人間の尊厳を守る医療 - 医療法人 齋藤記念病院

『人間の尊厳を守る医療』
第 20 回院内学会抄録集
会期:2013 年 11 月 13 日(水曜日)
会場:サンライズ南魚沼
南魚沼市坂戸 339-1
TEL 025-772-8866
医療法人
齋藤記念病院
『私達の願い』
私達は桜の花を愛するように
故郷の山河を愛するように
人の心を大切にし
人の和を大切にし
全ての人が健やかであれと
願っています。
『病院理念』
私たちは「患者さんに選ばれる病院」
「職員が誇
りを持って働ける病院」を目指します。
『基本方針』
* 私たちは自己研鑽に努め、安全で良質な医療
を提供します。
* 私たちはコミュニケーションを大切にし優
しく説明・対応します。
* 私たちは救急医療からリハビリテーション
機能、在宅医療まで安心できる診療体制を充
実させます。
* 私たちは医療機能を整備し経営改善に努め
ます。
第 20 回院内学会プログラム
13:20~
オリエンテーション
開会宣言
13:30~14:20
1.[活動報告]
第1セッション
座長
病院長
放射線室
福田
黒田
美智子
Work Station-aquarious viewer-について
放射線室
2.[症例報告]
修
渋谷
光恒
田伏
育恵
笠原
敏美
チームアプローチにより褥瘡が治癒した症例
褥瘡対策委員会
3.[研究発表]
離床センサータッチくん作製
~ベッドサイドにおける転倒・転落防止と適応~
第1病棟
4.[研究発表]
胸部乳腺外科外来での感染予防のための業務改善
中材・外来
14:20~14:30
休
14:30~15:20
第2セッション
座長
第 1 病棟副主任
5.[研究発表]
智子
憩
桑原
美佐子
職員の喫煙に対する意識調査と
病院経営への関係を考察する
第 2 病棟
6.[活動報告]
阿部
野上
道子
ISO9001 の良いところ
ISO 委員会
福田
修
7.
[研究発表] 脳卒中再発患者のカルテ調査からみえた退院指導の対策
~生活習慣振り返りシートの作成~
第2病棟
8.[研究発表]
山口
真紀子
チューブ抜去予防への取り組み
~手の動きが自由なペットンの作製と効果~
第3病棟
15:20~15:30
15:30~16:20
休
寺口
千代子
憩
第3セッション
座長
リハビリテーション室
荒木
亜希
9.[活動報告]薬剤管理指導業務への取組みについて
薬局
今井 慎一郎
10.[症例報告]INVOS[無侵襲混合血酸素飽和度監視システム]の実際
医局
小山
新弥
11.[活動報告]当院におけるトロミの粘性表記統一後の認知度と
これからの課題
~院内アンケートの結果より~
リハビリテーション室
南雲
絵美
16:20~16:30
休
16:30~17:00
座長
第4セッション
広報企画係主任・理事長秘書
中井
寛之
憩
12.[活動報告]看護管理者研修第一弾報告
~SWOT分析を用いて~
看護部
蕪木
千恵子
13.
[活動報告]当院におけるインフルエンザアウトブレイク経験の報告
感染対策チーム
大平
勝恵
14.[活動報告]新書式のインシデントレポートの導入による、
医療安全への取り組みの変化について
~医療安全管理推進部会活動報告~
医療安全管理推進部会
17:00~
総
評
閉会宣言
看護部長
実行委員長
小野塚
雅章
蕪木 千恵子
白井 富子
Work Station-aquarious viewer-について
放射線室 ○渋谷光恒、黒田美智子、荒井一義、齋藤政彦
[はじめに]
今年 1 月から主に脳外科の依頼によりワークステーション導入となりました。実際、どんなシス
テムかを紹介します。
また、導入から半年近く経ち、様々な機能を使いこなせるようになりました。
[方法]
実際各検査機器から送信した画像を基に血管等の 3Dを作成する。
[結果]
導入開始当初は福田先生はじめ小山先生と相談しながら、少しずつやり方をマスターし、今まで
の 3D画像と比較すると、より簡単により鮮明な画像を作成できるようになった。また、頭部の骨
抜き機能を使う事で、前は見えづらかった頚部から頭部にかけての血管が見えるようになった。
[まとめ]
放射線室としては、今までと比べ、先生方が患者様へ説明するのにわかりやすく綺麗な画像を提
供できていると思われる。日々の業務量は増えていく一方だが、より質の高い画像を探求し、医師
の診察のサポートとなるよう努力したいと思います。
チームアプローチにより褥瘡が治癒した症例
褥瘡対策委員会 ○田伏育恵
[はじめに]
褥瘡委員会は医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、医療事務をメンバーとして、当院
の褥瘡に関するマニュアル作成、最新の褥瘡に関する情報の伝達、研修会開催、褥瘡患者のカンファ
レンス等を行い褥瘡の予防・治癒を目的に活動している。今回チーム各メンバーの特性を活かし、一
患者の褥瘡が治癒したのでここに報告する。
[患者紹介]
89 歳 女性 H24 年 12 月 31 日、自宅で転倒し、そのまま寝たきり状態となる。H25 年 1 月 21 日
に A 病院受診、骨折はなかったが、背部・臀部・仙骨部・左大転子部・両大腿部内側、後面に褥瘡形
成があり、低栄養にて入院となる。
H25 年 5 月 9 日 A 病院より当院療養病棟へ転院する。転院時バルンカテーテル挿入中で ADL は食事自
力摂取、自力起座・座位保持可、車椅子移乗は軽介助、特殊浴槽入浴をしていた。検査データーは
TP 5.7 Alb 3.0、褥瘡は仙骨部のみとなっており、ステージⅡ 4×2.5cm 不良肉芽なし。洗浄後フ
ィブラストスプレー噴霧、ドレッシング材で被覆していた。
[経過及び結果]
入院時、全粥 きざみ食(1450kcal)を全量摂取していた。体圧分散マット使用。理学療法開始する。
褥瘡部はフィブラストスプレーを継続していた。
5 月 15 日、褥瘡委員会でカンファレンスを施行。
フィブラストスプレーは使いきりとし、その後はアクトシン軟膏に変更。マットレスとソアレスマッ
トからエアーマットに交換、車椅子乗車時にはソアレスマットを使用。バルンカテーテルは継続。理
学療法では移乗動作・歩行獲得を目標とし開始。補食として CZ-Hi ドリンク(200kcal)を追加する。
サイズが 1.4×0.7cm に縮小したため、ラップ療法に変更し、8 月 5 日表皮の形成が認められ、8 月 8
日治癒とした。
[考察]
今回は、元々ADL が自立していたケースであった。褥瘡は創部だけを治療しても良くなるものでは
ない。創部の状態はもちろん、ADL、食生活や栄養状態、排泄行動、清潔習慣など総合的に評価し、
判断していかなければならない。直接患者を訪問し創部を観察、専門的な立場の意見をカンファレン
スで出しあうことによって患者自身の栄養や身体状態が良くなり、結果褥瘡が治癒したと考えられる。
[終わりに]
療養病棟の患者は、褥瘡が治癒しないまま転院するケースが多い中、短い期間で治癒するという良
い結果が得られた。今後もチームの特性を活かし、褥瘡の予防・治癒に貢献していきたい。
離床センサータッチくん作製
~ベッドサイドにおける転倒・転落防止と適応~
第 1 病棟 ○笠原敏美、岩野望
[はじめに]
当病棟は必要時離床センサ-を使用しているが転倒・転落がある。う-ご君のクリップ外しにより
作動しないことや寝返りのみで作動してしまうことを改善出来、患者の負担を少なく転倒・転落防止
に繋げられるセンサ-を作製し評価した。
[研究方法]
1.期間平成 24 年 9 月 27 日~平成 25 年 2 月 28 日
2.対象者 う-ご君使用者
3.方法 1)タッチくん作製 テープスイッチを利用して作製 センサーカバーを作製(カバー
の色、取り付け取外しに工夫)
2)設置方法(パワーポイント参照)
3)センサ-評価表作成作動内容を 7 項目に分け、う-ご君・タッチくん各 1 週間の作
動回数をチェック
4)看護師 14 名へタッチくん使用に関するアンケート聴取
[結果]
期間中う-ご君使用は 23 名、タッチくん 5 名であり、転倒・転落はなかった。う-ご君からタッ
チくんへ移行しなかった理由は、作動なし 4 名、起き上がりで一時的に作動するが継続がない7名、
マッ太君へ変更 3 名、病状が不安定1名、退院4名。
(回/W)
う-ご君
タッチくん
表1
[センサ-作動内容・回数]
A氏 68 歳男 脳梗塞
B氏 92 歳女 脳梗塞
C氏 84 歳女 THR
D氏 87 歳女 尿路感染症
クリップはずし
紐いじり
体位変換
座位
尿・便意
「スイッチ切り」
「下肢の接
触」はA・B・C・D氏なし
A氏
C氏
D氏
A氏
C氏
A氏
C氏
2
9
14
18
17
26
7
B・C・D氏0
A・B・D氏0
A・B・C氏0
B氏 11
D氏 11
B氏 22
D氏 14
A氏
A氏
C氏
A氏
C氏
―
―
5 D氏 3 B・C氏0
182
B氏 140
49
D氏 17
53
B氏 29
25
D氏 ―
表 2 看護師 14 名へタッチくん使用に関するアンケート聴取(回収率 100%)
1. 転倒・転落防止に活用できる
はい 11 名(79%)いいえ 3 名(21%)
2. 患者に直接装着しないことで負担が軽減できる はい 11 名(79%)いいえ 3 名(21%)
3. 柵への取り付け・取外し使用方法 問題なし 5 名(36%)ある 8 名(57%)無回答 1 名
[考察]
タッチくんは患者に直接装着するものがないことで、
「クリップはずし」や「紐いじり」で生じる
センサ-が鳴らない状況を回避し、少しでも負担を軽減出来るのではないかと考えた。主にタッチく
んは「座位」
「尿・便意」で作動し、入院経過と共に ADL が拡大され、訴え時にはセンサ-が作動し
転倒・転落を未然に防ぐことが出来た。しかし、使用患者が少なかった為今後も安全性や使用状況を
検討していく必要がある。
[結論]
1) タッチくんの対象①クリップはずしやスイッチ切りがある②体位変換による頻回の作動③柵を利
用し起き上がりがある④立位・端座位が不安定で四点柵が必要。
2)タッチくんは離床センサ-の機能を果たすことが出来る。但し、患者の病状・認知度・理解力・
ADL などを十分に考慮し選択する必要がある。
3)センサ-は転倒・転落防止に有効であるがデメリットもある。センサ-に頼り切らず看護師とし
て出来る援助を考えて行く必要がある。
胸部乳腺外科外来での感染予防のための業務改善
中材・外来 ○阿部智子、坂牧亜紀、田辺綾花、富所芳美
[はじめに]
胸部乳腺外科外来(以後、胸部外来)の診察室は約 7 畳と狭く、そこに医療機器、ベット、処置車等
が置かれ、窓も無く、手洗い場もない状況で、埃の多さが気になっていた。待合室は、顆粒球減少患
者や、感染症やその疑いのある患者が一緒に待っている状況である。そこで、患者を、感染の危険か
ら守るため、問題点をあげ業務改善を行ったので報告する。
[研究目的] 胸部外来での感染につながる問題点を明確にし、改善策を立て、感染の危険を減らす。
[研究期間] 平成 24 年 10 月~平成 25 年 4 月
[研究方法] Ⅰ、感染につながる問題点を話し合う。そして改善策を立て実施する。
Ⅱ、改善策実施の前後で、診察室内の空気清浄機、エコーのフィルターの埃の付着状況
の変化を、掃除後 4 週間で比較した。
Ⅲ、改善策実施の前後で、処置車上の落下細菌調査を行い結果を比較した。
寒天培地を処置車上に置き、診察時間中の 9 時 30 分から 1 時間開放し、培養に提出した。
[結果] Ⅰ、胸部外来での感染源になるような問題点と改善点
問題点
改善点
1、診察室内は、カーテンの開閉や、患者の更衣や、
タオルケットやティッシュペーパーの使用が
頻繁で、埃の要因が多い。エアコン、エコー、
空気清浄機のフィルターの埃も多い。
2、処置車の配置が出入り口、カーテン脇で滅菌物
に落下細菌が付着する危険がある。
3、ハンドクリーンの位置が処置車右上にあり、使
用すると処置車上に噴霧される。
4、感染汚染物を袋に入れ床に置いたり、使用済み
鑷子等の取り扱いに問題がある。
5、カルテ置場と処置用膿盆置場が兼用で、又、拭
き取りにくい凸凹のマットが敷いてある。
6、
診察室内や処置車周囲の拭き掃除が徹底されて
いない。
7、待合室は顆粒球減少患者と、感染症やその可能
性のある患者が一緒に待っている。
8、改善策の実施を継続する必要がある。
1、タオルケットをバスタオルに変更し、待合
室脇に更衣室を設け、診察室内での更衣を
やめ、布から出る埃の減少をはかった。各
フィルター掃除を月 2 回に増やした。
2、処置車の配置の変更はできず、鑷子やガ
ーゼ等の滅菌物の取り扱いを変更した。
3、ハンドクリーンの配置の変更と、手の清潔
保持の徹底を促すカードを置いた。
4、処置車下に蓋付きバケツを設置し、速やか
に処理できるようにした。
5、凸凹のマットを除去し、拭き取れるものに
し、処置毎にアルコールで清拭する。
6、毎日終業時、拭き掃除を徹底する。チェッ
クリストに追加した。
7、待合室の後部に指定席を設け、顆粒球減少
患者に座ってもらい他患者からの飛沫感
染を防ぐようにした。又、感染症の疑いが
ある患者が申し出るよう張り紙をした。
8、業務チェックリストに追加し徹底する。
Ⅱ、 改善策実施の前後でのエコー、空気清浄機のフィルターの埃はほとんど変化なかった。
Ⅲ、 改善策実施の前後での処置車上の落下細菌の調査の結果
自然界に分布する細菌が 前 19 個 後 6 個といずれも検出された。
[考察]
1、埃を減らす改善策を実施したが、目に見えての減少にはつながらなかった。フィルター掃除や
室内の拭き掃除の徹底以外にも対策がないかさらなる検討が必要。
2、処置車上から検出された落下細菌は、院内感染につながる菌ではなかったが、顆粒球減少患者
や術後の処置中の患者にとっては日和見感染の危険がある。また、処置車の配置はスペース上変
えることが出来なかったので、滅菌物の取り扱いにはさらなる課題がのこっている。
3、看護師の手の清潔保持、感染汚染物の取り扱い等は個人の意識も大切なので、手袋の使用や洗
浄、ハンドクリーンの使用等徹底できるよう、振り返っていきたい。
4、今回の業務改善で診察の流れがスムーズになり、待ち時間の短縮にも効果があったと考える。
5、待合室の指定席は飛沫感染予防だけでなく、必ず席が空いていると顆粒球減少患者から好評だ。
職員の喫煙に対する意識調査と病院経営への関係を考察する
第 2 病棟
○野上 道子
[はじめに]
病院は、病気治療と、健康の保持増進の機能を有しています。働き盛りの三大死因は癌、
心疾患、脳疾患と言われ、生活習慣の改善は必須です。中でも喫煙習慣は、健康に対して大
いに関係があるといわれています。喫煙に関する他の先行研究文献では、「病院職員の 30%
が喫煙者であり、現在の 70%が禁煙経験者であるという結果を発表しています。禁煙のきっ
かけは、『自分の健康を考えて』が 65%であり、
『自分や家族の健康を考えて』が 13%、『職
場の雰囲気が吸いにくいから』が 8.7%という」報告でした。喫煙は健康上の問題と捉え、
また、診療所の“禁煙外来”の機能を利用する事は病院経営にも関与する。と考え職員の意
識調査を実施致しました。
[調査期間] 2013 年 5 月 30 日~2013 年 6 月 30 日
[調査方法] アンケートによる意識調査 一部自由記載
[対
象] 全職員(委託業者含む。
)
配布数 181 枚 回収数 160 枚
有効数 150 枚
有効率 93.75%
[用語について]・技術職職員・医療事務・その他の職員でグループ分けをした
・ニコチン依存度はファガストロームの評価表・行動ステージはプロチャスカの評価を採用
[結
果]
1、調査年齢:20~60 歳・性別:男 42/女 108・職種別:技術職 108 名 事務職とその他
42 名
2、喫煙者 61 名 40.7 % 非喫煙者 89 名 59.3% 喫煙者の 61 名中の技術職が 47 名 77%
3、喫煙による害の認知(複数回答)の優位順では、肺癌、心筋梗塞、動脈硬化、慢性気管
支炎、気腫、未熟児出生であった。
4、現在の行動ステージ(プロチャスカの行動変容ステージ)実行期・維持期のステ-ジは
21 名 34%
5、ニコチンの依存度を見ると高度依存(FTQ7 点以上)の方が 5 名。
6、禁煙経験者は 43 名 70.5%であった。
7、試算 1 年間一人のタバコ代約 15 万円(410 円×365 日)禁煙治療代 7 万 6 千円(6300×
12 月)
禁煙外来の収益 1 年間約 38 万円(76,000 円×5 人)禁煙希望者 8 名を禁煙成功の 6 割
と試算(昨年実績 63%を参考に試算)
[考察]
1、当院の喫煙率の高さは、先行文献より高い。分煙であるものの施設近くに喫煙場所(以
後サロンと言う)があるためか?
2、ニコチンの害については認知できているが、「主流煙より副流煙が危険である」お互い
が、相殺(そうさい)し合っている危険性に気づいているか?ニコチン中毒とタバコの
害認知数は推測不可能
3、試算すると、金額は微々たるものである。しかし医療費の削減が期待できる。
[結論]
1、当院の喫煙率は高い。サロンの存在が関与する可能性がある。
2、禁煙希望者が 8 名。ニコチン高度依存者が 5 名いた。
3、試算は微々たる金額であるが、健康の維持と医療費の削減になる
[まとめ]
1、無回答が多く、調査の限界を感じた。
2、定期健康診断で生活習慣の聞き取りと、健康維持の啓蒙が必要である。
3、病院収益につながる作戦が必要である。
ISO9001 の良いところ
齋藤記念病院 ISO 委員会 ○福田 修、荒井一義、荒木亜希、市沢恵佑、長田智美、
富所芳美、樋口恵美子、福崎広子、星芳靖、山岸宏和
内部監査員 荒井一義、荒木亜希、石井美智代、市沢恵佑、河辺秀二、
桑原美佐子、佐藤朝子、長田智美、春川希望、樋口恵美子、
福崎広子、福田修、星芳靖、山岸宏和
日本病院機能評価は全国で約 2000 病院が認定されているのに対し、当院で 2012.3.19 に登
録した ISO9001 は全国で約 300 病院が取得し現在も増加している。この運用に関連し、導入
後の長所・短所をまとめた。
長所
1. 外部審査により国際基準の認証を得た。
2. 職員アンケート、患者さんアンケートを経年的に行い、評価、改善材料を得ている。
3. 内部監査を行うことにより、他の部署の活動内容が把握でき、横のつながりが増えた。
4. マニュアル構築により、職員の環境が整備された。
5. 病院全体の委員会など活動が包括的に把握できた。
6. 職員の力量が明確化された。
7. 未然防止報告書、再発防止報告書の作成で安全管理の意識が高まった。
8. PDCA サイクルを意識するようになった。
9. 医局が方針、業績等を記載するようになった。
10. 院長の活動がチェックされるようになった。
短所
1. 業務量の増加。
2. 周知徹底が困難。
3. 費用がかかるが、診療報酬に反映されない。
4. 他の委員会との連絡がうまくいかないこともある(共有化)
。
脳卒中再発患者のカルテ調査からみえた退院指導の対策
~生活習慣振り返りシートの作成~
第 2 病棟 ○山口真紀子、池田麻奈美、福﨑広子
Key word:脳卒中、退院指導、生活習慣
用語の定義:軽度以下の障害=mRS グレード 0~2,中等度以上の障害=mRS グレード 3~6
脳卒中:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
[はじめに]
ADL が自立している(以下、軽度以下の障害とする)脳卒中再発患者が日々の回診時、退
院後の生活習慣について医師に繰り返し質問をしており、
「看護師は退院指導をしていないの
か」と医師から問われた。その一言から退院指導に対する問題を予測した。①再発予防のた
めの退院指導をしていなかった②退院指導=介護指導であり、軽度以下の障害がある患者に
は退院指導をする必要性がないという認識があった③再発予防に関する看護の仕組みがなか
った④栄養指導、薬剤指導を行う基準があいまいであった。①~④から退院指導の対策とそ
の方向性を検討する必要があると感じた。
[目的]
1.再発予防のための退院指導の現状を明らかにする。
2.「生活習慣振り返りシート」を作成する。
[研究方法]
1.期間:H24 年 7 月 1 日~H25 年 4 月 30 日
2.方法:雑誌・書籍の情報、病棟スタッフ、医師の意見を取り入れた。
3.倫理的配慮をする。
[結果]
脳卒中を再発した患者は存在し、再発したことで機能障害が重度になる患者は 45%いた。
死亡に至る症例は「軽度以下の障害」からの方が多いという結果が出た。
再発患者(22 名)の看護計画は、#退院後の行先#リハビリ・ADLの問題に偏っていた。
看護計画を基に栄養指導に至った件数は 1/22 件。栄養指導を行った後、指導に関する患者の
訴えなどを記載した看護記録(指導内容の理解の有無、感想など)1/22 件。薬剤指導に関す
る看護記録 0/22 件。
「#血糖値コントロール不良」の看護計画内容には、血糖値やインシュ
リン量の看護記録はあったが、自宅での食事内容や糖尿病食への理解の有無などの看護記録
はなかった。
このような背景から、退院指導を定着させていく必要があると痛感し「生活習慣振り返りシ
ート」を作成した。シート作成で工夫した点①患者が自身の生活習慣を振り返り自分の言葉
で目標を設定する。②看護師のコメントも一目で見ることが出来る。③使用マニュアルを作
成したことで一定レベル以上のアドバイスが出来るようにした。④他職種も患者情報を得や
すくした。⑤外来通院中も継続して生活習慣指導が行える。⑥A4 用紙1枚で見やすくした。
[考察]
第二病棟の看護計画は、目の前の疾患にばかり囚われ再発予防を視野に入れた看護を提供
していなかったと言える。岡田は「急性期病院の外来でたんに投薬のみして帰宅させ、合併
する危険因子に対する正しい教育や生活指導を行わないとさらに重症な心血管病を再発す
る恐れがあります」と述べている。看護師は患者とのコミュニケーションで、生活習慣情報
を得ていても、看護記録へ記載していないことが多い。患者にとってより理解しやすい退院
指導に繋げるには、このシートのような仕組みが有効だと考えた。
[結論]
1.患者の生活習慣情報を各職種間で共有することは、理解しやすい退院指導に繋がる。
2.患者は入院中に今までの生活習慣を振り返り、今後の生活習慣を自己管理していくことが
重要である。
チューブ抜去予防への取り組み
~手の動きが自由なペットンの作製と効果~
第 3 病棟 ○寺口千代子、佐藤朝子、五十嵐京子
[はじめに]
療養病棟では、経鼻胃管、胃瘻チューブ、尿道カテーテル(以下、チューブとする)を有
する患者のほとんどに脳血管障害による認知機能の低下や意思疎通困難が認められる。その
ためチューブ抜去の危険があり、予防策としてミトンや抑制帯を使っている。入浴時は、更
に患者個々に合わせた様々な工夫をしているが、スタッフ個人の観点であるため方法は統一
されておらず、業務が煩雑になっている状況であった。
今回、先行研究を基に様々な患者に共通して使える手カバー「ペットン」を作製し、使用
することで入浴時のチューブ抜去予防ができたので、ここに報告する。
[研究目的]
手の動きが自由で、チューブ抜去予防のできる「ペットン」を作製し、その効果を明らか
にする。
[用語の定義]
ペットンの特徴:①ソフトな素材と手首の固定が調節可能 ②手の動きが自由になるが、
チューブをつまむことはできない ③変形・拘縮した手にも対応でき、装着したまま手が洗
える ④使用後の洗浄や乾燥が容易である ⑥安価である
[研究方法]
1.研究期間:平成 25 年 2 月~4 月
2. 対象:チューブを挿入中で上肢に自動運動があり、終日チューブ自己抜去予防対策を
行っている患者 6 名。
3. 評価方法:①ミトンを使用して 2 週間計 4 回、ペットンを使用して 2 週間計 4 回、入
浴後にアンケートをとった。②ミトンとペットン使用時のチューブ抜去予防対策数で
比較した。
4.倫理的配慮:研究対象家族には、研究の主旨、プライバシーの保護、研究の目的以外
で使用しないことを口頭と文書で説明し同意を得た。
[結果]
A・B氏はミトン使用時は 5 種であったが、ペットン使用時は 1 種に減った。C氏は 5 種
から 2 種に減った。D氏は 4 種からペットンのみとなった。E・F氏は 1 種と変化がなかっ
た。ペットンを装着したまま手が洗えるようになり、ミトンを外す・洗う・つけるという作
業がなくなった。脱着及び使用中に皮膚損傷を起こすことはなかった。
[考察]
効果が得られた4名はミトン装着の他に複数の対策が必要であったが、ペットンを使用す
ることで自己抜去の危険はなくなった。これは、手を自由に動かせるがつまむ事ができない
というペットンの特徴が生きたと考えられる。固定は、ソフトな素材で手首の太さに合わせ
て調節可能にしたことで、疎通困難な患者も外そうとする動作はなく、違和感や過度の抑制
感はなかったと推測できる。透明で観察しやすいという特徴や、ペットボトルを両面カット
したことで、対象者全員に従来の手を洗うときのように、ミトンをはずす、洗う、つけると
いう作業がなくなり、煩雑さがなくなった。更に、切り口を大きく開け変形・拘縮した手に
も対応できるようにしたことで、使用中の皮膚への負担が少なく、皮膚損傷を起こさなかっ
たと考えられる。
[結論]
対象とする患者にペットンを使用し、以下のことが明らかになった。
1.作製したペットンは、チューブ自己抜去予防に有効である。
2.チューブ自己抜去予防対策数が減少し、効率的である。
薬剤管理指導業務への取組みについて
薬局 ○今井慎一郎、山岸宏和、古谷隆
[はじめに]
薬剤管理指導業務とは,入院患者様の薬歴管理や服薬指導を介して患者様の薬物療法への
認識を向上させ,また患者様から得られた情報を医師,看護師及び他の医療スタッフにフィ
ードバックすることにより適切な薬物療法を支援するための業務である。この業務を通じて
薬剤師はチーム医療の一員として臨床でその専門性を発揮することができるようになったと
ともに,医薬品に関わる医療事故防止の観点から,患者様の安全対策,特に副作用及び薬害
を防止することに責任を持つことが求められるようになった。当院では医療サービス及び患
者様満足度の向上を目的に 2011 年 10 月より ISO9001 運用を開始した。これを機に薬局では
薬剤管理指導業務の流れを見直し,簡便化することで指導件数の増加を図った。
[方法]
これまでは『薬剤管理指導記録表』に看護師が必要事項を記載し,主治医の同意を得てか
ら薬局へ依頼がくる流れとなっていた。2012 年 8 月からは病棟看護師が口頭のみで薬剤管理
指導を薬局へ依頼し,必要な記録類はすべて薬剤師が作成する方法へ変更した。また,薬剤
師が積極的に病棟へ出向き薬剤管理指導実施の提案を行うことで,入院後なるべく早期に介
入できるよう努めた。さらに,
『薬剤管理指導記録表』及び『服薬指導記録』等必要な記録類
については手書きからパソコン入力にすることで記録作成に費やす時間を短縮した。
[結果]
薬剤管理指導業務の見直しにより年間指導件数が 93 件(2011 年 8 月~2012 年 7 月)から
229 件(2012 年 8 月~2013 年 7 月)へ増加し,それに伴い薬剤管理指導に関わる算定も 34165
点から 76120 点へ増加した。なお,月平均の指導件数は変更前 7.75 ± 2.28 件,変更後 19.08
± 4.14 件であり,指導件数の有意な増加が認められた。なお,1 人の患者様の入院期間中に
行える平均指導回数はほぼ変わらず(2.51±0.29 回 → 2.77±0.26 回)
,介入時期と指導回
数の間で変更前及び変更後ともに有意な相関は認められなかったが,患者様情報の収集等多
くの時間を費やす初回薬剤管理指導のみの患者の割合は 45.95%→18.92%へ減少した。
[考察]
薬剤管理指導件数が増加した要因として①病棟からの指導依頼が増えたこと,②薬局から
も積極的に実施提案を行うことで入院後早期に薬剤管理指導を開始できたことが考えられる。
しかし,月別の指導件数をみると,少ない月で 2 件のみであった反面,多い月では 42 件と大
きなばらつきがみられた。当院には抗血小板薬や抗凝固薬等の重篤な副作用を招きかねない
薬剤を服用している患者様が多く入院されている。このような患者様に対して適切な薬剤情
報提供を行うことで服薬アドヒアランスの向上及び副作用の早期発見に寄与するため,今後
は薬剤管理指導以外の業務も見直すことでこのような月ごとのばらつきを解消し,さらに実
施件数を増加させることが課題である。
INVOS[無侵襲混合血酸素飽和度監視システム]の実際
脳神経外科
○小山新弥
[はじめに]
この度は INVOS[In Vivo Optical Spectroscopy]無侵襲混合血酸素飽和度監視システムを
購入しました。これは、近赤外光で脳の局所混合血酸素飽和度[rSO2]を測定し、脳外科領域
では内頚動脈内膜剥離術において術中の脳虚血や術後の過灌流症候群を評価します。今回の
装置では前頭葉の評価しかできませんが、多チャンネルの近赤外光イメージング装置を用い
ることによって、認知症、統合失調症などの診断や、神経リハビリへの応用、今話題のロボ
ット工学への応用などの研究が行われています。
[方法]
内頚動脈内膜剥離術における術中モニタリングと術後の過灌流症候群の実際を提示します。
[結果]
内頚動脈遮断による INVOS の変化は主に 2 パターンあり、ほとんど変化しない症例と急激
に低下する症例があった。ほとんど変化しない症例はそのまま遮断して血栓内膜剥離をおこ
なっても問題ないが、急激に低下する症例は内シャント[血流を維持するチューブ]を使用す
ることにより rSO2 の改善を認め、虚血合併症を起こさずに手術ができた。
また、術後 rSO2 が上昇する症例は過灌流症候群が見られ、厳重な血圧コントロールが必要で
あった。
[まとめ]
INVOS を用いることにより、術中の脳虚血や術後の過灌流症候群の評価をリアルタイムに
行い、その対策を取ることによってより安全に手術ができた。
当院におけるトロミの粘性表記統一後の認知度とこれからの課題
~院内アンケートの結果より~
リハビリテーション室
〇南雲絵美、荒木亜希、古谷貴宏、八子智則,高桑一博、
田伏育恵、小野塚雅章、渡辺功
[はじめに]
脳血管疾患を呈すると、嚥下機能が低下する方が少なくない。液体は、嚥下機能が低下し
た患者様にとって、ムセやすく誤嚥しやすい食品であり、トロミ調整食品(以下トロミ材)
の利用が多い。トロミ材は、各社・商品によって粘性表記がさまざまである。当院では、2012
年 10 月に勉強会を行い、言語聴覚士に摂食機能訓練の指示があった患者様に対してトロミが
必要と判断した場合の粘性表記を、日本介護食品協議会の呈示している表記を採用し、
「フレ
ンチドレッシング状」
「とんかつソース状」
「ケチャップ状」
「マヨネーズ状」の 4 段階に統一
した。統一後の認知度等を把握するために、院内の看護師・介護スタッフにアンケートを行
ったのでその結果を報告する。
[アンケートの対象及び方法]
対象:看護師・介護スタッフ全員、期間:平成 25 年 8 月 1 日~8 月 14 日、質問内容及び
方法:所属、職種、職歴、粘性表記の認知度について 2 項目、他院との違いについて 2 項目、
粘性表記以外の提案、勉強会について 2 項目について、「はい」
「いいえ」の二肢選択質問及
び自由回答の質問とした。
[結果]
アンケートは 74 人に配布し 64 名が回答、回収率は 86%であった。統一後のトロミの粘性
表記の認知率は、
「知っている」62%、「知らない」37%であった。変更後のトロミの表記は
イメージできるかについては、
「できる」68%、
「しにくい」17%、
「回答なし」14%であった。
他施設より転院して来た場合、他施設と粘性表記が違う事について、
「イメージしにくい」20%、
「混乱が生じる」20%、
「面倒に感じる」12%、
「不便は感じない」28%、
「その他」20%であ
り、52%が他施設との違いを不便に感じていた。トロミの付け方の勉強会に参加したいかに
ついては、
「はい」81%、
「いいえ」10%、
「回答なし」7%であった。
[考察]
トロミの粘性表記の統一について、半数以上のスタッフに周知されていたが、約 4 割の方
が知らなかった。他施設から転院して来た場合、病棟では他施設との表記の違いを不便に感
じているようである。嚥下機能が低下した患者様が、安全に食物を摂取するためには、患者
様個々に合ったトロミの提供及び再現性が必要である。当院では、各病棟において、飲食時
に患者様の持参したさまざまなトロミ材を、スタッフの手によって付けている。粘性理解と
トロミ材の特性の理解がないとトロミの再現性は保てない。そのため、粘性の認識を統一す
る為のパンフレット等を作成する予定である。加えて、今後も病棟において、粘性の分かり
やすい説明を行う事や、嚥下機能についてやトロミの付け方等の勉強会を開催していきたい
と考える。
看護師長会
看護管理者研修第一弾報告
~SWOT分析を用いて~
○蕪木千恵子、野上道子、風巻いずみ、小倉静子、春川希望
[はじめに]
毎年看護部では病院の理念・方針に基づき、その年度の目標を立てている。
その目標を基に各セクションおよび各委員会の目標を挙げ、さらに個人目標へとリンクさせ
ている。目標達成のための戦略を考え実践し、年度末に評価を行い次年度へとつなげている。
今回、目標達成のための戦略を考える手段の一つである「SWOT分析」を用いて看護管
理者(看護師長、主任看護師、副主任看護師)研修を行ったので報告する。
[研修企画]
目的:齋藤記念病院理念・看護部目標の達成を目的とする。
目標:目的達成のために、問題解決の技法を共有、実践できる。
方法:SWOT分析を用いて自己分析し、目標達成のための戦略を考える。
手法:GW、KJ法
対象者:看護師長、主任看護師、副主任看護師 14 名
スケジュール:①導入講義
②GW
③KJ法を用いてまとめ、発表
[結果]
SWOT分析の理解、それを使ってGWを行い「強み」
「弱み」
「機会」
「脅威」の項目で考
えられることをいくつでも出し合い当院の置かれている状況・課題を一部であるが抽出する
ことが出来た。
そして、抽出された課題に対してどのような対策をとるか「機会に対して強みを活用する」
「弱みを補強して機会を捉える」
「脅威に対して強みで差をつける」「脅威が弱みに結びつく
リスクを回避する」という考え方で話し合い多くの意見が出された。下記に一部を示す。
① 急性期からリハビリ、在宅まで連携
② 専門性を高める、看護師のスキルアップ
③ 接遇の向上
④ コミュニケーションを良くする
⑤ 自分の役割がわかり行動できる(役割認識)
⑥ 職員が生き生きとして働き、選ばれる病院になる
等
[今後の課題]
① 当院のビジョン・ミッションの明確化
② 実現するための目標設定と具体的行動
③ スタッフ一人一人の意見を出し合い議論することができる仕組み
④ 全職員が経営に参画しているという意識
⑤ 職員として何をなすべきかを自ら考えられる
当院におけるインフルエンザアウトブレイク経験の報告
院内感染対策チーム ○大平勝恵、今井慎一郎、岩野望、山崎真由美
雲野幸江、桑原稔、山﨑和夫、春川希望
[はじめに]
インフルエンザは毎年 11 月下旬から発生し、翌年 1~2 月にピークを迎え 4 月頃まで流行
が続くと言われている。2013 年 1 月魚沼・南魚沼地区、十日町地区にインフルエンザが大流
行した。当院でも 2013 年 1 月末職員を発端者とするインフルエンザのアウトブレイクが 2 つ
の病棟で発生し、入院患者 28 名・職員 28 名と蔓延した。当院におけるインフルエンザアウ
トブレイクから終息までの 15 日間の経過と、実地した感染対策を報告する。
[拡散防止対策]
・患者・職員に対しタミフル治療、予防投与開始する
・全病棟面会立ち入り禁止する
・同日感染者を隔離コホーティングするも、集団発生のため患者移動中止する
・リハビリ・入浴中止する
・六日町病院より対策方法についてアドバイス受ける
・重症者 3 名治療を行うため 2 病棟へ移動する
・患者の入・退院及び手術は終息まで行わない
・セイフキープでの床頭台・ベッド・柵・手摺りを 1 日 3 回拭き掃除する
[職員対応]
・マスクも感染源になると指摘うけ、マスクの交換頻度に注意する
・手洗い・手指消毒を徹底する
・看護ケア時首より上に手をやらない様にする
・インフルエンザ対応の回覧を各部者に配布し徹底する
・体調の悪い職員は速やかに所属長に報告し受診する
・全職員対象の研修会など中止する
[経験から得られた結論]
・標準予防策の徹底(手指衛生・防護具)
・インフルエンザ発生時午後休みだったため情報収集、対応が遅れる
・アウトブレイク時の細かいマニュアルが作成されていない
・ワクチン接種の必要性(患者・職員)
・アウトブレイクと判断した当日から対策をスタートさせ 2/6 新たな罹患患者発生なく 2/13
終息につながった
[おわりに]
患者と自分自身を感染から守るため全職員が感染対策を正しく実践する必要があると感じた
職員から意見を組み込みアウトブレイクのマニュアルを作成した
アウトブレイクのマニュアルを各部署に配布したので見てください
新書式のインシデントレポートの導入による、医療安全への取り組みの変化について
~医療安全管理推進部会活動報告~
医療安全管理推進部会 ○小野塚雅章、風巻いずみ、福田修
[はじめに]
当院の医療安全への取り組みは平成 13 年から始まっています。インシデントレポートの書
式を平成 24 年度新しくいたしました。その前後での取り組みについての変化をご紹介いたし
ます。
医療安全推進部会の活動
平成 13 年 医療安全委員会、医療安全推進部会設置、医療事故対策マニュアル制定
平成 14 年 医療安全管理指針制定
平成 16 年 無断離院対応マニュアル制定、WhyWhy分析導入
平成 17 年 患者名リストバンド、離床センサー(ウーゴ君、マッタ君)の導入
平成 19 年 転倒転落アセスメントスコアシート導入、身体行動抑制対応
平成 22 年 院内暴言、暴力対策マニュアル制定
平成 23 年 RCA分析導入
平成 24 年 インシデントレポート変更
従前のレポートで行っていたこと
報告の一つ一つをシングルケースととらえ、それぞれに対策を立てていた
利点として、院内で起こったことを共有しやすく、多くの視点で意見が出せた。
欠点として、対策を立てる作業、集計作業に多くの労力が必要であった。
新しいレポートで行える事
新しいレポートはチェック式であり、そのデータをパソコンに入力作業している。
利点として、全体の傾向を数的に表現しやすくなった。
欠点として、シングルケースへの対応がそれぞれの所属の力量で差が出るようになった。
当院の見据える医療安全への取り組みは
全体の傾向を評価する事で、病院として取り組む方向性を見据える。
シングルケースの重要性を拾い出し、分析再発防止に取り組む。その方法として ISO にて
提唱されている再発防止処置報告書を活用していく。
インシデントをみたり感じたりしたとき、レポートを提出してください。
2013 年度 第 20 回 院内学会実行委員会
実行委員長 白井 富子
委
員
今井慎一郎
副委員長
河辺 秀二
駒形
望
会
計
小野塚和美
高橋 友佳
顧
問
福田
修
八子 智則