秦家便り はた け 秦家便り

◎秦家住宅が新聞に紹介されま
した。
◆京都新聞︵2013年6月22日付︶
毎月第4土曜日 地域プラスの紙面
で連載されている
走りもとから
③夏の終わりを告げるおかず
きごしょ 葉
( とうがらし) 唐辛子は、夏の食卓の脇役として毎日
のように重宝する野菜です。直火でサッ
と焼き、濃い口醤油をかけるだけの手間
勝章と巡る﹂に、
暑さ負けした体をシャキッとさせる効果
しての相性もよく、その香りと風味は、
要らずな獅子唐は、焼き魚の付け合せと
京町家と生活に根
があります。また、長唐辛子を削り節の
﹁技と美の庭園小川
付いた庭として当
香りといっしょに甘辛に炊きあげた﹁な
唐辛子の枝﹁きごしょ﹂です。
畑から引抜かれた枝には、できかけ
の唐辛子や、白い可憐な花も付いたま
ま安価で売らています。これを買って
きて、枝から葉をちぎり取り甘辛にカ
ラッと炊き上げ刻んだ﹁きごしょの炊
いたん﹂の爽やかな刺激は、ご飯のお
■書籍案内
﹄
﹃京町家 SUIKO BOOKS
新谷 昭夫 著
神崎 順一 写真
光村推古書院 定価1050円︵税込︶
﹃京の町家
おりおりの季節ごはん﹄
秦めぐみ 著 扶桑社 定価 1680円︵税込︶
﹃秦家住宅 京町家の暮らし﹄
新建新聞社
定価2800円︵税込︶
■秦家からのご案内
●見学︵前日までに要予約︶
・九時半∼十六時半まで
・見料 一人 一般 1000円
高校生 800円
中学生 500円
●料理 秦家︵4、5日前に要予約︶
・昼︵十二時∼十五時︶
・夜︵十八時 二十一時︶
料金 昼 5000円
夜 8000円
10000円
献
※立は当方で用意しています。
●秦家 料理の会
予約制︵5名以内のグループ︶
参加費 3000円︵基本料︶
●秦家 親子会
毎月開催。案内の詳細は
ホームページにUPしています。
●利用︵勉強会、講座、句会など︶
利用に際してはお問合せください。
強い日差しも気
月の親子会は、ほんの少しでも送り火の本
こともしばしばあって残念なことです。8
文字焼き﹂などと、誤った呼称を耳にする
が、花火見物のように捉えられがち。﹁大
は京の夏の風物詩として知られています
8月16日に行われる﹁五山の送り火﹂
てくれました。
爽快な風が迎え
到着した親子を
て給水。山頂は
ところで休憩し
五分ほど登った
歩きました。十
にせず、元気に
来の姿にふれることができればと実施しま
竹の皮に包んだ手弁当
玄米おにぎり、梅干、焼きのり
で数日間は日持ちする。
③仕上げに削りがつおを加える。冷蔵庫
る。
どなくなるまで混ぜながら、炒り煮にす
うゆを入れ、強めの中火で水分がほとん
水分が出てきたら酒、三温糖、薄口しょ
②鍋に①を入れて火にかける。木胡椒の
し、ざるに上げる。
①木胡椒は葉だけをちぎり取り、水洗い
木胡椒の葉 200
g・酒大さじ ・
4三温糖
大さじ ・
・
1薄口しょうゆ大さじ 1 1/2
削りがつお つ
1 かみ︶
作り方
材料︵作りやすい量︶
○木胡椒の炊いたものレシピ○
その頃に、﹁きごしょ﹂は出回ります。役割の終わりかけた葉付きの
テ硬くなり、そろそろ食べごろの時期も終わりかな。と思うちょうど
月半ばの最盛期を過ぎて長けてくると、同じように炊いてもゴワツイ
炊くと柔らかな皮肌が口当たりのいい﹁ながとう﹂も、7月から9
は、伏見唐辛子でした。
んでいますが、わが家で昔から﹁ながとう﹂と呼んで親しんできたの
の種の唐辛子も、鹿ケ谷、山科、万願寺など産地名を付けて店頭に並
せて良く考えられたおかず。近年、京野菜の普及促進の流れから、こ
との相性がよく、食欲の落ちた時にあわ
がとうの炊いたん﹂は、アツアツのご飯
家の庭が掲載され
ました。
◆日経新聞︵2013年7月11日付︶
毎月第2木曜日
掲載、
﹁日経アー
トレビュー身近
に潜む﹃美﹄の」
発見﹂で、京の
伝統家屋として
紹介されまし
た。
◎訃報
十三年間、秦家
を訪れる人たちを
出迎え、見送って
んだ一品。食欲を引き出してくれる、
供に、また酒の肴にもなる嗜好性に富
6月1日彼岸へ旅
暑気払いを兼ね備えたこの時期にだけ
くれたムーンは、
立ちました。長年
京都
秦家
作るおかずです。
はた け
した。9時、秦家に集合した親子から半紙
に﹁無病息災﹂﹁家内安全﹂の文字を書き、
を作りました。竹の皮に包んだシンプル手
たあとでしたが、
さんの人が拾っ
引き続き、炊き立ての玄米ご飯でおにぎり
弁当を持って銀閣寺へ出発しました。
地元保存会の皆
烏丸通
醒ヶ井通
堀川通
油小路通
のある末松先生
さんとの繋がり
今回は、末松先生に同行いただいたお陰
が事前に数本用意していただいた消し炭を
3才の妹も飛び入り参加。一緒に登りました。
消し炭を拾った!
「火床」と「消し炭」
銀閣寺町の歴史も学ぶ
京都造形藝術大学 末松先生の案内 で、大文字山麓
内緒で火床に置いていただいたので、参加
右になるように結ぶ。
4
[ 交通 ]
■地下鉄「四条」下車、徒歩 13 分
■バス「四条堀川」下車、徒歩5分
バス「西洞院仏光寺」下車、徒歩3分
高辻通
● 秦家住宅
仏光寺通
・紅白の水引で結ぶ時は、赤色が
1
綾小路通
京都市下京区油小路通仏光寺下ル太子山町 594
TEL/FAX:075(351)2565
E-mail:[email protected]
URL:http://www.hata-ke.jp
Facebook:http://www.facebook.com/hata.house
●
● 四条堀川
地下鉄
四条駅
ねじって挟んで止める。
消し炭拾いに登頂 !
四条通
【連絡先】
京都 秦家
竹の皮を細く裂き、キリリと
第三号
2013年9月発行
大文字山「火床」の傍で記念撮影
の貢献、ありがと
無病
親子会
市バス
・竹の皮を使った包みむときは、
界隈や、送り火
になります。
した家族で分けて持ち帰ることができまし
・送り火で燃やした後の消し炭は、無病息災のお守り
についての貴重
神聖な場。足を置いたり、座るとバチがあたります。
た。 ・護摩木を燃やす場所「火床(ひどこ)」は、先祖を送る
秦家便り
第3回 「お盆の心にふれる」 2013.8.17( 火)
守り 送り火を終えた大文字山
お
の
災
息
消し炭拾い
みんな真剣に
前夜からたく
末松先生のお話を聞く
なお話を伺う機
会も得たこと
で、大人にとっ
ても興味深い親
子会になりまし
た。
元気な足取りで
快晴の山頂は爽やかな風 細い川沿いをせせらぎの音を聞きなが
ら登山口に向けて歩き、橋を渡るといよい
よ登り坂でしたが、身の軽い子どもたちは
☆体験で得たこと☆
う!
◆H25 年度
渡り廊下まわり
瓦葺き替え、樋取替え、土壁塗り替え Uグループ︵ハモ鍋、加茂茄子の素揚げ大根おろしポン酢、野菜の天ぷら、ニシン茄子、サツマイモの 洒にして美しいもの。
ぶりの一文字瓦のリズミカルな曲線は瀟
瓦は淡路産小瓦。軒先に整然と並んだ小
替え、樋の取替えを中心に行われました。
から土蔵に向う渡り廊下の屋根瓦の葺き
今回の改修は、主として奥庭脇を主屋
なったような思いがします。
いが蘇生することは、自身の体が健全に
ちのほんの一部分であるにしても、住ま
が山積している実情はさておき、そのう
は実現しました。問題を抱えている箇所
十年ぶりの屋根瓦葺き替え改修が、今夏
表屋、玄関棟の屋根を葺き替えて以来、
淡路産の一文字小瓦
すっきりしたフォルム
をあらためて確認しました。
錬された人間の手に適うものはないこと
技は思わず見惚れます。この改修で、鍛
て。器用にコテを使いまわす職人さんの
クリーム色の漆喰にすっきりと仕上がっ
廊下上の小壁も、下地から塗り替えて
感のある空間になりました。
和室前は、陰鬱とした雰囲気から、清潔
か所に取り込んで、離れ棟の1階にある
ただきました。また、小さな光天井を3
の軒裏と同質の垂木、野路板を入れてい
に張ったベニヤ板は取り払って廊下屋根
渡り廊下と離れ棟のあいだの土間の上
天窓からの自然光
明るくなった離れ棟の土間
ち姿は、たどたどしく、初々しく、そし
て、とにかく真面目です。料理すること
4年半を過ぎたUさんグループは昨年
料理のする楽しさを積み重ねてもらえれ
様子がうかがえて、これからゆっくり、
への意欲が、ムクムクと湧いてきている
の春以降、使ってみたい食材、食べたい
海外からの体験組
出汁のうまみ 意識高く 健康食として、海外でも知られるとこ
ろとなっている日本食。年に数組、海外
からの旅行者から、料理体験の以来が舞
い込みます。驚かされるのは、そのほと
んどの人たちが和食に対して一定の知識
を持っており、中には、﹁ホンダシ︵本
出汁︶﹂﹁コンブ﹂などの日本語も理解し
ていること。鯛が旬を迎えた五月上旬、
鯛のチラシ寿司、鯛の刺身、鯛のうしお
汁の三品。鯛尽くしの春の料理を作るこ
とにしました。
2013.5.12 和食に興味のある北アメリカからの来訪者
修理対象ではなかった庇の百枚瓦︵八
十年あまり前のもの︶に押印された文字
から、この瓦が今回お世話になった瓦店
の銘だったが判明したのは双方にとって
新たな発見でした。
雨樋﹁京あんこう﹂
板金屋さんこだわりのライン
銅製の樋にこだわる家も稀少な昨今、
﹁京あんこう﹂と呼ばれる雨水が集まる部
分を手作りするような仕事はめったいな
いとのことでした。台形に広く開いた口
から折れ曲がった曲線を、いかにすっき
りと仕上げるかは、職人のセンスにかかっ
ていると言います。
﹁こういう家には、あ
まり大層なデザインにしないほうが京都
らしいて、ええんです。
﹂そう話す職人さ
んのこだわりについてのうんちくを聞く
のが楽しみな毎日でした。
実山椒のハモ鍋
離れ棟の土間上、軒裏からに開けた光天井。 均一に仕上げの漆喰を塗る職人さん。
ばと見守っています。
熱さを以って暑さを征す 料理を考えながら買い物してから秦家の
オダイドコに集まります。素材の旬、鮮
度の見分け方、食材同士の相性、そして
経済を考慮して献立を組み立てながら買
い物することが、自分たちで買い物する
ようになって2年目に入り、ますます楽
しくなって、ハマッテきました!と、頼
もしい声が返ってきています。7月は、
活けハモが食べたくて買ったけれど、ど
うやって食べるのがいいでしょう。と、
いつものお助けコールに、実山椒を利か
せたハモ鍋にしましょ。とアドバイス。
このグループは、男性も2人参加され
ていますが、料理の会で作ったものを自
宅でも積極的に再現されたり、ときには
応用編を試みたと報告いただいたり、好
奇心と熱心さは女性陣に勝る勢いです。
作る過程の楽しさを実感
心安らぐ 調理のひととき
﹁お盆休み、実家の両親にカレーを作っ
てきました!﹂秦家のカレーライスが、
関東の地にまで飛んでいったエピソード
を笑顔で話されるMさんは大学の研究者。
多忙な毎日をこなすだけの暮らしを見つ
めなすきっかけになればと、メンバーを
募って料理の会に通われています。﹁まな
板の上で、ニンジンやジャガイモを切っ
ている時間が愛しくて。﹂鉛筆を握り続け
た学生時代からそのままデスクワークへ
移行し勤しむ皆さんのオダイドコでの立
2
3
真新しい京あんこうが付いて、庇のラインが甦った渡り廊下の屋根 甘煮、アナゴのきゅうりもみ) Mグループ(ルーから作る野菜カレー)
秦家住宅 改修工事 2013.7.22 ∼ 8.24 ◆ 直す
秦家料理の会 参加スタイルいろいろ ◆ 料理の会