mp le Sa ■本テキストの作成環境は、次のとおりです。 ・Windows 7 Home Premium ・Microsoft Word 2010(テキスト内では「Word」と記述します。 ) ・画面の設定(解像度) 1024×768 ピクセル ■本テキストは、次の環境でも利用可能です。 ・Windows 7 Home Premium 以外のオペレーティングシステムで Microsoft Word 2010 が動作する環境 (オペレーティングシステムによっては操作画面の表示がテキストと異なることが あります。 ) 「歳時記」シリーズ 第 7 回 mp le 「歳時記」シリーズでは、全 12 回にわたり Word の図形機能を使用して、四季折々の風情を映 し出すイラストの描き方を紹介します。 本シリーズは Word のお絵かきの「中級編」として、より写実的なイラストを描くために図形 機能の[フリーハンド]を使用した図形描画を取り入れています。 シリーズの第 7 回は、春の丘に咲く 1 本の桜の木を描いた「桜の咲く丘」の風景です。 レッスン内容 「桜の咲く丘」を構成するイラストパーツを描いたのち、それらを描画キャンバス内でレイア ウトすることで、 「歳時記」シリーズのイラスト「桜の咲く丘」が完成します。 イラストパーツ 完成したイラスト「桜の咲く丘」 25 桜の木 丘 Sa 雑木林 レッスンの前に ■前提となる知識 ・Word の基本操作およびフリーハンドを含む図形描画の操作ができることを前提としています。 そのため図形描画の手順については使用する図形と描画結果のみを記述しています。 ・描画する図形のサイズは参考値です。おおよそ同じサイズで描画してもかまいません。 ■図形のダウンロード ・このレッスンで描画する図形のサンプルを、次の URL からダウンロードできます。 http://ec.nikkeibp.co.jp/msp/pod/ -2- レッスンの前に 「歳時記」シリーズでの描画方法について 「Word でお絵かき」では、パソコンで手軽にイラストを描く楽しさを体験することを目的に、 図形機能に用意されている図形を組み合わせることで、さまざまなイラストを描く方法を紹介し ています。 mp le 「Word でお絵かき」の中級編となる「歳時記」シリーズでは、図形の組み合わせに加えて、フ リーハンドによる描画や図の調整機能を使用することで、より写実的なイラストを描く方法を紹 介します。 それではレッスンの前に、 「歳時記」シリーズにおけるイラストの描き方のポイントについて確認 しておきましょう。 ● ポイント 1 編集ウィンドウと描画キャンバスの使い方 「歳時記」シリーズでは、次の図のように 1 ページ目にイラストの作成に必要なパーツを描き、 2 ページ目に挿入した描画キャンバス内でパーツを組み合わせることでイラストを完成させます。 描画キャンバスとは、Word の図形機能に用意されている図形描画用のスペースのことです。 編集ウィンドウと描画キャンバスの使い方 2 ページ目に挿入した描画キャンバス内 でパーツを組み合わせることでイラスト を完成させます。 1 ページ目にイラストの作成に必要な Sa パーツを描きます。 -3- ● ポイント 2 イラスト用パーツ 注意 mp le 編集ウィンドウの 1 ページ目に図形機能を使用して「桜の咲く丘」を構成する次の表にあるパーツ を描きます。より写実的な表現が必要なパーツには図形機能の[フリーハンド]を使用します。 パーツを描くための図形のサイズは参考値です。また、各パーツの完成時のサイズは 31 ページ に記述しています。 Word の動作環境の違いにより図形のサイズ に整数を入力して確定すると、 整数は表示され ずに右図のように近似値が表示されることが あります。 パーツの完成図 桜の花 桜の木の幹 サイズを入力 使用する図形 図形のサイズ 雲:3 個 3 個の雲のサイズ 図形の高さ 22mm 図形の幅 32mm フリーハンド 図形の高さ 20~25mm 程度 図形の幅 30~35mm 程度 Sa 図形の高さ:22mm 図形の幅:32mm 図形の高さ:19mm 図形の幅:32mm 図形の高さ:26mm 図形の幅:32mm 雑木林 確定後の表示 塗りつぶしの色 塗りつぶしの色 パターン:紙ふぶき(大) <前景色> R:255 G:0 B:255 <背景色> 白 塗りつぶしの色 <テクスチャ> 木目 <アート効果> ガラス 塗りつぶしの色 薄い緑 <アート効果> 水彩:スポンジ セメント ぼかし 枠線の色 と太さ 線なし 線なし 線なし 雲:3 個 丘 フリーハンド 図形の高さ 25~30mm 程度 図形の幅 140~145 mm 程度 -4- 塗りつぶしの色 グラデーション <アート効果> セメント ガラス 線なし ● ポイント 3 [図を挿入/貼り付ける形式]を[前面]に設定 mp le 編集ウィンドウ内でパーツを自由に移動できるように、 [Word のオプション]の[詳細設定]で [図を挿入/貼り付ける形式]を[前面]に設定します。すでに[図を挿入/貼り付ける形式]が [前面]に設定されている場合は、この操作は必要ありません。 [図を挿入/貼り付ける形式]を[前面]に設定する操作手順については、 「歳時記」シリーズ 第 1 回「秋の夕焼け」の 8 ページを参照して下さい。 ● ポイント 4 図形のパーツを PNG 形式の図に変換 図形機能で描画したパーツはアート効果を設定するために PNG 形式の図に変換します。複数の アート効果を設定する場合は、その図に設定したアート効果を維持するために追加のアート効果 を設定する直前に PNG 形式の図に変換します。 図形を PNG 形式の図に変換する操作手順については、 「歳時記」シリーズ 第 1 回「秋の夕焼け」 の 5 ページを参照して下さい。 ● ポイント 5 アート効果 [アート効果]の詳細については「歳時記」シリーズ 第 1 回「秋の夕焼け」の 7 ページを参照 して下さい。 ・ 「桜の花」 「桜の花」は、春の丘に咲く満開の桜の花のイメージを表現するために[図形機能]の[雲] を組み合わせて描いた「桜の花」を PNG 形式の図に変換した後、 [図ツール]の[調整]グ ループにある[アート効果]の[マーカー]と[ぼかし]を使用します。 アート効果(マーカー) Sa 図形描画 ( [雲] の組み合わせ) PNG 形式の図に変換 アート効果( [ぼかし] ) 完成 -5- mp le ・ 「桜の木の幹」 「桜の木の幹」は木肌を表現するために、 [図形機能]の[フリーハンド]で描いた図形に[図 形の塗りつぶし]の[木目のテクスチャ]を設定した後、 [図ツール]の[調整]グループに ある[アート効果]の[ガラス]を使用します。 [図形の塗りつぶし]の[テクスチャ]を設定した図形には[図ツール]の[調整]グルー プの[アート効果]の機能が使用可能となります。 図形に[塗りつぶし]の[テクス チャ]を設定すると、 [図ツール] タブも表示され、 [図ツール]の [調整]グループの[アート効果] の機能が使用可能となります。 アート効果( [ガラス] ) 完成 図形描画( [テクスチャ] :木目) Sa ・ 「雑木林」 「雑木林」は新緑の木々を表現するために、 [図形機能]の[雲]を組み合わせて描いた「雑 木林」を PNG 形式の図に変換した後、 [図ツール]の[調整]グループにある[アート効果] の[水彩:スポンジ] 、 [セメント] 、 [ぼかし]を使用します。 図形描画( [雲]の組み合わせ) PNG 形式の図に変換 PNG 形式の図に変換 アート効果( [セメント] ) アート効果 ( [水彩:スポンジ] ) アート効果( [ぼかし] ) -6- トリミングして完成 ・ 「丘」 「丘」は土と草を表現するために、 [図形機能]の[フリーハンド]で描いた図形を PNG 形 式の図に変換した後、 [図ツール]の[調整]グループにある[アート効果]の[セメント] と[ガラス]を使用します。 図形描画(フリーハンド) mp le PNG 形式の図に変換 PNG 形式の図に変換 アート効果( [ガラス] ) アート効果( [セメント] ) トリミングして完成 ● ポイント 6 図の縦横比の固定の解除 図形を PNG 形式の図に変換すると、図を拡大・縮小するときに図の高さと幅が連動します。 Sa PNG 形式に変換した図のサイズを設定するときには[図ツール]の[書式]タブの[サイズ]グ ループの右端にある[ダイアログボックス起動ツール]をクリックして表示される[レイアウト] ダイアログボックスで、 [サイズ]タブの[倍率]セクションにある[縦横比を固定する]のチェ ックボックスのチェックを外します。 画面解像度の違いにより[ダイアログボックス起動ツール]の表示場所が異なることがあります。 画面解像度の違いに よる表示位置 [縦横比を固定する]のチェック ボックスのチェックを外します。 -7- Step 1 桜の木 操 作 開 始 mp le 編集ウィンドウの1 ページ目の上部左端に[雲]を使用して次の設定の「雲 ①」を描きます。 [サイズ]-[図形の高さ] :22mm [図形の幅] :32mm [図形の塗りつぶし]- 既定の色のままでかまいません。 [図形の枠線]- 線なし 「雲 ①」の下部に「雲 ①」を 2 個複製します。それぞれ「雲 ②」 、 「雲 ③」とします。 「雲 ①」 複製 「雲 ②」 「雲 ③」 「雲 ②」をクリックします。 「雲 ②」が選択されている状態で[描画ツール]の[書式]タブをクリックします。 [配置]グループにある[回転]をクリックします。 Sa 表示されるメニューから[その他の回転オプション]をクリックします。 -8- [サイズ]タブの設定項目が表示された[レイアウト]ダイアログボックスが表示されます。 mp le [回転]セクションにある[回転角度] の数値ボックスに「340」と入力します。 (角度の単位「 °」は自動的に付加さ れます。 ) [OK]ボタンをクリックします。 「雲 ②」が 340°回転します。 Sa 「雲 ③」 をクリックして選択した後、 このStepの 回転させます。 から までと同様の操作で 「20°」 「雲 ③」を「20°」回転さ せます。 -9- 編集ウィンドウの上部右端に「雲 ①」 、 「雲 ②」 、 「雲 ③」を次の図のように組み合わせます。 「組み合わせ参考図」を参照に、おおよそ同じ形になるよう組み合わせてかまいません。 「雲 ①」 、 「雲 ②」 、 「雲 ③」 を組み合わせます。 「雲 ①」 「雲 ③」 mp le 「雲 ②」 図形の組み合わ せの確認のため に組み合わせる 前の図形も表示 しています。 「組み合わせ参考図」 「雲 ②」をクリックします。 「雲 ②」が選択されている状態で[Ctrl]キーを押しながら続けて「雲 ①」と「雲 ③」を クリックして選択します。これ以降、 [Ctrl]キーを使用して複数の図形を選択する方法を 「 [Ctrl]キーを使用して複数の図形や図を選択する方法」と記述します。 「雲 ①」 、 「雲 ②」 、 「雲 ③」が選択されている状態で[描画ツール]の[書式]タブをクリ ックします。 Sa [配置]グループにある[グループ化]をクリックします。 表示されるメニューから[グループ化]をクリックします。 Ctrl Ctrl - 10 - 「雲 ①」 、 「雲 ②」 、 「雲 ③」がグループ化されます。これを「桜の花(図形) 」とします。 「桜の花(図形) 」が選択されている状態で[描画ツール]の[書式]タブをクリックします。 mp le [図のスタイル]グループの右端にある[ダイアログボックス起動ツール]をクリックします。 「桜の花(図形) 」 [図形の書式設定]ダイアログボックスが表示されます。 Sa [図形の書式設定]ダイアログボック スの左端のメニューから[塗りつぶし] をクリックします。 [塗りつぶし]セクションの[塗りつぶ し(パターン) ]をクリックします。 [前景色]の右端にある[下向き三角 (▼) ]ボタンをクリックします。 表示されるカラーパレットから[その 他の色]をクリックします。 - 11 - [色の設定]ダイアログボックスが表示されます。 [カラーモデル] が RGB の状態で [赤] (R) 、 [緑] (G) 、 [青] (B)の数値ボ ックスに次の設定をします。 [赤] (R) :255 [緑] (G) :0 [青] (B) :255 [OK]ボタンをクリックします。 mp [背景色]の右端にある[下向き三角 (▼) ]ボタンをクリックします。 le [ユーザー設定]タブをクリックします。 Sa 表示されるカラーパレットから[白] をクリックします。 (すでに[背景色]が「白」に設定さ れている場合は、この操作は必要あ りません。 ) パターンの一覧から[紙ふぶき(大) ] をクリックします。 [閉じる]ボタンをクリックします。 - 12 - 「桜の花(図形) 」に桜の花のベースとなるパターンが設定されます。 「桜の花(図形) 」が選択されている状態で[ホーム]タブをクリックします。 [クリップボード]グループにある[切り取り]をクリックします。 mp le 「桜の花(図形) 」が切り取られます。 [クリップボード]グループにある[貼り付け]の文字の部分をクリックします。 表示されるメニューから[形式を選択して貼り付け]をクリックします。 「桜の花(図形) 」が 切り取られます。 [形式を選択して貼り付け]ダイアログボックスが表示されます。 [貼り付ける形式]から[図(PNG) ]をクリックします。 Sa [OK]ボタンをクリックします。 - 13 - 「桜の花(図形) 」が PNG 形式の図に変換され、編集ウィンドウの中央付近に貼り付きます。 mp le 「桜の花(図形) 」を編集ウィンドウの上部右端に移動します。これを「桜の花(図) 」とし ます。 「桜の花(図) 」 「桜の花(図) 」が選択されている状態で[図ツール]の[書式]タブをクリックします。 [調整]グループにある[アート効果]をクリックします。 Sa 表示されるアート効果の一覧メニューから[マーカー]をクリックします。 - 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