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KOKORO--NET
KOKORO
in 神戸
創刊号
発行所 「KOKORO-NET in 神戸」事務局
No.1 1997.11.1
〒657 神戸市灘区鶴甲1-2-1 神戸大学留学生センター(瀬口研究室) TEL/FAX 078-803-0043
KOKORO-NET in 神戸
神戸の
の
このような状況の中、1996 年11 月に神戸地
誕生によせて
誕生
によせて
域で<KOKORO-NET in 神戸>が誕生致しま
した。KOKORO-NET の活動は留学生や外国人
神戸大学では、40数か国から500名を超え
研究者の家族と共にあるもので、交流、文化活
る留学生が日夜勉学・研究に励んでいます。その
動、情報提供、アテンダント・サービスなどの
内、およそ、3人に1人が家族(配偶者・子供)
日常的なふれあいを通して、側面からの生活適
と共に暮らしています。それは学生といっても、
応支援と相互理解をはかることを目的として
ほとんどの人が大学院に所属し、年齢の上でも2
います。
0歳代後半から30歳代前半の方がそのほとん
短期、長期滞在にかかわらず、外国の方々
どを占めているからです。
とも地域の隣人として普段着のお付き合いが
また、
外国人研究者の受け入れも盛んで、
短期、
長期を含め年間300名を超える招聘教授・研
できれば、私たちとしても学ぶべきことが多い
のではないでしょうか。
究者が40数か国から来ています。この中にもご
現在は、この活動を通じて友達になった家
家族を伴っての来日があります。
族の皆さんと KOKORO-NET のメンバーの創
ところで、これら家族の方々はどうしているので
意・工夫・知恵で以て、少しずつ活動を進めて
しょうか?子育てに不安を抱きつつも子供を連
います。そして、満1歳のお誕生日にささやか
れて来日した人もいるでしょう。本国での仕事を
ながらもニュースレター創刊の運びとなりま
辞めて来た人もいるでしょう。日本語はもちろん
した。
のこと、母国語以外の言葉はまったくわからない
今後も皆さんと共にある KOKORO-NET とい
人もいるでしょう。人それぞれに事情は違うでし
う気持ちを失わず、活動を続けて行きたいと思
っております。(せ)
ょうが、日本という異文化環境の中におかれた家
族の人は、価値観や考え方、言葉の壁、衣食住の
面でも日頃慣れ親しんでいる世界とは異なる文
活動の記録[1996.11~1997.10]
化の特性から生じるさまざまな問題にぶつかる
・ 神戸市内見学(CITY-LOOP TOUR)
と思います。しかも、日本では親兄弟や友人、知
・ お茶の会
人のサポートもあまり得られない状況の中で
日々の生活を始めなければなりません。
・ お弁当作り
・ ゆかたまつり
・ アテンダント・サービス・例会(月1 回)
・
1
定例お
定例
お茶の会
7 月には日本の夏の情緒を体験的に紹介
KOKORO-NET の活動として一体どんなことを
してはということで、「ゆかた」を着てみ
すれば本当に喜ばれるのだろうということを
たり、和菓子とお抹茶を味わってみたりし
話し合ううち、とにかく留学生・研究者の家族
てもらいました。好みのゆかたと帯を選び、
の方々と定期的に出会える場を設けようとい
着付けをしてもらうときの嬉しそうな様
うことになりました。親しみを感じる交流の輪
子、それを手伝う私たちの楽しさ、写真か
を作れば、望まれることも見えてくるのではな
らもご想像ください。(4 面)
うんと個性的で機知に富んだ企画によ
いかとの考えからでした。
そして毎月第3 火曜日2 時~4 時、神戸大学
り、日本での生活に役立つさまざまな情報
インターナショナルレジデンスでの「お茶の
を提供…という意義よりも、そこに行けば、
会」がスタートしました。
親身な友達とのくつろいだ時間がありそ
第1回目は4 月15 日、期待と不安が入り交
う、そんな KOKORO-NET ならではの心のこも
じってのふた開けでしたが、
15 名の参加者があ
った気負いのないお茶の会がいいと思いま
り、ほっと胸をなでおろしました。
す。うちとけた気分から、ほろっと出た問
第2 回、第3 回と回数を重ねる毎に、最初の
題に少しでもお手伝いできるときは、喜ん
緊張もとれ、くつろいだ雰囲気になりました。
でできる範囲のことをしたい、その気持ち
スタッフ手作りのお菓子も好評でした。
が漂っていればいいでしょうね。(み)
CITYKOBE CITY
-LOOP TOUR
1996 年11 月9 日土曜日 神戸市営バスCITY
LOOP を使って、神戸のいろいろな所を巡りまし
た。参加者は KOKORO-NET のスタッフ6 名と、ま
だ一回目の行事で KOKORO-NET の存在が知られ
ていなかったせいかパキスタンのナーズさんと
子供さんのサラちゃん(7 歳)、サバちゃん(6 歳)
の 3 人だけでしたが、大変楽しい秋の一日を過
ごすことができました。
朝 10 時に JR 三宮駅に集合。日本へ来て初め
ての奥様達だけの外出とのことで、神戸大学博
士課程で勉強中の御主人が送って来られまし
まず歩いてサンパル、区役所、図書館、さんち
か等を案内し、CITY-LOOP の一日券(650 円)を
購入してバスに乗り、北野町方面に向かいまし
た。新神戸ロープウェー前で下車、OPA で昼食
にしました。その後、新神戸オリエンタルホテ
ルの 36 階から神戸の市街地を展望。ナーズさ
んたちの住んでいるポートアイランドもよく
見えました。またバスに乗りハーバーランド
へ。モザイク、キャナルガーデン、ハーバーサ
ーカスでは、みなと神戸らしい風景を見、子供
達も楽しめました。(次ページへ)
た。
2
お弁当づくり
弁当づくり
ナーズさんは「大変、良かった。帰国して
も絶対忘れない」と、とても喜んでくださ
日本の伝統的な?お弁当を作りました。
り、初めての試みで、少し不安のあったス
数多くのメニューから、全員が卵焼きに挑
タッフ一同も安心しました。長年、阪神間
戦、出来栄えは上々でした。(い)
に住んでいるスタッフにも色々新しい発見
もあり、復興しつつある神戸、変わりつつ
ある神戸も実感しました。また、近いうち
に次回のツアーを予定していますので、ま
だ日本に来たばかりという方も、もうすっ
かり慣れたという方も一度参加してみませ
んか?実施の日時や行き先など希望があれ
ばお聞かせください。一緒に神戸の今、人、
街を見に行きましょう。(と)
今まであまり困らなかったんです。大震災の
時、家は全壊しました。「あ、死ぬだろう」と
思ったけど、神の恵みで助けられました。運動
場での避難生活、大阪まで私たちを車に乗せて
呉 京一さん(韓国)
くれた大丸の社員、また部屋がなくて困ってい
私は日本に来てもう 4 年ちかくになりま
る私たちを公団住宅に住めるようにしてくだ
した。振り返ってみると本当にいろいろ経
さった神戸市国際交流協会、外国人ですけど、
験しました。私は日本語学校の学生として
あたたかく扱ってくれる近所に住んでいる日
きたから、勉強もしないとだめでした。1 才
本人、これらのことがあったから、今は全然不
のマリアを保育所に預けて、西代の YMCA
便を感じなくて生活に専念できると思います。
学校まで、電車から降りたらいつも走りま
また留学生の寮に住んでから、
した。やっと 4 月に主人が神戸大学大学院
KOKORO-NET を通して、いろいろな国の人と
に入って、VISA の心配をしなくても大丈夫
付合いができて余り寂しくもないし、学校や子
になりました。パートさんとしてちょっと
どものための情報などをもらってすごくいい
だけアルバイトしたんですけど、二人目の
です。現在は、まだまだ下手である私の日本語
子どもができてしまいました。生活がきつ
のために一生懸命に頑張っています。この日本
いのにどうしようと、すごく心配しました。
でも、出生に対するいい福祉のため、
語をいつのまにか私が国際人として使えるこ
とを期待しながら。
3
ナーズさん
ナーズさん
さん、
、サナちゃん
サナちゃん
ちゃん、
、
サバちゃん
ちゃん、
サバ
ちゃん
、帰国
特に回を重ねるにつれ、本当に楽しそう
パキスタンから、昨年の夏来日されたナー
にされ、サバちゃんも他の参加者の赤ちゃ
ズさんが、8 月 17 日、帰国された。港島小学
んに慕われるなど、当会にとっては、今回
校二年生だったサナちゃんの教育問題が帰国
の帰国は寂しい限りである。
の理由で、向こうの学校が9 月1 日から始まる
8 月17 日朝、関空行きリムジンバス乗り
ため、この日の帰国となった。
場へ涼しそうなサリー姿のナーズさんと、
ナーズさん一家と初めてお会いしたのは、
赤いランドセルと両手におもちゃの入った
昨年 11 月 9 日、当会第1回目の企画「神戸シ
袋をさげたサナちゃん、サバちゃん、研究
ティループ・バスツアー」に参加された時だっ
のため、もうしばらく滞在される、心なし
た。12 月末にポーアイの自宅を訪問した際に
か寂しそうなご主人が到着した。
は、お国の料理とミルクティをご馳走になり、
「KOKORO-NET のみなさんに本当にお礼を言
サバちゃんの幼稚園へのお迎えに同伴した。園
いたい。私自身、日本人とあまり接してい
庭で友達と走り回るサバちゃん、他のお母さん
なかったので、来日した時はどうしようか
達と、かなり聞きやすくなった英語で会話する
と思いました。ありがとうございました」
ナーズさんの姿をみて一安心した。その後も、
とご主人の弁、「みなさんによろしく。パ
お茶の会、お弁当講習会、ゆかたを着る会に参
キスタンへ来られたら寄って下さい」とナ
加して下さった。毎回違う美しいサリーを着た
ーズさん。KOKORO-NET の第 1 号会員だった
笑顔が印象深い。
ナーズさん。思い出はつきない。(き)
アルバムから
アルバムから
お茶の会
1997 年度 行事
4/15 例会、お茶の会
5/20 例会、お弁当作り
6/17 例会、お茶の会
7/8 例会、ゆかた祭り
9/16 例会
10/.21 例会、お茶の会
11/3 交流会(須磨水族館)
市内案内
12/16
1/20
2/17
3/17
ゆかた体験
例会、お茶の会
新年会
例会、お茶の会
総会
随時 ループツアー
随時 アテンダント・サービス
4
ひとこと
創刊号がやっとできました。歩
き始めたばかりの小さなグル
ープ活動です。応援してくださ
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編集室(い・た)