LCJE日本支部NL第178号

ニュース
ローザンヌ・ユダヤ人伝道協議会 日本支部発行
178
2014.8
一部 ¥
2014.8.01発行
〒541-0041 大阪市中央区北浜2-3-10 VIP関西センター3F
TEL. 090-6247-2980 FAX. 072-867-6721
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P2 3
ハーベスト・タイム イスラエル学(13)
P4
巻頭言
ミッション宣教の声
黒田 禎一郎
P5
シオンとの架け橋
「良い 牧 者のたとえ」再 考
石井田 直二
P6
アルコイリス・ミニストリー
早川 衛
P7
ハティクバ・ミニストリー
高瀬 真理
P8
ハーベスト・タイム 代表 ●はじめに
イエスが語られた良い牧者のたとえは、あまりにも有名で
す(ヨハネ 10 章)
。中東では、指導者を羊飼いに、民を羊
にたとえるのは、ごく普通のことです。旧約聖書にも、同種
のたとえは何度も出てきます。イエスは、以上のような伝統
の上に立って、霊的真理をお教えになりました。たとえ話だ
という理由で、そこで語られている真理を軽視してはなりま
せん。先日、ヨハネ10 章からのメッセージを語りましたが、
改めてその内容の豊かさに感動を覚えました。特に、以下の
2 点が強く印象に残りました。
●羊飼いと羊の関係
イエスは、良い牧者と雇い人の牧者の違いを論じる中で
(11 ~18 節)
、このようにお語りになりました。
「わたしは良
い牧者です。わたしはわたしのものを知っています。また、
わたしのものは、わたしを知っています。それは、父がわ
たしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同様で
す。また、わたしは羊のためにわたしのいのちを捨てます」
(14 ~ 15 節)
。
(1)良い牧者は、自分の羊を知っています。なぜなら、自
分の所有物だからです。良い牧者は、自分自身に注意を払う
ように、自分の羊を注意深く見守っています。
(2)羊もまた、
自分の所有者が誰であるかを知っています。これは、相互関
係に基づく知識であり、両者の間に緊密な関係があること
を示しています。
(3)最も驚くべきことは、羊飼いと羊の関
係が、御父と御子の関係にたとえられていることです。御父
と御子の間には完ぺきな調和と一致があります。そのように、
主イエスと私たちの間にも、完ぺきな調和と一致があるので
す。三位一体の神の各位格の間にある調和と一致を、人間
の言葉で解説することは不可能です。
「神との平和を持つ」
(ロ
マ 5:1)ということがいかに素晴らしいことか、再認識さ
せられた次第です。
(4)この関係の土台にあるのは、神と
の契約関係です
(エレ 31:33 ~ 34 参照)。
(5)イエスは、
「良
い牧者は、羊のためにいのちを捨てる」と言われました。こ
れは、十字架の死の預言です。
●この囲いに属さないほかの羊
さらにイエスは、こう言われました。
「わたしにはまた、こ
の囲いに属さないほかの羊があります。わたしはそれをも
中川 健一
ライフ・イン・メサイア
お知らせ
石黒 イサク
事務局より
導かなければなりません。彼らはわたしの声に聞き従い、
一つの群れ、ひとりの牧者となるのです」
(16 節)
。
(1)
「この囲いに属さないほかの羊」とは、将来救われる
異邦人信者のことです。この箇所で、私たち異邦人の救いが
預言されていることに驚きます。
(2)イエスの死は、異邦人
を父なる神のもとに連れて行く力となります。そして今、イ
エスは聖書のことばを通して、私たちに語り続けておられま
す。
(3)
「一つの群れ、ひとりの牧者となる」とは、教会誕
生の預言です。
教会は、
ユダヤ人信者と異邦人信者からなる
「新
しいひとりの人」であり、教会の頭は、イエス・キリストです
(エペ 2:11 ~ 22 参照)
。エペ 3:6 には、こうあります。
「そ
の奥義とは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦
人もまた共同の相続者となり、ともに一つのからだに連なり、
ともに約束にあずかる者となるということです」
。
(4)イエス
のこのたとえ話は、置換神学の教えを論駁する根拠となりま
す。イスラエルが異邦人の教会に置き換わったわけではあり
ません。異邦人信者が、神とイスラエルの間で交わされた契
約に接ぎ木されたのです。
●おわりに
牧者
(羊飼い)は、
ギリシア語で「ポイメイン」です。牧師
(エ
ペ 4:11)もまた、
「ポイメイン」です。主イエスは、大牧者
と呼ばれています(ヘブ 13:20)
。霊的指導者として立てら
れている人は、自らが現代の牧者であることを認識する必要
があります。ペテロは、牧者の心構えについて、こう書いて
います。
「…あなたがたのうちにいる、神の羊の群れを、牧しな
さい。強制されてするのではなく、神に従って、自分から
進んでそれをなし、卑しい利得を求める心からではなく、
心を込めてそれをしなさい。…そうすれば、大牧者が現れ
るときに、あなたがたは、しぼむことのない栄光の冠を受
けるのです」
(1 ペテ 5:1 ~ 4)
キリストのしもべは、決して雇い人の羊飼いになってはな
りません。以下のことを心にも留めようではありませんか。
①羊は自分の所有物ではない。②神の羊の群れを牧するこ
とを、主イエスから委ねられている。③強制されてではなく、
自発的に行う。④支配ではなく、模範となるように努力する。
⑤追い立てるのではなく、先頭を歩む。⑥主イエスが模範
である。
No.178 LCJE 日本支部発行
1
◀アーノルド・フルクテンバウム博士著▶
『イスラエル学』
(13)~組織神学の失われた環~
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ 佐野 剛史 : 訳
本記事は、アーノルド・フルクテンバウム博士著『Israelology(イスラエル学)』の日本語訳です。本書は、
イスラエルの過去、現在、将来を論じ、これまで組織神学の盲点であったイスラエル論を体系化した先駆
的著作です。イスラエルがイエスのメシア性を否定した結果、当時イスラエルに提示されていたメシア的
王国が撤回されました。今回は前回に引き続き、イエスのメシア性拒否によってもたらされたそれ以外の
影響を見ていきます。
B. 現在のイスラエル
2. イエスのメシア性を否定した結果と影響
(前回の続き)
c. ルカ 19:41 〜 44
イエスのメシア性を否定するという赦されない罪がどう
いうものか、さらなる光を投じているのがルカ 19:41 〜
44 である。この箇所は、イエスがエルサレムに勝利の入
城を果たす場面だ。そこでは何千人というユダヤ人が「祝
福あれ。主の御名によって来られる王に。天には平和。栄
光は、いと高き所に」と叫び、メシアに対する期待をはっ
きりと表明していた。それは、詩篇 118:26 のメシア預
言を背景にした叫び声だった。ユダヤ人民衆は、エルサレ
ムに近づいてくるイエスに向かって、
「イエスこそメシアだ」
と宣言していたのである。しかし、ユダヤ人の指導者はそ
の時すでに赦されない罪を犯しており、その時代に下るさ
ばきはもはや動かせないものになっていた。その罪は赦
されない罪だったので、さばきを軽くする方法もなかった。
民衆がイエスこそメシアだと叫んでいた一方で、イエスは
エルサレムの都に対し、さばきの言葉を語られた。
41 エルサレムに近くなったころ、都を見られたイエス
は、その都のために泣いて、42 言われた。「おまえも、
もし、この日のうちに、平和のことを知っていたのなら。
しかし今は、そのことがおまえの目から隠されている。
43 やがておまえの敵が、おまえに対して塁を築き、回
りを取り巻き、四方から攻め寄せ、44 そしておまえと
その中の子どもたちを地にたたきつけ、おまえの中で、
一つの石もほかの石の上に積まれたままでは残されな
い日が、やって来る。それはおまえが、神の訪れの時
を知らなかったからだ。」
章全体にわたって、当時のイスラエル指導者であったパリ
サイ人および律法学者を告発、断罪している。そこでイエ
スは、パリサイ人たちのさまざまな罪に対し、合計7つの
わざわいを宣告している。その中で第一のわざわいと第七
のわざわいは同じ罪を扱っており、閉じた輪のような構造
になっている。第一のわざわいは 13 節に記されている。
13 わざわいだ。偽善の律法学者、パリサイ人。おま
えたちは人々から天の御国をさえぎっているのです。
自分も入らず、入ろうとしている人々をも入らせません。
ここでパリサイ人たちは、メシアを拒否した罪だけでは
なく、国全体をメシア拒否に導いた罪にも問われている。
この点は、後ほどメシア再臨の条件を学ぶ際に重要になっ
てくる。第七のわざわいは、29 〜 36 節に記されている。
29 わざわいだ。偽善の律法学者、パリサイ人。おま
えたちは預言者の墓を建て、義人の記念碑を飾って、
30『私たちが、父祖たちの時代に生きていたら、預言
者たちの血を流すような仲間にはならなかっただろう』
と言います。 31 こうして、預言者を殺した者たちの
子孫だと、自分で証言しています。 32 おまえたちも
父祖たちの罪の目盛りの不足分を満たしなさい。 33
おまえたち蛇ども、まむしのすえども。おまえたちは、
ゲヘナの刑罰をどうしてのがれることができよう。 34
だから、わたしが預言者、知者、律法学者たちを遣わ
すと、おまえたちはそのうちのある者を殺し、十字架
につけ、またある者を会堂でむち打ち、町から町へと
迫害して行くのです。 35 それは、義人アベルの血か
らこのかた、神殿と祭壇との間で殺されたバラキヤの
子ザカリヤの血に至るまで、地上で流されるすべての
正しい血の報復がおまえたちの上に来るためです。 36
まことに、おまえたちに告げます。これらの報いはみな、
この時代の上に来ます。
(強調筆者)
40 年後、この預言は文字どおりに成就する。
d. マタイ 23:1 〜 36
その世代に対するさばきを扱ったもう一つの聖書箇所
に、マタイ 23:1 〜 36 がある。この章は、イエスが公生
涯最後に行った宣教について記している。イエスは、この
2 LCJE 日本支部発行 No.178
この箇所は、その時代の人々に下るさばきの厳しさを
語っている。さばきは、第一義的には指導者に対するも
のだが、指導者に従ってメシアを拒否した国民に対するも
のでもあった。イエスはここで、
「アベルの血からこのかた、
……バラキヤの子ザカリヤの血に至るまで」と言っている。
それは、この時代の人々は、メシアを拒否したことだけで
なく、旧約時代の預言者が流したすべての血の責任も問わ
れることになる、という意味である。ユダヤ人の聖書、つ
まりイエスが使用していた旧約聖書の並び順では※、最初
の書は創世記で、ここにアベルが登場する。最後の書は
歴代誌第二で、ここにザカリヤが出てくる。イエスはここで、
創世記から歴代誌第二まで、すなわち当時に啓示されてい
た真理の総体に記されたすべての血の責任を彼らに問うて
いるわけである(当時の「創世記から列王記第二まで」と
いう言葉は、今でいうと「創世記から黙示録まで」のよう
な表現である)。それは、この時代
(世代)だけに当てはまる。
「まことに、おまえたちに告げます。これらの報いはみな、
この時代の上に来ます」と 36 節にあるとおりである。そ
れは、赦されない罪に対するさばきだった。
要約すると、次のようになる。イエスのメシア性は、ユ
ダヤ人指導者に否定され、さらにユダヤ人指導者は国民を
メシア拒否へと導いた。そのことは、将来のイスラエルと、
メシアが再臨する条件にも関係してくる。
※ 収録されている書の数は、現代のキリスト教の聖書と同じ。
並び順だけが異なる。
e. 2つ目のヨナのしるし
上記の言葉をイエスが語って数日後に、2 つ目のヨナの
しるしが、イエスの復活という形で与えられた。しかし、
この 2 つ目のヨナのしるしは、使徒の働きの 1 〜 7 章で
拒絶される。使徒 7 章に記されたサンヘドリン(ユダヤ議
会)によるステパノの石打ちが、2 つ目のヨナのしるしを
公に拒絶したことの宣言である。それによって、使徒 8 章
で初めてユダヤ人以外の人々に福音が宣べ伝えられるよう
になるのである。
f. メシア拒否の結果と影響
イエスが拒絶された時、メシア的王国の提示が取り下げ
られ、奥義としての王国がそれに代わった。この点を契約
神学者があざけって、ディスペンセーション主義は十字架
の意義を軽んじている、神の計画の中で十字架をまるで
付け足しのように扱っていると批判する。これほど真実か
ら遠い言葉はない。ディスペンセーション主義者は、キリ
ストの死は不可避であったと固く信じている。キリストの
死は、罪の贖いのために絶対に必要なものだからである。
もしイスラエルがキリストを受け入れていたとしても、キリ
ストは死ななくてはならなかっただろう。その場合は、イ
スラエルがイエスを自分たちの王として宣言し、それがロー
マからカイザルに対する反逆とみなされる。そして、イエ
スは捕らえられ、裁判にかけられ、ローマに対する反逆罪
で処刑される、というシナリオになっていただろう。実際
に、それがイエスの罪状でもあった。しかし、その三日後
にイエスは復活し、ローマを倒してメシア的王国を設立し
たはずである。そのため、イスラエルがどう立ち回ったと
しても、イエスの死は避けられなかった。ただ、旧約聖書
の預言から、イスラエルがイエスのメシア性を拒否するこ
とはすでにわかっていたことだった。イスラエルがイエス
のメシア性を拒否するためには、当然、その前にメシア性
の提示がないといけない。さらに、提示される王国は、ラッ
ドの言うような霊的王国、つまり心の中に神の支配を受け
入れること以上のものである。というのは、当時、イエス
をメシアとして受け入れ、神の支配を心に受け入れたユダヤ
人はたくさんいたからである。霊的王国は、国にではなく、
個々人に提示され、信仰によって受け取るものである。国
に対して提示される王国は、目に見えない霊的王国よりも
ずっと具体的なものでなければならない。提示されたのは、
メシア的王国である。神の計画では、イエスのメシア性が
拒否されることで、メシアの死が成就することになってい
た。忠実なカルバン主義者ならだれでも知っているように
(契約神学者は例外なくカルバン主義者である)、神は目
的と手段の両方を備えたもうお方である。
(次号に続く)
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No.178 LCJE 日本支部発行
3
ミッション・宣教の声主幹 黒田 禎一郎
I S I S に 加 わる欧 州 市民
―失望から共感へ―
★テロ組織 ISIS、欧州への新たな脅威
中東イラク情勢が、再び緊迫の度を高めています。そ
の理由は、シリアでアサド政権と戦っているイスラム過
激組織 ISIS(イラクとシャームのイスラーム国)が、隣
判されていた。ISIS が破竹の進撃を続けている裏には、
イラクのスンニ派の支援を受けているという事実があり
ます。
★ ISIS に加わる欧州市民
国イラクにも侵入し、マリキ政権を打倒するために首都
ISIS は、ドイツをはじめとする欧州諸国にとっても重
バグダッドへ向けて進撃しているためです。
大な脅威となっています。その理由は、ドイツやフラン
★イラクで破竹の進撃
ス、英国など 8 カ国の狂信的なイスラム教徒約 2000 人
が、シリアで ISIS に加わりアサド政権と戦い、一部が戦
ISIS のテロリストたちは、今年 6 月上旬にイラク第 2
闘経験を積んだテロリストとして欧州に戻り始めている
の都市モスルをわずか 1 日で陥落させ、全世界を驚か
からです。彼らの多くは、中東や北アフリカ諸国から欧
せました。彼らはこの町にあったイラク政府軍の武器や
州に移住した市民の子どもや孫たちです。欧州の社会や
米国製のヘリコプターを捕獲したほか、銀行から 4 億
価値観の違いに失望し、インターネットの世界で流され
7000 万ドル相当(470 億円)の現金を奪いました。さ
るイスラム過激派のメッセージに共感して、中東の戦場
らにイラク最大の製油所が ISIS に制圧されたという情
へ向かった人々です。
「シリア帰還兵」は実際にテロ事
報もあります。ISIS は捕虜にした多数のイラク軍兵士を
件を起こしています。
処刑し、その映像をインターネット上で公開していてい
ます。このためイラク軍では、ろくに戦わずに退却した
今年 5 月末に、ブリュッセルのユダヤ博物館でテロリ
り、ISIS 側に寝返ったりする兵士が続出しました。そこ
ストが自動小銃を乱射し、イスラエル人ら 4 人を殺害し
でマリキ首相は、米国に対して ISIS の部隊を空爆するよ
ました。犯人は、シリアで ISIS に加わり欧州に戻った
う要請。オバマ米大統領は、300 人の軍事顧問団をイラ
フランス人のイスラム教徒と分かりました。この男が独
クに派遣するとともに、空母をペルシャ湾へ移動させま
フランクフルト空港に着いたとき、ドイツ人の国境検査
した。
官はフランス政府がこの人物を要注意人物に指定し、パ
★アルカイダよりも強力な組織
スポートのデータをシステムに入力するよう要請してい
ることには気付いていましたが、フランス政府は逮捕を
ISIS の母体となったテロ組織は、2004 年初め頃に、
要請していなかったので、この係官はデータを入力した
ヨルダン生まれのテロリストA・ザルカウィが「イラク
だけで男を入国させました。テロリストはその直後、ブ
のアルカイダ」として創設。中東の各地で爆弾テロや欧
リュッセルで 4 人を殺害してしまいました。つまり、ド
米人の誘拐、処刑を繰り返してきました。現在はアルカ
イツの警察がこの男を直ちに拘束していれば、ブリュッ
イダから分かれていますが、約 1 万 5000 人の戦闘員
セルでのテロは防げたのでした。このため欧州の捜査当
を擁し、
「イスラム世界で最も強力で凶悪な組織」と見
局は、シリアやイラクに滞在した後に欧州に戻って来る
られています。
人物に対する監視を強化しており、6 月 15 日にも、ベ
ルリン空港警察はシリアから戻って来た ISIS のメンバー
また ISIS は、
「世界で最も資金が豊富なテロ組織」と
を逮捕しています。
言われています。イラク軍が押収した ISIS 関係者のコン
ピューターを分析したところ、ISIS はモスルの銀行から
捜査当局は、ISIS で戦闘訓練を受けた一部の欧州市民
現金を強奪する以前から、
すでに 8 億 5000 万ドル(850
が、今後も欧州でテロ事件を起こす可能性があると見て
億円)もの資金を持っていました。彼らは占領した地域
いる。欧州では、国境の垣根が取り払われつつあります
の原油や美術品を売り、資金を調達していました。ISIS
ので、テロリストが一度入国してしまえば、発見が極め
とイラク政府の戦いは、宗教戦争であります。ISIS では
て難しくなります。彼らの最終攻撃対称は、ユダヤ人で
イスラム教のスンニ派が主流で、これに対しイラクのマ
す。このように欧州の捜査当局は、イスラム過激派によ
リキ首相はシーア派です。マリキ氏は政権をシーア派で
る無差別テロの防止は最優先課題になりつつあります。
固め、スンニ派を冷遇したために、スンニ派市民から批
お祈りください。
4 LCJE 日本支部発行 No.178
石井田 直二
シオンとの架け橋 被害者だけが持つ罪を赦す権利
6 月にイスラエル人少年 3 人の誘拐事件が発生し、月末に彼らの遺体が発見されました。それに怒ったユダヤ人
過激派が、パレスチナ人の少年を誘拐して殺害する事件が発生しました。それ以来、イスラエルとパレスチナの紛
争は悪い方向に向かっています。この記事を執筆している時点(9 日)では、イスラエルの国防軍がガザの周囲に
配備され、ハマスが連日、百発以上のロケット砲をイスラエルの市街地に向かって発射している状態です。
■高度な防衛システムが裏目に
これだけの数のロケット砲を市街地に撃ち込めば、どう
考えてもかなりの死傷者が出て当然なのですが、今までのと
ころ人的被害は非常に軽微です。それは、多くの建物に設
置されている防弾仕様の部屋、そして高性能のレーダーで
ロケットの発射を探知して着弾予想地点の周辺で警報を出す
「コード・レッド」のシステム、さらに最近開発された「アイ
アン・ドーム」という驚異的なロケット砲迎撃システムの成
果です。
ハマスのロケット砲攻撃で、イスラエルでは家屋や自動車
が破壊され、百万人単位の市民が、警報が出るたびにシェル
ターに避難しています。イスラエルの被害は甚大なのです。
しかし、高度な防衛システムのおかげで、人的被害が非常に
少なくなっているため、イスラエルには世界の同情が集まら
なくなってしまいました。一方、様々な手法で民間人の巻き
添え死傷者を増やす戦略を取っているハマスは、死傷者の数
をアピールして世界の同情を集めることに成功しています。
■「被害者」というプロパガンダ
近年の紛争では、
「被害者」であることを訴えるのが重要
な戦略です。被害者は、正義を求めて戦う権利があると考え
られるので、どちらも「私は被害者だ」と声高に主張します。
イスラエル・パレスチナ紛争はその典型例です。すると、彼
らの双方を支援するクリスチャンもまた「被害者」というプ
ロパガンダに協力することになってしまいます。これは危険
なことだと思います。
最近「被害者に加害者を赦せと言うのは間違いで、あなた
に罪は無いと言ってあげるべきだ」という主張を耳にしまし
た。これは、常識的には正しいかも知れませんが、聖書の
教えではありません。
イスラエルが敵に苦しめられている時、預言者たちはイスラ
エル人に向かって「あなたに罪は無い」と教えたでしょうか。
逆に「神を忘れたあなたがたに罪がある」と、被害者を糾弾
したのでした。そういう、人の聞きたくない事を語ったので、
預言者たちは常に忌み嫌われました。
イエスが地上で福音を語った時、ユダヤ人たちはローマの
圧政に苦しんでいました。しかし、イエスはユダヤ人に悔改
めを求める一方で、ローマ人の犯罪は何一つ糾弾しなかった
のです。
■「被害者」の持つ特権 「我らに罪を犯す者を我らが赦すごとく、我らの罪をも赦
したまえ」は、新約聖書の中心的な教えの一つです。加害
者は決して罪を赦せませんが、被害者は、加害者の同意な
しに、一方的に赦すことができます。被害者は、とても強い
権利を持っているのです。
新約聖書は、その権利を行使して、自分の罪も赦してもら
うようにと、教えています。自分は被害者だと主張する人々
に向かって「あなたに罪は無い」と言うのは「あなたに福音
は不要です」と言うのと同じです。そうではなく、
「罪を赦す」
という強力な権利を行使して、罪の赦しと永遠の生命を手に
入れるように勧めるのが、私たちクリスチャンの役目ではな
いでしょうか。
もちろん、それは簡単なことではなく、聖霊の助けが必
要ですが、少なくとも、その方向に向かって働きかけて行く
べきでしょう。
パレスチナ紛争を収拾し、この地に平和をもたらせるのは、
アメリカでも、国連でも、カルテットでも、アラブリーグで
もありません。
「平和の君」が語った福音だけです。たとえ
誰からも歓迎されなかったとしても、私たちはその福音を語
るべきではないでしょうか。
政治と宗教から中東の平和を考える集い
講師
東京
大阪
平 和を思う季 節、 今 も紛 争に
生きる人々の話を聞きましょう!
イラン・バルーフ(元イスラエル大使)
ヨセフ・シュラム(メシアニック・ジュー指導者)
8 月 14 日(木) 会場:大手町サンケイプラザ
8 月 17 日(日) 会場:エル大阪(南ホール)
いずれも 午後
2 時~ 5 時
参加無料
※未信者に聖書の世界にふれていただくことを目的の一つとしています。未信者向
け集会の案内チラシ等の配置を希望される教会は、主催者まで事前にご相談下さい。
主 催:シオンとの架け橋 お問合せ:078-341-7501
No.178 LCJE 日本支部発行
5
この地の回復
(民数記 35 章 33 ~ 34 節)
アルコ・イリスミニストリーズ代表 イスラエルの神である主は、アブラハムに土地と人と祝
福を与える、と約束した。そして、地上のすべての民族は、
あなたによって祝福される、とも言われた。祝福されるの
は、地上のすべての民族である。この約束が成就する際に
は、人が住む土地も祝福されるに違いない。人には、土
地をとおして受ける祝福があるからだ。
現在、イスラエルと世界の土地は、
「侵入者」によって
汚されている。主は、最初の人アダムにエデンの園を守ら
せた。これは、主の土地を荒らす「侵入者」の存在を示
唆するものなのかもしれない。いずれにしても、イスラエ
ルの現状は、
「侵入者」の存在およびそれによって土地が
汚されていることを表している。また、聖書は将来、
「荒ら
す憎むべきもの」さえも聖なる所に立つことを預言してい
る。そして、私たちの国である日本の土地も「侵入者」に
よって汚されていると言わざるを得ない。筆者の住む川越
には、古墳の上に神社や寺等が建てられ、
「侵入者」の痕
跡が、あたかも地層のように見える箇所が数多く存在する。
また、イスラエルと世界の土地には、不当に流された血
が存在する。人類初の殺人者カインに対し、主は「今や、
あなたはその土地に呪われている…土地は口を開いて…あ
なたの弟の血を受けた」と言われた。最初の人アダムの罪
によって土地は呪われたのであるが、殺人、すなわち不当
に流された血を受けた土地は、カインを呪うものとなった
というのである。彼は、その際、主に言った。
「私に出会
う者は誰でも、私を殺すでしょう」と。そして、主はこう
答えた。
「カインを殺す者は 7 倍の復讐を受ける」のだと。
カインの子孫のひとりレメクもまた不当に血を流した者で
ある。彼は、こう言っている。
「カインに 7 倍の復讐があ
れば、レメクには 77 倍」と。復讐の力あるいは呪いが、
なんと11 倍に増大しているのである。これは、悲しいこ
とであるが真実であろう。すなわち、殺人は殺人を、復讐
は復讐を産むのである。そして、その悲惨さは拡大し続け
るのである。これは、今日のイスラエルとその周辺諸国お
よび世界中でも確認されるものである。
しかし、聖書は、このような土地に関し明確な回復のプ
ログラムを示している。それは、世の終りに際し実現され
る主の計画である。やがて、教会は天に引き上げられ、空
中で主と出会う。しかし、地上では、その時から 7 年間、
大患難時代が展開される。そして、その時代が終わる直
前、
天では教会とキリストとの婚礼が執り行われる。そして、
6 LCJE 日本支部発行 No.178
早川 衛
教会は、キリストと共に地に下り、イエスと共にこの地を
治めるのである。これは、イエスの地上再臨と千年王国で
ある。その際、偽りの三位一体を形成する悪魔については、
獣とにせ預言者が硫黄と火の池に、そして、竜が底知れぬ
所に投げ込まれる。千年王国がこの地上に現れる時、イザ
ヤ書が預言するように狼は子羊とともに宿り、ひょうは子
やぎとともに伏すのである。このようにしてイスラエルと世
界の土地は、神の国の到来によって完全に回復されるので
ある。
このような回復の計画を持つ主は、その実現を部分的
に予め垣間見させて下さる方であるように思われる。筆者
は、約 11 年前に中米グァテマラのアルモロンガという村を
訪れた。当地は、教会だらけであった。殆どの住民が主
を信じた結果である。そして、そこで収穫された農作物は、
あまりにも大きかった。まさに土地が祝福され、癒された
としか言いようのないものであった。農民は、霊的にも物
質的にも豊かに祝福されていた。イエス自身も山上の変貌
によって神の国を弟子たちに垣間見させた。パウロも第三
の天、すなわちパラダイスにまで引き上げられた。このよ
うにして、主は、部分的にではあるが、神の国の到来を、
すなわち、イスラエルと世界の完全な回復を予め示される
方である。それは、生きたまことの神によるしるしであり、
信じる者を大いに励まし、慰めるものである。
それでは、私たちが、今、行うべきことは何であろうか。
それは、この地の完全な回復のための働きである。それ
は、ユダヤ人の救いのための働きであると言える。ペテロ
はユダヤ人に「悔い改めて、神に立ち返りなさい。それは、
主の御前から回復の時が来て…イエスを主が遣わして下さ
るためなのです。」と言った。すなわち、ユダヤ人の悔い
改めと救いが、イエスの地上再臨にとって不可欠な要素で
あるからだ。そして、私たちは、第二歴代誌 7 章 14 節に
書かれた神の約束にもあるとおり、この地のいやしのため
にも働く。イスラエルと世界の土地は、主の足台であると
同時にやがて神の国が建てられる土地であるからだ。従っ
て、神の民は、
「侵入者」によって汚された現状を決して見
過ごすことなどできないはずである。そして、私たちは、
やがてイスラエルと世界の土地の回復をイスラエルととも
に喜ぶのである。申命記 32 章 43 節には、
「 諸国の民よ。
御民のために喜び歌え。主が、ご自分のしもべの血のか
たきを討ち、ご自分の仇に復讐をなし、ご自分の民の地
の贖いをされるから。」と記されているからである。
ハティクバミニストリーズ代表 高瀬 真理
ヘブル賛美「クレイズマー音楽」
ユダヤの音楽というと日本では一般に東欧系ユダヤ人
(アシュケナジム)のクレズマー
「ク
レイゼメル」に由来するイディッシュ語。その意味は「楽器」もしくは「ユダヤの器楽奏者
(ミュージシャン)」の事です。クレズマーとは、何千年ものあいだヨーロッパで離散した
ユダヤの民の歌の事。心のどこか一番深い場所で、いつか祖国イスラエルへ帰還する日
を願い、何代にも渡って伝えてきた歌。悲しい心の叫び、人生の喜び、そして希望。そん
なものがいっぱいに詰まった歌、それがクレズマー音楽なのです。
アシュケナジムとは、ユダヤ系のディアスポラ(離散の民)のうちドイツ語圏や東欧諸国などに定住した人々、およびその
子孫を指すのです。 創世記 10:3 ゴメルの子孫はアシュケナズ、リファテ、トガルマ。
ユダヤ音楽でクレズマー人気に先行した動きとしては、80
年代にスファラディーと呼ばれるスペイン系ユダヤ人の古い民
謡を歌うエステル・ラマンディエが来日し、哀しく美しいハー
プ弾き語りを聞かせて話題を呼びました。このディアスポラの
主要 2 グループ
(アシュケナジムとスファラディム)はヨーロッ
パや中近東において周辺諸国の音楽との交流を持ち、影響を
与えました。古代キリスト教会の礼拝と賛美は、旧約の時代
にユダヤで行われていたそのスタイルを模範にしていたと言わ
れています。回りの影響を余り受けず古いスタイルのユダヤ教
の朗唱を今に伝えるとされるイエメン系等の一部の東方系ユ
ダヤ人(ミズラヒム)の聖書朗唱と、ヨーロッパ・クラシック
の源流であるグレゴリオ聖歌の類似についてはよく知られる
ところです。
ユダヤ音楽の特徴を形作ったのは、ヘブライ語やアラム語
のトーラー朗唱や詩篇唱、祈祷歌を古代から代々口伝で連綿
と歌い継いできたことに因るのではないかと思われます。
離散した先で 2000 年間も、昔住んでいた西アジアの言語
をそのまま使って、その頃の物語を朗唱し続けているわけで
あり、それは並大抵なことではないと思います。
金曜の日没から土曜の日没にかけてのシャバトには、トー
ラー(モーセ 5 書)が毎週決まった部分だけ読まれます。ユ
ダヤ歴で毎年 9 〜10 月に来るローシュ・ハシャナー(新年)
を初めとする新年祭にはヨム・キプール
(大贖罪日)
、
スコット
(仮
庵の祭り)と続いてシムハット・トーラー(律法の喜びの祭り)
の前に、
申命記の最後(モーセの死)を読み終わり、
すぐにトー
ラー冒頭の創世記の天地創造に戻って読み始めます。
この天地創造から約束の地を前にしてのモーセの死までの
物語を、古代から毎週毎週ヘブライ語で唱え続けているので
す。この事実は日本人には想像を絶するものがあると思いま
す。この朗唱の際には一定の節を付けて読まれ、記憶のため
にタアメイ・ハミクラアという記号が付されるようになった。
節回しはそのコミュニティーによって異なるのですが、この
ヘブライ聖書(タナフ)がその後のミシュナー、タルムード、
カバラーに繋がっていくのです。ここに「問い」が「問い」を
生み続けるユダヤ文化の性質が生まれたのです。
「シャバトが
ユダヤ人を守った」という諺があるように、シナゴーグの典礼
歌があったからこそ、ユダヤ人の音楽は周りに融合せず形を
残し続けられたのだとおもいます。
筆者もシャバトにロサンジェルスのシナゴーグを訪れたが、
カントール(先唱者)の毎週の朗唱で素晴らしく磨き上げら
れた声に、聞きほれたものです。
礼拝の最後に歌われる「アドン・オラム」や金曜の夕べの
祈り「シャローム・アレヘム」
、また「コル・ニドレ」等の様々
の祈祷歌等々、生で聞くと感動につつまれ「涙」があふれそ
うになる…素晴らしさでした。
日本人の心にユダヤの音楽はどう響くだろうか?我々日本
人の多くが知っているのは、フォークダンスの「マイム・マイ
ム」でしょうか。しかしこの曲がユダヤの歌だと知っている人
はそれほど多くないかも知れません。バルカン起源の舞曲ホ
ラ(元々はハシディムの歌と踊りが混入して出来たものらしい)
が、東欧の敬虔派ユダヤ教徒(ハシディム)の歌と絶妙に融
合した旋律なのです。その鄙びた哀愁の節は、何か国籍不
明とともに、日本の歌謡曲を髣髴とさせるものであったが後
に、これが聖書のイザヤ書 12 章 3 節「あなたがたは救いの
井戸から喜びの内に水を汲む」というみ言葉に付けられたハ
シディック・メロディーだということを知って、大変に驚いた事
を記憶しています。
ハシディック・メロディーではないのですが 78 年のアメリカ
のTVドラマ「ホロコースト」をご紹介したいと思います。
この中には、
現在のイスラエル国歌
「ハティクヴァ
(希望)
」が、
第二次大戦中レジスタンス・ソングとして歌われていた所が何
度か出てきます。この曲はシオニスト・アンセム→対独レジス
タンス・ソング→イスラエル国歌という変遷をたどった曲です。
後にクルト・ワイルがオーケストラ用に編曲したました。LCJE
日本支部では祈祷会のときによく賛美します。
また今世紀ソヴィエトの大作曲家ショスタコーヴィチは次の
ように語っています。
「ユダヤの民族音楽を聞く度に、私はいつでも感動を覚える
が、それは非常に多様性を帯び、見た目には陽気でも、実
際は悲劇的なのである。ほとんど常に、泣き笑いに他なら
ない。ユダヤの民族音楽のこの特性は、音楽がいかにある
べきかという私の観念に近い。音楽には常に二つの層がな
ければならない。ユダヤ人は非常に長い間苦しんできたの
で、自分の絶望を隠すすべを身につけていた。ユダヤ人は
自分の絶望を舞踊音楽の中に表現している。
」
ソロモン・ヴォルコフ編/水野忠夫訳
「ショスタコーヴィチの証言」
(中公文庫)より
きっと彼は後にホロコーストでその大多数が亡くなるクレズ
マーやハシディ達の歌や踊りを目の当たりにしたのだろうと思
います。現在、日本では「集団的自衛権」のニュースで世論も
混乱しているようです。もっとも大切なことは何であるのか、
神の目線に下りたっって謙遜になるべきときが来ていると思い
ます。ヘブル賛美の歴史の重みに感謝しつつ今後の私たちの
歩みの上に主がともなってくださることを祈り願うものです。
No.178 LCJE 日本支部発行
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LCJE日本支部事務局レター LCJE は、ユダヤ人伝道団体の情報交換ネットワークです。加盟しているユダヤ人伝道団体それぞれの
立場・活動を尊重して、機関紙などに情報を掲載しています。しかし特定の立場・教理などを、LCJE と
して支持するものではありません。読者におかれましては、個々の見識によって提供される情報を判断し
てくださいますよう、お願いいたします。
2014年度祈祷会予定
場 所
東京(1:30より)
大阪(6:30より)
8月
9日
14日
9月
20日(土)
23日(火・祝)
10月
11日
9日
会 場
御茶ノ水クリスチャンセンター811号室(変更される事があります)
北浜スクエア(VI
P関西センター8F)
【東京祈り会にご参加される方へ】ご注意ください。通常祈り会の会場は、811号室ですが、変更される場合がります。
階下の掲示板をご覧になってご参加ください。
イスラエルのために祈りを
読者の皆様は報道を見聞
きしながら、この武力衝突
に心を傷めておられること
と思います。イスラエルとパ
レスチナの間で「憎悪の連
鎖」が続いています。 イスラエル人少年 3 人が
ヨルダン川西岸のヘブロン近郊で殺害されたのに続き、報復
とみられる形でパレスチナ人少年が殺害されました。これを発
端にイスラエル治安部隊とパレスチナ住民の衝突が各地で相
次ぎ、イスラム原理主義組織ハマスが支配するガザ地区から
は、連日ロケット弾がイスラエル各地に飛来し、報復攻撃とし
てイスラエル軍がガザ地区を空爆する事態となっています。
当初から「ユダヤ人はあのような殺害はしない」
「パレスチ
ナ人はあのようなやり方はしない」と、双方の言い分は真っ
向から対立し、軍事衝突にまで拡大していることは誠に残念
でなりません。
ニュース報道は、ロンドンや世界の有名な都市において、
ガザ攻撃を非難して反イスラエル運動が拡大しています。相
変わらず「イスラエルにいじめられている、かわいそうなパレ
スチナ人」というイメージをくり返し流すメディアの情報は偏っ
ていて、感情的にイスラエルを憎むように仕向けられているの
で要注意です。
現地の信者たちの動向を紹介いたします。和解の団体「ム
サラハ」では、予定を変更せずにサマーキャンプを実施してい
石黒 イサク
ニュース編集長 ます。彼らはユダヤ人・アラブ人双方の若者たちを集めて、キャ
ンプを開催しています。危険が無いわけではありませんが、
キリストにある愛と信頼を共有し、証する格好の機会とも言
えます。
またガリラヤ地区の信者たちは、メシアニックジューもアラ
ブ人クリスチャンもともに、数日間の集中的な祈りの時を共有
して、紛争の早期停止と解決を祈っています。特に会衆のリー
ダーたちはお互いに良い関係を維持していて、愛と支援をさ
らに綿密にしています。いま彼らイスラエルにいる信者たち
のために、私たちも心を合わせて祈ることが必要です。
彼らは現地から、世界に向かって訴えていることは、イス
ラエルは何億円もの多額の費用をかけてパレスチナ人たちの
医療や救済をしていること。またイスラエルの攻撃は 、 市民
対象ではなく、ハマスなどのテロリストの基地に対して行われ
ているということです。ハマスの武装勢力は 、 今までと同じ手
法で、民家や病院・学校などからイスラエル向けのロケット
砲を発射し、住民を盾にしています。イスラエルの報復爆撃
がそれらの盾にされている住民を殺傷することを狙い、それ
をまた国際社会への宣伝に利用して
います。この事も、日本に住むクリス
チャンたちに正確に伝わり、間違った
支援や間違った攻撃がくり返されな
いようにしなければなりません。
続いて、イスラエルの平和のために
お祈りいたしましょう。
お 知 らせ
【石堂ゆみ氏別集会のご案内】 イスラエル 唯 一 の日本人クリス
チャン・ジャーナリスト・石堂ゆみ氏の集会です。イスラエル現地情
報をクリスチャンとしての視点で、日本に向けて発信している石堂
氏の生の声が聞ける、この貴重な機会をお見逃しなく!
■石堂ゆみ氏 プロフィール■
1989 年よりイスラエルに看護師として赴任。1990 年にエルサレ
ムにて受洗。聖書学修士課程を修める。日本各地の様々な教会を
巡回し、イスラエルセミナー講師を務める。2001 年より拠点をイ
スラエルに移し現地からのレポートを各クリスチャンメディアを通じ
て報道している。
〈関西にお住まいの方〉
日時:8 月 14 日(木)午後 6 時 30 分より 場所:北浜スクエア8F A 室(京阪電鉄・地下鉄堺筋線共通2番出口正面)
7 月の祈り会は台風 8 号の接近で止む無く中
止としましたので、主の守りの中で、イスラエル
の平和を祈りあい、主の御言葉に養われる時と
なりますよう、祈っています。暑いさなかですが、
ぜひご参加ください。
〈関東にお住まいの方〉
日時:8 月 21 日 ( 木 ) 午後 2:00 ~ 4:00
場所:お茶の水クリスチャンセンター 4F 411 号室 (JR 御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口から徒歩 2 分)
今回は完全予約制となります。定員に達し次第、応募を締め切ら
せていただきますので、早めにご応募ください。
応募方法:1)名前 2)電話番号 3)参加人数 4)石堂先生へ
の質問(もしあれば)を記入の上、下記アドレスにメールをお送りくだ
(受付はメールのみ)[email protected]
さい。
編集後記
誘拐・虐殺されたイヤァル君、ギラド君、ナフタリ君 3 少年の霊を御手にゆだねます。イスラエルは平安を保ち、その復讐までも御手に
おゆだねすることができますように。事務局では祈りつつ、編集作業を進めました。そのような中にあり、この秋に予定されている集会は、
本当に大切な祈りの時として、主が祝福してくださると信じています。すべてが整い、すべての必要(50 万円)が満たされ、講師の J・メルニッ
ク師をお迎えすることが出来ますよう御加祷ください。 事務局長 高瀬真理
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※会計報告は、9 月号に掲載させていただきます。ご了承ください。