部外秘 アンバンドリング 英国株式セールス・トレーディング部長 リチャード・セマーク 2006年9月12日 第一部 執行のアンバンドルリングは、裁量の余地をもたらす ハイブリッド型手数料シェア契約(CSA) - 望ましいアンバン ドリングの手法 フェーズ1 : フェーズ2 : フェーズ3 : 顧客からブローカーへ支払 ブローカーは手数料を分割 ブローカーはサードパーティーへ支払 執行手数料 執行手数料 バンドルされた手数料 各適格取引*に付き ブローカー 取分 15-17% (1社目) リサーチ 手数料の合計 13.5% (2社目) 11% (3社目) 10% * 一般に、特定市場の全取引、ただしPT、 DMA/DSA、ブロック、一次売り出し、手数 料分与(give-up)を除く。 (4社目) サード パーティー サービス 提供業者に 支払い 8% (5社目) 2 執行のアンバンドルリングは、裁量の余地をもたらす 取引執行の総コストが優先関心事項 ♦ 最も有利な執行方法で取引できる 16ベーシス – 投資プロセスと合致する最良執行 ♦ エクスプリシットコスト(手数料)が総コストに占める 割合は小さい – バンドル化すると8-25ベーシス 64ベーシス – 執行コスト6-10ベーシスに対し、インプリシットコスト64 ベーシス1 – インプリシットコスト= マーケットインパクト、スプレッド、 タイミングコスト バイサイドのディーラーは自由に「最良執行」を求めることができる 1 出典: 複数の業界調査に基づくUBSの推計 3 裁量の余地の拡大は取引先の集中を意味する 「裁量余地」は「責任」と同義 ♦ 取引前 16ベーシス – 特定の注文に最も相応しいブローカーの分析 ♦ 取引後 – 取引を執行したブローカーの総合実績を定期的に評価 64ベーシス – 「執行困難」な取引には配慮する必要がある 4 取引先の集中は購買力の上昇を意味する ブローカーにとってその顧客の重要性が増す ♦ 高度なサービスの提供 ♦ キャピタルコミットメントの増加 ♦ より良いトレーダーへのアクセス ♦ パートナー関係の構築 顧客の投資プロセスに合わせカスタマイズされた取引執行 5 第二部 市場観察からの考察 裁量の余地の拡大は取引先の集中を意味する ロンドン証券取引所のマーケットシェア – 上位25顧客のマーケットシェア ロンドン証券取引所顧客マーケットシェア(2005年通年) 25 2005年の市場参加者239社 マーケットシェア(%) 20 15 10 ロンドン証券取引所 マーケットシェア 5 0 1 2 3 4 5 6 出典: ロンドン証券取引所マーケットシェアデータ 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 順位 7 裁量の余地の拡大は取引先の集中を意味する ポートフォリオ取引 – アンバンドル化した取引執行サービス ポートフォリオ取引のマーケットシェア 25 グローバルポートフォリオを管理できる 技術、規模、取引範囲を持つブローカ ーの数は限られている マーケットシェア(%) 20 15 ロンドン証券取引所 マーケットシェア 10 ポートフォリオ取引 マーケットシェア 5 0 1 出典: UBSによる推計 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 順位 8 ロンドン証券取引所に見る集中化傾向 ロンドン証券取引所顧客上位3社のマーケットシェア 28 27.5 27 26.5 26 25.5 25 2006年1月 2006年2月 2006年3月 2006年4月 2006年5月 2006年6月 2006年7月 2006年8月 上位3社 9 Greenwich Associatesのアンバンドリングに関する所見 ハイブリッド型CSAが標準となりつつある ブローカー10-12社とCSA契約 CSA契約は手数料の75-80%を占める(ブローカー上位5社では約50%) リサーチはより民主的な方向へ? 手数料はリサーチと執行で半々に分割 ブローカーのレビューが重要性を増す 10 第三部 リサーチアドバイザリー業務の進化 機関投資家への変化 ♦ ブローカーの付加価値に関する評価が現状以上に厳格化する ♦ 取引手数料だけではなく、取引の質や市場への影響へも焦点が当てられる ♦ 取引執行サービス同様、リサーチアドバイザリー業務でも取引先の集中 ♦ 規模トップクラスのブローカーと特定の分野に特化したブティック型ブローカー に集中 12 厳格なブローカー評価の重要性 ♦ リサーチアドバイザリー業務は、一般にブローカー評価の30-70%を占める ♦ 主な評価項目は産業セクター、新興会社、ストラテジー、経済、クォンツ、社会的責任投 資(SRI)など – アイデアやレポートの質と正確さ – リサーチやセールスにおけるサービスの質 – カバーする範囲の広さ ♦ ブローカーにとっては、手数料やアンバンドル化された支払に見合うサービスを提供しな ければならないという命題 13 進化する証券会社の顧客プロフィール ♦ ヘッジファンドの預かり資産は5年で 160%の増加 件数(線グラフ) 資産(10億ドル、棒グラフ) ♦ ヘッジファンドはリサーチアドバイザリ ー業務の価値を認め、利用する ♦ 運用資産のごく一部、約0.25%が、ブロ ーカー収入の相当部分に寄与 ♦ 個別の株式取引アイデア、M&A、売り出 し、ペアトレード、クレジットアービトラージ 、ストラクチャーチェンジなどに関心 ♦ プッシュ型サービスよりもプル型サービス 出典: Hennessee Group LLC ヘッジファンド調査 ♦ シームレスなセールスとリサーチサービス を必要とする 14 第四部 UBSのアンバンドリング戦略 UBSの戦略 – 主要顧客にアンバンドルリングサービスを提案 – 取引執行とリサーチサービスの分離を軸にお客様と交渉 – 執行サービスにおいてもリサーチアドバイザリーサービスにおいても、主要なお客様すべ てに優先的に選択していただけるサービス提供業者となることが目標 16 アンバンドリングの手法 – 現状 現在5種類あるアンバンドリングの手法… 導入開始 決定済み 方法 開示のみ 現行顧客数 顧客数 見込顧客数 顧客数合計 76 - 1 77 - 分離 20 4 4 28 - 非分離 16 1 2 19 ハイブリッド 37 7 38 82 ハード 4 0 1 5 合計 153 12 46 211 ソフト 出典: UBS、2006年9月11日 17 現状 – CSAの運用 戦略 パートナー 英国 プレミアム アカウント種類別 セレクト アクセス アクティブ E-アクセス 合計 CSA契約顧客の割合(%) EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) スイス CSA契約顧客の割合(%) EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) ベネルクス CSA契約顧客の割合(%) EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) フランス CSA契約顧客の割合(%) ドイツ EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) CSA契約顧客の割合(%) イベリア EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) CSA契約顧客の割合(%) EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) アイルランド CSA契約顧客の割合(%) イタリア EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) CSA契約顧客の割合(%) スカンジナビア EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) CSA契約顧客の割合(%) EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) 合計 CSA契約顧客の割合(%) EU圏収入にCSA契約顧客の占める割合(%) 出典: UBS、2006年9月 18 今や英国だけの問題ではない… カナダ ニューヨーク 英国 スイス フランス ドイツ スペイン 香港 日本 オーストラリア 他の金融センターにも広がりつつある... 19 UBSのアンバンドルリングにおける経験 車輪を再発明する必要はない…. ♦ アンバンドルリングが始まった段階で、UBSは、ア ンバンドルリングが弊社や顧客に及ぼす影響に関 する調査を強力に推進。 – 社内の法務部だけではなく、リンクレーターやクリフォー ド・チャンスなどの法律事務所とも激論を戦わせる ♦ アンバンドル後も顧客がコミッションをコーポレート アクセスやコネクティビティ、電話回線料などに充て られるか調査。 ♦ 欧州全域の顧客370社と面談。アンバンドル化に対 する顧客の考え方や主たる問題、懸念などを深く理 解。 – 執行サービスとリサーチアドバイザリーサービスの価格 の決め方は – 処理が複雑になり、サービスの水準に影響が出ないか – CSA支払管理と照合管理 20 第五部 ファンドのパフォーマンス向上 執行のアンバンドリングはファンドのパフォーマンスの向上 をもたらす 結論 ♦ アンバンドルリングは、裁量の余地をもた らす ♦ 執行に使うブローカーの選択 ♦ マーケットシェアの集中 ♦ 執行の質に焦点 ♦ 流動性プールを最大限利用 ♦ 質の高い総合サービス ♦ 執行の質の改善 22 結論 ー リサーチアドバイザリー業務 ♦顧客は最高のリサーチを有する会社にアクセスすることを望む ♦リサーチアドバイザリー業務は、大手業者からも中小業者からも 受ける ♦リサーチアドバイザリー業務では質と価格が決め手 23 アンバンドル化が顧客におよぼす影響は アンバンドルリングは ファンドのパフォーマンスをもたらす 24
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