事 ね 項 ら い 衛星画像データを利用した「青天の霹靂」の収量性の推定 「青天の霹靂」の目標玄米重を確保するためには、これに見合った稲体の大きさが必要で ある。そこで、収穫時期の「青天の霹靂」の稲体の大きさ(全重)を衛星画像から推定す る方法を明らかにしたので参考に供する。 1 収穫時期における玄米重と稲の全重には密接な関係がある(図1)。 2 登熟期に撮影した衛星画像の近赤外波長の反射率は、稲の全重が重いほど、高まる傾 向がある(図2)。 指 導 3 調査地点で近赤外波長における反射率と稲の全重との関係式を求め(図2)、これを撮 影地域全体に適用することで、稲の全重を推定したマップ(収量性マップ)が作成でき る(図3)。 参 考 内 容 期待される 効 果 「青天の霹靂」の目標収量の確保と品質の安定に寄与する。 1 利用上の 2 注意事項 3 衛星撮影の時期は天候に左右される。撮影時に雲があった地域は推定できない。 衛星撮影と並行して、現地40地点程度で収量調査(全重、玄米重)が必要である。 本成果は、平成27年9月16日に撮影した衛星画像を利用した結果である。撮影時期に よっては、推定精度に影響する可能性がある。 問い合わせ先 農林総合研究所 生産環境部(0172-52-4391) (電話番号) 発表文献等 対 象 地 域 青天の霹靂 作付対象地域 平成27年度 試験成績概要集(農林総合研究所) 本研究の一部は、総合科学技術・イノベーション会議のSIP「次世代農林水産業創造技術」 (管理法人:略称「生研センター」)によって実施された。 - 21 - 【根拠となった主要な試験結果】 200 80 y = 0.371x + 0.72 r = 0.86 70 玄 米 重 60 k g 50 / a 40 全 重 160 k g / a 140 ( ( 10俵 9俵 8俵 120 ) ) 130kg 160kg 145kg 100 RMSE (誤差) 実測値との差 最大 15.8 42.6 80 30 80 図1 y = 3.78x + 1.06 r = 0.52 (n= 34) 180 100 120 140 160 全重 (kg/a) 180 200 30 収穫時における稲体の全重と玄米重の関係 (平成27年 青森農林総研) 図2 35 40 近赤外825nmの反射率(%) 近赤外波長の反射率と稲体の全重の関係 (平成27年 青森農林総研) 全重が大幅に軽い (収量目安 8俵以下) 基肥の増肥を検討 全重130 kg/a以下 (収量目安 8俵以下) 全重131 - 140 (収量目安 8~9俵) 全重141 - 150 (収量目安 9俵) 全重151 - 160 (収量目安 9~10俵) 全重161 - 170 (収量目安 10~11俵) 全重171 以上 (収量目安 11俵以上) 図3 収量性マップ (平成27年 (注)衛星撮影日:平成27年9月16日(SPOT6号) 青森農林総研) - 22 - 45
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