Trendmaster®がProバージョンに

P R O D U C T
U P D A T E
Trendmaster® Proが
Trendmaster® 2000 for Windows®と異なる点
ダイナミック スキャニング モジュール
すでにTrendmaster をご利用いただいてい
るお客様や、システムについてご存知の方は、
どうぞこのページの右側と、その後の
「Trendmaster の構造」の箇所からお読みく
ださい。Trendmaster の機能や全般的な状
態監視におけるTrendmaster の位置付けに
ついて疑問をお持ちの方は、ぜひこのまま
続けてお読みください。
®
®
®
®
設備資産の分類分け
すべての設備資産が、同じように重要なわ
けではありません。大型で予備がないプロ
セス コンプレッサなどは、全ての生産がこ
のコンプレッサを通して行なわれるため、
この設備資産の稼動停止が莫大な生産ロス
に繋がります。一方、プラントで何百台と
保有している小型ポンプやモータ、ブロア、
ファン、固定装置などの設備資産には予備
があるものが多く、問題が発生した場合で
もプラント運営に対する影響が小さいもの
が大半です。しかし、これらの設備資産は
集約するとかなりの修繕費用がかかるため、
何らかの方法で状態監視を行なうことは利
益に繋がります。また、これ以外に巡回し
て状態を確認する必要もなく、「ボルトを締
める、オイルを交換する」というだけで済む
設備資産があります。そして、さらにもう1
つ、これらの中間に分類される設備資産が
あります。間欠的にマニュアルで収集され
るデータでは不十分であり、連続監視を行
なえば利益は得られるとされてはいますが、
一般的に重要機械設備にしか適用されてい
ない状態監視システムを導入するには、費
用対効果の面で採用が困難な設備資産です。
次ページの表1に、これらの条件に基づき、
状態監視の観点からお客様が頻繁に使用さ
れている、さまざまな設備資産を大きく4つ
のカテゴリに分類し、まとめました。
2
これまでホスト コンピュータに内蔵されていた信号
処理アダプタ(SPA)カードが、ダイナミック スキャ
ニング モジュール(以下:DSM)として知られる外付
けのミニラックに取付けられるようになりました。
DSMは簡単な配線または、ワイヤレス イーサネット
を介してホスト コンピュータに接続されます。この
結果、設置の柔軟性やさまざまなコンピュータとの
適合性が改善され、コストを削減するための設置が
可能となり、配線方法がいろいろ選択できるように
なりました。この新しいDSMは、トランスデューサ
インターフェース モジュール(TIM)を使用せず、シ
ステムと計測点とを直接接続することも可能であり
(13ページを参照)、従来の内蔵型SPAカードに比べ
多種多様な機能を持ちます。
System 1®との互換性
これまで、Trendmasterシステムはスタンド アロン型
のTrendmaster®2000ソフトウェアを使用していまし
たが、新しいシステムでは、System 1®プラットフォー
ムでTrendmaster®データ収集ハードウェアを統合し、
3500ラ ッ ク や ポ ータブ ル デ ー タ 収 集 器 、 そ し て
Trendmaster®ハードウェアから収集されるすべての
設備機器データを共通の環境で管理できます。
新しいTIMとセンサ
新しいTrendmaster® Proシステムは、従来のTIMやセ
ンサ、ケーブルとの互換性を継承しています。さら
に新たな機能が拡張され、設定が従来に比べ簡単で
取付け方法の選択幅も増え、またATEXの認証を得た
新しいセンサやTIMもリリースされています。
加速度エンベロープ
特定のTIMやDSMのダイレクト インプット カードに
は、加速度エンベロープを採用しています。この信
号処理機能の強化により、転がり軸受やギアボックス、
その他、機械部品の不具合の兆候が初期段階で検知
できるようになりました。詳細は、英語版『Orbit 2nd
Quarter 2004・Volume 24 Number 2』の10ページか
らの記事をご参照ください。
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この10∼15年の間に、カテゴリ2に分類される設備資産に対する
お客様の意識が変わってきました。
表1
カテゴリ
詳細
投資に対する妥当性
カテゴリ1
重要機械
プラント運営全体に大きな影響を
及ぼす設備資産
不具合が発生した場合、非常に高額なコストに繋がる
手
1日または1度の不具合が、生産ロス、環境や健康、
安全面に影響を及ぼし、それが数百万円を超えるコ
ストに繋がる場合がある
法
修繕費用が高額
不具合は突然発生し、事前に兆
候として現れにくい
修繕費用がある程度かかる
ある程度の交換費用や保全費がかかる中馬力機械
が対象
状態監視の費用面での妥当性は、重要機器と同じ理
由で立証できるが、通常その規模は小さい
不具合は、何らかの兆候が見ら
れてから、比較的すぐ(分単位ま
たは、時間単位)に発生する
修繕費用は、さほど高額ではない
ほとんどのプラントがこれらの機器を複数台保有して
おり、年間にかかる保全費の大部分を占めているため、
状態監視に対する費用面での妥当性を見出すには、
保全費の削減につながるかどうかが焦点となる
不具合が発生した場合、安全面で
は、さほど重要ではないが多少の
影響を与える
一般的に1週間から1ヶ月前に不
具合の兆候が見られる
不具合による影響やコストは、監視にかかる費用(ま
たは、元金回収期間の超過)を上回ることはなく、破損
するまで使用する、または(予知保全ではなく)計画保
全の実施が最も費用対効率の面で有効である
監視方法
設備基盤(水、冷暖房空調設備
(HVAC) など)関連機器
カテゴリ3と同様のことが言えるが、より重要度の低い
設備資産で、それぞれの交換や修繕にかかる費用も
安価で、生産ロスに関連する費用は発生しない
連続監視
(3500, 3300, 1701などの
機械保護システム)
保護及び状態監視
連続、スキャニング
(Trendmaster® Pro)
保護及び状態監視
マニュアルでのデータ収集
(ポータブル データ収集器
Snapshot™関連製品を使用)
状態監視のみ
(保護は行なわない)
なし
法
一般的にプロセスに関わらない設
備資産
手
カテゴリ4
一般
汎用機器
監視方法
小型の設備資産で、個々の交換や修繕費は小額で
あり、生産ロスに関わる費用はほとんど、または全く
発生しない
法
プラント運営にほとんど、または、
全く直接的な影響を与えない設備
資産
手
カテゴリ3
一般
汎用機器
監視方法
不具合が発生した場合、健康面
や安全面に影響を及ぼす可能性
がある
重要機器と同様のことが言えるが、その規模は小さい
法
プラント運営に多少の影響を及ぼ
す設備資産
生産ロスが避けられず、保全費の削減、生命や環境
の保護の面から見ても、これらの設備資産の監視は、
費用面での妥当性が立証できる
手
カテゴリ2
主要
基本機器
一般的に、非常に大規模な交換や保全費を伴なうエ
ネルギー密度の高い、高馬力機械が対象
監視方法
不具合が発生した場合、安全面
に多大なる悪影響を及ぼす
推奨する監視方法
なし
* カテゴリ2に該当する設備資産の中には、基本的な機械保護を行なうことで利益が得られるものもあります。ベントリー・ネバダでは、そのよ
うな設備資産を対象に1900シリーズを機械保護装置として提供しています。小型でスタンド アロンの1900シリーズ モニタは、基本的な連続
機械保護機能を持つため、1ヶ所、または少数の計測点が設備資産保護に必要な情報を適切に示す機械には最適です。1900シリーズ モニ
タはTrendmaster® Proシステムとのダイレクト インターフェースとなるオプション機能を持ちます。
ここに示す各カテゴリの名称やその属性は、お客様に
よって多少異なりますが、4段階に分類する方法が最
も一般的とされています。また、どのカテゴリにどの
設備資産が属するのかという判断は、お客様によって
まちまちです。しかし、お客様ごとに違いが生じるの
はカテゴリ1や4ではなく、通常真ん中のカテゴリの2
や3です。重要機器に該当する設備資産は、一般的に
オペレーションやメンテナンス、プラント管理の面か
ら明白です。同様に、どのような状態監視プログラム
を導入してもメリットがなく、重要性の低い設備資産
も簡単に見分けられます。これら2つのカテゴリの中
間に位置する設備資産が最も分類することが困難であ
り、それぞれの設備資産に対し投資の妥当性を考慮し
た、順序立てた分析プロセスが必要となります。
3
Trendmaster® Pro - カテゴリ2の「主要基
本機器」を対象としています。
これまで、カテゴリ2や3に属する機械設備は、ポー
タブル装置を利用したマニュアルによる定期的なデー
タ収集計測が主流でした。しかし、この10∼15年前
から、カテゴリ2に属する機械設備に対し、「マニュア
ルでデータ収集を行なうだけでは目的が達成できない」
というお客様の意見が増えてきました。さまざまな業
界のお客様からカテゴリ2に属する設備資産に対し、
より優れた監視手法が必要であるという要望が寄せら
れています。次に示すのは、お客様からの実際の声で
す:
「これらの設備資産の不具合は、プロセス状態に関連するものと思われるのですが、1ヶ月に1度の周期でデー
タを収集するだけでは、その関連性を立証することも、また因果関係を理解するこもできません。単に問題
の発生場所を特定することはできても、このままでは根本原因を追求して問題の再発を防止するということ
は、いつまで経っても無理でしょう。」
「現行の周期で収集されているデータから検知できる問題もありますが、それ以外は問題の有無が判断され
る前に、問題が発生してしまっているケースがほとんどです。しかし、これ以上頻繁にデータをマニュアル
業 界 の ニ ー ズ
で収集するのは不可能だし・・・」
「データ収集を実施したいとは思っているのですが、計測が必要な機械設備は非常に危険な場所に設置され
ているため、近寄れません。」
「機械設備が遠隔地や担当者がいない場所に設置されているため、マニュアルでデータを収集するためには
人を派遣しなければならないのですが、それにはコストがかかり過ぎます。」
「これらの設備資産は、重要機器と同じようには重要視されていませんが、連続監視が必要だとすれば、こ
れらの設備資産しかないと思います。」
「ポータブル装置からのデータを確認していますが、手持ちのセンサからのデータでは、日によってばらつ
きが見られることが問題だと思います。センサを常設すれば、もっと精度の高いデータが得られるとは思い
ますが・・・」
「人件費は増しているのに、人員は削減されている現状から、データ収集だけのために人を雇う余裕はあり
ません。担当者には問題の処置や信頼性の改善を集中的に実施してほしいため、状態監視プログラムの一部
を自動で行なうシステムが必要です。」
「今の状態監視プログラムを回転機器だけではなく電気機器やプロセス装置など、プラントの静装置の管理
にも適用したい。担当している機械と静装置の両方の資産情報を共通のツールで管理できて、コスト面も考
慮したシステムがほしい。」
カテゴリ2の設備資産を対象機器として開発してきた
Trendmasterに関する発想はシンプルなものでした。
4
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このようなお客様のニーズに応えるため、ベントリー・
ネバダでは1989年にまずTrendmaster 2000システム
を開発しました。カテゴリ2に属する設備資産を対象
としたこのTrendmaster 2000の開発コンセプトは、
次のようなものでした。
®
®
1. 低価格なセンサの常設と、簡単で低価格ながら信
頼できる画期的な取り付け方法の開発
2. 1本のマルチ ドロップ ケーブルを共有する特別な
ネットワークを使用した複数のセンサ接続
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3. チャネルごとにセンサを割り当てるのではなく、
多重変換方式(スイッチ方式)を使用してネットワー
ク上のセンサを1度に1つづつ起動させ、1台のモ
ニタをシステム内のすべてのセンサで共有させる
4. 危険区域で使用できるように、センサやケーブル
を本質安全規格に準拠した使用を低価格で可能に
するオプションを提供する
次の図1は、一般的な状態監視システム(ベントリー・
ネバダの3500シリーズ製品)とTrendmaster システム
のスキャニング方法とを比較したものです。
®
図1
ホスト コンピュータ &
状態監視ソフトウェア
ホスト コンピュータ &
状態監視ソフトウェア
シングル チャネル
多重送信方式
シグナル プロセッサ
マルチ チャネル
モニタリング
ラック
センサ
対象機器
一般的な連続状態監視システム
センサ
対象機器
"センサ バス"
ケーブル
センサ
対象機器
TRENDMASTER®(スキャニング)
一定間隔の連続状態監視システム
それぞれのセンサに、ラック システムの各専用チャネルが割り当て
られており、すべてのセンサからの信号を同時に処理し、監視を行
ないます。
複数のセンサが1点づつ順番に計測を行ない、それらの計測値を1
台のシグナル プロセッサで多重通信処理します。最初のセンサが
計測を行えると、次のセンサに計測を行なうように命令が行き、この
プロセスが繰り返されます。
危険区域に設置する場合、センサごとに本質安全(I.S.)装置(ツェナー
ダイオード バリアなど) が必要です。
危険区域に設置する場合、1度に動作するのは1点のセンサだけで
あるため、1つの本質安全バリアを使用することでネットワーク内の
すべてのセンサが使用できます。
各センサごとにモニタ ラックの背面までの配線が必要なため配線コ
ストが高額になります。
シングル センサ バス構造により複数のセンサが利用できるため配
線コストが削減できます。
全チャネルへのデータが、超高速で連続収集されます。(軸の1回転
毎に複数回の割合)
データは断続的に収集されます。(中型システムで10分に約1回の
割合)
センサは1台のモニタを共有します。そのため、モニタがバス上のセ
ンサ データを取り込む場合、固有のアドレスを割り当てる装置が必
要です。
センサが1台のモニタを共有することはなく、固有アドレスは不要で
す。
5
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Trendmaster® Pro - バランスが取れた適用
が大切です。
Trendmaster Pro®は、画期的なセンサ バス構造によ
り一定間隔で連続したスキャニングが可能な、常設監
視を低価格で可能にするシステムです。そのため、中
にはTrendmaster®が高速で重要な複数ケースを持つマ
シン トレイン(カテゴリ1)にも、主要基本機器(カテゴ
リ2)と同じように導入できると勘違いされる方がいらっ
しゃいますが、カテゴリ1に属する機器の不具合は、
突発的に発生するため、軸の1回転中全ての点のデー
タを同時に収集するシステムが必要となります。さら
に、これら重要機器の診断は、少数の軸受しか持たず、
単純なロータ ダイナミック(動的挙動)しか示さない
小型の「主要基本機器」に比べ非常に複雑です。この
ような理由から、カテゴリ1に属する機器には、ベン
トリー・ネバダでも、お客様の間でも連続機械保護シ
ステム(3500シリーズ製品等)の適用が望まれています。
すべてのセンサから同時に、高速データ収集を行なう
ために3500シリーズの構築型TDIコミュニケーション
プロセッサを併用した場合、重要機器の診断に必要な
データ収集のスピードが保たれ、これらの機器の重要
性に応じた警報レベルや相応のシャットダウンによる
保護が可能となるわけです。
私たちは、Trendmaster®システムが重要機器(カテゴ
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リ1)を除く、2∼4のすべてのカテゴリに属する機器
に適用していだだけると確信していますが、費用の面
から見た場合、一般的に主要基本機器(カテゴリ2)へ
の適用が最も有効であると言えます。石油化学業界で
は、軸受の不具合やシールの漏れが発生した場合、比
較的急速に問題が広がり、単に機械の故障だけではな
く、引火や危険物質の発生の可能性も考えられるため、
モータやポンプもカテゴリ2に含まれる場合が多々あ
ります。またその他に、冷却タワーファンやブロア、
小型の単段式蒸気タービンや固定装置などもカテゴリ
2に含まれる場合があります。セメント業界、製薬プ
ラント、鉱業、発電所のBOP(バランス オブ プラント)
機器には、すでに幅広くTrendmaster®システムが利用
されており、オンラインによる重要設備資産の機械的
な健全性の監視を保証しています。
Trendmaster® アーキテクチャ
前ページの図1では、一般的な状態監視システムと
Trendmaster®アーキテクチャについて、スキャニング
方式と一般的なモニタリング方式との基本的な違いが
一目で分かるように簡単に示しましたが、次ページで
は、より詳しい図を使ってTrendmaster® Proアーキテ
クチャとその各主要コンポーネントの機能や性能につ
いてご紹介しています。
TRENDMASTERシステムは、
「重要機器」を除くすべての設備資産に適用していただけると確信しています。
監視の範囲が風力発電機にまで広がり まし た。
Trendmaster® Proプラットフォームが、弊社の風力タービン監視シ
ステムに使用されていることをご存知ですか? 風力タービンにつ
いて、またTrendmaster® Proシステムの導入による保全費や突発故
障の削減についてご興味のある方は、英語版『Orbit 2nd Quarter
2004・Volume 24 Number 2』の20ページからの記事をご覧くださ
い。
6
2
カテゴリ
A S S E T S
カテゴリ
カテゴリ
1
System 1 ディスプレイ
その他のデスクトップ
アプリケーション
エンタープライズ内の全てのコンピュータ
がSystem 1のデータや情報を表示するディ
スプレイ コンピュータとして機能します。
ウェブ上で閲覧可能なバージョンの場合、
System 1のディスプレイ ソフトウェアの
代わりにウェブ ブラウザを使用します。
System 1のオープン アーキテクチャ
により、表計算やデータベース、
その他のアプリケーションに(から)
機械データのインポートやエクスポー
トが可能です。
ローカルまたは遠隔地からのアクセス
3
ワイヤレス イーサネットによりプラント内から、WANや
電話回線モデムを介して、世界中どこからでもSystem 1
ソフトウェアにアクセスできます。
ネットワーク ソリューション
既存のローカル イーサネットやワイド エリア
イーサネットへのサポートにより、System 1
やディスプレイ クライアントとの接続が容易
になります。
信号処理 (SPA) カード
機械保護システム
連続機械保護システムは、ベントリー・ネバダ
のTDI、TDXnet、FMIMなど、互換性のあるコミュ
ニケーション プロセッサを使用してSystem 1ソ
フトウェアとの接続が可能です。この接続によ
り、Trendmaster Proスキャニング アーキテク
チャや連続機械保護システム、ポータブル デー
タ収集器によって監視されているすべての設備
資産が、 1つ の状態監視プラットフォームで管
理できます。
プラント制御システムやプラント オートメーション システムへの接続
System 1ソフトウェアは、OPC、DDE、Modbusなど標準的に使用されている多種多
様なプロトコルを使用することで、プロセス制御システムやプラント オートメーショ
ン システムとのデータ交換が可能です。
SPAカードはDSMに設置され、TIM
を経由して接続されている計測点か
ら連続してサンプリングを行ないま
す 。 各 S PA カ ー ド は 最 大 2 本 の
Trendmasterライン、各255計測点
をサポートし、1台のDSMには最大4
つのSPAカードが入ります。X・Y計
測点や位相計測点に異なる
Trendmasterラインを使用することで、
3つの計測点から並行してデータ収
集が行なえ、オービット図や同時に
複数の計測値を示すその他のデータ
表示が可能となります。
System 1ホスト コンピュータ
S y s t e m 1 ソ フト ウ ェ ア は 、 接 続 さ れ た
Trendmasterハードウェアや連続状態監視保
護システム、ポータブル データ収集器、その
他のプロセス、オートメーション システムや
状態監視データ ソースなどから収集されたす
べてのデータを集積します。
ワイヤレス
市販のワイヤレス機器を使用したDSM
とホスト コンピュータ間のイーサネッ
ト接続により、非常にフレキシブルな
配置が可能となり、設置コストの削減
が図れます。DSMは、有線の場合に必
要となる配線コストを抑え、遠隔地で
の簡単な設置を可能にします。
ポータブル データ収集器
低周波/高周波の計測
ダイナミック スキャニング モジュール
(DSM)
特別なセンサやproTIM、ダイレクト インプット カードの機能を使
うことで、極低周波振動(空冷式熱交換器のファンなど)や高周波振
動(加速度エンベロープ処理計測が必要な場合など)計測が可能です。
DSMは、バス ケーブル接続やダイレクト接続
される計測点とSystem 1ホスト コンピュータ
とのインタフェースとして機能します。さまざ
まなインプット カードを使用して、実際の信号
処理やサンプリングを行ないます。DSMは、ホ
スト コンピュータとの有線(銅線または光ファ
イバ)または無線通信のためのイーサネット通
信カードも持ちます。1台のホスト コンピュー
タには、150台のDSMが接続可能です。
ポータブル データ収集器であるSnapshot™
は、System 1ソフトウェアとの完全な互
換性を持ちます。Trendmasterや連続状
態監視システムが設置されていない機械
設備からデータを収集する場合や、特定
の機械設備のオフライン計測データをオ
ンライン データに追加したい場合に使用
します。
Trendmaster® センサ バス ケーブル
トランスデューサ インターフェース モジュール(TIM)
Trendmasterケーブルは、特にケーブル トレー
に配線する場合や、固定またはフレキシブル コ
ンジットを必要としない場合に使用します。
TIMはシステムの各接続点における固有のアドレスを割
り当て、Trendmasterセンサ バス ケーブルのインターフェー
スとなります。
ダイレクト接続
最大255計測点
DSMへの直接接続は、TIMを使用した場合に比べ、設置コストが大幅
に削減できます。DSMには最大4つのダイレクト インプット カードが
設置でき、それぞれが最大8つのセンサが接続できます。ダイレクト
インプット カードと信号処理アダプタ カードは、同一のDSMに設置で
きます。
危険区域
特別な設計により、単体のガルバニック アイソレータ、または1組のツェ
ナーバリアを使用することでTrendmasterライン全体が本質安全(I.S)
に準拠した危険区域内での使用が可能になります。各1本のラインで最
大64計測点(ツェナーバリア使用時)、最大255計測点(ガルバニックア
イソレータ使用時)まで接続できます。計測点ごとにバリアを購入しな
くてもTrendmaster® Proを危険区域内に設置することが可能です。
危険区域
センサ(検出器)
T-コネクタ
T-コネクタによりTrendmasterラインを複数に分岐できるた
め、フレキシブルな配線が可能になります。proTIMと
flexiTIMは、TIMとして機能させることもまた、T-コネクタ
として使用することも可能です。スタンド アローンのT-コ
ネクタは、proTIMやflexiTIMが近くになく、ラインの分岐
が必要な場合に使用します。
さまざまな非接触型、速度型、化速度型、温度、圧力、シー
ル漏れや一般的なプロセス変数(4 ∼ 20 mA または 1 ∼ 5
Vdc)の入力を受け、そのほとんどが設置の利便性、低価格、
そして高い耐久性を実現しています。
凡例記号
I.S. バリア
1900シリーズ モニタ
カテゴリ2(主要基本設備資産)に属する設備
資産の連続機械保護を行なう場合、1900シリー
ズ モニタがTIMの代わりに使用できます。
TrendmasterラインやDSMのインターフェー
スとして機能するだけではなく、警報接点
の出力やリレー出力、ディスプレイ機能が
内蔵されているため、自動シャットダウン
が必要なアプリケーションにも適します。
T-コネクタ
ケーブルの延長
Trendmasterケーブルは、ライン エクステンダ モジュールなしで最長約
1.2kmの配線が可能ですが、数km先までケーブルを敷設する場合、計測点
が密集した場所の近くにDSMを設置し、その遠隔地に置かれたDSMと
System 1ホスト コンピュータを無線(または既存の配線)を使用してイーサ
ネット接続する方法が最適である場合がしばしばあります。従来の
Trendmasterケーブルが必要な場合、ライン エクステンダ モジュールを使用
することで、TIMをDSMから最長約2.4kmの距離に設置することが可能です。
その他の設備資産
ライン エクステンダ
多種多様なセンサやTIM、Trendmaster®Proシステムを使
用することで、回転機器だけではなく監視が必要なその他
すべての設備資産を簡単に対象機器として設定できます。
センサ(検出器)
TIM、flexiTIMまたは proTIM
Trendmasterシステムの
機能確認
Trendmaster® Pro
センサ バス ケーブル
Snapshot CEポータブル データ収
集器は、単なる振動データ収集/解
析装置であるだけではなく、
Trendmasterハードウェアが的確
に機能しているかを確認するテス
ト機能も持ちます。
センサ ケーブル
イーサネット
光ファイバ ケーブル
P R O D U C T
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Trendmaster®システムを構成するコンポーネント
Trendmaster Proシステムの構成:
ここからTrendmaster® Proを構成する5つの主要コンポー
ネントについて、それぞれ順番にご紹介します。
1
1
センサ
2
TIM(トランスデューサ
インターフェース モジュール)
3
ケーブル及びアクセサリ
4
DSM(ダイナミック
スキャニング モジュール)
5
ホスト コンピュータ (System 1®)
センサ
非接触型プロ−ブ、動電型コイル
や圧電型速度センサや加速度センサ
を含む振動及び位置センサ
センサは機械設備に常設され、基本的な状態計測
を行ないます。収集された信号は、TIM(トランスデュー
サ インターフェース モジュール)を介して、または
適切なDSM(ダイナミック スキャニング モジュール)
に直接センサを接続し、Trendmaster® Proシステム
に送られます。ダイナミック データ以外の信号(流
量、圧力、温度等のパラメータ)がプロセス制御シ
ステムにすでに入力されており、さまざまな状態
監視情報の供給ができる場合、上述の配線方法に
よりデータをシステムに入力することも、またプ
ロセス制御システムとSystem 1®ソフトウェア間で
デジタル インタフェースを利用することでまとめ
て入力させることも可能です。左記に示すように、
さまざまなセンサと入力信号が、Trendmaster® Pro
サーモカップル、RTD
システムとの互換性を持ちます。
Trendmaster Pro®が
サポートする入力信号
専用シール漏れ検知センサ
油状態検知センサ
圧力センサ
一般的な比例電流信号
(例:4-20mA)
他社製のセンサからの一般的な
ダイナミック電圧信号、または
モニタ システム バッファ出力
回転数及び位相基準
(Keyphasor®)センサ
Trendmaster® Proは、基本的にほとんどすべての振
動センサからの振動計測値をサポートしますが、
最もコストパフォーマンスが高い方法は、
Trendmaster® Proシステム用に開発されたセンサの
利用です。これらのセンサは、センサ自体も低価
格であり、取付けも容易なため、工事費が安価に
なります。防爆安全構造や最新のTIMとの互換性、
特別なハウジングを必要としない高い耐久性を持ち、
さらにカテゴリ2と3に属するほとんどすべての設
備資産の診断に必要な性能特性を持つ等、さまざ
まな要求を満たします。
Trendmaster®の
ユーザは、
オンライン プログラムを
完全なシステムにするために、
ポータブル データ収集器が
利用できます。
8
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最もコストパフォーマンスの良い方法は、
Trendmaster® Proシステム用に開発されたセンサの使用です。
カテゴリ2や3に属する回転機器には一般的に転がり
軸受が使用されており、振動計測にはシャフトを監視
する非接触型センサではなく、サイズミック(ケース
マウントの速度または加速度)センサが適していると
されています。ここでは、Trendmaster® Proシステム
との互換性を持つすべてのセンサについては、詳しく
製品名
220150
加速度センサ
ご説明することはできませんが、最近リリースされた
サイズミック(ケースマウント)センサについては、そ
の概要をここでご紹介します。互換性を持つその他の
センサ、及び関連するTIMについての概要は、弊社の
ホームページwww.bently.co.jpをご覧ください。
詳細
互換性を持つTIM
このセンサは一般的な加速度センサで、以前はプラスチック製
のケースに格納されていましたが、現在はより頑丈なステンレ
T R E N D M A S T E R 用 加 速 度 セ ン サ
ス製のケースを使用しています。このセンサは、Trendmaster®
Proシステムが対象とするカテゴリ2と3に属する機械設備のケー
ス振動計測を行ないます。200200や200250proTIM、そして従
来の加速度−速度TIMやflexiTIMとの互換性も持ちます。
220250 proTIM-C
200250 proTIM-R
200100 Accel-to-Velocity flexi TIM
89130 Accel-to-Velocity TIM
89546 Accel-to-Velocity TIM
( 本質防爆安全構造)
このセンサは、200150加速度センサと機能的にはほぼ同じです
220155
が、冷却タワーやファンのフィンなど低速回転(600rpm以下)
低周波
加速度センサ の機器を含むアプリケーションの低周波に対応します。
220250 proTIM-C
200250 proTIM-R
このセンサも200150加速度センサと機能的にはほぼ同じです
220157
が、200150加速度センサによる基本的な計測に加え、加速度
低周波
加速度センサ エンベロープ処理計測が必要なアプリケーションを対象にし
220250 proTIM-C
200250 proTIM-R
220350 &
これらのセンサは、Trendmaster®のProTIM及びシリーズ接続
220355
方式を使用するよりも、ケースマウントのセンサの計測点を
加速度センサ 直接DSMに接続した方がコストや性能の面でも適している場
DSM サイズミック ダイレクト
インプットカードのみと
互換性あり
た設計になっています。
合に使用します。この接続方法については、のちほどDSMを
の説明の中でご紹介します。200350加速度センサは、一般的
なアプリケーションと加速度エンベロープ処理が適するアプ
リケーションに使用されます。また、200355加速度センサは、
主に低周波計測の場合に使用されます。
learn more online at:
http://www.bently.com/prod/products/trendmasterprotims.htm
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P R O D U C T
U P D A T E
新しいPROTIMは取り付けも設定も簡単で、優れた自動診断機能を持ち、
チャネルの種類の組み合わせにも対応します。
2
TIM:トランスデューサ インターフェースモジュール
TIMは、例えるなら同じ道沿いにある家を区別するた
めに割り当てられている番地のように、各センサや
Trendmaster®のセンサバス内で、信号を入力する位置
に固有のアドレスを割り当てます。TIMは、基本的な
センサ計測に選択した信号処理機能をもたらします。
ここ数年でTIMは、以下の表のように形状を変えてき
トレンドマスタ インターフェース モジュール(TIM)の進化
タイプ
TIMs
1st Generation
flexiTIMs
2nd Generation
proTIMs
3nd Generation
ました。Trendmaster® Proシステムのご紹介に併せて、
ここでは新しいTIMパッケージであるproTIMについて
もご紹介します。新しいproTIMは、インストールと
設定が簡単で、セルフ診断機能も付属されており、い
ろいろなチャネルの組み合わせにも対応できます。そ
の結果、性能に優れ、設置コストを抑えた低価格のシ
ステムがご利用いただけます。
詳細
互換性
標準品と本質安全防爆構造の2種類があり、Trendmaster®のケー
ブルをコネクタに接続するには専用の工具を必要とし、DINレー
ル取り付け、または壁面取り付けや現地接続ボックスにくっ付
けて取り付ける方法がありました。ATEXの認証を持たず、
flexiTIMやproTIMという新しいTIMがリリースされると使用さ
れる方が減っていきました。
このパッケージは、2チャネル用でほとんどのアプリケーショ
ンを対象に設置コストを削減するために開発されました。現地
接続ボックスを必要とせず、配管コンジット本体に取り付ける
ことができるようになり、大きなコスト削減に結びつきました。
最新のTIMパッケージは、flexiTIMの2チャネル構造を保ちなが
らも、バルクヘッド、コンジット マウント(200200proTIM-C)、
あるいはDINレール マウント(200250proTIM-R)から2つの取
り付け方法が選択できるようになりました。さらに、ProTIM
はさまざまなソフトウェア プログラマブル機能を持つため、
DIPスイッチを変更してアドレスのプログラミングを行なう必
要もありません。チャネルの種類の組み合わせと柔軟な設置
方法により、使用しないチャネルを最低限に抑えられるため
コストの削減が可能となります。このTIMは、以下のチャネル
タイプのどのような組み合わせにも対応しています。
Trendmaster® Pro
Trendmaster® 2000
Trendmaster® Pro
Trendmaster® 2000
Trendmaster® Pro
Trendmaster® 2000
加速度−速度センサ(標準品、低周波用、または加速度
エンベロープ処理用)
Kタイプのサーモカップル
2、3、4線式白金RTD
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http://www.bently.com/prod/products/trendmasterprotims.htm
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P R O D U C T
U P D A T E
システムの主要部分は、ダイナミック スキャニング モジュールに
何千もの計測点がリンクしているケーブル配線です。
3
配線とアクセサリ
Trendmaster® Proは、従来と同じ配線方法を使用して
います。配線は、システムにおいて大変重要な要素で
であり、数千の計測点がダイナミック スキャニング
モジュールに繋がります。
ケーブルは、配管コンジットの使用の有無に併せて設
計され、ツェナーバリアまたは、ガルバニック アイソ
レータ(両方ともベントリー・ネバダで発売中)を使用
される場合には、デビジョン 1、ゾーン0の危険区域
での使用が可能となります。Trendmaster®の画期的な
機能は、1台のガルバニックまたは、ペアのツェナー
ダイオード アイソレータの使用による複数の計測点(最
大64計測点)のサポートを可能にしています。これは
大幅な設置コストの削減と計器及び電気設置のメンテ
ナンスの簡素化につながります。シングル バスで複
数(最大4台)のガルバニック アイソレータが使用でき、
その場合、最大255の計測点をサポートします。
また、どのようなネットワークにでも対応できるよう、
Tコネクタをはじめ、さまざまなアクセサリもご用意
しています。
Trendmaster® Proについてあまりご存知ない方でも、
システム テストや設定は簡単に行なえます。以前は、
スタンド アロンの専用TIMテスタが必要でしたが、
今回の新システムでは、別途計器を用意する必要はあ
りません。テスト機能と設定機能がSnapshot TM for
Windows® CEポータブル データ収集器の中に内蔵さ
れたからです。なぜなら、Trendmaster®のユーザのほ
とんどが、オンライン プログラムを完全なものにす
るためにポータブル データ収集器を使用されている
ことがわかったからです。例えば、機械に不具合の初
期症状が見られた場合、専門家はTrendmaster®システ
ムで収集されたデータを補強するために、まず
SnapshotTM CEでデータを追加収集されます。または、
Decision SupportSM(意思決定支援機能)が組み込まれ
たTrendmaster® Proシステムを使用されている場合に
は、機械のバランス調整が必要であると自動診断され
るかもしれません。その場合、SnapshotTM CEは現場
でバランス修正の演算を実行するために使用されます。
ほとんどのユーザの方々が、上述のような目的で
SnapshotTM CEデータ収集器をご使用されており、そ
してその結果、私たちがTIMテスタの機能をSnapshotTM
CEに組み込んだ理由がご理解いただけるかと思います。
新しいTIMテスタの機能を搭載したSnapshotTMCEにつ
いては、英語版『ORBIT First Quater 2004, Volume
24, Number 1』の17ページの記事をご覧ください。
ガルバニック アイソレータ
ツェナーバリアは、高い安全性を確保されたアー
ス接続が必要であり、特に海上作業台
船やその他腐食性が高く、アー
ス接続に悪影響を及ぼす
ような場合には、常にメン
テナンスを行なう必要があ
ります。弊社の新しいガルバ
ニ ッ ク ア イソ レ ー タは、
Trendmaster® Proシステムを危
険区域に設置される場合に、多
くのお客様にご愛用いただいて
います。なぜなら、このガルバニッ
ク アイソレータは、アース接続の
必要がなく、電流に制限のあるダイオードでは
なくトランス カップリングを使用しているため、
時間経過による性能低下が軽減でき、メンテナ
ンスを繰返し行なう必要もない安全な設置が可
能になるからです。
11
従来は専用デバイスであった
TIMテスタは、
現在は、SnapshotTM CE
ポータブル データ
収集器の中に組み
込まれています。
P R O D U C T
4
ダイナミック スキャニング モジュール
近年、Trendmaster Proに採用された最も優れた拡張
機能の1つが、DSM(ダイナミックスキャニング モジュー
ル)です。DSMは、Trendmaster ® のセンサ バスと
System 1®ソフトウェアが機能するホスト コンピュータ
とを繋ぐブリッジです。以前は、Trendmaster®センサ
バスは、互換性のあるコンピュータに内蔵された専用
のデータ サンプリング カード(信号処理アダプタま
たはSPAカード)を使用して結線していましたが、新
しいSPAカードを設置するための外付けのモジュール
であるDSMを利用することで、ホストコンピュータ
に内蔵されているカードの利用に比べ、より柔軟な設
置が可能となりました。
®
D S M の カ ー ド の 種 類
DSMは機能性にも優れ、またDSMとホスト コンピュー
タ間に標準のイーサネットを使用するため、配線の数
や種類に制限のある場合には、設置コストも削減でき
ます。このネットワーク ケーブルは、すでにほとん
どのプラントが所有されているため、Trendmaster®の
U P D A T E
計測点のクラスタとホスト コンピュータ間を繋ぐメ
インのケーブルは、設置する必要がありません。ケー
ブルがない場合には、市販のワイヤレス イーサネッ
トがご利用いただけます。有線のネットワーク通信を
希望される場合には、一般的な銅線か光ケーブルが利
用できます。光ケーブルの場合は、ノイズや通信の混
線などの影響を受けない電線と同じような配管コンジッ
トに設置でき、その結果、新しく改造が可能となるた
め、設置コストを最低限に抑えることができます。
さらに、Trendmaster®はプラント内の既存のイーサネッ
ト ネットワークで必要な回線容量を最小限にする設
計となっています。ほとんどの場合、Trendmaster®は、
専用線ではなく、既設のプラント ネットワークとの
共存が可能です。
一台のDSMには、最大4つまでの信号入力モジュール
と銅製、または光ファイバ イーサネット通信カード
が収納できます。現在以下の4種類の信号入力カード
を用意しています。
タイプ
詳細
互換性を持つセンサ
TIM
インプット カード
従来の信号処理アダプタの変わりになるものです。既存のTIM
ケーブル及びコネクタとの直接的な互換性を持ちます。各カー
ドは最大2本のTrendmaster®センサ バス ケーブルの接続が可
能であり、各センサ バス ケーブルは最大で255ポイント(すな
わちカード1枚で510ポイント)をサポートします。
Trendmaster® 2000とTrendmaster® 2000 for
Windows®がサポートする従来の全てのセンサ
とTIM、及び新しいproTIMとその互換性を
持つセンサ
プロセス変数
ダイレクト
インプット カード
最大8ポイントまでの信号の入力が可能です。TIMを使用せずに、
Trendmaster® Proシステムと直接接続が可能です。
Trendmaster® 2000とTrendmaster® 2000 for
Windows®がサポートする従来の全てのセンサ
とTIM、及び新しいproTIMとその互換性を
持つセンサ
24V
トランスデューサ
ダイレクト
インプット カード
最大8ポイントまでの-24Vの3線式電圧式センサ(一般的に、非
接触型プローブまたは、非電流式加速度計)の信号の入力が可
能です。TIMを使用せずに、Trendmaster® Proシステムと直接
接続が可能です。
3300、3300XL、3300 REBAM®、7200シリー
ズ非接触型センサ
23732、330400、330425加速度センサ
サイズミック
ダイレクト
インプット カード
最大8ポイントまでの2線式定電流加速度センサまたは、速度
信号の入力が可能です。TIMを使用せずに、Trendmaster® Pro
システムと直接接続が可能です。加速度エンベロープを含む
強化された信号処理が可能です。
200350加速度センサ
330500、330525、190501Velomitor®圧電
(ピエゾ)速度センサ
* 本質安全バリアを使用する場合は、各ラインでサポートされるTIMの数は減少します。サポートできる計測点の合計は、ケーブルの長さで
決まります。詳しくは、最寄りのベントリー・ネバダのセールス担当者にお問い合わせください。
learn more online at:
http://www.bently.com/prod/products/trendmasterprotims.htm
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P R O D U C T
Trendmaster® Proを新しく導入することで、TIMやセ
ンサ バスケーブルを使用することなく、信号がシス
テム内で利用できます。これには2つの方法がありま
す。一つ目は、Modbus、OPCやその他のプロトコ
ルをサポートするSystem 1®ソフトウェアに取り込
まれるさまざまな信号の利用です。この方法は、少
ない配線で、すでに生産管理システムやその他の自
動システムに存在するデータが利用でき、状態監視
を目的としたTrendmaster® Proでそのデータを共有
することが可能です。もう1つの方法は、互換性を持
つセンサを直接DSMに繋ぐ、ダイレクト インプット
カードの使用です。
TIMやセンサ バスの利用により可能となった設置コ
ストの削減について協議した結果、TIMに加え、直
接接続という配線方法も採用することになりました。
計測点や必要なケーブルの数によっては、TIMやセ
ンサ バス ケーブルを使用せず、計測点が数多くある
場所に複数のDSMを設置し、直接接続した方がコス
ト的に安くなる場合があります。コストがよりかか
らない最適な方法は、それぞれの設置方法により異
なるため、残念ながらここですべてをご紹介するこ
とはできません。最寄りのベントリー・ネバダのセー
ルス担当者がお客様それぞれの状況に合わせ、最適
なシステム アーキテクチャの構成やコスト比較のお
手伝いをさせていただきますので、ぜひお問い合わ
せください。
ほとんどの場合、
Trendmaster®は、
専用のネットワークを
使用しなくても
プラントの
既設のネットワークを
共有することが
可能です。
13
U P D A T E
DSMの柔軟性に富んだ新しい
Modbusインターフェース
DSM
直接接続
プロセス
制御
システム
高度な状態監視やDecision SupportSM機能を使用
しない、基本的なトレンド システムが必要なお客様
の 場 合 、 Tr end ma s ter ® Pro ハ ー ド ウ ェ ア は 、
System1® ソフトウェアを使用しなくても利用できます。
どのように? DSMに統合されたModbusポートを使
用することで、業界基準プロトコルを使用したプロ
セス制御システムやオートメーション システムへの
直接接続が可能となります。これにより、プロセス
制御システムは、DSMから直接データを収集する
ことができ、すべてのトレンドや警報の発報、さらに
基本的な機械設備の健康状態とトレンドをプロセス
制御システムのその他の情報と統合することが可
能となります。System 1 ®ソフトウェアを使用した
Trendmaster®の使用に比べ、その機能はかなり劣
りますが、この新しい「直接接続」という方法は、最
も費用対効果がよく、基本的なシステムの導入か
ら始め、今後その適用を高度なものに拡張された
いという導入レベルには最適です。さらに、
ModbusおよびSystem 1®の接続は、データを状態
監視プラットフォームとプロセス制御システムに送
る必要がある場合、同時に使用することが可能です。
P R O D U C T
U P D A T E
意思決定支援機能は、プラントで直接運転に関わり、すぐに情報を必要とされる
オペレータの方に、状態監視の利点をお届けします。
ホスト ソフトウェア
Trendmater®プラットフォームで最も優れた拡
張機能の1つが、System 1®ソフトウェアによるサ
ポートです。スタンド アロンのTrendmaster ®
2000ソフトウェアはもう必要ありません。
System 1®は、Trendmaster® 2000ソフトウェ
アが持つすべての機能と、それ以外の多数の
機 能を兼 ね 備 え て い ま す 。 こ こ で は 、
System 1®を使用したカテゴリ2に属す
る設備資産の管理の改善方法につい
てご紹介します。
Decision SupportSM
Decision Support (意思決定支援)
の機能をご紹介せずには、System 1®
ソフトウェアについてのご説明は終われま
せん。Decision Support は、System 1®上で
ユーザの知識を蓄積し、ルール化させます。蓄
積されたルール(インテリジェンス)は、収集
されたデータ(スペクトラム情報、波形、ト
レンド、変化率、アラーム状態やその他のデー
タ)の自動分析に使用されます。これにより、
24時間365日体制で常時、自動データ調査や
イベント検知、ユーザへの通知が可能となり、
System 1®に供給される基本的な警報情報だ
けではなく、より高度な「インテリジェンス」
警報とユーザ設定可能な複数のパラメータ
SM
SM
コスト削減につながります。
ワイヤレスは
5
Trendmaster® Proは、今日最も利用されている
市販のワイヤレス イーサネット製品の利点を
多く取り入れた設計になっています。これによ
りDSMは、System 1®ソフトウェアとの通信に
使用される有線のネットワーク接続に制約され
ることなく、実質どこにでも設置できることに
なるわけです。DSMのイーサネット ポートを
ワイヤレスに設定するだけで、ネットワークに
入れます。システムの一部としてDSMを、どこ
に、どのように設置するべきかという問題にも
柔軟に対応でき、有線のものと無線のものの共
存も可能です。結果的に、Trendmaster® Proシ
ステムは、これまで以上に高速で、設置コスト
が軽減できるシステムとなりました。
を元にしたイベント検知が可能となります。さ
らに、計測データを組み合わせ、演算式やロジッ
クを使用して全く新しいパラメータを生成する
ことも可能であり、それらのパラメータは、普
通の計測値とまったく同じように扱えます。
System 1®のユーザ フレンドリーなルール作成ツー
ルは、ユーザの負担となる複雑なプログラム言
語を使用する必要は全くありません。新しいルー
ルの作成や対象機器やプロセスに関する知識を
蓄積するには、特定の状態を検知するために判
別フローチャートを作成されているのと同じよう
に簡単に行なえます。ルールの集合をより大き
な集合と組み合わせることも可能であり、プロ
セスやプラント、操作手順、機械設備の挙動や
故障メカニズムと完璧に合致した、より高度な
推論エンジンが作成できます。
「重要」機械設備用のオンライン ソフトウェア
には、このような機能はこれまでもありましたが、
その下のクラスであるカテゴリ2に属する機器に
この機能が取り入れられるのは今回が初めてです。
お客様の状態監視システム全体で、この機能が
ご利用いただけるようになるのです。Decision
Support による状態監視の利点は、プラントで
直接運転に関わり、すぐに情報を必要とされる
SM
14
P R O D U C T
U P D A T E
System 1®は、設備資産の重要度に関わらず、すべてを
1つの状態監視プラットフォームで管理します。
オペレータの方に最も実感して頂けます。例えば、プ
ロセスの一部で液体と固体を分離する遠心分離機を使
用するプラントを例に挙げてみます。遠心分離機は、
多 くの 場 合「 カ テ ゴ リ 2 」に 分 類 さ れ る た め 、
Trendmaster® Proシステムの適用が有効であると考え
られます。一般的に遠心分離機では、回転体に不均等
に付着した固体によりアンバランスが起こります。そ
の状態が検知されないまま放置されると、このアンバ
ランスは軸受やシール、その他の部分に初期故障を引
き起こします。Decision Support を使用した場合、
アンバランスは簡単に検知でき、その他の不具合と見
分けることが可能です。その状況は、オペレータにす
ぐに通知されるため、その情報を基にしたメンテナン
ス計画がすぐに立てられるわけです。(場合によっては、
機械を洗浄し、付着を取り除くだけで済む場合もあり
ます。) Decision Support は、さらに軸受の磨耗や基
礎部分のボルトの緩み、ミスアライメント、モータ巻
線の問題など、その他の不具合の検知も可能です。適
時に明確なアドバイスがオペレ−タや保全担当者に届
くため、適切な時に適切な対処が可能となるわけです。
SM
SM
ユーザによって構築されるルールに加え、さまざまな
機械や不具合に対し、ベントリー・ネバダが蓄積した
知識をまとめたパッケージ(RulePak)も
ご用意しています。このRulePakは、ユー
ザ独自のルールに簡単に組み入れること
ができます。
また、ルールのカスタマイズ機能と状態
の悪化を検知するための推論エンジンに
加え、通知方法と通知内容のカスタマイ
ズも可能です。ベントリー・ネバダのルー
ルとユーザのルール、そしてそれらの組
み合わせに従って不具合が検知された場
合、誰に、いつ、どのように(携帯電話
やポケベル、電子メール、プロセス制御
システム アナンシエータなど)、何を伝
えるべきか(理解するために特別な知識
が必要なデータやプロット図ではなく言
葉での伝達)がユーザ自身で決定できる
のです。
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共通の環境で
System 1®は、全ての設備資産をそれらの重要性に
関わらず、1つの状態監視プラットフォームで統合
管理します。ポータブル データ収集器やオンライ
ン スキャニング システム(例:Trendmaster® Pro)、
機械保護システム、手集計されたメモ書きやデー
タなどをすべて統合できるため、習得すべきメン
テナンス手法や必要となるシステムの数が軽減でき、
コスト削減が図れます。さらに、プラントの資産
管理に携わる、より多様な担当者が統一システム
にアクセスすることも可能となります。
1つのシステムと1つのデータベースのみを使用す
ることで、複数のデータの関連付けや状態監視の
手法が組み合わせられるようになりました。例えば、
Trendmaster® Proで計測されたポンプやモータの
計測値を、周辺のパイプやその他の場所で収集さ
れたポータブル データ収集器のデータと組み合わ
せた方がより望ましい場合があります。弊社のポー
タブル データ収集器のデータは、Trendmaster ®
Proシステムで使用されるデ−タベースやプロット、
レポートに簡単に組み入れることができます。定
期的なアライメントの際、さまざまなツールを使
自動データ分析や的確なアドバイスが、System 1®ソフトウェアのパワ
フルなDecision SupportSM機能を使用することで、Trendmaster® Proの
監視対象であるカテゴリ2に属する設備資産にまで、利用できるように
なりました。
P R O D U C T
用 し た 場 合 で も 、 そ れ ら の デ ー タ は System 1 ® の
DocuViewTM(ドキュビュ)機能を使用することで簡単
にアクセスできます。DocuViewTMソフトウェアは、
System 1®の拡張機能であり、System 1®を複数の設
備資産関連の情報ソースにリンクさせる機能を持ちま
す。例えば、モータ/ポンプを示すグラフィックを右
クリックした場合、製造元のデータを示すウェブサイ
ト、構成図や保全マニュアルを含むユーザ独自のデー
タ管理ライブラリ内のドキュメント、CMMS内のログ
や保全記録データ、ポンプ曲線、モータのデータシー
トやその他のファイル、ウェブサイト、アプリケーショ
ンへの関連するリンクを一覧表示させることが可能で
す。
U P D A T E
軸受ライブラリ
System 1®はInternational Source Index, Inc.社の
The Bearing ExpertTMソフトウェアとの直接のイン
ターフェースを持ちます。このソフトウェアには
随時データが追加され、現在100万以上のデータを
持つ転がり軸受のデータベースです。System 1®で
この機能を使用することで、ユーザは、簡単に軸
受の情報へのアクセスやトレンドの構築、特定の
周波数を持つスペクトラム バンド警報の設定、転
がり軸受を持つ機械の診断が可能となります。ま
たこのデータベースには、さまざまな振動やAFBMA(低
摩擦ベアリング製造業者協会)の評価数値などのデー
タ、軸受の外形図や寸法、製造元、パートナンバ、
軸受ナンバの補助記号、傷発生調和周波数や参照
情報等も含まれています。
ポータブル
データ収集器からの
データは、簡単に
Trendmaster® Pro
システムで使用される
同一のデータベース、
プロットそしてレポートに
統合することができます。
ユーザは、System 1®との互換性を持つISI社のThe Bearing ExpertTMソフトウェアを使って100
万以上の転がり軸受から発生する周波数を簡単に取り込むことができます。
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N E W
P R O D U C T
風力タービンの
ドライブトレインの診断が
複雑である例を示します。
内輪の一箇所をボールが
通過する周波数(IRBP)や
外輪の一箇所をボールが
通過する周波数(ORBP)を
抽出するためのルール
ロジックの部分を
示しています。│ 図3
新しく改良されたアプリケーション
この新しいモニタリングシステムは既存の機械への適
用も可能ですし、新設の風力タービンへの適用を検討
されているお客様のニーズにも対応できます。ハード
ウェア及びSystem 1®ソフトウェアの風力タービン用
ルールパックに蓄積されているインテリジェンス情報
は、製造会社に関わらずどのような風力タービンにも
適用できる設計となっています。風力タービンのエン
ドユーザのお客様も製造メーカのお客様も、ぜひ1度
最寄りのベントリー・ネバダのセールス担当者にご相
談 く だ さ い 。 ま た 弊 社 の ホ ー ム ペ ー ジ
www.bently.co.jpでも詳細情報を提供しておりますの
で、併せてご覧ください。
1.American Wind Energy Association
2.European Wind Energy Association
GE エナジー・ジャパン株式会社
〒107-6111 東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル
電話:03-5544-3870 (代表)
E-mail: [email protected]
URL: www.ge-energy.com/bently
ORBIT 2Q2004 Vol.24 No2. Page 20 - 27 の翻訳文です。
B3019NC