意見公聴会における講演概要

【資料2】
れは郊外、市街地ともに共通して起こっている。郊外では、行政サービス、市民によるまちづくりの拠点と
意見公聴会における講演概要
なるべき支所や市民センター等が圧倒的に不足し、老朽化している。今これをやっておかないと大変なこと
になるだろう。同じことは中心市街地だけではなくて市街地についても共通して見られることで、街並みそ
のものが老朽化し、空き家が増え、まさに櫛の歯が抜けたようなまちになっている。逆スプロール化の進行
である。だからこそ早い段階で、郊外拡大を防がなければならなかっただろう思う。
■ 山本 恭逸 氏〔平成 25 年 12 月 21 日(土)〕
・少子高齢化の下での行政課題は何か。青森市の場合には、コンパクトシティということで、中心市街地の整
(1)青森市の発展とは何か?
備が先行した。しかしこれは、中心市街地の整備が先行したということであって、郊外を切捨てにするとい
うことではないはずである。次にやるべきは、やはり郊外の整備であり、あるいは中心市街地を取り巻く市
・青森市の発展、国の発展、都市の発展とは何か。かつては、人口が増える、市街地が拡大する、こういうこ
街地の整備をやっていくことが当然必要な課題になるだろう。だからこそ、自治基本条例に魂を吹き込むた
とをもって、都市の発展と言っていただろうと思う。
めの取り組みが重要で、そのために「地域コミュニティガイドライン」が作られたはずである。これを具体
・しかし、日本は人口が増えるどころか、完全に人口減少過程に入っている。青森市も、青森県も例外ではな
化していく取組みがどうしても必要になってくるだろうと思う。
い。こういう状態の中で、都市が発展するというのはどういうことか、まず考えてほしい。
・青森市の人口が減少過程に入っているのは、厳粛な事実である。この事実を前提として青森市のまちづくり
(5)市庁舎建設問題に思う
をどうするのかを考えなければいけないだろう。
・青森市は確実な人口減少が起こる。2040 年には青森市は 205,405 人、つまり 30 万都市が、今から 25 年後
には 20 万都市になる。将来のことは確かに分からない。しかし人口予測だけは確実である。この確実な人口
(2)青森市の都市計画をめぐる論点
減少が起こっていくことを前提としなければならない。
・「コンパクトシティ」イコール「中心市街地活性化」ではない。
・コンパクトシティは決して郊外切捨てではなく、むしろ郊外も秩序立てて拠点を整備していくということが
・市の財政計画を見ると、私は非常に危ういと思っている。財政計画の中に含まれていない事業がある。操車
大事である。なぜなら、青森市は人口減少過程に入っており、地域で色々な問題が起こっている。今、青森
場跡地利用促進事業、青森駅周辺まちづくり関連事業、浪岡最終処分場適正廃止対策費。例えば三つ目のも
市で起こっていることは、正に逆スプロール現象である。色々な所で空き家が増え、虫食い状態になり、櫛
の、やらないというわけにはいかないだろう。避けて通れない問題である。しかも一番怖いのは、豪雪。一
の歯が抜けたような状態になっている。だからこそ、鹿内市長は自治基本条例を作り、青森市のまちづくり
旦豪雪になると市の財政計画は大幅にくるう。これが一番、私が心配している点である。さらに、石江の土
の基本にしようとしている。
地区画整理地内の保留地を売却できなかったときには、市の大きな財政負担になる。こういう不安定要因が
・都市計画によって奪われた部分は都市計画によってきっちり返してもらう。これがコンパクトシティで主張
あるにもかかわらず、庁舎を造らなければならない。これは大変な問題である。豪雪にならないという前提
してきたこと。具体的には、商業者のまちなか居住が事実上禁じられた。これは職住分離ということで、小
での財政計画には、どう考えても無理があるのではないか。下手すると新庁舎と引換えに、市民に犠牲を強
売商業近代化と都市計画という二つの視点からの要請だったと思う。都市計画において、まちなかに商業者
いることにならないか。
が住めないような状況を作ってきた。この部分については、きちんと都市計画で返してもらいたい。これが
・既存の施設を利活用することも含め、時期、予算規模等、起債をいかに少なくするかということを考えなけ
私の主張である。したがって、商店街そのものは、基本的にはビジネスの視点で、商業者の問題として取り
ればならない。主張の中には、復興需要によって資材が高騰している、なぜ今この時期にという主張もある
組むべきだということであり、
「中心市街地問題」イコール「コンパクトシティ政策」ではないということだ
だろうし、逆に、消費税が上がろうとしているからこそ早くという主張もあるだろう。
・庁舎建設に関しては、一切国の支援は無かった。これから先もおそらく無いだろう。今、使えるものは唯一、
けは申し上げておきたい。
合併特例債だけである。事業費のうちの 95 パーセントは起債でき、さらに利息も含めて 7 割を国が地方交付
(3)コンパクトシティとは?
税として補てんしてくれる。そのことを考え、いかに市民の負担にならないようにやるのか。合併特例債を
・コンパクトシティの定義は「コンパクト性」と、
「秩序ある高密度を実現する合理的な都市計画」の二つであ
活用する、あるいは国の中心市街地活性化の第 2 期計画の中で、青森駅の周辺整備というものがある。こう
る。単なる密集とコンパクト性は似て非なるもの。昭和 30 年代の青森市は団子状態になっていたが、これを
いうもので、もし活用できるのであれば、できるだけ市民の負担を軽減するような取組みというのが、とに
コンパクトシティといえるか。
かく必要だろうと思う。
・青森市は雪が、特にコンパクトシティの出発点というふうに言われているが、確かに一人当たりの除雪経費
・現在地に市の新しい庁舎を造るというのは一つの案かもしれないが、確実にいえることは、駐車スペースが
がどんどん増えてきたことは事実だが、これは行政の発想であり、一般市民がこの論理を受け入れるかどう
無くなる、工事車両の出入りがある、ということを考えると、さらに不便になるだろう。それは、出来るま
かは別だろう。行財政コストが増大している。しかしこれだけで市民のコンセンサスが得られるのかという
での一時的な不便だと市民が納得できるかどうかである。
と必ずしもそうではないだろうと思う。もっと大事な論点は人口減少過程に入ったという、この点こそが一
・庁舎建設については、国の支援のあるスキームは非常に限られている。市がどれだけの持ち出しでの起債す
るのか。この持ち出しの起債とは、まさしく市民の直接的な負担と言い換えてもいい。
番大事な論点だと思う。
・今なら間に合う。青森市の「地域コミュニティガイドライン」というものがある。なぜ必要なのか。高齢化
・今、この公聴会では、どこに新庁舎を造るかという場所の議論が中心だが、私にとってもっと大事なのは、
していく中で、地域のことは地域で担っていくという部分を作っていかないと、青森市という街が成り立た
今のままでいったら大変な状況になる。一旦豪雪になったら市民の怨嗟の声が沸き起こるだろう。その点を
なくなるからである。市長のいう自治基本条例に魂を入れるためにも、きちんとした地区の活動、コミュニ
実は最も危惧するものである。
ティ活動というものをベースにしていかないと、今のままでは大変なことになるだろうと思う。
(4)コンパクトシティ青森市で、今、起きていること
・今、コンパクトシティ青森市で何が起こっているのか。投資の不足と、少子高齢化の急速な進行である。そ
- 1 -
【資料2】
た委員会は、2004年の3月まで約1年半の間に、17回の公開の委員会を開催し、可能な限り討論を進
■ 小浪 博英 氏〔平成 26 年 1 月 18 日(土)〕 第一部
め、答申としてまとめた。
(1)青森市庁舎移転問題の基本的認識について
・この間、2003年7月、当面のまとめから同年の12月に中間報告、これを「広報まちだ」に特集をし、
広く市民に見ていただき、2012年7月17日には、そういう努力が実って新庁舎の開業に至っている。
・一つ目は、市役所の移転というのは、100年の大計。一部に、中心市街地活性化計画に載っていないとい
非常にスムーズにいった例。
うご意見もあるが、それであれば、そちらを変えたら良いだろう。
・二つ目は、シンボル。昔、お城が各地域のシンボルであったように、市役所というのはシンボル。それであ
れば、立地場所や設計などを十分に議論すべきであるし、多少の予算の差であれば、風合いや使いやすさの
③掛川市の事例紹介
良い物にしたら良い。
・1994年に着工をして、1996年に完成した。これ駅前の都心部から約2Km西の郊外部に移転した例
・三つ目は、いざ災害が発生したとき、皆さんはどこに行くか。人は、知っているとこにしか行かない。神戸
で都心が寂れてしまった例。市役所自体は、立派なものを造った。てっぺんがシェル、東海道新幹線で東京
の例を見ると、毎日通勤していた電車の駅前、ここに一番人が集まってくる。いつも見ている国道4号沿い
の方から来ると右側に見える。
「あれ何だ」とみんなが思うので、今度、掛川に来たらあそこに行ってみよう
に市役所があれば、市民は黙っていてもそこに来る。それであれば、そこはアクセスが良くて備蓄などがあ
となる。『あれ何だ効果』と呼んでいる。
る、災害の時に役に立つ、そういう所にしておかなければダメである。
・内部について、2階、3階、4階、5階、これは一つの階段である。1階から5階まで全部この階段で、こ
・神戸の場合は、交通機関などが途絶したので、バスで人を移動していただいた。だから、バス停が必要であ
こから職員の様子が見え、用事がある人は、ここからフロアへ出て、
「ちょっと」と呼ぶと職員が出てきてく
る。5千㎡程度の駅前広場があると、それは臨時バスの発着所に使えた。それより狭いのは、少し無理かな
れて、そこで職員と相談できるという非常にユニークな庁舎である。これそのものに私は大賛成だが、市役
という感じであった。だから、そういう場所には、その程度の面積の広場とアクセス道路などを準備しなけ
所の移転が、そこまでに都心を寂れさせる原因となるとは夢にも思わなかった。
ればいけないのではないか。雪国だと、私の東京の常識と合わないところがあるのかもしれないが。
④水戸市の事例紹介
・四つ目は、意外と議論されていないが、もう30年前、或いは50年前と今では全く違う。私が建設省に入
った時の計算手段は算盤と計算尺だった。それから、タイガー計算機があった。これが、ついこの前である。
・2013年の4月、東日本大震災で、本庁舎などが被災したため、現在、市役所機能は市役所周辺の臨時庁
今はどうか。スマホ一つで、当時やったことが、プリンター以外のことは何でも出来てしまう時代だ。その
舎や三の丸臨時庁舎などに分散している。このような不便な状況を早期に解消に向けて検討を進めてきたと
ようなことを考えると、マイクロバスによる送迎サービス、これは、今のIT機器を使えばいつでも運転手
ころであり、この度、新たな市役所庁舎は現在地建替えと決定した。
に指令が出せるし、お客様のリクエストを届けられるので、マイクロバスの送迎は、いとも簡単である。
・安全で利用しやすい庁舎を一日も早く整備し、震災からの本格的な復興を図っていく。また、新たな市役所
それから、インターネットが各家庭に普及しているから、プリンターがあれば、役所の書類も、わざわざ役
庁舎は高い耐震性、十分な防災設備、自立性を備えたライフラインの構築など構造的・技術的に最大限の安
所に行かなくても、自宅で取れるという時代が、すぐに来るかもしれない。
全性を確保する。さらに、消防本部庁舎及び水道部庁舎との一体化を図り、防災センターを設置することに
・次に、なにも市役所の本庁舎まで行かなくても仕事は出来る。東京の世田谷区であれば、下北沢、成城学園、
より防災拠点としての機能を確立し、誰もが快適に利用しやすい庁舎を目指す。
千歳烏山に行けば、駅前に区役所の総合窓口があり、そこで何でも出来てしまう時代である。
・庁舎整備の方策について、立地場所や概算事業費、財源やライフサイクルコストなど幅広い観点から検討を
進めるとともに、市議会特別委員会と協議を重ね、主に、次の理由から整備を進めるよう決定した。
(2)他の市庁舎整備についての事例紹介
①鳥取市の事例紹介
既に市役所を核とした都市機能が集積。
コンパクトなまちづくり。用地の取得費用も生じない。
・耐震強度不足が指摘される鳥取市庁舎整備について、市は、約半年間の内部協議を経て「全体構想」をまと
など、色々考えたうえで『現在地がよい』という結論に達した。これは、昔、市役所があった場所の近くの
めた。構想では、建設費や将来の維持管理費を合わせたライフサイクルコストを提示し、市は、多角的に検
商店街、いわゆる三の丸という所だが、今回、臨時庁舎がきた。1972年、42年も昔の話だが、42 年経
討した結果、JR鳥取駅近くの旧市立病院跡地への本庁舎新築移転が「現在考えられる最善の案」と強調し
って臨時庁舎が三の丸に戻ってきた。地元の商店街が大喜びをした。写真中のポールに「お帰りなさい市役
た。その理由を探ってみると、次のようになる。
所」という旗をかざしてある。
・2012年5月に住民投票が行われ、20万人程度のまちで7万8千人もの市民が投票された。その結果、
・今回、仮庁舎があちこちに分散しているが、現地に新築しようという方向で進んでいる。今後、どう転んで
1号案「市立病院の跡地に移転して新築」が39.4%、2号案「現在地で耐震改修をし、一部新築」が6
いくのか良く分からないが、12月20日のホームページを拝見すると、市民1万人アンケートをやってみ
0.6%。この際、市長は議会で「市民の意見を尊重します」とはっきり明言をしていたようである。
たり、市民検討委員会を作ったり、市議会の調査特別委員会もやったり、これから、いろいろやりますので、
皆さんご安心くださいということになっている。これからまだ先行きが分からないが、多分、現在地建替え
・その後、2013年5月、いよいよ具体的に建築の設計をしようと、あるコンサルタントが入ってきて、何
の方向で意見が固まっていくのだろうと思う。
と、もう一度意識調査をアンケートしている。その時の回答者は7千9百人、住民投票の10分の1。その
調査は、先ほどの1号案、2号案、それとは別に「現在地で新築すべき」、「再検討」、「市長と市議会で決め
るべき」、
「意見無し」、
「その他」、この7つの選択肢に増やした上で7千9百人から回答を得たところ、現在
(3)青森市の発展について
地での耐震改修31.2%。市立病院の跡地へ移って新築が30.2%。両者に差はない。それであれば、
色々なコストなどを考えて『市立病院跡地に新築する方が良い』と市側が意見を変えてしまった。
・人口問題研究所などの長期予測によれば、我が国の中でも青森県と秋田県が一番人口減少率の高い県になっ
ており、今後30年間に県人口が30%くらい減ってしまうことになっている。しかし、県都である青森市
では、おそらく少し減るくらいで推移するのだろうし、また、そうしなければいけないと思う。というのは、
地域経済の発展は、やはり都市人口の規模なのである。
②町田市の事例紹介
・例えば、30万人がばらばらに住んでいれば大学さえ作れないが、通勤・通学圏内に30万人が住んでいれ
・町田市は、2002年9月、条例を作り、庁舎問題検討委員会、条例に基づく委員会を作った。諮問を受け
- 2 -
ば大学はもちろん、たくさんの経済活動が成立する。それだけ雇用が増えることになる。青森県は青森市や
【資料2】
来れば、インターネットで何でも出来てしまう。ワンストップで何でも出来る、県庁の仕事、市役所の仕事
弘前市、八戸市、できればむつ市や五所川原市も大いに人口を集めて欲しい。
が同時に出来る、そういう総合窓口を造れば良い。
・中枢機能というのは、いざとなったら15分で行ける、悪くても30分で行ける、それが玉葱のように集ま
っているのが中枢機能だということが分かり、中枢機能とは何ぞやということを調査して確かめたことがあ
・長期的な大規模プロジェクトにはなるが、高松市では宇高連絡船の廃止に伴い鉄道駅を後退させて、市街地
る。その結果が、マンハッタンである。つまり、青森もコントロールを少し弱くすれば、十分に人を集めら
の分断を解消し、新たに生まれた土地において、ホテルやヨットハーバー等の都市施設を整備して、街の近
れるのではないかということを私は申し上げたい。
代化を図った。これは青森でも参考にしてよろしいのではないか。
・誰が決めたのかは知らないが、青森市の中心市街地116haあるが、わざわざ現在の市役所の場所を外し
ている。なぜ外したのか。中心市街地というのは、駅があり、県庁があり、公園があり、海があり、市役所
(7)バスの便について
があり、古い商店街があって、中心市街地である。
・青森市のバスは、料金が高い。浪岡まで乗るといくらかかるのか。市内100円、郊外200円くらいで何
とかそういうことは出来ないのか。これは、今の運輸省も建設省と一緒になって、国土交通省になって、だ
(4)青森市の都心部についての印象
いぶ考えが変わっているので、こういうことをやってもらいたい。
・今では北海道へ行くためには、飛行機で飛ぶし、近場の人は青函トンネルで行ってしまうし、昔とは機能が
違う。電車の本数を調べてみると、秋田方面43本、三厩方面20本、目時方面24本。秋田方面は43本
(8)現在地は国道4号が混雑することについて
で一番多いが、普通列車を調べてみたらたったの26本、さらに時刻表で調べてみると、一番待つ時は、日
・現本庁舎敷地は、国道4号が混雑するから駄目だというご意見がある。駐車場の容量が今は百何十台しかな
中でも1時間以上待たないと次の普通電車が来ない。これは私の定義によれば、地域交通であっても、都市
いが、それを4百台近くに増やして、出入口を工夫し、周辺道路も建替えの時に道路を拡げ、駐車場の入場
交通ではない。これを都市交通にしているような都市は発展できない。人が忙しく働くのに、少し間が開き
を待つ車線をきっちり造る。ゲートも一つではなく、二つ三つ造れば良いのではないか。
過ぎている。
・国道4号に出る方向で車が渋滞しているが、信号を感応式にして、国道4号にスムーズに出られるように直
・鉄道がどうでも良いというのではなく、これは地域交通として重要なものであるし、出来ることであれば、
せば、それほど難しいことではないと思う。右折左折分かれて行けるように、出口は1車線ではなく、3車
弘前、青森30分、八戸、青森30分、しかも安い、こういう交通機関が出来たら良い。その拠点が今の青
線ぐらいにすれば良い。
森駅周辺であると良いと思っている。
(9)青森市のまちづくりについて
(5)青森駅周辺を再び活性化させること
・青森駅から国道柳町まで距離で計ると1.3Km、私の目にはこれが、青森の都心に見えて仕方がない。し
・青森駅西口へ市役所を持って来れば、都心が活性化して良いのではないかという発想が出てくるのは当たり
かも、その両端に青森駅、市役所があって、その中に県庁があって商店街があって海がある。もう、理想的
前だと思う。しかし、あえて私はそれに反対をしたい。それは、市役所はシンボルだからである。シンボル
な都心の姿に見える。ただ、残念ながら県庁通りから東側の通りが少し寂しい。この状況を何とかしなけれ
というのは、目立たない場所に造ったら意味がない。みんなの目に見えているところにあってシンボルであ
ばいけないと思うが、とにかく市役所をこちらに造って引っ張れば、商店街の東側も元気を取り戻すのでは
る。それから、当たり前ではあるが災害の危険が少ない場所、それから周辺市街地と馴染める場所。本数の
ないかと思い、たまたま目についた線を縦、横に入れてみると、拠点としては、八甲田丸、青森駅、アスパ
少ない鉄道よりもバスやマイカーの便を大事にした方が良いのではないか、私はまずそう考えた。
ム、県庁、市役所があり、この地域の役者には不自由がない。問題は、その役者の働かせ方と連携プレイ。
これが欠けている。
(6)現在の市役所の場所と青森駅西口の比較について
・市役所のそばには綺麗なバスターミナルがほしい。昔は新町二丁目に長距離バスターミナルがあったと聞い
・この観点から比較してみると、現在地は国道の通過車両数が一日数万台に達している。それから、地盤は青
ている。確認は出来ていないが、JRやら青い森鉄道は、本数も少ないし高い。安くて早い高速バスは無視
森駅西口と変わらない。標高もそうだから、むしろ現位置の方が良い。それから、現市役所の位置周辺には、
できない。例えば、東京から大阪に行くのに、デラックスバスで行っても数千円と聞いている。一方、新幹
公園、ホテル、寺院などもあるし、将来セントラルパークが何かで変貌を遂げた時、そこにも10分歩けば
線で行ったら一万数千円。アメリカではグレイハウンドの高速バスが専らの都市間交通になっている。もち
行けてしまう。
ろん飛行機もある。長距離高速バスのターミナルがどうしても欲しい。それが、この柳町にあれば一番良い
・青森駅西口を見てみると、東側は鉄道、北側は海、西側は県営住宅、南は普通の住宅地、この住宅地はそう
が、青森駅周辺、あるいはセントラルパークでも構わない。これが欲しい。
簡単には動かせない。商業地というのは、商売がまずくなったらすぐ辞めてしまうので、意外と変わるのが
・県人口が100万人に減る中にあって、青森市の人口だけは減らさないで頑張る訳だから、転入してくる人
早い。住宅地というのは、そこに人が住んでいるから、そう簡単にはいかない。今の西口の空き地の所は、
たちに、青森に来て良かったと思ってもらえる居住施設を供給しなければいけない。その住居施設がホテル
駐車場や雪捨て場になっているが、高層ビルを建てれば、拠点は造れるが、市役所がいけば市役所の分で3、
青森からずっと先の方まで、浅虫まではいかないが、どう見てもこのまちは、東に延びている。
4万㎡は埋まるだろうが、それ以外に人が来てくれるのかどうか少し心配がある。周辺の商業業務地の形成
・だから、この辺(市役所北側)にその青森30万人を維持するための工夫がいるのではないか。ぜひ、皆さ
ん知恵を出して、この辺を活性化させてほしい。そうすると駅と市役所が繋がるし、さらに東へ延びて行く。
までは難しいのではないかというふうに私には見える。
・現本庁舎周辺は、少し寂しいが商業業務活動もあり、それをさらに成長させていくことも可能であると思う。
・問題は、人が歩きたくなるような工夫。昔のまちづくりというのは、道路は大体まっすぐだった。これは埋
結果として、先ほどの三角形(人口 30 万人の三角形)を思い出してみると、その周辺に雇用をたくさん生み
める管、上下水道の管や縁石の萎縮ということで直線の方がコストは安いということである。最近のニュー
出すことが出来るのではないか。
タウンへ行くとやたらと曲がっている。なぜ曲げるかというと、人間の心理として、もう少し行くと、もう
・青森駅西口には、鉄道の便もあるし、浪岡方面からの便利も良いという話もあったが、浪岡には総合支所を
少し先が見えそうだ。人は、黙っていても歩きやすい道であれば、歩いて行ってしまう。あの角の向こうは
造れば良い。本庁舎と同じことを向こうで出来るようにしておけば良いし、先ほどのインターネットの活用
なんだろうというふうに演出すれば、人は来てしまう。そういうことや美的センスもあり、最近は、多少、
で、どうにでも出来そうな気がしている。万が一、万が一と言ってはいけないが、皆さんが鉄道で駅へ来る
道が曲がっている。青森の都心でそれをやれというのではなく、どうすれば青森駅の新町通りを、県庁通り
ということであれば、そこには本庁舎ではなく、総合窓口を県庁と一緒になって造っておけば良い。そこに
近辺まで来たお客さんがもう少し先まで行ってみようという気を起こさせるか、そういうまちづくりをやっ
- 3 -
【資料2】
ていかないと、この1.3Kmの距離はかなり遠い。それを克服するまちづくりの工夫、これをぜひ考えて
上に大きく、郊外を造って横に大きくする都市というのは、実は非常に脆いのではないかと言われ始めてい
いただきたい。
る。
・一番簡単なことは、青森駅と市役所の両方が「客寄せパンダ」になること。先ほど、市役所の土地の上に高
齢者向けの施設、子どもへの何かも造った方が良いと言ったが、要するに市役所は人寄せパンダになれるか
(2)長岡市の事例紹介
どうか。この工夫はどうしたら良いかよく分からないが、そうなってほしい。
・私自身がこのコンパクトシティの問題や、それに関連した市役所の問題について、ここ数年間、長岡で特に
・両極に人寄せパンダがあれば、この中心市街地は発展すること間違いなしである。だから、そういう人寄せ
深く関わっていた。長岡は 2 年前に市役所が完成した。この市役所の建て替えは、実は色々な意味で、これ
パンダを、いかに市街地の中に分散して上手に造るか。中心市街地を、本当の将来の中心市街地にするので
からの時代の市役所の建替えのヒントになるものだと思うが、今も見学者の方が大変多く来ており、長岡駅
あれば、市役所というのは、現在地で人寄せパンダになってもらいたい。千人の人が働くオフィスビルであ
のワンブロックの敷地に市役所を移転するというところからこのプロジェクトは始まった。
ればいらない。そんなビルはどこでもよい。そのためには、先ほど極端なことをいったが、市役所の敷地の
・元々の市役所は、ここから信濃川の方に 15 分くらい行った所にあった。
4周を全部バスターミナルにしたらどうかということも、その一つである。人が来るようなパンダ。これが
・市役所というのは、郊外へ出るのが 20 世紀の流れだった。行政機能が大きくなり、駐車場も大きなものが必
なければ市街地はもたない。もちろん、その中に人を住まわせる。これは、人寄せパンダの最強手段である。
要ということで、まちなかにあったものがどんどん外に出る。これが 20 世紀の流れ。これは市役所だけでな
・今は全国的にコンパクトシティと称して、東京もそうであるが、都心に人口を呼び戻す。これは今政策でも
く、公共建築が 20 世紀には郊外に出て行った。20 世紀はモータリゼーションの時代、車の時代だったから
あるし、自然的な現象である。雪降ろしをしなくて済む、病院も歩いて行ける、深夜でも食事ができる、美
である。
術展にも歩いて行ける。そういう意味で、市役所の位置が駅の方が良いのか、現地の方が良いのかいろいろ
・長岡の森市長が、まちの真ん中に市役所を持ってくるのが、これからのコンパクトシティの時代には必要な
な議論があるだろうが、私は少なくとも市役所は現在地に残ってほしい。しかも、市役所が人寄せパンダに
のではないかと考えた。森市長は1級建築士で、自身もアーバンデザインのコンサルタントに勤めていた経
なってほしい。
験があり、世界の都市事情に対して大変詳しい。まちの真ん中に敷地があった。大手通りに面したこの場所
は厚生会館というのが建っていた。その建物が老朽化していて、その建替えの問題も話題になっていたので、
ここに市役所を持ってきたらどうかとなった。
・幾つか問題があった。一つは土地が十分な広さが無い。森市長の考え方は、厚生会館の機能も持たせれば、
市役所と厚生会館の相乗効果も出るだろうと。相乗効果というのもコンパクトシティの一つのキーワード。
■ 隈 研吾 氏〔平成 26 年 1 月 18 日(土)〕 第二部
単独機能ではなく、相乗効果で 1 足す 1 が 2 以上の効果をもたらすというのが今の時代のキーワード。しか
し、この敷地は少し小さく、しかも駐車場について必要台数をとれない。地下 3 階、4 階と掘ってしまうと
(1)過去の大災害と時代の転換
・リスボンの大地震、1755 年、歴史というのは大災害の節目にして大きく転換すると言われる。建築や都市計
工事費も上がる。その時、森市長は、足りない部分は外のビルを借りれば良いのではないかと考えた。
画でも、世界でも大災害が歴史を大きく転換させる契機になったとよく言うが、その中でもしばしば引き合
・周辺にいくつかのビルを実際借りた。そうすると、ネットワーク型の公共建築、これも最近のキーワードだ
いに出されるのが、このリスボンの大地震。これで 6 万人の人間が死んだ。世界人口がその時7億人、今の
が、単独で全部を中に収めるのではなく、いくつかのものをネットワーク型で分散させると、逆にまちの中
10 分の 1 なので、今に換算すると 60 万人位が死んだ。それが世界に何をもたらしたか。これから工業化社
に職員が溢れ、まちの活性化にも繋がる。市役所だけで簡潔するのではなく、ネットワーク型に繋げる。そ
会、近代という時代が始まったと言われる。古いまちが燃え、これからは大きくて強いものを造らなければ
れが逆にまち全体の活性化、コンパクトシティの活性化に繋がるという考え方である。
神様も守ってくれないという認識で近代科学、近代産業、工業社会、全部これを契機に始まったとも言われ
・駐車場に関しても、もちろん深く掘りお金をかけることも考えるが、逆に周りの駐車場の利用を促進する考
え方もあるし、実際色々調査をすると、駐車場が足りないときは銀行の駐車場や病院の駐車場を使うなど、
る。
・フランス革命は政治における近代化みたいなもので、これも神様に頼らない科学的な政治を始めようとして、
皆上手い形で駐車場を探す能力を持っているため、必ずしも教科書通りでなくていいのではないかという発
想をされた。そうすると、この敷地の中に厚生会館の機能も市役所の機能も上手く収まり、駐車場も収まる
これが契機にフランス革命が起こったと言われている。
・次によく引き合いに出されるのが、シカゴの大火。先ほどのフランスから 100 年位後。シカゴはそれまで木
だろうということで、コンペをし、我々はそこで案を出した。
造とレンガ造だったので、それが燃えてコンクリートと鉄の強いまちを造ろうというので、アメリカの建築
・我々は屋根付き広場を持った中土間型を提案した。これは長岡の民家の写真だが、土間のような空間を持っ
が変わり、超高層が出来るようになった契機である。1871 年で 20 世紀の最初位、これから 30 年位経ち、ど
た市役所はどうだろうかと。私は市役所の執務スペースや窓口スペースも大事だろうが、一番大事なのは市
んどん超高層ビルが出来るようになり、ニューヨークのエンパイアステートやクライスラービルなどが建っ
民が集まるパブリックスペースだろうと考えた。
・そのパブリックスペースもただ広場や公園を造ればいいというのではなく、コミュニケーションが発生する
た。
・2011 年の石巻の写真を持ってきたが、この様な大災害はどういう教訓か、私はこれから場所の時代が始まる
ようなパブリックスペースが必要だろうと。そういうスペースだと、人が集まって来る。人が集まってくる
と、その波及効果が周辺に広がる。周りの商店街も栄える。まちに観光客が来る一つの目的にもなる。そう
のではないか考えている。
・リスボンの大地震、シカゴの大火を見ても、そのとき人間は何を考えたか。これからは強いもの、コンクリ
いうようなものは土間ではないかと考え、提案をした。
ートや鉄で造れば良いのではないかと。ところが今回は少し違う。コンクリートや鉄で造っても自然を前に
・日本の土間にはいくつか特徴がある。まず、材料が軟らかい。これはタタキという土を固めたもの。周りも
しては非常に脆いことを思い知らされ、これからは場所の力を最大限に活かした建築づくり、都市づくりが
木、自然素材の軟らかい空間。これは玄関とは違う。市役所の玄関は、民家の玄関に近い。この辺のカマド
必要なのではないか、という考え方が今、いろいろなところで盛り上がっている。
もまたいい。こういう空間があるから、なんとなく楽しい空間になり、人が寄ってくる、集まってくる空間
・そういう考え方と関連しているのが「コンパクトシティ」という考え方であり、場所に根ざした、場所の力
になる。
を最大限に活かした、規模をあまり大きくしない都市が一番強いのではないか。防災的にも、経済的にも、
・森市長は、市役所というのは、市役所と考えるからいけない。シティホールと考えた方がいいと言う。
文化的にも、コンパクトシティが一番強いのではないか。20 世紀流のただ大きくするまち、超高層ビルで、
・長岡市役所とは言わないでシティホール。アオーレというのは長岡弁で「会おうや」という言葉で、公募し
- 4 -
【資料2】
て、中学生の女の子が出した案。市役所とシティホールが、どのように違うか。市役所といえば、どうして
に変わった。人が増え、売上げも増え、いかにこういうヘソが出来ると周りが変わるかということが良く分
も執務スペース、窓口スペースという、お役所という感じになるので、20 世紀の日本ではあまり親しめるイ
かった。
・屋根は投光式といい、太陽光パネルを付けていて、温度を感知して熱が溜まるとそのパネルが開くようにな
メージではなかった。しかし、ヨーロッパではシティホール、まちのホールである。ホールというのは、色
っている。雪の時の融雪装置も雨水を使って、溶けた水が循環する装置を付けている。
んな意味での溜まり場。だいたいまちの真ん中の広場に面してある。ヨーロッパの広場というのは、広場が
・NPO の施設は、市の職員は一切絡まず、予約から運営全部 NPO の人たちに任せてやろうという発想。予約
あって、教会がある。それから商店街があって、飲食店が囲んでいて外に席があり、天気のいい時には、飲
がネットからどんどんどんどん入ってきていて、なかなか予約が取れない人気の場所となっている。
み食いができる大変楽しい場所である。音楽会をやり、色々なイベントがあるホールがあり、そのホールの
・1階の議場は、ガラス貼りになっていて、ナカドマの部分からガラス貼りで覗けるようになっている。透明
一角に市役所があり、市役所の1階にはレストランなどが付いている。
・その市役所の1階のレストランではよく結婚式などをやる。まちの真ん中なので、結婚式は広場まではみ出
な市の政治にはガラス貼りでやろうということで、1階の広場に面して。最初は議員達から反対の声が上が
して、それがシティホール。僕らが描いている市役所ではない。自分が考えていたコンパクトシティ、それ
り、喚問を受け、議会に2回出席した。最後は議員の皆さんと、潰れるまで飲んで、じゃあこれでいこうと
にはシティホールが必要だと考えていたので、そういう場所をここにと森市長も話され、それでは日本であ
いう話になった。議会をやらない時は、ここで結婚式をやりたいと森市長は考えている。
・緑もナカドマの中に生えている。最初は計画の方に無かった。計画をどう進めていくかというのも、非常に
れば土間のような空間であれば人々が集まって来る。床は土を固めて作った。
・周りもなるべく地元の木を使うということで、越後杉を使った。屋根は雪から守る屋根だが、夏は暑くなる
重要であり、市民の声をどう反映していくのかが課題になった。コンペではナカドマが真ん中にある絵を出
ので、日陰を作るように越後杉のパネルを持ってきた。越後杉もここではルールを決めた。地元の経済を振
したが、実施設計をする前に市民の声を聞こう、ということでワークショップを企画した。ワークショップ
興させるためには、地域材で造ることとし、この場所から 15 キロ圏内の越後杉を使った。近い材料を使うこ
のやり方も大事で、実際に具体的な話ができるワークショップにすることにした。巨大な模型を作った。5
とは、輸送のためのコストも安くなり、エネルギーも少なくて済むため、CO2 の削減効果もある。木の中に
0分の1の模型、畳2枚以上の大きな市役所の模型を持ってきた。それも紙で出来ているので自由に切れる。
は CO2を溜め込む作用があるため、地球温暖化の防止に大変プラスになる。節が沢山ある間伐材の方が長岡
それを前に、子どもからなるべく年齢層広いワークショップにし、それぞれの場所をどうしたいか、どう変
っぽくていいだろうということで使用した。
えたいか、皆が言えるようなワークショップをやった。子どもたちが喜んだ。こんな遊びがしたいとか。真
・この赤い通路が駅から濡れないで来られる通路。雪の日などは絶大な効果を発揮する。
ん中に緑が欲しいというのは、実は子どものアイディア。我々は木を植えるまで考えていなかった。他にも
・防災センターは(ナカドマを)全部見下ろせるようになっており、土間のスペースは避難用の広場の役割も
お茶のサークルが、ここで野点みたいなのをやりたいとか、ここをステージにして歌を歌いたいとか、いろ
んなアイデアが模型を前にすると出る。話が具体的になる。
果たしている。屋根が付いている所で、いざという時に、沢山の人が寝泊りでき、それを全部見渡せる防災
・栃尾紬という農家で作っている紬を、窓口に使った。地元の杉や紬、土で出来ている窓口。ここを紬で作っ
センターがある。
ただけで、本当に空気が柔らかくて優しいものが出来た。
・議会棟の中には、NPO の活動スペースを設けている。造ってみて大成功。NPO の活動スペースが一番人を
寄せる効果がある。地方で潰れたデパートの再生の例として、一番うまくいっているのが、NPO にただであ
・私は長岡をやって、シティホールというのは、大変可能性があると思った。今までは、まちづくりというと、
るフロアを貸すこと。そうするとそこで人の流れができ、他のフロアは商業を誘致できる。議会が 1 階、2
文化ホール、美術館がよく話題になるもの。シティホールは、それ以上に可能性があってまちを変えるきっ
階が NPO スペース、3 階が議会の事務室、議員の関係諸室。これも議員の皆さんが文句を言ったが、使い始
かけになる。それは単に、その執務空間とか窓口空間とか受付業務と考えると発想が固定化するが、シティ
めたら結果として非常にスムーズに運営できた。
ホール、まち全体のホールだと考えると、まちづくりの道具としては一番可能性があるものだということを
・アリーナスペースは 5 千人収容でき、色々なスポーツや音楽会もできる。アリーナと土間の間に大きな扉が
実感した。
あり、全開にして、大手通、土間、アリーナまで一体となったイベントができる。シティホールという発想
(3)富岡市の事例紹介
でやるから、そういうことができる。
・こういう所に、パラソルや額を置くだけで、気分が変わる。普通は盗まれてはいけないので、動かないベン
・これは今設計が大体終わった群馬県富岡市の市役所。このまちは規模は小さいまちだが、今注目されている
チを置くが、ここでは普通のチェアを置いている。そうすると、並べ替えて二人で話す時や 5・6 人で集まる
のは富岡製糸工場。世界遺産がほとんど確定しているので、富士山の次は富岡製糸工場ということなので、
時、並べ替えられると人が集まって来る。日本は椅子を盗むような国ではなく、セキュリティーのカメラも
これが出来る頃には、観光客もすごく増えてくるのではないか。
付いているので、全部動かせるようなパラソルにしようとしたところ、色々な人が集まるようになった。子
どもたちが宿題をしに来る。
・この市役所も、真ん中に道があって、その周りに市役所の機能を配置している。この真ん中が主役という考
え方。ここも、執務や窓口などよりも、むしろこの市民が集まるこの空間が重要。屋台がはりだし、機能が
・中高年の人たちも、ここに沢山集まって来るようになった。中高年の人達は、皆病院に行ってコミュニケー
ションを取りに行く。病院は病気を治すためではなく、そこで友達とだべるために行く。しかし、病院では
なく、市役所の方が楽しいと集まってきた。
にじみ出てきて、街のマグネットになるようなシティホールを目指している。
・場所は上州富岡駅の脇、こっちを右上に上がっていくと、ここに富岡の製糸工場があるので、この駅からこ
の市役所の中を通って行くようになることを期待している。
・ここでは結婚式もやる。ヨーロッパのシティホールは結婚式によく使うということで、結婚式を募集したと
ころ、沢山の方から申込みがあり、抽選で結婚式をやるような状況である。結婚式をやった人に、市長自ら
結婚証明書を授与し、結婚証明書のデザインも、婚姻届のようなものではなく、柔らかい感じの結婚証明書
を作り、それを手渡すということもやった。そんな事がここでは起こっている。
・駅前には富岡倉庫。これも古い木造の倉庫を残して、そこをお勝手市場と言って、お土産物屋や、地元のも
のを食べられる、すごく楽しい場所がここにある。
・駅とこれらが連動して、その富岡製糸工場に向かう道を造るという考え方。昔の富岡の街並みの記憶を残し
てまちにしようということで、屋根の形、くねくねと曲がった道、富岡のまちによくあった城下町の道のパ
・この屋台、食べ物も重要である。色々な議論もあった。この部分に商店街や店舗を入れたいという話もあっ
たが、逆に周りの商店街を活性化するという働きが弱くなるということで、この辺の窓口で待たされた人が、
そこでハンバーガーをかじれるように、ハンバーガーショップを入れた。もう少し食べたい人は、周りの商
店街に行けば、周りの商店街が活性化するという発想で、これが実際にできて、前の大手通の商店街が非常
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ターンなどをヒントに造っている。
・機能的には行政の執務スペース、議会、市民利用スペース、カフェが、全体に上手く完全には切れないで、
しかし1つの箱になってしまわないように繋げている。
・長岡の場合もそうだが、ちょっとした庇があるだけでイメージは随分変わる。
【資料2】
(7)まとめ
(4)東京都台東区の文化観光センターの事例紹介
・いろんな例があるが、共通していることは、コンパクトシティというのはその場所の力を生かしたというこ
・これは浅草の雷門の前、仲見世、雷門があって、そこに台東区の文化観光センター。浅草は古いまちなので、
と。ただ、小さくすればいいのではなくて場所の力を生かして機能相乗効果をうまく使っていくと、これか
やはり、ただのペンシルビルにするのではなく、木造の平屋のイメージ、実際は鉄骨造だが、そういうイメ
らは1足す1が3にも4にもなるという時代。逆に言えば、単独でいくら大きなものをつくっても意味がな
ージで、木造の平屋が7つ重なったような観光センターにしようとして出来たもの。
い。きちんと相乗効果があり、人を呼べる、人が流れるような建築を造らなければならない。そいうことで
世界中が競争して魅力のあるコンパクトシティをつくろうとしている。魅力のあるコンパクトシティがうま
・全国の官公庁の統計では、全国の官公庁の観光センターで、去年一番集客力のあった観光センターだそうで
くできれば、世界中から人がくるようになる。
ある。
・ここは少し面白いまち、青森は面白いとなれば、人が集まる時代。そういうことを、僕等は「ビルバオ効果」
・外装は木を使っているが、不燃処理をした木なので、防災上は問題のない木。
と呼んでいる。コンパクトシティの再生の仕方をビルバオ効果と呼んでいる。
・上の方に寄席もできる小劇場も設けている。
・世界の流れ、ぜひ青森も可能性があると思う。マルセイユやビルバオとほぼ同じように海に向かっての玄関
・最上階のカフェから仲見世を見下ろせ、行政の建物だが夜10時までオープンし、お酒も飲めて仲見世を眺
口みたいなところ。そういうところの青森の場所の特性をうまくいかして、すばらしい市役所が出来ると、
められるカフェ。
ちょっとしたところで空気が変わり、すばらしいまちに再生できるのではないか思う。
(5)歌舞伎座の事例紹介
・歌舞伎座は公共の建物ではなく、民間の建物だが、基本的には昔の歌舞伎座のイメージを踏襲しているが、
この右の角をまちに開かれ、相乗効果が出るようなものにしている。
・メインの入り口は、昔を踏襲している。この棟(右隣の棟)は、後ろに下げ、ここに広場を造り、地下鉄と
繋げ、地下鉄からここに出て来られるようにした。歌舞伎座の中に地下鉄で濡れないで行ける。地下鉄から
出て、エスカレーターから上がるとこの広場に出て来て、この広場を通って正面から入ってくる、という入
り方にした。そうしたら、この広場の人の賑わいがすごい。
■ 天野 巡一 氏〔平成 26 年 1 月 19 日(日)〕 第二部
1.市役所庁舎とは
(1)地方自治法上の位置付け
・この通りも、昔は裏通りで、寂しい通りだった。それが、ここをガラス張りにして、店を貼り付け、外から
・公有財産は行政財産と普通財産に分かれる。行政財産以外は普通財産となる。行政財産は、公共用財産と公
も入れるようにしようということで、いろいろ議論した。そうしたら、この通りが見違えるように人が流れ
用財産に分かれる。
るようになり、どんどんお店も増えてきた。オープンが去年の4月1日だが、どんどんこの通りが変わった。
・公共用財産とは、住民の一般的な共同利用に供することを目的とする公の施設であり、一般の方が利用する
・屋上にも広場を造った。タダでこの広場に行くと、歌舞伎ミュージアムという小さなミュージアムや、カフ
施設なので、道路や公園、市民会館、病院などがある。
ェ、そういう楽しい広場もここに造った。
・公用財産とは、事務事業を執行するために行政が直接使用することを目的とする財産である。庁舎はこのこ
・この広場の下、大きな防災広場が入っている。地下鉄との接続の所に大きな防災広場を造った。これは東京
とから公用財産である。
都の要望でもあり、この歌舞伎座を造るのであれば、防災機能も強化してくれと言うので、防災広場を地下
・しかし、我々の税金で造ったものを、事務事業のためだけに使っていいものなのかとなれば、そうではなく、
につけて、千人の方が一晩過ごせる防災広場を造った。
そこにもう一つ、市役所としての事務所と市民が利用する施設を併用した庁舎づくりができないか、という
・劇場の中だけ人が来ればいいのではなく、まち全体が活性化しなければいけない。それがこれからのコンパ
のが私の結論になる。
クトシティにふさわしい、21世紀型の都市にふさわしい文化施設だという考え方をした。
・ここは劇場の上に高層ビルが乗っている。民間で補助金もなしでやっているので、高層ビルの収益でこの歌
(2)庁舎の位置
舞伎座の建替えの費用を出す。大変な知恵を絞ってやった建物である。
・庁舎の位置は、法律上でも市外に設けることができる。
・防災広場に、簡単なものを売るスペースを設けたところ、大変な売り上げになっている。こういう人の流れ
のところに、上手い形でデザインをしてあげると買い物もする気になる、まちも賑わうということがよく分
かった。
・今、福島では原発事故で避難している人達は、市役所を地域の外に出して運営している。
・過去には三宅島の例がある。三宅村は 2000 年に島民全員が避難した。その後 2005 年の避難解除まで 5 年間、
東京都庁の 14 階にいた。三宅村の議会選挙では、一番遠い人は、避難をしている大阪の方面から 1 票投票だ
けに来ていた。三宅島に住んでいなくても住民として三宅村に税を支払っていた。
(6)その他の事例紹介
・東通村の庁舎は、もともと明治 29 年に東通村ができたが、その時、庁舎はむつ市にあった。村内に庁舎を整
・新しい新幹線の駅と文化施設、やぶ川という川、この全体を繋げる目的で造った九州芸文館。全体を繋げて、
相乗効果、複合効果で人の流れを導こうという施設。真ん中に大きな道を造り、そこに人を誘導する考え方。
階段を上がると川が見えるようになっている。材料は地元の竹や杉。隣接する公園を子どものワークショッ
備するのが村民の悲願だった。昭和 63 年(1989 年)に 100 周年を記念して、東通村の行政区域内に庁舎を造
った。つい最近まで、東通村の役場はむつ市にあった。
・その他の事例として、沖縄県の竹富町は、竹富島という小さな島があるが、隣接の西表島も竹富町の区域で
あるが、庁舎は双方の島にはなく、石垣島の石垣市にある。陸続きではないので、定期便などで行き来しな
プの会場にし、子どもたちが川の自然を楽しみながら、陶芸を勉強したりできる施設。
・ヨーロッパでも、いろんなまちづくりをお願いされるが、その時もやり方は同じ。その場所を生かして街の
ければならない。竹富町の本庁舎に勤務する職員は、石垣市に住んでいるため、石垣市に住民税を払ってお
個性を引き出すようなものを造る。普通の文化施設というイメージではなく、楽しい溜まり場としての文化
り、竹富町に税金を納めていない。議員は住所要件があるので、住所を石垣島に移した時点で失職になる。
施設というのがヨーロッパでは目指されている。
したがって、議会がある度に、全員船で石垣市へ渡り、泊りがけで議会をする。町長は石垣市に住んでおり、
税金は石垣市に納めている。このような矛盾点も出てくる。
・このように、法律上、庁舎の場所はどこで無ければならないということはない。
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【資料2】
・何を言いたいかというと、市役所の場所は法律的にどこでも良い。市民合意の中で、議論を尽くして、場所
③市民利用機能
を設定してくださいということである。
・庁舎は公用財産の位置付けとなるが、市民が直接利用できる公共用財産として、シビック・センター利用方
2.地域によって異なる庁舎をめぐる事例
①東京都小金井市の事例
法も考えられるのではないかということを提案したい。
・仕事上支障があっても困るので、入口を別にするなりしながら、公民館や市民会館を併設するなどといった
手法もあるのではないか。
・小金井市では、庁舎建設用地は買ってあるが、庁舎が出来ていない。議会と総務課が昔の本庁舎である木造 2
・ヒントとして、十和田市では、官庁街通りのお花見ができるガラス張りの展望台設け、市民に開放している。
階建てのところにいて、主要な部課はマンションを借上げて、市の庁舎としている。現在でも賃貸である。
市民も利用できる公の施設の併用も考えていただきたい。
・小金井市の財政力指数(基準的な行政を行う上で、どの位の収入があるのかをみる指数)は 1.08、全国で 84
番目に豊かな市である。この豊かな市が庁舎出来ない。今、都市計画が動いており、大きくお金をかけてい
④シンボル機能
る。したがって、都市計画が一段落したら庁舎をやろうということになっている。
・東京では、都庁を新宿にもっていった。東京は 23 区の区域と三多摩区域があるので、なるべくその三多摩区
②東京都武蔵野市の事例
域に近づけた。しかし 23 区ではほとんど反対していない。東京都が丸の内にこだわらず、東京都が所有する
・武蔵野市は 4 か村が合併して武蔵野町となり、武蔵野市になった。昭和 2 年、庁舎をどこにもっていくかが
新宿にある淀橋の浄水場という広大な跡地があったため、大規模かつ高層庁舎を建設した。この庁舎建設が
大問題となったがまとまらなかった。そこで、中央の位置に庁舎を設置しようということで、三鷹駅から歩
新宿における高層建築物のはしりとなり、東京都庁より大きな建物は、基本的に造らない。これは、建築業
いて 15 分位のところに庁舎を造った。
界で造らない。シンボル機能になっている。
・その後、庁舎が老朽化したので、新しく建替えた。現在の庁舎は、道路 1 本隔てれば西東京市という境界線
上にある。その理由は、広大なアメリカンスクールの跡地があったからで、まちづくりと庁舎建設は連動し
ていない。
4.青森市庁舎建設をめぐる提案
(1)まちづくりと庁舎
・これを吉祥寺や武蔵境にもってくるとなれば、地区対抗が始まってしまう。庁舎建設の場所は、なかなか難
・まちづくりとは、都市、町、街を含めての「まち」をつくること。
しい問題。したがって、市域の中央で土地が空いているところに便宜的に庁舎を建設した。
・
(図をご覧いただきたい)都市型は消費型、農村型は生産型とし、縦軸を都市の形態と捉えている。一方、横
軸の住民の意識としては、伝統を重視するか、利便性を重視するか。都市型(消費型)で利便性を捉えてい
③東京都三鷹市の事例
るものは求心都市型であり、都市施設、大型店、鉄道駅があったりする。これに対し、都市型(消費型)で
・駅から 20 から 30 分、南へ歩くと三鷹市となるが、やはり調布市と隣接している場所となっている。
伝統重視は地域連携型であり、ベッドタウンや郊外の町で、一定の市街地が形成され、商業の集積もある。
・三鷹市の武蔵野市を併せても 27k㎡、三沢基地の面積と同じ。この 2 市に 30 万人が住んでいる。したがっ
利便性で農村型は田園都市型、昔から居住しているが徐々に住宅街化したところで、都市の核に隣接してい
て、ごみ焼却場など造れる場所が無いため両市ともごみ焼却場に庁舎が隣接している。このことから市街地
るのが特徴で、サラリーマンで農業をやっている人などはここに住んでいる。ふれあい型は、市の伝統を重
から離れた場所に庁舎がある。
視しながら農村型(生産型)とにゾーニングできる。青森市においてもゾーニングに基づいてまちづくりの
方向性としてどの位置に建設するか、どういう機能を有する庁舎にするか、こういった議論を踏まえること
3.庁舎の機能
①事務所機能
も大事。
(2)庁舎建設の場所
・庁舎は公用財産として行政が事務所中心に使うことを目的としている。
・この事務所も、どの階にどの課を持ってくるのか、また窓口業務をどうするのか、という問題も出てくる。
・宮城県登米市では、9 町が合併して一つの市になった。どこに市役所の位置をもっていくか議論になった。
・市役所の支所、行政センターを 2 か所にして、機能を増やすということをやったことがある。初代の所長を
全部の町役場を総合支所として、本庁舎を迫地区に設置し、本庁舎兼迫総合支所とした。迫地区は一番商店
やったが、窓口機能については徹底して議論した。銀行も見に行った。照明の照度、カウンターの高さや配
が賑やかであり、商業が集積していることから、そこにもってきた。これからのまちづくりとすれば、総合
置(どこにどういったものを置くか)など徹底して議論した。そうすると、職員の態度も違ってきて丁寧に
支所化をやめて、一つの庁舎にまとめる議論も出てくる。したがって、現在の登米市はたこあしの典型で、
なり、窓口トラブルも激減した。観葉植物を置くと心を落ち着ける効果もある。したがって、直接的には職
何課はこっち、何課はこっちといってバラバラ。車で 1 時間も移動を要する庁舎もある。
員が使うところだが、市民サイドから見て、気軽に行ける落ち着きのある市役所を造ってほしい。
(3)多機能型シビック・センター
②防災拠点機能
・これからの庁舎を考えるには、常識で考えないこと。住民はどんどん提案しよう。
・現在の市庁舎も、地震がきたらおそらくもたない。建替える理由は、当然そこにはある。
・武蔵野プレイスでは、図書館で酒が飲め、食事ができる。最初は苦情を心配したが、何も無いとのこと。他
・南三陸町は、防災庁舎を造ったが流された。総務課の職員の 3 分の 2 が流された。応援の職員は来るが総務
はできない。したがって、南三陸町では役所の機能が成り立たず、今、隣の登米市と合併が問題となってい
市から全体の 4 割の人が来る。移り住みたいと希望する者もいて、人口が増えている。
・これを「足による投票」という。住みたくなかったら、他へ行ってしまうのが今の気質。住みたいところに、
ライフスタイルに合わせて住めるところに来る。
る。登米市に住民が流れ、どんどん人口が減っている。
・防災に強いまちとするのであれば、ぜひ水道を見直して欲しい。登米市はダクタイル鋳鉄管を埋設し、ほと
んど地震でやられなかった。したがって、南三陸からの避難民を受け入れられる水を十分確保できた。ぜひ、
・住み続けたい、住んでみたいというまちづくりにするため、庁舎建設をまちづくりの一環としてとらえてほ
しい。
・高崎市では、高層の庁舎最上階にレストランがある。通常は職員食堂になってしまうところ、360 度全部が
庁舎は防災機能の拠点としての位置付けも明確にしてほしい。
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【資料2】
ガラス張りで、周辺の山々などの景色を眺められる「天空レストラン」があり、住民が結構来ている。
・音楽会が出来る庁舎があっても良いのではないか。交響曲や、コンサート、ロックだってあるはず。図書館
である武蔵野プレイスには、大音量を出してロックの練習が出来るところもある。
・色々なところへ行ってみながら、さらにネットで情報を取りながら、建てたら 50 年、80 年もつものを造ら
なければならないので、将来、孫子の代にも自慢できるような施設を検討してほしい。
・コミュニティセンターとの併設もあり得る。コミュニティセンターは公民館などの社会教育施設ではないの
で、何でもあり。
5.庁舎建設の方向性
(1)建設場所はどこがよいか
・どこでも可能性はあるが、考えられることは、今の場所に改築するか、中心市街地に改築するか、更に新幹
線の駅前に改築するか、という問題点がある。
・事務所機能、防災拠点機能、市民利用機能、シンボル機能を考えれば、私は、現在の庁舎を建替えることが、
一番市民のコンセンサスが得られる。他にもっていこうものなら、飲食街を中心に問題がある。現実に、武
蔵野市の庁舎移転は、歩いて 10 分位の移転だったが、周辺飲食街から大反対運動があり、説得をして了解し
てもらった経緯がある。
(2)庁舎機能は多目的に
・事務所機能、防災拠点機能、市民利用機能、シンボル機能を検討してもらい、住民にどんどん意見を出して
もらう。何のために、どうして庁舎建設が必要なのかという、そもそも論に戻りながら、フィードバックし
ながら、ぜひ、庁舎建設の議論を深めてほしい。
(3)求められる庁舎建設のコンセプト
・決定するのは議会。行うのは市長。責任のある議論をし、議論を深めていただきたい。
■ 藻谷 浩介 氏〔平成 26 年 1 月 19 日(日)〕 第一部
講師の希望により、講演内容はお示しできないため、資料参照
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