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No.
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May 2009
第 32 回卒業証書・学位記授与式
第 38 回入学宣誓式
附属看護専門学校閉校記念式典
■学事
新任教授紹介
退任にあたって
■学生のページ
受賞の喜び 益谷秀次賞ほか
第 1 回テキサス A & M 大学医学部
医学研修報告
新入学生インタビュー
■学術
総合医学研究所平成 20 年度研究セミナー
第 19 回日本疫学会学術集会
■病院
病院組織の改組
特定共同指導
■トピックス
本学と公立穴水総合病院との遠隔医療
への取り組み
■管理・運営
新理事・評議員の選任
学校法人金沢医科大学平成 21 年度予算
■随想・報告
ドイツ International Neuroscience Institute
留学記
米国バーモント大学留学記
米欧回覧実記を読んで その三
内灘のアカシア
金沢医科大学報
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金沢医科大学
第 32 回
卒業証書・学位記授与式
平成 21 年 3 月 5 日(木)
本学講堂
学長式辞
卒業証書・学位記授与
平成 21 年 3 月 5 日(木)午前 10 時から、本学講堂に
おいて第 32 回卒業証書・学位記授与式が行われた。
次賞(副賞:懐中時計)は柴田健雄君に、同じく、北
辰同窓会会長賞(副賞:置時計)は野村亮介君に授与
はじめに、医学部卒業生 101 名の氏名が読み上げら
された。また、学業、人物ともに優れ他の学生の模範
れ、山田裕一学長から卒業生総代の柴田健雄君に卒業
となる卒業生を称える金沢医大後援会橘会賞(副賞:
証書・学位記が授与された。
正倉院十二支祝銘々皿)は、廣渡咲紀さん、山田恭孝
このあと、山田学長の式辞、山下公一理事長の告
君の 2 名に授与された。
辞があり、続いて、来賓の大屋敷孝雄北陸大学学長、
最後に、在学生を代表して第 5 学年の南部早和さん
八十出泰成内灘町長、小森 貴石川県医師会会長から、
が送辞を、続いて卒業生を代表して野村亮介君が答辞
卒業生に祝辞とはなむけの言葉が送られた。
を述べた。そして、卒業生は、列席者の盛大な拍手に
続いて、学業が特に優秀な卒業生に贈られる益谷秀
送られ退席し式を終了した。
(庶務課 出雲淳子記)
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金沢医科大学報
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式 辞
学 長 山
田 裕 一
本日ここに第 32 回金沢医科大学卒業証書・学位記授与式を挙行するにあたり、ご臨
席賜りましたご来賓の皆様に深く感謝申し上げます。また、この日を千秋の思いで待
ちわびていらっしゃった卒業生のご家族の皆様に心からお慶びを申し上げます。
そして、入学以来、現代医学の膨大な知識と格闘、奮戦して、本日ここに栄えある
卒業の日を迎えた 101 名の皆さんに、金沢医科大学の教職員を代表してお祝いを申し
上げます。
さて、この卒業の機会に、私は、本学建学の精神である「良医の育成」についてあら
ためて皆さんにお話しようと思います。皆さんが学んできた金沢医科大学とはどうい
う大学であったのか、どうなろうとしているのか。そして、大学は皆さんに何を伝え
ようとし、何を期待してきたのかをあらためてお話しすることで、皆さんへのささや
かな餞別にしたいと考えたからです。
今でこそ、日本の多くの大学医学部が「良医の育成」を教育目標として掲げていますが、本学ではすでに昭和
47 年の開学式典の際に、初代理事長で、法律家でもあった益谷秀次先生が「大学教育の理念は人格の陶冶である。
本学はこの理念に立脚して…(中略)…良医を育てる」と述べています。つまりここでは、すぐれた人格を持つ
医師を「良医」と呼んでいます。
昨年 6 月に退任されるまで、本学学長や理事長を 15 年間務められた小田島粛夫先生はその著書「良医を育てる」
の中で、良医に求められるのは第一に医学知識と医療技術の習得、第二に生涯学習への意志と能力、第三に倫理
に徹した豊かな人間性だと述べています。外科医出身の病理学者である小田島先生は、知識と技術を「良医」の
第一の要件に挙げるとともに、やはり、人間性ということばで優れた人格を要件に挙げています。内容は「倫理
に徹した豊かな人間性」ということですが、しかし、この表現も抽象的であって、具体像は必ずしも明らかでは
ありません。
実は一昨年に学長を拝命した際に、長年にわたって不満に思っていたこの「良医」の具体像を明らかにしたい
と考え、全教職員に意見を求めながら、本学医学教育センターの教員たちとともに半年余りにわたって討議を重
ね、その結果を「良医の要件」としてまとめ、本学ホームページ上の「医の倫理」の項に掲載しました。それを少
し簡明に修正したものがこの 6ヶ条です。
第 1 条は「医師としての技量向上に日々努める」こ
良医の要件( 2009 改訂)
Ⅰ.医師としての技量を向上させるために日々努力
できる
Ⅱ.患者の話を熱心に聞いて、患者と相談しながら
医療ができる
Ⅲ.医療行為のすべてに倫理的考慮を怠らない
Ⅳ.同僚医師および他の医療職と協力して医療にあ
たることができる
Ⅴ.福祉や介護の関係者とともに患者の問題解決に
取り組むことができる
Ⅵ.地域社会での環境、健康、医療の改善に関係者
とともに努力できる
ととしました。これは小田島先生の掲げた第 1 項の
知識と技術の習得と、第 2 項の生涯学習の必要性が
統合されて表現されたものです。
第 2 条が少し問題で、
「患者の話を熱心に聞いて、
患者と相談しながら医療ができる」と表現しまし
た。この条文はパターナリズム医療からの決別宣言
です。
「患者主体の医療」の実現を表明したものです
が、同時に、近年注目されている NBM(Narrative
Based Medicine )の概念を頭に置いて、患者の話を
「熱心に聞く」と表現しています。
本学医学教育学の安田幸雄教授に教えてもらった
ところでは、NBM において「患者の話を聞く」とい
う行為は、しばしば「患者の物語を紡ぎだす」と表現
されるものであって、丁寧に、丹念に、聞き洩らす
金沢医科大学報
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ことなく集めた患者の情報、すなわち詳細な病歴を基に、最善の医療を考えるという姿勢なのだそうです。つい、
それはそうあるべきだと簡単に相槌を打ちそうですが、しかしよく考えると、これは私が学生時代に習った病歴
聴取法とはまるで正反対の考え方でした。
私が学生時代に教わったのは、患者の話というのはそもそも玉石混淆であり、その中から真に医学的に意味の
ある情報を、いかに的確に取り出すかが重要だというものでした。つまり、余分で冗長な情報の切り捨てです。
このプロセスがうまいほど、早く正しい診断に至るのだと教わりました。しかし NBM では、それはあくまで医
師側の物語だと言います。それは患者の物語ではないと。医療とは患者が自分の物語を紡ぎだし、反芻しながら、
自分自身で新たな物語を再構成していく過程なのだ。だから、患者の物語をぶつ切りにしては、真の医療は生ま
れないと言うのです。
ここで、どちらが正しいかということを問題にしているのではありません。申し上げたいのは、この半世紀の
間に、正反対にさえ見える、思える、それほどに医療の考え方が変わったのだという事実です。今日、当たり前
のように使われる「患者主体の医療」という概念も、けっして甘美な流行りことばではなく、伝統的な医療思想
と真っ向から対立する患者や医師の戦いの中で生まれた概念なのです。襟を正して取り組まなければならない課
題です。
第 3 条は医療倫理の問題です。ご存知のように、医療倫理には 4 つの原則があります。第一に患者利益優先の
原則、第二は患者への無危害の原則で、この 2 つはまさにヒポクラテスの誓いそのものです。第三が患者自立の
原則で、第四に正義の原則です。しかしながら、私は、これらの原則以上にもっとも懼れなければならないのは、
医師や医療者が長い職業上の習慣や論理に慣れ、それと意識しないで患者の心を深く傷つけるような行為ではな
いかと思っています。
「幸福の黄色いハンカチ」という映画をご存知ですか? 30 年も前の映画ですが、山田洋次脚本・監督で、高倉
健と倍賞千恵子が出演し、北海道の夕張が舞台になりました。炭鉱夫の勇作が離婚歴のある女性に恋をし、結婚
します。待望していた妻の妊娠が流産に終った時、医師が妻に向かって「前の流産はいつでしたっけ?」と聞き
ます。妻が答えにくそうに口ごもっていると、横にいた看護師が「初めてではないんでしょ。ちゃんと話しなさい」
と追い打ちをかけます。妻は仕方なく「5 年前に…」と答えます。それを聞いていた勇作は「ウソをつく女は嫌いだ」
と怒り、憂さ晴らしに行った酒場で傷害致死事件を起こし、刑務所に送られます。6 年半後の出所の朝、勇作は
妻に宛て、もしもまだ待っていてくれるなら家の前に黄色いハンカチを吊るしてほしい、それが見えなかったら
俺は黙って去っていくと書いたハガキを出すのです。結末はご想像のとおりです。
申し上げたかったのは、この医師、看護師の流産した妻への無神経な態度、質問です。医師や看護師は職業的
習慣から、患者の経歴のすべてを知ろうとする、時には何でも知る権利があるかのように振舞うことさえもあり
ます。この映画は、そんな医療者の無神経さが不幸の種を蒔くことさえあることを示しています。
「医療の倫理」
は堅苦しい議論でなく、医療者の感受性、患者や家族の気持ちを理解できる柔らかい心の問題でもあるのです。
第 4 条はチーム医療を述べたものです。あまり複雑に考えずに、現代の医療環境では、もはや一人の患者を一
人の医師では担いきれないと考えてください。そして、複数の人間が関わる以上、チームとして機能しなければ
なりません。チーム内の団結と協力には、相互の尊敬と信頼がカギになりますが、医師となる皆さんにとって何
より重要なことは、他の医療職を尊敬し、信頼することです。
実はこの条文は、もう一面で、ほぼ 1 世紀前に世界中で一斉に始まった医師の免許制度と、それに基づく医師
による「医業の独占」という時代が、100 年の時を経て、今、終焉を迎えつつある、少なくとも大きく変質しつつ
あることを意識して書かれています。近い将来に、医業は医師の独占でなく、医療者による共有といったふうに
表現されることでしょう。そのためにはしかし、医師以外の医療者の技能が、今よりも格段に向上することが必
要です。
私立医科大学協会の資料では、医学部 6 年間の教育にかかる費用は 1 人当たり 7 千万円以上だそうです。それ
を国民の誰かが負担したことで、皆さんは医師になろうとしているわけです。恐縮ながら、看護師 4 年間の教育
経費はおそらくその 10 分の 1 位でしょう。看護師にさらに 2 年ほど臨床医学教育をして、米国のように NP(Nurse
Practitioner )として簡単な医療行為を行うことができるようにすれば、医師不足の解消に実際的に役立つでし
ょうし、医療費も安くなるにちがいありません。他の医療職についても、もっと教育レベルを上げて、現在医師
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が担っている任務と責任を一部でも分担できるようになれば、患者管理が手厚くなり、医師自身にとっても負担
の軽減になるでしょう。そういう方向に医療が動いていくことを、医療者による医業の共有と申し上げたのです。
医師という職業は医療職の中でもひときわ特権的な立場にあります。特権のある医師が、その他の医療職の能
力開発と自立に対して偏狭な妨害者であってはなりません。最大の援助者となるべきです。それが特権ある医師
の Noblesse Oblige(ノブレス・オブリージュ)の 1 つです。
このように、第 2 条から 4 条までは、現在、医療のあり方が大転換を迎えているという認識の下に、本学教員
が精一杯に、将来予測と展望、そして期待もこめて、これからの医師のあり方を考えたものです。皆さんも、時
代の声にしっかり耳をすませ、新しい医療を切り開いていく、そういう医師であってほしいと思っています。
第 5 条と 6 条では、社会や医療のあり方がどのように変わろうとも、医師としてのあり方で変わらないものを
述べています。患者さんや地域の住民から愛され、信頼されて、その人々としっかりと結びつくことです。その
ための豊かな人間力が必要です。豊かな人間力とは、人間を広く、深く、正しく理解する力であって、実はそれ
こそが「教養」なのだということを忘れないでください。
私たち教職員一同は、皆さんをこの金沢医科大学に迎え入れ、ともに学び、そして今日、無事に送り出すこと
を本当に嬉しく、そして光栄に思っています。すでに 3 千名あまりに達した本学先輩たちと同様、皆さんが新し
い日本の医療の担い手として、全国各地で活躍されることを心から祈って、本日の式辞といたします。
金沢医科大学報
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告 辞
理事長 山
本日、雲ひとつない快晴の空のもと、この第 32 回
下 公 一
先にあるAdvanced Stageへ、
の栄えある卒業証書 ・ 学位記授与式を挙行する運びと
洋々たる活躍の場へと進むこ
なりましたことは誠に慶びにたえません。6 年間にわ
とを常に念頭において、良師
たる医学部卒前教育の全課程を修めて、学士(医学)
に付いて、やりがいのある道
の学位を受けられた皆さん、おめでとうございます。
を選んで進んでいただきたい
卒業生の皆さんには、これまでの皆さんの努力に敬意
と思っております。
を表するとともに、皆さんを今日まで支えてくださっ
医学教育の偉大な先
た多くの方々、そして広く社会に対して、感謝の念を
覚でありますアメリカの
忘れてはなりません。特にこの日を待ち望んでこられ
William Osler 先 生 に つ い
たご両親はじめご家族の方々には、感謝を申し上げ心
てはご存知の方も多いと思
からお祝いを申し上げます。
い ま す。Osler 先 生 は 1889
また、お忙しい中を、この卒業式にご臨席を賜り、
年、 す な わ ち 明 治 22 年 の こ と、Pennsylvania 大 学
錦上花を添えていただきましたご来賓関係者各位に厚
教 授 を 辞 し て 新 設 の Johns Hopkins 大 学 の 初 代 の
くお礼を申し上げます。 内 科 学 教 授 な ら び に Chairman と し て 赴 任 さ れ る
さて、皆さんの医師としての旅立ちにあたって、
是非心の中にとどめておいていただきたいことを申し
上げたいと思います。
に あ た っ て、Pennsylvania 大 学 の 卒 業 式 に お い て
Farewell Address と し て 講 演 さ れ た の が、 有 名 な
「Aequanimitas(アクアニミタス)」と題する講演であ
医師という職業は、西洋では Learned Profession
ります。
「Aequanimitas 」とは、
「バランスのとれた冷
(ラーニッド・プロフェッション)と呼ばれて、社会
静な精神状態」
、すなわち「平静のこころ」という意味
が必要としている特別な職業とされてきております。
で、ローマ人が「座右の銘」とした言葉といわれます。
この Learned Profession という特別の職業の定義は、
それを Osler 先生が卒業していく医学生のために引用
必要とされる学問的素養や技術を、設定されたカリキ
されたわけです。
「医師は内科医、外科医を問わず仕
ュラムに従って修得し、評価を受けた上で免許が与え
事に対しては冷静さを保つことが大切であり、特に担
られ、社会からその業務を付託されて「業務独占」を
当の患者が死に直面しているような際には医師は牧師
許されている特別の知的職業であるというものです。
と同じように、患者の精神面のケアができなければな
皆 さ ん は、2003 年 4 月 に 本 学 に 入 学 し、6 年 間 の
らない」と述べられています。
医学部卒前教育の全課程を履修し、卒業の認定を得
医師は、患者が重大な生死の危機に直面した時に
て こ こ に 学 士 の 学 位 を 手 に さ れ ま し た。 大 学 に お
もしっかり対応できるフィロソフィーを心の中に形成
けるこの 6 年間に及ぶ医学部卒前教育は、医師への
し、沈着で明晰な判断ができる落ち着いた姿勢で対処
Professional Career Path(プロフェッショナル・キ
することが大切であると述べられているのです。それ
ャリアパス)の First Stage すなわち第 1 段階というべ
には、しっかりとした知識と経験に支えられた「自信」
きものであり、
「医師としての基盤作り」をすることが
が基盤となることは言うまでもありません。
主目的であったと言えます。そして、皆さんはこれか
また、別の機会には、
「働くこと」の大切さを取り上
ら医師免許を得た上で、さらに Second Stage となる
げて、医師は、本来きわめてハードワーキングな職業
次の約 6 年間の研修に進むことになります。卒後初期
であり、それに対する十分な理解が必要であることを
臨床研修および後期臨床研修、それに大学院コース
述べておられます。この Osler 先生の哲学はその後、
も含めたものなど、種々の Professional Career Path
アメリカの医師の精神基盤の形成に大きな影響を残し
があり、選択は自由ですが、皆さんがこれから進む
ております。
Second Stage の 約 6 年 間 は、 皆 さ ん 自 身 の「 人 生 を
決定する」極めて重要な期間となると思います。その
医師は本来ハードワーキングな職業であるという
ことは、古今東西、言い習わされてきており、生涯、
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学習を積まねばならないことなどと共に、医師とい
ハードな働きに対する評価が、余りにも配慮に欠ける
う資格を社会から付託されたことに対する「noblesse
状態が続いてきたことから、現在の医師不足という現
oblige(ノーブレス・オブリージ)」、すなわち「当然の
象につながったと考える向きも少なくありません。問
責務」であると考えねばなりません。
題解決は、ハードワーキングな現場の実態を正当に認
今、わが国では「医師を必要とするところに、医師
がいない」という珍現象が起こっています。厚生労働
省と文部科学省は取り敢えず医学部の入学定員を約
識することからはじめなければならないものと思って
おります。
本学は昭和 47 年の開学から 37 年の月日を経て、や
10%増やしましたが、単に医学部入学定員を増やせば
がて 40 歳、不惑の歳を迎えます。これまでにも増して、
医師不足を解消する手立てとなるというものではな
大学の真価が厳しく問われるものと思っています。大
く、何とか根本的な施策を見出して行かねばなりませ
学として、私どもも一致協力して、さらなる発展を目
ん。
指し努力をしているところです。
医師という職業は、元来きわめてハードワーキン
また、大学の評価は、卒業生の社会的な活躍によ
グな職業であることは医師自身が自覚しており、医師
って決まるといっても過言ではありません。皆さんに
法でも、正当な事由がなければ診療を拒んではならな
は、このことを心に刻んでいただき、本学の卒業生と
いとされているとおり、実際の医療現場が正に戦場の
して「自信と誇り」をもって大きくはばたき、活躍さ
様相を呈することは珍しいことではありません。それ
れるよう、心から期待しております。卒業生一人ひと
に対して、わが国では、残念ながら、医療系の職員の
りの未来に幸多きことを祈り、告辞といたします。
金沢医科大学報
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祝 辞
北陸大学学長 大屋敷
卒業生の皆様、本日は本当におめでとうございます。
を正しく捉えることをでき
また、ご父兄の皆様方にも心よりお慶び申し上げます。
る洞察力や真実を見極める
本日は皆様にとって学生生活の別れの日であると同時
力とともに、医療に携わる
に、医療の現場へと第一歩を踏み出す記念すべき出発
ものとして、絶対に欠かせ
の日でもあります。この日の感激をしっかり心に刻み、
ない資質は愛情を持つこと
今日のあることはこれまで、深い愛情で育ててくれた、
であります。寛容、哀れみ、
また、温かい心で皆様を支えてこられたご家族をはじ
慈悲の心を持つことであり
め先生や友人など多くの人々のおかげであることを感
ます。人の痛みを自分自身
謝し、輝かしい未来に向けての新しい人生のスタート
の痛みとして、感じ取るこ
をきっていただきたいと思っております。
とができるかどうか、人を
さて、社会に目を向けてみますと、地球温暖化を含
孝雄
理解することができるかど
めた地球環境問題、介護、健康医療に関する問題など、
うかなど、心に関する事柄は、医療に携わる者として
多岐にわたって深刻な問題が提起されております。ま
は欠かせないことであると思います。他人の気持ちを
た、最近では頓に生命の尊厳に対する畏敬の念が失わ
思いやることができ、尊重することができる心から生
れている、そういう出来事が多く報道されております。
まれる謙虚さや丁寧さこそが人間の基本姿勢として大
このような時代であるからこそ、私たちはしっかりと
切であると思います。特に医療に携わる者にとっては
生命とは何か、生命の尊さ、医療とは何か、医療に携
常に心がけている必要条件ではないかと思います。そ
わる者の使命は何か、こういうことについて真剣に考
のためにも、多くの人とのコミュニケーションが大切
え直す時にきたのではないかと思っております。また、
であり、いろいろな人との出会い、経験を通して、人
正しく生きるための基本、すなわち知恵をつけること
の話を聞き取ることのできる心の広さ、考えの違う人
も非常に大切なことであります。皆様はこれまで大学
の話しを聞き取る寛容な心、人を思いやる心が備わっ
生活を通して、医学に関する専門知識、技術をはじめ
ていくことが大切であると思います。そのためにも、
実践にあわせた問題解決能力これらを十分に身につけ
何事にも臆することなく、若者の特権である積極性を
られてきたことと思います。単なる知識や技術の集積
いかし、挑戦する気持ちで常に立ち向かっていただき
だけでは、実社会の医療現場では役に立ちません。現
たいと思っております。失敗を恐れては何もできませ
場に即した臨機応変な対応ができる能力、即ち、実践
んし、何も生まれてきません。経験や体験が皆様を大
的な問題解決能力が問われることになります。その意
きく育てる糧となることを信じて是非頑張っていただ
味においても、さらに、研鑽を積まれ、信頼される医
きたいと思います。皆様の仕事は医療を介して生命と
療人として成長されることを望みます。命の尊さを学
向き合うことです。これからも医療の担い手としての
んだ皆様の使命は重いといえます。また、物事の本質
研鑽をより一層積まれると共に、患者様の気持ち、こ
の気持ちをくみ取る姿勢を持ち続け、深い人間愛と、
倫理観に根ざした医療、研究活動に励んでいただきた
いと思っております。また、謙虚な心、感謝の気持ち、
このような気持ちを失うことなく、目標に向かって自
信を持って進んでいただきたいと思っております。皆
様が、人の痛みを自分の痛みとして感じ取ることので
きる素晴らしい医師として、また医療人として社会で
活躍され、これからの医療界に大いに貢献されること
を期待するとともに、皆様の健康と実りある人生を心
からお祈りし、私の祝辞とさせていただきます。
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金沢医科大学報
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祝 辞
内灘町長 八十出
本日、第 32 回金沢医科大学卒業証書・学位記授与
石川県で初めてとなる就学
式を迎えられた皆様、ご卒業おめでとうございます。
前の5歳児健診を実施した
併わせて、今日まで皆様を支えてこられた保護者の皆
際には多大なご協力をいた
様に心からお慶び申し上げます。希望に満ちた門出を
だき、保護者の皆様から温
祝し、内灘町民を代表いたしまして一言お祝いのごあ
かいご支持を得ております。
いさつを申し上げます。
また、来年度から町レベル
さて、貴大学は、内灘町がまだ砂丘の様相を色濃く
で助成しての実施は県内初
残していた昭和 47 年、日本海側では唯一の私立医科
となる、病児保育の開始に
大としてこの地に産声を上げました。奇しくも内灘町
向けても、双方で準備を進
が町制を施行して 10 年の節目にあたり、以来、大学
めております。この施策は、
の発展とともに町の人口も飛躍的に伸び、開学当時の
地域住民が待ち望んだもの
泰成
約 13,000 人から 27,000 人へと約 2 倍に増加をいたしま
であり、町の重点プロジェクトの一つである「子育て
した。その間に巣立った 3,000 名を超える卒業生が、
支援の充実」のさらなる飛躍が期待できると存じま
全国各地の地域医療の担い手として懸命に奔走されて
す。
おり、先端医療や高度の医学研究、医学教育といった
分野でも大いに活躍されています。 このように、本町が将来像として掲げる「人がいき
いき まちが元気 個性が輝く魅力あるまち うちな
貴大学は、教育の三本柱として、良き医療者の根幹
だ」の実現に向けて、貴大学はまちづくりの重要なパ
を成す「医学力」、患者と家族の方を、取り巻く環境
ートナーでございます。今後とも双方の発展のために
から支援できる「社会力」
、そしてグローバル社会に
人的、物的資源の活用を通じて一層の連携に向け、ご
通用する実践的な「英語力」を掲げており、それらを
協力をお願い申し上げる次第であります。
兼ね備えた、明日の医療を担う人間性豊かな良医の育
本日、卒業を迎える 101 名の皆様におかれましては、
成にたいへんご尽力をされ、誠に頼もしい限りであり
この充実した 6 年間を、人生の宝として胸に刻み、本
ます。本町とは、地域の保健福祉と医療・教育の充実
町を「第二のふるさと」として、いつまでも親しみを
を目指すため、包括連携協力に関する協定を締結して
感じていただければ幸いでございます。併わせて、今
いただき、2 年が経過いたしました。平成 20 年度に、
日まで培われた教養、知識を糧に、この名声ある母校
の名を、一層高めていただ
き、
「社会に貢献する」とい
う建学の精神を胸に、医の
道を極めていただくよう念
願いたすものであります。
終わりに、今日を限りに
校門を巣立たれる皆様や、
在校生の皆様、さらには教
職員の皆様の強い愛情の絆
が、いつまでも堅からんこ
とを祈念し、併せてこの皆
様方のご多幸を心からお祈
りしまして、お祝いの言葉
といたします。
金沢医科大学報
10
祝 辞
石川県医師会会長 小森 貴
101 名の卒業生の諸君 、 そしてここまで育んでくださ
ったご両親、ご家族の方々、 今日の晴れの日を心からお
慶びを申し上げたいと思います。
金沢医科大学におかれましては、1972 年の開学以来、
倫理に徹し人間性の豊かな良医を育成する 、 その建学
の根本理念に則り、3,000 名を超える医師を育成された
ことはもとより、県内国内における高度な医学の研究、
また中核的で、高度の医療を踏まえて、石川県民の健
康を守ってくださったことに対しまして、石川県医師
会を代表して、お礼を申し上げたいと思います 。
医師の在り方については、今ほども山下理事長先生、
山田学長先生をはじめ、ご来賓の方々からお言葉がご
ざいましたので、私は医師の社会的な使命について若
干お話をさせていただきたいと思います。医師の倫理
綱領につきましては、世界医師会、日本医師会、それ
ぞれ掲げているわけでありますけれども 、 その根幹は、
医師は人類愛に基づいて全ての人に奉仕するものであ
るという理念であります。もとより、この日進月歩す
る医学の教育、医療の向上 、 このことについて、生涯
謙虚に学び続け、最新の医療を患者、住民、国民の方々
に提供することは最低限の使命であります 。 これまで
の 6 年間の学生の教育の間に、多くの様々な障害と戦
っていらっしゃる方々、 それを支えるご家族のご苦労、
また 、 難病、種々の疾病と戦っていらっしゃる患者さ
んの姿を目の当たりにしてこられたと思います 。 その
方々は 、 自ら望んで障害を得られたわけではありませ
ん。自ら望んで病に倒れていらっしゃるわけではあり
ません。それぞれの方々の人間性を認め、尊重し、自
らの生きる力としてその痛みを自分の痛みと感じる感
性が最も大切であります 。 CT、MRI、PET、種々の高
額な医療機器が導入されました。しかし何より、患者
さんの声に耳を傾け、患者さんの思いをお聴きし、お顔、
お体を目で見、手で触り、心で感じて、患者さんの苦
悩と患者さんの思いをしっかり受け止めていくことは、
どんなに高度な医療が進んでも失ってはならないこと
であります 。
倫理綱領には多くのことが掲げられてありますけれ
ども、私はその中で三つの話だけさせていただきたい
と思います。私たち医師の生きていく最大の理念は患
者さんの利益の追求であります。どんな社会的状況で
あろうとも、どんな体調であろうとも、医師である以
上は患者さんの利益を第一に考えて行動をすることが
重要であります 。
二つ目には 、 患者さんご自身の自立性を尊重すると
いうことであります 。 インフォームドコンセント 、 この
言葉が話されて多くの時が
流れました。十分な説明と同
意、そのようにも訳されてお
りますけれども、それは型通
りの説明をし、書類にサイン
をもらうことではありませ
ん。医療、医学、ここには明
らかな知識の非対称があり
ます。それでもなお、患者さ
んのお悩みや辛さに寄り添
い 、 そして 、 患者さんの自己
決定権をより高めてさしあ
げる 、 そのことに心をどれだけ使うかということ 、 これ
こそが大切なことだと思っています 。
もう一つは社会正義です 。 わが国の医療の問題 、 ご承
知のとおりであります。確かに、先進諸国の中では比
較的少ない医療費の中で、世界で最高水準の平均寿命、
そして 1 位 2 位を争う乳幼児の低死亡率が達成されてい
ます。これらは 、 多くの先人と多くの関係者の方々の
ご尽力によるものであるには違いありませんけれども、
しかし国民の方々の多くのご負担とご理解の下に、こ
の成果が得られているわけであります 。 アメリカの先
進医療、素晴らしいものがありますけれども、今なお、
4,700 万人にも及ぶ保険に入ることができない国民の方
がいらっしゃいます。オバマ大統領はこの度 2 兆 9,000
億円の新しい財源、これはタバコ税を 1 箱 39 セントか
ら 1 ドルに値上げすることによって得られる財源によ
って、新しく 1,100 万人もの子供さんを公的な医療保険
制度に導入する、その法律にサインをされました。我
が国は先駆者たちの 、 そして国民の大きなご理解によ
って、世界に冠たる国民皆保険制度を堅持しておりま
すけれども、しかし、このような昨今の社会状況の中
から国民健康保険の滞納世帯が 20% に及ぼうとし、資
格証明書、短期保険証の交付世帯が大きく伸びており
ます。患者さんが等しく公正なそして心の温まる医療
を受けられる社会を作る、社会的な不正を許さない、
社会正義を守る、これがあなた方医師の、大きな仕事
であることを、今一度ここで胸にその火を灯していた
だきたいと思います 。
そして最後に、これからの医師としての人生の中で、
医師が誇りであるという思い、患者さんを大切にして
きたという毎日の思い 、 国民を守ってきたという思い
を、後輩の医師に受け継いでくださることを願って、
お祝いの言葉とさせていただきます。本日は本当にお
めでとうございました 。
第 138 号/2009.5
送 辞
金沢医科大学報
在学生代表 南部
答 辞
ることでしょう。また、金沢医
科大学の先生方の熱意あふれる
ご指導は、今後歩まれる医師と
しての人生に大いに役立つこと
と思います。そして、我々後輩
にとっても、先輩方から学んだ
ことはかけがえのない財産とな
っています。勉学や臨床実習は
もとより、クラブ活動や私生活
を通じても多くのことを教えて
いただき、本当にありがとうご
早和
本日、金沢医科大学第 32 回卒業証書・学位記授与
式にあたり、在学生を代表してお祝いと感謝の言葉を
申し上げます。
例年になく暖かい冬も終わりに近づき、早くから色
付き始めた木々の芽が春の息吹を予感させるこの良き
日に、医学部の全課程を修了され、栄えあるご卒業を
迎えられました卒業生の皆様に、在学生一同、心より
お慶びを申し上げます。
医学の道を志し、ここ金沢医科大学に入学された皆
様は、良医となるべく日々精進され、多くの試練を乗
り越えて見事にその志を成し遂げられました。先輩方
が今日この日を迎えられましたことは、我々在学生に
とりましてもまことに感慨深く、誇りに感じるととも
に尊敬の念を抱く次第です。先輩方がこの内灘の地で、
同じ道を志す多くの友と出会い、友から学び互いに支
え合い、切磋琢磨した経験は、必ずや大きな財産とな
11
ざいました。
今日ここに、新たなる長い道への第一歩を踏み出さ
れる先輩方が、金沢医科大学の卒業生であることを誇
りとし、これからもなおいっそう精進され、患者さま
に信頼される医師となり、後に続く我々の目標となっ
てくださいますよう、心よりお願い申し上げます。
お別れに臨み、卒業生の皆様の今後ますますのご活
躍とご健勝をお祈り申し上げ、送別の言葉とさせてい
ただきます。
本日ここに無事卒業の日を迎えることができましたこ
卒業生代表 野村
亮介
とを深く感謝いたします。
その一方で医師になるという同じ目標を目指し、一
緒に勉学に励んできた 2 人の友との別れもありました。
本日、金沢医科大学第 32 回卒
今日の晴れの舞台を彼らと共に迎えられないことは本
業証書・学位記授与式に、諸先
当に残念でなりません。私達は決して彼らのことを忘
生方、ご来賓の皆様ならびにご
れず、彼らに恥じることのない医師になることをここ
父兄の皆様のご出席を賜りまし
にお誓い申し上げます。
たことは、私達卒業生にとりま
私達が歩み始めようとする医療の現場は今、激動の
してこの上ない喜びでございま
最中にあり、特に今日の日本の医療においては医師不
す。卒業生を代表して深く御礼
足が深刻な問題になっております。また近年、医学の
申し上げます。また、只今は学
知識や技術はたえまなく進化し続けています。それに
長先生ならびに理事長先生から
伴い、患者さまのニーズも多種多様化してきており、
ご懇篤なる式辞、告辞を、また、
その患者さま一人ひとりにあった最良の医療を提供し
ご来賓各位からの祝辞、在学生
ていくことがこの先さらに求められています。その時
代表からの送辞をいただき、卒業生一同、心より感謝
に備え、これからも日々精進し、心、技術、知識とも
申し上げます。
に優れた医師を目指し、一歩一歩進んでいきたいと考
6 年前、医学の道を志し、これから進む新しい道へ
えております。私達はまだスタートラインに立ったば
の期待と不安に胸を膨らませながら、入学宣誓式に臨
かりです。本学で培った貴重な経験を生かし、金沢医
んだことを昨日のように思い出しています。6 年間の学
科大学の卒業生として自信と誇りを持って、全国各地
生生活の中で、私たちは、医学はもちろんのこと、ク
でそれぞれ医師としての第一歩を踏み出していきます。
ラブ活動、友人との交流などを通じ、さまざまな経験
最後に、母校のますますの繁栄と、本日ご臨席くだ
を積むことができ、大変有意義な学生生活を送ること
さいました皆様のご健勝、ならびに在学生の皆様の一
ができました。私達を指導してくださった先生方や、
層のご健闘をお祈りいたしまして、答辞の言葉とさせ
常に影で支えてくれていた家族、互いに切磋琢磨して
ていただきます。
きた信頼できる友人達、本当に多くの皆様に支えられ、
金沢医科大学報
12
金沢医科大学
第 38 回
入 学宣 誓 式
-
医学部新入生 104 名、看護学部新入生 66 名を迎える
平成 21 年 4 月 7 日(火)
金沢市文化ホール
平成 21 年 4 月 7 日(火)午前 10 時から、金沢市文化
ホールにおいて第 38 回入学宣誓式が挙行された。
受けて、医学部新入生代表の松崎伸彦君と看護学部新
入生代表の竹島 歩さんが入学宣誓を行った。
多数の父兄、教職員に迎えられた医学部新入学生
宣誓式終了後、金沢市文化ホール大集会室で、医学
104 名および看護学部新入学生 66 名(内、3 年次編入
部、看護学部の新入生およびご父母並びに学長、学部
学生 6 名)、計 170 名に対して、山田裕一学長の式辞、
長をはじめとする教職員が参加した昼食会が催され、
山下公一理事長の告辞があり、小森 貴石川県医師会
厳かに執り行われた宣誓式とはうって変わった和やか
会長、和田出静子石川県看護協会会長、八木茂夫金沢
な雰囲気のなかで交流が図られた。
医大後援会橘会副会長から祝辞が述べられた。これを
(庶務課 廣瀬信雄記)
(上):学長式辞 (下):医学部新入生代表の松崎伸彦君と看護学部新入生代表の竹島 歩さんによる入学宣誓
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式 辞
金沢医科大学報
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学 長 山 田 裕 一
本日ここに、第 38 回金沢医科大学入学宣誓式を挙行するにあたり、ご臨席賜りましたご来賓の皆さまに厚く
感謝申し上げます。また、入学生のご両親、ご家族の皆さまには心からお慶び申し上げます。
入学生の皆さん。ご存知だと思いますが、私たちの金沢医科大学は「良き医療人の育成」をめざした「教育の金
沢医科大学」であると宣言しています。その意味は、私たちが日本でもっとも良質な医学、看護学教育を提供す
る、少なくともそれに向かって日々努力し続けている大学であるということです。しかも、私たちはそれを教員
と学生とがあたかも家族であるかのような、親密な人間関係の中で実現したいと考えています。
「心温かな人間は、
温かい人間関係の中でしか育たない」と信じているからです。それが私たち金沢医科大学の伝統的な教育理念で
あり、大学の個性、すなわちユニバーシティ・アイデンティティーだと考えています。
それでは、日本で最良の医学、看護学教育を行うためには何が必要でしょうか? 医学、看護学は日進月歩で、
急速に発展している高度な科学技術です。それゆえに、それを教育するためには、まずは高度で近代的な施設、
設備であることが必須の要件です。本学では、すでにご覧になったでしょうが、5 年前に現在の病院新館が開設
されました。最新設備の非常に美しい病院だと評判ですが、実はこの病院の特徴は、教育病院であることが設計
の段階から重視されたことにあります。病棟各階に学生用カンファレンスルームが設置されていて、そこで学生
同士の勉強会やスタッフとのディスカッションが頻繁に行われています。
一方、医学部の諸施設は創立後 37 年という月日を経て、やや老朽化が目立ってきており、今後 5 年から 10 年
を目途に、それらはすべて建て替えられることになっています。そのため、現在の施設にあまり大きく手を入れ
ることはできませんが、可能な限りの改善は毎年進めています。まず、医学部低学年でもっとも長期間にわたる
解剖学実習では、学生が実習中に暴露されるホルマリンの量をできるだけ低く抑えようと、アナトミーセンター
長である篠原教授によって長年、努力が続けられてきました。その結果、現在、本学は日本でもっとも環境ホル
マリン濃度の低い解剖実習室を実現しています。昨年には、アレルギーその他の特別の事情のある学生のために、
ホルマリン暴露をほぼ完全に零レベルに抑えた特別の実習室を設置しました。昨年春には、その部屋で実習した
妊娠中の女子学生が、秋に無事、健康な赤ちゃんを出産し、学生、教職員一同からの祝福を受けところです。今
年度は、医学部定員 10 名の増加に備えた解剖実習台の増設にあたり、最新のホルマリン吸収装置付きの実習台 3
台を購入し、それを環境ホルマリン濃度が高くなりやすい実習室の角に設置して、すべての学生のホルマリン暴
露を低下させるようにしました。
また、この 4 月 23 日には医学、看護学の臨床技術の確実な習得のためのクリニカル・シミュレーション・セン
ターが開設されます。ここでは精巧な人形(ひとがた)モデルなどを含む最新シミュレータを使って、基本医療
技術を徹底的に訓練します。このような施設は日本の医学部、看護学部ではまだ半数以下にとどまっていますが、
米国の医科大学ではほとんど全校に備わっていて、間違いなく、これからの医学、看護学教育の主流になる施設
です。現在は病院本館部分の手狭な場所でのオープンですが、新しく教育棟が建設される折にはその中核施設に
なる予定です。
さらにまた、学生用の電子カルテシステムの導入は本学が日本最初で、しかもまだ唯一の大学であります。こ
れからの医療では、電子カルテに代表される IT の活用がますます盛んになりますが、IT リテラシーの習得は語
学学習と似て、若い時には比較的たやすいものですが、年齢とともに急速に困難になっていきます。それゆえ、
早い時期から IT システムに慣れることは教育上、重要な意味を持っています。
このように、本学の教育施設やシステムは他大学の医学部や看護学部に比べてまったく遜色ない、むしろ一部
では他大学にない、ユニークなあるいはきわめて先進的な施設、システムであります。しかしながら、教育にと
って本当に重要なのはこうした施設やシステムではなくて、言うまでもありませんが「人」
、つまり教員の質で
あります。本学ではこの教員の質の向上に精力的に努めてまいりました。学生による授業評価を徹底し、教員の
教育技能向上のための教員会議を繰り返し実施しています。学生からの評価が高い教員は毎年表彰もされていま
す。
金沢医科大学報
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特に、教員集団のリーダーである「教授」の選考には特段の配慮を行ってきました。たとえば、教授選考のイ
ンタビューは医学部の全教授たちの前で行われ、必ず学生への模擬講義の実演も課していて、研究業績や診療実
績ばかりでなく、教師として資質の高い人材を選考しています。すべての部門の選考において、教師として、研
究者として、臨床家として「学生教育にとって最良の人材」を日本全国から採用することに努めてきました。そ
の結果、私は、本学の 37 年間の歴史の中でも、現在は医学部、看護学部とも各分野に最良、最強の教授陣を揃
えることができた、そういう時代だと自負しています。しかし本学はまだ若い大学であります。特に看護学部は
開設後まだ 3 年目です。さらに強化が必要な領域については積極的なヘッドハンティングも行って、一層の教員、
教授陣容の充実を図り、学生の皆さんの期待に応えたいと考えています。
また私は、現在の教授陣に対して、自らの後継者の育成を積極的、意図的に進めるように求めています。現在
でも、本学のたくさんの卒業生たちが基礎医学、臨床医学の主要な領域で中核教員として活躍していますが、さ
らに多くの本学卒業生が教員のリーダー、すなわち教授として活躍する日を心待ちしています。
最後に、入学生の皆さん。皆さんのこれからの大学生活では、医学部でも看護学部でも、決して「優雅な生活」
は期待できないことを覚悟してください。確かな知識と高い技術をもった医療人を世に送り出す責任を負ってい
る本学では、授業は朝から夕刻まで隙間無く組まれており、膨大な知識を短期間に身に付けることを学生に強く
求めます。その上、目標に到達したかどうかを厳格に評価します。気を引き締めて、勉学に励んでください。
6 年間あるいは 4 年間の医学、看護学の勉強は決して楽なものではありませんが、今日晴れて医師や看護師の「た
まご」となったその喜びと初心とを忘れず、そして夢を見失わずに、本学で「楽しく、厳しく、豊かに」学び、良
き医療人の「ひよこ」として皆さんが卒業の日を迎えることを今から楽しみにしています。皆さんの大きな成長
を願って、入学にあたっての式辞といたします。
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金沢医科大学報
告 辞
時あたかも桜花爛漫のさなか、多くの志願者の中か
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理事長 山 下 公 一
決策を検討し実施することであろうと思います。
ら選ばれてこの栄えある入学式を迎えられた医学部な
「医は仁術」という言葉は古今東西、使い古されて
らびに看護学部の新入学生の皆さんに、心からお祝い
きておりますが、現代のような複雑多岐な社会でこそ、
を申し上げます。同時に、皆さんをここまで育て上げ
変わることなく、医療担当者が医の真髄として心の根
られましたご両親やご家族の皆様のお喜びと将来への
底に置かねばならない医の心にほかなりません。
ご期待も大きいものと拝察いたします。心からお祝い
医療は、サイエンスとしての「医学」、アートと目
を申し上げ、ご期待が実現するよう念じております。
される「医の技術」、そして医は仁術といわれる「医の
また、お忙しい中をこの入学式にご臨席賜り、錦上
心」の三つによって支えられております。いずれも人
花を添えていただきましたご来賓、関係者各位に厚く
の知恵の集積によって作り上げられているものです。
お礼を申し上げます。
皆さんはこれから生涯にわたって学習し、自らの中で
さて、本学は昭和 47 年に開学して、第 1 回の医学部
入学生を迎えてから 37 年を経過し、その間に 3,000 名
工夫し、洗練させ、高いレベルで保持していかねばな
りません。
に及ぶ医師を世に送り出してまいりました。また、看
「医」という人の生死に強くかかわる仕事をしてい
護師の育成にも力を注ぎ、附属看護専門学校において
くためには、医の「学」
、そして「術」とともに、患者
今までに約 2,000 名の看護師を世に出してきました。
さんの心と信頼を受け止めるしっかりとした「フィロ
そして平成 19 年度からは、看護師養成レベルを専門
ソフィー」に基づく精神的基盤を形成しておくことは
学校から大学にレベルアップすることとなり、ここに
欠かせません。
第 3 回目の看護学部入学生の皆さんを迎えることにな
りました。 しっかりとしたフィロソフィーすなわち「物の考え
方」や「見識」の形成は、皆さんのような青年期に完成
皆さんは今、次の時代の「医療」を担う仕事につく
されるといわれます。そのような意味からも、今、皆
ことを心に決めて、その出発点に立っています。医師、
さんは一生を左右する非常に大切な時期を過ごしてい
看護師という職業は、人の命にかかわる仕事であり、
るという自覚を持っていただきたいと思います。
元来きわめてハードワーキングな職業であります。医
かつて旧制高校生や大学予科生が熱読した「善の研
師法にも、正当な事由がなければ診療を拒んではなら
究」で有名な西田幾多郎先生の生家は、本学のある内
ないとされているとおり、実際に、救急センターなど
灘町の隣町、宇ノ気にあり、
「石川県立西田幾多郎記
の医療現場では正に戦場の様相を呈しますが、断るこ
念哲学館」といった施設も、本学のキャンパスから程
とも手を抜くことも許されません。時には仕事に押し
近く、車で 10 分ほどの見晴らしの良い丘の上にあり
潰されそうになっても、社会から医師、看護師という
ます。ぜひ青春の日に通いなれて、思い出深い場所の
資格を付託されたことに対する「ノーブレス・オブリ
一つとしてはいかがでしょうか。
ージ noblesse oblige 」、すなわち「当然の責務」と考え
て仕事に従事できる資質と能力が要求されます。
本 学 で は、
「 社 会 が 求 め る 良 医 を つ く る Professional Career Path Program(プロフェッショナル・
皆さんがそのような、厳しく、しかし人間社会にと
キャリアパス・プログラム)
」というものを提示して
って欠くことのできない意義のある道を選ばれたこと
います。医師としての将来を見通した展開を期待する
に敬意を表し、心から歓迎いたしたいと思います。
ための「良医育成プログラム」です。医学部学生や研
ご存知のように、今、わが国では「医師が必要なと
ころに、医師がいない」、また「看護師がいない」とい
修医に提示して、社会で大きく羽ばたける良医を作り
上げることを目指しております。
う現象が起こっております。厚生労働省と文部科学省
このプログラムの考え方は、皆さんがこれから進む
は取り敢えず全国の医学部の入学定員を約 10%増や
医学部卒前教育の 6 年間が、その第一のステージであ
しましたが、問題は、単に医学部入学定員を増やせば
り、
「医師としての基盤を形成するための、省略する
医師不足が解消されるというような単純なものではな
ことができない重要な期間」と位置づけられておりま
いところにあります。今求められるのは、根本的な解
す。それに続く第二のステージは医学部を卒業し、医
金沢医科大学報
16
師免許を取得したあとの 6 年間で、
「医師の人生を決す
て、各領域のスタッフは皆さんとともに学習し、研究
ると同時に、立派な一人前の医師として活躍するよう
に従事し、働いて、人間社会の医療と福祉に貢献した
になる最も重要な期間」であると考えております。本
いと考えております。
学では、この両者を機能的に繋げた 12 年間を自由選
最後になりますが、皆さんが次の時代の医療を担う
択性の「一貫する教育」として充実させており、皆さ
という厳しくとも意義のある道を選ばれたことに改め
んには、生涯にわたって尊敬できる立派な先生の何
て敬意を表し、心から歓迎いたしたいと思います。
人かに出会い、大成を目指して親密な指導を受けるよ
皆さんには、これからしっかりとしたステップを一
うに心がけていただきたいものと思っております。そ
歩一歩踏みしめて、確かな将来を確保されることを念
のようにして、卒後臨床研修から、さらに各専門のア
じ、新しい時代を開く若い世代の皆さんに、大きな期
ドバンスト・ステージへと、継ぎ目なく繋がる、しか
待を寄せて告辞といたします。
も大学院コースとも併用できる後期臨床研修を用意し
祝 辞
石川県医師会会長 小 森 貴
雪国にとっては、長い冬が過ぎ、新しい命の芽生え
哲学者アンリ・アミエルは「心が変われば態度が変わ
るこの 4 月。金沢医科大学医学部 104 名の諸君、金沢
る、態度が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人
医科大学看護学部 66 名の諸君、ご入学おめでとうご
格が変わる、そして人格が変われば人生が変わる」と
ざいます。
述べておられます。
入学者、お父様、お母様、ご家族の方々にお慶びを
諸君はこれまでの義務教育、また義務教育でないと
申し上げ、石川県医師会を代表して歓迎致したいと思
はいえ高等学校までの教育の中、ある意味では半ば強
います。
制をされた環境にあったと言ってもいいのかもしれま
山田学長先生また山下理事長先生から金沢医科大学
せん。しかしこれからは違います。医師、看護師を目
が今まで歩んでこられた歴史、高い倫理のもとに良医
指して、自ら学ぶのです。病める患者さん、障害を持
を目指す、深い愛情とともに心の暖まる看護師を目指
つ子供たち、地域の住民、国民の方々が君達を期待し
す、金沢医科大学が長年に亘り、高度で暖かい真摯な
ています。これからは自分の意思で自分の心で学んで
医療を提供され、石川県民、全国の国民の方々のお心
いってほしい。そしてこれまでも多くの優れた師から
を癒し、病を癒してこられたことに対しまして感謝を
学んだことを都度に思い出し、そして自分の身につけ
申し上げたいと思います。
ていく、
「学んで時にこれを習う、また説ばしからず
私も、今から 40 年近く前に医学部の学生として、
や」ということであります。
この金沢の地に学びました。その時の感慨を胸に、今
また、全国から仲間が同じ大きな夢を持ってここに
でも、一つ一つ確認をし、一つ一つ学び、自分が成長
集いました。それぞれの歴史とそれぞれの想いとそれ
していかなければならないという思いを持ちながら医
ぞれの立場とそれぞれの夢を持ってここに集まられた
師という仕事をしております。
諸君がこの石川、内灘の地で共に大きな友情の輪を広
孔子のお残しになられた論語の中に、学而編という
げていってほしいと思います。そしてそれがあなた方
のがございます。
「学んで時にこれを習う、また説ば
の人間性を豊かにしてくれるはずです。
「朋遠方より
しからずや、朋遠方より来たる、また楽しからずや、
来たる、また楽しからずや」。
人知らずして慍まず、また君子ならずや」という一文
医療、看護の世界はもちろん良質で最新の医学技術
です。最も始めの章であり、ここに並ぶ諸君またご両
を、また看護を患者さん、国民の方々に対して提供す
親様も親しく学んだ一文であろうと思います。それは
る、これは当然のことでありますけれども、山下理事
それぞれ真摯に生き、習慣を変え、そして人生を変え
長先生からお話がありましたように、何よりも患者さ
るという警句でもあります。また 19 世紀のスイスの
んの想い、患者さんのつらさ、悩みを自分の悩みとし
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金沢医科大学報
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て自分の苦しみとして感じ取って差し上げ、寄り添う
くるのだと私は思っています。
「人知らずして慍まず、
医療、支え合う看護、心のふれあう人と人との交流が
また君子ならずや」。
なければ全てはむなしい、ただの術でしかありません。
6 年後に 4 年後に、立派な医師の卵として立派な看
若い諸君が、子供達、そしてお年寄り、ご高齢の方、
護師の卵として、この石川の地で日本の隅々の町や村
障害者のお心を感じること、今はまだまだできません。
で、そして将来、世界のあらゆる所で君達を待ってい
私も毎日努力をしています。どうしたらそのような医
る患者さんのために今日この日からあなた方の一歩が
師に、看護師になれるだろうか。それは一つはあなた
始まります。お父様お母様、あなた方の子供さんは今
方自身が他人の評価を恐れず、自らを懸命に生きよう
日から医学の道を進みます。本当にご入学おめでとう
とするその力、毎日毎日を自分らしく生きようという
ございます。石川県医師会を代表して、本日の入学式
その力、この豊かな自然を花を空を鳥をその小さな
典のお慶びの言葉とさせていただきます。
命の囁きに耳を澄ます、その感性から自ずと備わって
本日はどうもおめでとうございました。
祝 辞
石川県看護協会会長 和田出 静子
新入生のみなさま、ご入
学、誠におめでとうございま
増進、疾病予防、病気からの回復、障害者の地域生活
支援、苦痛の緩和、安らかな死への援助などです。
す。石川県看護協会を代表し
看護協会は、看護職が社会の期待や人々のニーズに
まして心からお祝い申し上げ
応える看護を、より質を高めて提供していけるように、
ます。また、今日の晴れの日
看護職能団体として様々な取組みをしています。47
を待ち望んでこられたご家族
都道府県看護協会と日本看護協会とが連携して活動す
の皆様に心からお慶びを申し
る全国組織で、現在、約 60 万人の看護職が加入して
上げます。
います。ちなみに石川県看護協会の会員は約 9 千人で
皆さんが入学された金沢
す。
医科大学では、医学部医学
いま取り組んでいる課題のひとつは、働きやすい・
科の方は、もう 38 回という
働き続けられる職場環境づくりです。これは看護師確
長い歴史と伝統があります。一方、看護学部看護学科
保・定着推進のポイントになると考えています。学生
は、2007 年に開設され今年 3 年目ということですが、
の皆さんにも、役に立つ情報を発信しますので活用し
先月、歴史ある附属看護専門学校が閉校となり、それ
ていただきたいと思っています。
を発展的に引き継ぐ形で大学教育に移行されているこ
皆さんは、これから学ぶことや課題も多く困難なこ
とは、大変意義のあることと思っております。今年、
ともあるかもしれませんが、一つ一つ真剣に取り組み、
看護系大学・看護学部は全国で 180 校に増えました。
何事にも積極的にチャレンジして充実した学生生活を
少子化・超高齢化社会のなかで、ますます高度化・
送られますよう願っています。
複雑化する医療の現場で、また保健・福祉のあらゆる
最後に、皆さんが今後、高度な知識・技術の習得と
場面でも対応できる看護職の養成には大学教育がぜひ
ともに人間性豊かな医療職をめざして成長されること
とも必要と考えています。
を祈念しましてお祝いの言葉とさせていただきます。
金沢医科大学では、医学部と看護学部が揃ったこと
で、安全・安心な医療において、もっとも重要なこと
のひとつである真の意味でのチーム医療が実現する基
盤になると期待しております。
看護は、すべての人を対象に人生のあらゆるステー
ジにかかわっています。生命の誕生から、健康の保持・
金沢医科大学報
祝 辞
18
金沢医大後援会橘会副会長 八 木 茂 夫
金 沢 医 科 大 学、 医 学 部、
です。そして加賀百万石祭りが行われます毎年 6 月頃
看護学部にご入学、誠にお
に橘会総会もございますので、ご父兄の皆様には、遠
めでとうございます。心よ
方からもぜひ足をお運びいただき、今年 1 月に第一号
りお慶び申し上げます。
金沢医大後援会橘会を代
に認定されました「歴史都市」
、金沢の古き良き文化、
伝統、そして北陸の味覚にも親しんでいただきたいと
表致しまして、一言ごあい
思っております。そして、橘会総会にご出席いただき、
さつ申し上げます。
先生方のご熱心な日頃の取り組み方や、国家試験への
本学は、教育施設、教育
対応についてもお聞きいただき、橘会がもっと素晴ら
環境、教育システム、そし
しい会になりますよう、意見交換をしていただければ
て特に学長をはじめとする
と思っております。
教育スタッフは大変すばら
さて、親が子供に与えられる最大の贈り物は教育だ
しく、その中で今日から大学生活を送られるわけです
と私個人は思っております。その最高の教育を受けさ
から、きっと楽しく、充実した学生生活を過ごされる
せてもらえる学生諸君はご両親に感謝し、良医となる
ことと思います。そして一生のお付き合いとなる多く
べく一層努力されることを期待しております。
の友人を得ることができるでしょう。そのために橘会
そしてご両親には、物心両面にわたって、もうひと
では、大学後援事業、学生後援事業、授業料貸与事業
頑張りしていただきたいと思います。その間、橘会が
等々お手伝いをさせていただいております。
少しでもお役に立てればと思っておりますのでよろし
さて、この石川県は、昔、加賀百万石といわれ、九
谷焼や輪島塗に代表されます伝統工芸産業の盛んな所
くお願いいたします。
本日は誠におめでとうございました。
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金沢医科大学報
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金沢医科大学附属看護専門学校閉校記念式典
看護師教育の大学化に向けて
平成 21 年 3 月 22 日(日) ホテル日航金沢
式辞を述べる伊川廣道学校長
伊川廣道学校長
山下公一理事長
山田裕一学長
針田 哲部長
酒井桂子副校長
来賓の方々
平成 21 年 3 月 22 日(日)
、ホテル日航金沢 3 階孔雀
けてきた誇り高き伝統を心の支えとし、医療の担い手
の間において本学看護専門学校の閉校式が挙行され
として邁進してきたことに敬意を表し、そして皆さん
た。学外から針田 哲石川県健康福祉部長、荒家良樹
の母校が看護学部看護学科として発展し続けることを
内灘町町民福祉部長、和田出静子石川県看護協会会長
約束され、祝辞を締めくくられた。最後に針田氏の代
のご来賓をはじめ、県内の看護専門学校関係者、実習
読により谷本正憲石川県知事から祝辞をいただいた。
施設関係者並びに歴代学校長、副校長、専任教員、事
式典の最後に、本看護専門学校に 20 年以上教職員
務職員の皆様をお迎えした。また、学内からは山下公
または非常勤講師としてご尽力された個人 13 名と 26
一理事長、山田裕一学長をはじめとする大学関係者並
団体を代表して、一般教育機構松田博男教授に感謝状
びに病院看護部の方々と同窓生約 100 名が列席し、合
と記念品が贈られた。
計約 200 名の式典となった。
式典は、36 年の歴史の重みを十分に感じさせる厳
まず伊川廣道学校長が式辞を述べた。看護専門学校
かな雰囲気のなかで挙行された。卒業生は懐かしい先
の 36 年の歴史とともに本専門学校の果たしてきた社会
生方や病院スタッフとの再会に喜びながらも、一抹の
貢献の重要性、そして今後、教育理念が看護学部へ引
寂しさも感じていたようであった。
き継がれ優れた人材育成がなされることを強調された。
次に山下理事長、山田学長から祝辞をいただいた。山
下理事長は卒業生に、高い国家試験合格率を維持し続
この式典にあたり、ご支援いただきました皆様に、
改めてお礼申し上げます。
(看護専門学校 河野由美子記)
金沢医科大学報
20
式 辞
金沢医科大学附属看護専門学校 学校長 伊
金沢医科大学附属看護専門学校閉校記念式典に、山
川 廣 道
社会環境の変化によって「医療における看護師の役割」
下公一理事長、山田裕一学長、針田 哲石川県健康福
は保健、福祉を含めて大きく広がり、かつ高度の専門
祉部長はじめ多くの卒業生、本校の発展を支えてこら
性が要求されるようになり、4 年制の大学教育が必要
れました教職員や関係各位のご列席をいただきました
になってまいりました。
ことに対し厚くお礼申し上げます。
この社会要請に答えるべく金沢医科大学は平成 19
本校は昭和 48 年 4 月に金沢医科大学附属看護学校
年に看護学部を開設し、これに伴い看護専門学校を閉
として開校し、昭和 63 年 4 月に専修学校への昇格を承
校することとなりました。看護専門学校は閉校いたし
認されて金沢医科大学附属看護専門学校に校名を変更
ますが、決して終焉を意味している訳ではありません。
し、これまでの 36 年間に 1,909 名の卒業生を世に送り
その看護教育理念は看護学部へと引き継がれ、さらに
出し、本年 3 月 31 日をもちまして閉校致すこととなり
より大きく発展し、今後多くの優れた人材が育ち続け
ました。
ていくことを願ってやみません。
本校は「知識・技能の習得とともに社会人としての
最後になりましたが、本校の開校・運営・発展にご
人格形成を図り、社会に貢献する看護師を養成する」
尽力いただきました大学関係各位、看護分野で立派に
ことを教育目標として掲げ、高水準の設備、充実した
活躍されている本校の卒業生、また本校をこれまで支
教員を擁して看護教育を行い、高い看護師国家試験合
えてこられました新旧の教職員ならびに関係各位に深
格率を維持し、質の高い看護師の養成を行ってきまし
甚なる敬意を表しますとともに、心から感謝申しあげ
た。近年、医療の専門化、細分化が著しく進み、また
式辞といたします。有り難うございました。
ご挨拶
金沢医科大学理事長 山
金沢医科大学付属看護専門学校は、平成 21 年 3 月 31
日をもって、開校以来 36 年にわたる「看護学教育」と
下 公 一
表する次第です。
わが国の「保健師助産師看護師法」によりますと、
「看護師養成」の歴史を閉じることになり、その業務は、
看護師は、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若し
平成 19 年 4 月に開設した金沢医科大学看護学部看護学
くは褥婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行う
科に発展的な形で引き継がれることになりました。
ことを業とする者と定義されています。そして、看護
金沢医科大学は、豊かな人間性と広い学識と技術を
持った「良医の育成」を使命として昭和 47 年に開学し、
師でない者はその業をしてはならないという「業務独
占」が規定されております。
現在までに 3,000 名に及ぶ医師を世に送り出してきま
「看護」という業務は、患者すなわち傷病者、褥婦
したが、同時に、医療における不可欠のパートナー
や介護を必要とする種々の弱者に対して、医学上、衛
である看護職の養成にも力を注いでまいりました。そ
生上、療養上の適切な世話や補助を行うという専門的
れを実現するために、開学の翌年、昭和 48 年に「金沢
業務であり、つねに患者の近くにいて患者の時々刻々
医科大学附属看護学校」を開校して看護学教育を開始
の変化を観察し、医師、薬剤師、各種診療技師とのチ
し、昭和 63 年に至ってさらなる充実を図って、
「金沢
ーム医療の中心的立場で協働、すなわちコラボレーシ
医科大学附属看護専門学校」に昇格させました。看護
ョンによるチームワークを誘導して、患者に最も適し
学生は 3 年間の修学生活を満喫し、常に看護師国家試
た療養環境をつくるという大きな役割を担うことにな
験の高い合格率を誇って現在に至りました。本校の運
ります。
営、教育に全力を尽くしてあたってこられた教職員の
近年、人口の高齢化、医療におけるニーズの多様化
ご苦労とともに、卒業生の健闘に対して改めて敬意を
に伴って、看護や介護、さらには保健などにおける専
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
21
門業務は「量的に」著しく増加しています。また、そ
連ねられた多くの皆さんは、高い国家試験合格率を維
ればかりではなく「質的にも」
、医療および周辺技術
持し続けてきた誇り高い伝統を心の支えとして、その
の高度の発達に伴って、電子カルテなどの IT 技術の
時代その時代の医療の担い手として全力を尽くして仕
大幅な導入、医療機器の進歩、新規薬剤の増加、新治
事に関わってこられたことと思います。母校の看護専
療技術の採用、患者の苦情などへの対応と処理、コン
門学校は今月末をもって閉校となりますが、本学にお
プライアンス保持への参加など、看護業務の内容は
ける看護学教育は、引き続き看護学部看護学科として
「しっかりした判断と自主性を持って処理すべきもの」
発展を続けることになります。そして、今までの看護
が多くなるという、大きな変化が見られます。そのよ
学校の卒業生も看護専門学校の卒業生も今後、母校は
うなことから、新しい看護師教育のあり方が盛んに論
看護学部となったことを忘れないでいていただきたい
じられてきておりました。
と思います。また、看護学部学生は 36 年にわたる歴
本学においては、上述のような成り行きを直視しつ
史の重みを母校に持つことを誇りとし、看護学校・看
つ大学レベルの看護学教育の導入の必要性について検
護専門学校の卒業生を母校の先輩とするというような
討を重ね、平成 19 年 4 月、看護学部看護学科を開設し
家族意識を育んでいっていただくことが大切であると
て看護専門学校の業務を発展的に引き継ぐことに致し
思っております。
「看護」という仕事は、時と所を選ばずに発生する
ました。
「大学化」という意義の根本は、単なる職業教育で
ニーズに即応してゆかねばならないという厳しさが要
はないことを意味します。人格形成を含む知的・倫理
求されます。従って、仕事自体がハードワーキングな
的側面に関する基本から、専門職としての高度医療へ
ものであり、使命感なくしては達成することは難しい
の対応まで、自主性のある判断で仕事をして自分の持
一面があります。聖職といわれる所以です。そのよう
場を守り、医師、薬剤師など、他の医療職とコラボレ
な職を生業として選び、誇りを持って日夜精励してお
ートできる資質を磨かねばなりません。卒業時に与え
られる皆さんに深甚の敬意を表したいと思います。
られる「学士(看護学)」という学位はそれを証明する
金沢医科大学看護学校、看護専門学校の関係者とと
もに、それを受け継いだ金沢医科大学看護学部の大き
ものであります。
昭和 48 年に始まった本学における看護学教育の長
な前途に栄えあることを心から祈り、また関係者各位
い歴史と伝統は、本学附属看護学校から本学附属看護
には今後ともますますのご支援をお願い申し上げまし
専門学校へと引き継がれて、36 年にわたって送り出
てご挨拶と致します。
してきた卒業者数は 1,909 を数えます。この中に名を
記念講演
動き続ける看護の現場
テーマ: ―学びを育む実践共同体作り―
講師: 陣田泰子先生(聖マリアンナ医科大学病院執行役員統括看護部長・
ナースサポートセンター長)
式典に続いて、聖マリアンナ医科大学病院の陣田泰子先生の記念講演が標記
のテーマで行われた。
先生は、厳しい医療現場において看護が果たす役割の重要性を述べられ、看
護師は、四六時中患者の近くにいる立場であり、チーム医療の中心となり原動
力となっている。患者の異常に早く気付くのも看護師であり、適切な対応に結
びついている場合が多い。ぜひそのような感性を磨いて仕事についてほしいと
強調された。
(看護専門学校 河野由美子記)
陣田泰子先生
金沢医科大学報
伊川校長から代表で感謝状を受ける松田博男教授
22
直井千津子看護専門学校新同窓会長
懇親会
金沢医科大学附属看護専門学校
「36 年の歴史」発刊
本記念誌は、看護学校の四季をイメージして 4 章で
構成しました。序章には、ご挨拶と金沢医科大学およ
金沢医科大学附属看
び看護専門学校の外観内観を掲載し、第 1 章は『看護
護 専 門 学 校 が 1973( 昭
教育の変遷と将来像』として、看護基礎教育が 4 年制
和 48 )年に開校して 36
大学化する必要性と求められる看護の役割を考えるこ
年が経過し、看護学部
とに焦点をおきました。第 2 章は『金沢医科大学附属
へと発展し、専門学校
看護専門学校のあゆみ』をデータで紹介し、看護教育
自体は閉校となる機会
を振り返るよう配慮しました。第 3 章は『閉校に寄せ
に 36 年間の歴史を発刊
て』とし、学校関係者および卒業生の寄稿文と春夏秋
することになりました。
冬を主題にして、36 年間の想い出を写真で綴りまし
看護基礎教育は看護
た。第 4 章は、各年度の卒業式の集合写真と卒業生名
学部に受け継がれたこ
簿を掲載しました。最後のページに、学籍簿管理と証
とから「閉校記念誌」と
明書請求の手続きを掲載しました。
せず、これまでの看護
看護専門学校の 36 年の歴史は、看護を取り巻く社
教育を振り返りまとめ
会環境の変化が本校の看護教育として反映され、様々
る 形 で『 金 沢 医 科 大 学
な出来事で彩られていました。看護学生一人ひとりを
附属看護専門学校 36 年
大切にし、愛情のこもった手作りの教育を信条として
の歴史』と題することにし、単なる思い出集にとどめ
きました。看護の本質と真のやさしさを教授してきた
るのではなく、今までの看護基礎教育についての資料
足跡と、それに応えた看護学生の勤勉さと努力をうか
としての役割を果すことを目標に編集しました。
がい知ることができます。
(看護学部 酒井桂子記)
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金沢医科大学報
学 事
平成 21 年度 医学部学年暦(教務日程)
【第 1 学年】 前期授業
[早期臨床体験実習
試験期間
後期授業
試験期間
【第 2 学年】 前期授業
[看護体験実習
試験期間
後期授業
試験期間
【第 3 学年】 第1学期授業
第2学期授業
第3学期授業
※試験期間 【第 4 学年】 第1学期授業
第2学期授業
第3学期授業
※試験期間
【第 5 学年】 第1学期授業
第2学期授業
第3学期授業
【第 6 学年】 第1学期授業
第2学期授業
第3学期授業
入学宣誓式
オリエンテーション
特別休業日
4 月 13 日 (月) ∼ 7 月 11 日(土)
8 月 24 日 (月) ∼ 9 月 16 日(水)
5 月 18 日 (月) ∼ 5 月 22 日(金)
]
9 月 17 日(木) ∼ 9 月 30 日(水)
10 月 1 日(木) ∼ 12 月 22 日(火)
1 月 12 日(火) ∼ 2 月 8 日 (月)
2 月 9 日(火) ∼ 2 月 20 日(土)
4 月 13 日(月) ∼ 7 月 9 日(木)
8 月 24 日(月) ∼ 9 月 30 日(水)
8 月 24 日(月) ∼ 8 月 28 日 (金)
]
7 月 1 日(金) ∼ 7 月 11 日(土)
10 月 1 日(木) ∼ 12 月 26 日(土)
1 月 12 日(火) ∼ 1 月 30 日(土)
2 月 1 日(月) ∼ 2 月 6 日(土)
4 月 13 日(月) ∼ 7 月 11 日(土)
8 月 24 日(月) ∼ 11 月 14 日(土)
11 月 16 日(月) ∼ 12 月 26 日(土)
1 月 12 日(火) ∼ 2 月 20 日(土)
試験は各科目の授業期間内に行われるので試験期間は特に定めない。
4 月 13 日(月) ∼ 7 月 11 日(土)
8 月 24 日(月) ∼ 11 月 14 日(土)
11 月 16 日(月) ∼ 12 月 26 日(土)
1 月 12 日(火) ∼ 2 月 20 日(土)
試験は各科目の授業期間内に行われるので試験期間は特に定めない。
4 月 6 日(月) ∼ 7 月 18 日(土)
8 月 17 日(月) ∼ 11 月 7 日(土)
11 月 9 日(月) ∼ 12 月 26 日(土)
1 月 12 日(火) ∼ 2 月 20 日(土)
4 月 6 日 (月) ∼ 7 月 11 日(土)
8 月 24 日 (月) ∼ 11 月 14 日(土)
11 月 16 日 (月) ∼ 12 月 26 日(土)
1 月 12 日 (火) ∼ 2 月 20 日(土)
【第 1 学年】
【第 2 ∼4学年】
【第 5 学年】
【第 6 学年】
4月
4月
4月
4月
4月
7 日(火)
8 日(水) ∼ 4 月 18 日 (土)
13 日(月)
3 日(金)、 4 日 (土)
4 日(土)
【第 2 ∼ 6 学年】
5 月 7 日(木) ∼ 9 日 (土)
定期健康診断
5 月中旬
開学記念日
6 月 1 日(月)「特別休業日」
夏季休暇
【第 1 ∼ 4 学年】
【第 5 学年】
【第 6 学年】
7 月 13 日(月)∼ 8 月 22 日(土)
7 月 21 日(火)∼ 8 月 14 日(金)
7 月 13 日(月)∼ 8 月 22 日(土)
学園祭
10 月 3 日(土)∼ 10 月 5 日(月)「特別休業日」
解剖体合同追悼慰霊祭
10 月 17 日(土)
冬季休暇
12 月 24 日(木)∼ 1 月 9 日(土)
12 月 28 日(月)∼ 1 月 9 日(土)
【第 1 学年】
【第 2 ∼ 6 学年】
卒業証書・学位記授与式
3 月 4 日(木)
23
【学事】
標準試験等
金沢医科大学報
【第 2 学年】
【第 3 学年】
【第 4 学年】
【第 5 学年】
【第 6 学年】
標準試験
標準試験
CBT
OSCE
第 1 回標準試験
第 2 回標準試験
第 3 回標準試験
第 1 回標準試験
第 2 回標準試験 第 3 回標準試験
OSCE
2 月 17 日(水)
2 月 12 日(金)
1 月 30 日(土)
2 月 6 日(土)
9 月 18 日(金) ∼
11 月 5 日(木) ∼
12 月 10 日(木) ∼
9 月 18 日(金) ∼
11 月 5 日(木) ∼
12 月 10 日(木) ∼
6 月 27 日(土)
24
19 日(土)
7 日(土)
12 日(土)
19 日(土)
7 日(土)
12 日(土)
※この学年暦は、必要に応じて一部変更することがある
平成 21 年度 医学部
新入学生オリエンテーション
た入学宣誓式に引き続き、新入生オリエンテーション
全体についての説明が行われた。
翌日は、英語のプレースメント試験(TOEIC-IP 使
用)のあと、大原義朗医学部長による本学の教育方針、
学生を側面からサポートする学生支援センターの案
第 1 学年オリエンテーションは、平成 21 年 4 月 7 日
(火)∼19 日(日)の期間で実施された。
内、選択履修や学則および教務に関する規程の説明、
教科書や白衣などの教具販売が行われた。
これから医学生として 6 年間の学生生活を送る新
4 月 9 日(木)からは電子シラバスの説明、学内施設
入生に対して、本学の建学の精神である「良医を育て
見学のあと、バスに分乗して会場を移し、
「いこいの
る」、
「知識と技術をきわめる」
、
「社会に貢献する」を
村能登半島」
(志賀町)において、11 日(土)まで 2 泊 3
認識させることを目的として毎年実施されている。
日の宿泊研修が行われた。
4 月 7 日には、金沢市文化ホールにおいて挙行され
参禅会
ワークショップ
初日は、總持寺祖院(門前町)において「参禅会」が
ワークショップ:グループで討論
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
25
行われ、ほとんどの学生が初めての座禅を体験した
あと、
「生と死」を主題にした前田侍真老師の講話があ
り、新入生達は厳かな雰囲気のなか、神妙な面持ちで
聞き入っていた。
夕方からは、いこいの村において「医学生として生
きる」をテーマにワークショップが開催され、数名の
小グループに分かれて、選択した課題について熱心な
討論が夜遅くまで続き、翌日の全体発表では和気藹々
とした雰囲気のなか、質問や意見交換も活発に交わさ
れた。また、レクリエーションとしてソフトバレーボ
新入生歓迎会
ール大会が行われ、夕食を兼ねたバーベキューパーテ
ィでは、表彰式やビンゴゲームなどで大いに盛り上が
くりとして、学友会主催による新入生歓迎会がホテル
り、教員と学生、学生相互の親睦が一層深められた。
金沢において開催された。学友会執行部と各クラブが、
4 月 13 日(月)から第 1 学期の授業がスタートした
医学部、看護学部新入生全員と役職教員、第 1 学年担
が、入学宣誓式では不安げな表情をのぞかせていた新
当教員を招待し、オリエンテーションの最後を飾る企
入生達も、宿泊研修などを通して友人の輪も広がり、
画に相応しく約 600 名の参加のもと盛大に開催され、
徐々に大学生活になじんできたようであった。
平成 21 年度第 1 学年オリエンテーションの全企画を終
4 月 19 日(日)には、オリエンテーションの締めく
了した。
(教学課 杉原一良記)
第 24 回
博士学位記授与式
平成 21 年 3 月 19 日(木)午前 10 時から、
本部棟 2 階会議室において、第 24 回博士
学位記授与式が行われた。
授与式では、山田裕一学長から学位取
得者 8 名に博士(医学)学位記が授与され、
引き続き学長挨拶が行われた。最後に学
長賞(副賞:輪島塗万年筆)が、今年度は
須永恭子先生に授与され、博士学位記授
与式を終了した。
第 24 回金沢医科大学博士学位記授与式
(教学課大学院担当 木野秀秋記)
第 103 回医師国家試験の結果
第 103 回医師国家試験は平成 21 年 2 月 14 日から 16 日までの 3 日間にわたって実施され、その結果が 3 月 27 日に
公表されました。
新卒者の合格率は 81.2%(82/101 名)であり、既卒者の合格率は 63.2%(12/19 名)でした。結果として、94
名の医師が誕生したことになります。ちなみに、新卒者の合格率は全国 80 大学中で最下位、総合では 79 位でした。
最後になりますが、ご指導いただいた望月 隆第 6 学年主任、伊川廣道副主任、立花 修副主任ならびに指導教
員の方々に厚くお礼申し上げます。
(医学部長 大原義朗記)
【学事】
金沢医科大学報
26
平成 21 年度 看護学部学年暦
【前期】
授 業 4 月 10 日(金) ∼ 9 月16 日(水)
【後期】
授 業 10 月 1 日(木) ∼ 2 月 5 日(金)
春季休暇
4 月 1 日(火) ∼ 6 日(月)
入学宣誓式
4 月 7 日(火)
学科ガイダンス
4 月 8 日(水) ∼ 9 日(木)
定期健康診断
5 月 15 日(金)
学外研修
5 月 21 日(木) ∼ 22 日(金)
開学記念日
6 月 1 日(月)
夏季休暇
7 月 13 日(月) ∼ 8 月 23 日(日)
大学祭
10 月 3 日(土) ∼ 5 日 (月) 「 特別休業日 」
冬季休暇
12 月 25 日(金) ∼ 1 月 10 日(日)
平成 21 年度 看護学部
新入学生オリエンテーション
本学看護学部 2009 年度入学生および第 3 学年への編
入学生の入学宣誓式が、平成 21 年度 4 月 7 日(火)金沢
市文化ホールにおいて、医学部と合同で実施され、引
き続いて新入生のご父兄と合同のオリエンテーション
が開催された。
はじめに伊川廣道看護学部長の挨拶、続いて北岡和
代教務委員長から教育方針等の説明、甲野裕之本学学
生部副部長から学生生活全般および金沢医科大学奨学
金貸与制度等についての説明があり、その後看護学部
担任の紹介があった。
4 月 8 日(水)、9 日(木)には学内の講義室でカリキ
教育方針等の説明をする北岡和代教務委員長
また、集団生活を通して学生・教職員間の親睦を図
り、人との交流を広め、コミュニケーション能力を養
うことを目的に、5 月 21 日(木)∼22 日(金)にかけて、
ュラムの概要や履修科目の登録などについての履修ガ
羽咋市の休暇村能登千里浜で学外研修をする予定であ
イダンス等の説明があった。
る。
(看護学部事務課 中新 茂記)
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
医学部
平成 21 年度 入学試験の結果
志願者総数 2,534 名から
新入生 104 名を選考
平成 21 年度の医学部入学試験は、特別推薦入学試験
(AO 入試)、推薦入学試験および一般入学試験が順に実
施され、1 学年への最終的な新入学者数は 104 名であっ
た。
◇特別推薦入学試験
27
平成 21 年度より、4 年制大学に 2 年以上在学し、62 単位
以上修得または修得見込みの者も対象とする。募集人
員は約 5 名である。平成 21 年度入試は 8 月 23 日(日)に
行われ、合格者は 8 月 27 日(木)午後 5 時に発表予定で
ある。
(入学センター 松本織絵記)
看護学部
平成 21 年度 入学試験の結果
開設 3 年目の看護学部は、本年度からの 3 年次編入学
生 6 名を含め、66 名の新入生を選考した。
◇編入学試験
アドミッション・オフィス(AO )が定めた 4 項目のポ
リシーを軸として、志願者の学習意欲、金沢医科大学
を志望する確固たる動機や地域・国際医療へ貢献する
意志などを評価の対象とした入試である。募集人員約
10 名に対し、173 名が出願した。提出書類による 1 次選
考を合格した 38 名が基礎学力と面接による 2 次試験へ
と進み、平成 20 年 10 月 23 日(木)に 11 名が合格し、10
名が入学した。
本学の編入学試験は、看護師免許または看護師国家
試験受験資格保有者を対象として、平成 21 年度より新
たに実施された。募集人員約 10 名に対して 9 名が出願
した。
平成 20 年 10 月 12 日(日)に英文読解、小論文および
面接試験が実施され、同月 16 日(木)に 8 名が合格し、6
名が入学した。編入学試験合格者は、3 年次編入となる。
◇推薦入学試験(公募制・指定校制)
◇推薦入学試験
しっかりとした基礎学力を有し、将来医師となるに
ふさわしい人間性や学習意欲などの面で高等学校長の
推薦を受けることのできる志願者を対象としている。
平成 21 年度からは、新たに石川県下 6 校の指定校制を
設け、地元北陸に根ざす医師となるにふさわしい人材
の確保に努める。公募制では募集人員約 20 名に対して
88 名、指定校制では約 5 名に対して 5 名が出願した。平
成 20 年 11 月 15 日(土)に基礎学力テスト、小論文記述
および面接試験が行われ、同月 20 日(木)に公募制 20 名、
指定校制 5 名が合格し、全員が入学した。
看護学を学ぶ上で必要な基礎学力や学習意欲また、
協調性、人間性などを持ち高等学校長の推薦を受ける
ことの出来る志願者を対象としている。募集人員約 20
名に対して 27 名が出願した。平成 20 年 11 月 16 日(日)
に適性検査、小論文および面接試験が実施され、同月
21 日(金)に 20 名が合格し、入学した。
◇一般選抜入学試験
募集人員約 70 名に対して 2,268 名が出願した。1 次学
力試験は本学のほか、東京、大阪、名古屋、福岡、仙台、
札幌、広島の全国 8 会場で実施された。平成 21 年 1 月 22
日(木)に 2,160 名(30.9 倍)が受験した。407 名が 1 次試
験に合格し、2 月 2 日(月)もしくは 3 日(火)の 2 次面接
試験を経て、2 月 5 日(木)に正規合格者 80 名が発表され、
最終的に 69 名が入学した。
医学部 平成 21 年度
編入学試験(第 1 学年次後期編入)
文系、理系を問わず、4 年制大学を卒業もしくは卒
業見込みの志願者を対象とした従来の出願資格に加え、
◇一般入学試験
募集人員 40 名に対して 138 名(3.45 倍)の出願があり
昨年に比べ 46 名の減少となった。志願者の 8 割が北陸 3
県出身で、そのうち石川県出身は 74 名であった。平成
21 年 2 月 12 日(木)に学科試験(英語・数学・理科選択)
および面接試験が実施され、同月 17 日(火)に正規合格
者 70 名が発表され、最終的に 40 名が入学した。
(入学センター 松本織絵記)
大学院医学研究科
平成 21 年度 選抜試験の結果
大学院医学研究科では、社会人入学を考慮した昼夜
開講制を導入しており、また、大学院志願者の便宜を
はかって、第 1 次∼第 2 次の選抜試験を実施している。
平成 21 年度大学院医学研究科の新入生は 28 名となっ
た。
(教学課大学院担当 木野秀秋記)
【学事】
金沢医科大学報
28
新任教授紹介
看護学部
かとう
きんこ
つつみ
加藤 欣子 教授
堤
在宅看護学担当
消化器機能治療学(消化器内
科学)
平成 21 年 4 月 1 日付けで看護学部(在宅看護)教授
を拝命いたしました。
札幌市で看護師と保健師の免許を取得し、最初に
就職したのが農林中央金庫札幌支所で、銀行員とそ
の家族 150 名の健康管理業務に 8 年間従事しました。
その後上京し、東京の下町江東区で 22 年間、地域保
健活動を実践しました。最初は地域母子保健を、後
半は地域精神保健活動を中心に実践と研究を重ねま
した。
母子保健では、折からの障害者運動の高まりの
中で、障害児の親の会結成を支援し、障害児保育の
制度化や、子育て支援システムを障害児の親ととも
に整備しました。地域精神保健活動では、保健所で
リハビリ教室の事業を立ち上げ、軌道に乗るとその
回復途上者や家族、及び関係者とともに作業所づく
り・地域づくりへと発展させました。
1993 年に札幌医科大学保健医療学部が開設され、
再び札幌に戻り保健師・看護師の大学教育の在り方
を学びました。2005 年には、弘前学院大学看護学部
開設に招聘され 4 年の完成年度を終えて、当地にま
いりました。
わが国の看護大学・看護学部は、
「大学設置基準
の自由化」と、その直後に制定された「看護師等の
人材確保の促進に関する法律」によって急激に増加
しました。しかし、保健師・助産師・看護師を高度
専門職業人として世に送り出すことのできる教育制
度、教育体制の内実が備わっているのか点検や再検
討が必要です。
教員として思考し、学習し、同僚とディスカッシ
ョンしながら看護教育・研究に励みたいと考えてい
ます。微力ですが、よろしくご指導いただけますよ
うお願いいたします。
【略歴】
1962 年 11 月
1963 年 1 月
1972 年 3 月
1993 年 4 月
2003 年 3 月
2003 年 9 月
2005 年 4 月
2009 年 4 月
医学部
北海道立衛生学院保健婦科卒業
農林中央金庫札幌支所(保健師)
東京都江東区保健所(保健婦)
札幌医科大学保健医療学部講師
北星学園大学大学院社会福祉学研究科社会
福祉学専攻修士課程修了(社会福祉学)
札幌医科大学保健医療学部助教授
弘前学院大学看護学部教授
金沢医科大学看護学部教授(在宅看護学)
みきひろ
幹宏 特任教授
平成 21 年 4 月 1 日付けで、消化器機能治療学の特
任教授を拝命いたしました。
昭和 49 年に第 3 期生として入学して以来、まさに
金沢医科大学に育てられ、鍛えられてきました。卒
業後は研修医を経て、昭和 57 年に消化器内科学の助
手として入局し、高田 昭教授のもとで肝臓学、と
くにアルコール性肝障害の研究に携わりました。そ
れは自分にとっても生涯の研究テーマとなっていま
す。昭和 62 年からは 3 年間、アルコール性肝障害研
究のメッカである米国アルコールリサーチセンター
(チャールズ・S・リーバー教授、マウントサイナイ
医科大学)で研鑚を積む機会に恵まれました。この
留学時代に多くの先輩や友人と知り合いましたが、
こうした出会いによって研究生活だけでなく、人生
そのものが豊かになったと感じています。
平成 8 年から電子カルテシステムの開発・構築に
参画し、さまざまな医療分野について学ぶことがで
きました。このことが契機となり、平成 17 年 1 月か
ら、奈良県立医科大学に先端医学研究機構医療情報
学分野の教授として赴任いたしました。奈良医大で
は 4 年を過ごしましたが、その間にまったく新しい
Web 版の電子カルテシステムを開発し、奈良県内の
医療情報網の基礎を築くことができたと自負してお
ります。
このたび、母校である金沢医科大学消化器機能治
療学に迎えていただき、心より感謝しています。今
まで培ってきた知識と経験を本学の教育・臨床・研
究に捧げたいと思っておりますので、これからもよ
ろしくご指導ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。
【略歴】
1980 年 3 月
1982 年 4 月
1987 年 4 月
1990 年
1995 年
2000 年
2005 年
4月
2月
1月
1月
2009 年 4 月
金沢医科大学医学部卒業
金沢医科大学消化器内科学助手
アメリカ合衆国マウントサイナイ医科大学
に留学
金沢医科大学消化器内科学講師
金沢医科大学消化器内科学助教授
金沢医科大学医学情報学助教授併任
奈良県立医科大学先端医学研究機構医療情
報学分野教授
金沢医科大学消化器機能治療学(消化器内
科学)特任教授
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
29
新任教授紹介
医学部
のぐち
医学部
まさくに
1987 年 4 月
2006 年 7 月
2009 年 4 月
けんじ
影近 謙治 特任教授
消化器外科治療学(消化器外
科学)
運動機能病態学(リハビリ科)
平成 21 年 4 月 1 日付けで金沢医科大学特任教授を
拝命し、乳腺・内分泌外科科長に任じられました。
昭和 44 年に金沢大学医学部を卒業し、米国空軍
立川病院でのインターンを終了した後、金沢大学
第二外科(水上哲次教授)に入局しました。そこで
は消化器外科を中心とした臨床医学を学ぶととも
に、癌の器官培養に関する基礎研究で学位を取得
しました。昭和 50 年より 2 年余り、金沢医科大学
一般消化器外科(小坂 進教授)に勤務しましたが、
昭和 52 年から金沢大学附属病院に復帰し、第二外
科(宮崎逸夫教授)の助手、講師、手術部助教授、
そして乳腺科教授として 32 年間にわたり乳癌外科
を担当してまいりました。
その間、日本では乳癌患者が急増するととも
に乳癌の診断法や治療法が大きく進歩しました。
昭和 60 年、文部省の長期在外研究員として New
York の Memorial Sloan-Kettering Cancer Center
に留学し、それ以降、乳癌手術の進歩、特に乳房
温存療法やセンチネルリンパ節生検において指導
的役割を果たすことができました。また、日本乳
癌学会の理事、Breast Cancer の編集委員長とし
て 8 年間にわたり、世界に情報を発信し、平成 18
年に日本乳癌学会会長として金沢市で第 14 回日本
乳癌学術総会を開催しました。
今回、乳腺・内分泌外科の新設にあたり、32 年
ぶりに金沢医科大学に復帰することになりました
ので皆様方のご支援ご指導ご鞭撻を宜しくお願い
申し上げます。
【略歴】
1969 年 3 月
1970 年 3 月
1975 年 6 月
1977 年 8 月
1977 年 9 月
1985 年 1 月
1985 年 4 月
かげちか
野口 昌邦 特任教授
金沢大学医学部卒業
米国空軍立川病院インターン終了
金沢医科大学一般消化器外科学助手
金沢医科大学一般消化器外科学講師
金沢大学附属病院第二外科助手
金沢大学附属病院第二外科講師
New York の Memorial Sloan-Kettering
Cancer Center 留学(文部省長期在外研究員)
金沢大学附属病院手術部助教授
金沢大学附属病院乳腺科特任教授
金沢医科大学消化器外科治療学(消化器外
科学)特任教授・乳腺・内分泌外科科長
平成 21 年 4 月 1 日付けで運動機能病態学(リハビ
リ科)特任教授を拝命いたしました。
私は昭和 61 年に金沢大学医学部を卒業しました。
それ以前に早稲田大学理工学部で世界初の二足歩行
ロボット作製の加藤一郎教授の下で筋電義手の開発
に従事し、筋電パターンの制御研究を通して切断患
者のリハビリテーション(以下リハ)という言葉に初
めて出会いました。早稲田大学卒業後リハ医を目指
し金沢大学医学部に再入学、現 金沢大学整形外科の
富田勝郎教授、同保健学科の立野勝彦教授(リハ専
門医)の下でリハの研修指導を受けました。平成 2 年
からスウェーデン王立カロリンスカ研究所臨床神経
生理学部門に留学する機会を得て、Evert Knutsson
教授の指導で痙性麻痺の動作分析・評価法を研究し、
現在行っている痙性に対する ITB(髄腔内バクロフェ
ン療法)治療の基礎研究を行いました。
平成 12 年富山県高志リハビリテーション病院で、
北陸初の回復期リハ病棟のチーム医療における効果
的リハシステムを構築しました。また市立砺波総合
病院では、ICU から始まる超急性期の呼吸リハビリ
を全国に先駆けて実践し、嚥下チーム、褥瘡チーム、
口腔ケアチーム、NST チームと一体化させて効果的
な廃用症候群の予防システムを構築しました。今後
は微力ではありますが、各科の先生方、リハスタッ
フ並びに看護師の皆様と共にチーム医療に貢献し、
患者様のソフトランディングに繋げるとともに高度
先進医療を提供する地域に開かれた大学病院として
のリハを一層発展させる所存です。今後とも皆様の
ご支援ご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
【略歴】
1978 年 3 月
早稲田大学理工学部機械工学科制御コース
卒業
1986 年 3 月 金沢大学医学部医学科卒業
1989 年 4 月 石川整肢学園小児整形外科センター医員
1990 年12 月 スウェーデン王立カロリンスカ研究所臨床
神経生理学部門客員研究員
1997 年 7 月 富山県高志リハビリテーション病院リハビ
リテーション科医長
2001 年 4 月 市立砺波総合病院リハビリテーション科部長
2009 年 4 月 金沢医科大学運動機能病態学(リハビリテ
ーション科)特任教授
【学事】
金沢医科大学報
30
新任教授紹介
医学部
こうの
医学部
みゆき
たなか
たつろう
河野 美幸 特任教授
田中 達郎 臨床教授
臓器機能再建学(小児外科学)
泌尿生殖器治療学(泌尿器科
学)
平成 21 年 4 月 1 日付けで臓器機能再建学(小児外
科学)特任教授を拝命いたしました。
昭和 56 年に広島大学医学部を卒業後、金沢医科
平成 21 年 4 月 1 日付けで泌尿生殖器治療学(泌尿
器科学)臨床教授を拝命いたしました。
昭和 57 年に金沢医科大学を卒業後、泌尿器科学
大学小児外科学へ入局いたしました。梶本照穂教
の大学院生として津川龍三前教授(本学名誉教授)
授(現名誉教授)の指導のもと、小児外科、新生児
の指導のもとに腎移植の臨床および研究に従事しま
外科および小児泌尿器を学びました。平成 9 年に
した。本学は早くから腎移植を行い、症例数、成績
伊川廣道現教授より小児外科に腹腔鏡手術を導入
とも全国でトップクラスであったことから憧れがあ
するため、慶應義塾大学医学部外科で勉強する機
り入局させていただきました。スタッフが少ないこ
会を与えていただき、その年の冬に麻酔科、手術
ともあり、入局後は新人のころから一般泌尿器科の
室の協力を得て小児の腹腔鏡手術を立ち上げるこ
研修に加え腎移植の臨床、研究にと多くの経験を積
とができました。現在まで、その適応疾患を徐々
むことができたことは大きな財産となっています。
に広げていき、年間手術件数約 300 例のうち 50 例
腎移植後急性拒絶反応の新しい診断法の開発に関
以上を占めるようになっております。今後、さら
した研究で学位をいただき、その後も一貫して腎移
に鏡視下手術の症例数を増やし、患児の術後 QOL
植の研究、臨床に携わってこられたことは、鈴木孝
向上に貢献していくつもりです。
治教授のご理解とご指導のおかげと思い感謝いたし
新生児外科治療では母子総合医療のひとつとし
ております。現在は、生体腎移植腎提供者の術後腎
て、産科医、小児科医との連携協力が必須であり
機能に関する臨床的研究、死体内灌流装置による死
ます。本学病院 NICU は小児外科疾患を有する新
体腎移植提供腎の腎機能保護に関する研究を行って
生児が富山、福井からも搬送されております。今
います。臨床では小切開法による開腹手術の導入、
後とも三科の協力体制を維持していき、十分な新
膀胱腫瘍の内視鏡的一塊切除術の開発などを手がけ
生児外科医療を提供できるようにしたいと考えて
ています。学生の臨床実習では、学生が外来診察で
おります。
の諸検査や治療、病棟実習ではスタッフの一員とし
現在、全国的に小児医療の危機が問題になって
て、手術をはじめとした治療を体験することにより
おりますが、今後も、北陸の子供たちのために役
実際に即した学習ができるように工夫しています。
立つよう努力していきたいと思います。
これまで同様、皆様のご指導ご鞭撻をよろしく
お願い申し上げます。
【略歴】
1981 年 3 月
1981 年 5 月
1982 年 9 月
1984 年 4 月
1986 年 1 月
1996 年 10 月
1999 年 11 月
2009 年 4 月
今後も微力ながら本学の学生教育、研究、臨床の
推進に貢献していきたいと思っております。これま
でと同様、皆様のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願
い申し上げます。
広島大学医学部卒業
金沢医科大学病院研修医
島根医科大学麻酔学助手
富山市民病院小児外科医員
金沢医科大学小児外科学助手
金沢医科大学小児外科学講師
金沢医科大学小児外科学助教授
金沢医科大学臓器機能再建学(小児外科学)
特任教授
【略歴】
1982 年 3 月
1986 年 3 月
1986 年 4 月
1991 年 1 月
2005 年 11 月
2009 年 4 月
金沢医科大学卒業
金沢医科大学大学院医学研究科博士課程修了
金沢医科大学泌尿器科助手
金沢医科大学泌尿器科講師
金沢医科大学泌尿生殖器治療学(泌尿器科
学)臨床助教授
金沢医科大学泌尿生殖器治療学(泌尿器科
学)臨床教授
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
31
新任教授紹介
金沢医科大学氷見市民病院
金沢医科大学氷見市民病院
さかもと
いずみ
泉
しげる
坂本 滋 特任教授
よういち
洋一 特任教授
循環器内科
胸部心臓血管外科
はじめまして。本年 4 月 1 日をもちまして金沢医
平成 21 年 4 月 1 日付けで金沢医科大学氷見市民
科大学氷見市民病院循環器内科特任教授を拝命いた
病院の心臓血管外科に赴任しました。新任教授紹
しました泉 洋一と申します。これから美しい海と
介で私の名前を見て驚かれると思いますが、昨年 1
清廉な山を目のあたりにして医療に従事できること
月 31 日で金沢医科大学を退職し、長野赤十字病院
は望外の幸せであります。医療をとりまく厳しい状
の心臓外科に勤務しました。この病院で 1 年間心
況のなかで氷見市民病院のこれまでの努力は広く世
臓外科の部長として、長野北信地区の循環器セン
に知られており今後は多くの病院の範となることと
ターを立ち上げ、1 年間で 100 例以上の開心術を行
思われます。大学病院であれば診療以外に教育、研
い、心臓血管外科機構の施設認定を取得いたしま
究においても成果を上げることが求められておりま
した。このたび、ご縁があり再度金沢医科大学に
す。氷見市民病院は大学附属病院としてこれからも
勤務できるようになったことを誇りに思います。
実績を積み重ねていくことと思いますが些少なりと
長野北信地区には信州大学、新潟大学、東京女
も力になれれば幸甚であります。
子医科大学、東京医科歯科大学、山形大学、弘前
こちらに赴任する前は日本大学医学部において
大学、富山大学などのたくさんの心臓外科医がお
10 年来、少数民族が居住する中国の新疆ウィグル自
ります。循環器疾患に関する診療で貴重な経験を
治区において医学・疫学調査を実施してまいりまし
させていただきました。また、最近医師不足が話
た。近代医療の充分届かない地域で民族固有の生活
題になっておりますが、心臓血管外科領域も産婦
習慣と疾病構造の関係について、興味あるデーター
人科、小児科と同様医師不足が目立つ科でありま
を得て解析して発表をしてまいりましたが、説明の
す。氷見市民病院でも同様であり、これから努力
つかない成績を前にいまだ苦慮してもおります。
していかなければならないと思います。富山県に
今後は金沢医科大学の一員として本研究を継続す
は金沢医科大学卒業の開業医が多数おられます。
る所存であります。近代医療の行き届いた日本では
私も金沢医科大学の卒業生であります。他病院で
状況が異なりますが、地域医療の実践のなかで系統
経験した診療科立ち上げに関する経験を生かして、
的にデーターを集積して疾病構造と生活習慣の関係
これからの氷見地域の循環器医療の発展に全力を
について解析して、地元の方々に還元できるよう努
尽くしていきたいと思っておりますので、よろし
力する所存であります。そのためには大学をはじめ
くご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
病院の各部門の方々にご協力いただけるようお願い
申し上げます。
【略歴】
1978 年 3 月
1980 年 4 月
1987 年 4 月
1991 年 5 月
1995 年 5 月
2005 年 2 月
2008 年 2 月
2009 年 4 月
金沢医科大学医学部卒業
金沢医科大学胸部心臓血管外科学助手
金沢医科大学胸部心臓血管外科学講師
金沢循環器病院副院長
金沢医科大学胸部心臓血管外科学助教授
金沢医科大学心血管外科学(胸部外科学)臨
床教授
長野赤十字病院心臓外科部長
金沢医科大学氷見市民病院胸部心臓血管外
科特任教授
【略歴】
1973 年 3 月
1980 年 12 月
1982 年 11 月
1994 年 7 月
1998 年 11 月
2009 年 4 月
2009 年 4 月
日本大学医学部卒業、日本大学医学部第二
内科入局
医学博士号取得
米国 Ohio 医科大学内科留学(1985 年 3 月まで)
日本大学医学部第二内科講師
日本大学医学部附属板橋病院保健科科長
金沢医科大学氷見市民病院循環器内科特任
教授
日本大学医学部客員教授
金沢医科大学報
32
長い間のご活
長い間の
長い
ご活躍あ
活躍あ
躍ありが
り とう
りが
とうござ
ございま
ござ
いました
いま
した
退任にあたって
伊達 孝保
堀 功
ゲノム医科学(生化学)
生命科学科目(自然科学)
私は 4 年間の米国生活を終え、昭和 58 年 4 月 1 日に
この度、35 年間の長きにわたってお世話になった
本学の生化学Ⅰ(現ゲノム医科学)の助教授として着
本学を定年退職することになりました。いま、振り
任しました。当時は、癌遺伝子がいくつも発見され、 返ってみますと、何とか定年を迎えることができた
また、成長因子を組み込んだ巨大なトランスジェニ
要因は一般教育の皆様との交流であったとしみじみ
ックマウスが作成されるなど、遺伝子を中心とした
感謝している次第です。専門も異なればものの考え
新しい研究成果が次々と発表され、学会も活気を帯
方も違う先生方の集まりである一般教育部門は、私
びていた時代でした。私もこうした遺伝子研究を本
にとって自分を鍛え上げ磨く貴重な場であったと思
学で始めたいという思いを強く持ち、資金集めや人
います。時にはぶつかりあい、傷つきながらも挫折
集めに奔走しましたが、そのことが昨日のように思
することなく今日を迎えることができ、大変幸せで
い出されます。
ありました。私はお酒を飲むこともスポーツで汗を
また、着任とともに生化学の講義を担当しました
流すことも大好きなので、橘養会(主に一般教育科目
が、その頃は実習を含めた講義日数は今よりはるか
を担当する教員の親睦団体)の懇親会や、互助会のソ
に多く、学力向上のための補講までありました。少
フトボール、バレーボール大会では特に楽しい時間
しでも分かりやすく教えたいと準備に時間をかけま
を先生方と共有でき、新たな活力をこれらの時間か
したが、そのことは自分の考えを深める機会にもな
ら得ることができました。また一般教育の教員スタ
りました。学生の遺伝子への関心を引き出そうと、 ッフは以前は大変多くて、研究時間もたっぷりあり、
実習に、学生自身の白血球 DNA を採取して飲酒を決
特に 1980 年代は面白いように論文が書けました。私
定付けるアルデヒド脱水素酵素 ALDH2 遺伝子解析
の専門分野では 3 年ごとに国際シンポジウムが著名
を取り入れたところとても好評でした。毎回数名の
な都市で開かれていまして、これに毎回参加するこ
若い臨床医の方々がその実習に参加してくれたので、 とができました。カナダ、ドイツ、フィンランド、
基礎科目の大事さを学生に認識させるよい機会とも
オーストラリア、スペイン、オーストリアなど、諸
なりました。ちなみにこの実習は 20 年のロングラン
外国を訪れ大いに見聞を広げ、多数の失敗談とわず
となっています。教える立場に立つことで、自分の
かな賞賛とを残してまいりました。
理解の不完全さに気づくこともありました。生化学
教 育 の 現 場 で は「 優 良 教 員 」や「Teacher of the
全般を俯瞰できるようになるまでに 10 年近くを要し
year 」などという称号とはまったく無縁の存在であ
ましたが、生化学の歴史を含めた勉強は、自分の研
りましたが、私なりに一所懸命励んできましたので
究方向を定める上でも大きく役立ったように思えま
悔いはありません。新年度は後任に若い先生を迎え、
す。
私は嘱託という立場でもう 1 年、生物学の講義や入
まさに光陰矢のごとしの 26 年間の医科大生活でし
試業務を分担することになりました。
「経験」を唯一
た。退任にあたり、これまで私を支えてくださった
の拠りどころとして引き続き、今後も頑張りたいと
ゲノム医科学の教室員、諸先生、事務の多くの皆様
思いますのでどうかよろしくお願いいたします。
に心から感謝申し上げます。
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
33
長い間のご活
長い間の
長い
ご活躍あ
活躍あ
躍ありが
り とう
りが
とうござ
ございま
ござ
いました
いま
した
退任にあたって
中泉 裕子
山口 昌夫
感覚機能病態学(眼科学)
運動機能病態学(リハビリ科)
医学部卒業 4 年目の昭和 47 年春、金沢医科大学創
平成 9 年 4 月に前任地の加賀八幡温泉病院(現 やわ
設とともに金沢大学医学部眼科学教室より、故 倉知
たメディカルセンター)から金沢医科大学に赴任し
与志教授、吉村卓也助教授、飛見立朗講師、そして
て、満 12 年になりました。当時北陸で最初の大学病
助手として私、今は亡き論先生の 5 人で金沢医科大学
院におけるリハビリテーション(以下リハビリ)科開
眼科学教室がスタートいたしました。以来 37 年が経
設ということが新聞記事になるほど、リハビリ科の
過したことになります。当初は外来の患者数もまだ
存在は知られていませんでしたので、リハビリ医療
少なく、教室づくりに励みましたが、倉知教授は医
を大学病院で展開することと、医学生にリハビリ医
学部長になられ、患者数の増加など次第に忙しさを
学を教えることによって、リハビリ医療(医学)を私
増してまいりました。その後ドイツに留学されてお
なりに広めようという情熱をもって就任しました。
られた佐々木一之先生を教授としてお迎えし、大石
当時の角家 暁病院長と故 東田紀彦前整形外科教授の
先生、高橋先生、北川先生、山秋先生と現教室の基
ご理解とご支援、松本忠美現整形外科教授のご厚情
礎となる諸先生方の基礎および臨床研究が始まりま
とご支持のもとに、リハビリ科医局員およびリハビ
した。私は金沢大学の解剖学教室、故 本陣良平教授
リセンターのスタッフをはじめとして大学並びに病
のもと涙腺の形態学研究で、京都で開かれた第 23 回
院の職員の方々のご協力を得て、思うように急性期
国際眼科学会で賞をいただきましたが、眼内レンズ
リハビリ医療と回復期リハビリ医療に取り組むこと
の研究に没頭し、佐々木一之教授のご指導の下、幾
ができたことを深く感謝いたします。
度かシンポジウムに発表させていただきました。白
定年退職にあたり、当初考えた目標に対する達成
内障手術の画期的な進歩により、肉眼手術から顕微
度は 62∼63%と思っており、いくつかの追いつかな
鏡手術に、水晶体全摘出術から眼内レンズ挿入術へ
い部分が残りました。術前からの早期リハビリ医療、
とその変遷はめまぐるしいものでした。医局長とし
入院翌日からの急性期リハビリ医療、速やかな回復
て約 10 年近く忙しく飛び回っていたのもその当時で
期リハビリ医療への移行の徹底に課題を残しました。
あったと思います。石川県眼科医会理事として長期
また、理学療法士、作業療法士と言語聴覚士の人数
にわたり勤めてきましたが、学内でも図書、保険等
を年々増やしていただきましたが、患者さんの要望、
各種委員会に属し、最近では手術部の委員を長期に
リハビリ医療としてのニーズの増加は増員速度を上
務めてまいりました。女医の 1 人として男性と同様
まわっており、リハビリ医療の質向上に力が及びま
に仕事をしたいと、3 人の子供達には寂しい思いをさ
せんでした。しかし、他科医師のリハビリ科への紹
せたに違いありませんが、2 人は同じ医師となり、当
介やカンファレンスへの参加が増えたことはリハビ
時の自分を思い返しては今は逆にエールを送ってい
リ医学卒前教育の成果だと思います。また、嚥下障
ます。
害の治療の開始・充実と精神科作業療法の開設は大
退任を迎えまして、これまで支えていただきました
教室の皆様はもとより、大学関係者をはじめ多くの皆
様に、深く感謝申し上げます。あわせて今後の金沢医
科大学の大いなる発展を心から祈っております。
きな進歩の一つであり、関係の方々に感謝いたしま
す。
ご協力、ご支援ありがとうございました。
【学事】
金沢医科大学報
34
平成 20 年度 定年退任教授最終講義
伊達孝保教授が最終講義
平成 21 年 1 月 17 日(土)午後 1 時から C41 講義室において、伊達孝保教授(ゲノム医科学)の「最終講義」が行わ
れました。
山田学長をはじめ、教員や学生、そして学外の生化学関係の方々、合わせて約 120 名が出席し、熱心に聴講し
深い感銘を受けました。講義の終わりには先生ご自身がバイオリン演奏を披露し、万雷の拍手が沸き起こりました。
なお、座長を務めていただいた米倉秀人教授に、伊達教授の業績と講義の概略を記していただきました。
(医学部長 大原義朗記)
伊達 孝保教授 ゲノム医科学(生化学)
DNA 研究の過去、現在そして未来
伊達孝保教授は、
や世界初の遺伝子ノックダウンを達成した研究などに
昭 和 18 年 大 分 県 の
ついて、当時の分子生物学発展の状況を織り交ぜなが
お 生 ま れ で、 静 岡
ら、ユーモアを交えて分かりやすくお話されました。
大学文理学部を卒業
続いて、本学赴任後の研究について、DNA ポリメ
後、東京大学理系大
ラーゼの組換えタンパク質産生に世界で初めて成功さ
学院に進まれまし
れたこと、そして、C 型肝炎ウイルス(HCV )の研究
た。金沢大学薬学部
を開始し、新しい HCV の遺伝子型を発見されたこと、
助手、米国留学を経
それまで未解明だったウイルス複製に関わる重要な領
て、 昭 和 58 年 に 本
域である HCV の 3 ’端の配列の解明に成功されたこと
学第一生化学助教授
についてお話されました。次いで、細胞周期 M 期に
として着任されまし
おける染色体分配に関わるプロテインキナーゼ PKU-
た。以来、第一生化
βを新しく発見し、現在その機能解析を続けておられ
学(名称変更後、ゲ
ることを詳しく解説されました。
ノ ム 医 科 学 )教 授、
講義の最後には、サプライズでバイオリンの演奏を
そして昨年 4 月から
披露され、聴講者全員から喝采が寄せられました。講
は本学総合医学研究所所長として、本学の教育・研究の
義後、伊達先生の後任でお弟子さんでもある岩淵邦芳
発展のためにご尽力されてきました。
教授からの贈る言葉で最終講義は終了しました。
最終講義では、
「DNA 研究の過去、現在そして未来」
伊達教授の最終講義は、後進への熱いメッセージに
と題し、お話されました。伊達先生はもともと物理学
満ちた、我々をたいへん刺激するものでありました。
の出身になるわけですが、分子生物学の発展は物理学
先生は本学において、研究費や人員の面で困難がある
出身の研究者の貢献が大きいことが広く知られていま
中、世界に誇れる研究成果をあげられ、それを達成さ
す。伊達先生もそのお一人ということになります。ま
せた先生の独創性の高さと新しいことにチャレンジす
ず、
「大学卒業にあたってノーベル賞受賞者の小林 誠
る大きなパワーに圧倒された思いでした。
博士と同時に名古屋大学の大学院を受験したが、合格
先生は今後も引き続き、総合医学研究所所長として
せず、そこで分子生物学への転進を決意した」という
本学の発展にご尽力していただけることになっていま
エピソードからお話を始められました。そして、先生
す。ご健康でますますご活躍されることを祈念いたし
の研究のスタートとなった大学院時代の RNA ポリメ
ます。
ラーゼの研究、金沢大学薬学部時代の大腸菌の接合の
研究、米国留学中の膜タンパク質の膜通過機構の研究
(ゲノム医科学 米倉秀人記)
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
35
名誉教授の称号授与式
平成 21 年 4 月 6 日(月)本部棟 2 階会議室において、
山下公一理事長から本年 3 月 31 日付けをもって教授職
を定年退職された総合医学研究所伊達孝保教授に、金
沢医科大学名誉教授の称号(第 72 号)が授与された。
名誉教授の選考は、去る 2 月 23 日開催の名誉教授選
考委員会において行われ、山田裕一学長の推薦に基づ
き、3 月 12 日開催の第 820 回医学部教授会で承認され
た。
(庶務課 出雲淳子記)
名誉教授の称号を授与される伊達孝保教授
看護学部
第1回
臨地実習施設連絡会議
平 成 21 年 3 月 6 日( 金 )午 後
2 時から、看護学部第 1 回臨地
実習施設連絡会議が、病院新
館 12 階会議室において開催さ
臨地実習施設連絡会議
れた。出席者は、外部の 27 実
習施設から 30 名、本学からは
やカリキュラム改正の背景などについて分かりやすく
学長をはじめ、看護師長等実
講演された。
第 2 部では、臨地実習施設連絡会議が開催された。
習関係者および看護学部教員
山田裕一学長、俵 友惠看護学部長の挨拶のあと、各
の合計約 90 名であった。
特別講演の小松美恵子先生
実習施設からの出席者の紹介と本学関係者の紹介があ
の 目 的 は、 看 護 学 部 第 3 学 年
った。続いて「本学部の教育目標の紹介」
、
「平成 21 年
生の臨地実習が 21 年 4 月から本学病院や外部の医療
度の実習方針・計画の説明」、
「各看護専門領域の実習
この臨地実習施設連絡会議
機関および福祉施設等で本格的に開始されることに際
計画の概要説明」
、
「学生の事故対応及び個人情報取扱
し、各実習施設の施設長や実習担当者に対して、本学
い」についての説明があり、各実習施設担当者と本学
部の教育目標や現況の説明および各実習施設担当と本
部教員との忌憚のない意見交換が行われた。
学部教員との相互理解・親睦を図り、実習を円滑に実
施することを目的に開催された。
臨地実習施設連絡会議は、3 部構成で進められ、第
1 部では特別講演として、
「大学における看護基礎教育
の現状と課題」と題して、茨城キリスト教大学看護学
部の小松美恵子学部長の講演が行われた。小松学部長
は、近年の医療の高度化と疾病構造の多様化等に伴っ
て、専門性の高い看護師が必要とされていることから、
全国的に看護系大学が増加している状況や学士課程に
おける看護教育の特質、大学で育成する看護実践能力
第 3 部では懇親会が開催された。懇親会は終始和や
かな雰囲気で意見交換や歓談がなされ、今後実習施設
間との連携をさらに深めていくことをお互いに確認し
た。
(看護学部事務課 中新 茂記)
【学事】
金沢医科大学報
日英子育て支援プログラム共同研究
英国チーム研究打ち合わせに
来学
36
グラムが親のストレス及び子どもに与える効果に関す
る比較研究」である。英国で行われている子育て支援
プログラムを日本でも実践し効果を比較すること、日
英の看護学研究者間の連携を促進することがプロジェ
クトの主な目的である。
日本チーム(リーダー:北岡和代本学看護学部教
授)は金沢医科大学の研究者から構成されており、内
灘 町 が 研 究 協 力 者 と な っ て い る。 日 本 チ ー ム が 昨
夏 訪 英 し た の を 受 け、 本 年 3 月 16 日( 月 )か ら 20 日
(金)にかけて英国チームのサリー・ケンダル(Sally
Kendall )教授、他 3 名の研究者が本学を訪れた。
来訪中は両チームが精力的に動き、数回にわたる
研究会議開催の他に、内灘町の保健師や保育士も招い
て研究セミナーを開催し、子育てに係るさまざまな意
見交換を行い、互いの理解を深めた。また、内灘町の
学長室を訪れた英国チームの研究者
本学は、日英の教育機関同士の戦略的提携を促進
保健センター、子育て支援センター、保育所等の視察
を行い日本の子育て事情を紹介した。その間、山田裕
一学長並びに八十出泰成内灘町長への表敬訪問を行っ
す る こ と を 目 的 に、 英 国 政 府 が 資 金 提 供 す る PMI
た。英国チームの来訪が北國新聞(3 月 18 日付)や北
(Prime Minister's Initiative )フェーズ 2 により、ハー
陸中日新聞(3 月 24 日付)にも掲載され、今年度 5 月か
トフォードシェア大学(University of Hertfordshire )
ら行われる本格的な介入研究を前に、実り多い国際交
と国際共同研究を行っている。
流となった。
(看護学部 北岡和代記)
プロジェクト名は「グループによる子育て支援プロ
高校生のための
医学の魅力講座
高校生のための医学の魅力講座が、平成 21 年 3 月
13 日(金)午後 1 時 30 分より、に分子細胞形態科学(解
剖学Ⅰ)、総合医学研究所等において開催された。こ
の講座は能登地区の生徒の中から地元で医学を志す生
徒を育てるために、医学の魅力を伝えることを目的と
グループに分かれて受講する高校生
し、石川県立七尾高等学校理数科 2 年生 40 名を対象に
実施された。
の見学および最新遺伝子医療講義、分子細胞形態科学
開講に先立ち、病態診断医学(臨床病理学)の湊 宏
(解剖学Ⅰ)八田稔久教授、島村英理子講師による発
教授から挨拶があり、続いてプログラム案内、DVD を
生発達研究の最前線を学ぶ講義を受講した。講義等は
使用しての本学医学部の紹介をした。この後、生徒達
午後 3 時 40 分に終了し、湊教授から閉講の挨拶があり、
は 3 グループに分かれ、体験コースとして各模擬講義
今回の講座は終了となった。
および施設見学へと向かった。
各グループは、それぞれ病態診断医学(臨床病理学)
生徒達は普段感じることができない医学の魅力を感
じ取ったようで、今回参加した生徒の中からは「ぜひ
湊 宏教授、黒瀬 望講師、木下英理子助教によるバー
医師を目指したい」
、
「金沢医科大学で学びたい」、
「医
チャルスライドの見学および模擬講義、総合医学研究
師として先生方と働きたい」との感想もあり、今回の
所 RI センター石垣靖人講師による総合医学研究所内
講座は大変好評であった。
(入学センター 川田啓太記)
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
国際交流
本学医学部長、学生部長
米国・Texas A&M 大学を
表敬訪問
37
して大原医学部長とのディスカッションとなった。と
くに、患者も医学生も多様な人種的文化的背景を持つ
米国では、医の倫理に関する教育が重要な課題であ
るとのことで、日本におけるこの分野の教育に関心
が向けられた。次いで、Gary McCord 学生部副部長
(解剖学教授)に芝本学生部長が本学の学生部組織を
紹介し、学生部に関しては両大学で大差無いとの感想
が得られた。最後に、McCord 教授から、医学部キャ
ンパスを案内していただいた。e-Learning システム
(車で 1 時間半の所にあるもう 1 つの医学部キャンパ
ス Temple College と、この College Station キャンパ
ス両方の学生が、同時に受講できるよう開発されてい
る )、Anatomy Center、Learning Resource Unit な
どを見学した。Anatomy Center では、身体の横断面
の標本と CT 画像とを同時に参照しながら解剖学実習
ができるよう配慮されている。実際の解剖学実習では
学生が 6 人ずつチームを組み、その中の 4 人が解剖実
習を行った上で、他の 2 人にその内容を教えるという
教育法がとられており、教える側の学生は教えられる
医学部長室において交流協議
側の学生の試験成績に責任を持つということになる。
さらに教えることと教えられること両方が経験できる
平成 21 年 2 月 10 日(火)∼14 日(土)、大原義朗医学
ように、グループ編成は変更される。
部長、芝本利重学生部長、国際交流センター古本郁美
私 た ち は さ ら に Temple College を 訪 問 し た。 そ
課長が米国の Texas A&M University 医学部を訪問し
こ で は ま ず、 本 学 の 学 生 受 入 を 担 当 し て く だ さ る
た。訪問の目的は、本学の 5 学年 4 名の受入れに対す
Kathleen Fallon 学生部副部長に会い、古本課長が派
る謝意を表すること、本学からの学生派遣に先立って
遣学生の紹介と選考過程について説明し、宿舎や周
大学と周辺環境を視察すること、および研修プログラ
辺環境に関する情報を得た。その後 Scott & White
ムの内容について打ち合わせすることであった。
Institute of Cardiology で、芝本教授の専門分野であ
Texas A&M University( http://www.tamu.edu/ )
るショック領域に関する研究室を訪問し、さらにシミ
は、1876 年に Agricultural and Mechanical College of
ュレーションセンターを見学した。5 年前に開設され
Tex-as という名称でテキサス州初の高等教育機関とし
最新設備を有するシミュレーションセンターについ
て創立され、その古い歴史を表すために A&M という
て、センター長の Jose Pliego 教授(産婦人科)から詳
名称が今なお残されている。テキサス州のほぼ中央、
細な説明を受け、実際の 3 学年のクラスを見学した。
College Station にあり、キャンパスの広さは 20km2 、
そのレベルは非常に高いものであった。ここでは、2
在学生数は 48,000 名以上という巨大規模の大学で、テ
週間での医療従事者派遣プログラムも可能であるとの
キサス州 Galveston 市とカタール国にもキャンパスを
提案もいただいた。
持っている。また医学部(http://medicine.tamu.edu/ )
今回の訪問では、Texas A&M University の教育や
のキャンパスは College Station と Temple College に
研究レベルの高さ、周辺環境の良さについて十分に理
もあり、その開設は 1977 年で、1999 年には医学部、
解でき、本学の学生派遣に好適と思われた。また、本
歯学部、公衆衛生学部、獣医学部、薬学部、看護学
学学生の受入れに非常に好意的であり、Robert Hash
部 等 か ら 成 る 保 健 群 の Texas A&M System Health
医学部副部長を中心に受入準備が着々と進められてい
Science Center として再構築された。
た。
私 た ち は ま ず Christopher Colenda 医 学 部 長 を 表
敬訪問し、これからの交流について協議を行った。
Colenda 医 学 部 長 は LCME(Liaison Committee on
Medical Education 米国医学教育の質を管理する機
関)委員の 1 人で、冒頭から日米医学教育の相違に関
(国際交流センター 古本郁美記)
【学事】
金沢医科大学報
マグデブルグ大学との
学術交流提携
38
ザクセン・アンハルト州の州都マグデブルグにある。
東西ドイツ統一後の復興モデルの一つとして、1993
年、既存の工科大学と医科大学を統合して新たに建学
されたドイツで最も若いアクティブな大学である。現
在、9 つの学部と 13,000 人以上の学生を擁するドイツ
東部有数の教育・研究センターとなっている。正式名
は The Otto von Guericke University of Magdeburg
という。1657 年、マグデブルグ半球として有名な直
径 40cm の 2 個の銅製半球と馬 16 頭を用いたマグデブ
ルグ宮殿前広場での公開実験で、大気圧の存在を初め
て証明したオットー・フォン・ゲーリケに由来する。
医学部はマグデブルグの南部に位置し、1,200 床の
附属病院を中心に複数のセンターが配置され、ザクセ
ン州の医療の中心として機能し、約 900 名の医学生の
教育が行われている。研究のレベルも高く、特に神経
協定書に調印。左から山田裕一学長、アルバート・ロスナー病理
学研究所所長、山下公一理事長
細胞生物学と免疫学分野では世界をリードする研究が
展開されている。
ロスナー教授は、学術提携の最初の一歩として、
「ピ
平成 21 年 3 月 9 日(月)、ドイツ連邦共和国のマグデ
ロリ胃炎による前癌病変発生におけるシステイン・プ
ブルグ大学からアルバート・ロスナー病理学研究所
ロテアーゼの役割−遺伝子改変動物を用いた解析−」
所長(昨年 10 月まで同大学の副学長・医学部長を兼務
というテーマで講演され、本学の癌研究や消化器診療
されていた)が来学し、本校との学術交流提携に関す
に関わる多くのスタッフとの間で熱い議論が展開され
る調印が行われた。本学ではこれまで、米国の 3 大学
た。マグデブルグ大学との学術交流において、ドイツ
(マーサ大学、ハワイ大学、バーモント大学)
、アジア
語という言葉の壁は決して低くはない。しかし、少な
では中国の 4 医育機関(中国医科大学、日中友好病院、
くとも研究者や医療関係者のほとんどは英語でのコミ
華中科技大学、同済医学院)とベトナム軍医大学との
ュニケーションに問題はない。卒前・卒後医学研修や
学術あるいは姉妹提携を有するが、ヨーロッパの大学
特定領域での共同研究において、ヨーロッパという歴
とは初めての提携である。ヨーロッパで学び、研究す
史に裏打ちされた文化との交流により、本学の教育・
る門戸が開かれたという点では本学にとっては歴史的
研究に新たな旋風が起こること、さらに、我が校から
な一日と考えられる。
ドイツの学生・研究者に大いなる刺激を与えることも
マグデブルグ大学は、ドイツの首都ベルリンから電
車で約 50 分ほど南に下ったエルベ川右岸に位置する
国際交流
大連大学附属中山病院一行
2 グループにわかれて来学
可能な充実した学術交流に発展することを希望し紹介
としたい。
(国際交流委員 上田善道記)
交換の後、大学および病院の視察を行った。
大連大学附属中山病院は 1907 年に南満州鉄道大連
病院として設立され、2005 年に正式に大連大学附属
病院となり、現在、病床数 1,000 床の病院である。
第 1 グループの腎臓内科高 弼虎教授他 4 名は、腎臓
内科、消化器内科、病院長室、広報局、設備課、総合
医学研究所を視察した。
中国・遼寧省大連市の大連大学附属中山病院の一
行 が 2 グ ル ー プ に 分 か れ て 平 成 21 年 2 月 23 日( 月 )
、
第 2 グループの趙 徳偉病院長他 5 名は、整形外科、
脳神経外科、中央臨床検査部、栄養部、病院長室、地
24 日(火)および 3 月 23 日(月)
、24 日(火)に県内の
域医療連携部、21 世紀集学的医療センターを視察し
NPO 法人の依頼を受け来学し、それぞれ、山下公一
た。
理事長、山田裕一学長を表敬訪問した。両大学の情報
大連市は経済発展が著しい地域であり、大連大学附
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
属中山病院は整形外科、脳神経外科の領域では中国内
39
積極的な質問がなされた。
(国際交流センター事務課 古本郁美記)
でもトップクラスの病院であるが、本学からできるだ
け多くのことを吸収しようと、各視察部門においても
〈第 1 グループ:H21/2/23・24 〉
高 弼虎腎臓内科教授ほか 4 名による表敬訪問
消化器内科の視察
〈第 2 グループ:H21/3/23・24 〉
趙 徳偉病院長ほか 5 名による表敬訪問
脳神経外科の視察
留学生情報(2008.7 ∼ 2009.4)
1. 留学生の往来
2008 年 8 月 25 日
9 月 18 日
10 月 7 日
10 月 8 日
11 月 9 日
2009 年 1 月 16 日
1 月 19 日
タイ王国・チェンマイ大学医学研究科大学院生であるコウイット・ナンブンミー氏が、健康増進
予防医学において、短期研究員として 7 カ月間の研究を修了し、研究証明書を授与された。
中国・河南科技大学法医学院副教授(准教授)李凡氏が、法医学において、短期研究員として 2 カ
月間の研究を修了し、研究証明書を授与された。
タイ王国・チェンマイ大学医学研究科大学院生であるアムナット・パニヤムーン氏が、健康増進
予防医学において、短期研究員として 3 カ月間の研究を修了し、研究証明書を授与された。
バングラデシュ・ラジシャヒ大学理学部講師モハメド・モスフェクール・ラーマン氏が、生殖周
産期医学(産科婦人科学)において、国費外国人留学生として研究を開始した。
中国・華中科技大学同済医学院社会医学講師である李 氏が、健康増進予防医学において、姉妹
校プロジェクト研究員として 10 カ月間の研究を修了し、研究証明書を授与された。
中国・中日友好病院神経内科医師である王麗氏が、生理機能制御学(生理学Ⅰ)において、姉妹校
プロジェクト研究員として研究を開始した。
中国医科大学附属第一病院腎臓内科講師孫立氏が、ゲノム医科学(生化学Ⅱ)において、姉妹校プ
ロジェクト研究員として 1 年間の研究を修了し、研究証明書を授与された。
【学事】
金沢医科大学報
1 月 25 日
1 月 30 日
3月 2日
3 月 25 日
4月 9日
40
中日友好病院臨床医学研究所生化学・分子生物学研究助手夏啓勝氏が、腫瘍内科学において、姉
妹校プロジェクト研究員として 1 年間の研究を修了し、研究証明書を授与された。
華中科技大学同済医学院附属協和病院中西結合医学講師陳瑞氏が、総合内科学から高齢医学に研
究部門を変更し、短期研究員として研究を開始した。
中国医科大学免疫学講師である曹妍氏が、血液免疫制御学において、姉妹校プロジェクト研究員
として研究を開始した。
華中科技大学同済医学院附属同済病院腫瘍科主治医師である姜永生氏が、総合医学研究所分子腫
瘍学研究部門において、姉妹校プロジェクト研究員として研究を開始した。
華中科技大学同済医学院附属協和病院心臓外科主治医師である蔡杰氏が、総合医学研究所分子腫
瘍学研究部門において、短期研究員として研究を開始した。
中国・瀋陽陸軍総病院王正大氏が、生理機能制御学(生理学Ⅰ)において、短期研究員として研究
を開始した。
中国・延辺大学医学部附属病院黄成日氏が、大学院医学研究科において博士(医学)の学位を取得
した。
中国医科大学の張勝氏、華中科技大学同済医学院馮一鳴氏、瀋陽陸軍総病院の王正大氏、バング
ラデシュ・ラジシャヒ大学理学部モハメド・モスフェクール・ラーマン氏が、それぞれ病態診断
医学、放射線診断治療学、生理機能制御学(生理学Ⅰ)、生殖周産期医学の大学院生として入学した。
2. 留学生の紹介
<姉妹校プロジェクト研究員>
ツァオ
ヤン
ジャン ヨンション
曹 妍 さん
姜 永生 さん
中国医科大学免疫学講師/所属は血
液免疫制御学
華中科技大学同済医学院附属同済病
院腫瘍科主治医師/所属は総合医学研
究所分子腫瘍学研究部門
研究テーマは「リピッドラフト制御
による血液悪性疾患および自己免疫疾
患の治療法」
研究テーマは研究テーマは「がん細
胞の悪性化進展における RhoGDI βの
役割」
<短期研究員>
ワン
リ
ツァイ
チェ
王 麗 さん
蔡 杰 さん
中日友好病院神経内科医師/所属は
生理機能制御学(生理学Ⅰ)
華中科技大学同済医学院附属協和病
院心臓外科主治医師/所属は総合医学
研究所分子腫瘍学研究部門
研究テーマは「うつ病の病態生理、
または Huntington の機能解析」
研究テーマは「癌化における遺伝子
発現変動の分子生物学的解析‐細胞形
質転換の機序の解明」
<大学院生>
チャン シェン
張 勝 さん
中国医科大学/主科目は病態診断医学
姉妹校大学院生
フェン
イーミン
馮 一鳴 さん
華中科技大学同済医学院/主科目は
放射線診断治療学
姉妹校大学院生
モハメド・モスフェクール・ラーマン
ワン
MD. Mosfequr Rahman さん
王 正大 さん
ラジシャヒ大学理学部/主科目は生
殖周産期医学
瀋陽陸軍総病院/主科目は生理機能
制御学
大学院生
チョンター
大学院生
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
41
国際交流
Center for International Exchange
Kanazawa Medical University
CIE
Café
第 5 回、第 6 回 交流カフェ
第 6 回交流カフェ
年明けと年度末に開催された第 5 回および第 6 回の
交流カフェは、他の行事と重なった時期であったため
人数が少なく少し寂しいカフェとなりましたが、仕事
や勉強のことが忘れられるこの 1 時間は相変わらず和
気あいあいとしたホットな時間でした。
第 6 回 CIE Café 2009.3.11(水) 17:15 ∼ 18:15
今年度最後の交流カフェは 9 人だけと寂しかった
が、山下公一理事長の飛び入り参加のお陰でさらに充
実した一時となった。スピーカーの登坂由香先生(衛
生学)が“My Life in Sweden ”と題して、3 年間のス
第 5 回 CIE Café 2009.1.14(水) 17:15 ∼ 18:15
ウェーデン留学中に過ごした街、ウメオの住民の生活
「日本のお節料理 Osechi, New Year Dishes 」と題
景、人々のカラフルな民族衣装と楽しそうな行事、ス
して、相野田が話題を提供した。
ぶりを紹介してくださった。鮮やかな色彩の四季の風
ウェーデン料理の数々…、参加者もスウェーデンのク
参加は計 7 人。最近は家庭ですべてを作らなくなっ
ッキーをほお張りながらうっとりとたくさんの美しい
たお節料理も、お屠蘇とともに日本のお正月には必須
写真を見、四季折々の生活を悠然と楽しんでいる北欧
アイテムだが、案外とその起源や各食品の意味は知ら
人たちの姿に圧倒されているようだった。恒例の言葉
れていない。発表者になったのを機に、
(お)節の語義、
の練習では、登坂先生がスウェーデン滞在中によく
お節料理の意味と標準的メニュー、東日本と西日本の
聞いたという“Ska vi fika(コーヒーにしませんか)”
お節料理の相違点・共通点、雑煮に入れる餅の形など
を皆で唱和した。
を改めて調べてみて、その多様性と先人の知恵に驚い
この 1 年間、新企画交流カフェ CIE Cafe におつき
た。写真を提示しながらの議論は、
「お重に何を入れ
合いいただき本当にありがとうございました。楽し
る?」
、
「うちのお餅は丸いよ」、
「お雑煮は澄まし汁が
く、6 回まで続いたのも皆様のおかげです。来年度も、
おいしい」、
「いえいえ味噌味の方がこくがある」など
当カフェは毎月 1 回開店いたしますので、ますます繁
侃々諤々。日本人だけで盛り上がりそうになった時、
「ごぼうって何?」、
「ごまめって何?」と鋭い質問が
飛び、日本人は説明に四苦八苦する場面もあった。
すでに時期外れだったが、年末の挨拶“良いお年を”
を唱和して閉会となった。
盛するようこれからもどうぞよろしくお願いいたしま
す。
(国際交流センター 相野田紀子記)
【学事】
金沢医科大学報
42
附属看護専門学校
第 21 回
卒業 式
伊川廣道学校長から卒業証書が一人ひとりに手渡された
附属看護専門学校としては最後となる第 21 回卒業
式が、平成 21 年 3 月 6 日(金)午前 10 時から本部棟 4 階
講堂で行われた。男性 5 名、女性 59 名の計 64 名が学
舎を巣立った。伊川廣道学校長から、卒業生一人ひと
りに卒業証書が授与され、
「高い志を持ち続け」
、
「誠実
に生き」、
「看護を一生の仕事として、貫いていただき
たい」との式辞が述べられた。
引き続き、竹越 襄副理事長から告辞があり、山田
裕一学長の祝辞に続き、飯塚秀明病院長、和田出静子
石川県看護協会会長からも祝辞が述べられた。
卒業生を代表して田村香奈さんが、思い出を振り返
り、全ての人に感謝するとともに、
「36 年間という歴
史の中で培われた、諸先輩方の看護への熱き思いと伝
統を誇りに、私たちもその精神をしっかりと受け継ぎ、
自らが他者に手を差し伸べることができる存在になれ
るよう努力を惜しまないことを誓います」と感謝の言
葉を述べた。
(看護専門学校事務課 干場良広記)
第 98 回看護師国家試験 新卒 64 名全員合格
平成 21 年 3 月 26 日(木)
、第 98 回看護師国家試験結果が発表され、本校の受験者 65 名(新卒 64 名、既卒 1 名)
のうち新卒の 64 名全員が合格し、合格率は新卒で 100%、総合で 98.5%であった。
ちなみに、全国の平均合格率は新卒で 94.4%、総合で 89.9%であった。
(看護専門学校事務課 干場良広記)
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金沢医科大学報
43
附属看護専門学校
卒業記念講演会
テーマ:
看護師基礎教育の大学化と実践力の強化に向けて
たかがい
講師: 高階恵美子先生(日本看護協会常任理事)
日時: 平成 21 年 3 月 4 日(水)午前 10 時
場所: 本部棟 4 階講堂
平成 21 年 3 月 4 日(水)
、高階恵美子先生による「看
護師基礎教育の大学化と実践力の強化に向けて」と題
する卒業記念講演会が行われた。
金沢医科大学看護学部の開設に伴い附属看護専門学
校は本年 3 月 31 日で閉校となるので、最後の卒業記念
講演となった。本学病院の卒業生や関係者にも案内し、
看護師 46 名、卒業生 64 名、専門学校・看護学部教職
員など合計 130 名が出席した。
高階先生は、看護基礎教育が専門学校から 4 年制大
学に継続されることになったその社会的背景と現状を
分かりやすく説明された。また、これから期待される
看護は、医療機関内の看護にとどまらず、保健・福祉
施設や地域など、多方面に活躍の場が広がり、活動の
仕方も変わってくる。根拠に基づいた実践力を身につ
けることが大切であると具体的な例を交えて話され
た。何よりも、期待と不安を抱きながらこれから社会
人として巣立つ卒業生が、看護をもっともよく分かっ
ている大先輩から「出来ない技術はこれから身につけ
高階恵美子先生
れば良い」と学生の気持ちを理解した声援を受け、勇
気を得ることができたと思われる。
この講演の内容は、閉校記念誌『金沢医科大学附
属看護専門学校 36 年の歴史』の第 2 章に掲載されてい
る。
(看護専門学校 酒井桂子記)
【学事】
金沢医科大学報
44
学生のページ
受賞の喜び
益谷秀次賞 北辰同窓会会長賞
しばた
たけお
医学部卒業生 柴田
健雄
の む ら りょうすけ
医学部卒業生 野村
亮介
このたび、卒業証書・学位記授与式にて、益谷秀次
このたび、卒業証書・学位記授与式において、北辰
賞というまことに栄誉ある賞をいただき、大変嬉しく
同窓会会長賞という栄誉ある賞をいただき、大変嬉し
光栄に思っております。
く、また光栄に思っております。私がこのような賞を
私はこの名誉ある賞を受賞するにあたり、益谷秀次
受賞できたのも、いつも温かく見守っていただいた先
先生のふるさとである能登を訪ねさせていただきまし
生方や学校関係者の皆様、多くの激励やアドバイスを
た。益谷秀次像は穏やかな内浦の岬にある遠島山公園
くださった先輩方、共に切磋琢磨し素晴らしい時間を
にあり、先生は美しい宇出津の街を眺めていらっしゃ
共有することができた友人たち、そしていつも影で支
いました。昭和 47 年に益谷先生は本学開学にあたり、
えてくれていた家族など、本当に多くの皆様に支えて
「倫理に徹した人間性豊かな良医を育てる、科学知識
いただいたからこそと考えております。
の深奥をきわめ開拓者精神をもって医学の進歩に貢献
振り返ると、膨大な知識の習得、次から次へとやっ
する、わが国の医学の発展と地域社会の医療開発に寄
てくる試験の日々に挫けそうなこともありました。し
与する」と述べられています。現在の課題でもある医
かし、今の学習がそのまま将来の医師としての糧にな
師としての倫理観、大学人が持つべき研究への使命、
るという医学部で学ばせていただいている喜びを感じ
医師不足により顕在化した地域医療の危機などに関
ながら、勉学をはじめ、さまざまなことに取り組むこ
し、鋭く言及されており、あらためてこの賞の意味を
とができ、大変有意義な学生生活を送ることができま
深くかみしめています。これらの課題に対し私はどう
した。この金沢医科大学で経験した貴重な経験を忘れ
行動するべきか、今すぐには答えを出せませんが、こ
ることなく、医師として必要な知識・技術の向上はも
れから医師として、在学中に学んだ良医の精神を胸に
ちろん、常に患者様を思いやるという心を持ち、理想
刻みながら、努力していきたいと思います。
の医師に早く近づけるよう日々努力していきます。
最後になりましたが、第 1 学年から第 6 学年にかけ
最後になりましたが、これまで支えてくださった
て親身に温かくご指導いただいた先生方、病院実習で
皆々様に改めて感謝申し上げると共に、母校の繁栄、
お世話になった病院職員の方々、実習させていただい
在校生の皆様の一層のご健闘を心よりお祈りいたしま
た患者の皆様、さまざまな場面で支えていただいた学
す。
校職員の方々、父、母、勉強会の友人、そして内灘
の地で医師になる夢をともに語り合った同期の皆さん
に、心から感謝申し上げます。6 年間本当にありがと
うございました。
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
学生のページ
学長賞
す な が きょうこ
大学院修了生 須永
恭子
このたび、博士学位の取得と共に、名誉ある学長賞
をいただき大変嬉しく、また誇りに思っております。
私は、現在、富山大学大学院医学薬学研究部地域看
護で教育、研究に従事しております。修士の時、公衆
衛生学の先生から指導をいただいて以来、予防医学に
関する研究に携わってまいりました。ここ数年は、脳
卒中発症予防をテーマにリスク要因の究明に取り組ん
できましたが、アジア地域においてこれまでほとんど
報告がなかった糖化ヘモグロビン(HbA1c )と脳卒中
との関連に着目し、4 万人を対象にコホート研究を行
おうと考えました。しかし、それには公衆衛生学、疫
学のより専門的指導が必要であり、中川秀昭教授がお
られます健康増進予防医学教室の門をたたきました。
最初、不安もありましたが、先生方の親身な指導に
より、欧米でも報告が少ない脳卒中との関連について
分析を行い、学位論文作成、学位取得、そして学長賞
授与までに至ることができました。脳卒中は、欧米人
に比し日本人に多く、HbA1c については特定健診の
診断項目に加えられることとなり、この研究が脳卒中
対策に有意義な情報を提供できたのではないかと考え
ております。
これまでご指導くださった先生方、温かく支えてく
ださった職員の方々には、心より感謝申し上げます。
研究者というには未熟ではございますが、学長賞を励
みに研究に精進していきたいと考えております。今後
ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申
し上げます。
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【学事】
金沢医科大学報
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学生のページ
第 6 学年生が選ぶ
The Teacher/Staff of the Year
かれたのは、基礎医学からは分子細胞形態学(解剖学)
の東 伸明先生、臨床医学では環境皮膚科学(皮膚科学)
の望月 隆先生で、
“The Staff of the Year ”は保健室の
中島素子保健師でした。本学在籍中に様々な面でご指
導いただいた多くの先生方の中からの選出はとても難
“The Teacher of the Year ”とは、6 年間の学生生活
しいことで、得票結果も僅差となりました。
においてご指導いただいた多くの先生方への感謝の念
多くの学生は、今回私達が表彰させていただいた東
と、本学の医学教育のさらなる向上を目指していただ
先生、望月先生、中島さんだけでなく、日頃から親身
ければという趣旨のもと、第 6 学年の学生による投票
になってご指導いただいた沢山の先生方や事務系職員
で、教員の方々の中から 2 名、学生と接する機会が多
のお一人おひとりに、The Teacher/Staff of the Year
く日頃お世話になった事務系職員の方々の中から 1 名
を贈らせていただきたい気持ちでいっぱいだと思いま
を選出させていただくものです。選考方法は、例年通
す。4 月から研修医生活が始まったばかりですが、母
り第 6 学年の全学生に、本学在籍中に受けた全ての講
校で教えていただいたことは、全国どこの病院で働い
義・臨床指導などで最も感銘を受けた基礎医学および
ても通用する高いレベルの教育だと毎日実感していま
臨床医学の先生、そしてお世話になった職員の方を対
す。今まで熱心にご指導いただき、ここまで育て上げ
象に、それぞれ投票しました。表彰は、平成 21 年 3 月
てくださいました全ての先生方に感謝の念を込めて、
5 日(木)第 32 回金沢医科大学卒業記念パーティ(ホテ
心からお礼を申し上げたいと思います。6 年間、本当
ル日航金沢)にて行わせていただきました。
にありがとうございました。
今年で 8 回目となる“The Teacher of the Year ”に輝
第 32 回金沢医科大学卒業記念パーティー
(卒業生代表 竹中美恵子記)
The Teacher/Staff of the Year に輝いた方々
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学生のページ
第 6 学年生が選ぶ
The Teacher of the Year に選出されて
分子細胞形態科学(解剖学)講師 東
伸明
ご卒業おめでとうございます。皆さ
んからすばらしい賞をいただき大変
光栄に思っております。併せて立派
なトロフィーをいただきました。卒
業生の皆さんをはじめ、関係の皆様
方にこの場をお借りして厚くお礼申
し上げます。
卒業生の皆さんは、地元に戻る人、本学に残る人、そ
して新たな土地で研修される人、さまざまと思います。
私も 32 年前、緊張感をもって、全く新たな地にある金
沢医科大学へ赴任した時のことを懐かしく思い出しま
す。皆さんが医師として第一歩を踏み出された今、参考
になればと思い一文をご紹介します。
『神明は唯平素の鍛練に力め戦わずして既に勝利の栄
冠を授くると同時に一勝に満足して治平に安ずる者より
直ちに之を褫う。古人曰く勝て兜の緒を締めよ』これは、
すでに他界した私の父が好んで実家の床の間に掛けてい
た軸に書かれていたもので、若いころから目にしており
感銘を受けたものの一つです。医師として輝かしい一歩
を踏み出し、生涯、努力しなければならない皆さんにエ
ールを送る意味で卒業アルバムでも紹介させていただき
ました。折に触れ思い出していただければうれしく思い
ます。最後になりましたが、ますますのご発展を祈念し、
感謝の言葉に代えさせていただきます。
環境皮膚科学(皮膚科学)教授 望月
隆
このたびは The Teacher of the Year
に選んでもらい、大変感謝していま
す。今回選んでくれた理由で思い当
たったのは、皆さんの学年とは、随
分たくさんお酒を飲んだような気が
していたことです。
「飲むと人が変わ
る先生 No.1 に選んだので何か一言」と
アルバム委員の竹中さんに取材され、大いに赤面した
ことがありました。人が変わるまで飲んだのですから
随分皆さんと「長酒」したのでしょう。ゆっくり時間を
共有できたことが選んでもらった最大の理由なのだと
考えています。
さて皆さんはこの大学で、懸命に勉強し、よい友人
を得て旅立つことになりました。どうか皆さんはここ
まで育んでくださったご家族を、友人を、母校を、そ
して本当に頑張っている自分を心の中で誇りに思って
ください。むろん賢明な皆さんは、誇りは自分だけで
なく、これから一緒に医療に携わる仲間はもちろん、
不幸にして病を得、医療機関を訪れた患者さんも皆、
誇りを持って生きている存在であることに気付いてい
ると思います。人間の尊厳に開眼しつつあるすばらし
い皆さんと時間を共有できたことを、私自身の誇りと
し、心の糧としたいと考えています。今後の皆さんの
ご活躍を祈って乾杯!
The Staff of the Year に選出されて
他の大学出身の卒業生に負けない体を! と、その一念
からでした。
秋に朝晩の気温差が 10℃以上開くと金木犀(キンモ
ご卒業おめでとうございます。今回
クセイ)が咲きます。その開花を見た日を境に感冒の学
思ってもみなかった栄誉ある賞をい
生が多く来室するなぁ! といったような感覚が全身に
ただき感激の極みです。特にこの学
沁みこんで 28 年間、学生保健室一筋で過ごしました。が、
年は感染対策システムや禁煙支援シ
私も皆さんと同じく本学をこの 3 月に卒業し、4 月から
ステムがやっと確立して初めての卒
新しい大学に移ります。その最後の卒業生に大きな餞別
業生ですので思い入れが深く、一層
をいただいたようで力強いエールとなりました。
嬉しく思います。誤解を恐れずに言えば
最後に一言。
「正面の理(医師としての倫理観)
、側面
今まで「卒業生にはお嫁に出すような気持ち」でこの6
、背後の恐怖(リスク管理)
」の
年間を接してきました。抗体価調査、ワクチン接種、禁 の情(人間味あふれる)
煙支援と、時には鬱陶しく思われた方もおられたかと思 三つのバランスのとれた医師になっていただきたいと思
います。それは本学病院、他大学の病院、他の医療機関 っています。どうかお元気で、ますますのご活躍祈って
と研修の場はちがっても、厳しい臨床の場に立った時、 います。
学生保健室保健師 中島
素子
【学事】
金沢医科大学報
48
学生のページ
第 1 回 テキサス A & M 大学医学部医学研修報告
(期間:2009 年 3 月 15 日∼ 29 日)
今年度、初めての試みとして、テキサス A&M 大学医学部の研修について募集を行ったところ、前川直人君、
間嶋絵梨さん、赤司桃子さん、横濱知理さんの 4 名の学生が応募した。国際交流委員会において英語の試験と面
接を行った結果、成績優秀な学生や英語力の高い学生であり、それぞれ米国の医療を学ぶことに強い熱意があり、
全員を派遣することとなった。今回、学生のお世話をしていただいた Dr. Robert Hash はマーサ大学医学部から
テキサス A&M 大学医学部の副部長として昨年 6 月に着任され、本学学生の受入に十分な経験もあり、学生たち
も貴重な経験を得たものと確信する。
テキサスA&M大学研修の報告
あかし
ももこ
赤司 桃子(第 6 学年)
(国際交流センター事務課 古本郁美記)
今回の研修場所は、テキサス A & M 大学医学部の
研修病院 St. Joseph Hospital とその周辺のクリニッ
クです。2 組に分かれて各科をローテートし、毎朝
7 時 半 か ら 始 ま る Family Medicine の カ ン フ ァ レ ン
スに出席したのち、内科では回診、外科では手術見
学、クリニックでは外来見学などを行いました。内
科 は 細 分 化 さ れ て お ら ず、 プ ラ イ マ リ ケ ア を 行 う
Family Medicine と入院患者のみを受け持つ Internal
Medicine の 2 つ し か 科 が あ り ま せ ん。Family Medicine と Internal Medicine で総ての疾患をカバーして
おり、アメリカの内科医の診断能力の高さを実感しま
した。外科では主に手術見学をさせていただきました
が、アメリカでは専門資格を持った看護師が手術の最
後の縫合や薬の処方など、日本では医師がするような
仕事を多く受け持っていました。このため医師の仕事
の負担が日本に比べて軽減されているように思いまし
た。クリニックでは Family Medicine の他、産婦人科、
小児科、耳鼻咽喉科などの外来見学をしました。特に
Family Medicine では内科はもちろん、産婦人科や整
形外科の疾患も数多く診療していました。簡単な産婦
人科の検査や捻挫などの治療は Family Medicine で行
研修病院 St. Joseph Hospital 前で。
左から筆者、横濱知理さん、Dr. Robert Hash、
間嶋絵梨さん、前川直人君
2009 年 3 月 15 日∼29 日の 2 週間、テキサス A & M 大
い、必要があれば専門医に紹介するという形式でした。
クリニックでは英語を話せない患者さんや保険がない
患者さんも多く受診しており、アメリカと日本の文化
や社会の違いを実感しました。
学医学部で行った医学研修の結果を報告いたします。
2 週間の研修で最も印象的だったことの一つは日米
日 本 か ら 約 14 時 間 か け て、 テ キ サ ス の College
の保険制度の違いで、両国の医療の違いの多くはこの
Station という町に行ってきました。College Station
保険制度の違いによるものだと思います。技術力など
は、その名の通りテキサス A & M 大学で成り立って
に大きな違いがあるとは思いませんが、総ての人が保
いる小さな町で、町の人のほとんどは学生か大学関係
険を持っているわけではないアメリカにおいて、どこ
者が占めているとのことでした。ショッピングモール
まで治療をするのかというのは大きな問題です。日本
や映画館はありましたが、娯楽と呼べるものはあまり
のように費用の問題を気にせず出来る限り力を尽くす
なく、研修するには最適な場所でした。
というのではなく、医師が患者さんの経済力と保険に
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金沢医科大学報
49
学生のページ
見合った治療法を選択します。薬にしても、医療費を
抑える工夫の一つとして、ジェネリック薬品が多用さ
テキサス A & M 実習体験記
れています。Family Medicine を受診しなければ専門
まえかわ
医に紹介されないというシステムも、医療費を抑える
なおと
前川 直人(第 6 学年)
ためだそうです。日本の国民皆保険制度を有り難く思
いますが、アメリカで日本のような保険制度を導入す
ることは社会的に困難です。医療費の高騰が問題とな
っている日本でも、医療の効率化という面では、アメ
リカの医療システムに学ぶべき点が多々あると感じま
した。
もう一つ印象的だったのは、医学生のモチベーショ
ンの高さです。病院研修では彼らと一緒にさせてもら
う機会も多くありましたが、どの医学生も熱心に勉強
していると感じました。知識量もさることながら、ア
メリカの医学生は日本の医学生より圧倒的に臨床に慣
れていると感じました。突然にドクターから「新生児
の身体所見を一通りとってきて」と言われても、落ち
シミュレーションルームにて腹腔鏡の練習
着いて頭の上から足の先まで系統立てて診察していた
私は 3 月 15 日から 3 月 29 日の 2 週間、テキサス A &
ので驚きました。手術でも医師と勘違いするほど積極
M 大学へ短期留学する機会を得ました。昨年のバーモ
的でした。これは、学生が任せてもらえる範囲がア
ント大学での医学研修は、臨床実習前だったので全て
メリカでは広いことや、卒業するまでに何度も OSCE
が新鮮で驚きの連続でしたが、今回は実習後というこ
があることによるのではないかと思います。病院実習
ともあり、少し余裕をもって日本の医療とアメリカの
から多くを学び取ろうとする彼らの姿勢は、私にとっ
医療の違いを学んでみたいという思いで参加しました。
て大きな刺激になりました。
最後になりましたが、今回私たちを受け入れてくだ
さった Vice Dean の Dr. Robert Hash とスタッフの皆
研修は毎朝、症例検討で始まり、その後、各病棟に
移動して見学という形で繰り返されました。そのうち
の数日間の報告をします。
様、各科の先生方に深く感謝いたします。英語力が未
3 月 16 日:小児科の外来を見学しました。印象的だ
熟で質問にも満足に答えられなかった私たちを熱心に
ったのは肝炎です。日本では A 型肝炎ワクチンの接種
辛抱強く指導してくださいました。テキサス A & M
はあまり行われていませんが、テキサスでは小児にも
大学と金沢医科大学の先生方、スタッフの皆様のお陰
ワクチンを打ちます。A 型肝炎は汚染された水を飲む
で貴重な経験ができました。有り難うございます。
ことで感染しますが、衛生環境の悪いメキシコでは A
型肝炎が流行しており、テキサス州はメキシコに隣接
しているため予防的にワクチンを打つのだそうです。
一方、B 型肝炎に関しては日本と同じくゲノタイプ C
が多く、薬物乱用が主たる原因と考えられているそう
です。日本では B 型肝炎のワクチンは全てのゲノタイ
プに有効と暗黙の了解がなされているようですが、ア
メリカではゲノタイプ A・B に効くとされているそう
です。
3 月 17 日:家庭医学科の回診・PBL に参加しまし
た。午前中は入院専属医師 1 人、テキサス A&M 医大
生 1 人と一緒に回診しました。家庭医学科とは、産婦
人科・小児科などを含んだすべての内科を担当する科
で、実際、回診では成人呼吸促拍症候群、アルコール
広大な面積を有する A & M Studium は大学の施設
性てんかん、糖尿病性ケトアシドーシス、がんなど、
【学事】
金沢医科大学報
50
学生のページ
幅広い疾患が扱われていると感じました。日本での実
いました。心音とは聴診器で聞こえる心臓の鼓動音
習の場合、ほとんどの内科では担当患者 1 人を複数の
で、正常なら「ド・キ、ド・キ、…、1 音・2 音、S1・
学生が担当し、その患者の担当医が学生の指導医にな
S2、」と 2 つ音が聞こえます。心臓病の場合、過剰心音
りますが、米国では学生 1 人に上級医師 1 人がつくた
という余計な音が聴取され、それらは 3 音(S3 )、4 音
め、複数の患者を経過観察することができます。午後
(S4 )と呼ばれます。日本の医学生は S3・S4 をそれぞ
からは入院専属医師 1 人と医学生 2 人と共に、PBL に
れオッカサン・オトッサンと記憶しますが、しばしば
参加しました。予め学生に配布された宿題プリントの
混乱します。アメリカでは S1・S2・S3 = te・nne・
問題文を先生が読み上げ、学生が答えるという形式で
SSEE、S4・S1・S2 = KEN・tu・cky と い う 風 に、
行われました。プリントは、日ごとに症候学的テーマ
単語のアクセントが過剰心音となっているので覚えや
が 1 つ決められています。例えば、この日のテーマは
すいと思いました。回診中、Magruder 先生から心臓
胸痛で、問題文は、何を問診すべきか、緊急疾患は何
についていろいろ質問されましたが、医学英語を覚え
か、看護師に何をオーダーすべきかといった内容でし
ていたので答えることができました。
た。PBL の後、学生は再び病棟に戻り回診するとい
う具合に、こちらの学生は多忙でした。
私にとって大変勉強になった 2 週間でした。このプ
ログラムの責任者の Dr. Robert Hash をはじめとする
3 月 18 日:カンファレンスは B 型溶連菌感染症の症
先生方、テキサス A&M の医学生の皆さん、勝田国際
例についてでした。回診で、私が心臓好きであるこ
交流センター長、古本課長には大変お世話になりまし
とを先生に言うと、心音を積極的に聞かせてくださ
た。ありがとうございます。
看護学部
開催に先立ち、山田学長から、
「教育は大学から一
方的に押し付けるものではなく、学生自身が教育に参
学長・教員と学生との懇談会
加し、自分達で大学を改革するという意識を持ち、建
設的な提案をしてもらいたい。この会が面白いディス
カッションの場になることを期待している」との挨拶
があった。学年代表の司会により、学生から教務に関
平成 20 年 2 月 20 日(金)11 時 30 分から、看護学部棟
する要望、課外活動に関する要望、海外語学研修制度
1 階学生ラウンジにおいて、第 1、2 学年生 90 名と山
の創設や看護専門学校廃校後の校舎利用、駐車場の拡
田裕一学長、俵 友惠看護学部長、芝本利重学生部長、
充についての要望があり、それぞれの教員が回答した。
甲野裕之学生部副部長、北岡和代看護学部教務委員長
懇談会終了後、学長を囲んで学生と教員との懇親会
および看護学部教員を交え、学生との意見交換の場と
が看護学部棟 3 階ラウンジで開かれ、意見交換が行わ
して、第 2 回看護学部学生との懇談会を開催した。
れた。
看護学部棟学生ラウンジで行われた懇談会
(看護学部事務部 今村吉克記)
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金沢医科大学報
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学生のページ
クラブ
活動
ゴルフ部
まなべ
主 将 真鍋
ゆうすけ
佑介(医学部第3学年)
ゴルフ部は現在部員約 30 名で内分泌代謝制御学の
古家大祐教授を顧問に活動しております。部結成当
初は数名からのスタートでしたが、今日のゴルフブ
ームとともに部員も増え、ここ数年で医科大の中で
大きな部へと成長しました。
ゴルフ部は現在、週 1 回の割合で活動しています。
他の部活動より活動日数は少ないですが、部活以外
の勉強時間やアルバイトなどの学生生活も大切にし
たいという思いから週 1 という活動スタイルをとっ
ています。少ない活動時間ながら、しっかり練習し
ていますので、最近では昨年および一昨年と 2 年連
続で西医体、新人戦共に 6 位以内入賞という結果を
残せるようになりました。今年の西医体では更に上
ような名門コースを非常に安い価格で回ることがで
位の入賞を目指し、部員全員で頑張っているところ
き、ゴルフが上達するチャンスになると思います。
です。
本学のゴルフ部員もほぼ全員初心者からのスタート
ゴルフはいくつになってもできるスポーツであ
でしたが、入部後は日に日に上達し、今ではゴルフ
り、さらにゴルフを通してさまざまの世代の人と知
が楽しくてラウンド前夜は楽しみで眠れない部員も
り合うことによって自分の世界を広げられること
いるほどです。優しくて優秀な先輩や OB が多く、
も、ゴルフの魅力であると思います。一昔前のゴル
また国試合格率が高いのもゴルフ部の自慢できると
フに対するイメージは“年配のスポーツ”でしたが、 ころです。個性あふれる部員が多く、部活中は話題
最近では練習場などでも男女共に若い人が練習して
に尽きることがありません。少しでもゴルフに興味
いる姿がたくさん見受けられ、幅広い年齢層でます
があれば、その期待は決して裏切られません。いろ
ますゴルフ人口が増えています。
んな期待を抱いて、この輪の中に飛び込んできてく
ぜひ入学と共にゴルフを始めてほしいと思いま
す。大学生なら学生料金で、プロの試合に使われる
ださい。
【学事/学術】
金沢医科大学報
52
学生のページ
新入学生インタビュー
ちょう ひでかず
くわた
あ き
張 秀一
桑田 有紀
医学部(東京都出身)
医学部(東京都出身)
患者さんと信頼関係を築ける
医師になりたい
感謝の気持ちを忘れずに
思いやりの心を持った医師に
私は都会育ちということもあり、
入学前は石川県で生活することがと
ても不安でした。しかし、内灘の美
しい砂浜と日本海や、金沢の歴史が残る町並み、心や
さしい先生や先輩や町の方々に触れ、今では不安が消
えて、医科大での学生生活が楽しくてしようがないく
らいです。
私の父は医師で、母は看護師です。両親の希望もあ
り、私が医師を目指すのは当然のことでした。反抗心
もあってか、高校時代、医師以外の職業を目指そうと
考えたこともありました。しかし、医療に関する本や
番組を観たり、父や他の医師や医療従事者の方々と対
話をするうちに、医療の尊さと魅力に気が付きました。
現在は緩和ケアに興味があります。
これからはやさしさと思いやりを持った、患者さ
んに信頼される医師を目指していきたいと思っていま
す。
茶道をしていたこともあり、日本
の文化が根強く残る金沢という地に
大きな魅力を感じていました。大学
生活が始まって 1 カ月が経ち、金沢での生活にも大分
慣れました。仲間にも恵まれ、これからの生活が楽し
みです。自然が豊かでのんびりとした地で勉学に励み、
学生生活を送ることができるのを嬉しく思います。
医療の仕事に携わりたい。それは幼い頃からの夢で
した。ボランティア活動の経験や医療関係の書物を読
み、自然と医師を志すようになりました。将来は患者
さん 1 人ひとりに対して、誠実で相手の立場になって
考えることのできる思いやりの心を持った医師になり
たいと思っています。
周りの人への感謝の気持ちを忘れずに良い人間関係
を築き、良医になる基盤を学生時代に培っていきたい
と思います。
やしろやち と も み
うはら
社谷内 知美
宇原 一志
かずし
看護学部(石川県出身)
看護学部(福井県出身)
夢に向かっての第一歩を
歩み始めて
患者さんと正面から
向き合える看護師になりたい
金沢医科大学に入って思ったこと
は、先生方や先輩方がとても優しい
ということです。先生方は私達学生
が不安なく勉強に取り組めるようにしっかりと支えて
くれ、先輩方はとても温かく新入生を迎え入れてくれ
るので、これからの学生生活が楽しみです。
私は物心ついた時から、なぜか病院という場所に興
味を持ち、病院に携わる仕事に就きたいと思うように
なりました。
金沢医科大学は助産師の資格もとれるので、大変で
すが頑張って助産師の資格も取りたいです。看護師ま
たは助産師になったら、患者さんとのコミュニケーシ
ョンを大事にし、しっかり患者さんの不安を和らげて
あげられるようになりたいと思っています。
とても忙しい時間割に不安もありますが、いろんな
ことを吸収し、一歩一歩自分の夢に近づいていきたい
です。
私は小学生の頃から九年間野球を
してきました。その中で怪我をする
ことも多く、手術も二回経験しまし
た。入院中、私は手術に対する不安や恐怖がとても強
くあり、誰かに支えてほしいと感じました。そんな時、
一番近くで毎日支えてくださったのが看護師さんでし
た。その時から看護師という職業に興味を持つように
なり、看護師を目指したいと思うようになりました。
この大学に入り看護師に向け一歩踏み出た今、今後の
実習などとても楽しみにしています。
私の目指す看護師は患者さんを心身ともにケアする
ことができる看護師です。さまざまな不安や恐怖を抱
えた患者さんの気持ちを緩和でき、患者さんも気軽に
声をかけられる頼れる存在になりたいです。また、今
まで野球で学んできたチームワークの大切さを現代医
療の中心となっているチーム医療に役立てていけたら
いいと思います。
金沢医科大学報
第 138 号/2009.5
53
学 術
総合医学研究所
平成 20 年度 研究セミナー
日時:平成 21 年 2 月 7 日(土) 9:00∼15:45
場所:金沢医科大学病院新館 12 階大会議室
平成 20 年度の金沢医科大学総合医学研究所の研究
れ異なるウイルスの
セミナーが、平成 21 年 2 月 7 日(土)に開催された。伊
二本鎖 RNA を認識し
達孝保研究所所長の開会の挨拶の後、午前の部は研究
結合する結果活性化
所所員の研究発表および寄附部門(皮膚真菌学)と特
され、下流のシグナ
別研究部門(環境原性視覚病態)の研究発表が行われ
ル 分 子 で あ る IPS-1
た。午後の部の前半は、研究所所長および研究所部門
や IRF( Interferon
長の講演が行われた。午後の各講演の座長として、本
regulatory factor )3
学ゲノム医科学から、米倉秀人教授、岩淵邦芳教授、
/7 を介して、IFN の
吉竹佳の准教授、また、病理病態学から上田善道教授
産生を促すというお
に参加をいただいて、それぞれの専門の立場から討議
話であった。
「非自己
ならびにご指摘をいただき、充実したセミナーとなっ
RNA の 認 識 」に 関 し
た。
て は、RIG-I、MDA5
午後の部後半の特別講演は、京都大学ウイルス研
特別講演の藤田尚志教授
は共に RNA ヘリカー
究所教授藤田尚志先生をお招きして「非自己 RNA の
ゼドメインを有しており、カルボキシル末端側でウイ
認識機構と抗ウイルス自然免疫」の演題でご講演をい
ルス特有の二本鎖 RNA を認識し結合するということ
ただいた。一般に「免疫」と言うと、抗体産生に関連
である。また、RIG-I はウイルス複製時にできる 5' 末
する「獲得免疫」を想起するが、
「自然免疫」は本来細
端にリン酸を 3 つ持った RNA(5'-pppRNA )をも認識
胞が生まれ付き持っている生体防御機構で、感染病原
するという。一方、Cap 構造を有する細胞の RNA で
体の感染初期における認識とその後の炎症反応、獲
は RIG-I は活性化されない。これ等によって非自己ウ
得免疫の誘導に重要な役割を果たすと考えられてい
イルス RNA と自己 RNA との識別が行われていると
る。
「抗ウイルス自然免疫」については、ウイルス感染
のことである。しかし、ある種のウイルス(ハンタウ
の初期に細胞内分子によりウイルスの侵入が認識さ
イルス)では複製時に 5' 末端の三リン酸を切除するも
れ、インターフェロン(IFN )の産生誘導に至る細胞
のがあり、ウイルス RNA の認識が難しくなる可能性
内情報伝達の分子機構が複数の日本の研究者グループ
も述べられていた。ウイルスと宿主の関係は生命の起
の貢献の基に近年解明されてきたところであり、世界
源、進化や死に関わることから、今回ご講演いただい
的に研究が広がっている。細胞の種類によっては、エ
た「抗ウイルス自然免疫」への興味・関心は尽きない
ンドソーム膜上の TLR(Toll-like receptor )がウイル
ものであったが、セミナーは竹上 勉研究所副所長の
スの RNA を認識し、このシグナルが核に伝わり IFN
閉会の挨拶で、盛会裡に終了した。
遺伝子が活性化されることが報告されている。しか
このような素晴らしい研究の成果を直に拝聴でき大
し、細胞質に侵入したウイルスは TLR により認識さ
変有意義であった。社会では新型鳥インフルエンザウ
れない。藤田尚志先生の研究グループは、細胞質内に
イルスのパンデミックへの警鐘が流れる折、この分野
存在する 2 つのタンパク質 RIG-I、MDA5 がウイルス
の研究のますますの発展を祈りたい。
センサーとして働くことを発見され、今回、これらの
ウイルスセンサータンパク質の機能とその情報伝達に
ついてのご講演を伺った。RIG-I、MDA5 は、それぞ
(総合医学研究所 先進医療研究部門 長尾嘉信記)
【学術】
金沢医科大学報
54
所長・部門長講演
伊達孝保所長
竹上 勉教授
藤川孝三郎教授
久原とみ子教授
松井 忍教授
所員及び寄附・特別研究部門
研究成果発表
◇所員及び寄附・特別研究部門研究成果発表 9:05 ∼ 11:30
精子形成におけるエピジェネティクス関連酵素( HDAC,HMT,DNMT) の活性に影響
を及ぼす因子
長尾嘉信准教授(先進医療研究部門)
LC-MS/MS によるクレアチン合成異常症の化学診断
新家敏弘准教授(人類遺伝学研究部門)
短腸症候群患者の病態解析
井上義人講師(人類遺伝学研究部門)
SNPs アレイによる CNV 解析
尾崎 守助教(人類遺伝学研究部門)
Ginsenoside Rh2 は lipid raft を介して作用する
太田隆英准教授(分子腫瘍学研究部門)
多倍体ヒト皮膚繊維芽細胞の作成と PDL
宮越 稔講師(細胞医学研究部門)
ナンセンス変異依存 mRNA 分解因子の解析
石垣靖人講師(共同利用部門・RI センター)
抗心筋膜受容体による心筋障害発生メカニズムの解明
上田忠司助教(先進医療研究部門)
間質性腎炎の診断マーカーの探索と臨床応用 友杉直久教授(先進医療研究部門)
石川県( 1998 年∼ 2008 年)での野外蚊からの日本脳炎ウイルス分離と生物活性
村上 学助教(分子腫瘍学研究部門)
白癬菌 Trichophyton tonsurans の分子疫学−散発例の解析から見えてきたこと−
望月 隆教授(寄附研究部門・皮膚真菌学)
UVFP( 紫外線蛍光撮影法 ) により検出される瞼裂斑および翼状片の蛍光について
山代陽子研究員(特別研究部門・環境原性視覚病態)
長尾嘉信准教授 新家敏弘准教授
井上義人講師
尾崎 守助教
太田隆英准教授 宮越 稔講師
◇所長・部門長講演 13:00 ∼ 14:15
PKU- β /TLK1 の染色体分配機構 伊達孝保所長(総合医学研究所)
C 型肝炎ウイルス蛋白 NS3 による細胞の形質転換
竹上 勉部門長(分子腫瘍学研究部門)
2 倍体及び 4 倍体との比較における 8 倍体 H1(ES) 細胞の細胞周期、形態および多能性
藤川孝三郎部門長(細胞医学研究部門)
メタボローム解析の診断、個別化医療、化学物質毒性評価への応用
久原とみ子部門長(人類遺伝学研究部門)
G 蛋白に共役する心筋膜受容体に対する自己免疫機序による心筋傷害
松井 忍部門長(先進医療研究部門)
石垣靖人講師
上田忠司助教
友杉直久教授
村上 学助教
望月 隆教授
山代陽子研究員
◇特別講演 14:25 ∼ 15:45
非自己 RNA の認識機構と抗ウイルス自然免疫
藤田尚志教授 (京都大学ウイルス研究所遺伝子動態調節研究部門
分子遺伝学研究分野)
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金沢医科大学報
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第 19 回
日本疫学会学術集会
会 長: 健康増進予防医学 中川秀昭教授
会 期:
平成 21 年 1 月 23 日(金)、24 日(土)
会 場: 金沢市文化ホール
平成 21 年 1 月 23 日(金)と 24 日(土)の両日に金沢市
文化ホールにおいて第 19 回日本疫学会学術総会を開
催したところ、全国から多数の学会員が金沢へ参集さ
れた。冬の北陸の悪天候を案じていたものの、幸い天
候は大崩れしなかった。日本疫学会はがん、循環器疾
患をはじめとする研究分野の垣根を超えて、
「疫学」を
合言葉に交流の場を持つことを目的として設立された
比較的新しい学会である。
特別講演の座長を務める中川秀昭学会長
今回は「疫学研究から健康施策へ」というテーマの
下に、疫学研究からでたエビデンスが学問の域を超え
となれば幸甚である。
て、健康政策に生かされるには何が必要であるか、に
一般演題として数多くの学会員から研究成果を発表
ついて議論すべく、特別講演やシンポジウムなどを企
していただいたが、口演・示説の両会場では冬の金沢
画した。特別講演を快くお引き受けいただいた柳川
の寒さも吹き飛ぶほど熱く活発な討論も行われ、さら
洋自治医科大学名誉教授には、
「健康政策策定におけ
に良質なエビデンスが生まれるきっかけになったよう
る疫学の役割」と題して、先生のこれまでの豊富なご
に思う。また、学術総会第一日目夜に開催した懇親会
経験の中から健康施策に直結したいくつかの疫学研究
では、金沢の伝統芸能“一調一管”や冬の北陸の味を
の事例を大変わかりやすく、また興味深くお話してい
楽しんでいただき、また学会員の親睦を深めていただ
ただいた。そのお話の中には、我々後輩研究者への厳
けたと思う。
しくも温かい訓示も含まれていたように思う。
「疫学
本学術総会開催に際しては、中川秀昭学会長をはじ
的エビデンスから健康政策へ」と題したシンポジウム
めとする当教室関係者による入念な立案および準備、
では、研究、行政、報道からの 4 人のシンポジストに
さらに当日の多くの協力者のおかげで大過なく本学術
今後の疫学研究に期待することなどをそれぞれの立場
総会を終えることができた。関係各位の尽力に感謝し
でお話していただいた。疫学研究の成果を机上の学問
たい。
で終わらせることなく、社会に活かすための貴重なご
最後になりましたが、金沢医科大学および金沢医科
提言であったと思う。これらの企画を通じて、疫学研
大学橘勝会から種々のご高配を賜りましたことに対し
究を健康政策に繋げる必要性やその難しさを改めて考
て、厚くお礼申し上げます。有難うございました。
えさせられたが、学会員の今後の研究活動の大きな糧
(健康増進予防医学 中村幸志記)
【学術】
金沢医科大学報
56
大学院医学研究セミナー
第 2 回大学院医学研究科教育懇談会
NIPPON DATA 研究の成果と意義
京都大学大学院医学研究科における
大学院教育コースと FD の取り組み
について
講 師
日 時
場 所
担 当
三浦克之先生(滋賀医科大学社会医
学講座公衆衛生学准教授)
平成 21 年 2 月 9 日(月)18:00∼19:30
基礎研究棟 3 階セミナー室
健康増進予防医学 中川秀昭教授
講師:
陣上久人教授(京都大学大学院医学研究科
大学院教育コース・コーディネーター)
日時:
平成 21 年 3 月 11 日(水) 午後 6 時
場所:
病院本館 4 階 C41 講義室
【講師紹介】
三 浦 克 之 先 生 は、1988 年
大学院教育の実質化をめざす
に 金 沢 大 学 医 学 部 を 卒 業、
自 己 啓 発 行 事 の 2 回 目 で あ る。
1993 年に同大学大学院博士
本年は、陣上先生から京都大学
課程にて学位取得。金沢医科
医学研究科における 3 年あまり
大学公衆衛生学助手、同講師、
の実質化経験を、先導的モデル
米国 Northwestern 大学客員
としてうかがった。
研究員、金沢医科大学医学部
従来の大学院教育では、一研
健康増進予防医学助教授を経
究室に閉じこもった狭く深いト
て、2008 年滋賀医科大学医学部准教授(社会医学講座
レーニングが主流だった。これ
公衆衛生学)に就任され、現在に至る。
から脱皮して、広さと深さの両
面において多彩な訓練がいかに可能となるか、その実
【主な研究分野】
循環器疾患の危険因子に関する疫学研究、栄養等生
現へ道筋が熱く提示され、また、すでに通過した道程
活習慣に関する疫学研究、生活習慣病予防のための健
が語られた。異分野メンターの果たす役割や、大家が
康教育・保健指導。
研究分野の過去と未来を語ることなど、情意面での教
育にも言及された。本学とは規模も、また研究志向の
【セミナーの内容】
NIPPON DATA( National Integrated Project
程度も異なる大学ではある。しかし、種々の取り組み
for Prospective Observation of Non-communicable
とその背景思想のいくつかは、我々の眼から鱗を剥
Disease And its Trends in the Aged )は 1980 年およ
がすに十分の意外性と迫力をもって響いた。作文と発
び 1990 年に厚生省により行われた循環器疾患基礎調
表能力の陶冶については我々も問題意識を共有してお
査の受検者という大規模な集団を対象とし、高い追跡
り、参考になりそうなコツ(tips )が得られた。なお、
率で長期に追跡していることから、日本人の実態を反
講演スライドの大部分はイントラネットで閲覧可能で
映した貴重なコホート研究である。NIPPON DATA
ある。
はこれまで、血圧、血清脂質と循環器疾患の関連、喫
本学の大学院教育も多彩化せざるを得ない。研究手
煙の循環器疾患、肺がん、余命に与える影響、ADL
法、大学院生のニーズ、および社会的要請は多様化し
低下に関連する要因など、日本人における様々なエビ
ている。社会人入学は主流化し、専門医認定も学位取
デンスを創出し続けており、これらの成果は我が国に
得より優先される。一方でこの春休みの個人的体験と
おける保健指導の現場や診療ガイドラインに活用され
して、自主的に実験する熱心な医学部学生が 2 名あら
てきている。
われ、本学に眠る研究ポテンシャルの一端を垣間見た。
教育制度よりも先に中身が進化しているのか。
【セミナーの成果】
横断調査である循環器疾患基礎調査をコホート研究
へと発展させた過程を伺うことで具体的な疫学的方法
論を学ぶことができ、また、NIPPON DATA から得
られた日本人のエビデンスをもとに循環器疾患予防に
ついての理解を深めることができ、大変有意義なセミ
ナーであった。
(健康増進予防医学 中川秀昭記)
(生理機能制御学 加藤伸郎記)
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
57
療技術の発明や、ある器官を特定の障害から保護する
産学官連携
技術、病気の予防に関する食品、ある疾患の診断支援
本学における知的財産
職務発明規程施行後 1 年半の現況
技術に関する発明など、いずれも医学研究を核とし、
人々の健康に寄与し社会に貢献しうる技術です。企業
との共同出願案件もあり、これらは相互に協力して実
用化に向けて取り組んでいきます。
特許は出願だけでは権利にならず、特許権として認
平成 19 年 10 月に「学校法人金沢医科大学職務発明
められるには数年かかります。また、これらが実用化
規程」が施行されました。産学官連携活動の推進の一
されるにはさらに別の困難も待ち受けています。まず
環として、知的財産権の取得を推奨すべく整備したも
は取りかかることから始め、その成果の一端として知
のですが、ここに施行後 1 年半の現状をお知らせしま
財の創出につながったり、地域貢献の一環として産学
す。
官連携が進められ、他機関・他業種・他者との交流が
平成 19 年度に 1 件、平成 20 年度には 3 件の特許出願
がありました。公開前の発明なので内容については詳
しく記載はできませんが、いずれも本学研究者が長年
取り組んできた課題の成果や、本学研究者が主体とな
研究成果の具現化や、新たな研究課題の創出につなが
り、良い知のサイクルが回ることが期待されます。
今後も職員の皆様方の意欲的な取り組みを待ち望ん
でいます。
(産学連携コーディネータ 増田浩子記)
って発想し、有効性を実証した発明です。将来的な医
《本学スタッフ新刊著書》
医療情報科学研究所 編集
NPO 災害人道医療支援会 編集
ビジュアルノート 第3版
災害医学
和藤幸弘 監修 (救急 L1-17 )
メディックメディア
B5 判、691 頁
定価:(本体 4,750 円+税)
2008 年 9 月 23 日発行
ISBN978-4-89632-250-7
和藤幸弘 分担執筆
(災害医学と関連領域:
11-21 頁)
南山堂
A4 判、484 頁
定価:(本体 6,800 円+税)
2009 年 3 月 1 日発行
ISBN978-4-525-41172-5
「百聞が一見になった」を主題として、医学生、看護
師、薬剤師、救急救命士を対象に、プロの漫画家のイ
ラストや図を多用して、イメージで理解して覚えるこ
日本で編集された災害医学の唯一の教科書で、日
とを主眼としている。
内科、外科、整形外科、小児科、産婦人科、耳鼻科、 本で考えられている災害医学が体系的に網羅されてい
眼科、精神科、救急の主な病態・疾患をカバーしてい る。災害時の医療の現状も理解でき、災害対応するに
(救急医学 和藤幸弘記)
る。
(救急医学 和藤幸弘記) は必読。
金沢医科大学報
58
病 院
病院の機能強化に向けて
女性総合医療センター、乳腺・内分泌外科、病理診断科、医療技術部の開設
平成 21 年 4 月 1 日付けで病院組織が改組された。
これまで医療安全対策部と感染対策室は別組織として活動してきたが、医療安全対策、感染制御対策並びに褥
瘡対策の相互の医療連携を基に、組織横断的で機動性を持った活動を行うために、これらを一元的に組織して総
合的なリスクマネジメントを実施することを目的に、病院長直轄部門として医療安全部(部長:飯塚秀明病院長)
が設置された。
また、医療技術職員を一元的に組織して効率的かつ適切な人員配置を行い、診療上必要とする各種医療技術の
提供を円滑に行って、中央診療部門等と連携することにより、患者を中心としたチーム医療の中で医療技術の有
効利用を図り、効率的な病院運営と医療技術並びに医療サービスの向上、さらに医学教育および研究に資するこ
とを目的として、臨床検査部門、診療放射線部門、心身機能回復技術部門、医療機器管理部門からなる医療技術
部(部長:栂 博久副院長)が新設された。
診療科では、乳腺・内分泌外科、病理診断科が新設され、乳腺・内分泌外科科長には野口昌邦消化器外科治療
学(消化器外科学)特任教授、病理診断科科長には湊 宏病態診断医学(臨床病理学)特任教授が任命された。
21 世紀集学的医療センターではリハビリテーションセンターが中央診療部門へ編成替えされた。また、女性
スタッフにより、女性特有の身体・精神症状を総合的に診療し、必要に応じて専門治療への導入を支援すること
で、女性患者への医療サービスを提供することを目的に女性総合医療センター
(センター長 事務取扱:松井 忍副
院長)が新設された。
(管理課 上端雅則記)
女性総合医療センター開設にあたって
21 世紀集学的医療センター長・女性総合医療センターセンター長 事務取扱 松井
忍
21 世紀集学的医療センター内に
新たに女性総合医療センターが開設される
近年、
“性差を尊重した医療”の概念が広まりつつあ
り、女性の特性を考慮した診療体制の充実が求められ
ています。そして、それを請け負う医療側が女性であ
るということにより、女性特有の身体・精神症状を総
合的に診療し、必要に応じて専門治療への導入を支援
することで、女性患者さんへ、よりわかり合える医療
が提供できると考えられています。
金沢医科大学病院では、当時循環器内科に所属して
いた赤澤純代医師が中心となり、平成 15 年より女性
外来が開設されました。 当時は全国的にも女性外来
女性総合医療センタースタッフ
を掲げる施設は珍しく、もちろん石川県では初めての
診療予約が大変取りにくい状態が続いており、その需
ものでした。平成 17 年からこの女性外来は生活習慣
要の高さがうかがわれます。
病センター内で展開されるようになり、現在に至って
おります。この間、受診患者数も右肩上がりに増加し、
このような状況から、今後、性差に特化した内科的
診療ならびに外科的診療、自律神経失調症状や更年期
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金沢医科大学報
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障害など女性特有の疾患、メンタルヘルスケア、アン
センターとして、平成 21 年 4 月 1 日より 21 世紀集学的
チエイジング等において広範囲にわたる集学的診療が
医療センター内(病院本館 2 階)に女性総合医療センタ
ますます重要視されるようになると思われます。
ーを開設しました。
また、女性医療を推進するなかで、医学部卒前・卒
当センターは、当面、女性医師による女性患者のた
後における“性差を尊重した医療”に関する教育、女
めの外来診療を中心に展開いたします。具体的には、
性医師向けの独自のキャリアパスの作成や就業支援、
毎週月曜日から土曜日までの午前中を中心に完全予約
さらには、これから必要となる女性医療のリーダーの
制で、女性特有の身体・精神症状を総合的に診療し、
育成ならびに一般市民に対する性差医療に関する啓蒙
必要に応じて各専門診療科の女性外来担当医へ紹介す
活動など、多くの分野で大学病院の果たすべき役割は
る形で進めていきます。 大きいと考えます。
診療体制が整い次第、徐々に、性差医療に関する教
このような現状に鑑み、金沢医科大学病院では、女
育や啓蒙活動、女性医師の支援に積極的に参画してい
性医師による女性患者への集学的かつ高度な医療の提
く予定にしておりますが、その経過の中で、大学関係
供、医学生や各種医療職に対する“性差を尊重した医
者、とくに金沢医科大学女性医師の会「水月会」の会
療”に関する教育、女性医師へのキャリアの形成・就
員の方々のご理解とご協力が必要不可欠であります。
業支援、性差医療に関する啓蒙活動のための核となる
絶大なるご支援をお願いいたします。 乳腺・内分泌外科開設にあたって
ご承知のように乳癌は現在、日本女性が最もかかり
乳腺・内分泌外科 科長 野口
昌邦
ます。
やすい癌となっており、毎年 4 万人以上が新しく乳癌
しかし、乳癌に対しては集学
にかかり、1 万 1 千人以上が乳癌で亡くなっておりま
的なアプローチが必要であり、
す。しかし、この乳癌に対する診断や治療の進歩も著
マンモグラフィー、超音波検査、
しく、欧米では乳癌にかかる女性が依然、増加してい
MRI、針生検による診断、また、
るものの、死亡者は確実に減少しております。
手術や放射線療法だけでなく、
日本でもこの増加する乳癌に真剣に対処する必要が
化学療法、ホルモン療法、抗体
あり、質の高い診療を行うため、全国の大学病院や大
療法による全身療法、さらに患
病院では乳腺科、乳腺外科や乳腺内分泌外科が新設さ
者さんの心のケアが必要であり
れています。金沢大学附属病院でも乳腺科が発足され
ます。そのため、乳癌外科医だけでなく、形成外科医、
間もないのですが、今回、金沢医科大学病院で乳腺内
放射線科医、内科医(化学療法医)、病理医、理学療
分泌外科が新設されることになり、金沢大学附属病院
法医、精神科医、看護師など幅広い連携、協力が必要
を辞して金沢医科大学に赴任することになりました。
となります。また、乳腺内分泌外科では乳腺専門医(日
今まで乳癌外科医として乳房温存療法、乳房温存
本乳癌学会)や内分泌甲状腺専門医(日本内分泌外科
再建術、センチネルリンパ節生検、さらにラジオ波療
学会)を育成し、より質の高い乳癌と甲状腺癌の診療
法による非手術的乳房温存療法を全国的に先駆けて行
を提供できる体制を整いたいと思っております。皆様
い、“体に優しい乳癌手術”を心がけてまいりました
方のご支援ご指導ご鞭撻を宜しくお願い申し上げま
が、今後もそれらをさらに発展させたいと思っており
す。
【病院】
金沢医科大学報
病理診断科開設にあたって
60
病理診断科 科長 湊 宏
平成 21 年 4 月金沢医科大学病院に「病理診断科」が
において、病理診断科の新設は
新設されました。昨年より、
“病理診断科”が医業に関
質の高いがん診療を受けられる
して広告できる診療科となり、厚生労働省は「病理診
環境の 1 つとなるものと思われ
断科を標榜する病院は、患者が希望すれば、病理医が
ます。主治医との十分なコミュ
説明できる体制を整えるよう努めてほしい」としてお
ニケーションをとりながら、で
ります。
きる限り患者さんのニーズを満
病理診断科では組織診断、細胞診断、術中迅速診断
たすように配慮してまいりま
などを行います。病理診断科を開設することによって、
す。どうぞお気軽に受診を勧め
患者さんは本院が病理専門医を擁して病理診断を行っ
ていただきたいと思います。他
ている診療精度の高い病院であることを容易に知るこ
病院を受診している患者さんがスライドなどを持参し
とができます。さらに「病理外来」として患者さんが
てセカンドオピニオンを希望される機会も増加するか
院内で摘出された自分の組織を見ながら、病変の広が
もしれませんが、前病院での診断を巡って混乱が起こ
りや性状を診断した病理専門医から直接説明を受ける
らぬよう、患者さんへの説明に関して十分に配慮して
ことができるようになります。病状への理解が深まり、
いくつもりです。
安心して治療を受けられる患者さんが多く増えること
「病理外来」は当面予約制で、野島孝之教授と湊で
を期待しております。実際、
“病理外来 " を既に開始し
対応していく予定でおります。今後、病理診断科のあ
ている施設も全国に数施設存在し、自費診療ながら患
る北陸地方の代表的施設の 1 つとして、診療の質の向
者さんたちには好印象なようです。
上に励んで生きたいと存じます。皆様方のご支援よろ
「がん診療連携拠点病院」である金沢医科大学病院
しくお願い申し上げます。
医療技術部開設にあたって
病院の医療専門職は、医師、歯科医師、看護師の他
に、臨床検査技師、診療放射線技師等のコメディカル
あるいはパラメディカルと総称される医療技術職員で
構成されている。
医療技術部 部長 栂
博久
療サービスの向上、さらに医学教育および研究に資す
ることを目的に「医療技術部」を設置した。
医療技術部は 160 余名の医療技術職員で組織され、
臨床検査技術部門、診療放射線技術部門、心身機能回
近年の医療技術と医療水準(内容、質)の向上によ
復技術部門、医療機器管理部門の 4 部門で構成される。
り、医療技術職員の国家資格別専門職も十種類を超え、
所属する職種は、臨床検査技師、診療放射線技師、臨
さらに学会認定の専門技術職も加わり、より専門的な
床工学技士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、
技術の提供が求められている。
視能訓練士、臨床心理士、歯科衛生士、歯科技工士等
本学病院では、本年 4 月付けで医療技術職員を一元
である。
的に組織して効率的かつ適切な人員配置を行い、診療
各診療科、各診療部門並びに看護部、薬剤部等の診
上必要とする各種医療技術の提供を円滑に行って中央
療組織との連携を強化し、医療技術職員間の横の繋が
診療部門等と連携することにより、患者さまを中心と
りもこれまで以上に密にして、医療専門職としての誇
したチーム医療の中で医療技術の有効利用を図り、よ
りを持って診療および病院経営に貢献することを期待
り効率的な病院運営と医療技術並びに患者さまへの医
する。
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
厚生労働省・東海北陸厚生局・石川県による
平成 20 年度
特定共同指導
61
指導初日は、病院本館 4 階会議室において、指導者
側および本学関係者の挨拶、紹介等が行われ、引き続
き、本学病院の電子カルテシステムの概要説明を行っ
た後、4 班に分かれ外来・病棟等の「院内視察」が開始
された。
院内視察後の「個別指導」では、会場内に 7 カ所の面
談場所を設け、事前提出資料に基づき、①食事療養・
検体検査・DPC・回復期リハビリテーション・輸血
等、②感染・安全・外来化学・先進医療等、③麻酔管
理料・放射線・コンタクトレンズ検査等、④治験指導、
⑤看護指導、⑥医療事務全般、⑦施設基準等について、
それぞれ関係者へのヒアリング、書類確認等が行われ
た。
また、午後からは、指導対象となった患者 50 名の
診療内容について、当該科の主治医、保険担当医、医
特定共同指導
局長等と厚生労働省監査官数名による対面方式で診療
科毎のヒアリング、電子カルテ内容の確認等が行われ
平成 21 年 3 月 12 日(木)および 13 日(金)の両日にわ
たり、厚生労働省並びに東海北陸厚生局および石川県
た。
2 日目は、13 時 30 分から本部棟 4 階講堂において、
による社会保険医療担当者の「特定共同指導」が行わ
医師 96 名、看護師 56 名、薬剤師 16 名、放射線技師 6
れた。
名、臨床検査技師 6 名、リハビリ技師 4 名、栄養士 4 名、
この指導は、健康保険法第 73 条、船員保険法第 28
条ノ 5、国民健康保険法第 41 条および高齢者の医療の
歯科衛生士 2 名、事務職員 43 名、総勢 233 名が出席し
て「集団指導」が行われた。
確保に関する法律第 66 条の規定に基づき、開設者を
「講評」では、厚生労働省中田特別医療指導監査官
はじめとする管理者、保険医、薬剤師、看護師、請求
から、総論・各論ごとに指摘事項についての説明があ
事務担当者等が、社会保険医療において定められてい
り、今後も、引き続き保険診療の質の向上と、その適
る「保険医療機関及び保険医療養担当規則」等をさら
正化に向けて研鑽に努めてほしい旨の講評があった。
に理解し、保険診療の資質向上および適正化を図るこ
とを目的とし実施されるものである。
(管理課 上端雅則記)
【病院】
金沢医科大学報
62
言されたときには、正直驚い
第7回がん診療連携拠点病院研修会
た。 す な わ ち、1986 年 に 使
(緩和ケアセミナー)
用されていた薬剤と現在使用
できる薬剤は異なっているこ
専門性の高い緩和ケアを目指して
とから、1 )効力順に薬剤を
投与する必要はなく、少量オ
キシコドン製剤がある現代で
講師: 門田和気先生(東京北社会保険病院緩和ケア科
は、第 2 段階をスキップして
科長)
第 3 段階の強オピオイドを早
日時: 平成 21 年 1 月 15 日(木) 午後 6 時
期から投与してもよいこと、
場所: 病院新館 12 階特別会議室
門田和気先生
2 )がん疼痛治療法の基本 5 原
平成 21 年 1 月 15 日(木)、東京北社会保険病院の門
則の一つである経口投与にこ
田和気先生をお招きし、第 7 回がん診療連携拠点病院
だわる必要はなく、患者さんの状態に合わせて経口剤
研修会が開催された。門田先生は本学卒業後本学病院
や貼付剤、注射剤を使っていくのがよいこと、など
で麻酔科医として勤務していたうえ、緩和医療の構築
について明解に話をされた。一方で、現在のところ
に尽力されていたこともあり、講演前には以前の同僚
WHO 方式を凌駕するガイドラインは存在しないこと
たちとの再会を喜んでおられた。門田先生は「専門性
から、3 段階除痛ラダーに基づいた疼痛治療を行って
の高い緩和ケア」というテーマで、① WHO がん疼痛
いく必要性も説明された。また、門田先生は、がん診
治療法の問題点、②痛みと疼痛治療効果の正確な評価、
療連携拠点病院である本学病院への期待として、緩和
③均てん化における専門性とチーム医療、という3つ
ケア暫定指導医を誕生させること、緩和ケアチームと
の大きなテーマで話をされた。
して情報収集用紙の充実化など、具体的な方向性を示
がん疼痛というとまず思いつくのが、現在世界にお
唆された。
いて唯一のがん疼痛治療ガイドライン「WHO がん疼
最後に参加者からの多くの質問に丁寧に答えていた
痛治療法」である。しかし、門田先生が「1986 年に公
だき、参加者がすぐに実践に移すことができる研修は
表されたものを、現在も忠実に守る必要はない」と明
終了した。
平成 20 年度
緩和ケアチーム
オープンカンファレンス
【第 1 回】
日時: 平成 20 年 10 月 27 日(月) 午後 5 時 30 分/76 名
場所: 病院新館 12 階特別会議室
テーマ 1. オピオイドの誤解と副作用対策
2. 症例カンファレンス
(緩和ケア委員会 我妻孝則記)
【第 4 回】
日時: 平成 21 年 1 月 26 日(月) 午後 5 時 15 分/57 名
場所: 病院新館 12 階特別会議室
テーマ 1. 見過ごされがちながん患者の抑うつと不安
∼精神医学的側面からのアプローチ∼
2. がん医療に携わる医師に対するコミュニケ
ーション技術研修会に参加して
【第 5 回】
日時: 平成 21 年 2 月 23 日(月) 午後 5 時 30 分/33 名
場所: 病院新館 12 階特別会議室
テーマ 1. 話題提供と薬剤説明(ピーガード)
「適正使用
からたオピオイドの使い方」∼タイトレーシ
【第 2 回】
ョンとオピオイドローテーションを中心に∼
日時: 平成 20 年 12 月 1 日(月) 午後 6 時 30 分/76 名
2. 事例検討会
場所: 病院新館 12 階大会議室
テーマ 1. 簡便・安全・満足を目指した注射用モルヒ 【第 6 回】
日時: 平成 21 年 3 月 9 日(月) 午後 5 時 30 分/37 名
ネ製剤の使い方
2. 平成 20 年がん診療連携拠点病院緩和ケアチ 場所: 新館 12 階大会議室
テーマ 1. 話題提供と薬剤説明会(パキシル)
「がん患
ーム研修会に参加して
者さんの不安とうつ」
【第 3 回】
2. 事例検討会
日時: 平成 20 年 12 月 22 日(月) 午後 5 時 30 分/40 名
場所: 病院新館 12 階大会議室
テーマ 1. すぐに現場で使えるアセスメント法 とその
現状
2. 当院におけるがん患者の栄養ケア
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金沢医科大学報
63
機会となった。また、患者さ
平成 20 年度 接遇研修セミナ−
んの視点に立った接遇、病気
に対して前向きに取り組める
患者さんに好感を与える温かい
接し方とマナー
環境づくりが大切であること
を強調された。患者さんを思
い や り、 敬 意 を 抱 い て い れ
講師: 大橋美恵子先生(CC & C:コミュニケ−シ
ば、それが患者さんに伝わり
ョン・コ−チング・アンド・カラ−)
快適な気持ちで診察を受け
て い た だ く こ と が で き、 そ
日時: 平成 21 年 2 月 17 日(火)午後 5 時 30 分
れが患者さんとの信頼関係に
場所: 病院本館 4 階 C41、C42 講義室
大橋美恵子先生
もつながる。
「CS(Customer
病院医療サービス向上委員会主催による、平成 20 年
Satisfaction )」とは顧客満足
度職員接遇研修セミナーが、
「CC&C 」社の接遇インス
という意味で、これからの病院は、患者さんに満足し
トラクター大橋美恵子先生を講師に開催され、
「患者さ
ていただける病院、選んでいただける病院を目指さな
んに好感を与える温かい接し方とマナー」をテーマに、
ければならない。そのためにはまず、スタッフの満足
医師、看護師など病院関係職員 461 名が参加した。
こそが「CS 」につながるとの講演であった。
大橋先生は、
「患者中心の医療」として講演された。
病院医療サービス向上委員会では、病院職員の接遇
分かりやすい言葉で、患者さんの目線で、ゆっくり話
応対の向上を目的として、毎年、
「接遇応対」に関する
すこと、聞きやすいムードづくりなどについて、医療
研修会を開催しているほか、マナーブックの発行や接
従事者としてのマナーの考え方と基本についてお話さ
遇、待ち時間などに関する満足度調査等を行っている。
れた。また、マナーの 5 原則(挨拶・表情・態度・身
患者さんに心から満足してもらえる対応ができるよう
だしなみ・言葉遣い)について触れられ、日常的な業
委員会活動を進め、病院職員のスキルアップに貢献し
務を遂行していくうえでの留意点について再確認する
たい。
講演会
いきいきと働ける環境づくり
「FISH! 哲学」
(診療支援課 古府美知子記)
医科大学附属病院での経験をとおして進められた。そ
の中で「FISH ! 哲学」を実践するための 4 つの原理(コ
ツ)の話があった。それは、1. 遊ぶ:楽しく、遊び心
を持って自由性を発揮する、自然発生的な心の状態・
行動。2. 人を喜ばせる:相手(顧客や同僚)を喜ばせ
ることで、その喜びを分かち合う。3. 注意を向ける:
講師: 大水美名子先生(東京慈恵会医科大学附属病
院副院長・看護部長)
人が自分を必要としている瞬間を見逃さぬよう、い
日時: 平成 21 年 3 月 10 日(火)午後 5 時 30 分
ぶ:どんな一日にするかは自分次第。不機嫌な態度で
場所: 病院本館 4 階 C41 講義室
憂鬱な一日にすることも、明るく朗らかな態度で一日
を楽しくすることも自分次第である。これらの原理
つも気を配ろう。
「今」に注意を向けよう。4. 態度を選
講演は、院内外を含め 169 名の参加者の中で開催さ
(コツ)は互いにつながりをもち、人と人の関わりの
れ、冒頭のシアトルにある魚市場の活気溢れる様子の
中で医療・看護を提供していく私たちにとってはごく
映像から始まった。この市場には魚を買いに来る人だ
当たり前のことと言える。これを一人ひとりが意識し、
けでなく、市場の中で繰り広げられる「面白いこと」
実践することで生き生きとした組織に再生できる、と
「楽しいこと」を見物に来る人々で溢れ返っていた。
「FISH! 哲学」とは職場の活性化で効果を上げる一
つの概念である。先生のお話は、自分の仕事に誇りを
持ち、仕事を楽しむことで、自分の人生までも豊かに
することができるというものであり、仕事を楽しむ組
織風土をつくることが、看護のみならず病院全体の活
力を上げることにつながるということを、東京慈恵会
確たる信念の基に話され、とても学びの多い時間を過
ごすことができた。
(看護部 前野聡子記)
【病院】
金沢医科大学報
64
院内感染防止に関する教育講演会
HIV 診療の現状と患者に対する
初期対応について
−看護の立場から初期対応について−
講師: 上田幹夫先生(石川県立中央病院 血液免疫内
科部長)
山田三枝子先生(HIV 専任看護師)
日時: 平成 21 年 3 月 23 日(月) 午後 5 時 30 分
上田幹夫先生
山田三枝子先生
場所: 病院本館 C41、C42 講義室
講演では、研修会の前に全職員を対象として実施し
院内感染防止に関する教育講演会が、平成 21 年 3 月
たアンケート調査について、
「HIV/AIDS 診療の現状
23 日(月)午後 5 時 30 分から病院本館 C41、C42 講義
(北陸)
」、
「HIV 検査の現状と WHO の勧告」
、
「最近経
室において、本学病院の医師、看護師、医療技術者、
験した症例とその問題点」、
「事前質問」に大別した内
事務職員等計 451 名の出席のもとに開催された。この
容について分かりやすく説明がなされた。医療者側が、
教育講演会は、院内感染防止に関する職員教育の一環
自己の感染予防目的で患者の HIV 感染の有無を検査
として院内感染対策委員会が主催し、毎年定期的に開
することは正当ではないとのことであり、改めて患者
催されている。
の立場を十分配慮しなければならないとの認識を持っ
講演会に先立ち、感染対策室長の飯塚病院長から感
た。
染対策は病院全体で取り組まなければならない大変重
講演会の後半では山田三枝子本学病院 HIV 専任看
要な課題で、毎年厚生労働省等による医療監視におい
護師が看護の立場から医療者に必要な配慮と工夫、
ては厳しく調査を受け、この教育講演会は最も重要な
HIV 感染者の看護の目標、プライバシー保護義務等
もののひとつであるとの挨拶があった。
についての説明があった。
引き続き、飯塚病院長が座長を務め講師の上田幹夫
先生の「HIV 診療の現状と患者に対する初期対応につ
講演会後は、活発な質疑応答がなされ、講演会は盛
会裡に終了した。
(感染対策室 加富喜芳記)
いて」と題した講演が行われた。
1. 肝芽腫治療方針について
企画:小児科
キャンサーボード
【第 10 回】
日時:平成 21 年1月 26 日 ( 月) 午後6時
場所:病院新館 12 階特別会議室
検討症例
1. 多形黄色星細胞腫
2. 退形成性上衣腫
3. 髄芽腫
企画:脳神経外科
【第 11 回】
日時:平成 21 年2月 26 日(木) 午後5時 30 分
場所:放射線科医局
検討症例
【第 12 回】
日時:平成 21 年 3 月 31 日(火) 午後 6 時
場所:病院新館 12 階特別会議室
検討症例
1. 左セミノーマ、肺・脊髄転移、今後の化学療法に
ついて
1. 左腎盂癌、肺・リンパ節転移、今後の化学療法に
ついて
企画:泌尿器科
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金沢医科大学報
65
第 3 回 能登地区がん診療連携協議会
平成 20 年度
第 8 回 がん診療連携研修会
日時: 平成 21 年 3 月 14 日(土) 午後 3 時∼5 時 45 分
場所: 七尾サンライフプラザ
蜜山弘枝先生
佐藤 温先生
回の開催時期を半年後の平成 21 年 9 月頃として了承さ
れ、協議会が終了した。
午後 4 時から開催された研修会では、最初に福井県
立病院がん性疼痛看護認定看護師の蜜山弘枝氏が「が
ん性疼痛緩和に求められる看護師の役割と実践」と題
して講演した。福井県立病院では緩和ケア病棟があり、
現在緩和ケアチームの編成中とのことであった。緩和
協議会風景
ケアの基本的・具体的な内容を提示しながら、緩和ケ
アの地域普及の取り組みとして、訪問看護師教育や地
協議会には能登地区の 13 の医療機関、2 つの医師会、
および石川県看護協会から参加があり、本学病院から
域中核病院看護師のがん看護実践力向上のための研修
会開催などを紹介した。
の出席者を加えて、午後 3 時より小坂健夫教授の司会
次に昭和大学病院腫瘍内科科長の佐藤 温先生が「胃
により開催された。飯塚秀明病院長の挨拶の後、
「当
癌薬物療法の変遷から展望:実臨床現場からの報告」
院におけるがん医療の取り組みと課題」と題して、恵
と題して講演された。進行再発胃癌の治療の目的は、
寿総合病院副院長の鎌田 徹氏が石川県がん対策推進
治癒ではなく、延命と症状緩和(QOL 改善)であるこ
計画の具体的な対策と個別目標に沿って説明した。と
とを、これまでの臨床試験の成績や自験例を示しなが
くに化学療法の情報管理ソフトを駆使した取り組み
ら、分かりやすく、また聴衆の中に入って説明された。
や、近く導入される放射線治療装置が注目された。次
とくに S-1+CDDP が標準治療と認められた経緯や、2
に本学病院看護師の我妻孝則氏が「緩和ケアチームの
次治療としての CPT-11+CDDP、S-1+CPT-11 につい
現状と課題」と題して、平成 20 年度に始まった毎週の
ての第Ⅲ相臨床試験を紹介された。また胃癌に限らず、
カンファレンスとラウンド、毎月のオープンカンファ
患者の満足度にはインフォームドコンセントが重要な
レンスを紹介した。そして緩和ケアチームのビジョン
役割を担うこと、がん医療では常に「患者の視点」か
とミッションを掲げ、その中で地域連携として、緩和
ら考えること、チーム医療の中で自分の役割を果たす
ケアを「どこでも受けることができる」ように整備し
には知識・技術・こころを磨くこと、などが述べられ
たいと述べた。意見交換では、今後は協議会へのオブ
た。
ザーバーの参加を認めてほしいとの要望があった。次
(集学的がん治療センター 元雄良治記)
【病院】
金沢医科大学報
66
研修医の頁
平成 20 年度
臨床研修修了証交付式
平成 20 年度臨床研修医の臨床研修修了証交付式が、
平成 21 年 3 月 23 日(月)午後 2 時より病院新館 12 階大
会議室において行われた。
今年度の臨床研修修了者は 23 名(歯科医師 1 名を含
む)で、飯塚秀明病院長から修了証が授与されたあと、
「2 年間の初期臨床研修で色々な経験が出来たが、今
は歩き始めたところである。2 年間一緒に過ごした同
飯塚秀明病院長から研修修了証が手渡される
期の先生と共に患者さんのために良医になって頂きた
なお、医師 19 名、歯科医師 1 名が引き続き本学病院
い。そして今後は後輩と一緒に学び医師として力を付
けていって頂きたい。」との言葉があった。引き続き
で後期研修を行うことになっている。
(臨床研修センター 高崎正輝記)
横山仁臨床研修管理委員長からも新たなスタートへの
お祝いの言葉があった。
講演終了後、飯塚秀明病院長の「建学の精神を念頭
平成 21 年度 臨床研修医ワークショップ
テーマ:
に、医療の専門職としての責任と誇りを持ち、専門職
同士尊重し合い、組織人としての帰属意識を持って医
医療面接技法
療にあたっていただきたい」との挨拶の後、オリエン
テーションが行われ、望月 隆臨床研修センター部長
平成 21 年度採用の研修医を対象としたワークショ
ップが、
「医療面接技法」をテーマとして、いこいの村
からこのワークショップの意義と目的について説明が
あった。
ワークショップは、参加者が 4 グループに分かれて
能登半島(志賀町)において平成 21 年 4 月 11 日(土)
、
12 日(日)に実施され、研修医 18 名が参加した。
模擬患者に対する医療面接を行い、グループ討議によ
今回は金沢医科大学名誉教授津川龍三先生を講師に
り医療面接技法上の問題点を整理して問題解決の方策
迎え、
「人間として、医師として−卒後研修のために
を考え、結果を発表するという形で進められ、全体討
−」というテーマで講演をしていただいた。医師の仕
議を通じて医療面接技法に関する問題点が掘り下げら
事の進め方、外来のあり方、問診の要領、患者さんと
れ、臨床への理解が深められた。
引き続き行われた研修医との懇親会の席上、横山
の会話など、人間として医師としての心構えを、長い
臨床経験を交えてお話しをされ、最後に「志を持って
仁臨床研修管理委員長からワークショップの総評と
未来の医学を開拓する若者、スーパー総合医、スーパ
「今回参加された研修医の皆さんが良医として活躍す
ー専門医、基礎医学研究者となり、質の高い医療を目
ることを期待します」との言葉が述べられた。
指してほしい」という言葉で締めくくられた 。
津川龍三先生
ワークショップ:医療面接
(臨床研修センター 高崎正輝記)
発表会
第 138 号/ 2009.5
金沢医科大学報
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研修医の頁
臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会)
第 28 回、 第 29 回 臨 床 研 修 医 の た め の CPC が、
病院本館 4 階臨床研修センターカンファレンスル
症例 2 胸痛を主訴に来院した 1 例 80 才代女性
臨床提示
第 28 回 CPC 平成 21 年 1 月 21 日(水) 17:30
画像解説
高野信太郎
富田泰斗
藤林幸輔
谷口 充
症例 1 乳腺腫瘍の 1 例 50 才代女性 病理提示
司 会 者
尾山 武
山谷秀喜
ームにおいて以下のとおり行われた。
臨床提示
画像解説
病理提示
司 会 者
木原弘晶
横井美樹
臨床研修センター研修医
消化器外科治療学(消化器外
科学)
谷口 充
放射線診断治療学(放射線医学)
木下英理子 病態診断医学(臨床病理学)
島崎猛夫
腫瘍内科学 副司会者・ミニレクチャー
嶋田貴充 臨床研修センター研修医 テーマ 「乳癌」
臨床研修センター研修医
臨床研修センター研修医
循環制御学(循環器内科学)
放射線診断治療学(放射線
医学)
腫瘍病理学(病理学Ⅰ) 腎機能治療学(腎臓内科学)
副司会者・ミニレクチャー 常山奈央 臨床研修センター研修医
テーマ 「胸痛」
〈症例の概要〉
食欲不振を主訴に近医を受診したが、全身倦怠
感、胸痛、発熱、呼吸困難感を認め、救急搬送さ
れた症例。エコーからは前壁中隔の陳旧性、ある
いは亜急性心筋梗塞が疑われた。その後、心不全
の悪化、脱水傾向、呼吸不全、腎機能の増悪、肝
機能異常も認めるようになり、死亡した。病理所
見としては、心筋に線維化と、小さい梗塞巣の多
発を認め、慢性心不全の増悪があったと思われた。
肝臓はうっ血、中心静脈周囲の線維化・肥厚を認
め、薬剤性か何らかの原因による肝炎、肝硬変の
所見も認めた。腎臓には腎硬化症、黄疸腎、腎盂
腎炎の所見を認めた。質疑応答では、何を鑑別診
断に挙げ、異常検査値をどう解釈し、画像所見を
〈症例の概要〉
右乳癌に対し乳房温存術+腋窩リンパ節郭清術
を施行され、術後放射線治療を行った症例。肺転
移が見つかり、化学療法を開始した。その後、脳
転移もきたし、腫瘍摘出術及び全脳照射がなされ
た。退院後、嗄声、胸水貯留、肺炎が出現し、呼
吸状態が悪化した。気管内挿管・人工呼吸管理を
どう評価したのか、肝の線維化とうっ血をどう評
価すべきか等、様々な視点から論議がなされた。
第 29 回 CPC 平成 21 年 3 月 18 日(水) 17:30
症例 1 不幸な転帰を辿った高齢者胃癌の 1 例
90 才代男性 臨床提示
神山幸浩
大場 大
画像解説
病理提示
司 会 者
谷口 充
上田善道
尾崎一晶
行い、抗生剤を投与するも徐々に状態は悪化し、
永眠された。質疑応答では、経過中、右中葉に腫
瘤が出現し、胸水が増加していった理由について
議論がなされ、転移性乳癌の可能性、原発性肺癌
の可能性、薬剤の副作用による可能性が考えられ
た。病理の提示にて、肺腫瘍は乳癌転移であるこ
とが判明した。また、胸水の貯留・増悪による呼
吸不全が死因であると推察された。
臨床研修センター研修医
消化器外科治療学(消化器外
科学)
放射線診断治療学(放射線医学)
病理病態学(病理学Ⅱ)
消化器機能治療学(消化器内
科学)
副司会者・ミニレクチャー
東川俊寛 臨床研修センター研修医 テーマ 「胃癌」
【病院】
金沢医科大学報
68
研修医の頁
〈症例の概要〉
超高齢者における進行胃癌症例で、積極的な加
療は行わず、輸血やアルブミン投与などの対症療
法が選択された。経過観察中、慢性硬膜下血腫内
に急性硬膜下血腫を併発したため、ふらつきと転
倒との因果関係が論点となった。最終的に肺炎と
胸水貯留を併発し、永眠された。病理組織学的に
は微小乳頭状配列が目立つ腺癌であり、その予後
との関係が考察された。また、進行胃癌の自然史
をみる上でも、大変貴重な症例と思われた。
症例 2 縦隔炎の 1 例 50 才代男性
臨床提示 永井貴子
金子貴芳
佐川元保
画像解説 谷口 充
病理提示 村田有理子
佐藤勝明
司 会 者 古屋圭介
〈症例の概要〉 既往歴に、コントロール不良な糖尿病がある症
臨床研修センター研修医
例で、坐骨部の褥瘡に対し、デブリードマン手術
機能再建外科学(形成外科学)
呼吸機能治療学(呼吸器外科学)
放射線診断治療学 ( 放射線医学)
臨床研修センター研修医
病理病態学(病理学Ⅱ) 内分泌代謝制御学(内分泌内
科学)
がなされた。術後、突然の低酸素血症と頚部腫脹
副司会者・ミニレクチャー 水野宅郎 臨床研修センター研修医
テーマ 「下降性壊死性縦隔炎」
第 30 回 臨床研修医のための CPC
日 時: 平成 21 年 5 月 20 日(水)
17 時 30 分から
場 所: 研修センターカンファレンスルーム
研修医には出席が義務づけられていますが、研
修医以外の先生、学生諸君にも広く開かれていま
すので、奮ってご出席ください。
(病態診断医学 黒瀬 望記)
がみられた。CT にて深部頚部膿瘍に伴う下降性壊
死性縦隔炎と診断され、縦隔ドレナージがなされ
たが、改善なく、永眠された。病理学・組織学的に、
頚部組織内に、細菌と真菌の混合感染が認められ
た。糖尿病による易感染性、低栄養状態が感染の
遠因となったと考えられたが、頸部膿瘍の原因は
そもそも何であったのかは分からなかった。しか
し、我々は頚部の腫脹が見られた場合、まずこの
疾患を疑うことが重要であるということを学んだ。
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
69
トピックス
能登北部医療圏 遠隔医療・地域医療連携システム −本学と公立穴水総合病院との遠隔医療への取り組み−
金沢医科大学病院 遠隔医療プロジェクトチーム
医療情報部・集学的がん治療センター講師
島崎 猛夫
医師不足が全国的に問題となっている中で、石川
リットがある。
県においても医師不足は例外ではない。能登地区の
透析療法の管理に関しては、現在、週 3∼4 回腎臓
医師不足をカバーする試みとして、金沢医科大学病
内科専門医が本学から派遣されているが、専門医不
院が今年から導入するのが、インターネットテレビ
在日であっても、テレビ会議システムを利用して透
会議のシステムを使って行う「遠隔医療システム」で
析に関する支援業務を行うことができ、現在浅香充
ある。総務省の「能登北部医療圏における遠隔医療・
宏准教授を中心に支援業務が行われている。
地域医療連携モデル事業 - 地域 ICT(Information &
医療水準の向上と安心を提供するこのテレビ会議
Communication Technology )利活用モデル構築事業
システムは、ボタンを押すだけでつながり、モニタ
/遠隔医療モデルプロジェクト」に採択され、公立
ー画面に双方の様子が映し出され、電話のように会
穴水総合病院をモデルに運用を始める。具体的には、
話ができる。ICT を活用した金沢医科大学病院の「バ
がん相談と化学療法支援、透析療法の管理を行う。
ーチャル出張診療」とも言え、今後能登地区の各病
がん相談は、元雄良治集学的がん治療センター長
院に普及していけば、患者さんは自宅近くの病院で、
や同センター医師が、事前予約制でがんに関する種々
その病院が専門外とする分野であっても、質の高い
の相談を患者さんや家族から受ける。
医療サービスが受けられる。能登地区全体をカバー
化学療法支援は、公立穴水総合病院の医師が化学
する地域がん診療連携拠点病院として金沢医科大学
療法を専門外としているため、化学療法施行中の患
病院がさらに機能することが期待される。また、将
者さんの血液検査や抗がん剤点滴針の抜針などを、
来的には本システムを応用して、能登地区の各病院
テレビ会議システムを使って集学的がん治療センタ
間や、能登地区と金沢地区の病院がそれぞれの得意
ー医師が指導する。公立穴水総合病院の医師にとっ
分野に応じた内容で連携することにより、お互いに
ては本学の化学療法専門医のアドバイスを受けて治
カバーしあうネットワークの構築も可能であり、我々
療できることにより安心感が生まれ、患者さんにと
はそれを願っている。
っては身近な病院の診察室に置かれたモニター画面
を通して大学病院の専門医にも診断を受けられるメ
“すべては、患者さんのために”第一歩を踏み出し
たこところである。
テレビ会議システムを利用した テレコンサルテーション
がん相談や透析管理の支援を実現
実際の風景
金沢医科大学報
70
図書館
新着図書の紹介( 2008.12 ∼ 2009.3 )
書名/出版社/出版年/請求記号の順で記載
学生用指定図書
(洋書)
TOEIC テスト新公式問題集 2-3/国際ビジネスコミュニケ
ーション協会 TOEIC 運営委員会 / 国際コミュニケー
ションズ・スクール(発売)/2007/830
Fundamental neuroscience 3rd ed/Academic Press/2008/
WL102
Ocular pathology 6th ed/MosbyElsevier/2009/WW140
(和書)
古代から中世へ(岩波新書 : 新赤版 1007. 西洋哲学史)/岩
波書店/2006/130
近代から現代へ(岩波新書 : 新赤版 1008. 西洋哲学史)/岩
波書店/2006/130
哲学の饗宴 : ソクラテス・プラトン・アリストテレス
(NHK ライブラリー:158 )/日本放送出版協会/2003
/131
理系総合のための生命科学 : 分子・細胞・個体から知る
“生命”のしくみ/羊土社/2007/460
エッセンシャル発生生物学 改訂第 2 版/羊土社/2007/
463.8
生化学(大学への橋渡し)/化学同人/2007/464
現代文の朗読術入門(あなたを磨く話しことば)/日本放
送出版協会/2000/809.4
現代文の朗読術 実践編/日本放送出版協会/2004/809.4
敬語レッスン(あなたを磨く話しことば)/日本放送出版
協会/2000/815
ケーブ・ベアの一族 上、下(エイラ : 地上の旅人 :1-2 )/
ホーム社 / 集英社(発売)/2004/933
母なる大地父なる空 上、下(アリューシャン黙示録[
: 第1
部])/晶文社/1995/933
姉なる月 上、下(アリューシャン黙示録 : 第 2 部)/晶文
社/1996/933
兄なる風 上、下(アリューシャン黙示録 : 第 3 部)/晶文
社/1997/933
氷河人バル・ベス/パピルス/1997/943
ストライヤー生化学 第 6 版/東京化学同人/2008/QU4
分子細胞生物学辞典 第 2 版/東京化学同人/2008/QU13
国民健康・栄養の現状 : 平成 17 年厚生労働省国民健康・
栄養調査報告より/第一出版/2008/QU146
免疫学コア講義 改訂 2 版/南山堂/2007/QW504
寄生と共生/東海大学出版会/2008/QX4
生殖補助医療(生命倫理と法 : 基本資料集 :3 )/信山社/
2008/W50
食事指導の ABC 改訂第 3 版(生涯教育シリーズ)/日本医
師会 / 日本医事新報社(発売)/2008/WB400
心臓弁膜症の外科 第 3 版/医学書院/2007/WG260
EBM に基づく胃潰瘍診療ガイドライン Q&A/じほう/
2008/WI360
肝硬変のマネジメント(マネジメントシリーズ)/医薬ジ
ャーナル社/2007/WI725
外傷初期診療ガイドライン : JATEC 改訂第 3 版/へるす
出版/2008/WO700
産科婦人科用語集・用語解説集 改訂 2 版/金原出版/
2008/WP15
高齢者総合的機能評価ガイドライン/厚生科学研究所/
2003/WT141
一般教養図書
(洋書)
The Europa world of learning 59th ed. : 2009,1-2/Routledge
/2008/60
The Cambridge handbook of age and ageing : pbk/Cambridge
University Press/2005/367.9
Mindfulness-based elder care : a CAM model for frail elders
and their caregivers : pbk./Springer/2008/369.26
Love and limits in and out of child care : what your child care
provider and your pediatrician want you to know : pbk/
Johns Hopkins University Press/2008/599
(和書)
公共図書館員のための消費者健康情報提供ガイド(JLA 図
書館実践シリーズ :6 )/日本図書館協会/2007/15
死と身体 : コミュニケーションの磁場(シリーズケアをひ
らく)/医学書院/2008/114.2
西洋哲学史 : 理性の運命と可能性 第 2 版/昭和堂/2003
/130
有斐閣経済辞典 第 4 版第 2 刷(補訂)/有斐閣/2002/
330.3
ス モ ー ル イ ズ ビ ュ ー テ ィ フ ル 再 論( 講 談 社 学 術 文 庫
:1425 )/講談社/2007/330.4
福祉の経済学 : 21 世紀の年金・医療・失業・介護/光生
館/2007/364
日本の社会保障(岩波新書 : 新赤版 598 )/岩波書店/
2007/364
消費者市民社会への展望 : ゆとりと成熟した社会構築に
向けて(国民生活白書 : 平成 20 年版)/時事画報社/
2009/365.5
青少年白書 : 青少年問題の現状と対策 平成 20 年版/大蔵
省印刷局/2008/367.6
日本の貧困研究/東京大学出版会/2006/368.2
ケアマネジャーのための家族ケア(コミュニティケア双
書 :4 )/日本看護協会出版会/2002/369.26
保健医療福祉システム入門/医学書院/2004/369.9
PBL 判断能力を高める主体的学習 : Problem-based learning
/医学書院/2007/377.15
文化人類学 カレッジ版第 2 版/医学書院/2006/389
生命科学入門/東京教学社/2008/460
子どもって…ね : 子育ては子どもとおとなの知恵くらべ
/エイデル研究所/2005/599
現代文の朗読術 実践編/日本放送出版協会/2006/809.4
中日辞典 : 新語・情報篇/小学館/2008/823
カラダについて英語で話す本/語研/2006/837.8
基礎医学図書
(洋書)
Developmental biology 8th ed/Sinauer Associates/2006/
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
QS604
FRET and FLIM techniques hbk(Laboratory techniques in biochemistry and molecular biology:v. 33 )/Elsevier/2009
/QU25
Protein engineering( Nucleic acids and molecular biology:v.
22 )/Springer/2009/QU58
Molecular biology of neuropsychiatric disorders(Nucleic acids
and molecular biology:v. 23 )/Springer/2009/QU58
Roitt's essential immunology 11th ed/Blackwell Publishing/
2008/QW504
McGraw-Hill's manual of laboratory & diagnostic tests : pbk/
McGraw-Hill Medical/2008/QY25
Cancer care for adolescents and young adults : pbk/Blackwell
/2008/QZ275
(和書)
解剖生理学 第 2 版(ナーシング・グラフィカ :1 人体の構
造と機能)/メディカ出版/2008/QS4
生化学(よくわかる専門基礎講座)/金原出版/2008/
QU4
臨床薬理学(ナーシング・グラフィカ :4 疾病の成り立ち)
/メディカ出版/2007/QV4
薬理学(よくわかる専門基礎講座)/金原出版/2006/
QV4
コメディカルのための薬理学/朝倉書店/2008/QV4
薬理学 : 疾病の成り立ちと回復の促進/医歯薬出版/
2007/QV4
薬理学 改訂 2 版(新クイックマスター)/医学芸術社/
2008/QV4
生体防御機能障害(ナーシング・グラフィカ :12 健康の回
復と看護)/メディカ出版/2008/QW504
臨床病態学 1-3/ヌーヴェルヒロカワ/2008/QY4
講義録腫瘍学/メジカルビュー社/2009/QZ200
抗がん剤の血管外漏出の予防・早期発見・対処 2009 年版
(外来がん化学療法看護ガイドライン :1 )/金原出版
/2009/QZ267
臨床病理・病態学(ナーシング・グラフィカ :3 疾病の成
り立ち)/メディカ出版/2008/QZ4
臨床医学図書
(洋書)
Introduction to research in the health sciences 5th ed/
Churchill Livingstone/Elsevier/2008/W20.5
Legal and ethical issues in health occupations 2nd ed/
Saunders/Elsevier/2009/W32.5
Pocket guide to cultural health assessment 4th ed( Mosby's
pocket guide series )/Mosby/2008/W49
Narrative medicine : honoring the stories of illness/Oxford
University Press/2006/W62
How to write a guideline from start to finish : a handbook for
healthcare professionals/Churchill Livingstone/Elsevier
/2008/W80
Health professionals style manual/Springer Pub./2007/
W80
Mentoring and supervision in healthcare : pbk/SAGE/2008
/WA100
Health promotion and aging : practical applications for health
pro-fessionals 4th ed :[hard ]/Springer Pub./2007/
WA108
Leadership in health care : pbk/SAGE/2008/WA525
Community mental health care : a practical guide to outdoor
71
psychiatry/Churchill Livingstone/Elsevier/2008/
WA546
Diagnostic tests made incredibly easy! 2nd ed/Wolters
Kluwer Hearth/Lippincott Williams & Wilkins/2009/
WB18.2
Physical examination & health assessment 5th ed/Saunders/
Elsevier/2008/WB205
The Washington Manual of medical therapeutics 32nd ed spiral
b.(Lip-pincott Williams & Wilkins spiral manual )/Lippincott Williams & Wilkins/2007/WB300
Infection prevention and control : pbk(Essential clinical skills
for nurses )/Blackwell Pub./2007/WC195
Coronary radiology 4th ed( Medical radiology : diagnostic
imaging and radi-ation oncology. Diagnostic imaging )/
Springer/2009/WG300
Japanese classification of colorectal carcinoma 2nd English
ed./Kanehara & Co./2009/WI435
Inflammatory diseases of the brain( Medical radiology :
diagnostic imaging and radiation oncology. Diagnostic
imaging )/Springer/2009/WL351
Opioids in cancer pain pbk.(Oxford pain management library )
/Oxford University Press/2007/WL704
Managing chronic pain : a cognitive-behavioral therapy
approach : work-book(Treat-ments that work )/Oxford
University Press/2007/WL704
Living and dying with dementia : dialogues about palliative
care/Oxford University Press/2008/WM220
Competence assessment in dementia : hard/Springer/2008
/WM220
Pain and chemical dependency/Oxford University Press/
2008/WM270
Care planning in mental health : promoting recovery : pbk./
Blackwell/2008/WM30
Medical psychiatry : the quick reference : pbk/Wolters
Kluwer/Lippincott Williams & Wilkins/2008/WM35
Breaking the silence : mental health professionals disclose their
personal and family experiences of mental illness : cloth/
Oxford University Press/2008/WM40
Imaging in percutaneous musculoskeletal interventions
(Medical radiology : diagnostic imaging and radiation oncology. Diagnostic imaging )/Springer/2009/WN100
MRI of the lung(Medical radi-ology : diagnostic imaging and
radiation oncology. Diagnostic imaging ) /Springer/
2009/WN100
Integrated cardiothoracic imaging with MDCT( Medical
radiology : diagnostic imaging and radiation oncology.
Diagnostic imaging )/Springer/2009/WN100
LENT cancer survivorship research and education : late effects
on normal tissues(Medical radiology : diagnostic imaging
and radiation oncology. Radiation oncology. CURED:2 )
/Springer/2008/WN100
Primary optic nerve sheath meningioma( Medical radiology
: diagnostic imaging and radiation oncology. Radiation
oncology )/Springer/2008/WN100
Imaging pelvic floor disorders 2nd rev. ed.(Medical radiology
: diagnostic imaging and radiation oncology. Diagnostic
imaging )/Springer/2008/WN100
Radiation oncology : an evidence-based approach( Medical
radiology : diagnostic imaging and radiation oncology.
Radiation oncology )/Springer/2008/WN100
Multislice CT 3rd reved( Medical radiology : diagnostic
【図書館】
金沢医科大学報
imaging and radiation oncology. Diagnostic imaging )/
Springer/2009/WN206
Williams obstetrics 22nd ed/McGraw-Hill/2005/WQ100
Maye's midwifery : a textbook for midwives 13th ed/Bailliere
Tindall/2008/WQ160
Knobil and Neill's Physiology of reproduction 3rd ed v. 1/
Elsevier Academic Press/2006/WQ205
Encyclopedia of infant and early childhood development v. 1/
Elsevier/Academic Press/2008/WS13
Introduction to the anatomy and physiology of children : a
guide for students of nursing, child care, and health 2nd ed
: pbk/Routledge/2008/WS103
From birth to five years : children's developmental progress 3rd
ed/Routledge/2009/WS105
Caring for children with complex needs in the community pbk.
: alk. paper/Blackwell Pub./2008/WS107
Gerontological home health care : a guide for the social work
practitioner : pbk/Columbia University Press/2008
/WT30
No place like home : domiciliary care services for older people
in Ireland/Liffey Press/2006/WT30
Pain in older people(Oxford pain management library )/Oxford University Press/2007/WT100
Lecture notes, Elderly care medicine 7th ed : pbk/Blackwell
/2008/WT100
Handbook of the psychology of aging 6th ed : casebound(The
handbooks of aging )/Elsevier Academic Press/2006/
WT150
Group activities with older adults/Speechmark/2007/
WT166
Minding the body : workbook(Treatments that work )/Oxford University Press/2008/WT500
Clinical ophthalmology : a systematic approach 6th ed/
Butterworth-Heinemann/2007/WW140
Capturing nursing history : a guide to historical methods in
research/Springer Pub./2008/WY11.1
Nursing in today's world : trends, issues, & management 9th ed
/Wolters Kluwer Health/Lippincott Williams & Wilkins
/2008/WY16
NCLEX-RN : strategies for the registered nursing licensing
exam 2008-2009 ed/Kaplan Pub./2008/WY18.2
Straight A's in pediatric nursing 2nd ed/Lippincott Williams
& Wilkins/2008/WY18.2
Intrapartum management modules : a perinatal education
program 4th ed : pbk/Wolters Kluwer/Lippincott
Williams & Wilkins/2009/WY18.2
Nursing research : methods, and critical appraisal for evidencebased practice 6th ed/Mosby/2006/WY20.5
Nursing research : generating and assessing evidence for
nursing practice 8th ed/Wolters Kluwer Health/
Lippincott Williams & Wilkins/2008/WY20.5
Advanced design in nursing research 2nd ed./Sage
Publications/1998/WY20.5
Study guide for nursing research : methods and critical
appraisal for evidence-based practice 6th ed/Mosby/
2006/WY20.5
Nursing research : designs and methods : pbk./Churchill
Livingstone/Elsevier/2008/WY20.5
Patients' rights, law and ethics for nurses : a practical guide/
Hodder Arnold/2008/WY33
Nursing law and ethics 3rd ed : pbk/Blackwell Pub./2007/
72
WY33
Ethics in nursing practice : a guide to ethical decision making
3rd ed : pbk./Blackwell/2008/WY85
Ethical decision making in nursing and healthcare : the
symphonological approach 4th ed pbk./Springer Pub.
Co./2008/WY85
The philosophy of nurse education : pbk/Palgrave Macmillan
/2007/WY86
Middle range theories : application to nursing research 2nd
ed alk. paper/Lippincott Williams & Wilkins/2009/
WY86
Perspectives on nursing theory 5th ed/Wolters Kluwer/
Lippincott Williams & Wilkins/2009/WY86
Communication in nursing 6th ed pbk. : alk. paper/Mosby/
Elsevier/2008/WY87
Psychosocial nursing for general patient care 3rd ed/F.A.
Davis/2008/WY87
Nurse's toolbook for promoting wellness : pbk/McGraw-Hill
Medical/2008/WY87
Fundamentals of nursing 7th ed./Elsevier Mosby/2009/
WY100
Procedure checklists for Craven and Hirnle's fundamentals
of nursing : human health and function 6th ed/Wolters
Kluwer Health/Lippincott Williams & Wilkins/2009/
WY100
Evidence-based nursing : an introduction : pbk./Blackwell
Pub./2008/WY100
All-in-one care planning resource : medical-surgical, pediatric,
maternity, and psychiatric nursing care plans 2nd ed./
Mosby/Elsevier/2008/WY100
Critical thinking and clinical judgment : a practical approach to
outcome-focused thinking 4th ed/Saunders/Elsevier/
2009/WY100.4
Evaluating signs & symptoms : nursing know-how/Wolters
Kluwer Health/Lippincott Williams & Wilkins/2009/
WY100.4
Budgeting concepts for nurse managers 4th ed/Saunders
Elsevier/2008/WY105
Leadership roles and management functions in nursing : theory
and application 6th ed/Wolters Kluwer/Lippincott
Williams & Wilkins Health/2009/WY105
Guide to nursing management and leadership 8th ed : pbk./
Mosby Elsevier/2009/WY105
The nurse executive : the four principles of management : pbk
/Springer Pub./2008/WY105
Manual of school health : a handbook for school nurses,
educators, and health professionals 3rd ed : pbk/Saunders
Elsevier/2009/WY113
Providing support at home for children and young people who
have complex health needs : pbk/John Wiley & Sons/
2008/WY115
Ethical issues in home health care 2nd ed : hard/Charles C.
Thomas/2008/WY115
Essential nursing skills 3rd ed : pbk(Essential skills for nurses
series )/Mosby Elsevier/2008/WY150
Dementia care nursing : promoting well-being in people with
dementia and their families : pbk/Palgrave Macmillan/
2008/WY152
Bathing without a battle : personal-directed care of individuals
with dementia 2nd ed : pbk( Springer series on geriatric
nursing )/Springer Pub./2008/WY152
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
Toward healthy aging : human needs and nursing response 7th
ed : hardcover/Mosby/Elsevier/2008/WY152
Eldercare technology for clinical practitioners : hrd( Aging
medicine )/Humana Press/2008/WY152
Palliative nursing : bringing comfort and hope 2nd ed/
Bailli?re Tindall/2007/WY152
Nursing for wellness in older adults 5th ed/Wolters Kluwer
Health/Lippincott Williams & Wilkins/2009/WY152
Leadership and management skills for long-term care : pbk/
Springer Pub./2008/WY152
Cancer in children and young people : acute nursing care : pbk
(Wiley series in nursing )/John Wiley & Sons/2008/
WY156
Maternal-neonatal nursing made incredibly easy! 2nd ed/
Wolters Kluwer Health/Lippincott Williams & Wilkins/
2008/WY157.3
Maternal-neonatal nursing in a flash : pbk. : alk. paper(Nursing in a flash pock-etbooks )/Wolters Kluwer/Lippincott
Williams & Wilkins/2009/WY157.3
Broadribb's introductory pediatric nursing 7th ed. : pbk.
(Lippin-cott's practical nursing ) /Philadelphia/Wolters
Kluwer/Lippincott Williams & Wilkins/2008/WY159
Essentials of pediatric nursing : hbk/Lippincott Williams &
Wilkins/2008/WY159
Mosby's pediatric nursing reference 6th ed pbk. : alk. paper/
Mosby/Elsevier/2008/WY159
Nursing care of children and young people with chronic illness
: pbk/Blackwell/2007/WY159
Psychiatric nursing : contemporary practice 4th ed/Wolters
Kluwer Health/Lippincott Williams & Wilkins/2008/
WY160
Psychiatric mental health nursing 4th ed/Mosby Elsevier/
2008/WY160
Psychiatric nursing 5th ed/Mosby Elsevier/2007/WY160
Foundations of psychiatric mental health nursing : a clinical
approach 5th ed/Saunders/2006/WY160
Psychiatric mental health nursing 4th ed/Lippincott Williams
& Wilkins/2008/WY160
Oxford handbook of mental health nursing : flexi( Oxford
handbooks in nursing )/Oxford University Press/2007
/WY160
Partnerships in community mental health nursing and dementia
care : practice perspectives : pbk/Open University Press
/2007/WY160
Older people and mental health nursing : a handbook of care :
pbk. : alk. paper/Blackwell/2007/WY160
Psychotherapy for the advanced practice psychiatric nurse/
Mosby Elsevier/2008/WY160
(和書)
医学書院医学大辞典 第 2 版/医学書院/2009/W13
実践医事法学 増補新訂版/金原出版/2008/W32.5
より安全な医療を求めて : 医療安全に関するエビデン
ス・レポート(医療安全ハンドブック :3 )/メヂカル
フレンド社/2003/W44
医療安全管理の進め方(医療安全ハンドブック :1 )/メヂ
カルフレンド社/2006/W44
入門医療経済学 :「いのち」と効率の両立を求めて(中公
新書 :1851 )/中央公論新社/2006/W74
臨床疫学 : EBM 実践のための必須知識 第 2 版/メディ
カル・サイエンス・インターナショナル/2006/
WA105
73
やさしい保健統計学 改訂第 4 版/南江堂/2007/WA950
血液(病気がみえる :v. 5 )/Medic Media/2008/WB100
今日の治療指針 : 私はこう治療している 2009 年版 v.(51 )
/医学書院/2009/WB100
ダイナミックメディシン 1-7/西村書店/2003/WB102
ダイナミックメディシン 別巻/西村書店/2003/WB102
Annual Review 消化器 2009/中外医学社/2009/WB115
Annual Review 呼吸器 2009/中外医学社/2009/WB115
Annual Review 糖尿病・代謝・内分泌 2009/中外医学社
/2009/WB115
Annual Review 神経 2009/中外医学社/2009/WB115
Annual Review 循環器 2009/中外医学社/2009/WB115
Annual Review 血液 2009/中外医学社/2009/WB115
Annual Review 腎臓 2009/中外医学社/2009/WB115
新臨床内科学 第 9 版/医学書院/2009/WB115
全科に必要な栄養管理 Q&A : 初歩的な知識から NST の実
際まで 改訂版(ナーシングケア Q&A:20. Nursing care
Q&A )/総合医学社/2008/WB400
レジデントのための感染症診療マニュアル 第 2 版/医学
書院/2008/WC100
臨 床・ 病 理 縦 隔 腫 瘍 取 扱 い 規 約 / 金 原 出 版 /2009/
WF900
NIPPON DATA からみた循環器疾患のエビデンス/日本
医事新報社/2008/WG100
講義録血液・造血器疾患学/メジカルビュー社/2008/
WH100
GIST 診療ガイドライン 第 2 版/金原出版/2008/WI149
大 腸 癌 取 扱 い 規 約 第 7 版 補 訂 版 / 金 原 出 版 /2009/
WI435
大腸がん標準化学療法の実際 : 分子標的薬の臨床導入 改
訂第 2 版/金原出版/2009/WI529
精神医学テキスト 第 6 版/医学出版社/2006/WM100
レナードの朝(サックス・コレクション)/晶文社/1997
/WM9
人間の性・生殖 第 3 版(助産学大系 :2 )/日本看護協会出
版会/2008/WQ160
科学的根拠に基づく口腔癌診療ガイドライン 2009 年度版
/金原出版/2009/WU280
アレルギー : 膠原病 : 感染症 第 12 版(系統看護学講座 : 専
門 ; 15 成人看護学 :11 )/医学書院/2008/WY5
血液・造血器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 8 成人看護
学 :4 )/医学書院/2008/WY5
Notes on nursing 2nd ed( 原 文 看 護 学 選 集 :1 )/Gendaisha
Pub./2001/WY7
看護総合[第 39 回]
(日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 39
回)/日本看護協会出版会/2008/WY9
母性看護[第 39 回]
(日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 39
回)/日本看護協会出版会/2009/WY9
精神看護[第 39 回]
(日本看護学会論文集 : 第 35 回 - 第 39
回)/日本看護協会出版会/2009/WY9
看護教育[第 39 回]
(日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 39
回)/日本看護協会出版会/2009/WY9
成人看護[第 39 回]2(日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 39
回)/日本看護協会/2009/WY9
老年看護[第 39 回]
(日本看護学会論文集 : 第 33 回 - 第 39
回)/日本看護協会出版会/2009/WY9
ナースのためのステップアップ英会話/桐書房/2006/
WY18
英語を学ぶ看護学生のための stories for nurses/エルゼビ
ア・ジャパン/2007/WY18
地域看護技術(標準保健師講座 :2 )/医学書院/2008/
【図書館/管理・運営】
金沢医科大学報
WY18.2
医療安全ワークブック 第 2 版/医学書院/2008/WY44
ケアの本質 : 生きることの意味/ゆみる出版/2008/
WY85
総合人間学概論 : 人間このすばらしきもの 初版 2 刷(基礎
看護学)/ヌーヴェルヒロカワ/2007/WY86
看護学生のための心理学/医学書院/2007/WY87
看護学概論 : 看護とは・看護学とは 第 4 版(基礎看護学)
/ヌーヴェルヒロカワ/2008/WY100
基礎看護学テキスト : EBN 志向の看護実践/南江堂/
2006/WY100
ヘルス・ケア・ワークを支える看護の人間工学 第 1 版第
4 刷(補訂)/医歯薬出版/2006/WY100
解剖生理学(新体系看護学全書 :1 人体の構造と機能 :1 )/
メヂカルフレンド社/2008/WY100
看護学概論 第 2 版(新体系看護学全書 :10 基礎看護学 :1 )
/メヂカルフレンド社/2007/WY100
イラストでわかる基礎看護技術 : ひとりで学べる方法と
ポイント/日本看護協会出版会/2008/WY150
内部環境調節機能障害をもつ成人の看護 / 身体防御機能
障害をもつ成人の看護(シリーズ・事例で学ぶ看護
学 . 事例で学ぶ成人看護学 :3 )/メヂカルフレンド社
2003/WY150
看護技術の実際 第 3 版(基礎看護学 . 考える基礎看護技術
:2 )/ヌーヴェルヒロカワ/2008/WY150
基礎看護技術 第 2 版(ナーシング・グラフィカ :18 基礎看
護学)/メディカ出版/2008/WY150
看護技術目でみる事典 : カラー版(DYMC )/西村書店/
2006/WY150
QOL を高めるリハビリテーション看護 第 2 版/医歯薬出
版/2008/WY150.5
74
動脈硬化と臓器障害(生活習慣病ナーシング :11. 糖尿病
とメタボリックシンドローム :4 )/メヂカルフレンド
社/2008/WY152
終末期にある患者の看護 第 3 版(成人看護学 :F )/廣川書
店/2006/WY152
国際災害看護マニュアル/真興交易(株)医書出版部/
2002/WY154
緊急事態ナーシングマニュアル : トリアージとファース
トエイド/医歯薬出版/2004/WY154
女性生涯看護学 : リプロダクティブヘルスとジェンダー
の視点から/真興交易医書出版部/2008/WY156.7
妊婦 / 産婦 改訂版(看護観察のキーポイントシリーズ . 母
性 :1 )/中央法規出版/2000/WY157.3
母 性 看 護 学 第 2 版( 母 子 看 護 学 )/ 廣 川 書 店 /2008/
WY157.3
母子看護学原論 第 2 版(母子看護学)/廣川書店/2008/
WY157.3
母性看護学 改訂 3 版(やさしく学ぶ看護学シリーズ)/日
総研出版/2007/WY157.3
ウェルネス看護診断にもとづく母性看護過程/医歯薬出
版/2006/WY157.3
母性看護技術(ナーシング・グラフィカ :31 母性看護学)
/メディカ出版/2008/WY157.3
母性看護実践の基本(ナーシング・グラフィカ :30 母性看
護学)/メディカ出版/2008/WY157.3
小児看護技術(ナーシング・グラフィカ :29 小児看護学)
/メディカ出版/2008/WY159
家族看護学/中央法規出版/2007/WY200
グループワークで学ぶ家族看護論 : カルガリー式家族看
護モデル実践へのファーストステップ/医歯薬出版
株式会社/2006/WY200
《本学スタッフ新刊著書》
D. Tritsch ほか 編、御子柴克彦 監訳、11 人による翻訳
ニューロンの生理学
Physiologie du Neurone
加藤伸郎 分担翻訳
第 15 章「グルタミン酸受容
体」、第 18 章「神経伝達と精
神作動薬」
京都大学学術出版会
B5 判、750 頁
定価:(本体 8,400 円+税)
2009 年 2 月 28 日発刊
ISBN978-4-87698-773-3
神経生物学に関するフランス語著作の完全邦訳であ
る。原著は 1998 年に 13 人で分担執筆された。遺伝子・
イオンチャネルから始まって、網膜や高次精神機能ま
での脳科学を幅広くカバーしている。しかし網羅的記
載に徹することなく、重要な発見を時系列展開して記
載して見せるなど、研究への熱さが伝わるような本と
なっている。大学院レベルでの脳科学・神経生理学の
教科書となりうる。
(生理機能制御学 加藤伸郎記)
金沢医科大学報
第 138 号/2009.5
75
管理・運営
新理事・評議員の選任
平成 21 年 3 月 30 日開催の第 198 回理事会並びに第
〔評議員〕 選任条項別 50 音順 105 回評議員会において、下記のとおり理事 6 名、評
山下 公一
宮本 文夫
議員 4 名が新規選任された。
山田 裕一
伊藤 透
〔理事〕
飯塚 秀明
大島 譲二
理事長
山下 公一 高島 茂樹
大山 充徳
副理事長
竹越 襄 奥名 洋明
緒方 盛道
副理事長
松本 忠美 小田島粛夫
角田 弘一
学 長
山田 裕一 勝田 省吾
斉藤 人志 (新任)
病院長
飯塚 秀明 久藤 豊治
吉田 勝明
氷見市民病院長
高島 茂樹 篠原 治道 (新任)
伊藤 博
理 事
小田島粛夫 澁谷 亮治
大原 義朗
理 事
宮村 栄一 飛田 秀一
川上 重彦
理 事
勝田 省吾 宮村 栄一
鈴木 孝治
理 事
篠原 治道 (新任)
荒田 満
鈴木 宗幸
理 事
伊藤 博 大野木辰也
竹越 襄
理 事
奥名 洋明 木越 俊和 (新任)
土田 英昭
理 事
澁谷 亮治 木村 晴夫
栂 博久
理 事
久藤 豊治 小平 俊行
姫野 洋一 (新任)
理 事
飛田 秀一 島 智一
松井 忍
理 事
荒田 満 中川 秀昭
松本 浩平
理 事
中農 理博 (新任)
中農 理博
松本 忠美
理 事
中山 正喜 (新任)
中山 正喜
八十出泰成
理 事
木村 晴夫 (新任)
古居 滋
横山 隆昭
理 事
大野木辰也 (新任)
宮本 孝子
横山 仁
理 事
吉田 勝明 (新任)
〔監事〕
水株 正紀 中村 行男 米沢 寛
総合医学研究所長に伊達 孝保 教授を再任
副所長に竹上 勉教授、友杉 直久教授を再任
平成 21 年 3 月 30 日(月)に開催された第 198 回理事会において、総合医学研究所 伊達孝保教授が総合医学研究
所長に再任された。副所長には、伊達所長の推薦により、総医研・分子腫瘍学研究部門 竹上 勉教授、総医研・
先進医療研究部門 友杉直久教授が同じく再任された。
総合医学研究所長および副所長の任期は、平成 21 年 4 月 1 日から平成 22 年 3 月 31 日までの 1 年間である。
【管理・運営】
金沢医科大学報
76
一般教育機構長に松田 博男 特任教授を選任
平成 21 年 4 月 1 日付けで、一般教育機構長に松田博男特任教授が就任した。
任期は平成 21 年 4 月 1 日から平成 22 年 3 月 31 日の 1 年間である。
一般教育機構長(新任)
松田 博男 【略歴】
1970 年 3 月 山形大学文理学部理学科 ( 数学専攻 ) 卒業
1970 年 4 月 金沢大学大学院理学研究科(数学専攻)入学
1972 年 3 月 同課程修了 1972 年 4 月 金沢医科大学助手
1974 年 4 月 金沢医科大学講師
1982 年 4 月 金沢医科大学助教授
1989 年 3 月 理学博士(筑波大学)
2007 年 4 月 金沢医科大学人間科学科目 ( 数学 ) 特任教授
2009 年 4 月 一般教育機構長
【主な学会活動】
日本数学会、日本数学教育学会
一般教育機構長就任のご挨拶
一般教育機構特任教授 松田 博男
平成 21 年 4 月 1 日付けで一般教育機構長を拝命い
たしました。前任の堀 功教授の歩まれた道を引き
継ぎ、諸先生方とともに職務に励んでまいりたいと
思っております。
平成 19 年 4 月に看護学部が開設され、平成 20 年
には医学部と看護学部の両学部で共通する一般教育
科目の教育を充実・発展させるために、一般教育機
構が設置されました。
あり、
「専門教育」と「教養教育」の関連性が課題と
なっています。
上のような指摘に対して、専門教育と教養教育を
融合させた「専門性に直結する教養教育」
、
「人間性
に富み、多様な思考と多面的な視野の持てる教育」
が考えられます。
一般教育機構では、設置の目的である両学部で共
通する一般教育科目教育の充実、発展に寄与するこ
平成 19 年の財団法人大学基準協会による「金沢
とはもとより、各学部の特質をふまえた専門性に直
医科大学に対する大学評価結果ならびに認証評価
結する教養教育の内容をさらに充実させ、また、こ
結果」において、
「医学部における教養教育に関して
れまで以上に各学部の教員の方々との意思疎通を
は、医科大学としては学生が幅広く受講できる体制
はかり、協同して教養の形成をめざし、人間性に富
を設定し、丁寧に教養教育を展開している」
、また
み、多様な思考と多面的な視野の持てる教育を模索
「全体として、教養教育のための教員の配置に限界
していくことが必要と思います。このような専門教
がある中で、選択科目も設定し、幅広い範囲の教養
育と教養教育の関連性を探すプロセスの中で、大学
教育を履修可能とする努力が見られる」との評価を
基準協会の指摘に応える道が見いだせるのではな
得ました。ただその後に、
「しかし、ほとんどの教
いかと考えています。
養科目が 1 年次に集中しており、人間性教育につい
今後も大学の発展・充実のために、微力ながら尽
ては、年次ごとに求められるものが変化するので、
力していきたいと思っております。皆様のご協力と
学年を縦断するような配置が望ましい」との指摘が
ご理解・ご支援を心からお願い申し上げます。
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
77
看護学部長に伊川 廣道 教授を選任
平成 21 年 4 月 1 日付けで、金沢医科大学看護学部長に伊川廣道教授が就任した(平成 21 年 3 月 30 日開催の第
198 回理事会で承認)。
任期は、平成 21 年 4 月 1 日から平成 23 年 3 月 31 日の 2 年間である。
【略歴】
1972 年 3 月
1980 年 6 月
看護学部長(新任)
伊川 廣道
慶應義塾大学医学部卒
Harvard 大学医学部・Massachusetts General Hospital 小児外科留学
1997 年 4 月 金沢医科大学小児外科学教授
2007 年 4 月 金沢医科大学付属看護専門学校長(併任)
【主な学会活動】
日本小児外科学会(理事長)、日本外科学会(代議員)
日本平滑筋学会(評議員)など
看護学部長就任のご挨拶
臓器機能再建学(小児外科学) 伊川 廣道
俵 友惠初代看護学部長が 2 年の任期を終えて退任
しくみ、病気の成り立ち、最新の治療法に対する十
され、平成 21 年 4 月 1 日付けで第 2 代の看護学部長
分な理解が必要です。本学医学部には多くの専門家
を拝命致しました。俵先生が看護学部の立ち上げに
がおられます。医学部の全面的な協力を得て金沢医
大変ご努力されていたことは、附属看護専門学校長
科大学だからこそ出来る、充実した専門基礎教育の
としてお隣で見聞きしておりました。俵先生の掲げ
構築を行います。また臨地実習においては、患者さ
られた「健康を追求・維持しようと努力する人々と
んにとって今何が問題になっているのか、患者さん
協働する看護実務者を養成したい」との願いはしっ
に対して何をなすべきかを科学的に考え、さらに思
かりと引き継いでいきたいと存じます。
いやり深く接する態度を身につけることを指導し
近年、医療の専門化、細分化ならびに社会環境の
てまいります。そして最後に、教育に携わる者にと
変化により、看護師の役割は広がり、さらに高度の
って基本的に重要な「学生と教員との間の温かい人
専門性が要求されるようになってきています。その
間関係の構築」です。最近大学教育における学習支
ため学ぶべき事項は一段と増加し、4 年間の看護教
援システムの在り方が話題となっております。大学
育期間が必要となってきました。しかしながら、確
では教員の役割分担が進み、担当する分野の仕事に
かに学習内容は高レベルとなったとはいえ、看護教
追われる現状から、学生と教員の関係がともすれば
育にとって重要なことは基本的には変わっていない
事務的となりがちです。一人ひとりの学生に対して
と思っています。これから 2 年間の行動目標として、
多くの教員が温かく、きめ細やかに接していく手作
以下の 3 項目をあげ着実に実行してまいります。即
りの教育が最も大切なことだと思っています。
ち、科学的根拠と観察に基づいた看護技術の修得、
山田学長が掲げる「教育の金沢医科大学」看護学
病める人に対して思いやり深く接する心の涵養、看
部篇をめざして、看護学部教職員、事務職員一同こ
護学部学生一人ひとりに対する手作り教育です。
ころの通う教育を実践してまいります。
科学的根拠に基づいた看護を行うためには、体の
より一層のご支援をお願い申し上げます。
【管理・運営】
金沢医科大学報
78
平成 21 年度
新入職員辞令交付式
平成 21 年 4 月 1 日(水)午前 10 時から、新入職員辞
令交付式が本部棟 4 階講堂において行われ、新入職員
146 名(臨床研修医 19 名、事務職 10 名、技術職員 32
名、看護職員 84 名、技能職員 1 名)の代表の鷹巣春香
さんに、山下公一理事長から採用辞令が交付された。
続いて「本学の建学の精神を理解し、職員としての誇
宣誓する新入職員代表中新裕也さん
りと若いエネルギーで新しい金沢医科大学を創り出す
という気概をもって仕事に取り組んでいただきたい。
」
さんが、
「一致協力して職務に精励します」と力強く宣
との訓示があり、最後に新入職員を代表して中新裕也
誓を行った。
(人事厚生課石田豊司記)
平成 21 年度
病院新入職員オリエンテーション
平成 21 年度病院新入職員オリエンテーションが 4 月
1 日(水)から 3 日(金)の 3 日間にわたって、本部棟 4
階講堂および病院本館 4 階 C41 講義室において次のと
おり実施された。
飯塚秀明病院長の挨拶
今年度の病院新入職員は、看護師 83 名、保健師 1
名、薬剤師 8 名、放射線技師 1 名、臨床検査技師 5 名、
理学療法士 2 名、作業療法士 1 名、視能訓練士 5 名、
臨床工学技士 2 名、歯科衛生士 1 名、栄養士 2 名、調
理師 1 名、調理補助員 1 名、ソーシャルワーカー1 名、
保育補助員 3 名、事務員 4 名、臨床研修医 21 名の 142
名であり、4 月 1 日(水)には、氷見市民病院から 10 名
の新入職員も参加した。
なお、平成 20 年度の中途採用者にも案内したとこ
ろ医師、薬剤師、看護師等延べ 15 名の参加があった。
(職員課 野澤幸雄記)
[プログラム]
4 月 1 日(水)
9:15∼10:00
10:00∼10:30
10:45∼11:30
11:50∼12:10
13:00∼13:15
13:15∼13:55
13:55∼14:25
14:25∼15:10
15:20∼15:50
採用時説明
人事厚生課
辞令交付式
人事厚生課
福利厚生制度の説明 人事厚生課
提出書類の説明 職員課
病院長挨拶 病院長
大学の概要と組織について
事務局次長
病院概況について 病院長室長
就業規則の説明 人事厚生課
診療業務の留意事項と安全管理体制指
針について
副院長
15:50∼16:50 給与の銀行振込についての説明 各金融機関
16:50∼17:00 事務手続き 職員課
4 月 2 日(木)
8:45∼ 9: 30 病院の諸規程・防災・医療トラブルの届出・
職員駐車場使用について
管理課
9:30∼10:10 院内感染防止策について 医療安全部感染制御部門
10:20∼11:00 医療安全対策について 医療安全部医療安全管理部門
11:00∼12:15 写真撮影(ネームプレート用) アカシア商会
13:00∼13:40 火災等の災害予防について 内灘町消防本部
13:40∼13:55 病院における患者医療サービスについて 病院医療サービス向上委員会
14:00∼14:20 患者さんの受診システムについて 診療支援課
14:20∼15:00 オーダリングシステム等診療システムについて
医療情報課
15:00∼16:10 〈研修医〉 研修センター
〈医療技術職・事務職〉 健康診断(採血他) 〈看護職員〉 接遇ビデオ上映
16:10∼17:00 手洗い講習(看護職員・研修医以外) 医療安全部感染制御部門
4 月 3 日(金)
8:45∼ 9 :15 院内防災設備について 設備課
9:15∼ 9 :45 院内防災設備の現場確認 設備課
9:55∼10:50 消火器取扱説明 設備課
11:00∼12:00 銀行関係書類回収 各金融機関
12:00∼ 閉会挨拶 13:00∼15:00 〈看護職員〉 健康診断、写真撮影
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金沢医科大学報
79
学校法人金沢医科大学
1.消費収支予算の概要(表1)
平成 21 年度予算について
(1 )収入面では、学生生徒等納付金に平成 20 年度当
初予算に比べ(以下、前年比という)1 億 6 千 3 百万
円増の 47 億 6 千 1 百万円を計上しました。
去る 3 月 30 日(月)開催の第 105 回評議員会及び第
寄付金は、教育振興資金寄付金、学術振興基金寄
199 回理事会において、学校法人金沢医科大学の平成
付金ほかで 7 億 1 千万円を計上、補助金は 12 億 4 千
21 年度収支予算案が承認されました。
1 百万円を計上しました。
医療収入については、前年比 2 億 1 千 1 百万円増
平成 21 年度事業予算の特徴は次のとおりです。
(1 )病院本館及び臨床研究棟再整備事業への積み立て
となる 171 億 4 千 5 百万円を計上しました。入院収
(2 )平成 22 年度問題に対応するための看護師確保事
入は、稼動病床数を 833 床、診療単価を 50,100 円、
病 床 利 用 率 を 85.2 % と し て 算 定 し、 前 年 比 9 千 8
業費
百万円増となる 129 億 8 千 4 百万円を計上しました。
(3 )健康管理センター拡充事業に伴うスタッフ増員及
また、外来収入は、診療単価を 12,500 円、一日平均
び健診システム更新費
(4 )北陸大学薬学実習生受け入れのための準備事業費
患者数を 1,140 人と見込み、前年比 1 億 1 千 3 百万円
(5 )特別高圧 2 回線化及び特別高圧変電所の設備更新費
増となる 41 億 6 千 1 百万円を計上しました。
(6 )学生の教育・実習環境向上のための設備整備費
以上による、帰属収入の合計は、前年比 2 億 1 千 4
(7 )クリニカル・シミュレーション・センター充実に
百万円減となる 246 億 9 千 6 百万円を計上しました。
伴う設備整備費
(2 )支出面では、人件費総額で前年比 1 億 1 千万円の
(8 )医師・看護師定着化のための医学部・看護学部学
増となる 117 億 4 千万円を計上しました。平成 22 年
生への奨学金貸与
度問題に対応するための看護師確保及び北陸大学薬
(9 )MRI(1.5T )の導入など、病院機器備品の更新整
学部実習受入準備のためのスタッフ増員等を含めて
備費
計上し、帰属収入に対する人件費比率は、47.5%と
以上を含む合計約 16 億 1 千万円を平成 21 年度の政
なる見込みです。
策的予算として計上しました。なお、金沢医科大学氷
教育研究経費には、大学院におけるがんプロフェ
見市民病院につきましては、氷見市民病院の委託運営
ッショナル養成事業や海外交流推進事業及びハイテ
事業が収益事業となったことから、別途予算案を作成
クリサーチセンターを核とする研究事業推進経費を
することとしました。
含め、14 億 3 千万円を計上しました。
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【管理・運営】
金沢医科大学報
80
医療経費については、総額 83 億 5 千 4 百万円を計
施設関係支出には、医学部講義室整備事業、看護
上しました。薬品費等医療直接材料費の医療収入に
棟実習室改修事業、特別高圧2回線化受電設備整備
対する割合を 35%で計上し、医療収益の向上を図
事業及び MRI 装置導入工事ほかで、合計 4 億 7 千 5
るものとしています。そのほか、健康管理センター
百万円を計上しました。
また、設備関係支出には、クリニカル・シミュ
拡充に伴うシステム更新費等を含めた医療経費の医
レーション・センター整備事業、共同利用研究機器
療収入に占める割合は 48.7%です。
資産処分差額を含む減価償却額等については、20
整備事業、電子カルテ情報基盤整備事業及び MRI
年度に整備した看護師宿舎や病院別館などの大型償
(1.5T )を含む病院医療機器整備事業などで、合計 6
億 9 千 9 百万円を計上しました。
却資産の減価償却額が加わるため、前年比 9 千万円
資産運用支出は、将来の病院本館及び臨床研究
増となる 26 億 6 千万円を計上しました。
棟の再構築に資するため、施設拡充引当特定資産に
予備費については、収支の均衡を図るため前年比
10 億円を繰り入れました。
1 億 5 千万円減の 5 千万円を計上しました。
(3 )以上の資金収支計算の結果、平成 21 年度末の次
以上による消費支出の合計は、前年比 2 百万円増
年度繰越支払資金は、46 億 1 千 5 百万円となる見込
の 246 億 9 千万円となる見込みです。
みです。
(3 )この結果、帰属収入の合計 246 億 9 千 6 百万円か
ら、消費支出の合計 246 億 9 千万円を差引いた平成
3.金沢医科大学氷見市民病院運営事業予算
の概要(表 3 )
21 年度の正味財産増加額は、6 百万円となる見込で
す。
(1 )収入面では、医業収入及び医業外収入で 43 億 5
2.資金収支予算の概要(表 2 )
百万円を計上しました。入院収入は、一日平均患者
(1 )収入面では、諸事業の円滑な遂行を図るため、
数を 165 人、診療単価を 37,000 円として算定し、22
金融機関からの短期借入金 10 億円を計上しました。
億 2 千 8 百万円を計上しました。また、外来収入は、
また、学校債収入として 5 億円を計上しました。
診療単価を 12,700 円、一日平均患者数を 470 人と見
(2 )支出面では、借入金等返済支出に、短期借入金
込み、17 億 3 千 7 百万円を計上しました。医業外収
返済分 10 億円と学校債の償還分 5 億円を合わせて
入は氷見市からの交付金とテナント家賃や駐車場利
15 億円を計上しました。
用料等の施設利用料で 2 億 8 千万円を計上しました。
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第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
(2 )支出面では、医業費用及び医業外費用で 42 億 5
千 5 百万円を計上しました。給与費は、教員(医師)
81
含む 6 億 3 千 2 百万円を計上しました。医業外費用
は管理経費で 6 千 6 百万円を計上しました。
を 30 名、 職 員 を 270 名 と し て 算 定 し、20 億 9 千 8
(3 )以上による平成 21 年度末の経常損益は、5 千万円
百万円を計上しました。材料費は薬品費や医療材料
となる見込みです。なお、この損益金は本会計の事
費、給食材料費等の直接費で 13 億 7 千 4 百万円を計
業収入に盛り込まれています。
(経理管財部長)
上し、その他の経費として光熱水費 1 億 2 千万円を
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看護師宿舎新築、病院別館改修
竣工
昨年 7 月から始めた看護師宿舎新築工事並びに病院
別館改修工事の完工に伴い竣工修祓式が、平成 21 年 3
月 18 日(水)午前 11 時より病院新館 12 階大会議室にお
いて、山下公一理事長はじめ大学・病院関係者、設計
事務所、建築・機械・電気設備の工事関係者約 50 名
の参列のもと、小濱神社神官により神事が厳かに行わ
新看護師宿舎
れた。
看護師宿舎は「はまなすコートハウス」と名付けら
れ、9 階建て 162 室で各室キッチン、バス、トイレ付
きの明るいワンルームマンションに仕上がった。
両施設とも、今後長きに亘り多くの人に愛され、使
用していただくことを願いつつ、式典は無事終了した。
神事に引き続き感謝状の贈呈が行われ、山下理事長
病院別館においては、救急センター、健康管理セン
からお礼のことばがあり、工事関係者を代表して㈱中
ターの拡充、新館と同等に整備された病棟は、そのほ
島建築事務所の中島哲夫社長の謝辞があり、竣工修祓
とんどがリニューアルされ、新しい病院仕様で生まれ
式は滞りなく終了した。
変わった。
(施設整備計画課 岡山外富美記)
【管理・運営/随想・報告】
金沢医科大学報
82
謹んでご逝去をお悔やみ申し上げます
自ら代替医療を実践し、長寿で且つ鮮明な頭脳を維
持されました。
先生 ご逝去
このように組織内での管理者として活躍されたば
かりでなく、学者としても輝かしい業績を残されて
西東利男先生は平成 21 年 4 おられます。先生のご専門は血清学でした。細菌や
月 1 日に 96 歳で永眠されまし ウイルスの侵入を受けて体が抵抗する物質・抗体を
た。金沢大学結核研究所(現 体液中に誘導する過程を探求する学問「血清学」を確
がん研究所)教授時代から金 立されました。この学問的方向は東京大学の緒方研
沢医科歯科大学設立に奔走さ 究室とともに日本の免疫学の草分けとなりました。
れました。本学への正式赴任 血清学という名前は、今では免疫学として、受け継
は 1972 年ですが、大学設立、 がれております。例えば、細菌やウイルスに対する
金沢医大大学院設立に多大な 体の抵抗物質は相手の形状になぞらえて準備される
貢献を果たされました。また、設立後は、第 5 代学長、 という内容を、講義を通じて門下生に示していただ
第 5 代理事長として、金沢医科大学の誕生、成長の きました。このように天文学的多様性を示す周囲の
要となって来られました。また、大学を去った後も、 物質/抗原に対して、免疫反応が対応するがごとく、
浅ノ川病院グループに招かれて、95 歳まで施設長を 社会的な適応を身を以って、垂範されました。謹ん
勤められたことは周囲の驚きでもありました。教室 でご冥福をお祈り申し上げます。
名を血清学から代替医療と変えた後も、西東先生は
代替基礎医学(血清学)教授 山口宣夫
元学長、元理事長、顧問
西東 利男
らず退任後も元気に過ごされ、病気とは無縁であり
ました。3 月 16 日の朝、訃報を聞いたときは信じら
先生 ご逝去
れませんでした。
東田先生の趣味は多岐にわたっていますが、岩魚
金沢医科大学名誉教授 東田 の渓流釣り、山登り、山菜取りが主な趣味です。特
紀彦先生は何の前ぶれもなく に岩魚釣りが好きで、子供のように目を輝かせ、人
突然、平成 21 年 3 月 15 日、逝 が行かないような秘境で岩魚を釣るのを自慢げに話
去されました。享年 75 歳でし をされていたことが昨日のことのように思い出され
た。余りにも早すぎるご逝去 ます。
で、教室員は夢想だにしてお
大学においては、教授室へ報告や相談に行った時
らず、悲しみにくれておりま は、いつも論文、小説などを読んでおられました。
す。これからもご指導、ご鞭 また 20 年間も帰宅時間が夜 12 時であったことにも驚
撻をいただきたいと願っていたところでもあり、非 いており、教室員に後姿で勉強しろよと言っている
常に残念でした。
ように感じていました。
東田先生は金沢大学医学部を卒業後、金沢大学整
平成 11 年に教授を退任された後は、本学の理事と
形外科の講師を経て、昭和 49 年(1974 年)7 月 1 日に して大学の運営にご尽力されるかたわら、富山医療
新設の金沢医科大学整形外科学の初代教授に就任さ 福祉専門学校の校長なども勤められ、いつも忙しそ
れました。以来平成 11 年(1999 年)3 月 31 日までの うに仕事をされていました。しかし、時には教室員
26 年間にわたって教室を主宰されてこられました。 の良き相談相手であり、我々にとっては父のような
その間多くの弟子を研究者、臨床家として育て上げ 存在でありました。
られました。整形外科学における研究は多岐にわた
思い出は尽きませんが、先生の偉業とご指導に対
りますが、特に末梢神経損傷後の神経線維の変性や し、心から尊敬と感謝を捧げ、謹んでご冥福をお祈
再生の過程、神経移植の研究に取り組まれ、多くの り申し上げます。
業績を残されました。
運動機能病態学(整形外科学)教授
東田先生は教室員が知る限りでは、病気で大学を
松本忠美、岡田正人
休んだことは一度もありません。教授在任中のみな
名誉教授、理事
東田 紀彦
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
83
随想・報告
報 告
ドイツ International Neuroscience Institute
留学記
感覚機能病態学(耳鼻咽喉科)講師 村田
英之
2007 年 10 月 か ら 2008 年 12 月 ま で ド イ ツ
ハノーバー市の International Neuroscience
Institute(以下 INI )の耳鼻咽喉科頭頚部部
門(主任:Wolfgang Draf 教授)に臨床留学
しました。この期間で経験したドイツでの耳
鼻咽喉科診療を中心に報告します。
1. INI について
INI はハノーバー市のやや北東に位置す
る脳神経外科の専門病院です。理事長は M.
Samii 教 授( イ ラ ン 系 の ド イ ツ 人 )と い い、
長くハノーバー北市民病院で脳神経外科部長
を勤め、定年退職後ハノーバー市の協力を元
ハノーバー市新市庁舎。市庁舎といっても観光用で、実務する市役所は別にある
に INI を設立しました。INI は完全なプライ
ベート病院で、ドイツの健康保険は通用しません。部
な構造で、中世の建造物の残るドイツにおいて対極を
門は、専門の脳神経外科をはじめとして内科、麻酔科、
なしています。
神経内科、整形外科、耳鼻咽喉科、歯科があります。
2. W. Draf 教授について
医師は常勤医 30 名、非常勤医師 5 名で、常時数名の他
INI の耳鼻咽喉科頭頚部部門主任が Wolfgang Draf
院あるいは他国からの訪問医師で診療されています。
教授です。Draf 教授は 2006 年から INI に勤務してい
常勤医はドイツ人だけではなく、ヨーロッパ各地から
ます。以前はフルダ市(フランクフルト北)
、フルダ
の医師を受け入れています。病床数は 50 床、病室は
市民病院の耳鼻咽喉科顎顔面形成外科部門の主任と
すべて個室、あるいは 2 人部屋で、特別個室もありま
して長く診療と教育にあたってきました。フルダには
す。建物の外観は、脳を思わせるユニークかつ近代的
大学付属の病院がないために、フルダ市民病院がマ
グデブルグ大学(フルダ西)の教育病院となっていま
す。Sammi 教授とは旧知の仲で、頭蓋底手術におい
て共に手術を通して親交を深めてきたことが縁で、フ
ルダ市民病院を退職後 INI で第二の人生を開始したと
いうことです。Draf 教授は前頭洞手術において初め
て鼻内的 Median Drainage(Type Ⅰ∼Ⅲ)を確立した
として世界的によく知られています。日本において
は Draf = Type Ⅲ drainage といったイメージだけが
定着していますが、そのイメージは実は正確ではあり
ません。Draf 教授の最初の専門は、当時まだ未成熟
であった顎顔面形成外科であったそうです。以後長く
顎顔面を中心とした形成外科の経験を積みました。ま
International Neuroscience Institute 外観。脳をイメージしたユ
ニークな建築。デザインは Samii 教授自身が手がけた
た、当時頭頚部再建外科の中心的存在であったアメ
リカの John Conly 教授に師事したのをきっかけとし
【随想・報告】
金沢医科大学報
84
診断をつけてくることが多いのです。
加えて撮った画像は患者自身が保管し
ており、経過の長い患者はどっさりと
以前の画像フィルムを抱えて来院して
いました。画像の種類についても、日
独での差を感じました。日本に比べて
非常に画像の種類が少ないですし、不
必要だと判断された検査は画像検査も
含めて決して行われません。この原則
は米国の臨床教育の場でも言われてい
ることであって、医師の安心と、ある
意味、保険のための検査に終始しがち
Draf 教授との手術。内視鏡下鼻内手術をドイツ人スタッフと共に実施中
な日本の医療とは対照的であると思わ
れました。
て、その守備範囲を頭蓋底にまで発展させました。彼
4. 患者意識の差について
は鼓室形成術の元祖 Wullstein 教授の弟子であり、耳
インターネットの普及もあって現在医学情報は満ち
鼻咽喉科医として鼓室形成術も 2000 例の経験があり
溢れていてすぐに手に入れることができます。日本で
ます。また顔面神経再建などにも精通していて、つ
も自分の病気について勉強する患者が増えているよう
まり Median Drainage はその幅広い守備範囲から生
ですが、ヨーロッパの患者はその比ではありません。
まれた一つの結果にすぎません。彼は手術の結果は
自分の病気について非常に詳しい知識を持っています
長期成績にのみあると考えており、1991 年に世界に
し、多くの患者は診察の際に自分の質問事項をまと
先駆けて発表された前頭洞における鼻内的 Median
めたノートを持参して医師に疑問点を質問していまし
Drainage についての報告は、1981∼1984 年に行った
た。このため医師は常に最新の情報を仕入れておく必
手術の中で最初の症例について 10 年間の経過を見届
要があり、診療時間も一人あたり 30 分はかかります。
けてからようやく提出したものでした。
患者が詰め掛け、患者と医師の関係も危うい今の日本
3. 外来診療について
で、このような状況が成立するかといえば疑問です。
日本における耳鼻咽喉科外来診療が処置を中心と
しかしドイツも同じ人間社会ですので、同じような現
されるのに対して、ドイツでは細かい処置は行われま
実にも遭遇しました。他の病院での診断、治療方針、
せん。保険体系の違いもあるとは思いますが、近くに
応対に不満や疑問を持ち、転々とする患者も多いよう
あるハノーバー医科大学での見学の際も同様に感じま
です。また興味深いことに、ドイツ国内であっても地
した。理由は人間本来の治癒力に任せているのだとい
域によって患者意識に差がありました。ハンブルグを
います。日本の頻回かつ細かい処置に慣れたものにと
中心とした北ドイツの人々は非常に穏やかで物静かで
っては、やや物足りない感じも受けました。しかし実
あり、ベルリンの人の多くは竹を割ったような性格、
際に数カ月にわたって術後経過などを見ていると、そ
ミュンヘンを中心とした南ドイツの人は一見明るいが
う治癒が遅いとか結果が悪いといったことはなく、処
心配性の人が多いと Draf 教授に教えていただきまし
置のあり方について改めて考えさせられました。ただ
た。また INI にはその他多くの国から患者が集まりま
診療スタイルについては日独共に大きな差はありませ
す。スペイン、イタリアをはじめとして、隣国ポーラ
ん。耳鼻咽喉科独特の診療ユニットをはじめとして器
ンド、ギリシャ、最近はルーマニア、ロシアからも来
械などはほぼ日本と同様でした。二、三違いを述べる
院します。Samii 教授がイラン出身ということもあり、
とすれば、診察時に介助する看護師が付かないことが
イラン、オマーン、サウジアラビアなどからもオイル
一つ。病棟にはもちろん看護師がいるわけですが、そ
マネーで潤った裕福な患者が自家用ジェットでドイツ
もそも外来付けの看護師という仕事がないようです。
まで来ることもしばしばでした。診療を見ていますと
したがって患者の呼び出しから器械の片付け、ファイ
それぞれの国の人がそれぞれの習慣と考え方を持って
バーの洗浄まで全てを医師が行っています。また、他
いることが理解できました。
院からの紹介のほとんどに CD に収録された画像情報
5. 手術室について
が添付されていました。ドイツには画像専門の病院が
INI の手術室には 6 部屋、内一つには術中 MRI を有
多くあり、開業医もそのような施設を利用して正確な
しています。麻酔医には 6 人のベテランを配置してお
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
85
り、手術日は月∼金まで、毎日 3∼4 件
の手術を実施しています。看護師、臨
床工学士もよく訓練されていて、専門
意識、良い意味でのプライドも高く感
じられました。脳神経外科の専門病院
らしく、ナビゲーションシステムを中
心としてハードも極めて充実していま
した。麻酔の導入場所について、日本
では手術台の上で導入するのに対して
ドイツではどの病院も隣接した経過観
察の小部屋で導入、その後手術台に移
動します。患者の緊張を少しでも和ら
げる配慮と思いました。その後もやや ドイツ耳鼻咽喉科学会総会時のパーティーにて(右から 5 人目が Draf 教授、4 人目が筆者)
準備に差異があって、局部への局所麻
酔を消毒と覆布の前に行います。消毒と覆布は全て直
た教授は教育にも熱心で、そのお人柄も手伝い世界中
接看護師が行い、また手洗いでは流水下での洗浄とブ
で行われる手術コースに現在でも飛び回る日が続いて
ラッシングは行わず、乾燥性の消毒薬でのみ行われま
います。そんな彼の e-mail には毎日のように全世界
す。術衣と手袋の着装は看護師介助の元で行われ、術
からセカンドオピニオンの連絡が入ります。
者が自分で行うことはありません。
7. 終わりに
以上を自分のドイツでの留学報告記とさせていただ
6. その他
Draf 教授は非常な人格者で、周囲の人望も厚い印
きます。この経験を今後の診療に生かしていこうと思
象でした。留学生の受け入れにも寛容で、フルダ時代
っています。最後にこの留学をお世話していただいた
の 27 年間で約 250 名の留学生を受け入れたといいま
恩師、現 関西医科大学耳鼻咽喉科学教室教授である
す。患者、スタッフへの対応の仕方、その他論文の査
友田幸一先生と、送り出していただいた教室員の諸先
読方法、学会プレゼンテーションの方法など診療面以
生方に改めて深謝いたします。
外でも教わることが多く大変有意義な毎日でした。ま
《本学スタッフ新刊著書》
和藤幸弘 編集
看護師・看護学生のための
レビューブック 第 11 版
メディックメディア
B5 判、1052 頁
定価:(本体 5,300 円+税)
2009 年 3 月 25 日発行
ISBN978-4-89632-267-5
看護師国家試験 10 年分をまとめて、内容整理した参考
書である。症状→検査→診断→治療をコンパクトに整
理してあり、キーワードをわかりやすくイラスト化た
のが特徴である。
(救急医学 和藤幸弘記)
【随想・報告】
金沢医科大学報
86
報 告
米国バーモント大学留学記
病理病態学(病理学Ⅱ)講師 佐藤
バーモント大学の図書館。歴史を感じます
勝明
木田先生宅にて。木田先生御夫妻、息子さんと一緒に。後列中央が
筆者
バーモント州は、北海道と同じくらいの緯度に位
は 5 番目に古い伝統のある大学であり、広いキャンパ
置しているため、北陸よりも平均気温は低く降雪量も
ス内の建造物自体を見て回るだけでもその伝統を肌
かなり多い地域です。カナダのモントリオールや、ボ
に感じます。病理の研修は、大学に隣接する Fletcher
ストン、ニューヨークのわりと近くに位置します。今
Allen Health Care(FAHC )と呼ばれる病院で行いま
回、勝田省吾教授のお世話で 6 月から 8 月という最も
した。アメリカでは当然のようですが、大学の医学部
過ごしやすい時期を選んで渡米できたため、生活面で
附属病院といったものはなく、隣接する私的な病院が
の苦労が少なく研修に没頭できたことは非常に幸せで
その役割を担い、教授は大学の教育スタッフでもあり
した。また今回私は、本学とバーモント大学との医師
病院の医師でもあるようです。今回の研修では、病理
間交流の最初として行かせていただきましたが、バー
についてはもちろんですが、臨床的な側面も含めてア
モント大学には本学出身者である病理医の木田正俊先
メリカの医療全般について、実際に見て聞いて嗅いで
生がおられ、たえず本学との交流の架け橋になってい
感じることができるよう木田先生が配慮してください
ただいていたことで不安が少なかったことが何よりで
ました。
した。今後も、本学とバーモント大学との交流はます
FAHC の正面からの外観の印象は、日本のように高
ますさかんになると思われますので、これから留学を
層階の建物ではなく広い土地を利用した建物のため、
考えている人たちの参考に少しでもなればよいと思い
その実際の大きさが実感されません。しかし、中に入
書かせていただきました。
ってみると迷路のように広く、訪れた人はみんなカラ
日本からは、関西空港を飛び立ち約 10 時間でデト
ーの立派な案内図に従って移動しています。地下に入
ロイト空港に到着し、3 時間ほどの時間をおいて小さ
るとまったく方向感覚を失ってしまい、何度も迷って
な飛行機に乗り換え、目的地であるバーリントン空港
しまいました。数年前に新設された正面入り口は、空
まで 2 時間弱で到着しました。時差は 11 時間でほぼ半
港入り口のように大きなガラス窓で明るく車とバスで
日なので、体調はまさしく昼夜逆転した感じです。関
のアクセスが容易なように工夫され、必要な人には職
西空港までの特急が信号機の故障で遅れに遅れたり、
員が乗降の手助けを一人ひとりしているのには感動し
バーリントン空港行きの飛行機の出発がアナウンスさ
ました(当然、チップありですが)。病院内で働いて
れるたびに遅れ搭乗口が変更になったりしましたが、
いる人には、通常の病院職員以外に、多くのボランテ
今となってはよい思い出です。
ィアがいるというのは日本との大きな違いでした。ア
バーモント大学は 1791 年に設立されたアメリカで
メリカではボランティア歴が自分の経歴に有用で評価
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
87
の対象になるため、単純に日本よ
りも献身的な人が多いと一概には
言えないということも感じました。
FAHC では 20 人以上の常勤病理
医、10 人以上のレジデント病理医、
数名の student fellow(学生期間を
中断して病理業務に従事し、また
学生に戻る)が病理診断に関与して
います。病理検体を扱う検査室は、
排気についての考慮が行き届いて
いるのが印象的でした。私は、毎
FAHC メインエントランス
日の診断で興味深い症例、他病理
医の意見を聞きたい症例、稀な症例などを持ち合って
確認していたことが印象的であり、日本に帰ってから
鏡検する検討会に参加したり、病理解剖と法医解剖の
の解剖にも活かそうと思いました。
見学をするほか、毎日のようにある教育的な講演を聴
医学教育システムは、病理に関してはアメリカの
くのが日課でした。検討会では、本学の約 7 倍の病理
方がかなり進んでいると思われました。これは指導
検体量をこなす施設だけあって、稀な症例も見させて
する教員数の違いが大きいように感じます。前記の
いただきました。驚いたことは、小さな生検材料の薄
student fellow の制度は、病理分野ならではですが、
切切片を 1 枚のスライドガラスに 9 枚ものせて詳細に
学生期間を中断し病理業務に従事した期間は卒後に病
検討していたことです。病理医が鏡検する労力も 9 倍
理医になった場合には研修期間に含められるため、早
になるわけですから、それなりの診療報酬をいただく
期に病理学に興味をもった学生にとってはかなりの利
というのは納得できました。また、癌などの悪性の確
点があると思われました。病理診断の実務では一見つ
定診断を下す場合は、こういった検討会で他の病理医
かみどころのない疾患を目で見て理解することができ
のコンセンサスを得たという内容も診断報告書に記載
るため、また学生に戻り臨床医学を学ぶ際にはきっと
するなど非常に慎重である点は、病理医として見習う
病理学的な面からも疾患をとらえることができるよう
とともに訴訟対策が必要なアメリカの現状を痛感しま
になるのではないでしょうか。卒後教育に関しては、
した。一施設で病理診断に従事する病理医の数が日本
各臓器の病理診断に強い専門家が一施設に揃ったよう
よりもかなり多いことはうらやましく、また病理医同
な環境なので、偏りが少なく指導を受けられる点がう
士の横の連携も思った以上に円滑なのが印象的でし
らやましかったです。実際にはよい面ばかりではなく、
た。病理診断のレベル自体はというと日本とそれほど
紙面の都合上書けませんが日本には合わないかもしれ
変わらず、病理組織標本は一般的な日本で作製される
ないと思う面もありました。アメリカのシステムは、
標本の方がきれいで見やすいなというのが本音でし
そのまま日本で行えば効果を発揮するといったもので
た。木田先生も、それほどたいしたことをしているわ
はなく、これまで日本で行われてきた良い面を残しつ
けじゃないので、それを見ていってほしいと言われて
つ、日本に合ったよいところだけを取り入れる形で実
いましたが、その真意がよくわかりました。
現していくのが理想と感じました。
病理解剖に関しては、日本ではほとんど経験するこ
木田先生が病理医であったことから、まず初めに病
とはないであろう体重 200kg を超えるご遺体が衝撃的
理医である私がバーモント大学で研修させていただき
でした。アメリカでは珍しくなく、工事現場にあるよ
ましたが、アメリカの医療現場をこの目で見ることは
うな重機を用いて移動していました。解剖では、骨格
とても良い経験になるため、今後は臨床医の先生方に
自体は同じくらいの身長の方と変わらず、体重増加の
も是非おすすめしたい研修先です。言語に関しては、
ほとんどが脂肪組織であることがこの目で見てわかり
ニューイングランド地方一帯はアメリカの中でも早口
ました。日本人のメタボとのスケールの違いに圧倒さ
な地域ということもあり最後まで完全には聴き取れま
れるばかりでした。法医解剖では、薬物中毒患者がか
せんでしたが、大事な点は木田先生に質問して納得し
なり多いのが日本との大きな違いでした。特に参考に
たおかげで消化不良はまぬがれました。本当なら日本
なったのは閉経前の中年女性が自宅で突然死した数症
語を一切使わずに英語づけの毎日にして修練するのも
例で、いずれも急性心筋梗塞であり、解剖時に冠動脈
目的となるでしょうが、やはり細かいニュアンスやジ
を約 5mm 間隔くらいに丁寧に横断面を観察し血栓を
ョークを理解するには木田先生の解説が必要でした。
【随想・報告】
金沢医科大学報
88
まったく未知の人たちの間に入って学ぶ留学となると
不安もかなり大きいですが、木田先生が待ってくれて
いる環境での留学はとても恵まれていました。木田先
生にはたいへんお世話になり、この場をお借りして深
謝いたします。本学では学生の夏休みにもバーモント
大学への研修が毎年行われていますが、学生の時に行
ったことのある人も行けなかった人も、医師として一
度バーモント大学および FAHC で勉強してみてはい
かがでしょうか。
見学に行ったハーバード大学医学部の階段教室。かなり急勾配な
のは学生の平均身長が高いせいでしょう
《本学スタッフ新刊著書》
本学スタッフによる
して「図説 カラダ大辞典」シリーズの刊行が企画され
ました。企画当初より、
「がん」
、
「メタボリックシン
ドローム」
、
「神経の病気」の 3 巻の発刊が予定され、
並行して準備が進められました。今回、トップバッ
ターとして「メタボリックシンドローム」が発刊の運
びとなりました。
流行語大賞にもなった「メタボリックシンドロー
ム」は、飽食と運動不足を背景として、内臓脂肪蓄積
をもとに複数の動脈硬化促進因子が集積し、高頻度
に心筋梗塞や脳卒中を発症する病態です。昨今の社
会情勢を考えますと、若年から中年サラリーマンを
中心に、今後、増え続けることが予測されております。
金沢医科大学出版局
このことが、結果として医療費の高騰につながるこ
定価:(本体 1,200 円+税)
とより、厚生労働省が中心となり、昨年度から健診・
A4 変形判、162 頁
保健指導事業を通じてその対策に乗り出したところ
です。
平成 21 年 6 月 1 日発行
本書は、この様な状況をとらえて、医学部学生、
ISBN978-4-906394-36-4
看護学部学生、研修医、一般臨床医、コメディカル
などの医療関係者のみならず一般市民の方々に、生
活習慣改善を中心としたメタボリックシンドローム
の予防と治療、ひいては、心筋梗塞や脳卒中の発症
予防の重要性を理解していただくことに主眼におい
本学では、一般市民の皆様に知っておいていただ て企画編集いたしました。
本書の執筆にあたっては、各項目について金沢医
きたい健康や病気に関する解説番組を、金沢医科大
科大学病院に在籍中、あるいは、かつて在籍された
学病院の診療スタッフとテレビ金沢とで共同制作し、
3 年前より「カラダ大辞典」シリーズとして放送して 医師、看護師、管理栄養士ならびに金沢医科大学教
おり、大変好評を博しております。また、最近では、 員のなかで、それぞれの分野で最も理解が深く、かつ、
蓄積されたこの番組のライブラリを金沢医科大学の 経験のある方々にご協力いただきました。
本書が読者諸氏のメタボリックシンドロームに対
ホームページからアクセスしてインターネット上で
する理解を深め、医療関係者にとっては診療、研究、
いつでも閲覧できるようになっております。
このテレビ番組「カラダ大辞典」の放送が進む中で 教育の、また、一般市民の方々にとっては生活習慣
新しい企画として、医療の最前線の状況をより詳細 病予防の一助となることを願っております。
(出版局長 松井 忍記)
に読み、理解を確かにするものにするための資料と
図説 カラダ大辞典 シリーズ 第1巻
メタボリックシンドローム
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
89
報 告
長野での実績と今後の抱負
金沢医科大学氷見市民病院
胸部心臓血管外科特任教授 坂本 滋
高齢化社会に伴い、これからの心臓外科手術の対象
長野赤十字病院で行った心臓血管手術の内訳は、後
は、やはり高齢者が増加しております。予備能力が低
天性心疾患の虚血性心疾患、弁膜疾患、大動脈解離を
下している高齢者には、低侵襲手術を考慮していかな
含む大動脈疾患と心不全の外科治療です。虚血性心疾
ければなりません。心臓外科治療は、もともと体にメ
患の外科治療として、47 例の冠動脈バイパス術を行
スを入れることから、生体が受ける影響には悪い印象
い、高齢者では OPCAB を行いました。弁膜疾患の治
があります。しかし、病気を治すことを考えますと、
療としては 40 例の弁膜症の手術を行いましたが、大
生体には良いことをするけれど、心臓手術では補助手
動脈弁および僧帽弁閉鎖不全では術後抗凝固療法を
段を講じないと、手術中に出血死してしまいます。人
しなくて済む弁形成術を主体に行いました。大動脈疾
工心肺装置という補助手段を使わなければならない所
患の治療としては急性大動脈解離を含む 13 例の人工
以であります。このことが心臓以外の他臓器に負担が
血管置換術を行いました。その他の心臓手術として、
かかり、術後に肝臓、腎臓、肺、脳などの重要臓器に
2 例の成人型先天性心疾患と心臓腫瘍 1 例を行いまし
機能低下を起こし、生命を脅かす余病を引き起こすこ
た。開心術は全体で 103 例を行いました。さらに、最
とになります。解剖学的に冠動脈は心臓の表面にあ
近、心不全の外科治療として、虚血性心筋症の左心室
り、心臓の中を開かなくてもできる手術のため、人工
容量を減らすドール手術、拡張型心筋症の房室弁形成
心肺を使わなくてもできます。また、高齢者では、肝
と心臓再同期療法(CRT )、補助人工心臓装着(LVAS )
臓、腎臓、肺機能の低下および心臓以外の他臓器の動
の装着なども行いました。
脈硬化も進行している方が多く、特に脳、下肢および
高齢化社会を反映して、低侵襲化の心臓手術を考慮
腹部の動脈硬化が高度な方が多くなっています。この
し、今後も心臓外科治療を施行していきたいと思って
ような方は、人工心肺装置を使い、心臓を止めて行う
おります。今後とも、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し
従来からの方法では、術中および術後に余病を引き起
上げます。
こす可能性があります。この点から、人工心肺を使わ
ない心拍動下冠動脈バイパス術(Off-pump CABG:
OPCAB )は、生体に悪い影響を及ぼすことが少ない方
法であり、このような低侵襲手術が注目されています。
〈治療成績〉
入院死亡率: 虚血性心疾患 2.1%、弁膜疾患 2.5%、大
動脈疾患 7.7%
【随想・報告】
金沢医科大学報
90
報 告
消化器内視鏡フォーラム
2009 in 金沢
内視鏡科臨床教授 伊藤 透
平成 19 年 4 月 1 日から、30 番目の臨床科として内視
した。先生は最近の胃癌診断における内視鏡診断・治
鏡科が開設されました。同 20 年 10 月 1 日に科長の伊
療の進歩から、内視鏡医の教育システム、教育センタ
藤 透は臨床教授に就任いたしました。
ーの構築、実施などを理路整然と解説されました。ま
内視鏡科開局と教授就任を記念して、平成 21 年 1 月
た、現在神戸地区が政府の経済特区となっており、医
31 日(土)午後 5 時よりホテル日航金沢において、消
療もその恩恵を受け、関西地区から日本全域に発信し
化器内視鏡フォーラム 2009 in 金沢と題した記念講演
つつある医療技術、システムの改革を教授自ら委員と
会が開かれました。当日は 3 人の先生のご講演を予定
なって推し進めておられるとのことでした。
しておりましたが、天候は北陸、関東、関西いずれも
続いて、超音波内視鏡の分野では日本においてパ
悪天候で、昭和大学横浜市北部病院消化器センター長
イオニア的な存在であり、内視鏡を志している医師で
の工藤進英教授(第 78 回日本消化器内視鏡学会会長)
知らない人がいないほど著名な芳野教授に「超音波内
は、風が強いため東京都内での仕事を早めに切り上げ、
視鏡の現状と展望」と題して、早期消化器癌、特に胃
一便早い便でお見えになりました(その後の便は強風
癌の超音波内視鏡診断の最近の進歩と限界について分
のため欠航となったようです)。一方、関西方面から
かりやすく解説していただきました。講演後の質問タ
のお二人、藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院院長・
イムには実際の臨床に直結する熱意ある質問が多数あ
消化器内科の芳野純治教授(第 77 回日本消化器内視鏡
り、盛況でした。
学会会長)、神戸大学大学院内科学講座消化器内科の
最後に、本フォーラムに際し熱心にご指導いただい
東 健教授は強風のため北陸本線の敦賀で列車停止と
た金沢大学附属病院消化器内科金子周一教授に閉会の
なり、到着が午後 7 時 30 分となりました。
言葉を頂戴し、フォーラムは盛会裡に終了しました。
講演会は午後 5 時より当初 3 番目に予定されていた
講演会は、時間通りに終えることができ、その後の
工藤教授から開始されました。工藤教授は大腸早期癌
情報交換会では直接、講演された 3 人の先生方に熱心
の内視鏡診断においての病態、進行程度を、病変の表
に質問する光景が見られました。
面構造のピットパターンで診断する方法を診断学まで
講演会を無事終えることができ、講演された工藤、
高めた世界的権威です。最近では、あまり基本的すぎ
芳野、東各教授、講演会に協力していただいた金子教
て講演ではされない、教授の原点である「大腸挿入法
授、アステラス製薬の皆さん、金沢医科大学の内視鏡
から治療法まで」と題して講演されました。当初の講
科の浦島左千夫講師、川浦 健助教、浜田 和助教の先
演がほぼ 1 時間で終了した段階で、芳野、東両教授が
生方に厚くお礼申し上げます。
到着されていなかったため、引き続き工藤教授のご配
慮で今まで講演した内容の質問や、大腸挿入法、診断
に対する質問に答えるトーク形式の時間をとっていた
だきました。芳野、東両教授が到着される午後 7 時 15
分まで、およそ 1 時間 15 分にもわたって熱心な質疑応
答があり、工藤先生に直接触れ合うことができ大変好
評でした。一時、講演会の成立が危ぶまれましたが、
工藤先生の機転の利いたご配慮で乗り切ることができ
ました。
午後 7 時 15 分から、胃癌とヘリコバクターピロリ菌
の分野では日本で最先端の研究をされている東教授の
「胃癌診療の現状と展望」と題してのご講演がありま
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
91
随 想
米欧回覧実記を読んで
その 三 ヨーロッパ大陸編(上)
名誉教授 津川 龍三
使節団一行は、11 月 16 日(1872 年)ロンドン、ヴィ
クトリア駅からイギリス政府の特別仕立て列車で、9
時にドーバーに着いた。ここで 34 キロ離れたフラン
ス・カレー港に向かった。わずか一筋の狭い海を隔て
ただけなのに、言葉の音調が英国人は重苦しく、フラ
ンス人は激しく感じる。何千年も経っているのに何故
に異なったままなのかと思ったようだ。ちなみに「英
仏海峡トンネル」は 1994 年に開通し、フランス側から
の工事には日本の川崎重工が参加した。なお「青函ト
ンネル」は 1985 年の開通である。
午後 1 時カレーから汽車で南へ、6 時にパリに着い
た。馬車に乗ってシャンゼリゼ通りから凱旋門「Arc
de triomphe 」へ向かう。小生は約 20 年前、シャンゼ
リゼ通りを歩いたがマロニエの街路樹の道から美しい
ごく緩い上り坂の繁華街に変わり、凱旋門に至る。右
側に「LIDO 」というショウ劇場があり、華やかなダン
ス、アクロバット、ダイナミックな舞台装置や照明な
どは素晴らしかった。
凱旋門(高さ 50 メートル)は 1806 年ナポレオン・ボ
ナパルトの命によって建設が始まった。1836 年に完
成したが、ナポレオンは柩で通ることになった。
シャンゼリゼ通りを逆に歩けばコンコルド広場があ
り、オベリスクが立っている。ナポレオンのエジプト
凱旋門 パリ
遠征の際、ルクソールの地中から掘り出して持ち帰っ
たもので、台座も入れると 32 メートルの高さである。
チをしている。この頃、明治政府よりの通達が伝えら
この場所は 1789 年フランス革命の際、ルイ 16 世、王
れ、現行の明治 5 年 12 月 3 日は明治 6 年 1 月 1 日となる
妃マリー・アントワネットがギロチンで斬首刑を受け
ことになった。
たところである。その後、ロベスピエールが恐怖政治
次に、工業技術博物館をみて、工芸(加工技術)を
を敷き反対派を次々とギロチンに送り、最後には彼自
盛んにするには欠かせない条件として著者が記してい
身も処刑された。一行が訪れた時は国情が安定してい
る事は、第一に、原料になるものを見つけ、第二に、
た時期で、全市民が一つの公園に住んでいるようで、
必ずそのものの性質を見極め、第三に、必ず加工技術
どこでも遊べるし休息もできる。空気は澄み、煤煙は
に習熟し、第四に、必ず消費者の需要動向を察しなけ
ない。石炭より薪を使用と述べている。
ればならないとしている。また一次産品をそのまま輸
フランスの製品については、デザインから仕上がり
出するのは未開人のやり方であるという。欧州各国も
まで素晴らしく、当時から「パリはファションの源」
これら四条件を満たしつつ進めていると述べている。
と欧州人は評価していたようだ。また、日本向けに綿
英国と比較すると、英国は工業は大きいが、細工は大
織物を輸出しているが、その際、江戸、九州、関西で
ざっぱ、フランスは華麗で繊細な手細工を得意として
の売れ筋を調査している。今でいうマ−ケットリサー
いると述べている。
【随想・報告】
金沢医科大学報
また、福祉については病弱な労働者への対応にも触
92
て、どうしているかみてみたい」という目的があった
れている。当時の欧州各国は広く労働者の生活水準向
と思われる。著者はベルギー人は剛毅で自主性に富み、
上や福祉問題に力を注いでいる。
戦いに強いと感じた。ブラッセルでは、王宮、教会、
一行はヴェルサイユ宮殿を訪れている。1681 年竣
植物園などをみている。
工の素晴らしい宮殿である。フランス革命後、破壊し
次にオランダへ行き、ハーグ、ロッテルダム、ラ
てしまえとの意見もあったが、ナポレオン一世が止め
イデン、アムステルダムを廻っている。海岸線は複
たという。宮殿の外に出ると広大な庭園があり、一面
雑、全体に海より低い泥土の湿地である。北海に面し
の芝生の中に樹木や石像が、左右対称に配置されてい
ていることもあって、一定の強さで風が吹き湿気を払
る。宮殿の近くに白い大きな石で囲まれた池があり、
い、風車を回して水をかき出している。運河が多く船
小生が行った 35 年前はバラの花が美しく池を囲むよ
舶も多い。オランダ人は慎み深く勤勉で、耐久力があ
うに咲いていた。その頃、日本ではマリー・アントワ
り、物事をゆるがせにしない気質をもっていると述べ
ネットを主題とした「宝塚歌劇・ベルサイユのばら」
ている。17 世紀ライデンは市民の希望で大学を創設
が大ヒットしていたので、大いに納得した。ただ、ラ
し、訪問当時(1873 年)も続々と優秀な学者が生まれ
ストシーンではアントワネットが舞台下手の階段を上
ているという。日本がオランダから学んだのもうなず
りつつ刑場に向かって去るように演出されているが、
ける。いわゆる鎖国時代、オランダだけが通商を許さ
実記の方では大いに違う事実を書いている。
れ、長崎の出島が受け入れ口となった。いわゆる蘭学
パン工場も訪れている。製造法が上等から下等まで
であり、中でも医学を主とする自然科学が大きな分野
あり、形も違うという。著者は稲と小麦を比べ稲作に
であった。1857 年(安政 4 年)オランダ政府より派遣
偏る当時の日本農業を批判している。
された 28 歳の軍医ポンペは長崎で医学全般を 1 人で教
次はフランスの銀行を訪れ、金融の動きを見聞きし
えるという難業を 5 年間行った。その時、解剖学はキ
ている。またセーヌ川北岸でゴブラン織の工場を見て
ュンストレーキという精巧な人体模型を使って講義さ
いる。繊細で織物の絶品であり、他国が模倣してもフ
れた。それは現在の長崎大学医学部に保管されている。
ランスに及ばないという。次にチョコレート製造工場
1869 年(明治 2 年)に加賀藩の命により黒川良安(金沢
へ、フランスは当時、五大州に植民地を多く持ってい
大学医学部の始祖)が長崎へ赴きキュンストレーキを
て(英国に次いで 2 位)そこから原料を集めている。ま
持ち帰った。現在も良い保存状態で金沢大学医学部記
た天文学や医学、化学で使用する精密な鏡は必ずフラ
念館にある。なお、小生は 40 年前、
「金沢大学医学部
ンス製で、欧州で広く用いられているという。
百年史」の編纂に携わったが、その労に対し、12 号大
次は法廷で、ちょうど「夫殺し」の裁判中で夫の財
産を奪い、のちに再婚したいという事例で、同様事例
は珍しくないという。 次は銅像を造る工場へ行った。フランスでは人民か
ら広く寄付を集め、アメリカ独立 100 年を記念し「自
の額縁入りのキュンストレーキの画をいただいた。
その後金沢大学から本学の泌尿器科学教授となり、
その額は自室に保管していたが、定年退職時、続けて
の保管を本学第一解剖学教室に依頼したところ快く引
き受けていただいて今日に至っている。
由の女神像」を寄付、1886 年に完成した。インターネ
さて、この学報は本学発行であるので、この機会
ットには台座から 93 メートルの像で世界遺産、製造
に、北陸とオランダとの交流についても言及しておき
した工場名はなかったが、後年この工場で造ったのか
たい。
も知れない。
次に盲聾唖学校を訪れ、その教育法を見学している。
明治 4 年 3 月、オランダから陸軍 1 等軍医スロイス
(アムステルダム大学卒、28 歳)が金沢県医学館(現在
また、失明者は一刻も早く盲学校に入校させるように
の金沢市大手町にあった)に着任し、解剖学、病理学、
と特記している。
薬剤学、外科手術論、動植物学などを講義し、明治
明治 6 年(1873 )2 月 10 日、香水工場を訪ねた。花か
7 年 9 月に任期満ちて帰国、人格者で人望があったと
ら香りの部分を抽出していて極めて品質が高く蜜蜂が
いう。明治 8 年 7 月、後任としてホルトルマンが着任、
商標だったという。念のため調べてみると、
「秋に八
講義は精細、特に手術が上手だったという。12 年任
王子市の高尾山に花柄模様の服を着て、香水をつけて
期満ちて金沢を去った。以後日本はドイツ医学の時代
登ると蜂の襲撃を受けやすい」という意味の記述があ
となった。
った。
特記したいのはホルトルマンの金沢在任中の悲しい
1873 年 2 月中旬、ベルギーへ入る。著者は、
「今ま
出来事である。彼は 3 人の子供を当時流行のコレラで
で大国ばかり廻って、小国をみていない、大国に伍し
失ったのである。1959 年、金沢市の東にあたる卯辰
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
93
山の工事中に墓が発見され、現在は整備され、図のよ
うな墓碑が建立されている。その前に立ち、傷心の彼
に思いを馳せ、ただ心から子供たちの冥福を祈るのみ
である。
一行は 1873 年 3 月、樹林の中を列車でプロイセンに
入る。しばしば隣国と戦う機会が多く強力な砲をもっ
ている。また人びとは大変なビール好きである。同月
ベルリンへ行く。ここには多くの貴族がいて実権を握
っている。多くはフランスに留学してフランス風を好
んでいるようだ。動物園はアムステルダムと比べても
遜色がないほど充実している。ティアガルテンには市
内随一の大公園があり、良く整備されていた。また水
族館に行き 110 の水槽は世界一と感じた。次はジーメ
ンスの電気機器製造工場を見学した。
ホルトルマン愛児墓碑:卯辰山(金沢)
フォン・ビスマルクと会っている。彼は、英仏両
国の海外植民地搾取につき述べ、この第三巻、369 ∼
370 ページに記されている。また 1874 年のモルトケ参
(上記キュンストレーキは、2009 年現在国宝修理所
で点検修理中である)
謀総長の演説の略記が 383 ∼ 386 ぺージにある。現代
の日本人が読めばそれなりに意義があるだろう。
《本学スタッフ新刊著書》
医療情報科学研究所 編集
岡庭豊 編
なぜ?どうして?
イヤーノート 2010
専門Ⅱ成人看護 急性期・周手術期
内科・外科 第 19 版
和藤幸弘 分担執筆
(救急医学 L1-46、麻酔科
学 M1-32 )
和藤幸弘 監修
メディックメディア
A5 判、275 頁
定価:(本体 1,000 円 + 税)
2009 年 3 月 21 日
ISBN978-4-89632-276-7
メディックメディア
B5 判、1546 頁
定価:(本体 22,000 円+税)
2009 年 4 月 1 日発行
ISBN978-4-89632-263-7
「Year note 」
「データ・マニュアル」
「主要病態・主
要病態の論文集」
「セルフ・アセスメント」のシリーズ
4分冊で構成されている。毎年、小改訂、大改訂を繰
看護学生をはじめとするコメディカルが実習前に読 り返して版を重ね今回は大改訂された年。医学生から
んで疑問を解決しておくための本である。このシリー 研修医まで参考になる内容となっている。内容は医師
ズを全部記憶していれば看護師国家試験に合格できる 国家試験レベルで必須なものをメインとし、効率的な
ことが検証されている。携帯できるポケットサイズ。
理解と知識の拡大を目標にしている。
(救急医学 和藤幸弘記)
(救急医学 和藤幸弘記)
【随想・報告】
金沢医科大学報
94
随 想
全米空調展視察研修に参加して
金沢医科大学氷見市民病院
新病院建設準備室課長 亀井
淳平
はじめに
昨年 12 月、民間企業が主催する海外研修に、
産学連携の一環として、参加するようにとの
電話が突然あった。10 月に氷見への異動辞令
をいただき、これから氷見の業務を軌道に乗
せようという時期だったが、理事長、副理事
長、施設設備部長からの「見聞を広める上で
こんないいチャンスはない。行ってきなさい」
との言葉に後押しされ、海を越えることとな
った。
2009 年 1 月 23 日 ∼2 月 1 日 の 日 程 で 参 加 し
た「RYOKI TOUR2009 」は、㈱菱機工業(主
に空調設備、衛生設備などの設計と施工を行
っている企業)が主催するツアーであり、シカ
マンハッタンの高層ビルを背景に。左から 1 人目、2 人目が加賀屋の方で 3 人
目が菱機工業の方、右が筆者
ゴで開催される ASHRAE(American Society
of Heating,Refrigerating and Air-Conditioning
ゆるおのぼりさんである。地下鉄でマンハッタンへ行
Engineers アメリカ暖房冷凍空調学会)の AHR EXPO
き、リバティ島へ渡るためにフェリーに乗船、たかが
という空調展示会への参加を主目的としたもので、そ
10 分足らずの乗船であるが、乗船時にはベルト・靴
の他、空調施設の視察などが予定されていた。
まで脱がされボディーチェック、荷物検査、空港と同
参加者は、菱機工業の社員の他、設計事務所、加賀屋、
金沢医科大学、関連設備業者など総勢 39 名であった。
その中に菱機工業の平成 20 年度採用の新人 7 名が含
まれており、
「将来を展望できる人間形成を期待して」
自由の女神。台座の下より撮影
じセキュリティーチェックを受けた。やはりテロ対策
なのか、ここでアメリカを感じることになった。
ニューヨークの治安はかなり良くなったらしい。メ
トロカードを購入する地下鉄は、旅行者にも便利な足
ということらしい
となっている。ちなみに横断歩道には信号があるが、
が、その会社の教
ほとんどの人が無視している。時として車でさえそう
育方針、持続性に
である。現地人の話によると、日本人は横断歩道を渡
は脱帽してしまっ
るとき、子供に信号をよく確認しなさいと教えるが、
た。
アメリカ人は車をよく見なさいと教え、車にぶつかっ
1. 研修のはじまり
ても、ぶつかる方が悪いと言われるらしい。また、天
第 1 日 目、 成 田
気予報で、日本はどのチャンネルを見ても大体同じ予
国際空港からニュ
報であるが、アメリカではテレビ局毎の気象予報士に
ーヨークへ 13 時間
よって考え方が違うため予報は異なり、どのチャンネ
の旅である。この
ルを信じるかは個人の判断だという。いわゆる自己責
日は自由行動とな
任というものを大きく問う国民性らしく、日本人のよ
っており、到着後
うにすぐに責任を人に押し付けたがるのとは大分違う
すぐに何はともあ
ようである。
れ「自由の女神」を
ニューヨークから列車で 3 時間少し、時間が取れた
見に行った。いわ
のでワシントンへも足を伸ばすことになった。確か 4、
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
95
毎年 CO2 濃度は増大し、2100 年にはその温室効果に
よって、平均気温は 4℃以上の上昇は避けることがで
きないそうだ。その結果、海面が上昇し沿岸部の水没、
内陸の砂漠化、干ばつ、台風・ハリケーンの多発、気
候の変化による感染症の流行等、人類にとって様々な
悪影響が予測される。ちなみに、氷河期と現在の平均
気温の差は約 5℃に過ぎないと言われているので、そ
の温室効果ガスの増大の脅威が実感として沸いてく
る。
今、米国内では、グリーンテクノロジーに対する
関心が大きく高まっており技術重視の企業はプロジェ
ホワイトハウス前にて
クトを展開し始めており、間違いなく日本にもそのト
レンドが来るだろうし、日本において、グリーンテク
5 日前オバマ氏就任演説が行われ、沿道まで人があふ
ノロジーは、設備・電気といった技術の面だけではな
れ出た映像をテレビで見たホワイトハウス前で、改め
く経済面はもちろんのこと、これからの価値観や哲学
て辺りを眺めてみた。その静けさと落ち着いた雰囲気
までも大きく変える必要に迫られているように思われ
に少し戸惑いを感じながら、柵があるとはいえ、僅か
る。
100m もない距離に階段があり、その上にあるバルコ
シカゴでは気温マイナス 15 度を体験したが、不思
ニーで歴史に残るであろう演説をオバマ新大統領が行
議なことに、シカゴではスタッドレスタイヤが無いら
ったと思うと、少し熱い気持ちが湧き上がって、思わ
しく、オールシーズンタイヤでの車社会らしい。当然、
ず叫びたくなった。
スリップ事故は通常にあるので、マイナス気温の中で
「YES, WE CAN 」
「WE MUST CHANGE 」
そして、これからの数日間でオバマ新大統領の公約
である新エネルギー政策の中の温室効果ガス問題と、
乗ったタクシーにそんなタイヤでそんな飛ばさないで
くれと、思わずお祈りをした。
3. 最適な空調を求めて
クリーンエネルギーへの取組(グリーンニューディー
1 月 29 日に最後の研修地ラスベガスに到着、ニュー
ル)や、日本と合衆国の空調設備の違いについて肌で
ヨーク、シカゴでは気温が 0℃からマイナス 15℃であ
感じることになった。
ったため、気温 20℃のラスベガスは別天地のように
ニューヨーク最後の日には、東京三菱 UFJ 銀行経
感じられた。初日、宿泊先フラミンゴホテルの設備の
済調査室 NY 駐在の勝藤史郎氏から「米国経済・金融
研修が行われ、客室数 3000 を越える大きな建物の機
の動向」と題して講演を受け、経済が持ち直すにはま
械室を見学することになった。
だ 3 年かかるとのことであった。しかし、日本は輸出
ニューヨーク、シカゴでの空調は電力会社による大
大国でありアメリカ合衆国の冷え込みに敏感に反応し
規模な地域冷暖システムから供給される蒸気や冷水に
たと言われているが、ニューヨークで見る車は、トヨ
よって行われていることは有名だが、当ホテルも含め
タ・ホンダ・ニッサンと 6 割以上が日本車であり、な
んとなく納得させられた。
2. ASHRAE(空調展示会)とアメリカ空調事情
今年のASHRAEは、シカゴにある総合コンベン
ションホール・マコーミックプレス(幕張メッセの 4
倍の面積 25 万㎡)で行われた。
大きな会場には、大型冷凍機、ボイラー、空調機、
エアコンなどの機器類を始め、配管類、ダクト類、計
測機器、工具類まで会場いっぱいに展示され、世界の
空調メーカーが一堂に会して出展していることに大変
感銘を受けた。また、展示会を回ってみて、機器類・
計測機器などは、省エネや高効率と同様に環境配慮を
強調し売り込んでいるのが特徴的だった。
文献によって多少の違いはあるが、このまま行くと
シカゴは近代建築の宝庫とよばれ、奇抜なデザインのビルが林立する
【随想・報告】
金沢医科大学報
96
ラスベガスの建物は、日本各地で見られるように、各々
を余儀なくされ、天井部と床面との温度の差あるいは
の建物で熱源をもち単独の空調システムで空調を行っ
温度の不均一さが顕著になるという不適合がしばしば
ていた。冷熱源は、ターボ冷凍機、温熱源は、炉筒煙
指摘されている。これからの空調設備は、多様なニー
管型ボイラー、2 次側はエアハンドリングユニットお
ズのみならず、その地域の気候や風土に適したものが
よびファンコイルで行っており、本学の病院と大きな
要求されてくると強く思った。
最後に、今回の研修に参加させていただき、自分
違いはない。
しかし、夏季における米国・ヨーロッパの高温低湿
の何が変わったのかと問われると、
「自分って小さい
と日本・東南アジアの高温高湿の気候条件の違いは、
な こんな些細な事に、一喜一憂、クヨクヨ、グタグ
空調機、空調システムの適合・不適合の論点にさえな
タするなんて。もっと大きな目で物事を考えよう」
る場合があり、とりわけパッケージエアコン、ルーム
と・・・ 。
エアコンは、米国で開発されたもので、空気を熱媒に
今回、機会をくださった理事長をはじめ、研修でお
しているため、米国の夏場の相対湿度 60∼70%の条
世話になった方々、職場を守っていただいた皆さんに
件に適した機械であり、相対湿度が 80%を軽く超え
感謝いたします。
る日本や東南アジアでは、潜熱を取るため過冷却運転
《本学スタッフ新刊著書》
日本プライマリ・ケア学会 編集
Edited by Ronald R.Watson, Victor R.Preedy
熟練医から“日常診療のさまざまな
コツ”を伝授
Botanical Medicine in Clinical Practice
元雄良治 分担執筆
“患者マネジメント”のコツ 外来化学療法におけるプライ
マリ・ケアのコツ:182-183 頁
南山堂
A5 変形判、192 頁
定価(本体 1,500 円+税)
2009 年 3 月 29 日発行
元雄良治 分担執筆
12. Japanese Herbal
Medicine in Westernstyle Modern Medical
System: 105-111 頁
C A B International,
United Kingdom
A4 判、928 頁
定価(40,950 円+税)
2009 年 1 月 15 日発売
ISBN978-1-84593-413-2
日本プライマリ・ケア学会が編集した本書は、医療
面接・診察・コミュニケーション・疾患への対応・薬
物療法・栄養・運動・地域連携・IT による情報管理な
ど多岐にわたる 127 項目について、見開き 2 ページでそ
のコツが書かれている。各項目の冒頭には「極意」とし
てサマリーが示され、項目名も「黙って座ればぴたり
と当たる」、
「患者も人間、医者も人間」、
「患者さんと
はお友達、笑う門には福来たる」などユニークなもの
があり、好きなページから楽しく読める。プライマリ・
ケアのプライマリには第一次という意味よりも、
「プリ
マ・ドンナ:主演女優」のように重要なという意味が
込められている。
(腫瘍内科学 元雄良治記)
本書は植物由来の薬剤さらには食物成分が、がんや
生活習慣病の予防、健康増進に及ぼす影響について、
99 章にわたって記載されている。日本の漢方も含めた
東アジアの伝統医学はもちろんのこと、アフリカ・ア
ラブ・南米・ヨーロッパ・ヒマラヤ・インド・メキシ
コ・カリブ海・ロシア・タイなど世界の伝統医学が紹
介されている(記載順)。また感染症の次に悪性腫瘍が
記載され、とくに予防に重点が置かれている。この他、
循環器疾患・糖尿病・精神疾患・肥満・婦人科疾患な
ど、ほとんどの臨床医学領域が扱われている。この分
野の最新の情報を得ることができ、英語での表記法な
ども参考になると思われる。(腫瘍内科学 元雄良治記)
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
97
随 想
日本 - タイ スカウト友好親善交歓事業に
参加して
研究推進センター事務課長 上田
正博
ボーイスカウト石川県連盟では、第 14 回日本
ジャンボリー(H18.8 石川県珠洲市鉢ヶ崎で開
催)を機にタイ・スカウト連盟と友好提携の調印
を行いました。その国際交流事業として、相互
にスカウトを派遣して友好親善につとめていま
すが、今回、日本代表として石川県連盟代表団
をタイ連盟に派遣し、日−タイ・スカウト友好
交流を図ることになりました。そして、その派
遣隊は私が所属する石川県連盟金沢第 17 団が中
心となることになり、私は引率指導者兼広報担
当として参加させていただくことになりました。
派 遣 隊 は、 金 沢 第 17 団 の ロ ー バ ー 隊( 大 学
生)、ベンチャー隊(高校生)
、ボーイ隊(小中学
ECT(The Election Commission of Thailand:選挙管理委員会)を表敬訪
問。左から 2 人目が筆者
生)およびリーダーで構成され、3 月 20 日(金)
にセントレア(中部国際空港)を出発した。タイのチ
岳地方のチェンマイは交通渋滞と排気ガスが気になる
ェンマイやバンコク市内で現地スカウトと交歓会やキ
バンコクより過ごしやすく、タイに住むならチェンマ
ャンプファイアを行ったほか、市内見学(豪華絢爛な
イがいいなと思いました。ホテル等では冷房が効き過
寺院、世界遺産アユタヤ、チェンマイ動物園・水族館
ぎるくらいで、薄手の長袖シャツは必須です。タイ料
等)やタイ料理を楽しみ、25 日(水)に無事帰国しまし
理は辛味や甘味、酸味などに加え、独特の調味料やハ
た。心配された昨年の政治混乱による空港閉鎖の影響
ーブの香りが複雑に絡み合い、深い味わい? を作り
は見る影もなくとても平穏でした。
上げていました。とくにトム・ヤン・クンやタイスキ
タイは立憲君主制で、元首はプーミポン・アドゥン
(タイ風シャブシャブ)
、グリーンカレーなどはスパイ
ヤデート国王(ラーマ 9 世)です。人口は約 6 千万人で
シーでとてもおいしかったです。また、タイでの性別
95%が仏教徒。国土は日本の約 1.4 倍。首都はバンコ
は 3 タイプあるといわれ、男性、女性の他にどちらで
ク。通貨はバーツ(B )とサタン(S )
(1B = 100S =約
もない人が社会に認知され、世界中からその方面の人
3 円)
。ホテル等でのチップは 20B 前後で、屋外トイ
が多く集まってきているそうです。バンコクでそれら
レでは 1∼2B いるところもあります。ちなみにミネラ
しき人を何人かみたのですが、一見して女性との区別
ルウォーターは、コンビニで 7B(21 円)でした。飲食
はできませんでした。
等の生活必需品の物価は安く、車や電化製品などの贅
タイの学校教育制度は日本と同じく 6:3:3 制で、
沢品の物価はきわめて高いとのことでした。言語はタ
小・中学校の全員がスカウトになっているいわゆるス
イ語で、都会では一部英語が通じます。ちなみに、今
クールスカウトです。タイにおけるボーイスカウトは、
回覚えたタイ語は、サワディーカップ(こんにちは、
ラーマ 6 世(20 世紀前半の国王)が世界で 3 番目(1915
さようならの意味で挨拶時に一日中使えてとても便利
年)に設立したとのことです。
な言葉)
、アロイ(おいしい)
、コックンカップ(あり
タイを訪問して、まずびっくりしたのがタイ連盟の
がとう)でした。日本との時差は 2 時間(日本の方が
熱烈な歓迎ぶりでした。とくに空港での出迎えは、現
2 時間早い)
。3 月の季節は日本の夏と似ていますが、
地スカウトや関係者がジャスミンの花で作ったレイを
湿度はあまり高くなく比較的すごしやすく、とくに山
手にもって私たちにいくつもかけてくれました。そし
【随想・報告/資料】
金沢医科大学報
98
ではないかと期待しています。私は日頃から
スカウト活動を通してスカウト(子供たち)
からエネルギー(若さ?)をもらっているの
ですが、今回の派遣では現地のスカウトだけ
でなく、同行した大学生らとも親しくなり一
生の思い出となりました。今度はプライベー
トでまだ行っていない地方を旅行できればい
いなと思っています。
話は変わりますが、今回の派遣が決まり、
少しでも英語が話せるようにならないかな
との思いで、平成 20 年度に国際交流センタ
ーが企画した Evening English へ参加しまし
た。残念ながらヒアリングや会話はまだまだ
未熟なのですが、現地のスカウトやリーダー
現地スカウトたちと記念撮影。世界遺産アユタヤにて
たちとなんとかコミュニケーションをとるこ
て、チェンマイでの現地スカウトとの交歓プログラム
とができました。バーク先生や英会話教室に参加した
では観光バスの誘導に一日中パトカーが先導するなど
クラスメート、そして国際交流センターの皆様ありが
VIP 待遇で、本当に日本代表になった気分でした。も
とうございました。
っと驚いたのは、ボーイスカウト運動※と選挙管理委
最後に、派遣に際し特別のご配慮いただいた山下理
員 会(The Election Commission of Thailand: 通 称
事長をはじめ、事務課スタッフなど関係の皆様にこの
ECT )の関係でした。ECT は政府から独立した機関
場をお借りしてお礼申し上げます。
で、文部科学省(教育省)の協力のもと、ECT のプロ
※ボーイスカウト運動
健全な青少年の育成を目的とした世界的な社会教育運
動で、正しい生活態度を身につけ、心身ともに健全な立
派な青少年を育成する教育活動。1907 年にイギリスで生
まれ、現在 216 の国と地域で 2,800 万人がスカウト活動に
参加している。日本では 1922 年に日本連盟が創立され、
現在約 16 万人が加盟している。また、石川県連盟では約
2 千人(団組織は 30 団)が活動している。
ジェクトとして ECT Voluntary Boy Scout が設立さ
れ、ボーイスカウト運動を通じて選挙の公平性を教育
したり、実際に選挙時に投票者をサポートしたり、選
挙に特化した活動を行っているそうです。ということ
で今回のタイでのスポンサー(チェンマイの宿泊・活
動費等)は ECT だったそうです。そして、その ECT
を急遽表敬訪問することになったのですが、そこでも
熱烈な歓迎を受け、ECT 委員長や事務総長、文部政
務次官等と会食することになり、とても緊張した一日
を過ごしました。
タイは自然が満ちあふれ、人々はやさしく、ほほえ
みの国といわれ、とても親日的な国です。今回は日本
からタイを訪問し、交歓プログラムに共に参加し友情
を深めましたが、今夏8月には逆にタイからの訪問団
派遣期日: 平成 21 年 3 月 20 日(金)∼ 25(水)4 泊 6 日
派 遣 国: タイ国、National Scout of Thailand(タイ・
スカウト連盟)
交流場所: チェンマイおよびバンコク
派遣団員: スカウト 24 名、引率指導者 11 名、随行 3 名
関 連 H P: http://www52.tok2.com/home/bs17/dan/
thaihaken/H210320thaihaken.html
が来日することになり、友好の輪がさらに進展するの
ワット・プラ・マリート
ワット・ヤイ・チャイ・モコン
水上から見るバンコク市内
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金沢医科大学報
99
資 料
理事会
第 198 回 平成 21 年 3 月 30 日
議案
1 理事・評議員の選任等について
2 総合医学研究所長の選任について
3 看護学部長の選任について
第 199 回 平成 21 年 3 月 30 日
議案
1 平成 21 年度事業計画案について
2 平成 21 年度予算案について
3 資産運用規程、財務委員会規程及び経理規則の改正に
ついて
4 金沢医科大学学則の一部改正について
5 金沢医科大学大学院学則の一部改正について
金沢医科大学病院医員規程
(平成 21 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学看護学部臨床講師(看護)委嘱に関する規程
(平成 21 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学病院規程
(平成 21 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院運営会議規程
(平成 21 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院部科長会規程
(平成 21 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院連絡会規程
(平成 21 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院業務分掌規程
(平成 21 年 4 月 1 日改正)
医学部教授会
第 812 回(定例) 平成 20 年 12 月 11 日(木)
評議員会
第 105 回 平成 21 年 3 月 30 日
議案
1 平成 21 年度事業計画案について
2 平成 21 年度予算案について
3 理事・評議員の選任等について
規程の改正
金沢医科大学病院救急医療・中央治療センター運営委員会規程
(平成 20 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学病院救急医療センター運営委員会規程
(平成 20 年 4 月 1 日廃止)
金沢医科大学病院ハートセンター運営委員会規程
(平成 20 年 4 月 1 日廃止)
金沢医科大学病院集中治療センター運営委員会規程
(平成 20 年 4 月 1 日廃止)
金沢医科大学病院新生児集中治療センター運営委員会規程
(平成 20 年 4 月 1 日廃止)
金沢医科大学研究推進会議規程 (平成 20 年 10 月 1 日制定)
金沢医科大学医学部特別奨学金貸与制度に関する規程
(平成 20 年 11 月 1 日改正)
学校法人金沢医科大学常任役員会規程
(平成 20 年 12 月 12 日改正)
学校法人金沢医科大学文書取扱規程
(平成 20 年 12 月 1 日改正)
金沢医科大学事務規程
(平成 20 年 12 月 1 日改正)
金沢医科大学教務に関する規程 (平成 20 年 12 月 1 日改正)
金沢医科大学医学部入学試験実施規程
(平成 20 年 12 月 24 日改正)
学校法人金沢医科大学職員給与支給細則
(平成 21 年 1 月 1 日改正)
掲示物に関する内規
(平成 21 年 1 月 1 日改正)
金沢医科大学病院情報システム運用管理規程
(平成 21 年 2 月 1 日改正)
金沢医科大学教職員家族奨学金貸与制度に関する規程
(平成 21 年 2 月 1 日制定)
金沢医科大学病院医療事故調査委員会規程
(平成 21 年 2 月 1 日改正)
金沢医科大学病院医療問題検討委員会規程
(平成 21 年 2 月 1 日制定)
金沢医科大学教務に関する規程
(平成 21 年 4 月 1 日改正)
学校法人金沢医科大学医療割引規程(平成 21 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院地域医療連携委員会規程
(平成 21 年 4 月 1 日改正)
人事関連等議題
1 前々回(第 810 回)及び前回(第 811 回)議事録確認につ
いて
2 その他
〈報告事項〉
1 辞職について
2 非常勤講師委嘱について
3 国内研修について
4 外国留学期間短縮について
5 その他
教学関連議題
1 平成 21 年度編入学試験受験資格の一部変更及び実施日
程について
2 平成 20 年度第 5 学年標準試験(随時試験)実施要領(案)
について
3 休学願提出学生の取り扱いについて
4 その他
〈報告事項〉
1 平成 21 年度推薦(公募制・指定校制)入学試験結果につ
いて
2 平成 21 年度一般入学試験実施に係る試験監督員の協力
について
3 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラ
イン(実施基準)に基づく体制整備等の実施状況報告書
にかかる現地調査について
4 その他
第 813 回(臨時) 平成 20 年 12 月 25 日(木)
人事関連等議題
1 前回(第 812 回)議事録確認について
2 ゲノム医科学(生化学)教授候補者の選考について
3 その他
〈報告事項〉
1 特任教授候補者について
2 准教授候補者について
3 出向について
4 休職期間短縮について
5 勤務先移動について
6 その他
教学関連議題
1 休学願提出学生の取り扱いについて
2 平成 20 年度第 6 学年卒業判定について
3 益谷秀次賞、北辰同窓会会長賞候補者の推薦について
4 その他
〈報告事項〉
1 その他
第 814 回(定例) 平成 21 年 1 月 8 日(木)
人事関連等議題
1 前回(第 813 回)議事録確認について
2 その他
〈報告事項〉
1 辞職について
2 非常勤講師委嘱について
3 その他
教学関連議題
1 「金沢医科大学医学部入学試験実施規程」の一部改正に
【資料】
金沢医科大学報
ついて
2 平成 20 年度第 4 学年共用試験 OSCE 実施要領について
3 平成 21 年度カリキュラム(案)について
4 その他
〈報告事項〉
1 平成 21 年度一般選抜入学試験出願状況について
2 平成 21 年度第 6 学年臨床実習実施要領について
3 最終講義の開催について
4 その他
その他
1 感覚機能病態学(耳鼻咽喉科学)教授候補者選考に係る
公開面接について
第 815 回(臨時) 平成 21 年 1 月 27 日(火)
教学関連議題
1 平成 21 年度一般入学試験第 1 次試験合格者の決定につ
いて
2 平成 21 年度再入学試験実施委員の選出について
3 その他
第 816 回(臨時) 平成 21 年 2 月 5 日(木)
教学関連議題
1 平成 21 年度一般入学試験第 2 次試験合格者の決定につ
いて
2 平成 21 年度金沢医科大学特別奨学金貸与者の決定につ
いて
3 その他
第 817 回(定例) 平成 21 年 2 月 12 日(木)
人事関連等議題
1 前々々回(第 814 回)、前々回(第 815 回)及び前回(第
816 回)議事録確認について
2 「金沢医科大学教職員家族奨学金貸与制度に関する規
程」について
3 その他
〈報告事項〉
1 特任教授候補者について
2 准教授候補者について
3 教員採用について
4 昇任について
5 辞職について
6 客員教授委嘱について
7 非常勤講師委嘱について
8 協力研究員委嘱について
9 国内研修について
10 非常勤講師派遣について
11 一般教育機構生物学准教授候補者について
12 その他
教学関連議題
1 平成 21 年度医学部編入学試験日程について
2 平成 21 年度再入学試験の実施について
3 平成 20 年度学年成績審査委員会委員について
4 その他
〈報告事項〉
1 金沢医科大学雑誌への投稿論文の募集について
2 その他
〈協議事項〉
1 「金沢医科大学氷見市民病院の現状と将来」について
第 818 回(臨時) 平成 21 年 2 月 19 日(木)
人事関連等議題
1 臨床感染症学の設置について
2 その他
教学関連議題
1 「金沢医科大学学則」の一部改正について
2 「金沢医科大学教務に関する規程」の一部改正について
3 平成 21 年度学年暦(教務日程)
(案)について
4 平成 21 年度 2 学年「看護体験実習」
(案)について
5 平成 21 年度第 3 学年「救急車同乗体験実習」
(案)につい
て
6 平成 21 年第 1∼4 学年 PBL(案)について
7 平成 21 年度 1・4 学年アドバンスト・コース(案)につ
いて
8 平成 21 年度第 5 学年臨床実習実施要領の一部変更につ
いて
9 その他
〈報告事項〉
1 平成 20 年度金沢医大後援会橘会会長賞受賞候補者の推
薦について
2 平成 21 年度いしかわシティカレッジに対する本学提供
科目について
3
4
5
100
共用試験 CBT 本試験結果について
中国・大連大学附属中山病院視察団の受入について
その他
第 819 回(臨時) 平成 21 年 2 月 26 日(木)
人事関連等議題
1 前々回(第 817 回)議事録確認について
2 その他
〈報告事項〉
1 臨床准教授候補者について
2 教員採用について
3 研究医採用について
4 研究員採用について
5 昇任について
6 医学部学内講師委嘱について
7 辞職について
8 出向について
9 出向期間延長について
10 客員教授委嘱について
11 非常勤講師委嘱について
12 臨床教授(学外)委嘱について
13 協力研究員委嘱について
14 休職について
15 休職期間延長について
16 移籍について
17 看護学部兼担について
18 非常勤講師派遣について
19 短期研究員の研究期間延長および研究部門の変更につ
いて
20 外国人短期研究員の研究期間延長について
21 外国人短期研究員の受入辞退について
22 短期研究員の受入について
23 その他
教学関連議題
1 その他
〈報告事項〉
1 平成 21 年度一般入学試験繰り上げ合格者について
2 マグデブルグ大学医学部との協定書調印について
3 テキサス A & M 大学医学部への学生派遣について
4 バーモント大学医学部への学生派遣について
5 その他
第 820 回(定例) 平成 21 年 3 月 12 日(木)
人事関連等議題
1 前々回(第 818 回)及び前回(第 819 回)議事録確認につ
いて
2 名誉教授の推薦について
3 教授選考委員会委員の選任について
4 その他
〈報告事項〉
1 特任教授候補者について
2 教員採用について
3 嘱託教員採用について
4 研究医採用について
5 定年退職について
6 辞職について
7 出向について
8 出向期間延長について
9 客員教授委嘱について
10 非常勤講師委嘱について
11 協力研究員委嘱について
12 休職について
13 休職期間延長について
14 移籍について
15 勤務先移動について
16 非常勤講師派遣について
17 その他
教学関連議題
1 平成 20 年度進級判定について
2 平成 21 年度再入学試験合格者の決定について
3 平成 21 年度標準試験実施要領(案)について
4 平成 21 年度特別聴講生の授業等の取り扱いについて
5 平成 21 年度第 1 学年早期臨床体験実習実施要領(案)に
ついて
6 平成 21 年度第 4 学年診療シミュレーション及び第 3 学
年 PBL のテューター(案)について
7 平成 21 年度第 6 学年「集中講義」
(案)について
8 平成 21 年度バーモント大学派遣学生の履修について
9 平成 21 年度各学年進級(卒業)判定基準(案)について
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
10 電子カルテ用端末(付属機器)の取り扱いについて
11 その他
〈報告事項〉
1 平成 21 年度第 1∼6 学年オリエンテーションの日程につ
いて
2 平成 21 年度学年暦の一部変更について
3 競争的研究資金等に係る会計検査院による実地検査に
ついて
4 その他
第 821 回(臨時) 平成 21 年 3 月 26 日(木)
人事関連等議題
1 前回(第 820 回)議事録確認について
2 「金沢医科大学学則」の一部改正について
3 「金沢医大後援会橘会賞」候補者の推薦について
4 平成 21 年度各種委員会委員について
5 その他
〈報告事項〉
1 特任教授候補者について
2 臨床教授候補者について
3 教員採用について
4 研究医採用について
5 昇任について
6 医学部学内講師委嘱について
7 辞職について
8 出向について
9 客員教授委嘱について
10 非常勤講師委嘱について
11 臨床教授(学外)委嘱について
12 協力研究員委嘱について
13 休職期間延長について
14 移籍について
15 併任について
16 看護学部兼担について
17 非常勤講師派遣について
18 看護学部移籍について
19 その他
教学関連議題
1 平成 21 年度専修生の継続について
2 平成 21 年度学年主任・副主任について
3 休学願提出学生の取り扱いについて
4 退学願提出学生の取り扱いについて
5 復学願提出学生の取り扱いについて
6 平成 21 年度特別聴講生の選考について
7 その他
〈報告事項〉
1 パラオ共和国保健省との協定書締結について
2 平成 21 年度基幹講義室の使用について
3 臨床実習におけるクリニカル・シュミレーション・セ
ンターの利用について
4 その他
看護学部教授会
第 29 回 平成 20 年 12 月 15 日(月)
〈 報告事項〉
1 人事関係について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4 科研対策特別委員会からの報告
5 倫理審査委員会からの報告
6 その他
議題
1 前回(第 27・28 回)議事録確認について
2 金沢医科大学看護学部編入学既修得単位認定に関する
規程(案)について
3 看護学部教員組織の変更について
4 その他
第 30 回 平成 21 年 1 月 19 日(月)
〈報告事項〉
1 人事関係について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4
5
6
議題
1
2
3
4
101
研究推進会議からの報告
FD 研修会からの報告
その他
前回(第 29 回)議事録確認について
学則の改正(別表 2 )について
教務に関する規程の改正について
その他
第 31 回 平成 21 年 2 月 16 日(月)
〈報告事項〉
1 人事関係について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4 FD 委員会からの報告
5 その他
議題
1 前回(第 30 回)議事録確認について
2 金沢医科大学看護学部編入学既修得単位認定に関する
規程(案)について
3 その他
第 32 回 平成 21 年 2 月 17 日(火)
議題
1 平成 21 年度看護学部一般入学試験合格者の判定につい
て
2 その他
第 33 回 平成 21 年 3 月 9 日(月)
議題
1 前回(第 31・32 回)議事録確認について
2 平成 21 年度看護学部委員会等名簿(案)について
3 助産選択履修選考方法について
第 34 回 平成 21 年 3 月 16 日(月)
〈報告事項〉
1 人事関係について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4 Web 管理委員会からの報告
5 研究業績評価委員会からの報告
6 FD 委員会からの報告 7 その他
議題
1 前回(第 33 回)議事録確認について
2 平成 20 年度前期(保留)授業科目及び後期授業科目の単
位認定について
3 金沢医科大学看護学部臨床講師(看護)委嘱に関する規
程(案)について
4 その他
第 35 回 平成 21 年 3 月 23 日(月)
議題
1 復学願提出学生の承認について
大学院医学研究科教授会
第 382 回 平成 21 年 2 月 12 日(木)
議題
1
2
3
4
5
6
7
前回(第 381 回)議事録確認について
大学院生の除籍について
在学期間延長願提出学生の取扱いについて
平成 21 年度非常勤講師の委嘱について
平成 21 年度大学院担当教員の委嘱について
金沢医科大学大学院学則の一部改正について
金沢医科大学大学院科目等履修生規程の一部改正につ
いて
8 金沢医科大学大学院医学研究科教授会規程の一部改正
について
9 学位授与可否決定での否票を投入した場合の理由書に
ついて
10 学位論文本審査委員の選出について
11 平成 20 年度金沢医科大学学長賞について
12 学位授与に係る謝礼等の授受禁止及び「学位審査体制
等の相談窓口」の設置について
第 383 回 平成 21 年 2 月 26 日(木)
議題
【資料】
金沢医科大学報
1 前回(第 382 回)議事録確認について
2 学位論文本審査委員の選出について
3 学位授与の可否決定について
4 その他
1 )平成 21 年度大学院医学研究科第 2 次学生募集について
2 )ファカルティ・ディベロップメントの実施について
第 384 回 平成 21 年 3 月 12 日(木)
議題
1 前回(第 383 回)議事録確認について
2 退学願提出学生の取扱いについて
3 復学願提出学生の取扱いについて
4 休学願提出学生の取扱いについて
5 在学期間延長願提出学生の取扱いについて
6 国内留学願提出学生の取扱いについて
7 平成 21 年度ティーチング・アシスタントの採用について
8 平成 21 年度大学院第 2 次募集選抜試験合否判定について
9 学位授与の可否決定について
10 平成 20 年度金沢医科大学学長賞の選考について
〈報告事項〉
1 大学院担当教員について
2 その他
1 )第 2 回大学院教育懇談会(FD )について
2 )教授職である研究担当教員の研究科教授会への参加に
ついて
3 )大学ホームページのリニューアル進捗状況について
総合医学研究所教授会
第 229 回 平成 20 年 12 月 18 日(木)
〈審議事項〉
1 前回(第 228 回)教授会議事録の確認について
2 総医研開設 20 周年記念事業について
3 研究所セミナーのプログラムについて
4 その他
(1 )第 18 回総医研勉強会の開催について
〈報告事項〉
1 平成 21 年度予算の申請について
2 平成 20 年度大型研究用機器の導入について
3 外国人短期研究員の受入れについて
4 次回の開催日時について
5 その他
(1 )学内者からの施設利用申請について
(2 )研究費の年度繰越について
第 230 回 平成 21 年 1 月 15 日(木)
102
〈審議事項〉
1 前回(第 229 回)教授会議事録の確認について
2 平成 21 年度研究費(旅費含む)の配分方法等について
3 その他
〈報告事項〉
1 平成 21 年度客員教授・非常勤講師・協力研究員等の募
集について
2 平成 21 年度「学外研修・就業願」の届出について
3 次回の開催日時について
4 その他
(1 )伊達所長の最終講義の開講について
(2 )勉強会の開催について
第 231 回 平成 21 年 2 月 19 日
〈審議事項〉
1 前回(第 230 回)教授会議事録の確認について
2 平成 21 年度客員教授、協力研究員等の委嘱について
3 政策的経費の使途について
4 学外者からの施設利用許可申請について
5 戦略的研究基盤形成支援事業の総医研内における位置
付けについて
6 その他
(1 )特別・寄附研究部門の継続について
〈報告事項〉
1 平成 20 年度研究セミナーの開催結果について
2 学内者への施設利用許可について
3 次回の開催日時について
4 その他
(1 )会計検査院の実地検査について
(2 )総医研開設 20 周年記念誌について
(3 )平成 20 年度 HRC プロジェクト研究等の成果発表会の
開催について
(4 )受託検査項目の追加について
第 232 回 平成 21 年 3 月 19 日(木)
〈審議事項〉
1 前回(第 231 回)教授会議事録の確認について
2 平成 21 年度予算の配付案について
3 学外者からの施設利用許可申請について
4 その他
(1 )部門の新規設置について
〈報告事項〉
1 平成 20 年度研究機器等の補助申請結果について
2 学内者への施設利用許可について
3 総医研関連委員会の委員選考結果について
4 平成 21 年度予算申請額の減額について
5 次回の開催日時について
6 その他
(1 )総医研運営委員会の廃止について
(2 )会計検査院の実地検査について
平成 20 年度 教育職員外国出張一覧(下半期)
氏名、所属、職名、開催国、期間、学会名等(英文)、発表演題名等の順で記載した。
望月 隆 環境皮膚科学(皮膚科学)教授 韓国 H20.10.1 ∼ 5 ① 8th Asian Dermatological Congress ② 4th
Congress of Asia Pacific Society for Medical Mycology 発表 ①「Molecular diagnosis of superficial mycoses 」 ②
「Molecular epidemiology of cutaneous fungal infection in Japan 」
牧野田 知 生 殖 周 産 期 医 学( 産 科 婦 人 科 学 )教 授 ド イ ツ H20.10.1 ∼ 8 2nd World Conference on Magic
Bullets(EHRLICH II ) 発 表 「A new application of granulocyte colony-stimulating factor( G-CSF )in the female
reproductive medicine 」
赤井 卓也 脳脊髄神経治療学(脳神経外科学)特任教授 パラオ共和国 H20.10.6 ∼ 10 Study Tour of Telemedicine with Belau National Hospital in Palau 調査
野村 祐介 循環制御学(循環器内科学)助教 ドイツ H20.10.10 ∼ 17 EANM '08 発表 「Global and regional
reinnervation after chemical symphathetectomy in rabbits assessed by C-11 hydroxyephedrine PET 」
横山 仁 腎機能治療学(腎臓内科学)教授 韓国 H20.10.10 ∼ 12 The 7th Korea-Japan Transplantation Forum
発表 「Chronic allograft injury(CAI )as the aspect of chronic kidney disease(CKD )」
湊 宏 病態診断医学(臨床病理学)特任教授 ギリシャ H20.10.11 ∼ 19 XX Ⅶ International Congress of
第 138 号/2009.5
金沢医科大学報
103
the International Academy of Pathology 発表 「Adenomatoid tumor of the pleura: a case report 」
木下英理子 病態診断医学(臨床病理学)助教 ギリシャ H20.10.12 ∼ 12.18 XX Ⅶ International Congress of
the International Academy of Pathology 発表 「Clear cell adenocarcinoma coexisting with squamous cell carcinoma
in situ of the uterine cervix: a case report 」
島崎 都 病理病態学(病理学Ⅱ)助教 ギリシャ H20.10.14 ∼ 25 8th International Conference of Anticancer
Research 発表 「Down-regulation of plakoglobin in soft tissue sarcoma is associated with a higher risk of pulmonary
metastasis 」
牧野田 知 生 殖 周 産 期 医 学( 産 科 婦 人 科 学 )教 授 タ イ H20.10.24 ∼ 30 12th Meeting of International
Gynecologic Cancer Society 発表 「Three patients suspected of malignant formation of mature cystic teratoma 」
早稲田智夫 生殖周産期医学(産科婦人科学)講師 タイ H20.10.26 ∼ 29 12th Biennial Meeting International
Gynecologic Cancer Society 発表 「Three patients suspected of malignant formation of mature cystic teratoma 」
松井 真 脳脊髄神経治療学(神経内科学)教授 アメリカ合衆国 H20.10.26 ∼ 11.3 Nineth International
Congress of Neuroimmunology 発 表 「Percentage of regulatory T cell used to monitor inflammation in the central
nervous system in comparison to systemic circulation in neurological patients with infection and multiple sclerosis 」
古家 大祐 内分泌代謝制御学(内分泌内科学)教授 韓国 H20.10.29 ∼ 11.2 Korean Diabetes Association 発
表 「Pathogenesis of diabetic nephropathy 」
元雄 良治 腫瘍内科学(腫瘍治療学)教授 韓国 H20.10.30 ∼ 11.2 2008
International Symposium of East-West Medicine for Cancer Treatment 発 表 「 Integration of herbal medicine into
multidisciplinary treatment and holistic care of cancer patients 」
元雄 良治 腫 瘍 内 科 学( 腫 瘍 治 療 学 )教 授 マ レ ー シ ア H20.11.5 ∼ 7 1st Asia-Pacific Traditional &
Complementary Medicine Conference 2008 発表 「Current status of Kampo (Japanese herbal) medicine 」
古家 大祐 内分泌代謝制御学(内分泌内科学)教授 アメリカ合衆国 H20.11.5 ∼ 10 Renal Week 2008 発表
「Control of mitochondrial turn over under the influence of SIRT1 in aged kidney 」
横山 仁 腎機能治療学(腎臓内科学)教授 アメリカ合衆国 H20.11.5 ∼ 11 The Annual Meeting of American
Society of Nephrology 発表 「Statins preserved the function of transplanted kidneys under controlled blood pressure 」
河合 康幸 循環制御学(循環器内科学)講師 アメリカ合衆国 H20.11.7 ∼ 12 American Heart Association
Scientific Sesseons 2008 出席
梶波 康二 循環制御学(循環器内科学)教授 アメリカ合衆国 H20.11.8 ∼ 13 American Heart Association
2008、討論座談会 出席
赤澤 純代 生活習慣病センター助教 アメリカ合衆国 H20.11.8 ∼ 14 American Heart Association 2008 出席
加藤 伸郎 生理機能制御学(生理学)教授 アメリカ合衆国 H20.11.12 ∼ 19 ① A Brain Research Meeting:Stress,
Coping and Disease ② Neuroscience 2008 発表 ①「The cortical layer specificity in physiological effects of electroconvulsive therapy in a rat model 」 ②「Intrancellular amyloid- β enhances spike-induced calcium increase by suppressing BK channels in neocortical pyramidal neurons 」
田中 惠子 脳脊髄神経治療学(神経内科学)特任教授 マレーシア H20.11.20 ∼ 24 1st PACTRIMS 発表
「Anti-Aquaporin4 antibody test in a large series of Japanese NMO/OSMS 」
松井 真 脳脊髄神経治療学(神経内科学)教授 マレーシア H20.11.20 ∼ 23 1st PACTRIMS Congress and
6th MS Forum 発表 「MS Immunology for the Clinicians 」
釘抜 康明 放射線診断治療学(放射線医学)学内講師 アメリカ合衆国 H20.12.2 ∼ 6 Radiological Slociety of
North America 発表 「Computational Flow Dynamics in Abdominal Aortic Aneurysm Using Multislice CT 」
川上 重彦 機能再建外科学(形成外科学)教授 アメリカ合衆国 H21.2.13 ∼ 22 The 30th Annual John A.Boswick,
M.D. Burn and Wound Care Symposium 出席
富所 潤 運 動 機 能 病 態 学( 整 形 外 科 学 )助 教 ア メ リ カ 合 衆 国 H21.2.24 ∼ 3.3 American Academy of
Orthopaedic Surgeons 発表 「Stem subsidence of polished and rough double taper stems and its mechanical effect on
the cement 」
杉森 端三 運 動 機 能 病 態 学( 整 形 外 科 学 )講 師 ア メ リ カ 合 衆 国 H21.2.24 ∼ 3.3 American Academy of
Orthopaedic Surgeons 発表 「Stem subsidence of polished and rough double taper stems and its mechanical effect on
the cement 」
兼氏 歩 運 動 機 能 病 態 学( 整 形 外 科 学 )講 師 ア メ リ カ 合 衆 国 H21.2.24 ∼ 3.3 American Academy of
Orthopaedic Surgeons 発表 「Stem subsidence of polished and rough double taper stems and its mechanical effect on
the cement 」
守屋 純二 総 合 内 科 学( 総 合 診 療 科 )助 教 ア メ リ カ 合 衆 国 H21.3.11 ∼ 15 9th Internatinonal IACFS/ME
Conference 出席
中田 実 社会環境保健医学(衛生学)講師 南アフリカ H21.3.21 ∼ 30 29th International Congress on Occupational Health 発表 「The need for establishing an evidence-based statistics for occupational accidents and diseases 」
澁谷 良穂 人 間 科 学 科 目( 外 国 語 )特 任 教 授 ア メ リ カ 合 衆 国 H21.3.24 ∼ 4.4 Sonoma State University
&University of California at Davis Fact Finding Trip 訪問
Burke Steven Thomas 人間科学科目(外国語)講師 アメリカ合衆国 H21.3.24 ∼ 4.4 Sonoma State University
&University of California at Davis Fact Finding Trip 訪問
【資料】
金沢医科大学報
104
長沼 理恵
平成20年度 学位取得者及び学位論文
取得者氏名/専門科目/学位番号/取得年月日/学位論文
健康増進予防医学/甲第 369 号/平成 21 年 3 月 19 日
Relation of long-term body weight change to change in
lipoprotein particle size in Japanese men and women:
The INTERMAP Toyama Study 成人におけるリポ蛋
須永 恭子
健康増進予防医学/甲第 364 号/平成 21 年 3 月 19 日
Glycated Hemoglobin and Risk of Stroke, Ischemic and
白粒子サイズの 9 年間の変化に与える体重変化の影
響 , Atherosclerosis, 2009(印刷中)
近藤 環
Hemorrhagic, in Japanese Men and Women グリコヘ
放射線診断治療学/甲第 370 号/平成 21 年 3 月 19 日
モグロビン A1c と脳卒中発症との関連に関する大
放射線治療後の早期治療効果判定における高分解能
規模疫学研究 , Cerebrovascular Diseases Vol.26, № 3,
MR imaging および 1H-MR spectroscopy の有用性に関
2008
する実験的検討 , 金沢医科大学雑誌 第 33 巻第 3 号 ,
俵 健二
健康増進予防医学/甲第 365 号/平成 21 年 3 月 19 日
2008
尾崎 守 Effects of maternal dioxin exposure on newborn size at
生体分子解析学/乙第 267 号/平成 20 年 9 月 11 日
birth among Japanese mother-infant pairs 母親のダイ
SNPs ジェノタイピングアレイを用いた超微細染色
オキシン曝露が胎児発育に与える影響に関する研究 ,
体構造異常検出にむけた基礎的検討−先天性多発奇
Environ Health Prev Med Vol.14, № 2, 2009
形・精神発達遅滞の症例の場合− , 金沢医科大学雑
能村 幸司
高齢医学/甲第 366 号/平成 21 年 3 月 19 日
誌 第 33 巻第 1 号 , 2008
福永 壽晴 Association of seroprevalence of human
病態診断医学/乙第 268 号/平成 20 年 9 月 11 日
metapneumovirus with small vessel disease with
安静呼吸下 Negative Expiratory Pressure 負荷時気流阻
dementia in elderly inpatients in Japan 施設入所高齢
止法による Flow Limitation の検出法の開発 , 金沢医
者における小血管病性血管型認知症に対する血清抗
ヒトメタニューモウイルス抗体価の関連 , 金沢医科
大学雑誌 第 33 巻第 2 号 , 2008
宮永 亨
科大学雑誌 第 33 巻第 1 号 , 2008
北岡 和代
健康増進予防医学/乙第 269 号/平成 21 年 3 月 12 日
Burnout and Risk Factors for Arteriosclerotic Disease:
機能再建外科学/甲第 367 号/平成 21 年 3 月 19 日
Follow-up Study バーンアウトが動脈硬化性疾患
皮下組織内に注入されたヒアルロン酸の分解・吸収
のリスクファクターに及ぼす影響−追跡研究− ,
過程について , 金沢医科大学雑誌 第 33 巻第 3 号 ,
Journal of Occupational Health Vol.51, № 2, 2009
2008
黄 成日
血液免疫制御学/甲第 368 号/平成 21 年 3 月 19 日
シスプラチン依存症アポトーシスと細胞膜スフィン
ゴミエリンとの関連 , 金沢医科大学雑誌 第 33 巻第
2 号 , 2008
第 138 号/ 2009.5
金沢医科大学報
115
金沢医科大学学術振興基金募金について
金沢医科大学学術振興基金募集趣意書
本学は、日本海側では初めての私立医科大学として、昭和 47 年に設立され、倫理に徹した人間性豊かな良医を育成する
こと、医学の深奥をきわめ優れた医療技術を開拓すること、人類社会の医療と福祉に貢献することを建学の精神として掲
げて着実に歩み続けてまいりました。
大学、特に医科大学は国の内外を問わず日進月歩の医学・医療をリードする大切な役割を担っていることは皆様充分に
ご承知のことであります。本学でも最高の教育・研究設備に加えて、先進医療機器の充実に意を尽くすとともに、基礎・
臨床医学講座並びに総合医学研究所の各部門において、医学の進歩に貢献できる人材の育成と研究の推進に日夜努力いた
しております。
教育面では、教育スタッフとしてすぐれた人材を配し、学生の教育に専念しており、昭和 53 年に第 1 回の卒業生が誕生
して以来、数多くの医師を世に送り出し、それぞれ国内国外の医学・医療の最先端で活躍しております。
研究面では、平成元年に従来の人類遺伝学研究所、熱帯医学研究所及び共同研究室を母体とし、難病治療など医療の先
端的な分野の開拓を目的とした総合医学研究所を設置し、臓器置換・難治疾患・癌・人類遺伝学・熱帯医学・基礎医学・
共同研究の各部門を中心にプロジェクト研究の推進を図っております。また、国際舞台においても躍進を続けており、欧
米の一流大学や研究所との研究員の交流、海外からの研究員・留学生の受け入れなどを通じて国際レベルの学術環境の整
備にも意を尽くしております。
診療面では、金沢医科大学病院は日本海側随一の規模を誇るまでに成長し、最新の医療機器を整備し、医学教育のみな
らず、文字どおり地域医療の基幹病院として順調に発展し、地域社会の要請に応えるべく最新レベルの医療サービスを提
供することにも十分な配慮をしてまいりました。
また、国際医療協力隊の派遣、世界各地域の種々の難病に対する国際医療協力に早くから取り組み、わが国の医科大学
の中ではトップクラスの実績を持っております。
しかしながら、この様な積極的な教育、学術及び医療活動を維持継続していくためには巨額の資金が必要で、学納金、
国庫補助金、附属病院の医療収入などの収入だけでは健全な経営は不可能であり、教育、研究、診療活動を萎縮させる恐
れがあります。
このために、本学では文部科学省の許可を得て学術振興基金の募集を行っており、広く本学教職員、卒業生、学生の父
兄をはじめ、民間企業、篤志家の多くの皆様のご支援をお願い申し上げる次第であります。
日進月歩の医学の進歩に即応した最新の教育、研究及び診療環境を維持するにとどまらず、未来に向けてさらなる貢献
と飛躍を目指して、全学を挙げて努力いたし、社会的使命を果たし得たいと念願しております。
本趣旨にご理解、ご賛同を頂き、ご協力を賜りますれば誠に幸甚に存じます。
学校法人金沢医科大学 理事長 山 下 公 一
募集要項 学術振興基金は次の要領で広く一般の方々からご協力をお願いしております。
1. 目 的: 金沢医科大学の教育・研究の振興と医
療の充実のため活用させていただきます。
2. 目標額: 10 億円
3. 募集先: 在学生、同窓生及びその父兄、教職員、
一般有志者並びに医学研究機関及び医療関係企
業・団体等
4. 学術振興基金へのご寄付は、
「特定公益増進法人寄
付金(個人のご寄付)」及び「受配者指定寄付金(法
人のご寄付)
」による所得税、法人税の優遇措置を
受けることが出来ます。
5. 応募方法: 寄付申込書等を本学教育研究事業推
進室あてにご請求ください。折り返し、手続方法、
税務に関することなどについてご説明いたします。
TEL 076-286-2211 内線 2720 ∼ 2724
FAX 076-286-8214
金沢医科大学学術振興基金への寄付者ご芳名(過去 1 年間の分、敬称略)
堀内 健(長野県)
尾崎 正治(山口県)
小豆沢定秀(石川県)
大山 充徳(群馬県)
勝見 祐二(宮崎県)
鈴木 比佐(大阪府)
山邉 忠厚(佐賀県)
平岩 照久(東京都)
山根 基(広島県)
上田 明(広島県)
医療法人社団 沖野会(石川県)
㈲アカシア商会(石川県)
医療法人 守上クリニック(大阪府)
㈱アクト(石川県)
丸文通商㈱(石川県)
平場 吉治(石川県)
小川 滋彦(石川県)
内山 安弘(群馬県)
山﨑 幸雄(秋田県)
石田 敦子(大分県)
岩﨑 健男(和歌山県)
神山 俊彦(愛媛県)
永井 徹(愛知県)
内山 安弘(群馬県)
医療法人社団 小川医院(石川県)
医療法人 かぶとやま会(福岡県)
㈲八田物産(石川県)
医療法人 後藤耳鼻咽喉科(大阪府)
第 138 号/ 2009.5
116
金沢医科大学報
学報 138 号全目次
第 32 回卒業証書・学位記授与式 ……………………………2
第 38 回入学宣誓式 ………………………………………… 12
金沢医科大学附属看護専門学校閉校記念式典…………… 19
■学事
平成 21 年度医学部学年暦(教務日程)……………………… 23
平成 21 年度医学部新入学生オリエンテーション ……… 24
第 24 回博士学位記授与式 ………………………………… 25
第 103 回医師国家試験の結果 ……………………………… 25
平成 21 年度看護学部学年暦 ……………………………… 26
平成 21 年度看護学部新入学生オリエンテーション …… 26
医学部・看護学部 平成 21 年度入学試験の結果 ……… 27
大学院医学研究科 平成 21 年度選抜試験の結果 ……… 27
新任教授紹介(加藤、堤、野口、影近、河野、田中、坂本、泉)28
退任にあたって(伊達、堀、中泉、山口) ……………… 32
平成 20 年度定年退職教授最終講義 ……………………… 34
名誉教授の称号授与式……………………………………… 35
看護学部第 1 回臨地実習施設連絡会議 …………………… 35
日英子育て支援プログラム共同研究 英国チーム来学… 36
高校生のための医学の魅力講座…………………………… 36
<国際交流>
米国・テキサス A&M 大学を表敬訪問 …………………… 37
マグデブルグ大学との学術交流提携……………………… 38
大連大学附属中山病院一行 2 グループにわけて来学 …… 38
留学生情報…………………………………………………… 39
第 5 回・第 6 回交流カフェ ………………………………… 41
<附属看護専門学校>
第 21 回卒業式 ……………………………………………… 42
第 98 回看護師国家試験結果 ……………………………… 42
卒業記念講演会……………………………………………… 43
<学生のページ>
受賞の喜び(益谷秀次賞、北辰同窓会会長賞ほか) …… 44
第 6 学年生が選ぶ The Teacher/Staff of the Year ……… 46
第 1 回テキサス A & M 大学医学部医学研修報告 ………… 48
看護学部 学長・教員と学生との懇談会 ……………… 50
クラブ紹介:ゴルフ部……………………………………… 51
新入学生インタビュー……………………………………… 52
■学術
総合医学研究所 平成 20 年度 研究セミナー ……………… 53
第 19 回日本疫学会学術集会 ……………………………… 55
大学院医学研究セミナー…………………………………… 56
第 2 回大学院医学研究科教育懇談会 ……………………… 56
産学官連携:本学における知的財産……………………… 57
■病院
病院の機能強化に向けて 女性総合医療センターほか開設 58
厚生労働省・東海北陸厚生局・石川県による特定共同指導 61
第 7 回がん診療連携拠点病院研修会(緩和ケアセミナー) 62
平成 20 年度接遇研修セミナー …………………………… 63
講演会 いきいきと働ける環境づくり「 FISH!哲学」 63
院内感染防止に関する教育講演会………………………… 64
第 3 回能登地区がん診療連携協議会、平成 20 年度第 8 回
がん診療連携研修会……………………………………… 65
<研修医の頁>
平成 20 年度臨床研修修了証交付式 ……………………… 66
平成 21 年度臨床研修医ワークショップ ………………… 66
臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会) …………… 67
■トピックス
本学と公立穴水総合病院との遠隔医療への取り組み…… 69
■図書館:新着図書の紹介 ……………………………… 70
■管理・運営
新理事・評議員の選任……………………………………… 75
総合医学研究所長、一般教育機構長、看護学部長の選任 75
平成 21 年度新入職員辞令交付式 ………………………… 78
平成 21 年度病院新入職員オリエンテーション ………… 78
学校法人金沢医科大学平成 21 年度予算について ……… 79
看護師宿舎新築、病院別館改修 竣工 …………………… 81
訃報(西東、東田) ………………………………………… 82
■随想・報告
ドイツ International Neuroscience Institute 留学記 … 83
米国バーモント大学留学記………………………………… 86
長野での実績と今後の抱負………………………………… 89
消化器内視鏡フォーラム 2009 in 金沢 …………………… 90
米欧回覧実記を読んで(その三) ………………………… 91
全米空調展視察研修に参加して…………………………… 94
日本 - タイ スカウト友好親善交歓事業に参加して ……… 97
■資料
理事会、評議員会・規程の改正・教授会………………… 99
平成 20 年度教育職員外国出張一覧(下半期) ……………102
平成 20 年度学位取得者及び学位論文 ……………………104
人事……………………………………………………………105
■本学スタッフ新刊著書
「ビジュアルノート」、
「災害医学」
(和藤)………………… 57
「ニューロンの生理学」
(加藤) …………………………… 74
「レビューブック」
(和藤) ………………………………… 85
「図説カラダ大辞典 ①メタボリックシンドローム」 …… 88
「なぜ?どうして?」、
「イヤーノート 2010 」
(和藤) …… 93
「熟練医から“日常診療のさまざまなコツ”を伝授」
(元雄)96
「Botanical Medicine in Clinical Practice 」
(元雄) …… 96
□金沢医科大学学術振興基金募金について………………115
表紙写真
内灘のアカシア
金沢医科大学報 第 138 号
平成 21 年 5 月 1 日発行
中谷 渉
大学周辺に広がる内灘砂丘は、5 月から 6 月にかけ、
一面ニセアカシアの白い花で埋もれる。防砂林として
植樹されたニセアカシアは、半世紀にわたり町の歴史
発行者
金沢医科大学理事長 山 下 公 一
編 集
金沢医科大学概要・学報編集委員会
編集委員長 米倉秀人 副委員長 原 亮
委 員
を見守ってきており、この時期、ほのかな香りで街を
包み込む。
万緑の中層々と贋アカシア 橋本多佳子
(はしもと・たかこ: 1899 ∼ 1963 年、東京都出身。俳人。 山口
誓子に師事し、
「馬酔木」の同人となる。句集に『海燕』など。)
発行所
印 刷
松井 忍
八田稔久
竹田浩一
中山正喜
中谷 渉
丸谷 良
北 久直
木下英里
元雄良治
甲野裕之
岩渕邦芳
森 茂樹
坂尾光一
笠間孝一
中嶋秀夫
中川美枝子
北村 修
相野田紀子
小平俊行
前野聡子
松本順治
島 智一
坂元仁志
金沢医科大学出版局
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学1−1
TEL 076(286)2211
能登印刷株式会社
金沢医科大学ホームページ http://www.kanazawa-med.ac.jp/