『黄色い目の魚』 佐藤多佳子/著 新潮社 絵を描く事が

『黄色い目の魚』
佐藤多佳子/著
新潮社 湘
絵を描く事が好きだった父親を亡くした木島悟と、イラストレーターを叔父に持つ
村田みのりが、海辺の高校で同級生として出会う。父と同様描く事が好きな悟は、気
が付くとみのりの表情を追っている……。16 歳の揺れる気持ちが、二人の語りで綴ら
れている青春小説。
『荒野』
桜庭一樹/著
文藝春秋 湘
少女、荒野(こうや)の中学生から高校生までの思春期の心の揺れを描いた作品。
女友達や男子とのかかわりが瑞々しく描かれた学園生活、恋愛小説家の父と彼をとり
まく女性たちに翻弄される様子が描かれる坂の上の古風な家での生活。
うつろいゆく季節の中で、恋を知り、少しずつ大人になっていく様子が丁寧に描か
れている。
『湘南ランナーズ・ハイ』
倉阪鬼一郎/著
出版芸術社
フルマラソンに初挑戦する主婦幸子、同じく初挑戦の少女夏乃。それぞれの思いで
完走を目指し、家族が応援する。マラソンコースを走る様子は臨場感があり、何だか
走りたい気分になる。マラソンに込められた家族の思い、絆が泣ける。
『沈むさかな』
式田ティエン/著
宝島社
過去から逃れ、歩むべき道を模索する 17 歳の矢野カズ。父の死の真相を探るため
に潜入した現場で起きるさまざまな事件。若者の危うさと脆さ、そしてそれを取り囲
む大人たちと社会の闇。湘南の海を舞台にスクーバダイビングの魅力とともにカズの
成長を描いた青春ミステリー。「きみ」という二人称で語られ、最後には意外な真実
が待ち受けている。
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『一億百万光年先に住むウサギ』
理論社 湘
那須田淳/著
横浜から鎌倉に引っ越してきた中学 3 年生の翔太。日常の生活の中で、友人や周囲
の大人たちの抱える秘密とそれぞれの大切な想いが静かに浮かび上がってくる。恋樹
(こいのき)の伝説と星磨きのウサギ、そしてジャズの名曲が深く心に染みてくる素
敵な物語。
『雨のち晴れ、ところにより虹』
吉野万理子/著
新潮社
湘南を舞台に描かれた 6 つの短編集。人と人とのつながりの難しさとお互いを思いやる気持ち
の大切さを思い出させてくれる優しい物語。なじみのある地名や店名が数多く登場し、本を持っ
てその場所に行きたくなる。別々だと思っていた話につながりが見えたとき、もう一度読み返し
たくなる一冊。
『キャット・シッターの君に。』
喜多嶋隆/著
角川書店
湘南で一人暮らしをする33 歳の中川芹はマリーナでバイトをしながら、キャット・
シッターで生計を立てている。心に傷をかかえて生きる彼女が依頼人や猫たちと出会
い、少しずつ癒されていく。猫好きな人にもおすすめ。
『ひとめあなたに…』
新井素子/著
角川書店 湘
地球最後の一週間、世の中は大パニック。そんな中、練馬に住む圭子は彼の住む鎌
倉まで必死の思いで会いに行く。圭子の彼に対する一途な気持ちはつい応援したくな
る。
『横浜・湘南の文學風景を歩く』
大島和雄/著
風濤社
長年文学散歩を続けてきた著者による横浜・鎌倉・逗子・茅ヶ崎などの 8 つのコー
スをまとめた一冊。最寄り駅から順をおって数々の文学碑、墓を訪ね歩く。地図や写
真、参考資料やお勧めのお店の情報などもあり、末尾の索引からの検索もできる。
番外編:卒業生の作品です
『「こつこつ」と生きています』
岸本葉子/著
中央公論新社
湘南高校 55 回生エッセイスト岸本葉子さんが、ブログ開設・食事・テレビ出演の
衣装準備など、日々奮闘する姿を描く。
「高校の頃」には当時の湘南高校の学生証が!
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純文学の舞台にもなっています
「蜃気楼――或は「続海のほとり」――」
芥川龍之介/著 『芥川龍之介全集』
筑摩書房
他 湘
武者小路実篤/著 新潮社
他 湘
芥川龍之介が自殺する半年前に書かれた、ごく短い短編小説。
蜃気楼を見るために「僕」が友人と鵠沼海岸を歩く物語。
『友情』
妄想、期待、嫉妬、葛藤、成就、絶望……誰もが経験する恋愛で味わう思いが描か
れている。学生時代に読んだ時には気付けなかったことも大人になった今ではよくわ
かる。十年後、二十年後にもう一度読むのがお勧め。自分の変化がわかって面白い。
日本の歴史には欠かせない街です
『北条政子』
永井路子/著
文藝春秋
他
北条政子といえば承久の乱での勇ましい姿が思い起こされるが、この本では頼朝と
結婚するまでの波乱万丈でも充実した時期から、鎌倉幕府成立後の御家人の策謀に振
り回され、4 人の子供全員を病気や暗殺で失う時期までが描かれる。教科書では分か
らない人生の複雑さを味わえる。
『池田みち子の東海道中膝栗毛』
池田みち子/著
集英社
江戸時代。酒好き女好き、金があれば放蕩を尽くす二人が、金と女の事で江戸から
逃げ出し、お伊勢参りに行く。弥次郎兵衛・北八の珍道中を現代語で表現。
宿場町藤沢での一幕もえがかれている。
『QED~ventus~鎌倉の闇』
高田崇史/著
講談社 湘
桑原崇ことタタルが歴史の講釈をしながら、同時に事件の謎も解決する「QED」シ
リーズ第 8 弾。銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社……よく知っていたはずの「鎌倉」
が読み終わった後には源氏 3 代の悲しい運命とともに違った姿で胸に迫ってくる。鎌
倉の詳しいカラー地図も織り込まれていて、歴史に思いを馳せながらゆっくりと散策
してみたくなる。
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映画やドラマで観た人も多いのでは
『青の炎』
貴志祐介/著
角川書店 湘
秀一は湘南の高校に通う 17 歳。素直で明るい妹と女手一つで兄妹を育てる母と穏
やかに暮らしていた。ところが、昔、母が再婚してすぐに別れた義父が現れたことか
ら、平和な生活が一変する。母ばかりか妹にまで暴行を加えようとする義父を、少年
は愛する家族との平和な生活を取り戻したい一心で殺害する。結局自らの罪に押し潰
されていく少年の姿を鮮烈に描かれている。
【2003 年映画公開】
『タイヨウのうた』
天川
彩/著
坂東賢治/原案
SDP 湘
湘南の町で暮らす、色素性乾皮症を患い夜しか活動できないミュージシャンの少女
が、ある日、ひとりの高校生の少年と出会う。家族や友達、少年にも支えられて過ご
すが、病気は進行し少しずつ体が動かなくなってくる。彼女の歌を残すべく CD 作成
に奔走する少年。少女の 16 歳の誕生日、念願の CD 録音が行われる。
【2006 年映画公開後ドラマ化された作品のノベライズ】
『ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ 』
三上 延/著 アスキー・メディアワークス 湘
北鎌倉にある古本屋「ビブリア古書堂」。若くて美人で人見知りの店主栞子は古い
本が好きで古い本について話すのが大好き。一冊の古い本にまつわるちょっとした謎
を解いていく連作短編集。
【2013 年ドラマ化】
『海街 diary』
高瀬ゆのか/著
吉田秋生/原作
是枝裕和/監督・脚本
小学館
家捨てて出て行った父の葬式。三姉妹は、中学 1 年生の異母妹・すずと出会う。三
姉妹の父を奪ったすずの母は他界、義理の母を支えるすずに、長女の幸は一緒に暮ら
さないかと声をかける。両親を許せない長女、姉の幸せを願う次女、父を知らない三
女、自分を許せない四女。移ろいゆく季節のなか、鎌倉を舞台に、それぞれの想いを
抱え、四人が本当の家族になるまでの一年間の物語。図書室にはコミック本があります。
【2006 年より漫画を不定期に連載、2015 年映画化された作品のノベライズ】
湘 湘南高校図書館内に蔵書があります。
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