われわれのむらは将来を ドイツ連邦食料・農業・消費者保護省

われわれのむらは将来を
2010年
ー第23回ドイツ連邦むらづくりコンクール最終報告書
ー
ドイツ連邦食料・農業・消費者保護省
目
1 はじめに
次
ドイツ連邦農業・食料・消費者保護大臣挨拶
2 コンクールの目的と審査内容
1
3
3 金賞を受賞したむら・地域の紹介
① バイエルン州
ハイデンコーフェン地域
② バイエルン州
ニーダーアウ村
③ ニーダーザクセン州 ヴァフェンゼン村
④ ラインラント・プファルツ州 エーデイガーエレー村
⑤ ニーダーザクセン州
デートリンゲン
⑥ ノルトライン・ヴェストファーレン州
ニーダーヘルデン地域
⑦ ブランデンブルグ州
ヴィーゼンブルグ/マルク
⑧ ザクセン州
キルヒバッハ
4 2010 年第 23 回むらづくりコンクール州別受賞数
2011・9 訳
青森中央学院大学
中川 一徹
9
9
12
16
19
23
26
29
33
36
はじめに
親愛なる国民の皆さんへ!
われわれのむらの魅力のために決定的なことは、住民の参画である。これは、
2010 年連邦コンクール”われわれのむらは将来を”に、参加したむらが証明
している。ここでは、むらが生きる価値を創り出すために、総合的な将来構
想を発展させ、そして多様なイニシアチブでもって、それを具体化している。
このコンクールは動機づけである。むらの住民は、彼らのむらのチャンスの
ために、真剣に打ち込みそして構想の実践を、自らの手にしている。我々の
目的は、むらの発展の展望を明らかにすることであったし、現在もそうであ
る。このことは、住民を構想に結びつけ、そして最終的に住民をその気にさ
せることである。その際、経済的可能性とインフラ、福祉的な環境が中心に
なっている。なぜならば、働く場、幼稚園そして学校並びに余暇と文化提供
の実現可能性が、農村での生活の質的高さをもたらす。
自らの故郷に好んで住んでいる人は、そこを魅力的に形成することに、意欲
をもっている。その際、様々な世代を結び合わせ、そして共同体を強化する
ことに行き着く。各個人の共同活動でもたらされること:緑化、むら周辺の
景観形成、特徴のある景観要因の保持
しばしば歴史的な人工の自然景観は、むらの特徴と景観の美しさを決定づけ
る。
2010 年コンクールの成果は、魅力的な村々が農村の積極的な経済発展に、貢
献することを示している。農村地域はこの活動を通じて、新たに社会的、経
済的関心と興味を手にする。今年連邦最終決定に、30 のむらがノミネートさ
れた。これらのむらは、合計 3 300 のむらが参加した郡、県、州レベルの予選
を、突破したものである。多くの現地調査と入念な審査の後、審査委員会は
簡単に決めることは出来なかった。
-1-
金、銀、銅について、詳細に審査され決定された。私は、大きな喜びをもっ
て、2011 年ベルリンでの国際緑の週間のむら関連行事で、受賞者にメダルを
授与する。この最終報告書は、表彰されたむらにおけるその実践と、構想の
多様さが反映されている。農村のそして小さな町の特徴をもった地域が、持
続的に発展できるように。2010 年連邦コンクールに協力してくれた全ての人
に、私の特別な感謝を申し上げる。このコンクールは、農村地域がさらに前
に進むことを支援する。
”われわれの村は将来を”のコンクールは、50 年以来自発性と住民参加を奨
励してきた。我々は、2011 年に 50 周年でもって特別な記念祭を開催したい。
その際は、あなたもおいでください。
ドイツ連邦食料・農業・消費者保護大臣
イルーゼ
-2-
アイグナー
コンクールの目的と審査内容
第23回連邦コンクール”われわれのむらは将来を”は、連邦農業省が募集
し、そして連邦大統領の後援のもとに、伝統的に継続されている。このコン
クールは、各州の管轄省、連邦交通省、建築ー都市発展省と環境・自然保護
・原子炉安全省(BMU)、並びにむらの発展に参加している組織と団体によっ
て実施された。このコンクールの事務管理は、連邦農業・食料局である。
目的と内容
このコンクールの目的は、むらの住民を参加させること、チャンスを認識す
ること、そして将来を自らの手にすることである。住民は、自らのむらに関
する具体的な将来展望を発展させ、そして住民の参加でもってその実行を促
す。 このコンクールは、持続的、積極的なむら発展による農村地域の生活を、
向上させるための励ましとチャンスとして役立つ。
そのため、”われわれのむらは将来を”のモットーのもとに、経済的、社会
的、文化的並びに生態系上の調子を伴った、未来を指し示す構想と具体的計
画が求められる。むらのコンクールは、自らの影響力の可能性のため、むら
住民の理解を深め、住民の共同活動に集中させるために貢献する。特に共同
活動において、補助金無しでのむらづくりを実践する対策は、価値がある。
さらに住民とむらに責任をもつ全ての人々は、自らの地域とむらの将来のた
めに、共同の展望と革新の可能性を切り開くために励まされる。成果あるむ
らの孤立した個々のプロジェクトを導入し、刺激を与えることは不十分であ
る。むしろ、共同の取組みから可能な限り、共働の効果を重視すべきである。
むらでの共同活動の必要性に際して、農村地域における若者の関心も、高齢
者の要望も互いに取組むべきである。
その際、将来の中心課題は、年間通じて決定的な手掛かりを創り出し、そし
て共同の活動構造を、推進することである。いずれにせよ、世代間相互、様
々な住民グループ、旧ー新住民もまたむらのアイデンテイテイのために、決
定的に重要である。新しいコミニュケーション構造と、適切な”社会インフ
ラ”は、むらの中で社会的な安全と親密性、そして同時にふるさと感情を生
み出す。
-3-
審査委員会
関連する研究所と連盟の代表者からなる連邦審査委員会は、連邦農業省から
招聘された。審査委員会は、2010 年 8 月 17 日から 9 月 7 日までの期間内にお
いて、4000 kmを巡り 30 の候補村に、それぞれ2時間半滞在して現地調査を
行った。その際、審査委員会の主導のもとに、むらの活動を審査した。むら
の活動評価に際して、活動の出発点と発展の歩み、むらの将来のための活動
の効果を、特に考慮している。審査委員会は巡回調査と参観に際して、地域
及び地域を越えたメデイアが、大きな関心をもって同行した。
評価の分野
審査の際の評価は、統一基準に基づいてそれぞれのむらの活動結果の状況を、
配慮して行った。その際、過去における活動と対応策が中心となっている。
以下の5つの分野が審査された。
① むら発展のための構想と経済的イニシアチブ
② 社会的、文化的活動
③ 歴史的な建造物等の保存ー発展
④ むら全体の緑化ー発展
⑤ 景観の中に位置するむらの姿
全体評価
① 5つの分野の専門的な評価
② むらの生態系上の、そして経済的、総合的な方向付けに関して、個別分
野の概観的、補完的な評価
むらの住民が取り入れている対策は、連邦レベルでの比較のための尺度とし
てこれらの分野で役立つ。詳しくはコンクール公募条件の中で、審査基準が
示されている。
発展計画(構想)と経済上のイニシアチブ
むらの発展には、社会的、自然的な周辺状況の継続的な、そして突発的な変
化が影響を及ぼす。地理的、歴史的そして経済的な大枠条件とともに、人口
上の変化が、基本的な役割を演ずる。このことは、社会福祉領域と並んでイ
ンフラ構造にも関連して、考えねばならない。むらの住民は、必要な適応プ
ロセスに、活発に共同で取り組むべきである。
-4-
住民と地方自治体の共同でのモデル像と発展戦略は、まごうことなきむらー
景観の特徴を保持するため、経済的可能性を活かすため、そして生活の質を
向上させるために役立つ。この目的のために、町村を越えた共同活動が望ま
しい。 その際、むらの発展は直線的に推移するものではないことに、留意す
べきである。そして今ある計画が、常に当面する現況に合致していないか、
または具体化が遅れることがある。計画と実行の間の差異が、良くでてくる。
不備な構想と計画が、しばしば各専門分野での計画遅れをもたらす。そのた
め、構想と具体的な計画の統合は、審査委員会のむら巡回調査に当たっての
プレゼンために重要である。なぜならば、審査委員会がむらの状況理解のた
めに、役立つからである。むらの発展において、インフラ構造の強化が特別
な役割を果たす。その際、利用できなくなる土地が特別な問題となる。ここ
では、緑化でもってその土地の活用対策のために、裁量の余地が種々存在し
ている。
個々の事例において,新居住区への割り振りを考慮すべきであり、そして農
村景観の持続性と適応性も吟味される。”街的な流行”もまた、むらの構造の
中に無条件で結びつけられない。そのため、審査委員会はむらの構想の中で
の、不可欠な要素を特に評価する。
社会的、文化的活動
自らのむらの発展に際して、住民の活発な協力はむらにおける社会的ー文化
的共同生活を強化し、そして現地の発展を積極的な傾向に向けるために、最
も良い前提条件である。社会的、文化的、宗教的そして生態系上さらにスポ
ーツ分野における特別な施設の提供は、共同の生活と多様な世代の結合、故
郷との高度な一体化のために有効である。
若い家族(特に女性)のために適切なインフラ構造を通じて、その土地に住
みそして同時に働くことができるという、基盤づくりが重要となる。そして
若い人々のむらへの移住という「野心」が、促進される。伝統と風俗の多様
性もまた、農村地域で大きな役割を演ずる。このことは、審査委員会が全て
のむらで体験している。さらにここでの言葉、方言そして民俗衣装の保存、
並びに伝統的な手工業の奨励が挙げられる。
-5-
このコンクールの分野における各村々の最も大きな挑戦は、むらの中の高齢
者、若者そして新しい居住者との強い結びつきである。さらに小さな子供達
のための保育サービスの提供もまた、種々強化されることである。
建築の具体化ー発展
建築の具体化ー発展並びに空間を節約した土地マネジメントは、将来を指向
したむら発展の基本的な要因である。むらの特徴は、その土地の特徴を印し
た建造物の保護、保全っそして発展が決定的となる。その際、新しい建物と
建設区域が、歴史的な場所ー景観の特徴と適合すること、そして伝統的、現
代的要素について、その土地タイプの建築様式と素材を、相互に結びつける
こと。
公的、私的分野において、全ての村々で愛情をもっきめ細かに改装、または
修理された建築物が見出される。喜ばしいことは、部分的に非常に優れた有
資格者の助言または適切な建築規定でもっての、専門的な仕上げになってい
ることである。持続的な空間ー移住の発展は、特に今ある土地を節約し、効
果的に活用すること、そして環境に優しい資材と技術の投入が求められる。
また、かって農業用に用いられた建物が、利用変更されむらの将来に向けて、
役立てられる。
審査委員会は、古さと新しさを成功的に結びつけた相互性と、サービスー共
同施設並びに居住ー生活空間を、提供していることに感銘を受けた。この審
査委員会に対して、むらの巡回調査の際に現地の状況を、より良く理解させ
るために、構想と具体的な計画を説明することが重要である。専門的な建築
アドバイスは、建物の計画に関する理解を高め、そして現地の意識を形成す
るために、多くの地域で役立っている。
緑化とその発展
むらの中での緑化の発展は、居住ー生活の質的向上と、調和のあるむらの形
成上に基本的な影響をもたらす。ここでは、公的、私的な緑化形成において、
地域的な差異を示している。住民のモチベーションは、共同と自己責任を通
じた持続的な緑化発展のために、重要な貢献を果たす。このことは成人だけ
でなく、若者も学校ー共同庭園の施設を通じて、自然とのきめ細かなつきあ
いに導く。
-6-
公共用地の緑化並びに古い並木の保持と補植、樹木グループそして散在果樹
のある草地は、住民の高まる環境意識を示している。多様なそして自然に近
い生活空間の奨励と周囲の景観とのネットワーク化は、さらに自然管理の質
的向上に影響を与える。その際、地域的ーむら特有の動物ー植物界が保持さ
れ、発展される。特に重要なことは、商店ー新興住宅街における緑化形成ー
その発展である。
その際、その土地特有の植物を用い、針葉樹類はできるだけ少なくすること
が重要である。長い間樹木の現況保護を、確実に守っている。さらにむらの
住民に、土地の緑化形成に関する専門的助言を、提供することの意義は大き
い。 これは、むらに適したそして有機基準の配慮のもとに、実施される。そ
の際、緑化形成指針は、多くの場合大きな助けとなる。ここでは、垣根の利
用方法も又認められる。それを通じて、地域内での様々な囲い込みを回避で
きる。
景観の中のむら
30のむらは、多様な自然空間をもっている。緑地帯、庭園、草地、牧場そ
して森を通じた景観との結びつきは、環境に優しい土地利用の配慮のもとに、
アジェンダ21の意味における、むら発展のために決定的である。その際、
特徴的な景観要因の保持ー保護と発展、並びにむら周辺の形成が大きな役割
を果たす。さらに植え込み、ほ場の立木、池そして湿地帯、その土地固有の
動物ー植物の生存空間が、自然の循環システムを提供している。
むらの緑化形成になにが有効か
むらが、景観の中に結びついていることも有効である:しばしばむらの周辺
地域、特に商店ー新築地域が、まだ緑化されていない。家屋、畜舎、かって
の農業生産組合の建物、または以前の軍隊地の様な景観形成している個々の
建造物は、緑化形成を通じて景観の中において、その土地タイプでもって持
続的に結びついている。
さらに地方自治体は、古い散在果樹のような歴史的”友人”とともに景観要
素を守り、さらに発展させる。特別な挑戦は、生態系的に種々形成されると
ころの水辺を、つくりだすことである。小川の流れと沼は、自然に帰すべき
である。
-7-
将
来
”われわれのむらは将来を”は、第23回連邦コンクールでも、再び示して
いる。1961 年にコンクールが始まって以来、常に発展しそして農村地域の当
面する必要条件に適応してきた。コンクールの方向づけは、緑と花で飾るこ
とのみならず、農村生活のあらゆる分野を包括してきた。その際、特別な価
値は将来を指向した考えと住民自身の参画におかれてきた。
われわれの時代において多様な挑戦をする上で、多くの人々の参加と決意を
伴ったむら共同社会の反応である。例えば、人口上の進展、むらの生活上の
備えの確保、自然資源への責任感ある対応、または地域発展の中におけるむ
らとの結びつきなど。魅力的な居住ー労働ー生活空間としてのむらは、夢想
ではなく生きれいる現実である。むらの人々は、このコンクールで共同社会
に強く働きかけ、故郷のためのアイデアをもって、むらの将来を自らの手に
している。
グローバルに考え、ローカルに対応する:このスローガンは、むらの人々に
自己の主体性と自覚を与え、持続的な行動のために、将来展望をもたらす。
むらの共同体の大きな感激と、数え切れない自発的な活動を通じて、むらの
中で住民が公共のために役立つ壮大な成果を成し遂げる。このコンクールが、
さらに功績あるものとして、認められることを共に願う。
-8-
金賞を受賞したむらの紹介:
① バイエルン州
金 賞
レーゲンスブルグ郡 ズユンヒング町
住民数 99 人
18 歳以下
18 歳~65 歳
65 歳以上
経 営
商店
手工業
サービス業
農業
インフラ構造
移 動 パ ン焼き 場 消防署
教会 村役場 サッカー場
子供の遊び場 散歩道
焼 き 肉 広場 広 帯域連 絡
所 鉄道連絡路(2km)
交通分岐路(9km)バス
停 留所 商店 診 療所と
銀行(2km 離れたところ)
観 光
教会 マーリエン礼拝堂
旧板工場(文化記念建造
物)古い建物をもつ農場
旧水車小屋
むらの生活
民 間消 防署 内 水 面漁業
連盟 射撃連盟 婦人会
狩 猟組 合 女 性 ヨガ グル
ープ
ハイデンコーフェン地域
面積 4.04 k ㎡
12 人(男性 4 人 女性 8 人)
71 人(男性 40 人 女性 31 人)
16 人(男性 6 人 女性 10 人)
むらの文化行事
メイポール(五月祭)設
置 子供のバス停
高齢者介護施設住民と子
供のための復活祭彩色卵
カーリングストーン場の
名人
クリスマスー待降 節祭
ーニコラウス祭
大鍋肉料理
合同ハイキ ング
牧師無しでの教会
礼拝 大晦日祭
農家への 幼稚園児の招
待 講演つき女性の朝食
王様の射撃大会
魚の養 殖 川岸の清掃
活動
魚のお祭りバレーボール
大会 トランプ大会
老人ホーム居住者の招待
ともてなし
むらの開かれた日
自作詩などの朗読会
集会所の常連テーブル
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景 観
ラーバーの谷
稔り豊かなガウ地方の
端に横たわって(バイ
エルンの穀物倉庫)
むらの形態
塊村(訳注・民家が雑
然 と 一 塊 にな っ た 村
落)
むらづくり構想の基礎
地域発展構想
むらの再生プラン
景観プラン
土地利用計画
道路計画
水利計画
ビオトープ測量ー記録
プラン農地整備計画
活動の内容
ハイデンコーフェン地域は、キリスト生誕後 650 年から 800 年の間の時期に、
バイエルンの村として設立された。中世には、ドナウ平野の南端に位置し、
地域を越えた交通の要衝として重要であった。ここは、西から東への主要な
”牡牛の路”が、古いローマの路と交差していた。これは、レーゲンスブル
グからミュンヘンへの”塩の路”として、記録されている交通路であった。
この路は、その頃夜の訪れに伴い宿泊、食事、馬小屋(いわゆる食堂)を得
るための休憩所に、着くことができた。シュトラウビングの方向に最も近い
この路を利用する、インゴールシュタットからのあらゆる旅行者と馬で往来
する人々は、この村で最後の休息をとった。この村の宿屋は、すでに 1560 年
から存在することが、証明されている。
今は誰が暖房用石油を使うのか
ハイデンコーフェンでは、再生可能エネルギーを使用している多くの暖房施
設について、太陽光エネルギー、木材チップを用いた経営に転換している。
また、エネルギー作物を栽培し、むらで必要なエネルギーの 5 倍を精生産し
ている。そのことによって、この小さなむらで再生可能エネルギーからの価
値創造を、実現している。大規模な畑ー草地でもって、むらの景観をもつく
りだしている。農業者は、遺伝子組み換え技術の放棄を決定している。
2つの大農場と教会は、特色あるむらの構造維持の上で、大きな価値をもっ
ている。歴史ある建造物は、愛情をもって保持され、そして修復されている。
例えば、かっての宿屋が印象深く保持され、またむらの中の古い歩道も保存
されている。その歩道を通じて、かっての古い農家との構造的なつながりが
守られている。むらの周囲には、ビオトープとして休閑地、水辺の森そして
小さな沼が配置されている。ここには、沢山の珍しい小鳥と野生動物が、コ
ロニーをつくっている。
礼拝堂や畑の中の十字架のような歴史の証人は、過去のむらの住民の際立っ
た意識を示し、そして念入りに守られている。
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小さいがしかしピリリと
生え抜きのそして自信をもった気質の 100 人弱の村民が住むハイデンコーフ
ェンは、小さなガリア人のむらを思い起こさせる。むらの活動に参加してい
る住民の心構えは、注目すべきものがある。このむらの人々でない青少年活
動、老人介護、環境ー景観保全並びに風習保護に係わる 5 つの団体が活動し
ている。
すでに若者達は、バレーボール場の保持活動の中で、担っている責任感と結
びついた団体生活を行っている。過去においてバレーボール場と並んで、多
くの労働時間を費やして、注目すべきインフラ構造を創り出し、そして新し
い消防所、狩人協会の建物ー用具庫が存在している。むらの集会所には、木
材で創ったボーリング場が併設され、現在むら人の出会いに活用されている。
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② バイエルン州
ローゼンハイム郡
住民数 1 333 人
経
金賞
ニーダーアウ村
オーバーアウドルフ
面 積 38.00 k ㎡
18 歳以下
252 人(男性 130 人 女性 121 人)
18~65 歳
784 人(男性 387 人
女性 397 人)
65 歳以上
298 人(男性 137 人
女性 161 人 )
営
工場 商店 木工業 農業
交通要衝地のアクセス道
サービス業 レストラン (3km)バス スクールバス
食料品店 パン屋 肉屋
タクシー
飲料販売店 木工品店
家具店錠前屋
観
光
ライザッハ修道院附属聖堂
インフラ構造
ガソリンスタンド 市場
高齢者介護施設 食堂
集会所 学校 青少年福
祉センター 幼稚園
キリスト教教会
教会附属福祉作業場
医院 治療院
クナイプ式療法プール
消防署 記念碑 図書館
墓地 むらの広場 サッ
カー場 子供の遊び場
プール ドライブ駐車場
ハイキングー乗馬道
室内競技場
スキー場 ロイペ(距離
競技用シュプールをつけ
たコース)広帯域接続
(1.5km)
ウアファーム城 墓地付き
村教会 天燃記念物 礼拝堂
インターラー農家屋
村の噴水 遭難記念碑(木
彫りキリスト像)
交通連盟 男性合唱団
少年合唱団 修道院の
燕 巡礼者合唱団
農村・農業女性地域
連盟 森林所有者連盟
狩猟協会 果樹ー園芸
栽培協会 スキー学校
青少年連盟 青少年音
楽グループ
山の保護グループ
畑の十字架 龍の滝(アル むらの文化
プス山中に生息するという) 子供が仮装して歌い
展望パビリオン 花崗岩の
廻る(キリスト公現
迷子石(氷河で運ばれてき 1 月 6 日の祝日に)
て残った石)
バラの月曜日舞踏会
インターラー山の景観
子供ースキーカーニ
ヴィルトバーレン山頂上
バル 青少年ー十字架
(標高 1447m)
の道 青少年ーキリス
ト受難劇
共同生活
民間消防隊 民俗衣装保存
会 女性協会 楽団
山国の住民 女性保護連盟
山岳保護隊 音楽奨励連盟
- 12 -
シリガネタ(茸)デ
ー行進(キリスト聖
体祝日 守護神祭)
ライザッハ音楽の日
修道院祭コンサート
司祭の子供祭 噴水祭
薬草の藪聖別式
動物園旅行 青少年歌声
ー音楽演奏
アルプスハイキング
アルプスの牧場からの
牛下ろし 教会堂開基祭
守護聖人ニコラウス祝日祭
グリューワイン祭(赤ワイ
ンに砂糖、香料など加えて
熱したもの)待降節合唱
キリスト降誕劇
クリスマスツリー販売会
お祭市 祝祭日の塔上吹奏
噴水脇での大晦日祭
聖マルテイーン提灯行
列 りんご市場
景
観
地域発展構想
インタール保護規定
2008
景観保全計画
土地利用計画
耕地計画
むらのモデル計画
道路計画
水利計画
イン川の谷あいの氷河痕跡
1447 m の ヴ イ ル ト バ ー レ
ン 山 1365m のクランツホ
ル ンの高山景観
むらの形態
塊
計画の基礎
村
s
- 13 -
活動の内容
ニーダーアウ村の起源は、最初 780 年に文書に記されている。一世紀の経過
の中から、オーバマウ村とニーダーアウ村の村落が生じてきた。ニーダーア
ウ村の今日の中心地は、教会の周囲に発展し、最初 1270 年にその存在が証明
されている。今日教会の周辺に墓地、14~15 世紀に由来する古い農家群、そし
て村の噴水、飲食店、パン屋、肉屋、食料品店そして大工店が、バランスの
とれたアンサンブルを、つくりだしている。
重要な軸足としてのアルプス農業と自然保護は、ニーダーアウ村において密
接に結びついている。農村の景観は、小規模な山岳ーアルプス農業によって、
特徴づけられている。急傾斜地が優勢なことによって、農地は集約的な手作
業によってのみ、管理されている。多くの農家経営が収入部門として活用し
ている、この管理形態が、観光客にとって大きな魅力となっている。なぜな
らば、ニーダーアウ村は、単なる博物館村ではなく、活力ある存在であるか
らである。
農産物の厳しい販売条件への対応としてこの村の多くの農業者は、有機農業
経営に転換している。また、チーズの価値を高めるために、共同で地域での
販売に取り組んでいる。さらに木片を用いた家庭の暖房設備でもって、石油
に代わる再生可能なエネルギー利用を、増加させている。村の自慢は、住民
が村独自の飲料水を、近くの水源から村人に供給していることである。
伝統と習慣が、村の生活を特徴づけている。若者と高齢者のために質の高い
な生活は、この村が掲げている目標である。ニーダーアウ村ー司祭の配属以
来、村が世話してきた教会とカルメル会修道士会(訳注:12 世紀に創設され
た修道会の1つ)が、重要な柱となっている。この村の多くの住民は、165 年
以上前から続くむら文化の柱である、レオンハルト行進の際に着用する衣装
協会の加入者でもある。
農業者の仕事と地域産物(例えば共同でのチーズ製造)の価値が、歴史的に
伝達されている。広範な伝統保持は、建築上の発展にも反映されている。地
域の特徴を刻印した農家家屋は、屋根の傾斜と棟づくりにおいて、新築の際
の手本にされている。地域の中心地の形成構想をベースに、歴史的な建造物
に対して敬意をもったむらの発展が、念入りに引き継がれていく。
- 14 -
窓とバルコニーでの特徴的な花の植栽、村の入口ー出口の並木道並びに沢山
の谷あいの道、そしてランの生育地が、この村の風景を創りあげている。村
の中心地にある歴史ある噴水は、村共同体によって自らの仕事として、原型
に忠実に作り直された。小さな店と手工業経営並びに両親と共同で、活力あ
る村の中心地のために、また子供達のために遊び場がつくられた。
- 15 -
③ ニーダーザクセン州
金賞
ヴァフェンゼン村
ローテンブルグ郡
面 積
15.23 k ㎡
住民数 876 人
18 歳以下 180 人(男性 103 人 女性
77 人)
18~65 歳
558 人(男性 299 人 女性 259 人)
65 歳以上 138 人 (男性 59 人 女性
77 人)
経
営
営業店/手工業店
農業 サービス業
レストラン 食料品店
パン屋
農村青年活動 演劇 グル
ープ 児童民俗舞踊グ ル
ープ ポップス-ゴスペル
合唱団 自然保護協会
オートバイクラブ オール
インフラ構造
ドタイムークラブ 農村女
市場 ローテンブルクー゙ヴァフ 性ー地域グループ ローカ
ェンゼン間の工業ー営業地 ルアジェンダグループ
域 多世代交流ハウス 母ー子会合
宿屋兼料理店 会員会館
学校 幼稚園 消防署
記念の地 墓地 村広場
むらの構造
工芸ー手芸 市場 提
灯行列 劇団 グルー
プの上演 環境 保護デ
イー 射撃大会 パーテ
イ 木の葉をレ ーキで
キリスト降誕 劇 待
降節カレンダー クリ
スマスの歌合唱 大晦
日祈りの鐘
農村風景
高齢者の午後 子供の仮装 農村空間の中にある
を伴った舞踏会 村住民の ヴァファンゼン
サッカー広場 子供の遊 集会 子供服市場 仲間の 村の形態
び場 旅行者用駐車場
夕べでの音楽隊行進
集村(塊村)
ハイキング道 焼肉広場 復活祭 王様のカシワ植え
乗馬場 スポーツ広場
屋内体育館 広域帯連結
施設 鉄道連結(6 km)
交通路分岐点(7.5km)
バス-デイスコ夜行バス
地域の民間飛行場
付け 春の行進 音楽隊行
進を伴った代父母集会
カシワの木の下での聖霊
降臨祭礼拝 ノミの市
農家家屋でのオペラ・オ
ペレッタ 射撃大会 多世
観光地
代交流ハウスでの子供の
絵画博物館 ニーダーザ 祭プログラム
クセンの農家家
ジャズー昼前のビール一
多世代交流ハウス
杯 ビーチバレー大会
共同生活
計画の基礎
地域発展構想/総合
的農村発展計画
地域計画プログラム
むら再整備プラン
村の景観プラン 村の
モデル計画 道路計画
水利計画 農地整備計
画 地域の優位性調査
風力エネルギー計画
高齢者ハイキング 衣服市 交通発展計画
音楽隊行進と射撃協会
場 オールドタイム大会
消防隊 体育ースポーツ 農場祭 カラオケ付き収穫
協会 コーラス隊
祭 提灯行列
- 16 -
など
活動の内容
ヴァフェンゼン村は、最初に 16 世紀に記録上にあらわれる。この地への移
住は、推測によればすでに 9 世紀に始まった。東側からの大規模な避難民の
流れを伴った第二次世界大戦の出来事は、むらの歴史に深い切れ目を印して
いる。まず第一に 420 人が、この地に避難してきた。そして 160 人がこの地
で、新しい故郷を見つけた。なぜならば、むらの共同体の中に敵意の無いこ
とを、理解したからである。
ドイツの再統一後、東からの農家家族がメクレンブルグ・フォアポーメルン
(旧東ドイツ)のノイファーヘ移住した。それ以来、2つの村の間で活発な
交流が生まれ、さらに射撃協会の間での協力関係が強化されている。ここニ
ーダーザクセン地方の村改革との関連で、ヴァフェンゼンがローテンブルグ
町に、合併することを決断した。村の住民は、この転換を気持ちよく受け止
めた。村の自立性を確保し、近隣の村シュトルームとの経済的共同体として、
また教会との共同体として生きている。
多世代交流ハウスは、村の住民を惹きつけている。むらづくりのための要望
と提案を表明するための可能性を各住民に与えるために、ヴァンファンゼン
人は、ローカルアジェンダ(地域の改革)グループを設立した。そこでは、
村人からの提案を、しばしば議論した。このグループは閉鎖的な団体でなく、
各住民が共に協力することができた。円卓討論の結果は、団体との共同活動
でもって直接実践するか、あるいは政策委員会に必要に応じて委任した。
アジェンダグループと住民の大部分とともに、世代を越えて広がる共同生活
のビジョンを、発展させている。そのため、ローテンブルグ町は1つの農業
経営の農場を獲得し、その建物を改造して多世代交流ハウスに利用変更した。
このハウスは、短期間に村住民の最低 1/3 から、文化ー出会いの場として活用
されている。おじいちゃん/おばあちゃんと子供達の出会いの場、高齢者の
体操、ダンスパーテイそしてポップスーゴスペル合唱団コンサートのような、
様々な活動に利用され、大変活発な住民参加で喜ばれている。同じく、この
ハウスには、保育所が開設されている。これは、活動的な両親グループから
支援されている。例えば、共同の料理づくり、趣味の工作づくりなどが組織
されている。
- 17 -
青少年のための余暇の喜び
農村青年のボランテイア参加は、印象的である。青少年は、近くにあるバレ
ーボール場と森の中でのいわゆる 75-時間行動”緑の小道”に参加している。
さらに自然保護協会は、青少年がワクワクした余暇を過ごせるために、多様
な活動を提供している。例えば、一輪車走行、トウモロコシ畑の迷路とジャ
ガイモの手とスコップでの収穫、農場でのオペラとオペレッタ、バターケー
キを焼き、”緑の小道”と子供の民俗舞踊グループなど。
- 18 -
④ ラインラント・プファルツ州
コッヘムーツエル郡
住民数 1 194 人
経 営
商店/手工業 農業
サービス業 レストラ
ン
インフラ
食料品店 パン屋 肉屋
飲料品店 市場 飲食・
宿屋 協会会館 学校
幼稚園 全日制保育園
青少年の家 町/地域
管 理 事務 所 役場 医
者
薬局 医療士 マッサージ士
リハビリ体操士 美容
研究所 銀行 現金自動
支払機 ライファイゼンー商
品 倉庫 消防署 郵便局
記念地 教会 牧師館
礼拝堂 墓地 村広場
ボ ール広場 旅行者駐
車 場 子供の遊び場 キ
ャン ピングイカー駐車場 ハ
イ キング道 焼肉広場
ス ポーツ広場 体育館
ミ ニ ゴル フ 場 ゴ ル
フ場
余暇センタースケート
場 ビーチバレー場
射撃スポーツ場 カヌ
ー貸出業 モーゼル旅
客船船着場 自転車貸
出業 キャンプ場
金賞
エデイガーエレー村
面積 19.00㎢
18 歳以下 206 人(男性 103 人 女性 103 人)
18~65 歳 774 人(男性 406 人 女性 338 人)
65 歳以上 244 人(男性 104 人 女性 140 人)
水中ペダルプール ノリデ 村の外で
イックウオーキングコース モーゼ バロック式十字架礼拝所
ル自転車専用道 ワインコレク と十字路 ペーレ礼拝所
ション リキュール製造所
ローマ時代の居住塔 ケ
シュナップ醸造所 養蜂 ルト時代の環状砦 ロー
場 手工芸品ー地元土産 マ時代の聖城 隠者の棲
品店 図書館 音楽学校
家 カイザーウイルヘル
住民集会所 自動車ー作 ムトンネル 船曳小屋 玄
業場 ガソリンスタンド 武岩-砂岩交差点
文化事務所 観光案内所 村の生活
ブロードバンド接続 鉄 故郷ー観光協会 ぶどう
道接続(0.2km)交通分 園主グループ 村民協会
岐路(50km)鉄道とバ
バレーボールクラブ ロ
ス
ーマ市民クラブ ボーイ
観 光
スカウトグループ 音楽
マルチヌス教会のバロックレリーフ・ 隊列 男性合唱協会 スポ
キリストローマ塔 壁画のある
ーツ協会 ゴスペル歌手
バロック式聖ローククース礼拝所 聖歌隊 器楽演奏グルー
市門のある村の防護設
プ 青年消防隊のある民
備(14 世紀) 伝道十字 間消防隊 森林保全友の
架のある礼拝所(18 世 会 釣スポーツ協会 ゴル
紀)かってのユダヤ教
フクラブ 青少年クラブ
会堂 修復した木骨家屋 高齢者会合 聖書会合
歴史的な農家屋敷 普仏 村の文化
戦争後のワイン農家の 新年歓迎ー公現祭で歌
屋敷 噴水施設 中世戦
い歩く子供たち カーニ
士記念碑 古い時代のパ バル会合 王子公示 日曜
ン焼き設備
日の十字架行進 峡谷防
塁ドライブ
- 19 -
高齢者健康の午後 新
ワインの女王選出 復
活祭卵探し ギリシャ
正教会行列 5月の礼
拝 バ イ キン グ 環 境
デイー 休暇プログラ
ム サッカートーナメ
ント ローマ時代のお
祭り酒宴 王の射撃大
会 教 会 開基 祭 世 代
交流の午後 消防隊の
消 火 祭 蚤の 市 ビ ー
チバレートーナメン
ト ワインー故郷祭
本見本市 国際消防隊
行進
景 観
地域中核活性化奨励のた
村南方にモーゼルワイ
めの墓地ー発展構想条例
ン景観の中の特徴的な
連山
村の形態
道路沿いの村
計画の基礎
モーゼルー超地域発展
構想 村の再生プラン
景観プラン 土地利用計
画 建築計画 村モデル
計画 道路計画 水利計
画 植物ー樹木リスト
ビオトープ作図 農地整
備計画 尾根形成条例
森林施設計画
- 20 -
活動の内容
硬貨とローマ時代の陶器片は、すでに 2~3 世紀に村の構造が、今日のエーデ
イガウの地に実在していたことを、推測させる。このエデイガーエレー村に
は、5 世紀にハイリゲンフリードリンが、司祭に任命されたところの修道院の
本拠があった。1097 年には、大きな牧師館の場となった。トリアーの選帝統
治のもとに、この村は全盛期を迎えていた。70 以上の村々は、定期的な税(い
わゆる 1/10 税)を納入した。
この村は最初に 639 年に記録され、そして中世最盛期ー中世末期に発展を
体験している。村は、1363 年に都市権を獲得し、壁と塔でもって取り囲んだ。
フランス革命の後、短期間フランスの支配のもと、2 つの地域が 1815 年にプ
ロイセンに組み込まれた。1946 年以来、一部は新たに創設されたラインラン
ト・プファルツ州に入った。
ワインと観光の共生
村の歴史的、自然的な前提条件に基づき、モーゼルの村、エーデイガーエレ
ーは、ぶどう栽培と観光に集中している。その際、早い時期にぶどう園主が、
高価値なワインを特産化し、そして樽ワインからの直売を含めたビンワイン
生産へと転換でもって、自らの付加価値を高めた。観光においても、賢明な
アイデアを実践している。ヨーロッパの急傾斜なぶどう畑の中の坂道、自転
車ーテーマの小道の設備など。
6km の距離の宗教修練の道は、訪問者にユダヤ教、キリスト教と並んで、ケ
ルト人の自然信仰と古代ローマ帝国の宗教を理解させる。地域の中心地にお
ける伝統的な飲食店と宿の提供は、新たに生まれた集落の一部”モーゼル高
地”における保養公園を伴った、ゴルフーリゾートによって補完されている。
そのことによって、新しい教育ー就業の場が生じている。
良く整備された周囲環境
薬局と郵便局、パン屋そして食料品店、銀行、美容研究所、自動車修理工場
とガソリンスタンド、これらは毎日必要なものを提供している。その際、営
業地域の認可で、手工業経営、商業そしてサービス業を、一定の地域に集中
させることを意識している。
- 21 -
柔軟な開閉時間の保育所と終日保育施設、並びに全日制基礎学校(訳注:小
学校)は、若い家族のためにもこの村における生活を、最高に魅力あるもの
にしている。これに教育と約 30 のグループ、そして団体から支えられる優れ
た社会ネットワークが加わる。すでに村において、早くから歴史的遺産の重
要性(観光面でも)が認識され、そして歴史的な木骨構造家屋を、目的に応
じて保護している。
これら家屋の修復に際して、地域的な特徴を残し、そして自然的な建築資材
の投入、玄武岩舗道に調和した歴史豊かな建物、ぶどうの蔓、キヅタ(木の
蔓)そして美しく飾られた建物の正面が、色彩的に良く調和されている。良
く手入れされた各家々の実用庭園(野菜などの栽培)が、互いに村の道に結
びつきそしてモーゼル川に続く自然草地が、クルミの樹の並木道に縁どられ
ている。
- 22 -
⑤ ニーダーザクセン州
オルデン郡
住民数 1467 人
金
賞
デートリンゲン
面 積
101㎢
18 歳以下
283 人(男性 146 人 女性 137 人)
18 歳~ 65 歳 883 人(男性 439 人 女性 444 人)
65 歳以上
301 人(男性 141 人 女性 160 人)
経 営
工業/営業/手工業 農業
サービス業 飲食店業
インフラ構造
食料品店 パン屋 飲料品
販売店 手工業 市場 高齢
者ホーム 高齢者介護 世
代間交流ハウス 飲食店
協会建物 学校 青少年ホ
ーム 幼稚園 全日制保育
所 医院 消防署 郵便局
記念地 教会/墓地 村広
場 サッカー場/子供の遊
び場 ハイカー用駐車場
ハイキング道 焼肉広場
乗馬場 スポーツ広場 体
育館 ブライトバンド連結
交通分岐点接続(8 km)
バス 生徒用集合タクシー
池を含めたインロープ草
原 干し草小屋 石墓 ギ
ャラリー 新ー旧 墓地
村の庭園と農民庭 園
古い鍛冶屋 林間学校 寮
個人庭園の開放(年 3
回)史跡保存ハウス
村の生活
モータースポーツ協会
カヌークラブ 自然保護
協会 体操協会 森林乗馬
学校 混成合唱団 男性合
唱団 村ー故郷協会 消防
隊 消防支援協会 社団法
人・庭園栽培者協会 社
団法人・中産階級 模型
飛行機クラブ 農村青少
年クラブ 農村女性クラ
ブ 劇場クラブ
観 光
12 世紀の教会 村の歴史的
な中心地 ニーダーザクセ
ンハウス 1000 年以上の樫
の木 巨石墳墓 ヨシ葺き
屋根の農家群 ハイキング
道ネットワーク ギーレン
山
村の文化
展示会 献血 春季射撃大
会 清潔な農村景観行動
イースター 夜のオリエ
ンテイルングドライブ
射撃祭 子供ー青少年射
撃祭 自転車ツアー
- 23 -
パレードつき収穫感
謝 祭 ローソクパーテ
イ を伴った劇場/ク
リス マス祭 待降節歌
唱の 日五月祭の飾り
柱の設 置 お客のガイ
ド 子供 のカーニバル
クリス マス市場 子
供用ゴー カード走行
演芸ー文 化ー音楽
催事 自転車 トーナ
メント 春季ー クリ
スマスコンサート
景 観
この地の森林・湿地帯
村の形態
塊村(民家が混然と一
塊となった村落)
計画の基礎
土地景観整備プログラ
ム 村の再生プラン
景 観プラン 村のモデ
ル 計画 村形成条例
道路 計画 水利計画
ビオト ープ作図 植物
ー樹木 リスト 農地
整備計画
活動の内容
かって 1203 年にこの村の名前が、歴史教科書にみられる。当時この村は、
ほんのひとつかみの農家屋敷群で成り立ち、そしてホルデンフルガー地方の
最も古い地域に、数えられている。この地域における人間の生存の最も古い
痕跡が、この村近くのフンテ川の岸にみられる。約 2 万年前のトナカイ狩猟
者の製造による彫刻刀など。
19 世紀末にこの村に芸術家が住み着いた。彼らは今日なお存在しているとこ
ろの、芸術家コロニーの基礎を築いた。1936 年にこの村は、ナチ党の大管区
―モデルを表明した。その前 1933 年に Gierenberg に、ナチ党の自由記念碑を
建立している。1995 年以来、ナチ時代の歴史検証に多くの郷土研究家とそれ
に加えて住民ー故郷協会員が従事している。さらに市民運動団体は、暗黒の
暴力支配の一般市民犠牲者の記念碑が落成され、感謝されている。
デュートリンゲンに美しく住む
この村は、500 弱の就業の場でもって、経済的に極めて魅力的である。拡大
されている公的施設のインフラ構造(小学校、託児所、保育園)は、高度な
居住品質を配慮している。さらに住み心地の良さの要因は、村のまわりにあ
る良く繁茂した緑である。村は、特に村内の植物の豊かさを確保し、そして
沢山の緑地を適切に保護するための、借金のない財政を有している。
数年来、民間のデュートリンゲンー基金が、村内の芸術と文化並びに自然と
景観保全を、奨励している。自らの活動と寄付金でもって、村の干し草の家
を修復し、そして文化的出会いの場に改築した。村人が、家の新築に際して
豊かなアイデアでもって、優れた建築上の高品質性を発揮している。新しい
体育館は、地下深く”埋めて”いる。その屋根は、雨どいの高さが周辺の建
物を越えない。そして青少年の出会いの場をつくるために、即座に豚舎を改
築した。
”庭文化”は、地域からの訪問者を引き付けている。村の中に居住し、活動
する芸術家 35 人と、村共同体との密接な結びつきが特徴的である。この結び
つきから、芸術と庭園 25 カ所のデュートリンガー”庭園文化”が生まれ、多
くの訪問者を魅惑している。この村の自然保護活動でもってフント川の流れ
が、再自然化している。そして村の共有地の中に、故郷の多くの植物ー動物
種が見いだされる(例えば、様々なフクロウ、キツツキ、ハクサンチドリそ
してアヤメなど)。
- 24 -
園芸主は、学校、保育所で子供たちのために、博物学を教えることに責任
を担っている。そのことから、”意義深い景観体験”のような、環境プロジェ
クトが生まれている。学校と保育所、庭園もまた子供たちや青少年のために、
自然を身近に体験させている。
- 25 -
⑥ ノルトライン・ヴェストファーレン州
オルペ郡
住民数 310 人
経
金賞
ニーダーヘルデン地域
アッテンドールン町
面積 報告なし
18 歳以下 63 人(男性 25 人 女性 38 人)
18~65 歳 189 人(男性 102 人 女性 87 人)
65 歳以上 58 人(男性 25 人
女性 33 人)
営
むらの文化
営業店/木工業 農業
ービス業 レストラン
サ 新年合唱 むらのカーニ
ーバル 復活祭 聖霊降臨
祭の朝食 礼拝堂ー村祭ク
インフラ構造
リスマス市場 キリスト降
世代間交流ハウス 食堂/ 誕劇( クリスマスに演 じ
カフェー 医院 記念地 礼 られる )クリスマス前 の
拝堂 サッカー場 子供の遊 キャンプファイヤー
び場 ハイキング公園駐車
場 ハイキング道 焼肉広場
乗 馬 場 鉄 道 連 結 ( 6km)
交 通 要 衝 連 結 ( 10km) バ
ス
乗合タクシー パン屋 飲料
店 学校 幼稚園 教会 墓地
観
光
景
観
ニ ー ダ ー ヘ ル デ ン は谷間の
細長い 平地を 流れるレー
ピ川の 中心地にあり、 森
と 茂み 、果樹園地に囲 ま
れている。
むらの形態
歴史的な木骨家屋群 村の 塊村( 民家が 一塊となっ
小道と自然 礼拝堂 戦没者 た村)
記念碑
むらの基礎
むらの生活
礼拝堂協会 水利共同体 ヘ
ルデン教区連盟 幼稚園連
盟 スポーツ協会 射撃協
会 消防隊 音楽協会 劇場
グループ 婦人会 合唱協会
地域発展構想/総合農村
発展構想 むらの再生計
画 土地利用計画 地区整
備計画 水利計画 ビオト
ープ作図 植物ー樹木リ
スト 水資源保護ゾーン
- 26 -
活動の内容
ニーダーヘルデンは、カロリング王朝時代からの集落である。紀元前 900 年
にすでにもっとも古い文書に、ニーダーヘルデン領域のレペタールへの植民
を、歴史研究所が認めている。水と肥沃な土壌が、十分にあったからである。
1580 年には、そこに 10 戸の農家が存在していた。20 世紀初めから住宅が多
く建設され、むらの姿が大きく変わってくる。木骨家屋に代わって、今は石
が使われている。純粋な農業の村の特徴は、次第に変わっていった。1946 年
には、かって 1381 年に建てられた礼拝所が、新築されねばならなかった。
農場の代わりに幼稚園
最近変化する市場条件に対応するために、農業への圧力は弱まっていない。
2戸の農家が直売に取り組み、そして農場から直接産物を販売している(イ
チゴ、カボチャ、花、卵、蜂蜜、ジャム、クリスマスツリー)。かっての農場
は改築され、今は幼稚園の戸外グループを宿泊させている。さらに 2 軒の農
家から、4 つ星認定ホテルが生まれた。1つのゴルフクラブも設立された。こ
れは、もはや農家に使用されなくなった土地を賃借し、ゴルフ場に変更され
たものである。
この村の人たちは、大きな力とエネルギーでもって、共同で目標に進んでい
る。彼らは、特別な参画を全く普通のこととして、むらのコミニュケーショ
ンを形成している。自らのイニシアチブと自己責任は、公的、私的分野でも自
明である。このことは、例えば礼拝堂協会において示されている。この村は、
ドイツにおいて独自の礼拝堂所有の数少ない地となっている。殆ど全ての住
民が、この礼拝堂維持のために参画している。村民は、ニーダーヘルデンに
司祭がいないので、教会の支援なしにミサ形態を考え出している。さらに素
人をミサのリーダーに育成し、定期的な礼拝堂の夕べの祈りを実施している。
このむらの特徴付けられること:
この地域は、飲料水を自力で得ている。飲料水確保協会の加入員は、新しい
導水管、水資源探査の組織化、そして障害の除去を行っている。祝典の夕べ
クラブの後継者は、むらの生活に新たな目標を設定し、そして情報パンフレ
ットと村の集会を通じて周知を図っている。
- 27 -
このむらは、質的に高い居住地である。ここは、観光によって特徴づけられ
る(この地域に 300 ベット)。当面の景観プランは、全ての農地管理者から承
認されるところの、ビオトープ構造を決定づける。むらの中に固有種の様々
なコウモリ、ワシミミズク、ランの種が存在している。景観は、豊かな構造
を作り出しており、それは垣根、個々の樹木、並木道などである。
- 28 -
⑦ ブランデンブルグ州
金賞
ポートスダムーミッテルマルク郡
住民数 1341 人
18 歳以下
18 歳~65 歳
65 歳以上
経
ヴィーゼンブルグ/マルク
面積 11.35k ㎡
204 人(男性 111 人 女性 93 人)
896 人(男性 468 人 女性 428 人)
241 人(男性 104 人 女性 137 人)
営
オラ ンジュリー (訳注:
工業/営業店/手工業
17~18 世紀の宮殿庭園のオ
農業 サービス業 レスト レンジ越冬用温室)木骨
ラン
家屋 のある歴史的な村の
インフラ構造
中心部 後記ロマン主義の
保育園バス 食料品店 パ 石造教会 ヘルマンボース
ン屋 肉屋 市場 高齢者 村の記念碑 教会墓地のル
介護施設 宿屋兼食堂
イーゼ修道院 草地つき村
クラブハウス 学校 青少 の新築住宅団地
(待降節など)民間消
防団の公開日 城公園の
夜 公園横断走 家族ス
ポーツ祭 種子交換市場
文化ー芸術活動
年ホーム 保育園 託児所
むらの生活
村役場 地域行政機関 医
院 警察 郵便局 消防署
教会 墓地 記念碑 サッ
カー場 子供の遊び場 ハ
イ キン グ道 スポ ーツ広
場 体育館 公園内のテニ
スコート スケート施設
森の小舞台 広域帯連結
観光協会 ヴィーカンブル
グ 史跡保存景観公園の維
持と奨励協会 持続的、地
域的 発展奨 励のための教
会 釣り人教会 体操―ス
ポーツ協会 高齢者学校の
交流活動 ブランデンブル
鉄道連結(2 km)交通
要衝への接続(20 km)
地 域内 鉄道 バス 停留 場
(3 カ所)3 つのバス会
社 市民バス
グ国民連帯地方支部 そり
犬スポーツ協会 合唱団
青少年吹奏楽団 民間消防
隊 芸術協会 家族地域同
盟 社団法人・新使徒教区
観
聖霊降臨祭コンサート
公開記念碑 ヴィゼンブ
ルグ文化の日 家族音楽
祭 展示会 教会音楽祭
光
むらの文化
城公園 中庭付の城 城公 復活祭 メイポール(五月
園内の茶店 教会 貯水塔 祭の飾柱)の設置 秋祭り
観光案内所つき小美術館 母の日の花市 公園祭
- 29 -
学校と保育所での子供
祭 高齢者祭 待降節市
場 ワイン夜のコンサー
ト 新年ハイキング 復
活 祭 散 歩 庭園 公 開 星
のハイキン 懐中電灯で
の城公園の探求
景
観
ヴィーゼンブルグは砂
質土壌の上にあり、そ
してむらの西と東の端
は森に囲まれ いる。
むらの形態
道路沿いに家屋が立ち
並ぶ村(街村)
むらの基礎
地 域 発 展 構 想 / 総合 的
農 村発 展構想 村の再生
プラン 地区整備計画
村のモデル計画 道路計
画 ビオトープ作図 植物
ー 樹 木 リスト 農地 整備
計 画 経費 ー 土地 節約建
築に関する 2008 年度ア
ン ケ ー ト 調 査 2004/2005
年大枠プランの継続
- 30 -
活動の内容
ヴィーゼンブルグ村は、ブランデンブルグ州の南西部に位置し、西暦 1161 年
に文書記録にあらわれている。入植の始まりは、湿った低地にある特徴的な
位置に建設された城塞であった。時代の経過の中で城塞から、農場へと発展
した。 特徴的なことは、すでに 13 世紀に存在していた農村と手工業者村と
の結びつきである。
19 世紀の第二半期に、経済的な発展を経験し、そしてベルリンーヴェツラー
間の鉄道において、自らの駅をもった。そこは周囲の村々のために、多くの
サービス業ー物資供給の支えであったし、今もそうである。それに続いて 1990
年にこの地域の中心地としてのヴィーゼンブルグの強化、拡充を計画してい
る村モデルを決定した。
芸術家は、子供たちのために配慮している。ヴィーゼンブルグは、子供たち
と青少年のために、非常に多くの企画をもっている家族向きのむらである。
例えば、社会的、文化的分野における 12 歳までの子供たちのために、無料の
多面的な行事を提供している。この地で自らの仕事を、公的にも紹介してい
る多くの芸術家が住んでいる。沢山の彫刻作品と他の芸術作品が、境界に沿
ってむらの周囲を曲がりくねった、いわゆる芸術の小道を彩っている。
そもそも芸術家たちは、このむらの小学校と密接なコンタクトをとることに、
理解を示している。子供たちと青少年は、作品の成立をたどり、ふさわしい
アイデアを実行にうつすことができる。ヴィーゼンブルグは、開かれたむら
である。新たに引き寄せられた人が、すぐにむらの生活の中で仲間に組み入
れられることは、彼のアイデアを組み入れ、そして活動に参画することがで
きる。全体的に公的な計画について、私人と協会そして自治体との間の密接
な連携が実現している。
ユーベル城公園
このむらの人たちは、公園のあるユーベル城の所有を、自覚している。この
城公園は、この地域を越えて良く知られており、そして良く保護されている。
特徴的なことは垣根で囲うのでなく、隣接した森ー耕地とスムーズにつなが
っていることである。このむらの中と外には、保護されるべきたくさんの固
有種が、存在している。赤トビ、ハイタカ、クロイツヒキガエル、ヤドカリ、
クワガタムシなど。
- 31 -
教師、若者そして他の関心ある村民は、子供たちと青少年に”緑の教室”で、
自然に対する意識づけを奨励し、その中で故郷の動物ー植物種について、知
るべき価値を理解させる。地域における建造物の重要部分を保持し、今ある
建物を伴った居住地の発展に調和するために、ヴィーゼンブルグ村は建築上
の指針を策定し、独自のむらコンクールを創設している。
さらに私的にも建築主が、個人的にアドバイスされる。素晴らしいアンサン
ブル、例えば教会通り、グリーナー通りまたは”小ーモスクワ”そして公的
活動に用いられる新しく設置された村中心地が、将来を指向した発展の目撃
者である。
- 32 -
⑧ ザクセン州
金
賞
キルヒバッハ
ミッテルザクセン郡
オーデラン町
面積 7.9 9 k ㎡
住民数 221 人
18 歳以下
34 人(男性 15 人 女性 19 人)
18 歳~ 65 歳 142 人 (男性 79 人 女性 63 人)
65 歳以上
45 人(男性 20 人 女性 25 人)
経
営
営 業 店 /木工 業 農 業
サービス業
むらの構造
ヨーロッパ・キルシュバ
ッ ハ干し 草づくり 祭 キ
リスト昇天の春祭・秋祭
インフラ構造
消防 隊祭 待降 節星祭
飲 料 販 売 木工 業 高齢 子供クリスマス祭キリス
者介護施設 宿屋兼食堂 ト降誕劇
協会 消防隊 記念碑の地
教会 墓地 村広場 鉄道 景 観
連結(7km) 交通要衝接 多 彩な景 観 広 大 なそし
続(7km)バス 学校バス て緩やかな傾斜のキルシ
ュ バ ッ ハ の谷間 オーバ
観
光
ーラインバッハの小川ハ
教 会 学 校 木 骨 家屋群 ーゼルバッハの谷
三 ー 四 辺の家 二列 の草
地を背後にもつむらの構 むらの形態
造 石 の 十字 架( 贖罪の 農地、草原を背後に家屋
十字架)菩提樹の並木道 が並んだ山地街村
散 在果 樹草地 野生梨プ
ロジェクト
計画の基礎
地域発展構想/総合的農
むらの生活
村 発 展 構 想 むら の再生
集落協議会 文化協会
プラン 景観プラン 土地
消防隊 教会教区 教会役 利用計画 景観形成条例
員会フランケンシュタイ 道 路 計 画 ビオト ープ作
ン/キルシュバッハトロ 図 植物ー樹木リスト
ンボーン合奏
むらの通りの道路建設
沼地施設の発展研究
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活動の内容
フランク族の農民が 12 世紀に東に入植をした関連で基礎を築かれたキルバッ
ハは、西暦 1376 年に最初に記録で確認されている。長い期間このむらは、全
く農業だけの集落であった。19 世紀初めには、木工業者や小さな営業経営者
がやってきた。18 世紀に採掘業も営業し、そこから今日まで維持されている、
鉱員の道具置き場が設置された。
このむらは、ザクセン州の東端に位置する。その名前は、”教会のある小川
に面したところにある居住地”を、意味している。名付者は、かっての巡礼
教会者であった。もちろん、今日の教会と同一ではないが。キルバッハも戦
争で多くの混乱に苦しみ、そして 30 年戦争で殆ど完全に破壊された。ここは
今もなお、2列の農地、草原を背後にもち、家屋の並んだ森林村の典型的な
特徴をもっている。
また、このむらは、3 ないし 4 面家屋から成り立つところの、農民的特徴を
示している。ドイツの東西統一後に市場経済へと向かった経営の農業構造的
な変革が、先見の明をもって実行された。弾薬の発見が、池の再自然化を妨
げている。キルバッハは、1995 年にむらの発展計画を、1997 年に地域整備条
例を策定した。特別な重点は、建物の利用に際して必要な改築の続行を、含
んでいることである。そこには、住民が居住し働き、そして休息することが
できる。
多くの農家家屋は、立て直しや改築によって、簡単に居住家屋または多世代
交流ハウスに、利用変更できる。1994 年以来、もはや新築が無いことから、
むらの公有地を生み出している。この地域を流れる小川と同名なキルバッハ
は、自然的な小川の川床にあった。それをこのむらの人々が、40 mの長さで
発掘した。その際、作業者が第二次世界大戦の弾丸に、何回も突き当たった。
それを安全に除去するために、ひどく骨の折れる作業となった。
このむらは、ヨーロッパの舞台にも登場している。キルバッハの住民は、自
然と農村周辺に意義を見い出し、伝統意識をもったむら共同体をつくってい
る。1995 年以来、1 年に 1 回干し草づくり祭を、開催している。ヨーロッパ
内におけるキルバッハの名前をもったすべての地域に、ヨーロッパキルバッ
ハ集会を呼び掛け、定期的に集まっている。
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キルバッハ周辺の草地と牧草地には、カラフルで多様な植物が多く植生して
いる。牧草地にある散在果樹は、59 種類が心を込めて植栽されている。牧草
地、西洋ハシバミの茂み、野生のバラが一緒になって、このむらに緑の色調
を与えている。地域の全ての掲示板の裏側に、野生ミツバチの営巣の可能性
がある。この地域の風景は、樹木、低灌木そして昆虫のみに特徴づけられる
のでなく、むらのはずれにある牧草地で草を食む小家畜、または池で泳ぐ家
禽もまた、特徴的である。時とともに守るべきランの植生地が、生じてきて
いる。
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2010年
第3回連邦むらづくりコンクール州別受賞数
州
金
バイエルン
賞
2
バーデンビュルテンベルグ
ブランデンブルグ
ヘッセン
メクレンブルグ・フォアポーメルン
ニーダーザクセン
ノルトライン・ヴェストファーレン
ラインラント・プファルツ
銀
賞
賞
2
2
1
2
2
1
1
ザールラント
ザクセン
ザクセン・アンハルト
シュレースビック・ホルシュタイン
1
1
5
2
1
1
1
1
1
1
チューリンゲン
合
銅
計
8
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16
1
計
4
2
1
2
1
3
6
4
1
2
2
1
1
1
6
30