ソーシャルメディア利用ガイドライン

ソーシャルメディア利用ガイドライン
平成 24 年 7 月
発行:公益社団法人ガールスカウト日本連盟
編集:平成 23・24 年度社会との関係委員会
はじめに
ソーシャルメディアは近年利用者が急増しており、新たなメディアとして、
社会的に大きな影響を及ぼすほど浸透しつつあります。
また、ソーシャルメディアは社会に向けてスピーディーに発信できる非常に
有効な情報伝達手段であり、ガールスカウトを広く世に伝える際の手段とし
ても、従来のウェブサイトへの情報掲載に加えて、積極的に併用していくこ
とが望まれます。
その一方で、ソーシャルメディアには危険性もあり、使いこなすためには、
利用者がソーシャルメディアの特性やリスクを十分に理解しておく必要があ
ります。
そこで、会員がソーシャルメディアを適切に利用し、その有用性を十分に活
用できるよう、 ソーシャルメディアを利用する際の基本的な考え方や留意点
を明らかにするガイドラインを定めることにしました。
目次
はじめに/目次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P2
1.ソーシャルメディアとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P3
(1)ソーシャルメディアとは何か
(2)ソーシャルメディアの利点
2.ソーシャルメディアの危険性と対策・・・・・・・・・・・・・・・・P7
(1)個人情報流出を防ぐ
(2)ガールスカウトのイメージ低下を防ぐ
(3)著作権侵害を防ぐ
(4)守秘義務のある情報を守る
(5)悪質な詐欺にあわないよう気をつける
参考・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P12
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1.ソーシャルメディアとは
(1)ソーシャルメディアとは何か
(ア)ソーシャルメディアとは
ユーザー(インターネット利用者)が情報を発信し、形成していく媒体
のこと。パソコンやスマートフォン等を経由して個人が情報を公開した
り、それを閲覧したユーザーと意見を交換したりすることができる。ユ
ーザー同士のつながりを促進するさまざまな仕組みが用意されており、
互いの関係を視覚的に把握できるのが大きな特徴である。
<ソーシャルメディアの例>
動画投稿サイト
SNS
ユーザーが公開した動画を、不特定
多数のユーザーが視聴・共有できる
ウェブサイト。
ソーシャル・ネットワーキング・
サービス。人とのつながりをサポ
ートするコミュニティ型ウェブサ
イト。
ブログ
掲示板
個人やグループのつづる日記等を
広く一般に公開され、さまざまなテ
掲載するウェブサイト。日々更新
ーマについて、ユーザーが自由に書
することができる。
き込みできるウェブサイト。
FAQサイト
オンライン百科事典
インターネット上で誰かが書き込
インターネット上で参照できる百
んだ質問に対し、閲覧したユーザ
科事典。記事の編集をユーザーが行
ーが答えを書き込む形式のウェブ
サイト。
えるものがあり、広く利用されてい
る。
クチコミサイト
主にレストランやホテル、商品そ
の他を利用したユーザーが、使用
した感想や評価を書き込むウェブ
etc・・・
サイト。
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(イ)SNSとは
ソーシャルメディアの中でも、特に人と人とのつながりを促進・サポー
エスエヌエス
トするコミュニティ型のウェブサイトは「 S N S (ソーシャル・ネット
ワーキング・サービス)」と呼ばれ、友人同士が連絡を取り合ったり、趣
味や居住地域、出身といったつながりを通じ、国境を超え、新たな人間
関係を構築したりすることができます。
<SNS イメージ>
趣味・興味のあること等をキーワードに、
関係する人を検索することができる。
GS ソーシャルメディア
~ようこそ~
検索
GO!
Kokoro プロフィール: ○○出身 ○年○月○日生まれ(○才)
Kokoro 今日はデイキャンプで立ちかまどを作りました。
2012/2/25 投稿!
会員登録をすれば、誰でも自分の意見を
2012/02/26
公開することができる。
Kibou:昨日はおつかれさまでした!無事に帰れた?
新着メッセージ
2012/02/26
私の情報
写真
Ai:素敵なクラフトの作り方を見つけたわよ~
お友達一覧
Mirai
Kibou
予め登録した人やグループのメッセージが届く。
Kokoro みらいと一緒にお外で遊んだときの写真だよ。
Ai
2012/2/21 投稿!
Yume
画像や写真を投稿することができるこ
とも多い。
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<代表的な SNS>
名称
Facebook
(フェイスブック)
説明
2011 年 9 月現在、8 億人のユーザーを持つ世界最大の SNS。実名
で登録することが義務付けられ、個人の特定がしやすい。それだ
けに個人が責任を持った上で、活発な議論を交わすことができや
すい環境である。また世界に多くのユーザーが存在しており、海
外のスカウトやガイドにも利用者が少なくない。
2012 年 2 月時点の日本国内の利用者数:約 1350 万人。(※1)
Twitter
(ツイッター)
140 文字以内の「tweet(ツイート)」と称される短文を投稿できる
Twitter。「Follow(フォロー)」という機能を持ち、通常の「お友
達申請」のように相手の許可を得ることなく、選んだ人のメッセ
ージを一方的に受信することができる。よって、有名人のつぶや
きを受領したり、官公庁の更新情報を受領したりする等、一方的
な情報収集ツールとして使用する場合に優れている。
2012 年 2 月時点の日本国内の利用者数:約 1340 万人。(※1)
mixi
(ミクシィ)
国内で人気が高い SNS。本名を登録する必要がなく、ニックネー
ムでやり取りをすることができる。2012 年現在、ガールスカウト
についてのグループも存在し、さまざまな議題での情報交換がさ
れている。
2012 年 2 月時点の日本国内の利用者数:約 680 万人。(※1)
Google+
2011 年 6 月末より開始された新 SNS ツール。ウェブ上でお友達
(グーグルプラ 関係にある人々をグループに分け、グループ別に公開範囲を定め
ス)
ることができる。またスマートフォンで使いやすいよう設計され
ていること、同時に 9 人まで無料でテレビ電話として通信ができ
ることといった、既存の SNS にない機能を備えている。
2012 年 2 月時点の日本国内の利用者数:約 200 万人。(※1)
LINE
(ライン)
主にスマートフォンユーザー間で使用されている。契約している
通信会社に関係なく、相手が同様に「LINE」アプリケーションを
ダウンロードしている場合に、無料で通話やメールができるチャ
ットアプリ。メッセージとともにスタンプ(大きな絵文字のよう
な画像)を送りあうこともできる。
2012 年 3 月時点の国内登録ユーザー数:約 1000 万人(※2)
(※1)出典:Nielsen/NetRatings NetView
(※2)出典:NHN Japan/Press release
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(2)ソーシャルメディアの利点
都道府県連盟、団、個人でSNSや、ソーシャルメディアを利用すると、
下記のような利点があります。
(ア)情報を発信する
ソーシャルメディアは無料で使える広報ツールです。特に普段からイン
ターネットを使いこなしている世代に向けて、情報を発信することがで
きます。使い方によっては共感を広げ、ファンや支援者を集めたり、組
織内外から協力やアイデアを得たりする機会を作ることができます。
ガールスカウト日本連盟は大手 SNS「Facebook」でアカ
ウントを作成し、情報を発信しています。
http://www.Facebook.com/GirlScoutsofJAPAN
※閲覧するには Facebook でアカウントを登録する必要があります。
(イ)情報を受信する
ソーシャルメディアを使い、自分の関心のある情報を広く収集できます。
自分の関心のあるテーマについて、他の人がどう考えているかを読んだ
り、何かの集まりがあればその情報を知ったりすることなどができます。
(ウ)人とのコミュニケーションを促進する
ソーシャルメディアは、団や特定のグループ内での情報伝達手段に利用
できます。あるいは趣味や嗜好、居住地域、出身校、「友人の友人」とい
った自身と直接関係のない他人との繋がりを構築する場を提供していま
す。
・2011 年の東日本大震災では、一部の支援物資や被
災地支援イベントについての情報交換がソーシャ
ルメディアを通じて行われ、ガールスカウトとボ
ーイスカウトの団がこれをきっかけに知り合い、
協力するなど多くの新しいつながりを生みました。
・日本のガールスカウト運動 90 周年の際、ソーシャ
ルメディア上で国内のガールスカウト間の情報交
換が行われ、90 周年イベントを一層盛り上げまし
た。
・
「Facebook」では WAGGGS のグループやワールド
センターのグループも存在し、世界のガールガイ
ド・ガールスカウトが情報発信や情報交換を行っ
ています。
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2.ソーシャルメディアの危険性と対策
世界に向けて情報を発信できるソーシャルメディアは、公開してはいけない情
報をも世間に公開してしまう危険性を持っています。一度、ネット上で公開さ
れてしまった情報はいくらでも複製される可能性があり、取り消すことはでき
ません。
<ソーシャルメディア上で公開すべきでない情報例>
個人情報
住所・電話番号といった、スカ
ウトや自分自身、他の人々のプ
ライバシーに関わること
不適切な発言
誰かを傷つける発言や、誤解を
招くような不適切な情報
他人の著作物
自分以外の人が作成した画像や
写真、誰かの作成したレシピや
ニュース、歌詞など
守秘義務のあること
ガールスカウトの委員会で話し合
った内容など、業務上・職務上で
しか知り得ない情報
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(1)個人情報流出を防ぐ
会員自身やスカウトの個人情報を流出させないために、ソーシャルメデ
ィアの性質をきちんと理解し、対策を取った上で利用しましょう。
(ア)個人情報が特定できる情報を開示しない
・ソーシャルメディア上で許可なく他者の氏名や写真を公開したり、行
動を書き込んだりしてはいけません。何気ない書き込みでも、相手の
意図としない状況に発展する場合があります。
○○さんのプラ
昨日、私は○○
イバシーが漏れ
さんと××で
ているよ。
▲▲しました。
・広く情報を公開したいために不特定多数の閲覧に設定している場合、
顔写真や集会場所の所在地(特に個人宅などを利用する際)を公開し
ても問題ないか、確認してから載せましょう。
・メールアドレスも個人情報です。悪用される可能性があることを念頭
に置き、公開には注意しましょう。公開の必要がある場合には、個人
の連絡先ではなく、
「団体事務所」等のメールアドレスを使ったり、公
開用のフリーメールアドレス(普段使うアドレスとは別の無料で取得
できるアドレス)を使用したりするという方法もあります。
・イベント告知などの場合は、PR すべきことを明確にする反面、個人情
報を特定されたくない場合の記述方法を検討する必要があります。
<PR する内容例>
イベント名、イベントの内容、開催地、開催時間、参加費(有料(金額提
示)
、無料)、参加年齢対象、主催団体名、主催団体連絡先
(イ)SNS の場合、情報公開範囲を正しく設定する
・SNS ではプライバシー設定などで、個人情報の公開範囲(知人だけ、
仲間だけ、不特定多数の閲覧など)を制限することができます。機能
を理解し、情報公開範囲を正しく設定しましょう。
・SNS によっては、Facebook のように基本的に本名での登録が義務付け
られているものもあります。このような場合、直接知っている人、地
域は異なっても同じ団体に所属している人が安易に分かるので、1つ
の利点とも言えます。しかし、本名で登録することにより、まったく
見ず知らずの人が検索しても自分の本名が表示されることを理解して
登録しましょう。(Facebook の場合も、名前以外の情報は個別設定可能
です)
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(2)ガールスカウトのイメージ低下を防ぐ(不適切な発言をしない)
企業や組織のメンバーが不適切な発言をして、組織自体に批判が殺到す
る“炎上”と呼ばれる事例が多く発生しています。
<炎上した例>
 あるソーシャルメディアで勤務先を公開したことのある社員が、別
のブログや SNS で勤務先の店舗に訪れたお客様の悪口を書き込み、
勤務先への批判が殺到した。
 飲酒運転等、法律に違反する行為をしたことを SNS 等に書き込んだ。
 ホテルに勤務する従業員が、自分の勤務先に有名人が宿泊している
ことをソーシャルメディアに書き込んだ。
これらはソーシャルメディアから、組織の関係者であることがたどれる
状態で、
「友人」に伝える感覚で不適切な書きこみをして起きた事件です。
不適切な書き込み、とは、直接的な批判や悪口に限らず、「つまらない」
「面白くない」などといったネガティブな個人感情の露出も含みます。
あなたが発する一感情は、ガールスカウト全体を現す言葉として発信さ
れ、読み手に理解され、更に口コミとなりその他大勢に伝わってしまい
ます。組織に属する会員である以上、自分が発する言葉が果てにどのよ
うな形になって理解されるかを考慮し、責任を持った行動を心掛けてく
ださい。画面に向き合っていると見えなくなってしまいますが、あなた
の一言は、さまざまな考え方を持つ多くの人間に向けて発されているこ
とを忘れないで下さい。
ソーシャルメディアに接する際は、たとえ個人のブログやソーシャルメ
ディアであっても、自分はガールスカウトの会員であるということを常
に忘れず利用しましょう。そして、自分やスカウト、家族だけでなく他
人の情報も大切にし、人を傷つける内容を不用意にネットに流すことの
ないようにしましょう。
私は
言葉と行いに責任をもちます。
~おきて7~
いつもガールスカウトであるこ
とを忘れないでいましょうね。
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(3)著作権侵害を防ぐ
人が考え、作成したすべての作品に著作権が生まれます。誰かの撮影し
た写真、本や新聞記事、マーク、スカウトの書いた絵、歌まで、あらゆ
る作品が著作権を持っています。
インターネット上では、こうした他人の著作物を簡単にコピーできます。
しかしこれを無断で複製し、ソーシャルメディアに掲載すると、多くの
場合、著作権を侵害することになります。
<著作権を侵害しないための対策>
・SNS 上で自分が関心のある記事、ニュース、写真、動画その他の紹介
をする場合は、出典先をきちんと明記しましょう。
・ホームページなどで公開するイラストは、著作権に問題のないものを
選び、使用しましょう。
・パンフレットやホームページに掲載されているイラストやロゴだけを
勝手に切り取ったり、コピーしたりして使用してはいけません。必要
な場合はロゴやイラストの所持者に許可を得ましょう。
(4)守秘義務のある情報を守る
特定の立場だから知りえる情報は外部に漏らしてはいけません。情報の
取り扱いに慣れていると思っていても、簡単に書き込めるソーシャルメ
ディア上では、意識が低くなってしまいがちです。
例えば、ガールスカウト日本連盟における、理事会や常置委員会での話
し合いの内容は日本連盟の正式な決定や報告がされるまで、委員が個人
的に情報開示しないことが義務付けられています。個人のブログや SNS
で、楽しい集会の情報やクラフトのアイデアを公開することは問題あり
ませんが、理事会や委員会での進行中の議事に関する情報については公
開が禁じられています。
都道府県連盟の委員会についても規程等を参照し、守秘義務について確
認しましょう。
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(5)悪質な詐欺にあわないよう気をつける
電子メールやホームページ等で発生しているフィッシング詐欺(政府機
関や有名企業を装って偽造サイトに誘導するメールを送り付け、個人情
報を窃取する詐欺行為)や、不正請求はソーシャルメディア上でも同様
に存在します。十分に注意しましょう。
(ア)注意する点
・SNS で、業者名では登録せず、偽った個人名で「お友だち申請」
(マイ
ミク申請等…)が届く場合があります。
⇒全く知らない人、あるいは見極めができない場合は、むやみに承認し
ないことです。万が一承認してしまった場合は、承認を取り消すこと
ができますので、
「使用上の注意」
「設定変更」
「HELP」などの項目
を参考にしましょう。
・ソーシャルメディア内のコメント欄やメッセージ機能で(電子メール
アドレスを公開している場合は電子メールで)、さまざまな情報や案内
の書き込みがされたり、送られてきたりする場合もあります。そこに
はホームページなどのアドレスが記載されている場合があります。
⇒メールの内容やコメントの内容に身に覚えがない場合や、たとえ興味
あるものであっても、書き込み者や送信者が特定できない場合は、む
やみにホームページのアドレスをクリックしてはいけません。中には、
ウィルスに感染するものや、あるいはアダルトサイトへ繋がり、料金
請求画面になることがあります。また、この場合、相手に電話等で連
絡をしてはいけません。その後、執拗に電話がかかってくることがあ
ります。
(イ)もし詐欺にあってしまった場合
・アダルトサイトに繋がり、料金請求などがあった場合は、慌てずに画
面を閉じてください。相手が個人を特定することはできませんし、料
金を払う必要もありません。ワンクリック詐欺&ワンクリック契約と
いうもので、法律的に無効です。
・万が一、詐欺の相手と連絡をとってしまったり、その他の不正手段に
巻き込まれたりした場合には、慌てずに消費生活センターに相談して
ください。(消費者ホットライン:0570-064-370)
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~ソーシャルメディアのリスクを十分に理解して、安全に使用しましょう~
参考
・ガールスカウト日本連盟「インターネット上での注意事項」
http://www.girlscout.or.jp/sitemap/aboutsite/
・IT Pro「ソーシャルメディア」解説
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20080410/298686/
・IT 用語辞典 e-Words「ソーシャルメディア」解説
http://e-words.jp/w/E382BDE383BCE382B7E383A3E383ABE383A1E38387E382A
3E382A2.html
・国際協力キャリア総合情報サイト PARTNER「ソーシャルメディアの活用術」
http://partner.jica.go.jp/resource/1340870486000/MZ/interview2/index111.html
・STOP!架空請求!
http://www.anzen.metro.tokyo.jp/net/
・NEC ことはじめ・インターネット
http://www.nec.co.jp/literacy/basic/index.html
・e-ネットキャラバン 公式ウェブサイト
http://www.e-netcaravan.jp/index.html
・RICOH CLIP ART FACTORY
http://www.printout.jp/clipart/
以上
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