フランシス・ヴェベール 1937 年、パリ生まれ。69 年に初めて脚本を手がけた。監督デビュ ーは 76 年で、98 年には出世作『奇人たちの晩߲会』がセザールऩ最優秀脚本ऩを受ऩし、監督ऩ にもノミネート。多くの作品がハリウッドでリメイクされている。 僕は、職人監督・ヴェベールが大好きだ。彼の作品はユーモアに溢れ、ハッピーエンドで終わらせてくれる。代表作『奇人たちの晩߲会』、 『メルシイÁ人生』では、ともにソフィスティケートされた展開によって、主人公が逆境を乗りѠえ、人生で大切な 何か に気付かされると いう০定。徹頭徹尾、笑いを誘う演出の妙は、供給過多と思われるほど多くの作品が氾濫する中で、比་が無い。 アニメ映画 『モンスターズ・インク』をご覧になった方はお分かりになるだろうが、 笑い とは恐るべきパワーを秘めている。喜劇の映 画やTVを観て、ガンを治した人もいるらしい。喜怒哀楽を表現するのが難しい時代に、久しぶりに大笑いすることを思い出させてくれた。癒 し、パワーを与えてくれたヴェベールに感ࡤ感ࡤ。 (濱坂浩司) ギャスパー・ノエ 1963 年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。フランス在住。91 年に『カ ルネ』でカンヌ国際映画祭批評家週間ऩを受ऩ。98 年、続編『カノン』を発表し、再び同ऩを手にし た。多くの短編を手がけた後、初めて大スターを֬用した『アレックス』 (02 年)が話題となる。 ノエは『カルネ』で鮮烈なデビューを飾って以来、続編『カノン』、そして最新作『アレックス』と代表作は僅かながら、独特のビジュア ルセンスで、日本でも熱狂的なファンを持つ監督である。 『カルネ』 、 『カノン』については、彼のセンスを確立した作品(ハッタリを効かした 演出と、殆ど爆音にؼい効果音 etc)ということにとどめ、今回は『アレックス』を中心に書いてみたいと思う。 この『アレックス』は、ノエ初のメジャー配給、主演もヴァンサン・カッセルと、ヒットする要素に恵まれながら、結末から出だしに向う 展開と、あまりにヤリすぎた演出のため大ヒットには至らず、批評家にもソッポを向かれた作品である。ただ、ノエの反ݱ精神というか、映画 に対する姿勢が前2作よりも強く出ていて、彼の映画作家としての在り方がよく分かると思う(そういう意味では、イギリスのハーモニー・コ リンと立ち位置がよく似ている) 。この 毒気 がある内はまだまだ期待できる。 (舟口聡)
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