セブ ゴミ山に住む家族を守るために活動するヤコノ神父を訪ねました セブ

セブ ゴミ山に住む家族を守るために活動するヤコノ神父を訪ねました
セブの貧困問題に取り組む教会と神父の活動に参加させていただいたレポートです。
場所:セブ島タリサイ地域のゴミ集積所周辺
対象:スカベンジャー
内容:生活支援と子供たちへの教育
セブのゴミ山はセブ市内のゴミの集積所のことです。スカベンジャーは、ゴミ集積所のゴ
ミをあさり、金属などのお金になるものを分別し業者に売ることで生計を立てる人たちの
ことです。1 日の収入は 200 円程度にしかなりません。当然家族は貧困にあえいでいます。
ゴミ山はよく見ると、金属や、ビニール、プラスチックなど、一応分別されています。
ひどいにおいと暑さの中で、スカベンジャーはずっとゴミのなかから換金できるものをさ
がしています。
ゴミ山周辺で暮らすスカベンジャーの子供
イタリヤ人のヤコノ神父がフィリピンに赴任してから
もう 30 年の年月が経ちました。
ここに住むスカベンジャーと呼ばれる貧困層の家族を
支援する活動を続けています。
ヤコノ神父はこの場所に保育園を作りました。スカベ
ンジャーの家庭の子供たちに教育と夢を与える活動を
続けています。現在およそ 170 人の子供たちがこの保
育園に毎日通っています。
子供たちの制服や文具、おやつなどもすべて神父の教
会が用意しています。保育料も何もかもすべて無料で
提供しています。
訪問したときに子供たちがウエルカムセレモニーを披露してくれました。
セレモニーのあと、子供たちがよってきて一人ずつ挨拶してくれます(右)
スカベンジャーが働くゴミ山です。
ヤコノ神父がスカベンジャーの人たちへの食料支援のためにゴミ山に到着したとたん、
ものすごい勢いでみんながバンに駆け寄ってきました。
米の配給を CEC 現地コーディネーターと一緒に手伝いました。あっというまに配給分が無
くなりました。
配給のコメを持って帰る若者。配給量は限られており、全員に渡せるものではありません、
みんなはそれを知っているから、われ先にと、車に駆け寄ってくるのです。
ヤコノ神父のもう一つのプロジェクトはゴミ山から車で 5 分程度離れた場所に 3.5 ヘクター
ルの土地にスカベンジャーの人たちが安全に暮らせるコミュニティを作るものです。
広大な土地にはマンゴの木が茂り、家の建設も続いています。すでにこの 5 年間の間に 60
家庭の人たちがこのコミュニティに移り住んでいます。
この家はおよそ 20 平米の 2 階建ての家で、1 ヶ月およそ 2400 円の家賃の支払いを 10 年間
続けることにより、自分のものとなります。ここで安定した生活をおこないながら、スカ
ベンジャーからの脱却に努力しているのです。
ヤコノ神父の教会が建設をすすめるコミュニティ
3.5 ヘクタールの土地をおよそ 8000 万円で購入したそうです。
美味しいマンゴが年間 3000 トン収穫できます。 スカベンジャーの新しい家
最終的に 350 家庭が暮らせるコミュニティを完成する予定です。一つの家の大きさは 20 平
米の広さだそうです。2 階建てで、一階がキッチンと居間、2 階が寝室になっています。ゴ
ミ山周辺で暮らしていた時との生活環境は天地の差があります。
トライスクル(上の写真の三輪車のタクシー)のドライバーなどの仕事をしながら家賃を
支払い、家族を養っています。
ヤコノ神父はイタリア人です。今年 70 歳、ユーモアがあり、冗談を言って人をなごまして
くれます。
ヤコノ神父と CEC 現地コーディネーター 保育園での歓迎会で
CEC はゴミ山での生活を余儀なくされたスカベンジャーの人たちの子供たちへの支援活動
のためにヤコノ神父をサポートしていきたいと考えています。
CEC のプログラムで参加されるみなさんにも、このような活動をしている方がいることを
知っていただきたいと思います。もし機会があれば、ゴミ山やその保育園にお連れし、子
供たちとの交流を行う活動をオプショナルプランとして提供します。