9MB - 地球環境産業技術研究機構

平成 21 年度
石炭ガス化技術等実証普及事業
成果報告書
平成 22 年 3 月
財団法人
地球環境産業技術研究機構
平成 21 年度
石炭ガス化技術等実証普及事業 成果報告書
目次
目 次 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⅰ
第1章
事業概要
1.1 事業目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1.2 事業内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1.3 実施主体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1.4 実施機関 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1.5 成果概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
第2章
2.1
世界の高効率石炭火力発電 CCS プロジェクトに関する情報収集・分析
A-USC 微粉炭火力発電所等プロジェクト計画の全体動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・
4
2.1.1 石炭火力発電の高効率化の変遷 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
2.1.2 日米欧の開発目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2.1.3 主要ベンダーの技術ロードマップ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2.1.4 現在計画されているプロジェクトの整理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
2.1.5 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
2.2 石炭ガス化複合プロジェクト計画の全体動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
2.2.1 先駆的な IGCC プロジェクト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
2.2.2 米国の IGCC 開発動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
2.2.3 世界のプロジェクト動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
2.2.4 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
2.3 石炭火力発電など CCS プロジェクトの動向、プロジェクト参画者、資金負担、
導入促進策など、特に、補助制度、税優遇制度、関連法規制などに関する情報
・29
2.3.1 欧州 ZEP の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
2.3.2 欧州の CCS 技術に対する補助・支援策の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
2.3.3 米国の CCS 技術に対する補助・支援策の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40
2.3.4 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
2.4 石炭火力発電に依存する主な世界の電力会社の高効率石炭火力 CCS 技術
開発全体動向
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
2.4.1 米国 FutureGen の動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
2.4.2 英国におけるプロジェクトの動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56
i
−−
2.4.3 プロジェクトの各論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
2.4.4 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68
2.5 石炭火力発電建設計画におけるキャプチャレディ設計の適用実態 ・・・・・・・・・・106
2.5.1
EU 指令 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 106
2.5.2 英国のキャプチャーレディ法制化の動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107
2.5.3 ドイツの第三者認定機関の取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115
2.5.4 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117
2.6 第 2 章のまとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117
第3章
3.1
IZEC ワークショップ、フォーラムの企画・運営
IZEC シンポジウム 2009 国際革新的ゼロエミッション石炭火力発電 ・・・・・・・ 119
3.1.1 開催概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 119
3.1.2 プログラム
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 119
3.1.3 アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120
3.2
IZEC フォーラム(旧称 FutureGen フォーラム) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 127
3.2.1 第 4 回 IZEC フォーラム
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 127
3.2.2 第 5 回 IZEC フォーラム
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 128
第4章
CCS 技術に関する情報提供および普及・啓発事業
4.1
CCS 情報(ニュース)の定期発信
4.2
IZEC ウェッブサイトコンテンツの作成と運用
4.2.1 目的
4.2.2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 129
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 129
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 129
IZEC ウェッブサイトの機能追加
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.2.3 最新情報データベースの作成及び Web への掲載
129
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 132
4.2.4 既存コンテンツの情報更新 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 146
4.2.5 関連情報の収集
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 167
(添付資料)
付録A−1
世界の CCS 関連ニュース資料
付録A−2
海外の関連最新動向調査文献リスト
ii
−−
第1章
1.1
事業概要
事業目的
高効率石炭火力発電技術、および、二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術については、それら
を組み合わせることによりゼロエミッション化も可能となることから、米国やカナダ、欧州、
豪州、中国等においても開発が進められており、大規模な実証プロジェクトも複数計画・実
施されている。
これらの技術は、炭素隔離リーダーシップ・フォーラム(CSLF, Carbon Sequestration
Leadership Forum)やアジア太平洋パートナーシップ(APP, Asia-Pacific Partnership on
Clean Development and Climate)等の国際連携を通じて技術やノウハウの蓄積を高めつつ
実証に向けた取組みを推進していくことが必要である。また、CCS 技術は、経済的インセン
ティブを伴わないため、国の事業としての支援が必要なことから、今後実施に向けた官民の
協力について検討が必要である。
以上のような状況に鑑み、世界で取り組みが進められているゼロエミッション型の石炭火
力発電CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)プロジェクトの最新技術動向を収集し、
その実用化に向けた政策立案に資する。
1.2
事業内容
1.2.1
世界の高効率石炭火力発電 CCS プロジェクトに関する情報収集・分析
欧州、米国、豪州、中国などで進められている IGCC,A-USC などの高効率石炭火力 CCS
プロジェクトなどに関して、以下のような情報を収集する。
a.A-USC 微粉炭火力発電所等プロジェクト計画の全体動向
b.石炭ガス化複合発電プロジェクト計画の全体動向
c.石炭火力発電など CCS プロジェクトの動向、プロジェクト参画者、資金負担、導入
促進策など、特に、補助制度、税優遇制度、関連法規制などに関する情報
d
石炭火力発電に依存する主な世界の電力会社の高効率石炭火力 CCS 技術開発全体
動向
e.石炭火力発電建設計画におけるキャプチャレディ設計の適用実態
1.2.2
IZEC ワークショップ、フォーラムの企画・運営
世界の CCS プロジェクトの最新動向を紹介するワークショップを企画・運営し、わが
国における石炭火力発電 CCS 技術の導入のあり方・課題等について、ひろく情報提供を
行なう。合わせて、関係者間で連携して定期的な情報交換を実行していくための母体とし
て、「IZEC フォーラム」を運営する。
1.2.3
CCS 技術に関する情報提供および普及・啓発事業
石炭火力発電 CCS を中心とする CCS プロジェクト情報について、ウェブサイトなどを
-1-
活用して、普及・啓発を図る。
1.3
実施主体
財団法人
地球環境産業技術研究機構
東京都港区西新橋2-23-1 第3東洋海事ビル
1.4
実施期間
自
平成21年
4月
至
平成22年
3月31日
1.5
1日
成果概要
1.5.1
世界の高効率石炭火力発電 CCS プロジェクトに関する情報収集・分析
昨年度は、「石炭ガス化発電・CO2 分離回収技術調査」において、海外における CCS プロジェク
ト動向の調査・分析を行った。本年度は、海外の最新動向およびその支援等に関する政策動向の
情報を収集し、キャプチャーレディの認証基準、商業化に向けた技術的な課題を明らかにすること
で、日本および世界のクリーン石炭火力発電政策検討に資することを目的として、以下の 3 項目を
主眼に調査を行った。

海外の高効率石炭火力発電の技術動向の把握

海外の高効率石炭火力プロジェクトのリアルタイムな動向の把握

キャプチャーレディへの各国の対応の把握
。
以上を踏まえ、次のような調査を実施した。
超々臨界圧蒸気タービンシステム)や A-USC(先進超々臨界圧蒸気タービンシステ
・
ム)について、各国の開発目標や導入の状況、ベンダーの開発状況
・ 世界の IGCC プロジェクトの動向を把握するために、米国の開発目標、海外の実証プ
ロジェクトの動向
・ 欧米の電力会社の開発動向を把握するために、ゼロエミッション化石燃料発電に関す
る欧州技術プラットフォーム(ETP ZEP)の動向
・ 欧米各国のクリーンコール技術、CCS プロジェクトに対する政策的な支援・規制の枠
組み
・
世界の主要な CCS プロジェクト、特に、今後、実現性が高いプロジェクトとして、
欧州の EERP(European Economy Recovery Plan)にて採択されたプロジェクト、
GCCSI(Global CCS Institute)にて確度が高いと判断された各プロジェクトについ
て、概要を一件一葉の形でまとめた
・ 欧州を中心に検討が進められているキャプチャーレディ、および、EU 指令を受けて、
英国、ドイツでの法制化の動向、さらにドイツにおける第三者認定機関 TÜV の認定
-2-
基準
1.5.2
IZEC ワークショップ、フォーラムの企画・運営
IZEC(International Zero Emission Coal-fired Generation)フォーラムでは、欧州、米国、
豪州、中国などで進められている IGCC などのゼロエミッション型高効率石炭火力 CCS プロジェ
クトの動向について情報収集を行い、その実用化に向けた総合戦略を検討・情報発信する事業
を実施している。その一環として、今年は二回の IZEC フォーラムを実施し、これらの情報発信を
行なった。
2009 年 6 月、欧州理事会において承認された CCS に関する EU 指令では、新規に建設さ
れる 300MWe 以上の石炭火力発電所に対して、多くの事前評価が要求されており、将来 CCS
設備を設置する際に必要なスペースを確保しておく必要があるとされている。この CCR(Carbon
Capture Ready:二酸化炭素回収のための設計準備)に係わる指令にもとづいて、現在、EU 加
盟各国において国内法に反映させる作業がおこなわれているところである。
本 IZEC シンポジウムでは、欧州委員会、EU 加盟国規制当局、電力会社、発電設備サ
プライヤーなどのステイクホールダーを招待し、最新のCCRへの取り組み状況を中心に
紹介するとともに、オーストラリアの CCS 促進策として注目される GCCSI の活動状況に
ついて紹介した。
1.5.3
CCS 技術に関する情報提供および普及・啓発事業
石炭火力発電 CCS を中心とする CCS プロジェクト情報について、ウェブサイトなど
を活用して、普及・啓発を図った。
① 世界 CCS 情報(ヘッドラインニュース)の定期発信
2回/月のペースにて、合計 347 件を配信
② CCS 関連(IEA、技術論文)資料の翻訳配信
③ IZEC Web サイトにおける最新動向掲載機能の追加構築
・クリーンコール技術や関連実証事業及び関連政策動向に関する最新動向を掲載した
各国クリーンコール関連最新動向
・ GCCSI 関連情報
コンテンツを追加作成・構築した。
コンテンツの追加作成・構築した。
・各国の最新情報のタイトルを時系列に掲載し、タイトルに詳細情報ページをリンク
させた。
・最新情報データベースの作成と Web への掲載
④ Web サイト既存コンテンツの情報更新(1 回/月)
・ ゼロエミッション石炭火力 CCS プロジェクトデータベース
・ 世界のイニシアティブデータベース
・ FutureGen 情報
-3-
第2章
2.1
世界の高効率石炭火力発電 CCS プロジェクトに関する情報収集・分析
A-USC 微粉炭火力発電所等プロジェクト計画の全体動向
ここでは、世界の微粉炭火力発電所の先進技術に関する動向、特に USC(超々臨界圧蒸
気タービンシステム)や A-USC(先進超々臨界圧蒸気タービンシステム)について調査、
分析を行う。具体的には、日本、欧米の政府の石炭火力の高効率化に向けた開発目標やプロ
グラムについて述べる。また、各主要ベンダーの微粉炭火力技術に対する取り組みやロード
マップを紹介する。さらに、現在世界で稼動中、もしくは計画されている石炭火力発電につ
いて整理、分析を行う。
2.1.1
石炭火力発電の高効率化の変遷
発電所の性能向上は、発電コストの低減の観点から非常に重要であり、戦後継続して発電
所の熱効率向上が図られてきた。熱効率の向上は、蒸気条件すなわち発電に利用される蒸気
の高温化と高圧化によって実現される。図 2.1 に 1950 年以降の日本における汽力発電の蒸
気条件の変遷について示す。1970 年代のオイルショックの前は一時蒸気条件の改善は、停
滞していたものの燃料価格の上昇を受け、蒸気条件の向上が続いている。
60
700
タービン入り口蒸気圧力
タービン入り口蒸気温度
50
650
620
600
593
600
610
40
566
31.0
550
30
538
24.1
500
485
482
18.6
20
16.6
(MPa)
(℃)
450
450
10
4.1
0
400
1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 年
図 2.1 日本における汽力発電の蒸気条件の変遷
出所)JCOAL
日本のクリーン・コール・テクノロジー
1960 年代より蒸気圧力 16.6MPa、蒸気温度 538℃以上の亜臨界圧(Subcritical)となっ
た。この後、高温耐久材料の開発が進み、蒸気圧は超臨界圧(Supercritical:SC)、超々臨界
圧(Ultra-Supercritical:USC)へと改良が行われている。図 2.2 に蒸気条件の定義につい
て図示する。
-4-
蒸気温度︵
℃︶
374
700
超々臨界
600
超臨界
亜臨界
500
超臨界領域
400
300
15
20
25
30
22.1
主蒸気圧力(MPa)
図 2.2 蒸気条件の定義
USC を用いることで、発電端効率 43%(HHV)、送電端効率 41%(HHV)と効率は大きく改
善される。現在、既に国内に 69 基ある石炭火力のうち 20 基が USC(他は、SC17 基、Sub-C30
基、PFBC(加圧流動床燃焼)2 基)となっており、今後さらなる効率改善を目指して、A-USC
(Advanced USC:先進超々臨界圧)の開発が行われている。
2.1.2
日米欧の開発目標
熱効率の改善により、石炭火力発電所の効率は 50 年前に比べると大幅に改善されている。
しかし、昨今の地球温暖化の問題を受け、CO2 を大量に発生する石炭火力発電においては、
さらなる効率の向上による CO2 削減が求められている。このため、一般に蒸気温度 700℃
以上を想定し、発電端効率 50%(HHV)以上を達成可能な A-USC の開発が望まれている。
A-USC を導入することで熱効率のさらなる改善が見込まれるものの、このような高温に耐
えうる材料(ニッケル合金)の開発・製造にかかるコストは大きく、USC と比較して発電
コストの優位性を確保できるか不透明な状況となっている。そのため、各国政府は、民間企
業に対して補助制度を導入し、開発を促進している。
(1) 日本の開発目標
日本においては、2009 年 3 月にクールアース 50 に基づき、Cool Earth-エネルギー確信
技術を発表し、開発目標を設定している。2015 年頃には、700℃級の A-USC を開発する目
標である。それに先立ち 2008 年 6 月に A-USC のボイラー・タービンの開発に必要な要素
技術開発のための補助事業の公募を行った。独立行政法人物質・材料研究機構、株式会社I
HI、住友金属工業株式会社、株式会社東芝、バブコック日立株式会社、株式会社日立製作
所、富士電機システムズ株式会社、三菱重工業株式会社の 8 社共同申請が採択され、2008
-5-
年度(平成 20 年度)∼2016 年(平成 28 年度)までの 9 年間で合計 87 億円(予定)の補助
が行われる。図 2.3 に日本の A-USC 開発ロードマップを示す。
図 2.3 日本の A-USC 開発ロードマップ
出所)クリーンコール部会
(2) 米国の開発目標
米国では、DOE、EPRI などを中心に、欧州よりも高温条件である 760℃級を目標とし、
適用材料の評価・選定を進めている。EPRI は、2004 年に CoalFleet for Tomorrow イニシ
アチブを発表し、その中で USC の材料技術の開発を促進している。USC については、
UltraGen イニシアチブに基づいて、2020 年頃には、760℃級の A-USC を開発する目標で
ある。UltraGen イニシアチブは、Alstom、Babcock&Wilcox、Siemens、GE、Foster Wheeler
等の重電メーカー、EPRI、NETL、Oakridge National Laboratory などの政府系研究機関
が参画しており、政府、NPO、民間がコストシェアをするコンソーシアムとなっている。図
2.4 に UltraGen イニシアチブのロードマップを示す。UltraGen イニシアチブは、材料の選
定の後、CO2 回収を伴う 3 段階の実証プラントによる実証研究を行い、商業化を目指してい
る。表 2.1 に、3 段階の実証プラントの概要を示す。
-6-
図 2.4 UltraGen のロードマップ
出所)EPRI
表 2.1 UltraGen の各フェーズのプラント概要
UltraGen Ⅰ
UltraGen II
UltraGen III
CO2 回収後の出力(MWnet
800
600
600
CO2 回収前の出力(MWnt)
850 to 900
650 to 700
630 to 670
CO2 回収前の発電効率(%HHV)
39
42 to 44
45 to 48
主蒸気温度 (℃)
605
700
760
フェライト系
ニッケル合金
ニッケル合金
25 (2)
50 or 100 (3)
100 (3)
SO2, lb/MBtu (lb/MWh)
0.03 (0.25)
0.01 (0.080)
0.01 (0.080)
NOX, lb/MBtu (lb/MWh)
0.03 (0.25)
0.01 (0.080)
0.01 (0.080)
0.010 (0.088)
0.008 (0.064)
0.008 (0.064)
水銀回収率
90%
90%以上
90%以上
プロジェクト開始予定(最短)
2012
2015
2021
高温材料
Flue gas slipstream flow, % (1)
全粒子, lb/MBtu (lb/MWh)
出所)EPRI : Advanced Coal Power Systems with CO2 Capture: EPRI’s CoalFleet for
Tomorrow Vision(2008)
(3) 欧州の開発目標
2001 年に VGB(ドイツ大規模発電所技術協会)と EURELECTRIC(欧州電気事業者連
盟)を中心として欧州のユーティリティがコンソーシアムを組み、2015 年までに 700℃級
A-USC の建設を目指した Emax イニシアチブを開始した。参加企業は、Enel、EDF、
-7-
Electrabel、E.ON Energie、Vattenfall、EnBw、RWE Power、Elsam である。予算試験
資金の調整は VGB が行っている。Ph.3 にあたる COMTES700 では、総予算 1,520 万€(約
20 億円)のうち、発電企業 57%、欧州委員会(European Commission:EC)40%、設備
サプライヤー3%を負担することとなっている。図 2.5 に Emax イニシアチブのロードマッ
プを示す。
AD700
Ph.1
期間
スポンサー
概要
1998年∼2004年
AD700
Ph.2
COMTES700
(AD700 Ph.3)
Ph.4
2002年∼2006年
2004年∼2009年
2006年∼
EUのFP4
EUのFP5
European
Research Fund
for Coal and Steel
(RFCS)
EUのFP7の予定
700℃級A-USCに
使用される鉄に変
わる材料の選定。
設計と重要な要素
(Critical
Component)の試
験。実証に向けて
の予備実験。
蒸発器、過熱管、
高圧ヘッダー、高
圧パイプ、高圧バ
イパス、安全バル
ブなどの重要要素
の 試験。
フルスケールの実
証プラントの建設。
2006年よりプレエ
ンジニアリングを開
始。
図 2.5 Emax イニシアチブのロードマップ
出所)VGB HP、COMTES700 HP、各種公表資料より NRI 作成
このほか、欧州委員会では、欧州委員会の新技術促進プログラムである Thermie プログ
ラムの一環として、2014 年に 700℃級の A-USC 実証プラントの試験運転開始を目標に、研
究支援を行っている。THERMIE プログラムでは、700℃蒸気に耐える材料の選定が、課題
となっている。材料のスクリーニング、物性評価、製造性の確認等の基礎研究に加え、700℃
の蒸気を用いた 2 万時間の耐久試験を実施している。
また、ドイツでは独自に、2004 年よりドイツ経済労働省主導で、発電所の効率改善を目
指した COORETEC(CO2 Reduction TEChnologies)プログラムにより、高効率化を目指
している。具体的には、2020 年頃には、800℃級の A-USC の材料を開発する目標である。
COORETEC の予算は、当初 2,500 万€(約 32 億円)であり、2010 年には、3,500 万€(約
46 億円)に拡大することが検討されている。図 2.6 にドイツの COORETEC プログラムの
ロードマップを示す。
-8-
図 2.6 ドイツの COORETEC プログラムのロードマップ
出所)ドイツ連邦経済技術省(BMWi)資料
2.1.3
主要ベンダーの技術ロードマップ
上記のように政府やユーティリティが主導で A-USC の目標を立て、プログラムや補助体
制を作り、重電メーカーが開発を行っているのが現状である。次に、重電メーカーが構想し
ている開発ロードマップについて述べる。ここでは、USC の蒸気タービンボイラーの主要
メーカーである Alstom、東芝について述べる。
(1) Alstom
Alstom では、2015 年の A-USC 実用化を目指して、2008 年よりコンポーネントのテスト
を行っている。700℃級 A-USC の開発に向け、E.ON 社の Scholven F 発電所(ドイツ北西
部:ノルトライン-ヴェストファーレン州)にて蒸気試験が行われている。試験設備は
COMTES700 と呼ばれている。COMTES700 には、Alstom の他に日立パワーヨーロッパ、,
Burmeister & Wain Energy、Siemens、Elsam Engineering、VGB が参画し、互いに技術
の共有を図っている。図 2.7 に Alstom の蒸気タービン開発のロードマップを示す。
-9-
1998
2005
2010
2015
2008年
材料開発
材料・コンポーネントのテスト
コンポーネントのテスト
(COMTES)
初期設計コンセプト
設計コンセプト
の改善
タービンの実証
確立された技術を元に
した詳細設計
設計
高温特性下で既に確立された
技術を元にした設計と内部の研究
先進高温タービン
ニッケル合金削減の
ためのより高度な設
計と、起動時間を改善
するために過渡応力
を削減する
図 2.7 Alstom の蒸気タービン開発ロードマップ
出所)Alstom プレゼン資料
(2) 東芝
東芝では、CCS の 2015 年からの商用化を目標として、CO2 回収を前提とした発電システ
ムを開発している。現在は、CO2 分離回収設備と連携可能な 700℃級 A-USC を開発してい
る。東芝では、A-USC の開発は 2 つのフェーズに分けて取り組んでいる。フェーズ 1 は、
再熱蒸気 700℃級の蒸気タービン開発である。主蒸気は、600℃級とし、それに比較して圧
力の低い再熱蒸気は 700℃級を目指している。主蒸気は 600℃級とすることで、従来蒸気系
統技術を適用し、再熱蒸気系統の開発に集中している。開発課題としては、再熱弁、中圧タ
ービンの一部に適用する大型のニッケル基合金部品と中圧タービンの冷却技術などである。
フェーズ 2 は、主蒸気 700℃級システムの開発である。主蒸気、再熱蒸気共に高温化するた
め、主蒸気管、再熱蒸気管、主蒸気弁、再熱弁、タービンロータやケーシングの一部にニッ
ケル基合金を適用する必要が生じる。開発課題としては、ニッケル基合金の開発が挙げられ、
特にタービンロータに適用するニッケル基合金の開発が重要となっている。図 2.8 に東芝の
蒸気タービン開発ロードマップを示す。
- 10 -
A−USC
CO2分離
回収設備
図 2.8 東芝の蒸気タービン開発ロードマップ
出所)東芝
2.1.4
電力システム社 Environment Vision 資料
現在計画されているプロジェクトの整理
上述のように日米欧を始め先進国では、USC の先を見越した A-USC の研究開発が進めら
れている一方で、中国・インドを始めとする新興国では、依然 USC や SC がメインとして
建設が進んでいる。1990 年以降の世界各国における石炭火力発電の建設の状況について、
分析を行う。
なお、統計の出所は、全て Platts 社の World Electric Power Plant Database June 2009
を元に NRI が加工している。統計については以下の点に注意されたい。

件数は、発電所単位ではなく、発電機ユニット単位の件数である。

2009 年以降は計画ベースであり、件数には、建設中および計画中も含まれている。

2010 年以降は、詳細が未発表でありカウントされていない発電所が多数存在すると
見られるため、2010 年以降建設ペースが減少するわけではない。
(1) 世界の石炭火力建設動向
図 2.9 に蒸気圧別に見た世界の石炭火力発電所の運転開始件数、図 2.10 に蒸気圧別に見た
世界の石炭火力発電所の出力合計、図 2.11 に地域別に見た世界の石炭火力発電所の運転開
始件数を示す。2005 年以降、超臨界圧(SC)の石炭火力発電所の割合が増加していること
が分かる。出力ベースで見た場合、一件あたりの出力が亜臨界圧(Sub-C)に比べて大きな
SC がより大きな割合を占めている。また、昨今急激に電力需要を伸ばしている中国での建
設が大半である。2009 年の断面で見た場合も、105 件の運転開始のうち 58 件が中国、22
件をインドが占めており、日本での運転開始はゼロという状況である。
- 11 -
件
120
不明
超臨界圧
亜臨界圧
6
9
22
8
22
80
2
5
57
63
20
55 55 60 50 56 51
43
97
3
4
40
20
1
4
5
6
2
60 55
38 39
14
11
86
74
47
54 56
55
14
54
15
14
41
8
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
0
15 14 7
5
1
5
12
2015
3
2
4
2014
3
3
2013
60
32 25
2
11
2012
1
6
100
図 2.9 世界の石炭火力発電所の運転開始件数(蒸気圧別)
MW
45,000
不明
超臨界圧
亜臨界圧
40,000
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
図 2.10 世界の石炭火力発電所の出力合計(蒸気圧別)
- 12 -
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
0
件
120
その他
日本
欧州
北米
インド
中国
14
4
100
4
7
21
7
80
16
8
21
1
5
4
3
5
1
40
1
9
7
10
8
1
9
6
7
3
7
20
32
22
22
31
29
13
15
1
5
2
6
7
5
6
4
26
8
2
7
13
4
2
6
8
4
8
6
7
1
4
5
5
1
7
2
4
18
5
2
4
2
7
21
5
2
2
3
8
4
22
2
4
5
31
33
23
31
2
2
3
5
38
29
26
19
4
89
3
90
77
18
55
38
29
9
1
6
4
3
20
58
44
40
29
27
3
10
2
8
18
17
2
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
0
4
12
6
3
4
2015
14
10
2
5
17
2014
60
5
1
図 2.11 世界の石炭火力発電所の運転開始件数(地域別)
(2) SC の動向
次に、SC のみに着目し、建設の動向を分析する。図 2.12 に地域別に見た SC 運転開始件
数、図 2.13 に地域別に見た SC 出力合計、図 2.14 に SC の蒸気温度の割合について示す。
石炭火力発電所の建設が多い中国が、SC についても大きな割合を占めていることが分かる。
出力ベースで見ても、中国の割合は大きく、特に 2006 年以降大幅に出力を伸ばしている。
蒸気温度については、1990 年以降徐々に 550℃以上の割合が増え、2004 年以降、主流は 550℃
以上 600℃未満まで蒸気温度が上昇していることが分かる。また、2011 年以降は 600℃級以
上の計画割合が多くなっており、世界的に見ても今後新設については、600℃級が主流にな
っていくことが分かる。
件
35
その他
オーストラリア
日本
北米
欧州
インド
中国
30
25
20
15
10
5
図 2.12 SC の運転開始件数(地域別)
- 13 -
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1994
1993
1992
1991
1990
0
MW
25,000
その他
オーストラリア
日本
北米
欧州
インド
中国
20,000
15,000
10,000
5,000
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1994
1993
1992
1991
1990
0
図 2.13 SC の合計出力(地域別)
600度以上
550度以上600度未満
550度未満
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1994
1993
1992
1991
1990
0%
図 2.14 SC の蒸気温度の割合(世界)
(3) 中国・インドの状況
次に、石炭火力の拡大が著しい中国・インドの動向について述べる。図 2.15 に中国の石
炭火力発電運転開始件数、図 2.16 にインドの石炭火力発電運転開始件数を示す。
中国では、2005 年ごろまでは Sub-C がメインであったが、2006 年以降急速に SC の割合
が大きくなっていることが分かる。
2008 年に運転開始した SC は、蒸気温度 570℃級、600MW
級が主流となっている。これは、中国重電機メーカーの大手が先進的な海外メーカーと技術
提携を行ったことで、急速に技術力をつけてきたことが考えられる。中国最大手の上海電気
は、ボイラーでは Alstom、蒸気タービン・発電機では Siemens と技術提携を行っている。
また、東方電気集団は日立と、ハルビン電気は三菱重工業・東芝とボイラー・蒸気タービン・
発電機において技術提携を行っている。
- 14 -
一方、インドでは、2010 年までは SC の運転開始予定はないものの、2011 年以降は SC
の運転開始が計画されており、今後、順次高効率化が進んでいくと考えられる。インド最大
手の重電機メーカーであるインド国営のバラート重電公社(BHEL)は、2007 年より三菱
重工と火力発電所用各種ポンプの技術についてライセンス供与契約を締結し、発電容量 500
∼1,000MW の火力発電所で使用される亜臨界圧および超臨界圧ボイラー用給水ポンプ、ボ
イラー給水ブースターポンプ、循環水ポンプ、復水ポンプの設計・製造技術の供与を受ける
など、今後、SC へと軸足を移していく傾向である。
また、図 2.17 に単基あたりの出力を示す。これまでは、一基辺りの発電出力は 500MW
級が主流であったが、今後は、中国・インドともに 800MW 級に向け大型化が進んでいくと
見られる。
件
超臨界圧
亜臨界圧
100
90
4
80
21
70
60
28
50
40
1
2
30
10
2
32 29
26 29 23 31 31 27
22
1
37
1
3
24
84
20
64
1
25 28 26
41
37 40
31 29
15
5
図 2.15 中国の石炭火力発電運転開始件数(蒸気圧別)
- 15 -
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
0
2010
20
2
1
- 16 -
図 2.17 中国・インドの石炭火力発電端出力
2012
5
2011
17
2013
22
2010
2012
30
2009
2011
2010
2009
2008
7
2007
2006
35
2008
2004
17
2007
2003
7
2006
2002
10
2005
6
2004
5
2005
4
2003
2002
2001
2000
5
2001
8
1999
5
2000
1999
3
1998
1998
4
1997
1997
1996
1995
7
1996
700
5
1995
MW
1994
800
6
1994
4
1993
3
1993
0
1992
6
1992
1991
7
1991
1990
5
1990
件
超臨界圧
亜臨界圧
6
25
20
15
26
3
7
3
8
図 2.16 インドの石炭火力発電運転開始件数(蒸気圧別)
亜臨界圧(中国)
超臨界圧(中国)
亜臨界圧(インド)
超臨界圧(インド)
600
500
400
300
200
100
0
2.1.5
まとめ
本章では A-USC の開発動向および足元での SC、USC の動向を分析した。各国とも 2020
年を目処に 700℃級の商業規模の A-USC を実現するべく開発を進めている。ベンダーの立
場からも、将来的な CCS 設定も見越した上で、競争力を保つために研究開発を進めている
ことが分かる。
世界的には、今後の地球温暖化対策の強化を受け、まずは 600℃級の SC および USC が
主流になっていくと考えられる。表 2.2 に 1990 年以降の蒸気タービンベンダー別の SC 出
荷台数を示す。SC および 600℃級の USC は、日系蒸気タービンベンダーが大きなシェアを
持ち、技術的にも優位性を持っていることが分かる。今後、石炭火力発電の需要拡大が期待
されるものの自国の技術を優先する中国・インドでは、日系ベンダーは、積極的に現地企業
との技術提携・ライセンス供与を行うことで、事業拡大を狙う必要がある。
また、700℃級の A-USC においては、欧米ベンダーが材料開発、実証において先行して
いるため、今後も日系ベンダーがプレゼンスを保つためには、国プロを通じて材料に関する
知見を効率よく共有し、開発を進めることが重要であると考えられる。
表 2.2 1990 年以降の蒸気タービンベンダー別 SC 件数
東芝
12
BBC(スイス)
3
東方(中国)
11
ABB(スイス)
2
LMZ(ロシア)
10
GE/DOOSAN
2
上海(中国)
10
GE/韓国重工業
2
三菱重工業
9
ALSTOM(フランス)
1
日立
8
ANSALDO(イタリア)
1
韓国重工業/GE
8
BHEL(インド)
1
ハルビン(中国)
7
N/A
シーメンス(ドイツ)
5
中国系(ベンダー名不明)
4
DOOSAN(韓国)
4
KHARKOV(ウクライナ)
4
- 17 -
110
2.2
石炭ガス化複合プロジェクト計画の全体動向
ここでは、世界の IGCC プロジェクト計画動向について調査・分析を行う。現在主流であ
る 1,300℃級および先進的な 1,500℃級以上のガスタービンを用いた IGCC の海外プロジェ
クトの動向や、米国の国家プロジェクトについて述べる。
2.2.1
先駆的な IGCC プロジェクト
IGCC の技術開発については、海外が日本に先行しており、発電用ガス化炉の開発は、1970
年代より本格化した。米国では、1978 年より SCE(Southern California Edison)が事業
主体となり、次世代の石炭ガス化技術の実証研究である Cool Water Coal Gasification
Program が行われた。Cool Water Program では、1984 年より 7 年間に渡り、1,100℃級の
ガスタービンを用いて、120MW の規模で実証が行われた。実証では、Texaco がガス化炉技
術を提供(2004 年に GE が Texaco のガス化炉技術を買収)、GE がガスタービンを提供した。
その後、1990 年代なかばより欧米を中心に IGCC 実証プロジェクトが進められ、世界の
四大 IGCC プロジェクト(米:Tampa、Wabash、スペイン:Puertollano、オランダ:
Buggenum)と呼ばれる計画が進められている。以下、表 2.3 に各プロジェクトの概要、次
項以降に四大プロジェクトの詳細を示す。
表 2.3 先駆的な IGCC プロジェクトの比較
プロジェクト名
Cool Water
Buggenum
Wabash
Tampa
Puertollano
場所
米国
オランダ
米国
米国
スペイン
運転開始年
1987
1994
1995
1996
1996
発電端出力
120MW
284MW
296MW
322MW
335MW
送電端出力
93MW
253MW
262MW
260MW
300MW
送電端効率
31.2%
41.4%
39.7%
37.5%
41.5%
(HHV)
(実績)
(計画)
(実績)
(実績)
(計画)
オーナー
SCE
Nuon
Global Energy
Tampa
Elcogas
PSI Energy
Electric
ConocoPhillips
GE Energy
Krupp
E-Gas
(Texaco)
Koppers
ガス化炉技術
GE Energy
Shell
(Texaco)
PRENFLO
- 18 -
Nuon Power Buggenum(オランダ)
 世界初の商用規模乾式給炭噴流床のIGCCとして、1990年から着工し、1993年末から運転を開始した。
 2009年4月にNuonは、Spie Controlec Engineering と契約を結び、CO2回収のテストユニットを
Buggenumの発電所に導入することを発表した。
 CO2回収は2010年半ばから開始される計画で、2ヵ年40M€の投資が必要となる。
-19-
プロジェクトの概要
事業主体
技術
投資額
発電出力
燃料
: Nuon Power Buggenum
(前Demkolec)
: Shell(ガス化炉)
Siemens(ガスタービン)
: N/A
: 284MW(発電端出力)
253MW(送電端出力)
: 現地の瀝青炭、バイオマス、
石油コークス
(最大2,000トン/日の石炭消費、
バイオマスは最大20%)
出所) http://www.nuon.com/company/core-business/energy-generation/power-stations/buggenum/index.jsp
19
Wabash(米国)
 1991年にDOEのCCTラウンドⅣに選択され、1993年より建設開始。1995年より運転開始している。
 プロジェクトの総額は、4億3,800万ドルで、うち半分をDOEが負担した。
 1995年12月∼1999年12月の実証期間中、IGCCユニットは、15,000時間の稼動を記録した。
-20-
プロジェクトの概要
事業主体
技術
投資額
補助金額
発電出力
燃料
: Duke Energy (2006年にCinergyと
PSI Energyを買収)
(ガス化炉は、Wabash Valley Powerと
Global EnergyのJVが所有)
: ConocoPillips E-Gas(ガス化炉)
GE(ガスタービン)、Westinghouse(蒸気
タービン)
: 438M$
: DOEより219M$
: 296MW(発電端出力)
262MW(送電端出力)
: 1995∼2000年は、瀝青炭
2000年以降は、石油コークス
(最大2,500トン/日の石炭消費)
出所) http://www.netl.doe.gov/technologies/coalpower/cctc/cctdp/bibliography/demonstration/pdfs/wabsh/Wabash%20PPS.pdf
11
20
Tampa(米国)
 本プロジェクトは、Tampa ElectricのフロリダPolk Power発電所にて、1996年より運転開始したIGCCの実
証プロジェクトである。
 用いられているガス化炉は、GE製(旧Texaco製)の酸素吹きスラリーフィード式のガス化炉である。
-21-
プロジェクトの概要
事業主体
技術
: Tampa Electric
: GE Energy(ガス化炉:旧Texaco)
GE(ガスタービン)
投資額
補助金額
発電出力
: 506M$
: DOEより142M$
: 320MW(発電端出力)
260MW(送電端出力)
燃料
: 石炭・石油コークス
(最大2,000トン/日の石炭消費)
出所) http://www.netl.doe.gov/technologies/coalpower/cctc/topicalreports/pdfs/topical6.pdf
12
21
Puertollano IGCC (スペイン)
 Puertollano IGCCは、欧州の電力会社と機器サプライヤーの共同出資会社であるElcogasによって開発が
行われ、1992年4月より運転が行われている。
 2009年8月より、既存プラントにCO2回収システムの追設が開始され、2010年3月より試験運転開始。
 CO2回収プロジェクトは、Elcogasに加えて、UCLM大学、Spanish Research Institute INCAR-CSIC、
Ciematの共同で行う。
-22-
コントラクター
プロジェクトの概要
事業主体
: Elcogas
(ENDESA, EDF, Iberdrola, Hidrocantábrico, ENEL,
EDP, Siemens, BWE, Krupp Koppers(現Uhde)が共同
出資)
技術
: Uhde PRENFLO技術(ガス化炉)
Linde(回収プラント技術)
投資額
: 回収ユニット追設に18.5M€
(スペイン政府、地元自治体も一部補助)
発電出力
: 335MW(ISOベース)のうち、14MWth
分を処理
燃料
: 石炭・石油コークス・バイオマス
エンジニアリング
Empresarios Agrupados
CO2ユニット
Linde-Caloric
PSAユニット
Linde
制御
Zeus Control
リアクター
Tecnical
熱交換
Technical and Boreal-Vila
触媒
Johnson Matthey
配管
Masa、Sidsa and Cunado
制御バルブ
SAMSON
安全バルブ
Tyco Valves and Controls
CO2回収量 : 3.5万tpa
(同時に700tの純水素を製造)
マニュアルバルブ
SAIDI
電気機器
GE Power
オンライン分析システム
ABB Process Automation Division
出所)http://www.bellona.org/articles/articles_2008/spain_carbon_capture_pioneers
http://212.170.221.11/elcogas_body/images/IMAGEN/TECNOLOGIAGICC/Information%20notice%20Sept%202009.pdf
22
2.2.2
米国の IGCC 開発動向
米国では、米国エネルギー省(DOE:Department of Energy)、EPRI(Electric Power
Research Institute)、CURC(Coal Utilization Research Council)が、2004 年よりガス化
炉に関する技術ロードマップを策定している。以下、図 2.18∼図 2.20 に米国が定める技術
開発のタイムラインを示す。2020 年頃には、CO2 回収なしで 50∼60%(HHV)の効率で、
900∼1,000$/kW のキャピタルコスト、30$/kWh 以下の COE を目指している。
図 2.18 IGCC 効率の目標
図 2.19 IGCC キャピタルコスト(建設コスト)の目標
- 23 -
図 2.20 IGCC の COE(発電コスト)の目標
出所)DOE
上記の目標達成のために、米国では、実証実験の計画と共にタービン技術の要素開発にも
取り組んでいる。米国の国立エネルギー技術研究所(NETL:National Energy Technology
Laboratory)では、DOE からの支援を受け、タービン技術の研究開発に取り組んでいる。
NETL の Advanced Turbine Program では、ニア・ゼロエミッションを目指し、水素やシン
ガスに対応できる先進的なタービン技術を以下の 3 つの側面から研究を行っている。

FutureGen への適応を目指した水素ガスタービン

酸素燃焼タービン

CO2 圧縮・他の研究開発
水素ガスタービン
タービンおよびコンポーネント開発のターゲットは、燃焼技術、材料開発、冷却技術の
改良、コーティング技術の開発がある。これらの要素技術は、FutreGen に必要な技術で
あると考えており、これらの技術革新により、従来の発電所に比べて 10%以内のコスト増
でニア・ゼロエミッションの石炭火力発電所の実現を目指している。短期の開発目標は以
下のように定めている。

2010 年まで(シンガス)

15%の酸素濃度の燃焼で、NOx の排出を 2ppm まで削減

パワーブロックの効率を Tampa や Wabass River で達成された水準よりも
2~3%改善

これまで想定されていたパワーアイランドの建設コストを 20∼30%削減
- 24 -
2012 年まで(水素燃焼、CO2 回収付)


CO2 回収の設計がなされた石炭ベースの IGCC プラントへの統合が可能な水
素燃焼のタービン技術の開発

従来のシンガスと 100%水素を燃料としたタービンオペレーションが可能な燃
料柔軟性を実証

NOx 排出をニアゼロに出来るような排出制御技術の開発
酸素燃焼タービン
酸素燃焼は、従来の発電所および先進技術の両方に適用可能な技術であると考えている。
将来的には、ガス化、酸素分離、蒸気タービン技術の改良により、酸素燃焼システムの発電
所は、CO2 回収および NOx をニア・ゼロエミッション化しても 40%台半ばの発電効率を実
現することを目標としている。短期の開発目標としては以下のように定めている。

2012 年まで

50-60%の高効率な酸素燃焼タービン、燃焼技術の開発にフォーカス
CO2 圧縮・他の研究開発
IGCC や酸素燃焼発電所からの CO2 回収には、パイプラインで輸送可能なレベルまで CO2
を圧縮する必要がある。CO2 圧縮による電力のロスは、FutreGen においては、発電出力の
3.9%にあたると見積もられており、この動力の削減は非常に重要と考えられている。短期の
開発目標としては以下のように定めている。

2012 年まで

複数の液体・期待の圧縮技術を試験、開発

衝撃波圧縮技術の開発を進める
DOE では、2005 年にタービン技術の R&D プログラムを拡大し、10 のプロジェクトに対
して 1 億 3,000 万ドルの補助を発表した。そのうち、4,560 万ドルは水素燃料の燃焼技術、
4,550 万ドルは先進石炭火力発電タービン技術の設計・開発に当てられている。それぞれの
補助事業の詳細を以下に示す。

水素燃料の燃焼技術(4,560 万ドル、75 ヶ月)

GE が受注

燃焼温度の上昇に耐えうる材料、コーティング技術の開発により現在の効率より
3∼5%ポイントの効率向上を目指す

先進的石炭火力発電タービン技術の設計・開発(4,560 万ドル、56 ヶ月)

Siemens Westinghouse Power Corporation が受注

①オペレーション温度制御のための冷却システムの改善、②燃料消費効率を上げ
るためのフロントエンド温度の向上、③コンポーネントの耐久性を高めオペレー
ティングコストを下げるための材料、コーティング技術の開発を目指す
- 25 -
なお、DOE では、2005 年以降も IGCC 技術や先進的なタービン技術への予算を拡大して
いる。図 2.21 に DOE からの IGCC、タービン技術に対する予算の変遷を示す。2010 年は、
先進的タービン技術に対して 3,200 万ドル、IGCC 技術に 6,300 万ドル、既存プラントの改
良に 5,200 万ドルの予算を計上しており、今後も FutureGen のような大規模実証と並行し
て、要素技術の開発も進めていく方針である。
単位 千ドル
160,000
140,000
既存プラントの改良
120,000
48,600
60,000
35,083
19,663
24,543
22,973
16,015
18,646
63,409
34,337
40,000
20,000
IGCC技術
先進的タービン技術
100,000
80,000
52,000
41,990
35,134
0
2001
44,639
54,441
63,000
52,029
53,982
22,056
27,216 32,000
18,101 10,332 21,729 15,043 17,411 12,801 23,125
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
図 2.21 DOE の IGCC、タービン技術に対する予算の変遷
出所)DOE
2.2.3
世界のプロジェクト動向
1990 年代の四大 IGCC プロジェクト以降、特に米国を中心として、欧米各国でも IGCC
の実証実験が進んでいる。
図 2.20 に、世界の IGCC(CTL:石炭液化も含む)実証実験の計画の状況を示す。経済
状況の悪化によりいくつかのプロジェクトでは、遅延や中止が見られるものの、2012 年前
後を目処に複数の IGCC プロジェクトの運転が計画されている。過去のプロジェクトよりも
スケールアップし、500MW 以上の規模での実証が予定されており、今後より商業規模に近
い規模での IGCC の実証が進んでいく。
なお、表 2.4 にそれぞれのプロジェクトの詳細を示している。規模が未定のプロジェクト
については、実現可能性が他よりも低いと考え、図 2.22 には表記していない。
- 26 -
1,400
1,200
EskomEnergy Quest India IGCC Project
1,000
Sulcis IGCC Project
Wallula IGCC Project
800
American Electric Power Ohio IGCC
Versova IGCC Plant
600
Duke's Edwardport IGCC Project
Excelsior Mesaba Energy Project 1
Edison IGCC Project
Kemper County IGCC Project
400
Conqar UCG Power Station
RWE Power Plant ZeroGen Ph2
Southern Illinois University-Carbondale IGC
Puertollano IGCC Plant
Wabash Rover
Tampa
Buggenum IGCC Plant
200
WMPI Gilberton Project
NRG's Somerset Gasification Retrofit Project
ZeroGen Ph1
Sanghi IGCC Plant
0
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
2025
図 2.22 世界の IGCC 建設計画
出所)Zeus Virtual Energy Library および各種公表資料より NRI 加工
2.2.4
まとめ
海外では、1995 年前後より IGCC の開発を開始しており、2012 年頃を目処に大規模な実
証が計画されている。一方、日本では、実証実験の開始は 2007 年と遅れているが勿来、
EAGLE など着実に実証研究が進んでいる。また、EAGLE では、酸素吹きの技術が研究さ
れている。
ただし、発電用とで IGCC を用いる場合、依然としてアベイラビリティの低さが指摘され
ている。ガス化技術に加え、ASU(Air Separation Unit:酸素分離装置)のアベイラビリ
ティが高くないこともその原因の一つと言われている。IGCC は、複数のコンポーネントの
集合体であり、今後、ガス化技術に加えて、酸素分離、蒸気タービン技術の改良、CO2 圧縮
の技術についても、研究開発による効率改善・信頼性改善が求められる。
- 27 -
表 2.4 世界の IGCC プロジェクト一覧
国名
Plant name
Plant タイプ
ステータス
オランダ
Buggenum IGCC Plant
IGCC
運転中
運転開始
米国
Wabash Rover Gasification RePowering Project
IGCC
運転中
1995
SG Solutions LLC (Global Energy Inc. and
Wabash Valley Power Associationの50/50 JV)
SG Solutions LLC
米国
Polk Power Station
IGCC
運転中
1996
Tampa Electric Co.
Tampa Electric Co.
チェコ
Versova IGCC Plant
IGCC
運転中
1996
Sokolovska Uhelna, A.S.
Sokolovska Uhelna, A.S.
スペイン
Puertollano IGCC Plant
IGCC
運転中
1996
Elcogas SA
Elcogas SA
1994
オーナー
オペレーター
燃料種
発電出力(net)
投資額
ガス化技術
Nuon Power Buggenum
Nuon Power Buggenum
瀝青炭
253 MW
N/A
Shell's Gasification Technology
石炭
262 MW
N/A
ConocoPhillips E-Gas Technology
石炭
260 MW
N/A
GE Energy(ChevrionTexaco)
褐炭
636 MW
N/A
Lurgi Dry Ash Gasification Process
石炭・石油コークス
300MW
N/A
Krupp Koppers PRENFLO Gasification
Technology
インド
Sanghi IGCC Plant
IGCC
運転中
2002
IBIL Energy Systems Ltd.
IBIL Energy Systems Ltd.
褐炭
53 MW
N/A
GTI U-GAS Gasification Process
イタリア
Sulcis IGCC Project
IGCC
建設中
2009
ATI Sulcis
ATI Sulcis
石炭
956 MW
N/A
Shell gasification technology
Conqar UCG Power Station
UCG/IGCC
計画中
2010
Cougar Energy & Pakistan Government
Cougar Energy
IGCC
提案中
2010
Columbus Southern Power, subsidiary of
American Electric Power (AEP)
パキスタン
米国
米国
American Electric Power Ohio
IGCC
West Hawk-Luan Mining New
Energy and Clean Coal Chemical
IGCC
計画中
2010
米国
Cardinal Energy Project
IGCC
凍結
2010
Linc Energy
Linc Energy
Steelhead Energy Company LLC - affiliated with
Fluor and ConocoPhillips
ArcLight Capital Partners, LLC., and Madison
Eskom Holdings Ltd. and
Eskom Holdings Ltd. and Ergo Exergy
Ergo Exergy
石炭
400 MW
N/A
Ergo Exergy Technologies Inc.
石炭
629 MW
$1.2 Billion
GE Energy
石炭(Red River Delta地域)
N/A
石炭
545 MW
N/A
Linc Energy's UCG and GTL Processes
$2.0 Billion
ConocoPhillips E-Gas Technology
N/A
Ergo Exergy's UCG Technology
南アフリカ
Eskom
UCG/IGCC
FS
2011
石炭
1,200 MW
米国
High Plains Gasification Advanced
Technology Center
IGCC
Pre-FEED
2011
University of Wyoming
University of Wyoming
石炭(PRBとWyoming
coals)
N/A
$50 Million
GE's Gasification Technology
米国
Excelsior Mesaba Energy Project 1 IGCC
FEED
2011
Excelsior Energy Inc.
Excelsior Energy Inc.
石炭
603 MW
$1.2 Billion
ConocoPhillips E-Gas Technology
-28-
米国
WMPI Gilberton Project
提案中
2011
Waste Management and Processors PTY LLC
(WMPI)
石炭
131 MW
$100 Million
N/A
米国
Excelsior Mesaba Energy Project 2 IGCC
凍結
2011
Excelsior Energy Inc.
石炭
603 MW
N/A
Fluor, ConocoPhillips, Siemens
豪州
ZeroGen
UCG/IGCC
FEED
2012
ZeroGen
石炭(Queensland coal)
Phase I: 120 MW 2012
インド
Energy Quest India IGCC Project
IGCC
コンセプト設計
2012
Energy Quest Inc. and Vimala Enterprise
IGCC/CTL
ZeroGen
Energy Quest Inc. and
石炭
Vimala Enterprise
Singareni Collieries Co. Ltd.
石炭(Goadavari Valley産)
(SCCL) & Carbon Energy
West Hawk Development
石炭(The Groundhog coal)
Corp.
インド
Vijayawada IGCC Plant
IGCC
建設中
2012
Singareni Collieries Co. Ltd. (SCCL) & Carbon
Energy Ltd. (CEL)
カナダ
West Hawk Canadian CTL
CTL or IGCC
FS
2012
West Hawk Development Corp.
米国
Duke's Edwardport IGCC Project
IGCC
建設中
2012
Duke Energy
米国
NRG's Somerset Gasification
Retrofit Project
IGCC
Pre-FEED
2012
NRG Energy, Inc
NRG Energy, Inc
$2.5 Billion - Phase Shell Coal Gasification Process
1,200 MW
N/A
N/A
N/A
Energy Quest's Gasifiction Technology
Likely to use Australia's Coal Gas Corp.
Pty. Ltd.'s Technology
N/A
N/A
Sasol-Lurgi's Gasifiction Technology
亜瀝青炭
632 MW
$2.3 Billion
GE Energy
石炭・バイオマス
120 MW
$30 Million
Westinghouse Plasma Gasification
Technology
GE Energy
米国
AEP Appalachian Power
IGCC
計画中
2012
American Electric Power (AEP)
Appalachian Power - AEP
subsidiary
石炭(West Virginia Coal)
N/A
$2.23 billion
米国
Twin River Energy Center
IGCC
凍結
2012
Twin River Energy
Twin River Energy
石炭
N/A
$1.5 Billion
N/A
米国
Wallula IGCC Project
IGCC
提案中
2013
Wallula Resource Recovery LLC and Edison
Mission Energy
Wallula Resource Recovery
LLC and Edison Mission
石炭
915 MW
$2.2 Billion
N/A
$2.5 Billion
ConocoPhillips E-Gas Technology
N/A
Southern Co., KBR Inc., and DOE
米国
Great Lakes Energy Research Park IGCC
FS
2013
M&M Energy, ConocoPhillips, SemGroup
M&M Energy
石炭
N/A
米国
Kemper County IGCC Project
IGCC
Pre-FEED
2013
Mississippi Power Co.
Mississippi Power Co.
褐炭
550 MW
豪州
Galilee Basion CTL Project
CTL/IGCC
FS
2014
Waratah Coal Ltd.
未定
石炭(Waratah's coal)
N/A
ドイツ
RWE Power Plant
IGCC
提案中
2014
RWE Power Plant
褐炭
400 MW
パキスタン
Skyline Coal Gasification Project
IGCC/CTL
計画中
未定
Skyline Services Group
Sino Eastern
Skyline Services Group
米国
DKRW Bull Mountain Project
CTL/IGCC
凍結
未定
DKRW; Arch Minerals; Bull Mountain Cos.
DKRW
米国
Southern Illinois UniversityCarbondale IGC
IGCC
FS
未定
Southern Illinois University-Carbondale (SIUC)
米国
Xcel Energy
IGCC
凍結
中止
Xcel Energy
米国
Clean Coal Power Phase 1
IGCC
凍結
中止
Clean Coal Power Resources (CCPRI)
米国
Edison IGCC Project
IGCC
提案中
未定
Southern California Edison
Xcel Energy
Southern California Edison
28
$5 Billion
N/A
N/A
N/A
石炭
N/A
石炭(Arch's Hanna炭鉱)
300 MW
N/A
Skyline Services Group
$1-1.5 Billion
GE Gasification Technology and Rentech's
FT Technology
石炭(Illinois Coal)
300-600 MW
N/A
N/A
石炭
350 MW
$1.0 Billion 以上
N/A
石炭(Southern Illinois産)
2400 MW
$2.5 Billion
N/A
石炭
600 MW
N/A
N/A
2.3
石炭火力発電など CCS プロジェクトの動向、プロジェクト参画者、資金負担、
導入促進策など、特に、補助制度、税優遇制度、関連法規制などに関する情報
ここでは、欧米の電力会社の CCS に関する技術開発動向を政府からの支援の面より述べ
る。欧州では、電力会社を始めとする技術プラットフォーム(ETS)である ZEP(European
Technology Platform for Zero Emission Fossil Fuel Power Plants)があり、その中では今
後の実証実験の方向性が議論されている。欧州の電力会社の取組例として ZEP について述
べ、欧州の支援策および米国の支援策について述べる。
2.3.1
欧州 ZEP の取り組み
(1)ETP(欧州技術プラットフォーム)について
ETP(欧州技術プラットフォーム:European Technology Platforms)は、各産業技術に
関する分野の主要企業、研究団体、金融機関などが参画する組織であり、R&D の方向性や
タイムフレーム、アクションプランなどのフレームワークを策定している。現在、EU には、
エネルギー・インフラ、輸送、電子情報、宇宙・衛星、医療、農林水産業などの分野に 36
の ETP が存在する。
ETP の目的は、将来的にヨーロッパの産業競争力を高めるために、戦略的に重要な分野に
おいて、中長期的な共通の研究開発の目標を策定することである。EC(は、中長期的な優
先研究課題を定義する上で、ETP は、重要な役割を果たしていると評価しており、FP7 の
策定の際にも ETP の成果を参考にしている。
具体的な ETP の活動として、通常 3 つのステップが存在する。以下、図 2.23 に ETP の
検討ステップを示す。ETP の目的は、あくまで優先的な研究課題についての産業界のコンセ
ンサスを取り、Strategic Deployment Document(SDD:戦略的普及に関する報告書)にて
何を行うべきかを定義し、Strategic Research Agenda (SRA:戦略的研究行動計画)にて、
どのようなタイムスケジュールで行うかを提言する。
産業界主導で各ステークホ
ルダーが集まり、技術に対
する共通のビジョンを作る。
図 2.23
ステークホルダーが、SRA
(Strategic Research
Agenda:戦略的研究行動
計画)を策定。中長期的な
技術目標を明確にする。
ステークホルダーが、人的、
財務的リソースを導入し、
SRAを実行する
ETP の研究開発の 3 つのステージ
出所)ZEP
- 29 -
(2)ZEP の概要
CCS の実証に関する技術プラットフォームである ZEP(European Technology Platform
for Zero Emission Fossil Fuel Power Plants)は、2005 年に産業界の希望に応じて、EU が
規定する技術プラットフォームと言う枠組みを活かして作られた。設立時は、主に Alstom
の英国法人が中心となり立ち上げを行った。ZEP の設立の目的は、各技術についての専門家
がいない政府(EC、各国)に対して、法的枠組みを作るための情報提供をすることにある。
政府・政治家に対してどのような実証実験がいつまでに必要かについて提言を行う。
ZEP の組織
以下、図 2.24 に ZEP の組織図を示す。①実証・実証、②技術、③政策・規制、④広報の
4 つのタスクフォースから成る。特に技術タスクフォースには、種種のサプライヤーの中で
も技術のエキスパートが参加している。また、パブリック・コミュニケーションにも力を入
れており、広告・宣伝に関する専門家もメンバーとして参画している。
(Mirror Group)
政治的観点からAdvisory
councilにアドバイスを行う
図 2.24 ZEP の組織図と人数規模
出所)ZEP
個々のメンバーとしては、産業界のみならず、NGO や研究機関も ZEP に参加している
ことが、ZEP の特徴である。ZEP の 37 のメンバーのうち、産業界のメンバーは 23、NGO
は 4 つ、研究機関は 10 が参加している。ZEP 内の政府グループ(Government Group)は、
諮問委員会(Advisory Council)のメンバーではないが、総会には出席し、適時意見を行って
いる。また、産業界のメンバーについては、CCS のサプライ・チェーン全体がその構成に反
映されていることも特徴として挙げられる。例えば、CO2 の輸送・貯留を担うことを期待さ
れている石油会社としては BP、TOTAL、SHELL などが参加しており、機器ベンダーとし
ては Alstom, Siemens, Forster、電力会社では RWE、Vattenfall などが参加している。
- 30 -
ZEP メンバーの利害調整
企業によって ZEP に割く時間や労力は異なるが、特にイニシアチブを取っている企業は
ない。しかし、全てのメンバーが自らの主張と意見を持って諮問委員会に参加するため、そ
こには調整し切れない利害関係の対立も浮上している。現在、大きな争点となっているのは、
実証実験をめぐる知識の共有である。排出権の売却による 60 億ユーロの予算枠(NER300:
New Entrants Reserve)があるこの実証実験は、今後の CCS 技術の形成において決定的な
意味を持つ。公的資金が使われる以上、その中で創出される知識を共有財産にし、発展途上
国にも提供すべきだという声もある一方で、産業にとって知識の占有は事業の大前提である。
しかし、メンバーの企業は、企業間で技術についての知識共有をするのではなく、あくまで
どのような実証がどのような規模で必要なのかを議論・合意することが ZEP の目的である
ことを意識しており、完全な知識公開を産業が容認しないことや、企業による知識の独占を
NGO が受け入れないことを承知している。ZEP の価値は、通常はなかなか解消出来ない互
いの利害関係に対話の場を提供することにあると ZEP の諮問機関(Advisory Council)は
考えている。
電力会社も CCS のサプライ・チェーン上、重要な役割があると考えられている。電力会社
が、ZEP に参加する目的は、CCS には、オペレーションにはノウハウが必要であり、様々
な角度からそのノウハウを検討・獲得すると言う狙いがある。また、ZEP は産業界の総意と
して EU への提言を行うため、規制や補助に対する電力会社としての見解を伝えると言う目
的もある。
ZEP と EU の関係については、ZEP は独立した組織であるが、その運営に関する規定は
EU が定めており、メンバーの任務や総会の開催、決定手続き、評決方法などについては詳
細に規定されている。また、設立直後に ZEP は先ず SRA と SDD を作成しているが、それ
も EU の規定による。EC の代表者が ZEP のミーティングに出席し、規則通りの運営がなさ
れているかどうかが十分に監視している。ただし、欧州議会(European Parliament)が、
ZEP の方針に干渉したり、提言の方針を誘導しようとしたりすることはない。逆に、ZEP
やそのメンバーは ZEP の決議や提案をなるべく効果的なものにしたいと考えているため、
提案の実現性を非常に重視している。例えば、実証実験については欧州委員会と欧州議会が
最終的に決定するため、ZEP としても、EU の機関に納得してもらえるような提案を出そう
としている。
(3)ZEP の運営
EU の技術プラットフォームの費用は、規定に基づき基本的に欧州委員会の研究理事会
(Research Directorate General)と産業界が半分ずつ負担する。ただし、実際には、産業
界から資金が集まらず、EU の資金だけで運営しているプラットフォームも存在する。ZEP
の場合は、業界からの関心が高いために、費用分担が可能である。
- 31 -
ZEP の事務所に掛かる費用は年間約 40 万ユーロで、それは石油会社・電力会社・設備メ
ーカーが 3 分の 1 ずつ負担している。そのうち、石油会社の負担分は、企業が直接支払って
いるが、電力会社の負担分は業界連合の EUROELECTRIC や VGP が負担している。以下
表 2.5 にスポンサー企業を示す。
表 2.5 ZEP のスポンサー組織・企業
企業・組織名
協会など
企業
概要
EPPSA (European Power Plant Suppliers Association)
欧州発電プラント・サプライヤー協会
EUTurbines
欧州のガス・蒸気タービンメーカーの協会
Eurelectric
欧州電気事業連盟
VGB powertech e.V.
欧州の電力・熱生成技術協会
BP Alternative Energy International Ltd
エネルギー:BPの代替エネルギー企業
Service Techniques Schlumberger
石油探索
Shell International Renewables B.V.
エネルギー:Shellの再生エネルギー企業
Statoil
石油・ガス
Total SA
エネルギー
(4)ZEP の提言
ZEP では、ETP の規定に基づき、SDD(戦略的普及に関する報告書)と SRA(戦略的研
究計画)を発表し、実証実験の方針について表 2.6 に示す提言を行っている。
表 2.6
2006年
アクション
Strategic Deployment Document(SDD:
戦略的普及に関する報告書)、Strategic
Research Agenda (SRA:戦略的研究行
動計画)を発行
【SDD】
 短期、長期で経済的なインセンティブを
もたらすCO2のバリューチェーンを構築
ZEP による提言
2007年10月
EU Flagship Programmeを開始
ZEP s Propsalを発行
2015年までに10∼12の産業規模のCCS
実証実験プロジェクトを立ち上げる
 CCSのプロジェクトの最適なポートフォ
リオを提案
 2020年までに10∼12の実証実験プロ
ジェクトが必要
 CO2の地下貯留の規制の枠組みを作
成
 理想的には、7つのプロジェクトでポート
フォリオを上は問題ないが、現在検討さ
れているプロジェクトでは、検証できない
項目もあるため、10∼12のプロジェクト
が必要
 CCSの広範囲な広報により公的な支
援を獲得
 FP7および国家プログラムの元、R&D
の資金を確保
提言の概要
2008年
 EUでの実証実験には、EU大の資金調
達メカニズムが必要
 2020年の商業化までには、現在の60∼
90€/t-CO2から35∼50€/t-CO2まで下
げる必要がある
【SRA】
 10∼12の大規模CCS実証実験をEU
全域で実施
 2030年までに80∼120の商業CCSプ
ロジェクトを達成
 既に確認されているが、まだ実証され
ていない新しいコンセプトを開発し、
2010∼2015年までに実証、2020年以
降実用化
 次世代技術のR&Dを長期的に支援
 国家、欧州、国際レベルで協力体制を
最大化
 SDDをサポートするために、R&Dを強
化
- 32 -
2008 年に発表された ZEP’ proposal(EU Demonstration Programme for CO2 Capture
and Storage)の中では、個々の技術の実証のために最低 10∼12 の実証実験プイロジェクト
が必要と提言している。提言の背景として、CCS が他の国で商業的に実証されるのを待った
とすると、商業規模の CCS のオペレーションは、2030 年以降になってしまうという認識で
あり、CCS を加速させるために、EU からの支援が必要であると考えている。理想的には、
CCS の実証を行うには、燃料(褐炭、無煙炭、天然ガス)
、回収方法(燃焼前、燃焼後、酸
素燃焼)、輸送方法(パイプライン、船舶輸送)、貯留方法(海上および陸上の枯渇油田・ガ
ス田、海上および陸上の深部塩水帯水層)を組み合わせた以下、表 2.7 の 7 つの実証プログ
ラムで十分であるが、実際のプロジェクトでは全てのポートフォリオをカバーできないため、
10∼12 の実証実験が必要になると考えている。
表 2.7 ZEP による実証実験のポートフォリオ
燃料
回収方法
輸送方法
貯留方法
その他条件
タイプ1
褐炭/バイオマス混焼
燃焼前
越境パイプライン
海上枯渇石油・ガス田
国際協力
タイプ2
ガス
燃焼後
パイプライン
陸上構造性深部塩水
帯水層
レトロフィット
タイプ3
無煙炭
酸素燃焼
船舶
海上非構造性深部塩
水帯水層
―
タイプ4
無煙炭
燃焼前
パイプライン
陸上枯渇石油・ガス田
―
タイプ5
褐炭
酸素燃焼
パイプライン
陸上構造性深部塩水
帯水層
効率改善
タイプ6
無煙炭
燃焼前
パイプライン
海上枯渇石油・ガス田
―
タイプ7
無煙炭
燃焼後
パイプライン
陸上非構造性深部塩
水帯水層
―
出所)ZEP’s Proposal
ただし、ZEP としては、実証実験については、満たすべき基準を定めるだけで、優先順位
は定めていない。ここで ZEP の主張として重要なのは、この三つの技術のいずれも実証し、
リスクを解消する必要があると考えていることである。ZEP として、いずれかの技術がより
実現性が高いと判断しているわけではなく、回収技術にはそれぞれのメリットがあり、応用
範囲があるというのが意見である。例えば、燃焼後回収では、既存の発電施設に一番応用し
やすい技術として、絶対に不可欠であるとしている。既存の発電所は、今後 30 年以上稼動
すると考えられるが、それらが排出する CO2 を回収する比較的低コストの技術は燃焼後回
収のみだと考えている。燃焼前回収は燃料を気化させ、CO2 を分離させる必要があので、も
っと複雑な技術でありながら、それだけのメリットもあり、酸素燃焼の効率改善へのメリッ
トも大きいと感が手いる。また、回収技術だけでなく貯留方法についても、複数の方法を実
証する必要があり、枯渇油田貯留に加えて帯水層に貯留する方法の両方を実証する必要があ
ると考えている。
- 33 -
2.3.2
欧州の CCS 技術に対する補助・支援策の概要
欧州では、EU 大でクリーンコール技術および CCS への取り組みがなされている。研究開
発分野では、欧州研究開発フレームワーク(FP)にて、クリーンコール技術に対する研究が
進められている。また、2009 年に発令された欧州経済回復計画(EERP)では、実証実験に
対して EU から補助が行われることが決定している。
(1)FP 欧州研究開発フレームワーク
欧州研究開発フレームワーク(Framework Programme for Research and Technological
Development )は、EU の研究開発に係る総合的な計画である。複数の研究分野における
全体的な計画の下で、補助金が与えられた個別のプログラムや共同研究センター(Joint
Research Centre : JRC)が独自の研究開発を行っている。フレームワークは、EU の行
政執行機関である欧州委員会で作成・提案され、欧州議会と EU 理事会で承認される流れと
なっている。また、具体的なプログラムについては、欧州委員会の下の各総局が取りまとめ
る。
フレームワークへの参加資格は、EU 加盟国である 27 カ国に加えて、関連国 6 カ国(ア
イスランド、イスラエル、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)、候補国 4 カ国(ク
ロアチア、トルコ、マケドニア、セルビア)の参加が認められている。また、それ以外の第
三国については、① FP7 の目標達成に貢献することが正当化される国、②工業が進んだ国
(ただし、参加資金は自ら拠出)であれば、参加可能とされている。
フレームワークの予算については、半分が EU の一般予算から、半分は各国の拠出からな
る。最新のフレームワークである 2007~2013 年までの第 7 次研究開発フレームワーク(FP7)
は、532 億ユーロの予算が計上されている。以下、図 2.25 にフレームワーク年間予算の推移、
図 2.26 にフレームワーク期ごとの予算の推移を示す。フレームワークは、1984 年より開始
され、1 期を 5 年として、現在まで 7 次にわたって実施されてきている。EU の経済成長と
雇用創出を持続できる知識基盤型社会に改革するという「リスボン戦略」を元に、FP7 は大
幅に増額されており、2009 年は年間 60 億ユーロ(7,800 億円)規模に達している。
- 34 -
10億ユーロ
図 2.25 フレームワーク年間予算の推移
出所)欧州委員会
研究総局(Research DG)
10億ユーロ
図 2.26 フレームワーク期ごとの予算の推移
出所)欧州委員会
研究総局(Research DG)
- 35 -
以下、図 2.27 及び図 2.28 に 2007 年から始まっている FP7 の内訳を示す。FP7 では、予
算を大幅に増額し、7 年間で 532 億ユーロ(6 兆 8,900 億円)を見越している。その中で、
最も大きな割合を占めるのは、協力(Cooperative)の部門で、エネルギー開発(原子力を
除く)は、この予算に含まれる。予算の詳細な配分については、各総局が担当することにな
っている。
原子力関連の研究
とトレーニング
(EURATOM), 27.5
欧州共同研究セン
ター(JRC), 17.5
キャパシティー・研
究能力, 41.0
人材, 47.5
協力−共同研究,
324
アイデアー欧州研
究評議会, 75.1
図 2.27 FP7 の内訳
出所)FP Web ページ http://cordis.europa.eu/fp7/
FP7 で最大の割合を占める協力−共同研究の中に、エネルギー関連プログラムは含まれて
おり、7 年間で 23.5 億ユーロ(3,055 億円)が割り当てられている。
安全, 14.0
社会経済科学・人間
学, 6.2
宇宙, 14.3
環境関連, 18.9
情報通信技術, 90.5
食糧・農業・バイオテ
クノロジー, 19.4
エネルギー, 23.5
ナノテクノロジー, 34.8
健康, 61.0
交通輸送, 41.6
図 2.28 FP7 内協力−共同研究の内訳
出所)FP Web ページ http://cordis.europa.eu/fp7/
- 36 -
クリーンコール技術については、フレームワークの中でも一貫して研究開発が進められて
いる。1998 年の FP5 よりプロジェクトに対して補助金がつけられている。現在の FP7 では、
回収、貯留にフォーカスしそれぞれの実証の評価が進められている。
【FP5】:1998 年∼2002 年

CO2 隔離:2 プロジェクト、CO2 貯留およびモニタリング:6 プロジェクト、データ
ベース:1 プロジェクト

CCS プロジェクト
EU 補助金:1,600 万ユーロ、総事業費 3,200 万ユーロ
【FP6】2003 年∼2007 年

研究技術開発の力点を CO2 回収コストの低減に置く

優先課題を①燃焼後回収、②燃焼前回収、③地下貯留、④化学・鉱物 CO2 回収に絞
る

CCS プロジェクト
EU 補助金:7,000 万ユーロ、総事業費 1 億 7,000 万ユーロ

2005 年 12 月に ZEP を立ち上げ
【FP7】2007 年∼2013 年

2007 年第一次:回収にフォーカス
1,740 万ユーロ

2008 年第二次:貯留にフォーカス
1,000 万ユーロ程度

2009 年第三次:第一ステージの評価
2,300 万ユーロ
(2)EERP:欧州経済回復計画
EERP(European Economic Recovery Plan)とは、総額 2,000 億ユーロの景気刺激策で
あり、2009 年、2010 年の 2 年間に EU の長期競争力を高める分野に投資を行う計画である。
EERP は、2 つの計画の柱と 1 つの原則の下に成り立っている。
計画の柱は、以下を定めている。
1.
需要と消費者の信頼を回復するために、EU 経済に購買力を注入する。欧州委員会は、
緊急性の観点から、加盟国が安定・成長協定(Stability and Growth Pact)を尊重し
つつ、需要を回復させるために、加盟国と EU が 2,000 億ユーロの予算に合意するこ
とを提案する。
2.
欧州の長期的な競争力強化を目的に、直接的かつ短期的なアクションとして、「賢明
な投資(Smart Investment)」を行う。賢明な投資は、明日のニーズに向けた投資で
あり、①エネルギー効率化(雇用創出と省エネ)、②クリーン技術(低炭素市場を促
進)、③インフラおよびエネルギー、通信設備の相互接続(効率とイノベーションの
向上)が考えられる。
- 37 -
また、EERP の原則として、「結束と社会正義」の考えの下に、経済的に困難な時期に
は、EU のアクションは、それを最も必要としている人々に向けたものであること。を定
めている。
これらの理念の下、主要加盟国の財政出動:約 1,700 億ユーロ、欧州委員会(EU 予算)
:
約 144 億ユーロ、欧州投資銀行(EIB):約 150 億ユーロ、欧州復興開発銀行(EBRD)
約 5 億ユーロの計約 2,000 億ユーロが、2009 年、2010 年の 2 年間に予算を集中的に投入
する計画となっている。
EERP の中で、エネルギー関連の予算は、表 2.8 のように 39.8 億ユーロの割当が決定
している。予算は、EU の現行予算で未執行分の 50 億ユーロから拠出される。なお、エ
ネルギー分野における EERP については、EEPR(European Energy Programme for
Recovery)とも呼ばれている。
表 2.8
2009 年 4 月のエネルギー関連予算の決定分
項目
エネルギー
小計
ガス・電力インフラへの投資、国際連携
23.65 億€
洋上風力
5.65 億€
CCS
10.50 億€
金額
39.8 億€
出所)欧州議会プレスリリース
CCS に割り当てられた 10.5 億ユーロの予算は、ドイツ、オランダ、ポーランド、スペイ
ン、英国、イタリア、フランスのプロジェクトに対して、それぞれ 1.8 億ユーロ程度ずつ割
り当てられる。EERP は即効性のある景気対策を目的としているため、プロジェクトの実現
可能性や短期での景気への影響を考慮してプロジェクトが選定された。以下、表 2.9 に選定
されたプロジェクトを示す。
今回のプロジェクト選定については、政治的な要素が決定的だったと言われている。EERP
の資金源となる EU の余剰予算は、普段であれば加盟国に返却されるが、今回は特別措置と
して産業支援に使うことになった。しかし、それぞれの加盟国は、本来なら国庫に返金され
る分が、なるべく自国の産業に注ぎ込まれるように要請した。そこで EU は加盟国に、優先
すべきプロジェクトのリストを提出するように求め、それに沿ってプロジェクトを選定した
と見られている。このため、ZEP は EERP の補助対象の選考には参画しておらず、必ずし
も実証のポートフォリオの面から合理的なプロジェクトが選定された訳ではない。EU とし
ても、今後の実証実験への補助を考えた際は、より実証実験のポートフォリオを意識し、特
に帯水層への貯留も加えて行く意向である。
なお、各プロジェクトの詳細については、次章にて述べる。
- 38 -
表 2.9
EERP の選定プロジェクト
国
プロジェクト名
ドイツ
Janschwalde
想定支援金額
180 M€
燃料
石炭
容量
500 MW
回収技術
貯留場所
酸素燃焼
油田・ガス田
オランダ
Rotterdam
180 M€
石炭
1,080 MW
燃焼後回収(PC)
油田・ガス田
ポーランド
Belchatow
180 M€
スペイン
Compostella
180 M€
石炭
858 MW
燃焼後回収(PC)
塩水帯水層
石炭
500 MW
酸素燃焼
油田・ガス田
英国
Hatfield
180 M€
石炭
900 MW
IGCC
油田・ガス田
イタリア
Port Tolle
100 M€
石炭
660 MW
PC
N/A
フランス
Florange
50 M€
鉄鋼プラントから排出されるCO2を輸送し、地下塩水帯水層へ貯留
出所)欧州議会プレスリリース
(3)NER300(New Entrants Reserve 300)
2008 年に EU は、EU ETS 指令、CCS 指令を含む以下の 6 つの政策パッケージを提案し
た。その中で、EU ETS 指令により、実証プロジェクトの支援のために 3 億トン(300 million)
の排出枠が割り当てられることが決定された。
この 3 億トンの排出枠による支援の仕組みは、
NER300(New Entrants Reserve 300)と呼ばれ、今後の CCS 実証を進める大きな補助金と
して注目されている。
対象となるプロジェクトは、EU 加盟国内のプロジェクトを想定しており、ZEP の提案を
参考とし、最大 12 の実証プロジェクトを想定している。実証の期間については、2013 年∼
2020 年とされている。実証開始時の CO2 価格にもよるが、1 トン当り約 20€で取引されて
いると想定し、3 億トン×€20/トン=€60 億を 10∼12 のプロジェクトに割り当てることを見
越している。ただし、EU としては、一つのプロジェクトに対して、いくらの補助金が必要
であるかは、非常に難しい問題だと感じている。貯留までをプロジェクトと考えた場合、CCS
の実証に実際にいくら必要かを判断することは難しいため、NER300 の割当についても、そ
れが十分なのかを判断することは難しいと感じているのが現状である。EU としては、今後
英国で行われる CCS の補助プロジェクトへの補助金額も参考にし、必要な補助金額を検討
していく方針である。
また、NER300 では、EERP とは異なり、あらかじめ候補となるプロジェクトは存在しな
い。そのため、今後一からのプロジェクトの選定が行われることになる。NER300 では基本
的に、EU 域外の企業を規制する法律はなく、プロジェクトのオーナー(オペレーター)が
選択するのであれば、日本企業も参画は可能となっている。ただし、公的資金が使われる以
上、その中で創出される知識を共有財産にし、発展途上国にも提供すべきだという意見もあ
る。一方で、参加する営利企業にとっては、知識の占有は事業の大前提であるため、今後知
識の共有方法についても議論が行われると見られる。
- 39 -
2.3.3
米国の CCS 技術に対する補助・支援策の概要
米国では、エネルギーセキュリティ上の石炭の重要性と温暖化対策を背景として、複数の
クリーンコール・CCS に関わるプログラムや支援制度が存在する。DOE が支援するプログ
ラムとして具体的には、以下のようなプログラムが存在する。
【クリーンコール・天然ガスに係わるプログラム】
 Clean Coal Power Initiative (CCPI)
 FutureGen Project(前述)
 Innovations for Existing Power Plants (IEP)
 Gasification Technologies(前述)
 Future Fuel Cells(燃料電池に係るプログラム)
 The Turbines of Tomorrow(前述)
 Advanced Research(前述)
【CO2 隔離に係るプログラム】

Regional Carbon Sequestration Partnerships (RCSP)

Carbon Sequestration core program
【支援制度】

EPA2005 による Loan Guarantee(債務保証)、Tax Incentive(税優遇)
【経済復興策】

ARRA(米国再生・再投資法)
これらの中から、主に石炭火力発電に関わるプログラムとして CCPI、IEP、RCSP、支援制
度として EPA2005 による Loan Guarantee(債務保証)、Tax Incentive(税優遇)、ARRA
の概要について述べる。
(1)CCPI
CCPI(Clean Coal Power Initiative)は、将来、アメリカ合衆国がクリーンで信頼性が高
く、かつ経済的な電力を確保するために、先進的なクリーンコール技術を開発するための「国
家エネルギー政策勧告(National Energy Policy、2001 年)」に対する大統領令である。CCPI
は、10 年間で 20 億ドルを拠出する DOE のプログラムであり、プログラムには、現在の最
新技術に対して、効率、環境性能、経済性を大きく高める石炭ベース発電技術に対する複数
の支援が含まれている。支援の目的は、商業規模で技術を実証することで、先端技術の普及
を加速させるように計画されており、産業界の参加企業から最低 50%以上のコスト参加を求
めている。
2010 年 2 月現在まで、CCPI では、3 度にわたるプロジェクトの公募・採択を行ってきて
いる。各々の公募ラウンドの概要について述べる。
- 40 -
第 1 ラウンド
CCPI 第 1 ラウンドでは、
2003 年 1 月に表 2.10 に表す 6 つのプロジェクトが採択された。
2008 年 5 月 31 日時点で、進行中:3、完了済:1、交渉中:1、採択プロジェクトとなった
後に撤回:1 である。6 つのプロジェクトの合計は、9 億 3,200 万ドルで、そのうち DOE は、
2 億 5,500 万ドルを拠出ている。
表 2.10
プロジェクト名
プロジェクト概要
(参加企業)
発電効率向上- 褐炭利用促進
(Great River Energy)
統合型最適ソフトウエア実証
(at Baldwin Energy Comples (NeuCo,
Inc.) )
先進型マルチ・プロ石炭利用技術、
副産品プロセスプラント
(Kentucky Research Foundation大学)
Round1
Western Greenbrierコ・プロ実証プロジェ
クト
(Western Greenbrier Co-Generation,
LLC)
TOXECON 改造、水銀・複合汚染物質
削減
90 MW 石炭燃焼ボイラ三基
(Wisconsin Electric Power Company)
Gilberton 石炭をクリーン燃料変換、発電
コ・プロ プロジェクト
(WMPI PTY, LLC)
CCPI 第 1 ラウンドの概要
高湿分褐炭のパフォーマンスを高めるた
めに廃熱を利用した546MWの石炭乾燥
システム実証
NOX削減、熱効率向上、および、スートブ
ロア、排煙脱硝装置の運転、全体熱効率
性能とプラントの経済性に注目して、シス
テムを一体的に最適運用することによる
信頼性確認
コンクリート中のポートランドセメントの代
替品となる高品質ポゾラン、軽量アグリ
ゲート、等級化つめ戻し砂ほか製造のた
めの石炭灰の利用技術の実証
既存の処分場からの廃炭を用いたコ・プ
ロFBCの実証。設備は、100MWの発電
設備とレンガ製造
灰中の90%水銀の除去と90%以上の水
銀再生を達成するためのTOXECON水
銀コントロール技術の実証。SO2とNOX
の排出を減らすためのナトリウム注入の
実証実験もあわせて行う。
クリーン電力、熱エネルギー、超清浄液体
燃料製造のための基礎としての廃炭のガ
ス化実証。Shellのガス化技術とSASOL
Fischer-Tropschプロセスを用いる。
プロジェクト
総コスト
DOEのコスト割当
サイト
($)
($.%)
Underwood
(ノースダコタ州)
Baldwin
(イリノイ州)
Ghent
(ケンタッキー州)
Rainelle
(ウェストバージニ
ア州)
Marquette
(ミシガン州)
Gilberton
(ペンシルバニア
州)
31,512,215
13,518,738
(約3,100万ドル)
(43%)
19,094,733
8,592,630
(約1,900万ドル)
(45%)
1,245,305
621,407
(約120万ドル)
(50%)
214,983,758
107,491,879
(約2.1億ドル)
(50%)
52,978,115
24,859,578
(約5,300万ドル)
(47%)
612,480,000
100,000,000
(約6.1億ドル)
(16%)
ステータス
建設中
完了
撤退
計画中
実施中
計画中
第 2 ラウンド
CCPI 第 2 ラウンドでは、2004 年 10 月、表 2.11 に表す 4 つの実証プロジェクトが採択
された。2008 年 2 月 29 日現在、3 つのプロジェクトは共同契約の採択プロジェクトとなり、
1 つは交渉中に撤回された。DOE は、3 つの進行中のプロジェクトの合計 30 億ドルのうち、
3 億 3,600 万ドルを拠出している。
- 41 -
表 2.11
プロジェクト名
(参加企業)
Peabody Mustangクリーンコール
プロジェクト
(Peabody Energy)
285 MW 石炭ガス化実証
(Southern Company Service,
Inc.)
CCPI 第 2 ラウンドの概要
プロジェクト概要
Airborneプロセスの商業規
模実験
空気吹きガス化炉(Kellog
Brown and Root製)を用い
た285MWIGCCの実証
プロジェクト
総コスト
DOEのコスト割当
サイト
($)
($.%)
Milan
(ニューメキシコ
州)
93,195,888
19,700,000
(約0.93億ドル)
(21%)
Orlando
844,267,321
293,750,000
(フロリダ州)
(約8.4億ドル)
(41%)
Taconite or
Hoyt Lakes
2,155,680,783
36,000,000
(約22億ドル)
(2%)
15,560,811
6,079,480
(約0.15億ドル)
(39%)
ステータス
撤退
計画中
Round2
Mesaba エネルギープロジェクト
(MEP-I LLC (Excelsior Energy,
Inc.))
水銀類、複合汚染物質削減
(NeuCo, Inc.)
次世代ConocoPhillipのガ
ス化炉E-Gas技術を用いた
600MWeのIGCCの実証
水銀及び複合汚染物質の
削減技術を向上するための
最適制御技術の実証
(ミネソタ州)
Jewett
(テキサス州)
計画中
建設中
第 3 ラウンド
2008 年 8 月 11 日、DOE は、CCPI の第 3 ラウンドとして、最終資金援助予告(FOA:final
Funding Opportunity Announcement)を行った。DOE は、今回の FOA で複数のプロジェ
クトを採択プロジェクトにする計画であり、2009 年予算によっては、3 億 4,000 万ドルの拠
出が可能となる見込みである。さらに、2009 年の ARRA の予算を受け、資金援助予告は修
正され、5 つの商業規模での CCS 実現を目標として、14 億ドルの拠出が可能となった。2009
年 7 月 1 日に、2 つのプロジェクトが採択され、合計 4 億 800 万ドルが拠出される見通しで
ある。さらに、2009 年 12 月 1 日に、表 2.12 に表す 3 つのプロジェクトが採択され、合計
9 億 7,900 万ドルが拠出される見通しである。
- 42 -
表 2.12
CCPI 第 3 ラウンドの概要
2009 年 7 月採択のプロジェクト(2 件)
プロジェクト名
(参加企業)
燃焼後CO2回収プロジェクト
(Basin Electric Power
Cooperative.)
プロジェクト概要
Basin Electric Powerは、
PowerspanとBurns & McDonnellと
共同で、CCS実証実験を行う。
Antelope Valleyの既存の石炭火力
発電所(褐炭ベース)にPowerspan
のECO2アンモニアベース技術の
CO2回収装置を追設。450MWの出
力のうち、120MWに相当する排ガ
スから90%のCO2回収を行う。
プロジェクト
サイト
Beulah
(ノースダコタ州)
総コスト
DOEのコスト割当
約3億ドル
1億ドル
―
3.08億ドル
ステータス
FEED中
100万t/yの回収が目標。
Round3
(2009年
7月採択)
水素エネルギー・カリフォルニア・
プロジェクト
(Hydrogen Energy International
LLC)
商業規模のCO2回収を含む先進
IGCCの実証プロジェクト。BP
Alternative EnergyとRio Tintoの
ジョイントベンチャーが、設計・建設・
運転を行う。CO2は、メタノールベー
スのレクチゾルプロセスによって、水
素から分離される。CO2は、パイプ
ラインにより近傍の石油田に輸送さ
れ、EORに用いられる。
Kern County
(カリフォルニア州)
計画中
出力は、390MWgross。200万t/yの
CO2回収が目標。
2009 年 12 月採択のプロジェクト(3 件)
プロジェクト名
(参加企業)
Round3
(2009年
12月採択)
プロジェクト概要
プロジェクト
サイト
MountaineerCO2回収・貯留実
証(American Electric Power
Company, Inc、パートナー:
APCo, Schlumberger Carbon
Services, Battelle Memorial
Institute, CONSOL Energy,
Alstom)
AEPは、冷却アンモニアプロセスを
用いて、CO2の回収を行う。
Mountaineer発電所にて、既存の
New Haven
1,300MWのうち、235MW分の排ガ
(ウェストバージニ
スを処理し、最低90%のCO2(150
ア州)
万tpa)を回収する。回収したCO2は、
パイプラインにて輸送、地下1.5マイ
ルの含塩層に貯留する。
Southern Company炭素回収・
貯留実証(Southern Company
Services, Inc、パートナー:米国
三菱重工, Schlumberger
Carbon Services, Southern
States Energy Board,
Advanced Resources
International, the Geological
Survey of Alabama, EPRI,
Stanford大学 , Alabama大
学,Alabama大学バーミンガム校
AJW Group)
SCSは、Alabama Powerの既存の
Barry発電所に対してCO2回収のレ
トロフィットを行い、160MW相当の
CO2を回収する。最大100万tpaの
CO2が回収され、深部含塩層に貯
留または、EORに用いられる。
Texasクリーンエネルギープロ
ジェクト:TCEP(Summit Texas
Clean Energy, LLC)
Summit Texas Clean Energyは、
Siemensのガス化技術・発電技術と
CO2回収技術を組み合わせる。建
設される400MWの発電所にて、
90%以上、270万tpaのCO2を回収
する。回収したCO2は、パイプライン
で輸送されEORに用いられる。
総コスト
DOEのコスト割当
ステータス
計画中
6.68億ドル
3.34億ドル
(10年)
(現在運
転中の
20MW回
収設備を
スケール
アップ)
計画中
Mobile
(アラバマ州)
発表なし
2.95億ドル
(11年)
(2011年
運転開始
予定)
計画中
Midland-Odessa
(テキサス州)
17.5億ドル
3.5億ドル
(8年)
(2014年
運転開始
予定)
それぞれのプロジェクトのスケジュールを、図 2.29 にまとめる。プロジェクトの多くは、
契約前の段階から運手開始まで概ね 5~6 年ほどかかっている。CCPI 第 3 ラウンドのプロジ
ェクトは、2011 年以降の運転開始を計画しており、今後建設が進めらると見られる。
- 43 -
2003
CCPI 1
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
発電効率向上- 褐炭利用促進
統合型最適ソフトウエア実証
完了済
先進型マルチ・プロ石炭利用技術、
副産品プロセスプラント
撤退
Western Greenbrierコ・プロ実証プロジェクト
TOXECON 改造、水銀・複合汚染物質削減
90 MW 石炭燃焼ボイラ三基
Gilberton 石炭をクリーン燃料変換、
発電コ・プロ プロジェクト
CCPI 2
Peabody Mustangクリーンコールプロジェクト
撤退
285 MW 石炭ガス化実証
Mesaba エネルギープロジェクト
水銀類、複合汚染物質削減
CCPI 3
Basin Electric Power 燃焼後CO2回収プロジェクト
2012年の運転開始を目指す
水素エネルギー・カリフォルニア・ プロジェクト
2011年建設開始が目標
現在稼働中の設備をスケールアップ。2015年運転開始をめ
MountaineerCO2回収・貯留実証
Southern Company炭素回収・貯留実証
2011年運転開始を目標
Texasクリーンエネルギープロジェクト
2014年運転開始を計画
図 2.29 CCPI のスケジュール
また、図 2.30 に CCPI のプロジェクトの実施場所を示す。図 2.31 に示した米国の主要
な産炭地域を比べると、産炭量の多い州でのプロジェクトが多いことが分かる。カリフォル
ニア州でのプロジェクトは、カリフォルニア州の環境規制を受け、水素エネルギー利用のプ
ロジェクトが計画されている。
ノースダコタ州
Beulah
(Basin Electric Power)
ミネソタ州
Hoyt Lakes
(MEP-I)
ミシガン州
Marquette
( Wisconsin Electric Power )
ノースダコタ州
Underwood市
(Great River Energy)
ペンシルベニア州
Gilberton
( WMPI )
カリフォルニア州
Kern郡
(Hydrogen Energy)
ウェストバージニア州
Rainelle
( Western Greenbrier )
テキサス州
Midland-Odessa
ウェストバージニア州
New Haven
(Mountaineer)
(TCEP)
アラバマ州
Mobile
(Southern Company)
Round1
Round2
Round3
テキサス州
Jewett
(NeuCo)
イリノイ州
Baldwin市
(NeuCo)
図 2.30 CCPI の実施場所
- 44 -
フロリダ州
Orland
(Southern Company)
図 2.31 米国の産炭地域
出所)EIA
(2)IEP(Innovation for Exsiting Power Plant)
IEP は、2006 年開始当初は、排ガス中の水銀、NOx、粒子状汚染物質の削減、冷却技術
の開発、石炭副生成物の有効利用技術開発を目指したプログラムであった。2008 年より、
方針を転換し、既存の微粉炭火力発電所にレトロフィット可能な CCS 技術の R&D にフォ
ーカスしている。現在のプログラムでは、既存の石炭火力対して、35%以内の電気料金増で
90%の CO2 回収が可能な CCS ユニットを追設することを目指している。図 2.32 に、IEP
の開発ロードマップを示す。また、技術目標は、以下のように定められている。

排ガス中の CO2 濃度を高める方法の改良

炉材料の耐久性の向上

排ガス汚染物質の低減

所内補機動力の減少

CO2 吸収サイクルの効率向上

吸着剤の安定性の向上
図 2.32 IEP の技術開発ロードマップ
出所)DOE
- 45 -
R&D の領域としては、以下表 2.13 のようなテーマが検討されており、各プログラムに予
算が割り当てられている。実証実験に比べると R&D であるため予算規模は小さくなるもの
の、2008 年 7 月 31 日に、総額 3,600 万ドルを IEP の各プロジェクトに対して割り当てた。
また、2009 年は、2008 年より増額し、5,000 万ドルを割り当てる計画である。表 2.13 に、
補助プログラムの概要を示す。

酸素燃焼

CO2 回収の溶媒・吸収液

先進的な CO2 圧縮

先進的な膜技術

ケミカル・ルーピング

CO2 の他用途の開発
表 2.13 IEP(2008)の補助プログラム
テーマ領域
膜分離法
溶媒法
プロジェクト名
酸素燃焼・燃焼排ガス精製
酸素燃焼用のボイラー開発
ケミカルループ燃焼
受領側の負担
期間
Membrane Technology and Research
340万ドル
96万ドル
24ヶ月
Research Triangle Institute
190万ドル
49万ドル
24ヶ月
Georgia Tech Research Corporation
160万ドル
41万ドル
36ヶ月
GE Global Research
250万ドル
64万ドル
24ヶ月
69万ドル
34万ドル
36ヶ月
ADA-ES社
200万ドル
50万ドル
36ヶ月
SRI International
180万ドル
45万ドル
36ヶ月
TDA Research Inc.
110万ドル
28万ドル
36ヶ月
Air Products and Chemical Inc.
100万ドル
25万ドル
24ヶ月
Praxair Inc.
320万ドル
220万ドル
36ヶ月
イリノイ大学評議会
固体吸着剤
DOEの負担
Alstom Power Inc.
500万ドル
220万ドル
24ヶ月
Foster Wheeler North America
160万ドル
40万ドル
36ヶ月
Reaction Engineering International
240万ドル
62万ドル
36ヶ月
Alstom Power Inc.
500万ドル
125万ドル
24ヶ月
オハイオ州立大学研究基金
290万ドル
110万ドル
36ヶ月
(3)RCSP
RCSP(Regional Carbon Sequestration Partnership)は、炭素隔離の最新技術を推進す
るために設立した、産学官の地域別パートナーシップである。このプログラムは、2003 年
より 3 つの期間に分けて調査・実証・開発が進められている。2010 年現在は、第 3 期(2008
∼2017 年)として、異なる地層において大規模な CO2 圧入テストを計画している。
以下に、それぞれの期の概要を示す。
- 46 -
第 1 期:特性調査(Characterization Phase):2003 年 11 月∼2005 年 6 月

CO2 の発生源および貯留可能性のある地域の情報収集

DOE 資金:1,600 万ドル
第 2 期:実証段階(Validation Phase):2005 年∼2010 年

22 の注入テスト(地中隔離)、11 のフィールドテスト(陸上試験)

DOE 資金:1 億 1,200 万ドル
第 3 期:開発段階(Development Phase ):2008 年∼2017 年

各地域にて大規模な CO2 圧入(100 万 t 以上)の実験を計画

DOE 資金: 総額最大 4 億 7,000 万ドル、約 6,000~7,000 万ドル/件(プロジェクトコ
ストの約 5∼8 割)
(4)ARRA:米国再生・再投資法
ARRA(American Recovery and Reinvestment Act:米国再生・再投資法)は、総額 7,870
億ドルの景気刺激策であり、2010 年末までの 2 年間、集中的に景気対策を行うことで、雇
用創出、新規産業育成を目指している。そのうちエネルギー関連の予算には、430 億円が計
上されている。以下、図 2.33 にエネルギー関連予算の内訳を示す。エネルギー関連の予算
のうち、エネルギー効率化・再生可能エネルギー分野、グリッド分野が大きな割合を占めて
おり、次いで化石エネルギーにも 34 億ドルの予算が付けられている。その他の省エネ関連
予算として、連邦政府所有ビルの省エネ化に 45 億ドル、公共輸送に 84 億ドル、高速鉄道、
都市間旅客鉄道に 80 億ドルの予算が計上されている。
環境関連, 56.1
エネルギー効率
化・再生可能エネ
ルギー, 169
ローン保証プログ
ラム, 60
科学技術, 20
ウラン処理, 3.9
総額約430億ドル
化石エネルギー,
34
単位は億ドル
グリッド投資, 110
図 2.33 ARRA エネルギー関連予算の内訳
出所)ARRA 資料
- 47 -
化石エネルギー関連の予算は、特に、石炭をクリーンかつより効率的に利用する技術に
重点的に投資される。具体的には、ガス化技術や石炭火力発電所からの CCS 技術が主な投
資対象である。以下、図 2.34 に化石エネルギー関連予算の内訳を示す。FutureGen に割り
当てられた R&D 計画予算 10 億ドル、CCPI 第 3 ラウンドへの追加投資 8 億ドルなどが含ま
れており、CO2 回収・貯留への関心の高さが伺える。
億ドル
プログラム管理予算 0.1億ドル
40
CO2貯留のトレーニング、調査補助 0.2
億ドル
35
CO2貯留のサイト特性評価プロジェクト
0.5億ドル
30
25
産業部門の炭素回収およびエネルギー効
率改善プロジェクト 15.2億ドル
20
15
CCPI第3ラウンドへの追加投資 8億ドル
10
5
化石エネルギーR&D計画 10億ドル
0
図 2.34 ARRA 化石エネルギー関連予算の内訳
出所)DOE プレスリリース
また、本予算の中では、15.2 億ドルが産業部門の炭素回収およびエネルギー効率改善プ
ロジェクトに割り当てられている。ARRA への対応として、DOE の NETL は、「産業部門
の炭素回収」および「CO2 の有効利用」の技術に対する資金提供公募(FOA:Funding
Opportunity Announcement )を行った。産業部門からの CCS および CO2 有効利用の技術
の要件は、表 2.14 のように定められており、現在プロジェクトの選定が進んでいる。プロ
ジェクトの規模としては、要素研究であるため 1 つ当り数百万ドル規模の補助であり、民間
部門からの資金提供も求めている。
- 48 -
表 2.14 産業部門の CCS および CO2 有効利用の詳細
テーマ
詳細
【目的】
産業部門から排出されるCO2の回収・貯留の先進技術の実証
産業部門からの大規模
なCCS
【対象例】
セメントプラント、化学プラント、製油所、鉄・アルミニウムプラント、製造工場、
石油コークスや廃棄物発電所など
【目的】
CO2の有効利用のための革新的な技術の実証
CO2有効利用のための
革新的なコンセプト
【対象例】
• 排煙中もしくは空気中のCO2を直接的、間接的にカーボネートへ鉱化
• 発電所もしくは産業部門からでるCO2を藻類の発育、バイオマスに利用
• CO2を燃料もしくは化学物質に転換
出所)DOE 資料
(5)Investment Tax Credit(税優遇)・US Loan Guarantee(債務保証)
石炭火力発電所への税制優遇(Investement Tax Credit)および債務保証(US Loan
Guarantee)は、2005 年 8 月 8 日に、ブッシュ大統領の署名により正式に成立した EPA2005
(2005 年エネルギー政策法(Energy Policy Act of 2005))によって規定されている。同法
は、エネルギー安全保障を基本としており、電力関係では、①原子力再活性化、②送電線の
信頼度向上・建設促進、③再生可能エネルギー・省エネルギー支援、④業界再編の推進など
が盛り込まれている。以下、表 2.15 に示すように複数の分野にて石炭に係る法律が定めら
れている。
表 2.15 EPA2005 のタイトル
Title
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
Ⅶ
Ⅷ
Ⅸ
Ⅹ
ⅩⅠ
ⅩⅡ
ⅩⅢ
ⅩⅣ
ⅩⅤ
ⅩⅥ
ⅩⅦ
ⅩⅧ
英語
Energy Efficiency
Renewable energy
Oil and Gas
Coal
Indian Energy
Nuclear Matters
Vehicle and Fuels
Hydrogen
Research and Development
Department of Energy Management
Personnel and Training
Electricity
Energy Policy Tax Incentive
Miscellaneous
Ethanol and Motor Fuels
Climate Change
Incentive for Innovative Technologies
Studies
- 49 -
和訳
石炭政策
エネルギー効率改善
再生可能エネルギー
石油と天然ガス
石炭
○
先住民居住地域のエネルギー開発
原子力
自動車および燃料
水素
R&D
○
DOEのマネジメント改革
人材育成
電力関係
エネルギー優遇税制
○
その他
エタノールおよび自動車用燃料
気候変動
革新技術インセンティブ
○
調査研究
それぞれのタイトルにおける石炭に係る法律は、以下のように定められている。
【Title Ⅳ:石炭】
Section401

2006 年∼14 年にかけて、クリーンコールに関する調査、石炭ベースガス化技術、燃焼
技術に対して、毎年 2 億ドルを拠出
Section402

資金のうち最低 70%をガス化技術に、残りの最大 30%を他の技術に拠出
【TitleⅨ:R&D】
Section 962

石炭の R&D に対して、2007 年 3 億 6,700 万ドル、2008 年 3 億 7,600 万ドル、2009
年 3 億 9,400 万ドル(合計 11 億 3,700 万ドル)を拠出
【Title ⅩⅢ:エネルギー優遇税制】
Section 1307

Sub part Section 48 A
B
クリーンコール設備に対して 3 種類の税優遇を行う。①IGCC は 20%の投資税控除(最
大 8 億ドル)
、②先進的な石炭ベースの発電プロジェクトは 15%の税控除(最大 5 億ド
ル)、③産業部門のガス化プロジェクトは 20%の税控除(最大 3.5 億ドル)。

2008 年 6 月に①の IGCC に対する投資税控除は、20%から 30%に引き上げられた(最
大 12.5 億ドル)。
【TitleⅩⅦ:革新技術インセンティブ】
Section1702

大気汚染物質や温室効果ガスの排出を削減するプロジェクトや革新的な技術を使用す
るプロジェクトに対して費用の最高 80%までの貸付を DOE 長官が保証する。
税制優遇については、タイトル XⅢで定められており、債務保証については、タイトル X
Ⅳで定められている。税制優遇と債務保証の特徴について、表 2.16 に示す。
表 2.16 税制優遇と債務保証の特徴
資金の出し手
総資産
負債
純資産
 レンダー(融資銀行団)
政府補助
Loan Guarantee
 各国政策投資銀行
(債務保証)
 民間銀行
など
プロジェクトの総コストの
最大80%の債務保証を
DOEの長官が行う。
 スポンサー
Investment Tax Credit
 電力事業者/IPP事業者
(税控除)
 商社
設備の投資額に対して税
控除を行う。
 Tax Equity Fund
など
- 50 -
出資・融資のインセンティブ
債権回収リスクが低減され
る。
利益の大きな投資家にとっ
ては、法人税額が控除され
るため、投資へのインセン
ティブとなる
米国では、プロジェクトに対して複数のインセンティブが設けられている。一般的な補助
金は、プロジェクト全体の実現可能性を高めるのに対して、税制優遇や税控除は、プロジェ
クトの出資者に対するインセンティブであり、債務保証は、プロジェクトの債権者に対する
インセンティブとなる。これらのインセンティブを組み合わせることで、プロジェクトの出
資者、債権者共に金銭的なインセンティブを与え、プロジェクトの実行を後押しする効果が
ある。このような複数のインセンティブの設定は、英国やドイツで見られず、米国の特徴と
言える。
以下に、税制優遇のプログラムの詳細について述べる。税制優遇は、2006 年の第 1 ラウ
ンドより現在第 3 ラウンドまで進められている。2008 年の ARRA を受けて、プログラムの
見直し、追加が行われている。
【Round1(2006-2007)】

10 億ドル分の税控除を割当。

2006 年 11 月に 7 つの候補プロジェクトが発表された。
【Round2(2007-2008)
】

6.5 億ドル分の税控除を割当。

現在発表されているプロジェクトは、

Excelsior Energy: Mesaba Energy project 亜瀝青炭の IGCC に 1.33 億ドル(1 プ
ロジェクト)

先進的な燃焼技術に 1.25 億ドル(1 プロジェクト)
【Round3(2008-2009)
】

残りの 3.92 億ドル分の税控除を割当。

割当が検討されているプロジェクトは、

IGCC プロジェクト

亜瀝青炭 IGCC

褐炭 IGCC

先進的な燃焼技術
2.67 億ドル(2 プロジェクト)
1.335 億ドル
1.335 億ドル
1.25 億ドル(1 プロジェクト)
ただし、ARRA による税制優遇の追加を受けて、具体的なプロジェクトはまだ発表されて
いない。以下に ARRA による追加を示す。
【Sec 48A への追加】

IGCC に対する投資税控除は、20%から 30%に引き上げ(最大 12.5 億ドル)

プロジェクトは、65%の CO2 回収を義務付け
【Sec 48B への追加】

ガス化プロジェクトに対して 2.5 億ドルの税控除を新設

投資税控除率を 30%に引き上げ

プロジェクトは、65%の CO2 回収を義務付け
- 51 -
【Sec 48Q を追加】
 CO2 回収を追加
 回収・貯留もしくは利用された CO2 に対しても税制優遇を行う

含塩層または採掘不可能な炭層に貯留された CO2 は、20 ドル/トンで税制優遇

EOR または EGR に利用された CO2 は、10 ドル/トン
 課税年度中に 50 万トン以上回収が条件となり、合計で 7,500 万トンまでが対象
また、債務保証プログラムについても、表 2.17 のようなスキームでプロジェクトが選定
されている。2008 年の ARRA によって、臨時の債務保証が認められており、現在審査が進
められているところと見られる。
表 2.17 債務保証プログラム
第1回公募 2007年10月
第2回公募 2008年6月
第3回公募 2008年9月
総額20億ドル
総額305億ドル
総額80億ドル
先進的エネルギー技術の各分野
第1回公募に以下の3種類の公募を追加
 対象は、バイオマス、化石エネルギー、太陽エネル
ギー、工業エネルギー効率、electricity delivery
and energy reliability、水素、代替燃料自動車
 143プロジェクト、総額270億ドルの債務保証の事前
申請があった
 省エネ、新エネ、先進的送配電技術に対して最大
100億ドル
 原子力発電設備に対して最大185億ドル
 核燃料サイクルのフロントエンドのための先進的原
子力設備に対して最大20億ドル
石炭火力発電所、工業ガス化設備、先進
的な石炭ガス化設備の先進技術
予算総額
対象
16のプロジェクトが本申請対象に
選定され、現在審査中
現状
2.3.4
 先進化石エネルギープロジェクト(3件)、工業エネル
ギー効率(2件)、太陽エネルギー(2件)、 送配電・
信頼性 (1件)、水素(1件)、代替燃料車(1件)、バ
イオマス(6件)
 先進化石エネルギープロジェクトには、①Mesaba
Energy Project(IGCC) 、②Mississippi Power
Company(IGCC)、③TX Energy(石炭シンガス化
IGCC)が選定された
 炭素隔離・貯留(CCS)や他の炭素排出削減技術を
石炭火力発電所やガス化設備に導入するプロジェ
クトに対して60億ドル
 石炭をクリーンに電気、水素、その他のエネルギー
製品に変換する最新の石炭ガス化プロジェクトに対
して20億ドル
現在審査中と見られる
現在審査中と見られる
 省エネ、新エネ、先進的送配電技術に対しての公募
は、締め切りが2008年12月から2009年2月に延長
 第一段階の公募締め切りは、2008年12月、第
二段階の公募の締め切りは、2009年3月に設
定されている
 第一段階の原子力発電設備に対しての公募は、17
の電力会社から19のプロジェクトの申請があり、現
在審査中と見られる
 2009年6月に最終候補プロジェクトが決定予
定であった
まとめ
欧州では、実証実験を後押しするための産業界のコンソーシアムである ZEP が、それぞ
れの業界のコンセンサスを取りながら、実現性の高い実証スケジュール、実証実験案を提案
している。EU としても EERP による 10 億ユーロの補助金や NER300 による、実証実験の後
押しを検討している。一方、米国では、FutureGen や CCPI への支援など、大規模な予算を組
んでの実証実験の後押しを進めている。EU でさえ、米国に比べれば「議論ばかりで前に進ん
でいない」との声が聞こえている。
2008 年の経済危機以降、プロジェクトに遅延が見られている現状では、実証実験のポート
フォリオを重視し、効率よく支援・補助をつけることにより、実証実験を加速させることが
重要になると考えられる。
- 52 -
2.4
石炭火力発電に依存する主な世界の電力会社の高効率石炭火力 CCS 技術開発全体動向
ここでは、現在世界で進行中のプロジェクトの動向について述べる。特に、CCS 技術の商
業化に向けて大きな役割を果たすと考えられている米国 FutureGen および英国 DECC の補
助プロジェクトの動向について述べる。また、2009 年に補助が発表されプロジェクトの実
現可能性が高まった EERP の対象プロジェクト、GCCSI(Global CCS Institute)が実現性
の高いプロジェクトとして選定したプロジェクトの概要について述べる。
2.4.1
米国 FutureGen の動向
米国の FutreGen プロジェクトは、2003 年の計画開始当初は、DOE が主体となり、10
年間で 10 億ドルの予算で、技術開発の実験設備として、275MW 規模のゼロエミッション
石炭ガス化発電プラントを 1 ヶ所建設する計画であった。しかし、CCS 技術が進歩したこ
とや、当初の見積に比べて、大幅に超過したこと等を受け、2008 年に計画を大幅に再構築
した。計画の見直しにより、300MW 以上の商業規模の複数の IGCC 等のプロジェクトにお
いて、最新の CCS 技術を実証することが目的となり、IGCC プラント他の CCS 設置に対し
て、資金提供を方針となった。計画変更後の主な目的、条件は以下である。

300MW 以上の発電設備で、約 90%の CO2 を回収・貯留

実証実験を 2015 年 12 月 31 日までに開始

ガス化炉から発生するエネルギーの 50%以上を発電に使用

プロジェクトサイトは、貯留に適した地層の近傍

年間 100 万 t 以上の CO2 を貯留

設計炭として、米国炭を 75%以上使用

複数のプロジェクトに対して最大 13 億ドル(助成金は 1∼6 億ドル)
FutreGen プロジェクトを運営している FutureGen Industiral Alliance は、非営利組織で
あり、電力・石炭・重電メーカーを中心に構成されている。参加企業は、直接の財務リター
ンは受け取らず、売電や売却できる副生成物による収入は、全て非営利の FutureGen
Alliance に帰するという条件が設定されている。プロジェクトを非営利とすることで、より
リスクの高い技術や先進技術を採用できるというメリットがあると考えられている。
FutureGen Industial Allianc は、官民のコンソーシアムと言う形を取っており、Alliance
は、設計、建築、オペレーションの責任を負い、DOE は、独立した監督業務と他国政府の
参加をコーディネートする責任を負う。
現在、FutureGen の投資総額は、約 15 億ドルと見積もられている。うち、DOE が ARRA
(American Recovery and Reinvestment Act:アメリカの経済回復・再投資法案)予算よ
り 10 億ドルを負担、残りを Alliance が負担することが検討されている。Alliance のメンバ
ーは、4~6 年で合計 4∼6 億ドルほど出資することを想定しており、目標とする参加企業は、
- 53 -
20 社程度で、20 社が参加した場合に 1 社 2,000 万∼3,000 万ドルを平等に出資するという
計画を持っている。
建設後の FutureGen の施設については、DOE との公式な提携の上では、Alliance は、4~6
年程度の施設のオペレーションが期待されているが、それよりも長い期間運用することを計
画している。FutureGen は、重要な R&D 施設になりうるため、Alliance は、FutureGen
を自立運営できる R&D 施設にしていきたいと考えている。FutureGen を、自立運営できる
ようにする施策は、現在検討中であるが、一般の商業用発電所と同様に 30-50 年の使用を見
込んでいる。
2010 年 2 月現在、正式に Alliance に参加している企業は、石炭会社、電力会社を中心と
した 9 社である。以下、表 2.18 に Alliance への参加企業を示す。
表 2.18 FutureGen Indsutrial Alliance への参加企業
企業名
区分
本社所在地
Anglo American
石炭
英国ロンドン
BHP Billiton
石炭
豪州メルボルン
中国華能集団公司
電力
中国 北京
CONSOL Energy
石炭
米国ペンシルバニア
E.ON U.S.
電力
米国ケンタッキー
Alpha Natural Resources
石炭
米国メリーランド
Peabody Energy
石炭
米国ミズーリ
Rio Tinto Energy America
石炭
米国ワイオミング
Xstrata Coal
石炭
豪州シドニー
出所)FutureGen Alliance
2007 年時は、AEP(電力)、Luminant(電力)、PPL(電力)、Southern Company(電
力のような大手電力会社を含めた最大 13 社が参加していたが、2008 年に Luminant と PPL
が、2009 年 7 月 1 日に AEP と Southern Company が脱退を表明したため、現在は、石炭
会社が多数を占めている。2009 年 7 月に脱退を表明した AEP と Southern Company は、
それぞれ自身の計画への注力を理由として脱退を表明した。AEP は、West Virginia 州の発
電所を含む他の CO2 回収プロジェクトに資源を投入することを発表した。2009 年 9 月より、
- 54 -
Mountaineer 石炭火力発電所で CO2 の回収・貯留が始まる計画で、165,000t/y で貯留を行
う。Southern Company は、2011 年より、DOE と三菱重工業と提携し、自社の 2,525MW
の Barry 発電所から発生する CO2 の一部を回収する計画である。Southern Company は、
CO2 回収技術が研究開発される DOE の National Carbon Capture Center の管理・運営も
行うため、FutureGen よりもそれらを優先し、CCS に関する技術・知見の獲得を目指して
いると見られる。
2007 年時より、参加企業が減少し、構成が変更されたものの、米国政府としては計画を
後押しする方針にある。2009 年 6 月 12 日には、米国 DOE の Chu 長官は、FutureGen プ
ロジェクトの建設を進めるという FutureGen Alliance との協定を発表した。DOE と
FutureGen Alliance 間で結ばれた暫定協定条項に基づき、DOE は 7 月中旬までにプロジェ
クトの決定記録(Record of Decision) を発行し、2009 年 7 月末から 2010 年初旬にかけて次
の業務を行うとしている。

予備設計の早急な再開

プロジェクトサイト特有の予備設計とコスト積算のアップデート

Alliance スポンサーグループの拡大

全体資金計画の策定

地下性状の追加評価
詳細なコスト積算と資金調達のあと、DOE と FutureGen Alliance は、2010 年初旬にプ
ロジェクトの続行・中止を決定する。
また、2009 年 7 月には、DOE は、国家環境政策法(National Environment Policy Act:
NEPA)の決定記録を FutureGen に対して発行した。 これにより、DOE は、FutureGen
に対して 10.73 億ドルを保証し、そのうち 10 億ドルは ARRA の CCS に関する研究費より
割り当てられることになる。
しかし、2009 年 7 月の国家環境政策法の決定直後に、AEP と Southern Company が
Alliance より脱退を表明するなど、10 億ドルの予算割り当てが見込まれるものの、
FutureGen の実現可能性には依然不透明性がある。
その後、Alliance からの参加企業拡大の働きかけを受け、Exelon が 2010 年 1 月 30 日に
FutureGen に加盟する意思を表明し、Caterpillar 社が 2010 年 2 月 8 日に FutureGen に加
盟する意思を表明した。FutureGen Industrial Alliance が当初目標としていた 20 社の参加
には及ばないが、有力な企業の参加により来年度以降 FutureGen プロジェクトが具体的に
動き出す可能性はある。Alliance としては、2010 年 2 月末を目処に方針を決定したいとし
ており、2010 年 3 月以降、プロジェクトの存続を含めて方針が発表されると見られる。
- 55 -
2.4.2
英国におけるプロジェクトの動向
(1)英国 DECC 候補プロジェクトの動向
英国では、2007 年 3 月に石炭火力発電所の CCS プレジェクトのコンペを発表した。目的
としては、英国の商業規模の火力発電所において、世界市場に移転可能な CCS 技術を実証
することをとしており、当初は、2009 年半ばに採択プロジェクトが決定し、2014 年までに
運転開始をする計画であった。対象となるプロジェクトは、300MW 以上の石炭火力発電所
において、燃焼後回収のみとされている。2008 年 7 月に以下の 4 つのプロジェクトに絞り
込まれた。

E.ON UK : Kingsnorth project (2009 年 10 月に延期を発表)

Peel Power : Hunterston project (2008 年 12 月に RWE npower が買収)

Scottish power : Longannet project

BP Alternative Energy International(選定後、2008 年 11 月に辞退)
当初、2009 年半ばにプロジェクトの決定を予定していたが、計画は遅延しており、2010
年 2 月現在では、プロジェクトは決定していない。現状では、E.ON は、コンペから降りる
意思はないものの、Kingsnorth 発電所建設を最大 2∼3 年間は凍結すると発表したため、
Scottish Power によるプロジェクトが最有力とは見られているものの、最終決定には至って
いない。両社の電力事業におけるのポジションや補助を行った場合の経済への効果、さらに
オペレーションの経験や実証によって得られた知見シェアの体制・方針も含めて選考が行わ
れている。
コンペで選定されたプロジェクトへの補助については、CO2 の回収と貯留に関わる費用の
初期費用、オペレーション費用の全て(100%)を英国政府が補助する計画である。オペレ
ーションの期間については、15 年間を想定しており、2,000 万トンの CO2 貯留に相当する
と考えている。プロジェクトの選定後、補助金額を確定するために、最大 9,000 万ポンドを
費やして FEED を行うことを計画している。FEED の結果を元に、通常のプラントの建設
費用と CO2 の回収と貯留に関わる費用の初期費用、オペレーション費用を切り分け、補助
金額を設定するとしている。ただし、オペレーション終了後のデコミッションの問題など、
まだ解決すべき課題は多いと考えている。
加えて英国政府では、燃焼後回収に限らずさらに最大 3 つ(2007 年からのコンペを含め
ると最大 4 つ)のプロジェクトへの補助を検討している。この補助プロジェクトでは、燃焼
前回収、酸素燃焼も候補として考えられている。補助の方法については、CO2 回収設備を導
入することによって、排出を避けることができた CO2 の量に応じて補助金を支払う計画で
ある。ただし、特にオペレーションで得られた経験に由来する知見の共有は必要であるとい
う条件も付けることを考えているため、一概に CO2 トン当たりの価格分を補助という簡単
なスキームには出来ないと考えている。
- 56 -
(2) 英国の政策動向
英国では、ドイツやオランダを始めとする他国と異なり、CCS の PA についてはほとんど
問題視されていないため、よりプロジェクト実現の可能性は高いと見られる。英国では北海
と言う貯留場所があり、また、排出源も英国の東海岸沿いに多いため、パイプラインも短く
て済むというメリットがある。
このような背景を受け、英国では今後も積極的にクリーンコールを進めていく方針にある。
クリーンコール・CCS に関するコアな技術を持たない英国としては、規制やルールをあらか
じめ導入することで、政策主導により CCS 技術を普及させたいと考えている。
英国政府では、2009 年 11 月 9 日に、クリーンコールに関する新しい政策フレームワーク
を発表した。フレームワークは、電力部門の脱炭素化、2050 年の気候に関する目標達成に
貢献するために設計された。
フレームワークの目標
フレームワークの中の Energy Bill(エネルギー法案)では、最大 4 つの商業規模の CCS
デモプロジェクトをサポートする新しい CCS インセンティブのメカニズムのためのフレー
ムワークが、新たに盛り込まれている。このインセンティブは、以下の 2 つの要素からなる。

電力供給事業者が支払う電力供給に対する課徴金

選定された CCS プロジェクトに資金を支払うためのメカニズム
課徴金の徴収と資金の支払いは、Ofgem(Office for Gas and Electricity Markets:英国
電気ガス規制局)によって管理される。なお、プロジェクトの選定は政府によって行われる。
エネルギー法案の条項では、政府に対して、①課徴金に根拠を与える詳細な取決めを規定し、
②CCS プロジェクトに対する資金の支払いを管理する委任立法を提出する権限を与えてい
る。また、CCS 実証プロジェクトに対する支援制度では、CCS プロジェクトの取決めを設
計する手段を規定している。
新たなフレームワークを通して達成されるべき項目として、最大 4 つの商業規模の CCS
デモプロジェクト、そして潜在的には 2025 年までに最大 4 つの完全に CCS 可能な石炭火力
発電の建設することで、英国を世界の CCS 開発の最前線へと押し上げるということを想定
している。
スケジュール
議会の承認を条件として、今後のスケジュールは、以下を想定している。
1.
現在(2009 年冬)
:政府が、CCS に対するインセンティブを開発しながら、現在進行
中のステークホルダーとの取組みを続ける
2.
2010 年夏:委任立法も含めて、メカニズムの詳細の公式諮問を行う。
- 57 -
3.
2010 年秋:委任立法を提出する。
4.
2011 年春:CCS インセンティブが施行。
CCS の課徴金
法案では、電力供給に対して課される CCS の課徴金(The CCS Levy)を新たに設置する
ことになっている。この課徴金は、電力供給事業者が英国(GB:グレートブリテン)の電
力供給市場におけるシェアに基づいた額を政府、Ofgem に対して支払うことを想定している。
課徴金の詳細は、2010 年夏の諮問文書のテーマとなる規制を通じて定められる。法案内
で設定されているフレームワークでは、これらの規制が、課徴金の詳細設計に関する全ての
検討項目を対象とすることを認めている。課徴金の詳細設計とは、例えば、課徴金のレート
や頻度、課徴金の対象となる電力供給源や供給事業者のタイプに応じたスコープ、またその
一般管理が挙げられる。
CCS プロジェクトに対するインセンティブの支払い
法案では、CCS 実証プロジェクトに対して資金を与える支援制度に関するフレームワーク
を整備している。これらの支援制度は、通常の契約と同様に機能すると同時に、規制では、
CCS プロジェクトが稼動し、資金を得るのかと言う詳細な取決めが設定される。この支援制
度は、以下のような論点に関する条項も含んでいる。

支援されるプロジェクトの詳細

支援のレベル

得られた知識・知見のシェア

進捗状況の監視を含む一般管理の制度
これらの制度の詳細は、一部規制において設定され、2010 年夏の課徴金に関する諮問文
書と同時に一般から意見を求める予定である。また、前述のように CCS インセンティブの
支払いは、そのプロジェクトによって排出を避けることができた CO2 の量に応じて設定さ
れる計画である。
CCS プロジェクトの選定
CCS のインセンティブについての 3 つ目の重要事項は、プロジェクトの選定である。プ
ロジェクトは、コンペを通じて政府に選定さる。コンペの詳細な種類は、プロジェクトに関
する諮問文書の主要なテーマとなる予定である。このプログラムでは、最大 2 件の年少後会
衆の実証に加えて、酸素燃焼も含めて燃焼前回収と燃焼後回収の回収技術を実証することを
検討している。政府は、2010 年末までにさらなる CCS プロジェクト選定のためのコンペを
開始し、2011 年中に選定プロセスを完了することを目指している。
- 58 -
2.4.3
プロジェクトの各論
ここでは、現在世界で進められている個々のプロジェクトの概要について述べる。今後、
実現する可能性が高いプロジェクトとして、先述した欧州 EERP の対象となったプロジェク
トおよび GCCSI から選定されたプロジェクトについて紹介する。
(1)EERP 対象プロジェクト
先述のように 2009 年 10 月に、EU より 10.5 億ユーロの予算が拠出され、ドイツ、オラ
ンダ、ポーランド、スペイン、英国、イタリア、フランスのプロジェクトに対して、それぞ
れ 1.8 億ユーロ程度ずつ割り当てられる。表 2.9 に示したプロジェクトのうち、フランスの
鉄鋼プラントを CO2 源とする Florange 以外の以下のプロジェクトについて、次項以降にて
概要を述べる。

Janschwalde (ドイツ)
Vattenfall

Rotterdam
(オランダ)
E.ON、Electrabel

Belchatow
(ポーランド)

Compostilla (スペイン)

Hatfield (英国)

Porto Tolle (イタリア)
前述のように、以下のプロジェクトは、各国から出された候補を元に、実現可能性の高さ、
経済回復への貢献などを基準として選ばれた。そのため、EU 全体で見た場合、必ずしもプ
ロジェクトの技術に関するポートフォリオを強く意識して、選択したものではない。
- 59 -
Jänschwalde(ドイツ)
 本プロジェクトは、250MWe×2基のプラントに対して、CCSを導入する実証プロジェクトである。
 一方は、既存ボイラーを新たに酸素燃焼方式用に交換し、もう一方は、燃焼後回収方式にレトロフィットされ
る計画である。
 2015年の運転開始を計画している。2008年半ばよりFS、2009年初より詳細な計画及び、許認可申請を行
い、2011年より建設を開始する予定である。
-60-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
補助金額
:
:
:
:
Vattenfall
−
N/A
EERPより180M€
発電出力
: 250MWe×2
(酸素燃焼方式、燃焼後回収のダブルデモプロ
ジェクトである。)
燃料
: 褐炭
貯留方法
: N/A
貯留量
: N/A
出所) http://www.vattenfall.com/www/co2_en/co2_en/index.jsp
60
Rotterdam (オランダ)
 E.ONは、2009年2月にRotterdam Climate Initiative(RCI)と共同で、CCS実証を行う計画を発表した。
 1100MWのMaasvlakte発電所の建設を開始しており、2012年の運転開始を計画している。
-61-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: E.ON
: Nuon
: 1.2B€
補助は、EERPより180M€
発電出力
燃料
貯留方法
貯留量
:
:
:
:
1100MW
石炭、バイオマス
N/A
N/A
出所) http://www.eon-benelux.com/eonwww/publishing.nsf/Content/20080416E.ON+start+bouw+nieuwe+centrale+Maasvlakte_English
http://www.co2-cato.nl/cato-2/locations/regions/western-netherlands/eon-maasvlakte
61
Belchatow(ポーランド)
 本プロジェクトでは、ポーランドの電力会社PGE ElectrowniaとAlstomが、燃焼後回収方式の実証プロジェ
クトである。
 回収技術は、先進的なアミン法(Advanced Amine Post Combustion)を採用する。
 第一フェーズでは、2011年に開始し、10万t/yのCO2を回収する。第二フェーズでは、新規に建設される石
炭火力発電所に適用され、2013年の運転開始を目指している。
-62-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: PGE Electrownia
: Alstom
: N/A
補助は、EERPより180M€
発電出力
: 858MW
燃料
: 褐炭
貯留方法
: 地下貯留
貯留量
: 10万t/y
(回収キャパシティは、180万t/y)
http://www.jcoal.or.jp/jcoalmm/JM-029.pdf
http://www.power.alstom.com/home/about_us/clean_power_today/carbon_capture_storage_ccs/pilots_and_demonstrations/50497.EN.php
62
Compestilla(スペイン)
 Endesaとスペイン政府が出資するRD&D機関CIUDENは、ジョイントベンチャーにより酸素燃焼(CFB:
Circulating Fluidized Bed )の実証プロジェクトを行う。
 CO2回収ユニットは、2010年5月の開始を目指しており、2013年半ばまでに貯留の開始を目指している。
-63-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: Endesa
: CIUDEN(スペインのRD&D機関)
: N/A
補助は、EERPより180M€
発電出力
燃料
: 500MWth
: ANT BIT PETCOKE
(無煙炭、瀝青炭、石油コークスの意?)
: N/A
: N/A
: N/A
輸送方法
貯留方法
貯留量
出所)http://www.bellona.org/news/news_2009/spai_ccs
63
Hatfield(英)
 本プロジェクトは、900MWeのIGCCデモプラントの建設を目標としている。
 Powerfuelが事業主体となり、Shellがガス化技術の提供、GE EnergyがST・GT技術を提供する。
 2011年に運転開始を計画しており、2013年にシンガス運転に転換される予定である。
 GE Energyのタービン技術では、まずCCGT(Combined Cycle Gas Turbine)プラントを導入し、その後段階的に、シ
ンガスプラント(Gasification Island)への転換が可能である。
-64-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
発電出力
燃料
輸送方法
貯留方法
貯留量
: Powerfuel
: Shell、GE Energy
: 1G GBP
補助は、EERPより180M€
: 900MWe
: 石炭
: N/A
: EOR
: N/A
出所) http://www.powerfuel.plc.uk/id15.html
64
Porto Tolle(イタリア)
 本プロジェクトは、EnelのEnel CCS1であり、レトロフィットの燃焼後回収によるCO2回収技術の検証と商業
化を目的としている。
 660MWの石炭火力発電所をPorto Tolleに建設することを計画している。
 2015年のCO2貯留開始を計画している。
-65プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: Enel
: N/A
: N/A
補助は、EERPより180M€
発電出力
燃料
輸送方法
貯留場所
貯留量
:
:
:
:
:
660MW
瀝青炭
N/A
深部塩水帯水層
150万t/y
出所)http://www.lct-italyusa.com/en/data/PASINI.pdf
65
(2)GCCSI 選定プロジェクト
GCCSI では、2009 年 3 月より現在世界中で行われている CCS に関するプロジェクトの
調査を行った。参考文献として、Worley Parsons、Schlumberger、EPRI,MIT の CCS に関
するデータベース、また GCCSI のメンバーや政府、NGO、ベンダーへのヒアリングを通じ
て、499 件のプロジェクトを抽出し、商業規模のプロジェクトを 275 件抽出した。以下の 2
点を商業規模の定義としている。

発電所または産業用途からの 25,000tpa-CO2 以上の排出量で、機器、システム、プロ
セスの改良を目指した CCS のソリューションであること

学術研究や単なるリサーチのためのプロジェクトではないこと
抽出された 275 件のプロジェクトの内訳は図 2.35 に示す。275 件のプロジェクトのうち、
実行中・もしくは計画中のプロジェクトは 213 件であり、その内、62 件が CO2 の回収・貯
留を共に行うプロジェクトである。なお、CO2 の発生源は、石炭火力発電に限らない。
図 2.35
GCCSI が抽出したプロジェクト
出所)GCCSI レポート:Strategic Analysis of the Global
Capture and Storage
- 66 -
Status of Carbon
62 件のプロジェクトの地域別のステータスは、
図 2.36 のようになっている。
また、各ステータスの定義を表 2.19 に示した。現状では、実現可能性が高いと
見られているプロジェクトでも、計画・評価段階のプロジェクトが多いことが
分かる。
25
20
15
10
5
0
計画中
(Identify)
評価中
(Evaluate)
詳細化
(Define)
1
4
12
2
5
2
1
3
1
4
7
1
4
米国
中東
欧州
東欧
東アジア(日本のぞく)
中国
カナダ
豪州・ニュージーランド
アフリカ
1
2
2
1
実行中
(Execute)
運転中
(Operate)
3
2
2
1
1
図 2.36 プロジェクトの地域別のステータス
出所)GCCSI レポート
表 2.19 ステータスの定義
計画中
(Identify)
各ステータ
スの目標
実行する
事項
評価中
(Evaluate)
詳細化
(Define)
プロジェクトの基本
的なスコープと事
業戦略を策定
開発オプションと
実行戦略の評価
スコープと実行計
画を決定
• 研究事例のス
コープを決め、ス
クリーニング
• ビジネスモデル
を策定
• プレFS
• 概念設計
• コスト試算
• 契約に関する計
画
• FS
• FEED
• コスト計算
• 実行計画
- 67 -
実行中
(Execute)
施設の建設
• 詳細なエンジニ
アリング
• EPC
• プロジェクトマネ
ジメント契約
運転中
(Operate)
運転、メンテナンス
と改善
• 未利用施設のプ
ロジェクト
• プロジェクトポー
トフォリオの作成
• 設備の管理
• ビジネスの改善
• O&M
62 件のプロジェクトについて、燃料種別のプロジェクト構成を図 2.37 に示す。石炭には、
石炭・バイオマス、石炭・石油コークスのプロジェクトも含まれる。石炭火力発電由来の
CO2 回収・貯留プロジェクトとしては、以下の 39 のプロジェクトの実現性が高いと GCCSI
は、判断していることが分かる。
その他, 2
石油精製, 4
合成天然ガス, 1
天然ガス, 6
ガス精製, 8
石炭, 39
CTL, 2
図 2.37 プロジェクトの燃料種別内訳
出所)GCCSI レポート
次項、表 2.20 に、GCCSI 選定の CO2 回収・貯留プロジェクトの一覧を示す。ハッチが
けを施したプロジェクトが石炭火力発電由来の CO2 の回収・貯留を行うプロジェクトであ
る。石炭火力発電由来のプロジェクトの詳細について 67 ページ以下にまとめる。なお、No.13
Rotterdam Afvang en Opslag Demo のプロジェクトおよび N.18 の SEI - Saline Joniche
については、プロジェクトの詳細が不明であった。
2.4.4
まとめ
本章では、米国の FutureGen と英国のコンペ、実現性の高いプロジェクトとして EERP
の候補プロジェクトと GCCSI のプロジェクトを紹介した。米国、英国では、実証実験を通
じた技術の開発に加えて、オペレーションで得られた知見の共有も実証の大きな目的となっ
ている。今後、商業規模に近い規模でのプロジェクトが多数検討されている中、補助のあり
方に加え、効率的な要素技術の開発と知見の共有が重要になると考えられる。
- 68 -
表 2.20
-69-
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
GCCSI 選定 CO2 回収・貯留プロジェクト一覧
運転開始
プロジェクト
容量
燃料種
予定
ステータス
AEP Northeastern CO2 Capture Project 米
2011
200MW
石炭
計画中
Sargas Husnes ノルウェー
2012
4x100MW
石炭
計画中
Karsto
ノルウェー
2012
420MW
天然ガス
計画中
Rotterdam CGEN 蘭
2014
450MW
石炭・バイオマス・水素
計画中
Lassie 豪
2015
種種
計画中
Ledvice チェコ
2015
660MW
石炭
計画中
Siekierki
ポーランド
2015
480MW
石炭
計画中
Janschwalde
独
2015
250MW、125MW
石炭
計画中
Shell/Essent Project 蘭
2015
450-1,000MW
石炭・バイオマス
計画中
石炭・バイオマス・天然ガス 計画中
Nuon Magnum
蘭
2015
1,200MW
Compostilla Project
スペイン
2015
300MW
石炭
計画中
Porto Tolle
イタリア
2015
3x660MW
石炭
計画中
Rotterdam Afvang en Opslag Demo
蘭
2015
250MW、125MW
石炭・バイオマス
計画中
FuturGas
豪
2017
CTL
計画中
Yulin Chemical Plant
中国
未定
CTL
計画中
BKK Gasskraftverk Mongstad ノルウェー
未定
450MW
天然ガス
計画中
Kalundborg
デンマーク
未定
600MW
石炭
計画中
SEI - Saline Joniche
イタリア
未定
1,320MW
石炭
計画中
Tilbury Clean Coal Power Station 英
未定
300MW
石炭・バイオマス
計画中
PCOR Ft Nelson カナダ
2011
ガス精製
評価中
Bintulu
マレーシア
2011
天然ガス
評価中
W.A. Parish 米
2012
125MW
石炭
評価中
HYPOGEN ノルウェー
2014
400MW
石炭・天然ガス・水素
評価中
Tenaska
米
2014
600MW
石炭
評価中
Taylorville IGCC 米
2014
500-525MW
石炭
評価中
Kingsnorth
英
2014
300-400MW
石炭
評価中
Hatfield 英
2014
900MW
石炭
評価中
ZeroGen
豪
2015
400MW
石炭
評価中
Browse LNG
豪
2015
天然ガス
評価中
Wandoan Power 豪
2015
400MW
石炭
評価中
Kedzierzyn
ポーランド
2015
300MW
石炭・バイオマス
評価中
Belchatow
ポーランド
2015
858MW
石炭
評価中
FINNCAP - Meri Pori フィンランド
2015
565MW
石炭
評価中
Eston Grange
英
2015
850MW
石炭・石油コークス
評価中
Southern California Edison IGCC 米
2017
600MW
石炭
評価中
GreenGen
中国
2020
400MW
石炭
評価中
Coolimba
豪
未定
2x200または3x150MW
石炭
評価中
Dongguan
中国
未定
800MW
石炭
評価中
Lianyungang
中国
未定
1,200MW
石炭
評価中
SWP Entrada 米
2009
ガス精製
詳細化
Lockwood Gasification 米
再構築中
合成天然ガス
詳細化
Antelope Valley and Williston Basin
米
2012
120MW
石炭
詳細化
Masdar UAE
2013
水素
詳細化
Aalborg (Nordjyllandsvaerket)
デンマーク
2014
石炭
詳細化
Longannet スコットランド
2014
4x600MW
石炭・バイオマス
詳細化
Gorgon Project
豪
2015
天然ガス
詳細化
Genesee CCS Project カナダ
2015
252MW
石炭
詳細化
RWE Goldenbergwerk (Huerth)
独
2015
360MW
石炭
詳細化
HECA IGCC
米
2015
390MW
石炭・石油コークス
詳細化
FutureGen
米
2018
300MW
石炭
詳細化
Quest CCS Project カナダ
未定
石油精製
詳細化
SWP Deep Saline Sequestration 米
未定
ガス精製
詳細化
Big Sky Development Test (Moxa Arch) 米
未定
石油・天然ガス
詳細化
Husky CO2 Injection
カナダ
2012
石油精製
実行中
Enhance Energy パイプライン and EOR Project カナダ
未定
肥料・石油精製
実行中
Rangely EOR Project 米
1986
ガス精製
運転中
Sleipner
ノルウェー
1996
ガス精製
運転中
Val Verde CO2 パイプライン 米
1998
ガス精製
運転中
Weyburn Operations カナダ
2000
石炭ガス化(褐炭)
運転中
In Salah
アルジェリア
2004
ガス精製
運転中
Salt Creek EOR 米
2006
ガス精製
運転中
Snøhvit CO2 Injection
ノルウェー
2007
天然ガス
運転中
No プロジェクト名
国名
69
回収タイプ
燃焼後回収
燃焼後回収
燃焼後回収
燃焼前回収
種種
燃焼後回収
燃焼後回収
酸素燃焼・燃焼後回収
燃焼前回収
燃焼前回収
酸素燃焼
燃焼後回収
燃焼後回収
燃焼前回収
燃焼前回収
燃焼後回収
燃焼後回収
燃焼後回収
燃焼後回収
ガス精製
ガス精製
燃焼後回収
燃焼前回収
燃焼後回収
燃焼前回収
燃焼後回収
燃焼前回収
燃焼前回収
ガス精製
燃焼前回収
燃焼前回収
燃焼後回収
燃焼後回収
燃焼前回収
燃焼前回収
燃焼前回収
燃焼後回収
燃焼前回収
燃焼前・燃焼後回収
ガス精製
燃焼前回収
燃焼後回収
燃焼後回収
燃焼後回収
燃焼後回収
ガス精製
燃焼前回収
燃焼前回収
燃焼前回収
燃焼前回収
石油精製
ガス精製
石油精製
石油精製
石油精製
ガス精製
ガス精製
ガス精製
燃焼前回収
ガス精製
ガス精製
ガス精製
輸送タイプ
貯留タイプ
CO2貯留量
パイプライン
EOR
1.5 Mtpa
未定
EOR
2.6 Mtpa
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.0 Mtpa
パイプライン / 船舶
EGRまたは地質学貯留
2.5 Mtpa
パイプライン
地質学貯留
>1.0 Mtpa
パイプライン
地質学貯留
1.1 Mtpa
パイプライン
地質学貯留
2.5 Mtpa
地質学貯留 (塩水帯水層) 1.8 Mtpa (Oxyfiring)
150 km パイプライン
パイプライン
地質学貯留 (枯渇油田・ガス田)
2.0-4.0 Mtpa
パイプライン
地質学貯留 (枯渇ガス田)
2.0 Mtpa
80-90 km パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
未定
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.0 Mtpa
地質学貯留 (枯渇油田・ガス田)
1.1 Mtpa
25 km パイプライン
80-200 km パイプライン
地質学貯留
1.6 Mtpa
パイプライン
未定
5.0‒10.0 Mtpa
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.0 Mtpa
未定
地質学貯留 (塩水帯水層)
3.4 Mtpa
ローリー / パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
8.0 Mtpa
150 km パイプライン
未定
4.0 Mtpa
78 km パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.6 Mtpa
未定
地質学貯留
3.0 Mtpa
未定
他用途に利用
1.0 Mtpa
パイプライン/船舶
地質学貯留
2.5 Mtpa
パイプライン
EOR
4.3 Mtpa
未定
地質学貯留 もしくは他用途
TBD
270 km パイプライン
地質学貯留 (枯渇ガス田)
2.0 Mtpa
80 km パイプライン
地質学貯留
4.75 Mtpa
100 km パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
2.0 Mtpa
パイプライン
地質学貯留
3.0 Mtpa
最大 200 km パイプライン
地質学貯留またはEOR
2.5 Mtpa
パイプライン
地質学貯留
2.4 Mtpa
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.7 Mtpa
800-2000 km 船舶
地質学貯留
2.4 Mtpa
250 km パイプライン
地質学貯留
4.2 Mtpa
質学貯留 (塩水帯水層)または E
3.0 Mtpa
パイプライン
未定
EOR and/or 地質学貯留
未定
3.0 Mtpa
20-80 km パイプライン 地質学貯留 (枯渇油田・ガス田)
未定
地質学貯留 (枯渇油田)
0.1-1.0 Mtpa
未定
EOR
0.1-1.0 Mtpa
パイプライン
地質学貯留
1.1 Mtpa
パイプライン
EOR
7.2 Mtpa
パイプライン
EOR
1.0 Mtpa
300 km パイプライン
EOR
4.3 Mtpa
30 km パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.9 Mtpa
地質学貯留 (枯渇石油・ガス田)
2.0 Mtpa
パイプライン or ship
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
3.4 Mtpa
Rまたは地質学貯留 (塩水帯水
1.2 Mtpa
パイプライン
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
2.8 Mtpa
6.4 km パイプライン
EOR
1.8 Mtpa
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.0 Mtpa
10-60 km パイプライン
EOR
1.2 Mtpa
パイプライン
地質学貯留
1.0 Mtpa
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.0 Mtpa
パイプライン
EOR
未定
240 km パイプライン
EOR
1.8 Mtpa (initial)
285 km パイプライン
EOR
1.0 Mtpa
パイプライン
地質学貯留 (塩水帯水層)
1.0 Mtpa
132km パイプライン
EOR
1.0 Mtpa
330 km パイプライン
EOR
2.4 Mtpa
14 km パイプライン
地質学貯留
1.2 Mtpa
201 km パイプライン
EOR
2.4 Mtpa
160 km パイプライン
地質学貯留
0.7 Mtpa
GCCSIプロジェクト No.1
AEP Northeastern CO2 Capture Project(米国)
 本プロジェクトは、AEPの冷却アンモニアプロセスによる燃焼後回収の第2フェーズである。
 第1フェーズによりプロセスの有効性が実証されれば、PSO(Public Service Company of Oklahoma:AEP
の一部門)のNortheastern発電所から、200MWe相当(150万tpa)のCO2を回収・貯留する。
 2012年の運転開始を目指している。
-70-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
: AEP
: Alstom、RWE(クリーンコール技術で
提携)
投資・補助額 : CO2回収・圧縮に$250‐300M
発電出力
: 450MWe(650MWth)の発電所より
200MWe分の排煙を処理
燃料
: 石炭
CO2回収量 : 150万tpa(90%回収)
輸送方法
: パイプライン
貯留量
: 150万tpa
貯留方法
: EOR
出所) http://www.se.alstom.com/pr_corp/2007/corp/41445.EN.php?languageId=EN&dir= /pr_corp/2007/corp/&idRubriqueCourante=17415
70
GCCSIプロジェクト No.2
Sargas Husnes(ノルウェー) : Sargas
 Sargas ASは、ノルウェーの企業であり石炭火力発電所からのCO2回収、脱硫、脱硝の技術を持つ。
 Stockholmのパイロットプラント(Värtaverket plant)でSargas独自のカリウム炭酸塩吸収プロセスを実証し、
ノルウェーのHusnesでスケールアップし回収の実証を行う。
 2011年の運転開始を予定しており、CO2回収込みで6¢/kWhの達成を目指している。
-71-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
: Sargas AS
: Tinfos AS、Sør-Norge Aluminium AS,
Eramet Norway AS
投資・補助額 : NOK 4.5B (US $700M)
補助は不明
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
4×100MWe(加圧流動床ボイラー)
石炭
260万tpa
今後検討
N/A
EOR(北海)
出所) http://www.sargas.no/Operations/husnes.html
71
GCCSIプロジェクト No.4
Rotterdam CGEN (蘭) : Europoort Hydrogen Plant
 C.GENは、ベルギーの企業で、低炭素電源技術への投資、プロジェクト開発を行っている。
 C.GENは、E.ON、Shell/Essent、Air Products、Air Liquide、AVR、他3社と共に、 Rotterdam Climate
Initiative(RCI)との間で炭素回収に関してCCSクラスターとしての協働趣意書(LoC)を締結している。
 400∼450MWeのIGCCの建設を目的としており、2014年の運転開始を目指している。
-72-
プロジェクトの概要
事業主体
: CGEN NV
パートナー : N/A(Foster WheelerがFS)
投資・補助額 : N/A
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
400-450 MWe IGCC
無煙炭、バイオマス
250万tpa
船舶またはパイプライン
200万tpa
EGRまたはEOR
出所) http://www.cgenpower.com/index.htm
72
GCCSIプロジェクト No.6
Ledvice (チェコ) : CEZ
 CEZは、以前はチェコ共和国の国営電力会社であったが、現在は、複数の配電会社と合併して上場し、中
東欧まで電力供給範囲を広げている。
 CEZは、既存のLedvice発電所に対して、CO2回収ユニットを追設することを検討している。
 2015年の運転開始を計画しているが、2010年1月現在は計画中の段階である。
 2007年の計画発表時は、ファイナンスのスキームが課題となっていた。
-73-
プロジェクトの概要
事業主体
: CEZ
パートナー : N/A
投資・補助額 : N/A
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留場所
:
:
:
:
:
:
660MW
褐炭
110万tpa
パイプライン
90万tpa
深部塩水帯水層
出所) http://www.cez.cz/en/home.html
73
GCCSIプロジェクト No.7
Siekierki (ポーランド) : Vattenfall
 本プロジェクトは、Vattenfall社のポーランドの石炭火力発電所にCO2回収ユニットをレトロフィットするプロ
ジェクトである。
 2015年の運転開始を計画している。
-74-
プロジェクトの概要
事業主体
: Vattenfall Poland
パートナー : N/A
投資・補助額 : N/A
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留場所
:
:
:
:
:
:
480MW
石炭(無煙炭)
N/A
パイプライン
250万tpa
地下貯留
出所) GCCSI、http://www.cslforum.org/publications/documents/CCSIntegratedProjectDatabase.xls
74
GCCSIプロジェクト No.9
Shell / Essent Project (蘭) : Essent
 Essentは、オランダのエネルギー会社で、オランダ・ドイツで260万口の顧客に対して電力・ガスを供給して
いる。
 Essentは、Shellと共同でIGCCの建設を計画しており、2016年の運転開始を目指している。
 2009年1月現在は、構想段階で投資額、規模は未決定と見られる。
-75-
プロジェクトの概要
RCIへの協力合意
事業主体
: Essent Business Development B.V. (Essent)
パートナー : Shell Gas & Power Developments B.V.
投資・補助額 : N/A
(オランダ政府とEUからの財政支援を期待)
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
450-1,000MW
石炭・バイオマス
N/A
パイプライン
200-400万tpa
地下貯留
出所) http://www.essent.eu/content/about_essent/news/archive/essent_and_shell_take_first_step_toward_low-co2_power_plant.jsp
75
GCCSIプロジェクト No.10
Magnum(蘭) : Nuon
 Nuonでは、第1フェーズとして、1,300MWeのキャプチャーレディCCGT・Magnum発電所の新設(2011年運
転開始)のプロジェクトを進めている。
 将来的には、第2フェーズとして、2015年までに、この発電所をCO2回収付にレトロフィットを行い、石炭・天
然ガス・バイオマスの燃料ミックスの1,200MWeのIGCCに転換する計画である。
-76-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: Nuon
: Uhbe(石炭・バイオマスのガス化エン
ジニアリング担当、Puetrollanoの
IGCC(318MW)を建設した実績あり)
MHI、ABB
: N/A(補助も不明)
発電出力
燃料
貯留場所
貯留量
:
:
:
:
B
E
Gasification Island
D
C
A
1,200MWe
天然ガス、石炭、バイオマス
N/A
N/A
F
石炭
バイオマス
A:石炭乾燥・微粉炭化
B:石炭ガス化
C:ガスから不燃物を除去
D:塩化物、フッ化物の除去
E:脱硫
F:GTで発電
出所) http://www.gasification.org/Docs/Conferences/2007/17RVANH.pdf
76
GCCSIプロジェクト No.11
Compestilla(スペイン) : Endesa
 Endesaとスペイン政府が出資するRD&D機関CIUDENは、ジョイントベンチャーを組成して、酸素燃焼
(CFB:Circulating Fluidized Bed )の実証プロジェクトを行う。
 CO2回収ユニットは、2010年5月の開始を目指しており、2013年半ばまでに貯留開始を計画している。
-77-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: Endesa
: CIUDEN(スペインのRD&D機関)
: N/A
補助は、EERPより180M€
発電出力
燃料
: 500MWth
: ANT BIT PETCOKE
(無煙炭、瀝青炭、石油コークスの意?)
: N/A
: N/A
: N/A
輸送方法
貯留方法
貯留量
出所)http://www.bellona.org/news/news_2009/spai_ccs
77
GCCSIプロジェクト No.12
Porto Tolle(イタリア) : Enel
 本プロジェクトは、EnelのEnel CCS1であり、レトロフィットの燃焼後回収によるCO2回収技術の検証と商業
化を目的としている。
 660MWの石炭火力発電所をPorto Tolleに建設することを計画している。
 2015年のCO2貯留開始を計画している。
-78-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: Enel
: N/A
: N/A
補助は、EERPより180M€
発電出力
燃料
輸送方法
貯留場所
貯留量
:
:
:
:
:
660MW
瀝青炭
N/A
深部塩水帯水層
150万t/y
出所)http://www.lct-italyusa.com/en/data/PASINI.pdf
78
GCCSIプロジェクト No.14
FutureGas(豪州) : Hybrid Energy Australia
 本プロジェクトでは、Coal to Liquidの一環として、褐炭をガス化した際に生じるCO2の分離回収を行う。
 液体燃料精製の際に生じる残留ガスを用いた、複合サイクル発電も行う計画である。
 現在、初期FSが完了。2010年にFSを終え、2016年までの運転開始を計画している。
-79-
プロジェクトの概要
事業主体
: Hybrid Energy Australia
(Strike Oilの100%子会社)
パートナー : Strike Oil
投資・補助額 : N/A
発電出力
: 40MW
(石炭ガス化で出た残留ガスを利用した発電)
※主生成物は、ディーゼル燃料等の液化交通燃
料となる
燃料
貯留場所
輸送方法
貯留量
貯留可能量
:
:
:
:
:
褐炭(Kingston褐炭)
Otway Basin
パイプライン
N/A
N/A
出所) http://www.hybridenergyaustralia.com.au/
http://www.hybridenergyaustralia.com.au/pdf/FuturGas%20CCG%20Presentation_261108.pdf
79
GCCSIプロジェクト No.17
Kalundborg (デンマーク) : Dong Energy
 DONG Energyが主体となり、燃焼後回収の実証実験を計画している。
 2015年の運転開始を計画しているが、現在のステータスは不明。
-80-
プロジェクトの概要
事業主体
: Dong Energy
パートナー : N/A
投資・補助額 : N/A
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
600MW
石炭
N/A
未定
340万tpa
深部塩水帯水層
出所) GCCSI、http://www.inbicon.com/projects/kalundborg%20demonstration%20plant/pages/kalundborg%20demonstration%20plant.aspx
80
GCCSIプロジェクト No.19
Tilbury(英) : RWE npower
 本プロジェクトは、現在建設計画中のTilbury石炭火力発電所で行うCCS実証プロジェクトである。
 RWE npowerが事業主体となり、CO2回収技術を持つ企業等とパートナーを組成している。
 Tilbury発電所は、2006年にFSを行い、2007年に1B GBPの投資を行うことを決定した。2014年の運転開
始を計画している。
-812006年にFSが終了し、2008年現在は、詳細な計画中である
と見られる。
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: RWE npower
: BOC (各種ガスを提供)
Cansolv Technologies(脱硫、CO2回収技術の提供)
I.M. Skaugen (LPG、石油化学系ガスの海運会社)
Shaw (EPCコントラクター)
Tullow Oil (ガス、石油探索会社)
: 1 B GBP以上(補助は不明)
発電出力
燃料
貯留方法
貯留量
:
:
:
:
800MW×2
石炭
N/A
N/A
出所) http://www.cslforum.org/documents/Paris/Krumbeck_PostCombustionCapture_27March2007.pdf
81
GCCSIプロジェクト No.22
WA Parish(米国) : NRG Energy
 本プロジェクトは、既存の600MWe石炭火力発電所の排煙のうち、125MWe相当分を回収し、分離した
CO2を地中に注入してEORに活用する実証プロジェクトである。
 CO2回収には、Powerspan社のアンモニアを用いた化学吸収法であるECO2TM技術が採用される。
 2012年に運転開始を計画している。
 MIT資料によると$150Mの投資額が予定されているが、公的資料には掲載されていない。
-82-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: NRG Energy
: Powerspan
: N/A(補助も不明)
発電出力
: 125MWe
(600MWeのうち、125MWe相当分を回収)
燃料
: 石炭
貯留方法
: EOR
貯留量
: 100万t/y(原典)、3,300t/d(換
算)
CO2売却
・分離
煙突
排ガス流入
出所) http://www.powerspan.com/news/release_32.pdf
http://www.c2c.ucsb.edu/summit2007/pdf/presentations/frank_alix.pdf
82
GCCSIプロジェクト No.23
HYPOGEN (ノルウェー)
 HYPOGENプロジェクトは、ECの水素社会を目指したプログラムである「Quick-Start Programme for the
Initiative for Growth」の一部であり、水素と電力を発生するプラントにおいてCCSを実証することを目的とし
ている。
 DYNAMISは、HYPOGENプロジェクトの一部であり、複数のプロジェクトの集合体である。
 2009年9月にHYPOGENの候補地が4つに絞り込まれた。
-83-
プロジェクトの概要
事業主体
: SINTEF、Dynamis
(個別プロジェクトの集合)
パートナー : 12カ国32パートナー
投資・補助額 : 総額€ 1,300M
EUから一部補助
(Ph1は、総額7.5M€のうち4.0M€を
EUが補助)
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
400MW
天然ガス・石炭(褐炭)
N/A
パイプライン
250万tpa
N/A
出所) http://www.dynamis-hypogen.com/index.asp
83
GCCSIプロジェクト No.24
Tenaska Project(米国) : Tenaska Energy
 本プロジェクトは、CO2の回収、輸送、貯留を伴った商業規模の燃焼後回収方式による石炭火力発電所新
設プロジェクトである。
 実際に建設が行われた場合、CO2回収・貯留を伴った世界初※の商業用石炭火力発電所となる。
 2008年にサイトの許認可申請を行い、2009年にプロジェクト進行の最終決定が行われる。
 プロジェクト開始が決定された場合、2009年末に建設を開始し、2014年に商業運転開始を計画している。
-84-
プロジェクトの概要
事業主体
: Tenaska
パートナー : −
投資・補助額 : $ 3 B
脱硫ユニット(FGD)
繊維性フィルター
ボイラ
CO2回収プラント
蒸気タービン/発電機
発電出力
: 750MWgross, 600MWnet
燃料
: 亜瀝青炭
貯留方法
: EOR
輸送方法
: パイプライン
貯留量
: N/A
※発生するCO2の85-90%を回収する計画である。
貯留可能量 : N/A
開閉所
CO2圧縮ステーション
出所) http://www.tenaskatrailblazer.com/trailblazer.html
http://www.tenaska.com/newsItem.aspx?id=30
※) Tenaska Energy社Press Releaseによる
84
GCCSIプロジェクト No.25
Taylorville IGCC (米) : Tenaska Energy
 Tenaska Energyが、730MWのIGCCの建設を目指しているプロジェクトである。
 2010年の建設開始、2014年の運転開始を目指している。
 2009年11月にSiemensがFEEDを受注した。
-85-
プロジェクトの概要
事業主体
: Tenaska Energy
パートナー : Simens(ガス化炉、回収)
投資・補助額 : $ 3.5 B
(DOEのLoan Gurantee対象として
選定され、与信を交渉中)
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
730MW
石炭
排出CO2の50%以上
パイプライン
検討中
N/A
出所) http://www.cleancoalillinois.com/tec.html
85
GCCSIプロジェクト No.26
Kingsnorth(英) : E.ON UK
 本プロジェクトは、既存のKingsnorth発電所(485MW×4基)を、高効率の石炭火力発電所(800MW×2
基)に更新するプロジェクトであり、2013年の完了を目指している。
 更新プランにCO2回収キャプチャーレディのシステムを付加し、英国政府(BERR: Department for
Business, Enterprise & Regulation Reform)のCCS計画の公募(2008年3月31日締切)に応募した。
-86-
 2009年10月に、E.ONは、英国のコンペから降りる意思はないものの、Kingsnorth発電所建設を最大2∼3
年間は凍結すると発表した
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: E.ON UK
: Arup (プロジェクトマネジメント会社)
Flour、MHI(CO2回収技術の提供)
EPRI (海外の技術の普及)
Penspen (パイプライン輸送)
Tullow Oil (CO2貯留)
: 1 GBP(補助は不明)
発電出力
燃料
輸送方法
貯留方法
貯留量
:
:
:
:
:
800MWe×2
石炭
パイプライン
枯渇ガス田
N/A
出所) http://www.eon-uk.com/generation/supercritical.aspx
86
GCCSIプロジェクト No.27
Hatfield(英) : Powerfuel
 本プロジェクトは、900MWeのIGCCデモプラントの建設を目標としている。
 Powerfuelが事業主体となり、Shellがガス化技術の提供、GE EnergyがST・GT技術を提供する。
 2011年に運転開始を計画しており、2013年にシンガス運転に転換される予定である。
 GE Energyのタービン技術では、まずCCGT(Combined Cycle Gas Turbine)プラントを導入し、その後段階的に、シ
ンガスプラント(Gasification Island)への転換が可能である。
-87-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
発電出力
燃料
輸送方法
貯留方法
貯留量
: Powerfuel
: Shell、GE Energy
: 1G GBP
補助は、EERPより180M€
: 900MWe
: 石炭
: N/A
: EOR
: N/A
出所) http://www.powerfuel.plc.uk/id15.html
87
GCCSIプロジェクト No.28
ZeroGen(豪州) : ZeroGen Pty Ltd.
 本プロジェクトは、CCSを行うIGCC発電の商業プラントの建設を目標としており、2段階のフェーズがある。
 第1フェーズでは、2012年までに、120MWgross(80MWnet)の実証プラントを新設し、75%のCO2回収を計画している。
 ガス化炉には、Shellの部分水冷ガス化炉が望ましいと判断されている模様である。
 最終的には、400MWe規模の「IGCC発電所+CCS」を建設し、90%のCO2回収を目指している。
 2009年12月初めに発表されたオーストラリア連邦政府のCCS Flagships Programの4件の一つに選ばれた。
-88-
プロジェクトの概要
事業主体
MBA Petroleum Consultants、
Resource Land Management
Services、URS、WorleyParsons
投資額
: A$1.2 B
クイーンズランド州政府からA$300M
Australian Coal Association からA$600M
その他、連邦政府、民間企業を期待
発電出力
燃料
輸送方法
貯留方法
貯留量
:
:
:
:
:
120MWe
石炭
パイプライン(220km)
帯水層貯留
42万t/y(原典)、1,400t/d(換算)
第1フェーズ
 2012年迄
 120MWeの発電所
 場所は、クイーンズランド州中
部のRockhamptonに決定
 最大75%のCO2の分離回収
雨水集積
ガスタービン
パワーブロック
シンガス
浄化ユニット
CO2コンプレッション
ガス化ブロック
水処理 ・
冷却 塔
パートナー
: ZeroGen Pty
(クイーンズランド州所有)
: Shell、Stanwell、AGR Asia Pacific、
プロジェクトのスケジュール
ディーゼルタンク
空気分離装置
第2フェーズ
 2017年迄
 400MWeの発電所
 場所は未定
 最大90%のCO2の分離回収
オフィス
出所) http://www.zerogen.com.au/
88
GCCSIプロジェクト No.30
Wandoan Power (豪州) : Stanwell、GE Energy
 Wandoan Powerは、クイーンズランド州の公営電力会社StanwellとGE Energyのコンソーシアムである。
 本プロジェクトは、2009年12月初めに発表されたオーストラリア連邦政府のCCS Flagships Programの4件
の一つであり、400MWのIGCC建設を目指している。
 ベンダーとしては、GEが主導でコンソーシアムを組み、2015年末か2016年の運転開始を目指している。
-89-
プロジェクトの概要
GEのIGCC
事業主体
: Wandoan Power
パートナー : GE Energy, Stanwell
投資・補助額 : N/A
(豪州政府、クイーンズランド州政府、
Coal21Fundからの補助を期待)
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
400MWe IGCC
石炭
N/A
パイプライン(最大200km)
250万tpa
EOR又は地下貯留
Coal21Fundは、2006年に豪州石炭協会(Australian Coal Association)
が組成した。
出所) http://www.wandoanpower.com.au/Home
89
GCCSIプロジェクト No.32
Belchatow(ポーランド) : PGE
 本プロジェクトでは、ポーランドの電力会社PGE ElectrowniaとAlstomが、燃焼後回収方式の実証を行うプ
ロジェクトである。
 回収技術は、先進的なアミン法(Advanced Amine Post Combustion)を採用する。
 第一フェーズでは、2011年に開始し、10万t/yのCO2を回収する。第二フェーズでは、新規に建設される石
炭火力発電所に適用され、2013年の運転開始を目指している。
-90-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: PGE Electrownia
: Alstom
: N/A
補助は、EERPより180M€
発電出力
: 858MW
燃料
: 褐炭
貯留方法
: 地下貯留
貯留量
: 10万t/y
(回収キャパシティは、180万t/y)
http://www.jcoal.or.jp/jcoalmm/JM-029.pdf
http://www.power.alstom.com/home/about_us/clean_power_today/carbon_capture_storage_ccs/pilots_and_demonstrations/50497.EN.php
90
GCCSIプロジェクト No.33
FINNCAP - Meri Pori (フィンランド) : Fortum、Teollisuuden
 本プロジェクトは、既存のMeri Pori発電所(565MW)に対して、CCSをレトロフィットするプロジェクトである。
 2009年10月に回収技術のベンダーとしてSiemensが選定された。
 2011~2012年に最終的な投資判断が下される。計画では2015年の運転開始を目指している。
-91-
プロジェクトの概要
事業主体
: Fortum、Teollisuuden Voima Joint Venture
(両社ともフィンランドのユーティリティ)
パートナー : Siemens Energy
Maersk Oil and Maersk Tankers
PGE Belchatow Power Plant
投資・補助額 : N/A
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
565 MW(排ガスの50%を処理)
石炭
N/A
800-2,000km船舶輸送
240万tpa
N/A
出所) http://www.fortumresearch.com/en/projects/carbon_capture/?id=29
91
GCCSIプロジェクト No.34
Teesside(英) : Coastal Energy(Centrica)
 本プロジェクトは、800MWeのIGCCデモプラントの建設を目標としている。
 回収したCO2は、パイプラインを通じて北海の油田に貯留(EOR)する計画であり、パイプラインへの投資も
検討されている。
 2012年の運転開始を目指していたが、2015年に計画が変更された模様。
-92-
プロジェクトのタイムライン
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
: Coastal Energy(Centrica)
: −
: 1.5 GBP(補助は不明)
発電出力
燃料
輸送方法
貯留方法
貯留量
:
:
:
:
:
800MWe
石炭
パイプライン
EOR
500万t/y(原典)
16,000t/d(換算)
2007
2008
2009
2010
2011
2012
Teesside IGCCの承
諾
CO2パイプライン、貯
留の承諾
IGCCファイナンシャ
ル・クローズ
CO2除去装置ファイナ
ンシャル・クローズ
CO2除去装置建設
IGCC建設
CCS付きの発電所の
運転
出所) http://www.h2net.org.uk/PDFs/AnnualMeeting_2007/004_DR_H2NET_12_July_2007.pdf
92
GCCSIプロジェクト No.35
Southern California Edison IGCC (米) : SCE
 本プロジェクトは、Southern California EdisonがIGCCプラントの建設を行うプロジェクトである。
 コンセプトデザインを終え、2008年4月より2年間をかけてFSを行っている。FSのコストは、5,000万ドル。
-93-
プロジェクトのスケジュール
プロジェクトの概要
事業主体
: Sourhtern California Edison
パートナー : N/A
投資・補助額 : N/A
(EPRIの実証プロジェクト、Southeast Regional
Partnershipから補助、CCPI第3ラウンドに応募中)
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
600MW IGCC (500MWe)
石炭
N/A(80-90%回収)
パイプライン
300万tpa
帯水層貯留
技術のフィジビリ
ティとファイナン
スの妥当性評価
出所) http://www.gasification.org/Docs/Conferences/2009/34SCEDISON.pdf
93
GCCSIプロジェクト No.36
GreenGen(中国) : GreenGen Co.
 本プロジェクトは、IGCCのデモプロジェクトであり、3段階のフェーズが存在する。
 2007年12月に建設起工式が行われ、現在、天津のサイトでフェーズ1の250MWのプラントが建設中と見ら
れる。2009年末までの完成を目指している。
-94-
プロジェクトの概要
事業主体
: GreenGen Co.(中国華能集団が51%出資)
パートナー : 下記参照
投資・補助額 : 合計で$1 B規模
Ph1: $280 M, Ph2∼3: N/A
第1フェーズ (∼2009)
 250MWのIGCCポリジェネレーションプラントの建設
 2,000t/dのガス化
発電出力
燃料
貯留方法
輸送方法
貯留量
第2フェーズ (2010∼2012)
 IGCCポリジェネレーション技術のR&D
 ガス化容量を3,500t/dに拡大
 水素生成、水素とCO2の分離技術のR&D
 燃料電池技術のR&D
:
:
:
:
:
Ph1: 250 MW , Ph3: 400 MW
石炭
帯水層貯留(工業利用も検討)
N/A
N/A
China Huaneng Group(中国華能集団)
China Datang Group(中国大唐集団)
China Huadian Group(中国華電集団)
China Guodian Corporation(中国国電集団)
China Power Investment Corporation(中国電力投資集団)
Shenhua Group(神華集団)
State Development & Investment Co.(国家開発投資集団)
China Coal Group
Peabody Energy
電力
電力
電力
電力
電力
石炭、鉄道
投資機関
石炭
石炭
第3フェーズ (2013∼2015)
400MWのIGCCユニットの建設
(水素生成、燃料電池発電、水素タービン複合サイクル発電、
CCSを含む)
出所) http://www.greengen.com.cn/en/index.asp、http://www.netl.doe.gov/publications/proceedings/08/CO2E/PDF/session%204/xushishen.pdf
http://www.peabodyenergy.com/pdfs/GreenGen%20Fact%20Sheet.pdf 、Gasification News/日中経済通信 プレス記事
94
GCCSIプロジェクト No.37
Coolimba(豪州) : Aviva Corporation
 本プロジェクトは、キャプチャーレディの酸素燃焼方式を用いた石炭火力発電所の新設プロジェクトである。
 SO2、NOxの排出を削減するために、循環流動層石炭燃焼(CFB: Circulating Fluidized Bed)技術を採用
する。
 2009年にFSとファイナンスを行い、2013年の運転開始を計画している。
-95-
プロジェクトの概要
事業主体
: Aviva Corporation
パートナー : AES
投資・補助額 : A$ 1.0 B
発電出力
燃料
貯留場所
: 400MW(2×200MW)
: 石炭
: 未定
(複数候補のうち、枯渇ガス田が有望とされている)
輸送方法
: N/A(パイプラインを想定している模様)
貯留量
: N/A
貯留可能量 : N/A
出所) http://www.avivacorp.com.au/?id=1、http://www.qrc.org.au/_dbase_upl/CCS%20activities08_Final.pdf
http://www.avivacorp.com.au/upload/documents/investor/presentation/20081217_WAEnergyConferencePresentation(25thNovember2008).pdf
95
GCCSIプロジェクト No.38
Dongguan(東莞) (中国):Dongguan Tiaming Electic Power
 本プロジェクトは、中国のDongguan Tiaming Electric PowerがIGCCを建設するプロジェクトである。
 Donguan IGCCは、920MWのSun State IGCCプロジェクトの第1フェーズにあたる。このフェーズでは、
120MWeのIGCCが建設予定で、2011年2月までに開始される。
 第2フェーズでは、800MWのIGCCを建設する計画で、2012年までに建設完了が予定されている。
 ガス化炉のシステムは、KBRのTRIG(Transport Integrated Gasification )が採用された。
-96-
プロジェクトの概要
KBR TRIGの特徴
事業主体
パートナー
: Dongguan Tianming Electric Power
: 北京国能清洁能源工程(Beijing Guoneng
Yinghui Clean Energy Engineering )
KBR(ガス化炉)
投資・補助額 : N/A
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留場所
:
:
:
:
:
:
800MW IGCC
石炭(低級)
N/A
検討中
10-100万tpa
枯渇油田
出所) http://www.kbr.com/technology/Coal-Gasification/Default.aspx
96
GCCSIプロジェクト No.39
Lianyungang (連雲港) (中国)
 本プロジェクトは、連運港市が構想しているIGCCを起点としたCo-production(共同生産)システムの一部で
ある。
 市は複数のベンダーと意見交換はしているものの、2010年1月時点では構想段階である模様。
-97-
プロジェクトの概要
IGCCを起点とした生産システムの構想
事業主体
: Lianyungang市
パートナー : N/A
投資・補助額 : N/A
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
1,200MWe
石炭
10-100万tpa
パイプライン
N/A
産業用途
出所) http://belfercenter.ksg.harvard.edu/files/LYG-IGCC.pdf
97
GCCSIプロジェクト No.42
Antelope Valley(米国) : Basin Electric Power
 本プロジェクトは、既存の450MW石炭火力発電所の排煙のうち、120MW相当分を回収し、分離したCO2を
地中に注入してEORに活用する実証プロジェクトである。
 CO2回収には、Powerspan社のアンモニアを用いた化学吸収法であるECO2TM技術が採用される。
 CO2の圧縮、輸送のパイプラインは、Dakota Gasification社の設備が用いられる。
 CCPIの第3ラウンドで補助が認められ、2009年よりプロジェクトを開始し2012年の運転開始を計画している。
-98-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
2009年10月現在は、FEED中。
: Basin Electric Power
: Powerspan、Dakota Gasification
(Dakota Gasificationは、Basin Electric Powerの子会社)
投資・補助額 : $200-300M
補助はCCPI第3ラウンドより$100M
(補助率は、30~50%程度)
発電出力
: 120MWe
(2×450MWのうち120MW相当分を回収)
燃料
: 石炭
貯留方法
: EOR
輸送方法
: パイプライン
貯留量
: 100万t/y(原典)、3,300t/d(換算)
貯留可能量 : N/A
出所) http://www.powerspan.com/news/BEPC-PowerspanRelease_031308FINAL.pdf
http://www.basinelectric.com/News_Center/News_Releases/Basin_Electric,_Powerspan_brin.html
98
GCCSIプロジェクト No.44
Nordjylland Power Station(デンマーク) : Vattenfall
 本プロジェクトは、燃焼後回収方式の実証プロジェクトであり、回収プロセスにおけるエネルギーロスを改善
する技術の開発を大きな目的としている。
 貯留候補地にて、2008年に地震調査、2009年に試掘を行い、結果を踏まえて2010年に投資判断を行う。
 実行可能と判断された場合、2013年の運転開始を計画している。
-99-
プロジェクトの概要
事業主体
: Vattenfall
パートナー : ―
投資・補助額 : N/A(補助も不明)
発電出力
: 305MW(現在のNordjylland発電所の出力)
燃料
: 石炭
貯留場所
: ユトランド半島北部・地下1~2kmの層
※現在サイト調査中。
輸送方法
: パイプライン
貯留量
: N/A
貯留可能量 : N/A
出所) http://www.vattenfall.com/www/co2_en/co2_en/879177tbd/879231demon/879304demon/index.jsp
99
GCCSIプロジェクト No.45
Longannet (スコットランド) : ScottishPower
 本プロジェクトは、既存のLongannet発電所にCO2回収設備をレトロフィットするプロジェクトである。
 英国の300MW以上の石炭火力発電所において、「燃焼後回収」のみが対象のコンペの最終候補プロジェク
トの一つである。
 コンペの結果が発表され次第、工事に着工し、2014年の回収開始を計画している。
-100-
プロジェクトの概要
Aker社のCO2回収設備
事業主体
パートナー
: ScottishPower
: Shell、National Grid、
Aker Clean Carbon(回収技術)
投資・補助額 : 10億GBP
(コンペに応募中)
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
4×600MWの1ユニットにレトロフィット
石炭
N/A(90%回収)
パイプライン
200万tpa
枯渇ガス田・油田が候補
出所) http://www.scottishpower.com/carbon_capture_storage/docs/press_release_13August09.pdf
100
GCCSIプロジェクト No.47
Genesee CCS Project (カナダ) : EPCOR
 本プロジェクトは、EPCOR(カナダの電力会社)がIGCCの実証実験を行うプロジェクトである。
 現在FEED中であり、2010年初には完了する。2011年建設開始、2015年運転開始を計画している。
-101-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
: EPCOR
: TransAlta
Siemens Energy (ガス化炉)
投資・補助額 : 20億カナダドル
(カナダ連邦政府からFEEDに対して
11M∼33Mカナダドルの補助)
(カナダ連邦政府からの20億カナダド
ルの補助プログラムに申請中)
発電出力
燃料
CO2回収量
輸送方法
貯留量
貯留方法
:
:
:
:
:
:
技術の選定・
プロジェクトの定義
FEED
各種許認可、建設
270MW
石炭
N/A
パイプライン
120万tpa
EORまたは帯水層貯留
出所) http://www.epcor.ca/en-ca/about-epcor/investor-information/InvestorPresentations/Documents/Scotia%20Conference%20-%20Nov%202008%20Final.pdf
101
GCCSIプロジェクト No.48
Goldenbergwerk(ドイツ) : RWE
 本プロジェクトは、CO2の回収、輸送、貯留を伴った450MWgross規模のIGCC発電所の建設を目標として
いる。
 2008年8月に、発電所のサイトが決定し、2014年の運転開始を計画している。
 CO2貯留場所としては、ドイツ北部のSchleswig-Holstein を予定しており、現在サイトを調査中である。
-102-
プロジェクトの概要
事業主体
投資額
発電出力
燃料
輸送方法
貯留方法
貯留量
:
:
:
:
:
:
:
RWE
€ 1.7B (補助は不明)
450MWgross、330MWnet
石炭(褐炭)
パイプライン
帯水層貯留
260万t/y(原典)、8,600t/d(換算)
CO変換、CO2回収
熱回収蒸気発生器
ガス化炉
蒸気タービン
ガスタービン
石炭乾燥ユニット
貯留施設
地震調査
試掘井
許認可
貯留施設の
建設
パイプライン
RPPの開始
計画・許認可
(RPPが終わり次第FPPPを開始)
FPPP終了
パイプラインの
建設
発電機
発電所
計画
許認可
RPP : Regional Planning Procedure
FPPP : Formal Public Planning Procedure
IGCC/CCS建設
CO2パイプライン
空気分離装置
コンプレッサー
運転開始
出所) http://www.rwe.com/
102
GCCSIプロジェクト No.49
Hydrogen Energy California(HECA IGCC)(米)
 本プロジェクトは、商業規模のCO2回収を含む先進IGCC(390MWgross)の実証プロジェクトである。
 BPとRio TintoのジョイントベンチャーであるHydrogen Powerが、設計・建設・運転を行う。
 CO2は、メタノールベースのレクチゾルプロセスによって、水素から分離され、パイプラインにより近傍の石
油田に輸送され、EORに用いられる。
 2011年の建設開始、2015年の運転開始を目指している。
-103-
プロジェクトの概要
事業主体
パートナー
投資額
補助
:
:
:
:
発電出力
燃料
輸送方法
貯留方法
貯留量
:
:
:
:
:
Hydrogen Power(BP, Rio Tinto)
GE Energy
2,840M $
CCPI第3ラウンドより308M $
(補助率は、10.8%程度)
390MWgross、250MWe
石油コークス、石炭
パイプライン(6.4km)
EOR
200万t/y
出所)http://www.hydrogenenergy.com/content_329_kern_county_california
103
GCCSIプロジェクト No.50
FutureGen(米国)
 当初は、DOEが主体となり、10年間で10億ドルの予算で、技術開発の実験設備として、275MW規模のゼ
ロエミッション石炭ガス化発電プラントを1ヶ所建設する計画であった。
 CCS技術が進歩したことや、当初の見積に比べて、大幅に超過したこと等を受け、計画を大幅に再構築した。
 計画の見直しにより、300MW以上の商業規模の複数のIGCC他において、最新のCCS技術を実証すること
が目的となり、IGCCプラント他のCCS設置に対して、資金提供を行うことになった。
-104-
計画見直しの詳細
当初の計画
計画の主な変更点
 発電所の建設費用は負担しない
概略
石炭ガス化、発電、排ガス抑制、CO2回収、水素
生産の各技術が統合されたプロトタイプの発電所
を1ヶ所設計・建設する
 発電所のCCS技術関連経費のみを負担する
 1ヶ所ではなく、複数のIGCC他発電所が対象となる
 水素生産は対象から除外する
規模
スケジュール
予算
候補地
275MW(商業よりも小規模)
300MW以上(商業規模)
2012年から運転開始
2015年12月31日までに実証実験開始
10年間で10億ドル
 複数のプロジェクトに対して最大13億ドル
(計画段階で、18億ドルまで増加)
 助成金は1∼6億ドル
イリノイ州Mattoonを建設予定地として発表した
―
変更後の主要目標
 300MW以上の発電設備で、約
90%のCO2を回収・貯留
 実証実験を2015年12月31日
までに開始
 ガス化炉から発生するエネル
ギーの50%以上を発電に使用
 プロジェクトサイトは、貯留に適
した地層の近傍
 年間100万t以上のCO2を貯留
 設計炭として、米国炭を75%以
上使用
出所) http://www.energy.gov/news/5912.htm ,http://www.futuregenalliance.org/
104
GCCSIプロジェクト No.59
Weyburn-Midale CO2 project(カナダ)
 本プロジェクトは、CO2貯留によるEOR及び貯留後のモニタリングが目的であり、2段階のフェーズがある。
 Ph1は、2000年∼2004年に実施された。①安全かつ経済的にCO2貯留を行うために、油田生産能力を予測・検証す
ること、②CO2を長期に貯留した場合の挙動のモニタリング、モデリング方法を開発することを目的としていた。
 Ph2は、2005年に開始されている。①サイトの決定、採掘、モニタリング、リスク評価等の技術的課題、②規制、広報
活動の方法等の政策的課題についてのベストプラクティスを導くことを目的としている。
-105-
 Weyburn油田には、2007年2月時点で、950万tのCO2が注入されている。
事業主体
パートナー
: EnCana(Weyburn)、Apache(Midale)
: BP、Nexen、SaskPower、Chevron Texaco
Total、Dakota Gasification、
TransAlta、RITE
投資額
補助金額
: Ph1:$40 M、Ph2:$40 M
: Ph1で、政府系スポンサーが$18 M、
産業系スポンサーが$ 22M拠出
(※RITEは、Ph2にて$60万拠出し情報収集)
CO2発生源 : 褐炭ガス化の副生成物
(Dakota Gasificationのガス化炉)
貯留量
: Weyburn: 6,500t/d、Midale: 1,300t/d
貯留方法
: EOR
輸送方法
: パイプライン(320km)
出所) http://www.encana.com/operations/canada/weyburn/P1166142222887.html
http://www.cslforum.org/documents/SaudiArabia/T1_2_CSLF_Capacity_Building_Wksp_Saudi_A_Jan08.pdf
105
2.5 石炭火力発電建設計画におけるキャプチャレディ設計の適用実態
ここでは、将来、技術的、経済的に CCS が実現可能になった時に、既存の石炭火力発電所
をスムーズに CCS 付きにレトロフィットできるように、予め準備をしておくキャプチャーレ
ディについての欧州の取組状況を示す。EU 指令を受け、英国では独自のキャプチャーレディ
の基準を定め規制を導入した。また、ドイツでは、2010 年 2 月現在、CCS の法制化は行われ
ていないが、民間の認定機関である TÜV Nord、TÜV Sued が独自の基準を定めるなど、英国
とは異なる動きが見られる。両国のキャプチャーレディの動向について示す。
2.5.1
EU 指令
EU 大での CCS への規制として、2009 年 6 月 25 日より CCS 指令が施行された。この CCS
指令は、EU における CCS に関する法的な枠組みを定めており、CO2 貯留の許可制度、運用
条件、閉鎖後のオペレーターと国の間の責任の移管、財務保証などが規定されている。
欧州委員会としては、CCS は気候変動対策のポートフォリオの1つと位置づけているため、
加盟国に対して強制的な CCS の義務付けを行う意向はなく、あくまで加盟国が自国の削減目
標を達成するために、CCS が必要かどうかを判断すればいいというスタンスを取っている。し
かし、CCS が技術的、経済的に十分効果的であると将来認められた段階で、速やかに CCS に
改造することで、カーボン・ロックインが起こらないようにするために、300MW 以上の新設
火力発電所に対しては、キャプチャーレディを義務付けることを、CCS 指令の中で明文化した。
CCS 指令では、キャプチャーレディの細かい基準について、欧州委員会から細かく定めてい
る訳ではない。EU 加盟国の許認可機関が、300MWe 以上の出力の燃焼プラントに対して、以
下 3 つの要素を評価することを定めているのみで、基本的には、電力会社(オペレーター)が
投資の判断が可能となる程度の基準があればいいと言う認識である。

貯留に関する技術アセスメント

CO2 回収・輸送に関する技術アセスメント

CO2 回収・輸送に関する経済性アセスメント
また、「スペース」については、環境保護、健康保護の観点から加盟国それぞれの許認可機
関が判断を行うことを定めている。
ただし、EU 指令が施行された 2009 年 6 月以降に建設計画が出された新設発電所について
は、許認可の際にキャプチャーレディを何らかの形で盛り込むように決まっている。キャプチ
ャーレディの措置が無いままに許認可がなされた場合、EU 裁判所にて、ペナルティが判断さ
れることになる。
EU 加盟国は、2011 年までに CCS に関する新しい国内法を法制化することを義務付けられ
ている。
-106-
2.5.2
英国のキャプチャーレディ法制化の動向
(1) 英国における CCS 法制化の取り組み
前述の通り、英国では、2025 年には、フルキャパシティの CCS を展開すると言う計画を持
っており、2020 年以降は新設の石炭火力発電所には CCS を義務付け、2025 年以降はレトロ
フィットを義務付けと言うロードマップを検討している。
この目標を達成するためには、新設発電所へのキャプチャーレディの対応も非常に重要な検
討項目となっている。英国では、他の EU 加盟国に先駆けて、EU 指令の施行を控え、2009
年 4 月 23 日に DECC(The Department of Energy and Climate Change :英国エネルギー
気候変動省)が、キャプチャーレディに関する Consultation Document(諮問文書)を発表し
た。諮問文書は、2009 年 6 月 22 日に締め切られ、2009 年 11 月に返答を踏まえたキャプチャ
ーレディのガイダンスが発表された。英国政府としては、キャプチャーレディを義務化すると
は言え、キャプチャーレディにより石炭火力発電所の建設が、著しく阻害されることは本末転
倒と考えている。そのため、ガイダンスについても電力会社や他のステークホルダーの意見も
反映させつつ、余りコスト高にはならないが、効果のある規制を目指した。
表 2.21 に諮問文書にて、回答が期待されていた企業、団体の一覧を示す。電力会社に限らず、
資源会社、機器メーカー、環境団体など種種のステークホルダーの意見を集めようとしている
ことが分かる。
次節にて、英国のキャプチャーレディのガイダンスの詳細を示す。
- 107 -
表 2.21 諮問文書への返答を期待されている機関・企業
業種
企業・団体名
電力・ガス
Advanced Power UK
Association of Electricity Producers
BG Group
British Energy
Centrica
Drax Power Ltd
EDF
E.ON UK
International Power
National Grid
Peel Energy Ltd
Powergen plc
Progressive Energy
RWE npower
Scottish and Southern Energy
ScottishPower
Total Holdings UK Ltd
Welsh Power
資源
Association for UK Coal Importers
BP Alternative Energy
Confederation of UK Coal Producers
Marathon Oil
Oil & Gas UK
Powerfuels Power Ltd
Sussex Energy Group
Tullow Oil Plc
メーカー・エンジニアリング Alstom
AMEC
BCG Energy Limited
ConocoPhillips
Doosan Babcock
GE Infrastructure
Hydrogen Energy
Schlumberger
Shell Sussex Energy Group
研究機関・役所
Advisory Committee on Carbon Abatement Technologies
British Geological Survey
Coal Authority
Durham County Council
Ecofin Research Foundation
EEF Energy Industries Council
Energy Research Partnership
Environment Agency
Health and Safety Executive
Institute of Biology, Institute of Physics, and the Royal Society of Chemistry
Institution of Engineering and Technology
Microbial Dolomites Global Ltd
National Oceanography Centre, Southampton
Newcastle University, Sir Joseph Swan Institute
Parliamentary Office of Science and Technology
Planning Inspectorate
Plymouth Marine Laboratory
Scottish Environment Protection Agency
UK Energy Research Centre
Welsh Assembly Sustainable Energy and Industry
NPO
Client Earth
Friends of the Earth
Greenpeace
RSPB
Worldwide Development Movement
World Wildlife Fund UK
その他
British Aggregates Association
British Cement Association
Carbon Capture and Storage Association
Combined Heat and Power Association
Confederation of British Industry
CO2 Deepstore
Coal Forum
Crown Estate Commissioners
DCA Consultants
Energy Institute
Scottish National Heritage
Trades Union Congress
Trades Union Congress Clean Coal Task Group
UK Advanced Power Generation Technology Forum
UK Carbon Capture and Storage Consortium
- 108 -
(2) 英国のキャプチャーレディの規定
ガイダンスの目的と対象
英国では、新設の発電所を建設する際には、英国の電力法 1989 セクション 36(以下、セク
ション 36)
「Consent required for construction etc. of generating stations :発電所の建設等
に係る許認可」に基づいた既存の申請プロセスを踏む必要がある。キャプチャーレディのガイ
ダンスを作成する目的は、提案中の新設発電所がキャプチャーレディであることを証明するた
めに、申請者(発電所のオペレーター)が国務大臣に示すべき情報についての、実務的なアド
バイスを与え、セクション 36 の申請プロセスを補完することが目的である。
このガイダンスの適用は、イングランドとウェールズに限られている。これは、DECC の管
轄の範囲がイングランドとウェールズに限られているためである。そのため、スコットランド
においては、このキャプチャーレディの規制は適用されていない。現在、英国ではスコットラ
ンドにもイングランド・ウェールズと同様のキャプチャーレディの規制を課すべきとの議論も
盛り上がっている。
ガイダンスが適用され、キャプチャーレディを義務付けられるのは以下の事業者と定められ
ている。

2009 年 4 月 23 日以前に、300MWe 以上の燃焼プラント(EU の大規模燃焼プラントに関
する指令の対象のタイプ)のセクション 36 に対応する新設許認可申請を提出しているが、
国務大臣より認可を受けていない事業者

2009 年 4 月 23 日以降に、上記の燃焼プラントの建設申請を行った事業者
2009 年 4 月以降、2010 年 2 月現在、1 件のガス火力発電所のキャプチャーレディが認可さ
れている。
英国のキャプチャーレディの要件
英国が独自に定めたキャプチャーレディの要件は、基本的に EU 指令に準じた枠組みとなっ
ている。事前申請の段階では、以下の 5 点についての検討が義務付けられている。

CO2 回収装置設置の十分なスペースがあることの実証

CO2 回収技術のレトロフィットに関する技術・経済性のアセスメント

CO2 貯留の具体的な場所についての提案

提案した貯留場所までの CO2 輸送の技術・経済性のアセスメント

必要であれば、HSC(Hazardous Substance Consent:危険物取扱許認可)の申請
また、許認可を受け、発電所が運転開始した後も、まず運転開始後 3 ヶ月以内、その後は 2
年毎にキャプチャーレディのステータス、特に発電所内外のスペースの確保状況や HSC に関
するレポートを提出する義務を負っている。
- 109 -
各要件の許認可を行う機関
キャプチャーレディの許認可では、評価を行う項目が多岐にわたる。なおかつ項目は専門性
が高いため、各要件に対して別個の機関が許認可を行うのが妥当と考えられる。英国では、表
2.22 に示す 4 つの機関がそれぞれ評価を行っている。
表 2.22 許認可機関名と評価項目
機関名
評価項目(役割)
The Environment Agency
 スペースと各々の回収技術のレトロフィットの技術的
(英国環境庁)
なアセスメントを行う。
 国務大臣に対して、提案がいかなる CCS のレトロフィ
ットに対しても障壁がなく適していることをアドバイ
スする。
The
Onshore
Consents
 CCR の輸送・貯留のコンポーネントに関する技術的な
Team in DECC
(DECC 陸上承認チーム)
アセスメントを行う。
 Marine Management Organization(MMO)、HSE、
British Geological Survey(BGS)など他の専門機関か
らのアドバイスを受ける。
The Health and Safety
 DECC の Onshore Consents Team に対して、輸送コン
Executive
(HSE:英国安全衛生庁)
ポーネントについてのアドバイスを行う。
 陸上輸送(パイプライン)のガイダンスを作成する。
 国務大臣に対して、キャプチャーレディの輸送コンポー
ネントに関するアドバイスを行う。
DECC economists
 輸送とレトロフィットの経済性のアセスメントを行う。
(DECC の経済担当)
スペースに関する要件
キャプチャーレディを施すスペースについても報告の義務がある。具体的には、以下の 5 つ
の項目についての報告が必要である。
 燃焼プラントのフットプリント
 ASU を含む CO2 回収プラントの位置
 CO2 圧縮装置の位置
 全ての化学物質の貯留設備の位置
 サイトからの CO2 パイプラインの出口
上記のような適切なスペースを検討する際には、以下のような項目が影響を与えるため、そ
れぞれを検討した後に報告するように促している。
- 110 -
 CO2 回収技術のタイプ
 発電ユニットのサイズ・数量
 燃料種
 CO2 圧縮のようなプロセスの場所(サイトの中で行われるか・近傍で行われるか)
 化学物質の安全な貯留の確保
 建設中、稼働中の混雑の回避
 必要なスペースを減らせるような新しい技術の進歩
なお、具体的な用地面積については、IEA より出された CO2 回収に関わるレポート「CO2
capture as a factor in power plant investement dixisions. 2006/8 IEA」を参考に、算出するよ
うに求めている。英国環境庁では、表 2.23 に示した IEA の情報や他の情報源を加味して、提出
されたスペースの要件が妥当かを判断するとしている。
表 2.23
CO2 回収技術タイプ別の最低限必要な用地
CCGT-燃 CCGT-燃 CCGT-酸 U S C P D IGCC-回 U S C P D
焼後回収
焼前回収
素燃焼
F-燃焼後回 収付
F-酸素燃焼
収
一般的な機器
170×140
170×140
170×140
400×400
250×150
175×150
80×120
127×75
62,000
50,000
34,000
170,000
475×375
400×400
(m×m)
CO2 回収設備
80×120
(m×m)
合計の面積
180,000
170,000
(m2)
出所)IEA レポート
CCGT(Combined Cycle Gas Turbine)
IGDD(Integrated gasification combined cycle)
USCPF(Ultra-Superciritical Pulverised Fuel)
CO2 回収技術についての技術アセスメント
CO2 回収の技術については、キャプチャーレディの報告の際に、技術および経済両方のアセ
スメントを要求している。
技術についてのアセスメントとして、政府としては、以下のような項目がレポート内で言及
されていることを想定している

セクション 36 の申請時点で、将来採用すると決めている CO2 回収技術

現在、CO2 回収技術の技術的な障害がないことを、英国環境庁が国務大臣に対して説明す
るのに十分詳細な説明
- 111 -
技術アセスメントの目的は、CO2 回収ユニットのレトロフィットが技術的に可能であること
を実証するものであるが、詳細な FEED(Front End Engineering Design:基本設計)までは
必要とはされていない。ただし、CO2 回収設備を導入する時点では、キャプチャーレディの段
階で提出した CCS 技術に固執する必要はなく、その時点で最高効率の技術を導入すべきと政
府は考えている。
CO2 の輸送・回収技術についての技術アセスメントも求められている。CO2 の輸送フィジ
ビリティスタディにおいては、以下のような点について説明が求められている。

CO2 輸送の方法、サイトからの出口から CO2 が海上輸送されるまでのポイントへのル
ート


サイトの出口から 10km 以内では、幅 1km のルートが必要

環境保護区の近傍を通る場合は、影響を考慮する必要がある
海上輸送が開始されるポイントから貯留ポイントまでの輸送方法


海底パイプラインを使うのか、または船による輸送を行うのか
上記の方法について、技術面、環境面、安全面から見た潜在的な障害はないか

もし障害がある場合、妥当な方法で解決できることを提示する必要がある
また、CO2 貯留場所についても、以下のような項目を示す必要がある。

DTI2006 の調査結果の中で、 viable
もしくは
realistic
となっている貯留場所の
候補を少なくとも 2 つ上げる。

DTI2006 とは、英国通商産業省(DTI:Department of Trade and Industry)が作
成 し た レ ポ ー ト で 、 INDUSTRIAL CARBON DIOXIDE EMISSIONS AND
CARBON DIOXIDE STORAGE POTENTIAL IN THE UK の中で、英国における
貯留場所のポテンシャルを”Vaiable:実現可能”と”realistic:現実的”で分類している。

上記以外の候補地を挙げる場合、DTI の調査と同等の基準により場所を評価する。

プラント寿命から計算した CO2 排出の総量と、貯留サイトの CO2 貯留可能総容量につ
いての要約を作成する。
ただし、キャプチャーレディの段階では、可能性のある貯留場所を上記のように例示する
のみで十分であり、貯留場所との商業的な交渉までする必要はないとされている。また、英国
では、今後 CO2 貯留の市場が立ち上がった場合、専門の CO2 貯留オペレーターが登場して、
発電所のオペレーターと CO2 貯留に関する商業契約を結ぶことも想定されている。しかし、
キャプチャーレディの申請の段階では、そのような専門のオペレーターへのアウトソーシング
を見越して、貯留場所を特定せずに許認可申請をすることは許されていない。
CO2 回収技術についての経済性アセスメント
- 112 -
発電所のオペレーターは、キャプチャーレディの申請の際、将来の CO2 回収設備のレトロ
フィットが経済的な面からも実現可能であることを示す必要がある。その際には、最低限以下
のような項目からいくつかを検討する必要がある。

想定されるポンド-ユーロの交換レート

事業の IRR

将来の燃料価格

電気料金の水準

CO2 排出価格の上昇

CCS を付ける場合・付けない場合の発電量

CCS を付ける場合・付けない場合の CO2 の排出量

発電所の運転期間の負荷率

想定される CCS のイニシャルおよびランニングコスト
基本的に、上記のような項目を元に経済性の検討を行って、将来にわたっても CCS のレト
ロフィットが経済的に見合わないと結論付けられた場合、そのプラントへの許可は下りないと
いうことになっている。そのため、発電所のオペレーターは、CCS へのレトロフィットが将来
的に経済的に見合うと言う正当なシナリオとモデルを準備する必要がある。図 2.38 に、シナ
リオのイメージを示す。各社は、以下のようなイメージを示すために、CO2 排出価格のシナリ
オやモデルを構築する必要がある。
図 2.38
出所)DECC
CCS の経済性評価のシナリオのイメージ
Carbon Capture Readiness のガイダンス
- 113 -
CO2 の輸送については、既存のガスパイプラインのアセスメントと比較することにより、経
済的なアセスメントが比較的容易であるためより詳細な経済性のアセスメントが要求されて
いる。以下のような項目は、例として価格の算出の際には検討されるべきであると紹介されて
いる。

英国安全衛生庁の許認可を念頭におき、陸上パイプラインの技術的な特徴より検討

天然ガスパイプラインの経験、実績

環境に影響を与えるエリアを避けたルート設定

現状の海底パイプラインの経験

陸上・海上パイプラインの大体の長さ

ルートの途中で必要になる昇圧ステーション
HSC(危険物取扱の許認可)
CCS のオペレーションにより、今までは、発電所サイト内になかった化学物質やガスが増え
ることが考えられる。現状では、圧縮された CO2 は、危険物質と認定されてはいないが、今
後の調査により危険と判断されれば、新しい発電所は、CO2 に関しても HSC を申請する必要
がある。HSC は、発電所の開発を妨げるものではないが、発電所のタイプと新規開発の場所
(一定地域における密度)を制限することになる。例えば、申請者は、早い段階から発電所間
の距離について、Local Planning Authority (LPA:地方計画庁)と話し合う必要が出てくる。
圧縮された CO2 が危険物質として認定された場合、発電所の運転開始後、2 年ごとに提出が
求められるキャプチャーレディのステータスレビューの中で、HSC への対応をについて言及
する必要が生じる。
キャプチャーレディのステータスのメンテナンスに関するレポートの提出
CCS 技術も安全規制についても現在開発中である。英国政府としては、キャプチャーレディ
は、あくまでも暫定的な措置であり、定期的にキャプチャーレディの状況の認可を行うことが
賢明であると政府は考えている。キャプチャーレディの状態に関するレポートは、許認可を受
けた発電所が系統に電力供給を始める日から 3 ヶ月以内、その後 2 年ごとに提出が求められて
いる。
レビューの中では、現在のプラント内のスペースなどのキャプチャーレディの状態、HSC
についての対応状況に加えて、CO2 の輸送・貯留方法について詳細に説明することを求めてい
る。レビューの目的の一つに、発電所のオペレーターが考えている「輸送・貯留についての障
壁」を政府が知ることがある。今後、輸送・貯留サイトについての調査が進んでいくと、プラ
ントの計画当初に想定していた輸送・貯留サイトが適切でなくなったり、サードパーティの輸
送代行業者が現れ他の輸送ルートを提案したりすることが考えられる。その際には、発電所の
出口から 10km 以内では幅 1km のルートを確保しておくことが必要とされるキャプチャーレ
- 114 -
ディの規定を見直す必要が生じる可能性がある。パイプラインの建設計画は、非常に重要であ
るため、そのような変更が生じていないかを政府が知るためにも、定期的なレビューにて詳細
を報告する必要がある。
以上のように、英国政府では、EU 指令を元に自国でのキャプチャーレディの基準を定めて
いる。繰り返しになるが、英国政府としては、キャプチャーレディの義務付けにより石炭火力
発電所の建設を遅らせたり、非常なコストアップになったりすることは、避けたいと考えてい
る。そのため、このキャプチャーレディの基準についても、発電所のオペレーターにとって過
度な負荷にならないように設計している。
英国政府としては、発電所の許認可に合わせてキャプチャーレディについても許認可を行う
ため、キャプチャーレディの許認可は、基本的には政府が行う方針である。一方で、ドイツ政
府では、キャプチャーレディは、現時点で CCS に対してできることを全てした、と言う証明
であり、一般に対してアピールできるツールであると考えているため、政府がそのオーソライ
ズをしなければならないと言う認識はない。そのため、ドイツでは第三者認定期間が自身で
EU 指令に則った基準を作成し、独自にオーソライズしている状況である。次節にて、ドイツ
の第三者許認可機関である TÜV Nord および TÜV Sued の取組について述べる。
2.5.3 ドイツの第三者認定機関の取り組み
ここでは、ドイツにおける第三者機関によるキャプチャーレディの認証の方針について述べ
る。ドイツ政府は、EU 指令の中では、キャプチャーレディについて特定の政府機関が認定す
る必要があると言う規定はないため、政府によって認証を行うと言う方針ではない。キャプチ
ャーレディは、あくまで現時点で CCS に対してできることを全てした、と言う証明であり、
一般に対してアピールできるツールであると考えているため、第三者認定機関がキャプチャー
レディの認証を行うことに異論はないと考えている。そのため、ドイツでは、第三者認定機関
である TÜV Nord、TÜV Sued が、EU 指令を元に独自の認定基準を定め、キャプチャーレデ
ィを認定している。また、ドイツ政府としては、これらの TÜV 以外が認定を行うことも容認
している。
(1)TÜV とは
TÜV は、元々は、ドイツの技術監査会社として 150 年以上の歴史を持っている。現在では、
TÜV は、TÜV Nord(北),TÜV Sued(南)と TÜV Rheinland(中)の 3 つに分かれて存在
しており、それぞれは競合会社となっている。
TÜV は、発電プラントに限らず電機機器、医療機器等幅広い製品の安全認証を行っている。
石炭火力発電所に対するキャプチャーレディと言う新しい技術のテーマが出てきたため、TÜV
Nord と TÜV Sued では EU 指令に準拠した形で、
キャプチャーレディの評価基準を作成した。
- 115 -
(2)キャプチャーレディの認定基準
TÜV Sued では、EU 指令からの条件と過去の技術的な経験を元に、認定基準を作成した。
現状では、ドイツにはキャプチャーレディを規定する明確な法律はないため、基準は概念的な
ものが多く、エンジニアリングなどに関する詳細な規準を定義している訳ではない。また、電
力会社とも共同で基準の作成を行った。以下、表 2.24 に TÜV Nord がまとめた 12 の認定基
準を示す。
表 2.24
TÜV Nord のキャプチャーレディ認定基準
基準
1
発電所の
概要
2009 年以降に稼動開始予定の発電所が認定の対象となる。
稼働開始
基本構想
事業主体は、CO2 回収システムに関する技術的およびサイトに適した基本構想を
TÜV NORD に提出しなければならない。また、その構想は現行の認識に照らし合わ
2
せ、適切とみなせるものであること。
3
サイトへの
評定の時点では、発電所への CO2 回収システムのレトロフィットが、遅くとも 2020
適合性
年に開始されないような、サイト特有のいかなる事情(阻害要因)も認められない。
研究開発
事業主体は、CO2 回収システムの研究開発をしなければならない。この義務の種別
4
と範囲は、事象者の規模(資金力や技術力など)、プラントの規模に応じたものでな
ければならない。研究計画を提出する必要がある。
5
必要面積
サイトに、将来の CO2 回収システム追設のために適切な面積が確保できることが証
明されなくてはならない。
追加的要請
基準 2(基本構想)において、現状で不確定な要素が含まれている(調査の拡大や補
足調査が前提となっている)場合、この拡大調査や、補足調査の証明も提出されなけ
6
ればならない。さらに、それらの補足調査によって、重大な実行不可能性が見込まれ
ないことも証明されなければならない。
7
8
9
10
11
12
施設の安全性と 施設の安全性および環境性に、何らの重大な悪影響が予期されないことが、施設の設
環境性
計上で確認されなければならない。
効率低下の緩和 事業主体は、キャプチャーレディをすることにおり、発電所の効率を著しく下げない
ことを確認しなくてはならない。
新技術への対応 発電所の設計では、効率向上のための新しい CCS 技術にも対応出来るように設計す
る必要がある。また、新技術に対応出来るように設備を更新しなければならない。
先行投資
現在でも想定可能な先行投資については、項目をリストアップしなければならない。
新技術の経済性を評価し、経済的に成り立つのであれば、先行投資を行う必要がある。
CO2 搬出
発生した CO2 の搬出のために、サイトに応じた構想が提出されなければならない。
CO2 貯留
発生した CO2 の長期貯留のために、サイトに応じた構想が提出されなくてはならな
い。
- 116 -
認定については、電力会社の建設計画に著しく影響を与えないように設定されている。認定
の具体的な流れは、以下のようになっている。
1.メインプラントの資料の提出(デスクレビュー)
2.監査レベル1:事業者
3.監査レベル2:設備/場所
4.短評価報告(必要があれば相違点/修正点を含めて)
5.必要があれば事業者によっての修正対策
6.最終評価報告(合格後の認証と TÜV マークの提出を含めて)
監査に合格すると、事業者はキャプチャーレディを認定するシールを取得する。2 年半後に、
キャプチャーレディに関する監査が行われるが、相違点がない場合は、認定は 5 年間有効であ
るとしている。
2.5.4
まとめ
本章では、EU 指令を受けた後の英国・ドイツのキャプチャーレディ法制化の動向について
述べた。キャプチャーレディの認証の方針は違うものの、両国ともキャプチャーレディを現在
とりうる有力なオプションと捉えている。また、発電所をオペレーションする電力会社として
も、キャプチャーレディについては ZEP を通して提案を行っているため、特段の異論はなく
受け止めている。英国では、キャプチャーレディにより新設の発電所の建設が著しく遅れるこ
とは、本末転倒と考えているため、極力コストアップにならない形で、またエンジニアリング
上複雑にならない形で制度を導入したことも、キャプチャーレディと言う制度が現在受け止め
られた背景と言える。
詳細なキャプチャーレディの定義、キャプチャーレディから CCS 設備をレトロフィットす
る判断基準・タイミングについては、今後も議論は残るものの、キャプチャーレディはカーボ
ン・ロックインを防ぐための有力なオプションと考えられる。
- 117 -
2.6 第 2 章のまとめ
本報告書では、欧米各国のクリーンコール技術、CCS 技術の開発動向、実証プロジェクトの
動向に加え、各国の補助・規制の仕組みについて報告した。米国、欧州を中心として、1 つの
プロジェクトに対して数百億円規模の補助金を決定するなど、今後数年以内に、商業規模に近
い大規模な実証実験が複数立ち上がると考えられる。同時に規制の面でも、CO2 排出量の規制
やキャプチャーレディの義務付けなどが今後も進んでいくものと考えられる。このような現状
を把握し、調査を通じて、以下のような示唆が得られた。
今後、要素開発技術と並行し、より大規模な実証実験が行われる際、実証のポートフォリオ
が非常に重要となる。CO2 の回収技術においても、燃焼前回収、燃焼後回収、酸素燃焼方式で
は、シルバーヴュレットはなく、それぞれが一つの企業内でも並行して開発が進められている。
また、輸送技術であればパイプライン、船舶輸送、貯留技術についても EOR、EGR のような
他用途への利用に加え、帯水層貯留、海洋貯留など複数のオプションが検討されている。今後、
日本においても実証実験を行う際、それらの技術のポートフォリオを組み込み、効率的な実証、
知見の獲得が必要と考えられる。
また、CCS については、従来の発電所とは異なるプレーヤーも多く参画する必要がある。従
来であれば、主に電力会社と重電メーカー、エンジニアリング会社がメインであったが、CCS
では、回収のためには化学プラントの技術が必要となり、輸送・貯留のためにはパイプライン
や地質学的な技術・知見が必要となる。複数の事業領域のプレーヤーが複雑に絡まり合う CCS
では、将来オペレーターとなる電力会社がイニシアチブを持ちつつ、産業界が納得しながら進
む仕組みづくりが必要と考えられる。
CCS については、従来の火力発電所よりも PA(Public Acceptance)の重要性が増す。既に
ドイツを始めとして、CO2 の輸送や陸上の貯留に対して住民の反対が起こっている。現状のパ
イロットプラントから実証プラントへとスケールアップする際には、技術的な信頼性が不十分
であるため、より大きな住民からの反対が予想される。特に、日本では、CO2 の発生サイトと
貯留のポテンシャルがあるサイトが離れているため、パイプラインで CO2 輸送を行う際には、
PA の問題が避けては通れない課題となる。海外諸国の PA への取り組み、失敗事例、課題を
参考に日本における PA の方法を検討することが重要と考えられる。
最後に、海外動向の動向のタイムリーなアップデートが重要であると認識している。石炭政
策の方針を検討し、実証実験の実施やシステム化技術の開発、要素技術の開発を加速させるた
めには、多数の事業者や研究者が CCS の世界的な動向を把握しする必要がある。しかし、日
本では、クリーンコール技術、CCS に関する海外の動向、各国のスタンスを一元的に収集し、
日本語によってタイムリーに関係者に伝える媒体が不足している。広く関係者に情報を提供す
る仕組みが、引き続き必要である。
- 118 -
IZEC ワークショップ、フォーラムの企画・運営
第3章
3.1
IZEC Symposium 2009 国際革新的ゼロエミッション石炭火力発電
3.1.1
開催概要
・ 趣
旨
石炭火力発電が今後とも主要電力供給源の役割を続けるためには、CO2 問題への対
応が不可欠であり、CCS(二酸化炭素回収貯留)が重要な役割を持つことは明らか
である。
本 IZEC(International Zero Emission Coal-fired Generation)シンポジウムで
は、欧州委員会、EU 加盟国規制当局、発電設備サプライヤーなどのステイクホール
ダーを招待し、最新のCCSへの取り組み状況を中心に紹介するとともに、米国エネ
ルギー庁が推進する FutureGen プロジェクトの近況とオーストラリア政府の CCS
促進策として注目される GCCSI(Global CCS Institute)の活動状況についても紹
介する。
・ 主
催: 財団法人 地球環境産業技術研究機構
・ 後
援:
経済産業省資源エネルギー庁、独立行政法人
開発機構、財団法人
石炭エネルギーセンター
・ 日
程: 平成 21 年 11 月 19 日(木)10:00 – 17:00
・ 会
場: ホテルパシフィック東京
・ 言
語: 英語、日本語(日英同時通訳)
・ 参加者:
3.1.2
新エネルギー・産業技術総合
1F「萬葉」(東京都港区高輪 3-13-3)
286 名
プログラム
・開会挨拶
RITE 副理事長・研究所長
・来賓挨拶
経済産業省資源エネルギー庁
茅
陽一
資源・燃料部長
木村
雅昭
・講演 1
「CCS に関する EU 指令の概要とインセンティブ施策」
Scott Brockett (欧州委員会環境総局 環境エネルギーユニット
上席政策官)
・講演 2
「英国政府のキャプチャーレディへの取組みと CCS 規定」
Bronwen Northmore(英国エネルギー・気候変動省 クリーン化石燃料政策部 部長)
・講演 3
「発電プラントサプライヤーのキャプチャーレディ発電所の設計基準と
技術オプション」
Christian Bergins (日立パワーヨーロッパ社(HPE)研究開発部
部長)
・講演 4
「FutureGen: 世界初のニアゼロエミッション石炭火力発電プラント」
Kenneth Humphreys(FutureGen Alliance 株式会社 専務理事)
・講演 5
「GCCSI 活動状況」
- 119 -
Bob Pegler (GCCSI
・閉会挨拶
3.1.3
(1)
副最高経営責任者)
RITE 専務理事
本庄
孝志
アンケート集計結果
アンケート実施概要
シンポジウム参加者にアンケート用紙を配布し、講演終了後に回収し集計を実施した。
(2)
参加登録者業種別割合
事前参加登録者の業種別の割合は次のとおり。幅広い業種からの参加登録が行われた。
1.官公庁
11.マスコミ 1.官公庁
3% 2.公益法人
1%
10.その他
9%
17%
2.公益法人
3.大学・研究機関
3.大学・研究機関 4.エンジニアリング会社・建設会社
9%
5.鉄鋼
9.コンサル
6%
6.化学
7.電力
8.メーカー
8.メーカー
14%
7.電力
16%
(3)
9.コンサル
4.エンジニアリング会
社・建設会社
10.その他
20%
5.鉄鋼
6.化学 1%
11.マスコミ
4%
アンケート回答結果
① 本シンポジウムを何でお知りになりましたか。
- 120 -
② 本シンポジウム参加の動機について、該当する項目を全て選んでください。
③ CO2 回収について、該当する項目を選んでください。
④ CO2 貯留について、該当する項目を選んでください。
- 121 -
⑤ シンポジウムの内容についてお聞かせください。
a.講演内容(テーマ、招聘者等)はいかがでしたか。
(a)講演1
「CCS に関する EU 指令の概要とインセンティブ施策」
(b)講演2
「英国政府のキャプチャーレディへの取組みと CCS 規定」
(c)講演3
「発電プラントサプライヤーのキャプチャーレディ発電所の設計基準と
技術オプション」
- 122 -
(d)講演4
「FutureGen: 世界初のニアゼロエミッション石炭火力発電プラント」
(e)講演5
「GCCSI 活動状況」
b. シンポジウムの時間(配分、全体時間等)はいかがでしたか。
- 123 -
c.次回シンポジウムの講演内容(テーマ、招聘者等)についてご希望がありましたらお聞かせ
ください。
(CCS プロジェクト動向)
・CO2 地中貯留技術の現状。
・テーマ、講演者とも大変良い今回の目的を充分に果たしていると思う。
・CO2 分離回収ー三菱、日立、東芝、RITE、海外。
・貯留層のモニターリング。
・研究開発の状況。
・今回の日立パワーヨーロッパのような、実際にIGCC+CCSを建設するメーカーから
の技術的見通し IGCC からのCO2回収の技術的課題と将来の見通し。
・CCSの捕集されたCO2の化学工業原料としての有効利用の可能性。
・モニタリング。
・欧州CCSプロゼクトの具体的状況/日本CCS社の検討/活動状況。
・日本の事例を紹介して欲しい。
・貯蓄に関するテーマ(サイト選定、モニタリング等)。
・Power Plant からの CO2 分離回収技術についての詳しい講演(課題や具体的データ等)
があると良いです。
・日本のプレゼンも含めるべき、時間が許せばパネルディスカッションも。
・CCS のモニタリング等の技術について。
・海外プロジェクトでの日本の関与、役割について講演があると良いと思います。
・もうすこしEU指令について内容を知りたい。
・実証プラントより検出された問題点と対策(技術の信頼度向上にむけて)。
・スライプナーやサラなどのプロジェクトで、具体的な実例を知りたい。
・CO2 分離技術、特に膜分離について知りたい。
・Future Gen で、塩水層が世界で最も可能性があるといわれたが、地球上における地理的
分布が決め手になる。
・CO2 回収、CCS 方式の各種の最新情報デモプロジェクト詳細。
・技術的な事項に的をしぼってほしい。
・メーカー側の取り組みをもっと取り入れて欲しい(HPE 以外にも)。
・分離技術の低コスト化に Focus した内容。
・具体的な事例を基にした課題、解決等⇒今後の動向への展開。
・実際例。
・中国の CCS 現状。
(CCS に関する法整備、法規制、PA)
・PA 主体実例と動向今後の展開。
- 124 -
・フィナンシャル、スキームを中心とした講演を拝聴したい。
・民主党政権となり、彼らの CO2 削減の一つとして CCS をどう考えているか知りたい。
また、世界へどのようにアナウンスするのか?
・EU−ETS第三期間に向けた制度改正について。
・排出権取引。
・EU内での各国政府の対応、規則等。
(その他)
・バイオマスエネルギー。
・太陽熱発電。
・再生可能エネルギー。
⑥ ロビーで紹介した世界の CCS 情報についてお聞かせください。
⑦ 現時点で地球温暖化対策に向けて最も効果的と思われる技術についてお聞かせください。
(CCS 関連)16 件
・CCSの特にSを促進することが大切。特に地下の Liability については国が取ることが
ベース。
・緊急避難と考えるとCCS。しかし、日本では 2020 年までの実施が困難であるのは問題。
日本のCCS調査以外でも特定の調査を実施し、早期のCCSをしたい。
・高効率火力発電+CCS。
・CO2 排出量削減対策としては、化学的収法が現状効果的と思われる。
・今日本がほとんどすべての要素技術を有しているので、世界の最適地で再生可能エネルギ
ーを生産して、二次電池をタンカーで消費地に運ぶビジネスモデルが最速である。
・CCS(但し、所要エネルギーを低減)。
(原子力発電)11 件
・原子力発電の推進。
・原子力発電所の増設。
- 125 -
(再生可能エネルギー)7 件
・再生可能エネルギーの導入。
(省エネ、高効率化)15 件
・低い発電効率の発電所は発電効率向上のための技術。
・省エネ技術普及・定着。
(その他)
・世界中の人たちへCO2削減が必要であることを学校、世論 etc にアピールし認識を深め
ることが要。
・メタンガス etc の事を何とかすべき(並行して)。
・切り札は無い総力戦である。
・CO2 排出量削減対策としては、化学的収法が現状効果的と思われる。
⑧ その他、感想やお気づきの点などございましたら、ご記入ください。
(CCS 技術について)
・日本は、CCS の具体化に向けて、遅れ始めているのではないかと感じた。
・CCSの日本での実現性があるかどうか(高地があるか?)。
・回収したCO2 は単に地中に埋めるよりもEORや樹脂化や植物工場などに有効利用する
ことを考えるべきではないかと思う。
・世界のCCS情報の公知化活動をもっと進めるべき。
(講演内容について)
・講演の資料で、もう少し写真や図を使って欲しい文字情報だけで口頭の説明では、よく理
解できない所があった。
・室内の画面によるCCSプロジェクトのプレゼンをRITEのHPにUPしてほしい。
・内容に不備が多い、拠論が多く、また、既情報ベースで新しいものが少ない。
・世界の動向と対比できる日本の動向について講演があると良いと感じた。
・内容が充実していて informative である。
(配布マテリアルについて)
・今回使用したプレゼン資料を後日参加者に開示願いたい。
・発表スライドのペーパーがほしい。
・講演2で"Profile"で次のミスがありました Major Petrochemical Contractor* は和訳で
は
石油化学会社となっています。同社はエンジニアリング会社です。
(運営方法について)
・スクリーンが小さい、プレゼン資料の字が多すぎて小さい。
・頻繁な情報発信のシンポジウムの開催を引き続きお願い致します。
・開催日の告知をもっと早くすべき/英語講演 abstract の日本語訳は全く不出来。
・昨年までの会場のように、小さなモニターなども用意して欲しい。
- 126 -
・同時通訳があり、助かりました。
・講演者とRITEのディスカッション時間があっても良かったのではないか?
・席がせまい。
(4)
今後のシンポジウムへの提言
上記アンケートの結果から、参加登録者の業種が多岐に渡っており、CCS 技術への
関心の高さが伺える。業種別割合をみると、「官公庁、公益法人、大学・研究機関」
21%、「鉄鋼、化学、電力」21%、「エンジニアリング会社・建設会社、メー
カー、コンサル」40%となっている。CCS 技術への関心・興味の高さとは対照的
に、実施予定があるとの答えは少なく、現状では、ビジネス機会を期待しての情報収
集段階であることがわかる(20 年度シンポジウムと同じ傾向)。
今回のワークショップでは、欧州、米国、豪州のプロジェクト担当者からの最新動
向の報告がなされたが、特に既に CCS 指令が策定された欧州の講演の満足度は大変高
かった。「英国政府のキャプチャーレディへの取組みと CCS 規定」については、「大
変満足」と「満足」を合わせて 74%を占め、ステイクホルダーの情報収集に対する要
求に対してはタイムリーであったと言える。
今後の要望についても多岐に渡っており、各種の情報への要求があることがわか
る。特に CCS に関する法整備、法規制、PA 関連への要望が多い。特に EU から 2011 年ま
でに CCS 法制定を要望されている欧州諸国の動向は、今後 RITE として調査事業の方向
の一つとして注力すべき分野と考える。
運営方法について、いくつか厳しい意見もいただいている。RITE における今後の運
営、実施体制などに反映させていくこととしたい。
3.2
IZEC フォーラム
3.2.1
(1)
第 4 回 IZEC フォーラム
開催概要
・要旨 : IZEC フォーラムでは、欧州、米国、豪州、中国などで進められている IGCC など
のゼロエミッション型高効率石炭火力 CCS プロジェクトの動向について情報収集を行い、
その実用化に向けた総合戦略を検討し、情報発信している。
・日時:2009年8月21日(金) 14:00-17:00
・場所:東京ステーションコンファレンス 6F 602 会議室
〒100-0005
(2)
東京都千代田区丸の内 1-7-12
サピアタワー
プログラム
・開会挨拶
RITE専務理事
・経済産業省挨拶
資源エネルギー庁
- 127 -
本庄孝志
国際石炭分析官
守屋
猛
・今年度フォーラム運営について
・講
演
①
CCS 戦略・政策に関する国際動向
【RITE 楠田恒雄】
②
CO2 回収技術の現状
【RITE 藤岡祐一】
③
キャプチャーレディーの経済性
【中国電力㈱石原潤一】
RITE 東京分室
・閉会挨拶
3.2.2
(1)
分室長
高木正人
第 5 回 IZEC フォーラム
開催概要
・要旨 : IZEC フォーラムでは、欧州、米国、豪州、中国などで進められている IGCC など
のゼロエミッション型高効率石炭火力 CCS プロジェクトの動向について情報収集を行い、
その実用化に向けた総合戦略を検討し、情報発信している。
・日時:2010年2月26日(金) 14:00-17:00
・場所:ベルサール八重州 2 階 Room B+C
(東京都中央区八重洲 1-3-7 八重洲ファースト フィナンシャルビル TEL:03-3346-1396)
(2)
プログラム
・開会挨拶
RITE副理事長・研究所長
・経済産業省挨拶
資源エネルギー庁
・講
茅 陽一
国際石炭分析官
守屋
猛
演
①
CO2 capture and storage:where are we now and what are the challenges
we face CCS
(CCS プロジェクトの現状と課題)
IEA GHG R&D General manager
②
John Gale
日本における CCS の概観
RITE 東京分室長・研究企画グループ専門役
③
世界の CCS 導入促進策とプロジェクト動向
RITE CO2 貯留研究グループ
④
高木正人
主席研究員
楠田恒雄
IEA の CCS 技術ロードマップと CO2 回収
RITE 化学研究グループ 主席研究員
・開会挨拶
RITE 専務理事
- 128 -
本庄孝志
藤岡祐一
第4章
4.1
CCS 技術に関する情報提供および普及・啓発事業
CCS 情報(ニュース)の定期発信
第 2 章で得られた、CCS に関する海外の最新情報を収集し、関係者に対してタイムリー(2
回/月の割合で配信)に発信することで CCS の普及啓発活動の支援を行った。添付資料 A に、
本調査期間に取り上げたニュースおよび製作した要約を添付した。
4.2
4.2.1
IZEC ウェッブサイトコンテンツの作成と運用
目的
RITE が実施している国内外のゼロエミッション石炭火力発電に関する技術動向および政策
動向の調査結果について、web サイトを通じて幅広く情報提供を行い、ゼロエミッション石炭
火力発電に関する理解を深めていただくことを目的とする。
4.2.2
IZEC Web サイトにおける機能追加
昨年度作成した IZEC Web サイト上に、クリーンコール技術や関連実証事業及び関連政策動
向に関する最新動向を掲載するコンテンツとして 各国クリーンコール関連最新動向 コンテ
ンツの追加作成・構築を行った。
当該コンテンツでは、情報を掲載した各国ごとにそれぞれフレームを構成し、各フレームに
おいて、各国の最新情報のタイトルを時系列に掲載し、そのタイトルには詳細情報ページをリ
ンクさせる構成とした。
また、2008 年 9 月に豪州にて発足した、CCS の技術開発を加速させ、世界各地における商
業展開を今後 10 年のうちに実現するための世界的なイニシアティブである GCCSI(Global
Carbon Capture and Storage Institute)に関連する情報を掲載するため、 GCCSI 関連情報
コンテンツの追加作成・構築を行った。
- 129 -
追加構築したコンテンツ
図 4.1 IZEC Web サイトトップ画面
また、構築したサイトの内容について、以降に示す。
(1)
各国クリーンコール関連情報
各国におけるクリーンコール技術や関連実証事業及び関連政策動向に関する最新情報を掲
載するため、 各国クリーンコール関連情報
コンテンツを構築した。
本コンテンツには、情報を掲載する国毎にフレームを作成し、各フレームにおいて、各国の
最新情報の公開日時とタイトルを時系列にて掲載する構成とした。また、それぞれのタイトル
に各詳細情報のページをリンクさせ、クリックすると各詳細情報のページが展開する構成とし
た。
各国クリーンコール関連情報の全体ページと詳細情報のページのサンプルは下図のとおり
(図 4.2、図 4.3)。
- 130 -
(一部省略)
図 4.2 各国クリーンコール関連情報の全体ページ(一部)
- 131 -
図 4.3 各国クリーンコール関連情報の詳細ページ(サンプル)
4.2.3 最新情報データベースの作成及び Web への掲載
(1)
最新情報データベースの概要
クリーンコール技術や関連実証事業及び関連政策動向に関する最新動向を掲載することを
目的として本年度追加で構築した 各国クリーンコール関連最新動向 コンテンツに最新動向
情報を定期的に掲載するため、各国における最新動向情報データベースを構築した。各国にお
ける最新動向情報は、調査により収集したものと、御機構より提供頂いた情報の 2 種類があり、
それぞれの主な内容は、以下の通りである。
1) 調査により収集する情報
以下に記載する情報について、定点的に情報収集を行い、データベースを作成した。
・ EU:CCS 指令に基づく加盟国各国の国内法対応に関する動向、英国 CCS 公募に関
する動向等
・ 豪州:Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts(環境・水・
遺産・文化省)、The Department of Resources, Energy and Tourism(資源・エネ
ルギー・観光省)における CCS/IGCC 関連動向等
・ 米国:DOE
CCS 関連情報(2009 年 5 月∼7 月リリース分)
- 132 -
2) 御機構が保有する情報
御機構が保有する以下情報について定期的に提供いただき、それらのデータベースの作
成を行った。
・ 米国 DOE クリーンコール関連情報
・ EU 諸国
CCS 関連情報
等
それぞれのデータベース収録記事については、次項(3.2)に示す。
(2)
・
各国クリーンコール関連最新情報
各国クリーンコール関連最新情報の収集結果
前項 3.1 に記載の通り、EU、豪州及び米国(一部)におけるクリーンコール関連最新情報
について、定点的に情報収集を行い、データベースの作成を行った。情報収集の手段は、イン
ターネットによる公表情報からの情報収集を中心とし、情報の収集は関連情報が掲載される
Web サイトの定点的な確認に加え、環境情報提供サービス等による配信・掲載情報等も随時活
用し、最新情報の幅広い収集に努めた。
なお、情報の収集にあたっては、情報の信頼性確保の観点から、基本的には各国政府関連の
公式サイト及び信頼性の高い環境情報提供サービスからの情報のみを対象とした。
定点的な確認を行った Web サイト及び環境情報提供サービスは以下の通り。
●定点的確認サイト
EU:EC の CCS Web サイト
(http://ec.europa.eu/environment/climat/ccs/index_en.htm)
英国:エネルギー・気候変動省の CCS 公募サイト
( http://decc.gov.uk/en/content/cms/what_we_do/uk_supply/energy_mix/ccs/demo_com
p/demo_comp.aspx)
豪州:環境・水・遺産・文化省の CCS Web サイト
(http://www.environment.gov.au/settlements/industry/ccs/index.html)
資源・エネルギー・観光省の CCS Web サイト
( http://www.ret.gov.au/resources/carbon_dioxide_capture_and_geological_storage/Pa
ges/CarbonDioxideCaptureandGeologicalStorage.aspx)
同省内、地球科学局の CCS Web サイト
(http://www.ga.gov.au/ccs/)
●環境情報提供サービスの Web サイト
・
Ecology Express Web サイト(NTT データが運営する環境情報提供サイト)
(https://www.ecologyexpress.jp/)
・
EIC ネット((財)環境情報普及センターが運営する環境情報提供サイト)
(http://www.eic.or.jp/)
- 133 -
調査対象各国において収集した関連情報は以下の通り。
(1) EU 情報
欧州委員会、気候変動・エネルギー包括法案の採択を歓迎(2009 年 6 月)
欧州委員会は本日、気候変動・エネルギー包括法案及び新たな自動車及び輸送燃料から
の CO2 排出を削減するための法案の正式な採択について歓迎の意を示した。
昨年 12 月に合意された本政策は欧州を確実に低炭素社会への道へと歩ませるとともにエ
ネルギー安全保障を向上させるであろう。本包括法案ではいずれも 2020 年までに、温室
効果ガス排出量の 1990 年比 20%削減、及び再生可能エネルギーのシェアを 20%まで増
加させる法的拘束力のある目標が示されている。あわせて、エネルギー効率を 2020 年ま
でに 1990 年比 20%向上させるという EU の目標の達成にも寄与する。
包括法案により、欧州は将来にわたり、法的拘束力を持つ気候変動及びエネルギーに関す
る目標を実施する世界で初めての地域となる。同法は 12 月に開催される国連の気候変動
会議において野心的な国際的目標の合意形成に関して重要な貢献を果たす。
欧州委員会の José Manuel Barroso 委員長は次のように述べている。
「本日我々は欧州委員会における最優先課題の一つについて、合意に達した。エネルギ
ー・気候変動包括法案は市民への便益をもたらす欧州の活動能力を試す試金石となる。欧
州内エネルギー市場の強化に関する昨日の合意とあわせ、我々は、エネルギー効率及びエ
ネルギー安全保障の向上に向けて、重要なステップを踏み出しており、また、本年末の気
候変動に関する新たな国際的合意における欧州のポジションを強化している。」
本包括協定はいずれも 2020 年までに、温室効果ガス排出を少なくとも 1990 年比 20%
削減し、再生可能資源に由来するエネルギー消費のシェアを 20%まで向上させることを欧
州各国の指導者に対して義務付けるものであり、また、エネルギー効率を 20%まで向上さ
せるという目標の達成にも貢献する。
本法案は、他の先進国及び発展途上国が地球温暖化抑制のために相応量の貢献を行うこ
とについて、十分な気候変動に関する国際合意がなされる場合には、排出削減量を 20%か
ら 30%に増加させることをベースとしている。国際合意は、12 月にコペンハーゲンで開
催される国連の気候変動会議において結論が出されることとなっている。
気候変動・エネルギー包括法案は次の 4 つの法案によって構成されている。
・ EU 排出量取引制度(EU ETS)の改訂に関する指令:これにより EU の温室効果ガス
排出量の 40%がカバーされる。
- 134 -
・ EU ETS でカバーされない分野からの温室効果ガス排出に関する法的拘束力を持つ国
別目標を設定する
努力分担(effort-sharing) の決定
・ エネルギー構成における再生可能エネルギー源の比率の向上について法的拘束力を持
つ国別目標を設定する指令
・ 安全かつ環境面で健全な CCS 技術の活用に関する法的枠組みを構築する指令
これらの法案は、同時に合意されたさらに 2 つの法案によって補完される。
・ 新車から排出される CO2 を、2012 年∼2015 年の間に平均 120g/Km、2020 年までに
95g/Km まで削減することを規定する規則:この施策のみで ETS 以外の分野において削
減しなければならない排出量の 1/3 以上を達成できる予定。
・ 燃料品質指令の改訂:燃料供給者は燃料生産チェーンから排出される温室効果ガス排出
量を 2020 年までに 6%削減しなければならない。
今後の予定
これらの 6 つの法案は官報の発行後 20 日目に発効する。官報は 5 月に発行予定。
※
実際の EU 公報掲載日等は次のとおり。
EU公報掲載日:2009 年 6 月 5 日
(発行日から 20 日目に発効)
加盟国の国内法化期限:2011 年 6 月 25 日
原文リンク:
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/09/628&format=HTML
- 135 -
(2) 英国情報
クリーンコール開発の枠組みに関する諮問文書(2009 年 6 月)
2009 年 4 月、我々は石炭火力発電所の新設に関する新たな制度に関する提案を示した。
石炭は他のあらゆる発電形式と比較して単位当たりの二酸化炭素排出量が最も多く、また
今後数十年にわたり、世界的に、発電燃料としての石炭の利用量は増加すると見込まれる
ため、排出抑制に関する技術を早急に開発する必要がある。本提案の詳細は、2009 年 6
月 17 日に発行された クリーンコール開発に関する枠組み:諮問文書 に示されている。
諮問文書には、英国が CCS に関する世界的な行動を活性化させる意図があることとあ
わせ、英国を本技術の最先端のポジションにおくことにより、数十億規模の世界市場を開
発することが可能となり、英国に直接的に利益をもたらすということが示されている。
政府は 2020 年代以降、対策を行わない石炭火力発電所は操業できないということを明
示すべきであるということは、独立機関である気候変動委員会(Committee on Climate
Change :CCC)のアドバイスによって示されたものである。
諮問文書には以下の内容が含まれている。
英国において最大 4 件の商業規模の CCS 実証事業に対して資金的支援を行う。そ
・
こには、一連の CCS 技術を含み、また政府が 2007 年に開始した CCS 実証コンペを含
むものとする。
・
イングランド及びウェールズにおける全ての新設石炭火力発電所は CCS をそのキ
ャパシティにおいて実証できるようにする必要がある。
・
CCS が技術的、及び経済的にそれぞれ実証されたと判断されてから 5 年以内に、石
炭火力発電所を新設する際にはフルキャパシティで CCS をレトロフィットする必要が
ある。我々は CCS が 2020 年までに実証されるという想定に基づいて計画している。
・
CCS が我々の予測のとおり早期に実証されなかった場合に備える。
コメント期間は既に終了している(2009 年 9 月 9 日締切)
。
原文へのリンク
http://www.decc.gov.uk/en/content/cms/consultations/clean_coal/clean_coal.aspx
クリーンコール開発の枠組みに関する諮問文書(2009 年 11 月)
2009 年 4 月、我々は石炭火力発電所の新設に関する新たな制度に関する提案を示した。
石炭は他のあらゆる発電形式と比較して単位当たりの二酸化炭素排出量が最も多く、また
- 136 -
今後数十年にわたり、世界的に発電燃料としての石炭の利用量は増加すると見込まれるた
め、排出抑制に関する技術を早急に開発する必要がある。クリーンコール開発は気候変動
を回避するだけではなく、我々の将来のエネルギー供給を確保するものである。また、イ
ギリスの企業にとって、2030 年までに 400 億ポンドまで拡大すると見込まれている今後
の大型市場への機会を広げるとともに、CCS を含む炭素削減技術により 2030 年までに英
国では合計でおよそ 3 万∼6 万人の雇用が維持されることとなる。
提案の詳細は 2009 年 6 月 17 日に公表され、2009 年 9 月に締め切られた クリーンコ
ール開発の枠組み:諮問文書 に示されている。我々は諸組織及び個人から、諮問期間に
開催された会合やワークショップにおいて提供されたフィードバックを含め、2348 件の
回答を受理した。全ての回答者に感謝の意を述べたい。諮問に対する政府からの回答は
2009 年 11 月 9 日に公表されており、以下より入手可能である※。
諮問への対応として、クリーンコールへの推移の機動力とするための新たな規制及び資
金的枠組みに関する我々の政策を正式に発表した。新設される全ての石炭火力発電所は新
たな政策枠組みに従う必要がある。政策の要約は以下の通り。
・ CCS を伴わない石炭火力発電所を建設することはできない。新たな CCS 奨励金が拠出
される最大 4 件までの商業規模 CCS 実証プログラム以降、新設される全ての石炭火力
発電所において商業規模での完全な CCS チェーン(回収、輸送及び貯留)を実施しな
ければならない。
・ クリーンコールへの長期的な移行。我々の抱負は、2020 年以降、広範にわたり(CCS
を)装着するために CCS レディーとし、以降に建設される新たな石炭火力発電所は初
日から CCS が実施されることである。我々は実証プラントでは、2025 年までに CCS
をフルキャパシティでレトロフィットすることを見込んでおり、CCS に関する部分につ
いては資金的支援を受けられることとなっている。2018 年までに報告をまとめること
が計画されている定期的なレビュープロセスにより、クリーンコールへと移行するため
のさらなる誘因となるような適当な規制及び資金的枠組みを検討する予定である。万一、
CCS が技術的または経済的に実現可能ではなかった場合には、石炭火力発電所からの排
出ガスを管理するための適当な規制アプローチが必要となる。
本リリースとあわせて、我々は本声明の導入後における戦略的環境アセスメントを公表
している。これは、最新の影響評価及び Redpoint 社によるクリーンコール開発に係る規
制及び資金的インセンティブに関する分析調査書である。
原文リンク:
http://www.decc.gov.uk/en/content/cms/consultations/clean_coal/clean_coal.aspx
- 137 -
(3) 豪州情報
CCS に関する環境面の指針草案を公表。コメントを募集(2008 年)
環境保護・遺産委員会(EPHC)と鉱物・石油資源に係る政府審議会(MCMPR)の共
同公式ワーキンググループ(JOWG)はオーストラリア政府が開発した CCS に関する環
境面の指針草案を監修した。
環境・水・遺産・文化省及び資源・エネルギー・観光省からの代表者が JOWG の共同
議長であり、これには、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、
南オーストラリア州、西オーストラリア州、北部準州、タスマニア州、オーストラリア首
都特別地域の代表が含まれている。
環境に関する指針草案
これらの指針は、CCS プロジェクトにおける環境アセスメント、モニタリング及びサイ
ト閉鎖に関して、現在の環境規制プロセスを適用するにあたり、国家レベルでの一貫性及
びステークホルダーに対する確実性を提供するとともに、司法権による環境規制との調整
を図ることを目的としている。
ガイドラインのダウンロード
ガイドライン草案は環境保護・遺産委員会の Web サイトより入手可能である。
リンク:http://www.ephc.gov.au/taxonomy/term/25
コメントの募集
関心を持つステークホルダー及び一般市民からのガイドライン草案へのコメントを募
集中。
コメントの提出期限は 2009 年 2 月 13 日(既に締め切っている)
コメントの送付先:
CCS Guidelines Secretariat
Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts
Energy Futures Branch
GPO Box 787
CANBERRA ACT 2601
- 138 -
Email: [email protected]
原文へのリンク:
http://www.environment.gov.au/settlements/industry/ccs/publications/environmenta
l-guidelines.html
資源・エネルギー大臣、CCS
フラッグシッププロジェクトの最終選考に残ったプロジェ
クトを公表。
(2009 年 12 月 9 日
資源・エネルギー省リリース)
オーストラリアのマーティン・ファーガソン資源・エネルギー大臣は、予算総額 20 億
ドルの CCS フラッグシッププログラムに係る選考において、次の段階に進む 4 つのプロ
ジェクトを公表した。
オーストラリア政府は今後、最大 1,200 万ドルを拠出して選考に残ったプロジェクトの
さらなる評価を進めるためのプレフィジビリティ作業を行う。
その対象プロジェクトは次の通り。
Wandoan power plant project :ブリスベン北西部にある出力 334MW のプラントに
おいて、年間最大 2.5Mt の CO2 を貯留することを目的とする。
ZeroGen power plant project
:クイーンズランド州 Gladstone 西部にある出力
400MW のプラントにおいて年間最大 2.0 Mt の CO2 を貯留することを目的とする。
Collie South West Hub project
:パースの南西部において、石炭火力発電プラントを
含む周辺の工場から回収した CO2 を年間最大 3.3Mt 貯留することを目的とする。
CarbonNet project
:ビクトリア州の Latrobe Valley において、当該地域に存在する
石炭火力発電プラントから回収した CO2 を年間 3∼5Mt 貯留することを目的とする。
これらのプロジェクトは、特にニューサウスウェールズ州の Delta Post Combustion
Capture project 等のさまざまな CCS 技術開発・実証プロジェクトを基礎とすることとな
っている。Delta project はオーストラリア政府、ニューサウスウェールズ州及びオースト
ラリア石炭協会よりそれぞれ原則として 5 千万ドルの拠出を受けている。
20 億ドルの CCS フラッグシッププログラムはオーストラリア政府による 45 億ドルの
クリーンエネルギーイニシアティブの一部として 2009∼2010 年予算において公表されて
いる。
CCS フラッグシッププログラムは 2020 年までに全世界で少なくとも 20 の大規模統合
CCS プロジェクトを実施するという G8 の目標に対して重要な貢献をもたらすものである。
- 139 -
もし我々が持続可能な方法で地球の CO2 排出を削減し、我々が望むとおりのエネルギ
ー安全保障と経済成長を実現しようとするなら、CCS の商業展開は不可欠である。
全世界における石炭利用は、今後 10 年間において増加すると見込まれており、CCS は、
地球規模での気候変動対策において不可欠なものである。CCS を用いることなしに、2050
年までに CO2 排出量を削減するという野心的な世界目標を達成することは不可能である。
オーストラリア政府はクリーンで安全なエネルギー供給をもたらすという対の課題に
対応するため、CCS の展開において世界的なリーダーシップの役割を担っている。
我々の、再生可能エネルギー及びエネルギー効率改善を含むクリーンエネルギー技術に
対する数 10 億ドルの投資は、国際社会が、石炭及び天然ガスがエネルギー源として不可
欠の資源であり、気候変動への対策において、化石燃料からの温室効果ガス排出削減の必
要性ほど重要なものはないということを認めているという事実を反映したものである。
オーストラリア政府は、幅広いエネルギーオプションを通じて技術面でのブレークスル
ーの可能性を加速させるため、クリーンエネルギー戦略に投資している。
ファーガソン大臣は、本日、炭素貯留タスクフォース National Carbon Mapping and
Infrastructure Plan についても公表している。
(www.ret.gov.au. 参照)
背景情報
Wandoan power project
Wandoan project は複数企業のコンソーシアムによる、ブリスベン北西部における
IGCC 発電プラント事業の提案であり、出力 334MW のプラントが提案されており、年間
最大 2.5Mt の CO2 を貯留することを目標としている。本プロジェクトは、黒炭の豊富な
供給源と CO2 貯留サイトとしての十分な可能性があるサイトとの双方に近接しているた
め、さらなる評価の対象に選ばれた。
ZeroGen power project
ZeroGen project は Gladstone 西部において提案されている IGCC 発電プラント事業で
あり、出力は最大 400MW となる予定である。ZeroGen は、石炭企業及び多国籍の技術ベ
ンダーが参加している、クイーンズランド州政府が所有する企業である。本プロジェクト
- 140 -
では、年間最大 2.0Mt の CO2 を貯留することを目標としている。本プロジェクトは評価
が進められている CO2 貯留の有望な地層の近くで実施される予定である。
Collie South West Hub
パースの南西部における Collie South West Hub プロジェクトは、石炭火力発電プラン
トを含む周辺の工場等から回収した CO2 を集積する CO2 貯留ハブ事業である。本事業は、
有望な貯留適地に近く、また大規模な CO2 回収対象となる、産業の中心である Kwinana
と Collie に近いため選定された。本事業では年間最大 3.3Mt の CO2 を貯留することを目
標としている。
CarbonNet
ビクトリア州によって組織されている CarbonNet は、石炭火力発電プラントを含む
Latrobe Valley 工業地域から回収した CO2 を集積する CO2 貯留ハブ事業である。
CarbonNet は、海域及び陸域の有望な貯留適地に近く、大規模な工業地域における一連の
CO2 回収事業をまとめる可能性があることから選定された。本事業は年間 3∼5Mt の CO2
を回収することを目標としている。
原文へのリンク:
http://minister.ret.gov.au/TheHonMartinFergusonMP/Pages/CCSFLAGSHIPPROJE
CTSSHORT-LISTED.aspx
- 141 -
(4) 米国情報
Chu 長官、CCS プロジェクトに 24 億円の資金拠出を行うことを公表。
資金は CCS の技術及びインフラに関する研究、開発及び展開を推進する目的で拠出。
(2009 年 5 月 15 日)
米国エネルギー省の Steven Chu 長官は本日、全米石炭会議の場において、CCS 技術の
商業展開を拡大・加速するために、米国再生再投資法から24億ドルを拠出することを公
表した。その配分は次のとおり。
・ クリーンコールパワーイニシアティブ:8 億ドル
・ 工業部門における CCS:15.2 億ドル
・ 地中隔離サイト特性分析:5000 万ドル
・ 地中貯留トレーニング及び研究:2000 万ドル
原文へのリンク:
http://www.energy.gov/news2009/7405.htm
DOE は CO2 回収プロセスの展開を促進させるため、国立炭素回収センターを設立。同セ
ンターは、石炭火力発電所における新たな CO2 回収技術に関する、柔軟性のあるテスト
ベッドを提供する。(2009 年 5 月 27 日)
米国エネルギー省は、石炭火力発電所から CO2 を回収するための技術の開発・試験を
行うことを目的として国立炭素隔離センターを設立することを公表した。同センターは、
技術革新を通じて温室効果ガス排出量を削減するという国家的取組みに焦点を当ててお
り、管理及びオペレーションは Southern Company Services 社が行うこととなっている。
原文へのリンク:
http://www.fossil.energy.gov/news/techlines/2009/09034-National_Carbon_Capture_Ce
nter_Est.html
DOE は石炭火力ガス化プラントにおける燃焼前炭素回収技術を開発するためのプロジェ
クトを選定。
(2009 年 6 月 11 日)
- 142 -
米国エネルギー省は将来的に IGCC 発電プラントからの CO2 排出を削減できる燃焼前
炭素回収技術を開発するため、9つのプロジェクトを選定したことを公表した。これらの
プロジェクトの事業費合計は 1440 万ドルであり、化石燃料局の国立エネルギー技術研究
所(NETL)が管理することとなっている。選定されたプロジェクトの分野及び対象は次
のとおり。
高温高圧膜
ミネソタ大学(DOE の拠出:793,775 ドル、受託者の拠出:199,997 ドル、期間:48
ヶ月)
Pall 社(DOE の拠出:1,207,289 ドル、受託者の拠出:310,000 ドル、期間:36 ヶ月)
アリゾナ州立大学(DOE の拠出:656,316 ドル、受託者の拠出:164,088 ドル、期間:
48 ヶ月)
高効率溶媒
SRI International(DOE の拠出:1,998,455 ドル、受託者の拠出:399,691 ドル(499,613
ドルまで増額予定)、期間:24 ヶ月)
固形吸着剤
TDA Research(DOE の拠出:2,000,000 ドル、受託者の拠出:500,000 ドル、期間:
24 ヶ月)
URS グループ(DOE の拠出:1,999,934 ドル、受託者の拠出:684,462 ドル、期間:
36 ヶ月)
原文へのリンク:
http://www.fossil.energy.gov/news/techlines/2009/09036-DOE_Awards_Carbon_Captur
e_Projects.html
- 143 -
DOE は産業分野における CCS プロジェクトへの投資を増額するため提案を募集。
技術の前進及び雇用の創出と維持のため、再生法より資金を拠出。
(2009 年 6 月 15 日)
米国エネルギー省は工業分野から排出される CO2 を回収・隔離するプロジェクトを募
集する公募を開始した。プロジェクトは次の 2 技術領域から選定される予定である。
−工業部門からの大規模 CCS プロジェクト(1,321,765,000 ドル)
−CO2 有効利用に関する革新的コンセプト(1億ドル)
原文へのリンク:
http://www.fossil.energy.gov/news/techlines/2009/09038-DOE_to_Fund_Industrial_CC
S.html
Chu 長官、米国−カナダ
クリーンエネルギー対話を開始
クリーンエネルギーに関する相互協力を拡大するため、官民会合に産業界と政府の指導者
が結集。(2009 年 6 月 29 日)
米国エネルギー省の Steven Chu 長官は本日、ワシントン D.C にある米国エネルギー省
本部において、初の米国−カナダ
クリーンエネルギー対話円卓会議の開会挨拶を述べた。
6 月 29・30 日に開催される官民会合では、米国−カナダ
クリーンエネルギー対話の目
標及び活動において企業からのインプットを要請するため、民間企業の代表らが米国及び
カナダのエネルギー分野の幹部によって召集される。
クリーンエネルギー対話におけるさらなる相互協力に係る特定領域には、再生可能エネ
ルギーと次世代バイオ燃料、クリーンエンジン及び住宅・建築物における効率改善等のエ
ネルギー効率技術、CCS、及びより効率的でクリーンな スマート 電力グリッドが含ま
れる。
原文へのリンク:
http://www.energy.gov/news2009/7552.htm
- 144 -
Chu 長官、石炭火力発電所からの温室効果ガス排出を削減するための 2 つの新たなプロ
ジェクトを公表。
CCS を前進させるための新たな技術に対して米国再生法から最大 4.08 億ドルが拠出され
る。(2009 年 7 月 1 日)
米国エネルギー省の Steven Chu 長官は本日、米国再生・再投資法から最大 4.08 億ドル
を拠出するプロジェクトとして、Basin Electric Power Cooperative 及び Hydrogen
Energy International による事業が選ばれたことを公表した。
原文へのリンク:
http://www.energy.gov/news2009/7559.htm
CCS 会合及び中国国家電網との会合における Chu 長官の発言(中国にて)
(2009 年 7 月
16 日)
Chu 長官と代表団らは木曜日の朝、華能グループの代表である Cao Peixi 氏と会合を行
い、天津にある同社の発電所において実施されている革新的な CCS プロジェクトについ
て話した。当該プロジェクトは、中国初の大規模統合型 CCS プロジェクトである。発電
所の燃焼排ガスから溶媒を用いて CO2 を回収する燃焼後回収方式が採用されており、こ
の技術により石炭火力発電所における CO2 排出量を 85%まで削減できる可能性がある。
Chu 長官は中国による本イニシアティブを歓迎すると共に、昨日公表した新しい米中共
同クリーンエネルギー研究センターの下、CCS に関する取り組みについても、米国は中国
と密接な協力を行っていくことを約束した。
原文へのリンク:
http://www.energy.gov/news2009/7651.htm
炭素隔離パートナー、石炭火力発電所から回収した CO2 による炭素隔離プロジェクトを
計画(2009 年 7 月 20 日)
Southern Company と米国エネルギー省の炭素隔離パートナーシッププログラムの 7 メ
ンバーの 1 つである南西地域炭素隔離パートナーシップは、既存の石炭火力発電所におい
て CO2 を回収・貯留する計画を発表した。
原文へのリンク:
http://www.fossil.energy.gov/news/techlines/2009/09047-SECARB_Announces_CCS_Pl
ans.html
- 145 -
4.2.4 既存コンテンツの情報更新
本年度業務にて収集・掲載した情報や関連情報等で、IZEC Web サイトに掲載されている情
報について、1 か月に 1 回程度、既存コンテンツの見直しおよび情報の追加を行った。
(1)FutureGen 情報
IZEC Web サイトでは、米国 DOE の化石燃料局が提供する FutureGen Web サイトを邦訳
して掲載しているが、2008 年初頭に FutureGen 計画が再構築され、2009 年 6 月に再度
FutureGen アライアンスとの合意に至るまでに、同 Web サイトの構成や掲載記事の内容は一
新されている。一方、IZEC Web サイトにおける FutureGen 関連情報は、2008 年 2 月末に最
終更新されて以降、サイトの更新を行っていなかったため、現行の DOE の FutureGen Web
サイトにあわせて、サイトの更新を行った。更新作業の概要と更新の結果を、以降にまとめる。
(2)更新作業の概要
前項に記載の通り、2009 年 6 月以降、DOE の化石燃料局が提供する FutureGen Web サイ
トが大きく変更されたことを受け、IZEC Web サイトにおける FutureGen 情報のトップペー
ジにおけるイラスト、掲載文書等を現行の FutureGen Web サイトに合わせて更新した。また、
DOE からの関連プレスリリース及び FutureGen アライアンスからの関連プレスリリースにつ
いても、最新の情報を収集の上邦訳し、1 ヶ月に 1 回の頻度でサイトへ掲載した。併せて、
FutureGen プラントイメージについても、最新の情報へと更新を行った。
(3)収集・更新情報
FutureGen 情報サイトに掲載されているプレスリリースやプラントイメージ等の情報を最
新化するため、DOE の FutureGen Web サイト及び FutureGen アライアンスのプレスリリー
ス情報を収集し、適宜邦訳の上、約 1 ヶ月に 1 回の頻度で FutureGen 情報サイトの更新作業
を行った。
また、プラントイメージ画像についても、FutureGen Web サイトに掲載されている最新の
データを取得し、FutureGen 情報サイトに掲載した。
それぞれの収集・更新情報の詳細を以下に示す。
・プレスリリース
① DOE のプレスリリース情報
- 146 -
チュー長官がイリノイ州マトゥーンにおいて FutureGen に関する合意を表明
米国初の商業規模炭素回収・貯留プロジェクトの道が開ける(2009 年 6 月 12 日)
ワシントン DC
エネルギー省のスティーブン・チュー長官は本日、イリノイ州マトゥーンにて初の完
全に統合された商業規模の炭素回収・隔離プロジェクトの建設を前進させることについ
て、FutureGen アライアンスと合意に至ったと発表した。
エネルギー省のスティーブン・チュー長官は次のように述べた。「FutureGen の前進
に関するこの重要なステップは、雇用創出、クリーンエネルギーの開発及び気候変動に
関連する汚染の削減に関する包括的計画の一部である炭素回収・隔離技術の早期発展へ
のオバマ政権の深い関与を反映したものである。」
「FutureGen プロジェクトは炭素回収・貯留を商業規模で実証する最重要施設として
非常に有望である。本技術の開発は、米国及び世界中において、温室効果ガス排出を削
減するために極めて重要である。」
上院民主党院内総務補佐官ディック・ダービン氏は次のように語った。
「エネルギー省
と FutureGen アライアンスによる合意は我々の州及び米国にとって歴史的瞬間であった。
私の議員生活において、イリノイ州にもたらされる膨大な経済的利益は言うまでもなく、
科学的にも実用的にも、FutureGen プロジェクトほど重要なプロジェクトはない。オバ
マ政権のために本プロジェクトを存続させようとして私と共に活動した上院の仲間、イ
リノイ州議会の代表団のメンバー及びイリノイ州の担当者に加え、チュー長官のリーダ
ーシップに感謝したい。
」
エネルギー省と FutureGen アライアンスとの暫定的協定の条項により、エネルギー
省はプロジェクトに関する「意思決定の記録」を 7 月中旬までに発表する予定である。
また、以下の活動が 2009 年 7 月末から 2010 年初頭にかけて実施される。
・ 予備設計活動の早急な再開
・ 建設地に特有の予備設計の完成及び見積の更新
・ アライアンスのスポンサー企業の拡大
・ 完全な資金調達計画の作成
・ 追加的な地下特性分析の可能性の検討
詳細な見積と資金調達計画の策定が終了した後、エネルギー省と FutureGen アライ
アンスは 2010 年初頭にプロジェクトを推進するか、中止するかの決断を下す予定である。
- 147 -
双方とも、推進するという決断が望ましいと考えており、プロジェクト全体の資金調達
計画を含む協力協定を更新する計画である。資金の拠出は、NEPA のレビューの結果に
基づいて段階的に条件付きで行われる予定である。
本プロジェクトに対する DOE の資金拠出総額は 10 億 7300 万ドルとなると見られて
おり、そのうちの 10 億ドルは米国再生・再投資法における炭素回収貯留研究資金より拠
出される。FutureGen アライアンスについては、目標とする 20 の参加企業がそれぞれ 4
∼6 年間にわたり総額 2000∼3000 万ドルを提供する場合、その資金拠出総額は 4 億∼6
億ドルとなると見込まれている。アライアンスは、DOE のサポートを受け、設備の建設
及びオペレーションに必要な追加的資金を、連邦以外から調達する手段を模索すること
になると見られている。そこには、本秋の終わりに予定されている残余持分のオークシ
ョンによる、研究プロジェクト終了後に残る設備の評価額の把握も含まれている。
原文へのリンク:
http://www.fossil.energy.gov/news/techlines/2009/09037-DOE_Announces_FutureGen
_Agreement.html
エネルギー省、イリノイ州マトゥーンにおける FutureGen プロジェクトをさらに一歩前
進させる
米国初の商業規模炭素回収・貯留プロジェクトに対して「意思決定の記録」を発行
(2009 年 7 月 14 日)
ワシントン D.C
エネルギー省は本日、国家環境政策法(NEPA)に基づく「意思決定の記録」を発表
し、米国初の商業規模で完全に統合された炭素回収・隔離プロジェクトを前進させた。
同省の決定は、提案されたプロジェクトにおける潜在的な環境面での影響や、プログラ
ムの目的及び目標に関する慎重な検討の結果に基づくものである。
エネルギー省のスティーブン・チュー長官は次のように述べた。
“この最重要施設において計画されている炭素回収・貯留技術は、米国及び世界にとっ
て極めて重要なものである。この一歩は、クリーンエネルギー技術の開発、雇用の創出
及び温室効果ガスの排出削減に関するオバマ政権の深い関与を証明するものである。”
意思決定の記録及びエネルギー省と FutureGen アライアンスの協力協定により、ア
ライアンスはプロジェクトにおける、建設地に特有の活動を進めることができるように
- 148 -
なる。今後 8∼10 ヶ月にわたり、アライアンスは予備設計を完了させ、見積を精査し、
スポンサー企業を拡大し、もし必要であれば追加的な地下特性分析を行う予定である。
2010 年初頭に完了予定のこれらの活動に引き続き、エネルギー省とアライアンスはプ
ロジェクトの建設及びオペレーションを継続させるか否かについて決断する。エネルギ
ー省と FutureGen アライアンスはともにプロジェクトを推進させるという決断が望まし
いと考えており、プロジェクト全体について新たな協力協定を締結することになると見
込んでいる。資金は NEPA のレビュー結果に基づき、段階的に条件付きで供与される。
本プロジェクトに対する DOE の資金拠出総額は 10 億 7300 万ドルとなると見られて
おり、そのうちの 10 億ドルは米国再生・再投資法における炭素回収貯留研究資金より拠
出される。FutureGen アライアンスについては、目標とする 20 の参加企業がそれぞれ 4
∼6 年間にわたり総額 2000∼3000 万ドルを提供する場合、その資金拠出総額は 4 億∼6
億ドルとなると見込まれている。アライアンスは、DOE のサポートを受け、設備の建設
及びオペレーションに必要な追加的資金を、連邦以外から調達する手段を模索すること
になると見られている。そこには、本秋の終わりに予定されている残余持分のオークシ
ョンによる、研究プロジェクト終了後に残る設備の評価額の把握も含まれている。
施設が完全に稼動すると、同設備では炭素の回収及び深部地下塩性層への隔離を伴う
ガス化複合発電技術が用いられることとなっている。稼動 3 年目までに炭素排出のうち
90%を回収するように設計されているが、初期は 60%を回収し、プラントの統合及び隔
離のキャパシティについて検証する。完全に商業稼動した場合、本技術は年間 100 万ト
ンの CO2 を隔離することとなっている。
意思決定の記録(Record of Decision)へのリンク:
http://www.fossil.energy.gov/programs/powersystems/futuregen/futuregen_rod_07140
9.pdf
原文へのリンク:
http://www.fossil.energy.gov/news/techlines/2009/09045-DOE_Signs_FutureGen_RO
D.html
② FutureGen アライアンスのリリース情報
FutureGen アライアンス、米国エネルギー省(DOE)との新たな共同契約を発表
(2009 年 9 月 1 日)
- 149 -
ワシントン D.C.
FutureGen アライアンスと米国エネルギー省は本日、イリノイ州マトゥーンに最先端
の低排ガス石炭火力発電所を継続的に開発する共同契約を締結した。この発表は、
FutureGen アライアンスの最高責任者ミハイル・マッド氏とエネルギー省次官クリステ
ィーナ・ジョンソン氏により、FutureGen の将来の本拠地となるイリノイ州マトゥーンに
て行われた。
「今日、FutureGen の発展に向けた新たな 1 ページが開かれた。この契約は、イリノ
イにおいてクリーンなエネルギーを生み出す可能性を実現しようとする、我々共通の関
心を示すものである。」とマッド氏は述べ、さらに、「この新たな第一歩は、ジョンソン
次官、クイン州知事、ダービン上院議員を始めとする、多数の州及び地元の当局者によ
る絶え間ない支援のお陰で可能となった。これらの方々の貢献とアライアンスメンバー
企業の継続的な関与によって、我々はこの重要なプロジェクトを前進させることができ
た。」と続けた。
1,730 万ドルの事業費分担型の共同契約は、長期プロジェクトの土台となる基礎設計を
対象としており、期間は 2009 年末までとなっている。この契約に基づき、アライアンス
はエネルギー省及びその他のパートナーと共同で、配電網の相互接続に関する研究の継
続、環境上の許可取得、アライアンス運営上の活動の定義、及びプラント設計とプロジ
ェクト・コスト見積の更新を行う。これらの活動を実施した後、アライアンスとエネル
ギー省は、最終設計の決定に向けて本プロジェクトを前進させ、2010 年初めの建設を目
指す。
「本契約は、FutureGen の本拠地をイリノイに持ってくるための我々の協調的努力の
新たな始まりであり、本プロジェクトを実現しようとするあらゆる関係者の決意を表明
するものである。イリノイ州に今までに類を見ない施設を建設するため、我々は今後も、
州レベルでできるあらゆることを行うつもりである。」とイリノイ州商業経済省長官ウォ
ーレン・リブレー氏は述べた。
イリノイ州マトゥーンに建設予定の FutureGen 施設は、同種のものとしては初めての
低排ガス石炭火力発電所であり、出力 275MW の商業規模プラント一基で石炭ガス化、
炭素回収・隔離技術のテスト及び検証を行う。この官民提携プロジェクトは、当初は二
酸化炭素排出量を少なくとも 60%回収し、操業開始から数年以内に 90%回収することを
目指す。
原文へのリンク:
http://www.futuregenalliance.org/news/releases/pr_09_01_09.pdf
- 150 -
Exelon、FutureGen プロジェクトを後押し
(2010 年 1 月 30 日)
イリノイ州
シカゴ
アメリカ最大の電力会社の一つである Exelon Corporation は本日、FutureGen アラ
イアンスに加盟する意向を表明した。
FutureGen アライアンスは、イリノイ州マトゥーンに、炭素回収・隔離を行う世界最初
のクリーンな石炭火力発電所を建設することになっている。本件はシカゴにおいて、イ
リノイ州のパット・クイン知事、米上院議員ディック・ダービン氏、FutureGen アライ
アンスの最高責任者ミハイル J.マッド氏、及び Exelon Power のドイル・ベネビー上級
副社長が出席する記者会見の場で発表された。
マッド氏は、Exelon の参加は、この重要な段階において、本プロジェクトに弾みをつ
けるものであるとし、次のように述べた。
「アメリカ最大の電力会社の一社を FutureGen に迎え入れることは、我々にとって大き
な喜びである。Exelon の参加は、本プロジェクトに産業界からの多大なサポートをもた
らし、アライアンスチームをさらに強化することになるであろう。
我々はこの協力を通じて、次世代型の低炭素エネルギー技術をイリノイ州に、そして世
界にもたらす立場となるであろう。
」
Exelon の会長兼最高経営責任者であるジョン W.ローウェ氏は、FutureGen プラント
は、低炭素石炭発電の先進技術について、業界や政府の知識を高めるとともに、アメリ
カの気候変動対策において新たな手段をもたらすことになるであろうと述べた。また、
同氏は次のように述べた。
「我が国のエネルギー源として、石炭は極めて重要な役割を果たしている。このため、
我々は、石炭火力発電プラントから排出される温室効果ガスを削減し、さらには無くす
ための最も有望な技術を開発することが不可欠である。
FutureGen プロジェクトは、ここイリノイ州において、民間及び公共の資金を活用し、
気候変化の問題を解決するであろうクリーン石炭技術を実践し前進させる重要な機会を
もたらすものである。」
マッド氏は、オバマ政権のサポートが、FutureGen アライアンスへの加盟に関するア
メリカ企業や国際的企業との話し合いを促進させており、今後もこのような発表が続く
ものと思われる、と述べ、次のように加えた。
- 151 -
「新たなメンバーに関する発表がいくつか予定されており、今日の発表がその第一弾
である。エネルギー省のスティーブン・チュー長官の指導力、クイン州知事、ダービン
上院議員及びイリノイ州議会の強力なサポートに支えられ、本プロジェクトは世界初の
CCS プロジェクトとしての勢いと地位を取り戻している。
」
原文へのリンク:
http://www.futuregenalliance.org/news/releases/pr_01_30_10.pdf
FutureGen、キャタピラーをパートナーに加えさらに弾みをつける
(2010 年 2 月 8 日)
ワシントン D.C.
建設、採掘機械メーカーとして世界をリードするキャタピラー社は本日、FutureGen
アライアンスに加盟する予定であると発表した。FutureGen アライアンスは、イリノイ
州マトゥーンに、炭素回収・隔離(CCS)を行う低排ガス石炭火力発電所を建設するこ
とになっている。
FutureGen アライアンスの最高責任者ミハイル J.マッド氏は、キャタピラーの参加は、
このユニークな官民共同プロジェクトに対する支持が高まっていることを示すものであ
るとし、次のように述べた。
「FutureGen は世界をリードする製造会社の一社から支持を得たばかりでなく、我が
国に豊富に存在する石炭から信頼性の高い低炭素電力を生産する CCS 技術を推進するパ
ートナーを得た。0 世界初のクリーン石炭火力発電プラントをイリノイ州に建設するに当
たり、キャタピラー社のサポートに感謝している。」
キャタピラー社のダグ・オバーヘルマン副会長は、次のように述べた。
「我が国のエネルギー供給、エネルギー安全保障及び環境保護の競争力を持たせるため、
クリーンコールは重要な役割を担っている。
FutureGen プロジェクトは、世界が温室効果ガス(GHG)排出量を安定化させ、その結
果、減少させるために必要不可欠な技術である CCS 技術を実証するものである。米国の
経済は、手頃な価格のエネルギーを確実に確保するかどうかにかかっている。
FutureGen は、米国で最も豊富な燃料の一つである石炭の継続的な利用のための道を開
くものである。」
- 152 -
FutureGen アライアンスへの参加に関する関心は高まり続けている。本日の発表の他
にも、アメリカ最大の電力会社の一社である Exelon が、先週、FutureGen への参加を
発表している。
「一週間少々の間に、FutureGen アライアンスは、イリノイ州と深いつながりのある強
力なパートナーを一社増やした。」と米上院議員ディック・ダービン(イリノイ選出民主
党)は述べ、
「キャタピラー社は多くの関係者を FutureGen アライアンスのメンバーに関する交渉の
場に引き込むであろう。また、エネルギー省は交渉の最終段階まで関わるであろう。
イリノイ州、そして世界各地から、新たな FutureGen アライアンスのメンバーを多数迎
えることを期待している。」と加えた。
マッド氏はまた、オバマ政権、イリノイ州、米国議会議員の支持は、プロジェクトに
弾みをつけ、アライアンスへの参加メンバーを増やす上で絶対不可欠であるとして、次
のように述べた。
「ダービン上院議員、クイン州知事、スティーブン・チューエネルギー省長官、及びイ
リノイ州議会議員のリーダーシップと支持を得て、FutureGen とその革新的な石炭技術
は、クリーンエネルギープロジェクトの世界基準を作ろうとしている。」
原文へのリンク:
http://www.futuregenalliance.org/news/releases/pr_02_08_10.pdf
・プラントイメージ画像
DOE の FutureGen Web サイトに掲載されている 3 点の画像データを収集し、FutureGen
サイトに掲載されていた以前の画像データとの差し替えを行った。差し替え後のサイトイメー
ジを図 4.4 に示す。
- 153 -
新たに収集・掲載した画像 3 点
図 4.4 FutureGen プラントイメージ図(更新後)
・その他の更新・追加情報
①
ゼロエミッション石炭火力 CCS プロジェクトデータベース
昨年度構築した
ゼロエミッション石炭火力 CCS プロジェクトデータベース
に、御機構
よりご提供頂いたゼロエミッション石炭火力 CCS プロジェクトに係る追加・更新情報を掲載
するため、プロジェクト掲載対象国を追加するとともに、ご提供頂いたプロジェクト情報につ
いて、新規登録・追加更新作業を行った。
・プロジェクト掲載対象として追加した国は以下の通り。
・スペイン
・ポーランド
また、掲載対象国の追加に伴い、ゼロエミッション石炭火力 CCS プロジェクトデータベー
ス TOP に掲載されている世界地図表示機能の拡張を行った。機能拡張後の当該サイトイメー
ジを図 4.5 に示す。
- 154 -
追加国
図 4.5 ゼロエミッション石炭火力 CCS データベース
世界地図サイト
追加・更新したプロジェクト情報は、以下(1)∼(7)に示す通り(図 4.6∼図 4.12)。
- 155 -
(1) Hydrogen Energy California
図 4.6 Hydrogen Energy California プロジェクト情報
- 156 -
(2) Rotterdam
図 4.7 Rotterdam プロジェクト情報
- 157 -
(3) Belchatow
図 4.8 Belchatow プロジェクト情報
- 158 -
(4) Compestilla
図 4.9 Compestilla プロジェクト情報
- 159 -
(5) Hatfield
図 4.10 Hatfield プロジェクト情報
- 160 -
(6) Porto Tolle
図 4.11 Porto Tolle プロジェクト情報
- 161 -
(7) Saskatchewan-Montana Project
/米国
図 4.12 Saskatchewan-Montana Project プロジェクト情報
- 162 -
世界のイニシアティブデータベース
②
(オーストラリア:2 件+ETIS 追加)
昨年度構築した 世界のイニシアティブデータベース において、以下の情報を追加で収集・
掲載した。
情報収集・掲載対象
・オーストラリア
−Clean Energy Initiative(CEI)
−Carbon Capture and Storage Flagships Program
−Energy Technology Innovation Strategy(ETIS)
追加掲載を行った各情報のサイトイメージは以下の(1)∼(3)に示す通り(図 4.13∼図 4.16)。
- 163 -
(1) Clean Energy Initiative(CEI)
図 4.13 Clean Energy Initiative(CEI)掲載情報
- 164 -
(2) Carbon Capture and Storage Flagships Program
図 4.14 Carbon Capture and Storage Flagships Program 掲載情報
- 165 -
(3) Energy Technology Innovation Strategy(ETIS)
図 4.15 Energy Technology Innovation Strategy(ETIS)掲載情報
- 166 -
図 4.16 Energy Technology Innovation Strategy(ETIS)掲載情報(続き)
4.2.5 関連情報の収集結果
各国におけるクリーンコール関連最新動向等の情報収集にあたり、関連して収集した情報に
ついて、以下にまとめる。
(1)
イギリス政府における CCS 政策概要
(対象文書を収集し、邦訳)
- 167 -
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(2)
オーストラリア
ビクトリア州
Energy Technology Innovation Strategy の
概要と動向
・Energy Technology Innovation Strategy (ETIS) の概要
ビクトリア州は非常に低コストの褐炭資源に恵まれている一方で、その活用において、重要
な環境課題に直面している。
同州の温室効果ガス排出量はオーストラリア全土の温室効果ガス排出量のうちの 22%を占
めており、そのうちの約 52%は同州における発電用の褐炭の活用に伴うものである。
このため、ビクトリア州政府は、次の 2 つの主要な政策目標の達成を試みている。

長期間かけて持続可能エネルギー分野の開発を行うことにより、エネルギー供給お
よび 使用に伴う温室効果ガス排出を抑制する。

ビクトリア州における産業基盤の競争力の持続を支援するため、エネルギー効率を
改善 するとともに持続可能なエネルギー供給源への投資を促進する。
これらの目標を達成するため、政府は研究者や産業界と協力の上、リーダーシップをとると
ともに、十分調整が図られ、十分な資金を用いたアプローチを行うことにより、技術革新のプ
ロセスを通じて新たな、低排出型のエネルギー技術の発展を実現させる必要がある。 このた
め、ビクトリア州が炭素抑制型の電力供給及び利用に関する最小コストでのソリューションと
して、エネルギー技術革新戦略(Energy Technology Innovation Strategy (ETIS) )が承認さ
れ、実施されてきた。
ETIS は、経済面及び環境面において競争力をもつ褐炭火力発電、分散型発電、エネルギー
効率改善及び再生可能エネルギーをタイムリーに入手可能なものとするとともに、官民におい
て一致し調和した活動を行うことにより、ビクトリア州における産業及び地域の経済成長の促
進を実現させるものである。
ETIS の目標
ETIS は、単に研究開発等のような革新プロセスの初期段階だけではなく、技術の研究段階
からマーケットまでの一連のプロセスにおいて、時宜に即した方法により前進させるための包
括的なアプローチに焦点を絞ったものであり、それにより同州の経済発展を支えるものである。
ETIS は以下を目標としている。
● 低排出型エネルギー技術(low-emissions energy technologies (LETs) )を商業展開可能
なレベルまで前進させるための協調的アプローチを促進する。
● 特に、革新の過程において市場ギャップが確認される低排出エネルギー技術の進展を以
下により支援する。
- 182 -
−研究及び開発:新たな低排出型エネルギー技術の開発を技術的に実現可能なものとす
べく促進させる。
−実証:製品を実現可能なものとし、初期的規模拡大をおこなうことにより最も有望な
ものの発展を実現化する。
−最も有望なものをプレ商業規模で実証することにより、技術が確実に利をもたらすも
のであること(bankability)を証明する。
● ビクトリア州における最先端技術の生産能力を促進させることにより、地域及び輸出市
場の成長を支援し、経済及び環境に資するものとする。
・
ETIS における資金援助
① ETIS 1
2005 年、ビクトリア政府は ETIS の第一段階として、一連の低排出エネルギー技術イニシア
ティブに対して 1.87 億豪ドルを上回る資金拠出を約束した。
その対象は以下の通り。
●
ビクトリア州における 2 件のプレ商業段階の大規模褐炭実証プロジェクト
−ビクトリア州が所有し、開発した
乾燥ガス化複合サイクル(IDGCC) 技術の実証
を行うための出力 450MW、総額 7.5 億豪ドルの事業に対して 5000 万豪ドルを拠出す
る。豪州連邦政府も最大 1 億豪ドルを拠出する。
−Hazelwood Power Station にて実施する総額 3.69 億豪ドルの石炭乾燥・炭素回収プ
ロジェクトに対して 3000 万豪ドルを拠出する。
● ビクトリア州北西部において Solar System Generation 社が建設する出力 154MW の総
額 4.2 億豪ドルの太陽光発電プラントに対して最大 5000 万豪ドルを拠出する。連邦政
府は最大 7950 万豪ドルを拠出する。
● 新たな技術の商業化を支援するための重要な活動を継続させるため、エネルギー及び温
室効果技術センター(the Centre for Energy and Greenhouse Technologies (CEGT) )
に対しておよそ 2900 億豪ドルを拠出する。
● 産業界及び連邦政府からの資金を活用して、高品質褐炭の研究開発(R&D)提案に対し
て 1200 万豪ドルを拠出する。
● 再生可能エネルギー、エネルギー効率改善及びクリーン分散型発電を含む持続可能
エネルギー研究開発の支援に 1000 万豪ドルを拠出する。
● Otway Basin の CCS 実験に対して 400 万豪ドルを拠出する。
● Mechanical Thermal Expression(MTE)(石炭乾燥技術)のプレ商業化プラントの建
設支援に 220 万豪ドルを拠出する。
- 183 -
② ETIS
新たな資金拠出
2008 年 4 月、ビクトリア州政府は ETIS における新たな資金拠出について、発表した。
その内容は、次の通り。
● ビクトリア州を気候変動対策において世界のリーダーとするような持続可能エネルギ
ー大規模実証プロジェクトに対して 7200 万豪ドルを拠出。
● 1 億 2740 万豪ドルをビクトリア州のクリーンコール技術に拠出。
この内訳は次の通り。
−新たなプレ商業化段階の大規模 CCS 実証プロジェクトに 1.1 億豪ドルを拠出。
−ビクトリア州の褐炭資源の価値を最大化するための新たな組織、クリーンコールビク
トリアを Latrobe Valley に設立するため、1220 万豪ドルを拠出。この組織は現在の
資源に関する詳細な情報を開発することによりビクトリア州の重要な石炭資源を管理
するための戦略的資源計画を開発するとともに、探査が不十分な地域における褐炭資
源の量と質を調査するための掘削を行う。
−Gippsland 堆積盆の地質を調査し、モデル化することによって炭素貯留ポテンシャル
を把握するために 520 万豪ドルを拠出。
③ ETIS 2
2005 年の ETIS 1において大規模プレ商業段階エネルギー技術プロジェクトへの投資が成
功したため、
ビクトリア州は第二段階の資金援助として 1.82 億豪ドルを拠出することとした。
このうち、1 億 1000 万豪ドルは大規模 CCS 実証プロジェクトに、7200 万豪ドルは先進的
持続可能エネルギー技術の大規模プロジェクトに、拠出される。
● プレ商業段階の大規模 CCS 実証プロジェクト
・ 6 年間で 1 億 1000 万豪ドルを拠出
・ 発電所及び大規模工業プロセスにおけるカーボンフットプリントを削減する
・ 最先端の CO2 回収及び貯留技術の商業的適用を促進する。
● プレ商業段階の先進的持続可能エネルギー技術大規模実証プロジェクト
・ 6 年間で 7200 万豪ドルを拠出
・ 持続可能エネルギー源からの供給における変動性を低減する。
・ 太陽光、エネルギー貯蔵、波力技術、バイオマス変換を対象とする。
ETIS 2 ファンドへの提案は 2009 年 8 月 31 日に締め切られた。その後、評価のプロセスが
進められており、採択されるプロジェクトは近いうちに公表される予定となっている
(2010 年 2 月末時点)。
- 184 -
- 185 -
付録A−1
世界の CCS 関連ニュース資料
- 186 -
2009.7
情報
情報ソース
07 01 Chu ネルギー長官が石炭プラントからの排出を
削減する 2 件の新プロジェクトを発表
アメリカ再生再投資法のもとで Basin Electric
Power Cooperative と Hydrogen Energy
International LLC の 2 件の炭素回収貯留プロジ
ェクトに最大で 4 億 800 万ドルの予算を投入
07 01 FutureGen は持続可能エネルギーに向けて重
要なステップ
今月初め、エネルギー省は Bush 政権が停止し
ていた Mattoon(イリノイ州)ベースの FutureGen
プロジェクトに対して 10 億ドルを支出する計画を
発表した。FutureGen は官民パートナーシップの
クリーン石炭火力発電プロジェクトで回収された
CO2は地中に隔離される予定である。
07 01 ケンタッキープロジェクトで CO2の注入開始
ケンタッキー州 Hopkins 郡におけるエネルギー
省後援のプロジェクトで、当該地域の CO2貯蔵
能力と石油回収強化(EOR)の実現可能性の評
価のために老朽油田への CO2の注入が開始さ
れた。
07 02 英国政府がクリーンコール財源法案を発表
世界のクリーンコール技術を先導する英国政
府の計画の一部として商業規模の炭素回収貯
留実装プラントの財政メカニズムを可能とする
新たなエネルギー法案が次期国会会期に向け
提案された。
07 07 CMS キャメロン マッケンナが EU の 2020 年気
候包括法案のガイドを発行
2020 年に向けた気候変動目標の達成の一助
とする 3 件のディレクティブ(指令)の EU の最終
承認を受けて、CMS キャメロン マッケンナが 3
冊からなる質疑応答集を発行した。
07 09 CO2CRC の H3 回収プロジェクト開始
ビクトリア州 Latrobe Valley にある International
Power の HAZELWOOD 火力発電所でオーストラ
リアの最も包括的な Post-combustion CO2回収
研究施設が開所した。
CO2CRC の H3 回収プロジェクトでオーストラリア
の褐炭燃焼排ガスについて 3 件の CO2回収技
術を試験・評価することになる。
−1−
DOE
http://www.energy.gov/news20
09/7559.htm
Daily
com
Illini http://www.dailyillini.com/opinio
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egen-a-crucial-step-toward-su
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Carbon
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Journal
http://www.carboncapturejourn
al.com/displaynews.php?NewsID
=412&PHPSESSID=g03dikkl55h
0vgs9qgmv4kh163
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejourn
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=414&PHPSESSID=pa1i3uuc9h9
itq862t2ouf8gk7
Carbon
Capture
Journal
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=415&
http://www.carboncapturejourn
Carbon
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Journal
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Environmen http://www.environmental-expe
tal Expert rt.com/resultEachPressRelease.
com
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CO2CRC =1
http://www.co2crc.com.au/dls/
media/09/CO2CRC_H3launch_0
90709.pdf
07. 11 クリーンコールプロジェクトが政府支援を獲得
Taylorville Energy Center(イリノイ州)7 月 10 日発
表、計画中のクリーン石炭火力発電所
(525-550MW のIGCC)に関してエネルギー
省(DOE)から 26 億ドル近い政府与信を得る見
通しである。
07 16 Chu 米エネルギー長官が炭素回収隔離および
国家グリッドについて会合
Chu エネルギー長官 16 日、中国 Huaneng グルー
プが天津地区で推進中の CCS プロジェクトにつ
いて同社 Cao 会長と協議。同プロジェクトは
Post-combustion 方式で CO2を 85%回収
07 16 欧州委員会が EU エネルギーインフラストラクチ
ュアへの投資に関する透明性を提案
欧州委員会(EC) 16 日、EU 域内でのエネルギ
ー・インフラへの投資プロジェクトの情報の透明
性を改善する規制案を採択。石油(バイオ燃料
を含む)、電力(原発を含む)、ガスが対象であ
り、エネルギー生産に関連する CO2の輸送/貯
蔵も対象に含む。
07 17 石炭の炭素回収が米国で活発化
先月 Obama 大統領が FutureGen プロジェクトの
再開で$1 億を投じると発表して以来、炭素回収
貯留技術が活発化。一方、中国におけるプロジ
ェクトは GreenGen と呼ばれている。
世 界 資 源 協 会 の Sarah Forbes(Associate
Director)は「炭素回収事業を最初に実証する国
は技術輸出で優位に立つ」と述べている。
07 19 中国の炭素回収コストは支払う価値がある:米
国エネルギー長官
Steven Chu エネルギー長官は「中国では、巨大
な石炭火力部門が排出する CO2を然るべき水
準まで削減するために回収に巨額のコストを投
じる価値がある。」と発言。
一方、炭素回収貯留(CCS)技術は石炭燃焼に
大きく依存する国における唯一の手段とされる
が、科学者達は「そのためにはより一層多くのエ
ネルギー消費を要する。」と述べている。
07 20 米国エネルギー省(DOE)が 15,000 トンの炭素
貯留プロジェクトをテストする予定
米国エネルギー省の 地域炭素隔離パートナー
シ ッ プ プ ロ グ ラ ム の 2 メ ン バ ー ( Southern
Company および南東部地域炭素隔離パートナ
ーシップ(SECARB))がアラバマ電力の Barry 石
炭火力発電所(2.657 MW)からの CO215,000 トン
の貯留を計画、2011 年に開始。
07 20 ハ ー バ ー ド 大 学 は 初 期 の 炭 素 回 収 コ ス ト を
−2−
Reuters
http://www.reuters.com/article
/GCA-GreenBusiness/idUSTR
E56A15820090711
DOE
Reuters
http://www.energy.gov/news20
09/7651.htm
http://www.reuters.com/article
/gwmCarbonEmissions/idUS145
815062920090715
欧 州 委 員 http://europa.eu/rapid/pressRe
会 EC
leasesAction.do?reference=IP/0
9/1152&format=HTML&aged=0
&language=EN&guiLanguage=en
Power
http://pepei.pennnet.com
Engineering /news/display_wire_news.
cfm?cleanurl=http%3A%2
F%2Fapi.yellowbrix.com%
2Fapi%2F%3Fservice%3D
story%26method%3Dxml
%26story_id%3D1330697
39
Reuters
DOE Fossil
Energy
Power
Engineerin
g
Platts
http://planetark.org/enviro-new
s/item/53829
07 20
07 22
07 23
07 23
$100-150/トンに設定
ハーバード大学は 20 日発表のレポートで、在来
の石炭火力発電所における当面の CO2回収コ
ストは CO2トン当り$100-150 になりそうであり、
これは¢8-12/kWh の電力代の上昇につながる
可能性があるとしている。
炭素回収技術が成熟したらコストは$30-50(電
力代換算で¢2-5/kWh の上昇)に収まる可能性
もある。
ただし、これらには CO2輸送・貯留のコストは含
んでいない。
E.ON UK が欧州炭素回収ファンディングへ申請
指導的な電力会社E.ON UK は自社 Kingsnoth
における炭素回収貯留(CCS)開発提案への支
援を求めて欧州ファンディングへの参加申請を
提出した。同社はすでに英国政府の炭素回収・
輸送。貯留実証コンペのショートリストに載って
おり、欧州再生エネルギープログラム(EEPR)か
らの支援の確保を希望している。
チェコ共和国は貯留能力を有する。同国は CO2
排出を削減する必要がありまた要望しており、
新技術への投資を意図するエネルギー企業 1
社を共有している。それなのに何故 CCS を設置
していないのか?
もし関係者と政治家が少しだけうまくやれば主
要な CO2排出源である火力発電所からの CO2
排出は可能になるであろうが、CCS への投資を
渋る理由は研究開発の協調性の欠如など多様
である。根拠は明かさないが産業経済省(MIT)
は CCS 以外の技術への投資を志向している。
NETL 技術がそうそうたる研究開発 100 賞を受
賞
エネルギー省・化石エネルギー局の国立エネル
ギー技術研究所(NETL)の技術 4 件が R&D マ
ガ ジ ン の 委 員 会 と 編 集 者 が 選 ぶ 2009 年
R&D100 賞を受賞。その内の 2 件は CCS に関
連している。
火力発電所排ガスなどにおける CO2除去にす
る 粘土-液体 CO 2 除去吸収剤(Clay-Liquid
CO2 Removal Sorbent) SEQURETM トレー
サー技術∼パーフルオロカーボン(PFT)を使
って超感受性で地形貯留層からの CO2リー
クを検出する技術
Hart 社が Carbon Challenge の Webiner を発
行
Hart Energy Publishing 社は炭素関連問題の
影響を世界のエネルギー産業と政策作成者が
理 解 す る 一 助 と し て Carbon Challenge
−3−
Power
Engineering
Bellona
http://www.bellona.org/news/n
ews_2009/1248270688.8
DOE
Fossil
Energy
NETL
Power
Engineering
http://www.fe.doe.gov/news/te
chlines/2009/09048-NETLTech
nologies_Earn_Prestigious_.html
http://www.netl.doe.gov/publica
tions/press/2009/09048-NETL
Technologies_Earn_Prestigious.h
tml
http://pepei.pennnet.com/displ
ay_article/366757/6/ARTCL/no
ne/none/1/NETL-earns-RD-10
0-awards/
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejourn
al.com/displaynews.php?NewsID
=418&
07 24
07 24
07 24
07 25
.07. 26
07 28
Webinar シリーズを発行。第 1 回の Webinar シ
リーズ 新たな政策への調整 は 7 月 28 日付
のである。
Scottish & Southern Energy 社、英国政府の
CCS 計画に関し批判的
Scottish & Southern Energy 社のマーチャント
CEO の言によれば、電力会社は最大 4 件の炭
素回収貯留(CCS)付きの発電所の建設で大き
すぎるリスクを負おうとしている。英国政府は、
低炭素移行プランの一部として、ネット 300MW
以上、グロス 400MW 以上の CCS 付き火力発電
所4ヵ所の建設財源を約束している。
Doosan Babcock 社が世界最大の Oxyfuel 実証
を開始
エネルギー気候変動部担当の Ruddock 州大臣
に よ り ス コ ッ ト ラ ン ド の Renfrew に お い て
OxyCoal™ クリーン燃焼試験施設が開所。新
施設では 40MWt のバーナーを用いて Doosan
Babcock の OxyCoal クリーン燃焼システムの実
証を行う予定。
Doosan Babcock 炭素回収 Oxyfuel デモンストレ
ーションの開始における Joan Ruddock のスピー
チ、Renfrew 誌
英国政府エネルギー気候変動省(DECC)の閣
僚として CCS プロジェクトの開始に立ち会えるこ
とを欣快である。DECC の目標はエネルギー供
給の確保ならびに低炭素経済達成およびコペン
ハーゲンにおける気候変動合意の達成である。
一層クリーンでより効率的な CO2回収の新たな
方法
ローレンスリバモア国立研究所はイオン化流体
(水の沸点(100℃)以下で液化する特殊な溶融
塩)を使って CO2を回収する新たなスクリーン法
を開発。化学的な安定性、低腐食性、ほぼゼロ
の蒸気圧、メンブレンへの担架可能、大きいイ
オン選択幅といった特徴がある。
Duke Energy 社が CO2貯留研究を計画
Duke Energy 社はインディアナ州電力規制委
員会に対して南インディアナにおける CO2貯留
プロジェクト案を申請。 同社の Edwardsport 石
炭ガス化発電プラント(建設中)の排出 CO2の一
部を永久地下貯留しようとするもので、すでに炭
素回収調査の許可を取得している。
炭素回収パイロットで英国は気候変動レースの
先頭
Doosan Babcock Energy が 24 日、スコットランド
のグラスゴー近郊における Oxyfuel パイロット施
−4−
Power
http://pepei.pennnet.com/displ
Engineering ay_article/366803/6/ARTCL/no
ne/none/1/Scottish--Southern
-Energy-critical-over-UK-gove
rnment-plans-for-CCS/
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejourn
al.com/displaynews.php?NewsID
=419&PHPSESSID=bgi4ib040rn
8so78b7k7f1nhg0
英 国 政 府 http://www.decc.gov.uk/en/con
DECC
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Lawrence
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Daily
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ws/news_releases/2009/NR-09
-07-04.html
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htm
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejourn
al.com/displaynews.php?NewsID
=420&PHPSESSID=8qic38hrunh
r513aeqk94ikvq1
Reuters
http://planetark.org/enviro-new
s/item/53959
07 28
07 29
07 29
07 30
設の燃焼バーナーに点火。 同件は Doosan
Babcock が主導し、英国政府と Scottish and
Southern Energy が 支 援 、 ま た 、 Drax, EDF,
E.ON, ScottishPower、Vattenfall がスポンサーと
なっている、英国最大の炭素回収貯留(CCS)実
証プロジェクト
アルバータ州で炭素隔離が加速
アルバータ炭素回収貯留開発評議会(カナダ・
アルバータ州の諮問グループ)が 7 月 24 日提出
のレポートで、産業排出の CO2注入(EOR)によ
る半老朽油田における数十億ドルの非採算性
石油の回収を提唱。
アルバータ州の新たな経済発展計画は、炭素
隔離に対して C$10∼30 億の新規補助金(連邦
政府予算および州政府予算)を投入するよう提
案している。
私たちの裏庭ではいや、とドイツ市民、CO2計画
に打撃
世界初の炭素回収貯留(CCS)技術のデモン
ストレーションは地元ドイツ市民の NIMBY 抗議
で頓挫。石炭火力発電所からの CO は大気放出
される結果になった。
スウェーデンの Vattenfall 社は、最近のコンフ
ァレンスで北部ドイツの Spremberg における
Schwarze Pumpe プロジェクト関して CO2は回収
貯留するのではなく大気放出することになると
発表
新奇な CO モニター手法をして使われる蜂、風
船、花粉
エネルギー省化石燃料局の国立エネルギー技
術研究所(NETL)は、モンタナ州立大学と共同
で、蜂、花粉、ヘリウム充填の風船を使って炭
素隔離サイトからの CO2リークを確認する革新
的な方法を開発。この方法では貯留中の CO2に
低濃度の化学トレーサーを混合し、蜂が集めた
花粉中のトレーサーを検出する。
また、NETL は Apogee Scientific と共に、吸収
溶剤を密封したチューブの回転台を風船で空
中に持ち上げ大気中のトレーサーを検知する
方法を開発。
中国の Huaneng が炭素回収プラントの建設開
始、21 世紀ビジネスヘラルド紙報道
中国最大の電力会社である China Huaneng グ
ループが上海の石炭火力発電所において炭素
回収プラントの建設を開始。これは同社にとって
2 番目のプロジェクト。100,000 トン/年の CO2を
回収しようとするもので今年末までに完成する
予定。予算は 1,500 億元($2,200 万)
−5−
New York http://greeninc.blogs.nytimes.
com/2009/07/28/acceleratingTimes
carbon-sequestration-in-albert
a/?scp=1&sq=carbon%20capt
ure&st=cse
参考レポート
http://www.energy.gov.ab.ca/Or
g/pdfs/CCS_Implementation.pdf
(2009.03 付、2009.07.24 公表)
Guardian
http://www.guardian.co.uk/envir
onment/2009/jul/29/germanycarbon-capture
DOE Fossil http://www.fe.doe.gov/news/te
Energy
chlines/2009/09049-Bees%2C_
NETL/DOE Balloons%2C_Pollen_Monitor_CO
2.html
http://www.netl.doe.gov/publica
tions/press/2009/09049-Bees_
Balloons_Pollen_Monitor_CO2.ht
ml
Bloomberg http://www.bloomberg.com/app
s/news?pid=newsarchive&sid=a
LOYok.tSugQ
2008 年夏開始の最初のプロジェクト(@北京)で
は 3,000 トン/年の CO2回収能力を有している。
07 31 炭素回収には 10 年間の補助金が必要、ハーバ Bloomberg http://www.bloomberg.com/app
ードの研究者の発言
s/news?pid=newsarchive&sid=a
ハーバード大学の客員学者 Al-Juaied 氏は、石
SoAI7WaVcqs
炭火力発電所における炭素回収貯留(CCS)技
術が経済的に成立するためには少なくとも 10 年
間は政府の補助金が必要であると発言。
Al-Juaied 氏らの予測では、初期段階は CCS 追
加で発電所の追加投資・運用費用は CO21 トン
当り$100∼$150 になり、技術が成熟したら
$30∼$50 になる。
http://www.bellona.org/news/n
07 31 世界初の CCS プロジェクトである Vattenfall 社の Bellona
Schwarze Pumpe デモンストレーションプロジェク
ews_2009/1249051106.23
ト(@Spremberg/北部ドイツ)が強い地元の反
対に直面
公共に対する安全性の懸念から CO2の回収、
輸送、貯留という 3 段階を組み合わせた世界初
のプロジェクトに関して CO2の地下注入の許可
が下りなかった。主だった環境団体が CCS の支
持を打ち出したが多くの科学者が公共安全に対
する不安に固執した。
http://www.bellona.org/news/n
07 31 スペインは CO2地質貯留に関する法案で 20 年 Bellona
ews_2009/1249048143.75
間のライセンスを承認するであろう
エネルギーおよび気候変動に関するスペイン政
府の事務局は 7 月 27 日、CO2地質貯留に関す
る EU ディレクティブ(指令)遂行の法案を提出し
た。市民および環境に対する安全な CO 地質貯
留を確保するスペインの規制枠組を確立するの
が目的
−6−
2009・8
情報
情報ソース
08 02 炭素回収には輝く未来がある、新たな研究成果
数百万 m3の CO2を廃棄されたガス田や油田に
貯留する際のリークが懸念されているが、オック
スフォード大学、トロント大学、ヒューストン大学
などの英・加・米・中の研究グループが Nature
誌(4 月 1 日)に発表した研究論文は、CO2は数
百万年にわたって安全かつ自然な状態で地下
に貯留されてきたと述べている。この研究成果
は CCS を一歩前進させるものである。
08 03 BP が 5 年間にわたりアルジェリアに$20 億を投
資する予定
BP Algeria は今後 5 年間にわたってアルジェリ
アの石油・ガス田に$20 億の投資を行うと発
表。有望ガス田における 3 本の井戸掘削、大規
模ガス田 2 ヵ所の操業維持、および In Salah ガ
ス田における世界で最初の産業スケールの
CCS プロジェクト、が対象で、In Salah ガス田の
CCS では天然ガスからの CO2分離と地下 2km
の地中貯留を行う予定
08 03 ドイツ:地方官庁が Schwarze Pumpe からの CO
2の貯留を阻止
北部ドイツの Spremberg における Vattenfall 社
の Schwarze Pumpe プロジェクト(発電所での世
界最大のCCSパイロットプロジェクト)に関して、
CO 2 地下注入に係る法的フレームワークの不
在とCCS知識不足による不安が理由で、地方
官庁がCO 2 地下注入の許可証を発行していな
い。
08 04 CCS のコストは 2030 年迄に経済的に競合でき
る
ハーバード大学が先頃発表した論文 炭素回収
の実際的なコスト は、他の関連レポートと同様
に、中期の CCS 適用までに顕著なコスト削減を
期待、と結論付けている。ハーバード論文は、
実証プラントでの CCS 実施コストは 80-125 ユー
ロ/CO 2 トンであり他のレポートの数値と大きく
は変わらない。
08 05 OXYCFB300∼スペインの炭素回収貯留(CCS)
プロジェクトがスタートアップ
スペインの ENDESA(電力会社)および CIUDEN
(公共の研究開発実証機関)は、Compostilla 火
力発電所(@El Bierzo)における炭素回収貯留
−7−
Scienc http://www.sciencedaily.com/relea
e Daily ses/2009/04/090401134602.htm
http://www.nature.com/nature/jou
rnal/v458/n7238/full/nature07852.
html
Reuter http://www.reuters.com/article/G
s
CA-Oil/idUSTRE5722GJ20090803?
pageNumber=2&virtualBrandChann
el=0&sp=true
Bellona http://www.bellona.org/news/news
_2009/1249299568.64
Bellona http://www.bellona.org/news/news
_2009/1249400665.01
Bellona http://www.bellona.org/news/news
_2009/spai_ccs
(CCS)開発のジョイントベンチャーを立ち上げ
た。この実証プロジェクトは 500MW の循環流動
床(CFB) Oxyfuel 石炭燃焼発電プラントであり、
最初の 20 年間に 1.800 万トンの CO2を回収し地
下に貯留する計画である。
08 06 エネルギー省(DOE)が 46 のエネルギーフロンテ DOE
EFRC/
ィア研究センターの予算を承認
21 世紀の新たなエネルギー経済を樹立するの DOE
に必要な科学的ブレークスルーを加速する努力
として、Steven Chu エネルギー長官が、全米の
大学、国立研究所、NPO 組織および民間企業
から選定した 46 のエネルギーフロンティア研究
センター(EFRC)に対して$3 億 7,700 万の予算
の執行を発表。
クリーンコール・炭素回収隔離が含まれている。
http://www.energy.gov/news2009/
7768.htm
http://www.sc.doe.gov/bes/EFRC
.html
( 以 下 、 Basic Research Energy Frontier
Research Centers のページから炭素隔離記述
の要点転記)
炭素隔離技術の主たる研究領域には、新規の
膜および高温・高圧のプロセス流からの CO2分
離、実際の地質形成化学による地下隔離サイト
の形状に係る地質化学プロセスの理解、遠隔
探査・追跡に関する重要な地球物理計測技術
の開発、流体流れ計測手法および複数のスケ
ールで化学プロセスと物理プロセスを連携する
シミュレーション・ツールの開発、現場サイトにお
ける先端計測・モデリング認証、を含む。
08 06 中国は気候変動との戦いにおいて温室効果ガ
スの回収コスで立ち往生
世界最大の CO2排出国である中国は、数百の
石炭プラントから温室効果ガス(GHG)を抽出し
地下に貯留するためのコストと効率で立ち往生
している。国家発展和改革委員会(NDRC)の Su
事務局長は「(CCS に拠らずとも)建築物や車両
のエネルギー効率向上に資金を投じたり代替発
電源(風力、太陽など)に投資することで、より多
くの GHG 排出削減ができる。CCS は優先事項
ではない。」と述べている。
08 07 さらに 5 年間の CCS 研究予算化
CCS 研究で世界を先導する機関の一つである
オーストラリアの温室効果ガス技術協同研究セ
ンター(CO2CRC)はオーストラリア
連邦政府の協同研究センター(CRC)プログラム
(10 件の CRC で構成)の下で豪$2,000 万の予
算を得ることになった。研究を 2015 年まで継続
することができる。
08 08 CCS は 2030 年までにより高い排出削減とより低
い電力価格をもらす
−8−
Bloomb http://www.bloomberg.com/apps/n
erg
ews?pid=newsarchive&sid=aVVBDs
WL__W4
CO2CR http://www.co2crc.com.au/dls/me
C
dia/09/CO2CRC_70809.pdf
Bellona http://www.bellona.org/news/news
_2009/ccs_report
08 10
08 10
08 10
08 10
EU のジョイント研究センター(JRC)は新たなレ
ポート 欧州における将来の化石燃料発電:選
択肢と結果 を発行し、2002 年迄に大型火力発
電所向けの CCS を実用化すると、(CCS を使わ
ない場合に比べて)2030 年までに発電部門での
CO2排出を顕著に削減するのみならず発電コス
トが低下する、との可能性を述べている。
北米リーダーサミット:エネルギー協議 8 月
9-10 日 ‒ グアダラハラ、メキシコ
米国・メキシコ・カナダの 3 ヵ国のエネルギー閣
僚による北米リーダーサミットが 9-10 日にメキ
シコの Guadalajara で開催され、
①炭素回収貯留(CCS)
②天然ガスフレアリング削減
③エネルギー効率
④クリーンエネルギーR&D 協力
⑤Smart Grid ⑥北米同時データ計測インフラス
ト構想、などエネルギーおよび気候変動を主題
に協議。
CCS については、3 ヵ国は北米炭素回収貯留パ
ートナーシップの下で、同一の作図手法による
北米炭素地図 North American Carbon Atlas
の作成およびデータの共有を約束した。また、
研究開発実証(RD&D)プロジェクトの協力の道を
探求することになる。
米国エネルギー省が産業炭素回収貯留を推進
するプロジェクトに$2,000 万の予算提供
エネルギー省は、超音速衝撃を使って CO2を圧
縮する CCS ブレークスルー技術(Rampressor 技
術 ) の 商 業 化 加 速 の た め に Ramgen Power
Systems 社(Bellevue、ワシントン州)に対してアメ
リカ再生再投資法から$2,000 万の財源を提供
すると発表
欧州における CO2地質貯留の能力の評価
EU の GeoCapacity プロジェクトが先頃、欧州に
おける CO2地質
貯留の能力の評価レポート(最終版)を公表。
EU の主要排出源(10 万トン/年以上)からの年
間排出量が 19 億 CO2トンであるのに対して、従
来の評価手法による貯留能力は 1,170 億 CO2ト
ンであり、楽観的な評価であれば 3,600 億 CO2
トンである。
同プロジェクトは、EU の 26 パートナー(20 ヵ国)
の協同出資で進められており、貯留能力評価の
革新的方法の開発、サイト選定基準、経済性モ
デリング、中国との CCS 科学協力に焦点を置い
ている。
Duke Energy が中国の Huaneng とクリーンテック
−9−
http://ec.europa.eu/dgs/jrc/downl
oads/jrc_reference_report_200907_f
ossil_fuel_electricity.pdf (レポート
102 ページ)
http://www.energy.gov/news2009/
DOE
Reuter 7780.htm
s
http://www.reuters.com/article/lat
estCrisis/idUSN10471315
DOE
Fossil
Energy
NETL
http://www.fe.doe.gov/news/techli
nes/2009/09055-DOE_Announces_
Ramgen_Power_Systems.html
http://www.netl.doe.gov/publicatio
ns/press/2009/09055-DOE_Annou
nces_Ramgen_Power_Systems.html
EU
GeoCa
pacity
Bellona
http://www.geology.cz/geocapacity
/publications/GeoCapacity%20Publi
shable%20Final%20Activity%20Repor
t%202006-2008-.pdf
http://www.bellona.org/news/news
_2009/CCS_geo_capacity
Reuter http://www.reuters.com/article/rb
の覚書を交換
Duke Energy(米国第 3 位の電力会社)と Chine
Huaneng グループ(中国最大の電力会社)はク
リーン石炭火力発電の(炭素回収貯留
および石炭ガス化を含む)技術情報交換に関す
る覚書(MOU)に署名した。
Duke Energy は現在インディアナ州で 630MW の
石炭ガス化発電プラントを建設中であり、また、
同プラントサイトの炭素回収のスタディーに
$1,700 万を投じようとしている。更に、同サイト
の CO2排出量の 60%を永久地下貯留する可能
性のスタディーに$1 億 2,100 万を費やすよう検
討している。
一方、China Huaneng グループはすでに最初の
CO 2 回収実証施設を中国国内に建設済みで、
現在、より大規模の CO2回収実証施設を上海で
建設中(2009 年末迄に運用開始)である。 同グ
ループはまた、2011 年完成の予定で、天津に
250MW の IGCC 実証プラントを建設することにな
っている。
s
Power
Engine
ering
ssUtilitiesElectric/idUSHKG252494
20090810
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/367636/6/ARTCL/none/non
e/1/China's-Huaneng-Group-andDuke-Energy-sign-clean-coal-deal
/
(2009 年アメリカ再生再投資法(ARRA-2009)に Grants. http://www07.grants.gov/search/s
おける炭素回収隔離の補助金の公告。参考とし Gov
earch.do;jsessionid=WJybKGhVWyw
て 2009.08.06Update 情報を記載)
190K2hQJcBJq7X43NXsWnRT1420
2009.06.08(本ヘッドラインリストの発行開始以
n6ZVpVlGhL2twG!821461222?oppId
前)、米国連邦法 ARRA-2009 の下で CCS 補助
=47854&mode=VIEW
金の応募者の募集が公告され 2009.08.07 に締
め切られた。
FOA(資金機会通知)公告の正式タイトルは
再生法:産業源からの炭素回収隔離および
有益な CO2利用の革新的な概念 である。ク
リーン産業技術と隔離プロジェクトにおける
投資を増加するため、CO2回収隔離(CCS)と
CO 2 利用で政府と産業界との間のコスト配
分の協業とする。
FOA の目的は先端 CCS 技術の実証で、CO2の
回収、輸送、隔離(包括的な監視、認証、アカウ
ンティング[MVA])の統合およびプラント効率の
向上を含む。
CO2発生産業源としては、セメントプラント、科学
プラント、石油精製所、鉄鋼・アルミニウムプラン
ト、生産工場、発電プラントなどとする。
隔離としては、深層地下塩水層、玄武岩を含む
地質システム、運用中あるいは枯渇した油田・
ガス田、非鉱物系炭層が含まれる。
08 11 バイオテックのスタートアップ企業の Codexis 社 Reuter http://www.reuters.com/article/int
s
が炭素市場出現に着目
ernal_ReutersNewsRoom_BehindTh
カ リ フ ォ ル ニ ア 州 Redwood 市 を 拠 点 と す る
eScenes_MOLT/idUSTRE57A6H52
Codexis 社(主製品は薬品・バイオ燃料∼Roya,
0090811
−10−
Dutch Shell が一部出資)の Alan Shaw 社長兼
CEO は 11 日、CCS 市場の出現に的を絞った製
品を拡大する予定と発表。
石炭火力発電所の排ガスから CO2を回収する
酵素について過去 2 ヵ月の内に試験を完了。販
売を支援するパートナーを探している。
08 13 米国財務省とエネルギー省がアメリカ再生再投
資法でクリーンエネルギー機器製造者向けの
$20 億以上の Tax Credit を発表
米国政府の財務省とエネルギー省(DOE)はア
メリカ再生再投資法(ARRA)法の下でクリーン
エネルギー機器製造者に対する$23 億の tax
credit(機器製造設備投資額の 30%)を発表。対
象は太陽エネルギー・風力・地熱エネルギー機
器/燃料電池/マイクロガスタービン/バッテリー/
電気自動車/再生可能電力用グリッド機器/エネ
ルギー保存技術/CO2回収隔離機器とする。
08 13 Southern Company 傘下の Mississippi Power
Co.が$20 億のプラント計画を変更
ミシシッピー電力は予想される連邦政府ガイドラ
インへの適合を考えて$20 億の発電プラント
(ケンパー郡)のプランを変更した。同発電プラ
ントのオリジナル計画は褐炭をガス燃料に転換
する際に発生する CO 2の半分を回収し地中貯
留するものであったが、現計画では 65%回収に
なっている。 エネルギー省(DOE)の次回の財政
支援は 65%回収が基準になる模様。
08 13 Shell UK と National Grid の 参 加 で
ScottishPower の CCS コンソーシアムが加速
Shell UK と National Grid(パイプライン会社)の
両社は、2014 年迄に石炭火力発電で英国初の
商業規模の CCS の運用開始を目指す Scottish
Power のコンソーシアムに参加する予定。
Shell は当初参加していた Marathon に取って代
わる立場になる。
Aker Clean Carbon(ノルウェー/CO 除去機器メ
ーカー)が同コンソーシアムの 4 番目の企業とし
て参加。
同コンソーシアムは英国政府の CCS コンペティ
ション参加 3 グループの一つで、応札の手続き
に入っている。
08 16 北海は新たな鉱脈
DOE
AI com http://blog.al.com/press-register-b
usiness/2009/08/southern_compan
ys_mississippi.html
Scottis
hPower
Financi
al
Times
NY
Times
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s
Power
Engine
ering
Times
−11−
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http://www.energy.gov/recovery/4
8C.htm
http://www.scottishpower.com/Pre
ssReleases_1908.htm
http://www.ft.com/cms/s/0/ca92b
1fc-87a0-11de-9280-00144feabdc
0.html?nclick_check=1
http://www.nytimes.com/reuters/2
009/08/12/business/business-ukbritain-carbon-shell.html?_r=1&scp
=2&sq=carbon%20capture&st=cse
http://www.reuters.com/article/rb
ssIntegratedOilGas/idUSLD313067
20090813
http://www.reuters.com/article/rb
ssUtilitiesElectric/idUSLD2144122
0090813
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/367767/6/ARTCL/none/non
e/1/Oil-major-Shell-tosses-hat-in
to-ring-for-UK's-CCS-competition
/
http://www.timesonline.co.uk/tol/n
08 16
08 18
08 18
08 18
北海の英国海域には CO2の地質貯留に適した
海底岩盤層があり
ドイツ、フランス、デンマークの火力発電所で発
生する 300 年分の CO2 を貯留できる、という 2
件の研究レポート(エジンバラ大学など)が英国
で発表された。
2030 年迄、英国で£20-40 億/年のビジネスに
なる可能性がある。
スコットランドが北海での炭素回収に着目
Holyrood のスコットランドの企業と自治体政府
は北海の枯渇した油田・ガス田での CO2貯留ビ
ジネスの可能性に期待。Holyrood 政府は、今後
200 年の間に英国の全ての発電所で生ずる CO
2は北海のスコットランド海域に貯留できる、とい
う産業界・学会の合同レポートを発行している。
新たなプロセスで発電プラントの排出ガスから
硫黄成分と CO2を除去
米国エネルギー省の Pacific Northwest 国立研
究所の科学者 David Heldebrant は可逆酸性ガ
ス回収と銘打ったプロセスで試験排ガス流から
硫黄成分と CO2を回収する実験を実施。 同国
立研究所は、発電プラントの産業排ガス中の
CO2や SO2などの有害ガスを除去する再使用可
能な有機液体を開発している。
欧州委員会が FP7 プログラムで米国企業に
CCS に関するプロポーザルへの参加を呼びか
け
米国エネルギー省/欧州委員会の間の非核エ
ネルギー科学技術協力促進合意の下で、欧州
委員会 FP7 プログラムは、米国企業が参加でき
る炭素回収貯留の研究/技術開発を公募
①FP7-ENERGY-2010-1 ゼロエミッション火力
発電向けの CCS 技術(ACTIVITY ENERGY.5)に
€1,900 万割当て
②FP7-ENERGY-2010-2 クリーンコール技術
(ACTIVITY ENERGY.6)と ACTIVITY 5 と 6 にま
たがる横断的活動に€2、000 万割当て
③FP7-OCEAN-2010 海底炭素貯留および海
洋環境に€1,050 万割当て
ドイツ企業が RWE プラントで CO2洗浄試験を開
始
RWE、BASF、Linde が 18 日、ドイツ西部の RWE
の Niederaussem 石炭火力発電所で CO2洗浄
(CO 2 Scrubbing)のパイロットプラント試験を開
始。成功裏に作動しており、2020 年以降、既設
の石炭・天然ガスの火力発電所で活用されるこ
とになろう。 BASF が溶剤を担当し Linde がプロ
セスエンジニアリングを担当している。
−12−
ews/environment/article6797704.e
ce
Financi http://www.ft.com/cms/s/0/66ce3
al
06a-8a7a-11de-ad08-00144feabdc
Times 0.html
http://www.ft.com/cms/s/0/4acd1
274-8ac4-11de-ad08-00144feabdc
0.html
Pacific
Northw
est NL
Green
Car
Congre
ss
Scienc
e Daily
DOE
Fossil
Energy
NEWS
ALERT
http://www.pnl.gov/news/release.a
sp?id=393
http://www.sciencedaily.com/relea
ses/2009/08/090818083226.htm
http://www.sciencedaily.com/relea
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Reuter
s
Carbon
Captur
e
Journal
http://www.reuters.com/article/rb
ssUtilitiesMultiline/idUSLI22986820
090818
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=425&
http://www.fossil.energy.gov/intern
ational/ec_call_for_us_participation.p
df
08 18 Babcock & Wilcox の試験センターがオハイオで
開所
Babcock & Wilcox 火力発電グループ(PGG)は、
オハイオ州の本社近くで再生可能溶剤吸収技
術(RSAT)施設を開始し、パイロットスケールで
CO2管理技術の試験を開始
08 19 中国クリーンエネルギー取引での Duke Energy
の動き
米国の電力大手である Duke Energy と中国最大
の電力会社 China Huaneng グループは、再生可
能エネルギーその他の技術開発に関して覚書
( MOU ) を 交 わ し た 。 石 炭 火 力 発 電 所 か ら の
CCS に焦点を当てた CO2の排出削減に係る長
期協力構想を含んでいる。
08 19 Aberdeen Green Energy Centre が£160 万を受
領
スコットランド政府は、欧州地域開発基金を通じ
て、アバディーンの Scottish European Green
Energy Centre (SEGEC)に£160 万を投資した。
同政府はさらに今後 3 年間で£100 万以上を投
じる予定。 SEGEC は海洋エネルギー、風力エ
ネルギー、長距離スーパーグリッド、および炭素
回収貯留(CCS)などの技術開発に特化してい
る。
08 19 オーストラリア連邦政府と西オーストラリア州政
府が Gorgon LNG に関する責任を負担
オーストラリア連邦政府と西オーストラリア州政
府は、Gorgon LNG プロジェクトに伴う CO2の海
底地質貯留に関し共同して長期にわたる責任を
受持つことで合意。 Gorgon の JV パートナー
(Chevron、ExxonMobil、Shell)にとって重要なハ
ードルが解消する。
08 19 ブルガリア・エネルギー・ホールディング(BEH)
はMaritsa East 工業地帯で CCS を優先
ブ ル ガ リ ア の BEH ( Български
Енергиен Холдинг∼ブルガリ
ア国営)はMaritsa East 工業地帯の 4 ヵ所の褐
炭火力発電所建設で CCS 設置を優先事項にす
ると声明。詳細は明らかにされていないが、新
規石炭火力発電所には CCS を備えるというブ
ルガリア政府の方針が再確認された形になる。
08 20 AEP は商業スケールの炭素回収貯留を進める
ために景気刺激予算を申請
American Electric Power が、Mountaineer 石炭
火力発電所(New Haven/ウェストバージニア)
における全米初の商業スケールの CCS システ
ムの設置に向けてエネルギー省のクリーン石炭
発電イニシアチブの第 3 ラウンドの予算を申請
−13−
Carbon http://www.carboncapturejournal.c
Captur om/displaynews.php?NewsID=424&
e
Journal
Carbon
Captur
e
Journal
http://www.carboncapturejournal.c
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PHPSESSID=gaujj5dijrveiec591tp6u
q0e4
Carbon http://www.carboncapturejournal.c
Captur om/displaynews.php?NewsID=427&
e
Journal
Carbon http://www.carboncapturejournal.c
Captur om/displaynews.php?NewsID=426&
e
Journal
Bellona http://www.bellona.org/news/news
_2009/1250694261.25
AEP
Newark
Advoca
te
http://www.aep.com/newsroom/ne
wsreleases/?id=1559
http://www.newarkadvocate.com/a
pps/pbcs.dll/article?AID=20099082
10344
08 21
08 21
08 21
08 21
08 24
する見通し。AEP の申請額は$3 億 3,400 万
アルバータ州が 3 件のプロジェクトに予算付け
アルバータ州政府は以下の 3 件のプロジェクト
を選定し$2 億の 予算を提供:
①アルバータ炭素基幹ライン(ACTL)のガス
化・CO2回収・輸送・EOR・貯留プロジェクト
②EPCOR/Enbridge の IGCC 炭素回収発電設
備プロジェクト
③ Shell Canada/Chevron Canada/Marathon
Oil Sands の CCS プロジェクト
Shell と Exxon のタール泡だてプロセスでオイ
ルサンドはもっとクリーンンになるかもしれない
Royal Dutch Shell と Exxonmibil はカナダのオイ
ルサンド生産に向け環境影響を解消する技術
高温泡処理プロセス を発表。オイルサンドか
らの石油抽出に伴う CO2の排出を 10-15%削減
することができる。
GE Energy がオーストラリアで IGCC プラント計画
を提出
GE ha クィーンズランド州政府とオーストラリア連
邦政府に対して 400MW の IGCC プラント建設計
画 Wandoan 発電所プロジェクト を提出。CO2
は回収率 90%。2015 年または 2016 年初めに運
用開始の予定
EU 最大の CO2排出発電所が排出削減に投資
の予定
ポーランド中部の褐炭燃焼の Belchatow 発電所
(4,450MW)は CO2排出を相殺するために 2013
年までに 2,000 万トンの CO2排出許可証を購入
しなければならない状況にあるが、将来にわた
る高額のコストを回避するために CCS の検討を
行っている。パイロットプロジェクトの設置に当っ
ては EU の 1/3 補助を期待するが決定にはまだ
2 ヵ月を要する模様。Belchatow は Alstom(仏)お
よび Fortum(フィンンランド)と事前契約に署名済
み
米国エネルギー省が地質 CO2貯留の監視およ
び評価のプロジェクトを選定
エネルギー省(DOE)は CO2の地層貯留に潜在
的な危険のシミュレーション、追跡、評価の能力
強化で 19 件のプロジェクトを選定し、約$3,580
万の予算化を発表。$2,760 万は DOE 予算で
$820 万は民間が分担
モニタリング、認証、アカウンティング(MVA)
Columbia University
Fusion Petroleum Technologies
Montana State University
−14−
Carbon http://www.carboncapturejournal.c
Captur om/displaynews.php?NewsID=430&
e
Journal
Blombe http://www.bloomberg.com/apps/n
rg
ews?pid=newsarchive&sid=aW1lhxY
pKsaI
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Reuter http://www.reuters.com/article/G
s
CA-BusinessofGreen/idUSTRE57K
1QA20090821
http://www.reuters.com/article/G
CA-BusinessofGreen/idUSTRE57K
1QA20090821?pageNumber=2&virt
ualBrandChannel=11611
DOE
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NY
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Reuter
s
Carbon
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Selects_CO2_Monitoring_Projec
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ions/press/2009/09059-DOE_Sel
ects_CO2_Monitoring_Project.h
tml
http://greeninc.blogs.nytimes.co
m/2009/08/24/federal-carbon-sto
rage-grants-awarded/?scp=1&sq
=carbon%20capture&st=cse
08 24
08 24
08 24
08 24
Planetary Emissions Management Inc. (PEM)
Schlumberger Carbon Services
Stanford University
University of Miami Rosenstiel School
University of Texas at Austin, Bureau of
Economic Geology
University of Wyoming
West Virginia University Research Corporation
シミュレーション
Advanced Resources International
Battelle Memorial Institute
Colorado School of Mines
Missouri University of Science and Technology
New Mexico Institute of Mining and Technology
リスク・アセスメント
GoldSim Technology Group
Headwaters Clean Carbon Services
Princeton University
University of Texas at Austin, Bureau of
Economic Geology
ガスハイドレート:現実的な将来のガス供給源な
のか?
国立エネルギー研究所(NETL/DOE) の
Dr.Boswell(技術マネージャー)がメタンハイドレ
ートは現在のエネルギー生産・供給のパラダイ
ムを変える可能性を含んでいという将来の展望
を発表(@Science誌)
Southern Company が炭素回収プロジェクトで予
算申請
Southern Company(石炭火力発電で全米第 2
位)は、計画中の Kemper County 石炭火力発電
所(ミシシッピー州)での炭素回収プロケジェクト
に関して、 クリーン石炭火力イニシアチブ プロ
グラムの下でエネルギー省予算の申請を予定
カロライナ公共局が$20 億の石炭火力発電所建
設計画を中止
Santee Cooper(サウスカロライナ州営の電力・
水公社)の役員会は予算$22 億/600MW の
Pee Dee Energy Campus 石炭火力発電所(@
Florence 郡)の建設計画中止を全会一致で決
定。電力需要の落ち込み、連邦議会で審議中
の気候変動法における炭素回収貯留規則に伴
う膨大なコスト上昇、などが中止の理由
炭素回収貯留の国際スクール
2009 年 IEA 温室効果ガス R&D プログラム(IEA
GHG)CCSサマースクールが Lorne(豪ビクトリ
ア州)で 24 日開講。世界中から 50 人以上(多く
は発展途上国から)の大学院生が参加し最新の
−15−
Power
Engine
ering
Reuter
s
http://planetark.org/enviro-new
s/item/54369
http://www.carboncapturejourn
al.com/displaynews.php?NewsI
D=431&PHPSESSID=gijmfjrvd
s5kgr0p0gljvmeb30
http://pepei.pennnet.com/displa
y_article/368127/6/ARTCL/none
/none/1/DOE-awards-$276mn-to
-CO-2--storage-projects/
http://www.reuters.com/article/mn
CarbonEmissions/idUS1582481120
090825
http://planetark.org/enviro-news/i
tem/54397
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nes/2009/09060-Methane_Hydrate
s_Perspective.html
http://www.netl.doe.gov/publicatio
ns/press/2009/09060-Methane_Hy
drates_Perspective.html
Bloomb http://www.bloomberg.com/apps/n
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ews?pid=newsarchive&sid=aZCfyZo
c04oE
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=aDDRJJ
3E0Ag0
Reuter http://www.reuters.com/article/co
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mpanyNewsAndPR/idUSN2417169
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CO2CR
C
Carbon
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dia/09/CCS_School.pdf
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=432&
http://www.co2crc.com.au/dls/me
08 25
08 25
08 26
08 26
CCS の科学・技術を学ぶ
585MW 石炭火力発電所での CCS 実証を提案
Dominion Virginia 電力は建設中の Virginia City
Hybrid Energy
Center(585MW)における炭素回収貯留(CCS)実
証プロジェクトに要する$580 万の半額の補助を
エネルギー省(DOE)に要請中。発電所は 2012
年に完成し CCS 実証施設は 2015 年に完成する
予定。CCS の処理量は 1,500 トン/日。
中国での炭素隔離研究で Stanford 大学の地球
気候・エネルギープロジェクトが$200 万を提供
Stanford 大学の地球気候・エネルギープロジェ
クト(GCEP)は、中国の塩水層での大規模 CO 2
隔離に関連する基礎課題について南カリフォル
ニア大学(USC)、北京大学(PKU)、中国地球科
学大学(CUG)と国際協力を開始。 GCEP は
$200 万近い予算を支給する予定。
米環境保護局(EPA)が CO2の地質隔離の新規
情報に関するコメントを募集
安全飲料水法(SDWA)の下で地中隔離した CO2
が地下の飲料水源への脅威になるのを防ぐ観
点から、EPA は CO2の地質隔離に関して受領し
た新たな情報についてのコメント募集を発表。
期間は Federal Register 上での公表後 45 日間
(参考)
EPA は上記に関連してパブリックヒアリングを開
催する。9 月 17 日@EPA 地域 5 オフィス/シカ
ゴ
炭素隔離ドキュメントが Aurora 賞を獲得
米エネルギー省(DOE)支援で制作された炭素
隔離のフィルムが国際的な 2009 年ゴールドオ
ーロラ賞(自然/環境ドキュメンタリー部門)を受
賞。題名は 大気から・・・土壌中へ:大気の CO2
レベルを低減する大地の活用
08 26 CO2 貯留の漏えいリスクは誇張されている
マサチュセッツ工科大学(MIT)が先頃発表した論
文によれば、地下地盤に注入・貯留された CO2
が漏えいする可能性は全注入量の 1%程度であ
り、それも数千年の期間での可能性である。
08 26 CCP が CO2地質貯留レポートを発行
CO 2 回収プロジェクト(CCP:エネルギー企業 8
社と 3 政府機関の
パートナーシップ)が、産業スケールの CO2地質
貯留(CCS)プロジェクトのためのサイトアセスメ
ント、運用パラメーター、監視、等のガイダンスを
−16−
Journal
Power
Engine
ering
Coalfir
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Journal nsvvt53
08 26
08 26
示す 86 ページのレポート CO2 貯留に技術的基
礎 を発行。Cal Cooper(旧 ConocoPhillips)が編
集している。
カリフォルニア州エネルギー委員会が水素火力
発電所の審理を開始
カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)は 26
日、Hydrogen California International 社申請の
250MW の水素エネルギーカリフォルニア(HECA)
IGCC 発電プロジェクトのデータが適切であると
満場一致で票決し近々承認する予定。同プロジ
ェクトは West Kern 郡に建設し、石油コーク、石
炭あるいは両者の混合を燃料とする。また CO2
を 90%回収貯留する。
メキシコが炭素貯留に関してコロンビア、コスタ
リカに合流
Quesada メキシコ環境大臣は、温室効果ガス抑
制のため炭素貯留に関してコロンビア、コスタリ
カに合流する予定であると発表。
メキシコは世界に向かって気候変動対策をコミ
ットしている。
米エネルギー省(DOE)が地域隔離技術訓練プ
ロジェクトに対する$840 万以上の予算手当を発
表
Chu エネルギー長官は 27 日、7 件の地域隔離
技術訓練プロジェクトの開発に$840 万を投ずる
と発表した。
選定された訓練プロジェクトは、ディベロッパー、
地質学者、エンジニア、技術者を対象としてお
り、商業 CCS プロジェクトの現地開発、運用、監
視に関する知識および技術の移転を促進するも
のである。
英国は原発新設と石炭火力の選択で板挟み
英国は気候変動対策で、新規原発を建設する
か CCS 機能を備えた石炭火力発電所を建設す
るか、という重大な決定を迫られている。この問
題をじっくり検討している米国の官庁や電力会
社と異なり、地球温暖化ガスの削減をコミットし
また不安定な地域のエネルギーに頼っている英
国での決定は急がれている。
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CEC
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ngdom-faces-a-quandary-over-ne
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q=carbon capture&st=cse&scp=1
08 28 CO2法案が成立すると年間$70 億のコストがか Reuter http://www.reuters.com/article/G
s
かる、と石油精製業者発言
CA-GreenBusiness/idUSTRE57R4
米国最大の石油精製企業 Valero の Greenwood
JJ20090828
副社長(政策担当)は、気候変動法が成立した
ら Valero にとって炭素クレジット購入で$60∼70
億のコスト負担になり、これは 2006 年の収益を
超える。従って、バイオ燃料や炭素回収貯留の
08 27
−17−
DOE
Fossil
Energy
Carbon
Captur
e
Journal
R&D
Magazi
ne
選択が必要になる。とりわけ CCS は最優先のテ
ーマである。
08 31 ワイオミング大学(UW)が炭素隔離研究で連邦
政府の予算を受領
ワイオミング大学は、炭素隔離に関する研究と
技術を強化するため、米エネルギー省(DOE)か
ら$200 万近くの予算を取得した。DOE は、地域
訓練プロジェクトの開発および地層炭素貯留の
潜在的リスクの研究を通じてクリーンコール研
究の促進を試みている。
08 31 深冷炭素回収は地球温暖化を抑制するはず
Sustainable Energy Solutions 社が炭素回収技
術 深冷炭素回収(CCC) システムを開発。エネ
ルギー省(DOE)のアイダホ国立研究所は、CCC
技術は既存技術に比べて革新的・経済的であ
る、と評している。
Univers
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08 31 BKK 社が Mongstad における天然ガス・プラント Bloomb http://www.bloomberg.com/apps/n
erg
建設計画を取りやめ
ews?pid=newsarchive&sid=afgTWHI
BKK(ノルウェーの電力会社)は、高い建設コスト
tznZI
を理由に、炭素回収システム付きの天然ガス発
電プラント(@Mongstad 石油精製所)の建設計
画を断念。炭素回収システムは当初の積算より
はるかにコスト高となることが判った。
−18−
2009.9
情報
情報ソース
09 01 石炭プラントは CO2共々、納税者の$15 億を地
中に埋める
Salazar 米内務長官は、CO2を回収・地下貯留す
る石炭プラントとして世界最大の Great Plains
Synfuel プラント(North Dakota)を評して、環境
面の成功事例であり Obama 大統領の地球温暖
化対策技術のショーケースになるかもしれな
い、と称賛。
09 01 FutureGen Alliance(FutureGen 連合体)が合衆
国エネルギー省との協調的アグリーメントを発
表
FutureGen Alliance およびエネルギー省は 9 月 1
日、Mattoon (イリノイ州)における斬新低排出
の石炭火力発電プラント(275MW)の継続的な開
発に関する協調的アグリーメント署名。$1.730
万の費用を分担して 2009 年末までに予備設計
を行い長期プロジェクトに備える。一層のコスト
ダウンと参加企業数の増加(現在の 9 社から 20
社に)を引き続き検討する。同プロジェクトは初
めての商業スケールの CCS 機能を有する予定
である。
09 01 Southern Company が全米炭素回収センターの
新パートナーを発表
米エネルギー省の全米炭素回収センター
(NCCC) の 幹 事 役 を 務 め て い る Southern
Company は NRG Energy Inc.(ニュージャージー
州)が新規パ−トナーとして NCCC に参加したと
発表。NCCC は、20009 年初めに政府、産業界、
学界の協力で石炭火力発電プラントにおける先
端炭素回収技術を開発する目的で設立された。
09 01 NRG Energy は テ キ サ ス に お け る
Post-combustion 炭素回収実証プロジェクト建
設でクリーン石炭発電イニシアチブ適用を申請
NRG Energy は、3,653MW の WA Parish 石炭・天
然ガス燃焼発電プラント(テキサス)での
Post-combustion 方式の炭素回収実証設備建
設のため、エネルギー省に対してクリーン石炭
発電イニシアチブ適用を申請。
炭 素 回 収 に は Fluor 社 の Econamine FG
Plussm 技術を用いる。同発電プラントは 2013
年に運用開始する予定である。
−19−
Bloomberg
参考
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roject-at-3,653-MW-power-plant
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8
09 01 シェブロンの A$500 億プロジェクトが生産ライセ
ンスを取得
オーストラリア連邦政府は Gorgon ベンチャー
(シェブロン、エクソンモービル、シェル)に対して
Gorgon 及び Io-Jansz ガス田でのガス生産プロ
ジェクト(500 億オーストラリアドル)の生産ライセ
ンス 5 件を発行。同プロジェクトの LNG 液化で発
生する CO2の 40%は回収地下貯留され、連邦政
府と西オーストラリア州政府が貯留 CO2に関し
て長期にわたる責任を担う。
09 02 世界初の CO2 輸送ガイドラインの発行が間近
Det Norrske Veritas(DNV:船舶技術等を試験・
評価するノルウェーの独立系機関)が政府機関
及び主要な関連産業とともに世界初の CO 2輸
送(陸上・海洋パイプライン)ガイドラインを作成
した。
09 02 気候変動の戦いの中、イタリアの CCS 展開は
Stop−Go と前進に向けた本格的な流れの交差
路にある
イタリアにおける石炭火力発電の比率はわずか
に 14%であるが、最大の電力会社 ENEL は石油
に代えて石炭火力の比率を 50%に高める方向で
ある。同社は CCS に強い関心を示している。
09 03 炭素回収貯留協会(CCSA)と炭素隔離リーダー
シップフォーラム(CSLF)が英国産業界と会合
CCSA は、CSLF 閣僚会議(10 月 12-14 日@ロ
ンドン)の前に利害関係者(Stakeholders)の会議
を共催する予定。この事前会議は産業界・NGO
を含む利害関係者の歩調合わせを目的とする。
09 03 ロッテルダムでの CO 2回収は技術的に実行可
能
ロッテルダム気候イニシアチブ(RCI)主導の調
査(9 月 3 日発表)によれば、ロッテルダムにお
ける CO 2 回収は技術的に可能であり、E.ON
EONG.DE、Shell、Electrabel を含む 9 社が 2015
年の運用に向けて炭素回収プロジェクトを検討
中。CO21 トン当りの総コストは€40∼70 になる。
09 04 EU、ノルウェー、米国:CO2貯留に関する技術
ガイド
CO2回収プロジェクト(CCP:EU・ノルウェー・米
国の政府機関および世界の指導的エネルギー
会社 8 社のパートナーシップ)が先頃、大規模C
O2地質貯留プロジェクトのアセスメントおよびマ
ネジメントのガイドと適切なサイト評価、運用パ
ラメーター、モニタリングの行動指針を発行
09 04 中国のクリーンコールは よろめくような コスト
−20−
Bloomberg http://www.bloomberg.com/apps
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Bloomberg http://www.bloomberg.com/apps
09 06
09 07
09 08
09 08
09 08
高に直面していると言われる
スタンフォード大学のモース准教授は、中国で
は石炭火力発電
プラントにおける炭素回収貯留システムの総設
置コストが 30 年間で$4,000 億に上るが、電力
価格上昇を招く懸念などから投資に対するイン
センティブが少ない、と述べている。
天然ガス産業が新エネルギー法案で障害に出く
わしている
近年、大規模なガス田発見や石炭代替の燃料
として順風満帆であった天然ガス産業に思わぬ
冷や水。合衆国議会上院での気候変動法案審
議で民主、共和両党の有力議員が、長期的に
見れば石炭燃焼での炭素回収貯留に係る開発
技術は天然ガスに勝る、と発言している。(注
記:本件は CCS に特化した記事ではない。)
気候変動の専門家が EU に対して炭素回収を急
ぐよう要求
Edenhofer 国連 IPCC(政府間気候変動パネル)
副議長はドイツで 7 日 「欧州において炭素回収
パイロット・プロジェクトは政治的優先性が高い。
気候変動への取り組みに際して炭素回収貯留
(CCS)は欠くことができない技術である。欧州に
おける実証プロジェクト(2015 年迄に 10∼12 件)
の成功は、中国、インド、ロシアなど石炭依存の
国々にとって重要である。」と述べた。
ウェストバージニアでこの種として初めての隔離
フィールドテスト開始
米エネルギー省(DOE)の支援の下で、9 月 8
日、CONSOL Energy 社、ウェストバージニア大
学、国立エネルギー技術研究所(NETL/DOE)
は、未採掘の石炭層において CO2注入による初
めての炭床メタン(Coalbed Methane)の回収強
化フィールドテストを開始した。
CO2貯留 101 新たなプログラムが炭素回収貯
留分野の専門家を認証することになる
エネルギー省(DOE)は景気刺激制度の下で、
シアトルに本拠を置く Environmental Outreach
and Stewardship Alliance (EOS:環境奉仕&管
理連合)に炭素回収隔離の訓練・認証カリキュラ
ム開発をほぼ$100 万で発注。EOS は DOE の
Pacific Northwest 国立研究所やワシントン州プ
ロフェッショナルエンジニア協会などをパートナ
ーとして地域 CCS 技術訓練・認証プログラムを
2012 年迄に作成する。
英国は北海での CO2貯留で年間£100 億の利
益を上げることも可能
英国は欧州の他国に比べてはるかに多くの炭
−21−
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NY Times
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Engineerin 47.ece
素貯留海域を有しており、ドイツ、デンマーク、 g
ポーランドなどに£50 億/年で CO2貯留ライセン
スを売却するなど£100 億/年の利益を上げるこ
とも可能である。
09 08 炭素回収プロジェクトはスケジュール通りである
と J パワーが発表
J パワーの藤富常務取締役は、日豪共同プロジ
ェクトとして進めている Callide A 炭素回収貯留
プロジェクト(30MW、Oxyfuel 方式石炭火力発電
@オーストリア Queensland)はスケジュール通り
に進捗していると発表。スタートアップは 2011 年
7-9 月の予定。
09 10 Alstom と Dow Chemical が新たな CO2回収パイ
ロットプラントを開所 ∼革新的化学が CO2回
収技術で重要な役割を演ずる見通し
Alstom と Dow Chemical Company は 9 月 10 日、
South Charleston(ウェストバージニア)の Dow
施設において、石炭焚ボイラーの排ガスから先
端アミン技術で CO2を回収するためのパイロット
プラントを開所した。年間で 180 トンの CO を回
収する。
Reuters
Dow
Chemical
Electric
Energy
online
Carbon
Capture
09 10 政治的真空の中で低炭素エネルギーがスリップ Reuters
E.ON UK の Golby 筆頭執行役員は、英国政府は
気候変動政策の不確定さを反映して炭素回収
貯留(CCS)機能付きの石炭火力発電プラントの
建設支援の提案を遅らせている、と述べた。
政府は CCS プラント1ヵ所について全額を予算
化するが、更にプラント数を増やすかどうか明ら
かにしていない。
09 10 Shell と Shenhua がクリーン石炭技術の共同研 人民網
究で合意
Shell(China)と Shenhua グループ(中国最大の石
炭生産者)は、9 月 9 日、クリーン石炭技術の共
同研究開発で合意し覚書に署名した。具体的な
プロジェクトは明確にしていないが、先端石炭ガ
ス化技術および(おそらくは)炭素回収貯留技術
について協議するものと思われる。(注記:本件
は CCS に特化した記事ではない。)
09 10 オーストラリアに石炭業界はクリーン石炭炭素 Reuters
の回答を求めている
オーストラリア鉱物評議会(MCA)の Hooke 事務
局長は、石炭ガス化や炭素回収貯留を含む排
出削減技術を石炭焚火力発電所で使用する方
−22−
http://www.timesonline.co.uk/tol
/news/science/earth-environme
nt/article6826737.ece
http://pepei.pennnet.com/display
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wer-stations-worth-up-to-$16bn
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http://planetark.org/enviro-news
/item/54601
が連邦議会で審議中の炭素取引制度よりはる
かに効果が高く、炭素取引制度法案を廃案にす
べき、と述べた。
Reuters
09 10 ノルウェー議会選挙での主要な争点
ノルウェー議会選挙戦での多くの争点のなか
で、与党である労働党は、温室効果ガスに関す
る世界的な Cap-and Trade システムの構築およ
び炭素回収プロジェクトを提唱している。
(注記:本件は CCS に特化した記事ではない。)
09 14 大手電力会社が炭素回収技術の試験の着手に
向かう
ア メ リ カ 電 力 会 社 (AEP) 、 オ ハ イ オ 川 沿 い の
Moutaineer 石炭火力発電プラント(1980 年運用
開始し後日改造、1,300MW)を更に改造し年間
850 万トンの CO2を回収・貯留するよう検討中で
ある。
09 14 Enel(イタリア最大の電力会社)が中国と CO2回
収技術でサイン
Enel は 9 月 14 日、中国政府との間で炭素回収
貯留技術を供与する契約に署名した旨を発表し
た。Enel は中国の発電所 1 ヵ所における炭素回
収・EOR に関するフィジビリティスタディを行う。
09 15 米エネルギー省(DOE)が革新的な炭素回収プ
ロジェクトを加速するために$7,100 万を
DOE は 16 日、アリゾナ州公共サービス局(APS)
の既存の産業用革新的炭素緩和プロジェクトの
拡大を図るため、アメリカ再生再投資法(ARRA)
の予算から$7,050 万を APS に支給する、と発表
した。
09 15 Future Power PA 社がニアゼロ・エミッション発電
プラントを加速するために連邦政府の補助金を
申請
Future Power PA 社は 9 月 14 日、エネルギー省
( DOE ) の ク リ ー ン 石 炭 発 電 イ ニ シ ア チ ブ
(CCPI) プログラムの下で炭素隔離機能を有す
る Good Spring IGCC 発電プラント(270MW)をペ
ンシルバニア州に建設するため、DOE の補助金
を申請したと発表した。
09 16 エネルギー省の新たな予算が炭素回収貯留の
研究開発を促進
米国の Chu エネルギー長官は、2010 年度にアメ
リカ再生再投資法の財源から$6,200 万を投じて
アグレシブな炭素回収の研究開発を行う、と発
表した。エネルギー省(DOE)は貯留サイトの特
性研究に$4,975 万、地質隔離の訓練・研究に
$1,270 万を割り当てる。
−23−
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s/techlines/2009/09066-DOE_A
09 17 炭素隔離研究がコロラドで始まる予定
政府の部局、民間企業、研究者のグループがコ
ロラド州北部の地層で炭素隔離が可能かどうか
を決定するため 3 年間、$500 万の研究を始めよ
うとしている。
計画では地下約 8,00 フィートの地層を評価する
予定である。
09 17 CO2CRC のオットウェイ・プロジェクトに関する新
たな研究
オーストラリア唯一の CO2地中隔離研究・実証
施設である CO2CRC のオットウェイ・プロジェクト
で新たな注入井を掘削し 10,000 トンの CO2を貯
留・監視する研究が開始される予定である。同
プロジェクトは既に 65,000 トンの CO2を地下 2km
の廃ガス田に注入・貯留し監視している。
09 17 Bellona 財団の新たなレポート:アミンによる CO2
回収は安全
Bellona 財団はレポート CO2回収に使われるア
ミン:健康と環境へのインパクト を発行した。ア
ミンは健康被害をもたらすことがあるが、炭素回
収に用いると CO2を 85-90%回収するのみなら
ず、NOx、SO2などの汚染物質をかなり除去する
ことができる。
09 17 CO2回収プロジェクトがスタート、Cap-and Trade
が論じられている
Dow Chemical は Alstom の協力で進めてきた新
たな炭素回収施設(@South Charleston/West
Virginia)を 9 月 10 日に公開した。
新施設は標準的な石炭火力発電所の排出量の
約 1%程度に当る 1,800 トン/年の CO2を回収す
るが貯留は行わず大気放出する。
09 18 E.ON がドイツでの迅速な炭素回収法成立を要
求
E.ON Energie の Fischer 中央ヨーロッパ生産販
売担当マネージャーは、EU が地下貯留によって
CO 2排出を抑制しようとしている状況にあって、
ドイツは 2010 年初めに石炭火力発電所での炭
素回収インフラストラクチュア法を立法化すべき
であり、さもないと CCS で立ち遅れる可能性が
ある、と述べた。
09 18 Southern Company の石炭ガス化技術が中国に
向かう
中国の Guoneng Yinghui クリーン・エネルギー・
エ ン ジ ニ ア リ ン グ 会 社 ( 北 京 ) は Southern
Company(アトランタを本拠とする公共電力会
社)から低排出石炭ガス化発電技術(IGCC、ト
−24−
MSN
dvances_CCS_Training.html
http://news.moneycentral.msn.co
m/provider/providerarticle.aspx?f
eed=AP&date=20090917&id=1040
2451
CO2CRC
http://www.co2crc.com.au/dls/m
edia/09/COOCRC_Otway_S2.pdf
プロジェクト概要
http://www.dpi.nsw.gov.au/__data
/assets/pdf_file/0003/225732/C
O2CRC-NSW-clean-coal-summit
.pdf
Bellona
http://www.bellona.org/ccs/Subs
ite_articles/amines
http://www.bellona.org/files/fil_B
ellona_report_September__2009_-_
Amines_used_in_CO2_capture.pdf
レポート
The State
Journal
http://statejournal.com/story.cf
m?func=viewstory&storyid=66715
Reuters
http://www.reuters.com/article/
GCA-GreenBusiness/idUSTRE58
H39U20090918
Reuters
Power
Engineerin
g
Electric
Energy
http://planetark.org/enviro-news
/item/54726
http://pepei.pennnet.com/display
_article/369249/6/ARTCL/none/
none/1/China-to-use-CCS-tech
nology-from-Southern-Co/
http://www.electricenergyonline.
com/?page=show_news&id=11848
3
http://atlanta.bizjournals.com/atl
anta/stories/2009/09/14/daily92
.html?ana=from_rss
09 18 Chevron、Exxon の責務取引はオーストラリアに Bloomberg http://www.bloomberg.com/apps
おける先例になるかもしれない
/news?pid=newsarchive&sid=aSZ
Gorgon 天然ガスプロジェクトでの CO2隔離(地下
EVpdXI110
2km)に伴って今後数百年に起きるかもしれない
事故(CO2漏出など)に係る長期責務をオースト
ラリア連邦政府と西オーストラリア政府が同プロ
ジェクトの JV(Chevron。ExxonMobil、Shell)に代
わって保証したことは同国における先例になる
可能性がある。
09 18 E.ON、シーメンスが CO 回収施設の運用を開始 Siemens http://www.powergeneration.siem
E.ON とシーメンスは、ハードコール燃焼の E.ON Energy
ens.com/press/press-releases/f
の Staudinger 火力発電所プラントでのパイロット Power
ossil-power-generation/2009/EO
Engineeri
CO2回収施設をスタートアップする予定である。
G200909082.htm
ng
同パイロット施設は第 5 号ユニットの運転条件に Carbon
http://pepei.pennnet.com/display
合わせて 2010 年末まで運用される。
_article/369340/6/ARTCL/none/
Capture
none/1/EON,-Siemens-commissi
Journal
on-CO2-capture-facility/
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=44
9&
09 20 アメリカ電力(AEP)は商業スケールに向けて AEP
http://www.aep.com/newsroom/
CO 2 回収貯留を推進するために景気刺激予算 NY Times newsreleases/?id=1559
を申請する予定
http://www.nytimes.com/2009/0
AEP は、同社 Mountaineer 石炭火力発電プラン
9/22/science/earth/22coal.html?
ト(ウェストバージニア)に米国初の商業スケー
_r=1&scp=1&sq=carbon%20captur
ルの炭素回収貯留(CCS) システムを設置する
e&st=cse
費用($3 億 3,400 万)をエネルギー省(DOE)のク
リーン石炭発電イニシアチブ・第 3 ラウンドに申
請する予定である。
レードマーク TRIG )のライセンスを得て 120MW
の Dongguan Tianming 電力会社の既存石炭火
力発電プラント(120MW)に適用する予定であ
る。
com
Atlanta
Business
Chronicle
本件はメディア情報として No.2009-09-03 (2009.09.13
−2009.09.19) 海外 Carbon Capture &Sequestration 関
連情報 Headlines に記載しているが、AEP が正式にプレ
スリリースしたので再度記載する。
Washingt
09 21 炭素の規制
現状の石炭火力発電所における 最善の炭素 on Post
排出抑制技術(BACT) としては効率改善以上
のものは無いが、炭素回収隔離(CCS)に多くの
関心が向けられている。ただし、CCS は米国の
どこかで成功裏に実証されない限り BACT には
なりえない。その場合でも、汚染物質など多くの
要素が考慮されねばならない。
Reuters
09 21 科学者達が炭酸ガス地下注入を検証
−25−
http://www.washingtonpost.com/
wp-dyn/content/article/2009/09
/20/AR2009092001965.html
http://www.reuters.com/article/
マサチュセッツ工科大学(MIT)のチームが加圧
Oxy-Fuel 燃焼と呼ばれる炭素回収隔離(CCS)
技術を研究している。
このプロセスでは石炭火力発電プラントで排ガ
ス中の CO2を加圧液に変換し地中に送入するも
ので、非加圧プロセスに比べて 10-15%高い効
率が得られる可能性がある。
09 21 ポルトガル:初めての CCS プロジェクト開始
ポルトガルの Évora 大学、国立エネルギー・地質
研究所、Tejo Energia 社(プラントオーナー)およ
び Pgop(プラントオペレ−ター)は、Pao 石炭火
力発電所における炭素回収貯留(CCS) システ
ム設置の評価プロジェクトを 9 月 8 日開始した。
CO2貯留のための適当な地層の確認及び同発
電所のレトロフィット・コストを評価する。
09 22 Doosan Babcock が CCS に関し英国政府の一層
の意欲を要求
英国政府・エネルギー&気候変動省(DECC)の
クリーンコールの発展のフレームワーク:意見
募集 について主要なエネルギー産業の代表者
が化学エンジニア協会(ウェストミンスター)に集
い意見を交換した。その後、Doosan Babcock
は、炭素回収貯留(CCS)をより迅速に実証し導
入すべきとの意見を DECC に提出している。
09 25 EU は 2015 年の炭素回収目標を見失うように思
える
2015 年迄に商業規模の炭素回収貯留(CCS)プ
ラントを最大で 15 件建設しようとする EU の計画
は、景気後退の影響を受けて縮小されるかもし
れない。2015 年迄に5プラントが建設され、2020
年迄に 10 プラントになるとしたら、それはちょっ
とした奇跡であろう。
09 25 オフショア二酸化炭素貯留ライセンス制度案に
関する意見募集
英国政府・エネルギー&気候変動省(DECC)
は、2008 年エネルギー法に基づくオフショア炭
酸ガス貯留ライセンス制度案に係る意見の募集
(9 月 25 日−12 月 30 日)を発表した。
09 25 英国は国際サミット主催を前に CCS の道を主導
英国とノルウェーは国際炭素回収貯留サミット
−26−
Science
Daily
mnCarbonEmissions/idUS105319
394620090921
http://www.sciencedaily.com/rel
eases/2009/09/090921134834.ht
m
Bellona
Carbon
Capture
Journal
http://www.bellona.org/news/ne
ws_2009/1253525682.33
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=44
7&PHPSESSID=ueonoic5pnqlqfti1
kvmmtm3b2
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=44
4&
DECC 意見募集発表 クリーンコ
ール発展のフレームワーク
(2009.06.17 − 2009.09.09) 意 見 待
ち
http://www.decc.gov.uk/en/cont
ent/cms/consultations/clean_co
al/clean_coal.aspx
参考:DECC 意見募集発表 確
実な低炭素電力の送電
(2009.08.05 − 2009.10.28) 意 見 募
集中
http://www.decc.gov.uk/en/cont
ent/cms/consultations/electrics
ecure/electricsecure.aspx
http://www.reuters.com/article/
GCA-GreenBusiness/idUSTRE58
O2QE20090925
Reuters
英 国 政 府 http://www.decc.gov.uk/en/cont
DECC
ent/cms/consultations/co2_stor
age/co2_storage.aspx
英 国 政 府 http://www.decc.gov.uk/en/cont
DECC
ent/cms/news/pn107/pn107.asp
(炭素隔離リーダーシップフォーラム CSLF、10
月 13 日@ロンドン)のホスト役を務めることにな
っている。同サミットには 23 ヵ国の閣僚、欧州委
員会、産業界が参加する予定であり、G8 の目
標(2010 年迄に 20 件のCCSプロジェクトをスタ
ート)のための基盤を作ろうとしている。
09 27 韓国電力(KEPCO)はグリ−ンテクノロジーに 2
兆 8,000 億ウォンを投入する予定
韓国国営の KEPCO は 27 日、2020 年迄に環境
技術開発に 2 兆 8,000 億ウォン($23 億 4,000
万)を投ずる予定であると発表した。2010 年以
降、IGCC、炭素回収貯留、スマートグリッド、電
気自動車用インフラ、輸出向け原子力発電、電
化住宅、高電圧直流、超電導技術、などに予算
を割り振る予定である。
09 28 IEF( 国 際 エ ネ ル ギ ー フ ォ ー ラ ム )-GCCSI
(GCCSI)が炭素回収貯留のアクションを要求
中国政府の国家発展和改革委員会(NDRC)の
主催で 9 月 27,28 日に IEF-GCCSI のシンポジウ
ム(@北京)が開催された。IEF の閣僚達は炭素
回収貯留(CCS)が地球温暖化ガス排出削減の
重要な選択肢であると表明した。
09 28 ノルウェーのブルガリア大使館と共同で CCS に
関する Bellona ラウンドテーブルを開催
Bellona Europe とソフィアの王室ノルウェー大使
館は ブルガリアのエネルギー政策の一部を
為す CO2回収貯留(CCS)∼現状、課題、機会 と
銘打った第 1 回ラウンドテーブルを 9 月 23 日、
ソフィアで開催した。
09 29 EPRI (米国電力研究所)は AEP(アメリカ電力)、
ALSTOM の炭素回収貯留を支援する予定
EPRI は 29 日、AEP の Mountaineer 発電プラント
(1,300MW/New Haven、ウェストバージニア)に
おける炭素回収貯留(CCS) 先端技術の認証に
関して AEP、ALSTOM に合流した旨を発表し
た。EPRI は CO2回収プロセスの独自評価を行
う。同プロジェクトでは、微粉炭燃焼に伴う CO2
の回収(20MW 回収システム)と地下 7,800 フィー
トでの永久貯留を行う。
x
Reuters
http://www.reuters.com/article/r
bssIndustryMaterialsUtilitiesNews
/idUSSEO15511620090927
Internation
al
Energy
Forum
http://www.GCCSI.com/downloa
ds/Press-Release-IEF-GCCSI-C
CS-Symposium-Beijing.pdf
参考 GCCSI
http://www.zero-emissionplatfor
m.eu/website/docs/GA3/ZEP%2
02008%20GA%20-%20Hartwell%20
Australian%20insights.pdf
Bellona
http://www.bellona.org/news/ne
ws_2009/sofia_ccs_talks
EPRI
Power
Engineerin
g
NY Times
http://my.epri.com/portal/server
.pt/gateway/PTARGS_0_2_317_20
5_776_43/http%3B/uspalecp604%
3B7087/publishedcontent/publis
h/epri_collaborative_to_support_a
ep__alstom_carbon_capture_and_st
orage_project_da_667221.html
http://pepei.pennnet.com/display
_article/369500/6/ARTCL/none/
none/1/EPRI-begins-validatingCCS-at-1,300-MW-coal-fired-pl
ant/
http://greeninc.blogs.nytimes.co
m/2009/10/02/returning-coalsco2-to-the-earth/?scp=1&sq=ca
rbon%20capture&st=cse
http://www.ogj.com/index/article
09. 29 UT(テキサス大学)はメキシコ湾における炭素貯 Oil & Gas
−27−
Journal
-display/0367692620/s-articles/
s-oil-gas-journal/s-drilling-produ
ction-2/s-2009/s-09/s-ut-asse
ssing_carbon.html
http://www.utexas.edu/news/ind
ex.php?s=carbon+capture
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=45
0&PHPSESSID=a3shqc62h0rdc6n
qu48jq3nj02
http://www.ucl.ac.uk/cclp/ccspr
ojectnews.php
http://www.ucl.ac.uk/cclp/ccspr
ojectnews.php
09 29 ギリシャは 2050 年迄にエネルギー生産に伴う Bellona
CO 2 排出をいかにして解消することができる
か?
EU の CO2排出についての厳しい規制にも拘わ
らず、国産の化石燃料への依存度が高いギリシ
ャでは Ptolemaida と Florina の 2 ヵ所で褐炭燃
焼の火力発電所の建設を決定した。ギリシャは
やがて地球温暖化ガス排出削減」を求められる
ことになるが、EU 規制遵守の方策の一つは CO
2の回収貯留となろう。
http://www.bellona.org/articles/a
rticles_2009/greek_ccs
留を評価中
テキサス大学は連邦政府エネルギー省ならび
に州政府の補助金(両者合わせて$600 万)を
使ってメキシ湾におけるテキサス州の海域での
炭素隔離サイト(複数)を確認する。Sandia 技
術、ロスアラモス国立研究所、環境防衛ファンド
( EDF ) な ら び に 関 連 分 野 の 企 業 ( ION
Geophysical、Formosa Plastics など)が参加・協
力する、
09 29 UCL(ロンドンカレッジ大学)の CCS 法関連コン
ファレンスのプレゼンテーション資料を Online で
公開
UCL はこの 6 月に英国王室大学のリスクマネジ
メントロンドンセンターと共に炭素回収に係る法
的プログラム関連の法律・社会科学の学際コン
ファレンスを開催した。その際のプレゼンテーシ
ョン資料が Online で公開された。
−28−
2009.10
情報
関連情報
10 01 米エネルギー省(DOE)と州政府が石油・天然ガ
スの供給・出荷および気候変動緩和に関して一
層密接な協調
米エネルギー省(DOE)は 1 日、州間石油&ガス
圧縮委員会(IOGCC)との間で協調イニシアチブ・
フレームワークを設ける覚書(MOU)に署名した
と発表した。DOE と IOGCC は、石油・天然ガス
の国内生産・資源開発で連携すると共に、火力
発電所や大規模産業施設での炭素回収・永久
貯留について時宜を得た先端技術開発を協調
して行う。
10 02 Chu 米エネルギー長官が$14 億の予算による
産業炭素回収貯留プロジェクトの第 1 ラウンドの
選定結果を発表
Chu 長官は 10 月 2 日、炭素回収貯留に関する
第 1 ラウンドの 12 件の選定プロジェクトを発表し
た。予算は$4,410 万で、アメリカ再生再投資予
算$14 億からの$2,160 万、民間拠出 2,250 万
で構成する。第 1 段階の期間は 7 ヵ月程度とし、
アメリカ再生再投資予算の残りの部分は第 2 段
階コンペで選定する有望プロジェクトに投入する
予定である。
10 04 炭素隔離の一手段として石油回収強化に CO2
を使用するライフサイクル排出メリットに疑義
カーネギーメロン大学は、CO2-EOR での CO2の
油層注入・隔離(米国では現状で発電所などで
生ずる CO2 5,000 万トン/年を EOR に活用)につ
き多くのシナリオを設定してライフサイクルベー
スのメリットを評価スタディーの結果を発表し
た。
10 05 ヨーロッパはエネルギー研究に$730 億投入の
予定
日本や米国との技術競争で、EU はエネルギー
研究費を 3 倍の 80 億ユーロ/年に引上げる予定
であり、今後 10 年間のトータルで 500 億ユーロ
以上が追加される見通しである。発電所から排
出される CO2に関しては革新的炭素回収貯留
技術に 130 億ユーロが割り当てられるであろう。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
10 06 合衆国連邦政府が Wolverine 炭素プロジェクトに
$270 万を補助
連邦政府はミシガン州の Wolverine 電力供給協
同組合の石炭火力発電プラント建設計画
−29−
http://www.fossil.energy.gov/news
DOE
Fossil /techlines/2009/09068-DOE_and_S
Energy tates_to_Collaborate.html
DOE
http://www.energy.gov/news2009/
8102.htm
Green
Car
Congre
ss
http://www.greencarcongress.com/
2009/10/co2eor-20091004.html#m
ore
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.102
1/es902006h
Reuter http://www.reuters.com/article/G
s
CA-BusinessofGreen/idUSTRE594
2I920091005
Fox28
http://www.fox28.com/Global/stor
y.asp?S=11265589
10 06
10 06
10 06
(Rogers City 近傍)での炭素回収貯留(CCS)に
対して$270 万の補助を承認した。同プロジェクト
では有機化合物および添加物を使って 300,000
トン/年の CO2を回収する。
中西部州知事協会のエネルギー合意:炭素回
収貯留は強固なエネルギーインフラストラクチュ
アに重要
米国中西部 11 州の知事はデトロイトに集合し中
西部のエネルギーインフラストラクチュア協約に
ついて協議したが、将来の石炭火力発電におけ
る CCS は主要議題の一つであった。
カナダで炭素回収を精査する研究
トロント大学の Munk センターは、地下のマント
ルに大量の CO2を隔離する場合の環境影響に
ついて評価し、無作為の災害が生ずる可能性
があるという厳しい警告を発した。
ScottishPower は Fife の£10 億の Longannet
火力発電所について楽観的
ScottishPower は、EU 補助金予算への応札に
失敗したものの、同社の Longannet 火力発電所
(@Fife)が英国政府のフルスケール CCS 実証
プロジェクトのコンペ(£10 億)に選定されるとの
自信を深めている。同コンペでの競合相手はド
イツ系電力会社である。
EU が 6 件の炭素回収プロジェクトを発表し予算
を発表
欧州委員会は EU の予算€10 億 5,000 万を受け
る 6 件の CCS プロジェクトの選定結果(案)を発
表した。
EU 加盟国は選定プロジェクト(案)が欧州議会に
提出されるまで 2 週間に限り異議を唱えること
ができる。
選定されたプロジェクトは、Hatfield 発電所(北
イングランド)、Jaenschwalde プラント(Vattenfall
/ドイツ)、'Compostilla プラント(Endesa/スペイ
ン)、Maasvlakte(オランダ)、Belchatow(ポーラ
ンド)、Porto Tolle(イタリア)
そのほか、フランスのプロジェクトが最終選考ま
で残っていたが条件を満たさない部分があった
のでふるい落とされた。 (注記:7 件のプロジェ
クトが選定された、と報道するメディアもある。)
Americ http://www.americaspower.org/Ne
a s
ws/Press-Room/Press-Releases/
Power Midwest-Governors-Association-E
nergy-Accord-Carbon-Capture-an
d-Storage-Vital-for-Robust-Energ
y-Infrastructure
NY
Times
http://greeninc.blogs.nytimes.com/
2009/10/06/canadian-study-scruti
nizes-carbon-capture/?scp=1&sq=
carbon%20capture&st=cse
Times
http://www.timesonline.co.uk/tol/n
ews/article6862414.ece
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/369812/6/ARTCL/none/non
e/1/EU-lines-up-funding-for-six-c
arbon-capture-projects/
http://www.euractiv.com/en/climat
e-change/eu-lines-multi-carbon-c
apture-projects/article-186139
http://www.bellona.org/news/news
_2009/seven_ccs_projects
http://www.energy-business-revie
w.com/News/european_commission
_recommends_eur1_billion_ccs_fundi
ng_for_six_projects_091006/
http://business.timesonline.co.uk/t
ol/business/industry_sectors/utiliti
es/article6867016.ece
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=456&
http://theenergycollective.com/Th
The
10 07 北海の海底は 100 年分以上の CCS に相当
英国政府のエネルギー&気候変動省(DECC) Energy eEnergyCollective/49277
によれば、北海は英国の火力発電所から排出 Collecti
する CO2100 年分相当を貯留する潜在性を有す ve
る。DECC は北海における潜在的炭素貯留サイ
トの開発・管理に関するパブリックコメント募集を
10 07
−30−
Power
Engine
ering
EurActi
v
Bellona
Energy
Busine
ss
Rrevie
w
Times
Carbon
Captur
e
Journal
発表している。
BELLO http://www.bellona.org/ccs/Subsit
10 07 国際CCS技術の眺望、第 5 版、2009 年 7 月
ノルウェーの GASSNOVA が 国際CCS技術の NA
e_articles/new_version_of_CCS_rapp
GASSN ort
眺望 を更新し第 5 版を公表した。
OVA
http://www.climit.no/globale-co2-i
nitiativ/
レポート
http://www.climit.no/frontend/files
/CONTENT/CCSWorld/IN-report-i
ssue5-2009.pdf
http://my.epri.com/portal/server.p
10 08 パイロットプロジェクトで CO2を 90%回収
EPRI
We Energies、 Alstom、電力研究所(EPRI)は、 Power t/gateway/PTARGS_0_2_317_205_7
We Energies の Pleasant Prairie 石炭火力発電プ Engine 76_43/http%3B/uspalecp604%3B70
ラント(ウィスコンシン州)における先端チルド・ア ering
87/publishedcontent/publish/pilot_
ンモニア・プロセスのパイロットプロジェクト試験 Bloomb project_captures_90__of_co2_da_668
で 90%以上の CO2回収に成功した。
erg
417.html
Green http://pepei.pennnet.com/display_a
Car
rticle/369882/6/ARTCL/none/non
Congre e/1/Carbon-capture-test-resultsss
released/
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=aQCo9y
68J_lg
http://www.greencarcongress.com/
2009/10/chilled-ammonia-pilot-pr
oject-captures-90-of-co2-.html#m
ore
プレ スレホ ゚ート ( 表紙とも 8 ページ)
http://p4chilledammonia.com/pdfs/
cc_report.pdf
Govern http://alberta.ca/home/NewsFram
10 08 アルバータは炭素回収貯留の最前線に前進
ア ル バ ー タ 州 政 府 と Shell Canada は 、 ment of e.cfm?ReleaseID=/acn/200910/270
Athabasca オ イ ル サ ン ド プ ロ ジ ェ ク ト ( Shell Alberta 703512366B-9522-07D4-3AD4E71
Canada 60%、ChevronCanada 20%、MarathonOil Shell
EE1B8F5A7.html
Sand 20%)に関連する大規模 CCS 技術を推進 Canada http://www.shell.ca/home/content
する Letter of Intent に署名した。 州政府と連 Green /can-en/aboutshell/media_centre/
邦政府は合わせて 8 億 6,500 万カナダドルを投 car
features/2009/feature_oct8_quest.
Congre html
資する。
ss
http://www.greencarcongress.com/
Power 2009/10/quest.html#more
Engine http://pepei.pennnet.com/display_a
ering
rticle/369880/6/ARTCL/none/non
Reuter e/1/Canadian-governments-invest
s
-in-CO-2--Project/
Calgary http://www.reuters.com/article/lat
Herald estCrisis/idUSN08532803
http://www.calgaryherald.com/busi
ness/fp/Alberta+Ottawa+chip+865
−31−
10 08 E.N UK - Kingsnorth 声明 (建設投資延期)
E.ON UK は 、 世 界 的 な 景 気 後 退 に あ っ て
Kingsnorth 石炭火力発電プラント計画への投資
を 2∼3 年延期すると発表した。ただし、グルー
プとしてはクリーン石炭火力発電ならびに CCS
の開発を進める。
(ロイターは、英国政府のエネルギー&気候変動
省(DECC)の言葉「われわれの CCS コンペティシ
ョンについては何も変わっていない。E.ON は撤
退したわけではない。」を伝えている。)
E.ON
UK
Power
Engine
ering
Reuter
s
Times
Bloomb
erg
NY
Times
10 09 E.ON UK の Kingsnorth 計画が延期になったため
Longannet が£10 億を獲得する公算
E.ON UK が Kingsnorth 発電プラント計画の延期
を発表したため、英国政府の CCS コンペティショ
ン(£10 億)は ScottishPower と RWE Npower
の 間 で 競 う こ と に な る が 、 ScottishPower の
LongannetS が勝利する可能性が大きい。
10 09 英国エネルギー技術協会(ETI)が炭素回収貯
留の評価プロジェクトを進める予定
ETI は、£350 万を超える予算で英国の CO2貯
留能力の包括的評価プロジェクトを 2009 年 10
月から開始し 2011 年 3 月に完了すると発表し
た。英国には海底貯留が可能なサイトがどのく
らいあるかを調査する。
Times
−32−
UK
Energy
Techno
logy
Institut
e
Carbon
Captur
e
M+carbon+storage+project/208253
0/story.html
http://www.eon-uk.com/media/649
.aspx
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/369868/6/ARTCL/none/non
e/1/EON-shelves-plans-to-buildUK-coal-plant,-cites-lower-deman
d/
http://www.reuters.com/article/rb
ssOilGasExplorationProduction/idU
SWLA516420091007
http://www.reuters.com/article/rb
ssUtilitiesMultiline/idUSL82412102
0091008
http://www.timesonline.co.uk/tol/n
ews/environment/article6865464.e
ce
http://www.timesonline.co.uk/tol/n
ews/environment/article6865482.e
ce
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=a.hq.pRa
S6IU
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=atK1Cyl
Sulxs
http://www.nytimes.com/reuters/2
009/10/08/business/business-ukbritain-kingsnorth-delay.html?_r=1&
scp=4&sq=carbon%20capture&st=cs
e
http://www.timesonline.co.uk/tol/n
ews/uk/scotland/article6866850.ec
e
http://www.energytechnologies.co.
uk/home/news/09-10-09/ETI_proj
ect_to_put_UK_at_the_leading_edge_o
f_Carbon_Storage_Capacity_Apprais
al.aspx
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=452&
PHPSESSID=ruuhnnglqicha49shc7
mjsv0t5
Journal
Power
Engine
ering
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/369914/6/ARTCL/none/non
e/1/Carbon-storage-capacity-ass
essment-project-launched-in-UK/
10 09 ロンドン市がホスト役で炭素回収貯留サミット開
催
気候変動に関する国際会議 COP15(12 月@コ
ペンハーゲン)に先立ち 20 ヵ国以上のエネルギ
ー・環境閣僚が参加してロンドンで炭素回収貯
留サミットが開催される。2010 年迄に 20 件の
CCS プロジェクトを開始するという G8 のプランを
協議する予定である。
10 09 オーストラリア閣僚が世界での炭素回収活用の
スピードアップを要望
オーストラリアの Martin Ferguson 資源・エネル
ギー大臣は 10 月 9 日、気候変動を抑制するた
めに全ての国は商業規模の炭素回収貯留技術
の開発・展開を広範に加速すべき、と発言した。
Recycl http://www.recycle.co.uk/news/14
e com 60000.html
10 11 アラスカ先住民会社が炭素回収を伴う地下ガス
化石炭発電プロジェクトを提唱
Cook Inlet 地域会社(CIRI)は石炭地下ガス化
(UCG)プロジェクトで生産する合成ガスを燃料と
する 100MW コンバインドサイクル発電プラントの
建設を計画している。同発電プラントは 2014 年
初めに運用開始する。CIRI は CO2を回収し石油
回収強化(EOR)に供すると述べている。(注記:
本件は CCS に特化した情報ではない。)
10 12 炭素隔離リーダーシップフォーラム(CSLF)が 10
件の新規の炭素回収貯留プロジェクトを承認
炭素隔離リーダーシップフォーラム(CSLF)は 10
月 12 日、既設定の研究開発ポートフォリオに新
たに 10 件の CCS プロジェクトを追加した。
• TXE 炭素管理・ガス化プロジェクト(米)
• ZeroGen プリジェクト (豪)
• Fort Nelson 炭素回収貯留プロジェクト (カナ
ダ)
• Limburg 石炭・砂岩層での CO2貯留(蘭)
• CCS Rotterdam (蘭)
• 欧州 CO2技術センターMongstad (ノルウェー)
• CCS Northern Netherlands (蘭)
• Oxyfuel 燃焼システム実証 (英)
• Lacq CO2回収貯留プロジェクト (仏)
• Heartland 地域 Redwater プロジェクト (カナダ)
10 12 IEA が発展途上国における炭素貯留に関し迅速
なアクションを要求
国際エネルギー機関(IEA)は今後 10 年間で 100
Green
Car
Congre
ss
−33−
NASDA http://www.nasdaq.com/aspx/stoc
Q
k-market-news-story.aspx?storyid
=200910082300dowjonesdjonline00
0682&title=australian-min-wants-t
o-speed-global-use-of-carbon-ca
pture
http://www.greencarcongress.com/
2009/10/ciri-20091011.html#more
CIRI-UCG プレゼンテーション
http://www.cirienergy.com/CIRI_U
CG_Presentation_2009-10-09.pdf
Carbon http://www.cslforum.org/pressroo
Seques m/publications/pr_projects_101209.
tration pdf
Leader
ship
Forum
http://www.nytimes.com/cwire/20
NY
Times 09/10/12/12climatewire-iea-callsBloomb for-fast-action-on-carbon-storage
件の大規模 CCS プラントを建設し 2050 年迄に erg
3,400 件を展開する必要があるというレポートを Reuter
12 日 の 炭 素 隔 離 リ ー ダ ー シ ッ プ フ ォ ー ラ ム s
(CSLF)閣僚会合で発表した。その 65%は工業化
途上にある発展途上国で建設されるべきであ
る。
-50514.html?scp=2&sq=carbon%20c
apture&st=cse
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=aTPRe8
gAe8rk
http://www.reuters.com/article/lat
estCrisis/idUSLD664384
DOE
Fossil
Energy
Bloomb
erg
Reuter
s
Times
Bellona
http://www.energy.gov/news2009/
8125.htm
http://www.fossil.energy.gov/progr
ams/sequestration/publications/cc
s_letter_s1.pdf
Chu エネルギー長官書簡
http://www.energy.gov/news2009/
documents2009/Carbon_Sequestra
tion_Leadership_Forum_Letter.pdf
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=aJeD3kS
_i1bM
http://www.reuters.com/article/en
vironmentNews/idUSTRE59B1UG2
0091012
http://www.timesonline.co.uk/tol/n
ews/environment/article6872464.e
ce
http://www.bellona.org/articles/art
icles_2009/chu_optimistc_for_copen
hagen
10 12 炭素隔離に関する米国エネルギー長官の書簡
Chu 米エネルギー長官は 12 日、炭素隔離リー
ダーシップフォーラム閣僚会合(10 月 12-14 日
@ロンドン)に参加した世界のエネルギー閣僚
あてに炭素回収貯留技術展開の野心的なタイ
ムライン(8-10 年以内に展開開始)を求める書
簡を発行した。
http://www.theccc.org.uk/news/pr
ess-releases/477-uk-needs-to-ac
hieve-a-step-change-in-its-paceof-emissions-reduction-to-meet-c
arbon-budgets-12-october-2009
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=aWDR5s
hG_8tI
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=aSHVJP
DKw158
http://www.reuters.com/article/lat
estCrisis/idUSL9528638
10 12 ノルウェーと英国が共同で適切な CO2貯留層探 Norweg http://www.npd.no/en/news/News
ian
し
/2009/Common-hunt-for-suitableノルウェー石油理事会(NPD)と英国地質調査局 Petrole CO2-storage/
(BGS)は One North Sea Project のもと、共同 um
http://www.norwaypost.no/content
で北海における適切な CO2貯留層の確認を進 Directo /view/22630/
10 12 英国政府・気候変動委員会が原発 2 ヵ所の建設
を要求
英国政府・気候変動委員会は、GHG 排出削減
目標達成のためには英国は 2020 年迄に原発 2
ヵ所/炭素回収貯留機能を備えた石炭火力発電
プラント 4 ヵ所/風力発電機 8,00 台を建設しな
ければならない。(注記:本件は CCS に特化した
情報ではない。)
−34−
UK
Commi
ttee
on
Climate
Change
Bloomb
erg
Reuter
s
めており、第 1 回報告書を第 3 回 CSLF 閣僚会 rate
議に提出する。
Norway
Post
NY
10 12 企業が大規模の炭素オフセット取引を発表
Goldman Sachs グループ、Blue Source、CE2 Times
Carbon Capital は 12 日、$1,200 万の炭素オフ
セットの取引業務(炭素回収貯留プロジェクトを
含む)を完了したと発表した。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
Carbon
10 12 インドにおける CO2回収∼レポート
Surrey、Edinburgh の両大学は、インドに行ける Captur
炭素回収貯留技術の展望を示すレポートを発 e
表した。インドでは少なくとも 2050 年まで石炭が Journal
主要なエネルギー源であり CCS の役割は重要
である。
10 13 エネルギー閣僚が CCS は気候変動対策の鍵で Carbon
Seques
あると確認
炭素隔離リーダーシップフォーラム(CSLF)の第 tration
3 回閣僚会合(12-14 日@ロンドン)に参加した Leader
23 ヵ国のエネルギー・環境閣僚は 13 日、CCS ship
は気候変動対策の鍵であると確認した。閣僚会 Forum
合は、2010 年迄に CCS 実証プロジェクト 20 件を Europe
設定すること(2008 年、G8 で承認)が重要であ an
り、2020 年迄に更に多くのプロジェクトが必要で Commi
ssion
あると指摘した。
DECC
CCSA
Google
Carbon
Captur
e
http://greeninc.blogs.nytimes.com/
2009/10/12/firms-announce-major
-offsets-transaction/?scp=1&sq=c
arbon%20capture&st=cse
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=457&
PHPSESSID=6t3ejciacoh5ldsdt36t5
dsm37
http://www.cslforum.org/pressroo
m/publications/pr_communique_101
309.pdf
http://www.cslforum.org/pressroo
m/publications/pr_capacity_101309.
pdf
http://europa.eu/rapid/pressRelea
sesAction.do?reference=IP/09/150
6&format=HTML&aged=0&language
=EN&guiLanguage=en
http://www.decc.gov.uk/en/conten
t/cms/news/pn115/pn115.aspx
http://www.ccsassociation.org.uk/d
ocs/2009/Press%20releases/CCSA
%20Carbon%20Sequestration%20Lea
dership%20Forum%20press%20relea
se%20121009.pdf
Journal http://www.ccsassociation.org.uk/d
人民網 ocs/2009/CSLF%20Stakeholder%20
Communique%2012%20October.pdf
http://www.google.com/hostednew
s/afp/article/ALeqM5h6HYM89Slz
qXuZNT2ZnsVL192bNA
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=460&
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=461&
PHPSESSID=ngl2n1189p6g26i8718l
ujsbl1
http://english.people.com.cn/90001
/90777/90856/6783209.html
10 13 IEA が CCS の商業化達成のための技術ロード IEA
ロ ー ド マ ッ プ ( 全 52 ヘ ゚ ー シ ゙ )
マップを発行
http://www.iea.org/Papers/2009/C
−35−
田中国際エネルギー機関(¦EA)事務局長は 13
日、炭素隔離リーダーシップフォーラム閣僚会
合(CSLF@ロンドン)で CCS ロードマップ を発
表した。政策立案者/産業界に対して明確なマ
イルストーンとアクション事項を示している。
10 13 Chu 米エネルギー長官が既設石炭火力発電プ
ラントにおける先端炭素回収技術の開発のため
に最大$5,500 万の予算を発表
Chu 長官は 10 月 13 日、既設石炭火力発電プラ
ントの排ガスから CO2を回収する技術の開発の
ために最大$5,500 万の予算設定を発表すると
ともに開発実施者の募集を発表した。ベンチス
ケールからパイロットスケールまでの炭素回収
関連技術を対象とする。
CS_Roadmap.pdf
http://www.iea.org/papers/2009/C
CS_roadmap_targets_(viewing).pdf
DOE
DOE
Fossil
Energy
Carbon
Captur
e
Journal
Power
Engine
ering
http://www.energy.gov/news2009/
8131.htm
http://www.fe.doe.gov/news/techli
nes/2009/09073-DOE_Issues_Carb
on_Capture_FOA.html
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=458&
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/370143/6/ARTCL/none/non
e/1/DOE-offers-$55mn-for-CCStechnologies/
Pacific
Northw
est
Nation
al
Labora
tory
Green
Manufa
cturing
News
10 13 韓国電力が炭素回収に 1 兆 3,000 億ウォンを投 Bloomb
erg
資する予定
韓国政府・知識経済省声明:韓国電力は 2020 人民網
年迄に炭素回収貯留へ 1 兆 3,000 億ウォン
($11 億)の投資を計画している。別途、政府は
今後 5 年間以上で 1,000 億ウォンの研究開発投
資を行う。
10 13 Sargas と大宇がゼロエミッション発電プラント建 Power
設事業に参加
Engine
ノルウェーの Sargas(CO2回収技術保有)と韓国 ering
の大宇造船海洋エンジニアリング(DSME)は、
DSME が建設するバージ搭載型ゼロエミッション
火力発電所に関する生産ライセンス・アグリーメ
ント(PLA)に署名した。DSME は Sargas の CO2
回収技術の独占使用権を獲得した。
10 14 アルバータは炭素回収を通じてクリーン石炭技 Govern
ment of
術へ前進
アルバータ州政府と TransAlta 社は年間 100 万 Alberta
トンの CO2を回収貯留する先進的な Keephills 3 Power
石炭火力発電プロジェクト(@エドモントン)の開 Engine
http://www.pnl.gov/news/release.a
spx?id=430
http://www.greenmfgnews.com/ne
ws/2027/Emission-Capture-Study
-Funded-for-Paper-Industry
10 13 紙産業の排出回収研究に予算付け
エネルギー省の$50,000 プロジェクトの下で、
Battelle 研究所と Boise. Inc.は$1,400 億のパル
プ、紙、ダンボール産業における CCS 技術
(Fluor Corp.の CCS 技術)について初めてのフ
ィジビリティスタディを行う予定である。
−36−
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=axRw52q
DeBEc
http://english.people.com.cn/90001
/90777/90851/6782474.html
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/370037/6/ARTCL/none/non
e/1/Sargas/Daewoo-join-forces-t
o-build-'zero-emission'-power-pla
nts/
http://alberta.ca/home/NewsFram
e.cfm?ReleaseID=/acn/200910/271
0753B62699-A95B-21BC-9EE3DD
3D2FA6316F.html
http://alberta.ca/home/NewsFram
e.cfm?ReleaseID=/acn/200910/271
0753B62699-A95B-21BC-9EE3DD
3D2FA6316F.html%20
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/370088/6/ARTCL/none/non
e/1/Canadian-government-promis
es-$759mn-to-CCS-project/
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=aDGNAI
wzUYEA
http://www.reuters.com/article/co
mpanyNewsAndPR/idUSN1424252
720091014
スコットランド沖合での CO2貯留に関してさらな Carbon http://www.carboncapturejournal.c
Captur om/displaynews.php?NewsID=459&
る研究
スコットランド炭素貯留センター(SCCS)は、スコ e
ットランド政府及び 15 の機関の予算とかじ取り Journal
の下で、複数の地下塩水層を対象に
第 2 次戦略的プロジェクト スコットランド炭素回
収輸送&貯留開発研究(CCTS) を発足しようと
している。
ノルウェーが 2010 年に記録的な炭素回収支出 Reuter http://planetark.org/enviro-news/i
s
を計画
tem/55036
ノルウェー政府の Kristin Halvorsen 財務相は議 Power http://pepei.pennnet.com/display_a
会に対して 13 日、2010 年の CCS 投資をほぼ Engine rticle/370058/6/ARTCL/none/non
35 億クラウン($6 億 2,100 万)に増額する計画 ering
e/1/Norway-promises-record-inve
を発表した。これは 2009 年から殆ど 16 億クラウ
stment-in-CCS/
ンの増加である。同国には 1986 年から沖合の
Sleipner ガス田に CO を貯留してきた実績があ
る。
Fortum と TVO は 炭 素 回 収 貯 留 の 分 野 で Fortum http://www.fortum.com/news_secti
Reuter on_item.asp?path=14022;14024;140
Siemens Energy と協働する予定
Meri-Pori 石炭火力発電プラント(565MW) のオ s
26;25730;551;49877
ーナー2 社(Fortum と TVO∼ともにフィンランド
http://www.reuters.com/article/util
の電力会社)は計画中の CCS 実証試験のパー
itiesSector/idUSLE1501352009101
トナーとして Siemens Energy を選定した。同計
4
画では年間 125 万トンの CO を回収貯留する。
2015 年から運用に入る予定である。
GCCSI がプロジェクト展開促進のために予算を Global http://www.GCCSI.com/downloads
CCS
注入
/MR_CSLF.pdf
GCCSI(世界 CCS 協会)は 10 月 14 日、世界中 Institut http://www.carboncapturejournal.c
に CCS 技術を展開するための適正な知識・技 e
om/displaynews.php?NewsID=462&
量の創出のために Aus$360 万を注入すると発 Carbon
Captur
表した。
e
Journal
CO 2貯留についての米国―中国の努力の余地 NY
http://www.nytimes.com/cwire/20
は大きい:レポート
Times 09/10/16/16climatewire-report-fin
始で協力している。アルバータ州政府は今後 15
年間に C$4 億 3,100 万を投資し、カナダ政府が
C$3 億 4,600 万を
投資する。回収 CO2は EOR 利用ないしは地下
3km に貯留される。
10 14
10 14
10 14
10 14
10 16
−37−
ering
Bloomb
erg
Reuter
s
10 19
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10 21
10 21
16 日発表の天然資源防衛評議会(NRDC∼米国
の環境団体)のレポートによると、中国にはすで
に技術ノウハウがあり、また鍵となる地質上の
特徴があることから、米国の技術支援・協力お
よび中国政府や国際的投資機関からの投資が
あれば、3,066gigatons(3 兆 660 億トン)の CO2
を隔離することも可能で、CCS 技術の開発・展
開で世界のリーダーになりうる。
EU が Hatfield の IGCC プロジェクトに対する€1
億 8,000 万の補助金を承認
EU は 、 炭 素 回 収 機 能 を 備 え た Power fuel
Power 社の 900MW の Hatfield 石炭火力発電所
(英国ヨークシャー州)に対する€1 億 8,000 万
($2 億 6,900 万)の補助金を決定した。 同発電
所での CO2回収は 2014 年に開始される予定
で、パイプラインで北海海底に送出される。
全ての事柄を変え得る 5 つの技術
Wall Street Journal の Michael Totty 氏論説:今
後数十年間で世界は化石燃料依存を低減し温
室効果ガスの排出を劇的に削減しなければなら
ず、そのためには 5 件のブレークスルー技術が
求められる:宇宙ベースの太陽光発電、先進的
な自動車バッテリー、電力貯蔵、CCS、次世代
バイオ燃料
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
CO2 Capture Project が最新の調査結果を発表
CO2 Capture Project(CCP)は過去 5 年間に得ら
れた調査事項を炭素隔離リーダーシップフォー
ラム(CSLF)第 3 回閣僚会議で紹介した。CCP
は、石油ガス産業における数十年の実績から見
て安全かつ長期間の CO2の地質貯留は達成し
うるとしている。
DOE の パ ー ト ナ ー シ ッ プ が Mount Simon
Sandstone における CO2注入テストを成功裏に
完了
米エネルギー省の 7 つのパートナーシップの一
つである中西部地域炭素隔離パートナーシップ
(MRCSP)は Mount Simon Sandstone で 1,000 ト
ンの CO2を成功裏に注入し、初期結果として中
西部に広範に存在する地下深部の塩水層が有
力な CO2隔離場所であることが示された。
SINTEF の CCS プロジェクトに国際的な表彰
SINTEF ( ス カ ン ジ ナ ビ ア の 研 究 機 関 ) の
DYNAMIS プロジェクトは第 3 回炭素隔離リーダ
ー シ ッ プ フ ォ ー ラ ム ( CSLF ) 閣 僚 会 合 (10 月
11-14 日@ロンドン)で CSLF 認証賞 を受賞し
た。DYNAMIS プロジェクトはEUの HYDROGEN
プログラムの第 1 フェーズの位置付けである。
−38−
ds-ample-room-for-joint-us-china
-c-45709.html?scp=1&sq=carbon%2
0capture&st=cse
参考 NRDC の関連 CCS 情報
http://switchboard.nrdc.org/blogs/j
qian/ccs_does_china_needs_it.html
Power http://pepei.pennnet.com/display_a
Engine rticle/370159/6/ARTCL/none/non
ering
e/1/EU-grants-EUR180m-CCS-fu
nding-to-Hatfield-IGCC-project/
http://online.wsj.com/article/SB20
Wall
Street 00142405274870374660457446134
Journal 2682276898.html#mod=todays_us_
Carbon
Captur
e
Journal
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=464&
CCP Presentation 20091013
http://www.co2captureproject.org/
media/ccp_results_book_3_press_rel
ease_131009.pdf
DOE
Fossil
Energy
Carbon
Captur
e
Journal
http://www.fossil.energy.gov/news
/techlines/2009/09074-Partnershi
p_Completes_CO2_Injectio.html
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=465&
PHPSESSID=tndtdl2dlrotv0f551k0k
bpaa0
Carbon http://www.carboncapturejournal.c
Captur om/displaynews.php?NewsID=466&
e
Journal
10 21 炭素回収に関する EU の進捗は未だもってあま
りにも遅すぎる:RWE
RWE npower の環境戦略トップの John McElroy
氏は 10 月 21 日の環境ファイナンスコンファレン
ス(@ロンドン)で「2015 年迄に運用が開始される
はずの 12 件の炭素回収貯留実証プラントの立
ち上げに EU は時間を取りすぎている。」と述べ
た。
10 22 GE Oil & Gas は世界最大の天然ガスプロジェク
トである Gorgon プロジェクトで$4 億の契約獲
得、
GE Oil & Gas は、世界最大の Gorgon プロジェク
トの競争入札で炭素回収隔離を特徴とする LNG
コンプレックス機器を$4 億で Chevron から受注
した。CO2貯留量は世界の他のプロジェクトの 4
倍になる。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
10 23
10 23
10 23
10 23
Reuter http://www.reuters.com/article/G
s
CA-GreenBusiness/idUSTRE59K28
720091021
http://www.gepower.com/business
es/ge_oilandgas/en/about/press/e
n/2009_press/102209.htm
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=467&
PHPSESSID=agqiu016njgiojqm41ag
1nv0k5
http://www.reuters.com/article/mn
GreenInvesting/idUS429990138200
91023
Bellona http://www.bellona.org/news/news
米国はどのように CCS を行うのか
DOE は駐英米国大使館でビデオ会議を開催し、
_2009/US_CCS_Use
米国における CCS の進め方について議論した。
DOE は CCS プロジェクトは 1.5-2 年で選定する
と表明した。これに反して、EU では欧州委員会
が 2007 年に 2015 年迄に 10-12 件の CCS プロ
ジェクトを開始すると合意して後すでに 2.5 年経
過したが進展は見られない。また、2007 年に発
表された英国の CCS 実証プロジェクトコンペで
は未だ勝者が発表されていない。
エネルギー政策についてのドイツの政党の計画 Reuter http://www.reuters.com/article/co
Angela Merkel 政権の中道右派連立与党政党 s
mpanyNewsAndPR/idUSLN302542
は、原子力、石炭、再生可能エネルギーに関す
20091023
る政党間の政策ギャップを埋める協議を進めて
いる。石炭については、新たな高効率石炭火力
発電所の建設と炭素回収貯留技術の促進に主
眼を置いている。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
産業界は CCS 展開のデッドラインを前倒しする Bellona http://www.bellona.org/news/news
よう要求
_2009/zep_EH
スウェーデン大統領府主催のコンファレンス(10
http://www.bellona.org/articles/art
月 21 日@ストックホルム)において、 EUゼロエ
icles_2009/zep_2009
ミッションプラットフォーム(ZEP)は CCS 展開のデ
ッドラインを 2020 年以前に前倒しするよう要求し
た。(欧州委員会の CCS 展開ロードマップでは
CCS の商業展開は 2020-2025 年と提唱されて
いる。)
Bellona http://www.bellona.org/news/news
公共政策協議:イタリアにおける CCS の将来
Enel(イタリア最大の電力会社)は CCS Expo(10
_2009/public_policy_italy
月初め@ローマ)のサイドイベントで、石炭の経
−39−
GE Oil
& Gas
Carbon
Captur
e
Journal
Reuter
s
済性に鑑み、既設の石油火力発電プラントを石
炭火力に転換する長期計画の一環として CCS
の研究開発投資を発表した。
イタリア政府の環境相は Enel の構想を支持する
と表明した。
10 23 南ア政府は環境責任を進めるために CCS に着
目
Dipuo Peters 南アフリカ政府エネルギー相は、
先月の南アフリカ炭素回収貯留センターの発足
に際して、5 段階からなる政府の CCS ロードマッ
プの概要を紹介した。
10 23 Sasol は中国プロジェクトの設計に炭素回収を組
み入れる予定
Sasol(南アの CTL プラントメーカー)と中国の
Shenua Ningxia 石炭産業グループは、検討中の
中国の Ningxia Hui 自治区での 80,000 バレル/
日の CTL(石炭液化)プロジェクトに炭素回収貯
留オプションを包含する予定である。
10 26 カリフォルニアの炭素隔離プロジェクトに$300
万を投入
ローレンスリバモア国立研究所(LLNL/エネルギ
ー省)は、炭素回収輸送プロジェクトに関してアメ
リカ再生再投資法(ARRA)予算から$300 万の
予算を受領した。ローレンスバークレー国立研
究所(LBL/DOE)および C6 Resources 社の協力
を得て、San Francisco Bay Area 火力発電プラ
ントで 100 万トンの CO2を回収し地下 2 マイル以
上に貯留する予定である。
10 26 エネルギー先端研究プロジェクト局(ARPA-E)
はエネルギー研究で 37 件のプロジェクトに$1
億 5,100 万の予算を投入
米エネルギー省(DOE)は 37 件のエネルギー研
究プロジェクトを
選定し、先頃発足したエネルギー先端研究プロ
ジェクト局(ARPA-E)を通じて、$1 億 5,100 万の
予算を投入する。対象分野は、エネルギー貯
蔵、バイオマスエネルギー、炭素回収、ダイレク
トソーラー燃料、車両技術、再生可能電力、建
築物エネルギー効率化、廃棄物熱回収、在来エ
ネルギーである。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
10 26 成功裏に終わった ZEP2009 年度の総会
ZEP は 2009 年度総会を 10 月 20 日(@ブリュッ
セル)で開催した。全プレゼンテーションおよび
参加者リストが zip 圧縮ファイルで公開されてい
る。
−40−
Engine http://www.engineeringnews.co.za/
ering
article/minister-outlines-carbon-c
News apture-and-storage-road-map-200
9-10-23
Engine http://www.engineeringnews.co.za/
ering
article/sasol-to-integrate-carbonNews capture-into-china-projects-desig
n-2009-10-23
http://www.engineeringnews.co.za/
article/carbon-capture-to-be-inte
grated-upfront-into-china-projects
-design-2009-10-23
DOE
http://www.ornl.gov/info/news/pul
Pulse se/no298/story4.shtml
https://publicaffairs.llnl.gov/news/
news_releases/2009/NR-09-10-02.
html (ただし後者は 10 月 9 日付
LLNL 発表)
Green
Car
Congre
ss
NY
Times
http://www.greencarcongres
http://www.greencarcongress.com/
2009/10/arpae-20091026.html#mo
re
http://www.nytimes.com/2009/10/
26/science/earth/26energy.html?_r
=1&scp=1&sq=carbon%20capture&s
t=cse
Bellona http://www.bellona.org/ccs/Subsit
e_articles/Successful_ZEP_2009
10 26 EU GeoCapacity プロジェクトが成果品一式と最
終レポートを公表
EU および FP6(欧州共同体の研究開発実証の
ための第 6 次フレームワークプログラム)か共同
出資している EU GeoCapacit プロジェクトは EU、
中東欧の新規加盟国および加盟候補国に存在
する CO2貯留に適した堆積盆地の全て或いは
一部の評価レポートを公表した。
10 26 ゼロエミッションプラットフォーム(ZEP)および欧
州再生可能エネルギー研究センター(EUREC)
は NER300 予算が意欲と技術革新に報いて配
分されるよう要求
ZEP、EUREC の両者は欧州委員会の NER300
予算(2008 年 12 月に 2013-2020 年の間の再生
可能エネルギーおよび CCS の実証プロジェクト
に割り当てられた欧州排出割当 3 億単位相当
分の予算)が、意欲と技術革新を喚起するよう
な方法で時宜を得て効果的、有効に配分される
よう要求している。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
10 26 遅れがあったにも拘わらず英国はクリーン石炭
の分野での主導を希望している
Hunt 英国エネルギー気候変動相は 26 日、E.ON
UK の CCS 投資延期など計画遅れはあったが英
国は今でも石炭火力発電プラントにおける CCS
技術で世界をリードしたい、との意向を表明し
た。
10 27 米国西部諸州の議員が地域協力を重視
米国西部諸州の議員は 26 日(@ワイオミング州
ジャクソン)、CCS 技術の開発協力を検討するこ
とで合意した。
ワイオミング大学エネルギー資源スクールの
Northam 理事は「西部諸州はばらばらに炭素回
収隔離技術の開発を行っているが、コンソーシ
アムを組んで協力するのが賢明である」と示唆
した。
10 27 英国は世界の炭素回収レースで遅れをとってい
る
英国土木エンジニア協会(ICS)は 27 日、レポート
「炭素回収貯留、始めるべき時」を発行し 2050
年までの炭素排出削減目標を達成するつもりな
ら英国政府は明確な炭素回収貯留のロードマッ
プを示さなければならない、と述べている。
Bellona http://www.bellona.org/ccs/Subsit
e_articles/EU_GeoCapacity_Project
http://www.geology.cz/geocapacity
/publications
http://www.geology.cz/geocapacity
/publications/GeoCapacity%20Publi
shable%20Final%20Activity%20Repor
t%202006-2008-.pdf
Bellona http://www.bellona.org/news/news
_2009/ZEP_EUREC
Reuter http://www.reuters.com/article/rb
s
ssIndustryMaterialsUtilitiesNews/id
USLQ11354820091026
Washin http://www.washingtonpost.com/w
gton
p-dyn/content/article/2009/10/27
Post
/AR2009102701173.html?sub=AR
http://www.ice.org.uk/news_events
/newsdetail_ice.asp?NewsID=1092&
NewsType=ICE&FacultyID=
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=469&
PHPSESSID=8u68m9b1h35hmgbh8
3klui6m46
ICS
レ
ポ
ー
ト
http://www.ice.org.uk/downloads//
carboncapturedl.pdf
10 28 IFT が英国の新エネルギー技術移転ネットワー Carbon http://www.carboncapturejournal.c
クの契約を確保
Captur om/displaynews.php?NewsID=470&
−41−
Institut
ion of
Civil
Engine
ers
Carbon
Captur
e
Journal
IFT(Industry Technology Facilitator ∼石油ガ
ス業界が設立した英国の NPO)は、政府の技術
戦略委員会(TSB)に代わって英国産業界向け
の新エネルギー知識移転ネットワーク(KTN)を
開設する 3 年間の契約を確実なものにした。こ
の KTN が対象とする技術には、CCS を含む炭
素削減も含まれる。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
10 28 GCCSI のレポートは、炭素回収貯留プロジェクト
の世界はもっと緊急に必要とされている、と述べ
ている
GCCSI は 28 日、レポート「世界の炭素回収貯留
の状況の戦略的分析」を発行し、G8 の目標
(2020 年迄に 20 件の商業規模の炭素回収貯留
CCS プロジェクトを展開)についてのアクション
は進みつつあるものの、商業面、技術面、規制
面の障害を乗り越えるため、緊急に大規模かつ
より多様なプロジェクト・ポートフォリオを迅速に
作成する必要がある、と述べている。
10 29
10 29
10 29
10 30
e
Journal
http://www.GCCSI.com/downloads
/MR_WP-Report.pdf
http://www.reuters.com/article/lat
estCrisis/idUSSYD545575
GCCSI
レ ポ ー ト
Strategic
Analysis of the Global Status of
Carbon Capture and Storage
http://www.GCCSI.com./downloads
/Status-of-CCS-WorleyParsons-R
eport-Synthesis.pdf
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=aFWr9zH
1ETM8
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=472&
People http://english.people.com.cn/90001
中国、EU、英国が CCS 協力の可能性を検討
中国科学技術省、欧州委員会および英国エネ s
/90778/90861/6797633.html
ルギー気候変動省は、CCS の協力に関する会 Daily
合を 10 月 28-29 日に開催し、 中国および EU ( 人 民
の石炭発電プラントにおける商業規模 CCS の 網)
実証に向けた協議を行った。
GE は 250MW 発電所における IGCC 技術を供与 Power http://pepei.pennnet.com/display_a
GE Energy は、Hydrogen Energy(HEI∼BP と Rio Engine rticle/370479/6/ARTCL/none/non
Tinto のジョイントベンチャー)が計画している ering
e/1/GE-to-supply-IGCC-technolo
250MW の IGCC 発電プラントに関して GE Energy
gy-at-250-MW-power-plant/
の IGCC 技術(CO2を最大で 90%回収)を提供す
るライセンスアグリーメントに署名した。
ロッテルダム気候イニシアチブが CCS の適格性 Bellona http://www.bellona.org/news/news
に関するレポートを発行
_2009/rotterdam_climate_initiative
ロッテルダム気候イニシアチブ(RCI)は、加盟 9
http://www.rotterdamclimateinitiati
社向けにロッテルダムにおける炭素回収は技術
ve.nl/documents/Documenten/RCI
的にフィジブルで採算性の目途もあるとの結論
-CCS-ExecSumm.pdf
を述べるレポートを発行した。CCS のコスト見積
りも提示している。
http://www.aep.com/newsroom/ne
AEP と Alstom がこの種で初めての CCS プロジ AEP
ェクトを開始
NY
wsreleases/?id=1575
AEP(American Electric Power:アメリカ電力/オ Times http://www.nytimes.com/aponline/
ハ イ オ 州 ) と Alstom は 30 日 、 AEP の Washin 2009/10/30/business/AP-US-AE
Mountaineer 石炭火力発電プラントとして、世界 gton
P-Carbon-Capture-West-Virginia.h
で初めての CCS プロジェクト(CO2100.000 トン/ Post
tml?_r=1&scp=1&sq=carbon%20capt
−42−
Global
CCS
Institut
e
Reuter
s
Bloomb
erg
Carbon
Captur
e
Journal
年)を正式に開始した。同 CCS プロジェクトはこ Carbon ure&st=cse
れに先立ち、9 月 1 日から CO2回収を開始し 10 Captur http://www.washingtonpost.com/w
e
月 2 日からは貯留を始めている。
p-dyn/content/article/2009/10/30
Journal /AR2009103002019.html
Bloomb http://www.carboncapturejournal.c
erg
om/displaynews.php?NewsID=475&
Columb http://www.bloomberg.com/apps/n
us
ews?pid=newsarchive&sid=am1PiAt
Dispatc d0tJg
h
http://www.bloomberg.com/apps/n
ews?pid=newsarchive&sid=au65MjF
S5c34
http://www.dispatch.com/live/cont
ent/local_news/stories/2009/10/2
9/AEPCO2.ART_ART_10-29-09_A1
_FNFGPM3.html
10 30 CCS はタールサンドからの温室効果ガスの排出 Carbon http://www.carboncapturejournal.c
を目に見えて削減するものではない − WWF Captur om/displaynews.php?NewsID=473&
e
レポート
Co-operative Financial Services(協同財務サー Journal
ビス)と WWF-UK(英国 WWF)は、カナダ・アルバ
ータ州でのタールサンドからの石油生産におい
て CCS が高いレベルで温室効果ガスの排出を
削減するという考えを低く評価するレポートを発
行した。
10 30 Alstom が Lummus Global のエンジニアリング部 Carbon http://www.carboncapturejournal.c
Captur om/displaynews.php?NewsID=471&
門を取得
Alstom(フランス)は Lummus Global(ドイツ)のエ e
ンジニアリング部門を取得し、新たに「Alstom Journal
Carbon Capture GmbH 」 と い う 社 名 を つ け て
Alstom の CO2収貯留活動に統合した。
−43−
2009.11
情報
関連情報
11 04 炭素回収隔離に関する米中協力のレポート
ローレンスリバモア国立研究所(LLNL/DOE)は
米国プログレスセンンター/アジア社会センター
などと共同で「炭素回収隔離に関する米中協力
のロードマップ」を作成し 11 月 4 日公表した。同
レポートは 3 つの協力分野をカバーしている:
・既設工業プラントからの純粋な CO2流の隔離
に関する協力
・既設発電プラントのレトロフィットのための研
究開発投資
・CCS に向けた市場の活性化
Lawrence
Livermore
National
Laboratory
Science
Daily
Asia
Center
11 04 研究機関のグループが炭素回収貯留技術に関
して米国と中国の協力を後押し
3 つの著名な米国の研究機関(アジア協会、米
国プログレスセンター、自然資源防衛協議会)
は、2 点のレポートを作成し、米国と中国の両国
政府は気候変動問題に対処するために CCS 技
術の活用支援を優先すべきであると提言した。
11 04 炭素回収貯留:革新に向けた適切な環境
数十年間にわたってスコットランドに富をもたら
してきた北海の
石油、ガスは急速に枯渇しつつあるが、廃油田・
廃ガス田での CO2貯留は新たな可能性をもたら
し て い る 。 ス コ ッ ト ラ ン ド で は Longanett の
ScottishPower が小規模の CCS プロトタイプ試
験設備を設置している。
11 04 GCCSI は多様化の優先を提唱
GCCSI は、11 月 4 日に発行したレポートで 理想
的なポートフォリオ を示し、CCS の展開を加速
するためには、世界は産業、地域、技術を横断
する商業的な開発を広げる必要性がある、と提
唱した。
11 04 Q+A 中国の炭素回収のオプションとプラン
中国における CCS の Q&A 質問事項は以下
の通り:
・CCS のアドバンテージは?
・CCS の欠点は?
・可能な方法は?
・中国の排出のどの部分を回収しうるのか?
・現在の貯留オプションは?
・中国は今迄に何を成し遂げたのか?
NY Times
−44−
Financial
Times
https://publicaffairs.llnl.gov/new
s/news_releases/2009/NR-09-1
1-02.html
http://www.sciencedaily.com/rel
eases/2009/11/091104132821.
htm
http://www.asiasociety.org/polic
y-politics/environment/roadmap
-us-china-collaboration-carboncapture-and-sequestration
LLNL レポート
https://publicaffairs.llnl.gov/news
/news_releases/2009/images/US
_China_Roadmap.pdf
http://greeninc.blogs.nytimes.co
m/2009/11/04/groups-push-usand-china-on-carbon-capture-a
nd-storage-technology/?scp=1&
sq=carbon%20capture&st=cse
http://www.ft.com/cms/s/0/fe6
cb962-c811-11de-8ba8-00144fe
ab49a.html
Global CCS http://www.GCCSI.com/downloa
Institute
ds/MR_LEK-Report.pdf
Reuters
http://www.reuters.com/artic
le/GCA-BusinessofGreen/idUST
RE5A30TL20091104
http://www.reuters.com/artic
le/GCA-BusinessofGreen/idUST
RE5A30TL20091104?pageNumber=
2&virtualBrandChannel=10522
11 05 DOE 支援のミシシッピープロジェクトで 100 万ト DOE Fossil
Energy
ンの CO2注入を達成
米エネルギー省(DOE)の地域炭素隔離パートナ NY Times
ーシッププロジェクト(RCSP)のの下で、南東地
域炭素隔離パートナーシップ(SECARB)は、ミシ
シッピー州クランフィールドで 100 万トンの CO2
の地下塩水層注入を達成した。
11 05 中国は CO2 回収貯留を推進、ぼんやりとした疑
問も
中国は同国初の CCS 機能付きの商業規模の石
炭火力発電プラントの完成を進めているが、貯
留方法と場所についてはなお一層の調査が必
要であり、中央政府の科学技術省な費用と環境
影響への懸念を抱いている。
11 06 エネルギー省が新たな水素発電プラントに対す
る協力アグリーメントに署名
米 エ ネ ル ギ ー 省 (DOE) は Hydrogen Energy
California (HECA)との間で IGCC 水素燃焼発電
実証施設(250MW@Kern 郡/カリフォルニア州)
の建設に関する協力アグリーメンントに署名した。同
実証施設では石炭 75%/石油コークス 25%を水素
と CO2に転換し、CO2の約 90%(約 200 万トン/
年)を回収の上、パイプラインで Elk Hills 油田に
輸送して EOR に利用する。
11 06 Cook Inlet における炭素回収を伴う合成ガス
Cook Inlet Region Inc.(CIRI∼アンカレッジのエネ
ルギー・資源開発会社)は地下石炭ガス化
(U.C.G.)による合成ガス生産を計画している。
CO2は 100MW の発電プラントで燃焼する前に採
取された合成ガスから除去できる。
11 09 Miliband 大臣がエネルギーシステムをオーバー
ホールする戦略の方向を設定
・エネルギーインフラストラクチュアの計画決
定を導く 6 件の国家政策ステートメント(NPS)
・潜在的に適切な 10 ヵ所の原子力発電サイト
の指名
・クリーン石炭の発展のフレームワーク
低炭素エネルギーへの挑戦の一環として、2025
年に至る今後 15 年間にクリーン石炭発電能力
の拡大について合意し建設しなければならない
が、CCS を伴わないプラントは建設しない。
なお、政府は本日(11 月 9 日)、現在進めてい
る CCS コンペの次の段階に向けて E.ON 及び
Scottish Power からの応札申請を受領した。ま
た EU は暫定的に PowerGen を選定し、同社
Hatfeild での Precombustion CCS の開発に£1
−45−
Reuters
http://www.fossil.energy.gov/ne
ws/techlines/2009/09076-DOE
_Project_Hits_Million_Ton_Mile
s.html
http://www.nytimes.com/gwire/2
009/11/06/06greenwire-does-c
arbon-sequestration-test-reach
es-1m-ton-48565.html?scp=3&
sq=carbon%20capture&st=cse
http://planetark.org/enviro-news
/item/55343
http://www.reuters.com/article/l
atestCrisis/idUSPEK344037
DOE Fossil http://www.fossil.energy.gov/ne
ws/techlines/2009/09077-DOE
Energy
_Signs_Cooperative_Agreeme
nt.html
NY Times
http://greeninc.blogs.nytimes.c
om/2009/11/06/syngas-with-car
bon-capture-at-cook-inlet/?scp
=1&sq=carbon%20capture&st=
cse
DECC
CCSA
Carbon
Capture
Journal
http://www.decc.gov.uk/en/cont
ent/cms/news/pn130/pn130.asp
x
http://www.ccsassociation.org.uk
/docs/2009/Press%20releases/C
CSA%20Press%20Release%20-%2
0No%20time%20for%20delay%20on
%20CCS%209%20Nov%2009.pdf
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=47
7&
11 09
11 09
11 09
11 09
11 10
11 10
億 8,000 万の支給することにしている。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
新規石炭火力発電所についてのセクション 36
申請の補助ガイダンスに関するパブリックコメン
ト募集
英国政府は 11 月 9 日、クリーン石炭の開発のフ
レームワークに関する意見募集(2010 年 2 月 1
日まで)を発表した。50MWe 以上の石炭火力発
電所建設については CCS の実証可能であると
の証拠を示さなければならない。
RWE はウェールズでの CCS プラント建設の計画
を提出する予定
RWE(ドイツの電力会社)のステートメント 11 月 9
日:英国南ウェールズ Aberthaw の 1,500MW 石
炭焚火力発電所における CCS プラント建設計
画の申請書を提出する予定である。同プラント
は英国内で既発表の Post-combustion プロジェ
クトの規模の 8 倍以上になり、運用期間は 2 倍
以上になるであろう。
Siemens Energy は Taylorville Energy Center に
石炭ガス化の先端技術を提供する予定
Siemens Energy は 9 日 、 Taylorville Energy
Center (TEC) が同社の石炭ガス化技術を選定
し、イリノイ州テイラービル近傍で開発される予
定の 730MW0(Gross)の先端 IGCC 石炭火力発
電プラント($35 億のプロジェクト)で TEC に提供
することになった、と発表した。同プロジェクトで
は少なくとも 50%以上の CO2を回収貯留する。
カンサス大学地質調査が CO2貯留のスタディー
で$500 万の補助金を受領
カンサス大学地質調査(カンサス大学系ベン
チャー)は、石油・天然ガスの廃坑での CO2の地
下貯留に関するフィジビリティスタディ(FS)の実
施のために、米国連邦政府エネルギー省
(DOE)から$500 万近い補助金を受領した。
世界の炭素回収プロジェクト
世界の炭素回収プロジェクトの早わかり:
・Sleipner(ノルウェー) Statoil が 1996 年から
100 万トンの CO を北海海底にパイプライン輸
送・貯留
・Snohvit(ノルウェー) Statoil が 2008 年から 70
万トンの CO2をバレンツ海海底に貯留開始
・Salah(アルジェリア) Sonatrach、BP、Statoil
が 1000 万トンの CO2をサハラ砂漠地下に注入
・その他、Weyburn-Midale(米、ノースダコタ)
など
英国政府は石炭焚火力発電プラントの財源の
−46−
DECC
http://www.decc.gov.uk/en/cont
ent/cms/consultations/guidance
_coal/guidance_coal.aspx
Reuters
http://www.reuters.com/article/
utilitiesSector/idUSL9491003200
91109
Siemens
Energy
Power
Engineering
http://press.siemens.us/index.ph
p?item=1164&s=43
http://pepei.pennnet.com/display
_article/370760/6/ARTCL/none/
none/1/Siemens-picked-for-CC
S-technology-at-730-MW-plant/
カンサス大 http://www.news.ku.edu/2009/n
学
ovember/9/kgsgrant.shtml
Washington http://www.washingtonpost.com/
Post
wp-dyn/content/article/2009/11
/10/AR2009111005134.html?sub
=AR
Times
http://www.timesonline.co.uk/tol
ため 炭素回収税 を課す予定
英国政府のエネルギー気候変動省(DECC)は、
4 件の炭素回収
貯留(CCS)実証プラントの補助金として£95 兆
(約 1 兆 2,000 億円)の課税を 2011 年から開始
する可能性があると発表した。これは各世帯当
り年間£17 の負担に相当する。
11 10 カナダは炭素回収計画に予算付けする模様
Raitt カナダ政府天然資源相は 10 日、近々ブリ
ティッシュコロンビア州、サスカチェワン州におけ
る CCS 計画に予算を付ける予定であると述べ
た。連邦政府は既に C$10 億の約半分を拠出す
る約束をしており、両州の天然ガス生産会社と
の間で協議している。なお、先月(10 月)には連
邦政府とアルバータ州政府は、TransAlta および
Shell の CCS プロジェクトに C$16 億以上を投ず
ると発表している。
11 10 Alstom と Schlumberger が CCS パートナーシッ
プで署名
Alstom と Schlumberger は CCS レディーのスタ
ディーの共同提案に関する協業アグリーメント
に署名した。このスタディーは、発電プラントに
Alstom の CCS システムを組み込む技術分析お
よび発電プラント向けの CO2貯留サイト評価か
らなる。
/news/environment/article69102
75.ece
http://www.reuters.com/article/
environmentNews/idUSTRE5A83
E020091109
Reuters
http://www.reuters.com/article/
GCA-BusinessofGreen/idUSTRE
5A956Z20091110
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=47
6&
http://www.power.alstom.com/pr
_power_v2/2009/november09/55
951.EN.php?languageId=EN&dir=/
pr_power_v2/2009/november09/
&idRubriqueCourante=32205
http://www.nytimes.com/aponlin
e/2009/11/10/world/AP-EU-Ca
rbon-Dioxide-Town.html?_r=1&sc
p=1&sq=carbon%20capture&st=cs
e
http://www.washingtonpost.com/
wp-dyn/content/article/2009/11
/10/AR2009111002936.html
11 11 Scottish & Southern Energy は Ferrybridge 石炭 Scottish & http://www.scottish-southern.co.
火力発電プラントに炭素回収実証施設を建設す Southern uk/SSEInternet/index.aspx?id=21
Energy
る予定
190&TierSlicer1_TSMenuTargetID
英国の Scottish & Southern Energy(SSE)は、 Power
=1366&TierSlicer1_TSMenuTarge
Ferrybridge 石炭火力発電プラント(400MW@ヨ Engineering tType=1&TierSlicer1_TSMenuID=
ークシャ)における炭素回収実証施設建設計画
6
書を地方監督官庁に提出した。炭素回収試験
http://pepei.pennnet.com/display
施設は SSE と Doosan Babcock が共同で開発し
_article/370821/6/ARTCL/none/
2011 年初頭∼2012 年末にかけて運用する予定
none/1/Scottish-and-Southernである。
Energy-to-build-carbon-capture
-demonstrator-at-UK's-Ferrybri
dge-coal-plant/
11 12 米エネルギー省(DOE)は CO2貯留フィールド試 DOE Fossil http://www.fossil.energy.gov/new
験のためインディアナ地層をターゲット
Energy
s/techlines/2009/09078-Indiana_
NY Times
11 10 炭素貯留?私の家の下では嫌
Shell とオランダ政府が EU の 12 件の CCS プロ Washington
ジェクトの一つとして進めている Barebdrecht で Post
の炭素地下貯留実験について、Barebdrecht の
住民が反対を表明している。曰く「CO2貯留施設
が建設されたら誰が Barebdrecht に住もうと望
むだろか?」
−47−
DOE の地域炭素隔離パートナーシッププログラ
ムの下で、中西部地質隔離コンソーシアム
(MGSC)は、インディアナ州の Clore 地層におけ
る炭素貯留可能性評価と石油回収強化(EOR)
試験のために既存の生産油井への 8,000 トンの
CO2注入を開始した。
DOE Fossil
11 13 炭素回収貯留プロジェクトが世界で増加中
米エネルギー(DOE)は 13 日、世界の CCS プロ Energy
ジェクトの online データベースを発表した。5 大 NETL
陸にまたがる 20 カ国で現在提案されている 192
件の CCS プロジェクトのデータ(回収 38 件、貯
留 46 件、回収貯留 108 件)を包含している。
11 13 Alstom が CCS プロジェクトで中国パートナーを
模索中
Alstom (仏/電力・鉄道インフラメーカー) の
Joubelt 社長は 12 日、中国における CCS プロジ
ェクト適用に関して現地パートナーを探している
と発表した。現在、数社と協議している。
11 16 CCS は従来見積もられていたより遥かに経済的
成算がある、と新たなレポートが記述
スタンフォード大学の Reichelstein 教授らは、
CCS 技術採用の損益分岐点は CO2価格が$25
−30/トンの時である、とするレポートを発表し
た。この範囲であれば CCS は排出権購入より経
済的になるであろう。
11 16 CCS とタールサンド:間違った解決
Co-operative Financial Services (CFS:協同財
務サービス)と World Wildlife Fund(世界自然保
護基金:世界的な環境団体)は最近のスタディー
で、アルバータ州におけるタールサンドからの石
油抽出に関する石油会社・カナダの見解を否定
し、CCS は石油抽出に伴う高レベルの温室効果
ガス(GHG)排出に対する解決にはならないと反
論した。
人民網
Bellona
CO2_Injection_Begins.html
http://www.fossil.energy.gov/new
s/techlines/2009/09079-DOE_U
nveils_CCS_Database.html
http://www.netl.doe.gov/publicati
ons/press/2009/09079-DOE_Un
veils_CCS_Database.html
http://www.netl.doe.gov/technol
ogies/carbon_seq/database/inde
x.html
http://search.people.com.cn/rmw
/GB/foreignsearch/languagesear
ch.jsp
http://www.bellona.org/news/ne
ws_2009/stanford_report
http://www.bellona.org/news/ne
Bellona
Co-operati ws_2009/CCS_tar_sands
ve Group http://www.co-operative.coop/e
n/corporate/Press/Press-releas
es/Headline-news/Carbon-cann
ot-significantly-reduce-tarsands
-emissions-says-new-report/
レポート
http://www.co-operative.coop/C
orporate/PDFs/Tar%20Sands%20
CCS.pdf
http://www.bellona.org/news/ne
11 16 RAP が米国 4 州における排出性能基準に関す Bellona
る比較要約を発行
ws_2009/RAP_EPS_Report
Regulatory Assistance Project(RAP:規制支援
プロジェクト∼米国バーモント州の NGO)はモン
タナ、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各
州でそれぞれに採択された排出性能基準(EPS)
を比較する要約レポートを発表した。CCS、排出
量算定方法、再生可能エネルギーの役割、適
用法規との関連付けを含む。
−48−
11 16
11 17
11 18
11 18
11 18
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
東芝が低炭素の未来の種を植え付け
東芝は、株式会社シグマパワー有明三川発電
所(福岡県大牟田市)内に CO2回収パイロットプ
ラントを設置し、隣接する石炭火力発電所で排
出する CO2を回収し、発電システムと性能およ
び運用面で最適に統合された形で実用化できる
よう開発を進める。ただしパイロットプラントでは
CO2の貯留は行わず煙突から大気放出する。
(注記:本件は国内企業の情報であるが海外メ
ディアが報道したので、東芝 URL を組み合わせ
て参考迄に記述する。)
Peabody Energy が中国の GreenGen プロジェ
クトとのジョイントベンチャー合意を履行し完全
な株主に
Peabody Energy(米国最大の石炭生産会社)は
17 日、 2 年前に発表されていた GreenGen プ
ロジェクト($10 億で炭素回収貯留プラントを天
津市近傍に建設する予定∼650MW の IGCC)の
遂行のため、中国の Huaneng グループその他 7
社との間のジョイントベンチャー合意を履行した
と発表した。Peabody は 6%の株式を保有するこ
とになる。
米、中両国の大統領がエネルギー問題での米
国−中国の協力強化のために電気自動車イニ
シアチブその他 6 件の施策を発表
Obama 米大統領の胡中国国家主席は北京で
17 日、7 件のクリーンエネルギー施策からなる
米中間の協力パッケージを発表した。
・電気自動車イニシアチブ
・クリーンエネルギー研究センター設立
・エネルギー効率アクションプラン
・再生可能エネルギーパートナーシップ
・21 世紀の石炭∼大規模 CCS 実証プロジェ
クトを含む
・シェールガス・イニシアチブ
・エネルギー協力プログラム
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
米国の石炭産業の生き残りは炭素回収にかか
っている
政府による CO2排出抑制規制の開始を控えて
米国の石炭産業は 2 つの厳しい選択肢に直面
しようとしている:炭素回収か?死か? 合衆国
議会で審議中の気候変動法案は石炭火力発電
プラントに深刻な脅威を与えつつあり産業界は
CCS 技術に希望を求めている。
イリノイ大学(UI)が CO 2貯留テストで補助金を
獲得
−49−
Financial
Times
http://www.ft.com/cms/s/0/680
9f3d4-d24f-11de-a0f0-00144fea
bdc0.html
参考(東芝 Website)
http://www.toshiba.co.jp/about/p
ress/2009_09/pr_j2901.htm
Peabody
Energy
Corp.
Bloomberg
http://phx.corporate-ir.net/phoe
nix.zhtml?c=129849&p=irol-news
Article&ID=1356351&highlight=#s
plash
http://www.bloomberg.com/apps
/news?pid=newsarchive&sid=a4e
X5BErVwDY
Green Car http://www.greencarcongress.co
Congress m/2009/11/uschina-ev-2009111
Bloomberg 8.html#more
http://www.bloomberg.com/apps
/news?pid=newsarchive&sid=aMK
Hyl2eDEVU
Reuters
Daily
com
http://www.reuters.com/article/
companyNewsAndPR/idUSN1041
984720091118
Illini http://www.dailyillini.com/news/
campus/2009/11/18/ui-gets-gra
11 18
11 18
11 19
11 20
11 20
イリノイ大学は、地下塩水層への CO2注入が塩
水層の圧力変化をもたらす結果として地下水へ
の塩水混入や清水の汚染につながるかどうか
等の環境影響評価で約$90 万/3 年間の補助金
を受領する予定である。
EU GeoCapacity の最後のプロジェクト会議が 10
月 21 日、22 日コペンハーゲンで開催された
汎ヨーロッパの研究プロジェクトのグランドフィナ
ーレとして EU GeoCapacity プロジェクト会議
GeoCapacity の結果および CO2
地質貯留の将来 が 10 月 21、22 日コペンハー
ゲンで開催された。
EU GeoCapacity は 11 月 18 日、同会議のプレ
ゼンテーション資料を Web 公開した。
中国の Chenhua と GE は石炭ガス化でジョイント
ベンチャー(JV)を組む予定
GE と Shenhua Grouup(神華集団公司)は、中国
での石炭ガス化
技術適用ならびに炭素回収を伴う商業スケール
の IGCC プラントの展開を推進する JV を組む予
定であり、その手続きを 2010 年前半に行う。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
Gassco は Kaarstoe からの CO2輸送のパイプラ
インの敷設を申請する予定
Gassco AS (ノルウェーの天然ガスパイプライン
運用会社)は、Kaarstoe 火力発電所から北海海
底に至る 240km の CO2輸送パイプラインの建設
を提案する予定である。同パイプラインは
Kaarstoe 発電所の年間 CO2排出量 110 万トン
の 3 倍の輸送能力を持つことになる予定。
欧州投資銀行(EIB)が炭素回収予算化で各国に
圧力
EIB の Simon Brooks 副社長は 19 日、EIB は炭
素回収貯留のための予算化を急ぐよう EU 加盟
各国の政府に要求した、と述べた。欧州委員会
(EC)は 2007 年 1 月に CCS に関する全般的な
戦略に着手しており、当座の第 1 ラウンドの補
助金予算(€10億 5,000 万)の決定が期待され
ている。
大きな前進に向けてオランダ政府が Shell の
Barendrecht CO2貯留サイトを承認
オ ラ ン ダ 政 府 18 日 、 地 域 の 反 対 が あ る が
Barendrecht 近くの地下枯渇ガス田での CO2貯
留プロジェクトに Go をかけた。当初は小規模の
貯留(CO280 万トン))を Carnisselande ガス田で
行い、次いで Ziedewij ガス田で大型貯留(900 万
トン)を行うことになろう。
−50−
nt-to-test-carbon-dioxide-stora
ge
http://www.geology.cz/geocapaci
EU
GeoCapacit ty/events/Copenhagen%20presen
y
tations
Power
http://pepei.pennnet.com/display
Engineering _article/370991/6/ARTCL/none/
none/1/China's-Shenhua,-GE-to
-form-coal-gasification-joint-ven
ture/
Bloomberg http://www.bloomberg.com/apps
/news?pid=newsarchive&sid=aqt
KZgnUWb6E
Bloomberg http://www.bloomberg.com/apps
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aa0h63mJs
http://www.bellona.org/articles/a
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Reuters
rticles_2009/Dutch_Shell_CCS
Bloomberg http://planetark.org/enviro-news
/item/55547
http://www.bloomberg.com/apps
/news?pid=newsarchive&sid=aFz
5envO15sQ
http://www.bloomberg.com/apps
/news?pid=newsarchive&sid=aqT
11 23 地下炭素の運命の予測
マサチュセッツ工科大学(MIT)はアメリカ物理学
会誌で 23 日、不透過性の岩盤とその下の透過
性岩盤で構成される地下 CO2 帯水層の CO2貯
留容量の決定と CO2漏えいリスク評価のための
新たなモデル化手法を開発したと発表した。
Eurekalert
Org
Science
Daily
1weoVPyD4
http://www.eurekalert.org/pub_re
leases/2009-11/aiop-ptf111309.
php
http://www.sciencedaily.com/rel
eases/2009/11/091123132630.ht
m
http://www.sasol.com/sasol_inter
net/frontend/navigation.jsp?articl
eId=26700001&navid=4&rootid=4
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com/displaynews.php?NewsID=48
4&PHPSESSID=58o06odp7c28lq7
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/news?pid=newsarchive&sid=a9I
WXej8EgXk
http://www.engineeringnews.co.z
a/article/sasol-may-become-par
tner-in-norways-carbon-technol
ogy-centre-2009-11-24
http://www.regjeringen.no/en/de
p/oed/Subject/carbon-captureand-storage/mongstad-ccs-proj
ect.html?id=502210
http://www.scottishpower.com/P
11 25 Longannet における ScottishPower 社の炭素回 Scottish
Power
収プロトタイプの重要なブレークスルー
ressReleases_1964.htm
ScottishPower 社は 11 月 25 日、今年 5 月に運 Bellona
http://www.bellona.org/news/ne
用を開始した Longannet 火力発電所のプロトタ Power
ws_2009/scottish_power%20CCS_
イプ炭素回収装置での試験で炭素分離の消費 Engineering breakthrough
エネルギーを類似プラントと比較して 2/3 に削減
http://pepei.pennnet.com/display
することができたと発表した。
_article/371332/6/ARTCL/none/
none/1/ScottishPower,-Aker-Cl
ean-Carbon-claim-efficiency-bre
akthrough-in-carbon-capture-pr
ocess/
http://planetark.org/enviro-news
11 25 カナダがアルバータ州の CO2パイプライン計画 Reuters
Power
を支援
/item/55631
カナダ連邦政府とアルバータ州政府は 24 日、老 Engineering http://pepei.pennnet.com/display
朽油田における石油回収強化(EOR)のために
_article/371250/6/ARTCL/none/
North West オイルサンド掘削(Edmonton 近傍)
none/1/Canada-invests-$63mn-i
で生ずる CO 2 を輸送するパイプライン(Alberta
n-CCS/
Carbon Trunk Line:能力 40,000 トン/日、当初輸
http://www.reuters.com/article/
送は 5,100 トン/日)に C$5 億 5,800 万(US$5 億
companyNewsAndPR/idUSN2431
2,500 万)を投資すると発表した。
927820091124
11 24 Sasol と Gassnova SF が TCN 参加についての
覚書(MoU)に署名
Sasol(エネルギー・化学プラントメーカー@南ア
フリカ)と Gassnova (炭素回収貯留[CCS]に関
する政府の利益を管理するノルウェー国営企
業)は、現在建設中のノルウェーCO2技術センタ
ー@Mongstad(TCM)への参加の覚書に署名し
た。TCM は、大規模 CO2回収施設における技術
の試験、認証、実証を行う。
−51−
Sasol
Carbon
Capture
Journal
Bloomberg
Engineering
News
11 26 英国の電力市場は徹底した改革を必要とする、
との電力会社の弁
Ofgem(英国政府のエネルギー規制当局)は 10
月に「電力市場は、今後 15 年以上の間、電力需
要増大と気候変動対策への取組に少なくとも
£2,000 億を投じなければならない。」と推計し
た。E.ON UK の最高経営責任者 Paul Golby 氏は
11 月 25 日、「英国のエネルギー市場は、その他
の形態の低炭素エネルギーと併せて、原子力
発電と CCS 機能付きの石炭火力発電に向かわ
なければならない。」と述べた。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
11 26 Shell が EU 加盟各国政府に対して CO2市場へ
の介入を要求
Roysal Dutch Shell の Peter Voser CEO は先頃
の The Guardian 誌のインタビューで、「低水準で
推移している CO2取引価格は石炭火力発電所
のクリーン化を遅らせており、このままでは EU
は CCS 技術開発のリーダーになりえない。」と
述べ、EU 加盟各国政府は kWh 当りの CO2排出
を規制する排出パフォーマンス基準の設定を急
ぐべきと述べた。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
11 27 強制的な CCS に関する英国のパブリックコメン
ト募集に対するいろいろな反応
英国政府のエネルギー・気候変動省(DECC)
は、全石炭焚火力発電所の CO2排出パフォー
マンス基準(EPS∼kWh 当りの排出量を規制)実
施についてのパブリックコメント募集の結果を発
表した。EPS 実施時期への様々なコメントなど、
寄せられたコメントは多様であった。
11 27 フランス財務協会が南アフリカの炭素回収を支
援
フランスの Agence Française de Développement
(AFD) の Jean-Michel Severino CEO は 11 月
27 日、南アフリカ CCS 開発憲章への同意書簡
に署名し、€142,000 の補助金を表明した。
同 CCS 憲章については Saneli、Sasol、英国高
等コミッション、Eskom、ノルウェー政府等が既に
署名している。
11 27 Oxy-fuel CCS テストが 100%近い炭素回収を達
成
Vattenfall 社は 11 月 26 日、Schwarze Pumpe(ド
イツ東部)における Oxy-fuel パイロットプラントで
純粋レベルの CO2を 99.4%回収することができ
た、と発表した。同プラントは 2008 年 9 月から運
用しており、約 75,000 トン/年の CO2を回収する
設計となっている。
−52−
Reuters
http://www.reuters.com/article/
GCA-BusinessofGreen/idUSTRE
5AP14J20091126
Bellona
http://www.bellona.org/news/ne
ws_2009/Shell_position_on_carbon
_pricing
Bellona
http://www.bellona.org/articles/a
rticles_2009/Mix_UK_response
Engineering http://www.engineeringnews.co.z
News
a/article/french-finance-instituti
on-gives-sa-carbon-capture-a-b
oost-2009-11-27
Power
http://pepei.pennnet.com/display
Engineering _article/371339/6/ARTCL/none/
none/1/Oxy-fuel-CCS-test-achi
eves-close-to-100-per-cent-car
bon-capture/
11 30 炭素回収貯留は巨大な可能性を秘めている、と 人民網
EU の中国大使
EU の Serge Abou 中国大使は 11 月 29 日(@人
民網誌とのインタビュー)、2020 年の先の気候
変動抑止の展望は立っていないが、重要な気
候変動対策とされる CCS について中国は巨大
な可能性を持っている、と語った。
CO2CRC
11 30 重要会議で CCS を前進
CO2CRC(オーストラリア)は、世界各国の研究機
関・政府・産業界から 200 人余の参加を得て 12
月 1∼3 日にクィーンズランド州サンシャイン・コ
ーストで CCS 会議を開催する予定である。議題
は
①CO2CRC の Otway 貯留プロジェクト第 1 段階
の結果
②Otway プロジェクト第 2 段階の計画
③Hazelwood と Mulgrave での CO2回収実証実
証の結果詳報
④オーストラリア・ニュージーランドでの CO2貯
留の調査進展
⑤CCS システムの 25%以上のコスト削減
⑥オーストラリア及び世界の 9 件の CCS プロジ
ェクトの近況
11 30 McKinseyがオランダでの CCS に関する最終レ Bellona
ポートを発行
McKinsey & Co.(国際的コンサルタント会社)はオ
ランダ政府向けに作成した CCS の最終レポート
を発表した。
同レポートは、いくつかの異なる炭素排出シナリ
オ(楽観的なものから悲観的なものまで)を設定
して、どのようにして 2050 年までにオランダで大
規模 CCS を確実に進展させるかについて詳細
に分析している。
−53−
http://english.people.com.cn/900
01/90778/90860/6827560.html
http://www.co2crc.com.au/dls/m
edia/09/CO2CRC_Symposium_09
.pdf
http://www.bellona.org/news/ne
ws_2009/McKinsey_CCS_Netherla
nds
2009.12
情報
関連情報
12 01 IEA 技術ロードマップ
国際エネルギー機関(IEA)は 1 日、COP15 に備
えて CCS、持続可能エネルギー(バイオ燃料、
オフショア風力エネルギー、先端太陽エネルギ
ー、電気自動車、統合エネルギー効率、他)、原
子力を含む低炭素技術の開発・実証・商業化に
関する エネルギー技術ロードマップ を発行し
た。
CCS に関するキーメッセージ:
・CS は安価な GHG 排出緩和ポートフォリオの重
要な部分
・2010-50 年で合計$6 兆の投資が必要
・他
12 01 革新的なクリーン発電プロジェクトが州政府の
助成金を獲得
アルバータ州および Swan Hills Synfuels 社は
130 万トン/年の
CO 2 を回収・隔離して劇的に排出を低減する
300MW のクリーン発電プロジェクトを進めてい
る。CCS の部分に関して、州政府は Swan Hills
Synfuels に$2 億 8,500 万の助成金を提供する趣
意書を発行している。
IEA
http://www.iea.org/subjectqueries/
keyresult.asp?KEYWORD_ID=4156
http://www.iea.org/roadmaps/ccs_
power.asp
http://www.iea.org/papers/2009/C
CS_roadmap_targets_(viewing).pdf
http://www.whitecourtstar.com/Art
icleDisplay.aspx?e=2203147
http://www.swanhills-synfuels.com
/about_us_nr.htm
http://www.carboncapturejournal.c
om/displaynews.php?NewsID=490&
PHPSESSID=bf1f759bodtoj3o0opiu
bibvb4
http://www.reuters.com/article/G
CA-BusinessofGreen/idUSTRE5B1
3EN20091202
CO2CRC http://www.co2crc.com.au/dls/me
12 01 炭素貯留研究に対する追加支援
現在オーストラリアで唯一の CO2貯留の研究・ Media-M dia/09/Otway_stage2_support.pdf
実証施設である CO2CRC の Otway 施設は、第 ewswire http://media-newswire.com/releas
1 段階の支援(A$400 万)に次いで、ビクトリア州
e_1107117.html
政府から新たなプロジェクト段階に対する A$200
万の追加支援を受けた。
12 01 CCS 技術の展開の迅速化が必要、と Shell のト Oil & Gas http://www.ogj.com/index/articleJournal display/4440940966/articles/oil-ga
ップが発言
Shell PLC 事業部門の John Berry 非在来型燃
s-journal/general-interest-2/hse/
料・EOR 担当副社長は、気候変動への取組とし
2009/12/ccs-technology_deployme
て発電所や大型産業施設をレトロフィットするの
nt.html
は大変な浪費であり、炭素回収貯留技術展開を
加速すべきである、と述べた。
12 01 CO2ソリューション社が酵素による炭素回収の Carbon http://www.carboncapturejournal.c
Capture om/displaynews.php?NewsID=488&
結果を発表
CO2ソリューション社(カナダ)は、Procede Group Journal PHPSESSID=2bri199qmat1j6ulb3v5
ga04a3
B.V.(オランダの化学エンジニアリング企業)を
パートナーとして、遺伝子操作で開発した 5X
炭酸無水酵素と特定の炭酸塩・アミン溶液で
−54−
Swan
Hills
Synfuels
Whitecou
rt
Star
Carbon
Capture
Journal
Reuters
12 01
12 03
12 03
12 03
12 03
12 03
CO 2 回収を行い顕著な結果を得たと発表した。
酵素の作用で CO2の反応率は 50 倍に増加し
た。
マグネシウムの籠が炭素回収の可能性を示し
た
カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA) の
Omar Yahgi は、多数のマグネシウム芯を内蔵す
る多孔性の化学ケージ(籠) Mg-MOF-74 は排ガ
スから効果的かつ選択的に CO2を捕捉すること
ができ、エネルギーを殆ど使うことなく放出する
ことができることを示した。
炭素隔離技術の促進
炭素隔離リーダーシップフォーラム(CSLF 国際
的な閣僚級の委員会)と国際エネルギー機関
(IEA)は COP15 に際して合衆国センター(@コペ
ンハーゲン)で 12 月 10 日に 炭素隔離技術の促
進 について講演する予定である。CSLF は世
界の CCS 技術の状況・政策を紹介し IEA は
CCS ロードマップを提案して議論を求める。
血液酵素はクリーン石炭の実現の手助けする
可能性がある
Carbozyme(米国ニュージャージー州)は、CO 2
の回収エネルギーを他の方法に比べて 1/3 低
減する可能性のある血液酵素 炭酸アンヒドラ
ーゼ(carbonic anhydrase) の合成バージョンを
開発中である。 炭酸アンヒドラーゼは他のガス
から CO2を選択吸収するため、クリーン石炭の
実現に貢献する可能性がある。
Global CS 協会(豪)は A$5,000 万の予算ラウン
ドをスタートする予定
Global CS 協会は 12 月 1 日、電力の約 90%を
化石燃料に依存するオーストラリアで商業スケ
ールの炭素回収地下貯留(CCS)の開発を目的
とする A$5,000 万の第1回予算ラウンドへの公
募(締切は1月 5 日)を開始した。
Odessa 市、電力会社は$3 億 5,000 万の連邦政
府交付金待ち
2 年前の FutureGen プロジェクト建設地候補の
選 定 で 敗 れ た Odessa ( テ キ サ ス 州 ) お よ び
Summit Power Group (シアトル) は、なお諦め
ず、テキサス・クリーンエネルギー・プロジェクト
(別名、NowGen)の推進のため FutureGen に$3
億 5,000 万の連邦政府交付金を申請している。
Statoil の将来のオイルサンドプロジェクトは炭素
回収貯留レディーで建設される予定
Statoil Canada の新社長は、将来のオイルサン
ドプロジェクトは CCS を念頭に設計されるであろ
−55−
RSC org http://www.rsc.org/chemistryworld
/News/2009/December/01120901.
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2XDOAvDxTm20v6wD9CBG6P01
Winnipeg http://www.winnipegfreepress.com
Free
/business/breakingnews/78455412.
Press
html
うが、政府の支援がなければ、CCS が経済的に
成立する迄には長い時間がかかる、と述べた。
12 04 米国の Chu エネルギー長官が炭素回収隔離に
対する$9 億 7,900 万の支援を発表
Chu エネルギー長官は 12 月 4 日、商業スケー
ルの CCS を伴う先端石炭火力発電技術を加速
するため$31 億 8,000 万相当の 3 件のプロジェ
ク ト EP 、 Southern Company 、 Summit Texas
Clean Energy の各社)に$9 億 7,900 万の支援を
行うと発表した。
http://www.fossil.energy.gov/news
/techlines/2009/09081-Secretary_
Chu_Announces_CCS_Invest.html
http://pepei.pennnet.com/display_a
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bon%20capture&st=cse
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2009/12/04/business/AP-US-Cle
an-Coal-Plant.html?scp=5&sq=carb
on%20capture&st=cse
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2009/12/04/business/AP-US-Am
erican-Electric-Power-DOE-Funds
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pture&st=cse
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p-dyn/content/article/2009/12/04
/AR2009120403275.html
http://www.reuters.com/article/id
USTRE5B349S20091204
Norway http://www.regjeringen.no/en/dep/
12 04 ノルウェーが炭素回収貯留の新基金に拠出
ノルウェーの Erik Solheim 環境・国際発展相は、 Governm ud/press/News/2009/fund_ccs.htm
ノルウェーは発展途上国における CCS の技術 ent
l?id=587849
の育成のための世界銀行の新基金に
NOK3,500 万を拠出する予定であり、最大の貢
献国になるであろう、と発表した。
(1 ノルウェークローネ=15.9 円、12 月 4 日現在)
12 04 DNV と欧州委員会が炭素回収貯留ネットワーク NASDAQ http://www.nasdaq.com/aspx/stoc
を開始
k-market-news-story.aspx?storyid
DNV(Det Norske Veritas/ノルウェー)と欧州委
=200912040721dowjonesdjonline00
員会(EU)は 4 日、炭素回収貯留の知識共有ネ
0510&title=dnveuropean-commissio
ットワークを Hoevik (ノルウェー)で開設した、と
n-launch-carbon-capturestorage-n
発表した。DNV がコオーディネートする同ネット
etwork
ワークは CCS プロジェクトの情報・経験を交換
する場になる。
12 04 Rio Tinto はカリフォルニアプロジェクトへの炭素 Rio Tinto http://www.riotinto.com/media/51
Reuters 57_18794.asp
回収貯留投資に注力する予定
Rio Tinto(豪/鉱山業)は 4 日、炭素回収貯留へ
http://www.reuters.com/article/int
の投資に関してはAbu Dhabiにおける水素燃
ernal_ReutersNewsRoom_BehindTh
料発電プロジェクトの権利の 1/2 をBPに譲渡
eScenes_MOLT/idUSTRE5B33DN2
し 、 カ リ フ ォ ル ニ ア で の Hydrogen Energy
0091204
−56−
DOE
Fossil
Energy
Power
Engineeri
ng
NY
Times
Washingt
on Post
Reuters
California(HECA)プロジェクトに主眼を置く、と発
表した。
12 07 Chu 米エネルギー長官が先端研究プロジェクト
に関する$1 億の公募を発表
Chu 長官は 7 日、エネルギー省(DOE)エネルギ
ー先端研究プロジェクト局(ARPA-E) の第 2 弾と
して変換エネルギー研究 3 分野の公募を発表し
た。対象分野の 1 つとして 先端炭素回収技術
に向けた革新的材料及びプロセス が含まれて
いる。
12 07 新規材料が炭素回収の手助けになるかもしれ
ない
排ガスからの CO2分離材料はガス放出のため
加熱しなければならず、エネルギー面からみる
と割高になるが、カリフォルニア大学ロサンジェ
ルス校(UCLS)は炭素回収のための新規な金
属有機フレームワーク(MOF)材料を開発した。
12 07 CCS 展開を加速する新たなプロジェクト
GCCSI (豪)は 7 日、世界中での炭素回収貯留
プロジェクトの展開加速を支援する新たなプロジ
ェクトを発表した。
同協会は、世界の大規模 CCS プロジェクトに対
してオーストラリア政府の予算により約 A
$5,000 万の直接支援を行う予定である。
12 08 GCCSI がオーストラリア政府のの CCS フラッグ
シップ
プログラム・ショートリスト(4 件)の発表を歓迎
オーストラリア連邦政府は A$20 億(US$ 18 億)
の CCS フラッグシップ・プログラムのアセスメント
段階に向けて 4 件のプロジェクトのショートリスト
を発表した。
・Wandoa IGCC 発電プラントプロジェクト
・ZeroGen 発電プラントプロジェックト
・Collie South West Hub プロジェクト
・CarbonNet プロジェクト
DOE
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Car
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12/11/aussies-foot-bill-for-accele
rating-carbon-capture-and-storag
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e/1/Australia-shortlists-four-proje
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s/2009/12/09/2765965.htm?sectio
n=business
12 08 CO2の注入はカーボンニュートラル・オイルの希 Heatingoi http://www.heatingoil.com/blog/ca
l com
望をもたらす
rbon-dioxide-injections-offer-hope
Dunbery Resources(テキサスの石油会社∼老
-of-carbon-neutral-oil1208/
朽油田を購入してミシシッピー州 Rankin 郡北部
の地下から採取した CO2で EOR を行い石油生
産)は自然発生の CO 2 に代えて発電所からの
CO2を導入する考えを表明した。
12 08 炭素回収プランがあいまいな遠望に直面
The
http://www.thenational.ae/apps/pb
−57−
COP15(@Copenhagen) は、UAE が提案した
CCS に向けた基金の設立を承認しない見通しで
ある。湾岸の石油ガス生産国は、化石燃料の時
代の延長につながるとして CCS 技術を支援して
いる。
12 09 中国の炭素回収ユニットはクリーンコールに向
かう小さな一歩
今 月 の 上 海 に お け る 世 界 最 大 の
Post-combustion 炭 素 回 収 施 設 の 開 所 は 、
Copenhagen の COP14 では中国の CO2排出増
加への問責の陰でそこそこの称賛を受けたにと
どまった。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
12 09 サウジアラビアは回収した CO2を油田で利用す
る予定
Ali al Naimi 石油鉱物資源相は 12 月 8 日、サウ
ジアラビアは、自国の炭素フットプリントに低減
のために、2013 年迄に CO2回収を進めて世界
最大の油田に注入するよう計画している、と発
表した・
12 09 4 件の炭素回収発電プラントが建設される予定
12 月 8 日に発表された英国政府の予算概案に
よれば炭素回収貯留施設を伴う 4 件の発電プラ
ントが建設される見通しである。
その内の 1 件は現在行っている政府の CCS コ
ンペティションの勝者(2010 年初めに決定の予
定)で他の 3 件の詳細は未定である。Darling 財
務相は 9 日、CCS パイロット・実証プロジェクトの
支援の予算を倍増するつもりであると語った。
12 09 欧州再生エネルギープログラムに関するオフシ
ョア風力と炭素回収貯留プロジェクトの選定
欧州委員会(EC)は 9 日、欧州再生エネルギー
プログラム(EEPR∼€2,000 億の財源) から天然
ガス・電気インフラプロジェクト、オフショア風力
エネルギープロジェクト、CCS プロジェクトに€39
億 8,000 万を投入すると発表した。CCS プロジェ
クトについては 6 件に対して€10 億 5,000 万の助
成を決定した。
−58−
National
(UAE)
cs.dll/article?AID=/20091208/BUSI
NESS/712089926/1118
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=200912090601dowjonesdjonline00
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15-billion-for-15-ccsoffshore-wind
-projects
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g
Power
Engineeri
ng
EurActiv
FT Times
Environm
ental
Finance
iStockAn
alyst
12 10 英国政府の予算概案はグリーン成長を促進す
る
財務相が発表した予算概案は国内および国外
における気候変動対策構想での英国のリーダ
ーシップを強固にするものである。
新規施策のなかで、石炭火力発電に関する 4 件
の商業スケール
の CCS 技術の実証をコミットしている。
12 11 Solid Energy は炭素回収貯留基金の申請の可
能性があると発表
Solid Energy(ニュージーランド国営の石炭会
社)は、$14 億の褐炭ガス化−尿素プラント建
設(計画)のオプションとして検討州の CCS に関
して GCCSI(オーストラリア)の助成金を申請す
る可能性があると発表した。
12 14 Chu 米エネルギー長官と Pachauri IPCC 議長が
Bright Green で講演
Chu 米エネルギー長官と Pachauri IPCC(国連政
府間)気候変動パネル)議長は 13 日(@COP15
の Bright Green 副会場 Copenhagen)、CCS を含
む GHG 排出削減・低炭素技術・ビジネスチャン
スについて講演した。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
−59−
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Energy
Collectiv p15/54205
e
12 14 EU の炭素制度はクリーンエネルギー転換を支
えている:NEF
New Energy Finance(NEF)の調査によれば、EU
の排出権取引制度(EUETS)は電力会社の投資
決定に影響を与え始めている。電力会社は、炭
素取引価格は原子力発電や炭素回収貯留に投
資を促進するほどには高くないとの不満を抱い
ている。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
12 14 クリーンコール計画が迅速な経緯を辿る
経済性評価が終了しておらずサイトが未定であ
るのにも関わらずクィーンズランド州政府(豪)は
ZeroGen プロジェクトに対する必要予算付け
(A$42 億)と計画承認を検討している。
12 15
12 15
12 15
12 15
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Power
AEP が CO2 の圧縮技術に$200 万を投入
アメリカン電力(AEP)は、、炭素貯留技術の低コ Engineeri article_display.cfm?ARTICLE_ID=37
ス ト 化 ・ 省 エ ネ ル ギ ー 化 の 一 環 と し て 、 ng
1846&p=6&section=ARTCL&subsec
Dresser-Rand 社および Ramgen Power System
tion=none&c=none&page=1
社の超音速衝撃波 CO2 圧縮システム開発構想
に$200 万を投入する予定である。
FT Times http://blogs.ft.com/energy-source
Exxon の静かな CCS プレー
Chatham House(英 Think Tank)のレポートによ
/2009/12/15/exxons-quiet-ccs-pl
れば、ExxonMobil は、XTO(米テキサス州のガ
ay/
ス生産企業)の M&A で、世界最大の炭素回収
貯留関連パテント所有者になった。競合相手の
Shell のパテント数の 2 倍に当る。
WNN
http://www.world-nuclear-news.or
フランスは将来の原子力に注力
サルコジ仏大統領は 12 月 14 日、原子力など持
g/NN_France_puts_into_future_nucle
ar_1512091.html
続可能な新規技術の開発支援に係る€350 億相
当の支出計画の詳細を発表した。CCS を含む
新規エネルギー関連技術への支援として€15 億
($22 億)を含んでいる。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
EU の COCOTE CO2輸送プロジェクトがスタート Carbon http://www.carboncapturejournal.c
フランス石油協会(IFP)と研究・産業パートナー Capture om/displaynews.php?NewsID=492&
8 団体の COOCTE プロジェクトは、地質貯留サ Journal PHPSESSID=p470h7taols423blv4dt
イトと多様な中規模 CO 排出施設を結ぶ共有輸
9v3ec7
送インフラ開始の問題に直面するであろう。
http://www.ifp.com/actualites/com
muniques-de-presse/lancement-d
u-projet-europeen-cocate
Fortum 社、TVO 社および Maersk 社が革新的な Maersk http://www.maerskoil.com/en/New
Oil
炭素回収貯留プロジェクトの開発で合流
s/PressReleases/2009/Pages/Car
Fortum ( フ ィ ン ラ ン ド の 電 力 会 社 ) お よ び Copenha bonCaptureandStorageproject.aspx
Teollisuuden Voima (原子力発電会社:TVO)は、 gen
http://www.cphpost.dk/business/1
CCS の開発分野に関して、Maersk Oil および Post
19-business/47758-maersk-involv
−60−
Australia
n
Business
Resource
Intelligen
ce
Maersk Tankers とのパートナーシップの関係に Carbon
入った。
Capture
Journal
Globe
and Mail
Maritime
Global
Net
12 16 炭素回収は国連のクリーンプロジェクトのリスト
から外れる
COP15(@Copenhagen) において、幾つかの国
が留保したことから、工業国が炭素排出 Offset
(相殺)の投資対象として要望している CCS は
国連のグリーン技術リストに載らず、決定は
2010 年迄延期となった。
EurActiv
Bloomber
g
Wall
Street
Journal
Examiner
Mining
Australia
RWE
12 16 Aberthaw CO2回収プラントの契約で合意
Shell と RWE npower は、Aberthaw 火力発電プ npower
ラント(英国 South Wales)における SO2/炭素回
収パイロットプラント計画で合意した。3MW で英
国内の類似パイロトプラントの約 3 倍の規模に
なる。
12 16 各国政府が CCS プロジェクトに対して$40 億の
投入を約束 Copenhagen
米国政府、オーストラリア政府および EU は先
週、合計で 13 件の大型(300MW 以上)CCS 実証
プロジェクトを支援するために$40 億以上を投入
するとコミットした。
12 16 炭素回収貯留市場は 2030 年迄に$1,280 億に達
する可能性がある
Pike Research のレポートによれば、ベースケー
スのシナリオで、世界全体の CCS システムの市
−61−
Global
CCS
Institute
Electric
Light &
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ed-in-carbon-capture-storage.html
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ean-coal-in-copenhagen/
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build_co2_capture_pilot_project_in_uk
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12 17
12 17
12 18
12 18
12 18
12 21
12 21
場規模は 2030 年迄に$1,280 億に達する可能性
があり、最大で$2,210 億になることもあり得る。
C2Solution 社が Codexis 社との共同開発に同意
Codexis 社(米バイオ触媒企業・カリフォルニア
州)は、石炭火力
発電プラントにおける CO2回収(酵素利用)技術
の共同開発の
ために、CO2Solution 社(カナダ CO2回収バイオ
技術企業)に
カナダ$200 万の出資を行った。
Air Products は炭素回収プロジェクトを開発する
予定
Air Products & Chemicals Inc.(APCI)は 17 日、
米国エネルギー省(DOE)から石油回収に際し
ての炭素回収・濃縮・清浄化のエンジニアリング
スタディーおよび計画の契約を$90 万 2,000 で
受注したと発表した。
低エネルギー・コスト低損失の石炭火力発電プ
ラントサイトの CCS
Princeton 大学 Princeton 環境研究所の Robert
Williams 上級研究員は、CCS の総エネルギー損
失は 7%まで圧縮できると推測した。(従来の微
粉炭石炭火力発電プラントのレトロフィットでは
約 36%都されている。)
炭素回収は再生可能エネルギーより先に EU
予算を獲得する見通し
欧州委員会(EC)が EU 加盟国に送付した EU 排
出量取引制度(EUETS)を財源(炭素価格€20/ト
ンの場合で約€60 億)とする別枠予算草案で
は、CCS は最初に予算の割当(€3 億)を受ける
ことになりそうである。
インド内閣は炭素回収プロジェクトを検討するか
もしれない
インド電力相はオーストラリアの Global CCS
Initiative への加盟に関する了解を内閣に求め
た。
EU は DNV において CCS を実証
欧州委員会(EC)は、欧州 13 ヵ国の 22 のプロジ
ェクトの代表者を招いて CCS 実証プロジェクトの
情報共有ネットワーク(コーディネーター:ノルウ
ェーDNV)に関する予備会合を開催した。
Basin Electric Power 社は Dakota プロジェクトで
Doosan Babcock 社を選定
Basin Electric Power 社は Dakota プロジェクトに
関し Doosan Babcock 社を選定し、Doosan は
HTC Purenegy 社(炭素回収技術保有)と共にプ
ロジェクトを遂行することになる。 CO 2は EOR
−62−
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Carbon
Capture
Journal
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ails.asp?newsID=7693
12 22
12 22
12 23
12 23
12 26
12 27
用途に供される。
Linden 市が炭素隔離プラントに交渉を再開
ニュージャージー州の Linden 市の評議会は数ヵ
月前に SCS Enegy 社(マサチュセッツ州)の石炭
ガス化技術(PuGen)による石炭火力発電プラン
トの建設を却下したが、市評議会の小委員会(3
人で構成)で同プロジェクト建設の見通しの再検
討を開始した。
北京から広東省に至る炭素回収貯留の発展
中国の CO2排出量の約 60%は火力発電由来で
あり 2020 年に向けた国家中長期科学技術開発
計画には CCS が挙げられている。先頃の Huang
広東省長と Miliband 英エネルギー気候変動相
の会談でも珠江デルタ(Pearl River Delta)は CCS
は優先議題であった。
Powerspan 社が CO2回収パイロットテストの結
果を発表
Powerspan 社(米・ニューハンプシャー州)は石炭
火力発電向けの独自の Post-combustion 技術
ECO2 を実証する 1MW のパイロットテスト(@
R.E.Burger プラント/オハイオ州)の結果を発表
した。
Swan Hills Synfuels の炭素回収プロジェクトが政
府予算を確保
アルバータ州政府は Swan Hills Synfuels の CCS
プロジェクトに対して$2 億 8,500 万の助成金を
支給する Letter of Intent を発行し、同社は助成
金を受ける 4 番目の企業になった。
同プロジェクトでは、15 年間にかけて 130 万トン
/年の CO2 を回収貯留する予定である。
エンジニアではなく法律家が 2010 年の炭素貯
留の作業を支配しようとしている
カナダにおける炭素地下貯留を始めようとする
なら弁護士を引きいれなければならない。2009
年にはカナダでは数十億の公的資金が多くの
炭素回収貯留」(CCS)プロジェクトにばらまかれ
たが、環境団体などは CCS よりも再生可能エネ
ルギーに投じるべきであると主張している。(本
情報には、カナダ連邦政府やアルバータ州政府
などの動向が概説されている。)
Young 合衆国下院議員がアラスカ州における
「炭素隔離研究で数百万ドルの予算を獲得
12 月 26 日に Obama 大統領が署名した連邦防
衛予算法案はアラスカ州における炭素回収研
究予算として$200 万以上含んでいる。Young
下院議員は Fairbanks の CTL プロジェクトや
North Slope での EOR に弾みがつくと述べてい
−63−
NJ com
http://www.nj.com/news/local/ind
ex.ssf/2009/12/linden_reopens_dea
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tory/push?article-Rep-+Young+wra
ngles+millions+for+carbon+sequestr
ation+study+in+Alaska%20&id=5336
042-Rep-+Young+wrangles+millions
+for+carbon+sequestration+study+i
n+Alaska&instance=home_news_win
12 27
12 27
12 28
12 29
る。
デンマークの Dong Energy 社が石炭火力発電プ
ラント計画を放棄
Dong Energy 社は、スコットランド、ドイツ、英国
における石炭発電プラント計画(CCS 機能なし)
の取消し発表(10 月)に続いて、先週、Lubmin (ド
イツ)での 1,620MW 石炭発電プラント(CCS 機能
な し ) 計 画 を キ ャ ン セ ル し た 。 2010 年 末 の
Cancun 気候変動国際会議(@メキシコ)で石炭
火力発電プラントに対する CCS が義務化される
可能性があるが、それに対する経営上の判断
の模様である。
McKinsey がポ−ランドにおけるGHG排出緩和
に関するレポートを発行
McKinsey & Co.は、ポーランドにおけるGHG排
出削減のレポート(コストカーブを含む)を発行
し、CO2価格が€80/トンであれば、2030 年迄に
必要な CO2排出削減を達成する技術的可能性
があると分析している。結論として、石炭依存の
ポーランドでは、CCS はかなりの CO2排出緩和
を可能とするとしている。
英国における炭素回収貯留のロードマップ
CCS 関連分野の専門家 31 人が Tyndall Centre
の Dr. Clair Gough を主筆として英国の CCS ロー
ドマップ(短期・中期・長期)を作成した。喫緊の
短期課題は規制の整備であるが長期課題は多
岐にわたる。
Consumers Energy 社のクリーンコール発電プラ
ント・プロジェクトが大気許可証を得て大きく前進
Consumers Energy 社は 12 月 29 日、ミシガン州
から 830MW の石炭火力火力プラント建設プロジ
ェクトに係る大気許可証(Air Permit)を受領し
た。同社は平均で約 50 年運用してきた米国最
古の石炭火力発電プラント群を廃して、Carbon
Capture Ready の最新のプラントを建設するも。
12 29 Dominion は予定の炭素回収施設に対する米連
邦政府の景気刺激予算からの助成気の獲得に
失敗
Dominion Virginia Power 社は、連邦政府の景気
刺激予算からの CCS 助成の選定に漏れたが、
その後、建設中のバージニアシティー・エネルギー
センター(585MW 石炭火力発電)に炭素回収貯
留施設を設置するかどうかを決定していない。
−64−
Bellona
dow_left_top_1
bigger plants in DONG energy s
portfolio
http://www.bellona.org/news/news
_2009/dong_energy
Bellona
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USN2919114520091229
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rbon-capture_facil/37982/
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e/1/Planned-$580mn-CCS-projec
t-denied-stimulus-funds/
12 29 温室効果ガス(GHG)でクリーンエネルギーを取 Discover http://news.discovery.com/earth/c
y News arbon-dioxide-capture-geothermal
り出し
聖フランシスコ・ザビエル大学(カナダ)は、地熱 DNNA
-green-energy.html
エネルギーを取り出す媒体として水の代わりに OIndia
http://www.dnaindia.com/scitech/r
CO 2 を使用すると地熱エネルギー利用および
eport_co2-pumped-deep-undergro
CCS の両面で効率的でありコストダウンにつな
und-could-make-energy-projectsがる、と提唱している。
more-efficient_1329131
Wales
http://www.walesonline.co.uk/news
12 29 Aberthaw 火力発電所の炭素回収試験計画
RWE npowwer の炭素回収パイロット計画は online
/wales-news/2009/12/29/abertha
2010 年の第 1 週に承認される見通しで、承認さ
w-power-station-s-plan-to-experi
れれば、パイロットプラントが Aberthaw 火力発
ment-with-carbon-capture-91466電所内に建設され 5 年間にわたって運転され
25482687/
る。
参
考
20091109
http://npowermediacentre.com/co
ntent/detail.aspx?ReleaseID=2973&
NewsAreaID=2
−65−
2010.1
情報
関連情報
01 04 レポート:CCS の商業化のためには炭素価格が
$40/トンにならねばならない
ABI (米国調査会社) によれば、CCS が商業的
な採算ラインに乗るには炭素取引市場での炭
素価格が$40/トンに達しなければならない。4
日の炭素価格は€13 ($18.75)/トン前後である。
01 04 科学者達は東海岸の岩盤を海底 CO2貯留の対
象にしている
全米科学アカデミー紀要に掲載されたコロンビ
ア大学の Lamont-Doherty 地球観測所のスタデ
ィーによれば、ニューヨーク州、ニュージャージ
ー州、ニューイングランド諸州、ジョージア州、サ
ウスカロライナ州に分布する火成岩や玄武岩の
地層は炭素貯留にとって理想的である。
01. 04
01 04
01 05
01 07
Earth2 http://earth2tech.com/2010/01/04
Tech /report-carbon-price-needs-to-be
-at-40-for-commercial-ccs/
http://news.xinhuanet.com/english
/2010-01/04/content_12751252.ht
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/news/2010/01/100104-carbon-v
ault-new-york-city.html
http://www.environmentalleader.co
m/2010/01/06/east-coast-targete
d-for-co2-storage/
Googl http://www.google.com/hostednew
Shell の CO2貯留プラント計画が火の車
2009 年 11 月にオランダ政府が承認した Shell e
s/afp/article/ALeqM5jhwYR4wTS
の CO2地下貯留プラント計画(Barendrecht 市の
m5Ui2U5cGIRGjAxgwZg
地下に 300,000 トンの CO2を貯留しようとするも
の)が地元の反対を買って混迷している。
Carbon http://www.carboncapturejournal.c
環境財団 ZERO が CCS ウェブサイトを開設
環境財団 ZEROCO2 は、世界の CCS プロジェク Captur om/displaynews.php?NewsID=501&
トの状況を示すウェブサイトを開設して包括的か e
PHPSESSID=m9njncspui2rnggf8lu2
つ透明な CCS 情報を提供するとともに、疑義に Journal v7ppr6
対する回答を載せる予定である。
(注記:2010 年 1 月 8 日現在、ZEROCO2
(http://zeroco2.org/)は該当する CCS ウェブサ
イトはを準備中である。)
U of A http://www.expressnews.ualberta.c
炭素貯留研究が拡大
地下 2km の過酷な条件をシミュレートする研究 Physor a/article.cfm?id=10706
施 設 の 設 置 ( C$400 万 ) に つ い て 、 Rick gr
http://www.physorg.com/wire-new
Chalaturnyk アルバータ大学(U of A) 教授はア
s/24171362/carbon-storage-resea
ルバータ科学研究投資プログラムおよび連邦カ
rch-gets-upsized.html
ナダ財団から C$160 万の助成金を受領した。同
研究施設はこの種の施設としてカナダで唯一の
ものである。
オランダの NGO と産業界の連合体がオランダ Bellona http://www.bellona.org/news/news
首相に宛てて一層の規制を求める声明を提示
_2010/dutch_ngo_statement
オランダの NGO と産業界の連合体は、2025 年
迄に発電分野におけるカーボンニュートラルを
達成するために、石炭火力発電プラントに対す
る CO2排出削減規制の強化と CCS の導入を求
める声明を Balkenende 首相に提示した。
−66−
新華社
Nation
al
Geogra
phic
Environ
mental
Leader
01 08 北海での炭素貯留
SINTEF(ノルウェー/スカンジナビア最大の研
究機関) の主任科学者 Erik Lindeberg 氏によれ
ば、北 海で の炭素 貯留 市場規 模は 約€2 兆
9,000 億になる可能性があり、これはノルウェー
の過去・未来の石油・ガスの総生産額にほぼ相
当する。貯留可能量は 4,000 億トンで、回収・輸
送・貯留のコストは€47.60/トンになると予想して
いる。
01 08 PGE(ポーランド)傘下の企業が$8 億 6,000 万の
投資の承認を獲得
PGE(ポーランド最大の電力会社)の系列企業
Elektrownia Belchatow の利害関係者は、€6 億
(US$8 億 6,000 万)の炭素回収貯留施設建設計
画を承認した。欧州委員会は PGE の計画に対し
て€1 億 8,000 万を投資している。
01 10 Bechtel と Calera が戦略的な連携を発表
Bechtel Power Corp.と Calera Corp.は 10 日、
Calera の革新的な炭素回収プロセス技術を使っ
た施設の開発面での戦略的な連携を発表した。
同技術で回収した CO2はカルシウムやマグネシ
ウム炭酸塩に吸収させて炭素ネガティブ製品の
生産に使用する。
01 11 Aberthaw の炭素回収計画が軌道に乗る
RWE npower が計画している Aberthaw(英・南ウ
ェールズ)の炭素回収プラント計画が Vale of
Glamorgan の評議会の承認を受けた。同プラン
トは、Aberthaw 発電所の排ガスから 1%を引い
て、建設後 2013 年まで、当初は SO2除去ついで
CO2除去を行うが、炭素貯留は含まれない。
01 11 Total が炭素回収貯留実証施設を開所し気候変
動に取り組み
Tolal SA(欧州第 3 の石油会社)は 11 日、Lacq
(南仏) で 欧州初の炭素回収貯留実証施設
(€6,000 万)を開所した。同施設は Air Liquide
の Pure Oxygen システム(Oxy-combustion)を採
用し、回収された CO2は 278km のパイプライン
で Rosse 貯留サイトに運ばれ、地下 4,500m に貯
留される。
−67−
Irish
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al-launches-carbon-capture-facilit
y/UPI-12231263227385/
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オーストラリア連邦政府とビクトリア州政府が炭 The
Austral usiness/federal-and-victorian-gov
素貯留場所探し
連邦政府とビクトリア州政府は Bass 海峡の ian
ernments-hunt-for-carbon-storage
Gippsland 海盆において炭素貯留サイト探しを 2 ABC
-places/story-e6frg8zx-122581820
月から開始する予定である。今後 15 年間で Net
5934
A$60 億相当を投じて調査を行う。12 月に発行さ
http://www.abc.net.au/news/storie
れたレポートで、連邦政府の 炭素貯留タスクフ
s/2010/01/13/2791268.htm?site=g
ォース は、Gippslan 海盆は最も有望な炭素貯
ippsland
留サイトであるとしている。
http://www.fossil.energy.gov/news
米国エネルギー省(DOE)が炭素貯留プロジェク DOE
トの公衆啓蒙教育のためのベスト・プラクティス・ Fossil /techlines/2010/10002-DOE_Publi
Energy shes_Best_Practices_Manua.html
マニュアルを発行
合衆国政府エネルギー省(DOE) の地域炭素隔 Carbon http://www.carboncapturejournal.c
離パートナーシップ・プログラムは、7つの地域 Captur om/displaynews.php?NewsID=505&
炭素隔離パートナーシップの経験に基づいて、 e
PHPSESSID=649e0ccar1irerkqosj2
炭素貯留プロジェクトの公衆啓蒙教育のための Journal eqim76
ベスト・プラクティスを推奨する新たなマニュアル
を発行した。
(注記:原文の outreach は適切な日本語がな
いため 啓蒙 と訳した。)
石炭火力発電の向けた炭素回収の経済学が公 Earth http://www.earthtimes.org/articles
Times /show/economics-of-carbon-capt
開された
SRI Consulting (SRIC、カリフォルニア州)は石炭
ure-disclosed-for-coal-fired-electr
火 力 発 電 プ ラ ン ト に お け る 3 つ の
icity-generation,1117836.shtml
Post-combusution 炭素回収プロセルの技術・
経済性を検証(examine)するテクノ・エコノミッ
ク・レポート 先端炭素貯留 を発行した。
海洋 CCS に関する DNV と PSE の合同プロジェ Carbon http://www.carboncapturejournal.c
クト
Captur om/displaynews.php?NewsID=503&
DNV(ノルウェーの世界的な海洋技術評価機 e
PHPSESSID=94uu2ueg0kl6jmop1e3
関)と Process Systems Enterprise (PSE/英国) Journal 0fghlc2
は、船舶積載型の CCS 技術の概念設計を行う
共同 R&D プロジェクトを発表した。
航海中に回収する CO2は船上に一時貯留して
寄港地で CO2貯留インフラに移し替える構想で
ある。
ドイツが重要な炭素貯留指令規則を無視したこ Bellona http://www.bellona.org/news/news
とに関して世界自然保護基金(WWF)が欧州委員
_2010/wwf_suit
会(EC)に不服申請
WWF(世界的な環境 NGO)は、ドイツが Baden
Wurttemburg における 900MW の石炭火力発
電プラント新設の炭素回収輸送貯留レディー
を認証しなかったことで欧州委員会(EC)に正式
な不服申請を行った。
石炭注力のポーランドがCCSプロジェクトを発 Bellona http://www.bellona.org/news/news
表
_2010/belchatow_ccs
−68−
01 17
01 18
01 18
01 19
01 19
01 19
PGE(ポーランドの電力会社)は、Belchatow 石
炭火力発電プラントで CCS を使った褐炭燃焼系
列を新たに建設するよう決定した。 PGE は EU
の経済回復法(EERP)から€1 億 8,000 万の助成
を受ける。
Scottish Power の Nick Horler 氏が炭素回収ハ
ブ構想を発表(英国)
Scottish Power の Nick Horler 氏(CE)は、英国
全域にわたる一連の炭素回収ハブの開発計画
を発表した。
同氏によれば、この構想が実現したら 10 年以上
にわたって毎年 5 億トンの CO2を除去することが
できる。
ノルウェーの大陸棚における炭素貯留サイトを
決定する予定 (ノルウェー)
ノルウェー石油理事会(NPD)は今後 3 年間かけ
てノルウェーの大陸棚において炭素貯留に最適
なサイトを判別する予定である。候補サイトは多
数あるが深度、容量、など条件が多様で、漏え
い防止の観点からの調査・分析も必要である。
BASF と Linde が煙道ガス炭素回収の市場活動
で協調 (ドイツ)
BASF と Linde は 15 日、炭素回収技術の共同販
売およびライセンスに係るアグリーメントに署名
したと発表した。
BASF はアミンベースの CCS 技術(世界 220 カ
所のガス・スクラビング施設で実績)を提供し、
Linde-KCA-Dresden が建設・エンジニアリング・
設計を担当する。
CCS 産業が世界的サポートプログラムに強く反
応 (オーストラリア)
GCCSI の Nick Otter 氏(CEO)はアブダビで開催
された世界未来エネルギーサミットにおいて 1 月
19 日、CCS を支援する Project Funding and
Support Program に対して世界中から 50 を超え
る応募(A$5 億相当)があったと述べた。
アブダビの Masdar の最初の炭素回収は 2012
年 (アブダビ)
Masdar(アブダビ国有)の Sam Nader 炭素管理
担当理事は 1 月 19 日、2012 年末までにアラブ
首長国で最初の CCS
プロジェクトを運用すると発表した。新設の製鉄
プラントから排出する 800,000 トン/年の CO2を
回収し油田に圧入する。輸送と貯留については
アブダビ陸上石油運用会社(ADCO)と密接な連
携を取っている。
アラブ首長国連邦(UAE)の水素発電、2014 年に
−69−
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cale+carbon+project+completion+2
014/2455014/story.html
http://online.wsj.com/article/BT-C
アルバータ州がアブダビとの間で CO2回収、経 Wall
Street O-20100120-711420.html?mod=WS
済協定に署名 (カナダ、アブダビ)
アルバータ州は 1 月 20 日、アブダビとの間で経 Journal J_World_MIDDLEHeadlinesMideast
済・エネルギー
技術協力の合意に達したと発表した。
(注記:本件の更なる詳細情報を読むためには
Wall Street Journal online の有料購読契約が
必要)
http://www.loyyangpower.com.au/d
炭素回収プラントに向かう新たなスタディー (オ Loy
Yang
ーストラリア)
ocuments/nr/2010/ly-pcc-announ
Loy Yang Power(豪・Loy Yang 電力)は 1 月 21 Power cement.pdf
日、褐炭焚火力発電プラントにおける CO2排出 ABC
http://www.abc.net.au/news/storie
削減の技術可能性に向けた予備 FS ($300 万) Net
s/2010/01/22/2798653.htm?site=g
に 参 加 す る 予 定 を 発 表 し た 。 Loy Yang は
ippsland
RUenergy,、Mitsubishi Australia Limited、三菱重
工 、 Worley Parsons に 合 流 す る 。 同 社 の
Post-combustion 炭素回収プロジェクト(PCC)は
ビクトリア州政府のエネルギー技術革新戦略
(ETIS) から$100 万の予算オファーを受けてお
り、上記FSの原資の一部になる。
http://www.ffwdweekly.com/article
計画中のパイプラインは排出量を劇的に増加さ Fast
Forwar /news-views/news/pipeline-would
せる、と環境団体 (カナダ)
Pembina 協会(アルバータ州の環境団体)は、オ d
-dramatically-increase-emissionsイルサンド地域とブリティシュコロンビア(BC)海 Weekly environmental-watchdog-5116/
岸を結ぶ Embridge 社の石油パイプライン計画
(1,200km)は 650 万トン/年の CO2排出をもたら
し、この値はアルバータ州の炭素回収貯留目標
量(500 万トン/年)を凌駕するもので、アルバータ
州のエコシステムにとって厳しい悪影響を及ぼ
す、と警告している。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではない。)
ドイツでの反対のさなか RWE がオランダで炭素 Bloomb http://www.bloomberg.com/apps/n
貯留プラントを建設するかもしれない (ドイツ、 erg
ews?pid=newsarchive&sid=aOZGhP
オランダ)
aq04MY
RWE AG(ドイツ第 2 の電力会社)は、ドイツ国内
Schleswig- Holstein 州での炭素貯留に対する反
対のゆえにオランダの Eemshaven 港で CCS を
伴う石炭火力発電試験プラントを建設する可能
性を示唆した。
s
CCS レディーに (アブダビ、英国)
Masdar と BP の JV による$「22 億の 500MW 水 Calgary
素火力発電プラントは、完成時期については合 Herald
意がなっていないが、2014 年に竣工したら世界
初の大型 CCS プロジェクトになり得る。発電量
の内 100MW はプラント内で消費し 400MW を送
電する。
01 20
01 21
01 21
01 22
−70−
01 22 サウジアラビアとオランダの CCS 構想は正しい
方向に向かっている:Al-Naimi 大臣 (サウジア
ラビア、オランダ)
サウジアラビアの Ali Al-Naimi 石油鉱物資源相
とオランダの Maria van der Hoeven 経済関連エ
ネルギー相は 1 月 21 日、サウジアラビア、英
国、オランダ、ノルウェーにおける CO2排出削の
四王国構想(Four Kingdoms Initiative) に関し
て情報を交換し、CCS の取り扱いと投資で一定
の進展があったことを確認した。
01 23 来月迄に FutureGen が決定されると期待 (米
国)
FutureGen のスポークスマン Lawrence Pacheco
氏は 1 月 21 日、エネルギー省(DOE)が 2 月中旬
迄に Mattoon(イリノイ州)近傍での試験発電プ
ラントの建設の可否を決定するものと期待して
いる、と述べた。 DOE は昨秋、コスト削減およ
び仕様変更を前提に、石炭会社を主体とする企
業グループとプロジェクト開発を継続する旨合
意している。
01 25 CO2パイプライン企業が民間所有の土地を利用
する権利を与える法案 (米国インディアナ州)
インディアナ州議会上院は、民間の土地と通っ
て CO2をパイプライン輸送する権利を企業に与
える法案(Bill115)を審議しているが、一部の消
費者団体は、法案が成立したら石炭メタン化プ
ラント(@Rockport)や石炭火力発電プラントの
芋づる式の承認につながるとして反対してい
る。
01 25 Odessa 市でクリーン石炭火力発電プラントに向
けたやりとり (米国テキサス州)
Odessa 市(テキサス州).は 1 月 25 日、 $20 億の
石炭火力発電プラント建設(CO 2 を 90%回収し
EOR に供する)に向けて$500 万および約 600エ
ーカーの土地(旧 FutureGen 候補地の約 2,400
万 m2)を Summit Clean Energy company.に提
示するむね決定した。
Odessa 市は Summit Energy の回答待ちである
が、受諾すれば今年 12 月から建設が開始され
2014 年頃に運用開始となる。
01 25 Redpoint Energy が英国政府・エネルギー気候
変動省(DECC)のために CCS 分析を先行強化
(英国)
Redpoint Energy(英国のエネルギーコンサルタ
ント)は 1 月 25 日、将来の CCS に焦点を置いた
クリーン石炭の意見募集に対する DECC への回
答として投資戦略、エネルギー処理、電力戦
略、エネルギーポリシー・規制などを 意見具申
−71−
Arab
News
http://www.arabnews.com/?page=1
&section=0&article=131616&d=22&
m=1&y=2010&pix=kingdom.jpg&cate
gory=Kingdom
News http://www.news-gazette.com/new
Gazett s/state_regional/2010/01/23/futur
e
egen_decision_expected_by_next
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com
http://www.ibj.com/bill-would-give
-co2-pipeline-firms-right-to-takeprivate-land/PARAMS/article/159
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New
West 9 /story.asp?S=11879600
Redpoi
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Energy
Consul
tant
News
http://www.redpointenergy.co.uk/n
ews/redpoint-powers-ahead-withccs-analysis-for-decc/
http://www.consultant-news.com/
article_display.aspx?p=adp&id=6559
01 26
01 26
01 26
01 26
01 27
01 27
した、と発表した。
ガスプラントに関する環境影響調査案(Draft
EIS) を作成 (米国ワイオミング州)
連邦政府は 1 月 25 日、Cimarex Energy 社(コロ
ラド州)がワイオミング州南西部で計画中の炭
素隔離プロジェクトに関する環境影響調査案を
公表した。同社によると、プロジェクトの予算は
$1 億で、世界最大の規模になるとのことであ
る。
Linden 市は PurGen 石炭火力発電プラントに向
けて$250 万の契約を考慮 (米国ニュージージ
ー州)
Linden 市(ニュージャージー州)は 1 月 26 日、
市の評議会がプロジェクトに関する訴訟の裁定
に署名しなかったため頓挫(2009 年 10 月)して
いた PurGen プロジェククト(石炭火力発電プラン
ト建設プロジェクト∼CO2を回収し大西洋海底に
貯留)は修正が加えられ、$250 万の予算をつけ
て再立上が承認された。
Shell が炭素回収の試験を行おうしている (カ
ナダ)
Shell の Rob Seeley,氏(持続可能発展担当 GM)
は 1 月 22 日、同社は CCS の検証を続けるため
の 掘 削 を 計 画 し て い る 。 た だ し 、 Fort
Saskatchewan 北東での Quest CCS プロジェクト
(Shell Canada、Chevron Canada、Marathon Oil
Sands の JV)についてはコスト積算や利害関係
者との折衝で遂行の決定にはなお 2,3 年以上
を要する、と発表した。
Cemtrex が CO2回収パイロット試験プログラムを
開始 (米国ニュージャージー州)
Cemtrex Inc.(ニュージャージー州)の Arun Govil
氏(CEO)は、石炭火力発電プラントに適用する
Carbondox(同社の CO2回収技術)を開発する
ためのパイロット試験プログラムに着手したと発
表した。
オランダの都市の地下での CO2貯留にグリーン
ライト (オランダ)
オランダ議会は 1 月 26 日、住民が反対している
にも関わらず、人口 4,500 人の町 Barendrecht
での CO 2 地下貯留試験施設の建設を承認し
た。Shell 石油が精製所で 10,000 トンの CO2を回
収し Barendrecht で地下 1,800m の天然ガス廃
坑に貯留する予定である。
深海海底の条件をシミュレート (米国イリノイ
州)
イリノイ大学(シカゴ) の Stephen Guggenheim 教
−72−
Billings
Gazett
e
Tree
Hugger
http://billingsgazette.com/news/st
ate-and-regional/wyoming/article_
ae751772-0a3f-11df-bd27-001cc4
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010/01/wyoming-carbon-capture.p
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/2010/01/linden_considers_25m_de
al_for.html
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gen_coa.html
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n-dioxide-capture-pilot-test-progr
am,1137014.shtml
http://www.nrc.nl/international/arti
NRC
Handel cle2469098.ece/Green_light_for_CO
sblad 2_storage_under_Dutch_town
Labora http://www.laboratoryequipment.co
tory
m/News-deep-sea-floor-condition
Equipm s-simulated-in-lab-012710.aspx?x
授らは、アクセスが困難な海底の条件をシミュレ
ー ト す る 小 型 の チ ェ ン バ ー ( 最 大 1,000atm 、
0-200℃)を作り X 線で岩盤や堆積物と CO2の
相互作用を観察する技術を開発した。
01 27 炭素回収のガイドラインに着目 (カナダ・アルバ
ータ州)
アルバータ州政府は CO2地下貯留のガイドライ
ンの作成のための委員会の設置を計画してい
る。同州は産業界に$20 億を投じて CCS 技術の
開発を支援しているが規則は整備されていな
い。
01 28 有史前の溶岩流れに CO2を貯留できる可能性
がある (米国)
CO 2 貯 留 可 能 な サ イ ト を 調 査 し て い た
Lamont-Doherty 地球観測所(ニューヨーク)は、
東海岸沖合で玄武岩(火成岩)で構成されたいく
つかの候補地を発見した。それらは海底下数千
フィートの不透過性の堆積物で覆われた玄武岩
層(開孔・透過性)で貯留層として有望である。
01 28 RWE npower がエセックス州 Tilbury でガス焚火
力発電プラント建設の選択肢を検討中 (英国)
RWE npower は 1 月 28、Tilbury の既存の石炭
火力発電プラントが 2015 年迄に閉鎖されるのに
伴って、CCS Ready の 2,000MW ガス焚火力発電
プランのト建設を選択肢として検討している、と
発表した。(同社は 2009 年 11 月、経済情勢が石
炭プロジェクトに有利でないことから、1,600MW
クリーン石炭火力発電計画(Post-combustion)
の申請の継続を停止している。)
ent
mlmenuid=51
Edmont http://www.edmontonsun.com/new
on Sun s/alberta/2010/01/27/12640971.ht
ml
College
Media
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2010/01/28/ScienceTech/Ancient.
Lava.Flows.Could.Store.Carbon.Diox
ide-3860002.shtml
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onsiders-gas-fired-power-option-a
t-Tilbury-c7f.aspx
http://fossilfuel.energy-business-r
eview.com/news/rwe_npower_consi
ders_gasfired_power_generation_opti
on_at_tilbury_essex_100129/
http://pepei.pennnet.com/display_a
rticle/372749/6/ARTCL/none/non
e/1/RWE-eyes-2000-MW-CCGTplant-at-Tilbury,-UK/
01 28 EnCana の Cabin ガスプラントが EA の証明書を Energe http://www.energeticcity.ca/fortstj
tic City ohn/news/01/28/10/encanas-cabi
取得 (カナダ)
EnCana Corporation(北米最大の天然ガス生産
n-gas-plant-gets-ea-certificate
業者)は、Fort Nelson 近くで計画中の Cabin ガス
プラントについて環境アセスメント証明書を取得
し実現に一歩前進した。同プラントは Capture
Ready の仕様である。
01 29 排出パフォーマンス基準にスポットライトを当て Bellona http://www.bellona.org/articles/art
た欧州議会でのヒアリング (EU)
icles_2010/biased_eps_hearings
Eurelectric(欧州電力産業連合)は 1 月 27 日、
CO2排出パフォーマンス基準(EPS)の導入に関
し欧州議会で技術ワークショップを主催した。欧
州議会、電力会社(RWE)、Eurelectric、WWF(環
境 NGO)等の関係者が参加し、電力産業側は
EPA 導入は CCS の強制化につながり電力代の
引上げをもたらすとの展望を述べた。
−73−
RWE
npower
Energy
Busine
ss
Review
Power
Engine
ering
01 29 ポーランドにおける新たなレポートが重要な な
すべき リストを分析 (ポーランド)
ワ ル シ ャ ワ の 英 国 大 使 館 と demosEuropa
Centre for European Strategy(ポーランドの研究
協会)のレポートは、ポーランドにおける CO2回
収貯留(CCS)の道筋(政治的、法的)を詳細に分
析している。CCS 無くしてポーランドは気候変動
対策義務を全うできないと述べている。
01 30 ニューメキシコ州、炭素貯留に向けた法制化へ
の第一歩(米国ニューメキシコ州)
ニューメキシコ州は州内での炭素貯留市場育成
に向けた州法を検討している。地表の土地所有
者に地下貯留権を認めるかどうかが西部諸州
の熱い課題である。(地下空間の所有を巡る法
的議論はワイオミングが先鞭を切り、モンタナ、
ノースダコタがこれに続き、さらにテキサスから
ミシガンに至る 12 州が法制化を検討している。)
−74−
Bellona http://www.bellona.org/news/news
_2010/Poland_cs_todo_listhttp://ww
w.bellona.org/news/news_2010/Pol
and_cs_todo_list
NY
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2010/01/30/us/AP-US-The-Spac
e-Beneath.html?_r=1&scp=1&sq=ca
rbon%20capture&st=cse
http://www.washingtonpost.com/w
p-dyn/content/article/2010/01/30
/AR2010013001184.html
2010.2
情報
関連情報ソース
02 02 老朽化した Barry スチームプラントは炭素回収
の証明基盤になる可能性がある (米国アラバ
マ州)
アラバマ電力の Barry 石炭火力発電プラントは
老朽化(すでに 56 年間運用)しているが、連邦
政府エネルギー省から CCS に関する$2 億
9,500 万の助成金(エネルギー省 12 月発表:
CCPI 第 3 ラウンド)を得て、全米の CCS のひな
型になる可能性が出てきた。
02 03 Obama 大統領がバイオ燃料とクリーンコールへ
の前進を発表 (米国)
Obama 大統領は超党派の知事達を前に 3 日、
CCS に関する政府省庁間タスクフォース の設
置の大統領覚書を発表した。クリーンコール技
術の開発と展開を加速するため CCS に関して
包括的かつ協調的な連邦戦略を開発しようとす
るものである。大統領は 2016 年迄に 5-10 件の
商業規模のプロジェクトが実現するよう求めて
いる。
Al com
http://blog.al.com/live/2010/02/ag
ing_barry_steam_plant_could.html
http://www.energy.gov/news/8596.
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9003fb69d/3a91d20f44b4b2d28525
76bf00711782!OpenDocument
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010/02/03/us/politics/politics-usobama-biofuels.html?_r=1&scp=1&s
q=carbon%20capture&st=cse
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s-journal/general-interest-2/hse/
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02 03 炭素回収プロジェクト (米国ノースダコタ州)
Basin Electric Power (Basin 電力会社/ノース V
es.asp?news=37518
ダコタ州)は Antelope Valley 発電プラントにおけ
る炭素回収技術の適用性を評価するスタディー
に$600 万を投じようとしている。同プラントで炭
素回収を行う場合のコストは$4 億と予測されて
いる。
02 03 EU は€数十億の財源をグリーン発電と石炭に Reuters http://planetark.org/enviro-news/it
Financial em/56583
分配することで合意 (EU)
−75−
DOE
EPA
NY Times
Washingt
on Post
Reuters
Green
Car
Congress
Oil & Gas
Journal
人民網
EU 加盟 27 ヵ国は 2 日、再生可能電力と CCS
の 双方のプロジェクトに EU 排出権取引制度か
ら の 財 源 を 配 分 す る こ と で 合 意 し た 。 EU は
2013-2020 年の間に 300 万トンの EUETS 排出
許可証を欧州投資銀行(EIB)に委ね EIB はそれt
らを€20/トンで売却、得られた収益約€60 億(€
45 億という記述もある)を CCS プロジェクトを中
心に分配することで決着した。(EU はすでに景
気刺激策として CCS に€10 億を投じる決定をし
ている。)
Times
EuObser
ver
Bloomber
g
Environm
ental
Finance
Power-G
en
Worldwid
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56153/articles/powergenworldwide/
coal-generation/coal-generation-eq
uipment/2010/02/eu-to_pump__6bn_
into.html
http://www.ucl.ac.uk/cclp/ccsnews.
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http://www.journallive.co.uk/northeast-news/todays-news/2010/02/
03/2bn-bid-for-carbon-capture-pip
elines-in-north-61634-25749394/
http://www.nebusiness.co.uk/busin
ess-news/latest-business-news/20
10/02/02/carbon-plan-wilton-boos
t-51140-25743489/
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02 04 Shell が CO2を地下に送入する予定? (米国 Martinez http://www.martinezgazette.com/n
News
カリフォルニア州)
ews/story/i635/2010/02/04/shell西 部 海 岸 地 域 炭 素 隔 離 パ ー ト ナ ー シ ッ プ Gazette pump-co2-underground
(WESTCARB)と Shell は 1 月 28 日、CO2を回収
しカリフォルニア州 Montezuma Hills にトラック輸
送のうえ 2 マイル以上の地下に隔離する計画を
紹介した。
http://www.newsday.co.tt/business
02 04 TT(トリニダート&トバゴ) が炭素回収イニシティ News
ブに参加 (トリニダード&トバゴ、オーストラリ Day
day/0,115328.html
ア)
トリニダード&トバゴ(TT)政府はオーストラリア政
府の招きに応じて、Global CCS 協会(GCCSI)へ
の加盟に合意した。GCCSI に参加することによ
り、同国は資金供与に機会や CCS の情報を共
有することができる。
2010 02 UNT の化学者が CO2を貯留するグリーンな方 Universit http://web3.unt.edu/news/story.cf
y of
08
法を発見 (米国テキサス州)
m?story=11739
UNT(North Texas 大学)の Michael Drummond North
http://eponline.co
研究員ら化学者は、新薬開発で使われてきた Texas
技術が産業界における CO 2回収材料の開発 Environm
02 03 英国北部における炭素回収パイプラインに£20
億 (英国)
Eston Grange IGCC プラント(@Teeside)および
Rio Tinto-Alcan の発電プラント(@Lynemouth)
から CO2を北海海底の貯留層に輸送するパイ
プライン(£20 億)の引き合いが発表された。こ
のパイプラインは最大 750 万トン/年の CO2を輸
送する予定である。
−76−
Journal
Live
neBusine
ss
Energy
Efficienc
y News
2010 02
08
2010 02
08
2010 02
08
2010 02
08
に利用できることを発見した。アメリカ科学協会 ental
の エネルギー&燃料 誌で発表する。
Protectio
n
FutureGen は Caterpiller 社をパートナーとして FutureGe http://www.futuregenalliance.org/ne
n
獲得、引続き弾みをつけている (米国)
ws/releases/pr_02_08_10.pdf
Caterpillar 社((世界的な建設・鉱山機械メーカ Alliance http://www.washingtonpost.com/wp
ー)は 2 月 8 日、イリノイ州 Mattoonn における Washingt -dyn/content/article/2010/02/08/
CCS 機能付き石炭火力発電プラントの建設を on Post AR2010020802715.html
企図する FutureGen Alliance へ参加計画を発 Power-G http://www.powergenworldwide.com
en
表した。
/index/display/articledisplay/69860
Worldwid 46060/articles/powergenworldwide/
e
coal-generation/coal-generation-eq
uipment/2010/02/FutureGen-Allian
ce-adds-members-for-coal--firedplant.html
Skyonic Corporation は Capitol-SkyMine®プロ
ジェクトに関して国立エネルギー技術研究所か
らの助成金を獲得
(米国テキサス州)
Skyonic Corporation(エキサス州オースチンを
本拠とする炭素回収技術企業)は 2 月 8 日、国
立エネルギー技術研究所(NETL)の「産業ソー
スの炭素回収隔離および有益な CO2利用の革
新的概念」のコンペティションで同社の
Capitol-SkyMine®プロジェクトが選定され、連
邦政府の景気刺激予算から$300 万を受領す
ることになった、と発表した。
新石炭技術を使った火力発電プラントに関して
PRC( 中 国 人 民 共 和 国 ) が ア ジ ア 開 発 銀 行
(ADB)から$1 億 3,500 万の融資を獲得
(中国)
アジア開発銀行(ADB)の理事会は 2 月 8 日、
中国の IGCC 火力発電プラント(250MW@天
津)の建設に対する$1 億 3,500 万の融資を承
認した。ADB はまた第 2、第 3 の IGCC プログ
ラムに向けて$125 万の技術援助を提供しよう
としている。
Skyonic
Carbon
Capture
Jopurnal
http://skyonic.com/Feb-08-2010.p
df
http://www.carboncapturejournal.co
m/displaynews.php?NewsID=511&
ADB
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s/2010/13154-chinese-electriciti
es-projects/
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1/90778/90860/6890894.html
http://www.powergenworldwide.co
m/index/display/articledisplay/60
24049432/articles/powergenworld
wide/coal-generation/coal-genera
tion-equipment/2010/02/adb-app
roves__135m.html
Vattenfall http://www.vattenfall.com/en/ccs
CCS が前進 (オランダ、スウェーデン)
Vattenfall 社(欧州第 5 の電力会社/スウェーデ
/press-detailshidden.htm?newsid=
ン ) は 8 日 、 系 列 会 社 Nuon の 手 で Willem
4D872E94B8EA4D09877BEAEE48
Alexander 火力発電所(@Buggenum /オラン
9E58B0&WT.ac=search_success
ダ)の炭素回収パイロットプラントに2つの大型
コンポーネントが搬入され組み込まれたと発表
した。同パイロットプラントは今年8月から運用
される。
−77−
2010 02
09
2010 02
09
2010 02
10
2010 02
10
2010 02
10
ローレンスリバモア国立研究所が土曜科学講
座で CO2地下貯留を精査 (米国カリフォルニ
ア州)
ローレンスリバモア国立研究所(LLNL/DOE)
の Roger Aines 氏らの科学者は 2 月 13 日に
CO2の地下貯留と CO2が大気に与える負荷に
関するプリゼンテーションとディスカッションを
行う予定である。
ギリシャは奇妙にも炭素回収貯留のための EU
の NER300 予算を拒否 (ギリシャ)
ギ リ シ ャ の 国 営 電 力 会 社 Public Power
Corporation ( PPC ) の Authuros Zervos 氏
(CEO)は CO2排出量の多い褐炭燃焼の発電
プラントを更に建設すると発表した。 しかしな
がら、財政難のギリシャにあって、政府も PPC
も EU の NER300 財源(EU 排出量取引制度か
らの財源)を活用した CCS には何故か積極的
ではない。
Longview Power 社 が 炭 素 回 収 の 検 討 で
Siemens Energy 社を選定 (米国ウェストバー
ジニア州)
Longview Power(米電力会社/ウェストバージニ
ア州)は、Maidsville で現在建設中の最新の石
炭火力発電施設(ネット 695MW 超臨界圧微粉
炭燃焼)に対する Post-combustion 炭素回収
技術適用分析スタディーの実施者として
Siemens Energy を選定した。
LLNL/D
OE
https://publicaffairs.llnl.gov/news
/news_releases/2010/NR-10-0206.html
Bellona
Foundati
on
http://www.bellona.org/articles/ar
ticles_2010/greece_subs_EU_funds
Longview
Power
Carbon
Capture
Journal
Power-G
en
Worldwid
e
http://www.longviewpower.com/n
ews-events/press-release-detail.
php?id=34
http://www.carboncapturejournal.
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8&PHPSESSID=t5bcdo6vva23lhb1
e7fvh26m70
http://www.powergenworldwide.co
m/index/display/articledisplay/43
66327152/articles/powergenworld
wide/coal-generation/emissionscontrol/2010/02/siemens-picked
-for-CCS-study-at-coal--fired-p
lant.html
IHIS が Emerging Energy Research 社を取得
(米国コロラド州)
IHS Inc.(世界規模の情報提供会社)は 2 月 10
日、世界の新規技術分の技術的・規制的・企
業競争の動向を提供するコンサルタント企業
Emerging Energy Research をおよそ$1,800
万で買収した。Emerging Energy Research 社の
取扱い範囲には CCS が含まれる。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではな
い。)
気候変動プロジェクトの動きが緩慢化 (カナ
ダ)
アルバータ州政府は 2 月 9 日に州予算を公表
したが、2 件の気候変動戦略(炭素回収貯留お
よび公共輸送システム)のスケジュールは予測
IHIS
Carbon
Capture
Journal
http://press.ihs.com/article_displa
y.cfm?article_id=4195
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=50
9&PHPSESSID=8nkahtdsmavts2o
njll04bomd4m/articles/2010/02/1
0/unt-model-suggests-proteinsmay-work-for-co2-capture.aspx
Edmont
on
Journal
http://www.edmontonjournal.com/
technology/Alberta+slows+climate
+change+spending/2542319/story
.html
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されていたよりスローペースである。
Ron Liepert 州エネルギー相は「炭素回収貯留
構想について年次ベースでなすべきは現状の
正しい評価であり、必ずしも最終年の評価では
ない。」と述べている。
プロジェクトは岩盤に CO2を注入することで温
暖化緩和を目指す
(米国ワシントン州)
Pacific Northwest 国立研究所(エネルギー
省)の Dr. Charlotte Sullivan は 2 月 9 日、Blue
Sky 地域炭素隔離パートナーシップの Basalt
Sequestration プロジェクトを発表した。 Wallula
(ワシントン州)で地下 8,000ft の玄武岩層に液
化した CO2を 1,000 トンを圧入する計画である。
UCLA の化学者が CO2 回収のため結晶のよう
な合成遺伝子を生成 (米国カリフォルニア州)
UCLA (カリフォルニア大学ロサンジェルス校)
の Omar M. Yaghi 教授ら化学者は、2 月 12 日
付の Science 誌上で 3 次元結晶のような DNA
の生成を発表した。この DNA は CO2を捕集す
る機能を有し、工場や自動車からの CO2回収
に役立つ可能性がある。
Wenatc
hee
World
http://www.wenatcheeworld.com/
news/2010/feb/11/talking-it-ove
r-project-aims-to-cut-warming-b
y/
UCLA
Scienc
e Daily
Examin
er
Carbon
Captur
e
Journal
http://newsroom.ucla.edu/portal/
ucla/ucla-chemists-create-synth
etic-153588.aspx
http://www.sciencedaily.com/rele
ases/2010/02/100211141144.htm
http://www.examiner.com/x-3385
4-Portland-Liberal-Examiner y20
10m2d11-UCLA-chemists-create
-synthetic-crystals-for-carbon-di
oxide-capture--help-fight-climate
-change
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=51
0&
大きな揺れ:シカゴの地震はクリーンコールに Alter
Net
向けた警鐘?
(米国イリノイ州)
イリノイ州 Kane 郡で発生したマグニチュード 3.8
の地震 (2 月 10 日)は 2008 年に起きたマグニ
チュード 5.2 の地震(@イリノイ州南部)に比べ
る と マ イ ナ ー だ が 、 発 生 場 所 は Mattoon
(FutureGen 計画地)からわずか 200 マイルほ
どしか離れていない。
ポーランドは炭素回収を希望している (ポーラ Busine
ss
ンド)
Henryk Jezierski,ポーランド環境相(同国有数 News
の地質学者でもある)は、「ポーランドは.エネル Europe
ギー部門の 95%を石炭に依存しているため
CCS 技術を必要としている。われわれは CCS
の分野でポーランド版の Nokia になれるかもし
れない」と語った。
地下の飲料水源に対する GCS の潜在的イン Carbon
パクト (米国)
Capture
http://blogs.alternet.org/speakeas
y/2010/02/11/the-big-shake-ischicago-earthquake-a-wake-up-c
all-for-clean-coal/
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http://businessneweurope.eu/stor
y1956
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=51
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MWH Americas Inc.の John Largey 氏らは、水
産業と炭素地下隔離産業が協調することで、
将来にわたって地下飲料水供給に影響を及ぼ
すことなく CO2を地下貯留するソリューションに
至る可能性がある、と述べた。
中央アパラチアにおける CCS (米国)
合衆国議会調査レポートによれば、中欧アパ
ラチアの石炭地域における CCS の展開には三
又の技術障害(回収、輸送、貯留)があり、とり
わけ CO2輸送のインフラに関しての不確定要
素は大きい。
Alstom−合衆国のプロジェクトと政策
(フランス、米国)
Alstom 社の発電技術(政府関連)担当副社長
Robert G Hilton 氏 は ( @ Carbon Capture
Journal 誌とのインタビュー)、米国の気候変動
政策(合衆国議会で審議中)と Alstom のパイロ
ットプロジェクトのポートフォリオについて語っ
た。議会における気候変動法案の動きは流動
的で環境保護局(EPA)は独自の動きをしてい
る。
また、気候変動対策に有用な炭素回収につい
て Alstom は 2 通りのプロセス(chilled ammonia
法 @ Pleasant Prairie お よ び Mountaineer 、
amine 法@Dow Chemicals)を開発中である。
火力発電所のための Eneabba Gas Limited
(EGL)の炭素回収
(オーストラリア)
Eneabba Gas Limited は、Mid West エネルギー
プロジェクトにおける炭素回収で GCCSI に財務
支援を要請した。同社は現在の石炭燃焼から
地下燃焼ガス化(UCG)による合成ガスへの転
換を志向しており、その際に生ずる CO2を回収
しようとしている。
Obama 大統領に宛てた公開書簡: クリーン
石炭はもう沢山
(米国)
米国の気候変動対策団体 1Sky のキャンペー
ン担当理事 Gillian Caldwell 氏は Obama 大統領
及び関係閣僚に公開書簡を送り、クリーンコー
ル技術(すなわち炭素回収貯留 CCS)への投
資はクリーンな未来をもたらすものではなく、再
生可能エネルギーに特化すべき、と主張した。
サウジの石油ジャイアンツ Saudi Aramco が
2012 年迄に世界最大の油田に CO2を注入す
る予定 (サウジアラビア)
Saudi Aramco(サウジアラビア国営石油会
社)は 2 月 15 日、2012 年迄に世界最大の
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Journal
3&
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejourn
al.com/displaynews.php?NewsID=5
14&
Carbon
Capture
Journal
http://www.carboncapturejournal.
com/displaynews.php?NewsID=51
2&PHPSESSID=u0khhqfpgj1co31c
tjfqc26sn5
Oil Voice http://us-cdn.creamermedia.co.za
/assets/articles/attachments/25
821_100212_egl_carbon_capture_for
_power_station.pdf
http://www.oilvoice.com/n/EGL_C
arbon_Capture_for_Power_Station/
8715d6bf0.aspx
Huffingto http://www.huffingtonpost.com/gil
n Post
lian-caldwell/an-open-letter-to-p
reside_b_459052.html
Calgary
Herald
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g
Reuters
http://www.calgaryherald.com/tec
hnology/Saudi+giant+inject+into+
world+biggest+oilfield+2012/25668
45/story.html
http://www.bloomberg.com/apps/
Ghawar 油田(2008 年の原油産出量 500 万バ
レル/日)において、EOR と GHG 排出削減を
兼ねて、4,000 万ft3/日(約 113 万 m3/日)の
CO2 注入を開始すると発表した。
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米国エネルギー省(DOE)の John Markowsky
氏がクリーンコール技術への投資について議
論 (米国)
米 国 エ ネ ル ギ ー 省 ( DOE ) の John
Markowsky 化石エネルギー担当副長官は、
全米規制電力コミッショナー協会のウィンタ
ーミーティングで、「ホワイトハウスはクリー
ンコールに$40 億の投入を約束した。民間
ビジネスは前進しなければならない。」と述
べた。
(本件は Viedeo 演説)
クリーンコール に向け小さな蛋白質を注入
(米国テキサス州)
クリーンコール技術は実験レベルにとどまり
費用面でも達成が容易ではないが、North
Texas 大学の科学者 Michael Drummond 氏
は、エネルギー省の助成で、生物を模倣して
生成した蛋白質による火力発電プラントでの
炭素回収を研究している。
Rudd 首相は原子力エネルギーをオーストラリ
アのソリューションとすることを否定 (オース
トラリア)
Rudd 豪首相 17 日テレビ中継された会議で、
「オーストラリアは
炭素回収貯留をリードする国でありまた多様
なエネルギーの選択肢を有するので゙原子炉
建設の方向には向かわない。」と表明した。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではな
い。)
CCS を促進させる米国の再生可能法案 (米
国)
Lindsey Graham 合衆国上院議員(サウスカ
ロライナ州選出)は発電施設を対象とする再
生可能エネルギー基準法案の提出を考えて
いる。同法案はクリーンエネルギー由来の
発電と炭素回収貯留(CCS)を含む石炭技術
の前進を意図している。
(注記:本件は CCS に特化した情報ではな
い。)
ノルウェーが 2020 年の CO2削減の達成への道
筋を概説
(ノルウェー)
ノルウェー政府は 2 月 17 日、2020 年の CO2
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news?pid=newsarchive&sid=anPS
wX1FA8h0
http://www.reuters.com/article/id
USTRE61E33220100215
Clean
Skies
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s/does-john-markowsky-discusse
s-investments-clean-coal-techno
logy
NY Times http://www.nytimes.com/cwire/2
010/02/15/15climatewire-injectin
g-tiny-proteins-into-the-hunt-for
-cl-64718.html
Bloomber
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RTT
News
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Reuters
http://www.reuters.com/article/id
USTRE61G2Z320100217
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削減の達成への概略の道筋を示す Climate
Cure を発表した。その中で、CO2削減コスト
はトン当りで$188-$256(現在の EU 市場での
炭素価格は$17.85)になるであろうと述べ、
また、炭素回収貯留(CCS)などの評価をも行
っている。
CO2回収貯留は増大する足掛かりを獲得 (米
国)
Obama 政権が石炭火力発電プラントで生ず
る CO2の回収貯留(CCS)技術をバックアップ
し、また世界初の CCS プロジェクトが米国で
動いていることから、CCS は前進に向けての
橋頭保を獲得しているが、2 つの疑問が残
る:財務的に成立するのか? 安全なのか?
炭素回収する石炭からの水素・・・NaOH との
反応 (米国フロリダ州)
フロリダ国際大学の Surendra Saxen 教授は
石炭から水素を安価に製造する技術を特許
化した。石炭燃焼で生ずる CO 2を苛性ソー
ダと反応させてナトリウム炭酸塩、ナトリウム
2 炭酸塩および水素を作る。
−82−
Environm http://www.e360.yale.edu/content
ent360
/feature.msp?id=2240
(Yale
School)
Hydrogen
Journal
http://www.h2journ
al.com/displaynews.
php?NewsID=383
付録A−2
海外の関連最新動向調査文献リスト
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