2 - JFA Community

Technical
news
Vol.7
2004ナショナル
トレセンU-14
2006年度
JFAアカデミー福島がスタート
各年代の日本代表チーム活動報告
JFA公認指導者海外研修会∼
バイヤー04レーバークーゼン
財団法人 日本サッカー協会
Technical news
Vol.7
© AFC/JFA news
特集①
2004ナショナルトレセン
U-14
東・西で各5日間開催、240名が参加
2
特集②
概要 JFAアカデミー福島
5月より出願受付開始!
50
報告・JFA公認指導者海外研修会2005
∼独バイヤー04レーバークーゼンから
14
活動報告・ユース年代の日本代表チーム
18
JFA公認指導者登録制度・規約
56
2004ナショナルトレセンU-12
10
珠玉のひとこと その8
17
GKプロジェクト活動報告
28
フィジカル測定の意義と活用のしかた③
34
年代別指導指針⑦
36
連載:キッズドリル紹介・第2回
39
第1回AFCフットボールカンファレンス
40
連載:クラブづくりを考えよう!∼サッカーをもっと楽しむために∼
42
第43回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会に参加して
44
JFAテクニカルレポート∼UEFA EURO 2004TM
46
連載:審判員と指導者、ともに手を取り合って・・・
48
連載 What's「種別」
と「年齢区切り」
49
告知・JFA公認指導者海外研修2005
58
技術委員会刊行物・販売案内
60
A MEETING PLACE FOR READERS AND JFA
62
○表紙:吉田靖氏(U-18日本代表監督)/写真提供、Jリーグフォト㈱
○発行人:田嶋幸三
○監 修:財団法人日本サッカー協会技術委員会
○発行所:財団法人日本サッカー協会
○制 作:財団法人日本サッカー協会技術委員会・テクニカルハウス
○制作協力:エルグランツ(株)
○印刷・製本:サンメッセ(株)
※本誌掲載の記事・図版・写真の無断転用を禁止します。
本誌はJFA指導者登録制度において、
所定の手続きを行ったJFA公認指導者の方に無償で配布されています。
1
トレーニングメニュー紹介
field players
守 備
ウォーミングアップ(デイリーのボールワーク)
【ルール&オーガナイズ】
【オーガナイズ】
©AGC/JFA news
●コーチからボールを出してスタート、攻撃
側の選手
(
)
はサーバー
(
)
から
ボールを受けゴールを奪う
●守備側の選手
(
)
はボールを奪った
ら逆側のコーンゴール
(2か所)
にパス
●サーバーからのシュートはなし → 1タッチ
シュートあり → サーバー2タッチに発展
②
①
©AGC/JFA news
2対2+サーバー
KEY FACTOR
KEY FACTOR
●コミュニケーション
●パスの質(精度・パススピード)
●動き出しのタイミング ●ファーストタッチ
●ボールを受ける前の良い準備
●積極的な守備(奪えるチャンスを
逃さない)
●1対1の対応(オン/オフ)
●コーチング ●切り替え
2対2+2対2+GK
【オーガナイズ】
特集
①
KEY FACTOR
KEY FACTOR
●積極的な守備
(奪えるチャンスを逃さない)
●1対1の対応(オン/オフ)
●コーチング ●切り替え
●GKとの連携
●1対1の対応
●アプローチ
●ボール注視
●粘り強くゴールを守る
(最後まであきらめない)
OPTION
OPTION
2004ナショナルトレセンU-14
守備側は自チームコートに
ボールが移動したら、1人が
守備に加わることができる
field players
ドリルトレーニング
【ルール&オーガナイズ】
●2つのステーションに
分かれて時間で交代する
① ドリブルからシュート(1)
壁パスからシュート (2)
振り向いてシュート (3)
①ー
(1)
東日本
KEY FACTOR
●ゴールの意識 ●ファーストタッチ
●ボール‐ゴール‐ボール ●GKとの駆け引き ●リバウンドの意識
①ー
(2)
①ー
(3)
西日本
2対2+フリーマン
(2対2)
【ルール&オーガナイズ】
●ペナルティーエリア内でボールを持ったグループが攻撃
●ボールはすべてコーチから配球される
KEY FACTOR
●ゴールの意識 ●ファーストタッチ
●ボール‐ゴール‐ボール ●GKとの駆け引き ●リバウンドの意識
【ルール&オーガナイズ】
期 間
2005年3月19日∼23日
2005年3月26日∼30日
場 所
Jヴィレッジ(福島県)
大津町運動公園(熊本県)
【144人】北海道16人(8/8)
、東北16人(8/8)
、関東 【96人】関東②32人(16/16)
、中国16人(8/8)
、
①32人(16/16)、北信越16人(8/8)
、
四国16人(8/8)
、九州32人(16/16)
東海32人(16/16)、関西32人(16/16)
※括弧内、左がU-14選手数、右がU-13選手数
フィニッシュ
ゲーム
(4対4+フリーマン)
1990年1月1日以降生まれのJFA加盟登録選手240人
参加資格
2
【オーガナイズ】
©AGC/JFA news
「
“なぜ?”を考えて積極的に」
をテーマに東・西で開催、
240人が参加
地域別
参加選手
1対1 2ゴール
GKについては32ページ参照
●ダブルボックス内で4対4
●外のフリーマン
( F 、F (
)サイ
ドはアンダー2タッチ、ゴール脇は1
タッチ)
を使ってよい
② ボレーシュート・へディングシュート
②
F
F
GK
F
F
F
F
GK
F
KEY FACTOR
●ボール‐ゴール‐ボール ●GKとの駆け引き ●リバウンドの意識
F
KEY FACTOR
●ゴールの意識 ●ファーストタッチ ●ボール‐ゴール‐ボール ●GKとの駆け引き ●リバウンドの意識
3
field players
field players
しかけ
ゴールを意識したボールポゼッション
2対1 & 2対2
3対3+4フリーマン
【ルール&オーガナイズ】
① 2対1
●2対1でコーンゴールを目指す
●シュートをうたなかった選手は守備
(シューターと守備者はコートアウト)
●反対側の選手2名がドリブルかパスイ
ンで攻撃開始
●タッチラインを割った場合は相手ボー
ルのパスで攻撃続行
●シュートはハーフラインを越えてから
●オフサイドあり
①
【オーガナイズ】
Goalkeepers
ステッピング
キャッチング
【オーガナイズ】
【ルール&オーガナイズ】
●移動 → 構える → キャッチング
KEY FACTOR
KEY FACTOR
KEY FACTOR
●良い準備(観る・ポジショニング)
●コミュニケーション ●ファーストタッチ
●パスの質
●サポートの質(角度と距離)
●パスの優先順位
●構えるタイミングと
その姿勢
●ボールのコースに身
体を運ぶ
●身体の面より前方で
ボールをとらえる
●ボールに正対する
●手の形
●1回でボールをつかむ
●足の幅は肩幅よりやや広くする
→膝下を曲げられるくらいの幅
●膝を軽く曲げ、前傾姿勢を保つ
●両肘を軽く曲げる
→オーバーハンド、アンダーハンドのどち
らにもいきやすい位置
●頭を固定し、しっかりとボールを観る
ローリングダウン
②
シュートストップ1
② 2対2
●2対2でコーンゴールを目指す
●ゴールを含むゴールラインをボールが
通過したら守備者はコートアウト
●攻撃側の2名がそのまま守備
●反対側の選手2名がドリブルかパスイ
ンで攻撃開始
●タッチラインを割った場合は相手ボー
ルのパスで攻撃続行
●GKへのバックパスなし
●GKがキャッチしたらそのまま味方に
フィード
KEY FACTOR
●積極的なしかけ(オン・オフ)
●フィニッシュの精度
●ファーストタッチ
4対4+3フリーマン
【ルール】
●良い準備
(観る・ポジショニング)
●コミュニケーション
●ファーストタッチ
●パスの質
●サポートの質(角度と距離)
●パスの優先順位
●立位の上体から行う(キャッチ)
KEY FACTOR
●身体の側面で着地する
●身体の下側から地面に着地する(膝下→もも→上体の順番)
●身体の面より前方でキャッチする(ボールに正対する)
KEY FACTOR
ダイビング/ディフレクティング
【ルール】
●座位、立位の状態から行う(キャッチ)
【オーガナイズ】
●構えるタイミングとその姿勢
●適切な移動方法
●安全確実なキャッチング
[サイドステップ]
●両足をできる限り地面につ
けて移動する
●基本姿勢の足幅をできる限
り保つ
●ボールに正対する
[クロスステップ]
●上体はボールの方に正対さ
せる
Goalkeepers
キャッチング
【オーガナイズ】
KEY FACTOR
●構えるタイミングとその姿勢
●踏み切り足 ●ダイビングの方向
●身体の面より前方でキャッチする(ボールに正対する)
シュートストップ2
シュートストップ
【ルール&オーガナイズ】
① 3方向からのシュート
(静止球)
② 中央 → 外へのパスから
シュート
③ 外 → 中央へのパスから
シュート
①
KEY FACTOR
3対3+GK
【ルール&オーガナイズ】
●コーチから配球、アウト・オ
ブ・プレーはGKから再開
7対7+GK
(ノーマルゲーム)
●構えるタイミングとその姿勢 ●ボールのコースに身体を運ぶ
●身体の面より前方でボールをとらえる
●ボールに正対する ●手の形 ●1回でボールをつかむ
②
【オーガナイズ】
●ハーフコート
ポジション移動とローリングダウン・ダイビング
【オーガナイズ】
KEY FACTOR
KEY FACTOR
KEY FACTOR
●積極的なしかけ(オン・オフ)
●フィニッシュの精度
●ファーストタッチ
4
●良い準備
(観る・ポジショニング)
●コミュニケーション ●ファーストタッチ
●パスの質
●サポートの質(角度と距離)
●パスの優先順位
適切なポジショニング
ゴール中央とボールを結んだ線上を意識し、頭上を越されない距
離だけ前へ出て、シュート角度を狭める
*厳密には、ボールと両ゴールポストを結んだ等角線上
●構えるタイミングとその
姿勢 ●ボールのコースに身体を
運ぶ
●身体の面より前方でボー
ルをとらえる
●ボールに正対する ●手の形 ●1回でボールをつかむ
③
5
Goalkeepers
ブレイクアウェイ
ウォーミングアップ
【ルール&オーガナイズ】
① 足でフリーパス
② 4対1でのポゼッション
③ コーディネーション
●コーチのコール(数字)
でい
ろいろな動きを行う
●2人一組で向かい合って、1
人の選手がもう1人と同じ動
きをする
④ キャッチング、ローリングダウン
2004ナショナルトレセン
U-14を終えて
1対1
【ルール&オーガナイズ】
① ドリブル突破 ② シュートゴール
眞藤邦彦(JFAナショナルトレセンコーチ/サンフレッ
チェ広島)
1日目
KEY FACTOR
KEY FACTOR
●良い準備(観る) ●コミュニケーション ●ファーストタッチ ●パスの質 ●サポートの質
●スターティングポジション ●開始姿勢 ●アプローチ(相手との距離を狭めるタイミング)
●チャレンジ(飛び込むのか、ステイするのかの判断)
●ジョッキー(角度のない方向へ追い込む)
●DFとの連携、コミュニケーション(指示・声)
●ファウルを犯さない ●フェイントにかからない
2日目
3日目
1対1/1対2(U-13は①のみ)
フロントダイビング(U-14は②、③のみ)
【ルール】
【ルール&オーガナイズ】
① ひざ立ち状態で、静止球に対してフロントダイビング
② 静止球に対してフロントダイビング
KEY FACTOR
① 1対1:コーチ
(
② 1対2:コーチ
(
)
からFW(
)
はFW(
)
の前方へパスを出し、そこから1対1を行う
)
の前方へパスを出し、
はDFとなる
①
4日目
②
●アプローチのコース ●シュートコースからボールにアタックする
●問合い ●声
5日目
フィールドプレーヤー
ジャンプ&キャッチ(U-13は①のみ)
【ルール&オーガナイズ】
●コーチはニア、中央、ファーへそれぞれ投げる
KEY FACTOR
●スターティングポジション ●開始姿勢
●声「キーパー!」:決断と同時に声
●ステッピング ●踏み切り足(片足ジャンプ:プレースペースの確保)
●ジャンプのタイミング
●ボールをとらえる位置:顔の斜め上方、身体の正面
●遠く、高く、ワイドにパンチング
〃
クロス(U-13は①、②のみ)
な
ぜ
?
【ルール&オーガナイズ】
① フリーな状態で行う ② FW1人を入れた状態で行う
③ FW2人、DF1人を入れた状態で行う
KEY FACTOR
①
6
クロス
●ポジショニング(位置、身体の
向き、姿勢)
●観る:ゴール前の状況把握 ●決断:出る、出ないの判断
●DFとの連携、コミュニケーシ
ョン(指示・声)
―決断の声
―ゴール前の組織化:マークの指
示、ラインコントロールなど
●プロテクション&カバーリング
●スタートはゆっくりと、移動は
速く(ボールのスピード、回転、
コースを確認)
●安全確実なボール処理:キャッ
チまたはパンチングの判断
●守備から攻撃への切り替え
″
Goalkeepers
③
を
考
え
て
積
極
的
に
!
この年代は「感覚的で自由なサッカー」から「考えるサ
ッカー」に発展させていく年代です。また、
「守る」年代か
ら「自立」へと導く年代であることから、今年度のテーマを
「"なぜ?"を考えて積極的に!」としました。
「"なぜ?"を考えて」としたのは、
そのプレーが常に状況
に最適であるかどうかを観て、判断できるようにしたいとい
う願いからです。個人の目標を設定させ、
トライ&エラーを
奨励し「考えるサッカー」へと発展させていきます。
トレー
ニングでは必ず攻防のある状況を設定し「サッカーの本質
」を伝え、攻撃であっても守備であっても、常に積極的か
つ攻撃的なプレーをさせたいと考えています。
また、11人制のゲームを導入するうえで、多くのポジショ
ンを経験しながら、ポジションにおける専門性を理解させ、
将来のパフォーマンスにつなげていきたいと思います。
「勝利する」という最終目標のために、個々の果たす役
割があることを理解させ、責任感と自立心を促すように働
きかけていきます。
時 間
内 容
13:30
15:00 - 16:45
17:30 - 18:00
18:00 - 19:00
19:30 - 20:20
20:30 - 21:00
21:00 - 22:00
21:00 - 22:00
09:00 - 11:00
14:30 - 16:15
17:15 - 17:45
19:30 - 20:30
20:40 - 21:00
09:00 - 11:00
13:00 - 14:00
19:30 - 20:30
20:45 - 21:15
21:25 - 21:45
09:00 - 10:45
14:15 - 16:15
17:00 - 17:45
19:30 - 20:15
20:25 - 20:45
21:00 - 21:30
08:45 - 10:45
10:45 - 11:00
集合
トレーニング
地域別ミーティング
メディカルチェック
開会式・ガイダンス
グループ別ミーティング
メディカルチェック
スタッフ全体ミーティング
ゲーム
トレーニング
(GKは14:15から)
グループ別ミーティング
大塚製薬よりプレゼンテーション
GKミーティング
トレーニング
(GKは08:45から)
アディダスジャパンよりプレゼンテーション
レクチャー
グループ別ミーティング
GKミーティング
トレーニング
(GKは08:45から)
ゲーム
グループ別ミーティング
地域別ミーティング
GKミーティング
9地域責任者とのディスカッション
ゲーム
閉会式
守 備
プレッシャー下の個人技術・戦術の発揮については、
どの年代でも課題とされています。最初に「守備」に取り組むことで、厳しい守備がで
きるようにし、
すべてのトレーニングで常にアラートな状況を作り出すことが狙いです。
ここでは、正しいポジションから積極的にボールを奪いに行く意識付けを行います。その中で危険なスペースやゴールを感じ取らせ、判断を
促したいと思います。特にファウルをしないで奪える工夫を反復の中で獲得できるようアプローチしていきます。
フィニッシュ
オプションを持ったボールコントロールやボディコントロールを獲得させ、
プレッシャーのある中でも確実に決める方法を身に付けさせたいと思
います。そのために、
ドリル→ドリルゲーム→ゲームの中で、何度も反復できるような状況を作り出していきます。
しかけ
ゲーム形式の中で数的優位の状況を多く作り出し、DFの変化を観て、
プレーを選択する判断に働きかけていきます。
ゴールを意識したボールポゼッション
「ボールポゼッション」も各年代で常に課題となりますが、一本のパスによって何が起きているかを観ることができれば、状況に合わせた準備
をすることができます。プレーを続けていく中でプレーの原則が理解されるように働きかけ、
さらに、切り替えが早ければ優位にゲームを進められ
ることも理解させていきます。
ゴールキーパー
左の3点を全てのセッションで要求していきます。実戦
の中でプレーを決定するためのベースになる「観る・状況
把握・予測」は常に求めていきながら、GKとしてゴールを
守るために必要な技術、戦術(ハンドリング、基本姿勢、ポ
ジショニング)の基本を徹底して行っていきます。そして、
FPと共通する攻撃の要素もトレーニング全体で取り組ん
でいきます。
積極的かつ攻撃的なゴールキーピング
グッドポジション(良い準備)
DFとのコンビネーション&コミュニケーション(自分がプレー or 味方がプレー)
どのテーマにおいても、
コミュニケーション、
ファーストタッチ、サポート、パスの質、
タイミングはベースとなるキーファクターとして徹底して取り
組んでいきます。また、常に攻防の場面をつくり、攻守にわたってテーマの改善を働きかけていくとともに、
サッカーの本質を追求していきます。
選手の責任感と自立心を促すために、個々に合った目標設定を行い、課題克服のためにどうすべきか、
「考えるサッカー」にトライさせます。
このことはトレーニングだけでなく、
トレセン期間中の全ての活動において、ルールの中で選手自身が工夫し、
自主的に行動でき、
自己責任が
発生するような時間、雰囲気を作るようにしていきます。また、身体面、精神面の成長の違いを考慮し、
より適切な環境を与えていくために、
あ
えて13歳、14歳を分けてグループをつくりました。
「個の育成」に重点を置き、取り組んでいきたいと思います。
オン・ザ・ピッチ、
オフ・ザ・ピッチともに、
7
©AGC/JFA news
1.はじめに
ちは日を重ねるごとに上達していきまし
た。
極的にボールを奪いにいくことを言い続け
ニッシュ、サポートについてなどに取り組
スを引き出すタイミングがつかめない選手
り伝えるが、選手が自ら闘えるように導く
ました。
んでいました。
がいました。ボールポゼッションは各年代
ことに重点を置きました。
テーマに対して、あるいはコーチから言
(4)攻撃のテーマの流れは、ゴール前での
とも課題ですが、U-12の年代で技術を駆
われたことに対しての理解は早いのです
フィニッシュの改善から、そこまで持って
使してのボールポゼッションができて闘え
が、いざ実戦となると、肝心なところでの
いく方法としての積極的なしかけ、そして
ることが重要ではないかと考えます。
コーチングができません。つまり、どこが
確実に効果的にボールを運んでいくボール
危ないのかの危険察知ができないのです。
ポゼッションへと考えました。
あえてキーファクターを「コミュニケーシ
①「フィニッシュ」は、選択肢を持ったコ
ョン」ではなく「コーチング」としたのは、
ントロール(ファーストタッチ、ボディコ
今回は、やれることをやらないでいる選
各々が必ず意思表示をするということを強
ントロール)をまず獲得させ、確実に決め
手や、判断することをあきらめてしまって
指導実践とレクチャーで伝えるべきことは
く訴えたかったからです。そのことで互い
るためのコースを獲得させたかったので、
いる選手に対しては、厳しい働きかけをし
伝わったと考えます。
の連携(コミュニケーション)になると考
反復回数を増やすドリルをとり入れるとと
ました。その上で、プレーの確保をしつつ
アンケートも、おおむね今回のような指
えました。
もに、ドリルゲームをすることで選手自身
判断を引き出し、気付くまで見守るコーチ
導実践で良かったという結果になっていま
が有効なコースを感じられるようにしまし
ングに努めました。
す。指導者養成のためにも今回の指導実践
しかし、頭でわかっていても、それを実
行に移せない選手がいました。また、1対
た。
4.指導者講習会について
コーチングフォーラムや実技をなくし
3.コーチングについて
て、レクチャー(今回の背景、U-15日本
代表)と指導実践のみとしました。スケジ
コーチングについては、並行開催された
ュール的にも受講者の負担が少なく、また、
は、続けていくことが良いと考えます。
言い換えれば、日々のトレーニングの中
1の対応では構えやステップワーク、ボー
しかし、ゲームになると少しのプレッシ
「指導者講習会」対応のJFAナショナルト
この年代の課題である、感覚的プレーから
で蹴り込んでいないし、ヘディング練習も
ル注視がうまくできないために、簡単に相
ャーで、まずシュートよりもパスを考える
レセンコーチが外で観察し、トレーニング
脱却し「考えながらプレーできるようにな
あまりされていないのが現状だということ
手に振り向かれたり、スピードで突破を許
消極的な選手がいました。積極的に確実に
終了後、ナショナルトレセンコーチ同士で、
ること」をメインテーマにしました。そし
でしょう。「止めて蹴る、運ぶ、キープす
したりする場面がありました。ただ、取ら
ゴールするためのパスを考えたのであれば
より有効なコーチングはどうだったかのデ
て、具体的な働きかけの材料として、U-
る」といった基本技術のベースを上げてい
れたら取り返す、最後まであきらめないと
まだ良いのですが、イニシアチブをとると
ィスカッションを積極的にとり入れまし
14、U-13のJFAエリートプログラムの活動
かなくては、質の高いサッカーを楽しむこ
いったメンタリティの面は伝わったと思い
いった意味では本物になっていません。今
た。総論として、見守る、考えを引き出す、
シミュレーションに参加していただきまし
(韓国遠征・ブラジル遠征)から課題を抽
とはできません。地域やチームで日々取り
ます。
後も引き続きトライしていきたいテーマで
プレーを確保する部分のバランスをとるこ
た。実技と今回の背景のレクチャーを行っ
出し、トレーニングを組み立てました。ま
組んでいただければと思います。ドリルを
今後、1対1の対応は、もっと時間をか
す。
とは非常に難しいことでした。ナショナル
たので、一緒になってトレセンをより良い
た、M-T-Mの流れに沿って、個人の課題抽
繰り返すほど、さまざまなキックが左右と
けてトレーニングしていくことが大切で
②「しかけ」については、闇雲にしかける
トレセンコーチも、より良いものにしてい
ものにしていく確認ができました。実際に
出を行い、目標設定し、克服できるように
も上達していく様子を見たとき、こうした
す。その上で、ファウルをしないで奪いど
のではなく、常にボールが扱え、シュート
くために悩みつつ、トレーニングをしてき
はあと1人、各地域から当日に現地入りす
していきました。
トレーニングを日々続け、精度を上げてい
ころをつかんでいく状況判断力を養ってい
がうてる状況でボールを運び、ゴールや
たことを理解してほしいと思います。
る地域トレセンスタッフがいましたが、そ
くことが大切だと感じました。何事も「継
きたいと思います。
DFにしかけることによって状況の変化が
また、キーファクターはボールワークは
の方との打ち合わせの時間が不十分であっ
続は力なり」と思われます。
(3)最初のグループ別ゲーム(2日目)は、
読み取れるようになってほしいところで
別として、できるだけシンプルに優先順位
たような気がします。改善の余地はありま
また、今回のトレーニングでトライした
ピッチサイズをU-13、U-14とも90m×60m
す。要はどうやってゴールを奪うのか、そ
をつけて整理しました。その中で、内在す
すが、予算との関係もあり難しい課題です。
ただ、中には考え続けてプレーすることに
ことの一つに「ルールの中での工夫」があ
で行いました。プレッシャーのある中で攻
のためにどのような方法があるか、それも
るキーファクターは省略していることを伝
また、当日はハードな日程であるにも関
不慣れで、テーマを強く意識しすぎ、伸び
ります。例えば、日常のボールワークでは
撃を改善していくことをゲームで個々の課
シンプルがテーマです。2対1というゲー
えておきたいと思います。例えば、守備の
わらず、スタッフ全体でのミーティングを
伸びとプレーできない選手がいたことも事
「マーカーにパスする」ということで、受
題を感じ取らせ、自らがトレーニングで克
ム形式のドリルでは、数多くの成功体験か
ところでのキーファクター(3ページ)に
行いました。なぜなら、「指導者講習会」
実です。プレーを確保しつつ判断を促して
け手の動き出しのタイミング、いつ、誰と
服できるようにしたいからです。
ら選手がテーマに迫っていければと考えま
「正しいポジション、アプローチ、構え、
の参加者には今回の背景などのレクチャー
いく指導は、これからも根気よく続けてい
コミュニケーションをとるのか、パスの質
その中でU-13は少しゆったりと、U-14
したが、状況の変化が感じられず、オンの
ステップワーク、チャレンジの優先順位、
があり内容についての理解が深められたの
くことが大切ですし、働きかけの工夫も必
はどうするかなどの工夫が選手から見られ
は激しいプレッシャーの中でプレーするこ
しかけもオフのしかけも中途半端になって
最後まであきらめない」は、1対1の対応
ですが、スタッフとして参加された人たち
要であると思いました。
ました。
とを目的に同じサイズにしました。意識付
しまいました。
(オン/オフ)に内在するものととらえて
には改まっての趣旨説明がなかったからで
ください。そのようなケースが他にもあり
す。過密日程でなければ、今後も続けてい
ます。
くと良いと思います。
今回のナショナルトレセンU-14では、
選手はテーマに対して高い関心を持ちな
がら、常に自分のプレーについてフィード
バックし、向上しようと努力していました。
5.地域トレセンスタッフとの
関わりについて
地域トレセンスタッフには、前日からの
ナショナルトレセンのような短期間で
ヘディング練習においてもU-13、U-14
けとしては、良かったと思います。2回目
ここでもプレーの原則が大事だと痛感さ
は、選手が急激に変わるとは思いませんが、
だからこその工夫が随所に見られました。
のゲーム(4日目)では、初回のゲームや
せられました。ただ個人の突破もままなら
今回のテーマを選手も指導者も意識、それ
自己評価しつつ、ルールの中で工夫し成功
トレーニングの成果からピッチサイズを検
ず、もっと自分に合ったスピードとフェイ
その他、預かった選手、グループ、コー
その他、地域トレセン責任者との会議を
ぞれのチームや各地域のトレセンで継続し
していく、上達していく楽しさを感じるこ
討しました。結果的に、東日本では同じサ
ントを獲得させることが先決のような気が
チの違いによって、多少トレーニング内容
行いましたが、前向きの発言が多くありま
ていくことが、選手の持っている才能を開
とができたと思います。
イズ、西日本ではU-13は同じサイズ、U-
しました。
が変わったことは、ごく当たり前のことと
した。今後もこのような会議を増やしてい
花させていくことにつながると考えます。
(2)守備については、全セッションを通じ
14では普通サイズにしました。柔軟に対
③「ゴールを意識したボールポゼッション」
してとらえてください。なぜなら、最初の
くことが大切だと思います。また、地域の
てプレッシャーのある中で攻撃の改善をし
応したことは良かったと思います。
では、ルールやピッチサイズにそれぞれ工
ゲームでの課題が違ったり、トレーニング
自立に向けて、時間が許せば日程調整し、
ていきたかったために、初日から「正しい
また、3日目に最初のゲームやトレーニ
夫が見られました。しかし、ファーストタ
で積み残しができたりで、今回はその部分
トレセン期間中に地域での会議を増やすこ
ポジションからのボール奪取」をテーマに
ングから、グループの課題を克服するトレ
ッチやキックのミスでうまくつながらない
の自由度を持たせたからです。
とを検討していきたいと思います。後半の
(1)今回、キックやヘディングを日々のト
取り組みました。積み残した部分は、翌日
ーニングの時間を組み込みました。例とし
状況があったことも事実です。また、特に
コーチングの部分のまとめとして、目の
西日本(大津)では日程を調整し、第3種
レーニングの中にとり入れました。選手た
のゲームの後にも取り組み、今回のナショ
て、あるグループではスピードに乗った1
U-13の選手ですが、どうしても自分とボ
前のゲームに勝ちたいのは選手自身である
年代の活性化についての検討を行いまし
ナルトレセン期間を通して、判断のもと積
対1の対応守備、ゴール前での守備、フィ
ールの関係にとどまり、広がりが持てずパ
ことから、コーチングすべきことはしっか
た。有意義な時間であったと思われます。
2.トレーニングに関して
8
9
テーマについての解説
トライ!トライ!!トライ!!!
フィールド
プレーヤー
ゲームの中でいきるスキルを
身につけよう
今回のトレーニングテーマとして
は、日本の課題である「1対1の攻防」
「パス&コントロール」
「フィニッシュ」
を中心にとり上げました。
感覚的なサッカーを大切にする
U-12の年代は感覚的にサッカーをする年代であり、まずは
その感覚を大切にしなくてはなりません。そのためにはトレ
ーニングの中では、失敗を恐れない積極的なプレーを常に求
めていきます。また、指導する側は、場の設定(オーガナイ
ズ)でテーマを選手が自然に獲得できるような環境をつくり、
子どもたちの自主性・発想を大切にしながら、判断に働きか
ける指導を心がけていきます。
パス&コントロール
左右同じようにコントロールできる、浮き球など難しいボールをしっかりと
コントロールできるようにしていきます。その上で次のプレーを意識したボー
ルコントロール、常にゴールを意識したボールコントロールを要求していきま
す。パスに関しても両足を同じように使い、パスも正確性・強さなども要求し
ていきます。
パーフェクトスキルを身につける
2004ナショナルトレセンU-12関東より©AGC/JFA news
ゴールデンエイジのこの時期に、ボールコントロールのス
キルを確実に身につけさせます。ボールを扱うことにストレ
スを感じていては、ボールから顔が上がらず、周囲の状況に
気を配る余裕ができません。ボール扱いが自由になり、顔が
上がってこそ周りが観え、アイディアが出てくることになり
ます。そのためにトレーニングでは、すべてのトレーニング
のウォーミングアップで「ボールマスタリー(ボールフィー
リング)
」を入れています。さまざまな反復(ドリル)によ
り、とにかくボール扱いが自由自在になることを目的としま
す。また、各トレーニングにおいても、技術習得のための反
復(ドリル)練習を大切にしています。
2004ナショナルトレセンU-12関東より©AGC/JFA news
2004
ナショナルトレセンU-12
1
期 間:2004年10月15日(金)∼ 18日(月)
場 所:帯広の森球技場・研修センター
(北海道河西郡芽室町)
選手数:60名
北海道
期 間:2004年12月26日(日)∼
29日(水)
場 所:大津町運動公園・
亀の井ホテル大津店
(熊本県菊池郡大津町)
選手数:80名
九州
期 間:2004年10月8日(金)∼11日(月・祝)
場 所:Jヴィレッジ
(福島県双葉郡楢葉町)
選手数:72名
期 間:2004年12月25日(土)∼
28日(火)
場 所:広島ビックアーチ・
ホテルセンチュリー21広島
(広島県広島市)
選手数:40名
中国
関西
東北
期 間:2004年12月25日(土)∼28日(火)
場 所:時之栖(静岡県裾野市)
選手数:120名
北信越
東海
期 間:2004年10月8日
(金)
∼ 11日
(月・祝)
場 所:つま恋
(静岡県掛川市)
選手数:64名
関東
四国
期 間:2004年12月26日(日)∼ 29日(水)
場 所:びわこ成蹊スポーツ大学
(滋賀県滋賀郡志賀町)
アクティ・プラザ・琵琶
(滋賀県高島郡新旭町)
選手数:80名
□スケジュール表
期 間:2005年2月10日(木)∼
13日(日)
場 所:徳島県鳴門総合運動公園
陸上競技場・陸上競技場内
合宿所・体育館内研修室
(徳島県鳴門市)
選手数:48名
10
運営面について
午前
午後
夜
さまざまなゲーム
ゴールキーパー
基本技術・戦術の導入
ボールファミリア、キャッチング、ステッピング、ローリングダウンなどの
基本技術のトレーニング、そして、ゴール前でのシュートストップのトレーニ
ング(アングルプレー)を設定しました。トレーニングでは、ひとつひとつの
動作を正確に行うことを強調し、GKの最大の役割である「ゴールを守ること」
を強く意識させていきます。
ったようです。
アディダス社のプレゼンテーションは、
フェイントを身につけさせることも必要
トム・バイヤー氏(クーバー・コーチン
であると思います。しかける意識はあっ
と指導責任者、運営に関わるスタッフの
グ・ジャパン)による技術の大切さにつ
ても、"しかける武器"を持っていなくて
役割分担なども明確で、スムーズにスケ
いての内容であり、実際にデモンストレ
は、意識さえも薄れていくように感じま
ジュールを消化できました。地域開催に
ーションをした中での説明で、子どもた
す。
して今年で2回目ということで、大きな
ちにも指導者にも説得力があったと思い
問題もなかったと思います。あったとし
ます。
してとらえていきたいと考えています。
3
守備ではボールを奪うことを要求しま
したが、抜かれることを考えすぎて、ア
プローチから奪う意識が希薄でした。相
アンバサダー
2003年度の2泊3日のスケジュールから
手のそばまで行くのですが、そこから見
ている選手が多く、身体を寄せていけな
3泊4日のスケジュールとなり、余裕のあ
JFAアンバサダーである武田修宏氏・
る取り組みができました。ピッチと宿舎
井原正巳氏・永島昭浩氏と、トム・バイ
の移動に時間がかかりタイトな日程にな
ヤー氏にアンバサダーとして参加してい
ってしまった地域もあったようですが、
ただき、選手はもちろん指導者講習会に
今後、もっと時間をかけて取り組んで
2005年度開催に向けて工夫してもらいた
おいてもレクチャーを行ってもらいまし
いかなければならない課題であると感じ
いと思います。
い状態でした。
(2)パス&コントロール
た。トレーニングでは、ゲームの中に一
ました。基本技術である「止める、蹴る」
2004年度、雨(台風)の影響で予定し
緒に参加してもらい、子どもたちにとっ
ことについて、正確にプレーすることを
ていたスケジュールが消化できなかった
てはかけがいのない思い出になったと思
大切にしてほしいと思います。
地域がありましたが、スタッフが臨機応
います。
変に対応していただき、感謝しています。
2
4
指導者のアプローチで改善されること
と感じました。日ごろのトレーニングか
トレーニング
ら働きかけていくことが必要であると思
います。
プレゼンテーション
(1)1対1の攻防
大塚製薬㈱のプレゼンテーションが今
しかける意識よりも、パスを探してし
回は非常に子どもたちにとって興味の湧
まう選手が多くいました。指導の中で意
シュートをうつことで満足しているよ
く内容でした。今、食べた食事をスライ
識が変わり、積極的にしかけるプレーが
うです。もっと狙ってうつ意識をもって
ド画面として使うことで子どもたちの興
多くなりましたが、しかけるときの間合い
ほしいと思います。
が近すぎる選手が多く見受けられました。
また、シュートミスをしても笑ってい
る選手が多く見受けられたことは残念で
1日目
A.S.E、さまざまなゲーム(GK別)
開会式/グループミーティング
2日目 トレーニング①
トレーニング②
プレゼン/グループミーティング
3日目 トレーニング②
トレーニング②
プレゼン/グループミーティング
味を引き、食事と身体について丁寧に栄
地域(Gr)対抗ゲーム
4日目 GKトレ(全員)/さまざまなゲーム
プレゼン/グループミーティング
養指導の説明があり好評でした。その後
日ごろのトレーニングにおいてしかけ
の選手の食事に対する意識が変わってい
ることを促すことで、改善されるのでは
※集合時間などにより、各地域多少の違いあり
ないかと思います。そのためにも得意な
2003年度の反省を生かし、運営責任者
ても、来年度につながる前向きなことと
期 間:2004年10月8日(金)∼11日(月・祝)
場 所:富山県南総合運動公園サッカー場・
呉羽少年自然の家・富山県総合
体育センター(富山県富山市)
選手数:43名
フィニッシュ
常にゴールを狙い、シュートをうつことを目的とします。とにかくゴールを
決めることが大好きなこどもになることを促しましょう。その上で両足のキッ
クが同じように蹴れることや正確性を要求していきます。さまざまなキックや
ヘディングなども習得させていきます。
専門的なトレーニングを徐々に導入
していく年代であり、
「ゴールキーパ
ーの基本技術」
「ポジショニング」の
習得を目指します。
2004年度「ナショナルトレセンU-12」は全国9地域で開催され、
1992年1月1日以降生まれ(早生まれの中学1年生、女子も含む)の
選手たち合計607人が参加しました。
1対1の攻防
守備では積極的にボールを取りに行くこと、最後まであきらめない姿勢を要
求します。そのような相手の守備に対して、自分の置かれている状況、相手の
対応などをしっかりと「観ること」を習慣化させます。そして、ターンやフェ
イントの技術、スピードや方向の変化を使いながら、相手をかわす技術を獲得
することを目指します。また、攻守においてコンタクトを嫌わないなどコンタ
クトスキルも導入していきます。
(3)フィニッシュ
した。
11
5
総括
今年でナショナルトレセンU-12の地域
開催は2回目になりますが、1回目より地
2004ナショナルトレセンU-12関東より©AGC/JFA news
域指導スタッフのレベルが上がったよう
にコミュニケーションを取り合い、自分
に思います。今回のナショナルトレセン
自主性を持たせる狙いから、ポジショ
たちで問題を解決しようとする姿勢は、
を行うにあたり、各地域でシミュレーシ
ン、選手交代を自分たちで行わせました。
ほほ笑ましいものでした。狙いとした姿
ョンを行い、万全とはいえないまでもで
最初はギクシャクしていましたが、徐々
であったと感じています。
きる限りの準備を行っていただきました。
(4)ゲーム
ナショナルトレセンコーチが主導で行っ
□オーガナイズ例①
たり、地域スタッフが中心で行ったりと
地域によって違いがありましたが、地域
ダブルフィールド4対4
の指導者の皆さんが2003年度よりも自信
を持って指導していたように感じられま
【ルール&オーガナイズ】
①15m×40mコーンゴール
②30m×20mラインゴール
③30m×40mコーンゴール
●2つのフィールドを並べて、そこの間にコ
ーチやプレーヤーが待機する
●交代は自由
●アウト・オブ・プレーはキックインから
した。地域開催にした成果だと思います。
並行開催された指導者講習会も好評で、
楽しみながら受講している姿勢は、充実
した講習会ができた証であるととらえた
いと思います。また、今回は3種年代の
指導者の参加もあり、種別を越えた交流
も行われていました。
一方で、「選手自身に判断をさせ、自立
を促したい」という狙いがあり、オン・
○コーチは進行役に徹し、選手に自主性をも
たせる
○選手同士のミーティングなどで選手にゲー
ムをつくらせる
ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチともに大
人の側が与えすぎないようにと考えてい
ましたが、この点でなかなか地域スタッ
フとのベクトルが合わない面がありまし
た。どうしても良かれと思って、丁寧に
準備され行き届いた環境を与えてしまう
面があり、もっと敢えて与えず、子ども
たち自身に判断させ考えて行動させる部
□オーガナイズ例②
分を増やしていく必要を感じました。そ
のことがサッカーの面でも判断、自立に
背中合わせゴールでのゲーム
【ルール&オーガナイズ】
①5対5+GK
●ボールを持っているチームは2つのゴール
に攻めることができる
●得点やGKがキャッチした後のリスタートは
コーチから始める
②5対5
●攻撃5人、守備はGK1人とフィールドプレー
ヤー4人
●2分間で攻撃側が何得点できるかを競う
つながっていくと考えます。
地域により違いはありましたが、改善
GK
発見できたことは良かったと思います。
今後もより一層、選手・指導者がレベル
アップし地域の充実につながるようなト
GK
12
レセンにしていきたいと思います。
2004ナショナルトレセンU-12関東より©AGC/JFA news
KEY FACTOR
●常にゴールを狙う ●確実なフィニッシュ
●ゴール前での冷静さ
●リバウンドの意識
●守備から攻撃への切り替え
していかなければならない新たな課題を
○特に説明なしでやらせたところ、選手同士
で考えながら取り組み、選手なりのアイデア
が出ていた。
報告
JFA公認指導者海外研修会2005
ドイツの強豪クラブ・
バイヤー04レーバークーゼンで
20名の指導者が参加!
グラウンドの大きさ
試合時間
ゴールの大きさ
年代
規格
備考
には細かいステップをやらせている。筋力
U-17 ∼ U-19
11人制 105m×68m
スタンド付き1面・なし1面
トレーニングの開始年齢にはいろいろな考
U-12 ∼ U-14
11人制 92m×60m
U-8 ∼ U-11
4∼7人制 35m×55m
U-19
45分×2本
U-17
40分×2本
U-12/13
30分×2本
U-10/11
25分×2本
オフサイドなし
U-8/9
20分×2本
オフサイドなし
U-15∼U-19
高さ2.44m×幅7.32m
U-12∼U-14
え方があるが、自分の体重を使った筋力ト
アカデミー内に常設 レーニングの範囲であれば、U-12から始め
ても問題ないと考えている」
高さ2.15m×幅6.20m
大野真(JFAナショナルトレセンコーチ/県立城山高校)
・安達亮(JFAナショナルトレセンコーチ/横浜F・マリノス)
※グラウンドの横にフィールドアスレチックが併設されて
おり、トランポリンを使った空中バランス、スプリング
の付いた平均台でバランス、雲梯や岩のぼりで腕力や握
力などトータルに体力アップが図られていた。
(6)アカデミーの管理・運営
大人のゴールではシュートを狙ってうたなくても入
ってしまうし、少年用のゴールでは小さすぎる
「レーバークーゼンにはサッカー以外に14部
門の種目があり、陸上ではオリンピックの
メダリストもおり、バレーボール、バスケ
1.
レクチャー
―育成コンセプトなど
バイヤー04レーバークーゼン
バイヤー04レーバークーゼン・アカデミ
ー(育成組織/U-9∼U-19)の第一の目的は
「プロ選手を育てる」ことであり、このこと
がすべてに優先される大目的である。その
ために、各年代でもっともその年代に適し
た環境でサッカーができるように配慮をし
ている。
右表にあるオーガナイズにするまでにい
ろいろな試みを繰り返して、それぞれの年
代に一番適したものを考えてきた。すべて
ドイツの著名な総合スポーツクラブでサッカーのほかにさ
まざな競技種目を運営。創立は1904年。1980年に独ブン
デスリーガ1部に昇格し、93年にはリーグカップを獲得。
87/88年シーズンには
U E F A カップ 制 覇 、
2001/02年UEFAチャン
ピオンズリーグでは準優
勝を果たすなど、欧州の
強豪クラブの一つ。元日
本代表・風間八宏氏も
84/85年に在籍。
★
ベルリン
★
★
こともある」
め、女性のスタッフも割り当てている。ド
ットボール、ハンドボール、ボクシングは
(3)スカウティング
イツ国内に選手と家族の相談を親身になっ
ブンデスリーガの1部に所属しているクラブ
「良い選手がいなければ、良いチームはでき
て聞いてくれる人間が必要。このようなサ
である。約10,000人の会員(プレーヤー)
ないので、スカウティングは重要視してい
ポートも、その選手が1回でもすばらしいプ
がいて、うち550人がサッカー会員である」
る。現在、レーバークーゼン・アカデミー
レーを見せてくれれば、何でもないことで
「プロ部門を有限会社にしてU-17、U-19もそ
にいる選手は全員スカウティングで採った
ある」
こに属している。U-8∼U-15はNPO(Non-
選手である。アカデミーから70∼100km圏
②ユース年代の選手への教育サポート
Profitable Organization)法人の全体のクラ
内に住む、7・8・9歳の選手をスカウティン
「ユース年代の選手は、学業とサッカーの両
ブに属している。プロ部門の有限会社の年
グの対象にしており、2人の専門のスカウト
面で伸びていかなければならない。アカデ
間予算は40億円、従業員130名。予算の80%
と25人のボランティアのスカウトが地域を
ミー内には学習室があり、PCやビデオを自
由に使えるようになっており、選手が学校
からアカデミーに来て、練習までの間に宿
4,000万円。GKコーチ2名を含め12名のコー
ゼンの練習に参加させ、レベルを見極め、
題や勉強ができる。勉強をサポートするス
チと食事の用意をしてくれる家族がいる。
獲得するか否かを決めている。選手を見極
タッフもいる」
12名のコーチの内、フルタイムで働くのは4
分担して地元クラブの選手を見ている」
フランクフルト
「そこで可能性のある選手は、レーバークー
ミュンヘン
★
は選手の人件費である」
「U-15までのアカデミーの年間予算は1億
のことが正しいとは思わないが、正しいと
める要素は『将来プロになれるか』という
「子どもにとって一番適した練習の時間帯
名だけで、後はバイヤー社で働きながらで
判断したらやり抜くことが大切である。
点。ポイントは、身体的要素(運動神経が
は、午前10時から11時ころであることから
あったり、プロチームのスタッフをやりな
優れているか、例えばX脚の選手は将来的
義務教育の10年間の内、5年生から10年生ま
がらのパートタイムである。コーチの月給
にプロとしては難しい)、テクニック、知
でにスポーツクラスを作ってもらい、午前
は40∼50万円で、高い人でも1.5倍くらいで
性・パーソナリティー(闘う意志、プレー
中にアカデミーで体育の授業として練習が
ある。アカデミーの選手の月会費は2,800円
のインテリジェンス)
、スピードを重視して
できるように改革を試みている」
くらいで、スパイクを除くウエアはすべて
7年前からU-8/9以外のチームは、選手に
に1つずつチームを置いているが、良い選手
適した高いレベルで試合を行うため、すべ
に集中的に指導を行うためにそうしている。
て地元の地域リーグから脱退して、ブンデ
この年代は、精神的にも身体的にも難しい
スリーガのチームとトップ・アマチュアの
年代であり、ユースのサッカーから大人の
チームでプライベートリーグを立ち上げて、
主な活動の場としている。
以下、レクチャーにおける講師の方から
サッカーに変革するときである」
(1)U-19の指導コンセプト
を払っている」
から全員でグラウンドに出るようにしてい
「ヘディングはヘディング専門のコーチにま
ーディネーションは週2回30分は必ずやって
いる」
10:00 レクチャー :研修ガイダンス・
施設案内
いる。レーバークーゼンは攻撃的なサッカ
ーを目指しているので、ボールを常に保持
含んだテクニックの練習を多くとり入れて
していなければならない。そのためにボー
いる」
ルを失った瞬間に奪い返すことが重要とな
る。そして、ボールを取られることを恐れ
「アカデミーを出てプロ選手になれるのは
支給されている」
(7)ディスカッション
10%であることから、17歳から19歳ころの
然地元クラブの抵抗感はあるが、日ごろか
選手に対しては、親会社であるバイヤー社
らコーチが足を運んだり講習会をやったり、
と連携をして、アカデミーでサッカーをや
「プロチームが、世界の各大会に出て活躍す
16:30 トレーニング視察 (U-9からU-19)
いろいろな点で良好な関係を構築するよう
りながら、3年間で職業資格が取得できるコ
ることで、
『レーバークーゼン』の名前が世
10:00 レクチャー:指導コンセプトU-15と
に努力をしている。それでも"もめる"場合
ースを設けて将来の準備もさせている」
界に広がる。そして、アカデミーでは、140
は、最終的な決定は選手に任せている」
(5)コーディネーショントレーニング
人いる選手を社会性のある人間に育てるこ
U-9からU-13
14:00 トレーニング施設・スタジアム見学
15:00 トレーニング視察 (プロチーム)
3月9日
いる」
「地元クラブから選手を移籍させることで当
11:00 レクチャー:指導育成コンセプト スカウティング
11:30 実技
14:30 レクチャー:指導/育成コンセプト
U-17
16:30 トレーニング視察 (U-9からU-19)
20:45 UEFAチャンピオンズリーグ視察
「戦術的には、練習では守備に重点をおいて
要だと考えているので、いろいろな要素を
「選手の評価で一番重要だと思うものは、パ
3月8日
ーションも専門のコーチに任せていて、コ
しているからである」
習が重要視されているが、テクニックが重
移動(成田⇒フランクフルト⇒レー
バークーゼン)
かせている。ゴールキーパーやコーディネ
る。プロに近づいた年代でも規律を大切に
「国際的なユース育成の流れは、戦術的な練
プログラム
ができる雰囲気を創ることが大切であり、
特に、個人のレベルアップにもっとも注意
ールームに集合して、練習内容を確認して
3月7日
「練習では失敗を恐れずに積極的チャレンジ
の発言を紹介していく。
「U-19のチームでは、練習の30分前にロッカ
日時
3月10日 10:00 レクチャー:教育サポート
11:30 実技
14:30 レクチャー:指導コンセプトU-19
ユースからプロへ
16:30 トレーニング視察 (U-9からU-19)
3月11日 10:00 レクチャー:コーディネーション
トレーニング
(4)選手への教育サポート
「クラブとして、若いうちからコーディネー
①プロ選手へのサポート
①レーバークーゼンの社会貢献
とが社会的な責任である。
ション・トレーニングを積極的にとり入れ
コーチの中には「勝つ」ことで自分の名
「レーバークーゼンの選手の50%が、外国人
ている。理由の一つは、コーディネーショ
声を得ようとする者がいるが、それは問題
選手である。選手を獲得する際には、プレ
ンがドイツ人のウィークポイントであるこ
であり、コーチは教育者として選手たちに
ー以外の面で性格や家庭の状況などいろい
とと、速く走るためにも正しいランニング
接して立派な大人に育てることが重要な仕
ろな面を考慮しているが、彼らが最高のパ
フォームを身に付けることは重要であるか
事である。そして、コーチはどれだけ良い
フォーマンスを発揮できるように、グラウ
らである。U-9/10は週1回30分のコーディネ
選手を育てたかで評価されるのである。そ
ンドレベル以外のサポートも大変重要であ
ーショントレーニング、U-11∼U-15は週2回
のためにコーチはオープンな気持ちを持っ
る」
45分コーディネーションとマシーンを使わ
て選手の話を良く聞くこと、我慢強く指導
「外国人選手にはそれぞれに必ず1∼2名の担
ない筋力トレーニング、U-16∼U-19は週2回
することが大切である。すべての選手にフ
45分コーディネーションとマシーンを使っ
ェアに接するためにルールを設け、一線を
ーソナリティー(勝利への意識、まじめさ、
て大きく前に蹴るのではなく、しっかりと
自己批判できるか、チームスピリット)
、二
11:30 実技
ボールをつなぐことを重視しており、守備
14:30 レクチャー
当者がいて、ドイツ語の教育、住居・家
番はテクニック(左・右足でのキック、ヘ
ゾーンや中盤では常に数的優位をつくるこ
15:00 トレーニング視察 (プロチーム)
財・車の世話、子どもの学校問題、保険・
ディング)であると考えている」
とにポイントを置き、指導している」
16:30 トレーニング視察 (U-9からU-19)
銀行の口座管理、役所での手続き(査証な
「U-12∼U-14は、動きを覚えるのに適した年
「コーチにとって、
『自分の経験』が一番大
ども含めて)
、通訳の必要性など多面的にサ
代であり、正しいランニングフォームなど
切だと思っている。そのためにいろいろな
ポートをしている。住居や教育の問題は、
それまでは大まかだった動きを洗練させる
ことを聞くこと、勉強することが重要であ
選手自身よりも夫人とのやり取りが多いた
ことが大切である。特に、身長の高い選手
り、それを自分のものにするのである。そ
(2)U-17の指導コンセプト
「レーバークーゼンには、U-17のチームは1
つしか置かない。他のクラブはU-17、U-16
14
「練習ゲームでは、2点の失点をした状況を
3月12日 10:00 レクチャー:ディスカッション
11:30 ユースチームの試合観戦
設定して、そこから逆転をさせるような精
神的にプレッシャーをかけたゲームを行う
16:30 移動(フランクフルト⇒帰国)
3月13日
成田着後解散
ての筋力トレーニングを行う」
画して指導することが必要である」
15
受講生に話されたことは、
「何が聞きたいか、
珠玉のひとこと
その
8
何をやってみたいかを積極的に申し出て、
皆さんがつくる内容の濃い研修にしてほし
山口隆文(JFA特任理事・技術委員会委員/指導者養成責任者)
い」ということであった。それに対し受講
者から、
「レーバークーゼンのコーチのアシ
判するのではなく、選手の行動や言動など
我々のアカデミーの考え方は、ドイツ国
また、ホテルからアカデミーやスタジアム
を批判することが大切である。特に、選手
内で上位にあると思うが、一番ではないと
への移動は、すべてクラブのワゴンでコー
に厳しく指導するときには、選手のいろい
思う。
『自分が一番だと思ったときには、も
チたちが運転をしてくれて、実に効率的な
ろな状況(学校・家庭・その他)を考慮し
う次のクラブに抜かれているだろう』
。しか
時間を過ごすことができた。アカデミーの
てから指導するようにしている。コーチ自
し、レーバークーゼンは常に一番になろう
クラブハウスの中も、まるで自分のクラブ
身の感情が高ぶっているときには、一瞬自
と努力をしている」
にいるように自由に使わせてもらい、レス
もう一息
もう一息と言ふ処でくたばつては
何事もものにならない。
もう一息
それにうちかつてもう一息
それにも打ち克つて
もう一息。
もう一息
もうだめだ
それをもう一息
勝利は大へんだ
だがもう一息。
分で反省してから指導する。我々コーチは、
トランでレーバークーゼンのコーチたちと
・・・武者小路実篤作「もう一息」より引用
選手を人間として尊重しているので、1日
一緒に昼食をとりながら雑談をする中でド
スタントとして直接選手の指導がしたい」
「練習の中に入って、レーバークーゼンの選
手と一緒にコーチの指導を受けたい」など
の要望が出され、すべての要望が快く受け
入れられた。
コーディネーション・
トレーニングより
アカデミーの全カテゴリーのコーチ、ス
タッフにも協力をしてもらいトレーニング
して、最終的にはこれらの経験が『自分で
競技の専門家からは『自分をどのように高
の見学、レクチャー、実技講習、スタジア
ものを考え出す力』につながる。選手に対
めるか』
、ボクシングの一流選手からは『闘
ムの見学、UEFAチャンピオンズリーグの観
して指導するときには、選手の人間性を批
う姿勢』を学ぶためである。
戦など、実に密度の濃い研修会となった。
2. 実技
イツのサッカーや文化についても知ること
100回も選手と握手を交わしている」
「戦術面の指導では、U-15までは個人・グル
個々のトレーニングのメニューを紹介す
ープ戦術(2対2)までで充分だと考えてい
ることは割愛するが、トレーニングを見学
る。チーム戦術は、あまり指導しないで自
した感想をもって報告とする。
ができ、研修以外の時間も実に有意義なも
のとなった。
ビットナー氏は1月に日本で行われた第4
今回の研修の中で「目新しいトレーニン
回フットボールカンファレンスにプレゼン
U-15のチームでは1-3-4-3のシステムでゲーム
グ」はなかった。トレーニングメニューは
テーターとして来日されたときに歓迎を受
をやることが多い。これはDFを3人にする
日々、我々がやっているものとほとんど変
けたことを大変感謝しており、今回の研修
ことで1対1の状況をつくり、個人の責任を
わらないものであった。しかし、特筆する
では実に真心のこもった対応をしていただ
強調するためであり、FWを3人にするのは
点は「集中させる環境がある」ということ
いた。このことが、今回の研修の成果を大
サイドから攻撃できる選手を育てるためで
である。各カテゴリーの選手15∼17人に必
きくしてくれた一つの要因である。また、
ある。MFを4人にするのはピッチ全体に三
ず2人のコーチがつき、U-9などは13人の選
レーバークーゼンのコーチたちが、日本の
角形を多くつくり、無駄に走らずにゲーム
手に2人のコーチが指導を行っていた。
指導者の真剣な受講態度を高く評価してく
分で考えてプレーするように指導している。
グラウンドも天然芝のピッチが前記した
れたことも要因の一つに挙げられる。この
ような各年代に適した広さで常設されてお
後もこのような真摯な交流が継続していく
「アカデミー全体のゲームのコンセプトは、
り、ハード・ソフトともにトレーニングに
ことは、日本のサッカーの発展に実に意義
『1対1に強い』
『攻撃的サッカー』
『数的優位
自然と集中する環境が整っていた。
深いことだと思われる。
を組み立てる能力を養うことができるから
である」
最後に今回の研修をコーディネートし、
をつくる』である。このコンセプトをベー
U-17のトレーニングもウォーミングアッ
スに各年代のコーチが、自分のチームに適
プを含めて約90分で、トレーニング終了後
全日程通訳として帯同していただいた木村
したシステムでゲームを行う」
は全員がすぐにロッカールームに引き上げ、
康彦氏の功績は、大きいものがあったこと
「アカデミーのコーチのレベルを上げるため
帰宅していた。
「プロを目指す選手は、個人
を報告させていただきたい。それは、木村
に、育成部長が各コーチに練習計画を出さ
で自主トレをやるのだろう」と思っていた
氏がレーバークーゼンのアカデミーのコー
せトレーニングを見て、ディスカッション
ので、この点は大きなカルチャーショック
チとして日々活躍し、アカデミーの中でも
をする。月1回は全員のコーチが集まり、研
を受けた。逆に言うと、このような環境で
信頼を得ている人物であったことで、アカ
修会を行い、問題点などを話し合っている」
トレーニングをしていれば、2時間も3時間
デミーのスタッフが好意的に対応をしてく
もやることはできないということである。
れて、有意義な研修がスムーズに行えたか
「クラブの費用でコーチライセンス取得講習
会を受講させている。日常では経験のある
コーチと若いコーチを組ませて、指導する
「トレーニングの質の追求」
、この重要性を
改めて実感させられた。
導者の仲間ががんばっていることを頼もし
く思い、勇気をもらって帰国をした。木村
ことでコーチを育てている」
「アカデミーの選手を対象にサッカーのプレ
らである。我々は海外のクラブで日本の指
3. まとめ
ー以外の観点から教育することもある。例
氏には心から感謝を申し上げたい。
Takafumi
Yamaguchi
© Jリーグフォト㈱
日本サッカー協会(JFA)の指導者養成責任者、山口隆文氏が
自宅の部屋に掲げている言葉だ。
氏は筑波大学を卒業後、1980年に都立清瀬東高校サッカー部で
ていた中学時代の自分の気持ちに戻ることができるから。
『もっと
頑張らないと』って」
どんな世界でも努力しないで成功した人はいない。ましてや、
指導者のキャリアをスタートさせた。1984年から都立久留米高校
身体を鍛え上げた者だけがステージに上がることができるスポー
に移り、1990年に都立高校として28年ぶりに関東高校サッカー大
ツの世界では、なおさらのことだ。
会に出場、1992年には都立高校としては40年ぶりに全国高校選手
指導者になってから「もう一息」頑張ってますか?
権・東京都代表の切符を手にした。
今日のトレーニングに「もう一息」工夫してますか?
1994年から日本サッカー協会指導委員会(当時)
、1999年から技
術委員会のメンバーに加わった。
明日の試合に「もう一息」選手を鼓舞してますか?
日が暮れるまでボールを追いかけていた少年時代、自分がライ
「中学1年生の時にサッカーを始めたんだけど、最初リフティング
バルからポジションを奪うために努力していた中学生時代、足が
が3回しかできなくて、同級生が何回もできるのを見ていて悔しい
動かなくなるまでシュートをうっていた高校生時代、みんな「も
思いをした」
う一息」の達人でしたよね。
他のスポーツは最初から何をやっても一番だった氏は、サッカ
ーだけは最初からうまくいかなかったようだ。
山口氏は、JFA特任理事、JFA技術委員、JFAナショナルトレ
「この詩は中学生のとき、校長先生が学校通信で全生徒に配布した
センコーチ四国担当、S級インストラクター、A級インストラクタ
ものだが、サッカーがぜんぜんうまくならなくていやになってい
ー、B級インストラクター、カリキュラム検討プロジェク
た自分の胸に強く響いた。自分は何も頑張っていないなと。
」
そこからは、あきらめないで頑張ることを覚えた。そして頑張
ることを続けた。
えば、国際審判員に話をしてもらいフェア
講習に先駆けてのガイダンスで育成部門
「今思うと、中学校時代の自分が一番頑張って努力していたような
プレーやルールへの理解をさせたり、陸上
の責任者であるヨルク・ビットナー氏から
気がする。この詩を部屋に掲げているのは、これを見ると頑張っ
16
© Jリーグフォト㈱
ト・・・と年中休みなく全国を飛びまわっている。
「一息ついたらどうですか」とたずねたら、
『もう一息』頑張るぞ
と怒られそうだ。
関口潔(JFA技術部)
17
活動報告
Reports from
Japan National Teams
Reports from Japan National Teams
えたときに、守備から攻撃への切り替えが遅かったり、良い準備が
③パスの精度。
できていなかったためにいくつかのチャンスをつぶしていた。
④サイドチェンジを使ったり、ボールを速く動かしたりしながら、
得点シーンは、中盤自陣サイドでボールを奪い、ダイレクトプレ
攻撃の基点をつくること(トップorサイド)
。
ーで相手DFの背後に速いパスを送り、得点に結びつけた。この得点
⑤ロングボールに対するディフェンス対応。
は、パスの出し手と受け手の良い準備ができており、タイミングが
噛み合った良い形であった。
今回のU-18日本代表の立ち上げキャンプは30人の選手を招集し、
3. 成果
目指せ!世界のトップ10
今後の活動、チームコンセプトを限られた時間の中で伝えていった。
①U-18日本代表の立ち上げに当たり、代表候補各選手の能力、特徴
毎回のトレーニング(下図)ではスクエアパスと三角パスをとり
の確認ができたこと。
入れ、パス&コントロールの重要性を伝え、その中でワンタッチで
②積極的にボールを奪いにいく姿勢。
トップに縦パスを入れることを意識する習慣づけ、ワンタッチでパ
③粘り強く連続した守備、最後まで身体を張る姿勢。
スを受けられる良い準備の習慣づけを行った。
④ワンタッチ縦パス、ダイレクトプレーの意識。
また、対人トレーニングを多くとり入れることにより、攻守にわ
たりプレーの連続性、ハードワークすることを行ったが、練習試合
4. 課題
3本目のモンテディオ山形戦は、相手のパス&ムーブに後手に回
5. 総括
で意識として選手は実践できていたと思う。しかし当然のことなが
①ボールを奪った後、ダイレクトプレーとポゼッションの使い分け
ら、プレーの質はすべてにおいて、まだまだ向上させていかなけれ
の判断。
ばいけない。特に、ボールを奪った後のパスの質、動きの質、ダイ
U-18日本代表チーム
ってしまい、主導権を握られた展開になった。失点シーンは相手ス
②いつ、どこでボールを奪うのか明確にすること(コミュニケーショ
レクトプレーとポゼッションの使い分けは課題として詰めていかな
【報告者】吉田靖(U-18日本代表監督)
ローインの際に集中を欠き、自陣ペナルティーエリア付近での相手
ン)。
ければいけないと思う。
1987年1月1日以降生まれの選手たちによって編成される
「U-18
日本代表チーム」が2005年2月(20日∼25日/Jヴィレッジ)
より活
動をスタートさせました。このチームは、吉田靖監督のもと、2007
年FIFAワールドユース選手権大会を目標に、選手の強化育成を
図っていくことになります。
のワンツーにボールウォッチャーになってしまったことによるもの
であった。
守備では1、2本目と同様に積極的にボールを奪いにいこうとして
いたが、なかなか奪いどころの的が絞れなかった。今後はゲームの
流れの中で、いつ、どこで奪いにいくのかを選手が感じながら、明
たため、流れのある攻撃の形があまりつくれなかった。今後は、ダ
イレクトプレーとポゼッションの判断の切り替えをして、良いプレ
①2007年FIFAワールドユース出場、同アジア1次予選突破(2005年
ーの選択をすることが求められる。特に、ポゼッションではボラン
11月)に向けて、全国からU-18を代表する選手を集め、トレーニン
チを経由する展開を増やさなければいけない。3本目は終了間際に
グ、トレーニングマッチを行い、チームコンセプト・課題の共通理
同点に追いついたが、最後まで諦めずに同点にしたことは評価した
解を深めるとともに個人のレベルアップを図り、その中で選手のレ
い。
ベル・特徴を認識すること。
(2)順天堂大学
②フィールドテストを行い、選手の現在のコンディション、身体能
●vs 順天堂大学(0-0)/30分
力をコーチングスタッフが把握し、選手にデータをフィードバック
●vs 順天堂大学(0-0)/30分
することで、今後の取り組みを促すこと。
●vs 順天堂大学(1-0)/30分
2. 練習試合
●vs ソニー仙台(2-1)/45分
撃の形をつくることができなかった。組み立ての際、パスの距離が
●vs ソニー仙台(1-0)/45分
短く、横パスが多かったことで、相手のプレッシャーに掛かってい
●vs モンテディオ山形(1-1)/45分
たためであった。
1、2本目のソニー仙台戦の立ち上がりは、選手全員が積極的にボ
①ウォーミング・アップ ①ウォーミング・アップ 各自のペースでジョグ&ストレッチ
②スクエアパス
ルール&オーガナイズ
狙い
オフ・ザ・ボールの良い準備(プ
レーエリアの確保)
/動きの質、
タイミング/パスの質/ワンタッ
チ縦パスの意識
③2対2 + GK
C
効果的に使っていかなければいけない。また、良い形でボールを奪
ルール&オーガナイズ
ボールは常にオフェンス側
GKから配球
ディフェンスはボールを奪
って攻撃
1対1のバトル/チャレンジ&カ
バ−/最後まで粘り強く
動性があった。相手の攻撃が遅かったので、ある程度狙ったところ
でボールが奪えていた。しかし、時間が経つにつれて選手間でチャ
レンジ&カバーの意識のずれが出てきたため、ボールを奪う回数が
④「3対3+GK」
、
⑤クールダウン
「4対4+GK」へと
発展させる・・・
てきていた。相手のプレーの精度が低かったため決定的場面をつく
られることがあまりなかったが、もっとお互いでコミュニケーショ
ンをとり、細かなポジション修正をすることが必要である。
狙い
全体的には主導権を握ってプレーできていて、得点シーンは2得
点とも右サイドのアタッキングサードで基点をつくり、クロスボー
1対1の局面バトル/コーチング/切り
替え/挟み込み/チャレンジ&カバ−/
積極的に奪う/最後まで粘り強く
ルから得点につなげる良い展開であった。失点は終了間際であり、
今後はトレーニングマッチといえどもきっちり終わること、時間帯
に応じたプレーなどシビアにとらえていかなければいけない。
18
ルール&オーガナイズ
①ツータッチ、左右回り
②ワンタッチも入れながら※ワンタッチでもらえるタイミングで動く
狙い
オフ・ザ・ボールの良い準備
(プレーエリアの確保)
/動きの質、タイミング、動
き直し/パスの質/ワンタッチ縦パスの意識
狙い
ールを奪いにいく守備から攻撃につなげていこうという意図で、連
減り、相手にパスをつながれたり、背後を突かれることが多くなっ
②三角パス
※中と外のプレーヤーは入れ替わ
り自由
そのようなプレッシャーを回避するためには、もっとボールを早
く動かしながらトップへのくさびを狙うことや、サイドチェンジを
各自のペースでジョグ&ストレッチ
① 1つのグループで
② 2つのグループ同時に
試合は立ち上がりから、相手が引いた状態でブロックをつくり、
ともあり、なかなかリズム良くパスをつなぐことができず、良い攻
各自の特徴を出すことを掲げた。
2月21日 15:30∼ FP 26人/GK 4人
守備の形が整うと激しくプレッシャーをかけてくる闘い方だったこ
(1)ソニー仙台・モンテディオ山形
試合前のミーティングで、試合の目的として、勝つこと・内容・
2月21日 9:30∼ FP 26人/GK 4人
確にしていかなければいけない。
攻撃では、ボールを奪った後の無理な縦パスが多く精度が低かっ
1. 目的
□トレーニングメニュー∼第1回トレーニングキャンプ
③6対6+GK
ルール&
オーガナイズ
①コーチから配球
②守備側がボールを奪
ったら、コーチにパス
狙い
奪いに行くタイミング/DFの
連動/挟み込み/押し込ま
れたとき、攻撃者を放さない
C
U-18日本代表チーム(2005年2月) © Jリーグフォト㈱
19
Reports from Japan National Teams
2月21日 15:30∼ FP 26人/GK 4人
④6対6+6対6+GK
⑤8対8+2対2+GK
②スクエアパス
前記参照
①コーチから配球
②2対2のゾーンに
攻撃側は1人入れる
C
③2+2対2+2
C
狙い
狙い
ルール&オーガナイズ
中のボール保持側は外にいる同色の
プレーヤー使ってポゼッション
(攻撃方
向を意識する)
/外ワンタッチ、中ツー
タッチ/外ライン上移動可
ボールを積極的に奪う /
ボールを奪った後のダイ
レクトプレー/トップのコ
ンビネーション
奪いに行くタイミング/
DFの連動/挟み込
み/ペナルティーエリア
内の守備
(人につく)
①ウォーミング・アップ
各自のペースでジョグ&ストレッチ
ルール&
オーガナイズ
ルール&
オーガナイズ
①コーチから配球
②オプション、攻撃
側が1人上がれる
(=7対6)
2月23日 9:30∼ FP 25人/GK 4人 雨天練習場にて
狙い
⑥11対11
⑦クールダウン
パスの質/身体の向き/ボールの移動中に良
い準備
ルール&オーガナイズ
U-20日本代表チーム
【報告者】大熊清(U-20日本代表監督)
①ウォーミング・アップ 各自のペースでジョグ&ストレッチ
FIFAワールドユース選手権大会オランダ2005(6月10日∼7月2
④11対6 組み立て
ルール&オーガナイズ
日)
に向けて強化を進めるU-20日本代表チームは、今年1月のカ
狙い
ワンタッチパスを入れてダイレクトプレー/ポ
ゼッションしながら基点を作る(トップ、ボラン
チ、サイド)/どこにスペースがあるのか観て、
組み立て
前のトレーニングの延長で、6人(各ポジシ
ョン2人ずつ)のディフェンスを入れて行う。
GKのスローインからスタート。
⑤11対11
⑥ファンクション・トレーニング
FWはシュート、それ以外は体幹トレーニング
狙い
⑦クールダウン
②三角パス 前記参照
③ロングパス、ヘディング、ダッシュ
20
狙い
パスの質/ポジショニング
(重ならない)/観る/
ボールの移動中に良い準備/パスの優先順位
F
⑤6対6 or 7対7ゲーム
ルール&オーガナイズ
アウトオブプレーになったら、
どちらかのGKよりスタート
狙い
き、戦術以前に大切なもの、そして戦術を超越する世界との差を
選手が体感できたことが、チーム・選手に本当に貴重な経験にな
ったと痛切に感じる。
そして、継続した強化によってチーム内の競争が激しくなった
こともチーム力向上につながってきている。
3. 試合結果
結果は下記のとおりであった。
●3月23日 vsサンカエターノ 1-2
1. はじめに
日程は、現地滞在7日で6試合とハードなものであった。これは
GKからのロングキックを処理してスタート
組み立てからシュートまで
各自のペースでジョグ&ストレッチ
中のボール保持側は外にいるプレーヤー使ってポ
ゼッション
(攻撃方向を意識する)/外ワンタッチま
たはツータッチ、中ツータッチ/外ライン上移動可
●3月24日 vsナシオナル 4-2
●3月25日 vsパルメイラス 1-5
●3月26日 vsポンチプレッタ 4-6
●3月27日 vsウニオン・サン・ジュアン 1-1
●3月28日 vsコリンチャンス 1-1
6月に開催される「FIFAワールドユース選手権大会オランダ2005」
ルール&オーガナイズ
①ウォーミング・アップ
30日)
を行った。
メンバーを招集することができた。
①ストップ・ゲーム ②フリーゲーム
2月22日 15:30∼ FP 26人/GK 4人
タール遠征(本誌Vol.6参照)
に続き、ブラジルに遠征(3月21日∼
今回のキャンプは、各チームの協力を得てけが人以外はベスト
ルール&オーガナイズ
いろいろな形の組み立て/ボールの移動中に良
い準備/動きのタイミング/トップのコンビネー
ション/攻撃時のバランス
F
⑥クールダウン
2月22日 9:30∼ FP 26人/GK 4人
③11人組み立て(シャドー)
ルール&オーガナイズ
攻撃方向を意識したポゼッションから、ワンタッチパスを効果的に使いフィ
ニッシュまで持っていく
①攻撃側GKから配球、守備側は最終ラインを設定してコンパクトフ
ィールドを保つ。②前線のファーストDFは相手の組み立てを制限す
る。③フリーゲーム
②スクエアパス 前記参照
④6対6+2フリーマン
を控え、末だ所属するJクラブでのレギュラーとなっている選手が
各選手にコンデイションに差があったこと、ブラジルに到着し
少なく、高いレベルでの実戦経験を遠ざかっている選手が多いこ
て翌日から6試合、そして気温が30℃以上ということで、3試合ま
とを考慮した。また、この貴重な機会でのチームづくりはもちろ
ではチームの戦術より、個人戦術・ポジションの適材適所を確認
んのこと、各選手の心・技・体のレベルアップのためにも実戦で
した。FIFAワールドユース選手権前に、多くの選手をいろいろな
の強化が必要だと考えた。
ポジションで確認することができる機会はこの遠征が最後になり、
結果的にも、2005年FIFAワールドユース選手権に向けての選手
今回レベルの高い相手の中で多岐にわたり確認・徹底できたこと
選考、高いレベル相手にチームの構想も図れ、選手も多くのこと
は、FIFAワールドユース選手権に向けて非常に貴重な経験になっ
を学ぶことができた遠征であった。
た。
2. チームコンセプト・戦術
今回、各試合で非常に失点が多かった。これは、不慣れなポジ
ションをやらせた選手がいたり、FIFAワールドユース選手権に向
6試合のうちの3試合に関しては、各選手が高いレベルでの試合
けて、新たなことを確認したり、要求したことが原因の一端でも
から離れているということを考慮し、戦術面は要求を少なくし、
あったが、それを考慮しても個人・チームが崩されての失点が多
④紅白戦(25分×2)
攻守の切り替え、レベルの高い相手に対してより高い位置でボー
かった。
ルール&オーガナイズ
ルを奪うこと、ダイレクトプレーと基本的なことを要求した。
①ストップ・ゲーム
(セットプレー、コンセプト確認)
②フリーゲーム
⑤クールダウン
ブラジルは、どのポジションの選手もドリブルでしかけられ、
そして、その後の試合でより具体的に①チームとしてボールの
全員がゴールに向かう気持ちが強く、しかも一つのミスをゴール
奪い方の確認、②DFラインのビルドアップ、③全員の前線への意
にしてしまう鋭さがあった。また、スローインやリスタートで隙
識向上(攻撃の優先順位)
、④戦術以前のベースである勝負へのこ
を突くことに貪欲であった。このことも当たり前のことではある
だわりや闘う姿勢を要求・強調して、ゲームを重ねていった。
が、まだまだ日本の育成年代に根付いていないように感じた。
また、今回ブラジル・サンパウロ州選手権を2試合観ることがで
さらに、ディフェディングサードで個人突破され、チャンスを
21
Reports from Japan National Teams
つくられる場面が多く、攻守に個を向上させるという課題は世界
相手では常にある課題あると感じた。
各大会でブラジルは攻撃が注目されるが、守備意識も高くボー
ドリブルでしかけられる)
②ボールを失わないスクリーンの技術
③ペナルティーエリア付近のシュート・パス
ルを奪う激しさ・技術があることは、日本も真摯な姿勢で学び、
④ドリブルの判断と技術
臨むべき点である。
⑤環境と選手個人の意識(高いレベルの試合機会が不足し、競争
意識に乏しい)
4. ブラジルのサッカーで感じたこと
攻 撃
どのポジションの選手も
ドリブルがうまい
良い状況判断で、
長い距離の飛び出しが多い
ペナルテイー付近の突破力
とシュートの精度
(シュートかパスの判断も的確)
どの選手も身体を使った
スクリーンがうまく、
ボールを失わない
守 備
6. まとめ
1対1の強さ。
激しくボールを奪うことがうまい
スライディング・ヘディングの技術
【報告者】安達亮(JFAナショナルトレセンコーチ/U17日本代表監督)
非常に強かった。プレーで自分をアピールしようとする気持ちが
強く、一つ一つのプレーに負けないという意思と強さを感じた。
2
日大藤沢高校
1- 4
よって編成)
は、3月21日∼30日、福岡県・沖縄県で開催された国
3
具志川高校
1-4
U-17日本代表 (A1位)
那覇西高校
今回で3回目となる「サニックス杯 U-17国際ユース大会」は、例
年通り、海外招待チームが4チームと(ACミラン 韓国高校選抜
ルドユース選手権のレベルを考えると、まだまだやるべきことは
U-17中国代表 U-17オーストラリア代表)
、U-17日本代表そして国
多く、さらに要求を高め、そして徹底を図っていきたい。各選手
内の強豪高校チーム11チームを含む全16チームを4チーム4ブロック
3. テーマ
の育成は日々のトレーニングの環境・意識・取り組みが大切であ
に分け予選リーグを行い、上位2チームが決勝トーナメントに進む
(1)全体
り、各チームとの連携も、より密にしていくことが大切である。
形式で行われた。
4-1
6
8
2
6
2-0
3
3
5
-2
0
2
6
-4
0-2
勝点 得点 失点
差
横浜F・マリノスY(D1位)
PK 6-5 1
1
2
1
U-17日本代表
まずは、昨年のU-16日本代表チーム(布啓一郎監督)の復習とし
ブラジルのサッカーはしかけが早く、かつ柔軟で隙がない、そ
試合会場は例年通り、グローバルアリーナ(福岡県)の芝生4面
て、
「頭も身体もハードワーク」
「闘える選手」
「隙をつき、隙をつく
して、ミスを逃さず突いてくる。このようなサッカーを育成年代
のピッチが用意されていたが、①スタジアムは良芝、②陸上競技場
らない」の3本柱に、
「攻守の切り替えの速さ」
「3ゾーンの意識」か
に経験させることは、選手のレベルアップに多大な成果があると
は中央がややはげていた、その他の③、④の2面は四隅が芝生だが
ら入り、U-18日本代表チーム(吉田靖監督)のコンセプトへと移行
痛切に感じた。
中央はかなり状態が悪く大雨の影響もありかなりの悪条件となって
していった(前記参照)
。
さらに強化が必要だと感じる点を下記にまとめ報告を終わりたい。
どのポジションの選手にも、攻守のレベルアップを求め、ボールを奪う
意識と技術を向上させる。
攻撃ではプレッシャーの中でボールを蹴る・止める・運ぶ(ドリブルの
突破力含む)・キープ(ブラジルはスクリーンの技術が高い)ができる
選手を育成する。
攻守に良いポジショニングと良い判断(ドリブルかパスか、パスかシュ
ートか、ディレイかアプローチか、つなぐのかセーフティーかなど)
スライディングとヘディング
しまった。試合時間も大雨の影響で予選リーグは25分ハーフと変更
攻撃では事前の情報収集・創造性など、守備では予測・駆け引きが大切
自己主張(声・目・身体・ポジショニングなど)
指示の声
5. 成果と課題
(1)成果
をすること」
。
「予測」という言葉を一つのキーワードとした。そし
(2)沖縄県高校招待サッカー
て、もう一つのキーワードに「成功と失敗を、半分半分経験する」
今回で10回目となる記念大会であった。沖縄県内の新人戦上位4
という表現を使った。失敗を恐れずチャレンジすること(失敗の許
チームに県外の8チームを含む全12チームを3チーム・4ブロックに
される最後の年)
、積極的に高いレベルへ挑戦することをテーマにし
分けて予選リーグを行い、上位1チームが決勝トーナメントへ。そ
た。
の他は、下位リーグ戦へ進む形式で行われた。
(2)攻撃
②特にDFラインのビルドアップ時のセンターDFのしかけ、サイド
2. 目的
③アタッキングサードでのゴールへ向かう姿勢
DFのポジショニング(高い位置で良い準備)
この年代(1988年生まれ)は、昨年9月のAFC U-17サッカー選手
(3)守備
権で最終予選で敗退(本誌Vol.4参照)してしまったため、1つ上の
①攻から守への瞬時の切り替え。
U-18日本代表チーム(前記参照)に何人が"飛び級"できるか。また、
②予測から積極的にボール奪う。
バックアップメンバーの質の向上を図り、選手層の厚みを増すこと
③リスクマネジメント。
このテーマに沿って予選リーグ3試合、決勝トーナメント3試合を
サニックス杯で闘い、沖縄招待では予選リーグ2試合、決勝トーナ
□サニックス杯 U-17国際ユース・大会結果
メント2試合を闘った。
〈予選リーグ 2005年3月23・24日〉
順位
グループA
日本
鵬翔
オーストラリア
差
4. 成果と課題
2○1
2○1
0△0
10.5
PK5-4
4
2
2
①闘う姿勢:まず、闘う以前の問題があった。今回、サニックス杯
1○0
2▲2
PK3-4
5.5
4
4
0
の開幕ゲームからかなりの大雨が降る悪コンディションの中でゲー
1○0
4
2
3
-1
4
2
3
-1
1
U-17日本代表
2
鵬翔高校
3
U-17オーストラリア代表 1 ● 2 0 ● 1
4
星稜高校
1●2
0▲0 2△2
PK4-5 PK4-3
星稜
勝点 得点 失点
U-17日本代表(A1位)
うになったし、攻守の切り替えも速くなった(頭と身体が動くよ
青森山田高校(C2位)
うになった)
。
東海大五高校(B1位)
②相手の激しい当たりに、身体の使い方の工夫が出てきた。
国見高校
(D2位)
③戦術以前の激しさ・厳しさ・気持ちなどの大切な部分を体感し、
U-17韓国代表(D1位)
習得できた。
鵬翔高校
④チームとしてのまとまりと、我慢・個人のプレーの粘り強さが
U-17中国代表(C1位)
出てきた。
ACミラン
(A2位)
(B2位)
4
2
1
0
0
2
1
0
ムが行われたが、とにかく選手がグラウンドで転び過ぎる。大会前
にきちんと支給したにもかかわらず、取り替え式のスパイクでプレ
0●1
ーをしない。試合前に何人かの選手が固定式のスパイクでプレーし
ようとしていたのは分かっていたが、あえてそのままプレーさせた。
〈決勝トーナメント 2005年3月26・27日〉
U-20日本代表チーム
(2005年3月)
①常に、どこでも誰でもゴールを意識すること(ダイレクトプレー)
非常に印象的であった。
①試合を重ねて、相手のスピード(判断含む)についていけるよ
(2)課題∼ブラジルとの差
そのような中で、特に意識をさせたのが、
「攻守にわたり良い準備
になってしまった。
ができるか。さらに、新たな選手の発掘を目的に大会に臨んだ。
い方・球際の強さなど、守備でも学ぶことは多かった。
22
(C1位)
試合を重ねるごとにチーム・選手のパフォーマンスは良くなっ
が多い。さらに、ブラジルの攻撃力が注目されるが、ボールの奪
①ドリブル(しかける判断と技術/ブラジルはどのポジションも
4-1
6
0
滝川第二高校 (B1位)
ていったし、攻守のプレーに粘りも出てきた。しかし、FIFAワー
また、ブラジルの選手はドリブルがうまいという印象があるが、
ドリブルからパスなどのプレーの状況判断が良く、しかも選択肢
具志川
〈決勝トーナメント 2005年3月30日〉
(1)サニックス杯 U-17国際ユース大会
で攻撃が終わることも、常に安定した闘いができることの要因に
なっていると感じた。
日大
際大会に参加した。
できた。
低限のバランスが崩れないこともブラジルサッカーの特徴である。
また、個人の能力が高く、チームとしてもシュート・クロスなど
日本
U-17日本代表チーム
(1988年1月1日以降生まれの選手たちに
1. 大会概要
このプレーの積み重ねが、強いブラジルを支えていると痛感した。
また、個人のボールキープ力が高く、モビリティがあっても最
グループA
U-17日本代表
決勝戦で対戦した那覇西高校をはじめ沖縄県勢のレベルアップが
上記の攻守の他に感じたことは、ブラジルの選手は自己主張が
順位
1
もなく、試合・チームづくり、そして選手選考に集中することが
■育成年代の課題
アプローチの速さ・強さ
U-17日本代表チーム
今回の遠征で、ホテル・移動・食事など、環境的には何の問題
最後に今回のブラジル遠征を含め、日本の育成年代において、
ストッパーには、
大型選手がいて
高さがあった
□沖縄県高校招待サッカー・大会結果
〈グループリーグ 2005年3月29日〉
結果、ひどいことになっていた選手もいた。
にもかかわらず、2試合目、3試合目になってもまだ固定式でプレ
0
3
3v
2
0
1
ーをして転ぶ選手がいるということ。結局、危機感がないというこ
1
0
とである。一度や二度、転んでも大丈夫としか思っていない。各チ
優勝 東海大第五
ームでの指導を強くお願いしたいと感じた。
準優勝
第3位
第4位
第5位
②球際の強さ:開幕戦のU-17オーストラリア代表戦は、スライディ
U-17中国代表
U-17日本代表
鵬翔高校
青森山田高校、
国見高校
ACミラン、
U-17韓国代表
ングの距離、ボールへ向かっていく姿勢など、かなりの差を感じた。
日本の選手は予測が遅い分もあったが、ファウルになってしまうこ
とも多い。昨年、国際試合を多く経験したメンバーが揃っていたに
も関わらず残念であった。国際ゲームを闘う際にいつも出てくる課
23
Reports from Japan National Teams
題である。
③時間帯を意識したプレー:ゲームの入り方が非常に悪かった。特
がらそのレベルまでは達することができなかった。
合宿を終えてまず感じたことは、今年17歳を迎える選手としては、
地元小学生と一緒に町を30∼40分歩き、最終目的地である公園で
①高さ:相手トップとセンターDFの競り合いで明らかに先手を取ら
関係者の軽い挨拶と各チームの紹介といたってシンプルで街全体を
れる場面はなかった。
にチームとして決めごとはつくらず、自分たちで判断しながらゲー
あまりにも鍛えられていないことである。もちろん代表チームとい
あげて作ったお祭りムードのものであった。小学生は自分たちがデ
②クロスの守備:選手に高さがあったせいもあるが、先に触る意識
ムを進めようと指示していたが、予選リーグでは必ずといってよい
うプレッシャーや、いつもと違う環境では厳しいものがある。しか
ザインした各担当のチームのTシャツを着ていた。
があった。
ほど立ち上がりに大きなピンチを迎えていた。
し、他の国の育成年代の代表選手たちは、ロジング形式(寄宿制)
③コンタクトプレー:イングランド戦では力でねじ伏せた感じで、
で365日鍛えられている国があると思うと改めて差を感じる。17歳
コンタクトプレーでは引けを取らなかった。
④守備全般:ゲームを重ねるごとに予測(良い準備)が速くなり、
という年齢で将来サッカーで生計を立てていこうと思っている選手
④リスタート:左右のキッカーがおり、キックの質とバリエーショ
アプローチのスピードは上がっていった。
の集団であるのならば、もうひとまわり身体も精神も成長してほし
ンのある攻撃ができた。
い。
⑤しかけ:意図的にしかけて得点に結び付けられた場面があった。
また試合終了間際のつまらない失点も気になった。
しかし、アプローチの後の粘り強い1対1の対応がない。1回だけ
の対応で終わってしまい、ボールを動かされると相手との間合いが
日本のユース年代の育成には、もう一度基本的なことの徹底が必
⑥海外のチームへのコンプレックスはない:ピッチへ入る時点から
空いてしまい、パスで逃げられてしまうケースが多く見られた。1
要であると感じる。例えば"ストレッチ"。誰もが知っていることで
相手の体格や肌の色、言語や立ち居振る舞いに飲まれることなくゲ
対1においても2度、3度厳しい守備をすることが必要である。
はあるが、そのレベルの低さには驚かされる。中日にランニングと
ームへ入れた。
⑤クロスの守備:セットプレーを含むクロスの守備が非常に悪かっ
少しの体幹のトレーニングを行ったが、あまりにも弱い選手が多す
⑦交流:宿舎での余暇の使い方には、無理がなくリラックスした中
た。流れの中ではどうしてもボールウォッチャーになる選手が多く、
ぎる。これではいくら球際で負けるなといっても無理な注文でしか
にも節度ある行動がとれた。ホテルの関係者や海外の選手と自然に
個別トレーニングの必要性を感じた。
ない。このことは我々指導者の認識不足や意識不足が原因ではない
また、セットプレーにおいては一言で表現すると"甘い"。マーク
している選手に逃げられてしまうケースが多く、
「Be First(相手よ
り先にボールに触ること)
」ができない。ボールとマークを同一視し
ようとすることで精一杯な感じがあった。
今、指導しなくてはいけないことも指導することが必要と感じた。
そして、我々指導者の基準が世界基準に変わらない限り、日本の
サッカーも世界基準へとは変わらない。
ョンのコンバートやDFラインの4人の組み合わせなど、常にメンバ
ーを変えながらゲームに臨んだことも影響している。
しかし、この年代であれば最低限のラインコントロールやブロッ
ク形成は実践してほしい。
⑦攻撃全般:雨とグラウンド・コンディションの悪さから、なかな
かワンタッチ、ツータッチでボールを動かすことができず、攻撃の
リズムをつくることが難しかった。
U-16日本代表チーム
【報告者】吉武博文(JFAナショナルトレセンコーチ/
U-16日本代表監督)
U-16日本代表チーム
(1989年1月1日以降生まれの選手たちに
よって編成)
は、フランスに遠征(2005年3月18日∼30日)
、
「モンタ
ギュー国際大会」に参加した。
しかし、もっとも気になったことは、動きの優先順位と動き出し
のタイミングである。まだまだ、まず足元でボールを受けたい選手
が多い。特にボールテクニックがあるとされている選手は、まず止
(2)課題
1. 概要
(1)大会全体
①ポゼッションできない:ボールを保持できない理由として、観る
■大会結果
〈グループリーグ 2005年3月23日∼26日〉
フランス
順位
ドイツ コートジボアール
1-1
1 フランス
⑥グループでの守備:ラインコントロールやブロック形成などグル
ープでの守備に関しては、今回はあまり評価できなかった。ポジシ
話す場面や握手をする場面があった。
U-16日本代表チーム(モンタギュー国際大会/2005年3月)
だろうか?我々指導者も指導したいことだけ指導するのではなく、
2 ドイツ
1-1
3 コートジボアール
1-2
1-1
4 韓国
0-3
0-5
日本
順位
ことができない。ちょっとプレッシャーが厳しいと、味方や相手・
勝点 得点 失点
差
スペースや状況を観ることができなくなる。原因は、ボールを操る
7
6
2
4
技術のなさと、ボールの移動中に観る意識のなさが考えられる。小
5-0
5
7
2
5
1-0
4
3
3
0
0
0
9
-9
また、相手からのプレッシャーを少しでも和らげるためにも、ボ
差
ールに早く寄って時間とスペースをつくり出す動きが少ない。さら
に、簡単にボールを奪われる場面では、次のパスやシュート、ドリ
韓国
2-1
3-0
1-1
0-1
ポルトガル イングランド カメルーン 勝点 得点 失点
1-0
1 日本
2 ポルトガル
0-1
3 イングランド
0-2
3-3
4 カメルーン
3-0
0-1
学生年代にやはりパーフェクトスキルの習得が不可欠である。
2-0
0-3
6
3
3
0
3-3
1-0
4
4
4
0
2-1
4
5
6
-1
ブルに即移れるところにボールを置いてない。そして、相手の状況
3
4
3
1
や味方の状況を観て判断を変えられない。プレーの原則である攻撃
1-2
の「幅と厚み」を作り出せない。トップ同士の意図的な関係や相手
〈順位決定戦 2005年3月28日〉
○ 決 勝:フランス 6-1 (2-0)日本
○ 3位決定戦:ドイツ 1-1(PK8-7) ポルトガル
○ 5位決定戦:イングランド 2-0 コートジボアール
○ 7位決定戦:カメルーン 2-1 韓国
DFラインの変化をつく意識がない。
②シュートチャンスをものにできない:まず、ゴールを意識しシュ
ートをうつ意識がない。
「思い切り」の悪さが目立った。海外の選手
との比較では、シュートレンジの広さが5mは違うと感じた。決定力
2. コンセプト
まってボールを受けようとする。ダイレクトプレーの意識は高まり
「モンタギュー国際大会」は、今年で33回目を迎える大会である。
つつあるが、それはまだオン・ザ・ボール時であり、オフ・ザ・ボ
その雰囲気は、世界各国のユース年代の選手を育てていこうという
ール時にもっとダイレクトプレーの意識がほしい。
大会関係者の思いが強く感じられた。試合会場は街クラブのピッチ
この年代はメンバーの入れ替わりはあるものの、2002年ダノンカ
③コーディネーションが低い:読みのなさとも関係するが、相手の
を使用し、審判はいるが、緊張感のある練習試合のようなムードで
ップ⇒2003年JFAエリートプログラム⇒2004年春・イタリア遠征⇒
ファーストタッチやドリブルに対し、バランスを崩したり背中を取
ションが良くなり、改善された場面も見ることができた。
あった。しかし、各チームにロッカールームが準備され、チーム帯
2004年夏・ブラジル遠征(本誌No.4 など)と続いている。
られたりし、ついていけない場面が多かった。
⑧シュートの精度とミドルシュート:シュートの精度がやはり気に
同ボランティアや会場ボランティアの大人もいて、ゲームをする上
なる。大会に参加した他のチームよりは、やや精度が高かった気は
においては何の不自由も感じなかった。
動き出しのタイミングは、ゲームを重ねることによりコンビネー
したが、決定的なチャンスを逃してしまうシーンがあり過ぎる。
また、ミドルシュートをうてる(決められる)選手がいない。大
会全体を見てもミドルシュートを得意としている選手は少ない。
キック、シュート練習の絶対量を増やす必要性を感じた。
⑨しかけ:アタッキングサードでのドリブルによるしかけの意識は
良くなってきたと思えたが、しかけとはこのことだけではなくグラ
ウンドのどの場面でも意識していなくてはならない。
センターDFのファーストタッチもゴール方向へしかけていく、ボ
観客は近郊の人々で、年一度の楽しみといったアットホームなム
ードがあった。決勝戦では1万人近い観客が、静かに見守りながら
では良い場所にボールを置き、冷静に流し込む海外の選手に対し、
肩に力が入り、しゃにむに蹴るといった違いを感じた。
そこで、今回は過去の活動をベースに、さらなるレベルアップを
④ゲームの流れを読めない:戦術的なチームの約束事やシステムで
図ることをコンセプトの根底に置いて遠征全体をスタートした(下
なく、ゲームの中で選手個人が考え、相手の弱点や攻撃の基点を察
表)
。
知してプレーすることができない。
3. 成果と課題
⑤その他:海外チームとの大きな差は、最前線でボールを奪われる
ことなく受けることができるトップの有無と感じた。スローインでは、
良いプレーは賞賛し、大きな拍手を送り、ゲームの演出にも一役か
って観戦を楽しんでいた。
(1)成果
現象としてすぐ奪われる場面が多かった。海外チームは、トップを使
(2)日程
1日目(23日)はグループリーグ第1戦(vsイングランド)
、2日目
(24日)は同第2戦(vsカメルーン)
、3日目(25日)はパレード、4日
目(26日)に同第3戦(vsポルトガル)
、5日目は休息、最終日(28
ランチもターンして前にスペースがあればボールを持ち出ししかけ
日)は順位決定戦というゆったりしたものであった。
るなど、アタッキングサード以外でしかけが意識されていなかった。
(3)大会方式など
今回のコンセプト
+
+
+
しかし、ビデオミーティングを繰り返しながら強調したこともあ
代表グループ8チームと、クラブグループ8チームが参加し、それ
ぞれで順位決定する。それぞれでA・B2つのグループに分け、リ
代表としての誇りと喜びを持つ(ひたむきさ、
和、
自立、
自ら感動)
にはまずトライしてみなさいと指示した。失敗をしなければ成功も
ーグ戦を行い、1∼4位を決めて、1位同士、2位同士・・・と順位決
出会いを大切にする
(仲間、
新しい自分、
世界、
体験)
ない。今しか失敗はできないと・・・。
定戦を行う。
5. 総括
前述したようにこの年代の選手は、この後に世界選手権の予選が
ないチームであり、一つ上の学年のU-18日本代表(吉田靖監督)の
る。リーグ戦順位は勝ち点(勝3・分1・負0)⇒当該チーム⇒全チ
ーム得失点⇒総得点⇒平均年齢の順で決定。
(4)パレード
・
・本気でボールを奪いにいく・
・
・だから「カバー」する
○チャレンジ&カバー・
○しかけ⇒サポート・
・
・本気でゴールへ向かう ○常に関与し続ける・
・
・だからこそ、
「サポート」する
⇒ファイナリストになる!
これまでの【ベース】
り、かなり意識が上がった。失敗を怖がる選手もいた。そんな選手
試合は40分ハーフ、交替5名。得点王、ベストGK、MVPを表彰す
『意図をやりきる』∼判断を変えられるために∼
個々のレベルを上げる
(関与する、
1人→2,
3,
4人でやりきる、
判断を変えられる)
トライして何かを得る
(何かを始める、
イメージを持つ)
⇒ファイナリストとなる
【攻撃】ゴールを奪う(へ向かう)/
ボールを保持する
○ 真のしかけ ○ 爆発的に前に飛び出す ○ シンプルかつダイナミックに ○ 前線へは斜めのパスを出す ○ MFがFWを、
DFがMFを追い越す ○ 攻撃はサイドから
(シュートのイメージ) ○ その他(リスタートを早く・
・
・)
【【守備】ゴールを守る/
ボールを奪う
○ 真のチャレンジ ○ アラート
(集中)
○ チーム全体でポジションに気をつける ○ チーム全体でプレスをかける
○ ボールが移動しても、
コンパクトに修正 ○ 長いボールを蹴らせない
(寄せる)
○ その他(ヘッドをパスに、
ハッキリ切る、
横向きには身体を寄せる)
チームにいかにつなげられるかがメインテーマであったが、残念な
24
25
Reports from Japan National Teams
ったボールのおさめ方が大変うまかった。
メンタル面として、この時期の選手は日ごとに、そして試合ごとに
2. 目的
との関係やスペースを観ながらの効
果的なしかけができるようになるこ
気持ちの面での大きな差があった。リーグ第2試合目のカメルーン戦
1年間取り組んできたJFAエリートプログラムの集大成としてその
では、イングランドの監督から「日本の選手はどうしたんだ」と言わ
成果を確認することを主な目的とした。また、海外での国際試合を
④シュート(クロス):ヘディングの課
れるほどパフォーマンスに前日と差があった。
行うことによる経験、成果の確認、課題の抽出、オフ・ザ・ピッチ
題でもあったが、ゴール前でのクロ
の教育、社会勉強を2つの目的としてプログラムを立てた。
スに入るタイミングやさまざまなボ
選手はミーティング慣れしているところがあり、ビデオなどを見て
やっとモチベーションがあがるようで、まだまだ自立していない。
攻守におけるスタートポジションの甘さが随所に出て、後手に回
る場面が多かった。決勝戦では地元フランス相手ということで、完
3. ゲームコンセプト
ボールがある、ないに関わらず、また、攻撃・守備に関わらず、
全アウェー状態となった。海外チームにコンプレックスのない選手
ピッチにいる選手がすべてゲーム(ボール)に関わることをコンセプ
たちもアウェーの雰囲気には飲み込まれてしまった。
トとした。
4. 雑感
【攻 撃】
とが今後の課題である。
ールに対してゴールに入れる技術の
向上と、無理な体勢でもシュートを
決められる選手を育成すること、発
掘することの必要性を感じた。
GKとの1対1でも確実にシュート
を決められる習慣化、ミドルシュー
①積極的にゴールを奪う
トでも確実に枠を捉えるキックの質
②ボールに関わり続ける
の向上に妥協はないと改めて感じ
本物になることも念頭において、スタッフ全員が選手に接した。そ
③ファーストタッチに意図を持つ た。また、クロスの質に関しても確
の結果かどうかは分からないが、ほとんどの選手が決勝戦終了後に
④タイミング(動きの質を上げる)
実に味方に合わせることができる技
この遠征では「温室育ちからの脱却」を副題として、選手として
涙を流す場面を目にした。クールな現代っ子で、シャイな年代にあ
【守 備】
たる選手のこの姿には驚かされた。この期間中にたくましくなった
①積極的にボールを奪う とも感じた。これからの成長に大いに期待できると確信したのも事
②アプローチを追求する(相手との駆け引きをする)
実である。
しかし、ボール保持時の質には、限界も感じた。これから先、世
界のトップ10に入るには、攻撃面でのレベルアップが急務であると
強く感じた。そして、国内のゲームの質の向上が不可欠であろう。
最後に、けがで遠征に参加できなかった選手が出たのは残念であっ
る)をイタリアに着いた夜に4人1組でまとめて発表させた。テーマを
ポゼッションすることが多く、効果的なポゼッションをすること
まとめる時間が短い中で、興味深いテーマに絞り込んで発表してい
ができなかったが、この大会では20分ハーフということもあり、
たグループや、自分たちの感想を入れて発表していたグループなど
ントロール ②ヘディング ③しかけ(On・Off) ④シュート(クロ
相手がリトリートしてゴール前を固めることが多かったことや自
があり、最終日の散策にも大いに生きた発表であった。
ス) ⑤ポゼッションなど−を、タイトルがかかったゲームの中で成
分たちのポジションの理解もあり、高い位置でのポゼッションに
(3)レクチャー
果を確認することができた。また、ゲームである以上、切り替えの
チャレンジすることができた。グラウンドの悪さからミスも多か
JFAエリートプログラムで特に取り組んできた課題−①パス&コ
速さ、3ゾーンのプレーの理解に関しても要求して成果を確認して
き心より感謝しています。また、監督としてこのような良い経験をさ
いった。
ただいたことにも大変感謝しております。ありがとうございました。
2004JFAエリート
プログラム (U-14日本選抜)
2004JFAエリートプログラムに参加したU-14年代の選手で編成さ
れた日本選抜チームがイタリアに遠征
(2005年3月21日∼30日)
「
、第
3回国際トーナメント/フランコ・ガッリーニ」
に参加した。
ったが積極的にチャレンジできたことは成果だった。
課題として、前線にボールが収まらないことが多かったことで、
通訳でチームに帯同してもらった新谷氏にレクチャーをお願いし
た。レクチャーでは「イタリアで活躍する日本人選手」という題名
で、コミュニケーションの重要性について選手個人名を出しながら
前線の選手のボールを受けるタイミングやコンタクトスキル、ま
詳しく話をしてもらった。選手も興味深く聞き入っていた。コミュ
スロベニア、オーストリアのクラブチームと、さまざまな国のチー
た、スペースをつくり、使う動きがスムーズに行われてないこと
ニケーションの重要性を再確認できたことが良かった。
ムと試合をすることができたことは成果であったが、決勝トーナメ
であった。今後は、ボールと自分だけの関係から味方やスペース、
ントに進めなかったことでレベルの高いチームとの対戦が少なかっ
相手をいつ観るかなどにも取り組んでいく必要を感じた。
対戦相手ではイタリアのクラブチームが2チーム、その他ロシア、
たことが残念であった。
【報告者】池内豊(JFAナショナルトレセンコーチ)
U-16日本代表チーム(モンタギュー国際大会/2005年3月)
ートプログラムのキャンプの中で
は、ボールの飛ぶ距離や優先順位の理解不足から自陣でボールを
4. 成果と課題
たが、各チームの次年度の活動計画のある中、選手を派遣していただ
せていただいたことと、スタッフ全員がそれぞれの役割を果たしてい
術の向上が課題である。
⑤ポゼッション:2004年度のJFAエリ
6. その他
⑥その他:守備では、ボールを奪いにいく積極的性ができていたの
食事については、大会期間中、昼食と夕食を大食堂で他のチーム
対戦した各チームは技術的には差があったが、すべてのチームは
が成果だったが、1対1の対応において、不利な体勢になると手を
と同じようにとっていた。毎回のメニューはあまり変わらないもの
年齢が1つ上で体力的に強さを持ったチームが多かったことや、ゴ
使ってしまう選手が多く、ファウルになるケースが多かった。ボ
だったが、選手はお代わりをするなど他のチームの選手よりも間違
ールを守る意識が非常に強く、プレッシャーの中でのプレーを要求
ールに対してのスライディングタックルや、相手に激しく身体を
いなく積極的に食事をとっていた。食事もトレーニングの一つであ
されたことで成果を確認することはできた。特に、スパルタス・モ
寄せてボールを奪いにいくプレーとの使い分けを徹底することが
るという意識改革は、このプログラムの成果であるといえる。
スクワは技術的にも高く攻守において課題を確認できた。
必要と感じた。
ピッチ外においても選手は、他のチームの選手や大会関係者、地
①パス&コントロール:スペースへのコントロールやゴールを意識
クロスの守備においてボールと相手を同一視できずに、フリー
元の人たちと積極的にコミュニケーションをとっていた。その中で
1. 概要
したコントロールができていた選手が多かった。しかし、相手を
でシュートをうたれる場面が多く見られた。GKとの連携も課題で
彼らが多くのものを感じ取ったことは間違いない。特に、その中で
①イタリアのPordenoneという小さな町で行われる国際大会で、サ
背負って身体をうまく使いながらのコントロールや、スピードに
あった。
も試合数が多かった地元クラブの70歳過ぎたおばさんとの出会い
ッカーのほかバレーボールの大会も同時に行われている。
②20分ハーフで行われ、予選リーグ・順位決定戦は基本的にはレフ
ェリーが1人で判定。
乗った中でのコントロールにはまだ課題が多い。また、浮いたボ
最終ラインで状況に関係なくボールを奪いにいき、数的不利な
は、彼らには感じるものが大きかったであろう。ユニフォームの洗
ールのコントロールを足だけで処理しようとしてファウルをとら
状況をつくってしまう場面が見られた。ボールを奪いにいくこと
濯やクラブハウスの掃除など、我々を「孫のようだ」と言って面倒
れるケースも多かった。
とゴールを守ることの状況判断も大きな課題であった。
を見てくれた人との出会いは、我々大人が別れ際に感動を覚えた以
②ヘディング:身長の高い選手に対してヘディングで勝つ場面も出
③参加選手はU-15で、12歳以上の選手の参加条件がついている。
④参加チームは、イタリアのクラブチーム(ACミラン・フィオレン
てきた。以前は、フリーな状態でもヘディングで正確にパスもで
ティーナ・アトランタなど)を中心にブルガリア・ドイツ・オラン
きない選手も多かったが、ヘディングのジャンプのタイミングや
ダ・ロシア・アルゼンチン・フィンランド・イングランドなどの
正確性は、継続して取り組んできているために成果が見られた。
速いリスタートやボールを失った後の切り替えの速さの意識は
少しずつ身についてきている。
5. ピッチ外プログラム
上に選手に感じたものがあっただろう。今後のJFAエリートプログ
ラムにおいても、大人の関わりの大切さを改めて感じさせてくれた
経験であった。
また、彼らが積極的にコミュニケーションをとることによって得
たものがたくさんあることを、今後の活動に生かしてほしい。
クラブチーム。代表チームではルーマニア・ハンガリー・日本が
しかし、速いボールに対してのヘディングシュートや競り合い時
参加していた(合計32チーム)
。優勝はハンガリー代表チーム。
の身体の使い方に課題が見られた。また、競り合いに関しては、
2004年度のすべてのエリートプログラム・キャンプにこのトレー
最後に1年間のJFAエリートプログラムの成果を海外遠征で確認で
手の使い方が悪く、ファウルを取られるケースが非常に多かった。
ニングを導入していった。今回もイタリアに出発する当日に3時間
きたことは、非常に有意義であった。国内では感じることのできな
のトレーニングを三森ゆりか先生にお願いした。
い経験を積むことは、今後も継続していきたい。
■大会結果 〈グループリーグ 2005年3月25日∼28日〉
順位
S.MOSCA TRIESTINA
1-1
1 S.MOSCA
2 TRIESTINA
1-1
3 日 本
1-4
1-1
4 AURORA
0-2
0-1
日本
③しかけ:サイドでのスピードに乗ったしかけやドリブルでの突破
AURORA 勝点 得点 失点
は、チャレンジしていた。また、それが得点になるケースも多か
今回の遠征の試合では、自分たちで問題を解決しようとする姿勢
った。日本人の特徴として、その質をさらに上げていくことが必
が出てきて、積極的にコミュニケーションをとる姿があった。コミ
1年間のJFAエリートプログラムに関わってくださったスタッフの
要と感じた。
ュニケーションスキルのトレーニングの成果も出てきていると感じ
方々や選手の所属先の指導者の方々、今回の遠征では、通訳の新谷
ている。今後も継続していくトレーニングである。
氏をはじめ、スタッフの協力によって、このような成果が上がった
(2)研究発表
ことに心から感謝します。
2-0
7
7
2
5
1-1
1-0
5
3
2
1
1-0
4
3
5
-2
0
0
4
-4
〈順位決定戦 2005年3月28日〉
vs IZOLA(スロベニア) 1-0
vs RAPID VIENNA(オーストリア) 1-2
※最終成績 19位(優勝:ハンガリー代表、準優勝:Spartak Mosca)
26
差
4-1
0-1
(1)ロジカルコミュニケーションスキル
そのためには、今以上に状況を観ながら、状況に応じてしかけ
られるようにすることが求められる。オフのしかけに関しても、
その意識は高かった。しかし、これに関してもタイミングや味方
出発前に選手に出した宿題(イタリア・ヴェネツィアについて調べ
27
活動報告 JFA GKプロジェクト
活動報告
JFA GK
© Jリーグフォト㈱
JFA Goalkeeper Project
since 1998
今春、各年代の日本代表チームが編成、
国内外の各種大会に参加しました。
場に向けて、選手の発掘と見極めおよび、
基本コンセプトの発信が主目的となった。
今号の「GKプロジェクト・活動報告」では
GKは4名=秋元陽太(横浜F・マリノスユ
その成果を中心に報告します。
ース)、高橋初(桐光学園高校)、林彰洋
ブラジル遠征
【報告者】加藤好男
(GKプロジェクト・リーダー/U-20日本代表GKコーチ)
1. 遠征概要
善されて第5・6戦へとつなげることが
できたこと。
①南米スタイルの中で、ドリブル主体から
のワン・ツーパス、あるいはクロスとい
クロスのトレーニングをそれぞれ約45分
立弥栄西高校)=が招集され、ジュビロ磐
年1月1日以降生まれ)のカテゴリーで選
間行った。午後にはセットプレーの確認を
田サテライト、静岡産業大学、清水エスパ
出された選手と今回初参加となった林・若
予定していたが、前述した通り大雨のため
ルスサテライトなどとの練習試合を含めて
田とも、コンディションも良く、高い意識
中止となった。そのため、ミーティングに
活動した。
とモチベーションで試合やトレーニングに
おいてセットプレーの配置、役割を確認し
取り組んでいた。
た。
GKのテーマは、両GKとも昨年のU-16日
の自分自身の最高値を出すため、積極的に
本代表の活動に数回参加していることから
「大胆さと繊細さ」という異なる両極端
トライしていた。試合ではGKが4人いるた
確認の意味でも、
「Aggressive Goalkeeping
め、それぞれの出場時間は限られていたが、
(積極的なゴールキーピング)」、「Good
②良い準備:「位置と姿勢、観る→状況把
積極的に声を出し、アピールをした。堅実
P o s i t i o n ( 良 い 準 備 ) 」 、「 D F
ーズになってクロスを上げられ、失点も
握→予測→実行(プレー)」サイクルの
なゴールキーピングでは、比較的安定した
Communication & Combination(DFとの連
しくは混戦となってしまうこと。また、
理解とそのスピード追求
プレーがシュートストップ、ブレイクアウ
携)」、「つかむか弾くかの判断とそのプレ
く、はっきり、タイミング良く」
パンチングスキルを向上させること。
・・・いつ、どこを(何を)観るか? いつ、誰に、何を伝えるか?
・・・状況を伝える→口調を変える。
ボリューム
・・・コンビネーション:サポート、
カバーリング、プロテクションほか
⑤リスタート(PK)で、読みによって先
に動き出してしまうこと。
⑥シュートストップの状況下やクロスの状
ス選手権大会オランダ2005へ向けた海外
なり、逆サイドの視野確保とDFへの指
況下で、つかむか弾くかの判断と弾く際
強化合宿のため、3月21日∼30日までブラ
示が甘くなること。
のスキル向上。
州リーグに所属する各クラブと計6試合を
れ(角度の狭いエリア)、ステイできず
行った。長時間の移動、時差、異なる気候
に引きずり出され、横パスされての失点、
(夏から秋への移行期)
、食事など、オフ・
もしくは大ピンチとなってしまうこと
ザ・ピッチ面での適応力を向上させる上で
(下図参照)
。
つ改善強化すべく調整を図りたい。また、
D1
A3
A2
A1
D2
D3
能力向上が最大のテーマとなった。
今回の遠征には、松井謙弥(ジュビロ磐
田)と西川周作(大分トリニータ)を招
A1がドリブルによって、D1を抜いてペナルティ
ーエリア内に侵入してきた。
③南米スタイルのサッカーと対峙して、彼
らのプレースタイル、試合運びや駆け引
きを体験し、対応力の一端を身につけた
A2
D2
A3
28
立て、的確に味方へ伝えること」と同時に
雪が降るなど、厳しい条件の中で行われた。
自身の準備も行うといった面で、まだタイ
また、5日間で6試合というハードな日程
ミングが合わず、ピンチを未然に防ぐこと
でもあり、心身ともにタフさが要求される
ができなかった。こうした判断のスピード
大会となった。
は、上げていかなければならない。
大会を通じて失点は9(6試合)であっ
今後、国際試合やハイレベルな相手と対
た。セットプレーがらみの失点が実に5と
戦するに当たり、スターティングポジショ
いう結果となった。他には、DFの裏に出
ンをさらに1∼2m前方にとり、DF背後の
たボールによって1対1の状況からの失点
スペースをより広く守れるようにすること
が3、ビルドアップのミスからの失点が1
が課題となる。
という内訳である。失点の多さもさること
たのは、グラウンドで実際に確認できなか
ったことが要因の一つとして挙げられる。
○キャッチか弾くかの判断とそのプレー
子が一定で危機感が伝わらない。声が聞こ
しかし、GKともどもセカンドボールに対
○クロスへの対応:コンタクトプレーとパ
えただけで味方がプレーで表わすことにつ
する予測やマークの確認などにおいて、隙
ながらなければ、グッドコーチングとは言
をつくってしまった。
ンチングスキル向上
えないことを理解しなければならない。
○セットプレーの守備力向上:守備エリア
の拡大およびPK対応
た。2007年FIFAワールドユース選手権出
プレー」においても比較的安定していた。
(1)大会準備
U-18日本代表候補の第2回キャンプ(3
がり過ぎ、DFのラインコントロールがル
かったが、「つかむか弾くかの判断とその
り組んでいきたい。
1. サニックス杯
U-17国際ユース大会
1. 概要
月12日∼17日)が、掛川市にて実施され
向上する必要がある。今後の課題として取
【報告者】赤池保幸
(GKプロジェクト/コンサドーレ札幌)
【報告者】加藤好男
(GKプロジェクト・リーダー/U-18日本代表GKコーチ)
③相手サイド攻撃によって、DFラインが下
定した技術を発揮できた。雨のゲームが多
サニックス杯 U-17国際ユース
大会・沖縄県高校招待サッカー
第2回トレーニングキャンプ
U-18日本代表・第2回トレーニングキャンプより © Jリーグフォト㈱
シュートストップにおいては、比較的安
攻撃への参加では、キックの質をさらに
U-17日本代表チーム
U-18日本代表チーム
A1のドリブルに対して、GKとD2が引きずり出さ
れ対応するが、次の瞬間A1からA2にパスされて
失点。
【ポイント】GKでは角度の少ないところからの攻撃
相手に際して、早いタイミングで不用意に飛び出
さないようにする。特に、ゴール前に相手攻撃者
がいる場合は、DFに対応させることが必要になる。
中でのゲームとなった。気温も低く、時折
い。まだまだ、口調が状況に関係なく、調
D3
こと。
④自分たちのストロングポイントをそれぞ
れ発揮できたこと(攻撃への参加など)
。
<GK秋元(前半)
、林(後半)
>
ジメント
D1
応)
。
て、より理解を深めたこと。
○vs清水 2-1
開催期間の5日間のうち、3日間が雨の
良い準備では、「より早く観て、予測を
イミングを考えて取り組まなければならな
○相手カウンター攻撃に対するリスクマネ
②チームコンセプトの再確認と実施によっ
<GK高橋(前半)
、若田(後半)
>
(2)大会考察
5. 課題
し、次回合宿で実施したい。
○DFのラインコントロールおよび連携
に参加できたこと(異なる環境面への適
<GK秋元(前半)
、林(後半)
>
○vs静岡産業大 1-2
加」とした。
を克服すべくトレーニングプランを作成
西川が3.5試合出場(同8)であった。
①チームの一員として、遠征、試合、練習
○vs磐田 4-2
ー」
、
「リスクマネジメント」
、
「攻撃への参
いた。
ながら、セットプレーからの失点が多かっ
集・参加し、松井が2.5試合出場(総失点9)
、
2. 成果
3. 試合結果
ェイ、クロスなどの状況下においてできて
DFとの連携では、コーチングの質とタ
今後の活動時においては、下記による課題
ールドユース選手権大会で南米チームに大
南米スタイルのサッカーに対応する個々の
FIFAワールドユース選手権大会オラン
ダ2005に向けて、代表チームとしての活
ブと連携して、今回出た課題を共有し、か
ピッチ面では、前回(2003年)のFIFAワ
敗した教訓を生かし、この遠征を通じて、
4. 今後の展開
動時間は限られているが、選手の所属クラ
も大きな経験となった。また、オン・ザ・
③DFとの連携:コミュニケーション「短
④クロスへの対応で、コンタクトプレーや
った攻撃に対してボールウォッチャーと
②ドリブルでペナルティーエリアに進入さ
ップ、22日午前にはブレイクアウェイ、
①積極的かつ堅実なゴールキーピング:
今年6月に開催されるFIFAワールドユー
ジルのサンパウロ市へ遠征し、サンパウロ
ングとしては21日には主にシュートスト
4. 成果
初日には体力テストを実施したが、現在
同様にボールウォッチャーとなること。
3. 課題
2回のトレーニングとなった。GKトレーニ
昨年、AFC U-17サッカー選手権(1988
のGKプレーに挑戦する
⑤試合を重ねるごとに課題に取り組み、改
<GK高橋(前半)
、若田(後半)
>
雨のため選手のコンディションを考慮し、
(流通経済大学付属柏高校)
、若田和樹(県
2. GKテーマ
U-20日本代表チーム
○vs磐田 1-2
しかし、45度∼60度付近のポジショニン
グを的確にとること、またFWにプレッシ
ャーを与えるようなポジショニングをとる
ことが課題として挙げられた。
ブレイクアウェイの場面においては、ス
ターティングポジションが低く、準備・予
測において問題があったが、試合を重ねる
につれて改善されつつあった。また、キッ
ク直後のポジション修正、準備・予測にお
2005年3月21日の午後に集合し、大会前
いて遅れる場面があった。選考された両選
に3回のトレーニングを予定していたが、
手=土田健太(前橋商業高校)・権田修一
29
JFA Goalkeeper Project
活動報告 JFA GKプロジェクト
(FC東京U-18)=とも積極的に判断しプレ
テーマを確認し、またサニックス杯で浮き
え、GKもチャレンジをすることと、その
それらを踏まえ、いろいろな位置からさ
ーしていたが、大胆さと繊細さを兼ね備え
彫りになった課題を少しでも改善すること
ための良い準備をすることを軸に、次の5
まざまな種類のクロスボールに対応するト
距離もあまり出ていな
たプレーに欠け、失点につながるケースが
を目標に活動した。
つのテーマを掲げた。
レーニングを数多く行った。また、シュー
かった。
あった。
トレンジの違いを考慮して、ミドルシュー
この大会は2日間で4試合(35分ハーフ)
蹴れていなかったし、
フランスのGKは、
クロスに関しては、スターティングポジ
行われた。サニックス杯の疲労も残り、選
①良い準備:良いポジショニングと姿勢か
トのトレーニングも数多く行った。チーム
細身で身長もそこそこ
ションを積極的にとれず、広い範囲を守る
手たちには厳しい条件ではあった。4試合
ら、予測と的確な判断でリスクマネジメ
はクロスの対応、攻撃のしかけ、チャレン
あった。FKでは大谷
ことができないこともあった。セットプレ
で3失点したが、セットプレーがらみでの
ントをし、ゲーム中、常にプレーへ関与
ジ&カバーを中心にトレーニングを行った。
やイングランドのGK
ーにおいても同様であった。さらに、雨の
失点はなかった。だが、失点してはいけな
中でのゲームが多い中で「つかむか弾くか
い時間帯での失点があったのが残念であっ
の判断とそのプレー」において、パンチン
た。
グの技術を正確に発揮できなかった。特に、
する。
②クロスの対応:積極的なポジショニング
をとり、適切な判断で選択したプレーを
GKのプレーにおいて、シュートストッ
やり切る。
3. 総括
よりも高いポジション
をとり、積極的に処理
今回の遠征では、監督・コーチの理解が
をしていたが、まだ判
あり、GKサイドからの要求をチーム全体
断には間違いがみられ
U-14日本選技チーム(2005年3月)
フィジカルコンタクトを受けた状態の中で
プでは、特にワンタッチシュートに対する
③GKからのビルドアップ:バックパスを
の問題として全員で解決しようとする姿勢
た。しかし、身体能力
のプレーにおいて目立った。
準備ができない場面が目立った。自分の予
受けることを恐がらず、また、ボールを
があり、非常に助かった。また、テクニカ
は高く、特にスローイングは肩の強さもあ
攻撃への参加においては、プレッシャー
がかかっていない状況のときは、効果的に
GKにおいても、
「ゲームに関わり続ける」
測を超えたプレーに対しての危機管理、準
保持したら状況を観て、最善の判断をす
ルスタッフの原田貴志氏が帯同してくれた
って効果的に攻撃につながるスローイング
というコンセプトのもと、「Aggressive
備が不足していた。
る。
お陰で、映像を使って短期間にいろいろな
ができていた。
Goalkeeping(積極的なゴールキーピング)
」
攻撃に参加することができた。キックの技
ブレイクアウェイの場面においては、サ
ベストGKにはコートジボアールのGKが
「Good Positioning(良い準備)
」「DFとの
術も高いレベルにあったが、少しプレッシ
ニックス杯から明らかに改善が見られ、
内では、GKがリーダーシップを発揮し、
成果としては、クロスボールの守備の安
選ばれた。今回はプレーを見ることはでき
連携」と、前回のプログラムで行われた韓
ャーがかかった状況になると、キックの精
GKがイニシアチブをとって判断できてい
チームとしてGKの判断を優先させる。
定(DFも含む)とセットプレーの守備の
なかったが、身体を見る限りでは上背はあ
国とのゲーム(2004年12月)から抽出し
度が極端に落ちる傾向にあった。配球にお
た。スターティングポジションを状況に合
チャレンジとカバーのコンビネーション
安定、バックパスの有効的な使用、良い準
まりなく、どちらかと言うとがっちりして
た「ディストリビューション」を今回の遠
いて、ゲームの流れを的確に察して時間を
わせてとり、「観る」→「状況把握」→
をとる。
備とDFとの連携などが挙げられるが、課
いる印象であった。
征のテーマとして掲げた(本誌Vol.5参照)
。
かけるところ、素早く味方につなげるなど
「準備・予測」→「判断」→「プレー」の
⑤チームへの積極的な協力:ピッチ内でも
題としては試合の状況によって的確なコー
これら他国のGKと日本のGKを比較する
の判断にやや欠ける部分があった。
サイクルが習慣化されてきた。ただ、連携
外でも常にポジティブな態度、言動でチ
チングでゲームをコントロールすること
と、サイズや技術ではまったく見劣りはし
の場でもあるため、
「セットプレーの対応」
(3)特記事項
の部分において声を出すタイミングが遅
ームを引っ張る。
や、より強いリーダーシップの発揮などが
なかったが、ゴール前に立ったときの自信
についてもトレーニングの中で設定した。
挙げられる。
のようなものが彼らには共通としてあり、
昨年に引き続き大会期間中の25日に、
U-17日本代表を含む大会出場の日本人
④DFとの連携:特にペナルティーエリア
れ、乱れる場面が見られた。これは今後の
課題と考えられる。
これらのテーマをトレーニングやミーテ
改善に取り組むことができた。
たとえ判断のミスをしても、そのプレーを
最後までする思い切りの良さがどのGKに
けた。なお、参加選手は金谷和幸(ガンバ
同グループの中のGKは、特別に大型な
もあった。育成年代では、このような積極
大阪JY)
、大森圭悟(岩出FCアズール)の
選手はおらず、全体に身体能力重視のGK
的な姿勢を指導者が育てていかなければな
2名となった。
らないと痛感した。
2. 総評
4. 他国のGK
クロスにおいては、ブレイクアウェイ同
にシュートストップ、ブレイクアウェイの
様スターティングポジションを状況に合わ
GKの取り組みをミーティングの中でフィ
状況下でトレーニングを行った。ゲームの
せてとり、積極的に判断してプレーできて
ールドプレーヤーにも説明をして、理解と
時間を多くとり、その中で基本スキルの発
いたが、状況を把握する中で、特にゴール
協力を求めた。
が選抜されていた印象があった。イングラ
揮をテーマとして行った。
前のマークにおいて指示して、伝えること
シュートストップにおいては、構える姿
に課題があった。コーチングしてはいるが、
2. 準備
海外のチームと対戦する数少ない機会で
もあることから、その経験の場とも位置づ
GK20名による合同練習会を実施した。主
ィングの中でGKに意識付けするとともに、
また、勝負にもこだわることのできる実践
ンドのGKは常に良いポジショニングをと
また、U-16年代の国際大会と並行して、
っていて、サイドからのFKでは大谷とほ
フランス国内のクラブ(U-17)による大
チーム、ピッチ、環境ともに初めての経
勢とそのタイミングにおいては、ある程度
タイミングが悪かったり、明確ではなかっ
集合日(3月18日)の成田でのトレーニ
ぼ同じ高いポジションどりからボールを見
会が行われていたが、試合を少し見た感想
験となる場面が多くあったが、両プレーヤ
意識してできていたが、多少ばらつきがあ
たりする場面が見られた。また、サニック
ングを含め、7回のトレーニング機会があ
極めて飛び出していた。しかし、特別な
としてはU-16と明らかにサイズやプレー
ーともに比較的落ち着いて、プレーに集中
った。特に目立った現象は、45度∼60度
ス杯同様にパンチングの技術に課題が残っ
った。松本拓也(磐田ユース)、大谷幸輝
GKという印象はなかった。カメルーンの
のスピード、判断のスピードに差があった。
することができた。身体的にも、海外のこ
付近のポジショニングにおいてずれること
た。
(浦和ユース)ともに、Jクラブですでに活
GKは、上背はあまりなく身体能力が高い
感じとしては、日本の大学生レベルで、今
の年代のチームのGKに対して遜色はなか
攻撃への参加においては、やはりプレッ
動をしているので、コンディションに問題
GKであったが、基本よりも本能型のGKで
回戦った選手たちが今後1年であのように
った。実際のゲームの中でも慌てることな
が多かった。
また、ブレイクアウェイのトレーニング
シャーがかかったときのキックの精度が極
がなかったことは、受験期にあるこの年代
あった。ゴールキックをDFに蹴ってもら
なることを考えると、まだまだ世界との差
く、前回の韓国との対戦から成長の跡がう
では、スターティングポジションを意識し
端に落ちた。配球においてもまだゲームの
では非常に助かった。
っており、キックの技術は乏しかった。ポ
はあると感じた。おそらく、今回戦ったチ
かがえた。
てとれる選手が少なく、準備・予測におい
状況に合わせて行うことができなかった。
ルトガルのGKは、日本のシュート数が少
ームのGKも、今はあまり差を感じないが、
トレーニングの中では2人ともがペナル
ゴールを守りながらも積極的なプレーを
ても同様に意識している選手は少なかっ
沖縄では、試合を優位に進めることが多
ティーエリア内に入るか入らないかの位置
なかったためにほとんどプレー機会がなか
今後サイズアップとスピードアップが成さ
心がけることができるようになってきてい
た。特に、攻撃から守備の切り替え時にス
かったが、その中でカウンターに対しての
のボール(シュートもクロスもある)に対
った。そんな中で何回か判断ミスはあった
れるものと思われる。
るが、1試合を通しての関わりはまだ十分
ターティングポジションを含め準備・予測
リスクマネジメント、攻撃から守備の切り
してのポジショニング、身体の向きが悪か
ものの、DFの裏のカバーリングの意識が
が遅れる傾向にあった。それは常にゲーム
替え時の準備・予測を怠る場面が多少見ら
ったことと、ワンタッチクロスのタイミン
高かった。キックはあまり狙ったところに
に関わることができていないことが原因と
れた。このような現象から常にゲームに関
グで中央のコーチングをしていたので、ビ
して考えられる。
このような課題が浮き彫りになり、日本
わることも今後の課題として挙げられる。
レーができるだけに、動き出しの早さが気
かなければならないと感じた。
フランス遠征
になったが徐々に改善がみられた。大谷は、
沖縄では天候にも恵まれ、過ごしやすい
気候の中で大会が行われた。サニックス杯
から引き続きの参加となったが、もう一度
30
【報告者】伊藤裕二
(GKプロジェクト/名古屋グランパスエイト)
1. GKのテーマ
チームコンセプト(25ページ)を踏ま
【報告者】山中亮
(GKプロジェクト/サンフレッチェ広島)
松本は、恵まれた身体能力から力強いプ
U-16日本代表チーム
2. 沖縄県高校招待サッカー
イタリア遠征
デオ映像などを使い改善をした。
ユースGKの課題として今後取り組んでい
でない。ボールのある局面のみを追ってい
2004JFAエリートプログラム
(U-14日本選抜)
1. 今回のテーマについて
る場面や、ただ立っているような状態にな
ってしまう場面も見られ、1試合を通して
関わりを持ったゴールキーピングが行える
ようになることが重要であろう。
左右のアングルに対するポジショニング
はスムーズに行えているが、前後に対する
積極的なポジショニングと安定した構えか
池内豊監督より、チームのコンセプトと
ポジションの修正が遅い場面が多く見られ
ら、好プレーを見せていたが、爆発的なパ
して「ボールも人も動くサッカー」が示さ
た。この年代においても、カウンターを有
ワーは松本と比べると見劣りをした。しか
れ、ダイナミックにスペースをつくり、そ
効に攻撃につなげる場面が多く見られ、そ
して使い、ゲームの主導権を握ることが掲
のような状況に対しての準備としては、ポ
げられた。
ジションの修正が遅い場面があった。この
し、まだ15歳ということを考えると今後
に期待が持てた。
U-16日本代表チーム
(モンタギュー国際大会/2005年3月)
31
JFA Goalkeeper Project
年代のヨーロッパのGKと比較して、特に
差があった場面であった。ヨーロッパの
活動報告 JFA GKプロジェクト
2. 各状況におけるGKの評価
いないことがこの年代では多いように思わ
長段階の違い、トレーニングで変え難い要
れる。
素である将来の身長や身体的特徴(スピー
その中でGKもチームのテーマに基づき
定した守備ができるというように、GKがど
ドなど)をしっかりと認識し、選手を評価
「次のプレーの予測」をテーマに大会、合
のような状況でもあせらずに先手をとって
宿を含めて取り組み、次のプレーを予測す
プレーすることで安定したプレーが生まれ、
るために何が必要なのかを選手と確認し、
チームへの貢献もできるということを理解
させながらトレーニングを行った。
に優勝を目指し取り組んでいった。
GKはよりゴールを守ることが強調されて
シュートストップでは、技術面に関して
ゲームにおいては、準備が遅い選手が多
いるようで、ポジショニングは比較的ゴー
は、構えや移動方法に癖があったり、ロー
かった。ゲーム形式の中で、自陣ゴール前
ル前でとる場面が多かった。長身であるこ
リングダウンやダイビングでプレーの方向
にボールが来るまで構えない選手が多く見
最後に、GKのプレーを改善していくた
ともあるが、ゴールライン付近でゴールに
が後方へ流れてしまったり、安全な着地が
られた。そのため、夜のGKミーティング
め、GKをチームの中の1人として、我々
いろいろな状況の中で観て、伝えることを
向かってくるボールを防ぐ場面が多かっ
できていない選手が見られた。
でビデオを用いて、どこで準備を始めてい
GKコーチと監督、フィールドプレーヤー
徹底させ、常にリスクマネジメントをしな
する必要があるのではないだろうか。
とによってグッドコンビネーションから安
た。また、精度の低いクロスなどは簡単に
また、戦術面(ポジショニング)に関し
るのか具体的に見せたところ、いつ準備を
のコーチが、GKに対して同じビジョンを
がら、プレーできるようにアプローチして
<山郷>高くコンパクトなDFラインを保
処理されてしまう場面も多かった。チーム
ては、ドリル的なトレーニングの中でも直
始めるのかという具体的なイメージをつか
持ち、指導にあたっていくことがより重要
いった。
つチームの中、常にスターティングポジシ
としての戦術もあると思われるが、ゴール
接シュートに対しての適切なポジショニン
み、意識をし始めた。
であることも付け加えておきたい。
を守るというGKの役割を再確認できるプ
グができていない選手もいたが、ほとんど
また、肝心な自陣ゴール前での指示が出
レーが多かった。
の選手がシュートポイントとゴールの中心
せない選手が多く、このことは観て状況を
※関連記事2ページ
本大会ではシュートストップ、ブレイク
ョンをとり続け、ラインの背後も積極的に
アウェイ、クロスの場面で良い状況判断の
カバー。ゴール前のスルーパスからの1対
もとプレーすることができ、危機的な状況
1の場面でも、最終アタッカーの飛び出し
DFとの関わりの部分では、コーチング
を意識してポジションをとることが理解し
把握していないために、何を、どう指示し
日本高校選抜
にも終始冷静に対応していた。技術的にも
はしっかりと観ることで把握しておくこと
において実践していたが、良い視野の確保
実践していた。しかし、ゲーム形式のトレ
たらいいか判断できていないケースがほと
欧州遠征
他のチームのGKと比較して見劣りするこ
により、先手がとれてよいポジションから
に関しては、ボールサイドとは逆のサイド
ーニングなると、「いつ、どこを、誰を観
んどであった。また、状況が把握できてい
とはなかったが、チーム全体としてやや切
シュートコースをブロックできていた。
の確保は十分にまだ行えない状況がみられ
る」といった状況把握、自分自身のポジシ
ても、味方に伝えられていないケースもあ
た。特に、クロスの守備で十分に連携をと
ョニング、
「いつ構え、いつ指示するのか」
り、ゴールを守るという責任のもとに積極
ることができない場面も見られ、チーム全
ということが整理されていないために、最
的に指示の声を出していく習慣を身につけ
体としての課題ともなった。
終的に相手のシュートに対して適切なポジ
るように働きかけた。
※以上、関連記事18ページ
ションをとれていない状況が多く見られ
た。
2004ナショナル
トレセンU-14
【報告者】
藤原寿徳
(GKプロジェクト/鹿島アントラーズ)
、
川俣則幸
(GKプロジェクト/U-15日本代表GKコーチ
1. テーマ
ブレイクアウェイでは、戦術面に関して
解が全体的にまちまちで、状況に応じて直
接シュートにも対応でき、DFラインの背
後も守れる位置をとろうという意識が甘か
ったように思われる。技術面に関しては、
1. 大会においてのGK
大会でのGKのレベルは非常に安定感が
あり、常にリーダーシップをとりDFライ
3. 総括と今後の展望
■参加選手の内訳
は、スターティングポジションに対する理
【報告者】菊池新吉
(GKプロジェクト/東京ヴェルディ1969)
東日本
西日本
1990年生まれ
10人
6人
1991年生まれ
8人
6人
全体としては、GKとしての基本要素は
り替えが遅く、GKからのダイレクトプレ
クロス対応についても、判断の良い飛び
ーに対する準備ができず、ロングキックの
出しで処理していた。ただし、ワンシーン
正確性はあるものの、ニューキャッスルの
だけDFとの交錯があった。中の状況が把
ようにチームの攻撃の戦術として生かしき
握できており、DFもいることを理解して
れなかった。
いたが、
「積極的に狙う=すべてアタック」
ンをコントロールしていた。ボールをキャ
他のGK、チームと比較してフィールド
ではなく、DFにまかせてGKはゴールを守
ッチするのか弾くのかの判断が良く、特に
プレーに関して自信を持ってプレーしてい
るといったプレーもよいのでは、というこ
ボールをつかむ技術はどのゴールキーパー
ること、味方選手のサポートの意識とGK
とを勉強できたのではないだろうか。
も優れており、リバウンドをつくり失点す
の準備の良さ、ポゼッションなのかクリア
<福元>ゲームを通じてスターティングポ
るという場面を見なかったことは、大会を
なのかの判断が的確だったことが印象に残
ジションを意識してとり続け、ボールを奪
通して印象に残った。
った。GKを含めたフィールドプレーとの
うケースが多かった。シュートストップ、
関わり合いが今後の課題と思われる。
ブレイクアウェイにおいても、積極的にプ
PSVアイントフォーフェン(オランダ)
全体のテーマである「"なぜ?"を考えて
ボールに対してフロントダイビングすると
ここ数年で、非常にレベルが向上してきて
のGKは、身長が190cm以上あり動きも非
積極的に!」を踏まえた上で、GKのテー
きに頭部をカバーできていない、ボールサ
いると言える。そのことは、所属チームや
常にシャープだった。ゲームの中でも積極
マとして次の3つを掲げてトレーニングセ
イドの足でしっかり踏み切れないなど、安
各トレセンでの成果であると強く感じられ
的なポジションをとりシュートストップ、
日本女子代表
ッションに臨んだ。
全確実な技術習得が課題となった。
る。
ブレイクアウェイ、クロスに対して常に良
オーストラリア遠征
○積極的かつ攻撃的なゴールキーピング
クロスでは、技術面に関してハイボール
この年代は、GKとしての基礎を習得す
い準備ができ、フィールドプレーにおいて
○グッドポジション(良い準備)
を良いフォームでキャッチできていない選
べき時期なので、構えやポジショニング、
もDFとうまく連携をとり、ビルドアップ
○DFとのコンビネーション&コミュニケ
※関連記事44ページ
【報告者】澤村公康
(GKプロジェクト/日本女子代表GKコーチ)
レーしていた。クロスに関しては、まだま
だボールウォッチャーとなるシーンが多
く、中の状況を観ることができず、したが
って上がってからの対応が遅れていた。
前半に2つの失点があり、ひとつはGKの
ボール保持時間が長く、オーバータイムを
手が多く見られた(捕らえるポイントやボ
移動、キャッチングなどの技術をしっかり
に参加していた。ドルトムント(ドイツ)
ーション
ールへのアプローチが原因)。実際の状況
身につけることが重要である。同時に、悪
のGKも優勝チームのGKとして、リーダー
実戦の中でプレーを決定するためのベー
下では、声を出すタイミングが遅い選手、
い癖がついてしまう時期でもある。今回の
シップをとりながら決定的な場面において
今回の遠征では、2試合が組まれ、1ゲ
ず、GK自らイニシアチブをとり配球でき
スになる「観る、状況把握、予測」は常に
ポジショニングに課題のある選手が見られ
ナショナルトレセンでも、数名は構えやス
積極的な飛び出しでピンチを切り抜け優勝
ームずつ山郷のぞみ(カルフォルニア・ス
なかったためのファウルであった。もう1
どのセッションでも求めていきながら、
た。具体的には、ニアに寄り過ぎる、構え
テップに癖がついてしまっている選手がい
に貢献していた。ニューキャッスル(イン
トーム/アメリカ)と福元美穂(岡山湯郷)
失点は、ゴール前でのスクランブルからの
GKとしてゴールを守るために必要なGKと
がオープンすぎる、状況に関わらずゴール
た。できるだけ良い基本を身につけられる
グランド)のGKは、ボールを奪ってから
を出場させることができた。ゲームまでの
シュートをファンブルしてのゴールであっ
しての基本技術、戦術(ハンドリング、基
中央にポジションをとるといった選手が見
ように働きかけを行ったが、所属チームに
の切り替えが速く、GKからのロングフィ
トレーニングとしては、GKテーマを基本
た。確かに攻め込まれ混戦からのシュート
本姿勢とそのタイミング、ポジショニング
られた。今後、状況を観ること、判断、安
戻り、日々のトレーニングの中で継続して
ードで得点するなど、チームの攻撃の一つ
として、シュートストップ、ブレイクアウ
だったが、しっかりと処理しなければいけ
など)を徹底して行った。
全確実なクロスの処理、DFとの連携を改
取り組む必要があるであろう。今回の指導
のパターンとしてチャンスをつくり出して
ェイ、クロスと、バランス良く行った。プ
なかったと思う。
善していく必要性を感じた。
がその場限りにならないようにするため
いた。一見単調な攻撃に感じられるが、
レーすべてにおいて、先手をとることで技
ただし、GKがからんでの2失点ではあっ
に、継続的な働きかけも必要であろう。
GKからのロングボール、クリアボールが
術が生かされるので、選手たちには観るタ
たが、その後、気持ちの面を崩さずにプレ
そして、フィールドプレーヤーと共通す
1. 大会においてのGK
とられて間接FKからのゴール。積極的な
プレーからボールを奪えたにもかかわら
る攻撃の要素(パスコントロール、ボール
フィールドプレーのセッションでは、フ
ポゼッション)もトレーニング全体を通し
ィールドプレーヤーと共通するキーファク
この年代は、レベル、そして発育発達の
得点チャンスをつくりだしていることは大
イミングを良く考えるようアプローチし
ーしていた。このメンタルの部分は評価し
て求めていった。トレーニングセッション
ターである身体の向き、コミュニケーショ
個人差が大きい年代であり、トレーニング
会の特徴を生かした一つのチーム戦術にな
た。
たい。
は、次の4つの状況について行った。
ン、ファーストタッチ、パスの質に重点を
は年齢別にU-14、U-13に分けて行ったが、
っていた。
○シュートストップ
置きトレーニングを行った。その中で、ボ
同じ年齢でも、非常に個人差が大きい年代
○ブレイクアウェイ
ールコントロールやキックのスキルについ
であると改めて実感した。発育発達に関し
○クロス
て、個人差が大きく、次のプレーの意図を
ては、成長が早い選手と遅い選手がおり、
○フィールドプレー(パス&コントロール、
もったプレーが当初少なかった。また、ト
指導者はその違いを把握した上で指導にあ
しての誇り、責任、自覚、プレッシングサ
レーニングの中で、判断が悪いのではなく、
たる必要性がある。そして、将来に目を向
観ることができていないから判断ができて
けた選手の発掘という意味で、各選手の成
写真提供:澤村公康
ポゼッション)
(GKプロジェクト/浦和レッズ)
32
2. 日本のGK
シュートストップ、ブレイクアウェイで
は、出し手の状況、位置、そして最終アタ
最後に、両GKともボールを奪ってから
ッカーの位置、状況をいつ把握するのか。
の配球といったところでの課題が見つかっ
クロスも同様、クロスを出すプレーヤーの
た。GKのプレーはボールを奪って仲間に
状況を把握しながらゴール前の状況を観る。
つなげる一連のプレーであるということを
ッカーの徹底を掲げ、守備において組織と
そして、GKの準備を早くしながらDFへの
理解、意識して今後のトレーニングに生か
バランスを意識したディフェンスをテーマ
指示などでゴール前をオーガナイズするこ
してもらいたい。
チーム全体のテーマとして、代表選手と
33
J F A
P H Y S I C A L
F I T N E S S
P R O J E C T
J F A
P H Y S I C A L
まくいかない場合もあって当然です。また、
大会に出場するには、県大会などを突破し
それらは選手やチーム状況よって、同じよ
なければならないし、それ以前にチームで
うにやっても反応も異なります。これまで
レギュラーを奪わなければならないでしょ
フィジカルトレーニングは、選手たちが
指導者の職人的な経験や、勘が重要な役割
う。そして、レギュラーになるには同じポ
持つ潜在能力や可能性への挑戦ですから、
を果たしてきた部分をより科学的に進めて
ジションの先輩やライバルに勝たなければ
トレーニング処方やトレーニング方法にマ
いくためには、選手たちの特徴を正確に把
ならないというわけです。
ニュアルがあるわけではありません。選手
握することが重要です。そのために、最初
ライバルと自分とを比較した場合、自分
たちにトレーニングを施す場合、常に試行
に行うことは選手個人の能力を把握するた
のストロングポイントは何か、その反面ウ
錯誤の連続でうまくいく場合もあれば、う
めのフィジカル測定です。
ィークポイントは何かを明らかにして、毎
2.フィジカルトレーニングの
計画のしかた
F I T N E S S
P R O J E C T
JFAフィジカルフィットネスプロジェクト
2006FIFAワールドカップ・アジア最終予選/日本代表vsイラン代表より©Jリーグフォト㈱
フィジカル測定の意義と
活用のしかた③∼
フィジカル測定の種目は、等速性筋力や
日のトレーニングを行うのです。目標は何
最大酸素摂取量などのラボテストであれ、
も「日本代表」がすべてではありません。
20m走やYO-YOテストなどのフィールド
個人によって「足が速くなりたい」
、
「ジャ
現在の状態の把握
(フィジカル測定・紅白戦など)
テストであれ、チームの利用可能な施設・
ンプ力をつけたい」
、
「パスの精度を高めた
設備によって異なって良いと思います(フ
い」などいろいろな目標があると思います。
目標の状態の設定
(問題点を見つけ出す)
対象領域の設定(何を)
目標値の設定(どこまで)
トレーニング期間の設定(どの間に)
トレーニング方法の設定(どのように)
トレーニングプログラムの設計
ィジカル測定の種目についてはJFA発行
その目指すところは十人十色なので、それ
「フィジカル測定ガイドライン」/本誌60
ぞれの選手にあった目標を設定してトレー
ページ参照)。ただし、測定種目を選ぶと
ニングしていくことが大切です。特に、個
きに気をつけなければならないのは、選手
人のフィジカル能力は数値で表わされるこ
たちのフィジカル能力をいろいろな面から
とが多く、具体的な目標値を設定すること
把握するために、スタミナ・パワー・スピ
によって、トレーニングがより明確化でき
ードなどの観点からバランス良く数種目を
ると思います(表3)
。
表1 トレーニングの計画(Plan)
トレーニング計画と評価、見直し
菅野淳(JFAフィジカルフィットネスプロジェクト)
選ぶことです。
重要な鍵を握っていると言っても過言では
コンディショニングは、フィジカルトレ
ありません。計画性のない行き当たりばっ
ーニングを計画して実行、その結果を評価
たりのトレーニングでは、たまにうまくい
して見直す作業の繰り返しです。「PDCA
ローパワーのそれぞれの目的に合わせたサ
くこともあるかもしれませんが、決してい
理論」の基礎となるフィジカルトレーニン
ーキットトレーニングをご紹介しました。
つもうまくいくとは思えません。そのよう
グの進め方を図1に示しました。
サーキットトレーニングは、選手たちのオ
な無計画なトレーニングはトレーニング効
ールラウンドなフィジカル能力を向上させ
果どころか、むしろけがを招いてしまう危
るには適したトレーニングですが、フィジ
険性さえあります。
1.PDCA理論
前号まで、ハイパワー、ミドルパワー、
カルトレーニングをより効果的に個人個人
計画的にトレーニングを進めていくには
に合ったものにするには、よりきめ細かな
どうしたら良いでしょうか。その考え方の
トレーニング計画が必要です。そこで今回
基礎となるのが「PDCA理論」です。
はトレーニング計画の立て方についてご紹
PDCA理論とはフィジカルトレーニングを
介します。
進めていく過程で行う「計画(Plan)」−
プロサッカー選手にとっても、育成年代
「実行(Do)
」−「評価(Check)
」−「見
のサッカー選手にとっても、すべてのサッ
直し(Action)」のことで、フィジカルコ
カー選手にとってコンディションの維持・
ンディションを整えるための管理サークル
向上のためには、計画的なトレーニングが
として活用されています。
34
計画
Plan
実行
Do
表2 目標設定のしかた
フィジカル測定によって、それぞれの選
日本代表選手になるには...
Jリーグでプレー (レギュラー)
手の持つフィジカル面の特徴を把握した
ら、次に行うのが選手、個人個人の目標設
「どの間に」
、そして「どのようにして」ト
Jリーグでプレーするには...
自分のチームでレギュラー
試合に出場してアピール
定です。まずはその選手がどうなりたいの
レーニングしていけば良いのかを考えるの
か、理想の選手などをイメージさせて、そ
がトレーニング計画なのです。
自分のチームでレギュラーになるには...
何が足りないのか
何をトレーニングしなければならないのか
何ができて何ができないのか
て到達していくのかを考えることが大切に
評価
Check
図1 トレーニングの進め方
表3 目標値を決める
例えば...
20m走
Yo-Yo テスト
バウンディング
3.4 →
3.0秒
800 → 1,000m
6.5 →
7.0m
するために、選手が「何を」
、
「どこまで」
、
の状態に近づくためにどのような段階を経
なります。
例えば表2のように、将来日本代表の選
手になりたいという夢を持っている高校サ
ッカー選手がいるとします。その選手が日
見直し
Action
そして、図2のように、現在の状態と目
標の状態との間に生じるギャップを最小化
本代表になるには、少なくともJリーグの
ギャップ:最小化
競技
パフォーマンス
競技
パフォーマンス
心身の
コンディション
心身の
コンディション
選手になってJリーグで活躍しなければ、
日本代表選手になることはできません。J
ライフスタイル
ライフスタイル
リーグの選手になるには、全国レベルの大
現在の状態
目標の状態
会に出場して、Jリーグのスカウトの目に
留まらなければなりません。全国レベルの
図2 現状の把握と目標設定
35
年代別指導指針⑦
10を
世界のトップ
目指して!
JFA技術委員会
トレーニング
コーチ
1
コーチ対面ボールフィーリング
【ルール&オーガナイズ】
○コーチ・プレーヤー各自ボール1個持つ。右図のようにプレー
ヤーは全員、コーチの前に位置する。
○全員コーチの動作(ボールフィーリングの種類)
の真似をする。
①インサイドタッチ連続 ②プルプッシュ(インステップでボールを押し出し、すぐに足の
裏でボールを引き寄せる)
③スライド(ボールを足の裏で外側に転がし、すぐにインサイド
で内側に戻す)
○慣れてきたら、コーチはヘッドアップを促すために、右手で1
2004ナショナルトレセンU-12関東より ©AGC/JFA news
【キーファクター】
∼5の数字を指で示しプレーヤーに答えさせたり、じゃんけん
○スムーズな足の運びができているか
をしたりしましょう。
○ボール操作をするときに、バランスが保てているか
○次に、プレーヤーを前に1列ずつ移動させます。
○利き足だけでなく、両足使えているか
○顔を上げることができるか
※上記①∼③以外に下記のようなものがありますが、時間・選手
数などを考慮して何を行うか決める。
④右足(アウト・イン交互)
、⑤左足(アウト・イン交互)
、⑥右
足イン→左足アウト→左足イン→右足アウト、⑦サイドステッ
第4回 1対1・攻撃∼U-12
組織化された現代サッカーにおいてもベ
ールを奪おうとしてくる相手を抜きにかか
を実際にやって見せてください。実際に見
ースとなるのは、
「1対1の闘い」です。高度
ります。ゲームの中で失敗を恐れず、どん
せることが、一番いいコーチングになりま
に組織化された守備を崩すには、それを打
どんトライして工夫を重ねることによって、
す。そして、自由にボールが扱えるよう、
ち破ることのできる「個」の力、ソロリス
1対1での突破に磨きをかけることができま
スムーズな動きが獲得されるよう、反復練
トの存在が必要であり、その存在が勝負を
す。
習を行ってください。
左右していると言っても過言ではありませ
また、ボール保持の姿勢もこのときに身
ん。アテネ・オリンピックで活躍したアル
に付けさせることが必要です。とにかく、
ちです。子どもたちが飽きずに練習に取り
ゼンチンのテベスや、2004年UEFAヨーロ
ボールに触れさせ、ボール扱いにストレス
組めるよう、いろいろな工夫をすることが
ッパ選手権で活躍したポルトガルのクリス
がない状態にしましょう。そうすればボー
我々指導者の役割です。
チャン・ロナウドのように、シンプルにし
ルばかり観る必要はなく、
かけ、突破できる選手の育成が日本の大き
ボールから目を離し、周り
な課題の一つです。
を観る余裕が生まれます。
この課題を克服するためにもU-12年代で
そのことにより、パスをす
パーフェクトスキルを身につけさせましょ
るふりをして相手を抜き去
う。神経系の発達が優位でコーディネーシ
るなど、プレーの幅が広が
ョン(自分自身の身体を調和させてうまく
ります。また、相手を抜く
使えること)の習得能力の高い時期に利き
フェイントに夢中になり、
足だけでなく、両足でボールを操作させる
ヘッドダウンしてしまい周
ことが大切です。さまざまな部位でボール
りを観るとができずゴール
を操作させることで、ボール感覚を養い、
を狙うという本質を失うと
両足が使え、左右どちらにもスムーズにボ
いったこともなくなりま
ールを運べる技術を高める必要があります。
す。
さまざまなフェイントをトレーニングに
指導者は、この時期にデ
とり入れ、
「得意技」を獲得させてください。
モンストレーションで、ボ
子どもたちはその「得意技」で、必死にボ
ール扱いやフェイントなど
36
【指導ポイント】
コーチは、選手一人ひとりをしっかり観て下さい。その上で、そ
のプレーヤーのレベルに応じて要求するものを変えてください。
プ、⑧アウトサイドシザース、⑨インサイドシザース、⑩ロコ
うまくできるようになったことだけでなく、トライしている
モーション、⑪90度方向転換、⑫インサイド・アウトサイドフ
ことも褒めてあげましょう。一人ひとりにポジティブな声をか
ックなどターン各種
けてあげることがやる気を作り出します。
トレーニング
2
反復練習はややもすると飽きてしまいが
フェイントドリル
【ルール&オーガナイズ】
○内側のプレーヤーは、外側のプレーヤーとコーチとの間で、指
U-16
身につけたプレーの幅を活用して、
状況に応じた有効なプレーの適切な選択
定されたターン技術の練習をする。
○ターンの種類
−−−インサイドフック、アウトサイドフック
やりたいことから
やるべきことへ
コーチ
ターン
−−−Uターン、クライフターン、ステップオーバー
○コーチと外側のプレーヤーの距離を伸ばすなど工夫する
U-14
身につけたスキルで積極的なしかけ、
パスorドリブルの選択肢を持とう
【キーファクター】
○スムーズな足の運びができているか
考えながら
○ボール操作をするときに、バランスが保てているか
さまざまなフェイントを身に付ける
U-12
両足を使え、左右どちらにも抜ける
ボール保持者の姿勢・顔を上げる
感覚的に
○利き足だけでなく、両足使えているか
○顔を上げることができるか
○ターンの後のスピード
−−−ターンの後、ボールのタッチ数が多いと、視野が悪くな
ると同時にスピードが落ちてしまう。
37
連 載 第 2 回
【ルール&オーガナイズ】
○自分の前のプレーヤーをDFと見立てて、フェイントをして隣に
移動する。
キッズドリル紹介
○声をかけると分かりやすくなる。
−−−例)シザースの場合で 右にまたいで左に抜ける時は
「右・左」
。声に抑揚をつけたりすることで、どこでスピードア
ップするかなど覚えやすくなる。
○フェイントの種類
−−−アウトサイドシザース、インサイドシザース
−−−ダブルアウトサイドシザース、ダブルインサイドシザース
■動きづくり系
「へびにつかまるな!」
(なわとび)
−−−サイドステップ、ダブルサイドステップ
−−−サイドステップシザース、その他 【キーファクター】
なわにあたらないように
すりぬける
○スムーズな足の運びができているか
○ボール操作をするときに、バランスが保てているか
長いなわとびを、縦ゆれ、横ゆれさせます。
○利き足だけでなく、両足使えているか
子どもたちは、なわにあたらないようにす
○顔を上げることができるか
りぬけていきます。
○スピードの変化をつけられるか
トレーニング
3
■おにごっこ系
「安全地帯ににげろ!」
(フラフープを用意)
10∼12m
コーチ
フラフープ
子ども
おににタッチされないように、子どもたち
1対1
コーチ
がにげます。
フラフープに入っているときは、タッチさ
【ルール&オーガナイズ】
○攻撃側のプレーヤーは、正面のラインをドリブル通過すると得点
れません。
○攻撃側のプレーヤーは、どこからスタートしても良い。
※フラフープに入っていられるのは5秒の
○攻撃側プレーヤーは、相手守備者にボールをタッチされたり、
み、次に誰かが入ってきたら、出なければ
ラインアウトしたら、すぐに守備者になる。守備者は交代する。
いけないなど、ルールを工夫してみてくだ
子ども
子ども
さい。
○隙があったらどんどんスタートしてもよい。
※よく観ておき、どこから、いつスタートしたら、自分が得か、
ゴールを奪えるか、相手との駆け引きを獲得させたい。
【キーファクター】
○スピードの変化をつけられるか
○フェイントに伴うスムーズな足の運びができているか
○フェイントの後のスピードは落ちていないか(フェイントの後
○ボール操作をするときにバランスが保てているか
タッチ数が多いとスピードが落ちる)
○顔を上げることができるか
○得意な足だけを使っていないか
コーチは、ボールを(子どもたちに)出し
子どもに
ボールを
出したらゲートを
移動
パス
子ども
た後、ゲートを移動します。
【指導ポイント】
③フェイントにかけ、左に抜い
たが、右足でボールを持って
子どもたちは、コーチがいないゲートをぬ
けてシュートします。
いるので、DFにボールを蹴ら
れそうになっている
②フェイントをかける
ポール
ゴール
−−−相手をよく観ているか、相手との間合いは適切か
①間合いを計っている
■ボールフィーリング系
「ゲートを攻めろ!」
(シュートゲーム)
シュート!
本来は左図のように左足に持ち
替え相手との間に身体をいれな
ければならない。
38
39
■ 講演題目とその概要∼第1回AFCフットボールカンファレンス
アジアカップ2004の分析
ジョゼフ・ベングローシュ
アテネオリンピックの分析
ホルガー・オジェック
3
月
17
日
イラクオリンピック代表チーム
アナン・アーマッド
オマーン代表チーム
ジュマ・アル・カビ
シンガポール代表チーム
第
1回
スピーカー(ホルガー・オジェック[FIFA]、アンディ・ロクスブルク[UEFA]、ジョゼフ・ベングローシュ
[UEFA]
、ジェラール・ウリエ[UEFA]、田嶋幸三[JFA])と、参加者による質疑応答。
トーマス・フラッシュ
エリート育成
ジェラール・ウリエ
コーチの指針(育成の哲学)
アンディ・ロクスブルク
日本サッカーの取り組み
関口潔(JFA技術部)
田嶋幸三
近代の監督
アジアサッカー連盟(AFC)主催の
者が参加しました。開催期間中、主催者
今後、日本がアジアでリーダーシップ
選手とコーチの関係、サポーターとコーチの関係、メディアとコーチの関係、スポンサーとコーチの関係、海外
でコーチをする場合の5つのポイントから講演。
積極的に参加し、日本の存在を存分にア
ア・クアラルンプールで開催されました。
ました。また、内容もさることながら、
ピールすることが大切であると強く感じ
AFC加盟国から68名、現在AFCへの加盟
開催期間中、参加者の交流やリフレッシ
ました。ここで言うアピールとは「アジ
申請中のオーストラリアからも4名が参
ュを目的に各プログラムの合間に行われ
ア全体がレベルアップするために、アジ
加し、成功裏にカンファレンスを終える
たティーブレイクやミニコンサートのオ
ア各国にとって良いことはシェアしよう。
カタールのアカデミー
ことになりました。
ーガナイズなども我々にとって非常に参
日本も積極的に協力していきます」とい
トーマス・フロック
考になりました。
う姿勢ではないかと思います。
技術委員会委員、大橋浩司・なでしこジ
あります。AFC加盟各国からの報告や
委員だけではなく、事務局においても各
ャパン監督、城福浩・U-15日本代表監督
AFCからの提言を中心に、欧州で活躍し
部門がアジア各国と積極的に関わること
らが出席しました。今回、JFAに招待状
ている指導者からの報告などがバランス
も重要であると感じました。
が届いた経緯は、長年日本サッカー界を
良く組み込まれ、どの講演も非常に充実
また、今回も田嶋委員長のプレゼンを
支えてきた諸先輩の努力による日本サッ
したものでした。また、フォーラムでは
通じて、AFC各国からの参加者だけでは
カーの躍進が評価されているものと言え
活発な質疑応答が行われ、アジアのサッ
なく、FIFAやUEFAを代表するスピーカ
ます。
カー関係者が積極的に自身の疑問や意見
ーに対しても「アジアといえば日本」と
を述べるなど、熱意がひしひしと伝わっ
いうイメージを植えつけることができた
てくるものでした。
と思います。
今回のカンファレンスにはアジア諸国
はもちろんのこと、多くのサッカー関係
40
「JFA2005年宣言」と日本の強化育成施策について説明。
世界のサッカーにおける指導
心温まる歓迎・歓待は、強く印象に残り
ホルガー・オジェック
3
月
19
日
サッカー、スタイル、システム、規律、勝利、チームの質、メソッド、トレーニング、視点といった10つの項
目から、コーチの指針を説明。
スピーカー(前出)と、報道関係者による質疑応答。
ス」が2005年3月17日∼19日、マレーシ
その意味においては、JFA役員や専門
エリートの育成・発掘について5つの観点=よい選手を選ぶこと、よい環境を与えること、よいトレーニングプ
ログラムを用意すること、特別なコーチを置くこと、プロへのステップと位置づけることから説明。
フォーラム
を発揮しようとしたら、このような場に
カンファレンスでの各演題は、右表に
6∼13歳までをグラスルーツ、14∼20歳までをユースと位置づけるなど、AFCのユース育成ポリシーを解説。細
かい各年齢カテゴリーのフェーズとして、6∼10歳を「楽しむ段階」
、11∼13歳「基本段階」
、14∼16歳「構成段
階」
、17∼20歳「最終段階」
監督に求められるもの、 監督の哲学とビジョン、監督のミッションという観点から、近代サッカーにおける”
監督像”を自身の経験も含めて提言する。
であるAFCの役員や職員が見せてくれた、
日本からも田嶋幸三・技術委員会委員
UEFA欧州選手権2004における技術面のトレンドを解説。スピード、技術の質、ブロックディフェンス、カウン
ター(切り替えのスピード、ダイレクトプレーなど)
、ダイヤの形(MF4人のダイヤ、CFとサイドハーフとトッ
プ下のダイヤなど)
、攻撃の動きなど10つのポイントを紹介。
ジェラール・ウリエ
「第1回AFCフットボールカンファレン
長がスピーカーとして参加、山口隆文・
国内リーグ(1部:12チーム、2部:12チーム、3部:15チーム)の紹介と代表チームの活動について報告。ア
ル・カビ監督『2004ガルフカップ優勝の鍵は、①チーム強化の継続性と、②国外プロ選手13名の充実(ノルウ
ェー:1人、サウジアラビア:4人、クウェート:4人、UAE:4人)
』と解説。
フォーラム
AFCユースポリシー
The 1st AFC FOOTBALL CONFERENCE
2004年活動スケジュールの報告、国内の状況、アテネオリンピックなどについてプレゼンテーション。アーマ
ッド監督『チームの移動や荷物の輸送では苦労した』
『ある程度の成果を収めた鍵は、アジアカップ2004にオリ
ンピック代表で出場したり、代表チーム=オリンピック代表として強化を続けたこと』
タイガーカップへの準備(フィジカルの改善、正しいポジショニングの徹底、組織化)
、タイガーカップの分析
(システム、ゴールの時間帯、ゴールの種類)を中心に代表チームの活動をアブラモヴィッチ監督が紹介。
アンディ・ロクスブルク
3
月
18
日
アルゼンチンの分析(システム・オーバーエイジ・メンタル・規律から)
、大会全体の印象、 ゴールの分析、ア
ジアチームの分析(イラク・韓国・日本)
、 日本の特徴(個人技の高さ・組織力・俊敏なストライカー・リバウ
ンドメンタリティ−・選手の質の高さ)などをテーマに設定。
ラドック・アブラモヴィッチ
UEFA欧州選手権2004
AFCフットボール
カンファレンス
アジア地域性(西アジア・中央アジア・東南アジア・東アジア)、特徴ある選手−中村俊輔、カリミ(イラ
ン)−、優勝監督ジーコや準優勝監督アーリー・ハーンのインタビューなど。
栄養とメディカル
アジャヤ・ラナ
VISION ASIA
ダト・ピーター・ベラパン
ドーム型総合スポーツ施設の建設やエリートプログラムなど、国を挙げてのスポーツへの取り組みを紹介。フロ
ック氏『2004年に8,000人の6・7歳を一堂に集め、スポーツテストを実施し、400人に絞り込み、サッカーとし
て90人の子どもたちを選抜した。2005年も同様に6,000人を予定している』
アジャヤ・ラナ博士(AFCデベロップメントオフィサー)が栄養(食事による栄養補給)
、ドーピング(考え方
や方法)
、メディカル(サッカーにおけるけがの種類と分析)について解説。
アジアにおけるサッカーの発展を目指した基本方針「VISION ASIA」や、その進捗状況などが紹介。
フォーラム
スピーカー(前出)と、参加者による質疑応答。
クロージングセレモニー
ベラパンAFC事務総長が参加者に対して、
「アジアの発展に向けて、アジアをそして自分の国を変えるのはあな
た自分自身である」と強く訴える。
41
第6回
クラブづくりを考えよう!
JFAスポーツマネジャーズカレッジ
4月2日、JFAハウスにて、昨年8月21日
に運営する立場にある者及び将来、当該組
よりスタートした「JFAスポーツマネジャ
織の運営の中心的な役割を担える者」も対
ーズカレッジ2004」の修了式が行われた。
象とする。
スポーツ組織マネジメントの知識・スキ
ル・センスを育み、マネジャーを養成する
「JFAスポーツマネジャーズカレッジ」は、
ハードなカリキュラム内容にもかかわらず、
受講生からの評価も高く、2005年度以降の
展開に期待が高まっている。
今号ではカレッジの概要を紹介する。
■表① 受講対象者
①本事業と併せて実施する「サッカーを中心と
したモデル的スポーツ環境整備助成」で形成
されるスポーツ環境整備等を実際に運営する
立場にある者及び将来、当該スポーツクラブ
等の運営の中心的な役割を担いうる者
②都道府県サッカー協会を実際に運営する立場
にある者及び将来、都道府県サッカー協会の
運営の中心的な役割を担いうる者
JFAは、2002FIFAワールドカップ開催に
より形成された様々な資産を活用し、更な
るサッカー・スポーツの振興を資すること
を目的に「2002FIFAワールドカップ記念事
業」を実施している。その中核事業として
「サッカーを中心としたスポーツ環境整備モ
デル事業」が2004年度よりスタートした。
この事業は、サッカー場などのスポーツ
施設の整備助成を行うハード面と、助成に
イト」である。ここでは、セッション毎に
「予習」や「予習内容確認小テスト」
、
「受講
後課題」が順じ掲載されるとともに、講義
■表② 受講資格
①PC環境
・ワード、エクセル、E-mail等を日常的に使いこ
なせること
・E-learningによる自宅学習に備え、自宅もしく
は職場等に高速通信環境が整っていること
②参加日数
・集合学習全32日のうち、最低25日の出席が可
能であること(2004年度について)
③都道府県サッカー協会の承認
・受講を希望する者は、都道府県サッカー協会
の承認を得ていること(2004年度について)
講生からの質問に対しては、チューターが
中心となって、担当の講師がその質問に回
(2004年9月25日∼27日)
を側面的にサポートする。講義当日におい
ても、受講生と直接話し合い、受講生が抱
えている問題に一緒に取り組んでいく。
大半の講座は、JFAハウスの会議室を中
心に集合学習を実施されるが、ケーススタ
ディ等で現地に赴き学習する講座もある。
∼JFAスポーツマネジャーズカレッジ2004
たな資格制度の事業でもあり、修了要件を
満たした者には修了資格を授与。年度ごと
おり、受講者はそれぞれ3日∼4日の間、集
では平田竹男GSがあいさつし、スポーツマ
にランク・順位等をつけ、JFAにて登録・
中的に学習する(表③2004年度カリキュラ
ネジャーについて「スポーツ界に大きな資
管理する。
ム一覧表参照)
。
本が流れようとしている現在、実現・継続
受講対象者の定員は、2004年度から3年
2004年度の受講対象者は、実際にスポー
カレッジの主目的である「実際にスポー
可能なビジネスプランを描けることが重要
ツクラブを運営していくにあたって、優れ
である」と語り、
「今回一緒に修了した25名
た事業計画書を作成することができ、また、
の仲間は何よりの財産になる。また第1期生
それを実行できる人材を育成する」という
として、今後の活躍を期待したい」と締め
観点から各セッションは構成されており、
くくった。
ツクラブや都道府県サッカー協会など「現
受講生は着実にそのノウハウを身につけて
場」を有する者(実際にスポーツ組織を運
いくことができる。
者参照)
、25名が受講した。受講資格は表②
修了生からは「全国のいろいろな立場の
∼自宅学習をサポートするE-learningサイト
一線でばりばり仕事をしている方の講義で、
カレッジの受講生は、受講生全員が集ま
説得力があった」
「どの講師の方の話も適度
なお、2005年度以降については、当初か
って学習する集合学習のほかに「予習」、
なユーモアがあり、同じ夢を持つ仲間とい
ら検討していた「Jクラブ、総合型地域スポ
「予習内容確認小テスト」
、
「受講後課題」を、
うように感じられた」などの声が聞かれた。
ーツクラブ、その他スポーツ組織等を実際
それぞれ自宅などで行う。この自宅での学
修了生には、JFAスポーツマネジャー資
習をサポート・管理するのが「JFAスポー
格認定証、認定カード、総合成績表、記念
の通り。
42
(2004年10月29日∼11月1日)
スポーツクラブを展開していくにあたっての人的資源
管理、労務管理、マネジメントチーム等の人材マネジ
メントについて、そして、クラブで行う各種プログラ
ムの組立てについて学びます。
セッション5
<コミュニケーション>
(2004年11月20日∼23日)
クラブ展開にあたって重要となるクラブのブランド計
画とそのプロモーション計画を考え、また、それに基
づくイベント実施の基礎・実践について学びます。併
せて、スポンサーとの関係構築、また所謂、営業活動
の方法等について学びます。
セッション6
<オペレーション2>
(2004年12月4日∼7日)
セッション7
<会計と財務>
(2005年1月15日∼17日)
クラブの展開にあったて欠かせないリスクマネジメン
トや組織コンプライアンス、そして、実際に会員との
よりよい関係を構築していく為の「CRM(カスタマ
ー・リレーションシップ・マネジメント)
」や会員管理
システム等について学びます。
会計原理から損益決算書、貸借対照表、キャッシュフ
ロー会計等の会計の基礎から、公益法人会計、予算編
成・分析、損益分岐分析、事業収支シミュレーション
等、より具体的な財務のノウハウを学びます。
方と知りあえて、各地の状況を知ることが
でき、参考になった」
「講座に関しては、第
営する立場にある者)とし(表①受講対象
セッション4
<オペレーション1>
マーケティング戦略の考え方、作り方等を学びます。
そして、それに基づいた施設計画及び維持管理の考え
方を学び、より具体的な事業計画を立案していきます。
JFAスポーツマネジャーズカレッジ2004
は、受講者全25名が無事修了した。修了式
間で90名程度を想定している。
(2004年10月9日∼11日)
を終えて
カレッジは全8セッションから構成されて
∼受講対象者・受講資格
主に、市場、顧客分析、競合分析等のマーケティング
リサーチについて学びます。また、スポーツクラブに
関する政策、法規に触れ、実際にスポーツクラブを展
開するにあたって必要となる知識を学びます。
2004年度のカレッジでは、昨年10月11日
∼全8セッションからなるカリキュラム
考に紹介する。
日本サッカーの取り組みから始まり、事業計画書につ
いて、そのコンセプトと基本構成要素を学びます。そ
して、事業計画書の核となる「ミッション」
「ビジョン」
の設定について学び、それに基づいたマーケティング
プロセスについて学びます。
のセッション3最終日「人工芝グラウンドで
ートで行われた。
の内容について、2004年度のカレッジを参
セッション3
<事業戦略と
計画書見直し>
∼現場における講習(ケーススタディ)
するマネジャーを養成するソフト面からな
「JFAスポーツマネジャーズカレッジ」
主な内容
答するしくみになっている。チューターは、
ィの学習が、埼玉県の川越フットサルリゾ
は、指導者、レフェリーに続く、JFAの新
(2004年8月21日∼24日)
セッション2
<調査分析と法規>
ッカーを中心としたスポーツクラブを運営
「JFAスポーツマネジャーズカレッジ」
セッション1
<ミッションと
ビジョンの策定>
また、
「JFAスポーツマネジャーズカレッ
ジ2004 E-learningサイト」に寄せられた受
のビジネスを学ぶ」と題したケーススタデ
マネジャーズカレッジ」である。
セッション
義に関するFAQなども備えている。
より形成されたスポーツ施設を拠点に、サ
っている。そのソフト面が「JFAスポーツ
■表③ 2004年度カリキュラム一覧表
当日の講義録や資料が整理され、また、講
受講生6グループに1名がつき、各人の学習
∼「JFAスポーツマネジャーズカレッジ」
とは
ツマネジャーズカレッジ2004 E-learningサ
∼サッカーをもっと楽しむために∼
セッション8
<総括と評価>
(2005年1月29・30日
2月19・20日
2月27∼3月1日)
これまでのセッションの総括を行い、自らの事業計画
書を仕上げます。また、その事業計画書のプレゼンテ
ーション発表を行い、受講生の学習の効果をお互いに
確認しあってもらいます。
講座名
オリエンテーション1
ビデオメッセージ
開講挨拶・2002FIFAワールドカップ開催がもたらしたもの
日本サッカーの取り組み
スポーツマネジャーズカレッジの理念と仕組み
スポーツクラブ創設・活動計画書のプレゼンテーション発表1
オリエンテーション2
マネジメント・ゲーム
事業計画書のコンセプトと基本構成要素
ミッション、ビジョン、事業コンセプトの設定
マーケティングプロセス
スポーツクラブ創設・活動計画書のプレゼンテーション発表2
ロジカルシンキング
マーケティングリサーチ1(市場・顧客分析)
マーケティングリサーチ2(競合分析)
スポーツクラブに関する政策,法規
グループワーク(マーケティングリサーチ)
ネゴシエーションとロビイング
レストランやバーなどの重要性を学ぶ
フィットネス関連の商品開発の潮流
NPOによるコミュニティビジネスを学ぶ
マーケティング戦略の考え方、作り方
グループワーク(マーケティング戦略)
施設計画(建築計画,資金計画)
施設の維持管理の考え方
グループワーク(事業内容の見直し)
人工芝グラウンドでのビジネスを学ぶ
緊急医療体制
天然芝グラウンドと施設の維持管理
導入施設・プログラムの組立てとフィットネス概論
人的資源管理
労務管理
マネジメントチーム
コーチ、スタッフの管理の実際
グループワーク(人材マネジメント)
施設利用顧客体験実習
ボランティアのマネジメントを学ぶ
ブランド計画
プロモーション計画
グループワーク(プロモーション実習)
スポンサーシップセールス
営業活動の実践
グループワーク(営業計画)
モデルケース演習によるイベントの基礎
イベントの現場からみたイベントの実践
スポーツイベント・教室による集客を学ぶ
グループワーク(イベント企画実習)
スポーツツーリズムによる集客を学ぶ1
スポーツツーリズムによる集客を学ぶ2
リスクマネジメント
コンプライアンス
クラブのリスク管理を学ぶ
CRM・データベースマーケティング・HP
運営管理・利用者管理システム
運営管理・利用者管理システムソフト実習
モチベーションマネジメント
メンバー間の人間関係づくりと意思決定方法を学ぶ
会計原理、損益計算書
貸借対照表
キャッシュフロー会計
演習
公益法人会計の基礎
予算編成、予算実績分析、損益分岐分析
事業収支とシミュレーション
Q&A
コンピューター会計の実際
マネジメント・ゲーム
マネジメント・ゲーム
Q&A
プレゼンテーション
プレゼンテーション
ホスピタリティ・マインドの実体験と講義
利用者の視点からの事業計画の精査
◆JFAスポーツマネジャーズカッレジ2005について
2005年度のカレッジは7月15日に開講予定。受講生の募集期間は5月16日から6月17日で、30名程度の受講生を予定している。応募多数の場合は書類により選考
を行う。カリキュラムは初年度の結果を受け若干の改正がある。募集方法等の詳しい情報は、JFA記念事業推進委員会事務局(TEL:03−3830−1822)まで。
43
第43回デュッセルドルフ国際ユース大会<1次ラウンド>
グループ/リンドナー
日本
日本高校選抜
第43回
デュッセルドルフ国際
ユースサッカー大会に
参加して
大森貞夫(日本高校選抜チーム監督/東北高校)
ブ」がともに切磋琢磨しながら全体のレベルアップ
を図っていく時代に入っている。全国高校サッカー
選手権大会は、人気先行といわれる中からも多くの
優秀な選手を輩出してきた。その一つの柱として、
3
1
レアル・マドリード
1-3
0
2
6
-4
3
ベルダー・ブレーメン
0-1
3
3
2
1
2
バイヤー・レーバークーゼン
2-1
差
順位
グループ/ウールスポ
トルコ
0-0
1-0
4
1
0
1
1
フォルトナ・デュッセルドルフ
2-2
2
2
2
0
2
ボルシア・ドルトムント
2-1
1
2
3
-1
3
PSVアイントフォーヘン
3-0
VFBシュツットガルト
0-0
U-19トルコ代表
0-1
U-19トルコ代表
2-2
勝点 得点 失点
グループ/東芝
デュッセルドルフ
は25分、スイスでの親善試合も短い時間でお願いし、
ディレイ、セカンドボールの対応とクリアボールを
万全の準備を整えた。
キープにつなげることを確認する。
ブレーメン
2
0
1
1-0
3
1
1
0
3
3
2
2
0
2
差
順位
0-1
フォルトナ ボルシア
PSV
1-2
勝点 得点 失点
0-3
0
1
5
-4
3
0-0
4
2
1
1
2
4
3
0
3
1
0-0
ドを生かすといったアイデアに乏しかった。
0
2
0
1
1
0
2
1
た。18人がベストコンディションを維持する難し
さを感じた。
5. まとめ
<優勝>
ドルトムント
ニューキャッスル
BV04
2
⑤自己管理という点で、まだまだタフさに欠けてい
1
PK 4-5
1
シュツットガルト
順位
3
備、守備から攻撃の場面でためをつくる、スピー
0
PK 10-9
0
レーバークーゼン
差
1-2
を理解できていない場面が見られた。攻撃から守
1
0
PSV
備では数的優位を保ちつつ、カウンターに対しての
1-0
VFB
グラスホッパー
写真提供:講談社「高校サッカー年鑑」photo by T.SHIRAHIGE
レアル ブレーメン レーバーク 勝点 得点 失点
NCU
<決勝トーナメント>
ということも念頭に入れ、直前合宿までの練習試合
(1)vs BV04デュッセルドルフ
1
3-1
ニューキッスルユナイテッド
1-3-5-2のシステムでスタート。初戦の反省から、守
3.
4
0-1
グループ/DHL
大会が25分ハーフ、決勝トーナメントは即PK方式
試合広告
順位
6
勝点 得点 失点
グラスホッパー・チューリッヒ
ドルトムント
日本のU-18ユースサッカーは、
「高校」と「クラ
差
1-0
1-3
高校選手権での選手選考から振り返ってみると、
近年の高校サッカー全体の守備意識の高まりを感じ
<第2位>
ニューキャッスル
0
2
PK 4-5
1.
グラス
BV04デュッセルドルフ
レアル・マドリード
はじめに
BV
3-1
1
1
<第3位>
レアル・マドリード
る。特にセンターに能力のある選手を配したチーム
が上位を占めることで如実に現れている。高校選手
グラスホッパー
権のテクニカルレポート(本誌Vol.6参照)にもある
レアル・マドリード
ようにロングフォワード・ボールによる攻撃でどこ
までヨーロッパに通用するかは疑わしい。それでも
2
1
今回、この特徴を踏まえて、サイズのある3バック
日本高校選抜
を形成し、全員の共通理解に立ったプレッシングサ
ッカーを意識してチーム編成した。3試合を振り返
攻撃では流れの中からフィニッシュにつながるよ
保てない状態から決定的場面を作られた。後半、1
⑥サッカーは世界の言葉:この大会は有料試合とし
ると、初戦の相手には守備意識の低さもあって、日
う、FWにはオフ時のポジショニングと、ボールと
対1の対応とカバーリングを徹底し、そのためのコ
て行われ、1日200人近くの観客が観戦した。子ど
本の組織的な攻守が機能した。後の試合では、逆に
ゴールを視野に入れた動きからダイレクトプレーを
ミュニケーションをしっかりとり、コーチングし合
もも多く、選手もスタッフもサインを求められ、
相手の厳しく強いプレッシャーに慌てさせられ、良
意識させた。
って組織で守ること。
「しっかりした守備から速い攻
そのたびに丁寧に応じ、ピンバッチを渡す光景は
い判断ができないままミスを繰り返す場面が多く見
大会優秀選手から選抜チームを編成し、海外遠征を
初戦、この大会主催クラブとの対戦は参加チーム
実施してきた。今回で33回目となる海外遠征は「第
の中では、見劣りするという情報もあったが、一次
前半、失点はしないものの、相手にペースを握ら
撃をしかけろ」と指示したが、後半も早々に追加点
ほほえましく、日本チームの印象を良いものにし
られた。中盤でのボールの奪い合いで、一歩引いて
43回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会」へ
ラウンド最初の試合の重要性をミーティングで確認
れ本来のプレーがみられない。このままでは悔いの
を奪われる。メンバーチェンジとDF渡辺を上げて1-
ていた。目の肥えた観衆の前でプレーし、彼らは
しまう場面の多さは、選手権に出る各チームとも、
の参加となった。この大会へは高校選抜として12回
し、ピッチへ送り出す。
残るゲームという展開で後半、4バックに変更。サ
4-3-3のパワープレーでゴールを奪いにいく。こちら
サッカーの世界を広げたはずである。スポーツ文
戦い方の改善が必要なのではなかろうか。
イドバックのオーバーラップ、ワイドにボールを動
のリズムが生まれ、DF渡辺が身体ごとゴールに突き
化のあり方を実体験できたことはスタッフともど
また、選抜チームを率いて感じたことは、個々の
も、今後の日本サッカーの発展に欠かすことので
能力をいかにアップさせるかという点である。私も
きない経験であった。
その1人ではあるが、全国高校選手権という晴れ舞
目、U-18日本代表として参加したこともある。ヨー
立ち上がりの硬さからペースを握り始めた直後、
ロッパの強豪クラブ・ユースチームが参加するレベ
強烈なカウンター攻撃を受け失点。早い時間帯であ
かすことで攻撃に厚みを持たせるよう指示する。狙
進む姿勢から1点を返すが、そこまで。ただ、最後
ルの高い大会である。
り、あせらず、慌てず中盤を丁寧につなぐよう指示
いが奏効し、一進一退の攻防から相手陣深くのスロ
まで勝負を捨てない、たくましさがチーム全体に伝
ーインのチャンスにセンターDF渡邉広大(市立船橋)
わった試合であった。
今回参加の12チームも優勝したドルトムント(ド
し、9分にボランチ・鈴木智博(市立船橋)が攻め
イツ)をはじめ、実力あるチームが熱戦を繰り広げ、
上がって同点。続いて、CKをDF込山和樹(星稜)
がゴール前に進出、混戦から決勝点を叩き出した。
日本高校選抜にとってまたとない経験を与えてくれ
が押し込み逆転する。ハーフタイムでは、相手の単
彼の判断が光った場面であり、主将として勝利への
た。
調なゴール前への放り込みからセカンドボールを拾
執念を見せてくれた。ロスタイムに不運ともいえる
う攻撃への注意と得失点差も考え、リスクを冒して
PKの判定。肩を落としかけたが、これを中林洋次
2.
チームコンセプト
チーム結成にあたって2005年2月8日∼10日、大会
優秀選手40名(5名不参加)に都道府県大会からの
も積極的にゴールを奪う姿勢を強調した。後半は安
「優勝」という目標を掲げて戦ったが、最終日にピッ
①オフ・ザ・ピッチでは同年代ということでコミュ
を広げる守備能力の開発といったトレーニングを組
チに立つことはできなかった。いくつかの成果を挙
ニケーションはとれていた。それがいざピッチに
げてみたい。
入ったとき、コーチングすべきときに明確に指示
大会ベストDFとして渡邉広大(市立船橋)が表彰
①強い精神力を発揮:1次ラウンドをトーナメント
を出せる選手が少ない。あるいは、プレーについ
され、個人の能力の高さを示した。彼はヘディング、
み入れていく必要性を感じた。
びた。この勝利でグループ1位、翌日の準々決勝進
出を決めた。
という気持ちで1位を目指し、集中力のある戦い
てのお互いのコミュニケーションには不満を覚え
ボディコンタクト、スライディングなど身体を張っ
(3)準々決勝 vsボルシア・ドルトムント
ができた。
た。この年代では遅いとの感もあるが「イニシア
たプレーを実践し、ドイツの観衆にアピールできた
チブ」をとれる選手が不足していたと思う。
と思う。他の選手も多くの貴重な経験を積んで帰国
決定力に課題が残った。
(2)vs グラスホッパー・チューリッヒ戦
し、選手・スタッフの意思統一を図った。
エイトを置く指導者が多い。その中に選手の可能性
点をあげたにとどまった。相手の守備力からすれば、
殿場市)
。ここで18名を選出し、3月初旬に強化合宿
を行う。監督としてチーム指針・コンセプトを提示
ム練習などゲームを意識しすぎたトレーニングにウ
じたことを述べてみる。
定した戦いを見せたが、CKからまたもDF込山の得
推薦選手5名を加え、選考合宿を行った(静岡県御
(2泊3日/静岡ヤングサッカーフェスティバル参加)
(市立船橋)がスーパーセーブし、観客の大喝采を浴
4.成果と課題
台での勝負にこだわるあまり、グループ練習、チー
次に課題について。チームとして私見であるが感
中1日の休養が入り、コンディションに問題はな
いと思われたが、身体が重い様子で動きに精彩を欠
いた。DF込山の体調不良で作田裕次(星稜)を入れ、
長い遠征の疲れもあり、前日の体調からもウォー
②フェアプレー賞の獲得:イエローカード1枚は受
ミングアップを入念に行い、良いイメージでゲーム
けたものの、大会本部からはフェアプレー賞と合
②攻撃時のしかけの判断に他のチームに比べ明らか
の途につくことになった。我々スタッフは最善の努
に入るよう配慮した。
わせて「もっとも好印象のチーム」という表彰を
に足りない面があった。優勝したドルトムントは
力をしたと思っている。国内合宿からスイスでの調
受けることができた。日本人のマナーの良さを選
もちろん、参加チームの多くが積極的にしかける
整、そして大会へ向かうコンディションの維持に山
手全員が示してくれた。
意識が高かった。それに比べまだ日本チームは、
本晃永トレーナー(Y'sアスリート)
、大沼弘幸ドク
をスカウティングした結果、体格差はないもののオ
③フォア・ザ・チーム:組織を意識し、組織の一員
判断の段階での迷いからファーストタッチで前を
ター(聖マリアンナ医科大学病院)のきめ細かい指
フェンスのスピードとスキルは高いレベルで、攻守
として各人が最善の努力をしてくれた。寄せ集め
向き、ゴールへ向かうという点で明らかに不足し
導と助言。菊池新吉GKコーチ(東京ヴェルディ
の切り替えも速く、DFは堅実にダイレクトプレーを
の選抜とは思えぬチーム力を発揮した。
ていた。
1969)の経験からもたらされる広範に及ぶ配慮。黒
相手は強豪ぞろいのグループで抽選により2位と
なった実力あるチーム。午前中にプレーオフ1試合
□チームコンセプト(骨子)
守備
代表選手としての自覚、
責任、誇りを持つこと。
攻撃
共通理解に立ったチームづくり
・
・プレッシングサッカーの徹底
戦う
集団
組織とバランスを意識したディフェンスシステム
ベースの徹底、
1対1の戦い
リスタート
速さとシンプルさを意識したオフェンス
ダイレクトプレー&リトリートへの対応
サイド攻撃、
リスタート
勝負にこだわる“図太い”メンタリティ フォア・ザ・チーム、
フェアプレー
心の成長(精神的自立)
田剛コーチ(青森山田高校)の的確にオーガナイズ
心がけている。チーム全体の意思統一が取られた真
④闘う姿勢:相手の激しいボディコンタクトに耐え
③1対1の闘いでは絶対に突破する、あるいは必ずや
面目な好チームである。日本に対しても攻撃的に戦
抜き、時にはアンフェアなプレーにも冷静さを失
ボールを奪うという場面で相手に劣る部分が見ら
されたトレーニングと、PC活用によるミーティング。
ってくると想定。回復したDF込山をスタートメンバ
わずプレーする姿勢は評価に値するものであっ
れた。ボールを身体の正面で扱うこと、スライデ
どれもこの遠征の成功を目指すものであった。団長
ーに戻し、1-3-6-1と中盤を厚くして前半を守備的に
た。
ィング技術にさらなるトレーニングの必要があろ
以下のスタッフや随行された方々もそれぞれに役割
う。
を理解され、フォア・ザ・チームで戦えたことは、
戦うことを選手に伝える。慣れないワントップが機
⑤リスタート:国内合宿より徹底した成果がゴール
能しないうちに、個人突破を受けてしまい失点。相
という形で結実することができた。守備において
④選手の特徴を生かしきれなかったことは監督に責
手のゴールへ向かう積極性は、リスクを恐れず次々
も集中力を発揮し、不用意なプレーは一切見せる
任があるが、選手間のコミュニケーション不足も
選手には、日本に戻ってそれぞれの場でさらなる飛
と前線に選手が飛び出してくる。これに数的優位を
ことはなかった。
あり、サイド攻撃での緩急のつけ方やタイミング
躍を期待したい。
選手のがんばりと同様、感謝の念でいっぱいである。
※各選手などの所属は2005年3月時点のもの。
44
45
UEFA EURO 2004TM
JFAテクニカル
レポート発売!
昨年6月にポルトガルにて行われた「UEFA EURO 2004TM」
のテクニカルレポート(DVD付)がに発売されます(近日予定)
。
今号ではその中から「総括∼育成への示唆・日本サッカーへの示唆」
を抜粋、掲載します。
1. ハードワーク
今大会は激しいゴールの奪い合い、ボールの奪い合いの中で
攻守においてスピードのある展開が行われ、厳しいプレッシャ
ーにおいても高いスキルが示された。そしてそこで示された一
つ一つのプレーの質の高さには、この大会が世界のトップレベ
ルであることがまぎれもない事実であることが証明された。
できるかどうかが重要になってくるのである。まさにゲームの
流れを読み、的確にプレーすることが選手一人一人に求められ
ているのである。それがプレーの連続性、同時性に基づきチー
ムが一連となり質の高い動きを繰り返していた。
このようなサッカーの本質に基づいたプレーの連続が今回の
EURO2004での「ハードワーク」につながっているのである。
ユース育成においても、質の高さは別として、選手に「ハー
2. ストライカーの育成
そして、もう一つ今大会強く感じた点としてストライカーの
重要性がある。特に上位に進出したチームには特徴を持ったス
ような選手では、世界で通用しない。本来持っている個性を奪
うような指導ではなく、その個性を生かしつつ、他の部分に関
しても伸ばしていけるような指導を心がけていくことが必要で
ある。
トライカーが存在した(ギリシアの⑨ハリステアス、チェコの⑮
どんなに戦術が良くても、どんなにボールを支配しても、勝
バロシュ、⑨コレル、オランダの⑩ファン・ニステルローイな
てるわけではない。やはり勝つためには得点を奪うことが必要
ど)。これは上位に進出するためには無関係とは言えない要素で
なのである。「点を取ること」それこそがストライカーの仕事で
あると言える。
あり、その仕事が確実にできるような選手を一人でも多く育て
Less Time、Less Spaceの現代サッカーにおいて攻守の切り
ドワーク」させることをスタンダードにしていくことが必要で
替えの速さが重要であることはこれまでにも述べてきたことで
ある。そのためには、サッカーの本質を育成年代から理解させ
今大会のストライカーのタイプは大きく分けるとターゲット
ある。隙を突く、隙を突かせない闘い。言い換えると攻守とも
ていくことが必要不可欠であるといえる。それには、ジュニア
タイプ、スピードタイプ、ポジショニングタイプの3つに分ける
に「ハードワーク」がこれまで以上に実践されていた。ボール
年代ではスモールサイドゲーム等を通じたゲームの中で、勝つ
ことができる。しかし、タイプに関係なく共通していえること
を奪った時の一瞬の隙を突くために攻撃する、奪われた瞬間の
ために何をすることが必要か。選手だけでゲームを作らせるな
は、高さと強さ、速さと強さ、ポジショニングと速さなど、複
隙を突かせないように素早く守備に入りボールを奪いに行くと
ど、そうした経験の中から、ゴールを奪うため・守るために自
合的な要素を持ち合わせ、どの要素をとってもレベルが高かっ
いった、攻守の切り替えの速さはどのチームにも感じられた。
分は今何をしなければならないのかを考えてプレーするように
たということである。別の言い方をすると、速いだけ、高いだ
別の見方をすると、上位に進出したチームは、まさに一人一人
させる。時にはゴールに向かう姿勢が強すぎるがゆえに、全員
けでの選手ではストライカーにはなれないということでもある。
る。だから試合の流れや変化を読んだり感じたりすることが重
の攻守における切り替えの意識が高くチームとしての完成度が
ゴール前に攻め上がってしまい、簡単に失点してしまうかも知
また、特筆すべき点として、そのストライカーに若い選手が多
要なのである。そして点を決める、決めさせない。その中心に
高かったと言える。「攻守における切り替えの意識」はもはや個
れない。しかし、失敗が次につながる判断を生むのである。最
く見られたということが挙げられる。イングランドの⑨ルーニ
いるのはセンターFWである。勝つためには、結果を出すために
人として持っていなければならないベースの部分とも言えるで
初から「全員上がるな」では判断は生まれない。まずは勝つた
ーや、ポルトガルの⑰C.ロナウドのように十歳代でも大舞台で
は、センターFW、ストライカーの存在が重要である。センター
あろう。
ていくことが日本サッカーの強化につながり、それこそが「世
界のトップ10」に近づく道につながる。
3. ゲームの質を上げる
サッカーでは人が動きボールが動き、そしてスペースができ
めのゲームを自分たちで構築させることが大切である。ジュニ
堂々とプレーし、得点を奪っている選手が世界には多く存在す
FWを使った攻撃がいかに有効かは現代サッカーにおけるバイタ
サッカーのゲームではさまざまな「変化」が起きる。相手や
アユース年代では、サッカーの仕組みについて「プレーの原則」
る。
ルエリアの攻略の重要性からも理解できる。
自分たちが動くことによる「変化」。相手に応じて生じる自分た
を理解させ、"なぜ"を考えながらプレーさせることが大切である。
ちの「変化」。そして「変化」によって生じるチャンス、ピンチ。
日本でも2003年から「ストライカープロジェクト」を立ち上
技術的に何が必要かということは今までもトレセンや指導者
攻撃では、ゴールを常に意識しながらも、幅と厚みを持って攻
げ、ストライカーの育成に力を入れ始めている。そして平山相
養成を通じて言い続けている。それをどのように、どういった
それらを感じて判断しプレーすることが現代サッカーにおいて
撃を組み立てていくことがいかに自分たちにとって有利か。ま
太(筑波大学)や森本貴幸(東京ヴェルディ1969)のように注
環境で身につけさせるかが今の日本の課題である。もっと意図
重要なことである。ゴールを奪うためにどのように攻めること
た守備においては、ファーストディフェンダーが、ボールに厳
目される若いストライカーが少しずつ育ってきている。そして
的にそして積極的にボールを奪いにいくプレーが行われている
が効果的なのか。ボールを奪うために、また、ゴールを守るた
しくプレスをかけることでグループやチームが集中集結でき、
重要なのは、未来のストライカーを育てられるかどうかはわれ
ゲームの中で、技術を磨くことである。厳しいプレッシャーが
めにどのような守備を行うことが効果的なのか。これらをゲー
守備の組織を図ることが可能になる。そうしたことが自分たち
われ指導者にかかっているということである。身長が大きい、
ある緊迫したゲームの中で、勝敗だけにこだわるのではなく、
ムにおけるさまざまな「変化」の中でチームコンセプトに沿っ
のプレーにとっていかに得かを理解させることが必要である。
足が速い、など比較的目に付きやすい身体的な個性も大切な要
高い技術と判断をベースにした質の高いゲームを目指していく
それがひいては「ゲームを読むことができる」「変化」を観る
素ではあるが、常にゴールを意識している、良い状況判断をし
ことが、ユース育成の指導者に求められている。厳しいプレッ
時にはリスクを冒してでもゴールに向かって走りこんでいくし、
ことができる選手を育成していくことにつながっていくものと
ている、ゴールを奪える良いポジションを常にとっているなど
シャーのあるサッカーの中で本質を理解させゲームの質を上げ
逆にピンチと判断した時にはたとえストライカーであっても執
考える。
の個性も大事にしていくべきであると考える。育成年代では、
ていくことが、日本のさらなるレベルアップにつながる。
て自ら判断し、プレーする。だからこそ、チャンスと判断した
拗にボールを追い、守備をする。ただ闇雲に動き回るのではな
それがひいては、「攻守におけるスピードのある展開の中で、
そういった個性を発見する「目」を指導者が持たなくてはなら
い「ハードワーク」。単に運動量を上げるといったことではなく、
厳しいプレッシャーにおいても高いスキルが示された」今回行
ないと言える。そして、発見した個性を育成していかなくては
ゲームの状況に応じた中で効果的なプレーの選択をすることが
われたような質の高いゲームへとつながっていくのである。
ならない。今大会を見ても分かるように、個性が一つしかない
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47
What's?「種別」と「年齢区切り」
ホワッツ
審判員と指導者、
ともに手を取り合って…
C O O R D I N A T I O N
B E T W E E N
T H E
F I E L D S
O F
R E F E R E E I N G
A N D
T E C H N I C A L
JFAレフェリーカレッジ「トップレフェリー
[主審]養成コース」の紹介
小幡真一郎(JFAレフェリーカレッジ・カレッジマスター)
2000年7月、浅見俊雄前審判委員長が
もと、
「良いゲームとは何か?」
「レフェリ
・各地域のインストラクターとの協力
ーの役割は何か?」
「信頼されるレフェリー
・実践的トレーニング(ポジショニング、
として認められるには」などをテーマに、
アドバンテージ、副審の任務など)
「若手審判員養成コースの新設」を提案し、
審判観・人間性を育てることを最大の目標
2001年7月、FIFA(国際サッカー連盟)の
にしています。特に、社会経験や審判経験
「プロ化の促進」の追い風を得て、JFAは
の乏しい若手審判員を対象にしているため、
2003年3月「21世紀のレフェリー改革アク
不可欠な要素だと考えています。これを
ションプラン」にある「JFAレフェリーア
「レフェリーマインド」と称し、下図にある
カデミー」の一環として、
「JFAレフェリー
ように自らが能動的に、いろいろな講義や
カレッジ『トップレフェリー[主審]養成コー
実践の本質・エキスをさまざまな方法で吸
・ボランティア活動
ス』
」の設置を承認しました。その後の準備
収し、レフェリングのパフォーマンスを高
③メンタルの強化
期間を経て、2004年1月10日にスタートを
めることを願っています。決して、走り回
・国立スポーツ科学センター(JISS)の立
切りました。
ってファウルを見つけ、罰則を与えること
JFAにとって初めての試みで、カリキュ
ラムやプログラムはまだ手探りの状態です
②レフェリーマインド(審判観や人間性な
ど)の醸成
・講演(スポーツ分野で活躍されている
方々や各職種のプロ)
・Jリーグキャリアサポートセンターの八田
氏によるプログラム
谷氏によるプログラム
がレフェリーの役目ではないと思っていま
④フィットネスの強化
す。
・ニッポンランナーズの齋藤氏による「効
が、技術委員会はじめ多くの人々の温かい
率よく走る」プログラム
サポートとご尽力により、多方面からのア
・国立スポーツ科学センター(JISS)やJリ
プローチが実現されつつあります。現在、1
ーグアカデミーによる体力・身体機能の
期生6名、2期生4名がおり、既に1期生の2
測定
名が1級審判員となり、今年度からJFL、J
・ハートレート分析
リーグサテライトなどの主審を担当してい
⑤サッカーの知識の習得
ます。
・JFA技術委員会のメンバーによる講義
・競技規則
・競技規則の実践的指導
2. 特色
・JFAスポーツ医学委員会による講義
このコースは25歳以下の優秀な若手2級
⑥科学的知識の習得
審判員を短期間(原則2年間)で集中的に指導
・立教大学の安松氏による運動生理学
し、技術・知識の習得、人間性の育成をめ
・明治製菓(ザバス)の深川氏による栄養
ざし30歳未満で将来、スペシャルレフェリ
学
ーとなりうるトップレフェリー候補者を養
・筑波大学附属高校の中塚氏による社会学
成することを目的としています。現昇級制
・横浜国立大学の高橋氏による身体表現学
度とは異なるコースで、トップレフェリー
⑦その他の知識の習得
への早道とも言えます。
第4回フットボールカンファレンスでアン
3. 講義内容
ディ・ロクスブルクUEFA技術委員長がお
①レフェリングのスキルの向上
話しされたように、プレーヤーの育成と同
・分析・評価シートの活用による自己課題
様、基盤には「フィロソフィー」が必要で
す。我々は「笛は人が吹く」という考えの
48
解決
・VTRによるレフェリング分析
・JFAおよびJリーグ関係者による講義
以上、2回目は、レフェリーカレッジの活
動内容をご報告させていただきました。次
回は、技術委員会の講義に対する受講生の
反応、意見・考えを紹介します。
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は示していないということです。種別も同様で第1∼4種の種別
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こうした1月1日生まれを区切りとしてチームを編成すること
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には、実は難しさがあります。
「カレンダー効果」という言葉を
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聞いたことがあるでしょうか?年度の前半に生まれた子どもにあ
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る分布が偏る現象を指します。例えば、Jリーガーの生まれ月を
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見てみても、4月から6月が圧倒的に多いのです。これは、これ
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らの月に特別な要因があるわけではなく、年度の初めということ
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です。例えば、イングランドでは9月区切りとなるため、同様に
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9月∼11月生まれの選手が多いのです。つまり、どこかで「区
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切る」という行為をすれば、この現象はどこであれ生じるという
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ことです。幼少のことであれば、もちろん月齢の差が成長速度の
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差となりがちですが、大人になってまでその影響が直接残るわけ
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ではありません。すなわち、月齢で勝り、当初成長が早くて身体
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が大きく、クラスの中でリーダーとして機会を与えられてきたそ
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の環境の影響が、大人になるまで残存すると考えられています。
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の表記を見ていただくと、それぞれ上限しか規定されていませ
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ん。
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© Jリーグフォト㈱
1. 経緯
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1987年1月1日以降生まれの選手たちで編成される、U-18日本代表チームの第2回トレーニングキャンプより © Jリーグフォト㈱
「4月区切り」の日本で言えば、1月∼3月の「早生まれ」がその
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問題の部分となります。1年先に上の学年に入っており、例えば
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日本サッカー協会(JFA)加盟登録チームは、その登録により □□□□□□■
FIFA U-17世界選手権を目指すU-16の年代などでは、先に高校生年
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種別に分かれています。
代となってU-18のチームの中で活動しているという、ある面で
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○第1種:年齢を制限しない選手により構成されるチーム。
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非常に大きなアドバンテージを持つグループであるにも関わら
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○第2種:18歳未満の選手により構成されるチーム。ただし高等
ず、一方で目立ちにくい、見つけにくい、という面があります。
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学校在学中の選手にはこの年齢制限を適用しない。
先ほど挙げたJリーガーの例でも、極端に少ないのがこの早生ま
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○第3種:15歳未満の選手により構成されるチーム。ただし中学
れの選手です。つまり、子どものころから社会的に機会が与えら
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校在学中の選手にはこの年齢制限を適用しない。
れなかったことで伸びてこなかったグループがあるということな
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○第4種:12歳未満の選手により構成されるチーム。ただし小学
のです。また、学校では誰が早生まれ、といった意識の仕方は通
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校在学中の選手にはこの年齢制限を適用しない。
常あまりしないものだと思われます。このグループにも早期に気
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○女子:女子の選手により構成されるチーム。
づき、良い環境や機会を与えることで、ポテンシャルが生かせる
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○シニア:40歳以上の選手により構成されるチーム。2000年度
ようになるかもしれません。ただし、グループダイナミクスには
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から登録開始。上記年齢は、該当年度開始日の前日(3月31日)
さまざまな要因があり、そのまま混合させればすぐにうまくいく
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現在の年齢とする。
というものでもありません。
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「女子」は女子登録をしている選手も、第1∼4種に登録している
この部分にアプローチするために、2003年からは、ナショナ
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選手もいます。各大会の出場資格は、大会ごとの規定であり、こ
ルトレセンも「1月1日区切り」としました。こうすることで、学
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の登録上の種別とは別です。
年や種別をまたがる活動となり、運営上はいろいろな難しさがあ
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一方で、FIFA(国際サッカー連盟)主催の大会は、1月1日生
るかもしれませんが、重要なチャレンジとなります。一つには早
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まれを区切りとしています。例えば、2005年に開催されるFIFA
生まれを意識し発掘すること、そして、もう一つには、とかく明
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ワールドユース選手権大会は「1985年1月1日以降生まれ」の選
確な区切りとなりがちで関係のもち難かった種別間の関係を密に
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手たちに出場資格があります。AFC(アジアサッカー連盟)主催
することにつながり、そのことは、長期的視野に立った選手の育
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の選手権でも世界大会の予選となることもあり、その区切りが採
成、特に受験により大きなブランクができてしまいがちだった
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用されています。日本代表は、こうしたFIFAの大会を目指すこ
「中3」から「高1」の移行がよりスムースに無駄なく移ることに
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とから「1月1日生まれ」の区切りで編成されます。
つながり、そのことも選手の育成に良い影響を与えるに違いあり
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ちなみにサッカー界では「U-○」という言い方がよく聞かれま
ません。
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すが、これは「○歳以下」を指し、すなわち上限のみ示し、下限
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★このページでは、JFAが推進している事業や活動、サッカーに関する用語・事項を毎号1つ紹介・解説していきます。
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49
世界のトップ10を目指すには、今ま
でと同じ方法では間違いなく追いつき
ません。
とでドロップアウトを防ぎます。指導
指導・サポート
担当者によるケアはもちろんのこと、
カウンセリングに関しては体制を整え、
充分な対応を行います。
目 的∼
世界トップ10を
目指した個の育成
(1)サッカーの面に関して
能力の高い選手に、良い環境で集中
的に良い指導を与え、個の能力を高め
ます。
専門施設を備えた寮生活の中で、最
「世界基準」をキーワードとし、チーム
強化ではなく、あくまでも個を育成す
特集②
ることを目的とします。
ロジング形式(寄宿制)による中高
一貫教育により、能力の高い者に良い
JFAアカデミー福島
2004JFAエリートプログラム(2004年9月)より © Jリーグフォト㈱
指導、良い環境を与え、長期的視野に
立ち、集中的に育成します。
サッカーばかりではなく、人間的な
教育、論理的思考、コミュニケーショ
ンスキル、ITなどの総合的教育を行い、
リーダー教育を重視します。また、代
表としての自覚を促す教育を行います。
基本的に2学年ずつ3つのカテゴリーに
将来日本をリードする人材となる真
分けてトレーニング・試合などの活動
の意味での「エリート」を育成します。
を行います。
女子は中学校1年生から高校3年生ま
でが基本的に一つのグループとしてト
また、サッカーばかりでなく、人間
レーニングしますが、試合には中学生
と高校生を2つのカテゴリーに分けて参
していける真の世界基準の人材、常に
加します。
(どんなときでも、日本でも海外でも)
方法に関して
(1)生活:ロジング(寄宿制)
Jヴィレッジ(福島県)内の寮に寄宿
し、専用の施設を活用して、トレーニ
(2)サポート、環境面に関して
ング、教育を行います。
自信に満ち溢れた立ち振る舞いのでき
JFA技術委員会、スポーツ医学委員
る人間を育成することを目的とします。
会などと共同し、メディカル、栄養、
び食事、休養、必要な学習をすること
で効果的な育成を行います。
才能を持つだけでは、必ずしも開花
フィジカル、テクニカルなど、最高の
するとは限りません。才能を持つ者に
サポート環境を与え、より良い成長を
良い環境を与え、本人の努力を伴わせ
促していきます。
ることにより、世界に通用する選手を
アンディ・ロクスブルク(ヨーロッパサッカー連盟技術委員長)
男子は中学校1年生から高校3年生を
的な面の教育も重視し、社会をリード
ポジティブな態度で何ごとにも臨み、
選手は勝手には育たない。
タレントが偶然育ってくるのを待つのもいいだろう。
しかし、それでは永遠に待ちつづけることになるかもしれない
高のトレーニング環境を与えます。
(3)教育面に関して
育成します。
心理的に不安定な時期に当たります
が、適切なサポート、刺激を与えるこ
最適な日課の中でトレーニングおよ
(2)学校:地元の公立校、連携型中高一
貫教育
居住地の学区にある公立中学校、公
「エリート」という名称は、日本の中で
は抵抗感が強く、根付いて来なかった
概念であり、誤解を招きやすい面があ
はじめに
50
私たちは、ベースの水準の向上を重
プトのもとで、子どもがチームを移ろ
りますが、本来の意味を重視し、あえ
要視し、その方向に大いに取り組んで
うとも長期的視野に立った育成がなさ
て使用しています。本来、特権階級を
きました。その成果は、ある程度あが
れていけばいいはずですし、私たちは
指すものではなく、社会の各分野での
ってきたと考えています。そして今、
常にそれを目指していますが、それは
リーダーであり、むしろ先頭に立って
日本サッカー協会(JFA)では、2005年
新たに掲げた目標に向けて、さらに一
なかなか簡単なことではありません。
闘いに行く存在、社会に対する責任を
1月1日に『JFA2005年宣言』をし、「サ
歩前に進むために、ベースの向上とエ
そこに一貫指導の意義があります。
果たす存在を指すものです。
ッカーを通じて豊かなスポーツ文化を
リート教育の両者を共存させていく必
創造し、人々の心身の健全な発達と社
要性を痛感しています。
子どもが育っていく上で、それぞれ
私たちは、真の意味でのエリートと
重要な若年層のある一時期において、
なる人材、サッカーを越えた社会で将
会の発展に貢献する」という理念を実
また、いわゆる「ぶつ切りの強化」、
良い環境と良い指導を与える機会をつ
来的にリーダーとなりうる人材を育成
現するために、2015年には「登録数
小学校、中学校、高校でそれぞれが、
くりたいと考えています。そのことを
したいと考えています。
500万人、世界でトップ10のチームに
ばらばらにそれぞれの時点で完成され
是非とも、ご理解いただきたいと強く
なる」、そして「2050年までには日本で
たチームをつくって勝とうとすること
願っています。
のFIFAワールドカップの開催と優勝」
は、ともすれば、選手の長期的な育成
JFAは「世界のトップ10」、そして
ロッパの強豪国ばかりでなく、アメリ
という明確な目標を設定しました。そ
の観点からは、弊害になる場合があり
「世界のトップ」を目指しています。こ
カ、オーストラリア、南米、韓国、中
して、それは単なるJFAの目標として
ます。せっかくのポテンシャル(潜在
れは、後天的な努力のみで達成される
国、中東など、どこもエリート教育を
ではなく、日本全国の皆さんと双方向
的能力)を生かしきれずに終わってし
ものではありません。先天的な能力の
実践し、その成果をあげています。私
で交わされた約束という形で宣言され
まう選手が実にたくさんいます。本来
ある者に良い環境を与え、本人が努力
たちも危機感を持って臨まなくてはな
ました。
であれば、皆が同じビジョン、コンセ
してはじめて育っていくものなのです。
りません。
サッカー界で見てみても、世界のエ
リート教育は実に進んでいます。ヨー
2004JFAエリートプログラム(2004年9月)より© Jリーグフォト㈱
51
立高校に通学します。
舎に寄宿します。
保護者の訪問の機会を設けます。また、
(4)病気やけがなどが生じた場合は、プ
本プログラムと福島県、富岡町、広
(2)宿舎では単に"暮らす"ことだけにと
専門のカウンセラーを配置し、学校を
ログラムとして、スポーツ医学委員会
野町、楢葉町の協力により、学校教育
どまらず、共同生活を通じてコミュニ
連結しながらサポートを行います。
との連携、地元医療機関との連携によ
の面でも、本プログラムの目標である
ケーション、交流、教育、学習、休養
また、指導担当者、舎監、学校、地
り充分な医療体制をとりますが、重篤
「真の国際人として社会をリードする人
を行う場としてとらえ、快適生活、情
域で協力し、充分なケアをするととも
なケースに関しては、個別に対応しま
材の育成」を掲げ、その面を重視した
報化社会への対応などに配慮し建設さ
に、保護者との連絡を密にとり合い、
す。
教育がなされるということが実現しま
れます。
精神面のサポートを行い、ドロップア
(5)舎監、他数名の指導担当者が、夜間
した。
(3)家族が必要な年代に親元を離れるこ
ウトを避け、一人ひとりが前向きにプ
も必ず同宿し、寮生活に関しては責任
とに対するケアを考慮し、定期的な帰
ログラムに取り組んでいけるようにし
を持ちます。
宅、長期休業期間中の帰宅、定期的な
ます。
2006年度より「国際・スポーツ科」
を新設する富岡高校と、双葉地区の4つ
の中学校(広野中学校、楢葉中学校、
富岡第一中学校、富岡第二中学校)が
連携型中高一貫高として連携し、本プ
ログラムの参加者はその学校に通い、
学校生活を送ります。サッカーのプロ
グラムばかりでなく、学校生活・社会
(3)学校以外の教育に関して∼JFAプロ
後に「JFA『人材育成プログラム』推
生活を大いに重視し、また勉強の面で
あくまでも個の育成を目標とします。
グラム
進連絡会議」を設置して検討を開始し
チームを強化することは目的ではありませんが、個の育成の一環として、試合は必要と考え、実施します。
も充分な指導を行います。
真のエリートとして社会をリードし
ました。11月には、「双葉地区教育構想
本プログラムに参加する男子に関し
うる人材を育成するため、JFAプログ
検討協議会」が設置され、富岡町・楢
6年間の長期一貫教育の中で、年代に即した育成を途切れなく徹底して行います。
ては、寮の所在地の中学校である広野
ラムとして、学校のカリキュラムとは
葉町・広野町と福島県および福島県教
中学校に通学し、富岡高校に進学しま
別に、寮生活の中でさまざまなプログ
育委員会各町立中学校、県立富岡高校
男子については、U-14(中1・中2)
、U-16(中3・高1)
、U-18(高2・高3)の3カテゴリーに分かれて
トレーニング活動を行います。 女子は中・高合わせて1チームとし、状況に応じて分れて活動します。
す。女子に関しては、寮の所在地の中
ラムを実施します。
関係者を集め、構想の検討を具体的に
学校である楢葉中学校に通学し、同じ
く富岡高校に進学します。
特に、論理的コミュニケーションス
進めてきました。この段階からJFA、
キルの習得、語学、リーダー教育を重
福島県サッカー協会もこの話し合いに
なお、高校進学時には、福島県立高
視します。また、スポーツ選手として
加わり、実現化へ向けて具体的な案の
校入学者選技試験による選考がありま
のパフォーマンスを高め発揮するため
検討を開始しました。
す。
に送るべき生活態度についても学習し
実践していきます。
↑仙台
(4)地元での社会生活に関して
富岡
県立
富岡高校
楢葉町
6
楢葉
中学校
竜田
Jヴィレッジ
広野
広野町
広野中学校
広野
した。それは、双葉地区の連携型中高
一貫教育、4中学校と県立富岡高校との
通い生活を送るにあたり、サッカーの
中高一貫教育の構想です。そして、そ
仲間ばかりのサッカーの生活のみにす
の中核として、JFAが行うエリートプ
ることは、この年代の子どもたちにあ
ログラムと連携し真の国際人を育成す
るべき姿ではないと考えます。そのよ
る、そして世界に通用するサッカー選
うには決してならないよう、学校はも
手の育成を目指すこととなりました。
ちろん、地元との交流、社会との交流
福島県および富岡町、楢葉町、広野
を重視していきます。地元を交えた活
町は、Jヴィレッジ周辺にサッカー関連
動を積極的に企画・参加します。
施設および宿舎を建設し、JFAはそこ
【 女 子 】
中1・中2
①技術の習得 ②技術の習得
③技術の習得
④個人戦術の徹底
以下の内容を年代、個人のレベル、特徴に合わせて設定
①技術の習得
②個人戦術の徹底
中3・高1
①技術の習得 ②個人戦術の徹底
③グループ戦術
④チーム戦術の中の個人
③グループ戦術
④チーム戦術の中の個人
⑤試合の中での個の発揮
⑥コンペティティブな試合経験
高2・高3
①試合の中での個の発揮
②コンペティティブな試合経験
③トップレベルでの経験 ④世界への挑戦
⑦トップレベルでの経験
⑧世界への挑戦
を活用し、JFAのエリートプログラム
の第2の家族となっていただき、子ども
を展開します。また、福島県教育委員
たちが家庭生活に触れる機会をつくる
会、3町教育委員会と連携し、中学・高
をともにし、経験豊かな舎監と協力し
校のカリキュラム作成にこのエリート
て、ピッチ内・外とも、しっかりとし
ただし、さまざまな理由により適応
たサッカーの指導およびしつけをして
が非常に困難な場合、あるいはけが、
いきます。
病気などの理由によりハイレベルのト
プログラムの内容の部分的導入も検討
福島県との協力体制
<アクセス>
【電車利用】
JR上野駅より
「JR常磐線スーパーひたち」
で、JR広野駅まで約150分。
【自動車】
「常磐自動車道」三郷ICより広野ICまで
約200km。
【 男 子 】
地元の協力を仰ぎ、里親として地元
ことも検討していきます。
↓東京
週末に帰宅し所属元クラブでの試合出場が可能な者に関しては、検討の上、所属元クラブでの活動を継続することも
可能とします。高2、高3で特別指定選手制度の適用が可能な場合には適用し、より高いレベルを経験させます。
双葉地区教育構想検討協議会は、
福島県に転居して、地元の公立校に
いわき市
常磐自動車道
クラブ登録をして、クラブとして活動します。
2005年3月には「双葉地区教育構想基
本方針最終まとめ」として取りまとめま
富岡町
2004年9月に佐藤栄佐久・福島県知
日本代表チームから、オリンピック
寮生活に関して
(1)Jヴィレッジ内に新設される男女それ
した国際人の育成ができないかとの意
ぞれの専用の寮に寄宿します。
ただし、完成が2007年度となるので、
2006年度に関しては、近隣の代替の宿
長期的な教育を基本とします。
学校とも連絡を密にとり、協同で選
レーニングの継続が困難になる場合も
代表監督、ナショナルトレセンコーチ、
手たちの指導、ケアに、万全の体制を
想定されます。その場合も、サッカー
技術委員会委員等が全面的に協力し、
整えて臨みます。
以外にも価値の高い教育プログラムを
指導していきます。
ップの話し合いの中で、サッカーを通
見がまとまり、10月には「JFA『人材
指導体制概要
されています。
事、川淵三郎・JFAキャプテンとのト
育成プログラム』支援庁内連絡会議」、
52
トレーニングコンセプト
2005年4月15日、サッカーによる真の国際人育成支援事業調印式
(佐藤栄佐久・福島県知事と川淵三郎・日本サッカー協会キャプテン)より© Jリーグフォト㈱
各チームには担任として監督が1人ず
つつきます。また、コーチ、GKコーチ、
提供する一方で、個々のケースに応じ
進路の見直しに関して
トレーナーが指導に当たります。
若手コーチは寮にて選手たちと生活
て、選手本人にとって最も良い方法を
本人、家族、学校、指導者との協議に
より検討し、判断します。
原則として、6年間の中高一貫による
53
財団法人日本サッカー協会機関誌
募集インフォメーション
2004JFAエリートプログラム・日韓交流(2004年12月)より© Jリーグフォト㈱
■男 子
募集人員
中学1年生の男子、15名程度
出願資格
①1993年 4月 2日 ∼ 1994年 4月 1日出生(平成18年 3月小学校卒業見込)の男子
②原則として日本国籍である者
③健康である者。健康診断書(詳細は、
「募集要項」参照)により、健康であることが証明された者。
選考方法
選考試験を以下の日程で3回行います。
○1次選考試験:2005年 8月20日(土) 東京/三菱養和会巣鴨グラウンド
2005年 8月21日(日) 福島/Jヴィレッジ
○2次選考試験:2005年 9月23日(金・祝)∼ 25日(日) 福島/Jヴィレッジ
○最終選考試験:2005年11月 3日(木・祝)∼ 6日(日) 福島/Jヴィレッジ
1次の合格者は2次、2次の合格者は最終選考試験を受験する資格を得ます。選考委員が合否を決定します。
出願方法
選考試験 受験料
○期 間: 2005年 5月 9日(月)∼ 7月 1日(金)当日消印有効
○方 法:
「募集要項」にある
【提出書類】
を書留郵便にて下記まで送付してください。その他の提出方法は受け付けません。
【提出先】〒113-8311 東京都文京区サッカー通り JFAハウス 財団法人日本サッカー協会 技術部
★出願を受理後に、受験票を送付します。8月1日(月)
までに受験票が届かない場合は、下記「問い合わせ先」までご連絡ください。
選考試験にかかる経費(実費相当)を受験料としてお支払いください。
○1次選考試験 受験料: 3,000円 ○2次選考試験 受験料:10,000円 ○最終選考試験 受験料:20,000円
★会場までの交通費、前泊・後泊等が必要な場合の宿泊費など、個人的経費に関しては、本人負担とします。
★2次選考試験(2泊3日)
、最終選考試験(3泊4日)の宿泊費・食費については当方にて負担します。
■女 子
募集人員
中学1年生 ∼ 中学3年生の女子、計15名程度
高校1年生の女子:8名程度
出願資格
①1990年 4月 2日 ∼ 1994年 4月 1日出生の女子
②原則として日本国籍である者
③健康である者。健康診断書(詳細、「募集要項」参照)により、健康であることが証明された者。
選考方法
選考試験を以下の日程で3回行います。
○1次選考試験:2005年 8月27日(土)・28日(日) 福島/Jヴィレッジ
○2次選考試験:2005年 9月23日(金・祝)∼ 25日(日) 福島/Jヴィレッジ
○最終選考試験:2005年11月 3日(木・祝)∼ 6日(日) 福島/Jヴィレッジ
1次の合格者は2次、2次の合格者は最終選考試験を受験する資格を得ます。選考委員が合否を決定します。
出願方法
選考試験 受験料
○期 間: 2005年 5月 9日(月)∼ 7月 1日(金)当日消印有効
○方 法:
「募集要項」にある
【提出書類】
を書留郵便にて下記まで送付してください。その他の提出方法は受け付けません。
【提出先】〒113-8311 東京都文京区サッカー通り JFAハウス 財団法人日本サッカー協会 技術部
★出願を受理後に、受験票を送付します。8月1日(月)
までに受験票が届かない場合は、下記「問い合わせ先」までご連絡ください。
選考試験にかかる経費(実費相当)を受験料としてお支払いください。
○1次選考試験 受験料: 3,000円 ○2次選考試験 受験料:10,000円 ○最終選考試験 受験料:20,000円
★会場までの交通費、前泊・後泊等が必要な場合の宿泊費など、個人的経費に関しては、本人負担とします。
★2次選考試験(2泊3日)
、最終選考試験(3泊4日)の宿泊費・食費については当方にて負担します。
「JFAアカデミー福島」
、募集に関する詳
細は、
【募集要項】をご参照ください。
【募集要項】の入手方法は右記参照。
○郵 送:ご自身の住所・氏名を記載し、200円分の切手を貼った返信用封筒(角2:332mm×240mm)を同
封の上、
「JFAアカデミー事務局」宛に郵送(封筒の表面には「男子願書請求」または「女子願書請
求」と明記)⇒送られてきた封筒にて「募集要項」を返送。
【宛先】 〒113-8311 東京都文京区サッカー通り JFAハウス
財団法人日本サッカー協会・技術部「JFAアカデミー事務局」宛
○インターネット:JFA公式ホームーページ(http://www.jfa.or.jp)
からダウンロード。
※日本サッカーミュージアム
(JFAハウス内)1階受付およびJヴィレッジ・フロント、福島県内(詳細は、福島
県企画調整部地域づくり領域エネルギーグループ/TEL.024-521-7116)にて配布もしております。
●本件に関する問い合わせ先
財団法人 日本サッカー協会 技術部
TEL 03-3830-1890(祝祭日を除く月曜∼金曜 10:00∼17:00) FAX 03-3830-1814
年間定期購読
募集中!
「JFA news」は財団法人日本サッカー協会(JFA)が毎月(15日)発行するオフィシャルマガジンです。
日本代表戦・各種競技会といったJFA各種行事・事業の報告や記録など、チーム運営に携われる方、
指導者・審判員など皆さまにとって、日々の活動を行うために貴重な情報が満載されています。
また、皆さまの仲間である各地域で活動するチームなども随時、紹介されています。
JFA newsの詳細については、JFA公式ホームページ(http://www.jfa.or.jp)をご参照ください。
【年間購読料】
【購入申込方法】
1年間(12冊)
:5,000円(送料/税込)
【問い合わせ先】
財団法人日本サッカー協会 広報部
〒113-8311 東京都文京区サッカー通り
(本郷3-10-15)
JFAハウス
TEL:03-3830-2004
(代表)FAX:03-3830-2005
①下記にある「JFA news申込用紙」に必要事項を記入
し、JFA広報部までFAX(03-3830-2005)。
②数日後にJFA広報部より
「払込取扱票」が郵送されます
ので、必要事項(住所・氏名、購読開始希望月など)
を記
入。最寄りの郵便局に持参して、代金(5,000円)払い込
んでください。
財団法人日本サッカー協会 広報部・機関誌「JFA news」係
FAX:03-3830-2005
年間定期購読FAX申込書
フリガナ
お名前
指導者登録番号:C
フリガナ
〒
おところ
【tel】 − − ※上記、
ご記入いただいた項目はJFA newsの年間購読のお申込みおよびご案内以外の目的には使用いたしません。
54
55
55
(2)研修会ポイント
・40ポイント:2日コース指導実践有リフレッシュ研修会、カン
財団法人日本サッカー協会
公認指導者登録制度
「JFA公認指導者登録制度」は、創設から1年が経過、機関誌「テクニカル・ニュース」の創刊・発行、
公式ホームページ「JFAコミュニティ http://www.member.jfa.or」の開設など、
指導者の皆さまの活動に資する情報提供サービスを積極的に行っています。
今回はJFA基本規程(JFA newsなど参照)
・第172条に基づいた同制度の規約についてお知らせします。
ファレンス、指導者海外研修、ナショナルトレセン指導者研修
12 登録抹消手続き
・20ポイント:1日コース指導実践有リフレッシュ研修会、2日コ
登録を抹消する場合には、本人または代理人から書面によって
ース指導、実践無リフレッシュ研修会、S級リフレッシュ研修
申し出るものとする。その際、登録料の返金は一切行わないこと
会
とする。
・10ポイント:1日コース指導実践無リフレッシュ研修会
・ 5ポイント:半日コース指導実践無リフレッシュ研修会
(3)その他のポイント
以下に該当する登録指導者は、自動的に20ポイント加算する。
ただし、以下の複数に該当していても上限自動的に加算されるポ
イントの上限は20ポイントとする。
13 資格の失効
以下の場合、登録が抹消され資格が取り消される。
(1)公認指導者としてふさわしくない行為があったと認められたと
き
・日本サッカー協会が認める47FAインストラクター
(2)登録料を納付しないとき
・日本サッカー協会および都道府県サッカー協会が認めるトレセ
(3)期間内に所定のリフレッシュポイントを獲得できなかったとき
ンスタッフ
(4)本人から書面による申し出があったとき
・日本サッカー協会加盟チームの監督かコーチ
(2)自動引落しにより登録料を納付する際には、別に自動引落し手
1
登録義務
全ての有資格者指導者は、指導者登録を行わなければならない。
2
登録区分
本協会における指導者ライセンス登録区分は以下の通りとする。
(1)S級コーチ
数料として150円を納付する。
(3)A/B/C級コーチは、登録料5,000円の中から500円を本協会よ
り(財)日本体育協会に納付するものとする。
6
登録区分の変更
(上位ライセンス取得時)
登録指導者が、上位ライセンスを取得した場合の手続きについ
(2)A級コーチ[(財)日本体育協会 公認上級コーチ]
て以下の通り定める。
(3)B級コーチ[(財)日本体育協会 公認コーチ]
(1)本協会は、すみやかに上位ライセンスのライセンス認定証を発
(4)C級コーチ[(財)日本体育協会 公認指導員]
(5)D級コーチ
行する。
(2)前ライセンスの登録有効期間中は、上位ライセンスの指導者登
10
海外居住者
(1)海外に居住する場合でも登録を義務付けられるものとする。
14 その他
(1)既存の有資格者の登録手続き期限
2004年3月31日までに本協会公認指導者ライセンスを取得した
(2)リフレッシュポイントの獲得義務はこれを免除する。
指導者の登録手続きの締め切りは、2006年9月30日までとする。
(3)テクニカル・ニュースの海外送付は行わず、国内の指定場所に
それ以降は、やむを得ない事情がある場合を除き、登録するため
送付する。
には再度指導者ライセンスを取得しなければ登録できないものと
する。
11 海外ライセンス取得者
(1)日本以外の国で指導者ライセンスを取得した者が、指導者登録
を希望する場合、これを認めるものとする。
(2)登録費は5,000円/年間とする。
(3)リフレッシュ研修会を受講することにより、4年間で40ポイン
ト獲得しなければならない。
(2)旧公認準指導員から公認C級コーチへの移行手続き
2004年3月31日時点の本協会公認準指導員は、公認C級コーチに
移行するために2005年3月31日までに指定のレポートを提出し、
受理されなければならない。
期日までに指定のレポートが受理されない場合、ペナルティと
して登録してから最初の4年間に限り取得すべきリフレッシュポイ
ントを40ポイントに20ポイント追加し、60ポイントとする。
録料を追加納付せず、翌年の指導者登録料から上位ライセンス
3
登録有効期間
(1)登録有効期間は、登録手続き終了後から1年間とする。
(2)登録有効期間中に上位ライセンスを取得した場合も、有効期間
は前ライセンスの登録有効期間までとする。
(3)登録有効期間の終了する2ヶ月前(例:登録期間が、∼4月30日
までの場合、2月末日まで)に本人から書面による申し出がない
限り、自動的に更新することとする。
の登録料を納付する。
7
登録指導者の権利
登録指導者は以下の権利を有する。
(1)機関誌「テクニカル・ニュース」購読(2ヶ月毎、原則奇数月の
20日予定)
(2)指導者専用サイト「JFAコミュニティ」の利用
(3)コーチ・スクエアの利用
4
登録料
登録料は以下の通りとする。
(1)S級コーチ:10,000円/年間
(4)リフレッシュ研修会の受講(ただし、D級コーチを除く)
8
リフレッシュ研修会
(2)A級コーチ: 5,000円/年間
登録指導者(D級コーチを除く)は、リフレッシュ研修会を受講す
(3)B級コーチ: 5,000円/年間
ることによって、指導者としてのレベルアップに務めなければな
(4)C級コーチ: 5,000円/年間
らない。また、一定期間内に所定のリフレッシュポイントを獲得
(5)D級コーチ: 3,000円/年間
しなければならない。
5
登録料納付方法
(1)登録指導者本人が指定した金融機関から、本協会の定めた時期
9
リフレッシュポイント
(1)必要ポイント
に所定の登録料を自動引落しすることによって指導者登録料を
・S級コーチ:40ポイント/2年間
納付する。但し、新規に指導者ライセンスを取得した場合、初
・A級コーチ:40ポイント/4年間
年度の登録料に限り主管者を通じて本協会に納付することとす
・B級コーチ:40ポイント/4年間
る。
・C級コーチ:40ポイント/4年間
56
公認指導者登録制度について、良くあるご質問
③『Kick Off』画面の『指導者』をクリックすると、画面下に『パスワー
[Q]住所変更はどうやってするの?
ドを忘れた方はこちら』が出てきます。
[A]指導者ご自身に行っていただきます。手順は以下の通りです。
▼
①日本サッカー協会オフィシャルホームページ http://www.jfa.or.jpに
④画面下に『パスワードを忘れた方はこちら』をクリックし、必要事項
アクセスする。
を入力し、パスワードを再発行してください。
▼
▼
②トップページ左側の『Web登録はこちら』をクリックすると、
『Kick
⑤そこでも再発行できない場合は、初回パスワードを再発行いたします
Off』画面が出てきます。
ので、
「パスワード再発行」画面の下にある <「秘密の質問」や「秘
▼
密の答え」を忘れた、メールアドレスを変更した等で、パスワードの
③『Kick Off』画面の『指導者』をクリックし、ご自身の『指導者登録番
再発行が出来ない方はこちら> をクリックしてください。
号』と『パスワード』を入力するとログインできます。
▼
▼
④ログインすると、指導者ご自身の「指導者トップページ」画面がでて ⑤「登録指導者用サイト パスワード再送付申請」に必要事項をご記入
の上、FAXにて申請してください。
きますので、画面左側の『基本情報』をクリックしていただくと、ご
自身の情報が出てきます。
[Q]リフレッシュポイントは付いてるのか・・・
▼
[A]2004年度に受講したリフレッシュ研修会のポイントは、2005
⑤ご自身の新しい住所を入力する。
年5月現在、システム構築中のため、加算されておりませんが、
2005年6月頃には加算できるよう進めております。もうしばら
[Q]パスワードを忘れてしまったのですが・・・(もしくは初回パス
くお待ちいただきますようお願い申し上げます。
ワードをなくしてしまった)
[A]Web画面でご自身に確認していただきます。手順は以下の通りで ①加盟登録チームの監督・コーチをしている場合のポイント化は、登録
指導者の皆様がご本人の「基本情報」に指導している加盟登録チーム
す。
の登録番号を入力することでポイント換算することを予定しています。
①日本サッカー協会オフィシャルホームページ http://www.jfa.or.jpに
②インストラクターをしている場合のポイント化は、JFAにて名簿がご
アクセスする。
ざいますので、JFAにてポイント換算することを予定しています。
▼
②トップページ左側の『Web登録はこちら』をクリックすると、
『Kick ③トレセン指導スタッフをしている場合のポイント化は、47都道府県サ
ッカー協会より名簿をご提出いただき、JFAにてポイント換算するこ
Off』画面が出てきます。
とを予定しています。
▼
57
緊急告知∼参加募集!
!
JFA公認指導者海外研修2005∼
FIFAワールドユース選手権&
FIFAコンフェデレーションズカップ
■参加申込方法 ※以下の申込書に必要事項をご記入の上、5月30日までにJFA技術部までFAXにて送信してください。
FAX送信先 03-3830-1814
JFA技術部 関口・堤 行き
JFA公認指導者海外研修2005
本紙をもって、
「JFA公認指導者海外研修2005∼FIFAワールドユース選手権&FIFAコンフェデレーションズカップ」への受講を正式に申
し込みいたします。
フリガナ
お名前
2005年6月にオランダで開催されるFIFA
ワールドユース選手権大会オランダ2005
FIFAワールドユース
選手権大会2005
オランダ
オランダ
ドイツ
性 別
級
(C
)
指導チーム FIFAコンフェデレーションズカップの視察
自宅電話
JFAオフィシャルホームページやJFAコミ
2005
生年月日
住 所 〒 修会を開催いたします。
①ユトレヒト
②エメン
ライセンス
(指導者登録番号)
および、ドイツで開催される
を兼ねた、公認指導者を対象とした海外研
参加申込書
携帯電話
日中の連絡先
都道府県サッカー協会との関わり
(トレセン・インストラクター等)
※Fax送信後、念の為、届いているかどうかの確認の電話を入れてください(技術部 03-3830-1810)
ュニティ
(指導者専用サイト)ですでにご存知
の方もいるかもしれませんが、
■日程表
5月上旬の本号原稿締切時点で受講者が定
日程
員に満たしておりません。
受講申し込み締切を5月30日まで延期いた
しましたので、ご興味ある方は是非ご参加く
1
ださい。
6月12日
(日)
都市
成田/フランクフルト
シッタード
シッタード
●充実の研修内容
2
①FIFAワールドユース選手権大会の4試合を視察!!各大陸のU-20代表チームの実力を生で!!
6月13日
(月)
ケルクラーデ
(エジプトvsアルゼンチン・アメリカvsドイツ・日本vsベナン・オーストラリアvsオランダ)
②FIFAコンフェデレーションズカップ、日本対メキシコを視察!!
シッタード
③U-20日本代表のトレーニングを視察。大熊清監督からも直接レクチャーを受ける予定!!
⑤JFA指導者養成責任者/S級インストラクターの山口隆文氏が帯同します!!
3
6月14日
(火)
⑥リフレッシュポイントが40ポイント付きます!!4年分獲得!!
エンスヘデ
シッタード
シッタード
■開催要項
目的
FIFAワールドユースとFIFAコンフェデレーションズカップを
視察することによって、日本と世界の差を分析する。
JFAナショナルトレセンコーチのレクチャー・指導実践を通じ
て、指導者としてのレベルアップを図る。
主催
財団法人日本サッカー協会
参加資格
日本サッカー協会公認 S級・A級・B級・C級・D級コーチ 日程
2005年6月12日(日)∼ 18日(土)/5泊7日
場所
指導
参加人数
お問合せ先/
参加申込書
送付先
58
※リフレッシュポイント=40ポイント
参加費
オランダ(シッタード、ケルクラーデ・エンスヘデ)
、ドイツ
(ハノーバー)
JFAナショナルトレセンコーチ 山口隆文(予定)
定員28名(最少催行人員22名)
※定員を越えた場合はJFAにて選定いたします。
(地域・都
道府県等のトレセンにおいて中心的に活動されている方、ラ
イセンス上位の方を優先させていただく場合がございます)
〒113-8311 東京都文京区サッカー通り JFAハウス 財団法人日本サッカー協会 技術部(関口・堤)
TEL 03-3830-1810
FAX 03-3830-1814
参加申込
280,000円
参加が決定された方には、振込期日(2005年6月上旬予定)・
振込先をお知らせします。
【料金に含まれるもの】
①航空運賃(成田⇒フランクフルト、ハノーバー⇒ミュンヘ
ン、ミュンヘン⇒成田 エコノミークラス)
、②宿泊費(現地5
泊分/2名1部屋利用)
、③食事(6月12日 夕食 ∼ 6月17日朝食
[但し、14・15日夕と16日昼を除く]
)
、④現地交通費(日程表
記載の団体行動中における専用バス代、空港∼ホテル、ホテ
ル∼会場)
、⑤研修に関わる経費(会場利用料、試合観戦入場
券など)
【料金に含まれないもの】
以下の費用は参加費に含まれませんので、ご注意ください。
①日本国内移動費(出発前泊・到着後泊等、日本国内宿泊費)
、
②海外旅行傷害保険料、③超過手荷物運搬料金(航空会社の
規程を超える分について)
、④ホテルでの個人利用(クリーニ
ング代、電話代、飲食代など)
、⑤その他(旅券印刷代、証紙
代、査証代及び予防接種等の費用など)
右記、参加申込書に必要事項をご記入のうえ、5月30日(月)までにJFA
までにFAXか郵便でお送りください。開催までの日数があまりないため、
参加申込書提出後のキャンセル(費用の返金)は一切認められません。
参加決定の可否は、6月2日(木)までに郵送にてお知らせいたします。
FAXの場合は、念のため届いているかお電話にてご確認ください。
4
6月15日
(水)
ケルクラーデ
ハノーバー
スケジュール
7:45 成田空港第2ターミナル集合
14:25 フランクフルト着。
18:30着 着後、ホテルチェックイン
19:30 夕食/ガイダンス
9:45 空路[LH711]、
フランクフルトへ。
15:30 バスにてシッタードへ。
20:30
食事:夕【シッタード泊】
7:30 朝食
9:00 レクチャー:U-20日本代表チームコンセプト
10:30 実技:戦術TR
12:30 昼食
14:00 トレーニング視察:U-20日本代表トレーニング視察
17:00 ゲーム:受講者による
19:30 夕食
20:30 レクチャー:ゲーム分析 食事:朝・昼・夕【シッタード泊】
7:30 朝食
9:00 グループワーク:プランニング
10:30 指導実践:受講者による 12:00 昼食
13:00 指導実践:受講者による 15:00 バスにてエンスヘデへ
17:30 FIFAワールドユース選手権 ! エジプトvsアルゼンチン" アメリカvsドイツ
※夕食は各自
22:00 バスにてシッタードへ 食事:朝・昼【シッタード泊】
7:30 朝食
10:00 グループワーク:分析+プランニング
12:00 昼食
13:30 指導実践:受講者による
16:00 バスにてケルクラーデへ
17:30 FIFAワールドユース選手権! 日本vsベナン" オーストラリアvsオランダ
※夕食は各自
22:00 バスにてシッタードへ 食事:朝・昼【シッタード泊】
7:30 朝食
10:00 バスにてハノーバーへ
12:00 途中昼食
15:00 着後 ホテルチェックイン
16:00 バスにてスタジアムへ
18:00 FIFAコンフェデレーションズカップ 日本vsメキシコ
20:00 バスにてホテルへ
21:00 夕食
食事:朝・夕【ハノーバー泊】
5
6月16日
(木)
6
6月17日
(金)
ハノーバー
7:30 朝食
10:00 出発:バスにてハノーバー空港へ
12:50 空路[LH1027]、
ミュンヘンへ
13:55 空路[LH714]、成田へ
食事:朝【機中泊】
7
6月18日
(土)
成田
10:00着 成田着、着後解散
○利用予定ホテル:調整中/ツイン対応
○時間・内容は予定であり、事情により変更する場合がございます。予めご了承ください。
※FIFAワールドユース選手権およびFIFAコンフェデレーションズカップに関する情報は、FIFA公式ホームページなど(http://www.fifa.com)をご参照ください。
59
JFA技術委員会監修および
関連発行物のご案内
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アテネオリンピックサッカー競技
総集編 JFAテクニカルレポート
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を、JFAナショナルトレセンコーチを中心
としたJFAテクニカルスタディグループが
分析したレポートとDVDのセットです。一
般販売よりも500円安いJFA特別価格での
販売です。
申込方法
1 記入
2
専用申込書(下記)
に記入
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2004NTC U-16で行われたトレーニングを
テーマ・キーファクターに基づき編集した
ビデオとプログラムです。
U-12/14/16指導指針、JFAキッズ(U-6/8/10)指導ガイドラ
イン、ナショナルトレセンU-12/14/16、フィジカル測定ガイド
ライン、AFCアジアカップテクニカルレポート、アテネオリンピ
ックJFAテクニカルレポートは、送料のみ着払いとなります。
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FIFAワールドユース選手権
UAE2003
JFAテクニカルレポート/ビデオ
品名
購入対象者
JFA公認指導者
資格保有者のみ
FIFAワールドユース選手権 UAE2003を
JFAナショナルトレセンコーチを中心とし
たJFAテクニカルスタディグループが分析
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報告書/CD-ROM+DVD
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FIFAコンフェデレーションズカップ
フランス2003
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価格
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本書・ビデオは、2002年4月より地域C級・公認準指導員・公認少年少女サッカー指導員の
各養成講習会の教材として使用されています。
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2003年1月に開催された「第3回フットボールカンファレンス/Post2002∼我々がすべきこと
∼」の内容をまとめた、報告書とCD-ROM/DVDです。
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2002FIFAワールドカップをJFA技術委員会およびJFAナショナルコーチングスタッフを中心
としたJFAテクニカルスタディグループが分析したレポートとビデオです。
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JFA公認指導者
資格保有者・
JFA加盟登録
チームのみ
FIFAコンフェデレーションズカップ フランス2003をJFAナショナルトレセンコーチを中心
としたJFAテクニカルスタディグループが分析したレポートとビデオです。
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3,960(税、送料込み)
FIFA U-17世界選手権フィンランド
2003
JFAテクニカルレポート/ビデオ
FIFA U-17世界選手権 フィンランド2003をJFAナショナルトレセンコーチを中心としたJFA
テクニカルスタディグループが分析したレポートとビデオです。
(※1)
AFCアジアカップ-中国2004
JFAテクニカルレポート
630(税込み、送料別)
AFCアジアカップ・中国2004をJFAナショナルトレセンコーチを中心としたJFAテクニカル
スタディグループが分析したレポートです。
2004ナショナルトレセン
u-12プログラム
2,520(税込み、送料別)
2004NTC U-12で行われたトレーニングをテーマ・キーファクターに基づき編集したビデオ
とプログラムです。
JFA 2004U-12指導指針
JFAキッズ(U-10)指導ガイドライン
JFAキッズ(U-8)指導ガイドライン
サッカーの長期的な育成の過程において、とくにU-12・14・16年代で取り組むべき課題や
指導についてアプローチしたガイドラインです。この年代の子どもたちの発達概観や子ども
たちへの接し方、また、日本の課題と指導のコンセプトなどが詳細に掲載してあります。
どなたでも
購入できます
(複数購入
できます)
1,050(税込み、送料別)
6歳以下、8歳以下および10歳以下の子どもたちの発育発達の沿ったスポーツ・サッカーを
テーマとした子どもたちへの接し方、指導などについてのガイドラインです。
日本全体で同じ基準をもってフィジカルフィットネスの課題に取り組むため、日本代表が実
施しているフィジカル測定種目を紹介し、フィールドで測定できる推奨種目を提示したガイ
ドラインです。
※1:FIFA(フィファ/国際サッカー連盟)の映像使用規定(ビデオ化権)により、JFA加盟登録チームおよびJFA公認指導者資格保有者のみ販売が許可されており、一般の方へ
の販売は許可されていません。
制作物の内容、購入方法などでの問い合わせ先は右記まで!(財)日本サッカー協会技術部 TEL:03-3830-1810
60
※配達日時の指定は
できません。
年 月 日
2003ナショナルトレセンU-12
□サッカー指導教本・ビデオ2002年度版(FP/GK)
□2002FIFA World Cup JFAテクニカルレポート/ビデオ
□FIFAコンフェデレーションズカップ2003 JFAテクニカルレポート/ビデオ
□FIFAワールドユース選手権2003 JFAテクニカルレポート/ビデオ
□FIFAU-17世界選手権2003 JFAテクニカルレポート/ビデオ
□第3回フットボールカンファレンス報告書/CD-ROM+DVD
□AFCアジアカップ-中国2004 JFAテクニカルレポート
□アテネオリンピック・JFAテクニカルレポート
□JFAフィジカル測定ガイドライン
□2004ナショナルトレセンU-16
□2004ナショナルトレセンU-14
□2004ナショナルトレセンU-12
□JFAキッズ(U-10)指導ガイドライン
□JFAキッズ(U-8)指導ガイドライン
□JFAキッズ(U-6)指導ガイドライン
□JFA 2004 U-16指導指針
□JFA 2004 U-14指導指針
□JFA 2004 U-12指導指針
7,950円
5,850円
3,960円
3,960円
3,960円
8,400円
630円×(
4,410円×(
1,050円×(
2,520円×(
2,520円×(
2,520円×(
1,050円×(
1,050円×(
1,050円×(
1,050円×(
1,050円×(
1,050円×(
★「JFA 2004 U-12/14/16指導指針」
、
「JFAキッズ(U-6/8/10)指導ガイドライン」および「ナ
ショナルトレセンU-12/14/16」
、
「フィジカル測定ガイドライン」
、
「AFCアジアカップテクニカ
ルレポート」
「アテネオリンピック・JFAテクニカルレポート」は送料着払いとなりますので、
各自商品到着時に送料の支払いをお願いします。
合計金額
2003ナショナルトレセンU-14
2003ナショナルトレセンU-16
は販売を終了しました。
冊)= 円
セット)= 円
冊)= 円
セット)= 円
セット)= 円
セット)= 円
冊)= 円
冊)= 円
冊)= 円
冊)= 円
冊)= 円
冊)= 円
円
フリガナ
申込者氏名
印
★申込者以外の方への発送はできません
住所 〒
電話番号 (
)
★日中の連絡先または携帯電話番号 (
)
※領収証の発行はいたしません。払込取扱票の払込受領証が領収証となりますので、大切に保管してください。
※払込取扱票の「通信欄」には、商品名・数量・金額を明記してください。
JFAキッズ(U-6)指導ガイドライン
JFAフィジカル測定ガイドライン
1∼3の手続き終了後、10日前後
でお申込ご本人様に、宅配便に
てお届けします。
申込者住所
JFA 2004 U-16指導指針
JFA 2004 U-14指導指針
申込月日:20
※希望される商品へのマーク
(4)
を入れてください。
商品
および
代金
サッカー指導教本・ビデオ
2002年度版(FP編+GK編)
10日前後で
お届け
郵便局にある【払込取扱票】に
口座番号・金額・申し込み内容
を記入
[口座番号]欄:00100-4-25480
[加入者名]欄:財団法人 日本
サッカー協会技術口
[金額]欄:合計金額を記入
[ご依頼人]欄:必ず申込用紙
の「申込者」と同じ住所・名前
を記入
[通信]欄:商品名・数量・金
額を明記
※記入漏れがありますと商品を発送できない場合がありますので必ずすべてご記入ください
¥3,960(税、送料込み)
2004NTC U-14で行われたトレーニングを
テーマ・キーファクターに基づき編集し
たビデオとプログラムです。
発送
JFA技術委員会監修および関連発行物専用申込書
JFA公認指導者資格保有者・JFA加盟登録チームのみ購入可能
¥2,520(税込み、送料別)
4
払込み
郵便振替にて
〒160-0011
東京都新宿区若葉1-10-11
若葉110ビル2A
エルグランツ(株)商品購入係
FAX:03-5919-3045
FAXの場合、文字が読みとりに
くくなります。大きくはっきり
とご記入ください。
NEW
2004ナショナルトレセン
U-14プログラム/ビデオ
FAXまたは
郵便にて送付
記入した専用申込書は商品が到
着するまで保管願います。
2004ナショナルトレセン
U-16プログラム/ビデオ
3
送付
「サッカー指導教本・ビデオ2002年度版(FP編、GK編)
」をお求めの方は下記①を必ずご記入ください。
「各種JFAテクニカルレポート/ビデオ」
「第3回フットボールカンファレンス報告書」をお求めの方は、必ず下記①または②をご記入ください。
①JFA公認指導者資格保有者の方
保有資格
□公認S級コーチ
□公認A級コーチ
□公認B級コーチ
□公認C級コーチ
□公認D級コーチ
②加盟登録チーム代表者の方
チーム名および
チーム登録番号
チーム名:
チーム登録番号:
61
A MEETING PLACE FOR READERS AND JFA
基本情報の確認
リフレッシュポイントについて
2004年度に受講したリフレッシュ研修会のポイントは、
ご自身の基本情報を確認しましょう!
2005年3月現在システム構築中のため、加算されておりません。
http://www.jfa.jp にアクセスいただき、公認指導者ライセンス
2005年6月ごろには加算されているよう進めております。もう
認定証(カード)の裏に記載されている指導者ご自身の指導者登
しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。
録番号(C+9桁の数字)と、公認指導者ライセンス認定証(カー
名簿がございますので、JFAにてポイント換算することを予定し
ています。
−③トレセン指導スタッフをしている場合のポイント化は、年度
末に47都道府県サッカー協会より名簿をご提出いただき、JFAに
てポイント換算することを予定しています。
ド)が貼り付いていた台紙に記載されている初回パスワード(ロ
−①加盟登録チームの監督・コーチをしている場合のポイント化
グインした方は変更済の自分のパスワード)でログインし、ご自
は、登録指導者の皆様がご本人の「基本情報」に指導している加
身の基本情報(名前・住所・電話番号など)をご確認ください。
盟登録チームの登録番号を入力することでポイント換算すること
を予定しています。
□利用方法:
「基本情報」の修正・追加
−②インストラクターをしている場合のポイント化は、JFAにて
【http://www.jfa.jp】にアクセス
【注意!】上記①②③の全ての活動をしていても、1つの活動しかしていなくて
も、また1年間だけでも4年間やっていても、ポイント換算されるの
はポイント獲得期限の4年間の中で、20ポイントだけです。加盟チー
ムの監督を4年間やったからといって80ポイントになるわけではあり
ません。その意味においては、必ずリフレッシュ研修会を受けなく
てはなりません。
2005年度リフレッシュ研修会
左下『指導者』をクリック
登録番号+パスワードを入力
2004年度は公認A/B/C級コーチ向けリフレッシュ研修会を
レセンコーチが講師を務め9地域で開催、
「公認C級コーチ・リフ
各都道府県サッカー協会単位で実施していただいておりました。
レッシュ研修会」は47FAチーフインストラクターが講師を務め、
2005年度は「公認A/B級コーチ向け」と「公認C級コーチ向け
47都道府県で開催することになりました。
のリフレッシュ研修会」を分けて開催することになりました。
各開催日程などは、47都道府県サッカー協会にお問い合わせく
「指導者トップページ」
、左上部『基本情報』をクリック
「公認A/B級コーチ・リフレッシュ研修会」はJFAナショナルト
ださい。
必要事項などを修正・追加入力!
JFAコミュニティ http://member.jfa.jp
皆さんの活動に有益な情報が満載!
画面(右)の*印のついているものは入力必須項目です。変更や漏れがある場
合は、必ず修正、追加入力をしてください。とくに「所属」欄は主に活動して
いる都道府県サッカー協会を選択していただきます。この所属都道府県サッカ
ー協会からリフレッシュ研修会の案内が発送されます。
この基本情報は日本サッカー協会や都道府県サッカー協会では変更できませ
ん。必ず指導者ご自身で入力してください。
ただし、指導者ご自身がWebにアクセスできる環境にない場合は、ご本人が
了解のもと、身内の方やお知り合いを通じて入力していただいても結構です。
以下のコンテンツを用意しています。是非、アクセスしてくだ
さい。
■JFAからのお知らせ
JFA主催する研修会・講習会などの情報など、JFAから指導者
■OTHERS
JFA主催事業以外の情報を掲載していく予定です。スタート時
には、
「田嶋技術委員長のあいさつ」
「UEFAユースセミナーの報告」
の皆様にお知らせしたい内容が掲載されています。
が掲載されています。
■テクニカル・ニュース
■指導者掲示板
今まで発刊されている機関誌「テクニカル・ニュース」のバッ
指導者登録更新について
ています。
(一部ダイジェスト版あり)
クナンバーがすべて掲載されています。
指導者⇔指導者、JFA⇔指導者のコミュニケーションツールと
なる掲示板です。皆様の交流の場として活用していただけます。
■各種イベント報告
公認指導者ライセンス認定証に記載されている登録期間が
ご準備の程、よろしくお願い申し上げます。
「2004年7月1日∼2005年6月30日」と記載されている方は、
2005年5月27日(金)に2年目の登録費の口座引き落しが行わ
れます。
わせてご覧いただけます。
また、上記以外の登録期間の方がたの登録費口座引落し予定は
下表になっています。
初年度(2004年度)
の登録期間
2年目登録費引落し日(予備日)
2004年5月1日∼2005年4月30日
2004年7月1日∼2005年6月30日
2004年9月1日∼2005年8月31日
2004年11月1日∼2005年10月30日
2005年1月1日∼2005年12月31日
2005年3月1日∼2006年2月28日
2005年3月28日(4月27日)
2005年5月27日(6月27日)
2005年7月27日(8月29日)
2005年9月27日(10月27日)
2005年11月28日(12月27日)
2006年1月27日(2月27日)
※現状、皆様からJFAに対して頂戴しておりますご意見やご質問に、すぐ返信
できる体制になっていないことをお詫び申し上げます。体制が構築できるま
では、ある程度まとまった時点で、お答えする予定でございます。
■テクニカルレポート
海外の大会や国内の主要大会のテクニカルレポートが掲載され
公認指導者ライセンス認定証の送付予定
【テクニカル・ニュースに同封】
2005年5月20日
2005年7月20日
2005年9月20日
2005年11月20日
2006年1月20日
2006年3月20日
※「公認指導者ライセンス認定証」
「テクニカル・ニュース」の発送は、郵便事情などにより、若干遅れることがあります。あらかじめ、ご了承ください。
62
JFA主催した各種イベントを、文字情報だけでなく、動画とあ
本誌に関する各種の問い合わせは、下記までお願いいたします。
【問い合わせ先】 〒113-8311 東京都文京区サッカー通り(本郷3-10-15) JFAハウス (財)日本サッカー協会・技術部
TEL 03-3830-1810/FAX 03-3830-1814(月∼金/9:30∼18:00 土日祝日休業)
63
書籍紹介
コミュニケーションスキルに関する参考文献を紹介!
本誌Vol.5掲載の「コミュニケーションスキル∼論理的に考え
③イラスト版ロジカルコミュニケーション(合同出版/三森ゆ
る力を引き出す」の記事に対して、多くのお問い合わせをいた
りか著/本体価格1600円+税)
だきましたので、あらためて参考図書をご紹介いたします。
④徹底つみ上げ式・子どものための論理トレーニング・プリン
ト(PHP出版/三森ゆりか著/本体価格1400円+税)
①論理的に考える力を引き出す(一声社/三森ゆりか著/本体
⑤外国語を身につけるための日本語レッスン(白水社/三森ゆ
価格1500円+税)
りか著/本体価格1500円+税)
②絵本で育てる情報分析力(一声社/三森ゆりか著/本体価格
2200円+税)
※上記については、各出版社にお問い合わせください。
○一声社:tel 03-3812-0281 [http://www.isseisha.net]
○PHP出版:tel 03-3239-6233/075-681-8818 [http://www.php.co.jp]
○白水社:tel 03-3291-7811 [http://www.hakusuisha.co.jp]
Best Regards, from JFA
2004ナショナルトレセンU-14は、Jヴィレッジ(福島
同居している高齢の母が部屋の中で転び、立てなくなったと
県)と大津町運動公園(熊本県)に分かれての開催となりま
いう知らせでした。運悪く、その日は妻が語学研修の生徒を
した。東西に分かれて開催するのは今回が初めてで、戸惑う
引率し、カナダへ旅立つ日でした。私自身も帰るわけにはい
ことばかりでしたが、地元地域協会事務局の方々や各都道府
かず、途方にくれました。このときばかりは、車で1.5時間
県から派遣されたコーチの方々のご協力のおかげで、大変実
のところに住んでいる弟夫婦と、今年就職したばかりの息子、
りのあるトレセンになりました。誌面を借りて、厚くお礼申
大学生の娘に頼るしかありませんでした。私にとっては、い
し上げます。
つまでたっても子どもは子ども、あの子たちに任せて大丈夫
私がU-14ワーキンググループのチーフになったのは、
かなと心配でした。しかし、環境が人を変えるのでしょうか、
2004年末のことでした。須藤茂光ナショナルトレセンチー
いつも妻に甘えてばかりいた子どもたちが、この度は母の介
フコーチから突然の依頼があり、やるしかないと思って引き
護に大活躍してくれました。こうして、家族みんなの協力の
受けたのです。振り返ってみれば、1月に千葉県で行われた
おかげで、母は寝たきりを免れ、現在、歩行訓練ができるま
「第4回フットボールカンファレンス」のとき、ホテルの部
でに回復しました。これまた感謝です。
屋にホワイトボードを持ち込み、ワーキンググループのメン
この3月は半分以上、自宅を離れてナショナルトレセンコ
バーと夜遅くまでディスカッションをしたことや、足達勇
ーチとしての仕事をしていました。これは身近な人たちの理
輔・前ワーキングチーフ(現横浜FC監督)から引き継ぎを
解や協力がなくては、とてもできないことだと思います。こ
したことを、まるで昨日のことのように思い出します。
の文章を読んでいる皆さんの中にも、私と同じ境遇の方々が
2月には御殿場でシミュレーションを行いました。準備期
大勢おられるのではないでしょうか。普段は照れくさくて、
間が短かったにもかかわらず、なんとか形が出来上がったの
なかなか感謝の気持ちを伝えることができないものですが、
は、参加していたナショナルトレセンコーチや、ワーキング
時には勇気を出して、伝えてみてはどうでしょうか(実は、
グループのコーチたちが、次々とすばらしい意見やアイデア
私自身に言い聞かせているのです)
。
を出してくれたおかげです。仲間にはただ感謝するばかりで
す。
今日は本当に久しぶりに、妻と映画を見に行きました。
"Shall we サッカー?"
さて、3月のナショナルトレセンU-14本番になりました。
Jヴィレッジでの開催初日の朝、妻から電話がありました。
64
眞藤邦彦(ナショナルトレセンコーチ/サンフレッチェ広島)
テクニカル・ニュース Vol.7
○発行人:田嶋幸三
○編集人:財団法人日本サッカー協会技術委員会・テクニカルハウス
○監 修:財団法人日本サッカー協会技術委員会
○発行所:財団法人日本サッカー協会 〒113-8311 東京都文京区サッカー通り(本郷3-10-15)JFAハウス 電話 03-3830-2004(代表)
○発行日:2005年5月21日