秋からの体調管理

秋からの体調管理
日本陸上競技連盟医事委員会 向井直樹
今年の夏も高い気温の日がありました。熱中症で医療機関に運ばれる人がたくさんいたようです。
9月に入り、日中の気温も下がってきましたし、朝夕はかなり冷え込む日もあります。秋シーズ
ンに向けて、注意して欲しいことを挙げてみます。
1.気温の変化に対応しよう
秋は一日の気温の変化が大きい季節です。日中は気温が高くても、夕方になると急に気温が低く
なってきます。短時間で気温が大きく下がる時もあります。このような状況で体調を崩す人も見
られます。気温の変化に応じてトレーニング用のウエアを長袖のものにしたり、重ね着をしたり
して、衣服で気温の変化に対応しましょう。
就寝する時も、明け方の気温の低下に対応出来るように、毛布や布団をすぐに利用できるところ
に置いておくとよいでしょう。
2.体重増加や体調に要注意
夏には落ちていた食欲が、秋になって増してきます。「天高く、馬肥ゆる秋」といいますが、過
度な食事で体重が増えすぎるとパフォーマンス発揮にマイナスになってしまいます。気候が良く
なって食欲が出てきたからと言って、なんでもかんでも食べ過ぎるのは良くありません。体重の
管理には十分気をつけましょう。そのためには、毎日の体重測定が効果的です。一日の中でも体
重は変動するので、時刻を決めて測定するのがよいでしょう。
ただし、体重は少なければ良いというものでもありません。成長期の高校生、特にスポーツをし
ている皆さんには十分な食事が欠かせません。エネルギー不足はパフォーマンス発揮に悪影響を
およぼすだけでなく、ケガの原因にもなります。適切な栄養の摂取は競技力向上の基本です。女
子アスリートはエネルギー不足になりやすいので、特に注意が必要です。
貧血などの異常にも注意し、必要な対策をとってください。日本陸連では、「アスリートの貧血
対処7か条」を出しています(http://www.jaaf.or.jp/wp/wp-content/uploads/2016/04/
c8645fb0cdbe0e323887838727c42ab3.pdf)。参考にしてください。
3.ケガに注意
秋は記録を出すのに絶好に季節。夏のトレーニングの成果を出そうと、皆さんは意欲満々だと思
います。高校生は一気に力が伸びることがある時期で、そのことは喜ばしいことなのですが、競
技中の動きのコントロールが利かなくなってケガに繋がることも多いです。また、試合が連続し
ていると疲労が蓄積し、それが大きなケガを引き起こす危険性を高めてしまいます。
疲労がたまっていないか、痛いところはないか、動きが崩れていないか、自分の感覚とコーチの
アドバイスをしっかりと確認して、コンディションを向上させるように気をつけましょう。
日本陸連から出されている「ヘルシーアスリートをめざして2014」
(http://www.jaaf.or.jp/medical/pdf/healthy_athlete.pdf)や、「疲労骨折予防10か条」
(http://www.jaaf.or.jp/medical/pdf/hirokossetsu.pdf)を参考にしてください。
秋の大会で好成績を残して、長距離のロードシーズンや冬季練習につなげてください。
秋の全国大会に出場する皆さんへ
日本陸上競技連盟医事委員会 向井直樹
未成年者のドーピング検査に親権者の同意書が必要になりました
秋には国体、日本ジュニア/ユース選手権、日本選手権リレーなど、多くの全国大会があります。
皆さんのなかにも出場する人がいると思います。これらの大会では、ドーピング検査がおこなわ
れます。それについて注意して欲しいことがあります。
2015年の1月1日から世界アンチ・ドーピング規程、国際基準、及び日本アンチ・ドーピング規程
が改定され、未成年(20歳未満)競技者が競技会に参加する際、親権者からドーピング検査に関
する同意書を取得する事が必要となりました。
①ドーピング検査が行われる大会に参加する未成年者は、同意書を熟読し、署名、捺印の上、同
意書の原本を大会に持参し、携帯する必要があります。
同意書は(http://www.jaaf.or.jp/pdf/doisho.pdf)で確認できます。
②未成年競技者はドーピング検査に指名された時に、原本をドーピング検査室でNFR(大会医事
代表)に提出する必要があります。提出は未成年時に1回のみで、同意書の提出後に再びドーピ
ング検査に指名された場合は、すでに原本を提出済みである事をNFRに申し出て下さい。会場に
おいて、原本の提出がなくとも検査は行われますが、未提出の場合には検査後7日以内に日本陸
連事務局に原本を提出してください。
また、写真入りの身分証明書が必要なので、生徒手帳や生徒証などの持参をお願いします。
国体の場合には、選手に「国民体育大会ドーピング検査同意書」が配布されています。顔写真を
貼付し、必要事項を記入の上、大会に必ず持参しましょう。上記の未成年用の同意書と同じ内容
ですが、すでに同意書を提出済みの競技者も国体では提示が必要なので、携帯を忘れないように
注意してください。
治療に用いる医薬品であっても、禁止物質の摂取は認められていません。医薬品を使用する場合
には、スポーツドクターやスポーツファーマシスト、茨城県薬剤師会の「くすりの相談室」など
に相談するとよいでしょう。ただし、使ってからでは遅すぎるので、必ず使う前に相談してくだ
さい。
各種情報は、以下を参照してください。
スポーツドクター検索:
http://www.japan-sports.or.jp/medicine/DoctorSearch/tabid/75/Default.aspx
スポーツファーマシスト検索:
http://www3.playtruejapan.org/sports-pharmacist/search.php
茨城県薬剤師会「くすりの相談室」:月曜日~金曜日午前9:00~12:00/午後1:00~4:00
電話 029-306-8945FAX029-306-8040