臨時レポート ブラジル:フィッチの国債格下げと当社の運用方針 当社のブラジル債券についての前向きな姿勢に変わりなし HSBC投信株式会社 2016年5月9日 大手格付会社フィッチ・レーティングスはブラジル国債の格付けを「BB」へと一段階引き下げ、見通し を「ネガティブ」とした。不況の深刻化と政治の混乱が格下げの理由 格下げは事前予想通りで市場は反応薄。ブラジル債券についての当社の前向きな姿勢に変わりなし フィッチが国債格付けをさらに 引き下げ 5 月5 日(木)、大手格付会社フィッチ・レーティン グス(以下、フィッチ)は、ブラジル国債の格付けを 引き下げました。外貨建及び自国通貨建長期信 用格付けをともに「BB+」 から「BB」へと1段階引 き下げ(いずれも非投資適格級)、見通しは「ネガ ティブ(弱含み)」としました。フィッチによるブラジ ル国債の格下げは昨年12月16日に続くものです。 格下げの理由は不況の深刻化と政治 の混乱 フィッチでは、今回の格下げの理由として、主に不 況の深刻化と政治の混乱を挙げています。 ①不況の深刻化:景気が悪化しており、フィッチで は2016年の実質国内総生産(GDP)成長率を2015 年と同水準の-3.8%と予想、前回2015年12月時 の予想(-2.5%)を下方修正しました。不況が深 刻化している背景として、国内要因では、政局の 不安定性、景況感の低下、労働市場の悪化、海 外要因では中国経済の減速、国際商品市況の低 迷などを挙げています。 ②政治の混乱:足元ではジルマ大統領の弾劾に 向けた手続きが進行しており、政治の混乱が、景 気の後退や財政の悪化などへの迅速な政策対応 を困難にしている点を指摘しています。 見通しを「ネガティブ」とした理由としては、政府債 務残高を抑制する政策の欠如、経済成長及び財 政収支を改善する政策遂行能力の問題などを挙 げています。他方、政治情勢が改善すれば見通し を「安定的」に引き上げる可能性がある点にも言 及しています。また、プラス面として、レアル安を 背景とした経常収支の改善を指摘しています。 フィッチによる格下げはある程度織り込まれてい たことから、市場は反応薄でした。格下げ発表(5 日(木)夜)の翌6日(金)、債券市場では4年国債 利回りが0.02%上昇、株式市場ではボベスパ指 数が0.1%上昇、為替市場ではレアルが対米ドル で1.0%上昇しました。 当社のブラジル債券についての前向き な姿勢に変わりなし フィッチの格下げは予想されたもので、他の格付 大手2社(スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、 ムーディーズ・インベスターズ・サービス)と等級 を同水準に修正したに過ぎません。したがって、 当社のブラジル債券・株式ともに運用戦略の変 更はありません。 ブラジルのインフレ率(拡大消費者物価指 数 :IPCA ) は 、 ブ ラ ジ ル 中 央 銀 行 の 目 標 圏 内 (4.5%±2.0%)に収れんする方向にあり、年内に も利下げ余地が出てくると当社では見ています。 こうした見通しの下、ブラジル債券市場について の当社の前向きな姿勢に変わりなく、当社の債 券ファンドでは引き続き残存期間2年から4年の 中期債を選好しています。 また、ブラジル株式関連ファンドでは、引き続き 内需関連の中でも公益、運輸関連銘柄を中心に 政治情勢や景気動向に株価および業績が左右 されにくいディフェンシブな業種・銘柄を中心に ポートフォリオを構築する方針です。 ブラジル国債格付け(2016年5月8日現在) 外貨建長期債務 自国通貨建長期債務 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) BB BB ムーディーズ・インベスターズ・サービス Ba2 Ba2 フィッチ・レーティングス BB BB 出所:ブルームバーグの情報をもとにHSBC投信が作成 1 当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。 見通し ネガティブ ネガティブ ネガティブ 留意点 投資信託に係わるリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としており、当該資産の市場に おける取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動し損失が生じる可能性があります。従いまし て、投資元本が保証されているものではありません。投資信託は、預金または保険契約ではなく、預金保険機 構または保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録金融機関でご購入の投資信託は投 資者保護基金の保護の対象ではありません。購入の申込みにあたりましては「投資信託説明書(交付目論見 書)」および「契約締結前交付書面(目論見書補完書面等)」を販売会社からお受け取りの上、十分にその内 容をご確認頂きご自身でご判断ください。 投資信託に係わる費用について 購入時に直接ご負担いただく費用 購入時手数料 上限3.78%(税込) 換金時に直接ご負担いただく費用 信託財産留保額 上限0.5% 投資信託の保有期間中に間接的に ご負担いただく費用 運用管理費用(信託報酬) 上限年2.16%(税込) その他費用 上記以外に保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。 「投資信託説明書(交付目論見書)」、「契約締結前交付書面(目論 見書補完書面等)」等でご確認ください。 ※上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 ※費用の料率につきましては、HSBC投信株式会社が運用するすべての投資信託のうち、ご負担いただく それぞれの費用における最高の料率を記載しております。 ※投資信託に係るリスクや費用はそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、かならず 「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。 HSBC投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第308号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 ホームページ www.assetmanagement.hsbc.com/jp 電話番号 03-3548-5690 (受付時間は営業日の午前9時~午後5時) 【当資料に関する留意点】 当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を目的として作成したものであり、特定の金 融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 当資料は信頼に足ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、 データ等は過去の実績あるいは予想を示したものであり、将来の成果を示唆するものではありません。 当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。 当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を一切負いません。 2
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