また、将来のより多様でインテリジェントな探査ロボット を用いた宇宙探査の実現に向けて、新しいコンピュータビジョ ン技術に関する研究も行っています。 研究テーマや課題等の内容について ネットワークセキュリティ学講座 現 在 は 主 に 先 端 医 療 に 関 連した Wireless Body Area 多次元制約符号の性質を解析しています。 研究テーマや課題等の内容について 応用ネットワーキング学講座 研究テーマや課題等の内容について 応用ネットワーキング学講座 「不正な利用や雑音からの情報保護」をキーワードに、信頼 性のある通信システムを実現するため、誤り訂正符号と情報セ キュリティに関する分野に取り組んでいます。●誤り訂正符号 に関しては、現在、標準化や実用化により注目されている低 密度パリティ検査符号(LDPC 符号)やターボ符号などの符 号化方式の設計・解析、関連する復号アルゴリズム(軟入 力軟出力復号、繰り返し復号、ターボ符号)を実用と理論の 両方の視点から研究します。●情報セキュリティに関しては電 子透かし関連の諸問題を扱います。埋め込み法やプロトコル、 電子指紋、誤り訂正符号を用いた電子透かし等の融合問題、 ステガノグラフィー、ステゴアナリシス等の研究です。 33 34 情報システム基盤学専攻 コンピュータ科学の新領域を追求する Department of Information System Fundamentals FS 情報システム基礎学講座 基盤ソフトウェア学講座 データベース学講座 高性能コンピューティング学講座 基盤ハードウェア学講座 情報システム基盤学専攻は、21 世紀の IT 社会に必要となるコン ピュータ科学の新領域について教育研究を行なっています。 そのため、 *メディア理解など新応用を創出するアルゴリズム学 *クラウド・ユビキタス時代に即したオペレーティングシステムやプロ グラミング言語などを研究するシステムソフトウェア学 *大規模データを高価値な情報として使いこなすデータ工学 *コンピュータの次世代テクノロジーを創造する高性能コンピュー ティング学 の 4 つを中心に研究を行ない、多様な分野出身の学生を受け入れて 専門家として育成します。 35 情報システム基盤学専攻 CURRICULUM 情報システム基礎学講座 本講座では、情報システム実現のための基礎基盤技術を研究対象とし、とくにアルゴリズ ムとデータ構造の研究に力を入れています。大規模な情報システムで必要不可欠となる大 量データの高速処理アルゴリズム、情報システムが置かれた環境に柔軟に対応するための 適応・学習アルゴリズムについて理論と実用の両面から研究しています。これらの応用とし て、静止画・動画の自動解析、Web からの知識発見、インターネットの適応的制御等に ついて研究を行っています。 <連携機関:日本電気株式会社 クラウドシステム研究所、情報・ナレッジ研究所> 基盤ソフトウェア学講座 情報システムの基盤は、オペレーティングシステムやプログラミング言語処理系などを中心と するシステムソフトウェアによって構成されています。基盤ソフトウェア学講座では、高速実行・ 高利便性・高信頼性を実現する先進的なシステムソフトウェアを研究対象としています。また、 2つ以上のプログラムが協調して動作するような並行システムの設計や構築法も追求してい ます。具体的には、携帯電話や情報家電などで多数使われている組込みコンピュータのシ ステムソフトウェアや、Webベースのシステムを構築するためのシステムソフトウェアの新しい 技術について研究しています。さらに、これらの実現に不可欠な、記述性・表現力に優れ たプログラミング言語とその言語処理系の実装技術について研究しています。 〈連携機関:NTT ネットワーク技術基盤研究所、NTTソフトウェアイノベーションセンター〉 データベース学講座 当講座では、データ工学(Data Engineering)、大規模データ処理、データ管理に関するコンピュータ科学を研究しています。 具体的には、大規模データを対象にした検索・高価値利用・情報抽出のための新しいデータ処理機能やデータ処理アルゴリズ ムの研究、並列分散データ処理の研究、先進的なデータマイニング技術、現実世界から生成される新しい多様なデータを扱う データ工学技術、データ可視化、などを研究します。講座の研究活動は、海外の ACM SIGMOD、VLDB、ICDE、KDD、 ICDM 国際会議や、国内のデータ工学研究専門委員会 ( 電子情報通信学会)と強く関連して行なわれています。 高性能コンピューティング学講座 先進的な情報システムを創出するためには高性能コンピューティング技術、すなわち、 コンピュータシステムの高速化、高信頼化、低消費電力化、大規模化、遍在化、並列・ 分散化などの技術が必須となる。情報システムにおける、これらの基盤技術に関して、 ハードウェア、ソフトウェアを対象とし、理論的かつ実践的観点から教育・研究を行う。 さらに、Gridベースのコンピューティング技術やGPGPU、グリーンIT技術、エク サスケールスーパーコンピュータなどの近年注目を浴びている分野にも積極的に取り組 んでいる。 〈連携機関:情報通信研究機構〉 基盤ハードウェア学講座 次世代情報システムの基盤をなすハードウェアシステム技術、例えば、組込みシステム、 センサーネットワーク、移動体通信などに関する教育・研究を行う。 36 情報システム基盤学専攻 ● 教員紹介 教授 南 泰浩 (平成26年7月1日着任予定) Yasuhiro Minami 現在の専門分野 音声言語情報処理、メディア統合処理 認知心理 主な研究課題 雑談対話処理 人間に基づく言語獲得機構の解明 心理学的知見に基づく音声言語処理 准教授 古賀 久志 Hisashi Koga [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/koga-hisashi.html 現在の専門分野 アルゴリズム理論 知識発見 ネットワーク通信解析 主な研究課題 類似検索アルゴリズム、クラスタリング、オンラ インアルゴリズム、インターネットアルゴリズム 助教 戸田 貴久 Takahisa Toda [email protected] http://www3.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/toda-takahisa.html 現在の専門分野 アルゴリズム理論、知識発見、 離散数学 主な研究課題 二分決定グラフを用いた大規模データ処理 客員准教授 柳生 智彦 〈日本電気株式会社 クラウドシステム研究所〉 Tomohiko Yagyu [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/yagyu-tomohiko.html 現在の専門分野 コンピュータネットワーク、インターネット 主な研究課題 コンテンツ指向ネットワーク、アドホッ ク・切断耐性ネットワーク技術、ルー ティング制御、トラフィック制御 研究テーマや課題等の内容について 情報システム基礎学講座 理手法を用いて、対話システムのような統合的なシステムを構 築する場合、人間が介在することを前提として各要素技術を 開発し統合化することが必要不可欠です。この観点に立って、 システムを構築し、人間の評価を最適化する行動制御の研究 やメディア実時間統合処理、雑談対話の研究を行います。ま た、統計分析、時系列解析、情報理論や信号処理といった 情報科学の基礎理論を応用し、人間の言語獲得機構の解析、 モデル化を行います。また、ここから得られる心理学的な知見 により新たな音声認識・合成理論、言語獲得理論の構築を 複雑な情報システムを、経験や勘に基づいて制御するのではなく、 システマティックに取り扱える対象にすることを目指して、基盤とな るアルゴリズム理論の構築、およびそれを利用した応用システム の研究を行っています。 アルゴリズムに関しては、ハッシュに代表される高速類似検索アル ゴリズムの研究に力を入れています。また、与えられた情報をリア ルタイム処理するオンラインアルゴリズムについても研究を進めて います。応用システムとしては、グラフ・木構造を利用したメディア (イメージ、ビデオ)データからのパターン発見と認識、大規模デー タに対するクラスタリングアルゴリズムの開発、インターネットのトラ フィック制御、といった研究テーマを取り扱っています。 研究テーマや課題等の内容について 情報システム基礎学講座 音声認識、画像認識、対話処理、音声合成などの情報処 目指します。 研究テーマや課題等の内容について 情報システム基礎学講座 研究テーマや課題等の内容について 情報システム基礎学講座 二分決定グラフと呼ばれるデータ圧縮技法を用いた大規模データ 処理について研究をしています。現実において解くことが求められ る計算問題の中には、網羅的な場合分け処理が必要とされるもの が多いので、本研究のねらいは、そのような問題に対してデータ 圧縮技法を用いて組合せ爆発を抑制することにより、実用上高速 に動作する計算法を与えることです。具体的には、極小ヒッティン グ集合の列挙(あるいは、単調論理関数の双対化)を中核とした、 二分決定グラフを用いたデータ処理基盤の確立、および知識発見 をはじめとするさまざまな研究分野への応用を目指しています。 ネットワーク(インターネット、 モバイル網など)において、情報・ トラフィックを効率的に転送するための制御技術について研 究しています。 近年スマートフォンによるビデオ視聴の急増に より、ネットワークへの負荷が懸念されています。ネットワーク にコンテンツを一時保存(キャッシュ)する能力を付加するこ とで、その軽減を図る研究などを進めています。また、災害 によって切断されたネットワークにおいても、キャッシュを利用 することで最大限の情報配信が可能な情報配信方式など、 通常時と災害時の両方で効率的に動作するネットワークの構 築を目指しています。 37 情報システム基盤学専攻 ● 教員紹介 客員准教授 鈴木 一哉 〈日本電気株式会社 情報・ナレッジ研究所〉 Kazuya Suzuki [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/suzuki-kazuya.html 現在の専門分野 Software-Defined Networking(SDN) 技術、経路制御 主な研究課題 SDN 技術を用いたネットワーク仮想化、 経路制御の高信頼化 教授 多田 好克 Yoshikatsu Tada [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/tada-yoshikatsu.html 現在の専門分野 システムソフトウェア 主な研究課題 並行・並列・分散システム オペレーティングシステム コンパイラ、インタプリタ 准教授 小宮 常康 Tsuneyasu Komiya [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/komiya-tsuneyasu.html 現在の専門分野 システムソフトウェア 主な研究課題 プログラミング言語 並列・分散プログラミング言語 言語処理系 客員准教授 末田 欣子 〈NTT ネットワーク技術基盤研究所〉 Yoshiko Sueda [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/sueda-yoshiko.html 現在の専門分野 ネットワークソフトウェア、 情報システム 主な研究課題 IP サービス基盤ソフトウェア、 ネットワークソフトウェア開発環境 38 研究テーマや課題等の内容について 基盤ソフトウェア学講座 企業の経済活動などを支える重要なインフラとなっています。 そのため、情報ネットワークには、社会やニーズの変化に対す る対応する能力が求められています。 状況の変化に対して柔 軟に対応可能なシステムを作るうえで重要な技術が、ネットワー ク仮想化技術です。仮想ネットワークの実現には、複数のネッ トワーク機器の統一的な管理・制御が必要です。その実現 技術として、Software-Defined Networking (SDN) 技術が、 現在注目されています。私は、この SDN 技術の活用し、様々 な状況の変化に迅速に追随可能なネットワーク仮想化技術の 相互作用のある複数の動作主体の振舞いを、どう記述するか、 計算機上にどう実装するかが研究のメインテーマである。また、 それから派生して、複数の動作主体を扱う、並行・並列・分 散システムやオペレーティングシステムの実現法にも興味を持 つ。 現在は、オペレーティングシステムの柔軟性や安全性を 高める技術について研究しており、通常のパソコン、並びに、 比較的単純な組込み型システムを対象に研究を進めている。 さらに、開発環境の構築にも興味を持っており、言語処理系 を初めとするシステムソフトウェアも研究対象である。理論と実 験が物理学の両輪であるのと同じように、計算機学では理論 とプログラミングの両方が重要であると考えている。 研究テーマや課題等の内容について 基盤ソフトウェア学講座 インターネットに代表される情報ネットワークは、我々の生活や 研究に取り組みます。 研究テーマや課題等の内容について 基盤ソフトウェア学講座 研究テーマや課題等の内容について 情報システム基礎学講座 プログラミング言語処理系の実装技術、記述性・表現力に 優れたプログラミング言語の機能及びその高性能実装につい て研究を行っています。また、自動メモリ管理機能(ごみ集 め)等のプログラミング言語に関連した技術の研究にも取組 んでいます。 最近は、Web アプリケーションプログラムの記 述に適した言語や言語機能、及びその実装法について研究 する他、Web アプリケーションの更なる可能性を見出すため に、Web 環境(インターネット)上の複数の計算資源を柔 軟に有効活用する方法をプログラミング言語の側面から探求 しています。 私たちが利用できる情報ネットワークは、次世代ネットワーク、 インターネット、モバイルネットワークなどがあり、例えば、Web コンテンツを閲覧する場合、無線 LAN を利用するか、固定 回線を利用するか、等の選択肢があります。 同様にブラウザ を利用する端末についてもノート PC なのか、携帯電話なのか、 スマートフォンなのか、様々な選択肢があります。このようなユー ザの状況を把握し、より最適な環境を提供できるためのサービ ス創出に関する技術を検討しています。 具体的には、サービ ス実行の基盤となるプラットフォーム、サービスの効率的な開 発手法、端末の接続制御方式、ユーザを取り巻く状況に応じ たサービス提案手法等を研究しています。 情報システム基盤学専攻 ● 教員紹介 客員准教授 本庄 利守 〈NTT ソフトウェアイノベーションセンター〉 Toshinori Honjo [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/honjo-toshimori.html 現在の専門分野 分散処理、分散システム、 クラウドコンピューティング 主な研究課題 大規模分散処理基盤の高性能化 大規模データ分析の高性能化 教授 大森 匡 Tadashi Ohmori [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/ohmori-tadashi.html 現在の専門分野 データ工学 主な研究課題 データ工学のアルゴリズム、理論、 データ処理基盤技術 准教授 新谷 隆彦 Takahiko Shintani [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/shintani-takahiko.html 現在の専門分野 データマイニング、大規模データ処理、 データ工学 主な研究課題 データマイニングの高可用化・高性能化、 並列分散データマイニング、 ライフログマイニング 助教 藤田 秀之 Hideyuki Fujita [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/fujita-hideyuki.html 現在の専門分野 データ工学、空間情報科学、 ユーザインタフェース 主な研究課題 空間データ活用システム、位置情報サー ビス、空間データベース Web や SNS などの大量の情報がコンピュータシステム上に 蓄積されてきており、ビッグデータと呼ばれ、現在、その活用 に注目が集められています . このような大規模のデータを効率 的に扱うことは容易ではなく、克服しなければならない、さまざ まな課題があります。 そこで、我々は、ビッグデータを効率的に処理するためのコン ピュータシステムの基盤がどうあるべきか、ビッグデータの分析 はどのように行なうべきか、ビッグデータを使ったアプリケーショ ンにはどのようなものがあるか、などを研究しています。 新しいデータ演算体系や情報変換・抽出能力、必要なアルゴ リズム等の考案を通して、大量のデータから高価値な情報空 間を作成し利用するデータ工学分野の情報工学を研究。 大 学らしく、アルゴリズムや理論面を中心にデータ工学の本質的 問題を考えるように学生を指導する。(主な話題は SIGMOD、 VLDB 等を参照。) 最近の研究: 1.情報構造の計算や新インデックスなど、 新手の大量データからの情報抽出演算の実現 2.データ処理基盤のアルゴリズム 3.新しい問い合わせ能力の理論と実現 情報化社会の中で人やモノが膨大なデータを生み出し続けて います。 私たちも日々の生活の中での行動がデータとして収 集され、既に大量に蓄積されています。これら膨大なデータ の活用を実現する技術として、様々な制約条件下で、多種 多様かつ膨大なデータを効率良く処理し、新しい価値ある情 報を見つけ出すデータマイニングのアルゴリズム、データ管 理、実データ応用の研究を進めています。また、センサデバ イスで 24 時間 365 日連続して収集した人の活動に伴う生 体データなど人の生活に関する長期間のデータ ( ライフログ ) から、人の生活行動の規則性や傾向などの生活行動特性を 抽出するライフログマイニングの研究も進めています。 研究テーマや課題等の内容について データベース学講座 研究テーマや課題等の内容について データベース学講座 研究テーマや課題等の内容について データベース学講座 研究テーマや課題等の内容について 基盤ソフトウェア学講座 モバイルアプリケーションのログから、GPSの軌跡データ、セ ンサーネットワークのリアルタイムデータまで、実空間と結びつ いたデータの活用が期待されています。 中でも、実世界にお ける位置や場所の情報を含むデータ、すなわち空間データを 対象に、その取得・管理・検索・解析・結合・表現・に関 する研究を行っています。空間情報のデータモデルや空間検 索アルゴリズムといった基礎的な内容から、位置情報に着目し たデータ可視化と情報抽出、人間の創造活動の支援を目的 とするインタラクティブな空間データ活用システムの研究まで、 実空間アプリケーションとしての完成度を重視して取り組んでい ます。 39 情報システム基盤学専攻 ● 教員紹介 教授 本多 弘樹 Hiroki Honda [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/honda-hiroki.html 現在の専門分野 計算機工学 主な研究課題 並列処理/自動並列化/並列化支援 GPUコンピューティング グリッドコンピューティング 助教 和田 康孝 Yasutaka Wada [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/wada-yasutaka.html 現在の専門分野 計算機工学 主な研究課題 自動並列化手法、グリーンコンピューティ ング、マルチコア・メニーコアプロセッ サアーキテクチャ、ヘテロジニアスコン ピューティング 客員教授 李 還幇 〈(独)情報通信研究機構〉 Huan-Bang Li [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/huanbang-li.html 現在の専門分野 ワイヤレスネットワーク 主な研究課題 UWB(Ultra Wide Band) Peer Aware Communication 符号化変調(Coded Modulation) 客員教授 田 光江 〈(独)情報通信研究機構〉 Mitsue Den [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/den-mitsue.html 現在の専門分野 宇宙物理学 主な研究課題 数値シミュレーション、 衝撃波伝搬、 粒子加速 研究テーマや課題等の内容について 高性能コンピューティング学講座 テム、娯楽機器、家電/自動車などの組込システムなどさまざ まな分野でコンピュータの高性能化、すなわち、処理の高速化、 信頼性向上、低消費電力化、ユーザフレンドリ化が望まれて います。そこで、ハイパフォーマンスコンピューティングに関連 する方式とそれを実現する技術を主な研究テーマとしています。 研究課題としては、高性能化のひとつのキーテクノロジである 並列処理を中心に据え、対象アプリケーションの最適分割・ スケジューリングといった基本課題から、GPUコンピューティン グ、広域ネットワーク環境でのグリッドシステム、並列化支援ツー 現在の計算機システムでは高性能と低消費電力を同時に求め られており、その要求に応えるため、今ではあらゆるシステムで マルチコアプロセッサが利用されています。 さらには、用途に応じて様々な種類のプロセッサコアを多数搭 載した環境も用いられます。しかし、そのようなシステムの性能 を十分に引き出すためには、ソフトウェアの開発に多大なコスト を払わなくてはならず、熟練した技術も必要となります。この問 題を解決し、高性能・低消費電力かつ使いやすい計算機シス テムを構築するため、並列処理技術を軸に、自動並列化手法、 マルチコア・メニーコアアーキテクチャ、およびこれらの協調 動作による低消費電力化などの課題に取り組んでいます。 研究テーマや課題等の内容について 高性能コンピューティング学講座 高度情報化社会におけるサーバーシステム、ネットワークシス ルなどに関する課題まで広く取り組んでいます。 研究テーマや課題等の内容について 高性能コンピューティング学講座 研究テーマや課題等の内容について 高性能コンピューティング学講座 I T社会を支える諸技術の中で、ワイヤレスネットワークは電子 情報を運ぶ媒体として特に携帯性、移動性を支える上で不可 欠な存在である。ワイヤレスネットワークはワイヤレス通信を利 用して情報を伝達するため、電力および周波数資源の有効利 用技術や、耐マルチパス伝搬技術などが求められる。これら の技術の中で、以下の研究テーマを中心に研究を行っている。 1、UWBを用いた高精度測距測位およびレーダに関する研究。 2、インフラに依存しないデバイス同士間のワイヤレスネットワークに関 する研究。 3、異なるワイヤレスシステム間の共存を図る技術。 4、符号化変調などの電力および周波数資源を効率的に利用できる 技術。 研究手段は理論解析、計算機シミュレーションおよび実験の いずれとする。 数値シミュレーションを用いて太陽面現象による粒子加速 や衝撃波の伝搬過程などの現象を調べること、およびそ のための数値シミュレーション技法を主な研究テーマとして いる。宇宙ではダイナミカルスケールが極端に広い現象や、 局在化した天体が広いシミュレーション領域を運動する系、 また爆発などの突発的に変化する現象など、一般的に数値 計算では扱いが難しい場合が多くある。研究課題として、 衝撃波など不連続構造を最小限の数値粘性で安定に解く 数値計算手法と、必要な領域のみに高解像度の格子をダイ ナミカルに形成する適合格子法、および粒子の加速過程を 追う確率微分方程式法を用いた数値シミュレーションモデ ルの開発を行い、天体現象の解明を目指している。 40 情報システム基盤学専攻 ● 教員紹介 准教授 田中 久陽 Hisa-Aki Tanaka [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/tanaka-hisaaki.html 現在の専門分野 自律分散系、同期システム学 主な研究課題 センサーネットワーク等の動的な自律分散 システム 生物時計の解析とシミュレーション 同期現象と同期システムの解析と応用 准教授 小島 年春 Toshiharu Kojima [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/fs/kojima-toshiharu.html 現在の専門分野 変復調を中心とした無線信号処理 主な研究課題 最尤受信方式、適応変復調方式、 ダイバーシチ方式、時空間符号化 現在のデバイスの小型化とネットワーク化は、これまでに 想像できなかったような新しいテクノロジーや考え方を生 み出し始めています。 われわれはこのような新しい流れを 生物システムとのアナロジーから (理論だけでなくシミュレー ションや実験も含め)開拓しています。 また、いわゆる「循 環型社会」も視野にあり、このような広い視野から研究テー マを設定しています。 研究課題として、○生物時計(体内時計)の動作機構のモ デリングと解析(2名)○センサーネットワークにおける自 律分散通信方式の研究(2- 3名)○インターネットや粘菌 等のに見られる動的なネットワークの研究(1- 2名)が進 行中で、活発な雰囲気のもとで頑張っています。 研究テーマや課題等の内容について 基盤ハードウェア学講座 研究テーマや課題等の内容について 基盤ハードウェア学講座 衛星通信・移動体通信をはじめとする無線通信システムの 基礎および応用に関する研究を行っています。 例えば、携 帯電話に代表される移動体通信システムでは、地物により 反射した信号が合成され、定在波が生じます。この定在波 の中を端末が移動することにより、信号の強度や位相が激し く変化するフェージングという現象が生じ、送信した信号をそ のまま誤りなく受信することが難しくなります。 このような劣悪な環境において、 ・より多くのデータを(高速) ・より少ない電力で(高効率) ・より誤りの少ない(高信頼) 通信を実現するための基礎および応用研究を行っています。 41 情報システム基盤学専攻 ● 教員紹介 42 先輩たちの声 データ処理システム メディア情報システム IS での貴重な体験 IS 研究科に何を求む? 山下 由展 私は学部時代、他大学でグラフ理論を学んでい ましたが、IS のデータベース学講座で行われて いるデータ工学の研究に興味を持ち、IS に進学しました。IS は独 立大学院であるため、他大学の人や社会人など様々な方々がいる点 も魅力でした。研究室に配属後は、多くの研究会で、最新の研究 に触れることができました。また、先生方の指導の下で2年間の 研究活動を行い、Web 空間を分析し有益な情報を抽出する「Web 空間マイニング」をテーマに修士論文を書きました。そして、最終 的には修士課程で行った研究成果を海外発 表することができまし た。2年間の研究活動を通して、研究会参加や海外発表等、とて も貴重な体験をすることができたと思います。また、研究室の様々 な方々から多くのことを学べました。現在 IS に興味を持っている 方々は一度、興味のある研究室を訪れてみてはいかかでしょうか。 きっと、貴重な体験となるはずです。 三嶋 朗史 私が皆さんにお尋ねしたいことは、この大学院 に何を期待しているかということです。私自身、 当時は情報システム関連なのですから、何らかの設計技法を身に着 け、また一方で大学院なのですから、何らかのアカデミックなテー マを研究課題として論文を完成させることだと考えていました。実 際にその想像はほぼ正しかったのですが、一方で実社会に出るとそ れは単なる枝葉に過ぎなかったことにやがて気付きました。では肝 心の幹の部分はどうなっていたでしょう? 実はそれはある意味で 哲学的なこの世のシステムのアーキテクチャを書き起すような命題 だったのです。すなわち、IS研究科を志す皆さんには大学院での 数年間において、実は情報システム学がある種の本質に迫るための 比喩であることを悟り、しかしながら、同時にその次元の事象を学 術的にエレガントに説明できる素養が要求されているのです。 公務 教育・研究 人間社会のサイエンス 新たな飛躍を目指して 大豆生田 顕 私は、物理学で理学修士を取得し材料メーカー の研究者として働いた経験もありますが、仕事 の関係で社会人学生としてISの社会知能情報学専攻に入学しまし た。入学以前は数学を含む自然科学と社会科学は別物のように思っ ていましたが、ISで2年間学ぶ間に社会を見る目が全く変わって しまいました。今では人間社会もサイエンスの対象で自然科学と社 会科学の境目はないように感じます。社会におけるコミュニケーショ ンと物理学における相互作用との間の共通点を感じるようになり、 法律でさえ数学的表現が 可能なことに気づきました。情報伝達と 情報処理ということに注目すると、コンピュータシステムの設計に 使われる考え方が人と人とのコミュニケーションの分析にも応用で きます。情報システムという見方をすると、自然にも社会にも似た ような論理的構造が潜んでいます。様々な分野の人に人間社会の サイエンスの面白さを体験してもらいたいと思います。 加藤 由花 IS での学 生 生活は私の人 生を大きく変えまし た。私は企業の研究所で情報通信の研究開発 に従事していましたが、もともと情報系学部の出身ではなかったこ ともあり、情報システムについて体系的に学びたいという思いから IS への進学を決めました。当初から、大学での研究生活が続けら れれば良いなぁという思いは持っていましたが、博士課程修了後は 運良く IS で教員の職を得ることができ、その後、情報系専門職大 学院(産業技術大学院大学)で多くの学生を教育することになりま した。かつての私がそうであったように多くの社会人学生が在籍し ていること、様々なバックグラウンドを持つ学生が共に学んでいる ことが IS の大きな特徴です。学生達は、そのような環境の中で様々 な刺激を受け、新たな飛躍を目指していくようになります。皆さん も新たな一歩を踏み出してみませんか ? 情報システム運用保守 計算機システム 自分を磨くことができる場所 IS の時代 小谷 哲郎 思えば私がIS研究科を志望した理由は、多様 な分野から学生が集まってくるという特 有の研 究環境に惹かれたことにあります。こう書いている私自身も純粋な 情報系の出身ではなく、学部時代は教育学部の学生として、学校 教員を目指していました。そんなある日、IS 研究科でも担当教官と なる教授の講義を受け、情報システムに強い関心を持つようになり、 多様な分野に門戸を開いている IS 研究科を受験しました。研究科 生としての2年間は、あっという間に過ぎ去ってしまいましたが、と ても充実したものだったと思います。異なる分野出身の学生同士で、 それぞれの視点からお互いの研究に対する意見をぶつけ合ったこ と、担当教官の方々からの厳しい指摘を受けて、必死に論文を書 き続けたことなど、社会人となった今も貴重な財産となっています。 IS 研究科は、周りから多くの刺激を受け、研究を通して自分を磨い ていける環境だと思います。是非、チャレンジしてみてください。 岩本 達也 私はヒューマンインタフェース講座の研究内容 に興味を持って IS 研究科への進学を決めまし た。入学してから非常に感銘を受けたのは、IS のコンピュータサイ エンスを中心とした充実したカリキュラムでした。社会に出てからも 講義内容を思い起こして、もっと深く学んでおけば良かったと感じ ることは少なくありません。私は 96 年にソニーに入社し、3 年目 には米国サンディエゴに赴任、その後 CELL プロセッサの開発の ためテキサス州オースチンへ異動、さらに GPU 開発のためにサン フランシスコ・ベイエリアに異動、現在はグラフィックス・ライブラ リの開発をしております。痛感されるのは、私が社会に出てからの 10 年間はまさに IS で学んだことが実世界で花開いていく時代で あったということです。すでに IS 研究科で学べる技術は世界を動 かしていく原動力となっており、次の 10 年間にはさらに大きな価値 を発揮していくと思います。 43 画像処理システム ソフトウェアシステム バラエティに富んだ IS 主体性を育ててくれた IS 佐藤 修 技 術の 進 化はとどまるところを知りませんが、 技術だけ進んでも、それを人間が使いこなせな ければ意味がありません。これからは、技術と人とを結ぶインター フェースが重要になると考え、関連する研究室のある IS に入学し ました。私は電子工学科の出身でしたが、IS の授業の中には、ソ フトウエアやシステムだけでなく、脳神経や知覚に関するものなど、 広い視野の知識を得ることが出来ました。レポートなども多いです が、授業で習ったものを実地に試すことで、理 解も深まりました。 学生に関しても、学内外から、また様々な学科から集まってきます ので、研究テーマについて視点の異なった議論が出来るのも、IS の魅力のひとつだと思います。このように、バラエティに富んだ IS にも、まだ足りないものがあります。それは、あなたの好奇心と探 求心です。皆さんが IS でしっかり学び、そして社会で生かせる日が 来るのを楽しみにしています。 ISでは、独立研究科であることから、学生の 出身分野は多岐にわたっています。また、幅広 くさまざまなバックグラウンドをもった指導教員の方々がいます。大 学院では、自分自身が主体となって研究を進めていくことになりま すが、そのときに周りの学生、先輩方、指導 教員の方々から、多 様な助言を得ることができるのは、ISの大きな利点だと思います。 また、ISで研究することで、専門的なスキルを身につけられるだ けでなく、自ら計画を立てて、調査し、発表し、文章に書くといっ た経験が得られます。私自身、この経験は、就職しても自信となり、 とても役に立っています。ISに興味のある方は、ぜひ研究室に見 学に行くことをおすすめします。ISの雰囲気や環境を身近に感じ られることでしょう。 ネットワーク情報システム 教育・研究 Black Box のままで終わらせない知識を 後期博士課程から研究者へ 仁平 幸子 現在、私たちの身の回りには、様々な情報シス テムとそれを支える基盤となる技術があふれて います。一般の人々はその中身を知ることもなく、いわば、全くの Black Box としてその恩恵に預かることが殆どであり、私もかつて はそのうちの一人に過ぎませんでした。ある日、そのような状態に 違和感と疑問を覚えたことをきっかけに、情報システムについて、 より深く学ぶ場所として IS 研究科の存在を知りました。こうして 幸運にも IS で学ぶ機会を得ることができ、新しいことや難解なこ とについて恐れず、また先入観も持たず、常に理解を絶やさない姿 勢を身につけることができたと思います。これらは、私のこれまで の仕事のあらゆる局面においてかけがえのない心の拠り所となって くれました。もし、あなたも Black Box にただ従うことに疑問を 感じたら、是非 IS の門を叩いてください。きっと暖かく迎え入れら れることでしょう。 福岡 泰宏 私は IS で博士号を取得し、2006 年度、茨城 大学の講師に着 任しました。IS は独立大学院 のため、教官が大学院教育研究のみに注力でき、通常の大学院に 比べて遥かに多くの研究指導を受けることができます。また、私も 含めて他大学出身者が多いため、研究室に排他的雰囲気が存在し ません。大学の立地は最寄の調布駅から新宿に 15 分と優れ、都 心で開催される研究会などへの参加や、他大学 研究者との交流が 容易に行えます。研究設備は申し分なく、学科主導で計算機が研 究室に必要数提供されるなど通常はありえません。博士号取得後 の就職を憂慮する方が多いですが、近年は産官学で高度教育研究 者育成に注力しており、多くの企業でも博士号取得者に門戸を開い てきているので、少数精鋭教育、かつ研究活動に特化した IS での 博士後期課程進学は、憧れの?研究職に就く近道であると私は確 信しています。是非お勧めします。 ゲームソフトウェア 医療福祉情報システム 総合技術 面白さの宝庫 大西 隆之 広い分野での技術を身につけたいと考えていた 私は、機械系の学部から IS 研究科に進学しま した。IS は独立大学院ということで、先生・先輩方も様々な分野 からいらっしゃった方が揃っています。その中で、自分は学部で学 んだ機 構や材料、加工などの知識を活かし、苦手であった電気・ 電子や情報 処理などの技術を吸収することができました。現在は 研究の道を離れて技術者として企業に勤めていますが、広く所々深 い総合的な技術を持っていることは非常に役立っています。また、 学院生活で得られる多岐にわたる分野の人脈は、修了後の進路に 関わらず大変心強いものだと思います。あまりに多彩な IS の中で は本来の目的を見失ってしまうこともあるかもしれませんが、モチ ベーションを高く持って IS の特色をフル活用できれば、研究はもち ろんのこと自身の目標を達成する大きな一歩になると思います。 44 豊泉 敦也 市毛 由希子 一番魅力的だったのは独 立大学院という特 色 有る環境だったということです。研究の環境が 整っているだけでなく、様々なバックグラウンドを持つ学生が集ま り、多様な生き方考え方に触れられる IS は非常に魅力的で、先生 方の顔ぶれも多彩であることからもすっかり気に入りました。大学 院ともなると授業もより専門的な内容に偏りがちですが、企業の研 究の第一線でご活躍されている方によるリアリティー溢れる授業な どもあり、技術者・研究者としての幅を広げることができるカリキュ ラムが組まれていました。また、研究室では先生や仲間と連日夜遅 くまで研究室にいても飽きなかったことを良く覚えています。現在 は企業の研究所を経て、同社内ベンチャーにて世界中を飛び回り、 研究開発から営業まで広い業務に携わっていますがこれも IS での 経験があればこそです。ぜひ IS で充実した生活を送ってみません か?まずは足を運んで自分の目で耳で確認してみて下さい。 メディア情報処理システム Research and education システム的見方を学んだ IS A multi-cultural experience 朴熙千 世の中には多種多様な分野が存在します。私は 可能な限り、多方面に渡って知識を深めたい と思っていました。株式の動き、貿易の仕組み、会計のやり方な ど知りたい事が山ほどありました。意識してみて目に付いた事は、 各分野にあるシステムの存在です。株を知りたければそのシステ ムがわかればよいです。貿易の仕組み、会計の仕組みも同じです。 全てシステムに導きます。中でもそのシステムの設計が重要です。 私が IS を選んだのはそのシステムをどのように設計するかを基本 から教えてくれるからです。卒業して 8 年になりますが、一つの 答えを出すため何十時間もシミュレーション実験をおこない、結 果について先生と意見を交換し、目標に到達した記憶はいまだに 残っています。IS での生活、教育、環境は留学生だった私に暖かく、 心強かったです。一度あなたにもそんな気持ちを感じていただき たいと思います。 Dr. Alexandra Cristea Hi, my name is Alexandra Cristea, and I am happy to tell you my story. I come from Romania, where I graduated the Politehnica University of Bucharest, the best technical university in my country. After graduation, I was offered a position at the same university, and started research work towards a PhD. My advisor brought to my attention the possibility of continuing my research and broadening my experience by going to Japan. I have heard about the famous professor Toshio Okamoto from the Graduate School of Information Systems at the Electro-Communication University in Tokyo. So I decided to take the cultural leap and go there. Ever since, I am quite happy that I took that decision. Not only was I able to take part in high-level research in a professional environment, but I experienced the Japanese culture and language first-hand, which is a rare privilege for a European. It gave me a quite different perspective in life and a more broader understanding of different people and mentalities. I know for sure I would be a different person without this experience. The initial 1.5 years quickly became 6, as I decided not only to do my PhD there, but also to work as a research associate - quite a different type of challenge. I returned to Europe as what I hope a better, but surely richer person in experience and knowledge. I became assistant professor in Computer Science at the well-known Eindhoven University of Technology, in the Netherlands, where I spent 5 years. Most recently, I accepted an appointment as associate professor (senior lecturer) in Computer Science at Warwick University in the UK, where I am now the head of the Intelligent and Adaptive Systems Group; so thereby, my multi-cultural saga continues. The future is only to tell what will be next - I surely look forward to it! 人の視覚情報処理の研究 企業情報システム 恵まれた6年間 日常業務をこなしながらの社会人入学 張琪 私は中国で修士課程まで修了し、博士後期課 程から IS 研究科に進学しました。入学時には 日本語がほとんど話せませんでした。親切で信頼できる先生に恵ま れ、研究面のみでなく生活面まで、色々と有益なアドバイスやサポー トをいただけました。また、先端的な研究設備が揃っており、研究 環境は最高でした。IS は独立大学院で、学生の出身国、出身大学、 出身学科・専攻が様々で、ゼミでは異なった視点から、色々な意見 を聞け、視野を広げることができました。博士号取得後も 3 年間 COE 研究員として IS で研究を続けました。IS で学び経験したこ とは現在もとても役に立っており一生の財産と思っています。おか げで、在学中に私が発見した錯視 現象のパントマイム効果は国際 的にも認められるようになりました。IS は、皆さん自身が修得した 専門知識を活かして独創的な研究に取り組み、育てられる優れた 大学院です。是非一度 IS 研究科を訪れてみてください。 鳥羽 弘康 私が社会人入学するにあたり第一に考えたのは、 会社の業務をこなしながら学位を取得できる環境で した。 電気通信大学は私のオフィスから40分程度と交通の便が良いた め指導教員からの指導を受けやすく、さらに、短縮修了制度があるなど、 通常通りに会社の日常業務をこなしながら、無理なく学位を取得するには 最適な教育環境が整っていました。私の場合、帰宅後や休日はもとより、 通勤時間を有効活用して論文を仕上げた他、会社のフレックス制度や有 給休暇制度を利用し、会社の業務に支障を来たすことなく指導教員、研 究室の方々から密に指導を受けました。また、短縮修了も認められたので 1年間で博士の学位を取得できました。在学期間中も進めていた会社の 業務も、課程修了後半年にして技術的成果として実を結びつつあります。 在学した 1 年は、私の人生で最も長く密度の濃い充実した1年となりまし た。勉学と業務と両立できたのも、情報システム学研究科の充実した社 会人学生サポート体制のお陰と感謝しております。 電気機器の情報処理 経営コンサルティング 社会に役に立つシステムの研究は楽しい 社会人博士コース入学のすすめ 猪口 正幸 日々の開発に埋没していたある日、社会人を受 け入れて貰える IS の事を知り、今までとは違っ た環境へ身をおきたくなって入学を志望しました。課題は半導体の 歩留管理に関する事にしました。歩留を向上させるためには、適切 な装置を使用するだけでなく、エキスパートの知識や経験が非常に 重要です。このような先端分野における知識や経験を蓄積するシス テムについて研究しました。UOE(User Oriented Engineering) と いう概念を提案し、それに基づいてシステムを開発して半導体工場 へ導入しました。UOE は、アイデア→ソフトウェアツール試作→実 験・評 価→実用化・ルーチン化→蓄積・公開という知的作業サイ クルの効率を大幅に向上します。歩留改善アルゴリズムの実現まで の期間を従来手法の 1/30 に短縮する事ができました。システム導 入後、飛躍的な成果を出してユーザに喜んで頂けていることが、何 にも増して大きな喜びとなっています。 前田 隆正 2005年4月、博士後期課程の社会人入学です。 1955年学部卒業ですから、30年ぶりの再入学に なります。IS 研究科から社会人入学を勧められ、電通大同窓会「目黒 会」の有志5人が応募し、学部卒の皆は、社会人として相当のキャリア があったので博士前期課程は全員スキップし、後期課程にいきなり入学 することが出来ました。今は短縮修了があるのでそれに挑戦しています。 テーマは、SOHO(Small Office Home Office)です。 三鷹市では、 転出した多くの工場の代わりを、工場誘致でなくSOHO の集積でカバー しようとしています。1998年以来、私がその任に当たっていますが、そ の SOHO が私の研究テーマです。現場の泥臭い問題を研究者の立場 で考え、先生と議論をし、理論付けをするのは、新鮮で楽しく面白く現場 でも役に立ちます。社会人の方は、自分の仕事をテーマにして博士後期 課程の研究をされることをお薦めします。 45 修了後の進路 博士前期課程(修士課程)2年生になると、各専攻の就職担当教員(2, 3名)により進路指導が行われま す。博士前期課程修了者の進路は、就職または博士後期課程(博士課程)への進学となります。 就職先は、情報システムの高度化にともない幅広く、今後ますます広い分野での卒業生の活躍が期待 されます。この就職難の時代にあって、数多くの企業から求人があり、学内推薦や自由応募の形で企業 の採用担当者と面談を行い、採用が決定されます。 また、さらに深く研究したいテーマを持っている人は、博士後期課程に進学し、そのテーマを教員や同輩 達との真剣な議論を通して鍛え上げていきます。そして、それを博士論文として提出し、 審査に合格 すると博士の学位が与えられます。 過去5年間のI S研究科学生の主な就職先 〔平成21年度~平成25年度〕 企業名 人数 企業名 人数 人数 日立製作所 13 テルモ 3 ネットワンシステムズ 2 KDDI 12 コナミデジタルテクノロジ 3 日本エリクソン 2 富士通 9 京三製作所 3 ドワンゴ 2 リコー 9 キヤノン 3 トヨタ自動車 2 NTT データ 9 オムロン 3 東京計器 2 野村総合研究所 7 アルファシステムズ 3 ヤフー 7 NTT ドコモ 3 東京エレクトロンソフトウェア・ テクノロジーズ 2 ソニー 7 NEC ソフト 3 デンソー 2 サイバーエージェント 7 富士重工業 2 ソネットエンタテインメント 2 楽天 6 富士フイルムソフトウエア 2 日本電気 5 日本オープンシステムズ 2 ソニーコンピューター エンタテインメント 2 東芝 5 日本アイ・ビー・エム(IBM) 2 セガ 2 三菱電機 5 東芝情報システム 2 ズーム 2 横河電機 5 東京コンピュータサービス 2 ジェイテクト 2 日産テクノ 4 鹿島建設 2 オプトエレクトロニクス 2 NTT コムウェア 4 三菱自動車工業 2 アイネス 2 NTTソフトウェア 2 NEC インフロンティア 2 富士ゼロックス アドバンストテクノロジー 3 華為技術日本 ( ファーウェイ・ジャパン ) 2 富士ゼロックス 3 リクルート 2 KVH 2 日立情報制御ソリューションズ 3 モルフォ 2 JR 東日本 2 日立情報システムズ 3 ミクシィ 2 ACCESSPORT 2 日本電信電話(NTT) 3 ベリサーブ 2 農中情報システム 3 富士通フロンテック 2 MAP 西キャンパス 山手線 布多天神社 東キャンパス 西門 池袋 IS 至八王子・甲府 東2号館 三鷹 吉祥寺 新宿 秋葉原 中央線・総武線 正門 電通大通り 鶴川街道 パルコ 調布 至橋本 メガロス調布 西友 東京 至京王八王子 甲州街道 明大前 京王相模原線 井の頭線 渋谷 品川 モノレール(至羽田空港) 旧甲州街道 調布駅 徒歩5分 中央口 新宿駅 京王線…特急15分・準特急15分 京王線…特急9分 明大前駅 井の頭線…急行7分 渋谷駅 中央口 京王線 至八王子 上野 中門 西10号館 46 企業名 調布駅 吉祥寺駅南口 小田急バス…新川・市役所経由調布行き25分(電通大学生寮前下車) 至新宿 小田急バス…調布行き25分(電通大学生寮前下車) 三鷹駅南口 IS 学 で時代 を創造 する… 入学を希望する人たちへ <<大学院情報システム学研究科入学者受入方針(アドミッションポリシー)>> 高度情報化社会をさらに発展させ、さまざまな新しい情報システム-計算機、通信、社会、生態、環境-を創造的に構築 する意欲にあふれ、その理論的・技術的基盤の先駆的開拓を目指す学生を広く国内外から受け入れます。 入試日程 入試説明会・研究室公開 日 程:平成26年4月23日(水) 場 所:電気通信大学 ※5月、6月、11月にも学内外にて入試説明会を開催 入試期日 募集区分 出願期間 情報メディアシステム学専攻 博士前期課程 6 月入試(特別選抜) (特別選抜) 【学校推薦】 ・学校推薦 【自己推薦】 ・自己推薦 7 月入試 10 月入試 博士前期課程 ・一般選抜 ・社会人選抜 博士後期課程 ・一般選抜 ・社会人選抜 2 月入試 選抜期日 合格発表 社会知能情報学専攻 平成 26 年 6 月 2 日(月) 〜 6 月 6 日(金) 平成 26 年 6 月 17 日(火) 平成 26 年 7 月 2 日(水) 【6 月 6 日(金)必着】 平成 26 年 7 月 3 日(木) 平成 26 年 7 月 27 日(日)、 〜 7 月 10 日(木) 平成 26 年 8 月 18 日(月) 28 日(月) 【7 月 10 日(木)必着】 平成 26 年 9 月 16 日(火) 〜 9 月 24 日(水) 平成 26 年 10 月 5 日(日) 平成 26 年 10 月 23 日(木) 【9 月 24 日(水)必着】 平成 27 年 1 月 6 日(火) 〜 1 月 13 日(火) 平成 27 年 2 月 6 日(金) 平成 27 年 2 月 26 日(木) 【1 月 13 日(火)必着】 出願資格 博士前期課程 大学を卒業していることが必要です。 ただし、資格認定審査により、大学卒業と同等以上の学 力があると認められた者は受験資格が得られます。 博士後期課程 博士前期(修士)課程を修了していることが必要です。 ただし、資格認定審査により、博士前期(修士)課程修 了と同等以上の学力があると認められた者は受験資格 が得られます。 お問い合わせ 教員訪問をご希望の方は訪問したい教員に直接申し込ん でください。教員のメールアドレスは、この冊子の各教 員の欄またはWebページの「教員紹介」をご覧ください。 情報ネットワークシステム学専攻 IS入試 相談室 電話で予約したい方、教員を特定できない方、また、本 研究科に関する詳しい情報をお聞きになりたい方は、IS入 試相談室(IS棟2階事務室内)にお問い合わせください。 情報システム基盤学専攻 TEL 042-443-5680 FAX 042-443-5681 E-mail [email protected] 募集要項請求 募集要項の請求は、 入試課まで 〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘1-5-1 電気通信大学 入試課 http://www.is.uec.ac.jp/ TEL 042-443-5102 ※入試の概要は上記の通りですが、詳細は募集要項をご覧ください 47 国立大学法人 電気通信大学 大学院情報システム学研究科 〒182 - 8585 東京都調布市調布ヶ丘 1- 5 -1 TEL 042 - 443 - 5680 電通大 IS 検 索 このパンフレットの内容は、平成 26 年 2 月現在のものです PRINTED IN 2014 [email protected] http://www.is.uec.ac.jp/
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