「DM補正ソフトウェア」操作説明書 国土地理院 ■「DM補正ソフトウェア」の概要 「PatchJGD」の座標補正パラメーターファイルを利用して、数値地形図(以下、「DM」という。 ) データを地震後の座標値に補正するプログラムです。 ■「DM補正ソフトウェア」のインストール 本ソフトウェアは特段のセットアップは不要です。次の手順で実行できます。 1. DM補正ソフトウェアのプログラムをダウンロードします。 2. 「DM 補正ソフトウェア.zip」を解凍します。 3. 任意のフォルダー(※)を作成し、 「DMConvert2.exe」および必要があれば「DM 補正ソフト ウェア操作説明書.pdf」をコピーします。 ※使用するユーザーが書込みできるようフォルダーの権限を設定してください。 4. 必要があれば「DMConvert2.exe」のショートカットをデスクトップ等に作成してください。 Windows Vista および Windows 7 の 64 ビット版オペレーティングシステム上で利用する場合は、 64 ビット版「DM補正ソフトウェア」を使用することができます。この場合「DMConvert2.exe」 を「DMConvert2x64.exe」に読み替えてインストールしてください。 ■「DM補正ソフトウェア」のアンインストール 本ソフトウェアは、特段のアンインストール処理は不要です。次の手順でコピーしたプログラムを削 除してください。 1. エクスプローラー等を用いて本ソフトウェアをインストールしたフォルダーごと削除してくだ さい。 2. デスクトップ等に起動ショートカットを作成している場合は削除してください。 なお、 本ソフトウェアは Windows レジストリや VB ランタイム等の外部 DLL は使用していません。 ■「DM補正ソフトウェア」の起動と終了 デスクトップにショートカットを作成している場合は、そのショートカットを起動してください。 作成していない場合は、インストールしたフォルダーの「DMConvert2.exe」を直接起動してくださ い。 本ソフトウェアを終了するには、タイトルバー右端にある閉じるボタンをクリックしてください。 1 / 11 ■座標補正パラメーターファイルの準備 座標補正パラメーターファイルは、国土地理院の HP からダウンロードして下さい。なお、ダウンロ ードする際は、必要とする地域の最新のパラメーターファイルをダウンロードして下さい。 ダウンロードした補正パラメーターファイルは任意の場所に格納します。 通常は、本ソフトウェアのプログラムフォルダーに置いてください。 ■入力フォルダー(補正元DMファイル格納場所)準備 任意のフォルダーを作成して(以下「入力フォルダー」という) 、補正を行うDMファイル群を格納 します。 補正するDMファイル群の図郭識別番号(図郭レコード(a) 3~10 カラム)がすべて規定の区画番号 (※注 1)になっている場合は、座標系(I~XIX)が混在していても一括で補正処理が可能です。 図郭識別番号が規定の区画番号でないDMファイルが含まれている場合は、次のいずれかの方法を採 る必要があります。 A) インデックスファイル(数値地形図データファイル仕様:インデックスレコード:※注 2)を用 意し、先頭行 3・4 カラム目に補正するファイル群の当該座標系番号(01~19)を記載して入力フ ォルダーに格納する。 B) インデックスファイルを用意せず、メイン画面の座標系オプションを指定して実行する。 A)B)いずれの場合も、補正実行は座標系(I~XIX)ごとに行う必要があります。 (※注 1)ここでいう「規定の区画番号」とは、測量法第 34 条で定める作業規程の準則:付録7「公 共測量標準図式」数値地形図データファイル仕様:第84条(図郭割り)4で示されている地図情報 レベルごとに定められた区画の英数字番号です。 (※注 2)インデックスファイルに関して インデックスファイルは入力フォルダー内のファイルで、拡張子 .dmi のファイルがインデックスフ ァイルとして認識されます。拡張子 .dmi のファイルが存在しない場合、拡張子 .idx のファイルが あれば、インデックスファイルとして認識されます。 複数のインデックスファイルがあった場合は、最初に見つかったインデックスファイルが参照され、 そのファイルの座標系番号(01~19)が規定の系として使用されます。 2 / 11 ■出力フォルダー(補正後DMファイル格納場所)準備 補正後のDMファイルを格納するフォルダー(以下「出力フォルダー」という)をあらかじめ作成し ておきます。 このフォルダーは使用するユーザーの書込み権限があるかどうか確認し、なければ権限を設定してく ださい。 なお、出力フォルダーは本ソフトメイン画面の出力フォルダー指定時に作成することも可能です。 ■「DM補正ソフトウェア」の画面構成及び操作手順 メインの画面は、以下の通りです。 初めて起動したときは、 「作成年月」のみ現在の年月が自動的に設定されます。 2回目以降の起動では、前回作業した設定(補正パラメーターファイル込み)を読み込んで表示しま す。 1. 入力フォルダー名の指定 補正したいDMデータを保存しているフォルダーを指定します。指定する方法は、2 通りあります。 A. メイン画面上の「入力フォルダー名」テキストボックスに直接入力します。 B. メイン画面上の「入力フォルダー名」右側にある「…」ボタンをクリックし、 「フォルダーの参照」 3 / 11 ダイアログボックスを使用してフォルダーを指定します。 本ソフトウェアでは、入力フォルダー内にあるすべてのDM形式のファイルが補正対象となります。 入力フォルダー選択画面 2. 出力フォルダー名の指定 補正後のDMデータを保存するフォルダーを指定します。指定する方法は、2 通りあります。 A) メイン画面上の「出力フォルダー名」テキストボックスに直接入力します。 B) メイン画面上の出力フォルダー名の右側にある「…」ボタンをクリックし、 「フォルダーの参照」 ダイアログボックスを使用してフォルダーを指定します。なお、フォルダー指定の場所に新規フォル ダー名を直接入力した場合、新規作成の確認ダイアログが表示されます。また、既存フォルダーの場 合でも既に同名のファイルが存在するときは上書きの確認ダイアログが表示されます。 入力フォルダーと同じフォルダーが指定された場合、補正実行時に警告メッセージが表示されます。 出力フォルダー選択画面 4 / 11 3. 座標補正パラメーターファイルの指定 メイン画面上の「パラメーターファイル」欄の右側にある「…」ボタンをクリックすると「補正パラ メーターファイルの指定」画面が表示されます。 国土地理院 HP からダウンロードした必要とする地域の最新の座標補正パラメーターファイル (*.par)を選択します。 座標補正パラメーターファイル指定画面 選択すると、座標補正パラメーターファイルが読み込まれDM補正が可能になります。 このとき、パラメーラーファイル冒頭に書かれたコメントが表示されます(必要に応じスクロールさ せてください) 。 (※注意※座標補正パラメーターファイルは、編集しないで下さい。 ) 4. インデックスファイルがない場合の座標系の指定 入力フォルダーにインデックスファイルを置かない場合で、各図郭ファイル群の中に正規区画の図郭 識別番号が記載されていないファイルがある場合、 「インデックスファイルがなく、各図郭ファイルの図郭識別番号から座標系が特定できない場合、右 5 / 11 記の座標系で補正する」チェックボックスを ON にし、座標系ドロップダウンボックスで座標系(01 系~19 系)を指定してください。 なおここで座標系を指定しても、各図郭ファイル内の図郭識別番号が正規区画番号になっている場合、 そのファイルについてはその図郭識別番号の座標系で補正されます。 5. 修正履歴の入力 「作成年月」 、 「公共測量助言番号」及び「作業機関名」に必要事項を入力します。入力したデータは、 DMデータの図郭レコードに追加されます。 作成年月 年:西暦下 2 桁を半角数字、月:1~12 の半角数字を入力 公共測量助言番号 15 文字以内の全角文字で入力 作業機関名 20 文字以内の全角文字で入力 公共測量承認番号・作業機関名欄に規定文字数以上入力された場合、切り捨てて出力します。 必要事項を入力したメイン画面 5. DM補正の実施 メイン画面上の「実行」ボタンをクリックし、補正処理を開始します。 6 / 11 処理中は「実行」ボタンの上側に処理状況が表示され、「実行」ボタンが「キャンセル」ボタンに変 わります。データ量の少ないファイルは、進行状況が表示されずに終了する場合があります。 【進行状況の説明】 「[1/3]」は、分母が対象ファイルの総数、分子が(処理済み+処理中)のファイル数です。 「~.dm==>~.dm」は、補正処理中のファイル名を表示しています。 プログレスバーは 1 ファイルごとのおおよその補正進行状況を表示します。 DM補正中のメイン画面 補正中に「キャンセル」ボタンを押すと、次のメッセージが表示され、「はい」ボタンで補正処理を 中止することができます。 中止できるのは、現在補正中のファイルと未補正ファイルのみで す。すでに補正を終えているファイルは取り消しできません。 7 / 11 【エラーメッセージ】 「実行」ボタンクリック時に次のメッセージが表示されることがあります。 メイン画面で指定した「入力フォルダー」と「出 力フォルダー」が同じフォルダーになっています。 本ソフトウェアでは、入力フォルダーに補正後の ファイルを出力できない仕様になっていますの で、必ず別のフォルダーを指定してください。 補正パラメーターファイルを読み込んでいない状態 で実行ボタンを押すと、このメッセージが表示されま す。 パラメーターファイルを読み込んでから再度実行し てください。 【補正ログ表示】 補正処理が終了すると、以下のようなログが自動表示されます。 1ファイルにつき同一のエラーが 100 件を超えた場合、以降のエラーは記録されません。 ログファイルは「.txt」拡張子に関連付けられているアプリケーションを起動して表示します。 (通常は Windows メモ帳) ログ内容は次回実行時に上書きされますので、必要があれば名前をつけて別フォルダーに保存す るか、閉じた後エクスプローラーでコピーまたはリネームを行ってください。 ログファイルは、現在ログオンしているユーザーの Temp フォルダー(※)に「DMConvert2.txt」 というファイル名で生成されます。出力先・ファイル名は変更できません。 (※ユーザー環境変数 TEMP=のフォルダー:通常は C:¥ユーザー¥(ログオンユーザー 名)¥AppData¥Local¥Temp¥) したがって、複数のログオンユーザーで本ソフトウェアを使う場合は、別の場所にログファイル が生成されます。 ログに出力される主なメッセージは次の通りです。 8 / 11 ログメッセージ 内容・対処 インデックスファイルな し 入力フォルダーにインデックスファイルがありません。 入力フォルダーに格納された全ファイルの図郭識別番号がすべて正 規区画の番号か、メイン画面オプションで座標系指定がある場合は 問題ありません。 インデックスファイル (ファ イル名)から NN 系と判定 入力フォルダーにインデックスファイルがあるとき、使用する座標 系(NN)を表示 「系」情報不明のため、補 正できません 図郭識別番号が正規区画の番号でないにもかかわらず、インデック スファイルやメイン画面の座標系指定オプション指定がないため、 座標系の特定ができず、補正を行えません。 世界測地系のデータでな いため、補正できません 本ソフトウェアへの入力ファイルは、世界測地系のDMデータのみ サポートします。(日本測地系のDMは補正できません) 同一パラメーターよる補 正履歴があります、これ以 上補正できません 入力DMファイルに、現在指定している補正パラメーターで補正さ れた履歴があります(再補正できません) 。 既に 5 回の補正履歴があ ります、これ以上補正でき ません 本ソフトウェアでは、図郭レコード(d)~(f)が5履歴以上記載されて いるDMファイルをさらに補正することはできません。 (ファイル XXXXX)読み 出し Open 失敗 入力フォルダーにあるファイル XXXXX を、何らかの理由で読み出 すことができませんでした(補正しませんでした) 。 (ファイル XXXXX)書き 込み Open 失敗 出力フォルダーにファイル XXXXX として出力しようとしましたが、 何らかの理由で書き込むことができませんでした(補正しませんで した) 。 出力フォルダーにログオンユーザーの変更権限があるかどうか確認 してください。 図 郭 座 標 (X,Y) 補 正 パ ラ メーターが見つかりませ んでした 図郭レコード(b)に記載されている図郭座標(左下・右上・左上・右 上)の補正に使用する周囲4点パラメーターが、読み込んでいる補 正パラメーターファイル中に記載がありません(補正せず元座標で 出力しました) 。 指定した座標系に間違いがないか、当該座標が補正パラメーターの 除外区域でないかどうか、確認してください。 座 標 (X,Y) 補 正 パ ラ メ ー ターが見つかりませんで した 要素レコード:代表点の座標値または座標レコード:座標値に記載 されている座標の補正に使用する周囲4点パラメーターが、読み込 んでいる補正パラメーターファイル中に記載がありません(補正せ ず元座標で出力しました) 。 指定した座標系に間違いがないか、当該座標が補正パラメーターの 除外区域でないかどうか、ご確認してください。 同一のエラーが 100 件を 超えました、以降のエラー はリストされません 1ファイルの補正中に同一内容のエラーが 100 件以上ありましたの で打ち切りました。 通常はこの 100 件以内から根本的な問題を特定し、対処を行ってか ら再度補正を実行してください。 9 / 11 ----キャンセル---- 補正処理中にユーザーがキャンセルボタンをクリックしたため、以 降の補正処理を中止しました。 10 / 11 (補足) 1. 測地成果識別コードへの対応について 本プログラムは、既存の世界測地系データを地殻変動に対応した世界測地系に補正するプログラムで す。現在ある測地成果識別コードは以下のとおりです。 0:日本測地系 1:世界測地系 2:日本測地系から世界測地系に変換したもの この他に新たに以下の測地成果識別コードを追加します。 3:世界測地系を地殻変動に対応した世界測地系に補正したもの 2. 地殻変動コードへの対応について 本プログラムでは、今後発生する地震で地殻変動が起こった際に、DM補正ソフトウェアの処理回数 と、変動理由コードを記録することができます。 DMデータの図郭レコード(d)の 11 桁の空き領域を利用して、1 桁目に処理回数、これ以後の 10 桁 に 2 桁の変動理由コードを追加します。 座標補正パラメーターファイルには 15 行の説明文等がありますが、この中に 2 桁の変動理由コー ドが加えられています。 例) for PatchJGD Ver.1.0.1 001 補正後のDMデータにはこの履歴が振られます。なお、地殻変動が重なった場合、日付での管理が出 来ない仕様になっていますので、座標補正パラメーターファイルの適用順序の管理にご注意下さい。 また、仕様上、同じ図郭には 5 回の補正処理しか行えません。 (5 個分の地殻変動コードが格納可能 です。 ) 3. その他 本プログラムは、不整三角網には対応しておりません。 本プログラムは、パラメーターのない領域の補正処理を行いません。 本プログラムでは、入力ファイルの図郭レコード(b)のレコード数は図郭レコードを含まないレ コード数と解釈し、補正プログラムでは変更しません(履歴レコード数を加算しません) 。 11 / 11
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