Laval Virtual

■ Laval Virtual 2009
invited class には,赤ん坊型ロボット YOTARO(筑
波大)
,AR ゲーム LevelHead(個人)
,不特定ユーザ
対応の3次元手指形状推定 Copycat Hand for All(筑
波大),宇宙作業の物理インターフェース Space
星野聖
Trash(オーストリア Johannes Kelper Univ.)の4
作品が選ばれ,
招待デモ展示を行った.
また,
welcome
class には,生物型メディア Babbage Cabbage(シン
筑波大学
ンションである.毎年4月頃にフランス西部の都市
ガポール大)など全 12 作品が選ばれた.
また,その時の最高の VR プロジェクトに対して
Awardが授与される.
今年のLaval Virtual Awards 10
部門のうち,アート・カルチャー部門(東大
Laval で開催される.11 回目となる今年は4月 22
日(水)~26 日(日)までの5日間にわたって開催さ
Thermotaxis)
,工業デザイン・シュミレーション部
門(筑波大 YOTARO)
,仮想世界実時間部門(筑波大
れ,国際公募デモ 25 件,研究教育機関や企業デモ
61 件の,合計約 90 件の出展に対して,約 13,000 人
の来場者が国内や欧州各国をはじめ,東アジア,北
米,
中米など世界中から集まった.
(会場の雰囲気は,
Copycat hand for all)の3部門で日本人の作品が,
Laval Virtual は,国際見本市,国際公募デモセ
ッション,授賞式,国際会議,一般公開などから構
成される欧州最大のバーチャルリアリティのコンベ
フランス国営第一放送のニュースが分かりやすい.
http://videos.tf1.fr/jt-20h/le-20-heures-du-25-avril2009-4392940.html.先頭から約 23 分後)
.
Laval は,シャルルドゴール空港から TGV で2時
間余り,人口5万人程度のそれほど大きくない町で
ある.
それにも関わらず欧州最大の VR イベントが毎
さらに医療・健康部門(Volume Slicing Display)
では東大で研究活動を行っているフランス人研究者
が,それぞれ Awards を受賞した.
最後に,Laval Virtual 2009 に参加して受けた個
人的な印象を書く.主催者や援助者の方たちの温か
く細かい配慮のおかげで,非常に快適にデモ展示を
行うことができた.著者の場合,ブースレイアウト
などに関する事前の頻繁なやり取りだけでなく,一
般公開では家族連れにも展示システムを楽しんでも
年開催されるのには歴史的な経緯がある.世界中が
インターネットに注目していた時期に,当時の自治
らおうと,渡仏前から,フランス人と日本人の「手」
の形の違いについて主催者側スタッフと議論したり,
体首長が VR に着目し,高等教育機関,研究所,技術
移転組織などを Laval に誘致した.現在では,ENSAM
(国立工芸大学)
研究室,
VR 教育を行っている ESIEA,
自動車航空系の ESTACA などの高等教育研究機関,
工
場やベンチャー企業事務室などを持つ技術移転組織
Laval Mayenne Technopole,第三セクター研究所
フランス人の手の画像を送ってもらったりした.ま
た会期中は,市内の上級技術者専門学校(BTS)の学
生たちが通訳ボランティアとして各ブースに来てく
れたため,フランス語しか解さない来場者に対して
も丁寧な説明を行うことができた.さらには,正式
なレセプションやパーティとは別に,日本語を勉強
しているフランス人学生たちがほとんど毎晩のよう
に歓迎会を企画してくれたため,会期中は一人にな
る時間がないくらいに,
いつも誰かと歓談していた.
12 回目は 2010 年4月7日~11 日の開催予定.参
考 URL:http://www.laval-virtual.org/
CLARTE などが設立されている.
Laval Virtual 2009
左:Laval 駅 右:ボランティア学生に展示内容を説明する著者
話題を Laval Virtual に戻すと,国際公募デモセ
ッションである ReVolution は,
毎年1月から2月に
掛けてデモ展示の国際公募が行われ,交通費と滞在
費を主催者が負担して招待する invited デモ展示と,
出展料不要の welcome デモ展示が選ばれる.今年の
Laval Virtual 2009
左:一般参加者向けシンポジウム 右:授賞式の様子