株式会社日本証券クリアリング機構

第1版(2000 年 7 月 7 日作成)
(2013 年 7 月 16 日修正)
株式会社日本証券クリアリング機構
PC-SPAN® ver.4 ユーザーズマニュアル目次
…… P. 1
はじめに
第1章
PC-SPAN とは
…… P. 2
第2章
PC-SPAN4 のインストール方法
…… P. 4
第3章
PC-SPAN4 の基本操作
…… P. 12
第4章
SPAN リスク・パラメーター・ファイルの読み込み
…… P. 16
第5章
ポートフォリオの設定
…… P. 18
第6章
ポジションの入力
…… P. 21
第7章
証拠金所要額の計算
…… P. 23
第8章
PC-SPAN4 のレポート機能
…… P. 24
第9章
その他
…… P. 27
第 10 章
PC-SPAN4 の使用例
…… P. 30
第 11 章 PC-SPAN4 のスクリプトについて
…… P. 55
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
はじめに
当「PC-SPAN®ver.4ユーザーズマニュアル」において,日本証券クリアリング機構は「JSCC」と表記す
ることとします。
当マニュアルは,JSCC の清算参加者及びその顧客の利便性向上を目的として,シカゴマーカンタイ
ル取引所(Chicago Mercantile Exchange,以下「CME」といいます。)作成の資料に基づいてJSCCが独
自に作成する資料です。CME が開発したパソコン用の SPAN 計算用ソフトウェアである PC-SPAN®ver.
4(以下「PC-SPAN4」といいます。)は,そのユーザー・インターフェイスのすべてが英語表記されている
ことから,当マニュアルでは,当該英語表記を日本語で解説いたします。
PC-SPAN4は,CME を始めとして世界の多くの先物・オプション取引所又は清算機関で利用されてい
ます。このため,CME 作成の資料に基づく当マニュアルにおいては JSCC の制度と関係のない説明も多
く出てきますが,その部分は斜め書き(イタリック表記)及び網掛けしておりますので,ご注意下さい。
また,清算参加者又はその顧客に特に注意していただきたい点,JSCC制度との関わりの深い点に
は,注意印を付しましたので,ご参照願います。
なお,当マニュアル中,特別に説明するもの以外の用語の意味は,通常のパソコン用語の意味に準じ
ております。
SPAN 及び PC-SPAN は,CME に登録された商標です。当マニュアルにおける使用は許諾
されていますが,CME は,いかなる者もしくは団体による SPAN の利用について,一切の責任
を負いません。
なお,当マニュアルの記載内容については,CME が公表する内容が優先し,これらは予告
無しに変更することがありますので,ご注意下さい。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第1章
PC-SPAN とは
PC-SPAN とは,パソコン上で SPAN 証拠金計算を行なうことができるアプリケーションソフトです。
PC-SPAN4 は,グラフィカル・ユーザー・インターフェイスを採用しており,ビジュアル面だけではなく,
操作面にも新しい点がたくさんあります。
しかし,基本的な機能や全体的な証拠金処理プロセスについては過去のバージョンと差がありませ
ん。これまでの PC-SPAN 同様,PC-SPAN4 も次のような機能を持っています:
● 特定の時点(通常,当該営業日を指します),特定取引所グループ(通常,取引所又は清算機関
を指します。ただし,クロスマージン協定又は他の証拠金業務グループを指すこともあります。)
についての SPAN リスク・パラメーター・ファイルの読込み。
● ポートフォリオ及び当該ポートフォリオに係るポジションの入力,又はデータファイルからのポート
フォリオ/ポジション情報の読込み。
● 証拠金所要額の計算。
● オンラインでの証拠金所要額計算結果確認,当該結果の印刷,及び当該結果のファイル出力。
PC-SPAN4 では,新しいユーザー・インターフェイスに加えて, SPAN 計算アルゴリズム,及びサポ
ートする商品の種類についてのフレキシビリティー(柔軟性)が向上しています。従来のバージョンに改
善を加えた PC-SPAN4 は,簡単に操作が行なえるようになっています
1.SPAN のコンセプトについて
PC-SPAN4 では,従来のバージョンと同様に「exchange complex(取引所グループ)」のコンセプトを
使用します。「exchange complex(取引所グループ)」とは,(1)清算機関又は証拠金算定の対象となる
取引所,又は(2)クロスマージン協定等,単数もしくは複数の清算機関又は取引所が参加する他の証
拠金業務グループをいいます。
「商品グループ(combined
commodities)」のコンセプトも,従来のバージョンと同様に使用します。
取引所グループは独自の「商品グループ(combined commodities)」を持っており,当該取引所グルー
プで清算される各商品は,特定の商品グループに割り当てられています。
PC-SPAN ユ ー ザ ー の 多 く は , 「 最 終 決 済 ( final end-of-day settlement ) 」 又 は 「 暫 定 決 済
(early(preliminary) end-of-day settlement)」の各タイミングでデータ処理を行っていますが,中には,
「日中の適時(intraday points in time)」で処理しているユーザーもあります。こうした点に配慮して,
PC-SPAN4 でも,従来同様,最終決済/暫定決済が日中の適時のタイミングを識別するのに「適時ポ
イント(point in time)」という言葉を使っています。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
PC-SPAN4 では,同一のポートフォリオについて複数のレベルに分離した証拠金所要額算定をサ
ポートしています。これらの分類を「証拠金クラス(performancebond classes)」と呼び,最も証拠金所
要額の低い 1 番目の証拠金クラスを「コア・クラス(core class)」,それよりも 1 段高い証拠金クラスを
「リザーブ・クラス(reserve class)」と呼びます。
PC-SPAN4 では,リスク・アレイや他のパラメーターの異なる組合せごとに,個々の証拠金クラスに
ついて完全に独立して証拠金所要額の算定を行うことができるようになっています。また,口座種別
毎に異なるレートを設定したり,維持証拠金と当初証拠金で別のレートを設定することもできます。こ
れらの設定を実現するために,PC-SPAN4 では,「レート識別子(rate identifier)」または「レート ID
(rate ID)」と呼ぶコンセプトを導入しています。例えば,レート ID「1」はヘッジ顧客口座のコアクラス維
持証拠金であることを示しています。
ポートフォリオに含まれている各商品グループについて,商品グループリスク額の内容を確認する
ことができます。これらは通常,維持証拠金と当初証拠金に分かれています(ただし,スペキュレータ
ーのポートフォリオを除き,ほとんどの場合,維持証拠金と当初証拠金は同額となっています)。また,
通常の顧客レベルの計算の場合,コアクラスの額だけを確認するのが一般的です。
ある一つの商品グループの SPAN 証拠金は,「スキャンリスク額(scan risk)」,「商品内スプレッド割
増額(intracommodity spread charge)」(従来,「限月間スプレッド割増額(intermonth spread charge 又
は calender spread)」と呼ばれていたもの。),「最終決済証拠金額(delivery month charge)」,「商品
間スプレッド割引額(intercommodity spread credit)」,「売オプション最低証拠金額(short option
minimum)」で構成されています。SPAN 証拠金額の計算では,まずスキャン・リスク額,商品内スプレッ
ド割増額,最終決済証拠金額の合計を算出し,この合計から商品内スプレッド割引額をマイナスしま
す。そして,この結果を売オプション最低証拠金額と比較し,大きい額を SPAN 証拠金額としていま
す。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第2章
PC-SPAN4 のインストール方法
1.システム要件
PC-SPAN4 は Windows 95/98,Windows NT4.0 または Windows 2000 で動作します。
マイクロソフトの Internet Explorer(以下「IE」といいます) 5 がインストールされている必要がありま
す。詳細につきましては,以下の説明をご覧ください。
PC-SPAN4単体で,ハードディスクに 10MB 以上の空き容量が必要です。PC-SPAN4 と IE5 をイン
ストールする場合は,ハードディスクに 50MB 以上の空き容量が必要になります。
また,32MB 以上のメモリが必要です。PC に搭載されているメモリの容量が大きいほど高速かつ円
滑に動作します。
2.Internet Explorer 5 のインストール
PC-SPAN4 では,マイクロソフトの IE5 の様々な機能を利用しています。そのため,PC-SPAN4 を利
用するコンピュータには IE5 がインストールされている必要があります。
コンピュータにインストールされている IE のバージョンが 5 以前のものである場合は,5 にアップグレ
ードしてください(IE のバージョンは,IE の「ヘルプ」の「バージョン情報」で確認することができます)。IE
以外のブラウザをご利用の場合,又はブラウザがインストールされていない場合は,IE5 をインストー
ルしていただく必要があります。マイクロソフトのホームページよりダウンロードをすることにより入手で
きます。
既にインストールされている IE 以外のブラウザは,これまで通りご利用いただくことができます。IE5
を「default(デフォルト)」のブラウザに設定する必要もありませんが,PC-SPAN4 をインストールする前
に,必ず IE5 がインストールされていることをご確認ください。
注意
CME が配布する CD-ROM には,PC-SPAN4プログラムと一緒に IE5 が収録されていますが,この
IE5 は英語版となっておりますのでご注意下さい。当「PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル」は,日
本語版 IE5をご利用であることを前提に作成しております。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
3.PC-SPAN4 のインストールの開始
(1) 実行中のプログラムをすべて終了してください。
(2) CD-ROM ドライブに PC-SPAN4 が入った CD-ROM を挿入してください。
(3) 「スタート」メニューをクリックして,「ファイル名を指定して実行」を選択してください。
(4) お使いのコンピュータの CD-ROM ドライブが「D」の場合は,「D:\SPANSETUP」と入力してから
[OK]を押すとインストールを開始します。(お使いのコンピュータの CD-ROM ドライブが「D」以外
に設定されているときは,「D」の代わりに実際に設定されているドライブを入力してください。また
は,「参照(B)…」ボタンをクリックして CD-ROM と SPANSETUP.exeファイルの場所を見つけること
もできます。)
(CD-ROM ドライブが「D」の場合)
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
4.PC-SPAN4 のインストール手順
(1) Welcome(セットアップへようこそ)画面
PC-SPAN4 のインストール・プログラムは,最初にお使いのコンピュータに IE5 がインストールされて
いるかどうかをチェックします。IE5 がインストールされていない場合は,一旦 PC-SPAN4 のインストー
ルを中止し,IE5 をインストールしてから,もう一度 PC-SPAN4のインストールをやり直してください。
IE5 が既にインストールされていると,「Welcome(セットアップへようこそ)」という画面が表示されま
す。
[この画面の翻訳]
Welcome(セットアップへようこそ)
PC-SPAN®セットアップ・プログラムへようこそ。このプログラムはコンピュータに PC-SPAN®をインストー
ルします。
セットアップ・プログラムを開始する前に Windows で実行中のプログラムをすべて終了してください。
セットアップを一旦中止する場合は「Cancel(キャンセル)」をクリックしてから実行中のプログラムを終了
してください。セットアップを続行するには「Next(次へ)」をクリックしてください。
警告:このプログラムは著作権法と国際条約により保護されています。
このプログラムのすべてまたは一部を不正に複製あるいは配布すると民事罰または刑事罰が科せら
れ,法律で認められている範囲で告訴されることがあります。
次へ
インストールを続行する場合,「Next(次へ)」をクリックしてください。
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キャンセル
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
お使いのコンピュータに今まで一度も PC-SPAN4をインストールしたことがない場合,PC-SPAN®セ
ットアップ・プログラムは,MDAC(Microsoft Data Access Control)と呼ばれるオペレーティングシステ
ムのコンポーネントをインストールします。MDAC のインストールが完了するとコンピュータを再起動す
るよう求められます。コンピュータを再起動すると,自動的に「Welcome(セットアップへようこそ)」画面
が表示されます。続行する場合は,もう一度「Next(次へ)」をクリックしてください。
(2) PC-SPAN®「Software License Agreement(ソフトウェアライセンス契約)」画面
次に,PC-SPAN4 の「Software License Agreement(ソフトウェアライセンス契約)」の画面が表示さ
れます。
[この画面の翻訳]
PC-SPAN® Software License Agreement(ソフトウェアライセンス契約)
次のライセンス契約をお読みください。ライセンス契約の全文を表示するには[Page Down]キーを押してくださ
い。
このソフトウェアをインストールする前に,以下の契約書を注意してお読みください。このソフトウェアをインス
トールすることで,お客様は,ソフトウェアのライセンス,保証範囲,保証等を含めたこの契約書の条項(以
下,これらを合わせて「本契約書」といいます)の拘束を受けることをご承諾なさったものと見なされます。
本契約書は,お客様とシカゴ・マーカンタイル取引所の間における全ての合意とします。本契約書の条項に
同意いただけない場合,お客様は,このソフトウェアをインストールすることはできません。この場合は,本ソ
フトウェアと本ソフトウェアの一部である他の品目(文書資料を含みます)を速やかにシカゴ・マーカンタイル取
引所(30 South Wacker Drive, Chicago, IL, 60606, USA)にご返品ください。お支払いいただいた金額を全額
払戻いたします。
ソフトウェアのライセンス
以下続く↓
以上のライセンス契約書に同意いただける場合は「Yes(はい)」を,そうでない場合は「No(いいえ)」を選択
してください。「No(いいえ)」が選択された場合はセットアップを終了します。「Yes(はい)」が選択された場合
は PC-SPAN®のセットアップを続行します。
戻る
はい
いいえ
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
注意
契約書の全文をお読みください。契約書に記載されている条項に同意いただける場合は「Yes(は
い)」を選択してインストールを続けてください。同意いただけない場合は「No(いいえ)」を選択してイン
ストールを中止してください。
(3) Choose Destination Location(インストール先の指定)画面
次 に 「 Choose Destination Location ( イ ン ス ト ー ル 先 の 指 定 ) 」 画 面 が 表 示 さ れ ま す 。 こ こ で
PC-SPAN4 のインストール先を指定することができます。
[この画面の翻訳]
Choose Destination Location(インストール先の指定)
セットアップは PC-SPAN®を次のフォルダにインストールします。
このフォルダにインストールする場合は「Next(次へ)」をクリックしてください。
別のフォルダにインストールする場合は「Browse…(参照)」をクリックして任意のフォルダを選択してくださ
い。
「Cancel(キャンセル)」をクリックすると PC-SPAN®のインストールを中止します。
Destination Folder (インストール先のフォルダ)
C:\Span4
戻る
Browse…(参照)
次へ
キャンセル
インストール先には,任意のドライブ(ハードディスク)にある任意のフォルダを指定することができま
す。上の画面に表示されているように,デフォルトのインストール先のフォルダは「C:\SPAN4」になって
います。このフォルダとは異なる場所にインストールする場合は,「Browse…(参照)」ボタンをクリックし
て希望のフォルダを選択してください。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
注意
PC-SPAN の ver.3 と ver.4 双方を同一コンピュータに共存させることは可能ですが,この場合,
PC-SPAN ver.3 と ver.4 を同じフォルダにインストールしないようご注意ください。
希望のインストール先を指定してから「Next(次へ)」ボタンをクリックしてください。指定されたフォル
ダが存在しない場合は,そのフォルダを作成してもよいかどうかの確認が表示されます。
(4) Setup Type(セットアップの種類)」画面
次に「Setup Type(セットアップの種類)」を選択する画面が表示されます。
[この画面の翻訳]
Setup Type(セットアップの種類)
セットアップの種類をクリックしてから「Next(次へ)」をクリックしてください。
カスタム・セットアップ(Custom)
標準セットアップ(Standard)
説明
このセットアップではすべてのオプションをインストールします。
この標準セットアップが既定及び推奨になっています。
戻る
次へ
キャンセル
初めて PC-SPAN4 をインストールする場合は,このままの状態(Standard)で「Next(次へ)」をクリッ
クして標準セットアップを行ってください。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(5) Select Program Folder(プログラムフォルダ選択)画面
次に「Select Program Folder(プログラムフォルダ選択)」画面が表示されます。この画面で,お使い
のコンピュータのスタートメニューに登録する PC-SPAN のためのフォルダ名を指定することができま
す。
[この画面の翻訳]
Select Program Folder(プログラムフォルダ選択)
セットアップは以下のプログラムフォルダに PC-SPAN のプログラムアイコンを追加します。任意の
フ ォ ルダ 名を 入力 するこ と もで きま す 。又は 既存 フォ ルダ の中か ら 1つを 選 んで そ の中 に
PC-SPAN のプログラムアイコンを設置するよう指定することもできます。
Program Folders(プログラムフォルダ):
PC-SPAN®
Existing Folders(既存フォルダ):
Microsoft ODE Tools
Microsoft Office Tools
Microsoft Reference
Netscape Communicator
Network Associates VirusScan NT
ODBC Drivers – Win 95_NT
Oracle for Windows NT
PartitionMagic by PowerQuest
PC-SPAN®
戻る
10
次へ
キャンセル
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
デフォルトでは,PC-SPAN®という名前のフォルダが作成されます。フォルダを指定してから「Next
(次へ)」ボタンをクリックしてください。
インストール・プログラムが PC-SPAN をインストールします。
(6) ショートカットアイコン作成画面
最後に,PC-SPAN を起動するためのショートカットアイコンをデスクトップに作成するかどうかの確
認メッセージが表示されます。
[この画面の翻訳]
Question(確認)
デスクトップに PC-SPAN を起動するためのショートカットを作成しますか?
はい
いいえ
(7) Setup Complete(セットアップの完了)
ショートカットを作成する場合は「はい」をクリックしてください。(ここでショートカットを作成しても,不
要になればいつでも削除することができます。)
以上でインストール・プログラムが終了し,PC-SPAN4 のセットアップは完了です。「Finish(終了)」ボ
タンをクリックして下さい。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第3章
PC-SPAN4 の基本操作
1.PC-SPAN4の起動
他の Windows のプログラム同様,PC-SPAN4 は以下の方法で起動することができます。
・
「スタート」メニューから選択して起動。
・
デスクトップまたはタスクバーに作成されたショートカットから起動。
・
PC-SPAN4 がインストールされているフォルダの「bin」サブフォルダの span.exe を実行して起動。
・
拡張子「.spn」の SPAN ファイル(このファイルについては,以下で詳しくご説明します)を開いて起
動。
2.PC-SPAN4 の基本画面
PC-SPAN4を起動すると 3 つのサブウインドウ(タブで選択)を持つメインウインドウが開きます。
【データ(Data)ウインドウ】
SPAN リスク・パラメーター・ファイルの読込み,ポートフォリオとポジションの設定,証拠金所要額
の計算を行うためのウインドウです。
【レポート(Reports)】
レポートの確認と印刷を行うためのウインドウです。
【ドキュメンテーション(Documentation)】
PC-SPAN のオンライン・ドキュメンテーションを表示するウインドウです。
タブをクリックして(またはメニューの「表示(View)」で選択して),いつでも任意のウインドウに切り
換えることができます。
3. SPAN ドキュメントのコンセプト
PC-SPAN4 を起動するとデータウインドウに空白の“SPAN ドキュメント”が表示されます。
SPAN リスク・パラメーターファイルの読み込み,ポートフォリオポジションの入力,証拠金所要額の
計算等の作業を行うと,SPAN ドキュメントが編集されます。
マイクロソフト社の Word や Excel あるいは他の Windows アプリケーションと同じように,この SPAN
ドキュメントもメモリ(RAM)上に読み込まれています。しかし,その内容が自動的にハードディスクやフ
ロッピーディスクに保存されることはありません。保存の操作を行った場合に限って保存されます。
ディスクに保存する場合,ドキュメントには任意のファイル名を付けることができますが,最後の「拡
張子」は「.spn」になります。SPAN ドキュメントの既定のファイル名は「span.spn」になっています(変更
せずにこのままの名前で利用することもできます)。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(PC-SPAN をインストールすると,Windows に「.spn」というファイルタイプが「登録」され,「.spn」という
拡張子が付いたファイルは SPAN ドキュメントであると認識されます。エクスプローラで SPAN ドキュメ
ントをダブルクリックすると,PC-SPAN4 が自動的に起動して,ダブルクリックした SPAN ドキュメントが
開きます。)
SPAN ドキュメントは,任意の名前でいくつでもディスクに保存することができます。ディスクに保存し
てある SPAN ドキュメントについて作業を再開したいときは,次のように行なうことができます:
(1) エクスプローラ又は類似のプログラムを使用して開始する場合,SPAN ドキュメントを探し出して
実行します。既にご説明したように PC-SPAN4 が起動し,選択した SPAN ドキュメントが開きま
す。
(2) PC-SPAN4 が起動した状態で,メニューから「File Open(ファイルを開く)」を選択,またはツール
バーの[Open (開く)]ボタンをクリックすると「Open (開く)」ダイアログボックスが表示されます。希
望の SPAN ドキュメントをダブルクリック,または選択して[Open (開く)]ボタンをクリックしてくださ
い。
デフォルト(既定値)では,SPAN ドキュメントは PC-SPAN がインストールされているフォルダの「data
(データ)」サブフォルダに保存されるようになっていますが,どこでも希望の場所に保存することが可
能です。
PC-SPAN4 では「シングル・ドキュメント・インターフェイス」を採用しており,一度に開くことができる
SPAN ドキュメントは 1 つに限られています。ただし,同時に複数の PC-SPAN を起動することができる
ようになっていますので,現在作業中の SPAN ドキュメントを開いたまま別の SPAN ドキュメントの作業
を新たに行う場合には,もう一つ PC-SPAN を起動してください。
PC-SPAN4 で SPAN ドキュメントを一つ開き,前回の保存時から内容を変更した状態になっている
時に新規に SPAN ドキュメントを開く操作を行うと,PC-SPAN4 はその変更されたドキュメントの内容を
メモリから消去して,新しいドキュメントを開く前に,現在開いている変更済のドキュメントを保存するか
どうかを問い合わせます。
4.データウインドウでの作業
データウインドウでは SPAN データが「ツリー構造」で表示されます。この機能は,Windows のエクス
プローラや他のソフトウェアと同様に,階層的にデータを見ることができるようになっています。
「ノード」と呼ばれるデータエレメントの左側に「+」マークが表示されている時は,そのノードを展開す
ることができることを示しています。「+」マークをクリックしてノードを展開すると,その下の階層のデー
タを見ることができます。ノードが展開されているときは「+」マークが「-」マークに変わります。「-」マー
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
クをクリックするとノードは折りたたまれて,先ほどまで表示されていた下の階層のデータは見えなくな
ります。
キーボードからもツリービューを操作することができます。[↑]または[↓]キーを使ってノードを上下
に移動します。展開可能なノードで[→]キーを押すとそのノードが展開されます。折りたたむときは[←]
キーを押します。
ポートフォリオ(portfolio)や商品(contract)等,ツリー状のデータ項目の中には「プロパティ」を持つ
ものもあります。プロパティを表示させるには,いくつかの方法があります。そのデータ項目が選択さ
れた状態であれば,[Enter]または[Alt]+[Enter]で開くことができます。データ項目をダブルクリックして
も開くことができます。あるいは,シングルクリックでそのデータ項目を選択した後,右クリックで「コンテ
クスト」メニューを出して「プロパティ」を選択する方法もあります。
ツリービューで表示されるデータの構造は次のようになっています:
(1) 一番上のレベルには SPAN ドキュメント全体を示すノードが表示されます。
(2) その下にはデータが読み込まれた各々の適時ポイント(point in time)のノードが表示されます。
(3) 適時ポイントのノード毎に,その適時ポイントについて設定されているポートフォリオ(portfolios)
とその適時ポイントについてデータを読み込んでいる取引所グループ(exchange complexes)が表
示されます。
5.基本操作 :SPAN ドキュメントを開く/保存する&SPAN リスク・パラメーター・ファイルの
読込み
(1) SPAN リスク・パラメーター・ファイルのデータを,現在の SPAN ドキュメントに読み込む
ツールバーの[Load (読込み)]ボタンをクリック,またはメニューから「File Load (ファイルの読込
み)」を選択,またはキーボードで[Ctrl]+[L]を押すと「Load File(ファイルの読込み)」ダイアログボック
スが開きます。読み込むファイルを選択してから[Open (開く)]ボタンをクリックしてください。
(2) ディスクに保存されている SPAN ドキュメントを開く
ツールバーの[Open(開く)]ボタンをクリック,またはメニューから「File Open (ファイルを開く)」を選択,
またはキーボードで[Ctrl]+[O]を押すと「Open(開く)」ダイアログボックスが開きます。開きたいファイル
(拡張子「.spn」が付いたファイル)を選択してから[Open(開く)]ボタンをクリックしてください。
注意
変更した SPAN ドキュメント(未保存)が開いているときに別の SPAN ドキュメントを開く操作を行うと,
新しいドキュメントを開く前に,現在開かれている変更済ドキュメントを保存するかどうかの確認メッ
セージが表示されます。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(3) SPAN ドキュメントの保存
ツールバーの[Save(保存)]ボタンをクリック,またはメニューから「File Save(保存)」を選択,または
キーボードで[Ctrl]+[S]を押してください。当該 SPAN ドキュメントが初めて保存するものである場合は
「Save As(名前を付けて保存)」ダイアログボックスが開きます。ドキュメントに名前を付けてから任意
のディスク,フォルダに保存してください。
注意
SPAN ドキュメントの既定の保存先は,PC-SPAN がインストールされているフォルダの下にある
「data」サブフォルダですが,それ以外に,どこでも好きなところに保存することが可能です。
注意
以前から既に存在していた SPAN ドキュメントの場合も,「Save As(名前を付けて保存)」を使って新
しい名前で保存したり,新しい場所に保存することができます。
(4) 現在読込み済みの SPAN ドキュメントをクリアして,新しい SPAN ドキュメントをスタートする
ツールバーの[New (新規作成)]ボタンをクリック,またはメニューから「新規作成(File New)」を選択,
またはキーボードで[Ctrl]+[N]を押してください。
(5) 現在の SPAN ドキュメントから特定適時ポイントのデータを削除する
ツリー上で削除したい適時ポイントを選択し,そこで右クリックしてコンテクストメニューを出してから,
「Delete(削除)」を選択してください。
6.ログビュー(Log View)を使用する
「View(表示)」メニューの「Log(ログ)」をクリックすると「Log View(ログビュー)」の表示と非表示を切
り換えることができます。これまでの PC-SPAN の計算ログ(calculation log)と読み込みログ(load log)
と同じ機能を持っていますが,更に改善を加えています。ログビューの一番上を上下にドラッグすると,
ログビューの大きさを変えることができるようになっています。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第4章
SPAN リスク・パラメーター・ファイルの読み込み
SPAN リスク・パラメーター・ファイルを読み込む場合,PC-SPAN4 のデフォルトでは,PC-SPAN がイ
ンストールされているフォルダの下にある「Data(データ)」サブフォルダを参照するようになっています
が,それ以外に,任意のディスク/フォルダから読み込むことが可能です。
1.SPAN リスク・パラメーター・ファイルのフォーマット
PC-SPAN4 では,以下のフォーマットの SPAN リスク・パラメーター・ファイルをサポートしています
(1) スタンダードフォーマット
:このタイプのファイルには「.par」という拡張子が付いています
(例:cme1028s.par)。
(2) 拡張(エクスパンド)フォーマット:このタイプのファイルには「.pa2」という拡張子が付いています
(例:cdc1028s.pa2)。
注意
JSCCでは当フォーマットを採用いたします。
(3) XML ベースのフォーマット:このタイプのファイルには「.spn」という拡張子が付いています
(例:cme.19991028.s.cust.spn)。
XML とは「Extensible Markup Language(エクステンシブル・マークアップ・ランゲージ)」のことです。
XML ベースの SPAN リスク・パラメーター・ファイルは,SPAN ドキュメントと何ら変わるところはありませ
ん。したがって「Load (読込み)」または「Open (開く)」コマンド,いずれかを使って読み込むことができま
すが,「Load (読込み)」コマンドを使用する場合と「Open (開く)」コマンドを使用する場合には次のよう
な違いがあります:
・ 「Open (開く)」コマンドを使用する場合は,SPAN ドキュメント(XML ベースの SPAN リスク・パ
ラメーター・ファイル又は PC-SPAN4 で保存された SPAN ドキュメント)に限って使用すること
ができます。
・ 「読込み(Load)」コマンドは,すべてのフォーマットの SPAN リスク・パラメーター・ファイル
に使用することが可能です。
注意
清算参加者又はその顧客は,「読込み(Load)」コマンドをご利用ください。
SPAN ドキュメントを開いている場合は,以下のような違いがあります。
・
「Open(開く)」コマンドを実行すると,今開いている SPAN ドキュメントをクリアしてから新規の
16
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
ドキュメントを開きます。
・
「Load (読込み)」コマンドを実行すると,今開いている SPAN ドキュメントのデータに選択した
SPAN リスク・パラメーター・ファイルのデータが追加されます。
ある取引所グループのある適時ポイントについての SPAN リスク・パラメーター・ファイルを読み込む
時に,既にその取引所グループとその適時ポイントに関するデータが現在の SPAN ドキュメントに含ま
れている場合は,読み込んだ SPAN リスク・パラメーター・ファイルのデータによって現在の SPAN ドキ
ュメントのデータが更新されます。つまり,現在の SPAN ドキュメントのデータを消去せずに,SPAN リス
ク・パラメーター・ファイルを再読み込みすることができるということになります。
PC-SPAN4 では, SPAN リスク・パラメーター・ファイルに自由にファイル名を付けることがます。こ
れまでとは異なり,長いファイル名をつけることも可能です。
PC-SPAN4 では,「圧縮(packed)」フォーマット(拡張子に「.pck」が付くファイルで,テキストデータは
EBCDIC コーディングにより,数値データは「圧縮 10 進法(packed decimal)」により保存されています。)
の SPAN リスク・パラメーター・ファイルはサポートしておりません。この形式のファイルに対応している
のは CME と CBOT(シカゴ・ボード・オブ・トレード)のみで,特別な環境にある外部ユーザーのために
提供されていますが,CME と CBOT では,スタンダード・フォーマットの SPAN リスク・パラメーター・ファ
イルも提供しています。
近い将来には,LCH(London Clearing House:ロンドンクリアリングハウス)で使用されている SPAN
の機能を加えた「ロンドン・フォーマット(London formats)」もサポートされる予定です。
2.SPAN リスク・パラメーター・ファイルの入手と解凍について
取引所や清算機関の SPAN リスク・パラメーター・ファイルは様々な方法で入手することができます。
JSCC では, JSCC ホームページ(www.jscc.co.jp)の他,CMF 端末によりご提供いたします。また,
CME の FTP サイト(ftp.cmegroup.com/pub/span/data/)からは,Web ブラウザや「FTP クライアント」ソ
フトウェアを使って,JSCC を含めた清算機関の SPAN リスク・パラメーター・ファイルをダウンロードす
る こ と が で き ま す が , そ の 詳 細 に つ い て は , CME
ウ ェ ブ サ イ ト
(www.cmegroup.com/clearing/risk-management)上の SPAN 関連ページをご覧ください。
なお,JSCC 又は CME の Web サイトで提供している SPAN リスク・パラメーター・ファイルは「zip」形
式(SPAN リスク・パラメーター・ファイルが「zip」ファイルの中に圧縮されていることを意味します)もしく
は自己解凍形式になっています。そのため,JSCC 又は CME の Web サイトからダウンロードした「zip」
形式の SPAN リスク・パラメーター・ファイルを使う前は,そのファイルを解凍する必要があります。解凍
操作を行うためのプログラムはたくさんありますが,PK-Zip や WinZip といったシェアウェアが有名です
(この 2 つの解凍ソフトウェアは PC-SPAN4 の CD-ROM に含まれています)。
17
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第5章
ポートフォリオの設定
1.新規ポートフォリオの作成
新規ポートフォリオは,次のいずれかの方法で作成することができます。
・ ツールバーの[New Portfolio(新規ポートフォリオ)]ボタンをクリックします。
・ キーボードから[Ctrl]+[W]を入力します。
・ 「File(ファイル)」ボタンをクリックして「New Portfolio(新規ポートフォリオ)」を選択します。
・ ツリービューで「Portfolios(ポートフォリオ)」ノードを選択してから[Insert(挿入)]ボタンを押します。
・ ツリービューで「Portfolios(ポートフォリオ)」ノードを選択してから,そのノードで右クリックしてメニ
ューを表示させ「New Portfolio(新規ポートフォリオ)」を選択します。
ツールバー上のボタン又はメニューから新規ポートフォリオの作成を選択した場合で,現在の SPAN
ドキュメントに複数の適時ポイントがある場合は,ダイアログボックスが表示されて,ポートフォリオを
作成する適時ポイントを選択できるようになっています。
上記のいずれかの操作をすると,ポートフォリオ・ダイアログボックスが表示されます。
ポートフォリオ・ダイアログボックスが表示されたら,ポートフォリオのデータを入力します。データの
入力を終えたら,[OK]ボタンをクリックして(または[Enter]キーを押して)そのポートフォリオを保存しま
す。(ポートフォリオを保存しない場合は,[Cancel(キャンセル)]ボタンをクリックしてください。)
2.ポートフォリオ・ダイアログボックスについて
ポートフォリオ・ダイアログボックスにはタブが 4 つあります。
(1) Portfolio Data(ポートフォリオ・データ):当該ポートフォリオの全体情報のメンテナンスを行うこと
ができます。
(2) Positions(ポジション):このポートフォリオのポジションが設定できます。
(3) Performance Bond Requirements(証拠金所要額):このポートフォリオの証拠金所要額を確認す
ることができます(計算されている必要があります)。
(4) Values(価値):このポートフォリオに存在する先物型商品とプレミアム型商品それぞれの全体的
な価値を確認することができます。
通常のタブ付きダイアログボックスと同様に,タブをクリックする(またはキーボードで[Ctrl]+[Tab]を
18
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
押す)ことでタブを切り換えることができます。例えば,「ポートフォリオ」タブから「ポジション」タブに切
り 換 え た い と き は [Ctrl]+[Tab] を , 「 ポ ジ シ ョ ン 」 タ ブ か ら 「 ポ ー ト フ ォ リ オ 」 タ ブ に 戻 る と き は
[Shift]+[Ctrl]+[Tab]を押してください。
「ポートフォリオ」タブ又は「ポジション」タブからポートフォリオの変更を行ない,その変更を保存する
場合は,必ず「OK」をクリックしてください。「OK」をクリックするまでポートフォリオのデータは更新され
ませんのでご注意ください。
3.ポートフォリオの全体データの設定
Portfolio Data(ポートフォリオ・データ)タブでは次の項目を設定することができます:
(1) Parent account(親口座):オムニバス口座のサブアカウントのポートフォリオについて設定を行う
場合は,ここで親のオムニバス口座を選択してください。このような場合を除き,この欄は(non
e)にしておきます。
(2) Clearing firm(清算参加者):該当する清算参加者を識別する任意の数値を入力します。
(3) Account(口座):その清算参加者の特定の口座を識別する任意の数値を入力します(または,
デフォルト値「*** New Portfolio ***」のままにしておきます。
(4) Account Type( 口座 タ イ プ ) :い ず れか の 口座 タ イプを 選 んで くだ さ い 。口 座 タ イプ には ,
「customer-level(顧客レベル)」:清算参加者の帳簿で維持されている口座,又は「clearing-level
(清算レベル)」:清算機関(取引所又はクリアリングハウス)の帳簿上の清算参加者の口座があ
ります。「customer-level(顧客レベル)」のアカウント タイプには,現在,member(参加者),
hedger (ヘ ッジ ャ ー) ,speculator ( ス ペ キュ レ ータ ー) ,omnibus (オ ムニ バス ) が ありま す 。
「clearing-level(清算レベル)」の口座タイプには,現在,normal(通常),member(参加者)があり
ます。
(5) Segregation type(分別タイプ):口座の分別タイプ(「origin(オリジン)」と呼ばれる場合もありま
す。)を任意で設定することができます。現在のところ,CUST(顧客),HOUS(自己)のタイプがあ
ります。分別タイプを指定しない場合は,デフォルトの「N/A」(無し)のままにしておきます。
(6) Portfolio currency(ポートフォリオ通貨):この口座の証拠金所要額を表示する通貨を選択しま
す。
(7) Ledger Balance(レッジャーバランス), Open Trade Equity(計算上の損益額),Securities on
Deposit(代用有価証券評価額):この口座に関するこれらの担保資産の価値をポートフォリオ通
貨建で表示します。通常,これらの欄は,次のように使用します。
・
Ledger Balance(レッジャーバランス):顧客が証拠金として差し入れている金銭の額
19
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
・ Open Trade Equity(計算上の損益額):顧客の先物取引についての計算上の損益額(すべ
ての先物取引について約定値段と清算値段の差に相当する金額を合計した額)
・ Securities on Deposit(代用有価証券評価額):顧客が証拠金の代用として参加者に差し入
れている代用有価証券の評価総額
注意
(7)につきましては,清算機関の制度上,必要な入力項目ではありませんので,入力する必要はありま
せん。
ポートフォリオの全体データの設定にあたって,これまでの PC-SPAN と異なる点は以下の通りとなり
ますので,ご注意ください:
・常識的な範囲であれば,清算参加者又は口座の識別記号/番号(ID)の長さに制限はありませ
ん。
・ある適時ポイントについて,清算参加者又は口座の識別記号/番号(ID)別及び分別タイプ別に,
個別のポートフォリオを作成します。従って,清算参加者 ID と口座 ID が同じで分別タイプが異なる
2 つのポートフォリオを作成するといったことも可能になっています。
・いつでも清算参加者 ID や口座 ID を変更することが可能です。
・ポートフォリオ毎に証拠金所要額を示す通貨を個別に指定することが可能です。すべて異なる通貨
を指定することもできます。
20
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第6章
ポジションの入力
1.ポジション設定
以下に示したように,ポートフォリオ・ダイアログボックスの「Positions(ポジション)」タブを表示する
にはいくつかの方法があります:
・ ポートフォリオ・ダイアログボックスを表示してから「Positions(ポジション)」タブをクリックする。
・ キーボードで[Ctrl]+[E](ポジション編集)を押す。
・ 「File(ファイル)」メニューから「Edit Positions(ポジション編集)」を選択する。
ポートフォリオ・ダイアログボックスの「Positions(ポジション)」タブでは,ポートフォリオのポジション
を設定することができます。
「Positions(ポジション)」タブには 4 つの欄:Exchange(取引所),Product(商品),Product Type(商
品タイプ),そして関連商品の組を指定するための Option Series(オプションシリーズ)があります。こ
れらの欄は,「タイプダウン・ドロップダウン」フィールドと呼ばれており,この中に数値や記号を入力す
ること,又は欄の右側に表示されている▼をクリックして表示されるリストから数値や記号を選択する
ことができるようになっています。
例えば,CME の E-Mini S&P 500 先物商品のポジションを入力するときは,「Exchange(取引所)」で
「CME」を選択し,「Product(商品)」で「ES」を,「Product Type(商品種別)」では「Future(先物)」を選
択します。この先物の先物オプションのポジションを入力する場合は,「Product Type(商品種別)」の
フィールドを「Option on Future(先物オプション)」に変更してから「Option Series(オプションシリー
ズ)」を選択します(January 2001 options on the March 2001 future(2001 年 3 月限先物の 2001 年 1
月限オプション)等)。
これらの欄で数値/記号等を入力すると,スプレッドシートにて現在設定されているポジションが表
示されます:
・ある商品についてポジションを入力する場合,又は既存のポジションを変更する場合は,当該商品
の「Net(ネット)」の列をクリックしてその部分にカーソルを移動して数値を入力します。
・ポジションを削除する場合は,ポジションの数値を「ゼロ(0)」に変更します。
グリッドの移動はマウスの他に,[↑]キー,[↓]キー,[Enter]キーを使って行うこともできます。オム
ニバス口座のポジションを入力する場合は,[Enter]キーを使って「Total Long(トータルロング:ロング
ポジションの合計)」の欄から「Total Short(トータルショート:ショートポジションの合計)」欄に移動して
21
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
ください。
Windows の他のソフトウェアと同様,グリッドのサイズを変更する時は,グリッドの端をマウスでドラッ
グしてください。
2.Position(ポジション)」タブの 2 つの「チェックボックス」欄
・ 選択した商品又はオプションシリーズで,「Contracts with Positions(ポジションのある銘柄)」の左
側の□にチェックを入れると,ポジションの数値がゼロでない商品のみが表示されます。
・ 「All Positions for Selected Exchange Complex(選択した取引所グループのすべてのポジション)」
の左側の□にチェックを入れると,選択した取引所が含まれる取引所グループについてのポートフ
ォリオのすべてのポジションが表示されます。
ポジション毎にネットポジションを 1 つだけ設定する通常口座の場合は,グリッドに「Net(ネット)」欄
は 1 つしか表示されません。
オムニバス口座では,グリッドに 4 つの列(トータルロング,トータルショート,ネーキッドロング,ネー
キッドショート)があります。トータルロングとトータルショートに数値を入力してください。ネーキッドロン
グとネーキッドショートの列は,該当する証拠金所要額を計算すると自動的に更新されます。
3.ツールバーの「Edit Position(ポジション編集)」ボタン
ツールバーの「Edit Position(ポジション編集)」ボタンを使うと,ポートフォリオ・ダイアログボックスの
「Position(ポジション)」タブを素早く開くことができます(キーボードから[Ctrl]+[E]を入力するのと同じ
です)。
特定のポートフォリオを選択した状態で「Edit Position(ポジション編集)」ボタンをクリックすると,そ
のポートフォリオについてのポートフォリオ・ダイアログボックスが直ちに表示されます。
ツリー上で他のノードが選択されていて,複数のポートフォリオが存在している場合,「Select
Portfolio(ポートフォリオの選択)」ダイアログボックスが表示され,ここで,ポジションの編集を行うポー
トフォリオを選択することができます。
22
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第7章
証拠金所要額の計算
ポートフォリオ・ダイアログボックスが開いている場合は[OK]をクリックしてこのダイアログボックスを
閉じてください。
単数又は複数のポートフォリオについて証拠金所要額を計算するには次のような方法があります。
・ ツールバーの「Calculate(算定)」ボタンをクリックする。
・ キーボードから[Ctrl]+[K]を入力する。
・ 「File(ファイル)」メニューで「Calculate Portfolio(s)(ポートフォリオの計算)」を選択する。
・ 任意のポートフォリオを選択してから右クリックでメニューを表示させ,「Calculate Portfolio(s)(ポー
トフォリオの計算)」を選択する。
ポートフォリオを選択していない状態でツールバーの「Calculate(計算)」ボタンをクリックした場合,
またはキーボードから[Ctrl]+[K]を入力した場合は,「Select Portfolio for Calculate(計算用ポートフォ
リオの選択)」ダイアログボックスが開きます。このダイアログボックスを使用して,証拠金を計算した
いポートフォリオを,次のように指定してください:
・ すべてのポートフォリオ。
・ ある適時ポイントのすべてのポートフォリオ。
・ ある適時ポイントの特定のポートフォリオ。この場合,任意のポートフォリオの選択には Windows の
標準的な方法(クリック,[Shift]+クリック,[Ctrl]+クリック)を使うことができます。
特定のポートフォリオについて証拠金計算を実行すると,証拠金の計算が終わってから,証拠金の
内容を確認できるよう,「Performance Bond Requirements(証拠金所要額)」タブが選択された状態で,
当該ポートフォリオについての「Portfolio(ポートフォリオ)」ダイアログボックスが開きます。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第8章
PC-SPAN4 のレポート機能
PC-SPAN4 では,XML(Extensible Markup Language(エクステンシブル・マークアップ・ランゲージ))
の新しい機能と IE5 を使ってレポートを作成します。
1.レポート画面について
メインウィンドウの「Report(レポート)」タブのクリック又はメニューで「View Report(レポート表示)」
を選択して「Report(レポート)」タブを選択すると,一時的な SPAN ドキュメントが作成されて,その一時
ドキュメントが Report module(レポートモジュール)で開かれます。ウインドウには 2 つのページが表示
されます。
(1) 左側は「Contents(目次)」のページで,表示するレポートを選択することができます。
(2) 右側は「Report(レポート)」のページで,選択されたレポートが表示されます。
「Contents(目次)」のペーンにはいくつかの「report folders(レポートフォルダ)」があります。クリック
してこのフォルダを開くと,そのフォルダに含まれているレポートのリストが表示され,もう一度クリック
するとフォルダが閉じます。デフォルトでは,初めて「Report(レポート)」タブが選択されると,「Portfolio
reports(ポートフォリオ・レポート)」が開くようになっています。
作成したいレポートをクリックしてください。
2.レポート・パラメーターの入力
選択されたレポートと適用可能なデータに応じて,レポート・パラメーターを入力するダイアログボッ
クスが表示されます。
例えば,「Positions(ポジション)」レポートを選択して,いくつかの適時ポイント毎に設定されたポー
トフォリオが複数存在している場合,まず最初に,どの適時ポイントを選択するためにダイアログボッ
クスが表示されます。次に,レポートに含める単数又は複数のポートフォリオを選択するためのダイア
ログボックスが表示されます。複数のポートフォリオを選択する際には,[Shift]+クリックや[Ctrl]+クリッ
クを使うことができます。
3.レポートでの作業
メインウィンドウの「Report(レポート)」を選択し,必要パラメーターの選択を終えると,「レポート作
成中のためお待ちください。」という旨のメッセージを示す小さなダイアログボックスが表示されます。
準備が整うと,このダイアログボックスは消滅します。
24
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
「Report(レポート)」ページにレポートが表示されます(レポートページの上方には「Report button
bar(レポートボタンバー)」が表示されます)。各々のボタンの働きは次のようになっています。
● ボタンバーの右側には「Page(ページ)」,「Go To Page(この頁に移動)」,「Page Size(ページサイ
ズ)」の欄があります。
・
「Page(ページ)」ボタンには,そのレポートの総ページ数と現在表示されているページが表
示されます(1 of 6 – 6 ページ中の 1 ページ目)。
・
「Go To Page(この頁に移動)」を使うと,任意のページに直接移動することができます。希望
のページを入力してからボタンをクリックするとそのページが表示されます。
・
「Page Size(ページサイズ)」は 1 ページに含まれるデータの行数を表示します。任意の数字
を入力してこのボタンをクリックすると 1 ページに表示される行数をその数値に変更すること
ができます。この変更を行うと,総ページ数と現在の表示ページの数値が自動的に更新され
ます。
● ボタンバーの中央には[|←](First=最初のページ),[←](Previous=前ページ),[→](Next=次
ページ),[→|](Last=最終ページ)のボタンがあります。[Previous=前ページ]と[Next=次ペー
ジ]を使うと一度に 1 ページずつ前後に移動することができます。[First=最初のページ]と[Last=
最終ページ]を使うとレポートの最初のページまたは最終ページにジャンプすることができます。
● ボタンバーの左側には次のようなボタンがあります:
・
[Hide(隠す)]ボタンをクリックすると「Contents(目次)」ペーンが非表示になり,レポートの表
示ページが広くなります。このボタンをもう一度クリックすると「Contents(目次)」ページが表
示されるようになります。
・
[Print Current Page(現在のページを印刷)]ボタンをクリックすると現在表示されているレポ
ートのページだけを印刷することができます。
・
[Print All Report Pages(レポート全ページ印刷)]ボタンをクリックすると,レポート全体を印
刷することができます。
・
[Save(保存)]ボタンをクリックするとレポートがファイルに保存され,再度実行することなく何
時でも確認/印刷を行うことができます。
ほとんどの場合,既定の「縦長」モードで問題なく印刷できると思われますが,必要に応じて「横長」モ
ードに変更してください。モードの変更は,プリンタのプロパティから行うことができます(プリンタのプロ
パティは,[Print Current Page(現在のページを印刷)]または[Print All Report Pages(レポート全ペー
25
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
ジ印刷)]ボタンをクリックすると表示させることができます)。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第9章
その他
1.ツールメニュー
ツールメニューでは,「Organization Master(オーガニゼーション・マスター)」メンテナンスダイアログ
または「Preference(プリファレンス)」ダイアログを選択することができます。「Organization Master(オ
ーガニゼーション・マスター)」は,従来バージョンの「マスターデータのメンテナンス」画面に相当します。
「Preference(プリファレンス)」は,従来バージョンの「システム全体パラメーターのメンテナンス」画面
に相当します。
2.Organization Master(オーガニゼーション・マスター)のメンテナンス
「Organization Master(オーガニゼーション・マスター)」メンテナンスダイアログでは,オーガニゼー
ション・マスターファイルに含まれている次のようなデータの確認又はメンテナンスを行うことができま
す:
・ Segregation type(分別タイプ)
・ Account Type(口座タイプ)
・ Clearing Organizations(清算機関)及び清算機関毎の Exchanges(取引所)と Products(商品)
・ Business Functions(証拠金業務グループ):クロスマージン協定等,各証拠金業務グループ毎に
ついて,同グループに含まれる Clearing Organization(清算機関),Exchange(取引所),Products
(商品)
・ Currencies(通貨)
「Organization Master(オーガニゼーション・マスター)」のダイアログでは標準的なツリービューを採
用しており,マスターデータの各種項目の確認や表示したい項目の選択を簡単に行なうことができる
ようになっています。各項目について変更・修正を行う場合は,その項目上でダブルクリックして,その
項目のダイアログボックスを表示させてください。
オーガニゼーション・マスターのデータは,「OrgMast.mst」という名前のファイルに格納されています。
このファイルは,従来バージョンでいう「マスターファイル」に相当します。取引所が新商品を発表した
こと,又は取引所で SPAN が導入されたことに伴ってオーガニゼーション・マスターのデータに変更が
加えられた場合は,お客様の手でオーガニゼーション・マスターのデータのメンテナンスを行って下さ
い(又は,CMEWeb サイトの SPAN ページからアップデートファイルをダウンロードして下さい)。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
3.Preference(プリファレンス)のメンテナンス
Preference(プリファレンス)のダイアログボックスにはタブが 2 つ(General Parameters(全般パラメ
ーター)と Calculation Parameters(計算パラメーター))あります。
(1) 「General Parameters(全般パラメーター)」では次の項目を設定することができます:
・ Organization Master File(オーガニゼーション・マスターファイル):オーガニゼーション・マスターフ
ァイルのフルパスとファイル名です。
・ SPAN File Directory(SPAN ファイルのフォルダ): SPAN リスク・パラメーター・ファイルを読み込む
際に PC-SPAN4 が参照するデフォルトのフォルダです。
・ SPAN Report Module(SPAN レポート・モジュール)と SPAN Documentation Module(SPAN ドキュメ
ンテーションモジュール):この 2 つのモジュールのメインページのフルパスとファイル名です。
・ SPAN Document Directory(SPAN ドキュメントのフォルダ):PC-SPAN が SPAN ドキュメントを保存
するデフォルトのフォルダです。
・ Parameter File Loading(SPAN リスク・パラメーター・ファイルの読み込み)には 2 つのチェックボック
スがあり,次の操作を行うことができます:
○ オーガニゼーション・マスターファイル中で「省略マーク」を付ける商品を指定します。このマ
ークの付いた商品は,SPAN リスク・パラメーター・ファイルの読み込み時に無視されます。
特定の取引所グループの特定の商品以外のものを無視したいとき等にこの機能を利用する
ことができます。
○ SPAN リスク・パラメーター・ファイルの中で価格がゼロの商品を指定します。指定された商
品は,ファイル読み込み時に無視されます。
一般的には,これらのパラメーターは全てデフォルトで差し支えありません。ただし,PC-SPAN
ver.3 がインストールされているコンピュータに,PC-SPAN4 をインストールされている場合に限って,
SPAN リスク・パラメーター・ファイルのフォルダを PC-SPAN ver.3 の既定のデータファイルフォルダで
ある「c:\span\data」に変更すると,どのバージョンからも SPAN リスク・パラメーター・ファイルを共有す
ることができます。
(2) Calculation Parameters(計算パラメーター)のセクションでは,通貨の換算パラメーターとログ作成
のパラメーターを指定することができます。
【Currency conversion parameters(通貨換算パラメーター)】では,PC-SPAN が行なう通貨の換算方
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
法を指定することができます。
・ ポートフォリオ通貨では「native currency(自国通貨)」がデフォルトに設定されています。したがっ
て,ポートフォリオの証拠金所要額を日本円で表示する場合は,「native currency(自国通貨)」を
「JPY」に設定してください。
・ 「conversion currency(換算通貨)」は,「クロスレート」で通貨の換算を行なう場合に使用する通貨
(単一の通貨)です。
例えば,あるポートフォリオの商品グループの証拠金通貨が CAD(カナダドル)であり,そのポ
ートフォリオのポートフォリオ通貨が GBP(英ポンド),そして換算通貨が USD(米ドル)の場合,そ
の商品グループの CAD 建証拠金は,まず USD に換算された後,GBP に換算されることになりま
す。
・ 「To Convert to Native Currency(自国通貨に換算)」では,換算通貨から自国通貨に換算する際
に PC-SPAN が使用する換算レートをどのように入手するかを指定します。
○ 「Use Rate from SPAN File(SPAN リスク・パラメーター・ファイルのレートを使用する)」を選
択すると,その商品間グループが属する取引所グループの SPAN ファイルの通貨換算レート
が使用されます。
○ 「Use This Rate(このレートを使用する)」を選択して任意の換算レートを入力すると,そのレ
ートが使用されます。
【Logging(ログ作成)】では,ログに記録するイベントを指定することができます。
・ 「Severity(重要レベル)」では,証拠金所要額の計算時に発生したエラーや警告をどのように処理
するかを指定することができます(計算をログに記録しているか否かに関係なく,この指定を行うこ
とができます)。この指定を行った場合は,エラーだけを記録する,もしくはエラーと警告双方を記
録する,何れかを選択することができます。
・ 「Log What(記録するイベント)」では,どのプロセスをどの程度詳しくログに記録するかを指定する
ことができます。PC-SPAN4 では,SPAN リスク・パラメーター・ファイルの読み込み時とポジション
ファイルの読み込み時に発生した異常なイベントを常に記録しています。しかし,この他に,証拠
金所要額の計算を記録するかどうかの指定と,その場合の詳細を指定することができます。
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第10章
PC-SPAN4 の使用例
ここでは,PC-SPAN4 の基本的な機能(ポートフォリオの作成,ポジション設定,証拠金所要額の計
算,結果の確認等)を使用した例についてご説明します。
1.PC-SPAN4の起動
デスクトップにある PC-SPAN のショートカットアイコンをダブルクリックすること,又は「スタートメニュ
ー」から PC-SPAN を選択することにより,PC-SPAN が起動します。
2.SPAN®リスク・パラメーター・ファイルの入手
PC-SPAN を使用するためには,あらかじめ,特定の単数又は複数の取引所と営業日についての
日々の SPAN リスク・パラメーター・ファイル(単数又は複数)をお使いのコンピュータに読み込んでおく
必要があります。SPAN リスク・パラメーター・ファイルは,JSCC,の Web サイト(www.jscc.co.jp),もしく
は CME の Web サイト(www.cme.com/span/spanfile.htm)から無償でダウンロードすることができます。
詳細については,P.17 をご覧ください。
JSCC 又は CME の Web サイトで提供している SPAN リスク・パラメーター・ファイルは,ダウンロード
の所要時間を短縮するために「zip 形式」もしくは自己解凍形式で圧縮されています。そのため,
PC-SPAN4でこのファイルを利用する際には解凍操作を行なう必要があります。
PC-SPAN4を直ちにお使いいただけるよう,CME が配布する CD-ROM には SPAN リスク・パラメ
ーター・ファイルのサンプルが含まれています。ここでは,このサンプルファイルを使って,PC-SPAN4
の使用方法をご説明します。
30
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
3.SPAN リスク・パラメーター・ファイルの読み込み
PC-SPAN に 2000 年 2 月 16 日付の SPAN リスク・パラメーター・ファイルを読み込んでみましょう。
(1) ツールバーの[Load(読み込み)]ボタン(左から 3 番目のボタン)をクリックしてください。
(メモ:ツールバーのボタンをすべて覚える必要はありません。ボタンをポイントすると,「LOAD(読
み込み)とポップアップ表示されます。
* [Load]ボタンを押す代わりに,「File(ファイル)」メニューから「Load Files...(ファイルの読み込
み)」を選択する,あるいはキーボードでショートカットキー[Ctrl]+[L]を押して読み込みを開始する
こともできます。
(2) 「ファイルの読み込み(Load Files)」ダイアログボックスが表示されます。
(3) ファイル「cme0216s.par」をクリックして選択し,[Open(開く)]ボタンをクリックして読み込みを開始
します。このファイルはスタンダードフォーマット(未圧縮)の CME に関する 2000 年 2 月 16 日付
ファイルです。
(4) ファイルの読み込み中,「Loading SPAN risk parameter files...(SPAN リスク・パラメーター・ファイ
ルを読み込んでいます)」というボックスが表示されます。
31
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(5) 読み込みが完了すると「Data Window(データウインドウ)」の左上方に「+」マークが表示されま
す。
(6) 「+」マークをクリックすると「ツリーのノードが展開」されて,2000 年 2 月 16 日について読み込ん
だデータを見ることができます。
[この画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ レポート ドキュメンテーション
-…Span
-……20000216 最終決済
……ポートフォリオ
+……取引所グループ
Standard Portfolio Analysis of Risk®
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PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(7) 「Exchange Complex(取引所グループ)」の左側の「+」マークをクリックすると,この営業日につい
て読み込まれた CME のデータを確認することができます。
[この画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ レポート
ドキュメンテーション
-…Span
-……20000216 最終決済
…… ポートフォリオ
-…… 取引所グループ
+……C CME-シカゴ・マーカンタイル取引所
Standard Portfolio Analysis of Risk®
33
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
4.ポートフォリオの作成と証拠金所要額の算定
(1) ツールバーの[New Portfolio(新規ポートフォリオ)]ボタン(左から 5 番目のボタン)をクリックしてく
ださい。(ツールバーのボタンをすべて覚える必要はありません。このボタンをポイントすると,
「New Portfolio(新規ポートフォリオ)」とポップアップ表示されます。)
[この画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ
レポート
ドキュメンテーション
-……Span
-……20000216 最終決済
………ポートフォリオ
-………取引所グループ
+………C CME-シカゴ・マーカンタイル取引所
Create New Portfolio(新規ポートフォリオの作成)
34
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(2) このボタンをクリックすると「New Portfolio(新規ポートフォリオ)」のダイアログボックスが表示され
ます。
*[New Portfolio ]ボタンを押す代わりに,「File(ファイル)」メニューから「New Portfolio(新規ポートフ
ォリオ)」を選択する,あるいはキーボードでショートカットキー[Ctrl]+[W]を押して新規ポートフォリ
オの作成を開始することもできます。
[この画面の翻訳]
*** New Portfolio(新規ポートフォリオ) ***-0
ポートフォリオデータ
ポジション
証拠金所要額
価値
Parent Account(親口座)
Clearing Firm(清算参加者)
Account(口座)
Account Type(口座タイプ)
Seg Type(分別タイプ)
Portfolio Currency(ポートフォリオ通貨)
Ledger Balance(レッジャーバランス)
Open Trade Equity(計算上の損益額)
Securities On Deposit(代用有価証券評価額)
OK
35
キャンセル
適用
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(3) ポートフォリオに関するデータを入力してみましょう。
・
Parent Account(親口座):「None(無し)」のままにしておきます。(この欄は,オムニバス口
座のサブアカウントを親のオムニバス口座にリンクさせる場合に使用します。)
・
Clearing Firm(清算参加者):清算参加者を識別する文字や記号を入力してください。
・
Account(口座):上記清算参加者における特定の口座を識別する文字や記号を入力してく
ださい。又はデフォルト(*** New Portfolio ***)のままにしておきます。
・
Account Type(口座):適切な口座タイプを選んでください。ほとんどの場合,以下のいずれ
かに相当します。
■ S-Speculator-Customer(S-スペキュレータ-カスタマー):投機的な一般顧客または仲介業
者。
■ H-Hedge-Customer(H-ヘッジ-カスタマー):ヘッジャー証拠金レートの適用資格を持つ
顧客口座。
■M-Member-Customer(M-参加者-カスタマー):取引所参加者によって保持されており,
参加者証拠金レートの適用資格を持つ顧客口座。
■ O-Omnibus/Speculator(O-オムニバス/スペキュレータ-):ネーキッド・ポジションの証拠金
についてスペキュレーター証拠金レートが適用されるオムニバス口座。
■ Q-Omnibus/Hedge(Q-オムニバス/ヘッジ):ネーキッド・ポジションの証拠金について
ヘッジャー証拠金レートが適用されるオムニバス口座。
ここでは,便宜的に「S-Speculator-Customer(S-スペキュレータ-カスタマー)」を選択しま
す。
・
Seg Type(分別タイプ):この欄はデフォルトの「N/A(無し)」のままにしておきます。この欄で
は,必要時に当該口座の分別タイプ(「origin」)を指定することができます。
・
Portfolio Currency(ポートフォリオ通貨):当該口座の証拠金所要額を表示する通貨を選択
します。デフォルトでは「USD(米ドル)」に設定されています。
・
Ledger Balance(レッジャーバランス):当該口座の現金残高を入力します。
・
Open Trade Equity(計算上の損益額):当該ポートフォリオにおける未決済先物ポジションの
損益を入力します。損失の場合は最初に「-(マイナス)」記号を付けて負の数値で入力してく
ださい。
・
Securities on Deposit(代用有価証券評価額):財務省証券等の現金以外のすべての預託
担保の証拠金価値を入力します。
36
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
*PC-SPAN で受入証拠金額と証拠金所要額を比較したい場合は,レッジャーバランス,計算
上の損益額,代用有価証券評価額の各欄に数値を入力する必要があります。しかし,証拠金
の所要額を知りたいだけで,そのような比較の必要がない場合は,これらの欄の数値をゼロ
のままにしておくことができます。
【入力例】
37
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(4) 次に「Positions(ポジション)」タブをクリックすると,ポジションの入力画面になります。
[この画面の翻訳]
AAA Trading - BBB Customer (USD)
ポートフォリオデータ ポジション 証拠金所要額
価値
Contracts With Positions
□ポジションあり商品
All Positions for Selected Exchange Complex
□選択取引所グループについての全ポジション
Exchange(取引所)
Product Type(商品種別)
Product(商品)
Option Series(オプションシリーズ)
商品
ネット
OK
38
キャンセル
適用
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(5) では,ES 先物(「E-Mini」S&P 500 先物)のポジションを入力してみましょう。
・
「Product(商品)」欄で「ES」を選択します。
・
「Product Type(商品タイプ)」欄はデフォルトの「Future(先物)」にしておきます。
・
2000 年 3 月の商品(「200003」商品)にはポジションとして「55」(55 のロング)を,2000 年 6 月
の商品にはポジションとして「-33」(33 のショート)を入力します。
【入力例】
39
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(6) それでは,他の入力サンプルとして,ここで「Product Type(プロダクトタイプ)」を「Option on
Future(先物オプション)」に変更して,「Option Series(オプションシリーズ)」として 2000 年 3 月先
物の 2000 年 3 月オプションを選択してみましょう。
[この画面の翻訳]
AAA Trading - BBB Customer (USD)
ポートフォリオデータ ポジション
Contracts With Positions
□ポジションあり商品
証拠金所要額
価値
All Positions for Selected Exchange Complex
□選択取引所グループについての全ポジション
Exchange(取引所)
CME‐CME
Product Type(商品種別) Option on Future(先物 Op)
Product(商品)
ES MINI S&P 500
Option Series(オプションシリーズ)
ES Option 200003 on 200003 Future Series
(ES 200003 先物の 200003 オプションシリーズ)
商品
コール 1150
コール 1200
コール 1225
コール 1250
コール 1275
コール 1290
コール 1300
コール 1325
コール 1330
ネット
OK
40
キャンセル
適用
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(7) コール 1380 の部分にポジションとして「52」(52 のロング)を,コール 1400 の部分にポジションとし
て「-100」(100 のショート)を入力します。
41
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(8) 次に,また別のサンプルとして「Product(商品)」を ND(ナスダック 100 先物)に変更し,2000 年 6
月限にポジションとして「-50」(50 のショート)を入力してみましょう。
42
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(9) このダイアログボックス左上方の「Contract With Positions(ポジションがある銘柄)」のチェックボ
ックスと「All Positions for Selected Exchange Complex(選択した取引所グループの全ポジショ
ン)」のチェックボックスをクリックすると,CME について設定したポジションすべてを確認すること
ができます。
*ポジションの数量を変更するときは数値を変更します。ポジションを削除するときは数値をゼロにし
ます。
[この画面の翻訳]
AAA Trading - BBB Customer (USD)
ポートフォリオデータ
ポジション
証拠金所要額
価値
Contracts With Positions All Positions for Selected Exchange Complex
□ポジションあり商品
☑選択取引所グループについての全ポジション
Exchange(取引所)
CME-CME
Product(商品)
CME
CME
CME
CME
CME
ES
ES
ND
ES
ES
商品
先物 200003
先物 200006
先物 200003
先物 200003 のコール 1380
先物 200003 のコール 1400
Product Type(商品種別)
Option Series(オプションシリーズ)
ネット
55
-33
-50
52
-100
OK
43
キャンセル
適用
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(10) 次に [OK]ボタンをクリックしてポートフォリオを保存し([OK]をクリックしないと保存されません),
ポートフォリオ・ダイアログボックスを終了します。以上の操作を終了すると,データウインドウで
このポートフォリオを確認することができます。
[この画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ レポート ドキュメンテーション
-…Span
- 20000216 最終決済
-………ポートフォリオ
+…! AAA Trading – BBB Customer – [USD]
-… …取引所グループ
+…C CME-シカゴ・マーカンタイル取引所
Standard Portfolio Analysis of Risk®
44
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(11) それでは,このポートフォリオの証拠金所要額を計算してみましょう。ツールバーの[Calculate
(計算)]ボタン(「+/-」マークのついたボタン)をクリックして下さい。
[この画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ
レポート
ドキュメンテーション
-…Span
-… 20000216 最終決済
-………ポートフォリオ
+…! AAA Trading – BBB Customer – [USD]
-………取引所グループ
+……C CME-シカゴ・マーカンタイル取引所
Calculate Portfolio(s)(ポートフォリオ計算)
45
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(12) ツールバーの 「Calculate( 計算)」ボタ ン をクリ ッ クすると ,証拠金所要額が 計算さ れま す。
(「Calculate(計算)」ボタンを押す代わりに,「File(ファイル)」メニューから「Calculate Portfolios
(ポートフォリオの計算)」を選択する,あるいはキーボードでショートカットキー[Ctrl]+[K]を押して
計算を開始することもできます。)すると,証拠金所要額の計算が行われて,ポートフォリオ・ダイ
アログボックスに当該口座の証拠金所要額が表示されます。
[この画面の翻訳]
AAA Trading - BBB Customer (USD)
ポートフォリオデータ
ポジション
証拠金所要額
Performance Bond Class(証拠金種別)
価値
Core (コア)
Maintenance Requirements(維持証拠金所要額)
Span Risk(SPAN リスク)
Available Net Option(適用するネットオプション価値)
Total Requirement(所要総額)
Initial Requirements(当初証拠金所要額)
Span Risk(SPAN リスク)
Available Net Option(適用するネットオプション価値)
Total Requirement(所要総額)
OK
46
キャンセル
適用
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
*
Maintenance Requirements(維持証拠金所要額)と Initial Requirements(当初証拠金所要額)
の内容に注意してください。(スペキュレーターカスタマーのポートフォリオでは,維持証拠金よりも
当初証拠金の方がある程度高くなるのが一般的です。)各々について,SPAN Requirement(SPAN
証拠金額)(リスク証拠金所要額 – リスク証拠金とも呼ばれる),Available Net Option Value(適
用するネットオプション価値)(当該ポートフォリオがエクイティスタイル・オプション値のネットロング
のときはプラス,当該ポートフォリオがオプション値のネットショートのときはマイナス),Total
Requirement(証拠金所要額)が表示されます。この例からわかるように,Total Requirement(証拠
金所要額)は,Available Net Option Value(適用するネットオプション価値)を差し引くと SPAN
Requirement(SPAN 証拠金額)と同じ値になっています。
注意
JSCC 制度における当該口座における証拠金所要額は,Maintenance Requirements(維持証拠金所
要額)に表示された値とします。
47
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(13) 次に「Values(価値)」タブをクリックして当該ポートフォリオ全体の価値に関するの各数値を表示さ
せてみましょう。買いオプション価値,売りオプション価値,ネットオプション価値の数値が各々表示
されます。
[この画面の翻訳]
AAA Trading - BBB Customer (USD)
ポートフォリオデータ
ポジション
証拠金所要額
価値
Long Future Value:
(買い先物価値)
3,830,200.00
Long Option Value:
(買いオプション価値)
Short Future Value:
(売り先物価値)
22,713,150.00
Short Option Value:
(売りオプション価値)
147,500.00
Net Future Value:
(ネット先物価値)
18,882,950.00
Net Option Value:
(ネット・オプション価値)
40,900.00
OK
48
キャンセル
106,600.00
適用
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(14) [OK]ボタンをクリックしてポートフォリオ・ダイアログボックスを閉じてメイン画面に戻ってください。
最初に赤色で表示されていたポートフォリオ左側の「!」マークが緑色に変わっていますが,これ
は,このポートフォリオの証拠金所要額が既に計算済みであることを示しています。
[この画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ レポート ドキュメンテーション
-…Span
-……20000216 最終決済
-……ポートフォリオ
+…! AAA Trading – BBB Customer – [USD]
-……取引所グループ
+…C CME-シカゴ・マーカンタイル取引所
Standard Portfolio Analysis of Risk®
49
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
5.レポートの作成
PC-SPAN4 では,お使いのコンピュータに読み込んだ SPAN リスク・パラメーター・ファイルのデータ設
定したポートフォリオのデータ及び証拠金所要額をレポートとして確認及び印刷ができるようになってい
ます。ここでは2つの最も重要なレポートについて簡単にご説明します。
(1) メインウインドウの「Reports(レポート)」タブをクリックしてメインのレポートページを開いてくださ
い。
50
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
[前ページ画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ
レポート
ドキュメンテーション
PC-SPAN® 4 のレポートについて
Contents(目次)
左側にリストアップされているレポートを作成することができます。
Portfolio(ポートフォリオ)
Positions(ポジション)
Requirements(証拠金所要額)
Req. Summary(所要額概要)
Req. Listing (所要額一覧)
Period Deltas (銘柄別ネットデル
タ)
Scan Tiers(スキャンリスク)
Inter Tiers(商品間スプレット ゙割
引)
Intra Tiers (商品内スプレット ゙割
増)
SOM Tiers(売りオプション最低証
拠金)
Req. Datafile
(所要額データファイル)
レポートを作成する場合は,左側リストから対応する項目をクリックしてください。
別の SPAN®ドキュメントを選択するときは,リスト左側の「New Document(新規ドキュメ
ント)」をクリックしてください。
ツールバーのボタンからは以下の操作を行うことができます:
● 現在のレポートページを印刷するときは[Current(現在)]ボタンをクリックしてくだ
さい。
● レポートの全ページを印刷するときは[All(オール)]ボタンをクリックしてください。
● このレポートをファイルに保存するときは[□](フロッピーディスクのマークの付い
たボタン)をクリックしてください。
注意:コンピュータのファイルシステムへのアクセスを供給する ActiveX コントロ
ールの実行を許可する必要があります。
Risk Parameters(リスクパラメー
ター)
● ページを移動するときは<|←><←><→><→|>のどれかをクリックしてく
Master(マスター)
● About
● New Document(新規ドキュメン
ト)
ださい。
● 任意のレポートページに移動するときは任意のページ数を入力してから[Go to
Page:]ボタンをクリックしてください。
● ページの表示サイズを変更するときは任意の数値を入力してから[Page Size:]ボ
タンをクリックしてください。
Standard Portfolio Analysis of Risk®
(2) ページの左側には作成可能なレポートのフォルダが 3 つ(「Portfolio(ポートフォリオ)」,「Risk
Parameters(リスクパラメーター)」,「Master(マスター)」)表示されています(「Portfolio(ポートフ
ォリオ)」フォルダの作成可能なレポートは既に展開されています)。
51
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(3) 「Positions(ポジション)」レポートをクリックしてレポートを作成してみましょう。
[この画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ
レポート
ドキュメンテーション
Contents(目次)
<Hide(隠す)><Current(現在)><All(オール)>
Portfolio
PC-SPAN® 4.00
Positions(ポジション)
(ポートフォリオ)
XML
File(XML
ファイル):C:\TEMP\SPA9.tmp
Positions(ポジション)
Business Date: 02/16/2000 – Settlement--final-Requirements(証拠金所要額)
(営業年月日)
(決済) (最終)
Req. Summary(証拠金概要)
Req. Listing(証拠金一覧)
Ecxh
Comb Exch
Product
Contract
Price
Period Deltas(銘柄別ネットデルタ)
Compl Comm
(商品)
(商品)
(価格)
Scan Tiers(スキャンリスク)
ex
(コンビネ (取引
Inter Tiers(商品間スプレッド割 ( 取 引 ー シ ョ ン 所)
引)
所 ク ゙ ル 商品)
ID Code
Type
ID
Alias
Intra Tiers (商品内スプレッド割 ープ)
増)
Firm :AAA Trading – Account:BBB Customer- Type:S-Speculator
SOM Tiers(売りオプション最低証 (会社名)
(勘定)
(顧客)
(種別)
Customer
拠金)
Req. Datafile
CME
ND
(証拠金データファイル)
CME 226 ND
Fut
2 200006 4077
Risk Parameters
(先物)
(リスクパラメーター)
CME
SP
Master(マスター)
CME 323 ES
Fut
1 200003 1392.8
CME
CME
CME
● About
● New Document(新規ドキュメ
ント)
Standard Portfolio Analysis of Risk®
52
323 ES
324 ES
324 ES
Fut
2 200006
FutOpt124 200003
FutOpt128 200003
1411
41
29.5
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(4) 次に,「Requirements(証拠金所要額)」レポートをクリックしてこのレポートを作成してみましょう。
[この画面の翻訳]
S Span PC-SPAN® v 4.00
<ファイル><編集><表示><移動><ツール><ヘルプ>
データウインドウ
レポート
ドキュメンテーション
Contents(目次)
Portfolio (ポートフォリオ)
Positions(ポジション)
Requirements(証拠金所要額)
Req. Summary(所要額概要)
Req. Listing (所要額一覧)
Period Deltas (銘柄別ネットデル
タ)
Scan Tiers(スキャンリスク)
Inter Tiers(商品間スプレッド割
引)
Intra Tiers (商品内スプレッド割
増)
SOM Tiers(売りオプション最低証
拠金)
Req. Datafile
(所要額データファイル)
Risk Parameters
(リスクパラメーター)
Master(マスター)
● About
● New Document(新規ドキュメン
ト)
<Hide(隠す)><Current(現在)><All(オール)>
Page:
Go to Page:
(この頁に移動)
PC-SPAN® 4.00
PB Requirements(証拠金所要額)
XML File(XML ファイル):C:\TEMP\SPA9.tmp
Business Date: 02/16/2000 – Settlement--final-(営業年月日)
(決済) (最終)
Firm
:AAA Trading – Account:BBB Customer- Type:S-Speculator
Customer
OVERALL FOR PORTFORIO(ポートフォリオ全体)
Portfolio Currency
USD
(ポートフォリオ通貨)
Ledger Balance
23,522.65
(レッジャーバランス)
Open Trade Equity
-22,567.89
(計算上の損益額)
Securities On Deposit
56,422.55
(代用有価証券評価額)
==> Total Equity(エクイティ総額) 57,377.31
Core Maintenance Requirement:
(コア維持証拠金)
Standard Portfolio Analysis of Risk®
53
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(5) レポートは2ページに分かれています(1 ページあたり 50 行)。矢印の付いたボタンを押してペー
ジを移動することができます。
(6) レポートを印刷するときは[All]ボタンをクリックしてください。Windows の「印刷」ダイアログボック
スが開きます。
*印刷の向きは,プリンタの[プロパティ(P)]ボタンをクリックして設定してください。レポートを印刷
する場合は[OK]ボタンを,キャンセルする場合は[キャンセル]ボタンをクリックしてください。
54
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
第11章
PC-SPAN4 のスクリプトについて
◆スクリプト・ユーティリティ
PC-SPAN4 のスクリプトコンポーネントは,“spanit”という Span.exe 本体とは別のユーティリティとして利
用できます。このコンポーネントは,コマンドラインかバッチファイルに以下のコマンドを入力することによ
り呼び出します。
spanit file Name
ここでファイル名は,スクリプトを記述しているファイルのフルパス名を指定します。spanit は,スクリプ
トファイルに記述されたコマンドを実行し,成功の場合には 0 を,重大なエラーが発生した場合には 1 を
返します。
◆スクリプトに関する一般的なルール
スクリプトは通常の ASCII ファイルとして記述してください。ファイル名を付ける場合,ファイルシステム
により設けられている以外の制限はありません。ファイル上のすべてのコマンドは別々の行に記述しま
す(改行を入れます)。
各コマンドに付随するパラメータはカンマで区切って記述します。パラメータとパラメータとの間のスペ
ースはどれだけとっても構いませんし,コマンドとコマンドとの間に空白の行を置いても結構です。
コメントをつける場合は,コマンドとは別の行に設けてください。コマンドキーワードに該当しない語句は
コメントとみなされますが,コメント行は必ず゛//゛で始めてください。誤ったスクリプトは実行しませんが,
すべてのコマンドは,このドキュメントの記載どおりに正確に入力してください。どのコマンドについても,
設定可能な最後のパラメータの後にくる語句は無視されますが,そのようなコメントの書き方はお薦めで
きません。処理スピードの低下を招いたり,将来利用可能となるかもしれないバッチ処理が動作しなかっ
たりする可能性があります。
55
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
◆SPANIT で利用可能なコマンド
Load ファイル名 ,USEXTLAYOUT,営業日,決済フラグ,最終フラグ,営業時刻
(用途)PC-SPAN にファイル名で指定されたファイルを読み込みます。
(パラメータ)
ファイル名:読み込みファイルのフルパス名(必須)
営業日:YYYYMMDD 形式(任意)
決済フラグ:S(=最終),I(=日中)(任意)
最終フラグ:E(=緊急),F(=通常)(任意)
営業時刻:HHMM 形式(任意)
(注釈)
PC-SPAN にファイルを読み込むためにはこのコマンドを使います。このコマンドは,すべてのファイル
形式(*.par,*.pa2,.txt(ポジションファイル),XML)をサポートしています。ポジションファイル(.txt 又
は XML 形式=*.pos)を読み込む場合には,任意設定のパラメータを利用できます。Span4 の拡張様
式による*.txt ポジションファイルを読み込み,この様式のまま利用したいときには,USEXTLAYOUT フ
ラグが利用できます。
そのほかのパラメータでポジションを読み込む(計算を行う)適時ポイント(the point in time)を指定し
ます。特にパラメータを指定しなければ,ポジションはファイルの中で指定されている適時ポイントのデ
ータとして読み込まれます。ファイルに適時ポイントが指定されていなければ,最初に利用できる適時
ポイントが使われることになります。なお,ほとんどの場合,日付だけで適時ポイントが明確にされるた
め,必ずしも適時ポイントを完全に指定する必要はありません。
Calc
営業日,決済フラグ,最終フラグ,営業時刻,PORTFOLIO,参加者コード,
口座コード,分離種別
(用途)PC-SPAN に読み込まれたポートフォリオを計算します。
(パラメータ)
営業日:YYYYMMDD フォーマット(任意)
決済フラグ:S(=最終),I(=日中)(任意)
最終フラグ:E(=緊急),F(=通常)(任意)
営業時刻:HHMM フォーマット(任意)
参加者コード:ポートフォリオの参加者コード(任意)
口座コード:ポートフォリオの口座コード(任意)
分離種別:CUST[顧客],HOUS[機構]区分(任意)
56
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(注釈)
PC-SPAN に読み込まれたポートフォリオを計算するためにはこのコマンドを使います。パラメータが
設定されなければすべてのポートフォリオについて計算を行います。適時ポイントを指定するパラメー
タがあれば,指定された適時ポイントに係るポートフォリオだけが計算されます。ほとんどの場合,日
付だけで適時ポイントが明確にされるため,必ずしも適時ポイントを完全に指定する必要はありませ
ん。適時ポイントのほかに特定のポートフォリオを指定するパラメータがあれば,指定された適時ポイ
ントのうち,関係するポートフォリオについてだけ計算を行います。
Delete 営業日,決済フラグ,最終フラグ,営業時刻,PORTFOLIO,参加者コード,
口座コード,分離種別
(用途)PC-SPAN に読み込まれたポートフォリオを削除します。
(パラメータ)
営業日:YYYYMMDD フォーマット(任意)
決済フラグ:S(=最終),I(=日中)(任意)
最終フラグ:E(=緊急),F(=通常)(任意)
営業時刻:HHMM フォーマット(任意)
参加者コード:ポートフォリオの参加者コード(任意)
口座コード:ポートフォリオの口座コード(任意)
分離種別:CUST[顧客],HOUS[機構]区分
(注釈)
PC-SPAN に読み込まれたポートフォリオとリスクパラメータ・ファイルを削除するためにはこのコマン
ドを使います。パラメータが設定されなければすべてのポートフォリオとリスクアレイ値を削除します。
適時ポイントを指定するパラメータがあれば,指定された適時ポイントに関するものだけが削除されま
す。ほとんどの場合,日付だけで適時ポイントが明確にされるため,必ずしも適時ポイントを完全に指
定する必要はありません。適時ポイントのほかに特定のポートフォリオを指定するパラメータがあれば,
指定された適時ポイントのうち,関係するポートフォリオについてだけ削除を行います。
Save
ファイル名
(用途)PC-SPAN での計算結果を指定されたファイル名で保存します。
(パラメータ)ファイル名:読み込みファイルの完全なパス名(必須)
(注釈)
PC-SPAN での計算結果をファイルに保存するために,このコマンドを使います。計算結果は XML フ
57
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
ォーマットで保存されます。
Log
プロセスリミット,プライオリティリミット
(用途)ログ取得のためのパラメータを指定します。
(パラメータ)プロセスリミット:ログメッセージのプロセス ID の上限(必須)
プライオリティリミット:ログメッセージ優先度の下限(任意)
(注釈)
PC-SPAN のログ取得に係るパラメータを指定するためにはこのコマンドを使います。記述する場所
は問いません。パラメータとして設定可能な値は,
(プロセスリミットに関して)
PROC_ID_LOAD_RISK
=10
PROC_ID_LOAD_POS
=20
PROC_ID_LOAD_XML
=30
PROC_ID_OMNIBUS
=40
PROC_ID_CALC_START
=51
PROC_ID_CALC_PBOND
=60
PROC_ID_CALC_SPREAD
=70
PROC_ID_CALC_LIQ_RISK
=80
PROC_ID_CALC_DETAIL_START
=101
PROC_ID_CALC_SPREAD_DETAIL
=110
PROC_ID_CALC_ LIQ_RISK_DETAIL
=120
PROC_ID_CALC_ POS_DETAIL
=130
PROC_ID_UPPER
=-1
(プライオリティリミットに関して)
PRIORITY_ID_LOW
=-1
PRIORITY_ID_NORMAL
=10
PRIORITY_ID_WARNING
=20
PRIORITY_ID_ERROR
=30
*デフォルトでは 0 と 30(エラーだけがログ取得されます)。
LogSave ファイル名
(用途)取得したログを指定されたファイル名で保存します。
58
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
(パラメータ)ファイル名:読み込みファイルの完全なパス名(必須)
(注釈)
ログを保存するためにはこのコマンドを使います。記述する場所は問いません。
59
PC-SPAN®ver.4 ユーザーズマニュアル
お問合せ先
日本証券クリアリング機構
取引所取引清算グループ SPAN 担当
電話 (03)3665‐1381
FAX (03)3666‐0971
E-mail
60
[email protected]