日本バイオロギング研究会会報 - 生物圏情報学講座

日本バイオロギング研究会会報
日本バイオロギング研究会会報 No. 120
発行日 2016 年 08 月 09 日
発行所
日本バイオロギング研究会(会長 荒井修亮)
発行人 三谷曜子北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター
〒040-0051 北海道函館市弁天町 20 番 5 号函館市国際水産・海洋総合研究センター(内 219 号室)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター生態系変動解析分野
tel: 0138-85-6558 fax: 0138-85-6625 E-mail [email protected]
会費納入先:みずほ銀行出町支店 日本バイオロギング研究会
普通口座 2464557
もくじ
新しい発見
海鳥は生きた風速計~滑空する海鳥の飛翔から海上の風向・風速を観測する~ 米原
善成(東京大学大気海洋研究所) 2
野外調査報告
江戸前穴子を追い続けて
内田
圭一(東京海洋大学)3
研究室紹介
東京海洋大学 海洋科学部 海洋生物資源学科 生産システム学研究室
塩澤
舞香(東京海洋大学大学院)4
教員の戯言
“ろうとる”の戯言
宮本
佳則(東京海洋大学)5
第 12 回日本バイオロギング研究会シンポジウム
飛龍
志津子(同志社大学)6
Asian Fisheries Acoustics Society (AFAS) 2016
宮本
佳則(東京海洋大学)9
お知らせ
おかげさまで
2017 年カレンダー用写真が決まりました
佐藤
「水槽内で行動計測中のアオウミガメ」
撮影者;宮本 佳則(東京海洋大学)
撮影場所:石垣島
-1-
克文(東京大学大気海洋研究所)9
新しい発見
海鳥は生きた風速計
~滑空する海鳥の飛翔から海上の風向・風速を観測する~
米原善成(東京大学大気海洋研究所)
図1. オオミズナギドリの 1 秒間隔の位置情報から得た飛行経路
を見ると飛行速度が変動していた。5 分間の進行方向と飛行速度
の関係に sine curve(赤線)をあてはめ、最大値と最小値の差の
半分を風速、飛行速度が最大となる進行方向を風の吹く向きとし
た。
我々は、海表面付近を飛行する海鳥の行動を解析する
ことで、衛星やブイによる観測空白域を補間する風デ
海面直上を滑空するオオミズナギドリ(撮影:後藤佑介)
ータが得られると考えました。そこで、三陸沿岸で繁殖
大気と海洋の境界である海表面付近の風は、大気海
洋相互作用の理解に欠かすことができない要素のひと
つです。海洋表面の風は、気象衛星によって1日2回広
範囲で観測されているほか、まばらに設置された海洋
観測ブイによって毎時間観測されています。これらの
海上風データは気象予報や海洋モデルの構築に役立っ
ています。しかし、衛星による1日2回の観測や、まばら
な海上ブイによる観測では、より詳細な時間・空間スケ
ールで刻々と変化する海上の風環境を捉えることは困
難です。さらに、地形の複雑な影響により、気象衛星に
よって沿岸域の海上風を推定することができません。
このように、従来の海上風観測手法では、時間・空間的
な観測空白域が生じていました。このような観測空白
域で高解像度の観測データを取得すると、大気海洋モ
デルが改善され、大気・海洋の詳細な挙動を解明できる
ため、リモートセンシングが発展した現在でも、現場で
の観測の重要性が示されています。
バイオロギングの発展によって、動物を用いた環境
モニタリングが盛んに試みられてきました。これらの
研究では、動物に記録計を装着することで、人間による
観測が困難な地域・海域の環境情報を得られる点が注
目されています。これまで、アザラシや海鳥に搭載した
記録計により、広範囲での気温、水温、塩分濃度、海流
などの環境情報が測定されてきました。
するオオミズナギドリにGPS(全球測位システム)記録
計を取り付け、1秒間隔の飛行経路を記録しました。飛
行経路データを見ると、オオミズナギドリは蛇行しな
がら飛行し、飛行速度が変動していました。この飛行速
度の変動が、海鳥の進行方向に対する風の影響である
と仮定すると、海鳥の飛行速度は追い風時に最大にな
り、向かい風時に最小になると考えられます(図1)。
このような風向・風速と海鳥の飛行速度の関係を利用
することで、海鳥の飛行経路から5分間隔、約5km以内
の詳細なスケールでの海上風を推定することができま
した。さらに、ワタリアホウドリやコアホウドリの飛行
データも用いてインド洋や太平洋における海上風を推
定した結果、これらの推定値は気象衛星による海上風
の観測値とよく相関していました。このように長時間・
長距離飛び続ける海鳥の飛行から推定した海上風デー
タは、これまでの衛星やブイによる観測空白域を補間
できる可能性があります。特に、三陸沿岸を飛行するオ
オミズナギドリからは、気象衛星では観測が困難だっ
た沿岸の海上風データを高解像度で取得できました
(図2)。また、海鳥の飛行からは5分間隔という詳細な
スケールで海上風を推定でき、1日2回の衛星による観
測ではわからなかった、数時間から1日スケールの風
向・風速の時間変化を捉えられました。
本研究では、気象衛星などによる海上風観測データ
を補間するために、野生の海鳥を用いた新たな海上風
-2-
観測プラットフォームを提唱しました。この手法によ
り、低コストで長時間・広範囲の海上風を高い解像度で
取得することができるようになります。これまでの研
States
of
America
doi:
10.1073/pnas.1523853113.
究で、動物を用いた海洋観測で得られた水温、塩分濃度、
海流などのデータを大気・海洋モデルに同化するとモ
デルの予測精度が向上することが知られています。今
回得られた海上風データが大気・海洋モデルを通じた
予測にどのような影響を与えるかは、今後研究する必
要があります。さらに、記録計を搭載した海鳥によって
観測できる気温、海面水温、気圧、海洋表層流などのパ
ラメータを統合することで、海鳥が大気海洋境界層を
観測する新しい観測基盤となることが期待されます。
Yoshinari Yonehara, Yusuke Goto, Ken Yoda,
Yutaka
Watanuki,
Lindsay
C.
Young,
Henri
Weimerskirch, Charles-André Bost, and Katsufumi
Sato. (2016) Flight paths of seabirds soaring over
図 2. 2014 年 8 月 30 日に放鳥した 7 羽のオオミズナギ
ドリから得られた風向(黒棒)と風速(色)
。繁殖地(赤
星)付近の三陸沿岸で密にデータが得られた。気象衛星の
風データ(黒枠内の灰矢印)と時空間的に近い鳥の飛行か
the ocean surface enable measurement of fine-
ら推定した風データ(赤矢印)を比較したところ、強い相
scale wind speed and direction. Proceedings of
関がみられた。
the National Academy of Sciences of the United
野外調査報告
江戸前穴子を追い続けて
内田圭一(東京海洋大学)
江戸前穴子といえば、一般的にマアナゴ Conger
水抜き穴の選択性に関する研究がおこなわれており、
myriaster ことを言いますが、その生態はわかっていな
自身の研究の傍ら、フィールドでの実験に参加してい
いことが多いのです。江戸前、すなわち東京湾のマアナ
ました。
ゴの水揚げ量は 1992 年をピークに、
減少傾向にあり、
現在では、低位水準での横這いが続いています。
修士課程修了後、大学の練習船に就職し、一時期、穴
子の研究から離れていましたが、職場が陸上に代わっ
執筆者は、大学院時代から途中一時中断するも現在
てからは、再び穴子の研究に携わるようになりました。
まで 20 年間、様々な形でマアナゴに関する研究に携わ
縁あって、京都大学大学院情報学研究科社会情報学
ってきました。ちょうど研究に携わり始めた当初は、大
専攻の生物圏情報学講座の博士課程でお世話になるこ
阪湾で行われていた「あなごかご網」の網目選択性に関
ととなり、ここで再び穴子を対象とした研究がスター
する研究を行っていました。当時は、資源管理が強く求
トしました。当時、情報系の分野では IC タグが流行り
められており、内湾の主要な漁獲対象魚の一つであっ
となっていたことから、これを水産現場の調査に生か
たマアナゴは、東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海など
せないかということになりました。一度に数百の筒を
で、その管理方策が検討されていました。このような中
使用するあなご筒漁では、漁獲量の減少が始まった以
で、狙ったサイズ以上のマアナゴを獲るにはどのよう
降、減った漁獲量を補うかのように、努力量の増加がは
なサイズの網目サイズが最適であるかということを、
じまりました。こうしたなか、漁獲努力量が過剰ではな
実験を繰り返しながら算出していました。そして、その
いかという話が漁業現場からも聞こえ始めたが、それ
当時、所属していた研究室では、
「あなご筒」における
を評価することや実態を把握する妙案がなかなか見つ
-3-
からないでいました。そこで、複数の漁具が漁場のどこ
いか?など考えてしまいました。
に配置され、どこに配置した漁具で漁獲が得られたか
この問題を解決するためには、漁場に投入されたあ
を把握することができれば、漁獲努力量の配分とその
なご筒に、いつ穴子が入ったかを計測する必要があり
効果を把握することができるのではないかと考え、
ました。そこで執筆者の研究グループでは、穴子が筒に
GPS と IC タグを組み合わせた、漁業調査の自動化シス
入った時間を計測するための記録計を 100 円ショップ
テムの構築を目指しました。このシステムでは、あなご
の時計やイカ釣り用の水中ライトのケースを利用して
筒漁業者が通常の操業を行う中から、どこに漁具が投
自作し、その時刻の計測を試みました。その結果、約
入され、どの漁具で漁獲があったかを自動的に記録す
40%が 1 時間以内に穴子が筒に入っていたことを明ら
ることに成功しました。こじつけがましいですが、ここ
かにした。この結果をあなご筒漁業者に公表したとこ
では、漁船を一つの大きなデータロガーと見立てて、漁
ろ、多くの漁業者がこのことを薄々感じてはいたが、改
獲努力量のモニタリングを行いました。この研究では、
めて数値化されたことで、共通の認識となった。
IC タグの漁業現場での有効性を明らかにするとともに、
その後、小型のビデオカメラが安価で流通するよう
漁具の投入位置と漁獲の関係から、マアナゴが貧酸素
になると、これを改造することで、穴子が筒に入ってく
水塊の影響を受けながら移動をしている可能性を明ら
る瞬間を映像として記録することに成功した。記録計
かにした。
の制作の時と同じように、漁業者に穴子が筒に入る習
研究のためにあなご筒漁船に繰り返し乗船するなか、
慣の映像を公表したところ、誰もが無口になり、食い入
そこには多くの研究材料が転がっていました。最初に
るように画像を眺めていました。それぞれの漁業者が
目についたのは、一般的に夜行性と言われている穴子
それぞれに感じることがあり、かといってたやすく口
ではあるが、必ずしも夜行性ではないのではないかと
に出してしまっては、その考えを他の人に使われてし
いうことでした。この疑問は、漁業者の我先に漁場に向
まうので黙っておこうというような、会議室ですでに
かう姿にありました。漁業者によると、昼過ぎの一斉ス
何かの駆け引きが始まっているような緊張感を感じま
タートの場合、先に入れた漁具に穴子は獲られてしま
した。
「百聞は一見に如かず」ではありませんが、視覚
うから、全速力で漁場に向かうということでした。穴子
てきな情報は、訴えかけるものがあるということを実
って夜行性じゃないの?だったらそんなに急がなくて
感した研究でした。
も夕暮れ間近にゆっくりと筒を入れに行った方がエサ
の誘因効果が夜までの間に失われなくて良いのではな
これからも漁業現場には通いながら、穴子だけでな
く、面白いネタを探していきたいと思います。
研究室紹介
東京海洋大学 海洋科学部 海洋生物資源学科
生産システム学研究室
塩澤 舞香(東京海洋大学大学院 応用生命科学専攻 博士後期課程1年)
東京海洋大学海洋科学部の生産システム学研究室は,
漁業者の方々に受け入れて(利用して)いただける
東海 正教授,胡 夫祥教授,塩出大輔助教のもと,海洋
ように,本来の漁獲を維持しながら,混獲を回避するこ
生物資源を適切に管理・保全しながら持続的に利用す
とができる手法を開発するためには,混獲生物と漁獲
ることをめざして,資源をモニターするための採集具
対象生物の両方の行動や生態をよく理解することが必
の開発やその特性の解明,混獲や投棄を削減するため
要となります。定置網と同じ「網漁具」からの混獲回避
の漁具や漁獲方法の開発・改良に,システム工学の観点
で有名な手法に,
トロール網での TED
(Turtle Excluder
から取り組んでいる研究室です。
Device)があります。こちらの手法は,網が船で曳かれ
その中で,塩出先生を中心に取り組んでいる研究テー
て「動く」ことによって,網に入ったウミガメが半ば強
マに,希少生物であるウミガメ類の混獲回避手法の開
制的に網の外に排出されるような仕組みの手法です。
発に関する研究があります。ウミガメ類の混獲といえ
一方,私達が取り組んでいる定置網の場合は,まさに文
ば,これまではトロール網やまぐろ延縄での混獲が中
字通り海中で定置されている網に入ったウミガメを逃
心でしたが,近年では定置網や刺網などの沿岸の漁業
がす手法です。したがって,ウミガメが自ら網の外に出
での混獲への関心が高まっています。そこで私達の研
て行くような手法の開発が必要であり,そのためには
究室では,現在,塩出先生と学生 5 名で定置網におけ
網の中でウミガメがどのように行動するのかをしっか
るウミガメの混獲回避手法の開発に頑張って取り組ん
りと把握しなければなりません。
でいます。
プールのような水槽で模型の網を使って実験をする
-4-
場合には,先生や学生ダイバーがビデオカメラで行動
います。後ろ向きにも取りつける理由は,ウミガメに追
を記録することができますが,海上の定置網内のウミ
従して泳ぐ魚がいないかを確認するためです。ウミガ
ガメの行動を調べようとするとそうはいきません。
メを脱出させる装置からウミガメが出て行く際に,一
そこで私達は,応用情報システム工学研究室の宮本佳
緒に逃げて行くような魚がいないかを確認する,つま
則先生,内田圭一先生と共同で,バイオロギングの手法
り,
「本来の漁獲を維持しながら・・・」を実現するた
を活用しながら,定置網内のウミガメの行動を調べる
めに必要なことであると考えているからです。
試みを行っています。
写真2. 前方(左)と後方(右)に向けたカメラから得られた画
像. 左はウミガメが天井網を「突き上げ」ている様子.
写真1. 定置網漁船上でのウミガメへの計測器の装着(左)と,
三次元測位システムをセッティングする内田先生(右).
このように塩出先生のもと,グループで研究に取り
組んでいる中で,私はウミガメが脱出できる装置の開
発のために,ウミガメの推進力を調べる研究を行って
ここで使用している主な機器は,超音波ピンガー(三
次元測位システム)と加速度ロガー,ビデオロガーです。
超音波ピンガーによる測位では,網の周囲に受信機を
設置することで,ウミガメの位置を三次元の座標デー
タとして取得する試みをしています。藻がぎっしりつ
いていたり,気泡がついていたりする漁網の中での音
響測位はかなり大変なようですが,少しずつ改善を重
ねながら正確なデータの取得ができるようになってき
きました。そして現在も,ウミガメの前肢の動きと推進
力の関係をより深く理解するために,石垣島の水槽で
実験を重ねています。ここでは,西海区水産研究所の奥
山隼一博士にたくさんお世話になりながらご指導も頂
いています(本当にありがとうございます!)
。これか
らも,先生方,たくさんのご協力をいただいている定置
網漁業者の皆様,製網会社の皆様と一緒に頑張ってい
きたいです。
ました。何より,このシステムのおかげでウミガメの深
度の情報がリアルタイムに船上で分かり,
「ウミガメの
深度 7m!,5m!,3m!・・・浮上しています!!!」
といった声で,網の中で全く見えないウミガメの状況
を船上で把握しながら実験を進めることができていま
す。加速度ロガーでは,私達が特に注目して「突き上げ」
と呼んでいるウミガメの特徴的な行動を抽出する試み
を行っています。また,ウミガメの背甲には前向き,後
ろ向きにビデオロガーを取り付けて映像データも得て
写真3. 実験にコーラは欠かせません!?
教員の戯言
“ろうとる”の戯言
宮本
佳則(東京海洋大学)
ここ10年ほど、半田ごてを握らなくなってきている。
ハードウェアーについて、ここ数年の学生さんは、あ
オシロスコープやファンクションジェネレーターすら
まりにも無頓着であると感じる。いわゆる“ゆとり”なの
触らない日々。ましてや、データ取り込みや解析ソフト
かどうかは別として。
を自前でプログラミングすることすらできていない。
教員)今度、データロガーを使うから電池を買っておい
雑用が増えたとか、なんだか忙しいとかの理由は自分
にとって逃げである。でも現実。
てね。
学生)はい。わかりました。
閑話休題
教員)ところで、どんな電池を買えば良いかは知ってる
-5-
よね?
*学生研究室へ移動。
学生)はい!!100 均で安いやつを買ってきます。
教員)同じコンセントに 2 台もホットプレートつない
教員)ん?マンガン電池じゃダメよ。アルカリ電池にし
だら、そりゃブレーカーが落ちるでしょ!!
てね。あと、別のロガーはリチュウム電池だからね。
学生)ブレーカーって何ですか?
サイズに注意して。
教員)君は一人暮らしだっけ?
学生)漫画、アルカリ、リチュウム?????
学生)自宅です。
教員)電池に種類があるのは知ってる?
教員)自宅にもブレーカーがあって、ある一定以上の電
学生)大っきいやつと小さいやつですか?
流が流れると、遮断するようになっているのよ。
教員)それを言うなら、単 1 とか 006P1)とか CR22)
自宅のブレーカーの容量知ってる?
とか規格で言わないと。乾電池の電圧知って
学生)分かりません。
る??
教員)だいたいどのぐらいか分かる?
学生)よくわかりませんが、100V ですか?
学生)7000 アンペア 5)ですかね。
教員)ハァ~?じゃあ、コンセントの電圧は?
教員)……
学生)???
教員)AC、DC って分かる?
ここまで読まれて、“嘘~”“、“信じらんない”て思っ
3)
た方は普通です。多分、ここに出てきた学生も、小学校
学生)??
や中学校で習ったはずの内容と思います。もちろん、ス
**真面目にこんなことが起きています。**
マホも PC もどんな仕組や原理で動いているかは知ら
学生)先生、ロガーが動きません。
なくても使えます。ロガーも設定さえ間違えなければ
教員)電池はちゃんと入れた?
使えます。でも、どんなセンサが使われているか?A/D
学生)はい。
コンバーターのスペックは?は知らないと、計測でき
教員)電池にプラスマイナスがあるのは分かってるよ
る筈のないデータは記録されません。
ね?
何より、高いロガーを電池一本で破壊してしまうこ
学生)確認しました。
とを肝に銘じましょうよ。
教員)ちょっとロガー持ってきて。
学生)はい。
*注釈(一部本当、残りは想像に任せます。
)
*ちょっと焦げ臭いロガーが届く。
教員)電池を逆に入れたね。電源のコンデンサ
1) 決して 6P チー*ではない。長方形の積層乾電池。
4)
が飛
んでますよ。
ちなみに電圧は DC9V。
2) リチュウム電池で電圧は DC3V。
学生)イエ、ちゃんと確認しました。
(キッパリ!)
3) AC/DC は 1970 年代に一世を風靡したオーストラ
**こうして、研究室の予算が消えていく**
リア出身のヘビーメタルバンド!
学生)今日は、研究室で焼肉パーティーします。
元々“AC/DC”は「交直両用」の意であるが、バイセ
教員)どうぞ。
クシャルを表す隠語でもある。
*しばらくして、
4) 凝縮器:冷媒蒸気を、連続して循環する冷却水と熱
学生)ホットプレートが熱くなりません。
交換させて凝縮液化させるために設計された熱交
教員)他の機械は大丈夫?
換器。
学生)天井の蛍光灯はツイテます。
5) 7,000A×100V=70kW!
教員)どれどれ
おしらせ
第 12 回日本バイオロギング研究会シンポジウム
飛龍志津子(同志社大学)
すでにご案内していますように,平成 28 年 12 月 2
(室町キャンパス)にて開催いたします.ポスター要旨
日(金)-12 月 3 日(土)の日程で,第 12 回日本バイ
の様式や申し込み方法などの詳細は,研究会HPでも
オロギング研究会シンポジウムを同志社大学寒梅館
順次掲示しますので,そちらもまた合わせてご確認く
-6-
ださい.皆様からのたくさんのお申し込みをお待ちし
ご氏名:
ております.
ご所属:
メールアドレス:
☆シンポジウム全体日程
会員状況:会員/非会員(一般)/非会員(学生)
12 月 1 日(木)
懇親会:参加する(一般/学生)/参加しない
前夜祭企画「第2回女子会ワークショップ」
ポスター発表(責任発表者のみ):する/しない
(男性も参加可!)
・発表者名:
12 月 2 日(金)
・題名:
・招待講演(6題)
・新学術領域「生物ナビゲーションのシステム科学」領
域説明会
※
ポスター発表をご希望の方は,上記フォーマットを用
いたシンポジウム参加申し込みに加えて,ポスター発
・ポスター発表
表用の要旨(研究会ホームページに掲載、以前に比べ、
・懇親会
要旨を簡素化しました!卒論生などの発表も歓迎いた
12 月 3 日(土)
します!!)をメール添付にてご提出いただきます.
・ワークショップ「バイオロギング×情報科学:座談会」
(さらに募集します!)
また例年通り,ポスター賞(1名)を選出します(副
賞あり)
.審査対象は発表者が学生またはポスドク研究
員に限ります.
☆参加費用、懇親会費について
シンポジウム参加費(当日受付でお支払いください)
・研究会会員無料
・非会員(一般)3000 円
・非会員(学生)1000 円
懇親会費(当日受付でお支払いください)
・学生・ポスドク研究員 4000 円
・一般 6000 円
領収証は、所属先宛てに参加費、懇親会費に分けてご用
意いたします.宛名にご指定のある方は、その旨もお申
し込み時にお知らせください.
☆寒梅館へのアクセス
〒602-0023 京都市上京区御所八幡町 103
川上る西側
烏丸今出
同志社大学寒梅館
☆ワークショップ申し込みについて
ワークショップを募集します.研究発表会や座談会,
http://www.doshisha.ac.jp/information/campus/
勉強会など何でも結構です.ワークショップ開催を希
access/muromachi.html
望される場合は,代表者氏名(所属)
,ワークショップ
JR 京都駅から京都市営地下鉄(烏丸線)に乗り換え,
名,趣旨,参加予定者数,開催時間(午前/午後/1日な
「今出川」駅2番出口から徒歩1分
ど)を藤岡慧明([email protected]) 宛
※京都は紅葉のシーズンですので,宿泊の手配をお早
てに e-mail(件名をワークショップとしてください)
めにされることをお勧めいたします.
で,2016 年 9 月 30 日(金)までにお申込みくださ
い.
☆シンポジウム参加(ポスター発表)について
シンポジウムへの参加,ポスター発表をご希望の方
☆テーマ講演「バイオロギング×情報科学」
は、メール本文にて下記フォーマットに必要事項をご
近年,デバイスの小型化や低価格化,また多チャンネ
記入の上,藤岡慧明([email protected])
ル化などセンシング技術の進歩は目覚ましく,また高
宛てに e-mail(件名をバイオロギングとしてください)
度化・多様化が進むビッグデータの解析は,情報科学分
で 2016 年 10 月 15 日(土)までにお申込みくださ
野の注目のテーマとなっています.一方,バイオロギン
い.
グの分野でも,計測技術の進歩により,多種多様な生物
の情報が得られるようになってきました.今後,このよ
【参加申し込み情報(メール本文で以下の情報をお送
うな進歩が目覚ましい情報科学分野と密接に連携をす
りください)】
ることで,新たな価値観の提供や,生物学分野に留まら
-7-
ない発見など,大きなブレークスルーが期待されます.
参加者を対象に,本領域設立の背景、目的、期待される
そこで今回のテーマ講演では「バイオロギング×情報
成果、および公募研究の詳細についてご説明する予定
科学」と題して,あらゆる生物の移動情報やロギングデ
です.
ータを情報科学的に扱うことで,新たな発見を指向す
領域についての詳細はこちらをご参照ください.
る新進気鋭の研究者の皆様にご講演をお願いしました.
情報科学の知見を活かした新しいバイオロギング計測
手法や,最新の解析手法を取り入れたビデオロガーの
データ分析,またウェアラブル技術を用いたヒトへの
バイオロギング、さらには計測した移動データをもと
に,
「生物がなぜそのように移動したのか」を読み解く
ための数理モデリングなど,ヒトを含む生物たちが提
供する貴重なデータの分析に,最新の情報科学の視点
から迫ります.
講演者名(敬称略)
(http://navi-science.org )
・小林博樹(東京大学生産技術研究所)
東北大学
「野生動物装着センサ用の時空間情報補正機構」
橋本浩一(領域代表)
名古屋大学
・岡谷貴之(東北大学大学院情報科学研究科)
同志社大学
「画像認識・空間計測技術の最新動向とバイオロギン
グへの応用の可能性」
依田憲
飛龍志津子
☆ワークショップについて
・前川卓也(大阪大学大学院情報科学研究科)
「ヒトの日常生活センサデータ認識技術と動物データ
への応用の可能性」
12 月 3 日(土)は,テーマ講演者を交えた「バイオ
ロギング×情報科学:座談会」というタイトルのワーク
ショップを企画中です.
シンポジウム講演者と 2016 年
・藤岡慧明(同志社大学研究開発推進機構)
「小規模・大規模空間におけるコウモリの獲物探索ル
ートに関する実験的、数理的検討」
度新学術領域「生物ナビゲーションのシステム科学」計
画研究代表者らを囲んで議論,質問,データ解析相談な
どを行う予定です.
・後藤佑介(東京大学大気海洋研究所)
「経路データから鳥の対気速度ベクトルと現場の風を
推定する新手法:オオミズナギドリは横風を相殺して帰
巣する」
ワークショップ「バイオロギング×情報科学:座談会」
日時:2016 年 12 月 3 日(木)10 : 00 – 12 : 00
(9 : 30 開場・受付)
・伊賢太郎(広島大学大学院理学研究科)
場所:同志社大学
「粘菌の探索行動の数理モデル」
良心館(今出川キャンパス,良心館
は寒梅館から道路をはさんで向いの建物になり
☆文部科学省科学研究費助成事業 2016 年度新学術領
域「生物ナビゲーションのシステム科学」領域説明会の
ご案内※
日時:2016 年 12 月 2 日(金) 13:00~
ます)
参加費:無料
オーガナイザー:依田憲(名古屋大学大学院)
また前夜祭企画として,第2回女子会ワークショッ
場所:同志社大学寒梅館(室町キャンパス)
プ(男性も参加可!)をシンポジウム前日 12 月 1 日
ヒトや動物が自分自身を目的地に導くことを「ナビ
ゲーション」といいます.ナビゲーション能力の理解は、
学問分野を超えた重要な課題ですが,これまで系統だ
った研究は行われてきませんでした.この「ナビゲーシ
ョン」の仕組みを情報科学的に解明する大型融合研究
プロジェクト「生物ナビゲーションのシステム科学」が
文部科学省科学研究費 2016 年度新学術領域の新規領
域として採択され、新たに立ち上がることになりまし
た.また本領域では、計画研究の他に、複数件の公募研
究を広く募集する予定です.説明会では,シンポジウム
-8-
(木)に実施します.
第2回女子会ワークショップ(男性も参加可!)
日時:2016 年 12 月 1 日(木)16 : 00 – 18 : 00
ナイトセッション(懇談会)も予定
場所:同志社大学
寒梅館(室町キャンパス)
参加費:無料
オーガナイザー:三谷曜子(北海道大学北方生物圏フィ
ールド科学センター)
・飛龍志津子(同志社大学生命医
科学部)
祇園祭も終わり,蒸し暑い京都の夏がやってきまし
た.
12 月初旬の京都は,紅葉シーズンの真っただ中で,
シンポジウム実行委員長:飛龍志津子
とてもよい季節です.同時に込み合う時期ですので,早
ポスター賞審査委員長:依田憲
めの宿泊手配をお勧めいたします.
申し込み受け付け:藤岡慧明
皆様のご参加を心よりお待ちしております.
Asian Fisheries Acoustics Society (AFAS) 2016
宮本
Asian
佳則(東京海洋大学)
Fisheries
Acoustics
Society
2016
で確認してください。
(AFAS2016)は、2016 年 11 月 21 日(月)
・22 日(火)
2013 年に東京(東京海洋大学)で行われて以来の日
に函館市国際水産・海洋総合研究センターにて開催さ
本での開催ですので、多くの研究者、学生の皆様のご参
れます。AFAS2016 は AFAS が 2007 年中国・大連で
加をお願いいたします。
1 回目をスタートさせてから仁川、台北、ペナン、青島、
開催期間が、日曜日と勤労感謝の日に挟まれているの
釜山、東京、高尾、バンコクと経て函館で 10 回目の大
で、早めのホテルとフライトの確保が必要かもしれま
会となります。
せん。
この学会は、水中音響に関することであれば、海獣か
ら魚まで発表することができます。毎回、中国、韓国、
台湾、マレーシアなどのアジア圏から約 50 名の研究者
が参加している国際学会です。発表言語は英語ですが、
かなりフレンドリーな学会となっています。
ま た 、 AFAS Award と し て "Young Fisheries
Acoustician Award" と"Student Best Presentation
Awards"が設定されていますので、若手研究者(残念な
がら 40 歳以下)や学生の皆さんは国際学会の受賞のチ
ャンスがありますよ!!
発表にはアブストラクトによる審査がありますが、
A4 一枚以内です。
図 1.AFAS2015 in バンコク(タイ)での参加者
詳しい情報は、
http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~a11197/
おかげさまで
2017 年カレンダー用写真が決まりました
佐藤克文(東京大学大気海洋研究所)
なかなか写真が集まらずやきもきしましたが、最終
節足動物
4点
的に 27 名の方から計 104 点の応募をいただきました。
両生類
内訳は、以下の通りです。
陸棲哺乳類
その他
鳥類
40点
海棲哺乳類
魚類
爬虫類
2点
2点
5点
計 104 点
28点
21点
やはりシャッターチャンスが多い動物に作品が集中
4点
したようです。もっとも、研究者の数が多いせいでしょ
-9-
うか、撮影が難しいはずの魚類の応募数もなかなか健
闘しています。
これにアルバム担当幹事である私の推薦により、表紙
人によって応募の仕方はまちまちで、選りすぐりの 1
のキタゾウアザラシに加えて、キングペンギン、ウトウ、
点ないし数点を送ってくれた人から、同じ対象種の似
ウミネコ、アオウミガメ、カツオドリ、ラッコの作品を
たような構図を複数点送ってくれた人もいました。こ
使わせてもらうことにいたしました。私の推薦基準は、
のまま投票しては票が割れてしまってよろしくないと
同じ撮影者の作品が多くなりすぎず、出来るだけ広い
思い、応募者に作品数を絞るようお願いし、
最終的に 89
対象動物群からの作品が使われるようにというもので
作品をウェブ上に表示して、投票を開始しました。ウェ
す。結果的に、哺乳類 4 点、鳥類 5 点、爬虫類 1 点、
ブシステムを作ってくれた三谷さんと、システムに作
魚類 2 点、無脊椎動物 1 点となりました。
品をアップしてくれた坂田さんに感謝します。
もう 1 つ集計結果を見ていて気がついたことがあり
私から見てとても良くできた投票システムだったと
ます。投票用のウェブサイトには、動物群を整理せず,
思うのですが、それでもいくつか困ったこともありま
投稿された順に作品を掲載しました。その結果、得票数
した。それは、氏名を明記せずに「正会員」といった匿
の順番が掲載順の通りになったということです。候補
名で投票した人や、氏名を記した上で 2 回投票した人
作品が 89 もあると、多くの人たちは前から順に見てい
がいたことです。投票結果からはこれらの票数はマニ
って、良いと思った作品に次々とチェックを入れてい
ュアルで除いて集計しましたが、なかなか大変な作業
き、6 回チェックした次点で投票をやめてしまった。結
でした。これらを防ぐ投票システムの作成は可能かも
果的に、掲載順が後の作品にまでたどり着かなかった
しれませんが、それにはいままで以上の時間と労力が
ということなのではないかと推察しています。
かかってしまいます。これ以上事務局の手間を増やさ
これを解消する妙手はすぐには思いつきませんが、
ないよう、是非とも来年からは氏名を明記の上1回の
とりあえず来年度の応募では、
「出来るだけ早い応募が
みの投票をお願いします。
お得です」という情報だけ伝えておきます。
さて、気になる投票結果ですが、見事三谷曜子さんの
ゼニガタアザラシの写真が 1 位となりました。2 位以
8 月いっぱいかけて動物毎の情報やデータを集め、9
降の結果は,以下の通りです。
月から作成に入り、10 月には会員の皆さんにお届けで
2位
クロダイ
きるように頑張っていきます。応募作品が採択された
3位
アデリーペンギン
皆さんは、是非とも速やかな情報提供をお願いいたし
同数 3 位
アオザメ
同数 3 位
カツオクジラ
6位
ます。
カブトガニ
事務局より
バイオロギング2の配布について
お待たせいたしました.8/17 に「バイオロギング 2
また,会員のみなさまには,京都通信社ホームページ
動物たちの知られざる世界を探る」
(日本バイオロギン
(http://www.kyoto-info.com/kyoto/books/)から
グ研究会編,京都通信社)が発売されます.メーリング
ご注文いただく場合にかぎり,備考欄に「日本バイオロ
リストなどでもお知らせしていましたように,今年度
ング研究会会員」と明記していただけば,定価 2,376
の会費を納入済みの会員の皆様には,京都通信社より
円(税込)のところ,特別価格で 2,000 円(約 15%
本が発送されます.未納の方は,納入確認後,事務局か
引に相当)で販売していただけるそうです.皆様,是非
ら発送することになりますが,発送が遅れますことを
追加でご購入ください.
ご了承ください.
- 10 -
編集後記
初編集作業でした.8 月に入り函館も猛暑の毎日で(東
京出身ですが,暑さ耐性なくなってしまいました),毎
晩アイスが欠かせません.面倒くさがり屋の私は棒ア
イスしか食べていないです….家にはクーラーがない
ので,扇風機で耐えています.でもこの暑さもあと 1 週
間くらいで終わると思うので頑張ります!
今後ともよろしくお願いします!【YH】
スペインからお客様が来たので,函館の海鮮を食べに
行きました.スペインでも海の中のものは何でも食べ
る,という話になりました.フジツボ,ナマコ,そして
イソギンチャクも!日本ではイソギンチャクは食べな
いなぁ,と言うと,修士の K さんは友達が揚げてくれ
たのを食べたことがある,と.調べてみると日本でも食
べる地方があるのですね~.初耳.ちなみにスペインで
はイソギンチャクをフリッターにして食べるそうです
(熱を加えないと,口の中が刺胞で痛くなる)
.初めに
食べようと思った人がスゴイです.【YM】
- 11 -
【S.K】