設計者(設計事務所)の材料選択

設計者(設計事務所)の材料選択
テーマ:設計者の外装材選定
野口助教授・兼松助手
建築材料演習
1.
2003.4.2
演習の目的
設計者(あるいは設計者集団)は、構造材、外装材、内装材など、対象となる建築物の
あらゆる構成要素についてその材料を選択しなければならない。
設計者は、美観や機能性、耐久性や構造安全性などの複数の要求性能を目標とし、法的
制限や予算的制約などの複数の制約条件を考慮し、複数の選択肢の中から最終的な材料の
決定を行う必要がある。これらは、一意に定まる場合もあれば、複数の条件を同時に満た
しつつかつ優劣のつけがたい選択肢が与えられる場合もあれば、妥協解しか与えられない
場合などさまざまであり、状況に応じて設計者はさらに選択肢を絞り込んでゆき最終的な
材料の決定を行う。材料選定がどの程度設計者にゆだねられているかは、各建築、各部材
により様々であるが、材料選択の過程を通して設計者の設計行為に対する思想、方法論が
現れる。材料の選定過程における意思決定の方法論を学ぶことは、とりもなおさず建築物
における設計行為の具現化の方法論を把握することに他ならない。
特に、建築設計における外装材料の選定には、建築物の空間を成立させる基本的機能に
かかわる性能から、設計者の意図やデザイン理念を投影させる表層としての性能まで、多
くの要求事項がかかわってくるとともに、その種類は多種多様で、選定された外装材の優
劣が建築物の評価を決定することさえありうることから、本年度のテーマを「設計者の外
装材料選定」とし、設計者の意思決定過程を調査したり、実際の建築の実地調査を通して
完成した建築物にいかにその要求・意図が具現化されているかを検討する。
2.
検討事項など
設計者の外装材選定の意図を明らかにすることを目的とし、以下のような項目について
検討するとよい。
ビルディングタイプ(建築物の用途)
施主の要望(美観、機能性、耐久性、コストなど)
法規的な要請・社会的背景
設計者の嗜好、方法論
地球環境に対するアプローチ
材料のアベイラビリティ
立地条件(周辺環境、地域性)
供用期間
3.
演習内容および日程
少人数のグループ(5名程度)に別れ、対象となる建築物を選定し、対象建築物は基本
的に実現された建築物を対象とすること。
・文献調査
雑誌、論文、設計図書、ホームページなど
・実地調査
文献調査等では、むしろ意思決定時の設計者の主観による予測的なコメントのみ
しか集められない場合が多い。できる限り実構造物の調査を行い多角的に検討を
行うこと。
・調査結果
図表、調査データ、写真など
・プレゼンテーション
プレゼンテーションは 7 月 2 日の演習中に行うものとし、各グループの持ち時間
は10分程度(発表7分、質疑応答3分)で、基本的には、各グループで発表者
1人を選出する。
使用できる機器は、PC によるプレゼンテーション(プロジェクター)、ビデオ、OHP、
スライド等とする。PC を使った発表を行う場合、PC は大学側で用意したものを利
用可能であるが、円滑なスケジュールの進行を妨げないため、データの提出方法
など事前に相談すること。
あらかじめ、発表概要(発表時の梗概として使用する)を 7 月 1 日までに提出す
る。
4.
5.
日程
グループ分け
:4月
2日
選定建築物の登録
:4月16日
(WEB にて)
レジュメ提出(A4、一枚)
:7月
1日
(提出先:1階
発表・提出(A4、制限なし)
:7月
2日
兼松)
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