(ドバイ・カタール)ビジネスミッション報告 ~中東市場への本格進出に

中東(ドバイ・カタール)ビジネスミッション報告
~中東市場への本格進出に向けて~
平成26年3月13日
経済産業省北海道経済産業局
目 的
北海道の農水産品、お菓子などの食関連企業・団体のトップからなる大規模なビジネスミッショ
ンをドバイ、カタールに派遣。このミッションでは、道産食材の試食やPRを行うと共に、今後の中東
進出に向けた現地企業等とのビジネスミーティングを開催。
期 間
平成26年2月27日(木)~3月3日(月)
主催・協力
<主催・共催>経済産業省北海道経済産業局、(一財)中東協力センター、(一財)貿易研修センター
<協力>ジェトロ北海道
訪問先
<ドバイ>
シャラフグループ(※1)、TOMO(※2)、 GULFOOD(※3)、ジェトロドバイ、サミットトレーディング(※4) 等
※1: ドバイでトップ5に入る財閥グループ
※2:現地和食レストラン(オーナーは北海道出身)
※3:食品・飲料業界関連の世界最大級の貿易イベント。ジェトロ、農水省がJAPANブースを設置。
※4:現地商社(コスモ石油グループ)
<カタール>
カタール商工会議所、北海道フェア(大使公邸)
参加者
(詳細は、P3に記載)
食関連企業、農業団体、業界団体、金融機関、支援機関等 : 33社(機関):42名
商品アイテム (詳細は、P4に記載)
お菓子、乳製品、水産品、農産品、機能性食品 : 55品目
1
概要報告
<現地市場>
○ドバイは、万国博覧会(2020年)、カタールは、サッカーワールドカップ(2022年)の開催を控え、イン
フラ整備など大規模な投資が続いており、アジアを超える中東のパワーを感じた。
○日本とは、石油・天然ガスの輸出などで貿易の結びつきが強く、自動車も日本車が多いなど、親日
的で日本への関心も高いので、積極的に売り込めば、必ず勝機はある。
○既に進出している企業の価格をみると、日本の2~4倍の価格で販売されており、物流費等も含め
た価格でも、十分に売れる市場。
<ニーズ>
○北海道の食品については、現地企業、レストラン関係者などから、品質、味など全体的に高い評価
が得られた。
○お菓子は、味、食感など現地のものよりも繊細かつバラエティ豊かで、持ち帰る参加者も多数いた。
○農水産品については、現地にはない食材も多数あり、レストラン関係者が高い関心を示し、サンプ
ルを提供。
<課題>
○北海道の参加者からは、物流(鮮度、形状維持、価格等)や現地パートナーとの提携に対する不安
の声があった。
○また、農産品については、端境期で現地で紹介することができず、北海道での単独輸出の限界も
ある。
○日本の知名度はあるが、北海道はほとんど知られておらず、輸出だけではなく、観光などのインバ
ウンドの誘致も合わせて行い、両輪で進めていくことが必要。
2
参加メンバー
企業名
団
長
所在地
所属・役職
氏名
企業名
所属・役職
札幌市 局長
増山 壽一
2 (株)アミノアップ化学
札幌市 国際戦略室
本間 康平
3 石屋製菓(株)
札幌市 代表取締役社長
石水 創
4 石屋製菓(株)
札幌市 取締役
本間 哲平
5 石屋製菓(株)
札幌市 執行役員 営業部長
荒木 泰雄
6 (株)魚長食品
函館市 代表取締役
柳沢 政人
7 (株)魚長食品
函館市 執行役員 常務
田中 覚也
8 カネジン食品(株)
札幌市 代表取締役
金野 仁
9 (株)カネマ浜屋商店
根室市 代表取締役
浜屋 義則
札幌市 代表取締役社長
長沼 昭夫
函館市 代表取締役
坂本 欣也
旭川市 代表取締役
水上 崇
32 (株)道銀地域総合研究所
札幌市 代表取締役
津元 淳
13 平川水産(株)
浜中町 代表取締役
平川 登美雄
33 (一財)中東協力センター
東京都 審議役
岩田 石根
14 (株)べつかい乳業興社
別海町 営業推進部長
西條 武利
34 (一財)中東協力センター
東京都 投資アドバイザー
大矢 隆
15 (株)ほんま
札幌市 代表取締役社長
本間 幹英
16 (株)町村農場
江別市 代表取締役
町村 均
17 (株)丸イ佐藤海産
別海町 代表取締役
伊勢 徹
18 丸水札幌中央水産(株)
札幌市 取締役 専務執行役員 寺町 善和
38 (一社)北海道食産業総合振興機構
19 (株)もりもと
千歳市 経営政策室 室長
松原 範宜
39 (一財)北海道食品開発流通地興 函館市 代表理事
20 (有)ヤマニシ西家商店
羅臼町 代表取締役
西家 祐一
24 余市町農業協同組合
共和町 代表理事組合長
氏名
1 経済産業省北海道経済産業局
食 10 (株)きのとや
関
連 11 (株)キングベーク
企
業 12 三葉製菓(株)
21 きょうわ農業協同組合
農
業 22 ホクレン農業協同組合連合会
団
体 23 ホクレン農業協同組合連合会
所在地
札幌市
管理本部 役員室 営農・
荘司 実
環境マネジメント課長
札幌市
米穀事業本部 米穀企画課長
余市町 営農販売部長
(一社)旭川物産協会
旭川市 会長
業 25 ((株)キョクイチ)
界
根室市 副会頭
団 26 根室商工会議所
体
(一社)北海道バイオ工業会
27
札幌市 常務取締役
((株)北海道バイオインダストリー)
28 加森観光(株)
29 釧路公立大学
そ
の 30 大地みらい信用金庫
他
31 大地みらい信用金庫
石田 吉光
札幌市 社長室長
大岸 俊也
田川 貴志
中川 竹志
山本 連治郎
村上 季隆
仙野 雅則
釧路市 地域経済研究センター長 佐野 修久
根室市 理事長
遠藤 修一
根室市
永谷 朋祐
地域みらい創造センター 次長
札幌市 地域統括センター長(北海道) 中里 浩之
支 35 日本貿易振興機構
援
36 (公財)北海道科学技術総合振興センター 札幌市 専務理事
常俊 優
機
関 37 (公財)北海道科学技術総合振興センター 札幌市 クラスター事業部 地域ク 長崎 貴光
ラスター支援室 次長
40 (株)近畿日本ツーリスト北海道
事
務 41 経済産業省
局
42 経済産業省北海道経済産業局
札幌市 企画総務部 次長
稲垣 恭典
谷澤 廣
札幌市 札幌法人旅行支店 次長 池森 祐吾
地域経済産業G 地域新
笛田 和朗
産業戦略室 係長
産業部農商工連携課
札幌市
佐々木 雄一
調整係長
東京都
3
商品アイテム
1
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27
品目
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
菓子
乳製品
乳製品
乳製品
乳製品
企業名
石屋製菓(株)
石屋製菓(株)
(株)きのとや
(株)きのとや
(株)ほんま
(株)ほんま
(株)ほんま
(株)ほんま
(株)ほんま
(株)ほんま
(株)ほんま
(株)ベイクドアルル
(株)キングベーク
(株)キングベーク
(株)キングベーク
(株)キングベーク
三葉製菓(株)
三葉製菓(株)
(株)壺屋総本店
高橋製菓(株)
(株)ホリ
(株)もりもと
(株)もりもと
ホクレン農業協同組合連合会
(株)町村農場
(株)町村農場
(株)町村農場
商品名
白い恋人
美冬
焼きたてチーズタルト
アンジェトワール
月寒あんぱん(こしあん)
月寒あんぱん(かぼちゃ)
月寒あんぱん(黒糖)
月寒あんぱん(抹茶)
月寒あんぱん(黒胡麻)
月寒あんぱん(スティック)
フランチェスカ月寒あんぱん
デーツとナッツのキャラメルケーキ
函館ラスク (バター)
函館ラスク (赤肉メロン)
函館ラスク (コーヒー)
函館ラスク (抹茶)
牛乳かりんとう
とうきびフレーク
き花
氷点下41度
とうきびチョコ
太陽いっぱいの真っ赤なゼリー
もりもとクッキー
北海道 特選3.6牛乳
町村農場クリームチーズ(プレーン)
町村農場クリームチーズ(ブルーベリー)
町村農場新鮮純良バター
28
29
30
31
32
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48
49
50
51
52
53
54
55
品目
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
水産品
農産品
農産品
農産品
農産品
農産品
農産品
農産品
農産品
農産品
機能性
機能性
機能性
機能性
機能性
企業名
マルスイフーズ(株)
マルスイフーズ(株)
船泊漁業協同組合
マルスイフーズ(株)
(株)しんや
(株)かくまん
(株)かくまん
(株)かくまん
山源山下食品(株)
(有)諸国名産珍味南部
(株)佐藤海産
(株)藤井水産
(株)藤井水産
マルキ平川水産(株)
ホクレン農業協同組合連合会
ホクレン農業協同組合連合会
余市町農業協同組合
(株)藤井 (株)藤井 (株)藤井 (有)キョクトー
山源山下食品(株)
山源山下食品(株)
(株)北海道バイオインダストリー
(株)アミノアップ化学
(株)アミノアップ化学
(株)アミノアップ化学
(株)アミノアップ化学
商品名
塩たらこ
辛子明太子
宝うに
タラバガニ
帆立ソフト貝柱
函館のいかめし
一夜干しいか
骨なし開きホッケ(半身)
三升漬け
いかすみさきいか
冷凍ホタテ貝柱(Lサイズ)
鮭中骨水煮
さんま水煮
塩ウニ
ゆめぴりか 精米
はやいうまい乾燥玄米できました
りんご(ふじ)
小豆
大正金時
とら豆
ピュアホワイト(レトルト)
金時豆(煮豆)
黒豆(煮豆)
北海道タマネギドレッシング
AHCC ハードカプセル
Oligonol ハードカプセル
ETAS ハードカプセル
AHCC for Professional
4
シャラフグループ
現地財閥企業のシャラフグループとの意見交換を実施。試食では、北海道の食品に対して、高評価。また、サプリメントにも
関心を示していた。次年度は、シャラフディーン副会長等を、北海道へ招き、生産現場や観光地の視察を予定。
シャラフディーン副会長から挨拶
フレッシュな「うに」などの水産品も試食
「お菓子」の試食や「LL牛乳」を試飲
「サプリメント」にも強い関心があった
5
TOMO(和食レストラン)
現地高級和食レストラン「TOMO」(ラッフルズホテル最上階)において、日本食材の活用状況についてヒアリングやシャラフ
グループ、在ドバイ日本国総領事館、ジェトロドバイとの意見交換を行った。
この日の食材(竹の子、マグロ、ぶりなど)は、日本から空輸で調達。オーナーは、北海道出身で、道産品は積極的に活用
したい意向であり、次回は、北海道での商談を予定。
シャラフグループ、松永総領事も参加
高橋オーナーシェフから食材の説明
試食・意見交換の様子
6
GULFOOD 2014
ジェトロ及び農水省がJAPANブースを設置している、「GULFOOD」(食関連の貿易イベント)を視察。世界各国から4,000社
以上が出展。
視察した企業の中には、来年の出展に意欲を示しているところもあり、北海道ブースの設置を検討予定。
JAPANブース:13社が参加
全農:リンゴ(青森)、米(北海道)を出品
サミットトレーディング
枝豆(タイ)、さつまいも(九州)、とうもろこし(千葉)等
東京の商社が鶏肉を出品
隣は島根県がブースを借り上げ、5社が出展
7
ジェトロドバイ・サミットトレーディング
ジェトロ北海道の企画により、ジェトロドバイ及びサミットトレーディング(現地商社)を招き、ドバイの経済、日本食品の輸入状
況、商慣習等について意見交換を実施。現地の売れ筋TOP10の紹介、取扱商品、小売店での諸経費など具体的な説明
があり、活発な意見交換がなされた。今後も、ジェトロ及びサミットトレーディングと連携し、取り組んでいく。
カタール商工会議所
カタールの経済団体である商工会議所(会員企業約22,000社)を訪問し、意見交換。副会頭から、日本企業の更なる進
出のため、商工会議所として協力する旨の発言があった。
8
北海道フェア in カタール
大使公邸において、王族、企業、レストラン、プレスなど約30名が参加し、商品・観光PR、試食を行った。参加者からは、味
はもちろんのこと、これまで見たことのない商品もあり、フェアは、盛況であった。現地のホテル等からは、食材にすぐにでも使
いたいとの話もあり、今後、現地商社等を通じた商談を進める予定。
展示コーナーで各社がPR
北海道の食材を現地の嗜好に合わせてアレンジをして提供
9
現地プレス報道①
北海道フェアが昨年に続き、現地プレスで大きく報道され、北海道(日本)の食品に対する現地での関心の高さを示して
いる。
<見出し:日本大使館 北海道フードフェアを開催>
○在カタール日本大使館は、北海道経済産業局・Junko Sushi and Japanese Diningと連携して北海道フードフェアを大使公邸で月曜
日に開催した。
○日本企業30社の代表約45名が当イベントに参加。津田慎吾 在カタール日本大使は、「カタールと日本は特にエネルギーや貿易分野で
非常に良好な関係を築いている。しかし近年、両国間で関係の多様化が求められており、このフードフェアをその確かな一歩となるであろ
う。」と冒頭挨拶。また、この北海道フードフェアは、カタールと日本の農業協力の道筋をつけるものであるとも話した。
○フェアでは、日本列島の最北端に位置する北海道の農産物・海産物が紹介され、寿司・カニ・麺・野菜サラダ・有機野菜や果物・更にはチョ
コレートなどの機能的且つ鮮やかな商品が提供された。
○大使によると、北海道は日本の他地域と違う地理的・気候特性を持ち、一年を通じて世界中から旅行者が訪れるという。
「桜などの花が咲く春や夏の間も、ウィンタースポーツリゾートとして上質のパウダースノーで知られる冬も、北海道には多くの旅行客が訪
れる」と大使は強調する。
○増山壽一ミッション団長は、UAEの後、カタールを訪問し、ミッション団はカタールに滞在した2日間でカタール企業と商談し、前向きな商談
結果となったと話した。
10
現地プレス報道②
<見出し:北海道の味覚~日本大使館が北海道フードフェアを主催~>
○日本大使館主催のフードフェアで、ドーハの人々は“北海道”を味わった。
フードフェアは3月3日、北海道経済産業局とJunko Sushi(日本料理
店)の協力のもと、日本大使公邸で開催された。
○日本関係者によると、北海道は日本で2番目に大きな島で、近海で獲
れる海産物が有名。また、北海道は乳製品や肉製品の産地でもあり、
日本の生産量のおよそ半分を占めているとのこと。
○また、日本政府観光局(JNTO)によると、北海道は、カニ・ホタテ貝・ウニ・
イクラ・サケ・ニシン・ヒラメ・タラ・ホッケ・ヤリイカ・エビ・アワビ・海草などが有
名であり、北海道周辺の冷たい海水がこれらに独特の風味を与えてい
るとのこと。
○さらに、北海道の有名な料理として石狩鍋やジンギスカンがあり、石狩
鍋はサケの身を、野菜・豆腐・こんにゃくなどと一緒に味噌と一緒に鍋に
いれた料理であり、ジンギスカンは羊肉を豆・キャベツ・カボチャなどを独
特な帽子形の鉄板で焼いて食べるものとのこと。
○ドーハでのフードフェアでは、津田慎吾 在カタール日本大使が冒頭挨
拶を行い、北海道は日本の最北端に位置し、1年を通じて世界中から観
光客が訪れる魅力的な土地と紹介した。
また、大使は日本とカタールの長年に渡るエネルギーと貿易分野での
協力を強調し、今後は両国の様々な分野での更なる相互協力を期待
しているとした。
○日本の食関連中小企業は、スイーツ、乳製品、水産加工品などの北海
道で製造した自社製品を、試食を交えて紹介した。
11
次年度の取組(予定)
本ミッションの成果を活かし、次年度は、中東関係者の北海道訪問、JAPANブースの設置など、
次ステップの取組を行っていく予定です。
<GCC湾岸協力理事会 駐日大使の来道>
当局及び官公庁(道庁等)、経済団体、ジェトロ北海道、加森観光(株)等で組織する実行委員会
が、今年6月に、湾岸協力理事会加盟国(UAE、バーレーン、クウェート、オマーン、サウジアラビア、カ
タール)の駐日大使を北海道に招き、経済セミナーの開催、道内経済界等との交流、北海道の食・観
光のPRを実施予定。
<ドバイ ショッピングモールでのJAPANブース設置>
・中東の新興国市場に「日本ブランド」を売り込むため、ドバイの高級ショッピングモールにて常
設の「JAPANブース」の設置を目指し、年間を通した継続的な日本の食・観光の発信を行う。
・また、九州地域と連携し、端境期に九州地域から果物や野菜を生産出来る機能の確保や、牛
肉・鶏肉のハラル認証を出来る事業者とチームを組み、より効果的な出展を行う。
<冷凍技術開発・物流実証>
・果物等の農産品は収穫できる時期が限定(1年に1度)にされるため、冷凍・チルドなど鮮度保持技
術の開発やコールドチェーンの物流実証を行う。
・また、輸出手続きの迅速に向けた課題整理や、翌日配送可能な沖縄ハブ空港を活用した物流拡
大について沖縄総合事務局との連携を行う。
<北海道でのビジネスミーティングの開催>
現地企業(シャラフグループ等)等を北海道に招き、生産現場、観光地等の視察、商談を実施し、
12
相互の行き来を活発にさせ、輸出・観光の両面の促進を図る。