労務法制委員会Q&A

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労務法制委員会Q&A
弁護士法人リバーシティ法律事務所
弁護士 橋本 拓朗 氏
平成25年11月に、労務法制委員会において、
「合
同労組をめぐる諸問題」というテーマでお話し致
しました。これは、平成2
4年11月にお話しした内
容を踏まえて、より具体的な場面での対応につい
ての説明を行ったものです。平成2
4年11月の内容
については、概要を本誌372号26頁にまとめてお
りますので、宜しければご覧ください。
お話しした内容のうち、よくある事例を取り上
げました。
Q
労働組合からの団体交渉申入書には、1週間
後までに回答せよと期限が区切られていました。
この日までに申入書の要求事項全てに回答するの
は困難です。どのように対応したら良いですか。
A 設定された期限までに、せめて「○月○日ま
でに回答するので、それまで猶予してほしい」旨
の連絡を行いましょう。期限に遅れた場合、労働
組合から不誠実団交であるとの主張を許すことに
なりかねません。労働組合が一方的に決定した期
限ではあっても、期限までには何らかの回答をす
るようにし、誠実に対応するように心がけましょう。
Q 団交で、組合員がパワーハラスメントに
よって精神疾患にり患した、会社はどう責任を取
るつもりかといわれました。どのように対応すれ
ば良いですか。
A 会社がパワーハラスメントの事実を把握し
ていたかどうかで対応が異なります。
その事実を把握していないのであれば、団交の
場では即答は避け、主張されたパワーハラスメン
トの事実の有無を調査した上で、回答する、と述
べるに留めましょう。
調査の結果、その事実が法的に「パワーハラス
メント」であったということであれば、労災の手
続をとることになります。
パワーハラスメントを認めた場合、労働組合は
労災の補償ではカバーされない部分(たとえば通
常の賃金との差額など)を全額会社が負担せよと
求めてくることが予想されますが、もし要求に応
じられないのであれば、応じられない旨をその理
由と共に説明する、ということになります。
事実を把握していたのであれば、その事実につ
いて、会社の対応を説明することになります。
パワーハラスメントやセクシュアルハラスメン
トが団交の議題に上がる場合、加害者を団交の場
に出席させ、被害者に謝罪させろ、あるいは、加
害者を懲戒処分しろとの要求が出てくることがあ
ります。
団体交渉は、会社と組合員の雇用関係について
交渉を行う場ですから、それとは関係のない加害
者を出席させることは好ましくありません。
また、懲戒処分を行うかどうかは、会社が就業
規則に則って判断すべき事項であり、団体交渉で
決すべき事項ではありません。
さらに、加害者が別の組合に加入している場合
には、その組合との関係でも問題になる可能性が
あります。
したがって、加害者に関する事項は、義務的団
交事項ではないとして交渉を拒むということも一
つの方法です。
この場合、会社の責任については義務的団交事
項ですから、パワーハラスメントやセクシュアル
ハラスメント自体を交渉事項としないということ
はできませんので、ご注意ください。
精神疾患にり患した場合についてお話しした関
係で、そのような場合に、どの段階で何をすべき
か、ということも合わせてお話しております。こ
れについては、別の機会に、労務法制委員会Q&Aで
触れる予定です。
労働組合への対応の注意点は、一言で言えば
「不当労働行為にならないようにすること」に尽き
ますが、具体的な場面では対応に迷うこともあろ
うかと思います。その場合には、専門家の助言を
求めるなどして、適切な対応を心掛けてください。
CH
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BAke
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kyo・No385
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