中華人民共和国

東アジア
1 主な地形を確認しよう
テンシャン山脈
アムール川
ゴビ砂漠
ホワンツー高原
クンルン山脈
タクラマカン砂漠
黄河
黄海
東シナ海
長江
スーチョワン盆地
チベット高原
チュー川
ユンコイ高原
南シナ海
2 主な都市を確認しよう
ペキン
首都、北緯40度
一番新しい直轄市
チョンチン
テンチン
首都の外港
マカオ
1999年ポルトガル
から返還
シャンハイ
人口1位,経済の中心
ホンコン
1997年イギリスから返還
された特別行政区
3 地形
(1)大地形と山脈
大シンアンリン山脈
テンシャン山脈
古期造山帯
クンルン山脈
安定陸塊
新期造山帯
チンリン山脈
(2)中国の地形起伏の特徴
(2)河川と地域区分の関係
④東北
①華北
②華中
③華南
4 気候
(1)ケッペンの気候区分
Bタクラマカン砂漠
周辺にBS
Bゴビ砂漠
北京周辺と
東北部にDw
周辺にCw
チベット高原にH
長江以南沿岸にCfa
A気候
ハイナン島
(2)主要都市の気候タイプを都市名の横に書こう
ウルムチ
BS
BS
ラサ
ペキン
Cw
H
クンミン
チンタオ
Cfa
シャンハイ
Cw
ホンコン
Cw
① BS D w ペキン
夏 10℃以上
冬-3℃未満
②
Cfa
シャンハイ
夏 22℃以上
a
冬 -3℃以上
f
③
BS
ウルムチ
④
H
H!
標高3,358m
ラサ
BS ?
⑤
Cw
チンタオ
最低気温が最低
⑥
Cw
ホンコン
⑦
Cw
クンミン
最高気温が最高 最低気温真ん中
標高1900m程で
年較差小
すべてCw 緯度による気候差に着目
5 中国に住む人々の生活
(1)中国の人口
…約
13.6
億(2011年(含む台湾))
世界総人口(約
70
億)の1/5
(2)人口対策
・・・人口増加策から抑制策へ
■1949年…【 中華人民共和国
】成立
「社会主義に人口過剰はない」(約5.5億)として
出生率上昇,死亡率低下
人口 急増
。
■その後・・・数回にわたる人口抑制策で
晩婚・晩産・少産の奨励
■1979年~【 一人っ子
】政策(1979年~)
出産は許可制、違反は罰金。
子供が一人の夫婦に優遇措置
→人口増加率は低下、合計特殊出生率 (2009年)も低下
※2.1前後で人口は平衡状態、中国(1.8(2009))
■一人っ子政策の問題
・男女比のアンバランス(【 女
】児比の減少)
・無戸籍児(「闇っ子」(ヘイハイズ))問題
・子供への過保護(「 小皇帝 」)など
・急速な【高齢化 】 → 労働力不足 や社会保障費の増加
■2013年~一人っ子政策の転換
・夫婦のどちらか一方が 一人っ子 なら第2子まで
出産を認める。
※以前より農村部の場合第一子が【 一人っ子 】の場合,
数年の間隔を開けて第2子を認めるところが多い。
6 民族
(1)民族構成
・・・・多民族(漢民族+
55 民族)から成る
①漢民族(92%)
・・・標準語は【
北京
】語※、 東部 の都市部に居住
②少数民族
・・・チョワン・チベット・ホイ・ウイグル・朝鮮族など55以
上の民族が、内陸の 高地・辺境地
に居住
【主要な少数民族居住区には 自治区 (省と同格)設置】
シンチャンウイグル自治区
内モンゴル自治区
ニンシヤホイ族自治区
北京
天津
上海
チベット自治区
重慶
コワンシーショワン族自治区
※直轄市
①内モンゴル自治区
モンゴル族(約17%)
【 チベット仏 】教・遊牧(馬・羊)
モンゴル語(アルタイ語族)モンゴル文字使用
②チベット自治区
チベット族(約92%) 【 チベット仏 】教
遊牧(ヤク・羊)・大麦栽培
③シンチャンウイグル自治区
ウイグル族( トルコ 系)(約45%)
【 イスラム(回) 】教
ウイグル語(アルタイ語族)
アラビア文字使用
遊牧(羊・ラクダ)・オアシス農業(綿花も(国内最大産地))
新疆(しんきょう)
④ニンシヤホイ族自治区
ホイ族(約33%)【イスラム(回) 】教
⑤コワンシーチョワン族自治区
チョワン族(約32%) 少数民族で 最大人口 。
社会・文化の両面にわたり、漢化が著しい。
→自治権拡大・独立を要求した抗議運動
・・・(【 チベット 】自治区・【 シンチャンウイグル】自治区)
6
政治・経済体制
(1)社会主義経済から市場経済への変遷
①社会主義経済
■1949年 中華人民共和国成立による 計画
・農業の【 集団 】化
経済導入
【 人民公社 】中心
・重工業重視の工業化
例)内陸部の軍需産業と三大鉄鋼コンビナート
( アンシャン ・パオトウ・ ウーハン )
■1960年中ソの対立→自力更生→【 ターチン 】油田の開発
(大慶)
2000年前後から原油生産は減退傾向にあり、天然ガ
スの生産にシフト
■その後・・・社会主義経済の問題が噴出
国有企業の非効率性
生産意欲の低下
■1966年~76年 文化大革命
名目上は中国で資本主義の復活を阻止する社
会運動だが、実際は毛沢東が復権するための大
規模な権力闘争
社会混乱
農業工業の伸び悩み
②【 市場 】経済(社会主義市場経済)導入と対外開放政策
■1970年代…台湾に変わり国連代表権獲得
アメリカ合衆国や日本と国交正常化
■1978年~社会主義経済の改革(富めるものから富め)
四つの近(現)代化(工 業・ 農業・国防・ 科学技術)]
経済効率が上昇
鄧小平
●国内
・個人農の創設(【 生産責任制 】(1980年~))
→人民公社の解体(1982年)→ 万元戸 の出現
・国有企業の民営化
・個人企業の創設→個人企業・【 郷鎮企業 】の認可
・価格の自由化
郷鎮における中小企業のこと
●国外
・海外資本・技術の導入
・2001年 世界貿易機関(【 WTO 】)加盟→
貿易の拡大(2009年現在、輸出入額合計世界
2位(米・中・ 日本 の順))
→大幅な貿易黒字と世界最大の外貨準備高
★中国,GDP世界 2
位に
③【 経済 】特区(1980年以降)
経済技術開発区(1984年以降)の設置
輸出指向型 工業→沿海開放都市の急速な工
業生産の伸び →21世紀の「 世界の工場 」
※汚職や環境問題・安全面・知的所有権などの問題
●経済特区(5つ)
・・・外国企業に開放(税制優遇)。明確に境界線が
あり中国本土と隔離。
華南の福建省・広東省に設置
・台湾・ホンコン・マカオとの近さ
・失敗した場合、国内工業の中心である北京からは
なれているため影響小さい
●経済技術開発区(上海・ターリエン(大連)など)
・・・国内企業にも開放され、南部だけでなく、内陸と沿
岸部全般に分布
④1989年 【 天安門
】事件
中国への投資や経済成長が一時鈍る
民主化を求めるデモ隊と軍や警察との衝突。多
数の死傷者を出した。
【 経済特区を確認しよう 】
※キーワードはお母さん「明日はシチューかい」
アモイ
シェンチェン
福建省
チューハイ
スワトウ
ハイナン島
広東省
8 13億をささえる中国の農業生産
耕地面積は都市化・砂漠化により【 減少 】傾向。ただ
し化学肥料投入により 土地生産性 は増加
(主な化学肥料の生産や消費は世界1位)
(1)農業の地域差
気温・降水量の地域差を反映
(復習)大地形と山脈
テンシャン山脈
大シンアンリン山脈
古期造山帯
クンルン山脈
安定陸塊
新期造山帯
チンリン山脈
Bタクラマカン砂漠
周辺にBS
Bゴビ砂漠
北京周辺と
東北部にDw
周辺にCw
チベット高原にH
長江以南沿岸にCfa
A気候
ハイナン島
500m
(2)農業地域
300mm
3000m
オアシス農業地域
(綿花)
西部内陸
砂漠
春
小
麦
地
域
1月-6℃
羊の放牧地域
冬小麦コウリャン
地域
750mm
チベット高原
1000mm
小麦・大麦栽培
ヤク・羊の放牧
南
西
水
稲
地
域
1月10℃
①農業地帯と遊牧・オアシス農業地帯
300mm
3000m
オアシス農業地域(綿花)
西部内陸
砂漠
羊の放牧地域
チベット高原
小麦・大麦栽培・ヤク・羊の放牧
遊牧・
オアシス農業地帯
農業地帯
②チンリン=ホワイ川線により農業地帯が二分
300mm
3000m
ホワイ川
砂漠
小麦地帯
チンリン山脈
米作地帯
750mm
③小麦地帯が1月-6℃線で二分
300mm
3000m
砂漠
春小麦
1月-6℃
750mm
④米作地帯が1000mm線,1月10℃線で三分
300mm
3000m
砂漠
1月-6℃
750mm
1000mm
1月10℃
⑤農業地域が,500m線で二分
300mm
3000m
自給的農業地域
砂漠
500m
春
小
麦
地
域
集約的農業地域
1月-6℃
冬小麦コウリャン
地域
750mm
1000mm
南
西
水
稲
地
域
1月10℃
(2)食料確保が課題
①小麦…世界最大の生産国だが、輸入もしている
②飼料穀物(大豆・とうもろこしなど)の不足
←【
肉
】類需要の増加
(3)食生活に見る文化の多様性
①中国の食生活
・・・熱い料理が好まれるが,地域の農業の特徴を反映
■北部
・・・小麦粉を使用した饅頭(マントウ)、麺類、
餃子(チャオツー)
■南部
・・・ 米 飯が主食(ビーフンなどの米粉を使
用した料理も)
②4つの中華料理
■【北京 】料理
羊肉など
■【上海 】料理
魚介類
■【広東 】料理
新鮮な野菜や海産物
■【四川 】料理
辛味や薬味
②都市部の食生活
・・・家族そろっての食事がかつての漢民族の習慣
であった
■朝食…自宅でとらず、食堂や屋台で簡単にすませる
人が多い
■昼食…勤務先の食堂でとる
9 中国の鉱工業
(1)鉱産資源
① 石油 の輸入の急増
80年代には、日本にも輸出していた。しかし,
その後の経済発展により輸入国へ。
■現在は世界第 3
位の輸入国
■日本との違いは、 アフリカ からの輸入が多いこ
とが特徴。
(特にアンゴラ、スーダン、リビアなど)
② レアメタル の産出
■タングステン ※2(約83%)や レアアース
%)など多くのレアメタルが産出される。
※3(約97
(2)工業(資料編)
中国が世界1位の主な工業製品
※プリントをよくみて覚えておくこと。
10 内陸部で進む開発
※一人あたりのGNI、3650ドル(2009年)の改善努力
(1)市場経済導入後の問題
①地域間格差の拡大
・・・【 農村】と【 都市 】、【 西部内陸地域 】と【
東部沿海地域 】の所得格差
② 民工潮 (かつては盲流)の都市への大量流出
ミンコンチアオ
(2)「【 西部大開発 】」の推進(2000年から)
←地域間格差解消のため
①「南水北調」(南の 水 を北に送る)
・・・長江から黄河流域に水を供給する
②「西電東送」(西の電気を東に送る)
→【サンシャ 】(三峡)ダム(世界最大の水力発電所)の建設
(2006年完成)
③「西気東輸」(西の天然ガスを東に送る)
④「青蔵鉄道」(鉄道を青海省からチベットへと繋ぐ)
青蔵鉄道(チベット鉄道)は、青蔵(中国青海省ゴル
ムドとチベット自治区のラサ)を結ぶ高原鉄道で全
長1,142km。
【鉱工業都市を中心とするおもな都市】
6 パオトウ
8 ラサ
7 チョウシュン
11 アンシャン
12 ウーハン
3シェンチェン
5 ターリエン
1 アモイ
福建省
4チューハイ
10マカオ
2 スワトウ
9ホンコン
広東省
11 生活の変化と新しい課題
(1)都市生活の変化
特に【 上海 】(2010年万博開催)、【 北京 】(2008年オ
リンピック開催)が契機
①都市生活の変化(1970年代末~)
・・・利益を求めた積極的な経済活動が増える
■個人経営店舗・高級ホテルの増加
→客へのサービスよくなる
■百貨店の豪華な飾り付け、欧米日のチェーン店(コン
ビニなど)の出店
■豊かな色彩の女性の服装が目立つようになる
②自動車の増加・・・自転車は車道から歩道へ
1980年代
現在
■自動車売り上げ・・・世界 1 位
■自動車生産・・・・・2009年より世界 1 位
■高速道路や高速鉄道も急速に整備され、
総延長距離は日本をすでに上回っている。
→問題も多いが…
12
変化に伴う課題
(1)所得の地域間格差…都市は高収入
■農村部からの流入人口の増大
都市 の膨張
(2)経済の自由化
文化や芸術、学問の自由化が遅れる
(3)共産党一党支配下の情報・マスメディアの政府統制
民主化や 人権 の問題
(4)化石エネルギーの大量使用(特に【 石炭 】)、自動
車の増加
環境
問題
(5)耐久消費財の普及
■旧4件(自動車、腕時計、ミシン、ラジオ)
■新6件
(テレビ、洗濯機、VTR、冷蔵庫、扇風機、カメラ)
13 今後の中国の動向と日本
(1)世界に広がる中国系住民
①沿海部( 広東 ・
福建 省など)の住民の移住
17世紀から東南アジアへ、以後米国西海岸・
ハワイなど世界各地へ
②【 華僑】・【華人 】・・・海外に居住する漢民族
(4000万人以上)
・団結力(同胞意識)が強く、中国の伝統を守る生活
世界各地にチャイナタウンをつくる(日本では
【 横浜 】・神戸・長崎)
・各地で経済的に成功し、貿易や投資に重要な役割
を果たす
14
日本との交流
(1)緊密な日中の経済関係(1980年代以降)
日本にとって第【 1 】位の輸出入国へ
(それまでは、長年【アメリカ 】が1位の輸出入国)
(2)人の交流…日中航空路の増設
かつてはペキン・シャンハイ・ホンコン間程度
現在は日本各地から中国各地へ直行便が
就航
15 これからの中国
(1)世界貿易機関( WTO
)加盟(2001年)
改革や開放の一層の推進
(2)政治的・経済的な発言力増大
13億の人口の巨大市場
BRICS
の一国
(3)食料・エネルギー・環境などの問題=解決を
望まれ、それはすでに地球的課題
・エネルギー源の70%以上を【 石炭 】に依存
→酸性雨の原因