31巻 第3号 発行:2016年9月

会員の皆さまへ
看護師の子宮頸部細胞診採取について
日本人間ドック学会
学術委員会
理事長
篠原 幸人
女性の人間ドック健診の在り方に関する小委員会
委員長
佐々木 寛
最近、子宮頸がん検診関連の話題として「看護師の子宮頸部細胞診採取について」という難題が生じ
ております。
本年 4 月に薬師寺みちよ参議院議員より、
国会に対し「看護師が行う業務の範囲に関する質問主意書」
が提出され、国会は「医師の指示の下で子宮頸がん検査のために腟内から細胞採取を施行することは診
療の補助に該当し、看護師が当該行為を業として行うことは可能であると考える。」という法令上の解
釈を示しました。この解釈は閣議決定であり、簡単に覆すことは不可能です。しかしながら細胞診断に
適した子宮頸部の細胞を採取する手技は、医師が行う場合でも相当の技術を必要とする行為であり、採
取過程における精度管理が重要です。厚生労働省にこの事案に対する照会を行ったところ、
「実施にあ
たる看護師が相当の訓練を受けており、かつ、産婦人科を専門とし、当該行為に精通する医師が当該看
護師に指示することが適当と考える。」との回答を受けております。
そこで、本学会と致しましては会員および健診施設に向け混乱をきたさぬよう小委員会と基本問題委
員会を開催し検討し、以下の結論となりました。
「人間ドックに於ける婦人科総合健診は子宮頸がん検診だけでなく、内診、超音波検査等を含めて総
合的に女性疾患を診ることが前提であることから、現段階では子宮頸部細胞採取についても原則として
産婦人科医師が実施する事が精度管理のうえで望ましい。
」
会員の皆様のご理解を頂きたくここにご報告申し上げる次第です。
2015 年度 優秀論文賞報告
編集委員会
委員長
荒瀬康司
編集委員会では,和文誌「人間ドック」および英文誌「Ningen Dock International」に発表された論
文から,人間ドック学あるいは学会誌の質的向上に寄与すると考えられる論文を優秀論文とし,優秀論
文賞を授与しています.
選考については,2015 年度,学会誌掲載された全論文を,査読者・編集委員により審査していただき
ました.和文原著 1 編,英文原著 1 編を選出し,審議の結果,下記 2 題が優秀論文として,理事会に報
告され,承認されました.
また,7 月 29 日(金)に開催された第 57 回日本人間ドック学会学術大会(松本)会員集会にて受賞論
文として表彰されました.2015 年度の選考対象論文数および受賞論文は,以下のとおりです.
選 考 対 象 誌 :和文誌「人間ドック」30 巻
1,3,4,5 号
英文誌「Ningen Dock International」Vol. 3 No. 1
選考対象論文数:和文原著等 32 編,英文原著等 6 編
受
賞
論
文
1.和文 優秀論文賞
萩原美桜 1,2) 大塚博紀 1) 児玉ひとみ 2) 菅原知紀 1) 藤田映輝 1) 徳田宇弘 1) 菅野壮太郎 1)
小野田教高 1)
1)社会医療法人財団石心会 さやま総合クリニック 健診センター
2)社会医療法人財団石心会 埼玉石心会病院 乳腺内分泌外科
「検診マンモグラフィでの局所的非対称性陰影に対して乳房超音波検査を追加し併用判定することの
有効性」
(人間ドック 2015;30-1:15-21)
2.英文 優秀論文賞
Takeshi Nawa1), Suzushi Kusano2), Tohru Nakagawa2), Tetsuya Mizoue3), Hiroaki Tachi1),
Kei Shimizu1), Yusuke Yamamoto1), Shinji Hirai1)
1) Department of Internal Medicine, Hitachi General Hospital
2) Hitachi Health Care Center
3) Department of Epidemiology and Prevention Center for Clinical Sciences, National Center for Global
Health and Medicine
「CT Emphysema Constitutes a High Risk for Future Airflow Obstruction」
(Ningen Dock International 2016;3:3-6)
1
第 57 回学術大会
一般演題プレナリーセッション・学術大会長賞
(最優秀発表賞)報告
日本人間ドック学会
編集委員会
第 57 回日本人間ドック学会学術大会へ応募のあった一般演題 529 題(口頭・ポスター ※国際セッショ
ン 7 題のぞく)より,
2 名査読による高得点だった口頭 7 演題,
ポスター 6 演題を『プレナリーセッション』
として発表し,当日座長・選定委員(2 名)による採点評価をし,最優秀口頭発表賞・最優秀ポスター発
表賞を選び,7/29(金)の閉会式にて相澤孝夫学術大会長より表彰状・記念品の授与が行われました.
プレナリーセッション発表および学術大会長賞(最優秀発表賞)の表彰については,今後も学術大会に
て継続していく予定ですので,今後とも一般演題へ奮ってご応募いただけますようお願い申し上げます.
●最優秀口頭発表賞:1-1-02
加藤
公則(新潟大学大学院生活習慣病予防検査医学講座・新潟県労働衛生医学協会)
「新指標「握力体重比」は糖尿病発症を予測できる」
●最優秀ポスター発表賞:P-2-01
大本
由樹(虎の門病院健康管理センター)
「肺ドック CT における冠動脈カルシウムスコア増加にかかわる寄与因子の縦断的研究」
○プレナリーセッション(口頭発表)
・1-1-01 長谷 保菜(静岡県立大学 看護学部)
「正常者の大脳白質における深部皮質下白質病変に関する研究−第 2 報−人間ドックデータからみた生活習慣に係わる
因子の検討」
・1-1-03 広田
梓(大阪市立大学医学部附属病院 先端予防医療部附属クリニック MedCity21)
「Fibro Scan による肝硬度及び脂肪蓄積度測定の有用性について」
・1-1-04 亀井 一彦(医療法人社団相和会 みなとみらいメディカルスクエア)
「ドック子宮がん検診受診者の HPV 陽性率,また細胞診,組織診断と HPV 感染の関連の検討(HPV 検査併用子宮がん
検診普及に向けて)」
・1-1-05 伊藤美奈子(横浜市立みなと赤十字病院 健診センター)
「多量飲酒の習慣がない人間ドック健診受診者における非アルコール性脂肪性肝疾患と腎結石に関する縦断研究」
・1-1-06 青木由香里(山形県立中央病院)
「人間ドック受診者の随時尿から推定した塩分摂取量と血圧値との関係」
・1-1-07 伊藤 正範(日本健康管理協会 新宿健診プラザ 健診部施設健診課)
「腹部超音波検査における体位の違いによる膵描出距離の検討」
○プレナリーセッション(ポスター発表)
・P-2-02 高橋 為生(沖健康クリニック)
「人間ドック健診で稼働する健康リテラシー支援システム-第 4 報 ストレスと生活習慣-」
・P-2-03 小池 昭夫(埼玉協同病院 健康増進センター)
「じん肺・アスベスト外来の 10 年 アスベスト健診と課題」
・P-2-04 島本 武嗣(亀田メディカルセンター幕張)
「胃粘膜萎縮・肥厚(炎症)の程度および H. pylori 抗体価と脂質関連値との関係」
・P-2-05 佐久田康子(医療法人社団 有相会 最成病院)
「当院人間ドックにおける腹部超音波による腹部大動脈瘤診断の現状」
・P-2-06 飯島なつき(社会福祉法人 恩賜財団済生会 龍ケ崎済生会病院 医療技術部 臨床検査科)
「測定状態により ABI が偽低値を示した症例とその対策」
2
人間ドック健診施設機能評価優秀賞のご紹介
去る平成 28 年 7 月 28 日,29 日,松本で開催された第 57 回日本人間ドック学会学術大会 会員集会(29
日)にて,人間ドック健診施設機能評価優秀賞の表彰式が執り行われました.表彰施設は,平成 27 年度
に人間ドック健診施設機能評価を受審された以下 10 施設です.
本制度は,健診施設の発展および質向上のために運営面,学術面において優れた体制を構築し積極的
に取り組まれた施設を表彰することによって,全国の人間ドック健診施設や会員の皆様の学会活動意欲を
高揚し,本学会人間ドック健診施設機能評価制度の活動を活性化するために設けられています.また,選
考基準は施設全体としてではなく,下記項目(具体的な取り組み)に対しての表彰となります.
施
1
設
名
公益財団法人 秋田県総合保健事業団
秋田県総合保健センター
2 日本赤十字社
熊本健康管理センター
受
賞
項
目
3.4.2
健診当日の結果説明体制
1.5.1
3.5.1
企業・健保・地域との関係
専門スタッフによる保健指導体制
3
長野県厚生農業協同組合連合会
長野松代総合病院
3.5.1
専門スタッフによる保健指導体制
4
公益財団法人 新潟県保健衛生センター
成人病検診センター
3.5.1
専門スタッフによる保健指導体制
3.5.1
専門スタッフによる保健指導体制
3.5.1
専門スタッフによる保健指導体制
秋田赤十字病院
3.5.1
専門スタッフによる保健指導体制
アドベンチスト会
健診センター
3.5.1
専門スタッフによる保健指導体制
3.5.1
専門スタッフによる保健指導体制
3.5.1
専門スタッフによる保健指導体制
5 日本赤十字社
6
高槻赤十字病院
社会医療法人財団白十字会
佐世保中央病院 健康増進センター
7 日本赤十字社
8
医療法人財団
東京衛生病院
9
日本赤十字社
福岡赤十字病院
10
地方独立行政法人
長野県立須坂病院
人間ドック健診センター
長野県立病院機構
※「制度の概要」より一部抜粋
<表彰対象>
人間ドック健診施設機能評価委員会で審議,認定が確定した施設を対象とする.
<表彰施設(項目)の選考>
受賞施設選考については,人間ドック健診施設機能評価委員会で審議する.
<表彰施設(項目)選考方法および決定>
毎月定例の人間ドック健診施設機能評価委員会での施設審議において受賞候補施設を選考し,毎年
4 月~翌 3 月までの候補施設について,4 ~ 5 月の評価委員会で年間の候補施設から最終選考を行い
委員会報告として 6 月の人間ドック学会理事会に報告するとともに,
承認を経て受賞施設を決定する.
なお,選考基準は施設全体としてではなく,具体的な取り組みに対しての表彰とする.
具体的には,評点 5 ないし,5 に近い評点 4 の中項目とする.
3
受賞項目について(詳細)
3.4.2
健診当日に健診結果を説明している
【公益財団法人
3.4.2
秋田県総合保健事業団
秋田県総合保健センター】
健診当日に健診結果を説明している
3.4.2.1 健診当日に健診結果を説明している
評価コメント
健診当日にはマンモグラフィ等一部のオプションを除き,ダブルチェック終了の画像を
含むすべての検査結果の説明をされている.
健診結果表も当日に手渡しされており,優れた体制といえる.
1.5.1
企業,健保組合,地域との関係が適切である
3.5.1
専門スタッフが保健指導を実施している
【日本赤十字社
1.5.1
熊本健康管理センター】
企業,健保組合,地域との関係が適切である
1.5.1.2 企業,健保組合,地域住民などに対して,人間ドック健診や健康に関する情報を提供している
評価コメント
業務推進課 15 名が,契約担当者となり契約を締結している.各企業,健保健診担当者,
市町村を対象に毎年「保健事業研修会」を実施.
広報誌「はい健康」年 4 回,
「日赤いきいきだより」年 2 回発行し,受診者や契約団体へ配布.
健康増進部において,運動・栄養の内容で市町村・健保などが主催する「健康講演会」
に職員を年間 130 回以上派遣している.
DVD「カエルボディ・カワルボディ」を制作.家庭でも継続して運動できるよう,わか
りやすい内容のエクササイズを提供している.
また,スマートフォンやタブレット端末を活用した新たな健康づくり支援の構築「日赤
hara 凹ナビ」をスタート.生活習慣を見直し,あなたの“なりたいカラダづくり”を医師,
保健師,管理栄養士,運動指導士などがサポートしている.若年層への健康志向強化と
して,DVD 作成.Facebook も活用して役立つ情報を随時発信している.
以上のことより,企業,健保組合,地域への健康情報の発信提供と啓発活動を積極的に
取り入れ実施している.
4
3.5.1
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
評価コメント
保健師,特定保健指導実践者研修会を終了した看護師が,健診結果に基づき,1 人の受診
者につき約 10 分間の保健指導を担当し,その実施率は 82.6% と高い.その指導内容は入
力され,次年度,参考にされる.
管理栄養士は,食堂の食事に関与し,食堂では,食事に関する情報・調理方法が提示され,
栄養に関する DVD が放送される.レシピに関する書籍も出版されている.
健康運動指導士は,フィットネスで運動を個別に指導する.
個々の指導マニュアルが作成され,保健指導の症例検討会が,毎週 1 回開催されている.
3.5.1
専門スタッフが保健指導を実施している(8 施設)
【長野県厚生農業協同組合連合会
3.5.1
長野松代総合病院】
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
3.5.1.2 必要に応じて栄養指導を実施している
評価コメント
保健師が専属で在籍し,当日の面接後,ほぼ 100% 保健指導を実施している.
結果説明終了後,保健師が外で待機しており,保健指導実施が定着している.
管理栄養士は併設病院に在籍し,必要に応じて指導を実施している.実施率 4 割程度.
指導内容は記録され,結果表にも記載される.次年度に活用される.
【公益財団法人
3.5.1
新潟県保健衛生センター
成人病検診センター】
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
3.5.1.2 必要に応じて栄養指導を実施している
評価コメント
健診医の診察・結果説明の後,保健師,産業看護師,管理栄養士による健康相談については,
基本的に受診者全員に行っている.
保健師等により日常生活指導の範囲内で運動指導も行っている.
5
【日本赤十字社
3.5.1
高槻赤十字病院】
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
評価コメント
原則全人間ドック受診者に対し,ドック専属の看護師が受診者 1 名約 10 分程度のドック
結果に基づいた健康指導および,病院の健康運動指導士によるドック従事者へのアドバ
イスに基づいた運動のお勧めを行なっている.
2 日ドックでは管理栄養士が栄養指導も実施.
ドック開始当初から保健指導が含まれており,指導体制は定着している.
【社会医療法人財団白十字会
3.5.1
佐世保中央病院
健康増進センター】
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
評価コメント
人間ドック全受診者に対し,保健師が中心となって,結果に基づく保健指導を実施して
いる.
必要に応じて管理栄養士などに助言を求めている.
指導内容は,全て電子カルテに記載し,指導内容は,受診者へ書面にまとめて渡すよう
にしている.
【日本赤十字社
3.5.1
秋田赤十字病院】
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
評価コメント
保健指導に関するマニュアルが作成され,定期的に改訂もされている.
ドック受診者には原則 100% 保健指導を実施しており,指導内容は,簡潔明瞭に電子カ
ルテに入力保管されて経年変化を確認でき,翌年の保健指導実施には前年度指導内容も
活用できる.
【医療法人財団
3.5.1
アドベンチスト会
東京衛生病院
健診センター】
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
評価コメント
保健師・看護師の人間ドックアドバイザーが原則全受診者に実施している.
医師からの指示を電子カルテ上で確認しながら行っており,医師と連携した保健指導体
制を構築.
6
保健指導を受けた受診者が翌年に人間ドックを受診した際,簡便に前回の保健指導内容
や,フォローアップデータ等を参照できるようなデータの管理・活用体制が整備されて
いる.
【日本赤十字社
3.5.1
福岡赤十字病院
人間ドック健診センター】
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
評価コメント
医師による結果説明同様に,ドック受診者全員に対して保健師 2 名体制で保健指導を行っ
ている.
受診者全員に保健指導を行うという姿勢は評価できる.
【地方独立行政法人
3.5.1
長野県立病院機構
長野県立須坂病院】
専門スタッフが保健指導を実施している
3.5.1.1 健診結果にもとづき保健指導を実施している
評価コメント
指導マニュアルを基に受診者全員に保健指導を実施している.
精密検査が必要な受診者には,当院を希望するか,他施設を希望する場合は情報提供書
を同封することを説明する.
栄養指導は,1 泊ドック者に実施し,健康運動指導士の有資格者が勤務しており,パンフ
レットによる情報提供もされている.
7
ドック会発第 470 号
平成 28 年 8 月 25 日
各
位
日本人間ドック学会 理事長
人間ドック健診認定医 ・ 専門医制度委員会 委員長
篠原幸人
山門
實
<公印省略>
第 44 回人間ドック健診認定医・専門医研修会の開催について(ご案内)
1.日
時
平成 28 年 11 月 27 日(日)12:30 〜 15:45(受付 11:30 〜 12:30)
2.会
場
兵庫:神戸ポートピアホール(神戸市中央区港島中町 6 丁目 10-1 TEL. 078-302-1111(代表)
)
3.参加資格
A)人間ドック認定医等(資格希望者)・旧制度人間ドック専門医
B)新制度人間ドック健診専門医(H24 年度以降認定・更新者)
4.定
員
900 名(定員になり次第締切)
5.参 加 費
1 名様 10,000 円(資料代込) ☆当日参加費受領後,領収書発行します.
6.単 位 数
7 単位 ※資格によって単位管理方法等が異なりますのでご注意ください.
7.申込方法
平成 28 年 10 月 5 日(水)よりオンライン申込受付を開始します.
※今回よりオンライン登録手順が変わります.
※オンラインでの登録が困難な場合は下記事務局までご連絡ください.
お問合わせ先:日本人間ドック学会
事務局
認定医・専門医研修会担当
TEL:03-3265-0079(9:00 〜 17:00 平日のみ)
8.連絡事項
※受付は 12:30 にて終了します.12:30 以降のご入場はお断り致します.
※本研修会は 7 単位となります.
A)人間ドック認定医等は研修会終了後,参加証明シールを配布しますので「単位確認表(台紙)」
に貼付して下さい.
B)新制度専門医は,受付でお渡しする【領収書・修了証(オレンジ用紙)】に氏名等を記入の上,
半分を切り離し,研修会終了後,指定場所の回収箱に提出して下さい.
※講演中の写真撮影・録音・録画は,固くお断り致します.
<会場案内図>
【会場までのアクセス】
● 最寄駅:ポートライナー「市民広場駅」下
車すぐ(ポートピアホテル内,ポートピア
ホール)
● 直通バス: 関西空港〜三宮約 65 分,大阪空
港〜三宮約 40 分(三宮よりポートライナー
で約 8 分)
● 神戸空港からポートライナーにて約 8 分
● 神戸ポートピアホールホームページ
http://www.portopia.co.jp/access/
I
第 44 回 人間ドック健診認定医 ・ 専門医研修会
【平成 28 年 11 月 27 日(日)12:30 〜 15:45 神戸ポートピアホール】
プログラム(敬称略)
※プログラムは講師の都合により変更になる場合があります.
11:30 〜 12:30
受
12:30 〜 12:35
開会挨拶
12:35 〜 13:35
付
「脳血流と認知症」
猪原
13:35 〜 14:35
14:45 〜 15:45
医長
修一
みはらライフケアクリニック
院長
******************* 休 憩(10 分)*******************
「遺伝子検査導入時の注意と実際」
田口
15:45 〜
国立循環器病研究センター脳神経内科
「人間ドックにおけるがん検診の現状と展望 −がん登録の実績を含めて−」
三原
14:35 〜 14:45
匡史
淳一
東京ミッドタウンクリニック
院長
A)参加シール配布・B)修了証提出
●申込開始日:10
月 5 日(水)
※定員 900 名(定員になり次第締切)
日本人間ドック学会ホームページ
人間ドック健診認定医・専門医研修会−オンライン登録
http://www.ningen-dock.jp/system/certified/workshop
★今回より登録手順が変わります.下記手順に従いお申し込み下さい.
① オンライン登録ボタンより進み,まずメールアドレスを入力 ・ 送信して下さい.
※オンライン登録にはメールアドレスが必須となります.
② 返信メール内 URL より,本登録して下さい.A からはじまる会員番号,氏名,ふりがなが必須と
なります.
【ドック学会登録内容と合致しないと登録できませんのでご注意下さい.
】
③ 登録完了後,受付番号を明記した「参加確認証」メールを自動配信致します.
④ 研修会当日には,
「参加確認証」メールを印刷したものを受付にお持ち下さい.
※登録出来ない,又は「参加確認証」メールが届かない場合は,下記事務局へお問い合わせ下さい.
★オンライン登録が困難な場合は,恐れ入りますが下記事務局へお問い合わせください.
★取得 7 単位については,資格によって単位管理方法等が異なりますのでご注意ください.
A:認定医・旧専門医等:シール管理 B:新制度専門医:修了証(オレンジ)提出
★研修会参加には,本学会医師正会員であることが条件です.
まだ入会手続きがお済みでない方は先に入会申請を行ってください.
★登録後,参加をキャンセルされる場合はお知らせ下さい.(定員調整の為お手数ではありますがご協力下さい)
お問合わせ先:日本人間ドック学会
TEL:03-3265-0079
II
事務局
認定医・専門医研修会担当
FAX:03-3265-0083
人間ドック健診専門医制度
人間ドック健診専門医制度
● 現在,当学会ホームページに『人間ドック健診専門医制度(旧制度・新制度)
』について,
掲載しております.詳しくはこちらをご確認ください.
旧制度:http://www.ningen-dock.jp/system/fellow
新制度:http://www.senmoni.jp/
● 人間ドック健診専門医制度
現状報告 ●
①平成 28 年度人間ドック健診専門医認定試験について
時:平成 28 年 10 月 16 日(日)13:00 〜 15:00 ※試験終了 14:40
(受付 11:30 〜)
会 場:ベルサール神田 2F・3F(東京都千代田区神田美土代町 7 住友不動産神田ビル)
日
神田駅北口徒歩 10 分(JR 線)
,小川町駅(新宿線)・新御茶ノ水駅出口徒歩 3 分(千代田線)
淡路町駅徒歩 5 分(丸ノ内線)
受験対象者:社員・認定医更新者・研修歴での受験者(新・旧制度条件を満たす者)
試験内容:100 問 マークシート方式 筆記試験(100 分間)
・ 受験申請受付は終了し,受験該当者には 9 月上旬に審査料 3 万円の請求書を発送いたしました.
事務局にて入金確認後,10 月上旬に,『受験票・注意事項等』書類を発送いたします.
注)期日内にお振込いただけない場合,受験出来ないこともございますので,ご注意ください.
注)ご入金後の返金等は一切できませんので,ご了承ください.
②研修施設・指導医の平成 28 年度認定申請について
申請期間:平成 28 年 10 月 3 日(月)〜平成 28 年 11 月 25 日(金)
認定期間:平成 29 年 4 月 1 日〜平成 34 年 3 月 31 日
※新規該当施設・該当者および旧制度委嘱研修(関連)施設には,9 月末に申請書類等を送付いたします.
※新制度(弾力的)条件を満たしている施設・専門医認定者等が対象となります.
本年度が弾力的条件適用の最後の年となります!
※研修(関連)施設・指導医の認定等について,詳しくは事務局までお問い合わせください.
★ 旧制度
人間ドック専門医認定者(第 3 回認定者) 各位 ★
旧制度 第 3 回専門医認定者は,専門医認定期間が 2012/1/1 〜 2017/3/31 のため,更新時
期となります. ※旧制度専門医認定番号は S からはじまる 4 桁番号
【旧制度 第 3 回(1・2 回保留者)専門医更新期間:
平成 28 年 12 月 1 日(木)〜平成 29 年 3 月 9 日(木)必着 】
【 旧制度専門医が更新に必要な単位数
認定医 50 単位 + 専門医 30 単位
計 80 単位 】
※該当者には 11 月末に更新申請書類等を送付しますので,80 単位以上取得している方は,早めに申
請してください.(申請時に更新料 1 万円を事前に振込みとなります)
※認定医 50 単位・専門医 30 単位を超えた各単位については,更新後に繰越すことはできません.
(各超えた単位は無効となります)
※旧制度第 1・2 回認定で未更新者は,保留期間となっています.人間ドック学会へ新制度専門医移行
希望者は,80 単位取得の上,更新手続き願います.(11 月末に送付します)
※詳しくは,11 月末に送付する書類等でご確認ください.
※人間ドック健診専門医制度に関しての問い合わせ等はメールにてお願いいたします.
日本人間ドック学会
人間ドック健診専門医制度委員会事務局
[email protected]
III
人間ドック健診専門医制度
人間ドック健診専門医制度
新専門医対象
セルフトレーニング問題
新制度人間ドック健診専門医認定者(H24 年度以降両学会認定)は,5 年間のうち『セルフトレー
ニング問題(5 単位)を 1 回修了すること』が更新のための必須単位項目となっております.
【セルフトレーニング問題 2016 対象者】
平成 24 年度以降の新制度 人間ドック健診専門医認定者・更新者(セルフトレーニング修了者を
除く)が対象です.
平成 24 年度専門医認定 番号:00003 〜(5 ケタ) 認定期間:2013/4/1 〜 2018/3/31
平成 25 年度専門医認定 番号:00170 〜(5 ケタ) 認定期間:2014/4/1 〜 2019/3/31
平成 26 年度専門医認定・更新 番号:00337 〜(5 ケタ) 認定期間:2015/4/1 〜 2020/3/31
(セルフトレーニング 2013 〜 2015 修了者は対象外)
平成 27 年度専門医認定・更新 番号:00899 〜(5 ケタ) 認定期間:2016/4/1 〜 2021/3/31
【セルフトレーニング問題 2016 申請期間・採点料】
●平成 28 年 10 月 3 日(月)〜 11 月 25 日(金)
●採点料:2,000 円
【セルフトレーニング問題
※必着
申請・採点方法】
① セルフトレーニング問題の申請を希望する者は,学会誌 31-3 号(9 月末発刊号)に掲載の
セルフトレーニング問題(25 問)を解答し,解答用紙に必要事項等を記入する.
② 人間ドック学会指定口座に採点料 2,000 円を振込み,解答用紙に振替受領書(コピー)を
貼付の上,11 月末までに事務局宛てに郵送する.
③ 到着後,学会事務局は,入金確認および解答用紙の受理案内を FAX します.
④ 採点業務を行い,12 月に委員会にて承認後,採点結果および解答・解説を通知します.
(一定の基準を満たさない場合は,修了したことになりませんのでご注意ください)
⑤ 学会誌 31-5 号(3 月末発刊号)に解答・解説を掲載します.
(新専門医ホームページには来年 1 月,解答・解説等を掲載予定)
注意!!
※ 平成 24 年度以降認定の新制度人間ドック健診専門医対象者には,『セルフトレーニング問題解答
用紙・採点料振込口座について』の案内を学会誌送付時に同封しております.
(対象者以外には案内は同封しておりません.すでに修了している修了者は対象外です)
※ 対象者は,認定期間 5 年間のうちに 1 回修了していることが更新条件(必須単位)となります.
(セルフトレーニング問題は同形式で毎年継続していきます)
※ セルフトレーニング問題の申請は,1 年間 1 回に限ります.
ただし,取得可能単位は認定期間 5 年間で上限 5 単位となります.
※ 採点料(2,000 円)は理由の如何を問わず,返金しませんのでご注意ください.
※ 旧制度人間ドック(健診)専門医(S から始まる専門医認定番号の方)は,セルフトレーニング問
題は実施いたしません.
(対象者以外の方が申請しても単位加算とはなりませんのでご注意下さい)
※セルフトレーニング問題に関するお問合せは下記までお願いします.
人間ドック健診専門医制度事務局
TEL:03-3265-0079
IV
セルフトレーニング問題
FAX:03-3265-0083
申請係
E-Mail:[email protected]
セルフトレーニング問題 2016
※セルフトレーニング問題の採点申請を希望する新制度人間ドック健診専門医(平成24 年度以降認定・更新
者)は,下記の設問について,問題の解答(該当する記号)を解答用紙に記入の上,採点料2,000円の振替受
領証(コピー)を貼付し,申請期間内に事務局へ郵送してください.(2013〜2015年修了者は対象外です)
問
問題1
題
消化管の憩室について誤っているのはどれか.1つ選べ.
(a) 食道憩室は小腸や大腸の憩室よりも発生頻度が低い.
(b) Zenker 憩室は咽頭食道の前壁に生じるものをいう.
(c) 胃憩室は胃穹窿部後壁に見られるものが多い.
(d) 十二指腸憩室で最も多いのは,傍乳頭憩室である.
(e) 傍乳頭憩室は,胆道結石や胆道感染の発症と関係している.
問題2
心臓ペースメーカ挿入患者に対し,施行すべきでない検査はどれか.1つ選べ.
(a) Holter 心電図
(b) 頭部 MRI
(c) 頸動脈超音波
(d) 上部消化管造影
(e) 上部消化管内視鏡
問題3
腹部超音波健診判定において要精査(D2)となる腎臓の所見はどれか.1つ選べ.
(a) 腎血管筋脂肪腫(径 20 mm)
(b) 腎結石(径 10 mm 未満)
(c) 腎盂拡張(腎杯拡張を伴わない)
(d) 多発性嚢胞腎
(e) 腎萎縮(両腎とも長径 8 cm 未満)
V
問題4
Ⅱ型呼吸不全の治療で正しいのはどれか.2つ選べ.
(a) 高流量酸素吸入を行う.
(b) ただちに抗菌薬を投与する.
(c) 人工呼吸器による呼吸管理を行う.
(d) ベンチュリーマスクによる酸素吸入を行う.
(e) 副腎皮質ステロイド薬の静脈内投与を行う.
問題5
人間ドック健診を受診した女性2,000人の腹囲(cm)について調べたところ,平均値78.0,中
央値77.0,標準偏差9.0,標準誤差0.2であった.測定データが正規分布を示すと仮定した場合,
値の95%が含まれる範囲はどれか.1つ選べ.
(a) 51.0 〜 105.0 cm
(b) 60.0 〜 96.0 cm
(c) 69.0 〜 87.0 cm
(d) 77.6 〜 78.4 cm
(e) 77.8 〜 78.2 cm
問題6
心房細動による脳塞栓症リスクを評価するCHADS2スコアに含まれる項目について誤っている
のはどれか.1つ選べ.
(a) 心不全
(b) 高血圧
(c) 75 歳以上の高齢
(d) BMI(Body Mass Index)
(e) 脳梗塞 / 一過性脳虚血発作
問題7
貧血の鑑別診断をするうえで誤っているのはどれか.2つ選べ.
(a) 小球性貧血(MCV < 80)では鑑別診断のために血清ビタミン B12 や葉酸を測定する.
(b) 小球性貧血(MCV < 80)で血清フェリチンが低下している場合は鉄欠乏性貧血を疑う.
(c) 正球性貧血(MCV = 80 〜 100)で網赤血球が増加している場合は溶血性貧血を疑う.
(d) 正球性貧血(MCV = 80 〜 100)で網赤血球が低下している場合は骨髄検査を考える.
(e) 大球性貧血(MCV > 100)の場合は鉄芽球性貧血を疑う.
VI
問題8
糖尿病のコントロールの指標について正しいのはどれか.2つ選べ.
(a) 血圧のコントロール目標は,125/75 mmHg 未満とする.
(b) 食後 2 時間血糖値は,食事終了後 2 時間の採血で測定する.
(c) LDL コレステロールの目標は 120 mg/dL 未満とし,non HDL コレステロールの目標は 130 mg/dL
未満とする.
(d) 肥満者の目標体重は,20 歳時の体重や個人の体重変化の経過,身体活動量などを参考に決める.
(e) 血糖コントロールの目標は,患者の年齢および病態を考慮して,患者ごとに主治医が決定する.
問題9
空腹時血清中の総コレステロール 475 mg/dL,トリグリセリド 75 mg/dL,HDLコレステロール
60 mg/dLのとき,Friedewaldの計算式から求めたLDLコレステロール値はどれか.1つ選べ.
(a) 415 mg/dL
(b) 400 mg/dL
(c) 390 mg/dL
(d) 340 mg/dL
(e) 265 mg/dL
問題10
次のうち,組み合わせとして誤っているのはどれか.1つ選べ.
(a) ヒポクラテスの誓い …………… 守秘義務
(b) ヘルシンキ宣言 ………………… インフォームド・コンセント
(c) リスボン宣言 …………………… 自己決定権
(d) ニュールンベルク倫理綱領 …… セカンドオピニオン
(e) ジュネーブ宣言 ………………… 人命の尊重
問題11
眼底検査で糖尿病が疑われるのはどれか.2つ選べ.
(a) 網膜裂孔
(b) 網膜軟性白班
(c) 網膜毛細血管瘤
(d) 骨小体様色素斑
(e) 網膜中心動脈閉塞
VII
問題12
平成26年(2014年)のがんに関する統計について誤っているのはどれか.1つ選べ.
(a) がんの罹患数は約 88 万人である.
(b) がんの死亡者数は約 37 万人である.
(c) 死因別の死亡数の第 1 位はがんである.
(d) 男性の死因別死亡数の第 1 位は胃がんである.
(e) 女性の死因別死亡数の第 1 位は子宮がんである.
問題13
30歳代女性の右肺上葉の胸部CT像(下図)で,最も疑われる疾患はどれか.1つ選べ.
(a) 石綿肺
(b) 肺結核
(c) 肺がん
(d) 間質性肺炎
(e) がん性リンパ管症
問題14
ワルファリン服用中に摂取が好ましくないのはどれか.2つ選べ.
(a) 青汁
(b) りんご酢
(c) コーヒー
(d) ヨーグルト
(e) クロレラ含有食品
VIII
問題15
ある疾患の有病率が20%の集団にスクリーニング検査を行ったところ,陽性者が20%となっ
た.その後の精密検査により,陽性者のうち真の有病者の割合が60%であることが判明した.こ
のスクリーニング法の特異度はどれか.1つ選べ.
(a) 0.9
(b) 0.8
(c) 0.6
(d) 0.5
(e) 0.4
問題16
特発性間質性肺炎について正しいのはどれか.1つ選べ.
(a) 呼吸機能検査で閉塞性障害を認める.
(b) 喀痰を伴う咳嗽が特徴である.
(c) 膠原病に合併することが多い.
(d) 好発年齢は 30 歳代である.
(e) 肺がんの合併に注意が必要である.
問題17
関節リウマチ(RA)について誤っているのはどれか.1つ選べ.
(a) 関節炎による関節破壊の進行は,発症早期からみられる.
(b) 血清リウマトイド因子陽性は,アメリカリウマチ学会(ACR)とヨーロッパリウマチ学会(EULAR)
による新しい RA 分類基準では,必須項目でない.
(c) 1987 年に提唱されたアメリカリウマチ協会による改訂 RA 分類基準は,早期診断に有用である.
(d) ACR/EULAR による新しい RA 分類基準では,
手指の近位指節間関節における関節炎が重要である.
(e) 2010 年に提唱された ACR/EULAR による新しい RA 分類基準では,早期に治療介入することを
目的にしている.
問題18
eGFR値が94 mL/min/1.73m2であり,カリウム値が5.5 mEq/Lである.以下のなかで考えられ
ることはどれか.2つ選べ.
(a) 採血時の溶血による.
(b) 採血後に冷蔵庫に検体を保存していた.
(c) カリウムの多い食品(果物,野菜類)を摂取している.
(d) 筋力強化の運動をしている.
(e) 白血球,血小板数の減少が認められる.
IX
問題19
脂肪肝の原因とならないのはどれか.1つ選べ.
(a) 妊娠
(b) 高血圧
(c) 糖尿病
(d) 甲状腺機能亢進症
(e) 副腎皮質ステロイド薬服用
問題20
騒音性難聴について誤っているのはどれか.2つ選べ.
(a) 感音難聴である.
(b) 通常,両側性難聴である.
(c) 耳鳴を合併することが多い.
(d) 初期は 1,000 Hz を中心とする難聴が生じる.
(e) 騒音環境から離脱することで難聴は改善する.
問題21
慢性特発性血小板減少性紫斑病について正しいのはどれか.2つ選べ.
(a) 血小板寿命は短縮している.
(b) 治療の第一選択は免疫抑制薬投与である.
(c) 血清エリスロポエチンは増加していることが多い.
(d) 小児に多く,感冒症状に続発して発症することが多い.
(e) 約半数の例ではヘリコバクター・ピロリの除菌により寛解する.
問題22
慢性甲状腺炎による原発性甲状腺機能低下症が進行する過程で,最も早期に(潜在性)機能低下
の指標となるのはどれか.1つ選べ.
(a) FT4 <遊離サイロキシン>
(b) FT3 <遊離トリヨードサイロニン>
(c) サイロイドテスト
(d) マイクロゾームテスト
(e) TSH(甲状腺刺激ホルモン)
X
問題23
腎血管性高血圧を示唆する所見はどれか.2つ選べ.
(a) 急な血圧上昇
(b) 頻脈
(c) 高血糖
(d) 腹部血管雑音
(e) 高カリウム血症
問題24
頸動脈エコーについて誤っているのはどれか.1つ選べ.
(a) プラークとは血管内腔に突出した病変をいう.
(b) 高輝度プラークは脳梗塞発症の危険性が高い.
(c) 内膜中膜複合体厚(IMT)は 1.0 mm までが正常である.
(d) IMT は総頸動脈遠位壁で測定する.
(e) 狭窄部位では最大血流速度は上昇する.
問題25
がん検診としての有効性(死亡率減少効果)が確認されていない検診方法はどれか.2つ選べ.
(a) 便潜血検査
(b) 腹部超音波検査
(c) 子宮頸部細胞診
(d) 胸部 CT 検査
(e) 乳房視触診とマンモグラフィの併用
XI
人
間
ド
ッ
ク
—日本人間ドック学会誌—
Vol. 31 No. 3 2016
目
次
〔巻頭言〕
これからの人間ドック学会を考える
公益社団法人日本人間ドック学会 理事長 ‥‥‥‥ 篠原幸人
5
第 57 回日本人間ドック学会学術大会を終えて思うこと
第 57 回学術大会 大会長,社会医療法人財団慈泉会 理事長 ‥‥‥‥ 相澤孝夫
〔総
7
説〕
メタボリックシンドロームと脂質異常
東海大学八王子病院健康管理センター,東海大学医学部基盤診療学系健康管理学 ‥‥ 髙橋英孝
〔原
9
著〕
( 1 ) 人間ドック・健診業務における心電図緊急報告書の運用実績
健康保険組合連合会 大阪中央病院 中央検査部 ‥‥‥ 高田みか子
19
( 2 ) 人間ドック時の婦人科検診における経膣超音波検査の有用性について
三重県厚生農業協同組合連合会 松阪中央総合病院 健康管理施設 エポック ‥‥‥‥ 木平悦子
26
( 3 ) 除菌治療への誘導を意識した健診専門施設の胃がんリスク検診(ABC 分類)
−当施設受診者の偽 A 群と D 群の特徴−
東京都情報サービス産業健康保険組合 東中野保健センター ‥‥‥‥ 福間淑子
31
( 4 ) 局所的非対称性陰影および腫瘤所見における総合判定の有用性について
特定医療法人財団博愛会 人間ドックセンターウェルネス ‥‥‥‥ 宇都千陽
41
( 5 ) ビデオ映像を用いた保健指導技術の客観的評価
社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷健康診断センター ‥‥‥‥ 武藤繁貴
49
( 6 ) インスリン抵抗性推定のための TG/HDL-C 比の有用性について − 10 年間の観察において−
公益財団法人 三越厚生事業団 三越総合健診センター ‥‥‥‥ 影山洋子
58
( 7 ) 新しい健診スタイル「イブニングレディースドック」の 2 年間の取り組みと成果
済生会熊本病院 予防医療センター ‥‥‥ 片山多希子
64
( 8 ) 健診センターにおけるツールを利用した予約・実績管理の取り組み
社会福祉法人恩賜財団 福井県済生会病院 健診センター ‥‥‥‥ 田中博己
70
〔症例報告〕
(1) 人間ドックの上部消化管内視鏡検査で発見された胃アニサキス症 14 例の検討
東京ミッドタウンクリニック・人間ドックセンター ‥‥‥ 古川真依子
76
(2) 器質的大腸疾患がなく,上部消化管造影検査後に直腸穿孔した一例
JA 静岡厚生連遠州病院 健康管理センター ‥‥‥‥ 柏原貴之
82
平成 27 年度 第 5 回日本人間ドック学会理事会議事録 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 88
平成 28 年度 日本人間ドック学会定時社員総会議事録 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 91
平成 28 年度 第 1 回日本人間ドック学会理事会議事録 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 94
一日ドック基本検査項目表
平成 28 年度版 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 97
二日ドック基本検査項目表
平成 28 年度版 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 98
判定区分‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 99
日本人間ドック学会学術大会(および前身の)開催記録‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 101
投稿規定‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 103
編集後記‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 130
Contents
Volume 31 Number 3 Sep. 2016
Foreword
The Japan Society of Ningen Dock – Its History and Prospects
Yukito Shinohara ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5
Reflection on The 57th Scientific Meeting of Japan Society of Ningen Dock
Takao Aizawa ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7
Review
Atherogenic Dyslipidemia in the Metabolic Syndrome
Eiko Takahashi‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9
Original Articles
( 1 )Operational Results for Electrocardiogram Emergency Reporting System
in Ningen Dock and Health Check-ups
Mikako Takada, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 19
( 2 )Utility of Transvaginal Ultrasonography in Ningen Dock Gynecologic Examinations
Etsuko Kihira, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 26
( 3 )Strategy to Refer Possible Helicobacter pylori (Hp) Positive Cases for Further Evaluation
and/or Eradication Based on ABC Classification
– Characteristics of group pseudo-A and group D in Health Check-up Program –
Toshiko Fukuma, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 31
( 4 )The Usefulness of the Combined Criteria in the Focal Asymmetric Density and Masses Observation
Chiharu Uto, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 41
( 5 )Objective Evaluation of Skill in Health Guidance Using Videos
Shigeki Muto, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 49
( 6 )Usefulness of TG/HDL-C Ratio for Estimation of Insulin Resistance: Validated by Ten Years Follow Up
Yoko Kageyama, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 58
( 7 )Evaluation of New Evening Female Health Check-up Service Over 2 Years
Takiko Katayama, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 64
( 8 )Use of Tools for Managing Appointments and Appointment Performance in Health Examination Center
Hiroki Tanaka, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 70
Case Report
( 1 )14 Cases of Gastric Anisakiasis Found by Health Screening Endoscopy
Maiko Furukawa, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 76
( 2 )A Case of Rectal Perforation without Organic Disease After Upper Gastrointestinal Radiography
Takayuki Kashiwabara, et al. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 82
Notifications
Committee Reports ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 88
Records of Recent and Past Scientific Congresses ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 101
Instructions to Authors ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 103
Note ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 130
巻
頭
言
これからの人間ドック学会を考える
公益社団法人日本人間ドック学会
理事長
篠原幸人
発足後,57 年目を迎える伝統ある日本人間ドック学会の第 8 代理事長を拝命し,身が引き締
まる緊張感を覚えている.
前任の奈良昌治先生は 18 年の長きにわたり理事長を務められ,そのご指導により本学会は多
大な進歩と発展を遂げた.その業績を継承しつつ,さらなる進化を求めることは容易ではない
とは自分でもよく理解している.
本学会は医師の個人会員だけでも 5,500 名を超える.この中には人間ドックを系統立てた
「人
間ドック学」
にすることを学会の第一の使命と考える方も,受診者の異常の早期発見こそが人間
ドックのなすべきことと主張される方も,また病院経営学からみて人間ドック事業から得られ
る収益増こそが施設円滑運営の主要目的と考える方もおられよう.
もちろん,これらのすべての項目が人間ドックに携わる者にとっては重要であるが,会員個
人個人のお立場により,その興味や目的が微妙に異なるのは当然である.かく言う私も,以前
の本誌巻頭言では
「人間ドックを真の人間ドック学へ」と偉そうなことを述べたが,共済立川病
院院長時代は,健康保険制度に縛られる臨床部門の負担をカバーすべく,
「アウターソースから
の病院収益の一つとして人間ドック部分の収益拡大を」
と職員を鼓舞していた経験がある.
今後,人間ドック学会は学問的にもさらに実績をあげ,
「人間ドック学」を真の学問体系にま
で浄化させ,世界に広く知らしめることとともに,政治的にも物が言える学術団体,そして会
員諸施設の病院経営学的にもお役に立てる学会にしていかねばならないと考えている.
会員のためになる学会運営とその近代化を如何に図るか,各施設で行われている部分ドック
と本来の人間ドックの連携,人間ドックツーリズムをどう発展させ,医療ツーリズムとどう提携
するか,インパクト・ファクターの高い世界的な専門誌にどのように人間ドックの成果や現状
を報告するか,日本の
「がん検診」は欧米に比し,いかに優れているかをどう示すか,などなど
山積する未解決問題は非常に多い.
私のもう一つの夢は,人間ドック学を若い医学生へ如何に啓発するかである.望むらくは,
日本の全医学部の授業に
「人間ドック学」の科目を年間 1〜2 時間でも入れていただき,国家試験
問題範囲にもふくませていただくことであるが,そのためにはサイエンスとしての人間ドック学
の有用性を明確なエビデンスとして確立する必要がある.
さらに,本邦で
「人間ドック健診学」を確立するためには,日本医学会への加盟が必要不可欠
である.しかし,そのためには永年の懸案事項である日本総合健診医学会との関係の解決を図
らなければならない.今までの先達の方々の数々のご苦労は良く理解しているが,今後も是非
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
5 ( 409 )
腹を割って 2 学会が話し合う機会を頻回に持って,話を少しでも前に進ませていきたい.
そのためにも,上述した各項目において,
「
“進化”を求め,
“変化”を恐れず」の気持ちで行動
を続けたい.
すでに述べたように,奈良前理事長および従来の理事・監事の先生方は,日本人間ドック学
会を素晴らしい,力のある,大変アクティブな学会にして下さった.しかし 18 年も経てば多少
の水垢もたまっているかも知れない.余りに安泰なまま時間が経過すると,その水垢に気づか
ないことすら起こり得る.
筆者はかって日本脳卒中学会理事長当時に自分で学会理事・理事長定年制度を構築し,自分
で自分の首を切った経験がある.今回の理事長職も私はショート・リリーフで十分と考えている.
その点を自分で十分留意しながら,上に述べた私の夢の一つでも任期中に解決できれば,望外
の喜びである.
6 ( 410 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
巻
頭
言
第 57 回日本人間ドック学会学術大会を終えて思うこと
第57回学術大会 大会長
社会医療法人財団慈泉会 理事長
相澤孝夫
「健康で美しく生きるために〜人間ドックのパラダイム〜」
というテーマのもとで,長野県松本
市で 7 月 28〜29 日に開催させていただいた第 57 回日本人間ドック学会学術大会は 4,000 名を超
える皆様のご参加をいただき盛会のうちに無事全日程を終了することができました.ご参加いた
だきました皆様,ご協力・ご支援いただきました関係各位に心から御礼と感謝を申し上げます.
少子高齢人口減少社会を迎えた我が国は,団塊の世代が後期高齢者となる平成 37 年
(2025 年)
以降を見据えて,安心して暮らせる安全で安定した国を創るために,社会保障制度改革が必至
であるとされています.診療報酬と介護保険の改定があり,第 7 次医療計画と第 7 期介護保険事
業計画,第 3 期医療費適正化計画が開始される平成 30 年を,社会保障制度改革を推し進めるた
めの絶好の機会と捉えている政府は,平成 28 年を改定の方向を定め,計画を立案するための検
討を行う年と位置付けており,様々な会議や検討会等の場を設置し,討議や審議を行っています.
これらのことから,本年は将来の社会保障の在り様,特に医療・介護・保健の姿を左右する極
めて重要な年となると思います.
日本人間ドック学会においても本年は,人間ドックの確固たる社会的地位の確立と学会の驚
異的な発展に貢献された奈良理事長と松木副理事長が退任され,篠原理事長が新たに就任され
るという大きな転機を迎えました.松本における学術大会の開催を希望し,期待して下さって
いた奈良,松木両先生の慰労会が 8 月 27 日に松本市内のホテルブエナビスタにおいて盛大に開
催されましたが,我々学会員の深甚なる感謝の念をお伝えすることができたのではないかと思
うとともに,偶然このような時期に学術大会を松本で開催する機会に巡り合えたことを心から
感謝したいと思います.
政府は少子高齢社会における第 3 期医療費適正化計画の基本方針として,特定健診や特定保
健指導実施率の向上などを挙げ,生活習慣病等の重症化予防やその他予防・健康づくりの推進
を行うとしています.しかし,従来と何ら変わりないこの施策の継続は,高齢者が現役引退後
の長い人生をできるだけ長く健康で自立した人生を送り,我が国の経済・社会に貢献していた
だくことを創造できるものであるのかと、大いに疑問を感じています.
我が国は医療の進歩と予防医学の発展により,世界に類を見ない長寿社会を創出しましたが,
長寿であることが国の財政を圧迫し,働き手世代の負担を増大させていることもまた事実であ
ります.誰にでも訪れる老化は避けることができませんが,できるだけ長く健康長寿であるこ
とが人生の幸せにもつながるような社会であることが,超高齢社会になっても社会の活力を維
持するために極めて重要であると思います.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
7 ( 411 )
このような社会を創造するために人間ドックはどのようにどうやって我が国に貢献していく
のか!社会保障制度改革の本番を迎え,人間ドックの在り様も転機を迎えていると思います.
健康で美しく生きるためには,過程としての健康を求め,状態としての幸福を享受すること
が必要と思います.しかし,人口ボーナスの時代から人口オーナス
(負債)の時代に社会構造が
大きく変わっていくなかで,人間ドックのパラダイムは従来通りでよいのか、社会保障制度の
大きな転換期に人間ドックはどうあるべきかを思考し改革していくことが重要と思います.今
回の学術集会は,時代の要請に応じた人間ドックの在り様について一石を投じることができた
のではないかと思っています.
8 ( 412 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
総
説
人間ドック 31:413-422,2016
メタボリックシンドロームと脂質異常
高橋英孝
東海大学八王子病院健康管理センター
東海大学医学部基盤診療学系健康管理学
要
約
メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積を基盤として耐糖能異常,脂質異常および高血圧を
併せ持つが,高 LDL コレステロール血症を含まないという複合病態である.その中でも内臓脂肪蓄
積によるインスリン抵抗性が中心的な役割を果たしている.脂質異常としては高中性脂肪血症が中
心であり,その結果として低 HDL コレステロール血症や LDL の小型化や酸化 LDL の増加を引き起
こし,動脈硬化が進行する.インスリン抵抗性,スモールデンス LDL,酸化 LDL,HDL 亜分画な
どは人間ドックの基本項目には含まれないが,本稿では人間ドック受診者を対象としてこれらを検
討した研究を中心にして,メタボリックシンドロームと脂質異常について概説する.
キーワード
メタボリックシンドローム,インスリン抵抗性,脂質異常,動脈硬化
メタボロックシンドロームの診断基準
1980 年代後半に,「インスリン抵抗性を持つ耐
されており,単なる体重増加ではなく内臓脂肪を
糖能異常,トリグリセリドの豊富なリポ蛋白の増
加,高血圧および腹部肥満を併せ持ち,高 LDL コ
1990 年代後半からは,種々の Multiple risk factor
syndrome を統合するように Metabolic syndrome の
レステロール血症を含まない」
という共通概念を持
概念が提唱された.当初は内臓脂肪蓄積を基盤と
つ Multiple risk factor syndrome の 概 念 が 次々と
する複合病態としての診断基準が中心であったが,
提唱された.代表的な概念である,シンドローム
その後は心血管疾患発症リスクの集積としての診断
1)
2)
3)
中心とした腹部肥満の重要性が強調されている.
基準が中心になっている.前者の代表は,1998 年
X ,死の四重奏 ,インスリン抵抗性症候群 お
よび内臓脂肪症候群 4)の比較を表 1 に示す.基本
5,6)
に 出 さ れ た World Health Organization
(WHO)
的には肥満に加えて糖代謝,脂質代謝および血圧
の診断基準と,2005 年に出された日本 7,8)および
という 4 つのコンポーネントから成るが,インスリ
International Diabetes Federation(IDF)9)の診断基準
である.後者の代表は,2001 年に出された National
Cholesterol Education Program's Adult Treatment
10)
の診断基準と 2009
Panel III report(NCEP-ATP III)
ン抵抗性が中心的な役割を果たしていると考えら
れている.肥満に関しては死の四重奏で上半身肥
満,内臓脂肪症候群で内臓脂肪蓄積という表現が
表 1 Multiple risk factor syndrome のコンポーネント
Syndrome X
1988
(Reaven GM)
肥満
Deadly quartet
1989
(Kaplan NM)
Insulin resistance syndrome
1991
(DeFronzo RA)
内臓脂肪症候群
上半身肥満
肥満
内臓脂肪蓄積
1992
( 松澤祐次 )
糖
インスリン抵抗性
耐糖能異常
高インスリン血症
耐糖能異常
糖尿病
高インスリン血症
耐糖能異常
脂質
VLDL 高値
HDL-C 低値
TG 高値
脂質代謝異常
TG 高値
HDL-C 低値
血圧
高血圧
高血圧
高血圧
動脈硬化性心疾患
高血圧
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
9 ( 413 )
表 2 Metabolic syndrome のコンポーネント
WHO
1998
NCEP-ATP Ⅲ
2001
2005
日本
IDF
2005
IDF・AHA 他
2009
IR + ≧ 2/4
≧ 3/5
肥満 + ≧ 2/3
肥満 + ≧ 2/4
≧ 3/5
W/H 比
BMI > 30
≧ 110
WC > 102(男)
> 88(女)
WC ≧ 85(男)
≧ 90(女)
WC(各国)
WC(各国)
≧ 110 → ≧ 100
≧ 110
≧ 100
≧ 100
≧ 160/90
→ ≧ 140/90
≧ 130/85
≧ 130/85
≧ 130/85
≧ 130/85
≧ 150
≧ 150
TG ≧ 150
≧ 150
≧ 150
< 35(男)
< 39(女)
微量アルブミン尿
> 30 μ g/g・Cr
< 40(男)
< 50(女)
< 40(男)
< 50(女)
< 40(男)
< 50(女)
組合せ
肥満
糖
(FPG)
【インスリン抵抗性】
血圧
脂質
TG
HDLC
その他
または
HDLC < 40
全てに共通する概念として,
「高 LDL コレステロール血症を含まない」ことがある.また,血糖・血圧・脂質は薬物療法中の者を
含める.IR はインスリン抵抗性,WC は腹囲,FPG は空腹時血糖,TG は中性脂肪,HDLC は HDL コレステロールの略.
年 に 出 さ れ た IDF・American Heart Association
(AHA)
他の国際基準
11)
である.これらの比較を表
85mmHg に低下してきた.脂質は血中の中性脂
肪と HDL コレステロールとで判断するが,日本の
基準以外は両者を 2 項目としている.中性脂肪の
基準値はいずれも 150mg/dL で共通だが,HDL コ
2 に示す.もっとも大きな違いは,必須項目の有
無である.WHO,日本および IDF の基準では必
須項目
(WHO ではインスリン抵抗性,日本と IDF
レステロールの基準値は一定ではなく,日本以外
では肥満)
プラス複数項目の組合せなのに対して,
は男女で基準値を変えている.なお,血糖,脂質
NCEP や IDF・AHA 他の国際基準では 5 項目中 3
および血圧については,どの診断基準でも薬物療
項目以上であればどのような組み合わせでも構わ
法中の者は各項目に陽性とするとされている.ま
ないとされている.なお,肥満については WHO
た,その他の項目として,WHO の診断基準にの
の基準でウエスト・ヒップ比を用いていた以外は
み微量アルブミン尿が含まれていた.
腹囲の増加で判断している.また,腹囲の基準は
我が国のメタボリックシンドローム診断基準は,
世界共通の値から集団または国別の定義を用いる
肥満を必須項目としていること,腹囲の基準が男
ように変化してきた.日本の基準は男性 85cm 以
性より女性で高いこと,空腹時血糖の基準値が
上・女性 90cm 以上と女性の基準値の方が高いが,
,ヨー
アジア
(男性 90cm 以上・女性 80cm 以上)
110mg/dL であること,脂質を 1 項目としているこ
と,HDL コレステロールの基準値が男女共通であ
ロッパ
(男性 94cm 以上・女性 80cm 以上)
,コー
ること,など他の診断基準と異なる項目が多いが,
カシアン
(男性 102cm 以上・女性 88cm 以上)
など
特に脂質についてはあまり検討されていない.
の基準では男性の基準値の方が高い.これは腹囲
2008 年度の人間ドック健診データベース集計結
果に基づく,性別年齢階級別の肥満割合を図 1 に,
メタボリックシンドローム割合を図 2 に示す 12).こ
れは 20 歳以上 80 歳未満の男性 14.4 万人と女性 8.2
万人の集計であり,BMI は男女ともに 25kg/m 2 以
上,腹囲は男性 85cm 以上・女性 90cm 以上の割
合である.男性では,BMI が 25kg/m 2 以上の割合
は 40 歳代後半をピークにその後減少するが,腹囲
が 85cm 以上の割合は 50 歳以上でほぼ横ばいであ
り,両者の間には乖離が生じる.女性では,BMI
が 25kg/m 2 以上の割合と腹囲が 90cm 以上の割合
計測位置の違いによると考えられている.また,
日本の基準は臍高位での内臓脂肪面積 100cm 2 に
相当する値を求めているのに対してヨーロッパ
の基準は BMI が 25kg/m 2,コーカシアンの基準
は BMI が 30kg/m 2 に相当する値を求めているこ
とによるなど,条件が一定ではない.耐糖能異
常については空腹時血糖値で判断しており,当
初 は 110mg/dL の ち に 100mg/dL へ と 基 準 値 が
低下してきた.血圧の基準も収縮期 160mmHg・
拡張期 90mmHg から収縮期 130mmHg・拡張期
10 ( 414 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
図 1 性別年齢階級別の肥満割合
図 2 性別年齢階級別のメタボリックシンドローム割合
は年齢が高くなるほど増加した.メタボリックシン
いる.日本では,厚労省班研究にて
「1.6 以下が正
ドローム該当者の割合は,男性では 50 歳以上でほ
とされてい
常,2.5 以上はインスリン抵抗性あり」
ぼ横ばい,女性では年齢が高くなるほど増加した.
る 15).しかし,引用可能な原著論文がなかったた
め,人間ドック受診者を対象として解析した結果
インスリン抵抗性
を示す.20〜79 歳の健常人 2,153 人より求めた基
インスリン抵抗性の簡便な指標として,
Homeostasis
準範囲は 0.4〜2.4 であり 16),メタボリックシンド
model assessment of insulin resistance(HOMA-IR ま
たは HOMA-R)
が利用されている 13,14).空腹時インス
リン
( μ U/mL)×空腹時血糖
(mg/dL)
/405 で算出
される.なお,空腹時血糖 140mg/dL をピークに
ロームを判別するために ROC 曲線を作成して求
インスリン値が低下することが知られているため,
空腹時血糖 140mg/dL 以下で有効な指標とされて
人間ドック
めた最適カットオフ値は 1.7 であった 17).このこ
とから,我々は HOMA-IR が 2.5 以上をインスリ
ン抵抗性あり,メタボリックシンドローム予防の
観点からは 1.7 未満を目指すことにしている.
インスリン抵抗性を中心としたメタボリックシ
Vol.31 No.3 2016 年
11 ( 415 )
ンドローム診断項目を検討した結果を示す 18).人
(ステップワイズ法による変数選択)
を行ったとこ
間ドック受診者のうち空腹時血糖< 126mg/dL で
ろ,女性では BMI,中性脂肪および収縮期血圧が
高血圧・脂質異常症・糖尿病の薬物療法を行って
選択された
(表 3)
.男性では,肥満で BMI と腹囲,
いない者を対象として HOMA-IR と肥満,脂質,
脂質で中性脂肪と HDL コレステロールが選択さ
血圧との関連をみたところ,単変量では BMI,腹
れた.肥満については,図 1 に示したように日本
囲,空腹時血糖,中性脂肪,HDL コレステロー
人男性で BMI と腹囲との間に乖離がみられること
ル,収縮期および拡張期血圧との間に軽度から
が影響していると考えられる.脂質に関しては,
中等度の相関を認めた
(図 3)
.インスリン抵抗性
図 3 に示したように女性の HDL コレステロールが
(HOMA-IR ≧ 2.5)を目的変数,肥満,脂質およ
HOMA-IR との関連が弱いことが影響している可
び血圧を説明変数としてロジスティック回帰分析
能性がある.
図 3 HOMA-IR との間の単相関(文献 18 より引用)
表 3 インスリン抵抗性に対するロジスティック回帰分析
男性
オッズ比
(95% 信頼区間)
( 1.072 – 1.293 )
1.178
( 1.054 – 1.133 )
1.093
( 1.001 – 1.005 )
1.003
( 0.954 – 0.980 )
0.967
( 1.014 – 1.032 )
1.023
p
< 0.001
< 0.001
0.001
< 0.001
< 0.001
–
女性
オッズ比(95% 信頼区間)
1.353
( 1.278 – 1.433 )
BMI
–
–
WC
1.01
( 1.007 – 1.014 )
TG
–
–
HDLC
1.03
( 1.02 – 1.041 )
SBP
DBP
–
–
–
–
FPG は HOMA-IR 算出に使用しているので説明変数には含めていない.
12 ( 416 )
人間ドック
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p
< 0.001
–
0.001
–
< 0.001
–
HDL コレステロール
ない.2008 年度の人間ドック健診データベースの
女性と比較して男性の HDL コレステロールが
結果 12)では HDL コレステロールが 100mg/dL 以
低いことは知られている.2008 年度の人間ドック
上の割合は男性で 1.3%,女性では 5.6% であった.
健診データベース集計結果に基づく性別年齢階級
人間ドック受診者のうち健常男性 2,129 人を対象
12)
.平
として HDL コレステロールと HOMA-IR との関
均値
(標準偏差)
は,男性が 57.8
(14.8)
mg/dL,女
係をみると,HDL コレステロールが 90mg/dL 未
性が 71.8
(16.3)
mg/dL であり,男女とも全年齢階
満では HDL コレステロールが高いほど HOMA-IR
級で 40mg/dL 以上 100mg/dL 未満が 90% 以上を
は低下したが,HDL コレステロール 90mg/dL 以
占めていた.また,男性において,TG ≧ 150mg/
上では HOMA-IR が上昇に転じた 20).メタボリッ
dL は 27.2%,HDL コレステロール< 40mg/dL は
7.0%,TG ≧ 150mg/dL または HDL コレステロー
ル< 40mg/dL は 29.7% であった.同様に,女性
に お い て,TG ≧ 150mg/dL は 6.5%,HDL コ レ
ステロール< 40mg/dL は 0.8%,TG ≧ 150mg/dL
または HDL コレステロール< 40mg/dL は 7.0%
であった.つまり,HDL コレステロール低値だけ
クシンドローム該当者で 1 日 75g 以上飲酒する者
られなかったが,メタボリックシンドローム該当
で脂質異常と判定される者はごく少数であり,脂
者で HDL コレステロール 100mg/dL 以上の者が
質異常のほとんどは中性脂肪高値によることから,
いなかったため,結論には至っていない 21).
脂質を 1 項目でなく 2 項目と扱ってもメタボリック
HDL コレステロールの増減に影響する生活習慣
としては,飲酒,肥満,喫煙および運動の 4 つが
挙げられる.1 日 30〜40g の飲酒により HDL コレ
別の HDL コレステロール分布を表 4 に示す
シンドロームの頻度にはあまり影響しないと思わ
れる.
ではこの傾向が強く,メタボリックシンドローム
で HDL コレステロールが 90mg/dL 以上の場合は
多量飲酒の影響がないかどうかを確認する必要が
ある.なお,女性においては HDL コレステロール
100mg/dL 以上であっても HOMA-IR の増加はみ
次に,人間ドック受診者のうち 20〜79 歳の健
ステロールが増加すると報告されている 22,23).ま
常人 1582 人を対象として HDL コレステロールの
た,肥満者は減量によって HDL が増加することが
基準範囲を性別に求めたところ,男性では 42〜92
報告されている 24,25).喫煙は HDL コレステロール
mg/dL,女性では 50〜109 mg/dL であった 19).
メタボリックシンドロームの診断に低 HDL コレ
ステロール血症が含まれているが,HDL コレステ
を減少させ 26),禁煙によって増加することが知ら
れている 27).そして,定期的な有酸素運動によっ
て HDL コレステロールは増加する 28,29).
ロールが高値である場合については言及されてい
表 4 性別年齢階級別の HDL コレステロール分布
性
HDL–C
(mg/dL)
< 30
30– < 35
男 35– < 40
40– < 100
性 100– < 120
120–
計
< 30
30– < 35
女 35– < 40
40– < 100
性 100– < 120
120–
計
20–29 歳
n
%
3
0.2
14
1.1
31
2.5
1176
95.5
7
0.6
0
0.0
1231
100
0
0.0
1
0.1
2
0.2
1222
96.4
41
3.2
1
0.1
1267
100
30–39 歳
n
%
82
0.3
459
1.7
1505
5.5
24907
91.7
181
0.7
23
0.1
27157
100
4
0.0
34
0.2
93
0.5
17824
95.3
669
3.6
72
0.4
18696
100
40–49 歳
n
%
171
0.3
925
1.6
3067
5.4
52449
91.6
549
1.0
90
0.2
57251
100
15
0.0
54
0.2
186
0.5
32395
93.9
1636
4.7
205
0.6
34491
100
人間ドック
50–59 歳
n
%
153
0.3
907
1.6
2893
5.2
50704
91.3
716
1.3
135
0.2
55508
100
9
0.0
50
0.2
191
0.6
28666
92.3
1860
6.0
296
1.0
31072
100
Vol.31 No.3 2016 年
60–69 歳
n
%
67
0.3
401
1.5
1200
4.6
24128
91.9
399
1.5
65
0.2
26260
100
7
0.1
23
0.2
111
0.8
12987
93.3
674
4.8
118
0.8
13920
100
70–79 歳
計
n
%
n
33
0.5
509
92
1.5
2798
273
4.5
8969
5614
91.5 158978
106
1.7
1958
15
0.2
328
6133
100 173540
3
0.1
38
16
0.5
178
34
1.0
617
3188
93.8 96282
135
4.0
5015
24
0.7
716
3400
100 102846
%
0.3
1.6
5.2
91.6
1.1
0.2
100
0.0
0.2
0.6
93.6
4.9
0.7
100
13 ( 417 )
HDL 亜分画
る症例では普通サイズの LDL を有する症例と比べ
HDL リポ蛋白は,比重,粒子サイズ,アポ蛋
て冠動脈性心疾患
(CHD)
の発症頻度が 3 倍になる
白組成,電気泳動パターン等によって幾つかの亜
ことが報告されている 36).スモールデンス LDL は
分画に分類され,超遠心法では HDL2
(比重 1.063
正常サイズの LDL に比べて LDL レセプターに対
〜1.125)および HDL3
( 比 重 1.125〜1.210)に 細
する結合親和性が悪く,肝よりむしろ末梢で代謝
30)
.人間ドック受診者で HDL2 コレステ
されやすくなり,血中の滞在時間は正常サイズの
ロールおよび HDL3 コレステロールと生活習慣と
の関連を解析した結果,HDL2 コレステロールは
LDL に比し大幅に遅延する.そのうえスモールデ
ンス LDL は酸化を防止する脂溶性ビタミンに乏し
肥満と喫煙で減少し,運動と 1 日 50g 未満の飲酒
いため,血管壁内でアテローマ性動脈硬化の主因
により増加したが,HDL3 コレステロールは飲酒
である酸化 LDL となりやすい 37).図 5 にスモール
でのみ増加した 31).メタボリックシンドロームの
デンス LDL の動脈硬化惹起性についてのモデル図
リスク数が増加すると,HDL3 が増加して HDL2
38)
分される
32)
を示した.スモールデンス LDL のコレステロー
.人間ドッ
ル濃度
(スモールデンス LDL コレステロール)
が増
33)
において,HDL2 コレス
加すると CHD の相対危険度が著明に増加したが
テロール /HDL3 コレステロール比とメタボリック
大型 LDL のコレステロール濃度が上昇しても相対
シンドロームのリスク数および HOMA-IR との間
危険度は上昇せず,むしろ低下した 39)ことから,
には負の相関が,高分子量アディポネクチンとの
にお
LDL の動脈硬化惹起性は主にスモールデンス LDL
が担っていると考えられる.スモールデンス LDL
いて,HDL2 コレステロール /HDL3 コレステロー
コレステロールの増加は頸動脈の内膜中膜肥厚度
ル比が増加すると HOMA-IR は減少し,高分子量
の増加 40)や冠動脈
(intima media thickness;IMT)
が減少し,
HDL2/HDL3 比が低下する
ク受診者での横断研究
間には正の相関を認めた.また,縦断研究
34)
アディポネクチンは増加した.また,LDL コレス
病変の重症度 41)とも関連している.
テロールも減少した.
LDL は中性脂肪が高いと小型化するので,高中
性脂肪血症では LDL コレステロールが高くなくて
もスモールデンス LDL コレステロールが増加して
スモールデンス LDL と酸化 LDL
LDL は幅広いリポ蛋白の集合であり粒子サイ
いることが多い.インスリン抵抗性があるとスモー
ズの異なるいくつかの亜分画より構成されるが,
ルデンス LDL が大型の LDL より優先的に生成さ
LDL のなかで粒子が小型で比重が重い LDL の分
35)
画がスモールデンス LDL である
(図 4)
.粒子直
径 25.5nm 以下のスモールデンス LDL を主に有す
れる.インスリン抵抗性があり中性脂肪が上昇す
る 2 型糖尿病やメタボリックシンドロームは,ス
モールデンス LDL コレステロールが増加する代表
図 4 スモールデンス LDL の構造(文献 38 より改変引用)
14 ( 418 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
図 5 スモールデンス LDL の動脈硬化惹起性(文献 38 より改変引用)
図 6 HOMA-IR と LDL コレステロールおよびスモールデンス LDL コレステロールとの関係
的疾患である.
著者らが人間ドック受診者のうち糖尿病と診断
される者を除外した BMI < 30kg/m 2 の男女 870 人
を対象に HOMA-IR と LDL コレステロールおよび
スモールデンス LDL コレステロールの関係を図 6
に示す.HOMA-IR が 1.0 以上 1.7 未満を基準とし
て Dunnett の多重比較を行ったところ,HOMA-
IR が上昇しても LDL コレステロールは増加しない
がスモールデンス LDL コレステロールは有意に増
加した.また,スモールデンス LDL コレステロー
ルと酸化 LDL であるマロンデアルデヒド修飾 LDL
(MDA-LDL)との関係を図 7 に示したが,スモー
ルデンス LDL コレステロールと MDA-LDL との間
図 7 スモールデンス LDL コレステロールと MDA-LDL
との関係
には正の相関が認められた.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
15 ( 419 )
中性脂肪の測定には時間や食事内容など多く
験の方法
(食事の内容や量)や判定基準
(空腹時と
の変動要因があるため,総コレステロールから
の組合せ,食後採血時刻と基準値)および管理目
HDL コレステロールを差し引いた non-HDL コレ
標値の設定などが今後の課題である.
ステロールを積極的に評価する方向に動いてい
る.non-HDL コレステロールの構成リポ蛋白は
HDL 以外のすべてのリポ蛋白であり,測定時間
おわりに
メタボリックシンドロームの診断は,腹囲,血圧,
や食事内容による大幅な変動はない.一般的には
空腹時血糖,中性脂肪および HDL コレステロー
non-HDL コレステロールは LDL コレステロール
と強く相関し,LDL コレステロールに 30mg/dL を
加えた値であるが,中性脂肪の増加により VLDL,
IDL のコレステロールが増加する状態では LDL コ
ルで行われるが,重症度の判定にはインスリン抵
レステロールと大きく乖離する.日本動脈硬化学
ても空腹時のみならず食後採血の必要性も検討す
42)
抗性,スモールデンス LDL コレステロール,酸化
LDL,HDL 亜分画などの血液検査や動脈硬化関
連の各種検査が必要と思われる.血液検査につい
では中
る必要がある.そもそも人間ドック健診の基本検
性 脂肪が 400mg/dL 以上のときは LDL コレステ
査項目は固定されたものではないし,オプション
ロールではなく non-HDL コレステロールを用い
検査項目についても共通に実施した方がよいと考
ることを推奨している.人間ドック受診者を対象
えられる項目については常に検討する必要がある.
会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン
43)
で,中性 脂 肪が 400mg/dL 未 満で
もちろん,エビデンスに基づいて項目を選定する
あっても non-HDL コレステロールは LDL コレス
ことが大前提である.学会においては,検査に関
テロールよりもスモールデンス LDL コレステロー
するエビデンスを集積し,定期的に検討すること
ルとの関連が強かったことから,中性脂肪高値
(≧
が望まれる.
とした研究
150mg/dL)では non-HDL コレステロールによる
評価も重要と考える.
本論文に関する利益相反はない.
食後高脂血症
(食後高中性脂肪血症)
食後に血清中性脂肪が異常高値を示す,または
そのピークが遅延・遷延する状態を食後高脂血症
と呼ぶ.最近,食後高脂血症と動脈硬化との関連
が注目を浴びている.LDL サイズの最大の規定因
子は中性脂肪であるため,食後高脂血症も LDL 小
粒子化の成因となる.HDL コレステロールと中性
脂肪とは負に相関するが,特にコレステロールに
富む HDL 分画
(HDL2)低下と食後中性脂肪増加
との関係が強い 44).食後高脂血症は動脈硬化惹起
性のレムナントとスモールデンス LDL の生成を高
め,抗動脈硬化性の HDL コレステロールを低下
させることが相まって動脈硬化発症に関与すると
考えられる.健診受診者を対象とした研究では,
肥満が食後中性脂肪の上昇を強くしてピークに達
するまでの時間が延長することが明らかになって
いる 45).
食後高脂血症の診断にあたっては,食事負荷試
16 ( 420 )
人間ドック
利益相反
文
献
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Vol.31 No.3 2016 年
原
著
人間ドック 31:423-429, 2016
人間ドック・健康診断業務における心電図緊急報告書の運用実績
高田みか子 1) 吉本かおり 1) 福富優美子 1)
髙島阿由梨 1) 雨宮 彰 2)
要 約
目的:人間ドックおよび健康診断受診者で,緊急対応が必要と思われる心電図波形を認めた場合,
より確実な情報提供のための緊急報告書による運用を開始し,その実績について検討した.
方法:心電図パニック値に該当する異常所見を認めた担当技師は,心電図所見,自覚症状の有無,
治療および投薬の状況,前回との波形変化について所定の緊急報告書に記入し,速やかに医師へ報
告する.その際,検査続行の可否も含め,それ以降の対応について指示を仰いでいる.このような
緊急連絡の対象となった症例についてその後の経過を確認した.
結果:2012 年 7 月〜2015 年 2 月,当センターで心電図を受診した延べ 132,577 例のうち,要精査
(1.5%)であり,そのうち 25 例が医師への緊急連絡を必要とした.その後,
となったものは 2,009 例
診察が必要と判断された 15 例は医師との面談により,6 例が受診項目に含まれていた胃 X 線検査を
中止,8 例が当日または翌日に当院の循環器内科受診となった.その後の経過について追跡が可能
であった 10 例では,心カテーテル検査で冠動脈に 90% の狭窄を指摘されステント留置に至った例
や,ペースメーカー植込み術が施行された例があり,また 5 例に対してアブレーションによる処置
が行われ,投薬開始または経過観察となる症例が 3 例みられた.
結論:医師への緊急報告体制を整えることにより受診者の安全が確保でき,早期に治療へ移行する
ことができると考えられた.
キーワード 心電図検査,異常心電図,緊急報告書,心電図パニック値
緒
言
ず含まれており,迅速かつ適切な対応を取ること
人間ドックや健康診断
(以下,健診)
における心
が担当技師に求められている.
電図検査は,最も頻回に行われる簡便で非侵襲的
当センターは,入院病床数 143 床,1 日外来平
な検査の一つであり,不整脈・心筋の異常・呼吸
均受診者数 400 人超,循環器内科を有する病院に
器疾患の可能性など多様な情報が得られる.また
併設されている.
そこで健診受診者の安全確保と,
安静時心電図に ST-T 異常,異常 Q 波などがある場
循環器内科への院内紹介による速やかな治療開始
1)
合は生命予後の予測指標になるといわれている .
を目的とし,心電図パニック値
(緊急報告が必要
しかし心電図波形は,年齢・体型・自律神経の影
な異常心電図)を定めて緊急連絡体制をとってき
響で変化するため,波形の判読とともに診察,血
たが,より確実な情報提供のため
「心電図緊急報
液検査など心電図以外の検査や過去の所見との比
告書」を導入した.今回,運用してきた実績とそ
較,精査歴の情報を加味したうえでの最終判定が
の効果などを考察した.
必要である.
健診は健康維持や疾患の予防・早期発見を目的
としているため,他の検査と同様に心電図検査に
おいても無症状の受診者が圧倒的に多く,大半が
正常範囲または軽度の異常である.その一方で,
医師への緊急報告を要する異常心電図が少なから
1)健康保険組合連合会 大阪中央病院 中央検査部
2)健康保険組合連合会 大阪中央病院 健康管理センター
人間ドック
対 象
2012 年 7 月〜2015 年 2 月,人間ドックおよび
健康診断を受けた延べ 161,257 例のうち,心電図
検査を受診した 132,577 例を対象とした.平均
年齢
( ± 2SD)は 43.9 歳
( ± 22.2 歳)
, 男 性 79,197
連絡先:〒 530-0001 大阪府大阪市北区梅田 3-3-30
Tel:06-4795-5505 Fax:06-4795-5544
Vol.31 No.3 2016 年
19 ( 423 )
例,女性 53,380 例であった.
方
なるのみで,運用方法は同様とした.それぞれに
は ID や氏名,担当医師・技師名を記入するとと
法
もに,心電図所見,前回波形との変化の有無,自
当センターでは緊急報告書を導入する以前から
覚症状
(胸部圧迫感,動悸,息切れ,ふらつき,
心電図パニック値として施設独自の基準を設けて
失神など)の有無,治療の既往歴などの必要最低
おり,担当技師が該当する所見を認めた場合は速
限の情報を,担当技師が迅速かつ簡便に記入でき
やかに電話で医師に報告していたが,新たに緊急
るようチェック枠を設ける様式とした.頻度が高
報告書を導入する際も,判断基準はそのまま引き
いと考えられた診断名はあらかじめ印字し選択で
継いだ.以前より設定されていた基準は,医療的
きるようにしたが,心電図パニック値に該当しな
な処置や精密検査などの緊急の対応を要するのか,
い場合であっても,前回との波形変化が明らかな
緊急ではなく近日中の循環器内科受診として対応
場合や自覚症状を伴う場合など,担当技師が医師
可能であるのかなど,施設内で独自に検討し設定
の指示を仰ぐ必要があると判断すれば,その他の
したものであった.今回その基準をもとに,日本
欄に所見を記入し同様に対応した.
人間ドック学会により発表されている
「心電図健診
緊急報告書導入以降は医師へ電話連絡を行う前
判定マニュアル」
と照らし合わせ,大きく差異がな
に,その場で担当技師が受診者に対しあらかじめ
いことを確認したうえで心電図パニック値として
定められた項目について問診し,また,同時に生
以前からの基準を引き続き採用した.
理検査診断情報システム
「PrimeVitaPRM-3000」
また 2 種類作成した報告書のうち,緊急報告書
(日本光電,東京)
を利用して以前までの波形との
①(図 1)は,Ⅱ度(Mobitz Ⅱ型)房室ブロック・Ⅲ
変化の有無を確認した後,それらを所定の緊急報
度房室ブロック・心室頻拍
(VPC3 連発以上)
・急
告書にまとめて速やかに医師へ電話連絡を行い,
性心筋梗塞・心室細動など,症状の有無に関わら
記載した情報をまず口頭で伝えた.当センター内
ず緊急性が高いとしたものを報告対象とする場合
では,過去の検査も含めすべての端末から心電図
に使用した.緊急報告書②(図 2)は,ST 低下・心
波形をリアルタイムに閲覧できるシステム環境を
房粗動(2:1 以上)
・心房細動
(120/ 分以上)
・洞
整えており,連絡を受けた医師は即時に波形を確
不全・3 秒以上のポーズ・頻脈・徐脈・房室ブロッ
認し,それ以降の健診続行の可否も含めてその後
ク・心室性期外収縮・上室性期外収縮・発作性上
の対応について指示することができた.医師によ
室性頻拍などに対し,主に自覚症状を伴う場合に
る面談を要する場合には,情報を記入した緊急報
使用した.2 種類の報告書は印字された所見が異
告書を医師へ提示し情報提供している.健診が続
図 1 当センターで運用が開始された「心電図緊急報告書①」
図 2 当センターで運用が開始された「心電図緊急報告書②」
症状の有無に関わらず緊急性が高いとする所見について使用
主に自覚症状を伴う時に緊急報告対象とする所見について使用
20 ( 424 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
行可能と判断された場合には,受診者に緊急報告
について前回波形と比較すると,変化を認めた症
書を携行してもらい,各関係部署のスタッフに周
例が 18 例,認めなかった症例が 2 例,その他の
知できるようにした.このようにして心電図検査
5 例については当センターの健診が初回であり比
の結果により医師へ緊急連絡を行った症例につい
較が不可能な症例であった.また自覚症状を伴っ
て,その後の経過を検討した.それと同時に,検
ていたのは 25 例のうち 7 例であった.これらの
査時には心電図パニック値に該当しなかった,つ
緊急報告対象者のうち,その後の経過が確認でき
まり緊急報告を要しなかった受診者(非報告対象
た症例は 10 例であり,1 例にペースメーカー植込
者)
にも,次回の健診受診時の問診による調査や,
術,1 例に PCI によるステント留置術,5 例に経
紹介状に対する返信,循環器内科への受診歴など
皮的カテーテル心筋焼灼術が施行され,3 例は内
から,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や
科的治療が開始されていた.
アブレーションなどの外科的治療が施行された症
その一方,心電図検査で D 判定
(要精密検査)
例があることが判明したため,それらの症例につ
とされた非報告対象者のうち,経皮的カテーテル
いても同様に検討した.
心筋焼灼術を含む外科的治療が施されていたと
結
判明した症例が 44 例あった.健診時の心電図所
果
見は,ST-T 変化や T 波異常などの虚血性変化を
健診心電図検査の判定は,A 判定
(異常なし)が
102,241 例(77.1%),B 判定(軽度異常あるも日
常生活に支障なし)
が 17,804 例
(13.4%)
,C 判定
(異
,
常があり経過観察を要する)が 9,365 例(7.1%)
D 判 定( 要 精 密 検 査)が 2,009 例(1.5%),E 判 定
(治療中)が 1,158 例(0.9%)であった.
認めていたものが 25 例と最も多く,次いで心房
細動・粗動 12 例,心室性・心房性期外収縮 4 例,
脚ブロックが 2 例,WPW 症候群が 1 例であった.
これらのうち 24 例に対し健診受診後に PCI が行
われており,また 17 例に対し経皮的カテーテル
心筋焼灼術,1 例に大動脈弁置換術が施行されて
今回の調査では,心電図検査の結果で精密検査
いた.そのほかには,他院へ紹介となり心不全で
が必要であるとされた要精査症例 2,009 例のうち
入院治療を要した 1 例,狭心症で治療を受けた 1
25 例(1.2%)が「心電図緊急報告書」を用いて緊急
報告されていた.報告を受けた医師により,15 例
に対して即時に診察が行われ,6 例が健診項目に
含まれていた胃 X 線検査を中止とし,8 例が当日ま
例が含まれていた.
歳であった.緊急報告対象者群の平均年齢は 51.0
たは翌日に当院の循環器内科へ紹介受診となった.
歳,非報告対象者のうち健診後に外科的治療を受
表 1 に示すように,すべての心電図受診者の平
均年齢は 43.9 歳であったが,要精査群では 49.9
心電図パニック値に該当した症例の詳細をみる
けた群の平均年齢は 55.4 歳であった.このように
と,心房細動・粗動 10 例,頻脈・徐脈 4 例,房
実際に心疾患イベントを起こした群は平均年齢が
室ブロック 4 例,心室性・心房性期外収縮 3 例で
高く,また,緊急報告対象者いわゆる心疾患イベ
あったのに対し,虚血性変化は 4 例で不整脈に関
ント予備群も受診者全体と比べると平均年齢が高
する異常所見が多くみられた.これらの報告症例
いことがわかった.同様に性別で比較すると,心
表 1 心電図結果における経過別の受診者背景
延べ人数(人)
割合(%)
平均年齢(歳)
性別(男:女)
心電図受診者
要精査群
緊急報告対象者
非報告対象(治療群)
132577
100
43.9
60:40
2009
1.5
49.9
50:50
25
0.02
51.0
68:32
44
0.03
55.4
91:9
すべての心電図受診者,要精査群,緊急報告対象者,非報告対象者のそれぞれの群における人数とその割合,
性別比,平均年齢を示す.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
21 ( 425 )
電図受診者全体では男性:女性の割合が 60:40
.検査時の問診による
性 T 波が認められた(図 3)
に比べ,要精査群,緊急報告対象者群,治療群で
と 1 か月前にめまいの症状で緊急搬送となり,他
はそれぞれ 50:50,68:32,91:9 であった.
院にて不整脈と診断され経過観察の指示を受けて
さらに自記式問診票の既往歴についてみてみる
いた.また,2013 年 7 月の心電図
(図 4)と比較し
と,緊急報告対象者 25 例のうち,高血圧や不整脈
て波形に著明な変化を認めたため,心電図パニッ
など循環器系の疾患を指摘されているにもかかわ
ク値のその他に該当するとして医師に報告した.
らず放置または治療を自己中断している例が 4 例,
即時に医師の診察が行われたところ,危険度が高
現在治療・経過観察中が 8 例,過去に手術などの
いと判断され,そのあとに検査予定であった胃 X
治療歴がある例が 2 例あり,合わせると対象者の
線検査を中止とし,当院の循環器内科を当日紹介
半数以上を占めていた.同様に非報告対象者 44
受診となった.24 時間ホルター心電図検査では
例では,高血圧や不整脈の放置・治療中断が 11 例,
3.6 秒の心停止,電気生理学的検査では洞結節回
復時間が 5.6 秒と延長が認められたため,2014
年 8 月 DDD ペースメーカー植込術が施行され経
現在治療・経過観察中が 8 例,過去に手術などの
治療歴がある例が 3 例あり半数を占めていた.
次に実際の症例を 2 例紹介する.
過良好となっている.
44 歳女性.2014 年 7 月に健康診断を受診した
49 歳男性.2014 年 5 月に健康診断を受診した
際,心電図検査で QS パターンと ST 低下,陰性 T
症例 2
症例 1
際,極端な不整脈と心筋虚血を示唆するような陰
図 3 緊急報告時における症例 1 の心電図波形
44 歳女性.極端な不整脈と心筋虚血を示唆するような陰性 T 波が認められた.
図 4 症例 1 の 1 年前の心電図波形
特に異常所見は認めない.
22 ( 426 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
波が認められ,広範囲の著しい虚血性変化が疑わ
候群)が疑われることも念頭におく必要があると
れた(図 5)
.当センターの健診が初回であったた
されている 2).健診の心電図検査における要精査
め前回波形との比較が不可能であったが,本人へ
率は,全国的にみて 0.3%〜8.4% と大きな差が
の問診により動悸と胸痛の自覚症状を認めていた
あると報告されており 3),今後新たな基準となる
ため,緊急報告の対象として医師に連絡した.即
指標が必要ではないかとも考えられる.
時に医師が診察を行ったところ,症状と心電図所
今回の検討からは,高齢男性に心疾患イベント
見を併せて至急診断を要する症例であると判断さ
のリスクが高い可能性も示唆された.また,緊急
れ,当院の循環器内科を当日紹介受診となった.
報告に値する心電図所見かどうか判断する際に
その後の冠動脈 CT 検査
(MDCT:multi detector
は,いかに既往歴・現病歴の情報が重要であるか
row computed tomography)で 6 番 の 冠 動 脈 に
90% の狭窄を認め,3 日後に狭窄部へステントを
留置する PCI が施行され経過良好となっている.
を示唆する結果も得られた.特に心臓疾患に対し
考
放置・治療中断となっている,つまり医療管理下
に置かれていない受診者は,近い将来心疾患イベ
ントを起こす可能性を考慮し,健診の受診をきっ
察
かけに治療の再開を促すような対応も必要である
健診心電図において,心疾患イベントを起こす
と思われる.一方で,経過観察中である受診者に
可能性のある症例に対し,緊急報告書を運用して
おいても,心疾患イベントを起こしている症例が
迅速に対応できるような体制を整えた.心電図検
少なからず見受けられることより,既往歴のある
査を施行した時点で心電図パニック値を認めた場
場合は慎重な経過観察を要すると考えられる.
合,事故防止のための十分な観察や必要最低限の
このシステムはほかにも,あらかじめ問診項目
注意深い問診を行い,所定の報告書を運用するこ
や手順を統一しているため,担当技師が落ち着い
とで有用な情報を迅速かつ正確に提供できるなど
て対応できるという利点もみられた.さらには最
の効果が確認できた.運用上の注意点としては,
終的に報告書を回収し保管しているため,内容の
陳旧性心筋梗塞や早期再分極,脚ブロック,左室
確認や症例の検討など後日改めて再確認すること
肥大のように以前から認められるような ST 変化
も可能である.また口頭のみによる報告に起こり
は心電図パニック値としては扱わない.ただし,
がちな伝達ミスも回避できるのではないかと考え
変化に乏しい例や左脚ブロックでは ST 変化で虚
られた.
血を判断できないため,新規に発生した左脚ブ
その一方で,緊急報告に該当しなかった症例の
ロックに症状が伴う場合などは,ACS
(急性冠症
なかにも,多くのカテーテルインターベンション
図 5 緊急報告時における症例 2 の心電図波形
49 歳男性.QS パターンと ST 低下,陰性 T 波が認められ,広範囲の著しい虚血性変化が疑われた.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
23 ( 427 )
を含む外科的治療を受けた症例が含まれていると
健診の現場では,即時の対応が必要な症例はも
判明したことも事実である.両群を比較してみる
ちろん,自覚症状の有無に関係なく軽微な虚血性
と,緊急報告対象者には不整脈系疾患,非報告対
変化などの異常を見落とさず,心疾患イベントを
象者には虚血性疾患の異常所見が多くみられた.
起こす前の段階でハイリスク者を拾い上げる必要
最近では心電計に自動判定機能が備わっているも
が出てくる.しかし,経時的な心電図記録による
のが多く,担当技師の負担が軽減され効率化され
波形変化の確認や,負荷をかけての記録が不可能
ている.しかし,わずかにみられる ST-T 変化や
なため,今後の突発的な心疾患イベントを予測す
T 波異常などの虚血性変化は心電計のモニター上
ることに限界があることも事実である.そのよう
では認識しづらく,また,生理検査診断情報シス
ななかで心電図検査を担当する臨床検査技師は,
テム「PrimeVitaPRM-3000」
(日本光電,東京)を
波形を正確に評価する必要があることを改めて自
用いて前回波形と比較しても,明確な変化がとら
覚せねばならない.
えられず判断に苦慮する例が多い.さらに自覚症
状や前回波形との変化がない,またはごく軽微で
結
語
あるなどの理由で緊急に対応することを躊躇する
健診の心電図検査において,まれに重大な臨床
症例も見受けられる.それに比べて不整脈系の異
的意義のある所見を持つ受診者が含まれている.
常所見は前回との比較も容易であり,緊急報告の
そのような症例を拾い上げて医師への緊急報告体
対象としてとらえやすい.これらの理由により,
制を整えることは,健診受診者の安全を確保し,疾
虚血性疾患に比べて不整脈系の異常所見の緊急報
患の早期発見・早期治療につながると考えられた.
告が多かったのではないかと考えられた.山崎ら
の報告 4)でも,心室性期外収縮・心房細動・徐脈・
なお本稿の要旨は,第 56 回日本人間ドック学
頻脈など不整脈系の緊急報告は 63 件で報告症例
会学術大会
(2015 年,横浜)において発表した内
の 49.9% を占めていたのに対し,心筋梗塞疑い
容に加筆したものである.
などの虚血性の緊急報告は 6 件 4.8% であったと
報告している.これは虚血性の変化がとらえられ
利益相反
にくいという状況が推測され,今回の我々の報告
本研究についての利益相反はない.
と同様であると考えられた.
このような治療が施された非報告対象者を検証
すると,心室性期外収縮で C 判定(異常があり経
過観察を要する)となった 1 例を除き,残りの 43
例すべてが D 判定(要精密検査)とされており,健
診としては妥当な判定であったと考えられる.し
かし,その後に外科的治療が施されたという経緯
を考慮すると,健診の段階で緊急報告としての拾
い上げは不可能であったのか,わずかなサインを
見落としてはいなかったかなど,改めて各症例を
後方視的に再検討し経験値を積み重ねる必要があ
ると考えられた.
24 ( 428 )
人間ドック
文
献
1) 日 本 人 間 ド ッ ク 学 会: 心 電 図 健 診 判 定 マ ニ ュ ア ル.
http://www.ningen-dock.jp/wp/common/data/other/
inspection/m_electrocardiogram.pdf[2015.12.3]
2) 富原 健:緊急報告すべき検査結果のすべて-すぐに使
えるパニック値事典 V 生理 心電図.検と技 2011;39:
880-886.
3) 久代登志男,道場信孝,島田 裕ほか:健診における心電
図評価の実態 全国労働衛生団体連合会総合精度管理事業
参加施設における 140 万例の解析結果.日総合健診医会
誌 1993;20:235.
4) 山崎真嗣,吉川潤一郎,大道重夫ほか:心電図検査の緊
急報告の意義.総合健診 2010;37:202.
(論文受付日:2016.1.19 論文採択日:2016.5.12)
Vol.31 No.3 2016 年
Operational Results for Electrocardiogram Emergency Reporting System
in Ningen Dock and Health Check-ups
Mikako Takada, Kaori Yoshimoto, Yumiko Fukutomi,
Ayuri Takashima, Akira Amemiya
1) Regional Federation of Health Insurance Societies in Osaka Central Hospital
Department of Central Clinical Laboratory
2) Regional Federation of Health Insurance Societies in Osaka Central Hospital
Health Management Center
Abstract
Objective: We started to use an urgent reporting system for abnormal electrocardiograms
seen in health check-ups, and investigated its operation.
Methods: When they observe abnormalities during the recording of electrocardiograms,
medical technologists fill out an urgent report sheet giving details of the electrocardiographic diagnosis, the symptoms, history of treatment and prescriptions, and any changes
from previous electrocardiograms. They then report promptly to the duty doctor for
the day. We then ask whether we should continue the other examinations or not. In this
study, we investigated further developments in the situations of people subject to urgent
reports.
Results: A total of 132,577 subjects, including previous examinees, came to our health
screening center to undergo electrocardiography as part of a health check-up from July
2012 to February 2015. Twenty-five of them came under the urgent report category. Fifteen
were examined by the doctor, the upper gastrointestinal contrast study was cancelled for 6,
and 8 were referred to cardiovascular specialists at this hospital on the day or the next day.
Of these 25 urgent report examinees, 10 could be followed-up. One was diagnosed with
90% coronary artery stenosis and underwent PCI. Another needed to have a pacemaker
implanted. Five underwent radiofrequency catheter ablation, and 3 started taking medication or became follow-up patients.
Conclusion: These results suggest that our urgent report system contributes to securing the
safety of people who come for check-ups and allows entry into early phase treatment when
necessary.
Keywords: electrocardiogram, abnormal electrocardiogram, urgent report sheet, electrocardiogram panic levels
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
25 ( 429 )
原
著
人間ドック 31:430-434, 2016
人間ドック時の婦人科検診における
経膣超音波検査の有用性について
木平悦子
平谷 恵
中村繁美
中西早百合
要 約
目的:人間ドック時の婦人科検診に経膣超音波検査を導入したことが,婦人科検診結果・腹部超音
波検査判定に与えた影響を調べた.
方法:人間ドック時の腹部超音波検査および婦人科検診受診者において,経膣超音波検査導入の前
後で,悪性症例の発見数,腹部超音波検査判定の変化を比較検討した.
結果:経膣超音波検査導入後,経膣超音波検査所見にて要検査となった 2 次精査受診者に,その後
子宮体がんが発見された.腹部超音波検査の婦人科項目での有所見者の判定割合が,経膣超音波検
査導入前は,要経過観察 7.9%,要精検 77.9% であったが,経膣超音波検査導入後は,要経過観察
72.4%,要精検 16.4% と大きく変化した.
結論:経膣超音波検査導入後,詳細情報の把握が可能となり判定材料が増え判定の精度が向上した
腹部超音波検査・婦人科内診では発見困難な所見も経膣超音波検査により疾患,
と考えられる.また,
悪性例の早期発見が可能となり,その有用性が示唆された.
キーワード
経膣超音波検査,婦人科検診,腹部超音波検査,悪性症例
はじめに
本研究では,当施設における経膣超音波検査が
経膣超音波検査は,内診と相補的な役割を果た
す基本的な診察法と位置付けられている.年齢的
“人間ドック時の婦人科検診結果・腹部超音波検
査判定”
に与えた影響を検証することとした.
な制限,再現性の欠如や術者による精度の差はあ
本研究は当院の倫理委員会の承認を得て行っ
るが,簡便で安価,被曝がないなどの優れた長所
た.また,対象者には文書による同意を得たうえ
により,スクリーニング検査としても繁用されて
で行った.
1)
いる .
しかし,当施設においては,人間ドック時の婦
対
象
人科検診の内容は「子宮頸部細胞診」と「内診」
が主
対象受診者は,経膣超音波検査導入前の 2010
な内容であり,腹部超音波検査で,内診では確認
年度に人間ドックにて腹部超音波検査および婦
の難しい子宮や卵巣の病変についての確認を行っ
人科検診の受診者 1,929 名
(28〜81 歳,平均年齢
ていたが,体型,尿,腸内ガス,子宮後屈などの
49.5 歳)と,経膣超音波検査導入後の 2011 年度
諸条件により腹部超音波検査所見のみでは情報が
に人間ドックにて腹部超音波検査および婦人科
不十分であり,再度婦人科外来の受診が必要とな
検診の受診者 2,123 名
(26〜79 歳,平均年齢 49.7
るケースがあるのが現状であった.
歳)
である.2 年連続受診率は 67.0% であった.
そこで,人間ドック時に胸部レントゲン,胃透
視,マンモグラフィ,肺 CT などの放射線を使用
方
法
した検査に加え,放射線被曝量を増やすことなく
人間ドック時に腹部超音波検査および婦人科検
精度の高い検査結果を得ることを目的として経膣
診を受けた受診者において,悪性症例の発見数,
超音波検査を導入することとした.
腹部超音波検査判定の変化について調べることに
三重県厚生農業協同組合連合会
松阪中央総合病院 健康管理施設 エポック
26 ( 430 )
連絡先:〒 515-8566 三重県松阪市川井町字小望 102
Tel:0598-21-8248 Fax:0598-21-2821
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
より,経膣超音波検査が“人間ドック時の婦人科
点では悪性所見はなかったが,その後の定期的な
検診結果・腹部超音波検査判定”に与えた影響を
“子宮体がん”
と診断された
(図
外来受診中 2 年後に
調べた.
2).
機種は汎用超音波画像診断装置プロサウンド α
次に,腹部超音波検査での婦人科所見判定割合
6( 日立製作所,東京),周波数 6.0MHz ± 20% で
の変化を,経膣超音波検査導入前後で比較した.
ある.なお,導入にあたり,婦人科検診料金を従
音波検査および婦人科診察による婦人科系の悪性
C 判定(要経過観察)は経膣超音波検査導入前の
2010 年度は 1.0% であったが,導入後の 2011 年
度には 14.3% になり,13.3 ポイント増加した.
D2 判定(要精検)は,経膣超音波検査導入前の
2010 年度は 10.2% であったが,導入後の 2011 年
度には 3.3% と 6.9 ポイント減少した
(表 1)
.
症例の発見数は 1 例であり卵巣がんであった.腹
一方,腹部超音波検査の婦人科項目での有所見
部超音波検査所見では卵巣嚢腫,婦人科内診所見
者の判定割合を経膣超音波検査の導入前後で比較
では異常なしであった受診者が,2 次精査で
“卵
した.経膣超音波検査導入前では C 判定
(要経過
巣がん”と診断された.
観察)が 7.9%,D2 判定
(要精検)が 77.9% であっ
来の 2,100 円から 3,100 円に 1,000 円増額した.
結
果
経膣超音波検査導入前の 2010 年度は,腹部超
経膣超音波検査導入後の 2011 年度は,腹部超
(要経過
たが,経膣超音波検査導入後には C 判定
音波検査および婦人科診察による婦人科系の悪性
観察)
が 72.4%,D2 判定
(要精検)
が 16.4% と,判
症例の発見数は人間ドック時には 0 例であったが,
定別の人数割合において大きな変化がみられた
腹部超音波検査・婦人科内診ではともに異常なく,
(図 3)
.
経膣超音波検査で子宮内膜肥厚が指摘され,2 次
腹部超音波検査での婦人科所見 C 判定
(要経過
精査を受けた受診者が 1 例あった
(図 1)
.その時
観察)の内訳をみると,経膣超音波検査導入前後
図 1 2011 年 8 月人間ドック時経膣超音波検査画像
図 2 2013 年 6 月婦人科外来受診時経膣超音波検査画像
表 1 腹部超音波検査での婦人科所見判定割合
A:異常なし
B:軽度異常
C:要経過観察
D2:要精検
E:現在治療中
2010 年度(1929 名) 2011 年度(2123 名)
86.9%
80.2%
0.1%
0.6%
1.0%
14.3%
10.2%
3.3%
1.8%
1.6%
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
増減
-6.7
0.5
13.3
-6.9
-0.2
27 ( 431 )
図 3 腹部超音波検査での婦人科有所見者の判定割合の変化
図 4 腹部超音波検査での婦人科所見 C 判定(要経過観察)の内訳
図 5 腹部超音波検査での婦人科所見 D2 判定(要精検)の内訳
では卵巣所見に大きな違いがあった.
また,腹部超音波検査・婦人科内診ともに異常
卵巣所見については,経膣超音波検査導入前は
なく,経膣超音波検査所見のみで要精検となった
0 例であったが,導入後では 16.4% を占めた(図
4).
腹部超音波検査での婦人科所見 D2 判定(要精
受診者は 39 名であり,経膣超音波検査では子宮
そのうち,把握している 20 名の精検結果は,子宮
検)の内訳をみると,経膣超音波検査の導入にか
筋腫,子宮腺筋症,子宮内膜肥厚,子宮内膜増殖症,
かわらず,子宮筋腫疑いが 75% 前後を占めてい
卵巣嚢腫,卵巣腫瘍,卵巣腫瘤であり,このうち
た(図 5).
の 1 名が,先に述べた 2 次精査後の定期的な婦人
28 ( 432 )
人間ドック
筋腫・子宮内膜肥厚・卵巣疾患が指摘されていた.
Vol.31 No.3 2016 年
科受診で子宮体がんと診断された 2011 年度の受
期発見が可能となった.これらのことから経膣超
診者である.
音波検査の有用性が示唆された.
考
現在,人間ドックの流れのなかで婦人科検診は
察
胃透視後の実施順序になっているが,バリウムの
経膣超音波検査は分解能が高く,内部構造も詳
2)
細に観察できる利点がある .
影響で所見の描出が難しいケースもある.今後,
運用上の工夫で改善できないか併せて検討してい
当施設でも経膣超音波検査導入後は,所見の詳
細情報の把握が可能となり,腹部超音波検査所
見が D2 判定
(要精検)と判定された受診者の割合
きたい.
結
語
が,導入前後において対象受診者全体では約 7%
疾患・悪性所見が発見されても,受診者が 2 次
減少し,腹部超音波検査の婦人科項目の有所見者
精査を受診しなければ早期の対処にはつながらな
のなかでは約 60% 減少した.
い.現在,明らかな悪性所見が発見された場合に
経膣超音波検査導入前は D2 判定
(要精検)
と判
は電話にて直接連絡を取り,個別的に受診勧奨を
(要経過観
定されていた所見も,導入後は,C 判定
行っている.しかし,D2 判定
(要精検)と判定さ
察)
と判定される受診者が増加したと考えられる.
れているにもかかわらず 2 次精査を受診しない対
これは,腹部超音波検査所見と婦人科内診のみで
象者に対しては,再度受診勧奨を働きかける文書
は,精検が必要と思われた所見も経膣超音波検査
を郵送するにとどまっており未受診者が残存する
を行うことにより情報量が増え,経過観察で良い
ので,対象者に何らかの働きかけをするなどの対
と判断されるようになったためであると考える.
処方法を検討していきたい.
また,判定時の判断材料が増えたことにより,
本論文の要旨は,第 56 回日本人間ドック学会
結果として受診者に無駄な心配や不安感を抱かせ
ることなく,必要のない受診行動を回避すること
が可能になったと考える.経膣超音波検査でのみ
発見可能な小さな子宮筋腫や卵巣の生理的腫脹な
学術大会
(2015 年,横浜)
において発表した.
利益相反
どについては,検診時に心配のない旨を医師から
本論文に関する利益相反はない.
説明し,不安のないように配慮されている.
このようなことから,経膣超音波検査の導入に
より,より細かい検討がされるようになり,判定
の精度が向上したと考えられる.
腹部超音波検査・婦人科内診では発見困難な子
宮内膜病変や,子宮や卵巣等の小さな病変等も経
膣超音波検査により描出され,疾患・悪性例の早
人間ドック
文
献
1) 片渕秀隆,本原研一,田代浩徳:診断学総論 画像診断 ,
病理診断.日臨 2009;67:79-86.
2) 杉村和朗:第 4 章 卵巣・卵管.婦人科疾患の画像診断-
MRI・CT・超音波を使いこなす,秀潤社,東京,1997,
78.
(論文受付日:2016.3.5 論文採択日:2016.6.2)
Vol.31 No.3 2016 年
29 ( 433 )
Utility of Transvaginal Ultrasonography in Ningen Dock Gynecologic Examinations
Etsuko Kihira, Megumi Hiratani, Shigemi Nakamura, Sayuri Nakanishi
Health Management Facility EPOCH of Matsusaka General Hospital
Abstract
Objective: To determine the effect of introducing transvaginal ultrasonography into Ningen Dock gynecologic examinations
Methods: We compared the diagnostic outcomes of transvaginal ultrasonography with
those from abdominal ultrasonography for malignant disease.
Results: Transvaginal ultrasonography produced different results from abdominal ultrasonography in the gynecologic examination. The percentage of patients who needed
follow-up increased from 7.9% to 72.4%, whereas that of patients who required further
examinations decreased from 77.9% to 16.4%. Furthermore, transvaginal ultrasonography
was more effective in detecting uterine cancer than pelvic examination or abdominal ultrasonography.
Conclusions: A considerable amount of information was obtained through the introduction of transvaginal ultrasonography, and it led to early detection of malignant disease. We
were therefore able to make more accurate diagnoses during gynecologic examinations.
These results suggested that transvaginal ultrasonography was highly useful in Ningen
Dock gynecologic examinations.
Keywords: transvaginal ultrasonography, gynecologic examination, abdominal ultrasonography, malignant disease
30 ( 434 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
原
著
人間ドック 31:435-444, 2016
除菌治療への誘導を意識した
健診専門施設の胃がんリスク検診
(ABC 分類)
−当施設受診者の偽 A 群と D 群の特徴−
福間淑子
海老沢雅子
佐藤勤子
土用下裕子
荒井 肇
要 約
(Hp)の既感染および現
目的:ABC 分類を用いた胃がんリスク検診においては,Helicobacter pylori
感染による“偽 A 群”が問題となっている.本稿では,我々の施設で新規に導入した胃がんリスク検
診 1 年間の集計から,A 群の要精査例選別の現状と実態,多様性の報告される D 群の特徴を明らか
にすることを目的とする.
方法:2014 年 4 月 1 日から 2015 年 3 月 31 日に,当施設にて生活習慣病健診ならびに人間ドック健
診に胃がんリスク検診を追加した 6,236 例を対象とした.B,C 群は除菌を前提に,D 群は感染評価・
精査を要すると考え,全例診療機関紹介とした.A 群の Hp 現感染疑診例も紹介精査とした.2015
年 12 月 31 日までの経過観察情報を集計・分析した.
結 果:ABCD 各 群 の 比 率 は 各 々73.6%,15.7%,9.2%,1.5% で あ っ た.A 群 の 7.4%,D 群 の
58.9% が Hp 抗体陰性高値(3.0 ≦ Hp IgG < 10.0 U/mL)に該当した.A 群精査例では,38.5% が Hp
陽性例と判明,陰性例との比較で,ペプシノゲン
(PG)
Ⅰ・Ⅱ・Ⅰ / Ⅱ比に有意差を認めた.D 群は,
,
未感染
(28.2%)
,
既感染または Hp 非関連の萎縮性胃炎
(21.1%)
等で構成されていた.
現感染
(38.0%)
結論:若年受診者比率の高い当施設では,潜在的 Hp 感染者を早期に除菌治療へ誘導するため Hp 感
染状態
(未感染・現感染・既感染)の慎重な判定が必要である.詳細な病歴聴取と該当する ABCD 群
のみならず Hp 抗体価・PG 値,画像読影の総合判断と,継続的視点に基づく胃がんリスク管理の重
要性が確認された.
キーワード
胃がんリスク検診,ABC 分類,A 群陰性高値,D 群
はじめに
Helicobacter pylori(以下,Hp)感染の胃がん発
の上部消化管検査については,悪性腫瘍の早期発
症関与が明らかとなり,除菌による発がん抑制効
クの軽減を目的とした除菌診療へとつなげる役割
果が報告されている
1,2)
.特に若年層における除
菌で胃がん発生予防効果が高いと推計されてお
3)
り ,2013 年 2 月から Hp 感染胃炎に対する保険
4)
見とともに,Hp 感染状態を診断し,胃がんリス
も重要となった.我々の施設は,医療機関を併設
しない健康保険組合の直営健診センターであり,
特定の診療機関との連携を持たず,診療機関の受
診療の適応が拡大された .診療の場では Hp 未
診後の経過情報把握は容易ではない.近年,事
感染・現感染・既感染の正確な診断に基づいた全
後管理の計画性に乏しい拙速な ABC 分類の導入
員除菌と胃がんリスク管理の必要性も指摘され
に対して警鐘が鳴らされているが 8),当施設の健
た 5).一方,健診施設において,Hp 抗体とペプ
診運用の実情にあわせた事後指導概要を考案し,
シノゲン(以下,PG)法を併せた ABC 分類を用い
2014 年 4 月 1 日から導入に至った.胃がんリスク
た胃がんリスク検診
6,7)
が広く実施されているが,
検診については多くの知見が報告されるなかで,
現行の ABC 分類に関しては,
“偽 A 群”の存在や
その有効性については検証を積み重ねる必要性が
D 群の多様性,単独検診としての限界など,その
あると考えられている.今回,当施設の初年度の
7)
問題点もすでに明らかにされている .健診施設
東京都情報サービス産業健康保険組合 東中野保健センター
人間ドック
実績より,A 群該当者の Hp 現感染疑い例の選別
連絡先:〒 164-8507 東京都中野区東中野 1-51-3
Tel:03-3360-5951 Fax:03-3360-8748
Vol.31 No.3 2016 年
31 ( 435 )
と,Hp 感染状態の多様性が指摘される D 群の構
成について報告する.
対象と方法
胃がんリスク検診の実施
suspected)とし,それらを除いた陰性低値該当例
を Ln
(Low-normal-range)とした.A 群該当例は,
抗体価に関わらず Hp の現感染疑い例を紹介精査
とした.B 群と C 群については,Hp 現感染あり
と考え,全例を内視鏡精査や除菌治療を前提に医
対 象 は,2014 年 4 月 1 日 か ら 2015 年 3 月 31 日
療機関に紹介とした.D 群についても,除菌の必
に,当施設の人間ドック健診ならびに生活習慣病
要な現感染の拾い上げと進行した萎縮性胃炎の高
健診を受診した 25,227 例のうち,胃がんリスク
い胃がんリスクを考慮し,全例紹介とした.受診
検診をオプションとして実施した 6,236 例である.
者のフォローアップ情報
(Hp 感染・治療の有無や
健診当日の問診を徹底し,① Hp 除菌歴,②プロ
判定等)
は,①医療機関からの紹介状の返信回答,
トンポンプ阻害薬内服例,③胃手術歴,④腎機能
②健診 3 か月後に医療機関からの返信未達者に送
障害例,⑤当日の上部消化管画像検査非施行例は
付する受診状況アンケートの自己回答,③ 2015
除外した.また,事後指導の配慮から,人間ドッ
年 12 月 31 日までの医療機関からの追加連絡,ま
ク当日の結果説明時に胃 X 線検査または内視鏡検
たは本人より聴取可能であった情報を用いた.③
査所見により,医師が ABC 分類を追加勧奨した例
については,2014 年度紹介精査の経過が受診者
も含めた.胃がんリスク検診は,既報の ABC 分類
ごとに異なることから,設定期日までに収集可能
7)
により実施 ,血清 Hp 抗体測定は E プレート
‘栄
9)
であった 2015 年度健診受診時把握情報も含めた.
研’H. ピロリ抗体Ⅱ
(栄研化学,東京)
を使用した .
倫理的配慮として,健診に関わる臨床データを
Hp 抗体(IgG)の測定範囲は 3〜100U/mL であり,
カットオフ値は 10U/mL 以上で陽性とした.PG
匿名化し学術目的にて利用することを文章化し,
Ⅰ・Ⅱはラテックス比濁凝集法
(ビー・エム・エル,
埼玉)
を用いて測定し,PGI 70ng/mL 以下かつ PG
Ⅰ / Ⅱ比 3.0 以下を PG 法陽性と診断した
10)
.Hp
抗体価と PG 法の組み合わせにより,A 群
[Hp
(–)
PG(–)],B 群[Hp(+)PG(–)],C 群[Hp(+)PG(+)],
D 群[Hp(–)PG(+)]とした.また,胃 X 線検査で
は主として中島・伊藤らの報告
11,12)
の胃小区像・
鄒襞の性状,内視鏡検査では木村・竹本分類
13)
C-2 以上の所見をもとに,Hp 感染胃炎(疑い例を
含む)を診断した.胃がんリスク解釈は,ABC 該
当群と Hp 抗体価・PG 値と画像検査所見との総合
健診申し込み時に対象者の同意を得た.
統
計
臨床背景に関わる数値や測定値の統計処理は,
統計ソフトSPSS ver.23
(日本 IBM,東京)
を用いた .
結
果
受診者背景と ABC 分類分布
1 年間の胃がんリスク検診受診者数は,施設受
診者の 25,227 例のうち 6,236 例であり,平均年
齢は男性 46.7 歳,女性 47.2 歳であった
(表 1-a)
.
当施設は,対象者の男女別実数と平均年齢に示す
通り比較的若年層の受診者の多い施設であるが,
判断により行い,受診者へは結果値と併せ最終判
施設受診者の各年齢層からおおむね 25% 程度が
断に基づく個別の指導コメントを追記した.
胃がんリスク検診を受診しており,年齢層による
事後指導と集計結果の分析
受診率に大きな偏りはなかった
(表 1-b)
.
A 群陰性高値例(3.0 ≦ Hp IgG < 10.0U/mL)は,
抗体価の実測値の意義を明らかにするため,抗体
価 5.0 の前後で 2 グループ,Hp IgG < 5.0U/mL を
ML(Middle-Low),5 . 0 ≦ Hp IgG < 10 . 0 U/mL
を MH
(Middle-High)に分けた.さらに A 群陰性
低値例(Hp IgG < 3.0U/mL)は,鄒襞像や萎縮性
変化等の画像所見から Hp 感染疑い例を Ls
(Low-
32 ( 436 )
人間ドック
胃がんリスク検診の結果は,上記方法に記載の
通り,
ABCD4 群に分類した.ABCD の割合は,各々,
73.6%,15.7%,9.2%,1.5% で あ っ た( 表 1-c).
各群の平均年齢は,ABCD の順に各々,45.8 歳,
48.6 歳,51.6 歳,52.1 歳であり,ABCD の順に高
くなっていた.A 群の比率は最若年層
(35〜39 歳)
で 84.1% と高く,年齢階層順に低下し,最高齢層
Vol.31 No.3 2016 年
表1
施設受診者と胃がんリスク検診(ABC 分類)受診者の背景と ABCD 群別分布
a.対象者の背景
男性
施設受診者数
女性
合計
受診者数(男性比率)
平均年齢± SD
受診者数(女性比率)
平均年齢± SD
受診者数
平均年齢± SD
16399(65.0 %)
3828(61.4%)
46.7 ± 9.0
46.7 ± 9.2
8828(35.0 %)
2408(38.6%)
46.5 ± 8.9
47.2 ± 8.6
25227
6236
46.6 ± 8.9
46.9 ± 9.0
受診者数
ABC 分類受診率*
23.2%
28.9%
28.6%
28.1%
29.3%
27.3%
受診者数
1101
1310
969
411
37
3828
ABC 分類受診率*
25.1%
21.4%
23.3%
25.3%
31.6%
23.3%
A
4591(73.6%)
45.8 ± 8.7
B
979(15.7%)
48.6 ± 8.9
C
571(9.2%)
51.6 ± 9.4
D
95(1.5%)
52.1 ± 9.4
6236(100 %)
46.9 ± 9.0
76.1%
23.9%
75.5%
24.5%
73.7%
26.3%
71.6%
28.4%
75.7%
24.3%
ABC 分類受診者数
b.ABC 分類受診者数と受診率
男性
年齢範囲
(歳)
受診者数
35 − 39
40 − 49
50 − 59
60 − 69
70 − 74
合計
女性
530
985
655
216
22
2408
合計
1631
2295
1624
627
59
6236
ABC 分類受診率*
24.4%
24.1%
25.2%
26.2%
30.7%
24.7%
c.ABCD 群の分布
該当者実数(比率)
平均年齢± SD
(歳)
合計
画像検査種別
胃 X 線検査比率
内視鏡検査比率
*
ABC 分類受診率:各年齢範囲の胃がんリスク検診(ABC 分類)受診者の施設受診者数に対する比率
表 2 ABCD 群別 PG 値分布と群間比較
PG Ⅰ
PG Ⅱ
PG Ⅰ / Ⅱ比
A
49.2 ± 19.5
9.3 ± 4.1
5.4 ± 1.1
ABCD 群別 PG 値
B
C
79.8 ± 42.0
46.0 ± 15.0
25.1 ± 14.3
23.6 ± 8.7
3.6 ± 2.1
2.0 ± 0.7
D
30.1 ± 18.7
16.6 ± 8.5
1.8 ± 0.9
A−B
*
*
*
A−C
NS
*
*
群間比較 # (p 値 )
A−D B−C
*
*
*
NS
*
*
B−D
*
*
*
C−D
*
*
NS
PG Ⅰ,Ⅱ(ng/mL):mean ± SD. #:Kruskal-Wallis 検定,A-B:A vs. B,*:p<0.001,NS:p ≒ 1.000
(70〜74 歳)
では 49.2% であった.また,画像検査
と上昇し,C 群で A 群相当,D 群では低下がみら
種別割合については,胃 X 線検査が約 75%,内視
れた.PG Ⅰ値は Hp 感染による炎症により上昇,
鏡検査は約 25% であり,ABCD4 群間の偏りはな
感染経過中の胃底腺領域粘膜の萎縮により徐々に
かった.
低下すると考えられた.PG Ⅱ値は B 群・C 群で高
Hp 抗体価と PG 値
各群の Hp 抗体については,ABC 分類の定義より
A 群と D 群は,Hp 抗体陰性(Hp IgG < 10.0U/mL)
だ が, そ の な か で A 群 4,591 例 の 7.4% で あ る
342 例,D 群 95 例中の 58.9% である 56 例が,陰
性高値
(3.0 ≦ Hp IgG < 10.0U/mL)に該当した.
陰性高値例の抗体価分布は A 群については抗体価
3.0U/mL が 最 頻 値 で あ り 5.0U/mL 未 満 に 60%
が含まれたが,D 群では抗体価 3.0〜9.9U/mL に
広く分布していた.
PG 値については,群別に集計解析を行った.
PG Ⅰ値は A 群 49.2 ng/mL から B 群で 79.8 ng/mL
人間ドック
値となり,炎症の持続によると考えられた.PG
Ⅰ / Ⅱ比は胃底腺粘膜領域の萎縮を反映し C 群・D
群で低値を示したと推測された.各測定項目の群
間比較においては,PG Ⅰ値は A 群- C 群,PG Ⅱ
値は B 群- C 群,PG Ⅰ / Ⅱ比は C 群- D 群で有意
差がなく,他の組み合わせによる 2 群比較ではす
べて有意差が認められた
(p < 0.001(
)表 2)
.また,
A 群を抗体価別サブグループ(Ln,Ls,ML,MH)
に分け,PG 値の群間比較をした.PG Ⅰ値,PG Ⅱ
値については,MH で高値であり,MH と他のサ
ブグループ
(Ln,Ls,ML)
すべての 2 群比較で有意
.また,PG Ⅰ / Ⅱ比に
差が認められた
(p < 0.01)
Vol.31 No.3 2016 年
33 ( 437 )
表 3 A 群サブグループ別 PG 値分布とグループ間比較
A 群サブグループ
Hp 抗体価
該当者数(n)
PGI
PG Ⅱ
PGI/ Ⅱ比
Ln
< 3.0
4053
48.5 ± 16.7
9.0 ± 3.1
5.5 ± 1.0
A 群サブグループ別 PG 値
Ls
ML
< 3.0
3.0 ≦,
< 5.0
196
208
54.5 ± 39.5
48.1 ± 16.6
9.9 ± 6.0
9.6 ± 3.7
5.5 ± 1.2
5.1 ± 1.0
PG Ⅰ,Ⅱ(ng/mL)
:mean ± SD.
サブグループ間比較 #(p 値)
MH
5.0 ≦,
< 10.0
134
62.5 ± 40.3
15.7 ± 13.3
4.3 ± 1.1
Ln-Ls
Ln-ML
Ln-MH
Ls-ML
NS
NS
NS
NS
NS
*
*
*
NS
NS
a
*
Ls-MH ML-MH
a
*
*
*
*
*
:Kruskal-Wallis 検定,Ln-Ls:Ln vs. Ls,*:p<0.001,a:p<0.01,NS:p ≒ 1.000
#
図 1 胃がんリスク検診の事後対応の概要
ついては,Ln と Ls の組み合わせ以外のすべての 2
下,AIG)や未感染者の混在も疑われる.当施設
群比較で有意差があり
(p < 0.01)
,その平均値は
での内視鏡検査施行例も含め 95 例全例精査対象
Ln ≒ Ls > ML > MH となり,Hp 抗体価の上昇と
ともに PG Ⅰ / Ⅱ比は低下していた
(表 3)
.
とした.合計で,1,840 例を紹介とした.設定期
胃がんリスク検診の事後指導
事後指導の概要を図 1 に示した.A 群陰性高
(MH,ML のそれぞれ 134 例と 208
値例は 342 例
例)であり,画像所見との総合判定により 162 例
を Hp 現感染疑いとし精査の対象とした.さらに,
A 群では抗体陰性低値だが現感染疑いと考えられ
る Ls 33 例を含め,A 群全体で 195 例を医療機関
紹介とした.B 群 979 例,C 群 571 例は,Hp 現感
染ありと考えられ,精査・治療を前提に医療機関
精査とした.D 群該当例は,進行萎縮性胃炎であ
れば胃がんリスクが高く内視鏡精査が望ましく,
Hp 現感染例と,自己免疫機序による A 型胃炎(以
34 ( 438 )
人間ドック
日までの経過情報把握率は,A 群 73.3%,D 群
74.7% であった.
A 群医療機関紹介例の検討
A 群紹介例 195 例中,143 例の経過情報を収集
した
(図 2)
.Hp 陽性は 55 例
(Ls を含めた A 群紹介
例の 38.5%)であり,除菌治療対象となった.内
訳 は,MH の 46 例
(55.4%)
,ML の 9 例
(26.5%)
であった.MH と ML の合計である A 群陰性高値
の 47.0% が陽性で,陽性率は MH > ML であった.
また,Ls 26 例のなかでは,陽性報告はなかった.
Hp 陰性は 59 例であった.そのうち,49 例(34.3%)
は呼気検査・便中 Hp 抗原検査等により陰性の診
断確定がなされていたが,10 例
(7.0%)について
Vol.31 No.3 2016 年
図 2 A 群精査症例の Hp 感染評価
表 4 A 群精査例の Hp 陽性・Hp 陰性・E 群判明群別 PG 値分布と群間比較
該当数
サブグループ(Ls/ML/MH)
年齢
PG Ⅰ
PG Ⅱ
PG Ⅰ / Ⅱ比
PG Ⅰ,Ⅱ(ng/mL)
:mean ± SD.
A 群精査例
Hp 陰性(N)
49
20/14/15
49.6 ± 10.2
44.1 ± 34.6
9.1 ± 8.1
4.9 ± 1.3
Hp 陽性(P)
55
0/9/46
49.2 ± 9.2
66.1 ± 28.8
16.7 ± 8.9
4.3 ± 1.3
E 群判明(E)
4
3/1/0
48.8 ± 4.9
37.3 ± 8.76
8.0 ± 1.5
4.7 ± 0.4
#
群間比較 (
p 値)
P-N
P-E
N-E
NS
NS
0.052
0.066
0.938
NS
NS
NS
NS
*
*
b
:Kruskal-Wallis 検定,P-N:P vs. N,*:p<0.001,b:p<0.05,NS:p ≒ 1.000
#
は,紹介先医療機関の内視鏡検査で Hp 感染胃炎
なしと診断された.そのほか,事後に除菌歴が明
らかになった E 群判明例 4 例
(2.8%)
,精査中・詳
細不明 11 例
(7.7%)
,2015 年度健診受診時の再評
(9.8%)であった.悪性腫瘍併存
価希望例が 14 例
例の報告はなかった.
A 群精査例の呼気検査等で Hp 感染状態が明らか
となった陽性例
(n=55)
と陰性例
(n=49)
について,
臨床背景と抗体価グループ・PG 値の比較を行った.
各群の比較で年齢に有意差はなく,PG Ⅰ,Ⅱ値の
陽性例は陰性例に比較して高値であり
(p < 0.001)
,
PG Ⅰ / Ⅱ比は,陽性例では陰性例に比較して低値
(表 4)
.これは,2 群間で PG Ⅱ
であった
(p < 0.05)
値の差がより大きかったために,相対的に陰性例の
PG Ⅰ / Ⅱ比が高値となったと考えられる.
D 群医療機関紹介例の検討
D 群 95 例中,71 例(胃 X 線検査 52 例,内視鏡検
(図 3)
.Hp 陽性は
査 19 例)の経過情報を収集した
人間ドック
27 例(38.0%)であり,胃 X 線群の 22 例(42.3%),
内 視 鏡 群5例
(26.3%)で あ っ た.Hp 陰 性 35 例
(49.3%)のうち,内視鏡検査(当施設または紹
介医療機関)で異常所見がなく呼気検査等で Hp
陰性が確認された 13 例と,紹介先の内視鏡診断
で Hp 感染胃炎なしと判定された 7 例
(先行する
当施設胃 X 線検査でも矛盾なし)を併せた 20 例
(28.2%)が未感染と考えられた.内視鏡検査
(当
施設または紹介医療機関)で萎縮性胃炎の所見が
あり呼気検査等での Hp 陰性が確認された 15 例
(21.1%)は,既感染または Hp 非関連の萎縮性胃
炎と考えられた.そのほか,E 群判明 1 例
(1.4%)
,
2 年目再評価を含めた精査中 8 例(11.3%)であり,
経過把握例に悪性腫瘍併存例はなかった.D 群の
未感染 20 例の共通点としては,胃粘膜萎縮所見が
なく,
Hp 抗体は 1 例を除いて 3.0 U/mL 未満であっ
たが,PG Ⅱ値が比較的高く,PG Ⅰ / Ⅱ比が 3.0 以
下となっていた.統計的には,未感染と現感染で
Vol.31 No.3 2016 年
35 ( 439 )
図 3 D 群精査症例の Hp 感染評価
年齢,PG Ⅰ値,PG Ⅱ値,PG Ⅰ / Ⅱ比すべてに有
リスク検診を契機に除菌に至った症例が累積する
意差は認められなかった.
ことにより,未感染・現感染・既感染分布の変化
が予想される.
考 察
ABC 分類の A 群から D 群まで割合は受診者の
年齢分布の影響を受けるが,各年齢層内の A 群比
率は最若年層で 84.1% と高く,年齢階層順に低
Hp 未感染の胃がん低リスク群を“真の A 群”と
すると,Hp 現感染または既感染にもかかわらず
A 群に混入する“偽 A 群”は,多くが“A 群抗体陰
下し,既報の住民検診,職域検診,人間ドック健
在までに A 群に 10〜20% の陰性高値例が存在し,
診などの報告に矛盾しない結果であった
7,14,15)
.
性高値”にオーバーラップすると考えられる.現
おおむね,現感染例が 40%,既感染 60% である
また,当施設の B,C,D 群該当と A 群現感染疑
こともすでに知られている 7).当施設の初年度集
い例を含めた紹介数は 1 年間で 1,840 例であり,
計で
“A 群抗体陰性高値”の割合は 7.4% で,既報
除菌対象者を治療に誘導するという目的におい
と比較し低かった.導入時計画の問診徹底で除
て,胃がんリスク検診は有意義に始動している
菌群を極力除いたことと,若年受診者が多いた
と考えられる.大和田ら
16)
は高崎市の住民 ABC
め Hp 感染後自然消褪群の混入数が少なかったこ
検診の結果報告のなかで,日本人の Hp 感染率を
(E
とが要因と考えられる.A 群の除菌後例の混入
2006 年 は 34.8%,2021 年 に は 31.4% と 推 計 し
ている.当施設では,1 年間の B,C 群該当者に
A 群,D 群から判明した Hp 陽性判明者を合計す
ると,ABC 分類受診者の 26.1% であった.前述
群判明)については,本人の記憶違いや経過期間
などから今後も不可避ではあるが,経過把握例の
除菌後例はごく少数であり,問診徹底の意義を再
確認している.しかし,除菌治療後は数年にわた
の推計感染率との差は,当施設の受診者分布で比
り
“抗体陰性高値”に留まる一方 5,17),長期の経過
較的若年者が多いことが主要因と考えられる.当
を経た自然消褪・偶然除菌例は
“抗体陰性低値”
と
施設の全受診者と ABC 分類受診者の各年齢層の
して A 群に分類され,適切な監視体制から外され
比率はほぼ一定であり,施設受診者 4 名のうち 1
てしまう危険は無視できない.除菌後の抗体価の
名が潜在的陽性者と推測された.今後は,胃がん
推移について大原ら 17)は,現行 E プレート法での
36 ( 440 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
除菌後 85 例の抗体価を調査し,除菌後 2.5 年以
してしまう危惧が現実であることから画像情報併
上経過の 52 例全例が抗体価 10U/mL 未満,除菌
用の重要性は高い.我々の Ls についても病歴上
後 9 年以上経過の 8 例全例が抗体価 3U/mL 未満で
明らかでない既感染に該当すると考えられ,事後
あったと報告している.自験例の Ls 返信 26 例か
の管理については注意を要する.画像所見を個別
らは,Hp 陽性報告はなく,現感染はほぼ否定さ
検討し,多くは内視鏡による定期検査を勧奨,指
れていると思われたが既感染と考えられ,真の A
導した.
群とは異なる集団としての胃がんリスク管理が必
要である.A 群における未感染と既感染の線引き
D 群に関しては,進行した萎縮性胃炎(Hp 現・
既感染)以外に AIG や正常例なども含まれる可能
については,前述の報告 17)で抗体価 1.7U/mL が
性があり,
画像と併せた個別の評価が必要である.
感度・特異度の良いカットオフ値となる可能性を
寺尾ら 26)は,D 群 24 例を検討し,54.1% が現感
示唆しているが,より感度の高い検査系の広い実
染であり,AIG は 25% と従来の報告よりも頻度
用化が待たれる.
が高いことを示唆した.当施設の D 群現感染は
PG 値の意義であるが,我々の解析でも ABCD
各群の PG 値の解釈は胃粘膜の炎症の経過と萎縮
の進行に矛盾しない所見であった.PG 値による
Hp 感染診断に関する検討では,PG Ⅱ値または,
PG Ⅰ / Ⅱ比との組み合わせにより良好な感度・
特異度が報告されている 18).また,Boda ら 19)は,
未感染・偽 A 群の鑑別に PG 値を含む判別式を提
唱している.除菌前後の PG Ⅰ / Ⅱ比の変化率に
よる除菌判定,さらには除菌後 PG 値からの治療
前のリスク推定基準なども検討され 20),PG 値の
臨床的有用性は幅広い.当施設例では,A 群の
Hp 陽性判明例は A 群の約 1.2% であったが,紹
介精査後の Hp 陽性判明例と陰性判明例では PG
値に有意差があり,PG 値を現感染診断に活用す
る意義が確認された.しかし,A 群と分類された
E 群の PG 値は,未感染の A 群の PG 値と有意差
がなかったとの報告 21)がある.我々の A 群に混
入した E 群判明 4 例とも矛盾しない結果であり,
38% であり,既感染または AIG を含めた Hp 非関
連の萎縮性胃炎は D 群の約 1/5 に過ぎず,除菌適
応のない Hp の消褪した高度萎縮性胃炎の割合は
予想外に低かった.AIG と確定診断された返信報
告例はなく,その内訳は不明であった.紹介先医
療機関の内視鏡検査で異常所見の認められなかっ
た 7 例は,保険診療上,他の Hp 診断検査項目の
追加適応とならなかった未感染例と判断した.ま
た,D 群の未感染例と現感染例では,PG 値の統
計的有意差はなく,問診情報以外の PG 値に影響
する要因については,症例を集積し今後検討する
余地があると考えられた.
最後に,継続的胃がんリスク管理に向けた当施
設の在り方について述べる.我々の施設は医療機
関を併設せず受診者の利便性に合わせた受診勧奨
を行っており,受診先医療機関の対応の幅が広く,
健診専門施設の限界も否定はできない.現状では,
医療機関へ極力正確な情報提供と,受診者本人に
未感染と既感染の判別には画像検査所見が必須と
対する治療の意義の丁寧な説明・指導により,個々
考えられた.
の受診者が現感染の診断から治療につながる機会
A 群の画像所見について,内視鏡検査では A 群
の 13.9% に萎縮あり 15),15.2% に中高度萎縮あ
を失う不利益が発生しないように努めている.導
入 2 年目以降の大きな特徴としては,除菌後の症
等の報告がある.内視鏡検査数に制限があ
例増加である.近年,Nakamura ら 27)は,A 群か
る施設も多いと思われるが,胃 X 線検査の Hp 感
ら発生した胃がん症例について 7 例中 5 例に除菌
染状態
(現感染や既感染)に感度・特異度の高い所
歴があったことを報告している.また,萩原ら 28)
見の詳細な検討もされ 23,24),A 群の 10.6% に慢
は,臨床情報のある除菌治療後でも X 線検査所見
り
22)
性胃炎を認めたなど
25)
,数々の報告がある.今
のみの判定では,14.5% が未感染と診断された
後ますます増加する除菌成功例の多くが“A 群”に
と報告し,治療既往の問診や他の検体検査の併用
分類され,既感染というリスク群を監視外に排除
から判断される個人の Hp 感染状態を確認した検
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
37 ( 441 )
診体制が必要と結論している.我々は,聴取しえ
医科大学臨床研究管理センター 古田隆久教授に
た除菌歴または当施設の ABC 分類を契機として,
深謝申し上げます.
除菌治療を施行した例について経過情報を管理
し,画像読影システムに連動させて読影医への注
文
意喚起と読影精度の向上に努めている.また,当
1) Uemura N, Okamoto S, Yamamoto S, et al: Helicobacter
pylori infection and the development of gastric cancer. N
Engl J Med 2001; 345: 784-789.
2) Fukase K, Kato M, Kikuchi S, et al; Japan Gast Study Group:
Effect of eradication of Helicobacter pylori on incidence
of metachronous gastric carcinoma after endoscopic
resection of early gastric cancer: an open-label, randomised
controlled trial. Lancet 2008; 372: 392-397.
3) Asaka M, Kato M, Graham DY: Strategy for eliminating
gastric cancer in Japan. Helicobacter 2010; 15: 486-490.
4) 日本ヘリコバクター学会編集委員会編:ヘリコバクター・
施設の胃がんリスク検診は,原則,受診者あたり
1 回のみとしているが,精査未受診の場合は,翌
年の診察時に再度,精査・治療を指導している.
今回設定の経過観察期限までに,A 群と D 群から
17 例が 2 回目の検査(再評価)の対象となった.詳
細な病歴聴取に加え,ABC 分類と画像読影の総
合判断,その後の継続的視点に立った経過情報把
握が,より精度の高い胃がんリスク管理につなが
ると考えている.
結
語
近年,保険診療による Hp 除菌治療が広がって
いる.若年者に対しては,除菌による胃がんリス
ク軽減効果が大きいと推察され,早期のより確実
性の高い感染状態の評価(未感染・現感染・既感染)
が必要と考えられる.医療機関を併設しない健診
施設では,Hp 感染胃炎の診断の精度を上げるこ
とにより,除菌治療の機会を逃さずその必要性を
受診者に伝えていく役割が重要と思われる.当施
設では,ABC 分類導入初年度,A 群の Hp 現感染
疑い例を低リスク群として埋没させず,精査に誘
導するように心掛けた.対象者の情報収集率向上
の困難さに直面しながらも,現在の課題としては,
当施設の運用状況に照らし,除菌後症例の増加に
対応する胃がんリスク管理体制づくりの推進に取
り組んでいる.
本論文の一部は,第 56 回日本人間ドック学会
学術大会(2015 年,横浜)において発表した.
利益相反
本論文に利益相反はない.
謝
辞
当施設の胃がんリスク検診の導入時立案ならび
に本稿執筆に関し,ご指導をいただきました浜松
38 ( 442 )
人間ドック
献
ピロリ菌感染胃炎の診断と治療.日ヘリコバクター会誌
2013;Supplement.
5) 青山伸郎,繁田さとみ:未感染,現感染,既感染の正確
な診断による全員除菌と胃癌リスクに応じた診療の重要
性と留意点.日ヘリコバクター会誌 2014;15(2)
:4955.
6) 井上和彦,谷 充理,吉原正治:血清ペプシノゲン法と
ヘリコバクターピロリ抗体価を用いた胃の
‘健康度’ 評価
-同日に行った内視鏡検査を基準として-.日消集検誌
2005;43:332-339.
7) 認定NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構編:
胃がんリスク検診(ABC 検診)マニュアル,改定 2 版,南
山堂,東京,2014.
8) 一瀬雅夫:「胃がん検診」胃癌リスク診断を巡って-いわ
ゆる ABC 検診の問題点-.日本がん検診・診断学会誌
2014;21:262-267.
9) 菊地正悟,三輪洋人:Helicobacter pylori 感染診断におけ
る直接法 ELISA キット
「E プレート
‘栄研’ H. ピロリ抗体」
の有用性の検討.医と薬学 2000;43:581-586.
10)三木一正編:ペプシノゲン法.医学書院,東京,1998.
11)中島滋美,山岡水容子,土井 馨ほか:Helicobacter pylori
感染を考慮した新しい胃 X 線検診の提案 . 日消がん検診
誌 2008;46:461-471.
12)伊藤高広,吉川公彦,大石 元:胃がん検診における X 線
造影診断の役割と新・読影基準の提唱-ヘリコバクター・
ピロリ時代における奈良県の実情を踏まえて-.日消が
ん検診誌 2010;48:511-521.
13)Kimura K. Takemoto T: An Endoscopic Recognition
of the Atrophic Border and its Significance in Chronic
Gastritis. Endoscopy 1969; 1: 87-97.
14 )Miki K:Gastric cancer screening by combined assay for
serum anti-Helicobacter pylori IgG antibody and serum
pepsinogen levels - "ABC method". Proc Jpn Acad Ser B
Phys Biol Sci 2011; 87: 405-414.
15)望月直美,小林正夫,西大路賢一ほか:人間ドックにお
ける胃がんリスク評価(ABC 分類)の有用性と課題.日消
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16)大和田進,乾 純和,乾 正幸ほか:日本人の Helicobacter
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17)大原信行,関根和人:血清 Helicobacter pylori 抗体価によ
る感染状態の鑑別-推定抗体価 3U/mL 未満を含めた検
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Vol.31 No.3 2016 年
18)Kitamura Y, Yoshihara M, Ito M, et al: Diagnosis of
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20)古田隆久,佐原 秀,市川仁美ほか:除菌後血清ペプシノ
ゲン
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21)井上和彦,高橋健治,川村 淳:ABC 分類の現状と正常
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2012;67:749-755.
22)藤田映輝,大塚博紀,河村正敏ほか:胃がんリスク検診
と上部消化管内視鏡での胃粘膜萎縮所見との関連-中・
高度萎縮の A 群への混入を減らすために-.人間ドック
2015;30:38-45.
23)山岡水容子,中島滋美:胃癌危険群スクリーニングにお
ける胃 X 線検査の有用性.日消がん検診誌 2011;49:
20-31.
24)安田 貢,青木利佳,鳥巣隆資ほか:胃 X 線検査による胃
がん危険度評価についての検討-血清ヘリコバクターピ
ロリ抗体とペプシノゲン法を利用して-.日消がん検診
誌 2010;48:344-354.
25)木村美奈子,飯塚政弘,保坂薫子ほか:胃 X 線検査によ
るヘリコバクターピロリ感染の予測についての検討 . 人
間ドック 2014;28:774-780.
26)寺尾秀一,當銘正友 , 久禮 泉ほか:D 群のほとんどは「高
,
度の萎縮と I.M. のために H.pylori が駆逐された」群ではな
い . 日ヘリコバクター会誌 2013;14(2):5-14.
27)Nakamura T, Kon Y, Konuma K, et al: Characteristics of
gastric cancer in endoscopic screening with combined
serum assay for anti-Helicobacter pylori antibody and
pepsinogen levels. Health Evaluation and Promotion
2015; 42: 439-443.
28)萩原 武,寺門洋平,西岡 均ほか:Helicobacter pylori 除
菌治療後の検診受診者に対する 胃 X 線検査による感染診
断の検討-診断精度と問題点-.日消がん検診誌 2016;
54:42-51.
(論文受付日:2016.5.24 論文採択日:2016.6.6)
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
39 ( 443 )
Strategy to Refer Possible Helicobacter pylori (Hp) Positive Cases for Further Evaluation
and/or Eradication Based on ABC Classification
– Characteristics of group pseudo-A and group D in Health Check-up Program –
Toshiko Fukuma, Masako Ebisawa, Isoko Sato, Hiroko Doyoshita, Hajime Arai
Higashi-Nakano Health Center, Tokyo-to Joho-service-sangyo Kenko-hoken-kumiai (TJK)
Abstract
Objective: The ABC classification designed for early gastric cancer screening seems to be
a useful means of detecting high-risk subjects, some of whom may be candidates for Helicobacter pylori (Hp) eradication. However, one well-known major problem of using this
classification is to eliminate ‘not truly low-risk cases with previous/present Hp infection’ as
“group pseudo-A”. Another controversial issue concerns “group D”, that has been shown
to be a mixture of diverse statuses of Hp infection and non-Hp-related causes. The aim of
our study was to clarify the characteristics of “group pseudo-A” and “group D” among our
subjects.
Methods: A total of 6,236 examinees of our health check-up program were enrolled for
ABC classification from April 2014 to March 2015. Subjects in group B, C and D were referred for further examinations and/or Hp eradication. Those with possible present Hp infection in group A were also referred for additional assessment. Their clinical information,
which had been collected until the end of 2015, and laboratory data were analyzed.
Results: The proportions of the enrolled subjects classified into group A, B, C and D were
73.6%, 15.7%, 9.2% and 1.5%, respectively. Among the 4,591 subjects in group A, 342 (7.4%)
had high negative titers for serum anti-Hp antibody in the range 3.0 – 9.9 U/mL. In detailed examinations that they were referred for, 38.5% were Hp positive and differences in
pepsinogen (PG) values between them and negative examinees were statistically significant.
In group D, the rate of present Hp infection was 38.0%. Other notable observations were
that 28.2% of group D seemed to be non-infected, and 21.1% were previously infected or
had non-Hp-related atrophic gastritis.
Conclusion: As the proportion of younger examinees undergoing our health check-up program is high, it is important to evaluate them according to the three different Hp infection
statuses, which are non-infected, presently infected and previously infected. The interpretation of the results of the ABC classification should be done in conjunction with a consideration of clinical history, actual Hp titer and PG values, together with X-ray/endoscopy findings. This will help ensure that candidates for Hp eradication are identified and that latent
high-risk cases are discovered.
Keywords: gastric cancer screening, ABC classification, group pseudo-A, group D
40 ( 444 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
原
著
人間ドック 31:445-452, 2016
局所的非対称性陰影および腫瘤所見における
総合判定の有用性について
宇都千陽 1) 吉村理江 1) 森 寿治 2) 深水康吉 3) 長野由美 1) 谷山恵里奈 2)
髙木理恵 2) 東條道徳 1) 橋本俊彦 1) 那須 繁 1)
要 約
・ 乳房超音波
(Ultrasonographic Examination:
目的:マンモグラフィ
(Mammography:以下,MMG)
以下,US)併用検診の精度向上のため,現在,独立判定方式から総合判定方式へと標準化が進めら
(focal asymmetric
れている.今回,当施設での総合判定の現状を,MMG 上の局所的非対称性陰影
density:以下,FAD)および腫瘤所見について検討し,総合判定の有用性を明らかにすることを目的
とした .
方法:2013 年 1 月から 2014 年 6 月までに MMG・US 併用検診を受診した延べ 5,519 名の FAD 所見,
腫瘤所見について,MMG 独立判定と総合判定との比較を行った.
(率)は,81 例
(1.5%)であった.一方,総合判定
結果:FAD 所見:MMG 独立判定での要精検者数
(同部位にカテゴリー2 の良性病変描出 12
での要精検者数
(率)は,US で精査不要と判断できた 35 例
例,正常乳腺 23 例)が除かれ,46 例
(0.8%)に減少した.撮影方向別の比較では,減少率に有意差
.腫瘤所見:MMG 独立判定での要精検者数(率)は 73 例
(1.3%)であっ
は認めなかった(p=0.649)
(0.8%)
た.総合判定での要精検者数
(率)は,US で良性病変が描出された 29 例が除かれ,44 例
に減少した.撮影方向別の比較では,一方向より二方向撮影の方が要精検者数が大きく減少した
.
(p=0.029)
結論:総合判定は,乳腺の重なりか腫瘤かの判定,良性病変の拾い上げ防止に有用であり,要精検
率の低下につながった.
キーワード 総合判定,マンモグラフィ,併用検診
はじめに
US)併用検診において,特異度を上昇させる方法
73 例を対象とした.撮影方法は 40 歳代のみを内外
斜位方向
(mediolateral oblique:以下,MLO)
,頭
尾方向
(craniocaudal:以下,CC)
の二方向撮影とし,
その他の年代は MLO,一方向撮影とした.
として総合判定が推奨されている 1).今回,我々
今回の研究においては,個人を特定できないよ
マンモグラフィ
(Mammography:以下,MMG)
・
乳房超音波
(Ultrasonographic Examination:以下,
2)
は総合判定基準 において US 所見が優先とされ
て い る,MMG 上 の 局 所 的 非 対 称 性 陰 影(focal
asymmetric density:以下,FAD)所見および腫
瘤所見に注目し、 当施設での総合判定の現状につ
いて検討した .
う配慮した.
方
法
当施設では,併用検診の場合,まず MMG 検査
を行い撮影技師による読影を行う.ここでカテゴ
対 象
2013 年 1 月 か ら 2014 年 6 月 ま で に MMG・US
併用検診を受診した延べ 5,519 名のうち,MMG
独立判定で FAD を呈した 81 例と,腫瘤を呈した
リー3 以上の所見があった場合は,US 技師に部
位,大きさ,乳頭からの距離等の情報を伝達する.
次に US 検査,最後に視触診を行う.読影は,1
次読影では日本乳がん検診精度管理中央機構の読
影認定医師
(AS 取得)
1 名と MMG および US 技師
連絡先:〒 810-0004 福岡県福岡市中央区渡辺通 2-6-12-4F
1)特定医療法人財団博愛会 人間ドックセンターウェルネス
2)特定医療法人財団博愛会 ウェルネス天神クリニック乳がん診断センター
Tel:092-406-5323 Fax:092-406-5313
3)特定医療法人財団博愛会 博愛会病院
(筆頭著者現所属:ふかみ乳腺クリニック)
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
41 ( 445 )
複数名とで読影を行い,2 次読影では読影認定医
,発見がん数 24 例
(がん発見率
検受診率 86.1%)
師2名
(A 取得 1 名,B-1 取得 1 名)のうち 1 名によ
0.43%),陽性反応的中度 5.74% であった.
FAD 所見
MMG 独 立 判 定 で 81 例 あ っ た FAD 所 見 に 対
(56.8%)が要精査となり,
し,総合判定では 46 例
35 例(43.2%)が精査不要となった.精査不要と
された所見の内訳は US で正常乳腺と判定できた
(28.4%)
,MMG と同部位に US で良
所見が 23 例
性病変と判定された所見が 12 例
(14.8%)であっ
た
(図 2)
.要精検率を比較したところ,独立判定
では 1.5% であったのに対し,総合判定では 0.8%
に減少した
(図 3)
.撮影方向別の比較では,一方
る読影を行う.なお,MMG 技師は日本乳がん検
診精度管理中央機構の撮影技術認定技師,US 技
師は日本超音波医学会の超音波検査士(体表)
資格
取得技師で行っている.判定はマンモグラフィガ
イドライン 3),超音波ガイドライン 4)に従い個別
に判定し,最終的に総合判定によるカテゴリー判
定を行う
(図 1).
MMG 装置は AMULET FDR MS-1000(富士フィ
ルムメディカル,東京)
,読影は 5M ピクセル 2 面
(EIZO,石川)
,マンモグラフィ
構成モニタ GS5200
専用ビューワ FS-V673
(富士フィルムメディカル,
東京)
を使用した.US 装置は Aplio XG SSA-790A
(東芝メディカルシステムズ,栃木)
,探触子 PLT1204BT お よ び Aplio 400(TUS-A400), 探 触 子
PLT-704SBT を使用した.
FAD 所見,腫瘤所見について,精査不要と要
精査の割合,要精検率,撮影方向別に,MMG 独
立判定と総合判定との比較を行った.なお,統計
学的解析にはχ 2 検定
(Fisher の直接法)を用いた.
結 果
MMG・US 併用検診を受診した延べ 5,519 名
における総合判定での検診成績は,要精検者数
418 名( 要 精 検 率 7.6%), 精 検 受 診 者 360 名( 精
向,二方向撮影ともに減少したが,減少率に有意
差は認めず,撮影方向に一定の傾向を認めなかっ
た
(p=0.649)
(図 4)
.
腫瘤所見
MMG 独立判定で 73 例あった腫瘤所見に対し,
総合判定では 44 例
(60.3%)が要精査となり,29
例
(39.7%)が精査不要となった.そのすべてが
MMG と同部位に US で良性病変と判定された(図
5).要精検率を比較したところ,独立判定では
1.3% であったのに対し,総合判定では 0.8% に
減少した
(図 6)
.撮影方向別の比較では,一方向
より,二方向撮影の方が,要精検者数が大きく減
少した
(p=0.029)
(図 7)
.
なお,今回,精査不要と判定した所見は,1 年
図 1 当施設の検査から読影の流れ
42 ( 446 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
図 2 FAD:精査不要と要精査の割合
図 3 FAD:独立判定と総合判定の要精検率
図 4 FAD:撮影方向別,独立判定と総合判定の要精検者数変化
図 5 腫瘤:精査不要と要精査の割合
図 6 腫瘤:独立判定と総合判定の要精検率
図 7 腫瘤:撮影方向別,独立判定と総合判定の要精検者数変化
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
43 ( 447 )
から 1 年半後の検診にて,同部位に悪性所見は認
められていない.
が確認できたため,総合判定で精査不要となった
(図 9)
.
症例 3:MMG で FAD カテゴリー3 →総合判定で
以下,症例を供覧する.
症例 1:MMG で FAD カテゴリー3 →総合判定で
精査不要
MMG では,左 U,O 領域にカテゴリー3 の FAD
所見がみられた.一方,US では左 C 領域 1 時方向
に脂肪のなかに孤立乳腺が確認でき,総合判定で
カテゴリー1 の正常乳腺と判定され,精査不要と
なった(図 8)
.
症例 2:MMG で腫瘤カテゴリー3 →総合判定で精
査不要
MMG では,左 L,I 領域に境界明瞭平滑な腫瘤
があり,カテゴリー3 と判定された.US で左 B 領
域の 8 時方向に MMG 所見と一致して cystic mass
FAD カテゴリー3
MMG では,左 M,I 領域に FAD 所見がみられ
たが,US で FAD に一致する所見の確定ができ
ず,要精査と判定した.精査 MMG で spot 撮影
を施行,正常乳腺と判定され,また精査 US でも
MMG 所見と同部位に脂肪に囲まれた乳腺組織が
確認され,精査結果は異常なしであった
(図 10)
.
考
察
こ れ ま で, 当 関 連 施 設 の 検 診 成 績 と し て
MMG・US 併用検診の要精検率,その有効性につ
いては報告してきた 5-10).しかし,併用検診での
図 8 症例 1:MMG で FAD カテゴリー3 →総合判定で精査不要
MMG:左 U,O 領域に FAD 所見,カテゴリー3.US:左C領域 1 時方向に脂肪のなかに孤立乳腺が確認.総合判定:カテゴリー
1 の正常乳腺と判定され,精査不要となった.
44 ( 448 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
独立判定では,感度は上昇させるが特異度を低下
させることが危惧されている
11)
なかった.二方向撮影でも MLO,CC のどちら
.一方,総合判定
か一方でしか認められなかった所見も含まれてい
により MMG 上の腫瘤所見,FAD 所見に含まれる
たためと考えられる.FAD は,
「非対称性の陰影
良性病変,孤立乳腺や乳腺の肥厚などの正常乳腺
として認められるが,真の腫瘤としての境界や濃
2)
を精査不要にできることが利点とされている .
度をもたない陰影」と定義されている 3).精査不
板らは独立判定と総合判定の比較において,要精
要所見には,US にて良性病変として認識できた
検率は 8.9% から 8.0% へ減少したと報告し
12)
,鈴
木らは 8.3% から 5.7% へと減少したと報告して
13)
所見に加え,正常乳腺と判定され精査不要となっ
た所見も含まれた.
.そこで,今回,我々は FAD 所見と腫瘤
一方,腫瘤においては,二方向撮影で総合判定
所見に絞り,各所見ごとの要精検率の検討を行っ
の要精検者数は有意差を持って減少した.一方向
た.今回の検討結果では,総合判定により要精検
のみ所見が認められた場合は,位置情報が少なく
率は,FAD で 1.5% から 0.8% へと,腫瘤で 1.3%
US で MMG 上の所見部位を走査していない可能
から 0.8% へと,それぞれ 0.7%,0.5% 減少した.
性が高い.しかし,二方向で所見が認められた場
撮影方向別の比較において,FAD では減少率
合は,所見部位の特定がより正確になり,良性病
に有意差は認めず,撮影方向に一定の傾向を認め
変として認識できたためと考えられる.また,一
いる
図 9 症例 2:MMG で腫瘤カテゴリー3 →総合判定で精査不要
MMG:左L,I 領域に境界明瞭平滑な腫瘤所見,カテゴリー3.US:左B領域の 8 時方向に MMG 所見と一致して cystic
mass が確認.総合判定:精査不要となった.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
45 ( 449 )
図 10 症例 3:MMG で FAD カテゴリー3 →総合判定で FAD カテゴリー3
MMG:左 M,I 領域に FAD 所見,カテゴリー3.US:FAD に一致する所見の確定ができなかった.総合判定:要精査となっ
た.精査 MMG で spot 撮影を施行,正常乳腺と判定され,また精査 US でも MMG 所見と同部位に脂肪に囲まれた乳腺組
織が確認され,精査結果は異常なしであった.
方向撮影では,MMG と US で特定された腫瘤数
ると考えられ,今回提示した症例 3 がこれにあた
に差異を認めた場合,MMG と US との所見の一致
ると考えられる.
がより困難であったこともその理由と考えられる.
要精検率をさらに減少させるためには,MMG
要精査所見については,次の 3 つの理由が考え
上の所見の部位を US で特定し得るかが重要であ
られる.① US でも MMG と一致して要精査とす
る.特に MMG で所見が一方向でしか認識できな
べき所見があった,② US で病変として認識でき
い場合,所見の特定はより困難となる.宇佐美ら
なかった,②に関しては,併用検診を実施するこ
は,US 技師に対する MMG 読影試験でにおいて
とで,所見の部位を US 検査前に参照しているた
MLO 一方向の症例で,US 検査前に MMG を読影
め,検出精度を高めることが可能であるとの報告
し,あらかじめ領域を認識した上で検査を実施し
がある
11)
.しかしながら,病変が乳腺の辺縁に
たところ,存在診断では感度 87% と高い結果で
存在するまたは小さい場合や脂肪と等エコーを示
あったと報告している 15).よって検診の限られ
す病変,乳腺実質内の高エコー病変では US で病
た時間内でも検出可能と考える.US 技師は,日
変を認識しにくいとの報告もある
14)
.③ MMG 上
本超音波医学会が認定する技師資格を有するとと
の所見が正常乳腺であり,US で正常乳腺の証明
もに,MMG 読影力を高めるために日本乳がん検
が困難であったり,部位が特定できなかった.③
診精度管理中央機構 16)が開催する乳房超音波講
については,特に FAD において可能性が高くな
習会等を受講するなど積極的な参加が求められ,
46 ( 450 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
また MMG 技師も同様,所見の位置を正確に伝え
文
るために MMG 理解力の向上が求められる.
1) 大貫幸二,角田博子,東野英利子ほか:マンモグラフィ
と超音波検査の併用検診における総合判定基準- JABTS
乳癌検診研究班からの報告-.日乳癌検診会誌 2012;
21:273-279.
2) 日本乳癌検診学会総合判定委員会編:総合判定の実際.
MMG と US との併用検診では感度を確実に上
昇 さ せ, さ ら に MMG や US 単 独 よ り も 見 落 と
しの減少につながる.しかし要精査所見のうち,
MMG では所見が認められなかったものの,US
で要精査となった所見が 239 例あり,要精査率の
上昇につながった.239 例の精査機関での結果は,
未受診 33 例,良性病変 194 例,がん 7 例,異常な
し 5 例であった.US は MMG で検出できない小
さな浸潤がんをみつけることが可能である反面,
要精検率が高くなりやすいことは報告してきた通
りである 5-7).そのため,精査機関結果をフィー
ドバックし,検者間での知識の共有を強化してい
きたい.
併用検診における適切な総合判定は,乳腺の重
なりか腫瘤かの判定,良性病変の拾い上げを防ぐ
手段として有用であり,要精検率の上昇を抑え,
がん発見率を上昇させる可能性が示唆された.今
後は,要精査所見のうち,精査機関で異常なしと
判断された所見の見直し・検討を課題とし,さら
なる要精検率低下に努めていきたい.
結
語
総合判定を行うことで,不要な精査を減らすこ
とができた.併用検診の利点を生かし,MMG 病
変部位を推定して US を行うことで,さらなる要精
検率減少が可能であることが示唆された.
本 論 文 の 要 旨 は 第 56 回 日 本 人 間 ド ッ ク 学 会
(2015 年,横浜)で報告した.
献
マンモグラフィと超音波検査の総合判定マニュアル,篠
原出版新社,東京,2015,51-96.
3) 日本医学放射線学会 / 日本放射線技術学会編:マンモグ
ラム所見用語.マンモグラフィガイドライン 第 3 版増補
版,医学書院,東京,2015,39-74.
4) 日本乳腺甲状腺超音波医学会編:超音波検診における要
精査基準.乳房超音波診断ガイドライン 改訂第 3 版,南
江堂,東京,2014,111-123.
5) 長真由美,吉村理江,渡邉良二ほか:検診マンモグラフィ
非検出乳がんの検討.人間ドック 2013;28:29-34.
6) 川原奈津子,吉村理江,渡邉良二ほか:当施設における
非浸潤性乳管癌の超音波像の検討.人間ドック 2013;
28:500-506.
7) 山崎美樹,那須 繁,井上幹夫ほか:乳癌検診における
超音波検査とマンモグラフィの有用性 . 日乳癌検診会誌
2001;10:273-280.
8) 末田由紀子,那須 繁,山崎美樹ほか:40 歳代の検診発見
乳癌におけるマンモグラフィと超音波検査の検出率につ
いて . 健康医 2004;19:33-36.
9) 濱田郁代,那須 繁,吉村理江ほか:人間ドックにおける
マンモグラフィと超音波検査を併用した乳がん検診成績.
人間ドック 2006;21:32-36.
10)渡邉良二,那須 繁,那須良昭ほか:人間ドックからみた
理想的な乳がん検診.人間ドック 2010;24:1201-1206.
11)大岩幹直,遠藤登喜子,森田孝子ほか:マンモグラフィ
と超音波検査の総合判定において局所的非対称性陰影・
FAD をどう取り扱うか-特異度向上のために-.日乳癌
検診会誌 2015;24:293-303.
12)板佳奈子,角田博子,木下雅雄ほか:マンモグラフィ・
超音波同時併用検診における適切な精査基準の検討.乳
癌の臨 2010;25:649-656.
13)鈴木咲子,角田博子,川上美奈子ほか:乳がん検診にお
けるマンモグラフィ・超音波総合判定基準の有効性の検
討.日乳癌検診会誌 2013;22:115-122.
14)森久保寛,市村みゆき,阿部聡子:当施設における乳が
ん超音波検診システムの現状と将来.日乳癌検診会誌
2011;20:168-177.
15)宇佐美伸,大貫幸二:超音波検査技師に対するマンモグ
ラフィ読影試験-同時併用検診で感度は上昇するか.日
乳癌検診会誌 2011;20:161-167.
16)日 本 乳 が ん 検 診 精 度 管 理 中 央 機 構:http://www.qabcs.
or.jp/[2016. 1.4]
利益相反
(論文受付日:2016.1.20 論文採択日:2016.6.8)
利益相反はない.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
47 ( 451 )
The Usefulness of the Combined Criteria in the Focal Asymmetric Density
and Masses Observation
Chiharu Uto1), Rie Yoshimura1), Toshiharu Mori2), Yasuyoshi Fukami3), Yumi Nagano1), Erina Taniyama2),
Rie Takaki2), Michinori Tojo1), Toshihiko Hashimoto1), Shigeru Nasu1)
1)Specific Medical Treatment Corporate Foundation Group Hakuaikai Medical Checkup
Center Wellness
2) Specific Medical Treatment Corporate Foundation Group Hakuaikai Wellness Tenjin
Clinic Breast Cancer Diagnostic Center
3) Specific Medical Treatment Corporate Foundation Group Hakuaikai Hakuaikai Hospital
Abstract
Objective: In order to raise the accuracy of the combined use of mammography (MMG)
and breast ultrasonographic examinations (US), the standardization of the procedure
through a change from single criterion to combined criteria evaluation is underway. We
studied the current situation of combined criteria evaluation in our facility regarding focal
asymmetric density (FAD) in MMG and tumor solid mass findings in in order to clarify the
usefulness of combined criteria.
Methods: In a total of 5,519 subjects who underwent combined MMG and US examinations from January 2013 to June 2014, we conducted a comparison of single criterion MMG
and combined criteria evaluation using FAD findings and tumor mass findings.
Results: FAD findings: The number of subjects requiring further detailed examination
for MMG single criterion evaluation was 81 (1.5%). On the other hand, regarding those
requiring further detailed examinations on the basis of combined criteria evaluation, 35
subjects who were judged as not requiring further examination by US (findings in the same
location, category 2 benign lesions visualized in 12 subjects, normal mammary gland in 23
subjects) were eliminated, reducing the number requiring further detailed examination to
46 (0.8%). In a comparison by direction of imaging, there was no significant difference in
reduction rate (p=0.6485). Tumor mass findings: The rate for requiring further detailed examination for MMG single criterion evaluation was 73 subjects (1.3%). For combined criteria, the elimination of 29 subjects with benign lesions visualized in US reduced the number
requiring further examination to 44 (0.8%). In the comparison by direction of imaging,
there was a much greater reduction in those requiring further examination for 2-direction
imaging than 1-direction imaging (p=0.029).
Conclusion: Combined criteria evaluation enabled determination of whether a finding
was mammary gland overlap or a tumor mass and was useful in preventing the selection
of those with benign lesions for further examinations, thereby leading to a reduction in the
further detailed examination rate.
Keywords: combined criteria, mammography, combined screening
48 ( 452 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
原
著
人間ドック 31:453-461, 2016
ビデオ映像を用いた保健指導技術の客観的評価
武藤繁貴 1) 村本あき子 2) 加藤公則 3)
中村正和 4) 津下一代 2)
要 約
目的:保健指導場面のビデオ映像を用い,保健指導者の保健指導技術を客観的に評価する.また,
自己評価との相関を明らかにする.
方法:聖隷保健事業部および新潟県労働衛生医学協会の保健指導者 37 名が,模擬受診者に対し特定
保健指導を行い,これをビデオ撮影した.この映像をもとに外部評価者 3 名が,特定健診・保健指
導制度のしくみや実施方法,困難事例への対応,食事・身体活動・禁煙・節酒に関する 29 項目か
(1 が最も低く,
4 が最も高い)
らなる調査票を用いて保健指導技術を評価した.各項目は技術を 4 段階
にスコア化し,平均値を求めた.また,同調査票を用いて自己評価を行い,他者評価との相関を求
めた.
結果:他者評価で最も高スコアだった項目は「対象者のアセスメントがきる」で,平均値(標準偏差)
「何から改善するか対象者とともに考えることができる」の設問で
は 3.48(0.26)だった.次いで,
3.46(0.34)だった.自己評価で最も好スコアだったのは「目的とスケジュール」の項目で,次いで「食
行動目標と減量効果」だった.自己評価と他者評価の関連では,運動に関する項目で有意な相関が
認められた.
結論:
「対象者のアセスメントがきる」や「何から改善するか対象者とともに考えることができる」と
いった項目は,アセスメント技術やカウンセリング的要素を取り入れた技術やコーチングの手法に
関する技術であり,これらが比較的よく習得されていることが客観的に明らかとなった.
キーワード
保健指導技術,他者評価,ビデオ映像,自己評価
緒
言
平成 20 年度から特定健診・特定保健指導制度
が,保健指導技術以外のさまざまな交絡因子の影
が開始されたが,保健指導の効果を高めるために
接的に,また,詳細に評価することは容易ではな
は,保健指導の担い手である保健指導者の技術の
い.これに対し,保健指導場面を他者が評価する
向上が重要であり,標準的な健診・保健指導プロ
手法では,保健指導技術を直接的に,かつ,詳細
1)
グラムでは必要な保健指導技術が示されている .
響を受ける可能性があり 2,3),保健指導技術を直
に評価することが可能である.
このように保健指導技術の重要性や必要性は認識
これまで,保健指導技術を評価した研究は多く
されているが,その評価の実施は必ずしも容易で
あるが,その評価方法はほとんどが自己評価に基
はない.保健指導技術の評価方法として,アン
づくものであり 4-8),他者評価に基づくものは極
ケート等による自己評価,保健指導場面の他者評
めて少ない.メタボリックシンドロームに対する
価,保健指導前後のデータを比較するアウトカム
保健指導に関するものは,我々の知る限りで,小
評価などがあると思われる.自己評価は比較的簡
出らによる保健指導技術を自己および他者で評価
便に調査できるという利点がある一方で,客観性
した研究のみである 9).この研究は研修の効果を
に乏しいといった欠点がある.アウトカム評価は,
評価したものであり,保健指導技術を他者による
保健指導の効果を客観的に評価する指標ではある
絶対評価を行なった先行研究は見当たらない.ま
1)社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷健康診断センター
連絡先:〒 430-0906 静岡県浜松市中区住吉 2 丁目 35-8
2)あいち健康の森健康科学センター
Tel:053-475-1221 Fax:053-474-2505
3)新潟大学大学院 医歯学総合研究科
4)公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
49 ( 453 )
た,ビデオ映像をもとに保健指導技術を他者評価
経験者であり,未経験者は含まれていない.聖隷
したものは,萩本らによる禁煙支援技術を評価し
保健事業部では 34 名に対し研究協力依頼を行い,
た研究があるが,この研究は禁煙支援の技術に特
同意の得られた 27 名を対象者
(保健指導者)とし
化したものである
10)
.
た.新潟労働衛生医学協会では 10 名に対し協力
したがって,本研究は,保健指導技術を他者が
客観的に評価することを試みた.また,自己評価
も同時に行い,自己評価と他者評価の相関関係を
調査した.
方
依頼を行い,全員から同意を得た.したがって,
両機関計 37 名を研究対象として選定した.
倫理的配慮
本研究は,聖隷保健事業部倫理審査委員会の承
認を受け実施した.また,研究対象者には書面に
法
よる同意を得た.
研究デザイン
本研究は,ある一時点における保健指導者の保健
指導技術を自己と他者が評価する横断研究である.
対象者の選定
特定保健指導技術の評価
自己評価
保健指導技術の自己評価は,2015 年 8〜9 月の
保健指導技術の調査対象者は,聖隷保健事業部
期間に,保健指導者が
「保健指導の習得度に関す
(静岡県浜松市,静岡市)および新潟県労働衛生医
る調査票
(基礎編)
」4,11)を用いて評価した.本調査
学協会
(新潟県新潟市)に勤務する保健指導者とし
票は,津下らにより主に保健指導者向けの研修の
た.これらの保健指導者は,全員特定保健指導の
評価用として開発されたものであり
(表 1),特定
表 1 保健指導の習得度に関する調査票(文献 4 村本より引用)
1
2
3
4
5
6
7
8
保健指導の目的と支援スケジュールについて説明できる
(目的とスケジュール)
9
行動変容ステージが無関心期の人に対して,適切な対応ができる(例えば,目標設定まで至らなくても,食事や身体活動,喫煙・飲酒と生
活習慣病の関連について意識づけを行うなど)
(無関心期の対応)
行動変容ステージ,ライフスタイル等から対象者のアセスメントができる(対象者とアセスメント)
健診結果等から身体変化やリスク及び生活習慣との関連が説明できる(健診結果と生活習慣)
生活習慣について,対象者の生活状況や背景を踏まえて何から改善することが可能か対象者とともに考えることができる
(何から改善するか)
対象者の上位目標を把握し,健康観を尊重しつつ前向きな自己決定を促す支援ができる(前向きな自己決定)
グループダイナミクスを活かした集団的支援
(グループワーク等)ができる(集団的支援)
面談や電話,メール等を活用して継続的なフォローアップができる(継続的支援)
勤務形態や家庭・職場の環境などが生活習慣に影響していたり,家族や職場の協力が得られない対象者に対して,困難さを軽減させて自己
決定を促す支援ができる
(困難事例の自己決定)
10 2 年連続して特定保健指導の対象となった者に対して,指導の方法や内容を見直して支援できる(2 年連続の支援)
11 食事摂取基準,関連学会ガイドラインの食事療法について理解し,その根拠について説明できる(食事摂取基準)
12 食行動と食事量をアセスメントする方法の違いを理解し,保健指導の中で,適切な方法を用いることができる(食行動と食事量アセスメント)
13 代謝の調整とエネルギー・栄養素,食品との関連が説明できる(代謝調整とエネルギーの関連)
14 対象者の健康課題と生活習慣に合わせて,食生活の多様な取り組みの具体策を提案することができる(食生活取り組みの具体策)
15 設定した食行動の目標を実行すれば,どの程度の減量効果を期待できるか,エネルギー量に換算して示すことができる(食行動目標と減量効果)
16 運動生理学としての体力測定・評価等について説明できる(運動生理学)
17 身体活動・運動と生活習慣病の関連が説明できる(身体活動と生活習慣)
18 身体活動・運動の量についてアセスメントし,対象者に合った支援ができる(身体活動量アセスメント)
19 運動に関するリスクマネジメントができる(運動リスクマネジメント)
20 ロコモティブシンドロームに配慮した保健指導ができる(ロコモに配慮した保健指導)
21 運動習慣が継続するためのスポーツセンターや,禁煙外来等の社会資源を紹介できる(社会資源の紹介)
22 たばこと生活習慣病の関連が説明できる(たばこと生活習慣病)
23 「禁煙支援マニュアル(第二版)」に基づき,短時間支援(ABR 方式)ができる(ABR 方式)
24 「禁煙支援マニュアル(第二版)」に基づき,標準的支援(ABC 方式)ができる(ABC 方式)
25 職場や家庭等における受動喫煙防止等禁煙環境の改善について,相談に乗ることができる(禁煙環境の改善)
26 アルコールと生活習慣病の関連が説明できる(酒と生活習慣病)
27 問題飲酒のスクリーニングテスト(AUDIT)を使って,適正飲酒の支援(ブリーフインターベンション)ができる(AUDIT)
28 保健指導の評価から,保健指導方法の改善ができる(評価から保健指導方法を改善)
29 科学的根拠に基づき,対象者の理解に合わせた効果的な学習教材を選定でき,活用できる(学習教材の選定)
50 ( 454 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
健診・保健指導制度のしくみや実施方法,困難事
3(やや高い),4(高い)の 4 段階でスコア化する形
例への対応,食事・身体活動・禁煙・節酒に関す
式になっており 11),対象者が自記式で記入した.
る 29 問で構成されている.標準的な健診・保健
未回答は欠損値として除外処理した.この調査票
指導プログラムでは,保健指導者にアセスメント
の質問項目に加え,性別,年令,職種,経験年数
能力,カウンセリング的要素を取り入れた支援,
についての質問も行った.
コーチングの手法等を取り入れた支援などが必要
他者評価
1)
としているが ,本調査票はこれらの要素を取り
入れた内容になっている.アセスメント能力は,
保健指導技術の他者評価は,上述した自己評
価調査の直後に以下の方法で行った.評価項目
「対象者アセスメント」,「食行動と食事量アセス
は,自己評価で使用したものと同じ,
「保健指導
メント」,「身体活動量アセスメント」といった項
の習得度に関する調査票
(基礎編)
」に記載されて
目で評価できる.カウンセリング的要素やコーチ
いる項目とした.しかし,この調査票の項目のな
ング的要素は,「対象者の生活状況や背景を踏ま
かには,1 事例の個別指導では評価できない項目
えて何から改善することが可能か対象者とともに
が存在する.そのため,項目を幅広く網羅する
考えることができる(何から改善するか)」,
「対象
ために事例を 3 パターン用意した.なお,いずれ
者の健康観を尊重しつつ前向きな自己決定を促す
の事例でも評価できない
「集団的支援」
,
「運動生
(前向きな自己決定)」,「家庭・職場環境などによ
理学」
,
「ロコモに配慮した保健指導」
,
「評価か
る困難さを軽減させて自己決定を促す(困難事例
ら保健指導方法を改善」の 4 項目については,他
の自己決定)」
といった項目から評価することがで
者評価の対象から除外した.3 事例は以下の通り
きる.アセスメント能力とカウンセリング的要
設定した.はじめに,繰り返し特定保健指導の対
素やコーチング的要素を合わせて評価できる項
象となっている者への初回面接支援を
「事例 1」と
12)
目として,「「禁煙支援マニュアル
(第二版)
」 に
し,
「2 年連続の支援」の項目を網羅した.次に,
」
,
「禁
基づき,標準的支援ができる(ABC 方式)
「継続的支援」の項目を
中間支援を
「事例 2」とし,
煙支援マニュアル(第二版)に基づき,短時間支
網羅した.最後に,無関心期の対象者に対する初
12)
援ができる(ABR 方式)」 ,「適正飲酒の支援
(ブ
回面接を
「事例 3」とし,
「無関心期への対応」の項
リーフインターベンション)ができる(AUDIT:
目を網羅した.また,事例 2 は非喫煙者であるた
13)
The Alcohol Use Disorder Identification Test)」
がある.
「ABR 方式」は,問診票を用いて喫煙状
況を把握し「A
(Ask)」
,喫煙者全員を対象に禁煙
め,禁煙に関連する項目の評価から除外した.事
の重要性を高めるアドバイスと禁煙のための解決
あり,
「困難事例の自己決定」
の項目の評価から除
策の提案を行い「B
(Brief advice)」
,準備期(1ヵ月
外した.事例はいずれも実例をもとに設定し,聖
以内に禁煙しようと考えている)の喫煙者を対象
隷保健事業部の経験豊富な保健師 2 名と管理栄養
に,禁煙治療のための医療機関等の紹介を行う「R
士 1 名の計 3 名を模擬受診者役として選定した.
(Refer)
」ものである.
「ABC 方式」は,A
(Ask)と
この 3 名を,
「事例 1」
,
「事例 2」
,
「事例 3」に割り
例 3 は非飲酒者であるため,節酒に関連する項目
の評価から除外した.事例 2 は中間支援の事例で
B(Brief advice)の内容は,短時間支援と同様で,
C(Cessation support)では,初回の個別面接で,
振った.次に,保健指導者 37 名をこの 3 事例に
準備期の喫煙者を対象に,禁煙開始日の設定,禁
1 事例に対し 30 分から 1 時間程度の時間を要する
煙実行のための問題解決カウンセリング,禁煙治
うえ,多くの人数をこなす必要があり,全対象者
療のための医療機関等の紹介を行うものである.
を撮影するには数日を要する.また,対象者の勤
均等な数になるように割り付けた.ビデオ撮影は
「AUDIT」は,アルコール関連問題を短時間で簡
務地も広域である.このため,保健指導者,模擬
単に評価できるスクリーニングテストである.
受診者ともに撮影可能な日時が限られており,無
各設問項目の習得度を 1
(低い),2
(やや低い)
,
人間ドック
作為に割り付けすることが困難であった.模擬受
Vol.31 No.3 2016 年
51 ( 455 )
診者の割り付けは,はじめに,保健指導者が撮影
職種別
(保健師,看護師,管理栄養士)
に平均値
(標
可能な日時を設定し,次いで模擬受診者 3 名のう
準偏差)を求め,前者は Student の t 検定を,後者
ち撮影可能な者から選定したが,できるだけ 3 事
は一元配置分散分析を行った.一元配置分散分析
例が均等な数になるよう割り付けした.これに加
で 3 群に有意差が認められた場合,その後の検定
え,保健指導者の経験年数が 1 事例に偏らないよ
として Bonferroni の多重比較を行った.さらに,
うできるだけ調整を行った.なお,この割り付け
他者評価で平均値 3.0 以上を比較的よく習得でき
は,保健指導者や模擬受診者には知らせず,研究
ている項目としたとき,この割合を求め,職種間
者が行った.模擬受診者役には,模擬受診者の年
で比較した.
令,食習慣,運動習慣,職業,家族構成,喫煙や
保健指導技術の自己評価と他者評価との相関を
飲酒状況等の受診者情報に忠実に基づき,受診者
求めるため,項目ごとの自己評価スコアと他者評
役に徹するよう指示した.また,保健指導技術を
価スコアの平均値から Pearson の相関係数を求め
できるだけ引き出すため,改善意欲が低いことや
た.相関係数の有意水準を 0.05 とした.
改善意欲はあるがさまざまな環境要因のために実
行できないことを表情や会話で表現するよう指示
した.
保健指導場面のビデオ撮影にあたり,保健指導
者に対し,通常の特定保健指導の際に必要な特定
統計解析は IBM SPSS Ver.20
(日本 IBM,東京)
を用いた.
結
果
本 研 究 の 対 象 で あ る 保 健 指 導 者 37 名 は 全 員
健診時のデータ等の情報を事前に与えた.また,
女 性 だ っ た.37 名 の 内 訳 は, 年 代 は,20 代 7
割り付けられた模擬受診者に対し,普段通りの保
名( 1 8 . 9 % ), 3 0 代 1 3 名( 3 5 . 1 % ), 4 0 代 1 4 名
健指導を実施するよう指示した.保健指導者は,
(37.8%)
,50 代 3 名
(8.1%)であり,職種は,保
それぞれ割り付けられた模擬受診者に対し保健指
健 師 18 名
(48,6%)
,看護師4名
(10.8%), 管 理
導を行い,この場面をビデオ撮影した.ビデオ撮
(40.5%)だった.保健指導の経験年
栄養士 15 名
影に際しては,保健指導に影響しないようビデオ
数が 5 年未満の者は 10 名
(27.0%)で,このうち 2
設置場所の距離や角度に配慮した.
年未満の経験の浅い保健指導者は 2 名で,全体の
保健指導の他者評価は,保健指導者と面識のな
名)が,「保健指導の習得度に関する調査票(基礎
5.4% だった.一方,経験年数が 5 年以上の者は
27 名(73.0%)だった.全体の平均経験年数は 9.95
± 8.04 年だった.
編)
」の項目ごとに,自己評価と同様に,各設問項
保健指導技術の自己評価では,
「目的とスケ
目の習得度を 1
( 低い),2
( やや低い),3
( やや高
ジュール」
のスコアが最も高く,次いで
「食行動目
い),4
( 高い)の 4 段階で評価しスコアをつけた.
標と減量効果」が高かった.一方,
「AUDIT」のス
評価にあたり,評価基準を明確化するため事前に
コアは最も低く,次いで
「運動生理学」
,
「ABC 方
評価チェックリストを作成した.調査票の項目の
式」
,
「ABR 方式」
の順に低かった
(表 2)
.
い外部評価者 3 名(医師,保健師,管理栄養士各 1
うち,3 事例のいずれにおいても評価できない 4
ビデオ映像に基づく外部評価者 3 名の項目ごと
つの設問項目を評価対象から除外した.
のスコアの平均値を示す
(表 3)
.最もスコアの高
統計解析
かった項目は,
「対象者のアセスメントができる」
保健指導技術の自己評価として,調査票から得
られた各設問の平均値(標準偏差)を求めた.
の設問で,平均値
(標準偏差)は 3.48(0.26)だっ
た.次いで
「何から改善するか対象者とともに考
保健指導技術の他者評価として,ビデオ映像を
えることができる」
の設問で,3.46(0.34)
だった.
もとに得られた保健指導技術に関する各設問の評
このほか平均値が 3.0 以上だったのは,
「食生活
価者 3 名のスコアの平均値(標準偏差)を求めた.
取り組みの具体策」
,
「目的とスケジュール」
,
「健
,
また,保健指導の経験年数別(5 年以上,5 年未満)
診結果と生活習慣」
,
「継続的支援」
,
「2 年連続の
52 ( 456 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
表 2 保健指導技術の自己評価スコア平均値(全体,経験年数別,職種別)
設問
平均値
n
保健指導経験
5 年以上
保健指導経験
5 年未満
全体
内容
SD
n
平均値
SD
n
平均値
保健師
p*
SD
n
平均値
看護師
SD
n
平均値
管理栄養士
SD
n
平均値
p**
post-hoc***
SD
1 目的とスケジュール
37
3.27 0.61
10
3.00 0.47
27
3.37 0.63 0.100
18
3.00 0.59
4
3.50 0.58
15
3.53 0.52 0.026
2 対象者アセスメント
37
2.87 0.63
10
2.30 0.48
27
3.07 0.55 0.000
18
2.50 0.62
4
3.25 0.50
15
3.20 0.41 0.001 保・看,保・栄
3 健診結果と生活習慣
37
2.97 0.64
10
2.40 0.52
27
3.16 0.56 0.000
18
2.61 0.61
4
3.50 0.58
15
3.27 0.46 0.001 保・看,保・栄
4 何から改善するか
37
2.94 0.66
10
2.50 0.71
27
3.11 0.58 0.011
18
2.67 0.69
4
3.25 0.50
15
3.20 0.56 0.040
5 前向きな自己決定
37
2.84 0.73
10
2.30 0.48
27
3.03 0.71 0.005
18
2.39 0.70
4
3.25 0.50
15
3.27 0.46 0.000 保・看,保・栄
6 集団的支援
37
2.11 0.81
10
1.60 0.70
27
2.30 0.78 0.018
18
1.89 0.83
4
2.75 0.50
15
2.20 0.77 0.133
7 継続的支援
37
2.70 0.85
10
1.90 0.88
27
3.00 0.62 0.000
18
2.28 0.96
4
3.00 0.00
15
3.13 0.52 0.008
8 困難事例の自己決定
37
2.43 0.60
10
2.00 0.47
27
2.59 0.57 0.006
18
2.28 0.57
4
3.00 0.82
15
2.47 0.52 0.089
保・栄
保・栄
9 無関心期への対応
37
2.54 0.65
10
2.30 0.67
27
2.63 0.63 0.174
18
2.39 0.70
4
3.25 0.50
15
2.53 0.52 0.052
10 2 年連続の支援
37
2.54 0.69
10
2.10 0.57
27
2.70 0.67 0.016
18
2.28 0.67
4
3.00 0.00
15
2.73 0.70 0.058
11 食事摂取基準
37
2.35 0.72
10
1.90 0.74
27
2.52 0.64 0.017
18
2.00 0.69
4
2.50 0.58
15
2.73 0.59 0.009
保・栄
12 食行動と食事量アセスメント
37
2.57 0.65
10
2.30 0.67
27
2.67 0.62 0.128
18
2.28 0.67
4
2.50 0.58
15
2.93 0.46 0.011
保・栄
13 代謝調整とエネルギーの関連
37
2.41 0.87
10
1.80 0.92
27
2.63 0.74 0.008
18
1.94 0.87
4
2.25 0.50
15
3.00 0.53 0.001
保・栄
14 食生活取り組みの具体策
37
2.84 0.65
10
2.60 0.70
27
2.93 0.62 0.176
18
2.56 0.78
4
3.00 0.00
15
3.13 0.35 0.028
保・栄
15 食行動目標と減量効果
37
3.11 0.57
10
2.80 0.42
27
3.22 0.58 0.042
18
2.89 0.47
4
3.25 0.50
15
3.33 0.62 0.066
16 運動生理学
37
1.73 0.65
10
1.40 0.52
27
1.85 0.66 0.060
18
1.78 0.73
4
2.00 0.00
15
1.60 0.63 0.515
17 身体活動と生活習慣
37
2.51 0.69
10
2.20 0.63
27
2.63 0.69 0.094
18
2.39 0.78
4
3.00 0.00
15
2.53 0.64 0.284
18 身体活動量アセスメント
37
2.32 0.67
10
2.10 0.74
27
2.41 0.64 0.219
18
2.22 0.73
4
2.50 0.58
15
2.40 0.63 0.654
19 運動リスクマネジメント
37
2.27 0.73
10
1.80 0.63
27
2.44 0.70 0.015
18
2.17 0.86
4
2.75 0.50
15
2.27 0.59 0.364
20 ロコモに配慮した保健指導
36
2.31 0.75
10
2.00 0.82
26
2.42 0.70 0.131
18
2.22 0.81
4
2.50 0.58
14
2.36 0.74 0.767
21 社会資源の紹介
37
2.57 0.80
10
2.30 0.95
27
2.67 0.73 0.221
18
2.56 0.70
4
3.50 0.58
15
2.33 0.82 0.030
看・栄
22 たばこと生活習慣
37
2.73 0.69
10
2.60 0.52
27
2.78 0.75 0.496
18
2.83 0.51
4
3.50 0.58
15
2.40 0.74 0.009
看・栄
23 ABR 方式
37
1.95 0.85
10
1.70 0.82
27
2.04 0.85 0.289
18
2.06 0.87
4
3.00 0.82
15
1.53 0.52 0.004
看・栄
24 ABC 方式
37
1.84 0.90
10
1.50 0.85
27
1.96 0.90 0.167
18
1.94 0.94
4
3.00 0.82
15
1.40 0.51 0.003
看・栄
25 禁煙環境の改善
36
2.03 0.91
10
1.60 0.84
26
2.19 0.90 0.080
18
2.11 0.83
4
3.25 0.50
14
1.57 0.76 0.002 保・看,看・栄
26 酒と生活習慣
37
2.87 0.59
10
2.50 0.53
27
3.00 0.55 0.019
18
2.67 0.59
4
3.25 0.50
15
3.00 0.53 0.068
27 AUDIT
36
1.47 0.54
10
1.30 0.78
26
1.54 0.71 0.334
18
1.44 0.62
4
2.00 0.82
14
1.36 0.63 0.220
28 評価から保健指導方法を改善
37
2.46 0.61
10
2.20 0.42
27
2.56 0.64 0.114
18
2.39 0.61
4
2.75 0.50
15
2.47 0.64 0.571
29 学習教材の選定
36
2.26 0.61
10
2.20 0.63
26
2.69 0.55 0.027
18
2.44 0.62
4
3.00 0.00
14
2.57 0.64 0.258
* t検定,** 一元配置分散分析,***Bonferroni の多重比較
保・看
保:保健師,看:看護師,栄:管理栄養士
表 3 保健指導技術の他者評価スコアの平均値(全体,経験年数別,職種別)
設問
n
平均値
保健指導経験
5 年以上
保健指導経験
5 年未満
全体
内容
SD
n
平均値
SD
n
平均値
保健師
p*
SD
n
平均値
看護師
SD
n
平均値
管理栄養士
SD
n
平均値
p**
SD
1 目的とスケジュール
37
3.26 0.43
10
3.10 0.35
27
3.32 0.45
0.170
18
3.30 0.38
4
3.33 0.61
15
3.20 0.47
0.776
2 対象者アセスメント
37
3.48 0.26
10
3.37 0.19
27
3.53 0.26
0.083
18
3.46 0.23
4
3.67 0.27
15
2.47 0.28
0.338
3 健診結果と生活習慣
37
3.19 0.51
10
2.97 0.53
27
3.27 0.49
0.109
18
3.24 0.44
4
3.08 0.83
15
3.16 0.53
0.820
4 何から改善するか
37
3.46 0.34
10
3.53 0.23
27
3.43 0.37
0.424
18
3.52 0.31
4
3.33 0.54
15
3.42 0.32
0.535
5 前向きな自己決定
37
2.89 0.49
10
2.93 3.06
27
2.88 0.55
0.760
18
2.93 0.37
4
2.92 0.83
15
2.84 0.55
0.894
7 継続的支援
14
3.10 0.44
5
3.00 0.33
9
3.15 0.50
0.569
8
3.21 0.40
1
2.67
5
3.00 0.53
0.464
8 困難事例の自己決定
23
3.09 0.59
5
3.00 0.47
18
3.11 0.63
0.718
10
3.13 0.48
3
3.00 0.88
9 無関心期への対応
12
2.94 0.45
3
2.89 0.19
9
2.97 0.51
0.816
6
3.00 0.21
0
10 2 年連続の支援
11
3.06 0.51
2
2.83 0.24
9
3.11 0.55
0.517
4
2.83 0.69
3
11 食事摂取基準
37
2.92 0.54
10
2.73 0.34
27
2.99 0.58
0.204
18
2.78 0.56
4
12 食行動と食事量アセスメント
37
3.00 0.46
10
2.93 0.38
27
3.02 0.49
0.597
18
2.96 0.53
13 代謝調整とエネルギーの関連
37
3.09 0.51
10
2.93 0.38
27
3.15 0.54
0.258
18
14 食生活取り組みの具体策
37
3.27 0.48
10
3.33 3.84
27
3.25 0.51
0.631
18
15 食行動目標と減量効果
37
2.81 0.65
10
2.77 0.63
27
2.83 0.66
0.804
17 身体活動と生活習慣
37
2.41 0.73
10
2.23 0.63
27
2.47 0.76
18 身体活動量アセスメント
37
2.78 0.71
10
2.70 0.85
27
19 運動リスクマネジメント
37
1.33 0.52
10
1.17 0.24
21 社会資源の紹介
37
1.20 0.39
10
1.10 0.32
22 たばこと生活習慣
23
2.06 0.86
5
23 ABR 方式
23
2.10 0.61
24 ABC 方式
23
1.82 0.45
25 禁煙環境の改善
23
26 酒と生活習慣
25
27 AUDIT
29 学習教材の選定
-
10
3.07 0.66
0.938
6
2.89 0.62
0.687
3.00 0.33
4
3.33 0.38
0.418
2.92 0.57
15
3.09 0.48
0.257
4
3.00 0.54
15
3.04 0.35
0.885
3.06 0.47
4
3.25 0.88
15
3.09 0.46
0.795
3.24 0.55
4
3.25 0.68
15
3.31 0.34
0.916
18
2.80 0.56
4
2.83 1.04
15
2.82 0.68
0.991
0.390
18
2.46 0.70
4
1.75 0.57
15
2.51 0.75
0.162
2.81 0.66
0.668
18
2.81 0.74
4
2.08 0.50
15
2.93 0.63
0.097
27
1.40 0.58
0.242
18
1.39 0.54
4
1.00 0.00
15
1.36 0.56
0.404
27
1.23 0.41
0.357
18
1.26 0.45
4
1.08 0.17
15
1.16 0.35
0.627
1.40 0.43
18
2.24 0.87
0.051
10
1.77 0.70
3
2.89 1.17
10
2.10 0.83
0.138
5
1.73 0.37
18
2.20 0.63
0.128
10
1.93 0.47
3
2.67 0.88
10
2.10 0.61
0.189
5
1.53 0.30
18
1.90 0.45
0.099
10
1.70 0.40
3
2.22 0.69
10
1.83 0.39
0.214
1.26 0.35
5
1.00 0.00
18
1.33 0.36
0.056
10
1.20 0.36
3
1.44 0.38
10
1.27 0.34
0.586
2.23 0.83
7
2.19 0.79
18
2.24 0.86
0.895
12
2.31 0.54
4
2.08 1.13
9
2.19 1.07
0.890
25
1.20 0.32
7
1.29 0.36
18
1.17 0.31
0.414
12
1.25 0.32
4
1.00 0.00
9
1.22 0.37
0.402
37
3.17 0.49
10
3.00 0.59
27
3.23 0.45
0.199
18
3.17 0.54
4
2.92 0.74
15
3.24 0.34
0.503
-
-
* t検定,** 一元配置分散分析,-:対象者が 0 もしくは 1 名で算出不能
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
53 ( 457 )
表 4 職種別
設
問
1
2
3
4
5
7
8
9
10
11
12
13
14
15
17
18
19
21
22
23
24
25
26
27
29
他者評価スコア平均値が 3.0 の者の割合(%)
内容
目的とスケジュール
対象者アセスメント
健診結果と生活習慣
何から改善するか
前向きな自己決定
継続的支援
困難事例の自己決定
無関心期への対応
2 年連続の支援
食事摂取基準
食行動と食事量アセスメント
代謝調整とエネルギーの関連
食生活取り組みの具体策
食行動目標と減量効果
身体活動と生活習慣
身体活動量アセスメント
運動リスクマネジメント
社会資源の紹介
たばこと生活習慣
ABR 方式
ABC 方式
禁煙環境の改善
酒と生活習慣
AUDIT
学習教材の選定
保健師
n(全体)
16(18)
18(18)
15(18)
18(18)
10(18)
6( 8)
8(10)
5( 6)
2( 4)
9(18)
14(18)
13(18)
15(18)
11(18)
4(18)
11(18)
1(18)
18(18)
0(10)
0(10)
0(10)
10(10)
2(12)
12(12)
14(18)
看護師
n(全体)
3(4)
4(4)
3(4)
3(4)
2(4)
0(1)
1(3)
2(3)
2(4)
3(4)
2(4)
2(4)
2(4)
0(4)
0(4)
0(4)
4(4)
2(3)
2(3)
1(3)
3(3)
1(4)
4(4)
1(4)
%
88.9
100.0
83.3
100.0
55.6
75.0
80.0
83.3
50.0
50.0
77.8
72.2
83.3
61.1
22.2
61.1
5.6
100.0
0.0
0.0
0.0
100.0
16.7
100.0
77.8
管理栄養士
n(全体)
12(15)
15(15)
11(15)
15(15)
7(15)
3( 5)
7(10)
3( 6)
4( 4)
11(15)
12(15)
12(15)
14(15)
6(15)
5(15)
11(15)
0( 5)
15(15)
1(10)
1(10)
0(10)
10(10)
2( 9)
9( 9)
13(15)
%
75.0
100.0
75.0
75.0
50.0
0.0
33.3
66.7
50.0
75.0
50.0
50.0
50.0
0.0
0.0
0.0
100.0
66.7
66.7
33.3
100.0
25.0
100.0
25.0
n(全体):各設問の職種別評価対象者全体数(全体)と他者評価平均値が 3.0 以上の者の数(n)
検定:設問 9 のみ Fisher の正確な検定,その他はすべてχ 2 検定
支援」,
「代謝調整とエネルギーの関連」,
「たばこ
設問
番号
己決定」,「食行動と食事量アセスメント」の項目
1
2
3
4
5
7
8
9
10
11
12
13
14
15
17
18
19
21
22
23
24
25
26
27
29
会資源の紹介」,
「AUDIT」,
「禁煙環境の改善」,
「運
動リスクマネジメント」であった.
保健指導経験 5 年未満,5 年以上でみると,自
己評価では,多くの項目で 5 年以上の者の方が 5
年未満の者と比べて有意に高かった(表 2).一方,
他者評価では,いずれの項目も両者に有意な差を
認めなかった(表 3).
職種別でみると,自己評価では,管理栄養士
がその他の職種と比べて高い項目が多かった
(表
2).また,喫煙,飲酒,運動に関する項目は,
看護師がその他の職種と比べて高かった.他者評
価の平均値の比較では,いずれの項目も職種間で
有意な差を認めなかった
(表 3).しかしながら,
他者評価の平均値 3.0 以上の割合を職種間で比較
すると,「何から改善するか」,「身体活動量アセ
スメント」,「学習教材の選定」といった項目で,
54 ( 458 )
人間ドック
p値
0.694
0.774
0.014
0.877
0.326
0.305
0.273
0.273
0.365
0.976
0.484
0.112
0.481
0.370
0.029
0.581
0.010
0.010
0.031
0.917
0.037
-:対象者なしもしくは算出不能
表 5 自己評価スコアと他者評価スコアの相関係数
と生活習慣」,
「学習教材の選定」,「困難事例の自
だった.
一方,客観的評価値の低かった項目は,
「社
%
80.0
100.0
73.3
100.0
46.7
60.0
70.0
50.0
100.0
73.3
80.0
80.0
93.3
40.0
33.3
73.3
0.0
100.0
10.0
10.0
0.0
100.0
22.2
100.0
86.7
内容
目的とスケジュール
対象者アセスメント
健診結果と生活習慣
何から改善するか
前向きな自己決定
継続的支援
困難事例の自己決定
無関心期への対応
2 年連続の支援
食事摂取基準
食行動と食事量アセスメント
代謝調整とエネルギーの関連
食生活取り組みの具体策
食行動目標と減量効果
身体活動と生活習慣
身体活動量アセスメント
運動リスクマネジメント
社会資源の紹介
たばこと生活習慣
ABR 方式
ABC 方式
禁煙環境の改善
酒と生活習慣
AUDIT
学習教材の選定
r:Pearson の相関係数
Vol.31 No.3 2016 年
n
r
p
37
37
37
37
37
14
23
12
11
37
37
37
37
37
37
37
37
37
23
23
23
23
25
24
37
-0.312
0.189
-0.012
-0.093
-0.025
-0.108
-0.027
-0.220
0.215
0.197
0.156
0.168
0.176
0.032
0.420
0.406
0.340
0.105
0.065
0.183
0.227
0.241
-0.048
-0.060
0.127
0.060
0.262
0.943
0.585
0.885
0.714
0.904
0.491
0.525
0.242
0.356
0.321
0.297
0.850
0.010
0.013
0.040
0.538
0.769
0.402
0.297
0.268
0.819
0.782
0.461
保健師,管理栄養士の割合が高かった(表 4)
.一
あった.これらは,通常の特定保健指導の場面に
方,「たばこと生活習慣」,「ABR 方式」,「ABC 方
おいては指導時間が短くなりがちな項目であり,
式」では,看護師の割合が高かった.
今回の他者評価においても過小評価されている可
自己評価と他者評価の相関の解析では,
「身体
能性はあるものの,自己評価でも同様に低くなっ
活動と生活習慣」で相関係数が 0.420(p=0.010)
ていることから妥当な結果であると考えた.
飲酒,
と有意な相関を認め,同様に,「身体活動量アセ
喫煙,運動といった問題に対応する保健指導技術
スメント」が 0.406(p=0.013),
「運動リスクマネ
を高めることが今後望まれる.
ジメント」が 0.340(p=0.040)と有意な相関を認
経験年数による比較では,
自己評価に関しては,
めた.そのほかの項目では,有意な相関関係は認
多くの項目で 5 年以上の者の方が 5 年未満の者と
められなかった(表 5).
比べて評価が高く,先行研究と同様の傾向であっ
考
た 4).一方,他者評価ではいずれの項目でも有意
察
な差はみられず,自己評価と他者評価で結果の乖
本研究は,我々の知る限り,保健指導技術をビ
離がみられている.経験を積み重ねたことによる
デオ映像をもとに他者が客観的に評価した本邦初
自信が自己評価として現れていると思われるが,
の研究である.本研究の結果,「対象者のアセス
他者の評価では各設問項目の内容が
「できている,
メントがきる」,「何から改善するか対象者ととも
できていない」で評価するため,自信までは評価
に考えることができる」といった項目で客観的評
できず,このため乖離が現れているのではないか
価が高いことが明らかとなった.また,自己評価
と思われる.
と他者評価との間に,運動に関する複数の項目で
職種間による自己評価の違いを調査した先行
有意な相関が認められた.今回,自己評価と他者
研 究 が い く つ か あ る が 4,8,14). 村 本 ら は, 本 研
評価の結果を示したが,これらの結果は保健指導
究と同じ調査票を用いて医師,保健師,管理栄
技術を評価する際のベンチマークとしての利用価
養士の 3 職種間の自己評価の比較を行っている 4).
値もあると思われる.自己評価だけでなく,ビデ
この研究では,3 職種のうち保健師と管理栄養士
オ映像等を用いて他者が評価することで,より客
の比較で,栄養に関する項目で管理栄養士の習得
観性のある保健指導技術の評価が可能になると思
度が高いことを示しているが,本研究でも同様の
われる.
傾向がみられている.各職種には専門性があるた
特定保健指導を行うにはカウンセリング技術,
め,項目により職種間に差が生じるのは当然のこ
アセスメント技術,コーチング技術,ティーチン
とと思われる.本研究では,他者評価における平
グ技術,自己効力感を高める技術,グループワー
均値の比較で職種間に差はみられなかったが,こ
1)
クを支援する技術などが必要とされている .本
れは経験年数で述べたように,他者評価は各項目
研究では,
「対象者のアセスメント」
,「何から改
を
「できている,できていない」
で評価するため差
善するか対象者とともに考えることができる」と
が生じにくかったためと思われる.他者評価の平
いった項目で他者評価が高くなったが,これらの
均値が 3.0 以上であった者の割合で比較すると,
技術は保健指導の中核を成す技術であり,今回の
いくつかの項目で職種間に差がみられている.保
結果からこれらの技術がよく習得されていること
健師,管理栄養士で割合が高かった項目は,
「何
が客観性を持って証明された.同様に,他者評価
から改善するか」
「身体活動量アセスメント」
,
「学
,
が高かった項目は,総じてこれらの中核的技術に
習教材の選定」であったが,これは,保健師,管
関連するものであった.一方,他者評価が低かっ
理栄養士の方が保健指導の経験が豊富であること
た項目は,「社会資源の紹介」,「AUDIT」,
「禁煙
が一因であると考えた.一方,禁煙に関する項目
環境の改善」,「運動リスクマネジメント」といっ
は看護師の方が高かったが,これは,喫煙はがん
た,より具体的な保健指導技術に関する項目で
などのメタボリックシンドローム以外の疾患と関
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
55 ( 459 )
連が強く,看護師が禁煙指導を日常的に行ってい
ば,よい相関が得られない可能性も出てくると思
ることが一因と考えた.本研究では,看護師の対
われる.最後に,本研究の保健指導者は 2 つの施
象者数が非常に少なく,これらの結果は限定的で
設のみから選定されており,研究結果の一般化に
あることに注意しなければならないが,保健師,
限界が存在する点である.また,両施設とも健診
管理栄養士においても禁煙支援の強化が望まれる
機関であり,市町村,健保組合,外部委託事業者
結果であったと考える.
など指導施設の所属による違いは評価することが
自己評価と他者評価の相関に関する解析では,
運動関連の 3 項目で有意な相関関係を認めた.一
方,アセスメント,カウンセリング,コーチング,
できない.
結
論
栄養などの技術と関連する項目は,いずれも他者
保健指導技術の自己評価と他者評価と行い,自
評価と比べて自己評価が低く,有意な相関が得ら
己評価では,
「目的とスケジュール」や
「食行動目
れなかった.また,飲酒や喫煙に関する技術に関
標と減量効果」
といった項目,他者評価では,
「対
する項目も有意な相関がみられなかったが,前述
象者のアセスメントがきる」
や
「何から改善するか
の通り保健指導時間内に十分網羅することができ
対象者とともに考えることができる」といった項
ず過小評価になっている可能性も否めない.これ
目の評価が高かった.運動に関する項目で,両者
らの結果から,本調査票を用いた自己評価をする
の相関が認められた.自己評価だけでなく,ビデ
際,運動に関する設問は保健指導技術をよく反映
オ映像等を用いて他者が評価することで,より客
するが,中核となる保健指導技術は過小評価され
観性のある保健指導技術の評価が可能になると思
ている可能性があることに留意すべきであろう.
われる.
本研究にはいくつかの限界がある.はじめに,
保健指導の他者評価は,各保健指導者に対し 1 事
例での評価であり,保健指導技術を十分反映して
いない可能性がある.例えば,ポイントを絞って
重点的に指導するようなスタイルでは,十分な技
利益相反
本研究に関する利益相反はない.
謝
辞
術があるにもかかわらず,重点ポイント以外は評
本研究は,平成 26 年度厚生労働科学研究費補
価が低くなってしまう可能性がある.保健指導技
助金
(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合
術を十分反映するためには数例の評価が必要かも
研究事業)
「標準的な健診・保健指導プログラム
(改
しれないが,費用や時間の面から現実には難しい
訂版)及び健康づくりのための身体活動 2013 に
と思われる.第二に,評価者による評価の信頼性
基づく保健事業の研修手法と評価に関する研究」
に関する点である.一般に,被験者が一定期間を
おいて二度テストすることで信頼性が評価される
ことが多いが,1 件 30 分〜1 時間程度のビデオ映
(研究代表者:津下一代)
の助成を受けて実施した
研究の一部である.
像を相当数繰り返し確認する作業は困難である.
文
このため本研究では,より客観性を高めるために
1) 厚生労働省健康局:標準的な健診・保健指導プログラム
(確定版).2007,http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/
seikatsu/pdf/02a.pdf[2016.5.6]
2) 村本あき子,津下一代:特定保健指導の効果検証.肥満
研 2013;19:75-81.
3) 仲下祐美子,中村正和,木山昌彦ほか:特定保健指導の
積極的支援における 4% 以上減量成功と生活習慣改善と
の関連.日健教会誌 2013;21:317-325.
4) 村本あき子,中村 誉,杉田由加里ほか:保健指導技術に
関する自己評価結果についての考察.人間ドック 2015;
30:623-631.
5) 大西美智恵,越田美穂子,片山陽子ほか:特定保健指導
外部評価者 3 名による評価を行い,また,採点基
準を決めたチェックシートを用いることにより評
価者間のバラつきを減らすようにした.第三に,
自己評価と他者評価の相関の有無については,ぞ
れぞれの評価尺度の違いによる差が影響している
可能性が否定できない点である.すなわち,他者
評価の尺度が自己評価の尺度と合致してなけれ
56 ( 460 )
人間ドック
献
Vol.31 No.3 2016 年
実践者のスキルアップ研修の効果評価.香川大看学誌
2010;14:47-56.
6) 上田いずみ,本田由里絵,亀井真由美ほか:保健指導業
務評価チェックシートの活用による指導技術の向上と
特定保健指導の効果について.予医ジャーナル 2015;
483:36-40.
7) 家蔵久美,百海千紘,小林豊子ほか:2-5-16 保健指導
勉強会前後での保健指導技術に対する自信の比較 . 人間
ドック 2015;30:400.
8) 武藤繁貴,柏木京子,鈴木理恵ほか:1-5-24 特定保健指
導の実施に向けた保健指導技術の自己評価に関する調査
Ⅱ . 人間ドック 2008;23:373.
9) 小出恵子,岡本玲子,猫田泰敏ほか:特定保健指導にお
ける保健師を対象とした保健指導技術向上プログラム
の効果-自己評価・他者評価の変化-.日看科学会講集
2013;33:335.
10)萩本明子,増居志津子,中村正和ほか:禁煙支援者の技
術レベルと禁煙支援効果の分析.日公衛誌 2007;54:
486-495.
11)津下一代,杉田由加里,中村正和ほか:標準的な健診・保
健指導プログラム
(改訂版)及び健康づくりのための身体
活動基準 2013 に基づく保健事業の研修方法と評価に関す
る研究 保健指導機関における保健指導スキル評価と対策.
平成 25 年度 総括・分担研究報告書 2014:19-40.
12)厚生労働省 健康局 がん対策・健康増進課編:禁煙支
援 マ ニ ュ ア ル( 第 二 版)
. 2013, http://www.mhlw.go.jp/
topics/tobacco/kin-en-sien/manual 2 /dl/manual 2 .pdf
[2016.5.8]
13)Babor TF, Fuente DL Jr, Saunders JB et al : AUDIT: The
Alcohol Use Disorder Identification Test: Guidance for
Use in Primary Health Care. WHO, 1992,http://www.
talkingalcohol.com/files/pdfs/WHO_audit.pdf[2016.7.28]
14)山下留理子,荒木田美香子:特定保健指導における職種
別保健指導技術の比較-保健師と管理栄養士の経験,自
信,修得意思の相違-.日健教会誌 2014;22:39-49.
(論文受付日:2016.5.10 論文採択日:2016.6.17)
Objective Evaluation of Skill in Health Guidance Using Videos
Shigeki Muto1), Akiko Muramoto2), Kiminori Kato3),
Masakazu Nakamura4), Kazuyo Tsushita2)
1) Seirei Welfare comunity, Seirei Center for Health Promotion and Preventive Medicine
2) Comprehensive Health Science Center, Aichi Health Promotion Public Interest Foundation
3) Department of Laboratory Medicine and Clinical Epidemiology for Prevention of
Noncommunicable Diseases, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata
University
4) Health Promotion Research Center, Institute of Community Medicine, Japan Association for
Development of Community Medicine
Abstract
Objective: We objectively evaluated the skill of health guidance staff in giving health
guidance on metabolic syndrome using videos. We also examined correlation coefficients
between subjective and objective evaluations.
Methods: The subjects were 37 health guidance staff from 3 institutions (Hamamatsu,
Shizuoka, and Niigata, Japan). They simulated giving specific health guidance to a mock
patient and we made a video of them doing it. Three evaluators scored their skill in health
guidance using a questionnaire for this purpose having questions on 29 items. The subjects also evaluated themselves using the questionnaire. We analyzed the scores for these
objective and subjective evaluations of skill and calculated their correlation coefficients.
Results: The highest mean score (SD) of the objective evaluation was 3.48 (0.26), for the
item of “assessment of patients” and this was followed by 3.46 (0.34) for the item of “can
think of improvements that can be made together with patients”. The highest mean score
for self-evaluation was for the item of “purpose and schedule of the specific health guidance” and this was followed by the item of “goal of dietary habits and effect of weight reduction”. The correlation coefficients were significantly high for “exercise”-related items.
Conclusion: The health guidance staff had mastered assessment, counseling and coaching skills relatively well.
Keywords: skill in health guidance, objective evaluation, subjective evaluation, video image
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
57 ( 461 )
原
著
人間ドック 31:462-467,2016
インスリン抵抗性推定のための TG/HDL-C 比の有用性について
− 10 年間の観察において−
影山洋子
山下 毅
本間 優
小原啓子
田中千裕
近藤修二
中村 綾
船津和夫
冨田美穂
中村治雄
寺田奈美
毛利恭子
水野杏一
要 約
目的:インスリン抵抗性の診断は糖尿病発症予防のためにも早期発見が重要である.しかし,診断
の基本となるインスリンが健診項目に入っている企業は少ない.そこで多くの企業の健診項目に
ある TG/HDL-C 比を利用して日本人における TG/HDL-C 比がインスリン抵抗性の指標となり得る
か,またその指標が 10 年間の糖尿病発症に関与しているか retrospective に検討した.
(HOMA-IR)
方法:TG/HDL-C 比を四分位し,男女別に homeostasis model assessment-insulin resistance
と比較した.また,10 年間における糖尿病の発症率を TG/HDL-C 比高値群と非高値群で比較した.
結果:男女ともに TG/HDL-C 比が高くなるに従い HOMA-IR は増加していた.四分位による 75 パー
センタイルは男性が 2.6,女性が 1.4 で,それ以上を高値群,未満を非高値群とすると,高値群は
非高値群に比べてインスリン抵抗性を有していた割合が高かった.10 年間の追跡による糖尿病発症
では,男女ともに 2001 年時に TG/HDL-C 比高値群が非高値群より 2 倍以上糖尿病を発症していた.
結論:TG/HDL-C 比はインスリン抵抗性を反映しており,鋭敏な糖尿病発症の予測因子となり得る.
TG/HDL-C 比としてみることで簡便でわかりやすいインスリン抵抗性の指標として使用できる可能
性がある.
キーワード
緒
TG/HDL-C 比,インスリン抵抗性,糖尿病
言
インスリン抵抗性は糖尿病だけでなく,動脈硬
対象と方法
2013 年に三越総合健診センターを受診し,イ
化の危険因子である高血圧,脂質異常症などを
ンスリンを測定した男女のうち,問診票に
「糖尿
高率に合併しやすい
1,2)
ため,早期発見が重要で
病治療中」の記載がない男性 1,102 名
(平均年齢
ある.しかしながら健康診断の基本項目にインス
リンを採用している企業は少ない.しかし TG や
54.3 歳),女性 1,324 名(平均年齢 56.0 歳)を対象
とし,TG/HDL-C 比とインスリン抵抗性との関
HDL-C は多くの健診で測定されている項目であ
連について検討した.
るため利用しやすい.
TG/HDL-C 比を男女別に算出し,四分位の 75
パーセンタイル以上を TG/HDL-C 比高値群とし,
75 パーセンタイル未満を非高値群とした.インス
リン抵抗性推定には homeostasis model assessment(HOMA-IR)を用い,HOMA-IR は
insulin resistance
2.5 以上をインスリン抵抗性ありとし,TG/HDL-C
比の感度・特異度を検討した.また,10 年間の糖
尿病発症についての検討では,2001 年〜2011 年
の継続受診者のうち TG,HDL-C,HbA1c,空腹
時血糖を測定している人で,2001 年時に
「糖尿病
最近,TG/HDL-C 比はインスリン抵抗性の簡
便な指標であり,冠動脈イベントの予測に有用と
の報告がある 3,4).しかし,多くは欧米での報告
であり,その有用性には民族により異なる可能性
がある 3).そこで日本人でも TG/HDL-C 比がイ
ンスリン抵抗性の指標となり得るか,また糖尿病
発症の有無を 10 年間追跡し,糖尿病発症の指標
となり得るかを検討した.
公益財団法人 三越厚生事業団 三越総合健診センター
58 ( 462 )
人間ドック
連絡先:〒 160-0023 東京都新宿区西新宿 1-24-1 エステック情報ビル
Tel:03-3348-5791 Fax:03-3348-5795
Vol.31 No.3 2016 年
治療中」の記載がある人と血糖 126mg/dL 以上か
上記の男性 2.6,女性 1.4 以上を TG/HDL-C 比
つ HbA1c 6.5%以上の人を糖尿病として除いた
高値群,75 パーセンタイル未満を非高値群とし,
男性 1,447 名
(2001 年時平均年齢 45.2 歳)を対象
インスリン抵抗性について両群間で比較してみる
とし,2001 年時の TG/HDL-C 比を高値群と非高
と,高値群は非高値群に比べてインスリン抵抗性
値群で分けた時と,BMI を 25 で分けた時の 10 年
を有していた割合は男性で 2 倍以上,女性は 5 倍
間の糖尿病の発症率を比較した.女性対象者で糖
以上高かった
(表 2)
.
尿病を発症したのは 3 例と少数だったため,男性
2 群間の比較は Mann-Whitney U 検定,糖尿病
発 症 曲 線 の 比 較 に は Logrank 検 定,TG/HDL-C
比の糖尿病発症リスク因子の検定には Cox 比例
HOMA-IR2.5 以上をインスリン抵抗性ありと
した時の,TG/HDL-C 比の感度は男性 47.7 女性
59.3,特異度は男性 79.4,女性 81.3 であった(図
1).同じように年代別に分け比較したところ(図
2),TG/HDL-C 比において男性では若い年代ほ
ハザードモデルを使用した.統計解析ソフトは
ど感度が高くなっていた.特異度は年代に関わら
のみを検討した.
SPSS Statistics ver22(日本 IBM,東京)および EZR
ver2.1-2 を用いた.
5)
ず大きな差はみられなかった.女性では年代別の
感度に大きな差はみられなかったが,特異度は若
データ利用については,個人名が特定できない
い年代ほど高くなっていた.
次に TG/HDL-C 比高値群と非高値群の 10 年間
匿名化の措置を取り,データとしてのみ使用し,
論文等に用いることを文書化して施設内に掲示し
追跡による糖尿病発症について検討した.
ている.
2011 年までに糖尿病を発症した人の 2001 年時
の TG/HDL-C 比高値群と非高値群の割合を比較
したところ,2001 年時に TG/HDL-C 比高値群が
非高値群より 2 倍以上糖尿病を発症している割合
が多くなっていた
(図 3)
.
2001 年時の BMI を 25 未満群と 25 以上群で分
け,2011 年までに糖尿病を発症した人の割合を
結 果
TG/HDL-C 比を四分位にすると,男女ともに
TG/HDL-C 比が高くなるに従い HOMA-IR は増加
しており,TG/HDL-C 比の 75 パーセンタイルの値
は男性 2.6,女性 1.4 であった
(表 1)
.
表 1 TG/HDL-C 比四分位による年齢と HOMA-IR の平均値
パーセン
タイル
男性
女性
25
50
75
25
50
75
TG/HDL-C 比
n
〜0.9
1.0〜1.5
1.6〜2.5
2.6 以上
〜0.5
0.6〜0.8
0.9〜1.3
1.4 以上
280
279
276
267
334
359
346
285
平均値
HOMA-IR
年齢(歳)
53.1
55.6
55.6
53.1
53.2
54.0
58.4
58.8
1.0
1.4
1.7
2.0
0.9
1.1
1.3
1.8
HOMA-IR:homeostasis model assessment-insulin resistance
表 2 TG/HDL-C 比非高値群、高値群によるインス
リン抵抗性を示す人の割合
TG/HDL-C 比
HOMA-IR 2.5 以上(%)
非高値群
9.3
男性
高値群
26.6
非高値群
3.6
女性
高値群
18.9
HOMA-IR:homeostasis model assessment-insulin resistance
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
59 ( 463 )
図 1 インスリン抵抗性に対する TG/HDL-C 比の感度・特異度
図 2 インスリン抵抗性に対する TG/HDL-C 比の感度・特異度(年代別)
TG/HDL-C 比高値群と非高値群で比較したとこ
ろ,BMI に関係なく高値群の方が 10 年間で糖尿
病を発症した人が多くなっていた(図 4).
対象者を TG/HDL-C 比高値群と非高値群で分
けた時の糖尿病発症を Kaplan-Meier 曲線
(図 5)で
比較したところ,TG/HDL-C 比 2.6 以上群が糖尿
病を多く発症していた
(p < 0.01)
.2001 年時の
BMI・体重・体脂肪・空腹時血糖・HbA1c・TG・
HDL-C・TG/HDL-C 比・WBC・収縮期血圧・拡
張期血圧・年齢を比較項目とした COX 比例ハザー
ド比では,BMI
(HR:1.17,95% CI:1.11〜1.24,
p < 0.01),HbA1c(HR:11.70,95 % CI:7.35
60 ( 464 )
人間ドック
図 3 TG/HDL-C 比高値群と非高値群の 10 年間にお
ける糖尿病発症率(%)
Vol.31 No.3 2016 年
図 4 BMI 別 TG/HDL-C 比高値群と非高値群の糖尿病発症率の比較
図 5 TG/HDL-C 比高値群と非高値群の年数を加味した糖尿病発症の比較
〜 18.63,p < 0.01)
,TG/HDL-C 比
(HR:1.08,
パーゼの活性が低下することにより HDL-C が減
95%CI:1.01〜1.15,p < 0.05),血糖(HR:1.10,
95%CI:1.08〜1.11,p < 0.01)が糖尿病発症に対
少する.またリポ蛋白リパーゼの活性が低下する
して独立して影響を及ぼしたリスク因子であった.
ため TG/HDL-C 比はインスリン抵抗性で高くな
考
ため TG が分解されずに高くなりやすい 6).この
ると考えられる.
察
の活性と関
および内皮リパーゼ
(Endothelial lipase)
TG/HDL-C 比は男性では若い年代ほど感度が
高く,特異度も 86.5%と高く,女性では特異度
が若い年代ほど高かったことから,TG/HDL-C
連があり,インスリン抵抗性があると,内皮リパー
比は若い年代ほどインスリン抵抗性を反映してい
ゼの活性が高まり HDL-C が減少し,かつ肝性リ
ると思われた.BMI25 未満であっても,25 以上
インスリン抵抗性は肝性リパーゼ
(Hepatic lipase)
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
61 ( 465 )
であっても,高値群から糖尿病を発症した人が多
段階で生活指導をすることは,将来糖尿病を発症
かったことから,たとえ BMI が 25 未満であって
する人を少しでも減らすことに貢献できると思わ
も,TG/HDL-C 比が高い人は,早い段階で生活
れる.
指導をすることにより将来糖尿病を発症する人を
減らすことに繋がると思われる.
利益相反
また,10 年間で糖尿病を発症した人の割合は
TG/HDL 高値群と非高値群では 2 倍以上の差が
あった.TG,HDL-C 単独では明らかでなくとも,
TG/HDL-C 比としてみることで糖尿病発症を推
定する簡便で有用な指標として使用できる可能性
がある.
7)
厚生労働省の
「平成 25 年国民健康・栄養調査」
に
よると,男性では 6 人に 1 人が糖尿病となる.糖尿
病が進行すると,動脈硬化,がん,認知症になり
やすい 8-10).糖尿病発症を防ぐためにも生活習慣の
改善は不可欠な要素である.若い世代から健康診
断でインスリンを測定している企業は少なく,40
歳未満では HbA1c も項目外のこともある.健診に
新しい検査項目を加えるのは費用の面からも難し
さもある.今回検討した TG,HDL-C はすでに多
くの企業の健診で測定されており,現在の健診項
目でもインスリン抵抗性を判定可能である.
本研究は対象者が健診受診者であったため,追
跡中の心血管イベントの有無についての詳細な問
診は得られておらず確認することはできなかっ
た.今後の検討課題としたい.
結 語
TG/HDL-C 比はインスリン抵抗性の簡便な指
標となり得るので,TG/HDL-C 比を利用し早い
62 ( 466 )
人間ドック
開示すべき利益相反はない.
文
献
1) Reaven GM1, Lithell H, Landsberg L: Hypertension and
associated metabolic abnormalities--the role of insulin
resistance and the sympathoadrenal system. N Engl J Med
1996; 334: 374-381.
2) 日本糖尿病学会編:15 糖尿病に合併した脂質異常症.科
学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 2013,南江堂,
東京,2013,199-206.
3) Murguía-Romero M, Jiménez-Flores JR, Sigrist-Flores SC,
et al: Plasma triglyceride/HDL-cholesterol ratio, insulin
resistance, and cardiometabolic risk in young adults. J
Lipid Res 2013; 54: 2795-2799.
4) Cordero A, Andrés E, Ordoñez B, et al: Usefulness of
triglycerides-to-high-density lipoprotein cholesterol
ratio for predicting the first coronary event in men. Am J
Cardiol 2009; 104: 1393-1397.
5) Kanda Y: Investigation of the freely available easy-touse software 'EZR' for medical statistics. Bone Marrow
Transplant 2013; 48: 452-458.
6) Miksztowicz V, Schreier L, McCoy M, et al: Role of
SN1 lipases on plasma lipids in metabolic syndrome and
obesity. Arterioscler Thromb Vasc Biol 2014 ; 34 : 669 675.
7) 厚生労働省:平成 25 年国民健康・栄養調査,http://www.
mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h 25 -houkoku.html
[2015.12.16]
8) 後藤 温,能登 洋,野田光彦ほか:糖尿病と癌に関する
委員会報告 第 2 報.糖尿病 2016;59:174-177.
9) 及川眞一,井藤英喜,江草玄士ほか:糖尿病における動
脈硬化症診療のガイドラインおよび提言 糖尿病の動脈硬
化診療ガイドライン.糖尿病 2001;44:777-782.
10)横野浩一:糖尿病合併症としてのアルツハイマー病.日
老医誌 2010;47:385-389.
(論文受付日:2016.1.28 論文採択日:2016.6.20)
Vol.31 No.3 2016 年
Usefulness of TG/HDL-C Ratio for Estimation of Insulin Resistance:
Validated by Ten Years Follow Up
Yoko Kageyama, Takeshi Yamashita, Masaru Honma, Chihiro Tanaka, Aya Nakamura, Miho Tomita, Nami Terada,
Kyoko Mouri, Keiko Ohara, Syuji Kondo, Kazuo Funatsu, Haruo Nakamura, Kyoichi Mizuno
Mitsukoshi Health and Welfare Foundation
Abstract
Objective: Early detection of insulin resistance is important in preventing the onset of diabetes mellitus. However, few corporations measure insulin levels, a basic parameter for calculation of insulin resistance, as a basic item of health check-ups. Instead, TG and HDL-C
are measured by most corporations. Therefore, first, we examined whether the TG/HDL-C
ratio is useful as a surrogate marker of insulin resistance. Second, we investigated retrospectively whether the TG/HDL-C ratio is a risk marker for the onset of diabetes mellitus in the
same individuals during ten years follow-up.
Methods: Men and women were divided into quartiles on the basis of their TG/HDL-C ratio. The 25% of the population with highest TG/HDL-C ratio was defined as abnormal, and
values for homeostasis model assessment-insulin resistance (HOMA-IR) were compared
between this quartile and the remaining three quartiles. The onset of diabetes mellitus during 10 years was also compared between them.
Results: The more insulin resistance increased, the higher the level of the TG/HDL-C ratio.
The onset of diabetes mellitus was 2 times higher in the highest TG/HDL-C ratio group
than the remaining groups. The Cox proportional hazard model showed that TG/HDL-C
ratio was an independent risk marker for the onset of diabetes mellitus.
Conclusions: The TG/HDL-C ratio may serve as a simple and clinically useful approach in
identifying insulin resistance and increased diabetes mellitus risk.
Keywords: TG/HDL-C ratio, insulin resistance, diabetes mellitus
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
63 ( 467 )
原
著
人間ドック 31:468-473, 2016
新しい健診スタイル「イブニングレディースドック」
の
2 年間の取り組みと成果
片山多希子
大城戸麻衣子
井上悦子
奥村真紀
松永由里子
永田和也
坂本祐二
麻生奈央子
満崎克彦
田川貴浩
田中信幸
坂田香織
菅 守隆
要 約
目的:日中の来院が難しい女性への予防医療の提供を目指し,2013 年 4 月より夕方から行う健診を
開始した.検査項目は女性特有の疾患に絞った婦人科・乳房・甲状腺・骨密度の検査であり,当セ
ンターでは,通称,イブニングレディースドック(以下,EL)と呼んでいる.スタッフは全員女性で
ある.今回,EL の取り組みと成果について報告する.
方法:2013 年 4 月〜2015 年 3 月の日中のレディースコース(一般の人間ドックに EL の項目を付加し
の受診者 3,013 名と,同期間の EL 受診者 1,179 名の属性や検査成績を比較し,
た健診.以下,非 EL)
χ 2 検定を用いて分析した.また,人間ドック内容に関する満足度確認のため EL 受診者へのアンケー
トの分析を行った.
結果:受診者年齢では 40 歳未満の割合が非 EL 15.8% に対し,EL 34.9% と高かった.初回受診割
合は非 EL 13.5% に対し,EL 47.8% と高かった.また非 EL と比べ,EL での精検受診率・がん発
見率は同程度で,要精検率は高かった.精検受診率は EL で婦人科 84.8%,乳房 95.2%,甲状腺
89.8%,がん発見率は婦人科 0.26%,乳房 0.59%,甲状腺 0.93% であった.受診者アンケートで
は家族や友人に勧めたい方が 94% であった.
結論:受診者属性や検査成績の分析から,EL では初回受診者や若年層,さらに個人での申し込み者
が多く新しい受診者層の開拓が図れた.また,精検受診率・がん発見率も結果説明のある非 EL と
同等に高いことから有用な健診であることが明らかとなった.受診者アンケートからは羞恥心や時
間への配慮を行ったことで,受診者満足度が高いことがわかった.
キーワード イブニングレディースドック,乳がん検診,婦人科検診
緒
言
検診を受診する機会の提供は十分とはいえない.
現在,我が国における女性がんの罹患率は第 1
当センターでは,元々,一般の人間ドックに婦
位 乳がん,第 5 位 子宮がんであり,特に 30〜40
人科・乳房・甲状腺・骨密度の項目を付加したレ
歳代でみると,罹患率・死亡率ともに乳がん,子
ディースコース
(以下,非 EL)を日中に行ってい
宮がん,卵巣がんが上位を占める.若年女性は家
るが,医師・技師の人手不足や装置台数の限界な
庭や仕事の中心的存在であり,がんに罹患した際
どの理由で,日中の健診のみでは需要を満たすこ
の家庭や職場への影響は非常に大きい.また,バ
とができない状況であった.そこで,2013 年 4 月
セドウ病など甲状腺機能異常は月経不順や不妊の
より夕方から実施する女性のための健診を,通称
原因となり,女性にとっては重要な検査項目であ
「イブニングレディースドック
(以下,EL)
」
と称し,
るが,一般の人間ドックには含まれていないこと
開始した.検査項目が重複していないため,日中
が多い.さらに,骨粗鬆症も女性に多い疾患であ
に一般の人間ドックを受診し,当日または別日に
り,若い時の骨密度低値が更年期や閉経後に問題
夕方から EL を受診することも可能である.今回,
となる.医学の進歩によりさまざまな疾患の早期
開始 2 年間の EL の検査成績とアンケート結果を
発見・早期治療が可能となったものの,女性への
分析し,成果を報告する.
済生会熊本病院 予防医療センター
64 ( 468 )
連絡先:〒 861-4193 熊本県熊本市南区近見 5 丁目 3 番 1 号
Tel:096-351-1011 Fax:096-351-8782
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
対 象
2013 年 4 月 〜2015 年 3 月 ま で の 非 EL 受 診 者
3,013 名
(一般の人間ドックに婦人科・乳房・甲状腺・
電話による精密検査の受診勧奨を 2014 年 4 月より
骨密度検査を追加した日中のレディースコース)
と,
開始した.ただし,悪性が強く疑われる場合は,
2013 年 4 月〜2015 年 3 月までの EL 受診者 1,179 名
(2013 年度:489 名,週 1 回実施,10 名 / 日.2014
年度:690 名,週 1 回実施,15 名 / 日)
を対象とした.
EL の検査項目とスケジュールを表 1 に示す.
翌日,医師と保健師より電話による結果説明と受
方
触診指導を追加した.また,非 EL は結果説明を
行っているが,EL では結果説明は行っておらず,
診勧奨を行っている.
次に,当施設の倫理委員会の承認と受診者のイ
ンフォームド・コンセントを得て,EL 時,アンケー
トを実施した.アンケートの内容は表 2 に示す.
法
受診者属性・検査成績について 2013 年 4 月〜
2015 年 3 月の非 EL と EL 受診者の比較し,χ 検定
用いて分析した.なお,2014 年 4 月より乳房自己
2
結
果
受診者属性
平 均 年 齢は,非 EL で 48.5 歳に対し,EL 45.2
歳であった.40 歳未満の割合は,非 EL 15.8% に
対 し,EL 34.9% で あり,EL で 若 年 層 の 割 合 が
表 1 EL の検査項目とスケジュール
受付時間
検査項目
17:45〜19:00
問診
婦人科検診(内診・子宮頸部細胞診・経膣エコー)
乳房検診(マンモグラフィ・乳腺エコー)
甲状腺検診(甲状腺エコー・甲状腺関連ホルモン)
骨密度検査
※ 2014 年度より電話勧奨・乳房自己触診指導開始
夕食
入浴
閉館時間
センター内レストラン
センター内浴場
23:00
高かった.当センター初回受診の割合は,非 EL
13.5% に対し,EL 47.8% と EL で高かった.個人
申込の割合も非 EL 21.7% に対し,EL 77.9% であ
(表 3)
.
り,EL で高かった
検査成績
次に各検査
(婦人科,乳房,甲状腺)
成績を,全
国平均または他施設 / 非 EL/EL の順に示す
(表 4)
.
婦人科は厚生労働省 1)の情報と,濱田ら 2)の報告
表 2 EL 受診者へのアンケート内容
EL に関する質問
① 検査にかかる時間はいかがでしたか
② ドック全体の終了時間はいかがでしたか?
③ このドックについて,どのようにして知りましたか?
④ このドックを受診しようと思ったきっかけは何ですか?(複数回答可)
⑤ 今回このドックを受診して,今後あなたのご家族・ご友人に受診を勧めたいと思いますか?
⑥ 今回のドックに関するご意見やご要望がありましたらご記入をお願いいたします.
乳がん検診に関する質問
① あなたは,乳がん検診をどのくらいのペースで受診していますか?
とお答え頂いた方にお尋ねします.今まで乳がん検診を受診しなかった理由をお聞かせください.
(複数回答可)
② ①で
「4. 初めて受診した」
③ あなたは,自己触診を行っていますか?
④ ③で「2.いいえ」とお答え頂いた方にお尋ねします.自己触診をしていない理由をお聞かせください.(複数回答可)
※
⑤ 本日,自己触診指導を受けていただいた感想はいかがでしたか?
※
⑥ 今後,自己触診をしていただくうえで役に立つ内容でしたか?
※
2014 年度のアンケートから追加した項目
表 3 受診者属性
平均年齢
40 歳未満の割合
初回受診者割合
個人申込割合
人間ドック
非 EL
48.5 歳
15.8%
13.5%
21.7%
EL
45.2 歳
34.9%
47.8%
77.9%
Vol.31 No.3 2016 年
65 ( 469 )
表 4 各種検査成績の比較
婦人科
全国平均 1) 他施設 2)
対策型
受診者総数
4287
147
3.4
121
82.3
4
0.09
2.72
要精検対象者数
要精検率
(%)
1.2
精検受診数
精検受診率
(%)
62.6
がん発見数
がん発見率
(%)
陽性反応適中度
(%)
0.06
乳房
非 EL
EL
3010
90
3.0
75
83.3
9
0.30
10.00
1175
46
3.9
39
84.8
3
0.26
6.52
全国平均 1) 全国平均 3)
対策型
X 線と超音波
9.0
7.1
79.9
81.6
0.27
0.28
3.90
甲状腺
非 EL
EL
他施設
2997
126
4.2
120
95.2
12
0.40
9.52
1177
105
8.9
100
95.2
7
0.59
6.67
4)
8815
395
4.5
237
60.0
26
0.29
6.58
非 EL
EL
3013
116
3.9
108
93.1
13
0.43
11.20
1179
127
10.7
114
89.8
11
0.93
8.66
表 5 EL2 年間の成績の比較
婦人科
受診者総数
要精検対象者数
要精検率(%)
精検受診数
精検受診率(%)
がん発見数
がん発見率(%)
陽性反応適中度(%)
2013
487
22
4.5
18
81.8
1
0.21
4.55
乳房
2014
688
24
3.5
21
87.5
2
0.29
8.33
である同施設の 3 年間の経膣超音波成績を参考
2013
489
51
10.4
48
94.1
3
0.61
5.88
甲状腺
2014
688
54
7.8
52
96.3
4
0.58
7.41
2013
489
69
14.1
63
91.3
5
1.02
7.25
2014
690
58
8.4
51
87.9
6
0.87
10.34
受診者アンケート結果
に,乳房は厚生労働省 の情報と,村田ら の報
図 1,2 に 2 年間の結果を提示する.検査にか
告である 2011 年度の乳がん検診成績全国平均,
かる時間において
「ちょうど良い」
「まあまあ良い」
検査方法別(X 線と超音波)を参考に,甲状腺は加
と回答した割合はあわせて 87%,EL をどのよう
1)
3)
4)
藤ら の報告である同施設の 2 年間の成績を参考
に知ったかについては意見が分かれたが,一番多
にした.
かったのは知人からの紹介 25% であった.受診動
検査成績を比較すると要精検率は非 EL で婦人
機は,スタッフが女性であること,時間の都合が
科 3.0%,乳房 4.2%,甲状腺 3.9% に対し,EL で
つきやすいことを選択している割合が多かった.
は婦人科 3.9%,乳房 8.9%,甲状腺 10.7% と高い.
EL を家族や友人に勧めたい方は 94% であった.
精検受診率は非 EL で婦人科 83.3%,乳房 95.2%,
乳がん検診に関する質問では,乳がん検診を初
甲状腺 93.1% に対し,EL は婦人科で 84.8%,乳
めて受診した割合が 23% であり,今まで受診し
房で 95.2%,甲状腺で 89.8% と同程度であった.
なかった理由としては
「忙しかったため」が 35%
がん発見率は非 EL で婦人科 0.30%,乳房 0.40%,
と高かった.また,乳房自己触診を行っている
甲状腺 0.43% に対し,EL は婦人科 0.26%,乳房
かについては
「いいえ」が 56% と半数以上であり,
0.59%,甲状腺 0.93% であった.各検査成績を他
施設や全国平均と比較しても EL 成績は遜色ない
その理由が
「方法がわからない」
「判断が難しい」
と
結果であった.
乳房自己触診指導を開始した.
の回答が多かった.そのため,2014 年度からは
また,EL では結果説明を行っていないが,2014
受診者アンケートのフリーコメント
(表 6)で
年度から電話による受診勧奨を開始しており,EL
は,スタッフが女性であること,スタッフの対応
の 2 年間を 1 年目と 2 年目で分けて比較すると,精
がよいこと,受診者が少ないためゆっくりできる
検受診率が婦人科で 81.8% から 87.5% へ,乳房で
こと,時間の都合がつきやすいことなどのお褒め
94.1% から 96.3% へ増加した
(表 5)
.
の言葉が多くみられた.2014 年度アンケート結
66 ( 470 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
図 1 EL に関するアンケート結果
図 2 乳がん検診に関するアンケート結果
表 6 アンケート結果(フリーコメント)
女性スタッフ対応で安心(多数)
スタッフの対応が良い(多数)
受診者が多すぎなくて良い
時間帯がよい
手軽に受診できる
仕事を休まず受診できて便利
飲み物のサービスが良い
人間ドック
金・土曜などに実施して欲しい
待ち時間が長い
価格を下げて欲しい
結果をもっと早く知りたい
婦人科で子宮体がん検診まで受けられると良い
Vol.31 No.3 2016 年
67 ( 471 )
果では待ち時間が長くなった,他の曜日にも実施
年度)から 1 日 10 名に戻し,週 2 回
(水・金)実施
して欲しいなどの回答がみられた.
とした.2 年間のアンケートで,家族友人に勧
めたい割合は 94% と非常に高く,EL に対する満
考 察
EL は非 EL の成績と比べ精検受診率・がん発見
足度が高いことがわかった.これらの結果より,
率は同程度で,要精検率は高かった.人間ドック
の開拓へつながっていると考えられる.
EL は受診者の受容性が高く,新しい受診者層へ
当日に結果説明がある非 EL と比較して,EL は結
今後の課題として,女性医師や女性スタッフの
果説明がないにも関わらず精検受診率が非 EL と
確保が困難な場合があるため,人材の確保・教育
同程度であり,他施設や全国平均のデータにも遜
を継続的に実施する必要がある.また,EL の受
色なく,受診者の健診に対する関心の高さがうか
診をきっかけに,日中実施している一般の人間
がえる.EL の特徴として,日中に健診を受診で
ドックへの受診拡大につながる仕組みや工夫が必
きない忙しい女性や親子・友人同士での受診が
要と考える.今後もさらに受診者ニーズに応えら
多いため,非 EL より若年者の割合が高く,さら
れる質の高い人間ドック提供を目指し,予防医療
に初回受診や個人申し込み割合が高い.このよう
に貢献したい.
なお,EL では悪性が強く疑われる場合は,翌日,
な特徴より,精密検査の受診行動につながったと
考えられる.2014 年度はさらなる改善を目指し,
医師と保健師より結果説明と受診勧奨を行ってい
要精検者に対し電話による受診勧奨を実施し精検
るが,そうでなければ,基本的には結果説明など
受診率が上昇した.また,要精検率・精検受診率・
医師との面談がないため,EL の在り方について
がん発見率が高い理由として,初回受診者の割合
今後の動向に着目したいと思う.
が高いことが一要因と考えられ,全体の結果は他
施設や全国平均と比べても遜色ない.
利益相反
受診者アンケート結果は,女性スタッフでの対
本論文に利益相反はない.
応や夕方の健診時間など,受診者の利便性や受け
やすい環境作りに配慮した対応が高評価の要素と
文
してあげられる.2013 年度のアンケート結果よ
1) 厚生労働省:がん検診事業の評価に関する委員会「今後
献
EL は受診者の需要が高いため,2 年目から 1 日
の定員数を 10 名から 15 名に増加したが,その結
の我が国におけるがん検診事業評価の在り方について」
,
40- 41,http://www.mhlw.go.jp/shingi/ 2008/ 03 /s03014.html[2016.2.16]
2) 濱田郁代,吉村理江,鈴木 静ほか:2-7-16 人間ドック
の婦人科検診における経膣超音波検査の成績.人間ドッ
ク 2008;23:483.
3) 村田洋子,笠原善郎,辻 一郎ほか:全国集計の現状と展
望 日本乳癌検診学会全国集計の問題点と今後の課題-集
計結果と経年傾向.日乳癌検診会誌 2015;24:93-102.
4) 加藤 隆,山口美香,佐藤繁樹ほか:当院健診センターに
おける甲状腺超音波スクリーニング検診成績.日農村医
会誌 2013;62:306.
果,待ち時間の延長がみられた.また,曜日を増
(論文受付日:2016.2.16 論文採択日:2016.7.19)
り,乳房自己触診未実施の割合が半数以上で,理
由としては方法がわからないと 3 割が回答してい
た.そこで,乳がん早期発見・早期治療の啓発と
待ち時間の有効利用を考え,2014 年度は乳房自
己触診指導を取り入れた.指導を受けた感想は良
好で,指導が有用であったと示唆された.
やして欲しいとの要望が多くあり,3 年目(2015
68 ( 472 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
Evaluation of New Evening Female Health Check-up Service Over 2 Years
Takiko Katayama, Maiko Ookido, Maki Okumura, Kazuya Nagata, Naoko Asou, Takahiro Tagawa, Kaori Sakata,
Etsuko Inoue, Yuriko Matsunaga, Yuji Sakamoto, Katsuhiko Mitsuzaki, Nobuyuki Tanaka, Moritaka Suga
SAISEIKAI KUMAMOTO HOSPITAL CENTER FOR PREVENTIVE MEDICINE
Abstract
Objective: In April 2013, we started an evening health check-up service in order to provide
preventive medical care to women with difficulty in coming to our center in the daytime.
With the focus on diseases particular to women, gynecology, breast, thyroid and bone density exams are carried out. We call it Evening Ladies Dock (EL) in our center and all staff
are female. We report on our evaluation of EL over 2 years.
Methods: We conducted a comparative analysis of 3,013 women who underwent the daytime ladies health check-up (general health check-up + EL items) and 1,179 women who
underwent EL in the period from April 2013 – March 2015 regarding examinee characteristics and test results. The data were analyzed statistically by the chi square. We also administered a questionnaire to the EL examinees to determine their level of satisfaction with the
health check-up content and analyzed the findings.
Results: At 34.9%, the proportion of EL examinees under the age of 40 was higher than that
of non-EL examinees at 15.8%. The rates for first-time examinees were 13.5% and 47.8%
for Non-EL and EL, respectively, so that for EL was considerably higher. While the rates for
examinees undergoing further detailed examinations and those for cancer detection were
similar in the EL and non-EL groups, rates for requiring further detailed examinations were
higher in the EL group. Rates for undergoing detailed examinations in EL subjects were
84,8%, 95,2% and 89.8% for gynecology exams, breast exams and thyroid exams, respectively. Cancer discovery rates were 0.26% for gynecology exams, 0.59% for breast exams
and 0.93% for thyroid exams. According to the questionnaire, 94% of respondents wished
to recommend EL to family members or friends.
Conclusion: Based on our analysis of examinee characteristics and exam results, many EL
examinees were first-time examinees, they were younger and many of them had applied for
EL themselves so EL had been effective in developing a new segment of Ningen Dock examinees. Also, high rates for undergoing further detailed exams and cancer detection showed
that EL was a useful health check-up service. Based on the examinee questionnaire, satisfaction with EL was high due to consideration given to privacy and time of examinations.
Keywords: Evening Ladies Dock, breast cancer exam, gynecology exam
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
69 ( 473 )
原
著
人間ドック 31:474-479, 2016
健診センターにおける
ツールを利用した予約・実績管理の取り組み
田中博己
櫻井美穂
梶山浩之
飯田善郎
土屋良武
久田あずさ
藤澤克憲
岡藤和博
要 約
目的:当健診センターでは,胃部検査に関しては内視鏡検査を標準としており,1 日の受け入れ可
能数は 60 名としている.実情ではキャンセルにより空き枠が出ることがしばしばあり,これをい
かに減らすかが,当健診センターの課題である.この課題を解決するための方策を明らかにするこ
とを目的とした.
方法:日々の予約枠を最大限に活用できるよう予約枠管理ツールを自前で作成し,現予約数と最大
予約可能数をカレンダー形式で表示し,予約担当者全員に予約に必要な共通の情報を提供できるよ
うにした.日々変動する予約状況を確認したうえで,キャンセルを見越した最大予約可能数をきめ
細かく更新していくことができるようにした.また,本ツールと併用して実績管理ツールを作成し,
当健診センター内の全端末からどの職種でも閲覧できるよう設定し,毎日実績データを更新するこ
とにより,年度目標に対する現時点の達成率も確認できるようにした.
結果:この予約枠管理ツールを活用することにより,年度途中の受診希望者の受け入れが効率的に
なり,予約枠の無駄を極力減らすことができた.その結果,受診者数は各コースの年度目標はいず
れも 96% 以上が達成された.年度の予想収益額においては,年度目標を達成した.
結論:当健診センターの予約枠管理ツールは空き枠の無駄を減らし,限度枠まで予約を入れること
に関して非常に有効であると考える.本ツールと併用した実績管理ツールにより年度目標に対する
達成率を常に監視できるようになった.
キーワード 予約管理,実績管理,システム
緒
言
筆者の調査した範囲では,病院の収益に関する
健診施設において,受診者を受け入れる予約数
データの解析あるいは病院経営に関するデータの
の管理と,収益状況を把握する実績の管理は,限
解析等の報告 1,2)はあるが,健診での予約管理や
られた設備のなかで効率的に運営するために重要
実績管理等の改善を試みた研究発表はみられず,
である.
この点で本研究は新規性のある内容と思われる.
当健診センターでは,予約数の管理をするにあ
に関しては内視鏡検査を標準としており,1 日の
対 象
2014 年度に一日ドック,二日ドック,半日ドッ
受け入れ人数は 60 名としている.実情ではキャ
ク等胃部検査を実施するコースを予約し,受診し
ンセルにより空き枠が出ることがしばしばあり,
た 15,466 名.比較のために新予約管理ツールを
効率的なセンター運営に支障をきたしており,空
使用する前の 2013 年度受診者 15,121 名と比較検
き枠をいかに減らすかが,当健診センターの課題
討した.
たり胃部検査の件数が大きく影響する.胃部検査
である.
インフォームド・コンセントとしては,個人情
我々は,既存の予約管理ツールを見直し,新た
に作成した予約・実績を管理するツールの有効性
報保護方針,情報の利用および提供について同意
を得た.
について検討した.
社会福祉法人恩賜財団 福井県済生会病院 健診センター
70 ( 474 )
人間ドック
連絡先:〒 918-8503 福井県福井市和田中町舟橋 7-1
Tel:0776-28-8513 Fax:0776-28-8520
Vol.31 No.3 2016 年
方
法
当者によって空き枠への予約が十分に取られない
日々の予約の受け入れに使用している現状の予
可能性があった
(図 1)
.
約管理ツールは,現時点の予約数しか表示しない
そこで日々の予約枠を最大限に活用できるよ
ため,最大予約可能数が把握できず,予約受付担
う予約管理ツールを自前で作成し
(ツールの作成
図 1 現予約管理ツール
当健診センターの健診システムに標準で持っている予約管理ツール
図 2 新予約管理ツール
当健診センターで独自に作成した予約管理ツール
人間ドック
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71 ( 475 )
は Microsoft Access2010 を用いた),現予約数と
当健診センターでの予約キャンセル数を事前に
最大予約可能数をカレンダー形式で表示する機能
調査したところ,受診 1ヵ月前から受診当日まで
や,予約担当者全員へ予約に必要な共通の情報を
に平均して 8〜9 名,キャンセルが発生すること
提供できる機能を持たせた(図 2).
がわかったため,図 3 のように,1ヵ月前までは
また,受診の 1ヵ月前,2 週間前,1 週間前でキャ
ンセルを見越した最大予約可能数を自動的に更新
69 名を予約可能としたが,受診日が近づくにつ
れて 60 名の受診者数となるように,予約可能数
していくことができるようにし,受診当日の予約
を自動で更新した.
の不足と取りすぎの両方に対応した.
キャンセルがあり,空きが発生した日には,あ
図 3 予約可能数の自動更新
予約可能数を自動更新する例
図 4 実績管理ツール
当健診センターで独自に作成した収益管理ツール
72 ( 476 )
人間ドック
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らかじめキャンセル待ちをしている受診者へ連絡
合で達成され,年度の収益額においても年度目標
をし,空き枠を紹介した.
.
を達成した
(図 5)
また,本ツールと併用して実績管理ツールも
新予約管理ツール,実績管理ツールを使用する
作成した.ツールの作成は Microsoft Access2010
前の 2013 年度と,ツールの使用を開始した 2014
を用いた(図 4)
.これまで,実績は月 1 回全体会
年度の年間受け入れ人数を比較すると,一日ドッ
議の時のみ集計して報告していたが,実績管理
クは 6,890 名から 7,315 名と約 6.2% 増加し,二
ツールは当健診センター内の全端末からどの職種
日ドックは 2,197 名から 2,208 名と約 0.5% 増加
でも閲覧できるよう設定し,毎晩実績データを自
し,半日ドックは 6,034 名から 5,943 名と約 1.5%
動更新することで,日々最新の収益状況を確認で
減少した.また,これら 3 つの主コース合計にお
きるようにした.
いては,15,121 名から 15,466 名と約 2.3% 増加
実績管理ツールは,全コースの総合計の収益と
人数を日単位・月単位で表示し,前年度同期との
.
した
(図 6)
目標数と実施数の差をグラフに表すと
(図 7)
,
比較を出力する.また,主要なコースごとの収益
差が –3 名〜+3 名までの日数が多く分布してお
と人数も表示を切り替えて参照することができる.
り,全体の 73.6% を占めている.このことから
さらに,胃部内視鏡検査を含む主要なコースで
目標数から大きく離れず,キャンセルをうまく調
ある,一日ドック・二日ドック・半日ドックの年
整できた日が多いことがわかる.しかし,目標数
間予約状況を集計し,目標受け入れ人数と比較し
と実施数の差がマイナスになった日も多く,日数
た受入状況を確認できるようにした.これにより,
全体の 37.7% となった.
年度前に立てた目標と比較し予約がどの程度入っ
ているか確認することができる.
結
考
察
主コースの総数が増えている点は,2013 年度
果
途中から 1 週間に 1 日,1 名多くの胃内視鏡検査
予約管理ツールを活用することにより,年度途
医が検査を実施できるようになったためで,これ
中の受診希望者の受け入れが効率的になった.そ
により増えた枠へ予約者を有効に受け入れること
の結果,2014 年度の受診者数は主なコースの年
ができた.また,限られた予約枠のなかで,比較
度目標はそれぞれ,一日ドックが 98.3%,二日
的安価な半日ドック受診者の受け入れを抑え,一
ドックが 96.4%,半日ドックが 104.3% と高い割
日ドック受診者の受け入れを増やすよう調整する
図 5 年間目標人数達成率
図 6 主コース受け入れ人数の対前年比
年間目標の受け入れ人数に対して,実績の人数の率
主コースごとの受診者受け入れ人数の前年比
人間ドック
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73 ( 477 )
図 7 胃部内視鏡検査の目標人数と実施人数の差と日数
横軸:胃部内視鏡検査において,日ごとの受け入れ目標人数に対して実施の人数の差.縦軸:上記の日数.
ことができ,年度の収益額も約 4.2% 増加した.
無駄を減らし,限度枠まで予約を受け入れること
ただし,問題点として,半日ドックから一日ドッ
に関して有効であると考える.本ツールと併用し
クへの受け入れ割合を増加させる調整において
た実績管理ツールにより年度目標に対する達成率
は,胃部内視鏡検査の実施数は同じであるが,当
を常に監視できるようになった.今後はさらに
日の結果説明数,腹部エコー検査数が増加すると
データを解析し,要望を取り入れて,主コースす
いう問題がある.現状でも,腹部エコー検査にお
べての目標数に対しての受け入れ結果の誤差を
いては技師が 1 日に実施する件数の最大数を超え
1% 以下にしていきたい.
ているため,受け入れ体制の見直しも必要である.
今後の改善すべき点として,予約管理ツールで
利益相反
内視鏡検査の予約可能数と結果説明可能数を 1 画
なし
面で見ることができるよう改良し,予約に必要な
情報をより速く収集できるものにしていきたい.
また,一日ドックの需要は年々増加傾向にあり,
なお本論文の要旨は第 56 回日本人間ドック学
会学術大会
(2015 年,横浜)
において発表した.
すべての希望者を受け入れきれていないのが現状
であるため,目標数に対して実施数が少なかった
文
日の割合を減らし,現状の設備およびスタッフ数
1) 吉原博幸:経営分析データによる病院経営改善の試み.
医療情報学 2003;23:389–396.
2) 下村欣也 , 久保亮一:病院経営におけるコスト構造の定量
における最大の受け入れ人数を見極めたうえで,
必要に応じて増加させていくことが課題となる.
結
献
分析-国立病院機構の黒字病院と赤字病院とのグループ間
比較-.日本医療・病院管理学会誌 2011;48:129-136.
(論文受付日:2016.1.29 論文採択日:2016.7.20)
語
当健診センターの新予約管理ツールは空き枠の
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Use of Tools for Managing Appointments and Appointment Performance
in Health Examination Center
Hiroki Tanaka, Miho Sakurai, Hiroyuki Kajiyama, Azusa Hisada, Katsunori Fujisawa,
Yoshiro Iida, Yoshitake Tsuchiya, Kazuhiro Okafuji
Fukuiken Saiseikai Hospital Health Examination Center
Abstract
Objective: In our health check-up center it is standard practice to conduct stomach exams by endoscopy and it is possible to accept 60 persons per day for such exams. However,
regarding appointment performance, vacant slots often occurred due to cancelations and
reducing them had been an issue at our center. In this study, we established a new method
to solve this problem.
Methods: In order to maximize the use of appointment slots on a daily basis, we created
our own appointment slot management tool. It displays the current appointment situation
and maximum number of appointments possible in calendar format, and enables the provision of commonly required appointment information to all persons in charge of appointments. Through checking the changing appointments situation from day to day, the system
can be precisely updated in anticipation of cancelations. We also created a appointment
performance management tool for use in combination with this tool and set up the system
so that the appointment situation can be viewed from all terminals in our center by all staff
concerned. Furthermore, as the system updates appointment performance data every day,
achievement rates for annual targets can be checked on a daily basis.
Results: The use of the appointment slot management tool has made the acceptance of persons desiring stomach exams during the year more efficient and made it possible to reduce
the number of wasted appointment slots to the maximum extent. As a result, annual examinee number achievement rates for each exam program were 96% or over. We were also
able to achieve annual earnings targets.
Conclusion: We believe that our appointment slot management tool has been highly effective in reducing wasted appointment slots and in allowing the maximum number of
appointments to be inserted. The combined use of this tool and our appointment performance management tool has made it possible to constantly monitor achievement rates for
annual targets.
Keywords: appointments management, appointment performance management, system
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75 ( 479 )
症例報告
人間ドック 31:480-485, 2016
人間ドックの上部消化管内視鏡検査で発見された
胃アニサキス症 14 例の検討
古川真依子
原田明日香
田口淳一
金井尚子
草野敏臣
帯刀 誠
山門 實
要 約
目的:人間ドックで上部消化管内視鏡を施行した際,偶然に胃内にアニサキスが発見されることが
あるため,その特徴について検討を行った.
対象:2013 年 4 月から 2016 年 3 月までの間に , 当院の人間ドックで施行した上部消化管内視鏡検査
で胃アニサキス症を認めた 14 例.
方法:年齢,性別,自覚症状,内視鏡所見等について retrospective に比較検討した.
結果:男女比は 3:4 で年齢の中央値は 44 歳であった.時期は 11 月から 2 月に 8 例が集中しており,
冬期に好発する傾向であった.何らかの自覚症状を認めた者は 6 例で,その全例に検査前 2〜3 日以
内にサバ,イカなどの魚介類の摂取歴があった.血液検査で好酸球分画の上昇を認めたのは 4 例で
あった.内視鏡所見では,虫体の穿入部位は多岐にわたっていたが,小彎側より大彎側に多く,噴
門部への穿入例も 2 例認めた.粘膜状態については,虫体の穿入部周囲粘膜の浮腫のみを認めるも
のが 3 例 4 病変,浮腫に加えて周辺粘膜の発赤を伴うものが 7 例,発赤,浮腫とともにびらんを認め
るものが 1 例,さらに粘膜下腫瘍様の隆起を伴うものが 3 例であった.また,ヘリコバクターピロ
リの感染例は 2 例であった.
結論:胃アニサキス症でも無症状の症例があることを認識し,健診時の問診や内視鏡検査に臨む必
要がある
キーワード 胃アニサキス症,人間ドック,上部消化管内視鏡
緒
言
内視鏡的に虫体を摘出することで症状が改善され
アニサキス
(Anisakis simplex)
は鯨,イルカ,ア
ることが知られている.しかし,約 1〜2 割の症例
ザラシなどを終宿主とする回虫上科,アニサキス
は無症状であるという報告 5)や,健診時に偶然に
科,アニサキス亜科に属する線虫であり,感染し
発見された症例報告も少なくない 6).今回,我々
た魚介類を人間が摂取し,アニサキス幼虫が消化
は当院の人間ドック時に施行した上部消化管内視
管内に穿入することにより発症する.人体よりア
鏡で偶然に経験した胃アニサキス症 14 例について
ニサキス幼虫を証明したのは 1950 年,Hitchcock
検討したので,若干の文献的考察を加え報告する.
がアラスカエスキモーの糞便検査で発見したこと
年に浅見 らがアニサキス症の症例を報告,1968
対象と方法
2013 年 4 月 1 日から 2016 年 3 月 31 日までの当
年には並木らが胃壁のアニサキス幼虫を内視鏡的
院の人間ドック受診者で上部消化管内視鏡検査を
に摘出したことを報告し,以後多くの胃アニサキ
施行した 23,993 例のうち,胃アニサキス症と診
が最初とされ 1),本邦では 1963 年に西村 2),1964
3)
4)
断された 14 例を対象とし,年齢,性別,自覚症状,
臨床的には,胃アニサキス症は上腹部痛で発症
内視鏡所見等について,retrospective に検討した.
する急性腹症の一つである.魚介類の生食により
本研究は,
当施設の倫理委員会の規定に従って,
ス症例が報告されている .
アニサキスの虫体を摂取することが原因であり,
東京ミッドタウンクリニック・人間ドックセンター
76 ( 480 )
人間ドック
同意書により対象者のインフォームドコンセント
連絡先:〒 107-6206 東京都港区赤坂 9-7-1 ミッドタウンタワー 6F
Tel:03-5413-0080 Fax:03-5413-7915
Vol.31 No.3 2016 年
が得られている.
ピロリの感染は 2 例であった.
結
考
果
表 1 に胃アニサキス症と診断された 14 例の患
察
アニサキス症は第一中間宿主のオキアミ類を経
者背景,血液検査所見,内視鏡検査所見等を示す.
て第二中間宿主である魚類,軟体動物に摂取され
男女比は 3:4 と男性でやや多く,年齢の中央値
ると第三期幼虫となるため,感染魚の種類は 150
は 44 歳であった.季節性については 3〜5 月が 2
種以上といわれている.本邦におけるアニサキス
例,6〜8 月が 2 例,9〜11 月が 4 例,12〜2 月が 6
症の感染原因食はサバが一番多いと考えられてい
例であり冬期に好発していた.自覚症状を認めた
るが,地域により相違があり,西日本および関東
のは 6 例で,主な主訴は心窩部痛であるが,嘔吐
周辺ではサバ,イワシ,アジなど,北海道では鱈,
や胸焼けを伴う例もあった.また,自覚症状のあ
ホッケ,サケなどが原因魚種として多く報告され
る場合では,検査前 2〜3 日以内にサバ,イカな
ている 7,8).
どの魚介類の摂取歴が明確な例が多く,魚介類を
好発時期については秋から冬にかけて多く,こ
摂取しているにも関わらず無症状な例は 2 例のみ
れはアニサキスの感染原因食として多いサバや
であった.
鰹,鮭などの旬の時期と一致していることと,夏
血液検査では,好酸球分画が 5% 以上の上昇を
季に食中毒菌の感染防止から魚介類の生食を避け
る傾向があることが背景に考えられる.また,ア
認めたものは 4 例であった.
内視鏡所見では,症例 4 は 2 箇所に虫体の穿入
ニサキスは –20℃以下の冷凍保存,60℃で 5 秒,
を認めた.虫体の穿入部位は胃内全体の多岐にわ
100℃の加熱で瞬時に死滅するといわれている 9).
たっていたが,小彎側より大彎側が多く,噴門部
感染予防としては天然海産魚介類の生食を避ける
にも 2 例の穿入を認めた.穿入部の所見では,穿
こと,加熱調理を行うことが最も有効と考えられ
入部周囲粘膜の浮腫のみを認めるものが 3 例 4 病
るが,日本の食文化としては非現実的であるとい
変
(症例 3,4,12),浮腫に加えて周辺粘膜の発
える.より現実的な方法としては,冷凍処理され
赤を認めるものが 7 例(症例 5〜9,11,13),浮腫,
た魚や養殖魚を用いることや,アニサキスが魚の
発赤とともにびらんを認めるものが 1 例(症例 1)
,
内臓周囲の筋肉部へ移行する場合が多いことか
さらに粘膜下腫瘍様の隆起を伴うものが 3 例
(症
ら,早期に内臓とその周囲の筋肉部を取り除くこ
例 2,10,14)であった.また,ヘリコバクター
とが感染リスクを軽減する方法と考えられる.
表 1 胃アニサキス症例の患者背景,検査所見
症例
年齢
性別
時期
(月)
1
2
3
4
46
61
37
45
F
M
M
M
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
41
56
66
47
35
33
49
46
37
44
F
F
M
F
F
F
M
F
F
M
自覚症状
魚介類
白血球 / μ L
(好酸球 %)
2
12
9
11
心窩部痛
胸焼け、嘔吐
サバ
サバ,イワシ
不明
不明
5230(5.0)
5690(9.5)
6130(4.2)
6250(3.0)
12
8
3
11
1
3
2
4
8
12
–
–
–
–
不明
不明
サバ
不明
イカ,マグロ
不明
イカ,アジ
ハマチ,タイ
サバ,マグロ
サバ,イカ
5290(2.3)
4840(2.1)
4690(1.0)
5070(0.8)
3820(2.1)
5350(1.5)
5830(6.0)
4640(7.1)
8270(3.1)
6820(3.0)
–
–
心窩部痛
–
–
胃もたれ
心窩部痛
心窩部痛
人間ドック
部位
胃角部後壁
体上部前壁
体下部大彎
噴門部
体下部前壁
体下部後壁
体上部大彎
体中部大彎
体中部前壁
穹窿部
前庭部大彎
噴門部
体上部大彎
体下部前壁
前庭部小彎
Vol.31 No.3 2016 年
浮腫
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
内視鏡所見
びらん
発赤
+
+
–
–
–
–
–
–
–
–
+
–
–
–
+
+
+
–
–
–
+
+
+
+
+
+
+
–
+
+
隆起
–
+
–
–
–
–
–
–
–
–
+
–
–
–
+
HP
+
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
+
77 ( 481 )
胃アニサキス症の主な症状は上腹部痛,悪心,
嘔吐であり,急激に発症するため,急性腹症の鑑
IgE 上昇などが挙げられるが特異的な所見ではな
い.本症例では 4 例で 5.0% 以上の好酸球分画の
別診断の一つとして挙げられる.感染臓器として
上昇を認めた.特異的な所見ではないものの,ア
は胃が 95% 以上と最も多いが,他に口腔,食道,
ニサキス症をアレルギー疾患としてとらえると,
十二指腸,小腸,大腸とあらゆる消化管におけ
好酸球上昇の原因として説明がつく.
る症例報告がある
10)
.胃以外の臓器感染の場合,
胃アニサキス症の内視鏡的所見の特徴は,虫体
腹部不快感,下痢,腹膜刺激症状,腹部腫瘤,蕁
の穿入部周囲粘膜の発赤,浮腫,びらん,潰瘍,
麻疹など,多彩で非特異的な症状として発症する
粘膜下腫瘍様の隆起等が挙げられるが,穿入部周
ことが多く,急性虫垂炎やイレウス,腸重積と診
囲粘膜の浮腫のみを認める例もある
(図 1a〜d)
.
断され開腹手術を行い,その結果診断に至ること
本例では発赤に加え,びらんや隆起といった粘膜
5)
も少なくない .また,今回の我々と同様に,無
障害を伴う症例ほど,心窩部痛等の自覚症状を強
症状で偶然に発見された症例もいくつか報告され
く認める傾向があるとことがわかった.また虫体
7)
が確認できない場合でも,同様の所見が描出され
ている .
性別,年齢層については 30 歳代男性に多いと
いう報告があるが
11,12)
,本例では僅かに女性に多
く,年齢は 30〜60 歳代で中央値は 44 歳であった.
る時は,
過去の虫体穿入部位の可能性があるため,
問診内容と総合しての診断が必要とされる.
虫体の穿入部位については,胃体部大彎が最も
これは健診目的の内視鏡という背景も影響してい
多いという報告がなされており 14,15),本例も半数
ると思われる.月別の発生状況については,冬期
以上で同部位への穿入を認めたが,その原因はい
に多いとする波多野らの報告
12)
の通り,本例で
まだ不明である.また,諸家の報告でも穿入部位
も 11〜2 月に半数の 8 例が集中していた.アニサ
は胃体部に関わらず多岐にわたっている 5,14,15).噴
キスの寄生率や筋肉部への移行数は同一魚種,同
門部への穿入例は各報告でも体部と比較すると少
一産地の魚介類であってもばらつきがあるため,
ないとされるが,本例中では 2 例に認めている
(図
細菌性やウイルス性食中毒と異なりアニサキス症
2).噴門部への穿入の原因は,嚥下時に食物が食
が集団感染することはまれであるが,1988 年に
道胃接合部に停滞する場合や,食道裂孔ヘルニア
千葉県でカタクチイワシの生食による 62 名のア
により胃内容物の逆流を伴う場合が考えられる.
ニサキス集団感染事例の報告もある
13)
虫体数については,10〜20% の症例では 2 匹以
.
本例のうち,問診より検査前 2〜3 日以内に魚
上の複数が同時にみられるといわれており,10
介類の摂取が明確であったのは 8 例であり,内
匹以上存在したとの報告もある 10).本例中の症
容はサバが 4 例と最も多く,次いでイカが 3 例で
例 4 は食道胃接合部と体下部大彎に 2 匹の穿入を
あった.残りの 6 例は魚介類の摂取歴が不明で
認めた.このように,虫体の穿入は生物学的特性
あったが,これは検査前数日より以前の摂取,料
や宿主の摂食状況を反映しているものと推測され
理内容等により受診者に摂取の自覚がなかった,
るが,上部消化管内視鏡の施行時には虫体が多数
問診不足等が理由として挙げられる.
存在することも念頭に,可能な限り十分な送気に
胃アニサキス症の診断方法の第一選択は上部消
よる観察が必要である.
化管内視鏡であることは当然であるが,下部消化
治療法としては,内視鏡的に虫体の摘出を行う
管の症例は困難なことも多く,注腸造影や腹部超
ことが一般的であり,治療後に症状は速やかに軽
音波,CT 等で腹水貯留や腸管浮腫等が認められ
快することが多く,今回,自覚症状を認めた症例
ることもある.また,診断の補助的位置付けとし
も全例で症状は改善した.しかし,潰瘍やびらん
て血清学的検査でアニサキス虫体を抗原とした抗
を伴ったり,粘膜の隆起が目立つ場合は摘出後も
体が存在するが,迅速性には欠ける.血液検査で
症状が遷延することもあり,粘膜保護剤やプロト
は白血球上昇,好酸球増多,CRP 陽性,血沈亢進,
ンポンプインヒビターの内服が推奨される.下部
78 ( 482 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
図 1 胃アニサキス症の内視鏡像
a. 穿入部周囲粘膜の浮腫,b. 穿入部周囲粘膜の発赤,c. 穿入部のびらん,d. びらんと周囲の粘膜隆起
図2
人間ドック
噴門部の穿入例
Vol.31 No.3 2016 年
79 ( 483 )
消化管症例については,虫体の摘出は困難な場合
文
が多いため,保存的治療が第一選択となる.しか
1) HITCHCOCK DJ: Parasitological study on the Eskimos
in the Bethel area of Alaska. J Parasitol 1950 ; 36 : 232 234.
2) 西村 猛:人体腸間膜の小膿瘍内から見出された幼若な線
虫について.寄生虫誌 1963;12:80.
3) 浅見敬三,今野 宏,綿貫 勤ほか:アニサキスの感染によ
る肉芽腫症例.寄生虫誌 1964;13:325-326.
4) 小山 力,荒木 潤,町田昌昭ほか:人胃より見出した
Anisakidae 幼虫と人 Anisakis 症に関する全国アンケート
調査.寄生虫誌 1983;32:8.
5) 石倉 肇,早坂 滉,水柿 浩ほか:アニサキス症について
-その発生状況と臨床-.日臨外医会誌 1969;30:785790.
6) 加納美樹子,大田真理,武田英孝ほか:1-6-29 当院にお
ける人間ドック上部消化管内視鏡にて発見された 20 例の
胃アニサキス症について.人間ドック 2014;29:289.
7) 唐澤洋一,唐澤学洋,神谷和則ほか:最近の消化管アニ
サキス症について-第 2 回全国集計報告-.週刊日本医
事新報 2008;4386:68-74.
8) 影井 昇:アニサキス症.最新医学 1989;44:781-791.
9) 鈴木 淳,村田理恵:わが国におけるアニサキス症とアニ
サキス属幼線虫.東京健康安全研セ年報 2011;62:1324.
10)飯野治彦,内田 哲,今村和之ほか:九州のアニサキス症
1〜8 次アンケート調査・総まとめ.臨と研 1993;70:
3563-3576.
11)小田原良治,西 満正,野村英洋ほか:急性胃アニサキ
ス症の検討-とくに X 線診断について-.日消外会誌
1979;12:257-263.
12)波多野裕,内田善仁,廣田和子ほか:山口県長門地方
し,診断に至るのに難渋している間に,まれでは
あるが腸管穿孔を起こしたり,腹膜炎を併発する
場合もあり,緊急手術が必要となることもあるた
め,慎重な経過観察が必要である.
アニサキス症の再発は一般的でないが,蕁麻疹
等を併発する症例については,アニサキスによる
アレルギーである可能性がある.粕谷ら 16)はサ
バの喫食により蕁麻疹を呈した患者を対象とした
パッチテストの結果から,サバよりアニサキスに
対する陽性率が高いことを発見し,アニサキスに
よるアレルギー症であることを提唱した.その後,
サバだけでなく他の魚種とアニサキスに対する比
較調査も行われ 17),現在,アニサキスに対する
免疫学的検査はアレルギー検査項目の一つとなっ
ている.他の治療法として,ステロイド剤,抗
アレルギー剤を使用した報告 18)や,駆虫剤内服,
造影剤散布の報告もある.また,即時型アレルギー
反応であるアナフィラキシーショックを呈した症
例報告もあり 19),一般的に問診等でサバアレル
ギーを疑う場合は注意が必要である.
結
論
人間ドックで偶然に発見された胃アニサキス症
の症状や内視鏡所見について,自験例 14 例を検討
した.通常,胃アニサキス症は心窩部痛等の症状
で急激に発症することが多いが,健診時に偶然発
見されることも少なくない.検査前の問診で胃ア
ニサキス症を強く疑うことは困難であるが,症状
が明確でなく偶然に発見される症例もまれではな
いことを認識し内視鏡検査を施行する必要がある.
利益相反
本論文の利益相反はない.
献
における胃アニサキス症の臨床像と内視鏡所見の検討.
Gastroenterol Endosc 1985;27:2306-2313.
13)加藤桂子,影井 昇,林 幸夫ほか:アニサキス症の集団
発生をみた千葉県鴨川市周辺地域において水揚げされ
たカタクチイワシの寄生虫学並びに疫学調査.寄生虫誌
1992;41:425-430.
14)山 下 行 博, 渋 江 正, 田 中 啓 三 ほ か: 胃 ア ニ サ キ ス 症
の 臨 床 的 検 討 鹿 児 島 県 に お け る 678 症 例 に つ い て.
Gastroenterol Endosc 1988;30:3092-3098,3103.
15)中島賢一,山口武人,尾高健夫ほか:千葉県北東地域に
おける胃アニサキス症の臨床的検討.Prog Dig Endosc
2001;58:40-43.
16)Kasuya S, Hamano H, Izumi S: Mackerel-induced
urticaria and Anisakis. Lancet 1990; 335: 665.
17)Kimura S, Takagi Y, Gomi K: IgE response to Anisakis
compared to seafood. Allergy 1999; 54: 1225-1226.
18)山本 馨:胃及び腸型アニサキス症に対するジンマシン療
法.Clin Parasitol 1999;10:75-77.
19)亀山梨奈,矢上晶子,山北高志ほか:サンマ摂取により
アニサキスに対する即時型アレルギーを呈した 1 例.ア
レルギー 2006;55:1429-1432.
(論文受付日:2016.6.4 論文採択日:2016.6.24)
80 ( 484 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
14 Cases of Gastric Anisakiasis Found by Health Screening Endoscopy
Maiko Furukawa, Asuka Harada, Naoko Kanai, Makoto Tatewaki,
Junichi Taguchi, Toshiomi Kusano, Minoru Yamakado
Tokyo Midtown Clinic and Health Screening Center
Abstract
Objective: Anisakiasis may be coincidentally discovered in upper gastrointestinal endoscopy carried out in health check-ups so we studied its features.
Subjects: Subjects were 14 examinees in whom gastric anisakiasis was observed in upper
gastrointestinal endoscopy carried out in the Ningen Dock of our institution from April
2013 to March 2016.
Methods: A retrospective comparative study of such factors as age, gender, subjective
symptoms and endoscopic findings was carried out.
Results: The male-female ratio was 3:4 and the median age was 44 years. Discovery was
concentrated in the November to February period, when there were 8 subjects with the
parasite, so there was a tendency toward frequent occurrence in winter. Six subjects had
subjective symptoms and all of them had eaten mackerel, squid or other seafood within
2-3 days prior to examination. In blood tests, an increase in the eosinophil fraction was observed in 4 subjects. As for endoscopic findings, while locations infected by anisakis varied
a lot, more were in the greater curvature than in the lesser curvature, and 2 subjects had the
parasite in the cardiac region. Regarding the condition of mucosa around locations with
anisakis, in 3 subjects only edema was observed, with 4 lesions, 7 subjects had redness in
addition to edema and in 1 subject erosion was observed in addition to edema and redness.
Furthermore, 3 subjects also had a submucosal tumor-like protrusion. Two subjects were
infected with Helicobacter pylori.
Conclusion: For anisakiasis, it is necessary to recognize that some patients are asymptomatic and deal with this in examinee interviews and endoscopic examinations during health
check-ups.
Keywords: gastric anisakiasis, Ningen Dock, upper gastrointestinal endoscopy
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
81 ( 485 )
症例報告
人間ドック 31:486-491, 2016
器質的大腸疾患がなく,
上部消化管造影検査後に直腸穿孔した一例
柏原貴之
水上泰延
要
約
器質的大腸疾患がなく,上部消化管造影検査後に直腸穿孔した一例を経験した.症例は,66 歳,
女性で,上部消化管造影検査後 2 日目に腹痛が出現した.大腸内視鏡検査で直腸にバリウム便塊と
粘膜の裂創,腹部 CT 検査では free air を認め,直腸穿孔の診断で緊急手術となった.直腸 S 状部に
穿孔を認め,バリウム便塊が嵌頓していた.穿孔部を含めた腸管切除および端々吻合が施行された.
術後は経過良好で,術後 17 日目に退院した.検査後の排便状態やバリウム便塊について,若干の
文献的考察を加え報告する.
キーワード バリウム,上部消化管造影検査,消化管穿孔
緒
言
入院時血液検査:白血球数は 10,600/µL と高値で
バリウムによる上部消化管造影検査は,日々多
あったが,CRP は 0.17mg/dL であった.その他,
くの検査が行われている.検査後に大腸穿孔を起
異常所見を認めなかった.
こす症例は,まれではあるが重篤化するため看過
腹部単純 X 線写真:直腸 S 状部にバリウム便塊を
できない.大腸穿孔の一例を経験したので,文献
認めた.バリウムは虫垂内にも認めるが大半は排
的考察を加えて報告する.
泄されていた
(図 1)
.
次に腹部骨盤 CT 検査を施行したが,明らかな
症
例
症例:66 歳,女性
free air を認めなかったため,観察およびバリウム
既往歴:高血圧,脂質異常症,糖尿病
同部位の粘膜に裂創を認める.明らかな穿孔部位
腹部既往歴:特記すべきことなし
は確認できなかった
(図 2)
.バリウム便塊の一部
検診歴:当センターでは,2002 年より 12 年間に
を摘出した.
便塊摘出を目的に大腸内視鏡検査を施行した.
主訴:右下腹部痛,嘔吐
大腸内視鏡検査:直腸 S 状部にバリウム便塊と,
11 回の上部消化管造影検査を受けていた.その際
大腸内視鏡後も症状が持続したため,再度 CT
の排便困難は認めなかった.
で評価した.
現病歴:胃がん検診として上部消化管造影検査を
腹部骨盤 CT 検査:直腸内にバリウム塊,腸管外
受けた.検査直後より,
下剤内服,
水分摂取に努め,
に free air を認めた
(図 3)
.
バリウム混じりの排便を認めていたが,例年と比
以上より,上部消化管造影検査後に発症した直
べ排便遅延があった.検査 2 日後に右下腹部痛と
腸穿孔による汎発性腹膜炎の診断で,緊急手術と
嘔吐が出現し,併設の病院へ受診した.
なった.
入院時現症:身長 151cm,体重 54kg,体温 35.9 度,
手術:直腸 S 状部に穿孔部位を認めた.バリウム
血圧 81/46mmHg,脈拍 78/ 分,腹部平坦,右か
便塊は穿孔部位に嵌頓していた.嵌頓していたた
ら正中の下腹部痛があり,同部位に圧痛と反跳痛
めか腹腔内の汚染は少量で,膿瘍は形成していな
を認めた.
かった.穿孔部を中心に炎症性に硬い腸管を含め,
JA 静岡厚生連遠州病院 健康管理センター
82 ( 486 )
連絡先:〒 430-0929 静岡県浜松市中区中央 1-1-1
Tel:053-453-1111 Fax:053-401-0081
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
図 2 大腸内視鏡画像
直腸 S 状部の粘膜に裂創を認める
図 1 腹部単純 X 線画像
バリウム便塊以外のバリウムは,ほぼ排泄されている
図 3 腹部 CT 線画像
矢印の部分に free air を認める
約 30cm の腸管を切除した.肛門側断端から肛門
等の粗大病変を認めなかった.
側約 10cm は,炎症はないが細く,径 25mm の自
病理検査:穿孔部は壊死し,腸管壁内に膿瘍を形
動吻合器を用いて端々吻合した.吻合部の腸管は
成していた.虚血性疾患,炎症性腸疾患等の基礎
浮腫がなく,縫合不全の可能性が低いと判断し,
疾患や悪性所見は認められなかった.
人工肛門は造設しなかった
(図 4)
.
術後経過:術後経過は良好で,術後 17 日目に退
大腸切除標本:穿孔部位を認めるが,憩室,腫瘍
人間ドック
院した.
Vol.31 No.3 2016 年
83 ( 487 )
図 4 標本画像
内視鏡で確認された裂創と,創の肛門側端に穿孔部位を認める
表 1 器質的大腸疾患を伴わない上部消化管造影検査後の大腸穿孔症例
報告年
1990
1992
1993
2002
2006
2009
2009
2010
2010
2010
2010
2010
2011
2011
2012
2012
2012
2012
2012
2013
2013
2014
2014
2014
2014
考
報告者
田上ら
石塚ら 5)
仁科ら 6)
礒ら 7)
田中ら 8)
堤ら 9)
中尾ら 10)
右近ら 11)
右近ら 11)
右近ら 11)
大楽ら 12)
中川ら 13)
久賀ら 14)
窪田ら 15)
佐谷ら 16)
岡田ら 17)
三木ら 18)
松尾ら 19)
工藤ら 20)
高久ら 21)
内田ら 22)
北山ら 23)
岡田ら 24)
山崎ら 25)
上田ら 26)
自験例
4)
年齢(歳) 性別
78
76
62
68
64
72
66
71
70
73
79
80
90 歳代
81
40
46
48
47
74
68
49
60
64
74
63
66
女
女
女
女
女
女
女
男
女
女
男
女
女
女
女
女
女
女
女
女
女
女
男
女
女
女
穿孔部位
検査目的
穿孔までの
期間
(日)
S 状結腸
S 状結腸
不明
腹部精査
不明
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
不明
検診
検診
検診
検診
検診
検診
検診
3
2
1
3
6
1
3
2
3
3
2
2
10
7
2
2
1
3
3
1
2
5
1
1
2
2
下行結腸
S 状結腸
S 状結腸
直腸
直腸
直腸
S 状結腸
S 状結腸
S 状結腸
下行結腸
下行結腸
S 状結腸
S 状結腸
下行結腸
S 状結腸
直腸
S 状結腸
S 状結腸
S 状結腸
S 状結腸
下行結腸
S 状結腸
S 状結腸
直腸
察
術式
Hartmann 手術
縫合閉鎖 + 人工肛門
人工肛門
腸切除 + 人工肛門
Hartmann 手術
Hartmann 手術
Hartmann 手術
Hartmann 手術
Hartmann 手術
Hartmann 手術
Hartmann 手術
人工肛門
腸切除 + 人工肛門
腸切除
Hartmann 手術
Hartmann 手術
腸切除 + 人工肛門
Hartmann 手術
経肛門的イレウスチューブ
腸切除
腸切除 + 人工肛門
Hartmann 手術
腸切除 + 人工肛門
Hartmann 手術
腸切除 + 人工肛門
腸切除
転帰
便秘の有無
バリウム排便
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
生
不明
不明
不明
不明
不明
不明
あり
不明
不明
不明
不明
なし
不明
不明
不明
なし
不明
不明
不明
不明
不明
不明
不明
あり
なし
なし
不明
不明
不明
あり
不明
不明
あり
不明
あり
あり
不明
なし
なし
不明
あり
あり
不明
不明
あり
あり
不明
不明
あり
不明
あり
あり
亡頻度 0.0003% より高い 3).
上部消化管造影検査の偶発症で死亡例の発生頻
1)
医学中央雑誌において 1983 年から 2015 年の間
度は,0.00039% と報告されている .つまり約
で
「バリウム」
,
「消化管穿孔」のキーワードで検索
100 万人に 3 人である.これは,上部消化管内視
鏡検査の偶発症による死亡の発生頻度 0.00019%
し,さらに,器質的疾患を持つ症例を除外したと
や 2),非イオン性ヨード造影剤の副作用による死
84 ( 488 )
人間ドック
4-26)
ころ,自験例を含めて 26 例であった
(表 1)
.
その内訳は,男性 3 例,女性 23 例と女性に多く,
Vol.31 No.3 2016 年
年齢は 40〜90 歳代で高齢者が多いが,40 歳代に
1 つは,「詳細な問診」,もう 1 つは,危険性が疑
も認められた.穿孔部位は,下行結腸 5 例,S 状
われる症例の
「内視鏡検査への変更」
である.最後
結腸 16 例,直腸 5 例で,下行結腸より肛門側に
の 1 つは,検査に関する
「啓蒙」
である.
集中していた.検査から発症までは平均 2.3 日で
あった.
1 つ目の「詳細な問診」のためには,詳細な問診
表が有効であると考えられる.現症や既往歴をよ
また,11 例は発症までにバリウムの排泄が認め
く聴取することで,バリウム内服の危険性が顕在
られた.文献の画像から判断したところでは,7
化する.また,問診表が存在することで,スタッ
例はバリウム便塊以外の多くのバリウムは排泄さ
フ間の問診の質が均一となり,さらに,均一な業
れていた
7,16,17,20,24,26)
務を繰り返すことで,スタッフに知識として定着
.
バリウム便塊による発症の機序は,バリウムが
大腸に停滞することにより血流障害を誘発し,脆
していくというメリットもある.
2 つ目の「内視鏡検査への変更」の条件として,
弱した腸管の圧が高まって穿孔を引き起こす.解
バリウム製剤の添付文書にある慎重投与の項を参
剖学的に S 状結腸は大腸のなかでも内腔が狭く,
考に,腹痛等の腹部症状,腸閉塞や憩室炎等の既
後壁への固定も乏しいことから硬便が充満しやす
往歴,排便状況などが挙げられる.問診スタッフ
く,また異常に拡張しやすいことも要因となると
だけで判断が困難な場合は,医師の指示を仰ぐ体
8)
制作りも重要である.近年,対策型検診に内視鏡
考えられている .
当症例の発症機序は,病理所見から,バリウム
便塊の圧迫で壊死が起こり,腸管内から感染し膿
瘍が形成され,脆弱化した腸管が穿孔を起こし
たと考えられた.個体差であるが直腸 S 状部から
上部直腸が細かったことも誘因であったと考えら
による胃がん検診が含まれるようになり,以前に
比べ検査方法の変更が容易になってきている.
3 つ目の「啓蒙」とは,「受診者への啓蒙」と「医療
従事者への啓蒙」
がある.
まず,
「受診者への啓蒙」の必要性として,バリ
ウム停留は,検査後の受診者自身の行動に左右さ
れ,機序に矛盾はなかった.
以上を踏まえ,上部消化管造影検査による消化
れるからである.本邦の胃がん検診として長年定
着してきた上部消化管造影検査だが,定着しすぎ
管穿孔の予防策について検討する.
まず,死亡例の発生頻度を考慮すると,頻度が
た故か危険性を知らず,安易に検査を希望する受
やや低い非イオン性ヨード造影剤でさえ同意書の
診者も見受けられる.下剤の内服,水分摂取など
取得が当然となっている現在,上部消化管造影検
の必要性と,予防を怠った場合の偶発症の内容に
査においても検査に関する
「説明と同意」の必要性
ついての知識が,受診者を正しい行動に導くと予
が感じられる.
測される.
次に,死亡例の年齢を考慮すると,40 歳代の症
また,
「医療従事者への啓蒙」
の必要性は,必ず
例もあり,安易に年齢制限を設けても完全に防ぐ
しもスタッフが消化器を専門としているわけでは
ことは不可能であることが示された.
ないからである.問診で危険性を見分ける知識だ
また,検査後の安全性の指標の一つとして考え
けでなく,検査後にバリウム排泄があったとして
られているバリウム排泄の観点から考慮すると,
も,腹痛がある症例は腸管穿孔の恐れが高いこと
早期からのバリウム排泄が,必ずしも安全の指標
を周知する必要があると考えられた.
当センターでは,偶発症に対する同意を得るだ
とは言い切れないことが示唆された.
しかし,死亡原因となる消化管内でのバリウム停
けの同意書でなく,問診表や検査における注意
留の予防策は,一般的な下剤の内服と積極的な水
事項も含めて 1 枚に記載された書類を作成してい
分摂取以外に根拠のある策が少ないことが現状で
る.問診内容は,バリウム停留の危険性だけでな
ある.
く,誤嚥の危険性や,検査時の体位変換が可能か
そこで,現状で行える 3 つの対策を提案する.
人間ドック
どうかも確認している.
Vol.31 No.3 2016 年
85 ( 489 )
検査の説明は書面や問診に限らず,注意事項や
検査の様子を動画にし,待合フロアで供覧するこ
とで理解を深めてもらっている.
検査後の排便困難症例に対しては,下剤等の処
置を指導している.腹痛が発生した場合は,バリ
ウム排泄の有無に関わらず,併設の病院へ速やか
に受診するよう勧めている.
以上の考察のように,偶発症予防のための改善
点は多々あると考えられるが,根本的な予防策が
少ないことが現状である.そのようななか,上部
消化管造影後に下剤と過敏性腸症候群治療剤のポ
リカルボフィルカルシウムを併用することで,排
便障害に関する有効性の可能性が示された.腸管
内でポリカルボフィルが適度な水分を保持するこ
とで,バリウム便の固化を防止すると考えられて
いる 27).さらなる安全な胃がん検診のために,新
たな予防策や安全性の向上した造影剤の登場が期
待される.
結
語
器質的疾患がなく,上部消化管造影検査後に
直腸穿孔を発症した一例を経験した.上部消化管
造影後の偶発症をまったくなくすことは困難であ
る.しかし,医療関係者,検診受診者ともにバリ
ウムの偶発症を周知し,腹部既往歴,検診時の腹
部症状の聴取で危険性がある受診者に上部内視鏡
検査への変更を勧めることが,現状で可能な安全
対策である.また,検査後の腹痛症例は,バリウ
ム排泄の有無にかかわらず,医療機関への受診を
勧めるべきである.今後は,排便コントロールの
ための新たな対策やバリウム製剤が期待される.
利益相反
利益相反はない.
文
献
1) 渋谷大助,今野 豊,相田重光ほか:間接 X 線検査による
胃集検における偶発症.日消がん検診誌 2006;44:251258.
2) 芳野純治,五十嵐良典,大原弘隆ほか:消化器内視鏡
関連の偶発症に関する第 5 回全国調査報告- 2003 年よ
り 2007 年までの 5 年間-.Gastroenterol Endosc 2010;
52:95-103.
86 ( 490 )
人間ドック
3) 鳴海善文,中村仁信:非イオン性ヨード造影剤およびガ
ドリニウム造影剤の重症副作用および死亡例の頻度調査 .
日本医放会誌 2005;65:300-301.
4) 田上鑛一郎,黒江幸四郎,沼野正浩ほか:胃透視後に
発生したバリウム便塊による S 状結腸穿孔の 1 例 . 外科
1990;52:410-411.
5) 石塚式夫,加固紀夫:バリウム停滞による S 状結腸穿孔
の1例.日臨外医会誌 1992;53:1390-1393.
6) 仁科雅良,藤井千穂,荻野隆光:バリウム腹膜炎症の 4 例.
日消外会誌 1993;26:1310-1313.
7) 礒 幸博,下田 貢,中野智文ほか:巨大バリウム糞塊に
よる虚血性 S 状結腸穿孔の 1 例.日臨外会誌 2002;63:
1938-1942.
8) 田中恒行,濱中雄幸,吉川幸伸ほか:上部消化管造影を
契機に結腸間膜内膿瘍を形成した特発性大腸穿孔の1例.
日生病医誌 2006;34:140-144.
9) 堤 敬文,郡谷篤史,高橋郁雄ほか:術後炎症反応が遷延
したバリウム腹膜炎の 1 治療例.日臨外会誌 2009;70:
1860-1863.
10)中尾野生,鈴木和義,伊原直隆ほか:特発性腹部直腸穿
孔の 1 例.愛知医大医会誌 2009;37:61-64.
11)右近 圭:胃透視後のバリウム貯留による大腸穿孔の 3 例.
日臨外会誌 2010;71:1560-1565.
12)大楽耕司,上田晃志郎,鴨田隆弘ほか:後腹膜気腫を伴っ
た特発性大腸穿孔の 1 例.日臨外会誌 2010;71:137140.
13)中川博道,小野仁志,宮内勝敏:上部消化管造影後に生
じた,器質的大腸疾患を持たない下行結腸穿孔の 1 例.
臨外 2010;65:1601-1604.
14)久賀祥男,田中友隆,岡信秀治ほか:高齢女性における
上部消化管造影後に生じた下行結腸穿孔の 1 例.広島医
2011;64:415-418.
15)窪田康浩,小林達則,上山 聰ほか:上部消化管造影後に
発症した高 CEA 血症を伴う S 状結腸被覆穿孔の 1 例.手
術 2011;65:1703-1706.
16)佐谷徹郎,渡辺善徳,島崎二郎ほか:バリウムによる上
部消化管造影検査後に大腸穿孔を起こした 1 例.日本大
腸肛門病会誌 2012;65:65-69.
17)岡田晃斉,青竹利治,土居幸司ほか:胃癌検診後にバリ
ウムにより結腸穿孔をきたした 1 例.日臨外会誌 2012;
73:3203-3206.
18)三木高平,藤尾長久,葛城邦浩ほか:検診の上部消化管
バリウム検査後に大腸穿孔を来たした 1 例.南大阪病医
誌 2012;60:91-96.
19)松尾亮太,福沢淳也,池田 治:検診の上部消化管バリウ
ム検査後に直腸穿孔をきたした 1 例.日臨外会誌 2012;
73:87-90.
20)工藤健司,末永洋右,川本 清ほか:保存的に治療しえた
上部消化管造影検査後の大腸穿孔腸間膜穿破の 1 例.日
外科系連会誌 2012;37:807-812.
21)高 久 秀 哉, 東 和 明, 長 倉 成 憲 ほ か:Barium に よ る 上
部消化管造影検査後に生じた S 状結腸穿孔の 1 例.外科
2013;75:1124-1126.
22)内田苗利,和泉元喜,土谷一泉ほか:上部消化管造影検
査後のバリウム停滞が原因となった S 状結腸穿孔の 1 例.
Prog Dig Endosc 2013;82:174-175.
23)北山紀州,寺岡 均,西村潤也ほか:胃癌検診後のバリウ
ムが原因で発症した S 状結腸穿孔の 1 例.臨と研 2014;
91:1228-1231.
24)岡田慶吾,北村謙太,松村知憲ほか:検診胃透視後バリ
ウム便滞留の 2 例-内視鏡的アプローチの可能性-.臨
Vol.31 No.3 2016 年
と研 2014;91:1089-1093.
25)山崎泰源,波多野浩明,高田暢夫ほか:上部消化管造影
後に生じた S 状結腸穿孔によるバリウム腹膜炎の 1 例.外
科 2014;76:810-813.
26)上田直樹,杉原誉明,谷村隆志ほか:検診の上部消化管
X 線造影検査後にバリウムイレウスをきたし外科手術を
要した 1 例.松江市立医誌 2014;18:57-61.
27)杉原恒臣,寺本寛隆,永松泰治郎:バリウムイレウス・
消化管穿孔の発生予防策としてのポリカルボフィルカル
シウムの使用経験.Pharm Med 2009;27:87-89.
(論文受付日:2016.4.27 論文採択日:2016.7.26)
A Case of Rectal Perforation without Organic Disease After Upper
Gastrointestinal Radiography
Takayuki Kashiwabara, Yasunobu Mizukami
JA Shizuoka Kohseiren Enshu Hospital
Abstract
We encountered a case of rectal perforation without organic disease after upper gastrointestinal radiography. The patient was a 66-year-old woman who experienced abdominal
pain 2 days after upper gastrointestinal radiography. Based on baroliths and mucosal laceration observed in the rectum in colonoscopy and free air noted in abdominal CT, a diagnosis of rectal perforation was made and emergent surgery was carried out. Perforation was
observed in the rectosigmoid colon and baroliths were incarcerated. Resection of the colon
including the perforated portion and end-to-end anastomosis were carried out. Owing to
a satisfactory post-operative course, the patient was discharged 17 days after surgery. Our
report on the defecation status and baroliths after gastrointestinal radiography includes a
discussion of the literature.
Keywords: barium, upper gastrointestinal radiography, gastrointestinal perforation
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
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平成 27 年度 第 5 回日本人間ドック学会理事会議事録
日
時
平成 28 年 6 月 2 日(木)15:00 〜 17:00
会
場
ホスピタルプラザビル
出 席 者
3 階会議室
日本人間ドック学会 理事長
奈良昌治
第 57 回日本人間ドック学会学術大会長
相澤孝夫
日本人間ドック学会 副理事長
宮下正弘,松木康夫,伊藤千賀子,篠原幸人,山門
理
事:新
智文,荒瀬康司,大道道大,加藤公則,加納繁照,笹森
土屋
敦,野村幸史,那須
福井敏樹,桝田
監
實
斉,津下一代,
繁,中川高志,中村雄二,丹羽利充,日野原茂雄,
出,武藤繁貴,和田高士
事:石井孝宜,大井利夫,折津政江
特別顧問他:笹森典雄,五十嵐邦彦,稲垣典子,山口和英
計 32 名
奈良昌治理事長より開会挨拶を行った後,この理事会は定款第 45 条により理事総数 30 名,出席者数
25 名であり過半数を超えており適法に成立していることを宣言した.
議事進行を行うにあたり,議長は定款 44 条により奈良昌治理事長が行うこと,議事録署名人につい
ては本日出席している宮下正弘,松木康夫,伊藤千賀子,篠原幸人,山門 實 5 人の副理事長及び石井孝宜,
大井利夫,折津政江 3 人の監事となると報告した.
(議決承認事項)
1.第 1 号議案 平成 27 年度事業報告 / 活動報告(案)の承認に関する件
奈良昌治理事長より平成 27 年度における事業報告書 / 活動報告(案)が詳細に説明され,その承
認を求めた.加えて本義案については折津政江監事より事業監査を実施した旨報告された.
理事会は,別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
2.第 2 号議案 平成 27 年度正味財産増減計算書及び財産目録,貸借対照表(案)の承認に関する件
本法人会計顧問である五十嵐公認会計士より下記書類を提出して詳細に説明し,その承認を求めた.
加えて本議案については折津政江監事より会計監査を実施した旨報告された.
理事会は,別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
1)平成 27 年度貸借対照表(案)
2)平成 27 年度正味財産増減計算書(案)
3)平成 27 年度財産目録(案)
4)附属明細書(案)
3.第 3 号議案 特定個人情報(マイナンバー)取扱い規定(案)の承認に関する件
事務局より特定個人情報(マイナンバー)のみに対応する事業者が必ず設置しなければならない取
扱い規定(案)を詳細に説明され,その承認を求めた.
理事会は,別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
4.第 4 号議案 熊本地震における施設会費免除の承認に関する件
奈良昌治理事長は 4 月 14 日及び 16 日に発生した熊本地震により激甚災害指定された熊本県,大分
県の施設会員に対して平成 28 年度会費免除を提案した.
理事会は,別段の異議無く,会費免除を満場一致で承認可決した.
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人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
5.第 5 号議案 会員の入退会承認に関する件
事務局より会員の入退会について 5/23 現在 A 会員 5,557 人,B 会員 451 人,C 会員 1,660 施設,賛
助会員は 31 機関,合計 7,699 会員となった旨報告された.
理事会は別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
6.その他の事項
○第 61 回(2020 年)日本人間ドック学会学術大会長について
篠原幸人副理事長より会場確保が難しいことから第 61 回学術大会長の公募を実施したい旨,説
明された.理事会は公募時期等を事務局にて判断し,早急に実施することで承認可決した.
○第 21 回「保健指導力プラスワンセミナー」後援依頼について
奈良昌治理事長より日本家族計画協会から後援依頼が来ている旨,説明された.
理事会は別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
○「からだ健診ギフトカード」普及についての協力願いについて
笹森典雄(NPO 法人日本人間ドック健診協会理事長)先生より標記ギフトカードを普及させる
ため,日本人間ドック学会の関東,関西地域施設会員に協力案内をさせていただきたい旨,説明さ
れた.
理事会は別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
(報告事項等)
1.第 57 回日本人間ドック学会学術大会について
相澤孝夫第 57 回学術大会長より開催日程等を説明し,
各理事に大会成功に向けて理解と協力を求め,
了承された.
2.各種委員会開催結果報告等について
各担当委員長より開催した委員会報告等がなされた.
①基本問題検討委員会(第 1 回)
②人間ドック健診施設機能評価委員会(第 1 回,第 2 回)
・機能評価事業運営検討小委員会(第 1 回)
・第 3 回保健指導実務者サーベイヤー研修会
・第 1 回サーベイヤー初任者研修会
・平成 27 年度機能評価認定施設表彰について
③人間ドック健診の有用性に関する大規模研究委員会(第 5 回)
④特定健診・特定保健指導対策委員会(第 1 回)
⑤人間ドック健診専門医制度研修会検討小委員会(第 1 回)
⑥遺伝子検査に関わる検討委員会(第 3 回)
3.第 18 回人間ドック認定医及び第 13 回認定医更新について
山門 實副理事長より報告された.
第 18 回認定者は 211 名,第 13 回認定更新者は 299 名であり,認定医の発行者数累計は 5,240 名,
認定更新者の累計は 3,505 名となった.
加えて,平成 28 年度人間ドック健診専門医認定試験の実施概要等についても報告された.
4.その他
○日本医学健康管理評価協議会について
奈良昌治理事長及び武藤繁貴理事より共同宣言について報告された.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
89 ( 493 )
以上予定された全ての議題について審議し,議長は閉会を宣言し散会した.
議事の経過並びに決議の内容を明確にするため本議事録を作成し,議長並びに議事録署名人がこれに
記名押印する.
平成 28 年 6 月 2 日 公益社団法人 日本人間ドック学会
90 ( 494 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
平成 28 年度日本人間ドック学会定時社員総会議事録
日
時
平成 28 年 6 月 17 日(金)15:00 〜 16:30
会
場
主婦会館プラザエフ
出 席 者
4 階会議室
代表理事:奈良昌治(理事長)
宮下正弘,伊藤千賀子,松木康夫,篠原幸人,山門
理
事:相澤孝夫,新
那須
智文,荒瀬康司,加藤公則,笹森
實(副理事長)
斉,土屋
繁,丹羽利充,野村幸史,日野原茂雄,福井敏樹,桝田
敦,中川高志,
出,三原修一,
武藤繁貴,和田高士
社
員 :青木正明,足立雅樹,新
啓一郎,石坂裕子,伊藤美奈子,稲次潤子,
稲邊富實代,井上和彦,井上
草野
詠,大黒隆司,大塚博紀,大本由樹,鏑木淳一,
健,熊丸裕也,小林伸行,近藤恵一,
三枝昭裕,佐藤幸示,佐藤祐造,
清水不二雄,清水正雄,菅原泰男,杉森裕樹,高橋為生,田中幸子,田畑正司,
塚田信廣,寺田総一郎,中尾治彦,中川一美,中村昭光,中村正和,畠山雅行,
平林和子,藤井郁英,藤川るみ,古谷
監
亮,松木隆央,村上一雄,山田千積
事:大井利夫,折津政江
委 員 長:笹森典雄
他事務局
以上 66 名
(議事進行)
奈良昌治理事長より開会挨拶を行った後,この定時社員総会は定款第 34 条により社員総数 171 名,
出席者数 63 名,委任状 79 通で合計 142 名であり過半数を超えており成立していることを宣言した.
議事進行を行うにあたり,議長は定款 33 条により奈良昌治理事長が行うこと,議事録署名人につい
ては本日出席している宮下正弘先生,伊藤千賀子先生,松木康夫先生,篠原幸人先生,山門 實先生と他
に大井利夫・折津政江 2 名の監事となると報告され満場一致で承認された.
(議決承認事項)
①第 1 号議案
平成 27 年度事業報告 / 活動報告(案)の承認に関する件
奈良昌治理事長より平成 27 年度における事業報告 / 活動報告(案)を詳細に説明し,更に折津政
江監事より監査を実施した旨報告し,その承認を求めた.
総会は,別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
②第 2 号議案
平成 27 年度貸借対照表 / 正味財産増減計算書 / 財産目録(案)の承認に関する件
本法人中田事務局長より以下書類を提出して詳細に説明し,更に折津政江監事より会計監査を実施
した旨報告し,その承認を求めた.
1)平成 27 年度貸借対照表(案)
2)平成 27 年度正味財産増減計算書(案)
3)平成 27 年度財産目録(案)
4)附属明細書(案)
総会は,別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
③第 3 号議案
熊本地震に対しての施設会費免除について
奈良昌治理事長より激甚災害の指定を受けた地域である熊本県,大分県の施設会員施設の平成 28
年度会費を免除する旨説明し,その承認を求めた.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
91 ( 495 )
総会は,別段の異議無く,満場一致で承認可決した.
④第 4 号議案
理事の選任及び名誉顧問の承認について
奈良昌治理事長より定款第 22 条により本総会終結をもって理事全員任期満了となると説明した.
社員選任 / 役員選定委員会の笹森典雄委員長より正会員 5,936 人より立候補し確定した社員 171 名の
中から 6 地域ブロック別に理事を募り,役員選定委員会として定款第 19 条に則り理事候補 30 名を確
定し,その承認を求めた.
総会は,理事については新智文,宮下正弘,山門實,杉森裕樹,足立雅樹,中川高志,野村幸史,笹森斉,
鏑木淳一,和田高士,篠原幸人,石坂裕子,荒瀬康司,中村正和,佐々木寛,日野原茂雄,土屋敦,
加藤公則,相澤孝夫,津下一代,丹羽利充,武藤繁貴,大道道大,加納繁照,桝田出,田中幸子,伊
藤千賀子,福井敏樹,那須繁,三原修一の 30 名について,別段異議無く,満場一致で選任し承認可
決した.
加えて総会は,名誉顧問の承認について定款第 19 条第 4 項に則り奈良昌治,松木康夫,小山和作,
日野原重明,笹森典雄,清瀬闊,櫻井健司,池澤康郎,岩﨑榮,加藤正弘,中村治雄,山本修三,土屋章,
若林哲也,栗山康介,武田隆男,大道學,宇津典彦の 18 名についても別段異議無く,満場一致で承
認可決した.
(報告事項)
①第 57 回日本人間ドック学会学術大会について
相澤孝夫第 57 回学術大会長より平成 28 年 7 月 28 日〜 29 日,まつもと市民劇場等にて開催する学
術大会のプログラム内容及び準備状況を詳細に説明した.
②人間ドック健診専門医制度について
山門 實副理事長より平成 28 年度人間ドック健診専門医認定試験の実施概要等について説明し,加
えて人間ドック健診専門医を日本専門医機構のサブスペシャリティとして認定を受けるため,ヒヤリ
ングを受ける旨詳細に説明した.
③人間ドック認定医 / 更新について
山門 實副理事長より以下のとおり報告された.
第 18 回認定者は 211 名,第 13 回認定更新者は 299 名であり,認定医の発行者数累計は 5,240 名,
認定更新者の累計は 3,505 名となった.
④平成 28 年度事業計画及び収支予算書について
奈良昌治理事長と事務局より以下の書類について説明し,理事会にて承認された旨報告した.
1. 事業計画
2. 収支予算書
⑤社員選任細則の一部修正について
笹森典雄社員選任委員長より以下の書類について説明し,理事会にて承認された旨報告した.
・社員選任細則
⑥特定個人情報取扱い規定について
中田事務局長より以下の書類について説明し,理事会にて承認された旨報告した.
・特定個人情報取扱い規定
⑦会員の入退会について
奈良昌治理事長より会員の入退会について 5/26 現在 A 会員 5,557 人,B 会員 451 人,C 会員 1,660
施設,賛助会員は 31 機関,合計 7,699 会員となった旨報告された.
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人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
以上予定された全ての報告,議決承認事項について審議され,議長は閉会を宣言し散会した.
議事の経過並びに決議の内容を明確にするため本議事録を作成し,議長並びに議事録署名人がこれに
て署名押印する.
平成 28 年 6 月 17 日 公益社団法人 日本人間ドック学会
議事録作成者:中田 彬
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
93 ( 497 )
平成 28 年度 第 1 回日本人間ドック学会理事会議事録
日
時
平成 28 年 6 月 17 日(金) 16:30 〜 17:00
会
場
主婦会館
出 席 者
3 階 主婦連会議室
(理事)
新
智文,宮下正弘,山門
實,足立雅樹,中川高志,杉森裕樹,笹森
斉,鏑木淳一,
和田高士,篠原幸人,石坂裕子,荒瀬康司,中村正和,野村幸史,日野原茂雄,土屋
相澤孝夫,加藤公則,武藤繁貴,丹羽利充,桝田
敦,
出,田中幸子,伊藤千賀子,福井敏樹,
那須繁,三原修一
(監事)大井利夫,折津政江
(事務局)中田
彬
他4名
以上
29 名
中田彬事務局長より定款第 45 条により理事総数 30 名,出席者数 26 名であり過半数を超えており成
立していることを宣言した.
(議事)
仮議長に大井利夫監事が選出され,議事進行を行った.
1.新理事長,新副理事長の選定について
大井利夫議長より定款第 19 条第 3 項より理事長と副理事長は理事会の中から選定する規定となっ
ていることを説明し,いかが取りはからうか理事の意見を求めた.
(結果)
・新理事長(代表理事)には篠原幸人理事が満場一致で選出された.
・副理事長(代表理事)には宮下正弘理事,伊藤千賀子理事,山門 實理事,相澤孝夫理事,和田高士
理事以上 5 名の先生方が満場一致で選出された.
篠原幸人理事は理事長を,宮下正弘理事,伊藤千賀子理事,山門 實理事,相澤孝夫理事,和田高士
理事は副理事長を,それぞれ席上就任承諾した.
ここで,大井仮議長より,定款第 44 条の規定により,理事会の議長は理事長が務めることとなっ
ているので,議長を篠原幸人新理事長と交代する必要がある旨の説明がされ,大井仮議長に代わり篠
原幸人新理事長が議長を引き継いだ.
2.名誉顧問の選出について
篠原幸人理事長より名誉顧問の承認について定款第 19 条第 4 項に則り奈良昌治,松木康夫,小山
和作,日野原重明,笹森典雄,清瀬 闊,櫻井健司,池澤康郎,岩﨑 榮,加藤正弘,中村治雄,山本修三,
土屋 章,若林哲也,栗山康介,武田隆男,大道 學,宇津典彦の 18 名について推薦され,理事会は別
段異議無く,満場一致で承認可決した.
3.その他
① 2019 年(第 60 回)日本人間ドック学会学術大会長について
篠原幸人理事長より 2019 年(第 60 回)学術大会長が公募により,井上和彦社員(岡山県:淳風
会健康管理センター
副センター長)が応募されていること,三原修一理事からは推薦する旨,説
明を行った.
理事会は別段異議無く,満場一致で承認可決した.
94 ( 498 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
② 2020 年(第 61 回)日本人間ドック学会学術大会長について
篠原幸人理事長より 2020 年(第 61 回)学術大会長についても,国際大会を同時開催することで
もあり,公募を早急に行いたい旨,説明された.
理事会は応募時期等理事長に一任することで承認可決した.
最後に議事録署名人については定款第 47 条第 2 項により選定された篠原幸人理事長と宮下正弘,伊
藤千賀子,山門 實,相澤孝夫,和田高士副理事長及び,大井利夫,折津政江監事となると報告された.
以上予定された全ての報告,議題について審議され,議長は閉会を宣言し散会した.
議事の経過並びに決議の内容を明確にするため本議事録を作成し,議事録署名人がこれに署名押印
する.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
95 ( 499 )
平成 28 年 6 月 17 日 公益社団法人 日本人間ドック学会
96 ( 500 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
契約書第 2 条に基づき定める検査項目
一日ドック基本検査項目表
区分
身
体
計
測
生
理
X
線
・
超
音
波
生
化
学
検
身
体
肥
査
満
目
長
重
度
M
I
B
項
腹
囲
血 圧 測 定
心
電
図
心
拍
数
眼 底 検 査
眼 圧 検 査
視 力 検 査
聴 力 検 査
呼 吸 機 能 検査
胸 部 X 線
*上部消化管 X 線
腹部超音波
総
蛋
白
アルブミン
クレアチニン
尿
酸
総コレステロール
HDL コレステロール
LDL コレステロール
中 性 脂 肪
総ビリルビン
AST(GOT)
ALT(GPT)
γ -GT(γ -GTP)
A
L
平成 28 年度版
備
考
原則 2 回測定値と平均値
両眼撮り
1 秒率,% 肺活量,%1 秒量(対標準 1 秒量)
2 方向(デジタル画像も可)
食道・胃・十二指腸.4 ツ切等 8 枚以上(デジタル画像も可)
発泡剤,鎮痙剤,下剤の使用は任意とする
検査対象臓器は胆のう・肝臓(脾臓を含む)
・膵臓・腎臓とする.但し,膵臓検出できない時はその旨記載すること
直接法とする(Friedewald の計算式による算出でも可)
P
血糖(空腹時)
HbA1c
血
液
学
血
清
学
赤
血
球
白
血
球
血
色
素
ヘマトクリット
血 小 板 数
M
M
M
C
V
H
C H C
R
P
血液型(ABO)
血液型(Rh)
梅
C
C
毒
反
応
HBs 抗 原
蛋
白
本人の申し出により省略可
本人の申し出により省略可
本人の申し出により省略可(梅毒脂質抗原使用検査)
本人の申し出により省略可
pH
尿
糖
沈
渣
蛋白,潜血反応が陰性であれば省略可
潜
血
比
重
便
潜
血
免疫法で実施(2 回法)
問診 ・ 診察
内
科
胸部聴診,腹部触診等
情 報 提 供
特定健診情報提供を含む
質
問
票
特定健診質問票 22 項目を含む
説明,教育,指導
オプション検査項目 ★乳房触診+乳房画像診断
★婦人科診察+子宮頸部細胞診(医師による)
★ PSA 検査
★ HCV 抗体
*原則として X 線検査とする.本人から X 線検査が困難との申し出があり医師が必要と認めた場合,内視鏡検査に変更することも可
尿
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
97 ( 501 )
契約書第 2 条に基づき定める検査項目
二日ドック基本検査項目表
区分
検査項目
身
体
計
測
備
身
体
肥
満
長
重
度
B
M
I
腹
囲
血 圧 測 定
心
電
図
心
拍
数
眼 底 検 査
眼 圧 検 査
視 力 検 査
聴 力 検 査
呼吸機能検査
胸 部 X 線
*上部消化管 X 線
生
理
X
線
・
超
音
波
腹部超音波
総
蛋
白
アルブミン
クレアチニン
尿
酸
総コレステロール
HDL コレステロール
LDL コレステロール
中 性 脂 肪
総ビリルビン
AST(GOT)
ALT(GPT)
γ -GT(γ -GTP)
生
化
学
A
L
平成 28 年度版
P
血糖(75g ブドー糖負荷試験)
HbA1c
考
原則 2 回測定値と平均値
負荷試験は任意で実施
両眼撮り
1 秒率,% 肺活量,%1 秒量(対標準 1 秒量)
2 方向(デジタル画像も可)
食道・胃・十二指腸.4 ツ切等 8 枚以上(デジタル画像も可)
発泡剤,鎮痙剤,下剤の使用は任意とする.
検査対象臓器は胆のう・肝臓(脾臓を含む)
・膵臓・腎臓とする.但し,膵臓検出できない時はその旨記載すること.
直接法とする(Friedewald の計算式による算出でも可)
血糖 3 回(0,
60,
120 分)明らかに糖尿病と判明している場合は省略し「空腹時血糖」を実施
赤
血
球
白
血
球
血
色
素
ヘマトクリット
血 小 板 数
血
液
学
M
C
V
C
H
M
M C H C
C
R
P
血液型(ABO)
血液型(Rh)
血
清
学
梅
毒
反
応
HBs 抗 原
蛋
尿
便
問診 ・ 診察
情
尿
沈
潜
比
潜
内
報 提
本人の申し出により省略可
本人の申し出により省略可
本人の申し出により省略可(梅毒脂質抗原使用検査)
本人の申し出により省略可
白
pH
供
糖
渣
血
重
血
科
蛋白,潜血反応が陰性であれば省略可
免疫法で実施(2 回法)
胸部聴診,腹部触診等
特定健診情報提供を含む
質
問
票
特定健診質問票 22 項目を含む
説明,教育,指導
オプション検査項目 ★乳房触診+乳房画像診断
★婦人科診察+子宮頸部細胞診(医師による)
★ PSA 検査
★ HCV 抗体
*原則として X 線検査とする.本人から X 線検査が困難との申し出があり医師が必要と認めた場合,内視鏡検査に変更することも可
98 ( 502 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
判定区分
(2016 年 4 月 1 日改定)
項
A 異常なし
体格指数
(BMI)
kg/m 2
18.5 - 24.9
- 18.4,25.0 -
腹囲
cm
男性
女性
収縮期
mmHg
拡張期
- 84.9
- 89.9
- 129
- 84
85.0 -
90.0 -
140 - 159
90 - 99
160 -
100 -
回/分
45 - 85
40 - 44,86 - 100
- 39,101 -
1.0 -
0.7 - 0.9
- 0.6
- 30
- 30
35
35
40 -
40 -
70.0 -
- 69.9
- 69.9
80.0 -
- 79.9
血圧
(2 回測定:平均値)
心拍数
(仰臥位)
視力
(裸眼,矯正両方の場合は矯正で判定)
(悪い側で判定)
聴力
dB
1000Hz
4000Hz
1 秒率(%)
呼吸機能
(スパイロメトリー)
(小数点 1 ケタ表記に変更)
*2
130 - 139
85 - 89
80.0 -
総たんぱく
g/dL
6.5 - 8.0
アルブミン
g/dL
4.0 -
クレアチニン
C 要経過観察・生活改善
%1 秒 量( 予 測 1
秒量に対する %)
% 肺活量(%)
(eGFR を 優 先 し て 判 定)mg/dL
(小数点 2 ケタ表記に変更)
B 軽度異常
D 要医療
D1 要治療・
D2 要精検 * 1
目
- 79.9
8.1 - 9.0
6.0 - 6.4
- 5.9,9.1 -
3.6 - 3.9
- 3.5
男性
- 1.00
1.01 - 1.09
1.10 - 1.29
1.30 -
女性
- 0.70
0.71 - 0.79
0.80 - 0.99
1.00 -
50.0 - 59.9
- 49.9
eGFR(mL/ 分 /1.73m 2 による)
60.0 -
(小数点 1 ケタ表記に変更)
尿酸
mg/dL
総コレステロール
mg/dL
2.1 - 7.0
7.1 - 7.5
- 2.0,7.6 - 8.9
9.0 -
140 - 199
200 - 219
220 - 259
- 139,260 -
HDL コレステロール
mg/dL
40 - 119
30 - 39
- 29,120 -
LDL コレステロール
mg/dL
60 - 119
120 - 139
140 - 179
- 59,180 -
中性脂肪
mg/dL
30 - 149
150 - 199
200 - 399
- 29,400 -
AST(GOT)
U/L
0 - 30
31 - 35
36 - 50
51 -
ALT(GPT)
U/L
0 - 30
31 - 40
41 - 50
51 -
γ- GT(γ- GTP)
U/L
0 - 50
51 - 80
81 - 100
101 -
1)FPG:100 - 109 かつ
HbA1c:- 5.9
2)FPG:- 99 かつ
HbA1c:5.6 - 5.9
,2)
のいずれかのもの
1)
1)FPG:110 - 125
2)HbA1c:6.0 - 6.4
3)FPG:126 -かつ HbA1c:- 6.4
FPG:- 125 かつ HbA1c:6.5 -
4)
1)
〜4)
のいずれかのもの * 5
400 - 539
360 - 489
540 - 599
490 - 549
360 - 399
330 - 359
- 359,600 -
- 329,550 -
3.2 - 8.5
8.6 - 8.9
2.6 - 3.1
- 2.5,9.0 -
13.1 - 16.6
12.1 - 14.6
38.5 - 48.9
35.5 - 43.9
16.7 - 17.9
14.7 - 15.9
49.0 - 50.9
44.0 - 47.9
12.0 - 13.0
11.0 - 12.0
35.4 - 38.4
32.4 - 35.4
- 11.9,18.0 -
- 10.9,16.0 -
- 35.3,51.0 -
- 32.3,48.0 -
10.0 - 12.9
- 9.9,40.0 -
*3
FPG(血漿)空腹時血糖 mg/dL
FPG:- 99
かつ
HbA1c:- 5.5
HbA1c(NGSP)
%
*4
赤血球数
104 / μ L
男性
女性
白血球数
103 / μ L
血色素量
g/dL
ヘマトクリット
%
血小板数
104 / μ L
13.0 - 34.9
35.0 - 39.9
mg/dL
- 0.30
0.31 - 0.99
CRP
(小数点 2 ケタ表記に変更)
男性
女性
男性
女性
E 治療中
*7
FPG:126 -
かつ
HbA1c:6.5 -
1.00 -
梅毒反応
陰性
陽性
HBs 抗原
陰性
陽性
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
99 ( 503 )
判定区分
(2016 年 4 月 1 日改定)
つづき
A 異常なし
B 軽度異常
C 要経過観察・生活改善
D 要医療
D1 要治療・
D2 要精検 * 1
尿蛋白
(-)
(+-)
(+)
(++)-
尿糖
(-)
(+-)
(+)-
尿潜血
(-)
(+)
(++)-
項
目
便潜血 2 回法
子宮頚部細胞診
*6
1 回目
2 回目
(-)
(-)
ベセスダ分類
NILM
HCV 抗体
(+-)
(+)
(+)
(+)
(
, +)
(-)
(
, -)
(+)
不適正標本=判定不能
(すみやかに再検査)・
ASC-US
陰性
陽性
*1
値の高低、所見によっての D1 要治療、D2 要精検のいずれかを採用するかは任意とする
*2
呼吸機能検査は検者、被験者の良好の関係が数値を微妙に変えるので注意する
*3
*4
*5
*6
*7
ASC-H, LSIL, HSIL,
SCC, AGC, AIS,
Adenocarcinoma,
Other malig
また、1 秒率、%1 秒量の組み合わせで閉塞性障害の重症度を判定する
1 秒率が 70% 未満かつ %1 秒量 80% 以上が軽症、79% 以下が中等症以上と判定する
1 秒率、% 肺活量の組み合わせで閉塞性、拘束性、混合性換気障害と判定する
総コレステロールより LDL コレステロール判定を優先する
判定区分での HbA1c の表記は NGSP 値である。HbA1c
(NGSP 値)は =1.02 × JDS 値(%)
+0.25% で変換可能である
空腹時血糖、HbA1c
(NGSP)併合判定 C 区分の 3)
4)と判定した場合は OGTT を推奨する
採取器具は綿棒ではなくブラシ、へら、サイトピック等を使用し、可能であれば液状化検体法(LBC)にて検体を保存する
不適性標本はすみやかに再検査、ASC-US は HPV-DNA 検査あるいは 6 か月後再検査とする
従前どおり治療中の場合は E 判定とする
項
総たんぱく
目
検査方法
アルブミン*
Biuret 法
BCG 法,BCP 改良法
総コレステロール
酵素法
LDL コレステロール
HDL コレステロール
直接法
(非沈殿法:可視吸光光度法,紫外吸光光度法)
直接法
(非沈殿法:可視吸光光度法,紫外吸光光度法)
中性脂肪
酵素比色法,グリセロール消去(可視吸光光度法,紫外吸光光度法)
クレアチニン
酵素法
尿酸
ウリカーゼ POD 法
AST(GOT)
ALT(GPT)
γ -GT(γ -GTP)
JSCC 標準化対応法
JSCC 標準化対応法
JSCC 標準化対応法
空腹時血糖
酵素法,電極法
HbA1c
ラテックス凝集比濁法,HPLC 法,酵素法
梅毒反応
梅毒脂質抗原使用法
CRP
ラテックス凝集免疫比濁法,免疫比濁法,免疫比朧法
* アルブミンの BCG 法と BCP 改良法の差異は下記を参照
http://www.jslm.org/others/news/20131225albumin.pdf
100 ( 504 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
E 治療中
*7
日本人間ドック学会学術大会(および前身の)開催記録
通算
回数
名
称
会
年
月
期
日
主催者
学会長
所
(職
属
名)
会
場
(開催地)
1 短期人間ドック医療担当者講習会 34. 8.23 - 24 橋本 寛敏 聖路加国際病院長
聖路加国際病院
東京
2 短期人間ドック医療担当者講習会 35. 8.13
〃
聖路加国際病院
東京
3 短期人間ドック医療担当者講習 36. 9.29 - 30
〃
都道府県会館
東京
会・研究会
日本病院協会会長
4 短期人間ドック医療担当者講習 37. 9. 8 - 9
古玉
5 短期人間ドック実施病院講習会
阿久津
〃
会・研究会
38. 8.22
太郎 京都第二赤十字病院長 京都第二赤十字病院
慎 名鉄病院長
京都
名古屋興和新薬講堂
名古屋
6 短期人間ドックセミナー・研究会 39. 8.27 - 28 橋本 寛敏 日本病院協会会長
社会文化会館
東京
7 短期人間ドックセミナー・研究会 40. 8.26 - 27 佐藤元一郎 諏訪赤十字病院長
諏訪市民センター
諏訪
8 A)短期人間ドックセミナー・研究会 41. 9. 8 - 9
小野田敏郎 佼成病院長
佼成病院
東京
小山
大阪科学技術センター
大阪
マツダ八重州ビル
東京
B)短期人間ドックセミナー・研究会
9 人間ドック研究会
42. 9. 8 - 9
三郎 大阪赤十字病院長
43. 9.20 - 21 橋本 寛敏 日本病院協会会長
10 人間ドック学会
44. 8.28 - 29 松木 光彦 仙台市立病院長
仙台市庁舎
仙台
11
45. 8.27 - 28 牧田
青山会館
東京
12
46. 8.20 - 21 佐藤 三郎 青森県立中央病院長
朝日生命青森支社
青森
13
47. 8.25 - 26 大鈴 弘文 東京警察病院長
東医健保会館
東京
14
48. 8.24 - 25 阿久津 慎 名鉄病院長
名古屋市工業研究所
15
49. 8.23 - 24 堀内
光 済生会中央病院長
私学会館
16
50. 8.22 - 23 木村
登 久留米大学教授
久留米大学医学部
17
51. 8.20 - 21 丹野 三男 仙台市立病院長
斎藤報恩会会館
仙台
18
52. 8.26 - 27 清瀬
第一生命ホール
東京
19
53. 8.18 - 19 小関 忠尚 京都第二赤十字病院
京都府立文化芸術会館
京都
20
54. 8.23 - 24 菅原 虎彦 聖路加国際病院長
銀座ガスホール
東京
21
55. 8.21 - 22 二本杉 皎 大阪赤十字病院長
大阪赤十字会館
大阪
22
56. 8.28 - 29 樫田 良精 関東中央病院長
経団連ホール
東京
23
57. 9. 9 - 10
大内
清太 青森県立中央病院長
青森市民文化ホール
青森
24 日本人間ドック学会
58. 9. 2 - 3
吉川
政己 東京警察病院長
経団連ホール
東京
25
59. 8.24 - 25 岡山 義雄 岡山病院長
愛知県産業貿易館
26
60. 8.22 - 23 河野
東京簡易保険郵便年金会館 東 京
ホール
27
61. 8.21 - 22 宇津 典彦 国立久留米病院長
萃香園ホテル
久留米
28
62. 8.20 - 21 竹本 吉夫 秋田赤十字病院長
秋田文化会館
秋田
29
63. 8.25 - 26 依田 忠雄 岡山赤十字病院長
岡山プラザホテル
岡山
中 牧田総合病院長
闊 三井記念病院
稔 北品川総合病院長
名古屋
東京
久留米
名古屋
30
1. 8.24 - 25 藤間 弘行 藤間病院長
東京ヒルトンインターナショナル
東京
31
2. 8.23 - 24 中山 耕作 聖隷浜松病院長
グランドホテル浜松
浜松
32
3. 8.22 - 23 井上 幹夫 福岡大学医学部
電気ホール
福岡
33
4. 9. 3 - 4
高知県民文化ホール
34
5. 8.26 - 27 佐藤 祐造 名古屋大学総合保健体 名古屋市中小企業振興会館
35
6.10.20 - 21 笹森 典雄 牧田総合病院附属健診 日本青年館
東京
36
7. 8.24 - 25 後藤 由夫 東北厚生年金病院長
江陽グランドホテル
仙台
37
8. 8.29 - 30 小山 和作 日赤熊本健康管理セン ニュースカイホテル
熊本
38
9. 8.21 - 22 伊藤千賀子 広島原爆障害対策協議 広島国際会議場
広島
健康管理学教室教授
長崎
彬 高知赤十字病院長
育科学センター教授
センター院長
ター所長
会健康管理・増進セン
ター副所長
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
高知
名古屋
101 ( 505 )
通算
回数
名
称
会
年
月
期
日
主催者
学会長
所
(職
属
名)
会
場
(開催地)
39
10. 8.27 - 28 奈良 昌治 足利赤十字病院
鬼怒川温泉ホテルニュー岡部 栃 木
40
11. 8.26 - 27 櫻井 健司 聖路加国際病院長
京王プラザホテル
東京
41
12. 8.24 - 25 藤澤 正清 福井県済生会病院長
福井フェニックス・プラザ
福井
42
13. 8.30 - 31 西村 昭男 医療法人社団カレスアラ ロイトン札幌
43
14. 8.29 - 30 宮崎 忠昭 長野赤十字病院長
44
15. 8.28 - 29 武田 隆男 武田病院グループ会長 ホテルグランヴィア京都
45
16. 8.26 - 27 高木
46 日本人間ドック学会学術大会
17. 8.25 - 26 宮下 正弘 秋田赤十字病院長
秋田ビューホテル
ホテルメトロポリタン秋田
47
18. 9.14 - 15 鈴木
沖縄コンベンションセンター 沖 縄
健康文化村カルチャー
リゾートフェストーネ
48
19. 8.30 - 31 中村 治雄 (財)三越厚生事業団
ロイヤルパークホテル
三越劇場
49
20. 9.11 - 12 片岡 善彦 徳島赤十字病院長
アスティとくしま
徳島
徳島文理大学むらさきホール
50
21. 9. 3 - 4
51
22. 8. 26 - 27 吉田
52
23. 8. 25 - 26 大道 道大 森之宮病院
53
24. 9. 1 - 2
54
25. 8. 29 - 30 堺
55
26. 9. 4 - 5
イアンス理事長
弘 JR 東海総合病院長
信 琉球大学名誉教授
常務理事
山門
北海道厚生年金会館
ホテル国際 21
名古屋国際会議場
實 三井記念病院
グランドプリンスホテル
総合健診センター所長 赤坂
威 吉田病院
理事長・病院長
旭川市民文化会館
旭川グランドホテル
北海道
長野
京都
名古屋
秋田
東京
東京
北海道
大阪国際会議場
大阪
高士 東京慈恵会医科大学
大学院健康科学教授
東京国際フォーラム
東京
常雄 聖隷浜松病院
総長
アクトシティ浜松,
浜松
オークラアクトシティホテル浜松
寺坂
禮治 福岡赤十字病院
病院長
福岡国際会議場
福岡
56
27. 7.30 - 31 土屋
敦 医療法人 相和会
理事長
パシフィコ横浜
横浜
57
28. 7.28 - 29 相澤 孝夫 社会医療法人財団 慈泉会 理事長 まつもと市民芸術館,ホテルブエ 松 本
102 ( 506 )
院長
和田
相澤健康センター 名誉顧問 ナビスタ,松本東急 REI ホテル
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
日本人間ドック学会誌 「人間ドック」投稿規定(オンライン用)
1.
投稿内容
投稿の内容は人間ドックおよびその領域に関連する原著,症例報告,短報,総説,Letters to the Editor
などで,他誌に発表されていないものに限ります.
(以後の改定を含む)
の精神に則ったものでな
なお,臨床研究に関する論文は 1964 年のヘルシンキ宣言
ければなりません.すなわち,論文の内容が疫学研究あるいは臨床研究の場合は,その研究計画が自施
設の倫理委員会あるいは日本人間ドック学会倫理委員会の承認を得ていること,ならびに対象者のイン
フォームド・コンセントが得られていることが必要です.また,そのことを本文中に記載してください.
症例報告の場合は,受診者のプライバシーに十分配慮し,インフォームド・コンセントを得た上で投稿し
てください.
2.
投稿資格
投稿者は本学会正会員,施設会員,および名誉会員とします.編集委員会が特に認めたものは,この限
りではありません.
3.
投稿様式
投稿原稿は,和文は全角,英数字は半角で,Microsoft Word 他のオンラインシステムにアップロード可
能なファイル形式で作成してください.
アップロード可能なファイル形式:doc
(docx)
,xls
(xlsx)
,ppt
(pptx)
,jpg,tiff,gif,ai,eps,psd
また,ファイル名は,必ず,半角英数字で入力し,拡張子をつけてください.
ファイル名の例:honbun.doc.,zu1.jpg.,hyou1.xls. 等
ご使用になった Microsoft Office のバージョンを,
「カバーレター」
(アップロードする際の頭書きを記載
する部分)
に記載してください.
論文の長さは題名,和文・英文要約,図,表,文献を含み,原著刷り上がり 6 頁
(12,000 字)
以内,症例
(8,000 字)
以内,総説 8 頁
(16,000 字)
以内,Letters to the Editor 半頁
(1,200 字)
以内を原
報告・短報 4 頁
則とします.
用語は日本医学会編
「日本医学会医学用語辞典英和・和英」
,日本内科学会編
「内科学用語集」
により,
略語については巻末の
「日本人間ドック学会誌 略語一覧」
を使用すること.掲載略語以外は,初出時に正
式用語を使い,
( )
に略語を示す.
外国語は固有名詞,文頭にきた語句のみ,最初の1字を大文字とします.
度量衡の単位は SI 単位を原則とします.
(例)
kg,g,mg/dL,L,mL,m,cm,℃など,数値には 3 桁
ごとに
(,
)
を入れます.
(例)
1,234,567,890
図,表は A4 サイズ以下で作成し,1 枚につき原稿 400 字分とします.
図,表の挿入位置は,本文中の該当箇所に
(表1)
の様に入れてください.
画像ファイルは,本文とは別ファイルにて作成して,アップロードしてください.
原稿の末尾に,図,表の標題および説明を番号順にまとめて記載してください.
統計解析にソフトを使用した場合は,ソフト名等を記載してください.
(例)統計解析ソフトは SPSS
ver17 for Windows を用いた.
4.
投稿論文の書き方
(a) 論文記載の順序,形式
(1) タイトル頁:題名,著者名,所属機関,所在地および筆頭著者の職種,氏名,連絡先
(Tel,Fax,
E-mail)
,別刷りの希望部数を書いてください.なお,題名,著者名,所属機関には英文を併記し
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
103 ( 507 )
てください.
(2) 2 頁目:和文要約
(600 字以内)
を目的:,方法:,結果:,結論:の順に書いてください.キーワー
ドを4個以内で併記してください.
(3) 3 頁目:英文要約
(ダブルスペース,250 words 以内)
,キーワード
(英文)
を 4 個以内で併記してく
ださい.なお,英文要約についてはその作成を学会に依頼することも可能ですが,その場合には
有料となります.英文要約を学会で作成することを希望される場合には,その旨を 3 頁に明記して
ください.
(4) 4 頁目以後:本文を書き,緒言
(はじめに)
,対象,方法,結果
(成績)
,考察
(考案)
,結語
(まとめ)
,
利益相反
(Conflict of Interest)
,
(謝辞)
,文献の順として,それぞれ行を変えてください.
(b) 文献の引用
「辻ら 1)の研究によれば……」
のように上付きで入れてください.
(1) 本文中に引用番号順に番号を
(2) 雑誌の引用の場合,略号は日本文献は医学中央雑誌,外国文献は Index Medicus に従ってください.
著者が 4 名以上の場合は 3 名併記のうえ
「ほか」
または
‘et al’としてください.
(例) 1)辻 裕之,天川和久,大本由起子ほか:慢性腎臓病予測因子としての尿酸値の意義.人間ドッ
ク 2008;23:23-28.
2)Ozaki S, Atarashi K, Minami M, et al : Effect of aging and body weight changes on serum
uric acid. Ningen Dock 2008 ; 22 : 43-48.
(3) 単行本の引用の場合,著者名
(上記の通り)
,題名,監修・編者名,書名,版数,発行所名,発行地,
発行年号
(西暦)
引用頁 - 頁の順としてください.
(例) 1)小山和作:事後指導の基本.後藤由夫,奈良昌治監,山門 實,阿部眞秀編,健診判定基準ガ
イドライン 改定新版,文光堂,東京,2008,273-281.
2)Kaplan NM : Measurement of blood pressure. In : Kaplan NM(ed), Kaplan's Clinical
Hypertension. 7th edit, Lippincott William & Wilkins, Philadelphia, 2002, 25-55.
(4) ホームページの引用の場合,著者名:タイトル.発表年,引用元の URL
[確認した日付 *]
の順とし
てください.* 引用のために確認した日付を記入してください.
(例) 1)厚生労働省健康局総務課 生活習慣病対策室:禁煙支援マニュアル.2006,http://www.
mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en-sien/manual/index.html[2012.03.02]
2)Ministry of Health, Labour and Welfare : Fact sheet of abridged life tables for Japan 2010.
2011, (In Japanese) http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life10/index.html (accessed
July 28, 2011 )
5.
原稿の採択
受け付ける原稿は投稿規定に従ったものとします.投稿規定に従っているかは,オンライン上に投稿用
チェックリストがありますのでチェックしてください.投稿規定に従っていないものは受理せず返却します
ので投稿規定に従って書き直しをして再提出してください.受理した原稿の採否および掲載順序は編集委
員会が決定いたします.査読終了後の再投稿は,
3 カ月以内とします.それ以後は新規論文として扱います.
6.
原稿の校正
校正は初校のみを著者校正としますが,校正に際しては原則として文章の書き換え,図,表の変更は認
められません.
7.
別刷り
別刷りを希望する場合は投稿時に申し込んでください.
30 部までは無料ですので,
「100 部希望:30 部
(無料)
+ 70 部」
のようにタイトルページに明記してくだ
104 ( 508 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
さい.なお,有料分は 20 部から 10 部単位で受け付け,1 部 100 円
(税別)
をいただきます.
8.
掲載料
刷り上がり原著 6 頁,症例報告・短報 4 頁,総説 8 頁,Letters to the Editor 半頁までの費用は当学会の
負担とします.それ以上の頁の費用については,1 頁ごとの超過掲載料 10,000 円を著者の実費負担として
いただきます.
また,図,表のトレースが必要だった場合や,カラー印刷を希望される場合の費用も著者の実費負担と
なりますので留意してください.
9.
著作権
論文の内容については,論文の筆頭者が著作者の人格権を代表し,実質的な責任を負います.
また,論文が受理され,本誌に掲載された論文の版権は当学会に委譲されますので,著作権委譲に関
する用紙
(投稿承諾書)
に著者全員の署名をし,投稿時にオンラインシステムにアップロードするか,また
は郵送にて提出して下さい.投稿承諾書は綴り込みのもの
(コピー可)
を使用するか,本学会ホームページ
からダウンロードして使用して下さい
(手順:学会ホームページ→学会誌→投稿規定→投稿承諾書)
.
なお,本誌に掲載された論文は当学会ホームページに掲載いたします.
10. 利益相反
利益相反がある場合には開示が必要ですので,オンラインシステム上に記載して下さい.
11. 発行月
本誌の発行は年 5 回
(6 月,8 月,9 月,12 月,3 月)
とし,8 月号は日本人間ドック学会学術大会抄録集と
します.
12. オンライン投稿先
よりご投稿ください.
原稿は,以下のオンライン投稿・査読システム
(ScholorOne Manuscripts)
http://mc.manuscriptcentral.com/ningendock
(問い合わせ先)
〒 151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷 5-8-10 外苑マンション 605
(株)
サイエンティスト社内日本人間ドック学会誌
「人間ドック」
編集部
電話:03-3354-2004 FAX:03-3354-2017
E-mail:[email protected]
附記 1:図,表などの引用について
「人間ドック」
への投稿に際して,図,表などの引用について注意してください.
1)引用に際して原著者などの許諾が必要な場合
下記の諸条件をすべて充たす場合には,著作権法上原著者,出版社,学会などの許諾がなくても引用可
能です.
・既に公表されている著作物であること.
・引用する図,表などの量が客観的に正当な範囲
(引用者の良心に従う)
であること.
・図,表などの引用に際して,原型のままの掲載が不可欠であること.なお,改変して引用する場合には
許諾が必要となります.
・原著者の名誉を毀損したり,原著者の意図に反した利用法をしないこと.
・出典を明示すること.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
105 ( 509 )
2)引用に際して原著者などの許諾が必要は場合
上記の条件を一項目でも充たさない場合には,著作権法上の引用の範囲を逸脱することになり,
「人間ドッ
ク」
投稿前に,原著者,出版社,学会などの著作権保有者からの許諾を取得する必要があります.なおこ
の際には,著作権使用料の支払いが発生することがあります.
附記 2:参考とすべき倫理指針等
1) 「臨床検査を終了した検体の業務,教育,研究のための使用について-日本臨床検査医学会の見解-」
(日本臨床検査医学会 臨病理 2010;58:101-103.)
2) 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」
(平成 13 年 3 月 29 日文部科学省・厚生労働省・経済
産業省告示第 1 号 平成 16 年 12 月 28 日全部改正・平成 17 年 6 月 29 日一部改正,平成 26 年 11 月 25 日
一部改正)
3) 「遺伝子治療臨床研究に関する指針」
(平成 14 年 3 月 27 日文部科学省・厚生労働省告示第 1 号 平成 16
年 12 月 28 日全部改正,平成 26 年 11 月 25 日一部改正)
4) 「遺伝学的検査に関するガイドライン」
(平成 15 年 8 月 遺伝医学関連 10 学会:日本遺伝カウンセリング
学会,日本遺伝子診療学会,日本産科婦人科学会,日本小児遺伝学会,日本人類遺伝学会,日本先天
異常学会,日本先天代謝異常学会,日本マススクリーニング学会,日本臨床検査医学会
(以上五十音順)
,
家族性腫瘍研究会)
5) 「ヒト遺伝情報に関する国際宣言」
(UNESCO October 16,2003)
6) 「ファーマコゲノミクス検査の運用指針」
(平成 21 年 3 月 24 日 日本臨床検査医学会,
日本人類遺伝学会,
日本臨床検査標準化協議会 平成 21 年 11 月 2 日改定,平成 24 年 7 月 21 日改正)
7) 「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」
(平成 23 年 2 月 日本医学会)
8) 「厚生労働科学研究における利益相反(Conflict of Interest:COI)
の管理に関する指針」
(平成 20 年 3 月
31 日厚生労働省施行通知)
9) 臨床研究の利益相反(COI)
に関する共通指針
(平成 22 年 4 月 12 日:内科系関連 10 学会)
10)「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」
(平成 26 年 12 月 22 日:文部科学省・厚生労働省)
[改訂日:平成 27 年 6 月 4 日]
106 ( 510 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
日本人間ドック学会誌 「人間ドック」投稿規定(郵送用)
1.
投稿内容
投稿の内容は人間ドックおよびその領域に関連する原著,症例報告,短報,総説,Letters to the Editor
などで,他誌に発表されていないものに限ります.
なお,臨床研究に関する論文は 1964 年のヘルシンキ宣言
(以後の改定を含む)
の精神に則ったものでな
ければなりません.すなわち,論文の内容が疫学研究あるいは臨床研究の場合は,その研究計画が自施
設の倫理委員会あるいは日本人間ドック学会倫理委員会の承認を得ていること,ならびに対象者のイン
フォームド・コンセントが得られていることが必要です.また,そのことを本文中に記載してください.
症例報告の場合は,受診者のプライバシーに十分配慮し,インフォームド・コンセントを得た上で投稿し
てください.
2.
投稿資格
投稿者は本学会正会員,施設会員,および名誉会員とします.編集委員会が特に認めたものは,この限
りではありません.
3.
投稿様式
投稿原稿はワードプロセッサーを使用し,本文は A4 判用紙に MS 明朝体,12 ポイント,和文は全角,英・
数字は半角で,40 字× 20 行の横書きとし,フロッピーディスクあるいは CD-ROM での提出を原則としま
す.またプリントアウトした原稿を 2 部添付してください.なお,フロッピーディスクあるいは CD-ROM
には使用した OS(Windows または Macintosh)
,使用ソフトウェア名とそのバージョン番号を明記してく
ださい.
論文の長さは題名,和文・英文要約,図,表,写真,文献を含み,原著刷り上がり 6 頁
(12,000 字)
以内,
症例報告・短報 4 頁
(8,000 字)
以内,総説 8 頁
(16,000 字)
以内,Letters to the Editor 半頁
(1,200 字)
以内
を原則とします.
用語は日本医学会編
「日本医学会医学用語辞典英和・和英」
,日本内科学会編
「内科学用語集」
により,
を使用すること.掲載略語以外は,初出時に正
略語については巻末の
「日本人間ドック学会誌 略語一覧」
式用語を使い,
( )
に略語を示す.
外国語は固有名詞,文頭にきた語句のみ,最初の1字を大文字とします.
度量衡の単位は SI 単位を原則とします.
(例)
kg,g,mg/dL,L,mL,m,cm,℃など,数値には 3 桁
ごとに
(,
)
を入れます.
(例)
1,234,567,890
図,表,写真は 1 枚につき,原稿 400 字分とします.
図,表,写真は,写真製版のためそのまま利用できる
「汚れのない明瞭な原画」
を添付してください.なお,
サイズは編集の都合により適宜変更する場合があります.
図,表は A4 判の別紙に,写真は A4 判の台紙に貼り,写真は台紙の裏に筆頭著者名,写真番号と天地
を明記し,それぞれにまとめて原稿の末尾に添付してください.また挿入の場所を原稿の欄外に明記して
ください.あるいはデータを保存し,OS 名やバージョン番号を明記したフロッピーディスクか CD-ROM
でお送りください.
さらに,図,表,写真の表題および説明を別紙に和文で番号順にまとめて原稿の末尾に添付してください.
統計解析にソフトを使用した場合は,ソフト名等を記載してください.
(例)統計解析ソフトは SPSS
ver17 for Windows を用いた.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
107 ( 511 )
4.
投稿論文の書き方
(a) 論文記載の順序,形式
(Tel,Fax あ
(1) タイトル頁:題名,著者名,所属機関,所在地および筆頭著者の職種,氏名,連絡先
れば E-mail)
,別刷りの希望部数を書いてください.なお,題名,著者名,所属機関には英文を併
記してください.
(2) 2 頁目:和文要約
(600 字以内)
を目的:,方法:,結果:,結論:の順に書いてください.キーワー
ドを4個以内で併記してください.
(3) 3 頁目:英文要約
(ダブルスペース,250 words 以内)
,キーワード
(英文)
を 4 個以内で併記してく
ださい.なお,英文要約についてはその作成を学会に依頼することも可能ですが,その場合には
有料となります.英文要約を学会で作成することを希望される場合には,その旨を 3 頁に明記して
ください.
(4) 4 頁目以後:本文を書き,緒言
(はじめに)
,対象,方法,結果
(成績)
,考察
(考案)
,結語
(まとめ)
,
利益相反
(Conflict of Interest)
,
(謝辞)
,文献の順として,それぞれ行を変えてください.
(b) 文献の引用
(1) 本文中に引用番号順に番号を
「辻ら 1)の研究によれば……」
のように上付きで入れてください.
(2) 雑誌の引用の場合,略号は日本文献は医学中央雑誌,外国文献は Index Medicus に従ってください.
著者が 4 名以上の場合は 3 名併記のうえ
「ほか」
または
‘et al’としてください.
(例) 1)辻 裕之,天川和久,大本由起子ほか:慢性腎臓病予測因子としての尿酸値の意義.人間ドッ
ク 2008;23:23-28.
2)Ozaki S, Atarashi K, Minami M, et al : Effect of aging and body weight changes on serum
uric acid. Ningen Dock 2008 ; 22 : 43-48.
(3) 単行本の引用の場合,著者名
(上記の通り)
,題名,監修・編者名,書名,版数,発行所名,発行地,
発行年号
(西暦)
引用頁 - 頁の順としてください.
(例) 1)小山和作:事後指導の基本.後藤由夫,奈良昌治監,山門 實,阿部眞秀編,健診判定基準ガ
イドライン 改定新版,文光堂,東京,2008,273-281.
2)Kaplan NM : Measurement of blood pressure. In : Kaplan NM(ed), Kaplan's Clinical
Hypertension. 7th edit, Lippincott William & Wilkins, Philadelphia, 2002, 25-55.
(4) ホームページの引用の場合,著者名:タイトル.発表年,引用元の URL
[確認した日付 *]
の順とし
てください.* 引用のために確認した日付を記入してください.
(例) 1)厚生労働省健康局総務課 生活習慣病対策室:禁煙支援マニュアル.2006,http://www.
mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en-sien/manual/index.html[2012.03.02]
2)Ministry of Health, Labour and Welfare : Fact sheet of abridged life tables for Japan 2010.
2011, (In Japanese) http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life10/index.html (accessed
July 28, 2011 )
(c) 投稿原稿の部数
投稿原稿は 2 部,フロッピーディスクあるいは CD-ROM は 1 部提出してください.
5.
原稿の採択
受け付ける原稿は投稿規定に従ったものとします.投稿規定に従っているかは,投稿用チェックリスト
でチェックしてください.投稿規定に従っていないものは受理せず返却しますので投稿規定に従って書き
直しをして再提出してください.受理した原稿の採否および掲載順序は編集委員会が決定いたします.査
読終了後の再投稿は,3 カ月以内とします.それ以後は新規論文として扱います.なお,採用された原稿
等の返却は原則としていたしません.
108 ( 512 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
6.
原稿の校正
校正は初校のみを著者校正としますが,校正に際しては原則として文章の書き換え,図・表・写真の変
更は認められません.
7.
別刷り
別刷りを希望する場合は投稿時に申し込んでください.
30 部までは無料ですので,
「100 部希望:30 部
(無料)
+ 70 部」
のようにタイトルページに明記してくだ
(税別)
をいただきます.
さい.なお,有料分は 20 部から 10 部単位で受け付け,1 部 100 円
8.
掲載料
刷り上がり原著 6 頁,症例報告・短報 4 頁,総説 8 頁,Letters to the Editor 半頁までの費用は当学会の
負担とします.それ以上の頁の費用については,1 頁ごとの超過掲載料 10,000 円を著者の実費負担として
いただきます.
また,図,表のトレーシング,カラー写真の印刷の費用も著者の実費負担となりますので留意してくだ
さい.
9.
著作権
論文の内容については,論文の筆頭者が著作者の人格権を代表し,実質的な責任を負います.
また,論文が受理され,本誌に掲載された論文の版権は当学会に委譲されますので,著作権委譲に関
する用紙
(投稿承諾書)
に著者全員の署名をし,投稿時に郵送にて提出して下さい.投稿承諾書は綴り込み
のもの
(コピー可)
を使用するか,本学会ホームページからダウンロードして使用して下さい
(手順:学会ホー
ムページ→学会誌→投稿規定→投稿承諾書)
.
なお,本誌に掲載された論文は当学会ホームページに掲載いたします.
10. 利益相反
利益相反がある場合には開示が必要ですので,投稿時に利益相反
(COI)
自己申告書を提出して下さい.
利益相反
(COI)
自己申告書は綴り込みのもの
(コピー可)
を使用するか,
本学会ホームページからダウンロー
ドして使用して下さい
(手順:学会ホームページ→学会誌→投稿規定→利益相反
(COI)
自己申告書)
.
11. 発行月
本誌の発行は年 5 回
(6 月,8 月,9 月,12 月,3 月)
とし,8 月号は日本人間ドック学会学術大会抄録集と
します.
12. 原稿送付先
原稿は次の宛先へ郵便書留,Expack もしくは宅配便でお送りください.
〒 151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷 5-8-10 外苑マンション 605
(株)
サイエンティスト社内日本人間ドック学会誌
「人間ドック」
編集部
電話:03-3354-2004 FAX:03-3354-2017
E-mail:[email protected]
附記 1:投稿用チェックリストについて
「人間ドック」
への投稿に際して,論文作成上の不備のために査読審査が円滑に進まないことがあります.
査読審査を円滑に,かつ迅速に進めるための投稿用チェックリストが作成されています.著者はチェックリ
ストの各項目をチェックし,それぞれの□に確認の∨印を記して,投稿論文が投稿規定に合致していること
を確認してください.確認後にチェックリストに署名をして,投稿原稿とともに郵送してください.全チェッ
ク項目に∨印のない原稿は受理されません.
なお,投稿用チェックリストは,
「人間ドック」
に添付されていますので,それを使用してください.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
109 ( 513 )
附記 2:図・表などの引用について
「人間ドック」
への投稿に際して,図・表などの引用について注意してください.
1) 引用に際して原著者などの許諾が必要な場合
下記の諸条件をすべて充たす場合には,著作権法上原著者,出版社,学会などの許諾がなくても引用可
能です.
・既に公表されている著作物であること.
・引用する図・表などの量が客観的に正当な範囲
(引用者の良心に従う)
であること.
・図・表などの引用に際して,原型のままの掲載が不可欠であること.なお,改変して引用する場合には
許諾が必要となります.
・原著者の名誉を毀損したり,原著者の意図に反した利用法をしないこと.
・出典を明示すること.
2) 引用に際して原著者などの許諾が必要は場合
上記の条件を一項目でも充たさない場合には,著作権法上の引用の範囲を逸脱することになり,
「人間
ドック」
投稿前に,原著者,出版社,学会などの著作権保有者からの許諾を取得する必要があります.な
おこの際には,著作権使用料の支払いが発生することがあります.
附記 3:参考とすべき倫理指針等
1) 「臨床検査を終了した検体の業務,教育,研究のための使用について-日本臨床検査医学会の見解-」
(日本臨床検査医学会 臨病理 2010;58:101-103.)
2) 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」
(平成 13 年 3 月 29 日文部科学省・厚生労働省・経済
産業省告示第 1 号 平成 16 年 12 月 28 日全部改正・平成 17 年 6 月 29 日一部改正,平成 26 年 11 月 25 日
一部改正)
3) 「遺伝子治療臨床研究に関する指針」
(平成 14 年 3 月 27 日文部科学省・厚生労働省告示第 1 号 平成 16
年 12 月 28 日全部改正,平成 26 年 11 月 25 日一部改正)
4) 「遺伝学的検査に関するガイドライン」
(平成 15 年 8 月 遺伝医学関連 10 学会:日本遺伝カウンセリング
学会,日本遺伝子診療学会,日本産科婦人科学会,日本小児遺伝学会,日本人類遺伝学会,日本先天
異常学会,日本先天代謝異常学会,日本マススクリーニング学会,日本臨床検査医学会
(以上五十音順)
,
家族性腫瘍研究会)
5) 「ヒト遺伝情報に関する国際宣言」
(UNESCO October 16,2003)
6) 「ファーマコゲノミクス検査の運用指針」
(平成 21 年 3 月 24 日 日本臨床検査医学会,
日本人類遺伝学会,
日本臨床検査標準化協議会 平成 21 年 11 月 2 日改定,平成 24 年 7 月 21 日改正)
7) 「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」
(平成 23 年 2 月 日本医学会)
8) 「厚生労働科学研究における利益相反(Conflict of Interest:COI)
の管理に関する指針」
(平成 20 年 3 月
31 日厚生労働省施行通知)
9) 臨床研究の利益相反(COI)
に関する共通指針
(平成 22 年 4 月 12 日:内科系関連 10 学会)
10)「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」
(平成 26 年 12 月 22 日:文部科学省・厚生労働省)
[改訂日:平成 27 年 6 月 4 日]
110 ( 514 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
「人間ドック」
投稿用チェックリスト
「人間ドック」への郵送での投稿に際して,著者は,各項目のリストをチェックし,□印に確認
の∨印を記して,投稿論文が投稿規定に合致していることを確認して下さい.その上で,こ
のチェックリストに署名をして,投稿原稿とともに郵送してください.全チェック項目に∨
印のない原稿は,受付けられません.
論文作製について
□
論文構成が,投稿規定のとおり,タイトル頁
(表紙)
,和文要約,英文要約,本文,
文献,図表の題名・説明の順になっているか
□
タイトル頁(表紙)
を 1 ページ目とした,ページを入れたか
□
本文と図表は別ファイルに保存したか
タイトル頁(表紙)に次の項目を記載したか
キリトリ線
□
和文の題名,著者名,所属施設名,所属地
□
英文の題名,著者名,所属施設名
□
筆頭著者の氏名,職種,連絡先,メールアドレス
□
別冊希望部数
□
共著者の氏名,所属施設名,施設住所
和文要約(2 ページ目)
□
600 字以内で,目的:,方法:,成績:,結論:にわけて,それぞれ記載したか
□
和文キーワード(4 個以内)をつけたか
英文要約(3 ページ目)
□
ダブルスペース,250words 以内で,Objective:,Methods:,Results:,
Conclusions:にわけてそれぞれ記載したか
□
内容は和文要約と一致しているか
□
英文キーワード(4 個以内)をつけたか
□
英文要約の作製を学会に依頼する場合には,その旨を記載したか
本文(4 ページ目以後)
□
本文の構成は,緒言(はじめに),対象,方法,結果
(成績)
,考察
(案)
,結語
(まとめ),利益相反(Conflict of Interest)
,
(謝辞)
,文献の順に整っているか
□
I,1,1)などの箇条書きにしていないか
注:原著論文では,本文の内容を箇条書きにしない
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
111 ( 515 )
□
論文内容,ことに方法に関して,倫理的考慮を要する場合には,
方法にその倫理問題についての配慮を記載したか
□
略語は,本文の初出の時に正式用語を使い,
()
に略語を示したか
□
HbA1c は NGSP 値で表記されているか
文
献
□
記載方法に誤りはないか
□
引用雑誌名の略号は医学中央雑誌,Index Medicus に従い,正しいか
□
文献番号は,本文で引用した順序になっているか
図・表,写真
□
図の説明文(表題)
は,図の順に別紙に記載したか
□
表に縦線を使用していないか
注:表には縦線は使用しない
キリトリ線
□
図・表の挿入希望箇所を,本文の欄外に記載したか
□
写真の裏面に,筆頭著者名,写真番号,天地を記載したか
投稿直前のチェック
□
投稿原稿は 2 部あるか
□
フロッピーディスクまたは CD-ROM 1 部を同封したか
□
責任者に投稿の最終チェックを受けたか
□
投稿承諾書を同封したか
□
利益相反がある場合,利益相反(COI)
自己申告書を同封したか
全チェック項目に∨印のある事を確認しました.
年
月
日,
著者署名
職
人間ドック
種
Vol.31 No.3 2016 年
113 ( 517 )
投稿承諾書
日本人間ドック学会
殿
論文題名:
所属の
上記論文は,
が筆頭著者であり,日本人間ドック学会誌「人間ドック」に投稿
することを共著者として承諾いたします.なお,本論文は,他誌に発表されたことはなく,他誌に
投稿中でないこと,すなわち二重投稿でないことを認めますとともに,本論文内容に関して,こと
に倫理的問題を含めての全責任を負います.
<利益相反に関して>
日本人間ドック学会誌「人間ドック」に投稿した論文について,論文内に論じられている主題あるい
は資料について,利益を有する企業もしくはその他の営利を目的とした団体との経済的利害関係が
ある場合は,論文中に開示していることを認めます.
※利益相反がある場合は,利益相反
(COI)
自己申告書で開示をしてください.
キリトリ線
また,本論文が「人間ドック」に掲載された場合,本論文の著作権は日本人間ドック学会が保有する
ことを認めます.
※著者が人間ドック学会のA会員の場合は,署名欄の右に会員番号も併記してください.
筆頭著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
共著者署名
(A
)
年
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
月
日
提出
115 ( 519 )
(様式 3)
日本人間ドック学会 御中
利益相反(COI)自己申告書
論文題名:
筆頭著者の,投稿時から遡って過去1年以内の発表内容に関係する企業・組織または団体との利益
相反について下記に申告してください.
項
目
該当の状況
①報酬額
有であれば,著者名:企業名などの記載
有・無
1 つの企業・団体から年間 100 万円以上
②株式の利益
有・無
1 つの企業から年間 100 万円以上
あるいは株式 5%以上を保有
③特許権使用料
有・無
1 つにつき年間 100 万円以上
キリトリ線
④講演料
有・無
1 つの企業・団体から年間合計 50 万円以上
⑤原稿料
1 つの企業・団体から年間合計 50 万円以上
有・無
⑥研究費などの総額
治験,受託研究,共同研究などについて,
1 つの企業・団体から支払われた総額が
年間 200 万円以上
有・無
⑦奨学寄付金などの総額
1 つの企業・団体から,申告者個人または申
告者が所属する講座・分野あるいは研究室の
代表に支払われた総額が年間 200 万円以上
⑧企業などが提供する寄付講座
企業や団体が提供する寄付講座に所属して
いる場合
⑨旅費,贈答品などの受領
1 つの企業・団体から年間 5 万円以上
有・無
有・無
有・無
筆頭著者名(署名):
年
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
月
日
提出
117 ( 521 )
INSTRUCTIONS TO AUTHORS
Ningen Dock International
Official Journal of Japan Society of Ningen Dock
Ningen Dock International is the official journal of Japan Society of Ningen Dock, in which original
articles, case reports, and review articles in both Japanese and English are published. Ningen Dock accepts
only manuscripts that are original work in the field of ningen dock and related areas not previously
published or being considered for publication elsewhere, except as abstracts. The manuscripts published
in Ningen Dock will appear on the website of our society.
If the manuscript concerns a clinical study, it must be in accordance with the Declaration of Helsinki
of 1964 (subsequent revisions included). Therefore, for a manuscript whose content is epidemiological or
clinical research, the approval of the facility’s Institutional Review Board (IRB) or the Ethics Committee
of Japanese Society of Ningen Dock must have been obtained for the study described. Also, in the text, it
should be indicated that informed consent has been obtained from subjects. Additionally, for case reports,
it should be stated that adequate care has been taken to ensure the privacy of the subject concerned.
Online submission system
Ningen Dock uses an online submission system called ScholoarOne Manuscripts.
Please access http://mc.manuscriptcentral.com/ningendock
This site is only in Japanese at this time.
Preparation of manuscript
All manuscripts must be written in English with MS-Word, Excel, PowerPoint and/or a common graphic
format. Authors who are not fluent in English must seek the assistance of a colleague who is a native
English speaker and is familiar with the field of the manuscript.
The title, abstract, text, acknowledgments, references, tables, and figure legends should begin on separate
sheets, with pages numbered, and be typed double-spaced using the 12-point font size in MS-Word.
Files for submission should be prepared in English in a Microsoft Word or other file format that may be
uploaded to the online system.
Available formats for files to be uploaded: doc (docx), xls (xlsx) ppt (pptx), jpg, tiff, gif, ai, eps, psd File
names must consist of alphanumeric characters and an extension.
Example file names: Manuscript.doc, Fig1.jpg, Table1.xls, etc.
Please indicate the version of Microsoft Office used in a cover letter accompanying the uploaded files.
All measurements should be expressed in SI units. Less common abbreviations should be spelled out at
first usage and the abbreviated form used thereafter.
Title page
Titles should be concise and informative. Include the full names of authors, names and addresses of
affiliations, and name and address of a corresponding author to whom proofs are to be sent, including a
fax number, telephone number and e-mail address.
Abstract
The abstract should not exceed 250 words, and should be arranged under the following subheadings:
Objective, Methods, Results, Conclusions, and have up to 4 keywords.
Types of articles
Original articles: An original article should not exceed 3,000 words, and should be arranged as follows:
Abstract, Objective, Methods, Results, Discussion, (Conclusion), (Acknowledgments), and References.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
119 ( 523 )
Case reports: A case report should not exceed 2,000 words, and be arranged as follows: Abstract (which
should be a brief summary of the content without headings), Introduction, Case report, Discussion, and
References.
Review articles: Review articles should not exceed 4,000 words. Review articles are usually by invitation.
However, articles submitted without an invitation may also be considered by the Editorial Board.
References
References should be numbered consecutively in order of appearance in the text and cited in the text
using superscript numbers. For example, according to the study by Sasamori 1). For journals, the names
and initials of the first three authors, followed by“et al”if there are other coauthors, the complete title,
abbreviated journal name according to Index Medicus, volume, beginning and end pages, and year should
be included. For books, the names and initials of the first three authors, followed by“et al”if there are
other coauthors, the complete title, book name, edition number, beginning and end pages, name and city
of publisher, and year should be included. Examples of references are given below.
Journal: Ishizaka N, Ishizaka Y, Nagai R, et al: Association between white cell count and carotid
arteriosclerosis in Japanese smokers. Atherosclerosis 2004; 175: 95-100.
Book: Kaplan NM: Measurement of blood pressure. In: Kaplan NM(ed), Kaplan's Clinical Hypertension.
7th ed., Lippincott William & Wilkins, Philadelphia, 2002, 25-55.
Tables
Tables should be cited in the text, and numbered sequentially with Arabic numerals. Each table should be
given a number and a brief informative title, and should appear on a separate page. Explain in footnotes
all abbreviations used.
Figures
Figures should be cited in the text, and numbered sequentially with Arabic numerals. A brief descriptive
legend should be provided for each figure. Legends are part of the text, and should be appended to it on a
separate page. Color figures can be reproduces if necessary, but the authors will be expected to contribute
towards the cost of publication.
Conflict of Interest (COI)
All authors are required to disclose any conflict of interest (COI) on the form designated by the Japan
Society of Ningen Dock.
If no author has any COI, this should be indicated in the manuscript.
Page proofs
The corresponding author will receive PDF proofs, the author should correct only typesetting errors. After
correcting, page proofs must be returned promptly.
Reprints
Thirty reprints of each paper are free, and additional reprints are available at charge in lots of 10, but for
a minimum order of 50 . Reprints should be ordered on submission of the manuscript as follows: For
example,“I order 100 reprints: 30 (free) + 70.”
The Editorial Board considers only manuscripts prepared according to the Instructions to Authors,
and makes decisions regarding the acceptance of manuscripts as well as the order of printing them. All
published manuscripts become the permanent property of Japan Society of Ningen Dock, and may not be
published elsewhere without written permission from the Society.
120 ( 524 )
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
Check list for submission of papers to Ningen Dock International
Official Journal of Japan Society of Ningen Dock
Categories of manuscript:
□
Original article (not more than 3,000 words)
□
Case report (not more than 2,000 words)
□
Review article (not more than 4,000 words)
Typing:
□
Manuscript on A4 paper with wide margins
□
Type double space using 12-point
Title page:
□
Title of paper
□
Full names of authors and affiliations without title of MD, PhD, etc
□
Full name and address of a corresponding author including fax number,
telephone number and e-mail address.
キリトリ線
□
Running title not more than 50 characters.
Abstract:
□
Not more than 250 words.
□
Arranged in the order of Background, Methods, Results, and Conclusion.
□
Up to four key words.
Text of paper:
□
Manuscript is arranged in the order of Objective, Methods, Results,
Discussion, (Conclusion), (Acknowledgments), and References.
□
Measurements are expressed in SI units.
□
Abbreviations are spelled out at first usage.
References:
□
References are numbered consecutively in order of appearance in the text and
cited in the text using superscript numbers.
□
Format is consistent with examples in Instructions for Authors.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
121 ( 525 )
Tables:
□ Each table is given a number and a brief informative title, and appears on separate page.
□
All abbreviations used are explained in footnotes.
Figures:
□ Figure legends are appended to the text on a separate page.
□ The top of the figure, the first author's name, and the figure number are indicated lightly
in soft pencil on the back of the four figures.
Submission:
□ Check list, agreement, cover letter, manuscript (title page, abstract, text, acknowledgments,
and references), figure legends, tables, figures and/or photos prepared in due form.
□
One set of the original manuscript and three sets of the copies (with original photos, if any)
are submitted.
□
All pages are numbered.
キリトリ線
Date:
Name (print)
Signature
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
123 ( 527 )
Official Journal of Japan Society of Ningen Dock's Agreement
1. The authors undersigned hereby affirm that the manuscript entitled :
is original and does not infringe any copyright, and that it has not been published in whole or in part
and is not being submitted or considered for publication in whole or in part elsewhere except in the
form of an abstract.
2. Assignment of Copyright. The authors hereby transfer, assign or otherwise convey all copyright
ownership to Japan Society of Ningen Dock in the event this work is published by Japan Society of
Ningen Dock in any format.
3. Signature of all authors :
キリトリ線
Name (print)
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Name (print)
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Signature
Signature
Signature
Signature
Signature
Signature
Date
(A
)
(A
)
(A
)
(A
)
(A
)
(A
)
(A
)
Date
Date
Date
Date
Date
Date
※著者が人間ドック学会のA会員の場合は,署名欄の右に会員番号も併記してください.
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
125 ( 529 )
日本人間ドック学会誌 略語一覧
略語
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48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
1,5-AG
17-OHCS
95% CI
α -GI
β 2 -MG
γ -GTP
A/G 比(A/G ratio)
ABI
ACTH
ADL
AFP
ALP
ALT
Apo(a)
APTT
AST
BMI
CA125
CA19-9
cAMP
CAPD
CBC
Ccr
cDNA
CEA
cGMP
ChE
CKD
COI
COPD
CK
CRP
CT
CVA
D-Bil
DBP
DNA
DRG
dsDNA
EBM
ECG
eGFR
EIA
ELISA
EPO
ESR
FBG
FDA
FEV
FEV 1
FEV 1 %
FPG
FSH
FT3
FT4
FVC
GFR
GH
Hb
HbA1c
正式名(英)
1,5-anhydroglucitol
17 α -hydroxycorticosteroid
95% confidence interval
α -glucosidase inhibitor
β 2 -microglobulin
γ -glutamyl transpeptidase
albumin-globulin ratio
ankle-brachial index
adrenocorticotropic hormone
activities of daily living
α -fetoprotein
alkaline phosphatase
alanine aminotransferase
apolipoprotein(a)
activated partial thromboplastin time
aspartate aminotransferase
body-mass index
carbohydrate antigen 125
carbohydrate antigen 19-9
cyclic adenosine 3’, 5’-monophosphate
continuous ambulatory peritoneal dialysis
complete blood cell count
creatinine clearance
complementary deoxyribonucleic acid
carcinoembryonic antigen
cyclic guanosine 3’, 5’-monophosphate
cholinesterase
chronic kidney disease
conflict of interest
chronic obstructive pulmonary disease
creatinine kinase
c-reactive protein
computed tomography
cerebrovascular accident
direct bilirubin
diastolic blood pressure
deoxyribonucleic acid
diagnosis-related group
double stranded deoxyribonucleic acid
evidence-based medicine
electrocardiogram
estimated glomerular filtration rate
enzyme immunoassay
enzyme-linked immunosorbent assay
erythropoietin
erythrocyte sedimentation rate
fasting blood glucose
Food and Drug Administration
forced expiratory volume
forced expiratory volume in one second
forced expiratory volume % in one second
fasting plasma glucose
follicle stimulating hormone
free triiodothyronine
free thyroxine
forced vital capacity
glomerular filtration rate
growth hormone
hemoglobin
hemoglobin A1c
人間ドック
正式名(和)
1,5- アンヒドログルシトール
17- ハイドロキシコルチコステロイド
95% 信頼区間
α - グルコシダーゼ阻害薬
β 2 - ミクログロブリン
γグルタミルトランスペプチターゼ
アルブミン / グロブリン比
上腕足関節血圧比
副腎皮質刺激ホルモン
日常生活動作
α - フェトプロテイン
アルカリホスファターゼ
アラニンアミノトランスフェラーゼ
アポリポ蛋白(a)
活性化部分トロンボプラスチン時間
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
体格指数
シーエー125
シーエー19-9
環状アデノシン 3’、5’- 一リン酸
持続携行式腹膜透析
全血球計算
クレアチニンクリアランス
相補的デオキシリボ核酸
がん胎児性抗原
環状グアノシン 3’、5’- 一リン酸
コリンエステラーゼ
慢性腎臓病
利益相反
慢性閉塞性肺疾患
クレアチンキナーゼ
C 反応性タンパク
コンピューター断層撮影
脳血管障害
直接ビリルビン
拡張期血圧
デオキシリボ核酸
診断別分類
二本鎖デオキシリボ核酸
科学的根拠に基づく医療
心電図
推算糸球体濾過量
酵素免疫測定法
酵素免疫吸着測定法
エリスロポエチン
赤血球沈降速度
空腹時全血ブドウ糖
食品医薬品局
努力呼気量
1 秒量
1 秒率
空腹時血糖
卵胞刺激ホルモン
遊離トリヨードサイロニン
遊離サイロキシン
努力肺活量
糸球体濾過量
成長ホルモン
ヘモグロビン
ヘモグロビン A1c
Vol.31 No.3 2016 年
127 ( 531 )
略語
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
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74
75
76
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78
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80
81
82
83
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85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
107
108
109
110
111
112
113
114
115
116
117
118
119
120
hCG
HCV
HDL-C
HLA
HPLC
Ht
ICD
ICU
IFG
IGT
IMT
LAP
LDH
LDL-C
Lp(a)
LPL
MCH
MCHC
MCV
METs
MetS
MMG
MRA
MRI
mRNA
MRSA
MSW
NMR
PET
PSA
PTH
PWV
QOL
RBC
RF
RI
RIA
RNA
SBP
SD
SEM
STD
T-Bil
T3
T4
TC
TG
TIA
TIBC
tPA
TPHA
TSH
TTT
UCG
UIBC
UN
VLDL
WBC
WHO
ZTT
128 ( 532 )
正式名(英)
human chorionic gonadotropin
hepatitis C virus
high-density lipoprotein cholesterol
histocompatibility[leucocyte]antigen
high-performance liquid chromatography
hematocrit
International Classification of Disease
intensive care unit
impaired fasting glucose
impaired glucose tolerance
intima-media thickness
leucine aminopeptidase
lactate dehydrogenase
low-density lipoprotein cholesterol
lipoprotein (a)
lipoprotein lipase
mean corpuscular hemoglobin
mean corpuscular hemoglobin concentration
mean corpuscular volume
meatbolic equivalent
metabolic syndrome
mammography
magnetic resonance angiography
magnetic resonance imaging
messenger RNA
methicillin-resistant Staphylococcus aureus
medical social worker
nuclear magnetic resonance
positron emission tomography
prostate-specific antigen
parathyroid hormone
pulse wave velocity
quality of life
red blood cell
rheumatoid factor
radioactive isotope
radioimmunoassay
ribonucleic acid
systolic blood pressure
standard deviation
standard error of the mean
sexually transmitted disease
total bilirubin
triiodothyronine
thyroxine
total cholesterol
triglyceride
transient (cerebral) ischemic attack
total iron binding capacity
tissue plasminogen activator
Treponema pallidum hemagglutination assay
thyroid stimulating hormone
thymol turbidity test
ultrasonic echocardiography
unsaturated iron binding capacity
urea nitrogen
very-low-density lipoprotein
white blood cell
World Health Organization
zinc sulfate (turbidity) test
人間ドック
正式名(和)
ヒト絨毛性ゴナドトロピン
C 型肝炎ウイルス
高比重リポ蛋白コレステロール
組織適合 ( 性)抗原
高速液体クロマトグラフィー
ヘマトクリット
国際疾病分類
集中治療室
空腹時血糖異常
耐糖能異常
内膜中膜複合体厚
ロイシンアミノペプチダーゼ
乳酸脱水素酵素
低比重リポ蛋白コレステロール
リポ蛋白 (a)
リポプロテインリパーゼ
平均赤血球血色素量
平均赤血球血色素濃度
平均赤血球容積
メッツ(運動強度指数)
メタボリックシンドローム
マンモグラフィー
磁気共鳴血管造影
磁気共鳴画像
メッセンジャーリボ核酸
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
医療ソーシャル・ワーカー
核磁気共鳴
陽電子放射断層撮影
前立腺特異抗原
副甲状腺ホルモン
脈波伝播速度
生活の質
赤血球
リウマトイド因子
放射性同位元素
放射免疫測定法
リボ核酸
収縮期血圧
標準偏差
標準誤差
性行為感染症
総ビリルビン
トリヨードサイロニン
サイロキシン
総コレステロール
トリグリセライド
一過性脳虚血発作
総鉄結合能
組織プラスミノーゲン活性化因子
梅毒トレポネーマ血球凝集テスト
甲状腺刺激ホルモン
チモール混濁試験
心臓超音波検査
不飽和鉄結合能
尿素窒素
超低比重リポ蛋白
白血球
世界保健機構
硫酸亜鉛混濁試験
Vol.31 No.3 2016 年
「人間ドック」著作権管理委託について
日本人間ドック学会刊行の「人間ドック」の複写に係る著作権管理を,一般社団法人学術
著作権協会に委任いたしました.
したがいまして,今後,
「人間ドック」の複写については無断複写ができないこととなり,
「人間ドック」の複写に際しては下記の団体からの許諾が必要となります.
ここに,“著作権管理委託についての通知”をいたします.
記
複写される方へ:
「人間ドック」に掲載された著作物を複写したい方は,
(社)日本複写権センターと包括複
写許諾契約を締結されている企業の方でない限り,著作権者から複写権等の行使の委託を受
けている次の団体から許諾を受けてください.
〒 107-0052 東京都港区赤坂 9-6-41 乃木坂ビル(一社)学術著作権協会
TEL:(03)3475-5618 FAX:(03)3475-5619
E-mail:[email protected]
Notice about photocopying:
In order to photocopy any work from this publication, you or your organization must
obtain permission from the following organization which has been delegated for copyright
clearance by the copyright owner of this publication.
Japan Academic Aasociation for Copyright Clearance, Inc. (JAACC)6-41 Akasaka,
9・chome,Minato-ku, Tokyo 107-0052 Japan
Phone:81-3-3475-5618 FAX:81--3-3475-5619
E-mail:[email protected]
また,アメリカ合衆国において本書を複写したい場合は,次の団体に連絡して下さい.
Copyright Clearance Center, Inc.
222 Rosewood Drive, Danvers, MA 01923 USA
Phone 1-978-750-8400 FAX 1-978-646-8600
公 益 社 団 法 人
日本人間ドック学会
理事長
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
奈良
昌治
129 ( 533 )
編集後記
2016 年 8 月も押し迫った 30 日に 9 月号の編集後記
を書き始めました.リオデジャネイロで開催されてい
たオリンピックが終わって 1 週が経過した時期です.
今号の巻頭言は 2 本あります.一つ目は,篠原幸人
新理事長の“これからの人間ドック学会を考える”で
す.人間ドック健診学を確立し,人間ドックの持つ公
益性,国益性を発展させるための新理事長の意欲的な
抱負が記されています.二つ目の巻頭言は,去る 7 月
末に開催された第 57 回日本人間ドック学会学術大会
において大会長としてご尽力いただいた相澤孝夫副
理事長に記していただきました.この大会では過去最
高の 542 演題が集まり,参加者は 4,467 人に達し,盛
大な,
実りある大会でした.総説は,
高橋英孝先生の
“メ
タボリックシンドロームと脂質異常”です.人間ドッ
ク受診者を対象として,メタボリックシンドロームと
インスリン抵抗性との関係,メタボリックシンドロー
ムと脂質異常との関係を,図表を豊富にいれて分かり
やすく記載されています.
これに続きまして原著論文 8 報,症例報告 2 報の
構成となっています.
「健診において医師への心電図
緊急報告体制確立の重要性」
「婦人科経膣エコー検査
導入の有用性」
「潜在的ヘリコバクター・ピロリ感染
者を早期に拾い上げる工夫」
「乳がん健診にてマンモ
グラフィとエコー検査を併用して判定することの有用
性」
「保健指導場面のビデオ映像を用いて保健指導技
術を磨く試み」
「中性脂肪と HDL- コレステロール比
はインスリン抵抗性を反映していること」
「夕方から
実施する女性健診の取り組み」
「上部消化管内視鏡検
「胃が
査で診断された 14 例のアニサキス症について」
ん検診として上部消化管造影検査を受けた後直腸穿
孔した一例」等の報告が掲載されています.特色ある
論文が揃っているのではないかと思われます.
冒頭に記したようにリオデジャネイロで開催され
ていたオリンピックから 1 週しか経過しておらず,日
本選手の活躍と言動が,ちょうど鐘の余韻のように
じょうじょう
嫋 嫋として残っています.メダルを手にすることの
できたある選手は,
「先輩の背中をみて精進できまし
た.メダルをとれたのは,先輩・先人が教えを残して
くれたからです」と感謝の気持ちを述べていました.
また,別の選手は「先輩からの教えを,後進に残して
いきたい」とも発言していました.私は,このインタ
ビューを聞きながら,日本の仏教詩人として活躍され
さかむら しんみん
(1909〜 2006 年)
の『あとからくる者のため』
た坂村真民
という詩を思い出しました.その一部は以下のような
内容です.
『あとからくる者のため』 坂村真民
あとからくる者のために苦労をするのだ
我慢をするのだ 田を耕し種を用意しておくのだ
あとからくる者のためにしんみんよお前は詩を書いて
おくのだ
あとからくる者のために山を川を海をきれいにしてお
くのだ
あとからくる者のためにみなそれぞれの力を傾けるのだ
言わんとすることは,先輩・先人の教えあるいは自
分の経験を後進に順送りする覚悟ではないかと思いま
す.自分のことよりも後輩・後進を思いやる利他の精
神が感じられます.
本号にご投稿いただいた多くの先生方も,引用文献
等の先人の教えに自分の経験を加え,これを後進に順
送りされたのだと,私には思われました.改めまして,
利他の精神より原稿をお送りいただいた先生方に深謝
いたします.
(荒瀬康司)
人間ドック
第 31 巻 第 3 号(Vol.31 No.3 2016)
平成 28 年 9 月 30 日発行
(Official Journal of Japan Society of Ningen Dock)
発
行
責
任
者
編
集
委
員
荒瀬康司/
(副・和文誌)鏑木淳一/(副・英文誌)丹羽利充
会 (長)
新 智文/折津政江/加藤清恵/加藤智弘/笹森 斉/髙橋英孝/原 茂子/
福井敏樹/武藤繁貴/山門 實
所 公益社団法人 日本人間ドック学会
〒 102-0075 東京都千代田区三番町 9-15 ホスピタルプラザビル 1F
電話 03 - 3265 - 0079 E-mail:[email protected]
所 株式会社 サイエンティスト社 東京都渋谷区千駄ヶ谷 5 - 8 - 10 - 605
発
行
制
作
130 ( 534 )
篠原
幸人
人間ドック
Vol.31 No.3 2016 年
1回の採血で、複数のがんのリスクを評価!
がんリスクスクリーニング
(AICS )
®
AICS ®とは血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人と
がんである人のアミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に
解析することで、現在がんであるリスク
(可能性)
を評価する
検査です。
●検査対象となるがんの種類
男性AICS(5種)
女性AICS(6種)
胃がん、肺がん、
大腸がん、
膵臓がん、
前立腺がん
胃がん、肺がん、
大腸がん、
膵臓がん、
乳がん、
子宮がん・卵巣がん*
*子宮がん・卵巣がんは、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんを対象としています。いずれかのがんであるリスクについて評価することがで
きますが、それぞれのがんのリスクについて区別することはできません。
アミノインデックス®、AICS®は、味の素株式会社の登録商標です。
〒163-0409 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号
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