詳細 - 住友金属鉱山株式会社

着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 1/11
作成日 2012/09/06
改訂日 2016/7/14
製品安全データシート
1.化学物質等及び会社情報
化学物質等の名称
製品コード
会社名
住所
担当部門
電話番号
FAX番号
推奨用途及び使用上
の制限
着色用分散液 WRF-30X1
WRF-30X1
住友金属鉱山株式会社
105-8716 東京都港区新橋5丁目11番3号
材料事業本部 粉体材料事業部
営業グループ インクチーム
03-3436-7872
03-3436-7827
塗料・インキ
2.危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性
健康に対する有害性
環境に対する有害性
引火性液体 区分2
急性毒性(経口) 区分5
急性毒性(吸入:蒸気) 区分4
皮膚腐食性/刺激性 区分2
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
生殖毒性 区分1A
特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系 )
特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用 気道刺激性 )
特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓 腎臓 中枢神経系 )
特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(呼吸器系 )
吸引性呼吸器有害性 区分1
水生環境急性有害性 区分2
上記で記載がない危険有害性は、分類対象外か分類できない。
GHSラベル要素
シンボル
注意喚起語
危険有害性情報
注意書き
危険
H225 引火性の高い液体及び蒸気
H315 皮膚刺激
H320 眼刺激
H332 吸入すると有害
H336 眠気及びめまいのおそれ
H360 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
H303 飲み込むと有害のおそれ
H335 呼吸器への刺激のおそれ
H372 長期又は反復経口ばく露による中枢神経系、
腎臓、肝臓の障害
H373 長期又は反復経口ばく露による呼吸器系の
障害のおそれ
H304 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険の
おそれ
H401 水生生物に毒性
H370 中枢神経系の障害
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 2/11
安全対策
使用前に取扱説明書を入手すること。(P201)
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。(P202)
容器を密閉しておくこと。(P233)
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。(P260)
取扱い後はよく手を洗うこと。(P264)
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。(P270)
屋外または換気の良い場所でのみ使用すること。(P271)
環境への放出を避けること。(P273)
保護手袋を着用すること。(P280)
保護眼鏡、保護面を着用すること。(P280)
指定された個人用保護具を使用すること。(P281)
救急措置
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で優しく洗うこと。
(P302+P352)
吸入した場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
(P304+P312)
吸入した場合、呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移
し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。(P304+P340)
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレ
ンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄
を続けること。(P305+P351+P338)
ばく露した場合、医師に連絡すること。(P307+P311)
ばく露又はその懸念がある場合、医師の手当、診断を受けるこ
と。(P308+P313)
ばく露した時、又は気分が悪い時は、医師に連絡すること。
(P309+P311)
眼に入った場合、直ちに医師に連絡すること。(P310)
皮膚刺激が生じた場合、医師の診断、手当てを受けること。
(P332+P313)
汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯すること。
(P362)
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。(P403+P233)
保管
施錠して保管すること。(P405)
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処
理業者に業務委託すること。(P501)
廃棄
3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別
一般名
化学名又は一般名
混合物
着色用
濃度又は濃度範囲
トルエン
C.I. Pigment Black 26
80.5%
10.0%
酢酸ブチル
3.5%
2-ブタノール
分散剤その他
0.8%
5.2%
官報公示整理番号
化審法
安衛法
C7H8
(3)-2
(3)-2
Cu(Fe,Mn)O4 CuO(1-297)
Fe2O3(1357)
CH3COOCH (2)-731,(2)- 2-(6)-226
735
2CH2CH2CH3
C4H10O
(2)-3049
2-(8)-300
社外秘
登録
登録
化学特性
CAS番号
108-88-3
68186-94-7
123-86-4
78-92-2
社外秘
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 3/11
分類に寄与する不純物及び安定化添加物
労働安全衛生法
情報なし
名称等を通知すべき危険物及び
有害物(法第57条の2、施行令
第18条の2別表第9)
トルエン(政令番号:407)(80.5%)
2-ブタノール(政令番号:477)(0.8%)
銅及びその化合物(政令番号:379)(10.0%)
マンガン及びその無機化合物(政令番号:550)
(10.0%)
酢酸ブチル(政令番号:181)(3.5%)
化学物質排出把握管理 第1種指定化学物質(法第2条第2 トルエン(政令番号:300)(81%)
促進法(PRTR法)
項、施行令第1条別表第1)
マンガン及びその化合物(政令番号:412)(10.0%)
4.応急措置
吸入した場合
皮膚に付着した場合
目に入った場合
飲み込んだ場合
5.火災時の措置
消火剤
消火を行う者の保護
6.漏出時の措置
人体に対する注意事
項、保護具および緊急
措置
環境に対する注意事項
被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で
休息させること。
医師に連絡すること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
水と石鹸で洗うこと。
汚染された衣類を脱ぐこと。
医師に連絡すること。
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズを着用してい
て容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
医師に連絡すること。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師に連絡すること。
医師に連絡すること。
情報なし
消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用す
る。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。
関係者以外の立入りを禁止する。
風上に留まる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
作業者は適切な保護具(『8.ばく露防止措置及び保護措置』の
項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
漏洩しても火災が発生していない場合、密閉性の高い、不浸透性
の保護衣を着用する。
低地から離れる。
環境中に放出してはならない。
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意する。
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 4/11
本製品は、水汚染物なので土壌汚染、もしくは排水溝及び排水
系及び大量の水に流入することを防止する。
回収・中和
物質を吸込み又は掃き取って廃棄用容器に入れること。
不活性材料(例えば、乾燥砂又は土等)で流出物を吸収して、化
学品廃棄容器に入れる。
掬い取るか、適切な吸収材によって水表面から除去する。分散剤
を使用してはならない。
物質を固化して掻き取る。
封じ込め及び浄化方法・
機材
本製品は水に浮かぶため火災の危険がある。可能ならば、浮い
ている製品を封じ込めるよう努める。
除去後、汚染現場を水で完全に洗浄する。
蒸気は水噴霧で制御できる。液体が蒸発して更に多くの蒸気を
発生させるため、水流はその液体の方に向けないほうがよい。
二次災害の防止策
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や火炎
の禁止)。
滑らかな滑りやすい表面を床上に形成するので、完全に取除くこ
と。
7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策
局所排気・全体換気
安全取扱い注意事項
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の設備対策を行い、保護
具を着用する。
『8.ばく露防止及び保護措置』に記載の局所排気、全体換気を
行う。
使用前に使用説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
眼、皮膚との接触を避けること。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
保管
接触回避
技術的対策
混触危険物質
保管条件
容器包装材料
取扱い後はよく手を洗うこと。
飲み込みを避けること。
屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
ガスを吸入しないこと。
ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
排気用の換気を行うこと。
環境への放出を避けること。
『10.安定性及び反応性』を参照。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、
照明及び換気の設備を設ける。
『10.安定性及び反応性』を参照。
施錠して保管すること。
容器を密閉して換気の良い場所で保管すること。
情報なし
8.暴露防止及び保護措置
管理濃度、許容濃度
トルエン
20ppm
日本産業衛生学会
50ppm(188mg/m3)(皮)
TWA 20ppm
酢酸ブチル
150ppm
100ppm(475mg/m3)
TWA 150ppm, STEL 200ppm
2-ブタノール
100ppm
100ppm(300mg/m3)
TWA 100ppm
管理濃度
ACGIH
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 5/11
分散剤その他
未設定
設備対策
保護具
呼吸器の保護具
手の保護具
眼の保護具
皮膚及び身体の保護
具
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全シャワーを
設置すること。
本製品を貯蔵又は使用する設備は、眼洗浄施設及び安全シャ
ワーを設置したほうがよい。
必要に応じて個人用呼吸器保護具を使用すること。
適切な呼吸器保護具を着用すること。
必要に応じて個人用保護手袋を使用すること。
適切な眼の保護具を着用すること。
化学飛沫用のゴーグル及び規格にあった顔面保護具を着用する
こと。
安全眼鏡を着用すること。撥ね飛び又は噴霧によって眼及び顔
面接触が起こりうる時は、包括的な化学スプラッシュゴーグル、及
び顔面シールドを着用すること。
適切な顔面用の保護具を着用すること。
必要に応じて個人用の保護衣、保護面を使用すること。
衛生対策
9.物理的及び化学的性質
物理的状態
形状
色
臭い
pH
沸点、初留点及び沸騰範囲
引火点
自然発火温度
トルエンとして
融点/凝固点
沸点、初留点及び沸騰範囲
引火点
比重(密度)
溶解性
取扱い後はよく手を洗うこと。
液体(スラリー)
黒色
芳香
データなし
情報なし
9℃ (タグ密閉式)
情報なし
-94.991℃
110.626℃
4.4℃(密閉),7.2℃(開放)
0.86694(20℃)
水に不溶,エタノールに可溶,エーテルに可溶,アセトンに可溶,
ベンゼンに可溶
酢酸ブチルとして
融点/凝固点
沸点、初留点及び沸騰範囲
引火点
比重(密度)
溶解性
-76.8℃
124〜125℃
38℃
0.8826(20℃)
エタノールに可溶,エーテルに可溶,炭化水素に可溶,水に微溶
2-ブタノールとして
沸点、初留点及び沸騰範囲
比重(密度)
99.50℃
0.81089(15℃,4℃),0.8078(20℃,4℃)
溶解性
10.安定性及び反応性
安定性
危険有害反応可能性
避けるべき条件
危険有害な分解生成物
水:18%(30℃),エタノールに任意の割合で混ざる,エーテルに任
意の割合で混ざる
通常の取扱いにおいては安定である。流動、撹拌などにより、静
電気が発生することがある。
強酸化剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす。
加熱
加熱分解により一酸化炭素、ニ酸化炭素を生じる。
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 6/11
11.有害性情報
急性毒性
トルエンとして
急性毒性:経口
情報なし
ラットに対する経口投与のLD50=2,600、5,500、5,580、5,900、
6,400、7,000、7,530 mg/kg (EU-RAR No.30 (2003)) に基づき、計
算式を適用して区分した。LD50 (計算値) =4,800 mg/kgから、区
分5とした。
急性毒性:経皮
ラットに対する経皮投与のLD50=12,000 mg/kg (ACGIH (7th,
2001))、ウサギに対するLD50=14,100 mg/kg (EHC 52 (1985)) に
基づき、小さい値を採用して、区分外とした。
急性毒性:吸入(気体)
GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、
分類対象外とした。
蒸気圧=3.3kPaから飽和蒸気圧濃度=33000ppm、ラットLC50(4H)
のうち最大値=33mg/L(NITE)=8760ppm<33000ppmx0.90から「ミ
ストがほとんど混在しない蒸気」と考えられ、ppm濃度基準値で判
定、LC50(4H)=18mg/L=4800ppm(NITE)(2500ppm<区分≦
20000ppm)により区分4とした。
急性毒性:吸入(蒸気)
急性毒性:吸入(粉じん)
急性毒性:吸入(ミスト)
皮膚腐食性/刺激性
データなし
データなし
EU-RAR No.30 (2003) のウサギを用いた皮膚一次刺激性 (4時間
適用) 試験結果の記述から、トルエンは中等度 (moderate) の皮
膚刺激性を示し、区分2とした。
眼に対する重篤な損傷
性/眼刺激性
EU-RAR No.30 (2003) のウサギを用いたOECD test guidelineに
準拠した眼刺激性試験結果の記述から、7日間で回復するので、
トルエンは軽度の眼刺激性を示すと考えられ、区分2Bとした。
呼吸器感作性又は皮膚
感作性
呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性: EU-RAR
No.30 (2003) のモルモットを用いたマキシマイゼーション法試験
結果の記述から、トルエンは皮膚感作性を有しないと考えられ、
区分外とした。
生殖細胞変異原性
EHC 52 (1986)、EU-RAR No.30 (2003)、IARC 71(1999)、ATSDR
(2000)の記述から、経世代変異原性試験(優性致死試験)で陰
性、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性
試験(小核試験、染色体異常試験)で陽性、生殖細胞in vivo遺伝
毒性試験なしであるが、in vivoでの陽性結果ははっきりとした陽
性結果はなく、結果表に「+」と記載されている評価書もあるが、い
ずれも総合判断としては陰性としており(EUでは結果表でもすべ
て陰性としている)、また1970年代に旧ソ連で行われた実験では
ベンゼンの混入が疑われ、Priority1の評価書では総じて陰性と
判断している。したがって、他に陰性結果の試験が6試験あること
も考慮し総合的に判断してin vivo変異原性試験は陰性と判断し、
区分外とした。
発がん性
IARC(1999)でグループ3、ACGIH(2001)でA4、EPA(2005)でDに
分類されていることから区分外とした。
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 7/11
生殖毒性
IRIS Toxiological review(2005)、EU-RAR No.30(2003)、IARC 71
(1999)、IARC 47(1989)、EHC 52(1986)、ATSDR(2000)の記述
から、ヒト疫学研究でトルエン暴露による自然流産の増加、妊婦
のトルエン乱用による新生児の発育異常・奇形、トルエン暴露に
よる血漿中の黄体形成ホルモン、テストステロン濃度の減少が示
唆されており、EU RAR30(2003)ではNg et al.,1992の報告から"the
study suggests an increased risk of late spontaneous abortions
associated with exposure to toluene at levels around 88 ppm
(range 50-150 ppm). The results of this study are used as a
basis for the risk characterisation of developmental toxicity in
humans."と結論していることから区分1Aとした。動物試験では、
ラット及びマウスの催奇形性試験において母動物に一般毒性の
みられない用量で、死亡胎児・骨化遅延の増加、胸骨分節の減
少・未骨化、肋骨の奇形(shift in rib profile)、過剰肋骨、骨格の
発達遅延、反射反応の遅延、学習障害、膣開口日齢及びtime of
testes descentの早期化がみられている。なお、Da-Silva et
al.(1991)によると、授乳を介した発生毒性への影響はみられな
かったが、トルエンの母乳への蓄積がみとめられている。
特定標的臓器毒性(単
回暴露)
ヒトについては、「トルエンは、主に吸入によって速やかに吸収さ
れ中枢神経系に作用する。50-100 ppm で疲労感、眠気、めま
い、軽度の呼吸器系への刺激をもたらす。200-400 ppm では興
奮状態となり、錯感覚や吐き気を伴う。500-800 ppm になると中
枢神経系の抑制が現れ、酩酊、精神錯乱、歩行異常などがみら
れる。」(CERIハザードデータ集 96-4 (1997))、「眼、鼻、喉へに対
する刺激」(EU-RAR No.30 (2003))等の記述、実験動物について
は、「麻酔」(EU-RAR No.30 (2003))等の記述があることから、中
枢神経系が標的臓器と考えられ、気道刺激性、麻酔作用を示し
た。 以上より、分類は区分1(中枢神経系)、区分3(気道刺激
性、麻酔作用)とした。
特定標的臓器毒性(反
復暴露)
ヒトについては、「トルエンには薬物依存性があり、トルエンの嗜
好的吸入により視野狭窄または眼振や難聴を伴う頭痛、振戦、
運動失調、記憶喪失といった慢性的中枢神経障害が報告されて
いる。CT 検査により脳萎縮が観察され、血尿やタンパク尿など
腎機能障害も報告されている。」(CERIハザードデータ集 96-4
(1997))、「難聴、脳幹聴性誘発電位の変化」(ATSDR (2000))、
「SGOTの上昇、肝細胞の脂肪変性やリンパ球浸潤を伴う肝毒
性」(EU-RAR No.30 (2003))等の記述があることから、中枢神経
系(脳、内耳への影響を含む)、腎臓、肝臓が標的臓器と考えら
れた。 以上より、分類は区分1(中枢神経系、腎臓、肝臓)とし
た。
吸引性呼吸器有害性
炭化水素であり、動粘性率は0.65 mm2/s (25℃) (計算値)であ
る。 よって区分1とした。
酢酸ブチルとして
急性毒性:経口
急性毒性:経皮
急性毒性:吸入(気体)
急性毒性:吸入(蒸気)
急性毒性:吸入(粉じん)
ラットでの経口毒性値は14.13g/kg(ACGIH(2001))により区分外と
した。
ウサギでの経皮毒性値は17,600mg/kg(RTECS(2004))により区分
外とした。
GHS定義による液体
蒸気圧:1.2 kPa(20℃)から飽和蒸気圧濃度=12000ppm、ラット
LC50=2000ppm(NITE)<12000ppmx0.90から「ミストがほとんど混
在しない蒸気」と考えられ、ppm濃度基準値で判定、
LC50=2000ppm(500ppm<区分3≦2500ppm)により、区分3とし
た。
エアゾール化した当該物質による吸入試験でラットのLC50毒性
値391ppm(1.85mg/L)(ACGIH(2001))より区分4とした。
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 8/11
急性毒性:吸入(ミスト)
エアゾール化した当該物質による吸入試験でラットのLC50毒性
値391ppm(1.85mg/L)(ACGIH(2001))より区分4とした。
皮膚腐食性/刺激性
ヒトの情報はmild skin irritation(ACGIH(2001))という報告がある
ので区分3とした。
眼に対する重篤な損傷
性/眼刺激性
ECETOCの報告で角膜の混濁は2日目に回復、虹彩には影響を
みていない、また結膜の発赤は7日目、14日目には回復してい
るので区分2Bとした。
呼吸器感作性:データがないので分類できないとした。 皮膚感
作性:環境省リスク評価第3巻(2002)で皮膚の感作性は認められ
ないとしているので区分外とした。
呼吸器感作性又は皮膚
感作性
生殖細胞変異原性
in vitro試験においてnegativeという結果が出ているが、in vivo 試
験結果がないので指針に基づき分類できないとした。
発がん性
IARC、ACGIH等の評価なし。分類できないとした。
生殖毒性
環境省リスク評価第3巻(2002)及びACGIH(2001)は同じ文献から
来ている。対照群と比較して有意差を認めなかったということから
区分外とした。
特定標的臓器毒性(単
回暴露)
人のデータ(ACGIH(2001))により中枢神経区分1、動物試験によ
り区分2のガイダンス値の範囲で肺水腫がみられ、また呼吸器刺
激がみられたのであわせて区分2(呼吸器系)とした。
特定標的臓器毒性(反
復暴露)
吸引性呼吸器有害性
データが不足で分類できないとした。
2-ブタノールとして
急性毒性:経口
急性毒性:経皮
急性毒性:吸入(気体)
急性毒性:吸入(蒸気)
急性毒性:吸入(粉じん)
急性毒性:吸入(ミスト)
皮膚腐食性/刺激性
眼に対する重篤な損傷
性/眼刺激性
20℃の動粘性率は計算値で0.838mm2/secである。化学性
肺炎の動物データが無いため分類できない。
ラットLD50値=6500mg/kg(EHC 65 (1987)、ACGIH (2002)、
DFGOT vol.19 (2003)、PATTY (4th, 1994) 、産衛学会勧告
(1993))および2200mg/kg(DFGOT vol.19 (2003))に基づき、小さい
方の値を採用して区分5とした。
DFGOT vol.19 (2003)のウサギを用いた経皮投与試験で
2000mg/kgで死亡が認められなかったとの記述から、区分外とし
た。
GHSの定義による液体
データ不足のため分類できない。
データなし
データなし
EHC 65 (1987)、ACGIH (2002)、DFGOT vol.19 (2003)および
PATTY (4th, 1994) のウサギを用いた試験で皮膚刺激性はないと
の記述、およびヒト暴露例で皮膚刺激性を示す報告がないことか
ら、区分外とした。
DFGOT vol.19 (2003)のウサギ試験で結膜、虹彩および角膜に障
害が認められ、1匹では7日目でも症状が回復しなかったとの記述
から、区分2Aとした。 なお、PATTY (4th, 1994) および産衛学会
勧告(1993)のヒトで高濃度蒸気の暴露により眼に刺激があるとの
記述がある。
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 9/11
呼吸器感作性又は皮膚
感作性
呼吸器:データなし 皮膚:DFGOT vol.19 (2003)にモルモットを用
いたMaximization testで感作性は認められなかったとの記述があ
る。一方、PATTY (4th, 1994) にはヒトで皮膚感作性を示すごく小
数の症例報告があると記載されているが、ACGIH (2002)および
DFGOT vol.19 (2003)では、皮膚パッチテストで2-ブタノールに
陽性を示す例は、一級または二級アルコール類などにも感作性
を示し、交差感作性による陽性反応であることが示唆されること
から、2-ブタノール自体に皮膚感作性があるとは結論できない
と記述されており、分類できない。
生殖細胞変異原性
in vivoでの変異原性および遺伝毒性試験データはなく、in vitro変
異原性試験ではいずれも陰性のため分類できない。
発がん性
生殖毒性
データなし
ACGIH (2002)、DFGOT vol.19 (2003)およびPATTY (4th, 1994) の
ラットでの飲水投与による2世代繁殖試験では生殖能には影響な
く、最小限の影響(出生児の発育遅延)のみが認められた。一
方、ラットの妊娠期間に吸入暴露した試験では、母獣毒性がみら
れる用量で生存仔の減少および吸収胚の増加が認められたとの
記述から、区分2とした。
特定標的臓器毒性(単
回暴露)
ACGIH (2002)、DFGOT vol.19 (2003)、PATTY (4th, 1994) および
産衛学会勧告のヒトで高濃度暴露によって鼻や喉を刺激すると
の記述から、気道刺激性があると考えられ、EHC 65 (1987)ではヒ
トおよびマウスで、DFGOT vol.19 (2003)およびPATTY (4th, 1994)
ではラットおよびマウスでの吸入暴露により麻酔作用が認められ
ており、ともに区分3とした。また、DFGOT vol.19 (2003)のマウス
での高濃度吸入暴露により中枢神経系抑制症状が認められた
が、高濃度における麻酔作用と判断した。
特定標的臓器毒性(反
復暴露)
吸引性呼吸器有害性
データなし
データなし
12.環境影響情報
環境に対する有害性
情報なし
情報なし
環境に対する有害性
水生環境急性有害性 : 甲殻類(ブラウンシュリンプ)の96時間
EC50=3.5mg/L(EU-RAR、2003)他から、区分2とした。
生態毒性
トルエンとして
水生環境慢性有害性 : 急速分解性があり(BODによる分解度:
123%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低
いと推定される(log Kow=2.73(PHYSPROP Database、2005))こと
から、区分外とした。
酢酸ブチルとして
環境に対する有害性
2-ブタノールとして
水生環境急性有害性 : 魚類(ブルーギル)の96時間
LC50=100000μ g/L(環境省リスク評価第1巻、2002)から、区分3
とした。
水生環境慢性有害性 : 急速分解性があり(BODによる分解度:
98%(IUCLID、2000))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log
Kow=1.78(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とし
た。
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 10/11
環境に対する有害性
水生環境急性有害性 : 甲殻類(オオミジンコ)の24時間
EC50=2300mg/L(EHC65、1987)から、区分外とした。
水生環境慢性有害性 : 難水溶性でなく(水溶解度=1.81×
105mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いこと
から、区分外とした。
13.廃棄上の注意
残余廃棄物
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を
行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、もしく
は地方公共団体がその処理を行っている場合にはそこに委託し
て処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有害性を
充分告知の上処理を委託する。
特別管理産業廃棄物のため、廃棄においては特に「廃棄物の処
理及び清掃に関する法律」の特別管理産業廃棄物処理基準に従
うこと。
本製品を含む廃液及び洗浄排水を直接河川等に排出したり、そ
のまま埋め立てたり投棄することは避ける。
汚染容器及び包装
14.輸送上の注意
国際規制
国内規制
15.適用法令
労働安全衛生法
容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治
体の基準に従って適切な処分を行う。
空容器を廃棄する場合は、内容物を完全に除去すること。
海上規制情報
UN No.
Marine Pollutant
IMOの規定に従う。
1139
Not applicable
航空規制情報
UN No.
陸上規制情報
海上規制情報
国連番号
海洋汚染物質
航空規制情報
国連番号
品名
クラス
容器等級
ICAO/IATAの規定に従う。
1139
該当しない
船舶安全法の規定に従う。
1139
非該当
航空法の規定に従う。
1139
コーティング液
3
Ⅱ
特定化学物質第2類物質、管理第2類物質(特定化学物質障害
予防規則第2条第1項第2,5号)
第2種有機溶剤等(施行令別表第6の2・有機溶剤中毒予防規則
第1条第1項第4号)
作業環境評価基準(法第65条の2第1項)
名称等を表示すべき危険物及び有害物(法57条1、施行令第1
8条)
危険物・引火性の物(施行令別表第1第4号)
名称等を通知すべき危険物及び有害物(法第57条の2、施行令
第18条の2別表第9)
着色用分散液 WRF-30X1, 住友金属鉱山株式会社, INK0001427-1, 2011/05/20, 11/11
水質汚濁防止法
麻薬及び向精神薬取締法
消防法
悪臭防止法
大気汚染防止法
海洋汚染防止法
外国為替及び外国貿易法
道路法
特定有害廃棄物輸出入
規制法(バーゼル法)
参考データ(日本産業衛
生学会、許容濃度)
水道法
指定物質(法第2条第4項、施行令第3条の3)
麻薬向精神薬原料(法別表第4(9)、指定令第4条)
第4類 第一石油類(非水溶性)
特定悪臭物質(施行令第1条)
有害大気汚染物質(法第2条第13項、環境庁通知)
優先取組物質(環境庁通知)
揮発性有機化合物 法第2条第4項 (環境省から都道府県への通
達)
揮発性有機化合物 法第2条第4項 (平成14年度VOC排出に関
する調査報告)
危険物(施行令別表第1の4)
有害液体物質(Y類物質)(施行令別表第1)
輸出貿易管理令別表第2の21の項(3)
車両の通行の制限(施行令第19条の13)
廃棄物の有害成分・法第2条第1項第1号イに規定するもの(平5
三省告示2号)
許容濃度勧告物質
有害物質(法第4条第2項)、水質基準(平15省令101)
下水道法
水質基準物質(法第12条の2第2項、施行令第9条の4)
化学物質排出把握管理
促進法(PRTR法)
労働基準法
第1種指定化学物質(法第2条第2項、施行令第1条別表第1)
疾病化学物質(法第75条第2項、施行規則第35条・別表第1の
2第4号1・昭53労告36号)
16.その他の情報
情報なし
*記載内容は、現時点で入手できた資料、情報、データなどに基づいて作成しており、新しい知見により改正される
ことがあります。また注意事項は、通常の取り扱いを対象としたものですので、特別な取り扱いをする場合には、用
途、用法に適した安全対策を実施の上、ご使用ください。なお記載内容については、情報提供であって、いかなる保
証を為すものではありません。