「リケジョ」や「けんせつ小町」たちが 日本を変えていく

 ※北陸地方の女性関連データについては「データクリップ1」をご覧ください
「リケジョ」や「けんせつ小町」たちが
日本を変えていく
最近は「リケジョ」以外にも、これまで女性が少なかった分野や職場で活躍
する、あるいは挑戦する女性たちを表わす新語が生まれている。たとえば、
「け
んせつ小町」や「ドボジョ」など。
「けんせつ小町」は建設業で活躍する女性技術者・技能者の愛称として、平
成26(2014)年に日本建設業連合会が制定したもの。「ドボジョ」は「土木女子」
のことで、土木業界で働く女性技術者や土木好きの女子を指す呼び名だ。こち
※7 同名の女性漫画 講談社の女性向けマンガ雑誌「KissPLUS」
に2011年から連載され(現在は終了)
、単行
本が3巻発行されている。作者は設計事務所
などでCADトレーサーとして働いた経験を
持つ松本小夢。
※7
らは平成23(2011)年に同名の女性漫画の連載が始まっており、そのあたりか
ら広がり始めた言葉のようだ。
ドボジョたちにもいろいろ悩みはある。土木技術者になるための進路が分か
らない、悩みを相談したりお手本にできる同性の先輩がいない。建設現場に女
子トイレや女子更衣室がない、現場が遠くて通勤時間がかかる、働く時間が長
いなど。
一方で、男性と区別されずに仕事をさせてもらえる、必要な資格取得を職場
が応援してくれる、男性にはない視点での提案や行動がお客に喜ばれるなど、
悩みを上回るやり甲斐やうれしさ、喜びというものもある。これまで女性がい
て当然とされてきた分野とは違って、厳しいけれど男女の区別が少ない働き方
ができそうだという期待感も大きい。
ほかにもいろいろな「ガール」や「○○女子」が登場している。この背景に、
人口減少に伴う人手不足があることは否めないが、それを逆手にとって女性が
活躍できる分野を広げ、管理職など指導的地位の比率を高めていけばよい。政
府は「2020年までに指導的地位の女性比率を少なくとも30%にする」という目
標を掲げているが、30%といわず50%以上をめざしたい。社会というのは男女
がほぼ半数ずつで構成されているのだから。
男性だけ、女性だけの単眼の社会はつまらない。男女半々で生まれてくるの
だから、男女半々の複眼の社会を形成するのが当然だ。
「リケジョ」や「ドボジョ」
が活躍できる、男性も女性も気持ち良く働け暮らせる、成熟した社会をみんな
でつくっていきたいと思う。
◆さまざまな「ガール」「○○女子」の登場
リケジョ(理系女子、研究者・技術者を志す女性)
※講談社が商標登録
防災ガール(防災に関する情報発信)
※一般社団法人防災ガール
トラガール(女性トラック運転手倍増計画)
※国土交通省
狩りガール(女性ハンターを増やす計画)
※大日本猟友会
けんせつ小町(建設に従事する女性を増やす)
※日本建設業連合会
なでしこ銘柄(女性を登用し業績もいい銘柄を選定。H27年度は40銘柄)
※東京証券取引所、経済産業省
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