Press Release 企画展のご案内 鉄川与助の教会建築 展 五島列島を訪ねて The Church Architecture of Yosuke Tetsukawa -A Visit to Goto Retto- 写真1:旧野首教会/1908 年竣工、長崎県小値賀島、県指定有形文化財 今は無人となった野崎島に立つ。鉄川与助が棟梁として初めて手がけた煉瓦造。 撮影:白石ちえこ 開催概要 ■会 期 ■開 館 時 間 ■休 館 日 ■会 場 ■入 場 料 ■企 画 ■制 作 ■協 力 2012年3月8日(木)~5月26日(土) 10:00A.M.~6:00P.M. 日祝日 LIXI Lギャラリー 東 京 都 中 央 区 京 橋 3-6 -18、LIXIL :GINZA 2 F TEL:03-5250-6530 FAX:03-5250-6549 無料 LIXI Lギャラリー企 画 委 員 会 株 式 会 社 LIXIL (有 )鉄 川 進 一 級 建 築 士 事 務 所 http://inax.lixil.co.jp/gallery/ 2012 年 2 月 鉄川与助の教会建築 展 ~五島列島を訪ねて~ INAXギャラリーから名称を改め、LIXILギャラリーとなる企画展の第一弾としてスポッ トをあてるのは、ひとりの大工棟梁がキリスト教との関わりが深い長崎の地に建てた教会建築で す。 長崎には 130 余りもの教会があり、その数は全国にある教会数の1割以上を占めます。260 年に も及ぶ禁教と迫害の時代を乗り越え、明治から昭和にかけて建造されました。なかでもキリシタ ンの里と呼ばれる五島列島には、約 50 の教会が点在し、ひっそりと隠れるような佇まいは今も 受難の歴史を静かに物語っています。 本展では、五島列島および長崎周辺の教会の建設に生涯をささげた、棟梁・鉄川与助(1879~ 1976)による教会建築の軌跡を展観します。与助は、1879(明治 12)年、五島列島の中通島に、 大工棟梁・鉄川与四郎の長男として生まれました。高等小学校卒業後、大工の修行中、教会の建 設を手伝ったことをきっかけに、教会建築の虜となります。27 歳で父から家業を継ぎ鉄川組を設 立。その翌年、棟梁として自ら設計・施工した木造教会を皮切りに、煉瓦造、石造、鉄筋コンク リート造の教会を建てていきます。また内部空間においてもより高い天井をめざして*リブ・ヴ ォールト天井や*折上天井などの工法を極めるなど、次々に新しい試みに挑戦していきました。 鉄川与助が棟梁として設計・施工した教会は、戦前のものだけでもおよそ 30 棟に及び、その半 数が現存し、4 棟が国指定の重要文化財となっています。この数からも与助の類い稀な才能を窺 い知ることができます。 会場では、本企画のため、五島列島および長崎周辺の教会に訪れた写真家、白石ちえこ撮下しの 写真で、それらの魅力と特徴を解説パネルと併せて紹介します。導入部として、現存する五島列 島最古の教会である「旧五輪教会堂」(1881 年竣工)、またフランス人のペルー神父から教会建築 のノウハウを学んだ煉瓦造の「堂崎教会」(1908)を紹介します。そして、与助の教会建築の特徴 を知るためのキーとなる8棟の教会を、処女作の木造「冷水教会」(1907)から、煉瓦造教会の頂 点を極めたと評される双塔の「今村教会」(1913)、与助唯一の石造である「頭ヶ島天主堂」(1919)、 最後に独学で習得した長崎県下で初の鉄筋コンクリート造の「紐差教会」(1929)など厳選してデ ィテールとともにご覧いただきます。また、与助が師と仰ぎ、「より経済的に、堅牢さを主眼に 置いてつくる」という教会の設計思想を伝授したド・ロ神父との関わりも、神父が建てた「大野 教会堂」(1893)から探ります。 写真等のパネル以外には、与助が外出する時に必ず黒の三つ揃いを着て、チョッキのポケットか ら懐中時計の鎖を垂らしていたというチョッキと懐中時計、また与助直筆の旧細石流(ざざれ) 教会の設計図、鉄筋コンクリート工学を習得するために読み込んだ専門書『鐵筋混凝土工學』 (1916 年刊行)など与助の人となりを窺える資料もご覧いただきます。さらに、今回訪れた教会 や風景の映像は会場に臨場感をもたらしてくれるでしょう。 山に囲まれた深い入江の浦々に、また急峻な山間僻地の集落に静かに佇む教会には、鉄川与助が 燃やし続けた教会建造への情熱が今も感じられます。どうぞご期待ください。 *リブ・ヴォールト:天井曲面の稜線に沿って肋骨状の支持アーチ材を架ける構法。ゴシック様式の大きな特徴でもある。 *折上天井 :二重の持送りによって折り上げられたハンマー・ビーム架構の天井。中世ヨーロッパの小さな教会やイギリスのマナーハウスなどでよ く用いられる工法。 ■関連企画のご案内 〔講演会〕棟梁建築家・鉄川与助がめざした教会建築 終了しています 講師/川上秀人(近畿大学産業理工学部教授) 日時/2012年4月20日(金) 6:30p.m.~8:00p.m. 会場/LIXIL:GINZA 8F セミナールーム、参加無料、要予約 *鉄川与助の教会建築研究の第一人者である川上氏にその魅力と特徴を紐解いていただきます。 ■リリース用画像 使用希望の写真は全てウェブサイトのプレスリリースよりダウンロードしてご利用ください http://inax.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_002061.html 写真 2 写真 3 写真 4 写真 2:今村教会(1913 年竣工、福岡 県大刀洗町、県指定有形文化 財)。煉瓦造の教会堂の頂点を 極めたと評される。 写真 3:今村教会の内観。三層構成を完 成させた内部空間。 写真 4:頭ヶ島天主堂(1919 年竣工、 長崎県新上五島町、国指定重要 文化財)。与助唯一の石造教会。 地元産の砂岩を利用。 写真 5:頭ヶ島天主堂の内観。折上天井 で、花の装飾がひときわ目を惹 く明るく、軽やかな堂内。 写真 6:紐差教会(1929 年竣工、長崎 県平戸市)。与助が手がけた 2棟めの鉄筋コンクリート造。 写真 5 写真 6 * 教会の写真はすべて許可を得て撮影しております。 すべて撮影:白石ちえこ ■新刊 LIXIL ブックレットのご案内 LIXIL BOOKLET『鉄川与助の教会建築 ~五島列島を訪ねて』 (76ページ内カラー44ページ、定価 1,800 円+税) 目次(予定) 【図版構成】撮影:白石ちえこ *別丁/長崎の地図 紹介する教会(与助以外の教会を含む計11物件を収録) ・旧五輪教会堂(現存する最古の木造教会、重文)、堂崎教会(煉瓦造、ペルー神父設計、長崎県指定)、冷水 教会(木造)、旧野首教会(煉瓦造、長崎県指定)、青砂ケ浦天主堂(煉瓦造、重文)、大野教会堂(木造、ド・ ロ神父設計、長崎県指定)、今村教会(煉瓦造、福岡県指定)、田平天主堂(煉瓦造、重文)、江上天主堂(木 造、重文)、頭ヶ島天主堂(石造、重文)、紐差教会(鉄筋コンクリート造) 【論考】「長崎の教会建築」/林一馬(長崎総合科学大学 環境・建築学部教授) 【論考】「鉄川与助の教会建築の魅力」/川上秀人(近畿大学 産業理工学部教授) 【論考】「棟梁建築家として生きた97年の生涯」/土田充義(鹿児島大学名誉教授) 【論考】「建築家の目から見た祖父・与助の仕事」/鉄川進(鉄川進一級建築士事務所代表) 【論考】「与助が残した大工道具」/山田由香里(長崎総合科学大学 環境・建築学部准教授) -本件に関するお問合わせ- かけひ て る 株式会社LIXIL LIXILギャラリー 筧 天留・村木玲美 東京都中央区京橋3-6-18 LIXIL:GINZA 3F TEL:03-5250-6530、FAX:03-5250-6549 e-mail:[email protected]
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