自動車産業の最新技術動向と 中小企業の研究開発事例

平成27年度経済産業省委託事業
戦略分野産業支援のための基盤整備事業(戦略分野コーディネータ事業)
自動車産業革新技術セミナー
自動車産業の最新技術動向と
中小企業の研究開発事例
平成28年3月
(一社)日本自動車部品工業会 技術担当顧問
経済産業省 戦略分野コーディネータ
松島正秀
1
自動車技術の現状
• 自動車の根本的課題への技術戦略
CO2排出削減
ダウンサイジングエンジン、希薄燃焼
HV、EV、FCV
市場のグローバル化
世界調達と生産
コモンアーキテク
チャー
多様なエネルギーへの対応
環境
技術のエ
レクトロ
ニクス化
技術の世界標準化
機能のシステム化
安全
自律化
自動運転
情報通信
2
環境技術の位置付け
水素
電気
FCV
モーター駆動
+燃料電池発電
燃料効率約50〜60%
航続距離約700km
水素インフラ
レンジエクステンダーEV
エンジン駆動系
モーター駆動+エンジン発電
航続距離約300km
EV
モーター駆動
航続距離約200km
充電インフラ
PHV
エンジン+モーター駆動
燃料効率約45%
HV
充電インフラ
エンジン+モーター駆動
燃料効率約40%
モーター駆動系
内燃機関
ダウンサイジング
希薄燃焼化
燃料効率約20〜30%
石油、CNG、
バイオ燃料
駆動形式:エンジン→モーター
燃料:ガソリン、軽油→電気→水素
燃料供給方式:給油、充電→自己発電
3
日本車のダウンサイジング化
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トヨタ:直噴1.2Lターボチャージャー搭載「AURIS」燃費19.4km/L(JC08)出力85kW、トル
ク185N/m、259万円、2017年「レクサスLS」からターボチャージャー大型エンジンダウン
サイジング化
スズキ:2気筒0・8L/DOHC8バルブヂュアルインジェクション、インタークーラーターボ
ディーゼルエンジン、CO2排出量85g/km圧縮比15・1インド生産欧州向け「Celerio」に搭載
「AURIS」直噴1.2L
ターボエンジン
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「Celerio」2気筒0・8L
ターボディーゼルエンジン
ホンダ「ステップワゴン」直噴1.5L/VTECターボ、燃費17.0km/L(JC08、13%改善)出力1
10kW、トルク203N/m、228.8万円
16M、US「シビック」CNG、HV仕様終了し、ダウンサイジングターボ化(40マイル/ガロン)
1L直噴ターボ3気筒エンジン(最大出力95kW、最大トルク200Nm、燃費36.4L/kmJC08
モード)開発、2019年「フィット」搭載予定、可変バルブYTEC、異常燃焼防止のクリーンギャ
ラリー付きピストン、可変容量オイルプンプ採用
(スズキ、トヨタ、ホンダホームページ日刊工業新聞、日刊自動車新聞記事他より)
4
新型「プリウス」HV
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2015年12月9日発売、価格242.9〜320万円(2WD)267〜339万円(4WD)
直列4気筒DOHC1.8L燃費(JC08)40.8km/L(2WD)37.2km/L(4WD「E-Four」)
2系統冷却システム(エンジン、ヒーター用)の採用し切替弁でエンジン本体への冷却水最適化、
パワーコントロールユニットに低損失素子採用と変速機を遊星ギア方式から平行軸ギア方式に変
更(アイシン精機)、20%損失低減しエンジン熱効率40%、110km/hまでEV走行
ニッケル水素電池とリチウムイオン電池をグレード別搭載(小型化でリアシート下に配置)
980MPa級高張力鋼板19%、アルミボディパネルも採用、レーザー溶接、ねじり剛性60%アップ
全長4540全幅1760全高1470W/B2700mm低全高化(−20mm)CD値0.24
「トヨタ・セーフティ・センスP」表重装備(エントリーを除き)協調型高速道路交通システム「ITSコネク
ト」設定、電動式4輪駆動「E-Four」設定
平行ギア変速機(左)
電気式4WD機構(上)
「グリルシャッター」暖機状態
に合わせ自動開閉(下)
アイシン精機製
(トヨタ広報資料、日刊自動車新聞、日刊工業新聞記事より) 5
VW「GOLF GTE」PHV
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2015年9月発売、499万円
1.4L TSI直噴ガソリンターボエンジン最高出力110kW最大トルク250Nmタンク
40L、モーター最高出力80kW最大トルク330Nm
EV航続距離53.1km(JCO8)最高速度130km/h、HV燃費23.8km/L(JCO8)水
冷リチウムイオン電池(パナソニック製)エネルギー容量8.7kWh(3時間フル充
電)250〜400V発生(衝突時自動絶縁)
「GOLF GTE」PHVシステムを2016年「ティグアンGTE」にも流用展開
「Discover Pro」8inフルカラータッチスクリーン、レンジモニター、エネルギーフ
ローインジケーター、ゼロエミッション統計、eマネージメント(出発時間と充電時
間プログラミングリモコン予約充電)
エンジン、モーター、6速DSG
リチウムイオン電池
「Discover Pro」
(VWホームページ、日刊自動車新聞、日経産業新聞記事より)
6
HV、EV(FCV)パワートレイン多様化
HV:エンジン+モーター
1モータータイプ
ホンダ「Fit」(左)
2モータータイプ
トヨタ「アクア」(下)
EV(FCV)モーター
トヨタFCV(下左)
三菱「i-MiEV」(下右)
エンジン
モーター
ジェネレーター
日産EV「リーフ」
駆動
モーター
マツダ
スカイアクティブエンジン
(各社ホームページより)
7
電動化への駆動系の革新技術
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環境対応パワープラントには車載技術(信頼性、耐久性、小型化)と実用
化へのコスト低減の開発が重要
戦略実現には独自技術と異業種、異分野との開発協業が必要
燃料電池スタック
EVシステム
スタック
セパレータ、電解質膜の改良
貴金属(Pt)触媒の低減
ハイブリッドシステム
バッテリー、モーター、インバータ
モーター
小型化性能向上
ネオジム磁石低コスト化
リチウムイオン電池
エネルギー密度アップ
低コスト化
PCU
駆動マネージメントシステム
パワーコントロールユニット
ACDCコンバータ
(トヨタ、ホンダホームページより) 8
第4次自動車技術革命
• 自動車産業の技術革命「Automotive4.0」
テスラ、BYD
の参入
2030年代
2000年代
第4次技術革命
1980年代
第2次技術革命
1920年代
第1次技術革
命
ベルトコンベ
ア大量生産
電動化
パワーアシスト
デバイス
第3次技術革
命
自動化
センサー、カメ
ラ、レーダー、
ECU制御
自律化と協調
自動運転、コネクテッ
ドカー、カーシェアリ
ング
アップル、グーグルな
どの情報通信やイン
テル等の半導体メー
カーが参入
(日刊自動車新聞記事ローランドベルガー新スタディより)
9
ヒューマンアシスト技術
「アダプティブドライビングビーム」
(Adaptive Driving Beam Headlamp)
部分遮光機能を追加した自動ハイビー
ム調整前方監視カメラ+車速セン
サー+舵角センサーの信号により
ヘッドランプを対向車、前方車、歩行
者それぞれに応じて自動遮光
日産「デイズ」軽自動車初ハイ
ビームアシスト、対向車のライ
トを検知してハイビームとロー
ビームを自動切り替え
ADBユニット
(←)
ADBシャッター
(→)
(第43回東京モーターショー部品ブース展示、日産ホームページカタログより) 10
BMW/PHV「740 e シリーズ」
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直列4気筒2.0Lガソリンエンジン最高出力258ps最大トルク400Nm+モーター95ps、250Nm
=システム全体353ps、650Nm、燃費47.6km/L(欧州複合燃費)
ボディはCFRPやアルミ化で130kg軽量化
価格:1217〜1701万円
軽量化:鉄鋼、アルミ、CFRP複合ボディ(前モデル−40kg)
「ジェスチャーコントロールシステム」ドライバーのジェスチャーをダッシュボードで、手の動きを天
井のカメラで読み取り、画面に触れずに音楽や車載システムを操作(指2本を上下に振ると起動、
手の回転で音量調節、前後に動かすと電話に応答)
レーザービームヘッドランプ:LEDとの組み合わせで照射距離約600m、70km/hを越えると自動
点灯(サイズはLEDの1/100で照射距離2倍、明るさ5倍)
自動操舵機能に2016年スマホ遠隔操作駐車機能(車両幅1902mmの1.5倍のスペースに限
る)追加
「ジェスチャーコントロールシステム」
フルスライドフロントシート
レーザービームヘッドランプ
(広報ホームページより) 11
遠隔操作自動運転システム
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ジャガー・ランドローバーはスマホで遠隔操作する自動運転実験車公表
スマートキーを持ったドライバーがクルマから10m以内でアクセル(速度
含め)、ステアリング、ブレーキを車外から遠隔操作
危険な悪路でのクルマの誘導や狭い駐車場(ドアの開閉が出来ない)へ
の誘導可能
(livedoor NEWSより)
12
トヨタ「ITSコネクト」
• 2015年トヨタ「クラウン」に世界に先駆け路車間、車車間通信運
転支援システム「ITSコネクト」を量産車に世界初搭載、4代目「プリ
ウス」にも採用
• 信号機の赤信号や、信号機のセンサーが対向車や歩行者を検知
した情報を受け取り、右左折時等に車両センサーで検知できな
かった情報を運転者に知らせる
• 先行車の加減速情報を0.5秒以下で対応、きめ細やかな速度調
整や車間調整を実施し渋滞緩和に有効
• 日本ITS専用周波数760MHz(諸外国は5.9GHzと異なるため、他
社は車・路車間通信実用化先送り)で電波が回り込みやすく複雑
な交差点にも対応しやすい利点あるが、協調型ITSシステム対応
交差点は約20カ所(東京と愛知)2015年内に約50箇所(全国の
信号機付き交差点約10万カ所)へ増設検討
(日刊自動車新聞、日本経済新聞記事より)
13
テスラ「Model S」
• 2012年プレミアムEV5人乗りセダン「Model S」、モータートレンド
誌2013年Car of the Year、NHTSA安全性能5★
• 米国加州フリーモント工場(旧GMトヨタ合弁NUMMI)生産
自動運転:前方カメラ、レーダー、360度超音波センサーとリアルタイ
ム交通情報と組み合わせ
• 車線に沿った自動走行と方向指示器操作で車線変更(標準装備
は一時停止、信号、歩行者監視し意図しない車線変更防止)
• 目的地では駐車スペースを見つけ自動駐車(郊外、自宅、スー
パーチャージャーステーション)
• カレンダー同期すると、交通状況確認し、ミーティングに間に合う出
発時間計算し車内温度調節とガレージドア開放、敷地内ではガ
レージの外に移動
• ソフトウェアアップデート(現バージョン6.1)ACC、正面衝突警報、
オートマチックハイビーム機能
自動せり出しドアハンドル
自動開閉充電口
17inタッチスクリーン機能
• 後方カメラ、Googleマップ、ハンズフリー電話、インター
ネット、カレンダー管理、パーソナルドライビングポジ
ションや空調設定、エネルギー消費量と航続距離予測
(テスラ「Model S」広報資料より) 14
グーグル自動運転への取り組み
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大学の研究者を集めて研究開発、2009年から米国3州で270万kmの公道走行実験中(事故1
1件発生総て追突等のもらい事故)、GM、VW、ホンダ、現代とOpen Automotive Alliance(OAA)発
足
日本企業と提携交渉、事業化では生産委託の協力も仰ぐ
360度赤外線レー
ザースキャナー
(Velodyne社製)
カメラ(複数)
赤外線レーザース
キャナー
ミリ波レーダー(複
数BOSCH製)
グーグル自動運転実験車(Roush社製造)
NVIDIA製プロセッサー
ステアリング、アクセル、ブレーキなし
2系統ブレーキ、EPSシステム
LEDヘッドライト
発砲樹脂ボディ、ソフトウィンドウ
駆動モーター(BOSCH)Liイオン電池(LG)
自動運転OSはスマホ
「Android」と同じ
NVIDIA社プロセッサー
高精度地図
広域無線通信機能
安価な360度赤外線レーザースキャナー自社開発へ
(Velodyne製75000ドル)
• 2014年からの空軍基地内の町シミュレーション実験を経て、シリコンバレーで公道走行実験計
画(カリフォルニア州道路交通法義務でハンドル、アクセルとブレーキペダル付き、最高速度40
km/hで緊急時対応要員2名乗車)地域住民戸の関係性や工事等の予測出来ない状況への対応
等、人と車のインターフェイスが研究テーマ
• タクシー会社や地方政府が自動運転技術を無人タクシーに利用し都市交通のインフラを再構築
を模索
(Google広報資料、日経産業新聞、日経Automotive、日本経済新聞記事より) 15
ヒューマンアシスト技術
アイシン精機:ドライバー状況認識技術
ステアリングコラム上のカメラで顔の向きや開
眼度検知し、異常状態3秒間継続で警
告し車両回避動作開始
「心電センサー付ステアリング」
ドライバーの体調不良検知システム
ジャガー・ランドローバー運転支援技術
「マインド・センス」ステアリングのセンサー
で手から脳への脳波測定し集中力低
下を注意喚起
「ウェルネス・シート」シート内センサーで脈
拍と呼吸で状態測定し、自動運転から
手動への切り替え可能か見極め
「インフォティンメント・スクリーン」手の動き
から次の動作を予測して空中で操作可
能とすし、脇見防止
「触覚アクセルペダル」アクセルペダルのセ
ンサーが渋滞時は足に振動を伝えたり、
スピードオーバー時はアクセル抵抗を
増やし注意喚起
「高齢者高速道路逆走注意ナビ」
ナビにて高速道路の逆走を検知して警告
「警告機能付きハンドル」
意図しない車線逸脱時ハンドル内蔵モーターの
振動で注意喚起「レクサスRX」(豊田合成)
BOSCH「アクティブアクセルペダル」
燃費向上や安全運転にペダルの踏み込み過
ぎ時に軽い振動でフィードバックし7%の燃費
向上、ギアシフトの最適タイミングも知らせる
「コースティングモード」
衝突警報装置、カメラ、ナビとの組み合わせで、
制限速度オーバー、急カーブ接近時等システ
ムが危険を察知して加速を止めるよう警告
(トヨタホームページ、東京モーターショー部品ブース、日刊自動車新聞、化学工業日報記事より)
中小企業の研究開発事例
パワープラント系技術
鍛造、鋳造、焼結、熱処理
電気駆動
17
電動式過給器
ヴァレオ(仏)2015年末から電動式過給器量産開始
• 排ガスタイプに比べアクセル踏み込み時から、エンジン最大出力になるまでの時間を40%短縮
(1〜3秒→0.25秒)、更に燃焼効率向上で燃費20%改善、排ガスを使わないので、断熱材など
不要
• 2016年欧州高級車メーカーに5.4kWモーター内蔵電動加給器とターボチャージャー、48V電
源駆動システムと組み合わせ搭載
• 過給器搭載車900万台/2013年→2400万台/2018年
Valeo
電動式過給器
MAGNA電動スー
パーチャージャー
MAGNA(加)電動スーパーチャージャー2016年生産開始
• 高効率48V(1秒間出力7.0kW/10万rpm、2分間出力4.5kW、連続出力2.5kW)電動遠心式、
低イナーシャローター及びコンプレッサーホイール(最大〜350000rpm)動作温度−40℃〜13
0℃、エンジン冷却液水冷式、パワーエレクトロニック搭載、油潤滑供給不要、システム重量3kg
Continental
• 2019年までに電動過給器を市場投入、48VマイルドHVシステムと組み合わせ供給計画
(ヴァレオホームページ、日本経済新聞、日刊自動車新聞、日刊工業新聞、日経産業新聞記事より) 18
内外(東京鋳造所)
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1999年設立(東京鋳造所1929年設立)群馬県高崎市
資本金:9600万円(東京鋳造所1億円)従業員43名(東京鋳造所45
名)
売り上げ約20億円(連結)
生産拠点:榛東工場、インドバンガロール(現地資本と合弁)
主要客先:デンソー、三菱重工、ボッシュ、ヴァレオジャパン、IHIターボ他
主要技術:鋳造/GDC、LPDC
高圧燃料噴射ポンプ(LPDC)
ターボチャージャー(GDC)
(内外提供資料、ホームページ及び取材による) 19
「Hプロセス」製法
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平成23年度「金型鋳造工法に代わる新たな鋳造プロセス「Hプロセス」によるター
ボチャージャー部品の開発」
砂型積層による連結同時多数個取り製法
共同研究者:会津工場、日型工場、シモダ産業、群馬県立産業技術センター
従来の鋳造では金型温度が400℃で中子位置精度±0.4㎜であるが、本手法
は型温度200℃となり中子位置精度±0.2〜0.3㎜となり鋳造原価−10%
①熱歪み減少から形状精度向上による最小肉厚化で製品重量低減
②砂型成形で抜き勾配1°(GDC3°)で最終形状への最適化(加工代低減)
③湯道や押し湯の重量比率最適化
中子素材を天然珪砂からレジン配合率を低減したリサイクル率の高い人工珪砂
の開発(70%→95%)
左:「Hプロセス」鋳造品
CAE解析による最適鋳造方案検証
右:従来鋳造品
従来製法と「Hプロセス」
の鋳造形状イメージ(湯
道や押し湯比率低減)
「Hプロセス」鋳
造作業と完成品
(内外提供資料、ホームページ、サポイン報告書及び取材による) 20
戸畑製作所
• 1948年創立、福岡県北九州市
• 資本金3500万円、従業員130名
• 主力製品:羽口、ランス、ステーブ等の銅/銅合金鋳造、拡散接合、
溶接、加工他
• 主要取引先:新日鐵住金、JFEスチール、神戸製鋼所、日新製鋼、
海外高炉メーカー
• 生産拠点:本社工場
非破壊検査装置
X線CT装置
最大管電圧450kV
資料重量100kg
送風羽口(上)
ランスノズル(右上)
銅ステーブ(右)
拡散接合機
真空等の雰囲気で再結晶温度
以上に加熱し金属原子間相互
拡散促進で接合
(提供資料及び取材より) 21
難燃性マグネシウム合金
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平成21−23年度サポイン事業「耐熱、難燃性マグネシウム合金鋳造によるパ
ワートレイン耐熱部材の開発」
研究開発体制:ダイハツメタル、福岡県産業・科学技術振興財団、九州大学、産
総研、福岡県工業技術センター
マグネシウムにCa(2%)を添加し、脱ガス処理で酸化物系介在物を除去、発火
温度600℃→900℃に向上、耐熱合金硬度118HV、高温引張強さ130MPa/高
温疲労強度63MPa(250℃)
新幹線車内
荷棚受け採用
自動車用ピストン試作品
50時間全負荷運転完遂
(提供資料及び取材より) 22
青木科学研究所
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1927年創業、東京都港区
資本金4000万円、従業員26名
売り上げ約7億円
主要製品:アルミダイカスト用潤滑油、エンジンオイル、鍛造油
主要取引先:トヨタ、日産、リョービ、ジャトコ、アイシン精機他
販売代理店方式;国内15社、海外10社(欧米アジア地域)
研究、事業化のサイクル:①顧客ニーズの探索「困っていること」を見いだす②研
究シーズの探求、問題対応と顧客のメリットを付加③研究資金に助成金の獲得、
事業化後の顧客が共同研究者④潤滑油研究実行は主導⑤事業化は設備投資
が少なく、少量生産可能で直ぐ事業化(拡販には時間必要)⑥共同特許出願(第
三者販売は協議)
(青木科学研究所提供資料及び取材による) 23
油性離型剤の開発
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灯油希釈型離型剤の性能と水溶性離型剤の安全性を融合させた離型剤の開発
約40年前から発火防止の観点から離型剤は水溶性が一般的に普及していたが、
水溶性離型剤は大量の水溶剤に離型油を含ませていることから塗布量が多く、
蒸発する離型剤による作業環境の悪化があるので、少量塗布で離型効果のある
油性型の開発に着手
2004年水分を含まない油性離型剤「WFR」を開発、塗布量1/500(付着量は6
倍)に削減、少量塗布の為発火せず
油性離型剤の効果①少量塗布によりサイクルタイム約10%短縮②金型冷却を
必要とせず金型寿命大幅延長③均一塗布で成形かじり減少(油膜厚平面1μm凹
凸2μm)
ライデンフロスト現象を受け難い
水溶性(左)/油性(右)
(青木科学研究所提供資料、ホームページ及び取材による) 24
静電塗布油性離型剤の開発
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2008年さらに複雑形状金型でも少量の離型剤でまんべんなく離型剤を付着さ
せる為に、静電塗布技術を開発、世界初静電塗布型油性離型剤「WFR-EC」は付
着量20倍以上に向上
静電塗装技術(トヨタからの提案)にヒントを得て、油性離型剤に微量の水分を含
有させ噴霧時に静電ガンで高電圧に帯電させ(電気抵抗値約500MΩ)金型全体
へ付着させる
2009年「ものづくり日本大賞経済産業大臣賞」受賞他
国外特許含め24件登録済み(他9件審査中)
離型剤粒子
静電ガン
マイナスに
静電エリア チャージ
60kV 静電コントローラー
グランドアース
(青木科学研究所提供資料、ホームページ及び取材による) 25
その他開発
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2011年サポイン研究開発補正予算「アルミ鍛造の生産工程削減を可能
とする潤滑油の開発」
熱間鍛造で水溶性から静電油性潤滑剤とし、金型温度300℃でも潤滑
油沸騰せず塗布量低減(1/5)、鍛造工程間の再加熱削減による工程短
縮とコスト低減
2012年サポイン研究開発「金属粉末成形用の金型潤滑油と塗布システ
ムの開発」共同研究(株)ポーライト
鉄粉材料混合の潤滑剤(石鹸0.8%)を低減し、焼結時の空洞を減らし
高密度化(製品強度向上)する為の塗布潤滑剤開発
鉄粉(0.8%
石鹸含有)
製品密度
6.8g/cm3
鉄粉(0.2%
石鹸含有)
潤滑剤塗布
製品密度
7.5g/cm3
(青木科学研究所提供資料及び取材による)26
滲透工業
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1953年設立、長崎県西彼杵郡
資本金6000万円、従業員155名
売り上げ:約50億円
生産拠点:長崎、いわき、姫路、イタリア、インドネシア
主要製品:金属表面処理拡散浸透処理(タイミングチェーンピン、ターボ
チャージャー部品、浸炭焼き入れ用トレイ他)
主要客先:新日鐵住金、JFEスチール、神戸製鋼所、椿本チェイン、アイシ
ン精機、マツダ、トヨタ、シマノ、三菱重工、川崎重工他
レクサスタイミングベルトチェーン
ラジアントチューブ、
熱処理用治具等
シマノ自転車用部品
(提供資料パンフレット、インターネットホームページ及び取材による) 27
各種表面処理技術
•
各種表面改質処理技術①カロライジング:被処理材料にAlを拡散浸透させ、表面
にALと母材成分との合金層を形成(浸炭窒化用治具)②クロマイジング:炭素鋼
やステンレス鋼にCrを拡散浸透させると表面にFeCr(炭化物)が形成され、炭素鋼
では優れた耐摩耗性耐焼き付き性(2輪4輪用チェーンピン)ステンレス鋼では優
れた耐摩耗性と耐食性を持つ(4輪用ターボ部品)③バナダイジング:炭素鋼にV
を拡散浸透させ表層に高硬度のVC(バナジウムカーバイド)層を形成④チタナイ
ジング:炭素鋼にTiを浸透拡散させ表層に最高硬度のTiC(チタンカーバイド)層を
形成
カロライジング「ア
ルマックス®」処理
ボルト断面
クロマイジング2輪用チェーン部品
表層改質処理
処理層厚(μm)
表面硬度(mHv)
カロライジング
400
500〜600
クロマイジング/炭素鋼
10〜40
1400〜1800
クロマイジング/ステンレス鋼
60〜120
1100〜1300
バナダイジング
10〜20
2000〜2800
チタナイジング
10〜25
3000〜3700
クロマイジング処
理マツダロータ
リーエンジン排
気ポートイン
サート
クロマイジング
ディーゼル可変
ターボ部品
(提供資料、パンフレット、インターネットホームページ及び取材による) 28
アイテック
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1952年設立、岐阜県美濃加茂市
資本金3500万円、従業員55名
売り上げ9.1億円
生産拠点:美濃加茂工場、大口工場、中国湖南省
主要技術:熱処理を軸にプレスから組み付けまで一貫生産、プレ
ス(増肉加工、一体成形)低歪み熱処理(浸炭窒化等)、結合(カシ
メ、溶接)
• 主要製品:4輪CVTクラッチプレート、AT/MT部品、2輪用部品
• 主要取引先:FCC、スズキ、新日本ホイール工業、富士機工他
(アイテック提供資料による) 29
「N-クエンチ」熱処理技術
• 表面硬化熱処理技法「N-クエンチ」(N-QUENCH)、特殊鋼でなく
一般鋼材(SP材)を高硬度で歪みの少ない焼き入れ技術
• 真空浸炭窒化炉にてアンモニアガスと窒素ガスの混合処理ガス
で750〜780℃/60分で熱処理
クラッチプレート「N-クエンチ」熱処理例
表面硬度約850HV
約50μmの改質層
クラッチプレート
SPCC1.6t
外径φ103mm
内径φ67mm
寸法変化量(mm)
歯先径
0.04〜0.07
歯底径
0.01〜0.05
内径
0.02〜0.05
平面
0〜0.003
(アイテック提供資料による) 30
「N-クエンチ」技術
1、窒素を侵入させる焼き入れで、安価なSP材でも850HV程度の表面硬度
(内部に窒素が拡散している範囲で硬度の上昇可能)
2、歪み量は浸炭窒化焼き入れの約1/2(ガス軟窒化よりわずかに大きい)
で歪み取り不要
3、摩擦係数、焼き付け面圧は浸炭窒化、ガス軟窒化とほぼ同じ、摩耗量は
浸炭窒化焼き入れ材の1/2、ガス軟窒化材の1/3
※軟窒化に対しコストアップと深い熱処理には時間がかかる
<その他特徴>
• カーボン系ガスを使用していない
ので処理後の表面粗さ良好
• 処理時間はガス軟窒化の1/3〜
1/4程度と大幅な短縮可能
• 浸炭と同等程度の焼き戻し軟化
抵抗を有する
• 内部硬度も確保する「ハイブリッド
サーフェイス」(N-クエンチ+高周
波の複合処理)加工技術も可能
(アイテック提供資料による) 31
対向ダイス方式バリレス金型
•
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平成24年度ものづくり補助金採択「バリレス金型の開発」岐阜大学との
共同研究
汎用プレス機による1ストローク加工(ガススプリング金型構造)
SP材0.8〜3.2t対応可
材質、板圧、サイズごとに突起パンチ形状によるつぶし量設定条件確立
パンチ耐久性向上の金型材質、表面処理検討
SPCC2.3tパンチ側
とダイ側の断面段差
金型構造での荷重及び対向ダイス圧の軽減
0.047mm
ガススプリ Pres
ング加圧
突起
パンチ
s
抜き落とし
パンチ
加圧 A
抜きカス
A>B
パット
加圧 B
製品
(アイテック提供資料による) 32
鍛圧機械工業会
「MF技術大賞2014ー15」
アマダデジタル電動サーボ「SDE-8018」
• ワークを回転させながら1カ所ずつ成形
• 4工程の金型を一つに集約(250→80トン)
• 必要な荷重を9割低減しプレス機の大幅小型化
多段圧造機
アイシンAW
キャリアカバー
4tφ130×50mm
デジタル電動サーボ
80トン
旭サナックとデンソー多段圧造機によるエンジンハウジング部品加工
• 行程毎に成形タイミングを変更し負荷を分散化し設備の小型化や
金型交換の段取り時間短縮し、後行程との同期一貫ライン構築
(アマダ資料、商工経済新聞、日刊自動車新聞記事より) 33
アマダ「パルス鍛造」
• パルス鍛造による:塑性流動性向上(ボンデ処理レス)、製品精度
向上、離型性向上
鏡面パンチ
寸法誤差−1〜+1.5μ
表面粗さRz 0.18
潤滑皮膜助長油溜まり
摩擦係数低下特殊コー
ティング処理
油膜作成オイル塗布
2モーションパルス鍛造
高剛性ダイス
表面粗さRz0.2
デジタル電動サーボプレス機
SDEー20250
素材S25C
Φ37.5×17.5mm
製品
Φ37.4×31.5mm
歯型 JIS 0級
ピッチ誤差JIS 0級
(アマダ提供資料および取材より) 34
DMG森精機「積層造形加工」
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2009年DMG(独DECKEL、MAHO、GILDEMEISTER合弁企業)と森精機が協業開始、
2015年連結企業として経営一体化
売り上げ約4000億円、資本金511億円、従業員約4300名
レーザー加工機「LASERTEC 65」とアディティブ(積層)マニュファクチャリングを融
合(グループ企業SAUER社製)したハイブリッドソリューション装置「レーザーテック
4300 3D」価格1〜1億数千万円
レーザー(2千〜1万w)で周囲から供給(従来のパウダーヘッドの2倍速)される
金属粉体(インコネル、銅、ステンレス、アルミ等)を溶融積層し、5軸マシニング
センターで仕上げ加工する、積層造形レーザー溶射とミーリング加工を交互に行
なえる一体加工機
航空機や発電部品や金型修復、表面コーティングに活用、今後自動車業界での
活用を期待
(DMG森精機ホームページ、パンフレット、グローバルヘッドクォータ訪問説明及び日経産業新聞記事より) 35
精密プレス技術
• トヨタFCV「ミライ」燃料電池セパレーター精密プレス技術
「サーボファインホールドプレス」
流路形状
水素極セパレーター、精度1/1000mm(豊田紡織)
流路成型パンチ
(Channel
Forming Punch)
特殊圧延チタン0.1t(神戸製鋼)
36
アイダ「ダイレクトサーボフォーマ」
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•
•
2002年世界初ダイレクトドライブ式サーボプレス開発
プレス機専用に自社開発したモーターをメインギアに直結したダイレクトドライブ方式
従来のフライホイールのエネルギーをキャパシタバンクに置き換え、供給電力を小容量化して
省エネを実現
①深絞り加工(高作業エネルギー)が低速で実現②振り子モーション(ストローク可変)で生産
性が大幅に向上③自在モーションによるソフトタッチで金型長寿命化④簡単操作で自由なモー
ションプログラミング(手動パルスでのティーチングも可能)
トランスファープレスをダウンサイジングしたコンパクトな高速タンデムラインで、設備投資は1/
2以下で生産性は大幅にアップ
モーター
キャパシター
アンプ
フライホイール
ブレーキ
サーボモーター
メカプレス
サーボプレス
ダイレクトサーボフォーマ
アイダのダイレクト駆動方式は、
従来メカプレスをサーボ化する
レトロフィットサービスも実施
内製サーボモーター
スライドモーション
イメージ
サーボフォーマー特徴
①上:低速域で高作業エネルギー
②中左:クランクモーション60spm
中右:振り子モーション100spm
③下:自在モーション例
(アイダ提供資料および取材より作成) 37
森鉄工
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1922年創立、佐賀県鹿島市
資本金5000万円、従業員130名
売り上げ42億円(ファインブランキング60%)
生産拠点:本社工場
主要製品:ファインブランキングプレス機(国内80%世界30〜40%シェア)冷間
熱間鍛造プレス
主要客先:アイシンAW、デンソー他
経営基本姿勢:客先要望に最大限努力(メーカー都合で設計しない)新技術への
挑戦と常に進化させ他社との違いを出す
複合5軸油圧プレス「クラッチハブ」加工2012年(一社)日本塑性加工工学会
学会大賞、(一社)日本鍛圧機械工業会 MF技術大賞
組立工場
ファインブランキング
多軸サーボプレス
(提供資料及び取材による)
38
多軸油圧サーボプレス
•
•
生産拠点のグローバル化(地産地消)で多品種少量生産への対応として、製造プ
ロセスイノベーション(工法転換)として多軸油圧プレスによるワンショットフォーミ
ング開発(開発概要:1990年4軸閉塞鍛造機、1995年5軸サーボトライアルプ
レス機、2005年4軸サーボ絞りプレス機、2007年5軸サーボ絞りプレス機)
1ストロークの中で各工程を順次成形するので、サイクルタイムは長いが一番高
い加圧工程に合わせたトン数で可能、また同じ型で成形するので高精度成形
(ピットレス、設置面積と設備最小化、制御技術で金型長寿命、省投資生産数に
応じて設備導入、成形データ管理)
SAPH440、2.6t
Φ40フランジ20mm
(アイシンAWクラッチハブ)
720tトランスファー5工程→
180t1ショットフォーミング
5軸油圧プレス構造例
(提供資料及び取材による)
39
ファインブランキング/揺動鍛造プレス
•
ファインブランキングプレス:平滑剪断面で抜き、曲げ、つぶし、半抜き(カウン
ターパンチを入れることで材料が流れて鍛流線となり材料が分断されない)の複
合成形工法
CVT金属ベルト
機械式250t
60〜100spm
半抜き鍛流線
F/B(上)
一般プレ
ス(下)
•
揺動鍛造プレス:上型が揺動し材料を押し広げバリが少ない偏肉成形工法
製品サンプル
揺動加工原理
(提供資料及び取材による)
40
プレス成形技術
エフテック「FUT−01」工法
• プレス加工時の廃棄材料を削減、素材に上下から圧力を加
える「ファインブランキング」工法をベースに抜きしろ寸法12
→3mm(75%削減)となるように金型と装置を改良
トピー工業「ECOD成形ディスク」(ISO方
式ホイル)
• 平板の片面に波形の形状をつけた
不等厚鋼材を冷間揺動鍛造で成形
後の肉厚偏肉を最適にし約15%の
軽量化
(トピー工業広報記事、日経産業新聞記事より) 41
トヨタ次世代二次電池研究
<全固体電池>
正極カーボン負極リチウム酸化
物、固体電解質に硫化物でセル
を無くし直接積層で小型化、高
密度、高容量、安全で2030年
代半ばに実用化目標(日本特殊
陶業はリチウムイオン伝導性セ
ラミックを使用し試作)
充電時間が1/10(東北大と共
同研究)
<リチウム空気電池>
負極を黒鉛から金属リチウム化、
空気の酸素を正極と利用する事
で大幅な軽量化とエネルギー密
度向上、2040年代半ばに実用
化目標
全固体電池
リチウム空気電池
(トヨタ広報ホームページ他報道記事より)
東亜電化
•
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•
•
•
1959年設立、岩手県盛岡市
資本金3500万円、従業員110名
売り上げ約10億円
主要技術:メッキ処理及び特殊表面処理
主要客先:美和ロック、ミクニ、ルネサスハイコンポーネンツ、ベスト、三
共化成
1999年第9回/2004年第14回「青木 固」技術賞受賞、2011年度
「特許活用優良企業 経済産業大臣賞」受賞
(東亜電化提供資料及び取材による) 43
TRIシステム
•
金属の表面に湿式表面処理で0.2μm程度のトリアジンチオール(硫黄の有機化
合物)等が含まれた接合薄膜を形成し、樹脂インサート成形で化学的、物理的に
一体接合(2009年度サポイン事業)
• 技術特性
①接着剤の分子間接合に比べ接合強度大初期接合強度30MPa以上
②金属と樹脂の均一接合で高封止性
上:アルミ
微細表面
化学反応性
接合図
(東亜電化提供資料及び取材による)
44
TRIシステム
•
接合強度試験結果樹脂材料破断
アルミとPPS
接合強度
•
•
Heガスリークテスト:10−9Pa・m3/s以下
適応可能材料組み合わせ
金属
樹脂
銅系金属、アルミ
PPS、PBT、PA6
ステンレス
PBT
防水スマホ
メタルフレーム
ウルトラキャパシタ
封口板
45
(東亜電化提供資料及び取材による)
トヨタFCV「MIRAI」
•
燃料電池車プラットフォーム
水素充填口
リアビュー
5個の熱交換器(中央:エアコン、
インバーター、スタック、右:スタッ
ク用補助、左:オイルクーラー)
冷却水入(下)出(上)
酸素吸入口
昇圧コンバーター
パワーコントロール
ユニット
水素循環ポンプ
2次電池
「カムリHV」
モーター
レクサス「RX450h」
燃料電池
エアコンプレッサー
FCマニホールド
水素タンク
46
陽和
•
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•
•
•
•
•
1954年設立、福岡県北九州市
資本金2000万円、従業員90名
売り上げ11億900万円
生産拠点:本社工場
主要技術:フッ素樹脂成形、切削加工、溶融成形、溶着加工
主要製品:半導体・エレクトロニクス、産業機械・精密機器、ケミカル・薬
品へのダイヤフラム、ベローズ、パッキン、シール部品等
主要取引先:KITZ他
ダイフラム膜厚200μm
(陽和ホームページ、パンフレット、提供資料及び取材による)47
特殊加工技術
•
•
•
フッ素樹脂の滑り特性(自己潤滑性)耐熱性(最高連続使用温度260℃)耐薬品
性(ほとんどの工業薬品溶剤に耐性)の特性を活かし、成形+切削+溶着のフッ
素樹脂に特化した複合技術で2011年北九州市オンリーワン企業認定
一体射出成形では難しい形状をインジェクション成形やモールド成形後精密切削
や溶着接合で複雑形状加工
燃料電池車用水素充填口シール部品製造
トヨタ「ミライ」
水素充填口
モールド成形
精密切削
溶着接合
内壁ビードレス溶着
(陽和ホームページ、パンフレット、提供資料及び取材による) 48
熱マネージメント
•
パワートレイン効率改善技術:ダウンサイジングエンジンやHVなど燃料
消費量減少でパワートレイン本体の温度低下により、暖めるシステム
ニーズ発生
•
デンソー:HVの実用燃費とカタログ値が約40%乖離、これを2025年ま
でに20%までに近づける技術開発に着手、ドライバーの運転の違いを
除く空調と熱効率が低下する冷間始動の改善として、空調を乗員のいる
スペースに集中やエンジン排熱回収による熱源再利用範囲の拡大で暖
気効果向上させる、2020年までに熱効率50%を目指す研究目標
•
アイシンAW:エンジン排熱を活用して変速機ユニット暖房機能を次世代
製品に検討
•
フタバ産業:HV用排出ガス熱をエンジン冷却水に伝え、エンジン暖機促
進熱交換器「パワレブ」でエンジン作動時間短縮と冬場の実燃費を約1
0%低減
49
アタゴ製作所
•
•
•
•
•
•
1970年創業、群馬県みどり市
資本金3500万円、従業員102名
売り上げ約30億円(銅価格により変動)
生産拠点:本社工場
主要客先:デンソー、ガスター、長府製作所、ホンダ他
主要製品、技術:各種熱交換器とロウ付け技術
ガス石油器機
エコキュート部品
コジェネ部品
(アタゴ製作所提供資料、ホームページ及び取材による) 50
異種金属ロウ付け技術
•
•
高精度ロウ付け品質技術
デンソーCO2給湯器用熱交換器、CO2冷媒圧力15MPa(耐圧値40MPa)、水側圧
力0.5MPa(耐圧値1MPa)でCO2流路細管+水流路プレス構造採用
バッヂ式真空
炉(SUS+
SUS/SUS+
銅)
CO2冷媒流路
•
各種異材ロウ付け技術
フィンブロック
パイプ:SUS
フィン:銅
バッジ式真空炉
フィンブロック
パイプ:銅
フィン:Al
ノコロック炉
水流路
ノコロック式炉連続
炉(Al+Al/Al+銅)
熱交換器
多孔管、ヘッダー:Al
フィン:銅
ノコロック炉
DXガス還元雰囲気連
続炉(銅+銅)
(アタゴ製作所提供資料、ホームページ及び取材による) 51
パワー半導体
•
•
エコカーモーター制御の燃費、電費向上パワーコントロールユニット用耐
圧1200Vの炭化ケイ素(SiC)パワー半導体の開発
デンソー:SiCウエハ加工からモジュールまで内製化、縦方向と横方向に
結晶成長を繰り返すRAF(Repeated A-Facegroeth method)法で結晶欠陥
低減率99%以上(他社比1/10)でウエハ径15cm大口径化
15cmウエハ(左)
•
トランジスタ
チップサイズ8ml
オン抵抗3.5mΩcm2
出力75kW
両面冷却6in1
パワーモジュール
(試作品)
小型インバーター
日立製作所:低損失化可能なSiC-MOSFETに流れる電流を均等化させる
並列実装技術と高速スイッチング可能な配線実装技術で損失−60%、同
体積比電力容量約2倍化の小型インバーター開発、2018年までにフル
SiCインバーター用両面水冷モジュールを開発
両面冷却型フルSiCモジュールと
チップ並列接続構造(左)
小型インバーター(右)
(デンソーと日立ASモーターショー展示、化学工業日報記事より) 52
千住金属工業
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1938年創立、東京都足立区
資本金4000万円、従業員1000名
売り上げ約560億円(2014年度単体)
生産拠点:日本(8)、米国(2)、アジア(11)、欧州(1)
主要製品:ハンダ、フラックス、すべり軸受、FA装置
主要客先:インテル、IBM、トヨタ、コンチネンタル、日産、三菱、デンソー、
ケーヒン、日立、パナソニック、ルネサス、SONY、KYB他
1955年日本初やに入りハンダ生産、1977年世界初ハンダボール開発、
1996年世界標準鉛フリーハンダM705/Sn-3Ag-0.5Cu開発
(千住金属提供資料、ホームページ、取材による) 53
パワー半導体用ハンダペレット
•
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•
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大電流が流れるパワー半導体向け、濡れ性の良い(ボイドの発生低減)ハンダ表
面酸化の少ないHQ(High-Quality Surface Condition )品(不純物レス、後処理洗浄
不要)
酸化膜が少なくフラックスレス、還元及び不活性雰囲気での実装に適した特殊加
工による表面処理
車載用鉛フリーハンダ:Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系
車載用高温アンチモン系ハンダ:Sn-Sb系、Sn-Cu-Sb系高温、対熱疲労難加工性
ハンダ合金
Si-C半導体向け高耐熱(250℃)ハンダペレットの開発必要(Sn融点230℃)
上:汎用品、下:HQ開発品
(千住金属提供資料、ホームページ、取材による) 54
Niボール入りソルダプリフォーム
•
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特殊な表面処理でHQ仕様品を開発、酸化膜が僅少でフラックス無しでハンダ付け可能
フラックスフリーは飛散が少なく無洗浄で実現、高精度なワイヤーボンディング性を確保
Niボールの含有で水平なダイボンディングが可能、クラックスの無いハンダで高放熱性
Niボールの造粒からプリフォーム化まで一貫製造、ボイドの少ないハンダで高放熱性
造粒からプリフォーム化まで一貫製造
Niボール入りプリフォームX線写真
半導体
Niボール
Niボール
ハンダ
基板
(千住金属提供資料、ホームページ、取材による) 55
中小企業の研究開発事例
ボディ技術
レーザー加工
56
アルミボディ化
アコードHV
BENZ「Cクラス」
•
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1.6/2.0L直列4気筒直噴ターボ(2.0Lエンジンは
世界初成層希薄燃焼、ターボ、EGRの組み合わせ採
用)、燃費17.3〜16.5km/(JC08モード)
「インテリジェントドライブ」77GHz中長距離レーダー
(前方中央)、25GHz短距離レーダー(前後左右)、25
GHzマルチモードレーダー(後方中央)で周囲360℃を
カバー
ボディ外板(フロントフェンダー、ボンネット、ドア、ルー
フ)他にアルミ採用(ボディ使用率48%)70kg軽量化、
鉄とアルミを片側からの高速リベット結合手法開発
(ImpAc接合方式)、車両重量1490kg〜1520kg
419〜524万円
BENZ「SLクラス」オールアルミニウムボディ採用
•
•
2L直列4気筒アトキンソンサイク
ル2モーター、30km/L(JC08)
オールアルミフロントサブフレー
ム、ボンネット、リアバンパービー
ム
トヨタ2017年高級車からボンネット、
バンパービーム、フェンダー、ドアのア
ルミ化適用推進
• 軽量化▲100kg/台で1km/L燃費
向上目標
マツダ「ロードスター」バンパー(押し
出し成形)及びフェンダーにUACJ製ア
ルミ採用
GM16Mセダン「CT6」ボディアルミ化
64%(−90kg)
(BENZホームページ、日刊工業新聞記事、日刊自動車新聞他記事より) 57
熊防メタル
•
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1933年創立、熊本県熊本市
資本金2000万円、従業員120名
売り上げ10億円
生産拠点:本社工場
主要技術:表面処理(アルマイト、亜鉛、ニッケルクロム、硬質アルマイト
他)
主要客先:東京エレクトロン九州、ソニーセミコンダクター、平田機工他
(パンフレット、ホームページ及び取材による) 58
新アルマイト処理技術
•
•
•
イーマイトCL/SH処理:従来の硫酸アルマイトの電解条件を最適化し、ア
ルマイト皮膜の硬度、耐食性、耐摩耗性を向上
イーマイトUH処理:皮膜の微細構造を制御しHv600以上で耐摩耗性、耐
熱、耐クラック性に優れた超硬質アルマイト処理技術
2011年度第24回「中小企業優秀新技術・新製品賞」第15回「熊本県
工業大賞」受賞
膜厚
(μm)
硬質アルマ
イト
硬度(Hv)
耐摩耗性
(DS/mg)
イーマイト処理見本
左:CL、中SH、右UH
耐食試験
(RN)24h
300〜400
27
9.5
イーマイトCL
20〜30
300〜400
30
10.0
イーマイトSH
30〜40
400〜500
54
9.8
イーマイトUH
15〜25
500〜600
71
10.0
皮膜クラックSEM観察
イーマイトUH(左)
硬質アルマイト(右)
(パンフレット、ホームページ及び取材による)
表面処理技術
•
コスモコート(導電性アルマイト):アルマイト皮膜のバリヤー層を部分的
に溶解して、微細孔に色々な金属を電析させ導電性を持った皮膜処理
(金属の電析量により絶縁抵抗値や色調変化可能)用途は半導体やFPD
製造装置等
•
KBM処理(薄膜コーティング):FコーティングPTFE主成分とする艶消し黒
色薄膜フッ素コーティング、撥水性、耐薬品性、潤滑性を持ち折り曲げて
も亀裂や割れ発生無し
コスモコート色見本
ゴールド、ブラウン、ブラック
KBM処理撥水性
亀裂、
割れ
なし
KBM処理
サンプル
(パンフレット、ホームページ及び取材による) 60
金属/プラスチック複合技術
•
•
•
DAICEL EVONIK(日独)複合部品接着剤「VESTAMELT®」軽量化技術
金属(脱脂処理)に特殊な架橋性PAを厚さ50〜150μmで塗装(静電塗
装、スプレーコーティング、コイルコーティング等)、150〜200℃で3分
ほど加熱、樹脂をオーバーモールディングインジェクション(通常より金型
温度10〜20℃高め設定、例PA6GFは80℃→90〜100℃)
2013年BENZ「Aクラス」その後「B」「SLS」クロスビームに採用(全樹脂部
品同時オーバーモールド成形)
•
•
•
•
アルミフレーム
樹脂部品
GF強化樹脂(PA6、PA66、
PPA、PP)オーバーモール
ディング可能
軽量効果25%以上
複合構造の反りや収縮率の
違いによる接着力低下無し
ネジリバネ常数測定サンプ
ル(写真下U字ビーム)テス
トで接着強度20%向上
(同社広報資料及び軽量化技術展示品撮影) 61
大成プラス
•
•
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•
1982年設立、東京都中央区
資本金1億4000万円、従業員43名
売り上げ26.5億円
生産拠点:草加工場、フィリピン、東莞(中国広東省)テクニカルセンター(群馬県
太田市)
主要顧客:足立ライト工業所、ゴムノイナキ、日東電工他
主要製品:OA機器、弱電、電話、自動車、スポーツ用具等の樹脂成形製品技術
主要技術:インジェクションアッセンブリーテクノロジー(異材質熱融着成形工法)
異なる材質の樹脂を金型の中での一体成形技術、国内外で250件特許出願、
「ものを作るのでなく作り方を作るファブレス経営」
(ホームページ、提供資料、公表論文及び取材より作成) 62
NMT技術製法
• インジェクションアッセンブリー技術、樹脂とアルミニウム合金一体
化「ナノモールディングテクノロジー(NMT)技術」
• アルミ表面を特殊処理によりナノレベルの表面凹凸層に改質し、
この層に射出成形で硬質樹脂材料が入り込み一体化高強度結合
の軽量複合製品を形成
PPSがアルミ微細孔接合状態
特殊処理工程
アルミ表面電子顕微鏡写真5万倍、特殊処理前後
(ホームページ、提供資料、公表論文及び取材より作成) 63
NMT技術
•
•
接合素材:金属(Al、Mg、Cu、TI、SUS、Fe、黄銅、Alメッキ鋼鈑)樹脂(PPS、
PBT、PA6、PA66、PPA)
接合強度40〜43MPa(150℃/1h〜−55℃/1h3000サイクルサーマル
ショック後38〜40MPa)
自転車クランク製品例
195g→142g(−28%)
ソニーデータプロジェクターカバー
Fテック共同開発
ペダル
ブレーキペダル試作
品と断面構造
ステアリングハンガー試作品
アルミプレス2部品を アルミパイプ表面に樹脂成形し高強度接合
樹脂接合で一体化
(ホームページ、提供資料、公表論文及び取材より作成) 64
ボディ溶接と軽量、高剛性化技術
レクサス「IS」
• 鋼板合わせに接着剤とスポット溶接の間をレーザースクリュー溶接(レーザーを
鏡で反射させ、渦巻き形に溶接、溶接速度はスポット溶接の2倍)でボディ剛性を
向上、TNGAではアルミの溶接(従来は摩擦撹拌接合)やアルミと鉄の溶接にも活
用し設備の共用化を計画
• 欧州ではかなり前から実用化されていたが日本ではレクサスが初採用
フロントサイドフレーム
レーザー溶接サンプル
ねじり剛性スポット溶接比3.
5%向上
(エイチワン社)
(トヨタホームページ、カーエレ展展示品、新聞記事より) 65
アマダ「レーザーマシン」
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•
ファイバーレーザー加工マシン「AJ発信器」
第57回日刊工業新聞十大新製品賞、Euro BLECH2014「MM賞」受賞
高出力2000w/1モジュール、高エネルギー密度で素材切断
光品質を表すBPP(Beam Parameter Product、収束したビームウエスト半径×そこからのビーム
拡散角の半値)値0.8〜3.0mm.mrad(CO2:5.5〜9.0)小さく良好
最小集光径0.1〜0.2mm(CO2:0.2〜0.4)小さく、素材に余計な蓄熱を与えず低歪み
ビーム可変ユニット「ENSIS 2000」(2kW)結合で素材厚みに応じた最適ビーム形状化し軟鋼板
切断加工(1〜25mm)
レンズ交換無し(段取りレス)連続加工
SUS/真鍮0.2mm
25mm
厚板カットサンプ
ルと断面(左)
微細カットサンプ
ル(右)
カット幅0.25mm
(アマダ提供資料及びホームページより)
66
アマダ「レーザー溶接」
•
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•
ファイバーレーザー溶接システムFLW(Fiber Laser Weld)
溶接ロボットでなくビーム自体が回転(アマダ特許)する為に、隙間溶接に対応
繰り返し位置決め精度±0.07mm、最大加工板厚(発信器種類による)鉄/SUS
系2〜9mm、アルミ系1〜6mm
溶け込みが深く、焼けこげや歪みが少ない
溶接条件管理機能:溶接部位毎に無制限の管理可能(標準条件入力済み)、選
択条件によりNC制御で焦点位置設定し加工プログラムの中で焦点位置変更可
能
経済産業省は次世代レーザー技術の開発5年計画で支援として2016年度23
億円の予算を要求
SUS430/1.2t
TIG溶接(上)
レーザー溶接(下)
(アマダ提供資料及びホームページ、日刊自動車新聞記事より) 67
リプス・ワークス
•
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•
•
2009年設立、東京都大田区
資本金2500万円、従業員17名
生産及び研究開発拠点:OTAテクノCORE
主要業務:レーザー受託加工事業、レーザーシステムエンジニアリング事業
主要客先:自動車メーカー及び関連企業、電子部品、医療機器、半導体機器、化
学素材関連他
レーザー加工の特徴:非接触、難削材(超鋼金属、セラミックス)ドライ加工、加工
形状自由
エキシマレーザー加工機
Lumonics社発振器
(波長248nm)
ピコ秒レーザー加工機
TRUMPHF社発振器
(波長515nm)
フェムトレーザー加工機
Light Conversion社発振器
(波長515nm)
(リプス・ワークス提供資料より) 68
超短パルスレーザー
•
•
パルス幅がフェムト秒領域(10−15)〜ピコ秒(ps)領域(10−12)にある
レーザー(1ピコ秒は1兆分の1秒で、光の進む速度は1秒間に地球7週
半分の距離約30万km進むので1psでは約0.3mm進む)
瞬間的に高いピークパワー(GW以上)を持ち、多光子吸収が発生し材料
の電子を励起させ直接分子結合を分解、熱拡散時間よりパルス幅が短く
材料を瞬時に蒸発させるので溶融物の発生(バリ)を低減させ、熱影響
の少ない精密加工が金属、樹脂、セラミック、ガラス等材質を問わず可能
従来のパルスレーザーとの加工比較
加工プロセス模式図熱影響極小
ファインセラミックス(上)SUS304(下)
(リプス・ワークス提供資料より) 69
超短パルスレーザー
• 超短パルスレーザー加工機仕様(独TRUMPF社発振器使用)
ピコ秒レーザー
フェムト秒レーザー
レーザー波長
515nm
515nm
パルス幅
<10ps
290fs〜10ps
平均出力
30W
8.2W
繰り返し周波数
MAX 200kHz
MAX 600kHz
ビームスポットサイズ MIN.φ10μm
•
加工精度±5〜10
μm→±2μm開発中
MIN.14μm
ステージサイズ
400×400mm 300×300mm
搭載可能重量
10kg以下
30kg程度
アスペクト比約
10倍のスト
レート孔加工可
金属表面へのマイクロテクスチャ加工により、摺動部の低摩擦化、金型離型性向上、歯具工
具の長寿命化等効果あり
微細凸加工事例
SUS430:高さ20μmピッチ20μm
ディンプル加工事例
SUS430:φ95μm深さ28μmピッチ110μm
極細金属パイプ加工事例
SUS:φ700μm×t60μm穴径φ100μm
(リプス・ワークス提供資料より) 70
中小企業の研究開発事例
外装、内装技術
塗装
内装素材、加飾
71
樹脂ウィンドウコーティング
•
エボニック(独):サンルーフや後部ウィンドウ用耐衝撃性6倍アクリル樹
脂、120kJ/m2(従来20kJ)とし欧州自動車用窓材料規格「ECE R43」をク
リア、ガラスより軽く、ポリカーボネートのような黄変色が無い
•
帝人:「Panlite®」ポリカーボネート樹脂コーティング技術、プラズマCVD法
によって形成された緻密なSiO2膜がガスバリア性向上させるハードコート
処理、フロントガラスを除く欧米安全ガラス規格(ECE R43)準拠
Citroen「DS5」Multilon T-2710F採用
(軽量化展展示資料、日刊自動車新聞、日経産業新聞記事より) 72
無塗装化樹脂
•
•
無塗装化によるVOC(揮発性有機化合物)の削減
アクリル樹脂「デルペットTM」:意匠性を高めた無塗装外装樹脂部品、微細な導光
パターンに対する型転写性と長光路透過率(80NH)表面硬度(ロックウェルMス
ケール100)(旭化成)
無塗装従来品(上)
塗装品(中)
無塗装新製品(下)
•
再生可能植物由来原料イソソルバイドを使った耐衝撃性、耐熱性、耐候性のある
バイオエンジニアリングプラスティック「DURABIO」、材料組成と顔料と金型仕上げ
により表面に光沢感が出て無塗装外装製品可能、スズキ「ハスラー」「アルトラパ
ン」の内装カラーパネルやマツダ「ロードスター」外装に採用(三菱化学)
外装部品及びグリル製品
(2015年人と車のテクノロジー展より) 73
塗装技術
• マツダ「アクアテック塗装」油性塗装に比べVOC76%、CO2
15%削減、下塗り電着塗装色透けとチッピング防止機能
のグレー色中塗り塗装廃止(ウレタンクリア塗料と水性
ベース塗料に機能分担)ライン長80m(従来265m)第6
回ものづくり日本大賞(内閣総理大臣賞)受賞
• ダイセル:独自の配合で体積収縮率がほとんど発生しな
い(反りがない)樹脂パネル用アクリル系ハードコート、最
大30μm以上(従来10μm程度)の厚膜化(耐擦傷性)可
能な紫外線(UV)硬化型ハードコーティング材「セルビナー
スHC」開発(超臨界CO2塗装に対応した材料も開発)2018
年ヘッドランプや曲面ディスプレー用実用化目指す
(日刊工業新聞、日刊自動車新聞記事より)
74
加美電子工業
•
•
•
•
•
1960年設立、宮城県加美郡
資本金4800万円、従業員110名
売り上げ:約19億円
生産拠点:本社工場、第二工場、SPC工場、中国江蘇省
主要客先:信越ポリマー、ニコン、アルプス電気、パナソニック豊田
合成他
• 主要技術:各種塗装、印刷(スクリーン、パッド他)レーザー加工、
ホットスタンプ等
光学関連製品
携帯情報端末
車載部品
(提供資料及び取材による)
75
超臨界二酸化炭素塗装
•
•
•
超臨界:温度と圧力を上昇させ臨界点を越えると、液体のように物質を溶解し気
体のように大きな拡散速度を持つ液体と気体の両方の性質を持つ状態になる、
CO2は低温で超臨界状態となり、食品成分抽出や医療、精密器具殺菌に利用
希釈溶剤(VOC)を二酸化炭素に代替えし、VOC排出量を1/3(塗料成分の塗料ポ
リマー用真溶剤量は残る)に削減
超臨界CO2(31℃、7.4MPa)と塗料の混合(CO2適正添加率10〜30%)による
粘度低下効果を利用し希釈溶剤(VOC)を削減する手法
塗装使用エネルギー比率
VOC
発生比率
1980年代ユニオンカーバイト社(米)で、超臨界
CO2を塗料溶媒と圧縮空気の代替えとして研究
溶剤塗装1とした比率
(1液塗料、UV塗料の場合)
(臨界技術研究所資料、提供資料及び取材による)76
超臨界二酸化炭素塗装装置
•
•
マイクロミキサー構造装置(高圧ガス保安法適用)
材料コスト比較:希釈剤(シンナー)添加量100wt%(300円/kg)/CO2添加量10
〜30wt%(100円/kg)
塗料吐出性能50g/min
CO2吐出性能20g/min
制御装置/混合装置
平成19〜20年度新エネルギー・産業
技術総合開発機構(NEDO)委託開発
「革新的塗装装置の開発/二酸化炭素
適合塗料開発と最適塗装条件の決定」
実用化装置
設計圧力15MPa/常用圧力10MPa
設計温度50℃/常用温度40℃
(提供資料及び取材による)
77
植物由来材料開発
• 木材パルプ繊維の超極細(3〜4nm)繊維状物質「セルロースナノ
ファイバー」(CNF)鉄比重量1/5、強度5倍、熱膨張無しの特性を
活かした実用化開発競争(課題はコスト5千〜1万円/kg、国内生
産能力60〜70万トン/2015年)
• 経産省は2014年産学官組織「ナノセルロースフォーラム設立」国
際標準化へISOへ原案提出、「CNF推進関係省庁連絡会議」設置
自動車で実用化研究開始へ概算要求予算38億円
• 東レ:ポリエステルベース高級人工皮革「ウルトラスエード」から、
製糖副産物のサトウキビ廃糖蜜から作るエチレングリコールを約
30%を含有させた「ウルトラスエードPX」開発、製造に伴うCO2排
出低減
• 王子と三菱化学:CNFシートを透明化有機EL表面ガラスとして201
6年以降実用化検討
• トヨタHV「SAI」はシート表皮、フロアカーペットなど室内表面積8
0%にバイオPET、ひまし油由来ポリオール、PLA(ポリ乳酸)を採用
(日経産業新聞、日刊工業新聞、化学工業日報、日刊自動車新聞記事より)78
植物由来材料製品
•
豊田紡織:植物由来材料ケナフを使用した軽量天然繊維基材(プレス成
形)と樹脂ブラケット(射出成形)を同時成形レクサス「GS」「ES」ドアライニ
ング適用
レクサス「GS」「ES」
ドアライニング
PP繊維、ケナフマット
ケナフ繊維、ケナフボード
•
ケナフ基材
樹脂ブラケット
ニッパツ:竹齢3年未満のタイ産青竹を繊維化(80%)とPPバインダー(2
0%)を抄造(紙すき手法)で素形体として、加熱スタンピング成形した軽
量竹繊維ボード
バインダーPP粉体/竹繊維
リアシートバック
ボード試作品
(日経産業新聞、日刊工業新聞、化学工業日報記事他広報資料、2015年人と車のテクノロジー展展示より) 79
石川金属工業
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1928年創業、福岡県北九州市
資本金9950万円、従業員290名
売り上げ単独約35億円(グループ約80億円)
工場:本社赤坂工場、朽網工場、(いしかわファルテック)
主要製品:金属メッキ、プラスチック成形、金属研磨、住宅
設備、物理解析
• 主要客先:新日鉄住金、トヨタ九州、日産、TOTO他
(石川金属工業提供資料及び取材による) 80
竹ープラスチックコンポジット材
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平成23年度
「竹ープラスチックコンポジット材を活用した事業の推進」
事業管理者:公益財団法人北九州産業学術推進機構
協業コンソーシアム:北九州市(竹収集システム)環境テクノス(竹繊維製
造)いしかわエンジニアリング(量産設備)石川金属(BPC成形技術)
アドバイザー:九州工業大学西田教授
主たる技術:プラスチック成形
北九州市では管理竹林から切り出される竹の有効利用促進が課題(年
間3600トン以上の廃棄処理と放置竹林への対応等)としてあり、これを
バイオマス資源有効活用する手法としてプラスチック素材との複合材に
よる低炭素で安価な素材を開発提供
複合材化によりプラスチック使用量の削減、安価な竹素材によるコスト低
減、プラスチック同等の材料特性を目指す
(石川金属工業提供資料及び筆者撮影による) 81
製造方法
•
•
•
竹材料最適供給の粉砕、分級処理
プラスチックとの最適配合技術
射出成形加工技術
特殊加熱処理
孟宗竹
加圧式混練機
竹を粉砕して、セルロースとリグニンに分解
写真左から
一次粉砕:竹繊維抽出
二次粉砕:竹繊維250μm以下
混合ペレット:竹50%PP50%
ペレット製造機
(石川金属工業提供資料及び筆者撮影による) 82
実用化例
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竹繊維プラスチックコンポジット物性評価結果
高アスペクト比(竹繊維の径と長さ)の高機能竹繊維で物性向上(繊維サイズ63〜150μmでアス
ペクト比4.7)
PPに対して、曲げ強さは向上するがアイゾット衝撃値や引っ張り強さが劣る
素材原価として竹繊維コスト約100円/kg、PP比約20%の低コスト化可能
自動車部品、家電部品、建築部品等広く活用分野を検討中
竹混合比(%)
竹繊維サイズ(μm)
密度(kg/m3)
PP100%
ー
50
10
63〜150 250以下
900
1103
965
1650
5080
1873
曲げ強さ(MPa)
27
33.3
34.9
引っ張り伸び(%)
70
1.1
3.9
引っ張り強さ(MPa)
25
18.3
19.2
5.7
2.2
2.9
曲げ弾性率(MPa)
アイゾット衝撃(MPa)
竹繊維50%成形サンプル
裏面リブ成形も可能
成形サンプル
左:竹繊維20%
右:竹繊維50%
(石川金属工業提供資料及び筆者撮影による) 83
九州大栄工業
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1976年設立、佐賀県三養基郡
資本金1000万円、従業員118名
売り上げ約15億円(自動車関連95%)
生産拠点:本社工場
主要製品:内外装樹脂成形、加飾、組み付け
主要客先:九州小糸製作所
(九州大栄工業提供資料、インターネットホームページ及び取材より) 84
インモールド成形他
•
•
透明樹脂成形の特徴を活かした、インサート成形や水転写加工に代わる
簡易3次元立体インモールド加飾部材一体成形
インモールド材料(本木、皮、和紙、織物)をプリ成形無しで成形金型に
セットして樹脂射出一体成形
本木インモールド
成形サンプル
織物(左)和紙(右)インモールド成形サンプル
•
環境対応素材開発:木紛、竹粉入り樹脂(PP)材料
コンパウンド樹脂と成形サンプル
曲げ強度
(MPa)
曲げ弾性
率(MPa)
引張り破壊応
力(MPa)
引張り歪
み(%)
密度
PP
33
1200
25
100
0、91
ABS
60
2800
40
40
1.05
竹粉60%
65
4570
38
3.8
ー
木紛60%
54
3790
32
3.1
1.17
(九州大栄工業提供資料、インターネットホームページ及び取材より) 85
秀峰
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1982年創業、福井県福井市
資本金4億3000万円、従業員80名
売り上げ15億8000万円
生産拠点:本社工場、小稲津工場
主要取引先:自動車部品メーカー、眼鏡業界他
主要技術:印刷処理(立体フルカラー、凸凹、絞、浸透、偏光他)
2007年「元気なモノ作り中小企業」300社認定、第21回「ものづくり日
本大賞・内閣総理大臣賞(金賞)」受賞
(提供資料及び取材による)
3次元フルカラー印刷
• 印刷工程:①版に一般印刷の1/10のドットサイズ(1〜2μ、膜厚1
〜2μ)のインクを塗布②ゴム材質のブランケットを版下につけてイ
ンクを転写③治具にセットされた製品にブランケットを押し付けてイ
ンクを製品に転写(ゴム材質なので3次元形状のR止まりまで印刷
可能)④UVライトで暫定乾燥し重ね塗りの場合は次工程へ⑤印刷
終了後乾燥させ表面クリア塗装
• 転写をゴム材質で行なうため3次元製品面対応可、フルカラー印
刷は赤、青、黄、黒のを順番に重ねて印刷
• 水転写印刷に対し大幅コストダウン
ブランケット
インク塗布版
印刷製品
4500ドット/
1in2
黒木目重ね印刷工程
左から順に印刷を重ねる
(提供資料、ホームページ及び取材による)
印刷バリエーション例
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凹凸(絞)印刷:製品上にインキコーティングが乗らない特殊インクで印刷すると、
印刷されていない部分のインクが盛り上がり曲面も含めて凹凸のある模様印刷
ステッチ印刷:糸目模様を色付け印刷
レインボー蒸着印刷:特殊アンダー印刷と蒸着技術の複合でレインボー色に輝く
処理
浸透印刷:材料(ポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネイト)にインクを浸透
させる為に表面コーティング不要
偏光印刷:ドット、反射を調整して、角度を変えると見え方が異なる処理
3次元立体形状印刷:R止まりまで回り込んで印刷
上左:凹凸印刷
上中:レインボー印刷
上右ステッチ印刷
下左:浸透印刷
下中:偏光印刷
下右:右下:3次元印刷
(提供資料、ホームページ及び取材による) 88
セーレン「Viscotecs®」
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1889年創業、資本金175億円、連結売上1037億円、従業員5802名
1988年繊維産業危機時に「5つの経営戦略」繊維産業の常識から非常
識①ビジネスモデルの転換②非衣料、非繊維化③IT化④グローバル化
⑤企業体質の変革
1989年「Visual Communication Technology System」確立、CAD/CAM連
動で布地にインクジェットプリンターで色付けするデジタル染色技術、イン
クジェットプリンター設備投資350億円
2005年カネボウ繊維部門買収により、糸→織、編→加工(創業事業)→
縫製の一貫体制確立
インクジェッ
トデジタル印
刷技術
「Viscotecs」
セーレン提供資料、パンフレット、インターネット公表資料及び取材による) 89
インクジェット技術の応用他
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衣料用カスタマイズ化デジタルプロダクションシステム「Viscotecs®」を核
に多様なニーズに答える製品の企画、製造、販売を47万通りから選択し、
3週間以内に届ける顧客と生産の連動システム
自動車用パネル/合皮や建材外板に凹凸ある模様付け印刷
本革を越えた新素材「QUOLE®」
表皮温度を制御する機能「QUOLE MODURE®」 デジタルプロダクションシステム
木目パネル印刷
合皮デザイン印刷
上:平面印刷
下:凹凸印刷
左:「QUOLE®」
右:「QUOLE MODURE®」新型「プリウ
ス」革巻きステアリングに採用
セーレン提供資料、パンフレット、インターネット公表資料及び取材による) 90
岐阜多田精機
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1963年設立、愛知県大府市
資本金1億6千万円(グループ合計)、グループ売り上げ24.5億円
多田精機従業員96名(開発18名)
•
•
事業内容:樹脂射出成形用金型及びダイカスト鋳造用金型の設計、製造
高付加価値金型の製造:熱処理や表面処理の内製化、段差レス(パー
ティングライン)金型、加熱冷却成形システム開発、摺り合わせレス金型
(3面直角加工自動化等徹底した機械加工の応用)
主要設備:フライス盤、マシニングセンター、放電加工機、ワイヤーカット、
研削盤、レーザー溶接機、真空熱処理装置、CAD/CAMシステム、3次元
測定器他
主要取引先:アイシン精機、デンソー他
•
•
(多田精機提供資料より) 91
高精度金型技術開発
•
•
•
テーマ①平成19年度「高精度金型製造技術の開発」
事業管理者:財団法人 岐阜県産業経済振興センター
共同研究:岐阜県産業技術センター、国立大学法人金沢大学、日晃オートメ
•
テーマ②平成23年度「立体的な加飾を射出成形のみで実現する多色成形金型
の研究開発」
事業管理者:国立大学法人岐阜大学
共同研究:岐阜県情報技術研究所、国立大学法人岐阜大学、岐阜多田精機
•
•
•
テーマ①金属部品を樹脂化するには、耐熱性樹脂を生産性高く成形する必要が
あるが、耐熱性樹脂は高温成形となる為に金型に歪みが生じ耐久性に課題があ
り、高精度製品の生産に適していないので、高温成形でも高精度を保証するメン
テナンスフリーに近い(20000ショット程度)金型を開発
•
テーマ②内外装の質感を高める加飾加工は、水圧転写技術では3次元曲面製品
への転写が難しく、また連続絞は型合わせ部の絞が繋がりにくいので、高質感加
飾を低コストで実現する加飾成形金型技術を開発する
(多田精機提供資料より) 92
高精度金型技術
•
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•
•
•
テーマ①:予め迷路状に温調回路を加工した金型材料を拡散接合にて張り合わ
せ、立体的な温調回路を金型内部に設置
冷却と加熱に同じ回路を用いることと、立体的な長い回路長とすることで熱交換
面積を大きくし、成形品の近くに温調回路を設置することで温度変化の応答性を
高めた
金型の歪み防止として、熱処理時に金型の熱伝導が均等になるよう、1炉/1金
型で熱処理を丁寧に均一化
テーマ②:ベース成形金型レーザーアブレーション微細加工し、2色の射出成形
で層の重なり濃淡による加飾(グラデーションや色調表現)
表層成形は高圧高速射出と材料流動性向上へ表面改質高温金型+ウエルドレ
ス高真空射出薄肉成形
レーザーアブレーショ
ン加工機(独製)
ベース成形(左)
表層成形(右)
ベース成形の凹凸
によりグラデーショ
ン表現
(多田精機提供資料より) 93
製品例
•
•
•
テーマ①:耐熱樹脂成形サイクルタイム1〜2分(従来は5〜10分)280℃で稼
動可能金型開発
ドアアウターハンドルサンプル:PC+PBT(ポリマーアロイ)モールドベース100℃
製品60℃⇔180℃、サイクルタイム80秒、PL段差0.01mm
テーマ②:水圧転写やエッチング絞加工は接合面で絞のズレや歪みがあり高精
度な幾何学模様等表現できないが、分割金型を一体レーザー加工し加飾ライン
が連続曲面で一体感ある表現実現
今後の課題:耐熱樹脂材コストアップと軽量化の部品別効果検証
高級車本物志向加飾価値観へのフェイク加飾価値提案推進
(多田精機提供資料より) 94
その他金型技術
• 耐熱樹脂製品と加飾技術の応用事例としてステッチ加工製品
金属置換耐熱樹脂製品サンプル(建材用製品)
ステッチ加飾加工サンプルキーノブ
• その他金型技術製品サンプル
ネジリ回転抜き製品(左)
多段スライド抜きコンビス
イッチ(下)
パーティングラインレスシャワーノブ製品
(多田精機提供資料より)95
IBUKI
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1933年設立、山形県西村山郡
資本金7800万円、従業員46名
売り上げ6億円
生産拠点:本社工場
主要製品:射出成形金型設計製造、樹脂成形試作及び量産
主要客先:市光工業、しげる工業、森六他
(ホームページ、パンフレット及び取材による)
96
加飾加工金型
•
•
各種加飾成形金型の製造技術
立体ハニカム、高精細へアライン、カーボン繊維状、檜垣模様、鏡面加
工、メッシュ等
左:高光沢+へアライン
右:虹色ヘアライン
金型/成形サンプル
上/右:3Dカーボン柄
下/左:3Dヘキサゴン
ヘアライン金型サンプル
(ホームページ、パンフレット及び取材による) 97
RP東プラ
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1953年創業、大阪市吹田区
資本金9億4372万円、従業員279名(連結1007名)
売り上げ258億円
生産拠点:関東竜舞工場、関東群馬工場、滋賀竜王工場、滋賀甲西工
場、マレーシア、インドネシア、中国、ベトナム(他国内関連会社4社)
主要製品:電子トレー/自動車部品用等の多層シート材、住宅/家電/
食品用他樹脂部品
主要顧客:平和、パナソニックグループ、積水グループ他
ミルクポーション
果物パック
シート材TSF成形部品
(RP東プラ提供資料、ホームページ及び取材による) 98
RFM成形技術
•
•
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•
RFM成形:フローティングコア(球体)を加圧ポートにセットし、金型キャビティ内に
樹脂を射出後、不活性ガス(窒素ガス)の圧力(100〜250kg/㎠)でコアを押し
出し中空形状としガス圧力を保持しパイプ形状を成形
中空サイズφ3〜34で肉厚1〜3mm、曲線形状や枝管形状も成形、フランジや
ボス形状一体成形(内径一部潰れ形状は軟質コアで成形可)
対応材料:PP、ABS、PMMA、PA、PPA、PC、PPS、LCP等の熱可塑性樹脂(GF強化
材料では内面平滑性劣る)
ヤマハ大型2輪冷却水パイプ(金属製比65%軽量化)、AUDI、VW、BMWウォー
タパイプ欧州メーカーにてライセンス生産
RFM成形法
成形サンプル
ヤマハ製品
枝管形状製法とサンプル
(RP東プラ提供資料、ホームページ及び取材による) 99
多様な射出成形技術
•
①NSF成形(New Structural Foam)ガス発泡成形②AGI成形(Asahi Gas Injection)
ガス中空成形③H2M成形(Higher Hollow Molding)金型を広げながらガス注入し
中空リブ成形④GPI成形(Gas Press Injection)ガス加圧によるヒケ、ソリ防止⑤AIP
成形(Asahi Injection Press Molding)ガス加圧でヒズミ防止⑥DIS成形(Die Slide
Injection)一次成形後型スライドさせ二次成形で中空複雑成形⑦WIM成形
(Welding In Mold)二部品の隙間に射出し結合成形⑧H&C成形(Heat and Cool
Molding)(①〜⑤は旭化成基本技術)
高温金型
溶融樹脂
溶融樹脂
高温金型
薄型TVパネル
6点ゲート製法
H2M成形品
ベランダパネル断面
H&C成形(Heat and Cool Molding)
• 樹脂充填前に樹脂の熱変形温度付近ま
で金型を昇温させ、充填後金型温度を
下げて成型品を冷却する事で型転写性
を向上させウェルドラインが消失し高品
位外観となり無塗装化可能
(RP東プラ提供資料、ホームページ及び取材による) 100
髙橋型精
•
•
•
•
1943年設立、山形県山形市
資本金1000万円、従業員38名、売り上げ:3億1000万円
主要客先:3M、大日本印刷他
主要製品:精密抜型、彫刻刃型の制作および打ち抜き加工3Dカッティン
グ(成形品等の立体的、曲面切断加工)、シーリングカッティング(切断と
同時に端面シーリング加工)、立体成形カッティング(不織布材料等を立
体的成形と同時にトリム、ピアス加工)
3Dカッティング、シーリングカッティング
精密抜型(上)
精密曲面抜型(下)
立体成形
カッティング
トリム、ピアス抜き型と製品例
(パンフレット、提供資料及び取材による) 101
恵美グループ
恵美グループ(3社):岐阜県中津川市、売り上げ約20億円、従業員135名
• 恵美製作所:1979年設立、資本金1000万円
• 自動車部品等の精密プレス、板金の量産提案型試作
• 主要設備:2、3次元レーザー加工機、サーボプレス、マシニングセンター等
• 主要取引先:デンソー、アスモ、日本電産、リンナイ他
• 短納期対応:データ受領から金型〜製品まで最短2日、暫定部品製造1000個
程度対応
削り品→プレ
ス加工試作
レーザートリム後に板を積層した暫定金型製法
•
•
•
•
東海技研工業:1988年設立、資本金1000万円
配電盤等の1品1様多品種少ロット板金加工
主要設備:タレパンレーザー複合機、レーザー溶接等
主要取引先:パナソニック、トヨタメディアサービス他
設備稼動状況
リアルタイム生産管理パネル
タレパンレーザー複合機
(恵美グループ提供資料より) 102
吸音、遮音技術
• 微細な繊維層で音が伝わると繊維層が振動し熱エネルギーに変
換し吸音するシステムで、車体の風切り音等の騒音も吸収、従来
製品比較40%薄いフロアマット国内完成車メーカーに納入開始
(寿屋フロンテ)
• フロアカーペット用フェルトにフェルト+スパンボンドフィルムを、製
造工程で最適箇所に一体織り込みし吸音性能向上(500〜200
0Hz)技術開発(フコク)
スパンボンドフィルム
フェルト
折り込み素材サンプル
• 新型「プリウス」ではエンジンルームからの遮音吸音技術として、
ダッシュボードインシュレーターに穴をあけた遮音材を採用し、特
定周波数の音が打ち消し合う構造としエンジン音主成分である周
波数を効率的に低減
(日経産業新聞記事、「プリウス」技術広報資料、取材より) 103
中小企業の研究開発事例
電装技術
配線
電気、電子
104
次世代ワイヤーハーネス
•
•
2020年7Gビット/秒化へ1Gビットを越えた光プラスチック製ファイバーハーネス
開発(矢崎)
次世代ワイヤーハーネスとしてガラス製ファイバーハーネス研究中(住友電装)
(住友電装テクニカルレビュー、広報資料より) 105
日新化成
•
•
•
•
•
1961年創業、埼玉県さいたま市
資本金2000万円、従業員100名
売り上げ約16億円
工場:本社工場、宮城田尻第一/第二、秋田横手
主要製品:コイル封止成形、リードフレーム成形、プラスチック光通
信部品他
• 主要客先:日本電産コパル電子、フジクラ、ケミコン、安川電機他
(日新化成提供資料より)
106
MTフェルール
•
8.05
3.0
2.5
6.05
12心MTフェルール
48心MTフェルール
7.0
•
超精密光ファイバの光インタコネクション技術MTフェルール(PPS樹脂)
インターネット急速普及とビッグデータ処理能力向上へ光ファイバ線Φ125μm
(穴径:遠距離用シングルモードφ10μm/近距離用マルチモードφ50μm)48心
(従来12心)MTフェルールによる高密度実装MPOコネクタ
ファイバ線をMTフェルール穴に通しエポキシで固定、先端ファイバ線をカット研磨、
位置決めガイドピンで相手コネクタと結合
光ファイバ穴径φ0.125+0.0005/−0mm穴位置精度0.7μm以下、ガイド穴
径φ0.6990+0.0005/−0mm穴位置精度4.6±0.003mm
6.4
•
•
ホルダー
MTフェルール外形寸法(上)
12心MTコネクタ組み立て工程(下)
A部詳細
光ファイバ線
MTコネクタ
(日新化成提供資料より)
107
フラットハーネス
•
•
•
帝人:フラットケーブル用PENフィルム「テオネックス」にアルミ箔や銅箔を
張り合わせてケーブル化、厚さ数十〜数百μm軽量(約70%)省スペース、
液晶ポリマー並みの電気特性、耐熱、高強度、耐湿度フラットケーブル
はんだリフロー耐性(融点269℃)連続使用可能温度160℃
欧州メーカーがLEDヘッドランプ基板ハーネスに採用
ハンダ付け可能
曲線も可能
PENフィルムFCCL
シースルータイプ
(カーエレクトロニクス展展示、日刊自動車新聞記事より) 108
ヱビナ電化工業
•
•
•
•
•
•
1946年設立、東京都大田区
資本金1000万円、従業員100名
売り上げ:約12億円
生産拠点:本社第一テック/第二テック、テクノマーク(研究所)
主要技術:電気メッキ、無電解メッキ
主要客先:国内外大手電機メーカー他
電磁波シールドメッキ
各種メッキ処理
(提供資料、パンフレット、取材より) 109
3D Laser Metallization
•
•
レーザーとメッキの複合技術3次元配線(独LPKF社開発技術)
熱可塑性樹脂に特殊触媒を混合したLDS(Laser Direct Structuring)複合
樹脂材で成形した製品に、レーザー照射された部分のみ有機金属複合
体の金属原子が活性メッキ触媒として作用し活性化した部分にCuメッキ
加工(酸化防止が必要な場合はNi、Auメッキ処理)
3D CADデータで
照射部分設定し
レーザー処理
au携帯「iida G9」
アンテナ
活性化した添加剤
レーザー/変性樹脂
処理前素材→レーザー処理後→メッキ処理後
(提供資料、パンフレット、取材より) 110
3D Laser Metallization
•
•
•
ベース樹脂材料:PC/ABS、PC、PA、PPA、PBT等
メッキ密着強度0.7〜1.5Nmm、メッキ厚:Cu40μm+Ni10μm+Au0.5μm
最小メッキ寸法:幅150μm、半径0.3mm、製品曲げR0.3mm、傾斜角60°等
•
ハンダディスペンサーで立体基板へのハンダ付け可能
実装例
欧州車ステアリングスイッチ
オートバイグリップスイッチ部サンプル
左:フレキシブル配線/右:LDS配線
(提供資料、パンフレット、取材より) 111
その他技術
•
電磁波シールドメッキ:電磁波の侵入と透過を防ぐ電磁波障害防止メッ
キ(端末の受信感度劣化「自家中毒対策」)
電磁波シールドメッキ処理
黒色メッキ「凄黒」:表面形状複雑化による低反射皮膜、可視光線領域
(波長380〜750nm)の反射率1%以下を実現(干渉・迷光低減)光学・
測定機器用、その他タフブラック(3%以下)クリスタルブラック(10%以
下)
アルミ板凄黒処
理前後の蛍光
灯の反射比較
薄膜高さ
約3μm
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
凄黒の反射率
Reflectivity of SUGO-KURO
240
260
280
300
320
340
360
380
400
420
440
460
480
500
520
540
560
580
600
620
640
660
680
700
720
740
760
780
800
反射率 Reflectivity [%]
•
波長 Wavelength [nm]
(提供資料、パンフレット、取材より) 112
次世代配線技術
•
•
•
DUPONT「プリンテッドスマートクロージング材料」ファブリックやフィルムに伸縮性
のある熱可塑ポリウレタンシートを貼り合わせ、その上に導電性のあるペースト
層(銀導電ペースト+カーボン&Ag/AgClセンサーペースト+保護ペースト)を重
ね刷りし、伸縮性と洗濯耐久性のある回路を実現
回路デザインの自由化、伸縮時も安定した導電性、薄く快適な回路設計で生体
信号(心電、筋電、筋疲労、姿勢)の読み取りや発熱、発光(ヒーター、LED、EL)す
る衣服への応用
「インモールドエレクトロニクス材料」シート基盤に回路をスクリーン印刷し加熱成
形後カバーをインジェクションモールディング成形
構造
ファブリック
orフィルム
銀導電
ペースト
カーボンセン
サーペースト
Ag/AgClセン
サーペースト
熱可塑ポリウ
レタンシート
ストレッチャブル
導体ペースト
ストレッチャブル
センサーペースト
保護ペースト
「プリンテッドスマートクロージング技術」
PEストレッチャブル
エレクトロニクス材
①スクリーン印
刷(上)
②加熱成形
(下前)
③インジェク
ションモールド
(下後)
「インモールドエレクトロニクス技術」
(DUPONTパンフレット、ウエアラブル展示会取材による) 113
エムジー
•
•
•
•
•
•
1968年創立、宮城県宮城郡
資本金1億円、従業員180名
売り上げ:30億円
生産拠点:本社、マグネット工場、山形工場、ダラス(米)MKエンジニアリング(香
港)東莞(中国)
主要製品:回転センサー、ヒーターコントロールパネル、車載コネクター、プラス
チックマグネット製品、家電文具製品他
主要客先:住友電装、ホンダ、カルソニックカンセイ、スタンレー電気、日立AS、
ケーヒン、矢崎部品、デンソー福島、アイシン東北他
(提供資料及び取材より) 114
プラスチックマグネット
•
•
ナイロン、PPS等をバインダーとする、高信頼性や精密着磁波形の車載
用アクチュエーターやセンサー用射出一体成形ボンド磁石製品
2色成形磁石:モーター/センサー用、精密多極着磁磁石:ロータリーエン
コーダー/リニアエンコーダー用(最小着磁ピッチ80μm)
10極ヨークBコンター/ベクトル
ロータリーエンコーダ用磁石
精密多極着磁磁石
分解能0.001°で着磁制御
最小着磁ピッチ80μm
ステッピングモーター用2色成形磁石
外形公差±0.015、フレ0.05以下(外径φ8)
同一金型内成形
10極磁石Bコンター
/分布ベクトル
(提供資料及び取材より) 115
ポーライト
•
•
•
•
•
•
1952年設立、埼玉県さいたま市
資本金9000万円(グループ約60億円)、従業員440名(グループ3800名)
売り上げ(グループ)約80億円
生産拠点:本社工場、熊谷第一/第二工場、台湾(2工場)マレーシア、シンガポー
ル、中国(3工場)米国
主要客先:ミツバ、アスモ他
主要製品:粉末冶金(含油軸受、機械部品)
(提供資料及び取材による) 116
含浸軸受とMIM
•
•
•
•
含浸軸受(世界トップシェア):多孔質の焼結部品に潤滑油を含浸させた自己給
油軸受、シャフト回転のポンプ作用と発熱で軸受内部から摺動面に潤滑油が滲
み出し油膜を形成、シャフト回転が止まると多孔質の毛細管力で油が内部に吸
収される
モーター軸受等に用いられ、HV用バッテリー冷却ファン用軸受は、使用範囲−5
0°〜120°、3000rpm、長寿命15年30万km、低騒音
MIM(Metal Injection Molding)金属粉末射出成形:金属粉末とバインダー(樹脂
+ワックス等)をコンパウンドし射出成形、脱脂、焼結(体積収縮率40%)し必要
に応じて加工
三次元複雑形状が可能で高密度(7.6g/㎠)
焼結製品(左)
MIM製品(右)
(提供資料及び取材による) 117
アクチュエーターワイヤー
•
•
•
•
•
•
SAES®ゲッターズGr.(伊)で開発された形状記憶合金(SMA)を用いたアクチュエー
ター技術(形状記憶、超弾性特性標準AS−25℃〜120℃)
通電(加熱)によって数ミリ単位の直線運動や僅かな作動角度の機械的作動に
使用、モーターやソレノイド代替え技術Smart Flex®アクチュエーター
製品種類:ワイヤーφ25μm〜5mm、帯状25μm〜0.76mm、薄膜20μm、バネ
アクチュエーターワイヤーφ500μm以下の特性:最大ストローク5.5%、疲労サ
イクル2万回以上/150MPa3.5%ストローク時、変態温度AS90℃以上/200
MPa負荷時
シンプルな構造でコンパクト、柔軟、軽量、高推力、ノイズレス、電磁干渉(EMI)
発生なしで低コスト化
ドイツ車のランバーサポート機構に採用、その他エアコン用センサーアクチュエー
ター、減衰及び振動抑制装置、歯列矯正、手術道具他に使用
シートラン
バーサ
ポート構
造とバル
ブ機構
アクチュエーター用 NiTi形状記憶合金線材
ムービングカメラ駆動アクチュエーター(右)
ボオーデンケーブル型サンプル(下)
ワイヤーの伸
び縮みでバル
ブ上下駆動
(軽量化技術展取材及びパンフレットより) 118
タイヤ路面情報通信システム
•
•
•
•
ブリヂストン「CAIS」(Contact Area Information Sensing)タイヤトレッド内に
装着した加速度センサーでトレッドの振動を検出し車載解析装置へ無線
で情報伝達、グリップ力の低下等から滑り易さ等のタイヤ踏面部の挙動
変化を解析
7つの路面状態(乾燥、半湿、湿潤、シャーベット、積雪、圧雪、凍結)を
判別し、車内ディスプレイに表示し通信ネットワークで他車や道路管理事
業者と情報共有
夜間等の路面状態把握やタイヤの摩耗状態管理に有効
システムはタイヤ内に装着された独自の発電装置(振り子式)により駆動
「CAIS」加速度センサー
測定システムとディスプレイ表示
(BSホームページ広報資料、Cliccar.comより)119
イデアルスター
•
•
•
•
•
2002年創業、宮城県仙台市
資本金1000万円、従業員11名
売り上げ:1億円
主要取引先:輸送用機器メーカー、鉄道事業関連メーカー
主要事業:有機圧電デバイス、有機太陽電池、有機エレクトロニク
スの研究開発と素材提供
• 主要技術;高分子圧電材料開発、低エネルギー塗布プロセス有機
太陽電池の開発
高分子圧電材料
有機太陽電池
(提供資料及び取材による)
120
高分子圧電材料
•
•
•
開発材料:フッ素系樹脂ポリマー単結晶で圧縮による電気歪み発電
(PVDF/TrFE)粉末(塗布)及びフィルム(厚さ50μm)素材
フレキシブル性と伸縮性(10%伸縮、破断歪み50%)耐久性(100万回
以上/歪み量1%時)高温耐熱性150℃、厚み圧電特性Kt0.28(電気機
械結合特性)
用途例:タイヤのトレッド内面に貼付け、接地面の縮み伸び歪みによる発
電(50km/hで100km走行時約0.5㎜Wh)や医療診断センサー
フィルム加工品
印刷電極付(ポリエステルを
含む銀ペースト)圧電フィルム
タイヤ実装テスト品
蓄電量12.7μC/回転
(提供資料及び取材、日経産業新聞記事による) 121
松村鋼機
•
•
•
•
1965年設立、神奈川県綾瀬市
資本金7000万円、従業員34名
売り上げ5億5千万円
主要製品:スパイラルリテイニングリング(止め
輪)、スクロウエイブスプリング等
• 生産設備:冷間コイル成形機16台、プレス機4
台、熱処理炉3基他試験機
• 主要取引先:三菱重工業、GKNドイブラインジャ
パン、NOK、THK、NTN、東芝機械他
(ホームページ、パンフレット及び取材より作成)122
スクロウエイブスプリング
•
•
スクロウエイブスプリング:平板コイリング材料を巻き線機にてコイル状にし、同時
に上下曲げを加えて製造
材料歩留まりがよく、要望にあわせた素材材料(炭素鋼、ステンレス)、寸法、波
数、高さ、巻き数を提供可能(内径φ5〜外径φ500)
製造工程
線材スプリングに対し
高さ1/2、重量1/3
リアビュー車載カメラに内蔵
スプリング成形機
(ホームページ、パンフレット及び取材より作成) 123
その他製品と適用例
•
JIS規格外にも対応するスパイラルリテイニングリング(規格外サイズにも合わせ
て製品を作り、客先にきめ細かい対応を行なう)とハイブリッドスプリング、ダウン
サイジングエンジン化で需要増、ターボチャージャー用生産を2017年4400万
個(2200万個/2014年)に増設増産計画
スパイラル
リテイニン
グリング
JIS規格
止め輪
スクロウエイブスプ
リングに止め輪機能
を一体化したハイブ
リッドスプリング
成形過程(左)、使用例(右)
(提供資料、日刊自動車新聞記事及び取材より作成) 124
派生製品
• 文具への展開商品「WAVE CLIP」
製品のデザイン魅力を活かし
て商品化
テレビ取材等で紹介される
(広報ホームページより作成)
125
メイホー
•
•
•
•
•
1973年創立、福岡県直方市
資本金4億2950万円、従業員170名
売り上げ21億円
生産拠点:福岡県第2工場、第3工場
主要製品:ブロー成形金型、射出成形金型、精密プレス金型、樹
脂成形、射出成形機
• 主要客先:東芝、新電元グループ、ジェイデバイス、オムロン、豊
田合成、アイシン精機他
触角センサー(上)
光通信(下左)
車載用(下右)コネクター
ブロー成形金型(左上)
半導体製造金型(左下)
射出成形金型(上)
(パンフレット、ホームページ及び取材による) 126
超小型射出成形機
• 小物部品の生産、試作開発用途超小型射出成
形機、電源とエアー供給で稼動する卓上型設置
成形機(Microシリーズ1〜2トン)
Micro-1(A4サイズ)
1トン、200×317×450(高さ)
熱可塑性樹脂用
モーター、エアー駆動、3速2圧
(パンフレット、ホームページ及び取材による) 127
東洋樹脂
•
•
•
•
•
•
1961年設立、埼玉県坂戸市
資本金9700万円、従業員55名
売り上げ約9億円
生産拠点:埼玉工場、八海山工場、中国蘇州、タイバンコク
主要製品:半導体関連部品パッケージ、電子部品関連トレイ、サーモスタットケー
スカバー、カーナビケース他
主要客先:ルネサスエレクトロニクス、日立ハイテクノロジーズ、KISCO、信越ポリ
マー、第一電装、スリーエムジャパン、アルプス電気、ミネベア他
(パンフレット、ホームページ及び取材より)
128
電子電気デバイス部品製造トレイ
•
•
•
•
導電性、耐熱性を満足するJEDEC規格(Joint Electron Device Engineering Council)
電子部品の標準化を推進する米国業界団体規格、JEITA規格(Japan Electronics
and Information Technology Industries Association)社団法人電子情報技術産業
協会提案規格に合わせたトレイの設計制作(IEC国際規格に提案中)
カーボンブラック・カーボンファイバー・セラミックファイバー等を含有して導電性を
付与したPS、PP、ABS、PPS、PES、PEEK等
低発塵性はカーボンブラックや界面活性剤を使用せずトレイからの発塵を防止
ウエハーチップ、プリズム、レンズ等のクリーンルーム(クラス100レベル)で純水
超音波洗浄やスクラバー純水洗浄しクリーンパックで納入
部品トレイ
左:パワーIC基板熱処理、洗浄用
(200℃耐熱、対薬品用)
右:プレス部品メッキ検査、組立搬送用
(自動組立対応精密寸法精度)
チップトレイ
左:画像センサー用
(ガラス、レンズ等の検査、搬送使用可能低発塵性)
右:高周波トランジスター検査、搬送用
(金メッキ端子の静電保護)
(提供資料、パンフレット、ホームページ及び取材より)129
中小企業の研究開発事例
ロボット技術
海外進出
130
FANUC「ロボット技術」
•
1956年日本で民間初のNCとサーボ機構の開発に成功し世界標準CNCシステム制御サーボは
世界シェア65%(国内75%)、サーボモーター12.5万台/月、他ロボットや加工設備等を展開
1、ZDT(ゼロダウンタイム)壊れる前に知らせる保守診断機能
• 機構部状態(減速診断、モータートルク、サーボアラーム記録)プロセス状態(稼動やサーボガン、
ビジョン検出)システム状態(エラー、メモリ使用、CPUネットワーク負荷)の監視、保守時期(グリス
やバッテリー交換、バランサブッシュ給油)の通知をサーバで集中管理
• 減速機の故障予知、スポット溶接の加圧力、チップ摩耗監視、アーク溶接の電流電圧監視、グリ
スやバッテリー交換時期のリアルタイムに事前通知などの予防保全機能
2、学習ロボット
• 振動を制御する技術により滑らかな高速動作を実現し約10〜12%サイクルタイムを向上
3、協働ロボット(国際規格ISO10218-1適合安全認証取得、JIS B8433-1同等)
• 安全機能により人に触れる(約10kg程度)と安全に停止して戻ったり、安全ラインを認識して作業
者が入ると停止することで安全柵を必要としない為に作業者と一緒に作業可能
緑のソフト
カバーで覆
われた協働
ロボット
加速度センサー
付きスポット溶
接学習ロボット
(FANUCホームページ、カタログ、取材による) 131
安川電機多関節ロボット
•
•
•
•
1915年設立、ACサーボ、インバータ世界シェア1位、1977年国内初全電気式
ロボット開発
2006年人の腕と同様な自在な動きと姿勢を可能にする7軸垂直多関節ロボット
「MOTOMAN-SIA」シリーズ発売
従来の6軸タイプに比べアーム幅2/3スリム化、設置面積15%削減し狭い隙間
作業可能、繰り返し位置決め精度±0.1mm
超小形中空アクチュエータ(ギヤ等も内蔵)加速特性約5倍
7軸ロボット
6軸ロボット
3台並列配置W/B溶接ロボット
狭い箇所の作業も可能
内蔵中空アクチュエータ
ロボット
自動組
み立てラ
イン
(安川電機広報資料、ホームページ及び取材による) 132
昭芝製作所
積極的な海外進出と拡販施策
• 1946年創業、資本金8000万円、グループ売り上げ86億円(海外比率3
0%)、従業員国内180名海外420名
• エアバッグケース、シートフレーム等の板金加工
• 主要客先:タチエス、オートリブ、マーレフィルターシステム、タカタ、カルソニック
カンセイ、日本プラスト他
• 国内生産拠点:茨城工場(シートフレーム)、下館工場(エアバッグ部品)九州昭
芝(自動車部品)
• 海外生産拠点:フィリッピン(自動車部品他板金プレス加工)中国広東省(エア
バッグ部品プレス、溶接)中国江蘇省(エアバッグ、シート部品、プレス、溶接)メ
キシコ(シート、シートベルト部品、プレス、溶接)
(昭芝製作所提供資料による) 133
ビジネスモデルの変遷
•
得意先の国内外比率が3対7となり、国内事業のみでは売り上げ減少となる為、
海外展開によりグループ売り上げの維持、拡大をはかり、海外展開による企業の
成長へビジネスモデルの変遷と、リーマンショック後開発力強化
海外駐在人材育成
①計画的海外出張による経験②国内外業務の担当③
集中的な語学研修
成長期
創業期
1946〜1969年
金属プレス加工
•
•
•
•
•
•
成熟期
2010年〜
1970〜2009年
量産ビジネスから
開発へ
プレス依存からの
脱却
提案型ビジネスと
海外展開再構築
機能部品専門メー
カーへ
•
2012年メキシコ進出
1994年フィリッピン進出
2004年中国広東省進出
2009年中国江蘇省進出
2006〜2008年サポイン支援事業「高張力鋼板によるプレス加工法構築支援システムの開発」
2009〜2011年サポイン支援事業「革新的デジタルプレス加工技術による精密厚鋼板成型システムの開発」
2009年第3回「ものづくり日本大賞」受賞
(昭芝製作所提供資料による) 134
海外ビジネスの拡大
<進出理由>
• フィリッピン:急激な円高対応(政治的安定とキリスト教、英語、国民性で決定)、創業4年単年黒
字
• 中国:客先要望、広東省(日本プラスト)創業3年単年黒字、江蘇省(タカタ)創業4年単年黒字
• メキシコ:北中米進出日系部品メーカーヒアリングで、巨大市場+ポスト中国の位置づけ
<拡販施策>
• ①既存取引先拠点への拡大②同一製品Tier1企業へアプローチ③現地日系企業への売り込み
昭芝フィリピーナ
2.4億円
原田工業、テク
ノ高槻他
中山三大精密
14億円
日本プラスト、山下
ゴム他
昭芝汽車部件
7.7億円
タカタ,タチエス他
昭芝メヒカーナ
富士機工/タチエス、芦森他
(昭芝製作所提供資料による)
135
中小企業の研究開発事例
まとめ
136
技術創出の時代
技術競争の激化
異業種技術
の取り込み
新素材の研
究
新素材活用
への挑戦
技術の緻密
化
精密解析技
術の導入
革新技
術の創
出
異分野技術
との融合
エレクトロニ
クス化への
取り組み
電装開発力
の強化
加工設備の
進化
革新生産技術
による加工改革
137
技術革新の波
•
•
•
新素材や複合素材
不可能を可能にするエレクトロニクス化や生産技術の革新
桁違い精度製品や解析技術の進化
新素材開発
異材接合
エレクトロニクス化
技術の複合化
レーザー技術の応
用
多能工設備
知能ロボット化
解析技術向上
μ/nmレベル技術
新工法開発
138
提案型開発活動への取り組み
自社のコア技術を活かし、技術、品質、コストなどに、競合
メーカーに負けない、より競争力のある提案型開発活動
が必要
<技術の競争力明確化>
環境、安全、
通信技術
完成車
メーカー
Tier1
メーカー
エレクトロニ
クス化シス
テム開発
Tier2メーカー
①小型軽量化
焼結、鋳鍛造、プレス、高精度インジェク
ション、薄肉技術
②品質
耐久信頼性技術、品質保証力
③特殊、高精度技術
特殊材料加工、表面処理、熱処理、一体
成形、複合集積技術、精密金型技術
④コスト
製法革新、材料置換、一体化、新規構造
⑤新技術
新素材、新加工法(3D積層、レーザー)、
微細化(μ、nm)
139
自動車産業の最新技術動向と
中小企業の研究開発事例
ご清聴ありがとうございました
140