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第3章
交通情報ビジネス分科会
3.1
研究の方針
(1)研究にあたっての前提条件
1)研究対象と活動の方向性
交通情報ビジネス分科会は自動車メーカー、電機メーカー、建設コンサルタント、金融
コンサルタント、シンクタンク、測量会社、建設会社、情報サービス会社、官公庁など、
多くの異なる業界に所属する委員で構成されている。当分科会ではこの特徴を活かし、道
路・鉄道など交通の用に供する「土木構造物」自体ではなく、交通サービスや交通行動な
どのソフトウェア面を主な研究対象とし、利用者の交通行動を支援するための有用な「情
報ビジネス」を提案することを目標としている。
当分科会の委員は、各所属機関において既に交通および情報技術の分野で事業活動を行
い、交通情報に関わる何らかのビジネスモデルの検討に従事している場合がある。このた
め、新しいビジネスモデルを各委員が共同で提案するには、知的財産権およびその実施権
の帰属の問題から、さまざまな調整が必要となる。よって、当分科会では新しいビジネス
モデルの構築を研究の主要なアウトプットとはせず、将来の生活シーンで期待される交通
情報ビジネスの検討を行ったうえで、ビジネスが成立するために必要な要素技術、法制度
等の将来像を描き、それを実現するための方法を提案する。
また、分科会をできるだけ有益な情報交換、意見交換の場と位置づけ、ディスカッショ
ンを重視するとともに、委員や外部の講師による最新情報の提供機会を数多く設けるもの
とする。
2)ステークホルダー
交通情報ビジネスにおいて想定されるステークホルダーとその具体例を図-3.1 および
表-3.1 に示す。対象領域となる交通情報ビジネスの中身が明確でない段階での整理のため、
粗い粒度での整理となっているが、これは交通情報ビジネスが成立するための要素技術や
法制度等の検討を行っていく上で、それに関与する組織等を明確化する際などの叩き台と
して位置づけられる。
7
他の交
通情報
ビジネス
公共交
通機関
行政
機関
影響
競合
関連
団体
指導・
規制等
各種要請
利用者
サービス提供
出資
交通情報
ビジネス
標準化
標準化
団体
高度化
研究/
開発者
ビジネス構築
製品
調達
製品
提供者
情報/
インフラ提供
施工
業者
情報/
インフラ
提供者
交通情報ビジネスにおいて想定されるステークホルダーの分類
表-3.1
区 分
利用者
サービス実施者
資金提供者
製品提供者
情報/インフラ提供者
施工業者
研究/開発者
標準化団体
行政機関
公共交通機関
他の交通情報ビジネス
関連団体
サービス
実施者
工事請負
製品
提供
図-3.1
資金
提供者
ステークホルダーの具体例
ステークホルダーの具体例
一般利用者(カードライバー、旅行者、公共交通利用者等)、業務利用
者(物流等)、道路/交通管理者、公共交通機関、交通情報プロバイダ
ー、公共団体、企業等
交通情報プロバイダー、テレマティクス事業者等
企業、インベスター、行政(補助金等)等
メーカー等
道路/交通管理者、通信事業者、交通情報プロバイダー (日本道路交
通情報センター等)、テレマティクス事業者等
メーカー、通信事業者、建設業者等
大学、研究機関、シンクタンク、メーカー等
ITS Japan、ISO/TC204、その他関連団体等
道路/運輸/警察/環境/経済産業関係省庁等
航空事業者、鉄道事業者、バス事業者、タクシー事業者等
交通情報プロバイダー、テレマティクス事業者 、道路/交通管理者、
公共交通機関等
環境保護団体、消費者団体等
8
(2)現状における課題認識
1)交通情報ビジネスの現状
平成 14 年 6 月に改正道路交通法が施行され、道路交通情報提供事業が民間に開放され
た。これにより、民間事業者が公共セクターの道路交通情報を編集・加工し、独自の情報
収集や予測を加えてインターネットや携帯電話、カーナビ等の多様なメディアで交通情報
を提供することが可能になった。
また、従来の道路交通情報は、警察や道路管理者が設置した計測器等により一元的に収
集されていたが、今後は Web カメラ、IPCar、バスや商用車の運行管理情報、民間駐車場
の稼動情報など、現状では活用されていない情報源を含む多様な情報の活用が可能となる。
一方、民間事業者による鉄道やバス等の公共交通機関に関する情報提供は、道路よりも
一歩先行してビジネスとして成立している。インターネットの普及に伴って出発地から目
的地への経路案内や時刻案内、利用料金、乗り換え情報提供などのサービスが発達し、各
事業者はサービスの高度化を競っている。特に近年はインターネット接続可能な携帯電話
等の普及により、移動中の利用者を対象としてリアルタイムの交通情報を提供するサービ
スが次々と登場している。一部の事業者は GPS 等による現在位置情報の取得機能を組み
合わせて、徒歩ナビゲーションやタクシー呼び出し等のサービスを提供している。
2)交通情報ビジネスの展望と課題
図-3.1 の利用者は、私的利用の道路交通(マイカー、自転車、徒歩)と公共交通機関の
うち、常に一方の交通機関を利用するとは限らない。両者を組み合わせて利用したり、両
者のうち一方を選択して利用する場面が数多く存在する。また、公共交通機関のみを利用
する場合でも、複数の交通機関を乗り換えて利用することが多い。したがって、利用者は
「道路交通情報」、「公共交通機関の運行情報」など、特定の交通機関に限定した情報提供
ではなく、出発地から目的地に至るまで「個人の交通行動を一貫して支援する情報サービ
ス」を求めていると考えられる。
一方、現状の交通情報ビジネスは、残念ながら個人の交通行動を一貫して支援する水準
には達していない。利用者の本質的なニーズに応えるためには、多くの解決すべき課題が
残っており、その実現のためにさまざまな研究テーマが成立すると考えられる。
9
(3)研究アプローチの基本的考え方
1)研究テーマ設定の考え方
既に述べたように、当分科会では利用者の視点に立って交通行動を支援するための「情
報サービス」を提案することを目標としている。この目標を実現するための具体的な研究
テーマについては、委員が所属する業界の多様性を考慮し、以下の基本方針に基づいて設
定する。
【基本方針】
①各委員の関心領域、希望研究テーマ、業務経歴等を尊重する。
②各委員の研究テーマ原案にとらわれず、より上位の概念で研究の基本的な方向性を設
定する。
③1つの研究テーマを、主査または副主査1名と数名の委員から構成される「チーム」
で分担する。また、チームは報告書作成時の作業単位とする。
④研究テーマの具体的展開については、各チームに一任する。また、各チームは互いの
研究成果について随時情報交換し、研究の連携を図る。
⑤一定の成果が得られた時点で、チームおよび研究テーマの再構成を行う。
ただし、前述した様に利用者は交通行動を一貫して支援する情報サービスを求めている
と考えられる。そこで、当分科会では最終的に鉄道と道路の両者を含んだインターモーダ
ルな部分が対象となるようにテーマを設定する。
2)検討の手順
図-3.2 に検討の手順を示す。はじめに将来の生活シーンを想定し、その中から交通行動
に関わるニーズとそれを満たす情報ビジネスのあり方について検討する。次に生活シーン
をいくつかに絞り込み、詳細な検討を行なう。ここでは絞り込んだ生活シーン毎にシナリ
オを作成し、シナリオの中から交通手段の利用者のニーズを抽出する。各シナリオからニ
ーズが抽出できたら、それらを合わせてニーズを満足するサービスについて検討する。最
後に想定したサービスを実現するような交通情報ビジネスについて検討する。
シナリオ作成とニーズの抽出は生活シーン毎のチームに分かれて実施する。ニーズを満
たすサービスの検討以降は合同で行ない、検討内容に重複や漏れが無いように注意する。
なお、上記の一連の検討とは別に関連情報の収集を並行して行い、交通情報ビジネスの
検討における参考とする。
10
START
将来の生活シーンの検討
生活シーンの絞り込み
シナリオ作成
シナリオ作成
・ ・ ・
・
利用者ニーズ
の抽出
利用者ニーズ
の抽出
・ ・ ・ ・
ニーズを満たすサービスの検討
サービスを提供するビジネスの
検討
END
図-3.1
検討の手順
11
3.2
研究の内容
(1)前年度の研究成果の概要
前年度の研究では、まずはじめに、将来の生活シーンに基づく交通情報に関するニーズ
を抽出し、そのニーズを満たす情報ビジネスのあり方について検討を行った。
具体的には、将来のある時点(例えば 10 年後など)の生活シーンを想定し、それを実
現するための交通情報ビジネスのあり方を提案する方向でニーズの分析を行った。ニーズ
の分析にあたっては、「現在の事実」と、「将来のあるべき姿」の両方に着目し、交通情報
ビジネスが成立するために必要な要素技術、法制度等の将来像を描き、それを実現するた
めの方法を提案する方向で全員参加で進めてきた。
研究の全体手順としては、ステップ1、ステップ2、の2段階に分けて実施するが、前
年度は研究テーマとしてステップ1の生活シーンを絞り込んだ。
ステップ1: 将来の生活シーンの検討(時期・場所は前提条件として与える。また、
必要な交通情報ビジネスは提供されていると仮定する。)
l ステップ2: 期待される交通情報ビジネスの検討(ステップ1で必要とされる交
通情報ビジネスを抽出・整理する。)
ステップ1の「将来の生活シーンの検討」では、各委員からの意見を抽出するためのア
ンケート「 生活シーンを対象とした交通情報ニーズに関する調査シート 」を作成、委員
全員に配布・回収し、ニーズの抽出を行った。その後、アンケートの意見を集約・カテゴ
ライズし、時系列で整理した利用者の行動シーンにおいて想定されるニーズを取りまとめ
た。この内容については、過年度報告書 pp.10-13 に記載してあるとおりである。
交通情報ビジネスの絞込みについては、交通行動シーンの整理(図-3.3)から、
1)ビジネスとして成り立つか否か(B to C か B to B か)
2)マイカー(私的)か、公共交通か
3)出発地・目的地が決まっているか、決まっていないか
の3つの視点で生活シーンの評価基準について検討を行ったうえで、2)の私的交通(マ
イカー等)と公共交通の2つに大別された生活シーンを研究テーマとして絞り込み、具体
的な場面を設定した。
12
時系列での整理
【
イベント
】
▼ 起きてから出発まで
・
出勤前にその日利用する
公共交通機関の運行状況
や道路の渋滞状況が分かっ
ていたい。
・関係するルートの電車など
で事故などが発生したら、瞬
時に連絡され、代替ルートな
どを割り出してくれる。
・経路上のボトルネック箇所
のリアルタイム映像を見た
い。
▼ バス停等(
経路途上)
・
鉄道やバスで通勤する人は、
家を出る前に乗ろうと思ってい
るバス等がどこまで来ているの
か知りたい。
・
駅までの到着予想時間等の
情報を安く、精度良くリアルタイム
に入手したい。
・
経路上で災害や異常気象、
事故など、移動の障害となる事
象が発生したら即座に教え、レ
ベルに応じて警告してくれる。
▼ 駅に到着
▼ 公共交通機関内
・
経路上で災害や異常気象、
事故など、移動の障害となる
事象が発生したら即座に教
え、レベルに応じて警告して
くれる。
・
関係するルートの電車など
で事故などが発生したら、瞬
時に連絡され、代替ルートな
どを割り出してくれる。
▼ 交通結節点
・
事故からの復旧状況を
精度良くリアルタイムで
提供して欲しい。
・
駅情報(
トイレ位置等)
イベント情報、ショッピン
グ情報の提供。
・
事故からの復旧状況を精
度良くリアルタイムで提供し
て欲しい。
・
駅情報(
トイレ位置等)
乗
換え案内情報の提供。
・
イベント情報、ショッピング
情報の提供。
・
スムーズな乗換えがした
い。
・
定期券、乗車券の統一を
して欲しい(
例えば、するっ
と関西)
。
休日での観光
行動シーン
時系列での整理
【
イベント
】
▼ 出発前
・
総合的な交通案内。
・P&Rの情報提供。
・駐車場情報(
場所、空き情報、料金
など)
。
・
現在地から目的地の駐車場入口ま
での経路の案内。
・出発前の観光地駐車場予約。
・
指定日について指定箇所に行く場
合の道路や駐車場に関して、過去の
統計情報等から、時間帯毎の概ねの
混雑状況などがわかると非常に便
利。
▼ 経路途上
▼ 経路分岐点前
・経路上の難所情報、事故遭遇確率
を自動的に教えてくれる。
・経路(
有料の場合は料金含む)
と所
要時間(
定時性のばらつき含む)
を自
動的に教えてくれる。
・
最短経路を案内する場合には、経
路途中の通過予定時刻に応じて予
測した混雑情報により案内して欲し
い。
・
渋滞の延伸・
解消の状況に即した
正確な所要時間に関する情報提供。
・
経路上での駐車場予約システム。
図-3.2
・
有料道路と無料道路の分岐点前で,
両ルートの所要時間,速度,距離等を
表示。
・
目的地に到達する予測時間情報。
・
観光地での駐車場情報。
・レストランの位置とメニュー内容の情
報入手および注文ができる。
・
レストラン情報、イベント
情報、ショッピン
グ情報の提供。
・
近隣の観光地情報、お薦めのグル
メ・ショッピング情報。
▼ 目的地
・
イベント
情報、ショッピング情報
の提供。
・
目的地までの経路情報(
徒歩
での)
。
・
l近隣の観光地情報、お薦めの
グルメ・ショッピング情報。
・
帰りの渋滞情報提供。
交通行動シーンの整理
ステップ2の研究方針としては、前述の3.1(3)の検討の手順に示すように、将来
の生活シーンで期待される交通情報ビジネスについて、次の2分野を設定した各シーンの
シナリオの作成、あるべき姿、それを実現するために必要な交通情報サービス等を検討す
ることとした。
(A)マイカー、自転車、徒歩等の私的交通
休日での観光行動時における出発前のシーン。ここでは、駐車場情報の利用も含めて
検討を実施する。
(B)交通結節点を含む公共交通
バスから鉄道等への乗り換えを行う交通結節点において、ある情報を得て交通手段を
変更するシーン。
13
(2)将来の生活シーンにおける交通へのニーズ
交通機関の区分によって「マイカー、自転車、徒歩」と「公共交通機関」の 2 つにシー
ンを大別し、それぞれについて以下のシナリオを作成し、それを実現するためのサービス
を検討した。
1)マイカー、自転車、徒歩等の私的交通
想定年次を 2∼3 年後として、休日に観光地に出かけるシーンについてシナリオライテ
ィングを行い、それに対応するサービス、サービスの内容、現状、実現する上での課題、
関連技術、考えられる実現化方法、将来の高度化の方向について整理した(表-3.2)。
①シナリオライティング
( 金曜日夜 )
A氏は奥さんと子供2人の4人家族であり、川崎市近郊に住んでいる。明日は、家族4
人で、日光方面へ日帰り旅行に出かける予定であるが、天気も良く、
非常に混みそうな日である。前にも、この日光に行ったはいいが、道路も渋滞し、駐車
場も満車で 1 時間以上待たされたといった苦い経験があった。
そこで、インターネットを立ち上げ、旅行計画時に利用できる①予測情報サイト(過去
の統計情報によるもの)へアクセスした。8 時に出発した場合の②道路の渋滞や所要時間、
③レジャー施設の駐車場の予約状況を見た。
すると、通常 3 時間で到着する箇所が、4 時間以上となっていた。さらに 12 時に到着し
ても予約用の駐車場は空いておらず、自由用の駐車場も混雑が予想された。このことから
出発時間を7時としたら、10 時 30 分までには到着し、予約用の駐車場も空いているとさ
れていた。
また、④駐車場予約サイトというところにリンクが張られており、そこにアクセスして
みた。すると、⑤駐車場の予約が ETC カードで決済できるとのことであった、念のため
10 時 30 分に予約した。ただし、前日キャンセルは全額負担とのことであった。
さらに、帰りの状況を確かめるため、18 時に日光を出発することで検索したところ、多
少は渋滞するが、22 時 30 分には家に到着できることがわかった。この⑥出発と到着の時
間帯と経路を登録すると、関連情報がメールでくるとのことであったため、メールアドレ
ス等を登録した。
最後に、これまでの⑦出発時刻、経路、駐車場の予約等の情報を携帯電話に転送した。
このようなことから、明日は 6 時 00 分に起床、7 時に出発、18 時に日光を出発、途中
で食事をとり、22 時 30 分に帰宅することにした。
14
( 土曜日出発前 )
朝 6 時に起床し、食事をしていたところ、⑧携帯電話に事故遅れありとのメールが入っ
た。内容を見たところ、首都高速道路上で事故が発生していることと、⑨シミュレーショ
ンによる予測結果が記述されていた。すると、昨日の時点では 7 時に出発すると、10 時間
30 分には到着する予定であったが、予定していた首都高速道路の都心環状線を利用する経
路が事故渋滞していて、11 時くらいの到着になるとのことであった。そこで、インターネ
ットにアクセスして、首都高速道路を撮影している⑩Web カメラを見ると、都心環状線が
事故で渋滞している。
ただし、先ほどの携帯メールに⑪同時に表示されていた湾岸線から遠回りする代替経路
では、6 時 45 分くらいに出発すれば 10 時 30 分に到着できるとのことであった。また、
その時の距離と料金もみられた。
そこで、急遽、出発時刻を 6 時 45 分に変更し、経路も湾岸線ルートに変えた。また、
この変更経路の状況を携帯電話に転送した。
出発時刻になり、車に乗り込み、金曜日の夜と当日の朝に携帯電話に転送した情報を⑫
カーナビとETCユニットに転送し、経路や駐車場予約などを登録した。
( 土曜日出発後 )
6 時 45 分に出発して、ほぼ予定通りの 10 時 30 分にレジャー施設に到着した。前日の
ETCの登録により⑬駐車場ゲートは自動で開いた。
そこで、2 時間ほど遊び、食事も済ませたら、14 時くらいになった。まだ時間があるの
で、華厳の滝を見に行くことになった。⑭地元観光案内サイトで現在の道路状況と駐車場
予約状況を確認したら、道路はそれほど混んでいなかったが、予約用の駐車場は空いてい
なかったため、自由用の駐車場も混雑が予想された。
そこで、⑮カーナビの通信機能から得られる駐車場満空予測情報にアクセスしたところ、
1 時間 30 分後には空車となることがわかったため予約した。到着するまで少し時間がある
ため、⑯カーナビで通り道に何かショッピング等ができないかを検索したところ、ゆば等
の地元特産品が売っているお土産屋があったためそこに立ち寄ることにした。
お土産屋に立ち寄り、15 時 30 分に華厳の滝に着いた。駐車場は空車となっており、そ
のまま入庫し、休憩もかねて 2 時間ほど遊んだ。
( 土曜日帰宅時 )
帰ろうかと思った 17 時 30 分くらいに、⑰予定通り順調というメールが届いた。
予定よりも少し早い 17 時 30 分に出発し、日光宇都宮道路を走行中に、⑱東北自動車道
栃木 IC あたりで事故発生、このまま走行すると宇都宮 IC 付近から 10km 程度渋滞にはま
るとの VICS による予測情報が入った。
このため、宇都宮 IC で高速をおりて、宇都宮市内で食事をとってから帰ることにした。
宇都宮では、カーナビで餃子の有名店を探し、そこで食事した。食事が終わった頃には事
故渋滞も解消しており、スムーズに家まで帰宅することができた。
15
② サービス内容と課題
表-3.1
No
1
サービス
①予測情 報サイト
サービスの内容
・旅行計画時に 使えるHP で、出発地
と目的地を指 定 すれば、一 般 道、
②道路の渋滞や所要時
間
サービスの内容と課題
実現する上 での課題
現状
・J
H、首都高等 は提 供されているが 、一般道は
ほとんどない。
考えられる実現化方法
将来の高度化
・(財)道路交通情報センターにおい
・一般道 はプローブ情 報を官(or バ ス
・一般道、高速道全ての情 報が統一の
て、情報提供事業者等へ の オン
会 社 等 の 民 )が 収 集 し、一 般 公 開
規格 で情報収集、一般公開される。
ラインによる道路交通情報を有 料
(有料 or 無 料)する。
民間はそれを利用 し、様 々な加 工を
ビジネスモデル化
その他
・一般道の 情報収集及び提 供をどのように行う
・お金 を出 してこのようなサイトを利 用す
か。
JH 、首 都 高 等 の 道路管理に 関 係
・一般道の情報を警察が民間に 提供するか ?
なく、渋滞 、所要時間等の 出発前
・予測の ベースとなるデ ー タの蓄 積に 時間がか
情報が得られる。
関連技術
技術面
るか。(首都高、
J
Hは無料 で実施)
・課金の仕組みをどのようにするか 。
で提供 。
かる?
・統計情報作成 、及 び情報提供は 、民
・開 始 時 負 担 額:3,600千 円 、月
・到達までの時間差を考慮 した情 報の提供方法
して情報提供す る。
間(テレマティクス事業者や 地図事
額基本額:170千円 と高い。
業者等)が行う。
詳細は、下 記アドレス参 照
http://www.jartic.or.jp/guide/o
nline1.html
2
③レジャー 施設の 駐車場
の予約状況
3
④駐車場予約サイト
⑤ 駐車場の 予 約が ECT
カードで決 済
・インターネットにより自宅等の パソコ
・任意 の地 域 で複数 の駐車場情報を横 並 びで
ンや携帯端末から、全 国の任 意の
検索比較できるサービスはまだ 十分に実 施さ
駐車場の詳 細、リアルタイムな満空
れていない。
る仕組みをどのように実現するか。
・全国の 任 意の 駐車場事業者の 参加が
・XML 関連技術
・実施主体が 全 国の 駐車場事業者か
※シナリオライティングで、12 時着なら
ら情報 を収 集・管 理し、インターネッ
予約が満車 で、10 時 30 分なら入れ
・収益 をどのようにして 得るか。(駐車場
ト経 由 による一 般 利 用 者 への 情 報
るというシチュエーションは考え難い
事業者からの 広告料?あるいは一 般
提供 、テレマティクス事業者等 への
(その場合 12 時までの利用 となって
利用者からの利用料?)
情 報 販 売 を行う。収 益 は 駐車場事
得られるか。
・Web サービス技 術
情報(過 去の 統 計による一般的 な
・現状の同種サービスとしては、カーナビでの情
混 雑 傾 向 などの 付 加 情 報 提 供 も
報提供、一 部の 駐車場事業者による自社駐
含む)、予約状況等が分か る。
車 場 に 関 す る総 合 的 情 報 提 供 (TIMES;
業 者 からの 広 告 料、テレマティクス
・対象駐車場の 指定 は、施設の 名称
http://www.times -info.net/pc/ )、東 京 都 社
事 業 者 等からの 利 用 料を想 定 す
や住 所 等、あるいは地図 を用い た
会実験(渋谷 スマートパーキング 2002)などが
る。
検索もできる。
ある。
しまう?)
⇒時間帯別の枠があると想定す る。
・インターネットや 携帯電話 で事前に
・ネットで駐車場の 場 所を検 索 できるところは多
・駐車場代金をクレジットカード
や ETC カードで
・空港周辺の 駐車場のように、駐車時間
・キャンセル料金の回収が 難しい。
・公共駐車場も含め て、すべて
・入 場 券 とパッケージ化 され 、旅 行 代
・自分が契約 している携帯電話や 通信
駐車場の 満空状況が把 握 でき、予
くなっているが 、予 約までできるところは少な
ネット決済 するのをセキュリティの観 点からた
が 長く単 価の 高 い 場 合 はよいが、数
・マイレージや ポイント
などの擬似的
の駐車場が 満空状況や 予約
理店などで購入 する際に E T C の ID
カーナビサービス、マイレージ会 社
約も出来る。
い。単価が高いからか 、空港周辺の民間駐車
めらう人が多いのではないか?
時間 の駐車程度 ではクレジットカード
な通過 で決 済 するようにしたら、
状況 をネットを介して交換 で
などを登 録して車 両の 認 識 のみす
を使ってネットで予約& 決済 しようとは
予約時の決 済も可能か?
きる駐車場 XML など
るようにしたらよいのではないか?
・決済に E T C カードを指定 すること
で、駐 車 場 ゲートが 車両の 到 着を
⑬駐車場 ゲートは自 動 で
・全国的な情 報を統一的に 流 通(主 に収 集)す
認識し、自 動 で開く。
場が予約可能なところが多い。
・ETC での決 済は丸ビルやパーク 24 で試験を
始めている。
開いた
・結局駐車場に出向くのだから、そのとき決済す
ればよいと考える人が多いのではないか?
しないのではないか?
・旅の宿 泊に比 べると、駐車場の 予約 で
計 画を練 るということ自 体が 考 えづら
などを介して予約& 決済を行う。
・なお決 済は、これらのサービスの ポイ
・駐車場の状 況が把握 できないと誘
ントや電 子 マネーで行うなど、メイン
導 できないため 、全 部 の 駐車場
の契 約の付 加 的サービスに 位置 づ
にI
D番号をつけることが 必要。
ける方が受 け入 れられるだろう。
いので、「旅の窓 口」のような会員登録
制はよほどの メリットがないと受 け入 れ
られないだろう。
・駐車場予約は、駐車場側から見るとメリ
ットが少 ない。いくら混雑していても駐
車場側には関 係ないため。
・ただし、万博や 上高地、ディズニーラン
ドなどの 特定施設 なら予約 システムは
できる。予 約 での入場者は、駐車場料
金を高く設定し、入口を別にすること、
入場口の近くにすることなどで実現可
能と考 えられる。
4
⑥出 発 と到 着の 時間帯 と
経路を登録
・区 間(路 線)と期 間を限 定した交通
情報の自動配信サービス
・電車の路 線を指 定した自動配信サービスは既
存
・サービスに対する対価の回収方法
・適正価格
・自動車に関 してはカーナビ等の 機能 でVICS
⑧携帯電話に事故遅れ
ありとのメール
情報 を取得 す るエリアの 登録(お 気に 入りの
ようなイメージ)ができる。VICS情報 は 原則
民間 サービスに 解 放されたが 具体的な事例
⑰予定通り順 調というメー
無し(?)
ル
16
・公共交通期間での 類 似サービス
・VICS 情報の収集
あり。ただし、運転中に 携帯の 使
・会員情報サイト運営
用を推奨することにならないか?
・緊急情報配信
・携帯電話の有 料コンテンツとして
・混雑予測や 推奨 ルート提 案
No
5
サービス
サービスの内容
実現する上 での課題
現状
ビジネスモデル化
その他
・カーナビと携帯電話に対 応す る機 能を装 備す
・カーナビか らセンター直 結 で情報交換
・カーナビと携帯電話とで授 受 する
す る場合 に 比して、携帯電話経由で
データフォーマットの 標準化が 必
要。
⑦出発時刻 、経路 、駐 車
・前述のHPに て利用した検索条件、
場 の 予 約 等の 情 報 を
検 索 結 果 、予約情報等 をPCか ら
携帯電話に 転送
インターネット経 由 で携 帯 電 話 に
情報交換す るメリットを見 極 め る必 要
転送できる。
がある。
⑫カーナビとETCユニッ
トに転送
・HPからインターネット経由 で、直 接、カーナビ
技術面
に転送できる。
る必要があるが 、特に難しい 課題は無い 。
・メモリーチップを媒介 とし、PCとカーナビ間で
・携帯電話か らインターネット経由 で
カーナビに情報を転 送 できる。
関連技術
考えられる実現化方法
・G-BOOK、インターナビプレミ
・カ− ナビメーカと携 帯 電 話 メーカが
アムのセンター連携技術。
将来の高度化
連 携 して、トータルのサービスを提
供する。
・情報を携帯電話でも確認 できるというメ
情報交換 できる。
リット
はある。
・ETCには対 応なし。但 しETCはカーナビに内
蔵化の方向 であり。
・特に問題ない。
6
⑨ シミュレーションによる
予測結果
・過去の 統計 データを基に 特定日時
の交通 パターン分析 を行い 、検索
情報に適 合した経路 、到達時間情
⑪同 時に表 示されていた
湾 岸 線 か ら遠 回りする
・J
Hでは 繁忙期 の渋 滞 長について情報提供を
行ってる。
交通 データを基にした)を提供 しているが 、渋
携帯電話に 配信す るサービス。
滞が 延 伸 、解 消 す る局 面 での 予測情報 には
・シミュレーション技術面 では 、動 的 データを活
データを用い てシミュレーション技
用す るレベルの 研究 が進められている段階 で
術 を応 用 して予 測 情 報 を提 供 す
ある。
⑩Web カメラ
・ビル屋上 などに設置されたWeb カメ
改革が必要
要となる。
・すでに 定 点カメラからの 映 像が インターネット
・Web カメラによる画像情報だけでは 混雑状況
ット経 由 でPC、カーナビ、携帯電
帯電話に定期的に転 送するサービスも開始さ
・Web カメラと予測 シミュレーションを組み合わせ
話に転送 できる。
れている。(EX.子供の保育園 での状 況などを
在 の 道 路 混 雑 状 況 と該 当 観 光 地
場予約状況
の 駐 車 場 の 予 約 状 況 を確 認 でき
5∼10 分先の予測情報の提供。
・携帯電話への 有料コンテンツ
た観光地での提 供が初めの一 歩
対価
場合データ入手のあり方。
は確認 できても通過時間などの予 測は不明 。
・携 帯 電 話の 観 光 案 内 サイトか ら現
都高 や主 要な高速道路を活 用し
・動的交通 シミュレーションを適用 した
・交通管理者 からの データ入 手が困 難 とされる
でリアルタイムで確 認 できる。また、映像 を携
現在の道路状況 と駐車
(G-BOOK、インターナビ等)
リズムの開 発も要件となる。
ラの リアルタイム映像 をインターネ
⑭地元観光案内サイトで
・カーナビへの情報提供
か。
たシステムが必 要ではないか。
・サービスに対する対価の回収方法
・現在のところ実 施されていない。
・交 通 状 況 を扱うサイトの 立 ち
・カーナビ、携帯電話への情報提供 。
上げや会員情報サイト運 営
・Web カメラを用い た動的交通量の計
測
・Web 映 像の 提供者・事業者への 対価
は不要か?
・プライバシーの 問題 などの法的課
題への取り組 みも必要か。
・観光地の道路まで VICS リンクでカバーされる
時期はくるのか。
・道路混雑状況の データを警 察が 民 間に 提供
る。
・技術的 な問題点があるとは思 えな
い。設置数の問 題だけ?
会社で確認 できるサービス)
8
・VICS 情報の収集
・プローブデータの 提供者・事 業 者への
・リアルタイムシミュレーションを実現 するアルゴ
いては、トラカンデータ等の 動的 な
る。
7
・死蔵データの分 析とデータベースの構 築が必
・すべての リンクで構 築するのはデ
ータ上の制 約がある。まずは、首
・交通情報 は 無 料 との ユーザー 意 識の
大きな差異が発生 することが 多い。
・街路のピンポイント
の通過情報につ
・サービスに対する対価の回収方法
精度と誘導効果についての検 討が必要。
・高速道路上でも到達時間の予測情報(過去の
報 等 をインターネット経 由 でPC、
代替経路
・技術的に 問 題があるとは 思 えないが、予測の
するか。
・一 般 道 の 情 報 をどのように入 手 す る
か。
・警察の情報が公開されるか。
・単なる道路情報 ではお金は取れない。
・観光地 でどれだけ多くの駐車場が
・道路通信標準
予約システムに参 加 できるか。
・VICS との 連携 のためデ ー タの様
・警察 、日本道路公団、首都高等から
・道路情報が一 般に 広く公開され 、民
道 路 交 通 情 報 を入 手し、混 雑を判
間 はそれを加 工 してビジネスに 活
断し到着時間予測まで行う。
式規格化が 必要。
・観光地の駐車場予約 システム管理者
・観光地 での駐車場の予約管理システム構築は
と契約し情報提供す る。
技術的には 難 しいとは 思 えないが、コストメリ
用。
・予 約 状 況 情 報 は 道 路 情 報・駐 車 場
予約 システムと連携 し、到着時刻予
測まで行うことが出来る。
ットが問題。
9
⑮カーナビの 通信機 能か
ら得 られる駐車場満空
・カーナビ上 で事前に 駐車場の 満空
状況が把握 でき、予約も取れる。
予測情報
・満空情報のカーナビでの 取 得は 一 部 で運用
中。
・駐車場情報の 規格化(XML)
・公道上の満空表示盤 との連動
・自由用 での各車の滞在時間の 把握(入
出庫予測)は困 難?
・予約機能の付 加は近々 事業化の動 きがある。
・情報 ・予 約サイト、カーナビ端 末、
入出庫ゲート間の データ共有方
・IPOSNET 、TIMES などの駐 車
場情報予約システム
法。
・駐 車 場・ 施 設 事 業 者 や メーカー、カ
ーナビメーカー 、システム運営事業
者の連携。
・情 報 センター運 営 (共 同 出 資 ?)の
・駐車時間延長、延 滞の対処。
10
⑯カーナビで通り道に 何
・カーナビが指 定 す る道 路を移動中
・携帯電話の 受信局の位 置データか ら、その周
かショッピング等ができ
に 使 えるサービスで、沿 道 および
辺にあるレストラン等の 情 報を携帯電話 に配
ないかを検索
周辺道路にある土産物屋 、レストラ
信する有 料サービスがある。
ン、食 堂、観 光 スポットを検 索して
表示するサービス。
・地域毎に立 ち上 げたHPで、近辺の
・HPを見て来 た客 とそうでない客を
区別する技術
・通信カーナビへの情報提供実験で、周辺観光
模索。
・周辺情報の規格化(XML)
・デジタル携帯 で情報 センターの オペ
・車の 中 で簡 単に 操 作 できるHPのイ
レータに 欲 しい 情 報 を伝 えると、オ
ンターフェイス。音 声で操作 できる、
ペレータが検 索してカーナビにデ ー
等。
タを転 送してくれる。有 料。ドライバ
スポットの情報提供を実 施。
ーが 面 倒 な操 作 をしなくて良く、安
・JAFコンパスリンク
全面に配慮したサービス。
観 光 スポット、ショップ情報 を提供
するものが多数ある。
11
⑱東北自動車道栃木 I C
・カーナビが 指 定す る経 路の 予測の
あたりで 事 故 発 生 、こ
渋滞状況と所要時間を提供す るサ
のまま走 行 すると宇 都
・アクセス時点の 渋滞状況と所要時間 を提 供し
ている。
・予測手法
・事故の場合は、事故処理時間がわからない。
・民間が行う場合に、予 測に必 要なデー
タが取得 できるか。
・VICS リンクデータのみでなく、交通量
・一般道、高速道全ての情 報が統一の
データ等 トラカン情報の 詳 細も解放
規格 で情報収集、一般公開される。
ービス。事故 など突発事象発生時
(有 料 でも可)し、予 測 手 法 等の 研
民間はそれを利用 し、様 々な加 工を
宮 IC 付近から10km 程
は、特に現在提供 している情 報に
究を促進す る。
して情報提供す る。
度 渋 滞 にはまるとの
誤差が生じるため有 効となる。
・予測情報作成 、及 び情報提供は 、民
VICS による予測情報
間(テレマティクス事業者や 地図事
業者等)が行う。
17
2)交通結節点を含む公共交通
毎日の通勤シーンにおいて、ある情報を得て交通手段を変更する場合のシナリオを描き、
そのシナリオを実現するためのサービスと課題を検討した。
① シナリオライティング
外出先や帰宅途中で交通トラブルに巻き込まれた場合等、身近に生じた緊急事態に迅速に
対応するために必要な情報について、①緊急情報、②交通・移動手段情報、③その他の情報
など、情報の種類とサービス内容に着目してストーリーを展開した。
<シナリオ>
B 氏は毎日、三鷹の単身赴任寮から築地の事務所へ通勤している。
今日の仕事も終わり、例によって T 社、O 社、N 社からの出向者と帰りに一杯やって
いた。そろそろ切り上げようかという頃、①携帯電話にメールが入った。
「日比谷線で人身事故、運転見合わせ」
。
いつもは、日比谷線築地駅まで徒歩7分、茅場町駅で東西線へ乗り換え、三鷹駅から徒歩 5
分という行程である。
仕方がないので、有楽町線で市ヶ谷へ出て中央線にするかな、などと考えながら飲み代
の支払を済ませた。
そこへ、またまた「中央線で人身事故、運転見合わせ」とのメール。
全滅だな。どうしようかと思った時、先日申し込んだ②TKSS「通勤快速支援システム」
を思い出しアクセスしてみた。
③出発地は「ここ」で GPS 検索。目的地はデフォルトで三鷹の寮が設定してある。
これも、一度 GPS で設定すれば良い。
さらに、④ニュース画面で、先ほどの事故の詳細情報で、有楽町線や銀座線に人が殺
到していることが分かった。
⑤「早く着くより楽に帰りたいコース」を選んだら、
「築地からタクシーで東京駅八重洲
口へ、丸の内線に乗り換え、荻窪へ出てバスで三鷹へ」というルートが検索された。
もう少し時間が早かったらバスがあっただろう。
「選択」すると⑥飲み屋の位置が地図に示され、近くのタクシー乗り場まで歩行者ナビ
が動く。携帯電話のイヤホーンを着けるとヒーリングの音楽が流れ、交差点ではカーナ
ビと同じように、「右へ曲がれ」といった音声案内が誘導してくれる。
データ転送方式の改良によって、画面表示が速い。ほとんど瞬時に出る。
⑦東京駅構内も歩行者ナビ。もっと遠かった気がするが、などと思っているうちに地下
鉄駅に着いた。
改札に入る前に、パスカードの残高を携帯電話で確認した。
ホームに出たら「反対方向です」の案内。ホームにもスードライトがあるらしい。丸の
内線東京駅のホームは島式だし、終点が同じ方向なので間違い易いんだよね。
18
案内の通り、車内には余裕があり座って行けた。荻窪駅でも歩行者ナビでバス停まで
案内が出ている。
少しお腹がすいてきたので、ラーメンを食べようと思い、グルメ情報のラーメン屋を
選択する。場所はもちろん「ここ」で OK。
候補がたくさん出てきたので、「ねぎラーメン」で絞り込んだ。
お店からバス停までは歩行者ナビ。バス停に着くと、⑧バスロケの表示に切り替った。
1台見送ると臨時便がでるとのこと。バスの混雑度も情報として利用しているらしい。
ここは定員乗車システムになっているので座っていける。電車も定員制にできたらい
いのに、と考えていると吉祥寺駅前で降りるよう案内があった。
ここでムーバスに乗り換え、バス停で降りると寮から 200mくらい。こんなところに
バス停があるなんて知らなかった。案外バスも便利なものだと見直した。
⑨このシステム、月額 250 円なのですが意外に使えますよ。申し込みも解除も携帯で
できます。
19
② サービス内容と課題
a) 緊急情報等
●
事故・災害情報提供メールサービス
契約者の生活圏内で発生した事故や災害、犯罪等に関する情報をメールで配信するサ
ービス。
通勤経路を登録
しておくと,事象
が発生したらすぐ
にメールが届く
ISHIDA速報サービス
---------------21:05 日比谷線で
人身事故,運転見合
わせ。
TKSSへアクセス(¥)
---------------[提供] 築地とともに
半世紀 ハイドビール
ISHIDA速報サービス
----------------
21:10 中央線で人
身事故,運転見合わ
せ。
TKSSへアクセス(¥)
----------------
[提供] 週末は東京モー
ターショーへ! イシダ自動車
図-3.3 事故・災害情報提供メールサービス
20
b)移動手段・位置情報等
●
交通手段情報提供サービス
目的地までの交通手段、所要時間、料金等の情報を提供するサービス。
●
位置情報(GPS)提供サービス
現在地から目的地までをナビゲート(道案内)するサービス。
早い」
現状では「
かしか
か「安い」
ない
コース選択
1. 早く着きたい
2. 早く着くより楽に
帰りたい
3. お金を節約したい
月額250円
4. しばらく遊んでから
帰りたい
経路1
築地
・
↓(タクシー)
・
東京駅
↓(地下鉄丸ノ内線)
・
荻窪駅
↓(バス)
・
三鷹駅
選択
TKSS
インターモーダル
な最適経路案内
by ISHIDA
GPS検索機能や
デフォルト設定に
より,歩行中でも
簡単に検索でき
る
次の経路
出発地: ここ
バス接近情報
22:30 三鷹駅行き
・到着まであと3分
・空席 2席 予約不可
座席予約可能な
定員乗車バス
22:40臨時 三鷹駅行き
・到着まであと11分
・空席 10席 予約可
座席予約
図-3.4 移動手段・位置情報等のサービス
21
c) その他の情報
●
ニュース配信サービス
お天気やスポーツを含め事象(出来事)に関する情報を提供するサービス。
●
お勧めグルメ、ショッピング情報等提供サービス
現在地の近くにある飲食店や映画館など個別的な要求を満たす情報を提供するサー
ビス。
GPSを利用した
グルメ情報・店舗
検索サービス
検索結果
現在地から半径300m
以内に,ラーメン屋は
47 件見つかりました。
1. 全件表示する
2. キーワードで絞り込む
ねぎ
絞り込み
図-3.5 お勧めグルメ、ショッピング情報等提供サービス
22
<現状の類似システムおよび課題の整理>
表-3.2 現状の類似システムおよび課題
No
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
現状の類似システム
携帯電話にメールが入った
マイレスキュー
TKSS「通勤快速支援システム」
EZ@ナビ
乗換案内 for EZewb
NAVITIME
@NAVI.com
駅前探検倶楽部
駅すぱあと
出発地は「ここ」でGPS検索
EZ@ナビ
NAVITIME
どこでもレーダー
とほナビ
ニュース画面で、先ほどの事故の詳細情報
と、有楽町線や銀座線に人が殺到している
朝日ライフラインNEWS
早く着くより楽に帰りたいコースを選ん
だ
EZ@ナビ
乗換案内 for EZewb
NAVITIME
@NAVI.com
駅前探検倶楽部
駅すぱあと
飲み屋の位置が地図に示され、近くのタク
シー乗り場まで歩行者ナビが動く
EZ@ナビ
NAVITIME
どこでもレーダー
とほナビ
HEY!taxi
東京駅構内も歩行者ナビ
EZ@ナビ
NAVITIME
どこでもレーダー
とほナビ
バスロケの表示に切り替った
都バス運行情報
EZ@ナビ
NAVITIME
このシステム、月額 250 円
実現する上での課題
事象が発生したら、漏れなく情報を提供する
ことが必要である。
・ 事象発生後できるだけ 早く情報を提供
することが必要である。
・ 情報転送速度の大幅なアップが必要で
ある。
・ 画面を大きくし、見やすくする必要があ
る。
・ 文字入力 が簡単に行える等の操作方法
の簡易化が必要である。
・ 歩きながらでも検索できる必要がある。
・ ニュースの内容が詳細であり、動画付き
であることが必要である。
・ 目的地までのコースの選択の視点とし
て、早く到着するか、費用が安く済むか
に限定せず、選択肢を増やす必要があ
る。
・ 目的地までの誘導サービスは、カーナビ
のような音声案内が必要である。
・ GPS ではなくスードライトが必要であ
る。
・ 民間の事業者のサービスだけでなく、公
共機関のサービスも想定される。
・ 利用料が 500円/月では値段設定として
高すぎる。
・ 妥当な料金水準の検討が必要
23
(3)交通情報提供ビジネス事例
既存の交通情報提供サービスの事例を整理した(表-3.4)
。整理にあたっては、対象交通機
関、情報媒体、内容、課金の有無、動的情報の有無などに着目した。
個別に見ると、既に多様な情報提供サービスが展開されている。一方、将来の生活シーン
に沿ったニーズの観点から見ると、サービスが部分的にしか対応できなかったり、使い勝手
の点で向上の余地があるなど、今後交通情報ビジネスを商業的あるいは公共的・福祉的観点
から展開するための検討が必要と考えられる。
24
表-3.3 交通情報提供ビジネス事例
情報の属性(
主に何に関す
分類
鉄軌道
る情報か?)
情報媒体
1:電車,2
:バス,3:航空,
1:携帯,2:
PC,3:駅やバス
4:
道路,5:
複合、総合
停表示,4
:その他
料金
内容
有料:1,無料:2
,
動的情報の随時更新(
渋滞、遅
れ等)
名称
情報提供しているURL 等
配信事業者
両方:3
1
2
札幌近郊の列車運行情報、時刻表、インターネット
指定席予約等。
2
1
JR北海道
http://www.jrhokkaido.co.jp/
北海道旅客鉄道(
株)
1
2
各種切符の案内、ビューカードニュース、新幹線、特急列車の空席情報、ダイヤ改正情報。
2
2
JR東日本
http://www.jreast.co.jp/
東日本旅客鉄道(
株)
1
1
時刻、経路、運賃、各駅時刻表、空席案内、各駅情報
2
1
JR東海
http://www.jr-central.co.jp/
東海旅客鉄道(
株)
1
2
きっぷ購入の案内、列車写真集、ニュース等。
2
1
JR西日本
http://www.westjr.co.jp/
西日本旅客鉄道(
株)
1
2
新幹線の予約、時刻、経路、運賃の検索、駅構内の情報、路線図。マイ・
ダイヤ。
2
2
JRおでかけネット
http://www.jr-odekake.net/
西日本旅客鉄道(
株)
1
2
四国の観光、特産品、東京、博多までの乗り
継ぎ案内、各駅時刻表、路線図。
2
2
JR四国
http://www.jr-shikoku.co.jp/
四国旅客鉄道(
株)
1
2
四国内駅ごとの時刻表、割引切符、イベント
、観光等の案内。
2
2
駅コミ
http://www.jr-eki.com/
四国旅客鉄道(
株)
1
2
運賃、ダイヤ、割引きっぷの検索、各駅時刻表、インターネット列車予約、日帰り
旅行のプラン集等。
2
2
JR九州
http://www.jrkyushu.co.jp/
九州旅客鉄道(
株)
1
2
JR東日本、JAL、JTB が共同で運営。JR指定席、JAL 国内線の航空券、旅館、ホテル、国内ツアーの予約、国内外の観光情報
2
2
えきねっと
http://www.tabi.eki-net.com/default.asp
JRグループ
1
2
訪日外国人観光客用の JR線全線フリーパス「
ジャパンレールパス」
の紹介。購入、利用方法等。
2
2
ジャパンレールパス
http://www.japanrailpass.net/
JRグループ
1
2
列車時刻の照会、現在の運行状況等。
2
1
JR貨物
http://www.jrfreight.co.jp/
日本貨物鉄道(
株)
1
2
西武池袋線、西武新宿線、西武有楽町線等の時刻表、運賃、記念乗車券情報等。
2
1
西武鉄道
http://www.seibu-group.co.jp/railways/index.html
西武鉄道(
株)
1
1・
2
時刻表案内、運賃、駅周辺情報
2
1
東武鉄道
http://www.tobu.co.jp/
東武鉄道(
株)
2
1
TOBULAND
http://www.tobuland.com/
東武鉄道(
株)
時刻表、運賃案内、駅情報、その他希望の「
東武鉄道の種別・
線区」
「
時間帯」
「曜日」
を指定登録すれば、30 分以上の遅れが発生また
1
1・
2
1・
2
2
京王帝都電鉄、京王線、井の頭線、京王バス、沿線情報、車両ガイド、京王グループの案内等。
2
2
京王電鉄
http://www.keio.co.jp/
京王電鉄(
株)
1・
2
1
京王線・
井の頭線の乗り継ぎ情報や各駅時刻表、路線バスの時刻や 高速バスの予約、京王プラザホテルやプレッソ インなどの予約
2
2
京王ナビ
http://www.keio.co.jp/index.html
京王グループ
1・
2
1・
2
京成線。成田空港アクセスの案内、時刻表、運賃検索、路線図等、京成スカイライナー予約。
2
2
京成電鉄
http://www.keisei.co.jp/
京成電鉄(
株)
1
2
ロマンスカー、運賃検索、各駅時刻表、沿線観光情報、鉄道資料館、パスネットの案内等。
2
1
小田急電鉄
http://www.odakyu-group.co.jp/
小田急電鉄
1
2
時刻表、運賃、駅施設図、首都圏乗り
換え案内、路線図の検索
2
1
東京急行
http://www.tokyu.co.jp/index_flash.html
東京急行電鉄(
株)
2
1・
2
時刻表、運賃、路線図、バス位置情報サービス(バスナビ)
2
1
東急バス
http://www.tokyubus.co.jp/top/index.html
東急バス(
株)
1・
2
1・
2
停留所時刻表、発着時刻表、停留所間距離、系統別路線図、路線図、運賃。
2
2
横浜市交通局
http://www.city.yokohama.jp/me/koutuu/index.html
横浜市交通局
1・
2
1・
2
電車の時刻表、路線図、車両図鑑。高速バス、深夜急行バス、羽田空港連絡バス、グループ企業案内。
2
1
京急ウェブ
http://www.keikyu.co.jp/
京浜急行電鉄(
株)
2
1
東京メトロ
http://www.tokyometro.jp/index.htm
東京地下鉄(
株)
時刻表、路線図、相鉄バスの系統図、深夜バス、高速バスの案内。
2
2
相鉄オンライン
http://www.sotetsu.co.jp/
相模鉄道(
株)
名古屋鉄道や名鉄バスの路線図、時刻表、運賃表、最適コースの検索等。
2
1
名古屋鉄道
http://www.meitetsu.co.jp/
名古屋鉄道(
株)
名鉄バスセンター発着の高速バスの空席照会、予約。
2
2
名鉄高速バスドットコム
http://www.meitetsu-highwaybus.com/
名古屋鉄道(
株)
2
1
近鉄 K's プラザ
http://www.kintetsu.co.jp/
近畿日本鉄道(
株)
府内全域で路線バスを運行。路線図、府内発着の高速バス、夜行バス、空港バス、観光ツアーの案内等。
2
2
近鉄バス・
近鉄観光バス
http://www.kintetsu-bus.co.jp/
近鉄バス(
株)
・
近鉄観光バス(
株)
全駅の時刻表、運賃検索、特急空席情報。
2
1
南海電鉄
http://www.nankai.co.jp/
南海電気鉄道(
株)
時刻表、忘れもの問い合わせ先等の駅情報、沿線情報
2
2
京阪電鉄
http://www.keihan.co.jp/
京阪電気鉄道(
株)
1
1・
2
1・
2
1
1
1・
2
2
2
1
1・
2
備考
有り
:1
,無し:
2
は、見込まれる場合に限り
、運行情報がPCメールや携帯メールに届く。
銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線各線の運行情報、各駅情報、運賃所要時間検索。観光
案内、地下鉄路線図。
時刻表、乗り
継ぎ検索等の電車、バスの情報の他、伊勢志摩や志摩スペイン村等の沿線観光情報。インターネット
での特急券・定期券
JRおでかけネットへリンク
駅コミ
へリンク
乗り
換え案内は駅前探検倶楽部にリンク
予約購入サービス
バス
2
2
1・
2
1・
2
1
1・
2
路線図、時刻表、運賃、各種キップの情報等。
2
2
京阪トラフィック
http://www.keihan.co.jp/traffic/
京阪電気鉄道(
株)
2
1・
2
守口、高槻、茨木等で路線バスを運行。京都の定期観光バス、高速バス、関西空港リムジンバスの案内。
2
2
京阪バス
http://www.keihannet.ne.jp/keihanbus/
京阪バス(
株)
1
1
路線図、時刻表、運賃、各駅案内
2
2
阪急鉄道インフォメーション
http://www.hankyu.co.jp/rail/index.shtml
阪急電気鉄道(
株)
1
2
各駅の時刻表と運賃検索 、駅情報、バリアフリー 情報
2
2
阪神電車
http://rail.hanshin.co.jp/
阪神電気鉄道
1・
2・
4
1・
2
道路を利用する公共交通機関(
バス・市電)
の位置情報、到着予測時刻をリアルタイムに提供。道路状況も。
2
1
(
広島・
呉市)
道路交通機関に関するリアルタイム情報
http://www.hirokoku-mlit.go.jp/Its/index.asp?
国土交通省中国地方整備局広島国道事務所
1・
2
1・
2
総合時刻表案内、バス停・
電車駅時刻表、運賃検索等。
2
2
にしてつ
http://www.nnr.co.jp/
西日本鉄道(
株)
1
1・
2
時刻表、ロケーション。
2
1
岡山電気軌道株式会社
http://www.okayama-kido.co.jp/
岡山電気軌道(
株)
2
2
路線図検索、バス停検索、行き先別検索
2
2
高速バスロケーションシステム
http://www.highway-bus.jp/menu/MenuDepArrPassStop.
西日本 JRバス(
株)
・
JR東海バス(
株)・
JRバス関東(
株)
asp
2
1・
2
時刻表、運賃。
2
2
東名バスドットコム
http://www.tomeibus.com/
JR東名ハイウェイバス
高速バスロケーションシステムへリンク
2
2
東京駅、新宿駅発着の JR高速バス、夜行バス、貸切バスの案内。空席情報・
時刻表。
2
2
JRバス関東
http://www.jrbuskanto.co.jp/mn/ajtop.cfm
JRバス関東(
株)
高速バスロケーションシステムへリンク
2
2
空席情報・
時刻表。
2
1
西日本 JRバス
http://www.nishinihonjrbus.co.jp/
西日本 JRバス(
株)
高速バスロケーションシステムへリンク
2
2
運行案内、バスロケーション案内(
停留所接近状況表示・
路線図表示)
、バス停時刻表、定期運賃、路線図。
2
1
遠州鉄道バス路線案内
http://navi.entetsu.co.jp/
遠州鉄道(
株)
2
1・
2
バス位置情報、時刻検索。運行のお知らせ。バスロケーションシステムの紹介
2
1
盛岡市バスロケーションシステム
http://gps.iwatebus.or.jp/bls/pc/index.htm
(
社)岩手県バス協会
2
1・
2
現在位置情報、時刻表
2
1
るーぷる仙台
http://www.sendai-mlit.go.jp/cgi-bin/bus/location.cgi
地下鉄仙台駅総合案内センター
2
1・
2
現在位置情報、時刻表
2
1
高速バス運行情報
http://www.i-road.gr.jp/cgi-bin/hibus/top.cgi
宮城交通(
株)
2
1・
2
現在位置情報、時刻表
2
1
にいがたバス-i
http://bus.2159.go.jp/
2
1・
2
都バスの系統運行状況、バス接近情報、時刻表 等
2
1
都バス運行情報メニュー
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/bus/index.html
東京都交通局
2
1
現在位置情報、時刻表、路線図
2
1
上越バス-i
http://joetsu-bus.com/
頸城自動車(
株)
2
1・
2
富山駅と高岡駅を中心に走る路線バスの位置情報。時刻表
2
1
とやまバスi
http://www.bus1080.jp/
富山地方鉄道(
株)
・加越能鉄道(株)
2
1・
2
乗車するバスの現在位置や乗車バス停までの運行状況、行き先までのバス運行状況、車椅子乗車可能バス停検索 など
2
1
バスく∼る
http://www.kanazawa.go.jp/bus
国土交通省 北陸地方整備局 金沢河川国道事務所
2
1・
2
乗車希望のバスがどこのバス停を何時に通過したか確認することができる。
2
1
能登中央バス バス移動情報把握システム
http://www.nochu-bus.co.jp/
能登中央バス(
株)
2
1・
2
バス位置(路線図) 、時刻表
2
1
CO-EDO システム
http://www.co-edo.com/
イーグルバス(
株)
、埼玉大学工学部建設工学科設計計画研究室
2
1
バス運行案内(
現在位置情報)
2
1
上尾市 ぐるっとくん
http://www.guruttokun.jp/
上尾市
2
2
運行情報(
位置情報)
、路線図、時刻表
2
1
都営バスホームページ
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/bus/index.html
東京都交通局
2
1
バス停接近情報
2
1
山梨交通ケイタイバスロケ
http://805bus.com/i/
山梨交通(
株)
2
2・
3
電話の音声案内でバスの現在位置を確認。時刻表、運賃。
2
1・
2
時刻表、路線図、運賃、バスロケーション。
2
1
ふれあいバス
1
伊勢・二見・
鳥羽周遊バス CANバス
25
http://www.its.toyota.aichi.jp/koukyou/hureiai1/hureai1.
htm
http://www.sanco.co.jp/canbus/
北陸信越運輸局 ・新潟国道事務所・新潟交通(株) ・
新潟交通
西(株) ・
新潟交通北(株) ・越後交通(株) ・
頚城自動車(株)
豊田市交通政策課
三重交通(
株)
電子バス停及び電話によるバス位置情報提供
情報の属性(
主に何に関す
分類
バス
る情報か?)
情報媒体
1:電車,2
:バス,3:航空,
1:携帯,2:
PC,3:駅やバス
4:
道路,5:
複合、総合
停表示,4
:その他
料金
内容
有料:1,無料:2
,
両方:3
動的情報の随時更新(
渋滞、遅
れ等)
名称
情報提供しているURL 等
配信事業者
2
1
数停留所手前からのバス接近情報
2
1
ポケロケ
http://www.city.kyoto.jp/kotsu/i/imenu.shtm
京都市交通局
2
2
バスおよび 地下鉄の時刻表、路線図、運賃
2
2
京都市交通局
http://www.city.kyoto.jp/kotsu/index.html
京都市交通局
2
1・
2
乗車停留所から最大5
台手前のバスの接近情報を調べることが 可能。
2
1
枚方市 ロケ丸
http://keihan.loca.jp/keihan/
京阪電気鉄道(
株)
2
1・
2
運行案内、時刻表、運賃、停留所、路線図
2
1
のぞみ navi
http://www.shinkibus.jp/snk/enter.asp
神姫バス(
株)
2
1・
2
松江市内の松江市営バスと一畑バスの運行車両の位置・
接近情報を提供
2
1
松江市 ぐるっとバスなび
http://www.matsukoku-mlit.go.jp/busloc/
国土交通省松江国道事務所、松江市交通局、一畑バス(株)
2
1・
2
バス停到着予測時刻およびバス停時刻表。
2
1
バス到着時刻予測システム
http://www.okakoku-mlit.go.jp/dat_frame/fr_02_04.html
国土交通省岡山国道事務所
2
1・
2
ロケーション
2
備考
有り
:1
,無し:
2
1
いよてつバスロケーションシステム
http://location.iyotetsu.co.jp/iyoloca/DepArr/DepArrMe
伊予鉄道(
株)
nu.asp?DspKind=1
道路関係
ポータルサイト
2
2
2
1・
2
4
2
http://road.qsr.mlit.go.jp/itsbus/
九州高速バスの運行状況
2
1
九州 IT'S バス(
いつバス)
走行位置、時刻表、運賃、路線
2
1
長崎市コミュニティバスらんらん
交通規制、渋滞情報、冬季閉鎖国道、新規開通予定道路の一覧、春の観光地の道路交通情報、渋滞予測等。
2
1
日本道路交通情報センター
http://www.jartic.or.jp/
(
財)日本道路交通情報センター
2
1
日本道路公団
http://www.jhnet.go.jp/
日本道路公団
高速道路の走行経路と料金検索、渋滞予測、サービスエリア 、パーキングエリアの案内、メールサービスや全国の一般道路工事予定、
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/parkandride/ranran
.html
国土交通省九州地方整備局
4
2
4
2
交通情報、渋滞情報、路線案内、工事情報、所要時間の早見表、通行料金等。
2
1
首都高速道路公団
http://www.mex.go.jp/
首都高速道路公団
4
2
交通規制、渋滞情報、道路気象。
2
1
国土交通省東北地方整備局
http://www.thr.mlit.go.jp/
国土交通省東北地方整備局
4
2
交通規制、渋滞情報、道路気象。
2
1
国土交通省関東地方整備局
http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/menu.htm
国土交通省関東地方整備局
4
1・
2
交通規制、渋滞情報、道路気象、ライブカメラ。
2
1
北陸地方整備局道路情報サイト
http://www.hrr.mlit.go.jp/road/index.html
国土交通省北陸地方整備局
4
1
渋滞情報、通行規制情報、ライブカメラ
2
1
かわ&みちナビ上越
http://www.hrr.mlit.go.jp/takada/
国土交通省北陸地方整備局 高田河川国道事務所
4
2
交通規制、渋滞情報、道路気象、道路時刻表。
2
1
国土交通省中部地方整備局
http://its.cbr.mlit.go.jp/
国土交通省中部地方整備局
4
2
交通規制、渋滞情報、道路気象、バス運行情報、駐車場情報。
2
1
国土交通省近畿地方整備局
http://www.kkr.mlit.go.jp/
国土交通省近畿地方整備局
4
2
交通規制、渋滞情報、道路気象、道路時刻表。
2
1
国土交通省中国地方整備局
http://www.cgr.mlit.go.jp/
国土交通省中国地方整備局
4
2
交通規制、渋滞情報、道路気象。
2
1
道路情報提供システム
http://www.skr.mlit.go.jp/info/regulate/kyk/its/
国土交通省四国地方整備局
4
1
通行止情報、降雨状況、路面状態 等
2
1
四国地区道路情報
http://www.skrdoukan.com/i/i-mode.htm
国土交通省四国地方整備局
4
2
交通規制、渋滞情報、道路気象。
2
1
国土交通省九州地方整備局
http://www.qsr.mlit.go.jp/index.html
国土交通省九州地方整備局
4
1・
2
沖縄道路情報提供
2
1
(
沖縄)
道路部門ポータルサイト
http://www.road.dc.ogb.go.jp/index.html
沖縄総合事務局開発建設部
1
2
経路、料金案内
2
1
yahoo
http://transit.yahoo.co.jp/
ヤフー(
株)
1・
3
2
路線、時刻表と連動している乗り
換え案内。ANA の国内線空席商会及び予約システム
2
2
Infoseek
渋滞情報等。
http://transfer.www.infoseek.co.jp/Train?pg=tr_route_top.
実証実験中
長崎市
上越バス-i にリンク
ロケ丸にリンク
九州 IT'S バスへリンク
楽天(株)
html&sv=SR&svx=970907&svp=LIVE
1
その他
2
発着の日時を指定して駅経路を検索。都内の JR、私鉄、地下鉄各駅の時刻表等。
2
2
goo 路線
http://channel.goo.ne.jp/cgi-bin/tranavi/jrtrag.cgi
http://biznsold.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/expwww/biztech_ro
エヌ・ティ・ティ レゾナント
(
株)
1
2・
4(PC ソフト
)
出発地、目的地を入力して、経路、料金等を検索。
2
2
駅すぱあと
1
2・
4(PC ソフト
)
地図から目的地までの所要時間、料金、乗換方法を検索。
2
2
乗り
換え
http://www.jorudan.co.jp/
ジョルダン(
株)
1
2
地図検索表示サービス。駅すぱあとによる乗り
換え案内。
2
2
マップファン
http://www.mapfan.com/
インクリメント
・
ピー(株)
1
1
i モード対応の地図検索サービス
3
2
アイマップファン
http://www.mapfan.com/imapfan/
インクリメント
・
ピー(株)
1
2
鉄道最短経路、料金検索、終電案内、各駅の天気、JR運行情報。
2
2
駅前探検倶楽部
http://www.ekitan.com/
(
株)東芝
1
1
乗り
換え、終電、時刻表。
2
2
駅前探検倶楽部
http://www.ekitan.com/info/k-tai/
(
株)東芝
地図から目的地までの所要時間、料金、乗換方法を検索。
3
2
マップで検索乗換案内
http://www.jorudan.co.jp/norikae/norimap.html
ジョルダン(
株)
車椅子への対応状況等、駅、ターミナル内のバリアフリー情報、車椅子で利用しやすい乗換方法の検索等。
2
2
らくらくおでかけネット
http://www.ecomo-rakuraku.jp/rakuraku/index/
交通エコロジー・
モビリティー 財団
2
2
JRサイバーステーション
http://www.jr.cyberstation.ne.jp/
鉄道情報システム(
株)
1
1
1・
2
JR新幹線、特急列車の空席案内、新幹線運転状況案内、料金早見表等。季節の情報、東海道・
山陽新幹線、東北新幹線、山形新幹
ute/
(
株)日経 BP
1
2
1
2
「
出発駅から到着駅までの」
列車乗継ダイヤ案内
2
2
近畿日本鉄道乗継ダイヤ案内
http://nrtsg.kintetsu.co.jp/pc/nrtsg/
近畿日本鉄道(
株)
1
2
全国各地の JR全線の時刻表を駅名、地名別に検索。路線別の閲覧も可能。
2
2
えきから
時刻表
http://www.ekikara.jp/
(
株)
ぐるなび
1
2
首都圏の地下鉄乗り換え案内(
時刻表は含まない)
2
2
地下鉄乗り
換えガイド
http://plaza4.mbn.or.jp/~Nikki/tikatetu.htm
(
株)日本企業広告社
4
2
東京発着国内線、成田発着国際線時刻表のほか、成田エクスプレスや京成スカイライナーの時刻表等。
2
2
Get!航空時刻表
http://www.gettimetable.com/
(
個人)
4
2
全国の飛行機、鉄道、バスの乗り継ぎ、時刻表情報、定期代を検索。
2
2
ハイパーダイヤ
http://www.hyperdia.com/
(
株)日立情報システムズ
1
2
全国のホテル、国内線、新幹線、京葉線、総武線、福知山線の時刻表等の検索。
2
2
ハイパー時刻表&ホテル情報
http://www.hypertimetable.com/
(
個人)
1
2
都道府県別の鉄道、飛行機、高速バス、夜行バス等の時刻表へのリンク。
2
2
時刻表リンク
http://www.jikoku.com/
(
個人)
1
2
関西主要駅のバリアフリー 駅案内、交通情報、周辺情報
2
2
車椅子お出かけネット
http://kurumaisu.ct.docomo-kansai.co.jp/top.html
(
株)
エヌ・
ティ・
ティ・ドコモ関西
交通情報パッケージソフトの販売
1
2
鉄道情報システム㈱
http://www.jrs.co.jp/
鉄道情報システム(
株)
4(PC ソフト)
線、秋田新幹線、上越新幹線、長野新幹線の全列車の運行状況、新幹線料金表。
駅すぱあとへリンク
1
2
空席検索、新幹線運行状況、乗換案内、観光、ニュース、入会案内等。
1
2
cyverstation
http://www.cyberstation.ne.jp/index.htm
JRグループ
JRのプロバイダ運営会社が提供
5
1
道路交通情報、目的地検索 等
1
1
NAVITIME
http://www.navitime.jp/odn/
(
株)ナビタイムジャパン
全ての携帯電話からアクセス可能
5
1
鉄道、航空等の運行情報及び台風情報等の災害情報 等
1
1
朝日ライフライン
http://www.asahi.com/information/mobile/all.html
(
株)朝日新聞社
全ての携帯電話からアクセス可能
1・
2
1
鉄道、バスの時刻表検索等、 静岡鉄道グループ情報。
2
1
なんじ?君
http://db.shizutetsu.co.jp/bus/index.html
静岡鉄道(
株)
PC 及び全ての携帯電話からアクセス可能
5
1・
2
タクシーの総合検索サイト。料金予測、配車予約、乗り
場案内 等
1
1
HEY! Taxi
http://www.mars-japan.com/ (
PC 版)
(
株)
マース
PC 及び Ezweb、ボーダフォンライブ、向けのコンテンツ
4
1
道路情報 等
1
1
交通情報ナビ
http://www.biwa.ne.jp/~e
-system/office/road.htm
(
株)
エディア
Ezweb、ボーダフォンライブ、H"-LINK 向けのコンテンツ
4
1
道路情報 等
1
1
交通情報アクセス
http://www.access-tv.net/index.cgi
(
株)
エキスプレス
Ezweb 向けのコンテンツ
4
1・
2
道路の渋滞情報、事故情報、規制情報 サービスエリア情報 等
1
1
ATIS on Net(
PC 版)
、ATIS 交通情報(
携帯電話版)
http://www.atis.co.jp/index.html (PC 版)
交通情報サービス(
株)
PC 及び全ての携帯電話からアクセス可能
1・
4
1
渋滞情報、駐車場情報、鉄道ルート等
1
1
渋滞近道マップル
http://www.mti.co.jp/press/pdf/040420.pdf
(
株)
エム・ティー・アイ
1・
4
1
地震/台風、火災、気象注意報/警報、電車の遅延/運休 等
1
1
マイレスキュー
http://www.myrescue.net/
(
株)レスキューナウ・ドット
・ネット
1
2
鉄道、航空等の運行情報
3
2
すぱナビ時刻表
http://supanavi.rurubu.com/supanavi/simple/index.html
(
株)ジェイティービー(
JTB)
1・
2・
3
2
鉄道、航空、バスの時刻表、路線表、運賃表の検索、JR各社のニュース等。
2
2
どこナビどっとこむ
http://www.doconavi.com/
(
株)交通新聞社
4
2
住所から地図検索、目的や企業名からタウン情報検索。
2
2
Mapion
http://www.mapion.co.jp/
(
株)
サイバーマップジャパン
1
2
地図検索、路線案内、各地のタウン情報、天気等。
2
2
its-mo Guide(いつもガイド)
http://www.its-mo.com/
(
株)
ゼンリン
26
i モード向けコンテンツ
駅すぱあとに リンク
(4)サービスを提供するビジネスの方向性
シナリオとサービスの検討において抽出、整理したニーズとサービスの概要を整理した
(図-3.7)。また、「マイカー、自転車、徒歩」と「公共交通機関」の各シーンにおけるシ
ナリオとサービスの内容から読み取ることのできる、利用者をより満足させるためのキー
ワードとして、「利用者の個別事情にあわせた情報」、「コーディネイト/カスタマイズ」、
「携帯電話の活用」、「連携」、「動画配信」をあげた。これらは、利用者の根底のニーズビ
ジネスを行う上でのキーワードともなると考えられる。
さらに、これらの情報を配信するために必要な収集データを整理した。ここには、キー
ワードとして、「統一フォーマット」、「利用者から収集できる仕組み」、「規制緩和」をあげ
た。
ニーズに対応したサービスの実現のためには、これらは不可欠であり、例えば、収集デ
ータを統一フォーマットに加工することや、利用者から得られた情報を精度の高いものに
する等のサービス(ビジネス)なども考えられる。
27
<ニーズ>
・事前に駐車場を予約したい
・事前に到着地点までの到達時刻、渋滞していない時間帯を知りたい。
・事故等があったときの情報を知りたい。
・事故等があったときの最適な迂回経路を知りたい。
・目的地の正確な位置と経路が知りたい。
・・・・・
<求められる情報提供サービス>
◆携帯電話
・駐車場予約サービス
・目的地までの詳細な経路と位置情報
・事故等発生時メール配信サービス(車、公共交通)
・タクシー配車サービス
◆カーナビ・VICS
・到着予測時刻の提供
・観光情報との連携
◆インターネット
・旅行計画時の渋滞・所要時間情報
・車と公共交通も含めた経路探索機能
・Web カメラ
☆キーワード☆
・利用者の個別事情にあわせた情報
−早く行きたい、楽に行きたい 等
・コーディネイト/カスタマイズ
−情報は現在もたくさんあるが、見たい情報がうまく見つからない
−個人の今日の行動に関係する情報の仕分け
(走行予定ルートに関するメール配信等)
・携帯電話の活用
−ほとんどの人が持っている
・連携
−携帯電話、カーナビ、パソコン、ETC等の連携
(パソコンで入力した内容がカーナビや携帯電話に反映される等)
−観光情報と道路交通情報の連携
(推奨観光ルートと渋滞予想情報や道路規制情報との連携等)
−予定ルートやスケジュール表等との連携
・動画配信
−リアルタイム動画へのニーズが高い
<必要な収集データ>
・事故など事象発生データ
・渋滞情報(詳細な VICS データ)
・規制情報
☆キーワード☆
・観光情報
・統一フォーマット
・駐車場情報 等
−各機関の保有データを共通利用
・利用者から収集できる仕組み
−突発事象やプローブデータ
・規制緩和
−公的機関の収集データを使える仕組み
28
図-3.6
ビジネスの方向性
(5)情報収集活動
交通情報ビジネス分科会は、前述のとおり多くの異なる業界に所属する委員によって構
成されており、各委員が様々な情報を保有している。このようなことから、各委員や同僚・
知人が提供できる話題等を募集し、逐次発表や報告を行うことにより、最新の知見や情報
を収集することとした。
以下にそのテーマと概要を示した(表-3.5)。
表-3.4
情報のテーマと概要
テーマ
(話題提供者)
話題提供の概要
■ I T を活用した
交通結節点のあり
方に関する調査報
告(石田委員)
左記のテーマについて、石田委員から話題提供された。
報告の概要を以下に整理した。
・2000 年度より実施している調査研究であり、ITS Japan が国
土交通省 より受託し、日立総研が調査取りまとめを行った。
2000 年度調査では交通結節点(インターモーダル)の課題を明
確化し、2001 年度は人流物流それぞれの情報センタ機能の必要
性を示した。2003 年度は、交通結節点での情報伝達に困難な状
況をもたらすイベントなどの混雑状況に着目し、情報の受け手
側に立脚した解決策と結節点のフリーフロー化について提言を
行っている。
■ 新交通システム
(UTMS)による交
通渋滞対策
(石田委員)
左記のテーマについて、石田委員から話題提供された。特徴的な内
容を以下に整理した。
・UTMS とは「警察による ITS」であり、これまでの信号制御を中
心とした「交通管制」から、より積極的に交通流を操作する「交通
管理」を行うことにより「安全・快適にして環境にやさしい交通
社会」の実現を目指すものである。
・光ビーコンを用いた個々の車両と交通管制システムとの双方向
通信によりリアルタイムの交通情報の提供、安全運転の支援、緊
急時対応、人の移動・物流の効率化等交通流の積極的管理を実
施するものである。
・UTMS は、交通情報提供システム(AMIS)、公共車両優先シス
テム(PTPS)、車両運行管理システム(MOCS)、交通公害低
減システム(EPMS)とそれらを統括する高度交通管制システ
ム(ITCS)からなる。
29
テーマ
(話題提供者)
話題提供の概要
■ 世界遺産・白川 左記のテーマについて、石田委員から話題提供された。特徴的な内
郷における交通マ 容を以下に整理した。
ネジメント実験
・ 平成 13 年に世界遺産である白川郷にふさわしい交通体系を実
(石田委員)
現するために行われた交通社会実験と平成 14 年に試行された
交通対策の概要。
・ 平成 13 年の社会実験のメニュー
Ø 世界遺産地区への観光車両進入制限
Ø パーク&バスライド
Ø パーク&サイクル
Ø 駐車場予約システム及び駐車場案内システム
Ø 電気自動車の活用
・ 平成 14 年の交通対策のメニューと実験との主な違い
Ø 世界遺産地区への観光車両進入制限(ほぼ同内容)
Ø パーク&バスライド(駐車場・ルート変更)
Ø 観光バス乗・降・待機場所の分離(新規)
Ø 駐車場予約システム及び駐車場案内システム(位置変更)
Ø 遊歩ガイドの配布(新規)
・ 平成 14 年度の駐車場予約システムのアンケート調査では利用
者の約 8 割が高い評価をしており、未予約者の約 7 割は予約
システムを知らなかったという結果が出ている。
■ 「阿賀野川ゆと 左記の実験結果の概要について、宮田主査から話題提供された。概
り通勤大作戦」の実 要を以下に整理した。
験 (宮田主査)
・ 一般国道 7 号線の阿賀野川橋梁部(新新バイパス)の渋滞緩
和対策として、並行する日本海東北自動車道(日東道)に対
して実施された時間帯料金割引実験である。
・ 実験期間中は新新バイパスの交通量が5%減少し、日東道の
交通量は倍増した。
・ 新新バイパスの渋滞長は半減し、渋滞継続時間は 30%減少し
た。
・ 実験を行った時間帯の平均旅行速度は約 12km上昇し、渋滞
損失削減額は年間で 4 億円と試算された。
・ 新新バイパスと日東道を合計した CO2 排出量は約 3%の削減
になると試算された。
30
テーマ
(話題提供者)
■ 動的な限界費用
に関する理論的分
析 (宮田主査)
話題提供の概要
左記の論文について、宮田主査から話題提供された。概要を以下に
整理した。
・ 需要関数と利用者の負担する費用との関係であらわすことの
できる限界費用課金の考え方を静的な枠組みから動的に拡張
することによって、ある時刻の動的限界費用がそれ以降の渋
滞継続時間に依存することを示した。
・ 利用者の出発時刻選択と希望到着時刻を関連付けて示すとと
もに、限界費用課金についての考察も行っている。
■ タクシー料金予 左記の情報サイトについて、石田委員から話題提供された。その概
測、タクシー総合情 要を以下に整理した。
報サイト(HEY!
・ タクシー利用者が求める情報を PC、モバイルを活用した形で
taxi)(石田委員)
情報を配信するシステム。
・ 主なコンテンツ
Ø タクシー料金予測
Ø 料金申請リスト
Ø タクシー会社サービス検索
Ø 近くのタクシー乗り場
■ 位置情報 BBS 左記のシステムについて、石田委員から話題提供された。その概要
の道路維持管理業 を以下に整理した。
務への応用
・ GPS カメラ付き携帯、GPS 付きデジカメで撮影した画像デー
(石田委員)
タを「件名」「本文」とともに、Eメールで送信し、自動的にイ
ンターネット上の画面表示可能な電子掲示板「位置情報 BBS」
に表示されるシステム。
・ 道路維持管理業務への応用とその効果
Ø 幅広い情報を素早く簡単に集めることができる
Ø 集めた情報をリアルタイムで共有できる
Ø 状況に対する指示や意見交換をネットでできる
Ø 道路維持管理業務の効率化と高品質化、住民参加
Ø 住民参加型の道路維持管理を目指し、ハードを修理する
プロセスを公開することによる官民一体感の構築
31
テーマ
(話題提供者)
■ 首都高速道路に
おける出発前情報
(田中委員)
話題提供の概要
左記のシステムについて、田中委員から話題提供された。その概要
を以下に整理した。
・ 首都高速道路の利用者に対して、出発の前日や数日前に出発
日や出発時刻を定めるために利用できる情報としての位置付
けで提供されている。
・ 具体的機能
Ø 所要時分の表示機能
Ø 地図形式による出発地、目的地の検索機能
Ø 最短経路の検索機能
Ø カレンダーによる利用日の指定機能
Ø 30 分ごとの時刻指定
Ø 出発&到着時刻指定による出発時刻選択機能
Ø 探索経路の表示機能(渋滞箇所の表示)
Ø アンケート
・ 分類毎、区間毎、5 分毎のデータベースから指定に該当する区
間の所要時分を計算する。
・ 統計処理した所要時間情報の精度向上のためのデータ分類の
手法に関する提案についても紹介された。
■ DSRC 駐車場シ 左記のシステムについて、石田委員から話題提供された。その概要
ステム
を以下に整理した。
(石田委員)
・ ETC の無線技術である DSRC を応用した日本で始めての駐車
場システムの紹介
・ 主な特徴
Ø ETC 車載機の ID 番号を駐車場システムへ登録すること
で駐車場への入出場が可能となる
Ø 月極め契約者以外の利用のために磁気カード精算との併
設
Ø DSRC アンテナと ETC 車載器の通信後、バーが開くま
での時間は約1∼2 秒
Ø 既存の駐車場設備の有効利用が可能
Ø 駐車券が不要となり、カード紛失のトラブルが解消
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テーマ
(話題提供者)
■ 歩行者支援地理
情報システム
(石田委員)
話題提供の概要
左記のシステムについて、石田委員から話題提供された。その概要
を以下に整理した。
・ 歩行空間のアクセシビリティの検索に主眼を置き、高齢者・障
害者を含むすべての歩行者を対象としたシステムについての
概要と研究開発の現状及び将来展開についての報告。
・ システムの特徴
Ø 最短経路ではなく、歩行者の身体状況や場面を考慮した
最適経路検索が可能
Ø 目的地の選択などの移動計画のために、指定領域のバリ
ア・バリアフリー事物を検索可能
Ø 障害者・高齢者だけでなく、健常者を含むほぼすべての
歩行者を対象とした情報提供が可能
・ システムの実現に向けた課題
Ø 各種歩行者に配慮したユニバーサルなデータの蓄積
Ø 各種歩行者の多様なアクセシビリティ検索要求への対応
・ 上記を考慮したプロトタイプとして「小金井市バリア・バリア
フリーマップ」「京都観光地版プロトタイプ」の紹介。東京駅の
巨大地下街とその周辺の地上を対象としたシステム構築へ向
けてのデータ収集に関する報告
・ システム構築・運営手法のノウハウのガイドライン化、標準
化の構想
33
3.3
今後の取り組み
(1)交通情報ビジネスの展開に向けた社会的課題
交通情報ビジネスを展開していくためには、事業環境の整備、利用者ニーズへの対応、
情報を扱うための共通の仕組みや基盤整備が必要である。
① 事業を成立させる環境の構築
交通情報ビジネスを展開するためには、官民のサービス提供、利用者からのニーズ発信
など各関係主体が関わる必要がある。商業的な観点のみならず公共的・福祉的観点からの
事業化も含めて、事業を成立させるために必要な関係主体の関わり方、そのために必要な
仕組み・制度、基盤など事業展開の環境を整えていく必要がある。
② 個々の利用者の事情に合わせた情報提供
交通情報ビジネスを展開するためには、情報の質の向上、提供場所の拡大などが必要で
ある。また、既に各種の交通情報提供サービスが展開されている中で、さらにサービスの
充実が必要であることを考えると、今後個々の利用者の事情に合わせた多様かつきめ細か
な情報提供を行うことや場所や時間を問わないサービス形態とする必要がある。
③ 交通情報提供のための共通の仕組みづくりと基盤整備
交通情報のコンテンツや情報提供サービスは現状でも各方面でなされているが、さらに
モビリティを向上させ、生活を豊かにする交通情報ビジネスを展開するためには、サービ
ス提供主体がいろいろな情報の活用や情報提供サービスの展開ができるようにする必要が
ある。このため、種々の情報を扱いやすくする共通のフォーマットやデータベースなどの
仕組みや情報の収集、蓄積、提供などを行うための施設整備などが必要である。
(2)次年度の検討方針
① 交通情報提供ニーズに応じるサービス内容の深度化
交通情報ビジネス分科会では、将来の生活シーンにおけるシナリオに基づいた交通情報
に関するニーズを検討し、これらに応えられるサービス内容を検討してきた。しかし、サ
ービス内容については、商業ベースで実用化しているもの、公共的・福祉的な観点から取
り組みを強化していく必要のあるもの、実用化しているもののニーズに追従しきれていな
いものなど様々であり、サービス内容についてはさらなる検討の深度化を図る。
② 事業形態の検討
交通情報提供サービスに関しては、それ自体で商業性のあるビジネスモデルとなるもの、
付帯サービスとして別事業の展開に貢献するもの、公共的・福祉的なサービスとして展開
されるべきものなど様々な形態がある。このようなさまざまな観点から交通情報ビジネス
の事業形態についてさらなる検討を進める。
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