中枢神経系原発悪性リンパ腫 構造化抄録 Title Title Authors Source CQ01-01 Therapeutic management of primary central nervous system lymphoma in immunocompetent patients: results of a critical review of the literature. Reni, M. Ferreri, A. J. Garancini, M. P. Villa, E. Ann Oncol 8:227234, 1997 CQ02-01 Primary CNS lymphoma: combined treatment with chemotherapy and radiotherapy. CQ02-02 Glucocorticoid treatment of primary CNS lymphoma. DeAngelis, L. M. Yahalom, J. Heinemann, M. H. Cirrincione, C. Thaler, H. T. Krol, G. Weller M. CQ02-03 Initial response to glucocorticoids. Mathew, B. S. Carson, K. A. Grossman, S. A. Cancer 106:383387, 2006 CQ03-01, 04- Non-Hodgkin's lymphoma of the brain: can 02 high dose, large volume radiation therapy improve survival? Report on a prospective trial by the Radiation Therapy Oncology Group (RTOG): RTOG 8315. PT デザイン MetaAnalysis Meta-Analysis エビデンスレベル 目的 対象者 サンプルサイズ 1 セッティング 介入 主要評価項目 主な結果 結論 評価者のコメント 年齢60歳以下 (P < 0.00001)、全脳>40 Gyの照射 (P = 0.02)、 腫瘍線量>50 Gy (P = 0.02)、照射・化学療法併用 (化学療法 単独と比べ、P = 0.007;照射単独と比べ、P < 0.00001)、化学 療法→照射の順(P = 0.05)、HD-MTX療法施行群 (P = 0.04)、 髄注化学療法群 (P = 0.03)が単変量解析で有意な因子で あった。多変量解析では、 年齢、全脳照射線量、HD-MTX療 法と髄腔内化学療法が独立した予後因子として抽出された。 摘出度は予後に影響しなかった(P=0.66)。 化学療法+放射線治療を施行。63%でMTXが奏効。69%が中 間追跡期間25.4ヶ月の時点で生存。照射前MTX (1g/m2)+髄 注を2サイクル後、40Gy全脳照射+14.4Gy局所照射、その後 のHD-AraC療法でも75%の生存が得られた.毒性は軽度。ス テロイド単独ではCR15%, PR25%。 年齢が予後因子であることと、 推奨される治療法は、HDMTX基盤化学療法と髄注療法 後、全脳照射41-50 Gy及び腫 瘍線量 > 50 Gyである。 1995年までの文献からのメタ アナリシス。摘出度が予後に 影響しない点、HD-MTXと全 脳照射線量の推奨値、順序を 示した。 PCNSLに対するMTXを主とす る照射前化学療法+放射線 治療は毒性も軽度で高い奏効 率と生存期間の延長が認めら れる。 PCNSLに対する併用化学放 射線治療の有効性を示した初 期の論文。ステロイドへの反 応性も評価。 ステロイドによるリンパ腫細胞への殺細胞効果の機序につき 解説。ステロイドの使用に関する提言。 術前には組織診断への影響 あり、使用を控えるべき。長期 のステロイド使用は回避すべ き。再発が必至であることと副 作用の懸念。特に免疫不全症 例では禁忌。 初期治療でのステロイド反応 は、有意なPCNSLの予後因子 である可能性が示唆された。 PCNSLに対するステロイド治 療のコンセンサスを解説。 高線量・広範囲照射にもかか わらず、PCNSLは高い死亡率 を呈した。相対的な放射線耐 性の原因は不明。 RTOGによる初のPCNSLに対 する前方視的臨床試験。 PCNSLに対する放射線単独 療法の治療成績を示す重要な 論文 54症例に対し、CHOD療法を2—3サイクル施行後全脳照射 41.4Gy+18Gy局所照射追加を施行。MST 16.1ヶ月、2年生存 率42% 。60歳未満の年齢が予後因子。放射線治療単独で あったRTOG83-15試験の結果と比較し、OSに有意差なし (p=0.53)。Grade 4好中球減尐が29/51例で発症。 奏効率22/25、奏効持続期間32ヶ月。MST 33ヶ月(奏効例で は42.5ヶ月)。9例が無再発で生存(9-122ヶ月の追跡期間)。 急性・長期的有害事象は尐なかった。 照射前CHOD療法は放射線単 独療法に対し生存延長効果を 認めない。年齢が有意な予後 因子。 PCNSLに対しては、CHOD療 法は生存改善効果を認めない こと、及び年齢が有意な予後 因子であることを示した。 全脳照射前全身MTX投与は 安全に施行でき、長期生存を 誘導しうる。 PCNSLに対する照射前HDMTX療法の安全性と有効性を 示した初期の報告。 短期間のHD-MTXプラス全脳 照射(45Gy以上)の長期生存 予後と神経毒性発生リスク解 析を報告。特に60歳超に神経 毒性リスクが高まることを指 摘。 III 初発PCNSLの 初発中枢神経系原 予後因子の検 発悪性リンパ腫 索と予後モデル の確立。 1180例。 1980-1995年に 英語で掲載され た50の論文で報 告された1180例 のnon-AIDSPCNSL症例。 79%でHD-MTX基 盤化学療法施行。 54%で全脳照射施 行。 年齢、治療方法、 放射線照射範 囲、線量、全身・ 髄腔内化学療 法、治療順序の 生存率への影響 度を検討。 Neurology 40:80-86, Retrospectiv コホート研究 1990 e study III 32症例。 1985-1988年。 単施設。 手術、放射線照 射、化学療法。 生存解析、予後 因子解析。 J Neurooncol 43:237-239, 1999 V 中枢神経系原 初発中枢神経系原 発悪性リンパ腫 発悪性リンパ腫 に対する放射 線化学療法併 用療法の治療 効果の検討。 PCNSLに対す るステロイド治 療の意義への 意見。 初期ステロイド 初発中枢神経系原 治療の臨床的・ 発悪性リンパ腫 放射線学的予 後意義の検 討。 76例のHIV陰性 単施設。The グルココルチコイド 生存解析、予後 PCNSL例中、記録の Johns Hopkins 治療。化学療法、 因子解析。 ある57症例。 Cancer Registry 放射線治療。 (1980-2001年) Clinical Trial, 非比較試験(Phase II b Multicenter II study), Study, prospective Research Support, U.S. Gov't, P.H.S. 中枢神経系原 初発中枢神経系原 発悪性リンパ腫 発悪性リンパ腫 に対する放射 線単独療法の 治療成績 41症例。 Retrospectiv コホート研究 e study III 日本における 1990年代の中 枢神経系原発 悪性リンパ腫に 対する放射線 単独療法の治 療成績を検討 Clinical Trial, 非比較試験 Phase I, II, (PhaseI/II study), Research prospective Support, U.S. Gov't, P.H.S. コホート研究 II b PCNSLに対す 初発中枢神経系原 る照射前CHOD 発悪性リンパ腫 療法の耐用性 と効果の検証。 III Phase II prospective study (非比較試験) II b PCNSLに対す る照射前HDMTX療法の効 果安全性検 PCNSLに対す る照射前HDMTX療法の長 期効果を多施 設共同臨床試 験で検討。 Prospective study (phase II?) II b Nelson, D. F. Int J Radiat Oncol Martz, K. L. Biol Phys 23:9-17, Bonner, H. 1992 Nelson, J. S. Newall, J. Kerman, H. D. Thomson, J. W. Murray, K. J. CQ03-02 Results of radiation monotherapy for Shibamoto, Y. Int J Radiat Oncol primary central nervous system lymphoma Ogino, H. Biol Phys 62:809in the 1990s. Hasegawa, M. 813, 2005 Suzuki, K. Nishio, M. Fujii, T. Kato, E. Ishihara, S. Sougawa, M. Kenjo, M. Kawamura, T. Hayabuchi, N. CQ03-03 Preirradiation chemotherapy with Schultz C, Scott C, J Clin Oncol cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, Sherman W, Donahue B, 14:556-564, 1996 and dexamethasone for primary CNS Fields J, Murray K, lymphomas: initial report of radiation Fisher B, Abrams R, therapy oncology group protocol 88-06. Meis-Kindblom J CQ03-04 Preirradiation methotrexate chemotherapy Glass, J. J Neurosurg of primary central nervous system Gruber, M. L. 81:188-195, 1994 lymphoma: long-term outcome. Cher, L. Hochberg, F. H. CQ03-05 Combined-modality therapy for primary O'Brien, P. C. Int J Radiat Oncol central nervous system lymphoma: longRoos, D. E. Biol Phys 64:408term data from a Phase II multicenter study Pratt, G. 413, 2006 (Trans-Tasman Radiation Oncology Group). Liew, K. H. Barton, M. B. Poulsen, M. G. Olver, I. N. Trotter, G. E. CQ03-06 Rapid infusion of high-dose methotrexate Hiraga, S. J Neurosurg resulting in enhanced penetration into Arita, N. 91:221-230, 1999 cerebrospinal fluid and intensified tumor Ohnishi, T. response in primary central nervous system Kohmura, E. lymphomas. Yamamoto, K. Oku, Y. Taki, T. Sato, M. Aozasa, K. Yoshimine, T. CQ04-01 Is whole-brain irradiation necessary for Shibamoto, Y. Cancer 97:128-133, primary central nervous system lymphoma? Hayabuchi, N. 2003 Patterns of recurrence after partial-brain Hiratsuka, J. irradiation. Tokumaru, S. Shirato, H. Sougawa, M. Oya, N. Uematsu, Y. Hiraoka, M. CQ04-03, 06- Secondary analysis of Radiation Therapy Fisher, B. J Neurooncol 02 Oncology Group study (RTOG) 9310: an Seiferheld, W. 74:201-205, 2005 intergroup phase II combined modality Schultz, C. treatment of primary central nervous DeAngelis, L. system lymphoma. Nelson, D. Schold, S. C. Curran, W. Mehta, M. CQ04-04 Importance of radiotherapy in the outcome Bessell, E. M. J Clin Oncol of patients with primary CNS lymphoma: an Lopez-Guillermo, A. 20:231-236, 2002 analysis of the CHOD/BVAM regimen Villa, S. followed by two different radiotherapy Verger, E. treatments. Nomdedeu, B. Petit, J. Byrne, P. Montserrat, E. Graus, F. レビュー Retrospectiv コホート研究 e study IV 多施設共同: RTOG 83-15 全脳照射40Gy+局 全脳照射+局所 所照射(2cm 照射による margin)20Gy PCNSLの生存期 間。 RTOG 88-06 照射前化学療法 (CHOD)+全脳照 射 中間生存期間(MST):11.8ヶ月。初期ステロイドに症状が反 応した症例群のMST:17.9ヶ月、無反応群:5.5 months (P = 0.05)。画像上反応症例16例のMST:117.0ヶ月、無反応群: 5.5ヶ月(P = 0.001)。他の予後因子を調節後の照射・化学療法 前ステロイド療法は、症状反応群で死亡リスクがhazard ratio [HR] = 0.40、画像上反応群でHR = 0.14であった。 1983-1987のPCNSL 41 症例で、全脳40Gy + 局所boost 20Gyの照射単独療法を施行。MST 照射開始後11.6ヶ月、診 断から12.2ヶ月。KPSと年齢が有意な予後因子。再発の殆ど は脳内であった。 ステロイド反応性と予後の解 析結果。 1990年代に 132症例。 Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology (JASTRO) Lymphoma Study Groupとして国内試 験あるいは地域の多 施設共同試験で放 射線単独治療を施行 されたPCNSL症例。 54例。 初発中枢神経系原 25症例。 発悪性リンパ腫(HIV 陰性) 初発中枢神経系原 46症例。 発悪性リンパ腫(HIV 陰性) PCNSLに対す 初発中枢神経系原 るHD-MTXの注 発悪性リンパ腫(免 入速度と脳脊 疫不全無し) 髄液内濃度の 相関及び治療 反応性・生存期 間の検討。 28症例。 2年生存期間。二 次end point:毒 性。 HD-MTX (3.5g/m2)/4hr x 最 大6サイクル。その 後全脳照射 Trans-Tasman HD-MTX (1g/m2) Radiation x 2サイクル。その Oncology Group 後全脳照射(45Trial 50.4Gy)。 Response, PFS, OS Response, survival, neurotoxicity 5年生存率37%、PFS 36%、MST 36ヶ月。全46例中10例が無 再発で生存中。11例で神経毒性を発症。5年での発生危険率 30%。その後も増加継続。60歳超症例では、7年での神経毒性 発症リスクは58%であった。 大量MTXと全脳照射の併用療 法はPCNSLの生存期間延長 効果を認めた。60歳超の症例 における生存期間は他の報告 に優ったが、神経毒性リスクは 容認しがたいと考えられた。 1992-1998年の 症例。大阪大学 と関連施設より 登録。 MTX髄液中濃度 PK。MTX投与法 毎の腫瘍縮小率 比較。生存率。 奏効率は3hr群で15/16 (93.8%)、6hr群で7/12 (58.3%) (p = 0.034)。3hr群で髄液中MTX濃度の有意な上昇あり (p < 0.001)、まだ有意に高度の腫瘍縮小率 (p < 0.001)を認めた。 MTX療法のサイクル毎の腫瘍縮小率は、 3hr群で34%, 14%, 9%、6hr群で54%, 42%,37%と前者が優った。3サイクル目での縮 小効果は不良であった。3hr群でMSTは延長したが (> 60対 20ヶ月)、有意差には至らず (p = 0.147) 。全症例でのMSTは 39.3ヶ月、無再発生存期間は35.2ヶ月であった。 MTXの急速静注(3時間)法 本邦におけるHD-MTX療法の は、髄液移行性、腫瘍縮小効 治療成績を報告した初の臨床 果を増強し、生存延長効果と 試験。 関連が示唆された。3サイクル 以上の治療継続は無効の場 合がある。 HD-MTX (100mg/kg)を3hrま たは6hrで点滴静 注。2-3サイクル施 行。その後全脳照 射30Gy。残存腫瘍 あれば+10-20Gy 局所照射追加。 後方視的研究(ケー IV スシリーズ) PCNSLに対す る全脳照射の 意義を検証す るため、部分照 射施行症例の 治療成績を検 討。 初発中枢神経系原 43症例。 発悪性リンパ腫で、 部分照射が施行され た症例。 国内62施設中7 放射線部分照射 照射野内外の再 施設。1985年以 30-70Gy/1.8発率、生存率。 降の治療症例。 2.1Gy fraction。26 例で化学療法施行 あり。 5年累積再発率は照射野内57%、照射野外49%。照射野外再 4cm未満の安全域での部分照 本邦での研究。PCNSLに対す 発は、単発例で45%、多発例で67%であった(P = 0.79)。照射野 射は高い照射野外再発率を認 る部分照射では照射野外に再 外再発は、安全域4cm以上での照射例で22%、4cm未満例で めた。 発が高度に生じることを示唆し 83%と有意差を認めた (P = 0.0079)。MST及び5年生存率は安 た後方視的研究。 全域4cm以上の群で各28.5ヶ月、20%、4cm未満群で15ヶ月、 11%であった(P = 0.057)。 Phase II study, II b prospective. 照射法 をsequentialに2法で 施行し比較。 多分割低線量 照射法の神経 毒性軽減効果 と生存効果の 検討。 初発中枢神経系原 102症例。 発悪性リンパ腫(HIV 陰性) 1994-1997年。 多施設共同。 RTOG 9315 神経毒性:4年でのgrade 5毒性は8/82 (10%)で認められ、白 質脳症(grade 5)は2/16 (13%)であった。化学療法でCRとなっ た照射例(27例)では 0例であった。化学療法CR例で、RT群 とHFX群間でOS、PFSは相違無し。8ヶ月時点でのMMSEは両 群で有意差無し (P=0.81)。白質脳症はHFX群でより遅発性に 発症がみられた。 Prospective, phase II study. 連続2試 験。 初期化学療法 で奏効例に対 する照射線量 減量の効果を 検討。 初発中枢神経系原 57例(試験I: 31例、 発悪性リンパ腫(HIV 試験II:26例) 陰性) II b 照射前化学療法 後、全脳照射 45Gy/25fr(RT群) または 36Gy/30fr/3週(化 療でCR例)(HFX 群)、その後AraC 療法。 CHOD/BVAM- 試験I: I:1990-1995、 CHOD/BVAM後、 CHOD/BVAM-II: 全脳45Gy+局所 1996-1999。多 10Gy。試験II: 国共同。 CHOD/BVAM後、 全脳30.6Gy(化学 療法後CR例)また は全脳45Gy(nonCR例) 神経毒性、生存 率、高次脳機能 評価 再発率、毒性、反 最終CR率は、I群で68%、II群で77%。治療法が唯一の再発予 応率、生存率 測因子であり、3年再発率はI群で29%、II群で70%であった。60 歳未満の25 症例で顕著であった (3年再発率が、25% v 83%; P =.01)。5年生存率は36%で、年齢(60歳未満 vs.60歳以上) が唯一の予後因子であり、照射線量が60歳未満で最終CR症 例での唯一の生存予後因子であった。(3年生存率:45Gy群で 92%、30.6Gy群で60%; P =.04)。 HFXスケジュールでは、有意な 多分割照射の意義は検証でき 生存期間の短縮はみられず。 ず。 高度の遅発性神経毒性の発 生率は遅延するものの率減尐 には寄与せず。 CR例で60歳未満で照射線量 を45 Gyから30.6 Gyに減量す ることは、再発率の増加と生 存期間の短縮に繋がった。 照射線量の減量は若年症例 で再発リスクを高めるとする報 告。 中枢神経系原発悪性リンパ腫 構造化抄録 CQ04-05, 06- Combined immunochemotherapy with Shah, G. D. 03, 10-01 reduced whole-brain radiotherapy for newly Yahalom, J. diagnosed primary CNS lymphoma. Correa, D. D. Lai, R. K. Raizer, J. J. Schiff, D. LaRocca, R. Grant, B. DeAngelis, L. M. Abrey, L. E. Consolidation radiotherapy in primary Ferreri, A. J. CQ04-06 central nervous system lymphomas: impact Verona, C. on outcome of different fields and doses in Politi, L. S. patients in complete remission after upfront Chiara, A. chemotherapy. Perna, L. Villa, E. Reni, M. Long-term follow-up of high-dose Gavrilovic, I. T. CQ05-01 methotrexate-based therapy with and Hormigo, A. without whole brain irradiation for newly Yahalom, J. diagnosed primary CNS lymphoma. DeAngelis, L. M. Abrey, L. E. J Clin Oncol 25:4730-4735, 2007 Prospective, phase II study. II b Int J Radiat Oncol Biol Phys 80:169175, 2011 後方視的研究 III J Clin Oncol 24:4570-4574, 2006 Phase II study、長 期予後調査 II b Rituximabの MTX基盤療法 への追加の安 全性、導入化 学療法の回数 追加によるCR 率向上効果、 CR後の全脳照 射線量減量の 効果と安全性 PCNSLにおけ る放射線治療 の線量や照射 スケジュールの 生存率・神経機 能への影響を 検討 HD-MTX基盤 療法の長期予 後の解析 初発中枢神経系原 発悪性リンパ腫 (DLBCL、免疫不全 無し) 30例 多施設共同。 2002-2005年。 PCNSLに対しHDMTX基盤療法でCR となり 、全脳照射 を 施行した症例 33例。 San Raffaele H Scientific Institute (19912008年)での単 施設研究(紹介 例含め) 初発中枢神経系原 57症例。 発悪性リンパ腫(HIV 陰性) MSKCC、19921998年。 2 R-MPV療法を5-7 2年PFS、急性治 サイクル、CR例は 療関連毒性 全脳照射23.4Gy、 非CR例は全脳 45Gy、その後地固 めHD-AraC療法2 サイクル。 再発様式、高次 脳機能障害度 50ヶ月の中間観察期間にて、21例が未再発 (5年FFSは51%)。 40Gy以上の全脳照射は30-36Gyに対し病勢制御率に有意差 無し(再発率46% vs. 30%、5年FFS率51% vs. 50%; p = 0.26)。同 様に腫瘍線量も有意差無し:45-54 Gy vs. 36-44 Gyで、5年 FFS率35% vs. 44% (p = 0.43)。12例が生存 (5年生存率54%)。 全脳照射線量、腫瘍線量ともに影響無し。MMSEの低下は全 脳40Gy以上でより高頻度。 MPV+MTX髄注 OS, PFS、神経毒 MST 51ヶ月。(生存症例での観察期間中央値115ヶ月)。25例 後、全脳照射45Gy 性 で再発・再燃し、PFS中央値129ヶ月。17例で治療関連神経毒 性発症。1例を除き全脳照射を初期治療で施行していた。60 (60歳以上は1995 歳未満でMTX基盤化学療法+全脳照射し高齢の74%が最終 年以降非照射), 観察時に生存していた。60歳以上症例でのMSTは29ヶ月で、 その後HD-AraC。 全脳照射の有無では有意差無し。 照射前化学療法 2年生存期間。二 102症例の初発PCNSLに対し、HD-MTX (2.5g/m2) + VCR + (HD次評価項目は、 PCZ + MTX itを5サイクル施行後、全脳照射45Gyを施行し、 MTX+VCR+PCZP 放射線治療開始 地固めにHD-AraCを施行した.化学療法だけの奏効率94% MTX)、全脳照射+ 前の治療奏効率 (CR 58%)、中間PFS 24ヶ月、MST 36.9ヶ月。年齢が用語因 HD-AraC と有害事象の頻 子。Grade 3以上の有害事象は半数が血液毒性。15%で重篤 度・程度。 な遅発性神経毒性が出現した. RituximabのPCNSL治療への 寄与と毒性増悪の報告。CR例 での全脳照射減量の試み。最 終結果は未報告であり、その 結果が待たれる。 HD-MTX療法でCRとなる症例 化学療法奏効例での全脳照 での地固め全脳照射線量は 射線量減量の意義を 36Gyが推奨される。より高線 retrospectiveに示した報告。 量での照射は生存率向上に 繋がらず、神経毒性リスクを高 める。 MTX基盤多剤併用療法の長 期的有効性と、高齢者での全 脳照射回避の効能を報告。 単剤化学療法は多剤併用化学療法とOSは有意差無し(p = 0.38)。MTX3 g/m2以上 (p = 0.04)、thiotepa (p = 0.03)、髄注(p = 0.03)はOSを改善し、ニトロソウレア剤はOS不良となった(p = 0.01)。多変量解析では、MTX3g/m2以上施行群内でAraC 追加のみがOS改善効果あり。ニトロソウレア剤はMTX効果を 減弱させた。119例の完全奏効症例中70例で引き続き照射が 施行された。40Gy以上の全脳あるいは腫瘍局所照射はOS 改善効果無し。化療後照射と待機後の照射で3年OSに有意 欧州6ヶ国、24施 MTX (3.5g/m2)/3w 化学療法後のCR 化学療法後のCR率は、MTX単独群で18% (95% CI 6-30)、 vs. MTX 率。2次評価項 MTX+AraC群で46% (31-61)であり有意差を認めた(p=0.006)。 設。18-75歳、 目:全奏効率、奏 全奏効率は、MTX群で40% (25-55)、MTX+AraC群で69% (55ECOG PS 0-3。 (3.5g/m2)+AraC 測定可能病変あ (2g/m2 x 2/d x 2 効例における奏 83)と有意差を認めた (p=0.009)。Grade 3-4の血液毒性発現 d)/3w。全例その 効持続期間、OS, 率はMTX+AraC群に有意に高頻度であった(36 [92%] vs six り。 後全脳照射 FFS、髄膜再発 [15%])。毒性による治療関連死は4例(MTX+AraC 3例、MTX 率、神経毒性 単独 1例)。 3g/m2以上のHD-MTXは PCNSLの予後を改善する。 AraC以外の他剤の併用効果 は検証できず。待機照射によ る悪影響の有無はランダム化 試験により検証が必要。 Retrospectiveなメタ解析によ り、MTX投与量、併用薬剤 (AraC)の有用性を示した。一 方で照射待機の意義について はランダム化試験の必要性を 提示した。 75歳以下のPCNSL症例では、 HTX+AraC療法の方が生存延 長効果を認め、有害事象は 許 容範囲であった。 世界初のPCNSLに対するラン ダム化比較試験。HD-MTX単 独よりAraC併用療法の方が生 存延長効果があることを示し た。しかし、HD-MTX単独療法 でのサイクル間隔が3週間で あること、併用療法での治療 関連死を含めた毒性増悪を考 慮することも必要である。 1985-1992年に MSKCCで標準 的治療が施行さ れたPCNSL例。 PCNSLに対する化学療法放 化学療法+放射線治療の有 射線治療の併用療法は生存 効性を示すととともに、遅発性 延長に寄与するが、再発は高 神経毒性の問題を提示した。 頻度で生じ,高齢者における 遅発性神経障害の対策が必 要である。 Combination chemotherapy and radiotherapy for primary central nervous system lymphoma: Radiation Therapy Oncology Group Study 93-10. DeAngelis, L. M. Seiferheld, W. Schold, S. C. Fisher, B. Schultz, C. J. J Clin Oncol Phase II 20:4643-4648, 2002 study, multicenter 非比較試験(Phase III II study), prospective 初発中枢神経 初発中枢神経系原 系原発悪性リン 発悪性リンパ腫 パ腫に対する 化学療法併用 放射線治療の 前方視的試験 CQ05-03 High-dose methotrexate-based chemotherapy followed by consolidating radiotherapy in non-AIDS-related primary central nervous system lymphoma: European Organization for Research and Treatment of Cancer Lymphoma Group Phase II Trial 20962. J Clin Oncol 21:4483-4488, 2003 Prospective, phase II study II b 多剤併用療法 +全脳照射の 有効性と安全 性の検討。 初発中枢神経系原 52症例。 発悪性リンパ腫(HIV 陰性) EORTC 20962。 MBVP療法2サイク 奏効率、安全性 多施設共同 ル+MTX/AraC髄 注+全脳照射 40Gy CQ05-04 Clinical relevance of consolidation radiotherapy and other main therapeutic issues in primary central nervous system lymphomas treated with upfront high-dose methotrexate. Poortmans, P. M. Kluin-Nelemans, H. C. Haaxma-Reiche, H. Van't Veer, M. Hansen, M. Soubeyran, P. Taphoorn, M. Thomas, J. Van den Bent, M. Fickers, M. Van Imhoff, G. Rozewicz, C. Teodorovic, I. van Glabbeke, M. Reni, M. Ferreri, A. J. Guha-Thakurta, N. Blay, J. Y. Dell'Oro, S. Biron, P. Hochberg, F. H. Int J Radiat Oncol Biol Phys 51:419425, 2001 Retrospective analysis of published prospective clinical trials. III PCNSLにおけ るMTX療法の 最適用量の評 価と他剤、髄 注、放射線治 療の効果評 価。 免疫不全のない PCNSLで、HDMTX(1g/m2以上)治 療をされた症例。 19の前方視的臨 なし 床試験から、 HD-MTX療法あ り、照射の有無 は問わない条件 で。 CQ05-05 High-dose cytarabine plus high-dose methotrexate versus high-dose methotrexate alone in patients with primary CNS lymphoma: a randomised phase 2 trial. Ferreri, A. J. Reni, M. Foppoli, M. Martelli, M. Pangalis, G. A. Frezzato, M. Cabras, M. G. Fabbri, A. Corazzelli, G. Ilariucci, F. Rossi, G. Soffietti, R. Stelitano, C. Vallisa, D. Zaja, F. Zoppegno, L. Aondio, G. M. Avvisati, G. Balzarotti, M. Brandes, A. A. Fajardo, J. Gomez, H. Guarini, A. Pinotti, G. Rigacci, L. Uhlmann, C. Picozzi, P. Vezzulli, P. Ponzoni, M. Zucca, E. Caligaris-Cappio, F. Lancet 374:15121520, 2009 ランダム化比較第2 Ib 相試験 PCNSLに対す non-Hodgkin PCNSL 79症例 るHD-MTX療法 と多剤(AraC) 併用療法の優 劣を検証。 CQ06-01 Long-term survival in primary CNS lymphoma. Abrey, L. E. DeAngelis, L. M. Yahalom, J. J Clin Oncol 16:859-863, 1998 コホート研究の長期 III 追跡調査 PCNSLに対す 初発中枢神経系原 31例。 るHD-MTX+照 発悪性リンパ腫(HIV 射+AraC療法 陰性) でCRとなった症 例の長期成績 と遅発性神経 毒性発現の検 288症例。 Rituximab の MPV 療 法 へ の 追 加は好中球減尐リスクを 有意 に高 め、GCSF 救 済 が 必 要で ある。R-MPV療法の追加サイ クルによりCR率は2倍近く増 加。全脳照射線量減量で不利 な結果は今のところ得られて いない。 特に初発時60歳未満の症例 で長期予後は良好であった。 高齢者例では全脳照射を遅延 することは治療関連神経毒性 の軽減目的への妥当性が示 唆された。 PCNSLに対する初めての多施 設共同試験であり、化学療法 併用放射線治療は放射線単 独療法に比べ有意に生存延 長効果を認めた.HD-MTX基 盤療法の奏効率は高い。遅発 性神経毒性は今後の問題。 MBVP+全脳照射は高い奏効 率を示した。しかし10%の治療 関連死亡率は本治療の一般 化を妨げる要素と考えられる。 CQ05-02 102例。 中間観察期間37ヶ月時点で、2年生存率、PFSは各67%、 57%。初期化学療法5サイクル以下では44%例でCR、7サイク ル後では78%でCR獲得。奏効率93%。CR21例中19例で全脳 照射は23.4Gy施行。主なGrade 3/4有害事象は好中球減尐 (43%)、血小板減尐(36%)、白血球減尐 (23%)であり、治療関 連神経毒性は認めていない。 RTOG 93-15。 Phase II study、 多施設共同 27ヶ月の中間観察期間。治療開始前に1例増悪し死亡。5例 が治療中に死亡。42例が治療完遂。Grade 3/4好中球減尐 は78%、血小板減尐は24%にみられた。奏効率は81%。18例が 死亡し、11例は腫瘍増悪により、5例は治療関連死の可能性 あり。遅発性白質脳症1例。MSTは46ヶ月であった。 治療有効性、生 存率、奏効例での 照射時期と照射 線量の影響 HD-MTX 奏効率、再発率、 生存期間中間値は42ヶ月、5年生存率22.3%。Historical (1g/m2)/1w x PFS、OS、遅発性 control(照射 のみ)の5年 生 存率3-4%と比 較 する と良 好で 2+MTX12mg it x 6 神経毒性 あった。診断時50歳未満が有意な生存期間の予後因子(P = 。その後照射(全 .01)。DFS中間値は40.3ヶ月。再発は15例で14例はCNS内。 脳40Gy+14.4Gy局 遅発性神経毒性は約1/3の症例に出現し、特に60歳超例で 所)、その後AraC 高頻度であった(P < .0001)。 (3g/m2)x2d x 2。 PCNSLに対する初の多施設 共 同試 験で,HD-MTX 基 盤化 学療法の併用の有効性を示し た。 本レジメンは毒性が高く、標準 治療化は難しいと考えられる。 中枢神経系原発悪性リンパ腫 構造化抄録 CQ07-01 Primary central nervous system lymphoma: results of a pilot and phase II study of systemic and intraventricular chemotherapy with deferred radiotherapy. Pels, H. Schmidt-Wolf, I. G. Glasmacher, A. Schulz, H. Engert, A. Diehl, V. Zellner, A. Schackert, G. Reichmann, H. Kroschinsky, F. Vogt-Schaden, M. Egerer, G. Bode, U. Schaller, C. Deckert, M. Fimmers, R. Helmstaedter, C. Atasoy, A. Klockgether, T. J Clin Oncol 21:4489-4495, 2003 Prospective, pilot and phase II study. II b 全身化学療法 初発中枢神経系原 65例。(61例が評価 +髄腔内化学 発悪性リンパ腫(HIV 可能) 療法のPCNSL 陰性) に対する奏効 率、奏効持続 期間、OS、毒性 の評価 CQ07-02 Long-term outcome in PCNSL patients treated with high-dose methotrexate and deferred radiation. Gerstner, E. R. Carson, K. A. Grossman, S. A. Batchelor, T. T. Neurology 70:401402, 2008 Prospective, phase II study. II b CQ07-03 High-dose methotrexate with or without whole brain radiotherapy for primary CNS lymphoma (G-PCNSL-SG-1): a phase 3, randomised, non-inferiority trial. Thiel, E. Korfel, A. Martus, P. Kanz, L. Griesinger, F. Rauch, M. Roth, A. Hertenstein, B. von Toll, T. Hundsberger, T. Mergenthaler, H. G. Leithauser, M. Birnbaum, T. Fischer, L. Jahnke, K. Herrlinger, U. Plasswilm, L. Nagele, T. Pietsch, T. Bamberg, M. Lancet Oncol 11:1036-1047, 2010 Prospective, randomized, phase III study Ib 超大量MTX療 法と放射線照 射待機による PCNSLの治療 効果。 初期治療にお ける全脳照射 の必要性を 検 証する試験。 CQ08-01 A multicenter study of treatment of primary Ferreri, A. J. CNS lymphoma. Reni, M. Pasini, F. Calderoni, A. Tirelli, U. Pivnik, A. Aondio, G. M. Ferrarese, F. Gomez, H. Ponzoni, M. Borisch, B. Berger, F. Chassagne, C. Iuzzolino, P. Carbone, A. Weis, J. Pedrinis, E. Motta, T. Jouvet, A. Barbui, T. Cavalli, F. Neurology 58:15131520, 2002 Retrospective, コ ホート研究 III Boehme, V. Schmitz, N. Zeynalova, S. Loeffler, M. Pfreundschuh, M. Blood 113:38963902, 2009 ランダム化比較試 III 験(RICOVER-60) 登録症例からの二 次解析(コホート研 究) 全身性B細胞リ ンパ腫で CHOP、 rituximab治療 中・後の中枢神 経系病巣の出 現率の検討。 Colombat, P. Lemevel, A. Bertrand, P. Delwail, V. Rachieru, P. Brion, A. Berthou, C. Bay, J. O. Delepine, R. Desablens, B. Camilleri-Broet, S. Linassier, C. Lamy, T. Illerhaus, G. Marks, R. Ihorst, G. Guttenberger, R. Ostertag, C. Derigs, G. Frickhofen, N. Feuerhake, F. Volk, B. Finke, J. Bone Marrow Transplant 38:417420, 2006 Prospective, phase II study. II b 初発PCNSL症 例でHD-MTX基 盤療法後の大 量化学療法+ 自家幹細胞移 植療法の効果 と安全性を検 討。 J Clin Oncol 24:3865-3870, 2006 Prospective, phase II study. II b 大量化学療法 免疫不全のない +自家幹細胞 PCNSL、65歳以下。 移植療法の効 果と安全性を検 討。 CQ08-02, 10- CNS events in elderly patients with 02 aggressive lymphoma treated with modern chemotherapy (CHOP-14) with or without rituximab: an analysis of patients treated in the RICOVER-60 trial of the German HighGrade Non-Hodgkin Lymphoma Study Group (DSHNHL). CQ09-01 High-dose chemotherapy with autologous stem cell transplantation as first-line therapy for primary CNS lymphoma in patients younger than 60 years: a multicenter phase II study of the GOELAMS group. CQ09-02 High-dose chemotherapy with autologous stem-cell transplantation and hyperfractionated radiotherapy as first-line treatment of primary CNS lymphoma. 初発中枢神経系原 25症例。 発悪性リンパ腫(HIV 陰性) 初発中枢神経系原 551症例。 発悪性リンパ腫(HIV 陰性) PCNSLにおけ 初発中枢神経系原 370症例。 る治療成績と関 発悪性リンパ腫(HIV 連する臨床因 陰性) 子の解析 1995-2001年の 連続65症例。20 例がpilot study で、残る45例が 多施設共同試験 で。 3 HD-MTX@cycles 1, 2, 4, 5)、ARAC@cycles 3, 6)基 盤全身化学療法 (+ dexamethasone, vinca-alkaloids, ifosfamide, cyclophosphamide) + MTX,prednisolone, ARA-C髄注 = BONNプロトコール NABTT 96-07多 MTX (8g/m2)を2週 施設共同試験 間毎投与。最大8 サイクル。CR後は 4週毎に計11サイ クル追加。 G-PCNSL-SG- HD-MTX療法後、 1 trial。多国多 全脳照射あり vs. 施設共同試験。 なし(non-CRでは 75施設。2000- HD-AraC療法あ 2009年。非全脳 り)をランダム化し 照射群の非劣性 比較。 試験。HR 0.9以 上と仮説。 Time to treatment failure。二次評価 項目:奏効率、 OS、2年及び5年 生存率、奏効持 続期間、治療関 連有害事象 CR率61%、PR率10%、治療中のPD率19%。治療関連死率9%。 観察期間0-87ヶ月(中間 26ヶ月)。TTF中央値21ヶ月、MST 50ヶ月。60歳超例ではMST 34ヶ月、TTF中央値15ヶ月。60歳 以下では中央値には未到達。5年生存率75%。全身性毒性は 主に血液毒性。Ommaya reservoir感染が19%、永続性認知障 害は3%のみであった。 HD-MTX+AraCによる初期化 学療法は高度の奏効を示し た。奏効率・奏効持続期間は 照射を併用した他の試験報告 に匹敵し、神経毒性は低頻度 であった。 BONNプロトコールによる奏効 率は良好であった。但し治療 関連死9%、高齢者での効果が 不良であった点など注意を要 する。 最低6.5年以上の観察結果。52%で初期導入HD-MTXでCR。 そのうちの40%は6.8年の観察期間中央値にて未再発。14例 が死亡。3例は他の疾患による。MTX関連死なし。PFS中央 値12.8ヶ月。MST 55.4ヶ月、disease-specific survivalは72.3ヶ 月時点で中央値に達せず。 OS(per protocol Per-protocol populationで、MSTは全脳照射群で32.4ヶ月 population)。二次 (95% CI 25.8-39.0) (n=154)、非全脳照射群で37.1ヶ月(27.5評 価 項 目:PFS 、 46.7)(n=164)であり、ハザード比は1.06 (95% CI 0.80-1.40; CR率、有害事象 p=0.71)であった。仮説は95%CIが0.9以上であり、仮説は証明 (神経毒性)。 されなかった。PFS中央値は全脳照射群で18.3ヶ月(95% CI 11.6-25.0)、非全脳照射群で11.9 months (7.3-16.5; p=0.14)。 CR継続症例における治療関連神経毒性は全脳照射群でより 多かった(臨床評価上49%、神経放射線検査上71%)⇔非全脳 照射群(同各26%; 46%)。 超大量MTX単独療法での生 存期間は延長した。一方PFS は短く、salvage治療が有効で あったと考えられる。CNS外の 再発も多かった。 初期治療から全脳照射を省い てもOSは有意差がなかった が、仮説は証明できなかった。 全脳照射の効果は、PFS延長 効果と長期生存症例での神経 毒性のリスクのバランスで考 慮すべき。 照射を待機する超大量MTX療 法の効果と限界を示した報 告。 多施設からのPCNSLに対する 治療 法の 因 子解 析。HD-MTX 療法とHD-AraC併用の有用 性、化学療法とその後の照射 の順序などが 重要である こと を示唆する報告。 奏効率、PFS、 DSS、OS 世界初のPCNSLにおけるラン ダム化比較第III相試験。HDMTX 療法 後 の地 固め 全 脳照 射の必要性を 否定できなかっ た。 23施設から 1980-1999年ま での治療症例 378例を集積。治 療データは370 例で有効。 照射単独98例 予後因子解析。 (26%)、 照射後化 単変量、多変量 (Cox)。 学療法36例 (10%)、化学療法単 独32例 (9%)、化学 療法後照射197例 (53%)。化学療法は 169例(70%)でMTX が使用。髄注は 109例。 観察期間中央 値24ヶ月で116例が生存。2年OS 率37%。照射 単独例に比べ、化学療法後照射例で生存延長がみられた。 HD-MTX基盤化学療法施行例は、他剤治療例より生存延長 がみられた。HD-MTXはHD-AraCとの併用でHD-MTX単独よ り良好な成績を示した。MTX投与量と生存期間の相関は認め ず。HD-MTX施行例では、地固め照射及び髄注は生存期間 を改善せず。年齢、PS、血清LDH値、髄液蛋白値、腫瘍局 在 、HD-MTX療法の有無が生存予後因子であった。 化学療法後照射が照射単独 に優っており、HD-MTX基盤療 法が更に優れた成績を示し た。HD-AraCの追加は生存改 善に寄与するが、髄注は関与 しなかった。HD-MTX基盤化 学療法でのCR例では照射は 不要である可能性もある。 60歳以上の高度悪 1222症例。 性リンパ腫症例。 RICOVER-60試験登 録治療症例。 RICOVER-60試 験症例 2週間毎のCHOP 計6-8サイクル+/リツキサン8回投 与。腫瘍塊+例で は局所照射追加。 58例でCNS病巣が認められた (36/609がCHOP-14群で、 22/608 例がrituximab-CHOP-14 [R-CHOP-14]群で)。2年で のCNS病巣発症率は前者で6.9% (95%CI 4.5; 9.3)、後者で4.1% (CI 2.3; 5.9)。R-CHOPにより、CNS発症をHRで0.58 (95% CI 0.3; 1.0, P = .046)減尐した。多変量解析(Cox regression)で、 2ヶ所以上の節外病巣、B-symptoms、がCNS病巣の有意な リスク因子として抽出された。R-CHOP-14施行症例ではMTX 髄注による利益は認められなかった。 高悪性度CD20陽性リンパ腫 MTX髄注の意義が低いことを では、R-CHOP-14療法(Rの 示す報告。 上乗せ)は有意にCNS病巣の 発生リスクを低下させる。本療 法施行例ではMTX髄注はリス ク軽減効果はない。但し精巣 病巣のある症例は例外であ る。 初発中枢神経系原 25症例。 発悪性リン パ腫(HIV 陰性)。60歳以下、B 細胞リンパ腫。 多施設共同(11 施設)、19992001年。 GOELAMS study。 CNS病巣出現ま での期間。治療完 了後のCNS転移 による再発または CR/CRu後のCNS 再発。二次評価 項目:CNS転移後 の生存期間。髄 膜症発症までの MTX+VP16+BCNU OS。二次評価項 +mPSL x 2サイク 目:奏効率、 ル、IFO+AraC x 1 eventfree サイ クル、その後 survival (EFS)、治 PBSC 採 取 。 そ の 療遂行性、安全 後大量化学療法 性評価 (BCNU+VP16+Ara C+melphalan) + ASCT。その後全 脳照射30Gy。 MTX (8 g/m2); OS、PFS。 cytarabine (AraC; 3 g/m2 x 2), thiotepa (40 mg/m2)を3サイク ル。その後、幹細 胞採取。BCNU (400 mg/m2)+thiotepa (5 mg/kg x 2)によ る大量化学療法。 その後ASCT。 MTX奏効例は28例。6例CR、15例PR、7例SD。AraC/thiotepa 治療は、26例中10例でCR、14例でPR、1例でSD、1例でPD。 23例でHDT +ASCTを施行し、15例でCRs、8例でPRs。全脳 照射後21例中21例でCRs。MTX後に1例肝不全で死亡。 Grade 3/4血液毒性にもかかわらず、HDTは忍容性良好で あ った。63ヶ月の観察期間中央値(range, 4 months to 84 months)で、5年OS率は全症例で69%、HDT/ASCT施行23例で h87%。5年再発関連死亡率は、全症例で21% (n = 30)、 HDT/ASCT施行例で8.7%(n = 23)であった。 30症例。 多施設共同。9 例(pilot phase)、 21例(phase II phase)。19982003年。 導入化学療法の奏効率は84%。奏効例21例中4例はASCTを ASCT支持による大量化学療 若年PCNSLに対する大量化 非施行(毒性又は拒絶)。観察期間中央値34ヶ月で、4年EFS 法は遂行可能で、奏効する可 学療法の試みの報告。 は46%。4年OS は64%。16例でCRが継続中。遅発性治療関連 能性が示唆される。 毒性は観察されていない。 MTX→AraC/thiotepa→ 65歳以下のPCNSLに対する HDT/ASCT →多分割WBRT の 大量化学療法の効果を報告。 治療は毒性が低く有効な治療 法であることが示唆された。 中枢神経系原発悪性リンパ腫 構造化抄録 CQ11-01 Blood-brain barrier disruption and intraarterial methotrexate-based therapy for newly diagnosed primary CNS lymphoma: a multi-institutional experience. CQ12-01 4 J Clin Oncol 27:3503-3509, 2009 Prospective study III 血液脳関門破 初発中枢神経 系原 綻(BBBD)療法 発悪性リンパ腫(免 によるPCNSL 疫不全無し) 治療の検討。 149症例。 1982-2005年。 多施設共同。 マン ニトールに よ 奏効率、OS、 るBBBD+MTX 動 PFS、有害事象 注 奏効率81.9% (CR57.8%、PR24.2%)。MST3.1年 (25%@8.5年). BBBD/MTX動注療法の最大 PFS中央値1.8年、5年PFSは31%、7年PFSは25%。低リスク症 のシリーズ。(23年間)。良好 例(60歳以下、KPS70以上)では、MSTは約14年。8年以降で な治療成績を示した。 プラトー化。治療は認容性良好。部分発作が9.2%で最も高頻 度の副作用で、長期後遺症はなし。 BBBDによるMTX導入療法の 長期治療成績報告。特殊な治 療体制が必要で、一般化する ことは難しい。 High-dose methotrexate for elderly patients Zhu, J. J. Gerstner, E. R. with primary CNS lymphoma. Engler, D. A. Mrugala, M. M. Nugent, W. Nierenberg, K. Hochberg, F. H. Betensky, R. A. Batchelor, T. T. High-dose methotrexate toxicity in elderly Jahnke, K. patients with primary central nervous Korfel, A. system lymphoma. Martus, P. Weller, M. Herrlinger, U. Schmittel, A. Fischer, L. Thiel, E. Temozolomide and methotrexate for Omuro, A. M. Taillandier, L. primary central nervous system lymphoma Chinot, O. in the elderly. Carnin, C. Barrie, M. Hoang-Xuan, K. Neuro Oncol 11:211-215, 2009 コホート研究 III 70歳以上の 70歳以上のPCNSL PCNSLにおけ 連続症例 るHD-MTX療法 の効果と毒性 の検討。 31症例。 1992-2006年。 単施設症例。 MGH。 HD-MTX (3.58g/m2) 奏効率、有害事 象、予後因子解 析 HD-MTX療法計303サイクル(中間値8サイクル)中、87.9%で Ccrのため用量減量を要した。30症例で、画像上奏効率は 96.7%、CR率60%、PR率36.7%。PFS及びOSは各7.1ヶ月と37ヶ 月。有害事象は27/31例で観察され、消化器系58% (3.2% grade III)、血液毒性80.6% (6.5% grade III)、腎毒性は29% (0% grade III/IV)であった。 70歳以上のPCNSL例で、HDMTX療法は高い奏効率と低い 高度有害事象の発現率であっ た。高齢者PCNSLに対しては HD-MTX療法が考慮すべき治 療選択と考えられる。 70歳以上の高齢者に対して も、HD-MTXは比較的安全に 施行でき、治療効果もみられ るとの報告。 Ann Oncol 16: 445449, 2005 コホート研究 III PCNSL症例の 年齢別HDMTX療法の毒 性の評価。 全154症例中、60歳 60歳超:89例、70歳 超:89例、70歳超:21 超:21例。総計619サ 例。 イ ク ル の HD-MTX 療 法が施行。 有害事象 HD-MTX療法による毒性は軽度で、WHO grade 3以上の毒性 発現率は通常10%未満であった。60歳超例と60歳以下例で、 毒性の頻度と程度に有意差無し。同様に、MTX毒性による治 療中止やMTX血中濃度の排泄遅延に年代差なし。両年代間 でGFRによる投与量減量率は有意に異なった (44%対18%; P = 0.001)。 GFRに応じた減量規定を遵守 する限り、HD-MTX療法は年 齢を問わず安全に施行可能で ある。 HD-MTX療法は年齢が毒性規 定因子ではなく、腎機能による 調整が重要であるとする報 告 。 J Neurooncol 85:207-211, 2007 コホート研究 III 高齢者PCNSL 症例に対する TMZ+HD-MTX 療法の検討 60歳超のPCNSL症 例。 奏効率、生存率 CR率55%、PD率45%。Event-free survival中央値は8ヶ月。 MSTは35ヶ月。腎毒性を含むGrades 3/4毒性は3例に、血液 毒性は5例に認めた。神経毒性はなし。1例が腸管閉塞で死 亡。 本治療法の効果は他治療法と 高齢者PCNSLに対するTMZ併 同等で毒性が尐なく、髄注を 用HD-MTX療法の報告。 省略している利点がある。 Prospectiveな比較試験が必 要である。 CQ13-01 Treatment of relapsed central nervous system lymphoma with high-dose methotrexate. Clin Cancer Res 10: 5643-6, 2004 Retrospective III study。コホート研究 再発PCNSLに 対するHD-MTX 療法の効果を 検討。 初発時HD-MTX基盤 22症例。 療法でCR後の再 発 、あるいは全摘後 ま たは組織内照射後 MTX療法施行された 後の再発例。 CQ13-02 Primary central nervous system lymphoma. Plotkin, S. R. Betensky, R. A. Hochberg, F. H. Grossman, S. A. Lesser, G. J. Nabors, L. B. Chon, B. Batchelor, T. T. Gerstner, E. R. Batchelor, T. T. Arch Neurol 67:291297, 2010 Review IV CQ14-01 Role of intravitreal methotrexate in the management of primary central nervous system lymphoma with ocular involvement. Smith, J. R. Rosenbaum, J. T. Wilson, D. J. Doolittle, N. D. Siegal, T. Neuwelt, E. A. Pe'er, J. Ophthalmology 109:1709-1716, 2002 Retrospective noncomparative interventional case series.(コホート研 究) III 免疫不全のな いPCNSLにつ いての包括 的 レビュー IOLに対する MTXの硝子体 内局注療法の 安全性と効果 の検討 CQ14-02 Relevance of intraocular involvement in the management of primary central nervous system lymphomas. Ann Oncol 13:531538, 2002 Retrospective III study。コホート研究 CQ14-03 Primary CNS lymphoma with intraocular involvement: International PCNSL Collaborative Group Report. Ferreri, A. J. Blay, J. Y. Reni, M. Pasini, F. Gubkin, A. Tirelli, U. Calderoni, A. Zucca, E. Cortelazzo, S. Chassagne, C. Tinguely, M. Borisch, B. Berger, F. Ponzoni, M. Cavalli, F. Grimm, S. A. McCannel, C. A. Omuro, A. M. Ferreri, A. J. Blay, J. Y. Neuwelt, E. A. Siegal, T. Batchelor, T. Jahnke, K. Shenkier, T. N. Hall, A. J. Graus, F. Herrlinger, U. Schiff, D. Raizer, J. Rubenstein, J. Laperriere, N. Thiel, E. Doolittle, N. Iwamoto, F. M. CQ12-02 CQ12-03 Angelov, L. Doolittle, N. D. Kraemer, D. F. Siegal, T. Barnett, G. H. Peereboom, D. M. Stevens, G. McGregor, J. Jahnke, K. Lacy, C. A. Hedrick, N. A. Shalom, E. Ference, S. Bell, S. Sorenson, L. Tyson, R. M. Haluska, M. Neurology 71:13551360, 2008 Multicenter コホート研究 Study Clinical Oncology III 23症例。 HIV陰性B細胞性眼 16症例。 内リンパ腫の白人症 例。 IOLにおける臨 免疫不全のない 22症例。(PCNSLの 床的、治療的 PCNSL症例の中で、 13%) 予後因子の解 IOLを有する症例。 析 眼内病巣を合 併した中枢神 経系悪性リンパ 腫の病態・診 断・治療・予後 を後方視的に 検討。 1977年から2005年ま 221例 での7カ国、16施設 からHIV陰性の眼内 病巣合併中枢神経 系原発悪性リンパ腫 症例を集積。 多施設共同第IV 相試験症例。 (German Primary CNS Lymphoma Study Group 1) HD-MTX療法 (4g/m2)、ロイコボ リン救済。その後、 全脳照射あり vs. なし(non-CRでは HD-AraC療法あ り)をランダム化し 比較。 2003-2004年、 初期治療:HDANOCEFグル ー MTX(3g/m2, Day プの3施設の 症 1, 10, 20) + 例。 TMZ(100mg/m2, Days 1-5)。CR/PR 例は維持療法: HD-MTX (3g/m2, Day 1) + TMZ (100mg/m2, Days 1-5)を最大5サイク HD-MTX (3g/m2 以上)を含む治療 レジメンで治療。 奏効率、生存率、 奏効率:91%(初回再発時:20/22例)、100%(2回目再発時: 有害事象。 4/4例)。MST: 61.9ヶ月(初回再発後)(95%CI: 42.1-未)、全生 存期間は 91.9 ヶ月 (95%CI: 47.2-未)。毒性は血液毒性が主 で、全566サイクル治療中、grade 3/4の毒性は10回のみに観 察。 HD-MTX療法は初期治療で MTX奏効例での再発時治療と して有効で、高度毒性を伴う他 の治療レジメンはこの症例群 に対し待機できる。 初期治療でMTXに奏効した PCNSL例では、再発時に高率 でHD-MTX 療法 が有 効である ことを報告。 1995-2000年。 Oregon Health & Science University or Hadassah University Hospitalの単施 設。 5ヶ国23施設か らの378PCNSL 症例からIOL症 例を抽出し解 析。1980-1999 年。 硝子体内MTX局 奏効率、奏効まで 観察期間:6-35ヶ月(中央値18.5ヶ月)。26/26眼で最大12回の 注 (400 ug/0.1 ml) の治療回数、視 注入により悪性細胞の臨床的消失が得られた。再発後の 力などの合併症、 MTX局注により3例で再度緩解が得られた。治療中・後の合 生存期間 併症として白内障(73% of 26 eyes)、角膜epitheliopathy (58% of 26 eyes)、乳頭症(42% of 26 eyes)、硝子体出血(8% of 26 eyes)、視神経萎縮(4% of 26 eyes)、sterile endophthalmitis (4% of 26 eyes)が認められた。MTX局注に由来する不可逆的 視覚喪失は認められず。 化学療法後照射 患者背景、奏効 IOLの存在は全身症状と髄膜症状と関与あり。奏効率71%。 13例、化学療法単 率、再発率、IOL 16例で再発・増悪 (2-year failure-free survival 34+/-10%)。眼 独3例、照射単独 局所制御と生存 内再発が8例。2年での眼内再発率59+/-11%。眼内再発は化 またはその後の化 率。 学療法+眼球照射施行例で尐なく、生存期間の短縮と関連 した。7例が生存中(53ヶ月の観察期間、2年OS率39+/- 11%) 学療法5例。化学 。その内5例で眼球照射あり。全症例でのOSはスリットラ ンプ 療法:HD-MTX12 検査で陰性であったPCNSL症例と同等であった。 例、髄注10例。眼 球照射15例。 MTX硝子体内局注療法は、 PCNSLのIOL症例に対し臨床 的緩解をもたらし、副作用は 軽度であった。生存延長効果 についての更なる検討が必 要。 IOLに対するMTX硝子体内局 注療法の効果・安全性の報 告。 IOLは通常脳病変に合併し、 IOLのないPCNSLと予後は同 等であった。化学療法と眼球 照射により眼病巣の制御は良 好で、生存延長が期待され る 。IOL合併PCNSLに対する 第 II相試験での化学療法単独 療法は再考の余地がある。 IOLとPCNSLの予後及び治療 因子の後方視的解析。眼球照 射の役割を 指摘。MTX 局注は 含まれていない。 多施設 なし 過去最大の眼内リンパ腫合併 PCNSLのシリーズ。PFS・OS はともにPCNSL単独例と類 似。選択的眼内治療は予後に 影響せず。 眼内リンパ腫合併PCNSLの病 態と治療成績を明らかにした 臨床研究。眼球の選択的治療 の効果は検証できず。 臨床的評価 中間年齢60歳。 女性57%。 中間PS:2。眼障害、認知障害が 最多の症状。診断法:脳生検 (147)、硝子体穿刺 (65)、髄液 細胞診 (11)。眼内リンパ腫の診断:硝子体穿刺・脈絡層・網 膜生検 (90)、眼球一般検査 (141)。髄液細胞診陽性率:23%。 176例中102例で選択的眼内治療施行 (照射:79、MTX局注: 22、併用:1)。再発した96%の症例での中間PFS:13ヶ月。再発 部位は、脳:52%、眼:19%、両方:12%、全身:2%。眼内治療施 行症例で眼内再発リスクの有意な軽減効果認めず(p = 0.7)。 全体での中間PFS:18ヶ月、OS:31 ヶ月。
© Copyright 2024 Paperzz