ダイオードに関する用語

夢考房 BGD[001]
2008/10/02:作成
2008/10/02:作成
ダイオードに関する用語
記号
用語
定義
アノード(A:Anode)は陽極,カソード(K:Kathode)は陰極の
ことで,A は P 型半導体,K は N 型半導体側になる.
(a)を順方向バイアスといい,順電流が流れる.(b)を逆方向バ
イアスといい,電流は流れない.
A,K
アノード,カソード
-
+
A
A
I
K
K
-
+
(b) 逆方向バイアス
(a) 順方向バイアス
―
順方向,逆方向
アノードからカソード方向を順方向といい,カソードからア
ノード方向を逆方向という.
P(Positive)型半導体は,正孔が多い半導体,N(Negative)型半導
体は,電子が多い半導体である.シリコンを基本とし,その
物質にアルミニウムやボロンの元素を加えると正孔が多い P
型半導体になり,リンやヒ素を加えると電子が多い N 型半導
体になる.同一のシリコン基盤の両方から各々の元素を染み
P,N
P 型半導体,N 型半
導体
込ませるように拡散させることで P と N に別れ,これを PN
接合という.
N
P
正孔
電子
シリコン
PN 接合
PN 接合において,電子や正孔(これをキャリアという)が
無い領域を空乏層という.空乏層は,逆方向バイアスによっ
て広がり,電子の移動を妨げる.
―
空乏層
P
正孔
N
空乏層
電子
PN 接合と空乏層
交流を直流に変換することを整流という.全波整流回路の例
を示す.出力電圧 VO はそのままでは脈動しているため,コ
ンデンサで平滑する.
-
整流
ブリッジ・ダイオード
VI
VO
VI
VO
(a)入力の交流電圧波形
IF
平均順電流
(b)全波整流回路
(c)出力の全波整流波形
商用周波数(50 / 60 Hz)の正弦半波(通電角 180°)で流し得る
平均電流値,または矩形波の平均電流.
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電流
電流
電流
時間
時間
時間
180 度
360 度
矩形波
正弦半波
正弦全波
IR
逆電流
IO
平均整流電流
ある逆電圧 VR を印加したときの逆漏れ電流.
商用周波数(50 Hz/60 Hz)の正弦波で流し得る平均整流電流
値.
順方向電流を流したときのダイオードの電圧降下を順電圧と
いう.図のように,可変の電源 VS の電圧を徐々に上げていく
と,順電圧 VF を超えたところで順電流 IF が流れ始める.す
なわち,VF 分はロスとなり,VF 以下ではダイオードが OFF
状態となる.シリコン系ダイオードの順電圧は約 0.65V であ
VF
順電圧
る.
IFM
VS
VR
逆電圧
VF
逆方向バイアスの電圧値.
連続的に加えることができる逆方向バイアスの最大許容瞬時
電圧値(波高値).
VRRM
ピーク繰り返し逆電
電圧
圧
波高値
時間
文献によってはフライ・ホイール・ダイオードとも記述され,
日本語では還流ダイオードと表記される.モータを駆動する
回路に用いる場合に特にフライ・ホイールと書かれることが
多い.図のようにトランジスタが,ON から OFF に移行す
るとき,モータ内のコイルの電磁誘導により起電力が生じ,
電流が流れ続けようとする.これをダイオードで循環させな
-
フリー・ホイール・
いと高いサージ電圧が発生し,トランジスタの破壊を招く.
フリーホイールダイオード
ダイオード
I [A]
M
M
E [V]
E [V]
ON
トランジスタ ON 時
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OFF
トランジスタを OFF にした瞬間
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モータのトルクを調節するために,トランジスタをパルス
状 に ON / OFF さ せ る 動 作 を PWM ( Pulse Width
Modulation)といい,パルスの幅を広くするほどトルクが
増す.いま,図のような比率でパルスの幅を決め,トランジ
スタを駆動すると,モータには同様の比率で電圧が加わる.
電流は,トランジスタが ON のときはモータに流れ,ON か
ら OFF に切り替わったときはダイオードにより循環するた
め三角波状になる.これによりモータが滑らかに回り,はず
み車と同様な効果が得られることから,フライ・ホイール・
ダイオードとも呼ばれる.
I [A]
信号
電圧
M
電流
E [V]
ON OFF ON
時間
時間
モータ電流
パルス波形
モータの PWM 駆動
引用:東芝半導体製品カタログ
ダイオード
小中型編
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