TM 2022 年 FIFA ワールドカップ 日本招致委員会 2022 年 FIFA ワールドカップ 日本招致委員会 TM 2022 年 FIFA ワールドカップ 招致活動報告書 2022 年 FIFA ワールドカップ 招致活動報告書 TM TM 2022 2022 年 FIFA 年 FIFA ワールドカップ ワールドカップ TM 招致活動報告書 招致活動報告書 TM TM 2022 年2022 FIFA年 ワールドカップ FIFA ワールドカップ 日本招致委員会 日本招致委員会 TM 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 2022 年 FIFA ワールドカップ 招致活動報告書 資料集 TM 1 320 第 1 部 招致活動記録 目次 はじめに 2022 年 FIFA ワールドカップTMの開催国は、昨年 12 月 2 日の国際サッカー連盟(FIFA)の理事会 において、カタールに決定しました。カタールサッカー協会には心から祝福を送るとともに、大会 の成功をお祈りいたします。 約 2 年間にわたる日本の招致活動に際しては、実に多くの方々のご支援を賜りました。 菅首相をはじめ政府関係の皆様、国会の招致推進議員連盟の皆様、開催都市及びチームベースキャ ンプとして立候補いただいた自治体の皆様、経済界、学術界、スポーツ界の皆様、そして、最後ま であきらめることなく招致活動を応援してくださったサッカーファミリーをはじめとする多くの国 民の皆様に、心より感謝申し上げます。 今回の招致活動を顧みますと、2018 年は東欧のロシアに、2022 年は中東のカタールに決定した ように、これまでに開催したことのない新しい地域で開催することにより、サッカーを全世界に広 めていくことを FIFA 理事会が選択したことになります。 また、いずれの国においてもサッカー協会のみならず、国と一体となった招致活動を展開してい たことが強く印象に残っており、日本としても今後の活動に向けて、示唆に富んだ貴重な経験とな りました。 日本サッカー協会は、 「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達 と社会の発展に貢献する」ことを理念としています。サッカーファミリーの裾野を広げてゆくため にも、FIFA ワールドカップTMの日本開催は達成すべき目標です。 今後とも、FIFA ワールドカップTMの日本開催を熱望するサッカーファミリー、及び多くの国民の 皆様の期待に応えるためにも、チャンスがある限り、引き続きチャレンジしてまいります。 本書「2022 年 FIFA ワールドカップTM招致活動報告書」は、今回の招致活動を詳細に記録すると ともに、招致活動全体を総括し、今後の日本サッカー界に向けての提言を行っております。それは、 今回の招致活動を通じて得られた経験と教訓を、将来に向けての貴重な財産として、次代に伝える ものであります。 本書によって、2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致、及び日本サッカー界への皆様の理解が 一層深められることができれば、これにまさる喜びはありません。 併せて、今後とも日本サッカー協会及び日本サッカー界へのご支援を賜ります様、心からお願い 申し上げます。 2011 年 3 月 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 委員長 財団法人 日本サッカー協会 会長 小倉 純二 目次 目次 2022年FIFAワールドカップTM招致活動報告書 目次 本報告書は、第 1 部「招致活動記録」 、第 2 部「招致実行本部の活動」 、第 3 部「招 致活動の総括と提言」及び資料集により構成されている。 第 1 部「招致活動記録」は、時系列に沿って招致活動の大きな流れを捉え、招致プ ロセスにおける重要な行事及び事項について記述している。 第 2 部「招致実行本部の活動」は、招致活動の実務を推進した招致実行本部の業務 分掌に従い、各業務部門が実施した業務の詳細について記述している。 第 3 部「招致活動の総括と提言」は、招致活動全体を総括するとともに、今後のわ が国サッカー界及びスポーツ界全般に対する提言を行っている。 資料集には、招致活動に関連する資料及びデータをまとめた。 第1部 招致活動記録 / 11 第1章 日本招致に向けての意思決定 / 13 1.1 JFA2005年宣言 / 13 1.2 FIFAワールドカップ招致検討委員会の設置 / 15 1.3 FIFAワールドカップTM招致プロセス / 17 1.4 2018/2022年FIFAワールドカップTM開催条件 / 18 1.5 2018/2022年FIFAワールドカップTM招致の概要 / 20 1.5.1 大陸ローテーション方式廃止の背景 / 20 1.5.2 2018/2022年FIFAワールドカップTM招致立候補国 / 20 1.5.3 2018/2022年FIFAワールドカップTM開催国の決定方法 / 20 第2章 招致に向けての準備・プランニング / 23 2.1 FIFAワールドカップ招致本部の設置 / 23 2.2 招致に向けての準備・プランニング / 24 2.2.1 国際関連業務 / 24 2.2.2 政府関連業務 / 26 2.2.3 事業関連業務 / 26 2.2.4 広報関連業務 / 26 第3章 日本招致委員会の設立 / 27 3.1 2018/2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会の設立 / 27 3.1.1 招致委員会設立の経緯 / 27 3.1.2 「一般財団法人 2018/2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会」の設立 / 27 3.1.3 招致委員会の組織体制 / 28 3.1.4 招致委員会実行本部の発足 / 28 3.2 日本招致委員会設立記者発表 / 30 第4章 開催候補都市の募集と閣議了解 / 39 4.1 開催候補都市の募集 / 39 4.1.1 「開催地自治体」・「チームベースキャンプ」の正式募集 / 39 目次 目次 4.1.2 自治体による正式申請書の提出 / 41 4.2 閣議了解 / 43 4.2.1 関係副大臣・政務官会議の開催 / 44 4.2.2 「招致契約書」の提出 / 44 4.3 招致PRイベント“メディア・エクスポ”への出展 / 45 第5章 2018/2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会の開催 / 47 5.1 第1回2018/2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会/ 招致連絡協議会の開催 / 47 5.2 第2回2018/2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会/ 招致連絡協議会の開催 / 49 5.2.1 2022年大会招致への絞込み / 50 5.2.2 FIFAブラッター会長表敬訪問 / 50 5.3 第3回2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会/招致連絡協議会の開催 / 51 9.1.1 FIFA評価レポート要約版 / 99 9.1.2 FIFA評価レポート完全版 / 102 9.1.3 日本に対する評価結果 / 103 9.2 FIFA理事不正疑惑問題 / 106 第10章 最終プレゼンテーション / 109 10.1 最終プレゼンテーション概要 / 109 10.2 最終プレゼンテーションの実施 / 112 10.3 最終プレゼンテーション対応 / 124 第11章 開催国の決定 / 127 11.1 開催国決定投票 / 127 11.2 開催国決定投票結果 / 128 11.3 開催国決定記者ブリーフィングの開催 / 130 第6章 「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 / 53 6.1 「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 / 53 6.2 「招致ブック」の仕様及び構成 / 54 6.3 大会構想と提案スタジアム / 56 6.3.1 2022年FIFAワールドカップTM日本大会構想 / 56 6.3.2 提案スタジアム・チームベースキャンプ / 58 6.4 「招致ブック」提出後記者説明会の開催 / 60 第7章 FIFAワールドカップ 南アフリカ大会の開催 / 61 TM 7.1 招致国エキシビションへの出展 / 61 7.2 オブザーバーズ・プログラム等への参加 / 62 7.2.1 オブザーバーズ・プログラム / 62 7.2.2 インターナショナルFIFAファンフェスト(IFFF)視察 / 64 7.3 FIFAワールドカップTM南アフリカ大会におけるロビー活動 / 66 第8章 FIFAインスペクション / 67 8.1 FIFAインスペクション概要 / 67 8.1.1 FIFAインスペクション各招致国訪問日程 / 68 8.1.2 FIFAインスペクションチーム・メンバー / 68 8.2 FIFAインスペクションの実施 / 69 8.2.1 FIFAインスペクション日本訪問スケジュール / 69 8.2.2 Day0(7月19日(月・祝)) / 71 8.2.3 Day1(7月20日(火)) / 72 8.2.4 Day2(7月21日(水)) / 83 8.2.5 Day3(7月22日(木)) / 87 8.3 FIFAインスペクション対応 / 93 8.3.1 政府への協力要請 / 93 8.3.2 開催地自治体の協力 / 94 8.3.3 インスペクションにおける運営体制 / 95 第9章 FIFA評価レポートの公開とFIFA理事不正疑惑問題 / 99 9.1 FIFA評価レポートの公開(要約版・完全版) / 99 第2部 招致実行本部の活動 / 133 第1章 招致実行本部の設置 / 135 1.1 本部業務 / 135 第2章 国際部門 / 137 2.1 ロビー活動体制 / 137 2.2 ロビー活動戦略 / 138 2.3 ロビー活動実績 / 140 第3章 コミュニケーション部門 / 145 3.1 招致プランニング / 146 3.1.1 大会理念・コンセプト、招致マークの策定 / 146 3.1.2 ヒューマニティ&テクノロジー部会の設置・運営 / 148 3.1.3 大会構想の策定 / 148 3.2 「招致ブック」の制作 / 151 3.2.1 「招致ブック」の制作 / 151 3.2.2 招致映像の制作 / 153 3.3 プロモーション対応 / 154 3.3.1 プロモーションメディアの開発 / 154 3.3.2 招致アンバサダー対応 / 158 3.3.3 国内PRイベントの実施 / 161 3.4 広報報道対応 / 168 3.4.1 広報対応 / 168 3.4.2 報道対応【国内】 / 169 3.4.3 海外広報活動 / 169 3.4.4 報道掲載実績 / 170 第4章 政府/自治体対応部門 / 171 目次 目次 4.1 政府対応 / 172 4.1.1 関係各省庁との連携 / 172 4.1.2 閣議了解 / 173 4.1.3 政府保証 / 173 4.1.4 「招致ブック」の作成支援 / 174 4.1.5 FIFAインスペクションへの協力要請 / 174 4.1.6 最終プレゼンテーションへの参加 / 174 4.2 2022年FIFAワールドカップ招致推進議員連盟 / 175 4.2.1 招致推進議員連盟の設立 / 175 4.2.2 招致国会決議 / 176 4.3 自治体対応 / 177 4.3.1 開催地自治体、チームベースキャンプの募集 / 177 4.3.2 招致契約書類の集約 / 178 4.3.3 「招致ブック」制作及びFIFAインスペクションへの自治体の支援 / 178 4.3.4 開催地自治体の招致活動(プロモーションイベント) / 178 第5章 事業部門 / 179 5.1 招致パートナーセールス / 179 5.2 ノベルティの制作・管理・販売 / 182 第6章 招致活動収支 / 185 第3部 招致活動の総括と提言 / 187 第1章 ワールドカップ招致活動の意義 / 189 1.1 「JFA2005年宣言」達成に向けた招致活動への取組み / 189 1.2 招致活動を通じた日本サッカーの発展への貢献 / 189 第2章 ワールドカップ招致活動の総括 / 191 2.1 戦略総括 / 191 2.1.1 得票に向けての戦略 / 191 2.1.2 限られた資源と効果の最大化 / 192 2.2 結果分析 / 193 2.2.1 FIFA及びFIFA理事の志向性 / 193 2.2.2 国際ロビー戦略における課題 / 194 2.2.3 招致活動予算の配分 / 194 2.3 活動成果 / 195 2.3.1 国際サッカーネットワークの強化・構築 / 195 2.3.2 国内スポーツネットワークの強化・構築 / 196 2.3.3 スタジアム等最新国際基準の普及 / 196 2.3.4 政府/自治体との連携強化 / 196 2.3.5 財界/学術界との連携強化 / 197 2.3.6 メディアとの関係構築 / 197 2.3.7 広報活動のプロモーション効果(国内/海外) / 198 2.3.8 ホスピタリティ業界との連携強化 / 199 2.3.9 将来を見据えた人材育成 / 199 第3章 ワールドカップ招致への提言 / 201 3.1 招致立候補に至る条件 / 201 3.1.1 FIFAにとっての高い需要 / 201 3.1.2 国全体にとってのワールドカップ開催の必要性 / 201 3.1.3 得票を確保するための国際ネットワーク / 201 3.1.4 招致活動を通じて得られるメリット / 202 3.2 条件整備のための準備 / 202 3.2.1 FIFAに対する影響力の確保 / 202 3.2.2 FIFAワールドカップTM開催に対する国全体を挙げた支援の獲得 / 202 3.2.3 招致活動資金の調達 / 204 第4章 日本サッカー界への提言 / 205 4.1 「JFA2005年宣言」の意義 / 205 4.2 ワールドカップ開催意義の再検証 / 205 4.3 国際戦略への提言 / 206 4.4 サッカー界の発展に向けて / 206 資料集 / 207 1.用語集 / 209 2.招致活動年表 / 214 3.開催地自治体・スタジアム、チームベースキャンプ自治体・トレーニングサイト / 220 3.1 開催地自治体・スタジアム / 220 3.2 チームベースキャンプ自治体・トレーニングサイト / 220 4.2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会 組織体制 / 222 4.1 招致委員会 組織体制 / 222 4.2 招致委員会実行本部 組織体制 / 223 5.日本招致委員会関係名簿 / 224 5.1 2018/2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会 名簿 / 224 5.2 2018/2022年FIFAワールドカップTM招致連絡協議会 名簿 / 225 5.3 ヒューマニティ&テクノロジー部会、及び協力者 名簿 / 225 5.4 招致アンバサダー 名簿 / 226 5.5 オフィシャル招致パートナー 名簿 / 227 6.2018/2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会 定款 / 228 7.2022年FIFAワールドカップ招致推進議員連盟 名簿 / 237 8.2022年大会招致立候補国「招致ブック」分析 / 240 9.最終プレゼンテーションスピーチ全文 / 244 10.2022年 FIFAワールドカップTM招致評価レポート / 256 10.1 FIFA評価レポート:日本(和訳)/ 256 10.2 FIFA評価レポート:2018/2022年大会招致立候補国比較 / 281 11.広報・報道関係資料 / 282 11.1 メディアリリース実績 / 282 11.2 招致関連テレビ報道時間調査 / 284 12.招致PR用制作物一覧 / 296 13.FIFA理事会メンバー / 300 14. FIFA理事関連受発信文書 / 301 第 1 部 招致活動記録 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 1 部 招致活動記録 10 11 目次 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 1.1 JFA2005 年宣言 そして大会後、FIFA からは「笑顔のワールドカッ プ(World Cup of Smiles) 」との、最大級の賛辞が与 えられた。 2005 年元日、財団法人 日本サッカー協会(以下 その 2002 年大会から 16 年後ないしは 20 年後と 「JFA」という)は、2050 年までの日本サッカー界 なる、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTMの日本招 の中長期的な指針として、「JFA2005 年宣言 」 を発 致は、FIFA ワールドカップTM の単独開催を目指す 表した。 JFA にとって、自然な選択であり、必然的な決断で 「JFA2005 年宣言 」 は、 「DREAM ~夢があるから もあった。 強くなる~」というスローガンのもと、JFA の理 それは同時に、 「サッカーを通じて豊かなスポー 念及びビジョンを宣言するとともに、 「JFA の約束 ツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会 2015」 、 「JFA の約束 2050」を掲げ、中長期における の発展に貢献する。 」という、JFA の理念とも合致 具体的な到達目標を明らかにしている。 するものであった。 特に、「JFAの約束2050」では、 「2050 年までに、すべての人々と喜びを分かち合 うために、ふたつの目標を達成する。 」 とし、 「FIFA ワールドカップを日本で開催し、日本代表 チームがその大会で優勝チームとなる」 ことを掲げている。 すなわち、この時点で既に、JFAとしての将来に おけるFIFAワールドカップTM招致の意思決定は確認 されていたと言える。 2002 年 6 月、 韓国と共同開催した 2002 年 FIFA ワー ルドカップTMは、人々に大きな感動を与えるととも に、サッカーの持つ根源的な素晴らしさを伝える ことができた。海外の多くのメディアが、連日大 会の熱狂を伝えるとともに、日本の大会運営能力 の高さ、ボランティア・サポーターをはじめとす る日本人が、国のわけ隔てなくフレンドリーに交 流する姿をこぞって報道した。 12 2002 年大会では、スタジアムや街のあちらこちらで海外の サポーターたちとの交流が図られた。 13 第 1 部 招致活動記録 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 1.2 FIFAワールドカップ招致検 討委員会の設置 JFA2005 年宣言 2007 年 11 月 8 日、JFA 理事会において、FIFA ワー ルドカップ招致検討委員会(委員長:小倉純二 JFA 副会長)の設置が決定した。 招致時期及び招致戦略について検討することを目 的とするものであった。すなわち、FIFA ワールド カップTM日本招致を、JFA として直ちに機関決定す ることを意味するものではなかった。 しかし、FIFA 理事会の決定を踏まえ、最短では 2018 年大会の招致も視野に入れ、日本招致の可能 性について検討が行われることとなった。 この決定に先立つ同年 10 月 29・30 日、スイス・ チューリヒで開催された国際サッカー連盟(以下 第1回 FIFA ワールドカップ招致検討委員会は、 「FIFA」という)理事会は、従来から採用してきた 2007 年 12 月 20 日 JFA ハウスにおいて開催された。 FIFA ワールドカップ ホスト国の大陸ローテーショ 冒頭、委員長の小倉純二 JFA 副会長から、委員会設 ン方式の廃止を決定。併せて、直近の 2 大会のホ 置の趣旨及び目的について説明があり、その後、 スト協会が所属する大陸連盟は、次回大会に立候 各委員による活発な議論が展開された。 TM 補できないこととし、それ以外の全地域からの立 候補を認めることを決定した。 こうして、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日 本招致に向けて、活動の第一歩が踏み出された。 この新たなルールに従えば、 「JFA2005 年宣言」 FIFA ワールドカップ招致検討委員会は、その後 に掲げる目標の 2050 年までに、日本で FIFA ワール 2009 年 5 月まで 4 回にわたり開催された。FIFA ワー ドカップ を開催する機会は最大でも 3 回しかな ルドカップTM日本招致に向けて、FIFA をはじめ海外 い。 「JFA の約束 2050」を実現するためのチャンス 及び国内の様々な条件、状況を分析するとともに、 は、決して多くは残されていないことになる。 大会理念・コンセプトの検討が行われた。 TM JFA 内に FIFA ワールドカップ招致検討委員会が 設置されたものの、同委員会は、あくまで今後の FIFA ワールドカップ招致検討委員会開催実績 開催回 14 開催年月日 第1回 2007 年 12 月 20 日 第2回 2009 年 2 月 18 日 第3回 2009 年 4 月 16 日 第4回 2009 年 5 月 25 日 議事内容 1. 2018 年以降のワールドカップ開催国について 2. 2010 年南アフリカ大会について 3. 今後の活動について 1. 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ開催国決定手順について 2. 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ開催希望国について 3. FIFA ワールドカップ開催基準について 4. 今後の活動について 1. FIFA ワールドカップ招致をとりまく状況について 2. 招致活動進捗について 3. 大会理念・コンセプトについて 4. 招致活動組織について 5. 今後の活動について 1. 招致活動進捗について 2. 招致契約書・開催契約書について 3. 大会理念・コンセプトについて 4. 招致活動組織について 5. 今後の活動について 15 第 1 部 招致活動記録 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 FIFA ワールドカップ招致検討委員会メンバー(敬称略、所属・肩書きは当時 2009 年 5 月 22 日現在) 役 職 委員長 委 員 幹 事 招致本部 オブザーバー 氏 名 小倉 純二 北澤 豪 濱口 博行 日比野 克彦 森 健良 山本 浩 田嶋 幸三 羽生 英之 真田 幸明 渡辺 真人 貝瀬 智洋 川瀬 みどり 五香 純典 平井 徹 鈴木 康恵 大西 貴子 林 信貴 永松 繁隆 丸山 市郎 加賀山 公 松田 薫二 奥田 泰久 志水 かず美 所 属 財団法人 日本サッカー協会 副会長・ FIFA 理事 財団法人 日本サッカー協会 理事 財団法人 日本サッカー協会 国際委員(株式会社 電通) 東京藝術大学 外務省 総合外交政策局 総務課長 法政大学 財団法人 日本サッカー協会 専務理事 社団法人 日本プロサッカーリーグ 事務局長 財団法人 日本サッカー協会 総務部長 財団法人 日本サッカー協会 代表チーム部長 財団法人 日本サッカー協会 国際部係長・WC 招致本部 財団法人 日本サッカー協会 事業部 財団法人 日本サッカー協会 PHQ / WC 招致本部 財団法人 日本サッカー協会 代表チーム部係長 / WC 招致本部 財団法人 日本サッカー協会 WC 招致本部 財団法人 日本サッカー協会 WC 招致本部 財団法人 日本サッカー協会 WC 招致本部(株式会社 電通) 財団法人 日本サッカー協会 WC 招致本部(株式会社 電通) 外務省 広報文化交流部 人物交流室長 財団法人 日本サッカー協会 事業部長 財団法人 日本サッカー協会 広報部長 財団法人 日本サッカー協会 総務部長代理 財団法人 日本サッカー協会 総務部係長 単独 2 カ国(イングランド、ロシア) 1.3 FIFAワールドカップTM招致プ ロセス ・北中米カリブ海連盟:2 カ国(アメリカ合衆国、 2009 年 1 月 22 日、 JFA は FIFA に FIFA ワールドカッ 合計 11 の国及びグループが立候補の意思を表明 プ の「招致意思表明フォーム」を提出した。 「招 TM メキシコ) した。 致意思表明フォーム」は、FIFA がワールドカップ 次いで同年 3 月 16 日には、2018/2022 年 FIFA ワー 招致に関心を寄せる各国協会に対し、招致意志の ルドカップTM及び 2017/2021 年 FIFA コンフェデレー 確認を行うため所定の書式による書類の提出を求 ションズカップの「招致登録書」を FIFA に提出し めるものである。 た。 「招致登録書」は、FIFA に対し招致プロセスに 同年 2 月 2 日に提出が締め切られた時点で、 2018/2022 年の 2 大会合わせて、 ・アジア連盟:5 カ国(日本、オーストラリア、 韓国、カタール、インドネシア) ・欧州連盟:共催 2 グループ(スペイン / ポルト ガル、オランダ / ベルギー) 参加するための手続き及びルールに同意するもの である。 以上のように、FIFA ワールドカップTMの立候補に 際しては、FIFA により様々な招致プロセスが設け られている。これらの各プロセスを経て、最終的 に 2010 年 12 月 2 日の FIFA 理事会において開催国 が決定されることとなる。 FIFA ワールドカップ 招致プロセススケジュール TM 日 程 2009 年 2 月 3 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 2010 年 3 月 5 月 6 月 7 月 10 月 11 月 11 月 12 月 招致プロセス 国際大会スケジュール 招致意思表明フォーム提出(2 日) 招致登録書提出(16 日) 招致契約書、開催契約書受領 招致委員会形式連絡(15 日) FIFA コンフェデレーションズカップ(南アフリカ) 立候補国対象ワークショップ(9 日、チューリヒ) 立候補国対象個別ワークショップ(24 ∼ 26 日、 チューリヒ) 招致委員会規約 / 内部規則草案提出期限(14 日) 招致委員会設立期限(18 日) FIFA U-20 ワールドカップ(エジプト) 行動基準遵守宣言提出期限(18 日) 組織委員会*規約草案提出期限(30 日) 招致マーク提出・承認締切(30 日) 招致マーク著作権指定合意書締切(30 日) FIFA U-17 ワールドカップ(ナイジェリア) FIFA ビーチサッカー ワールドカップ (アラブ首長国連邦) 招致契約書提出期限(11 日) FIFA クラブワールドカップ(アラブ首長国連邦) 招致委員会設立保証書提出(11 日) 招致委員会登記謄本提出(11 日) 組織委員会*設立期限(11 日) 組織委員会*登記謄本提出期限(31 日) 招致ブック・開催契約書提出期限(14 日) 招致付属文書提出期限(14 日) 確認合意書(組織委員会*)提出期限(14 日) 招致ブック提出セレモニー(14 日、チューリヒ) 招致国エキスポ(28・29 日、ヨハネスブルグ) FIFA ワールドカップTM(南アフリカ) オブザーバーズプログラム(1 日、南アフリカ) FIFA インスペクション(日本、19 ∼ 22 日) FIFA 理事会にて開催国決定投票方式決定(28・29 日、 チューリヒ) 招致評価レポート開示 招致国プレゼンテーション(1・2 日、チューリヒ) 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 開催国決定(2 日、 チューリヒ) * 組織委員会:日本での開催が確定した後、大会の準備・運営の主体となって活動する組織。通常は、開催国としての選定後に、 招致委員会を解散した上で組織委員会が設立されるが、FIFA の規定により、招致段階での設立が求められた。 16 17 第 1 部 招致活動記録 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 1. 4 2018/2022 年 FIFA ワー ルドカップTM 開催条件 ている。 2002 年大会時の「招致契約書類」と比較しても、 その範囲・内容は格段に拡大・細分化されている。 2009 年 5 月には、FIFA から招致契約書、開催契 特に、新たに追加された社会と人の持続的な発展 約書、開催都市契約書、スタジアム契約書、トレー への貢献、環境保護などのテーマからは、FIFA ワー ニングサイト契約書及びホテル契約書などの「招 ルドカップTMの開催が、開催国はもちろんのこと国 致契約書類」が送付されてきた。これらの招致契 際社会に対しても多大なインパクトを持っている 約書類は、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM開催 ことを理解することができる。 におけるあらゆる条件を示したものである。 内容は、大会の形式、スタジアムなどの大会運 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM の開催に際 営インフラはもちろんのこと、政府の保証、財政、 し、FIFA が定めた競技施設にかかる主要条件は、 組織、商業的権利のほか、社会と人の持続的な発 以下の通りである。 展への貢献、環境保護など、極めて多岐にわたっ ■ 開催都市 スタジアム トレーニングサイト 交通輸送 バスおよび列車 ファンフェスト会場提案数 ファンフェスト詳細 ■ スタジアム 提案数 観客数 照明 大型映像装置 電力供給 インフラ要求事項 要求事項詳細 1 以上 4 以上(メイン 1・予備 1・2 チーム分) チームホテルから車で 20 分以内の距離に所在 試合日における無料公共輸送(チケット保有者、ホスピタリティゲスト、FIFA ファンフェスト 観客を対象) 開催都市内での試合終了後に 4 時間以上の運行継続 2 以上 後日提示される「FIFA ファンフェストイベントマニュアル」にて規定 招致契約書類リスト ● 招致契約書 (2018/2022) 付属書類 ・招致ブック情報テンプレート ・開催契約書テンプレート ・招致契約に関する確認契約書テンプレート ・開催契約に関する確認契約書テンプレート ・政府宣言書テンプレート ・政府保証書テンプレート ・開催都市契約書テンプレート ・スタジアム契約書テンプレート ・トレーニングサイト契約書テンプレート ・ホテル契約書テンプレート ・法律意見書テンプレート ● 開催契約書 (2018-2017*) ● 開催契約書 (2022-2021*) *FIFA ワールドカップ及び FIFA コンフェデレーションズカップを含む 2018 年と 2022 年バージョンの内容は同じ(締切日設定のみ異なる) ● 開催都市契約書 ● スタジアム契約書 12 ∼ 18 40,000 席以上(グループマッチ<開幕戦を除く>、ベスト 16、準々決勝、3 位決定戦) 60,000 席以上(準決勝) 80,000 席以上(開幕戦、決勝) 最低 2,000 ルクス以上(バックアップ照明は最低 1,400 ルクス以上) 2 台以上 独立電源を 2 以上 招致プロセスにおける要求事項を「スタジアム契約書」にて規定 開催国決定以降に提示される「スタジアム要件ハンドブック」にて規定 ● トレーニングサイト契約書 ● ホテル契約書 ● 参考資料 : ・2010 年 FIFA ワールドカップ メディアライツ契約書 ・2010 年 FIFA ワールドカップ IT 要求事項 ■ トレーニングサイト 観客席 非公開トレーニング 報道会見室 照明 ■ チームベースキャンプ 提案数 立地条件 宿泊施設 チームホテル使用費用 要求事項詳細 18 500 席以上 可 100 席以上 500 ルクス以上 64 以上 トレーニングサイトからバスで 20 分以内の距離に所在 70 室以上のベッドルーム(チーム専用フロア) 40 名収容のチーム専用会議室 70 名以上収容できるチーム専用の食事会場 各参加加盟協会にて負担 後日 FIFA より提示 19 第 1 部 招致活動記録 1. 5 2018/2022 年 FIFA ワ ー ルドカップ TM招致の概要 1.5.1 大陸ローテーション方式廃止の背景 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 月 14 日に FIFA に提出した「招致ブック」を含む「招 1.5.2 2018/2022年FIFAワールカップ TM 招致立候補国 上記の FIFA 理事会の決定を受け、JFA は、2018 致契約書類」 、及び 2010 年 7 月から 9 月にかけて実 施された FIFA インスペクショングループによる調 査に基づく評価レポートである。 FIFA ワールドカップTM ホスト国の大陸ローテー 年大会及び 2022 年大会のいずれの大会にも立候補 FIFA 理事による投票方法については、2010 年 10 ション方式は、各大陸連盟の国々により公平に開 する方針で臨んだ。これは JFA2005 年宣言に掲げた 月 28・29 日に開催された FIFA 理事会において決定 催のチャンスを与えるため、また過熱する招致活 2050 年までに FIFA ワールドカップTMの単独開催を した。 動を抑制するため、2010 年大会の開催国決定に際 実現するため、限られた機会を逃さず、開催の可 し採用された方式である。 能性を最大にするために取られた戦略であった。 ※開催国決定の投票方法の詳細については、第 1 部第 11 章(p.127)を参照。 特に今回の招致においては、2018 年大会及び 2010 年大会には、アフリカサッカー連盟(CAF) 2022 年大会を同時に決定するため、多くの国が立 に所属する南アフリカ、エジプト、モロッコ、リビ 候補に名乗りを挙げることが予想された。こうし ア / チュニジアの 4 グループ 5 カ国が立候補した。 た状況にあっては、開催国決定に際しどのような 投票前日にリビア / チュニジアが辞退し 3 カ国の争 投票方式が取られるかについては、なお予断を許 いとなったが、最終的に南アフリカに決定した。 さなかった。 2014 年大会は南米サッカー連盟(CONMEBOL) の順番であった。当初、立候補国はブラジルのみ その後、2018 年大会をヨーロッパサッカー連盟 であったが、競争原理が働かないためスタジアム の所属協会に限定したいとする FIFA の意向や、対 等の運営インフラの整備が懸念され、コロンビア 立候補国の動向など様々な情勢を勘案し、2010 年 5 が対立候補として手を上げた。 しかし、 後に辞退し、 月、2022 年大会に絞込んで招致に臨むことを決定 結局無投票でブラジルに決定した。 した。 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致立候補国 大陸連盟 アジア 欧 州 北中米カリブ海 国 名 日本 オーストラリア 韓国 カタール インドネシア イングランド ロシア スペイン / ポルトガル 開催希望年 2018/2022 年 2018/2022 年 2022 年 2022 年 2018/2022 年 2018/2022 年 2018/2022 年 2018/2022 年 オランダ / ベルギー 2018/2022 年 アメリカ合衆国 メキシコ 2018/2022 年 2018/2022 年 備 考 2010 年 5 月、2022 年に一本化 2010 年 6 月、2022 年に一本化 2010 年 3 月、招致活動から撤退 2010 年 10 月、2018 年に一本化 2010 年 10 月、2018 年に一本化 2010 年 10 月、2022 年に一本化 2009 年 9 月、招致活動から撤退 2018 年大会は、当初の予定では北中米カリブ海 サッカー連盟(CONCACAF)が開催権を持ってい 当初の 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致立 たが、実質的候補が米国しかなく、再度、競争原 候補国は、下表に示すとおり両大会合わせて 11 グ 理が働かない点が懸念されるにいたった。 ループ(13 カ国)に上った。その後メキシコ、イ 一方、FIFA 理事の約 3 分の 1 を占めるヨーロッ パサッカー連盟(UEFA)選出の理事たちからは、 3 回に 1 回はヨーロッパでの開催を望む声も上がっ ていた。 ンドネシア両国が招致から撤退し、最終的には 9 グ ループ(11 カ国)の争いとなった。 また、2010 年 9 月には FIFA の調整等もあり、最 終的に 2018 年大会は欧州サッカー連盟に所属する 4 グループ(6 カ国)から、2022 年大会はアジアと こうした種々の課題に対応するため、2007 年 10 月、FIFA 理事会は大陸ローテーション方式を廃止、 北中米カリブ海両大陸連盟に所属する 5 カ国の中 から開催国を決定することとなった。 直近の 2 大会を開催した大陸連盟からは立候補で きないが、それ以外の全地域からの立候補を認め ることを決定した。 1.5.3 2018/2022年FIFAワールドカップTM 開催国の決定方法 また、同理事会では、従来 1 大会ずつ決定して 開催国の決定は、2010 年 12 月の FIFA 理事会に いた開催国を、2018 年大会と 2022 年大会を同時に おいて、 24 名の FIFA 理事の投票によって行われる。 選考・決定することとした。 投票に際しての評価基準は、基本的には 2010 年 5 20 21 第 1 部 招致活動記録 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング FIFA ワールドカップ招致本部は、以降、2009 年 2.1 F IFAワールドカップ招致本部 の設置 9 月の 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致 2009 年 3 月 12 日、JFA 理 事 会 は、2018/2022 年 の組織改編を経て、一貫して FIFA ワールドカップTM 委員会の設立に伴う、日本招致委員会実行本部へ 日本招致の実行部隊として機能した。 FIFA ワールドカップTM 及び 2017/2021 年 FIFA コン フェデレーションズカップの日本招致を正式に表 明する、 「招致登録書」を FIFA に提出することを決 定した。これにより、 名実ともに FIFA ワールドカッ プTM の日本招致の活動がスタートすることとなっ た。 併せて、同理事会では、2007 年 12 月に設置し た FIFA ワールドカップ招致検討委員会の管轄のも と、実際の招致活動業務を実施する組織として、 新たに FIFA ワールドカップ招致本部(統括:田嶋 幸三 JFA 専務理事)を設置することを決定した。 2009 年 4 月 1 日、FIFA ワールドカップ招致本部 は、JFA スタッフを中心に 8 名でスタートした。 FIFA ワールドカップ招致本部組織構成(2009 年 4 月現在) 招致本部 統括:田嶋 幸三 国際関連 22 政府関連 事業関連 広報関連 23 第 1 部 招致活動記録 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 FIFA コンフェデレーションズカップ オブザーバーズ・プログラムスケジュール 2.2 招致に向けての準備・プラン ニング 2.2.1 国際関連業務 日 6 月 20 日 国際関連業務の主要テーマは、FIFA 事務局との 新たに設置された FIFA ワールドカップ招致本部 連絡・調整、FIFA 理事及び FIFA 事務局スタッフと の喫緊の業務は、大会理念・コンセプトの構築、 の関係構築、さらには、各招致国の動向調査・情 日本招致委員会の設立準備、 「招致契約書類」等の 報収集等であった。 精査及び対応等、今後の招致活動を展開していく これらの業務を実施するため、以下のイベント 6 月 21 日 に参加した。 ための基盤整備であった。 ・第 59 回 FIFA 総会(バハマ / ナッソー)への 大会理念・コンセプトの構築では、 “なぜ、日本は FIFA ワールドカップTMを招致する 出席による各招致国の情報収集 (2009 年 5 月 28 日~ 2009 年 6 月 5 日) のか” “日本はどのような FIFA ワールドカップTMを開催 “日本は FIFA ワールドカップ の開催を通じてど TM のように世界に貢献するのか” などといった、FIFAをはじめ国内外から問いかけら 日 7月9日 ・2009 年 FIFA コンフェデレーションズカップ南 プTM招致国のためのオブザーバーズ・プログラ ムへの参加 (2009 年 6 月 20 日~ 2009 年 6 月 21 日) れるであろうこれらのテーマに対し、明確な、そ して力強いJFA及び日本の意志を表明する回答を用 意することが、最大のミッションであった。 世界のサッカー界の共感が得られる日本オリジ *オブザーバーズ・プログラムは、2018/2022年FIFAワー ルドカップ™の各招致国を対象にFIFAが実施したもの で、FIFAコンフェデレーションズカップの視察及び研 修を通じて、FIFA主催大会の概要及び運営についての 全般的な理解を得る機会を提供するものである。 ナルの提案を行うべく、招致検討委員会での議論 をはじめ、各界各層の人々へのヒアリング、JFA 幹 部へのブリーフィング、そして招致本部内での会 議が連日のように行われた。 ・FIFA ワールドカップ招致国対象ワークショップ (スイス / チューリヒ)への参加 (2009 年 7 月 8 日~ 2009 年 7 月 10 日) FIFA ワールドカップTM日本招致委員会の設立は、 責任ある法人格のもとに招致活動を積極的に展開 するためにも、早急に準備を進める必要があった。 また、FIFA の招致プロセス(p.15 参照)には、2009 年 9 月 18 日の招致委員会設立期限が定められてい たことから、招致本部のスタッフは組織の立ち上 げ早々から、その準備に奔走した。 さらに、FIFA の招致プロセスには、そのほかに も様々な事項についてスケジュールが定められて いたため、国際関連、政府関連、事業関連、広報 関連の各業務を同時に進行させる必要があった。 24 ・FIFAワールドカップ招致国対象個別ワーク ショップ(スイス/チューリヒ)への参加 (2009年8月24日~2009年8月26日) *招致国対象個別ワークショップは、FIFAが2018/2022年FIFA ワールドカップ™の各招致国を対象に個別に実施するもの で、招致プロセスや招致契約及び開催契約に定められる事 項について、各招致国の実務担当者に対し各領域ごとに解 説するものである。 時間 09:00-09:15 09:15-09:45 09:45-10:45 10:45-11:00 11:00-12:00 12:00-12:45 12:45-13:30 13:30-14:30 14:30-15:30 15:30-15:45 15:45-16:15 16:15-16:45 16:45-17:00 17:00-17:45 17:45-18:15 18:15-19:00 19:00-19:30 プログラム内容 挨拶 一般事項、招致手順、時系列、プロジェクトマネジメント、コミュニケーション総則 法律問題、政府保証 休憩 スタジアムのインフラ、チーム及び抽選会について 宿泊設備、空港、交通輸送 昼食 財政、保険 CSR、遺産、環境 休憩 マーケティング、イベントプロモーション、開催都市 チケッティングとホスピタリティ 休憩 メディア IT・コミュニケーションテクノロジー TV ・ TV コミュニケーションテクノロジー その他諸事項、質疑応答 FIFA ワールドカップ招致国対象個別ワークショップスケジュール 日 8 月 24 日 ※大会構想の詳細については第 1 部第 6 章 (P.56) を参照。 *ワークショップはFIFAが実施し、2018/2022年FIFAワー ルドカップ™の各招致国を対象に、招致プロセスや招致 契約及び開催契約に定められる事項を各領域ごとに解 説するものである。 12:00 13:30 14:30 15:30 17:30 20:30 22:45 09:00 10:00 12:30 14:30 プログラム内容 サントン・サン・ホテル(ヨハネスブルグ)のロビーで参加者によるミーティング FIFA ワールドカップ本部へ。許可証の発行 FIFA ワールドカップ本部で参加者歓迎会、挨拶 レコトゥラ・レストラン(ネルソン・マンデラ広場)にて昼食 FIFA コンフェデレーションズカップ 2009 と 2010FIFA ワールドカップTMの準備に関する説明 FIFA ワールドカップ本部から、ロータス・ヴァースフェルド・スタジアム(ツワネ)へ移動 ロフタス・ヴァースフェルド・スタジアム訪問 イタリア対ブラジル戦視察 サントン・サン・ホテル着 サントン・サン・ホテル(ヨハネスブルグ)ロビーにてミーティング 2010 年 FIFA ワールドカップTM開幕戦及び決勝戦スタジアム(サッカーシティ)見学 ザ・ブッチャー・ショップ(ネルソン・マンデラ広場)にて昼食 FIFA ワールドカップ本部で概要ミーティング FIFA ワールドカップ招致国対象ワークショップスケジュール アフリカ大会、2018/2022 年 FIFA ワールドカッ するのか” 時 間 11:00 8 月 25 日 8 月 26 日 時間 11:00-11:45 12:00-12:45 14:00-14:45 15:00-15:45 11:00-11:45 12:00-12:45 14:00-14:45 15:00-15:45 プログラム内容 ファイナンス(予算計画、収益配分、チケット価格、LOC 設立、寄付、ファンフェスト) リーガル(招致委員会設立、政府保証、招致マーク、招致スポンサー活動) TV 一般(照明、インフラ、パブリックビューイング、インフォテイメント) ジェネラル(招致関連スケジュール、招致ブック、その他) マーケティング(招致マーク、 招致プロモーション、 寄付、 マーチャンダイジング、 ファンフェスト) CSR(サッカーの発展、持続可能な人と社会の発展への貢献、環境保護(グリーンゴール) ) IT(FIFAIT リクワイヤメントブック) メディア・コミュニケーション(メディアプロモーショナルイベントに関するガイドライン、 ドロー におけるプロモーション、FIFA 冊子 /FIFA.com におけるプロモーション) Welcome/Introduction インフラ一般 & イベントインフラ&アコモデーション 競技関連インフラ アコモデーション スタジアムスペース必要条件 イベントマネージメント & 競技 マーケティング メディア TV ホスピタリティ / プロトコール チケッティング MATCH IT 安全&セキュリティ その他の考慮事項/スタジアムモニター 25 第 1 部 招致活動記録 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 ・ブラッター FIFA 会長表敬訪問及びブラッター 得に向けた、政府・関係省庁との協力体制の構築 FIFA 会長旭日大綬章勲章伝達式・叙勲祝賀 である。また、開催地自治体、チームベースキャ レセプションへの参加 ンプ自治体の募集にかかる調査・準備についても、 (2009 年 9 月 7 日~ 2009 年 9 月 8 日) 早急に進める必要があった。 第 3 章 日本招致委員会の設立 2009 年 7 月 25 日には、都道府県サッカー協会を FIFA ブラッター会長の旭日大綬章に対する勲章 集めた「全国専務理事会議」にて、 「2018/2022 年 伝達式・叙勲祝賀レセプションが 9 月 8 日、スイ FIFA ワールドカップTM日本国内での招致関連手続き スのベルンにある在スイス日本大使公邸で行われ の説明及び誘致の関心表明」を発信した。 た。 この「誘致の関心表明」は、日本招致委員会の 最初に、式典を執り行った在スイス日本国大使 正式な設立の前に、都道府県協会及び関連自治体 館の小松一郎特命全権大使が挨拶し、2002 年の に対し、FIFA ワールドカップTM招致についての情報 FIFA ワールドカップを振り返りながら、ブラッター 提供を主目的に行った。この時点においては招致 会長に対して祝辞を述べた。ブラッター会長は挨 委員会が設立されていなかったため、スタジアム / 拶で日本サッカーの歴史と発展について触れ、今 開催都市・チームベースキャンプの立候補につい 回の受章が FIFA と日本の密接な関係やサッカーが ては、まず都道府県協会が「誘致の関心表明」を 持つ普遍的な価値に裏打ちされていると、その喜 行い、招致委員会設立後に各自治体による正式な びを語った。 立候補を受け付けることとした。 このレセプションには、欧州サッカー連盟のプ ラティニ会長をはじめ、サッカー界、スポーツ界 2.2.3 事業関連業務 の著名人が大勢参列。JFA からは犬飼会長と岡野最 事業関連業務の主要テーマは、招致協賛パート 高顧問が出席し、集まった人々とブラッター会長 ナーの募集準備であった。この業務は、FIFA ワー の受章を喜び合った。 ルドカップTM日本招致への財界を中心とする広範な 支持を獲得するという側面と、招致活動の資金を 確保するという 2 つの側面を併せ持っていた。折 からの世界的な経済不況の中、いかに企業の理解 と賛同を得るかに担当スタッフは頭を悩ませつつ も、戦略の立案に当たった。 2.2.4 広報関連業務 広報関連業務の主要テーマは、FIFA ワールドカッ プTM日本招致の海外及び国内広報戦略の立案であっ た。業務の実施に関しては、限られた予算の中で 旭日大綬章を受章したブラッター FIFA 会長(左)を表敬 訪問した犬飼委員長 /JFA 会長(右)(スイス・チューリ ヒの FIFA 本部にて 2009 年 9 月 7 日) 3.1 2018/2022 年 FIFA ワ ー ルドカップTM 日本招致委員会 の設立 いかに効率的に支持と共感を得ることができるか という部分に腐心した。具体的には、招致マーク の開発、 Web サイトの構築、 コミュニケーションツー 2.2.2 政府関連業務 ルの開発、イベント企画など、本格的な招致活動を 政府関連業務の主要テーマは、FIFA ワールドカッ 展開するに際しての準備作業に当たった。 3.1.2 「一般財団法人 2018/2022年FIFA ワールドカップTM日本招致委員会」の設立 2009 年 9 月 10 日、JFA 理事会において「一般財 団法人 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致 3.1.1 招致委員会設立の経緯 招致委員会の設置については、FIFA の招致プロ 委員会」の設立が承認された。委員長には、犬飼 基昭 JFA 会長が就任することとした。 セスにより、2009 年 9 月 18 日までの設立が求めら 理事会では、同法人の設立をもって「2018/2022 れていた。また、その組織形態については、協会 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会」を組織 内部に招致委員会組織を置くか、もしくは別法人 し、招致活動への推進体制を確立すること、今後、 として組織を設置する、という 2 つのオプション サッカー界のみならず、多方面から委員を選定し が用意されていた。 ていくことが確認された。 招致委員会設立に向けての協議に際しては、 ①招致委員会の活動期間は、招致の結果に関わ らず 2010 年 12 月までと短く、時限的な組織で あること また、上記法人の設立に伴い招致活動を支援す るため、招致委員会に対して JFA より最大 5 億円の 補助金拠出が決定された。 翌 9 月 11 日には、 「一般財団法人 2018/2022 年 ②活動期間は短いが、活動内容は広報 PR、渉外 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会」の法人登記 活動、招致運営、企画調査と広範にわたり、 を完了した。このことにより、対外的にも正式に 短期間に集中的に実施しなければならないこ 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致の活動 と がスタートした。 ③ FIFA の定めた設立期限までに、定款をはじめ 全ての必要書類を調え提出する必要があるな ※「2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会」 の定款については、資料集6.を参照。 ど、時間的制約があること など、様々な要件が考慮された。 組織形態については、JFA 内部に組織を置く案を 含め、公益財団(社団)法人、一般財団(社団)法 人、NPO 法人、株式会社など、それぞれの形態に ついて検討が行われた。その結果、招致委員会の 活動の性格、あるいは財務の透明性を担保するた め、最終的には JFA とは別法人となる、一般財団法 人を設立することとした。 プTM日本招致にかかる閣議了解、及び政府保証の取 26 27 第 1 部 招致活動記録 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 3.1.3 招致委員会の組織体制 3.1.4 招致委員会実行本部の発足 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会概要 一般財団法人 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員 日本招致委員会には、会議体としての 2018/2022 年 会の設立に伴い、JFA 内の組織であった FIFA ワー ● 法人名称 一般財団法人 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会が設けられ、 ルドカップ招致本部を発展的に解消し、新たに日 ● 英文名称 Japan 2018/2022 Bid Committee 委員にはサッカー界を中心に、 スポーツ界、 政財界、 本招致委員会実行本部(本部長:田嶋幸三 JFA 専務 ● 設立日 2009 年 9 月 11 日 行政、自治体、学術界などからメンバーを募り、 理事)を発足させた。 ● 所在地 東京都文京区サッカー通り(本郷 3 丁目 10 番 15 号)JFA ハウス 10 階 日本の総力を結集した体制とした。 一般財団法人 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会には、理事会のもとに招致活動の それまでの国際関連、政府関連、事業関連、広 ● URL http://www.dream2018-2022.jp 報関連の 4 業務部門に加え、新たにコミュニケー ション部門、宿泊/輸送部門を設置した。 実務を行う実行本部を設置するとともに、2018/2022 コミュニケーション部門は、大会構想の検討・ 年 FIFA ワールドカップ 招致連絡協議会、ヒュー 構築を行うほか、招致活動全般の計画を立案・実 マニティ & テクノロジー部会、招致アンバサダー 施するなど、実行本部の各種活動の司令塔的役割 の 3 つの支援カテゴリーを設置した を果たす部門である。コミュニケーション部門の TM ● 一般名称 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会組織図 一般財団法人2018/2022年 FIFAワールドカップTM日本招致委員会 中には、招致プロモーション計画の立案及び実施 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致連絡協議 を行うプロモーションチーム、FIFA に提出する「招 会には、各団体の役員、及び 2018/2022 年 FIFA ワー 致ブック」の編集制作を行う招致ブック制作チー ルドカップTMの開催候補自治体の首長に就任いただ ム、広報及び報道対応を実施する広報担当チーム き、招致活動全般における支援を要請することと が置かれた。 した。 宿泊/輸送部門は、FIFA から要求されている「ホ ヒューマニティ & テクノロジー部会は、大会理 テル契約書」に基づく各ホテルの調査及び契約業 念・コンセプト及び大会構想の策定など、2018/2022 務のほか、招致活動の実施に伴い発生する宿泊・ 年 FIFA ワールドカップ のグランドビジョン構築 輸送の手配業務を実施する。 TM に際し、専門的見地から支援いただくこととした。 また、政府関連業務については、開催地自治体・ 部会長には、 「日本のインターネットの父」とも称 チームベースキャンプ自治体の募集活動等の実施 される、村井純 慶應義塾大学 環境情報学部長・教 に伴い、自治体対応業務が拡大することから、政 授に就任いただいた。 府/自治体部門に改称した。 招致アンバサダーは、日本の招致活動の「顔」 として、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本開 催の意義を国内外に積極的にアピールする役割を ※ 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会実行 本部組織図については、資料集4. 2を参照。 理事会 実行本部 2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会 招致連絡 協議会 ヒューマニティ & テクノロジー 部会 招致 アンバサダー * 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会は、2010 年 5 月 11 日、招致対象を 2022 年 FIFA ワールドカップTMに一本 化したことに伴い名称変更した。 担っており、FIFA や各大陸連盟、海外メディアに 対して情報発信を行うとともに、日本国内の人々 の理解と共感を促進していく重要な存在である。 アンバサダーには、日本代表監督経験者、J リーガー をはじめ日本のサッカー関係者に、順次就任いた だくこととした。 ※ 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会関係 名簿については、資料集5.を参照。 28 29 第 1 部 招致活動記録 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 犬飼基昭委員長コメント(一部抜粋) 3.2 日本招致委員会設立記者発表 2009 年 10 月 8 日、新たに設立なった 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会は、東京・ JFA ハウスにおいて招致委員会設立についての記者 発表を行った。委員長に就任した犬飼 JFA 会長をは じめ、同招致委員会のメンバーである小倉 FIFA 理 事 /JFA 副会長、田嶋 JFA 専務理事が出席し、日本 招致委員会の設立を発表した。 日本サッカー協会は「JFA2005 年宣言」で 2050 年までに FIFA ワールドカップTMを開催することを “約束” 同記者発表では、2018/2022 年 FIFA ワールドカッ に掲げました。豊かなスポーツ文化を育み、社会の発展に貢献すると言う理念のもと、私たちはこの立候補 を通じ、必ずやワールドカップを日本で開催したい、と考えています。 プ 日本招致の招致マーク、招致プロジェクト名が TM 発表されるとともに、特別広報大使アトムの就任 日本招致委員会設立記者発表会場 が発表された。 2002 年大会からまだ間もないこと、設備や財政面の課題、東京オリンピック招致の結果など、皆様が懸念 されることもあるかとは思いますが、私たちは、強い意志と勇気をもって招致の成功を目指します。2002 年 大会では、ワールドカップの醍醐味やサッカーの持つパワー、スポーツを通じた国際交流の素晴らしさを多 くの国民が実感しました。 サッカーは世界で一番、愛されているスポーツです。国境や人種、言語を超え、子どもたちの夢を育み、 世界平和や国際交流を推進する無限の可能性を秘めています。2002 年大会の鮮明な記憶を持つ日本だからこ そ新しい次元へとワールドカップを進化させることができると確信しています。その想いを込めて、我々は 今回の招致活動を「DREAM 2018/2022」と名づけました。日本中、そして世界中の夢を乗せ、日本人の手によっ てワールドカップの歴史に輝かしい1ページを刻みます。 私も先日、FIFA の本部にてブラッター会長と会談し「日本を応援しているよ、頑張れ!」とのメッセージ を受け取りました。日本に対して大きな期待を寄せていることをひしひしと感じました。もっとよりよき世 界に、さらなるアジアの発展へ、そして豊かな日本に。日本が行う新しいワールドカップは、環境問題をは じめとするさまざまな人類の課題解決に模範を示していく絶好の機会にもなるはずです。私たちは、もう一 度、世界の期待に応えたいと思っています。 ワールドカップ日本開催には、本日お集まりのメディアの皆様をはじめ、政界、財界、行政、開催地やキャ ンプ地招致に立候補している地域の皆さん、そして、日本中のサッカーファミリーの皆さんの力が必要です。 是非とも、皆さんとワールドカップを日本で開催するという「夢」を共有し、実現させましょう。どうか、 ご支援賜りますようお願い申し上げます。 左から田嶋 JFA 専務理事、小倉 FIFA 理事 /JFA 副会長、特別広報大使アトム、犬飼委員長 /JFA 会長 30 31 第 1 部 招致活動記録 小倉純二 FIFA 理事 /JFA 副会長 コメント(一部抜粋) 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 田嶋幸三 JFA 専務理事 コメント(一部抜粋) われわれは今回の招致活動において、 「世界最大のコミュニケーションの装 置」というワールドカップの果たす大きな役割を、もっともっと発展させて ゆきたい、それが出来るのは日本しかいない、と世界に対してアピールする つもりです。それは、ワールドカップを通じて世界の対話を促進させ、平和 な地球社会を実現する一助となりたい、ということです。 2002 年のワールドカップを通じてわれわれが得た「感動」 、そこから生まれ ワールドカップの注目度は高まっています。そういう意味でも FIFA の要求も厳しくなっています。それを クリアするために、FIFA の評価委員会が 2010 年 7 月もしくは 8 月にインスペクションを実施することがが予 定され、かなり詳細なレポートを提出することになっています。 オリンピックの場合、IOC 委員は招致立候補国に訪問してはいけないとなっておりますが、同じように FIFA でも理事が招致立候補国の視察をすることは好ましくないという前提で、2010 年のアフリカ大会も決ま りました。今回もおそらく同様であると考えられ、できるだけ評価委員会に優劣をつけることを要求するこ とになるかと思います。 日本にとって大切なのは、どういうコンセプトでワールドカップを開催するのか。特に日本と韓国は前回 開催から、いちばん開催間隔が短いので、なぜやるのかという答えを求められるかと思います。他の招致立 候補国もそうですが、これから日本の招致委員会がどのように提案書をまとめるかがカギを握っていること になるでしょう。 る「対話」と「相互理解」という素晴らしい経験を、今度は世界の隅々と分かち合いたいと考えます。開催 国という枠を超えて、ワールドカップの「喜び」を世界中と共有するために、いわば「日本は世界中とワー ルドカップを共催したい」という気持ちで提案をします。 では、 そのような大会を可能にする日本の持つポテンシャルはなんなのか。日本は何ができるのか。そのベー スになるのは「共感力」に優れた日本人ならではの「人間性」 (Humanity)と世界に誇る「技術力」 (テクノロ ジー)だと考えます。 例えば、相手を尊重して思いやる、共感力に優れた“人間性”は、さまざまな技術と産業も発展させてき ました。世界最先端の“技術力”も、日本ならではの大きなポテンシャルです。将来の環境問題を解決でき るような技術を駆使した素晴らしいワールドカップにしようと思います。こういった日本の力を使って、ワー ルドカップを通じて、世界が真の意味で「ひとつになる」 。ワールドカップを「真にユニバーサル」な次元に 進化させる。これがわれわれの招致コンセプトです。 「We make the World Cup Truly Universal.」世界中のあらゆる国々、あらゆる人々と、ワールドカップの喜びと感 動を分かち合うことができる、ワールドカップを通じて対話し、相互に理解し、平和な地球社会の到来を実 感する、そんなワールドカップを目指します。 では、具体的にどのようなワールドカップ像になるのか。これについてはヒューマニティの視点から、テ クノロジーの視点から、それぞれ有識者の方々にご協力いただきます。招致委員会内に「検討部会」を設置 いたしまして、今後更に検討を進めてゆく予定です。 「ヒューマニティ部会」と「テクノロジー部会」が車輪 の両輪となって新しいワールドカップ像を構想してまいります。 さて、われわれはこの招致活動を「DREAM2018/2022 プロジェクト」 、と名付けております。これはワール ドカップ開催を通じてサッカーの可能性を拡げ、日本と世界の夢を実現していくという意味を込めてつけま した。日本サッカー界の夢として「JFA2005 年宣言」に掲げた夢の実現にもつながるプロジェクトです。 冒頭でもご覧いただいた招致マークについてもご説明いたします。“Truly Universal =ワールドカップの喜び を真に世界中が分かち合う” というコンセプトのもと、日本人のヒューマニティと先端のテクノロジーによっ て、ワールドカップとサッカーの可能性を広げようとする意思を込めています。 われわれはこのコンセプトに従って招致活動を進めて参ります。現在われわれは 2009 年 4 月に FIFA から提 示された条件を満たすべく、各方面と調整しています。詳細についてはお手元の資料をご覧いただければと 思います。開催地自治体/スタジアム、およびチームベースキャンプの募集も開始しておりますし、政府保 開催立候補国の現状について説明する小倉 FIFA 理事 /JFA 副会長 証の獲得に向けても関係各所に積極的に働きかけています。 サッカーの可能性は、私たちの可能性です。皆様のご支援とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。 32 33 第 1 部 招致活動記録 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 村井純 ヒューマニティ & テクノロジー部会長 メッセージ ●招致活動プロジェクト名称 ●招致ロゴマーク、デザインエレメント FIFAワールドカップの開催を通じてサッカーの可 「DREAM2018/2022」招致マークは、FIFA の規定 能性を広げ、日本の夢を、世界の夢を実現してい により、デザインエレメントと各国サッカー協会 くため、そして「JFA2005年宣言」に掲げた夢を実 のマークを一体化した形状となっている。 現するため、2018/2022年FIFAワールドカップ 日本招 デザインエレメントについては、“ワールドカッ 致活動のプロジェクトを、「DREAM2018/2022」と プの喜びを真に世界中が分かち合う” というコンセ 名付けた。 プトのもと、日本人のヒューマニティと先端のテク *2010年5月11日、招致対象を2022年大会に一本化したこ とに伴い、名称を「DREAM2022」に変更した。 ノロジーによって、ワールドカップとサッカーの可 TM ヒューマニティ&テクノロジー部会長:村井純(慶應義塾大学 環境情報学部長・教授) 1955 年生まれ。1979年慶應義塾大学工学部卒業。1981年大学院工学研究科修士課程修 了、1984年博士課程修了。東京大学大型計算機センター助手等を経 て、1990年慶應義塾 大学環境情報学部助教授。1997年教授。1999年から2005年までSFC研究所所長。専門領 域はコンピュータコミュニケーション、オペレーティングシステム。工学博士。 このたび、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会のテクノロジー部会の部会長を拝命いたしま した、慶應義塾大学の村井です。私は 2002 年のワールドカップの際にも ICT の面でお手伝いさせていただき 能性を広げようとする意思が込められている。ま た、拡大していくサッカーボールのモチーフには、 青い地球のイメージが重ねて表現されている。 ましたが、ワールドカップは真にグローバルなイベントであり、世界中の人類のコミュニケーションを自然 に引き起こす特別なイベントです。その意味でも、世界の対話と平和に寄与する招致委員会のお考えに賛同 します。日本のコミュニケーション技術を使って、約 10 年後のワールドカップに最大の貢献ができれば非常 に有意義な舞台になると確信しています。 日本のコミュニケーション技術は今まで世界の最先端であると言われ続けてきました。この最先端の技術 は、単に高精細画像や高品質通信を目的とするのみでなく、人の情熱や気持ちなど、知性と感性をより正確 に伝えるために発展し役立てられようとしています。 コミュニケーション技術の発展はまさに日進月歩です。これからの 10 年、日本やアジアの技術は本当にこ の部分を先導する責任を明確に果たすことになります。そして 10 年後のワールドカップにおいて、日本の最 先端の技術の貢献が輝き、それによりワールドカップを通じた人類の対話と共感が飛躍的に促進されなけれ ばいけません。 世界のサッカーファンがそれぞれの心の中で持っている夢を、ワールドカップは一つの舞台で演出します。 日本の技術がその誇りをかけて、より大きな夢を全ての人が実現できるよう、この大事業に取り組みたいと 考えています。 34 35 第 1 部 招致活動記録 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 ●特別広報大使アトム ●新聞広告の掲載 手塚治虫氏が生み出した「アトム」が、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会の広報大使に就 任しました。アトムは、2010 年 12 月 2 日の開催国決定に向けて、日本の招致活動の様々な情報を日本、そし て世界のみなさんにお伝えし、理解と応援の輪を大きくしていきます。 今回、アトムが特別広報大使に就任したのは、アトムに託されたメッセージと、FIFA ワールドカップの日 本招致活動の理念とが、強く響きあったからです。 私たちは、もっと国を越え、スタジアムの感動と興奮が、世界の隅々にまでいきわたるワールドカップを 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員 会の設立発表を行った翌日、2009 年 10 月 9 日の朝 日新聞全国版朝刊に全面広告を掲載した。前日行 われた記者発表を皮切りに、2018 年、2022 年 FIFA ワールドカップTM招致に向けて、本格的に日本の招 致活動がはじまったことを告げている。 作りたいと考えています。そして、全人類が感動を共有し、地球規模での相互理解と友情の広がり、真に平 和な地球社会が訪れることを信じます。 ロボットと人間との関係を通じて、人と人とのふれあいによって育まれる愛、愛から生み出される勇気、 人を想う気持ちがあってこそ真の科学の進歩があること、そして相手への無理解や差別を廃し、違いを認め 合うことによって実現する調和など、アトムはこれから人類が本当に必要となる大切なことを伝えてくれて います。 私たちと同じ想いを持つ特別広報大使アトムは、私たちの招致活動に大きな力となってくれるものと考え ます。 © 2009 Imagi Crystal Limited / Original Manga © Tezuka Productions Co.,Ltd. 2009年10月9日付け朝日新聞全国版朝刊広告 *「2022 年 FIFA ワールドカップ 日本招致活動のご紹介」より引用 TM 36 37 第 1 部 招致活動記録 第2第 章 招致に向けての準備・プランニング 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 ⑦「招致ブック」に掲載する情報 4.1 開催候補都市の募集 等についての説明がなされた。 4.1.1 「開催地自治体」・ 「チームベースキャンプ」 の正式募集 正式な立候補の証となる「立候補 正式申請書」 の提出期日は、 「開催地自治体」 、 「チームベースキャ 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ 日本組織委員 ンプ」 ともに、 2010 年 1 月 8 日と設定された。また、 会が正式に設立されたことに伴い、2018/2022 年 FIFA に提出する「開催都市契約書」 、 「スタジアム FIFA ワールドカップ 招致「開催地自治体」 ・ 「チー 契約書」 、 「トレーニングサイト契約書」 、 「ホテル契 ムベースキャンプ」の正式募集を開始した。 約書」の招致委員会への提出期日は 2010 年 2 月 26 TM TM 「開催地自治体」 ・ 「チームベースキャンプ」の募 日と設定された。 集については、既に、2009 年 7 月 25 日、各都道府 県サッカー協会に対し「2018/2022 年 FIFA ワールド カップTM日本国内での招致関連手続きの説明及び誘 致の関心表明」 の文書を発信、 開催地及びチームベー スキャンプの誘致への、都道府県サッカー協会レ ベルでの関心表明を募ってきた経緯がある。 これに対し、今回は立候補の主体である各自治 体を対象にした正式募集である。 9 月 15 日には、 各自治体に 「2018/2022 年 FIFA ワー ルドカップTM 招致「開催地自治体」 ・ 「チームベース キャンプ」 の正式募集 全体説明資料」 が送付され、 9 月 25 日及び同 27 日には、立候補に関心を示す自 治体及び都道府県協会を対象に説明会を開催し た。 説明会では、 ①主要な招致スケジュール ②正式立候補の枠組み ③ FIFA への提出書類リスト ④ FIFA 規定の主要施設要件 ⑤正式立候補の手続 ⑥招致登録金 38 39 第 1 部 招致活動記録 第2第 章 招致に向けての準備・プランニング 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 4.1.2 自治体による正式申請書の提出 正式立候補の枠組み( 「開催地自治体」 ・ 「チームベースキャンプ」) 正式立候補は、原則として「開催地自治体」と「チームベースキャンプ」の 2 通りに分かれ、下記の要素に より構成されます。 なお、スタジアム及びチームベースキャンプの TM 2010年1月8日、2018/2022年 FIFAワールドカップ 最終決定・承認は、スタジアムについては 2018 年 招致「開催地自治体」、「チームベースキャン 大会が 2013 年に、 2022 年大会が 2015 年、 チームベー プ」の正式申請書の提出が締め切られた。その結 スキャンプについては 2018 年大会が 2015 年、2022 果、「開催地自治体」については12自治体(13スタ 年大会が 2019 年に FIFA により行われることとされ ジアム)、「チームベースキャンプ」については64 ている。 2010 年 1 月 14 日時点での正式申請書を提出した 件の申請が受理された。 開催地自治体 チームベースキャンプ 開催地自治体 スタジアム トレーニングサイト ホテル トレーニングサイト所在自治体 トレーニングサイト ホテル スタジアム・・・・・・・・最低 12・最大 18 ( 招致契約書 第 6 章 参照 ) チームベースキャンプ・・・最低 64 ( 招致契約書 第 8 章 参照 ) それぞれが、立候補にあたり確保する必要のある施設 ( 最低数 ) は、以下の通りです 提出書類 招致委員会宛て書類 立候補 意向表明書 立候補 正式申請書 FIFA 所定契約書 開催都市契約書 スタジアム契約書 トレーニングサイト契約 書 ホテル契約書 40 チームベースキャンプ数 64 の最低基準を満たすこ 「開催地自治体」 、 「チームベースキャンプ」は以下 の通り。 ととなった。 申請「開催地自治体・スタジアム」 (13 件) * 2010 年 1 月 14 日時点 今回の招致活動では、立候補国として以下の数を FIFA に提案することが求められています。 施設 スタジアム トレーニングサイト ホテル これにより、FIFA が規定するスタジアム数 12、 開催地自治体 1 4 チーム用= 2 FIFA 用= 1 チームベースキャンプ --1 チーム用= 1 開催地自治体 チームベースキャンプ ○ ○ × ○ ○ ○ * 1 つの開催地自治体内に複数のスタジアムがあ る場合、スタジアムごとに署名 ○ * トレーニングサイトごとに署名 ○ * トレーニングサイトごとに署名 × × ○ ○ 自治体名 札幌市(北海道) 茨城県 埼玉県 東京都 横浜市(神奈川県) 新潟県 静岡県 豊田市(愛知県) 大阪市(大阪府) 吹田市(大阪府) 神戸市(兵庫県) 大分県 スタジアム名 札幌ドーム 茨城県立カシマサッカースタジアム 埼玉スタジアム 2 ○○ 2 味の素スタジアム 国立競技場 日産スタジアム 東北電力ビッグスワンスタジアム エコパスタジアム 豊田スタジアム 大阪市長居陸上競技場(※) (仮称)吹田スタジアム ユニバー記念競技場もしくはホームズスタジアム神戸 九州石油ドーム ※大阪市長居陸上競技場は、検討中の新スタジアムに今後変更の可能性あり ※( )内は自治体の所在都道府県 ※スタジアム名称は当時 申請「チームベースキャンプ」 (64 件) * 2010 年 1 月 14 日時点 自治体名 網走市(北海道) 札幌市(北海道) 七飯町(北海道) 室蘭市(北海道) 遠野市(岩手県) 花巻市(岩手県) 仙台市(宮城県) 秋田市(秋田県) にかほ市(秋田県) 山形県 / 天童市 福島県 / 楢葉町 / 広野町 小美玉市(茨城県) 鹿嶋市(茨城県) 神栖市(茨城県) つくば市(茨城県) ひたちなか市(茨城県) 水戸市(茨城県) 習志野市(千葉県) 成田市(千葉県) 川崎市(神奈川県) 相模原市(神奈川県) 長野市(長野県) 松本市(長野県) トレーニングサイト名 網走スポーツ・トレーニングフィールド 札幌サッカーアミューズメントパーク 東大沼多目的グランド(トルナーレ) 入江運動公園陸上競技場 遠野運動公園陸上競技場 花巻市スポーツキャンプむら 仙台スタジアム(ユアテックスタジアム仙台) 秋田市八橋運動公園球技場 仁賀保グリーンフィールド 山形県総合運動公園 J ヴィレッジ (仮称)小美玉スポーツシューレ公園 鹿嶋市高松緑地公園多目的球技場 神栖市若松運動場 フットボールスタジアムつくば ひたちなか市総合運動公園陸上競技場 ケーズデンキスタジアム水戸 / 水戸市立サッカー・ラグビー場 習志野秋津サッカー場 サウンドハウス・スポーツセンター内 プレイテック・スタジアム 川崎市等々力陸上競技場 相模原麻溝公園競技場 南長野運動公園総合運動場 総合球技場 松本平広域公園総合球技場(アルウィン) 41 第 1 部 招致活動記録 糸魚川市(新潟県) 十日町市(新潟県) 長岡市(新潟県) 金沢市(石川県) 御殿場市(静岡県) 静岡市(静岡県) 沼津市(静岡県) 藤枝市(静岡県) 豊田市(愛知県) 伊勢市(三重県) 飛騨市(岐阜県) 大津市(滋賀県) 長浜市(滋賀県) 守山市(滋賀県) 堺市(大阪府) 高槻市(大阪府) 神戸市(兵庫県) 奈良県 和歌山県 出雲市(島根県) 益田市(島根県) 広島市(広島県) 香川県 徳島県 今治市(愛媛県) 西条市(愛媛県) 新居浜市(愛媛県) 松山市(愛媛県) 高知県 北九州市(福岡県) 福岡市(福岡県) 島原市(長崎県) 長崎県 長崎市(長崎県) 熊本県 / 熊本市 佐伯市(大分県) 日田市(大分県) 豊後大野市(大分県) 別府市(大分県) 指宿市(鹿児島県) 霧島市(鹿児島県) ※( )内は自治体の所在都道府県 ※スタジアム名称は当時 ※「/」による併記は連名による立候補の意 第2第 章 招致に向けての準備・プランニング 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 美山陸上競技場 当間多目的グラウンド 長岡ニュータウン運動公園 金沢市民サッカー場 御殿場市陸上競技場 清水ナショナルトレーニングセンター 静岡県愛鷹広域公園 多目的競技場 藤枝総合運動公園サッカー場 豊田スタジアム 伊勢市朝熊山麓公園フットボール場 飛騨市古川ふれあい広場 皇子山陸上競技場 神照運動公園(長浜市多目的競技場) 野洲川歴史公園サッカー場 堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター 高槻市立萩谷総合公園サッカー場 / 高槻市立総合スポーツセンター ホームズスタジアム神戸 奈良県立橿原公苑陸上競技場 紀三井寺公園陸上競技場 出雲健康公園 島根県立サッカー場 広島広域公園陸上競技場 香川県立丸亀競技場 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム 桜井海浜ふれあい広場 / 上浦多々羅スポーツ公園 ひうち陸上競技場 / 東予運動公園球技場 新居浜市営サッカー場(グリーンフィールド新居浜) ニンジニアスタジアム 高知県立春野総合運動公園 新設予定のスタジアム 博多の森球技場(レベルファイブスタジアム) 島原市営陸上競技場 / 島原市営平成町多目的広場 長崎県立総合運動公園新陸上競技場(仮称) 長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場 熊本県民総合運動公園陸上競技場 佐伯市総合運動公園 鯛生スポーツセンター サンスポーツランドみえ / 豊後大野市三重総合グラウンド 実相市サッカー競技場 / 野口原総合運動場 指宿いわさきホテル サッカー場 霧島市国分運動公園(陸上競技場・多目的グラウンド) を得るため、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日 4.2 閣議了解 本招致委員会が、かねてより政府側に協力を要請 していたものである。 2009 年 12 月 8 日、総理大臣官邸で行われた定例 閣議了解により、2018/2022 年 FIFA ワールドカッ 閣議において、 「2018/2022 年 FIFA ワールドカップ プ の招致活動が、政府により正式に承認されたこ TM 」の日本への招致について、閣議了解が得られた。 ととなる。また、政府の支援を条件とする「招致 閣議了解については、FIFA との招致契約書類に 契約書」を整えることが可能となった。 TM 規定されている「政府保証」等の政府による支援 閣議了解文書 2018 年(平成 30 年)及び 2022 年(平成 34 年) ワールドカップサッカー大会の日本招致について (平成 21 年 12 月 8 日 閣議了解) ワールドカップサッカー大会の開催は、国際親善、スポーツの振興等に大きな意義を有するものであり、 また、2018 年(平成 30 年)及び 2022 年(平成 34 年)ワールドカップサッカー大会要求事項中の政府の保証 については、 現行国内法の範囲内での対応により円滑な開催を図ることができると認められるので、 2018 年(平 成 30 年)及び 2022 年(平成 34 年)ワールドカップサッカー大会を財団法人日本サッカー協会が招請するこ とを了解する。 なお、政府としては、現在、国・地方ともに財政改革の推進が引き続き緊要な課題であることにかんがみ、 別紙に掲げる方針により対処するものとする。 別 紙 1 大会の開催に係る施設の整備その他の公共事業については、その必要性等について十分な検討を行い、 通常の公共事業費の中での優先的配分により対処することとし、新たに国による特別の財政措置は講 じないこと。 2 大会運営費は、適正な入場料の設定等の事業収入により賄われるものとすること。 42 43 第 1 部 招致活動記録 第2第 章 招致に向けての準備・プランニング 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 閣議了解に伴なう犬飼委員長コメント 昨日、各省庁の副大臣と政務官による第1回会議が行われ、その冒頭で話をする機会をいただいた。その 席で、“ワールドカップは世界のビッグイベントという認識をしているので政府としてもサポートを考えてい る” という主旨の発言もいただき、今日の閣議了解を得られるという感触を持つことができた。 本日、閣議了解を得られて良かった。これで正式に招致活動をスタートでき、自治体に対しても具体的な 働きかけができる。 12 月 4 日にケープタウン(南アフリカ)で行われた抽選会で招致を立候補している国のブースが出されて いたが、ここでワールドカップが世界最大のイベントであることを改めて実感した。ぜひとも日本に持って きたい。これからが勝負だ。 4.2.1 関係副大臣・政務官会議の開催 閣議了解前日の 12 月 7 日には、総理大臣官邸に おいて、第 1 回 2018 年及び 2022 年ワールドカップ サッカー大会の日本招致に関する関係副大臣・政 務官会議が開催された。 の 13 の省庁の副大臣及び政務官により構成されて いる。第 1 回会合には、 招致委員会から犬飼委員長、 田嶋本部長が出席した。 4.2.2 「招致契約書」の提出 会議では、犬飼委員長、田嶋本部長より大会概 2009 年 12 月 8 日に閣議了解が得られたことを受 要、今後のスケジュールの説明が行われ、閣議了 けて、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致 解(案) ・政府保証についての意見交換が行われた。 委員会は、FIFA により同年 12 月 11 日に設定され こうした政府との密接な連携・協力のもと、閣 た「招致契約書」提出期限に合わせ、同 12 月 9 日 議了解にいたる基盤が整った。 ※ 2018 年(平成 30 年)及び 2022 年(平成 34 年)ワール ドカップサッカー大会日本招致に関する関係副大臣・ 政務官会議 担当副大臣・政務官一覧については、第 2 部第 4 章(p.172)を参照。 ン市内のテーブルマウンテンに近いエリアにある リカ大会のファイナルドロー(組み合わせ抽選会) リーウヴェンフォフ邸(Leeuwenhof Estate)が開場、 が、 南アフリカ・ケープタウンで行われた。FIFA ワー 報道関係者が一斉に場内に入り、各々 PR ブースを ルドカップTMファイナルドローには、開催国決定の 訪問、個別に各招致国に取材を開始した。その後 投票権を持つ FIFA 理事をはじめ、出場各国のサッ 10 招致国・グループの PR 映像上映があり、続いて カー協会関係者、世界中の報道関係者が一堂に会 ブース前、ミックスゾーンでのインタビュー対応 する。 が行われた。 2010 年 FIFA ワールドカップTM南アフリカ大会の 日本のメッセージは、“208 Smiles” ~自国のため 組み合わせ抽選会をフィナーレに、FIFA は様々な だけではなく、 FIFA 加盟国 208 カ国・地域全ての人々 イ ベ ン ト や 会 議 プ ロ グ ラ ム を 用 意 し て お り、 に笑顔をもたらすワールドカップを開催する~と 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致に関する報 いうものである。パンフレットや会場で上映した 道向け PR イベント「招致国メディア・エキスポ 映像でもそれを訴えた。 ま た、 日 本 の 招 致 ブ ー ス デ ザ イ ン は、“208 Smiles” のコンセプトを表現し、世界中のあらゆる アメリカ、イングランド、インドネシア、オース 関係副大臣・政務官会議に臨む犬飼委員長(中央左)と 田嶋本部長(中央右) 年 12 月 4 日、2010 年 FIFA ワールドカップ 南アフ 日本をはじめ 10 グループ・12 の招致国(日本、 府、総務省、法務省、外務省、財務省、厚生労働省、 国への招致をアピールした。 午前 10 時、イベント会場となったケープタウ TM あった。 プの開催に関係する内閣官房、文部科学省、内閣 めとするサッカー関係者など約 150 人に向けて、自 「招致契約書」を FIFA に提出する 5 日前の 2009 (Bidding Country Media Expo) 」もその中のひとつで 関係副大臣・政務官会議は、FIFA ワールドカッ 経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省、警察庁 4.3 招致PRイベント“メディア・ エクスポ”への出展 国と地域の人々の笑顔をあしらったもので、他の 招致国とは趣きの違う独特なものと評価された。 トラリア、オランダ&ベルギー、カタール、韓国、 スペイン&ポルトガル、ロシア)の PR ブースが一 同に会し、報道関係者約 250 人、及び FIFA をはじ 付けにて、FIFA に対し「招致契約書」を提出した。 この「招致契約書」は、 2010 年 5 月 14 日までに「招 致ブック」や各種書類( 「政府保証」 「 、開催契約書」 、 「開催都市契約書」 、 「スタジアム契約書」 、 「トレー ニングサイト契約書」等)を FIFA に提出すること について基本合意するものであり、FIFA が定める 招致プロセスにおいて重要な手続である。 208 の国と地域の人々の笑顔があしらわれた日本の PR ブースで、海外の報道記者へアピール 44 45 第 1 部 招致活動記録 ミックスゾーンでは、犬飼委員長が、主に日本 のメディアに対して、 「日本は日本の良さを強調して、招致活動を進め TM 第 5 章 2018/2022 年 FIFA 第2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 日本招致委員会の開催 スタンスに立ったいい提案をしたい。」 と、日本への今後の期待、注目を高めるべく回答 した。 ています。日本では政権交代もあり、招致活動 こ の「 招 致 国 メ デ ィ ア・ エ キ ス ポ 」 は、 についてはこれから本格的にスタート。これか 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致のすべての ら帰国して、政府保証の話をしていきます。政 招致国が集まった、初めて開催されるオフィシャ 府の方々には、前向きにとらえてもらってお ルなイベントであった。日本招致委員会は、国内 り、政府内からも招致をしたいという意思もい 外の多くの報道関係者、サッカー関係者とコミュ ただいています。政府の方々も、FIFA ワールド ニケーションを図り、本格的な招致活動のスター カップの価値や招致の意義を理解してもらって トを切った。 第 5 章 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会の開催 5.1 第1回2018/2022年FIFA ワールドカップTM 日本招致委 員会/招致連絡協議会の開催 ALL JAPAN として進めることが重要です。 」 との挨拶があった。 2010 年 2 月 15 日、第 1 回 2018/2022 年 FIFA ワー その後、小倉副委員長(FIFA 理事 /JFA 副会長) います。この件については、12 月 8 日に閣議 ルドカップ 日本招致委員会 / 招致連絡協議会を、 から招致レースの動向について、田嶋実行本部長 了解をして頂く予定です。また自治体に関して 東京・ホテルオークラ東京において開催した。招 (JFA 専務理事)から招致活動戦略、大会構想など も、スタジアムを作ろうという自治体もあり、 致委員会設立後初めて開催された会議には、代理 について説明があり、活発な議論が交わされた。 国内での期待を強く感じています。盛り上がり 出席を含め 37 名の委員 / 会員の出席があった。 TM 冒頭、招致委員会特別顧問の川端達夫文部科学 も感じています。 」 と展望を説明した。 ブース前では田嶋実行本部長が、AP 通信、ロイ ター通信他、外国、日本の報道記者に対応。 「2002 日本の PR 映像を鑑賞する報道関係者 「日本には、日本だからこそできるワールドカッ プがあります。FIFA に提出する『招致ブック』 大臣から、 と、あらためてこれからの招致活動への意気込み また、会議終了後の記者会見では犬飼委員長が、 「日本で開催することの意義を世界の人々に伝える には、その構想をしっかり盛り込んでいきま ため、知恵と経験を結集するのがこの委員会だと す。本日、委員の方々も同じ思いを共有してい 考えています。政府としても昨年 12 月に閣議了 ることがわかり、非常に心強いと思っていま 解をしたところです。各界が一丸となり、 す。 」 と述べ、日本招致への強い意欲を示した。 年にワールドカップを開催した日本が再び立候補 するのは早すぎるのではないか?」という質問に 対して、 「早すぎるということは全くありません。日本が 提案しようとしているのは単なる招致活動では なく、この先10年間の世界中のサッカーの発展構 想についてです。日本のポテンシャルを信頼し て欲しいと思います。前回大会の記憶が残って いる日本だからこそ、ワールドカップのポテン 日本の記者の取材に対応する田嶋実行本部長 シャルをもっと拡大させることができると確信 しています。」 と、日本の提案方針を説明。また具体的な構想、 提案内容に対しての質問には、 「他国との招致レース上、具体的なプランについ ては現段階ではまだ出せませんが、10年後のワー ルドカップがどう発展するのか、世界のサッカ ーがどうなるべきかの構想なので、日本中の叡 智を結集して検討しています。他国とは異なる 46 日本ブース前で、右から犬飼委員長、ミシェル・ドーグ FIFA 理事、小倉 FIFA 理事(JFA 副会長) 、田嶋実行本部長 第 1 回 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 日本招致委員会 / 招致連絡協議会。 左から川淵三郎顧問(JFA 名誉会長)、小倉純二副委員長(FIFA 理事 /JFA 副会長)犬飼基昭委員 長(JFA 会長)、川端達夫特別顧問(文部科学大臣)、鈴木寛副委員長(文部科学副大臣) 47 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 年 FIFA 第2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 日本招致委員会の開催 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会メンバー(2010 年 2 月 12 日現在) 役 職 委員長 特別顧問 顧問 副委員長 氏 名 鈴木 寛 大仁 邦彌 有馬 利男 内山 斉 加藤 壹康 轡田 隆史 畔柳 信雄 清水 正孝 下妻 博 所属 / 役職 財団法人日本サッカー協会/会長 全国知事会/会長 日本商工会議所/会頭 全国都道府県議会議長会/会長 文部科学大臣 日本労働組合総連合会/会長 全国市議会議長会/会長 社団法人経済同友会/代表幹事 財団法人日本オリンピック委員会/会長 全国町村議会議長会/会長 社団法人日本経済団体連合会/会長 全国市長会/会長 財団法人日本体育協会/会長 全国町村会/会長 財団法人日本サッカー協会/最高顧問 財団法人日本サッカー協会/名誉会長 国際サッカー連盟/理事 財団法人日本サッカー協会/副会長 財団法人日本サッカー協会/副会長 社団法人日本プロサッカーリーグ/チェアマン 文部科学副大臣 財団法人日本サッカー協会/副会長 富士ゼロックス株式会社/相談役 社団法人日本新聞協会/会長 キリンホールディングス株式会社/代表取締役社長 文筆家 株式会社三菱 UFJ フィナンシャル・グループ/取締役社長 東京電力株式会社/取締役社長 住友金属工業株式会社/代表取締役会長 髙嶋 達佳 高橋 治之 民秋 史也 中鉢 良治 豊田 章男 広瀬 道貞 細谷 英二 株式会社電通/代表取締役社長 株式会社電通/顧問 株式会社モルテン/代表取締役社長 ソニー株式会社/副会長 トヨタ自動車株式会社/代表取締役社長 社団法人日本民間放送連盟/会長 株式会社りそなホールディングス/会長 株式会社りそな銀行/会長 ポール・ハーディスティ* 村井 純 柳井 正 アディダスジャパン株式会社/代表取締役 慶應義塾大学/環境情報学部長 株式会社ファーストリテイリング/代表取締役会長兼社長 犬飼 基昭 麻生 渡 岡村 正 金子 万寿夫 川端 達夫 古賀 伸明 五本 幸正 桜井 正光 竹田 恆和 野村 弘 御手洗 冨士夫 森 民夫 森 喜朗 山本 文男 岡野 俊一郎 川淵 三郎 小倉 純二 鬼武 健二 委員 5.2 第2回2018/2022年FIFA ワ ールドカップTM 日本招致委 員会/招致連絡協議会の開催 第 2 回 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招 て取り組んでいる印象を与えられたと思ってい ます。今日は5月14日の『招致ブック』提出に向 けた出陣式と捉えています。」 と述べた。 致委員会 / 招致連絡協議会は、 「2022 年 FIFA ワール 会議では、 5 月 14 日に FIFA に提出する「招致ブッ ドカップ 招致ブック」の FIFA への提出を 3 日後 ク」を一足先に招致委員及び協議会員に紹介、日 に控えた 2010 年 5 月 11 日、東京・ホテルオークラ 本独自の大会構想について、 「招致ブック」ととも 東京において開催した。この会議では、 「招致ブッ に FIFA に提出する「招致映像」を交えながら詳し ク」の承認、招致活動の 2022 年大会への絞込みな く説明した。 TM ど、重要案件が議案に上がっていたことから、代 また、今後、招致活動の対象を 2022 年大会に絞 理出席を含め、第 1 回を上回る 47 名の委員 / 会員 込むことが報告され、委員会において承認された。 の出席があった。 冒頭、挨拶にたった犬飼委員長は、 これに伴い、日本招致委員会の名称を「2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会」に変更する 「前回の委員会から3ヶ月が経ち、招致活動もいよ こととし、招致ロゴマークからも「2018」の文字が いよ本格化してきました。5月3日にはFIFAブラッ 消えることとなった。ただし、法人格としての「一 ター会長を川端文部科学大臣とともに訪問し、大 般財団法人 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本 臣より『政府として全力をつくす』との力強い 招致委員会」については、従前のままとした。 お言葉をいただきました。FIFAに対し、国を挙げ ※敬称略、役職別に五十音順 ※所属 / 役職は当時 ※*印は 2010 年 3 月 1 日付 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 招致連絡協議会会員(2010 年 2 月 12 日現在) 役 職 会員 氏 名 市原 則之 岡崎 助一 小島 邦夫 中川 浩明 中村 利雄 中村 芳夫 南雲 弘行 芳山 達郎 各「開催地自治体」の代表者(知事・市長) ※敬称略、役職別に五十音順 ※所属 / 役職は当時 48 所属 / 役職 財団法人日本オリンピック委員会/専務理事 財団法人日本体育協会/専務理事 社団法人経済同友会/専務理事 全国知事会/事務総長 日本商工会議所/専務理事 社団法人日本経済団体連合会/事務総長 日本労働組合総連合会/事務局長 全国市長会/事務総長 第 2 回 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 日本招致委員会 / 招致連絡協議会。左から岡野俊一 郎顧問(JFA 最高顧問) 、小倉純二副委員長(FIFA 理事 /JFA 副会長) 、犬飼基昭委員長(JFA 会長) 、 川端達夫特別顧問(文部科学大臣) 、鈴木寛副委員長(文部科学副大臣) 、鬼武健二副委員長(JFA 副 会長 /J リーグチェアマン) 、大仁邦彌副委員長(JFA 副会長) 、村井純委員(ヒューマニティ&テク ノロジー部会長) 49 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 年 FIFA 第2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 日本招致委員会の開催 5.2.1 2022年大会招致への絞込み FIFA ワールドカップ 2018 年大会の立候補を取 TM り下げ、2022 年大会への立候補に絞込むことにつ 問した際には、この問題の対応についても協議が 行われ、同会長からは日本の決断に賛同と感謝の 意が示された。 いては、2010 年 2 月頃から折に触れて議論されて きた。 一方、2018 年大会の立候補取り下げについては、 2009 年 12 月に政府の閣議了解を得ていることか その背景には、2018 年大会をヨーロッパ開催に ら、政府・関係省庁への事前説明を行うほか、開 て取りまとめたいという、FIFA からの内々の要請 催地自治体あるいはチームベースキャンプに立候 を受けたことが挙げられる。同時に、2018 年大会 補する自治体及び都道府県サッカー協会に対して に立候補しているヨーロッパ諸国からの支援を獲 も、事前に状況の説明がなされた。 得するため、2018 年立候補辞退を交渉の材料とす るとの戦略的な考え方があった。 招致委員会実行本部では、今後の招致レースを 見据え戦略的に絞込みを決断することとし、対外 また、開催国決定の投票方法等が明らかでない 的な発表のタイミングを計ってきた。そして、第 2 現状において、他に先んじて 2018 年大会の立候補 回 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員 を取り下げ 2022 年大会に絞込む手続を行うこと 会 / 招致連絡協議会において承認されたことで、 で、日本の大会招致に向けた強い意志を対外的に 2022 年大会への立候補の絞込みが正式に決定し 強くアピールするとの狙いがあった。 た。 この決定に伴い、組織名(法人名称を除く)及 2010 年 5 月 3 日、FIFA ブラッター会長を表敬訪 び招致ロゴの変更を行った。 5.3 第3回2022年FIFAワールド カップTM日本招致委員会/ 招致 連絡協議会の開催 この間、7月にはFIFAインスペクションが行わ れ、FIFAの調査団が大阪市をはじめ各開催候補地 で日本の開催能力を調査していきました。また、 第 3 回 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委 10月28日に行われた理事会では、開催国決定の投 員会 / 招致連絡協議会は、開催国決定の FIFA 理事 票方法も決定いたしました。今後は、最終プレ 会まで 20 日あまりとなった、2010 年 11 月 10 日、 ゼンに向けて、日本の提案である次世代ワール 東京・ホテルオークラ東京(オーチャードルーム) ドカップの実現を主張してまいりたいと思いま において開催された。 す。 2010 年 5 月 11 日の第 2 回委員会以来、6 ヶ月ぶ 本日の招致委員会/招致連絡協議会は、2022年 りの開催となった会議には、代理出席を含め 39 名 FIFAワールドカップ日本招致のための出陣式とし の委員 / 会員の出席があった。 て位置付けさせていただきたいと思います。」 冒頭、2010 年 7 月 25 日に JFA 会長に就任したこ とに伴い、新たに日本招致委員会委員長に就任し 会議では、第 2 回委員会開催以降の招致活動、 及び今後の予定について報告された。 た、小倉純二委員長が挨拶を行った。 「前回5月11日の第2回招致委員会/招致連絡協議会 から約6ヶ月。12月2日の開催国決定に向けて、招 致活動もいよいよ最終局面を迎えています。 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会概要 ● 一般名称 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 ● 法人名称 一般財団法人 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会(変更なし) ● 英文名称 Japan 2022 Bid Committee ● 委員会 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会/招致連絡協議会 ● URL http://www.dream-2022.jp 5.2.2 FIFA ブラッター会長表敬訪問 である。 第 2 回招致委員会 / 招致連絡協議会の開催に先立 もし我が国で再びワールドカップを開催する つ 2010 年 5 月 3 日、川端達夫文部科学大臣と犬飼 ことができたら、鳩山首相の親書にあるとおり、 基昭委員長が、スイス・チューリヒの FIFA 本部に、 FIFAの求めに応じて、大会の開催に必要なあらゆ ブラッター会長を表敬訪問した。 る対策を講じる用意がある。」 川端大臣より鳩山由紀夫首相の親書がブラッ と、ワールドカップ日本招致に向けた日本の強い ター会長に手渡され、 意志を表明した。 「日本国政府としては、昨年12月に閣議了解を行 っ 会談では、日本の 2022 年大会への立候補絞込み ており、私自身も招致委員会の特別顧問に就任 のほか、今後の招致活動について意見交換が行わ して、国を挙げて積極的に支援しているところ れた。 50 第 3 回 2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 日本招致委員会 / 招致連絡協議会 51 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 日本招致委員会の開催 【これまでの活動報告】 第 6 章 「招致ブック」 及び「開催契約書」 の提出 ・2022 年招致立候補国 4 カ国の提案の特徴につ いて ・ロビー活動について(FIFA ワールドカップTM南 アフリカ大会、FIFA U-17 女子ワールドカップ、 各大陸連盟総会、FIFA 理事会等) 6.1 「招致ブック」及び「開催契 約書」の提出 ・海外広報活動及び国内広報活動 ・オフィシャル招致パートナーの状況について ・2022 年 FIFA ワールドカップ招致推進議員連盟 の設立について 第 3 回 2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 日本招致委員会 / 招 致連絡協議会カクテルパーティ ・FIFA 評価レポートの 11 月中旬公表について ・12 月 1 日の最終プレゼンテーション実施につ いて 2010 年 5 月 14 日、スイス・チューリヒの FIFA ブラッター FIFA 会長に「招致ブック」を手渡した。 本部において招致ブック提出セレモニーが行われ 日本のコンセプトである “208 Smiles”(= FIFA に た。2022 年 FIFA ワールドカップ 日本招致委員会 加盟する世界 208 の国と地域の人々とワールドカッ は、各招致国とともに同セレモニーに出席し、 「招 プの感動と喜びを分かち合い、地球上の隅々にい 致ブック(Bid Book) 」並びに「開催契約書(Hosting たるまで “笑顔をもたらすワールドカップ”)を、 パッ Agreement) 」を提出した。 ケージにも表現した「招致ブック」は、淡々と進 「招致ブック」及び「開催契約書」の提出は、 ・12 月 2 日の開催国発表(現地時間 16 時、日 FIFA ワールドカップTM の招致及び開催について、 本時間 12 月 3 日 0 時)について このあとディスカッションに移り、18 時 15 分、 招致委員会 / 招致連絡協議会は閉会となった。 乾杯の音頭をとる小倉委員長 は、各招致国がアルファベット順に登場。日本は 午前 11 時 15 分、犬飼委員長がステージに上がり、 TM 【今後の活動予定】 スイス時間午前 9 時から行われたセレモニーで 行するセレモニーの中にあってひときわ注目を集 めた。 FIFA との契約の成立を意味することから、FIFA の 招致ブック提出セレモニーの模様は、日本招致 招致プロセスにおいて最も重要な手続として位置 委員会の Web サイト「DREAM2022」を通じて映像 付けられていた。 配信された。 続いて 18 時 45 分から、会場を同ホテルのメイ プルルームに移し、 第 3 回 2022 年 FIFA ワールドカッ プTM日本招致委員会 / 招致連絡協議会 カクテルパー ティが開催された。 パーティでは、日本招致委員会特別顧問の髙木 義明 文部科学大臣、オフィシャル招致パートナー を代表してキリンホールディングス株式会社執行 役員 / コーポレートコミュニケーション部長の小川 洋氏から挨拶があった。 続いて、日本招致委員会特別顧問であり 2022 年 FIFA ワールドカップ招致推進議員連盟会長の川端 達夫 前文部科学大臣も登壇し、小倉委員長の音頭 で乾杯の発声が行われ、祝宴が開始した。 招致ブック提出セレモニーのステージに立つ、左から田嶋実行本部長、犬飼委員長、ブラッター FIFA 会長 52 53 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 日本招致委員会の開催 6.2 「招致ブック」の仕様及び構成 また、 「招致ブック」 と同時に FIFA に提出された、 「開催契約」 「開催都市契約」 「スタジアム契約」等 の契約書類については、 「招致ブックの付録」とし 「招致ブック(Bid Book) 」は、 「招致契約書」の規 定に基づき、 「招致ブック本体」と「招致ブック」 「招致ブック本体」 ・ 「招致ブック情報テンプレート」目次構成 招致ブック本体 章 第1章 タイトル 招致国と開催都市の紹介 第9章 開催理念 サッカーの発展 持続可能な社会と人の発展 環境保護 スタジアム 開催地指定チームホテルと 開催地指定トレーニングサイト チームベースキャンプとチームベース キャンプトレーニングサイト 宿泊設備 第 10 章 第 11 章 FIFA 本部 輸送 第 12 章 第 13 章 第 14 章 第 15 章 第 16 章 第 17 章 第 18 章 情報技術と通信ネットワーク 安全とセキュリティ 健康及び医療サービス 競技会関連イベント メディア設備、通信及び広報 放送権とマーケティング権 資金調達と保険 第 19 章 第 20 章 政治体制 既存の契約 て位置づけられ、 「招致ブック」と一体のものとし て取り扱われた。 「招致ブック本体」は、 「招致契約書」に示され の「招致ブック本体」と「招致ブック情報テンプレー る 20 の章からなり、FIFA からの要求事項に対し招 ト」に加えて、 「招致ブック本体」と「招致ブック 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 第7章 致委員会が提案する形式となっている。一方の「招 情報テンプレート」それぞれの電子データ、 及び「招 第8章 致ブック情報テンプレート」は、 「招致ブック本体」 致ブック本体」で提案した日本の大会構想を映像 の内容に沿ってスタジアム、トレーニングサイト、 化した招致映像を収納した「招致 DVD」 、さらに、 宿泊施設、輸送インフラなど、各種の詳細なデー 招致映像を収納した「PSP(PlayStation Portable) 」を タを提示することを求めており、あらかじめ FIFA 同梱した。 に添付される「招致ブック情報テンプレート」に より構成されている。 により様式が定められている。 「招致ブック」の FIFA への提出に際しては、上記 「招致ブック」の FIFA への提出部数は、招致契約 書の規定により 30 部、 「招致ブックの付録」である FIFA は、 「招致ブック」自体を契約書として位置 契約書類は、 各契約書ごとに 3 部 (写し 2 部を含む) づけており、 「招致ブック本体」に記述した情報、 とされた。契約書類は、すべての開催都市、すべ 表明、提案された計画・対策のすべてが、法的拘 てのスタジアム、トレーニングサイト、すべてのホ 束力を有するとしている。したがって、 「招致ブッ テルとの契約書に及ぶため、その全体量は数万ペー ク本体」の全文公開は原則非公開とされた。 ジに達した。 招致ブック情報テンプレート № 第1号 第2号 第3号 第4号 タイトル 招致国の概略 開催都市の概略 招致国の休日の概略 招致国の観光と行事 第5号 第6号 第7号 第8号 第9号 第 10 号 第 11 号 スタジアム 開催地指定チームホテル 開催地指定トレーニングサイト チームベースキャンプ チームベースキャンプトレーニングサイト ホテルの部屋数 宿泊設備の概略 第 12 号 第 13 号 第 14 号 第 15 号 第 16 号 開催都市間の移動 開催都市内の移動 輸送インフラストラクチャ 空港インフラストラクチャ 航空機接続と移動時間 第 17 号 競技会関連イベント 第 18 号 第 19 号 第 20 号 屋外メディア予約 支出予算 チケッティング収入予測 「招致ブック」概要 ●「招致ブック本体」:A4 判、234 ページ、カラー(言語;英語) ●「招致ブック情報テンプレート」 :A4 判バインダー、286 枚、カラー(言語;英語) ●「招致 DVD」: 招致ブック電子データ(言語;英語) 招致ブック情報テンプレート電子データ(言語;英語) 招致映像(言語;英語、仏語、西語、日本語) ●「PSP(プレイステーションポータブル)」 :招致映像(言語;英語、仏語、西語、日本語) ● 招致ブックの付録 付録 1:開催契約 付録 2:開催契約のための確認契約 付録 3:政府の支援(政府宣言、政府保証第 1 号 ∼第 8 号) 付録 4:開催都市契約 付録 5:スタジアム契約一式 付録 6:トレーニングサイト契約一式 付録 7:ホテル契約 付録 8:法律意見書 54 55 第 1 部 招致活動記録 6.3 大会構想と提案スタジアム TM 第 5 章 2018/2022 第年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 日本招致委員会の開催 2022 年 FIFA ワールドカップ™日本の大会構想は、 2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 日本 大会構想(概要) まさにそうした視点から検証されるとともに、FIFA が志向する世界サッカー発展への貢献、社会と人 6.3.1 2022年FIFAワールドカップ™日本大会 構想 加えられた。 「招致ブック」の中核となる大会構想について 2022 年 FIFA ワールドカップ™日本の開催を通じ は、2009 年 4 月 16 日の第 3 回 FIFA ワールドカッ て、どのように日本及び世界のサッカーの発展に プ招致検討委員会の議題にも上げられているとお 貢献するか、どのような大会を開催することで社 り、早くから検討が進められてきた。 会と人の持続的な発展に貢献することができるの 大会構想は、 「招致ブック」に記されるだけでな か。 それらの問いに対して、 日本だからこそできる、 く、日本の招致活動全般の方向性と戦略を提示す 日本だけにしかできないオリジナルの提案を用意 るものである。また、大会構想は、単にワールド したのが大会構想である。 カップのためだけに考え出される特別なアイデア やプランではなく、JFA がこれまでに積み上げてき た活動という、実績の中から生まれるものであり、 “208 Smiles” の持続的な発展への貢献という視点からの検討が FIFA に提出した「招致ブック」に記された大会 構想の概略は、以下のとおりである。 2022 年 FIFA ワールドカップ™日本。 世界はかつて経験したことのない、サッカーの本質的な魅力を 体験 することになるだろう。 そこでは、FIFA に加盟する 208 の国と地域をはじめ、すべての人々が国や民族、文化、言語の壁を越えて、 ワールドカップの感動と喜びを分かち合うことになる。 貧困や差別、健康などの問題により観戦の機会を奪われることなく、 すべての人が、笑顔でワールドカップを楽しむことができる。 地球上の隅々にいたるまで、 笑顔をもたらすワールドカップ ―それが、日本の 2022 年 FIFA ワールドカップ™である。 FIFA WORLD CUP™ THE NEXT GENERATION produced by JAPAN その活動の延長線上に位置すべきものとされた。 さらに、12 年後に開催される大会の構想と言う 日本は、 208 Smiles を実現するため、 世界サッカーの革新的かつ永続的な発展を担保する、 次世代ワールドカップ を開発する。 視点から考察すれば、大会構想は、今後 10 年間に サッカーの発展と社会と人の持続的発展と言う命題を確実に実行するため、 おける JFA のマニフェストともいうことができる。 そして 208 Smiles の実現のため、日本は以下の提案を行う。 提案1: 最先端テクノロジーによるサッカーコンテンツの革新 ・ Freeviewpoint Vision(自由視点映像):スタンド内360度に設置された200個の高精細カメラが、ピッチ上 の選手の動き、ボールの動きをあらゆる角度から捕らえ、スタジアム内の大型ディスプレイに映し出す ・ Full Court 3D Vision:平置き型ディスプレイに浮かび上がる、ピッチ全体を俯 瞰した立体映像は裸眼 で観ることが可能。世界最先端の 超臨場感技術 がサッカーの新たな感動と興奮をもたらす 提案2: ファンフェストの革新:Universal Fan Fest in 208 Nations FIFAに加盟する208すべての国と地域、約400ヶ所にUniversal Fan Fest in 208 Nationsを設置。 Freeviewpoint Vision、Full Court 3D Visionの配信により、3億6000万人の参加者が、FIFAワールド カップ™の喜びと感動を体験する 7<?<7MehbZ9kfj^Wjkd_j[i(&.Yekdjh_[i WdZ j[hh_jeh_[i j^hek]^ `eo WdZ [nY_j[c[dj 提案3: 次世代教育活動の革新 ・ 208 Kids Dream Japan Tour:FIFAに加盟する208すべての国と地域から約6,000人の子どもたち をワールドカップ親善大使として日本に招待 ・ 208 Kids Dream Workshop:JFAこころのプロジェクトのグローバル・バージョンのプログラム をFIFAに加盟する208すべての国と地域で展開 ・ 208 Kids Dream 基金:208 Kids Dream Workshopを全世界で持続的に実施するためのJFAの出資 招致ブックに掲載された大会構想 " 次世代ワールドカップ " 56 による新たな基金の設立 57 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 日本招致委員会の開催 6.3.2 提案スタジアム・チームベース キャンプ 画を立案することとなり、立候補を表明した。 開催地自治体、開催候補スタジアム及びチーム このことにより、FIFA の規定を満たすスタジア ベースキャンプ候補地については、2010 年 1 月 8 ムの提案が可能となり、招致活動における最大の 日に正式申請が締め切られた。その後、同年 5 月 課題が解決された。 14 日の「招致ブック」の提出まで間に、様々な情 勢の変化に伴い若干の変動があった。 当初、立候補を表明していた吹田市(大阪府) 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致の最大の の「 (仮称)吹田スタジアム」は、立候補を取り下 課題は、収容規模 80,000 人を満たすことが条件と げた。また、神戸市はユニバー記念競技場を正式 される開幕戦・決勝戦の開催スタジアムが存在し に提案することとなった。 ないことであった。この問題については関係各方 最終的に「招致ブック」に提案された開催地自 面と再三にわたる折衝がなされ、慎重な検討が重 治体・スタジアム及びチームベースキャンプは、 ねられてきた。その結果、大阪市が大阪駅に隣接 以下のとおりである。 する北ヤードに、新たに 80,000 人の観客を収容す る「大阪エコ・スタジアム(仮称) 」を建設する計 提案スタジアム・開催地自治体(11 自治体・13 スタジアム) 自治体名 札幌市(北海道) 茨城県 埼玉県 東京都 横浜市(神奈川県) 新潟県 静岡県 豊田市(愛知県) 大阪市(大阪府) 神戸市(兵庫県) 大分県 スタジアム名 札幌ドーム 茨城県立カシマサッカースタジアム 埼玉スタジアム 2 ○○ 2 味の素スタジアム 国立競技場 日産スタジアム 東北電力ビッグスワンスタジアム エコパスタジアム 豊田スタジアム 大阪エコ・スタジアム(仮称) 大阪市長居陸上競技場 ユニバー記念競技場 大分銀行ドーム ※( )内は自治体の所在都道府県 提案チームベースキャンプ(64 件) 自治体名 網走市(北海道) 札幌市(北海道) 札幌市(北海道) 遠野市(岩手県) 花巻市(岩手県) 仙台市(宮城県) 秋田市(秋田県) にかほ市(秋田県) 山形県 / 天童市 福島県 / 楢葉町 / 広野町 小美玉市(茨城県) 鹿嶋市(茨城県) 神栖市(茨城県) つくば市(茨城県) 58 トレーニングサイト名 網走スポーツ・トレーニングフィールド 札幌サッカーアミューズメントパーク 白旗山競技場 遠野運動公園陸上競技場 花巻市スポーツキャンプむら 仙台スタジアム(ユアテックスタジアム仙台) 秋田市八橋運動公園球技場 仁賀保グリーンフィールド 山形県総合運動公園 J ヴィレッジ (仮称)小美玉スポーツシューレ公園 鹿嶋市高松緑地公園多目的球技場 神栖市若松運動場 フットボールスタジアムつくば ひたちなか市(茨城県) 水戸市(茨城県) 習志野市(千葉県) 成田市(千葉県) 川崎市(神奈川県) 相模原市(神奈川県) 長野市(長野県) 松本市(長野県) 糸魚川市(新潟県) 十日町市(新潟県) 長岡市(新潟県) 金沢市(石川県) 御殿場市(静岡県) 静岡市(静岡県) 沼津市(静岡県) 藤枝市(静岡県) 豊田市(愛知県) 伊勢市(三重県) 飛騨市(岐阜県) 大津市(滋賀県) 長浜市(滋賀県) 守山市(滋賀県) 堺市(大阪府) 吹田市(大阪府) 高槻市(大阪府) 神戸市(兵庫県) 奈良県 和歌山県 出雲市(島根県) 益田市(島根県) 広島市(広島県) 香川県 徳島県 今治市(愛媛県) 西条市(愛媛県) 新居浜市(愛媛県) 松山市(愛媛県) 高知県 北九州市(福岡県) 福岡市(福岡県) 島原市(長崎県) 長崎県 長崎市(長崎県) 熊本県 / 熊本市 佐伯市(大分県) 日田市(大分県) 豊後大野市(大分県) 別府市(大分県) 指宿市(鹿児島県) 霧島市(鹿児島県) ひたちなか市総合運動公園陸上競技場 ケーズデンキスタジアム水戸 / 水戸市立サッカー・ラグビー場 習志野秋津サッカー場 サウンドハウス・スポーツセンター内 プレイテック・スタジアム 川崎市等々力陸上競技場 相模原麻溝公園競技場 南長野運動公園総合運動場 総合球技場 松本平広域公園総合球技場(アルウィン) 美山陸上競技場 当間多目的グラウンド 長岡ニュータウン運動公園 金沢市民サッカー場 御殿場市陸上競技場 清水ナショナルトレーニングセンター 静岡県愛鷹広域公園 多目的競技場 藤枝総合運動公園サッカー場 豊田スタジアム 伊勢市朝熊山麓公園フットボール場 飛騨市古川ふれあい広場 皇子山陸上競技場 神照運動公園(長浜市多目的競技場) 野洲川歴史公園サッカー場 堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター ガンバ大阪練習場 高槻市立萩谷総合公園サッカー場 / 高槻市立総合スポーツセンター ホームズスタジアム神戸 奈良県立橿原公苑陸上競技場 紀三井寺公園陸上競技場 出雲健康公園 島根県立サッカー場 広島広域公園陸上競技場 香川県立丸亀競技場 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム 桜井海浜ふれあい広場 / 上浦多々羅スポーツ公園 ひうち陸上競技場 / 東予運動公園球技場 新居浜市営サッカー場(グリーンフィールド新居浜) ニンジニアスタジアム 高知県立春野総合運動公園 新設予定のスタジアム 博多の森球技場(レベルファイブスタジアム) 島原市営陸上競技場 / 島原市営平成町多目的広場 長崎県立総合運動公園新陸上競技場(仮称) 長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場 熊本県民総合運動公園陸上競技場 佐伯市総合運動公園 鯛生スポーツセンター サンスポーツランドみえ / 豊後大野市三重総合グラウンド 実相市サッカー競技場 / 野口原総合運動場 指宿いわさきホテル サッカー場 霧島市国分運動公園(陸上競技場・多目的グラウンド) ※( )内は自治体の所在都道府県 ※「/」による併記は連名による立候補の意 59 第 1 部 招致活動記録 6.4 「招致ブック」提出後 記者説明 会の開催 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 いて、日本は最高のものを持っています。提案し ているサッカーコンテンツは、夢に満ちていてま るで SF 映画のようと言われますが、研究はすでに 「招致ブック」及び「開催契約書類」を FIFA に提 出後の 2010 年 5 月 17 日、日本サッカーミュージア 終わっており、その完成度において、自信をもっ て提案できるものです」とコメントした。 第 7 章 FIFA ワールドカップTM 南アフリカ 大会の開催 ムにおいて、2022 年 FIFA ワールドカップ™の大会 構想に関する記者説明会を開催した。 説明会は、日本の開催コンセプト及び大会構想 7.1 招致国エキシビションへの出展 をメディアを通じて一般に説明し、日本国内にお 感を高めることを目的に行われた。 日本の開催コンセプト及び大会構想の詳細につ いては、これまで招致委員会内部にとどめられ、 一般に対しては一切情報開示してこなかった。こ 国に情報が伝わり、日本のオリジナルな提案を模 倣されたり、意図的にネガティブな情報を流され るなどの事態を避けるための対応策であった。 説明会では、冒頭、犬飼基昭委員長が挨拶に立 ち、 「日本の提案はユニークな提案であると FIFA で も言われました。これをオフィシャルなスタート とし、FIFA 理事にも支持を得られるように直接説 明していきたい」と、今後の招致活動に向け抱負 を述べた。 展し、日本招致オリジナルグッズを配布するなど で日本の招致活動を PR した。オリジナルグッズに ける招致機運の醸成と、一般国民の招致への期待 れは招致戦略上取られた措置で、事前に他の招致 日本招致委員会は各招致国とともにブースを出 左から丸山実行本部長、犬飼委員長、村井慶應義塾大学 環境情報学部長、田嶋 JFA 専務理事 2010 年 6 月 11 日、FIFA ワールドカップTM南アフ は、日本らしさをアピールするために特別に製作 リカ大会が開幕した。また、 開幕に先立つ 6 月 9 日・ した「法被(はっぴ) 」 「扇子(せんす) 」 「手ぬぐい」 10 日には、開幕戦及び決勝戦の開催される南アフ を用意した。 「208 すべての国と地域に笑顔をもた リカ・ヨハネスブルグにおいて、FIFA 総会が開催 らすワールドカップ」というコンセプトを表現す された。 るために、日本らしい真面目さと日本らしい楽し FIFA 総会では、FIFA 理事をはじめ FIFA に加盟す さを演出することを目標にしたこの企画は非常に るすべてのサッカー協会代表者、サッカーメディ 好評で、招致国の中で際立つほどの人だかりがで アなど、世界中のサッカー関係者が一堂に会する。 きた。同時に「招致ブック」のサマリー版(英語、 そのため、FIFA 総会は招致各国にとって数少ない 仏語、西語)も配布し、日本の提案内容への理解 絶好の招致アピールの場であった。 を深めてもらった。 一方、FIFA にとっても、2018/2022 年 FIFA ワール 日本の招致ブースには、招致アンバサダーであ ドカップTM招致にメディアの関心が集まることは好 るジーコ元日本代表監督も応援にかけつけ、ブー ましいことであることから、総会 2 日目の 6 月 10 スを訪れた 208 の国と地域の関係者に日本招致をア 日、FIFA 総会会場において「招致国エキシビショ ピールした。 ン」を開催した。 次に、丸山高人実行本部長から、FIFA に加盟す る 208 の国と地域すべてに笑顔を届けるコンセプト 「208 Smiles」 についての説明が行われた。そして 「208 Smiles」を実現するための、新たなサッカーコンテ ンツの開発や、世界 400 ヶ所に設置され、あたかも スタジアムにいるかのような興奮と感動を伝える ファンフェスト、さらに次代を担う世界中の子供 たちを育成する教育プログラムなど、日本が目指 す次世代ワールドカップの大会構想が、コンセプ ト映像とともに紹介された。 招致委員会ヒューマニティー&テクノロジー部 会長である、慶應義塾大学環境学部長・村井純教 授は、 「人に対する信頼性、クオリティの高さにお 60 左から招致アンバサダーのジーコ元日本代表監督、ザウザウ カンボジアサッカー連盟会長 (AFC 理事 )、小倉 FIFA 理事(JFA 副会長)、犬飼委員長(JFA 会長) 61 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 7.2 オブザーバーズ・プログラム 等への参加 目前に控えていた FIFA インスペクションについて も、担当の FIFA 事務局スタッフから直接、情報を 得ることができた。さらに、 イングランド、 ロシア、 7.2.1 オブザーバーズ・プログラム 2010 年 FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会期 TM カタール、韓国など、各招致立候補国との情報交 換の場としても貴重な収穫が得られた。 間中の 2010 年 6 月 28 日から 7 月 1 日の 4 日間にわ たり、FIFA 主催のオブザーバーズ・プログラムが 2010 年 FIFA ワールドカップTMオブザーバーズ・プログラムスケジュール 訪問都市 時間 第 1 日目(6 月 28 日(月) ) ダーバン 11:30-12:00 12:30-14:00 14:30-18:00 19:30-21:00 第 2 日目(6 月 29 日(火) ) ケープタウン 午前 15:30-22:30 開催された。オブザーバーズ・プログラムは、次 回 2014 年大会を開催するブラジル組織委員会をは じめ、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致立候 第 3 日目(6 月 30 日(水) ) ヨハネスブルグ 午前 補国を対象に行われたもので、実際の大会の現場 を視察することにより、大会の施設や運営につい 15:00-15:30 15:30-16:35 ての理解を深めることを目的としている。 オブザーバーズ・プログラムには、日本をはじ めすべての招致立候補国が参加した。 16:45-18:00 同プログラムへの参加により、競技運営及び競 技施設の視察など、実際の大会現場の状況を体験 できたことは大きな成果であった。また、日本が サッカーシティスタジアム観客席。スタンドを周回する ようにホスピタリティルームが設置されている 第 4 日目(7 月 1 日(木) ) ヨハネスブルグ 10:00-10:45 10:50-11:25 11:30-12:45 16:30-18:00 第 5 日目(7 月 2 日(金) ) ヨハネスブルグ 10:00-11:45 11:45-12:xx 15:15-23:30 ヨハネスブルグ・サッカーシティスタジアム外観 62 プログラム内容 イントロダクション 昼食(ロシア、カタールの関係者と同席) スタジアムツアー∼ R16 試合視察(オランダ対スロバキア) FIFA ファンフェスト in Durban 視察(ブラジル対チリ) 移動 スタジアムツアー∼ R16 試合視察(スペイン対ポルトガル) メディアセンター(仮設) 、メディアトリビューン、ホスピタリティエリア(ボッ クスシート)を視察 韓国招致担当者へのヒアリング FIFA 招致担当ユルゲン・ミュラー氏インタビュー(インスペクション及び評価レポー トについて) 移動 イングランド招致担当者ヒアリング(インスペクション対応について) ウェルカムファンクション プレゼンテーション(マーケティング)* ファンフェスト含む 大会期間中のマーケティング対応組織体制、コマーシャルディスプレイ、フード / コンセッション、CSR、マーチャンダイジング、南ア国内のファンフェストにつ いて プレゼンテーション(チケッティング&ホスピタリティ) 総キャパシティ 3,731,231 枚 販売可能数 3,408,222 枚 総枚数 3,009,061 枚 販売済枚数 2,828,885 枚 一般向け販売枚数 1,850,000 枚 プレゼンテーション(TV) IBC について プレゼンテーション(メディア) メディアセンター、メディアオペレーションに ついて プレゼンテーション(競技) チームトレーニングセッション視察(ウルグアイ) *チーム側の都合により中止 プレゼンテーション(LOC/ 開催都市準備概要) *マーケティング、インフラ、輸送含む 南ア組織委員会 CEO、ヨハネスブルグベニューエグゼクティブダイレクター、マー ケティング部門担当者による プレゼンテーション(安全及びセキュリティ) ヨハネスブルグ市セキュリティ担当者による IBC ツアー∼準々決勝試合視察(オランダ対ブラジル< PV >、 ガーナ対ウルグアイ) FIFA 及び南アフリカ LOC によるプレゼンテーション 63 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 7.2.2 インターナショナル FIFA ファンフェスト (IFFF)視察 盟する 208 すべての国と地域でファンフェストを開 FIFA ワールドカップ 南アフリカ大会開催期間中 を提案)と、同一のベクトル上にあるプロジェク TM 催する計画で、世界中の約 400 ヶ所で開催すること の 6 月 24 日から 6 月 26 日の 3 日間、ローマ及びパ トであった。 リにおいてインターナショナル FIFA ファンフェス 日本が提案する「Universal Fan Fest in 208 Nations」は、 ト(IFFF)の視察を行った。 開催規模、超臨場感技術を用いた最先端の映像シ インターナショナル FIFA ファンフェストは、開 ステム、及びそのコンセプトにおいて、FIFAが実施 催国以外の世界の主要都市で開催するもので、一 するIFFFとは本質的には異なるものであった。しか 般市民に対し大型映像システムによるパブリック し、事業の実施によって描かれる将来像やベクト ビューイングを中心に、音楽コンサートなど様々な ルが同じであることから、現状を調査しておく必 プログラムを提供する FIFA の新しい事業である。 要があった。 2006 年ドイツ大会では、開催国内で実施する 日本招致委員会実行本部では、急遽、インター FIFA ファンフェストが初めて開催されたが、この ナショナル FIFA ファンフェストが開催されている FIFA ファンフェストが大成功を収めたことから、 ローマ、パリ、シドニーに、調査のため視察団を FIFA は FIFA ワールドカップ の価値をさらに高め 派遣した。視察に当たっては、インターナショナ るため、また、一般市民に対してより多くの観戦 ル FIFA ファンフェストのコンセプト、 実施内容(プ 機会を設けるため、開催国のみならず世界中にファ ログラム・事業内容等) 、マーケティング構造、会 ンフェスト会場を展開しようとしていた。 場選定の基本方針、実施運営等について情報収集 TM を行った。 これは、日本が 「 招致ブック 」 で提案している 「Universal Fan Fest in 208 Nations(ユニバーサル・ファ パリのインターナショナル FIFA ファンフェストは、パリで一番の観光名所であるエッフェル塔のすぐ傍に あるトロカデロエリアに設置された。 次表は、ローマ、パリの視察スケジュールを示 したものである。 ンフェスト・イン 208 ネーションズ)」(FIFA に加 インターナショナル FIFA ファンフェスト視察 訪問都市 時間 ローマ 19:30-20:30 20:30-22:30 ローマ 12:00-13:00 13:00-14:30 16:00-18:00 パリ 14:00-14:30 14:30-15:50 16:00-18:00 視察内容 第 1 日目(6 月 24 日(木) ) サイトインスペクション パブリックビューイングインスペクション (日本対デンマーク、オランダ対カメルーン) 第 2 日目(6 月 25 日(金) ) サイトインスペクション (ソニーの3D 展示ブースを視察) ミーティング(現場の運営に従事するエレナ・マストロータ(FIFA マーケティング部門戦略プロ ジェクトマネジャー、マルツィア・ルラッシ(ナショナル・スポーツ・エージェンシー(NSA) 、 マルコ・ガンベラーレ(NSA)の各氏に対し、運営体制、IFFF のコンセプト、マーケティング構 造、会場選定基準、運営実施等についてヒアリング) パブリックビューイングインスペクション (ブラジル対ポルトガル) 第 3 日目(6 月 26 日(土) ) サイトインスペクション ミーティング(ベノ・ロイ(スポーティズイベントダイレクター) :ジュリアン・グリマル(スポー ティズ IFFF 担当)に対し、組織体制、ビジネススキーム、運営等についてヒアリング) パブリックビューイングインスペクション (韓国対ウルグアイ) ローマのインターナショナル FIFA ファンフェストは、ローマ市の中心部の大きな公 園に設置された。 64 65 第 1 部 招致活動記録 7.3 FIFA ワールドカップTM 南アフ リカ大会におけるロビー活動 2010 年 6 月 11 日に開幕した FIFA ワールドカッ プTM南アフリカ大会では、開催国決定の投票権を持 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 制限されたものの、大会期間中は FIFA 理事との面 談が相次いだ。また、今大会における日本代表チー ムの、自国開催以外の大会でのベスト 16 進出とい う活躍は、理事たちとの会話でも話題となり、招 第 8 章 FIFA インスペクション 致活動においても大きな追い風となった。 つ 24 名の FIFA 理事も、それぞれの担当職務を行う ため大会 FIFA 本部、各開催都市の FIFA 支部等に滞 8.1 FIFA インスペクション概要 在した。各招致立候補国にとっては、FIFA 理事に 後日、「 評価レポート 」 としてまとめられ、FIFA 理 事に提出される。開催国決定の投票権を持つ 24 名 の FIFA 理事は、この 「 評価レポート 」 を参考に、 対し自国への招致をアピールする絶好の機会で FIFA インスペクションは、各招致立候補国に あった。 投票行動をとることとされている。 FIFA の調査団を派遣し、FIFA ワールドカップ の TM しかし、FIFA 事務局からは、大会期間中におけ る各招致委員会からの FIFA 理事への接触を極力控 えるよう通達が出されていた。これは招致立候補 国の過剰な招致合戦に FIFA 理事が巻き込まれ、大 会運営という本来業務の遂行ができなくなること を危惧したために取られた措置であった。 招致国エキシビション。各国招致委員会と情報交換する小倉 副委員長。 開催運営に必要なスタジアム、トレーニングサイ 2002 年大会の招致活動時にも同様のインスペク ト、宿泊施設、輸送インフラなどを調査するもの ションが行われたが、必ずしも FIFA 理事の投票 である。FIFA インスペクションは、FIFA が設定す 行動に影響を与えるようなレポートは提出されな る招致プロセスにおいても、極めて重要なイベン かった。今回は 2018 年大会、2022 年大会合わせて トとして位置づけられている。 9 グループ 11 カ国もの招致立候補国があるため、 調査に際しては、招致立候補国から提出された 日本招致委員会としては、この FIFA 事務局の通 開催契約等の契約書類を含む 「 招致ブック 」 をあ 達にしたがい、招致委員会としての FIFA 理事への 接触は控えた。ただし、大会には日本代表チーム が出場していることから、幹部をはじめ多くの JFA 関係者が現地に滞在することとなった。滞在中に に大きな影響力があると考えられた。 らかじめ仔細に分析、示された内容に齟齬がない 一方では、2022 年大会については 12 年後の開催 かを実地に調査することにより、当該国の開催運 となるため、現時点においてどこまで開催能力の 営能力を評価することを目的としている。 有無を評価できるのか、また、その評価の視点に 調査結果は、 「招致ブック」の分析結果とともに、 はスタジアム、ホテルを問わず、いたるところで インスペクションによる調査結果は、開催国決定 ついても注目されるところであった。 FIFA 理事とも遭遇した。また、偶然にも接点があっ た場合には、当然のことながら挨拶を交わし旧交 を温めることになった。 こうして、オフィシャルな招致活動については FIFA ワールドカップTM南アフリカ大会期間中におけるロビー活動状況 月 日 6 月 9・10 日 6 月 15 日 相手先及び内容 レフカリティス FIFA 理事(キプロス)に挨拶 レオス FIFA 理事(CONMEBOL 会長)と面談 ハロルド・メイン - ニコルズ(チリ協会会長・FIFA インスペクションチームリーダー) に挨拶 サルゲロ FIFA 理事(グアテマラ) 、アヌマ FIFA 理事(コートジ・ボアール)レオス FIFA 理事(CONMEBOL 会長)に挨拶 ドーグ FIFA 理事(ベルギー)と面談 対応者 犬飼 JFA 会長、 田嶋 JFA 専務理事 犬飼 JFA 会長、 田嶋 JFA 専務理事 丸山招致実行本部長 レフカリティス FIFA 理事(キプロス)と面談 濱口エグゼクティブア ドバイザー 濱口エグゼクティブア ドバイザー 田嶋 JFA 専務理事 犬飼 JFA 会長ほか 6 月 16 日 アボリダ FIFA 理事(エジプト)と面談 7月8日 7月9日 マクディ FIFA 理事(タイ)との昼食会開催 電通ガラパーティにおいてブラッター FIFA 会長はじめ各 FIFA 理事と会談 66 田嶋 JFA 専務理事 関西国際空港に到着した FIFA インスペクションチーム。左から W.アイヒラー、J.アベラール、 J.ミュラー、小倉 FIFA 理事 /JFA 副会長、H.メイン - ニコルズ団長、平松大阪市長、荒木大 阪市会議長、D.ファウラー ( 右端 ) の各氏。 67 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 8.1.1 FIFAインスペクション各招致国訪問日程 た。 FIFA インスペクションは、FIFA ワールドカップTM インスペクションの訪問順については、十分な 南アフリカ大会終了後の 2010 年 7 月下旬から、同 準備期間が設定できること、また、各国でのイン 年 9 月にかけて行われた。史上初となる 2 大会同 スペクションの状況を把握できることから、スケ 時決定のため、インスペクションチームは、わず ジュール後半での訪問が有利と考えられていた。 か 3 ヶ月の間に 2018 年大会及び 2022 年大会の招致 しかし、最終的には FIFA が訪問ルート、気候等を 立候補国 9 グループ 11 カ国を調査することとなっ 考慮し、下記のとおり決定した。 FIFA インスペクション各国訪問日程 日 程 7 月 19 日∼ 7 月 22 日 訪問国 日本 7 月 22 日∼ 7 月 25 日 7 月 26 日∼ 7 月 29 日 8 月 9 日∼ 8 月 12 日 8 月 16 日∼ 8 月 19 日 8 月 23 日∼ 8 月 26 日 8 月 30 日∼ 9 月 2 日 9 月 6 日∼ 9 月 9 日 9 月 13 日∼ 9 月 17 日 韓国 オーストラリア ベルギー・オランダ ロシア イングランド スペイン・ポルトガル アメリカ合衆国 カタール 8.2 FIFAインスペクションの実施 れた。 加えて、各日のインスペクション終了後に、FIFA 内部による「総括ミーティング(60分)」を設定す 8.2.1 F IFAインスペクション日本訪問スケ ジュール 日本における FIFA インスペクションは、2010 年 7 月 19 日~ 7 月 22 日の 4 日間で行われた。 インスペクションの実施に当たり、あらかじめ ることが求められていた。 上記以外の視察ポイントの設定、ミーティング の設定については、基本的に各招致国にゆだねら れた。3 日間という極めて限られた時間の中で、ど FIFA から要求のあった視察ポイントは、 のように日本の運営能力の高さを見せるか。また、 ・グループリーグスタジアム 次世代ワールドカップの実現を提案する日本の大 ・FIFA本部ホテル 会構想を、いかにリアリティを持って説明するか。 ・予選抽選会会場・本選抽選会会場 一方では、あまりに過密なスケジュールを組み込 ・FIFA総会会場 んで、インスペクションチームに過重な負担をかけ の各施設であった。 ることは避けなければならなかった。招致実行本 また、招致委員会とのミーティングについては、 部では、視察スケジュール、視察場所、プレゼンテー ・招致プレゼンテーションを行う「概論ミーテ ションの方法をめぐり、本番直前まで検討を重ね ィング(最大60分)」 た。 ・FIFAから討論すべき点を明らかにする「論点 8.1.2 FIFAインスペクションチーム・メンバー 以外の4名は、FIFA招致プロジェクトリーダーを務 ミーティング(最大60分)」 FIFAインスペクションチーム・メンバーは、評 めるユルゲン・ミュラー氏をはじめ、いずれもFIFA の2つのミーティングをアレンジすることが求めら 価の公平性を確保するため、基本的に同一の固定 各部門の専門スタッフであった。 メンバーとされた。インスペクションチームメン インスペクションチームの受け入れに際して バーは5名。団長には、招致立候補国のない南米 は、 各メンバーの国籍、 使用言語、 職務歴、 来日経験、 サッカー連盟から、チリサッカー協会会長である 食事等の嗜好など、プロファイルについてのあら ハロルド・メイン-ニコルズ氏が任命された。団長 ゆる調査が行われた。 氏名(国籍) ハロルド・メイン - ニコルズ(チリ) ユルゲン・ミュラー(ドイツ) ウォルフガング・アイヒラー(オーストリア) デイビッド・ファウラー(スコットランド) ジュリオ・アベラール(ブラジル) 時 間 項 目 【Day 0】 7 月 19 日(月・祝日) 17:20 EK316 便空港到着 17:35 ∼ 17:45 プレスブリーフィング 18:15 ∼ 18:45 ヘリコプターにて移動 19:00 FIFA インスペクションチーム・メンバー 役 職 団長 メンバー FIFA インスペクション日本訪問スケジュール 所 属 チリサッカー協会会長 FIFA 競技部門イベントマネージメント長 招致プロジェクトリーダー FIFA コミュニケーション部門 FIFA マーケティング部門 FIFA 競技部門 19:05 ホテル内 FIFA ルーム到着 20:00 ディナー 【Day 1】 7 月 20 日(火) 7:00 ∼ 8:30 朝食 8:30 ∼ 9:30 概要ミーティング 9:45 ∼ 10:45 11:00 ∼ 11:45 12:00 ∼ 12:40 12:00 ∼ 13:00 13:10 ∼ 13:50 14:10 ∼ 14:35 14:35 ∼ 14:55 15:00 ∼ 15:15 15:15 ∼ 15:50 68 ホテル到着 論点ミーティング 開幕・決勝スタジアムプレゼン テーション 記者会見 インスペクションチーム昼食 FIFA 総会会場視察 ファンフェスト会場視察 ヘリコプターにて移動 チームトレーニングサイト視察 実施内容 場 所 シップサイド出迎え 関西国際空港 上空から大阪市内プレゼンテーショ ン 招致委員会、ホテルスタッフによる 出迎え 歓迎の挨拶、滞在中のガイダンス 招致委員会・JFA 主催 関空へリポート 招致プレゼンテーション、インスペ クション・オリエンテーション FIFA サイドからの論点について質疑 平松大阪市長による大阪エコ・スタ ジアム(仮称)プレゼンテーション 招致委員会・大阪市合同会見 プレゼンテーション及びインスペク ション プレゼンテーション ステージイベント チームトレーニングサイト概要説明 プレゼンテーション及びインスペク ション ザ・リッツ・カールトン大 阪(以下、リッツ大阪) リッツ大阪 FIFA ルーム リッツ大阪レストラン リッツ大阪ラウンジ リッツ大阪会議室 リッツ大阪会議室 リッツ大阪会議室 リッツ大阪会議室 リッツ大阪 FIFA ルーム グランキューブ大阪 大阪城公園迎賓館 大阪城西の丸庭園 堺市立サッカー・ナショナ ルトレーニングセンター 69 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 17:10 ∼ 17:45 17:50 ∼ 18:15 バスにて移動 FIFA 本部ホテル視察 18:30 ∼ 19:30 FIFA 総括ミーティング 19:30 ∼ 21:15 ウエルカムディナー 【Day 2】 7 月 21 日(水) 7:00 ∼ 8:30 朝食 8:30 ∼ 9:10 ホテル出発、伊丹空港に移動 9:30 ∼ 10:40 JAL110 便にて羽田空港 10:40 ∼ 11:00 車にて芝浦ヘリポートに移動 11:00 ∼ 11:30 ヘリコプターにて埼玉に移動 11:30 ∼ 12:30 グループリーグスタジアム視察 12:30 ∼ 12:50 13:15 ∼ 14:00 14:00 ∼ 14:30 ヘリコプターにて東京に移動 昼食 開催地チームホテル視察 14:50 ∼ 15:30 抽選会場視察 15:50 ホテル到着 16:30 ∼ 17:30 FIFA 総括ミーティング 17:55 ∼ 18:30 総理大臣表敬訪問 18:30 ∼ 19:55 フェアウェルディナー 【Day 3】 7 月 22 日(木) 7:30 ∼ 9:00 朝食 9:00 ∼ 11:00 招致プレゼンテーション 11:15 ∼ 11:45 12:00 ∼ 13:00 13:00 ∼ 13:10 13:15 ∼ 13:45 13:30 ∼ 14:30 15:00 ファイナルミーティング 昼食 記者会見(第 1 部) 記者会見(第 2 部) FIFA インナーミーティング ホテル出発 15:30 16:35 羽田空港にて出発セレモニー NH 便にて韓国・金浦空港へ出発 8.2.2 Day0(7月19日(月・祝)) プレゼンテーション及びインスペク ション インスペクションチームによるミー ティング 大阪市・招致委員会主催ディナー 上空から国立競技場視察 インスペクション及びプレゼンテー ション プレゼンテーション及びインスペク ション プレゼンテーション及びインスペク ション インスペクションチームによるミー ティング 菅総理大臣と懇談、写真撮影 総理大臣主催ディナー 大会構想等日本の提案に関するプレ ゼンテーション FIFA・招致委員会合同会見 招致委員会会見 招致委員会、ホテルスタッフによる 見送り 招致委員会スタッフによる リッツ大阪 7 月 19 日はインスペクションチームの到着が夕 ション リッツ大阪 FIFA ルーム 刻であったため、インスペクション・スケジュー 関西国際空港でのプレスブリーフィングを終 大阪市公館 ルにはカウントされず Day 0 とされていた。しか えた FIFA インスペクションチーム一行は、宿泊 し、来日初日ということから、日本への良好な印 先のザ・リッツ・カールトン大阪に向けて出発 象の形成を促すため、細心の配慮がなされた。 した。移動にはヘリコプターが用意された。こ リッツ大阪 FIFA ルーム 伊丹空港 VVIP ラウンジ 羽田空港 芝浦へリポート 東京上空 埼玉スタジアム 2 ○○ 2 芝浦へリポート プリンスパークタワー東京 プリンスパークタワー東京 れには移動時間の短縮と、開幕・決勝スタジア ● FIFA インスペクションチーム到着 ムとなる「大阪エコ・スタジアム(仮称) 」予定 関西国際空港に到着した FIFA インスペクショ 地を、上空から視察するという 2 つの目的があっ ンチームを、小倉 FIFA 理事(JFA 副会長)、丸山 た。 実行本部長、五香実行本部チーフダイレクター 「大阪エコ・スタジアム(仮称)」についての がシップサイドにて出迎え、日本訪問を歓迎し 詳細なプレゼンテーションは翌日に予定されて た。その後到着ターミナルにおいて、開幕・決 いたが、事前に上空から予定地を視察すること 勝戦開催予定地である大阪市の平松市長、荒木 により、大都市・大阪のまさに中心にスタジア 市会議長が出迎え、両氏を交えてプレスブリー ムが建設される計画であることを、強くイメー 総理大臣官邸 総理大臣官邸小ホール フィングを実施した。 ジさせることを狙いとした。機内では平松大阪 リッツ東京 FIFA ルーム リッツ東京会議室 「視察団の皆さんをお迎えすることを楽しみに 東京国際フォーラム ザ・リッツ・カールトン東 京(以下、リッツ東京) リッツ東京 FIFA ルーム リッツ東京会議室 リッツ東京 FIFA ルーム リッツ東京会議室 リッツ東京会議室 リッツ東京 FIFA ルーム 小倉 FIFA 理事から、 していました。日本にはFIFAが求めるワール ドカップの開催要件を満たす、すべての準備 が整っています。明日からの視察では、日本 の運営能力、ポテンシャルの高さを存分にご 確認下さい。」 羽田空港 との挨拶が行われた。 *青字は FIFA 指定のプログラムを示す FIFA メンバーを乗せ大阪を上空からアピールした。 空港内に設置されたFIFAインスペクション・チームへのウェ ルカム・ボード。 70 ●開幕・決勝戦スタジアム予定地インスペク 機内ではビジュアルを駆使し、効率的かつ効果的に大阪市の 開催能力の高さの説明が行えるようiPadを使用したプレゼン テーションが行われた。 71 第 1 部 招致活動記録 市長が、大阪大都市圏の概要を説明するととも TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション と述べた。 に、大阪駅北ヤードのスタジアム建設予定地を 続いて、鈴木文部科学副大臣が挨拶し、 「日本国 指差して、新たに建設される予定の都市型スタ 政府はこの素晴らしいチャレンジにできうる限り ジアムの魅力を熱く解説した。 の取り組みをしてまいります。 」と、日本政府とし また、スタジアム予定地に至る途中には、サ ムライブルーにライトアップされた大阪のシン ボル・通天閣の上空を通過した。 て大会の開催を支援することを表明した。 その後、田嶋 JFA 専務理事がスクリーンに映し出 されたスライドにしたがって、日本の立候補理由 と招致コンセプトについて説明した。ここではあ 8.2.3 Day1(7月20日(火)) インスペクション初日となる Day1 には、FIFA か ら要求された概要ミーティング、論点ミーティン グの他、FIFA 総会会場、ファンフェスト会場、チー ムトレーニングサイト、IBC(国際放送センター) 、 FIFA 本部ホテルの視察など、分刻みのスケジュー ルが盛り込まれた。 くまで招致コンセプトの説明に止め、テクノロジー 田嶋 JFA 専務理事プレゼンテーション みなさんこんにちは。私が JFA 専務理事の田嶋幸三です。 日本が立候補した理由と日本の招致コンセプトについてご説明します。まずはこちらの映像「Digest of Japan Bid」をご覧ください。 【映像】 ありがとうございます。いかがでしたでしょうか。日本は 12 年後、2022 年の世界と社会を想定し、よりサッ カーが発展するように、そして、地球上のより多くの人たちがサッカーに触れることができるように招致コ ンセプトを策定しました。 の解説など大会構想の詳細な説明については、最終 日の招致プレゼンテーションで行うこととした。 最後に、丸山実行本部長より、3 日間のインス ペクションの行程について説明を行った。 休憩を挟んだのち「論点ミーティング」が行わ れた。論点ミーティングのテーマは、 「招致ブック」 2002 年のワールドカップの際、世界中の数多くのサッカーファミリーとサッカーファンに日本に来てもら い、大会後には多くの方々から称賛を受けました。そのキーワードとなっていたのが「スマイル」です。FIFA は大会後、2002 年大会を「World Cup of Smiles」と呼び、高い評価を頂きました。12 年後のワールドカップで はこのスマイルを、私たちや、日本を訪れた方たちだけではなく、世界の隅々、208 の加盟協会に広げたいと 考えているのです。そのために、次世代のワールドカップという大会構想を紹介させてください。 招致ブックの中には、5 つのプロポーザルを提示しました。 特に留意されたのは、開幕・決勝戦開催地とし の内容に関する質問や確認事項について、インス ての大阪の、優れたファシリティと招致に向けて ペクションの 2 週間前までに FIFA から各招致国に 1.最先端テクノロジーによるサッカーコンテンツの革新 の市民レベルの盛り上がり、そして、 「大阪エコ・ 送られることとなっていた。しかし、いずれの事 2.スタジアム体験の革新 スタジアム(仮称) 」のプレゼンテーションであっ 項についても事前に FIFA 事務局に対し回答・解決 3.ファンフェストの革新 た。 済みであったため、会議では、いくつかの質問と それに対する補足説明が行われ、約 15 分で終了し ●概論ミーティング た。 4.インターネット事業の革新 5.次世代育成活動の革新 なぜ日本が立候補し、このような提案をしているのかについて説明します。 概論ミーティングは、 午前 8 時 30 分から、 ザ・リッ 理由の一つ目は、日本は 2002 年日韓大会を開催したからこそ再び立候補したということです。ご存知のよ ツ・カールトン大阪 2 階ザ・グランド・ボールルー うに 2002 年のワールドカップは共同開催でした。韓国と共同でやることで、多くの得るものもあり、私たち ムで行われた。会議には、 5名のFIFAインスペクショ は大変満足しました。それでもまだ、やり残したことがあります。もっと多くの人にワールドカップを楽し んでもらえるんじゃないか、そしてもっと世界中にワールドカップの素晴らしさを伝えられるのではないか。 ンチーム、犬飼委員長をはじめとする日本招致委 2002 年からでは早すぎるという人がいます。私たちの中には、2002 年の記憶があり、もっと素晴らしいもの 員会関係者、鈴木文部科学副大臣、平松大阪市長 にしたい、もっと素晴らしいものにできるという自信があります。だからこそ、2022 年に手を挙げたのです。 が参加した。 まだ 1 度もやっていない国に譲ったらどうだ、そういう人もいます。しかし、世界のサッカーの発展、多 会場内には、 「大阪エコ・スタジアム(仮称) 」 くの人たちにワールドカップの素晴らしさを伝え、その喜びを感じていただく、世界のサッカーの発展を考 の模型が置かれた大阪市中心部のジオラマが設置 えるとそれは早すぎることはない、という気持ちで私たちはいっぱいなのです。これまで多くの FIFA の大会 され、その周囲を囲むように各出席者の席が用意 を行い、そこで培った運営能力、そして次世代のワールドカップをクリエイトし実現できるのは、私たちだ された。 司会の丸山実行本部長による日本側出席者の紹 介が終わると、犬飼委員長が挨拶に立ち、歓迎の 言葉を述べるとともに、 「インスペクションを通じ て日本のポテンシャルと、未来のワールドカップ を開催したいとする日本の熱意を感じてほしい」 72 FIFAインスペクションチーム一行をホテルで出迎える川淵顧 問/JFA名誉会長 という確信があるからこそ、今回この招致に手を挙げました。 日本のサッカーは、発展しています。J リーグがここまで発展し、男子も女子も様々なユースカテゴリーの 世界大会にも出場、南アフリカのワールドカップではベスト 16 でパラグアイに PK 戦で敗れ 9 位という成績 でしたが、着実に私たちは発展しています。 2 番目に、日本は世界中とワールドカップを共催し、ワールドカップの喜びを共有したいと考えているから です。 73 第 1 部 招致活動記録 FIFA ブラッター会長は、サッカーはユニバーサルランゲージであるとおっしゃっています。人類最大のコ ミュニケーション装置です。私たちは Humanity & Technology という言葉を使い、 単純に技術的な発展だけをサッ カーに取り入れるだけではなく、そこに Humanity、日本人が最も大切にしている Humanity の部分を取り入れ、 サッカーの素晴らしさを発信したい、そして発信する自信があるということです。今までのワールドカップ では開催国に来てください、という提案でした。そして多くの観客に集まっていただき、300 万人以上の観客 に喜んでいただく、それをもっと発展させ、世界中の人々にそれを実体験してもらえるような大会にしたい のです。つまり、2022 年の大会を世界と共催したいのです。そのために、世界中のみんながまるでスタジア ムにいるようなゲームに参加するかのような、かつてない感動と興奮のワールドカップを作り上げたいので す。そのためのテクノロジーについては、このインスペクションで皆さんにご覧いただくことになっていま す。 3 番目の理由は、日本の次世代育成活動の革新へのビジョンです。 皆さんにお約束します。私たちは 208 のすべての加盟協会から最低 1 チーム、世界中から 6,000 人以上の子 供たちを日本に招待します。そこで、もちろん子供たちにはスタジアムでワールドカップを観戦してもらい、 世界のトップレベルのサッカーを肌で感じてもらい、夢を持つことの素晴らしさを体験してほしいと思いま TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 概論ミーティング・論点ミーティング出席者 所 属 FIFA インスペクションチーム 氏 名(役職) ハロルド・メイン - ニコルズ団長(チリサッカー協会会長) ユルゲン・ミュラー(FIFA 競技部門イベントマネージメント長) デイビッド・ファウラー(FIFA コミュニケーション部門) ウォルフガング・アイヒラー(FIFA マーケティング部門) ジュリオ・アベラール(FIFA 競技部門) JFA 犬飼基昭 会長(日本招致委員長) 川淵三郎 名誉会長 小倉純二 副会長 /FIFA 理事 大仁邦彌 副会長 田嶋幸三 専務理事 日本政府 鈴木 寛 文部科学副大臣 大阪市 平松邦夫 市長 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委 丸山高人 本部長 員会実行本部 五香純典 チーフダイレクター 平井 徹 国際部門ダイレクター 貝瀬智洋 政府 / 自治体部門ダイレクター 野上宏志 事業部門ダイレクター 種蔵里美 コミュニケーション部門広報担当ダイレクター 小西あおい 国際部門マネジャー す。そして、ユニバーサルエデュケーションをクリエイトし、夢を持つことの素晴らしさ、環境の大切さ、 平和の大切さ、 人種や民族や宗教を超えた相互理解の重要性を6,000人の子供たちに伝えたいと考えています。 このユニバーサルエデュケーションは、FIFA、国際機関とも協力して作っていく必要があるでしょう。そし 概論ミーティング・論点ミーティングレイアウト図 てこの子供たちは、日本の各地に散らばり、サッカーの大会にも参加し、この世界共通の教育を経てまた日 本でしかできない平和教育等も準備したいと考えています。 皆さんにお伝えしておきたいのは、この活動はワールドカップ招致のためにいきなり準備したわけではな いということです。子供の次世代教育がいかに大切かを考え、日本でも 1,735 回の、海外でも 3 回の次世代教 育を行っています。これがあるからこそ、この提案ができるのです。 私たちはこの 6,000 の若木を日本で植えます。そして彼らは自分の国に帰り、将来サッカー選手としてワー ルドカップに帰ってくるもの、その夢がかなわなくても平和、相互理解、環境といったことで、その国でそ れぞれのポジションで活躍できる人間に育っていくに違いありません。そして我々は、 次世代教育をこの 6,000 人だけで終わらせるつもりはありません。 ワールドカップで得た収益をもとに、ファンデーション ( 財団 ) を作り、その後もこの次世代教育活動を世 界中に展開したいと考えています。FIFA がすでに行っている、Football for Hope などとも協力し、世界中の子 供たちに次世代育成活動を広めていくことを約束します。これは、世界 No.1 のスポーツで、世界 No. 1の大 会を持つサッカーだからこそできることだと確信しています。 サッカーには、力があります。人を変える力、社会を変える力、世界を変える力があると信じています。 まさに More than just a Game なのです。その力を 2022 年の進化したワールドカップでぜひ世界中に示したい、 これが私たちの 2022 年の招致に立候補した思いです。 12 年後の未来の社会にふさわしい形で、サッカーの、ワールドカップの持つポテンシャルを最大化し、ワー ルドカップの興奮と感動をアジア、そして世界中に根付かせる。 日本は世界のサッカー、そして FIFA の永続 的発展に貢献するというビジョンを持って立候補しています。 そして、誠実さと勤勉さ、平和と協調を重んじる人間性と最先端の技術力を兼ね備えた日本なら、未来を にらみ、そのビジョンを実現することが可能です。 かつてないスケールで地球をひとつにする新次元のワールドカップ、日本の構想 “208 Smiles” “World Cup, the Next Generation” には、そのような日本の意志が込められています。 74 75 第 1 部 招致活動記録 ●開幕・決勝スタジアムプレゼンテーション TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション ブで明快な回答を用意する必要があった。この 開幕・決勝スタジアムのプレゼンテーション プレゼンテーションには、大阪のポテンシャル は、日本招致委員会にとって極めて重要な位置 と そ の 優 位 性 を、FIFA イ ン ス ペ ク シ ョ ン チ ー 付けにあった。それは、現状において開幕・決 ムに明確に印象付けるという重要な目的があっ 勝スタジアムの FIFA 要件を満たす 8 万人収容規 た。 平松市長プレゼンテーション(要旨) 模のスタジアムが日本に存在しないことに起因 する。FIFA ブラッター会長は、内々には横浜・ 丸山本部長の概要説明の後、開幕・決勝戦の 日 産 ス タ ジ ア ム で も 開 催 可 能 と 発 言 し た が、 開催地となる大阪市の平松市長が、大阪の未来 FIFA の 24 人の理事を説得するためには、どうし 都市構想とその中核となる「大阪エコ・スタジ ても 8 万人収容可能な新スタジアムが必要であっ アム(仮称) 」の計画について、プレゼンテーショ た。 ンを行った。スライドとジオラマを用いたプレ 大阪市長の平松です。ようこそ、大阪へ。 もう一つの懸案事項は、開幕・決勝戦の開催 ゼンテーションでは、大阪都市圏のダイナミズ FIFA を代表する皆様をこうして迎えられることを非常にうれしく思います。 地として首都である東京を提案していないこと ムとともに、環境に配慮した世界をリードする さて、この時間は、私からサッカーそしてスタジアムを中核とする大阪の未来都市構想についてお話しさ である。これまでのロビー活動の中で、何人か 最先端、最高水準の大阪エコ・スタジアム(仮称) の FIFA 理事に指摘されたのは、 「なぜ、首都・ の計画が、リアリティを持って伝えられた。 東京に開幕・決勝スタジアムがないのか」とい うことであった。これに対し、 「なぜ大阪なのか、 大阪でなければならないのか」という、ポジティ 平松邦夫 大阪市長 せていただきます。 1400 年以上もの歴史を持つ大阪は、古くからシルクロードの終着点としてアジアに開かれたビジネス中心 の国際都市として発展してきました。 その歴史の中で、ユーラシアの隅っこ、辺境にある大阪には、外から常に新しい文化を貪欲に取り入れ、 そして積極的に新しいものを生み出し発信する進取の気風が育まれてきました。 多様な文化を受け入れ、柔軟で包容力にあふれた大阪人は、日本で最も気さくで親しみがある人々ともい われます。ちなみに日本でチリワインが最も飲まれているのはこの大阪です。 現在、京阪神大都市圏には 1800 万人もの人々が住み、東京首都圏と並ぶ日本を代表する産業集積地、巨大 な文化圏となっています。京都、神戸までを含む大阪市を中心としたメガリージョンは、世界的な視点で見 ても、都市環境や経済力で、大阪都市圏はトップレベルにあります。 知る人ぞ知る、ですが、世界中のリチウム電池の半分はこの大阪で生産されています。南アのネルソンマ ンデラベイ、ダーバン、グリーンポイントの 3 つのスタジアムの屋根は、この大阪の太陽テントという会社 が施工しました。あのパナソニックもこの大阪市が創業地であり本社を置いています。 エリア内に 3 つの空港、大規模港湾を持ち、この大阪はアジア、世界に開かれた都市として、まさに成熟 を迎えようとしています。 しかし経済、産業が成熟する一方で、この巨大都市大阪は、今後も人々が豊かに暮らす都市であり続けら れるだろうか?もっと人間にとって大事なことがたくさんあるのではないか。 末永くここに暮らしたい、子どもを産み育てたい、人々がこの大阪を愛し続ける。そのような街にしたい と願う私たちは考えました。サッカーとスタジアムを媒介として今まで以上に人々がふれあい、語り合い、 そして老若男女が心豊かに暮らしていける都市にしよう、と。 Football は世界の共通言語です。Football の持つエンターテインメント性とコミュニケーション促進力、さら には次世代の教育機会を創出する力は測り知れません。 大阪エコ・スタジアム(仮称)完成予想図 2002 年の FIFA ワールドカップはもちろん、これまで多くのスポーツの国際大会を経験している大阪は、そ の重要性と必要性を十分に認識しています。 76 77 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 大阪に集積する最先端技術をアピール 発展する大阪都市圏 経済と歴史・文化、スポーツが高度に融合し、真に豊かな町となっていく。そのような 21 世紀の未来都市 構想が「The Next Generation Metropolis , OSAKA 」です。 高度な浄化処理設備を付帯した雨水貯留槽により、芝生の散水、トイレの洗浄水としてはもちろん、飲用 水としても活用される予定です。 また、限りある資源を再生するリサイクル技術もここで活用します。ここにあるガラス瓶からできた再生 それではみなさん、ジオラマにご注目ください。 1 日に 250 万人が乗降する日本最大級のターミナル大阪駅。 大阪エコ・スタジアムは、その大阪駅に隣接し、まさに都市経済と産業、交通と商業、市民の生活の心臓 ガラスですが、特殊な技術を使い再生ガラスから植物を再生させています。 これらの高度なエコ対応は、都市の環境保全という観点でこの大阪、アジアから世界への模範となるもの と自負します。 部に建設されます。 1日 250 万人が乗降する駅を降りればそのままスタジアムの観客席へ。スタジアムの周 辺には様々な施設が完備され、試合前も試合後も、ファン、サポーターたちを飽きさせません。私たち大阪 の力をもってすれば、8万人の観客をマジックのように移動させ、楽しませられるでしょう。 このように最新の建築技術や施設設計、情報通信設備、安全設備など、あらゆる領域において日本が誇る 最先端のテクノロジーを反映いたします。 12 年後の未来において、世界最先端、最高水準のファシリティを備え、世界に新たな価値を発信し、サッカー スタジアムのすぐ隣の第一区画はすでに現在建設中です。約 7ha のエリア。オフィス、様々なレストラン を含む大型ショッピングモールと、憩いの場となる緑あふれる公園、住居などが整備されます。さらにその 横には世界中の頭脳を集めた最先端の科学技術研究機関が集合するナレッジキャピタル。 文化をリードする次世代型スタジアムが誕生します。 そして大阪エコ・スタジアムは大阪の人々、ひいてはアジアの人々の豊かな生活に大きく寄与し、我々の 多大なる財産となるはずです。 北ヤードは経済・商業施設、居住空間、教育機関、エンターテインメントなど、すべての都市機能が集約 されるのです。大阪エコ・スタジアムは、毎日数百万人以上の人々が行き交う複合型施設となり市民生活の 中心的存在となるのです。 是非ともアジアの中心となるこの大阪の地で 2022 年、ワールドカップの開幕、決勝戦を実現したい。これ は私の夢であり、このメガリージョンに住む 1800 万人の、いや日本とアジアに暮らす数十億の人々の未来に 幸せをもたらすものであります。 大阪エコ・スタジアムはその名前の通り、地球環境にも配慮したスタジアムとなる予定です。スタジアム 屋根部分等への高効率な太陽電池パネル、蓄電池の設置による太陽光発電、周辺地域の風力発電及びごみ焼 却場からのバイオマス発電等による電力の供給により、スタジアムのすべてのエネルギーをカーボンフリー エネルギーによって賄うことに挑戦します。 壁面緑化の徹底、都市の風の通り道に配慮した建設でヒートアイランド現象を防ぐなど、都市の環境保全 にも高度に対応していきます。 スタジアム内で用いられる容器は、すべて生分解性プラスチック容器等を活用するなど、ゼロ・エミッショ ンの実現により、消費ではなく再生を目指すスタジアム施設運営を図る予定です。 78 79 第 1 部 招致活動記録 ●ファンフェスト会場視察 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション た。 ファンフェスト候補会場の視察は、FIFA の要求 ●チームトレーニングサイト視察 の根レベルから日本のサッカー文化の奥行きを伝 チームトレーニングサイトの視察は、2010 年 4 えようとしたのである。 視察ポイントには指定されていない。しかし、FIFA プレゼンテーションが終了し、インスペクショ 月に完成して間もない堺市立サッカー・ナショナ に加盟する 208 すべての国と地域、約 400 ヶ所で展 ンチームが庭園の芝生広場に出ると、待ち構えて ルトレーニングセンターで実施した。チームトレー 堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセン 開する Universal Fan Fest in 208 Nations(ユニバーサル・ いたキッズ、サポーターから一斉に、ニッポンコー ニングサイトについて、日本は「招致ブック」に、 ターでは、竹山修身 堺市長、川淵三郎 堺市立サッ ファンフェスト・イン 208 ネーションズ)の提案へ ル、オオサカコールが沸きあがり、ステージに導 42 ヶ所の開催地チームトレーニングサイトと、 カー・ナショナルトレーニングセンター名誉セン の理解を得るためには、ファンフェスト会場の視 かれたインスペクションチームのメンバーが紹介 64 ヶ所のチームベースキャンプトレーニングサイ ター長(JFA 名誉会長) 、柿本卓志 堺市立サッカー・ 察は日本として必要不可欠であった。そのため、 された。 トを提案している。 ナショナルトレーニングセンター長、藤縄信夫 続いて、招致アンバサダーの元日本代表・森島 ここでの視察の目的は、堺市立サッカー・ナショ (社)大阪府サッカー協会専務理事が、FIFA イン 寛晃氏、招致特別広報大使のアトムが登場し、ワー ナルトレーニングセンターのみならず、それら提 スペクションチーム一行を出迎え、プレゼンテー ルドカップの大阪開催を望む子供たちから寄せら 案したすべてのトレーニングサイトの快適性をプ ションに臨んだ。 れたメッセージボードが、インスペクションチー レゼンテーションすることであった。同時に、キッ また、視察には、折から子どもたちのサッカー ムに披露された。 ズからシニアまでの幅広い年齢層の市民が、いつ スクールを行っていたラモス瑠偉氏(元日本代表、 ていた。その後、6 月には FIFA ワールドカップTM南 でも、安全で快適にサッカーを楽しむことができ ビーチサッカー日本代表監督)も途中から加わり、 アフリカ大会を視察し、またローマ、パリで開催 る環境が日本にはある、そしてそれは 2002 年大会 ブラジルから来日した当時を振り返り、日本のサッ されたインターナショナル FIFA ファンフェスト のレガシーである、ということを実証するために カー文化の目覚しい発展についてメッセージを (IFFF)の視察を行った。その結果、FIFA の志向 設けられたプログラムである。トレーニングサイ 送った。 するファンフェストが、単にクローズドサーキッ トという視点から、プロレベルだけではなく、草 計画段階の早くからこの視察をスケジュールに組 み込んでいた。 当初、大阪市のファンフェスト会場はクローズ ドサーキットを想定し、大阪城ホールが設定され トのみならず、3 万人規模のサポーターが試合を寛 いで観戦し、様々なエンターテイメントプログラ ムを楽しむとともに、サポーター同士が交流でき る場であることを確認した。 そこで、会場を大阪城ホールに隣接する大阪城 西の丸庭園に変更し、大阪城ホールと一体となっ ファンフェスト会場候補である西の丸庭園でのサポー ターとの交流 たファンフェスト会場としてプレゼンテーション を行った。 大阪城公園の駐車場に到着したインスペクショ ンチームは、2 人乗りの人力車に乗り換え、プレゼ ンテーション会場である西の丸庭園内の大阪迎賓 館に向かった。ここでは、セレッソ大阪のキッズ、 サポーター約 500 名が、インスペクションチーム の到着を拍手と歓声で迎えた。 大阪迎賓館では、平松大阪市長によるプレゼン テーションが行われ、メイン - ニコルズ団長をはじ FIFA インスペクションチームをハイタッチで見送るサ ポーター めインスペクションチームのメンバーは、仰ぎ見 る壮麗な大阪城と、みどりに溢れる西の丸庭園の メイン - ニコルズ団長(左)とラモス瑠偉氏(右) 見事なコントラストに、十分に納得した様子であっ 80 81 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション ●大阪市・日本招致委員会主催ウェルカムディ ナー JFA は「JFA2005 年宣言」として「DREAM~ 夢が あるから強くなる」というスローガンを掲げてい FIFA インスペクション Day1 の締めくくりには、 ホストシティである大阪市と日本招致委員会によ るウェルカムディナーが行われた。主賓である FIFA インペクションチームに加え、大阪経済界を 代表する方々にもゲストとしてお越しいただい た。大阪が、官民を挙げて FIFA ワールドカップ TM の開催を熱望していることを強く印象付けるとと もに、フレンドリーな大阪の気質を理解してもら おうとの狙いがあった。 インスペクションチームは翌日早朝には東京に 移動するため、大阪での最後の夜を寛いだ雰囲気 ます。 ワールドカップを単独開催すること、そして そのワールドカップで優勝すること。 そして、その喜びを日本中、そして世界中と 分かち合うこと。 これは、我々にとって必ず成し遂げたい、大 きな大きな夢の実現です。 8.2.4 Day2(7月21日(水)) Day1 で大阪の視察日程を終了した FIFA インスペ ンスペクションチームがピッチへの階段を上る際 クションチームは、7 月 21 日早朝、大阪・伊丹空 に、FIFA アンセム(FIFA 主催試合の際に流すテー 港から東京・羽田空港に向かった。この日は前日 マ曲)を流した。するとメンバーはすぐに気がつ よりも比較的緩やかなスケジュールが組まれてい き、笑顔とともに元気よくピッチへと入場していっ たが、逆に大阪-東京間を含め移動距離が長いた た。 め、移動に伴うストレスを最小限にするよう、ヘ リコプターの利用など万全の対応が取られた。 羽田空港から埼玉スタジアム 2 ○○ 2 に向かう 大阪市という大変心強いパートナーを得て、 際には、国立競技場、西が丘サッカー場の上空を 日本のサッカーも夢の実現に近づいてゆけると 通過し、機中からのインスペクションを実施した。 思います。 」 と、スピーチした。 チに出た。ここでちょっとした演出が行われ、イ ピッチでは、ホームチーム浦和レッズの現役選 手である阿部選手、ポンテ選手が、選手の視線か ら埼玉スタジアム 2 ○○ 2 の素晴らしさをそれぞ れ述べた。 プレゼンテーションでは上田埼玉県知事、小谷 ●グループリーグスタジアム視察 野埼玉県議会議長がそれぞれ挨拶に立ち、ワール の中で過ごしていただく趣旨で、大阪市公館の芝 この日最初に訪問したのは、グループリーグス ドカップの開催を訴えた。続いて丸山本部長が、 生の広がる庭園でバーベキューパーティを行うこ タジアムの埼玉スタジアム 2 ○○ 2 である。ここ プレゼンテーションスライドに沿って、埼玉スタ ととした。また、ドレスコードはスマートカジュ での視察及びプレゼンテーションの骨子は、埼玉 ジアム 2 ○○ 2 をはじめとする日本の提案する開 アルとした。 スタジアム 2 ○○ 2 で 2002 年大会の準決勝が行わ 催スタジアムについて、説明を行った。 れたように、日本が提案する 13 のスタジアムの多 ウェルカムディナーには、FIFA 総括ミーティン くが 2002 年大会を契機に整備されたスタジアムで グのため、主賓の FIFA インスペクションチーム あること、そして、2002 年大会のレガシーとして が遅れて参加することがあらかじめ予定されてい 現在も多くの観客を集め活用されていることの 2 た。午後 7 時 30 分、ホストである平松大阪市長が 点を訴求することである。 歓迎の挨拶を行い、開宴となった。 一方、FIFA のスタジアム要求基準に定められて ウェルカムディナーは、終始和やかに行われ、 いるブロードキャストコンパウンド(スタジアム FIFA インスペクションメンバーを囲んで、そここ 隣接地に設けるテレビ中継車等のエリア) 、メディ こに歓談する輪ができた。 アセンター、AD センター(大会用資格認定カード 午後 9 時の散会に近づいたところで、川淵三郎 日本招致委員会顧問が御礼の挨拶に立った。挨拶 芝生の庭園で行われたウェルカムディナー の発行施設)などの施設スペースが確保可能なこ FIFA インスペクションチーム一行を出迎える と、メディア席、ホスピタリティシートについて では、ホストを務めていただいた平松市長、及び も、改修により十分に規定数を確保可能なことを FIFA 視察団を迎えていただいた大阪経済界のゲス 伝える必要があった。 トに感謝を述べるとともに、インスペクションチー ムメンバーに対し、 スタジアム正面玄関では、FIFA インスペクショ 「ニコルズ団長をはじめとする視察団の皆さん、 ンチーム一行を、犬飼委員長、鈴木文部科学副大 今宵は大阪の皆さんの招致にかけるパッション 臣、上田清司埼玉県知事、小谷野五雄埼玉県議会 を充分にご理解いただけたのではないでしょう 議長、森美秀埼玉スタジアム 2 ○○ 2 事業推進本 か? 部長に加え、浦和レッズの阿部勇樹選手、ポンテ このパッションが、未来への夢を切り開いて 行くものと、私は確信しています。 82 選手が出迎えた。はじめにスタジアム内のインス 挨拶に立つ川淵顧問/ JFA 名誉会長 ペクションが行われ、選手控室を視察した後ピッ 左から上田埼玉県知事、メイン - ニコルズ団長、犬飼 委員長、鈴木文部科学副大臣 83 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 埼玉スタジアム 2 ○○ 2 視察・プレゼンテーション参加者 所 属 FIFA インスペクションチーム 日本政府 埼玉県 埼玉県サッカー協会 浦和レッズ 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招 致委員会 ●総理大臣表敬訪問・総理大臣主催フェアウェ 氏 名(役職) ハロルド・メイン - ニコルズ団長(チリサッカー協会会長) ユルゲン・ミュラー(FIFA 競技部門イベントマネージメント長) デイビッド・ファウラー(FIFA コミュニケーション部門) ウォルフガング・アイヒラー(FIFA マーケティング部門) ジュリオ・アベラール(FIFA 競技部門) 鈴木 寛 文部科学副大臣 上田清司 埼玉県知事 小谷野五雄 埼玉県議会議長 野本陽一 埼玉県議会サッカー振興議員連盟会長 長沼 威 埼玉県議会サッカー振興議員連盟幹事長 森 美秀 埼玉スタジアム 2 ○○ 2 事業推進本部本部長 小川倫正 埼玉県都市整備部副部長 相川宗一 埼玉県サッカー協会会長 阿部勇樹 選手 ポンテ 選手 犬飼基昭 委員長 丸山高人 実行本部長 五香純典 チーフダイレクター 平井 徹 国際部門ダイレクター 貝瀬智洋 政府 / 自治体部門ダイレクター 野上宏志 事業部門ダイレクター 種蔵里美 コミュニケーション部門広報担当ダイレクター 小西あおい 国際部門マネジャー ●抽選会場視察 国際フォーラムでは、プレゼンテーションに先立 日本は、抽選会候補会場として東京国際フォー ち、開催地自治体である東京都を代表して、佐藤 ラムとパシフィコ横浜の 2 ヶ所を提案していたが、 広副知事による挨拶があった。 インスペクションにおいては、移動の利便性を考 プレゼンテーションでは、優れた交通利便性、 慮しつつ、2002 年大会の予選抽選会の開催実績を 世界最大級の 5,000 席の客席を有するホール、最先 持つ東京国際フォーラムを視察対象とした。 端の施設・設備、そのほか会場周辺には数多くの インスペクションチームメンバーを迎えた東京 ル・ディナー FIFA インスペクションチームの総理大臣表敬訪 問は、日本政府が FIFA ワールドカップTM 日本招致 を積極的に支援していることを印象付けるために も、極めて重要な位置付けにあった。2002 年大会 の招致活動においても、FIFA インスペクションチー ムが当時の村山富一総理大臣を官邸に訪問したと いう実績があった。 既に、政府によるワールドカップ開催の支援を 約束する文書は、政府保証等「招致ブック」の一 総理大臣官邸 部として FIFA に手渡されていた。しかし、官邸へ の表敬訪問と、併せて表敬の返礼という形での総 午後 6 時 15 分、FIFA インスペクションチーム及 理大臣主催フェアウェル・ディナーの開催には、 び日本招致委員会幹部が総理大臣官邸に到着。菅直 それに勝る大きな意味があった。 人総理大臣から、FIFA インスペクションチームメ 今回の、表敬訪問及び総理大臣主催フェアウェ ンバーに対し歓迎の挨拶が行われた。これを受け、 ル・ディナーの実施に当たっては、文部科学省を メイン - ニコルズ団長から返礼の挨拶があり、記念 はじめとする関係各所との密接な連携があったこ 品が菅総理大臣に手渡された。その後、記念写真 とはもちろん、副大臣・政務官会議等、関係者の の撮影が行われ、懇談に移った。 多大な尽力と協力により実現した。 最高級ホテルが存在するなどの説明が行われた。 東京国際フォーラム視察・プレゼンテーション参加者 所 属 FIFA インスペクションチーム 東京都 株式会社東京国際フォーラム 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招 致委員会 84 氏 名(役職) ハロルド・メイン - ニコルズ団長(チリサッカー協会会長) ユルゲン・ミュラー(FIFA 競技部門イベントマネージメント長) デイビッド・ファウラー(FIFA コミュニケーション部門) ウォルフガング・アイヒラー(FIFA マーケティング部門) ジュリオ・アベラール(FIFA 競技部門) 佐藤 広 副知事 鳥海 巖 代表取締役社長 小山 泉 営業 1 部長 丸山高人 本部長 五香純典 チーフダイレクター 平井 徹 国際部門ダイレクター 貝瀬智洋 政府 / 自治体部門ダイレクター 野上宏志 事業部門ダイレクター 種蔵里美 コミュニケーション部門広報担当ダイレクター 小西あおい 国際部門マネジャー 談笑するメイン - ニコルズ団長(中央左)と菅総理大臣(中央右)左は犬飼委員長 右は川端文部科学大臣 85 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 8.2.5 Day3(7月22日(木)) 午後 6 時 45 分からは、 FIFA インスペクションチー 杯の発声で宴が開催された。宴は鈴木文部科学副 ムの表敬訪問に対する返礼として、総理大臣主催 大臣の進行により執り行われ、終始和やかに歓談 インスペクション最終日となる Day3 には、日 は、これまで一切公表されていない最高機密に類 フェアウェル・ディナーが開催された。ディナー が行われた。最後に、招致委員会を代表し犬飼委 本の大会構想の詳細を説明する招致プレゼンテー する技術も含まれる。各企業の出展に当たっての には、表敬訪問の出席者に加えて財界からのゲス 員長が感謝の挨拶を行い、午後 7 時 55 分に散会と ションが予定されていた。プレゼンテーションは、 条件は、メディアをはじめ招致関係者以外への機 トが出席し、 官民を挙げて 2022 年 FIFA ワールドカッ なった。 「未来へのプレゼンテーション」として、日本が 密厳守であった。これは、日本の提案内容が他の プ の日本招致を支援していること、及び国民の大 提案する新しいテクノロジーを実際に体験しても 招致国に漏れることを恐れたのではなく、各企業 会開催への期待の高まりを表明した。 らうことにより、次世代ワールドカップの実現を の技術情報が流出することを妨げるためにとられ 図る大会構想への理解を深めることを狙いとして た措置であった。 TM 冒頭、菅総理大臣の挨拶、続いてメイン - ニコル ズ団長の挨拶があった後、川端文部科学大臣の乾 ンストレーション機材が展示されていた。なかに いた。 プレゼンテーションは、以下に示す 5 部構成に これまでのロビー活動においては、日本が提案 より行われた。 する次世代ワールドカップの概念を、FIFA 理事 Part1:日本の開催能力 に対し必ずしも十分理解させるにいたってはいな Part2:サッカーコンテンツの革新 かった。特に、次世代ワールドカップを実現する Part3:ファンフェストの革新 ための新しいテクノロジーについては、技術的な Part4:CSR(Corporate Social Responsibility)次世代教 育活動の革新 解説が必要なため、口頭での説明や文書での説明 にはおのずと限界があった。 Part5:結び そこで、この機会をとらえ、プロトタイプモデ 総理大臣主催フェアウェル・ディナーで挨拶に立つメイン - ニコルズ団長 総理大臣表敬訪問 訪問者及び出席者 所 属 日本政府 FIFA インスペクションチーム 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致 委員会 86 氏 名(役職) 菅 直人 内閣総理大臣 仙谷由人 内閣官房長官 川端達夫 文部科学大臣 古川元久 内閣官房副長官 福山哲郎 内閣官房副長官 武正公一 外務副大臣 鈴木 寛 文部科学副大臣 ハロルド・メイン - ニコルズ団長(チリサッカー協会会長) ユルゲン・ミュラー(FIFA 競技部門イベントマネージメント長) デイビッド・ファウラー(FIFA コミュニケーション部門) ウォルフガング・アイヒラー(FIFA マーケティング部門) ジュリオ・アベラール(FIFA 競技部門) 犬飼基昭 委員長 (JFA 会長 ) 岡野俊一郎 顧問 (JFA 最高顧問 ) 小倉純二 副委員長 (JFA 副会長 ) 大仁邦彌 副委員長 (JFA 副会長 ) 田嶋幸三 JFA 専務理事 丸山高人 実行本部長 五香純典 チーフダイレクター ルのデモンストレーション機等を用いた “体験” を 「Part1:日本の開催能力」では、丸山実行本部長 通じて、新しいテクノロジー及びそれを包括する が説明に立ち、後半の未来に向けてのプレゼンテー 日本の大会構想への理解を深めてもらおうとした ションの導入として、安全、交通・輸送インフラ、 のである。FIFA 理事の理解を得るためには、まず、 環境対策など、ワールドカップ開催に際しての基 FIFA 事務局員であるインスペクションメンバーの 本的な能力についてスライドを用いながら説明し 理解を得ることが、絶対条件である。 た。 会場内には、最先端技術を保有する国内企業各 次に、これまでに日本で開催したワールドユー 社に協力いただき、最先端のデモンストレーショ ス選手権、U-17 世界選手権、FIFA クラブワールド ン機材が運び込まれ、展示された。翌日に控えた カップなど、FIFA 主催大会を列挙し、世界のサッ 招致プレゼンテーションのため、招致実行本部ス カーの発展に貢献してきた実績を示した。さらに、 タッフの準備作業は深夜にまで及んだ。 アジア地域におけるサッカーの普及・競技力の向 上のために実施してきた「AFC プロリーグプロジェ ●招致プレゼンテーション クト」 、 「JFA DREAM ASIA PROJECT」 、 「公認指導者・ 招致プレゼンテーションは、午前 9 時から、ザ・ 審判インストラクター派遣事業」 、 「JFA インターナ リッツ・カールトン東京 グランドボールルームで ショナルコーチングスクール」など、JFA の取り組 行われた。会場内へは、関係者以外の立ち入りが みについて説明した。 厳しく制限され、通常行われるメディアによる冒 頭撮影も禁止された。 この日のプレゼンテーションには、国内各企業 の協力により、最先端テクノロジーを用いたデモ 「Part2:サッカーコンテンツの革新」からは、五 香チーフダイレクターが説明に立った。 最初にFreeviewpoint Vision (フリービューポイント・ 87 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション ビジョン)を紹介。会場内に設置されたスクリー 「Part3: フ ァ ン フ ェ ス ト の 革 新 」 で は、 世 界 「夢の教室」映像の感動が会場内を静寂に包むな ン上の画像を、コントローラーを使って視点を動 400 ヶ所で展開し、3 億 6000 万人の参加者が見込ま か、川淵三郎 日本招致委員会顧問(JFA 名誉会長) かし、360 度のあらゆる角度から選手の動きを捕ら れる Universal Fan Fest in 208 Nations(ユニバーサル・ がスピーチに立った。 えることが可能であることを実証して見せた。 ファンフェスト・イン 208 ネーションズ)の実施 次いで、Full Court 3D Vision(フルコート・スリー・ ディー・ビジョン)のプレゼンテーションでは、会 内容、及びその大会レガシーとしての価値につい て説明を行った。 場内に用意した平置き 3D 映像機材、 360 度立体ディ これに基づき、ヒューマニティ & テクノロジー スプレイ、リアルタイム 3D カメラ & ディスプレ 部会員で㈱シンク代表取締役社長の 森祐冶氏が、 イなどのデモンストレーション機材を紹介しなが Universal Fan Fest in 208 Nations の実現手法、 資金調達、 ら説明を行った。インスペクションチームメンバー ビジネスモデルなど、計画のフィジビリティ(実 にも、それぞれの機材を実際に操作してもらい、 現可能性)についての説明を行った。 体験を通じて理解の浸透を図った。 さらに、FIFA Hyper Application(FIFA ハイパーア 「Part4:CSR 次 世 代 教 育 活 動 の 革 新 」 で は、 プリケーション) では、 世界中のサッカーファンが、 Freeviewpoint Vision、Full Court 3D Vision な ど の 超 臨 言語や文化を越えて豊かなコミュニケーションを 場感技術、及び FIFA Hyper Application で示したコ 育むと同時に、FIFA のワールドカップビジネスの ミュニケーション技術を用い、世界中で展開する 成長戦略に貢献する、と説明した。 Universal Fan Fest in 208 Nations を活用した、世界規模 の次世代教育プログラムを展開することを説明し 続いて、日本招致委員会ヒューマニティ & テク た。また、次世代教育プログラムは、招致活動の ノロジー部会長の村井純慶應義塾大学環境情報学 ために考え出されたアイデアではなく、既に 2007 部長が登壇し、 年から JFA が実施している「JFA こころのプロジェ 「いまご覧に入れた未来への提案は、決して夢 クト」をベースに、その経験とノウハウを最大限 物語ではなく、既に実現に向けて動き出したも に活用し、全世界に展開するものであるとの説明 のです。日本のICT(Information and Communication を行った。 Technology)技術や映像技術は、世界の最先端に 次に、 「JFA こころのプロジェクト」の事業内容、 あります。これらの技術をさらに伸ばし、世界 事業実績を説明した後、 「夢の教室」のドキュメン のコミュニケーション技術やコンテンツ産業の タリー映像を会場内に流した。 更なる発展に向けたエンジンであり続けること 川淵三郎 顧問スピーチ(要旨 ) 私は、この「こころのプロジェクト」を創設し推進してきた責任者の一人です。 サッカーに関係している者のひとりとして、サッカーもまた社会に大きな責任があると考えています。 子供たちには無限の可能性があります。感受性の強い子供たちにできるだけ多くの刺激を与えて将来よい方 向に進んでいけるようにしていきたい。 「夢の教室」では、教室が終わったあと、子供たちから夢先生に手紙を書きます。子供たちが「夢の教室」 で心から感じたことを書いてくれます。この手紙を読むたびに、私は、この「こころのプロジェクト」を始 めて本当によかったと思います。 いま、一通の手紙が私の手元にあります。ある小学校 5 年生の女の子の手紙をご紹介したいと思います。 「私は、クラス全員の女の子からイジメを受けています。一度本当に死にたいと思ったこともありました。 今日、夢先生のいろんな挫折や苦悩を乗り越え、自分の夢だったプロのサッカー選手になって成功したこ とを聞いて、私もせっかく見つけた夢に一生懸命近づくようにがんばっていきたいと思います。 医者になって人を幸せにして人の役に立ちたい。そういう気持ちを持っていればイジメとか、今つらい ことでも乗り越えられると思います。 先生、本当にありがとうございました。」 この手紙でおわかりのように、内容は子供たちの人生や生き方、明日への希望ということにまでいたって います。 世界は、国によって社会状況が千差万別で、子供たちも全く違う環境で生きています。しかし、我々が提 案している FIFA ワールドカップTMを機会として行われる次世代教育プログラムで、208 それぞれの国や地域の 子供たちひとり一人が、自分の夢を持つこと、それに向かって一生懸命頑張ることの大切さを学び考えるこ とは、大きな意味があると思います。 さらに、他の国の子供たちも肌の色や言語や文化が違っても、夢を持って、大きな希望を持って生きるこ は、21世紀における日本の重要な役割です。 とにおいては違いはないと感じることでしょう。日本はサッカー、FIFA ワールドカップTMの可能性をそこま このような技術で、日本がFIFAワールドカップTM で考えています。 に貢献できると言うことはこの上ない喜びです。 それは、サッカーが単なるエンターテイメント であると言うだけでなく、人の心を動かし、世 川淵顧問のスピーチの後、五香チーフダイレク 界を結ぶ架け橋として、そしてその先にある平 ターが、次世代教育プログラムの中核をなす 208 こうしてすべてのプレゼンテーションを終了し 和な世界を子供たちに提供するものだと、私た Kids Dream Workshop(208 キッズ・ドリーム・ワー た後、FIFA ワールドカップTM南アフリカ大会で、日 クショップ) 、208 Kids Dream Japan Tour(208 キッズ・ 本代表チームをベスト 16 に導き、前日、招致アン ドリーム・ジャパンツアー) 、それぞれについての バサダーに就任したばかりの岡田武史 前日本代表 プログラム内容、プログラム実施の意義及び価値 監督が、スペシャルスピーカーとして登壇した。 ち自身が知っているからです。」 と述べるとともに、今後の研究開発のプランにつ いて情熱を込めて語った。 88 招致プレゼンテーション会場風景 について詳細な説明を行った。 89 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 岡田武史 招致アンバサダー(前日本代表監督)スピーチ(要旨) 最後に、犬飼委員長が結びの挨拶として、 ードし続けるために、日本は持てる力のすべ 「ただいまご説明しましたように、 日本は独自 てを結集し、未来を創っていく所存です。」 の提案をしています。 と述べて、日本の提案への理解を求めた。 その独自性は、1.レガシー、2.CSR活 岡田武史 招致アンバサダー(前日本代表監督) 動を、開催国のみならず、世界中に広げて 犬飼委員長に続いて、FIFAインスペクションチ いくことです。さらに、理念だけではなく ームを代表して、メイン-ニコルズ団長が挨拶に立 実行プランにしていることです。 った。団長は、「調査団として公平な立場を保つ これは未来のFIFAワールドカップTMのある ため、招致各国の個別の評価は避ける」、と前置 おはようございます。 べき姿だと考えています。 私は日本代表チームの監督として、98 年のフランスワールドカップと今回の南アフリカの 2 大会に出場し 12年後の開催国を決めるということは、 「日本の提案は、非常にバランスの取れた、優 ました。98 年は日本が初めてワールドカップに出た大会で、私も 41 歳と若く、経験不足もあり予選リーグで 10数年後のFIFAワールドカップ とサッカー れたものであり、プロフェッショナルな仕事に 3 連敗をしました。その後、フランスに残って大会を視察させてもらったのですが、忘れられない光景があり の発展を決めるということ、と強く考えて 大変感銘を受けている。 ます。 います。 それは決勝戦が終わって、フランスが優勝を決めた時、100 万人という人達がシャンゼリゼ通りを埋め尽く し、人々が国旗を振ったり熱狂している姿でした。おかげで私はタクシーを降りて通りを横断してホテルに 帰らなければならなくなったのですが、人々の心を一つにさせ、これほど人々を熱狂させられるワールドカッ プって本当にすごいなと思いました。 きをしつつ、 TM 特に、最後に提案された「こころのプロジェク ぜひとも、FIFAの中長期戦略に照らし合 わせていただきたい。 ト」は、This is Real Football、まさにこれこそがサッ カーそのものある。 208 Smiles という理念は、まさにその戦略 にドライブをかけていく提案と考えます。 FIFAが、世界のスポーツ、国際社会をリ 私が会長を務めるチリサッカー協会でも、す ぐに実施したい。」 と、最大級の賛辞を述べた。 あれから 12 年、2002 年の日韓共催の大会を経験したりして、日本のサッカーは確実に進歩してきました。 それはワールドカップで勝つことを夢見た多くの指導者、選手、関係者の思いの集結でした。おかげで、我々 は南アフリカでベスト 16 に入ることが出来ました。 日本では、シャンゼリゼほどとは言いませんが、多くの若者が深夜にもかかわらず街に集まり、熱狂して いたそうです。本当にうれしいことです。物が豊かな日本の社会の中で、 閉塞感にさいなまれていた若者達が、 その閉塞感を打ち破る可能性を知り、チャレンジする勇気を掴み、目を輝かせていたそうです。 私は、世界中の若者の目を輝かせようという日本の提案に共感し、アンバサダーを引き受けました。 それと共に、私は環境活動を 30 年以上やっていますが、環境問題の根本でもある人口爆発を考えてみてく ださい。1900 年に 15 億だった地球の人口は、50 年後の 1950 年には 30 億、2000 年には 60 億と倍々になり、 招致プレゼンテーション出席者 所 属 FIFA インスペクションチーム 日本政府 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致 委員会 現在 68 億人といわれています。人口が増えると共に地球が大きくなればいいのですが、残念ながら地球は大 きくなりません。このまま行けばどうなるか?誰が考えても行き着く先が想像できると思います。 どうすればいいのか、人類がお互いを認め合い尊重し合い、いや人類だけでなく自然の中で共生、つまり 共に生きていかなければなりません。これは対戦相手を尊重し、開催国と共に盛り上げるというワールドカッ プそのものではないでしょうか? 地球で一番愛されているスポーツ・サッカーが、世界最大のワールドカップという偉大なる大会を通して、 地球を一番愛しているスポーツであることを全世界に発信する、これが日本でワールドカップを開催すると いうことだと思っています。 90 日本招致委員会ヒューマニティ & テクノロ ジー部会 オブザーバー 氏 名(役職) ハロルド・メイン - ニコルズ団長(チリサッカー協会会長) ユルゲン・ミュラー(FIFA 競技部門イベントマネージメント長) デイビッド・ファウラー(FIFA コミュニケーション部門) ウォルフガング・アイヒラー(FIFA マーケティング部門) ジュリオ・アベラール(FIFA 競技部門) 鈴木 寛 文部科学副大臣 犬飼基昭 委員長 川淵三郎 顧問 小倉純二 副委員長 大仁邦彌 副委員長 田嶋幸三 JFA 専務理事 丸山高人 実行本部長 五香純典 チーフダイレクター 平井 徹 国際部門ダイレクター 林 信貴 コミュニケーション部門ダイレクター 野上宏志 事業部門ダイレクター 種蔵里美 コミュニケーション部門広報担当ダイレクター 小西あおい 国際部門マネジャー 村井 純 部会長(慶應義塾大学環境情報学部長・教授) 森 祐冶 ㈱シンク代表取締役社長 出展企業 5 社 岡田武史 招致アンバサダー(前日本代表監督) 91 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション ● FIFA インスペクション総括ブリーフィング 次に、スペシャルゲストとして「キャプテン翼」 午後 1 時からは、会場をプレゼンテーション会 の作者である高橋陽一氏が登壇し、メイン - ニコル 場隣のボールルームⅠⅡに移し、メディアブリー ズ団長をはじめとするインスペクションチームメ フィングを行った。84 席用意した座席はすべて埋 ンバーに、それぞれの似顔絵を描いた色紙がプレゼ FIFA インスペクションの受け入れに際しては、 このように、いずれの招致国においても国家元 まり、立ち見する多くのメディアがあり、FIFA イ ントとして手渡された。メンバーは満面の笑顔で、 政府をはじめ開催地自治体や関係機関の全面的な 首による招致支持、大会開催への支援を、招致活 ンスペクションへの関心の高さが伺えた。 カメラに向けて自らの似顔絵が描かれた色紙をか 協力・連携体制のもと、準備が進められた。また、 動の重要なファクターとして位置づけている。 ざした。 日本招致委員会実行本部においては、すべてのス 日本では、 2009 年 12 月 8 日に閣議了解がなされ、 タッフがインスペクションの準備及び実施に対応 政府として正式に招致活動を支援することを約束 する、臨戦体制がとられた。 していた。また、2009 年 12 月 7 日及び 2010 年 5 壇上に上がったメイン - ニコルズ団長は、 「日本 の提案は、非常にバランスの取れた優れたもので 引き続き行われたブリーフィングでは、田嶋 JFA あり、プロフェッショナルな仕事であると大変感 専務理事、丸山実行本部長が挨拶と報告を行い、 銘を受けている。また、インスペクションの準備 質疑応答に対応した。 8.3 FIFA インスペクション対応 チン大統領がスポーツ担当大臣に招致活動を指示 したとされる。 月 10 日には関係副大臣・政務官会議が開催され、 8.3.1 政府への協力要請 は完璧であり、期間中をとおして快適に過ごすこ アム王子が招致を支援している。 また、 ロシアはプー 関係する省庁の協力体制が確認されていた。 FIFA インスペクションにおいて、政府の関与は こうした緊密な連携・協力体制を背景に、FIFA 極めて重要な要素である。日本政府は、政府の宣 インスペクションの実施に当たっては、政府関係 続いて挨拶に立った犬飼会長は、 「無事にインス 言、政府保証など、既に政府として大会の招致及 機関に対し、下表に示す事項の協力を要請した。 ペクションのすべての日程を終了することができ び開催に協力する旨の表明を、 「招致ブック」の一 なお、鈴木寛 文部科学副大臣には、7 月 20 日 た。また、本日午前中に行われた招致プレゼンテー 部として行っていた。しかし、視察への帯同ある Day1 の概論ミーティング、論点ミーティング、開 ションにおいて、確かな手ごたえを感じ取ること いは総理大臣主催のディナーなど、インスペクショ 幕・決勝スタジアムミーティングに参加いただい ができた。 」と力強く述べた。 ンへの直接的関与は、そうした文書の提出以上に、 たほか、7 月 21 日 Day2 には埼玉スタジアム 2 ○○ 政府のワールドカップ招致への熱意を伝えるもの 2 視察、総理大臣表敬訪問、総理大臣主催ディナー、 である。また、インスペクションチームに好印象 そして 7 月 22 日 Day3 には、招致プレゼンテーショ を与えるとともに、大会の日本開催に安心感を提 ン及び総括ブリーフィングまで帯同いただいた。 とができた。このインスペクションに携わったす べての方々に感謝したい。 」と述べた。 メイン - ニコルズ団長と犬飼会長は壇上で固い握 手を交わし、写真撮影が行われた。 メイン - ニコルズ団長と握手を交わす犬飼委員長 このことは、日本招致委員会にとって極めて大 供することができる。 きな力となったばかりでなく、日本が国を挙げて 他の招致国においても、米国ではオバマ大統領 がブラッター FIFA 会長宛に開催を熱望する書簡を 招致活動を推進していることを、FIFA に対し強力 に印象づけることができた。 送り、イングランドではブラウン首相が招致費用の 一部を支援することを表明するとともに、ウイリ FIFA インスペクションの受入にあたっての主要関係団体依頼先(依頼事項)一覧 高橋陽一氏による似顔絵を手に笑顔を見せる FIFA インスペクションチーム・メンバー 92 依頼先 文部科学省 内閣官房 財務省・所轄税関支署 法務省・所轄入国管理局 厚生労働省 農林水産省 外務省 国土交通省・所轄航空局 関西国際空港(株) 依頼内容 大臣(副大臣)のインスペクションへの参加、関係省庁への協力依頼文の展開等 表敬訪問、夕食会設定 出入国に関する円滑化対応 〃 〃 〃 査証発行に関する円滑化対応 視察団のヘリ移動に係る着陸許可等に関する協力 出入国に関する円滑化対応(関係者用動線の利用等) 大阪国際空港ターミナル(株) 日本空港ビルディング(株) 大阪市 堺市 埼玉県 東京都 関係者用動線の利用等 出入国に関する円滑化対応(関係者用動線の利用等) 諸施設におけるインスペクション受入対応 〃 〃 〃 93 第 1 部 招致活動記録 8.3.2 開催地自治体の協力 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション を、いかにリアリティを持って説明するか苦心し 8.3.3 インスペクションにおける運営体制 れ相対するメンバーと信頼関係を築く一方、視察 開催地自治体への協力要請については、前記の たが、直前に作成したジオラマ模型により、イン FIFA インスペクションの受入れ準備及び実施に 中におけるメンバーの要望等を把握、あるいはメ 表に示したように、関係する大阪市、堺市、埼玉県、 スペクションメンバーの理解を促す大きな効果が 際しては、招致実行本部としての通常業務を実施 ンバーが明かす極秘の情報を的確にとらえるなど 及び東京都に対して行った。いずれの自治体におい 得られた。 しつつ、平行して行う必要があった。限られた人 のミッションが与えられた。 ても、FIFA インスペクションの重要性を理解する 員の中でインスペクション対応業務を行うため、 とともに、最大限の協力をいただくことができた。 また、FIFA インスペクション期間中を含む 7 月 そのため、各自治体施設の視察に当たっては、 17 日から 31 日にかけては、大阪市役所の壁面に巨 ここでは、FIFA インスペクション対応業務にか 円滑な説明・運営が実施され、なんら問題は発生 大な横断幕を掲出。7 月 13 日から 21 日には、大阪 かる、招致委員会実行本部の体制及びその実施内 しなかった。 市営地下鉄 12 駅構内に、日本招致委員会と共同で 容について言及する 実行本部の全スタッフが投入された。 の大阪視察に合わせ、市民の機運を盛り上げると ●フルアテンド制の採用 阪市は、関西国際空港での FIFA インスペクション ともに、FIFA に対して大阪の熱意をアピールした。 FIFA インスペクションチームメンバーとのリ チームの出迎えから、概論ミーティング、開幕・ 加えて、大阪城西の丸庭園におけるファンフェ レーションシップを構築するため、メンバー 5 名 決勝スタジアムミーティングでの平松市長による スト会場視察では、 大阪セレッソのサポーター、 キッ に対し、それぞれマンツーマンで対応するフルア プレゼンテーション、大阪市公館での大阪財界人 ズが多数参加するとともに、2022 年の大阪でのワー テンド制を導入した。アテンド対応者は、それぞ を招いての歓迎ディナーなど、日本招致委員会と ルドカップや 12 年後の夢について綴った大阪市の 一体となって、積極的な招致活動を実施した。 子供たち 45,000 人のメッセージを、FIFA インスペ は、現存しない「大阪エコ・スタジアム(仮称) 」 きな盛り上がりを見せることができた。 接点を重視したほか、年齢や事前の調査により得 られた性格等を考慮に入れ設定した。 けるメンバーのすべての状況を把握し、対応する なかでも、開幕・決勝戦開催候補都市である大 クションチームに手渡すことができ、会場での大 の担当業務と対応者の担当業務との関わりからの 基本的には、アテンド対応者が日本滞在中にお ポスターを掲出するなど、FIFA インスペクション 特に、開幕・決勝スタジアムのミーティングで アテンド対応者の設定に当たっては、メンバー こととなった。 さらに、アテンド対応者をサポートする形で、 以下の各チームが編成された。 FIFA インスペクション対応運営体制 チーム アテンド対応者 プレゼンテーションチーム ベニュー対応チーム 運営・設営チーム メディア対応チーム ロジスティクスチーム 実施業務 インスペクションチームメンバーとのリレーションシップ構築及びアテンド プレゼンテーション素材(原稿・映像等)の作成、及びバックアップデータの作成・管理 各視察ポイントにおける現地関係機関及び関係者との調整 各視察ポイントにおける施設設営及び運営 インスペクション期間中におけるメディアブリーフィング等メディア対応 インスペクションチーム及び招致委員会関係者の宿泊・交通・輸送に関わる業務 FIFA インスペクションチームメンバーアテンド対応者 FIFA インスペクションチーム ハロルド・メイン - ニコルズ団長(チリサッカー協会会長) ユルゲン・ミュラー(FIFA 競技部門イベントマネージメント長) デイビッド・ファウラー(FIFA コミュニケーション部門) ウォルフガング・アイヒラー(FIFA マーケティング部門) ジュリオ・アベラール(FIFA 競技部門) アテンド対応者(実行本部) 丸山高人 実行本部長 五香純典 チーフダイレクター 野上宏志 事業部門ダイレクター 小西あおい 国際部門マネジャー 平井 徹 国際部門ダイレクター 大阪市役所の壁面に掲出された巨大な招致横断幕 94 95 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 7第 章 FIFA 年 6 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション ●プレゼンテーションツール ペクションメンバーにストレスを与えることは避 することを避けるため、下記に示す要請文をメディ 概論ミーティング、招致ミーティングなど、 けなければならなかった。そのため移動手段、移 ア各社に送付した。併せて、取材を希望するメディ ホテルの会議室等で多数の人々を対象に行うプレ 動ルート、宿泊場所等の設定に際しては、細心の アに対しては、事前登録制を取ることとした。 ゼンテーションでは、設置したスクリーンにコン 注意が払われた。 ピュータから出力した画像・データを映写し実施 FIFA インスペクション期間中のメディア対応について した。しかし、プレゼンテーションの場は必ずし 移動手段については、大阪-東京間の移動は航 も会議室の中だけではなく、移動中のヘリコプ 空機、関西国際空港-大阪市内及び東京都内-埼 ター、あるいはバスの車中でも行われた。その際 玉スタジアム間の中距離移動はヘリコプター、大 に威力を発揮したのが iPad である。 阪市内及び東京都内の短距離移動にはバスを用い 期間中のメディア活動につき、FIFA より以下リクエストをいただいています。 あらかじめプレゼンテーションに必要な画像、 た。ヘリコプターは雨天等の視界不良の場合飛行 あらかじめご承知置きくださいますよう、お願いいたします。 データを取り込んでおき、説明が必要なときに適 できないため、当該区間の移動に際してはバス移 ・FIFA は各招致国で一切質疑応答に応じない。各招致国の比較や詳細に関するコメントはしない。 宜情報を取り出して提供するなど、機動的なツー 動も想定しスタンバイさせた。 ・招致側が FIFA を代弁すること、視察の際に FIFA 視察団が発したコメントを話すことはあってはならな ルとして活用することができた。 iPad には、インスペクションチームメンバーから のあらゆる疑問、質問に対応するため、スタジア ムデータ、各施設情報など、膨大なデータが収納 された。 バス利用の移動ルートについては、事前に混雑 状況を十分に調査し、渋滞等でスケジュールに変 更が生じないよう考慮した。 当初、大阪-東京間の移動に新幹線を利用する 案も検討された。新幹線は、 「招致ブック」にも記 < FIFA インスペクション期間中のメディア対応について> い。 ・プレゼンテーションルームや視察会場内の取材は不可。移動中や会場の出発・到着時の撮影、パブリッ クスペースでの撮影は可能。 2010 年 7 月 19 日(月・祝) 来日時記者ブリーフィング 載したように、移動時間、安全性、正確性、輸送キャ 登壇者: また、プレゼンテーションで出された質問等で、 パシティなど、他国に対して大きなアドバンテー 小倉日本招致委員会副委員長/ JFA 副会長/ FIFA 理事 即座に回答することができない項目については、 ジがある。しかし、7 月 21 日は、埼玉スタジアム 平松大阪市長 翌朝までにクラウド・コンピューティング・サー 2 ○○ 2 の視察、総理大臣表敬訪問などの予定があ 荒木大阪市会議長 ビスにより情報を提供することとした。質問が少 り、時間的に余裕がないため航空機を利用するこ 2010 年 7 月 20 日(火)12:00 ~ 12:40 なかったせいもあり、威力を発揮する機会は少な ととなった。 日本招致委員会/大阪市 合同記者会見 かったが、FIFA メンバーからは、非常に効率的で あると高い評価を得た。 登壇者: ての FIFA 本部ホテルを考慮し、あらかじめ FIFA クノロジーを活用したのは、日本の提案が FIFA 本部ホテルとしての要件を満たすホテルをリスト Hyper Application(FIFA ハイパーアプリケーション) アップし、その後に移動ルート、インスペクショ はじめ、最先端の ICT 技術を駆使したものである ン実施に際しての利便性などを考慮し決定した。 ことから、日本には既に、高度な ICT 技術に対応 犬飼日本招致委員会委員長/ JFA 会長 小倉日本招致委員会副委員長/ JFA 副会長/ FIFA 理事 宿泊施設の選定については、視察ポイントとし プレゼンテーションに際し、こうした最新のテ ハロルド・メイン - ニコルズ団長 鈴木文部科学副大臣 平松大阪市長 2010 年 7 月 22 日(木)12:30~12:45 FIFA インスペクション総括プレスブリーフィング<第一部> 登壇者: ハロルド・メイン - ニコルズ団長 する通信インフラ等の環境が整っていることを印 ●メディア対応 犬飼日本招致委員会委員長/ JFA 会長 象づけようとしたためである。 FIFA インスペクション期間中における、インス 高橋陽一先生(キャプテン翼作者) ペクションチームメンバーに対する取材、撮影等 2010 年 7 月 22 日(木)12:50 ~ 13:30 ●ロジスティクス については、あらかじめ FIFA から規制がかけられ FIFA インスペクション総括プレスブリーフィング<第二部> FIFA インスペクション・ビジットは、3 日間と ていた。これは FIFA インスペクションを滞りなく いう短期間の間に、スタジアム、FIFA 総会会場、 実施するために設けられた規制であった。 IBC 会場、抽選会会場などを訪問する必要がある。 招致実行本部は、こうした FIFA からの事前の申 一方では、過密なスケジュールによって、インス し合わせがあったこと、及び視察中に混乱が発生 96 登壇者: 田嶋 JFA 専務理事 丸山日本招致委員会実行本部長 97 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 第9章 FIFA評価レポートの公開と FIFA理事不正疑惑問題 9.1 FIFA 評 価 レ ポ ー ト の 公 開 (要約版・完全版) 9.1.1 FIFA評価レポート要約版 公開された評価レポート要約版は、A4 判 43 ペー ジ、全 4 章で構成されている。 2010 年 11 月 17 日、FIFA のホームページ Web サ 第 1 章は、ハロルド・メイン - ニコルズ FIFA 評 イト「FIFA.COM」に、 「2018/2022 年 FIFA ワールド 価グループ責任者から FIFA 会長及び理事宛のメッ カップ 評価レポート要約版」 が公開された。また、 セージ。 TM その 2 日後の 11 月 19 日には、 「完全版」が同サイ ト上に公開された。 FIFA 評価レポートは、投票権を持つ各 FIFA 理事 が支持国を決める上で、極めて限られた材料であ り重要な資料となる。 第 2 章は、 招致プロセス及び FIFA インスペクショ ンの日程、2018 年大会及び 2022 年大会それぞれの 招致立候補国の区分。 第 3 章は、2018 年大会、2022 年大会合わせて 9 招致立候補国・グループの地理的配置及びスタジア FIFA 評価レポートの作成には、FIFA インスペク ム数、大会支出予算等の全体概要が示されている。 ショングループ団長を務めたハロルド・メイン - ニ 評価レポートの本編となる第 4 章は、各招致立 コルズ氏を責任者とする、FIFA 評価グループがあ 候補国・グループごとにそれぞれ 4 ページを費や たった。 し、個別的な評価が報告されている。 評価の対象は、 開催契約書、 政府保証等を含む「招 致ブック」 、及び FIFA インスペクションの調査・分 析結果に基づくとされた。 評価レポート要約版に示された日本についての 評価は、以下に示すとおりである。 A4 判 33 ページにまとめ られた FIFA 評価レポート : 日本(完全版) 98 99 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 FIFA 評価レポート要約版(4.4 日本) 日本の招致提案の開催理念は、オーディオ、ビデオ及び情報技術を利用したサッカーの新しいコンテンツ、 日本には、数多くの国際空港及び国内空港、並びに、充実した道路と鉄道のネットワークからなる素晴ら 新しいハイテク・スタジアムの体験、グローバルファンフェスト、革新的なインターネット事業、そして、 しい輸送インフラがある。しかし、ピーク時における輸送能力を増強し、イベントの輸送業務を円滑化する 教育活動の 5 つの主たる部分から構成されている。 ための輸送量削減措置が不可欠である。 招致提案は、 全国及び地方のサッカー協会、 地方自治体当局(適切に締結された開催都市契約による)及び、 スタジアム当局(適切に締結されたスタジアム契約による)によって支持されている。 また、日本は、強力な情報通信技術(ICT)インフラを擁しており、FIFA の要件を満たしているように思わ れる。 招致提案においては、11 の開催都市と 13 のスタジアムが提案されており、これは FIFA の 12 スタジアムの 最低要件を上回っている。提案されている 13 のスタジアムのうち、12 のスタジアムは既に存在しており、こ れらは改築されることになり、また、1 つのスタジアムが新たに建設される。 スタジアムの建設と改築用には、7 億~ 13 億ドルの予算が見積もられている。8 つのスタジアムは、2002 大規模イベントのための安全及び治安、健康及び医療サービスに関する国際基準も満たされているようで ある。しかし、政府保証第 4 号(安全及び治安)の条件の全てが満たされているわけではないことから、安 全と治安の理念の実施は完全には保証されていない。 年 FIFA ワールドカップで使用されたことによって確認されているように、 FIFA の従来の要件を満たしている。 しかしながら、2022 年 FIFA ワールドカップを日本が開催することになった場合、将来における FIFA ワール ドカップのスペースと質の要件を満たすことについて、特別の注意が必要となろう。 サッカーの発展という点については、開催提案は、日本及びアジアにおける既存の活動の上に構築しよう 招致委員会は、持続可能な社会と人の発展に向けての活動及び、環境保護計画に関する招致委員会として の理念を提出した。 招致委員会は、大会関連イベントとして適切な提案も提出している。 としており、また、更なる発展に向けた活動のための収益を生み出すために、例えば、グローバルファンフェ ストやインターネット事業といった開催理念のいくつかの要素をてこ入れし、 商業化することを計画している。 マーケティング、メディア及びコミュニケーションの問題にも対応している。招致ブックにおいて提供さ 日本サッカー協会(JFA)及び J リーグは、全世界において高い評価を受けており、チームは、クラブレベ れている情報によれば、日本では大規模なイベント及びサッカーのスポンサーシップの市場は十分に確立さ ル及び国際レベルにおいて様々な成功を収めている。日本は、最近 20 年間において国際的なサッカーイベン れ発展しているようである。しかし、必要な保証として、政府保証第 6 号(商業的権利の保護及び利用)の トを開催してきた経験があり、2002 年 FIFA ワールドカップ及び 2001 年 FIFA コンフェデレーションズカップ 一部としては、保証及び確認が提供されておらず、FIFA の全体としての商業プログラムは、保証することが を共催し、また、数回の FIFA クラブワールドカップを成功裏に開催している。 できていない。FIFA ワールドカップが日本で開催された場合、TV 収入が減少し、その結果、ヨーロッパでの 招致委員会は、必要な数の開催地指定チームホテル(VSTH) と契約しているが、必要な数の開催地指定ト レーニングサイト(VSTS)と契約していない。招致委員会は、チームベースキャンプ(TBC) の必要な数のホ 商業的な利益が減少するリスクがある。想定されるヨーロッパでの収入の喪失を相殺するためにアジア・オ セアニアからの収入が大幅に増加することが必要であろう。 テル及び練習会場とは契約している。招致委員会は、要件については十分に理解しているものと思われるが、 場所によっては、契約済みの適切な施設には、提供数に限りがある。 招致委員会は、2021 年と 2022 年の FIFA コンフェデレーションズカップと FIFA ワールドカップについて、 8 億 4340 万ドル(経常)の支出予算を提出している。この予算は、根拠となる情報を添付することなしに、 宿泊施設については、96,000 室が既に契約されており、これは FIFA の最低要件である 60,000 室を上回って 所定のフォーマットで提出されたものである。販売可能なチケットを約 3,280,000 枚と予測している。 いる。全体としては、招致提案は、公正な契約により合意された条件で幅広い種類の豊富な客室を提供する ことを申し出ている。 日本が開催権を得た場合、FIFA の法的リスクは、中程度のもののように思われる。政府保証及び政府表明 FIFA 本部については、提案しているホテルの契約した客室総数は、700 室の要件を満たしていない。オフィ ス用スペースの考え方に関する追加的な情報が必要である。 は、政府文書に関する FIFA の要件を遵守しては提供されていないことから、必要な政府の支援は、確保され ていないが、日本政府は、大規模なスポーツイベントの開催及び準備を支援してきた経験があり、主要な許 可を提供し、イベントの開催者の懸念に対応する意図は証明されており、また、必要な政府保証及び法令(期 限を受け入れていない)を制定する意図を表明している。 主要情報 開催都市 スタジアム 11 要求数:12 チーム施設 開催地 チームベースキャンプ 宿泊施設 支出予算 チケッティング 100 要求客室数:60,000 室 単位:米ドル 販売可能枚数 提案数:13 既存:12 新築:1 スタジアム建設/改修予算:700 ∼ 1300 百万米ドル トレーニングサイト 要求数:52 提案数:46 チームホテル 要求数:26 提案数:28 トレーニングサイト 要求数:64 提案数:71 ホテル 要求数:64 提案数:87 契約客室数:96,000 室 FCC2021/FWC2022: 843.4 百万米ドル 3,280,000 枚(メディア席、VIP 席、見切り席を除く) また、契約文書に関する要件は満たされている。 101 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 9.1.2 FIFA評価レポート完全版 を交えた詳細な報告が記述されている。 FIFA 評価レポート完全版の日本編は、A4 判 33 ページ、全 4 章で構成される。 第 1 章は、概要版と同様に、ハロルド・メイン ニコルズ FIFA 評価グループ責任者から FIFA 会長及 9.1.3 日本に対する評価結果 情報通信などのインフラ、及び JFA 及び J リーグの さらに巻末には、付属書 1:国内交通網(地図) FIFA 評価レポートの全体を俯瞰すると、スタジ 運営、国際サッカーイベントの運営実績等で高い 付属書 2:開催都市交通網(地図) 、付属書 3:法的 アム、トレーニングサイト、宿泊施設、情報通信、 評価を得た。一方、スタジアム周辺スペース、テ リスクの概要、付属書 4:運営上のリスク、の評価 交通輸送など大会運営のためのインフラ、及び大 レビ放送権料、政府保証等では、細部についてい 表が添付されている。 会運営にかかる政府保証に、評価のウエイトが置 くつかの指摘があった。 上記、付属書 3:法的リスクの概要、付属書 4: かれていることが理解できる。言い換えれば、大 政府保証については、FIFA が定める政府保証等 第 2 章は、 招致委員会の設立、 招致契約の締結、 「招 運営上のリスクについては、評価レポート中、当 会開催のための最低限の条件を満たしているか、 の提出書類様式と一部異なったため、レポートの 致ブック」提出、FIFA インスペクション日程など、 該箇所について他の招致国との比較対照がしやす というポイントに評価の焦点が向けられていると 文言としては 「中程度のリスク」 とせざるを得なかっ 主要な招致プロセス。 いよう、評価を一覧表にまとめたものである。 いえる。 た側面がある。このことについては、あらかじめ び理事宛のメッセージ。 第 3 章は、日本招致に対する評価の概要が記さ れている。 以下に、付属書 3:法的リスクの概要、付属書 4: 運営上のリスクを抜粋して示す。 第 4 章は、概ね「招致ブック」の章立てと同様、 20 項目により構成されており、各項目ごとに図表 ※ FIFA 評価レポート完全版の日本編 ( 和訳 ) については、 資料 集 10.1 を参照。 FIFA 評価レポート:日本(完全版) 付属書 3:法的リスクの概要、付属書 4:運営上のリスク 付属書 3: 法的リスクの概要 法的文書 政府文書 政府保証 FIFA のリスク 中位のリスク 所見 確認契約 低位のリスク 中位のリスク 付属書 4: 運営上のリスク 競技関連イベント 輸送 空港及び国際経路 低位のリスク 陸上交通 開催都市内交通 低位のリスク 低位のリスク 宿泊 宿泊全般 テレビ 国際放送センター(IBC) 102 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク その他の指摘ポイントについても、十分に説明 ている点が異なるため、単純には比較できない内 可能な事項であり、FIFA 理事の投票行動にネガティ 容となっている。 ブな影響を与えるものではなかった。 そうした中で、唯一、評価の優劣が想定できる のは、評価レポート完全版 付属書 3:法的リスク ●政府保証 者が署名して提出することが求められていた。し FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出した。 FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出した。 FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出したが、6 通のトレーニングサ イト契約がない。29 のトレーニングサイトの場所を明確化することが必要。 FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出した。 低位のリスク ついても、各招致立候補国ごとにフォーカスされ 階評価とその総合数のみである。 FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出した。 チーム施設 想定の範囲内であった。 た所定の書類様式に、所管の政府機関の最高責任 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 中位のリスク の評価レポートでは行われていない。記述部分に リスク、ミディアムリスク、ローリスクによる 3 段 低位のリスク 競技 スタジアム建設 スタジアム運営 が行われていたことから、評価レポートの記述は 政府保証については、あらかじめ FIFA が用意し 開催都市契約 スタジアム契約 トレーニングサイト契約 FIFA のリスク づき各招致立候補国の格付けが行われたが、今回 の概要、付属書 4:運営上のリスクで示されたハイ 招致契約 運営 政府とも協議・連携し、FIFA とも事前に十分な調整 追加的な保証、約束及び立法措置が必要であるが、日本政府はこれまでの経験があ り、重大な許可を行う意図を証明しており、必要な政府保証を提供し立法措置を行 う意図を表明している(期限は受け入れていない) 。 契約文書 総合 法的総合リスク また、2010 年大会招致では、総括的な評価に基 かし、わが国の法制度上、日本での大会開催が確 一方、日本が提案する次世代ワールドカップの 定する前の段階では、国会による法改正も含めて 実現など、大会開催理念に関わる部分については、 国として FIFA の求める保証の全てを承認すること 概要版・完全版ともに言及してはいるものの、リ はできない。 そのため、 日本が提出した政府保証は、 スク評価などの比較対象項目からは除外されてい FIFA が定める書類様式とは一部異なる内容となら る。 ざるを得なかった これは大会開催に際してのリスク回避を最優先 招致委員会はその旨を事前に FIFA に連絡し、 所見 事項とする、大会主催者としての FIFA の立場を明 日本の法制度への理解を促すとともに、政府保 一つのスタジアムを建設(大阪) 。当初予算の再検討が必要な可能性あり。 将来における FIFA ワールドカップのスペースと質の要件を満たすことについて、 特別の注意が必要となろう。 法的なリスクは中程度である。招致委員会は、要件については十分に理解してい るものと思われるが、場所によっては、施設の数の提供数に限りがあるようである。 最終的な選択基準を満たし、不足を補うことができそうである。 確にしているとも言える。2 大会同時決定により 9 証の書類様式が異なることについての了解を得 カ国・グループもの招致立候補国が存在する状況に ていたという経緯がある。しかし、契約書類の おいては、リスク回避を優先することも止むを得 評価・分析を行う FIFA 評価グループとしては、 ないともいえる。 他の招致立候補国との比較において、書類様式 既存のインフラ及び計画されている(保証されている)インフラは、要件を満た すことになると思われる。 信頼できる高速で効率的な既存の地上輸送機関(高速鉄道及び道路) 。 既存の信頼できる効率的な地方輸送機関。11 の開催候補都市のうち(大分以外の) 10 都市に十分な能力あり。 96,000 室が契約済み。各開催候補都市に十分な既存在庫。輸送機関との良好な接続。 しかし、新たな提案などの “加点要素” は、日本 の招致活動のすべての根幹をなす部分であっただ が異なることから、最終的に Medium(中位のリ スク)との評価を下さざるを得なかった。 けに、明確な評価が示されなかったことは、日本 FIFA は、日本が大会開催が確定する前の段階 にとっては大きな痛手であるとともに不満の残る では、政府による支援要件を国会で通せないシ ものであった。 ステムであることは、十分理解しているところ 日本の評価については、交通輸送、宿泊施設、 である。また、2002 年 FIFA ワールドカップTM、 103 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 及び過去 3 回のオリンピックにおける日本政府 大会開催が決定した際にスタジアム数を 12 に絞 評価レポートの公開を受けて、小倉純二委員長 の対応については、FIFA 及び FIFA 理事にも十分 ることを開催契約書に示していた。また、各ス は 2010 年 11 月 18 日、以下の通りコメントを発表 に周知されているところではある。この評価を タジアムのトレーニングサイトについても、こ した。 もって投票行動に決定的な影響があったとは考 れまでの通例では最終的に 4 つは使わず 3 つに えにくいが、ワールドカップ以外も含めた今後 絞り込んでいた。さらに、実態としてはチーム の日本での国際競技会招致を見据えれば、継続 ベースキャンプで練習してから試合開催地に移 的な課題として認識する必要がある。 動するチームが多く、試合開催地近隣のトレー ニングサイトは実際には使用されないことも多 ●スタジアム運営 スタジアムに付帯する運営スペースの問題に ついては、招致委員会実行本部としてもあらか じめ十分に認識していたところである。そのた め FIFA に提出した 「 招致ブック 」 においても、 改修に際して各種スペースを確保する意志を示 した。また FIFA インスペクションにおいても同 様の主張を展開してきた。FIFA 評価レポートで は、日本の主張について認識されていたものの、 他の招致立候補国との比較という立場から、ス タジアム現況によって評価されたものと考えら れる。 ●トレーニングサイト数 トレーニングサイトの数については、1 つの開 催候補スタジアムに付き、4 つのトレーニングサ イトの提案が求められていた。日本は 13 のスタ いという背景があった。これらを踏まえ、FIFA の示す諸条件を全て満たすトレーニングサイト が物理的に不足する中、所定数を揃えることだ けを目的に、自治体・施設所有者に責任が及ぶ 契約書の提出を要請することは、時間的にも、 また自治体等との長期的な信頼関係を維持する 今回の報告書は、各招致国・地域が持つリスクにフォーカスを当てた内容となった。日本に対しては、 FIFA 本部ホテルの部屋数やべニュートレーニングサイトの数、スタジアム周辺のスペースに関する指摘があっ た。また政府保証の分野において、日本で FIFA ワールドカップを開催した場合の法的リスクが、Low ではな く Medium(中程度)であると評価された。 FIFA の定める様式通りに政府保証書類を提出しなかったと指摘されたが、同時に、日本政府の国際的イベ は FIFA 理事にも伝えていく。 FIFA 評価レポートにおける「中位のリスク」 という評価については、重く受け止める必要が 我々は、208 の国と地域すべてとワールドカップを共催する、次世代のワールドカップを提案している。新 たなチャレンジの中身を、最終プレゼンテーションでしっかりと伝えていきたい。 あるが、12 年後の大会開催という長い時間の 経過を考慮すれば、現時点におけるトレーニン グサイトの設定自体に大きな疑問が残るととも に、リスク評価の対象として影響を持つものと は考えにくい。 ●テレビ放送権 であるヨーロッパと最適な放送時間帯が異なる ト数 52 に対し、6 つのトレーニングサイトが不 ため、放送権利料収入の低下という経済性のリ 足している。 スクが指摘された。しかし、アジアにおける人 東京都及び大阪市は、それぞれ 2 つのスタジ 口分布、及び経済的ポテンシャルは驚異的な勢 アムを提案した。2 つのスタジアムに対する必 いで拡大しており、今後のサッカーマーケット 要トレーニングサイト数は 8 つであったが、招 においても、非常に大きな影響力を持つものと 致委員会は、開催地自治体と調整し、東京都は 考えられる。仮にヨーロッパにおける放送権料 6 つのトレーニングサイトを、大阪市は 4 つのト に減少が見られたとしても、十分にカバーでき レーニングサイトを提案することとした。 るのみならず、さらなる巨大マーケットの掘り 要求数に満たない提案を行ったことについて ために提案しているファンフェスト開催やインターネット事業革新についても記載があった。 選択であった。 した。これは FIFA が要求するトレーニングサイ ないことはあらかじめ認識していた。 日本は、開催能力や情報技術、交通インフラの分野で高い評価が得られ、フットボールの発展に寄与する ントの開催実績を認める記載があった。これらはいずれも招致委員会内で把握をしている点であり、改善策 評価レポートでは、最大の放送権マーケット 要求するトレーニングサイトの数を満たしてい 招致ブックならびに FIFA インスペクションの分析を経て、評価報告書の結果が発表された。 上でも非現実的であるとの判断による、苦渋の ジアムに対し、46 のトレーニングサイトを提案 以上のように、招致委員会としては、FIFA が FIFA 評価レポートの公開に伴う小倉純二委員長コメント 起こしになる。 テレビ放送権についての FIFA 評価レポートの 指摘には恣意が感じられ、大きな疑問が残ると 考えるものである。 は議論の分かれるところではあるが、FIFA は、 104 105 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第第8 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 翌 10 月 18 日、FIFA は 2018 年大会及び 2022 年 サンデー・タイムズの報道からおよそ 1 ヵ月後 倫理委員会が副会長 1 名と理事 1 名を資格停止処分 大会の開催地決定に関わる不正疑惑に対し、当該 の 11 月 18 日、FIFA 倫理委員会が開催された。会 としたことについて、 「仲間が処分されたのは喜ば の FIFA 理事会メンバー 2 名の調査に乗り出したこ 議終了後、クラウディオ・サルサー FIFA 倫理委員 しいことではないが、その決定には満足している」 2010 年 10 月 17 日、英紙・サンデー・タイムズ(電 とを発表した。調査は FIFA 倫理委員会に委ねられ、 会委員長、ジェローム・バルク FIFA 事務総長が記者 と述べ、これで一連の問題に決着がついたという 子 版 ) が、 「FIFA 理 事 会 メ ン バ ー 2 名 が 2018 年 相応の処分を科すことを明らかにした。また、FIFA 会見を行い、テマリー副会長及びアダム理事の資 認識を示した。 FIFA ワールドカップ の開催国決定の投票への見返 倫理委員会は、同様に倫理規定に違反した可能性 格停止処分を含む、FIFA 倫理委員会の決定を発表 りに多額の金銭を要求した」と報道した。記事は、 のある各国協会・連盟と各国招致委員会の調査も した。 米国招致のロビイストを装った同社記者が、アダ 開始した。 9.2 FIFA 理事不正疑惑問題 TM ム FIFA 理事(ナイジェリア) 、テマリー FIFA 副会 10 月 20 日、 FIFA 倫理委員会が開催され、 テマリー 長(オセアニア連盟会長・タヒチ)に接触、2018 副会長及びアダム理事を暫定的に職務停止にする 年大会の開催国決定投票で米国に投票することを こととし、11 月中旬に開催する同委員会において 依頼、両理事は多額の見返りを要求することで、 最終決断を下すとの決定を行った。この FIFA 倫理 米国に投票することを約束したとするものであっ 委員会の決定について、FIFA は、翌 10 月 21 日、 た。 以下のとおり声明を発表した。 2010 年 10 月 21 日付け FIFA 声明 2010 年 10 月 20 日 FIFA 理事 2 名、暫定資格停止 FIFA は 2010 年 10 月 20 日にクラウディオ・サルサー委員長のもと、倫理委員会を開催し、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致決定に関わる調査の後、FIFA 理事メンバーであるアモス・アダム及びレイナルド・ テマリー両氏のすべてのサッカー活動(運営、スポーツ他)を、直ちに資格停止することを決定した。アモス・ アダム及びレイナルド・テマリー両氏からの事情聴取を経て、倫理委員会は本件の重大性や FIFA 規約、FIFA 倫理規定及び FIFA 懲罰規定への抵触があった可能性を考慮し、本件の調査が進行中は、この暫定資格停止の 措置が必要であると判断した。 ドカップTM の開催国決定投票は、上記 2 名を除く 翌 11 月 19 日、ブラッター FIFA 会長は、不正疑 定への違反関与を調査した。その結果、委員会はこの 4 名の役員についてもサッカー関連の活動の資格停止 を決定した。 FIFA は 2010 年 10 月 18 日に 2 名の理事に対する議題を上げ、倫理委員会に本件に関する独立した、かつ徹 底的な調査を依頼した。倫理委員会は、この 6 名に関する更なる情報を収集し、11 月中旬に最終決定を下す。 「この暫定資格停止の決定は完全に正当なものであり、疑問の余地はない。本日提示された証拠は、暫定的 な措置を取るに十分な条件であった。2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致決定に関する品位を守ることは 重要である。倫理規定へのいかなる抵触も許容の範囲は皆無である。 」 と、 倫理委員会のクラウディオ・サルサー 委員長は語った。 FIFA の再要請により倫理委員会は、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致に関連して招致登録書類及び倫 理規定への抵触した可能性のある加盟協会と招致委員会の調査を開始した。本件に関する決定についても、 徹底的な調査に続いて 11 月中旬開催の倫理委員会で決定される。 106 FIFA 理事 22 名で投票が行われることが決定した。 惑問題について記者会見を行った。同会長は、FIFA 2010 年 11 月 18 日付け FIFA 発表 【FIFA 理事他処分内容】 レイナルド・テマリー ( タヒチ ) - FIFA 理事 国際及び国内のフットボールに関連する業務に従事すること を 1 年間禁止 +CHF5,000(約 42 万円)の罰金 アモス・アダム ( ナイジェリア ) - FIFA 理事 国際及び国内のフットボールに関連する業務に従事すること を 3 年間禁止 +CHF10,000(約 84 万円)の罰金 Slim Aloulou (Tunisia) - FIFA Dispute Resolution Chamber and member of the FIFA Players' Status Committee 国際及び国内のフットボールに関連する業務に従事すること を 2 年間禁止 +CHF10,000(約 84 万円)の罰金 Ahongalu Fusimalohi (Tonga) - トンガサッカー協会 GS、元 FIFA 理事 国際及び国内のフットボールに関連する業務に従事すること を 3 年間禁止 +CHF10,000(約 84 万円)の罰金 Amadu Diakite (Mali) - CAF 理事 国際及び国内のフットボールに関連する業務に従事すること を 3 年間禁止 +CHF10,000(約 84 万円)の罰金 Ismael Bhamjee (Botswana) - CAF 名誉メンバー 国際及び国内のフットボールに関連する業務に従事すること を 4 年間禁止 +CHF10,000(約 84 万円)の罰金 さ ら に、 倫 理 委 員 会 は 4 名 の 役 員、Slim Aloulou 氏、Amadou Diakite 氏、Ahongalu Fusimalohi 氏 及 び Ismael Bhamjee 氏が、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致決定に関し、FIFA 規約、FIFA 倫理規定及び FIFA 懲罰規 この結果、12 月 2 日の 2018/2022 年 FIFA ワール 【カタールとスペイン / ポルトガルの票取引疑惑について】 ・カタールとスペイン / ポルトガル間及びその他の招致国の間では、特に票取引の証拠となるものは発見 には至らなかった。従って、違反をした証拠がないものと判断し、処分は行わない。 【2018/2022 年 FIFA ワールドカップTMの投票について】 ・処分の対象となった 2 名の理事は、サッカーに関わる業務に従事することは禁止される。よって、投票は 22 名により行われる。 【2018 年大会及び 2022 年大会の開催国決定時期について】 ・サッカーの試合は一度始まってからルールを変更することはない。よって、12 月 2 日に 2018 年大会と 2022 年大会の開催国を決定する。 107 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 第 10 章 最終プレゼンテーション 致プロセスであるとともに、長期にわたった招致 10.1 最終プレゼンテーション概要 活動を締めくくる最大のイベントでもある。 12 月 1 日には 2022 年大会の招致立候補国が、2 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ 開催国決定の 日には 2018 年大会の招致立候補国がそれぞれス ための最終プレゼンテーションが、2010 年 12 月 1 テージに立ち、自国への FIFA ワールドカップTM 招 日、 2 日の 2 日間にわたり、 FIFA 本部(スイス・チュー 致に向けて、熱気のこもったプレゼンテーション リヒ)内のオーディトリアムにて行われた。 を行った。 TM 最終プレゼンテーションは、開催国決定の投票 権を持つ 22 名の FIFA 理事(資格停止処分の 2 理事 招致立候補国の登壇順は、10 月 28 日に開催され を除く)に対し行われるもので、FIFA 理事に自国 た FIFA 理事会において抽選で決定された。出席者 の提案や計画を直接的に説明できる、唯一の公式 は、FIFA 会長、FIFA 理事 21 名、FIFA 事務総長の の機会である。また、最終プレゼンテーションは、 FIFA 理事会メンバーと、 単独招致国では最大 30 名、 「招致ブック」の提出、FIFA インスペクションな 共同開催招致国では最大 40 名の招致国メンバーと どと並び、各招致立候補国にとって最も重要な招 された。 差換え 左から、鈴木寛文部科学副大臣、小倉純二委員長、佐々木りおさん、ブラッター FIFA 会長、ハワード・ストリンガー 氏 108 109 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 また、登壇者は、単独招致国は最大 5 名、共同 開催招致国は最大 6 名とされた。 た、メディアの会場内への入場も禁止されたが、 プレゼンテーションの模様は、FIFA 公式ウェブサ プレゼンテーションの時間は 30 分以内とされ、 イトから全世界にインターネット中継された。 その内容・構成は各招致立候補国の裁量に委ねら れたが、既存の技術機器以外の機器及び装飾物等 2022 年大会招致立候補国 オーストラリア 氏名 Her Excellency Ms Quentin Bryce AC Frank Lowy AC Ben Buckley Elle Macpherson の持ち込みは禁止された。 氏名 His Excellency Hwang Sik KIM Dr Mong-Joon CHUNG Sung Joo HAN Hong Koo LEE Ji Sung PARK なお、招致国メンバーが他の招致国のプレゼン テーションを会場内で見ることは禁止された。ま 氏名 最終プレゼンテーション登壇順 12 月 1 日(2022 年大会招致立候補国) 14:00 オーストラリア 15:00 韓国 16:00 カタール 17:00 米国 18:00 日本 12 月 2 日(2018 年大会招致立候補国) 09:00 オランダ/ベルギー 10:00 スペイン/ポルトガル 11:00 イングランド 12:00 ロシア HH Sheikha Moza bint Nasser HE Sheikh Mohammed bin Hamad Al-Thani Hassan Al-Thawadi Bora Milutinovic Mohammed Abdulridha Jawad Al-Nufal ※時間は現地時間 各招致国プレゼンター 2018 年大会招致立候補国 オランダ/ベルギー 氏名 Ruud Gullit Johan Cryuff Jean-Marie Pfaff Guus Hiddink Paul van Himst 氏名 Jose Socrates Jose Luis Rodriguez Zapatero Gilberto Madail Miguel Angel Lopez Pedro Mourinho 氏名 HRH Prince William of Wales Rt. Hon. David Cameron, MP David Beckham Andy Anson Eddie Afekafe 氏名 Igor Shuvalov Alexey Sorokin Andrey Arshavin Yelena Isinbayeva 所属・役職 President The Holland Belgium Bid Ambassador The Holland Belgium Bid Ambassador The Holland Belgium Bid Ambassador The Holland Belgium Bid Ambassador The Holland Belgium Bid スペイン/ポルトガル 所属・役職 Prime Minister of Portugal Spanish Government President Iberian Bid Deputy President Managing Director of the Iberian Bid Master of Ceremonies イングランド 所属・役職 President of The Football Association Prime Minister Vice President, England 2018 CEO, England 2018 Ambassador, England 2018 ロシア 所属・役職 Deputy Prime Minister CEO Russia 2018 Bid Committee National team captain Athlete 氏名 President Bill Clinton Sunil Gulati Carlos Cordeiro Don Garber Morgan Freeman 氏名 Sir Howard Stringer Junji Ogura Kohzo Tashima Kan Suzuki 所属・役職 Governor-General of the Commonwealth of Australia FFA Chairman FFA CEO FFA Guest 韓国 所属・役職 Prime Minister KFA Honorary President Chairman of the Bidding Committee Member of the Bidding Committee Bidding Ambassador カタール 所属・役職 Chair of Qatar Foundation for Education, Science and Community Development Chairman of Qatar 2022 Bid Committee CEO of Qatar 2022 Bid Committee Bid Ambassador Qatar Foundation 米国 所属・役職 Honorary Chairman, USA Bid Committee Chairman, USA Bid Committee Vice Chairman, USA Bid Committee Commissioner, Major League Soccer Academy Award winning actor 日本 所属・役職 Chairman and CEO, Sony Corporation FIFA ExCo, Chairman, Japan 2022 Bid Committee CEO, Japan 2022 Bid Committee Minister in Charge of Sports, Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology Presenter Ms Rio Sasaki ※ FIFA 発表による ※ FIFA 発表による 最終プレゼンテーションに臨む日本代表団 110 111 第 1 部 招致活動記録 10.2 最終プレゼンテーションの 実施 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 ●佐々木りおさん 最前列に座る FIFA 理事一人一人の目を見つめな がら話す、佐々木りおさんの溌剌としたスピーチ 2010 年 12 月 1 日、現地時間午後 6 時(日本時間 は、大人たちばかりの各国プレゼンテーターの中で 12 月 2 日午前 2 時)から、日本の最終プレゼンテー も異彩を放った。そして、 日本に対する「too soon(開 ションが行われた。 催はまだ早すぎる) 」という声に対し、“2022 年には 佐々木りおさんスピーチ全文 Hello.My name is Rio Sasaki I am 8 years old. 2002 年に、日本で生まれました。 はじめに、ブラッター FIFA 会長から、鈴木文部 こんな小さな子が 20 歳になっている、決して早す 私のパパは、サッカーが大好きです。 科学副大臣、小倉委員長、岡野俊一郎顧問、田嶋 ぎることはない” ということを、しっかりと印象付 私が特別な年に生まれたことを、覚えておいた方がいいよと、パパは言っています。 副委員長ら、日本の招致代表団の紹介が行われた。 けた。 2002 年は、日本と韓国がワールドカップをやって、仲良くなった年です。 ブラッター会長がステージから降りると、日本の 最初のプレゼンターとしてステージに上がったの は、FIFA ワ ー ル ド カ ッ プTM 日韓大会が行われた 2002 年に生まれた、佐々木りおさん(8 歳)であっ た。 2022 年に、私は 20 歳になるんです。 20 歳です。想像できますか? すごくたくさんのことが変わっていると思います。 みなさんは今、私の日本語がわからないと思いますが、2022 年には、こんな小さい機械をみんなが持って いて、どんな言葉でもわかるようになるんですって。 でも、ひとつだけ変わらないことがあります。 それは、私の夢は変わらないっていうこと。 私の夢は、2022 年に日本で、本当に大勢の友達を世界中に作りたい、ということ。 世界中に 208 の笑顔を作るために。どうか、私の願いを叶えてください。 Thank you ! ●小倉委員長 ラの説明に多くの時間を費やしているのに対し、 佐々木りおさんの挨拶を受けて、次にステージ 日本は招致コンセプト及び大会構想に焦点を絞っ に立った小倉委員長は、ブラッター FIFA 会長と同 僚の FIFA 理事に向けて、静かに語り出した。 FIFA 理事一人一人の目を見つめ、元気よくメッセージを伝える佐々木りおさん てプレゼンテーションを行った。 2002 年大会あるいは FIFA クラブワールドカップ 小倉委員長のスピーチでは、日本のコンセプト の開催により、日本の開催運営能力の高さについ と大会構想の考え方を語るに止められ、詳細な提 ては、FIFA 理事は既に十分に認識している。それ 案内容の説明については、次に登壇する田嶋副委 らの説明に時間を費やすよりも、限られた時間を 員長に譲られた。 最大限有効に活用するため、日本は訴求ポイント 他の招致立候補国の多くが、スタジアム、セキュ の説明に重点を置いたのである。 リティ、宿泊、輸送など、大会運営のためのインフ 112 113 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 小倉純二委員長スピーチ ( 和訳 ) 全文 りおさん、ありがとう。 ブラッター会長、そして、親愛なる同僚のみなさん。 我々が招致活動において多々使用してきたフレーズがあります。 FIFA WORLD CUP …FOR THE NEXT GENERATION. りおちゃんの言葉を聞くと、次世代のためのワールドカップというのは、ただの字面の問題ではないと思 い知らされます。 私たちは、情熱的な、大きなこころざしを持っています。 そしてそれは、りおちゃんたちの世代、さらにその先の世代のため、日本のため、世界中のため、そして、 208 の FIFA 加盟国全てのためであります。 先日私たちは FIFA の招致評価報告書を受け取りました。 重要な論点がいくつか挙げられていました。私たちは頂いたご指摘をとても真剣に検討しました。 そのすべてのポイントが全く問題ないということをお伝えしたいと思います。 2022 年大会に向けてのわれわれのビジョンについてお話をするとき、みなさんが日本だったら当然だと思 うこと、セキュリティとか、交通とか、宿泊施設とかについてのお話もします。 日本中の 13 のすばらしいスタジアムについてのお話もします。 東京の、そして、大阪の。 大阪には、すばらしい、次世代型のスタジアムが出来ることについてもお話しします。 しかし、我々は、世界中の 400 カ所の印象的なスタジアムで、何が起こるかについてもお話したいのです。 ウェンブレーや、マラカナンや、アリアンツ、サッカーシティ、アステカ、といった世界中のすばらしい スタジアムに、巨大な平置のスクリーンがピッチ中に敷き詰められた時に、何が起こるかについてもお話し たいのです。 ●田嶋副委員長 ハイテクノロジーはあくまで手段であり、そこ 小倉委員長の紹介を受けて登壇した田嶋副委員 にハイテクノロジーが存在したとしても、日本人 長は、平均年齢 70 歳以上という高齢の FIFA 理事を がもつおもてなしの心や、他者を思いやる心といっ 意識し、 また、 論点が散漫になることを避けるため、 たヒューマニティがなければ、世界中の人々と感 「キッズドリームツアープログラム」 、 「夢先生プロ 動と喜びを共有するワールドカップを実現するこ グラム」 、 「ユニバーサル・ファンフェスト」の 3 点 とはできない。このことをもう一度 FIFA 理事に説 に絞り込んで説明した。 明することが、田嶋副委員長のスピーチにおける これまでのロビー活動では、またメディアの論 使命であった。 調においても、しばしば「日本はハイテクノロジー さらに、もう1つのミッションは、FIFA 評価レ を駆使したワールドカップを提案」と言われてき ポートが指摘するテレビ放送権収入の減少への懸 た。しかし、日本が提案しているのはハイテクノ 念に対する、論理的で明確な反証を行うことであっ ロジーそのものではなく、それによってもたらさ た。 れる、世界中の人々がワールドカップの感動と喜 田嶋副委員長の熱意のこもったスピーチに、会 びを共有することのできる次世代のワールドカッ 場からは、次世代育成をはじめとする日本の提案 プである。 に理解を示す拍手が巻き起こった。 田嶋幸三副委員長スピーチ ( 和訳 ) 全文 世界中の 400 カ所のスタジアムが、完全に新しいワールドカップの日本からのライブ中継を目撃しようと している満員の人々で埋め尽くされている、その光景についてもお話したいのです。 等身大で、3D で、リアルタイムに行われる、新しいワールドカップの中継。 私たちがお話したいことは、たったひとつの、しかしとても大きなアイディアです。 それは、これまでよりも多くの人々が、これまでよりも多くの国々で、これまでよりももっともっと、フッ トボールを楽しむようになるということです。 我々の「次世代型ワールドカップ」の大会構想は、一つの国でワールドカップを開催することでもなく、 二つの国でワールドカップを共催することでもありません。 我々のコンセプトは、 「208 の FIFA 加盟国全てと一緒にワールドカップを開催すること。 」です。 日本? 我々はただの進行役(コーディネーター)です。 FIFA が様々な新しいことを起こすためのパートナーなのです。 その新しいこととは、スポーツの楽しみ方が革命的に変わることだったり、ワールドカップを次世代のた めに作り上げていくことだったり、208 の笑顔を世界中にもたらしていくことだったり、後世によいレガシー を残してゆくことだったりします。 我々の提案の詳細をお話しするために、田嶋幸三をご紹介します。 彼は日本サッカー協会の副会長であり、招致委員会の CEO でもあります。 田嶋幸三 副委員長 小倉さん、ありがとうございます。 (画像) この写真は昔でして、いまは、これです。 (笑) 私はシンプルにそして簡単に、3 つのことについてお話したいと思います。 「ドリームツアー」について 「夢先生(ドリームティーチャー) 」について そして、世界中 400 カ所のスタジアムで体験される新しいワールドカップのプランについて、です。 これらが一つになって、我々の大会構想の核心が出来上がります。 幸三さん、よろしく。 114 115 第 1 部 招致活動記録 ドリームツアー。私たちは FIFA 加盟の 208 の国から 6,000 人の子どもたちを日本に招待します。 日本にやって来て、有意義な時間を過ごします。 そして、私たちの提案する次世代型ワールドカップがもたらす笑顔を自分の国に帰って振りまきます。 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 私は、テクノロジー大好き人間ではありません。 それでも、私はみなさんにお伝えしたいのです。このテクノロジーのアイディアが、スゴく心を動かした、 ということを! だから私たちはドリームツアーの簡易版を、先日トライしてみました。 子どもたちが何を得たのか、見てみてください。 世界中 400 カ所の「ユニバーサルファンフェスト」で 3 億 6000 万人の人々が、ワールドカップの試合の完 全なるスタジアム体験をするのです。 (映像) 3 億 6000 万人。 これは過去最大とされる 1994 年アメリカ大会の観戦者数を、実に 100 倍以上も上回る数字です。 このツアーには私は個人的に非常に思い入れがあります。 この数字を私たちは注意深く計算しています。 実際に出来るのが待ちきれないです! 時差を越えることが容易ではないことはわかっています。ヨーロッパのスタジアムで行われる試合のほと キッズドリームツアーは、JFA が 4 年前に作ったプロジェクトを基にして作られています。 んどについて、私たちは 30%~ 50%のキャパシティで計算しているのです。 みなさんご存知の川淵さんの明確なビジョンによってできました。 我々はこのプロジェクトを夢先生、ドリームティーチャーと言います。 このプロジェクトがどう機能しているか、もうひとつの短い映像をご覧ください。 新しいテクノロジーは、現在 260 億人と言われるワールドカップのテレビ視聴者数も劇的に増加させるだ ろうと予想しています。 新しいテクノロジーによって、のみならず、急速に人口が増加しているアジアで新しい視聴者を獲得して (映像) このプロジェクトは非常に機能しています。 FIFA インスペクションの団長を務めた、ハロルド・メイン - ニコルズさんが最初にこのプログラムを体験 したとき、4 つの単語でこう感想をおっしゃいました。 ゆくことを考えれば、 アジアで開催される 2022 年の大会では、 500 億人のレベルに到達すると見込んでいます。 この技術は、官と民が一致団結して努力をし、私たちが持っているものを全てつぎ込んでゆくことを意味 しています。 私たちのイノベーションのすべてを。私たちのノウハウのすべてを。 「これが、真のサッカーである。 」 新しい技術には、ひとつひとつに名前があります。 私たちは、世界中のファンフェスト会場でこの夢先生たちに「キッズドリームワークショップ」をやって もらったらどうかと思いました。 私たちの最先端の技術を、我々はこう呼んでいます。 「フルコート 3D ビジョン」 、そして、 「フリービュー ポイントビジョン」 想像してみてください。 しかし、名前が重要なのではないのです。技術でさえも重要ではないのです。 世界中すべての国の、その国のそのときの象徴的なサッカー選手が「夢先生」になって、次世代に大切な 重要なのは、楽しむ、ということなのです。 ことを教えてゆくことを。 完全に新しいフットボールの楽しみ方を世界中の本当に大勢のファンのみなさんにお届けするのです。 しかし私たちは、そのときのプレーヤーたちだけにやってもらおうと思っているわけではありません。私 たちは FIFA の過去のレジェンドたちにも夢先生の企画の中心に立ってもらいたいと思っており、それを FIFA と一緒に実現したいのです。 これは、世界のサッカーのあらゆる体験に革命を起こすマジックなのです。 サッカーの興奮、サッカーの普及、広がり、そして収入拡大の可能性など世界中のサッカーのあらゆる面 に革命を起こすのです。 ペレさん、マラドーナさん、ベッケンバウアーさん、プラティニさん、ボビー・チャールトンさん、ボビー・ ムーアさん、そんなレジェンドたちのストーリーです。 私たちが予想する視聴者数の増加によって、TV の放映権料の増加が保証されていることを意味しているだ けではなく、さらにこれに加えて、フルコート 3D ビジョンとフリービューポイントビジョンの権利について ドリームツアー、そして、夢先生。 はテレビの放送権料と全く切り離されており、FIFA にとっての収入の劇的な増加を生み出すのです。 これらのプログラムは、これまでにないほどに、次世代の子どもたちに届きます。 しかし、私たちはもっともっと広く届けてゆきたいのです。 私たちは FIFA の加盟国のみなさんと一緒になってユニバーサルファンフェストを作ります。 より多くの人たちに、より多くの国々に、今まで以上のフットボールの楽しみを。これが、日本の提案す る「WORLD CUP THE NEXT GENERATION」なのです。 400 カ所の、4 万人以上のキャパシティを持つスタジアムでそれは行われます。 非常に立派で尊敬すべき、日本からの友人をご紹介させていただきます。 私はうれしいことに、みなさんのうちの何人かを知っていますが、私が純粋なフットボーラーだというこ とをご存知だと思います。 116 ソニーの会長兼社長、CEO である、サー・ハワード・ストリンガー ハワードさん、よろしくお願いします。 117 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 ●ハワード・ストリンガー氏 ンスについて語った。 続いて登壇したのは、FIFA パートナーであるソ ハワード・ストリンガー氏の語った内容は、難 ニー株式会社のハワード・ストリンガー代表執行 解なハイテクノロジーの解説ではなく、ハイテクノ 役会長兼最高経営責任者(CEO)である。ハワード・ ロジーがもたらす、世界の人々をひとつにするサッ ストリンガー氏は、自身のサッカーにまつわるウ カーの未来と、次世代ワールドカップへの FIFA の イットに飛んだエピソードから語りはじめ、経営 チャレンジを促すものであった。 者の立場から、また FIFA パートナーの立場から、 とはいえ、私は告白しなくてはいけません。招致委員からの話を聞いて、私が最初に思ったのが、 「2022 年っ て言うのはちょっと早すぎるんじゃないか?」ということだったということです。 やはり、2002 年の日韓共催のワールドカップは昨日のことのように思えるのです。 私が年を取ったからなのかも知れませんけど! そして私は何人かの人たちは、日本の立候補に対して同じような反応をしていることも知ってます。 Too soon(早すぎる) 日本の提案がもたらす世界サッカーの未来と、チャ 私のビジネスの中で、too soon(早すぎる) と言うフレーズは非常によく聞くフレーズなのです。 ハワード・ストリンガー氏スピーチ ( 和訳 ) 全文 ウォークマンを発売したときも、too soon でした。 ヘッドフォンをして音楽を聴きながら歩き回りたいとみんなが思っているなんて、想像できませんでした よね。 ビデオカメラは too soon だよ、プレイステーションは too soon だよ、3DTV は too soon だよ、そのリストは続 きます。 私が FIFA に最大の敬意を払うのは、FIFA は常にパイオニアになる勇気を持って来たことです。 ハワード・ストリンガー氏 田嶋さん、ありがとうございます。 このようなすばらしい方々を前にさせていただいて、非常に光栄に存じます。 私はフットボールが大好きです。 しかし、ひとつ恥ずかしい事実があるのを認めないといけません。 私がイングランドで学生だった頃ですから、ずいぶんずいぶん昔、私はラグビーのチームに入っていまし た。 学校にはよくあるちょっと馬鹿げた校則により、ラグビープレーヤーはサッカーをプレーすることが厳禁 されていました。 それでも私たちのグループは週末に、こっそりと、丸いボールを蹴るスリルを味わっていたのです。 ちょっと変わった形のボールではなくて。 そうなんです。校則違反な 10 代のサッカープレーヤーだったんです。 そして、信じられないかもしれませんが、これが私です。 (画像) そんなわけで、招致委員会が私にチームの一員になるようにと話をもらったとき、私はちょっとしたスリ リングな喜びを味わいました。 私はフットボールに情熱を持っています。 そして、私は日本について大変情熱を持っています。 118 1970 年代に人々がスポーツにおいて、グローバルなスポンサーシップを持ち込むことは「too soon」だと言っ ていた時に、FIFA は前に進みましたね。 FIFA は世界をリードしました。そして、世界はそれに従ったのです。 FIFA が、サッカーがヨーロッパとラテンアメリカだけのためではなく、世界中すべてのためであるべきだ と言い出した時に、FIFA は世界をリードしましたね。 そして、世界は FIFA ワールドカップのすばらしいゲームに恋に落ちたのです。 いくつかの機会において、FIFA とソニーがともにパイオニアとして新しいものを切り開いたことを、私は 誇らしく思います。たとえば、今年の前半に、世界初の 3D FIFA ワールドカップを実現したこともそうです。 そして、私はこの Bid は驚くべきチャンスだと思います。 日本にとってはもちろんのこと、FIFA にとっても、世界をリードする大きなチャンスです。 世界はこれまでに比べてずっと速いスピードで変わっている、ということは、ここにいらっしゃる方々が 感じていることだと思います。 2022 年には、20 億もの画面が人々の手のひらの中にある、という時代になります。 携帯電話とか手のひらコンピューター的なものがそうです。 すべて、放送品質のテレビの映像を手元で見られるということを意味しています。 どのように、そして、どこで、人々がワールドカップを追いかけてゆくのか、という視点でこのことを考 えてみてください。 とはいえ、これは、テクノロジーを使いこなすことができて、最新の端末を買う余裕のある人たちにとっ 119 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 鈴木寛文部科学副大臣スピーチ ( 和訳 ) 全文 てのみに、サッカーの楽しみを拡大する、という話ではないのです。 ワールドカップの興奮を、電気がなくてテレビがないような、人里離れた小さな村にも届けてゆく、テク ノロジーはそのためにも使われてゆくのです。 私たちは今年、太陽発電と持ち運び可能な大きなスクリーンをアフリカへ持っていって、どうやってそれ を実現するかの手はずを整えました。 鈴木寛 文部科学副大臣 2022 年をフットボールが真の意味で全世界に広がってゆく、という年にしましょう。 ストリンガーさん、ありがとうございます。 想像してみてください。 400 のスタジアムで日本からのワールドカップの中継を見ている満員の観客を。 大画面を見上げるのではなく、巨大な画面と化しているピッチを見下ろして、サッカーを見ているのです。 これは、世界を互いにもっと近づける、真の意味での変化と言えます。 日本国の政府と総理大臣を代表してこの場に立てることを本当に、光栄に思います。 FIFA の理事の方を前にして、私は誇らしくもあるのですが、同時にちょっと緊張していることも言わない といけませんね。なぜなら、 高校生のとき、 私は寝室の壁にこの中の二人の方のポスターを貼ってましたから! ベッケンバウアーさん。プラティニさん。私の子ども時代のヒーローです。 そして、こう言うことが出来ると思います。 いまでも私は、国会チームのミッドフィールダーとして時々スパイクを履くチャンスを作っているんです。 「これは、SF ( Science Fiction ) じゃあないんだ」と。 2022 年には、科学的な事実 ( Science Fact ) になるのです。 12 年というのは、技術の世界にとっては、とても長い時間です。 5 日前、私は国会にいたのですが、この招致活動を支援し、必要なすべての準備を行うように、政府に求め る国会決議が提出されました。国会決議は国会メンバーの満場一致によって、議決されました。 私は、このことを通じてみなさんに日本の招致活動についての、我々日本人の情熱や熱気に気づいていた 今日この場において、日本の FIFA ワールドカップ招致活動は、我々にとって、FIFA に何かをお返しするこ だければと思っています。 とができるチャンスであり、フットボールに何かをお返しすることができるチャンスであり、世界に何かを お返しするチャンスでもあるのです。 わたしは FIFA のみなさんに、 日本国政府が、 あなたがた FIFA に対して行った約束が、 政治的、 経済的、 技術的、 そのチャンスをより強いものにするために、日本政府が如何に支援してくださっているか。 全ての意味で十分に行われる、ということを全面的に保証します。 しかし、もっと言わせていただければ、私たちはこの政府の関与が、いわゆる公式的な意味での保証、と いう意味に限定されていると FIFA のみなさんに思ってもらいたくはないのです。 私は鈴木寛さんを紹介したいと思います。 彼は、総理大臣の代理として、日本政府を代表して来てくださいました。 日本政府は、FIFA の必要、つまり、いつでも進化したり変化したりする必要についても、喜んで対応した いと思っている、ということも、FIFA のみなさんに知っておいていただきたいのです。 ありがとうございます。 ブラッター会長。あなたが総理からの個人的な書簡を受け取ったと聞いています。 そして、その手紙の中には「チューリッヒで会いましょう」と書いてありましたね。 総理が不在を詫びる手紙をしたためましたので、持ってきました。 そして、東アジアの現在の情勢の中、総理が来れなかったことを理解していただけると思います。 ●鈴木文部科学副大臣 列に座る、2 名の元プレーヤーに対する明確なメッ 日本政府代表として登壇した鈴木文部科学副大 セージがこめられていた。 臣は、自身が高校時代に自分の部屋にベッケンバウ アー選手とプラティニ選手のポスターを貼ってい たほどのファンであったことを紹介しながら語り はじめた。それは単に過去を懐かしんでのエピソー ドではなく、今では FIFA 理事となって会場の最前 120 ストリンガーさんがお話ししたように、我々の招致活動は、単に日本のためだけではなく、FIFA のためにも、 そして、次世代のためにも良いチャンスなのではないかと、確信しています。 私は平に、みなさんにお願いします。 あなた方が日本を選び、日本が実現する次世代ワールドカップを、レガシーとして残してゆくことを。 それでは、小倉委員長にプレゼンテーションをまとめていただきます。 小倉さん、お願いします。 121 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 ●小倉委員長 FIFA 理事たち一人ひとりに、自らの夢の実現を訴 最後に再び小倉委員長が登壇し、同僚でもある えかけた。 小倉純二委員長スピーチ ( 和訳 ) 全文 鈴木さん、ありがとうございます。 FIFA はすでに、日本に多くのものを与えてきました。 ヨーロッパと南米大陸の中間に位置することもあり、我々はトヨタカップ、そして FIFA クラブワールドカッ プを成功させることができました。 我々は世界初の共催によるワールドカップを実現しました。 そしてこれが、2022 年に向けての、私の、夢なのです。 どうか、日本を応援してください。 ご清聴ありがとうございました。 みなさんありがとうございました。 これでプレゼンテーションを終わります。 小倉委員長のスピーチが終わると、佐々木りお さんを含むすべてのプレゼンターが再び登壇し、 FIFA 理事たちに挨拶を行った。他の招致国が全員 FIFA の使命はワールドカップが持つポテンシャルを可能な限り引き出すことだと思います。 スーツ姿でプレゼンテーションを行った中、日本 そう、次世代のために。 は、プレゼンター全員が 2022 と書かれた日本代表 ムワークとフレンドリーな雰囲気を十分に表現し た。 ※最終プレゼンテーションのスピーチ全文(英語)は、資 料集を 9. 参照。 のユニフォームを着用した。その姿は、日本のチー FIFA のための挑戦、そしてフットボールのための挑戦とは次世代の革新的なアイディアと、次世代の驚く べき商業的な発展という、次世代に向けての大きな一歩をはっきりと記すことです。 FIFA のためのチャレンジとはテクノロジーに起こっている革命を認め、受け入れることです。 これはチャンスなのです。 この手のチャンスはひと世代に一度はあります。人生の中で一度、という感じでしょうか。 これは世界が FIFA に期待していることです。日本はそれを可能にします。 我々の夢は、次世代に向けた準備をすることです。 (映像) ご覧頂きましたように、2022 年に向けて私たちにはたくさんの夢があります。 我々の提案が未来の技術についてを多く語っているのはご存知だと思いますが、ストリンガーさんには、 これは、科学的真実であり、SF ではない、ということをお話頂きました。 ブラッター会長、そしてみなさん。 私たちの大会構想は、とてもシンプルです。 より多くの人々がより多くの国々で、歴史上未だかつてないくらいにたくさん、楽しんでくれるようなワー ルドカップ。 それが、我々の夢なのです。 これは、FIFA がとるべき次の新しい大いなる旅路なのです。 これは、FIFA が導くべき新しい大いなる冒険なのです。 そして、これが、本当の意味での次世代に向けてのワールドカップです。 122 最終プレゼンテーション日本代表団 氏 名 招致委員会役員 小倉 純二 岡野 俊一郎 田嶋 幸三 高橋 治之 奥田 泰久 川瀬 みどり 志水 かず美 招致委員会実行本部 丸山 高人 五香 純典 中島 勇一郎 濱口 博行 伊地知 直亮 平井 徹 貝瀬 智洋 林 信貴 永松 繁隆 島本 寛 種蔵 里美 小西 あおい マーティン・ニューマン パトリック・ナリー 政府関係者 鈴木 寛 遠藤 利明 富田 茂之 友近 聡朗 藤原 誠 村田 直樹 プレゼンターほか ハワード・ストリンガー 河内 聡一 佐々木 りお 佐々木 真理 所 属(役職) 招致委員会委員長、FIFA 理事、JFA 会長、プレゼンター 招致委員会顧問、JFA 最高顧問 招致委員会副委員長、JFA 副会長兼専務理事、プレゼンター 招致委員会委員、株式会社電通顧問 JFA 秘書室長、岡野顧問秘書 小倉委員長秘書 田嶋副委員長秘書 本部長 チーフダイレクター エグゼクティブダイレクター エグゼクティブアドバイザー シニアアドバイザー 国際部門ダイレクター 政府 / 自治体部門・事業部門ダイレクター コミュニケーション部門ダイレクター コミュニケーション部門ダイレクター代理 コミュニケーション部門プロモーション担当ダイレクター コミュニケーション部門広報担当ダイレクター 国際部門マネジャー プレゼンテーショントレーナー 招致アドバイザー 文部科学副大臣、招致委員会副会長、プレゼンター 招致推進議員連盟幹事 招致推進議員連盟幹事 招致推進議員連盟幹事 文部科学省審議官(スポーツ・青少年局担当) 外務省広報文化交流部長 ソニー株式会社代表執行役会長兼最高経営責任者(CEO) 、プレゼンター ソニー株式会社執行役員、プレゼンター随行 プレゼンター プレゼンター随行 123 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 インスペクション 理事不正疑惑問題 より、日本の提案の実現可能性を証明することと ●最終プレゼンテーションリハーサルの実施 本部で公式リハーサルを行い、実際の会場を使用 した。 最終プレゼンテーションの登壇者は、佐々木り しての確認を行った。 FIFA 理事として公務を抱え 12 月 2 日の本番までの間、 FIFA 理事に関する様々 おさんを除き全員、英語によるスピーチを行うこ る小倉委員長も、多忙な時間の合間を縫ってリハー FIFA 理事会における最終プレゼンテーション な情報の収集・分析に基づき、スピーチ原稿には ととした。FIFA の理事たちに訴えかける万全なプ サルに参加した。 は、FIFA 理事の投票行動を最後に決するとも言わ 再三にわたり検討と修正が加えられた。日本のメッ レゼンテーションを行うため、繰り返しリハーサ れていた。そのため、日本はその実施に向けて入 セージが熱意を持って FIFA 理事に伝わるよう、ス ルが行われた。 念な準備を行った。 ピーチの一つひとつの単語の選定にも、細心の注 10.3 最終プレゼンテーション対応 一方、最終プレゼンテーション及び開催国決定 意が払われた。 ● 208 Kids Dream Mini Tour の実施 リハーサルに際してはプレゼンテーショント 最終プレゼンテーションの開催に先立つ、2010 レーナーとして、マーティン・ニューマン氏を起 年 10 月 23 日、24 日の 2 日間にわたり、 「208 Kids のレギュレーションが確定したのは、10 月 28 日、 映像及びスライド制作では、日本が提案する次 用した。ニューマン氏の指導は発音のチェックを Dream Mini Tour(208 キッズ・ドリーム・ミニ・ツ 29 日に開催された FIFA 理事会であった。そのため、 世代教育事業の柱である 208 Kids Dream Japan Tour はじめ、視線の向け方、間の取り方、強調ポイン アー) 」を実施した。このツアープログラムは、日 既に進行していた計画の一部変更も余儀なくされ (208 キッズ・ドリーム・ジャパン・ツアー)の有 トでの身振り手振りなど、細部にまで及んだ。 本が大会構想の一部として提案する次世代育成活 た。 効性を実証するため、トライアル版である 208 Kids リハーサルは、プレゼンテーションのさらなる 動、208 Kids Dream Japan Tour(208 キッズ・ドリーム・ Dream Mini Tour (208キッズ・ドリーム・ミニ・ツアー) クオリティ向上を目指し、チューリヒに入ってか ジャパン・ツアー ) の有効性を確認することを目的 を 10 月に実施し、これを収録した。 らも続けられた。椅子の配置や大型画面の位置、 に、同プログラムの縮小版として実施したもので 部屋の大きさなど本番のプレゼンテーション会場 ある。それは、“徹底した事実主義” に基づき、事 また、11 月 17 日には FIFA 評価レポートが発表 された。同レポートでは、各招致立候補国の大会 開催能力を評価したのみで、開催理念など日本招 致の柱である大会構想については、簡単に触れら また、プレゼンターの選定に際しても、多くの と全く同じ環境を用意し、出演者から技術担当ス 実を積み重ねることにより日本の提案の実現可能 れるに過ぎなかった。この結果を受け、最終プレ 議論と検討が行われた。2002 年に生まれた佐々木 タッフまで、当日与えられる時間を踏まえ、本番 性を証明しようとする、最終プレゼンテーション ゼンテーションの方向性については、 「最後まで日 りおさんの起用は、 「2002 年大会の開催からまだ間 さながらの練習が続けられた。11 月 29 日には FIFA のための準備の一環でもあった。 本の主張である “次世代ワールドカップ” の実現を もない。too soon である。 」という意見に対する反証 訴えていく」ことを、再度確認することとなった。 でもあった。 208 Kids Dream Japan Tour は、 日本でのワールドカッ ハワード・ストリンガー氏の起用には、日本で プ開催中に、世界から 6,000 人規模の世界の次代を ●最終プレゼンテーションの計画・準備 開催することのメリットを伝えるためには、日本 担う子供たちを日本に招待し、 ワールドカップ、 サッ 最終プレゼンテーションの計画・準備は、FIFA 人だけが説明していてはならない、日本のよさを カーを通じて、文化・言語を超えた国際交流体験、 インスペクション終了後の 2010 年 8 月から開始し 理解している外国の方にお願いしたい、という意 平和学習を推進することとしている。縮小版とな た。最終プレゼンテーションに際しての日本の戦 図が込められていた。同時に、FIFA パートナーで る今回の 208 Kids Dream Mini Tour では、言語・文化 略は、日本が提案する “次世代ワールドカップ” の あるソニー㈱の CEO を務めるストリンガー氏が、 に違いのある東京のインターナショナルスクール 実現可能性を実証する “決定的な物的証拠” を、 自らの言葉で日本の提案内容が実現可能であるこ の児童と、広島の小学生の計 23 名を対象として実 いかに FIFA 理事に対し提示するかであった。しか とを語っていただきたい、との期待があった。こ 施した。 し、最終プレゼンテーションのレギュレーション うした招致委員会の考えをストリンガー氏に伝え では、FIFA インスペクションで用いた Freeviewpoint てお願いしたところ、幸いにも快諾していただく Vision ( フリービューポイント・ビジョン) 、Full ことができた。 プレゼンテーションのリハーサルに臨む小倉委員長とニュー マン氏 ツアーに参加した子供たちは、大人たちの心配 をよそに、子供たち同士すぐに打ち解けて、各プ ログラムに楽しそうに参加した。国籍や言語、文 Court 3D Vision(フルコート・3D・ビジョン)など さらに、多忙な中、日本政府を代表して鈴木寛 化の違いに全く戸惑うことなく、自然に子供たち のデモ機材を、ステージに持ち込むことは認めら 文部科学副大臣に出席いただいた。特に、FIFA 評 の交流が広がった。それは日本が提案する 208 Kids れていなかった。 価レポートで中位のリスクが指摘された政府保証 Dream Japan Tour が極めて有用であること、かつま そのため、スピーチ原稿の制作、プレゼンテー についての踏み込んだ発言は、FIFA の各理事に対 た十分に実現可能であることを物語るものであっ ション会場に映し出す映像及びスライドの制作、 し、日本国民及び日本政府の大会開催への期待の た。 プレゼンターの選定など、 あらゆる局面において“徹 高さ、意識の高まりを表現するに十分であった。 底した事実主義” を貫き、それを積み重ねることに 124 また同時に、208 Kids Dream Japan Tour のベースで プレゼンリハーサルの様子 あり、JFA がこれまでに取り組んできた「JFA ここ 125 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 第 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 11 章 開催国の決定 インスペクション 理事不正疑惑問題 ろのプロジェクト」のメソッドが、未来に向けた 展開・実施に際しても十分に有効であることを証 第 11 章 開催国の決定 明するものでもあった。 208 Kids Dream Mini Tour で見せた子供たちの本物 の笑顔は、未来の可能性を実証する何よりの “物的 証拠” として、最終プレゼンテーションにおいて 208 Kids Dream Japan Tour のプログラムを紹介するた 11.1 開催国決定投票 めの映像として収録された。 ツアーにおけるプログラムの内容は以下のとお スポーツを通じたコミュニケーション りである。 たとおり、以下の手順により行われた。 ② 広島平和公園散策、平和記念資料館見学 なお、2010 年 11 月 18 日の FIFA 倫理委員会で資 ③ 平和を考えるワークショップ学習 格停止処分の下されたテマリー副会長及びアダム ④ 工作レクリエーション 理事の 2 名は、FIFA 理事会に参加することができ ⑤ プロサッカー選手との交流 ⑥ J リーグ公式戦の観戦 をいただいた。 最終プレゼンテーションが行われた FIFA ハウス(スイス・ チューリヒ) 開催国投票方法(2010 年 10 月 29 日 FIFA 理事会決定事項) 1. 開催国決定日 なお、ツアーの実施に際しては、JFA こころのプ トとして同行し、子供たちの交流を深める力添え 年 FIFA ワールドカップTM 及び 2022 年 FIFA ワール 投票方法は、10 月 29 日の FIFA 理事会で決定し トサル、マスゲーム) 平間氏、式田氏、井手口氏がツアー・アテンダン 2010 年 12 月 2 日、FIFA 理事会が開催され、2018 ドカップTMの開催国を決定する投票が行われた。 ① スポーツを通じたコミュニケーション(フッ ロジェクトで講師を務める元 J リーガーの安永氏、 ないため、投票は 22 名の理事により行われた。 広島平和公園散策 本年12月2日に、2018年大会及び2022年大会の両大会を決定する。 2. 投票方法 FIFA事務局の提案どおり、下記の方法にて承認した。 ・ 2018年大会の投票が行われ、続いて2022年大会の投票が行われる。投票は無記名にて行われ、現職 FIFA理事は全員が両大会の投票を行うことができる。 ・ 招致国が開催を勝ち取るには、出席しているFIFA理事の過半数による投票を得なければならない。 ・ 2つの招致国が残り、同じ獲得票数の場合は、FIFA会長が決選投票を行う。 ・ 過半数の票を得た招致国が存在しない場合、最少得票数の招致国は次の投票に進むことができない。 ・ 最少得票数の招致国が並んだ場合、該当する招致国のうち次の投票に進むことができない国を決する ための投票が即座に行われる。 ・開催国決定の投票は、12月2日午後2時から4時の間に開催される理事会で行われる。 3. 開催国発表プロセス 開催国が決定された際、結果は二つの封筒に入れられ、公証人にてメッセ・チューリヒへ運ばれFIFA 会長に手渡される。最終的な開催国決定の発表は、当日午後4時、メッセ・チューリヒにて行われる。 正式な発表があるまでは、結果はFIFA理事にも知らされない。したがって、2018年大会の開催国に影 響されず、2022年大会の投票がなされることになる。 126 127 第 1 部 招致活動記録 TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 第 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 11 章 開催国の決定 インスペクション 理事不正疑惑問題 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM開催国決定投票結果 11.2 開催国決定投票結果 2022 年 FIFA ワールドカップTM投票結果 招致立候補国 第 1 回投票 カタール 米国 韓国 日本 オーストラリア 2018 年 FIFA ワールドカップTM投票結果 招致立候補国 第 1 回投票 ロシア スペイン/ポルトガル オランダ/ベルギー イングランド 第 2 回投票 11 3 4 3 1 第 3 回投票 10 5 5 2 ― 第 4 回投票 11 6 5 ― ― 14 8 ― ― ― 第 2 回投票 9 7 4 13 7 2 2 ― 開催国を発表するブラッター FIFA 会長 開催国の発表は、12 月 2 日午後 4 時(日本時間 12 月 3 日午前 0 時)から、スイス・チューリヒの 催国の証書が手渡されるとともに、祝辞が述べら れた。 2022 年開催国に決定したカタール招致チーム 「チューリヒ・メッセ」において行われた。会場 には、開催国決定の模様を伝えようと、世界各国 続いて、同様の手順により 2022 年 FIFA ワールド から 70 のテレビ局、1,000 名のレポーターがつめか カップTM開催国の発表が行われた。そして、ブラッ けた。 ター会長が示したカードには「Qatar(カタール) 」 定刻より 30 分ほど遅れて開催された開催国発表 と記されていた。 では、ブラッター FIFA 会長がステージに立ち、は その結果、2018 年大会は旧共産圏の東欧地域、 じめに各招致立候補国に対し感謝の意を表明し 2022 年大会はアラブ圏の中東地域でともに初の開 た。そして、2018 年 FIFA ワールドカップ の開催 催となった。 両大会の開催国決定に際し、 ブラッター 国から発表した。 FIFA 会長は「我々は新たなる地に向かう」と語っ TM ブラッター会長は手渡された封筒を受け取り開 た。 封すると、 「Russia(ロシア) 」と記されたカードを 会場内に示した。その瞬間、ロシアの招致関係者 から歓声が沸きあがった。ステージに招かれたロ シアの招致関係者に対し、ブラッター会長から開 128 2018 年開催国に決定したロシア招致チーム 129 第 1 部 招致活動記録 11.3 開催国決定記者ブリーフィ ングの開催 スイス・チューリヒで開催国決定の発表があっ た翌日 12 月 3 日、日本招致委員会の Web サイト TM 第 5 章 2018/2022 第 9 章 FIFA 第 7第 章 FIFA 年 6評価レポートの公開と 章 FIFA 第「招致ブック」及び「開催契約書」の提出 2第 章 招致に向けての準備・プランニング ワールドカップ 第 4 章 開催候補都市の募集と閣議了解 1第章 日本招致に向けての意思決定 第 10 第8章 最終プレゼンテーション 3章 FIFA 章 日本招致委員会の設立 FIFA 第 南アフリカ大会の開催 日本招致委員会の開催 11 章 開催国の決定 インスペクション 理事不正疑惑問題 小倉委員長は、多くのサッカーファミリーの期 また、 スイス・チューリヒから帰国後の12月7日、 待にこたえられなかったことを陳謝するととも JFA ハウスにおいて開催国決定に関する記者ブリー に、 チャンスがある限り引き続き FIFA ワールドカッ フィングを開催した。 プTMの招致にチャレンジして行くことを明らかにし た。 小倉委員長はこの中で、落選の無念さをにじま せながらも、次に向けてのビジョンを力強く語っ 「DREAM 2022」に、 小倉純二日本招致委員長のメッ た。 セージを掲載した。 開催国決定報告メッセージ 記者の質問に答える小倉委員長(JFA ハウス) 本日 12 月 2 日、FIFA 理事会で行われた 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ™開催国決定投票の結果、日本の 小倉純二委員長談話 2022 年 FIFA ワールドカップTM招致は叶いませんでした。サッカーファミリーの皆さんの期待に応えられず残 念であり、申し訳なく思います。 招致という試合に出た以上、負けたことが悔しいです。 2018 年は東欧のロシアに、2022 年は中近東のカタールに決まりました。新しい地域で開催し、サッカーを 2018 年開催国に決定したロシア、2022 年開催国のカタールに、心から祝福の意を送ります。日本に対して は「2002 年に開催したばかりで早すぎる」という意見もあり、今回は初めて開催する地域がいずれも開催国 に選ばれました。 全世界に発展させ広めていくことを FIFA 理事会が選択したことになります。 ワールドカップの楽しさを日本のみなさんにまた味わってほしいと立候補し、最終プレゼンテーションに いたるまで精一杯戦いました。 アジアサッカー連盟に所属している日本が次に立候補できるのは 2034 年。それを踏まえ、JFA、J リーグな 私たちは、世界 208 の国と地域すべてで、先端技術を活用した「次世代のワールドカップ」を開催すると いうコンセプトを掲げ、招致活動を進めてきました。このコンセプトは大変興味深いと多方面で評価を受け ました。 どが日本のスタジアムをどう変えていくか考える必要があると考えています。 FIFA の大会には女子の大会や年代別ユース大会、ビーチサッカーなどいろいろあります。いずれも現在で は多くの国々が名乗りをあげ競争は激しいですが、日本はただ黙って 2034 年まで待つのではなく、常に FIFA 日本サッカー協会の方針や、 「JFA こころのプロジェクト」に代表される日本サッカー界の社会的な取り組 みを世界中に発信できたことには、大きな意義があったと考えています。またこうした日本の提案が今後の ワールドカップで実現されることを願っています。 の大会に興味があり、開催できる国であるべきだと考えています。 国内の機運を醸成し、なおかつこうした大会でサッカーを日本の人々にさらに理解してもらって、進めて いきます。 日本サッカー協会は、 「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の 発展に貢献する」ことを理念としています。サッカーファミリーの裾野を広げてゆくためにも、FIFA ワール ドカップTMの日本開催は達成すべき目標です。チャンスがある限り、引き続き、チャレンジを続けてまいりま す。 日本招致にご支援・ご協力いただいた、すべてのサッカーファミリーの皆さんにこの場を借りまして厚く 御礼申し上げます。 今後ともご支援のほど、よろしくお願いします。 2022 年 FIFA ワールドカップ™日本招致委員会 委員長 財団法人日本サッカー協会 会長 小倉 純二 130 131 第 1 部 招致活動記録 第 1 章 招致実行本部の設置 第 2 部 招致実行本部の活動 132 133 第 2 部 招致実行本部の活動 第 1 章 招致実行本部の設置 第 1 章 招致実行本部の設置 招致実行本部は、2009 年 9 月 11 日の 2018/2022 たり、かつ重要な責任が課せられた。 年 FIFA ワールドカップ 日本招致委員会の設立に 本部業務の実施には、五香純典 実行本部チーフ 伴い、従来 JFA 内の組織であった FIFA ワールドカッ ダイレクターを中心に、鈴木康恵、大西貴子、武 プ招致本部を発展的に解消し、新たに日本組織委 藤舞子の 3 名のセクレタリーがあたった。 TM 員会の事務局組織として発足したものである。 実行本部は、FIFA ワールドカップTM日本招致に関 本部業務の主たる業務は、以下のとおりである。 わるあらゆる業務を行う実施部隊として組織され ・実行本部各部門統括業務 た。実行本部長には、 田嶋幸三 JFA 専務理事が就任。 ・人事・労務・法務 本部長のもと 20 名のスタッフで業務を開始した。 ・法人設立/事務手続き(招致委員会/ LOC) ・会議(理事会・幹部会・招致委員会・招致連絡 実行本部内には、国際部門、コミュニケーショ 協議会) ン部門、政府 / 自治体部門、事業部門、宿泊 / 輸送 ・会議(実行本部ダイレクターズミーティング) 部門の 5 部門が置かれた。また、コミュニケーショ ・事業計画/報告 ン部門には、プロモーションチーム、招致ブック ・IT システム管理 制作チーム、広報 / 報道対応チームの 3 つのチーム ・オフィス管理/運営 が設置された。 ・その他総務/庶務 2010 年 4 月、招致業務が本格化したことに伴い、 ・経理 JFA 専務理事との兼務では多忙を極め、業務に支障 ・海外連絡(FIFA 対応) が出る恐れが出てきたことから、田嶋幸三は招致 ・文書管理(受信・発信・本部内・JFA 展開) 業務に関わりつつも JFA 専務理事に専念することと ・翻訳対応 し、代わって丸山高人が本部長に就任した。 ・物品管理 ※ 2018 / 2022 年 FIFA ワールドカップ 日本組織委員会実 行本部組織図については、資料集4. 2を参照。 TM ・最終プレゼンテーション ・招致ブック分析 ・toto 助成金/観光庁事業対応 1.1 本部業務 ・報告書作成 本部業務は、組織上は部門として構成されてい ないが、総務業務のほか各関係機関との連絡・調整 業務の実施など、実質的に組織運営上の司令塔の 役割を担った。本部業務の所管業務は、対外的な 連絡・調整業務が主体であったため、実行本部各 部門との連携・支援等、付随する業務は広範にわ 134 135 第 2 部 招致実行本部の活動 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 2 章 国際部門 第 2 章 国際部門 国際部門は、2022年FIFAワールドカップTM日本招 りである。 致に関し、各大陸連盟、各国サッカー協会及び各 委 員 長:犬飼 基昭(~ 2010 年 7 月) FIFA理事とのリレーションシップ構築がその主な業 小倉 純二(2010 年 8 月~) 務である。しかし、実質的な業務は、開催国決定 副委員長:田嶋 幸三 の投票権を持つ各FIFA理事に対するロビー活動であ エグゼクティブアドバイザー:濱口 博行 (電通) る。 国際部門ダイレクター:平井 徹(主に 国際部門の主たる業務は以下のとおりである。 CONMEBOL、CONCACAF、CAF、OFC を担当) ・統括業務 国際部門マネージャー:小西 あおい(主に ・ロビー活動(戦略立案/スケジューリング) UEFA、AFC を担当) ・海外連絡(ロビー活動関連) 海外アドバイザー:パトリック・ナリー ・通訳対応 ・海外プレゼンテーション 上記の他、招致委員長及び副委員長のスケジュー ・海外コンサルタント ル調整 (JFA秘書室) 、 渡航時の便宜供与 (JFA国際部) ・外務省/在外公館対応 などの業務については、JFA による支援を仰いだ。 また、JFA 国際委員・北山朝徳氏、CONMEBOL 事務局員・高砂明弘氏の協力をいただいた。さら 2.1 ロビー活動体制 に、 2002 年大会招致活動や FIFA クラブワールドカッ プの際に各理事と交流のある通訳の臼井久代氏(フ ロビー活動では、限られた予算・人員の中で最 ランス語) 、 岡本晃子氏 (スペイン語) の協力も得た。 大限の効果を発揮すべく、あらゆる機会を捉えて 各 FIFA 理事を訪問し、日本が提案する " 次世代ワー ●政府による支援 ルドカップ " についてプレゼンテーションを行った。 世界各国に散らばる FIFA 理事への働きかけに際 南米サッカー連盟(CONMEBOL) 、欧州サッカー しては、外務省人物交流室の協力のもと、政府首 連盟(UEFA)など各大陸連盟の総会及び理事会に 脳ならびに各在外公館から支援を得ることができ 出席したほか、FIFA ワールドカップ 南アフリカ大 た。 TM 会、FIFA U-17 女子ワールドカップ(トリニダード・ 具体的な協力事項は以下のとおりである。 トバゴ) 、FIFA クラブワールドカップ(UAE)など ・各在外公館による各 FIFA 理事に関する情報収集 FIFA 主催大会にも積極的に参加し、現地でプレゼ ・各在外公館による FIFA 理事に対しての電話、 ンテーションを行うほか食事会を主催するなどの 訪問、公邸での食事会招待など、直接的な招致 活動を展開した。 協力の働きかけ ・政府首脳会議における各理事在住国の政府要人 ロビー活動におけるメンバー構成は以下のとお 136 への招致協力の働きかけ 137 第 21 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 2.2 ロビー活動戦略 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 2 章 国際部門 ●ロビー活動における日本の強み、弱み 脆弱な側面があった。 ロビー活動においては、アピールポイントだけ ・OFC(オセアニアサッカー連盟) でなく、 これまでの FIFA 主催大会の開催実績など、 ●各大陸連盟ごとのロビー戦略 テマリー副会長(タヒチ・資格停止)に対して 日本のロビー活動における基本戦略は、各 FIFA 日本のストロングポイントについても積極的に訴 ・AFC(アジアサッカー連盟) は、オーストラリアが落選した場合のセカンド 理事に対し「次世代ワールドカップ」の開催とい 求した。一方では、2002 年大会を開催したばかり マクディ理事(タイ)以外の理事選出国は全て う日本の招致コンセプトをしっかり説明し、理解 ではないかという、ウイークポイントを指摘する 招致立候補国のため、一通りプレゼンテーション を得るというものであった。 理事もあった。 を行うにとどまる。AFCの幹部間においては、自 JFA 並びに日本招致委員会のポリシーとして個別 理事の訪問や説明に際しては、一般的な土産の範 日本のストロングポイントとウイークポイント を整理すると次のようになる。 ・ブラッター FIFA 会長 国が敗れアジアの他国が残っていた場合は、お互 ブラッター会長に影響力を持つ(株)電通・高 い支援する旨、表面上申し合わせがあった。 橋治之顧問、JFA岡野俊一郎最高顧問から招致協 囲を超えた金品授与などの賄賂を使わないことは 言うまでもない。 ボートを狙っての働きかけを行った。 力を依頼。また、2009年9月にはブラッター会長の <ストロングポイント>: ・UEFA(欧州サッカー連盟) 旭日大綬章勲章伝達式をスイス日本大使公邸で開 限られた資源と機会を活かして、日本の考え ・2002 年 FIFA ワールドカップTM 日韓大会、FIFA 各理事を満遍なく訪問しプレゼンテーションを 催、2010年5月には犬飼基昭委員長、川端達夫文部 方を理解してもらうことにすべての勢力を投入し コンフェデレーションズカップ 2001、FIFA U-17 実施。特に2018年大会に立候補しておらず浮動票 科学大臣がFIFA本部にブラッター会長を表敬訪問 た。一方、 各理事の求めるニーズに対しては、 ナショ 世界選手権(1993 年) 、FIFA ワールドユース選 とみられるプラティニ副会長(フランス)、アー し、日本招致への支援を要請した。 ナルチームのマッチメイク、指導者派遣など、サッ 手権 (1979 年) 、 FIFA クラブワールドカップ (1981 ジック理事(トルコ)、レフカリティス理事(キ カーの交流に関わる JFA の裁量の範囲内で実施でき 年の第 1 回トヨタカップから 2008 年まで開催) プロス)には積極的に働きかけを行った。加え る要望についてできる限り対応することとした。 など、これまでの FIFA が主催する世界大会の て、開催国決定の最後の瞬間に2018年立候補国と 開催実績。 票のバーターになる可能性を検討した。 ●ロビー活動における日本のアピールポイント 他の招致立候補国が、スタジアムや鉄道等の国 内インフラの整備、あるいはその優位性を訴える ・FIFAワールドカップ 、 FIFA クラブワールドカッ TM プをはじめ、マーケティング面におけるこれま ・CAF(アフリカサッカー連盟) での日本企業の貢献。 カタールへの投票を表明していたアボ・リダ理 中、日本はまったく異なる次元のロビー活動を展 ・独創的な「次世代ワールドカップ」の提案。 事(エジプト)を除き、浮動票とみられたハヤ 開した。最先端のテクノロジーを使った新しいサッ ・FIFA 理事会メンバーの中でも絶大な信頼が寄せ トゥー副会長(カメルーン)、アヌマ理事(コー カーコンテンツの革新、世界 400 ヶ所に設置するユ られている、小倉純二 FIFA 理事の存在。 ニバーサルファンフェスト、次世代育成事業のキッ ・2002 年 FIFA ワールドカップ 日韓大会の招致 ズドリームツアーの実施など「次世代ワールドカッ でも積極的にロビー活動を行い、多くの FIFA プ」の実現を一貫して主張し、世界と共催するワー 理事や FIFA 関係者から信頼される、濱口博行 ルドカップの開催を提案した。 エグゼクティブアドバイザーの存在。 TM こうした日本の提案は、多くの海外メディアや FIFA 理事からも、一定の評価を得ることができた。 <ウイークポイント>: ・2002 年大会開催からの時間の短さ。数名の理事 なスタジアム、カタールの 8,000 億円とも言われる からは、 「他の国にチャンスをあげるように」 スタジアム建設への投資額など、政府と一体となっ との指摘もあった。 リアリティの面での弱点を指摘されたことも少な くはなかった。 138 格停止)への働きかけを行った。 2010 年 5 月 3 日 ブラッター会長表敬訪問 ブラッター FIFA 会長(中央右) 、川端達夫文部科学大臣(中央左) ・CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟) CONCACAFは、連盟メンバーである米国への 支持を表明していたため、米国が落選した場合の しかし一方では、米国の最大 500 万人を収容可能 た磐石のロビー活動の前では、実現可能性という トジボアール)、アダム理事(ナイジェリア・資 ・ロビー活動をはじめとする招致活動資金の少な さ。 セカンドボートを狙っての働きかけを行った。ま た、サッカーにおける交流の提案を行った。 ・CONMEBOL(南米サッカー連盟) CONMEBOLはJFAと古くから親交があることか ら、グロンドーナ上級副会長(アルゼンチン)、 ・国のバックアップ。様々な局面で政府の支援は レオス理事(パラグアイ)、テシェイラ理事(ブ あったものの、他の招致立候補国と比較した場 ラジル)の3票を確保するため積極的な働きかけ 合、資金援助、国を挙げてのロビー戦略など、 を行った。 プラティニ FIFA 副会長(UEFA 会長)にプレゼンテーショ ンを行う小倉委員長 139 第 21 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 2 章 国際部門 3.16 2.3 ロビー活動実績 3.20 3.22 ∼ 28 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致における ロビー活動実績は、次表のとおりである。 4.16 ロビー活動実績 年月日 2009 年 5.28 ∼ 6.5 6.21・22 7.8 ∼ 10 8.2 ∼ 6 9.7・8 11.13・14 11.25 12.4 12.8 12.9 ∼ 19 2010 年 1.10 ∼ 31 イベント(開催地) 対象者(理事等) FIFA 理事会・FIFA 総会(バ 208 Member Associations ハマ . ナッソー) FIFA コンフェデレーショ ンズカップオブザーバーズ プログラム (南アフリカ . ヨ ハネスブルグ) 招致国対象ワークショップ (スイス . チューリヒ) スルガバンクチャンピオン シップ(日本 . 大分) ブラッター FIFA 会長叙勲 伝達式・叙勲祝賀レセプ ション スペインサッカー連盟 100 周年 ( スペイン ) CONMEBOL 総会 ( アルゼ ンチン ) Eugenio FIGUEREDO Eduardo DELUCA Joseph S. Blatter 3.2 ∼ 5 140 活動内容 出席者 五香、平井 招致国を対象としたオブ 五香、平井、永松 ザーバーズプログラム (FIFA 主催大会の実施運 営の研修)に参加 招致国を対象としたワー 五香、平井、貝瀬、 クショップ(開催契約書 満田 等、招致手続に関する説 明)に参加 ウルグアイ アルゼンチン スイス アフリカネーションズカッ Issa HAYATOU プ 2010(アンゴラ) カメルーン エジプト ナイジェリア コートジボアー ル JFA. スペインサッカー連 Angel Maria VILLAR LLONA スペイン 盟 パートナーシップ提携 ( 日本 (JFA)) サッカーレックス・ヨー Patrick Nally Consultant ロッパ・フォーラム(イン Emanuel Maradas FIFA media グランド . マンチェスター Consultant 他) 4.20 ∼ 27 面会 田嶋、濱口、平井、 臼井 ミーティング ミーティング Gorka VILLAR LLONA、 犬 飼、 大仁、田嶋 濱口、平井 Warawi MAKUDI Michel PLATINI Senes ERZIK Marios LEFKARITIS Joseph S. Blatter イングランド招致委員会に Triesman 委員長 よる小倉理事訪問 A.Anson 招致委員会CEO C.K.Tipton CONMEBOL 理事訪問 ( ブ Julio GRONDONA ラジル、アルゼンチン、パ Eduardo Deluca ラグアイ ) Nicolas LEOZ Ricardo Terra TEIXIERA Joao HAVELANGE フランス 食事会 犬飼、小倉、平井 タイ フランス トルコ キプロス スイス イングランド イングランド イングランド アルゼンチン CONMEBOL GS パラグアイ ブラジル ブ ラ ジ ル(FIFA 名誉会長) スイス 食事会 挨拶のみ 挨拶のみ 挨拶のみ 挨拶のみ 2018 年 問 題、FIFA イ ン スペクション等情報交換 犬飼 田嶋、濱口、平井、 小西 食事会 食事会 ミーティング、食事会 面会 面会 犬飼、濱口、北山、 平井、奥田 ブラッター会長訪問(スイ Joseph S. Blatter ス . チューリッヒ) 5.14 招致ブック提出セレモニー Joseph S. Blatter ( スイス . チューリッヒ) ス ペ イ ン 訪 問 ( ス ペ イ Angel Maria VILLAL LLONA ン . マドリッド) FIFA 理 事 会( 南 ア フ リ カ . ヨハネスブルグ) CONCACAF 総会(南アフ Jack WARNER リカ . ヨハネスブルグ) Rafael SALGUERO AFC 臨時総会(南アフリ カ . ヨハネスブルグ) FIFA 総会(南アフリカ . ヨ ハネスブルグ) FIFA 招致国エキシビショ 208 Member Associations ン(南アフリカ . ヨハネス ブルグ) スイス FIFA ワールドカップTM南ア Marios LEFKARITIS フリカ大会 ( 南アフリカ ) Warawi MAKUDI Hany ABORIDA ミッシェル・ドーグ FIFA Michel D'HOOGE 理事面会 (南アフリカ . ケー プタウン) FIFA オブザーバーズプロ グラム(南アフリカ . ヨハ ネスブルグ他) キプロス タイ エジプト ベルギー 電通 GALA (南アフリカ . ヨ Joseph S. BLATTER ハネスブルグ) Geoff THOMPSON Senes ERZIK Marios LEFKARITIS Michel PLATINI Issa HAYATOU Nicolas LEOZ サッカーレックス・アジア・ フォーラム(シンガポール) スイス イングランド トルコ キプロス フランス カメルーン パラグアイ AFC 理 事 会( マ レ ー シ Mohamed BIN HAMMAM ア . クアラルンプール) CHUNG Mong Joon Warawi MAKUDI カタール 韓国 タイ 6.6・7 6.8 6.9 6.9・10 6.10 6.11 ∼ 7.11 6.15 6.28 ∼ 7.2 7.9 挨拶のみ 挨拶のみ 挨拶のみ 食事会 Michel PLATINI 5.3 6.1 FIFA ブラッター会長旭日 犬飼、岡野、松田、 大綬章勲章伝達式・叙勲 奥田、五香、仲島 祝賀レセプション Angel Maria VILLAR LLONA スペイン スペイン VS. アルゼンチ 田嶋、平井 ン観戦 Julio GRONDONA アルゼンチン CONMEBOL 理 事 会、 コ 田嶋、濱口、平井 Nicolas LEOZ パラグアイ パ・リベルタドーレス抽 選会出席 FIFA メディア・エクスポ FIFA ワールドカップTM南ア 招 致 ブ ー ス を 出 展 し、犬飼、田嶋、濱口、 ( 南アフリカ . ケープタウ フリカ大会出場国及び各国 FIFA ワールドカップTM 南 五香、平井、野上、 ン) メディア アフリカ大会本選抽選会 島本、小西 出席者及び各国メディア に対し、日本招致をアピー ル SPORTFIVE アフリカ担当 Idriss Akki SPORTFIVE 副 SPORTFIVE と の ア フ リ 濱口、平井 本社訪問(フランス . パリ) 社長 カ連盟(CAF)に関する ミーティング Mustapha Fahmy CAF GS CAF ネーションズカップ 出席の打診と協力依頼 FIFA クラブワールドカッ Nicolas LEOZ パラグアイ 濱口氏主催による食事会 犬飼、濱口、五香、 プ (UAE) Julio GRONDONA アルゼンチン 平井 Eduardo Deluca CONMEBOL GS Hani ABO RIDA Amos ADAMU Jacques ANOUMA 1.22 国 FIFA ク ラ ブ ワ ー ル ド カップ組織委員会 ( スイ ス . チューリッヒ ) AFC 理事訪問(タイ) UEFA 総会 ( イスラエル . テ ルアビブ ) 7.28 7.30 スペイン 小倉、田嶋 (荒川総領事) 、犬 飼、 田 嶋、 濱 口、 平井、奥田 面会 川端文部科学大 臣、 犬 飼、 丸 山、 五香、小西 「招致ブック」ハンドオー 犬飼、丸山、五香、 バーセレモニー出席 種蔵、永松 食事会 犬飼、松田、奥田 トリニダード& プレゼンテーション トバゴ グアテマラ 田嶋、中島、濱口、 丸山、五香、平井、 小西 犬飼、田嶋、丸山 招 致 ブ ー ス を 出 展 し、犬飼、田嶋、丸山、 FIFA 総会出席者及び各国 五香、平井、種蔵、 メディアに対し、日本招 小西 致をアピール 面会 濱口、小西 家族とともに昼食会 田嶋、濱口、平井 面会 濱口、平井、小西 面会、招致の話題には触 田嶋夫妻、志水 れず 招致国を対象としたオブ 五香、野上 ザーバーズプログラム (FIFA ワールドカップTM南 アフリカ大会の実施運営 の視察研修)に参加 挨拶、雑談のみ 田嶋、濱口、平井 ア ジ ア で 初 の サ ッ カ ー 小西 フォーラム。メディアに 資料配布 理事会にてプレゼン。小 丸山、五香、小西、 倉委員長より冒頭挨拶。 中島 141 第 21 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 2 章 国際部門 8.4 スルガバンクチャンピオン Eugenio FIGUEREDO シップ(東京・国立競技場) Eduardo DELUCA 8.30・31 UEFA 理 事 訪 問 (UA E . ドバイ) UEFA 理 事 訪 問( フ ラ ン ス . パリ他) 9.19 ∼ 28 9.20 ∼ 30 9.27 FIFA U-17 女子ワールド カップ ( トリニダード・ト バゴ ) OFC 理事訪問(タヒチ) 10.4 ∼ 9 ウルグアイ 高円宮妃殿下主催食事会、小 倉、 田 嶋、 濱 小倉委員長主催食事会 口、 増田(国際部) 、 アルゼンチン スルガバンクカップ契約 平井 更新調印式 Marios LEFKARITIS キプロス プレゼンテーション、食 小倉、濱口、小西 事会 Bobby CHARLTON イングランド(招 ミーティング 小倉、奥田、小西 致委員) Geoff THOMPSON イングランド プレゼンテーション、食 事会 Issa HAYATOU カメルーン プレゼンテーション、食 事会 Michel PLATINI フランス プレゼンテーション、食 事会 Rafael SALGUERO グアテマラ 食事会 田嶋、平井 Jack WARNER ト リ ニ ダ ー ド・ ミーティング 岩田大使、田嶋、 トバゴ 濱口、平井 Chuck Blazer アメリカ プレゼンテーション 田嶋、濱口、平井 Reynald TEMARII タヒチ プレゼンテーション、食 田嶋、平井 事会 Rafael SALGUERO グアテマラ プレゼンテーション、食 丸山、平井 事会、観光、試合観戦 Angel Maria VILLAR LLONA スペイン 中島・小西 Michel D'HOOGE ベルギー Vitaly MUTKO ロシア Warawi MAKUDI タイ プレゼンテーション 丸山、小西 小倉会長就任パーティー (日本 . 東京他) 10.6 ∼ 9 リーダーズインフットボー ル(イングランド . チェル シー) 10.12 AFC 理事訪問(タイ . バン コック) 10.17 ∼ 21 CONMEBOL 理事訪問 ( パ Julio GRONDONA ラグアイ . アスンシオン ) Eduardo Deluca Nicolas LEOZ Ricardo Terra TEIXIERA 10.25・26 インターナショナル・フッ トボール・アリーナ(IFA) (スイス . チューリヒ) 10.28・29 FIFA 理 事 会( ス イ Joseph S. BLATTER ス . チューリヒ) Eduardo Deluca Angel Maria VILLAR LLONA Nicolas LEOZ Julio GRONDONA Hany ABORIDA アルゼンチン 食事会 CONMEBOL GS パラグアイ ブラジル プレゼンテーション、食 事会 渡部大使、丸山、 平井 スイス CONMEBOL GS スペイン パラグアイ アルゼンチン エジプト 10.29 ∼ 11.5 CAF 理事訪問 Issa HAYATOU カメルーン Amos ADAMU ナイジェリア Jacques ANOUMA コートジボアー ル エジプト 小倉、五香 小倉 小倉 小倉 小倉、丸山 小倉、丸山、平井、 小西 丸山、濱口、平井、 臼井 丸山、濱口、平井、 臼井 丸山、濱口、平井、 臼井 丸山、濱口、平井、 臼井 川淵、北山、奥田、 平井 川淵、北山、奥田、 平井 川淵、北山、奥田、 平井 Hany ABORIDA 11.8 ∼ 12 南米選手権抽選会(アルゼ Julio GRONDONA ンチン . ブエノスアイレス) Nicolas LEOZ Eduardo Deluca 142 アルゼンチン パラグアイ CONMEBOL GS 会談 ミーティング ミーティング 食事会 ミーティング プレゼンテーション 11.10 ∼ 20 11.20 ∼ 26 11.25 ∼ 29 12.1・2 UEFA 理事訪問(欧州各都 Vitaly MUTKO 市) Senes ERZIK Marios LEFKARITIS Angel Maria VILLAR LLONA Geoff THOMPSON Joseph S. BLATTER Michel PLATINI Franz BECKENBAUER Michel D'HOOGE CONMEBOL 理事会&コパ Julio GRONDONA リベルタドーレス抽選会 Nicolas LEOZ ( パラグアイ . アスンシオ Ricardo Terra TEIXIERA ン) Joao HAVELANGE FIFA 理事会へ向けて(ス 22 理事 イス . チューリヒ) 最終プレゼン、招致国決定 22 理事 (スイス . チューリヒ) ロシア トルコ キプロス スペイン イングランド スイス フランス ドイツ ベルギー アルゼンチン パラグアイ ブラジル ブ ラ ジ ル(FIFA 名誉会長) 中島、小西 中島、小西 中島、小西 中島、小西 中島、小西 中島、小西 中島、小西 中島、小西 中島、小西 田嶋、濱口、平井 田嶋、濱口、平井 田嶋、濱口、平井 田嶋、濱口、平井 小倉 小倉、田嶋、濱口、 丸山、五香、種蔵、 平井、小西ほか 小倉、中島、五香、 永松、小西、種蔵 スペイン協会創立 100 周年記念イベント。アンヘル・マリア・ ビジャル・ジョーナ FIFA 副会長/スペイン協会会長と田嶋 本部長/ JFA 専務理事 来日したサルゲロ FIFA 理事(グアテマラ) (左端)に日本 の招致を説明する丸山本部長(右手前) アンゴラ CAF ネーションズカップ。イッサ・ハヤトゥー FIFA 副会長/ CAF 会長を囲む濱口エグゼクティブアドバイ ザー(左端) 、田嶋本部長/ JFA 専務理事、臼井氏 南米選手権抽選会。レオス FIFA 理事(パラグアイ)と談笑 する川淵顧問/ JFA 名誉会長 143 第 21 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 第 3 章 コミュニケーション部門 コミュニケーション部門は、FIFA ワールドカッ これら高度な専門性を要求され、かつ極めて広 プ 日本招致についての、国内及び海外におけるあ 範な業務を効率的に実施するため、部門内にプラ らゆるコミュニケーションにかかわる業務を統括・ ンニング業務、プロモーション業務、 「招致ブック」 実施することを目的に設置された。 制作業務、広報報道対応業務の 4 つのチームが編 TM その業務は、招致コンセプト、大会構想の策定 成された。 をはじめ、招致活動全体の基本的な方向性及び戦 部門の運営は、林信貴コミュニケーション部門 略を構築すること。招致コンセプト、大会構想に ダイレクター、及び永松繁隆コミュニケーション 基づく「招致ブック」及び招致映像の制作。招致 部門ダイレクター代理が全体を統括、各チームに 戦略に基づいた FIFA インスペクション、及び最終 は担当ダイレクターが配置され、それぞれの業務 プレゼンテーションの計画・実施。さらには、各 を統括した。 種プロモーションの実施、広報報道対応など、招 致活動全般における計画・実施のエンジンとして ・プランニング業務: の役割を果たした。 林 信貴 コミュニケーション部門ダイレク ター コミュニケーション部門の主たる業務は、以下 のとおりである。 ・統括業務 永松繁隆 コミュニケーション部門ダイレク ター代理 島本 寛 プロモーション担当ダイレクター ・大会コンセプト (兼務) ・招致ブック制作 ・プロモーション全般 ・プロモーション業務: ・プロモーション(海外メディア) 島本 ・プロモーション(国内試合/ JFA 事業部・J リー 富山成貴 プロモーション担当マネジャー グ対応) 寛 プロモーション担当ダイレクター 橋本 拓 プロモーション担当マネジャー ・Web サイト運営/管理 ・ヒューマニティ&テクノロジー部会 ・招致ブック制作業務: ・招致アンバサダー運用 西川明己 招致ブック担当ダイレクター ・報道対応(海外/国内) 村上佳儀 招致ブック担当マネジャー ・広報対応(各種刊行物/メディアリリース) ・定期刊行物 ・静止画管理 ・広報担当業務: 種蔵里美 広報担当ダイレクター ・翻訳対応(メディアリリース/ Web サイト) 144 145 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 3.1 招致プランニング 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 この大会理念・コンセプトは、第 1 回 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会でも発表 3.1.1 大会理念・コンセプト、招致マークの策定 された。また、 「2018/2022 年 FIFA ワールドカップ 大会理念・コンセプトについては、2009 年 4 月 日本招致活動のご紹介」などのコミュニケーショ に開催された第 3 回 FIFA ワールドカップ招致検討 ンツールにも展開され、FIFA ワールドカップTM日本 委員会において、既に検討課題として取り上げら 招致への理解の浸透に大きな役割を果たした。 れ議論が行われてきた。 議論のベースには、国内サッカー及び海外サッ カーの動向はもちろん、FIFA の世界サッカー発展 共感力に優れた日本人の人間性 Humanity TM さらに、大会理念・コンセプトはその後も継続 的に議論が加えられ、最終的に「招致ブック」に 掲載する大会構想へと引き継がれていった。 への戦略、国際的な社会動向と将来における社会 変容など、様々な要素が組み入れられた。加えて、 招致マークについては、第 1 部第 3 章に紹介 FIFA に加盟する全世界のサッカーファミリーに鮮 したように、大会理念・コンセプトである “Truly 烈な印象を与える、日本のアイデンティティがシ Universal =ワールドカップの喜びを真に世界中が分 ンプルに表現されなければならない。 かち合う” を表現したデザインとなっている。 プランニングチームは、ヒューマニティ&テク そこには、日本人のもつヒューマニティと最先 ノロジー部会と連携しつつ、大会理念・コンセプ 端のテクノロジーによって、ワールドカップとサッ トの構築作業にあたった。 カーの可能性を広げようとする意思が込められて そして、2009 年 9 月 11 日、2018/2022 年 FIFA ワー いる。また、青い地球をイメージしたサッカーボー ルドカップTM日本招致委員会の設立に際し、田嶋幸 ルがさらに進化し、拡大しようとしている姿を表 三実行本部長から日本招致の大会理念・コンセプ 現している。 日本人は、世界の中でも独自の言語と文化を持ちながら、様々な工業製品やアニメに代表されるコ ンテンツなど、世界中の人たちから愛されるものを生み出し続けてきました。同時に、日本人は世界 の文化を取り入れて自分のものとし、さらに発展させることにも秀でています。そして、日本を訪れ る旅行者は口を揃えて日本人の親切さや、おもてなしの精神を称えます。 その源泉となっているのが、日本人特有の共感力に優れた “人間性” だと、私たちは考えます。 日本人は、相手の思いや考えをいち早く察知して行動する能力に長けています。日韓大会でも世界 から高い評価を得たホスピタリティを支えた日本人ならではの“人間性”。それは私たちが提案するワー ルドカップの新しい魅力を支える重要なポテンシャルとなります。 日本の最先端の技術力 Technology 私たち日本人の共感力は、その経済力、技術力も発展させてきました。お客様、市場が求めるもの に絶え間なく応え続ける姿勢、研究開発への弛まぬ努力によって、数多くのグローバル企業が生まれ ました。そして日本は、情報通信 / コミュニケーションの領域を始め多くの技術分野で世界の最先端 に位置しています。 日本の “技術力” は、私たちが提案する新しいワールドカップの実現に欠かせない大切な、日本な らではのポテンシャルでもあります。 トが発表された。 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致 大会理念・コンセプト 2018/2022 年のワールドカップ像 日本が目指す大会像 ワールドカップは、世界最大のスポーツイベントです。ワールドカップの開催期間中、世界中の人々 がともに声を挙げ、ともに熱くなり、ボールを介して対話します。私たちはワールドカップを、「世界 最大のコミュニケーションの装置」だと位置づけています。 だからこそ私たちは、ワールドカップは「もっと感動的になれる」「もっと多くの人と喜びを分か ち合える」 「もっと相互理解の場になれる」 「もっと世界を一つにできる」と考えます。世界は今、サッ カーの力を必要としているのです。 新しいワールドカップ構想へ Truly Universal 「共感力に優れた日本人の人間性」、そして「日本の最先端の技術力」が、新次元のワールドカップ を実現します。 開催国だけではなく、世界のすみずみに感動と興奮が分かち合われ、サッカーを通じた国境や民族、 言語を越えたかつてない地球規模の対話と共感を生み出すワールドカップへ。 世界でも類まれなる “ヒューマニティ” と、最先端の情報通信 / コミュニケーションの “テクノロ ジー”。この二つの大きなポテンシャルを持つ日本人こそが、世界の相互理解を深め、真に平和な地球 社会の到来を実感できる機会へと、ワールドカップを進化させることができるはずです。 日本人には、誰よりも人を愛し、平和を愛する人間性があります。そして何よりも、私たち日本人 はサッカーの可能性を信じています。 私たちの夢は、サッカーの力で世界を真の意味で “一つにする”、すなわちユニバーサルなワールド カップの開催です。 日本が提案するのは、 「日本で開催する FIFA ワールドカップ」ではなく、 「日本人による、世界を舞台にした FIFA ワールドカップ」です。 *「2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致活動のご紹介」より引用 146 147 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 3.1.2 ヒューマニティ&テクノロジー部会の設 置・運営 り巻く国際社会や人々の意識・価値観はどのよう に変化しているのか。 さらに、 日本及び日本サッカー 日本の提案は、世界中がワールドカップの感動 ヒューマニティ & テクノロジー部会は、大会理 は、世界の調和と世界サッカーの発展にどのよう と喜びを分かち合える、208 Smiles を可能にする “次 念・コンセプトに謳う、“日本人特有の共感力に優 に貢献できるのか。そうした遠大なテーマへの具 世代のワールドカップ” の実現である。これは、決 れた人間性と、世界最先端の日本の技術力” をアカ 体的な手法を含めた回答が、大会構想である。 して新しいテクノロジーを提案することを目的と しているのではない。テクノロジーはあくまで手 デミックに立証し、大会構想における論理的な裏 付けと技術的な保証を確実にすることを目的とし て設置した。 大会構想の策定に当たっては、徹底した事実主 義で臨むこととした。 部会は、日本招致委員会実行本部の外部諮問機 12 年後の世界や人々の価値観、テクノロジーの 関の位置づけで組織され、定期的に会合がもたれ 進化を予測することは確かに困難だが、そこに虚 た。部会長には、日本のインターネットの父として 構や希望的観測があってはならない。 段であり、テクノロジーを用いた “次世代のワール ドカップ” の実現こそが、その目的である。 日本が提案する Freeviewpoint Vision、Full Court 3D Vision などの超臨場感技術は、既に技術的にも確立 世界的にも知名度が高い、村井純 慶應義塾大学 環 その実現を立証しうる事実と論理的に説明可能 し、実用化に向けたプロトタイプも存在する。日 境情報学部長・教授に就任いただいた。また、部会 な手立てとが用意されていなければ、単なる夢物 本の高度な技術力の結晶であり、そこに大きな価 メンバーには研究機関、大学、企業等において最 語であり、FIFA 理事はもちろん人々の理解を得る 値があることに疑いはない。しかし、より価値が 先端の技術を研究する研究者に参加いただいた。 ことはできない。ましてや、虚構や希望的観測に あるのは、日本人特有の共感力に優れた“ヒュー 基づいた大会構想では、我々自身がそこから始まる マニティ” と融合することにより、 観客にプレーヤー ヒューマニティ & テクノロジー部会による検討 招致活動を、確信を持って進めることはできない。 との一体感をもたらし、これまでには得ることの 成果は、最終的に日本の大会構想として結実し、 そのため、ヒューマニティ & テクノロジー部会 できなかったサッカーの新たな感動と興奮の体験 日本が主張する次世代ワールドカップの論理的か の検討成果を踏まえつつ、論理的かつ技術的な確 つ技術的な裏付けを確実なものとした。また、そ かな裏付けのもとに大会構想の策定作業が行われ の成果は「招致ブック」における提案、FIFA イン た。 スペクションにおける招致プレゼンテーション、 を可能にすることである。 また、FIFA Hyper Application は、音声を自動的に 翻訳することで観客同士のコミュニケーションを 促進し、ワールドカップの喜びを分かち合うこと さらには 2010 年 12 月 1 日、FIFA 理事会における 大会構想策定にあたりもう一つの重要な視点 最終プレゼンテーションでも示され、招致活動を は、すべての提案が「JFA2005 年宣言」をはじめと さらに、Universal Fan Fest in 208 Nations は、それら 進める上での大きな推進力となった。 する、JFA のこれまでの活動や理念に根ざしたもの の感動と喜びを、FIFA に加盟する 208 の国と地域、 特に、部会長の村井純教授には、FIFA インスペ でなければならないということである。ワールド 世界 400 ヶ所・3 億 6000 万人の人々と共有するこ クションにおけるプレゼンテーションをはじめ、 カップ招致を目的とした、その場限りの思いつき とを可能にしてくれる。 様々な機会を通じて、日本の提案の素晴らしさと やアイデアではなく、その背景に JFA における日々 世界中の人々とサッカーの新たな感動と興奮を その実現可能性を説いていただくなど、招致活動 の活動が見えていなければならないということで 体験し、そして世界中の人々とワールドカップの 全般に大きく貢献いただいた。 ある。そうした明確な理念に基づいたバックボー 喜びを共有することを可能にすることが、日本の ンがなければ、人々に理解を求めることができな 大会構想である。 3.1.3 大会構想の策定 いばかりか、やがて論理に破綻をきたす結果とな 大会構想の策定作業は、日本が実現しようとす ることは明らかである。 る、“ワールドカップの喜びを真に世界中が分かち そうした意味で大会構想策定作業は、今後 10 年 合う” ことのできる大会の姿を、具体的に描き出す における世界サッカー発展の方向性を探ると同時 作業である。 に、必然的にこれまでの JFA の活動を総括し、今後 いまから 12 年先の FIFA ワールドカップ の姿は TM どのようになっているのか。また、サッカーを取 148 FIFA Hyper Application (FIFA ハイパー・アプリケーション) Full Court 3D Vision (フルコート・スリーディー・ビジョン) General Meeting & Presentation of the Bid を可能にしてくれる。 CoCo-hosting with the world Universal Fan Fest in 208 Nations は、世界 400 ヶ所に設置 され、3 億 6000 万人がワールドカップの喜びと感動を共有 する。 10 年における JFA の方向性を追究する作業となっ た。 149 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 日本 大会構想(概要) ※再掲 3.2 「招致ブック」の制作 “208 Smiles” そこでは、FIFA に加盟する 208 の国と地域をはじめ、すべての人々が国や民族、文化、言語の壁を越えて、 ワールドカップの感動と喜びを分かち合うことになる。 3.2.1 「招致ブック」の制作 ●「招致ブック」の構成 すべての人が、笑顔でワールドカップを楽しむことができる。 ンプレート」 により構成される。 「招致ブック本体」 は「招致契約書」に規定される 20 の章からなり、 FIFA からの要求事項に対し招致委員会が提案する 形式となっている。 FIFA WORLD CUP™ THE NEXT GENERATION produced by JAPAN ている。 第 1 部第 6 章 (P.52) に記載したとおり、 「招致ブッ ク」は「招致ブック本体」と「招致ブック情報テ ―それが、日本の 2022 年 FIFA ワールドカップ™である。 あり、スタジアム、トレーニングサイト、宿泊施設、 交通網図などの詳細なスペックデータが収載され 貧困や差別、健康などの問題により観戦の機会を奪われることなく、 地球上の隅々にいたるまで、 笑顔をもたらすワールドカップ また、 「招致ブック情報テンプレート」は、 「招 致ブック本体」に付随するデータ集的な位置づけに 2022 年 FIFA ワールドカップ™日本。 世界はかつて経験したことのない、サッカーの本質的な魅力を 体験 することになるだろう。 案を求める項目が用意されている。 ●制作コンセプト 「招致ブック」を制作する上で最も留意したの は、読み手への配慮である。 多忙な FIFA 理事のすべてが、 「招致ブック」 の隅々 にいたるまで読み込むとは考えられない。さらに、 全 20 章の内訳は、大会の開催運営が可能か否か 今回の招致においては、2018 年大会、2022 年大会 を評価するための、スタジアム等施設インフラ、 合わせて 11 カ国・9 グループもの招致立候補国が 世界サッカーの革新的かつ永続的な発展を担保する、 次世代ワールドカップ を開発する。 宿泊・輸送インフラ、さらに国家の治安や財政に 手を挙げている。各招致国とも自国をアピールす サッカーの発展と社会と人の持続的発展と言う命題を確実に実行するため、 ついての設問が中心となっている。これに加えて、 るため、様々な工夫を凝らした「招致ブック」を そして 208 Smiles の実現のため、日本は以下の提案を行う。 「大会理念」 、 「サッカーの発展」 、 「持続可能な社会 制作し提出する。 日本は、 208 Smiles を実現するため、 提案1: 最先端テクノロジーによるサッカーコンテンツの革新 と人の発展」 、 「環境保護」など、招致国の独自の提 「招致ブック」 の分析・評価を行う FIFA 事務局は、 ・ Freeviewpoint Vision(自由視点映像):スタンド内360度に設置された200個の高精細カメラが、ピッチ上 の選手の動き、ボールの動きをあらゆる角度から捕らえ、スタジアム内の大型ディスプレイに映し出す ・ Full Court 3D Vision:平置き型ディスプレイに浮かび上がる、ピッチ全 体を俯 瞰した立体映像 は裸眼で観ることが可能。世界最先端の 超臨場感技術 がサッカーの新たな感動と興奮をもたらす 提案2: ファンフェストの革新:Universal Fan Fest in 208 Nations FIFAに加盟する208すべての国と地域、約400ヶ所にUniversal Fan Fest in 208 Nationsを設置。 Freeviewpoint Vision、Full Court 3D Visionの配信により、3億6000万人の参加者が、FIFAワールドカッ プ™の喜びと感動を体験する 提案3: 次世代教育活動の革新 ・ 208 Kids Dream Japan Tour:FIFAに加盟する208すべての国と地域から約6,000人の子どもたち をワールドカップ親善大使として日本に招待 ・ 208 Kids Dream Workshop:JFAこころのプロジェクトのグローバル・バージョンのプログラム をFIFAに加盟する208すべての国と地域で展開 ・ 208 Kids Dream 基金:208 Kids Dream Workshopを全世界で持続的に実施するためのJFAの出資 による新たな基金の設立 FIFA に提出された「招致ブック」。パッケージを開くと子どもたちの笑顔が飛び出すほか、装着された PSP で招致映像が見ら れる仕掛けになっている。 150 151 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 その整理・分類だけでも膨大な時間と労力が要求 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 の作業チームとの共同作業により実施した。また、 されるはずである。そうした状況を考え合わせ、 PSP( プレイステーションポータブル ) の装着、ポッ 読み手である FIFA 理事あるいは FIFA 事務局への配 プアップなどの仕掛けを施した装丁パッケージ 慮が重要であると考えたのである。 は、デザイン会社及び印刷会社との綿密な共同作 FIFA が回答を要求する項目に対しては、設問に 業により実現した。 込められた FIFA の意図を十分に咀嚼した上で、意 くことが確認された。 る映像として活用した。 ※ 2022 年大会招致立候補国「招致ブック」分析につい ては、資料集 8. を参照。 ロビー活動におけるプレゼンテーションに向け ては、FIFA インスペクションの招致プレゼンテー ションにおいて展示した Freeviewpoint Vision(フリー ビューポイント・ビジョン) 、Full Court 3D Vision(フ 3.2.2 招致映像の制作 招致映像は、 「招致ブック」に記載した日本の大 ルコート・スリーディー・ビジョン)のデモ実機 図に沿って丁寧に回答すると同時に、極力、簡潔 ●各招致立候補国の「招致ブック」分析 会構想「次世代ワールドカップ」を、よりリアル に回答するよう留意した。ありがちな修飾語の多 2010 年 5 月 14 日、FIFA 本部において「招致ブッ に伝えるため制作された。 用を避け、事実とその事実を裏付けるデータを明 ク」提出セレモニーが行われた後、小倉純二 FIFA 日本の最先端技術を活用した Freeviewpoint Vision ディー・ビジョン)のサンプル画像を作成したほ 瞭に提示することとした。また、記述の理解を促 理事のもとには、各招致立候補国の「招致ブック」 (フリービューポイント・ビジョン) 、Full Court 3D か、Freeviewpoint Vision(フリービューポイント・ビ すため、視覚に訴えかけるよう留意した。 が FIFA 事務局から送付されてきた。 Vision(フルコート・スリーディー・ビジョン) 、 ジョン)の実際の映像をノートパソコンに収納し、 FIFA Hyper Application (FIFA ハイパー・アプリケーショ 海外での広報活動のツールとして活用できるよう の参考とするため、独自に各招致立候補国の「招 ン)など、日本が提案する FIFA ワールドカップ にした。 「招致ブック本体」及び「招致ブック情報テンプ 致ブック」 の分析を行った。これは FIFA 評価レポー の新しい楽しみ方を説明するためには、技術その さらに、最終プレゼンテーションに向けては、 レート」の制作作業は、基本的に招致委員会実行 トの開示に先駆けて、各招致立候補国の開催理念、 ものを解説するのではなく、それらの技術によっ 日本が大会構想の一部として提案する次世代育成 本部の責任において行った。大会構想の取りまと サッカーの発展への貢献策、持続可能な社会と人 てもたらされる新しい世界を表現することが重要 活動、 208 Kids Dream Japan Tour (208 キッズ・ドリーム・ めをはじめ、パッケージデザインの監修を含む全 への貢献策、さらに大会の開催運営に必要なインフ であった。 ジャパンツアー)の有効性を確認することを目的 体コンセプトワークについては、コミュニケーショ ラの状況を把握することを目的とするものであっ ン部門プランニング業務担当が実施し、各章の執 た。 実行本部では、今後のロビー活動等の招致活動 ●制作体制 筆及び編集実施作業は、コミュニケーション部門 招致ブック担当が実施した。 全体で 23 項目にわたる分析結果によれば、スタ を映像化して取り込んだ。 また、Full Court 3D Vision(フルコート・スリー TM また、このことを説明するには、 「招致ブック」 に「208 Kids Dream Mini Tour(208 キッズ・ドリーム・ という紙媒体には限界があり、映像による表現が ミニツアー) 」を実施。このツアーの模様を収録し 不可欠であった。 た映像は最終プレゼンテーションで上映され、そ ジアムインフラ等の大会の開催運営に必要なイン の有用性と実現可能性の高さを FIFA 理事に印象付 原稿素材のデータ・資料等の収集については、 フラについては、将来的な施設整備の実現を前提 し か し、 当 然 の こ と な が ら Freeviewpoint Vision 実行本部各部門がそれぞれ担当する領域の情報収 とするならば、各国ともに大会開催の条件を満た (フリービューポイント・ビジョン) 、Full Court 3D 招致映像の制作は、極めてタイトなスケジュー 集に当った。スタジアム、 トレーニングサイト、 チー しており、大きな差異はない。 Vision(フルコート・スリーディー・ビジョン) 、 ルの中で行われたが、コミュニケーション部門プ けた。 ムホテル等宿泊施設などの、開催地自治体あるい 最も大きな相違点は、開催理念の項目である。 FIFA Hyper Application (FIFA ハイパー・アプリケーショ ランニング業務担当を中心に、多くの外部スタッ はチームベースキャンプ自治体にかかる情報につ 日本は「次世代ワールドカップ」実現の大会構想 ン)など、表現する対象は現状においては存在し フの協力のもと完成に至った。 いては、各自治体に対し「情報シート」を展開し、 を掲げ、世界と一体となったワールドカップの開 ていない。それらをどのようにリアリティを持っ 情報の収集・集約について協力を要請した。 催を目指すとしている。さらに、世界 400 ヶ所に設 て表現するかが大きな課題であった。 原稿の検証及びチェックは、基本的に招致委員 会実行本部の責任において行ったが、国の施策に 置するユニバーサルファンフェストなど、その具 体的な手法を提示している。 制作に当たっては、技術的な側面については ヒューマニティ&テクノロジー部会の監修のもと かかる部分については、文部科学省の協力に基づ これに対し、他の招致立候補国の開催理念は、 実施した。その作業は、新しい世界の表現と現実 き関係省庁による内容確認及びチェックを要請し 自国もしくは周辺地域のテーマに限定されてい としてのリアリティの訴求という、二つの相反す た。 る。また、そのコンセプトは、スローガンとして る命題を両立させることに他ならなかった。 英語への翻訳作業には、実行本部翻訳チームが 当り、英語版の監修には招致コンサルタントのデ ビッド・チャーチス氏の協力を得た。 は理解できるものの実現のための具体的な手法は 提示されていない。 制作した招致映像は、「 招致ブック 」 とともに こうした分析結果をもとに、開催国決定投票に FIFA に提出したのみならず、さらに映像素材をブ レイアウトデザイン、ブックデザインの制作 いたるまでの残された期間において、引き続き、 ラッシュアップし、ロビー活動におけるプレゼン は、プランニング業務担当を中心にデザイン会社 日本が提案する大会構想を各 FIFA 理事に訴えてい テーション、及び最終プレゼンテーションにおけ 152 153 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 Web サイト DREAM2022 䢴䢲䢳䢲䢱䢳䢴䢱䢳䢸 3.3 プロモーション対応 䣆䣔䣇䣃䣏䢴䢲䢴䢴 䚷䈜ᙜ䝃䜲䝖䛿㻞㻜㻝㻜ᖺ㻝㻞᭶㻟㻝᪥䜢ᣢ䛳䛶㛢㙐䛔䛯䛧䜎䛩䚹ᣍ⮴άື䜈䛾䛤ᨭ䞉䛤༠ຊ䛒䜚䛜䛸䛖䛤䛦䛔䜎䛧䛯䚹 プロモーション活動の目的は、国内における FIFA ワールドカップTM 招致に向けた機運の醸成に あった。しかし、限られた予算の中では、投票権 㻞㻜㻝㻜㻛㻝㻞㻛㻜㻤 ᪥ᮏᣍ⮴ጤဨ䛜䝯䝕䜱䜰䜢ᑐ㇟䛸䛧䛯ሗ࿌䜢ᐇ 㻞㻜㻝㻜㻛㻝㻞㻛㻜㻟 㻞㻜㻞㻞ᖺ䝽䞊䝹䝗䜹䝑䝥᪥ᮏᣍ⮴䜈䛾䛤ᨭ䚸ㄔ䛻䛒䜚䛜䛸䛖䛤䛦 䛔䜎䛧䛯 㻞㻜㻝㻜㻛㻝㻞㻛㻜㻞 ᭱⤊䝥䝺䝊䞁䝔䞊䝅䝵䞁䚸⤊䚹䛔䜘䛔䜘㛤ദᅜⓎ⾲䜈 を持つ FIFA 理事に直接的に働きかける活動が優先 されたため、必ずしも十分な活動が行える環境に はなかった。そうした状況にあって、いかに効率 的かつ効果的に目的を達成するか、その戦略の構 築にコミュニケーション部門プロモーション担当 は腐心した。 その結果、ワールドカップ招致に対するコアの 支持層である、サッカーファミリーを中心にアプ ローチするという手法をとることとした。さらに、 キャンペーンの実施など招致委員会からの組織的 なアプローチではなく、人々の共感を軸としたボ トムアップによる機運の醸成・展開を図るという 戦術を取ることとした。 アトムチラシ・ポスター ● Web サイト DREAM2018-2022 の開発 Web サイト DREAM2018-2022 は、国内及び海外 3.3.1 プロモーションメディアの開発 のサッカー関係者、招致関係者及び一般国民に対 ●啓発用素材(ポスター、スタジアムバナー) の作成、掲示 し、日本招致委員会の活動を広く伝えることを目 ポスター、スタジアムバナー等の啓発用素材は、 時にスタートした。 的に、2009 年 9 月 11 日の日本招致委員会設立と同 主に国内向けに日本招致委員会とその活動の趣旨 招致活動・DREAM2022 プロジェクトの活動内容 を告知・啓発することを目的に制作、イベント開 をより多くの人々に伝えるとともに、ともにプロ 催時や開催地自治体などに掲示された。 ジェクトへの参加を促すために、ソーシャルネッ <制作アイテム> ⏝つ⣙㻌㼨㻌ಶேሗ㻌㼨㻌䝥䝷䜲䝞䝅䞊䝫䝸䝅䞊㻌㼨㻌䝃䜲䝖䝬䝑䝥 <サイト内コンテンツと掲載内容> 䣪䣶䣶䣲䢼䢱䢱䣹䣹䣹䢰䣦䣴䣧䣣䣯䢯䢴䢲䢴䢴䢰䣬䣲䢱 トワーキングシステムである twitter(ツイッター) ・活動ニュース やサポーターズフィールドなど、招致委員会とファ 2009年10月から2010年12月までの招致活動に関 するニュース ・ポスター (アトム、208 Smiles) ン・サポーターとが双方向で交流できるコンテン ・チラシ ツも設定し、一方通行の情報提供ではないサイト ・日本の招致コンセプト ・スタジアムバナー とすることとした。 次世代ワールドカップの実現を提案する日本 ・開催地・ベースキャンプ 䢳䢱䢳 開催地自治体、ベースキャンプ地情報の紹介 ・日本のサッカー 2002年大会の思い出、日本サッカー界の取り 組み、日本サッカーの情報の紹介 ・サポーターズフィールド 招致応援団募集、アンバサダーからのメッ スタジアムバナーは、JFA主催試合開催スタジ さらに、招致活動の各種イベントや公式行事・ アム、J1・J2各クラブホームスタジアムなど セレモニーについては、You Tube(ユーチューブ) に掲示された を通じてインターネットで配信し、ファン・サポー ・招致委員会について ・オフィシャル招致パートナー紹介 ターとの情報共有を図った。 招致活動・DREAM2022プロジェクトについて 各オフィシャル招致パートナーのバナーと ・ステッカー なお、twitter(ツイッター)による個人での招致 活動への参加者は、17,000 名に上った。 154 の大会構想を掲載。FIFAへの「招致ブック」 㻯㼛㼜㼥㼞㼕㼓㼔㼠㻌㼴㻌㻞㻜㻝㻜㻌㻶㼍㼜㼍㼚㻌㻞㻜㻞㻞㻌㻮㼕㼐㻌㻯㼛㼙㼙㼕㼠㼠㼑㼑㻚㻌㻭㼘㼘㻌㻾㼕㼓㼔㼠㼟㻌㻾㼑㼟㼑㼞㼢㼑㼐㻚 㼴㻌㻞㻜㻜㻥㻌㻵㼙㼍㼓㼕㻌㻯㼞㼥㼟㼠㼍㼘㻌㻸㼕㼙㼕㼠㼑㼐㻌㻛㻌㻻㼞㼕㼓㼕㼚㼍㼘㻌㻹㼍㼚㼓㼍㻌㼴㻌㼀㼑㼦㼡㼗㼍㻌㻼㼞㼛㼐㼡㼏㼠㼕㼛㼚㼟㻌㻯㼛㻚㻘㻸㼠㼐㻚㻌 㼴㻌㻞㻜㻜㻥㻌㻶㻚㻸㻱㻭㻳㼁㻱㻌㻼㻴㻻㼀㻻㻿 提出後は「招致ブック」サマリー版を公開 (招致ロゴマーク、招致委員会組織体制、招致 セージ、ニュースレター「208 Smiles」の紹介 パートナー各社へのリンク プロセスなどを紹介) 155 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 ●flying card(フライイングカード) flying card は、 DREAM2018/2022「10 年後の夢」キャ てもらい、招致委員会に送っていただくという趣 ●招致応援団(招致応援団カード) 向である。 招致応援団カードは、ワールドカップ日本招致 TM ンペーンなど、2018/2022 年 FIFA ワールドカップ flying card は、日本サッカーミュージアムに設置 を応援する招致応援団員を募集するため、一般の 日本招致の PR 活動のツールとして開発された。表 されたほか、J リーグなどのサッカーの試合が行わ 人々に名刺型のカードを発行するものである。ウェ 面は特別広報大使アトムの描かれたカードで、裏 れるスタジアム等で配布された。招致委員会に送っ ブ上で名前とメッセージを登録すると、画面上で 㻰㻾㻱㻭㻹㻞㻜㻞㻞㻌᪥ᮏ䛰䛛䜙䛣䛭ᐇ⌧䛷䛝䜛䚸᪂䛧䛔ᮍ᮶䜈䚹 面は切り抜いて折ると紙飛行機型のポストカード ていただいたメッセージは、招致委員会 Web サイ 㻰㻾㻱㻭㻹㻞㻜㻞㻞㻌᪥ᮏ䛰䛛䜙䛣䛭ᐇ⌧䛷䛝䜛䚸᪂䛧䛔ᮍ᮶䜈䚹 になっている。ここに 10 年後の夢や、思いえがく トで公開するなど、様々な形で招致活動に役立て オリジナル招致応援団カードが発行される。また、 未来の世界など、思いおもいのメッセージを書い ムでは招致ブースを出展してカードの発行を行っ 㻰㻾㻱㻭㻹㻞㻜㻞㻞䛂㻝㻜ᖺᚋ䛾ክ䛃䜻䝱䞁䝨䞊䞁㻌㼨㻌㻰㻾㻱㻭㻹㻞㻜㻞㻞 㻹㻞㻜㻞㻞䛂㻝㻜ᖺᚋ䛾ክ䛃䜻䝱䞁䝨䞊䞁㻌㼨㻌㻰㻾㻱㻭㻹㻞㻜㻞㻞 㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㻝㻞㻜㻚㻞㻥㻚㻝㻢㻜㻚㻝㻥㻢㻛㼠㼑㼟㼠㻛㼖㼜㻛㼒㼘㼥㼕㼚㼓㻙㼏㼍㼞㼐㻛 㼔㼠㼠㼜㻦㻛㻛㻝㻞㻜㻚㻞㻥㻚㻝㻢㻜㻚㻝㻥㻢㻛㼠㼑㼟㼠㻛㼖㼜㻛㼒㼘㼥㼕㼚㼓㻙㼏㼍㼞㼐㻛 られた。 日本代表試合や J リーグの試合が行われるスタジア た。 㼀㻻㻼㻌㻪㻌㻰㻾㻱㻭㻹㻞㻜㻞㻞䛂㻝㻜ᖺᚋ䛾ክ䛃䜻䝱䞁䝨䞊䞁 㼀㻻㻼㻌㻪㻌㻰㻾㻱㻭㻹㻞㻜㻞㻞䛂㻝㻜ᖺᚋ䛾ክ䛃䜻䝱䞁䝨䞊䞁 最終的な招致応援団カードの発行枚数は、10,000 枚に達した。 㻞㻜㻞㻞ᖺ䚸᪥ᮏ䛷䝽䞊䝹䝗䜹䝑䝥䜢䚹 㻞㻜㻞㻞ᖺ䚸᪥ᮏ䛷䝽䞊䝹䝗䜹䝑䝥䜢䚹 䛭䛾䛯䜑䛻䚸䜏䜣䛺䛾▱ᜨ䜢䛛䛧䛶䜒䜙䛘䜎䛫䜣䛛䚹 䛭䛾䛯䜑䛻䚸䜏䜣䛺䛾▱ᜨ䜢䛛䛧䛶䜒䜙䛘䜎䛫䜣䛛䚹 䛔䜎䛛䜙㻝㻜ᖺᚋ䚸䛣䜣䛺ୡ䛾୰䛻䛺䛳䛶䛔䛯䜙䛔䛔䛺䚹 䛔䜎䛛䜙㻝㻜ᖺᚋ䚸䛣䜣䛺ୡ䛾୰䛻䛺䛳䛶䛔䛯䜙䛔䛔䛺䚹 䜻䝭䛜ክぢ䜛ᮍ᮶䛾ୡ⏺䜢䚸⮬⏤䛻᭩䛔䛶㏦䛳䛶䛟䛰䛥䛔䚹 䜻䝭䛜ክぢ䜛ᮍ᮶䛾ୡ⏺䜢䚸⮬⏤䛻᭩䛔䛶㏦䛳䛶䛟䛰䛥䛔䚹 䛭䛾ክ䛜䚸ᮍ᮶䛾䝽䞊䝹䝗䜹䝑䝥䜢䛴䛟䜛䛝䛺䝠䞁䝖䛻䛺䜚䜎䛩䚹 䛭䛾ክ䛜䚸ᮍ᮶䛾䝽䞊䝹䝗䜹䝑䝥䜢䛴䛟䜛䛝䛺䝠䞁䝖䛻䛺䜚䜎䛩䚹 ㏦䛳䛶䛔䛯䛰䛔䛯䝯䝑䝉䞊䝆䛿䚸䛣䛾䝃䜲䝖䛷බ㛤䛩䜛䛺䛹䚸䛥䜎䛦䜎䛺䜹䝍䝏䛷䝽䞊䝹䝗䜹䝑䝥ᣍ⮴ ㏦䛳䛶䛔䛯䛰䛔䛯䝯䝑䝉䞊䝆䛿䚸䛣䛾䝃䜲䝖䛷බ㛤䛩䜛䛺䛹䚸䛥䜎䛦䜎䛺䜹䝍䝏䛷䝽䞊䝹䝗䜹䝑䝥ᣍ⮴ άື䛻ᙺ❧䛶䜎䛩䚹 άື䛻ᙺ❧䛶䜎䛩䚹 2010 年 1 月 1 日、東京・国立競技場で行われた第 31 回全日本女子サッカー選手権大会決勝および第 89 回天 皇杯全日本サッカー選手権大会決勝に来場した人々へ、 特別広報大使アトムの flying card を配布した。 ᛂເ᪉ἲ 156 2010 年 5 月 2 日、J2 リーグ第 10 節「横浜 FC vs. ヴァンフォーレ甲府」が行われたニッパツ三ツ 沢球技場で、 「DREAM 2018/2022 10 年後の夢 キャンペーン」を実施した。小さな子どもたちだ けでなく、大人のサポーターもアトムフライング カードに夢を書き込む姿が多く見られた。 写真は 2010 年 7 月 18 日ガンバ大阪 vs. 浦和レッズでの応 援団カード発行の様子 表面には名前とメッセージが入り、裏面には招致応援団 3 つの 心得が記されている 招致応援団カード発行ブース設置会場 ブース設置日 2010 年 4 月 7 日 5 月 24 日 6 月 12 日、13 日 7 月 18 日 7 月 24 日 7 月 31 日 8月4日 8 月 29 日 9月4日 9月7日 9 月 11 日 9 月 19 日 9 月 26 日 10 月 2 日 10 月 2 日 10 月 8 日 10 月 16 日 10 月 24 日 8 月∼ 12 月 2 日 8 月∼ 12 月 2 日 ブース設置会場 長居スタジアム (日本代表 vs. セルビア代表) 埼玉スタジアム2○○2 (日本代表 vs 韓国代表) 池袋サンシャインシティ 万博記念競技場 (J 1 リーグ第 13 節 G 大阪 vs. 浦和) 長居スタジアム (J 1 リーグ第 14 節 C 大阪 vs. 山形) 埼玉スタジアム2○○2 (J 1 リーグ第 16 節 浦和 vs. 大宮) 国立競技場 (スルガ銀行チャンピオンシップ 2010) 浦和パルコ (日本フリースタイルフットボール選手権) 横浜国際総合競技場 (日本代表 vs. パラグアイ代表) 長居スタジアム (日本代表 vs. グアテマラ代表) カシマスタジアム (J 1 リーグ第 22 節 鹿島 vs. 仙台) 新潟スタジアム (J 1 リーグ第 23 節 新潟 vs. 京都) 大分スタジアム (J 2 リーグ第 28 節 大分 vs. 水戸) ホームズスタジアム (J 1 リーグ第 25 節 神戸 vs. 川崎) 埼玉スタジアム2○○2 (J 1 リーグ第 25 節 大宮 vs. 浦和) 埼玉スタジアム2○○2 (日本代表 vs. アルゼンチン代表) アウトソーシングスタジアム日本平 (J 1 リーグ第 26 節 清水 vs. 名古屋) 広島ビッグアーチ (J1 リーグ第 27 節 広島 vs. 湘南) 日本サッカーミュージアム 堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター ᛂເ᪉ἲ 㻝㻚 䝝䜺䜻䛻䛂䛔䜎䛛䜙䚸㻝㻜ᖺᚋ䚹䜻䝭䛜ᛮ䛔䛘䛜䛟ᮍ᮶䛾ୡ⏺䚹䛃䜢᭩䛔䛶௨ୗ䛾ᐄඛ䜎䛷㏦䛳䛶䛟 㻝㻚 䝝䜺䜻䛻䛂䛔䜎䛛䜙䚸㻝㻜ᖺᚋ䚹䜻䝭䛜ᛮ䛔䛘䛜䛟ᮍ᮶䛾ୡ⏺䚹䛃䜢᭩䛔䛶௨ୗ䛾ᐄඛ䜎䛷㏦䛳䛶䛟 䛰䛥䛔䚹 䛰䛥䛔䚹 ᐄඛ䠖㻌䛈㻝㻝㻟㻙㻤㻟㻝㻝䚷ᮾி㒔ᩥி༊䝃䝑䜹䞊㏻䜚㻔㻌ᮏ㒓㻟㻙㻝㻜㻙㻝㻡㻕㻌㻶㻲㻭㻌䝝䜴䝇㻝㻜䠢 ᐄඛ䠖㻌䛈㻝㻝㻟㻙㻤㻟㻝㻝䚷ᮾி㒔ᩥி༊䝃䝑䜹䞊㏻䜚㻔㻌ᮏ㒓㻟㻙㻝㻜㻙㻝㻡㻕㻌㻶㻲㻭㻌䝝䜴䝇㻝㻜䠢 157 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 3.3.2 招致アンバサダー対応 任期は 2010 年 12 月の開催国決定までの期間とされ た。 ●招致アンバサダーによる招致活動 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ™日本招致委員 広報活動には、映像メッセージの提供、招致活 会は、日本招致活動において「招致アンバサダー」 動に関するコメント提供、招致関連イベントへの参 を置くことを決め、2010 年 1 月からサッカー選手 加などが含まれた。2010 年 FIFA ワールドカップ™期 や監督、関係者の方に順次、協力を呼びかけてい 間中には、SAMURAI BLUE CAFE や SAMURAI BLUE くこととした。 PARK で行われたイベントと連動して、招致アンバ 「招致アンバサダー」は、 日本の招致活動の「顔」 として、ワールドカップ日本開催の意義を国内外 宮本 恒靖選手 渡辺 広大選手 長谷川 悠選手 サダーの一人であるトルシエ元日本代表監督によ るトークショーなども行った。 に積極的にアピールする役割を担っており、FIFA や各大陸連盟、海外メディアに対して情報発信を 最終的に、 「招致アンバサダー」には 33 名の方々 行うとともに、日本国内の人々の理解と共感を促 に就任いただいた。これらの方々は、いずれもこ 進していく重要な存在ある。 れまで日本サッカーの発展に尽力されてきた方々 小笠原 満男選手 鈴木 啓太選手 藤本 主税選手 であり、今回の招致活動についてもその趣旨と意 主な活動内容は、広報活動への協力のほか、招 義を十分ご理解いただき、協力していただいた。 致活動に対するアドバイスなどとされた。また、 招致アンバサダーの皆さん 158 平山 相太選手 谷口 博之選手 渡邊 千真選手 イビチャ・オシム氏 ギド・ブッフバルト氏 ジーコ氏 村松 大輔選手 千葉 和彦選手 岩下 敬輔選手 ドラガン・ストイコビッチ氏 中村 俊輔選手 長谷部 誠選手 大井 健太郎選手 吉村 圭司選手 柳沢 敦選手 フィリップ・トルシエ氏 中山 雅史選手 藤田 俊哉選手 藤ヶ谷 陽介選手 羽田 憲司選手 佐藤 寿人選手 159 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 3.3.3 国内PRイベントの実施 ● J リーグキックオフカンファレンスでの招致 アピール 2010 年 2 月 26 日、 J リーグ開幕を前に行われた「J リーグキックオフカンファレンス」 で、 ワールドカッ プ日本招致の PR 活動を行った。 井上 裕大選手 本田 圭佑選手 森島 寛晃氏 J1・J2 全 37 クラブの監督、選手代表、リーグ関 係者やメディア約 700 名が一堂に会するこのイベ ントでは、各 J リーグクラブのブースが並ぶ会場に 招致委員会コーナーを設け、特別広報大使アトム が来場者に、招致への協力を訴えた。また同日、J1 J リーグキックオフカンファレンスで日本招致をアピールす る特別広報大使アトム。 各クラブを代表する選手が招致アンバサダーに就 岡田 武史氏 アルベルト・ザッケロー ニ日本代表監督 パトリック・エムボマ氏 *選手の着用ユニフォームは、招致アンバサダー就任時(2010 年 1 月~ 3 月)のもの。 任したことを発表した。 ●「ワールドカップを日本へ!」トークバトル 「ワールドカップを日本へ!」トークバトルは、 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致の広報 ●特別広報大使アトム 和な地球社会に貢献するワールドカップを実現し 活動の一環として実施された。内容は、これまで 2009 年 10 月 8 日、新たに設立なった 2018/2022 ようとする日本の力を、アトムが世界にアピール や今後のワールドカップについて、 選手・サポーター することになった。 両方の目線からトークを展開するもので、札幌、 年 FIFA ワールドカップ 日本招致委員会の設立記 TM 者発表会において、アトムが日本招致委員会の特 別広報大使に就任した。 早速、発表の 2 日後の 10 月 10 日には、神奈川・ 埼玉、東京、豊田、大阪の 5 カ所で開催した。 日産スタジアムで行われたキリンチャレンジカッ トークバトルでは、FIFA に提出した「招致ブッ アトムは、日本人の思いやりや優しさと、日本 プ 2009 ~ ALL FOR 2010! ~ 日本代表 対 スコット ク」を展示し、日本が提案する 10 年後のワールド の世界最先端の技術力を象徴する世界的なキャラ ランド代表戦において、会場に訪れたファンやサ カップのかたちについても紹介した。また、特別 クターである。真の意味で世界をひとつにし、平 ポーターを前に紹介された 広報大使アトムの人形や出演者サイン入りグッズ 2010 年 5 月 31 日、 「 『ワールドカップを日本へ!』トーク バトル in 豊田」 (豊田市・名鉄トヨタホテル) 。ゲストは、 三都主アレサンドロ選手(名古屋グランパス) 、吉村圭司・ 招致アンバサダー(名古屋グランパス) 、 ケン・マスイさん(ス タジアム DJ) 、元日本代表 GK・小島伸幸さんの皆さん。 が当たる抽選会を実施したり、参加者全員に「招 致応援団員」として、招致グッズ、招致応援団カー ドをプレゼントした。 日産スタジアムに来場したファン・サポーターの声援に応え る特別広報大使アトム。 160 2010 年 4 月 7 日、長居スタジアムで行われた「2010 キリ ンチャレンジカップ 日本代表 vs. セルビア代表」戦において、 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 日本招致を応援する 「一般招致応援団」を募集した。特別広報大使アトムもブー スを訪れ、招致への応援を呼びかけた。 2010 年 5 月 17 日、 「 『ワールドカップを日本へ!』トーク バトル in 大阪」 (大阪市中央公会堂) 。ゲストは森島寛晃さ ん(セレッソ大阪アンバサダー) 、宮本恒靖選手(ヴィッセ ル神戸) 、加地亮選手(ガンバ大阪)の皆さん。 161 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 ●開催地自治体によるプロモーションイベント ・横浜市 新横浜パフォーマンス2010で招致 全国 11 の開催地自治体も、2022 年 FIFA ワール ブースを出展 ドカップ™日本招致に向け、様々な招致イベントプ 2010 年 10 月 16 日、17 日 の 両 日、 横 浜 市 は、 ロモーションを実施した。日本招致委員会は、こ 2022 年 FIFA ワールドカップ™開催地スタジアムで れらの開催地自治体が独自に展開する招致イベン ある日産スタジアム(横浜国際総合競技場)などで トの実施に際して、共催あるいは協賛するなど活 行われた新横浜パフォーマンス 2010 で招致 PR 活 動を積極的に支援した。 動を行った。 このイベントは横浜市も共催し、当日はシール ・ 「2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 日本招致イベン 2010 年 6 月 3 日、 「 『ワールドカップを日本へ!』トークバ トル in 埼玉」 (埼玉県・浦和ロイヤルパインズホテル) 。ゲ ストは、鈴木啓太選手(浦和レッズ)と俳優の勝村政信さん。 2010 年 6 月 6 日、 「 『ワールドカップを日本へ!』トークバ トル in 札幌」 (共済ホール) 。ゲストは、招致アンバサダー・ 中山雅史選手、 宮澤裕樹選手(ともにコンサドーレ札幌) 、 野々 村芳和さん(スポーツキャスター/コンサドーレ札幌アドバ イザリースタッフ)の皆さん。 ト in 横浜」 横浜の開港記念日である 2010 年 6 月 2 日、横浜 などの招致グッズが配布されたほか、招致コンセ プト映像の放映、招致提案内容を紹介したパネル などが掲示された。 市・キャプテン翼スタジアムで、 「2022 年 FIFA ワー ルドカップ™日本招致イベント in 横浜」 (主催:横 浜市)が行われた。 ワールドカップ招致セレモニーには林文子横浜 市長、 「キャプテン翼」の作者で漫画家・高橋陽一 さんが登場。 「横浜にワールドカップを招致できる よう、ぜひ頑張っていきましょう」と呼びかけた 林文子市長は高橋陽一さんとともに、招致成功に 向け “ツインシュート” を披露した。会場には子ど もたち約 60 名が招かれ、横浜 F・マリノスふれあ いコーチによるサッカー教室やワールドカップ○ ×クイズなどが行われた。 2010 年 8 月 22 日、 「 『ワールドカップを日本へ!』トークバトル in 東京」 (早稲田大学大隈記念講堂) 。 ゲストは、今野泰幸・石川直宏両選手(ともに FC 東京) 、元サッカー日本代表の小倉隆史さん。 162 「2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致イベント in 横浜」 。会場には 60 名の子供たちが招かれた。 163 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 ・大阪市小学生 45,000 人のメッセージ ・静岡県 静岡ダービー招致 PR 活動 2022 年の大阪でのワールドカップや 12 年後の夢 2010 年 8 月 22 日、静岡県は、2022 年 FIFA ワー について綴られたメッセージが、大阪市の小学生 ルドカップ™の開催候補スタジアムであるエコパス 「 『ワールドカップを、日本に!』出陣式~招致 45,000 人から、大阪市 / 日本招致委員会に寄せられ タジアム(静岡スタジアム)で開催された「J1 リー 応援団、集まれ!~」は、2018/2022 年 FIFA ワール た。 グ第 20 節 清水 vs. 磐田」戦で、地元ボランティア ドカップ 日本招致の広報活動の一環として、日本 団体による招致 PR 活動を行った。 招致委員会が主催したもので、2010 年 11 月 11 日 開催立候補都市である大阪市が、市立全小学校、 特別支援学校小学部、大阪府サッカー協会に所属 12 年後の夢を綴る「アトムフライングカード」 する子どもたちを対象にメッセージを募集したと 企画を実施したほか、ピッチレベルで「2022 年ワー ころ、 2010 年 6 月 25 日現在で 45,000 件ものメッセー ルドカップを日本に!」の横断幕を広げ、ワール ジが届けられた。 ドカップ日本招致をアピールした。 ●「ワールドカップを日本へ!」出陣式~招致 応援団、集まれ!~ 出陣式では、日本の大会構想の紹介とともに、 開催国を決定する投票方法の詳細や投票権を持 つ FIFA 理事の紹介、日本のライバル国の提案な どもテーマとなった。 TM から 13 日にかけて、日本サッカーミュージアムに て開催した。 これらのメッセージを展示したボードは、7 月 1 日から 7 月 16 日までの期間、大阪市役所や 24 の 区役所に掲出された。また、7 月 20 日には、FIFA インスペクションの視察団が訪れる会場にも展示 され、その後も 8 月 8 日に行われた「J1 リーグ第 17 節 セレッソ大阪 vs. 川崎フロンターレ」戦の会 場となったキンチョウスタジアムなどで紹介され 初日のゲストとして登場したタレントの吉澤ひとみさんと、 サッカー元日本代表の福西崇史さん。 た。 2 日目のゲストとして登場した柱谷哲二さんと北澤豪さん。 ・埼玉県・招致委員会共催 招致 PR イベントの 開催 2010 年 7 月 31 日、埼玉県は、2022 年 FIFA ワー ルドカップ™の開催候補スタジアムである埼玉スタ ジアム2○○2で開催された「J1 リーグ第 16 節 浦 和レッズ vs. 大宮アルディージャ」戦で、招致 PR 活動を行った。 大阪市小学生 45,000 人の夢が綴られたメッセージボード この活動は日本招致委員会も共催し、スタジア ム南広場で招致応援団カードを発行するほか、定 期刊行物「208 Smiles」やピンバッジ、シールなどの 招致オリジナルグッズを配布した。また浦和レッ ズ協力のもと、浦和レッズ選手による招致応援メッ セージを大型ビジョンで放映した。 伝統の静岡ダービーで実施された招致 PR 活動(エコパスタ ジアム) 164 3 日目のゲストとして登場した城彰二さんと参加者の皆さん。 165 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 ●招致応援メッセージ映像の収録 ●新聞広告出稿 日本招致に向けた決意を示す内容となった。また、 2010 年 11 月 11 日から行われた「 『ワールドカッ 新聞広告の出稿については、招致活動の山場に 写真には、2010 年 FIFA ワールドカップ™で国内 プを日本に!』出陣式」の開催に先駆け、11 月 10 合わせ 3 回にわたり行った。 外に鮮烈な印象を残した本田圭佑選手と日本代表 日より日本サッカーミュージアムにワールドカッ 第 1 回 は 2009 年 10 月 9 日、2018/2022 年 FIFA プ日本招致に向けた応援メッセージ映像収録ブー ワールドカップ™日本招致委員会の設立記者発表会 スを設置した。 の開催に合わせ、朝日新聞全国版朝刊に掲載した。 第 3 回は、開催国決定まで 1 ヶ月となった 2010 応援メッセージ映像は、 「2022 年、ワールドカッ 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ™招致へ向けて、 年 11 月 2 日付の産経新聞(朝刊)に、全面広告を プが日本に来て、実現したい私の夢」という、一 日本がいよいよ本格的に招致活動を開始すること 掲載した。小倉 純二 2022 年 FIFA ワールドカップ™ 般の方々のメッセージを映像で収録するもので、 を宣言した。 日本招致委員会委員長が、地球が描かれたボール 収録したメッセージは、12 月 1 日に FIFA 本部で行 われる最終プレゼンテーションの映像として活用 した。 チームが起用された。 を持ち、 第 2 回は、FIFA インスペクションの日本訪問に 合わせ、2010 年 7 月 20 日付の朝日新聞(朝刊) 、 「12 月 2 日、サッカーの未来 そして日本の未来 をかけて 最後の戦いに挑みます」 収録は 11 月 10 日から 11 月 14 日までの 5 日間行 産経新聞(朝刊) 、日本経済新聞(朝刊)に、全面 と、2022年FIFAワールドカップ™日本招致に向けて われ、メッセージ収録にご協力いただいた方には、 広告を掲載した。FIFA インスペクションを前に、 の決意を表明する内容となっている。 日本サッカーミュージアムの無料招待券がプレゼ そして12月2日の開催国決定までの道のりを前に、 ントされた。 2010 年 7 月 20 日付朝日新聞(朝刊) 、産経新聞(朝刊) 、日本経済新聞(朝刊)掲載広告 166 2010 年 11 月 2 日付産経新聞(朝刊)掲載広告 167 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 3.4 広報報道対応 3.4.1 広報対応 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1第 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 コミュニケーション部門 4 章 政府/自治体対応部門 <ニュースレター「208 Smiles」主な掲載内容> ・表紙 / 巻頭インタビュー ●記者発表・記者会見・記者説明会 ・特集 記者発表、記者会見、記者説明会は、招致プロ 日本が提案する大会構想の解説、FIFA 視察団 ●ニュースレター「208 Smiles」の発行 ニュースレター「208 Smiles」は、国内及び海外の サッカー関係者、招致関係者及びメディアに対し、 日本招致委員会の活動を伝えることを目的に発刊 レポート、招致応援団メッセージなど 内容は、日本が提案する「次世代ワールドカッ プ」や「次世代育成事業」などの大会構想、イン 各地の観光親善大使やゆかりのある方々が案 内する開催地自慢 世界で活躍する日本人にスポットを当てたコ ラム タヴュー、開催地自治体の情報、招致関連ニュー ・DREAM 2018/2022 スなどとなっている。 子どもたちが描く 10 年後の世界、10 年後の夢 A4 判・4 頁・カラー、2010 年 3 月から 11 月まで、 月 1 回、合計 9 号が発行された。 国内向けの日本語版のほか、海外向けに英語、 フランス語、スペイン語版が作成された。これら の外国語版は、208 の FIFA に加盟するすべての協 会に送付された。 セスにおける重要な局面ごとに開催した。 主な開催実績は、下表のとおりである。 ●メディアリリース メディアリリースについては、招致活動の動き に合わせ適宜行った。 ※メディアリリース実績の詳細については、資料集 11.1 を参照。 ・開催地情報 ・Japanese in the World した。 3.4.2 報道対応【国内】 を紹介 記者発表、記者会見、記者説明会開催実績 開催日 2009 年 10 月 8 日 2010 年 2 月 15 日 2010 年 5 月 11 日 2010 年 5 月 17 日 2010 年 7 月 19 日 2010 年 7 月 20 日 2010 年 7 月 22 日 2010 年 12 月 7 日 開催内容 招致委員会設立記者発表会 第 1 回招致委員会/招致連絡協議会記者会見 第 2 回招致委員会/招致連絡協議会記者会見 招致ブック提出記者説明会 FIFA インスペクション 視察団来日記者ブリーフィ ング FIFA インスペクション 日本招致委員会 / 大阪市 記 者会見 FIFA インスペクション 総括記者会見 開催国決定記者報告会 開催場所 日本サッカーミュージアム ヴァーチャルスタジアム ホテルオークラ東京 ホテルオークラ東京 日本サッカーミュージアム ヴァーチャルスタジアム 関西国際空港 ザ・リッツ・カールトン大阪 ザ・リッツ・カールトン東京 JFA ハウス ・BIDDING NEWS 招致活動に関するニュース 3.4.3 海外広報活動 開催国決定まで残り 2 カ月余りというタイミン 員会エグゼグティブダイレクター・中島勇一郎氏、 ナリー氏が出席した。 グを受け、2010 年 9 月下旬より、世界的に影響力 のあるスポーツジャーナリストが集まる欧州各都 ● Leaders in Football、International Football Arena で日 また、ニュースレター「208 Smiles」は、日本招致 市で広報活動を実施した。広告宣伝などで存在を 委員会の Web サイトからも閲覧できるほか、JFA が アピールするのではなく、コンセプトを丁寧に説 2010 年 10 月 6 日、7 日にロンドンで行われた 発行する「JFA News」にも封入された。 明することで理解促進を図り、記事執筆の機会を Leaders in Football( リーダーズ・イン・フットボー 作ることを目的とした。 ル ) では、日本招致委員会エグゼグティブダイレク 本のコンセプトを PR 実施に際しては、言語やフットボールマーケッ ター・中島勇一郎氏が、他招致委員会代表者とのパ トを考慮のうえ、イギリス、フランス、スペイン、 ネルセッションに登壇したほか、世界のフットボー イタリア、スイスの 5 カ国でプレスブリーフィン ルファミリーがネットワーキングのために集う場 グ開催並びにフットボールカンファレンス参加を でブースを出展した。 行った。 ●ロンドン、パリ、マドリッド、ミラノでプレ スブリーフィングを実施 2010 年 9 月下旬から 10 月下旬にかけ、4 都市で プレスブリーフィングを開催した。いずれも各都 市のスポーツメディアを中心に 20 名前後の記者が 参加した。ロンドン、パリのブリーフィングには 小倉委員長が出席。日本招致委員会アドバイザーで ニュースレター「208 Smiles」Vol.09 あるパトリック・ナリー氏とともに記者からの質 問に応じた。マドリッド、ミラノには日本招致委 168 International Football Arena でプレゼンテーションを行う中島 エグゼクティブダイレクター 169 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 4 章 政府/自治体対応部門 10 月 26 日 に は、 チ ュ ー リ ヒ で 行 わ れ た International Football Arena( インターナショナル・フッ トボール・アリーナ ) に参加。世界のフットボール マーケットから招待された聴衆約 200 名を前に、中 第 4 章 政府/自治体対応部門 島氏がプレゼンテーションを実施した。また終了 後には、中島氏、パトリック・ナリー氏と欧州プ レスとのメディアラウンドテーブルを開催した。 3.4.4 報道掲載実績 招致委員会を設立した 2009 年 9 月から開催国が 決定するまでの約 1 年間のなかで、テレビや新聞な どの報道の山場は、7 月に行われた FIFA インスペ クション並びに 12 月の最終プレゼンテーション/ 開催国決定アナウンスとなった。いずれも、事前 に記者ブリーフィングなどで情報を提供し、メディ ア報道を通じてサッカーファミリー、一般市民へ の広報につながるよう務めた。 ● FIFA インスペクション FIFA インスペクション期間中のテレビ報道は、 計 92 件 (関東・関西にて 70 件、 3 時間 02 分/関西ロー カルにて 29 件、1 時間 15 分) 。新聞報道において は東京、大阪、埼玉の一般紙・スポーツ紙あわせ て 64 件の記事掲出があった。広報効果は大きく、 約 30 億円の広告換算額となった。 ●最終プレゼンテーション/開催国決定アナウンス 最終プレゼンテーションに向けて招致委員会が スイス入りしてから開催国が決定するまでのあい だになされた「サッカーワールドカップ招致」関 連のテレビ報道は、120 番組(11 月 27 日~ 12 月 4 日、 9 時間 7 分) 。新聞報道は東京版の一般紙・スポー ツ紙だけでも 80 件(11 月 28 日~ 12 月 4 日)にの ぼり、FIFA インスペクションを超える広報効果を 生み出した。 ※最終プレゼンテーション/開催国決定アナウンスに関す るテレビ報道時間調査については、資料集 11.2 を参照。 政府/自治体対応部門は、FIFA ワールドカップTM 書類の取りまとめ等では、開催地自治体をはじめ関 日本招致にかかる、政府及び開催地自治体等に関 係各所には多大な負担をかけることとなったが、 わる業務の実施、及びその連絡・調整等の対応を 文部科学省をはじめとする政府関係者、及び自治 行うことを目的に設置された。 体関係者の協力により、すべての招致プロセスを 業務は、開催スタジアムの設定あるいは政府の 問題なく実施することができた。 バックアップなど、いずれも FIFA の要求する招致 要件に直接的に関わることから、招致活動を進め る上で極めて重要な位置付けにあった。 政府/自治体対応部門の主たる業務は、以下の 部門の運営は、貝瀬智洋 政府/自治体部門ダイ レクターが全体を統括し、宿泊/輸送部門の金沢 正幸マネジャー及び林直之マネジャーの応援体制 とおりである。 により実施した。また、FIFA インスペクションの ・統括業務 準備及び実施に際しては、JFA から根本敦史(JFA ・政府/文部科学省対応 プレジデンツ・ヘッドクォーターズ)が参加した。 ・自治体対応(開催地/チームベースキャンプ) 政府対応については、ワールドカップ日本招致 を政府として承認する閣議了解、 「招致契約」に定 められる政府保証の取得、その他「招致ブック」制 作にかかる協力、FIFA インスペクション及び最終 プレゼンテーションへの政府代表者の出席など、 招致活動に対する政府の支援を要請することが主 たる業務である。 自治体対応については、開催候補都市及び開催 候補スタジアムの募集、チームベースキャンプ自 治体の募集にかかる業務。それに伴う「開催都市 契約」 、 「スタジアム契約」 、 「トレーニングサイト契 約」 、 「ホテル契約」等の契約締結業務。さらに、 FIFA インスペクションへの協力要請や各自治体に おける招致プロモーションの実施など、各自治体 との招致活動全般における連絡・調整が主たる業 務である。 FIFA の招致プロセスに対応するため、招致契約 170 171 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 4 章 政府/自治体対応部門 2009 年 10 月下旬から 12 月上旬にかけては、文 4.1 政府対応 部科学省からの指示を参考に、主要国会議員を訪 問し、招致概要の説明、協力依頼を実施した。 4.1.1 関係各省庁との連携 4.1.2 閣議了解 政府宣言等の法的有効性を承認する「法律声明書」 2009 年 12 月 8 日の閣議において、 「2018/2022 年 の提出が求められている。 FIFA ワールドカップTMを JFA が招請すること」が了 解された。このことにより、日本として FIFA ワー 政府保証をはじめとするこれらの書類は、大会 政府対応に際しては、JFA 及び日本招致委員会の 閣議了解を翌日に控えた 2009 年 12 月 7 日、第 1 ルドカップ 招致に立候補することが正式な手続と への政府の支援についてかなり踏み込んだ内容を 主管官庁である文部科学省が、基本的な対応窓口 回 2018 年(平成 30 年)及び 2022 年(平成 34 年) して日本政府に承認され、FIFA への招致契約書類 規定していた。このため、関係する各省庁へは十分 となり、その指導・指示に基づき業務を実施した。 ワールドカップサッカー大会日本招致に関する関 の提出へと進むことが可能となった。 な説明を行うとともに、その対処方法については、 2009 年 8 月 26 日~ 9 月 4 日の期間には、主に政 係副大臣・政務官会議が、総理官邸で開催された。 閣議了解の背景には、文部科学省による指導・ 府保証に関連する内閣官房、内閣府、法務省、外 会議では、冒頭、犬飼委員長が会議開催への謝 助言等の積極的な支援のほか、前述した関係副大 務省、経済産業省、警察庁、国土交通省、厚生労 意を述べるとともに、招致に向けての支援を要請 臣・政務官会議の開催等、関係省庁の格段の協力 働省、総務省、財務省、環境省、防衛省の各省庁 した。続いて田嶋実行本部長が大会の招致及び大 があったことは言うまでもない。 より、関連する省庁の担当部局を訪問。政府保証 の担当部局を訪問。FIFA ワールドカップTM日本招致 会の概要を説明し、政府側からは鈴木文部科学副 の概要(FIFA による指定雛形の存在等)を説明し の概要を説明し、政府保証の取得等の協力を要請 大臣が、 閣議了解(案)及び政府保証の方針を説明、 ※「閣議了解」の詳細については、第 1 部第 4 章(P.43) を参照。 した。 出席者によりこれを確認した。 4.1.3 政府保証 ては、さらに追加的に説明及び調整のための打ち TM 文部科学省をはじめ関係省庁の各担当部局の判断 に委ねた。 2010 年 1 月下旬に、文部科学省担当者の同行に た上で、 政府保証発出の協力を依頼した。 省庁によっ 合わせを実施した。 第 2 回会議は、 「招致ブック」の FIFA への提出を 政府保証は、大会の開催に際して開催国政府の 2009 年 9 月 11 日、 2018/2022 年 FIFA ワールドカッ 間近に控えた 2010 年 5 月 10 日に開催された。会議 支援を FIFA が求めるものであり、総理大臣をはじ 2010 年 5 月上旬には、各関係省庁の協力により プ 日本招致委員会の設立に当たっては、政府を代 では、犬飼委員長から各省庁による招致活動への めとする各関係省庁代表者(閣僚)の署名が要求 各省庁からの政府保証を受領することとなり、5 月 表して文部科学省から、川端達夫文部科学大臣が 協力に対する御礼が述べられるとともに、招致活 される。政府保証は第1号から第 8 号までの 8 項 14 日、招致ブックとともに FIFA に提出した。 特別顧問に、鈴木寛文部科学副大臣が副委員長に 動を 2022 年大会に絞込むことが報告された。続い 目にわたり、あらかじめ FIFA による指定の雛形が それぞれ就任した。なお、招致委員会への文部科 て田嶋 JFA 専務理事から、 FIFA に提出する 「招致ブッ 定められている。 学省の参画は、2002 年大会の招致に際しては実現 ク」の現物が披露され、内容の説明が行われた。 TM 2010 年 10 月 8 日、日本が提出した政府保証が さらに、FIFA からは政府保証に加えて、FIFA ワー FIFA の提示した所定の書式に従っていない点につ していなかったことであり、今回の招致への政府 ルドカップTMの開催を政府として歓迎し支援するこ いて、FIFA 事務局から対応を求める文書が送られ の積極的な姿勢をうかがわせるものであった。 とを約する「政府宣言」 、及び契約書類、政府保証、 てきた。これは、FIFA の規定した文書では、日本 の現行の法制度上では対応できないために生じた 政府宣言・政府保証・政府の法律声明書の概要 2018 年(平成 30 年)及び 2022 年(平成 34 年)ワールドカップサッカー大会 日本招致に関する関係副大臣・政務官会議 担当副大臣・政務官一覧 (敬称略・2009 年 12 月 7 日現在) 省 庁 名 内閣官房 文部科学省 内閣府 総務省 法務省 外務省 財務省 厚生労働省 経済産業省 国土交通省 環境省 防衛省 警察庁 172 氏 名 松野 頼久 内閣官房副長官 松井 孝治 内閣官房副長官 鈴木 寛 副大臣 田村 謙治 大臣政務官 長谷川 憲正 大臣政務官 中村 哲治 大臣政務官 西村 智奈美 大臣政務官 古本 伸一郎 大臣政務官 山井 和則 大臣政務官 高橋 千秋 大臣政務官 藤本 祐司 大臣政務官 田島 一成 副大臣 長島 昭久 大臣政務官 池田 克彦 警備局長 政府宣言 (Government Declaration) 政府宣言 政府保証 (Government Guarantee) 号 項 目 対応省庁 内閣官房 項 目 1 出入国許可、入国管理、通関および搭乗手続き 2 就労許可証 3 4 5 税金免除措置 安全およびセキュリティ 銀行および外国為替業務 6 商業的権利の保護と利用 7 電気通信、情報技術 8 法的な問題と損失補償 政府の法律声明書 (Government Legal Statement) 項 目 政府の法律声明書 対応省庁 外務省 法務省 法務省 厚生労働省 財務省 警察庁 財務省 経済産業省 文化庁 総務省 内閣官房 文部科学省 対応省庁 内閣官房 173 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 4 章 政府/自治体対応部門 問題であり、FIFA からの要請は当初から想定され 理官邸への表敬訪問の実現、総理主催のフェアウェ ていた。 ル・ディナーの開催と、大会の招致に向けた政府 招致委員会実行本部は、FIFA の要請に対応する の積極的な姿勢を印象付けることができた。 4.2.1 招致推進議員連盟の設立 ための善後策を関係省庁と協議し、追加的文書の 提出により対応することとした。また、併せて、 FIFA に対しては日本の法制度上の制約を伝えるこ とで、日本の対応への理解を得るにいたった。 さらに、10 月 25 日には、これらの追加的文書が、 小倉委員長からブラッター FIFA 会長に直接手渡さ れた。 4.1.4 「招致ブック」の作成支援 「招致ブック」の作成は、基本的には招致委員会 4.1.6 最終プレゼンテーションへの参加 2010 年 12 月 1 日に行われた FIFA 理事会メンバー に対する最終プレゼンテーションには、政府を代 表して鈴木寛文部科学副大臣に出席いただいた。 鈴木寛文部科学副大臣はスピーチの中で、 「わたしは FIFA のみなさんに、日本国政府が、あ の保証、という意味に限定されていると FIFA の 等に関わる項目については、関係省庁による情報 みなさんに思ってもらいたくはないのです。 日本政府は、FIFA の必要、つまり、いつでも 進化したり変化したりする必要についても、喜 る各省庁の担当部局を訪問し、情報提供及び原稿 んで対応したいと思っている、ということも チェックについて今後の協力を依頼した。以降、 FIFA のみなさんに知っておいていただきたいの 原稿を数次に分けて関連する省庁に展開し、チェッ です。 」 ペクションにおいても、関係省庁の格段の協力を 得ることができた。 FIFA 視察団の来日時には空港での出迎えのほ か、FIFA インスペクションチームへの円滑な対応 が行えるよう、 文部科学省、 外務省、 法務省、 財務省、 厚生労働省、農林水産省、国土交通省及び関西国 際空港の各種関連組織には、様々な便宜供与に協 力をいただいた。 ころであったが、12 月の開催地決定を 2 ヵ月後に 控えたこの日、いよいよ始動することとなった。 征士郎衆議院副議長をはじめとする役員の挨拶が あった。JFA からは小倉会長及び田嶋副会長が出席 し、2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致につい ての経緯の説明を行った。 2022 年 FIFA ワールドカップ招致推進議員連盟 は、2010 年 11 月 5 日現在、衆議院議員 112 名、参 議院議員 46 名、合わせて 158 名の超党派の国会議 員によって構成される。 招致推進議員連盟が設立されたことにより、2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致の国会決議、さ らには、12 月 1 日の最終プレゼンテーションの実 施に大きな弾みがついた。 ということを全面的に保証します。 ビス、資金調達と保険、政治体制など、国の施策 2010 年 7 月 19 日~ 22 日に行われた FIFA インス もかねてから主要な国会議員に働きかけてきたと 端達夫前文部科学大臣、会長代行に就任した衛藤 はこの政府の関与が、いわゆる公式的な意味で 4.1.5 FIFAインスペクションへの協力要請 議員連盟の設立については、招致委員会として 同日行われた設立総会では、会長に就任した川 トワーク、安全とセキュリティ、健康及び医療サー クを仰いだ。 招致推進議員連盟が設立された。 経済的、技術的、全ての意味で十分に行われる、 しかし、もっと言わせていただければ、私たち 2010 年 1 月下旬には、 「招致ブック」に関連す 2010 年 10 月 7 日、2022 年 FIFA ワールドカップ なたがた FIFA に対して行った約束が、政治的、 実行本部で行ったが、輸送、情報技術と通信ネッ の提供及び原稿のチェックを要請した。 4.2 2022 年 FIFA ワールドカッ プ招致推進議員連盟 と発言し、日本政府として大会開催に最大限の支 援をすることを表明した。 2022 年 FIFA ワールドカップ招致推進議員連盟設立趣意書 FIFA ワールドカップとは、国際サッカー連盟(FIFA)が主催するサッカーの世界選手権であり、4 年ごと夏 季オリンピックの中間年に本大会が開催され、各国のナショナルチームが国の威信をかけてプレーする大会 です。テレビの視聴者数ではオリンピックを凌ぎ、世界最大、人類最大のスポーツイベントとなっています。 今夏のワールドカップ南アフリカ大会においては、日本代表のめざましい活躍が、日本中を鼓舞し、熱狂 させたことは、記憶に新しいところです。 このような中、12 年後の 2022 年ワールドカップの招致に日本が立候補しており、開催地決定を本年 12 月 に控え、日本の招致活動も佳境を迎えております。 今回立候補する 2022 年大会は、2002 年日韓大会から 20 年後となり、日韓大会の感動や熱狂、世界と触れ 合うダイナミズムを肌で感じた若者たちが日本社会の中核を担っている時代となります。閉塞感にさいなま れる現代の若者たちが、将来を楽しみにするイベントが今の日本には必要です。 また、ワールドカップは「世界最大のコミュニケーション装置」であり、 「もっと感動的になれる」 、 「もっ と多くの人と喜びを分かち合える」 、 「もっと相互理解の場になれる」 、 「もっと世界を一つにできる」ものだと 考えます。そして、日本には HUMANITY(共感力に優れた日本人の人間性)と TECHNOLOGY(日本最先端 の技術力)を合わせた新たな次元のワールドカップを開催可能な力があります。ワールドカップの日本開催 によって、世界のすみずみに感動と興奮が分かち合われ、サッカーを通じた国境・民族・言語を越えたかつ てない地域規模の対話と共感を生み出すことができると確信しています。 以上のことから、我々国会議員も、この招致活動に主体的に参加し、日本サッカー協会をバックアップし、 国民が心ひとつに招致活動に当たることができるよう関係者をはじめ多くの人々が快く応援できるような体 制を築き、この人類最大のイベントを日本に招致すべく、ここに党派を超えて本議員連盟を設立するもので あります。 また、FIFA インスペクションの主要プログラム 平成 22 年 10 月吉日 である招致プレゼンテーションには、政府を代表 して鈴木寛文部科学副大臣に出席いただいた。 さらに、FIFA インスペクションチームによる総 174 呼びかけ人 樽床 伸二 逢沢 一郎 富田 茂之 穀田 恵二 照屋 寛徳 山内 康一 下地 幹郎 園田 博之 荒井 広幸 175 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 4.2.2 招致国会決議 第第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 3第 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 4 章 政府/自治体対応部門 束力を持つものではないが、国民を代表する国会 招致活動の最後を締めくくる最終プレゼンテー 議員による日本招致の決議は、最終プレゼンテー ションまで、あと 5 日と迫った 2010 年 11 月 26 日、 ションを間近に控えた日本招致委員会をはじめ関 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致に関する国 係者にとって大きな力となった。 会決議が衆議院で行われた。国会決議は、法的拘 二〇二二年ワールドカップサッカー大会招致に関する決議 二〇二二年ワールドカップサッカー大会招致に関する決議 我が国において、ワールドカップサッカー大会を再び開催することは、国際親善とスポーツの振興にとっ 4.3 自治体対応 ●正式募集 2009 年 9 月 11 日の日本招致委員会の正式な発 自治体対応業務は、開催地として立候補する自 足を受け、2009 年 9 月 15 日に都道府県サッカー 治体と、チームベースキャンプとして立候補する 協会を通じて開催地及びチームベースキャンプ 自治体に対して実施する業務である。その内容は、 の募集を開始した。 開催地自治体及びチームベースキャンプ自治体の 募集開始に引き続き、自治体及び都道府県サッ 募集、 「開催都市契約」 、 「スタジアム契約」 、 「トレー カー協会向けの説明会を 9 月 25 日及び 27 日に ニングサイト契約」 、 「ホテル契約」等の、FIFA に 実施した。この中で、招致活動の概要や、立候 提示する契約書類の取りまとめ、及び各自治体が 補に必要な書類・手続き・スケジュール等の説 実施する招致活動のサポート等である。 明を行った。 て極めて意義深いものであります。 衆議院は、来る二〇二二年ワールドカップサッカー大会の開催を我が国に招致することを強力に推進する とともに、その準備体制を整備すべきものと認める。 4.3.1 開催地自治体、チームベースキャンプの 募集 体」のみを対象に、正式応募の前段階として「意 右決議する。 向表明書」の提出を受け付けた。その結果 11 自 治体(12 スタジアム)から提出された。これを ●誘致の関心表明 FIFA ワールドカップ 招致において、開催候補都 もとに、国内での自治体を含めたワールドカッ 市及び開催候補スタジアムの存在は、大前提であ プ招致の機運が存在することを政府に伝え、閣 ると同時に最重要項目である。 議了解など、日本としてワールドカップ招致に TM 2009 年 5 月 7 日、FIFA からワールドカップ招致 「二〇二二年ワールドカップサッカー大会招致に関する決議」に関する内閣総理大臣所信 「二〇二二年ワールドカップサッカー大会招致に関する決議」に関する内閣総理大臣所信 1 ただ今の御決議に対して所信を申し述べます。 2 我が国において 2022 年ワールドカップサッカー大会が開催されますことは、国際親善とスポーツの 振興にとって誠に有意義であります。 3 政府といたしましては、ただいまの御決議の趣旨を十分体しまして、招致活動及び準備体制の整備に 最善の努力を払ってまいります。 2009 年 10 月 30 日を期限として、「開催地自治 関連書類を受領した JFA は、なるべく早期に自治体 立候補することを日本政府が正式な手続きとし て承認するよう働きかけた。 への情報提供・立候補手続きを進める必要があっ た。一方、そうした手続きは、本来 JFA ではなく日 2010 年 1 月 8 日を期限として「正式申請書」 本招致委員会として行う必要があったが、法人と の募集を締切った。先に行った開催地自治体に しての日本招致委員会の発足時期は 2009 年 9 月頃 よる「意向表明書」は、担当部局長クラスから になると見込まれていた。 の発出により実施したが、「正式申請書」につい そこで、国内サッカー界での関心喚起と、立候 補の意向の予備的な把握を目的として、都道府県 サッカー協会を対象に「誘致の関心表明」という 位置づけで、情報の展開及び集約を行った。 2009 年 7 月 25 日に募集を開始し、2009 年 9 月 9 ては、最終的な意思決定であることから各自治 体の首長による発出を求めた。 その結果、開催地は 13 スタジアム(11 自治 体)、チームベースキャンプは 64 件が提出され た。 日に応募を締め切った。その結果、47 都道府県サッ カー協会のうち岐阜県協会を除く 46 協会から、都 ●招致登録金 道府県内からの開催地自治体またはチームベース 今 回 の 招 致 活 動 で は、 開 催 地 は 1,000,000 円 キャンプとしての立候補の関心が示され、78 の自 (1 自治体あたり)、チームベースキャンプは 治体(83 の施設)の名前が挙げられた。 100,000 円(1 件あたり)の「招致登録金」を立 候補した自治体から拠出いただいた。「招致登録 176 177 第 231 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 章 日本招致委員会の設立と閣議了解 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 第 5 章 事業部門 金」は、PR 活動を中心とした招致活動の貴重な ● FIFA インスペクションの支援 財源として活用させていただいた。 2010 年 7 月 19 日~ 22 日に行われた FIFA イン スペクションにおいては、視察対象施設の所在 4.3.2 招致契約書類の集約 今 回 の 招 致 活 動 で は、 「開催都市契約書」 、 「スタジアム契約書」 、 「トレーニングサイト契 約書」、「ホテル契約書」など、FIFA が定める契 地である大阪市・堺市・埼玉県・東京都を中心に、 関連する自治体等には多大な協力を頂いた。 ※ FIFA インスペクションにおける自治体等による支援 の詳細については、第 1 部第 8 章(p.94)を参照。 の契約書類は、すべて FIFA の定める内容及び様 事業部門は、招致委員会における活動資金を調 達するとの使命のもと、主として招致パートナー 約書類(「FIFA 契約書類」 )を、招致段階で FIFA に提出することが義務づけられていた。これら 第 5 章 事業部門 4.3.4 開催地自治体の招致活動(プロモーショ ンイベント) 5.1 招致パートナーセールス セールスの業務に従事した。また、招致活動期間 中におけるアプルーバル管理、ライセンシングの オフィシャル招致パートナーは、FIFA ワールド 式が規定されており、かつ、その内容は大会の 「正式申請書」を提出頂いた自治体及び所在地 開催運営を前提としているため詳細に及んでい 都道府県サッカー協会に対し、招致活動におけ 事業部門の主たる業務は、以下のとおりである。 で支援していただくという意味で極めて重要な位 た。 る国内 PR 活動への協力依頼を含めた資料を 2010 ・統括業務 置づけにある。日本を代表する主要企業に、招致 年 1 月 10 日に展開した。併せて、PR 活動用の ・招致パートナー対応 活動の意義を理解・賛同していただき、招致パー ・アプルーバル管理 トナーとなっていただくことは、 国内外に FIFA ワー ・ライセンシング ルドカップ™日本招致の意義と、それに対する国民 ・ノベルティ制作/管理 の期待感の高さを表出することとなる。 そこで、国内の開催地及びチームベースキャ ンプに関係する自治体、スタジアム所有者など 各種グッズやデザインガイド等を提供した。 の団体に対して、募集開始時の説明資料並びに 特に開催地自治体については、各自治体名の 説明会での補足説明を行い、自治体等の理解を 記載された招致コンポジットロゴのデザインを 求めた。 個別に作成し、PR 活動への側面支援を行った。 2010 年 1 月 8 日の「正式申請書」の締切の後、 2010 年 2 月 26 日の「FIFA 契約書」の締切まで の間、一部の自治体に変更があったものの、結 果として FIFA の基準を満たす 13 のスタジアム (11 自治体 )、64 件のチームベースキャンプから 必要な FIFA 契約書が提出された。 これに基づき、日本招致委員会は 2010 年 5 月 14 日の「招致ブック」の提出に際し、「FIFA 契 約書類」を FIFA に提出した。 管理などの業務を実施した。 部門の運営は、野上宏志事業部門ダイレクター、 及び伊地知直亮シニアアドバイザーが全体を統 カップTM日本招致活動を、財政面をはじめ様々な面 事業部門の最大の業務は、そのオフィシャル招 致パートナーセールスである。 括、マーケティング部門担当として満田哲彦事業 オフィシャル招致パートナーの設定について 部門マーケティング担当ダイレクター、大井義洋 は、FIFA により詳細な規定が定められており、日 事業部門マーケティング担当ダイレクターが配置 本招致委員会と交わす招致スポンサー契約とは別 された。なお、2010 年 9 月、野上宏志のイングラ に、FIFA の指定する保証書を FIFA に対し提出する ンドサッカー協会への長期研修に伴い、貝瀬智洋 ことが義務付けられていた。また、オフィシャル 政府/自治体部門ダイレクターが、事業部門ダイ 招致パートナーの権利内容には、FIFA により様々 レクターを兼務した。 な制約が課せられており、協賛いただいた各社に は大変な無理を承知していただいた。 4.3.3 「招致ブック」制作及びFIFAインスペク ションへの自治体の支援 オフィシャル招致パートナーの募集及び契約 は、日本招致委員会設立後の 2009 年 12 月から開始 ●「招致ブック」の制作 され、2010 年 9 月まで随時行われた。その結果、 2010 年 5 月 14 日に FIFA に提出した「招致ブッ 最終的なオフィシャル招致パートナーの数は、合 ク」には、開催地自治体及びスタジアムの紹介 計 19 社となった。ちなみにこの数は、2018/2022 年 を行うとともに、チームベースキャンプの情報 FIFA ワールドカップTM招致立候補国中、最多であっ を掲載した。掲載情報の集約には、自治体によ た。 る協力が不可欠であることから、「正式申請書」 を提出した自治体を対象に、必要な情報に関す る「情報シート」を 2010 年 1 月 14 日に展開した。 178 179 第 21 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 オフィシャル招致パートナー(五十音順)は、 以下のとおりである。 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 第 5 章 事業部門 なお、オフィシャル招致パートナーの権利内容 は、以下のとおりである。 オフィシャル招致パートナー権利内容 権利金 ・朝日新聞社 □協賛金額 ・アディダスジャパン株式会社 1社/2500万円(税別) VIK(=Value In Kind 現物(商品・サービス等)供与)可 ・キリンホールディングス株式会社 □協賛期間 契約締結時∼2010年12月末日 ・近畿日本ツーリスト株式会社 ・産経新聞社 □協賛カテゴリー ・株式会社 JTB グローバルマーケティング& なし(非独占) トラベル ・スカパー JSAT 株式会社 □権利行使可能地域 ・株式会社 TBS テレビ 日本国内のみ ・株式会社テレビ朝日 協賛メリット ・株式会社テレビ東京 ・凸版印刷 株式会社 □招致スポンサーの呼称使用権 ・西鉄旅行 株式会社 例 「○○○は、2018/2022年日本招致活動に協賛しています。」 ・日清オイリオグループ株式会社 例 「○○○は、DREAM2018/2022に協賛しています。」 ・日本経済新聞社 〔注意〕 「FIFA」、「FIFAワールドカップ」及びそれに類する表現は一切使用できません。 ・日本航空 ・日本テレビ放送網株式会社 ・ぴあ 株式会社 ・株式会社フジテレビジョン ・株式会社 ファーストリテイリング(ユニクロ) 第3回 2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会 / 招 致連絡協議会におけるロゴバナー露出(上・会場受付 下・ 会場正面) □招致ロゴマークの使用 広告・販促活動にて日本招致ロゴマークが使用できます。 ※名刺なども可能 □招致ロゴマークの入ったプレミアム・ギブアウェイの制作、配布 ノンブランドに限る。デザイン、仕様の事前承認が必要。 □日本招致活動公式HP・関連イベントにて社名/ロゴを掲示 日本招致公式HPにスポンサーロゴ設置とリンク 日本招致イベントにてスポンサーリコグニションボードなど設置 〔注意〕 イベント等にスポンサー制限がある場合は掲示できない場合があります。 □日本招致イベントへのご招待 パーティ、シンポジウムなど □その他 今後、日本招致委員会が承認した権利/内容 〔注意点〕 ※招致スポンサー契約とは別にFIFAの指定する保証書にサインし提出する必要があります。 ※招致決定した際でも、本大会のスポンサーシップやチケット等いかなる優先権もありません。 ※契約締結先は2018/2022年FIFAワールドカップTM日本招致委員会。 180 181 第 21 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 第 2 章 招致に向けての準備・プランニング 第 1 章 日本招致に向けての意思決定 第 3 章 日本招致委員会の設立 第 5 章 事業部門 5.2 ノベルティの制作・管理・販売 日本招致委員会は 2010 年 10 月から、オフィシャ ル招致グッズの販売を開始した。 販売したアイテムは、日本の招致活動の特別広 報大使アトムがデザインされたタオルマフラーや 携帯ストラップ、FIFA に加盟する 208 の国と地域 すべてにワールドカップを届ける招致コンセプト を表現した T シャツ、招致ロゴマークのシールな ど、6 点である。 2022 タオルハンカチ 2022 ステッカー 2022T シャツ(青) 2022 ストラップ 2022T シャツ(白) 2022 タオルマフラー 182 183 第 21 部 招致実行本部の活動 部 招致活動記録 第 6 章 招致活動収支 第 6 章 招致活動収支 2022 年 FIFA ワールドカップTM 招致活動におけ 本部運営費等の実行本部業務費 390 百万円、PR 費・ る日本招致委員会の収支決算(着地見込)は、下 各種制作費・Web サイト経費等の広報関連業務費 表に示すとおりである。 274 百万円、国際ロビー活動、プレゼンテーション 収入については、JFA からの原資 299 百万円、 招致スポンサー協賛金 296 百万円、J リーグ管轄 等に伴う海外渡航費・宿泊費等の国際関連業務費 138 百万円など、総額 839 百万円となった。 試合収益金 155 百万円、スポーツ振興くじ助成金 60 百万円など、総額 839 百万円となった。 支出については、法人関係費・人件費・その他 収支決算(着地見込) (2009年度~2010年度) 収入 予算項目 01 合計(円) 招致委員会 JFA からの原資 開催候補自治体招致登録金 チームベースキャンプ候補自治体登録金 J リーグ管轄試合 招致スポンサー協賛金 寄付 助成金(スポーツ振興くじ助成) マーチャンダイジング その他 839,676,481 299,632,546 12,000,000 6,199,999 155,062,261 296,625,000 10,000,000 60,000,000 110,720 45,955 支出 予算項目 01 02 03 04 05 06 184 実行本部業務 法人関連費・人件費・その他本部運営費等 国際関連業務 海外渡航費・宿泊費等 政府 / 自治体関連業務 都道府県 FA・開催地自治体向け説明会経費等 広報関連業務 PR 費・各種制作費・Web サイト経費等 事業関連業務 招致パートナー関連経費・プロパティ管理費等 インスペクション&ホスピタリティ関連業務 FIFA インスペクション関連費等 支出合計 合計(円) 390,173,299 138,208,126 2,175,520 274,485,920 21,399,746 13,233,870 839,676,481 185 第 2 部 招致実行本部の活動 第 1 章 ワールドカップ招致活動の意義 第 3 部 招致活動の総括と提言 186 187 第 3 部 招致活動の総括と提言 第 1 章 ワールドカップ招致活動の意義 第 1 章 ワールドカップ招致活動の意義 1.1 「JFA2005 年宣言」達成に 向けた招致活動への取組み 以上が、 「FIFA ワールドカップTM開催」そのもの の意義であり、今回の招致活動というチャレンジ に込められた第一義的な意義であった。 第 1 部 第 1 章 で 既 に 述 べ て い る 通 り、JFA は 「JFA2005 年宣言」に 2050 年までに達成すべき約束 として FIFA ワールドカップTM を日本で開催するこ 1.2 招致活動を通じた日本サッカー の発展への貢献 とを掲げている。そして、2050 年までの限られた 招致のチャンスに対して積極的にチャレンジする ことは、日本サッカー界の命題でもあった。 負事である。どんなに有利な状況にあっても負け 2002 年大会の開催で既に広く認知されている通 ることもあれば、どんなに不利な状況にあっても り、FIFA ワールドカップTM の日本開催が日本サッ 勝つこともある。負けるリスクを恐れず挑戦するこ カーのさらなる発展に大きく寄与することは明白 とが重要である。一方では、そのチャレンジに伴 である。2022 年大会の開催が決定すれば、2002 年 うリスクを認識した上で、あらゆる事態を想定し 当時の記憶と経験をもったサッカーファミリーの た戦略をもって取り組まねばならない。そうした 手によって、開催までの 12 年間が最大限に活用さ 意味では、招致活動そのものを通じて日本サッカー れ、素晴らしい大会が催されるであろうことは確 の発展に貢献することも、また大きな意義を持っ 実である。 ていたと言える。仮に招致を勝ち取ることができ 一方で、FIFA ワールドカップ の日本開催が、日 TM 本サッカー界の発展に寄与するに留まらないこと 188 招致活動そのものは、サッカーの試合同様に勝 なくとも、そこで得なければならない成果を見定 めることは、当初からの重要なテーマであった。 も明らかである。日本は「世界中で開催するワー こうした成果目標は、決して情緒的なものに留 ルドカップ」という大会構想を掲げ、2002 年のワー まらず、具体的かつ実利的なものとして設定した。 ルドカップから開催間隔が短いからこそできる世 招致戦略上、副次的に達成すべきテーマとして設 界のサッカー界発展への貢献を積極的に謳った。 定した項目は以下の通りである。 日本が提案する大会構想のもとに大会が開催され ・国際サッカーネットワークの強化・構築 ることになれば、世界的なスポーツであるサッカー ・国内スポーツネットワークの強化・構築 を通じて、国内外で積極的な国際交流が促進され、 ・最新国際基準の普及 政・官・財・学界をはじめ様々な分野においてサッ ・政府/自治体との連携強化 カーをきっかけとした相乗効果が十分に期待され ・財界・学術界との連携強化 る。それは同時に、 「サッカーを通じて豊かなスポー ・メディアとの関係構築 ツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会 ・広報活動によるプロモーション効果 (国内/海外) の発展に貢献する。 」という、JFA の理念を具現化 ・ホスピタリティ業界との連携強化 する絶好の機会と言える。 ・将来を見据えた人材育成 189 第 3 部 招致活動の総括と提言 第 2 章 ワールドカップ招致活動の総括 第 2 章 ワールドカップ招致活動の総括 2.1 戦略総括 て、最初の課題となったのは大会構想の策定であっ た。どういった大会を開催するかというメッセー ジは、招致プロセスにおいて終始重要な意味を持 2.1.1 得票に向けての戦略 招致活動の戦略において最も重要視されたの それぞれが FIFA をはじめ、各大陸連盟や各大陸の は、 「いかに FIFA 理事の票を獲得するか」という命 FIFA 加盟協会の利益代表者である。したがって、 題であった。すべての活動はその逆算の元に組み立 日本の提案するワールドカップが、いかに世界の てられ、予算配分・人材配置・業務分掌はその命 あらゆるレベルのサッカーの発展に貢献するか、 題に基づき、必要となる活動に対して整理された。 といった点が特に重視された。 国際ロビー活動は、上記の命題を達成する上で 一方で、大会構想に独自性を盛り込むことも重 最も重要な役割を担った。2002 年大会や FIFA クラ 要な課題であった。他招致国のコンセプトと重複 ブワールドカップの開催をはじめ、日本が国際舞台 してしまっては、日本に投票する理由は失われて にて培ってきた FIFA 及び FIFA 理事とのネットワー しまう。他の招致国が「お国自慢」や「初開催」を クを活用しながら、投票行動に影響を与える要素 謳う中で、日本は「世界中でワールドカップを開 を調査するべく情報収集及び交渉を行うことが求 催する」というコンセプトで徹底的に差別化を図っ められた。 た。こうして策定された大会構想は、それぞれの 次に重要視されたのが、FIFA が招致プロセスと して設けた各種の公式イベントであった。既に第 1 招致プロセスにおいて重要な役割を果たしていっ た。 部で述べた通り、招致ブック提出、FIFA インスペ 招致プロセスの一つである「招致ブック提出」 クション、 評価レポート、 最終プレゼンテーション、 に向けて、特に重要となったのが政府/自治体との 公式 PR イベント(FIFA ワールドカップファイナ 協働である。招致ブックという開催提案書に盛り込 ルドロー及び FIFA 総会付帯イベント)は、FIFA 理 むべき内容として、各種政府保証や、開催地自治体・ 事の投票行動に影響を与える要素として位置づけ チームベースキャンプ自治体による立候補及び各 た。招致立候補国数が非常に多いことと、2 大会開 種契約書の締結は必須事項であった。これらの業 催国を同時に決するという異例の決定プロセスの 務は、招致ブックの制作スケジュール上非常に限 中で、招致レースが混沌を極めていくことは当初 られた期間の中で、政府による閣議了解に向けた から想定されており、最終局面において上記の公 準備と並行する形で自治体との折衝を行う必要が 式イベントでの評価が影響力を持つ可能性は十分 あった。また、政府/自治体の理解を得るためには にあると予想していた。したがって、これらの公 世論の形成が重要となる。この点においても前述 式イベントでしっかりとした評価を得ることは、 の大会構想は重要であり、国内のステークホルダー 命題を達成する上で極めて重要であった。 の支持を得るためのロジックの整理及び PR 戦略の FIFA によって設定された招致プロセスにおい 190 つと位置づけられた。投票権を持つ FIFA 理事は、 策定が行われた。 191 第 3 部 招致活動の総括と提言 第 2 章 ワールドカップ招致活動の総括 FIFA 理事に対するコミュニケーション戦略にお らに多くの資金が必要とされた。これに対応する いては、 「招致ブック」に盛り込む大会構想の独自 ため、招致活動に対して協賛して頂ける「招致パー 性を最も重視した。そのため、他の招致国が日本 トナー」企業を募るための戦略を立て、各企業に のコンセプトを模倣しないよう、 「招致ブック提出」 対しスポンサーセールスを行った。長引く不況下 までは PR の露出内容についても細心の注意が払わ においてセールスが困難を極めることは十分に想 2018 年大会の開催国はロシア、2022 年大会の開 れた。同時に、日本の提案内容を FIFA 理事にとっ 定されたため、日頃からサッカーを支援して頂い 催国はカタールに決定したが、その事実のみから てより魅力的なものにするため、ロビー活動を通 ている企業による理解と支援は非常に貴重なもの FIFA 及び FIFA 理事の志向性を見て取ることは困難 じて可能な限り情報収集やヒアリングを行った。 であった。一方で、 政府による「toto 助成金」や「観 である。 こうして、日本のコンセプト及び具体的な提案内 光庁支援事業」による助成もまた、招致活動に対 確かに、ロシアとカタールには共通して「初開 の発展」 のみならず 「サッカーを通じた世界の発展」 容は精査され、招致ブックの質は高められた。 する理解によってもたらされたものである。こう 催」という大義名分は存在する。しかしながら、 にいかに貢献できるかという点への比重が高まっ した各方面からの支援の結果、最終的には約 10 億 一方でオランダ/ベルギーやオーストラリアにも ていったと言える。 円が招致予算として設定された。 同様の大義は存在した。したがって、大義名分だ 日本の提案はまさに、 「サッカーを通じた世界の けでは決定的な理由にはならないことが理解でき 発展」にいかに貢献できるかという点に比重を置 る。 いた独自の提案であった。 しかしながら、 評価レポー 招致ブック提出後に各招致国がそれぞれの提案 内容を変更することは、FIFA のルール上認められ しかし、今回の招致においては、評価レポート 2.2 結果分析 は開催リスクの評価に限定した。つまり、招致国 のすべてが 8 年後、12 年後に FIFA ワールドカップTM 2.2.1 FIFA及びFIFA理事の志向性 を開催する能力を備えていたため、開催能力の是 非だけでは選択の理由にはならない、というメッ セージが見て取れる。 「For the Game, For the World」という FIFA の約束に も示唆されている通り、招致レースは「サッカー ていない。したがって、日本としてはこのタイミ 予算規模は、4 年間の招致活動期間において約 90 ングから提案内容を全面に押し出して招致活動を 億円を投資した 2002 年大会招致活動と比較して、 行うという戦略をとった。国際ロビー活動をはじ 非常に限定されたものであった。しかしながら、 FIFA の理念やミッションにも謳われている通 トではサッカー界の目指すべき方向性に沿った提 め、国内外の広報活動においても日本の提案内容 今回の招致活動が 2 年間と短いことや、FIFA イベ り、 開催国の決定に際しては 「サッカーの発展とサッ 案が大きく取り上げられることはなかった。この の独自性を強調した。後の FIFA インスペクション、 ントにおける PR 機会の制限といった条件に加え、 カーを通じた世界の発展に貢献すること」が非常 ことからも、評価レポートが開催国選定に際して 及び評価レポートで高い評価を獲得し、平行して 小倉 FIFA 理事を通じて得られる FIFA 理事情報や、 に重視されている。このことは、招致ブックにお 判断材料としての機能を有さなかったという見方 FIFA 理事の理解並びに支持を得ることで得票につ FIFA 大会の開催経験を通じて蓄積された FIFA の志 いても各招致国に回答及び提案が求められている も指摘できる。 なげるという一連の流れは、招致活動当初において 向性への理解を総合的に活用することで、効率的 事項である。つまり、端的に言えば「ワールドカッ 開催国決定後にいくつか報道されている通り、 命題からの逆算のもとに確立した戦略であった。 かつ有効な招致活動を行えるという見込みがあっ プを開催することで FIFA の理念・ミッションを最 ロシアやカタールは「国家を挙げた招致活動」とい さらに、それに続く最終プレゼンテーションや公 た。こうした活動資金の調達のみならず、経験・ 大限達成できる国を選ぶこと」が、最も重視され う点で他の招致国より秀でていたと思われる。サッ 式 PR イベントは、他の招致国との差別化を図り、 人材といった資源を有効活用することで、効率的 るべきポイントであったと言える。 カー協会間の交渉に留まらず、国家間で様々な協 提案内容の独自性や魅力を PR する重要な機会とし な招致活動を展開することが非常に重視された。 しかしながら、FIFA の理念・ミッションを最大 力関係を構築し、FIFA 理事の支援を獲得して行っ 一方、こうした効率を重視した招致活動の中で、 限達成するための要素は多岐にわたる。サッカー たことが推測される。サッカーをきっかけに国全 上記 1.2 に掲げた副次的な成果を最大化するための の未開拓の地で開催することで、サッカーファン 体が動き、国家レベルや地域レベルで交渉が進み、 アプローチが優先された。招致の成功に向けて様々 及びサッカーマーケットの拡大を図ることも重要 結果としてそれが FIFA のミッション達成に貢献す 得票に向けた戦略の遂行とその効果を最大化さ なアプローチが存在する中で、より有効なネット であろうし、過去に開催したことのある地で再度 るのであれば非常に大きな選定理由となりうる。 せる上で、日本としてどれだけの資源を確保し、 ワークが構築され、各界との連携が強化される様 開催することで、FIFA ワールドカップ の新たな魅 FIFA 理事は、FIFA のみならず、所属する大陸連 投資することができるかは大きな課題であった。 な手法を積極的に採用した。 力・価値を開拓することも選択の理由になりうる 盟、所属する国の加盟協会の利益代表者である。 であろう。 彼らにとっては、FIFA のみならず所属する団体に て位置づけられた。 2.1.2 限られた資源と効果の最大化 特に 2002 年大会招致の時代と比較し、日本の経済 TM 環境が大きく落ちこんでいる状況において、招致 FIFA によって提示された評価レポートは重要な おいてサッカーを発展させ、サッカーを通じた社 活動に必要な予算を確保することは非常に困難で 点を示唆していた。それは、評価の基準が「開催に 会貢献を最大限達成することが最も重要な価値基 あった。 伴うリスク」であったと言う点である。従来の慣 準となる。 予算の確保にあたって、 日本サッカー協会(JFA) 例では、評価レポートの内容には明確な評価分析 既に、南アフリカという開催そのものに困難が から法人格を持つ招致委員会に対して 5 億円の補 が反映されていた。開催に伴って見込まれるメリッ 伴う国で成功を収めた FIFA にとって、今回の招致 助金が拠出された。しかしながら、立案された戦 トも考慮された上で「Excellent」 「Very Good」 「Good」 国はすべてにおいて開催自体に困難はなかったと 略を最低限の効果をもって遂行するためには、さ といった総合評価が明示されていた。 言えるのではないだろうか。ロシア及びカタールに 192 193 第 3 部 招致活動の総括と提言 第 2 章 ワールドカップ招致活動の総括 開催地が決まったという事実は、そのことを物語っ 致国がいかに招致活動を展開しているかをさらに て多様である。例えば PR 費に関して言えば、 カター ている。そして、開催能力の有無やその優劣を超 詳細に調査することができれば、招致戦略上より ルは多大な経費をかけていたが、米国はそれほど費 えたところに選定理由が存在したこともまた事実 効果的なアクションをとることができたかもしれ やしていないと思われる。一方で、ロシア以上に と言える。 ない。この点に関しては、さらに活動を充実させ イングランドが多くの予算をかけていたことは、 2022 年大会の招致は結果的に成功しなかった るべきだったと言えるだろう。 その露出量から推し量ることができる。また、ロ が、招致活動の実施に際し予め設定した成果目標 情報収集においては、政府や企業などそれぞれ ビー活動費に関して言えば、米国やイングランド、 に対しどの程度達成できたかについて、以下に総 国際ロビー活動を通じて情報収集を行い、そこ の利益代表者同士が交渉をもって対話することが 韓国等はその活動実績から、渡航費だけでも相当 括する。 から得られた知見を招致戦略全体に随時反映し、適 最も効果的であり、信頼性の高い情報を得ることが な予算を投じていたことがわかる。 宜修正していくことは非常に重要であった。活動 できる。その意味において、サッカー界を中心と 当初の戦略において、日本としてはまずロビー を進めるにあたって重要なのは情報の質である。 して行った交渉による情報収集では不十分であっ 活動を充実させるための予算を積み上げた。招致活 招致活動において最も重視された国際ロビー活 情報量が多くても質が低い場合、それは正確な判 たと言える。報道にある通り、ロシアやカタール 動が最終局面に向かうにつれ、ロビー活動を充実 動において、国際的なサッカーネットワークの強 断材料にはならない。国際ロビー戦略として、誰 は国全体が様々なレベルで交渉を行ったと思われ させる必要性に迫られることを想定した上での予 化・構築はとりわけ重要であったが、 同時に日本サッ が誰から正しい情報を得られるかということは大 る。それらは単にサッカーに関する交渉のみなら 算組みであった。その他の活動については、前述 カー界にとっても中長期的な目標として重視され きなテーマであった。 ず、サッカーをきっかけとした国際交渉にまで発 の戦略どおりの優先順位において予算配分を行っ た。 展するものだった。日本はこの点において、不十 た。 2.2.2 国際ロビー戦略における課題 最も重要な情報源は、日本招致委員会の幹部で あった。投票権をもった FIFA 理事並びに関係者に 分であったと言える。 2.3 活動成果 2.3.1 国際サッカーネットワークの強化・構築 FIFA に対するアプローチには二つの視点があっ PR 活動そのものが、FIFA 理事に対して直接的な た。FIFA 会長や FIFA 事務総長といった、組織の方 対して、サッカー界で広く人脈を持ったメンバー 国全体を挙げた多方面からのロビー活動は一朝 影響を持たないことは予想していたとおりであっ 針策定に大きな影響力を持った役員との関係づく が直接対話することで、信頼性の高い情報を得る 一夕にできるものではない。サッカーに関して、 た。 「PR が不足している」という一般的な認識はあ りと、緻密で膨大な実務作業をこなす FIFA 事務局 ことができる。FIFA 主催大会のみならず、あらゆ 特にワールドカップを招致することに関して、政・ る意味において的確であったが、限られた予算の スタッフとの関係づくりである。FIFA 理事会での る機会を活用してコミュニケーションを増やし、 官・財・学界の理解を得られるように、中長期的 中では 「選択と集中」 に基づいた判断が求められる。 合意形成や方針提案において、FIFA 役員は主導的 信頼関係を築いていくことが求められた。 なスタンスにおいてさらに発信する必要がある。 その意味で、広報露出を FIFA が設けた招致イベン な役割を担う。したがって、FIFA 役員との信頼関 重要な情報を得るためには、FIFA 理事周辺の情 そして、ワールドカップを招致する段階でそれぞ トに集中させ、プロモーションにおいてはターゲッ 係は招致のみならず、今後のサッカー界における 報収集も重要であった。国際部門の担当者は、自身 れの支持を得ることで、国全体を巻き込み機運を トをサッカーファミリーに絞って行った国内 PR 活 国際戦略としても非常に重要となる。 のネットワークを広げ有効活用するのみならず、 盛り上げていかなければならない。 動は効率的に実施できたと言える。 政府の協力を仰ぎ在外公館のネットワークも活用 し、FIFA 理事と直接やり取りするための準備を進 2.2.3 招致活動予算の配分 また、FIFA 事務局スタッフは実務的な完全性を 一方で、海外での広報活動はもう少し早い段階 求められると同時に、物事を円滑に推進する能力が で展開できた。招致ブック提出後から FIFA ワール 問われる。したがって、実務レベルにおいて彼ら めた。 また、 海外コンサルタントを活用することで、 招致活動にかける経費の配分については様々な ドカップ 南アフリカ大会までの間、招致活動に関 との関係づくりは、効果的な情報交換をもたらし、 世界のサッカー界の要人からの情報収集を推進す 考え方が存在する。それは単純に予算規模がどれだ 心の高い海外メディアに対してアプローチするこ 実務の効率化を図る上で非常に重要となる。 るほか、日本の招致活動に対するサポートも得る けかという問題ではない。特に人脈や経験といった とができれば、コンセプトの差別化を積極的に図 今回の招致においては、この二つの視点におい ことができた。 無形の資産をどれだけ備えているかについては、 ろうとしていた日本としては、特に欧州を中心と て、日本は信頼関係を強化・構築できていたと言 容易に予算規模に反映することはできない。 した FIFA 理事関係者への認知度を高めることがで える。 TM FIFA 理事本人や周辺からの情報収集と同時に重 日本の招致活動の予算規模は約 10 億円であっ きたと思われる。南アフリカ大会の熱気が落ち着 FIFA 理事に対しては、すべての理事に対して日 要だったのが、他招致国の活動状況の調査である。 た。2002 年招致活動時と比較すると、活動期間が いた後、招致最終局面に集中して展開した海外で 本のコンセプトを説明し誠意をもって接した一方 今回の招致レースにおいては、2 大会を同時に決定 短いとは言え縮小された予算規模であった。一般的 のプレスブリーフィングでは、想定以上にコンセ で、特定の理事に対してロビー戦略上個別に交渉 することと、招致国のほとんどが FIFA 理事の所属 に報じられている他招致国の予算は、日本と比較 プトに対する高い評価を得られただけに課題とし した。この点において、従来の関係に加えてより する国であったため、各々の招致活動がより複雑で すると数倍から十倍以上に上ると言われている。 て強調したい。 強固な関係を築くことができた理事との新たな関 入り組んだ交渉になることは避けられなかった。 招致活動自体が多岐にわたる事業であるため、 係は収穫と言える。一方、それぞれの FIFA 理事は 今回勝利したロシアやカタールのみならず、他招 どういった活動に経費をかけるかは招致国によっ まったく異なる利害関係を持っており、非常に多 194 195 第 3 部 招致活動の総括と提言 第 2 章 ワールドカップ招致活動の総括 岐にわたる変数をもって、それぞれのパワーバラン る。JFA、地域・都道府県協会、J リーグ、J クラブ、 のみならず、国全体を挙げた機運を高めると言う 界としての新規パートナー開拓のきっかけをもた スが成り立っていた。したがって、今後より密接 J 関連団体、日本プロサッカー選手会をはじめ、広 意味で政府/自治体の協力を仰ぐことは非常に重 らした。長引く経済不況下において、FIFA ワール な交渉を行うためには、サッカー界のみならず国 くサッカーファミリーの支持を得ることとした。 視された。 ドカップTM、ひいてはサッカーの可能性に対する理 を挙げて様々な角度から情報収集を行い、アプロー 次に重要となるのがスポーツ界全体と言う視点 今回の招致活動を通じて、政府との貴重な協力 解を得ることは非常に困難であったが、丁寧な関 である。日本オリンピック委員会(JOC)及び日本 関係をいくつか築くことができた。閣議了解や政 係づくりによって得られた新たなパートナーシッ 各大陸連盟に対しては、各大陸連盟理事会や総 体育協会には、招致委員会メンバーへの参画と言う 府保証に関する政府との折衝や、外務省の協力に プは、サッカー界にとって今後の財産となった。 会の場を活用してプレゼンテーションを行うこと 形で多大なる協力を頂いた。特に JOC とは 2016 年 よる在外公館からの情報提供は、普段のサッカー これらの活動においては、日頃からサッカーを支 で、新たな関係を構築することができた。しかし 東京オリンピック招致に対して協働するとともに 活動を越えた対応であり、その経験はサッカー界 援している日本代表スポンサーを特に優先し、そ ながら、すべての大陸連盟に対して十分なアプロー その経験を共有することができた。また、2019 年 にとっての財産である。また、 招致委員会への大臣・ れらの業種と重複しない企業に対してのみ支援を チができたとは必ずしも言うことはできない。日 ラグビーワールドカップ招致に成功した日本ラグ 副大臣の参画や、FIFA インスペクションの際に総 募った。 本サッカー界として、普段からの関係づくりを役 ビー協会をはじめ、他の競技団体からも協力を仰 理大臣官邸にて催された表敬訪問及び総理大臣主 員レベル及び実務レベルの両面において進める必 ぐことができたことは意義深いと言える。 催ディナー、最終プレゼンテーションでの政府代 学術界からは、招致コンセプトの策定・PR にお 表者の登壇も貴重な実績となった。加えて、招致 いて協力関係を築いた。特に ICT 分野での技術開 活動の最終局面では、超党派による招致推進議員 発に関しては、ヒューマニティ&テクノロジー部会 チすることが課題と言える。 要がある。 FIFA 加盟協会に対しては、 「208 Smiles」に象徴さ 2.3.3 スタジアム等最新国際基準の普及 れる日本の招致コンセプトに沿う形で、従来にない 約 10 年先の FIFA ワールドカップ を招致するこ 連盟が設立され、国会決議を行うにあたって大き に参画した学術界及び産業界のメンバーにより、 情報発信を行うことができた。特に「JFA こころの とで、2002 年大会の遺産であるサッカー環境をさ な支援が得られたこともまた成果として挙げられ 最先端のテクノロジーを提案に盛り込むことがで プロジェクト」と共同で、同プロジェクトの紹介 らに発展させるための機運を醸成できたことは収 る。 きた。これらは従来からのサッカーの枠を超えた DVD を 208 すべての加盟協会に送付したことで、 穫である。具体的には、世界で最高レベルの大会 開催地自治体及びチームベースキャンプを募る 協働作業であり、 「次世代のワールドカップ」を提 新たな広がりを生んでいる。いくつかの協会から を開催するために求められる要件が広く認知され にあたり、自治体の理解と協力は大きな推進力と 案する上で新たな可能性を見出せたと言える。サッ 同プロジェクトに対して関心が寄せられていると たため、スタジアムやトレーニングサイトをはじ なった。2002 年大会のレガシーを貴重な資産とし カー界がさらなる広がりを持つ上で重要な実績と ころであり、これを契機とした今後の新たな展開 めとするサッカー施設が、今後の改修に向けた計 て活用してきた自治体が積極的に参画したことも なった。 が望まれる。 画を具体化するきっかけを得ることができた。 大きな力となったが、なかでも新たなスタジアム TM 2.3.6 メディアとの関係構築 他の招致国協会に対しては、特に招致レースに また、FIFA ワールドカップ 開催に求められる要 建設を表明した大阪市の多大なる協力なくしては おいてフェアにやり取りすることを重視した。激 件をより具体的に理解し、提案に反映する過程を 招致提案条件を満たすことが出来なかった。これ 招致活動を進めるうえで、メディアへの情報発 しい招致レースの中でも相手を貶めることなく競 経たことで、招致活動に求められる準備をサッカー らの重要な実績の中で、サッカー界として自治体 信は重要であった。十分なプロモーション・広告 い合ったことで、新たな信頼関係が生まれている。 界として経験したことも財産と言える。 との関係性をより強固にできたことは大きな成果 予算を確保できない中で効果的な PR を行うために である。 は、メディアを通じてターゲットに正確なメッセー TM 普段からの信頼関係において、ライバル国から有 今後の課題としては、サッカー環境発展の流れ 効な情報を得たり、協力し合ったりできたことは を継続して促進していくことである。それぞれの 中長期的に重要な資産となる。 地域に対して影響力をもった地域・都道府県協会 ジを伝え、十分な理解を得ることが不可欠となる。 2.3.5 財界/学術界との連携強化 国際メディアに対しては、段階的な関係づくり 海外コンサルタントについては、従来から信頼 や J クラブが主導権をもって、よりよいサッカー施 財界を代表して、経済三団体(経団連/経済同 を図った。FIFA イベントに来場する国際スポーツ 関係にある方々に協力を仰いだため、彼らとの信頼 設の充実やサッカーファミリーの拡大を促してい 友会/日本商工会議所)の各代表者が招致委員会 メディアとコンタクトをとることで日本招致の認 関係はより強固なものとなった。また、招致活動 くことが重要となる。FIFA からの情報収集を適時 /招致連絡協議会に参画したことは、大会開催に 知を促し、ウェブサイトやプレスリリース、ワイ を通じて JFA 国際委員会に新たに加わったメンバー に共有するとともに、発展を促していくことが JFA おける財政的な裏づけをアピールする上でも非常 ヤー記事配信、インタビュー等を通じて招致コン もおり、日本サッカー界にとっての資産となった。 に求められる。 に意義深い。FIFA ワールドカップ 招致により大き セプトの認知度向上を図った。招致の最終局面にお な経済効果が得られた 2002 年大会の実績を踏まえ いては世界的に影響力のある欧州プレスが集まる 5 ると、財界による支援は必要不可欠であった。 都市に出向き、メディアブリーフィングを開催し 2.3.2 国内スポーツネットワークの強化・構築 2.3.4 政府/自治体との連携強化 TM 招致活動を進めるにあたって、最も留意した 招致活動において、政府/自治体の支援は不可 一方、招致パートナーを募る活動は、招致活動 た。言語やサッカーマーケットを考慮のうえで選定 のはサッカー界が一体となって取り組むことであ 欠である。招致ブックに盛り込むべき保証や契約 に対する経済的な支援の確保のみならず、サッカー した土地で直にプレゼンテーションを行ったこと 196 197 第 3 部 招致活動の総括と提言 で、主要スポーツメディア、一般メディアとの関 第 2 章 ワールドカップ招致活動の総括 たと算出された。 メディアを通じて日本政府としての積極的な支援 契約を結び、彼らを中心にホテル契約書を必要数 姿勢を広く PR することができた。 確保することとした。出向したスタッフは招致活 係を構築することができた。招致ブック提出前は サ ッ カ ー 界 と し て は、 招 致 活 動 そ の も の が 提案内容を公表しないという戦略上、うまく国際 「JFA2005 年宣言」の具現化に向けた具体的なアク 他の招致国においても積極的な政府要人の関与 動に関して深く理解した上で様々なホテルと折衝 メディアの評価を得ることが難しかったが、最終 ションであり、日本の理念やこれまでの JFA の取り は見られたが、日本サッカー界にとっては 2002 年 を行った。その結果、サッカー界として多くのホ 局面では日本のコンセプトに対する理解が一気に 組みを発信するとともに、大きな目標に向かって邁 大会招致に続く実績として価値がある。また、特 テルと新たな関係を築くことができた。こうした 深まり、手応えのある評価を得ることに成功した。 進していることを広く伝えることができた。また、 に開催地自治体及びチームベースキャンプとして 実績はサッカー界のみならず、世界的なスポーツ 丁寧なコンセプト説明を心がけたことで主要サッ 日本代表チームのみならず、世界トップテンの協 立候補した自治体にとっては、10 年後のスポーツ イベントを招致する上での重要な基盤となるた カーメディアのみならず、一般メディアの興味を 会組織となるべく世界と対峙し、挑戦していく姿 環境を見据えた自治体の政策 PR を行うことと、ひ め、招致活動を通じた成果の一つと言える。 喚起できたことは一定の成果を得たと言える。一 勢を貫いたことも重要なメッセージとなった。加 いては 2002 年大会で整備されたスタジアム環境の FIFA インスペクションは、日本のホスピタリティ 方で、集中して欧州メディアの前に出る時期に関 えて、結果として日本サッカーの現状を世界基準 利用価値をさらに高めることという点において一 の高さを FIFA に直接 PR する機会となった。き しては、数カ月前倒しすべきであったとの反省も に晒すことで、多くの成果と課題を提示すること 助となったのではないだろうか。 め細かいスケジューリングやサービスは来日した 残る。 ができたと言える。 招致アンバサダーとして多くのサッカー関係者 FIFA のメンバーに高く評価された。ホスピタリティ 国内メディアに対しては、スポーツメディアへ さらに、日本サッカー界のみならず、国家とし の協力を得られたことは、日本サッカー界を挙げ 面において協力関係にあったホテルをはじめとす の情報提供をベースとしつつ、主要イベント開催 ての日本を PR する機会を得ることもできた。12 年 た PR という点で重要であった。国際的に知名度の る多くのホスピタリティ業界との連携は、大きな 時には集中してスポーツ一般メディアにも取り上 後のワールドカップを描くことは、サッカー界の 高いメンバーによって国際的なイベントでメディ 実績となった。 げられるよう目指した。特に FIFA インスペクショ みならず世界の未来を見据えたビジョンを提案す アの関心が集められ、また国内的に人気の高いメ ンや各地での PR イベントにおいては自治体や関連 ることに他ならない。必然的に国を挙げた招致レー ンバーによって、国内全体もしくは地域により密 団体の記者クラブなどへの働きかけ、地元メディ スが展開され、サッカー界のみならず国家間の競争 着した場面で積極的な PR が図られた。 アへのアプローチを通じて理解を促した。ここで において堂々と渡り合うことが求められる。これ 招致パートナーは、資金面での協力のみならず、 バーが各業務責任者として実務にあたった。10 年 生まれたネットワークは今後の財産と言えよう。 らの前提において、日本という国の持つ可能性を その協力姿勢は国内外に向けて日本における招致 後のワールドカップ開催を見据えるのみならず、 明確な時間軸において提示することは、国家の PR の価値及び本気度の高さを PR する上で非常に効果 次世代に招致活動という経験を遺すという意図が に貢献したと言えるだろう。 的であった。国内のみならず、海外のメディアで 人員配置に反映された。国内外問わず、通常の業 他には国内外を問わず、テクノロジー関連のメ ディアの関心を集めることが出来た。こうした露 2.3.9 将来を見据えた人材育成 今回の招致活動では、多くの 30 代~ 40 代のメン 出範囲の広がりは、サッカーが一つのスポーツを 事実、欧州都市で行ったプレスブリーフィング も各招致国のスポンサー企業は大きく取り上げら 務では得がたい経験を通じて個人の幅を広げ、培っ 超えて社会的な影響力を持つことを周知させる上 の模様は、主要通信社、主要一般紙・経済紙、スポー れた。こうした露出は、日本招致の本気度を示す た人脈や能力をサッカー界に還元していくことは で重要な実績となった。 ツ紙、オンラインメディア、テクノロジー関連媒体 とともに招致パートナーに対しても国内外での PR 全体的に強く意識されていた。他の招致国と比較 で広く取り扱われ、露出媒体は 100 を超えた。日本 機会を提供することができた。 しても、日本の招致活動に携わるスタッフが全体 2.3.7 広報活動のプロモーション効果 の提案を賞賛する内容が目立ち、従来から評価さ (国内/海外) れている高いイベント運営能力やホスピタリティ 的に若いことは特徴的であった。それらの経験は 2.3.8 ホスピタリティ業界との連携強化 投票権を持つ FIFA 理事が 24 名と限られているこ に加え、創造性の高いアイディア力、先進的な ICT 招致ブックに含まれるべき契約書のうち、最も とから、PR 活動を通じた国際世論の形成は、得票 分野、教育分野に対する問題意識の高さを通じて、 数量の多かったものがホテル契約書である。FIFA に向けた戦略のうえでは必ずしも至上命題ではな 21 世紀に求められる価値観を秘めた国であること ワールドカップTM開催時に確保していなければなら かった。だが国内外の報道を通じた露出そのもの を PR することができたのではないだろうか。 ないホテル客室の数は 60,000 室であり、大会のあ は、招致活動の大きな成果の一つであると言える。 招致活動を通じて、政府/自治体にとっての PR らゆる関係者がその対象に含まれており、それぞ メディア露出の質と量を金額換算することは簡 機会を提供することができた。日本政府としては、 れの対象ごとにホテルに要求するレベルが異な 単なことではないが、少なくとも費用対効果とし 総理大臣による FIFA インスペクショングループの る。各ホテルに対しては 10 年先の大会開催に対す ての価値は非常に高いものであったと言える。例 歓待をはじめ、文部科学大臣による FIFA 会長の表 る理解を得ながら、膨大な数の契約を締結する必 えば、FIFA インスペクション時に得られた国内で 敬訪問、文部科学副大臣による最終プレゼンテー 要があった。そこで招致委員会としては、招致パー の露出効果は、 広告換算額にして 25 億円以上であっ ションでの登壇といった機会によって、国内外の トナーとして提携した旅行代理店とスタッフ出向 198 組織としてのノウハウの蓄積に大いに役立ったと 言える。 199 第 3 部 招致活動の総括と提言 第 3 章 ワールドカップ招致への提言 第 3 章 ワールドカップ招致への提言 3.1 招致立候補に至る条件 備しておく必要がある。 3.1.2 国全体にとってのワールドカップ開催の 今回は、招致という目標に対して成功という所 必要性 期の目的を達成することはできなかった。ここで FIFA にとって決定的な需要が存在しない場合、 は、結果よりもたらされた多くの反省から、招致 次に重要な条件となるのは当該国における国全体 立候補にいたる条件を整理する。 を挙げた推進体制である。開催国となったロシア及 びカタールは、それぞれ国全体を挙げた招致活動を 3.1.1 FIFAにとっての高い需要 行っており、それが結果に結びついたと思われる。 大前提として、FIFA がワールドカップ開催に関 どちらの国も他の招致国に比べてインフラ等に不 してある特定の国に強い希望を示すならば、その 安視される要素を持っていたにもかかわらず招致 対象となる国は非常に大きな優位性を獲得するこ を成功に導いたのは、それらの不安要素を覆すだ とになる。日本が FIFA からそのように位置づけら けの強力な国際ロビー活動を、様々なレベルで行っ れるならば、立候補のための十分条件を満たすこ た成果と言えよう。 とになるだろう。 国を挙げて招致活動に取り組む背景には、開催 しかしながら、今回の招致レースではそこまで に伴う相当のメリットが不可欠である。ワールド の決定的な優位性をもった招致国は存在しなかっ カップの開催を通じて国全体を活性化することに たという事実については注視する必要がある。仮に 価値を見出し、国策として招致を行った場合の推 ロシア、カタールが当初から FIFA が開催を希望す 進力ははかり知れない。そうした意味では、日本 る国だったとしたら、FIFA は 2018 年及び 2022 年 が再び招致活動を行う条件として、国が渇望して 大会の招致を大陸別に区分することもなく、また いるかどうかという指標は非常に重要となる。 オープンに招致することもなかったであろう。招 致国が出揃った後、2018 年を欧州に、2022 年をそ 200 3.1.3 得票を確保するための国際ネットワーク れ以外の大陸に集約していったプロセスからは、 FIFA という組織、及び FIFA 理事という投票権を FIFA が限定された選択肢の中で招致レースをコン 持った代表者に理解を求め、交渉していくために トロールしようとしていたことが伺える。 は、強力なネットワークが必要となる。まずは日 FIFA がワールドカップの開催権を与えるほどに 本サッカー界として、FIFA 理事のポストに席を確 大義名分をもった国は限られてくる。単純に言い 保することが極めて重要である。その立場から得 換えるならば、 「初開催」という大義とともに「大 られる情報や、世界のサッカー界における強力な 規模なサッカー市場拡大」を達成できる国はおの 人的ネットワークを活用した交渉力は招致活動の ずと限定されるであろう。こうした傾向の中にあっ 根幹であり、さらに、それを基盤として国全体の て、日本は再び開催するための条件を見極め、整 支援と連動していかなければ、最終局面で有効な 201 第 3 部 招致活動の総括と提言 交渉はできないと思われる。 次に重要となるのが、アジアという地域での支 第 3 章 ワールドカップ招致への提言 3.2 条件整備のための準備 援確保である。現行のルールでは、4 つある FIFA 理事のポストはアジアサッカー連盟(AFC)内の選 3.2.1 FIFAに対する影響力の確保 FIFA の評価レポートが示すとおり、今回の FIFA ア及びカタールにおいては、大規模なインフラ整 ワールドカップ 招致に伴う政府保証の確保には大 備に対する政府支援が約束されていた。こうした きな困難が伴った。それは、わが国の現行の法制 イベント環境整備に対する積極性は、国全体の招 度においては、開催が決定していないイベントに 致に向けての姿勢を明確に反映している。 TM 挙により選出されるため、それらすべての理事が 前述の通り、FIFA 理事のポストを確保すると同 対し招致の段階で特別な法的措置を保証すること スタジアム環境に関して、日本のスタジアムは アジアを代表する立場にある。しかしながら、今回 時に、アジアからの支援を確保することが FIFA に はできないことに起因する。この点については、 2002 年大会当時の環境から大きな進展を見せてい の招致レースにあったように、アジアという地域 対する影響力を確保する上での前提となる。FIFA 日本のみならず他の先進国でも同様のシステムが ない。それらは、時代の需要に応じた改修を都度 内で招致国を絞込むことができなかったため、AFC 理事からの票を確保するためには、アジア諸国の 多いが、招致に成功したロシア及びカタールは、 実施し、スタジアムの価値向上を図っているイン 選出の FIFA 理事からの支持が分散してしまったこ 協会と一体になり、全方位的にロビー活動を行う 政府の全面的なバックアップによって政府保証が グランドや米国の後塵を拝していると言えよう。 とは理想的ではない。したがって、FIFA 理事とい 必要がある。 確保されていた。FIFA によって公表された評価レ その点においても、日本招致は積極的な姿勢を押 し出すことができなかったと言える。 うポストをアジアの代表として確保するのみなら 日本サッカー界としては、FIFA 理事のポストを ポートによると、政府保証に伴うリスクに関して ず、アジア全体からの支持を得ることが非常に重 確保すると同時に、そのネットワークを脈々と受 は米国、オランダ/ベルギーは中程度とされてお 今回の招致活動では、2002 年大会招致時と比 要となる。それらの前提として、日本の支持基盤 け継いでいくための人材登用及び育成プランが必 り、それ以外の招致国はすべて低程度と評価され 較して経済的な支援を得難い状況にあったと言え となる東アジアサッカー連盟(EAFF)との信頼関 須となる。サッカー界においては、権威的もしく ていた。 る。しかしながら、こうしたスポーツ環境の充実 係を構築していくことは必須である。 は実務的な立場を問わず、ともに汗をかいて協力 政府保証を確保するためには、日本政府の理解 に対して継続的な議論や検討がなされていれば、 日本サッカー界として、FIFA 理事国のみならず した実績が支持される傾向にある。日本サッカー と協力が不可欠であるばかりでなく、国民全体の 招致をきっかけに計画が具体化し、環境整備が実 FIFA 理事に影響を与えるその周辺諸国のサッカー のみならず、東アジア、アジア全体、他の大陸の 理解と合意形成が重要である。そして、日本政府 現されるような機運がさらに高まったのではない 界と良好な関係を構築することもまた重要であ サッカー界と組織を代表する立場で協力関係を築 よる政府保証への柔軟な対応を引き出すために だろうか。 る。招致目的に端を発した関係づくりは、中長期 いていくことで、その個人のみならず日本サッカー は、FIFA ワールドカップ を開催することが国全体 的に築き上げられた信頼関係には敵わない。強固 全体の信頼につながり、確固たる信頼関係を築い 及び国民に対して多大な好影響をもたらすことが なパートナーシップをベースとして、初めて有益 ていくことができる。個人レベルで生まれた信頼 広く認識されなければならない。2002 年大会の実 な情報交換及び交渉を行うことができる。招致活 関係から貴重な人脈がつながり、組織として受け 績は今回の招致活動においても大きな影響力をも FIFA ワールドカップTM開催の価値は時代によって 動を優位に進められるだけの国際ネットワークを 継いでいくことで日本サッカー界に還元されるよ たらし、日本政府の協力を得る上で非常に有効で 異なる。2002 年大会は、日本の歴史上最多のサッ 保持しているかどうかは、招致に立候補する時点 うなサイクルを広げていくべきである。最終的に あった。しかしながら、FIFA ワールドカップTM開催 カーファンが世界中から日本に集結したという点 での大きな判断基準となる。 それらの積み重ねがアジア、ひいては FIFA に対す に求められる FIFA の要求水準が 2002 年大会時と比 と、FIFA 史上初めての 2 か国共同開催により、日 る影響力を強くしていく。 べて高くなっており、政府保証に求められる条件 韓の交流が劇的に盛んになったという点において を満たすためには、さらに踏み込んだ対応が求め 非常に意義深いワールドカップであった。しかし、 られた。したがって、今後も継続して FIFA ワール 再び日本でワールドカップを開催する時代には、 ドカップ の招致を目指すサッカー界にとっては、 2002 年大会とは異なった新たな需要と供給が生ま 3.1.4 招致活動を通じて得られるメリット 招致活動を通じて得られるメリットについて見 定めることは重要である。招致の成否を問わず得 3.2.2 FIFAワールドカップTM開催に対する国全 体を挙げた支援の獲得 TM TM サッカー界として、スポーツ界として、日頃か らこうした準備を周到に重ねていく必要がある。 られるメリットが立候補の時点でどこまで見込め サッカー界における国際的なネットワークを充 政府による一層の支援を得るため、不断の努力を れ、新たな意義の創出が求められるであろう。今 るか、もしくは招致に立候補するという事実を他 実させる一方で、日本国内におけるサッカーに対 重ねていく必要がある。そして、日本国中がワー 回の招致活動では、10 年先の世界情勢の中で日本 の局面において有効活用できるかといった要素を する理解と支援、ひいてはスポーツ界全体に対す ルドカップを渇望するような機運を醸成しなけれ が打ち出していくべきスタンスを提示していった 網羅的に整理する必要がある。 特に、 得られるメリッ る理解と支援を獲得していくことが極めて重要で ばならない。 が、次のワールドカップ招致のタイミングには、 トが非常に大きい場合は、招致活動に勝機を見出 ある。再びワールドカップ招致のチャンスが訪れ スタジアムをはじめとするスポーツ施設の充実 さらに異なる価値観に基づき新たなワールドカッ しづらいとしても招致活動を戦略的に活用するこ た際に、国全体の支援が得られなければ、招致に もまた、国内の機運を醸成する上で非常に重要で プ像の提示が求められるだろう。したがって、日 とも視野に入れるべきである。 勝利することは非常に困難である。今回の招致活 ある。今回の招致レースにおいても、スタジアム 本サッカー界は、今後 10 年先、20 年先を見据えな 動で課題となった点を事前に十分精査し、解消し 建設に対して政府や自治体が積極的な支援を見せ がら、 新たなワールドカップの、 ひいては新たなサッ ていくための準備が必要である。 る招致国が数多く存在した。招致に成功したロシ カーの価値を提示していくことで、日本全体に支 202 203 第 3 部 招致活動の総括と提言 第 4 章 日本サッカー界への提言 援の輪を広げていくことが必要となる。 3.2.3 招致活動資金の調達 招致活動には相当の資金が必要となる。今回 第 4 章 日本サッカー界への提言 の招致活動は日本サッカー界が中長期的に積み立 て、拠出した原資をもとに立ち上げられた。今後、 資金の調達の面においても将来を見据えたプラン が必要となる。 現行の FIFA ルールに基づくと、日本が次にワー ルドカップを招致できるのは 2034 年大会となる。 大会の 8 年前に開催国が決定し、招致プロセスに 2 FIFA ワールドカップTM 招致活動を通じて得られ た多くの成果と課題は、日本サッカー界の通常の 活動と密接に関わっている。ここでは、招致活動 という視座から日本サッカー界への提言を整理す 会が終了し、アジアで 2 回目のワールドカップに 対する印象が残る中で、もう一度アジアでの開催 を目指すことになる。 こうした見通しに基づけば、今後 10 年間である 程度の自主財源を確保することが重要となる。今 回の招致活動の経験を踏まえると、FIFA 理事及び アジアとの協力関係を確保するための資金、及び FIFA の規定する招致プロセスにおける必要経費と いった招致活動そのものにかかる経費は最低限確 保されなければならない。一方で、今後 10 年間に おいて、国内外での日本招致への理解や協力を得 ていくための活動経費も同様に重要となる。最終 的には、国及びアジア全体を巻き込んだ招致活動 に発展させていくことが望まれる。 招致活動という観点で「JFA2005 年宣言」に立ち 返ったとき、FIFA ワールドカップTM開催の意義につ る。 いて、再度、検証する必要があることを認識する。 年間を要すると仮定するならば、2024 年には次の 招致機会が訪れることになる。2022 年カタール大 4.2 ワールドカップ開催意義の再 検証 4.1 「JFA2005 年宣言」の意義 FIFA ワールドカップTMを開催するということは何を 意味するのであろうか。 FIFA ワールドカップTMは世界最高峰のスポーツイ 今回の FIFA ワールドカップTM 招致は、 「JFA2005 ベントであり、世界最大の祭典である。その大会 年宣言」で約束された目標を達成するためのアク を再び開催しようとする国には何が求められるだ ションであった。しかしながら、その宣言の中で ろうか。今回の招致活動からもわかるとおり、開 謳われている理念・ビジョンを具現化するための 「約 催インフラや運営能力などの面だけではなく、サッ 束」を達成することで、すべての人々と「どのよ カー界として、また国として世界と対等に渡り合 うな」喜びを分かち合うことができるのかについ える総合力が必須である。すなわち、国全体の支 て、より掘り下げて議論をする必要がある。 持を得ていることはもちろん、所属する地域や大 サッカーを愛する仲間を増やし、FIFA ワールド 陸に支持基盤があり、FIFA 理事の理解を得るだけ カップ を開催し、日本代表チームが優勝すること のネットワークをもったサッカー界を目指さなけ の意義をもっと明確にしていかなければ、その約 ればならない。そこに到達するためには、対象別 束を達成するための推進力を得ることは難しい。 に明確な戦略をもってアプローチすることが必須 今回の招致活動では国全体の支援を十分に確保で となる。 TM きなかったことから、 「JFA2005 年宣言」の意義が そして、これこそが FIFA ワールドカップTM 開催 広く理解されることの必要性が確認されたと言え の意義ではないだろうか。つまり、開催へ向けた る。 準備そのものがサッカーの発展につながる方向性 を探求する作業であり、FIFA ワールドカップTMの開 催に向けたプロセスこそが、 「JFA2005 年宣言」に 謳われた「約束」の意図するところであり、より 具体的に提示すべきメッセージと言える。 204 205 第 3 部 招致活動の総括と提言 的なネットワークを深めることができる。具体的な 4.3 国際戦略への提言 機会としては、日本代表による親善試合の開催や、 サッカー協会間での社会貢献といった活動が挙げ 招致の成功に国際的な信頼関係やネットワーク られる。 が必須であることは前述の通りであるが、日本サッ 上記のような国際戦略は、FIFA ワールドカップTM カーの総合力を高めると言う点でも、国際戦略は 開催へ向けた総合力強化と言う観点で重要と言え 重要な位置付けにある。以下では、国際戦略につ る。 いてのいくつかの具体的な取り組みを提言する。 一つ目に、 世界でトップ 10 の組織と思われるサッ カー大国の状況を把握・比較し、 サッカーファミリー 4.4 サッカー界の発展に向けて に向けて積極的に発信することである。招致活動を はじめ多くの国際的な場面において感じられるの サッカー界として前述の総合力を高めること は、日本サッカー界に対する評価は意外と海外には は、FIFA ワールドカップTM開催にとって必要条件で 知られていないという現状である。他の国の優れた あって十分条件ではない。しかしながら、FIFA ワー 点を積極的に吸収し、不足するところを改善してい ルドカップTM開催を目指してサッカー界を総合的に くためには、積極的に現状をサッカー先進国と比較 発展させるというプロセスには、多くの人々にサッ していくことが必要であり、それが良い刺激となっ カーの楽しみを提供すると同時に、ワールドカッ ていく。一方で、アジアのモデル協会として位置 プ開催という夢を共有するという機能が含まれて づけられていることからもわかるとおり、日本サッ いる。 カー界が他に秀でている部分も発信する必要があ 夢を共有しながらサッカーを楽しめるような仲 るだろう。サッカーファミリーが誇りをもって、 間を増やすことこそが、FIFA ワールドカップTM開催 さらなる高みを目指すことは非常に重要である。 の意義であり、 「JFA2005 年宣言」の真意であると 二つ目に、FIFA ワールドカップTM 以外の FIFA 主 言えよう。 催大会や AFC 主催大会を積極的に招致することで 「夢があるから強くなる」というスローガンにさ ある。ワールドカップではなくとも、カテゴリー らなる重みを加えられれば、本報告書の期すとこ 別の大会や AFC 主催大会を開催することで、日本 ろである。 の運営能力の高さを PR するだけではなく、大会と いう場を活用して国際ネットワークの強化・構築 や、当該カテゴリーの日本代表チームの強化・育 成等を効果的に図ることができる。事業として許 容できる経済的なバランスが取れるのであれば、 こうした機会は積極的に活用すべきである。 三つ目に、サッカーを通じた外交機会を積極的 に創出することである。特に FIFA 理事国やアジア での支持基盤となる国々と接点がある場合には、 政府レベルのみならず企業レベルでの外交機会を 提供していくことで、サッカーを支援することの 価値を高めるとともに、サッカー界としての国際 206 資料集 1.用語集 1.用語集 AFC(The Asian Football Confederation) アジアサッカー連盟。FIFA(国際サッカー連盟) に加盟する 6 つの大陸連盟の一つ。1954 年設立、 加盟協会数は 46。本部はマレーシア/クアラルン プール。会長はモハメド・ビン・ハマム(FIFA 理事、 カタール) 。 ネットを通じて Freeviewpoint Vision(フリービューポ イント・ビジョン : 自由視点映像)が視聴できるほ か、50 ヶ国語対応の自動翻訳機能、デジタルチケッ チングシステム、電子マネー、スタジアム観戦 AR (Augmented reality)サポートなどの機能が搭載さ れ、各種サービスの利用が可能になるとされた。 CAF(Confederation of African football) FIFA インスペクション アフリカサッカー連盟。 FIFA (国際サッカー連盟) に加盟する 6 つの大陸連盟の一つ。1957 年設立、 加盟協会数は 54。本部はエジプト。会長はイッサ・ ハヤトゥー(FIFA 副会長、カメルーン) 。 American and Caribbean Association Football) 北中米カリブ海サッカー連盟。FIFA(国際サッ カー連盟)に加盟する 6 つの大陸連盟の一つ。1961 年設立、加盟協会数は 40。本部は米国/ニューヨー ク。会長はジャック・A・ワーナー(FIFA 副会長、 トリニダード・トバゴ) 。 FIFA ワールドカップTM 招致立候補国に FIFA の調 査団を派遣し、大会の開催運営に必要なスタジア ム、トレーニングサイト、宿泊施設、輸送インフ ラなどを調査するもの。調査に際しては、招致立 候補国から提出された開催契約等の契約書類を含 む 「 招致ブック 」 をあらかじめ仔細に分析、示さ れた内容に齟齬がないかを実地に調査することに より、当該国の開催運営能力を評価する。調査結 果は、「 招致ブック 」 の分析結果とともに、後日、 「 評価レポート 」 としてまとめられ、FIFA 理事に提 出される。開催国決定の投票権を持つ 24 名の FIFA 理事は、この 「 評価レポート 」 を参考に投票行動 をとるとされている。 CONMEBOL(The South American Football FIFA コンフェデレーションズカップ CONCACAF(Confederation of North, Central Confederation) 南米サッカー連盟。FIFA(国際サッカー連盟)に 加盟する 6 つの大陸連盟の一つ。1916 年設立、加 盟協会数は 10。本部はパラグアイ/アスンシオン。 会長はニコラス・レオス(FIFA 理事、パラグアイ) 。 FIFA(Fédération Internationale de Football Association) 国際サッカー連盟。サッカーの国際統括団体で、 1904 年に設立。傘下にアジアサッカー連盟 (AFC) 、 アフリカサッカー連盟(CAF) 、北中米カリブ海 サッカー連盟(CONCACAF) 、南米サッカー連盟 (CONMEBOL) 、 オセアニアサッカー連盟(OFC) 、 欧州サッカー連盟(UEFA)の 6 つの大陸連盟があ る。加盟協会数は 208。本部はスイス/チューリヒ。 会長はジョゼフ・S・ブラッター(スイス) 。 FIFA CSR(Corporate Social Responsibility)活動 FIFA が実施する社会貢献活動で、社会発展のた めにサッカーの力を利用し、現地組織の世界的ネッ トワークをサポートすることを目的とする。健康 増進、平和構築、子供の権利と教育、差別禁止、 社会的統合ならびに環境保護をサポートする、FIFA により展開されるイベント、活動及びプログラム を意味する。2010 年 FIFA ワールドカップTM南アフ リカ大会では、 Football for Hope(希望のためのサッ カー) 運動、 20 Centres for 2010(2010 年に向けた 20 施設)、 Education for All(万人のための教育) な どのキャンペーンを実施した。また、2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致においても、大会の開催 を通じた CSR 活動の提案を「招致ブック」に示す ことが求められた。 FIFA Hyper Application(FIFA ハイパーアプ リケーション) 日本が提案したモバイル端末の形態で、インター FIFA が主催するナショナルチームによる国際 サッカー大会で、各大陸連盟が開催する大陸選手 権の優勝チームが出場する。FIFA ワールドカップTM の前年に、次回 FIFA ワールドカップTM 開催国で開 催され、各大陸の代表のほか開催国、その他招待 国の 8 チームによって行われる。日本は 2001 年に、 2002 年 FIFA ワールドカップTMのプレ大会として韓 国と共同開催した。 FIFA 総会 FIFA の最高議決体で、FIFA 会長の選出、FIFA ワー ルドカップTMの大陸別出場枠などの重要事項が決定 される。原則として年 1 回開催され、各加盟協会 から 3 名が出席することができる。FIFA ワールド カップTM 開催国は、開催年の FIFA 総会開催が義務 付けられている。 FIFA パートナー FIFA が展開する最も包括的なグローバル・スポ ンサーシップ権のパッケージ、 及び FIFA と FIFA ワー ルドカップTM等の大会に対する最高レベルの商業的 結びつきを FIFA が付与する、または付与している 組織。2010 年現在、アディダス、コカコーラ、エ ミレーツ、ヒュンダイ、ソニー、ビザの 6 社が FIFA パートナーとなっている。 FIFA 評価グループ(FIFA Evaluation Group) FIFA が設置するグループで、FIFA ワールドカップ 招致立候補国の開催能力を調査・分析し、 「FIFA 評価レポート」を取りまとめることを目的とする。 2018/2002 年 FIFA ワールドカップTM 招致では、FIFA インスペクション団長を務めたハロルド・メイン ‐ニコルズ氏(チリ協会会長(当時) )が責任者となっ た。 TM 209 資料集 FIFA 評価レポート(FIFA Evaluation Report) FIFA ワールドカップTM招致立候補国の開催能力を 調査・分析した報告書。評価の対象は、 開催契約書、 政府保証等を含む「招致ブック」 、及び FIFA インス ペクションによる大会運営インフラ等の調査・分析 結果に基づくとされる。 FIFA ファンフェスト FIFA ワールドカップTMの開催都市または開催国内 のその他の場所に設置された、1 つまたは複数の巨 大スクリーンでファンが試合を観ることができ る、警備が完備した公式ブランドエリア。FIFA ファ ンフェスト会場は、FIFA の管理区域下におかれ FIFA が運営する。FIFA ファンフェストのほかに、 開催国以外の都市で同様に展開するインターナ ショナル FIFA ファンフェスト(IFFF)がある。 FIFA 理事会 FIFA における最高の内部執行機関。会長を含め、 各大陸連盟から選出された 24 名の理事によって構 成される。FIFA ワールドカップTM開催国の決定権を 持つ。 FIFA ワールドカップTM FIFA が主催するナショナルチームによる世界選 手権大会で、男子サッカーの大会としては最高峰 に位置づけられる。4 年に 1 度、夏季オリンピック の中間年に開催される。出場チームは 32 チーム。 開催国と各大陸連盟の予選を通過した 31 チームが 出場する。日本は、2002 年 FIFA ワールドカップTM を韓国と共同開催した。 Freeviewpoint Vision(フリービューポイント・ ビジョン) 日本が提案した超臨場感技術を用いた自由視点 映像。スタンド内 360 度に設置された 200 個の 8K 高精細カメラが、ピッチ上の選手一人一人の動き やボールの動きあらゆる角度から捕らえる。制作 された映像は、スタジアム内の大型映像システム やファンフェストのパブリック・ビューイングに 映し出すほか、テレビ放送、インターネットを通 じた配信も可能とされた。 Full Court 3D Vision(フルコート・スリー・ ディー・ビジョン) 日本が提案した超臨場感技術を用いた 3D 映像シ ステムで、平置き型の巨大ディスプレイの平面上 に、ピッチ全体を立体的に映し出す。立体映像は 360 度どの角度からも、特殊なメガネをかけること なしに裸眼で観ることができ、ファンフェスト会 場の規模に応じたサイズのディスプレイに映し出 すことができるとされた。 IBC(International Broadcast Center) 大会開催に際し、当該組織委員会が設置する公 式の国際放送センター。大会の模様を全世界にテ レビ中継するための放送関係者のための施設で、 ホストブロードキャスターが運営し、放送ライセ 210 1.用語集 ンシーなど世界中のテレビ放送関係者が活動の拠 点とする。FIFA ワールドカップTM では開催国内に 1ヶ所設置することが求められる。 IFA(International Football Arena) 国際的なフットボールビジネスイベント。国際 的なフットボールビジネス関係者のほか、各国のメ ディアが参加する。2010 年 10 月 25 日・26 日にス イス・チューリヒで行われた IFA では、日本の招致 プレゼンテーション及び招致討論会が行われた。 IFFF(International FIFA Fan Fest) FIFA が大会の開催国以外の都市で展開するファ ンフェスト。2010 年 FIFA ワールドカップTM南アフ リカ大会では、 ローマ (イタリア) 、 パリ (フランス) 、 シドニー(オーストラリア)など、世界の各都市 で開催された。IFFF では大型映像システムにより 試合が観戦できる他、FIFA パートナーの商業ディ スプレイエリア等が設けられる。 JFA(Japan Football Association) 財団法人日本サッカー協会。日本国内における サッカーの統括団体で、1921 年に設立。アジアサッ カー連盟(AFC)及び国際サッカー連盟(FIFA)に 加盟。傘下に地域サッカー協会及び都道府県サッ カー協会がある。本部は東京/ JFA ハウス。会長は 小倉純二(FIFA 理事) 、名誉総裁は高円宮妃久子殿 下。 JFA2005 年宣言 日本サッカー協会(JFA)が 2005 年に定めた、 2050 年までの中長期における指針。この中の「JFA の約束 2050」 に、 「 (2050 年までに) FIFA ワールドカッ プを日本で開催し、日本代表チームはその大会で 優勝チームとなる」との目標が掲げられており、 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致の出発点と なった。 208 Kids Dream Japan Tour(208 キッズ・ ドリーム・ジャパン・ツアー) FIFA CSR 活動の一貫として日本が提案した次世 代育成活動の一つ。大会期間中、208 の国と地域か ら約 6,000 人の子供たちをワールドカップ親善大使 として日本に招待。広島、長崎の各都市を訪問す るなど、世界の平和について学ぶとともに国際的 な友情を育むことを目的とする。 208 Kids Dream Workshop(208 キッズ・ド リーム・ワークショップ) FIFA CSR 活動の一貫として日本が提案した次世 代育成活動の一つ。大会期間中、世界中に設置し た Universal Fan Fest in 208 Nations(ユニバーサル・ファ ンフェスト・イン 208 ネーションズ)で、インター ネットを通じて子供たちが参加するプログラム。世 界の平和や環境、将来の夢について語り合うほか、 世界中のサッカープレーヤーを講師に、JFA こころ のプロジェクトの国際版を展開する。 208 Kids Dream 基金(208 キッズ・ドリーム 基金) FIFA CSR 活動の一貫として日本が提案した次世 代育成活動の一つ。2022 年 FIFA ワールドカップTM の日本開催が実現した場合、大会後も 208 Kids Dream Workshop 等のプロジェクトを持続的に実施す るため、JFA 出資による基金を設立するとした。 OFC(Oceania Football Confederation) オセアニアサッカー連盟。FIFA(国際サッカー連 盟)に加盟する 6 つの大陸連盟の一つ。1966 年設 立、加盟協会数は 11。本部はニュージーランド/ オークランド。会長はレイナルド・テマリー(FIFA 副会長、タヒチ) 。 208 Smiles(208 の笑顔) 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致のコンセ プト。日本が提案する「次世代ワールドカップ」 の実現により、世界中の人々とワールドカップの 感動と喜びを分かち合い、世界の隅々にいたるま で笑顔がいきわたるワールドカップとするとし た。208 は、FIFA に加盟する協会数であり、すべて の国と地域を意味している。 UEFA(Union of European Football Associations) 欧州サッカー連盟。FIFA(国際サッカー連盟)に 加盟する 6 つの大陸連盟の一つ。1954 年設立、加 盟協会数は 53。本部はスイス/ニヨン。会長はミッ シェル・プラティニ(FIFA 副会長、フランス) 。 Universal Fan Fest in 208 Nations(ユニバー サル・ファンフェスト・イン 208 ネーションズ) 日本の提案の一つで、従来のインターナショナ ル FIFA ファンフェストを拡大して、FIFA に加盟す る 208 の国と地域のすべて、世界約 400 ヶ所で展開 するファンフェスト。平置き型の巨大ディスプレ イにピッチ全体を立体的に映し出す、超臨場感技 術を用いた 3D 映像システムを導入するとした。 オフィシャル招致パートナー 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致に際し、 日本招致委員会が設定した協賛カテゴリー。日本 招致の意義に賛同し、協賛金を拠出した企業 19 社 によって構成。2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 招致国では、最多の協賛企業数となった。協賛期 間は、契約締結時から 2010 年 12 月末日。権利行使 可能地域は国内のみとされた。 開催契約 FIFA ワールドカップTMの開催と実施について詳細 を定めた契約書。開催地組織委員会(LOC)による FIFA への拘束力のある、取り消し不能な申し込み となり、FIFA が連署したところで、LOC の主要な 権利と義務を定めることになる。招致契約におい て FIFA が提示するテンプレートに完全に準拠した 形で、招致ブックの一部として招致委員会が FIFA に提出することとされた。 開催地自治体 FIFA ワールドカップTMの開催都市として、当該自 治体内における大会開催の意志を表明し、FIFA の 提示する開催都市契約に署名・提出した自治体。 開催地指定チームトレーニングサイト 開催地指定ホテルと対になるトレーニングサイ トを意味し、チームは当該開催都市内における次の 試合のためのトレーニングを行うことができる。 開催地指定チームホテル チームベースキャンプ以外のチームホテルを意 味し、チームは次の試合の前夜、及びプレー開始 時間の遅い試合に関しては当該試合後の夜に当該 ホテルに宿泊する義務を負う。 開催都市契約 開催地組織委員会(LOC)と開催都市(開催地 自治体)が締結する契約で、FIFA ワールドカップTM 開催都市としての自治体のすべての権利及び義務 が記載されている。 コマーシャルアフェリエイト FIFA パートナー、FIFA ワールドカップ・スポン サー(FIFA パートナーに次ぐ 2 番目の包括的スポ ンサーシップ権パッケージを付与された団体)ま たはナショナルサポーター(開催国内限定のスポン サーシップ権を付与された法人)など、FIFA また は大会に関するマーケティング権、スポンサーシッ プ権、放送権、ライセンス権その他の商権を付与 されているあらゆる組織。 招致アンバサダー 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致の「顔」 として、日本開催の意義を国内外に積極的にアピー ルすることを目的に設置。FIFA、各大陸連盟、海外 メディアに対して情報発信を行うとともに、日本 国内のメディア及び国民一般に対し招致機運の醸 成を図った。元日本代表監督、現役選手など 33 名 が就任した。 意思表明書(招致意思表明フォーム) FIFA がワールドカップ招致に関心を寄せる各国 協会に対し、招致意志の確認を行うため所定の書 式により意思表明を求めるもの。2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM招致においては、2009 年 2 月 2 日 までに提出することが求められた。 招致契約 FIFA と招致委員会との間で締結される契約。こ の契約により、招致委員会は FIFA に対し招致ブッ ク等の招致書類を提出することを約す。 招致ブック 招致契約書及び招致登録書の条件に従い、加盟 協会と招致委員会が FIFA に対し提出する文書。そ の本文には、招致契約書で定められる招致ブック 情報テンプレートなどの情報が含まれ、かつその 211 資料集 1.用語集 付属文書として開催契約が盛り込まれる。 招致プロセス FIFA ワールドカップTM の開催国を決定するため に、FIFA が「招致登録書」に定めた各種手続き及 びスケジュール。 招致登録書 FIFA ワールドカップ の招致意思表明フォームを 提出した加盟協会の、招致プロセスへの参加登録 を意味し、これにより加盟協会は、加盟協会が遵 守すべき定め、手続き、条件及び要件への無制限 の同意を表明することとなる。 TM スタジアム契約 FIFA と開催国組織委員会(LOC) 、及び FIFA ワー ルドカップTMにおいてスタジアムとして使用するこ とが予定されるスタジアムの所有者/経営者との 間で締結されるスタジアム枠組み契約。FIFA ワー ルドカップTMに関して予定されるスタジアムの所有 者/経営者の主たる権利と義務の全枠組み及び概 略が記載され、招致契約において FIFA が提示する テンプレートに完全に準拠した形で、招致ブック の一部として FIFA に提出される。 政府宣言 FIFA ワールドカップTMの招致ならびに開催国にお ける大会の開催及び実施に対する支援を示す招致 国の最高政府執行機関の長が発出する宣言を意味 し、招致契約において FIFA が提示するテンプレー ト宣言に完全に準拠した形で、招致ブックの一部 として FIFA に提出される。 政府保証 合法的に当該保証を行う能力を有する開催国の 主務大臣または政府当局の長が付与することを求 められる 8 項目からなる保証を意味し、招致契約 において FIFA が提示するテンプレート宣言に完全 に準拠した形で、招致ブックの一部として FIFA に 提出される。 チームベースキャンプ FIFA ワールドカップTMの期間中に、チームの本部 として機能し、かつ、専用のトレーニングサイト と宿泊施設がセットになったチームホテル。 チームベースキャンプ自治体 FIFA ワールドカップTM の期間中(期間前後を含 む)に、チームの本部として機能し、かつ、専用 のトレーニングサイトと宿泊施設がセットになっ たチームホテルを有し、チームの誘致を希望する 自治体。 チームホテル チームが FIFA ワールドカップTM の期間中に宿泊 する、チームベースキャンプに付帯するホテル及 び開催地指定チームホテルの総称。 212 抽選会 FIFA ワールドカップTM 及び FIFA コンフェデレー ションズカップに関連する抽選会(本大会抽選会: FIFA ワールドカップTMの決勝大会において、チーム をグループに振り分ける抽選セレモニー、予選抽 選会:FIFA ワールドカップTMの大陸別予選において チームをグループに振り分ける抽選セレモニー、 及び FIFA コンフェデレーションズカップ組み合わ せ抽選会:参加チームをグループごとに振り分け る抽選セレモニーなど)を意味する。 トレーニングサイト FIFA ワールドカップTM に出場するチームが、ト レーニングを行うための開催国内のトレーニング に使用されるスタジアム施設。敷地の上空、常設 及び臨時の駐車場、メディア用エリア、商業ディ スプレイ地域などが含まれる。トレーニングサイ トには、チームベースキャンプトレーニングサイ トと開催地指定トレーニングサイトが含まれる。 トレーニングサイト契約 開催地組織委員会(LOC)とトレーニングサイ ト所有者/経営者との間で締結される契約。トレー ニングサイト所有者/経営者の主たる権利及び義 務の枠組み及び概略が記載され、FIFA が提供する テンプレートに完全に準拠した形で、招致ブック の一部として FIFA に提出される。 ヒューマニティ & テクノロジー部会 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致に際し、 大会理念・コンセプト及び大会構想の策定など、 大会のグランドビジョン構築を専門的な見地から 支援することを目的に、日本招致委員会の諮問機 関として設置。 ブロードキャストコンパウンド FIFA が決定するスタジアム内周部またはスタジ アム外周部内の立ち入り制限区域を意味し、当該 区域内において、ホストブロードキャスターまた は放送ライセンシーは、放送権に関するコンテン ツ等の制作、 及び放送権の活用、 実施を目的として、 技術装置及び中継車を置くことができる。 ホスピタリティビレッジ スタジアム外周部内、または FIFA ファンフェス ト等のサイト近くに臨時に設けられた、ホスピタ リティプログラムを提供するための施設。施設内 には招待客が試合までの時間を過ごすことのでき るレストラン等の施設が設けられる。 ホスピタリティボックス スタジアム内のホスピタリティ目的で使用され る各部屋、特定観覧席またはエリアを意味し、大 会に際し FIFA が指定する。ピッチが良く見える限 定数のシート及び大会期間中使用するその他の企 業ホスピタリティ関連のインフラが含まれる。 ホストブロードキャスター FIFA の放送権に従い、テレビ放送コンテンツ等 の制作に関するサービスを提供することを、FIFA から指名された団体。 ホテル契約 FIFA ワールドカップTMの開催に際して使用される 宿泊施設について、招致委員会または開催地組織 委員会(LOC)と、開催国内のホテルとの間で締結 される契約。招致段階で客室提供の仮契約を締結 することが要求される。 メディア席 当該スタジアム内で開催される試合を報道する ためにメディア代表者専用の FIFA が指定するスタ ンドの一部。開幕戦及び決勝戦では、机、電力、 インターネットアクセス、テレビモニターの付き メディア席 1,000 席、 机なしメディア席 1,000 席、 シー トカメラマン席 100 席が要求される。 メディアセンター(スタジアムメディア センター) FIFA ワールドカップTMの開催に際して開催地組織 委員会(LOC)が設置する、メディアのための作業 スペース。開幕戦及び決勝戦開催スタジアムにお いては 6,000 ㎡のスペースが要求される。 法律意見書 招致ブックの一部として FIFA に提出される、専 門家としての最高の評価を有する現地の弁護士に よる法律的意見書。開催契約書、開催都市契約書、 スタジアム契約書、政府宣言、及び政府保証など の招致文書が、招致国において十分に法的拘束力 を有し、かつ強制可能であるか、当該文書が担当 当局により合法的に署名及び発行されているか否 かを確認する。法律意見書は、招致契約において FIFA が提供するテンプレートに完全準拠した形で 招致ブックの一部として FIFA に提出される。 放送ライセンシー 放送権利者。FIFA から放送権を付与されたテレ ビ局等の放送関係者。 213 資料集 2.招致活動年表 2.招致活動年表 年 2007 月日 12.20 7.12 12.11 ~ 21 1.22 2.2 2.18 3.12 3.16 4.16 5.7 5.8 5.25 5.30 ~ 6.4 招致意思表明フォームを FIFA に提出 招致意思表明フォーム提出締切 7.8 ~ 10 7.11 7.25 8.14 214 9.9 9.11 9.13 9.14 9.15 9.18 9.24 ~ 10.16 2018/2022年の2大会合わせて、 アジア連盟:5 カ国、欧州連盟: 共催 2 グループ 4 カ国・単独 2 カ国、北中米カリブ海連盟:2 カ国が立候補の意思を表明 9.25・27 9.29・30 9.30 10.2 10.4 10.8 10.10 10.30 FIFA 総会 / 理事会〈5.30 ~ 6.3: バハマ) FIFA コンフェデレーションズ カップ開催 ( 南アフリカ) 10.24 ~ 11.15 11.10 11.13 ~ 15 第 22 回参議院議員通常選挙 都道府県協会「全国専務理事会 議」にて、 「日本国内での招致 関連手続きの説明及び誘致の関 心表明」を発信 2015/2019 年ラグビーワールド カップ開催国決定 招致委員会規約 / 内部規則草案 提出期限 招致委員会の動き 海外(FIFA)の動き 2019 年ラグビーワールドカッ プ日本開催決定 スルガ銀行チャンピオンシップ ( 大分) 第 45 回衆議院議員選挙 2018/2022 年 FIFA ワールドカッ 犬飼委員長、ブラッター FIFA プTM 日本招致委員会 ( 委員長: 会長訪問 ( チューリヒ・FIFA 本 犬 飼 基 昭 JFA 会 長 ) 設 立 を 部) FIFA に報告 ブラッター会長、旭日大綬章勲 章伝達式 ( スイス日本大使公邸) 「日本国内での招致関連手続き の説明及び誘致の関心表明」応 募締切 2018/2022 年 FIFA ワールドカッ プTM日本招致委員会法人登記完了 ブラッター会長来日 ブラッター会長 JFA メディカ ルセンター落成式出席 開催地自治体、チームベース キャンプ自治体の募集開始 招致委員会設立期限 FIFA U-20 ワールドカップ開催 ( エジプト) 自治体、都道府県協会向けに開 催地自治体、チームベースキャ ンプ自治体の募集説明会を開催 FIFA 理事会 ( ブラジル・リオデ ジャネイロ) 招致マーク提出・承認締切 2016 年オリンピック開催国決 定 ブラッター会長、ワールドカッ プの開幕戦及び決勝会場は収容 8 万人以上とするとの条件に、 必ずしもこだわらない考えを示 す 2018/2022 年 FIFA ワールドカッ プTM日本招致委員会設立記者発 表 (JFA ハウス) 日本 vs. スコットランド代表戦 にて、アトムがワールドカップ 招致活動を PR 開催地自治体「意向表明書」提 出締切 FIFA U-17 ワールドカップ開催 ( ナイジェリア) 招致実行本部幹部会 スペインサッカー協会 100 周年 記念式典に田嶋本部長が出席 FIFA ビーチサッカーワールド カップ開催 (UAE・ドバイ) 11.22 ~ 25 田 嶋 本 部 長、 グ ロ ン ド ー ナ FIFA 上 級 副 会 長 (AFA 会 長 ) 、 レオス FIFA 理事 (CONMEBOL 会長 ) を表敬訪問 11.25 ~ 27 CONMEBOL 理事会 ( パラグア イ) FIFA 理事会 ( 南アフリカ・ケー プタウン) 本選抽選会において、招致 PR 2010 年 FIFA ワールドカップ本 イベント メディア・エクスポ 選抽選会 ( 南アフリカ・ケープ 出展(南アフリカ・ケープタウン) タウン) 12.4 JFA メディカルセンター落成式 挙行 アジアチャンピオンズリーグ決 勝 ( 東京・国立競技場) 11.16 ~ 22 12.3 国内(政府・開催候補 自治体等)の動き 立候補国個別ワークショップ参 加 ( チューリヒ・FIFA 本部) 11.9 FIFA コンフェデレーションズ カップ オブザーバーズプログ ラム参加 立候補国対象ワークショップ参 加 ( チューリヒ・FIFA 本部) 8.5 8.24 ~ 26 9.8 AFC 総会 7.28 月日 8.3 9.7 第 2 回 FIFA ワールドカップ招 致検討委員会 FIFA ワールドカップ招致検討 委 員 会 の 元 に FIFA ワ ー ル ド カップ招致本部 ( 統括:田嶋幸 三専務理事)を設置 2018/2022 年 FIFA ワールドカッ プ TM 及 び 2017/2021FIFA コ ン フェデレーションズカップの招 致登録フォームを FIFA に提出 第 3 回 FIFA ワールドカップ招 致検討委員会 招致契約書・開催契約書受領 第 4 回 FIFA ワールドカップ招 致検討委員会 FIFA総会 (バハマ) オブザーバー 出席 年 2009 FIFA クラブワールドカップ開 催(日本) FIFA 理事会(東京:2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM ホス ト国を 2010 年 12 月に同時決 定することを決定) 6.14 ~ 28 6.20・21 国内(政府・開催候補 自治体等)の動き FIFA ワールドカップ招致検討 委員会 ( 委員長:小倉純二 JFA 副会長)の設置を決定 第 1 回 FIFA ワールドカップ招 致検討委員会 犬飼基昭 JFA 会長就任 12.19・20 2009 海外(FIFA)の動き FIFA 理事会 ( チューリヒ:FIFA ワールドカップTMホスト国の大 陸ローテーション方式を、2018 年大会以降廃止すること、及び 前 2 大会のホスト協会が所属す る大陸連盟は当該大会の招致を 行えないことを決定) 10.29・30 11.8 2008 招致委員会の動き 215 資料集 2.招致活動年表 年 2009 月日 12.8 12.9 12.10 12.10 ~ 20 2010 1.8 招致委員会の動き 2018/2022 年 FIFA ワールドカッ プTM日本招致が閣議了解される 招致契約書を FIFA に提出 招致実行本部幹部会 1.22 1.27 1.28 1.29 1.31 2.8 2.12 ~ 28 2.15 2.26 2.26 3.2 ~ 5 3.5 ~ 7 3.16 3.22 ~ 28 3.26 3.31 4.2 4.5 4.16 216 年 2010 月日 4.16 4.20 ~ 29 開催地自治体、チームベース キャンプ自治体の募集締切 CAF アフリカネーションズカッ プ開催 ( アンゴラ) 招致実行本部幹部会 11 開催候補都市 (13 スタジア ム) 、64 チームベースキャンプ の正式申請書を受理 犬飼委員長、ビジャル・スペイ ン連盟会長 (FIFA 副会長 ) と会 談。スペインサッカー連盟と パートナーシップ協定締結(JFA ハウス) 招致アンバサダー (7 名 ) が決 定 オフィシャル招致パートナー (6 社 ) を発表 開催地自治体、チームベース キャンプの正式申請書を日本招 致委員会に提出 5.3 5.11 CAF 総会 ( アンゴラ) 田 嶋 本 部 長、CAF 総 会、CAF アフリカネーションズカップ 出席。ハヤトゥー FIFA 副会長 (CAF 会長 ) を表敬訪問 招致実行本部幹部会 第 1 回 2018/2022 年 FIFA ワ ー ルドカップTM 日本招致委員会・ 招致連絡協議会開催 ( ホテル オークラ東京) 開催地自治体及びチームベー スキャンプ自治体が提出する FIFA 契約書類の提出締切 J リーグクラブ選手が招致アン バサダーに就任 田嶋本部長、サッカーレックス (英国・マンチェスター)に参 加 5.17 5.17 5.17 5.31 招致委員会の動き 海外(FIFA)の動き オフィシャル招致パートナー(3 社)を発表 犬飼委員長、南米の FIFA 理事 を訪問 4 月 21-22 日: グ ロ ン ド ー ナ FIFA 理 事・ デ ル ー カ CONMEBOL 専務理事(アルゼ ンチン・ブエノスアイレス) 4 月 23 日:レオス FIFA 理事(パ ラグアイ・アスンシオン) 4 月 26 日:テイシェイラ FIFA 理事(ブラジル・リオ・デ・ジャ ネイロ) 4 月 27 日:アベランジェ FIFA 名誉会長(ブラジル・リオ・デ・ ジャネイロ) 犬飼委員長、川端達夫文部科学 大臣と FIFA ブラッター会長を表 敬訪問。2022 年大会の招致に専 念するとコメント (FIFA 本部) 第 2 回 2018/2022 年 FIFA ワ ー ルドカップTM日本招致委員会開 催。招致ブックの承認、及び招 致活動の 2022 年大会一本化の 承認 ( ホテルオークラ東京) ニュースレター 「208 Smiles」Vol.2 発刊 6.3 6.6 IFAB( 国際サッカー評議会) 6.6・7 6.7 FIFA 理事会 ( チューリヒ・FIFA 本部) 6.8 招致ブック・開催契約書提出。 招 致 ブ ッ ク 提 出 セ レ モ ニ ー 犬飼委員長ら招致ブック提出セ ( チューリヒ・FIFA 本部) レモニーに出席 招致ブック提出後記者説明会開 催 (JFA ハウス) 招致実行本部幹部会 「 ワールドカップを日本へ!」 トークバトル in 大阪開催 「 ワールドカップを日本へ!」 トークバトル in 豊田開催 横浜市が「2022 年 FIFA ワール ドカップTM 日本招致イベント in 横浜」を開催 「 ワールドカップを日本へ!」 トークバトル in 埼玉開催 「 ワールドカップを日本へ!」 トークバトル in 札幌開催 FIFA 理事ホテル及び FIFA 理事 会会場周辺にて各 FIFA 理事に 挨拶 オフィシャル招致パートナー(1 社)を発表 CONCACAF 総会にて招致プレ ゼンテーション実施 6.9 UEFA 総会(イスラエル・テル アビブ ) AFC 理事会 ( マレーシア・クア ラルンプール) 6.9・10 国内(政府・開催候補 自治体等)の動き 川端達夫文部科学大臣、犬飼 JFA 会長と FIFA ブラッター会 長を表敬訪問 6.2 犬飼委員長、小倉副委員長 (FIFA 理事) 、プラティニ FIFA 理事 (UEFA 会長 ) と会談 ( チューリ ヒ・FIFA 本部) 犬飼委員長、ワラウィ FIFA 理 事と会談 ( タイ・バンコク) 田嶋本部長、UEFA 総会に出席 ( イスラエル・テル アビブ ) オフィシャル招致パートナー(6 社)を発表 LOC 登記謄本提出期限 ニュースレター 「208 Smiles」Vol.1 発刊 招致実行本部幹部会 トリーズマン FA( イングランド 協会 ) 会長が、小倉 FIFA 理事 を訪問 5.13 5.14 冬季オリンピック開催 ( カナダ・ バンクーバー) 3.18・19 3.20 国内(政府・開催候補 自治体等)の動き 政府、FIFA ワールドカップの 日本招致を閣議了解 FIFA クラブワールドカップ開 催 ( アブダビ) 1.10 ~ 31 1.12 1.14 海外(FIFA)の動き FIFA 総会にて各 FIFA 理事に挨拶 犬飼委員長、田嶋専務理事がレ フカリティス FIFA 理事 ( キプロ ス ) に挨拶 犬飼委員長、田嶋専務理事がレ オス FIFA 理事にプレゼント贈呈 犬飼委員長、田嶋専務理事がメ イン‐ニコルズ (FIFA インスペク ションチームリーダー)に挨拶 丸山本部長がサルゲロ FIFA 理事、 アヌマ FIFA 理事、レオス FIFA 理事に挨拶 FIFA 理事会 ( 南アフリカ・ヨハ ネスブルグ) CONCACAF 総会 ( 南アフリカ・ ヨハネスブルグ) AFC 臨時総会(南アフリカ・ ヨハネスブルグ) FIFA 総会 ( 南アフリカ・ヨハネ スブルグ) 217 資料集 2.招致活動年表 年 2010 月日 6.10 招致委員会の動き 6.15 6.16 6.21 6.24 6.28 ~ 7.1 7.9 田嶋専務理事、ドーグ FIFA 理 事(ベルギー ) と面会 濱口エグゼクティブアドバイ ザー、レフカリティス FIFA 理 事 ( キプロス ) と面会 濱口エグゼクティブアドバイ ザー、アボ・リダ FIFA 理事 ( エ ジプト ) と面会 ニュースレター 「208 Smiles」Vol.3・4 発刊 オフィシャル招致パートナー(1 社)を発表 オブザーバーズプログラム ( 南 アフリカ・ヨハネスブルグ) 10.8 7.25 小倉純二 JFA 会長就任、併せ て 2022 年 FIFA ワールドカッ プTM日本招致委員会委員長に就 任 サッカーレックス参加(シンガ ポール) AFC 理事会にて招致プレゼン テーション実施 7.28・29 7.30 10.22 10.26 10.28・29 FIFA U-20 女子ワールドカップ 開催 ( ドイツ) FIFA インスペクション(7.19 ~ 9.17) 8.22 8.31 9.16 9.21 9.24 218 FIFA インスペクションチーム が訪れる 7 月 19・20 日の両日、 通天閣をブルーにライトアップ 11.11 ~ 13 欧州主要記者ブリーフィング実 施(ミラノ) 208 Kids Dream Mini tour 実施 フットボールビジネスイベント(イ ンターナショナル・フットボール・ アリーナ)参加( チューリヒ) ニュースレター 「208 Smiles」Vol.8 発刊 開催国決定投票方法の決定 (FIFA 理事会) 「 ワールドカップを日本へ!」 トークバトル in 東京開催 ニュースレター 「208 Smiles」Vol.6 発刊 アジアチャンピオンズリーグ決 勝 ( 東京・国立競技場) FIFA 評 価 レ ポ ー ト 概 要 版 を FIFA.com 上に公開 FIFA 倫理委員会開催、FIFA 理 事 2 名及び FIFA 役員 4 名の処 分を発表 11.24 11.25 サッカーレックス参加 ( リオデ ジャネイロ) AFC 理事会 ニュースレター 「208 Smiles」Vol.9 発刊 11.25・26 11.29 静岡県が静岡ダービー(清水 VS. 磐田戦)で招致 PR 活動 11.29 12.1 日本VS. パラグアイ代表戦(横浜) FIFA U-17 女子ワールドカップ 開催 ( トリニダード・トバゴ) 招致実行本部幹部会 FIFA 理事会 ( チューリヒ:FIFA 評価レポートの提示、開催国決 定投票方法の決定) 11.13 11.20 ~ 24 ユースオリンピックゲーム ( シ ンガポール) キリンチャレンジカップ2010 日本VS.アルゼンチン代表戦(埼玉) 招致実行本部幹部会 第 3 回 2018/2022 年 FIFA ワ ー ルドカップTM日本招致委員会開 催 招致イベント「ワールドカップ を日本に!」出陣式開催 11.18 AFC 理事会 ( マレーシア・クア ラルンプール) 12.2 12.7 12.7 国内(政府・開催候補 自治体等)の動き 英紙サンデー・タイムズが開催 国投票に関わる FIFA 理事の不 正疑惑を報道 FIFA 倫理委員会開催、FIFA 理 事 2 名の暫定資格停止を決定 11.17 ニュースレター 「208 Smiles」Vol.5 発刊 9.4 9.5 ~ 25 9.6 9.7 9.9 11.8 11.10 スルガ銀行チャンピオンシップ ( 東京・国立競技場) 8.14 ~ 24 10.23・24 10.25・26 海外(FIFA)の動き ニュースレター 「208 Smiles」Vol.7 発刊 招致実行本部幹部会 欧州主要記者ブリーフィング実 施(マドリッド) フットボールビジネスイベント (リーダーズ・イン・フットボー ル)参加 ( ロンドン) キリンチャレンジカップ 2010 の開催される埼玉スタジアムで 招致グッズ販売 10.20 8.4 8.6 招致委員会の動き 10.17 田嶋専務理事、マクディ FIFA 理事 ( タイ)との昼食会開催 FIFA ワールドカップ南アフリ カ大会・電通ガラパーティにお いて、ブラッター FIFA 会長は じめ各 FIFA 理事と会談 FIFA インスペクションチーム 日本訪問 9.29 10.6・7 大阪市の小学生 45,000 人が招 致メッセージを招致委員会に届 ける 7.19 ~ 22 月日 10.4 10.4 2010 年 FIFA ワールドカップ南 アフリカ大会開催 7.13 ~ 8.1 年 2010 7.1 7.8 国内(政府・開催候補 自治体等)の動き 招致国エキシビション ( 南アフ リカ・ヨハネスブルグ ) に出展 6.11 ~ 7.11 6.15 海外(FIFA)の動き 招致国最終プレゼンテーション ( チューリヒ) 開催国決定 ( チューリヒ) 招致実行本部幹部会 招致記者報告会開催 (JFA ハウス) CONMEBOL 理事会 英国国営放送 BBC が FIFA 理事 4 名に関する不正疑惑を報道 FIFA 女子ワールドカップ抽選 会(フランクフルト) FIFA 理 事 会 (12.1・2: チ ュ ー リヒ) 日本VS.グアテマラ代表戦(長居) オフィシャル招致パートナー(1 社)を発表 オフィシャル招致パートナー(1 社)を発表 欧州主要記者ブリーフィング実 施(ロンドン) 欧州主要記者ブリーフィング実 施(パリ) 219 資料集 3.開催地自治体・スタジアム、チームベースキャンプ自治体・トレーニングサイト 3.開催地自治体・スタジアム、チームベースキャンプ自治体・トレーニングサイト 3.1 開催地自治体・スタジアム 自治体名 札幌市(北海道) 茨城県 埼玉県 東京都 横浜市(神奈川県) 新潟県 静岡県 豊田市(愛知県) 大阪市(大阪府) 神戸市(兵庫県) 大分県 スタジアム名 札幌ドーム 茨城県立カシマサッカースタジアム 埼玉スタジアム 2 ○○ 2 東京スタジアム(味の素スタジアム) 国立霞ヶ丘競技場 横浜国際総合競技場(日産スタジアム) 新潟スタジアム(東北電力ビッグスワンスタジアム) 静岡スタジアム(エコパスタジアム) 豊田スタジアム 大阪エコ・スタジアム(仮称) 大阪市長居陸上競技場 ユニバー記念競技場 大分スポーツ公園総合競技場(大分銀行ドーム) ※ ( ) 内は自治体の所在都道府県 3.2 チームベースキャンプ自治体・トレーニングサイト 自治体名 網走市(北海道) 札幌市(北海道) 札幌市(北海道) 遠野市(岩手県) 花巻市(岩手県) 仙台市(宮城県) 秋田市(秋田県) にかほ市(秋田県) 山形県 / 天童市 福島県 / 楢葉町 / 広野町 小美玉市(茨城県) 鹿嶋市(茨城県) 神栖市(茨城県) つくば市(茨城県) ひたちなか市(茨城県) 水戸市(茨城県) 習志野市(千葉県) 成田市(千葉県) 川崎市(神奈川県) 相模原市(神奈川県) 長野市(長野県) 松本市(長野県) 糸魚川市(新潟県) 十日町市(新潟県) 長岡市(新潟県) 金沢市(石川県) 御殿場市(静岡県) 静岡市(静岡県) 沼津市(静岡県) 藤枝市(静岡県) 豊田市(愛知県) 伊勢市(三重県) 飛騨市(岐阜県) 大津市(滋賀県) 長浜市(滋賀県) 守山市(滋賀県) 堺市(大阪府) 吹田市(大阪府) 220 トレーニングサイト名 網走スポーツ・トレーニングフィールド 札幌サッカーアミューズメントパーク 白旗山競技場 遠野運動公園陸上競技場 花巻市スポーツキャンプむら 仙台スタジアム(ユアテックスタジアム仙台) 高槻市(大阪府) 神戸市(兵庫県) 奈良県 和歌山県 出雲市(島根県) 益田市(島根県) 広島市(広島県) 香川県 徳島県 今治市(愛媛県) 西条市(愛媛県) 新居浜市(愛媛県) 松山市(愛媛県) 高知県 北九州市(福岡県) 福岡市(福岡県) 島原市(長崎県) 長崎県 長崎市(長崎県) 熊本県 / 熊本市 佐伯市(大分県) 日田市(大分県) 豊後大野市(大分県) 別府市(大分県) 指宿市(鹿児島県) 霧島市(鹿児島県) 高槻市立萩谷総合公園サッカー場 / 高槻市立総合スポーツセンター ホームズスタジアム神戸 奈良県立橿原公苑陸上競技場 紀三井寺公園陸上競技場 出雲健康公園 島根県立サッカー場 広島広域公園陸上競技場 香川県立丸亀競技場 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム 桜井海浜ふれあい広場 / 上浦多々羅スポーツ公園 ひうち陸上競技場 / 東予運動公園球技場 新居浜市営サッカー場(グリーンフィールド新居浜) ニンジニアスタジアム 高知県立春野総合運動公園 新設予定のスタジアム 博多の森球技場(レベルファイブスタジアム) 島原市営陸上競技場 / 島原市営平成町多目的広場 長崎県立総合運動公園新陸上競技場(仮称) 長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場 熊本県民総合運動公園陸上競技場 佐伯市総合運動公園 鯛生スポーツセンター サンスポーツランドみえ / 豊後大野市三重総合グラウンド 実相市サッカー競技場 / 野口原総合運動場 指宿いわさきホテル サッカー場 霧島市国分運動公園(陸上競技場・多目的グラウンド) ※ ( ) 内は自治体の所在都道府県 ※「 / 」による併記は連名による立候補の意 秋田市八橋運動公園球技場 仁賀保グリーンフィールド 山形県総合運動公園 J ヴィレッジ (仮称)小美玉スポーツシューレ公園 鹿嶋市高松緑地公園多目的球技場 神栖市若松運動場 フットボールスタジアムつくば ひたちなか市総合運動公園陸上競技場 ケーズデンキスタジアム水戸 / 水戸市立サッカー・ラグビー場 習志野秋津サッカー場 サウンドハウス・スポーツセンター内 プレイテック・スタジアム 川崎市等々力陸上競技場 相模原麻溝公園競技場 南長野運動公園総合運動場 総合球技場 松本平広域公園総合球技場(アルウィン) 美山陸上競技場 当間多目的グラウンド 長岡ニュータウン運動公園 金沢市民サッカー場 御殿場市陸上競技場 清水ナショナルトレーニングセンター 静岡県愛鷹広域公園 多目的競技場 藤枝総合運動公園サッカー場 豊田スタジアム 伊勢市朝熊山麓公園フットボール場 飛騨市古川ふれあい広場 皇子山陸上競技場 神照運動公園(長浜市多目的競技場) 野洲川歴史公園サッカー場 堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター ガンバ大阪練習場 221 資料集 4.2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 組織体制 4.2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 組織体制 4.2 招致委員会実行本部 組織体制 4.2.1 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会実行本部組織図(2009.11.2 ~) 4.1 招致委員会 組織体制 招致委員会 一般財団法人2018/2022年 FIFAワールドカップTM日本招致委員会 実行本部 理事会 理事 / 本部長 シニア アドバイザー 実行本部 チーフ ダイレクター アシスタント 2022 年 FIFA ワールドカップTM 言語対応 日本招致委員会 セクレタリー CSR 部門 招致連絡 協議会 ヒューマニティ & テクノロジー 部会 国際部門 政府 / 自治体部門 プロモー ション 招致 アンバサダー 招致ブック コミュニケー ション部門 事業部門 報道対応 マーケ ティング 宿泊 / 輸送部門 経理部門 4.2.2 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会実行本部組織図(2010.9.1 ~) 招致委員会 実行本部 エグゼクティブ ダイレクター 本部長 シニア アドバイザー チーフ ダイレクター アシスタント 翻訳対応 国際部門 宿泊 / 輸送部門 セクレタリー 政府 / 自治体部門 招致ブック 分析 222 コミュニケー ション部門 プロモー ション 事業部門 広報 経理部門 マーケ ティング 223 資料集 5.日本招致委員会関係 名簿 5.日本招致委員会関係 名簿 5.1 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 名簿(2010 年 10 月 14 日現在) 役 職 委員長 特別顧問 顧問 副委員長 委員 氏 名 小倉 純二 麻生 渡 岡村 正 金子 万寿夫 川端 達夫 古賀 伸明 五本 幸正 桜井 正光 髙木 義明 竹田 恆和 野村 弘 藤原 忠彦 森 民夫 森 喜朗 米倉 弘昌 岡野 俊一郎 鬼武 健二 川淵 三郎 大東 和美 鈴木 寛 大仁 邦彌 田嶋 幸三 有馬 利男 内山 斉 加藤 壹康 轡田 隆史 畔柳 信雄 清水 正孝 下妻 博 髙嶋 達佳 高橋 治之 中鉢 良治 豊田 章男 中島 勇一郎 広瀬 道貞 細谷 英二 ポール・ハーディスティ 村井 純 柳井 正 ※敬称略、役職別に五十音順 ※所属 / 役職は当時 所属 / 役職 国際サッカー連盟/理事 財団法人日本サッカー協会/会長 全国知事会/会長 日本商工会議所/会頭 全国都道府県議会議長会/会長 2022 年 FIFA ワールドカップ招致推進議員連盟/会長 日本労働組合総連合会/会長 全国市議会議長会/会長 公益社団法人経済同友会/代表幹事 文部科学大臣 財団法人日本オリンピック委員会/会長 全国町村議会議長会/会長 全国町村会/会長 全国市長会/会長 財団法人日本体育協会/会長 社団法人日本経済団体連合会/会長 財団法人日本サッカー協会/最高顧問 財団法人日本サッカー協会/名誉副会長 財団法人日本サッカー協会/名誉会長 財団法人日本サッカー協会/副会長 社団法人日本プロサッカーリーグ/チェアマン 文部科学副大臣 財団法人日本サッカー協会/副会長 財団法人日本サッカー協会/副会長兼専務理事 富士ゼロックス株式会社/相談役 社団法人日本新聞協会/会長 キリンホールディングス株式会社/取締役会長 文筆家 株式会社三菱東京 UFJ 銀行/取締役会長 東京電力株式会社/取締役社長 住友金属工業株式会社/代表取締役会長 株式会社電通/代表取締役社長 株式会社電通/顧問 ソニー株式会社/取締役 代表執行役 副会長 トヨタ自動車株式会社/代表取締役社長 クリムゾンフィーニクス株式会社/代表取締役・マネージン グパートナー 社団法人日本民間放送連盟/会長 株式会社りそなホールディングス/会長 株式会社りそな銀行/会長 アディダスジャパン株式会社/代表取締役 慶應義塾大学/環境情報学部長兼教授 株式会社ファーストリテイリング/代表取締役会長兼社長 5.2 2018/2022 年 FIFA ワールドカップ ™ 招致連絡協議会 名簿(2010 年 10 月 14 日現在) 役 職 会員 氏 名 市原 則之 岡崎 助一 中川 浩明 中村 利雄 中村 芳夫 南雲 弘行 前原 金一 芳山 達郎 上田 文雄 橋本 昌 上田 清司 石原 慎太郎 林 文子 泉田 裕彦 川勝 平太 鈴木 公平 平松 邦夫 矢田 立郎 広瀬 勝貞 ※敬称略、開催地自治体からの会員以外のメンバーは五十音順 ※所属 / 役職は当時 所属 / 役職 財団法人日本オリンピック委員会/専務理事 財団法人日本体育協会/専務理事 全国知事会/事務総長 日本商工会議所/専務理事 社団法人日本経済団体連合会/副会長・事務総長 日本労働組合総連合会/事務局長 公益社団法人経済同友会/副代表幹事・専務理事 全国市長会/事務総長 札幌市/市長 茨城県/知事 埼玉県/知事 東京都/知事 横浜市/市長 新潟県/知事 静岡県/知事 豊田市/市長 大阪市/市長 神戸市/市長 大分県/知事 5.3 ヒューマニティ & テクノロジー部会、及び協力者 名簿 氏 名 所 属 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 ヒューマニティ & テクノロジー部会 村井 純 ヒューマニティ & テクノロジー部会部会長/慶應義塾大学環境情報学部 学部長 竹内 郁雄 東京大学名誉教授 稲見 昌彦 慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 江渡 浩一郎 独立行政法人 産業技術総合研究所 高橋 克己 NTT 情報流通プラットフォーム研究所 リーダー 森 祐治 株式会社 シンク ヒューマニティ & テクノロジー部会協力者 安藤 広志 独立行政法人 情報通信研究機構 けいはんな研究所 飯田 啓之 株式会社 ムロドー 井之上 直己 独立行政法人 情報通信研究機構 けいはんな研究所 植村 弘洋 日本電気株式会社 C&C イノベーション研究所 榎並 和雅 独立行政法人 情報通信研究機構 けいはんな研究所 圓道 知博 名古屋大学大学院 工学研究科 及川 道雄 株式会社 日立製作所 システム開発研究所 勝本 道哲 独立行政法人 情報通信研究機構 ユニバーサルメディア研究所センター クロサカ タツヤ 株式会社 企 小池 崇文 株式会社 日立製作所 システム開発研究所 小池 英樹 電気通信大学大学院 情報システム学研究科 斎藤 英雄 慶應義塾大学理工学部 情報工学科 酒澤 茂之 株式会社KDDI研究所 超臨場感通信グループ 三功 浩嗣 株式会社KDDI研究所 超臨場感通信グループ 谷本 正幸 名古屋大学大学院 工学研究科 土肥 健純 東京大学 情報理工学系研究科 永森 昌志 株式会社 音力発電 パナヒプラ テヘラニ メヒルダド 名古屋大学大学院 工学研究科 速水 浩平 株式会社 音力発電 山田 敬嗣 日本電気株式会社 C&C イノベーション研究所 廖 恩洪 東京大学 工学系研究科 ※敬称略、ヒューマニティ & テクノロジー部会協力者は五十音順 ※所属 / 役職は当時 224 225 資料集 5.日本招致委員会関係 名簿 5.4 招致アンバサダー 名簿(2010 年 11 月現在) 氏 名 イビチャ・オシム ギド・ブッフバルト ジーコ ドラガン・ストイコビッチ フィリップ・トルシエ 中村 俊輔 長谷部 誠 本田 圭佑 森島 寛晃 岡田 武史 アルベルト・ザッケローニ パトリック・エムボマ 中山 雅史 藤田 俊哉 宮本 恒靖 渡辺 広大 長谷川 悠 小笠原 満男 鈴木 啓太 藤本 主税 平山 相太 谷口 博之 渡邊 千真 村松 大輔 千葉 和彦 岩下 敬輔 大井 健太郎 吉村 圭司 柳沢 敦 藤ヶ谷 陽介 羽田 憲司 佐藤 寿人 井上 裕大 ※敬称略、順不同 5.5 オフィシャル招致パートナー 名簿 スポンサー 所 属 元日本代表監督 元浦和レッズ監督 元日本代表監督 名古屋グランパス監督 2002 年 FIFA ワールドカップ日本代表監督・現 FC 琉球総監督 日本代表・横浜 F・マリノス 日本代表・VfL ヴォルフスブルグ 日本代表・CSKA モスクワ セレッソ大阪アンバサダー 元日本代表監督 日本代表監督 元カメルーン代表 コンサドーレ札幌・日本プロサッカー選手会名誉会長 ロアッソ熊本・日本プロサッカー選手会会長 ヴィッセル神戸 2006 年ドイツワールドカップ日本代表チームキャプテン ベガルタ仙台 モンテディオ山形 鹿島アントラーズ 浦和レッズ 大宮アルディージャ FC 東京 川崎フロンターレ 横浜 F・マリノス 湘南ベルマーレ アルビレックス新潟 清水エスパルス ジュビロ磐田 名古屋グランパス 京都サンガ F.C. ガンバ大阪 セレッソ大阪 サンフレッチェ広島 大分トリニータ ロゴマーク 朝日新聞社 アディダス ジャパン株式会社 キリンホールディングス株式会社 近畿日本ツーリスト株式会社 産経新聞社 株式会社 JTB グローバルマーケティング&トラベル スカパー JSAT 株式会社 株式会社 TBS テレビ 株式会社テレビ朝日 株式会社テレビ東京 凸版印刷株式会社 西鉄旅行株式会社 日清オイリオグループ株式会社 ※所属 / 役職は当時 日本経済新聞社 日本航空 日本テレビ放送網株式会社 ぴあ株式会社 株式会社フジテレビジョン 株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ) 寄付金・助成団体 寄付金:トヨタ自動車株式会社 226 227 資料集 6.2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 定款 6.2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 定款 定 款 第3章 第1章 総 則 (名称) 第1条 当法人は、一般財団法人2018・2022年FIFAワールドカップ日本招致委員会 と称し、英文では2018・2022 FIFA World Cup Japan Bid Committeeと称す る。 (主たる事務所の所在地) 第2条 当法人は、主たる事務所を東京都文京区本郷三丁目10番15号JFAハウス 3階に置く。 (目的) 第3条 当法人は、2018年もしくは2022年FIFAワールドカップ(以下、 「大会」 )の 日本招致を実現することを目的とする。 (事業) 第4条 当法人は、前項の目的を達成するため、次の事業を行う。 1.大会招致のための総合計画に関すること 2.大会招致に必要な経費に関すること 3. 大会招致に必要な渉外に関すること 4.大会招致のための広報活動に関すること 5.その他招致のために必要と認める事項に関すること (公告方法) 第5条 当法人の公告は、主たる事務所の掲示板に掲示する。 第2章 資産及び会計 (剰余金の分配制限) 第6条 当法人は、設立者その他の者に対し、剰余金の分配をすることができない。 (事業年度) 第7条 当法人の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。 228 評議員及び評議員会 (評議員) 第8条 当法人に評議員を3名以上置く。 (評議員の資格) 第9条 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号、以 下「一般社団・一般財団法」という。 )第65条第1項に規定する者は、評議 員になることができない。 2.評議員はこの法人又はその子法人の理事、監事又は使用人を兼ねることがで きない。 (評議員の選任及び解任) 第 10 条 評議員の選任及び解任は、 財団法人日本サッカー協会の理事会の決議によっ て行う。 2.財団法人日本サッカー協会は、前条で定める評議員の定数を欠くこととなる ときに備えて、補欠の評議員を選任することができる。 3.前項の場合には、財団法人日本サッカー協会は、次の事項も併せて決定しなけ ればならない。 ①当該候補者が補欠の評議員である旨 ②当該候補者を1人又は2人以上の特定の評議員の補欠の評議員として選任 するときは、その旨及び当該評議員の氏名 ③同一の評議員(2以上の評議員の補欠として選任した場合にあっては、当該 2以上の評議員)につき2人以上の補欠の評議員を選任するときは、当該 補欠の評議員相互間の優先順位 4.第2項の補欠の評議員の選任に係る決議は、当該決議後4年以内に終了する事 業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで、その効力を有 する。 (任期) 第 11 条 評議員の任期は、 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関 する定時評議員会の終結の時までとする。 2.任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期は、退 任した評議員の任期の満了する時までとする。 3.評議員は、第8条に定める定数に足りなくなるときは、任期の満了又は辞任 により退任した後も、新たに選任された者が就任するまで、なお評議員として の権利義務を有する。 229 資料集 6.2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 定款 (評議員に対する報酬等) 第 12 条 評議員は無報酬とする。 2. 評議員には、 その職務を行うために要する費用の支払いをすることができる。 (評議員会の構成) 第 13 条 評議員会は、すべての評議員をもって構成する。 (評議員会の権限) 第 14 条 評議員会は、次の事項及び一般社団・一般財団法に規定する事項に限り決 議することができるものとする。 ①理事及び監事の選任及び解任 ②理事及び監事の報酬等並びに評議員、 理事および監事の報酬等の支給基準の 承認 ③計算書類等の承認 ④定款の変更 ⑤事業の全部または一部の譲渡 ⑥継続 ⑦合併契約の承認 ⑧残余財産の帰属の決定 ⑨理事、監事が評議員会に提出し、または提出した資料を調査する者の選任 ⑩評議員による招集の請求により招集された評議員会における、法人の業務お よび財産の状況を調査する者の選任 ⑪その他評議員会で決議するものとして法令又はこの定款で定められた事項 (評議員会の議長) 第 18 条 評議員会の議長は、評議員会において評議員の中から選出する。 (評議員会の開催) 第 15 条 定時評議員会は毎事業年度終了後3ヶ月以内に、 臨時評議員会は必要に応じ て随時、開催する。 (評議員会決議の省略) 第 20 条 代表理事が評議員会の目的である事項につき提案した場合において、評議 員の全員が提案された議案につき書面により同意の意思表示をしたときは、 その議案を可決する評議員会の決議があったものとみなす。この場合におい ては、その手続きを第16条第3項の理事会において定めるものとし、第1 7条から前条までの規定は適用しない。 (評議員会の招集) 第 16 条 評議員会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき代 表理事が招集する。 2.評議員は、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会 の招集を請求することができる。 3.評議員会を招集する場合には、理事会は次の事項を決議しなければならな い。 ①評議員会の日時および場所 ②評議員会の目的である事項(当該事項が役員の選任、役員の報酬等、事業の 全部の譲渡、定款の変更、合併のいずれかであるときは、その議案の概要を 含む。 ) 230 (評議員会の招集通知) 第 17 条 理事長は、評議員会の日の1週間前までに、前条第3項各号に掲げる事項を 記載した書面によりその通知を発しなければならない。 ただし、評議員の全員の同意がある場合には、招集の手続きを経ることなく 評議員会を開催することができる。 (評議員会決議) 第 19 条 評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の過半数が出席し、 その過半数をもって行う。 2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、議決に加わることができる評議員 の3分の2以上に当たる多数をもって行う。 ①監事の解任 ②定款の変更 ③事業の全部または一部の譲渡 ④継続 ⑤合併契約の承認 ⑥その他法令で定められた事項 3 前2項の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わるこ とができない。 (評議員会議事録) 第21条 評議員会の議事については、 法令で定めるところにより、 議事録を作成する。 第4章 役 員 (役員の設置) 第 22 条 この法人に、次の役員を置く。 231 資料集 6.2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 定款 ①理事 3名以上 ②監事 1名以上 2.理事のうち1名を代表理事とする。 3.代表理事は、理事長とする。 4.代表理事以外の理事のうち、1名を業務執行理事とする。 (役員の資格) 第 23 条 監事はこの法人又はその子法人の理事又は使用人を兼ねることはできない。 2.一般社団・一般財団法第65条第1項に規定する者は、理事又は監事になる ことができない。 (役員の選任) 第 24 条 理事及び監事は、評議員会の決議によって選任する。 2. 代表理事及び業務執行理事は、 理事会の決議によって理事の中から選定する。 3.監事の選任に関する議案を評議員会に提出する場合には、監事(2名以上い る場合にはその過半数)の同意を受けなければならない。 (理事の職務及び権限) 第 25 条 理事は、理事会を構成し、法令及びこの定款で定めるところにより、職務を 執行する。 2.代表理事は、法令及びこの定款で定めるところにより、この法人を代表し、 その業務を執行し、業務執行理事は、理事会において別に定めるところにより、 この法人の業務を分担執行する。 3.代表理事に事故があるときは、理事会が予め定めた順位に従い、他の理事が その職務を代行するものとする。 4.代表理事及び業務執行理事は、毎事業年度に4ヶ月を超える間隔で2回以上 自己の職務の状況を理事会に報告しなければならない。 (監事の職務及び権限) 第 26 条 監事は、理事の職務の執行を監査し、法令で定めるところにより、監査報告 を作成する。 2.監事は、いつでも理事及び使用人に対して事業の報告を求め、この法人の業 務及び財産の状況を調査することができる。 (役員の任期) 第 27 条 理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関 する定時評議員会の終結の時までとする。 2.監事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関す る定時評議員会の終結の時までとする。 232 3.補欠として選任された理事又は監事の任期は、前任者の任期の満了する時ま でとする。 4.理事又は監事は、第22条に定める定数に足りなくなるときは、任期の満了 又は辞任により退任した後も、新たに選任された者が就任するまで、なお理事 又は監事としての権利義務を有する。 (役員の解任) 第 28 条 理事又は監事が、次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によって 解任することができる。 ①職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。 ②心身故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。 (報酬等) 第 29 条 理事及び監事は、原則として無報酬とする。ただし、常勤の理事及び監事に 対しては、評議員会において別に定める報酬等の支給の基準に従って算定した 額を、評議員会の決議を経て、報酬等として支給することができる。 2.役員には、その職務を行うために要する費用の支払いをすることができる。 第5章 理 事 会 (構成) 第 30 条 この法人に理事会を設置する。理事会は、すべての理事をもって構成する。 (権限) 第 31 条 理事会は、次の職務を行う。 ①評議員会の招集に関する事項 ②代表理事及び業務執行理事の選定及び解職 ③重要な財産の処分及び譲受け ④多額の借財 ⑤重要な使用人の選任及び解任 ⑥従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更、廃止 ⑦一般財団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で 定める体制の整備 ⑧一般社団・財団法人法第198条で準用する同法第114条第1項に規定す る損害賠償責任の一部免除 ⑨その他この法人の業務の執行に関する事項(評議員会の決議を要する事項を 除く。 ) 233 資料集 6.2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 定款 (招集) 第 32 条 理事会は、代表理事が招集するものとする。 2.理事会を招集しようとするときは、代表理事は、理事会の日の1週間前ま でに、各理事及び各監事に対し、理事会の目的である事項並びに日時及び場 所、その他必要な事項を記載した文書により通知を発しなければならない。 3.前項の規定にかかわらず、理事及び監事の全員の同意があるときは、理事 会は招集の手続きを経ることなく開催することができる。 (議長) 第 33 条 理事会の議長は、代表理事とする。 (決議) 第 34 条 理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数が出席し、その 過半数をもって行う。ただし、その決議に特別の利害関係を有する理事は、 議決に加わることができない。 2.前項の規定にかかわらず、一般社団・一般財団法人法第197条において準 用する同法第96条の要件を満たしたときは、理事会の決議があったものとみ なす。 (議事録) 第 35 条 理事会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成する。 2.出席した理事及び監事は、前項の議事録に署名又は記名押印する。 第6章 定款の変更及び解散 (定款の変更) 第 36 条 この定款は、評議員会の決議によって変更することができる。 2.一般社団・財団法人法第200条第1項の規定にかかわらず、前項の規定は、 この定款の第3条及び第4条並びに第10条についても適用する。 (解散) 第 37 条 この法人は、大会の日本招致を実現したとき、または、法令で定められた事 由によって解散する。 第7章 附 則 (設立者の名称、住所及び拠出する財産) 第39条 この法人の設立者の名称、住所及び設立に際して拠出する財産は、次のとお りである。 住 所 東京都文京区本郷三丁目10番15号JFAハウス 名 称 財団法人日本サッカー協会 拠出財産 金300万円 (設立時の役員等) 第40条 この法人の設立時評議員、 設立時理事及び設立時監事は、 次のとおりとする。 設立時評議員 岡 野 俊一郎 設立時評議員 川 渕 三 郎 設立時評議員 小 倉 純 二 設立時理事 犬 飼 基 昭 設立時理事 鬼 武 健 二 設立時理事 大 仁 邦 彌 設立時理事 田 嶋 幸 三 設立時理事 田 中 道 博 設立時監事 本 林 徹 設立時監事 齊 藤 幸 司 (最初の事業年度) 第41条 この法人の最初の事業年度は、この法人成立の日から平成22年3月31日 までとする。 (定款に定めのない事項) 第42条 この定款に定めのない事項については、すべて一般社団・一般財団法人法に 関する法律その他の法令の定めるところによる。 (残余財産の帰属) 第38条 この法人が清算をする場合において有する残余財産は、評議員会の決議を 経て、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条第17号に 掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。 234 235 資料集 7.2022 年 FIFA ワールドカップ招致推進議員連盟 名簿 7.2022 年 FIFA ワールドカップ招致推進議員連盟 名簿(2010 年 11 月 5 日現在)(敬称略) 役 職 会長 会長代行 顧問 以上、一般財団法人2018・2022年FIFAワールドカップ日本招致委員会の設立のた め、 設立者 財団法人日本サッカー協会 の定款作成代理人である 司法書士 宮部 岳彦 は電磁的記録である本定款を作成し、電子署名する。 副会長 平成21年9月7日 一般財団法人2018・2022年FIFAワールドカップ日本招致委員会 設立者 代表幹事 幹事 東京都文京区本郷三丁目10番15号JFAハウス 財団法人日本サッカー協会 代表理事 犬飼 基昭 加盟議員 上記設立者の定款作成代理人 東京都千代田区神田錦町一丁目27番4号 司法書士 宮 部 岳 彦 236 氏 名 川端 達夫 衛藤 征士郎 麻生 太郎 安倍 晋三 羽田 孜 鳩山 由紀夫 福田 康夫 横路 孝弘 西岡 武夫 漆原 良夫 殻田 恵二 下地 幹郎 園田 博之 照屋 寛徳 山内 康一 荒井 広幸 樽床 伸二 逢沢 一郎 遠藤 利明 奥村 展三 髙木 毅 富田 茂之 谷 亮子 友近 聡朗 あべ 俊子 網屋 信介 石井 登志郎 石田 祝稔 石田 真敏 石津 政雄 稲見 哲男 今村 雅弘 打越 あかし 大口 善德 大谷 啓 大西 孝典 大村 秀章 小野寺 五典 柿沢 未戸 勝又 恒一郎 加藤 公一 金子 恭之 金田 勝年 川崎 二郎 河村 建夫 木内 孝胤 城内 実 岸本 周平 北村 誠吾 櫛渕 万里 楠田 大蔵 熊谷 貞俊 黒岩 宇洋 古賀 誠 小林 正枝 小宮山 泰子 小室 寿明 阪口 直人 佐藤 勉 所 属 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 参議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 参議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 参議院 参議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 党 派 民主 無・副議長 自民 自民 民主 民主 自民 無・議長 無・議長 公明 共産 国民 た日 社民 みんな 改革 民主 自民 自民 民主 自民 公明 民主 民主 自民 民主 民主 公明 自民 民主 民主 自民 民主 公明 民主 民主 自民 自民 みんな 民主 民主 自民 自民 自民 自民 民主 無 民主 自民 民主 民主 民主 民主 自民 民主 民主 民主 民主 自民 237 資料集 加盟議員 238 7.2022 年 FIFA ワールドカップ招致推進議員連盟 名簿 階 猛 白石 洋一 衆議院 衆議院 民主 民主 新藤 義孝 杉本 かずみ 菅川 洋 瑞慶覧 長敏 首藤 信彦 高井 崇志 高井 美穂 髙木 美智代 髙木 義明 高橋 英行 武正 公一 竹本 直一 橘 秀徳 田中 けいしゅう 田名部 匡代 田村 謙治 津川 祥吾 中後 淳 仁木 博文 西野 あきら 西村 康稔 額賀 福志郎 萩原 仁 橋本 清仁 橋本 勉 馳 浩 初鹿 明博 浜本 宏 伴野 豊 福島 健一郎 福島 伸亨 福田 昭夫 松木 けんこう 松本 剛明 三谷 光男 三ツ矢 憲生 宮腰 光寛 宮崎 岳志 宮島 大典 宮本 岳志 向山 好一 村田 吉隆 本村 賢太郎 森山 浩行 森 喜朗 谷田川 元 柳田 和己 山岡 賢次 山口 和之 山本 剛正 山本 幸三 吉田 おさむ 笠 浩史 鷲尾 英一郎 井上 哲士 岩井 茂樹 上野 ひろし 上野 通子 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 衆議院 参議院 参議院 参議院 参議院 自民 民主 民主 民主 民主 民主 民主 公明 民主 民主 民主 自民 民主 民主 民主 民主 民主 民主 民主 自民 自民 自民 民主 民主 民主 自民 民主 民主 民主 民主 民主 民主 民主 民主 民主 自民 自民 民主 民主 共産 民主 自民 民主 民主 自民 民主 民主 民主 民主 民主 自民 民主 民主 民主 共産 自民 みんな 自民 加盟議員 江崎 孝 大島 九州男 大野 元裕 小川 勝也 加賀谷 健 金子 原二郎 行田 邦子 小坂 憲次 小西 洋之 斎藤 嘉隆 桜内 文城 自見 庄三郎 鈴木 寛 谷合 正明 ツルネン マルテイ 外山 斎 中西 健治 中山 恭子 那谷屋 正義 林 芳正 姫井 由美子 広野 ただし 藤井 孝男 藤井 基之 藤谷 光信 藤田 幸久 牧山 ひろえ 松浦 大悟 松下 新平 松田 公太 松山 政司 水岡 俊一 水戸 将史 宮沢 洋一 森田 高 山本 順三 吉川 沙織 吉田 忠智 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 参議院 民主 民主 民主 民主 民主 自民 民主 自民 民主 民主 みんな 国民 民主 公明 民主 民主 みんな た日 民主 自民 民主 民主 た日 自民 民主 民主 民主 民主 自民 みんな 自民 民主 民主 自民 国民 自民 民主 社民 合計:158 名(衆議院議員:112 名、参議院議員:46 名) 239 資料集 8.2022 年大会招致立候補国「招致ブック」分析 8.2022 年大会招致立候補国「招致ブック」分析 招致立候補国名 United States 1 招致ブック本体 主な章/ Chapter 1) 開催理念 Hosting Concept 2) 3) 240 Australia Japan Korea Republic 招致立候補国名 Qatar ・米 国 に お け る サ ッ ・最後に残されたオー ・“208 Smiles” ―世界 ・いくつかの試合を北 ・中東及びアラブ世界 カーの成長は、全世 ストラリア大陸での 中 に 笑 顔 を も た ら 朝鮮で開催する可能 で初の世界的イベン 界のサッカー経済の 初の開催 す、 世 界 が 一 つ に 性 を FIFA と 協 議 す トの開催により、世 前進 ・世 界 で 最 も 情 熱 的 なる次世代ワールド る 意 向 ― FIFA の 世 界的な理解と調和、 ・史上最も収益性の高 なスポーツファン: カップの開催 界平和への原則に符 統一のメッセージ いワールドカップ サッカー競技人口の ・次世代ワールドカッ 合し、世界平和を高 ・大 会 コ ス ト は、 カ ・平均7万6千人を収 拡大、テレビ視聴者 プを実現する 5 つの める歴史的な大会に タール国家ビジョン 容するスタジアム、 数の拡大 提案 なる 2030 により充当 500 万枚のチケット ・理想的な雰囲気:陽 1. 最先端技術による ・国 会 が LOC の 活 動 ・コンパクトな大会: セールス 気でくつろいだ雰囲 サッカーコンテンツ を立法で支える意向 各競技会場をコンパ ・世 界 最 強 の ス ポ ン 気 で 行 わ れ た 2000 の革新 ・2002 年 大 会 で 実 証 クトに配置(ドーハ サ ー マ ー ケ ッ ト の 年シドニー五輪 2. スタジアム体験の した市民の熱狂 から車で 30 分以内 FIFA への提供 ・全ての試合が満席: 革新 ・7 回連続で本大会出 に 11 のスタジアム) 90%のチケット販売 3. ファンフェストの 場 ・9 スタジアムを新築、 率を見込む 革新 ・いかなる立候補国よ 3 スタジアムを改修、 4. インターネット事 り も 少 な い 経 費 で 環境保全型の冷房シ 業の革新 WC を開催 ステムを導入、大会 5. 次世代育成活動の 後は適正規模にス 革新 ケールダウン サッカーの発展 ・サッカーを第 4 のメ ・国 内 に お い て サ ッ ・JFA の ア ジ ア サ ッ ・開催とともに、アジ ・ユースチームの育成 Football Development ジャースポーツとし カーを第 1 希望のス カー発展の貢献活動 アの発展途上国の代 を 最 重 要 視、 女 性 て 定 着、TV 視 聴 者 ポーツにする と、それらの事業を 表チームにコーチを サッカー育成、居留 の拡大、MSL の市場 ・FFA の国内サッカー 拡大した世界のサッ 派遣するなどの事業 外国人のサッカーコ 拡大により、世界の の 普 及・ 発 展 計 画 カーの発展への貢献 拡大が決定 ミュニティ参加促 サッカー史上に影響 (NFDP) が、WC の 策を提示 ・南米・アフリカの発 進、障害者サッカー を及ぼす 開催によりサッカー ・Universal Fan Fest in 展途上国のサッカー 環 境 整 備、 草 の 根 ・CONCACAF 各 国 の 発展のための最大の 208 Nations を活用し 開発のため、政府と サッカー支援 活動を支援すること 利益を生み出す た、世界サッカーの 米州開発銀行(IDB)・世 界 サ ッ カ ー 発 展 により、地域のサッ ・先住民サッカーの普 競技力向上、競技人 その他と協議、プロ 貢献策: 「驚嘆創造」 カー発展に貢献 及・発展プログラム: 口の拡大の提案 ジェクトの拡大を検 大使;ネパール、パ ・FIFA の フ ル パ ー ト 先住民のサッカー競 ・最先端テクノロジー 討 キスタン、シリアな ナーとして全世界に 技への参加促進と、 を 用 い た FIFA の 新 ・女性、高齢者をスタ どでユース年代の大 サッカーを奨励 健康、社会・経済的 たな収益事業など、 ジアムに向わせるこ 会開催、優秀な選手 支援 FIFA ワールドカップ とを目論む らを「驚嘆創造」大 の事業価値拡大の提 使(ユースリーダー) 案 として育成 持続可能な社会と人の ・CSR 活 動 の コ ン セ ・2015 年 で 終 了 す る ・WC の開催を通じて、・ 「アジアにおけるサッ ・国内地方対象活動: 発展 プト: One on One、 国連ミレニアム開発 次世代育成(教育) カー」キャンペーン 女性スポーツのリー Sustainable, Social and One by One 目標(MDGS)に代 に重点的に取り組む を実施するつもり: ダーの育成、大会・ Human Development ・World Cup of Life:開 わり、豪州及び各国 ことを宣言 2018 年、2022 年 大 イ ベ ン ト 等 の 開 催 発途上国の 500 万人 政府、国連を含む国 ・JFA こ こ ろ の プ ロ 会 期 間 中 4 回 サ ッ 等、上記 2)と同様 の人々のために、命 際機関と、FIFA 及び ジェクトの活動ノウ カー及び文化交流 ・世界対象活動:社会 のための水を提供。 LOC が 連 携 し た サ ハウを活用したプロ ・ 「2022 年のための 22 変 革 の た め の リ ー チケット 1 枚に付き ミットを 2014 年に グラムを、世界的レ のアジアセンター」 : ダーたる若者の育 25 ドルのチャージ 開催 ベルで持続的に展開 FIFA の「2010 年 成、サッカーを通じ を課し、それを原資 ・ 「 結 ば れ た サ ッ ・Universal Fan Fest in のための 20 のセン た貧困等の社会問題 に水を提供のインフ カー!」プログラム: 208 Nations をプラッ ター」をモデルに、 への取り組み、紛争 ラ整備 難民、移民、先住民 トフォームにした、 アジア全域に設立さ に支配された地域の ・Football X-Change: などの弱者への自立 FIFA CSR 活 動 の 持 れる予定のセンター サッカーインフラの 開発途上国の活動に 支援 続的な展開を提案 ・ 「2022 年キャンペー 開発 対する支援者である ・ジャストプレー!: ・次世代育成の具体的 ンのための TV2022」・開 発 途 上 国 に 2022 個人・企業をマッチ 太平洋諸島の地域社 プログラムとして、 :財政的理由でテレ 年大会で使用した 22 ン グ さ せ る ネ ッ ト 会 の た め の 能 力 開 “208 Kids Dream ビのない地域にテレ のモジュラースタジ ワーク構築 発・生活改善事業 Japan Tour”、“208 ビを贈るキャンペー アムを寄贈、建設 ・FIFA 社会変革機関: Kids Dream Workshop ン サッカーを活用し教 ”、 “208 Kids Dream 育やコミュニティを 基金”の設立を提案 支援するアクション シンクタンク 4) 5) 2 1) 2) 3) United States Australia Japan Korea Republic Qatar ・WC を世界中の環境 ・カーボンニュートラ ・JFA が実施する「JFA ・政府は気候温暖化防 ・史上初の完全なカー 及び持続可能性の取 ルな大会開催 ス タ ジ ア ム 環 境 評 止対策「グリーン成 ボンニュートラルの り組みに積極的な影 ・FFA が環境保護 (EP) 価」等により、 「環 長政策」に GDP の WC 響を及ぼすムーブメ プラン(環境意識の 境 ア セ ス メ ン ト 指 2%を投資 ・FIFA グリーンゴール ントとするため、金 改善、教育、スタジ 針」を作成、その評 ・2022 年 大 会 は 環 境 活動の計測可能目標 銭的・人的投資を行 アムの持続可能性の 価に基づき「2022 年 及び開催都市にいか を全て満たす う 増大)を開発 FIFA ワールドカップ なるマイナスの影響 ・コンパクトな大会に ・大会開催による直接 環境保護計画」を策 も与えない高い可能 より、移動に伴う負 的な環境負荷を 65% 定 性がある 荷を低減、国内航空 削減、CO2 排出量を ・JFA による環境保護 輸 送 に よ る CO2 排 10000t 以下に抑制 活動:国連グローバ 出量を 2006 年ドイ ・FIFA グリーンゴール ルコンパクトへの参 ツ大会比 33%削減 の 6 つの課題に対し 加、JFA グリーンプ 目標値を設定 ロジェクト、クリー ンスタジアム活動、 J クラブによる活動 資金調達と保険 ・GDP成長率:-2.5% ・GDP:1兆1020億ド ・GDP:5兆5409億 ・GDP成長率:4.6% ・GDP:1023億ドル Finance and Insurance (2009年) ル(2009年) 9000万ドル (2010年) (2008年) ・GDP成長率予測: ・GDP予測: (2008年) ・国民所得:USD ・GDP成長率:44% 2.1~2.2%(2010~ 1兆1296億ドル~ ・GNI:5兆4510億 20,955 (2009年) (2008年) 2018年) 1兆6361億ドル 4000万ドル(2008 ・インフレ率:2.8% ・国民所得:USD ・国民所得:USD (2010~2022年) 年) (2009年) 93,203(2008年) 26,964 (2009年) ・インフレ率:1.8% ・国民所得:USD ・インフレ予測: ・インフレ率:0.0% ・インフレ率:-0.4% (2009年) 29,430 (2007年) 2.6% (2009年) (2008年) ・インフレ予測: ・インフレ率: (2010-2022年平均) ・インフレ予測: ・インフレ率予測: 2.6~2.5% 1.4%(2008年) ・基準金利:2% 4.04~3.0% 1.5%~2%(2010~ (2010~2022年) ・インフレ予測: (2009年12月) (2010~2022年) 2018年) ・基準金利:3.5% 0~2%(日銀目安) ・為替レート: ・基準金利:5.5% ・基準金利:3.25% (短期;2009年) ・基準金利:0.30% 1KRW=USD 1,166.5 (2009年) (2009年) ・基準金利予測:4.3 (2008年12月) (2009年12月) ・為替レート:USD ・為替レート:USD ~5.2%(短期; ・為替レート:USD :1KRW=CHF1,133.9 1=3.64QAR 1= USD 1(2009年7 2010~2022年) 1= 95 YEN(2009年12 (2009年12月) (2009年) 月) ・為替レート:USD 月) :CHF1= 3.507QAR :USD 1= 1.0829CHF 1= AUD 0.768(2009 :CHF1= 83 YEN (2009年) (2009年7月) 年) (2009年12月) :CHF1= AUD0.820 (2009年) 招致ブック情報テンプレート/Template 環境保護 Environmental Protection 招致国概要 ・開催都市数:18 Overview of Bidding ・人口:3億721万人 Country 面積:9,826,675k㎡ ・開催都市間において 最大4時間の時差が ある 開催都市概要 ・気温:各都市、各 Overview of Host Cities 時間帯で15.3℃~ 40.4℃(6.7月) ・湿度:各都市、各時 間帯で11.4~82.8% (6.7月) ・降水量:各都市・ 各時間帯で0.0~ 0.65ℓ/㎡(6.7月) スタジアム ・スタジアム数:18 Stadiums ・全て既存スタジアム ・全て多目的スタジア ム ・収容規模:8万~: 5、7万~:9、6万 ~:4 ・スタジアムの平均収 容数:76,067席 ・開催都市数:10 ・開催都市数:11 ・開催都市数:12 ・人口:2220万人 ・人口:1億2700万人 ・人口:4,977万人 面積:7,617,930k㎡ 面積:377,914k㎡ 面積:99,828k㎡ ※人口、面積の項には 韓国、北朝鮮の情報 を併記 ・気温:各都市、各 ・気 温 : 各 都 市 、 各 ・気温:各都市、各時 時 間 帯 で 4 . 6 ℃ ~ 時間帯で16.3℃~ 間帯で20℃~29℃ 25.0℃(6.7月) 28.9℃(6.7月) ・湿度:各都市、各時 ・湿度・降水量:デー ・湿度:各都市、各時 間帯で47~86% タ無し 間帯で49.1~90.1% ・降水量:各都市 (6.7月) ・各 時 間 帯 で 1 . 9 ~ ・降 水 量 : 各 都 市 ・ 6.5ℓ/㎡ 各時間帯で0.0~ 1.55ℓ/㎡(6.7月) ・スタジアム数:12 ・スタジアム数:13 ・スタジアム数:14 ・新築スタジアム数3 ・新設スタジアム数: ・新設スタジアム数: ・11のスタジアムが多 1=大阪エコ・スタ 1=2014年インチョ 目的スタジアム ジアム(サッカー専 ンアジア大会メイン ・収容規模:8万~: 用;83,300席) スタジアム(83,600 2、6万~:1、4万 ・サッカー専用:3/13 席) ~:9 ・収容規模:8万~: ・サッカー専用:7/14 ・スタジアム平均収容 1、7万~:1、6万 ・収容規模:8万~: 数:46,089席(改修 ~:1、4万~:10 2、7万~:1、6万 後:55,107席) ・スタジアムの平均収 ~:2、4万~:9 容数:56,110席 ・平均収容数:54,850 席 ・開催都市数:7 ・人口:166万人 面積:11,437k㎡ ・気温:各都市、各 時間帯で31.2℃~ 41.3℃(6.7月) ・湿度:各都市、各 時間帯で31.3%~ 69.8%(6.7月) ・降水量:各都市、 各時間帯で0.0ℓ/㎡ (6.7月) ・スタジアム数:12 ・9 ス タ ジ ア ム が 新 設、既存3スタジア ムも改修を予定 ・全てサッカー専用ス タジアム ・収容規模:8万~: 1、6万~:1、4万 ~:10 ・スタジアム平均収容 数:50,485席 ・ピッチは天然芝もし くはFIFAの要望に沿 う意向 241 資料集 8.2022 年大会招致立候補国「招致ブック」分析 招致立候補国名 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 11) 12) 242 United States Australia Japan Korea Republic 開催地指定チームホテ ・開催地指定チームホ ・開催地指定チームホ ・開催地指定チームホ ・開催地指定チームホ ル テル数:54 テル数:24 テル数:28 テル数:28 Venue-Specific Team ・5星:31 ・5星:9 ・5星:13 ・5星:13 Hotels 4星:23 4星:15 4星:15 4星:14 3星:1 開催地指定トレーニン ・開催地指定トレーニ ・開催地指定トレーニ ・開催地指定トレーニ ・開催地指定トレー ングサイト数:36 ングサイト数:48 ングサイト数:46 ニングサイト数: グサイト Venue-Specific Training 56ヶ所 Sites ・全56ヶ所中6ヶ所が 新設。既存の全てが 改修予定 チームベースキャンプ ・チームベースキャン ・チームベースキャン ・チームベースキャン ・チームベースキャン Team Base Camps プホテル数:64 プホテル数:64 プホテル数:96 プホテル数:65 ・5星:30 ・5星:14 ・5星:23 ・5星:11 4星:34 4星:50 4星:55 4星:26 3星:18 3星:27 2星:1 チームベースキャンプ ・チームベースキャン ・チームベースキャン ・チームベースキャン ・チームベースキャン トレーニングサイト プトレーニングサイ プトレーニングサイ プトレーニングサイ プトレーニングサイ Team Base Camp ト数:64 ト数:64 ト数:69 ト数:68 Training Sites ・全68ヶ所中3ヶ所が 新設。既存の全てが 改修予定 ホテルルーム数 ・ホテル総数: ・ホテル総数: ・ホテル総数: ・ホテル総数: Number of Hotel 2,237(584,37室) 2,660(139,29室) 453(126,346室) 327(71,445室) Rooms ・5星: ・5星: ・5星: ・5星: 194(53,572室) 120(24,393室) 93(37,871室) 69(32,086室) 4星: 4星: 4星: 4星: 509(153,455室) 1,346(76,471室) 139(36,106室) 64(15,041室) 3星: 3星: 3星: 3星: 1,534(377,344室) 1,119(36,554室) 221(53,236室) 194(24,318室) ※計画含む 2星: ※計画含む ※計画含む 75(1,877室) ※計画含む 宿泊施設概要 ・ラ ッ ク レ ー ト は ・各ホテルごとに写真 ・ラ ッ ク レ ー ト は ・ラ ッ ク レ ー ト は Accommodation USD40~USD899の 入の解説があるが、 USD45~USD700の USD20~USD450の Overview 範囲にある ラックレート契約 範囲にある 範囲にある ・各開催都市ごとに十 レート、契約客室 ・各開催都市ごとに十 ・D a e g u : 9 3 0 室 、 分な客室が確保され 数、契約客室割合等 分な客室が確保され Goyang:1,078室、 ている のFIFAが要求する ている Jeonju:1,289室 な データが示されてい ど、客室の不足が心 ない 配される都市がある 開催都市間の移動距離 ・シアトル=タンパの ・最大の移動時間は、 ・全ての開催都市間を ・JejuからCheonan、 Travel distances 8h50minをはじめ、 ニューキャッスル= 概ね3時間以内での Goyang、Suwonへ between Host Cities マイアミ=サンディ パ ー ス 間 の 4 h 移動が可能 の鉄道、車、航空、 エゴ8h5min、マイ 20min(航空機利 いずれのアクセス時 アミ=フェニックス 用) 間も示されていない 7h42minなど、航空 機利用でも7~8時 間以上の移動時間を 要する都市がある 開催都市内の移動距離 ・IBCは、アトランタ ・多くの開催都市の都 ・茨城・静岡以外の都 ・I B C が 各 開 催 都 市 Travel within Host Cities (ジョージアワール 市内移動が約30分 市は、空港へのアク に設定されている ドコングレスセン 以内 セスを除き、概ね60 (?) ター)に設定 ・IBCをシドニー、メ 分以内にベニュー内 ・Jejuには鉄道駅がな ・全 て の 都 市 で 概 ルボルンの2都市に 移動が可能 く、最寄の空港は ね 6 0 分 以 内 に ベ 設定 28km/40分の距離に ニュー内移動が可能 あり、スタジアムへ は全て車での移動 輸送インフラ ・スタジアムから主要 ・キャンベラ、タウン ・新潟、静岡、大分以 ・輸送処理能力データ Transport Infrastructure 輸送拠点までの輸送 ズヴィルにはスタジ 外の各スタジアムに に疑問が残る(スタ 手段は、バスが中心 アム周辺に鉄道駅が は、徒歩圏内に鉄道 ジアムから主要輸送 となる なく、スタジアムか 駅があり、輸送処理 拠点までの1時間当 ら主要輸送拠点まで 能力が高い りの処理人数が、バ の輸送手段はすべて ス利用のみで30,000 バス 人/時間など) 招致立候補国名 Qatar ・開催地指定チームホ テル数:24 ・5星:19 4星:5 ・開催地指定トレーニ ングサイト数:48 ・29施設が新設、19 の既存施設の全てが 改修を予定 ・チームベースキャン プホテル数:64 ・64ホテル全てが5星 ・チームベースキャン プトレーニングサイ ト数:64 ・39施設が新設、25 の既存施設の全てが 改修予定 ・ホテル総数: 220(95,438室) ・5星: 61(21,254室) 4星: 102(50,177室) 3星: 57(24,007室) ※計画含む ・ラ ッ ク レ ー ト は USD54~USD602の 範囲にある 13) 14) 15) 16) 17) 18) United States Australia Japan Korea Republic Qatar 空港インフラ Airport Infrastructure ・空港数:18 ・空港数:12 ・空港数:10 ・空港数:15 ・空 港 数 : 1 ( N e w ・すべての空港が夜間 ・5つの空港に夜間飛 ・羽田、成田、中部、 ・インチョン空港を除 Doha International 飛行制限無し 行制限あり 関空など5つの空港 く全ての空港が夜間 Airport) ・各空港の10時間あ ・スタジアムのない11 が夜間飛行制限無し の飛行禁止 ・夜間飛行制限無し たりの処理能力は 都市・11空港につい ・10時間あたりの到 34,000~105,000人 ても記載 着・出発乗客処理人 数:各32,000 ・開催都市へのフライ フライトコネクション ・ボストン=ナッシュ ビル間以外、全ての トコネクションは無 /所要時間 Flight Connections / 空港間に乗り継ぎ便 い Journey Times がある 競技会関連イベント ・予選抽選会:ニュー ・予選抽選会、本選抽 ・予選・本選抽選会: ・本選抽選会では、 ・予選・本選抽選会: Competition-related ヨーク、本選抽選 選会:シドニー(オ 東 京 国 際 フ ォ ー ラ F I FA 、 P M A 、 コ ドーハコンベンショ Events 会:マイアミ、FIFA ペラハウス)の他、 ム 、 パ シ フ ィ コ 横 マーシャルアフェリ ンセンター 晩餐会:ワシントン メルボルンの会場も 浜、FIFA晩餐会: エイト、メディア、 ・FIFA晩餐会:ドーハ D.C.、FIFA総会:ダ 提案 リ ー ガ ロ イ ヤ ル ホ FIFA事務所が全て同 コンベンションセン ラス ・FIFA総会も、シド テ ル 大 阪 、 ホ テ ル 一のホテルであり、 ター ニー、メルボルンの ニ ュ ー オ ー タ ニ 大 個別に設定されてい ・FIFA総会:ドーハ 2都市を提案 阪、FIFA総会:大阪 ない コンベンションセン 国際会議場 ター 屋外広告確保 ・簡単な記述のみ ・各開催都市ごとに詳 ・スタジアムから半径 ・詳細に回答 ・各開催都市ごとに広 Outdoor Media 細な記述 2km以内など、あま 告メディアの詳細な Reservation りに範囲が広いた 数量を記述 め、詳細な記述は避 けている 支出予算 ・支出予算: ・支出予算: ・支出予算: ・支出予算: ・支出予算: Expenditure Budget 2022WC; 2022WC; 2022WC; 2022WC; 2022WC; USD783,936,000 USD639,044,000 USD796,073,200 USD1,007,434,000 USD645,498,000 2021コンフェデ; 2021コンフェデ; 2021コンフェデ; 2021コンフェデ; 2021コンフェデ; USD77,523,000 USD51,049,000 USD47,333,400 USD33,148,000 USD32,134,000 ・年率0.024%のイン フレ率を考慮 チケット収入見込 ・チケット収入: ・チケット収入: ・チケット収入: ・チケット収入: ・チケット収入: Ticketing Revenue 2022WC; 2022WC; 2022WC; 2022WC; 2022WC; Estimation USD1,239,717,060 USD658,220,293 USD987,528,000 USD564,231,305 USD401,561,000 ・チケット枚数: ・チケット枚数: ・チケット枚数: ・チケット枚数: ・チケット枚数: 4,956,506枚 3,019,992枚 4,006,051枚 3,163,714枚 2,868,879枚 ・チケット最高/最低 ・チケット最高/最低 ・チケット最高/最低 ・チケット最高/最低 ・チケット最高/最低 価格: 価格:USD1,614 /81 価格: 価格:USD1,000 /20 価格:USD800 /45 USD1,260 /140 USD1,000 /166 ・開催都市間の移動 は、全て2時間以 内、航空機の利用は 無し ・Al-Shamalは、スタ ジアムから市中心部 までの距離があり、 移動に60分以上を 要する。それ以外の 都市は、空港アクセ スを除き30分以内 で移動可能 ・地下鉄、バスの他水 上タクシーが用いら れている 243 資料集 9.最終プレゼンテーションスピーチ全文 9.最終プレゼンテーションスピーチ全文 小倉純二委員長スピーチ ( 英語 ) 全文 Rio, thank you. President Blatter, dear colleagues. There is a phrase … that we use a lot in our bid. FIFA WORLD CUP …FOR THE NEXT GENERATION. Rio reminds us … that these are not just words. We have a passionate ambition … for the people of Rio's generation … and beyond, in Japan … and around the world … in all 208 FIFA member associations. We have received FIFA's Evaluation Report. It raises a number of important points. We have studied all of these comments very carefully … and I want to assure you that all of them are being addressed. When we talk about our vision … for a world cup in 2022 … More people, in more countries, enjoying football more than ever before. Our Next Generation World Cup bid … is not about one nation hosting the games, not about two nations hosting the games. It's about 208countries and regions FIFA member associations hosting the games together. Japan? We're just the Co-ordinator. The partner … who can enable FIFA … to lead this revolution in how the world experiences sport … to create a World Cup for the next generation … to bring 208 smiles to the world … and to leave behind a legacy: Now I would like to invite Kohzo Tashima… Vice President of the Japan Football Association, And CEO of our bid, to give you more details about our bid. Kohzo. We are talking about the things everyone takes for granted about Japan … security, transport, accommodation. We are talking about our thirteen fabulous stadiums… in Tokyo, in Osaka with our fantastic new Next Generation Stadium. But we are also talking about what will happen in 400 iconic stadiums around the planet … we are talking about putting down giant flat bed screens across the entire pitches … at Wembley, at Maracana, at the Allianz, at SoccerCity, at Azteca… we are talking about filling all of those 400 stadiums with crowds … gathered to witness something completely new … live relay of World Cup Matches from Japan, played out life size,in 3D,in real time. We're talking about one very big idea. 244 245 資料集 9.最終プレゼンテーションスピーチ全文 田嶋幸三副委員長スピーチ ( 英語 ) 全文 Thank you Mr. Ogura. [photo] That was then, But this is now… I want to talk … simply and I hope briefly … about just three things. "This", he said, "is real football ." We plan to have Dream Teachers … running kids'workshops… at Fan Fest locations around the world. Our Dream Tour programme. Imagine every FIFA member association… getting this generation's footballers … to be Dream Teachers … inspiring the next generation. Our Dream Teacher programme. But we don't just want today's players. And our plan for a world cup experienced in 400 stadiums worldwide. We want to work with FIFA … to put FIFA's own legends … at the heart of the Dream Teacher programme. Together, these make up the heart of our bid. Our Dream Tour… means inviting 6000 children from all 208 FIFA member associations … to come to Japan … to have a great time … and to take home the smiles of our Next Generation World Cup … The stories of Pele. of Diego. of Franz and Michel. The two Bobbies, Charlton and Moore. So. Dream Tour, and Dream Teacher. Reaching out to the next generation as never before. 5 weeks ago we tried out a Mini Dream Tour. But we want to reach even wider. This is how the kids got on. Japan will work with the FIFA member associations to set up Universal Fan Fests In 400 world class stadiums, each with 40,000 plus capacity. I have the privilege of knowing some of you, and you know that I am a simple footballer. [video] Dream Tour is a very personal project for me - I can't wait! The Kids' Dream Tour builds on a project which the JFA set up four years ago, Under the visionary leadership of Mr. Kawabuchi. Everybody knows. We call this project Yume Sensei - Dream Teacher. Here's another short video to show you how it works. I am not a technology kind of guy. But I have to tell you, the idea of this technology blows my mind! With Universal Fan Fests in 400 locations, 360 million people could have a full stadium experience of the matches. 360 million people… That's over 100 times the record breaking number of spectators… for the 1994 World Cup in the USA. The Dream Teacher project works. We have calculated this number carefully. We know that in Europe, the time zones do not make it easy. We have assumed only between 30 and 50% capacity in European stadiums for most matches. We also forecast a dramatic increase in the TV audience from the latest confirmed figure of 26 billion. When Harold Mayne-Nicholls saw the Dream Teacher programme , as head of the FIFA Inspection Delegation, he just said four words: Not just because of the new technology, but also because of new audiences. We all know the speed at which the population of Asia is growing. [video] 246 247 資料集 That's why 50 billion is the number we estimate hitting with an Asian home for the 2022 World Cup. This technology means private and public sectors working together… Japan putting everything we have into it. All of our innovation, all of our know how. Every piece of new technology has to have a name. We have called ours, "Full Court 3D Vision" and "Freeviewpoint Vision." But the names are not important. Even the technology is not important. What's important is the enjoyment. A completely new experience of enjoying football … for millions, for billions of fans, the world over. This is the magic that will revolutionise the experience … the excitement … the reach … and the revenue potential … of world football. Not only does this mean guaranteeing a much bigger TV licence revenue … from the huge audience numbers we predict … Over and above this, the 3D and freeviewpoint vision rights are completely separate from the TV rights and create dramatic additional revenue opportunities. More people, in more countries, enjoying football more than ever before. That is the Next Generation World Cup Japan is proposing. I am honoured to now welcome a long standing friend of Japan … and the Chairman, CEO and President of Sony Corporation Sir Howard Stringer …. Sir Howard. 9.最終プレゼンテーションスピーチ全文 ハワード・ストリンガー氏スピーチ ( 英語 ) 全文 Thank you Tashima-San. It's a real privilege to be here … in front of such a distinguished audience. I am mad about football. But I have to admit to a shameful fact. Many, many years ago, at school in England, I was in the rugby team. Some typically idiotic school rule meant that rugby players were strictly banned from football. But a group of us would sneak out at weekends for the thrill of kicking a round ball not a funny shaped one. Yes, I was an illegal teenage footballer. [looks at team photo] And that, believe it or not, is me. So when the bid committee approached me … with a request to be part of the team … I was thrilled. I am passionate about football. And I am passionate about Japan. But I have to confess … that my first reaction … was to say ? isn't 2022 a little soon? After all, the 2002 Japan-Korea hosted FIFA World Cup seems like it only happened yesterday. Or it does at my age! And I know that some people have the same first reaction to Japan's bid. Too soon. Now in my business, 'too soon' is a phrase we have heard many times. It was 'too soon' to launch the walkman. What were we thinking about, expecting people to go round listening to music through headphones? Too soon for Video Camera, for PlayStation. Too soon for 3D TV. The list goes on. One of the reasons why I most admire FIFA … is that you have had the courage to be pioneers. In the 1970s, when people said it was too soon for global commercial sponsorship in sport, 248 249 資料集 you went ahead. You lead the world. And the world followed you. When you said that football should be for the world … not just for Europe and Latin America … you lead the world. And the world fell in love with your beautiful game. On some occasions, I am proud to say that FIFA and Sony have been pioneers together ? for example, with the world's first 3D FIFA World Cup earlier this year. I believe this bid is an incredible opportunity. For Japan, of course. But also for FIFA, to lead the world again. 9.最終プレゼンテーションスピーチ全文 this is not science fiction. In 2022, this will be science fact. Twelve years is a very long time in technology. Here, today, Japan's FIFA World Cup bid is our opportunity … to give something back to FIFA … to give something back to football … and to give something back to the world. To strengthen that opportunity … with the commitment of the Government of Japan … I would now like to welcome Mr Kan Suzuki… representing the government of Japan on behalf Prime Minister Naoto Kan. Thank you. The truth is that the world is changing faster than any of us in this room can fully understand. In 2022, on current trends there will be at least two billion screens in people's hands - the successors of today's smart phones, palm tops and the rest which will all be able to receive broadcast quality TV. Think what that means for how, and where, people will follow the World Cup. But it's not just about making football more accessible for the technology-rich, for people who can afford the latest gadgets. It's also about using technology to deliver the thrill of the World Cup … to tiny remote villages … in the most distant parts of the world, places with no electricity … and no TV. We showed how that could be done in Africa this year… with big portable screens and solar generators. Let's make 2022 the year football really touches the whole world. Just imagine the crowds in 400 stadiums watching matches from Japan… Not looking up at a big screen … but looking down at the pitch, turned into a giant screen. This is the real change. Bringing the world closer together. And I can tell you … 250 251 資料集 鈴木寛文部科学副大臣スピーチ ( 英語 ) 全文 Thank you Sir Howard. I am truly honoured to be here … representing the Prime Minister and the Government of Japan. I have to confess that I am both proud … and excited … to be here… in front of the FIFA Executive Committee … 9.最終プレゼンテーションスピーチ全文 but for FIFA and for the next generation. I humbly ask you to choose our bid … as your legacy … for the World Cup … the Next Generation. I would now like to ask Mr Ogura to close our presentation. Mr Ogura. because when I was at high school … I had posters of at least two of you on my bedroom walls! Mr Beckenbauer, Mr Platini, my childhood heroes. I still manage to put on my boots from time to time … To play midfield for the Japanese Diet Football team. Five days ago … I was in the Japanese Parliament … when legislation was presented … asking the Government to support our bid and to make all necessary preparations. That legislation has been passed … by a unanimous vote … of all 480 Diet members. I hope that gives you some idea of the enthusiasm … the passion … for this bid, which will promote world-wide fraternity I am authorised to give you our government's absolute guarantee that the promises we have made to you… Political, Financial, Technological…will be delivered in full. But I would like to go further. We do not want FIFA to see this commitment as being limited to the official terms of our guarantee. The Government of Japan wants FIFA to know…that we are willing to accommodate all your needs. President Blatter, I know that you received a personal letter from our Prime Minister… which included the words … 'See you in Zurich!" I bring you the Prime Minister's apology for not being here … and I hope you understand that recent events … make it difficult for him to travel at this time. I believe that, as Sir Howard has said … our bid is an opportunity … not just for Japan … 252 253 資料集 小倉純二委員長スピーチ ( 英語 ) 全文 Thankyou Mr Suzuki. FIFA has already given so much to Japan. Mid way between Europe and Latin America, we successfully hosted the Toyota Cup and the FIFA Club World Cup. We were co-hosts of the first-ever joint World Cup. 9.最終プレゼンテーションスピーチ全文 For the 2022 FIFA World Cup. Please support Japan. I would like to thank you for your kind attention. Thank you all. That ends our presentation. FIFA's mission and responsibility is to take the potential of the World Cup as far as it will go… for the next generation. The challenge for FIFA … the challenge for football … is to identify the next revolutionary idea … the next amazing commercial opportunity … the next big step. The challenge for FIFA is to embrace … to own… the technology revolution. This is an opportunity. The kind of opportunity which comes once in a generation. Maybe once in a lifetime. It's what the world expects of you. And Japan can make it happen. Our dream … is to be ready for the next generation. As you can see, we have plenty of dreams for 2022. You know that our bid includes a lot of future technology. Sir Howard has already told us this is science fact, not science fiction. President Blatter, dear colleagues Our bid is very simple. Our dream is for a world cup which more people in more Countries will enjoy more than ever before in history. This is the next great journey which FIFA can take. This is the next great adventure where FIFA can lead. This is truly a World Cup… for the next generation. This is my dream … 254 255 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 10.1 FIFA 評価レポート:日本(和訳) 目次 1. 評価グループ長からの書簡 会長 1. 評価グループ長からの書簡 2 対象範囲及び主要日程 3. エグゼクティブ・サマリー 4. 招致提案評価報告 プの開催の日本の招致提案の評価報告書を謹んで提出いたします。二つの共同招致提案を含む 9 件の招致提 4.1 招致立候補国と開催都市 案が全て提出されました。以下のページの日本の招致提案に関する評価を事実調査プロセスに関する説明と 4.2 開催理念 4.3 サッカーの発展 併せてご覧下さい。 4.4 持続可能な社会と人の発展 4.5 環境保護 4.6 スタジアム 4.7 開催地指定チームホテルと開催地指定トレーニングサイト 4.8 チームベースキャンプホテルとチームベースキャンプトレーニングサイト 4.9 宿泊施設 4.10 FIFA 本部 4.11 輸送 4.12 情報技術と通信ネットワーク 4.13 安全と治安 理事会メンバーの皆様 2018 年及び 2022 年の FIFA ワールドカップの招致提案に係る FIFA 評価グループは、 2022 年 FIFA ワールドカッ FIFA の招致プロセスは、透明性と公平性の原則に基づいたものであり、招致委員会は、立候補に係る文書 を包括的かつ具体的なものとすることを確保するために、FIFA から規則及びガイダンスを受け取っています。 我々は、招致プロセス中に 11 ヶ国の招致委員会及び人々から受けた温かい歓迎と協力、特に、我々の要件 を満たそうとういう決意に大変感謝しています。過去 6 ヶ月間ともに過ごした間における評価グループのメ ンバー全員の貢献、エネルギー、専門性及び友情に感謝を表したいと思います。また、このプロジェクトを 成功裏に終了させる上で重要な役割を果たしていただいた FIFA の職員にも感謝いたします。 我々は、健全性、客観性及び透明性の精神で、我々の作業を完了いたしました。 4.14 健康と医療サービス 4.15 競技会関連イベント ハロルド・メイン−ニコルズ 4.16 メディア設備、通信及び広報 2018 年及び 2022 年 FIFA ワールドカップ招致提案評価グループ長 4.17 放送権とマーケティング権 4.18 資金調達と保険 4.19 発券業務 2. 対象範囲及び主要日程 4.20 法的保証と政府保証 対象範囲 附属書 1 国内輸送網(略) 招致プロセスの一環として、FIFA は、各招致立候補国に、FIFA ワールドカップを開催するためのインフラ、 附属書 2 開催都市輸送網(略) 法的条件、運営及びレガシーに関する理念を含む招致文書を提供するよう要請しました。この招致提案評価 附属書 3 法的リスクの概要 報告書は、招致文書において提供されている情報を評価し、どの程度要件が満たされているかを示すととも 附属書 4 運営上のリスク に、FIFA ワールドカップを開催するための FIFA の要件との潜在的な相違及びそれに係るリスクを指摘したも のです。 この報告書の全てのデータは、2010 年 5 月 14 日提出された招致ブック、及び 2010 年 9 月 30 日までに招致 委員会から受け取った追加的な説明に基づいたものであることに留意願います。 この報告書の英語、フランス語、スペイン語又はドイツ語のテキストの解釈に齟齬がある場合、英語のテ キストが優先します。 256 この報告書は、これまでの FIFA ワールドカップを開催及び準備した FIFA の経験、招致立候補国により提 供された情報、提案及び表明、並びに、開催地及び施設のサンプル評価を通じた現場での視察中に集めた情 報を踏まえた公平な評価に基づいたものです。 257 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 9 つの招致立候補国は、提出された招致文書、及び具体的なインフラについて明確化し確認することを目 的として実施された視察に基づいて評価されています。 招致プロセスにおける主要日程 2009 年 3 月 16 日 2009 年 9 月 18 日 2009 年 12 月 11 日 2010 年 4 月 14 日 2010 年 5 月 14 日 2010 年 7 月 19 日~ 22 日 2010 年 12 月 2 日 2018 年及び 2022 年 FIFA ワールドカップ招致登録 招致委員会設立 招致契約書署名 2018 年 FIFA ワールドカップの JFA の招致提案の撤回 招致提案文書の FIFA への提出 FIFA による日本視察 FIFA 理事会による 2018 年 FIFA ワールドカップ及び 2022 年 FIFA ワールドカップ開催国指名 ホテル及び練習会場と契約している。招致委員会は、要件については十分に理解しているものと思われるが、 場所によっては、契約済みの適切な施設には、提供数に限りがある。 宿泊施設については、96,000 室が既に契約されており、これは FIFA の最低要件である 60,000 室を上回って いる。全体としては、招致提案は、公正な契約により合意された条件で幅広い種類の豊富な客室を提供する ことを申し出ている。FIFA 本部については、提案しているホテルの契約した客室総数は、700 室の要件を満 たしていない。オフィス用スペースの考え方に関する追加的な情報が必要である。 日本には、数多くの国際空港及び国内空港、並びに、充実した道路と鉄道のネットワークからなる素晴ら しい輸送インフラがある。しかし、ピーク時における輸送能力を増強し、イベントの輸送業務を円滑化する 3. エグゼクティブ・サマリー 日本の招致提案の開催理念は、オーディオ、ビデオ及び情報技術を利用したサッカーの新しいコンテンツ、 新しいハイテク・スタジアムの体験、グローバルファンフェスト、革新的なインターネット事業、そして、 教育活動の 5 つの主たる部分から構成されている。招致提案は、全国及び地方のサッカー協会、地方自治体 当局(適切に締結された開催都市契約による) 、及びスタジアム当局(適切に締結されたスタジアム契約によ る)によって支持されている。 招致提案においては、11 の開催都市と 13 のスタジアムが提案されており、これは FIFA の 12 スタジアムの 最低要件を上回っている。提案されている 13 のスタジアムのうち、12 のスタジアムは既に存在しており、こ れらは改築されることになり、 また、 1 つのスタジアムが新たに建設される。スタジアムの建設と改築用には、 7 億∼ 13 億米ドルの予算が見積もられている。8 つのスタジアムは、2002 年 FIFA ワールドカップで使用され たことによって確認されているように、FIFA の従来の要件を満たしている。しかしながら、2022 年 FIFA ワー ルドカップを日本が開催することになった場合、将来における FIFA ワールドカップのスペースと質の要件を 満たすことについて、特別の注意が必要となろう。 サッカーの発展という点については、開催提案は、日本及びアジアにおける既存の活動の上に構築しよう としており、また、更なる発展に向けた活動のための収益を生み出すために、例えば、グローバルファンフェ ストやインターネット事業といった開催理念のいくつかの要素をてこ入れし、商業化することを計画してい る。日本サッカー協会(JFA)及び J リーグは、全世界において高い評価を受けており、チームは、クラブレ ベル及び国際レベルにおいて様々な成功を収めている。日本は、最近 20 年間において国際的なサッカーイベ ントを開催してきた経験があり、2002 年 FIFA ワールドカップ及び 2001 年 FIFA コンフェデレーションズカッ プを共催し、また、数回の FIFA クラブワールドカップを成功裏に開催している。 招致委員会は、必要な数の開催地指定チームホテル(VSTH)と契約しているが、必要な数の開催地指定ト レーニングサイト(VSTS)と契約していない。招致委員会は、必要な数のチームベースキャンプ(TBC)の 258 ための輸送量削減措置が不可欠である。 また、日本は、強力な情報通信技術(ICT)インフラを擁しており、FIFA の要件を満たしているように思 われる。 大規模イベントのための安全及び治安、健康及び医療サービスに関する国際基準も満たされているようで ある。しかし、政府保証第 4 号(安全及び治安)の条件の全てが満たされているわけではないことから、安 全と治安の理念の実践は完全には保証されていない。 招致委員会は、持続可能な社会と人の発展に向けての活動及び、環境保護計画に関する招致委員会として の理念を提出した。 招致委員会は、大会関連イベントとして適切な提案も提出している。 マーケティング、メディア及びコミュニケーションの問題にも対応している。招致ブックにおいて提供さ れている情報によれば、日本では大規模なイベント及びサッカーのスポンサーシップの市場は十分に確立さ れ発展しているようである。しかし、必要な保証として、政府保証第 6 号(商業的権利の保護及び利用)の 一部としては、保証及び確認が提供されておらず、FIFA の全体としての商業プログラムは、保証することが できていない。FIFA ワールドカップが日本で開催された場合、テレビ収入が減少し、その結果、ヨーロッパ での商業的な利益が減少するリスクがある。想定されるヨーロッパでの収入の喪失を相殺するためにアジア・ オセアニアからの収入が大幅に増加することが必要であろう。 招致委員会は、2021 年と 2022 年の FIFA コンフェデレーションズカップと FIFA ワールドカップについて、 8 億 4340 万米ドル(経常)の支出予算を提出している。この予算は、根拠となる情報を添付することなしに、 所定のフォーマットで提出されたものである。販売可能なチケットを約 3,280,000 枚と予測している。 日本が開催権を得た場合、 FIFA の法的リスクは、 中程度のもののように思われる。政府保証及び政府宣言は、 259 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 政府文書に関する FIFA の要件を遵守しては提供されていないことから、必要な政府の支援は、確保されてい FIFA ワールドカップが、国及び地方の両方のレベルに影響を及ぼす大規模なスポーツイベントであるとい ないが、日本政府は、大規模なスポーツイベントの開催及び準備を支援してきた経験があり、主要な許可を う事実に鑑み、日本政府の内閣は、招致計画全体を承認している。さらに、2022 年 FIFA ワールドカップ日本 提供し、イベントの開催者の懸念に対応する意図は証明されており、また、必要な政府保証及び法令を制定 招致委員会及び開催候補都市の地方政府両方の代表からなる「2022 年 FIFA ワールドカップ招致連絡協議会」 する意図を表明している(期限を受け入れていない) 。また、契約文書に関する要件は満たされている。 が設立されている。世界的な経済大国である日本は、名目国内総生産(GDP)では世界第二位であり、購買 力平価では第三位である。また世界第四位の輸出国であり、世界第五位の輸入国である。銀行、保険、不動産、 小売、 運輸、 電気通信及び建設が全て主要な産業である。2009 年の一人当たり GDP は、 約 32,500 米ドルであり、 4. 招致提案評価報告 招致立候補登録において FIFA が設定した要件に応じて、日本サッカー協会(JFA)は、招致プロセスを取 り扱う招致委員会を設立した。招致文書は、2010 年 5 月 14 日、FIFA 会長に提出された。視察訪問は、2010 年 7 月 20 日から 22 日まで実施され、FIFA 視察団は、合計で約 71 時間日本に滞在した。 推定失業率は 5.1% であった。 開催都市に関する一般的な情報 北から南に向かって記載されている FIFA ワールドカップの 11 の開催候補都市は、札幌、茨城、埼玉、東京、 横浜、新潟、静岡、豊田、大阪、神戸及び大分である。日本の気候は、北と南では大きな違いがあるが、平 均気温は 22℃から 25℃、湿度は 60% から 80% の間であり概ね温暖である。同国は、地理的特徴に基づいて、 視察訪問は良く構成されており、包括的な情報が提供された。日程には、大阪と東京が含まれていたが、 6 つの主要な気候圏に分類されている。北海道、中央高地及び瀬戸内海は、温暖な気候で、一週間の降雨量は 大阪では、視察団は、開幕戦と決勝戦の会場として建設されるスタジアムに関する情報を受け取った。また、 適度であるが、日本海及び太平洋側、並びに、琉球諸島は温暖、亜熱帯地域であり、特に、台風が頻繁に来 視察団は、FIFA 総会の会場候補、FIFA ファンフェストの会場候補、チームベースキャンプの候補、国際放送 る 5 月から 7 月半ばまでの雨の多い季節には、 激しい降雨があり得る。環太平洋火山帯上に位置する日本では、 センター(IBC)の場所の候補、及び、FIFA 本部のホテル候補も訪問した。東京では、グループステージのス 3 つの構造プレートが交差しており、頻繁に軽度の地震があり、まれに火山活動がある。 タジアムの一つである埼玉スタジアム 2 ○○ 2、チームベースキャンプのホテル、及び、予選抽選会と本大会 組み合わせ抽選会の会場候補を視察した。この施設訪問中の所見は、以下の招致提案評価報告書に含まれて 主要行事 いる。 6 月と 7 月のトーナメント期間中に行われるトーナメントの運営に影響を及ぼし得る国民の休日、祝祭日 又は主要なスポーツイベントは存在しない。 4.1 招致立候補国と開催都市 4.2 開催理念 招致立候補国に関する一般的情報 日本の人口は約 1 億 2700 万人である。日本の時間帯は、UTC+9 であり、夏時間は実施されてない。同国の 公式言語は日本語である。 日本は、208 の加盟協会のできるだけ多くの人々に FIFA ワールドカップを提供するための 5 つの主たる提 案に重点を置いた包括的かつ十分に構成された開催理念を提供している。招致提案には、 (ビデオ、オーディ オ及び情報通信技術を使った)新しいサッカーの概念、 (日本の超臨場感技術を使った)新たなスタジアム体 日本は、立憲君主を擁する議会制民主主義であり、天皇の権限は、外交的な機会のみに制限されている。 験、及び、 (FIFA のハイパーアプリケーションの形態での)最新の技術によって可能になった革新的なインター 権力は、 主に、 政府の長である日本の首相、 及び、 選挙で選出される衆議院と参議院からなる国会(二院制議会) ネット事業を提供することによってサッカー及びその周辺にサービスを拡大する提案が含まれている。全世 の選挙されたその他の議員が持っている。 界の 208 の加盟協会の約 400 カ所の会場で実施されるユニバーサルなファンフェストを中心とした教育活動 は、多くの人々に FIFA ワールドカップを体験するチャンスを提供するよう実施されることになる。この技術 日本の地方政府は、県と市町村という二段階で構成されている。同国は、47 都道府県に分かれており、都 道府県それぞれは、多数の市町村から構成されている。市町村には、市、町、村及び特別区の 4 種類がある。 革新は 3 億 6000 万の人々に行き渡り、世界中でのサッカーの宣伝及び発展に積極的な効果があるものと見込 まれている。 全ての都道府県及び市町村政府には、議会、行政機関及び選挙された長がある。地方政府は、それぞれ火災、 防災及び災害対応、 環境問題、 保健及び福祉、 インフラ、 産業及び労働について責任を負っている。地方政府は、 市民に直接サービスを提供しており、それぞれの域内の市、町及び村の管理について責任を負っている。 日本は、かなりの国際的なサッカーイベントを開催してきた経験があり、2002 年 FIFA ワールドカップ及び 2001 年 FIFA コンフェデレーションズカップの共催に成功し、また、複数回の FIFA クラブワールドカップ、 1993 年の FIFA U-17 世界選手権及び 1979 年の FIFA ワールドユース選手権を開催している。 260 261 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート ユニバーサルファンフェスト及びワークショップを通じて社会的な問題への対応についての認識を高めるコ 日本が開催権を得た場合、FIFA の商業権プログラムとの整合性及び統一性を確認するために主たる提案の 更なる分析が必要となろう。詳細については、開催契約第 19 章を参照されたい。 ミュニケーションである。プログラムの対象範囲は、国内については健康関連要素が主であり、また、世界 的にはコミュニケーションの要素が主なものとなる。 招致ブックでは、JFA が国連グローバルコンパクトへ参加していることが言及されているが、提案の認識向 4.3 サッカーの発展 上部分を実践するその他のパートナーの候補については明示的には言及されておらず、政府機関(例えば、 日本の国際協力機構)の関与については触れられていない。継続中の JFA こころのプロジェクト(教育) 、 J リー 日本は、全世界におけるサッカーの発展に貢献し、それによって、既にアジアで実施されている活動を強 グ介護予防事業(健康) 、及び、208 Kids' Dreams(若者のワークショップ)が、プロジェクトの具体的な例と 化及び継続する方法に関する素晴らしい提案を提出している。招致提案は、日本及びアジアにおける既存の してあげられている。持続可能な社会と人の発展のための提案されているプログラムは、現在の FIFA CSR 戦 活動の上に構築しようとするものであり、また、更なる発展に向けた活動のための収益を生み出すために、 略及び計画と極わずかに関連性があるにすぎない。 例えば、グローバルファンフェストやインターネット事業といった開催理念のいくつかの要素をてこ入れし、 商業化することを計画している。しかし、広範な開発プログラムの実施方法及びそのための資源に関して提 招致提案では、JFA の現在の CSR 計画に密接に関係した若干の重点分野及び計画のみを中心とした積極的 供されている内容は不十分である。招致提案には、 「208 Smiles プロジェクト」が言及されているが、その目標 かつ善意に基づいた提案が提供されている。しかし、こうした計画を統合するために必要なプロセス及び資 には次のものが含まれている。 源は、詳細には提示されていない。 a) 最高の施設にコーチとチームを迎え、女子サッカーを発展させること。 潜在的なリスクとしては、プログラムの国際的な要素が、短期的な影響を伴うコミュニケーションキャン b) FIFA 女子ワールドカップを開催すること。 ペーンのみになってしまう可能性があること、並びに、FIFA ワールドカップの持つ力及びそれによって生み c) JFA のドリームアジアプロジェクトを拡大すること。 出される関心を考慮すると、プログラム全体が、他の社会的問題について世界的に展開するためには、十分 d) スポーツと健康に関する計画を支援すること。 には野心的ではない可能性があるということである。 e) FIFA とシニアサッカートーナメントを開催すること。 f) ユニバーサルファンフェストを通じて、世界中に普及レベルのサッカーを広めること。 g) FIFA と障害者サッカー競技大会を開催すること。 4.5 環境保護 JFA と J リーグは、そのサッカーの発展活動によってアジア及び世界中で高く評価されている。JFA は、長 日本は、要請されたあらゆる点について、JFA の現在及び過去の環境活動を含め、明確かつ簡潔な情報を提 年にわたりアジアにおけるサッカーの発展を促し、多くの加盟団体と経験を共有し、AFC プロフェッショナ 供している。 ルリーグプロジェクト、JFA のドリームアジアプロジェクト、並びに、有資格指導者及び審判インストラクター プログラム等の積極的な影響を持つ発展のための事業活動を行っている。招致提案における国際的発展に関 する提案の影響を最大化するために FIFA/MA 共同発展委員会を設立することが必要となろう。 LOC は、環境専門家のアドバイス、及び環境省と JFA が編集したスポーツイベントの二酸化炭素排出の評 価及び削減マニュアルに基づいて環境への影響を評価し、また、FIFA ワールドカップに関係する環境保護に 関する全体的な計画とガイドラインを作成することになる。プロジェクトには、スタジアムのクリーンアッ プ、無料の公共輸送機関、及び、飲食品用の再利用可能な容器が含まれることになる。また、招致委員会は、 4.4 持続可能な社会と人の発展 提供された情報は完全であり、FIFA ワールドカップに関連する持続可能な社会と人の発展のための計画が 幅広く記載されている。 全ての炭素排出輸送機関を削減しようともしている。 JFA は、環境の原則に取り組む国連グローバルコンパクト及びチャレンジ 25 キャンペーン(地球温暖化を 防ぐための政府のキャンペーン)に既に参加している。さらに、JFA は、スタジアム・クリーンアップ・キャ 招致提案は、FIFA ワールドカップによって、利害関係者全員が、企業の社会的責任(CSR)活動に参加す ンペーン、及び、学校や公園に芝生を植えるためのグリーンプロジェクトを実施している。関係省庁、国内 ることが可能になることを想定している。かかる活動の主要な社会的側面は、貧困と差別を防ぎ、社会的調 及び国際的な機関、地方政府、環境研究グループ及び地方の環境グループからなる環境諮問委員会による指 和を生み出すための子どもの教育、成人の肥満、糖尿病、心臓病及び高血圧の予防に重点をあてた健康の促進、 針を踏まえ、LOC の環境管理部門は、提案されている環境保護計画を実施することになる。提案されている 262 263 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 活動を実施するために必要な資源、及び、スケジュールは、詳細には提示されていない。また、6 つのコア分 野の目標は明確に説明されているが、数値化が行われていない。 スタジアムとの契約上の根拠 一方的に締結されたスタジアム契約は、13 の全てのスタジアムから提供されている。スタジアム契約は全 招致ブックによれば、JFA は、既に環境問題に積極的に取り組んでおり、日本において環境プロジェクト及 て、一切の変更なくスタジアム契約のテンプレートに完全に従ったものである。 び環境キャンペーンを展開した豊富な経験がある。JFA は、 日本政府や様々な国内の利害関係者とのみならず、 全世界において豊富な経験を有する国連環境計画(UNEP)とも作業を行うことになる。しかし、提示されて 結論 いる基本理念は、FIFA ワールドカップの世界的な重要性に見合った全ての開催分野において環境プログラム 招致提案においては、11 の開催候補都市と 13 のスタジアムが提案されており、これは FIFA の最低要件を を実施するには不十分である可能性がある。 上回っている。提案されている 13 のスタジアムのうち、12 のスタジアムは既に存在しており、これらは改築 されることになり、また、1 つのスタジアムが新たに建設される。スタジアムの建設と改築用に、7 億∼ 13 億米ドルの予算が見積もられている。スタジアム内部の構成及びインフラを分析した結果、例えば、埼玉ス 4.6 スタジアム タジアム 2 ○○ 2 には、各種構成グループを受け入れるために利用できるスペースが限られていることにつ いてのいくつかの疑問が生じる。同様に、一時的なイベント用の構造物を収容するには、ほとんどのスタジ 分析及びコメント アムの内部及び / 又は周辺エリアにおいてスペースが足りないように思われる。例えば、計画中の大阪エコ・ −全てのスタジアムは、105 x 68 メートルのピッチサイズの要件を満たしている。 スタジアムの周りのエリアは限定的であるように思われる。8 つのスタジアムは、2002 年 FIFA ワールドカッ −全てのスタジアムは、芝のピッチになる。 プで使用されたことによって確認されているように、以前の FIFA の要件を満たしていた。しかしながら、 − 12 の既存のスタジアムは、2016 年から 2019 年に改築されることになり、その設計段階は 2014 年に開始 2022 年 FIFA ワールドカップを日本が開催することになった場合、将来における FIFA ワールドカップのスペー される。 スと質の要件を満たすことについて、特別の注意が必要となろう。 −大阪エコ・スタジアムは、2014 年から 2019 年の間に建設され、その設計段階は 2010 年に開始される。 FIFA の要件が満たされることについての保証が与えられている。 −現在、13 のスタジアムのうち 9 つのスタジアムが FIFA の照明に関する最低要件(2,000 ルクス)を満た 4.7 開催地指定チームホテルと開催地指定トレーニングサイト していない。 −最新の施設と技術(例:映像、カメラ、音響)が全てのスタジアムに設置される。 招致ブック及び関係文書は、 提案されている全ての開催地指定チームホテル(VSTH)及び開催地指定トレー −大阪エコ・スタジアムでは、開幕戦と決勝戦が開催される。 ニングサイト(VSTS)に関する基本的な情報を提供しており、それぞれが施設のクオリティー、場所及び実 −大分と新潟のスタジアムは、市の中心部との連絡は主としてバスに依存することになるが、これは、一 施経験に基づいて選択されたものであることが明記されている。招致提案では、28 の VSTH が提案されてい 時的なイベント輸送業務にとって課題となり得る。 − 11 のスタジアム(大阪エコ・スタジアムと大分を除く全て)は、現時点では様々な構成グループ(VIP、 メディア)のための FIFA の座席要件を満たしていないようである。 るが、これは、13 の試合会場についての招致委員会の計画に基づく必要な数を上回っている。しかし、提案 されている VSTH のうちの 2 つは、 チームベースキャンプ(TBC)ホテルとしても提案されているものであり、 従って、その数は 26 まで減少することになるが、これは、必要な数に丁度あうものである。宿泊施設には、 − 5 つのスタジアム( 埼玉スタジアム 2 ○○ 2、国立霞ヶ丘競技場、ユニバー記念競技場及び大分スポー 四つ星及び五つ星のホテルも均等にバランス良く含まれている。招致ブックの情報テンプレート 6 において ツ公園総合競技場)は、現時点においては、FIFA の駐車場に関する最低要件を満たしていないようであ 提供されている詳細によれば、一カ所の開催地につき 2 つの VSTH が提案されているが、例外として、東京、 る。 大分及び大阪は、四つ提案されている。豊田及び大分それぞれ 1 つの合計 2 つの VSTH は、現時点において − 総じて、スタジアムは、FIFA のスペース及び技術的な要件を満たすために改修することが必要である。 は、十分な数の客室を提供していない。また、大分の 2 つのホテルのうちの 1 つは、水準に違いがあるため、 調整が必要となる可能性がある。 現地輸送 スタジアムは、国内に平均的に分散しており、関係都市間には多数の輸送機関の路線が存在する。全般的 招致提案は、46 の VSTS を提案しているが、これは 13 の試合会場用の招致委員会の計画に基づいて必要 には、インフラ及びスタジアムと市の中心部を結ぶ公共輸送機関は、観客を迎える良好な状態を確保するた となる 52 カ所には 6 カ所不足している。さらに、VSTS 候補のうち 4 つは、TBC トレーニングサイトの候補 めには十分なように思われる。しかし、追加的な一時的なイベント輸送業務、及び、交通量削減措置が必要 でもあり、従って、この数は更に減少する可能性がある。4 カ所の開催地では、VTST 候補のうちの 2 つにつ となり得る。 いては、ピッチが同じ運動施設のグラウンド上にあるようであり、この状態は、近すぎるという懸念を生じ 264 265 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート させるものである。茨城(60km) 、及び、おそらく東京のうちの 1 カ所(26km)を除き、VSTS 候補は全て、 トの施設は、全般的には、開催契約に従ったものであり、また、招致委員会は、招致が成功した場合、全て VSTH からの距離は、必要とされている 20 分以内にあるようである。いくつかの VSTS の投光器の能力は、 の要件が完全に満たされることになることを保証している。トレーニングサイトは、その大きさ、経年数と 現時点においては、500 ルクスという FIFA の最低要件に適合しておらず、また、いくつかの VSTS は、十分 いう点では様々であり、これから建設しなければならないものもいくつか含まれている。結論としては、招 な観客スタンドがないが、招致ブックは、招致が成功した場合、開催契約に記載されている仕様は全て満た 致ブックにおいて提供された情報は、相互に車で 20 分以内の距離にある質の高いホテルとトレーニングサイ されることを示している。VSTS のほとんどが、10 年以上経つものであることから、多くのサイトは、2022 トを確保するという FIFA の要件に適合しているようである。 年までに改修 / 修繕が必要になるものと推定される。VSTS の改修にかかる可能性がある費用は、予算におい ては安く見積もられているように思われる。 契約上の根拠 招致委員会が契約している TBC ホテルの数は、必要な数の 64 を上回っている。招致委員会が契約した 結論としては、招致提案は TBC ホテルの再配分が未決定であることを前提に、VSTH に関する最低限の招 TBC トレーニングサイトの数は、必要な数の 64 を上回っている。招致委員会によれば、ホテル契約は全て一 致要件を満たしているようである(2 つの VSTH が、TBC 施設として二重にカウントされている) 。しかし、 切の変更なしに該当するホテル契約のテンプレートを完全に遵守したものである。トレーニングサイト契約 VSTS は、必要な数に足りていないが、開催地 1 カ所につき 3 つの VSTS という最終的な選択基準は満たすこ は全て一切の変更なしにトレーニングサイト契約のテンプレートを完全に遵守したものである。 とができそうである。4 カ所の VSTS は、TBC 施設として二重にカウントされており、いずれにするのかを明 確化することが必要になろう。また、更に 4 カ所の VSTS は、他の VSTS 候補と近すぎるという問題が生じる 可能性がある。最後に、 VSTS 候補は、 残りの VSTS の全ての改修が実施されることを条件として、 クオリティー 4.9 宿泊施設 の要件は満たすであろう。 日本は、開催候補都市の市内及び周辺の利用可能な客室に関する正確かつ透明性のある情報を備えた明確 契約上の根拠 で良く整理された宿泊施設計画を提案している。日本のホテル部門は、年間 800 万人の外国人来訪者に宿泊 必要な 26 の VSTH のうち、招致委員会は、26 カ所と契約している。必要な 52 の VSTS のうち、招致委員 施設を提供している多くの伝統的な企業から構成されている。 会は 46 カ所と契約している。招致委員会によれば、ホテル契約は全て一切の変更なしに該当するホテル契約 のテンプレートを完全に遵守したものである。トレーニングサイト契約は全て一切の変更なしに、トレーニ ングサイト契約のテンプレートを完全に遵守したものである。 招致委員会は、質及び数の両方において FIFA のイベント要件を満たすバランスのとれた宿泊施設を申し出 ている。実際には、日本は、既存のホテル在庫で全ての構成グループを収容することができそうである。東 京と静岡で、若干の新たな建設プロジェクトが計画されているのみである。合計で、127,000 室以上が掲載さ れている。ホテルが最も集中しているのは、開催候補都市のうち東京、大阪及び札幌の市内及び周辺である。 4.8 チームベースキャンプホテルとチームベースキャンプトレーニングサイト 招致委員会は、関係する全ての都道府県で契約に署名しており、利用可能な宿泊施設は、FIFA の基準を大 招致ブック及び関連文書は、チームベースキャンプ候補についての基本的な情報を提供している。招致提 きく上回っている。合計で、全国で 96,000 室以上が既に契約上保証されており、これらの契約の FIFA の要件 案は、87 のチームベースキャンプ(TBC)ホテルと、71 の TBC トレーニングサイトを提案しているが、これ との適合性は、サンプル評価によって確認済みである。この数は、必要な 60,000 室を上回っている。平均で は、 事実上、 重複なしに最高 71 組の TBC のホテルとトレーニングサイトの組み合わせを提供するものであり、 全てのホテルの客室在庫の 77% が契約上保証されているが、FIFA ホテル契約のテンプレートでは、各ホテル この数は、FIFA の 64 組の要件を上回っている。しかし、この数字には、VSTH と VSTS のリストにも掲載さ について 80% とすることが義務付けられている。 れている 2 つのホテルと 4 カ所のトレーニングサイトが含まれており、このため総数は少なくなる可能性が ある。TBC は、64 都市に分散しており、その多くは、2002 年 FIFA ワールドカップ中にも使われたものである。 宿泊施設には、三つ星、四つ星及び五つ星のホテルも均等にバランス良く含まれている。 宿泊施設計画は、新しいホテルの建設に依存する必要がなさそうである。東京と大阪では、利用できる客 室が多いが、これは、埼玉等の小規模な開催地にとって助けとなるものであり、また、大阪の IBC 用の宿泊 施設等の追加的なイベント需要を満たすものである。東京と大阪において契約上保証されている客室の数は、 ホテルの平均客室数は、178 室であり、これは、多くのチームが必要とするよりも多い。87 のホテル候補 FIFA ワールドカップ決勝戦を開催するためには十分であり、また、サポーター及び来訪者用の十分な収容力 のうち 29 は、100 室未満のものである。しかし、2 つのホテルには 24 室しかなく、これはおそらくチームの も残されている。同様に、札幌、豊田及び横浜における契約上保証されている客室数も、FIFA ワールドカッ 代表団を収容するには小さすぎるであろう。 TBCトレーニングサイトとTBCホテルの間の距離は適切であり、 プの開幕戦用として現在予想されているイベント用客室照会数を上回っているが、サポーター用の収容力に 大半は 10 キロ未満しか離れていない。トレーニングサイトの規模、投光器の強度、及び、トレーニングサイ は限りがある。全ての開催候補都市には、グループリーグ用として契約上保証された十分な数の客室がある。 266 267 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 全国では、幅広い宿泊施設が利用可能であり、それらは主として三つ星から五つ星、及び、若干の二つ星 り、2020 年には完成している予定である。この結果、ほとんど全ての開催候補都市間で高速で信頼できるサー の物件も含まれている。標準的な客室に基づいた現時点で合意されている宿泊料の平均価格は、次のように ビスが提供されることになる。日本では、全国に広がる約 9,000 ㎞の自動車道からなる発達した高速道路網が なっている。 既に運用されている。11 の開催候補都市のうち 9 都市は、半径 250 ∼ 300km 以内に位置しており、この結果、 五つ星は、425 米ドル(東京)から 129 米ドル(茨城) 道路での平均移動時間は、3 時間から 3 時間半である。同国が長く伸びた形状をしていることにより、札幌と 四つ星は、196 米ドル(横浜)から 142 米ドル(神戸) 大分は、他の主要な開催候補都市からは遠く(それぞれ 750 ∼ 800km、及び、600 ∼ 650km) 、移動時間は長 三つ星は、97 米ドル(東京)から 61 米ドル(大分) 時間となる。 招致ブックによれば、客室料は安定しており、大規模なイベント際の需要の増加によってほとんど影響を 開催都市レベルでの輸送 受けることはない。この価格政策の信頼性は、FIFA のホテル契約を受け入れている日本のホテル側の割合が 招致委員会は、試合日の開催候補都市内の無料の公共輸送サービスに基づいた全体的な輸送の戦略と理念 高いことによって実証されているが、これは、FIFA 及びパートナーを、膨大な宿泊料や不公正な条件から守 を提案している。試合後 4 時間、必要な場合には 24 時間のシャトルバスの運行を含む柔軟性のある公共輸送 るものである。要するに、招致提案は、FIFA の宿泊施設の要件を満たしており、公正で契約上合意されてい サービスの提供は、輸送関連の環境への影響を最小化し、二酸化炭素の排出を減少させるものである。排出 る条件による広範かつ豊富な客室の供給に基づいたものである。 ゼロの電気自動車及び低排出のハイブリッドバスが競技大会中、いくつかの構成グループに対し公式自動車 として提供されることになる。 4.10 FIFA 本部 全般的には、開催候補都市のインフラは、全国における良好な状態を反映したものである。13 のスタジア ムのうち 11 のスタジアムは、2 つの主要なクラスターにあり、このため、互いに 2 時間の移動時間で行き来 招致委員会は、FIFA 本部用のホテル及び FIFA VIP 用ホテルをそれぞれ一つずつ提案しており、両方につい することができる。 て十分な情報を提供している。FIFA 本部は、決勝戦の開催都市にあるホテルニューオータニ大阪になる。こ のホテルには、525 の客室がある(そのうち 360 室が契約されている) 。VIP 用ホテルは、リッツカールトン −東京、横浜、埼玉及び茨城は、相互の移動時間と距離が比較的短いことからまとめて考えることができる。 大阪であり、このホテルには 292 の客室がある(そのうち 235 室が契約されている) 。FIFA 本部のホテルは、 これらの都市は、それぞれ独自の飛行場と、新東京国際空港への良好な接続という 2 つの空港のオプショ FIFA 総会の会場と極めて近い位置にある。また、大阪エコ・スタジアムからはわずか 5km であるが、関西国 ンを提供している。こうした都市のスタジアムは全て、市の中心部から 10 ∼ 15km 以内の場所にある。 際空港からは 52 ㎞ある。 こうした問題になっているスタジアムは全て、少なくとも地方の鉄道路線に接続されており、また、近 くに新幹線、及び、高速道路へのアクセスがある場合もある。 FIFA は、8,000 ㎡のオフィススペースを必要としている。提供されている情報によれば、ホテルニューオー タニ大阪の 4,283 ㎡の会議用スペースが、18 の会議室におけるオープンプランのオフィス用に留保され、残 −大阪、神戸及び豊田(列車で 1 時間の距離)も、まとめて考えることができる。上述の通り、スタジア ムは比較的都心部に近く、このため、主要な飛行場や駅への連絡も容易である。 りの 3,720 ㎡は、客室をオフィススペースに転換することによって利用可能になる。しかし、客室のオフィス −新潟と札幌(2020 年までに新幹線網に接続される予定)では、 スタジアムは都心にあり(半径 5km 以内) 、 スペースへの転換は、FIFA の要件を緩和するものではない。結論としては、候補ホテルの契約済みの客室総 また、都市部の交通網も良く発達しており、鉄道及び / 又は地下鉄の路線が、スタジアムと都心及び主 数は、700 室の要件を満たしていない。オフィス用スペースの考え方に関する追加的な情報が必要である。 要な会場(FIFA ファンフェスト、主要なホテル地区及びその他の会場)を結んでいる。 −大分と静岡の市内及び周辺の輸送インフラはそれほど良く発達しているわけではない。大分は、飛行場 から遠く(約 60km) 、また、新幹線の接続はない。このため、現地 / 地方の鉄道及び自動車道でのみアク 4.11 輸送 セス可能である。静岡は、東京と大阪・神戸という巨大都市圏の間にあるとはいえ、主たる鉄道の駅及 び空港から容易に到達できる範囲にはない。さらに、都心と主要な大会関係の会場が、主たる宿泊施設 全国レベルでの輸送 がある場所とスタジアムから若干距離があるところに位置している。 日本は、国内の輸送インフラの概要、輸送戦略案、及び、データ・地図集の 3 つの主たる部分からなる明 確かつよく整理された輸送に関する文書を提出している。日本の地上輸送インフラは、日本の隅々まで全体 で 2,000 ㎞をカバーしている。2010 年現在、高速鉄道である新幹線は、いくつかの開催候補都市を直接結ん でおり、列車は、時速 300km まで達する。開催候補都市間では多数の新たな新幹線の路線の建設が続いてお 268 269 資料集 航空輸送 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 4.12 情報技術及び通信ネットワーク 日本は、空港の状況についての明確な情報を提出しており、国際的な航空輸送ハブ及び国内航空市場の状 況についての包括的な概観を提供している。 提出された文書は、極めて詳細というものではないが、主要な情報通信技術(ICT)の要件を全て幅広くカ バーしている。同文書は、 日本における現在及び計画されているITインフラについて、 商業的及び法的な側面、 日本には、全国に分散している 4 つの国際空港があり、これらの空港は、大会中、海外からの来客を迎え 並びに、競争という点における市場の状況をもカバーしつつ説明している。また、同文書には、ユビキタス るための完全な装備を整えている。東京地区には、 羽田東京国際空港(HND)と成田国際空港(NRT)があり、 ネットワークストラクチャを創設するための「u-Japan」戦略について記載されているが、これは、どこでも、 後者は、2009 年に拡張され、高速鉄道システム(成田スカイアクセス)により 30 ∼ 40 分で東京に接続され いつでも、なんにでも、誰でも容易にアクセスすることができるというもので、FIFA の構成グループの多く ている。一方豊田と静岡は、中部セントレア国際空港(NGO)があり、大阪と神戸には、関西国際空港(KIX) のニーズをも満たすものでる。日本におけるインターネットの浸透度は、ブロードバンドの利用可能性、イ がある。これらの 4 つの主要な国際空港はいずれも、試合の前後 10 時間における十分な旅客処理量がある) ンターネットのユーザー数、インターネットを使用している世帯、及び、インターネットを使ったサービス に加えて、国内の約 90 の空港が国内線のサービスを提供している。開催候補都市間で最長の距離は、札幌と という点では高い。光ファイバーは、ほとんど全国で利用可能であり、既に、全開催候補都市で利用可能になっ 大分間であるが、これは、ほぼ 3 時間半かかるが、開催候補都市間の平均は 2 時間を下回っている。 ている。固定電話網及び携帯電話網は、全ての大会の開催地で利用可能であり(例:チームベースキャンプ、 スタジアム、 ホテル) また全国に固定電話の固定料金制がある。日本と外国との間の光ファイバー通信容量は、 現時点では、 羽田東京国際空港だけは、 現在から2022年の間に修復が実施される予定である。この修復によっ 日本と米国の間の海底ケーブルである「Unity」の開設後は、ほぼ 13.18Tbps となる予定である。 て、試合の前後 10 時間の現在の処理能力が、到着・出発旅客 14,000 人分増えることになる。 日本は、 10 基の電気通信及び放送衛星をもっているが、 これらの衛星は、 国際放送のバックアップ又はサポー 開催候補都市では、大分、神戸、静岡そして新潟のみに小規模な空港があるが、これらの空港の年間旅客 トとして活用することができる。周波数は、総務省により規制されているが、総務省は、2002 年 FIFA ワール 者数は、約 300 万人である。しかし、招致提案では、大会中、こうした空港の全てが、チャーター便及びプ ドカップ及び 1998 年冬期オリンピック競技大会においてこの分野での経験がある。携帯電話市場は、競争が ライベートジェットの発着を処理するよう整備されることになり、試合の前後 10 時間は十分な処理が可能に 激しく、5 つの主要な会社から構成されている。特定の領域における独占的状態を防ぐために商事法が施行さ なり、包括的な航空輸送網が確保されるとしている。 れている。 張り巡らされた新幹線網は、大分を除く全ての開催候補都市における航空輸送にとっての適切な代替輸送 提供された情報の中には、例えば、固定電話の 100% カバー率や、全国的な定額制等、後の段階において 手段である。なお、大分についても、日本で最も交通量の多い飛行場の一つである福岡空港から 120km も離 確認を要すべきものもある。また、来訪者が、外国の携帯機器を日本で使用できるかどうかについては更な れていない。 る詳細な情報が必要である。電子マネーのソリューション(例:チケット販売又は公共輸送機関)に携帯機 器を統合するという招致提案は、現実的ではない可能性がある。しかし、日本は、ICT における世界のリーダー 結論 の一つであり、インフラの継続的な向上を通じてその地位を達成しており、このことは、日本の将来の計画 全体として、日本には素晴らしい輸送インフラがある。4 つの主要な国際空港は、全国に分散して配置さ に信頼性をもたらすものである。 れており、これによって、イベント中の来訪者の到着が容易になる。さらに、隅々まで行き届いた道路と高 速鉄道網は、国内の信頼できる輸送手段を提供している。スタジアム間を地上輸送手段で2時間以内の移動 日本は、強力な(ICT)インフラがあることが一般に知られている。しかし、提案は、FIFA ワールドカッ 時間で行き来できる主要な都市のクラスターが2つ存在する。しかし、ピーク時における輸送能力を増強し、 プの ICT の全ての要件に対応することについては十分に詳細なものではない。文書では、こうしたイベント イベントの輸送業務を円滑化するための輸送量削減措置が不可欠である。長時間の移動時間を必要とするの における日本の経験が強調されているが、インフラをどのように強化するかについては十分な説明がなされ は、札幌と大分だけである。 ていない。しかしながら、招致提案において記載されている多くの能力や、日本の国際接続性の余地は、イ 270 附属書 1 -国内輸送網(略) ベントの要件に沿ったものであるものと思われる。しかし、ICT の実施に対する完全なサポートは、必要な 附属書 2 -開催都市輸送網(略) 保証、約束及び確認が政府保証第 7 号の一部として提供されていないことから、確保されていない。 271 資料集 4.13 安全と治安 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート ている要件を網羅している。 招致ブックは、FIFA ワールドカップで予想される治安の理念に関する全ての要素についての短いが簡潔な 予選抽選会、FIFA コンフェデレーションズカップ抽選会、本大会組み合わせ抽選会、及び、チームワーク 概観を提供している。この理念は、全国及び開催地固有のレベルの双方における全関係者のニーズに対応し ショップについての候補会場である、東京国際フォーラム及びパシフィコ横浜は、こうしたイベントを開催 たものである。 するために十分な収容力があり、また、抽選会場、放送施設、メディアセンター、商業的展示エリア、チー ムワークショップ、会議室、及び FIFA の事務所用に十分なスペースがあるように思われる。東京国際フォー 招致提案では、国際テロ活動の問題についてオープンに取り扱われており、また、警戒態勢にある全ての 当局を取り込んだ統合的なアプローチを予定しており、更に、国際機関やこの分野におけるその他の主要な ラムには 7 つのホールと 34 の会議室がある。パシフィコ横浜には、1 つの会議場と、37 の会議室、そして、 20,000 ㎡の展示スペースがある。 プレーヤーとの幅広い協力も含まれている。この概観は、一般的な要件及び具体的な要件の両方に対応した ものであり、治安上の観点から FIFA ワールドカップの円滑な開催にとって関係がある全ての分野について簡 潔に検討したものである。 こうした場所は、最新の設備とトップレベルの技術も提供している。招致ブックによれば、両方の会場の 近辺には、様々な構成グループが利用できる十分な数のトップレベルの宿泊施設がある。パシフィコ横浜は、 主要な国際空港から 2 時間の場所にあるが、輸送リンクは素晴らしい。 政府の治安体制に関する有益な情報でふくらんでいる招致ブックは、提供されている保証という点では、 FIFA の期待を全て満たすものである。日本は、2002 年の FIFA ワールドカップを含め、長年にわたりスポーツ 審判のワークショップ用に提案されている会場であるリーガロイヤルホテル堺は、FIFA の現在の審判ワー イベントの開催に豊富な経験があるが、治安の理念は、独りよがりになる余地はない。しかし、安全及び治 クショップの要件を網羅しているように思われる。同ホテルは、審判本部ホテルの候補である。FIFA 総会の 安の理念の実践は、政府保証第 4 号の全ての条件が満たされているわけではないので、完全には確保されて 候補会場である大阪国際会議場及び大阪城ホールは、両方とも、FIFA の要件を満たしているようであり、また、 いない。 高級ホテルに隣接した場所にあるというメリットもある。結論としては、大会関連イベントに関する招致委 員会の計画は、FIFA の要件を満たしているようであり、候補会場は、イベントに適しているようである。 全体としては、主要なイベントに係る国際的な安全及び治安の基準は、満たされそうである。 4.16 メディアの施設、通信及び広報 4.14 健康と医療サービス IBC 招致委員会は、十分かつ良質の情報を提供しており、それには、一般的な健康上の推奨事項、医療制度に 招致委員会は、国際放送センター(IBC)用にいくつかの場所を提案している。しかし、こうした場所の候 関する説明、医療費、イベント中に使用する医療施設候補、及び、FIFA ワールドカップに提供される緊急医 補の利用可能性に関する詳細な情報は提供されていない。2002 年 FIFA ワールドカップを共催した経験から、 療、並びに、全ての開催地における病院のリストが含まれている。医療施設、大規模救急医療に関する予防 招致委員会は、IBC の主要な要件については熟知しているものと推定される。 措置及び手順は、 国際基準に適合したものである。風土病や伝染病に関する主な健康上のリスクはなく、 また、 特別の予防接種の必要もない。大規模イベントでのチーム、代表団及び来訪者に対する医療サービスの提供 会場及びスタジアムでのメディア用施設及びサービス に関する医療制度、提案されている医療施設、並びに、予防及び計画は、国際基準を満たしている。医学的 招致委員会から受け取った情報と説明の質は十分なものである。招致提案は、サッカー及び FIFA ワールド な観点からは、予想されていない伝染病又は発生を除き、日本でイベントを開催することに関しては、大き カップへの強いコミットメントを証明している。日本では、 まだ記憶に新しい 2002 年の経験が役立っており、 なリスクはない。全体として、健康及び医療サービスに関する FIFA の要件及び国際基準は満たされるものと メディア用に提案されている施設の質の高さは、招致ブックに十分に反映されている。 予想される。 招致委員会は、メディアが使用するあらゆる新しい技術を推進しようとしており、また、最新の技術的な 発展を採用することを提案している。 4.15 競技会関連イベント FIFA ワールドカップを開催した過去の経験を活かし、 招致委員会は、 強力な招致提案を提出しており、 また、 招致委員会は、競技会関連イベントに関する素晴らしい情報を提供しており、また、開催契約に記載され 272 メディアに高い快適性と効率性を提供することができるあらゆる進歩を促進することを望んでいる。大会関 273 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 係イベントのサイトにおけるメディア用のスペース及びインフラは、容易に要件を満たしている。既存のス 日本の時間帯は、UTC+9(協定世界時よりも 9 時間進んでいる)にあるが、これは、ヨーロッパのテレビ視 タジアムでは、一時的なメディア用の構造物(メディア席、ミックスゾーン、及び、スタジアムメディアセ 聴者からすれば、朝早くから試合を見せられることになる。ヨーロッパでは、一般的に一日の早い時間には、 ンター用)が必要になるところ、これは全体のスペース配分において対応する必要があろう。 プライムタイムやプライムタイムに近い時間に比べると視聴者が少なく、メディア会社にとっては放送権を 活用することが難しくなる。米州では、東部の時間帯では真夜中か明け方、西部の時間帯では夜遅くか真夜 要約すると、メディアの施設及びサービスに関しては大きなリスクは存在しない。 中に試合が生放送されることになる。FIFA は、全世界からの収入をバランスがとれたものとなるように努め ており、この目標は長期的には達成可能なものであるが、2022 年までに達成することは難しいということを コミュニケーション及び広報 留意することは重要である。この目標に向かって作業するため、特に、ヨーロッパにおける前述のリスクと コミュニケーションの理念は十分には詳細になっていない。招致提案は、様々な PR 活動、特に、慈善事業 相殺するため(アジア / オセアニア、ヨーロッパ / アフリカ及び米州の主要な時間帯に基づいて世界を 3 つの 及び FIFA ファンフェストの要素について提案している。サッカーをコミュニケーションの道具として使い、 大きなブロックに分割すると) 、アジア / オセアニア及び米州の割合を大幅に増やすことが必要である。テレ 特に、新しいメディアを目玉にして、全世界のメディアの関心を集めることに強い重点が置かれている。招 ビ視聴率と、FIFA ワールドカップのマーケティング権保持者の露出価値等、FIFA ワールドカップに関連する 致委員会が、FIFA 加盟団体 1 つにつき少なくとも 1 チームの約 6000 人の子ども達を、FIFA ワールドカップを その他の数値の間に相関関係があることに留意すべきである。 経験し、教育活動に参加してもらうために招待することを含め、社会的活動ができるだけ強調されることに なる。現役及び元の国の代表選手が、学童に如何に目標や夢に集中するのか、また、敗北に如何に対処する スポーツマーケティング及びスポンサーシップ市場 のかについて教えるという既存のこころプロジェクトは、継続するようである。 日本のスポーツマーケティング慣行及び国内のスポンサーシップ市場に関し、日本が提出した情報の質は 高い。それには、日本において開催された国際的及び国内のスポーツイベントのリスト、並びに、日本にお 多数の日本のメディア団体がサッカーに関係している。6 人のフリーのテレビブロードキャスターが、主 要なサッカーイベントにかなりの放送時間を割いている。さらに、日本の 2 つの全国的な通信社、全国紙(朝 けるサッカー及びその他の主要なスポーツイベントのスポンサーシップを得た約 30 社のリストが含まれてい る。 日新聞の場合読者は 800 万人に達する) 、及び数十のサッカー雑誌やウェブサイトは、一年中サッカーに関す る情報を提供している。 1 億 2500 万を超える人口を擁し、サッカーへの関心のレベルが高く、トップリーグの試合の平均観客数が 19,000 人と見積もられており、日本におけるファン層は、かなりのものである。日本は、現在、世界第二位 コミュニケーション戦略は、平和、相互理解そして環境問題に対する意識を促進することを目的としたも の経済大国であり、発達したスポンサーシップ市場がある。日本は、FIFA のコマーシャルアフェリエイトに のとなる。FIFA ファンフェスト・プロジェクトは、 (正式の招致スローガンである「208 Smiles」に反映されて とって重要な市場とみなされている。招致ブックでは、日本では、許可のない大会の呼称又はロゴの使用並 いるように)208 の全ての FIFA 加盟団体を関与させて世界中で行うことが計画されているが、これは、大規 びにアンブッシュ・マーケティングは厳格に統制されており、刑事罰の対象であると述べられている。また、 模なロジスティックス上の取り組みが必要となろう。 LOC は、アンブッシュ・マーケティングに関する FIFA の立場を支持し、適切な権利保護プログラムを立ち上 げることについての決意を表明している。しかし、必要な保証として、政府保証第 6 号(商業的権利の保護 及び利用)の一部としては、保証及び確認が提供されておらず、FIFA の権利保護プログラムを保証すること 4.17 放送権とマーケティング権 ができていない。 テレビ及び放送権 屋外宣伝媒体在庫 FIFA は、その収入のかなりの部分を(放送権の販売を通じた)テレビ収入で得ているが、これは、主とし 開催都市の特定の場所における FIFA 及び / 又は LOC による屋外宣伝媒体在庫の使用は、お祭り気分を醸 て世界各地におけるテレビ視聴率及び関連した数値に基づいたものである。テレビ視聴率は、世界のそれぞ 成し、FIFA の対アンブッシュ・マーケティング戦略の重要な部分となる。各開催候補都市において確保され れの領域における試合の生放送が行われる時間の影響を受ける。過去においては(及び、2014 年 FIFA ワール ている屋外宣伝媒体在庫に関し招致委員会によって提供された情報は限定的であり、このため客観的に評価 ドカップにも同じことが当てはまることになる) 、世界のマーケットからのテレビ収入は、均等に分散してお することができない。 らず、ヨーロッパは、まだ最大の割合のテレビ収入を生み出している。テレビ収入が、FIFA ワールドカップ のテレビ視聴率に密接に関係していることから(広告支出は、テレビ視聴率如何であり、また、テレビ視聴 要求した情報のかなりの部分が無く、 「TBC」と記載されており、各開催候補都市において確保されている 率は、それぞれの国で異なっている) 、日本が FIFA ワールドカップを開催した場合(以前の FIFA ワールドカッ 屋外宣伝媒体在庫の数量は明確にされていない。日本が 2022 年 FIFA ワールドカップの開催国に指名された プのキックオフの時間と類似のパターンを前提とすると)ヨーロッパからの収入が減少するリスクがある。 場合、必要な在庫が FIFA の要件に沿って確保されることを確実にするために各開催候補都市の屋外宣伝媒体 274 275 資料集 在庫の状況を再検討すべきである。 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 重要な予算分野 招致委員会は、総職員報酬額を 8,380 万米ドル、全体の支出予算総額の約 10% としており、また、詳細な FIFA 視察団は、大阪(開幕戦及び決勝戦の開催候補都市)における主たる FIFA ファンフェストの会場候補 職員配置計画は、後に作成すると付け加えている。FIFA ワールドカップのスタジアム運営費は、2 億 620 万 である大阪城ホールを訪問した。同ホールは、象徴的な都心の場所にあり、公共輸送機関(バス及び鉄道) 米ドルとなり、予算を作成するために使われた方法は、 「スタジアム及びスタジアムを所有する自治体によっ にも恵まれている。FIFA ファンフェスト用に指定されている場所(西の丸庭園及び大阪城内の近隣の地区) て異なる」と言及されている。3,000 万米ドルが、独立の電力供給の提供に割当てられている。FIFA ワールド のスペースは、FIFA の要件に対応するであろう。日本が FIFA ワールドカップを開催することに指名された場 カップの輸送費は、1 億 2,240 万ドルになる。フライト及び車両の数は示されておらず、後に、具体的なトー 合、現場において利用可能なスペースは、決勝戦のための追加的な収容需要を予想した上で、更に検討すべ ナメント計画に基づいて計算されることになる。 きである。包括的なユニバーサルな FIFA ファンフェストの提案の一環として、招致委員会は、開催候補都市 それぞれについて2カ所の FIFA ファンフェスト会場を提案している。 保険 FIFA ワールドカップの保険代の総額は 2,360 万米ドルと報告されており、そのうち 1,760 万ドルは、キャン 4.18 資金調達と保険 セル・延期・場所の変更に割り当てられることになる。 招致委員会から提出された 2021 年 FIFA コンフェデレーションズカップ及び 2022 年 FIFA ワールドカップの 支出予算は、詳細なコスト推進要因というよりもむしろ高レベルの情報を提供している。支出予算は、年ご 結論 との支出を表しており、それぞれ 28 と 45 の詳細な項目が含まれている。 招致委員会は、計算の元となっているコスト推進要因に関する詳細な情報を提供することなく、所定の様 式で予算を提出している。 支出予算 FIFA コンフェデレーションズカップ及び FIFA ワールドカップの支出予算(米ドル及び日本円建て)は次の 通りである。 コスト推進要因が提供されていないことによって、個々の予算項目についての詳細な分析が妨げられてい る。予算を作成する際に用いられた前提及びコスト推進要因の詳細な内訳を含む追加的な情報は、予算の財 務パラメータと、意図されている大会の執行との相関関係を理解するために必要になろう。 表(略) 招致委員会は、予算には予備費が含まれていないことを確認している。 4.19 発券業務 支出予算では、インフレは、年間インフレ率を 0% として考えられている。その結果、総支出予算のイン 招致委員会から提供された数値に基づけば、提案されているスタジアムは、FIFA の正味の座席数の要件を フレを除いたものとインフレを調整したものは、同じである。招致委員会は、日本政府がインフレ予測を公 満たしているようであり、また、視界が遮られる座席の数は少ないようである。メディア及び VIP 向けの座 表しないことから、2022 年までの期間のインフレ率を予測することは極めて困難であると述べている。招致 席割当ては少なく、正味の収容人数を決定するためには、無料チケット分を追加的に控除する必要がある。 ブックによれば、1999 年から 2008 年までの日本のインフレ率は、-0.9% から 1.4% の間にあった。過去のイン VIP 用座席の数が限られていること以外には、接遇用の収容人数についての詳細な情報はないが、これは必要 フレ率に鑑み、招致委員会は、支出予算用のインフレ率を 0% にしている。 とされている 5 ∼ 8% を下回っている可能性がある。施設の図面は提供されていない。 日本円 100 円= 1 米ドルの固定された為替レートは、全ての年について適用されている。招致委員会は、 日本では、スタジアムが満席になること(正味収容人数の 100%、又は、総座席数の 80% に該当する)を 2022 年までの外国為替レートの動きを一定の確度を持って予測することは現実的ではないと述べている。招 予測することは合理的であり、 その結果、 販売可能なチケットは約 3,280,000 枚となる。この招致提案の課題は、 致ブックによれば、円ドル為替レートは、2000 年から 2009 年までの期間は、1 米ドルに対し 95 円から 130 円 屋内の接遇用スカイボックス及びビジネスシートがほとんどないことであろう。日本ではテントの建設費が の範囲内にあり、より最近の 2008 年から 2009 年までの期間では、95 円から 117 円の範囲であった。招致委 極めて高額であり、開催国によって予算手当がされている場合を除き、屋外のスペースは解決策にならない。 員会は、1 米ドル当たり 100 円の固定した為替レートの適用は、歴史的なレートを考慮したものであると述べ スタジアムでの接遇は伝統的な日本の文化にはなく、在庫はマーケティング要件及び国際的な要件を満たし ている。 ていないであろう。ほぼ全てのスタジアムが既に存在しているということは、座席数を確実にし、早い時期 からの発券業務を可能にするものである。大阪での新しいスタジアムの建設は、開幕戦及び決勝戦に関する 276 277 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 発券の要件を満たすために必要である。 ている事項のいずれについても取り扱われていない。法的意見は、FIFA のテンプレートから実質的に乖離し たものであり、確固たる引用根拠を提供しておらず、引き続き多くの前提及び条件に従うことを条件として 販売可能チケットの予測は提供されているが、発券の数字は、接遇分を含むように調整し、また、カテゴリー を見直すことが必要であろう。 いる。それにも拘わらず、日本が FIFA ワールドカップの開催権を得た場合、日本政府は、大規模なスポーツ イベントの開催及び準備を支援してきた経験があり、主要な許可を提供し、イベントの開催者の懸念に対応 する日本政府の意思は証明されている。 4.20 法的保証と政府保証 結論 日本が開催権を得た場合、FIFA の法的リスクは中程度のもののように思われる。契約文書に関する要件は 招致委員会は、必要な契約書及び政府の開催関係文書全ての完全に締結されたものを提出している。FIFA 満たされているが、政府保証及び政府宣言は、政府文書に関する FIFA の要件を遵守した形では提供されてい のテンプレート文書の内容についての招致委員会の遵守状況及びその結果生じる FIFA にとってのリスクの概 ないことから、必要な政府の支援は確保されていないものの、日本政府は、大規模なスポーツ行事の開催及 観は、附属書 3 に記載されている。 び準備を支援してきた経験があり、主要な許可を提供し、イベントの開催者の懸念に対応する意図は証明さ れており、また、必要な政府保証及び法令(期限は受け入れていない)を制定する意図を表明している。 開催契約は、FIFA のテンプレートから一切の乖離なしに適切に締結された形で提出されている。一方的に 締結された開催都市契約は、11 の全ての開催候補都市から提供されている。開催都市契約は全て一切の乖離 なしに開催都市契約のテンプレートを完全に遵守したものである。スタジアム及びトレーニングサイトに関 する契約文書の評価は、上記の関係箇所に記載されている。招致委員会は、法的に執行可能な政府保証を提 供していない。全ての政府文書には、FIFA のテンプレート文書からの大きな乖離が含まれており、特に次の ような FIFA が求めている重要な点が含まれていない。 −日本における免税措置が FIFA 及びその他の受益者に対し認められておらず、現在の法令及び規則の適用 のみが確認されている。 −必要な治安対策及び緊急措置についての約束が一切行われていない。安全と治安に関する若干の必要な 保証、約束及び確認のみが提供されている。 −商業的権利の保護及び利用に関する保証、約束又は確認が一切提供されていない。国際条約及び著作権 の適用のみが確認されている。その他の知的財産権については言及されていない。 −差別が起こらないことについての確認はなされておらず、また、補償が認められておらず、追加的な法 的保証が提供されていない。法的問題及び補償に関し、若干の必要な保証、約束及び確認のみが与えら れている。 しかし、首相及び日本の議会の議長代行は、日本が開催国に指名された場合、政府文書に含まれている全 ての義務、約束及び保証を受け入れ、また、必要な立法措置をとる強い意意思を表明している。これらに関 しては、期限は受け入れられていない。 政府法律声明には、執行可能性及び必要な法令の変更に関する声明は含まれておらず、また、FIFA が求め 278 279 資料集 10.2022 年 FIFA ワールドカップTM招致評価レポート 付属書 3: 法的リスクの概要 法的文書 政府文書 政府保証 10.2 FIFA 評価レポート:2018/2022 年大会招致立候補国比較 FIFA 評価レポート:2022 年大会招致立候補国比較 FIFA のリスク 中位のリスク 所見 追加的な保証、約束及び立法措置が必要であるが、日本政府はこれまで の経験があり、重大な許可を行う意図を証明しており、必要な政府保証 を提供し立法措置を行う意図を表明している (期限は受け入れていない) 。 契約文書 招致契約 低位のリスク FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出した。 開催都市契約 低位のリスク FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出した。 スタジアム契約 トレーニングサイト契約 低位のリスク 中位のリスク FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出した。 FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出したが、 6 通のトレー ニングサイト契約がない。29 のトレーニングサイトの場所を明確化する ことが必要 FIFA の要件に遵守した完全に締結済みの文書を提出した。 確認契約 総合 法的総合リスク 付属書 4: 運営上のリスク 運営 競技 スタジアム建設 スタジアム運営 チーム施設 低位のリスク 中位のリスク FIFA のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 競技関連イベント 輸送 空港及び国際経路 低位のリスク 陸上交通 開催都市内交通 低位のリスク 低位のリスク 宿泊 宿泊全般 低位のリスク テレビ 国際放送センター(IBC) 低位のリスク 低位のリスク 所見 一つのスタジアムを建設(大阪) 。当初予算の再検討が必要な可能性あり 将来における FIFA ワールドカップのスペースと質の要件を満たすことに ついて、特別の注意が必要となろう。 法的なリスクは中程度である。招致委員会は、要件については十分に理 解しているものと思われるが、場所によっては、施設の数の提供数に限 りがあるようである。最終的な選択基準を満たし、不足を補うことがで きそうである。 既存のインフラ及び計画されている(保証されている)インフラは、要 件を満たすことになると思われる。 信頼できる高速で効率的な既存の地上輸送機関(高速鉄道及び道路) 既存の信頼できる効率的な地方輸送機関。11 の開催候補都市のうち(大 分以外の)10 都市に十分な能力あり。 96,000 室が契約済み。各開催候補都市に十分な既存在庫。輸送機関との 良好な接続 付属書 3: 法的リスクの概要 法的文書 日本 政府文書 政府保証 中位のリスク 契約文書 招致契約 低位のリスク 開催都市契約 低位のリスク スタジアム契約 低位のリスク トレーニングサイト契約 中位のリスク 確認契約 低位のリスク 総合 法的総合リスク 付属書 4: 運営上のリスク 運営 競技 スタジアム建設 スタジアム運営 チーム施設 競技関連イベント 輸送 空港及び国際経路 陸上交通 開催都市内交通 宿泊 宿泊全般 テレビ 国際放送センター(IBC) 付属書 3: 法的リスクの概要 法的文書 政府文書 政府保証 契約文書 招致契約 開催都市契約 スタジアム契約 トレーニングサイト契約 確認契約 総合 法的総合リスク 付属書 4: 運営上のリスク 運営 競技 スタジアム建設 スタジアム運営 チーム施設 競技関連イベント 輸送 空港及び国際経路 陸上交通 開催都市内交通 宿泊 宿泊全般 テレビ 国際放送センター(IBC) 280 中位のリスク 日本 米国 オーストラリア 韓国 カタール 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 米国 オーストラリア 韓国 カタール 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 高位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク FIFA 評価レポート:2018 年大会招致立候補国比較 ロシア イングランド スペイン / ポルトガル オランダ / ベルギー 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク ロシア イングランド スペイン / ポルトガル オランダ / ベルギー 中位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 高位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 中位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 低位のリスク 281 資料集 11.広報・報道関係資料 11.広報・報道関係資料 8.10 11.1 メディアリリース実績 実施日 2009 年 12.8 12.9 2010 年 1.6 1.14 1.27 1.28 2.12 2.24 2.26 3.26 4.16 4.30 5.7 5.11 5.14 5.26 5.31 6.7 6.24 6.30 7.9 7.10 7.13 7.16 7.20 7.20 7.20 7.21 7.26 282 内 容 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致が閣議了解 を得る 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会が FIFA へ「招致契約書」を提出 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 メ ンバーについて 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 開催地自治体・チー ムベースキャンプ正式申請書の提出自治体について 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致活動の「招 致アンバサダー」が決定 2018/2022 年日本招致活動のオフィシャル招致パート ナーが決定 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会/ 招致連絡協議会メンバーについて 中山 雅史選手・藤田 俊哉選手・宮本 恒靖選手 「招致ア ンバサダー」就任のお知らせ Jリーグクラブ選手が「招致アンバサダー」に就任 2018/2022 年日本招致活動のオフィシャル招致パート ナー、新たに 6 社決定 備 考 招致ブックや各種契約書提出について基本合意する手続き を完了 政財界、学術界よりご参画いただき、24 名のメンバーで立 ち上げ 各自治体より立候補のあった開催地スタジアム 13 件、チー ムベースキャンプ 64 件を発表 オシム元日本代表監督、長谷部誠選手ら 7 名を発表 朝日新聞社、アディダス ジャパン株式会社、産経新聞社、 株式会社 JTB グローバルマーケティング&トラベル、スカ パー JSAT 株式会社、西鉄旅行株式会社が決定 日本招致委員会の特別顧問ならびに招致連絡協議会会員を 発表 日本サッカー界を引っ張る 3 名が就任 8.12 9.3 9.3 9.9 9.14 9.16 10.1 10.20 11.17 11.26 11.27 11.30 2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会メンバー JFA 理事会の役員変更にともなうもの について JFA サッカーモバイル 招致特設コンテンツがオープン 招致活動の基本情報や最新活動ニュースを無料で提供 SAMURAI BLUE ザッケローニ新監督が「招致アンバサ 「日本という国をリスペクト」と招致応援を表明 ダー」に就任 全国各地で一般招致応援団を募集 Jリーグのスタジアムで招致応援団カードを発行 ユニクロがオフィシャル招致パートナーに 「JFA キッズプログラム公式パートナー」が招致パートナー に パトリック・エムボマ氏が「招致アンバサダー」に就任 招致アンバサダーは全 33 名に 日本航空がオフィシャル招致パートナーに パートナーは全 19 社に オフィシャル招致グッズを販売 T シャツやタオルなど全 6 種類 「ワールドカップを日本に!」出陣式∼招致応援団、集ま 11 月 11 日から 13 日まで 3 日間連続で壮行イベントを実施 れ!∼ 「2018/2022FIFA ワールドカップTM招致評価報告書」に伴 う小倉委員長コメント 衆議院本会議で「2022 年ワールドカップサッカー大会招 全会一致で決議 致に関する決議」 最終プレゼンテーションに、2002 年生まれの佐々木りお 次世代ワールドカップの象徴として登壇 さんが登壇 最終プレゼンテーションに、ソニー株式会社 ハワード・ テクノロジーがいかに世界を一つにするかを説明するべく ストリンガー会長が登壇 登壇 J 1 クラブを代表する各選手、開催地自治体の大分を代表 する選手が就任 キリンホールディングス株式会社、近畿日本ツーリスト株 式会社、株式会社テレビ朝日、日清オイリオグループ株式 会社、日本テレビ放送網株式会社、ぴあ株式会社が決定 株式会社 TBS テレビ、日本経済新聞社、株式会社フジテレ ビジョンが決定 札幌、埼玉、東京、豊田、大阪の全国 5 カ所で開催 2018/2022 年日本招致活動のオフィシャル招致パート ナー、新たに 3 社決定 「ワールドカップを日本へ!」トークバトル開催のお知ら せ 2018/2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会/ 日本招致委員会メンバーの交替、招致連絡協議会の開催地 招致連絡協議会メンバーについて 自治体からの会員を発表 招致活動を 2022 年大会に絞り込み、13 のスタジアムを 第 2 回日本招致委員会/招致連絡協議会での報告を経て発 提案へ 表 2022 年 FIFA ワールドカップTM 日本招致委員会が、FIFA FIFA に提出した招致ブックの仕様、概要を発表 に「招致ブック」を提出 6 月 2 日横浜開港記念日 「2022 年 FIFA ワールドカップ 横浜市主催。キックオフセレモニーには横浜市 林文子市長、 TM 日本招致イベント in 横浜」開催 『キャプテン翼』漫画家 高橋陽一氏が出席 「サンシャインシティ」でワールドカップ日本招致を応援 サンシャインシティで行われた招致応援イベントに協力 オフィシャル招致パートナーに株式会社テレビ東京が新 オフィシャル招致パートナーは 16 社に たに決定 凸版印刷株式会社がオフィシャル招致パートナーに オフィシャル招致パートナーが 17 社に 大阪市の小学生 45,000 人のメッセージが大阪市役所・区 寄せられたメッセージは FIFA インスペクションの会場にも 役所に登場 展示 FIFA インスペクション 日本視察スケジュールについて 視察行程(7/19 ∼ 22、大阪市・堺市・埼玉県・東京都)を 発表 本田圭佑選手が「招致アンバサダー」に就任 2010FIFA ワールドカップTM、日本代表躍進に貢献の本田選 手が就任 森島寛晃氏が「招致アンバサダー」に就任 インスペクションへの参加も発表 通天閣が FIFA ワールドカップ招致応援でブルーにライト FIFA インスペクション視察団が来阪する 19 日、20 日に点 アップ 灯 FIFA 視察団が内閣総理大臣を表敬訪問 総理主催ディナーにも出席 浦和レッズ 阿部勇樹選手、ポンテ選手が FIFA インスペ 埼玉スタジアム 2 〇〇 2 視察に帯同 クションに出席 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致 新聞全面広告を 朝日新聞、産経新聞、日本経済新聞朝刊に掲載した広告を 掲載 発表 岡田武史監督が「招致アンバサダー」に就任 インスペクションへの参加も発表 2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 委員長に 前 JFA 会長の退任にともない、25 日付の JFA 理事会で就任 小倉純二が就任 が決定 283 資料集 11.広報・報道関係資料 11.2 招致関連テレビ報道時間調査 (調査期間:2010/11/27 ~ 12/4) 合計 120 番組 (9 時間 07 分 05 秒) 開始 終了 ヘッドライン 時間 時間 土 NHK NHK 週刊ニュース 8:15 8:45 来週の予定 ニュース(12:00) 12:00 12:15 【サッカー】2022 年 W 杯招致・開催地決 める会合に向け出発 ニュース(18:00) 18:00 18:10 菅首相と民主党・鳩山前首相会談・ 「支持 率が 1%になっても辞めない」 菅首相はサッカー W 杯 2022 年大会の開催 地決定会合がスイスで開かれることから、 民主党・鳩山前首相に「政府専用機を用意 するので、日本への招致に向け現地訪問を して欲しい」と要請。 土曜スポーツタイム 22:55 23:25 【サッカー】2022 年 W 杯招致・開催地決 定会合へ NTV 月刊サッカーアース 26:35 27:35 【サッカー】2022 年ワールドカップ招致・ 城彰二がイベントに登場 TBS JNN ニュース 12:15 12:30 【サッカー】W 杯・2022 年・12 月 2 日開 催地決定 報道特集 17:30 18:50 菅首相と鳩山前首相・2 人だけで会談 菅首相は鳩山前代表にサッカーの 2022 年 W 杯の開催地を決めるために来月スイス で開かれる国際サッカー連盟への理事会出 席を要請していた。 【サッカー】 W 杯 2022 年開催招致・日本サッ カー協会・小倉会長スイスへ出発 CX FNN スーパーニュース 17:30 18:00 【サッカー】W 杯日本招致へ!スイスに出 発 日 NHK NHK ニュース 07:00 07:45 【サッカー】2022 年 W 杯・日本招致委員会・ おはよう日本 スイス到着 サンデースポーツ 22:21 23:10 【サッカー】2022 年 W 杯・日本招致委員 会メンバーがスイス到着 NTV 真相報道 18:00 18:55 <ニュース予報> ■木・2022 年サッカー バンキシャ! W 杯開催地決定 月 NHK NHK ニュース 04:30 08:00 今週の予定 ■木・2022 年サッカー W 杯 おはよう日本 開催地決定 今週の予定 ■木・2022 年サッカー W 杯 開催地決定 今週の予定 ■木・2022 年サッカー W 杯 開催地決定 今週の予定 ■木・2022 年サッカー W 杯 開催地決定 今週の予定 ■木・2022 年サッカー W 杯 開催地決定 NTV ズームイン!! SUPER 05:20 08:00 < NEWS SUPER >【サッカー】日本開催 目指し スッキリ!! 08:00 10:25 【サッカー】W 杯開催に日本が意欲 NEWS ZERO 22:54 23:58 < ZERO SPORTS >【サッカー】W 杯 開催地決定まで 3 日 CX すぽると! 24:10 24:50 < MONDAY FOOTBALL >【 サ ッ カ ー】 リーガエスパニョーラ・サラゴサ vs ヴィ ジャレアル EX スーパー J チャンネル 16:53 19:00 < NEWS ナマよみ>大阪府橋下知事・W 杯会場建設反対 大阪府橋下知事が突然サッカー場建設反 対・W 杯招致にマイナス? 大阪府橋下知事が突然サッカー場建設反 対・W 杯招致にマイナス? 火 NHK ニュースウオッチ 9 21:00 22:00 【サッカー】FIFA・現理事 3 人に新疑惑 Biz スポ 23:25 23:50 < Biz スポ Sports >【サッカー】FIFA・現 職理事 3 人に新疑惑 放送日 11/27 11/28 11/29 11/30 284 局 番組名 出稿 出稿 開始 終了 8:44:14 8:44:34 12:07:56 12:08:57 出稿 時間 20 秒 1分1秒 11/30 NTV ズームイン!! SUPER 05:20 18:00:12 18:01:57 1 分 45 秒 EX 12/1 23:19:09 23:20:11 1分2秒 27:22:00 27:22:26 26 秒 12:21:54 12:22:27 33 秒 17:37:41 17:38:28 47 秒 火 NHK やじうまテレビ!∼マ 04:55 ルごと生活情報局 水 NHK NHK ニュース おはよう日本 04:30 ニュース(11:00) 11:00 ニュースウオッチ 9 21:00 Biz スポ 23:25 17:51:00 17:51:30 30 秒 17:52:49 17:53:32 43 秒 NTV Oha ! 4 NEWS LIVE 04:00 7:17:13 1 分 10 秒 ズームイン!! SUPER 05:20 7:16:03 23:03:45 23:05:03 1 分 18 秒 18:52:36 18:52:55 19 秒 4:58:30 4:59:00 30 秒 5:29:10 5:29:36 26 秒 6:23:46 6:24:12 26 秒 6:52:17 6:53:00 43 秒 7:44:08 7:44:29 21 秒 6:06:35 6:07:35 1 分 00 秒 NEWS ZERO TBS はなまるマーケット N スタ 22:54 08:30 16:53 10:13:04 10:14:36 1 分 32 秒 23:30:23 23:30:54 31 秒 24:29:41 24:30:30 49 秒 18:41:40 18:41:52 12 秒 18:53:38 18:53:43 5秒 18:55:44 18:56:25 41 秒 21:47:50 21:48:53 23:46:50 23:47:54 1分3秒 1分4秒 CX ニュース 23 クロス 22:54 FNN スピーク 11:30 FNN スーパーニュース 16:53 < Biz ス ポ Sports >【 サ ッ カ ー】 日 本・ 2022 年・W 杯招致目指して 08:00 < Good チョイス!>サッカー 2022 年 ワールドカップ・招致のカギは 8 歳の女の 子 08:00 < 500 ニュースマルわかり>橋下知事が W 杯「建設反対」 < 630 ニュースマルわかり> W 杯スタジ アム建設・橋下知事が突如反対 <教えて支局長>英国に広がる悲観論・W 杯招致は無理な理由 08:00 【サッカー】2022 年ワールドカップ招致へ・ 日本最後のリハーサル 【サッカー】2018 年ワールドカップ招致へ・ 英国・有名人も続々と集結 【サッカー】2022 年ワールドカップ招致へ・ 日本最後のリハーサル 11:05 【サッカー】W 杯招致に向け・要人がチュー リヒ入り 22:00 【サッカー】2022 年 W 杯招致・最後のプ レゼンテーションへ 23:50 < Biz スポ Sports >予告・ 【サッカー】W 杯招致・プレゼンテーション開始 < Biz スポ Sports >【サッカー】2022 年 W 杯招致 05:20 2022 年 W 杯招致・最終プレゼンへ・切り 札は・・・ 08:00 < 530 ヘッドライン> 2022 年 W 杯招致・ きょう日本がプレゼン < 530 ヘッドライン>【サッカー】W 杯 開催地はどこに!?・ベッカムも登場! < NEWS SUPER >【サッカー】日本の 切り札は 8 歳の少女 < ZOOM NEWS >【サッカー】2022 年 W 杯開催地・日本 2 度目の開催なるか? < ZOOM +>【サッカー】2022 年 W 杯 開催地・日本 2 度目の開催なるか? 23:58 < ZERO SPORTS >【サッカー】20 年 ぶりの W 杯招致へ・日本では意外な反応 < ZERO SPORTS >【サッカー】20 年 ぶりの W 杯招致へ・日本では意外な反応 09:55 <はなまるニュース>【サッカー】W 杯開 催地決定へ 日本招致の目玉はソニー会長 19:00 <こちら運動部>【サッカー】2022 年 W 杯開催地・2 日深夜発表 <こちら運動部>【サッカー】2022 年 W 杯開催地・2 日深夜発表 23:45 予告・2022W 杯開催地決定へ・日本は!? <スポーツクロス>【サッカー】2018 & 2022・W 杯開催地は・・・ 12:00 【サッカー】2022 年ワールドカップ招致へ 最終リハ 【サッカー】2022 年ワールドカップ招致へ 最終リハ 【サッカー】2022 年 W 杯・日本単独開催 の 夢 は・・・ 19:00 <にゅーすクリップ>【サッカー】ベッカ ムが招致・射止めるか? W 杯 2018 <スポーツの力>予告・ 【サッカー】W 杯 招致へ眠れない夜 23:47:54 23:49:07 1 分 13 秒 5:58:30 5:59:01 31 秒 5:09:09 5:09:54 45 秒 6:39:16 6:40:01 45 秒 6:40:01 6:42:38 2 分 37 秒 6:36:11 6:38:08 1 分 57 秒 6:38:08 6:38:39 31 秒 6:38:39 6:39:24 45 秒 11:02:37 11:03:38 1分1秒 21:49:44 21:53:19 3 分 35 秒 23:25:37 23:25:53 16 秒 23:42:52 23:47:11 4 分 19 秒 5:00:45 5:02:20 1 分 35 秒 5:32:59 5:34:36 1 分 37 秒 5:49:11 5:50:40 1 分 29 秒 6:04:22 6:06:00 1 分 38 秒 7:09:07 7:10:10 7:10:10 7:13:49 3 分 39 秒 1分3秒 23:18:00 23:26:40 8 分 40 秒 23:55:55 23:56:00 9:52:00 5秒 9:53:35 1 分 35 秒 18:44:07 18:44:17 10 秒 18:46:31 18:48:49 2 分 18 秒 23:22:29 23:22:39 10 秒 23:27:54 23:31:25 3 分 31 秒 11:39:02 11:39:15 13 秒 11:40:15 11:41:16 1分1秒 11:41:16 11:43:58 2 分 42 秒 17:34:30 17:35:22 52 秒 18:39:07 18:39:16 9秒 285 資料集 12/1 11.広報・報道関係資料 水 CX すぽると! EX 23:55 やじうまテレビ!∼マ 04:55 ルごと生活情報局 スーパーモーニング 08:00 ワイド!スクランブル 11:24 スーパー J チャンネル 16:53 報道ステーション 21:54 バ ラ エ テ ィ 7・neo 24:13 sports 木 NHK NHK ニュース 04:30 おはよう日本 TX 12/2 首都圏ネットワーク NHK ニュース 7 18:10 18:59 ニュースウオッチ 9 21:00 Biz スポ ニュース(25:28) 23:25 25:28 NTV Oha ! 4 NEWS LIVE 04:00 286 <スポーツの力> 2022 年 W 杯招致・日本 のライバルは 5 カ国 <スポーツの力>【サッカー】2022 年 W 杯招致争い・秘策あり! 24:35 【サッカー】FIFA 理事会・22 年 W 杯開催地・ いよいよあす決定! 予告・2022 年日本単独開催なるか?!あ す決定! W 杯開催地はどこに? あすの予告 ▽日本開催なるか?! 2018、 2022 年 W 杯開催地決定!よる 11 時 55 分 から放送。 08:00 <マルっとスポーツ!>【サッカー】なで しこジャパン・女子 W カップ組み合わせ 09:55 今日の予定稿 ■スポーツ・2022FIFA ワー ルドカップ・招致国が最終プレゼン 13:05 < ANN ニュース>予告・ 【サッカー】2022 年は日本も有力 < ANN ニュース>【サッカー】2022 年 W 杯招致・日本・有力候補として急浮上 19:00 < NEWS ナマよみ>ラインナップ ■ 2022 年 W 杯招致日本有利? 23:10 【サッカー】 「22 年 W 杯招致」最終演説・ 劣勢日本「急浮上」の理由 【サッカー】 「22 年 W 杯招致」最終演説・ 劣勢日本「急浮上」の理由 24:28 【サッカー】いよいよあす決定・ワールド カップ開催国は 08:00 【サッカー】2022 年 W 杯招致・日本がプ レゼンテーション 予告・ 【サッカー】2022 年 W 杯招致の行 方は 予告・ 【サッカー】ワールドカップ招致の 行方は 【サッカー】ワールドカップ招致・日本が プレゼンテーション 18:59 【サッカー】2022 年 W 杯招致 19:30 【サッカー】2022 年 W 杯開催地・決定へ 【サッカー】2022 年 W 杯開催地・決定へ 【サッカー】2022 年 W 杯開催地・決定へ 22:00 【サッカー】W 杯・2022 年の開催地は? 【サッカー】W 杯・2022 年の開催地は? 【サッカー】2018 年 W 杯招致・イングラ ンドは? サッカー W 杯どこへ? 23:50 予告・2022 年 W 杯開催地はどこに < Biz スポ Sports >【サッカー】2022 年 W 杯開催地・まもなく発表 < Biz スポ Sports >【サッカー】2022 年 W 杯開催地・まもなく発表 25:31 【サッカー】2022 年 W 杯・日本落選「カター ル」で開催 05:20 < HEADLINE・NEWS >ラインナップ ■ W 杯開催地・決定へ < HEADLINE・NEWS >予告・サッカー W 杯・2022 年・W 杯開催地・決定へ < HEADLINE・SPORTS >予告・ 【サッカー】 2022 年サッカー W 杯開催地・3 日決定!! <おはよんスポーツ>【サッカー】2022 年サッカー W 杯招致へ 18:41:01 18:42:06 1分5秒 18:44:45 18:44:58 13 秒 12/2 木 NTV ズームイン!! 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NEWS ZERO 13:55 16:53 22:54 23:47:56 23:49:27 1 分 31 秒 25:28:00 25:31:00 3分0秒 4:01:51 4:01:57 6秒 4:02:26 4:02:43 17 秒 4:21:11 4:21:41 30 秒 4:48:04 4:50:31 2 分 27 秒 TBS TBS ニュースバード 早ズバッ!ナマたまご 04:45 05:15 み の も ん た の 朝 ズ 05:30 バッ! 3 日に開催地決定・2022 年 W 杯招致・最 終プレゼン 08:00 予告・ 【サッカー】日本が W 杯招致プレゼ ン < 530 ヘッドライン>【サッカー】W 杯 招致最終プレゼン・先端技術をアピール <ヘッドライン>予告・W 杯招致へ最終 プレゼン < NEWS SUPER >【サッカー】W 杯招 致へ最終プレゼン < ZOOM NEWS > 【サッカー】 W 杯招致・ 日本がプレゼン < ZOOM NEWS >【サッカー】2022 年 W 杯招致・日本がスイスでアピール < ZOOM +>【サッカー】2022 年 W 杯 開催地は?招致の切り札・佐々木りお < ZOOM NEWS >【サッカー】2022 年 の開催地は?・W 杯招致で日本が PR 10:25 2022 年 W 杯招致へ最終プレゼン 11:30 < PON !× NNN ストレイトニュース> 【サッカー】2022 年 W 杯招致・最終プレ ゼンで日本は 11:45 【サッカー】2022 年 W 杯・最終プレゼン・ 日本訴え 13:55 < NEWS エ ク ス プ レ ス >【 サ ッ カ ー】 2022W 杯開催地・2 日夜決定へ < NEWS エ ク ス プ レ ス >【 サ ッ カ ー】 2022W 杯開催地・2 日夜決定へ 15:50 【サッカー】2022 年 W 杯開催地 2 日夜決 定へ・日本開催の可能性は? 【サッカー】2022 年 W 杯開催地 2 日夜決 定へ・日本開催の可能性は? 【サッカー】2022 年 W 杯開催地 2 日夜決 定へ・日本開催の可能性は? 19:00 【 サ ッ カ ー】2022 年 W 杯 招 致・ 各 国 が PR・日本の切り札は 8 歳少女 【 サ ッ カ ー】2022 年 W 杯 招 致・ 各 国 が PR・日本の切り札は 8 歳少女 【 サ ッ カ ー】2022 年 W 杯 招 致・ 各 国 が PR・日本の切り札は 8 歳少女 <きょうコレ>ラインナップ ■ W 杯開 催地…日本は? <きょうコレ>【サッカー】2022 年 W 杯 開催地…日本は? 23:58 予告・2018 年、2022 年 W 杯開催地がま もなく決定 今夜決定・2022 年 W 杯・日本再び開催な るか 【サッカー】2022 年 W 杯開催地・間もな く決定 05:14 コーナーエンディング ▽ 2022 年サッ カーワールドカップの開催地が 2 日深夜に 決定する。 05:30 <みのにバトンタッチ!このあと「朝ズ バッ!」> 「日本へ再び・2022 年ワール ドカップ招致・最終アピール」 08:30 オープニング 2022 年サッカー W 杯招致 へ、日本のプレゼン終了 <スポーツ&芸能>【サッカー】2022 年 ワールドカップ招致・日本最終プレゼン 5:02:54 5:04:32 1 分 38 秒 5:20:09 5:20:48 5:30:01 5:31:43 1 分 42 秒 6:00:22 6:00:36 6:03:20 6:05:03 1 分 43 秒 6:31:06 6:32:04 58 秒 7:03:09 7:04:16 1分7秒 7:04:16 7:05:41 1 分 25 秒 7:05:41 7:08:35 2 分 54 秒 39 秒 14 秒 10:10:38 10:12:06 1 分 28 秒 11:11:49 11:12:31 42 秒 11:36:14 11:37:14 1 分 00 秒 13:35:21 13:35:32 11 秒 13:38:52 13:42:30 3 分 38 秒 14:35:32 14:37:17 1 分 45 秒 14:38:47 14:42:36 3 分 49 秒 14:44:46 14:46:16 1 分 30 秒 16:53:00 16:53:16 16 秒 17:04:09 17:04:25 16 秒 17:06:55 17:12:55 6分0秒 18:45:08 18:45:20 12 秒 18:45:21 18:45:30 9秒 22:56:41 22:56:51 10 秒 23:00:00 23:08:39 8 分 39 秒 23:55:12 23:55:50 38 秒 5:07:46 5:07:59 13 秒 5:29:26 5:30:00 34 秒 5:30:00 5:32:44 2 分 44 秒 5:49:56 5:50:51 55 秒 287 資料集 12/2 11.広報・報道関係資料 木 TBS はなまるマーケット 08:30 ひるおび! 11:00 N スタ ニュース 23 クロス CX めざにゅ∼ めざましテレビ 288 16:53 22:54 04:00 05:25 <朝ズバッ!スポーツ>【サッカー】2022 年 W 杯を再び日本へ!招致最終プレゼン <朝ズバッ!ニュース>予告・2022 年・ W 杯招致・最終プレゼン <朝ズバッ!ニュース> 2022 年ワールド カップ招致・日本最終プレゼン 09:55 <はなまるニュース>【サッカー】2022 年に向け「次世代のワールドカップを」 13:50 < JNN NEWS > 【サッカー】 2022 年・サッ カー W 杯・日本が招致演説 < JNN NEWS > W 杯・招致レース・米国・ 市民の関心は… 19:00 < N スタ HEADLINE > W 杯開催は? 【サッカー】2022 年・開催国は今夜決定・ 日本の評価急上昇 【サッカー】日本 有利 に?・W 杯まも なく決定 <こちら運動部>【サッカー】W 杯開催地・ どこに・・・ エンディング ▽ 2022 年 W 杯開催地につ いてスタジオコメント 23:45 <クロストップ>【サッカー】2022 年サッ カー W 杯開催地・まもなく決定 <クロストップ>【サッカー】2022 年サッ カー W 杯開催地・立候補各国がアピール <クロストップ>【サッカー】2022 年サッ カー W 杯開催地・まもなく決定・日本開 催の可能性は? <クロストップ>【サッカー】2018 年 W 杯招致・イングランド・ベッカムも登場 <クロストップ>予告・2022 年 W 杯招致! 日本大逆転は?・決定直前!・現地から中 継 【サッカー】W 杯開催地まもなく決定・日 本「混戦なら勝機」 ・結果発表は 1 時間後 05:25 < NEWS FILE >【サッカー】2022 年 W 杯招致・最後のプレゼン終了 <きょうの予定> ▽サッカー W 杯開催 地決定控え各地でイベント。 < FIRST NEWS >【サッカー】2022 年 W 杯招致・最後のプレゼン終了 <朝イチめざにゅ∼よ∼く>サッカー W 杯理事会・きょう最終演説 < TOP NEWS >【サッカー】2022 年 W 杯招致・最後のプレゼン終了 <きょうの予定> ▽サッカー W 杯開催 地決定控え各地でイベント。 08:00 予告・ 【サッカー】2022 年 W 杯招致へ・ 日本が最終プレゼン 予告・ 【サッカー】FIFA・W 杯招致合戦・ 日本最後のアピール 予告・ 【サッカー】 FIFA・W 杯招致合戦・日本・ 2022 年へアピール < NEWSON >ラインナップ ▽速報! 2022 年 W 杯招致・最終プレゼン < NEWSON >【サッカー】2022 年 W 杯 招致・最後のプレゼン <めざスポ 5 >予告・ 【サッカー】 FIFAW 杯・ 日本開催へ猛アピール 6:30:00 6:34:20 4 分 20 秒 7:11:52 7:11:58 7:18:08 7:19:20 1 分 12 秒 9:52:00 9:53:48 1 分 48 秒 12/2 木 CX <めざスポ 5 >【サッカー】W 杯・日本 開催へ猛アピール <めざスポ 5 >【サッカー】益田市・キャ ンプ地立候補 <めざスポ 5 >【サッカー】W 杯招致・ 日本が最終プレゼン <めざまし 600NEWS > 2022 年 W 杯開 催へ・5 ヵ国が最終プレゼン <めざスポ>【サッカー】初の単独開催な るか・2022 年 W 杯へ最後のアピール <フォーカス ONE >予告・米×韓×豪× カタール・日本招致ライバル分析 <フォーカス ONE >米×韓×豪×カター ル・日本招致ライバル分析 <めざまし 630NEWS >ラインナップ ▽ 2022 年 W 杯招致最後のプレゼン <めざまし 630NEWS >【サッカー】2022 年 W 杯招致・最後のプレゼン < OH ! 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07:30 09:25 <知っとこ! 1 週間>【サッカー】2022 年 W 杯・開催地決定 情 報 7days ニ ュ ー ス 22:00 23:24 <今週のニュース 7days >【サッカー】 キャスター 2022 年 W 杯開催地・日本落選 S☆1 24:00 24:58 <ワルスタ>【サッカー】W 杯開催地決定・ 泣き笑い CX めざましどようびメガ 09:55 10:40 <イコクのつぶやき de WEEK >【サッ カー】2022 年 W 杯開催国決定 4:55:50 4:56:09 19 秒 4:59:16 4:59:34 18 秒 5:01:34 5:02:50 1 分 16 秒 5:25:11 5:29:47 4 分 36 秒 5:50:00 5:50:06 5:50:13 5:53:10 2 分 57 秒 6:11:37 6:14:37 3分0秒 6:32:33 6:32:43 10 秒 6:34:28 6:42:23 7 分 55 秒 7:01:29 7:11:24 9 分 55 秒 7:24:33 7:24:36 3秒 7:24:42 7:25:22 40 秒 11:45:15 11:45:26 11 秒 6秒 11:47:29 11:51:00 3 分 31 秒 6:15:45 6:15:59 14 秒 6:16:59 6:17:55 56 秒 9:20:12 9:20:27 15 秒 9:20:58 9:22:04 1分6秒 11:02:39 11:03:45 1分6秒 17:13:01 17:13:10 17:15:10 17:16:12 9秒 1分2秒 8:41:18 8:42:29 1 分 11 秒 18:25:59 18:26:49 50 秒 8:08:35 44 秒 26:52:34 26:53:09 35 秒 8:07:51 8:04:26 8:06:04 1 分 38 秒 22:20:16 22:20:42 26 秒 24:36:40 24:39:01 2 分 21 秒 10:03:23 10:06:55 3 分 32 秒 295 資料集 12. 招致 PR 用制作物一覧 12. 招致 PR 用制作物一覧 ステッカー ピンバッジ T シャツ ぬいぐるみ(大) ストラップ タオルハンカチ タオルマフラー ぬいぐるみ(小) 紙袋(大) 296 紙袋(小) 297 資料集 法被 12. 招致 PR 用制作物一覧 手ぬぐい ポスター 扇子 ネクタイ ポスター・チラシ サッカーボール スタジアム・バナー 298 299 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 13.FIFA 理事会メンバー(2010 年 12 月 2 日現在) 大陸連盟 FIFA AFC CAF CONCACAF CONMEBOL OFC UEFA 役 職 会長 副会長 理事 理事 理事 副会長 理事 理事 理事 副会長 理事 理事 上級副会長 理事 理事 副会長 副会長 副会長 副会長 理事 理事 理事 理事 理事 *印は職務停止中 300 氏 名 ジョゼフ・S・ブラッター 鄭 夢準 モハメド・ビン・ハマム ワラウィ・マクディ 小倉 純二 イッサ・ハヤトゥー アモス・アダム* ジャック・アヌマ ハニー・アボ・リダ ジャック・A・ワーナー チャック・ブレーザー ラファエル・サルゲロ フリオ・H・グロンドーナ ニコラス・レオス リカルド・テシェイラ レイナルド・テマリー* ミッシェル・プラティニ アンヘル・マリア・ビジャル・ ジョーナ ジェフ・トンプソン ミッシェル・ドーグ セネス・アージック ビタリー・ムトコ フランツ・ベッケンバウアー マリオス・レフカリティス その他役職 AFC 会長 JFA 会長 CAF 会長 コートジボアール協会会長 CONCACAF 会長 CONCACAF 専務理事 アルゼンチン協会会長 CONMEBOL 会長 ブラジル協会会長 OFC 会長 UEFA 会長 スペイン協会会長 前イングランド協会会長 トルコ協会名誉会長 ロシア協会会長 キプロス協会名誉会長 14.FIFA 理事関連受発信文書 国 籍 スイス 韓国 カタール タイ 日本 カメルーン ナイジェリア コートジボアール エジプト トリニダードトバゴ 米国 グアテマラ アルゼンチン パラグアイ ブラジル タヒチ フランス スペイン 就任年 1998 年 1994 年 1996 年 1997 年 2002 年 1990 年 2006 年 2007 年 2009 年 1983 年 1996 年 2007 年 1988 年 1998 年 1994 年 2004 年 2002 年 1998 年 イングランド ベルギー トルコ ロシア ドイツ キプロス 2007 年 1988 年 1996 年 2009 年 2007 年 2007 年 FIFA 理事関連受発信文書リスト(抜粋) ブラッター FIFA 会長表敬訪問(2010 年 5 月) 05/07 ブラッター FIFA 会長 05/07 ブラッター FIFA 会長 → → 犬飼 JFA 会長 鳩山総理大臣 招致協力依頼(2010 年 9 月) 09/03 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 09/10 ブラッター FIFA 会長 09/16 グロンドーナ FIFA 上級副会長 10/26 ヴァルク FIFA 事務総長 → → → → FIFA 理事各位(各言語翻訳) 小倉 JFA 会長 小倉 JFA 会長/ FIFA 理事/委員長 小倉 JFA 会長 大会構想プレゼンテーションに対する御礼(2010 年 10 月) 10/07 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 10/12 ヴァルク FIFA 事務総長 → → ヴァルク FIFA 事務総長 小倉委員長 → FIFA 理事各位(各言語翻訳) → 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 → → → → → FIFA 理事各位(各言語翻訳) 小倉 JFA 会長 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 小倉 FIFA 理事 招致協力依頼(2010 年 11 月) 11/17 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 11/17 11/17 付レター添付写真 11/23 ブラッター FIFA 会長 御礼状(2010 年 12 月) 12/09 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 12/07 ブラッター FIFA 会長 12/07 ドーグ FIFA 理事 12/13 レフカリティス FIFA 理事 12/14 ヴァルク FIFA 事務総長 301 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 05/07 ブラッター FIFA 会長 → 犬飼 JFA 会長 302 05/07 ブラッター FIFA 会長 → 鳩山総理大臣 303 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 09/03 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 → FIFA 理事各位(各言語翻訳) 304 305 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 09/10 ブラッター FIFA 会長 → 小倉 JFA 会長 306 09/16 グロンドーナ FIFA 上級副会長 → 小倉 JFA 会長/ FIFA 理事/委員長 307 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 10/26 ヴァルク FIFA 事務総長 → 小倉 JFA 会長 308 10/07 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 → ヴァルク FIFA 事務総長 309 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 10/12 ヴァルク FIFA 事務総長 → 小倉委員長 310 11/17 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 → FIFA 理事各位(各言語翻訳) 311 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 11/17 付レター添付写真 312 11/23 ブラッター FIFA 会長 → 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 313 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 12/09 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 → FIFA 理事各位(各言語翻訳) 314 12/07 ブラッター FIFA 会長 → 小倉 JFA 会長 315 資料集 14.FIFA 理事関連受発信文書 12/07 ドーグ FIFA 理事 → 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 316 12/13 レフカリティス FIFA 理事 → 小倉 FIFA 理事/ JFA 会長/委員長 317 資料集 13.FIFA 理事会メンバー 12/14 ヴァルク FIFA 事務総長 → 小倉 FIFA 理事 2022 年 FIFA ワールドカップTM招致活動報告書 発行年月 :2011 年 3 月発行 発 行 者 :2022 年 FIFA ワールドカップTM日本招致委員会 〒 113-8311 東京都文京区サッカー通り(本郷 3-10-15)JFA ハウス 財団法人 日本サッカー協会 〒 113-8311 東京都文京区サッカー通り(本郷 3-10-15)JFA ハウス Tel:03-3830-2004 / Fax:03-3830-2005 URL:www.jfa.or.jp 編 集:株式会社 明元社 写真協力:J リーグフォト株式会社 印 刷:凸版印刷株式会社社 318 319
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