2007 年 3 月 13 日 各 位 旭化成エレクトロニクス株式会社 旭化成マイクロシステム株式会社 チップサイズパッケージ( CSP )で実現した 世界最小・最薄の3軸電子コンパス開発について ∼ Si モ ノ リ シ ッ ク ホ ー ル 素 子 に よ る ワ ン チ ッ プ 化 で 実 現 ∼ 旭化成エレクトロニクス株式会社( 社長:鴻巣 誠、本社:東京都新宿区 以下 AKEMD ) の 100% 子 会 社 旭 化 成 マ イ ク ロ シ ス テ ム 株 式 会 社 ( 社 長 : 鴻 巣 誠 、 本 社 : 東 京 都 新 宿 区 以 下 AKM )は 、こ の 度 、携 帯 機 器 向 け に チ ッ プ サ イ ズ パ ッ ケ ー ジ( CSP ) で 実 現 し た 世 界 最 小・最 薄 の 3 軸 電 子 コ ン パ ス「 AK8973S」 ( * 1)を 開 発 し ま し た の で お知らせいたします。 な お AKEMD で は 、 4 月 4 日 ( 水 ) か ら 6 日 ( 金 ) ま で 、 東 京 ビ ッ グ サ イ ト に て 開 催 さ れ る「 セ ン サ エ キ ス ポ ジ ャ パ ン 2007」に お い て 、チ ッ プ サ イ ズ パ ッ ケ ー ジ( CSP ) の 3 軸 電 子 コ ン パ ス「 AK8973S」を サ ン プ ル 展 示 す る と と も に 、同 じ く 世 界 最 小・最 薄 の 6 軸 電 子 コ ン パ ス「 AK8976A」 ( * 2)の 応 用 例 な ど 各 種 デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ン を 行 い ます。 ( * 1)「 AK8973S」 パ ッ ケ ー ジ サ イ ズ : 2.5mm×2.5mm×0.5mm 体 積 : 3.1mm 3 2007 年 3 月 12 日 現 在 、 当 社 調 査 に お け る 3 軸 電 子 コ ン パ ス の 体 積 と 厚 さ に よ る 比 較 ( * 2)「 AK8976A」 パ ッ ケ ー ジ サ イ ズ : 4.5mm×4.5mm×0.9mm (1.0mmMax.) 体 積 : 18.6mm 3 2007 年 3 月 12 日 現 在 、 当 社 調 査 に お け る 6 軸 電 子 コ ン パ ス の 体 積 と 厚 さ に よ る 比 較 1.開 発 の 背 景 AKM は 、 2003 年 度 に 世 界 で 初 め て 携 帯 機 器 用 と し て 開 発 さ れ た 3 軸 電 子 コ ン パ ス 「 AK8970」 を 量 産 出 荷 し 、 以 来 今 日 ま で 国 内 外 で 15 機 種 を 越 え る 携 帯 電 話 に ご 採 用 いただいております。 当 社 の 3 軸 電 子 コ ン パ ス が こ れ ほ ど 普 及 し た 第 一 の 理 由 は 、携 帯 電 話 の 内 部 に 起 因 す る 磁 気 オ フ セ ッ ト を 自 動 的 に 補 正 す る D O E ア ル ゴ リ ズ ム( * 3)を 実 現・提 供 し た ことに依ります。この技術的背景には、感度のリニアリティが非常に高くて測定範囲 の広いホール素子で、3軸の感度を全て均等に揃えるという、DOEアルゴリズムの ために最適化された当社独自のアーキテクチャが、使いやすく優れた電子コンパスと して、広く認められたものと考えております。 1 ま た 第 二 の 理 由 と し て 挙 げ ら れ る こ と は 、 2003 年 度 の 発 売 時 に 世 界 最 小 で あ っ た 「 AK8970 」( 5.9mm × 6.3mm × 1.0mm ) を 、 2004 年 度 に は 体 積 で 67 % に ま で 縮 小 し た 「 AK8970N 」( 5.0mm × 5.0mm × 1.0mm )、 2006 年 度 に は 更 に 体 積 で 45 % に 縮 小 し た 「 AK8973」( 4.0mm×4.0mm×0.7mm) を 量 産 出 荷 し た 実 績 が 表 す よ う な 、 常 に 小 型 化 ・ 薄型化の改良を続ける最先端技術開発力と、その間変わらぬ先進のアーキテクチャで ソ フ ト ウ エ ア 資 産 の 互 換 性 を 保 つ 当 社 の 姿 勢 が 、お 客 様 の 大 き な 信 頼 を 得 た も の で す 。 今 回 新 た に 開 発 し た 3 軸 電 子 コ ン パ ス「 AK8973S」 ( 2.5mm×2.5mm×0.5mm)は 、市 場 での更なる小型化・薄型化へのご要望・ご期待にお応えすべく、3軸電子コンパスを チ ッ プ サ イ ズ パ ッ ケ ー ジ ( CSP ) で 実 現 し 、 こ れ ま で 最 小 (当 社 比 )だ っ た 「 AK8973」 と 比 べ て も 更 に 体 積 で 28% に 縮 小 し た も の で す 。こ れ を 最 初 の 量 産 製 品「 AK8970」と 比 較 し た 場 合 、 4 年 間 で 体 積 は わ ず か 8% に ま で 縮 小 さ れ て い ま す 。 この改良の背景には磁気センサそのものの変更も含む大きな技術進歩があります。 従 来 製 品 の 内 で 、 3 軸 電 子 コ ン パ ス 「 AK8970」「 AK8970N」 お よ び 、 加 速 度 セ ン サ 用 イ ン タ ー フ ェ ー ス 付 き 3 軸 電 子 コ ン パ ス「 AK8971N」の 3 製 品 は 、旭 化 成 電 子 株 式 会 社 ( 社 長 : 鴻 巣 誠 、本 社 : 東 京 都 新 宿 区 )の 化 合 物 半 導 体 ホ ー ル 素 子 3 個 を X・ Y・ Z の 各 軸 に ひ と つ ず つ 使 い 、 AKM の 信 号 処 理 LSI と 合 わ せ て 4 チ ッ プ を 立 体 的 に 実 装 す る マ ル チ チ ッ プ モ ジ ュ ー ル で し た 。つ ま り「 AK8970」か ら「 AK8970N」へ の 体 積 縮 小 は 、 ホ ー ル 素 子 と LSI を 変 え な い で 、 実 装 技 術 だ け 変 更 す る 方 法 で 達 成 し た も の で す 。 しかしながら、マルチチップモジュールでの体積縮小に限界があり、昨年発表 し た 「 AK8976A」 「 AK8973」か ら 既 に 、当 社 の 電 子 コ ン パ ス は Si モ ノ リ シ ッ ク ホ ー ル 素 子 を 使うワンチップ製品へと世代交代を果たしております。 そ の 上 で 今 回 は 、こ の 新 技 術 を 体 積 縮 小 に 最 大 限 生 か し た チ ッ プ サ イ ズ パ ッ ケ ー ジ ( CSP ) の 製 品 「 AK8973S」 を 開 発 い た し ま し た 。 ( * 3) D O E ア ル ゴ リ ズ ム : 携 帯 電 話 を 持 つ 人 の 自 然 な 動 き の 中 で 得 ら れ る セ ン サ 信 号 か ら 、 携帯電話内部の磁気オフセットやセンサ自身のオフセット・感度を自動調整する技術。 D O E / Dynamic Offset Estimation は 、 旭 化 成 エ レ ク ト ロ ニ ク ス ( 株 ) の 登 録 商 標 で す 。 2.本 製 品 の 特 長 今 回 開 発 し た 3 軸 電 子 コ ン パ ス 「 AK8973S」 に は 、 次 の 大 き な 特 長 が あ り ま す 。 (1) 3 軸 の 磁 気 セ ン サ を Si モ ノ リ シ ッ ク ホ ー ル 素 子 で 実 現 し 、 信 号 処 理 回 路 と 一 体 化 し て ワ ン チ ッ プ の LSI に し ま し た 。 ホール素子に限らず、どのような種類の磁気センサも 1 つのセンサで 1 つの軸しか 測 定 で き ま せ ん 。 そ の た め X・ Y・ Z の 3 次 元 で 地 磁 気 を 検 出 す る 3 軸 電 子 コ ン パ ス は 従来、3 つの独立した磁気センサを立体的に組み合わせるマルチチップモジュールと して作られてきました。特に感磁面に垂直な磁場を検出するホール素子は、感磁面に 平行な磁場を検出する他の種類の磁気センサと比べ、垂直に実装する磁気センサ素子 が 2 つになるという意味で、むしろ不利ではないかと思われることもありました。 2 しかし当社は逆転の発想により、ホール素子ならではの垂直磁場検出を生かして、 Si ウ ェ ハ の 1 平 面 上 に 3 軸 検 出 の 磁 気 セ ン サ を 作 成 し た も の で す 。 こ の 技 術 の 測 定 原 理 に 関 し て は 、 3 月 17 日 ( 土 ) に 行 わ れ る 「 電 気 学 会 全 国 大 会 」 のシンポジウム講演の中で、説明・発表をいたします。 (2) 3 軸 電 子 コ ン パ ス が ワ ン チ ッ プ で 実 現 し た こ と を 生 か し 、 従 来 の QFN パ ッ ケ ー ジ ( * 4)を チ ッ プ サ イ ズ パ ッ ケ ー ジ( CSP )に 代 え た 小 型 化 製 品 を 開 発 し ま し た 。 携帯電話など高密度実装基板を採用する用途では、チップサイズパッケージ ( CSP )と 呼 ば れ る ベ ア チ ッ プ サ イ ズ の パ ッ ケ ー ジ ン グ 技 術 に よ る 部 品 が 、こ こ 数 年 急速に用いられ始めています。 今 回「 AK8973S」で 採 用 し た の は 、ウ ェ ハ レ ベ ル チ ッ プ サ イ ズ パ ッ ケ ー ジ( WL-CSP ) と 呼 ば れ る ウ ェ ハ 状 態 の ま ま LSI を 樹 脂 封 止 し て し ま う パ ッ ケ ー ジ ン グ 技 術 で あ り 、 2.5mm×2.5mm×0.5mm の 体 積 中 に 、 デ ジ タ ル イ ン タ ー フ ェ イ ス の 3 軸 電 子 コ ン パ ス を 実現したものです。 ( * 4) QFN パ ッ ケ ー ジ : Quad Flat Non-leaded package IC チ ッ プ の パ ッ ケ ー ジ ン グ 技 術 の 一 つ 。 入 出 力 用 の ピ ン が パ ッ ケ ー ジ 外 部 に 出 て い な い 。 (3) 特 許 出 願 中 の オ フ セ ッ ト 自 動 調 整 ア ル ゴ リ ズ ム や 傾 斜 補 正 計 算 な ど 、 各 種 ソ フ ト ウエア資産の互換性を継承しています。 当社は、最初の3軸電子コンパスを量産する前から、DOEと呼ぶ磁気オフセ ッ ト の自動調整アルゴリズムを考案し、お客様に提供してまいりました。 「 AK8973S」 は 、 従 来 製 品 と 全 く 同 様 に 、 こ の 実 績 あ る オ フ セ ッ ト 自 動 調 整 ソ フ ト ウエアを利用することができます。これによって、携帯機器の工場出荷検査時に電子 コ ン パ ス の オ フ セ ッ ト 調 整 工 程 が 不 要 と な る の で 、大 幅 な 生 産 性 向 上 を 達 成 で き ま す 。 また、市場に出荷された後で磁気オフセットが変化した際にも、携帯機器ユーザは、 煩わしい調整動作から解放されます。 (4) 携 帯 電 話 に 適 し た 数 々 の 機 能 を 搭 載 し て い ま す 。 ・ AD コ ン バ ー タ を 内 蔵 し た デ ジ タ ル イ ン タ ー フ ェ イ ス : 2 線 I 2 C バ ス ・発振回路内蔵 ( クロック入力不要 ) ・低動作電流 :センサ動作時 6.4 mA 100ms 周 期 測 定 時 の 平 均 電 流 0.8 mA ・8 ビットデジタル出力の温度センサを内蔵 ・ 磁 気 セ ン サ ( ホ ー ル 素 子 ) の 感 度 調 整 デ ー タ 等 を 記 録 し た EEPROM を 内 蔵 3.主 な 用 途 ・ 携 帯 電 話 や 携 帯 情 報 端 末 ( PDA) の 歩 行 者 ナ ビ ゲ ー シ ョ ン 用 途 。 ・ゲーム機などのモーション入力用途。 3 4.型 番 ・ 仕 様 等 (1)型 番 「 AK8973S」 (2)パ ッ ケ ー ジ 15 ピ ン CSP (3)サ ン プ ル 価 格 2,000 円 (4)サ ン プ ル 出 荷 時 期 2007 年 10 月 2.5mm×2.5mm×0.5mm 5.「 電 気 学 会 全 国 大 会 」 で の シ ン ポ ジ ウ ム 講 演 に つ い て Si モ ノ リ シ ッ ク ホ ー ル 素 子 を 用 い る 3 軸 電 子 コ ン パ ス が 、1 平 面 で 3 軸 測 定 を 実 現 す る 原 理 に 関 し て は 、「 電 気 学 会 全 国 大 会 」 で 具 体 的 に 説 明 ・ 発 表 を い た し ま す 。 (1) 学 会 名 : 平 成 19 年 電 気 学 会 全 国 大 会 (2) 日 程 : 3 月 17 日 ( 土 ) (3) 場 所 :富山大学五福キャンパス (4) 講 演 : シ ン ポ ジ ウ ム S4「 磁 気 利 用 セ ン シ ン グ 技 術 の 高 度 化 と そ の 応 用 」 の 中 で 、 S4-5『 携 帯 機 器 に 搭 載 す る 電 子 コ ン パ ス 技 術 と そ の 応 用 』 と題して講演いたします。 6.「 セ ン サ エ キ ス ポ ジ ャ パ ン 2007」 出 展 に つ い て 「 AK8973S」の サ ン プ ル お よ び「 AK8976A」の 応 用 例 、Si モ ノ リ シ ッ ク ホ ー ル 素 子 に よ る 3 軸 測 定 原 理 な ど の 各 種 展 示 を「 セ ン サ エ キ ス ポ ジ ャ パ ン 2007」に て 行 い ま す 。 また、4 月 5 日と 6 日には会場にてセミナーも開催いたします。 (1) 展 示 会 名 : セ ン サ エ キ ス ポ ジ ャ パ ン 2007 ブ ー ス 番 号 : S-22 (2) 会 期 :4 月 4 日(水)∼ 4 月 6 日(金)の 3 日間 (3) 会 場 :東京ビッグサイト 西 1 ホール 10 時 ∼ 17 時 (4) セ ミ ナ ー : ( A ) 4 月 5 日 ( 木 ) 16 時 ∼ 16 時 45 分 『 S-cube の 電 子 コ ン パ ス に つ い て 』 ( B ) 4 月 6 日 ( 金 ) 16 時 ∼ 16 時 45 分 『 旭化成エレクトロニクスのセンサビジネスについて 』 以 <本 件 に 関 す る 問 合 せ 先 > 旭化成株式会社 広報室 TEL: 03-3507-2060 旭化成マイクロシステム株式会社 企画管理部 TEL: 03-5908-2701 4 上
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