メナヘム・プレスラー(ピアノ) Menahem Pressler, piano ドイツ、フランス国家から民間人に与えられる最高位の勲章 を授与されたメナヘム・プレスラーは、現代を代表するピアニ ストの一人である。ボザール・トリオの創立メンバーであり、そ の 51 年の全歴史を通じてピアニストを務め続けた。70 年を 超えるキャリアを誇り、世界で最も誉れ高く著名な音楽家の一 人である。ソリストとしても室内楽の演奏家としても傑出した 才能を持ち、世界中の主要舞台で活躍。近年ではベルリン・フ ィルハーモニー管弦楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団、パリ管 弦楽団等へ次々と客演、欧米で話題の中心となっている。 1923 年、ドイツのマクデブルク生まれ。ナチスから逃れて 1939 年に家族と共に移住したイスラエルで音楽教育を受け る。1946 年、サン・フランシスコのドビュッシー国際コンクール で優勝し、本格的なキャリアをスタート。続いて名匠ユージン・ オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団でアメリカデビュ ー、ニューヨーク、ワシントン、クリーヴランド、シカゴ、ピッツバ ーグ、ロンドン、パリの交響楽団と共演。以来、北米ではニュー ヨーク、シカゴ、クリーヴランド、ボストン、ピッツバーグ、ダラス、サン・フランシスコ、ヨーロッパでも、 ロンドン、パリ、ベルリン、ウィーン、ジュネーヴ、ブリュッセル、オスロ、ヘルシンキ他、枚挙に暇がな い。 1955 年、ダニエル・ギレ、バーナード・グリーンハウスと共にボザール・トリオを結成。長く広く賞 賛を浴びた世界屈指の室内アンサンブルであり、ピアノ三重奏曲の人気を大きく高めた功績を持 つ。トリオは世界各地で年間 100 以上のコンサートをこなし、レコーディングではピアノ室内楽の 曲目をほぼ網羅している。2008 年 8 月 21 日、ボザール・トリオは 1955 年にデビューしたタング ルウッドで最後の演奏を披露して解散。プレスラーは、ジュリアード、エマーソン、パシフィカ、アメリ カン、グァルネリ、クリーヴランド四重奏団とも複数回に渡って協演している。50 を超えるボザー ル・トリオのレコーディングに加え、バッハからベン・ハイムに至る 30 以上のソロ・アルバムをリリー ス、ピアノ室内楽のほぼ全曲をフィリップス・レーベルに録音している。 2000 年 10 月にアメリカ芸術科学アカデミーの会員に選出、イギリスのレコード・オブ・ザ・イヤ ー賞、グラミー賞ノミネート 4 回、1997 年にボザール・トリオとしてミュージカル・アメリカ誌よりア ンサンブル・オブ・ザ・イヤー賞、ドイツ批評家賞など、受賞多数。ヴァン・クライバーン、エリザベート 王妃、ナウンバーグといった国際的なコンクールの審査員も務めた。2011 年、ICMA 国際クラシッ ク音楽賞の生涯功労賞および名誉あるウィグモア・メダルを受賞、2012 年 6 月には、スペインのソ フィア女王よりメニューイン賞を授与され、またグラモフォン誌の殿堂入りを果たした。 プレスラーは音楽に人生を捧げており、ツアーもマスタークラスも行っていない時は、ディスティ ングイッシュド・プロフェッサーの地位にあるインディアナ大学のスタジオにいる。室内楽の第一人 者としての威信は非常に高く、ピアノと音楽の知識は膨大にして、楽譜に書かれた音符から美しい 音楽を紡ぎ出す聡明さを伴う。 Photo: Alain Barker
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