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L島黍呈【裏プく言志6 (4), 173∼18!, 1991
甲状腺細胞充実巣(Solid cell nests)
一組織形態と病理学的意義∼
加 藤 良 平
山梨医科大学第二病理
抄録:甲状腺のいわゆる細胞充実巣so−callecl solicl cell nes重s(SCN)の形態,病理学的意義等につ
いて記述した。SCNは決して稀な所見ではなく,剖検例甲状腺(240例)では10.0%に見いだされた。
組織学的にSCNは細胞間橋を有しない非角化型扁平上皮細胞か移行上皮様の細胞からなり,様々
な分子量のケラチンや高胎児性抗原(CEA)が免疫組織化学的に証明された。また細胞巣の辺縁な
いしは周囲にカルチトニン陽性細胞(C細胞)が孤立性に見いだされた。充実性構造に加えて,扁平
上皮細胞や粘液細胞が内面を覆う嚢胞状構造がときに認められ,その腔内には好酸性物質,細胞崩
壊片,酸性粘液物質を容れていた。これらの形態的所見はSCNの鯉胃体由来を示唆するものと考
えられる。SCNと甲状腺実質細胞との発生学的関係や腫瘍の発現母地としての可能性についても
考察を加えた。
キーワード 甲状腺,細胞充実巣,免疫組織化学,C細胞,鯉剛体
SCNは成書にも記載が極めて乏しいことや,
1.はじめに
その病理学的意義が不明確なことなどからほと
んどその存在を晶般に知られていないのが現状
甲状腺組織申には扁平上皮様の細胞からなる
であろう。それ故,この組織構造は経験ある病
充実性小型の細胞巣が忽然と孤立性にみられる
ことがある。この限局性の組織構造は“細胞充
理医でさえもしばしば小型の甲状腺髄様癌,C
細胞過形成巣,扁平上皮化生巣,潜在性の微小
実巣Solid cell nes竜s(SCN)”と呼ばれている。
癌などと誤認することがある。、そこで本稿では
SCNの最初の記載は古く三907年にGetzowa1)
SCNの形態を明確に記載するとともにその組
が異所性の喉頭甲状腺をもった先天性甲状腺機
織発生,病理学的意義について考察を加えるこ
能低下症(クレチン病)の患者の甲状腺組織中に
ととした。
この特異な組織構造を見いだした。その後,こ
の所見は特別な甲状腺疾患に伴うものではな
互.SCNの頻度と分布
く,正常の甲状腺組織内にもしばしば見いださ
れるのがわかり何人かの研究者がSCNについ
ての病理学的な報告をしている2 5>。しかしな
SCNは通常の甲状腺検索(!∼数切片)では
約3%の症例にみられる程度である2)。しかし
がら,その性格や意義については現在でも意見
ながら,より多数切片を作製して検索してみる
の一致をみていない。
と7∼14%5)『6)に見いだされ,系統的な検索で
〒409−38山梨県中巨摩郡玉穂町下河東11/0
受付:1991年8月8日
受理:!991年8月28臼
は3−5mm間隔の全割で26%2),2−3mm
間隔で61%7)β〉の出現率が報告されている
(Table 1)。通常のSCNの大きさを考慮すれ
加 藤 良 平
!74
Table 1.
Rep・rted prevalence rates(%)・f s・lid celhests・f
the thyroid in autopsy series
Prevalence rate No. of sections Authors
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0
61
11
19
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One
Janzer 8ごα!.5)
Orle
Whole thyroid
3−5mm steps
2−3mm steps
Katoh(present report)
Auteli乾ano 8’α♂.6)
Yamaoka2>
Harach7)
ば,出現率はさらに検索精度をあげることで高
織構造であり,濾胞問に孤立性に見いだされる。
くなることが予想され,この構造は異常あるい
組織学的には周囲を基底膜に囲まれた充実性の
は特別なものではなくヒト甲状腺に普通にみら
れる所見であることが考えられる。
細胞巣であり,構成する上皮は多角型から紡錘
型で扁平上皮あるいは移行上皮に類似している
山梨医科大学病理学教室で1988∼1991年まで
(Fig.1)。構成細胞の異型性は乏しく,核は円
の間に剖検された240例の甲状腺組織(!症例に
形から卵円形で細胞の中央に位置する。核分裂
つき概ね!側葉の中央部を通る1切片のみ)を
像は認められない。また細胞巣内には明かな角
用いSCNの出現頻度を検索してみると,
化はみられず,細胞間橋も不明瞭である。細胞
10.0%(24例)にSCNが見いだされた(Table
充実巣は完全に充実性のものと内部に色々な大
1)。この24例ではSCNの数は1例につき1
きさ,形をした腔が認められるものとがある。
個から2個で,甲状腺の辺縁部でみられたもの
はなくいずれも弓術の中央部付近でみいだされ
このような腔を構成する上皮は扁平上皮様細胞
た。SCN甲状腺内での局在は特徴的で
Harach7)’8>によれば主として側葉の中央ある
び立方上皮の細胞質内にはやや好塩基性で
Alclan−biue染色Mucicarmine染色陽性の粘
いは上1/3の領域に分布し,1側葉のみ1個あっ
液,アミラーゼ低抗性Periodic acid Schiff
とともに立方上皮細胞も認められる。腔内およ
た症例が全体の64%,両年に1個ずつみられる
(PAS)染色陽性の物質,あるいはコロイド様
例は16%,1側葉のみ2個が7%,両葉にそれ
ぞれ1個と2蕾みられた例が1%,1個と3個,
1個と4個も同じく1%,1側葉に3個が4%,
物質を容れている。またときに嚢胞状,濾胞状,
腺管状などの大型の腔も認められるが,内部に
はやはり同様の物質を容れている(Fig.2)。こ
両葉に多数(6個以上)みられたものが,6%で
のような細胞質内あるいは腔内の粘液物質は著
あったとしている。多数性のSCNの腺内分布
は特別な傾向を持たないことも報告されてい
者の検索した8例(33.3%)に証明された。
る。年齢的には新生児あるいは小児の甲状腺組
SCNにみられる腺腔には濾胞上皮細胞と扁
平上皮様細胞からなるいわゆる“混合濾胞
織中にも見いだされているが2)梱8),自験例24例
mixed follicles”もときに認められる。この濾
はいずれも40才以上の症例(40才以上の212例中
胞内胞にはPAS染色陽性のコロイドがみられ
24例:11.3%)で,39才以下の28例には一例も
た。
発見できなかった。また患者の性や剖検診断と
自験例24例中!例に異所性の副甲状腺組織が
SCNの出現との間にも特別な関係はなかった。
SCN近傍に見いだされた(Flg,3)。なお,自
験例では少数例に甲状腺炎,腺腫様結節などが
皿.組織所見
みられたが,大部分の症例では背景となる甲状
腺組織には特別な所見はなかった。
甲状腺のSCNは直径hnm以下の徴小な組
Solid Cell Nests of Thyroid
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Fig. 1.
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Solid cell nests composed of epidermoid cells lying between thyroid follicles (H&E,
×200).
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Fig. 2.
Cystic structure lined by epidermoid cells and containing PAS-positive agranular material (PAS, ×200).
176
加 藤 良 平
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弓懸灘覆;欝轟 醗譲
Fig.3. An aberrant parathyrold tissue(PT)located closely to SCN(H&E,×20).
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Flg.4. Epldermoid cells of SCN showing posltlve stalnlng for keratln(immunohistochemistry,
AE−1, x 200)。
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177
SOlid Cell Nests o{Thyroid
像を認めたが濾胞上皮細胞には陰性であった。
難.SCNの免疫組織化学
反対に抗サイログロブリン抗体は濾胞上皮に陽
性であったがSCNの上皮は陰性であった。一
ケラチンは主として上皮細胞が有する中間径
方,濾胞上皮細胞と扁平上皮様細胞からなるい
線維の一つであるが上皮細胞の種類により有す
わゆる混合濾胞では上皮細胞の一部とコロイド
るケラチンの分子量が異なることが知られてい
がサイログロブリン陽性であった。SCNの内
る。そこでSCNを構成する細胞と濾胞上皮細
部あるいはその周囲にはときに明るい胞体を有
胞の性質の違いを分子量の異なるケラチンを認、
する細胞が認められ,この細胞はグリメリウス
識する数種類の抗体を用いて検討した(Table
染色陽性であることが報告されている。免疫組
2)。SCNの扁平上皮様細胞は検索した4種類
織化学的に抗カルチトニン抗体を用いて検討し
の抗ケラチン抗体のいずれでも明瞭な陽性所見
てみると,これらの細胞はカルチトニン陽性で
を示した(Fig.4)。しかしながら, SCNの立
甲状腺C細胞と見なされた(Fig.5)。 C細胞
方上皮成分では陽性像は不規則で,AE−1以
がSCN内にみられる頻度は29−54%5)’6)’9)と
外ではその陽性像は限局していた。濾胞上皮細
いわれている。
胞との染色性の比較ではSCNは明らかに異な
以上の免疫組織化学的結果からSCNを構成
る反応性を示した。AE−!抗体やAE−3抗
体は比較的特異的にSCNに強い反応性を示
する扁平上皮様細胞はケラチンの染色性,立方
上皮細胞はCEAの染色性により濾胞上皮細胞
し,濾上皮細胞の陽性所見は少なく限局してい
とは明らかに区別し得るものとみなされた。特
た(Table 2)。 KL−1抗体とCAM 5,2抗
体は濾上皮細胞とSCNの両者に反応性を示し
胞も極めて明瞭な反応性を示し,甲状腺組織内
にAE−1抗体はSCNを構成するいずれの細
た。ケラチン以外にビメンチン,癌胎児性抗原
の小型のSCNの検出に有用なマーカーになり
(CEA),サイログロブリン,カルチトニンに
得ることが示唆された。
ついて免疫組織化学的に検討した(Table 2)。
抗ビメンチン抗体は一部の濾胞上皮細胞に陽性
像を認めたが,SCNは陰性であった。抗CEA
抗体はSCNで一部の細胞や腔内の物質に陽性
M.SCNの起源
SCNの起源については従来より研究者によ
Tab且e 2. Immunohistochemical fセaωres of solid cell nests(SCN)as compared with
normal follicular celis and mucoeplderm・id carcinoma・f the thyroid
(MECT)
follicular
ce11S
十
十十 十∼
十十 ︻
十十十
十
十
一∼ イ心
一∼
¥
一→十
一∼
acid arltlgen(CEA)
Thyroglobulin
+∼∼∼
︸一︻
Carcin・ernbryonic
S(luamoid Cuboidal Squamo童d Cuboidal
十十
十十
十十
一︸
KLI(56 KD)
∼∼十十
CAM:5.2(52.5,45,4=O KD)
十十
<Keratin>
AE−1(56,50,48,40 KD)
AE−3(68,58 KD)
MECT
SCN
Normal
Antibo(lies
¥一
一∼
¥
178
加 藤 良 平
艶壌
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∵.壌燕灘
,ゴ、禦げ、奮
黙、層
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細粗
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メ纈
㌫擁潔晦
ヤ・
都、
Fig.5. Peripheral calcitonin containing cells(arrows)in SCN(immunohistochemistry,×400)
りいくつかの説が提唱されている。一つは扁平
も報告されている。さらに最近では管腔構i造を
上皮化生巣とするもので,これはSCNが扁
平上皮様細胞からなることに起因している
示す髄様癌も一般に認知され,形態的ならびに
10)」1)。たしかに橋本甲状腺炎(とくに線維亜
いえる。しかしながらC細胞過形成,髄様癌
でSCNのような扁平上皮細胞への分化は知ら
型:Fibrors variant)12)では濾:胞上皮細胞はし
免疫組織化学的にもSCNとの類似性があると
ばしば扁平上皮化生を示し,また濾胞上皮細胞
から発生した乳頭癌や未分化癌等13)でも高頻
学でのカルチトニン陽性像もより広範である。
度に扁平上皮化生を伴うことから,濾胞上皮細
その他,接線方向で切られた甲状腺濾胞とする
胞自身に扁平上皮細胞への分化傾向があること
説もあるが通常SCNにはサイログロブリンが
が想定される。しかしながら,自験例ではいず
免疫組織化学的に証明されないことから否定で
れの症例も背景となる甲状腺組織に明かな病変
きよう。
はみられないこと,細胞巣内あるいは腔内に粘
えにくい。一方,SCN内あるいはその近傍に
前述のように免疫組織化学的にSCN周囲あ
るいは内部にはC細胞を認めることが多い。
またSCNの甲状腺内での分布がC細胞の分布
と完全に一致していることも報告されている
7)。すなわちC細胞とSCNは組織解剖学的局
カルチトニン陽性細胞(C細胞)が認められるこ
在から極めて密接な関係が想定される。現在,
とからSCNを潜在性の髄様癌4), C細胞過形
C細胞の発生は甲状腺の原基からではなく鰐後
成巣14)とみなすものもいる。C細胞やC細胞
体ultimobranchial bodyに由来するとされてい
液が存在すること,さらには免疫組織化学的に
癌胎児性抗原(CEA)の陽性像をみること等か
ら単なる濾胞上皮細胞の扁平上皮化生巣とは考
れておらず,またこれらの病変では免疫組織化
から発生した髄様癌ではカルチトニンの他に
る。それ故,SCNについてもC細胞と同様に
CEAも陽性であるし,また粘液産生を示す例
三舎体由来と考える研究者が多い5)『7)。さらに
Solid Cell Nests of Thyroid
179
Yamaoka2)はSCNの近傍に異所性胸腺組織を
認めているし,著者の検討でも異所性上皮小体
組織がSCNの近くに見いだされた。胸腺組織
や上皮小体組織は発生学的に第3黙黙,第4鰻
弓由来とされていることからこれらの所見も
SCNの鯉後議由来を強く示唆するものと考え
粗.癌の発生母地としての可能性
甲状腺疾患とSCNとの関係において癌の発
生母地としての可能性について考えてみたい。
粘表皮癌mucoepidermoid carcinomaは主とし
られる。一方,扁平上皮様細胞と濾胞上皮細胞
て唾液腺から発生する腫瘍であるが,その他の
が同一濾胞内にみられるいわゆる混合濾胞
臓器原発も知られており,甲状腺で数例が報告
mixed folliclesの存在はSCNと濾胞上皮細胞
されている19)『20)。組織学的に粘表皮癌は角化
との関連も示唆するもので,一見SCNを鯉後
を伴う扁平上皮からなる部分と粘液産生を伴う
体由来とする考えに反しているように思われ
管腔構造を示す部分との2成分からなる腫瘍
る。しかしながら,牛15),犬ユ6),ラット/7)で
で,組織構成がSCNと類似している(Fig.6)。
は濾胞上皮細胞の一部は鱈後影由来であるとす
免疫組織化学的結果をTable 2に示したが,
る報告がみられ,またヒトにおいても諸腰由来
両者を比較するといずれもサイログロブリンは
である側臥嚢胞branchial creft内に甲状腺濾:胞
陰性で,CEAの陽性所見を認める。各種ケラ
上皮細胞が存在したことが近年報告されてきて
いる18)。それ故,混合濾胞の存在はSCNの鱈
チン抗体の染色性も類似している。また両者と
後体由来に矛盾しないものとみなした。
blue染色陽性の粘液を証明することなどから
も腺腔内あるいは上皮内にPAS染色, Alcian−
難.藪耀、懸、一
ねロミ
譲弧 懸
.
著者ら19)およびHarach9)は甲状腺原発粘表皮
癌の発生母地としてSCNを考えた。また,甲
@ 轍.繊翻.難蕪
灘.雛灘蹴.、
撫懸
.集 霧膨
羅
加 藤 良 平
180
状腺では扁平上皮癌が発生することがあり,
して考えるむきもある10)。しかしながら,著
7
︶
SCNを甲状腺原発の扁平上皮癌の発生母地と
of the thyroid gland found from an aut・psy
Harach HR. Solid cell nests of the thyrold. An
anatomlcal survey and immunohistochemical
者は甲状腺癌剖検例での検討からいままで甲状
study for£he presence of thyroglobulln. Acta
8
︶
腺原発の扁平上皮癌といわれている腫瘍は“真
s宅ages of postnatal life. Systematic a穫topsy
9
︶
伴った乳頭癌あるいは未分化癌と考えた13)。
study, Ac£a Ana宅1986;127:262−264.
Harach HR, Hlstological markers o至solid cell
nests oRhe thyroid. With emphasis o簸their
不良な腫瘍であるが,粘表皮癌はリンパ節転移
expression in thyrold ultimobra鍛chial−related
は高頻度に認めるものの予後は一般に良好なも
ので両者の鑑別は重要である。
A捻at!985;1黛2:249−253.
Harach HR. SOiid cell nests of thyroid ln early
の扁平上皮癌”ではなく扁平上皮分化を強く
なお,甲状腺原発の扁平上皮癌は極めて予後が
study. Cancer l987;59:477−483.
tumours, Acta Anat 1985;豆24:111−116.
10)
Jaffe RH. Epl之helial metaplasia of℃he thyroid
gla簸d wlth special reference to hls亀ogenesis of
squamous carci簸oma. Arch Patho11973;23:
恢.結語
821−830.
11)
現在まで顧みられることの少なかった甲状腺
12)
の細胞充実巣(SCN)に焦点、をあてて形態像,
免疫組織化学的所見を記載し,その組織発生,
Klink GH, Me論k KE Squamous cells in the
huma虚hyroid. Mllit Surg 1951;109:406−414.
D賢be VE, Joyce GT’。 Extreme squamous meta−
plasia ln Hashimoto’s thyroiditls. Ca簸cer 1971;
27:435−437.
13)
腫瘍の発生母地の可能性等について考察した。
Katoh R, Sakamo£o A, Kasai N 8ごαZ.
Squamous differentiat重on in thyroid carcino−
今後,この組織構造がさらに検討されることに
ma. With special reference to histogenesis of
より甲状腺濾胞上皮細胞やC細胞の病理学的
squamous cell carcinoma of the thyroid. Acta
概念,組織発生などが明確となっていくことが
14)
Pathol Jpn l989;39:306−312・
Gibson WCH, Peng TC, Crocher BP. C.celI
nodules in adult human毛hyro1d:Acommo敷
考えられる。
autopsy丘nding。 Am J Clin PathOl 1981;75:
献
文
341−350.
15)
Lju簸gberg O, Nilsson PO. Hyperplasdc and
neop正as糠。 changes in u疑irnobranchial rernnan重s
and玉簸parafoll玉cular(C)ce}1s iR bulls:ahisto・
1) Getzowa S, Uber die Giandula parathyreoidea,
logic and immunohls毛ochemical study。 Ve重
irltrathyreoideale Ze圭lhaufen derselben und
Patho11985・22:95_103.
Reste des pos重branchialen Korpers. Vlrchow
Arch!907・188:181−235.
ナ
2) Yamaoka Y, Solid cell nest(SCN)of the hu.
ラ
16)
studied by autorad玉ogτaphy and immunoperox.
maR thyroid gland. Acta Pa£hol Jpn 1973;鶏3:
493−506.
3) Hull OH. Critical analysis of hundred宅wenty−
idase stal簸ing. A鍛at Rec 1981;黛00:4,61−4,70.
17)
bodies£o thyrold histogenesis in tbe rat. Am J
291−311.
Anat 1972;133:269−290.
4) Fuklunaga FH, Lochet宅LJ. Thyroid carcinoma
18)
roid deve至oprnent. His£o茎)athology 1988; 12:
5)Janzer RC, Weber E, Hedinger Chr。 The rela,
95−98.
tion betwee益solid cell nes宅s a籔d C cells of the
295−312.
6) Auteli宅ano F, Sar1£eusanio G, Dl TOndo U初α」.
ImmUn・hiSt・ChemiCal StUdy・・f S・lid Cell neStS
Parham DM La重eraUy situa窒ed neck cysts de−
rived{rom the embryologlcal remnants of℃hy.
6−13,
亀hyroid gland. Cell Tissue Res 1979; 197:
Calver£R. ElectrOn microscopic observations
on 宅he con重ribu£ion of the 犠ltimobranchial
one thyroid glands. Arch Pathol 1955;59:
in Japanese ln Hawaii。 Arch Patho11971;921
Kameda Y, Ikeda K, Ikeda A. Uptake of
radioiod圭難e in follic王es of dog C−ce韮l complexes
19)
Katoh R, Sugai T, Ono S 麗 α∠.
Mucoepidermoid carcinoma of the thyroid
gland. Cancer 1990;65:2020−2027.
Solid Cell Nests of Thyroid
Solid Cell Nests of the Thyroid
-Speclal Reference to Morphology and Patholocical Significance-
Ryohei Katoh
DePartment ofPathology U, Yamanashi Medical College
The morphology and pathology of so-called solid cell nests (SCN) of the thyroid was investigated in 24e
glands. SCN, irregular structures of about 1 mm in maximum diameter, are not uncommoR fincling in the thyroid; these structures were foLmd in 10.0 percent of 240 glands examined. Histologically, SCN weye composecl
mostly of non-keratiniziRg epideymoid cells or transitional cells which lack intercellular bridges ai3d were immtinohistoc}:iemical}y positive for a panel of high and low molecular weight keratin proteins. as well as for carci-
noembryonic acid antigen (CEA). Furthermore, SCN sometimes displayed isolated peripheral calcitonin containing cells (C cells). Occasionally, ceRtyal cystic structures suryounded by epidermoid cells andlor irnucous cells
were noted; withiR the cyst clumps of eosinophi}ic material, cell clebris, and acid mucosubstance were seen. It is
most likely £hat SCN to thyroid parenchymal cells and the probable implications of the relationship of the thyroid "u}timobranchial system" to tumor histogenesis are disct}ssed.
Key words: Thyroid gland, solid cell nest, immtmohistochemistry, C cell, ultimobranchial })ody
l81