生産・流通・販売構造の変化~SPAの現状~

4/19/2006
長谷川さやか
生産・流通・販売構造の変化~SPAの現状~
はじめに・・・
第1章 日本のアパレル産業
1-1 物流の仕組み
1-2 SPAとは何か
第2章
ファーストリテイリング
2-1 会社概要
2-2 業績
2-3 「ユニクロ」のSPA
2-4 「ユニクロ」の失速
2-5 新しいユニクロ
2-6 SCMの構築
第3章
しまむら
3-1 「しまむら」の店舗
3-2 取り扱い商品の本質
3-3 「しまむら」の逆転発想
3-4 欠品に対する「しまむら」の考え
3-5 横の物流
3-6 4つめの S
3-7 「しまむら」の抱える弱点
第4章
INDITEX社
4-1 INDITEX社の歩み
4-2 業績
4-3 躍進の理由
4-4 日本におけるINDITEX社の現状
第5章
まとめ
参考文献
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長谷川さやか
はじめに
日本でアパレル産業といわれるようになったのは約20年前である。アパレルという語
はアメリカから入ってきた。ファッションビジネスとして定着し始めたのは、1970 年初頭
の高度経済成長期にありながらのニクソンショック、オイルショック時代のことである。
1970 年以降、既製品の需要が増え、プレタポルテ専門1のデザイナーが登場した。若い人向
けのデザインも登場し、業界団体が主催するコンテストなどが全国で開かれるようになっ
た。また、アパレル業界は縫製自動機器や、裁断技術を導入した。
現在のアパレル市場規模は、約12兆円。企業数約1万5000社。市場で強いのはや
はり、原材料の時点から自己リスクで仕入れ、生産し、自己ブランドとして販売するアパ
レル製造卸である。アパレル製造卸の中でも近年注目すべき業態が,SPA(製造小売業)
と呼ばれるものである。
不況にも負けず売り上げを伸ばしているSPAとは、一体どのような業態であるのか。
また、実際にSPA業態をとっている企業の実状はどのようなものであるのか。そして、
SPA企業の今後の展望と解決すべき問題はどういったことであるのか。私は、以上のよ
うなことについて調べることを目的し、研究する。
まず第1章ではSPAとはどのようなものか明らかにし、SPAについて仕組みや現状
を調べていく。
そして第2章では、日本のSPA企業として有名なファーストリテイリング「ユニクロ」
をとりあげ、歴史や、どのようにしてSPA業態を取るようになっていったのかという過
程、そしてファーストリテイリングのSPA戦略とは一体どのようなものであるのか、と
いったことに関する研究をしていく。また、最近のユニクロが打ち出した新しい戦略につ
いても調べていく。
第3章では、スペイン発祥のSPAであり現在軌道に乗っているINDITEX社を調
べていく。独自のシステムや、強みを「ユニクロ」比較しながら調べる。
そして第4章では、私の研究のまとめとして、SPAのもつ課題と、今後の展望に
ついて述べていく。
第1章
日本のアパレル産業
第1章では日本のアパレル産業の流通と生産の仕組みについて説明し、SPAとはどの
ような仕組みのものであるかを説明する。
1プレタポルテとは、端的には"既製服"を意味する。もとはオートクチュールのデザイナーによる既製服を大衆的な既製
服と区別するための呼び名で、"高級既製服"と訳されることもある。
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1-1 物流の仕組み
図表1<従来のモノの流れ>
従来の日本のアパレル産業では、消費者に商品が渡る
まで図表1のようにモノが流れているのが標準的であっ
生地・縫製工場など
た。アパレルメーカーが企画・デザイン・を行い、生地・
縫製工場に生産を委託する。小売店は、アパレルメーカ
発注
商品納入
アパレルメーカー
ーに納入された商品を商社や卸を通じて販売委託形式で
小売店に並べる。販売委託方式とは、小売店がメーカー
や、問屋から商品を仕入れ、店頭で売れ残りが出た場合
にも返品が自由可能なシステムである。
商社
卸
百貨店での販売に対して、アパレルメーカーは販売員
を派遣しなければならないことが多いため、アパレルメ
ーカーは派遣費用や、返品リスクを考えて高めの販売価
格を設定する。流通経路も複雑である。また、返品や小
小売企業
売の取引拒否が多いことから、メーカーは発注に対して
消費者
6掛け、7掛け生産しかしないということがあった。小
売業者は、自分達の取り扱う商品はメーカーが作ったも
ので、売れなくても自分たちの責任ではない、お客から
の苦情もメーカーの責任であるとした。
図表2<SPA業態のモノの流れ>
現在も図表1のような流れで商品を仕入れ、成功して
いる小売業が「しまむら」である。
現在のアパレル業界では、図表2のように製造と小売
生産・縫製工場など
商品
商品納入
を直結させ、中間のコストを削減し、ダイレクトに商品
を消費者に提供するSPA業態が増えている。従来のよ
うに小売とメーカーが別々では、常に変化している消費
者のニーズへの反応がすばやくできない。だから、自社
小売企業
で製造から販売までの全ての工程を手がけるのである。
つまり、SPA業態は、これからのファッション産業に
マッチした業態であるといえる。
消費者
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1-2 SPAとは何か
SPAとは「specialty store retailer of private label apparel」
(自社企画ブランド衣料の
専門店)の頭文字を組み合わせた言葉で、米国のカジュアルブランド「GAP」が自らの
事業形態を定義した言葉である。直訳すると、
「自社オリジナル企画ブランドによる製造直
売専門店」であり、素材調達・企画・開発から生産・販売・在庫管理・店舗企画など、全
ての工程を一貫して手がけ、顧客の要求に効率的にかつ迅速に応える事業モデルのことで
ある。今日では、アパレルという用語は、アパレルに限らず企画製造直販型事業全般を指
して広く使われている。
SPA企業は、オリジナルブランドだけでショップを構成しているので、商品企画から
ショップの運営までをトータルに行っているのである。製造者利益と販売者利益の両方を
享受でき、市場の動きに合わせて売れ筋商品を機敏に投入できるので、
「売れないのに作る」
在庫ロスと、
「あれば売れるけれど作らない」機会ロスを軽減させることで、高い収益性に
つなげることができ、中間の余計なコストも抑えることが可能である。また、自営店での
販売が中心となるため、常に消費者に密着し、消費者が「今求めているもの」「求めていな
いもの」を的確に判断できる。商品供給のタイミングや、見きる時期、品揃えなどを自社
の判断でいつでも行うことができることは、流行の変化の早いファッション業界において、
大変重要なことである。SPA業態をとらない企業においては、メーカーが作った商品を
小売が店頭で売るわけであり、生産と流通、販売がつながっておらず、別々になっている
状態では、現在のように消費サイクルが非常に短くなっているファッション市場において
消費者の要望にうまく対応できない。消費者のニーズにスピーディーに対応するという面
で、SPAは有利な業態であるといえる。
第2章
ファーストリテイリング
第2章では、小売業界の中で驚くべき急成長を遂げたカジュアル衣料専門店最大手のフ
ァーストリテリング「ユニクロ」を挙げる。独自のSPAについて調べ、ユニクロの強み
を考える。また、失速の原因、これからの課題を調べていく。
2-1 会社概要
フリースの大ヒットで有名になったユニクロを生んだファーストリティリング社の会社
概要を表したものが図表3である。
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図表3
商号
株式会社ファーストリテイリング FAST RETAILING C
O.LTD
設立
1963年5月1日
本社所在地
山口県山口市大字佐山717-1
資本金
32億7395万円(平成16年2月29日現在)
発行済株式の総
数
1億607万3656株(平成16年2月29日現在)
商品企画・生産・物流・販売までの自社一貫コントロールにより、
事業内容
高品質・低価格のカジュアルブランド『ユニクロ』を提供する製造小売
業(SPA)
従業員数
1646名(平成16年2月29日現在)
http://www.uniqlo.co.jp/より
2-2 ユニクロの営業状態の変化
図表4と図表5では、1996年から2005年にかけてユニクロの営業状況を示して
いる。
図表4
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図表5
http://www.uniqlo.co.jp/ir/finance_data.html より
図表4は「ユニクロ」の売上げ高と店舗数の変化、図表5は「ユニクロ」の経常利益と
売上高経常利益率を表している。「ユニクロ」のフリースは1998年で200万枚、99
年から2000年で1200万枚を売り上げた。1998年以降は、店舗数の増加と共に、
同社売上高も順調に伸びている。しかし、2001年以降、売上高が落ち込んでいること
がわかる。
2-3 「ユニクロ」のSPA
「ユニクロ」はなぜ、低価格でありながら高利益を確保する事ができるのであろうか。
ユニクロの商品は低価格が売りものであり、素材および品質も良く、縫製もしっかりとし
ていてかつ高い利益をあげているのである。なぜ可能なのかというと、「少品種大量販売」
のメリットを完全に活かしているからである。
「ユニクロ」の場合、カジュアルという衣料品の普遍的な分野に特化することで、思い
きった商品の絞込みを可能にした。「ユニクロ」の商品は少ないのだが、サイズや色違いを
豊富に揃えることでカバーしている。商品を絞り込む理由はコストを下げることができる
からである。また、生産・物流はアウトソーシングである。ただし、一般の小売のように、
商社に任せきりにしているわけではなく、各段階でユニクロのスタッフに決定権を持たせ、
品質のチェックをしている。
2-4 「ユニクロ」の失速
破竹の進撃を続けてきたが、ついに失速した。2000年9月を頂点に既存店売上前年
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比は月を追って勢いを落とし、2001年8月にはわずか2%弱ながら98年9月以来、3
5ヶ月ぶりに水面を割って人気の陰りを実感させた。
失速の要因として、次の3点が挙げられる。第1の要因は、人気爆発の起点となった価
格競争力が相対的な次元に低下してしまった事である。
第2の要因は消費者の嗜好が逆転したことであろう。一時は随分と「ユニクロ」の服を
着た人を見たものである。装飾のないシンプルなデザインだから目に付かなそうだが、逆
に「ユニクロ」のシンプルさが目に付いてしまうことがあまりに多かったので「ユニクロ」
の服を着ようとは消費者が思わなくなってしまったのだろう。
第3の要因は商品構成の平板さと陳腐化だ。やはり一時的な流行だったのである。一気
に人気が出てしまったものは、人気が落ちるのも早い。消費者に飽きられてしまったとい
えるであろう。
2-5 新しいユニクロ
現在、ユニクロは価格と品質のバランスすなわち相対的な商品価値では世界最高水準に
ある。しかし、低価格があまりにも定着した為、客は商品自体の良さを、さほど認知して
いないのが現状である。今のユニクロに対する多くの消費者の認識は『安い割には良い』
といった水準である。そこでユニクロは、2004年9月にファッション性や品質性の高
い素材を生かした高付加価値路線を今秋から全面展開する以下の経営戦略を発表した。
① 世界品質宣言
付加価値の高いプレミア部品としての服を大量に販売していく。消費者が圧倒的に
価値を実感でき、世界中の誰もが良さを感じることのできる服を、世界中の人に提供
していく。具体的には、今まで扱ったことのない素材や、新しい技術を取り入れ、店
舗作りにも力をいれる。
② 低価格をやめる
商品の価格は基本的には変えずに、商品の「値段を上げる」ということではなく、
従来からある商品は今までと同じ価格のままに、商品の品質をもっと上げる努力をす
る。高価格にするのでなく、従来からある商品はそのままの価格で品質をあげる。
③ ニュースがある服
モノとしてよく出来ている服、自分をよく見せられる服、語ることがたくさんある
服、満足や納得のいく服、機能的で便利な服などの色々な要素を持った服を作る。
(http://www.uniqlo.co.jp/より)
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2-6 SCMの構築
現在、わが国においては、SCMの採用がブームになっている。アパレル業界では、大
手メーカー各社が着手しているが、生産・物流の体制整備ができていなかったり、供給サ
イドの論理から抜けだせなかったり、自社に都合のよいシステムを取引先に強要するケー
スが目立つ。どちらかが得をして片方が損をするではなく、双方が儲かる仕組みを創ろう
という心構えができていない。
こうした中で、柳井社長が陣頭指揮をして、全社的な課題としてSCMに取り組んでいる。
つまり、単に「生産・物流ー流通・販売」という部分だけの最適化の問題とは考えていな
い。企業活動のサイクルである「投資ー生産・調達ー流通・販売ーブランド資産構築ー資
金回収・調達」のプロセスをより活性化させるための手がかりであり、全体最適化の問題
であると正しく理解しているのである。
「ユニクロ」は、この活動サイクルのなかで「生産・物流ー流通・販売」プロセスを強化
すべく、サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)構築に力を注いでいる。
フリースという商品アイテムでなく、そのサイズ、色などのSKU(Stock Keeping Unit)
まで細かくみる仕組みをつくることで、より一層協力し合う体制を構築しようとしている
のである。期末ではなく、期中でも何回も変更がきく生産体制、週毎、さらには日毎にで
も追加生産しうる体制を構築しようとしている。これは店舗と海外工場を直結し、店頭に
おける売れ行きとマーケティング戦略や最新の在庫情報に基づいて製造量を柔軟に変更さ
せることができる仕 組みを構築しているからである。その結果、欠品も減り、せっかく
需要があるのに売りそこなうという機会損失も減少してきている。
第3章
しまむら
第3章では「ユニクロ」と対照的な位置にある企業、「しまむら」を調べていく。カジュ
アル衣料品販売という点で競合する要素の多い「ユニクロ」と比較して、
「しまむら」はマ
スコミへの露出度が低い。手掛けている事業が日用品衣料という地味な分野であるという
点も理由の一つであろう。しかし、「しまむら」は東証一部上場の大企業であり、全国で店
舗展開を重ね、総売り上げは二千億円と衣料品チェーンとしては日本有数の売り上げを誇
る。
3-1 「しまむら」の店舗
「しまむら」の店舗は大概、駅周辺から離れており、近隣に住宅地のある街道沿いにあ
る。概観はこれといった特徴もなく、いたって地味である。「しまむら」の店舗を見る限り
では、なぜこんな店が驚異的な高収益を上げているのかという疑問すら抱く。もう少し端
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的に言ってしまうと、高収益どころか、それほど儲かっているとは思えない。お客が殺到
するわけでもない。入り口近くの通路にはワゴンがずらりと並べられ、特売の靴下や、下
着類などの日用衣料品が積まれている。店舗の中は広い。天井が高く、支柱の数も少ない
ので、かなり広い。商品の陳列は、ほとんどがハンガー陳列とワゴンだけなので、商品数
は実に多い。
3-2 取り扱い商品の本質
「しまむら」の場合、店内の商品についてみれば、とにかく品揃えが多い。また、店内
には華やかさがない。日用衣料を中心にしているため、どうしても衣料品の色柄がおとな
しいものになる。カラフルな柄物衣料というのは少ないので、どうしてもそういう印象を
受ける。しかし、店内のレイアウトや雰囲気はいわば二次的な要素である。小売りにおい
ての最大のポイントは商品そのものである。さらにいえば品質と価格である。最大のアピ
ールポイントは価格であるが、しまむら全体の商品平均単価は900円、平均客単価で3
000円程度である。
日用衣料にはお金をかけたくない、という消費者の嗜好に合わせたものといえるであろ
う。消費者が求めるものは「安くてかつ品質が良いもの」である。日用衣料なら、なおさ
らである。「安かろう悪かろう」「安物買いの銭失い」はもう一昔前の言葉になってしまっ
た。
日用衣料にはお金をかけたくないという消費者の嗜好に対応した動きが、
「ユニクロ」に
代表されるようなSPA業態である。自らが生産の過程を管理し、消費者が満足する品質
のものを自らが作る。途中の工程が省かれているからコスト削減ができ、低価格で消費者
に商品を提供できる。SPA業態は「イトーヨーカ堂」でも早くから手がけていたり、多
くの衣料品小売が部分的だが実施している。SPAを最大限の効果で実現したのが「ユニ
クロ」である。
だが、「しまむら」の場合、自らは生産に携わらない。SPA業態をとらず、従来型の問
屋仕入れである。とすれば、従来の仕組みの仲で、他の小売業よりも安くて品質の良いも
のを扱うには、問屋やメーカーとの関係が良好であるという一点にかかってくる。
「しまむ
ら」は、問屋とメーカーとの関係が良好である点に活路を見出したのである。
3-3 「しまむら」の逆転発想
「しまむら」は製造の分野には立ち入らない。商品調達は従来型の卸やメーカーとの取
引に徹底している。品質の良い商品を安く仕入れることは、売り上げを高める決め手であ
ることは事実で、多くの小売り業がメーカーの領域へと入っていく。「イトーヨーカ堂」や
「ユニクロ」ほどのシステム化されたやり方ではなくとも、消費者の支持を受ける商品開
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発を手がけていくためには、何らかの形でメーカーの分野へさかのぼって行かなければな
らない。どこの小売業も、従来の問屋やメーカーの中間工程で発生するコストへの不満、
不信感がある。もっと安く、もっと良いものができるのではないかという不信から、自ら
がメーカーの領域へと立ち入っていくのである。
「しまむら」はSPA業態を否定している。
「ユニクロ」をはじめとするSPA、及び「イ
トーヨーカ堂」の場合は、既存のメーカーや問屋に対する不信が前提としてある。メーカ
ーや問屋が、消費者の嗜好に合った商品を卸さないから、自分達で作っていこうというの
がもともとの発想である。収益性という点でも、自分達で作っていく方が高いという理由
もある。しかし「しまむら」は小売りに徹している。メーカーの領域には立ち入らず、そ
の代わり幅広い商品を仕入れることで、消費者の嗜好に合わせる、というのが「しまむら」
のやり方である。不慣れなメーカー分野に進出して苦労するより、従来型の小売りに徹し
て成長していこうという発想が根底にあるのだ。
3-4 欠品に対する「しまむら」の考え
欠品に関しては、2つの考え方がある。1つは、「欠品を嫌い、売れ筋商品を常に補充す
る」という考え方と、
「欠品したら、それに代わる新商品を仕入れる」という考え方だ。
「し
まむら」では欠品は常に起こりうるという前提で商品調達を行っている。ある商品が品切
れてしまえば、終わり。追加注文はしない。下着や靴下といった定番商品については、常
に補充することは当然だが、他の衣料品では、売り切れた商品を補充せず次の新商品を投
入する。欠品を放置することによるメリットは、売り場が常に新しい商品で満ち溢れるこ
とにある。品切れを防止する店舗では、行く度に同じ品揃えということになりかねず、新
鮮味に欠ける。既に購入した商品ばかり並んでいては、店に出かける気にもならないだろ
う。
品切れを防止する店舗に対し「しまむら」は、品切れをおこせば次々に商品が入れ替わ
る。日用衣料の取り扱いが中心なゆえ、来店客のリピート率が高い。つまり、商品が頻繁
に入れ替えられているということは、リピート客に対応できる売り場になっているといえ
る。何よりも来店客に対し、新鮮味を与えることができる。
3-5 横の物流
「しまむら」の物流の卓越したところは、縦の物流に横の物流を加えた点だ。ある店舗
で売れない商品は、別の店舗に回す。別の店舗でも売れなければまた別の店舗に並べると
いう方法を取り、徹底的に販売機会を探るのである。1 つの商品が何店舗もぐるぐると回
り、在庫品となる寸前の商品は新たな売り場で新鮮さを取り戻し、何度でも売れる機会を
もつことができる。
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縦の物流とは、問屋・メーカーから本部を経て店舗に商品が流れることだ。返品などの
場合はこの逆を流れていくというのが、従来のほとんどすべての小売りチェーンにおける
商品の流れである。スーパーのチェーンなどでは取り扱う商品数や量が多いため、商品の
移動はシンプルでなければ手続きが煩雑になる。問屋・メーカーと店舗の物流を本部が支
持する、という単純な物流でなければ、管理が行き届かない。それゆえに、横の物流は試
みられなかったのである。
一般に縦の商品移動だけでは、商品が売れ残ったら処分のしようがない。大幅値下げを
してでも自分の店で売りきらなければならない。大幅値下げをしなければ、返品以外に手
段はない。だが、縦の商品移動に横の移動が加わると、販売機会が大幅に増加する。極端
に言えば、売れ残った商品が別の店舗で新商品へと化けるのである。
ただし、商品の店舗間移動において、直接店舗同士を結んではいない。商品をいった商
品センターに持ちかえり、再仕分けをして別の店舗に送りこむという処理は1日~2日で
行われている。できるだけ長い時間お客の目に触れていることが、売れる要因の1つで、
処理スピードの早さも決め手となる。
店舗間移動の際、移動させるのはどの店でもいいというわけではない。在庫が不足気味
であることは前提条件だが、店が置かれた商圏の特徴や、商品の特徴などを加味して、最
適な店舗が選ばれる。
移動される商品の期間は、最長でも3ヶ月間店頭に置いて売れなかった商品は他の店舗
に移すという。他店で売れなかった別の商品や新しく仕入れた商品が入ってくるので、店
頭が品切れ状態になることはない。売れない商品は単品1~2着といった細かい単位で繁
雑に店舗間を移動する。最終的に売れない商品は見切り処分になるが、見切り処分の前に
商品を売り切ってしまおう、というのが「しまむら」の狙いなのである。返品はしないと
いう宣言の中で、利益を出すにはどうすればよいかと考え出されたのが、横の物流、なお
かつ少ロット多頻度物流という、今までどのチェーン店も手がけたことのない手法を「し
まむら」は編み出したのである。
3-6 4つめの S
チェーンストアの基本は3つの S といわれる。
①標準化(スタンダード化)
②専門化(スペシャリティ化)
③単純化(シンプル化)
それぞれを徹底することがチェーンストア展開の成功の条件である。3つのSを徹底して
推し進めたのが「しまむら」であり、「ユニクロ」である。
数店舗程度であれば、管理する側の目も行き届き、品質も維持できる。だが、全国に10
0店舗単位で展開することになると、同じ品質を維持することは難しくなる。店舗にばら
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つきがでたり、商品にばらつきがでたりすれば、チェーン店の意味がない。
例えば「ユニクロ」の場合、店舗は標準化されている。郊外型の店舗は、外観や店舗内も
ほとんど同じレイアウトである。フリースに代表されるように取り扱い商品に関しても、
どの店舗も共通である。
また、②の専門化はベーシックなカジュアル衣料に特化することで、他の衣料小売りと
の完全な差別化を打ち出している。商品の単純化という点では、商品アイテム数をぎりぎ
りまで絞り込んでいることで、業務内容が単純化され、効率化が図られている。
「しまむら」も同じである。店舗については標準化されており、店内のレイアウトもほ
とんど同じである。専門化という点でも日用衣料分野に特化していることで、他との差別
化を実現している。また、マニュアル化されているということは、作業内容が単純化され
ていくことに他ならない。
3つのSに加えて、
「しまむら」ではもう 1 つの S を掲げている。コンピューターを駆使
した、④仕組化(システム化)である。
すべての商品は単品で管理され、発注から商品センターを通じた物流、人員管理、店舗、
本社など、すべてにわたる総合的なシステムを構築している。「ユニクロ」もシステム化に
は力を入れている。単品管理で生産の上流にまでさかのぼってリアルタイムの生産を可能
にしている。ただし、
「ユニクロ」と「しまむら」が決定的に違うのは、商品調達の手法で
ある。「しまむら」が完全に問屋・メーカーなど外部の商品に依存しているのに対し、「ユ
ニクロ」は自ら企画し、生産に取り組むSPA業態であるという点において、システム化
という観点から見れば、「しまむら」の方がシステムに乗りやすい。「ユニクロ」の衣料品
の場合、流行に左右されにくいカジュアル衣料とはいえ、商品企画、デザイン、色設定な
ど、どうしてもシステム化になじまない作業があり、どうしても個人の感性に依存しなけ
ればならないからである。
端的に言えば、今年はフリースだったが、来年は何を売るか、どういうものが売れるの
か、誰かが感覚的に判断しなければならなくなり、
「しまむら」と比較した際、どうしても
システムの完成という点では立ち遅れてしまうのである。
3-7
「しまむら」の抱える弱点
「しまむら」では、全国の出店の限界が1100店と読んでいた。1000店までは現
状のシステムで対応できるとして、大量出店を重ねてきたのである。しかし現在では10
00店舗以上。西日本などはまだ出店の余地は大きいが、さすがに関東圏では飽和状態に
なってくる。つまり、売り上げの伸びが限界になってくると、高採算の店舗と低採算の店
舗の差が顕著になってくる。
現在では拡大一辺倒の方針で、不採算店舗を閉店させるということは考えないでよかっ
た。低採算とは利益は出ているから、全体のお荷物になっているわけではないからだ。だ
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が、今後出店余地が少なくなり、商圏を奪い合うような形での出店が重なってくれば、効
率の悪い店舗は閉店するということも考えなければならなくなってくる。
「しまむら」は徹底的な中央コントロールをシステム的に敷いているから、個々の店舗の
経営努力でなんとかなるというものでもない。駄目な店舗はどうやっても駄目と結果が出
てしまい、店をたたむしかない。最終的に生き残った店舗数が1000店舗ということで
あれば、各店舗の経営基盤は万全といえるが、現状ではその段階ではない。飽和状態を迎
えた時にこそ「しまむら」の本当の強さが試されるのである。
第4章
INDITEX社
世界のSPA企業の中でも現在注目を集めているINDITEX社を調べていく。日本
で人気のある「ZARA」を扱うINDITEX社はスペイン発祥のSPAである。「ユニ
クロ」が課題として取り組んでいるSCMを先駆けて導入し成功している企業がINDI
TEX社である。
4-1 INDITEX社の歩み
1963年にINDITEX社の創業者であるアマンチョ・オルテガがラコルニャでビ
ジネスを開始した。ガウン製造メーカーとして設立されたグループの前身、コンフェッテ
ィ社が 75 年にスペイン北西部のガリシア地方にZARA1号店を開設してSPAビジネス
に乗り出した。80年には生産体制の強化を狙って織物産地のラコルニャ地方郊外に自社
工場を開設した。
88年には持ち株会社のZARAホールディング社を設立して海外戦略をスタートし、同
年のポルトガルに続いて翌89年にはフランス、アメリカに進出。90年にはトヨタ自動車
の協力を得てラコルニャの自社工場をジャスト・イン・タイム型に再編し、13万平米の
物流センターを開設した。92年から海外戦略を、より積極的に行うようになり、200
3年6月で全世界に1663店舗を展開している。99年からは服だけでなく、香水・化
粧品の販売も始め、2003年にはベッドリネンやテーブルクロスなどの生活用品の販売
を始める。
4-2 業績
2002年度決算では、売上が前年比22%増の39億7400万ユーロ(5166億
円)、営業利益が前年比27%増の6億5950万ユーロ(857億円)、税引後純利益
が29%増の4億3810万ユーロ(570億円)といずれも20%超の増収益を継続し
ている。過去5年間で売上は2.5倍、純利益は3倍、営業利益率は前年の15.9%か
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ら16.6%に上昇するなど、好調である。
4-3 躍進の理由
INDITEX社の成功の理由としてまずあげられるのが、トヨタ自動車が直接、設計
に関わったというラコルニャの自社一貫生産・物流ラインである。長期トレンドを予測し
て大量に開発・調達した生機素材や原糸を染色整理するメインラインを中心に、アイテム
別、加工工程別に22社の自社加工工場を集中配置し、意思決定から店頭投入まで2週間
以内という超高速の逆看板システム型JIT生産を行っている。
次にあげられるのはSCMの徹底である。一つ目の理由で挙げた理由だけでは、今まで
にもあった、大量生産による安価な商品を売るビジネスとさして変わらない。いくら大量
に生産できたところで、それが顧客に受けなければなんの意味も持たないのである。
自社、または合同資本が経営する各国の店舗は全てPOSシステムによってリンクされ
ており、毎日、一日の終わりに各店のマネージャーは、本部に対してどの色の、どのサイ
ズの商品が最も売れたか/売れなかったかを知らせる。スペイン時間の水曜と土曜の2回、
98年に増床された50万㎡の巨大な完全自動化物流センターで店別に仕分けされ、翌木
曜・日曜の朝6時に世界中の店舗へと出荷する。店舗網の拡大に伴い、2002年にはサ
ラゴサに新物流センター(12万3000㎡)を開設した。POSによって出荷側は顧客
の需要を知り、それに合わせた出荷をこまめに行うことができる。売れ残りを少なくする
ことで在庫管理費用を浮かすことができる。さらに、一回に生産する量を減らすことで、
商品一点一点が希少価値を持つことになり、顧客の満足度を上げることになる。
動きの素早さと顧客需要のこまめな確認によって生み出される商品をINDITEX社
では『ファッション・オン・ディマンド』と呼んでいる。パタンナーを含め200人を超
えるデザインチームが一年に1万2000スタイルを開発し、最新ファッションに力を注
いでいる。デザインチームは各地のショーに見学に行き、各地でスケッチや、デジカメに
撮ったものを本社のデザイナーに送る。これらの情報と世界中の店舗からの情報と映画や
音楽シーンの最先端を取り入れて、デザイナーたちはデザインをし、型紙を起こしていく。
SCMによって在庫管理コストを削り、デザイン面を重視することで、ただ安かろう悪
かろうの絶対的な安さではなく、「このデザインの服でこの値段だったら安い」と思わせ
る、相対的な安さを前面に押し出すことができ、リピーターを増やすことができるのであ
る。ファーストリティリング社の業績が急に落ち始めたのは、やたらな出店と「ユニクロ」
の利点が実際は「高品質・低価格」の相対的低価格であったのに、「低価格」の部分ばか
りが強く押し出され、安い物の代名詞のようになったために、一着1000円以下のフリ
ースという絶対的低価格商品が世間に出てきた時に、価格の面で太刀打ちできなかったこ
とにある。きちんと「高品質」であり、他社と違う点であることを強調していなければな
らなかったのだ。
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三つ目の理由としてあげられるのが、良質企業のイメージである。INDITEXでは、
工場のほとんどをスペインやポルトガルに置いている。多くのSPAが人件費の安いアジ
ア、近年では特に中国へと工場を移している中で、未だにほとんどの工場をヨーロッパ圏
内に残している。SPAに限らず、アジアに工場を移した企業に対して、賃金をはじめと
する人権問題が持ち上がっている中で、ヨーロッパに多くの工場を持つINDITEXに
対して人権企業というイメージが消費者の中に広がっているだろう。また、ヨーロッパ圏
内に工場を置くことでヨーロッパ市場の情報をいち早く取り入れ、出荷できるようにする
ためである。絶対的な安さよりも、顧客の求めるものを素早く供給することに重点を置く
ことで利益が生み出せることを証明してみせた。
INDITEXの広告戦略は、基本的に口コミでブランドを広めるやり方である。派手
な広告戦略を打たないことで、だんだんと過剰になっていく広告費を抑えることができ、
また、ブランドに俗っぽいイメージを持たせないことができる。そして、店舗の設置場所
である。ニューヨークであれば5番街、SOHO、東京であれば原宿、銀座など、名だた
る高級店が建ち並ぶ土地に展開している。よって、周りの他の店に負けないように、と店
舗自身が向上心を持つと共に、顧客にとっても買い物をする上で満足度が高まりやすい。
「良い商品を買った」という満足感を持つと同時に、「銀座で買い物をした」、「原宿で
買った」という満足感も生まれる。
さらに、INDITEX社は1000㎡以下の敷地には店舗を持たない、という方針を
持つ。つまり、顧客はゆったりとした空間で買い物をできる上に、INDITEX社側と
してもむやみな出店を控える自己規制となる。上に挙げた、素早い回転による商品の希少
性を重視するなら、やたらな出店は控えるべきであり、INDITEX社にとって良策と
いえる。商品に希少性を持たせることでその価値を高め、自らのブランドイメージをも高
めているのだ。
4-4 日本におけるINDITEX社の現状
日本に上陸しているINDITEXブランドはその中心ブランドZARAのみで、98
年に渋谷店をオープンしたのを初めに、現在、原宿・横浜・銀座・六本木などに計8店を
持つ。日本では、INDITEX社49%、ビギグループ(FRAPBOIS、PINK
HOUSE などのブランドを持つ、日本でも有数のアパレル企業)51%出資のザラ・ジ
ャパンが展開を行っている。先述した1000㎡以下の土地に出店しない、という制約は
日本では難しかったのか、原宿店の敷地は990㎡とやや基準以下ではあるものの、ほぼ
基準に近い広さを保っている。また、出店場所も原宿や銀座などといった、普段の生活か
ら少し距離をおいた場所に置かれている。やたらな出店を控え、ブランドがあまりに氾濫
しすぎることを未然に防いでいる。本国との差を2割以内に抑えた価格設定でバリュー競
争力が高く、週2回のデリバリーで売り場の鮮度も保っている。
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では、日本における展開の上で、何か問題はあるだろうか。まず、一つ目に挙げられる
のがサイズの問題である。ZARAの商品は主にラテン体型に合わせて作られているため、
全体的に日本人にとってサイズが大きい。日本人をはじめとするモンゴリアン圏を対象と
した最適化が求められる。例えば、Sサイズを多めに投入する、日本人向け企画をより多
くすることなどが考えられるために、アジアにラコルニャなみの工場を開設し、モンゴリ
アン圏の人々の需要に、より的確に、素早く応えられることが必要となってくる。また、
現在日本を含め、3カ国にしか進出していないアジア圏へ進出の足がかりになるのではな
るだろう。
また、二つ目の問題点として、日本での店舗展開には地理的な偏りが見られる。場所自
体の選定の仕方は間違っていないと思うのだが、渋谷と原宿、銀座と六本木といったよう
に、お互いで歩いて行き来できる距離に店が設置されていることは、先に述べた店の希少
性を失いかねない。ユニクロやGAPのように、普段からのカジュアルを前面に追い出し
ているブランドならともかく、他と一味違うテイストを売りにしているZARAならなお
さらである。他と一味違うテイストを売りにしているブランドであれば、ルイ・ヴィトン ジ
ャパンが赤坂店・青山店を撤収して表参道旗艦店を作り出したように、あまりに近い店舗
同士は統合し、大型店にしてこそ、商品の価値が高まると考えられる。
以上の二つのことから、アメリカ・イギリス・日本で店舗数が思うほど増えない、とい
うことは決してマイナスを意味するとは言えない。ラテン諸国と、アングロサクソン諸国・
モンゴリアン圏でのコンセプトが違うからである。INDITEX社の今の展開のしかた
では、ラテン色が強く押しだされており、ラテン諸国では普通と見られるものの、その他
の文化圏では「普段と違うカジュアル」と見られるからだ。つまり、日本などラテン圏か
ら文化的に離れた国では店舗数を増やすことよりも、むしろ、「一駅分、余計に電車に乗
っても/歩いても行きたい店」と思わせるような店を作り出すよう努力することこそ、求め
られているのではないだろうか。
第5章
まとめ
不況の中で、急成長を成した「ユニクロ」は、商品の開発から、素材調達、生産、物流、
販売、在庫管理まですべての過程にかかわるSPA業態によって低価格であり高品質であ
る商品を提供することが可能にした。工程の一つ一つで極限までコストを削減していき、
さらに工程間の連携と効率化を進めて、徹底的にコストを省いて、高品質でありながら、
低価格を実現する。しかし、SPA業態をとったからといって必ずしも生き残れるという
わけではない。経営が低迷してしまった「ユニクロ」は2004年秋から「ユニクロ」は
高品質・低価格という今までの路線を維持しつつ、高品質・高価格の領域までの幅広い商
品を揃えることで消費者を呼び込む戦略を打ち出した。また、現在はSCMの構築に力を
入れている。
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小売業である「しまむら」は、SPA業態を否定する代わりに、幅広い商品を仕入れる
ことで消費者の嗜好に合わせている。そして、売れ残りの商品の対処として、メーカーや
卸に返品するという形を取らず、他店舗に商品を移動させ、新たな販売機会をうかがうシ
ステムを創り上げた。返品をしないということは、メーカーや卸と良好な関係を築くこと
ができるということでもある。
スペインのSPA企業、INDITEX社は顧客需要の重視、人件費の安いアジアにそ
の拠点を移さない、など一見SPA業界では不合理な戦略をとったが、全く不合理ではな
く、結果的に合理的になることを証明してみせた。
企業にとっては消費者からのイメージも重要になってくる。「ユニクロ」のように安さ
を押し出すのではなく、「このデザインの服でこの値段だったら安い」と思わせる、相対
的な安さを前面に押し出すことが大切なのではないだろうか。「ユニクロ」が現在強化し
ているSCM構築を、INDITEX社は早くから徹底し、成功を収めている。
これからのアパレル業界で生き残るためには、多様化する消費者のニーズに適合する商
品やサービスをいかにタイミングよく提供できるかが問題である。
参考文献
月泉博.2000『ユニクロ&しまむら完全解剖』小業界
松尾武幸.2004『アパレル業界ハンドブック』東洋経済新聞社
溝上幸伸.2000『無印良品 vs ユニクロ』ぱる出版
繊研新聞社編集局.2004『よくわかるアパレル業界』日本実業出版社
小島健輔.1995『SPAの成功戦略』商業界
繊研新聞社.1999 『日本流 SPA の挑戦』
小島健輔『ファッションビジネスは顧客最適へ動く』こう書房
山崎光弘『98 年ファッションビジネス展訪 大競争時代こそジャパン・クオリティの
構築を “商品不況”を乗り切るカスタマリゼイション(顧客志向)』
財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター『テキスタイル&ファッシ
ョン』Vol.14. No.10. pp.546.
山室一幸『ファッション:ブランド・ビジネス』朝日出版社, 2002.
「カジュアルブランドに多様化の波 非凡を探り始めた日常着」
『朝日新聞』東京版
2001 年 8 月 31 日付け夕刊 5 面
インターネットソース
INDITEX 社ホームページ
http://www.inditex.com/english/home.htm
INDITEX 社 2002 年度アニュアルレポート
http://www.inditex.com/english/pdf/anual02.pdf
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長谷川さやか
Setem ホームページ
http://www.setem.org/catalunya/aquienes.htm
ZARA ホームページ
http://www.zara.com/en/base1.htm
佐々木亨「小売業における価値創造:グローバルリテイラーへの道」
http://opinion.nucba.ac.jp.POST2.htm
日本労働研究機構(JIL)ホームページ
http://www.jil.go.jp/kaigaitopic/2001_11/spainP04.html
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