医薬品説明会資料 ジェネリック (後発医薬品)

Ⓒ日医工MPS2010
日医工MPS行政情報シリーズ
http://www.nichiiko.co.jp/mps/mps_m.html
ジェネリック医薬品の開発戦略
−共同開発・小分け・取扱い(導入)−
参考:月刊ジェネリック2010年9月号
資料作成:日医工株式会社 MPSチーム
(認定登録 医業経営コンサルタント登録番号第4828 長岡俊広)
資料No.221118-198
日医工株式会社
http://www.nichiiko.co.jp
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「アムロジピンベシル酸塩錠5mg」薬価収載状況①
(参考:月刊ジェネリック2010年9月号)
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各社添付文書より
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「アムロジピンベシル酸塩錠5mg」薬価収載状況②
3 *:(外国特例承認、選任製造開発元)薬事法第19条の2「外国製造医薬品等の製造販売の承認」の規定による
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平成17年
薬事法改正以前
○医薬品製造業社は自社工場を持っていなければ
製造業の許可・医薬品の承認を取ることは出来
ず、自社での一貫製造が基本
○製造委託は、行程の一部についてしか認められ
なかった。
持っていない
自社工場
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医薬品の承認
製造業の許可
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薬事法改正後
「製造販売の承認」
「製造販売業の許可」
ベンチャー企業
外国の製剤メーカー
取得すれば…
開発意欲の向上
日本市場への参入機会の向上
製造の全面委託が可
自社工場?
必要ありま
せーん
5
・コスト削減
・製造の合理化
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ジェネリックの開発から発売まで
特許延長
5年
20年
物質特許出願
特許延長は
最大5年
20年
製剤特許出願
新薬(先発医薬品)開発の例
再審査期間
通常8年
・物質特許出願後16年で発売
・特許延長は5年
特許延長による
独占販売期間
新薬発売開始
開発期間[基礎試験(毒性等)、臨床試験、申請手続き、など]
(年)2
4
6
8
ジェネリック開発の例
・5月収載の場合
10
12
14
16
独占販売期間
18
20
24
開発着手
再審査期間終了後に申請
ジェネリックの収載は年2回(5月と11月) 1月15日までに承認されたジェネ
6
22
リックが、通常はその年の5月上
旬に薬価収載され発売となる
申請
承認
薬価収載
26
28
申請から約1年
後、物質特許
満了後に承認
発売開始
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製造販売に関する薬事法
z 製造販売業の定義(薬事法第2条)
z 製造販売業の許可(薬事法第12条)
→会社ごと(GQP)
z 製造業の許可(薬事法第13条)
→製造所ごと(GMP)
z 医薬品等の製造販売の承認(薬事法第14条)
→品目ごと(GVP)
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・製造販売業の定義(薬事法第2条)
•「製造販売」とは…
その製造等(他に委託して製造する場合を含み、他
から委託を受けて製造する場合を含まない。以下同
じ。)をし、又は輸入した医薬品(原薬たる医薬品を
除く。)、医薬部外品、化粧品、又は医療機器を、そ
れぞれ販売し、賃貸し、または授与することをいう。
等
自ら製造する場合
他に委託して製造する場合
※他から委託されて製造する場合→「製造業」
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基本的なジェネリック発売までの流れ
製造販売元A社
管理・開発部門
製造部門
A社 管理・開発
販売部門
A社工場
製造指示
出荷
製造業者 Z
製造委託
承認
製造販売承認の申請
A社 営業部門
医療機関
卸売業者
厚生労働大臣
医薬品医療機器総合機構
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Z社工場
基本的には、各社で製剤に関する研究・開発を行い、
製造に関する申請書の提出、工場での製造、販売に
至るまで、1社で対応する。
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ジェネリック医薬品開発の多様性の要因
1.改正薬事法による、共同開発に対する製造販売承
認の申請の簡略化
2.ジェネリック医薬品の需要増加による各会社の参入
3.開発コストの軽減化
4.製造ラインの限界
自社開発(単独)以外で医薬品を販売するための方法
Ⅰ.共同開発
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Ⅱ.小分け
Ⅲ.取扱い(導入)
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Ⅰ 共同開発
基本的事項
・各社が共同で製品を開発し、同一の内容で製造販売承認の申請を行う
・データ等の添付資料は開発親元会社のみが申請書に添付し、他社は同一データを保管す
ることで可
・承認は各共同開発会社に下りる。
・製品は各社で製造することもあるが、開発親元に製造委託されることが多い
11
メリット
デメリット
○自主ブランド品として屋号を取
得可
○各共同開発会社の品目が同時
薬価収載可能となる
○開発コストの軽減化
○薬価改正は各銘柄ごとに反映
○事前契約が必要
○開発主導権は開発親元
会社にある(委託側)
→改良等に対して、迅速化
が図れない
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Ⅰ 共同開発の申請方法について
共同開発グループ
開発親元会社
管理・開発部門 A社
開発親元会社が
代表し
資料を添付する
製造販売承認
の申請
製造販売承認
申請書
※事前契約が前提
{
同一資料
を保管で
OK
医薬品医療機器総合機構
承
認
共同開発会社 B社
承認
共同開発会社 C社
承認
厚生労働大臣
製造販売の承認は各社に下りる
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Ⅰ 共同開発品の製造について①
共同開発グループ
開発親元会社 A社
製造販売の承認
・医薬品の製造は基本
的には開発親元会社が
請け負うことが多い ①
製造部門
・共同開発会社は、開発
親元会社に製造を委託
することが多い。
A社工場
共同開発会社B
製造委託
製造販売の承認
共同開発会社C
製造販売の承認
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・他社に製造委託するこ
ともある
② 次項参照
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Ⅰ 共同開発品の製造について②
共同開発グループ
開発親元会社 A
製造業者 Z
製造販売の
承認
共同開発会社B
製造業の
許可
製造委託
製造販売の承認
共同開発会社C
製造販売の承認
この形態であっても
製造販売業者
Z社工場
あくまでも製造業者
(GMP)
○流通責任
○品質管理監督責任(GQP)
○安全(情報)の積極的な収集・分析・評価を行い、適切な処置を逐次講ずる(GVP)を負う
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Ⅰ 共同開発の販売
A社工場
または
製造業者 Z
製造販売元 B社
Z社工場
荷
出
出荷
出
荷
製造販売元 A社
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製造販売元 C社
出来上がった製剤は共同開発会社の屋号で薬価承認を受け、発売される
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Ⅱ 小分け
基本的事項
・既に承認された承認申請データを利用し、別会社がそのデータに基づいて製造販売承
認の申請を行う方法
・既に承認されている製剤(親品目)と実質的に同一だが、別名称で承認・薬価収載される
・実際の製品は開発親元に製造委託されることが多い
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メリット
デメリット
○自社ブランド品として「屋号」
を取得可
○開発の低コスト化
○「規格揃え」として柔軟に対応
可
○薬価改正は各銘柄ごとに反映
○開発親元の承認後でないと
申請が不可
○発売時の薬価が既存成分薬
剤の最低薬価に設定される
(小分け側)
○製剤改良が自主的・タイム
リーに行えない
○原価が高い(小分け側)
Ⅱ 小分けの流れ
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製造販売元 A社
管理・開発部門
製造部門
A社工場
販売部門
製造指示
出荷
製造業者 Z
Z社工場
製造委託
出荷
管理・開発部門
製造委託
承認
製造販売承認の申請
製造販売元 B社
A社
承認後
小分け側
販売部門 B社
出荷
厚生労働大臣
医薬品医療機器総合機構
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承認
申請書提出
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共同開発と小分けにおける製造販売承認のタイミングの違い
時間の流れ
共同開発の場合
開発親元A社
共同開発会社B
共同開発会社C
共同開発会社D
共同開発
承
製
認
造
の
販
申
売
請
製造
製
造
販
売
の
承
認
販売
販売
販売
販売
小分けの場合
開発親元A社
小分け会社B(子)
18
開発
承
製
認
造
の
販
申
売
請
製
造
承
販
認
売
の
製造
販売
承
製
認
造
の
販
申
売
請
製
造
承
販
認
売
の
販売
Ⅲ 取扱い(導入)
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基本的事項
・ある会社が開発・製造した品目を、別会社が同じ名称を用いて販売すること
・PL法等の製造物責任は開発親元が負う
メリット
デメリット
○品揃えをする際に対応が簡易
○商品名に自社ブランドを設
定できない。
○独自色が出しにくい(導入側)
○薬価改正時には他社の売値
に左右される(導入・導出両側)
○原価が高い(導入側)
○製剤改良等タイムリーに対
応できない(導入側)
(導入側)
○販売ルートが広がる
(導出側)
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Ⅲ 取扱い(導入)の流れ
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製造販売元 A社
管理・開発部門
製造部門
販売部門
A社工場
製造指示
製造業者 Z
出荷
営業部門 A社
承認
製造販売承認の申請
A社管理・開発
販売元 B社
厚生労働大臣
医薬品医療機器
総合機構
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出荷
製造委託
営業部門 B社
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開発形態別工程分類
共同開発
小分け
取扱い(導入)
研究・開発
・開発親元会社を中心に共同開発会社間にて
・共同開発する会社間で分担することもある
開発親元会社
開発親元会社
申請
開発親元会社
共同開発会社
開発親元会社
小分け会社
開発親元会社
製造
主に開発親元会社
もしくは製造委託先
主に開発親元会社
製造委託先
開発親元会社
販売
開発親元会社
共同開発会社
開発親元会社
小分け会社
開発親元会社
取扱い会社
製品名
(銘柄名)
開発親元会社名
共同開発会社名
開発親元会社名
小分け会社名
開発親元会社名
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ジェネリック開発の傾向
• 共同開発品目が増え、多数の販売会社の参入が
通常化する
• 製造販売元を基準としてジェネリック医薬品を選
択する時代は終わる
明確な判断基準
製剤開発技術
第3者の評価(卸MS等)
安定した流通経路
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社会的な信用
情報提供体制
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「ラベプラゾール錠」薬価収載状況(製剤データ:各社添付文書より)
ラベプラゾール錠の承認状況
屋号
製造販売元
販売元
n
AUC
20mg製剤
Cmax
n
AUC
Cmax
「NP」
ニプロファーマ
「日医工」 日医工
30 538.1±239.9
288.2±132.7
30 925.1±371.40
522.7±215.9
30 538.1±239.9
288±133
30 925±371
523±216
「サワイ」 沢井製薬
20 640±377
301±163
23 1255±759
618±233
「トーワ」 東和薬品
24 548±171
308.61±96.13
23 1041±40.2
599.18±244.08
23 407.35±161.31
256.46±120.86
29 861.85±264.81
501.63±162.54
23 407.35±161.31
23 407.35±161.31
256.46±120.86
256.46±120.86
29 861.85±264.81
29 861.85±264.81
501.63±162.54
501.63±162.54
23 407.35±161.31
256.46±120.86
29 861.85±264.81
501.63±162.54
「TCK」 辰巳化学
「興和テバ」 大正薬品工業
「日新」 日新製薬
「マイラン」 マイラン製薬
[AA」
あすか製薬
「BMD」 ビオメディクス
「JG」
日本ジェネリック
「YD」
陽進堂
「アメル」 共和薬品工業
「杏林」 キョーリンリメディオ
「科研」
「サンド」
「ケミファ」
「ケミファ」
ダイト
サンド
日本ケミファ
日本ケミファ
興和テバ
武田薬品工業
23 407.354±161.310 256.5±120.9
23 407.4±161.3
256.5±120.9
29 861.854±264.810 501.6±162.5
29 861.9±264.8
501.6±162.5
23 407.4±161.3
256.5±120.9
29 861.9±264.8
501.6±162.5
23 407.4±161.3
23 407.4±161.3
256.5±120.9
256.5±120.9
29 861.9±264.8
29 861.9±264.8
501.6±162.5
501.6±162.5
杏林製薬
23 407.4±161.3
256.5±120.9
29 861.9±264.8
501.6±162.5
科研製薬
46 503.90±194.01
46 503.90±194.01
305.66±118.46
305.66±118.46
46 1038.65±381.37 589.67±219.85
46 1038.65±381.37 589.67±219.85
46 503.90±194.01
305.66±118.46
46 1038.65±381.37 589.67±219.85
46 503.90±194.01
305.66±118.46
46 1038.65±381.37 589.67±219.85
19 880.3±112.2
19 880.3±112.2
319±72.2
319±72.2
12 903.0±109.4
12 903.0±109.4
336.8±58.5
336.8±58.5
エッセンシャルファーマ 23 585.57±288.24
352.48±130.93
22 941.42±414.08
562.64±161.88
23 585.57±288.24
23 585.57±288.24
352.48±130.93
352.48±130.93
22 941.42±414.08
22 941.42±414.08
562.64±161.88
562.64±161.88
日本薬品工業
「CHOS」 シー・エイチ・オー新薬 ザイダスファーマ
「FFP」 シオノケミカル
富士フイルムファーマ
23
10mg製剤
「オーハラ」 大原薬品工業
「オーハラ」 大原薬品工業
「明治」 明治製菓